(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】フレーム、とりわけ自転車フレームにエネルギー貯蔵器を取り外し可能に保持するための保持装置
(51)【国際特許分類】
B62J 43/28 20200101AFI20241011BHJP
B62J 43/13 20200101ALI20241011BHJP
B62M 6/90 20100101ALI20241011BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20241011BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20241011BHJP
E05B 71/00 20060101ALI20241011BHJP
【FI】
B62J43/28
B62J43/13
B62M6/90
H01M50/244 Z
H01M50/249
E05B71/00 Z
(21)【出願番号】P 2022514518
(86)(22)【出願日】2020-07-06
(86)【国際出願番号】 EP2020069008
(87)【国際公開番号】W WO2021043463
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】102019213438.6
(32)【優先日】2019-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100195408
【氏名又は名称】武藤 陽子
(72)【発明者】
【氏名】フィリップツィク,ファービアーン
(72)【発明者】
【氏名】クネルト,ペーター
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-235006(JP,A)
【文献】特開2017-043340(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0174095(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 43/13
B62J 43/23
B62J 43/28
B62M 6/90
H01M 50/244
H01M 50/249
E05B 1/00 - 71/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロック状態(18)ではエネルギー貯蔵器(12)の軸方向の固定および取り外し可能なロックを規定する少なくとも1つのロックユニット(16)を備えた、フレーム(14)にエネルギー貯蔵器(12)を取り外し可能に保持するための保持装置(10)において、前記ロックユニット(16)が、少なくとも第1のロック要素(20)と、前記第1のロック要素(20)と対応している少なくとも第2のロック要素(22)とを有し、
前記ロックユニット(16)が、前記ロック状態(18)では前記第1のロック要素(20)および前記第2のロック要素(22)に張力をかけるよう規定されている少なくとも1つの張力ユニット(24)を有し、
前記張力ユニット(24)は、第1の張力要素(26)と第2の張力要素(28)とを有し、
前記第1の張力要素(26)が前記第1のロック要素(20)と固定的に連結されて、前記第1のロック要素(20)に張力をかけ、かつ、前記第2の張力要素(28)が前記第2のロック要素(22)と固定的に連結されて、前記第2のロック要素(22)に張力をかける、ことを特徴とする保持装置(10)において、
前記第2のロック要素(22)は、
前記エネルギー貯蔵器(12)の連結要素(46)を固定するための凹部を有し、
前記ロック状態(18)では、前記凹部は、前記第1のロック要素(20)の回転軸と前記第2のロック要素(22)の回転軸の間にある、
ことを特徴とする保持装置(10)。
【請求項2】
前記フレーム(14)は、自転車フレームであり、前記エネルギー貯蔵器(12)は、自転車用エネルギー貯蔵器である、ことを特徴とする請求項1の保持装置(10)。
【請求項3】
前記第1のロック要素(20)および前記第2のロック要素(22)が、可動に前記ロックユニット(16)に支えられており、前記ロック状態(18)では前記第1のロック要素(20)が前記第2のロック要素(22)の運動をブロックしていることを特徴とする請求項1または2に記載の保持装置(10)。
【請求項4】
前記第1のロック要素(20)および前記第2のロック要素(22)が、回転運動可能
に前記ロックユニット(16)に支えられており、前記ロック状態(18)では前記第1のロック要素(20)が前記第2のロック要素(22)の回転運動をブロックしていることを特徴とする請求項3に記載の保持装置(10)。
【請求項5】
前記ロック状態(18)を解除すると前記張力ユニット(24)が前記エネルギー貯蔵器(12)を前記張力によってはじき出すように前記張力ユニット(24)が形成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の保持装置(10)。
【請求項6】
前記ロックユニット(16)が、前記エネルギー貯蔵器(12)の遊びのない固定のための少なくとも1つの緩衝要素(34)を有していることを特徴とする請求項1~
5のいずれか一項に記載の保持装置(10)。
【請求項7】
前記ロックユニット(16)が、前記エネルギー貯蔵器(12)の電気接触のための少なくとも1つの接触ユニット(36)を有していることを特徴とする請求項1~
6のいずれか一項に記載の保持装置(10)。
【請求項8】
少なくとも1つの請求項1~
7のいずれか一項に記載の保持装置(10)と、少なくとも1つのフレーム要素(40)とを備えたフレーム(14)において、前記ロックユニット(16)が、前記フレーム要素(40)に組み込まれていることを特徴とするフレーム(14)。
【請求項9】
前記フレーム(14)が、自転車フレームであることを特徴とする請求項
8に記載のフレーム(14)。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ロック状態ではエネルギー貯蔵器の軸方向の固定および取り外し可能なロックを規定されている少なくとも1つのロックユニットを備えた、フレーム、とりわけ自転車フレームにエネルギー貯蔵器、とりわけ自転車用エネルギー貯蔵器を取り外し可能に保持するための保持装置が従来から提案されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明は、ロック状態ではエネルギー貯蔵器の軸方向の固定および取り外し可能なロックを規定されている少なくとも1つのロックユニットを備えた、フレーム、とりわけ自転車フレームにエネルギー貯蔵器、とりわけ自転車用蓄電池を取り外し可能に保持するための保持装置を出発点とする。
【0003】
ロックユニットが、少なくとも第1のロック要素と、第1のロック要素と対応している少なくとも第2のロック要素とを有することが提案される。保持装置の本発明に基づく形態により、とりわけ自転車フレームの中および/または表面でのエネルギー貯蔵器の簡単および/または安全な軸方向の固定および取り外し可能なロックが可能にされ得ることが有利である。ロックユニットのロック状態では、このロックユニットにより、強い振動の際にもエネルギー貯蔵器の滑りまたは緩みに有利に対抗でき、とりわけそれを可能な限り回避でき、かつエネルギー貯蔵器のとりわけ確実な電気接触が保証され得ることが有利である。ユーザによるエネルギー貯蔵器のロックおよび/またはロック解除が道具なしで行われ得ることが有利である。高いユーザフレンドリーが達成され得ることが有利である。
【0004】
保持装置が、自転車用エネルギー貯蔵器保持装置として形成されることが好ましい。保持装置は、とりわけ、フレームの中および/または表面、特に自転車フレームの中および/または表面でのエネルギー貯蔵器の少なくとも一時的な位置決めを可能にするよう、また、とりわけこの一時的な位置決めの期間中にエネルギー貯蔵器の軸方向の固定および取り外し可能なロックを可能にするよう、かつエネルギー貯蔵器の電気接触を保証するよう規定されている。エネルギー貯蔵器の軸方向の固定、取り外し可能なロック、および電気接触のために、保持装置は少なくとも1つのロックユニットを含んでいる。保持装置が、少なくとも1つの支持要素および少なくとも1つの連結要素を備えた少なくとも1つの支持ユニットを含むことが好ましい。支持ユニットの少なくとも1つの支持要素がガイドレールを形成しており、このガイドレールが、とりわけ、エネルギー貯蔵器を取り付ける、とりわけ押し込む際および/または取り去る、とりわけ引き出す際にガイドするよう、かつその際にとりわけ運動軸を設定するよう規定されていることが好ましい。ガイドレールは、とりわけ、少なくとも保持装置内にエネルギー貯蔵器を嵌め込む際にエネルギー貯蔵器の向きを設定するよう規定され得る。保持装置は、とりわけ、自転車フレームの表面、好ましくは自転車フレームの中、例えば自転車フレームのトップチューブ、シートチューブ、ヘッドチューブ、または好ましくはダウンチューブの中で固定されるよう規定されている。その代わりにまたはそれに加えて、保持装置、好ましくは支持ユニットもしくは支持要素が少なくとも部分的に自転車フレームと一体的に形成されているか、または保持装置の少なくとも一部、好ましくは支持ユニットもしくは支持要素が自転車フレームと一体的に連結、例えば溶接もしくは接着されていることが考えられる。これにより、エネルギー貯蔵器および/または保持装置の誤った取り付けおよび/または損傷が回避され得ることが有利である。その代わりに保持装置が支持ユニットなしで形成されており、かつエネルギー貯蔵器が、ロックユニットを介したロック状態では、エネルギー貯蔵器の表面に配置されたおよび/またはエネルギー貯蔵器と直接的に連結された、エネルギー貯蔵器の少なくとも1つの連結要素を介して保持装置と直接的に連結され得ることが想像できる。この少なくとも1つの連結要素は、エネルギー貯蔵器と一体的に形成でき、またはエネルギー貯蔵器と形状結合式および/もしくは力結合式に連結され得る。保持装置は、とりわけ、フレームの中、好ましくは自転車フレームの中または表面で、例えば自転車フレームのトップチューブ、シートチューブ、ヘッドチューブ、または好ましくはダウンチューブの中で固定されるよう規定されている。保持装置は、自転車フレームの中または表面での固定のため、とりわけ固定要素、例えばネジ要素、差込要素、または係合要素を含んでいる。この関連で「固定」とは、とりわけ位置固定されたおよび/または回転しない連結のことである。その代わりにまたはそれに加えて、保持装置が少なくとも部分的に自転車フレームと一体的に形成されているか、または保持装置の少なくとも一部、とりわけロックユニットが自転車フレームと一体的に連結、例えば溶接もしくは接着されていることが考えられる。「一体的」とは、とりわけ、例えば溶接プロセスおよび/または接着プロセスなどによるような材料結合式の連結のことであり、特に有利には、鋳造物からの製造および/または単一成分もしくは多成分射出成形法での製造によるような固着成形のことである。一体的が単一構造のことでもあることが有利である。「単一構造」とは、とりわけ1つの部分で成形されるということである。この1つの部分は、単一の未加工品、素地、および/または鋳造物から、特に好ましくは射出成形法、とりわけ単一成分および/または多成分射出成形法で製造されることが好ましい。「形状結合式に」とは、とりわけ、相互に形状結合式に連結された部品の接し合う面が、面の法線方向に作用する保持力をかけ合っているということである。とりわけ、部品が相互に幾何的に噛み合っている。
【0005】
「エネルギー貯蔵器」とは、とりわけ、エネルギー、特に化学エネルギーおよび/または好ましくは電気エネルギーを取り込み、貯蔵し、および放出し得る部品のことである。エネルギー貯蔵器は、とりわけ、ガスタンクおよび/または液体タンクとして形成され得る。エネルギー貯蔵器は、とりわけ、電気化学コンデンサとしておよび/または燃料電池として形成され得る。エネルギー貯蔵器が、充電式バッテリーとして、とりわけ蓄電池として、好ましくは自転車用蓄電池として形成されることが好ましい。エネルギー貯蔵器は、とりわけ、自転車の駆動ユニットのために、例えばE-バイクまたはペデレックの補助モータのために、エネルギーを提供するよう規定されている。
【0006】
「ロックユニット」とは、とりわけ、ロック状態ではエネルギー貯蔵器を軸方向に固定するよう、および取り外し可能にロックするよう規定されているユニットのことである。ロックユニットは、少なくとも第1のロック要素と、第1のロック要素と対応している少なくとも第2のロック要素とを含むことが好ましい。第1のロック要素および第2のロック要素は、可動に、とりわけ回転運動可能にロックユニットの基体に支えられていることが好ましい。第1のロック要素および第2のロック要素は、相互に対応していて、回転運動可能にロックユニットに支えられているロックフックとして形成されており、ロック状態では第1のロック要素がロック位置で第2のロック要素の回転運動をブロックすることが好ましい。その代わりにまたはそれに加えて、ロックユニットの第1および/または第2のロック要素および/またはさらなるロック要素が、ラッチとしてならびに/またはトグルレバーとしてならびに/または対応している係合要素および/もしくはスナップ錠要素としても形成され得ることが望ましい。とりわけ、第1のロック要素の幾何的成形および/または材料および/または機能は、第2のロック要素および/またはさらなるロック要素の幾何的成形および/または材料および/または機能とは相違し得る。第1および第2のロック要素の外輪郭は、これらのロック要素がロック状態では形状結合式および/または力結合式に連結し得るようであることが好ましい。ロックユニットが保持装置の一部であることが好ましい。しかしながら、ロックユニットまたは個々のさらなるユニットおよび/またはロックユニットの要素、とりわけロック要素が、エネルギー貯蔵器の一部であり、かつエネルギー貯蔵器と形状結合式および/もしくは力結合式に連結されるかまたは一体的に形成されることも考えられる。保持装置内にエネルギー貯蔵器を取り付ける際、ロックユニット内での正しい位置決めおよび/またはロックユニットのロック状態の達成が、とりわけ音響信号によって、例えばカチッと鳴ることによってユーザに知らされ得ることが有利である。第1のロック要素および第2のロック要素が、外から接近できず、かつ全体的にロックユニットの基体内に配置されていることが好ましい。これにより、ロックユニットのロック状態の、権限のないアクセスおよび権限のない解除が防止され得ることが有利である。エネルギー貯蔵器の盗難防止が増進され得ることが有利である。一方のロック要素がもう一方のロック要素と「対応して」形成されているとは、とりわけ、これらのロック要素が、適切な配置および/または幾何的成形および/または材料選択により、互いに適応しており、とりわけ対象物のロックおよび/またはロック解除のために協働するということである。「ロック状態」とは、とりわけ、エネルギー貯蔵器がロックユニットにより、保持装置内で軸方向に固定されており、とりわけロック位置で固定的にロックされている状態のことである。「軸方向の固定」とは、この関連では、とりわけ、エネルギー貯蔵器の主要延び方向に沿ってまたは平行に走る軸における、エネルギー貯蔵器の位置固定されたおよび/または回転しない連結のことである。これに関し、対象物の「主要延び方向」とは、とりわけ、対象物をかろうじて完全に包囲する最小の幾何直方体の最長辺に平行に走る方向のことである。「規定されている」とは、とりわけ、特別に設計されているおよび/または特別に整えられているということである。対象物が特定の機能を規定されているとは、とりわけ、対象物がこの特定の機能を少なくとも1つの適用状態および/または動作状態で満たすおよび/または実施するということである。
【0007】
さらに、第1のロック要素および第2のロック要素が、可動に、とりわけ回転運動可能にロックユニットに支えられており、ロック状態では、第1のロック要素が第2のロック要素の運動、とりわけ回転運動をブロックすることが提案される。これにより、エネルギー貯蔵器のとりわけ安全なロックが、特に簡単な技術手段によって可能にされ得ることが有利である。「回転運動可能に支えられている」とは、とりわけ、対象物が、固定的な回転軸に支えられており、かつロック状態とは相違する少なくとも1つの動作状態では、回転軸を中心として少なくとも1つの回転方向に少なくとも一部の区間は動き得るということである。その代わりに、第1のロック要素および/または第2のロック要素が、ロック状態とは相違する少なくとも1つの動作状態では並進運動可能であるように、ロックユニットの基体に支えられることが考えられる。さらに、第1のロック要素だけまたは第2のロック要素だけが可動であり、かつ第2のロック要素または第1のロック要素が不動にロックユニットの基体と連結していることが考えられる。例えば代替的な一形態では、とりわけ、第1のロック要素が、ロックユニットの基体と不動に連結された係合要素として、例えば係合溝として形成されており、その一方で第2のロック要素は、可動に支えられた係合要素として、例えば係合フックとして形成されており、かつロック状態では第1のロック要素と係合することが考えられる。
【0008】
そのうえ、ロックユニットが、ロック状態では少なくとも第1のロック要素および/または第2のロック要素に張力によって予張力をかけるよう規定されている少なくとも1つのクランプユニットを有することが提案される。これにより、エネルギー貯蔵器の特に安全なおよび/または位置が正確な軸方向の固定が可能にされ得ることが有利である。クランプユニットは少なくとも1つの張力要素を有しており、この張力要素は、第1のロック要素または第2のロック要素に配置されており、かつとりわけ形状結合式および/または力結合式に第1のロック要素または第2のロック要素と連結していることが好ましい。とりわけ、クランプユニットは複数の張力要素を有することができる。ロックユニットの第1のロック要素および第2のロック要素にそれぞれクランプユニットの少なくとも1つの張力要素が配置されることが有利である。第1のロック要素に第1の張力要素が、および第2のロック要素に第2の張力要素が配置されることが好ましい。クランプユニットの第1の張力要素および第2の張力要素および/またはさらなる張力要素は、とりわけ、少なくとも部分的に異なって形成されることができ、かつ/または異なるやり方でロックユニットの一方のロック要素に配置することができ、かつ/またはロックユニットの一方のロック要素と連結することができる。とりわけ、クランプユニットの第1の張力要素により第1のロック要素に予張力をかけている張力は、クランプユニットの第2の張力要素により第2のロック要素におよび/またはさらなる張力要素によりさらなるロック要素に予張力をかけている少なくとも1つのさらなる張力とは、とりわけ、数値に関しておよび/または力作用点に関しておよび/または張力が作用する方向に関して異なり得る。「張力要素」とは、とりわけ、通常の動作状態では少なくとも10%、とりわけ少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、特に有利には少なくとも50%弾性的に変化可能な少なくとも1つの広がりを有しており、とりわけ広がりの変化に依存しておよび好ましくは変化に比例して、変化に対抗する反力を生成する巨視的な要素のことである。要素の「広がり」とは、とりわけ、一平面への要素の垂直な射影の2つの点の最大間隔のことである。「巨視的な要素」とは、とりわけ、少なくとも1mm、特に少なくとも5mm、好ましくは少なくとも10mmの広がりをもつ要素のことである。クランプユニットの1つの張力要素によってかけられる張力は、張力要素の広がりの弾性的な変化の際に生成されるこれに依存する反力に条件づけられており、とりわけこの反力に比例することが好ましい。クランプユニットの第1の張力要素、第2の張力要素、および/またはさらなる張力要素が、バネとして、とりわけトーションバネとして、有利にはアームバネおよび/またはねじりバネとして形成され、とりわけ金属および/または合金から、好ましくは鋼から、特に好ましくはバネ鋼から製造されることが好ましい。その代わりに、クランプユニットの第1の張力要素、第2の張力要素、ならびに/またはさらなる張力要素が、バネとは相違する弾性要素として形成され、かつ/または例えばプラスチックおよび/もしくは複合材から製造されることも考えられる。
【0009】
さらに、ロック状態を解除するとクランプユニットがエネルギー貯蔵器を張力によってはじき出すようにクランプユニットが形成されていることが提案される。ユーザによるエネルギー貯蔵器のとりわけ簡単な取り出しが達成され得ることが有利である。高いユーザフレンドリーが達成され得ることが有利である。ロック状態では、とりわけ、ロックユニットの少なくとも第1のロック要素または第2のロック要素が、クランプユニットの少なくとも第1の張力要素または第2の張力要素により、張力の方向がエネルギー貯蔵器のはじき出し方向に向くように予張力をかけられている。保持装置からエネルギー貯蔵器を取り出すためにロック状態を解除すると、エネルギー貯蔵器に対し、エネルギー貯蔵器が保持装置からはじき出し方向にはじき出されるように張力が作用することが好ましい。ロック状態を解除すると、とりわけ、第2の張力要素により第2のロック要素にかけられた張力が、第2のロック要素にはじき出し方向への回転運動をさせるように作用する。ロック状態を解除すると、とりわけ、第2の張力要素により第2のロック要素にかけられた張力が、支持ユニットまたはエネルギー貯蔵器と連結しておりロック状態では第2のロック要素の凹部内で固定されている連結要素を第2のロック要素が回転運動によりはじき出し方向にはじき出すように、第2のロック要素に作用する。連結要素は、とりわけ、ボルトとして形成されており、かつ円形の断面を有している。ロック状態では、連結要素はロックユニットの第2のロック要素の凹部内で固定されており、かつロック要素の凹部の半円形の断面を有する外輪郭と形状結合している。ロック状態では、ロックユニットに回転可能に支えられた第1のロック要素の回転軸の中心点と、ロックユニットに回転可能に支えられた第2のロック要素の回転軸の中心点とを通って、はじき出し方向に垂直に走っている仮想線上に、連結要素の中心点がある。ロック状態を解除すると、第2のロック要素と連結した張力要素により第2のロック要素にとりわけ形状結合式および/または力結合式にかけられた張力が、この第2のロック要素が連結要素と共に第2のロック要素の回転軸に沿ってはじき出し方向にストッパ点まで回転するように、かつその際に連結要素をはじき出し方向にはじき出すように、第2のロック要素に作用する。エネルギー貯蔵器が「はじき出される」とは、とりわけ、ロック状態を解除した場合にエネルギー貯蔵器が、エネルギー貯蔵器の取り出しを規定された位置へと動くことである。
【0010】
さらに、保持装置が、とりわけ鍵は別として、ユーザによる、錠前の作動、ロックユニットの道具なしでの作動を規定されている作動ユニットを有することが提案される。作動ユニットは、とりわけ、ロックユニットの一部であることができ、かつ/またはロックユニットと共通の部品を有することができる。ロックユニットの特に簡単なロックおよび/またはロック解除、したがってエネルギー貯蔵器の特に簡単な取り付け、特に簡単な取り去り、または特に簡単な交換が可能にされ得ることが有利である。ロックユニットは、とりわけ、作動ユニットを介し、純粋に手動で操作可能に形成されている。作動ユニットは、少なくとも1つの作動要素を含むことが好ましい。とりわけ、例えばボタンとしてもしくはレバーとして形成された作動要素を介しての、および/または錠前として形成された作動要素を介しての、少なくとも1つの作動要素と少なくとも第1のロック要素または第2のロック要素との間の形状結合式および/または力結合式の連結による、ロックユニットの作動が規定されている。少なくとも1つの作動要素は、とりわけ、特に単独で、ロックユニットに、とりわけロックユニットの基体に直接的に配置されており、かつロックユニットの少なくとも第1のロック要素または第2のロック要素と直接的に連結しており、この場合にはユーザによる作動がロックユニットで直接的に行われ得る。その代わりにまたはそれに加えて、作動ユニットが、第1のロック要素および/または第2のロック要素と連結している複数の作動要素および/またはさらなるユニットおよび/または要素を含むことが考えられる。さらなる作動要素が、とりわけ、フレームの任意の位置に、および/またはフレームと連結した部品に、とりわけユーザにとって簡単に接近できる位置に、例えばフレームと連結したハンドルに配置され得ることが望ましい。例えば、第1の作動要素がロック要素の少なくとも1つに直接的に配置され、かつ引く力および/または押す力を伝達するための機械的に可動な要素を介して、とりわけボーデンワイヤを介して、さらなる作動要素、例えばフレームのハンドルに配置されたレバーと連結され得ることが望ましい。その代わりにまたはそれに加えて作動ユニットが、電気機械的、電子的、および/または磁気的に制御および/または動作され、かつこのために相応の構造ユニットおよびまたは部品、例えばモータおよび変速機ならびに/または制御素子およびスイッチング素子ならびにさらなる電気的および/もしくは電子的なコンポーネントを含むことがさらに考えられる。この関連ではさらに、操作者に対し、ロックユニットのロック状態およびまたはロック解除状態が、光学信号および/または音響信号を介して、例えば作動ユニットと接続された操作ユニットのディスプレイもしくはスピーカを介して、ならびに/またはインターフェイスを経由して接続されたスマートフォンおよび/もしくは別のモバイル機器を使って表示または出力されることが考えられる。
【0011】
さらに、作動ユニットが、ロックユニットの無許可の作動を防ぐための少なくとも1つの安全機構を有することが提案される。ユーザのための高い安全性が達成され得ることが有利である。エネルギー貯蔵器への権限のないアクセスが可能な限り阻止され得ることが有利である。安全機構により、エネルギー貯蔵器の高度な盗難防止が達成され得ることが有利である。安全機構は、例えば錠前によって実現され得る。錠前は、とりわけ形状結合式および/または力結合式に作動ユニットの作動要素と連結でき、この場合、ユーザによる作動ユニットの作動は、鍵を使って、またはダイヤル錠の場合には数字コードの調整によって行われ得る。その代わりにまたはそれに加えて、とりわけ作動ユニットが電気機械的、電子的、および/または磁気的に制御および/または動作される形態では、安全機構は電気的および/または電子的に制御される安全機構であり、かつユーザによる作動ユニットの作動のための許可が、作動ユニットと接続された操作ユニットを介して、ならびに/またはインターフェイスを経由してスマートフォンおよび/もしくは別のモバイル機器を用いて、例えばPinコードおよび/もしくはパターンの入力ならびに/または指紋のスキャンならびに/または顔認識によって行われることが考えられる。
【0012】
加えてロックユニットが、エネルギー貯蔵器の遊びのない固定のための少なくとも1つの緩衝要素を有することが提案される。これにより、製造および/または適用に起因して保持装置内でエネルギー貯蔵器が自由に動ける隙間が少なく保たれ得ることが有利であり、これにより、強い振動の際にもエネルギー貯蔵器の滑りまたは緩みが可能な限り阻止され得る。クランプユニットの少なくとも1つの張力要素が、追加的に緩衝要素としても機能するよう形成されることが好ましい。その代わりにまたはそれに加えてロックユニットが、クランプユニットの張力要素とは相違するおよび/または独立して形成された1つまたは複数の緩衝要素を有することが考えられる。緩衝要素は、とりわけ、バネとして、特に圧縮バネとして、有利にはトーションバネとして、好ましくはアームバネおよび/またはねじりバネとして形成され得る。その代わりにまたはそれに加えて、少なくとも1つの緩衝要素が、圧縮ガスを用いたバネとして、例えばガス圧スプリングとしても形成され得ることが望ましい。少なくとも1つの緩衝要素が、さらに、ゴム要素として、とりわけゴムバッファとして、ならびに/またはクッション要素として、ならびに/またはフォーム材要素として、とりわけロックユニットの横に配置されるフォーム材、とりわけポリウレタンフォーム材から成るプレートとして、ならびに/または別の、とりわけ緩衝性の材料特性および遊びのない固定に適した材料特性をもつプラスチックおよび/もしくは複合材および/もしくは別の適切な素材から成るとりわけ弾性的な要素としても形成され得ることが望ましい。
【0013】
さらに、ロックユニットが、エネルギー貯蔵器の電気接触のための少なくとも1つの接触ユニットを有することが提案される。接触ユニットが、少なくとも1つの電気正極および少なくとも1つの電気負極を備えた少なくとも1つの導電性の接触要素を有することが好ましい。接触ユニットの少なくとも1つの接触要素は、バネ接点として形成され得る。接触ユニットの少なくとも1つの接触要素が、導電性金属、とりわけ銅から、および/または導電性合金、とりわけ銅合金から製造されることが好ましい。接触ユニットの少なくとも1つの接触要素が、ロックユニットの基体と形状結合式および/または力結合式に形成されることが好ましい。少なくとも1つの接触要素が、ロックユニットの上の内面で、はじき出し方向において第1のロック要素の横隣りに配置されることが好ましい。その代わりに少なくとも1つの接触要素が、ロックユニットの下の内面で、はじき出し方向において第2のロック要素の横隣りに配置されることが考えられる。加えてその代わりに第1の接触要素が、ロックユニットの第1のロック要素および/もしくは第2のロック要素と一体的に形成されるか、または第1のロック要素および/もしくは第2のロック要素と形状結合式および/もしくは力結合式に連結していることが考えられる。エネルギー貯蔵器および接触ユニットが、誤った極性との電気接触を防ぐための機構を有することが考えられる。とりわけ、誤った接触を排除できるように、およびエネルギー貯蔵器がロック状態でロックユニットにより軸方向に固定されている場合にしかエネルギー貯蔵器の電気接触が存在しないように、エネルギー貯蔵器の電気接触とロックユニットによるロックとを相互に関連させ得ることが望ましい。これにより、エネルギー貯蔵器および/または接触ユニットの、誤った極性によって引き起こされる損傷が防止され得ることが有利である。これにより、ロックユニットのロック状態では、エネルギー貯蔵器のとりわけ安全な電気接触が達成され得ることが有利である。とりわけ、エネルギー貯蔵器とエネルギー消費機器の間の電気コンタクト、例えば蓄電池として形成されたエネルギー貯蔵器と、E-バイクまたはペデレックの補助モータとして形成されたエネルギー消費機器との間の電気コンタクトが、特に簡単かつ安全なやり方で可能にされ得る。ロック状態でのエネルギー貯蔵器の確実で誤りのない電気接触が強い振動の際にも可能にされ得ることが有利である。さらに、保持装置のとりわけコンパクトで省スペースの構造方式が可能にされ得ることが有利である。その代わりに電気接触のための接触ユニットが、保持装置のロックユニットとは相違するさらなるユニットに設けられるか、またはフレームの1つのフレーム要素に直接的に設けられることが考えられる。
【0014】
そのうえ本発明は、本発明による保持装置と、少なくとも1つのフレーム要素とを備えたフレーム、とりわけ自転車フレームを出発点とする。ロックユニットが、フレーム要素に直接的に組み込まれることが提案される。ロックユニットが、自転車フレームのダウンチューブとして形成されたフレーム要素に組み込まれることが好ましい。とりわけ、保持装置全体およびエネルギー貯蔵器が、自転車フレームのフレーム要素、とりわけダウンチューブとして形成されたフレーム要素に直接的に組み込まれ得る。これにより、ロックユニットの特に省スペースの配置が達成され得ることが有利である。ロックユニットおよび/またはロックユニットの要素、とりわけロックユニットのロック要素が、外から接近できないようにフレーム要素内に配置されることが好ましい。エネルギー貯蔵器への権限のないアクセスが可能な限り阻止され得ることが有利である。その代わりに、保持装置の一部、とりわけ保持装置の個々のユニットおよび/または要素、とりわけロックユニットだけが、フレーム要素に組み込まれることが考えられる。
【0015】
これに関し、本発明による保持装置および/または本発明によるフレームは、上述の適用および実施形態には制限されない。とりわけ、本発明による保持装置および/または本発明によるフレームは、ここで説明した機能方式を満たすために、個々の要素、部品、およびユニットのここで挙げた数とは違う数を有することができる。加えて、本開示において提示された値域の場合、挙げた限度内にある値も開示されていると見なされ、かつ任意に使用可能と見なされる。
【0016】
さらなる利点は以下の図面の説明から明らかである。図面では、本発明の1つの例示的実施形態が図示されている。図面、明細書、および請求項は、組み合わされた多くの特徴を含んでいる。当業者は、これらの特徴を有用に個々に考察したり、有意義なさらなる組合せへとまとめたりもするであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明による自転車フレームと、本発明による保持装置とを備えた自転車の概略図である。
【
図2】本発明による保持装置のロックユニットの概略図である。
【
図4a】
図4aは本発明による保持装置の支持ユニットの概略図である。
【
図4b】
図4bはエネルギー貯蔵ユニットを備えた支持ユニットの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、フレーム14、とりわけ自転車フレームを備えた自転車48を示している。フレーム14は、フレーム14にエネルギー貯蔵器12、とりわけ自転車用エネルギー貯蔵器を取り外し可能に保持するための保持装置10を含んでいる。保持装置10は、ロック状態18ではエネルギー貯蔵器12の軸方向の固定および取り外し可能なロックを規定されている少なくとも1つのロックユニット16を含んでいる。自転車48は、補助モータ52およびエネルギー貯蔵器12を含んでいる。自転車48はペデレックとして形成されている。エネルギー貯蔵器12は、補助モータ52に電気エネルギーを供給するよう規定されている。エネルギー貯蔵器12は蓄電池として形成されている。フレーム14は、自転車フレーム50として形成されている。自転車フレーム50はフレーム要素40を有している。フレーム要素40はチューブ状に形成されている。チューブ状に形成されたフレーム要素40は丸い断面を有しており、しかしながらその代わりにオーバル形の、角張った、または別様に成形された断面も有し得ることが望ましい。保持装置10のロックユニット16は、フレーム14のフレーム要素40に直接的に組み込まれている。
【0019】
図2および
図3は、それぞれ保持装置10のロックユニット16を、異なる視点からの2つの相違する概略図で示している。ロックユニット16は、保持装置10内でのエネルギー貯蔵器の軸方向の固定および取り外し可能なロックを規定されている。ロックユニット16は、第1のロック要素20と、第1のロック要素20と対応している第2のロック要素22とを有している。第1のロック要素20および第2のロック要素22が、
図2および
図3ではそれぞれ2つの相違する位置で図示されている。第1の位置では、第1のロック要素20および第2のロック要素22が破線で図示されており、ロックユニット16のロック解除された状態を示している。第2の位置では、第1のロック要素20および第2のロック要素22が実線で図示されており、ロック状態18でのロックユニット16を示している。ロック状態18では、連結要素46が、第2のロック要素22の半円形の断面を有する凹部内で固定されている。連結要素46は、丸い断面をもつボルトとして形成されており、しかしながらその代わりにオーバル形の、角張った、または別様に成形された断面も有し得ることが望ましい。ここでは連結要素46は、エネルギー貯蔵器12を収容するための支持ユニット42に配置されている。しかしながらその代わりに連結要素46が、エネルギー貯蔵器12の一部であっても、エネルギー貯蔵器12に直接的に配置されていてもよいことが望ましい。第1のロック要素20および第2のロック要素22は、回転運動可能にロックユニット16の基体に支えられている。第1のロック要素20と第2のロック要素22は、ロックユニット16の橋絡要素32を介して相互に連結している。連結要素46をはじき出し方向54に反してロックユニット16内に押し込むと、連結要素46が第2のロック要素22を押す。第2のロック要素22は回転運動を実施する。第1のロック要素20が橋絡要素32を介して第2のロック要素22と連結していることにより、同時に第1のロック要素20が、第2のロック要素22の回転方向とは逆の回転方向に、ロック状態18に達するまで回転運動を実施する。ロック状態18では、第1のロック要素20が第2のロック要素22のさらなる回転運動をブロックする。第1のロック要素20の外輪郭の形状により、第1のロック要素20は第2のロック要素22のためのストッパを形成する。
【0020】
ロックユニット16は、ユーザによりロックユニット16を道具なしで作動させるための作動ユニット30を有している。作動ユニット30は、作動要素56を有している。作動要素56は錠前58として形成されており、第1のロック要素20と形状結合式に連結されている。しかしながらその代わりに作動要素56が、ボタンとしてまたはレバーとしてまたは異なる作動要素としても形成され得ることが望ましい。錠前58は、ロックユニット16の無許可の作動を防ぐための、作動ユニット30の安全機構になっている。ユーザは鍵(不図示)を使って、そのほかには道具なしでロックユニット16を作動させ得る。
【0021】
図3は、ロックユニット16のクランプユニット24を示している。クランプユニット24は、ロック状態18での第1のロック要素20および/または第2のロック要素22に、張力によって予張力をかけるよう規定されている。クランプユニット24は、第1の張力要素26および第2の張力要素28を有している。第1の張力要素26はねじりバネとして形成されており、かつ第1のロック要素20と固定的に連結している。ロック状態18では、第1の張力要素26が第1のロック要素20に張力によって予張力をかけている。第2の張力要素28はさらなるねじりバネとして形成されており、かつ第2のロック要素20と固定的に連結している。ロック状態18では、第2の張力要素28が第2のロック要素22に張力によって予張力をかけている。ロック状態18を解除すると、クランプユニット24が、第2の張力要素28により第2のロック要素22にかけている張力を使って、エネルギー貯蔵器12をはじき出し方向54にはじき出す。ロック状態18は、作動ユニット30のうち錠前58として形成されており、かつロックユニット16の第1のロック要素20と形状結合式に連結されている作動要素56内で鍵を回転させることで、第1の張力要素26によって第1のロック要素20にかかっている張力に反して解除される。ロックユニットのロック状態18とは相違する1つの動作状態では、第2のロック要素22が第1のロック要素22によってブロックされておらず、回転することができる。第2の張力要素28によって第2のロック要素22にかかっている張力により、第2のロック要素22が破線で図示された位置に回転し、かつ連結要素46、したがってエネルギー貯蔵器12をロックユニット16から押し出す。
【0022】
ロックユニット16は緩衝要素34を有している。ここでは第2の張力要素28が同時に緩衝要素34として形成されることが好ましい。ロック状態18では、緩衝要素34として形成された第2の張力要素28が予張力をかけており、かつエネルギー貯蔵器の遊びのない固定を規定されている。連結要素46をロックユニット16内に押し込むと、緩衝要素34として形成された張力要素28の張力により、緩衝要素34の緩衝機能が生じる。その代わりにまたはそれに加えて緩衝要素34が、ねじりバネとして形成された第2の張力要素28とは相違するように形成されたさらなるバネとして、またはゴム要素として、クッション要素として、または例えばポリウレタンのようなフォーム材から成るプレートとして、またはエネルギー貯蔵器12の緩衝および遊びのない固定のためのさらなるものとしても実施され得ることが望ましい。
【0023】
ロックユニット16は接触ユニット36を有している。接触ユニット36は接触要素38を有しており、かつエネルギー貯蔵器12の電気接触を規定されている。ロック状態18では、接触ユニット36の接触要素38により、エネルギー貯蔵器12と補助モータ52の間の電気コンタクトが確立されており、かつエネルギー貯蔵器12が補助モータ52にエネルギーを供給する(
図1を参照)。
【0024】
図4aは、保持装置10の支持ユニット42を示している。支持ユニット42は、エネルギー貯蔵器12の収容および取り外し可能な保持を規定されている。支持ユニット42は、角を丸めたベースプレートを有している。支持ユニット42のベースプレートは、支持要素のエネルギー貯蔵器12へのネジ留めを規定されている複数のネジ穴を有している。支持ユニット42は、連結要素46および支持要素44を有している。連結要素46は、丸い断面をもつボルトとして形成されており、2つの互いに平行な連結側辺部を介して、支持ユニット42のベースプレートの表側と一体的に連結されている。支持要素44は、支持ユニット42のベースプレートと一体的に形成されており、かつ支持ユニット42のベースプレートの表側から支持ユニット42のベースプレートの下縁を越えて、支持ユニット42のベースプレートに垂直に走る方向に延びている。
図4bは、支持ユニット42をエネルギー貯蔵器12と一緒に示している。エネルギー貯蔵器12は、支持ユニット42のベースプレートと連結している。支持要素44はガイドレール60を形成している。ガイドレール60は、保持装置10内でのエネルギー貯蔵器12のガイドを規定されている。エネルギー貯蔵器12はガイドレール60の上に配置されている。エネルギー貯蔵器12を保持装置10に軸方向に固定および取り外し可能にロックするため、支持ユニット42の連結要素46が、はじき出し方向54に反してロックユニット16内に押し込まれ得る(
図2を参照)。