IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アメリカン スーパーコンダクター コーポレイションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】船舶用電力システム
(51)【国際特許分類】
   B63H 21/17 20060101AFI20241011BHJP
   B63J 3/02 20060101ALI20241011BHJP
   H02P 9/04 20060101ALI20241011BHJP
【FI】
B63H21/17
B63J3/02 A
H02P9/04 N
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023533282
(86)(22)【出願日】2021-12-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-15
(86)【国際出願番号】 US2021061342
(87)【国際公開番号】W WO2022140025
(87)【国際公開日】2022-06-30
【審査請求日】2023-07-18
(31)【優先権主張番号】17/108,480
(32)【優先日】2020-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519400139
【氏名又は名称】アメリカン スーパーコンダクター コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウリマン、ジョン エム.
(72)【発明者】
【氏名】マクドナルド、ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】キャリス、スティーブン アイ.
【審査官】高瀬 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-161167(JP,A)
【文献】特開2015-112883(JP,A)
【文献】特表2020-533219(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03648294(EP,A1)
【文献】独国特許出願公開第10158805(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63H 21/17
B63J 3/02
H02P 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変周波数電力を第1の電気ネットワークに出力するための可変周波数モード、及び固定周波数電力を第2の電気ネットワークに出力するための固定周波数モードのうちの一方で動作するように構成された第1の発電装置と、
船舶用の推進力を提供するために前記第1の電気ネットワークに接続された第1の高温超伝導体(HTS)モータを含む第1の電気負荷と、
前記第2の電気ネットワークに接続された第2の電気負荷と、
前記第1の発電装置を前記第1の電気ネットワークに選択的に接続して、前記第1のHTSモータに給電するために可変周波数電力を出力するための可変周波数モードで前記第1の発電装置を動作させるように、及び、前記第1の発電装置を前記第2の電気ネットワークに選択的に接続して、前記第2の電気負荷に給電するために固定周波数電力を出力するための固定周波数モードで前記第1の発電装置を動作させるように構成されたコントローラと
を備える、船舶用の電力システム。
【請求項2】
前記第2の電気負荷が電気兵器システム及び船サービス・システムのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の電力システム。
【請求項3】
電気兵器システム及び船サービス・システムのうちの少なくとも1つを含む第3の負荷に相互接続された第3の電気ネットワークをさらに含み、前記コントローラが、前記第1の発電装置を、前記第1の電気ネットワーク、前記第2の電気ネットワーク、及び前記第3の電気ネットワークのうちの1つに選択的に接続するように構成される、請求項2に記載の電力システム。
【請求項4】
前記第1の発電装置が、少なくとも1つの高慣性HTS発電機を含む、請求項1に記載の電力システム。
【請求項5】
前記第1の発電装置が、少なくとも1つの高慣性HTS発電機に相互接続された少なくとも1つのガス・タービン、蒸気タービン、又はディーゼル・エンジン原動機を含む、請求項4に記載の電力システム。
【請求項6】
前記第1の電気ネットワーク、前記第2の電気ネットワーク、及び前記第3の電気ネットワークに選択的に給電するように構成された第2の発電装置をさらに含み、前記第2の発電装置が、少なくとも1つの高慣性HTS発電機と、前記少なくとも1つの高慣性HTS発電機に相互接続された少なくとも1つのガス・タービン、蒸気タービン、又はディーゼル・エンジン原動機を含む、請求項3に記載の電力システム。
【請求項7】
前記コントローラが、前記第1の発電装置を前記第1の電気ネットワークに接続して、可変周波数モードで前記第1の発電装置を動作させ、前記コントローラが、前記第2の発電装置を前記第2及び前記第3の電気ネットワークのうちの1つ又は両方に接続して、固定周波数モードで前記第2の発電装置を動作させる、請求項6に記載の電力システム。
【請求項8】
前記第1の電ネットワークに接続された第4の電気負荷をさらに含み、前記第4の電気負荷が前記船舶用の推進力を提供するために、第2の高温超伝導体(HTS)モータを含む、請求項7に記載の電力システム。
【請求項9】
前記船舶が船又は潜水艦のうちの1つである、請求項1に記載の電力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる2020年12月1日に出願された米国特許出願第17/108,480号に対する優先権の利益を主張する。
【0002】
本発明は、船又は潜水艦などの船舶用電力システムに関し、より具体的には、大型のパワー・エレクトロニクス駆動システムを必要とせず、船舶の電気ネットワークを推進用の電力高温超伝導体(HTS:high temperature superconductor)モータ、電気兵器システム、及び船内のさまざまな電気負荷(照明負荷及びその他のホテル負荷)に通電するための固定及び可変速度モードの両方で動作する1つ又は複数のHTS発電機を利用する多機能統合電力システムに関する。
【背景技術】
【0003】
世界中の海運業及び海軍は、例えば、改善された燃料効率、より高い電気性能、及びより高度な船内システムを提供するために、高度な技術を使用して船舶(すなわち、船及び/又は潜水艦)をアップグレードすることに関心を持っている。船舶、船及び/又は潜水艦という用語は、本明細書全体にわたって同義で使用されてもよく、それぞれが、例えば、ボート、船、ホバークラフト及び潜水艦を含むあらゆる水上輸送船を包含するものと解釈される。推進及び発電システムのサイズ及び重量の低減によって、より多くの機器、貨物、及び/又は乗組員用のさらなる場所が提供され、燃費が向上し、生存性と柔軟性とが増大する。軍艦及び潜水艦の場合、新しい種類の電気兵器、高度なセンサ、及び統合型サポート・システムが、世界中の海軍の関心対象であり得る。このようなシステムは、特に厳しい電力需要をもたらす、電磁砲、及び高出力レーザ又はマイクロ波指向性エネルギー兵器を含み得る。例えば、それらは、非常に短期間に大量の電力を必要とする。
【0004】
典型的な推進及びエネルギー生成システムは、単一機能船舶用ガス・タービン及びディーゼル・エンジン技術を利用して、移動性のために主減速ギアを通してプロペラ・シャフトを駆動し、原動機によって生成された独立した専用電力が、船内電気システムに送電する送電網に給電する発電機を駆動するために使用される。ガス・タービン技術を使用して達成することができるサイズと重量の低減には物理的な限界が存在し、大幅な進歩は見込めない。さらに、電力を生成するために使用される船舶用ガス・タービン及びディーゼル・エンジン発電機技術は、典型的には、一定の負荷で効率的及び確実に動作するように設計される。したがって、これらは、船に適合しないものでさえあり得る大幅でコストの高い電気システムのアップグレードを伴わずに、電気兵器などの高度な電気システムに関連した上述の動的負荷をサポートすることはできない。例えば、従来のガス・タービン発電機システムでは、電気兵器に給電する一次エネルギー貯蔵器のパルス効果を無くすために、電池又はフライ・ホイールなどの追加のエネルギー貯蔵システムが必要とされ得る。
【0005】
オール電化船舶の概念は、船の形態で展開されており、機械式、空気圧式及び液圧式などの他の手段の代わりに、推進を含むすべての電力ニーズに対する電気的手段の使用を含んでいてもよく、本格化しつつある。統合型電力システム(IPS:integrated power system)を有するこのようなオール電化船、特に高温超伝導体モータ及び発電機を使用するものは、サイズ及び重量の低減をもたらし、このことが、より多くの機器、貨物、兵器、及び/又は乗組員用のさらなる場所及び可搬重量、並びに、効率の改善及び燃料の節約をもたらす。これらのシステムは、共通電気バスにわたってシームレスに電力をシェアして、プロベラに給電することから、戦闘システムに通電すること、及び、照明負荷及び他のホテル負荷に送電することまで、船舶のすべての電気的な機能に対する電力を広くシェアすることを想定している。
【0006】
このようなオール電化船舶は、従来、推進ユニットを駆動するための1つ又は複数の電気駆動モータを含み、それぞれが船上の電力ネットワーク(すなわち、船の駆動部)によってそれぞれの電力変換器を介して送電される。電力ネットワークは、1つ又は複数のディーゼル、ガス又は蒸気タービン発電機によって送電される。この構成では、電力ネットワークの電圧は、例えば、60Hzの公称周波数で6.6kVの公称電圧である中間電圧を有する固定された所定の振幅及び周波数である。適切な場合、変圧器は、変換器と電力ネットワークとの間に追加的に接続される。変換器は、電力ネットワーク電圧(必要に応じて降圧される)を、プロペラを駆動する電動モータの動作に必要な電圧に変換し、電動モータは、電力ネットワーク電圧とは異なる振幅及び周波数を有する。
【0007】
電力変換器システム又は駆動部は、非常に大型で複雑で高価なシステムである。知られている電気駆動解決策は、米国特許第9,650,120(B2)号(120号特許)に記載されており、それは、船の駆動部を使用せずに操縦し、代わりに、発電機と電気推進モータをそれらの間に変換器を接続せずに相互に連結することで動作する。電気推進モータは、可変速の1つ又は複数の発電機を使用することによって駆動され、電動モータは、発電機を駆動するための内燃機関の制御及び/又は調整によって、間接的に制御及び/又は調整される。この場合、電動モータは、固定された電気的結合で発電機に接続される。すなわち、発電機の回転速度の変化は、対応する比例した周波数変化をもたらし、それが、電気推進モータの回転速度を変化させる。したがって、機械シャフトの機能は、電気機械を使用して模倣される。この種の駆動部の解決策は、「電気シャフト」とも呼ばれる。
【0008】
120号特許は、電気シャフトからの電気エネルギーを利用し、電力変換器及び電力ネットワーク同期装置を使用して、可変振幅及び周波数を有する電圧を船内電力ネットワーク用の一定振幅及び一定周波数の電圧に変換する。120号特許に記載された電力変換器及び電力ネットワーク同期装置は、従来のオール電化船を用いて上述した船の駆動部ほど大きくも複雑でもないが、依然として大型で複雑なシステムである。
【0009】
したがって、電気推進モータ、電気兵器システム、及び照明負荷及びその他のホテル負荷などのさまざまな船内電気機器を含む、船の電気負荷のすべてに電力を供給するための、よりコンパクトで、あまり複雑ではない電力システムが必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許第9,650,120(B2)号
【文献】米国特許第10,669,001号
【発明の概要】
【0011】
一態様では、本開示は、可変周波数電力を第1の電気ネットワークに出力するための可変周波数モード、及び固定周波数電力を第2の電気ネットワークに出力するための固定周波数モードのうちの1つで動作するように構成された第1の発電装置を含む、船舶用の電力システムを特徴とする。船舶に推進力を提供するための第1の電気ネットワークに接続された第1の高温超伝導体(HTS)モータを含む第1の電気負荷と、第2の電気ネットワークに接続された第2の電気負荷とが存在する。第1の発電装置を第1の電気ネットワークに選択的に接続して、第1のHTSモータに給電するために可変周波数電力を出力するための可変周波数モードで第1の発電装置を動作させ、第1の発電装置を第2の電気ネットワークに選択的に接続して、第2の電気負荷に給電するために固定周波数電力を出力するための固定周波数モードで第1の発電装置を動作させるように構成されたコントローラがある。
【0012】
本開示の他の態様では、以下の特徴のうちの1つ又は複数が含まれていてもよい。第2の電気負荷は、電気兵器システム及び船サービス・システムのうちの少なくとも1つを含む。さらに、電気兵器システム及び船サービス・システムのうちの少なくとも1つを含む第3の負荷に相互接続された第3の電気ネットワークを含むことができる。コントローラは、第1の発電装置を、第1の電気ネットワーク、第2の電気ネットワーク、及び第3の電気ネットワークのうちの1つに選択的に接続するように構成され得る。第1の発電装置は、少なくとも1つの高慣性HTS発電機を含むことができる。第1の発電装置は、少なくとも1つの高慣性HTS発電機を含むことができる。第1の発電装置は、少なくとも1つの高慣性HTS発電機に相互接続された少なくとも1つのガス・タービン、蒸気タービン、又はディーゼル・エンジン原動機を含み得る。さらに、第1の電気ネットワーク、第2の電気ネットワーク、及び、第3の電気ネットワークに選択的に給電するように構成された第2の発電装置を含むことができる。第2の発電装置は、少なくとも1つの高慣性HTS発電機を含むことができ、少なくとも1つのガス・タービン、蒸気タービン、又はディーゼル・エンジン原動機は、少なくとも1つの高慣性HTS原動機に相互接続することができる。コントローラは、第1の発電装置を第1の電気ネットワークに接続して、可変周波数モードで第1の発電装置を動作させ、コントローラは、第2の発電装置を第2及び第3の電気ネットワークのうちの一方又は両方に接続して、固定周波数モードで第2の発電装置を動作させることができる。さらに、第1の電力ネットワークに接続された第4の電気負荷を含むことができ、第4の電気負荷は、船舶に推進力を提供するための第2の高温超伝導体(HTS)モータを含むことができる。船舶は、船又は潜水艦のいずれであってもよい。
【0013】
本開示の実施例は、添付図面を参照しながら、実例としてのみ、以下で説明される
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の一態様による、多機能統合電力システムを備えた船の斜視図を示す。
図2】本開示の一態様による、多機能電力システムとともに使用されるターボ発電機の部分切取側面図を示す。
図3】HTS船推進モータを駆動するための大型モータ駆動システムを利用する従来技術の統合電力システムの概略ブロック図を示す。
図4】発電機回転速度、ひいては電力出力に対するパルス状電力負荷の影響を示す、経時的なターボ発電機回転速度のプロットを示す。
図5】サイズ及び重量の低減のために最適化されるように設計された、発電機の長さに沿ったHTS発電機の断面図を示す。
図6A】電磁遮蔽体の厚さ及び電磁ギャップを含む発電機の寸法を示すように、発電機の幅にわたる図5のHTS発電機のタイプの断面図を示す。
図6B】電磁遮蔽体の厚さ及び電磁ギャップを含む発電機の寸法を示すように、発電機の幅にわたる、本開示の一態様による、増大した回転慣性を持つHTS発電機の断面図を示す。
図7】動力船、電気兵器船サービス・システムを提供するために3つの別個のネットワークに送電するように構成された多機能主タービン発電機の概略図を示す。
図8A】1つの動作モードで構成された、本開示の一態様による、多機能統合電力システムの概略図を示す。
図8B】第2の動作モードで構成された、図8Aによる多機能統合電力システムについての概略図を示す。
図8C】第3の動作モードで構成された、図8Aによる多機能統合電力システムについての概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示及びそのさまざまな特徴及び有利な詳細が、添付図面において説明される、及び/又は示される、並びに、以下の説明において詳細に述べられる非限定的な実施例及び実例を参照しながら、より完全に説明される。図面に示されている特徴が一定の縮尺で描かれるとは限らないこと、及び、一実施例の特徴が、本明細書に明示的に記載されていない場合でも、当業者であれば認識するように、他の実施例とともに使用されてよいことに留意されなければならない。よく知られたコンポーネント及び処理技術の説明は、本開示の実施例を不必要に不明瞭にしないために省略される場合がある。
【0016】
本明細書において使用される実例は、本システムが実施され得る方法の理解を促進すること、及び、さらに当業者が本開示の実施例を実施できるようにすることが意図されるにすぎない。したがって、本明細書の実例及び実施例は、本開示の範囲を限定するように解釈されてはならない。さらに、同様の参照符号が図面中の複数の図にわたり同様の部分を表すことに留意されたい。
【0017】
好ましい実施例が、船に組み込まれるものとして本明細書に記載されているが、本開示による多機能統合電力システムは、例えば、ボート、船、ホバークラフト、潜水艦、又は無人の船舶を含む他のタイプの船舶を含む任意のタイプの水上輸送船に組み込むことができるため、これは単なる例示的な用途にすぎない。
【0018】
図1を参照すると、船10が示されており、軍艦、例えば駆逐艦であり得る。本開示の本発明の態様は特に軍艦に適用可能であるが、本開示は、軍艦に限定されず、例えば、海洋調査船及び巡航客船といった、大幅な/厳しい騒音及び電力要件を伴う、並びに、サイズ及び重量の低減を必要とする他のタイプの船に適用され得る。船10は、オール電化推進及びエネルギー・システムの一部を一緒に形成する第1のオール電化駆動部12及び第2のオール電化駆動部14を含み得る。或いは、船10は、米国特許第10,669,001号に記載及び特許請求されているように、ハイブリッド電気及び機械型推進及びエネルギー・システムを装備することができる。さらに、本開示は、2つの駆動部を有する船に限定されず、少なくとも1つのオール電化推進システムが存在することを条件として、より多数の駆動部に適用することができる。
【0019】
本開示による推進及びエネルギー・システムは、新しい船の設計に従って新たに構築された船に設置されてもよく、又は、より古い/既存の船/設計に対する追加導入部品として設置されてもよい。追加導入部品は、既に構築された船のものであってもよく、この場合、機械型駆動部がオール電化駆動部によって置換され、又は、追加導入部品は、既存の船の設計の追加導入部品であってもよく、この場合、船は、オール電化(又はハイブリッド)推進及びエネルギー・システムを用いて新たに構築される。
【0020】
船10はまた、例えば、非常に短期間に大量の電力を必要とする電磁砲、及び、高出力レーザ又はマイクロ波指向性エネルギー兵器であり得る特定の電気兵器16及び18を含んでいてもよい。既存の船舶用ガス/蒸気タービン及びディーゼル・エンジン発電機技術を装備した典型的な船は、元々、船舶用ガス・タービン、蒸気タービン、及びディーゼル・エンジン発電機が一定の負荷において効率的及び確実に動作するように設計されたものであるので、このような高度な電気兵器をサポートすることができない。オール電化船は電気兵器システムをサポートするが、船内船システムに対する電力品質要件は、厳格(いわゆるタイプ1電力)であり、まだ完全には開発されていない高価な追加的な電力品質コンポーネント、例えば、直列インダクタンス又は他のエネルギー貯蔵手段を必要とする。この結果、船内でスペースを見つけることが困難な、及び、場合によっては見つけることが不可能な、コストの高い、大型のシステム・コンポートがより多くなる。
【0021】
本明細書に記載された電力システムにとっての利点の1つは、タイプ1電力(Mil Std.1399)を必要とする高度な電気兵器システム及び他の電気船システムに給電することが可能なことであり、且つ、サイズ、重量及び技術的な複雑さを低減しながら、1つの共通の多機能電源を備えた船推進を手頃なコストで提供することが可能なことである。本開示の一態様では、船の動力は、図2のガス・タービン52を有する1つ又は複数のターボ発電機50を使用して製造することができ、ガス・タービン52は、シャフト56を介して高慣性HTS発電機54を駆動することができる。この実例では、高慣性HTS発電機54は、29MW、3600rpmの2極の発電機であり得る。しかしながら、本開示は、いずれの特定の原動機発電機又はガス・タービンの電力レベル、極数、又は構成に限定されず、さまざまなガス・タービン・システムに適用可能である。さらに、本開示は、ガス・タービンの代わりに蒸気タービンを原動機として使用することができるため、ガス・タービン・システムに限定されない。
【0022】
本開示の一態様では、ターボ発電機50は、デュアル・モード、すなわち、固定周波数(例えば、60Hz)/固定電圧(例えば、4160VAC)モード、及び、可変周波数/可変電圧モードで動作するように構成され得る。ターボ発電機50は、ガス・タービン52と高慣性HTS発電機54とを備える。或いは、高慣性HTS発電機は、サイズ及び重量を最小限に抑えるように設計されて回転慣性がより低い、より典型的なHTS発電機に置き換えられてもよい。固定周波数モードでは、1つ又は複数のターボ発電機の電力出力は、電気兵器システム及びホテル負荷のために使用され得る。このモードでの多機能ターボ発電機の動作は、図3を参照して以下に説明される。動作の可変周波数モードでは、1つ又は複数のターボ発電機は、専用の方法で、1つ又は複数の電動モータに直接接続することができる(すなわち、それらは、他の電気負荷にも接続されない)。可変周波数モードでは、発電機の動態は、電気船推進モータに典型的に必要とされる大電力の電子電動モータ駆動部を使用せずに電動モータ動態に直接連結される。すなわち、ターボ発電機の回転速度は、電動モータ/プロペラの回転速度、ひいては船の速度に直接影響を及ぼす。これは、本明細書においては、同期推進駆動部と呼ばれることがある。
【0023】
ターボ発電機50のデュアル・モード動作は、典型的には、船のブリッジから操作されるマスタ・コントローラの制御下で係合されてもよい。加えて、以下でさらに説明するように、本開示は、船の電気推進、電気船システム(ホテル負荷)、及び電気兵器システムに給電するために別個の送電網を利用することができる。送電網は、専用の方法で使用されてもよいし、又は、マスタ・コントローラの制御下で相互接続されてもよい。1つ又は複数のターボ発電機を固定周波数モード又は可変周波数モードで要望どおり動作させ、1つ又は複数のターボ発電機を専用又は組み合わせた方法でさまざまな負荷に接続することを可能にする、さまざまな機能的構成が実施され得る。
【0024】
ターボ発電機動作のデュアル・モードを利用する統合電力システム・トポロジーを説明する前に、HTS発電機及びモータを利用し、船の電気推進、電気船システム、及び電気兵器システムを動作させることができる従来技術のオール電化船構成が図3に示されている。しかしながら、この従来技術トポロジーでは、大型で複雑な電力電子駆動システムが必要であり、図3の船送電網構成100に示されている。
【0025】
図3では、説明を容易にするために、1つの電動モータ(右舷側)及び2つのターボ発電機のみが示されている。しかしながら、当業者であれば、船の左舷側は、追加の電動モータ及び2つの追加のターボ発電機、並びに、関連する電気部品及び電気駆動部を含むことを理解するであろう。船送電網構成100は、2つのターボ発電機102及び104を含み、これらは、図2に示されるタイプのものであってもよい。この実例における各発電機は、60Hzにおいて、4160V ACにおける29MWの三相電力を出力し得る。この実例では、ターボ発電機102は、三相開閉器106を通して送電網に接続されているとともに、ターボ発電機104は、三相開閉器108を通して送電網に接続されている。
【0026】
ターボ発電機のうちの1つの故障が発生した場合に、そのそれぞれの開閉器がバック・フィードされ、動作可能なターボ発電機により給電され得るように、開閉器106は、左舷/右舷ケーブル110によって開閉器108に接続されている。開閉器106及び108からのケーブル112及び114は、それぞれ、従来の電動モータ又はHTSモータであり得る電気推進モータ116に給電する。この実例では、変速電動モータ116はHTSモータであり、入力電圧は、2700Vにおける9相AC(約37MW)であり、したがって、開閉器106及び108からの電力は、適切な電力変換器システムにより変換及び調整されなければならない。
【0027】
開閉器106からの出力は、整流器118及びインバータ120を備えるモータ駆動部に接続され得る。開閉器106からの電力は、整流器118によりDC電力に変換され得、次に、DCがインバータ120により9相ACに変換され得る。整流器118及びインバータ120が接続解除キャビネット122によりモータ116に接続されたとき、整流器118及びインバータ120は、モータ116への電流入力/モータ116の回転速度を制御するためのモータ駆動部を形成する。この実例におけるモータ駆動部の最大出力電力は、20MWである。開閉器108からの出力は、整流器124によりDCに変換され得、次に、DCがインバータ126により9相ACに変換され得る。整流器124及びインバータ126が接続解除キャビネット122によりモータ116に接続されたとき、整流器124及びインバータ126は、モータ116への電流入力/モータ116の回転速度を制御するためのモータ駆動部を形成する。この実例におけるモータ駆動部の最大出力電力も、20MWである。全出力(40MW)が電動モータ116に必要な場合、両方のモータ駆動部は、接続解除キャビネット122を介してモータ116に接続される。
【0028】
引き続き図3を参照すると、船送電網構成100はまた、開閉器106及び108にそれぞれ接続されたケーブル127及び129により給電されるエネルギー貯蔵開閉器128を介して、パルス状電力負荷(図示せず)に電力を供給するように構成されている。さらに、開閉器106に接続された変圧器130は、4160V ACを450V ACに変換し、それを配電用開閉器(図示せず)に送電し、より低い電圧の電力を船上のさまざまなシステムに伝送する。したがって、すべての負荷(推進、電気兵器、及びホテル負荷)は相互接続され、1つ又は複数のターボ発電機によって通電される共通の送電網によって給電され得る。
【0029】
パルス状電力負荷は、エネルギー貯蔵開閉器128を通した数秒(例えば5秒)の非常に高い消費電力(例えば10MW以上)と、その後に続くエネルギー消費を伴わない中断(例えば1秒)により構成され得る。システム設計は、このサイクルが無限に繰り返されると想定する。上述のように、このようなパルス状負荷は、送電網100の適切な動作に深刻な影響を与え得る。回転速度の低下は、ターボ発電機からの周波数、電圧、及び電力の比例した低下を結果的にもたらす。図4において、HTS発電機を有するターボ発電機102/104におけるこのようなパルス状負荷の回転速度に対する影響が、(ターボ発電機のうちの1つのみが動作可能であると仮定して)複数のパルス周期にわたって示される。
【0030】
波形140により示されるように、ターボ発電機のrpmは、18MWの初期パルス状負荷を伴う数秒間に3600から約1400に低下する。ターボ発電機の回転速度は、周期的な18MWのパルスが続く間に経時的に若干回復するが、回転速度は実質的に、ターボ発電機の初期の3600rpmの回転速度未満に依然として留まる。この場合、29MVAのターボ発電機のコストのために最適化されたHTS発電機の使用に基づいた、発電機の推定される回転慣性は、約790kg・mである。この実例において、EM遮蔽体は、約10cm(4インチ)の厚さを持ち、鋼及び銅から形成され得る。EM遮蔽体にアルミニウムを使用し得る重量的に最適化された設計では、回転慣性が、コスト的に最適化された設計における回転慣性より大幅に小さいものとなり得る。これは、パルス状負荷の悪影響が非常に大きくなることを意味する。
【0031】
ターボ発電機において比較的小さい慣性を持つ場合、ターボ発電機に対してパルス状負荷中に与えられるトルクは、回転速度を下げることに対して、より大幅な影響を持つ。波形140の実例では、これは、60%近くの回転速度の低下、及び、送電網100における相応の電圧、周波数、及び電力の低下と言い換えられる。さらに、ターボ発電機にこのレベルの周期的な負荷がかかる場合、タービンの耐用期間を短くすることは間違いなく、それにより、エンジンが停止することさえ起こり得る。
【0032】
本開示の一態様によると、HTS発電機における回転慣性がより大きい場合、ターボ発電機に対するトルクの影響を低減することができ、したがって、電気兵器システムのようなパルス状電力負荷が、直列インダクタンス又は他のエネルギー貯蔵手段などの高価な追加の電力品質/貯蔵コンポーネントを必要とせずに、共通送電網電力タイプIの負荷及び電気船推進モータによって給電されることが認識された。
【0033】
波形142は、18MWの周期的なパルス状負荷を伴う場合の、ターボ発電機の回転速度に対する影響(約30%の初期低下)を示す。この場合、使用されるHTS発電機は、より大きい回転慣性を持ち、約1496kg・mの全体的なターボ発電機の回転慣性を結果的にもたらす。EM遮蔽体は、約18cm(7インチ)の厚さを持つ鋼から形成され得る。波形142から明らかなように、波形140と比較すると、1496kg・mまでターボ発電機の回転慣性を大きくすることは、ターボ発電機の回転速度に対する初期の、及び後続の周期的なパルス状負荷の影響、並びに、送電網100における電圧、周波数及び電力に対する影響を大幅に減らす。EM遮蔽体にタングステン合金を追加することは、回転慣性を約1817kg・mまでさらに大きくする。
【0034】
図5を参照すると、最小のサイズ及び重量のために最適化されるように設計された従来技術のHTS発電機200が示されている。図4における波形140を生成したより小さい回転慣性の発電機と同様に、この実例は、ターボ発電機の全体的な回転慣性も約790kg・mとなるような回転慣性を持ち得る。HTS発電機200は、固定子コイル組立体204 1-nを有する固定子組立体202を含む。当技術分野においてよく知られているように、固定子組立体202内に含まれる固定子コイル組立体204 1-nの特定の個数は、例えば機械が単相機械であるか多相機械であるかといった、さまざまな設計基準に応じて変わる。例えば、60Hzにおいて4500V ACを出力する、本明細書において説明されている、ある29MVAの三相HTS発電機では、固定子組立体202が、72個の固定子コイル組立体214 1-nを含み得る。
【0035】
回転子組立体206は、固定子組立体202内において回転する。固定子組立体202と同様に、回転子組立体206は、回転子巻線組立体208 1-nを含む。同じ29MVAの三相HTS発電機において、サドル・コイル構成であり得る(2極を形成する)2つの回転子巻線組立体が高rpm発電機用途に非常に適しているので、回転子組立体206は、サドル・コイル構成であり得る(2極を形成する)2つの回転子巻線組立体を含み得る。これらの回転子巻線組立体は、動作中、回転子組立体206と固定子組立体202とを結合する磁束を生成する。この発電機は2極機械として設計されているが、さまざまな極数の機械が使用され得ること、及び、個々の設計が用途に依存することが当業者により理解される。発電機200の動作中、三相電圧210が固定子コイル組立体204 1-nにおいて生成され、三相電圧210は続いて、例えば図3に示されるように船の送電網に出力される。固定子コイル組立体204 1-nにおける三相電圧は、ターボ発電機シャフト212により駆動されたときに回転子が回転するのに伴った、回転子組立体206と固定子組立体202とを結合する回転子コイル組立体208 1-nにより生成される回転子巻線磁束により生成される。
【0036】
回転子巻線組立体208 1-nは、トルク・チューブ214からのトルクを伝達する第1のフランジ209に接続されたサポート構造物207の外面に搭載され得る。回転子巻線組立体208 1-nは、代替的に、内面サポート構造物207に搭載されてよいことに留意されなければならない。トルク・チューブ214は、ターボ発電機シャフト212に接続された第2のフランジ213に接続されている。フランジ209及び213は、トルク・チューブ214に組み込まれてよく、又は、独立した組立体であってよい。もちろん、他のトルク・チューブ設計が、低温空間においてシャフト212から回転子組立体にトルクを伝達するために使用されてもよい。
【0037】
超伝導回転機械200の動作中、例えばDC電流源(図示せず)からの場のエネルギー216が、スリップ・リング/回転ディスク組立体218を通して回転子巻線組立体208 1-nに印加され得る。回転子巻線組立体2081-nは、回転子組立体206と固定子組立体202とを結合するために必要とされる磁場(及び磁束)を生成するためにDC電流を必要とする。固定子コイル組立体204 1-nが例えば非超伝導銅コイル組立体から形成される一方で、回転子巻線組立体208 1-nはHTS巻線を組み込んだ超伝導組立体である。HTS導体の実例は、タリウム-バリウム-カルシウム-銅-酸化物、ビスマス-ストロンチウム-カルシウム-銅-酸化物、水銀-バリウム-カルシウム-銅-酸化物、及びイットリウム-バリウム-銅-酸化物を含む。
【0038】
これらの超伝導導体は、低温において動作するときにだけ超伝導導体の超伝導特性を達成するので、HTS発電機200は冷却システム220を含む。冷却システム220は、典型的には、伝導体がそれらの超伝導特性を示すことを可能にする十分に低い動作温度に、回転子巻線組立体208 1-nの動作温度を維持する低温冷却器の形態をとる。回転子巻線組立体208 1-nは、冷却システム220により低温に維持されなければならないので、トルク・チューブ214は、高強度の低熱伝導率金属材料(例えばInconel(商標))又は複合材料(例えばG-10フェノール系又は織物ガラス・エポキシ)から構築され得る。
【0039】
回転子組立体206は、固定子組立体202において生成される高調波からの非同期場を遮蔽又はフィルタ処理するために、固定子組立体202と回転子組立体206との間に位置する電磁遮蔽体222を含む。回転子組立体206が典型的にはシリンダー形であるように、電磁遮蔽体222も典型的にはシリンダー形である。これらの非同期場から回転子組立体206の回転子巻線組立体208 1-nを遮蔽することが望ましい。したがって、回転子組立体206に適合した電磁遮蔽体222が、非同期場から回転子巻線組立体208 1-nをカバー(又は遮蔽)し、及び、非磁性材料(例えば銅、アルミニウムなど)から構築される。電磁遮蔽体222は、回転子巻線組立体208 1-nを完全にカバー及び遮蔽するのに十分な長さでなければならない。典型的には、遮蔽体は、銅の薄い保護膜を備える、且つ、交流場を遮蔽して異常負荷に耐えるように選択された厚さを持つアルミニウムで形成され得る。アルミニウムは最も軽い解決策であるが、重量に対する関心がコストに対する関心より低い場合、鋼が選択され得る。遮蔽体はさらに真空閉じ込めを提供し、鋼は溶接を利用した、より単純な封止的解決策を提示する。
【0040】
電磁遮蔽体222は、端部プレート230、232のペアを介してシャフト212に固く接続され得る。この固い接続は、溶接又は機械型留め具システム(例えばボルト、リベット、スプライン、キー溝など)の形態であり得る。遮蔽するために、電磁遮蔽体222の厚さは、この実例では60ヘルツである三相AC電力210の周波数に対して反比例して変わる。少ない極数の設計の場合、異常中の過渡的な力に耐えるように厚さが選択され得る。この周波数に対して、典型的には、電磁遮蔽体222の厚さは10cm(4インチ)以下の鋼及び銅となる。発電機のサイズ及び重量を小さくするために、例えばこのような従来技術のシステムは、発電機が、発電機の重量及びサイズを最小化するために、非同期場をフィルタ処理すること、及び、遮蔽体に対する力を長円形化する異常をサポートすることに対して十分な厚さであるがより厚くはないという点まで、電磁遮蔽体122の厚さを最小化していた。
【0041】
図5の発電機200に示されていないが、内部強磁性コア(例えば鉄コア)が、回転子の磁気的なパーミアンスを大きくするために使用されてもよく、結果として、所与の磁場を生成するために必要なHTS材料の量を減らすことを可能にし得る。それは、さらに、有意な手法により発電機の回転慣性を大きくする。図6AにHTS発電機300の概略断面図が示されており、HTS発電機300は、図5に示されるHTS発電機のタイプと同様である。断面図は発電機の幅にわたって描かれ、電磁遮蔽体の厚さ及び電磁ギャップを含む発電機の寸法を示す。この実例において、HTS発電機300は2極発電機として示される内部鉄コア304を有する回転子組立体302を含む。回転子巻線306a及び306bはサドル・コイル巻線の形態をとり、サドル・コイルを形成するように端部において連結された2つの円弧部を備えて各々示されている。
【0042】
HTS発電機300を設計することにおいて、HTSサドル・コイル306a/bに対する先端部速度に対する限界が考慮されなければならない。HTSコイルに対する遠心負荷は、超伝導体材料にひずみをもたらす。このひずみは、コイルの先端部速度の二乗に比例する。150m/秒の先端部速度がこのようなコイルに対する許容可能な限界であることを、経験及び分析が示している。軍艦での使用のための発電機は、定格速度の最大125%の過速度試験を必要とし得る。3600rpmの設計速度の場合、これは、図6AにおいてR1として説明されている、発電機の長軸からコイル306a/bの中央平面までの約0.32mの半径を持つ界磁巻線を必要とする4,500rpmにおける過速度試験に対応する。サドル・コイルは、コイル・サポート・シリンダー307によりサドル・コイルの外側においてサポートされる。
【0043】
発電機300の非回転部は半径R2から始まり、非回転部は発電機の長軸から固定子308の内側半径まで延びており、固定子308とバック鉄310とからなる。コイル・サポート・シリンダー307の外側にEM遮蔽体312があり、EM遮蔽体312は回転子組立体302の最も外側の回転部材である。上述のように、EM遮蔽体312は、HTSコイルにおけるAC損失を減らすために、回転に対して非同期である電磁場から回転子組立体302を遮蔽する。サドル・コイル306a/bにより生成される場の強度は、各コイルにおけるアンペア・ターンに比例するが、サドル・コイルと固定子との間の電磁(「EM」:electromagnetic)ギャップ(R2-R1)に反比例する。したがって、EMギャップを広げることは、アンペア・ターンの数を増やし、したがって、所与の電磁場を生成するために必要なHTSワイヤの量を増やす。
【0044】
EMギャップ(R2-R1)の大部分は、EM遮蔽体312からなり、重量的に、又はコスト的に最適化された設計を持ち、EM遮蔽体はその遮蔽機能を実現するために十分に厚く作られているだけであり、その重量/質量は遮蔽能力を持つ低密度材料を選択することにより最小化される。EM遮蔽体312の厚さtは、おおむねR1/pの40%未満であり、ここで、pは設計における極ペアの数(2極発電機に対してp=1)である。この設計の場合、厚さtは約10cm(4インチ)であり得、EM遮蔽体のために使用される材料は、中程度の密度の材料、例えば鋼であり得る。
【0045】
EM遮蔽体312に対する回転慣性を決定するために、内半径Ri及び外半径Ro及び質量Mは次のように計算される。
M(Ri+Ro)/2
この値は、この場合、約560kg・mである。ターボ発電機における他のシステム・コンポーネントの回転慣性に対するEM遮蔽体の回転慣性は、次のとおりである。
回転慣性-コスト的に最適化された設計
EM遮蔽体 560kg・m
内部鉄及びシャフト 143kg・m
場及びサポート 87kg・m
発電機回転子全体 790kg・m
タービン 96kg・m
全体 886kg・m
【0046】
この実例の場合、発電機全体の回転慣性に対するEM遮蔽体の回転慣性は、約70パーセント(70%)である。典型的なコスト的に/重量的に最適化された設計の場合、EM遮蔽体における回転慣性は、おおむね全体的なHTS発電機の回転慣性の70%以下である(本明細書において「低慣性」HTS発電機と呼ばれる)。
【0047】
より大きい回転慣性を持つHTS発電機がHTS発電機300’として図6Bに示されている。すべてのコンポーネントが図6AのHTS発電機300と実質的に同じであるが、より厚いEM遮蔽体312’を構築することにより、サドル・コイル306a’/b’における追加的なアンペア・ターンという犠牲を伴って発電機の回転慣性が大きくされ得る。言い換えると、EM遮蔽体312’の厚さの増加に起因して、HTS発電機300’のEMギャップ(R2’-R1’)がEMギャップ(R2-R1)より大きいので、HTS発電機300の場合と同じ電磁場をHTS発電機300’において生成するために、より多量のHTS材料が必要とされる。
【0048】
HTS発電機300’のより大きい回転慣性の設計に対して、EM遮蔽体312’の厚さt’は、R1/pの50%以上であり得る。この設計に対して、厚さt’は、約18cm(7インチ)であり得る。EM遮蔽体の回転慣性を大きくするためにEM遮蔽体の厚さを大きくすることに加えて、より高密度の材料が使用され得る。このような材料の実例は、銅(8.96g/cm)、鋼(7.84g/cm)、鉛(11.32g/cm)、金(19.282g/cm)、タングステン(19.25g/cm)、及び使用済みウラン(18.95g/cm)を含み得る。これらの材料のうちの1つ又は複数が、EM遮蔽体を構築するために使用され得る。
【0049】
EM遮蔽体312’の適切な厚さ及び材料組成を選択することにより、特定のターボ発電機及びパルス状電力負荷の想定されるレベル及び周波数に対する所望の動作特性を取得するために、EM遮蔽体の追加的な回転慣性の大きさが調整され得る。
【0050】
EM遮蔽体312’に対する回転慣性を決定するために、内半径Ri’及び外半径Ro’及び質量M’は(例えば鋼とタングステン合金との組み合わせを使用したとき)、次のように計算される。
M’(Ri’+Ro’)/2
この場合、この値は約1,477kg・mである。ターボ発電機における他のシステム・コンポーネントの回転慣性に対するEM遮蔽体の回転慣性は、次のとおりである。
回転慣性-回転慣性的に最適化された設計
EM遮蔽体 1,477kg・m
内部鉄及びシャフト 151kg・m
場及びサポート 92kg・m
発電機回転子全体 1,720kg・m
タービン 96kg・m
全体 1,816kg・m
【0051】
この回転慣性的に最適化された実例に対して、発電機全体の回転慣性に対するEM遮蔽体の回転慣性は約85パーセント(85%)である。典型的な回転慣性的に最適化された設計に対して、EM遮蔽体における回転慣性は、おおむね全体的なHTS発電機の回転慣性の80%以上であり得る(本明細書において「高慣性」HTS発電機と呼ばれる)。
【0052】
厚いEM遮蔽体を含むこの設計がEM遮蔽体にステンレス鋼だけを使用して構築された場合、発電機回転慣性は依然として1492kg・mであり、この値は依然としてコスト的に、及び重量的に最適化された設計の回転慣性の190%近くである。本開示によるHTS発電機の設計は多くの重要な利点を持ち、すなわち、それは短い軸方向の長さの中に収まり、極めてパルス状の印加において極滑りを避ける低いリアクタンスを有し、大きい回転慣性を有する。
【0053】
上述のように、本開示の一態様は、船舶主タービン発電機(MTG:main turbine generators)ターボ発電機用の2つのモード(すなわち、固定周波数モード及び可変周波数モード)で動作するように構成され得るHTS発電機(好ましくは、高慣性HTS発電機)を利用する。各MTGは、いずれかのモードで構成及び動作することができ、船の電気推進システム(可変周波数モード)、電気船システム(固定周波数モード)、及び電気兵器システム(固定周波数モード)に選択的に給電するために使用され、さまざまな船システムに給電する優れた柔軟性を有する多機能統合電力システム(MF-IPS:multi-functional integrated power system)を形成することができる。
【0054】
本開示の一態様による多機能主タービン発電機(MF-MTG:multi-function main turbine generator)350の簡略化された概略図が図7に示されている。MF-MTG350は、3つの主要な船システムに接続された船上送電網に選択的に給電するために使用されてもよい。船システムは、電力ネットワーク351を介して接続された37MWのHTS電動モータを含み得る同期推進駆動システム352を含む。MF-MTG350は、電力ネットワーク351に接続されると、HTS電動モータを駆動するために可変周波数電力モード(可変周波数及び可変電圧)で動作するように構成され得る。タイプ1の船サービス電力システム354は、電力ネットワーク353によってMF-MTG350に接続され得る。この構成では、電力ネットワーク354は、固定周波数電力モード(固定電圧、例えば、固定電圧4160VAC、及び固定周波数、例えば60Hz)で動作するMF-MTG350によって給電され得る。そして、別の構成では、電力ネットワーク355に接続された電気兵器システム356は、固定周波数(例えば60Hz)及び固定電圧で動作するMF-MTG350によって給電され得る。この単純な実例では、単一のMF-MTG350が使用される。しかしながら、典型的な用途では、システム負荷に応じていずれかのモードで動作する複数のMF-MTGが、さまざまな船内システムに給電するために使用することができる。図8A図8Cに関して以下に説明する実例では、4つのMF-MTGが使用されるが、任意の適切な数を使用することができる。
【0055】
すべての要求された負荷への分配のために固定電圧(例えば、4160VAC)及び固定周波数(例えば、60Hz)で動作する単一のバス上にすべての電力を組み込む従来技術のIPSシステムとは異なり、本開示の多機能統合電力システムは、複数の別個のバスを使用する。別個のバスは、特定の要求された負荷タイプに給電するために、専用又は相互接続された方法で使用することができる。これにより、単一のバス動作に必要な安定性とタイプ1に近い品質能力を維持するために必要な複雑さ、リスク、及びそれに伴う大量のパワー・エレクトロニクス及び計算能力が最小限に抑えられる。これは、電気推進モータに典型的に必要とされる大型で複雑なパワー・エレクトロニクス・モータ駆動部を排除し、大型で高価な中間エネルギー貯蔵装置及びフィルタを介して接続するのではなく、高慣性HTS発電機を利用して電気兵器に直接接続する。
【0056】
固定周波数モードでは、ターボ発電機の電力出力は、電気兵器システム及び/又はタイプ1の船サービス負荷のために使用することができる。動作の可変周波数モードでは、ターボ発電機は、専用の方法で1つ又は複数の電動モータに直接接続される(すなわち、それらは、他の電気負荷にも接続されない)。可変周波数モードでは、発電機の動態は、電気船推進モータに典型的に必要とされる大電力の電子電動モータ駆動部を使用せずに電動モータ動態に直接連結される。言い換えると、ターボ発電機の回転速度は、電動モータ/プロペラの回転速度、ひいては船の速度に直接影響を及ぼす。これは、本明細書では、同期推進駆動部と呼ばれることがある。
【0057】
図8A図8Cでは、本開示の一態様による多機能統合電力システム400のトポロジーが示されている。図8A図8Cではまた、MF-IPS400の3つの機能的構成が例示的な構成としてのみ示されている。他の構成が可能であり、本開示の範囲内であることに留意されたい。後述するように、特定の構成では、ターボ発電機は、固定周波数/固定電圧モードで動作し、他の構成では、可変周波数モード/可変電圧モードで動作して、さまざまな船システムに給電する。図では、より太い線で描かれているケーブルは通電されており、細い線として描かれるケーブルは通電されていない。べた一色で描かれたターボ発電機はオンライン且つ動作可能で、べた一色で描かれていないターボ発電機は、オフライン且つ動作可能ではない。
【0058】
図8Aを参照すると、この実例で説明される船には、2つの主機関室、ER1 402及びER2 404がある。ER1 402には、ケーブル407を介して三相開閉器408に接続されたターボ発電機406がある。また、ER1 402には、三相開閉器412に接続されたターボ発電機410がある。ターボ発電機は、図2に示すように29MV、3600rpmの2極発電機であってもよく、図4図6に関して上述したように、高慣性HTS発電機を含んでいてもよい。図8Aは、本明細書に記載のMF-IPSシステム用の標準的な構成を示す。図8B及び図8Cには、2つの代替的な動作構成が示されている。
【0059】
まず、ER1 402について説明する。この構成では、ターボ発電機406は、ケーブル409に相互接続された開閉器408によって送電される接続解除スイッチ420を介して、この場合は37MVのHTSモータであり得る電気推進モータ414に接続され、それに給電する。ターボ発電機406は、周波数、ひいてはターボ発電機の回転、次にHTSモータの回転を調整することによってモータ/船の速度を変化させて、可変周波数/電圧モードで動作する。電気推進モータ414は、右舷シャフト(図示せず)に接続され、右舷プロペラ416を駆動する。右舷プロペラ416は、制御可能なピッチ・コントローラ418を使用して、制御可能なピッチ・プロペラとして動作し、例えば、操船及びドッキングに必要なときに、船の動きをより細かく制御する。
【0060】
開閉器408はまた、必要に応じて、開閉器422に給電するために、相互接続ケーブル423によって開閉器422に接続される。開閉器408はまた、ER1 402からの補助電力がER2 404によって必要とされる場合、又はその逆の場合に、相互接続ケーブル425を介してER2 404に接続される。開閉器422は、通常、開閉器412を介してターボ発電機410に接続され、ターボ発電機410によって給電される。代替的な構成では、開閉器422は、ケーブル427を介して(ターボ発電機410が可変周波数/可変電圧モードで動作している状態で)、電気推進モータ414に給電するように使用してもよく、又は、相互接続ケーブル429を介してER2 404に補助電力を提供するように使用してもよい。図示の電流構成では、ターボ発電機410は、開閉器412を通して、それぞれケーブル432a及び432bを介して、電気兵器開閉器ユニット430a、430bに接続される。電気兵器開閉器ユニット430a及び430bは、それぞれ電気兵器434a及び434bに接続される。ターボ発電機410は、固定電圧/固定周波数モード(例えば、4160VAC及び60Hz)で動作する。
【0061】
ER1 402におけるさまざまなコンポーネントの動作は、船のブリッジから制御信号を受信するマスタ・コントローラ(図示せず)と通信するER1マシン・コントローラ440の制御下にある。マスタ・コントローラ、ER1マシン・コントローラ440、及びER2マシン・コントローラ(以下で説明する)を通して、多機能統合電力システム400のさまざまな機能的構成は、図8A図8Cに関して説明したように実施することができる。
【0062】
ER2 404には、三相開閉器442に接続されたターボ発電機440と、三相開閉器446に接続されたターボ発電機444とが含まれている。これらのターボ発電機は、図2に示すように構成されてもよく、図4図6に関して上述したような高慣性HTS発電機を含んでいてもよい。この構成では、この場合、37MWのHTSモータである電気推進モータ448は、ターボ発電機440によって給電される。ターボ発電機440は、ケーブル445に相互接続された開閉器442によって送電される接続解除スイッチ443を介して、電気推進モータ448に接続され、電気推進モータ448に給電する。ターボ発電機440は、上述のように、可変周波数/電圧モードで動作する。
【0063】
HTSモータ448は、左舷プロペラ450を駆動する左舷シャフトに接続される。左舷プロペラ450は、制御可能なピッチ・コントローラ452を使用して、制御可能なピッチ・プロペラとして動作し、例えば、操船及びドッキングに必要なときに、船の動きをより細かく制御する。
【0064】
三相開閉器446に接続されたターボ発電機444は、この構成では、それぞれケーブル447a及び447bを介して、電気兵器開閉器ユニット430a、430bに(上述のように、ターボ発電機410と合わせて、又はそれの代わりに)給電するために主に使用される。ターボ発電機444は、固定電圧/固定周波数モード(例えば、4160VAC及び60Hz)で動作する。電気兵器開閉器ユニット430a及び430bは、それぞれ電気兵器434a及び434bに接続される。開閉器446はまた、必要に応じて、開閉器442にバック・フィードするために、相互接続ケーブル455によって開閉器442に接続される。開閉器456は、開閉器446に接続され、さらに、ER2 404からの補助電力がER1 402によって必要とされる場合、又はその逆の場合に、相互接続ケーブル425を介してER1 402において開閉器408に接続される。開閉器456はまた、ケーブル457によって送電される接続解除スイッチ443を介して、電気推進モータ448に接続される。代替的な構成では、ターボ発電機444は、その動作モードを可変周波数/電圧モードに変化させることによって、電気推進モータ448に給電するために使用してもよい。
【0065】
ER2 404におけるさまざまなコンポーネントの動作は、船のブリッジから制御信号を受信するマスタ・コントローラ(図示せず)と通信するER2マシン・コントローラ462の制御下にある。マスタ・コントローラ、ER1マシン・コントローラ440、及びER2マシン・コントローラ462を通して、多機能統合電力システム400のさまざまな機能的構成は、実施することができる。
【0066】
4つの主要なターボ発電機406、410、440、及び444に加えて、1つ又は複数の小型ターボ発電機(軍艦では、船サービス・ガス・タービン発電機又は「SSGTGs」(ship service gas turbine generators)と呼ばれる)が含まれていてもよく、それぞれが、補機室(AMR1:auxiliary machinery room 1)480及び発電機室490内にそれぞれ配置されたSSTG470及び472など、約3.9MWを出力する。これらのSSGTGは、船サービス・ネットワークに電力を供給することができる。SSGTG No.1 470は、船サービス用開閉器473を介して船サービス用変圧器A 471に接続することができる。同様に、SSGTG No.2 472は、船サービス用開閉器477を介して船サービス用変圧器B 475に直接接続することができる。
【0067】
船サービス用開閉器473はまた、ケーブル482を介して発電機室490内の船サービス用開閉器477に相互接続されてもよい。また、ケーブル484を介してER2 404内の第3の船サービス用開閉器492に接続されてもよく、ケーブル486を介して開閉器408に接続されてもよい。ケーブル487は、船サービス用開閉器472をセンサ・システムに接続してもよい。船サービス用開閉器477はまた、ケーブル494を介してER2 404内のサービス用開閉器492に相互接続されてもよく、ケーブル496を介してER2 404内の開閉器442に相互接続されてもよい。開閉器447は、ケーブル498を介してセンサ・システムにさらに接続することができる。
【0068】
図8Aを参照すると、MF-IPS400の動作の標準モードが上述されている。動作の標準モードでは、ターボ発電機406及び440は、電気推進モータ414及び448をそれぞれ駆動するために、可変周波数/可変電圧モード動作で動作する。兵器システム434a及び434bは、ターボ発電機410又はターボ発電機444のいずれかによって個別に又は組み合わせて給電され、両方のターボ発電機は、固定周波数/固定電圧モードで動作する。
【0069】
第2の動作モードは図8Bに示されており、これは、電気兵器システムが通電されることなく、より遅い速度(例えば20ノット)での燃料の効率的な輸送を可能にする。この構成では、ER2 404のターボ発電機440は、オンラインであり、可変周波数モードでHTSモータ414及び448の両方に給電している。ターボ発電機406、410及び444は、オフラインである。SSTG470及び472は、オンラインであり、船サービス用変圧器A 471及び船サービス用変圧器B 475に通電して、船サービス・ネットワークにすべての電力を供給する。
【0070】
図8Cに示す第3の動作モード(完全武装)では、ターボ発電機406、440及び444は、オンラインであり、船が32ノットで移動することを可能にするHTSモータ414及び448に給電するために可変周波数/可変電圧モードで動作している。ターボ発電機410は、オンラインであり、電気兵器システム434a及び434bに給電するために固定周波数/固定電圧モードで動作している。さらに、SSTG470及び472の両方は、オンラインであり、船サービス用変圧器A 471及び船サービス用変圧器B 475に通電して、船サービス・ネットワークにすべての電力を供給する。
【0071】
図8A図8Cに示すMF-IPS400の3つの機能的構成は、例示的な構成のみであり、他の構成も可能であり、本開示の範囲内に包含される。本開示の多機能統合電力システムは、複数の別個のバスを使用し、ターボ発電機の負荷タイプに応じて、ターボ発電機は、固定周波数/固定電圧モード又は可変周波数/可変電圧モードのいずれかで、独自に動作する。これにより、単一のバス動作に必要な安定性とタイプ1に近い品質能力とを維持するために必要な複雑さ、リスク、及びそれに伴う大量のパワー・エレクトロニクス及び計算能力が最小限に抑えられる。これは、電気推進モータに典型的に必要とされる大型で複雑なパワー・エレクトロニクス・モータ駆動部を排除し、大型で高価な中間エネルギー貯蔵装置及びフィルタを介して接続するのではなく、高慣性HTS発電機を利用して電気兵器に直接接続する。
【0072】
本開示は、例示的な実施例に関して説明されてきたが、当業者は、本開示が添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲において修正を伴って実施され得ることを認識するであろう。これらの実例は例示にすぎず、本開示のすべての可能な設計、実施例、用途、又は修正の網羅的なリストであることを意味するわけではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A-1】
図8A-2】
図8B-1】
図8B-2】
図8C-1】
図8C-2】