(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】決済支援プログラム、決済支援システム、及び決済支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/22 20120101AFI20241011BHJP
G06Q 20/38 20120101ALI20241011BHJP
【FI】
G06Q20/22
G06Q20/38 310
(21)【出願番号】P 2023034493
(22)【出願日】2023-03-07
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】593022629
【氏名又は名称】株式会社ジェーシービー
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100140431
【氏名又は名称】大石 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】間下 公照
(72)【発明者】
【氏名】南井 享
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-9375(JP,A)
【文献】特開2019-32735(JP,A)
【文献】特開2020-173830(JP,A)
【文献】特表2021-530053(JP,A)
【文献】特開2019-106212(JP,A)
【文献】特開2022-85396(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
取引者との取引に際してユーザが利用する第1決済手段に関する第1決済手段情報に基づいて、前記ユーザと前記取引者との取引の決済に用いられる専用トークンに関する専用トークン情報を、前記取引者の取引者システムに対して発行する専用トークン発行部と、
前記第1決済手段情報及び前記専用トークン情報を対応付けた対応関係情報を生成する対応関係生成部と、
前記取引者システムから、前記専用トークン情報及び前記ユーザとの取引の決済に関する決済情報を含む第1決済要求情報を取得する決済要求取得部と、
前記対応関係情報に基づいて、前記第1決済要求情報に含まれる前記専用トークン情報に対応する前記第1決済手段情報を特定する決済手段特定部と、
前記決済の処理を行う決済者の決済者システムに対し、前記決済情報及び前記特定される第1決済手段情報を含む第2決済要求情報を提供する決済要求提供部と、
を実現させるための決済支援プログラム。
【請求項2】
前記コンピュータに、前記決済者システムから取得される、前記第2決済要求情報に応じた決済の処理の結果を示す決済結果情報を、前記取引者システムに提供する決済結果提供部をさらに実現させる、請求項1に記載の決済支援プログラム。
【請求項3】
前記コンピュータに、決済手段の変更の要求に関する変更要求に応じて、前記専用トークン情報に対応する前記第1決済手段情報を、前記第1決済手段とは異なる第2決済手段に関する第2決済手段情報に変更して、前記対応関係情報を更新する更新部をさらに実現させる、請求項1又は2に記載の決済支援プログラム。
【請求項4】
前記更新部は、前記ユーザのユーザ端末を通じた前記変更要求に応じて、前記対応関係情報を更新する、請求項3に記載の決済支援プログラム。
【請求項5】
前記コンピュータに、
前記決済者システムから、前記第2決済要求情報に基づいた決済の処理を正常に実行できないことを示すエラー情報を取得するエラー取得部と、
前記エラー情報に基づいて、前記エラー情報に対応する前記第2決済要求情報に含まれる前記第1決済手段情報が示す前記第1決済手段を、前記第1決済手段とは異なる第2決済手段に変更することを提案する変更提案情報を提供する変更提案部と、
をさらに実現させる請求項1又は2に記載の決済支援プログラム。
【請求項6】
前記コンピュータに、前記第1決済手段情報に基づいた決済の処理が正常に行われることを検証する検証部をさらに実現させ、
前記専用トークン発行部は、前記検証の結果に基づいて、前記専用トークン情報を発行する、
請求項1又は2に記載の決済支援プログラム。
【請求項7】
前記専用トークン発行部は、前記ユーザと前記取引者との第1取引に際して利用される前記第1決済手段に関する、前記取引者システムから取得される前記第1決済手段情報に基づいて、前記専用トークン情報を発行し、
前記決済要求取得部は、前記専用トークン情報、及び前記第1取引の後に行われる第2取引の前記決済に関する前記決済情報を含む前記第1決済要求情報を取得する、
請求項1又は2に記載の決済支援プログラム。
【請求項8】
取引者との取引に際してユーザが利用する第1決済手段に関する第1決済手段情報に基づいて、前記ユーザと前記取引者との取引の決済に用いられる専用トークンに関する専用トークン情報を、前記取引者の取引者システムに対して発行する専用トークン発行部と、
前記第1決済手段情報及び前記専用トークン情報を対応付けた対応関係情報を生成する対応関係生成部と、
前記取引者システムから、前記専用トークン情報及び前記ユーザとの取引の決済に関する決済情報を含む第1決済要求情報を取得する決済要求取得部と、
前記対応関係情報に基づいて、前記専用トークン情報に対応する前記第1決済手段情報を特定する決済手段特定部と、
前記決済の処理を行う決済者の決済者システムに対し、前記決済情報及び前記特定される第1決済手段情報を含む第2決済要求情報を提供する決済要求提供部と、
を備える決済支援システム。
【請求項9】
コンピュータが、
取引者との取引に際してユーザが利用する第1決済手段に関する第1決済手段情報に基づいて、前記ユーザと前記取引者との取引の決済に用いられる専用トークンに関する専用トークン情報を、前記取引者の取引者システムに対して発行し、
前記第1決済手段情報及び前記専用トークン情報を対応付けた対応関係情報を生成し、
前記取引者システムから、前記専用トークン情報及び前記ユーザとの取引の決済に関する決済情報を含む第1決済要求情報を取得し、
前記対応関係情報に基づいて、前記専用トークン情報に対応する前記第1決済手段情報を特定し、
前記決済の処理を行う決済者の決済者システムに対し、前記決済情報及び前記特定される第1決済手段情報を含む第2決済要求情報を提供する、
決済支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済支援プログラム、決済支援システム、及び決済支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの決済手段に対応するトークンを利用して、ユーザによる取引の決済処理を行う技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されている決済処理システムは、ユーザの識別情報および生体認証用情報を格納する記憶装置と、演算装置とを備える。当該演算装置は、ユーザの決済媒体に関して決済代行システムが発行したトークンを、ユーザのユーザ端末から受信する処理、トークンを、ユーザに関する識別情報および生体認証用情報と紐付けて記憶装置に格納する処理、ユーザにおける決済機会に際し、当該ユーザの生体情報を所定の店舗端末から得て、当該生体情報および生体認証用情報に基づく生体認証を行う処理、および、生体認証に成功した場合、当該ユーザに関して保持するトークンを記憶装置より抽出し、当該トークンと決済機会における決済額とを含む決済要求を決済代行システムに送信する処理を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されている決済処理システムでは、事前に、ユーザは、決済代行システムから取得するトークンを、決済処理システムに提供する。そして、ユーザが店舗にて取引する際、決済処理システムは、ユーザの生体情報を認証して、トークンを抽出する。しかしながら、当該決済処理システムでは、生体情報の認証を行った上で、ユーザから事前に取得されるトークンを用いた処理がなされるため、決済ごとにユーザの関与が必要となっていた。
【0006】
そこで、本発明は、より簡易にトークンを用いた決済に関する処理をすることが可能な決済支援プログラム、決済支援システム、及び決済支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る決済支援プログラムは、コンピュータに、取引者との取引に際してユーザが利用する第1決済手段に関する第1決済手段情報に基づいて、ユーザと取引者との取引の決済に用いられる専用トークンに関する専用トークン情報を、取引者の取引者システムに対して発行する専用トークン発行部と、第1決済手段情報及び専用トークン情報を対応付けた対応関係情報を生成する対応関係生成部と、取引者システムから、専用トークン情報及びユーザとの取引の決済に関する決済情報を含む第1決済要求情報を取得する決済要求取得部と、対応関係情報に基づいて、専用トークン情報に対応する第1決済手段情報を特定する決済手段特定部と、決済の処理を行う決済者の決済者システムに対し、決済情報及び特定される第1決済手段情報を含む第2決済要求情報を提供する決済要求提供部と、を実現させる。
【0008】
本発明の一態様に係る決済支援システムは、取引者との取引に際してユーザが利用する第1決済手段に関する第1決済手段情報に基づいて、ユーザと取引者との取引の決済に用いられる専用トークンに関する専用トークン情報を、取引者の取引者システムに対して発行する専用トークン発行部と、第1決済手段情報及び専用トークン情報を対応付けた対応関係情報を生成する対応関係生成部と、取引者システムから、専用トークン情報及びユーザとの取引の決済に関する決済情報を含む第1決済要求情報を取得する決済要求取得部と、対応関係情報に基づいて、専用トークン情報に対応する第1決済手段情報を特定する決済手段特定部と、決済の処理を行う決済者の決済者システムに対し、決済情報及び特定される第1決済手段情報を含む第2決済要求情報を提供する決済要求提供部と、を備える。
【0009】
本発明の一態様に係る決済支援方法は、コンピュータが、取引者との取引に際してユーザが利用する第1決済手段に関する第1決済手段情報に基づいて、ユーザと取引者との取引の決済に用いられる専用トークンに関する専用トークン情報を、取引者の取引者システムに対して発行し、第1決済手段情報及び専用トークン情報を対応付けた対応関係情報を生成し、取引者システムから、専用トークン情報及びユーザとの取引の決済に関する決済情報を含む第1決済要求情報を取得し、対応関係情報に基づいて、専用トークン情報に対応する第1決済手段情報を特定し、決済の処理を行う決済者の決済者システムに対し、決済情報及び特定される第1決済手段情報を含む第2決済要求情報を提供する。
【0010】
なお、本発明において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」又は装置が有する機能が2つ以上の物理的手段、装置、又はソフトウェアモジュールにより実現されても、2つ以上の「部」又は装置の機能が1つの物理的手段、装置、又はソフトウェアモジュールにより実現されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、より簡易にトークンを用いた決済に関する処理をすることが可能な決済支援プログラム、決済支援システム、及び決済支援方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態である決済支援システム100における処理の概要を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態である決済支援システム100の構成を示す図である。
【
図3】記憶部105に記憶される決済手段情報の例を示す図である。
【
図4】記憶部105に記憶される対応関係情報の例を示す図である。
【
図5】記憶部105に記憶される第1決済要求情報の例を示す図である。
【
図6】記憶部105に記憶される決済結果情報の例を示す図である。
【
図7】記憶部105に記憶されるエラー情報の例を示す図である。
【
図8】決済支援システム100における処理の例を示すシークエンスチャートである。
【
図9】決済支援システム100における処理の例を示すシークエンスチャートである。
【
図10】決済支援システム100における処理の例を示すシークエンスチャートである。
【
図11】コンピュータ1100のハードウェア構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である決済支援システム100における処理の概要を示す図である。
【0014】
決済支援システム100は、決済支援プログラムによって実現される情報処理システムである。決済支援システム100は、ユーザが利用する決済手段に関する決済手段情報に基づいて、取引者との取引の決済に用いられる専用トークン情報を発行し、決済手段情報と専用トークン情報とを対応付けた対応関係情報を生成する。そして、決済支援システム100は、ユーザと取引者との取引の決済に際して、取引者の取引者システムから専用トークン情報を取得し、専用トークン情報に対応する決済手段情報を特定し、取引の決済の処理を行う決済者の決済者システムに対し、決済手段情報を提供する。
【0015】
まず、決済支援システム100における専用トークン発行処理について説明する。ユーザが、取引者システムに、決済手段情報を提供する(S111)。決済支援システム100が、取引者システムから、決済手段情報を取得する(S112)。決済支援システム100が、決済手段情報に基づいて、取引者システムに対し専用トークン情報を発行し(S113)、決済手段情報と専用トークン情報とを対応付けた対応関係情報を生成する(S114)。
【0016】
続いて、決済支援システム100における専用トークン情報を用いた決済支援処理について説明する。ユーザと取引者との取引に応じて、決済支援システム100が、取引者システムから、決済に関する決済情報及び専用トークン情報を含む第1決済要求情報を取得する(S121)。決済支援システム100が、専用トークン情報に対応する決済手段情報を特定する。決済支援システム100が、決済情報及び特定される決済手段情報を含む第2決済要求情報を決済者システムに提供する(S122)。決済者システムが、第2決済要求情報に応じて、決済処理を行う。決済支援システム100が、決済者システムから、第2決済要求情報に応じた決済処理の結果に関する決済結果情報を取得する(S123)。
【0017】
決済者システムにおいて決済処理が正常に実行できない場合、決済支援システム100は、決済者システムから、エラー情報を取得する(S131)。決済支援システム100は、ユーザに対し、エラーに対応する決済手段を別の決済手段に変更するよう提案する(S132)。
【0018】
決済支援システム100は、ユーザから、決済手段を別の決済手段に変更する変更要求を取得し(S141)、対応関係情報を更新する。
【0019】
図2は、本発明の一実施形態である決済支援システム100の構成を示す図である。決済支援システム100は、取引者システム200、ユーザ端末300、及び決済者システム400とインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続される。決済支援システム100の詳細については、後述する。
【0020】
取引者システム200は、ユーザと取引を行う取引者の情報処理システムである。
【0021】
取引者は、例えば、特定の事業者であってもよく、また、特定の事業者の特定の店舗であってもよい。また、取引者は、例えば、複数の事業者の複数の店舗を含む特定の組織(例えば、商店街)であってもよい。すなわち、後述する専用トークンは、特定の事業者に対応する専用トークン、特定の店舗に対応する専用トークン、又は特定の組織(例えば、商店街)に対応する専用トークンであってもよい。なお、取引者は、これらに限られない。
【0022】
取引者は、例えば、ユーザと、継続的な取引を行う取引者であってもよい。ここで、継続的な取引は、例えば、一定期間(例えば、毎月)ごとに決済される、一定金額(例えば、固定金額、又はユーザの商品若しくはサービスの利用の程度に応じた従量金額)の取引であってもよい。従来の継続的な取引では、取引者システム200は、予め、ユーザ及びユーザの決済手段情報を登録する場合がある。そのため、取引者システム200において、ユーザから決済手段情報を取得することなく、一定期間(例えば、毎月)ごとに決済処理が行われることがある。
【0023】
継続的な取引は、例えば、いわゆるリカーリング取引、及びいわゆるサブスクリプション取引の少なくともいずれかであってもよい。リカーリング取引は、ユーザと取引者とが継続的に、例えば、消耗品や従量制のサービスを取引する形態の取引である。サブスクリプション取引は、ユーザと取引者とが継続的に、例えば、予め定められた金額の商品又はサービスを取引する形態の取引である。
【0024】
ユーザ端末300は、取引者と取引を行うユーザが利用するコンピュータであり、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。
【0025】
決済者システム400は、ユーザと取引者との取引の決済の処理を行う決済者の情報処理システムである。決済者は、例えば、ユーザの決済手段に対応する事業者であってもよい。すなわち、ユーザの決済手段がクレジットカードである場合、決済者は、当該クレジットカードの発行会社であってもよく、ユーザの決済手段が電子マネーである場合、決済者は、当該電子マネーを管理する資金移動業者であってもよい。
【0026】
なお、
図2において、取引者システム200、ユーザ端末300、決済者システム400は、それぞれ1つずつ示されているが、それぞれ複数の取引者システム200、ユーザ端末300、決済者システム400であってもよい。
【0027】
続いて、決済支援システム100の詳細について説明する。決済支援システム100は、記憶部105、決済手段取得部110、検証部115、専用トークン発行部120、対応関係生成部125、決済要求取得部130、決済手段特定部135、決済要求提供部140、決済結果取得部145、決済結果提供部150、エラー取得部155、変更提案部160、更新部165を備える。
図2に示す各部は、例えば、記憶領域を用いたり、記憶領域に格納された決済支援プログラムをプロセッサが実行したりすることにより実現することができる。
【0028】
記憶部105は、決済支援システム100において処理される情報を記憶する。記憶部105は、例えば、後述する、決済手段情報、対応関係情報、第1決済要求情報、決済結果情報、及びエラー情報を記憶することができる。
【0029】
決済手段取得部110は、ユーザと取引者との取引においてユーザが利用する決済手段に関する決済手段情報を取得し、記憶部105に格納する。
【0030】
ここで、決済手段情報は、第1決済手段に関する第1決済手段情報、及び第1決済手段とは異なる第2決済手段に関する第2決済手段情報を含む。
【0031】
決済手段取得部110は、例えば、取引者システム200から、決済手段情報を取得してもよい。この場合、取引者システム200は、ユーザと取引者との取引に応じて、ユーザから、決済手段情報を取得し、当該取得した決済手段情報を、決済支援システム100に提供してもよい。
【0032】
また、決済手段取得部110は、ユーザ端末300から、決済手段情報を取得してもよい。
【0033】
決済手段情報は、ユーザと取引者との取引においてユーザが利用する決済手段に関する情報である。決済手段は、例えば、銀行口座、クレジットカード、電子マネー、ポイント、又は決済用トークンであってもよい。決済手段情報は、例えば、銀行口座番号、クレジットカード番号、電子マネーのID若しくはアカウント(より具体的には、電子マネーに対応する資金移動業者におけるID若しくはアカウント)、ポイントを管理する事業者におけるID若しくはアカウント(例えば、ポイントカード番号)、又は決済用トークンのIDであってもよい。なお、この段落で例示した「決済用トークン」は、後述する専用トークンとは異なるトークンである。
【0034】
図3は、記憶部105に記憶される決済手段情報の例を示す図である。記憶部105に記憶される決済手段情報は、例えば、決済手段ID、及び決済手段内容情報を含む。
【0035】
決済手段IDは、決済支援システム100において処理される決済手段情報を識別する情報である。決済手段内容情報は、決済手段の内容を示す情報であり、例えば、銀行口座番号、クレジットカード番号、電子マネーのID若しくはアカウント、ポイントを管理する事業者におけるID若しくはアカウント、又は決済用トークンのIDを示す情報である。
【0036】
検証部115は、決済手段情報(例えば、第1決済手段情報)に基づいた決済の処理が正常に行われることを検証する。
【0037】
検証部115は、例えば、決済手段情報に対応する決済者システム400にアクセスし、決済手段情報が正当な決済手段であるか否かを評価してもよい。検証部115は、例えば、決済者システム400に、クレジットカード番号、電子マネーのID若しくはアカウント、ポイントを管理する事業者におけるID若しくはアカウント、又は決済用トークンのIDが正常に記録されている場合に、決済手段情報が正当な決済手段であると評価してもよい。
【0038】
検証部115は、例えば、決済手段情報に対応する決済者システム400にアクセスし、決済手段情報が示す決済手段の限度額に基づいて、決済の処理が正常に行われるか否かを評価してもよい。検証部115は、ユーザと取引者との取引の規模(例えば、取引額の規模)と、決済手段の限度額とを比較し、当該決済手段の限度額の範囲内で、ユーザと取引者との取引が行われると判断される場合に、決済の処理が正常に行われると評価してもよい。
【0039】
例えばユーザと取引者との取引がリカーリング取引である場合、取引の規模(例えば、取引額の規模)は、リカーリング取引において継続的に取引される商品又はサービスに応じて、一定程度、推定が可能である。そこで、検証部115は、例えば、決済者システムにアクセスして、決済手段情報(例えば、第1決済手段情報)に基づいた決済の処理が正常に行われることを検証する。
【0040】
なお、決済手段情報に対応する決済者は、例えば、クレジットカードの発行会社、電子マネーを管理する資金移動業者、決済用トークンを管理する事業者であってもよい。
【0041】
専用トークン発行部120は、決済手段情報(例えば、第1決済手段情報)に基づいて、ユーザと取引者との取引の決済に用いられる専用トークンに関する専用トークン情報を、取引者システム200に対して発行する。そして、取引者システム200は、発行を受けた専用トークン情報を記憶する。
【0042】
ここで、専用トークンは、ユーザと取引者との取引の決済に専用のトークンである。すなわち、専用トークンは、対応するユーザ以外との取引の決済に用いることはできず、かつ、対応する取引者(例えば、特定の事業者、特定の店舗、又は、商店街等の特定の組織)以外との取引の決済に用いることはできない。すなわち、専用トークン情報が第三者に漏洩した場合であっても、当該第三者は当該専用トークン情報を用いて決済することができない。このように、決済支援システム100は、専用トークンを取引者システム200に発行することにより、よりセキュリティの高い決済を実現することができる。
【0043】
専用トークン情報は、さらに、取引者を識別可能な取引者識別情報を含んでもよい。
【0044】
専用トークン情報に含まれる取引者識別情報は、暗号化された情報(例えば、電子署名、電子透かし、又はハッシュ値等)であってもよい。これにより、決済支援システム100は、専用トークン情報に含まれる取引者識別情報の改ざんを防止することができる。
【0045】
また、専用トークン発行部120は、検証部115による検証の結果に基づいて、専用トークン情報を発行してもよい。すなわち、検証部115において、決済手段情報が示す決済手段に基づいた決済の処理が正常に行われると評価される場合に、専用トークン発行部120は、当該決済手段情報に基づいて専用トークン情報を発行してもよい。これにより、決済支援システム100は、正常に決済処理を実行可能な決済手段情報に対応する専用トークンを発行することができ、専用トークンの発行処理を効率化することができる。
【0046】
また、専用トークン発行部120は、複数の決済手段情報に基づいて、専用トークン情報を発行してもよい。このとき、専用トークン発行部120は、複数の決済手段情報のそれぞれに対応する複数の専用トークン情報を発行してもよく、また、複数の決済手段情報に対応する1つの専用トークン情報を発行してもよい。
【0047】
対応関係生成部125は、決済手段情報(例えば、第1決済手段情報)と、専用トークン情報とを対応付けた対応関係情報を生成し、記憶部105に格納する。
【0048】
対応関係生成部125は、決済手段情報、専用トークン情報、及び取引者識別情報を対応付けた対応関係情報を生成してもよい。取引者識別情報は、決済手段取得部110の取得先又は専用トークン発行部120の発行先の取引者システム200を識別する情報であってもよい。これにより、決済支援システム100は、後述する決済要求取得部が取得する専用トークン情報と、当該専用トークン情報を提供する取引者システム200とを照合することができ、よりセキュリティの高い決済を実現することができる。
【0049】
図4は、記憶部105に記憶される対応関係情報の例を示す図である。記憶部105に記憶される対応関係情報は、例えば、決済手段ID、及び専用トークンIDを含む。専用トークンIDは、専用トークン発行部120によって発行される専用トークンを識別する情報である。
【0050】
なお、記憶部105に記憶される対応関係情報は、さらに、取引者識別情報を含んでもよい。
【0051】
決済要求取得部130は、取引者システム200から、専用トークン情報、及び、ユーザと取引者との取引の決済に関する決済情報を含む、第1決済要求情報を取得し、記憶部105に格納する。
【0052】
第1決済要求情報は、取引者システム200から取得する、ユーザと取引者との取引の決済を要求する情報である。第1決済要求情報は、後述する第2決済要求情報と異なり、決済情報と、専用トークン情報とが対応付けられている情報である。
【0053】
取引者は、ユーザとの取引に応じて、決済支援システム100に対し、決済処理を要求する。このとき、取引者システム200は、第1決済要求情報を決済支援システム100に提供する。
【0054】
決済情報は、ユーザと取引者との取引の決済に関する情報であり、例えば、当該取引の決済金額を示す決済金額情報を含む。
【0055】
第1決済要求情報は、さらに、取引者識別情報を含んでもよい。例えば、決済情報が、取引者識別情報を含んでもよく、また、専用トークン情報が、取引者識別情報を含んでもよい。これにより、決済支援システム100は、対応関係情報に取引者識別情報が含まれている場合に、対応関係情報に含まれる取引者識別情報と、取引者システム200が提供する第1決済要求情報に含まれる取引者識別情報とを照合することにより、よりセキュリティの高い決済を実現することができる。
【0056】
また、例えば、第1決済要求情報は、専用トークン発行部120によって暗号化されて生成され、専用トークン情報に含められた取引者識別情報と、取引者システム200が付加する取引者識別情報とを含んでもよい。取引者システム200は、例えば、決済情報に取引者識別情報を付加してもよい。これにより、決済支援システム100は、対応関係情報に取引者識別情報が含まれていない場合であっても、専用トークン情報に含まれる暗号化された取引者識別情報と、取引者システム200が付加する取引者識別情報とを照合することにより、よりセキュリティの高い決済を実現することができる。
【0057】
ユーザと取引者との取引に際して、取引者システム200は、例えば、取引相手であるユーザから、ユーザを示す情報(例えば、ユーザ識別情報)を取得してもよい。そして、取引者システム200は、ユーザを示す情報(例えば、ユーザ識別情報)と専用トークン情報とが対応付けられて記憶されている記憶部を参照して、当該ユーザに対応する専用トークン情報を特定し、当該専用トークン情報を含む第1決済要求情報を、決済支援システム100に提供すればよい。
【0058】
このように、決済支援システム100は、取引者システム200(例えば、取引者システム200の記憶部)に記憶されている専用トークン情報を、取引者システム200から取得すればよい。すなわち、取引者システム200は、ユーザから、決済手段情報を取得する必要はなく、また、専用トークン情報を取得する必要もない。これにより、ユーザは、決済手段情報又は専用トークン情報を取引者システム200に提供することなく、取引者と取引することができる。特に、継続的な取引(例えば、リカーリング取引)において、ユーザは、簡易に、専用トークンを用いた決済を行うことができる。
【0059】
図5は、記憶部105に記憶される第1決済要求情報の例を示す図である。記憶部105に記憶される第1決済要求情報は、例えば、第1決済要求ID、専用トークンID、及び決済情報を含む。決済情報は、さらに、例えば、決済金額情報を含む。第1決済要求IDは、決済支援システム100において処理される第1決済要求情報を識別する情報である。
【0060】
決済手段特定部135は、対応関係情報に基づいて、第1決済要求情報に含まれる専用トークン情報に対応する決済手段情報(例えば、第1決済手段情報)を特定する。
【0061】
決済要求提供部140は、決済者システム400に対し、決済情報と、決済手段特定部135により特定される決済手段情報(例えば、第1決済手段情報)とを含む第2決済要求情報を提供する。
【0062】
第2決済要求情報は、決済者システム400に対し提供する、ユーザと取引者との取引の決済を要求する情報である。第2決済要求情報は、第1決済要求情報と異なり、決済情報と、決済手段情報(例えば、第1決済手段情報)とが対応付けられている情報である。
【0063】
すなわち、決済要求取得部130、決済手段特定部135、及び決済要求提供部140による一連の処理により、決済支援システム100は、取引者システム200から取得される専用トークン情報を、対応する決済手段情報(例えば、第1決済手段情報)に、いわば変換して、決済者システム400に提供する。これにより、取引者システム200は、情報漏洩時の影響が大きい決済手段情報を処理せずに、専用トークン情報を処理することができ、よりセキュリティの高い決済を実現することができる。また、決済者システム400は、決済支援システム100を介することで、セキュリティを高めた決済処理においても、決済手段情報に基づいた、いわば通常の決済処理を行うことができる。
【0064】
特に、ユーザと取引者との取引が継続的な取引(例えば、リカーリング取引)である場合、取引者は、ユーザの決済手段情報を継続的に管理することがある。そのため、取引者システム200からユーザの決済手段情報が漏洩するリスクがある。そこで、決済支援システム100が専用トークン情報を取引者システム200に発行することで、取引者システム200に対し、情報漏洩時の影響が大きい決済手段情報を用いた処理をさせずに、専用トークン情報を用いた処理をさせることができ、よりセキュリティの高い決済が実現される。
【0065】
また、決済要求提供部140は、専用トークン発行部120が複数の決済手段情報(例えば、第1決済手段情報及び第2決済手段情報)に基づいて専用トークン情報を発行した場合に、第1決済手段情報を含む第2決済要求情報と、第2決済手段情報を含む第2決済要求情報とを、決済者システム400に提供することができる。
【0066】
具体的には、例えば、まず、決済要求提供部140が、第1決済手段情報を含む第2決済要求情報を決済者システム400に提供する。続いて、後述するエラー取得部155が、第1決済手段情報に基づいて決済処理を正常に実行できない旨のエラー情報を取得する。そして、決済要求提供部140が、第2決済手段情報を含む第2決済要求情報を決済者システム400に提供する。これにより、決済支援システム100は、決済者システム400において第1決済手段に基づいた決済処理を正常に実行できない場合であっても、ユーザにより追加の操作を必要とせずに、第1決済手段とは異なる決済手段(例えば、この場合は、第2決済手段)に基づいた決済処理を、決済者システム400に要求することができる。
【0067】
なお、専用トークン発行部120が複数の決済手段情報に基づいて専用トークン情報を発行した場合、決済要求提供部140が、いずれの決済手段情報を優先的に用いて、第2決済要求情報を提供するかは、例えば、事前に定められる、決済支援システム100の管理者又はユーザによる設定に基づいてもよい。
【0068】
決済結果取得部145は、決済者システム400から、第2決済要求情報に応じた決済の処理の結果を示す決済結果情報を取得し、記憶部105に格納する。
【0069】
決済者システム400は、決済支援システム100から第2決済要求情報を取得し、第2決済要求情報に基づいて、ユーザと取引者との取引の決済処理を行う。決済者システム400は、当該決済処理の結果を示す決済結果情報を生成し、決済支援システム100に決済結果情報を提供する。決済結果取得部145は、当該決済結果情報を取得する。
【0070】
図6は、記憶部105に記憶される決済結果情報の例を示す図である。記憶部105に記憶される決済結果情報は、例えば、決済結果ID、決済要求ID、及び決済結果内容情報を含む。決済結果内容情報は、さらに、例えば、決済金額情報を含む。
【0071】
決済結果IDは、決済支援システム100において処理される決済結果情報を識別する情報である。決済結果内容情報は、決済処理の結果の内容を示す情報である。決済結果内容情報に含まれる決済金額情報は、決済処理の結果、決済された金額を示す情報である。
【0072】
決済結果提供部150は、決済者システム400から取得される決済結果情報を、取引者システム200に提供する。
【0073】
エラー取得部155は、決済者システム400から、第2決済要求情報に基づいた決済処理を正常に実行できないことを示すエラー情報を取得し、記憶部105に格納する。
【0074】
エラー情報は、例えば、第2決済要求情報に含まれる決済手段情報が示す決済手段において、第2決済要求情報に含まれる決済情報が示す決済(例えば、決済金額情報が示す決済金額の決済)を処理できないことを示すエラー情報であってもよい。この場合は、例えば、当該決済によって当該決済手段の限度額を超える場合又は当該決済手段が無効化されている場合に起こり得る。
【0075】
図7は、記憶部105に記憶されるエラー情報の例を示す図である。記憶部105に記憶されるエラー情報は、例えば、エラーID、決済要求ID、エラー内容情報を含む。
【0076】
エラーIDは、決済支援システム100において処理されるエラー情報を識別する情報である。エラー内容情報は、エラーの内容を示す情報である。エラー内容情報は、例えば、特定のエラーの内容に対応するエラーコードを示す情報であってもよい。
【0077】
変更提案部160は、エラー情報に基づいて、エラー情報に対応する第2決済要求情報に含まれる決済手段情報(例えば、第1決済手段情報)が示す決済手段を、異なる決済手段(例えば、第2決済手段)に変更することを提案する変更提案情報を提供する。
【0078】
変更提案部160は、取引者システム200に対し変更提案情報を提供してもよく、また、ユーザ端末300に対し変更提案情報を提供してもよい。取引者システム200は、取得した変更提案情報をユーザ端末300に提供してもよい。変更提案情報を取得したユーザ端末300は、ユーザの操作に基づいて、決済支援システム100又は取引者システム200に対し、決済手段の変更の要求に関する変更要求を行ってもよい。
【0079】
変更提案部160がユーザ端末300に変更提案情報を提供する場合、変更提案部160は、例えば、事前に登録される連絡先(例えば、ユーザのメールアドレス又はユーザのSNS(Social Networking System)アカウント)に通知して、変更提案情報を提供してもよい。
【0080】
変更提案部160は、例えば、専用トークン情報に対応付けられたいずれの決済手段情報に基づいて決済要求提供部140が第2決済要求情報を提供しても、決済者システム400において正常に決済処理を実行できない場合に、変更提案情報を提供してもよい。これにより、決済支援システム100は、ユーザ端末300から新たな決済手段情報の提供を受けて、決済処理を続行させることができる。
【0081】
更新部165は、決済手段の変更の要求に関する変更要求に応じて、専用トークン情報に対応する決済手段情報(例えば、第1決済手段情報)を、異なる決済手段(例えば、第2決済手段)に関する決済手段情報(例えば、第2決済手段情報)に変更して、対応関係情報を更新する。
【0082】
更新部165は、取引者システム200から受け付ける変更要求に応じて、更新処理を行ってもよく、また、ユーザ端末300から受け付ける変更要求に応じて、更新処理を行ってもよい。更新部165が取引者システム200から受け付ける変更要求に応じて更新処理を行う場合、取引者システム200は、変更要求をユーザ端末300から受け付け、当該受け付けた変更要求を決済支援システム100に提供してもよい。
【0083】
また、更新部165は、変更提案部160による変更提案情報に応じた、取引者システム200又はユーザ端末300から受け付ける変更要求に応じて、更新処理を行ってもよい。すなわち、この場合、変更提案部160が、取引者システム200又はユーザ端末300に対し、変更提案情報を提供し、当該変更提案情報を参照したユーザが、ユーザ端末300を操作して、取引者システム200を介して又は介さずに、変更要求を、決済支援システム100に提供する。そして、更新部165が、当該変更要求に応じて、対応関係情報を更新する。
【0084】
ユーザが対応関係情報に登録されている決済手段情報を、異なる決済手段情報に変更する場合、決済支援システム100は、対応関係情報の更新処理をすればよく、専用トークン情報の再発行処理、及び取引者システム200に対する再発行専用トークンの再提供処理をしなくてもよい。これにより、決済支援システム100は、簡便に、専用トークン情報に対応する決済手段情報を変更することができる。
【0085】
特に、ユーザと取引者との取引が継続的な取引(例えば、リカーリング取引)である場合、取引者は、ユーザの決済手段情報を継続的に管理することがある。この場合、決済手段を変更しようとするユーザは、取引者に対して変更要求をする必要があり、ユーザにとって煩雑な手間となっている。また、ユーザが複数の取引者と取引している場合には、ユーザが、複数の取引者のそれぞれに対して変更要求をする必要があり、ユーザにとって煩雑な手間となっている。
【0086】
そこで、決済支援システム100は、決済手段情報と専用トークン情報とを対応付けた対応関係情報を生成し、専用トークン情報を取引者システム200に発行する。そして、決済手段情報を変更する場合は、更新部165が、変更要求に応じて対応関係情報を更新する。これにより、ユーザは、決済支援システム100における対応関係情報に含まれる決済手段情報を変更することで、取引者に対し変更要求をせずに、簡便にかつ柔軟に取引者との取引に用いられる決済手段を変更することができる。
【0087】
図8は、決済支援システム100における処理の例を示すシークエンスチャートである。
図8に示すシークエンスチャートは、決済支援システム100における専用トークン発行処理の例を示す。
【0088】
まず、ユーザと取引者とにおいて取引が行われ、取引者システム200が、ユーザ(又はユーザ端末300)から、第1決済手段情報を取得する(S801)。
【0089】
決済手段取得部110が、取引者システム200から、第1決済手段情報を取得する(S802)。検証部115が、第1決済手段情報に基づいた決済の処理が正常に実行できることを検証する(S803)。
【0090】
専用トークン発行部120が、第1決済手段情報に基づいて、専用トークン情報を発行し(S804)、取引者システム200に提供する(S805)。対応関係生成部125が、対応関係情報を生成する(S806)。
【0091】
図9は、決済支援システム100における処理の例を示すシークエンスチャートである。
図9に示すシークエンスチャートは、決済支援システム100における、専用トークン情報を用いた決済支援処理の例を示す。
【0092】
まず、決済要求取得部130が、ユーザと取引者との取引に応じて、決済情報及び専用トークン情報を含む第1決済要求情報を取得する(S901)。決済手段特定部135が、対応関係情報に基づいて、第1決済要求情報に含まれる専用トークン情報に対応する第1決済手段情報を特定する(S902)。決済要求提供部140が、決済情報及び特定された第1決済手段情報を含む第2決済要求情報を、決済者システム400に提供する(S903)。
【0093】
決済者システム400が、第2決済要求情報に基づいて決済処理を行う。決済結果取得部145が、決済者システム400から、決済結果情報を取得する(S904)。決済結果提供部150が、取引者システム200に対し、決済結果情報を提供する(S905)。
【0094】
なお、専用トークン発行処理における取引と、決済支援処理における取引は、同一の取引であってもよく、また、異なる取引であってもよい。
【0095】
すなわち、決済支援システム100は、ユーザと取引者との取引に際して、専用トークン情報を発行し、当該専用トークン情報を用いて、当該取引の決済支援処理をおこなってもよい。これにより、決済支援システム100は、専用トークンを用いて当該取引を処理することができ、高いセキュリティの下、当該取引を処理することができる。
【0096】
また、決済支援システム100は、まず、ユーザと取引者との第1取引に際して、専用トークン情報を発行し、続いて、第1取引の後に行われる第2取引において、専用トークン情報を用いた決済支援処理を行ってもよい。なお、この場合、第1取引の決済は、専用トークン情報を用いない決済であってもよい。これにより、決済支援システム100は、ユーザ又は取引者システム200から、別途、決済手段情報を取得せずに、効率的に、専用トークンを発行することができる。また、ユーザは、別途、決済手段情報を提供せずに、簡易に、決済支援システム100の決済支援処理を利用できる。
【0097】
図10は、決済支援システム100における処理の例を示すシークエンスチャートである。
図10に示すシークエンスチャートは、決済者システム400において決済処理を正常に実行できない場合の、決済支援システム100における処理の例を示す。
【0098】
エラー取得部155が、決済者システム400から、第2決済要求情報に基づいた決済の処理を正常に実行できないことを示すエラー情報を取得する(S1001)。変更提案部160が、変更提案情報を、取引者システム200又はユーザ端末300に提供する(S1002a又はS1002b)。更新部165が、取引者システム200又はユーザ端末300から取得する変更要求に応じて(S1003a又はS1003b)、決済手段を異なる決済手段に変更して、対応関係情報を更新する(S1004)。
【0099】
次に、
図11を参照して、決済支援システム100をコンピュータ1100により実現する場合のハードウェア構成の一例について説明する。
図11は、コンピュータ1100のハードウェア構成の例を示す図である。
【0100】
図11に示すように、コンピュータ1100は、例えば、プロセッサ1101、メモリ1102、記憶装置1103、入力I/F部1104、データI/F部1105、通信I/F部1106、及び表示装置1107を含む。
【0101】
コンピュータ1100は、例えば、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレット等)、メディアコンピュータプラットホーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ等)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA、電子メールクライアント等)、あるいは他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームであってもよい。
【0102】
プロセッサ1101は、メモリ1102に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ1100における各種の処理を制御する制御部である。
【0103】
メモリ1102は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ1102は、プロセッサ1101によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0104】
記憶装置1103は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置1103は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。
【0105】
入力I/F部1104は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部1104は、例えば、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等である。入力I/F部1104は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインターフェースを介してコンピュータ1100に接続されてもよい。
【0106】
データI/F部1105は、コンピュータ1100の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部1105は、例えば、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等である。データI/F部1105は、コンピュータ1100の外部に設けられてもよい。データI/F部1105がコンピュータ1100の外部に設けられる場合、データI/F部1105は、例えば、USB等のインターフェースを介してコンピュータ1100に接続される。
【0107】
通信I/F部1106は、コンピュータ1100の外部の装置と有線又は無線により、インターネット等のネットワークを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部1106は、コンピュータ1100の外部に設けられてもよい。通信I/F部1106がコンピュータ1100の外部に設けられる場合、通信I/F部1106は、例えば、USB等のインターフェースを介してコンピュータ1100に接続される。
【0108】
表示装置1107は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置1107は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等である。表示装置1107は、コンピュータ1100の外部に設けられてもよい。表示装置1107がコンピュータ1100の外部に設けられる場合、表示装置1107は、例えば、ディスプレイケーブル等を介してコンピュータ1100に接続される。また、入力I/F部1104としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置1107は、入力I/F部1104と一体化して構成されてもよい。
【0109】
以上、本発明の一実施形態について説明した。決済支援システム100は、ユーザが利用する第1決済手段情報に基づいて、ユーザと取引者との取引の決済に用いられる専用トークン情報を取引者システム200に対して発行し、第1決済手段情報及び専用トークン情報を対応付けた対応関係情報を生成し、取引者システム200から、専用トークン情報及び決済情報を含む第1決済要求情報を取得し、対応関係情報に基づいて、専用トークン情報に対応する第1決済手段情報を特定し、第1決済手段情報及び決済情報を含む第2決済要求情報を決済者システム400に提供することができる。これにより、決済支援システム100は、より簡易にトークンを用いた決済に関する処理をすることができる。
【0110】
また、決済支援システム100は、決済者システム400から取得される決済結果情報を、取引者システム200に提供することができる。これにより、決済支援システム100は、取引者システム200と決済者システム400との間をいわば仲介して決済支援処理をすることができ、取引者システム200は、決済の結果を取得することができる。
【0111】
また、決済支援システム100は、変更要求に応じて、専用トークン情報に対応する第1決済手段情報を、第2決済手段情報に変更して、対応関係情報に更新することができる。これにより、決済支援システム100は、再度の専用トークン発行処理をせずに、専用トークンに対応する決済手段を変更することができ、ユーザは、簡易かつ柔軟に、専用トークンに対応する決済手段を変更することができる。
【0112】
また、決済支援システム100は、ユーザ端末300を通じた変更要求に応じて、対応関係情報を更新することができる。これにより、ユーザは、簡易かつ柔軟に、専用トークンに対応する決済手段を変更することができる。
【0113】
また、決済支援システム100は、決済者システム400からエラー情報を取得し、エラー情報に基づいて、エラー情報に対応する第2決済要求情報に含まれる第1決済手段情報を、第2決済手段情報に変更することを提案する変更提案情報を提供することができる。これにより、ユーザは、専用トークン情報に対応する第1決済手段情報に基づく決済処理が正常に実行できない場合であっても、第1決済手段情報とは異なる第2決済手段情報に変更して、決済処理を続行させることができる。
【0114】
また、決済支援システム100は、第1決済手段情報に基づいた決済の処理が正常に行われることを検証し、当該検証の結果に基づいて、専用トークン情報を発行することができる。これにより、決済支援システム100は、正常に決済処理を実行可能な決済手段情報に対応する専用トークンを発行することができ、専用トークンの発行処理を効率化することができる。
【0115】
また、決済支援システム100は、第1取引に際して利用される第1決済手段情報に基づいて専用トークン情報を発行し、第1取引の後に行われる第2取引の決済に関する決済情報と専用トークン情報とを含む第1決済要求情報を取引者システム200から取得することができる。これにより、ユーザは、第1取引の後に決済手段情報を取引者システム200に提供しなくても、専用トークンを用いた決済を受けることができる。
【0116】
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0117】
100 決済支援システム、105 記憶部、110 決済手段取得部、115 検証部、120 専用トークン発行部、125 対応関係生成部、130 決済要求取得部、135 決済手段特定部、140 決済要求提供部、145 決済結果取得部、150 決済結果提供部、155 エラー取得部、160 変更提案部、165 更新部、200 取引者システム、300 ユーザ端末、400 決済者システム、1100 コンピュータ、1101 プロセッサ、1102 メモリ、1103 記憶装置、1104 入力I/F部、1105 データI/F部、1106 通信I/F部、1107 表示装置