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特許7570404円形化ビームを伴う高輝度ファイバ結合ダイオードレーザ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】円形化ビームを伴う高輝度ファイバ結合ダイオードレーザ
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/0225 20210101AFI20241011BHJP
   G02B 13/08 20060101ALI20241011BHJP
   H01S 5/40 20060101ALI20241011BHJP
   G02B 13/18 20060101ALN20241011BHJP
【FI】
H01S5/0225
G02B13/08
H01S5/40
G02B13/18
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022508811
(86)(22)【出願日】2020-08-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 US2020046440
(87)【国際公開番号】W WO2021030718
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2023-08-09
(31)【優先権主張番号】62/886,907
(32)【優先日】2019-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/886,912
(32)【優先日】2019-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518055899
【氏名又は名称】エヌライト,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ジガン
(72)【発明者】
【氏名】スモール, ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】カンスカル, マノジ
【審査官】佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-175626(JP,A)
【文献】特表2008-501144(JP,A)
【文献】国際公開第2018/132498(WO,A1)
【文献】特表2014-522507(JP,A)
【文献】特開2016-114787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00-5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
複数のレーザダイオードであって、前記複数のレーザダイオードは、個別のビーム軸に対して相互に直角である直角の高速ビーム発散軸と、低速ビーム発散軸とを有する個別のレーザダイオードビームを放出するように構成される、複数のレーザダイオードと、
ビーム成形光学系であって、前記ビーム成形光学系は、前記レーザダイオードビームを受け取り、アンサンブル結合平面において前記レーザダイオードビームのアンサンブル結像空間およびNA空間を円形化するように構成される、ビーム成形光学系と
を備え
前記ビーム成形光学系は、
複数の低速軸コリメータ対であって、前記複数の低速軸コリメータ対は、第1の低速軸コリメータと、第2の低速軸コリメータとを備え、各低速軸コリメータ対は、前記レーザダイオードビームのうちの1つを受け取り、前記第2の低速軸コリメータの後に低速軸コリメートビームを生産するように構成される、複数の低速軸コリメータ対
を備え、
前記第1の低速軸コリメータは、共通焦点距離を有し、前記第2の低速軸コリメータは、共通焦点距離を有し、
低速軸コリメータ対毎に、前記対の第1の低速軸コリメータと第2の低速軸コリメータとの間の距離およびダイオードファセットと前記第1の低速軸コリメータとの間の距離が、異なる個別のレーザダイオードビームのための異なる低速軸結像倍率を生産するように配列される、装置。
【請求項2】
前記ビーム成形光学系はさらに
個別に受け取られたビームのための異なる対応する高速軸倍率を生産するように構成される異なる焦点距離を伴う複数の高速軸コリメータを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ビーム成形光学系はさらに、高速軸ビーム圧縮器を備え、前記高速軸ビーム圧縮器は、個別の倍率を有する前記レーザダイオードビームをコリメートビームとして受け取り、高速軸方向に沿って無限焦点非線形ビーム変位を生産するように構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ビーム成形光学系は、
無限焦点高速軸テレスコープであって、前記無限焦点高速軸テレスコープは、前記レーザダイオードビームを、相互に対して平行であり、共通高速軸に沿ってスタックされる前記ビーム軸を伴う高速軸コリメートビームおよび低速軸コリメートビームとして受け取り、前記無限焦点高速軸テレスコープの光軸に対して複数の初期ビーム変位を画定し、前記光軸からの入力ビーム変位の線形増加のために、前記無限焦点高速軸テレスコープが、増加する高速軸圧縮ビーム倍率および前記光軸からの圧縮ビーム変位の非線形増加を生産するように、前記レーザダイオードビームを前記共通高速軸に沿って圧縮するように構成される、無限焦点高速軸テレスコープ
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記複数のレーザダイオードは、前記レーザダイオードのうちの異なるものに関して異なる導波管寸法を含み、前記低速ビーム発散軸に沿って異なる個別の発散を画定する、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記無限焦点高速軸テレスコープは、前記光軸に対してより小さい入力ビーム変位を有するレーザダイオードビームのために、前記共通高速軸に沿って前記アンサンブル結合平面における結像を伸長させ、前記光軸に対してより大きい入力ビーム変位を有するレーザダイオードビームのために、前記共通高速軸に沿って前記アンサンブル結合平面における結像を短縮することによって、前記アンサンブル結合平面における前記レーザダイオードビームの前記アンサンブル結像空間およびNA空間を円形化する個別の曲率を有する第1の表面と、第2の表面とを含む、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記ビーム成形光学系は、
無限焦点高速軸テレスコープであって、前記無限焦点高速軸テレスコープは、前記レーザダイオードビームを、相互に対して平行であり、共通高速軸に沿ってスタックされる前記ビーム軸を伴う高速軸コリメートビームおよび低速軸コリメートビームとして受け取り、前記無限焦点高速軸テレスコープの光軸に対して複数の初期ビーム変位を画定し、前記光軸からの入力ビーム変位の線形増加のために、前記無限焦点高速軸テレスコープが、増加する高速軸圧縮ビーム倍率および前記光軸からの圧縮ビーム変位の非線形増加を生産するように、前記レーザダイオードビームを前記共通高速軸に沿って圧縮するように構成される、無限焦点高速軸テレスコープ
を備える、請求項に記載の装置。
【請求項8】
1の低速軸コリメータと前記第2の低速軸コリメータとの間の距離およびダイオードファセットと前記第1の低速軸コリメータとの間の距離は、異なる個別のレーザダイオードビームのための異なる低速軸結像倍率を生産するように配列される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ビーム成形光学系は、
無限焦点高速軸テレスコープであって、前記無限焦点高速軸テレスコープは、前記レーザダイオードビームを、相互に対して平行であり、共通高速軸に沿ってスタックされる前記ビーム軸を伴う高速軸コリメートビームおよび低速軸コリメートビームとして受け取り、前記無限焦点高速軸テレスコープの光軸に対して複数の初期ビーム変位を画定し、前記光軸からの入力ビーム変位の線形増加のために、前記無限焦点高速軸テレスコープが、増加する高速軸圧縮ビーム倍率および前記光軸からの圧縮ビーム変位の非線形増加を生産するように、前記レーザダイオードビームを前記共通高速軸に沿って圧縮するように構成される、無限焦点高速軸テレスコープ
を備える、請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記ビーム成形光学系は、
無限焦点高速軸テレスコープであって、前記無限焦点高速軸テレスコープは、相互に対して平行であり、共通高速軸に沿ってスタックされる前記ビーム軸を伴う前記レーザダイオードビームを受け取るように構成され、かつ前記共通高速軸に沿った前記無限焦点高速軸テレスコープの光軸からの平行入力ビーム変位の線形増加のために、前記無限焦点高速軸テレスコープが、減少する高速軸結像倍率および前記共通高速軸に沿った透過平行ビーム変位の非線形増加を生産するように、前記レーザダイオードビームを前記共通高速軸に沿って圧縮するように構成される、無限焦点高速軸テレスコープと、
無限焦点低速軸テレスコープであって、前記無限焦点低速軸テレスコープは、相互に対して平行であり、前記共通高速軸に沿ってスタックされる前記ビーム軸を伴う前記レーザダイオードビームを受け取るように構成され、かつ前記共通高速軸に沿った前記無限焦点低速軸テレスコープの光軸からの平行入力ビーム変位の増加のために、低速軸結像倍率の増加を生産するように構成される、無限焦点低速軸テレスコープと
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記無限焦点高速軸テレスコープおよび前記無限焦点低速軸テレスコープは、共通の光軸を中心として回転対称である少なくとも1つの湾曲した表面を有する組み合わせられた無限焦点テレスコープを形成する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
方法であって、
レーザダイオードパッケージ内に複数のレーザダイオードを配列することであって、前記レーザダイオードは、個別のビーム軸に対して相互に直角である直角の高速ビーム発散軸と、低速ビーム発散軸とを有する個別のレーザダイオードビームを放出するように構成される、ことと、
前記レーザダイオードパッケージ内にビーム成形光学系を配列することであって、前記ビーム成形光学系は、前記レーザダイオードビームを受け取り、アンサンブル結合平面において前記レーザダイオードビームのアンサンブル結像空間およびNA空間を円形化するように構成される、ことと
を含み、
前記ビーム成形光学系は、
複数の低速軸コリメータ対であって、前記複数の低速軸コリメータ対は、第1の低速軸コリメータと、第2の低速軸コリメータとを備え、各低速軸コリメータ対は、前記レーザダイオードビームのうちの1つを受け取り、前記第2の低速軸コリメータの後に低速軸コリメートビームを生産するように構成される、複数の低速軸コリメータ対
を備え、
前記第1の低速軸コリメータは、共通焦点距離を有し、前記第2の低速軸コリメータは、共通焦点距離を有し、
低速軸コリメータ対毎に、前記対の第1の低速軸コリメータと第2の低速軸コリメータとの間の距離およびダイオードファセットと前記第1の低速軸コリメータとの間の距離が、異なる個別のレーザダイオードビームのための異なる低速軸結像倍率を生産するように配列される、方法。
【請求項13】
前記配列されるビーム成形光学系は、
無限焦点高速軸テレスコープであって、前記無限焦点高速軸テレスコープは、前記レーザダイオードビームを、相互に対して平行であり、共通高速軸に沿ってスタックされる前記ビーム軸を伴う高速軸コリメートビームおよび低速軸コリメートビームとして受け取り、前記無限焦点高速軸テレスコープの光軸に対して複数の初期ビーム変位を画定し、前記光軸からの入力ビーム変位の線形増加のために、前記無限焦点高速軸テレスコープが、増加する高速軸圧縮ビーム倍率および前記光軸からの圧縮ビーム変位の非線形増加を生産するように、前記レーザダイオードビームを前記共通高速軸に沿って圧縮するように構成される、無限焦点高速軸テレスコープ
を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
方法であって、
個別のレーザダイオードから複数のレーザダイオードビームを放出することであって、前記レーザダイオードビームは、個別のビーム軸に対して相互に直角である直角の高速ビーム発散軸と、低速ビーム発散軸とを有する、ことと、
前記レーザダイオードビームを受け取るように構成されるビーム成形光学系を用いて、アンサンブル結合平面において前記レーザダイオードビームのアンサンブル結像空間およびNA空間を円形化することと
を含み、
前記ビーム成形光学系は、
複数の低速軸コリメータ対であって、前記複数の低速軸コリメータ対は、第1の低速軸コリメータと、第2の低速軸コリメータとを備え、各低速軸コリメータ対は、前記レーザダイオードビームのうちの1つを受け取り、前記第2の低速軸コリメータの後に低速軸コリメートビームを生産するように構成される、複数の低速軸コリメータ対
を備え、
前記第1の低速軸コリメータは、共通焦点距離を有し、前記第2の低速軸コリメータは、共通焦点距離を有し、
低速軸コリメータ対毎に、前記対の第1の低速軸コリメータと第2の低速軸コリメータとの間の距離およびダイオードファセットと前記第1の低速軸コリメータとの間の距離が、異なる個別のレーザダイオードビームのための異なる低速軸結像倍率を生産するように配列される、方法。
【請求項15】
前記ビーム成形光学系は、
無限焦点高速軸テレスコープであって、前記無限焦点高速軸テレスコープは、前記レーザダイオードビームを、相互に対して平行であり、共通高速軸に沿ってスタックされる前記ビーム軸を伴う高速軸コリメートビームおよび低速軸コリメートビームとして受け取り、前記無限焦点高速軸テレスコープの光軸に対して複数の初期ビーム変位を画定し、前記光軸からの入力ビーム変位の線形増加のために、前記無限焦点高速軸テレスコープが、増加する高速軸圧縮ビーム倍率および前記光軸からの圧縮ビーム変位の非線形増加を生産するように、前記レーザダイオードビームを前記共通高速軸に沿って圧縮するように構成される、無限焦点高速軸テレスコープ
を備える、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2019年8月14日に出願された米国仮出願第62/886,907号の利益を主張する。本願は、また、2019年8月14日に出願された、「VARIABLE MAGNIFICATION AFOCAL TELESCOPE ELEMENT」と題された、米国仮出願第62/886,912号の利益も主張する。これらの出願は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、参照することによって本明細書に組み込まれる、2017年2月16日に出願(および第US10,261,261号として発行)された、米国出願第15/435,117号に関する。
【0003】
(分野)
本分野は、レーザダイオードビームの形成および組み合わせである。
【背景技術】
【0004】
ファイバレーザ励起および材料処理等の用途のために、ファイバ結合型の高出力高輝度ダイオードレーザに関する大きな需要が、存在する。既存のファイバ結合レーザダイオードパッケージデバイスでは、複数の単一エミッタ型ダイオードレーザが、高速軸内にスタックされ、出力スケーリングおよび輝度改良を達成する、個別のビームを放出する。しかしながら、輝度に対する付加的な改良が、少なくとも上記に述べられる用途のために望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
装置および方法は、結合平面において複数のレーザダイオードビームのアンサンブル結像および発散空間を形成し、円形化するために使用され得る光学系を有する、レーザダイオードパッケージを伴う。
【0006】
開示される技術のある側面によると、装置は、個別のビーム軸に対して相互に直角である、直角の高速ビーム発散軸と、低速ビーム発散軸とを有する、個別のレーザダイオードビームを放出するように構成される、複数のレーザダイオードと、レーザダイオードビームを受け取り、アンサンブル結合平面においてレーザダイオードビームのアンサンブル結像空間およびNA空間を円形化するように構成される、ビーム成形光学系とを含む。いくつかの実施例では、ビーム成形光学系は、個別に受け取られたビームのための異なる対応する高速軸倍率を生産するように構成される、異なる焦点距離を伴う複数の高速軸コリメータと、個別に受け取られたビームのための異なる対応する低速軸倍率を生産するように構成される、異なる焦点距離を伴う複数の低速軸コリメータとを含む。いくつかの実施例では、高速ビーム発散軸が、相互に対して平行であり、相互から離間されるように、かつビーム軸が、平行な高速ビーム発散軸の方向に沿って相互から非線形に離間されるように、レーザダイオードが、基部の階段上に配列される。いくつかの実施例では、ビーム成形光学系はさらに、個別の倍率を有するレーザダイオードビームをコリメートビームとして受け取り、高速軸方向に沿って無限焦点非線形ビーム変位を生産するように構成される、高速軸ビーム圧縮器を含む。いくつかの実施例では、ビーム成形光学系は、レーザダイオードビームを、相互に対して平行であり、共通高速軸に沿ってスタックされる、ビーム軸を伴う高速軸コリメートビームおよび低速軸コリメートビームとして受け取り、無限焦点高速軸テレスコープの光軸に対して複数の初期ビーム変位を画定し、光軸からの入力ビーム変位の線形増加のために、無限焦点高速軸テレスコープが、増加する高速軸圧縮ビーム倍率および光軸からの圧縮ビーム変位の非線形増加を生産するように、レーザダイオードビームを共通高速軸に沿って圧縮するように構成される、無限焦点高速軸テレスコープを含む。いくつかの無限焦点高速軸テレスコープ実施例では、ビーム成形光学系はさらに、個別のレーザダイオードビームのための異なる対応する低速軸倍率を生産するように構成される、異なる焦点距離を伴う複数の低速軸コリメータを含む。いくつかの無限焦点高速テレスコープ実施例では、複数のレーザダイオードは、レーザダイオードのうちの異なるものに関して異なる、導波管寸法を含み、低速軸ビーム発散軸に沿って異なる個別の発散を画定する。いくつかの無限焦点高速テレスコープ実施例では、無限焦点テレスコープは、光軸に対してより小さい入力ビーム変位を有するレーザダイオードビームのために、共通高速軸に沿ってアンサンブル結合平面における結像を伸長させ、光軸に対してより大きい入力ビーム変位を有するレーザダイオードビームのために、共通高速軸に沿ってアンサンブル結合平面における結像を短縮することによって、アンサンブル結合平面におけるレーザダイオードビームのアンサンブル結像空間およびNA空間を円形化する、個別の曲率を有する、第1の表面と、第2の表面とを含む。いくつかの実施例では、ビーム成形光学系は、第1の低速軸コリメータと、第2の低速軸コリメータとを備える、複数の低速軸コリメータ対であって、各低速軸コリメータ対は、レーザダイオードビームのうちの1つを受け取り、第2の低速軸コリメータの後に低速軸コリメートビームを生産するように構成される、複数の低速軸コリメータ対を含み、第1の低速軸コリメータは、共通焦点距離を有し、第2の低速軸コリメータは、共通焦点距離を有し、低速軸コリメータ対毎に、対の第1の低速軸コリメータと第2の低速軸コリメータとの間の距離およびダイオードファセットと第1の低速軸コリメータとの間の距離が、異なる個別のレーザダイオードビームのための異なる低速軸結像倍率を生産するように配列される。いくつかの第1および第2のSAC実施例では、高速ビーム発散軸が、相互に対して平行であり、相互から離間されるように、かつビーム軸が、平行な高速ビーム発散軸の方向に沿って相互から非線形に離間されるように、レーザダイオードが、基部の階段上に配列される。いくつかの第1および第2のSAC実施例では、ビーム成形光学系は、レーザダイオードビームを、相互に対して平行であり、共通高速軸に沿ってスタックされる、ビーム軸を伴う高速軸コリメートビームおよび低速軸コリメートビームとして受け取り、無限焦点高速軸テレスコープの光軸に対して複数の初期ビーム変位を画定し、光軸からの入力ビーム変位の線形増加のために、無限焦点高速軸テレスコープが、増加する高速軸圧縮ビーム倍率および光軸からの圧縮ビーム変位の非線形増加を生産するように、レーザダイオードビームを共通高速軸に沿って圧縮するように構成される、無限焦点高速軸テレスコープを含む。いくつかの実施例では、ビーム成形光学系は、個別のレーザダイオードビームを受け取るように構成される、複数の第1の低速軸コリメータであって、第1の低速軸コリメータは、異なる焦点距離を有する、複数の第1の低速軸コリメータと、レーザダイオードビームを受け取り、第2の低速軸コリメータの後、個別の低速軸コリメートビームを生産するように構成される、共通の第2の低速軸コリメータとを含み、第1の低速軸コリメータと第2の低速軸コリメータとの間の距離およびダイオードファセットと第1の低速軸コリメータとの間の距離が、異なる個別のレーザダイオードビームのための異なる低速軸結像倍率を生産するように配列される。いくつかの実施例では、高速ビーム発散軸が、相互に対して平行であり、相互から離間されるように、かつビーム軸が、平行な高速ビーム発散軸の方向に沿って相互から非線形に離間されるように、レーザダイオードが、基部の階段上に配列される。第1のSACを伴ういくつかの実施例では、ビーム成形光学系は、レーザダイオードビームを、相互に対して平行であり、共通高速軸に沿ってスタックされる、ビーム軸を伴う高速軸コリメートビームおよび低速軸コリメートビームとして受け取り、無限焦点高速軸テレスコープの光軸に対して複数の初期ビーム変位を画定し、光軸からの入力ビーム変位の線形増加のために、無限焦点高速軸テレスコープが、増加する高速軸圧縮ビーム倍率および光軸からの圧縮ビーム変位の非線形増加を生産するように、レーザダイオードビームを共通高速軸に沿って圧縮するように構成される、無限焦点高速軸テレスコープを含む。いくつかの実施例では、ビーム成形光学系は、相互に対して平行であり、共通高速軸に沿ってスタックされる、ビーム軸を伴うレーザダイオードビームを受け取るように構成され、かつ共通高速軸に沿った、無限焦点高速軸テレスコープの光軸からの平行入力ビーム変位の線形増加のために、無限焦点高速軸テレスコープが、減少する高速軸結像倍率および共通高速軸に沿った透過平行ビーム変位の非線形増加を生産するように、ビームを共通高速軸に沿って圧縮するように構成される、無限焦点高速軸テレスコープと、相互に対して平行であり、共通高速軸に沿ってスタックされる、ビーム軸を伴うレーザダイオードビームを受け取るように構成され、かつ共通高速軸に沿って無限焦点低速軸テレスコープの光軸からの平行入力ビーム変位の増加のために、低速軸結像倍率の増加を生産するように構成される、無限焦点低速軸テレスコープとを含む。いくつかの実施例では、無限焦点高速軸テレスコープおよび無限焦点低速軸テレスコープは、共通の光軸を中心として回転対称である、少なくとも1つの湾曲した表面を有する、組み合わせられた無限焦点テレスコープを形成する。
【0007】
開示される技術の別の側面によると、方法は、レーザダイオードパッケージ内に複数のレーザダイオードを配列することであって、レーザダイオードは、個別のビーム軸に対して相互に直角である、直角の高速ビーム発散軸と、低速ビーム発散軸とを有する、個別のレーザダイオードビームを放出するように構成される、ことと、レーザダイオードパッケージ内にビーム成形光学系を配列することであって、ビーム成形光学系は、レーザダイオードビームを受け取り、アンサンブル結合平面においてレーザダイオードビームのアンサンブル結像空間およびNA空間を円形化するように構成される、こととを含む。いくつかの実施例では、配列されるビーム成形光学系は、レーザダイオードビームを、相互に対して平行であり、共通高速軸に沿ってスタックされる、ビーム軸を伴う高速軸コリメートビームおよび低速軸コリメートビームとして受け取り、無限焦点高速軸テレスコープの光軸に対して複数の初期ビーム変位を画定し、光軸からの入力ビーム変位の線形増加のために、無限焦点高速軸テレスコープが、増加する高速軸圧縮ビーム倍率および光軸からの圧縮ビーム変位の非線形増加を生産するように、レーザダイオードビームを共通高速軸に沿って圧縮するように構成される、無限焦点高速軸テレスコープを含む。付加的な方法実施例は、レーザダイオードパッケージ内の種々の組み合わせにおけるものを含め、本明細書に説明される他の構造のうちのいずれかを配列することを含む。
【0008】
開示される技術の別の側面によると、方法は、個別のレーザダイオードから複数のレーザダイオードビームを放出することであって、レーザダイオードビームは、個別のビーム軸に対して相互に直角である、直角の高速ビーム発散軸と、低速ビーム発散軸とを有する、ことと、レーザダイオードビームを受け取るように構成される、ビーム成形光学系を用いて、アンサンブル結合平面においてレーザダイオードビームのアンサンブル結像空間およびNA空間を円形化することとを含む。いくつかの実施例では、ビーム成形光学系は、レーザダイオードビームを、相互に対して平行であり、共通高速軸に沿ってスタックされる、ビーム軸を伴う高速軸コリメートビームおよび低速軸コリメートビームとして受け取り、無限焦点高速軸テレスコープの光軸に対して複数の初期ビーム変位を画定し、光軸からの入力ビーム変位の線形増加のために、無限焦点高速軸テレスコープが、増加する高速軸圧縮ビーム倍率および光軸からの圧縮ビーム変位の非線形増加を生産するように、レーザダイオードビームを共通高速軸に沿って圧縮するように構成される、無限焦点高速軸テレスコープを含む。付加的な方法実施例は、ビームを成形し、種々の組み合わせにおけるものを含め、本明細書に説明される他のビーム成形光学構造のうちのいずれかを使用して、アンサンブル結像空間およびNA空間を円形化することを含む。
【0009】
開示される技術の前述および他の目的、特徴、および利点は、付随の図を参照して進行する、以下の詳細な説明からより明白な状態となるであろう。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
装置であって、
複数のレーザダイオードであって、前記複数のレーザダイオードは、個別のビーム軸に対して相互に直角である直角の高速ビーム発散軸と、低速ビーム発散軸とを有する個別のレーザダイオードビームを放出するように構成される、複数のレーザダイオードと、
ビーム成形光学系であって、前記ビーム成形光学系は、前記レーザダイオードビームを受け取り、アンサンブル結合平面において前記レーザダイオードビームのアンサンブル結像空間およびNA空間を円形化するように構成される、ビーム成形光学系と
を備える、装置。
(項目2)
前記ビーム成形光学系は、
個別に受け取られたビームのための異なる対応する高速軸倍率を生産するように構成される異なる焦点距離を伴う複数の高速軸コリメータと、
前記個別に受け取られたビームのための異なる対応する低速軸倍率を生産するように構成される異なる焦点距離を伴う複数の低速軸コリメータと
を備える、項目1に記載の装置。
(項目3)
前記レーザダイオードは、前記高速ビーム発散軸が、相互に対して平行であり、相互から離間されるように、かつ前記ビーム軸が、前記平行な高速ビーム発散軸の方向に沿って相互から非線形に離間されるように、基部の階段上に配列される、項目2に記載の装置。
(項目4)
前記ビーム成形光学系はさらに、高速軸ビーム圧縮器を備え、前記高速軸ビーム圧縮器は、個別の倍率を有する前記レーザダイオードビームをコリメートビームとして受け取り、高速軸方向に沿って無限焦点非線形ビーム変位を生産するように構成される、項目2に記載の装置。
(項目5)
前記ビーム成形光学系は、
無限焦点高速軸テレスコープであって、前記無限焦点高速軸テレスコープは、前記レーザダイオードビームを、相互に対して平行であり、共通高速軸に沿ってスタックされる前記ビーム軸を伴う高速軸コリメートビームおよび低速軸コリメートビームとして受け取り、無限焦点高速軸テレスコープの光軸に対して複数の初期ビーム変位を画定し、前記光軸からの入力ビーム変位の線形増加のために、前記無限焦点高速軸テレスコープが、増加する高速軸圧縮ビーム倍率および前記光軸からの圧縮ビーム変位の非線形増加を生産するように、前記レーザダイオードビームを前記共通高速軸に沿って圧縮するように構成される、無限焦点高速軸テレスコープ
を備える、項目1に記載の装置。
(項目6)
前記ビーム成形光学系はさらに、前記個別のレーザダイオードビームのための異なる対応する低速軸倍率を生産するように構成される異なる焦点距離を伴う複数の低速軸コリメータを備える、項目5に記載の装置。
(項目7)
前記複数のレーザダイオードは、前記レーザダイオードのうちの異なるものに関して異なる導波管寸法を含み、前記低速軸ビーム発散軸に沿って異なる個別の発散を画定する、項目5に記載の装置。
(項目8)
前記無限焦点テレスコープは、前記光軸に対してより小さい入力ビーム変位を有するレーザダイオードビームのために、前記共通高速軸に沿って前記アンサンブル結合平面における結像を伸長させ、前記光軸に対してより大きい入力ビーム変位を有するレーザダイオードビームのために、前記共通高速軸に沿って前記アンサンブル結合平面における結像を短縮することによって、前記アンサンブル結合平面における前記レーザダイオードビームの前記アンサンブル結像空間およびNA空間を円形化する個別の曲率を有する第1の表面と、第2の表面とを含む、項目5に記載の装置。
(項目9)
前記ビーム成形光学系は、
複数の低速軸コリメータ対であって、前記複数の低速軸コリメータ対は、第1の低速軸コリメータと、第2の低速軸コリメータとを備え、各低速軸コリメータ対は、前記レーザダイオードビームのうちの1つを受け取り、前記第2の低速軸コリメータの後に低速軸コリメートビームを生産するように構成される、複数の低速軸コリメータ対
を備え、
前記第1の低速軸コリメータは、共通焦点距離を有し、前記第2の低速軸コリメータは、共通焦点距離を有し、
低速軸コリメータ対毎に、前記対の第1の低速軸コリメータと第2の低速軸コリメータとの間の距離およびダイオードファセットと前記第1の低速軸コリメータとの間の距離が、異なる個別のレーザダイオードビームのための異なる低速軸結像倍率を生産するように配列される、項目1に記載の装置。
(項目10)
前記レーザダイオードは、前記高速ビーム発散軸が、相互に対して平行であり、相互から離間されるように、かつ前記ビーム軸が、前記平行な高速ビーム発散軸の方向に沿って相互から非線形に離間されるように、基部の階段上に配列される、項目9に記載の装置。
(項目11)
前記ビーム成形光学系は、
無限焦点高速軸テレスコープであって、前記無限焦点高速軸テレスコープは、前記レーザダイオードビームを、相互に対して平行であり、共通高速軸に沿ってスタックされる前記ビーム軸を伴う高速軸コリメートビームおよび低速軸コリメートビームとして受け取り、前記無限焦点高速軸テレスコープの光軸に対して複数の初期ビーム変位を画定し、前記光軸からの入力ビーム変位の線形増加のために、前記無限焦点高速軸テレスコープが、増加する高速軸圧縮ビーム倍率および前記光軸からの圧縮ビーム変位の非線形増加を生産するように、前記レーザダイオードビームを前記共通高速軸に沿って圧縮するように構成される、無限焦点高速軸テレスコープ
を備える、項目9に記載の装置。
(項目12)
前記ビーム成形光学系は、
複数の第1の低速軸コリメータであって、前記複数の第1の低速軸コリメータは、個別のレーザダイオードビームを受け取るように構成され、前記第1の低速軸コリメータは、異なる焦点距離を有する、複数の第1の低速軸コリメータと、
共通の第2の低速軸コリメータであって、前記共通の第2の低速軸コリメータは、前記レーザダイオードビームを受け取り、前記第2の低速軸コリメータの後、個別の低速軸コリメートビームを生産するように構成される、共通の第2の低速軸コリメータと
を備え、
第1の低速軸コリメータと前記第2の低速軸コリメータとの間の距離およびダイオードファセットと前記第1の低速軸コリメータとの間の距離は、異なる個別のレーザダイオードビームのための異なる低速軸結像倍率を生産するように配列される、項目1に記載の装置。
(項目13)
前記レーザダイオードは、前記高速ビーム発散軸が、相互に対して平行であり、相互から離間されるように、かつ前記ビーム軸が、前記平行な高速ビーム発散軸の方向に沿って相互から非線形に離間されるように、基部の階段上に配列される、項目12に記載の装置。
(項目14)
前記ビーム成形光学系は、
無限焦点高速軸テレスコープであって、前記無限焦点高速軸テレスコープは、前記レーザダイオードビームを、相互に対して平行であり、共通高速軸に沿ってスタックされる前記ビーム軸を伴う高速軸コリメートビームおよび低速軸コリメートビームとして受け取り、前記無限焦点高速軸テレスコープの光軸に対して複数の初期ビーム変位を画定し、前記光軸からの入力ビーム変位の線形増加のために、前記無限焦点高速軸テレスコープが、増加する高速軸圧縮ビーム倍率および前記光軸からの圧縮ビーム変位の非線形増加を生産するように、前記レーザダイオードビームを前記共通高速軸に沿って圧縮するように構成される、無限焦点高速軸テレスコープ
を備える、項目12に記載の装置。
(項目15)
前記ビーム成形光学系は、
無限焦点高速軸テレスコープであって、前記無限焦点高速軸テレスコープは、相互に対して平行であり、共通高速軸に沿ってスタックされる前記ビーム軸を伴う前記レーザダイオードビームを受け取るように構成され、かつ前記共通高速軸に沿った前記無限焦点高速軸テレスコープの光軸からの平行入力ビーム変位の線形増加のために、前記無限焦点高速軸テレスコープが、減少する高速軸結像倍率および前記共通高速軸に沿った透過平行ビーム変位の非線形増加を生産するように、前記ビームを前記共通高速軸に沿って圧縮するように構成される、無限焦点高速軸テレスコープと、
無限焦点低速軸テレスコープであって、前記無限焦点低速軸テレスコープは、相互に対して平行であり、前記共通高速軸に沿ってスタックされる前記ビーム軸を伴う前記レーザダイオードビームを受け取るように構成され、かつ前記共通高速軸に沿った前記無限焦点低速軸テレスコープの光軸からの平行入力ビーム変位の増加のために、低速軸結像倍率の増加を生産するように構成される、無限焦点低速軸テレスコープと
を備える、項目1に記載の装置。
(項目16)
前記無限焦点高速軸テレスコープおよび前記無限焦点低速軸テレスコープは、共通の光軸を中心として回転対称である少なくとも1つの湾曲した表面を有する組み合わせられた無限焦点テレスコープを形成する、項目15に記載の装置。
(項目17)
方法であって、
レーザダイオードパッケージ内に複数のレーザダイオードを配列することであって、前記レーザダイオードは、個別のビーム軸に対して相互に直角である直角の高速ビーム発散軸と、低速ビーム発散軸とを有する個別のレーザダイオードビームを放出するように構成される、ことと、
前記レーザダイオードパッケージ内にビーム成形光学系を配列することであって、前記ビーム成形光学系は、前記レーザダイオードビームを受け取り、アンサンブル結合平面において前記レーザダイオードビームのアンサンブル結像空間およびNA空間を円形化するように構成される、ことと
を含む、方法。
(項目18)
前記配列されるビーム成形光学系は、
無限焦点高速軸テレスコープであって、前記無限焦点高速軸テレスコープは、前記レーザダイオードビームを、相互に対して平行であり、共通高速軸に沿ってスタックされる前記ビーム軸を伴う高速軸コリメートビームおよび低速軸コリメートビームとして受け取り、前記無限焦点高速軸テレスコープの光軸に対して複数の初期ビーム変位を画定し、前記光軸からの入力ビーム変位の線形増加のために、前記無限焦点高速軸テレスコープが、増加する高速軸圧縮ビーム倍率および前記光軸からの圧縮ビーム変位の非線形増加を生産するように、前記レーザダイオードビームを前記共通高速軸に沿って圧縮するように構成される、無限焦点高速軸テレスコープ
を備える、項目17に記載の方法。
(項目19)
方法であって、
個別のレーザダイオードから複数のレーザダイオードビームを放出することであって、前記レーザダイオードビームは、個別のビーム軸に対して相互に直角である直角の高速ビーム発散軸と、低速ビーム発散軸とを有する、ことと、
前記レーザダイオードビームを受け取るように構成されるビーム成形光学系を用いて、アンサンブル結合平面において前記レーザダイオードビームのアンサンブル結像空間およびNA空間を円形化することと
を含む、方法。
(項目20)
前記ビーム成形光学系は、
無限焦点高速軸テレスコープであって、前記無限焦点高速軸テレスコープは、前記レーザダイオードビームを、相互に対して平行であり、共通高速軸に沿ってスタックされる前記ビーム軸を伴う高速軸コリメートビームおよび低速軸コリメートビームとして受け取り、前記無限焦点高速軸テレスコープの光軸に対して複数の初期ビーム変位を画定し、前記光軸からの入力ビーム変位の線形増加のために、前記無限焦点高速軸テレスコープが、増加する高速軸圧縮ビーム倍率および前記光軸からの圧縮ビーム変位の非線形増加を生産するように、前記レーザダイオードビームを前記共通高速軸に沿って圧縮するように構成される、無限焦点高速軸テレスコープ
を備える、項目19に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A図1Aは、偏光あたり合計で9個のエミッタを伴い、0.15NA内で>97%のファイバ結合効率および>99%の出力エンクロージャを伴う、976nmにおける高輝度ダイオードレーザ励起のための、105μmファイバおよび0.15NAの入力における、光学的にモデル化されたスポットの画像である。
図1B図1Bは、図1Aに示されるファイバの入力における、光学的にモデル化されたNA励起の画像である。
図2A図2Aは、開示される技術の実施例による、105μmファイバおよび0.15NAの入力における、モデル化されたスポット画像である。
図2B図2Bは、図2Aに示される105μmファイバおよび0.15NAの入力における、モデル化されたNA励起である。
図3図3は、図2A-2Bに示される、垂直ビームスタック内の異なるビームのための105μmファイバおよび0.15NAの入力における、モデル化された画像である。
図4A図4Aは、ビームの横方向位置に応じてコリメートビームの可変倍率を提供する、可変型高速軸テレスコープ(VFAT)の有効倍率のプロットである。レーザダイオードパッケージ内で使用されるような非可変型FATもまた、比較のためにプロットされている。
図4B図4Bは、具体的なSACレンズが、種々の焦点距離を伴うビーム毎に使用され、図2Aおよび2B内にモデル化された具体的設計の結果を達成する、ある実施例を示す、平面概略図である。図4Bはまた、個別のSACレンズ対の共通要素を形成する、第2のSACレンズ要素を伴うある実施例も示す。
図5図5は、ビームが、連続する高さから放出され、SAC対を用いてコリメートされ、方向転換され、ビームスタックを形成する、レーザダイオードパッケージのためのビーム成形配列の平面概略図である。図2Aおよび2Bのモデル化された具体的設計のための種々の低速軸焦点距離を達成するために、ビームあたり2つのSACレンズが、使用される。
図6図6は、例示的レーザダイオードパッケージの斜視切取内部図である。
図7図7は、図4Aに示されるVFATに類似する、例示的VFATの側面概略図を示す。
図8A図8Aは、例示的VFATの側面図および端面図である。
図8B図8Bは、図8Aの例示的高速軸テレスコープに関するSAG方程式および関連付けられる係数である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(詳細な説明)
所与のファイバの中に結合され得るエミッタビームの最大数は、典型的には、最終的には、対応するレーザビームを発生させるために使用される、単一エミッタ型ダイオードレーザのビームパラメータ積(BPP)によって決定される。しかしながら、放出されたビームの利用可能な輝度の使用を最大限化するために、ビームが結合される利用可能な開口数の光ファイバを完全に充填するように、レーザダイオードを光学的および物理的の両方で効率的に配列することもまた、重要であり得る。例えば、単一エミッタの輝度を維持することを妨げる課題は、物理的かつ角があることの両方である空間の典型的に長方形であるビーム形状、およびファイバの円形空間との不整合である。したがって、本明細書における代表的実施例では、輝度改良が達成され得るように、出力ファイバの円形空間が、ダイオードレーザビームのビーム成形を通して充填され、それによって、より多くの単一エミッタ型ビームが同一のファイバの中に結合されることを可能にする。
【0012】
本明細書における種々の実施例では、高輝度ファイバ結合レーザダイオードパッケージが、選択されるファイバBPPの中に結合され得る対応するビームを発生させるために使用される、レーザダイオードエミッタの計数を最大限化する。一実施例では、高輝度パッケージは、偏光あたり9個のエミッタを伴う、976nmにおいて動作する18個のエミッタ(偏光の2倍多重化される)を含み、105μmの0.15NAビームに976nmにおける250Wのファイバ結合光出力を提供する。そのような高輝度パッケージは、図1Aの光学的にモデル化された画像に示されるように、集束光学系を用いて、光ファイバの円形の入力面100において集束スポットを生産することができる。図1Bは、同一の入力面100のものであるが、代わりに、開口数(NA)励起に関する、光学モデル画像を示す。したがって、物理的空間およびNA空間内でビームの効率的な垂直スタックを用いても、さらなる輝度スケーリングが、ファイバの円形空間とビームの長方形形状との間の不整合に起因する、物理的空間およびNA空間(すなわち、結像空間および角のある空間)内の大きい「死空間」を充填することによって達成されることができる。本明細書における種々の実施例では、ビーム成形が、円形出力ファイバのより完全な空間(物理的およびNAの両方)または他の円形出力開口を利用するように、ビーム成形光学系を用いて、放出されたレーザダイオードビームの無限焦点面またはその前に適用される。
【0013】
種々のレーザダイオードパッケージ実施例では、複数のレーザダイオードが、典型的には、放出軸に対して相互に直角である、直角軸を横断した、非対称的な発散を伴う、個別のレーザダイオードビームを放出する。非対称的な発散は、典型的には、高速発散が、より狭い寸法(例えば、半導体レーザダイオード実施例では、典型的には、成長方向に対応するエミッタ厚さ)を横断して取得されるように、レーザダイオードのファセットの大きいアスペクト比と関連付けられ、低速発散が、より広い方向(例えば、側方または出口ファセット幅方向)を横断して取得される。高速発散および低速発散が、高速軸および低速軸と称され得る、個別の直角軸に沿って画定されることができる。ビーム成形の後、ビームが、ファイバ開口等の出力開口において結像される。ファイバ開口におけるダイオードレーザビームiの高速軸および低速軸結像スポットサイズは、それぞれ、以下のように近似的に表現されることができる。
【化1】
式中、BFAおよびBSAは、高速軸および低速軸内のダイオードビームサイズ(近視野)であり、f、fFAC、およびfSACは、対物レンズ、FAC、およびSACレンズの焦点距離であり、MFATおよびMSATは、それぞれ、高速軸テレスコープ(FAT)および低速軸テレスコープ(SAT)の倍率である。図1Bに示されるレーザダイオードパッケージ実施例では、それらのビームサイズを含むダイオードおよび光学系の出力は、ダイオードビーム毎に同一であり、したがって、ファイバ開口においてほぼ同一の結像スポットサイズを生産する。ダイオードレーザビームの全ての結像が、したがって、図1Aのアンサンブル結像に示されるように、集束した後、相互と重複する。ビームスタックのアンサンブル高速軸NAおよびダイオードレーザビームiの低速軸NAは、それぞれ、近似的に以下の通りである。
【化2】
式中、dstairは、ダイオードレーザ階段の高さ(例えば、個別のレーザダイオードから放出されるような、隣接するダイオードレーザビーム軸間の物理的垂直間隔)であり、
【化3】
は、各レーザダイオードビームの低速軸の全幅発散角である。
【0014】
具体的には、図1Bに示されるアンサンブルNA励起は、垂直方向においてスタックされる、偏光あたり9個のダイオードビーム(相互に重複する2つの偏光)を含み、各ビームは、同一の低速軸NAを有し、高速軸NAは、関連付けられる階段の高さの和によって定義される。
【0015】
代表的実施例では、ファイバの円形空間は、垂直スタック内の異なるビームが異なるように成形されるように、ビーム成形を通して充填される。例えば、垂直ビームスタックの中心の近傍のダイオードビームは、ビームスタックの縁の近傍のダイオードビームより大きい低速軸NAを有するように低速軸方向において成形される。低速軸BPPの保存のため、中心の近傍のビームのファイバ入力における低速軸結像スポットサイズは、ビームスタックの縁の近傍のビームのためのものより小さい。対応するビームもまた、高速軸内においてであるが、低速軸のためのものと反対方向において成形される。例えば、垂直スタックの中心の近傍のビームは、縁の近傍のビームより小さい高速軸NAを有するように成形される。同様に、中心の近傍のビームのためのファイバ入力における高速軸結像スポットサイズは、縁の近傍のものより大きい。両方の軸内でのビーム成形は、高速軸結像スポットサイズと低速軸結像スポットサイズとの間のアスペクト比が、ビーム間で異なっていても、各ビームのスポットが同等またはおよそ同等にファイバコアを完全に充填するように選択される。いくつかの実施例では、ビーム成形は、アンサンブル高速軸NAを低減させることができる。いくつかの実施例では、ビーム実施例は、同一の高速軸NA内での偏光あたりの付加的なダイオードレーザエミッタをスタックすることを可能にすることができる。
【0016】
図2A-2Bは、ビーム成形を使用する、本明細書におけるいくつかの輝度増強実施例による、105μmファイバおよび0.15NAの入力における、モデル化されたスポットおよびNA励起をプロットする。対比の方法として、図1Aおよび1Bに示されるパッケージ内で使用されるものと同一のダイオードが、図2A-2Bで使用される。しかしながら、偏光あたり合計で11個のエミッタからのビームが、同一のファイバ結合効率およびNA励起(0.15NA内で>97%のファイバ結合効率および>99%の出力エンクロージャ)を伴って、光ファイバの入力面200内で結合されることができる。本パッケージのファイバ結合出力および輝度は、偏光あたりの2つの付加的な結合ダイオードビームに起因して、図1A-1Bに示されるものより22%より高い。図2A-2Bに示されるように、ビームスタックの物理的スポットおよびNAは、事実上、ある程度まで円形化され、物理的空間およびNA空間の両方の中において、ファイバの円形空間をより良好に完全に充填する。
【0017】
図3は、代表的なビーム成形実施例による、異なるように成形されている垂直ビームスタック300内の異なるビームを図示する。ビームスタックの中心の近傍の3つのビーム302e、302f、302gに関して、結像スポット304が、高速軸において伸長され、低速軸において圧縮されている。これは、ビーム302e-302gに関して、低速軸において増加されたNAおよび高速軸において低減されたNAに対応する。ビームスタック300の縁の近傍のビーム302aに関して、結像スポット306は、低速軸において伸長され、高速軸において圧縮され、高速軸において増加されたNAおよび、低速軸において低減されたNAをもたらす。中心ビーム302e-302gと縁ビーム302aとの間のビーム302b、302c、302dのための結像空間画像308、310、312が、ビーム位置によるアスペクト比の緩やかな変化を示す。本明細書における実施例によるもの等のビーム成形光学系を使用することによって、ファイバの物理的およびNAの両方の円形空間が、より完全に充填され、付加的なビーム/ダイオードが、偏光あたり同一のファイバの中に結合されることを可能にすることができる。11個のビームが、図3に示されているが、光ファイバの中に結合され得る、任意の数のビームおよびエミッタが、使用され得ること、および任意の所望のビーム多重化スキームが、随意に使用され得ることを理解されたい。
【0018】
種々の構成のビーム成形光学系が、単独で使用され、または相互と組み合わせられ、個別のレーザダイオードから放出されるレーザダイオードビームの集合のアンサンブル結像空間およびNA空間を円形化することができる。例えば、上記の方程式(1)、(2)、(3)、および(4)内の(上付き文字iを伴う)ビーム特有の変数のうちの1つまたはそれを上回るものが、垂直ビームスタック内の個々のビームの結像スポットサイズおよびNAを成形するために変動され、方程式(3)においてアンサンブル高速軸NAを低減させることができる。
【0019】
いくつかの実施例では、異なるビームに関して、種々のFACレンズが、異なる対応する焦点距離fFAC と併用されることができ、種々のSACレンズが、異なる対応する焦点距離fSAC と併用されることができる。そのような実施例のうちのいくつかでは、種々の階段の高さdstair が、FACレンズ焦点距離に合致するように選択され(例えば、より低い階段の高さが、より長い焦点距離FACレンズに合致するように選択されることができ、逆もまた同様である)ながら、BFA 、BSA 、MFAT i、およびMSAT 等の他の変数を異なるビーム間で一定に維持することができる。例えば、垂直ビームスタックの中心の近傍のビームのためのFAC(SAC)焦点距離は、スタックの縁の近傍のビームのためのものより短く(より長く)あることができる。方程式(1)、(2)、および(4)によると、これは、中心ビームのための高速(低速)軸内の、縁ビームより大きい(より小さい)結像スポットサイズDFA (DSA )と、中心ビームのためのより大きい低速軸NAである、NASA とにつながる。ビーム毎の階段の高さは、方程式(3)に従って、FACレンズ焦点距離に合致され、より小さいアンサンブル高速軸NAである、NAFA につながり得る。さらなる実施例では、高速軸テレスコープビーム圧縮器が、高速軸内の相対ビーム間隔を変動させるために使用されることができる。
【0020】
さらなる実施例では、可変倍率高速軸テレスコープ(VFAT)が、可変倍率および相対的高速軸ビーム間隔MFAT を生産しながら、他の変数を一定に維持する多くの実施例における、またはさらに異なるビーム間の便宜的な選択肢(FACレンズ焦点距離、階段の高さ、およびSAT倍率MSAT 等)を可能にするために使用されることができる。好適なVFATの実施例が、関連する仮出願第62/886,912号および本明細書の下記に開示される。VFATは、図4Aに示されるVFAT実施例400等の1ピース型光学系または複数のレンズまたはレンズ要素であることができる。VFAT実施例は、VFATの光軸に対するビームの横方向位置に応じて、コリメートビームの可変倍率を提供するように構成されることができる。具体的実施例では、VFATは、中心ビームのために縁ビームより大きい高速軸結像スポットサイズDFA を生産するように、ビームスタックの中心の近傍に入射するビームに対してより低い倍率を生産する。図4Aはまた、事実上、光軸の横方向を横断しておよそ一定の倍率を有する、可変倍率を伴わない、FATの倍率も示す。図6は、半波長板1006と、プリズム表面1008と、偏光ビーム分割器1010とを含む、偏光マルチプレクサアセンブリを使用して、2つの異なるレーザダイオードサブアセンブリ1002、1004のビームを組み合わせる、(蓋が除去されている)例示的レーザダイオードパッケージを示す。本明細書における実施例では、高速軸テレスコープ1014が、VFATとして構成されることができる。可変的に拡大されるビームが、次いで、集束光学系1016を用いて、光ファイバの結合平面に集束される。図6に開示されるエミッタおよびビーム組み合わせ配列が、例証的実施例にすぎず、網羅的または限定的ではないこと、および多数の他のレーザダイオードパッケージ構成も、使用され得ることを理解されたい。
【0021】
いくつかのVFAT実施例では、異なるビームに関して、種々のSACレンズが、異なる対応するSACレンズ焦点距離fSAC と併用されることができる。種々の焦点距離を伴う具体的なSACレンズを伴う実施例が、図4Bに見られ得る。具体的実施例では、異なるSACのための焦点距離が、中心ビームのための20mmから縁ビームのための10mmまで変動するが、パッケージ、ダイオード、および他の光学特性に応じて、種々の値も、使用され得ることを理解されたい。回転鏡が、ビームを垂直スタックの中に指向するために使用される。SACのための可変の焦点距離を用いると、縁ビームより小さい低速軸結像スポットサイズDSA が、中心ビームのためにファイバにおいて取得され、より大きい低速軸NAである、NASA が、中心ビームのために取得される。方程式(3)に従って、可変倍率MFAT の配列は、階段の高さを変更する必要性を伴わずに、低減されたアンサンブル高速軸NAにつながる。
【0022】
さらなるVFAT実施例では、種々の低速軸ダイオードビームサイズ(近視野)BSA が、垂直ビームスタック内の異なるビームのために提供される一方、いくつかの実施例では、異なるビーム間の他の変数を方程式(1)-(4)内で一定に維持することができる。例えば、低速軸ビームサイズの変動は、光学的に取得されるもの以外に、種々の近視野を伴うフレア状レーザ発振器導波管(FLOW)を使用して等、導波管寸法等の異なる導波管特性を伴うダイオードレーザの単一エミッタ内のチップ上で達成されることができる。具体的には、ビームスタックの中心の近傍のダイオードのためのより小さい低速軸ビームサイズが、より小さい低速軸結像スポットサイズDSA を可能にすることができる。ダイオードレーザの単一エミッタ毎の固定されたBPPを仮定して、低速軸全幅発散角
【化4】
は、方程式(4)に従って、低速軸ビームサイズに反比例し、より大きい低速軸NAである、NASA をもたらす。再び、VFATは、中心ビームのための、縁ビームより大きい高速軸結像スポットサイズDFA を可能にする。方程式(3)に従って、可変倍率MFAT のそのような配列は、階段の高さを変更する必要性を伴わずに、結合平面における低減されたアンサンブル高速軸NAにつながることができる。
【0023】
付加的な実施例では、VFATは、可変の高速軸倍率およびビーム変位を提供するために使用されることができ、2つのレンズSAC対は、ビーム毎に使用されることができる。図5に示されるビーム成形光学系配列500等のいくつかのSAC対実施例では、同一の焦点距離のビーム506a-506kあたり2つのSACレンズ502a-502k、504a-504kが、使用され、種々の低速軸焦点距離が、2つのレンズ間の分離およびビームを放出するダイオードからの2つのレンズの変位を変動させることを通して達成される。すなわち、平凹の第1のSAC要素502a-502kはそれぞれ、共通焦点距離を有することができ、平凸の第2のSAC要素504a-504kはそれぞれ、共通焦点距離を有することができる。VFATおよび集束光学系508は、次いで、ビームを受け取り、光ファイバ入力面、中継システム等に対応し得る、結合または集束面510において、円形化ビームアンサンブルを形成することができる。図4Bに示されるもの等の付加的なSAC対実施例では、スタックの2分の1のダイオード毎の第1のSACレンズは、異なる焦点距離を有し、図4Bの破線が付けられたレンズ要素402等の共通の第2のSACレンズが、無限焦点面内に設置され、ビームスタック内の全てのビーム上に光出力を提供することができる。(平凸、平凹等であり得る)第1のSACレンズの後のビームは、低速軸にコリメートされず、第2の共通SACレンズの後の低速軸においてコリメートされた状態になる。これは、図4Bの右側に示されるものと異なる、第1のSACレンズの作用距離を可能にし、より小さいレーザダイオードパッケージの形状因子または体積のためのより短い間隔を可能にすることができる。
【0024】
さらなる実施例では、可変倍率高速軸テレスコープ(VFAT)MFAT が、可変倍率低速軸テレスコープ(VSAT)MSAT に加えて、使用されながら、BFA 、BSA 、fFAC 、fSAC 、およびdstair 等の他の変数を異なるビーム間で一定に維持することができる。VFATおよびVSATの変動は、垂直スタック内の異なるビームのための異なる倍率が、低速軸および高速軸の両方のために提供されるように、横方向に沿っている。実施例は、1つのVFATおよび1つのVSAT等の別個のテレスコープを伴う配列を含むことができるが、また、両方の軸のための可変倍率を実装する、1つのテレスコープでもあり得る。
【0025】
一般に、本明細書における実施例は、輝度改良が達成されるように、より多くの単一エミッタが、同一のファイバの中への結合のためのビームを発生させることを可能にするように、ダイオードレーザビームのビーム成形を通して、物理的およびNAの両方の、ファイバ等の結合平面の円形空間をより効率的に充填することができる。22%の例示的輝度改良が、示されているが、ファイバの円形空間と長方形ビーム形状との間の不整合に起因する、物理的空間およびNA空間内の「死空間」の全てが充填された状態になる、いくつかの実施例における、57%と同程度の出力および輝度改良を含む(57%は、それぞれ、直径および対角線の同一の長さを有する長方形にわたる円内の付加的面積である)、より高度な改良も、同様に達成されることができる。
【0026】
VFAT実施例
【0027】
上記に議論されるように、レーザダイオードパッケージは、典型的には、長方形ダイオードファセットから放出されるレーザダイオードビームを円形のファイバの中に結合する。これは、(ファイバ入力面等の)アンサンブル結合平面におけるファイバ結合のために光学的および物理的に配列されるレーザダイオードアンサンブルと関連付けられる、未使用空間および角のあるレーザ性質につながる。物理的空間および角のある空間の両方におけるレーザダイオードの長方形部の高いアスペクト比、およびファイバの円形空間との不整合と関連付けられる、重大な問題が、存在する。ファイバの円形空間が、レーザダイオードチップ幾何学形状を変動させる、または異なるレーザダイオードのためのFACレンズを変動させることによってより完全に充填されることができるが、そのようなアプローチは、典型的には、コスト効率的ではない。
【0028】
本明細書に説明される1つまたはそれを上回る可変型無限焦点テレスコープ実施例を使用することによって、チャネル特有の光学系またはレイアウトが、コリメートビームの可変倍率を提供することによって、低減または回避されることができる。その凝集ビームを角度的にかつ空間的に円形化するためにレーザダイオードパッケージに適用されると、個々のダイオードチャネルは、例えば、それらの特定のNA空間の並置または配列に基づいて、具体的な異なる倍率を受け取ることができる。本様々な倍率は、焦点におけるそれらの垂直の物理的寸法を変動させ、これは、例えば、付加的なレーザチャネルが、ファイバ入力の同一のNA内で追加され得るように、凝集ビーム空間の正味のより高い圧縮を可能にすることができる。
【0029】
モノリシックテレスコープ光学系が、典型的には、異なるものであるが、一定の曲率の表面と関連付けられる、単一の倍率比を提供する。代替として、表面は、その有効開口を横断して球面収差を低減させるために非球面に作製される。本明細書におけるいくつかの実施例では、可変倍率は、可変型無限焦点テレスコープを提供され、種々のレーザダイオードパッケージ実施例では、最大22%の出力明度(すなわち、放射輝度)の向上を可能にすることができる。例えば、ビームを発生させるための18個の単一エミッタ型レーザダイオードと、ビームを0.15NAの105μm出力ファイバの中に結合するための光学系とを使用する、ファイバ結合レーザダイオードパッケージは、代わりに、ビームを発生させるための同一のタイプの22個の単一エミッタ型レーザダイオードと、ビームを同一の0.15NAの105μm出力ファイバの中に結合するための(可変型無限焦点テレスコープを含む)光学系とを使用することができる。
【0030】
図7は、例示的無限焦点テレスコープ700のための物理的形状因子および表面形状を示す。無限焦点テレスコープ700は、それぞれが、それらに関して定義される個別の曲率を有する、凸面形である、第1の表面702と、凹面形である、第2の表面704とを有する、透過性光学基板701を含む。透過性光学基板701は、異なる材料から成る、またはガラス、プラスチック、溶融シリカ、透明な結晶質または非結晶質材料を含む、異なる材料を伴う部分を有することができる。第1および第2の表面702、704のための曲率は、図7の平面内の無限焦点テレスコープ700の光軸706を横断して対称的であることができる。代表的実施例では、無限焦点テレスコープ700は、円筒の一定の曲率ではなく、(球状レンズを伴う等)光軸706を中心とした回転対称性の欠如と関連付けられる円筒度を伴う、一体型の円筒形のメニスカスレンズである。付加的な実施例では、相互から離間される別個のレンズ要素が、非一体型レンズを形成するために使用されることができる、または別個のレンズ要素が、複数の要素を有する一体型レンズを形成するためにともに継合されることができる。第1および第2の表面702、704の一方または両方とも、双曲線形状を有することができる。示されるように、第1の表面702は、放物形状を有し、第2の表面704は、双曲線形状を有する。形状は、中心の近傍に(例えば、光軸706により近接して)より高い曲率対(倍率)を、および無限焦点テレスコープ700の開口の縁の近傍により緩やかな曲率を画定することができる。さらなる実施例では、無限焦点テレスコープは、可変の低速軸倍率を提供するように構成されることができる、または可変の高速軸倍率および低速軸倍率の両方を提供するように構成される、複雑な形状を有することができる。
【0031】
図7はまた、相互に対して平行であり、光軸706に対して平行である、複数の入力ビーム軸708a-708kも示す。入力ビーム軸708a-708kはそれぞれ、高速軸寸法および低速軸寸法の両方においてコリメートされる、レーザダイオードビームと関連付けられることができる。隣接して配列される平行入力ビーム軸708a-708kを用いると、無限焦点テレスコープ700は、レーザダイオードビームの共通高速軸が、図7の平面内の光軸706に対して略直角に(例えば、上方および下方に)延在するように、高速軸テレスコープとして構成される。光線トレースを辿って、レーザダイオードビームは、基板701を通して伝搬し、圧縮された状態になり、出力ビーム軸710a-710kに沿って伝搬し、2つの外側出力ビーム軸710a、710k間の距離は、2つの外側入力ビーム軸708a、708k間の距離より短い。
【0032】
示されるように、入力ビーム軸708-708kは、相互からの変位を有し、均一な間隔を形成する。代表的実施例では、第1および第2の表面702、704の選択される曲率に基づいて、圧縮された出力ビーム軸710a-710kは、均一に離間されていない。代わりに、光軸706からの変位距離が、増加するにつれて、隣接する出力ビーム軸が、相互からますます変位され、したがって、出力ビーム軸710e、710f間の変位が、出力ビーム軸710d、710e間の変位より小さくなり、これが、出力ビーム軸710c、710d間の変位より小さくなり、これが、出力ビーム軸710b、710c間の変位より小さくなり、これが、出力ビーム軸710a、710b間の変位より小さくなる等となる。したがって、線形入力間隔は、光軸706からの入力ビーム変位を線形に増加させること(例えば、均一な間隔)が、出力ビーム変位の非線形増加を生産するように、可変の出力間隔を生産することができる。光軸706を横断した曲率対称性に基づいて、類似の効果が、図7の光軸706の下方においても達成され、したがって、出力ビーム軸710g、710h間の変位が、出力ビーム軸710h、710i間の変位より小さくなり、これが、出力ビーム軸710i、710j間の変位より小さくなり、これが、出力ビーム軸710j、710k間の変位より小さくなる等となる。
【0033】
代表的実施例では、共通の断面形状を伴う(例えば、それぞれが、同じ面積と、アスペクト比とを有する)入力ビーム軸708a-708kに沿って伝搬するレーザダイオードビームに関して、無限焦点テレスコープ700は、光軸706からの個別の入力ビーム軸708a-708kの変位距離に依存する、出力ビーム軸710a-710kに沿って伝搬するレーザダイオードビームのための、可変倍率を導入する。例えば、図4Aを参照すると、可変倍率は、光軸706からの増加する距離のために、倍率が、透過されるレーザダイオードビームのために増加するように、前述に示され、議論されるように、生産されることができる。比較のために、無限焦点テレスコープの略平坦な倍率を示す、倍率の線は、可変倍率を提供していない。したがって、入力ビーム軸708a、708kに沿って伝搬するレーザダイオードビームは、高速軸方向において、入力ビーム軸708f、708gに沿って伝搬するレーザダイオードビームより少量だけ圧縮される。入力ビーム軸708a、708kに沿って伝搬するレーザダイオードビームのための低減された圧縮は、対物レンズを通した伝搬後、(光ファイバ等の)後続の結合平面において、物理的空間内に、高速軸方向におけるより小さいスポットサイズを生産する。対照的に、入力ビーム軸708f、708gに沿って伝搬するレーザダイオードビームのための増加された圧縮は、対物レンズを通した伝搬後、後続の結合平面において、物理的空間内に、高速軸方向におけるより大きいスポットサイズを生産する。低速軸倍率を別個に選択することによって、入力ビーム軸708a、708kに沿って伝搬するレーザダイオードビームは、結合平面における、より大きい高速軸結像寸法と、結合平面における、より小さい低速軸結像寸法とを有することができ、入力ビーム軸708a、708kに沿って伝搬するレーザダイオードビームは、結合平面における、より小さい高速軸結像寸法と、結合平面における、より大きい低速軸結像寸法とを有することができる。物理的空間内に結果として生じるアンサンブルまたは凝集ビームの画像が、図2Aに示される。異なるレーザダイオードビームのための異なるアスペクト比が、ファイバ上に結像され、物理的空間内に円形化されたアンサンブル結像を生産する。本明細書の上記に議論されるように、図1Aは、ビームが、可変倍率を提供する無限焦点テレスコープを通して伝搬せず、各ビームが、共通の重複面積を結像するにつれて、正方形形状の画像をもたらす、アンサンブルビーム結像のある実施例を示す。無限焦点テレスコープ700を用いて出力ビーム軸710a-710k間に可変間隔および可変倍率を導入することによって、付加的なレーザダイオードビームが、結合平面において集束され、結合輝度を向上させることができる。
【0034】
図8Aは、可変倍率を提供するように構成される、無限焦点テレスコープ800の別の実施例を示し、図8Bは、表面S1、S2のためのSAG方程式と、好適な係数とを含む。係数は、概して、表面S1を、kが-1に近接している、放物線または楕円形として定義し、表面S2を、k<-1である、双曲面として定義する。示されるように、無限焦点テレスコープ800は、レーザダイオードパッケージの内部を通して指向される、複数のレーザダイオードビームとの整合性を改良するように、無限焦点テレスコープ800をレーザダイオードパッケージ筐体の基部に対して位置合わせするために使用され得る、平坦な基準表面802を含む。
【0035】
一般的考慮点
【0036】
本願および請求項において使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に別様に指示しない限り、複数形を含む。加えて、用語「~を含む(includes)」は、「~を備える(comprises)」を意味する。さらに、用語「結合される(coupled)」は、結合されるアイテムの間の中間要素の存在を除外するものではない。
【0037】
本明細書に説明されるシステム、装置、および方法は、いかようにも限定するものとして解釈されるべきではない。代わりに、本開示は、単独で、および相互との種々の組み合わせおよび副次的組み合わせにおいて、種々の開示される実施形態の全ての新規かつ非自明な特徴および側面を対象とする。開示されるシステム、方法、および装置は、いかなる具体的な側面または特徴またはそれらの組み合わせにも限定されず、開示されるシステム、方法、および装置は、いかなる1つまたはそれを上回る具体的な利点が存在することも、または問題が解決されることも要求しない。動作のいかなる理論も、解説を促進するためのものであるが、開示されるシステム、方法、および装置は、動作のそのような理論に限定されるものではない。
【0038】
開示される方法のいくつかのものの動作が、便宜的提示のために特定の順次順序で説明されているが、本説明の様式が、特定の順序付けが、下記に記載される具体的な言い回しによって要求されない限り、再配列を包含することを理解されたい。例えば、順次説明される動作は、ある場合には、再配列される、または同時に実施され得る。また、単純にするために、添付される図は、開示されるシステム、方法、および装置が、他のシステム、方法、および装置と連動して使用され得る種々の方法を示さない場合がある。加えて、説明は、時として、開示される方法を説明するために「生産する(produce)」および「提供する(provide)」のような用語を使用する。これらの用語は、実施される実際の動作の高レベルの抽象化である。これらの用語に対応する実際の動作は、実装に応じて変動し、当業者によって容易に判別可能である。
【0039】
いくつかの実施例では、値、手順、または装置は、「最低」、「最良」、「最小」、または同等物と称される。そのような説明が、多くの使用される機能代替物間の選択が行われ得ること、およびそのような選択が、他の選択より優れている、小さい、または別様に好ましくある必要がないことを示すことを意図することを理解されたい。実施例が、「上方」、「下方」、「上側」、「下側」、および同等物のように示される方向を参照して説明される。これらの用語は、便宜的な説明のために使用され、いかなる特定の空間配向も含意するものではない。
【0040】
本開示の装置または方法を参照して本明細書に提示される、動作の理論、科学的原理、または他の理論説明は、より深い理解の目的のために提供されており、範囲を限定することを意図していない。添付の請求項内の装置および方法は、そのような動作理論によって説明される様式において機能する、それらの装置および方法に限定されない。
【0041】
開示される技術の原理が適応され得る、多くの可能性として考えられる実施形態に照らして、例証される実施形態が、代表的な実施例にすぎず、本開示の範囲を限定するものとして捉えられるべきではないことを認識されたい。これらの節において具体的に取り上げられる代替物は、例示にすぎず、本明細書に説明される実施形態に対する全ての可能性として考えられる代替物を成すものではない。例えば、本明細書に説明されるシステムの種々のコンポーネントは、機能および使用において組み合わせられ得る。したがって、添付の請求項の範囲内に入る全てのものを請求する。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8A
図8B