(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】電池モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/262 20210101AFI20241011BHJP
H01M 50/264 20210101ALI20241011BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20241011BHJP
【FI】
H01M50/262 S
H01M50/262 M
H01M50/264
H01M50/209
(21)【出願番号】P 2022030611
(22)【出願日】2022-03-01
【審査請求日】2023-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小村 哲司
【審査官】山下 裕久
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-140762(JP,A)
【文献】特開2019-169381(JP,A)
【文献】国際公開第2021/024775(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/146238(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に配列された複数の電池セルを含む積層体と、
前記積層体の前記第1の方向の端部に設けられたエンドプレートと、
前記エンドプレートに締結され、前記積層体および前記エンドプレートを前記第1の方向に拘束する拘束部材と、
前記エンドプレートと前記拘束部材とを締結するボルトとを備え
、
前記ボルトは、前記第1の方向に沿って設けられ、
前記エンドプレートは、前記拘束部材に向けて開口する凹部を含み、
前記拘束部材は、前記凹部に連通する貫通孔を有し、
前記ボルトは、前記貫通孔および前記凹部を通過する第1部分と、前記第1部分の先端側に位置する第2部分とを含み、
前記ボルトの前記第1部分と前記貫通孔および前記凹部との間には隙間が形成され、前記ボルトの前記第2部分は前記エンドプレートに螺着され、
前記ボルトの前記第1部分の長さは、前記ボルトの首下長さの40パーセント以上である、電池モジュール。
【請求項2】
前記凹部の開口部は第1の径を有し、前記貫通孔は前記第1の径よりも大きい第2の径を有する、
請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記エンドプレートは第1の線膨張係数を有する素材からなり、前記拘束部材は前記第1の線膨張係数と異なる第2の線膨張係数を有する素材からなる、
請求項1または請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記エンドプレートはアルミニウムからなり、前記拘束部材は鉄からなる、
請求項3に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記電池セルは角形二次電池セルである、請求項1から
請求項4のいずれか1項に記載の電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2020-047573号公報(特許文献1)に記載されるとおり、電池セルの積層体の端部にエンドプレートを設け、積層方向に電池セルを拘束する拘束部材とエンドプレートとをボルトにより締結することが従来から行われている。
【0003】
特開2005-315387号公報(特許文献2)には、駆動側回転体と従動側回転体との固定部にボルトを用いることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-047573号公報
【文献】特開2005-315387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数の部材をボルトで締結するとき、たとえば複数の部材間の線膨張係数の違いなどにより、ボルトに対して撓み方向の荷重が作用し、ボルト座面に緩み方向の力が作用し得る。ボルトの緩みを抑制するために、螺合部分を長くすることにより、締結構造が大型化し得る。締結構造が大型化した場合、エンドプレートの厚みが増大し得るため、電池モジュールの大型化にも繋がる。
本技術の目的は、小型化が図られた電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術に係る電池モジュールは、第1の方向に配列された複数の電池セルを含む積層体と、積層体の第1の方向の端部に設けられたエンドプレートと、エンドプレートに締結され、積層体およびエンドプレートを第1の方向に拘束する拘束部材と、エンドプレートと拘束部材とを締結するボルトとを備える。エンドプレートは、拘束部材に向けて開口する凹部を含む。拘束部材は、凹部に連通する貫通孔を有する。ボルトは、貫通孔および凹部を通過する第1部分と、第1部分の先端側に位置する第2部分とを含む。ボルトの第1部分と貫通孔および凹部との間には隙間が形成され、ボルトの第2部分はエンドプレートに螺着される。ボルトの第1部分の長さは、ボルトの首下長さの40パーセント以上である。
【発明の効果】
【0007】
本技術によれば、適切な深さの凹部を形成することにより、エンドプレートと拘束部材の線膨張係数が異なる等に理由により拘束部材とエンドプレートとの間に当接面方向のずれが生じた場合にも、ボルトの撓みにより当該ずれを吸収できる。この結果、ボルトの首下長さを過度に大きくすることなくボルト軸力の低下を抑制できる。以上の結果として、小型化が図られた電池モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】電池モジュールに含まれる電池セルを示す斜視図である。
【
図3】電池モジュールに含まれる拘束部材を示す図である。
【
図4】エンドプレートと拘束部材の締結構造を電池セルの積層方向(第1の方向)から見た状態を示す図である。
【
図6】1つの実施の形態に係る締結構造の断面図である。
【
図7】
図6に示す締結構造が変形した状態を示す断面図である。
【
図8】ボルト周辺の構造を説明するための図である。
【
図10】変形例に係る締結構造が変形した状態を示す図である。
【
図11】凹部の深さとボルト座面に作用する反力との関係を示す図である。
【
図12】非締結部の長さとボルト首下長さとの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本技術の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。
【0010】
なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本技術の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本技術にとって必ずしも必須のものではない。また、本技術は、本実施の形態において言及する作用効果を必ずしもすべて奏するものに限定されない。
【0011】
なお、本明細書において、「備える(comprise)」および「含む(include)」、「有する(have)」の記載は、オープンエンド形式である。すなわち、ある構成を含む場合に、当該構成以外の他の構成を含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0012】
また、本明細書において幾何学的な文言および位置・方向関係を表す文言、たとえば「平行」、「直交」、「斜め45°」、「同軸」、「沿って」などの文言が用いられる場合、それらの文言は、製造誤差ないし若干の変動を許容する。本明細書において「上側」、「下側」などの相対的な位置関係を表す文言が用いられる場合、それらの文言は、1つの状態における相対的な位置関係を示すものとして用いられるものであり、各機構の設置方向(たとえば機構全体を上下反転させる等)により、相対的な位置関係は反転ないし任意の角度に回動し得る。
【0013】
本明細書において、「電池」は、リチウムイオン電池に限定されず、ニッケル水素電池など他の電池を含み得る。
【0014】
本明細書において、「電池セル」は、ハイブリッド車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)、プラグインハイブリッド車(PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、および電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)などに搭載可能である。ただし、「電池セル」の用途は、車載用に限定されるものではない。
【0015】
図1は、電池モジュール1(後述する拘束部材400は除く。)の斜視図である。
図1に示すように、電池モジュール1は、電池セル100と、セパレータ部材200と、エンドプレート300とを含む。
【0016】
電池セル100は、角形の電池セルであって、Y軸方向(第1の方向)に沿って複数設けられる。セパレータ部材200は、複数の電池セル100の間に設けられる。セパレータ部材200は、隣接する電池セル100の意図しない電気的導通を防止する。セパレータ部材200は、隣接する電池セル100の電気的絶縁性を確保する。エンドプレート300は、Y軸方向において電池セル100およびセパレータ部材200の積層体の両端に配置されている。エンドプレート300は、電池モジュール1を収納するケースなどの基台に固定される。
【0017】
図2は、電池セル100を示す斜視図である。
図2に示すように、電池セル100は、角形形状を有する。電池セル100は、電極端子110と、筐体120と、ガス排出弁130とを有する。
【0018】
電極端子110は、筐体120上に形成されている。電極端子110は、Y軸方向(第1の方向)に直交するX軸方向(第2の方向)に沿って並ぶ正極端子111および負極端子112を有する。正極端子111および負極端子112は、X軸方向において、互いに離れて設けられている。
【0019】
筐体120は、直方体形状を有し、電池セル100の外観をなしている。筐体120は、図示しない電極体および電解液を収容するケース本体120Aと、ケース本体120Aの開口を封止する封口板120Bとを含む。封口板120Bは、溶接によりケース本体120Aに接合される。
【0020】
筐体120は、上面121と、下面122と、第1側面123と、第2側面124と、2つの第3側面125とを有する。
【0021】
上面121は、Y軸方向およびX軸方向に直交するZ軸方向(第3の方向)に直交する平面である。上面121には、電極端子110が配置されている。下面122は、Z軸方向に沿って上面121に対向している。
【0022】
第1側面123および第2側面124の各側面は、Y軸方向に直交する平面からなる。第1側面123および第2側面124の各側面は、筐体120が有する複数の側面のうちで最も大きい面積を有する。第1側面123および第2側面124の各側面は、Y軸方向に見て、矩形形状を有する。第1側面123および第2側面124の各側面は、Y軸方向に見て、X軸方向が長手方向となり、Z軸方向が短手方向となる矩形形状を有する。
【0023】
複数の電池セル100は、Y軸方向に隣り合う電池セル100,100の間において、第1側面123どうし、第2側面124どうしが向かい合わせとなるように積層されている。これにより、複数の電池セル100が積層されるY軸方向において、正極端子111と負極端子112とが、交互に並んでいる。
【0024】
ガス排出弁130は、上面121に設けられている。ガス排出弁130は、電池セル100の温度が異常に上昇し(熱暴走)、筐体120の内部で発生したガスにより筐体120の内圧が所定値以上となった場合に、そのガスを筐体120の外部に排出する。
【0025】
図3は、拘束部材400を示す図である。
図3に示すように、拘束部材400は、2つのエンドプレート300を互いに接続する。複数の電池セル100、セパレータ部材200およびエンドプレート300の積層体に対してY軸方向の圧縮力を作用させた状態で拘束部材400をエンドプレート300に係合させ、その後に圧縮力を解放することにより、2つのエンドプレート300を接続する拘束部材400に引張力が働く。その反作用として、拘束部材400は、2つのエンドプレート300を互いに近づける方向に押圧する。
【0026】
図4は、エンドプレート300と拘束部材400の締結構造をY軸方向から見た状態を示す図である。なお、
図4および後述の
図5~
図10において、ボルト500の大きさは誇張して大きく図示され得る。
【0027】
図4に示すように、エンドプレート300と拘束部材400とは、ボルト500により締結される。ボルト500は、Z軸方向に複数(本実施の形態の例では2本)並んで設けられる。ボルト500は、Y軸方向に沿って設けられ、エンドプレート300と拘束部材400とを締結する。
【0028】
このように、電池モジュール1は、Y軸方向に配列された複数の電池セル100を含む積層体と、積層体のY軸方向の端部に設けられたエンドプレート300と、エンドプレート300に締結され、電池セル100、セパレータ部材200、およびエンドプレート300をY軸方向に拘束する拘束部材400と、エンドプレート300と拘束部材400とを締結するボルト500とを備える。
【0029】
図5は、参考例に係る締結構造の断面図である。
図5に示すように、拘束部材400は貫通孔410を有し、ボルト500は、貫通孔410を通過し、エンドプレート300に螺着される。
【0030】
たとえばエンドプレート300がアルミニウムからなり、拘束部材400が鉄からなる場合、両者の線膨張係数の違いにより、エンドプレート300と拘束部材400との界面にZ方向のずれが発生する。ボルト500は、エンドプレート300に螺着されているため、エンドプレート300と拘束部材400との界面にZ方向のずれが発生すると同時に、ボルト500の座面は拘束部材400とともに変位し、撓み力が発生する。この撓み力に対して、ボルト500座面と拘束部材400との間の界面に摩擦力(垂直抗力×摩擦力=軸力×界面の摩擦係数)が働くことで、拘束部材400とボルト座面との界面のずれをある程度抑えることができる。この撓み力(ずれ力)が摩擦力を越え、ボルト500座面と拘束部材400との界面がずれた場合、ボルト500の座面に対して緩みの回転力が発生し得る。ボルト500の緩みを抑制するために、軸力を上げ、摩擦力を高くすることが可能だが、同時にボルト500、エンドプレート300の螺着部の強度を確保することが必要となる。つまり、ボルト500の首下長さ(螺着長さ)を長くすることにより、締結構造が大型化し得る。
【0031】
図6は、本実施の形態に係る締結構造の断面図である。
図7は、
図6に示す締結構造が変形した状態を示す断面図である。
【0032】
図6,
図7に示すように、本実施の形態に係る締結構造において、エンドプレート300は、拘束部材400に向けて開口する凹部310を含み、ボルト500は、貫通孔410および凹部310を通過する第1部分510(非締結部)と、第1部分510の先端側に位置する第2部分520(締結部)とを含む。ボルト500の第1部分510と貫通孔410および凹部310との間には隙間が形成される。ボルト500の第2部分520はエンドプレート300に螺着される。
【0033】
1つの実施形態において、エンドプレート300は、第1の線膨張係数を有する素材からなる。拘束部材400は、第1の線膨張係数と異なる第2の線膨張係数を有する素材からなる。一例として、エンドプレート300はアルミニウムからなり、拘束部材400は鉄からなる。この場合、エンドプレート300の線膨張係数は拘束部材400の線膨張係数よりも大きい。具体的には、アルミニウムの線膨張係数は23μ/℃程度であり、鉄の線膨張係数は11.7μ/℃程度である。したがって、エンドプレート300の線膨張係数は、拘束部材400の線膨張係数の約2倍である。
【0034】
このように、エンドプレート300と拘束部材400との線膨張係数が異なる場合、電池モジュール1の使用時に温度変化が生じたときに、エンドプレート300と拘束部材400との間で変形量に違いが生じる。
【0035】
本実施の形態に係る締結構造においては、適切な深さの凹部310をエンドプレート300に形成することにより、エンドプレート300と拘束部材400との間に当接面方向のずれが生じた場合にも、
図7に示すようにボルト500の撓みにより拘束部材400とボルト500の座面と間の撓み力(ずれ力)を低下させ、当該ずれを抑えることができる。この結果、ボルト500の首下長さを過度に大きくすることなくボルト500の軸力の低下を抑制できる。
【0036】
図8は、ボルト500周辺の構造を説明するための図である。
図9は、変形状態のボルト500を示す図である。
【0037】
図8に示すように、凹部310の開口部は、第1の径(D1)を有する。第1の径(D1)は、以下の式(1)により求められる。
【0038】
第1の径(D1)≧ボルト直径+([エンドプレート300の線膨張係数]-[拘束部材400の線膨張係数])×[ボルト500の締結間距離]×[電池モジュール1使用時の目標温度差]×2=ボルト直径+線膨張量×2・・・(1)
【0039】
たとえば、エンドプレート300がアルミニウムからなり、拘束部材400が鉄からなる場合であって、ボルト500の締結間距離が70mm程度、目標温度差が45℃程度であるとすると、線膨張量は0.07mm程度となる。ボルト500の撓み量(
図9中のD)により上記線膨張量を吸収できるように第1の径(D1)が定められる。
【0040】
拘束部材400の貫通孔410は、第2の径(D2)を有する。
図8の例において、第2の径(D2)は、第1の径(D1)よりも大きい。第2の径(D2)は第1の径(D1)と略同じであってもよい。
【0041】
ボルト500の第1部分510の長さ(H)および第2部分520の長さ(L)は、ボルト500の締結力を確保しながらボルト500の首下長さ(H+L)を可能な限り短くできるように定められる。
【0042】
図10は、変形例に係る締結構造が変形した状態を示す図である。
図10に示すように、エンドプレート300の凹部310は、外側(ボルト500の頭側)に向かって径が広がるテーパ形状を有してもよい。
【0043】
エンドプレート300の凹部310および拘束部材400の貫通孔410は、Y軸方向から見たときに(X-Z平面上において)典型的には略円形形状を有する。ただし、凹部310および貫通孔410の形状はこれに限定されず、たとえばX軸方向よりもZ軸方向において長い形状を有してもよい。
【0044】
図11は、エンドプレート300の凹部310の深さと、温度変化による変形時にボルト500の座面に作用する緩み方向の反力との関係を示す図である。エンドプレート300にボルト500の第2部分520(締結部)が螺着され、ボルト500の座面が線膨張により拘束部材400とともに変位させられた結果、ボルト500に撓み力(ずれ力)が発生する。この撓み力(ずれ力)が拘束部材400とボルト500の座面との緩み方向の反力となる。
図11に示すように、凹部310の深さが10mm程度のときは、ボルト500の撓み部が短いため(剛性が高く)、温度変化による変形時にボルト500の座面に作用する緩み方向の反力が大きい。これに対し、凹部310の深さが20mm以上程度のときは、ボルト500の撓み部が長いため(剛性が低くなり)、温度変化による変形時にボルト500の座面に作用する緩み方向の反力が低下する。この結果、ボルト500の締結部分の過度な強度アップは不要となり、ボルト500の長さを短くすることが可能となる。したがって、ボルト500の首下長さ(H+L)を短くして、締結構造を小型化することが可能となる。
【0045】
図12は、非締結部の長さ(H)とボルト500の首下長さ(H+L)との関係を示す図である。
図12の例において、ボルト500の首下長さ(H+L)は、温度変化による変形を考慮して最低限必要なボルト500の締結力を確保できる第2部分520の長さを前提とするものである。
【0046】
図12に示すように、ボルト500の第1部分510の長さ(H)が、ボルト500の首下長さ(H+L)の40パーセント以上80パーセント以下程度(好ましくは、50パーセント以上70パーセント以下程度)である場合に、ボルト500の首下長さ(H+L)を全体として短くし得る。
【0047】
以上に説明したとおり、本実施の形態における電池モジュール1においては、適切な深さの凹部310を形成することにより、ボルト500の撓みを許容することができる。この結果、エンドプレート300と拘束部材400との線膨張係数が異なる等の理由によりエンドプレート300と拘束部材400との間に当接面(X-Z平面)方向のずれが生じた場合にも、ボルト500の撓みによりボルト500座面と拘束部材400との間のずれを防ぎ、ボルト500の緩み(軸力低下)を抑制することができる。
【0048】
以上、本技術の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本技術の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0049】
1 電池モジュール、100 電池セル、110 電極端子、111 正極端子、112 負極端子、120 筐体、120A ケース本体、120B 封口板、121 上面、122 下面、123 第1側面、124 第2側面、125 第3側面、130 ガス排出弁、200 セパレータ部材、300 エンドプレート、310 凹部、400 拘束部材、410 貫通孔、500 ボルト、510 第1部分、520 第2部分。