(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、表示制御方法及び表示制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04812 20220101AFI20241011BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20241011BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20241011BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20241011BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20241011BHJP
【FI】
G06F3/04812
G06F3/01 510
G06F3/14 350A
G09G5/00 510V
G09G5/00 530T
G09G5/00 550C
G09G5/37 110
G09G5/37 320
(21)【出願番号】P 2023135724
(22)【出願日】2023-08-23
【審査請求日】2023-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】吉冨 圭一
(72)【発明者】
【氏名】要 ▲強▼
【審査官】渡辺 慶人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0167633(US,A1)
【文献】特開2012-248137(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104991649(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
3/048- 3/04895
3/14 - 3/153
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイを有する情報処理装置であって、
外部モニタを接続し、前記ディスプレイと前記外部モニタとの2画面以上で操作を行うマルチディスプレイを行う場合に、
表示領域の少なくとも一部である視認不可範囲が前記ディスプレイにより遮られるように前記ディスプレイの背面側に設置された
前記外部モニタに表示されたウィンドウがアクティブであり、かつ、前記アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれるか否かを判定する判定部と、
前記判定部が、前記ウィンドウがアクティブであり、かつ、前記アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれると判定すると、前記視認不可範囲内の前記アクティブなウィンドウの一部を前記ディスプレイに表示する表示制御部と、
を備え
、
前記判定部が、前記ディスプレイ上で前記外部モニタの前記アクティブなウィンドウ以外の箇所がクリックされたと判定すると、前記表示制御部は、アクティブだった前記ウィンドウの前記ディスプレイへの表示を終了させる情報処理装置。
【請求項2】
ディスプレイを有する情報処理装置であって、
外部モニタを接続し、前記ディスプレイと前記外部モニタとの2画面以上で操作を行うマルチディスプレイを行う場合に、
表示領域の少なくとも一部である視認不可範囲が前記ディスプレイにより遮られるように前記ディスプレイの背面側に設置された
前記外部モニタに表示されたウィンドウがアクティブであり、かつ、前記アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれるか否かを判定する判定部と、
前記判定部が、前記ウィンドウがアクティブであり、かつ、前記アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれると判定すると、前記視認不可範囲内の前記アクティブなウィンドウの一部を前記ディスプレイに表示する表示制御部と、
を備え
、
前記判定部が、前記外部モニタの前記アクティブなウィンドウ上で、カーソルが前記視認不可範囲の外から前記視認不可範囲に移動したと判定すると、前記表示制御部は、前記カーソルを前記ディスプレイに表示されている前記アクティブなウィンドウ上へ表示する情報処理装置。
【請求項3】
ディスプレイを有する情報処理装置であって、
外部モニタを接続し、前記ディスプレイと前記外部モニタとの2画面以上で操作を行うマルチディスプレイを行う場合に、
表示領域の少なくとも一部である視認不可範囲が前記ディスプレイにより遮られるように前記ディスプレイの背面側に設置された
前記外部モニタに表示されたウィンドウがアクティブであり、かつ、前記アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれるか否かを判定する判定部と、
前記判定部が、前記ウィンドウがアクティブであり、かつ、前記アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれると判定すると、前記視認不可範囲内の前記アクティブなウィンドウの一部を前記ディスプレイに表示する表示制御部と、
を備え
、
前記判定部は、前記外部モニタに表示されるタスクバーの少なくとも一部が前記視認不可範囲に含まれているか否かを判定し、
前記判定部が前記外部モニタに表示される前記タスクバーの少なくとも一部が前記視認不可範囲に含まれていると判定すると、前記表示制御部は、前記ディスプレイに前記視認不可範囲の前記タスクバーの少なくとも一部を表示させる情報処理装置。
【請求項4】
ディスプレイを有する情報処理装置であって、
外部モニタを接続し、前記ディスプレイと前記外部モニタとの2画面以上で操作を行うマルチディスプレイを行う場合に、
表示領域の少なくとも一部である視認不可範囲が前記ディスプレイにより遮られるように前記ディスプレイの背面側に設置された
前記外部モニタに表示されたウィンドウがアクティブであり、かつ、前記アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれるか否かを判定する判定部と、
前記判定部が、前記ウィンドウがアクティブであり、かつ、前記アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれると判定すると、前記視認不可範囲内の前記アクティブなウィンドウの一部を前記ディスプレイに表示する表示制御部と、
を備え
、
前記表示制御部は、前記外部モニタに表示されるタスクバーを用いてキャリブレーションを実施し、前記視認不可範囲の設定を行う情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部が、前記外部モニタの前記アクティブなウィンドウが非アクティブになったことを検出すると、前記表示制御部は、アクティブだった前記ウィンドウの一部の前記ディスプレイへの表示を終了させる請求項1
から請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ディスプレイを有する情報処理装置の表示制御方法において、
外部モニタを接続し、前記ディスプレイと前記外部モニタとの2画面以上で操作を行うマルチディスプレイを行う場合に、
表示領域の少なくとも一部である視認不可範囲が前記ディスプレイにより遮られるように前記ディスプレイの背面側に設置された
前記外部モニタに表示されたウィンドウがアクティブであり、かつ、アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれるか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程において、前記ウィンドウがアクティブであり、かつ、前記アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれると判定されると、前記視認不可範囲内の前記アクティブなウィンドウの一部を、前記ディスプレイに表示させる表示制御工程をコンピュータが実行
し、
前記判定工程において、前記ディスプレイ上で前記外部モニタの前記アクティブなウィンドウ以外の箇所がクリックされたと判定されると、前記表示制御工程は、アクティブだった前記ウィンドウの前記ディスプレイへの表示を終了させる表示制御方法。
【請求項7】
ディスプレイを有する情報処理装置の表示制御方法において、
外部モニタを接続し、前記ディスプレイと前記外部モニタとの2画面以上で操作を行うマルチディスプレイを行う場合に、
表示領域の少なくとも一部である視認不可範囲が前記ディスプレイにより遮られるように前記ディスプレイの背面側に設置された
前記外部モニタに表示されたウィンドウがアクティブであり、かつ、アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれるか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程において、前記ウィンドウがアクティブであり、かつ、前記アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれると判定されると、前記視認不可範囲内の前記アクティブなウィンドウの一部を、前記ディスプレイに表示させる表示制御工程をコンピュータが実行
し、
前記判定工程において、前記外部モニタの前記アクティブなウィンドウ上で、カーソルが前記視認不可範囲の外から前記視認不可範囲に移動したと判定されると、前記表示制御工程は、前記カーソルを前記ディスプレイに表示されている前記アクティブなウィンドウ上へ表示する表示制御方法。
【請求項8】
ディスプレイを有する情報処理装置の表示制御方法において、
外部モニタを接続し、前記ディスプレイと前記外部モニタとの2画面以上で操作を行うマルチディスプレイを行う場合に、
表示領域の少なくとも一部である視認不可範囲が前記ディスプレイにより遮られるように前記ディスプレイの背面側に設置された
前記外部モニタに表示されたウィンドウがアクティブであり、かつ、アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれるか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程において、前記ウィンドウがアクティブであり、かつ、前記アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれると判定されると、前記視認不可範囲内の前記アクティブなウィンドウの一部を、前記ディスプレイに表示させる表示制御工程をコンピュータが実行
し、
前記判定工程において、前記外部モニタに表示されるタスクバーの少なくとも一部が前記視認不可範囲に含まれているか否かを判定し、
前記判定工程において前記外部モニタに表示される前記タスクバーの少なくとも一部が前記視認不可範囲に含まれていると判定されると、前記表示制御工程は、前記ディスプレイに前記視認不可範囲の前記タスクバーの少なくとも一部を表示させる表示制御方法。
【請求項9】
ディスプレイを有する情報処理装置の表示制御方法において、
外部モニタを接続し、前記ディスプレイと前記外部モニタとの2画面以上で操作を行うマルチディスプレイを行う場合に、
表示領域の少なくとも一部である視認不可範囲が前記ディスプレイにより遮られるように前記ディスプレイの背面側に設置された
前記外部モニタに表示されたウィンドウがアクティブであり、かつ、アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれるか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程において、前記ウィンドウがアクティブであり、かつ、前記アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれると判定されると、前記視認不可範囲内の前記アクティブなウィンドウの一部を、前記ディスプレイに表示させる表示制御工程をコンピュータが実行
し、
前記表示制御工程は、前記外部モニタに表示されるタスクバーを用いてキャリブレーションを実施し、前記視認不可範囲の設定を行う表示制御方法。
【請求項10】
コンピュータを請求項1
から請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置として機能させるための表示制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、表示制御方法及び表示制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
PC(パーソナルコンピュータ)やタブレットなどを使用する際に、外部モニタを接続し、PCのディスプレイやタブレットと、外部モニタとの2画面以上で操作を行う場合がある。このような使用をマルチディスプレイという。外部モニタはPCやタブレットにより制御され、PCやタブレットからの情報が表示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、マルチディスプレイを行う場合、PCのディスプレイやタブレットの背面側に外部モニタを設置すると、使用環境によっては外部モニタの表示の一部がディスプレイやタブレットで隠され(遮られ)、ユーザが姿勢や目線を変更しなければ隠された外部モニタの表示を確認できないという問題が発生する。
【0004】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、外部モニタの隠された表示を視認可能な情報処理装置、表示制御方法及び表示制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本開示の情報処理装置、表示制御方法及び表示制御プログラムは以下の手段を採用する。
本開示の情報処理装置は、ディスプレイを有する情報処理装置であって、外部モニタを接続し、前記ディスプレイと前記外部モニタとの2画面以上で操作を行うマルチディスプレイを行う場合に、表示領域の少なくとも一部である視認不可範囲が前記ディスプレイにより遮られるように前記ディスプレイの背面側に設置された外部モニタに表示されたウィンドウがアクティブであり、かつ、アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれるか否かを判定する判定部と、前記判定部が、前記ウィンドウがアクティブであり、かつ、前記アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれると判定すると、前記視認不可範囲内の前記アクティブなウィンドウの一部を前記ディスプレイに表示する表示制御部と、を備え、前記判定部が、前記ディスプレイ上で前記外部モニタの前記アクティブなウィンドウ以外の箇所がクリックされたと判定すると、前記表示制御部は、アクティブだった前記ウィンドウの前記ディスプレイへの表示を終了させる。
本開示の情報処理装置は、ディスプレイを有する情報処理装置であって、外部モニタを接続し、前記ディスプレイと前記外部モニタとの2画面以上で操作を行うマルチディスプレイを行う場合に、表示領域の少なくとも一部である視認不可範囲が前記ディスプレイにより遮られるように前記ディスプレイの背面側に設置された前記外部モニタに表示されたウィンドウがアクティブであり、かつ、前記アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれるか否かを判定する判定部と、前記判定部が、前記ウィンドウがアクティブであり、かつ、前記アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれると判定すると、前記視認不可範囲内の前記アクティブなウィンドウの一部を前記ディスプレイに表示する表示制御部と、を備え、前記判定部が、前記外部モニタの前記アクティブなウィンドウ上で、カーソルが前記視認不可範囲の外から前記視認不可範囲に移動したと判定すると、前記表示制御部は、前記カーソルを前記ディスプレイに表示されている前記アクティブなウィンドウ上へ表示する。
本開示の情報処理装置は、ディスプレイを有する情報処理装置であって、外部モニタを接続し、前記ディスプレイと前記外部モニタとの2画面以上で操作を行うマルチディスプレイを行う場合に、表示領域の少なくとも一部である視認不可範囲が前記ディスプレイにより遮られるように前記ディスプレイの背面側に設置された前記外部モニタに表示されたウィンドウがアクティブであり、かつ、前記アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれるか否かを判定する判定部と、前記判定部が、前記ウィンドウがアクティブであり、かつ、前記アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれると判定すると、前記視認不可範囲内の前記アクティブなウィンドウの一部を前記ディスプレイに表示する表示制御部と、を備え、前記判定部は、前記外部モニタに表示されるタスクバーの少なくとも一部が前記視認不可範囲に含まれているか否かを判定し、前記判定部が前記外部モニタに表示される前記タスクバーの少なくとも一部が前記視認不可範囲に含まれていると判定すると、前記表示制御部は、前記ディスプレイに前記視認不可範囲の前記タスクバーの少なくとも一部を表示させる。
本開示の情報処理装置は、ディスプレイを有する情報処理装置であって、外部モニタを接続し、前記ディスプレイと前記外部モニタとの2画面以上で操作を行うマルチディスプレイを行う場合に、表示領域の少なくとも一部である視認不可範囲が前記ディスプレイにより遮られるように前記ディスプレイの背面側に設置された前記外部モニタに表示されたウィンドウがアクティブであり、かつ、前記アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれるか否かを判定する判定部と、前記判定部が、前記ウィンドウがアクティブであり、かつ、前記アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれると判定すると、前記視認不可範囲内の前記アクティブなウィンドウの一部を前記ディスプレイに表示する表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記外部モニタに表示されるタスクバーを用いてキャリブレーションを実施し、前記視認不可範囲の設定を行う。
【0006】
本開示の表示制御方法は、ディスプレイを有する情報処理装置の表示制御方法において、外部モニタを接続し、前記ディスプレイと前記外部モニタとの2画面以上で操作を行うマルチディスプレイを行う場合に、表示領域の少なくとも一部である視認不可範囲が前記ディスプレイにより遮られるように前記ディスプレイの背面側に設置された外部モニタに表示されたウィンドウがアクティブであり、かつ、アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれるか否かを判定する判定工程と、前記判定工程において、前記ウィンドウがアクティブであり、かつ、前記アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれると判定されると、前記視認不可範囲内の前記アクティブなウィンドウの一部を、前記ディスプレイに表示させる表示制御工程をコンピュータが実行し、前記判定工程において、前記ディスプレイ上で前記外部モニタの前記アクティブなウィンドウ以外の箇所がクリックされたと判定されると、前記表示制御工程は、アクティブだった前記ウィンドウの前記ディスプレイへの表示を終了させる。
本開示の表示制御方法は、ディスプレイを有する情報処理装置の表示制御方法において、外部モニタを接続し、前記ディスプレイと前記外部モニタとの2画面以上で操作を行うマルチディスプレイを行う場合に、表示領域の少なくとも一部である視認不可範囲が前記ディスプレイにより遮られるように前記ディスプレイの背面側に設置された前記外部モニタに表示されたウィンドウがアクティブであり、かつ、アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれるか否かを判定する判定工程と、前記判定工程において、前記ウィンドウがアクティブであり、かつ、前記アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれると判定されると、前記視認不可範囲内の前記アクティブなウィンドウの一部を、前記ディスプレイに表示させる表示制御工程をコンピュータが実行し、前記判定工程において、前記外部モニタの前記アクティブなウィンドウ上で、カーソルが前記視認不可範囲の外から前記視認不可範囲に移動したと判定されると、前記表示制御工程は、前記カーソルを前記ディスプレイに表示されている前記アクティブなウィンドウ上へ表示する。
本開示の表示制御方法は、ディスプレイを有する情報処理装置の表示制御方法において、外部モニタを接続し、前記ディスプレイと前記外部モニタとの2画面以上で操作を行うマルチディスプレイを行う場合に、表示領域の少なくとも一部である視認不可範囲が前記ディスプレイにより遮られるように前記ディスプレイの背面側に設置された前記外部モニタに表示されたウィンドウがアクティブであり、かつ、アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれるか否かを判定する判定工程と、前記判定工程において、前記ウィンドウがアクティブであり、かつ、前記アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれると判定されると、前記視認不可範囲内の前記アクティブなウィンドウの一部を、前記ディスプレイに表示させる表示制御工程をコンピュータが実行し、前記判定工程において、前記外部モニタに表示されるタスクバーの少なくとも一部が前記視認不可範囲に含まれているか否かを判定し、前記判定工程において前記外部モニタに表示される前記タスクバーの少なくとも一部が前記視認不可範囲に含まれていると判定されると、前記表示制御工程は、前記ディスプレイに前記視認不可範囲の前記タスクバーの少なくとも一部を表示させる。
本開示の表示制御方法は、ディスプレイを有する情報処理装置の表示制御方法において、外部モニタを接続し、前記ディスプレイと前記外部モニタとの2画面以上で操作を行うマルチディスプレイを行う場合に、表示領域の少なくとも一部である視認不可範囲が前記ディスプレイにより遮られるように前記ディスプレイの背面側に設置された前記外部モニタに表示されたウィンドウがアクティブであり、かつ、アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれるか否かを判定する判定工程と、前記判定工程において、前記ウィンドウがアクティブであり、かつ、前記アクティブなウィンドウの一部が前記視認不可範囲に含まれると判定されると、前記視認不可範囲内の前記アクティブなウィンドウの一部を、前記ディスプレイに表示させる表示制御工程をコンピュータが実行し、前記表示制御工程は、前記外部モニタに表示されるタスクバーを用いてキャリブレーションを実施し、前記視認不可範囲の設定を行う。
【0007】
本開示の表示制御プログラムは、コンピュータを前述の情報処理装置として機能させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ディスプレイによって外部モニタの表示が遮られている場合であっても、ユーザが自身の姿勢や目線を変更することなく外部モニタの表示を視認することができる。また外部モニタの表示がディスプレイに表示されるため、ユーザが違和感なく操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】従来例としての情報処理装置と外部モニタの設置を示す図である。
【
図2】障害物がある場合のユーザの視界および視認不可範囲を示す図である。
【
図3】本開示の幾つかの実施形態における情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】本開示の幾つかの実施形態における情報処理装置の機能の一例を示す図である。
【
図5】本開示の幾つかの実施形態における情報処理装置および外部モニタの側面図である。
【
図6】本開示の幾つかの実施形態における情報処理装置の処理フローを示す図である。
【
図7】本開示の幾つかの実施形態における情報処理装置による視認不可範囲の表示処理フローを示す図である。
【
図8】本開示の幾つかの実施形態における情報処理装置と外部モニタの設置状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示に係る情報処理装置、表示制御方法及び表示制御プログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、従来例としての情報処理装置と外部モニタの設置を示す図である。
図1には、ディスプレイ100を有する情報処理装置50と、外部モニタ200が示されている。情報処理装置50と外部モニタ200とは、ケーブル(例えばHDMI(登録商標)ケーブル)で接続されている。情報処理装置50はマルチディスプレイを行っており、例えばディスプレイ100を「ディスプレイ1」、外部モニタ200を「ディスプレイ2」と設定する。このようなディスプレイの設定は、情報処理装置50が行うほか、ユーザが設定してもよい。
【0011】
図1に示されるように、情報処理装置50及び外部モニタ200の設置状態によっては、情報処理装置50のディスプレイ100により外部モニタ200の一部が隠されてしまう場合がある。本実施形態では、外部モニタ200の表示がディスプレイ100により遮られて視認が不可能な範囲を視認不可範囲とする。
【0012】
図2は、障害物がある場合のユーザの視界および視認不可領域を示す図である。
図2は、ユーザ及び障害物10を上方から見た図である。ユーザの左目の視野が破線で示される部分、ユーザの右目の視野が一点鎖線で示される部分である。ユーザが障害物10のある方向を見た場合、ユーザの視界には障害物10によって遮られる視認が不可能な領域である視認不可領域20が存在する。
【0013】
図3は、本開示の幾つかの実施形態における情報処理装置のハードウェア構成の一例を示した図である。
図3に示すように、情報処理装置(Controller)50は、コンピュータシステム(計算機システム)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)1100、二次記憶装置(ROM、Secondary storage:メモリ)1200、主記憶装置(RAM、Main Memory)1300、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)1400と、ネットワーク等に接続するための通信部1500とを備えている。なお、大容量記憶装置としては、ソリッドステートドライブ(SSD)を用いることとしてもよい。これら各部は、バス1800を介して接続されている。
【0014】
CPU1100は、例えば、バス1800を介して接続された二次記憶装置1200に格納されたOS(Operating System)により情報処理装置50全体の制御を行うとともに、二次記憶装置1200に格納された各種プログラムを実行することにより各種処理を実行する。CPU1100は、1つ又は複数設けられており、互いに協働して処理を実現してもよい。
【0015】
主記憶装置1300は、例えば、キャッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等の書き込み可能なメモリで構成され、CPU1100の実行プログラムの読み出し、実行プログラムによる処理データの書き込み等を行う作業領域として利用される。
【0016】
二次記憶装置1200は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体(non-transitory computer readable storage medium)である。二次記憶装置1200は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどである。二次記憶装置1200の一例として、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)フラッシュメモリなどが挙げられる。二次記憶装置1200は、例えば、Windows(登録商標)、iOS(登録商標)、Android(登録商標)等の情報処理装置全体の制御を行うためのOS、BIOS(Basic Input/Output System)、周辺機器類をハードウェア操作するための各種デバイスドライバ、各種アプリケーションソフトウェア、及び各種データやファイル等を格納する。また、二次記憶装置1200には、各種処理を実現するためのプログラムや、各種処理を実現するために必要とされる各種データが格納されている。二次記憶装置1200は、複数設けられていてもよく、各二次記憶装置1200に上述したようなプログラムやデータが分割されて格納されていてもよい。
【0017】
また、情報処理装置50は、キーボードやマウス等からなる入力部や、データを表示する液晶表示装置等からなる表示部などを備えていてもよい。また、表示部を含み、ランプ、音、特にアラーム音を出力するスピーカーなどの通知部を備えていてもよい。
【0018】
図4は、本開示の幾つかの実施形態における情報処理装置の機能の一例を示した図である。
図4に示すように、情報処理装置50は、取得部51と、演算部52と、補正部53と、判定部54と、表示制御部55と、を備えている。
【0019】
情報処理装置50が備える機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で二次記憶装置1200(
図3参照)などに記憶されており、このプログラムをCPU(プロセッサ)1100(
図3参照)が主記憶装置1300(
図3参照)に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、二次記憶装置1200に予めインストールされている形態や、他の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の一例として、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどが挙げられる。
【0020】
図4に示される取得部51は、後述する背面カメラ(カメラ)70(
図5参照)が撮影した画像を取得する。特に、本実施形態では、外部モニタ200に出力される画像を背面カメラ70が撮影し、取得部51がこれを取得する。
【0021】
演算部52は、取得部51が取得した画像に基づき、情報処理装置50と外部モニタ200との間の距離または外部モニタ200に対する情報処理装置50の傾き、あるいはその両方を演算して導出する。
演算部52は、外部モニタ200の外形または外部モニタ200に表示されているあらかじめ定められた調整用の画像に基づき演算を行う。外部モニタ200は情報処理装置50に接続されていることから、外部モニタ200の外形や表示画面の大きさは情報処理装置50にとって既知である。また、あらかじめ定められた調整用の画像は、演算を行いやすい所定の画像、例えばマーカーやパターンなどであってもよく、また外部モニタ200に表示されているタスクバーなどのアイコンであってもよい。
【0022】
補正部53は、演算部52が導出した情報処理装置50と外部モニタ200との間の距離、または外部モニタ200に対する情報処理装置50の傾き、あるいはその両方に基づき、外部モニタ200に出力されている画像に対応するデータを補正し、外部モニタ200の視認不可範囲を設定する。視認不可範囲の情報は後述する表示制御部55で利用可能となる。
【0023】
判定部54は、外部モニタ200に表示されているウィンドウがアクティブであり、かつ、外部モニタ200に表示されているアクティブなウィンドウの一部が視認不可範囲に含まれるか否かを判定する。また、情報処理装置50のディスプレイ100の位置が移動したり、角度が変化したりしたことが検知されたか否かの判定を行ってもよい。
【0024】
表示制御部55は、判定部54が、外部モニタ200に表示されているウィンドウがアクティブであり、かつ、外部モニタ200に表示されているアクティブなウィンドウの一部が視認不可範囲に含まれると判定すると、視認不可範囲内の外部モニタ200に表示されているアクティブなウィンドウの一部をディスプレイ100に表示する。外部モニタ200に表示されているアクティブでないウィンドウ(非アクティブウィンドウ)については、非アクティブウィンドウの一部が視認不可範囲に含まれていても、表示制御部55は、その非アクティブウィンドウの一部をディスプレイ100に表示しない。
表示制御部55は、補正部53によって補正された外部モニタ200に出力されている画像に対応するデータであって、外部モニタ200の視認不可範囲に表示されている画像と同じ画像をディスプレイ100の適切な位置に表示する。ディスプレイ100の適切な位置に表示するとは、外部モニタ200に表示されているアクティブなウィンドウの視認不可範囲がディスプレイ100に表示され、外部モニタ200とディスプレイ100の表示によりユーザから見ると1つのアクティブなウィンドウとして確認できる位置に表示されることを示す。情報処理装置50は、外部モニタ200の制御を行っていることから、外部モニタ200に出力されている画像に係るデータの制御を行っている。そのため、背面カメラ70が撮影した画像ではなく、情報処理装置50自身が制御している外部モニタ200に表示されている画像の一部の表示を行えばよい。
また表示制御部55は、判定部54が情報処理装置50やディスプレイ100の移動、また角度の変化を判定すると、演算部52及び補正部53によるキャリブレーションを実施し、視認不可範囲の再設定を行う。情報処理装置50には、その動きを検出するセンサや、ディスプレイ100の角度を検出するセンサを備えることができ、それらのセンサの出力によって、判定部54は、情報処理装置50やディスプレイ100の移動や、角度の変化を判定する。
【0025】
図5には、本開示の幾つかの実施形態における情報処理装置および外部モニタの側面図が示されている。
図5に示されるように、情報処理装置50及び情報処理装置50に接続された外部モニタ200の設置状態によっては、情報処理装置50によって外部モニタ200の一部が隠されており、視認が不可能な範囲が存在する。
【0026】
情報処理装置50は、背面カメラ70を内蔵しており、背面カメラ70は背面カメラ撮影範囲75の範囲において外部モニタ200側の撮影を行うことができる。
【0027】
情報処理装置50は、外部モニタ200と情報処理装置50の位置関係を把握するための演算を演算部52が行うにあたり、外部モニタ200にあらかじめ定められた調整用の画像を出力する。出力される画像は、演算を行いやすい所定の画像、例えばマーカーやパターンなどであってもよい。
【0028】
図6には、本開示の幾つかの実施形態における情報処理装置の処理フローが示されている。
ステップS101において、外部モニタ200と情報処理装置50の位置関係を把握するための演算を演算部52が行うにあたり、外部モニタ200に調整用の画像が出力される。
【0029】
外部モニタ200に所定の画像が出力されると、ステップS102において背面カメラ70がこれを撮影し、取得部51は背面カメラ70が撮影した画像を取得する。
【0030】
ステップS103において、演算部52は、取得部51が撮影した所定の画像と、情報処理装置50が出力している外部モニタ200の画像とを比較し、ディスプレイ100と外部モニタ200との間の距離、および外部モニタ200に対するディスプレイ100の傾きを演算して導出する。外部ディスプレイとディスプレイの傾きを検出するセンサを備える場合には、それらの傾きセンサをもちいて、外部モニタ200に対するディスプレイ100の傾きを取得するとしてもよい。
【0031】
ステップS104において、補正部53は、演算部52が導出した情報処理装置50と外部モニタ200との間の距離および外部モニタ200に対するディスプレイ100の傾きに基づき、外部モニタ200の視認不可範囲を設定する。視認不可範囲の情報は表示制御部55で利用可能となる。
【0032】
表示制御部55は、外部モニタ200で表示させている表示オブジェクトのうち、視認不可範囲と重なる部分の表示オブジェクトの一部を特定の条件下でディスプレイ100に表示する(ステップS105及びS106、
図6の破線で囲まれたSTEP A)。
【0033】
情報処理装置50には、その動きを検出するセンサや、ディスプレイ100の角度を検出するセンサを備えることができる。それらのセンサの出力によって、判定部54は、情報処理装置50やディスプレイ100の移動や、角度の変化を判定する。判定部54が情報処理装置50やディスプレイ100の移動や、角度の変化を判定すると、表示制御部55は、演算部52及び補正部53によるキャリブレーションを実施し、視認不可範囲の再設定を行う。
【0034】
図7には、本開示の幾つかの実施形態における情報処理装置による視認不可範囲の表示処理フローが示されている。
図6のステップS104から遷移し、
図7のSTEP Aの処理を行うことにより、視認不可範囲の表示を行うための処理が実行される。
【0035】
ステップS201において、判定部54は、外部モニタ200に表示されているウィンドウ(例えばウィンドウ210)がアクティブであり、かつ、外部モニタ200に表示されているアクティブなウィンドウ210の一部が視認不可範囲に含まれるか否かを判定する。
【0036】
判定部54が外部モニタ200に表示されているウィンドウ210がアクティブであり、かつ、外部モニタ200に表示されているアクティブなウィンドウ210の一部が視認不可範囲に含まれると判定すると(S201でYES)、表示制御部55は、外部モニタ200に表示されている視認不可範囲内のアクティブなウィンドウ210をディスプレイ100に表示する(S202)。
【0037】
図8は、本開示の幾つかの実施形態における情報処理装置と外部モニタの設置状態を示す図である。
図8に示されるように、本実施形態では、外部モニタ200の表示の一部が情報処理装置50のディスプレイ100により遮られ、視認不可範囲が存在する。
【0038】
外部モニタ200の視認不可範囲をディスプレイ100に表示させる処理は、ユーザが処理の実行を選択する場合に実行される。処理の実行の選択方法として、例えばユーザが所定のショートカットキーを押下する等が挙げられる。また、カーソル215が視認不可範囲に位置することを判定部54が判定した場合に実行されるとしてもよい。外部モニタ200に表示されているアクティブなウィンドウ210の一部であって、視認不可範囲に含まれ、ディスプレイ100に表示される範囲は、
図8において範囲110に示される。
【0039】
ディスプレイ100には、元からディスプレイ100に表示されている画像が表示されているところ、外部モニタ200のウィンドウ210がアクティブになると、範囲110で示される外部モニタ200のアクティブなウィンドウ210の一部が、ディスプレイ100に表示されている画像の前面に表示されることとなる。外部モニタ200に表示されているアクティブではないウィンドウである非アクティブウィンドウ220の一部であって、視認不可範囲に含まれる領域は、ディスプレイ100には表示されない。
【0040】
次に、
図7の表示処理フローにおいて、判定部54は、範囲110がディスプレイ100に表示された状態で、ディスプレイ100上で外部モニタ200に表示されているアクティブなウィンドウ210以外の箇所がクリックされたか否か、すなわちディスプレイ100のいずれかのウィンドウまたはデスクトップがアクティブになったか否か(S203)、また外部モニタ200に表示されているアクティブなウィンドウが非アクティブになったことが検出されたか否か、すなわち外部モニタ200の別ウィンドウがアクティブになったか否か(S204)、または外部モニタ200のデスクトップがアクティブになったか否か(S205)の判定を行う。
【0041】
範囲110がディスプレイ100に表示された状態で、ディスプレイ100のいずれかのウィンドウまたはデスクトップがアクティブになったことを判定部54が判定すると(S203でYES)、表示制御部55は、範囲110のディスプレイ100への表示を終了させ(ステップS206)、ステップS201に遷移する。一方、ディスプレイ100のいずれのウィンドウおよびデスクトップともアクティブになっていないことを判定部54が判定すると(ステップS203でNO)、ステップS202に戻り、引き続き範囲110のディスプレイ100への表示を行う。
【0042】
範囲110がディスプレイ100に表示された状態で、外部モニタ200の別ウィンドウがアクティブになると(S204でYES)、表示制御部55は、範囲110のディスプレイ100への表示を終了させ(S206)、ステップS201に遷移する。判定部54は外部モニタ200に表示されている別のアクティブなウィンドウの一部が視認不可範囲に含まれるか否かを判定する(S201)。別のアクティブなウィンドウの一部が視認不可範囲に含まれると判定されると(S201でYES)、表示制御部55はステップS202において、視認不可範囲内の外部モニタ200に表示されている別のアクティブなウィンドウをディスプレイ100に表示する。一方、別のアクティブなウィンドウの一部が視認不可範囲に含まれていないと判定されると(S201でNO)、外部モニタ200の別のアクティブなウィンドウはディスプレイ100により遮られておらず視認可能なことから、表示制御部55は、外部モニタ200の別のアクティブなウィンドウのディスプレイ100への表示を行わない。
【0043】
また、判定部54が外部モニタ200の別ウィンドウがアクティブになっていないことを判定すると(S204でNO)、ステップS202に戻り、表示制御部55は、引き続き範囲110のディスプレイ100への表示を行う。
【0044】
範囲110がディスプレイ100に表示された状態で、外部モニタ200のデスクトップがアクティブになると(S205でYES)、表示制御部55は、範囲110のディスプレイ100への表示を終了させ(S206)、ステップS201に遷移する。
一方、判定部54が外部モニタ200のデスクトップがアクティブになっていないことを判定すると(S205でNO)、ステップS202に戻り、表示制御部55は、引き続き範囲110のディスプレイ100への表示を行う。
【0045】
外部モニタ200のアクティブなウィンドウ210上にカーソル215が存在し、カーソル215が視認不可範囲の外から視認不可範囲に移動した場合は、範囲110上にカーソル215が表示される。
【0046】
以上説明してきたように、本実施形態に係る情報処理装置50、表示制御方法および表示制御プログラムによれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態の情報処理装置50によれば、ユーザが自身の目線を変更することなく外部モニタ200の表示を視認することができる。また外部モニタ200の表示がディスプレイ100に表示されるため、ユーザが違和感なく操作することができる。
【0047】
本実施形態の情報処理装置50によれば、外部モニタ200に表示されているウィンドウがアクティブな場合のみディスプレイ100を介した表示が行われるため、ディスプレイ100の表示と外部モニタ200の表示を状況に応じて使い分けることができる。
【0048】
本実施形態の情報処理装置50によれば、ユーザがクリック動作を行うことにより、ユーザが扱いたいウィンドウを前面表示させることができる。
【0049】
本実施形態の情報処理装置50によれば、カーソル移動を行う際に、カーソル215は外部モニタ200のウィンドウからディスプレイ100を介して表示されるウィンドウにワープしているところ、カーソル215は見た目上アクティブなウィンドウ210上を移動するため、ユーザは違和感なく操作を行うことができる。
【0050】
以上、本開示について実施形態を用いて説明したが、本開示の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。開示の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本開示の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、上記実施形態で説明した処理の流れも一例であり、本開示の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0051】
例えば、本開示の実施形態では、演算部52は、情報処理装置50と外部モニタ200との間の距離および外部モニタ200に対する情報処理装置50の傾きを演算して導出するとしたが、これに加えてユーザの目の位置またはユーザの目の位置と情報処理装置50との間の距離、あるいはその両方を演算して導出するとしてもよい。
【0052】
この場合、補正部53は、演算部52が導出した情報処理装置50と外部モニタ200との間の距離または外部モニタ200に対する情報処理装置50の傾き、あるいはその両方、さらにはユーザの目の位置またはユーザの目の位置と情報処理装置50との間の距離、あるいはその両方に基づき、外部モニタ200に出力されている画像に対応するデータを補正するとしてもよい。ユーザの目の位置やユーザの目の位置と情報処理装置50との間の距離を用いることにより、情報処理装置50と外部モニタ200との間の距離や外部モニタ200に対する情報処理装置50の傾きのみを用いる場合と比べてより詳細に視認不可範囲を導出することができる。また、ユーザの位置や姿勢が変化した場合であっても、ユーザの目の位置に合わせて視認不可範囲を補正して表示制御部55による適切な表示を行うことができる。
【0053】
また例えば、本開示の実施形態では、表示制御部55は、視認不可範囲内の外部モニタ200に表示されているアクティブなウィンドウの一部をディスプレイ100に表示するとしたが、判定部54が外部モニタ200のいずれかのウィンドウまたはデスクトップがアクティブであると判定すると、表示制御部55は、ディスプレイ100に視認不可範囲全ての外部モニタ200の表示を表示させるとしてもよい。外部モニタ200のいずれかのウィンドウまたはデスクトップがアクティブな場合、視認不可範囲にあたる表示がすべてディスプレイ100を介して表示されるため、ユーザは視認不可範囲を意識することなく操作を行うことができる。
【0054】
この場合、表示制御部55は、ディスプレイ100に外部モニタ200のタスクバーを含む視認不可範囲の外部モニタ200の表示を表示させるとしてもよい。これにより、ユーザは視認不可範囲を意識することなく外部モニタ200に対するタスクバーへの操作を含めた操作を行うことができる。
【0055】
さらに表示制御部55は、外部モニタ200に表示されるタスクバーを用いてキャリブレーションを実施し、視認不可範囲の設定を行うとしてもよい。キャリブレーションを行う際は、外部モニタ200にキャリブレーション用のあらかじめ定められた調整用の画像の全画面表示を行う必要があるが、タスクバーの表示を用いることで、キャリブレーションを容易に実施することができる。
【0056】
また例えば、本開示の実施形態では、外部モニタ200のウィンドウがアクティブであり、かつ、外部モニタ200に表示されているアクティブなウィンドウの一部が視認不可範囲に含まれると、視認不可範囲内の外部モニタ200のアクティブなウィンドウをディスプレイ100に表示するとしたが、外部モニタ200でマウスオーバーしたウィンドウの視認不可範囲をディスプレイ100に表示するとしてもよい。
【符号の説明】
【0057】
10 障害物
20 視認不可領域
50 情報処理装置
51 取得部
52 演算部
53 補正部
54 判定部
55 表示制御部
70 背面カメラ
75 背面カメラ撮影範囲
100 ディスプレイ
110 範囲
200 外部モニタ
210 アクティブなウィンドウ
215 カーソル
220 非アクティブウィンドウ
1100 CPU
1200 二次記憶装置
1300 主記憶装置
1500 通信部
1800 バス
【要約】
【課題】外部モニタの隠された表示を視認可能な情報処理装置、表示制御方法及び表示制御プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置50は、ディスプレイを有し、ディスプレイの背面側に表示がディスプレイにより遮られた視認不可範囲が存在するように設置された外部モニタが接続された情報処理装置50であって、外部モニタのウィンドウがアクティブであり、かつ、外部モニタ上のアクティブなウィンドウの一部が視認不可範囲に含まれるか否かを判定する判定部54と、判定部54が、外部モニタのウィンドウがアクティブであり、かつ、外部モニタ上のアクティブなウィンドウの一部が視認不可範囲に含まれると判定すると、視認不可範囲内の外部モニタ上のアクティブなウィンドウの一部をディスプレイに表示する表示制御部55と、を備える。
【選択図】
図4