(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】低フォーミング電圧の不揮発性メモリ(NVM)
(51)【国際特許分類】
H10B 63/00 20230101AFI20241011BHJP
H10N 70/20 20230101ALI20241011BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20241011BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20241011BHJP
H01L 23/522 20060101ALI20241011BHJP
【FI】
H10B63/00
H10N70/20
H01L21/88 S
H01L21/90 A
(21)【出願番号】P 2022524559
(86)(22)【出願日】2020-10-27
(86)【国際出願番号】 IB2020060045
(87)【国際公開番号】W WO2021084408
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2023-03-24
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨンソク
(72)【発明者】
【氏名】オーケー、インジョ
(72)【発明者】
【氏名】レズニチェク、アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】セオ、スン-チョン
【審査官】加藤 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0264234(US,A1)
【文献】特開2004-038047(JP,A)
【文献】特開2006-351992(JP,A)
【文献】特開2015-135952(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 63/00
H10N 70/20
H01L 21/3205
H01L 21/768
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発性メモリ(NVM)デバイスであって、
第1の相互接続誘電材料層内に埋め込まれた、第1の導電性構造体と、
前記第1の導電性構造体上に位置し、下部電極と、誘電性スイッチング材料で構成される導電性フィラメントと、上部電極とを含む、抵抗変化型メモリ(ReRAM)デバイスと、
前記第1の相互接続誘電材料層上に位置し、前記ReRAMデバイスを埋め込んでいる、第2の相互接続誘電材料層であって、そこに存在するディボットを有する起伏した上面を含む、第2の相互接続誘電材料層と、
前記第2の相互接続誘電材料層に存在する一対の第2の導電性構造体であって、前記一対の第2の導電性構造体のうちの一方の前記第2の導電性構造体が前記第1の導電性構造体の表面と接しており、前記一対の第2の導電性構造体のうちの他方の前記第2の導電性構造体が前記ReRAMデバイスの前記上部電極の表面と接している、一対の第2の導電性構造体と、
前記上部電極上に位置する誘電性ハード・マスクと、を含み、
前記誘電性ハード・マスクが、前記上部電極と前記導電性フィラメントとの両方の側壁に垂直に整列した側壁を有する、
NVMデバイス。
【請求項2】
前記ReRAMデバイスの前記導電性フィラメントおよび前記上部電極が、前記ReRAMデバイスの前記下部電極の幅以上の幅を有する、請求項1に記載のNVMデバイス。
【請求項3】
前記ReRAMデバイスの前記下部電極が、前記第1の相互接続誘電材料層と前記第2の相互接続誘電材料層との間に位置する誘電性キャッピング層に埋め込まれている、請求項1に記載のNVMデバイス。
【請求項4】
前記誘電性スイッチング材料が、誘電性の金属酸化物で構成されている、請求項1に記載のNVMデバイス。
【請求項5】
前記第2の相互接続誘電材料層上に位置する誘電性キャッピング層を更に含む、請求項1に記載のNVMデバイス。
【請求項6】
前記ReRAMデバイスの前記導電性フィラメントおよび前記上部電極の側壁に位置する誘電性スペーサーを更に含む、請求項1に記載のNVMデバイス。
【請求項7】
前記導電性フィラメントが、2ボルト未満の電圧を使用して予め形成されている、請求項1に記載のNVMデバイス。
【請求項8】
前記ReRAMデバイスの前記導電性フィラメントおよび前記上部電極が、円筒形の形状を有する、請求項1に記載のNVMデバイス。
【請求項9】
不揮発性メモリ(NVM)デバイスを形成する方法であって、
第1の相互接続誘電材料層内に埋め込まれた第1の導電性構造体の表面に、下部電極を形成することと、
下部から上部にかけて、誘電性スイッチング材料および上部電極を含むパターニングされた材料スタックを、前記下部電極上に形成することと、
第2の相互接続誘電材料層を前記第1の相互接続誘電材料層の上に形成することであって、前記パターニングされた材料スタックを前記第2の相互接続誘電材料層内に埋め込む、形成することと、
一対の第2の導電性構造体を前記第2の相互接続誘電材料層に形成することであって、前記一対の第2の導電性構造体のうちの一方の前記第2の導電性構造体が、前記第1の導電性構造体の表面と接しており、前記一対の第2の導電性構造体のうちの他方の前記第2の導電性構造体が、前記パターニングされた材料スタックの前記上部電極の表面と接している、形成することと、
一対の犠牲導電性パッドを前記第2の相互接続誘電材料層上に形成することであって、
前記一対の犠牲導電性パッドのうちの一方の前記犠牲導電性パッドが、第1の領域を有し、かつ前記第1の導電性構造体の前記表面に接する前記一対の第2の導電性構造体の前記第2の導電性構造体の表面に接しており、前記一対の犠牲導電性パッドのうちの他方の前記犠牲導電性パッドが、前記第1の領域とは異なる第2の領域を有し、かつ前記パターニングされた材料スタックの前記上部電極の前記表面に接する前記一対の第2の導電性構造体の前記第2の導電性構造体の表面に接している、形成することと、
プラズマ処理を実施してアンテナ効果を誘起し、前記誘電性スイッチング材料を前記下部電極および前記上部電極を更に含むReRAMデバイスの導電性フィラメントに変換することと、
前記一対の犠牲導電性パッドを前記第2の相互接続誘電材料層から除去することと、
を含む方法。
【請求項10】
前記一対の
犠牲導電性パッドを前記第2の相互接続誘電材料層に前記形成する間に、前記第2の相互接続誘電材料層にディボットが形成される、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記誘電性スイッチング材料を前記導電性フィラメントに前記変換することが、2ボルト未満の電圧で実施される、請求項
9に記載の方法。
【請求項12】
前記一対の犠牲導電性パッドを前記除去した後に、前記第2の相互接続誘電材料層の上面に誘電性キャッピング層を形成することを更に含み、前記誘電性キャッピング層が、前記第2の相互接続誘電材料層に存在する前記ディボットに存在する、請求項
10に記載の方法。
【請求項13】
前記下部電極を前記形成することが、前記第1の相互接続誘電材料層上に形成された誘電性キャッピング層に前記下部電極を埋め込むことを含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項14】
前記パターニングされた材料スタックが、前記上部電極上に位置する誘電性ハード・マスクを更に含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項15】
前記誘電性ハード・マスクが、前記上部電極と前記誘電性スイッチング材料との両方の側壁に垂直に整列した側壁を有する、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記誘電性スイッチング材料が、誘電性の金属酸化物で構成されている、請求項
9に記載の方法。
【請求項17】
前記パターニングされた材料スタックが、前記下部電極の幅以上の幅を有する、請求項
9に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の相互接続誘電材料層を前記形成する前に、前記パターニングされた材料スタックの側壁に誘電性スペーサーを形成することを更に含む、請求項
9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、不揮発性メモリ(NVM:non-volatile memory)に関し、より詳細には、低フォーミング電圧の抵抗変化型メモリ(ReRAMまたはRRAM:resistive random access memory)デバイス、およびその形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不揮発性メモリ(NVM)とは、電源を切ってすぐに入れ直した後でも、格納された情報を読み出すことができるコンピュータ・メモリの種類のことである。対照的に、揮発性メモリでは、データを保持するために定電力が必要となる。抵抗変化型メモリ(ReRAMまたはRRAM)は、多くの場合、メモリスタと称する誘電材料の抵抗を変化させることによって動作するNVMの種類である。基本的な考え方は、十分に高い電圧を印加した後に、通常は絶縁性である誘電材料をフィラメントまたは伝導経路によって導通させることができるというものである。伝導経路は、空格子点移動または金属の欠陥移動を含む、異なるメカニズムで生じさせることができる。一度フィラメントが形成されると、別の電圧によってリセット(断裂、高抵抗を生じさせる)したり、またはセット(再フォーミング、低抵抗を生じさせる)したりすることが可能となる。
【0003】
例えば、ハフニウム酸化物などの誘電性の金属酸化物の典型的なフィラメントのフォーミング電圧は、3ボルト~3.5ボルトである。そのような高いフィラメントのフォーミング電圧は、既存のReRAMデバイスには適合しない。例えば、既存の14nmのReRAMデバイスは、約2ボルト以下のフォーミング電圧が必要となる。
【0004】
いくつかのReRAMデバイスでは、プラズマ処理プロセスを用いて、アンテナ効果によりReRAM内にフィラメントを予め形成することができる。「アンテナ効果」という用語は、本出願全体を通して、プロセス中の電子回路部品の絶縁モードにおける電荷蓄積効果について説明するのに使用されている。このような電荷蓄積は、多くの場合、プラズマ・プロセス中に生成される電荷によって発生する。続いて、これらの電荷を金属表面に暴露することによって収集し、絶縁モードで蓄積を開始する。このような電荷の蓄積によって、電圧差が生じる可能性がある。そのときに、デバイスが2つの異なる絶縁ノード間に置かれた場合、デバイスに特定の電圧がかかる可能性がある。この電圧差により、最終的にデバイスに電流の流入をもたらしたり、またはデバイスに電気的ストレスがかかったりする可能性がある。そのようなReRAMデバイスでは、上部電極と下部電極とが長い導電性パッドまたは長いワイヤに接続されてプラズマ処理中に電荷を収集するが、全領域が不均衡となり、アンテナ効果を用いる誘電性の金属酸化物にわたってソフトブレークダウンが誘起される。デバイス設計の場合、そのようなReRAMデバイスの常設の構成部品である導電性パッドまたはワイヤが大型だと、面積が代償となる。
【0005】
他のReRAMデバイスでは、希土類元素などの酸素捕捉(oxygen scavenging)材料を用いて、低フォーミング電圧またはフォーミングフリー電圧のReRAMデバイスを得ることができる。ReRAMデバイス内における酸素捕捉材料の使用は、多くの場合、配線工程(BEOL:back-end-of-the-line)に存在する材料とは適合しないものである。
【0006】
従って、従来の低フォーミング電圧のReRAMデバイスにおける上述の様々な問題の1つ以上に対処する、低フォーミング電圧のReRAMを提供することが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
低フォーミング電圧のNVMデバイスは、一対の第2の導電性構造体およびパターニングされた材料スタックを埋め込んだ相互接続誘電材料層上に、一対の犠牲導電性パッドを形成することによって提供される。一方の犠牲導電性パッドは、第1の領域を有し、かつ下側の第1の導電性構造体の表面に接する第2の導電性構造体の一方の表面に接しており、他方の犠牲導電性パッドは、第1の領域とは異なる(即ち、それよりも大きいかまたは小さい)第2の領域を有し、かつパターニングされた材料スタックの上部電極の表面に接する第2の導電性構造体のもう一方の表面に接している。プラズマ処理を実施してアンテナ効果を誘起し、パターニングされた材料スタックの誘電性スイッチング材料を導電性フィラメントに変換する。プラズマ処理後、一対の犠牲導電性パッドを除去する。
【0008】
本出願の一態様では、不揮発性メモリ(NVM)デバイスが提供される。一実施形態では、NVMデバイスは、第1の相互接続誘電材料層内に埋め込まれた、第1の導電性構造体を含む。抵抗変化型メモリ(ReRAM)デバイスは、第1の導電性構造体上に位置し、下部電極と、誘電性スイッチング材料で構成される導電性フィラメントと、上部電極とを含む。第2の相互接続誘電材料層は、第1の相互接続誘電材料層上に位置し、ReRAMデバイスを埋め込んでいる。本出願によれば、第2の相互接続誘電材料層は、そこに存在するディボット(divot)を有する起伏した上面を含む。第2の相互接続誘電材料層に、一対の第2の導電性構造体が存在しており、一対の第2の導電性構造体のうちの一方の第2の導電性構造体が第1の導電性構造体の表面と接しており、一対の第2の導電性構造体のうちの他方の第2の導電性構造体がReRAMデバイスの上部電極の表面と接している。
【0009】
本出願の別の態様では、不揮発性メモリ(NVM)デバイスの形成方法が提供される。一実施形態では、方法は、第1の相互接続誘電材料層内に埋め込まれた第1の導電性構造体の表面に、下部電極を形成することを含む。続いて、下部から上部にかけて、誘電性スイッチング材料および上部電極を含むパターニングされた材料スタックを、下部電極上に形成する。続いて、第2の相互接続誘電材料層を第1の相互接続誘電材料層の上に形成し、パターニングされた材料スタックを第2の相互接続誘電材料層内に埋め込む。次に、一対の第2の導電性構造体のうちの一方の第2の導電性構造体が第1の導電性構造体の表面と接しており、一対の第2の導電性構造体のうちの他方の第2の導電性構造体が、パターニングされた材料スタックの上部電極の表面と接している、一対の第2の導電性構造体を第2の相互接続誘電材料層に形成する。続いて、一対の犠牲導電性パッドのうちの一方の犠牲導電性パッドが、第1の領域を有し、かつ第1の導電性構造体の表面に接する一対の第2の導電性構造体の第2の導電性構造体の表面に接しており、一対の犠牲導電性パッドのうちの他方の犠牲導電性パッドが、第1の領域とは異なる(即ち、それよりも大きいかまたは小さい)第2の領域を有し、かつパターニングされた材料スタックの上部電極の表面に接する一対の第2の導電性構造体の第2の導電性構造体の表面に接している、一対の犠牲導電性パッドを第2の相互接続誘電材料層上に形成する。次に、プラズマ処理を実施してアンテナ効果を誘起し、誘電性スイッチング材料を下部電極および上部電極を更に含むReRAMデバイスの導電性フィラメントに変換する。導電性フィラメントを形成した後、一対の犠牲導電性パッドを第2の相互接続誘電材料層から除去する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本出願の実施形態に従って使用することができるBEOL構造体の断面図であり、BEOL構造体は、第1の相互接続誘電材料層内に埋め込まれた第1の導電性構造体の表面上に位置する下部電極を含む。
【
図2】誘電性スイッチング層および上部電極層を形成した後の、
図1のBEOL構造体の断面図である。
【
図3】上部電極層に誘電性ハード・マスク層を形成した後の、
図2のBEOL構造体の断面図である。
【
図4】誘電性ハード・マスク層の表面にパターニングされたフォトレジスト・マスクを形成した後の、
図3のBEOL構造体の断面図である。
【
図5】誘電性ハード・マスク層、上部電極層、および誘電性スイッチング層をパターニングして、誘電性ハード・マスク層の残存部分、上部電極層の残存部分、および誘電性スイッチング層の残存部分によるパターニングされた材料スタックを設け、パターニングされたフォトレジスト・マスクを除去した後の、
図4のBEOL構造体の断面図である。
【
図6】パターニングされた材料スタックの側壁に誘電性スペーサーを形成した後の、
図5のBEOL構造体の断面図である。
【
図7】第2の相互接続誘電材料層を第1の相互接続誘電材料層の上に形成し、パターニングされた材料スタックを含む誘電性スペーサーを第2の相互接続誘電材料層内に埋め込んだ後の、
図6のBEOL構造体の断面図である。
【
図8】一対の第2の導電性構造体を第2の相互接続誘電材料層に形成した後の、
図7のBEOL構造体の断面図であり、一対の第2の導電性構造体のうちの一方の第2の導電性構造体が、第1の導電性構造体の表面と接しており、一対の第2の導電性構造体のうちの他方の第2の導電性構造体が、パターニングされた材料スタックの上部電極層の残存部分の表面と接している。
【
図9】第2の相互接続誘電材料層と一対の第2の導電性構造体との両方に導電性金属含有パッド層を形成した後の、
図8のBEOL構造体の断面図である。
【
図10】一対の犠牲導電性パッドを設けるために導電性金属含有パッド層をパターニングした後の、
図9のBEOL構造体の断面図であり、一対の犠牲導電性パッドのうちの一方の犠牲導電性パッドが、第1の領域を有し、かつ第1の導電性構造体の表面に接している一対の第2の導電性構造体の第2の導電性構造体の表面に接しており、一対の犠牲導電性パッドのうちの他方の犠牲導電性パッドが、第1の領域とは異なる(即ち、それよりも大きいかまたは小さい)第2の領域を有し、かつパターニングされた材料スタックの上部電極層の残存部分の表面に接する一対の第2の導電性構造体の第2の導電性構造体の表面に接している。
【
図11】プラズマ処理を実施してアンテナ効果を誘起し、ReRAMデバイスの導電性フィラメントを形成した後の、
図10のBEOL構造体の断面図である。
【
図12】一対の犠牲導電性パッドを除去した後の、
図11のBEOL構造体の断面図である。
【
図13】誘電性キャッピング層を形成した後の、
図12のBEOL構造体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここから、本出願に添付される以下の説明および図面を参照して、本出願をより詳細に説明する。本出願の図面は、例示の目的のみに提供されており、従って図面は縮尺通りに描かれていないことに留意されたい。また、同一の対応する要素を同一の参照番号で言及していることに留意されたい。
【0012】
以下の明細書において、本出願の様々な実施形態の理解をもたらすために、特定の構造体、構成部品、材料、寸法、プロセス工程および手法などの、多くの具体的な詳細が記載されている。しかしながら、本出願の様々な実施形態は、これらの具体的な詳細がなくても実施することができることが当業者には理解されよう。他の場合では、本出願が不明瞭となることを避けるために、公知の構造体またはプロセス工程を詳細に記載していない。
【0013】
層、領域または基板が別の要素の「上に」または「上方に」あると言及する場合、その要素が他の要素の上に直接あってもよく、または介在する要素が存在している可能性もあるということが理解されよう。対照的に、要素が別の要素の「上に直接」または「上方に直接」あると言及する場合、介在要素は存在しない。要素が別の要素の「真下に」または「下に」あると言及する場合も、その要素が他の要素の真下もしくはその下に直接あってもよく、または介在する要素が存在する可能性があるということが理解されよう。対照的に、要素が別の要素の「真下に直接」または「下に直接」あると言及する場合、介在要素は存在しない。
【0014】
本出願の図面は、NVMデバイス(即ち、低フォーミング電圧のReRAMデバイス)が存在するBEOL構造体のメモリ・デバイス領域を図示していることに留意されたい。BEOL構造体の非メモリ・デバイス領域は、図中に示されるメモリ・デバイス領域の周辺部に位置している。非メモリ・デバイス領域としては、例えば、BEOL抵抗器または相互接続構造体を含む、他のBEOLデバイスを挙げることができる。
【0015】
ここで、
図1を参照すると、本出願の実施形態に従って使用することができるBEOL構造体を図示しており、BEOL構造体は、第1の相互接続誘電材料層10内に埋め込まれた第1の導電性構造体14の表面上に位置する下部電極16を含んでいる。いくつかの実施形態では、拡散障壁ライナー12が第1の導電性構造体14の側壁および最下部表面に位置していてもよい。まとめると、第1の導電性構造体14、所望により拡散障壁ライナー12、および第1の相互接続誘電材料層10によって、BEOL構造体の相互接続レベルL
n(nは1から始まる整数である)が提供される。
【0016】
図示されていないが、相互接続レベルLnには、1つ以上のCMOSデバイスを含む基板工程(FEOL:front-end-of-the-line)レベルが存在する。いくつかの実施形態では(やはり図示せず)、相互接続レベルLnとFEOLレベルとの間に金属レベルLn-1が位置していてもよい。いくつかの実施形態では、nが1である場合、金属レベルLn-1はミドル・オブ・ザ・ライン(MOL:middle-of-the-line)レベルである。他の実施形態では、nが2、3、4等である場合、金属レベルLn-1は相互接続レベルLnの真下に配置される、下方の相互接続レベルである。いずれの実施形態にしても、金属レベルLn-1は、FEOLレベル(図示せず)に存在する下側のCMOSデバイス(こちらも図示せず)に直接または間接のいずれかで接続されて埋め込まれた、少なくとも1つの金属レベルの導電性構造体を含有する誘電材料層を含む。
【0017】
nが1である場合、金属レベルLn-1の誘電材料層は、例えば、二酸化ケイ素、非ドープケイ酸塩ガラス(USG:undoped silicate glass)、フルオロケイ酸塩ガラス(FSG:fluorosilicate glass)、ホウリンケイ酸塩ガラス(BPSG:borophosphosilicate glass)、スピンオン・ローk誘電体層、化学蒸着(CVD:chemical vapor deposition)ローk誘電体層、またはそれらの任意の組み合わせなどのMOL誘電体材料で構成されていてもよい。本出願全体を通して使用される「ローk」という用語は、4.0未満の誘電定数を有する誘電材料を表す(本明細書において表現される全ての誘電定数は、真空で測定されたものである)。また、そのような実施形態では(即ち、nが1である場合)、少なくとも1つの金属レベルの導電性構造体は、例えば、タングステン(W)、コバルト(Co)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)またはそれらの合金などのコンタクト金属またはコンタクト合金を含むコンタクト構造体である。
【0018】
nが1よりも大きい場合、金属レベルLn-1の誘電材料層は、例えば、Si、C、OおよびH原子を含む二酸化ケイ素、シルセスキオキサン、Cドープ酸化物(即ち、有機ケイ酸塩)、熱硬化性ポリアリーレンエーテル、またはそれらの多層などの相互接続誘電材料で構成されていてもよい。「ポリアリーレン」という用語は、本出願では、結合、縮合環、または、例えば酸素、硫黄、スルホン、スルホキシド、カルボニル等などの不活性連結基によって互いに結合されたアリール部分または不活性置換アリール部分を表すために使用される。また、そのような実施形態では(即ち、nが1よりも大きい場合)、少なくとも1つの金属レベルの導電性構造体は、導電性金属または導電性合金で構成される。本出願に使用することができる導電性材料の例としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、またはタングステン(W)が挙げられるが、導電性合金の例は、Cu-Al合金である。
【0019】
相互接続レベルLnの第1の相互接続誘電材料層10は、金属レベルLn-1の誘電材料層について上述した相互接続誘電材料のうちの1つで構成されていてもよい。第1の相互接続誘電材料層10は、例えば、化学蒸着(CVD)、プラズマ促進化学蒸着(PECVD:plasma enhanced chemical vapor deposition)、化学溶液堆積、蒸発、または原子層堆積(ALD:atomic layer deposition)などの従来の堆積プロセスを使用して形成することができる。一実施形態では、第1の相互接続誘電材料層10は、50nm~200nmの厚さ(即ち、鉛直高さ)であってよい。第1の相互接続誘電材料層10の他の厚さも可能であり、これを本出願の第1の相互接続誘電材料層10の厚さとして使用することができる。
【0020】
第1の相互接続誘電材料層10内に埋め込まれた第1の導電性構造体14は、少なくとも1つの金属レベルの導電性構造体について上述した導電性金属または導電性合金のうちの1つで構成されていてもよい。第1の導電性構造体14を提供する導電性金属または導電性合金は、例えば、CVD、PECVD、スパッタリング、化学溶液堆積またはめっきなどの従来の堆積プロセスを使用して形成することができる。一実施形態では、第1の導電性構造体14を提供する導電性金属または導電性合金を形成するのに、ボトムアップめっきプロセスを使用する。
【0021】
上記で言及したように、いくつかの実施形態では、拡散障壁ライナー12が第1の導電性構造体14の側壁および最下部表面に沿って存在している。いくつかの実施形態では(図示せず)、拡散障壁ライナーが存在しない。拡散障壁ライナー12は、拡散障壁材料(即ち、銅などの導体材料がそこを通じて拡散するのを防止する障壁としての機能を果たす材料)で構成されている。拡散障壁ライナー12を提供するのに使用することができる拡散障壁材料の例としては、Ta、TaN、Ti、TiN、Ru、RuN、RuTa、RuTaN、WまたはWNが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、拡散障壁材料は、拡散障壁材料の材料スタックを含み得る。一例では、拡散障壁材料は、Ta/TaNのスタックで構成されていてもよい。拡散障壁材料は、例えば、CVD、PECVD、ALD、物理蒸着(PVD:physical vapor deposition)、スパッタリング、化学溶液堆積またはめっきを含む堆積プロセスによって形成することができる。
【0022】
相互接続レベルLnは、当業者に公知の任意の従来のプロセスを使用して形成することができる。本出願の方法を不明瞭にしないように、本明細書では相互接続レベルLnを形成するために使用されるプロセスを提供しない。一実施形態では、相互接続レベルLnを形成するのに、ダマシン・プロセスを使用することができる。ダマシン・プロセスには、誘電材料への開口部を形成することと、開口部を導電性金属含有材料で充填することと、必要であれば、例えば化学機械研磨(CMP:chemical mechanical polishing)もしくは研削またはその両方などの平面化プロセスを実施することとが含まれ得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1の導電性構造体14は、第1の相互接続誘電材料層10の最上部表面、および存在する場合は拡散障壁ライナー12の最上部表面と同一平面上の最上部表面を有する。
【0024】
相互接続レベルLnを形成した後、第1の導電性構造体14の表面上に下部電極16を形成する。つまり、下部電極16は、第1の導電性構造体14との界面を形成する。下部電極16は、後にコンタクトを形成するために第1の導電性構造体14の一部を利用することができるよう、第1の導電性構造体14の領域よりも小さい領域を有する。下部電極16は、例えば、Cu、Ta、TaN、Ti、TiN、Ru、RuN、RuTa、RuTaN、Co、CoWP、CoN、W、WNまたはそれらの任意の組み合わせなどの酸素欠損導体材料で構成されている。下部電極16は、2nm~80nmの厚さであってよく、その他の厚さも可能であり、これを本出願の下部電極16の厚さとして使用することができる。下部電極16は、例えば、スパッタリング、電気めっき、無電解めっき、ALD、CVD、PECVDまたはPVDなどの堆積プロセスによって形成することができる。いくつかの実施形態では、下部電極16を提供する導体材料を堆積した後に、エッチバック・プロセス、平面化プロセス(例えば、化学機械研磨など)、またはパターニング・プロセス(例えば、フォトリソグラフィおよびエッチングなど)を行うことができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、および
図1に示すように、下部電極16が第1の導電性構造体14の最上部表面に形成されており、下部電極16が誘電性キャッピング層18内に埋め込まれている。誘電性キャッピング層18は、例えば、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si
3N
4)、二酸化ケイ素(SiO
2)、炭素ドープ酸化物、窒素および水素ドープ炭化ケイ素(SiC(N、H))、または上述の誘電性キャッピング材料のうちの少なくとも1つの多層スタックを含む、任意の誘電性キャッピング材料で構成されていてもよい。誘電性キャッピング層18を提供する誘電性キャッピング材料は、第1の相互接続誘電材料層10と組成的に異なっている。誘電性キャッピング層18を提供する誘電性キャッピング材料は、例えば、CVD、PECVD、ALD、化学溶液堆積または蒸発などの堆積プロセスを使用して形成することができる。
【0026】
一実施形態では、誘電性キャッピング層18は、第1の相互接続誘電材料層10、第1の導電性構造体14、および存在する場合は拡散障壁ライナー12を含む、相互接続レベルLnの全体に形成されている。続いて、フォトリソグラフィおよびエッチングによって誘電性キャッピング層18の開口部を形成する。誘電性キャッピング層18に形成される開口部は、第1の導電性構造体14の表面に物理的に暴露されている。次に、誘電性キャッピング層18に存在する開口部に下部電極16を形成する。
【0027】
別の実施形態では、堆積およびパターニングによって下部電極16を形成し、その後に下部電極16と側面で隣接するように誘電性キャッピング層18を形成する。
【0028】
いくつかの実施形態では(図示せず)、下部電極16を第1の導電性構造体14の凹面に形成してもよい。第1の導電性構造体14の凹部形成には凹部エッチが含まれる。この凹部エッチは、拡散障壁ライナー12が構造体に存在する場合にも、拡散障壁ライナー12に凹部を形成することができる。第1の導電性構造体14の凹面に下部電極16が形成される実施形態では、構造体から誘電性キャッピング層18を省略することが可能であり、下部電極16は第1の相互接続誘電材料層10の最上部表面と同一平面上にあるか、またはその真下にある最上部表面を有し得る。
【0029】
ここで、
図2を参照すると、誘電性スイッチング層20Lおよび上部電極層22Lを形成した後の、
図1のBEOL構造体が図示されている。図示されるように、誘電性スイッチング層20Lは、少なくとも下部電極16の少なくとも1つの表面に接している。従って、誘電性スイッチング層20Lは下部電極16と界面を形成している。
【0030】
誘電性スイッチング層20Lは、4.0より大きい誘電定数を有する誘電性の金属酸化物などの誘電材料である。本出願のこの時点では、誘電性スイッチング層20Lは電気的に絶縁性であり、プラズマ処理の間に誘電性スイッチング層20Lが導電性のフィラメントに変換される。誘電性スイッチング層20Lとして使用することができる誘電性の金属酸化物の例としては、ハフニウム酸化物(HfOx)、タンタル酸化物(TaOx)、チタン酸化物(TiOx)、アルミニウム酸化物(AlOx)、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。誘電性スイッチング層20Lは、例えば、CVD、PECVD、ALD、化学溶液堆積または蒸発などの堆積プロセスを使用して形成することができる。誘電性スイッチング層20Lは、1nm~50nmの厚さであってよいが、しかしながら、その他の厚さが想定され、これを誘電性スイッチング層20Lの厚さとして使用することができる。
【0031】
誘電性スイッチング層20Lと界面を形成する上部電極層22Lは、下部電極16について上述した酸素欠損導体材料のうちの1つで構成されていてもよい。一実施形態では、上部電極層22Lは、下部電極16を提供する酸素欠損導体材料と組成的に同一の酸素欠損導体材料で構成される。別の実施形態では、上部電極層22Lは、下部電極16を提供する酸素欠損導体材料と組成的に異なる酸素欠損導体材料で構成される。上部電極層22Lは、2nm~80nmの厚さであってよく、その他の厚さも可能であり、これを本出願の上部電極22Lの厚さとして使用することができる。上部電極層22Lは、例えば、スパッタリング、電気めっき、無電解めっき、ALD、CVD、PECVDまたはPVDなどの堆積プロセスによって形成することができる。
【0032】
ここで、
図3を参照すると、上部電極層22Lに誘電性ハード・マスク層24Lを形成した後の、
図2のBEOL構造体が図示されている。いくつかの実施形態では、誘電性ハード・マスク層24Lの形成を省略することができる。誘電性ハード・マスク層24Lは、存在する場合、上部電極層22Lの全体を覆う連続層である。誘電性ハード・マスク層24Lは、例えば、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、またはそれらの任意の組み合わせなどの誘電性ハード・マスク材料で構成される。誘電性ハード・マスク層24Lは、例えば、CVD、PECVD、ALD、化学溶液堆積または蒸発などの堆積プロセスを使用して形成することができる。誘電性ハード・マスク層24Lは、10nm~15nmの厚さであってよいが、しかしながら、その他の厚さが想定され、これを誘電性ハード・マスク層24Lの厚さとして使用することができる。
【0033】
ここで、
図4を参照すると、誘電性ハード・マスク層24Lの表面にパターニングされたフォトレジスト・マスク26を形成した後の、
図3のBEOL構造体が図示されている。パターニングされたフォトレジスト・マスク26は、下部電極16を含む構造体の領域の上方に直接位置しており、誘電性ハード・マスク層24Lの残存部分、上部電極層22Lの残存部分、および誘電性スイッチング層20Lの残存部分による柱状のパターニングされた材料スタックを画定するのに使用される。パターニングされたフォトレジスト・マスク26は、ポジ型フォトレジスト材料、ネガ型フォトレジスト材料、またはハイブリッド型フォトレジスト材料で構成される。パターニングされたフォトレジスト・マスク26は、適切なフォトレジスト材料を堆積させ、その後堆積したフォトレジスト材料をフォトリソグラフィによってパターニングすることによって形成することができる。
【0034】
ここで、
図5を参照すると、誘電性ハード・マスク層24L、上部電極層22L、および誘電性スイッチング層20Lをパターニングして、誘電性ハード・マスク層24Lの残存部分(以下、誘電性ハード・マスク24)、上部電極層22Lの残存部分(以下、上部電極22)、および誘電性スイッチング層20Lの残存部分(以下、誘電性スイッチング材料20)によるパターニングされた材料スタックを設け、パターニングされたフォトレジスト・マスク26を除去した後の、
図4のBEOL構造体が図示されている。
【0035】
誘電性ハード・マスク層24L、上部電極層22L、および誘電性スイッチング層20Lのパターニングには、例えば、反応性イオン・エッチング(RIE:reactive ion etching)またはイオン・ビーム・エッチング(IBE:ion beam etching)などのエッチング・プロセスが含まれる。誘電性ハード・マスク層24L、上部電極層22L、および誘電性スイッチング層20Lのパターニングには、エッチ・マスクとしてパターニングされたフォトレジスト・マスク26が使用される。パターンが少なくとも誘電性ハード・マスク層24Lに転写された後は、いつでもBEOL構造体からパターニングされたフォトレジスト・マスク26を除去することができる。例えば、アッシングなどの従来のレジスト剥離プロセスを使用して、パターニングされたフォトレジスト・マスク26を除去することができる。いくつかの実施形態では、パターニングされた材料スタック(20/22/24)を形成した後に、湿式洗浄プロセスを行う。
【0036】
いくつかの実施形態では、
図5に示すように、パターニングされた材料スタック(20/22/24)を画定している様々な要素/構成部品が、互いに垂直に整列した側壁を有している。いくつかの実施形態では、パターニングされた材料スタック(20/22/24)は、円筒形の形状をしている。いくつかの実施形態では(
図5に示すように)、パターニングされた材料スタック(20/22/24)は、下部電極16の幅よりも大きくてもよい幅を有する。パターニングされた材料スタック(20/22/24)の幅が大きいと、デバイスがショートする原因となる可能性のある、パターニングされた材料スタック(20/22/24)の側壁の下部電極の金属粒子の再スパッタリングが回避される。他の実施形態では(図示せず)、パターニングされた材料スタック(20/22/24)は、下部電極16と同一の幅であってよい幅を有する。これにより、パターニングされた材料スタック(20/22/24)の側壁の下部電極の金属粒子の再スパッタリングが同様に回避される。
【0037】
ここで、
図6を参照すると、パターニングされた材料スタック(20/22/24)の側壁に誘電性スペーサー28を形成した後の、
図5のBEOL構造体が図示されている。誘電性スペーサー28は、例えば、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、SiCN、SiCON、またはそれらの任意の組み合わせなどの任意の誘電性スペーサー材料を含み得る。誘電性スペーサー28を提供する誘電性スペーサー材料は、誘電性ハード・マスク24を提供するハード・マスク材料と組成的に同一であってもよく、または組成的に異なっていてもよい。誘電性スペーサー28は、誘電性スペーサー材料を堆積し、その後スペーサー・エッチを行うことによって形成することができる。
【0038】
ここで、
図7を参照すると、第2の相互接続誘電材料層30を第1の相互接続誘電材料層10の上に形成し、第2の相互接続誘電材料層30がパターニングされた材料スタック(20/22/24)を含む誘電性スペーサー28をそこに埋め込んだ後の、
図6のBEOL構造体が図示されている。第2の相互接続誘電材料層30は、第1の相互接続誘電材料層10について上述した相互接続誘電材料のうちの1つを含んでもよい。一実施形態では、第2の相互接続誘電材料層30は、第1の相互接続誘電材料層10を提供する相互接続誘電材料と組成的に同一の相互接続誘電材料で構成されていてもよい。別の実施形態では、第2の相互接続誘電材料層30は、第1の相互接続誘電材料層10を提供する相互接続誘電材料と組成的に異なる相互接続誘電材料で構成されていてもよい。第2の相互接続誘電材料層30は、第1の相互接続誘電材料層10の形成について上述した堆積プロセスのうちの1つを使用して形成することができる。第2の相互接続誘電材料層30の厚さは、パターニングされた材料スタック(20/22/24)の厚さよりも大きい。一実施形態では、第2の相互接続誘電材料層30は、50nm~500nmの厚さである。第2の相互接続誘電材料層30は、BEOL構造体の第2の相互接続レベルL
n+1を形成する。
【0039】
ここで、
図8を参照すると、一対の第2の導電性構造体(32L、32R)を第2の相互接続誘電材料層30に形成した後の、
図7のBEOL構造体が図示され、一対の第2の導電性構造体(32L、32R)のうちの一方の第2の導電性構造体(即ち、第2の導電性構造体32L)が、第1の導電性構造体14の表面と接しており、一対の第2の導電性構造体(32L、32R)のうちの他方の第2の導電性構造体(即ち、第2の導電性構造体32R)が、パターニングされた材料スタック(20/22/24)の上部電極層22Lの残存部分(即ち、上部電極22)の表面と接している。
【0040】
一対の第2の導電性構造体(32L、32R)のそれぞれの第2の導電性構造体は、第1の導電性構造体14について上述した導電性金属または導電性合金のうちの1つで構成されている。いくつかの実施形態では、一対の第2の導電性構造体(32L、32R)のそれぞれの第2の導電性構造体は、第1の導電性構造体14と組成的に同一の導電性金属含有材料で構成されている。他の実施形態では、一対の第2の導電性構造体(32L、32R)のそれぞれの第2の導電性構造体は、第1の導電性構造体14と組成的に異なる導電性金属含有材料で構成されている。
【0041】
相互接続誘電材料に導電性構造体を形成するデュアル・ダマシン・プロセスまたは任意の他のプロセスを使用して、一対の第2の導電性構造体(32L、32R)のそれぞれの第2の導電性構造体を形成することができる。一対の第2の導電性構造体(32L、32R)のそれぞれの第2の導電性構造体は、第2の相互接続誘電材料層30の最上部表面と同一平面上の最上部表面を有する。
【0042】
ここで、
図9を参照すると、第2の相互接続誘電材料層30と一対の第2の導電性構造体(32L、32R)との両方に導電性金属含有パッド層34を形成した後の、
図8のBEOL構造体が図示されている。導電性金属含有パッド層34は、例えば、TaN、TiN、RuN、RuTaN、CoN、WNまたはそれらの任意の組み合わせなどの導電性金属窒化物で構成されていてもよい。導電性金属窒化物以外に、またはそれに加えて、導電性金属含有パッド層34として他の導電性金属含有材料を使用することもできる。導電性金属含有パッド層34は、第2の導電性構造体(32L、32R)とは組成的に異なっている。導電性金属含有パッド層34は、例えば、スパッタリング、電気めっき、無電解めっき、ALD、CVD、PECVDまたはPVDなどの堆積プロセスを使用して形成することができる。導電性金属含有パッド層34は、5nm~50nmの厚さであってよいが、その他の厚さが想定され、これを導電性金属含有パッド層34の厚さとして使用することができる。
【0043】
ここで、
図10を参照すると、一対の犠牲導電性パッド(34L、34R)を設けるために導電性金属含有パッド層34をパターニングした後の、
図9のBEOL構造体が図示され、一対の犠牲導電性パッド(34L、34R)のうちの一方の犠牲導電性パッド(即ち、パッド34L)が、第1の領域を有し、かつ第1の導電性構造体14の表面に接している一対の第2の導電性構造体(32L、32R)の第2の導電性構造体32Lの表面に接しており、一対の犠牲導電性パッド(34L、34R)のうちの他方の犠牲導電性パッド(即ち、パッド34R)が、第1の領域とは異なる(即ち、それよりも大きいかまたは小さい)第2の領域を有し、かつパターニングされた材料スタック(20/22/24)の上部電極層の残存部分(即ち、上部電極22)の表面に接する一対の第2の導電性構造体(32L、32R)の第2の導電性構造体32Rの表面に接している。
図10は、犠牲導電性パッド34Rが犠牲導電性パッド34Lの第1の領域よりも大きい第2の領域を有する実施形態を示している。いくつかの実施形態では、犠牲導電性パッド34Lの第1の領域が、犠牲導電性パッド34Rの第2の領域よりも大きくてもよい。
【0044】
導電性金属含有パッド層34のパターニングとしては、フォトリソグラフィおよびエッチングを挙げることができる。上記で言及したように、犠牲導電性パッド34Rの第2の領域は、犠牲導電性パッド34Lの第1の領域と異なっている(即ち、それよりも大きいかまたは小さい)。犠牲導電性パッド(34L、34R)間で領域が異なっていることにより、その後に実施されるプラズマ処理プロセスの間に、アンテナ効果を用いる誘電性スイッチング材料20にわたって穏やかな誘電破壊を誘起させることが可能となる。一実施形態では、第1の領域に対する第2の領域の比率は1.2よりも大きい。
【0045】
導電性金属含有パッド層34をパターニングする際に、一対の第2の導電性構造体(32L、32R)に隣接し、かつその間にある第2の相互接続誘電材料層30にディボットD1を形成することに留意されたい。従って、ここでの第2の相互接続誘電材料層30は、そこにディボットD1を含む起伏した上面を有する。
【0046】
ここで、
図11を参照すると、プラズマ処理(PT:plasma treatment)を実施してアンテナ効果を誘起し、導電性フィラメント20Fを形成した後の、
図10のBEOL構造体が図示されている。
図11の矢印は、プラズマ処理の方向を示している。導電性フィラメント20Fは、元のスイッチング誘電材料20が誘電破壊しているため、ここでは導電性のスイッチング誘電材料20で構成されている。導電性フィラメント20Fの導電性特性は一時的かつ可逆的である。まとめると、下部電極16、導電性フィラメント20F、および上部電極22によって、本出願のReRAMデバイスが形成される。使用後および使用中では、ReRAMデバイスは、下部電極16、誘電性スイッチング材料20、および上部電極22を含み得る。ReRAMデバイスはBEOL内に位置しており、様々な誘電材料が埋め込まれている。
【0047】
導電性フィラメント20Fは、予め形成されたフィラメントである。本出願では、上部電極22と下部電極16とが長い犠牲導電性パッド(34L、34R)に接続されており、プラズマ処理中に電荷を収集するが、全領域が不均衡となり、アンテナ効果を用いるスイッチング誘電材料20にわたって穏やかな誘電破壊が誘起される。その後、この大型の犠牲導電性パッド(34L、34R)を構造体から除去することによって、最終構造体における常設の導電性ランディング・パッドの存在によって引き起こされる、面積が代償となることが解消される。また、本出願の予め形成された導電性フィラメント20Fによって、フォーミング電圧が先行技術のReRAMデバイスにおけるフィラメント形成に必要となる3ボルト以上と比較して2ボルト未満まで低減する。
【0048】
本出願の一実施形態では、アンテナ効果を誘起し、導電性フィラメント20Fを形成するのに使用されるプラズマ処理としては、
図10に示すBEOL構造体が、アルゴン、窒素、水素、キセノン、アンモニア、またはそれらの混合物を含むがこれらに限定されない気体から構成されるプラズマ・プロセスにさらされる、プラズマ処理を挙げることができる。いくつかの実施形態では、本出願に使用することができるプラズマ・プロセスは、1mTorr(133.322mPa)~3Torr(399.967Pa)の圧力範囲、0.1kワット~10kワットのプラズマ出力範囲、0ボルト~50ボルトのバイアス電圧、および5秒~15分の持続時間を含み得る。プラズマ・プロセスは、誘導結合プラズマ(ICP:inductively coupled plasma)装置、容量結合プラズマ(CCP:capacitively coupled plasma)装置、またはマイクロ波生成プラズマ装置を使用して実施することができる。
【0049】
ここで、
図12を参照すると、一対の犠牲導電性パッド(34L、34R)を除去した後の、
図11のBEOL構造体が図示されている。それぞれの犠牲導電性パッド(34L、34R)を提供している導電性金属含有材料を選択的に除去する材料除去プロセスを使用して、一対の犠牲導電性パッド(34L、34R)を除去することができる。犠牲導電性パッド(34L、34R)を除去するために、化学機械研磨(CMP)、反応性イオン・エッチング(RIE)、または中間湿式エッチ・プロセスと組み合わせたRIEを含む材料除去プロセスを使用することができる。一対の犠牲導電性パッド(34L、34R)を除去した後、ディボットD1が第2の相互接続誘電材料層30に残っていることに留意されたい。
【0050】
特に、
図12は、第1の相互接続誘電材料層10内に埋め込まれた第1の導電性構造体14を含む、本出願のNVMデバイスを図示している。抵抗変化型メモリ(ReRAM)デバイス(16/20F/22)は、第1の導電性構造体14上に位置し、下部電極16と、誘電性スイッチング材料で構成される導電性フィラメント20Fと、上部電極22とを含む。第2の相互接続誘電材料層30は、第1の相互接続誘電材料層10上に位置し、ReRAMデバイス(16/20F/22)を埋め込んでいる。本出願によれば、第2の相互接続誘電材料層30は、そこに存在するディボットD1を有する起伏した上面を含む。一対の第2の導電性構造体(32L、32R)が、第2の相互接続誘電材料層30に存在し、一対の第2の導電性構造体(32L、32R)のうちの一方の第2の導電性構造体(即ち、導電性構造体32L)が第1の導電性構造体14の表面と接しており、一対の第2の導電性構造体(32L、32R)のうちの他方の第2の導電性構造体(即ち、導電性構造体32R)がReRAMデバイス(16/20F/22)の上部電極22の表面と接している。
【0051】
ここで、
図13を参照すると、誘電性キャッピング層36を形成した後の、
図12のBEOL構造体が図示されている。誘電性キャッピング層36は、誘電性キャッピング層18について上述した誘電性キャッピング材料のうちの1つを含む。一実施形態では、誘電性キャッピング層36は、誘電性キャッピング層18と組成的に同一の誘電性キャッピング材料で構成される。別の実施形態では、誘電性キャッピング層36は、誘電性キャッピング層18と組成的に異なる誘電性キャッピング材料で構成される。誘電性キャッピング層36は、誘電性キャッピング層18について上述した堆積プロセスのうちの1つを使用して形成してもよい。誘電性キャッピング層36は、10nm~150nmの厚さであってよい。誘電性キャッピング層36の他の厚さが想定され、これを本出願において使用することができる。いくつかの実施形態では、誘電性キャッピング層36上に、第3の相互接続レベルを提供する、第3の相互接続誘電材料層(図示せず)が形成される。いくつかの実施形態では、誘電性キャッピング層36が省略されている。
【0052】
本出願について、それらの好ましい実施形態に関連して具体的に示し説明してきたが、当業者であれば、本出願の趣旨から逸脱することなく、形状および細部における上述のおよび他の変更を行ってもよいことが理解されよう。従って、本出願は、記載および図示された正確な形状および細部に限定されるものではないが、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。