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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/12 20200101AFI20241011BHJP
   B60W 50/04 20060101ALI20241011BHJP
   B60W 50/02 20120101ALI20241011BHJP
   B60W 40/02 20060101ALI20241011BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20241011BHJP
【FI】
B60W30/12
B60W50/04
B60W50/02
B60W40/02
G08G1/16 C
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022059757
(22)【出願日】2022-03-31
(65)【公開番号】P2023150579
(43)【公開日】2023-10-16
【審査請求日】2022-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】加藤 大智
(72)【発明者】
【氏名】寺町 知峰
【審査官】鶴江 陽介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/230301(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0179115(US,A1)
【文献】特開2017-146817(JP,A)
【文献】国際公開第2018/138765(WO,A1)
【文献】特開2021-170364(JP,A)
【文献】特開2020-163927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00-60/00
G08G 1/00- 1/16
B62D 6/00- 6/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の周辺の状況を認識する認識部と、
前記認識部により認識された周辺の状況に基づいて、少なくとも前記自車両の操舵を自動で制御して分岐制御を行う制御部と、
を備え、
前記分岐制御は、前記自車両を前記自車両が走行する第1車線から逸脱しないように走行させる車線維持制御と、前記自車両を第1車線から分岐する第2車線に車線変更させる車線変更制御とを含み、
前記車線維持制御と前記車線変更制御とを実行して前記自車両が前記第1車線から前記第2車線に進行する計画である場合において、
前記制御部が、前記車線変更制御に基づいて前記自車両を前記第1車線から前記第2車線に車線変更させることを開始させた後、前記制御部が前記分岐制御を実行できない事象が発生したとき、ドライバの操作を阻害しないように前記車線維持制御と前記車線変更制御とを停止してドライバの操作に応じて前記自車両を制御し、
前記制御部は、
前記自車両が車線変更を開始する開始位置から所定距離手前に前記自車両が到達したとき、前記自車両を前記第1車線から前記第2車線に車線変更させるために前記自車両を減速させ、
前記減速させた後、且つ前記車線変更制御の開始前に、前記事象が発生した場合、前記事象が発生したときの前記自車両の速度を維持するように前記自車両の速度を制御し、且つ前記自車両が前記第1車線から逸脱しないように前記自車両を制御する、
制御装置。
【請求項2】
自車両の周辺の状況を認識する認識部と、
前記認識部により認識された周辺の状況に基づいて、少なくとも前記自車両の操舵を自動で制御して分岐制御を行う制御部と、
を備え、
前記分岐制御は、前記自車両を前記自車両が走行する第1車線から逸脱しないように走行させる車線維持制御と、前記自車両を第1車線から分岐する第2車線に車線変更させる車線変更制御とを含み、
前記車線維持制御と前記車線変更制御とを実行して前記自車両が前記第1車線から前記第2車線に進行する計画である場合において、
前記制御部が、前記車線変更制御に基づいて前記自車両を前記第1車線から前記第2車線に車線変更させることを開始させた後、前記制御部が前記分岐制御を実行できない事象が発生したとき、ドライバの操作を阻害しないように前記車線維持制御と前記車線変更制御とを停止してドライバの操作に応じて前記自車両を制御し、
前記車線維持制御と前記車線変更制御とを実行して前記自車両が前記第1車線から前記第2車線に進行する計画である場合において、
前記自車両が車線変更の開始位置に到達するまで、前記車線維持制御を実行して前記自車両が前記第1車線から逸脱しないように走行させて、
前記自車両が前記開始位置に到達した場合、前記車線変更制御を開始させて前記自車両を前記第1車線から前記第2車線に車線変更させ、
前記車線変更後、前記車線変更制御を停止して前記車線維持制御を実行して前記自車両が前記第2車線から逸脱しないように走行させ、
前記自車両に前記車線変更を開始させた後、前記制御部が前記分岐制御を実行できない事象が発生したとき、前記車線維持制御と前記車線変更制御とを停止させ、
予め設定された条件が満たされた場合、前記車線維持制御の停止を解除し、
前記予め設定された条件は、少なくとも以下の(A)と(B)と(C)とのうちいずれかであり、
(A)前記自車両が設定された位置に到達したことであり、(B)前記自車両が前記第2車線を所定距離走行したことであり、(C)前記自車両が前記第2車線を所定時間走行したことであり、
前記制御部は
前記(A)の条件を満たさず、上記の(B)または(C)の条件を満たして前記車線維持制御の停止を解除した場合、前記車線維持制御を再開させる、
制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記自車両が車線変更の開始位置に到達する前に、ドライバの操作に依らずに前記自車両の方向指示器を点灯させ、前記車線変更制御を開始させ、
前記車線変更させることを開始した後とは、前記方向指示器が点灯した後である、
請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記事象は、少なくとも以下の(1)と(2)と(3)とのうちいずれかであり、
(1)は、前記制御部が、前記自車両の位置を認識できないことであり、
(2)は、前記制御部が、前記認識部の認識の結果に基づいて前記第2車線または前記第2車線の状況を認識できないことであり、
(3)は、前記第2車線または前記第2車線付近における混雑度が閾値以上であることである、
請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記制御部が前記分岐制御を実行できない事象が発生したとき、前記車線維持制御と前記車線変更制御とを停止させると共に、前記事象が発生したときの前記自車両の速度を維持するように前記自車両の速度を制御する、
請求項1から4のうちいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記車線維持制御は、前記自車両のドライバが前記自車両のステアリングホイールを把持していない状態で実行可能であり、
前記車線変更制御は、前記ドライバが前記ステアリングホイ-ルを把持していることを条件に実行可能である、
請求項1から5のうちいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記自車両が車線変更の開始位置に到達したときに前記ドライバが前記ステアリングホイールを把持していない場合、前記車線維持制御に基づいて前記自車両が前記第1車線から逸脱しないように前記自車両を制御する、
請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
制御装置が、
自車両の周辺の状況を認識する処理と、
前記認識された周辺の状況に基づいて、少なくとも前記自車両の操舵を自動で制御して分岐制御を行う処理と、
前記分岐制御は、前記自車両を前記自車両が走行する第1車線から逸脱しないように走行させる車線維持制御と、前記自車両を第1車線から分岐する第2車線に車線変更させる車線変更制御とを含み、
前記車線維持制御と前記車線変更制御とを実行して前記自車両が前記第1車線から前記第2車線に進行する計画である場合において、
前記車線変更制御に基づいて前記自車両を前記第1車線から前記第2車線に車線変更させることを開始させた後、前記分岐制御を実行できない事象が発生したとき、ドライバの操作を阻害しないように前記車線維持制御と前記車線変更制御とを停止してドライバの操作に応じて前記自車両を制御する処理と、
前記自車両が車線変更を開始する開始位置から所定距離手前に前記自車両が到達したとき、前記自車両を前記第1車線から前記第2車線に車線変更させるために前記自車両を減速させ、
前記減速させた後、且つ前記車線変更制御の開始前に、前記事象が発生した場合、前記事象が発生したときの前記自車両の速度を維持するように前記自車両の速度を制御し、且つ前記自車両が前記第1車線から逸脱しないように前記自車両を制御する処理と、
を実行する制御方法。
【請求項9】
制御装置に、
自車両の周辺の状況を認識する処理と、
前記認識された周辺の状況に基づいて、少なくとも前記自車両の操舵を自動で制御して分岐制御を行う処理と、
前記分岐制御は、前記自車両を前記自車両が走行する第1車線から逸脱しないように走行させる車線維持制御と、前記自車両を第1車線から分岐する第2車線に車線変更させる車線変更制御とを含み、
前記車線維持制御と前記車線変更制御とを実行して前記自車両が前記第1車線から前記第2車線に進行する計画である場合において、
前記車線変更制御に基づいて前記自車両を前記第1車線から前記第2車線に車線変更させることを開始させた後、前記分岐制御を実行できない事象が発生したとき、ドライバの操作を阻害しないように前記車線維持制御と前記車線変更制御とを停止してドライバの操作に応じて前記自車両を制御する処理と、
前記自車両が車線変更を開始する開始位置から所定距離手前に前記自車両が到達したとき、前記自車両を前記第1車線から前記第2車線に車線変更させるために前記自車両を減速させ、
前記減速させた後、且つ前記車線変更制御の開始前に、前記事象が発生した場合、前記事象が発生したときの前記自車両の速度を維持するように前記自車両の速度を制御し、且つ前記自車両が前記第1車線から逸脱しないように前記自車両を制御する処理と、
を実行させるプログラム。
【請求項10】
制御装置が、
自車両の周辺の状況を認識する処理と、
前記認識された周辺の状況に基づいて、少なくとも前記自車両の操舵を自動で制御して分岐制御を行う処理と、
前記分岐制御は、前記自車両を前記自車両が走行する第1車線から逸脱しないように走行させる車線維持制御と、前記自車両を第1車線から分岐する第2車線に車線変更させる車線変更制御とを含み、
前記車線維持制御と前記車線変更制御とを実行して前記自車両が前記第1車線から前記第2車線に進行する計画である場合において、
前記車線変更制御に基づいて前記自車両を前記第1車線から前記第2車線に車線変更させることを開始させた後、前記分岐制御を実行できない事象が発生したとき、ドライバの操作を阻害しないように前記車線維持制御と前記車線変更制御とを停止してドライバの操作に応じて前記自車両を制御する処理と、を実行し、
前記車線維持制御と前記車線変更制御とを実行して前記自車両が前記第1車線から前記第2車線に進行する計画である場合において、
前記自車両が車線変更の開始位置に到達するまで、前記車線維持制御を実行して前記自車両が前記第1車線から逸脱しないように走行させて、
前記自車両が前記開始位置に到達した場合、前記車線変更制御を開始させて前記自車両を前記第1車線から前記第2車線に車線変更させ、
前記車線変更後、前記車線変更制御を停止して前記車線維持制御を実行して前記自車両が前記第2車線から逸脱しないように走行させ、
前記自車両に前記車線変更を開始させた後、前記分岐制御を実行できない事象が発生したとき、前記車線維持制御と前記車線変更制御とを停止させ、
予め設定された条件が満たされた場合、前記車線維持制御の停止を解除する処理と、を実行し、
前記予め設定された条件は、少なくとも以下の(A)と(B)と(C)とのうちいずれかであり、
(A)前記自車両が設定された位置に到達したことであり、(B)前記自車両が前記第2車線を所定距離走行したことであり、(C)前記自車両が前記第2車線を所定時間走行したことであり、
前記(A)の条件を満たさず、上記の(B)または(C)の条件を満たして前記車線維持制御の停止を解除した場合、前記車線維持制御を再開させる処理を実行する、
制御方法。
【請求項11】
制御装置に、
自車両の周辺の状況を認識する処理と、
前記認識された周辺の状況に基づいて、少なくとも前記自車両の操舵を自動で制御して分岐制御を行う処理と、
前記分岐制御は、前記自車両を前記自車両が走行する第1車線から逸脱しないように走行させる車線維持制御と、前記自車両を第1車線から分岐する第2車線に車線変更させる車線変更制御とを含み、
前記車線維持制御と前記車線変更制御とを実行して前記自車両が前記第1車線から前記第2車線に進行する計画である場合において、
前記車線変更制御に基づいて前記自車両を前記第1車線から前記第2車線に車線変更させることを開始させた後、前記分岐制御を実行できない事象が発生したとき、ドライバの操作を阻害しないように前記車線維持制御と前記車線変更制御とを停止してドライバの操作に応じて前記自車両を制御する処理と、を実行させ、
前記車線維持制御と前記車線変更制御とを実行して前記自車両が前記第1車線から前記第2車線に進行する計画である場合において、
前記自車両が車線変更の開始位置に到達するまで、前記車線維持制御を実行して前記自車両が前記第1車線から逸脱しないように走行させて、
前記自車両が前記開始位置に到達した場合、前記車線変更制御を開始させて前記自車両を前記第1車線から前記第2車線に車線変更させ、
前記車線変更後、前記車線変更制御を停止して前記車線維持制御を実行して前記自車両が前記第2車線から逸脱しないように走行させ、
前記自車両に前記車線変更を開始させた後、前記分岐制御を実行できない事象が発生したとき、前記車線維持制御と前記車線変更制御とを停止させ、
予め設定された条件が満たされた場合、前記車線維持制御の停止を解除する処理と、を実行させ、
前記予め設定された条件は、少なくとも以下の(A)と(B)と(C)とのうちいずれかであり、
(A)前記自車両が設定された位置に到達したことであり、(B)前記自車両が前記第2車線を所定距離走行したことであり、(C)前記自車両が前記第2車線を所定時間走行したことであり、
前記(A)の条件を満たさず、上記の(B)または(C)の条件を満たして前記車線維持制御の停止を解除した場合、前記車線維持制御を再開させる処理を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、種々の状況に配慮した持続可能な輸送システムを提供する取り組みが活発化している。この実現に向けて運転支援技術に関する研究開発を通して交通の安全性や利便性をより一層改善する研究開発に注力している。例えば、自動車線変更が中止されるときに、元車線に復帰できず且つ運転者が操舵を引き継ぎ可能な場合は、手動運転に移行し、元車線に復帰できず且つ運転者が操舵を引き継げない場合は、路肩等に退避して停止する制御を行う走行制御装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-189543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術において適用される制御は、ドライバにとって好適でない場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、ドライバにとってより好適な制御を実現することができる制御装置、制御方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。延いては持続可能な輸送システムの発展に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る制御装置、制御方法、およびプログラムは、以下の構成を採用した。
(1):この発明の一態様に係る移動体に搭載される制御装置は、自車両の周辺の状況を認識する認識部と、前記認識部により認識された周辺の状況に基づいて、少なくとも前記自車両の操舵を自動で制御して分岐制御を行う制御部と、を備え、前記分岐制御は、前記自車両を前記自車両が走行する第1車線から逸脱しないように走行させる車線維持制御と、前記自車両を第1車線から分岐する第2車線に車線変更させる車線変更制御とを含み、前記車線維持制御と前記車線変更制御とを実行して前記自車両が前記第1車線から前記第2車線に進行する計画である場合において、前記制御部が、前記車線変更制御に基づいて前記自車両を前記第1車線から前記第2車線に車線変更させることを開始させた後、前記制御部が前記分岐制御を実行できない事象が発生したとき、前記車線維持制御と前記車線変更制御とを停止させる。
【0007】
(2):上記(1)の態様において、前記制御部は、前記自車両が車線変更の開始位置に到達する前に、ドライバの操作に依らずに前記自車両の方向指示器を点灯させ、前記車線変更制御を開始させ、前記車線変更させることを開始した後とは、前記方向指示器が点灯した後である。
【0008】
(3):上記(1)または(2)の態様において、前記事象は、少なくとも以下の(1)と(2)と(3)とのうちいずれかであり、(1)は、前記制御部が、前記自車両の位置を認識できないことであり、(2)は、前記制御部が、前記認識部の認識の結果に基づいて前記第2車線または前記第2車線の状況を認識できないことであり、(3)は、前記第2車線または前記第2車線付近における混雑度が閾値以上であることである。
【0009】
(4):上記(1)-(3)のいずれかの態様において、前記車線維持制御と前記車線変更制御とを実行して前記自車両が前記第1車線から前記第2車線に進行する計画である場合において、前記制御部は、前記自車両が車線変更の開始位置に到達するまで、前記車線維持制御を実行して前記自車両が前記第1車線から逸脱しないように走行させて、前記自車両が前記開始位置に到達した場合、前記車線変更制御を開始させて前記自車両を前記第1車線から前記第2車線に車線変更させ、前記車線変更後、前記車線変更制御を停止して前記車線維持制御を実行して前記自車両が前記第2車線から逸脱しないように走行させる。
【0010】
(5):上記(4)の態様において、前記制御部は、前記自車両に前記車線変更を開始させた後、前記制御部が前記分岐制御を実行できない事象が発生したとき、前記車線維持制御と前記車線変更制御とを停止させ、予め設定された条件が満たされた場合、前記車線維持制御の停止を解除する。
【0011】
(6):上記(5)の態様において、前記予め設定された条件は、少なくとも以下の(1)と(2)と(3)とのうちいずれかであり、(A)前記自車両が設定された位置に到達したことであり、(B)前記自車両が前記第2車線を所定距離走行したことであり、(C)前記自車両が前記第2車線を所定時間走行したことである。
【0012】
(7):上記(6)の態様において、前記制御部は、前記(A)の条件を満たさず、上記の(B)または(C)の条件を満たして前記車線維持制御の停止を解除した場合、前記車線維持制御を再開させる。
【0013】
(8):上記(1)から(7)のいずれかの態様において、前記制御部は、前記制御部が前記分岐制御を実行できない事象が発生したとき、前記車線維持制御と前記車線変更制御とを停止させると共に、前記事象が発生したときの前記自車両の速度を維持するように前記自車両の速度を制御する。
【0014】
(9):上記(1)から(8)のいずれかの態様において、前記車線維持制御は、前記自車両のドライバが前記自車両のステアリングホイールを把持していない状態で実行可能であり、前記車線変更制御は、前記ドライバが前記ステアリングホイ-ルを把持していることを条件に実行可能である。
【0015】
(10):上記(9)の態様において、前記制御部は、前記自車両が車線変更の開始位置に到達したときに前記ドライバが前記ステアリングホイールを把持していない場合、前記車線維持制御に基づいて前記自車両が前記第1車線から逸脱しないように前記自車両を制御する。
【0016】
(11):上記(1)から(10)のいずれかの態様において、前記制御部は、前記自車両が車線変更を開始する開始位置から所定距離手前に前記自車両が到達したとき、前記自車両を前記第1車線から前記第2車線に車線変更させるために前記自車両を減速させ、前記減速させた後、且つ前記車線変更制御の開始前に、前記事象が発生した場合、前記事象が発生したときの前記自車両の速度を維持するように前記自車両の速度を制御し、且つ前記自車両が前記第1車線から逸脱しないように前記自車両を制御する。
【0017】
(12):本発明の他の態様に係る制御方法は、制御装置が、自車両の周辺の状況を認識する処理と、前記認識された周辺の状況に基づいて、少なくとも前記自車両の操舵を自動で制御して分岐制御を行う処理と、前記分岐制御は、前記自車両を前記自車両が走行する第1車線から逸脱しないように走行させる車線維持制御と、前記自車両を第1車線から分岐する第2車線に車線変更させる車線変更制御とを含み、前記車線維持制御と前記車線変更制御とを実行して前記自車両が前記第1車線から前記第2車線に進行する計画である場合において、前記車線変更制御に基づいて前記自車両を前記第1車線から前記第2車線に車線変更させることを開始させた後、前記分岐制御を実行できない事象が発生したとき、前記車線維持制御と前記車線変更制御とを停止させる処理と、を実行する。
【0018】
(13):本発明の他の態様に係るプログラムは、制御装置に、自車両の周辺の状況を認識する処理と、前記認識された周辺の状況に基づいて、少なくとも前記自車両の操舵を自動で制御して分岐制御を行う処理と、前記分岐制御は、前記自車両を前記自車両が走行する第1車線から逸脱しないように走行させる車線維持制御と、前記自車両を第1車線から分岐する第2車線に車線変更させる車線変更制御とを含み、前記車線維持制御と前記車線変更制御とを実行して前記自車両が前記第1車線から前記第2車線に進行する計画である場合において、前記車線変更制御に基づいて前記自車両を前記第1車線から前記第2車線に車線変更させることを開始させた後、前記分岐制御を実行できない事象が発生したとき、前記車線維持制御と前記車線変更制御とを停止させる処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0019】
(1)-(13)の態様によれば、ドライバにとってより好適な制御を実現することができる。例えば、前記車線維持制御と前記車線変更制御とが停止されることで、ドライバは違和感なく自車両を制御して分岐車線を自車両に走行させることができる。例えば、ドライバによる操作を阻害することなく、ドライバに制御を引き継ぐことができる。
【0020】
(2)の態様によれば、ドライバが方向指示器を操作する必要がないため、ユーザの利便性が向上する。
【0021】
(4)の態様によれば、事象が発生していない場合は、自車両は、ドライバの操作に依らずに滑らかに分岐車線へ進入し、進入後に安定した走行を実現することができる。
【0022】
(5)または(6)の態様によれば、予め設定された条件が満たされた場合、車線維持制御の停止が解除されるため、ユーザの利便性が向上する。
【0023】
(7)の態様によれば、車線維持制御の停止が解除されて、車線維持制御が再開されるため、分岐車線において安定した走行が実現される。
【0024】
(8)の態様によれば、事象が発生したときの速度が維持されるため、ドライバによる操作を阻害することを抑制することができる。
【0025】
(11)の態様によれば、事象が発生した場合であって、自車両の走行を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施形態に係る車両制御システムを利用した車両システム1の構成図である。
図2】分岐制御について説明するための図である。
図3】運転支援装置100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4】運転支援装置100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャート(その2)である。
図5】特定事象が発生した際の処理の概要について説明するための図である。
図6】操舵支援開始前に特定事象が発生した際の処理について説明するための図である。
図7】特定事象が発生した場合におけるタイミングチャートである。
図8】特定事象が発生した場合に運転支援装置100が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】操舵支援開始後に特定事象が発生した際の処理について説明するための図である。
図10】特定事象が発生した場合におけるタイミングチャートである。
図11】特定事象が発生した場合に運転支援装置100が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[全体構成]
図1は、実施形態に係る車両制御システムを利用した車両システム1の構成図である。車両システム1が搭載される車両は、例えば、二輪や三輪、四輪等の車両であり、その駆動源は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関、電動機、或いはこれらの組み合わせである。電動機は、内燃機関に連結された発電機による発電電力、或いは二次電池や燃料電池の放電電力を使用して動作する。
【0028】
車両システム1は、例えば、カメラ10と、レーダ装置12と、LIDAR(Light Detection and Ranging)14と、物体認識装置16と、通信装置20と、HMI(Human Machine Interface)30と、車両センサ40と、ナビゲーション装置50と、MPU60と、ドライバモニタカメラ70と、運転操作子80と、運転支援装置100と、走行駆動力出力装置200と、ブレーキ装置210と、ステアリング装置220とを備える。これらの装置や機器は、CAN(Controller Area Network)通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続される。図1に示す構成はあくまで一例であり、構成の一部が省略されてもよいし、更に別の構成が追加されてもよい。運転支援装置100は「制御装置」の一例である。
【0029】
カメラ10は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。カメラ10は、車両システム1が搭載される車両(以下、自車両M)の任意の箇所に取り付けられる。前方を撮像する場合、カメラ10は、フロントウインドシールド上部やルームミラー裏面等に取り付けられる。カメラ10は、例えば、周期的に繰り返し自車両Mの周辺を撮像する。カメラ10は、ステレオカメラであってもよい。
【0030】
レーダ装置12は、自車両Mの周辺にミリ波などの電波を放射すると共に、物体によって反射された電波(反射波)を検出して少なくとも物体の位置(距離および方位)を検出する。レーダ装置12は、自車両Mの任意の箇所に取り付けられる。レーダ装置12は、FM-CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式によって物体の位置および速度を検出してもよい。
【0031】
LIDAR14は、自車両Mの周辺に光(或いは光に近い波長の電磁波)を照射し、散乱光を測定する。LIDAR14は、発光から受光までの時間に基づいて、対象までの距離を検出する。照射される光は、例えば、パルス状のレーザー光である。LIDAR14は、自車両Mの任意の箇所に取り付けられる。
【0032】
物体認識装置16は、カメラ10、レーダ装置12、およびLIDAR14のうち一部または全部による検出結果に対してセンサフュージョン処理を行って、物体の位置、種類、速度などを認識する。物体認識装置16は、認識結果を運転支援装置100に出力する。物体認識装置16は、カメラ10、レーダ装置12、およびLIDAR14の検出結果をそのまま運転支援装置100に出力してよい。車両システム1から物体認識装置16が省略されてもよい。
【0033】
通信装置20は、例えば、セルラー網やWi-Fi網、Bluetooth(登録商標)、DSRC(Dedicated Short Range Communication)などを利用して、自車両Mの周辺に存在する他車両と通信し、或いは無線基地局を介して各種サーバ装置と通信する。
【0034】
HMI30は、自車両Mの乗員に対して各種情報を提示すると共に、乗員による入力操作を受け付ける。HMI30は、各種表示装置、スピーカ、ブザー、タッチパネル、スイッチ、キーなどを含む。HMI30は表示装置を備える。表示装置は、例えば、自車両Mのインストルメントパネルの中央部に設けられ、自車両Mの走行速度を表す速度計(スピードメータ)または自車両Mが備える内燃機関の回転数(回転速度)を表す回転速度計(タコメータ)など、自車両Mにおける種々の情報を表示させるディスプレイ装置、いわゆるマルチインフォメーションディスプレイである。
【0035】
車両センサ40は、自車両Mの速度を検出する車速センサ、加速度を検出する加速度センサ、鉛直軸回りの角速度を検出するヨーレートセンサ、自車両Mの向きを検出する方位センサ等を含む。
【0036】
ナビゲーション装置50は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機51と、ナビHMI52と、経路決定部53とを備える。ナビゲーション装置50は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置に第1地図情報54を保持している。GNSS受信機51は、GNSS衛星から受信した信号に基づいて、自車両Mの位置を特定する。自車両Mの位置は、車両センサ40の出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。ナビHMI52は、表示装置、スピーカ、タッチパネル、キーなどを含む。ナビHMI52は、前述したHMI30と一部または全部が共通化されてもよい。経路決定部53は、例えば、GNSS受信機51により特定された自車両Mの位置(或いは入力された任意の位置)から、ナビHMI52を用いて乗員により入力された目的地までの経路(以下、地図上経路)を、第1地図情報54を参照して決定する。第1地図情報54は、例えば、道路を示すリンクと、リンクによって接続されたノードとによって道路形状が表現された情報である。第1地図情報54は、道路の曲率やPOI(Point Of Interest)情報などを含んでもよい。地図上経路は、MPU60に出力される。ナビゲーション装置50は、地図上経路に基づいて、ナビHMI52を用いた経路案内を行ってもよい。ナビゲーション装置50は、例えば、乗員の保有するスマートフォンやタブレット端末等の端末装置の機能によって実現されてもよい。ナビゲーション装置50は、通信装置20を介してナビゲーションサーバに現在位置と目的地を送信し、ナビゲーションサーバから地図上経路と同等の経路を取得してもよい。
【0037】
MPU60は、例えば、推奨車線決定部61を含み、HDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に第2地図情報62を保持している。推奨車線決定部61は、ナビゲーション装置50から提供された地図上経路を複数のブロックに分割し(例えば、車両進行方向に関して100[m]毎に分割し)、第2地図情報62を参照してブロックごとに推奨車線を決定する。推奨車線決定部61は、左から何番目の車線を走行するといった決定を行う。推奨車線決定部61は、地図上経路に分岐箇所が存在する場合、自車両Mが、分岐先に進行するための合理的な経路を走行できるように、推奨車線を決定する。推奨車線決定部61は、例えば、自車両Mが進行する分岐路から所定距離手前に到達した場合、分岐路に接続する車線を推奨車線に決定する。推奨車線決定部61および第2地図情報62は、運転支援装置100などの他の装置に含まれる機能部または情報であってもよい。
【0038】
第2地図情報62は、第1地図情報54よりも高精度な地図情報である。第2地図情報62は、例えば、車線の中央の情報、或いは車線の境界の情報等を含んでいる。第2地図情報62には、道路情報、交通規制情報、住所情報(住所・郵便番号)、施設情報、電話番号情報などが含まれてよい。第2地図情報62は、通信装置20が他装置と通信することにより、随時、アップデートされてよい。
【0039】
ドライバモニタカメラ70は、例えば、CCDやCMOS等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。ドライバモニタカメラ70は、自車両Mの運転席に着座した乗員(以下、ドライバ)の頭部を正面から(顔面を撮像する向きで)撮像可能な位置および向きで、自車両Mにおける任意の箇所に取り付けられる。例えば、ドライバモニタカメラ70は、自車両Mのインストルメントパネルの中央部に設けられたディスプレイ装置の上部に取り付けられる。ドライバモニタカメラ70は、配置された位置から自車両Mのドライバを含む車室内を撮影した画像を、運転支援装置100に出力する。
【0040】
運転操作子80は、例えば、ステアリングホイール82の他、方向指示器の操作スイッチ、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー、その他の操作子を含む。運転操作子80には、操作量、或いは操作の有無を検出するセンサが取り付けられており、その検出結果は、運転支援装置100、もしくは、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220のうち一部または全部に出力される。ステアリングホイール82は、必ずしも環状である必要は無く、異形ステアリングホイールやジョイスティック、ボタンなどの形態であってもよい。ステアリングホイール82には、ステアリング把持センサ86が取り付けられている。
【0041】
ステアリング把持センサ86は、例えば、静電容量センサや圧電素子などにより実現される。ステアリング把持センサ86は、ドライバがステアリングホイール82を把持している状態か否かを検知する。把持とは、ドライバがステアリングホイールを握っている状態や、手がステアリングホイ-ルに接触し且つ所定度合以上の力がステアリングホイールに加えられている状態等である。
【0042】
ステアリング把持センサ86は、カメラにより撮像された画像に基づいて把持を検知したり、レーダ装置などの光学手法を用いて把持を検知したりするもの(センサとの接触を要しない手法)であってもよい。
【0043】
運転支援装置100は、例えば、認識部110と、ドライバ認識部120と、速度制御部130と、車線維持制御部140と、車線変更制御部150と、モード制御部160とを備える。認識部110と、ドライバ認識部120と、速度制御部130と、車線維持制御部140と、車線変更制御部150と、モード制御部160とは、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め運転支援装置100のHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体(非一過性の記憶媒体)がドライブ装置に装着されることで運転支援装置100のHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。速度制御部130と、車線維持制御部140と、車線変更制御部150と、モード制御部160とを合わせた機能構成は、「制御部」の一例である。
【0044】
認識部110は、カメラ10、レーダ装置12、およびLIDAR14から物体認識装置16を介して入力された情報に基づいて、自車両Mの周辺にある物体の位置、および速度、加速度等の状態を認識する。物体の位置は、例えば、自車両Mの代表点(重心や駆動軸中心など)を原点とした絶対座標上の位置として認識され、制御に使用される。物体の位置は、その物体の重心やコーナー等の代表点で表されてもよいし、領域で表されてもよい。物体の「状態」とは、物体の加速度やジャーク、或いは「行動状態」(例えば車線変更をしている、またはしようとしているか否か)を含んでもよい。
【0045】
認識部110は、例えば、自車両Mが走行している車線(走行車線)を認識する。例えば、認識部110は、第2地図情報62から得られる道路区画線のパターン(例えば実線と破線の配列)と、カメラ10によって撮像された画像から認識される自車両Mの周辺の道路区画線のパターンとを比較することで、走行車線を認識する。認識部110は、道路区画線に限らず、道路区画線や路肩、縁石、中央分離帯、ガードレールなどを含む走路境界(道路境界)を認識することで、走行車線を認識してもよい。この認識において、ナビゲーション装置50から取得される自車両Mの位置やINSによる処理結果が加味されてもよい。認識部110は、一時停止線、障害物、赤信号、料金所、その他の道路事象を認識する。
【0046】
認識部110は、走行車線を認識する際に、走行車線に対する自車両Mの位置や姿勢を認識する。認識部110は、例えば、自車両Mの基準点の車線中央からの乖離、および自車両Mの進行方向の車線中央を連ねた線に対してなす角度を、走行車線に対する自車両Mの相対位置および姿勢として認識してもよい。これに代えて、認識部110は、走行車線のいずれかの側端部(道路区画線または道路境界)に対する自車両Mの基準点の位置などを、走行車線に対する自車両Mの相対位置として認識してもよい。
【0047】
ドライバ認識部120は、ドライバモニタカメラ70により撮像された画像に基づいて、ドライバが所定の状態であるか否かを検知する。所定の状態とは、後述するハンズオフ車線維持制御を実行可能な状態である。ハンズオフとはドライバがステアリングホイールを把持していない状態であり、ハンズオンとはドライバがステアリングホイールを把持している状態である。ハンズオフ車線維持制御が実行可能な状態とは、ドライバが前方を監視している状態である。前方を監視とは、例えば、車両システム1による車両の制御からドライバによる車両の操作にドライバが迅速に引き継ぐことができるようにドライバが前方を監視していることである。前方を監視とは、例えば、ドライバの視線が前方を向いていることである。
【0048】
速度制御部130は、ドライバの操作に依らずに自動で走行駆動力出力装置200およびブレーキ装置210を制御して、自車両Mの速度を自動で制御する。速度制御部130は、いわゆるACC(Adaptive Cruise Control)を実行する。
【0049】
速度制御部130は、例えば、自車両Mの前方であって自車両Mから所定距離以内に他車両が存在しない場合、ドライバによって設定された速度や法定速度で自車両Mが移動するように、ドライバの操作に依らずに自動で走行駆動力出力装置200およびブレーキ装置210を制御する。
【0050】
速度制御部130は、例えば、自車両Mの前方であって自車両Mから所定距離以内に他車両が存在する場合、他車両に追従するように、ドライバの操作に依らずに自動で走行駆動力出力装置200およびブレーキ装置210を制御する。追従とは、自車両Mが、他車両の後方であって他車両から所定距離の位置を維持しながら走行することである。
【0051】
車線維持制御部140は、自車両Mが走行車線から逸脱しないようにステアリング装置220を制御する。例えば、車線維持制御部140は、認識部110が認識した走行車線の中央または中央付近を自車両Mが走行するようにステアリング装置220を制御する。以下、この制御を「車線維持制御」と称することがある。車線維持制御部140は、ハンズオン車線維持制御と、ハンズオフ車線維持制御とを実行する。
【0052】
ハンズオン車線維持制御は、ドライバがステアリングホイールを把持している状態(ステアリング把持センサ86がステアリングホイールの把持を検出している状態)で実行される制御である。ハンズオン車線維持制御が実行可能な条件は、ハンズオフ車線維持制御が実行可能な条件よりも緩い。例えば、ハンズオン車線維持制は、自車両Mの速度が所定速度以上であり、且つドライバが前方を監視していることを条件に実行される。
【0053】
ハンズオフ車線維持制御は、ドライバがステアリングホイールを把持していない状態(ステアリング把持センサ86がステアリングホイールの把持を検出していない状態)で実行される制御である。ハンズオフ車線維持制は、例えば、以下の条件を満たした場合に実行可能である。自車両Mの速度が所定速度以上であること、所定の道路(例えば予めハンズオフ車線維持制が実行可能であると設定された道路または道路の種別)を自車両Mが走行していること、およびドライバが前方を監視していることである。ドライバが前方を監視している場合にハンズオフ車線維持制御が実行され、ドライバが前方を監視していない場合はハンズオフ車線維持制御が実行されない、または停止する。
【0054】
上述したハンズオン車線維持制およびハンズオフ車線維持制御が実行可能な条件は、一例であり、他の条件(例えば、自車両Mが前走車両に追従していること)を含んだり、一部の条件が省略されたりしてもよい。ハンズオン車線維持制が実行可能な条件は、ハンズオフ車線維持が実行可能な条件よりも緩ければよい(ハンズオフ車線維持制が実行可能な条件は、ハンズオン車線維持が実行可能な条件よりも厳しければよい)。
【0055】
車線変更制御部150は、自車両Mを自動で車線変更させる。車線変更制御部150は、ハンズオフ車線維持制御が実行されている状態で、ドライバによって車線変更の指示がされた場合、自動で自車両Mを車線変更(ALC;オートレーンチェンジ)させる。車線変更の指示とは、方向指示器の操作スイッチの操作である。車線変更の指示は、方向指示器の操作スイッチの操作とは異なる操作であってもよい。例えば、所定の操作ボタンが押された場合、車線変更が行われてもよい。
【0056】
車線変更制御部150は、ハンズオフ車線維持制御が実行されている状態で、走行車線から目的地に向かうための分岐路にドライバが自車両Mを進入させる場合、自車両Mをオートレーンチェンジさせる。例えば、自車両Mが走行車線に走行し、走行車線と分岐路とが接続され、走行車線から分岐路に自車両Mが進入可能となった場合、車線変更制御部150が、自車両Mを走行車線から分岐路に車線変更させる。
【0057】
車線変更制御部150は、ハンズオフ車線維持制御が実行されている状態で、自車両Mの目的地が分岐車線方向に存在する場合にドライバの承認に基づいて、自車両Mを分岐車線へ車線変更させる。例えば、自車両Mが走行車線に走行し、走行車線から分岐車線に車線変更させる必要がある場合、運転支援装置100は、分岐車線へ車線変更することを提案する。ドライバが提案を承認すると、車線変更制御部150が、自車両Mを走行車線から推奨車線に自車両Mを車線変更させる。なお、ハンズオン車線維持制御が実行されている場合も、上記の車線変更が実行されてもよい。
【0058】
車線変更制御部150は、ドライバがステアリングホイールを把持していること(ステアリング把持センサ86がステアリングホイールの把持を検出していること)を条件に車線変更を実行する。車線変更制御部150は、ドライバがステアリングホイールを把持していることに加え、更に、例えば、以下の条件を満たした場合に、車線変更を実行する。
【0059】
条件は、例えば、車線変更先の車線に障害物が存在しないことや、車線変更を行う場合に周辺の他車両に干渉しないこと、車線変更の禁止区間でないこと(車線変更の禁止の道路標示や標識がないこと)、車線変更先の車線が認識されていること(実在していること)、車両センサ40により検出されたヨーレートが閾値未満であること、走行中の道路の曲率半径が所定値以上であることなどである。車線変更を実行する条件は、他の条件を含んでもよいし、一部の条件は省略されてもよい。
【0060】
モード制御部160は、運転支援装置100が実行するモードを設定したり、停止したりする。モード制御部160は、上述したハンズオフ車線維持制御や、ハンズオン車線維持制御、車線変更制御部150による車線変更(ALC)、速度制御部130が実行する制御(例えばACC)等の実行や停止を各制御部に指示して、運転支援装置100が実行するモードを制御する。モード制御部160は、上記の各制御部が実行する制御を組み合わせ、将来の自車両Mの走行予定に応じた制御を実現する。モード制御部160は、例えば、自車両Mが分岐車線(分岐路)を走行して目的地に向かう場合、後述する図2に示すように、分岐のレコメンドや、減速アプローチ、車線変更制御部150による車線変更(操舵支援による車線変更)、車線変更がされた後に車線維持制御および速度制御などを行う。以下、分岐のレコメンドがドライバによって承認された後の制御を「分岐制御」と称することがある。
【0061】
走行駆動力出力装置200は、車両が走行するための走行駆動力(トルク)を駆動輪に出力する。走行駆動力出力装置200は、例えば、内燃機関、電動機、および変速機などの組み合わせと、これらを制御するECUとを備える。ECUは、運転支援装置100から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、上記の構成を制御する。
【0062】
ブレーキ装置210は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、ブレーキECUとを備える。ブレーキECUは、運転支援装置100から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じたブレーキトルクが各車輪に出力されるようにする。
【0063】
ステアリング装置220は、例えば、ステアリングECUと、電動モータとを備える。電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更する。ステアリングECUは、運転支援装置100から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、電動モータを駆動し、転舵輪の向きを変更させる。
【0064】
[分岐制御(その1)]
図2は、分岐制御について説明するための図である。自車両Mが目的地に向かうための経路は、車線L1を走行して、車線L1に接続する分岐車線L2(分岐路)に車線変更して分岐車線L2を走行する経路である。自車両Mは、ACCおよびハンズオフ車線維持制御で車線L1を走行しているものとする。
【0065】
時刻Tにおいて、モード制御部160は、HMIを用いて、分岐のレコメンドをドライバに通知する。例えば、走行車線L1が分岐車線L2に接続する基準位置Pから所定距離手前で、分岐のレコメンドがされる。分岐のレコメンドとは、例えば、自車両Mの速度および操舵が自動で制御されて分岐車線L2に進入する分岐制御のレコメンドである。
【0066】
時刻T+1において、分岐のレコメンドに応じて、ドライバがレコメンドを承認すると、モード制御部160は、表示部の第1領域に画像A1を表示させ、第2領域に画像A2に表示させ、第3領域に画像A3を表示させる。所定のボタンが操作されると、モード制御部160は、分岐のレコメンドの承認がされたと認識する。所定のボタンの操作に加え(または代えて)、ハンズオンがされた場合にレコメンドの承認がされたと認識してもよい。
【0067】
第1領域と、第2領域と、第3領域とは異なる表示部(表示装置)であってもよいし、一つの表示部の中の異なる領域であってもよい。例えば、第1領域と、第2領域と、第3領域とは、例えば、運転席の正面に設けられたマルチインフォメーションディスプレイにおける異なる領域であってもよい。第1領域に表示される画像は、例えば、ドライバに自車両Mの状態を通知するインジゲータに対応する画像である。
【0068】
画像A1、画像A2、および画像A3は、承認を受け付けたに応じて表示される画像である。画像A1は、例えば、分岐車線L2へ車線変更することをレコメンドする画像である。画像A2は、例えば、ドライバの承認よって分岐車線L2への車線変更を受け付けたこと、ドライバが所定のボタンを操作すると車線変更を中止できること、および画像A1を含む画像である。画像A2には、自車両Mが分岐制御によって終了位置Eに到達した場合、運転支援が終了ことを示す情報が含まれてもよい。画像A3は、例えば、自車両Mの周辺の状況、および自車両Mの将来の走行軌道を含む画像である。自車両Mの周辺の状況とは、例えば、車両システム1が検知している他車両や、道路区画線などの情報を示す画像である。
【0069】
時刻T+2において、モード制御部160は、速度制御部130に減速アプローチを開始させる。減速アプローチとは、自車両Mが分岐車線L2に進入するために速度を調整する制御である。減速アプローチは、基準位置Pから所定距離手前で開始される。減速アプローチは、道路の構造や、自車両Mの速度によって任意に設定されてよい。例えば、自車両Mが、所定度合以上の減速を行わずに滑らかに走行車線L1から分岐車線L2に車線変更できるように減速アプローチが実行される。
【0070】
時刻T+3において、モード制御部160は、方向指示器を点灯させる。その後、モード制御部160が車線変更制御部150に車線変更の指示を行い、車線変更制御部150が、自車両Mを走行車線L1から分岐車線L2に車線変更させる。すなわち、分岐のための操舵支援が開始される。ハンズオンが承認の条件でない場合、操舵支援の開始前、ドライバに対してステアリングホイールの把持を要求する通知がされ、ドライバがステアリングホイールを把持した場合、車線変更が実行される。方向指示器は、基準位置Pから所定距離手前や、基準位置Pにおいて点灯する。
【0071】
車線変更制御部150が、その後、自車両Mを車線変更させる。車線変更が完了した後、ハンズオン車線維持制御(またはハンズオフ車線維持制御)および速度制御が実行され、自車両Mは、ドライバの操作に依らずに分岐車線L2内を適切な速度で走行する。
【0072】
自車両Mが終点位置Eに到達すると、モード制御部160は、速度制御部130、車線維持制御部140、車線変更制御部150の制御を停止させる。終点位置Eは、例えば、導流体(ゼブラゾーン)の始点など任意の位置である。自車両Mが終点位置Eに到達した場合、ドライバが手動運転を行って(アクセルペダル、ブレーキペダル、およびステアリングホイールをドライバが操作して)自車両Mを制御する。
【0073】
上記の例では、前走車両を考慮していなかったが、前走車両が存在する場合、前走車両の速度や自車両Mと前走車両との距離が考慮され、減速アプローチが実行される。
【0074】
上記のように、運転支援装置100が、上述した分岐制御を行って、自車両Mを走行車線L1から分岐車線L2に車線変更させる。これにより、ドライバの操作に依らずに自車両Mは分岐車線L2に進入する。
【0075】
[フローチャート(その1)]
図3は、運転支援装置100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャート(その1)である。本処理は、ACCおよびハンズオフ車線維持制御が実行され、自車両Mが走行車線L1を走行し、且つ分岐車線L2に進入する計画である場合に実行される。
【0076】
まず、モード制御部160は、分岐のレコメンドのタイミングであるか否かを判定する(ステップS100)。分岐のレコメンドのタイミングである場合、モード制御部160は、分岐のレコメンドを通知する(ステップS102)。次に、モード制御部160は、ドライバによってレコメンドが承認されたか否を判定する(ステップS104)。所定時間または自車両Mが車線変更の準備を開始する位置に到達するまで承認が行われない場合、モード制御部160は、ハンズオフ車線維持制御を継続する(ステップS106)。
【0077】
レコメンドが承認された場合、モード制御部160は、速度制御部130に減速アプローチを実行させる(ステップS108)。次に、モード制御部160は、HMI30を用いてハンズオンをドライバに要求する(ステップS110)。次に、モード制御部160は、ステアリング把持センサ86の検出結果に基づいて、ドライバがハンズオンを行ったか否かを判定する(ステップS112)。ステップS110の要求が開始されてから所定時間以内にドライバがハンズオンを行っていない場合、ステップS106の処理に進む。なお、ハンズオンは、ステップS104の承認の条件とされてもよい。この場合、ステップS110およびステップS112の処理は省略され、承認ボタンが操作され、且つハンズオンがされた場合、に減速アプローチが開始される。
【0078】
ステップS110の要求が開始されてから所定時間以内にドライバがハンズオンを行った場合、モード制御部160は、方向指示器を点灯させる(ステップS114)。次に、モード制御部160は、自車両Mを走行車線L1から分岐車線L2に車線変更させる(ステップS116)。モード制御部160は、自車両Mに車線変更を開始させる。例えば、モード制御部160は、自車両Mを分岐車線L2に近づけたり、自車両Mの向きを分岐車線L2の方に向けたりする。
【0079】
次に、モード制御部160は、車線変更が完了した後、車線維持制御を実行する(ステップS118)。例えば、モード制御部160は、自車両Mが分岐車線L2の中央または中央付近に位置した場合、車線変更が完了したと判定する。そして、モード制御部160は、ハンズオン車線維持制御(またはハンズオフ車線維持制御)を実行して、自車両Mが分岐車線L2から逸脱しないように自車両Mを制御する。例えば、車線変更を開始する場合、車線維持制御は停止せず、車線維持制御よりも車両変更制御が優先されて実行され、車線変更が完了すると、車線変更制御が停止して、車線維持制御が実行される。
【0080】
次に、モード制御部160は、分岐制御の終了の条件を満たしたか否かを判定する(ステップS120)。分岐制御の終了の条件が満たされた場合、モード制御部160は、分岐制御、すなわち運転支援(操舵および加減速の制御の支援)を終了する(ステップS122)。これにより本フローチャートの1ルーチンの処理が終了する。なお、上記の処理の順序は変更されてもよいし、一部の処理は省略されたり、他の処理が追加されたりしてもよい(他のフローチャートでも同様)。
【0081】
分岐制御の終了の条件とは、上述したように、自車両Mが終了位置Eに到達したことや、予め定められた位置に自車両Mが到達したことである。この場合、運転支援が終了する。
【0082】
上記のように、運転支援装置100は、滑らかに分岐車線L2に自車両Mを車線変更させることができる。これによりユーザの利便性が向上する。
【0083】
以下、分岐制御において、特定事象が発生した場合の処理について説明する。
【0084】
[フローチャート(その2)]
図4は、運転支援装置100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャート(その2)である。まず、モード制御部160は、特定事象が発生したか否かを判定する(ステップS200)。特定事象が発生した場合、後述する図8のステップS300、図11のステップS400の処理を実行する(ステップS202)。
【0085】
特定事象とは、例えば、以下の(1)、(2)、(3)の何れかである。(1)-(3)は一例であり、特定事象は他の事象を含んでもよい。
(1)は、自己位置が不定であることである。精度の高い自車両Mの位置情報が取得できない場合、特定事象が発生したとみなされる。例えば、運転支援装置100が、地図情報を取得することができなったり、自車両Mの位置が把握することができなかったりした場合、特定事象が発生したとみなす。
【0086】
(2)は、カメラ10や他のセンサなどによる周辺の認識に対する限界により、分岐退出の判断ができないことである。例えば、分岐車線L2が認識できなかったり、分岐車線L2またはその周辺が十分に認識できなかったりする場合、特定事象が発生したとみなされる。
【0087】
(3)は、分岐車線または分岐車線付近で渋滞が発生していることである。例えば、分岐車線または分岐車線付近(例えば路側帯)で車両が列を成していたり、前走車両の速度が所定度合以上低下したりした場合、特定事象が発生してみなされる。
【0088】
[特定事象が発生した際の処理の概要]
図5は、特定事象が発生した際の処理の概要について説明するための図である。操舵支援開始前に特定事象が発生した場合、加速の抑制がされ、且つ走行車線(車線変更前の車線)で車線維持制御が実行される。操舵支援開始後に特定事象が発生した場合、加速の抑制がされ、且つ車線維持制御が中断される。
【0089】
操舵支援開始前とは、車線変更制御部150が自車両Mを車線変更させることを開始する前である。操舵支援開始前とは、例えば、自車両Mが車線変更のために移動する前である。操舵支援開始前とは、例えば、自車両Mが車線変更するために横移動を開始する前である。
【0090】
以下の説明では、操舵支援の開始前と操舵支援の開始後とに特定事象が発生した場合について説明するが、これに代えて、方向指示器の点灯が車線変更の開始とみなし、方向指示器を点灯させる前と、方向指示器を点灯させた後とに特定事象が発生した場合に同様の処理を行ってもよい(操舵支援開始前を方向指示器点灯前と読み替え、操舵支援開示後を方向指示器点灯後と読み替えてもよい)。更に、これらに代えて、所定の条件を満たす前または後に特定事象が発生した場合に、同様の処理が行われてよい。所定の条件とは、例えば、幅方向に関して自車両Mが分岐車線L2から所定距離以内に近づいたことや、自車両Mが分岐車線L2上に到達したことなどである。
【0091】
なお、分岐のレコメンドがされた後に特定事象が発生した場合は分岐のレコメンドが取り消され、分岐のレコメンドが承認された後に特定事象が発生した場合は承認および分岐制御が取り消される。
【0092】
[操舵支援開始前に特定事象が発生した際の処理]
図6は、操舵支援開始前に特定事象が発生した際の処理について説明するための図である。図2との相違点を中心に説明する。
【0093】
時刻T+2において減速アプローチが開始された後、且つ操舵支援が開始される前に特定事象が発生した場合、モード制御部160は、ハンズオフ車線維持制御を継続しつつ加速の抑制を開始する。ドライバが加速の抑制を解除する意思を示していない場合は加速の抑制が継続され、ドライバが加速の抑制を解除する意思を示した場合は加速の抑制が解除される。
【0094】
例えば、以下の条件を満たした場合に、加速の抑制が解除される。以下の条件が満たされた場合、ドライバ自身が速度を制御する意思を有すると推定される挙動であるため加速の抑制が解除される。
【0095】
(1)ACCをオフ状態にするためのスイッチ操作がされたこと。この操作がされた場合、加速の抑制の解除の意思があるとみなされるためである。
(2)ドライバによってブレーキペダルが操作されたこと。例えば、所定度合の踏み込み量でドライバがブレーキペダルを操作したこと(ACCがオフ状態に制御されるブレーキペダルの踏み込み量でブレーキペダルが操作されたこと)。
(3)ドライバによってアクセルペダルが操作されたこと。例えば、所定度合の踏み込み量でドライバがアクセルペダルを操作した場合、加速の意思が有ると推定されるためである。
(4)ACCの設定速度を増加方向に設定する操作がされたこと。例えば、設定速度を80km/hから85km/hにドライバが設定したこと。設定速度の減少方向への操作は、ドライバによる加速意志でないので、加速の抑制が継続される。
(5)車両システム1がACCをオフ状態に制御したこと。例えば、ドライバが手動運転を行って手動運転モードに遷移した場合、加速の抑制が解除され、ACCがオフ状態となる。ドライバが所定の操作を行ってACCを再設定することが可能であるが、減速アプローチの開始から自車両Mが分岐車線L2に到達するまでは短い時間であり、再設定時には分岐車線への車線変更が完了していると推定される。このため、(5)の条件が満たされた場合に加速の抑制が解除されても支障が生じないと考えられる。
【0096】
なお、自車両Mが終了位置Eに到達した場合、運転支援は終了してもよいし、継続してもよい。例えば、終了位置Eの先に所定の道路構造(例えばジャンクション)などが存在する場合、運転支援は継続してもよい。自車両Mが終了位置Eに到達した場合、加速の抑制が解除されてもよいし、継続されてもよい。例えば、自車両Mが終了位置Eに到達し、運転支援が終了した場合は、加速の抑制が解除され、自車両Mの速度はドライバの操作によって制御される。例えば、ドライバが速度を制御しない場合、自車両Mは加速の抑制が解除されたときの速度から減速する。分岐位置Eの先に、ジャンクション(道路の分岐や合流、接続など)が存在し、運転支援が継続する場合は、加速の抑制は継続される。自車両Mが車線変更せずに走行車線L1を走行している場合も、終了位置Eにおいて運転支援が終了し、加速の抑制が解除されてもよいし、ACCによる速度制御と車線維持制御との一方または双方が再開されてもよい。
【0097】
上記のように、運転支援装置100は、操舵支援開始前に特定事象が発生した場合も、ドライバによる操作を阻害せず、自車両Mの状態が安定するように自車両Mを制御することができる。
【0098】
上記のタイミングで特定事象が発生した場合、モード制御部160は、車両システム1による車線変更を中止すること場合に示す画像B1、B2、B3を表示部に表示させ、その後、加速の抑制が実行されている場合に示す画像C1、C2、C3を表示部に表示させる。画像B1、C1は、例えば、第1領域に表示され、画像B2、C2は、例えば、第2領域に表示され、画像B3、C3は、例えば、第3領域に表示される。
【0099】
画像B1は、車両システム1による車線変更のレコメンドはされてない状態であり、且つドライバの操作によって車線変更が可能であることを示す画像である。画像B1が表示されている場合、ドライバが方向指示器の操作スイッチを操作すれば車線変更制御部150による車線変更が可能である。画像B2は、車両システム1が車線変更を中止したことを示す画像である。画像B3は、例えば、自車両Mの周辺の状況(車両システム1が検知している他車両や、道路区画線)を示す画像である。画像B1、B2、B3の画像が表示されるタイミングで、例えば、車両システム1による車線変更が中止されることを示す中止音がドライバに対して出力される。
【0100】
画像C1、C2、C3は、ドライバが加減速の操作(テイクオーバ)を行っていない場合に表示部に表示される画像である。画像C1は、画像B1と同様の画像であり、画像C2は、アクセルペダルを操作することで加速の抑制を解除できることを示す画像であり、画像C3は、例えば、自車両Mの周辺の状況(車両システム1が検知している他車両や、道路区画線)を示す画像である。なお、上記の画像は、一例であり、他の画像が表示されてもよい。
【0101】
上記のタイミングで特定事象が発生した場合、モード制御部160は、加速の抑制を実行すると共に、制御に応じた画像をドライバに提供する。これによりユーザの利便性が向上する。
【0102】
図7は、特定事象が発生した場合におけるタイミングチャートである。以下の説明では、時刻T+3において、特定事象が発生したものとする。時刻T+2において、減速アプローチが開始される際に経路誘導実施要求が成立し、分岐車線L2に進入するための処理を開始する。例えば、運転支援装置100は、走行車線L1から分岐車線L2に進入するための軌道を生成し、方向指示器を点灯させるタイミングや、車線変更を開始するタイミングなどを含む計画を生成する。時刻T+3までは、ALC経路誘導(車線変更するための経路を自車両Mに走行させる制御)およびハンズオフ車線維持制御が実行される。例えば、車線維持制御部140および車線変更制御部150が稼働している状態である。
【0103】
時刻T+3までは、第1領域に分岐制御が実行されていることを示す画像が表示され、第2領域に分岐退出、およびその後運転支援が終了する予告メッセージが表示され、第3領域に画像B3が表示される。
【0104】
本タイミングチャートでは、方向指示器は消灯しており、ステアリング駆動はハンズオフ車線維持制御が行われている状態である。時刻T+2において、車速は、ACCにおいて設定された車速から分岐路の目標車速に近づくように減速する。分岐路に進入するための車速合わせが実施される。分岐路の目標車速は、分岐路の長さに依存する速度である。例えば、分岐路が短いほど、目標車速は小さく、分岐路が長いほど、目標車速は大きくてもよい。
【0105】
時刻T+3において、特定事象が発生すると、経路誘導実施要求が非成立となり、分岐制御の抑制条件が成立する。これにより、ALC経路誘導がオフ状態となり、車線変更制御部150がオフ状態となる。車線維持制御部140の稼働は継続する。
【0106】
時刻T+3において、分岐制御が実行されていることを示す画像が消去され、第2領域に車線変更を中止することを示すメッセージが表示され、第3領域に画像B3が表示される。
【0107】
時刻T+3において、方向指示器は消灯しており、ステアリング駆動はハンズオフ車線維持制御が行われている状態である。時刻T+3において通知音が出力される。時刻T+3および時刻T+3以降において、車速は、特定事象が発生した際の車速が維持される。つまり加速が抑制される。このとき、自車両Mよりも遅い前走車両が存在する場合は、自車両Mと前走車両との距離が所定距離以上になるように、自車両Mの速度が制御される。自車両Mよりも速い前走車両が存在する場合は、加速が抑制されるため、前走車両と自車両Mとの距離は長くなる。
【0108】
自車両Mが分岐車線L2または分岐車線L2付近に到達し、自車両Mを分岐車線L2に車線変更させるようにドライバがステアリングホイールを操作した場合、自車両Mは分岐車線L2に進入する。自車両Mが分岐車線L2または分岐車線L2付近に到達し、自車両Mを分岐車線L2に車線変更させるようにドライバがステアリングホイールを操作しない場合、ハンズオフ車線維持制御が維持されているので自車両Mは走行車線L1を走行する。これらの場合において、加速の抑制を解除する操作が行われていない場合、加速の抑制が継続される。
【0109】
自車両Mが終点位置Eに到達した場合、第2領域に運転支援終了のメッセージが表示され、通知音が出力され、加速の抑制が解除される。自車両Mが手動運転で制御される状態(手動運転モード)に遷移する。自車両Mの速度および操舵は、車両システム1において制御されずにドライバによって制御される。自車両Mが走行車線L1を走行して終点位置Eに到達した場合は、上記に代えて、ハンズオフ車線維持制御またはハンズオン車線維持制御が継続されてもよいし、運転支援が終了した後、自動で再開されてもよい、更にACCの速度制御が再開されてもよい。
【0110】
上記のように、運転支援装置100は、操舵支援前に特定事象が発生した場合、ドライバの操作を阻害しないように自車両Mを制御し、更に自車両Mの状態を安定させることができる。
【0111】
図8は、特定事象が発生した場合に運転支援装置100が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0112】
まず、モード制御部160は、減速アプローチを開始後、且つ車線変更の開始前に特定事象が発生したか否かを判定する(ステップS300)。減速アプローチを開始後、且つ車線変更の開始前に特定事象が発生した場合、モード制御部160は、加速を抑制し(ステップS302)、ハンズオフ車線維持制御を継続する(ステップS304)。
【0113】
次に、モード制御部160は、ドライバが運転操作子80を操作したか否かを判定する(ステップS306)。運転操作子80が操作された場合、モード制御部160は、操作に応じた制御を実行し(ステップS308)、ステップS310の処理に進む。運転操作子80が操作されていない場合、ステップS310において、モード制御部160は、自車両Mが終点位置に到達したか否かを判定する(ステップS310)。終点位置に到達していない場合、ステップS306の処理に戻る。
【0114】
終点位置に到達する前に、ドライバがステアリングホイールを操作した場合は、操作に応じて操舵が制御される。例えば、一時的にドライバがステアリングホイールを操作し、その後、操作を行わない場合、車線維持制御が再開されてもよいし、車線維持制御は再開されなくてもよい。終点位置に到達する前に、ドライバがアクセルペダルまたはブレーキペダルを操作した場合は、加速の抑制が解除される。
【0115】
終点位置に到達した場合、モード制御部160は、運転支援を終了する(ステップS312)。これにより、手動運転に遷移する。
【0116】
このように、運転支援装置100は、操舵支援前に特定事象が発生した場合、ドライバの操作を阻害しないように自車両Mを制御し、更に自車両Mの状態を安定させることができる。
【0117】
[操舵支援開始後に特定事象が発生した際の処理]
操舵支援開始後に特定事象が発生した場合、運転支援装置100は、車線維持制御と車線変更制御とを停止し、更に加速の抑制を行う。図9は、操舵支援開始後に特定事象が発生した際の処理について説明するための図である。時刻T+3において操舵支援が開始された後に特定事象が発生した場合、モード制御部160は、車線維持制御を停止すると共に加速の抑制を開始する。この場合、操舵および加減速の操作はドライバの操作に委ねられる。この場合、ドライバがステアリングホイールを操作して車線変更または走行車線を走行させるように自車両Mを制御する。
【0118】
加速の抑制の解除条件は、例えば、上述した条件と同様である。車線維持制御の停止の解除条件は、例えば、以下の条件を満たしたことである。以下に説明する再開される車線維持制御はハンズオフ車線維持制御であってもよいし、ハンズオフ車線維持制御であってもよい。
【0119】
(A)自車両Mが終了位置Eに到達したこと。この場合、自車両が分岐車線に進入するための区間を通過しており、その後、車線維持制御が再開されても、支障が生じないと考えられるためである。例えば、自車両Mが分岐車線L2を走行している場合は、自車両Mが走行車線L1に戻るような挙動を行わず、分岐車線L2を走行することができ、自車両Mが走行車線L1を走行している場合は、自車両Mが分岐車線L2に進入するような挙動を行わず、走行車線L1を走行することができるためである。このときの解除とは、車線維持制御を開始可能であることである。例えば、終了位置Eに自車両Mが到達した場合、運転支援が終了して、車線維持制御の停止が解除される。車線維持制御が停止した状態で運転支援が終了しないため、運転支援の終了後に所定の操作(または自動で)車線維持制御が再開可能である。運転支援装置100は、例えば、自車両Mが分岐車線L2を走行して場合は車線維持制御が再開されず、走行車線L1を走行している場合は車線維持制御を自動で再開してもよい。
【0120】
(B)自車両Mが分岐車線L2を所定時間走行したこと。
(C)自車両Mが分岐車線L2を所定距離走行したこと。
(B)または(C)の場合、分岐車線L2が長い場合や、車線変更後に地図情報が利用できない場合であっても、車線維持制御が再開されることにより、ドライバの利便性が向上するためである。例えば、分岐路が長い場合、自車両Mが車線変更した所定時間走行した場合、車線維持制御の停止が解除され、車線維持制御が再開される。その後、自車両Mが終点位置Eに到達した場合、運転支援が終了して車線維持制御が終了してもよい。
【0121】
(D)車両システム1が車線維持制御をオフ状態に制御したこと。例えば、ドライバが手動運転を行っている状態に遷移した場合、車線維持制御の停止が解除される。ドライバが所定の操作を行って車線維持制御を再設定可能であるが、操作支援の開始から自車両Mが車線変更するまでは短い時間であり、再設定時には分岐車線への車線変更が完了していると推定される。このため、(D)の条件が満たされた場合に車線維持制御の停止が解除されても支障が生じないと考えられる。
【0122】
図10は、特定事象が発生した場合におけるタイミングチャートである。時刻T+4は、減速アプローチが開始された後に、車線変更の準備が開始されたタイミングである。時刻T+5は、車線変更が開始されたタイミングである。
【0123】
以下の説明では、車線変更が開始された後の時刻T+6において、特定事象が発生したものとする。すなわち時刻T+6において分岐制御の抑制条件が成立するものとする。時刻T+6において、ALC経路誘導実施要求は非成立となり、ALC経路誘導はオフ状態となる。
【0124】
他の処理について、まず、時刻T+4から時刻T+5までの処理について説明する。時刻T+4において、車線変更の開始の準備が開始されると、準備がされたことを示す通知がされ、方向指示器が点灯する。このとき、通知音が出力され、第1領域に減速アプローチ時に表示されていた分岐制御が実行されていることを示す画像をより強調した画像が表示され、第2領域に左車線を確認することを促す画像および車線変更することを示す画像が表示される。第3領域には、自車両Mの周辺の状況と共に左方向に移動することを示す情報を含む画像が表示される。
【0125】
時刻T+4、または時刻T+3と時刻T+5との間のタイミングにおいてハンズオンを要求する通知がされる。時刻T+4から時刻T+5においては、ステアリング駆動は、車線変更のための制御状態となり、車速は、車速合わせに応じた速度に制御される。時刻T+5において、ハンズオンがされた状態において、操舵支援が開始され、車速を制御しながら、自車両Mは車線変更を開始する。
【0126】
時刻T+6において、特定事象が発生すると、ALC経路誘導がオフ状態となり、車線変更制御部150の稼働が停止する。時刻T+4と時刻T+5との間において、第1領域に表示されていた画像は消去され、第2領域に車線変更を中止することを示すメッセージが表示され、第3領域に自車両Mの周辺の状況を示す画像が表示される。モード制御部160が、方向指示器を消灯させ、車線維持制御を停止させ(操舵を手動運転に遷移させ)、更に、加速の抑制を行う。車速は、特定事象が発生した際の車速が維持される(ただし、前述したように前走車両に近づかないように制御される)。この場合、ドライバがステアリングホイールを操作して自車両Mを制御して、自車両Mを分岐車線L2に車線変更させたり、車線変更を行わせずに自車両Mに走行車線L1を走行させたりする。
【0127】
自車両Mが終点位置Eに到達した場合、第2領域に運転支援終了のメッセージが表示され、通知音が出力され、加速の抑制および車線維持制御の停止が解除される。自車両Mが手動運転で制御される状態に遷移する。自車両Mの速度および操舵は、車両システム1において制御されずにドライバによって制御される。自車両Mが走行車線L1を走行し、終点位置Eに到達した場合は、車線維持制御とACCの速度制御とのうち一方または双方が自動で実行されてもよい。
【0128】
このように、運転支援装置100は、操舵支援後に特定事象が発生した場合、ドライバの操作を阻害しないように車線維持制御を停止して、加速の抑制を行って自車両Mの状態を安定させることができる。例えば、車線維持制御が継続されると、車線維持制御によってドライバの操舵の操作に基づく制御を阻害する場合があるが、上記のように車線維持制御が停止されるため、ドライバの操作の阻害することを防止することができる。
【0129】
図11は、特定事象が発生した場合に運転支援装置100が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0130】
まず、モード制御部160は、車線変更の開始後に特定事象が発生したか否かを判定する(ステップS400)。車線変更の開始後に特定事象が発生した場合、モード制御部160は、加速を抑制し(ステップS402)、ハンズオフ車線維持制御を停止する(ステップS404)。停止後は、ドライバによるステアリングホイールの操作に応じて自車両Mが制御される。
【0131】
次に、モード制御部160は、自車両Mが終点位置に到達したか否かを判定する(ステップS406)。終点位置に到達していない場合、ステップS402の処理に戻る。終点位置に到達した場合、モード制御部160は、運転支援を終了する(ステップS408)。これにより、手動運転に遷移する。
【0132】
上記のように、運転支援装置100、車線変更制御に基づいて自車両Mを走行車線L1から分岐車線L2に車線変更させることを開始させた後、分岐制御を実行できない事象が発生したとき、車線維持制御と車線変更制御とを停止させることにより、ドライバによる操作を阻害しない制御を実現することができる。例えば、ドライバが分岐車線L2に車線変更しようとする操作を行っているにも関わらず、車線維持制御によって自車両Mに走行車線L1内を走行させるような制御が行われることが防止される。
【0133】
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
プログラムを記憶した記憶装置と、
ハードウェアプロセッサと、を備え、
前記ハードウェアプロセッサが前記記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、
自車両の周辺の状況を認識する処理と、
前記認識部により認識された周辺の状況に基づいて、少なくとも前記自車両の操舵を自動で制御して分岐制御を行う処理と、
前記分岐制御は、前記自車両を前記自車両が走行する第1車線から逸脱しないように走行させる車線維持制御と、前記自車両を第1車線から分岐する第2車線に車線変更させる車線変更制御とを含み、
前記車線維持制御と前記車線変更制御とを実行して前記自車両が前記第1車線から前記第2車線に進行する計画である場合において、
前記車線変更制御に基づいて前記自車両を前記第1車線から前記第2車線に車線変更させることを開始させた後、前記制御部が前記分岐制御を実行できない事象が発生したとき、前記車線維持制御と前記車線変更制御とを停止させる処理と、を実行する
ように構成されている、制御装置。
【0134】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0135】
1 車両システム
10 カメラ
80 運転操作子
82 ステアリングホイール
86 ステアリング把持センサ
100 運転支援装置
110 認識部
120 ドライバ認識部
130 速度制御部
140 車線維持制御部
150 車線変更制御部
160 モード制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11