(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】採血システム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/154 20060101AFI20241011BHJP
【FI】
A61B5/154
(21)【出願番号】P 2022527898
(86)(22)【出願日】2020-11-03
(86)【国際出願番号】 US2020058742
(87)【国際公開番号】W WO2021096733
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2023-09-08
(32)【優先日】2019-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン カール バークホルツ
(72)【発明者】
【氏名】メーガン シューリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】カーティス エイチ.ブランチャード
(72)【発明者】
【氏名】ビン ワン
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-043028(JP,A)
【文献】特表平11-507862(JP,A)
【文献】国際公開第2018/174251(WO,A1)
【文献】特表2018-538116(JP,A)
【文献】特表2001-522626(JP,A)
【文献】国際公開第2018/181196(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0140240(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/153-5/154
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
採血システムが、
真空採血管を受容するように構成された針を備える、針アセンブリ、
末端端部と基端端部とを備える管であって、前記基端端部が前記針アセンブリに結合され、前記管が第1流体チャネルと第2流体チャネルとを備え、
前記第1流体チャネルは、第1壁と共有壁とによって形成され、前記第2流体チャネルは、第2壁と前記共有壁とによって形成され、前記第1壁は、前記第2壁より低いデュロメータを有することにより、前記第1流体チャネルが前記第2流体チャネルよりも低い圧力差で潰れるように
なっている、管、
を備える、採血システム。
【請求項2】
前記第1流体チャネルの流体抵抗が、前記第2流体チャネルの流体抵抗より小さい、請求項1に記載の採血システム。
【請求項3】
前記第2流体チャネルは、前記管の前記末端端部から前記管の前記基端端部まで延びるボアホールを備える、請求項
1に記載の採血システム。
【請求項4】
前記針アセンブリに結合された採血管ホルダをさらに備え、前記採血管ホルダが前記針を取り囲んでいる、請求項1に記載の採血システム。
【請求項5】
カテーテルアセンブリをさらに備え、前記カテーテルアセンブリは、
カテーテルアダプタであって、末端端部、基端端部、及び前記カテーテルアダプタの前記末端端部及び前記カテーテルアダプタの前記基端端部を通って延びるルーメンを備え、前記管の前記末端端部が前記カテーテルアダプタに結合されている、カテーテルアダプタ、及び
前記カテーテルアダプタの前記末端端部から末端に延びるカテーテル、
を備える、請求項1に記載の採血システム。
【請求項6】
前記管の前記末端端部に結合された雄ルアーアダプタと、前記管の前記基端端部に結合された雌ルアーアダプタとをさらに備える、請求項1に記載の採血システム。
【請求項7】
採血システムが、
真空採血管を受容するように構成された針を備える、針アセンブリ、
末端端部と基端端部とを備える外管であって、前記基端端部が前記針アセンブリに結合されている、外管、
前記外管内に配置された内管であって、前記外管の内径が前記内管の外径よりも大きく、第1流体チャネルが前記外管と前記内管の間に延びており、第2流体チャネルが前記内管を通って延びており、
前記外管が、前記内管よりも低いデュロメータを有することにより、前記第1流体チャネルが前記第2流体チャネル
よりも低い圧力差で潰れるように
なっている、内管、
を備える、採血システム。
【請求項8】
前記低い圧力差で、前記外管が前記内管に接触して前記第1流体チャネルの少なくとも一部を閉鎖する、請求項
7に記載の採血システム。
【請求項9】
採血システムが、
真空採血管を受容するように構成された針を備える、針アセンブリ、
末端端部と基端端部とを備える外管であって、前記基端端部が前記針アセンブリに結合されている、外管、
前記外管内に配置された内管であって、前記外管の内径が前記内管の外径よりも大きく、第1流体チャネルが前記外管と前記内管の間に延びており、第2流体チャネルが前記内管を通って延びており、前記外管
が、前記内管よりも大きなデュロメータを有
することにより、前記第2流体チャネル
が前記第1流体チャネルよりも低い圧力差で潰れるように
なっている、
内管、
を備える、採血システム。
【請求項10】
前記内管の末端端部がダックビル弁を備えている、請求項
9に記載の採血システム。
【請求項11】
前記針アセンブリに結合された採血管ホルダをさらに備え、前記採血管ホルダは前記針を取り囲んでいる、請求項
7に記載の採血システム。
【請求項12】
カテーテルアセンブリをさらに備え、前記カテーテルアセンブリは、
カテーテルアダプタであって、末端端部、基端端部、及び前記カテーテルアダプタの前記末端端部と前記カテーテルアダプタの前記基端端部を通って延びるルーメンを備え、前記
外管の前記末端端部が前記カテーテルアダプタに結合されている、カテーテルアダプタ、及び
前記カテーテルアダプタの前記末端端部から末端に延びるカテーテル、
を備える、請求項7に記載の採血システム。
【請求項13】
前記
外管の前記末端端部に結合された雄ルアーアダプタと、前記
外管の前記基端端部に結合された雌ルアーアダプタとをさらに備える、請求項
7に記載の採血システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
静脈内カテーテルは、様々な輸液療法に一般的に使用されている。例えば、静脈内カテーテルは、生理食塩水などの液体、様々な医薬品、及び完全非経口栄養を患者に注入するために使用されることがある。また、静脈内カテーテルは、患者から血液を抜き取るために使用されることもある。
【0002】
一般的なタイプの静脈内カテーテルは、末梢IVカテーテル(「PIVC」)、末梢挿入型中心カテーテル(「PICC」)、及び正中線カテーテルである。静脈内カテーテルには、「オーバーザニードル」カテーテルが含まれることがあり、これは、鋭い末端先端部を有する針の上に装着されることがある。鋭い末端端部は、患者の皮膚及び血管系に穴を開けるために使用されてもよい。血管系への静脈内カテーテルの挿入は、針による血管系の穿刺の後に行ってもよい。針と静脈内カテーテルは、一般に、針のベベルが上向きで患者の皮膚から離れた状態で、皮膚から患者の血管系内に浅い角度で挿入される。
【0003】
血管系における導入針及び/又は静脈内カテーテルの適切な配置を確認するために、ユーザーは、一般に、血液のフラッシュバックがあることを確認し、これは、ユーザーに可視であってよい。いくつかの実施態様では、導入針は、導入針の末端端部に向けて配置されたノッチを含んでもよく、導入針の末端先端部が血管系内に配置されることに応答して、血液が針ルーメンを通って基端に流れ、ノッチを通って針ルーメンを出て、導入針の外表面と静脈内カテーテルの内表面との間を基端に移動してもよい。
【0004】
したがって、静脈内カテーテルが少なくとも部分的に透明である場合、ユーザーは少量の血液の「フラッシュバック」を可視化し、それによって血管内に静脈内カテーテルが配置されていることを確認してもよい。フラッシュバックのような血管入口インジケータの存在が、静脈内カテーテルの配置を成功させることを容易にすることがある。血管内への導入針の設置が確認されると、ユーザーは血管内の流れを一時的に遮断し、導入針を引き抜いて、静脈内カテーテルを将来の血液回収及び/又は流体注入のために所定の位置に残してもよい。
【0005】
血液の取り出しには、真空採血管を用いてもよい。真空採血管は、一端にゴム栓の付いた試験管を含む。真空採血管は、試験管内の空気の全部又は一部が除去されており、真空採血管内の圧力は周囲圧力より低くなっている。このような真空採血管は、しばしば内部真空又は真空管と呼ばれる。一般的に使用されている真空採血管は、Becton,Dickinson&Companyから入手可能なVACUTAINER(登録商標)採血管である。
【0006】
患者から血液サンプルを採取するために、アダプタが針又は静脈内カテーテルに結合される。アダプタは、真空採血管のゴム栓を貫通させる追加の針を含む。ゴム栓が貫通されると、静脈内の圧力が真空採血管内の圧力より高くなり、これは血液を真空採血管内に押し出し、こうして真空採血管内を血液で満たす。真空採血管が充満し、真空採血管内の圧力が静脈内の圧力と等しくなるまで、真空採血管内の真空度が減少し、血液の流れが停止する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
残念ながら、血液が真空採血管内に引き込まれる際、赤血球は、高いせん断応力状態にあり、静脈と真空採血管の間の高い初期圧力差のため、溶血しやすい状態にある。溶血は、血液サンプルの拒絶反応や廃棄につながる可能性がある。また、高い初期圧力差は、カテーテル先端が潰れること、静脈が潰れること、又は血液が真空採血管を満たすことを妨げるか制限する他の合併症を引き起こす可能性がある。
【0008】
本明細書で請求される主題は、任意の欠点を解決する実施形態に限定されず、また、上記のような環境でのみ動作する実施形態に限定されない。むしろ、この背景は、本明細書に記載されたいくつかの実装が実施され得る一例の技術領域を説明するために提供されるに過ぎない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
概要
本開示は、一般に、自動的な圧力管理を有する採血システム、ならびに関連する機器及び方法に関する。いくつかの実施形態において、採血システムは、カテーテルと、真空採血管及び患者の静脈の間の圧力差に応答する内径を有する真空採血管との間に流体経路を提供してもよい。いくつかの実施形態において、真空採血管を採血システムに結合することに応答して、圧力差のスパイクが発生してもよい。いくつかの実施形態において、圧力差のスパイクに応答して、流体経路の一部の内径が減少してもよく、これが流体経路の流体抵抗を増加させてもよく、採血システムへの血液の流れを遅延させてもよい。いくつかの実施形態において、血流の減少が溶血のリスクを低減させてもよい。いくつかの実施形態において、減少した血流が、静脈及び/又はカテーテルが潰れる(collapse)リスクを減少させてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態において、真空採血管が血液で満たされると、真空採血管内の真空が減少してもよく、真空採血管と静脈との間の圧力差が減少してもよい。いくつかの実施形態において、圧力差の減少が、流体経路の部分の内径の増大となり、これが流体抵抗を減少させてもよく、採血システム内への血液の流量を増加させてもよい。したがって、圧力差の減少にもかかわらず、真空採血管は依然として迅速に充填されてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態において、採血システムは、針アセンブリを含んでもよく、これは、真空採血管を受容するように構成された針を含んでもよい。いくつかの実施形態において、採血機器は、採血管ホルダを含んでもよく、これは針アセンブリに結合されてもよく、針を取り囲んでもよい。いくつかの実施形態において、採血システムは、管を含んでもよく、これは末端端部及び基端端部を含んでもよい。いくつかの実施形態において、基端端部は、針アセンブリに結合されてもよい。いくつかの実施形態において、管は、第1流体チャネル及び第2流体チャネルを含んでもよい。いくつかの実施形態において、採血システムの流体経路は、第1流体チャネル及び第2流体チャネルを含んでもよい。
【0012】
いくつかの実施形態において、第1流体チャネルは、第2流体チャネルよりも低い圧力差で潰れるように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、第1流体チャネルは、真空採血管と患者の静脈との間の圧力差のスパイクに応答して潰れてもよい。いくつかの実施形態において、第2流体チャネルは、圧力差のスパイクに応答して潰れなくてもよい。いくつかの実施形態において、第2流体チャネルは開口したままであるが第1流体チャネルは潰れるため、内径は減少してもよく流体経路は開口したままであってもよい。いくつかの実施形態において、真空採血管が血液で満たされると、第1流体チャネルが開口して、血液の流量を増加させることを可能にしてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態において、第1流体チャネルの流体抵抗は、第2流体チャネルの流体抵抗より小さくてもよい。これらの実施形態では、第1流体チャネルのサイズ又は直径が第2流体チャネルのサイズ又は直径よりも大きくてもよいため、第1流体チャネルの流体抵抗は第2流体チャネルの流体抵抗よりも小さくてもよい。いくつかの実施形態において、第1流体チャネルは、第1壁と、第1流体チャネル及び第2流体チャネルの間で共有されてもよい共有壁とによって形成されてもよい。いくつかの実施形態において、第2流体チャネルは、第2壁と共有壁とによって形成されてもよい。いくつかの実施形態において、第1壁は、第2壁よりも低いデュロメータを含んでもよい。いくつかの実施形態において、第2流体チャネルは、ボアホールを含んでもよい。いくつかの実施形態において、ボアホールは、管の末端端部から管の基端端部まで延びていてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態において、採血システムは、カテーテルアセンブリを含んでもよい。いくつかの実施形態において、カテーテルアセンブリは、カテーテルアダプタを含んでもよく、これは、末端端部、基端端部、及びカテーテルアダプタの末端端部とカテーテルアダプタの基端端部とを通って延びるルーメンを含んでもよい。いくつかの実施形態において、管の末端端部は、カテーテルアダプタに結合されてもよい。いくつかの実施形態において、カテーテルアセンブリは、カテーテルアダプタの末端端部から末端に伸びるカテーテルを含んでもよい。いくつかの実施形態において、採血システムは、管の末端端部に結合された雄ルアーアダプタと、管の基端端部に結合された雌ルアーアダプタとを含んでもよい。いくつかの実施形態において、カテーテルアセンブリは針セットと交換されてもよく、これは管の末端端部に結合されてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態において、採血システムは、外管と内管とを含んでもよい。いくつかの実施形態において、外管の内径は、内管の外径及び内径よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態において、採血システムは、別の第1流体チャネル及び別の第2流体チャネルを含んでもよい。いくつかの実施形態において、別の第1流体チャネルは、外管と内管との間に延びていてもよい。いくつかの実施形態において、別の第2流体チャネルは、内管を貫通して延びていてもよい。いくつかの実施形態において、別の第1流体チャネルは、別の第2流体チャネルとは異なる圧力差で潰れるように構成されてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態において、外管は、内管よりも低いデュロメータを含んでもよい。いくつかの実施形態において、別の第1流体チャネルは、別の第2流体チャネルよりも低い圧力差で潰れるように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、より低い圧力差において、外管が内管に接触して、別の第1流体チャネルの少なくとも一部を閉鎖してもよい。
【0017】
いくつかの実施形態において、外管は、内管よりも大きいデュロメータを有していてもよい。これらの実施形態及び他の実施形態において、別の第2流体チャネルは、別の第1流体チャネルよりも低い圧力差で潰れるように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、内管の末端端部は、ダックビル弁を含んでもよい。
【0018】
いくつかの実施形態において、採血システムは別の管を含んでもよく、これはただ1つの流体チャネルだけを含んでもよい。いくつかの実施形態において、別の管の内表面は、1つ以上のリブ又は1つ以上のスロットを含んでもよい。いくつかの実施形態において、圧力差のスパイクに応答して、スロットは閉鎖してもよく、流体チャネルは開口したままであってもよい。いくつかの実施形態において、スロットは、圧力差が所定レベルに達したときに閉鎖するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、リブは、別の管の長さに沿って延びてもよく、内表面の周のまわりに全体として等しく間隔をあけられていてもよい。いくつかの実施形態において、スロットは、流体チャネルの全体としてシリンダ状の部分から外向きに延びてもよい。いくつかの実施形態において、圧力差のスパイク及び圧力差が所定レベルに達することに応答して、流体チャネルの全体としてシリンダ状の部分は開口したままであってもよい。
【0019】
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明の両方は、例であり説明的であり、請求されるような本発明を制限するものではないことが理解される。様々な実施形態は、図面に示された配置及び機器に限定されないことが理解されるべきである。また、実施形態が組み合わされてもよく、又は他の実施形態が利用されてもよく、また、そのように主張されない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく構造変更がなされてもよいことが理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で取られるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
例示的な実施形態は、その中の添付図面の使用を通じて、さらに具体的かつ詳細に説明され、説明される。
【
図1A】
図1Aは、いくつかの実施形態による、例示的な採血システムの上方斜視図である。
【
図1C】
図1Cは、いくつかの実施形態による、管の一例の拡大断面図である。
【
図2A】
図2Aは、いくつかの実施形態による、
図1Aの線1B-1Bに沿った別の断面図である。
【
図2B】
図2Bは、いくつかの実施形態による、別の例示的な管の拡大断面図である。
【
図2D】
図2Dは、いくつかの実施形態による、
図1Aの採血システムの別の断面図であり、閉鎖端部を有する例示的な流体チャネルを示す。
【
図3A】
図3Aは、いくつかの実施形態による、
図1Aの線1B-1Bに沿った別の断面図である。
【
図3B】
図3Bは、いくつかの実施形態による、別の例示的な管の拡大断面図である。
【
図3D】
図3Dは、いくつかの実施形態による、
図1Aの採血システムの別の断面図であり、採血システムに結合された例示的な真空採血管を示す。
【
図4A】
図4Aは、いくつかの実施形態による、
図1Aの線1B-1Bに沿った別の断面図である。
【
図4B】
図4Bは、いくつかの実施形態による、別の例示的な管の拡大断面図である。
【
図4D】
図4Dは、いくつかの実施形態による、
図1Aの採血システムの別の断面図であり、採血システムに結合された真空採血管を示している。
【
図5A】
図5Aは、いくつかの実施形態による、
図1Aの線1B-1Bに沿った別の断面図である。
【
図6A】
図6Aは、いくつかの実施形態による、第1圧力差における別の例示的な管の断面図である。
【
図6B】
図6Bは、いくつかの実施形態による、第1圧力差よりも高い第2圧力差における、
図6Aの管の断面図である。
【
図7A】
図7Aは、いくつかの実施形態による、第1圧力差における別の例示的な管の断面図である。
【
図7B】
図7Bは、いくつかの実施形態による、第1圧力差よりも高い第2圧力差における、
図7Aの管の断面図である。
【
図8A】
図8Aは、いくつかの実施形態による、第1圧力差における別の例示的な管の断面図である。
【
図8B】
図8Bは、いくつかの実施形態による、第1圧力差よりも高い第2圧力差における、
図8Aの管の断面図である。
【
図9A】
図9Aは、いくつかの実施形態による、第1圧力差における別の例示的な管の断面図である。
【
図9B】
図9Bは、いくつかの実施形態による、第1圧力差よりも高い第2圧力差における、
図9Aの管の断面図である。
【
図10A】
図10Aは、いくつかの実施形態による、第1圧力差における別の例示的な管の断面図である。
【
図11A】
図11Aは、いくつかの実施形態による、第1圧力差における別の例示的な管の断面図である。
【
図12B】
図12Bは、いくつかの実施形態による、
図12Aの採血システムの別の断面図であり、採血システムに結合された真空採血管を図示している。
【
図12C】
図12Cは、いくつかの実施形態による、第1圧力差における別の例示的な管の断面図である。
【
図13A】
図13Aは、いくつかの実施形態による、別の採血システムの断面図である。
【
図13B】
図13Bは、いくつかの実施形態による、
図13Aの採血システムの別の断面図であり、採血システムに結合された真空採血管を示している。
【
図15B】
図15Bは、いくつかの実施形態による、第1圧力差よりも高い第2圧力差における
図15Aの採血システムの断面図である。
【
図16B】
図16Bは、いくつかの実施形態による、第1圧力差よりも高い第2圧力差における
図16Aの採血システムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
ここで
図1A~1Dを参照すると、いくつかの実施形態において、採血システム10は、カテーテル12と、真空採血管と患者の静脈との間の圧力差に反応する内径を有する真空採血管との間に、流体経路を提供してもよい。いくつかの実施形態において、真空採血管を採血システム10に結合することに応答して、圧力差のスパイクが発生してもよい。いくつかの実施形態において、圧力差のスパイクに応答して、流体経路の一部の内径が減少してもよく、これは流体経路の流体抵抗を増加させてもよく、採血システム10への血液の流れを遅延させてもよい。いくつかの実施形態において、減少した血流は、溶血のリスクを低減させ得る。いくつかの実施形態において、減少した血流は、静脈及び/又はカテーテルが潰れるリスクも低減させてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態において、真空採血管は、真空採血管内の圧力が周囲圧力又は大気圧よりも低くなるように、真空にされてもよい。いくつかの実施形態において、真空採血管は、任意の適切な真空採血管を含んでもよい。いくつかの実施形態において、真空採血管が血液で満たされると、真空採血管内の真空が減少してもよく、真空採血管と静脈との間の圧力差が減少してもよい。いくつかの実施形態において、圧力差の減少により、流体経路の部分の内径が増大してもよく、これが流体抵抗を減少させて、採血システム10への血液の流量を増加させてもよい。したがって、圧力差の減少にもかかわらず、真空採血管は依然として迅速に充填されてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態において、採血システム10は、針アセンブリ14を含んでもよく、これは真空採血管を受容するように構成された針16を含んでもよい(例えば、
図3Dを参照)。いくつかの実施形態において、針アセンブリ14は1つ以上のネジ部を含んでもよく、これは採血管ホルダ18に結合するように構成されてもよく、これは全体としてシリンダ状であってもよい。いくつかの実施形態において、採血管ホルダ18は、針16を取り囲んでいてもよい。いくつかの実施形態において、針アセンブリ14は、例えば、Becton,Dickinson&Companyから入手可能なVACUTAINER(登録商標)~LUER-LOK(商標)~ACCESS DEVICEなどのルアーロックアクセス機器を含んでもよい。
【0024】
いくつかの実施形態において、針アセンブリ14はルアーアダプタ20を含んでもよく、これはルアーロック又はルアースリップコネクタを含んでもよい。いくつかの実施形態において、ルアーアダプタ20は、雄又は雌ルアーコネクタを含んでもよい。いくつかの実施形態において、針16は、ルアーアダプタ20から基端に延びていてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態において、採血システム10は管22を含んでもよく、これは末端端部24及び基端端部26を含んでもよい。いくつかの実施形態において、基端端部26は、例えば、針アセンブリ14のルアーアダプタ20などの、針アセンブリ14に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、管22は、第1流体チャネル28及び第2流体チャネル30を含んでもよい。いくつかの実施形態において、採血システム10の流体経路は、第1流体チャネル28及び第2流体チャネル30を含んでもよい。いくつかの実施形態において、管22は、ウレタン(ポリウレタンを含む)、ゴム、ポリ塩化ビニル(PVC)、シリコーン、ポリエチレン(低密度及び高密度)、ナイロン、フルオロポリマー、ポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、アクリル等から構成されても良い。
【0026】
いくつかの実施形態において、第1流体チャネル28は、第2流体チャネル30よりも低い圧力差で潰れるように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、潰れることは、特定の流体チャネルを形成する周囲壁の故障又は陥没による特定の流体チャネルの部分的又は完全な遮断を含んでもよい。いくつかの実施形態において、第1流体チャネル28は、真空採血管と患者の静脈との間の圧力差のスパイクに応答して潰れてもよい。いくつかの実施形態において、第1流体チャネル28が潰れると、第1流体チャネルは部分的に又は完全に遮断されてもよい。いくつかの実施形態において、第2流体チャネル30は、圧力差のスパイクに応答して潰れなくてもよく、第2流体チャネル30の直径は同じままであってもよい。別の実施形態では、第2流体チャネル30は、圧力差のスパイクに応答して部分的に潰れてもよい。別の実施形態では、第2流体チャネル30は、圧力差のスパイクに応答して、第1流体チャネル28よりも小さく潰れてもよい。いくつかの実施形態において、第2流体チャネル30は開口したままであるが第1流体チャネルは潰れるため、流体経路の部分の内径は減少してもよいが流体経路は開口したままであってもよい。いくつかの実施形態において、真空採血管が血液で満たされ圧力差が減少すると、第1流体チャネル28が開口して、血液の流速が増加することを可能にしてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態において、第1流体チャネル28の流体抵抗は、第2流体チャネルの流体抵抗より小さくてもよい。これらの実施形態では、第1流体チャネル28のサイズ又は直径が第2流体チャネル30のサイズ又は直径よりも大きくてもよいため、第1流体チャネル28の流体抵抗は第2流体チャネル30の流体抵抗よりも小さくてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態において、第1流体チャネル28は、第1壁32と共有壁34とによって形成されてもよく、これは第1流体チャネル28と第2流体チャネル30との間で共有されてもよい。いくつかの実施形態において、共有壁34は、第1流体チャネル28と第2流体チャネル30との間に配置された管22の任意の部分を含んでもよい。いくつかの実施形態において、第2流体チャネル30は、第2壁36と共有壁34とによって形成されてもよい。いくつかの実施形態において、第1壁32は、第2壁36及び/又は共有壁34よりも低いデュロメータ(durometer)を含んでもよい。
【0029】
いくつかの実施形態において、第2流体チャネル30は、例えば
図1B~1Dに図示されているように、ボアホールを含んでもよい。いくつかの実施形態において、ボアホールは、管22の末端端部24から管22の基端端部26まで延びていてもよい。いくつかの実施形態において、ボアホールは、管22の末端端部24から管22の基端端部26まで、管22の長さの大部分に沿って延びていてもよい。いくつかの実施形態において、ボアホールは、管22の末端端部24から管22の基端端部26までの管22の長さの一部にそって延びていてもよい。いくつかの実施形態において、第1流体チャネル28は、共有壁34が円の中央に向かって内側に突出している形状を含んで全体としてC字形を形成してもよい。いくつかの実施形態において、共有壁34は、第1流体チャネル28の中間部分に向けて延びる凸状であってもよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、採血システム10は、カテーテルアセンブリ40を含んでもよい。いくつかの実施形態において、カテーテルアセンブリ40は、カテーテルアダプタ42を含んでもよく、これは末端端部44、基端端部46、及びカテーテルアダプタ42の末端端部44とカテーテルアダプタ42の基端端部46とを貫通して延びるルーメン48を含んでもよい。いくつかの実施形態において、管22の末端端部24は、カテーテルアダプタ42に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、カテーテルアセンブリ40は、カテーテルアダプタ42の末端端部44から末端に延びるカテーテル12を含んでもよい。いくつかの実施形態において、カテーテルアセンブリ40は針セットと交換されてもよく、これは管22の末端端部24に結合されてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態において、採血システム10は、管22の末端端部24に結合されたルアーアダプタ50及び/又は管22の基端端部26に結合されたルアーアダプタ52を含んでもよい。いくつかの実施形態において、ルアーアダプタ50及び/又はルアーアダプタ52は、ルアーロック又はルアースリップコネクタを含んでもよい。いくつかの実施形態において、ルアーアダプタ50及び/又はルアーアダプタ52は、雄又は雌ルアーコネクタを含んでもよい。いくつかの実施形態において、管22の基端端部26は、ルアーアダプタ20及び/又は針アセンブリ14と一体化されてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態において、カテーテルアセンブリ40は、例えば、BD NEXIVA(商標)~閉鎖IVカテーテルシステム、BD CATHENA(商標)~カテーテルシステム、BD VENFLON(商標)~Pro安全遮蔽IVカテーテルシステム、BD NEOFLON(商標)IVカヌラシステム、BD INSYTE(商標)AUTOGUARD(商標)BC遮蔽IVカテーテルシステム、又は他の適切な末梢静脈カテーテルシステム等のPIVCを含んでもよい。いくつかの実施形態において、カテーテルアセンブリ40は、PICC又は正中線カテーテルを含んでもよい。いくつかの実施形態において、ルアーアダプタ50は、任意の数の適切な方法でカテーテルアダプタ42に結合されてもよい。例えば、ルアーアダプタ50は、カテーテルアダプタ42の末端端部44に結合されてもよい。別の例として、ルアーアダプタ50は、カテーテルアダプタ42から外向きに伸びる延長管に結合されてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態において、エラストマー鞘54は、針アセンブリ14に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、針16の基端端部56は、エラストマー鞘54の中に包まれてもよい。いくつかの実施形態において、エラストマー鞘54は、開口末端端部58及び閉鎖基端端部60を含んでもよい。いくつかの実施形態において、真空採血管がエラストマー鞘54を末端に押すことに応答して、針16はエラストマー鞘54を貫通してもよく、針16は真空採血管のキャビティ内に挿入されてもよい。
【0034】
ここで
図2A~2Dを参照すると、いくつかの実施形態において、第1流体チャネル28及び/又は第2流体チャネル30の形状は変化していてもよい。いくつかの実施形態において、第1流体チャネル28は、例えば
図2Bに図示されているように、第1壁32及び共有壁34によって形成されてもよい。いくつかの実施形態において、第2流体チャネル30は、例えば
図2Bに図示されているように、第2壁36と共有壁34とによって形成されてもよい。いくつかの実施形態において、第1壁32は、第2壁36及び/又は共有壁よりも低いデュロメータを含んでもよい。いくつかの実施形態において、共有壁34は、第1流体チャネル28に関して凸状であってもよい。いくつかの実施形態において、第1流体チャネル28及び第2流体チャネル30は、一緒になって全体として円形形状を形成してもよい。いくつかの実施形態において、第1壁32、共有壁34、及び第2壁36のうちの1つ以上は、全体として滑らかであってもよい。
【0035】
いくつかの実施形態において、
図2Dに示されるように、第2流体チャネル30は、採血システム10の流体経路から隔離されてもよく、空気を含んでもよく、これは、圧力差のスパイクに応答して、第1流体チャネル28の潰れること又はサイズ縮小を促進してもよい。これらの実施形態において、第2流体チャネル30の端部は、閉鎖又は密閉されてもよい。
【0036】
ここで
図3A~4Dを参照すると、いくつかの実施形態において、採血システム10は、外管62及び内管64を含んでもよい。いくつかの実施形態において、外管62の内径は、内管64の内径及び外径より大きくてもよい。いくつかの実施形態において、外管62は、第1流体チャネル66を含んでもよく、内管64は、第2流体チャネル68を含んでもよい。いくつかの実施形態において、第1流体チャネル66は、外管62と内管64との間に延びていてもよい。いくつかの実施形態において、第2流体チャネル68は内管64を通って延びていてもよく、第1流体チャネル66は外管62を通って延びていてもよい。いくつかの実施形態において、第1流体チャネル66及び外管62は、第2流体チャネル68及び内管64とは異なる圧力差で潰れるように構成されてもよい。
【0037】
ここで
図3A~3Eを参照すると、いくつかの実施形態において、外管62は、内管64よりも低いデュロメータを含んでもよい。いくつかの実施形態において、第1流体チャネル66及び外管62は、第2流体チャネル68及び内管64よりも低い圧力差で潰れるように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、より低い圧力差において、外管62は、内管64に接触して、第1流体チャネル66の少なくとも一部を閉鎖してもよい。いくつかの実施形態において、第1流体チャネル66及び外管62は、例えば
図3Dに示されるように、真空採血管を採血システム10に結合することに応答して潰れてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態において、真空採血管が血液で部分的に満たされることに応答して、第1流体チャネル66は開口してもよい。いくつかの実施形態において、第2流体チャネル68の直径は、真空採血管を採血システム10に結合する前と後とで同じ又は実質的に同じままであってよい。いくつかの実施形態において、第2流体チャネル68の直径は、真空採血管を部分的に血液で満たすように結合する前と後とで同じままであってもよい。
【0039】
いくつかの実施形態において、内管64は、外管62に結合されていなくてもよい。いくつかの実施形態において、内管64は、外管62に結合されていてもよい。いくつかの実施形態において、内管64の一部は、外管62に埋め込まれてもよい。いくつかの実施形態において、内管64は、例えば
図3Eに例示されるように、特定のアダプタの一部によって外管62内に固定されてもよい。いくつかの実施形態において、第2流体チャネル68は、採血システム10の流体経路から隔離されてもよく、例えば
図2Dと同様に、空気を含んでもよい。いくつかの実施形態において、内管64及び/又は外管62の基端端部は、ルアーアダプタ20及び/又は針アセンブリ14と一体化されてもよい。
【0040】
ここで
図4A~4Dを参照すると、いくつかの実施形態において、外管62は、内管64よりも大きいデュロメータを有していてもよい。いくつかの実施形態において、第2流体チャネル68及び内管64は、第1流体チャネル66及び外管62よりも低い圧力差で潰れるように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、第2流体チャネル68及び内管64は、例えば
図4Dに示されるように、真空採血管を採血システム10に結合することに応答して、潰れてもよい。いくつかの実施形態において、真空採血管が血液で部分的に充填されることに応答して、第2流体チャネル68は開口してもよい。いくつかの実施形態において、第1流体チャネル66の直径は、真空採血管を採血システム10に結合する前と後とで同じままであってよい。いくつかの実施形態において、第1流体チャネル66の直径は、血液で部分的に満たされた真空採血管に結合する前と後とで同じままであってよい。いくつかの実施形態において、第2流体チャネル68は、採血システム10の流体経路から隔離されてもよく、例えば
図2Dと同様に、空気を含んでもよい。
【0041】
ここで
図12A~12Bを参照すると、いくつかの実施形態において、内管64の末端端部は、ダックビル弁70を含んでもよい。これらの実施形態及び他の実施形態において、外管62は、内管64よりも大きいデュロメータを有していてもよい。いくつかの実施形態において、第2流体チャネル68及び内管64は、例えば
図12B及び
図12Dに示されるように、真空採血管を採血システム10に結合することに応答して、潰れてもよい。いくつかの実施形態において、第2流体チャネル68及び内管が潰れることに応答して、ダックビル弁70が閉鎖してもよい。いくつかの実施形態において、真空採血管が血液で部分的に満たされることに応答して、例えば
図12Cに図示されるように、ダックビル弁70及び第2流体チャネル68が開口していてもよい。
【0042】
図5A~5Bに戻ると、いくつかの実施形態において、管22は、管22を通って延びるただ1つの流体チャネル71だけを含んでもよい。いくつかの実施形態において、管22の内表面は、例えば
図5A~5Bに図示されているように、1つ以上のリブ72を含んでもよい。いくつかの実施形態において、リブ72は、管22の長さに沿って延びてもよく、及び/又は管22の内表面の周のまわりに全体として等しく間隔をあけられていてもよい。いくつかの実施形態において、リブ72は、管22が潰れているときでさえ、管22を通る最小流量を維持してもよい。いくつかの実施形態において、
図3A~4D及び12に関して議論された外管62及び/又は内管64は、リブ72を含んでもよい。
【0043】
ここで
図6A~8Bを参照すると、いくつかの実施形態において、管22の内表面は、例えば
図6A~8Bに図示されているように、1つ以上のスロット74を含んでもよい。いくつかの実施形態において、管22は、1つの流体チャネル71を含んでもよい。いくつかの実施形態において、スロット74は、管22の長さに沿って延びていてもよく、及び/又は管22の内表面の周のまわりに全体として等しく間隔をあけられていてもよい。いくつかの実施形態において、管22の内表面は、例えば、所望の流量の変化に応じて、1つのスロット、2つのスロット、3つのスロット、4つのスロット、又は4つを超えるスロットを含んでもよい。
【0044】
いくつかの実施形態において、圧力差のスパイクに応答して、管22が潰れて、スロット74が閉鎖して流体チャネル71が開口したままになっていてもよい。例えば、真空採血管を採血システム10に結合することに応答して、管22が潰れてもよい。いくつかの実施形態において、スロット74は、流体チャネル71の全体としてシリンダ状の部分76から外向きに延びていてもよい。いくつかの実施形態において、圧力差のスパイク及び圧力差が所定レベルに達することに応答して、流体チャネルの全体としてシリンダ状の部分76が開口したままであってもよい。いくつかの実施形態において、真空採血管が血液で部分的に充填されることに応答して、スロット74は再び開口してもよい。
【0045】
ここで
図9A~9Bを参照すると、管22は、全体として砂時計形状を含んで、その内側部分がいずれかの側よりも小さい外径及び内径を有するようにしてもよい。いくつかの実施形態において、圧力差のスパイク及び圧力差が所定のレベルに達することに応答して、管22が潰れて、例えば
図9Bに図示されているように、内側部分が閉鎖して2つの流体チャネル78、80が形成されるようになっていてもよい。いくつかの実施形態において、真空採血管が血液で部分的に満たされることに応答して、内側部分が再び開口してもよい。
【0046】
ここで
図10A~10Bを参照すると、管22の内ルーメンの断面は、全体として砂時計形状を含んで、内ルーメンの内側部分が内ルーメンのいずれかの側よりも小さい直径を有するようになっていてもよい。いくつかの実施形態において、圧力差のスパイク及び圧力差が所定のレベルに達することに応答して、管22が潰れて、内側部分が閉鎖して1つ以上の流体チャネルが形成されるようになっていてもよい。例えば、圧力差のスパイク及び圧力差が所定レベルに達することに応答して、管22が潰れて、例えば
図10Bに示されるように、内側部分が閉鎖して2つの流体チャネル78、80が形成されるようになっていてもよい。いくつかの実施形態において、真空採血管が血液で部分的に満たされることに応答して、内側部分が再び開口してもよい。
【0047】
ここで
図11A~11Bを参照すると、いくつかの実施形態による、第1流体チャネル28及び第2流体チャネル30が図示されている。いくつかの実施形態において、第1流体チャネル28は、第2流体チャネル30よりも低い圧力差で潰れるように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、第1流体チャネル28は、真空採血管と患者の静脈との間の圧力差のスパイクに応答して潰れてよい。いくつかの実施形態において、第1流体チャネル28が潰れるとき、第1流体チャネルは部分的に又は完全に遮断されてもよい。いくつかの実施形態において、第1流体チャネル28は、細長くてもよく、第2流体チャネル30と比較してその長さの全体に沿って狭められた内径を有してよく、これにより、第1流体チャネル28が潰れることが促進されてもよい。いくつかの実施形態において、第2流体チャネル30は、全体として円形又は別の適切な形状であってもよい。
【0048】
ここで
図13A~13Bを参照すると、いくつかの実施形態において、採血システム82は、ハウジング84を含んでもよい。いくつかの実施形態において、採血システム82は、
図1A~12Dに関して論じた採血システム10と、1つ以上の含まれる特徴及び/又は動作の点で、類似又は同一であってもよい。いくつかの実施形態において、ハウジング84は、末端端部86及び基端端部88を含んでもよい。いくつかの実施形態において、ハウジング84は、管に対応してもよい。いくつかの実施形態において、末端端部86は、ルアーアダプタ87を含んでもよく、及び/又は基端端部88は、ルアーアダプタ89を含んでもよい。いくつかの実施形態において、ルアーアダプタ87及び/又はルアーアダプタ89は、ルアーロック又はルアースリップコネクタを含んでもよい。いくつかの実施形態において、ルアーアダプタ87及び/又はルアーアダプタ89は、雄又は雌ルアーコネクタを含んでもよい。いくつかの実施形態において、基端端部88は、ルアーアダプタ20及び/又は針アセンブリ14と一体化されてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態において、採血システム82は管90を含んでもよく、これは末端端部92及び基端端部94を含んでもよい。いくつかの実施形態において、管90は、
図1A~2C及び5A~11Bに関して論じた管22と、1つ以上の含まれる特徴及び/又は動作の点で、類似又は同一であってよい。いくつかの実施形態において、末端端部92及び/又は基端端部94は、ハウジング84に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、ハウジング84は、管90よりも高いデュロメータを含んでもよい。いくつかの実施形態において、圧力差のスパイク及び圧力差が所定のレベルに達することに応答して、例えば
図13Bに例示されるように、管90を通って延びる流体チャネル96が潰れてもよい。いくつかの実施形態において、管90が潰れることに応答して、流体チャネル96は閉鎖又は制限されてもよい。いくつかの実施形態において、真空採血管が血液で部分的に満たされることに応答して、流体チャネル96は再び開口してもよい。
【0050】
次に
図14を参照すると、いくつかの実施形態において、セプタム98がハウジング84内に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、流体チャネル又は開口部100は、セプタム98を通って延びていてもよい。いくつかの実施形態において、セプタム98は、環状であってもよい。いくつかの実施形態において、開口部100の直径は、ユーザーによって手動で調整されてもよい。いくつかの実施形態において、セプタム98は、ハウジング84内にねじ込まれ得るネジ付きナットに結合されてもよい。いくつかの実施形態において、ネジ付きナットは、ハウジング82に対して回転されて、セプタム98を通って延びる開口部100の直径を増加又は減少させてもよい。
【0051】
ここで
図15A~16Bを参照すると、いくつかの実施形態において、ハウジング84内のセプタム98は、窒素又は圧縮可能な他のガスで部分的に加圧されてもよい。いくつかの実施形態において、圧力差のスパイクに応答して、窒素又は他のガスの存在及びセプタム98の膨張により、開口部100が狭くなるか又は閉鎖してもよい。いくつかの実施形態において、セプタム98の内表面は、2つの対向する弧状又は別の適切な形状を含んでもよい。
図15A~15Bに示されるように、いくつかの実施形態において、セプタム98は、セプタム98の長さの全体に沿ってハウジング84に接触していなくてもよい。いくつかの実施形態において、セプタム98は、第1点及び第2点でハウジング84に結合されてもよく、第1点と第2点との間の領域は、ハウジング84から離れて間隔を空けられていてもよい。いくつかの実施形態において、領域は、弧状又は別の適切な形状であってもよい。
図16A~16Bに示されるように、いくつかの実施形態において、セプタム98は、セプタム98の長さの全体に沿ってハウジング84に接触してもよい。
【0052】
ここで
図17を参照すると、いくつかの実施形態において、管90は、コアンダ(Coanda)効果を促進する形状を含んでもよい。いくつかの実施形態において、管90は第1枝102を含んでもよく、これは採血システム82の長手方向軸に対して全体として真っ直ぐ又は平行であってもよい。いくつかの実施形態において、第1枝102内の血液は、末端から基端方向に流れるように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、第2枝104は第1枝102から延びていてもよい。いくつかの実施形態において、第1枝102に近接する第2枝104の一部は、逆枝を含んでもよく、その中で血液が基端から末端方向に流れるように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、第1枝102の末端端部は、ハウジング84の末端端部86を通って延びてもよく、及び/又はルアーアダプタ87と結合されてもよい。いくつかの実施形態において、第1枝102の基端端部及び/又は第2枝104の基端端部は、ハウジング84の基端端部88及び/又はルアーアダプタ89に結合されてもよい。
【0053】
いくつかの実施形態において、高い圧力差又は圧力差のスパイクに応答して、カテーテルアセンブリ40から管90を通って移動する血液は、第2枝104を大きく迂回してもよい。いくつかの実施形態において、高い圧力差又は圧力差のスパイクに応答して、カテーテルアセンブリ40から管90を通って移動する血液の大部分は、第2枝104を大きく迂回してもよく、第1枝102を通って流れてもよい。いくつかの実施形態において、圧力差が減少すると、より多くの血液が第2枝104を通って流れて、全体的な流れ抵抗を減少させてもよい。
【0054】
本明細書に記載されたすべての例及び条件文は、読者が本発明及び技術を促進するために本発明者が貢献した概念を理解するのを助けるための教育的目的のために意図されており、そのような具体的に記載された例及び条件に限定されないと解釈される。本発明の実施形態が詳細に説明されたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、及び改変がここになされ得ることが理解されるべきである。