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特許7570430無線充電装置及びそれを有する電気移動装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】無線充電装置及びそれを有する電気移動装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20241011BHJP
   H02J 50/12 20160101ALI20241011BHJP
   B60L 53/12 20190101ALI20241011BHJP
【FI】
H02J7/00 301D
H02J50/12
H02J7/00 P
H02J7/00 301B
B60L53/12
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022561990
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(86)【国際出願番号】 KR2022002575
(87)【国際公開番号】W WO2022255595
(87)【国際公開日】2022-12-08
【審査請求日】2022-10-07
(31)【優先権主張番号】10-2021-0071090
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508148079
【氏名又は名称】エスケイシー・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SKC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】102, Jeongja-ro, Jangan-gu Suwon-si Gyeonggi-do 16338 (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】キム、ナヨン
(72)【発明者】
【氏名】イ、スンファン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ジョンハク
(72)【発明者】
【氏名】キム、テキョン
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第211556913(CN,U)
【文献】特開2012-221853(JP,A)
【文献】特開2020-126900(JP,A)
【文献】特開2021-040443(JP,A)
【文献】特開2015-011971(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1757204(KR,B1)
【文献】特開2012-070525(JP,A)
【文献】特表2020-530976(JP,A)
【文献】特開平11-187095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02J 50/12
B60L 53/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース本体と、前記ケース本体の内部を第1空間と第2空間に区画する区画部とを含む放熱モジュールと、
前記第1空間内に配置される回路基板と、
前記第2空間内に配置され、無線充電のためのコイルを含む電力モジュールと、
前記区画部と前記電力モジュールとの間に配置される熱伝達部材と、を含み、
前記放熱モジュールは、
熱を伝達する放熱素材を含み、
前記区画部は、
前記ケース本体の内面に連結される区画プレートと、
前記区画プレートから前記回路基板または前記電力モジュールに向かって突出形成される少なくとも1つの放熱フィンとを含み、
前記放熱フィンが突出する方向に、前記回路基板と前記電力モジュールとの間に離隔空間を形成する、無線充電装置。
【請求項2】
前記放熱モジュールの前記ケース本体と前記区画部は、一体に形成される、請求項1に記載の無線充電装置。
【請求項3】
前記放熱モジュールは、
前記ケース本体から外側に延長し、放射方向に形成される外部放熱フィンを含む、請求項1に記載の無線充電装置。
【請求項4】
前記外部放熱フィンは、
前記放熱モジュールに装着される設置面の形状に対応するように、前記ケース本体から相互間の突出高さが異なる複数の装着放熱フィンを含む、請求項3に記載の無線充電装置。
【請求項5】
電気を動力源として移動可能に構成される電気移動装置であって、
無線充電装置と、
前記無線充電装置によって充電可能に構成されるバッテリーとを含み、
前記無線充電装置は、
ケース本体と、前記ケース本体の内部を第1空間と第2空間に区画する区画部とを含む放熱モジュールと、
前記第1空間内に配置される回路基板と、
前記第2空間内に配置され、無線充電のためのコイルを含む電力モジュールと、
前記区画部と前記電力モジュールとの間に配置される熱伝達部材と、を含み、
前記放熱モジュールは、
熱を伝達する放熱素材を含み、
前記区画部は、
前記ケース本体の内面に連結される区画プレートと、
前記区画プレートから前記回路基板または前記電力モジュールに向かって突出形成される少なくとも1つの放熱フィンとを含み、
前記放熱フィンが突出する方向に、前記回路基板と前記電力モジュールとの間に離隔空間を形成する、電気移動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線充電装置及びそれを有する電気移動装置に関し、より詳細には、構造を改善した無線充電装置及びそれを有する電気移動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に無線充電方式は電磁誘導を用いて充電する方式であって、無線充電器(無線電力送信装置)に1次コイル(送信コイル)を備え、充電対象となる電子機器(無線電力受信装置)に2次コイル(受信コイル)を備え、1次コイルと2次コイルとの間の磁気誘導によって発生した電流をエネルギーに変換してバッテリーを充電する方式である。
【0003】
図1に示すように、従来の無線充電装置1、すなわち無線電力送信装置または無線電力受信装置は、ケース2と、回路基板3と、磁性部材4と、コイル5とを含むように構成されている。回路基板3、磁性部材4、コイル5は、ケース2の内部に配置されるように構成されている。
【0004】
このような無線充電装置による電子機器の無線充電が行われている間、無線充電装置のコイルおよび回路基板では多くの熱が発生する。
【0005】
そのため、コイル、回路基板は遮蔽プレートまたは放熱プレートを介して熱を外部に放出しなければならないが、ケース内に熱が停滞したり、コイルと回路基板の相互間に熱が伝達されたりして、放熱効率が顕著に低下する問題があった。
【0006】
このように発熱が効果的に制御されない場合には、電子機器または無線充電装置の発熱により、ユーザの不便さおよび機器自体の寿命の低下を招くことがある。
【0007】
また、最近では、無線充電方式が商用化されることによって、無線充電効率を向上できる高出力の無線充電装置が求められている。しかし、無線充電装置の出力が増加すると、充電速度が速くなる効果はあるが、その分発熱も増加するので、無線充電装置で発生した熱を効果的に放出させるための研究が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一側面では、構造を改善した無線充電装置及びそれを有する電気移動装置を提供する。
【0009】
本発明の一側面では、放熱効率を向上させた無線充電装置及びそれを有する電気移動装置を提供する。
【0010】
本発明の一側面では、耐久性を向上させると共に密閉性を向上させた無線充電装置及びそれを有する電気移動装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の無線充電装置は、放熱モジュールと、前記放熱モジュール内に配置される回路基板と、前記放熱モジュール内に配置され、無線充電のためのコイルを含む電力モジュールとを含み、前記放熱モジュールは、前記回路基板および前記電力モジュールを収容するケース本体と、前記ケース本体の内部に形成され、前記回路基板と前記電力モジュールとの間に離隔空間を形成する区画部とを含むことができる。
【0012】
前記放熱モジュールは、前記回路基板が配置される第1空間と、前記電力モジュールが配置される第2空間とを含み、前記区画部は、前記第1、2空間を区画するように構成できる。
【0013】
前記区画部は、前記ケース本体の内面に連結される区画プレートと、前記区画プレートから前記回路基板または前記電力モジュールに向かって突出形成される少なくとも1つの放熱フィンとを含み、前記離隔空間は、前記放熱フィンが突出する方向に形成することができる。
【0014】
前記区画部は、前記ケース本体の内面に連結される第1、2区画プレートであって、相互離隔して形成され、その間に前記離隔空間を形成する第1、2区画プレートを含むことができる。
【0015】
前記放熱モジュールの前記ケース本体と前記区画部は一体に形成することができる。
【0016】
前記放熱モジュールは、前記ケース本体から外側に延長し、放射方向に形成される外部放熱フィンを含むことができる。
【0017】
前記外部放熱フィンは、前記放熱モジュールに装着される設置面の形状に対応するように、前記ケース本体から相互間の突出高さを異ならせる複数の装着放熱フィンを含むことができる。
【0018】
本発明の思想による電気を動力源として移動可能に構成される電気移動装置は、無線充電装置と、前記無線充電装置によって充電可能に構成されるバッテリーとを含み、前記無線充電装置は、放熱モジュールと、前記放熱モジュール内に配置される回路基板と、前記放熱モジュール内に配置され、無線充電のためのコイルを含む電力モジュールとを含み、前記放熱モジュールは、前記回路基板と前記電力モジュールを収容するケース本体と、前記ケース本体の内部に形成され、前記回路基板と前記電力モジュールとの間に離隔空間を形成する区画部とを含むことができる。
【0019】
本発明の思想による無線充電装置は、放熱モジュールと、前記放熱モジュール内に配置される回路基板と、前記放熱モジュール内に配置され、無線充電のためのコイルを含む電力モジュールとを含み、下記式で表される発熱率(HR、℃/min)が0超2.0未満であってもよい。
【0020】
発熱率(HR)=△発熱温度(℃)/60min
【0021】
(前記式中、前記60minは前記無線充電装置が充電される時間であり、前記Δ発熱温度は前記無線充電装置を60分間充電したときの温度変化を意味する。)
【0022】
前記放熱モジュールは、前記回路基板と前記電力モジュールを収容するケース本体と、前記ケース本体の内部に形成され、前記回路基板と前記電力モジュールとの間に離隔空間を形成する区画部とを含むことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一側面によると、放熱構造を改善し、無線充電装置の放熱効率を向上させることができる。
【0024】
本発明の一側面によると、コイルとPCB相互間の熱伝達を最小限に抑え、内部での熱の停滞を最小限に抑え、外部への放熱を最大化することができる。
【0025】
本発明の一側面によると、ケースと区画部、またはケースと区画部と外部放熱フィンを1つのモジュールで構成し、無線充電装置の密閉性、シール効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、従来の無線充電装置を示す図である。
図2図2は、本発明の一実施形態による電気移動装置の斜視図である。
図3図3は、本発明の一実施形態による電気移動装置の正面図である。
図4図4は、本発明の一実施形態による無線充電装置の斜視図である。
図5図5は、本発明の一実施形態による無線充電装置の断面図である。
図6図6は、本発明の一実施形態による無線充電装置と従来の無線充電装置における時間による発熱温度を示すグラフである。
図7図7は、本発明の他の実施形態による無線充電装置の断面図である。
図8図8は、本発明のまた他の実施形態による無線充電装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書に記載される実施例と図面に示される構成は、開示される発明の好適な一例に過ぎず、本出願の出願時点において本明細書の実施例と図面を代替できる多様な変形例があり得る。
【0028】
また、本明細書の各図面における同一の参照番号または符号は、実施的に同一の機能を行う部品または構成要素を示す。
【0029】
また、本明細書で使用される用語は、実施形態についての説明に使用されたものであり、本発明を制限及び/又は限定することを意図するものではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味にならない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除するものではない。
【0030】
また、本明細書で使用される「第1」、「第2」などの順序数を含む用語は、多様な構成要素の説明に使われるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されるものではない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使われる。例えば、本発明の権利範囲から外れずに第1構成要素は第2構成要素と命名することができ、同様に第2構成要素は第1構成要素とも命名することができる。「及び/又は」という用語は、複数の関連項目の組み合わせ、または複数の関連項目のいずれかの項目を含む。
【0031】
また、「...部」、「...器」、「...ブロック」、「...部材」、「...モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し得る。例えば、前記用語はFPGA(field-programmable gate array)/ASIC(application specific integrated circuit)などの少なくとも一つのハードウェア、メモリに保存された少なくとも一つのソフトウェアまたはプロセッサによって処理される少なくとも一つのプロセスを意味し得る。
【0032】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態をより具体的に説明する。ただし、本明細書に添付される図面は、本発明の好適な実施形態を例示するものであって、発明の詳細な説明とともに本発明の技術思想をさらに理解する一助となる役割を果たすものであるため、本発明は図面に記載された事項のみに限定されて解釈されるものではない。
【0033】
図2は本発明の一実施形態による電気移動装置の斜視図、図3は本発明の一実施形態による電気移動装置の正面図である。
【0034】
電気移動装置は、動力源として電気を用いて移動可能に構成される装置を意味し得る。電気移動装置は、電動キックボード、電気自動車、電動ホイール、電動自転車、電動バイク、電動二輪平行車、ロボット掃除機などを含むことができる。本実施形態では、図2、3に示すように、電気移動装置が電動キックボード10である場合を一例として挙げたが、これに限定されるものではない。
【0035】
電動キックボード10は、ボード本体12と、操舵部14とを含むことができる。
【0036】
ボード本体12は、ユーザを乗車させるための支持面を提供する役割を担うことができる。また、ボード本体12は、スマートモビリティの機能を実現するためのモバイル構造物の形態に設計変更することができ、この場合、電動ホイール、電気自転車、電動バイク用本体を指すこともできる。
【0037】
また、ボード本体12は、ユーザが足を乗せて乗車する踏み板部である。ボード本体12は、立ち乗りするボードタイプの構造物で製作することができる。または、図示していないが、ボード本体12の上面に座席部をさらに含めて座席タイプの構造物で構成することができる。または、図示していないが、ホイール側面の足裏支持部をさらに含めてホイールタイプの構造物で構成することができる。ボード本体12は特定の構造物に限定されない。
【0038】
操舵部14は、ボード本体12の前端に結合して操舵機能を果たすことができる。操舵部14は、ブレーキレバーおよび変速レバーが装着されている操舵ハンドル16と、操舵ハンドル16を回転可能に支持するポスト17とを含むことができる。
【0039】
操舵部14は、ボード本体12の前側(例えば、前方)の先端に配置され、ボード本体12の進行方向を転換するように構成できる。
【0040】
電動キックボード10は折り畳み(folding)部20を含むことができる。
【0041】
折り畳み部20は、ボード本体12と操舵部14のポスト17とを連結するように構成できる。折り畳み部20は、ボード本体12に対して操舵部14が折り畳まれるように構成できる。折り畳み部20により、電動キックボード10の外形的構造をコンパクトな形態に変形させ、保管及び運搬を容易にすることができる。
【0042】
電動キックボード10は、前輪22と、後輪24と、走行モータ26と、ブレーキ28とを含むことができる。
【0043】
前輪22は、操舵部14の下端に設けられ、前述の操舵ハンドル16の下端で回転可能に支持される。
【0044】
操舵ハンドル16の操舵操作によって、前輪22の操舵角度を調整することができる。
【0045】
前輪22および後輪24は、タイヤ、ホイールフレーム、ベアリングなどを総称して含む各構成品として理解することができる。
【0046】
後輪24は、一種の走行ホイールであり、ボード本体12の後端に設けられ、走行モータ26によって駆動されるように構成されている。走行モータ26の駆動軸は、後輪24のホイールフレームおよびホイール回転軸と一致し、ホイール一体型モータ装置としての構成を有することができる。
【0047】
走行モータ26は、後輪24を駆動する役割を担うことができる。走行モータ26の装着位置は特に限定されず、設計変更によって別の走行モータ26を前輪22にも装着することができる。走行モータ26は、一般的なBLDC(Brushless direct current motor)や、駆動及び回生制動型の電動機(例えば、モータ及び発電機兼用)を意味し得る。
【0048】
ブレーキ28もまた、前輪22または後輪24のいずれか一つに装着するか、または前輪22および後輪24にそれぞれ装着することができる。ブレーキ28は、摩擦を利用した機械式ブレーキであっても、電子式ブレーキであってもよい。ここで、電子式ブレーキは、回生制動、または電力回生ブレーキを指すものであり、トルク力で動いている電動機(例えば、走行モータ26または前輪22に別途装着されたブレーキ用電動機)が閉回路状態になったときの慣性力を用いて、車輪である前輪22または後輪24などに取り付けられている回転子を回して電動機を発電機として作動させることにより、運動エネルギーを電気エネルギーに変換して回収して制動力を発揮する構成を有することができる。
【0049】
このブレーキ28は、前輪22および後輪24を止めたり、ホイールの回転速度を遅くする役割を担うことができ、後述する制御装置200と連動して傾斜区間でキックアンドゴー(kick and go)機能またはクルーズ機能などを行う際にも使用できる。
【0050】
バッテリー30は、複数のバッテリーセルを並列接続したものであり、再充電可能な電池パックを意味し得る。
【0051】
バッテリー30は、走行モータ26および制御装置(図示せず)に電気動力を供給する役割を担うことができる。また、電動キックボード10の電気動力など、電気および電子的構成の動作に使用することができる。
【0052】
電動キックボード10は無線充電装置50を含むことができる。無線充電装置50は、操舵部14のポスト17に装着することができる。無線充電装置50は、無線電力を受信してバッテリー30に供給するように構成できる。
【0053】
図4は本発明の一実施形態による無線充電装置の斜視図、図5は本発明の一実施形態による無線充電装置の断面図である。
【0054】
無線充電装置50は、電力を送信する電力送信装置と、電力を受信する電力受信装置とを含むことができる。図2、3における無線充電装置50は、電動キックボード10に配置されるものであり、電力受信装置である場合を一例として挙げたが、これに限定されない。無線充電装置50は、電気移動装置が充電される充電ブースに備えられた電力送信装置を意味することもできる。すなわち、本実施形態の無線充電装置50は、電動キックボード10が据え置かれる充電ブース(図示せず)に備えられた電力送信装置を意味することもできる。
【0055】
無線充電装置50は、磁気誘導方式、磁気共振方式、または電磁波方式によって無線電力を受信することができる。
【0056】
無線充電装置50は、放熱ケース60と、回路基板80と、電力モジュール84とを含むことができる。
【0057】
放熱ケース60は、無線充電装置50の外観を形成することができ、後述する回路基板80、電力モジュール84がその内部に配置されるように構成できる。
【0058】
放熱ケース60は、放熱モジュール62とケースカバー66とを含むことができる。放熱モジュール62は、ケース本体63と区画部70とを含むことができる。また、放熱モジュール62は、さらに外部放熱フィン68を含むことができる。放熱ケース60の詳細については後述する。
【0059】
電力モジュール84は、コイル部86と磁性部材88とを含むことができる。
【0060】
コイル部86は、伝導性ワイヤを含むことができる。伝導性ワイヤは、伝導性物質を含むことができる。例えば、伝導性ワイヤは伝導性金属を含むことができる。具体的には、伝導性ワイヤは、銅、ニッケル、金、銀、亜鉛および錫からなる群より選択される1種以上の金属を含むことができる。
【0061】
さらに、伝導性ワイヤは、絶縁性外皮を備えることができる。例えば、前記絶縁性外皮は絶縁性高分子樹脂を含むことができる。具体的には、前記絶縁性外皮は、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂などを含むことができる。
【0062】
伝導性ワイヤの直径は、例えば、0.1mm~10mmの範囲、0.1mm~5mmの範囲、または0.1mm~3mmの範囲であってもよい。
【0063】
伝導性ワイヤは、平面コイルの形で巻かれたものである。具体的には、前記平面コイルは平面螺旋コイル(Planar spiral coil)を含むことができる。ここで、前記平面コイルの形態は、楕円形、多角形、または角が丸い多角形の形態であってもよいが、特に限定されない。
【0064】
平面コイルの外径は、2cm~20cm、3cm~12cm、3cm~10cm、5cm~16cm、または6cm~15cmであってもよい。具体的な一例として、前記平面コイルは、3cm~12cmの外径を有することができる。
【0065】
また、平面コイルの内径は、0.5cm~10cm、1cm~8cm、または2cm~7cmであってもよい。
【0066】
平面コイルの巻回数は、5回~50回、7回~30回、5回~30回、10回~50回であってもよい。具体的な一例として、前記平面コイルは、前記伝導性ワイヤを10回~30回巻いて形成したものであってもよい。
【0067】
前記のような好ましい平面コイル寸法および規格の範囲内では、電気自動車のような大容量の電力伝送が求められる分野に適切に適用できる。
【0068】
磁性部材88は、コイル部86の一側を支持するように構成できる。
【0069】
磁性部材88は、バインダー樹脂およびフィラーを含む高分子型磁性部を含むことができる。具体的には、磁性部材88は、バインダー樹脂、およびバインダー樹脂内に分散しているフィラーを含む高分子型磁性部を含むことができる。高分子型磁性部は、高分子型磁性ブロック(PMB)を含むことができる。高分子型磁性部は、バインダー樹脂によってフィラー同士が結合することにより、広い面積で全体的に欠陥が少なく、衝撃によるダメージが少なくなる。
【0070】
磁性部材88は、フェライトを含むこともできる。具体的には、磁性部材88は、Ni-Zn系フェライト、Mg-Zn系フェライト、Mn-Zn系フェライトを含むことができる。
【0071】
回路基板80は、無線充電装置50の全体的な駆動を制御するように設けることができる。回路基板80は、コイル部86を介して発生する誘伝導流でバッテリー30を充電するように設けられる。
【0072】
本実施形態では、無線充電装置50が電力受信装置である場合を一例として挙げたが、無線充電装置50が電力送信装置である場合には、回路基板80は外部から供給される交流電源を直流電源に変換し、直流電源を再び特定の周波数の交流電圧に変換した後、電力モジュール84のコイル部86に供給することができる。また、外部から直流電源を直接供給される場合には、供給された直流電源を特定の周波数の交流電圧に変換した後、電力モジュール84のコイル部86に供給することができる。これにより、無線充電装置50が電力送信装置である場合、電力モジュール84のコイル部86には電流が流れることにより、誘伝導流の発生のための磁場を生成することになる。
【0073】
無線充電装置50は熱伝達部材90を含むことができる。熱伝達部材90は、回路基板80と電力モジュール84の少なくとも一つの側面に配置できる。具体的には、熱伝達部材90は、回路基板80とケース本体63の内面または区画部70との間に配置することもでき、電力モジュール84と区画部70との間に配置することもできる。
【0074】
回路基板80と電力モジュール84は、放熱モジュール62と向かい合う面が平面ではなくてもよく、突出構造または凹構造を有していてもよい。熱伝達部材90は、このように凹凸構造で形成できる回路基板80と電力モジュール84の表面と放熱モジュール62との間に配置され、熱伝達面積を広げることができる。つまり、熱伝達部材90は、前記のような配置により、放熱モジュール62に対する回路基板80または電力モジュール84の熱伝達面積を広げることができ、熱伝達効率を向上させることができる。
【0075】
放熱ケース60は、前述のように、放熱モジュール62と、ケースカバー66とを含むことができる。
【0076】
放熱モジュール62は放熱素材で構成することができる。放熱モジュール62は一体に構成することができる。放熱モジュール62は、ケース本体63と、区画部70とを含むことができる。また、放熱モジュール62は、さらに外部放熱フィン68を含むことができる。放熱モジュール62は外部に露出し、外部に放熱可能に構成されている。
【0077】
ケース本体63と区画部70、またはケース本体63と区画部70と外部放熱フィン68は、一体に形成することができる。しかし、これに限定されず、外部放熱フィン68および区画部70のうちの少なくとも一方は、ケース本体63に対して取り外し可能に装着されてもよい。外部放熱フィン68がケース本体63に対して取り外し可能に装着される場合には、外部放熱フィン68自体がケース本体63から取り外し可能に装着されてもよく、外部放熱フィン68が配置されるケース本体63の一部が外部放熱フィン68と一体に形成され、ケース本体63の残りから取り外し可能に装着されてもよい。
【0078】
ケース本体63と区画部70と外部放熱フィン68は、放熱モジュールの一構成であるので、いずれも放熱素材で構成することができる。放熱素材は、一例としてアルミニウムを含むことができる。しかし、放熱素材の種類は限定されない。
【0079】
ケース本体63は、外部に露出するように構成され、これにより、その内部に配置される回路基板80、電力モジュール84から生成される熱を外部に放熱するように構成できる。これにより、放熱モジュール62は、それ自体として構成要素を収容する機能と冷却機能を共に行うことができる。
【0080】
外部放熱フィン68は、図5に示すように、ケース本体63から放射方向に突出するように構成できる。外部放熱フィン68は、ケース本体63の一構成であってもよい。また、外部放熱フィン68は、ケース本体63と一体に形成することができる。外部放熱フィン68は、ケース本体63から突出形成され、外部空気と熱交換するように構成できる。外部放熱フィン68は、外部空間に対する放熱モジュール62の露出面積を拡張することにより、放熱効率を向上させることができる。外部放熱フィン68の数は限定されず、放熱モジュール62の大きさ、配置、求められる放熱量を考慮して変えて適用できる。
【0081】
外部放熱フィン68は、ケース本体63の側部から放射方向に突出する第1外部放熱フィン68aと、ケース本体63の後方に突出する第2外部放熱フィン68bとを含むことができる。「前方」は充填面66aが向く方向を意味し、「後方」はそれと反対する方向を意味し得る。
【0082】
第2外部放熱フィン68bは、求められる電気移動装置に装着できるように装着部69を含むことができる。装着部69は、図5に示すように、第2外部放熱フィン68b上に形成することができる。具体的には、第2外部放熱フィン68bは、求められる電気移動装置の装着面に対応する形状を有するように、ケース本体63から突出する高さが異なるようにすることができ、この構成によって装着部69を形成することができる。装着部69は、図5に示すように、電動キックボード10のポスト17の装着面17aに対応するように凹状に形成することもでき、対応する電気移動装置の装着面の形状に対応するように形成できる。図5では、ポスト17の装着面17aを曲面で形成し、装着部69はそれに対応する凹状に示しているが、これに限定されない。一例として、装着面17aは多角形、楕円形、曲面で形成されてもよく、装着部69はそれに対応する形状に形成されてもよい。このように、装着部69が形成される第2外部放熱フィン68bは、「装着放熱フィン」と定義することもできる。
【0083】
装着部69は、第2外部放熱フィン68bによってケース本体63と離隔することができる。これにより、無線充電装置50が電気移動装置に装着される場合でも放熱面積を最大限に確保することができ、放熱ケース60が電気移動装置に装着されて放熱ケース60の放熱面積が減少することを防止することができる。
【0084】
放熱モジュール62は区画部70を含むことができる。区画部70は、ケース本体63の内部に配置することができ、ケース本体63の内部に形成される空間を区画するように構成できる。区画部70は、放熱モジュール62の一構成であり、放熱素材で構成することができ、一例としてアルミニウム素材を含むことができる。区画部70は、回路基板80または電力モジュール84から伝達される熱をケース本体63に伝達するように構成できる。
【0085】
区画部70は、回路基板80と電力モジュール84で発生する熱が相互間に伝達されることを防止するために、ケース本体63の内部を区画するように構成できる。区画部70は、ケース本体63と一体に形成され、区画部70に伝達される熱がケース本体63に伝達されるように構成できる。
【0086】
区画部70は、区画プレート72と、放熱フィン74とを含むことができる。
【0087】
区画プレート72は、回路基板80が配置される第1空間61aと、電力モジュール84が配置される第2空間61bとを区画するように構成できる。無線充電装置50は、一方向に沿って充電面66aが形成されたケースカバー66、電力モジュール84、回路基板80の順に配置することができる。区画プレート72は、電力モジュール84と回路基板80との間を区画するように、前記一方向とは異なる方向、一例として垂直な方向に形成することができる。
【0088】
区画プレート72は、その周囲に沿ってケース本体63の内側面に連結することができる。これにより、第1、2空間61a,62aの間で熱による対流が発生することを防止することができ、回路基板80と電力モジュール84がそれぞれ配置される第1、2空間61a,62aにおいて、各々の放熱制御が可能となる。
【0089】
放熱フィン74は、区画プレート72上に配置することができる。放熱フィン74は、区画プレート72上に配置され、一方向に延長するように構成できる。「一方向」とは、前述のケースカバー66、電力モジュール84、回路基板80の配列方向であり、区画プレート72から垂直な方向を意味し得る。本実施形態では、放熱フィン74が、回路基板80と向かい合う区画プレート72の一側面から突出して構成される場合を図示しているが、これに限定されるものではない。放熱フィン74は、電力モジュール84と向かい合う区画プレート72の他側面から突出するように構成されてもよい。
【0090】
放熱フィン74は、複数で構成することができ、区画プレート72上に相互離隔して形成することができる。放熱フィン74は、区画プレート72と一体に形成することができる。
【0091】
区画部70は、離隔空間76を含むことができる。
【0092】
離隔空間76は、複数の放熱フィン74の間に配置できる。離隔空間76は、回路基板80と電力モジュール84との間に形成することにより、空気による断熱機能を行うことができる。本実施形態では、離隔空間7により、回路基板80から発生する熱が放熱フィン74を介してのみ区画部70に伝達されるように構成できる。
【0093】
ケースカバー66は、電力モジュール84を介した無線充電のために樹脂材料を含むことができる。ケースカバー66は、その内側に配置された電力モジュール84を覆い、ケース本体63の開口64を密閉するようにケース本体63に結合することができる。つまり、ケースカバー66は、第2空間61bを覆うようにケース本体63に結合して構成することができる。
【0094】
以下では、前記構成による無線充電装置の発熱について説明する。
【0095】
無線充電装置50の充電過程で発生する発熱量は、以下の式を満たすことができる。前述のように、無線充電装置50が、電力を受信する電力受信装置である場合について説明する。
【0096】
[式1]
【0097】
前記式1中、Qは発熱量(kcal)、Pは印加される電力(W)、tは駆動時間(sec)である。Qは、電力モジュール84および回路基板80から生成される発熱量を意味し得る。
【0098】
これに基づいて、充電効率が理想的に100%の場合の発熱量と、充電効率が抵抗または外部要因によって現実的に100%よりも低い場合の発熱量とを比較することができる。
【0099】
理想的な充電効率を有する場合(以下、「ケース1」)の発熱量はQh_iであり、現実的な充電効率を有する場合(以下、「ケース2」)の発熱量、すなわち、実際の発熱量はQh_rと定義することができる。本実施形態では、ケース2において充電効率が85%である場合を一例として挙げたが、これに限定されるものではない。
【0100】
ケース1、2において、電力送信装置で発生する電力の電圧は48Vに設定することができる。ケース1、2において、誘伝導流により電力受信装置からバッテリー30に伝達される電力を同一に設定し、電力受信装置における電圧は54.6Vに同一に設定することができる。また、ケース1、2において、電力受信装置における電流は3Aに同一に設定することができる。
【0101】
また、ケース1に相当する充電効率が100%の場合と、ケース2に相当する一例として充電効率が85%の場合において、それぞれ電力送信装置から電力受信装置に伝達される入力電力、電力受信装置からの出力電力、電力受信装置における90分間の発熱量は、下記表1を満たすことができる。
【0102】
【表1】
【0103】
充電過程で放熱モジュールから放熱される放熱量は、下記式を満たすことができる。
【0104】
[式2]
【0105】
前記式2中、Qは放熱モジュールから放熱される放熱量(kcal)、Cは放熱モジュールの比熱(kcal/g℃)、mは放熱モジュールの質量(g)、ΔTは放熱モジュールの温度変化(℃)である。Aは補正係数である。
【0106】
補正係数Aは、外部放熱フィン68とケース本体63によって外部に露出する放熱ケース60、放熱モジュール62の表面積、放熱ケース60、放熱モジュール62の厚さなどを考慮して設定できる。補正係数Aは10以上35以下であってもよい。補正係数Aは整数に限定されない。
【0107】
前記内容に基づいて、放熱モジュール62は、回路基板80と電力モジュール84の発熱量と下記式3の関係を満たすことができる。
【0108】
[式3]
発熱温度の制御のために、設定された発熱温度によって放熱モジュールの質量および補正係数Aを下記表2に示すように設定できる。
【表2】
【0109】
つまり、放熱ケース60の設計において、実際の充電効率を考慮して温度変化の最大幅を設定することにより、補正係数Aと質量mを設計することができる。これにより、無線充電装置の放熱モジュールの最適設計が可能となり、軽量化及び放熱効率の向上を図ることができる。以下では、このような設計によって構成された本発明の放熱ケース60を有する無線充電装置と、図1に示す従来の無線充電装置における、充電時間による発熱温度に関する比較例を示す。
【0110】
発熱温度の測定において、充電周波数は125kHzに設定し、電力送信装置は220Vの壁面コンセントにAC-DC変換アダプタを接続して構成した。電力送信装置は、AC-DC変換アダプタと接続した。電気負荷装置(Electric Load)は54.6V、3Aに設定し、電力受信装置と接続した。電力送信装置の送信コイルと電力受電装置の受信コイルとを適切に整列するために、電力送信装置上に電力受信装置が位置するように配置した。その後、一定時間の間、電力受信装置の回路基板のリアルタイム温度を測定し、充電時間別の発熱温度を測定した。
【0111】
表3及び4は、従来の無線充電装置50の充電時間による発熱温度の値を示す。これのグラフは図6に示されている。ちなみに、無線充電装置50は、前述のように電力受信装置である場合を中心として説明する。
【0112】
【表3】
【0113】
【表4】
【0114】
前記のように、本発明では放熱モジュール62の構成及び設計によって設定された最大発熱温度を制御可能である。表3、4及び図6に示すように、本実施形態の無線充電装置と従来の無線充電装置(図1)は、一定時間が経過すると、発熱温度が一定に維持される。表3、4及び図6では、本実施形態の無線充電装置と従来の無線充電装置に対して、充電時間による発熱温度をそれぞれ90分と60分まで測定して示しているが、その後の充電時間による発熱温度は維持されるのでそれを省略した。つまり、回路基板と電力モジュールから発熱する発熱量と、外部へ放熱される放熱量が等しくなる時点から発熱温度は一定に維持される。
【0115】
本実施形態の無線充電装置では、充電開始時刻から約90分になる時点から発熱温度が維持され、充電開始時刻から約90分間の発熱温度変化量は約40度である。従来の無線充電装置では、充電開始時刻から約60分になる時点から発熱温度が維持され、充電開始時刻から約60分間の発熱温度変化量は約75度である。
【0116】
発熱率(HR)は、充電時間と発熱温度の変化量に対する比率を意味し得る。充電時間は、充電開始時刻から特定時刻までの時間を意味し得る。
【0117】
つまり、発熱率(HR)は下記式4を満たすことができる。
【0118】
[式4]
発熱率(HR、℃/min)=△発熱温度(℃)/60min
【0119】
発熱率(HR)は、一定の充電時間に対する発熱温度グラフの傾きを意味し得る。図6において、本実施形態の無線充電装置の発熱率は約0.67℃/min(発熱温度=65℃-25℃、充電時間=60min、図6のHR1を参照)であり、従来の無線充電装置の発熱率は約1.25℃/min(発熱温度=100℃-25℃、充電時間=60min、図6のHR2を参照)であってもよい。
【0120】
本発明の実施形態による無線充電装置の発熱率(HR)は、0超2.0未満であってもよく、0.3以上1.6以下であってもよく、0.5以上1.4以下であってもよく、0.6以上1.3以下であってもよい。
【0121】
前記式4による発熱率(HR)において、60minは無線充電装置が充電される時間を意味し、△発熱温度は無線充電装置を60分間充電したときの温度変化を意味する。すなわち、図6のHR1の傾きは、前記のような発熱率(HR)の数値範囲を満たすことができる。説明の都合上、図4、5の無線充電装置を例に挙げたが、発熱率(HR)の範囲は、後述する図7、8に示すような無線充電装置の発熱率(HR)にも同様に適用することができる。
【0122】
発熱温度が急激に上昇すると、回路基板、電力モジュールのような無線充電装置の内部構成に損傷を引き起こすことがあり、無線充電装置の寿命が短くなり、バッテリーの充電効率が低下することがある。本発明では、充電時間による発熱温度の変化量を制御することにより、無線充電装置の放熱効率を向上させることができる。
【0123】
また、無線充電装置の放熱効率を向上させることにより、別の冷却部材が不要となり、無線充電装置をよりコンパクトに構成することができる。さらに、放熱モジュール自体が内部構成を収容して冷却する機能をすることにより、無線充電装置の密閉性、シール効率を向上させることができる。
【0124】
次に、本発明の他の実施形態による無線充電装置について説明する。前述の実施形態と同様の構成については重複する説明を省略する。
【0125】
図7は、本発明の他の実施形態による無線充電装置の断面図である。
【0126】
無線充電装置150は放熱モジュール62を含むことができる。
【0127】
放熱モジュール62は区画部170を含むことができる。区画部170は、ケース本体63の内部に配置することができ、ケース本体63の内部に形成される空間を区画するように構成できる。区画部170は、放熱モジュール62の一構成であり、放熱素材で構成することができ、一例としてアルミニウム素材を含むことができる。区画部170は、回路基板80または電力モジュール84から伝達された熱をケース本体63に伝達するように構成できる。
【0128】
区画部170は、回路基板80と電力モジュール84で発生する熱が相互間に伝達されることを防止するために、ケース本体63の内部を区画するように構成できる。区画部170は、ケース本体63と一体に形成され、区画部170に伝達される熱がケース本体63に伝達されるように構成できる。
【0129】
区画部170は、第1、2区画プレート171,172を含むことができる。
【0130】
第1、2区画プレート171,172は、回路基板80が配置される第1空間61aと、電力モジュール84が配置される第2空間61bとを区画するように構成できる。第1区画プレート171は第1空間61aに向くように配置でき、第2区画プレート172は第2空間61bに向くように配置できる。
【0131】
無線充電装置50では、一方向に沿って充電面66aが形成されたケースカバー66、電力モジュール84、回路基板80の順に配置することができ、第1、2区画プレート171,172は、電力モジュール84と回路基板80との間を区画するように、前記一方向とは異なる方向、一例としては垂直な方向に形成することができる。
【0132】
区画プレート171,172は、その周囲に沿ってケース本体63の内側面に連結することができる。これにより、第1、2空間61a,61b間の熱による対流を防止することができ、回路基板80と電力モジュール84がそれぞれ配置される第1、2空間61a,61bにおいて、それぞれの放熱制御が可能となる。
【0133】
第1、2区画プレート171,172は、その間に離隔空間174を形成するように、相互離隔して形成することができる。第1、2区画プレート171,172は相互に並んで配置することができ、その間に離隔空間174を形成することができる。
【0134】
離隔空間174は、第1、2区画プレート171,172の間に配置することにより、離隔空間174の空気による断熱機能を行うことができる。これにより、第1、2区画プレート171,172の間、回路基板80と電力モジュール84との間の断熱機能を行うことができる。
【0135】
本実施形態では、第1、2区画プレート171,172と離隔空間174により、回路基板80と電力モジュール84で発生する熱を、第1、2区画プレート171,172を介して放熱モジュール62、ケース本体63に伝達することができる。また、第1、2区画プレート171,172を介して、回路基板80で発生する熱が電力モジュール84に伝達されることや、電力モジュール84で発生する熱が回路基板80に伝達されることを防ぐことができる。
【0136】
次に、本発明のまた他の実施形態による無線充電モジュールについて説明する。前述の実施形態と同様の構成については重複する説明を省略する。
【0137】
図8は、本発明のまた他の実施形態による無線充電装置の断面図である。
【0138】
無線充電装置250は放熱モジュール62を含むことができる。
【0139】
放熱モジュール62はケース本体263を含むことができる。ケース本体263は、第1、2ケース本体263a,263bを含むことができる。第1、2ケース本体63は、相互離隔して配置することができ、これにより回路基板80と電力モジュール84がそれぞれ配置される第1、2空間61a,61bで各々の放熱制御が可能となる。
【0140】
第1ケース本体263aは、その内部に回路基板80が配置される第1空間61aを形成し、第2ケース本体263bは、その内部に電力モジュール84が配置される第2空間61bを形成することができる。第1、2ケース本体263a,263bの内部にそれぞれ配置される回路基板80と電力モジュール84は、別のワイヤを介して電気的に接続することができる。
【0141】
放熱モジュール62は区画部270を含むことができる。区画部270は、ケース本体263の一構成として形成することができる。区画部270は、放熱モジュール62の一構成であり、放熱素材で構成することができ、一例としてアルミニウム素材を含むことができる。本実施形態では、区画部270はケース本体263の一構成であり、外部に露出するように構成されるので、区画部270は回路基板80または電力モジュール84から伝達された熱をケース本体63に伝達するか、または外部に放熱することができる。
【0142】
区画部270は、第1、2区画プレート271,272を含むことができる。
【0143】
第1区画プレート271は第1ケース本体263aと共に第1空間61aを形成し、第2区画プレート272は第2ケース本体263bと共に第2空間61bを形成するように構成できる。第1、2区画プレート271,272の間には、電気移動装置のポスト17を配置できる。
【0144】
無線充電装置50において、一方向に沿って充電面66aが形成されたケースカバー66、電力モジュール84、回路基板80の順に配置することができ、区画プレート271,272は、電力モジュール84と回路基板80との間を区画するように、前記一方向とは異なる方向、一例として垂直な方向に形成することができる。
【0145】
第1、2区画プレート272は、その間に離隔空間274を形成するように、相互離隔して形成することができる。第1、2区画プレート272は相互に並んで配置することができ、その間に離隔空間274を形成することができる。離隔空間274には、電気移動装置のポスト17を配置できる。
【0146】
離隔空間274は、第1、2区画プレート271,272の間に配置することにより、第1、2空間61a,61bを分離することができ、第1、2区画プレート271,272の間、回路基板80と電力モジュール84との間の相互影響を最小限に抑えることができる。
【0147】
以上では、特定の実施形態について図面を参照して説明した。しかし、前述した実施形態のみに限定されず、発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、以下の請求の範囲に記載された発明の技術的思想の要旨を逸脱することなく、いくらでも多様に変更実施することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8