IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-電力変換装置 図1
  • 特許-電力変換装置 図2
  • 特許-電力変換装置 図3
  • 特許-電力変換装置 図4
  • 特許-電力変換装置 図5
  • 特許-電力変換装置 図6
  • 特許-電力変換装置 図7
  • 特許-電力変換装置 図8
  • 特許-電力変換装置 図9
  • 特許-電力変換装置 図10
  • 特許-電力変換装置 図11
  • 特許-電力変換装置 図12
  • 特許-電力変換装置 図13
  • 特許-電力変換装置 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-10
(45)【発行日】2024-10-21
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20241011BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023549475
(86)(22)【出願日】2022-09-09
(86)【国際出願番号】 JP2022033892
(87)【国際公開番号】W WO2023047986
(87)【国際公開日】2023-03-30
【審査請求日】2024-01-24
(31)【優先権主張番号】P 2021154426
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細川 淳史
(72)【発明者】
【氏名】東谷 祥平
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 翔太
(72)【発明者】
【氏名】豊田 基
(72)【発明者】
【氏名】竹井 亮
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-192936(JP,A)
【文献】特許第5557891(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1相第1電力変換回路ユニットと、前記第1相第1電力変換回路ユニットと隣り合うように配置された第1相第2電力変換回路ユニットとを含む第1相ユニット群と、
前記第1相第1電力変換回路ユニットに電気的に接続された第1相第1接続部と、前記第1相第1接続部に電気的に接続されかつ前記第1相第2電力変換回路ユニットに電気的に接続された第1相第2接続部を含む第1バスバーと、
前記第1相ユニット群に接続された第1冷却板とを備え、
前記第1バスバーの前記第1相第1接続部および前記第1相第2接続部は、前記第1相ユニット群に対して前記第1冷却板とは反対側において配置されており、
前記第1相第1電力変換回路ユニットは、第1入力側半導体モジュールと、前記第1入力側半導体モジュールに電気的に接続された第1相第1コンデンサと、前記第1相第1コンデンサを介して前記第1入力側半導体モジュールに電気的に接続された第1出力側半導体モジュールとを含み、
前記第1入力側半導体モジュール、前記第1相第1コンデンサおよび前記第1出力側半導体モジュールは、前記第1冷却板に沿って配置されている、電力変換装置。
【請求項2】
第1相第1電力変換回路ユニットと、前記第1相第1電力変換回路ユニットと隣り合うように配置された第1相第2電力変換回路ユニットとを含む第1相ユニット群と、
前記第1相第1電力変換回路ユニットに電気的に接続された第1相第1接続部と、前記第1相第1接続部に電気的に接続されかつ前記第1相第2電力変換回路ユニットに電気的に接続された第1相第2接続部を含む第1バスバーと、
前記第1相ユニット群に接続された第1冷却板とを備え、
前記第1バスバーの前記第1相第1接続部および前記第1相第2接続部は、前記第1相ユニット群に対して前記第1冷却板とは反対側において配置されており、
前記第1相第1電力変換回路ユニットと前記第1相第2電力変換回路ユニットとが並べられた第1方向に沿って前記第1相ユニット群と隣り合うように配置された第2相第1電力変換回路ユニットと、前記第1方向に沿って前記第2相第1電力変換回路ユニットに対して前記第1相ユニット群の反対側に配置された第2相第2電力変換回路ユニットとを含む第2相ユニット群と、
前記第2相第1電力変換回路ユニットに電気的に接続された第2相第1接続部と、前記第2相第1接続部に電気的に接続されかつ前記第2相第2電力変換回路ユニットに電気的に接続された第2相第2接続部とを含む第2バスバーと、
前記第2相ユニット群に接続された第2冷却板とをさらに備え、
前記第2バスバーの前記第2相第1接続部および前記第2相第2接続部は、前記第2相ユニット群に対して前記第2冷却板とは反対側において配置されており、
前記第1相第1電力変換回路ユニット、前記第1相第2電力変換回路ユニット、前記第2相第1電力変換回路ユニットおよび前記第2相第2電力変換回路ユニットは、前記第1方向に沿ってこの順に配置されている、電力変換装置。
【請求項3】
前記第1相第1電力変換回路ユニットは、第1入力側半導体モジュールと、前記第1入力側半導体モジュールに電気的に接続された第1相第1コンデンサと、前記第1相第1コンデンサを介して前記第1入力側半導体モジュールに電気的に接続された第1出力側半導体モジュールとを含み、
前記第1入力側半導体モジュール、前記第1相第1コンデンサおよび前記第1出力側半導体モジュールは、前記第1冷却板に沿って配置されている、請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記第1相第1コンデンサは、基板に実装されている、請求項1または3に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記第1相第2電力変換回路ユニットは、第1相第2コンデンサを含み、
前記第1相第1コンデンサと、前記第1相第2コンデンサとは、同一の前記基板に実装されている、請求項4に記載の電力変換装置。
【請求項6】
導体部をさらに備え、
前記導体部は、相内バスバーと、相間バスバーとを含み、
前記相内バスバーは、前記第1相第1電力変換回路ユニットを前記第1相第2電力変換回路ユニットに電気的に接続しており、
前記相間バスバーは、前記第1相第1電力変換回路ユニットおよび前記第1相第2電力変換回路ユニットが前記相内バスバーを介して接続された第1接続点を含み、かつ前記第1相第1電力変換回路ユニットおよび前記第1相第2電力変換回路ユニットを前記第2相ユニット群に電気的に接続しており、
前記第1相第1電力変換回路ユニットから前記第1接続点までの最短距離は、前記第1相第2電力変換回路ユニットから前記第1接続点までの最短距離と等しい、請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記第1相ユニット群は、前記第1相第1電力変換回路ユニットと前記第1相第2電力変換回路ユニットとが並べられた前記第1方向に沿って、前記第1相第2電力変換回路ユニットと前記第2相第1電力変換回路ユニットとの間に配置された第1相第3電力変換回路ユニットと、
前記第1相第1電力変換回路ユニットと前記第1相第2電力変換回路ユニットを電気的に接続する第1端子と、
前記第1相第2電力変換回路ユニットと前記第1相第3電力変換回路ユニットを電気的に接続する第2端子とを備え、
前記相内バスバーは、前記第1端子および前記第2端子と接続されている、請求項6に記載の電力変換装置。
【請求項8】
複数のボルトをさらに備え、
前記複数のボルトは、前記導体部に対して前記第1冷却板とは反対側に配置されている、請求項6に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記導体部は、プリント基板によって構成されている、請求項6に記載の電力変換装置。
【請求項10】
冷却ファンをさらに備え、
前記第1冷却板は、ヒートシンクとして構成されており、
前記第1入力側半導体モジュール、前記第1相第1コンデンサおよび前記第1出力側半導体モジュールは、第2方向に沿って接続されており、
前記冷却ファンは、前記第2方向に沿って前記第1冷却板を冷却するように構成されている、請求項1または3に記載の電力変換装置。
【請求項11】
前記第1冷却板は、前記第1入力側半導体モジュールに接続された第1入力側冷却部と、前記第1出力側半導体モジュールに接続された第1出力側冷却部とを含み、
前記第1入力側冷却部は、前記第1出力側冷却部とは別体として構成されており、かつ前記第1出力側冷却部とは異なる寸法を有している、請求項1または3に記載の電力変換装置。
【請求項12】
前記第1バスバーは、第1折曲部を含み、
前記第1折曲部は、前記第1相第1接続部および前記第1相第2接続部に対して前記第1冷却板とは反対側に向かって折り曲げられている、請求項1または2に記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力変換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、互いに並列に接続された複数の半導体素子と、バスバーとを備える電力変換装置がある。半導体素子は、例えば、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)である。バスバーは、各半導体素子を並列に接続している。また、バスバーは、各半導体素子を負荷に接続している。負荷は、例えば、巻上機またはモータ等である。仮に、各半導体素子から負荷までのバスバーのインピーダンスの差が大きい場合には、各半導体素子に均一な電流を流すことが困難になる。すなわち、各半導体素子に流れる電流に偏りが生じ得る。
【0003】
例えば、特許第5557891号公報(特許文献1)に記載の三相電力変換装置(電力変換装置)は、複数の半導体素子(第1相第1電力変換回路ユニットおよび第1相第2電力変換回路ユニット)と、複数の半導体素子の各々に接続された冷却フィン(第1冷却板)と、ブスバー(第1バスバー)とを備えている。複数の半導体素子は、ブスバーに対して対称な位置に配置されている。これにより、複数の半導体素子の各々から負荷までのブスバーの長さの差が小さくなる。このため、複数の半導体素子の各々から負荷までのブスバーのインダクタンス値の差が小さくなる。よって、複数の半導体素子の各々から負荷までのブスバーのインピーダンスの差が小さくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5557891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記公報に記載の三相電力変換装置では、ブスバーは、冷却フィンを挟み込むように配置された立体的な形状を有している。このため、ブスバーが長い。
【0006】
本開示は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、第1バスバーを短くすることができ、かつ第1相第1電力変換回路ユニットから負荷までの第1バスバーのインピーダンスと第1相第2電力変換回路ユニットから負荷までの第1バスバーのインピーダンスとの差を小さくすることができる電力変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の電力変換装置は、第1相ユニット群と、第1バスバーと、第1冷却板とを備えている。第1相ユニット群は、第1相第1電力変換回路ユニットと、第1相第2電力変換回路ユニットとを含んでいる。第1相第2電力変換回路ユニットは、第1相第1電力変換回路ユニットと隣り合うように配置されている。第1バスバーは、第1相第1接続部と、第1相第2接続部とを含んでいる。第1相第1接続部は、第1相第1電力変換回路ユニットに電気的に接続されている。第1相第2接続部は、第1相第1接続部に電気的に接続されている。第1相第2接続部は、第1相第2電力変換回路ユニットに電気的に接続されている。第1冷却板は、第1相ユニット群に接続されている。第1バスバーの第1相第1接続部および第1相第2接続部は、第1相ユニット群に対して第1冷却板とは反対側において配置されている。第1相第1電力変換回路ユニットは、第1入力側半導体モジュールと、第1入力側半導体モジュールに電気的に接続された第1相第1コンデンサと、第1相第1コンデンサを介して第1入力側半導体モジュールに電気的に接続された第1出力側半導体モジュールとを含んでいる。第1入力側半導体モジュール、第1相第1コンデンサおよび第1出力側半導体モジュールは、第1冷却板に沿って配置されている。
【発明の効果】
【0008】
本開示の電力変換装置によれば、第1バスバーの第1相第1接続部および第1相第2接続部は、第1相ユニット群に対して第1冷却板とは反対側において同一平面内に配置されている。このため、第1バスバーを短くすることができ、かつ第1相第1電力変換回路ユニットから負荷までの第1バスバーのインピーダンスと第1相第2電力変換回路ユニットから負荷までの第1バスバーのインピーダンスとの差を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る電力変換装置の構成を概略的に示す斜視図である。
図2】実施の形態1に係る電力変換装置の第1相第1電力変換回路ユニット、第1冷却板およびボルトの構成を概略的に示す斜視図である。
図3】実施の形態1の変形例に係る電力変換装置の構成を概略的に示す斜視図である。
図4】実施の形態1に係る電力変換装置が適用されたエレベータ用の制御盤の構成を概略的に示す斜視図である。
図5】実施の形態1に係る電力変換装置が適用されたエレベータ用の制御盤の内部の構成を概略的に示す斜視図である。
図6】実施の形態1に係る電力変換装置の構成を概略的に示す回路図である。
図7】第1の比較例に係る電力変換装置の構成を概略的に示す回路図である。
図8】実施の形態2に係る電力変換装置の構成を概略的に示す斜視図である。
図9】実施の形態3に係る電力変換装置の導体部の構成を概略的に示す正面図である。
図10】実施の形態1の他の変形例に係る電力変換装置の構成を概略的に示す斜視図である。
図11】制御盤の一般的な配置を概略的に示す側面図である。
図12】実施の形態1に係る電力変換装置が適用されたエレベータ用の制御盤の配置を概略的に示す側面図である。
図13】実施の形態4に係る電力変換装置の構成を概略的に示す斜視図である。
図14】実施の形態4に係る電力変換装置の相内バスバーの構成を概略的に示す正面図および側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について図に基づいて説明する。なお、以下では、同一または相当する部分に同一の符号を付すものとし、重複する説明は繰り返さない。
【0011】
実施の形態1.
図1図4を用いて、実施の形態1に係る電力変換装置100の構成を説明する。電力変換装置100は、三相電力変換装置として構成されている。後述のように、本実施の形態に係る電力変換装置100は、エレベータ用の制御盤に適用され得る。
【0012】
図1に示されるように、電力変換装置100は、主に、第1相ユニット群1Uと、第1バスバー2Uと、第1冷却板4Uとを備えている。本実施の形態において、電力変換装置100は、第2相ユニット群1Vと、第3相ユニット群1Wと、第2バスバー2Vと、第3バスバー2Wと、第4バスバー3Uと、第5バスバー3Vと、第6バスバー3Wと、第2冷却板4Vと、第3冷却板4Wと、導体部5と、複数のボルト6と、冷却ファン7と、吸気側風洞81と、排気側風洞82とをさらに含んでいる。なお、図1では、説明の便宜のため、ボルト6は、二重丸によって示されている。
【0013】
第1相ユニット群1U、第2相ユニット群1Vおよび第3相ユニット群1Wは、それぞれU相、V相およびW相の入力および出力を行うように構成されている。望ましくは、第1相ユニット群1U、第2相ユニット群1Vおよび第3相ユニット群1Wは、互いに同一の形状を有している。望ましくは、第1バスバー2U~第6バスバー3Wは、互いに同一の形状を有している。望ましくは、第1冷却板4U、第2冷却板4Vおよび第3冷却板4Wは、互いに同一の形状を有している。
【0014】
〈第1相ユニット群1U、第2相ユニット群1Vおよび第3相ユニット群1Wの構成〉
第1相ユニット群1Uは、第1相第1電力変換回路ユニット1U1と、第1相第2電力変換回路ユニット1U2とを含んでいる。第1相ユニット群1Uは、第1相第1電力変換回路ユニット1U1および第1相第2電力変換回路ユニット1U2によって2並列として構成されていてもよい。第1相ユニット群1Uは、第1相第3電力変換回路ユニット1U3をさらに含んでいてもよい。この場合には、第1相ユニット群1Uは、第1相第1電力変換回路ユニット1U1、第1相第2電力変換回路ユニット1U2および第1相第3電力変換回路ユニット1U3によって3並列として構成されている。本実施の形態において、第1相ユニット群1Uは、3並列である。第1相第1電力変換回路ユニット1U1~第1相第3電力変換回路ユニット1U3の各々は、それぞれ1相1並列分の電力変換回路ユニットとして構成されている。望ましくは、第1相ユニット群1Uの各電力変換回路ユニットは、互いに同一の形状を有している。
【0015】
第1相第2電力変換回路ユニット1U2は、第1相第1電力変換回路ユニット1U1と隣り合うように配置されている。第1相第3電力変換回路ユニット1U3は、第1相第2電力変換回路ユニット1U2に対して第1相第1電力変換回路ユニット1U1とは反対側において第1相第2電力変換回路ユニット1U2と隣り合うように配置されている。第1相第1電力変換回路ユニット1U1、第1相第2電力変換回路ユニット1U2および第1相第3電力変換回路ユニット1U3は、この順に隣り合うように配置されている。
【0016】
本実施の形態において、第1相第1電力変換回路ユニット1U1と第1相第2電力変換回路ユニット1U2とが並べられた方向は、第1方向DR1である。後述の第1入力側半導体モジュール1U11と第1出力側半導体モジュール1U12とが並べられた方向は、第2方向DR2である。第1相ユニット群1Uおよび第1冷却板4Uが重ねられた方向は、第3方向DR3である。第1方向DR1、第2方向DR2および第3方向DR3は、互いに交差している。本実施の形態において、第1方向DR1、第2方向DR2および第3方向DR3は、互いに直交している。
【0017】
第1相第1電力変換回路ユニット1U1は、第1入力側半導体モジュール1U11と、第1出力側半導体モジュール1U12と、第1相第1コンデンサ1U13と、第1相第1基板1U14とを含んでいる。第1相第1電力変換回路ユニット1U1は、第1入力側半導体モジュール1U11、第1相第1コンデンサ1U13および第1出力側半導体モジュール1U12の順または第1出力側半導体モジュール1U12、第1相第1コンデンサ1U13および第1入力側半導体モジュール1U11の順に電流を流すように構成されている。望ましくは、各電力変換回路ユニットの入力側半導体モジュールは、互いに同一の形状を有している。望ましくは、各電力変換回路ユニットの出力側半導体モジュールは、互いに同一の形状を有している。望ましくは、各電力変換回路ユニットのコンデンサは、互いに同一の形状を有している。望ましくは、各電力変換回路ユニットの基板は、互いに同一の形状を有している。
【0018】
第1出力側半導体モジュール1U12は、第1相第1コンデンサ1U13を介して第1入力側半導体モジュール1U11に電気的に接続されている。第1相第1コンデンサ1U13は、第1入力側半導体モジュール1U11に電気的に接続されている。第1相第1コンデンサ1U13は、第1相第1基板1U14に実装されている。このため、第1相第1コンデンサ1U13は、基板に実装されている。
【0019】
第1入力側半導体モジュール1U11および第1出力側半導体モジュール1U12は、例えば、2つの絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)が1つのパッケージに内蔵された2in1パッケージによって構成されている。第1入力側半導体モジュール1U11および第1出力側半導体モジュール1U12は、2in1パッケージに限られず、1in1パッケージ等が用いられてもよい。この場合には、各パッケージ間は、例えば、バスバーによって接続される。第1入力側半導体モジュール1U11および第1出力側半導体モジュール1U12は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET:Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)またはトランジスタによって構成されていてもよい。
【0020】
第1相第1コンデンサ1U13の種類は、例えば、フィルムコンデンサおよび電解コンデンサ等である。第1相第1コンデンサ1U13の種類は、用途に応じて適宜に決められてもよい。第1相第1基板1U14には、複数のコンデンサが直列または並列に接続された状態で実装されていてもよい。第1相第1コンデンサ1U13は、例えば、はんだによって第1相第1基板1U14に実装されている。
【0021】
第1相第1基板1U14は、基板に設けられた貫通孔および雄ネジによって第1入力側半導体モジュール1U11および第1出力側半導体モジュール1U12に固定される。上記の貫通孔として第1相第1基板1U14のスルーホールが用いられてもよい。第1相第1基板1U14に接続された端子によって第1入力側半導体モジュール1U11および第1出力側半導体モジュール1U12に固定されてもよい。上記の端子は、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)等の高い導電率を有する金属によって構成されている。第1相第1基板1U14は、例えば、プリント基板である。第1相第1基板1U14は、例えば、バスバーおよび絶縁フィルムが組み合わせられたラミネートバスバーであってもよい。
【0022】
第1相第1基板1U14に実装された第1相第1コンデンサ1U13が第1冷却板4Uのベース部41に干渉することがある。この場合には、第1相第1基板1U14と第1入力側半導体モジュール1U11または第1出力側半導体モジュール1U12との間にスペーサが配置されてもよい。これにより、第1相第1基板1U14と第1冷却板4Uのベース部41との間隔を大きくすることができ、第1相第1基板1U14と第1冷却板4Uとの干渉が抑制され得る。
【0023】
望ましくは、第1入力側半導体モジュール1U11、第1相第1コンデンサ1U13および第1出力側半導体モジュール1U12は、第1冷却板4Uに沿って配置されている。望ましくは、第1入力側半導体モジュール1U11、第1相第1コンデンサ1U13および第1出力側半導体モジュール1U12は、第1冷却板4Uの片面側において一直線上に配置されている。望ましくは、第1入力側半導体モジュール1U11、第1相第1コンデンサ1U13および第1出力側半導体モジュール1U12は、第2方向DR2に沿って接続されている。望ましくは、第1入力側半導体モジュール1U11、第1相第1コンデンサ1U13および第1出力側半導体モジュール1U12は、第2方向DR2に沿って一直線上に配置されている。
【0024】
第2相ユニット群1Vは、第1方向DR1に沿って第1相ユニット群1Uと隣り合うように配置されている。第2相ユニット群1Vは、第2相第1電力変換回路ユニット1V1と、第2相第2電力変換回路ユニット1V2と、第2相第3電力変換回路ユニット1V3とを含んでいる。本実施の形態において、第2相ユニット群1Vは、3並列である。第2相第1電力変換回路ユニット1V1は、第1相ユニット群1Uと隣り合うように配置されている。第2相第2電力変換回路ユニット1V2は、第1方向DR1に沿って第2相第1電力変換回路ユニット1V1に対して第1相ユニット群1Uの反対側に配置されている。第2相第3電力変換回路ユニット1V3は、第1方向DR1に沿って第2相第2電力変換回路ユニット1V2に対して第2相第1電力変換回路ユニット1V1とは反対側に配置されている。
【0025】
第3相ユニット群1Wは、第1方向DR1に沿って第2相ユニット群1Vと隣り合うように配置されている。第3相ユニット群1Wは、第3相第1電力変換回路ユニット1W1と、第3相第2電力変換回路ユニット1W2と、第3相第3電力変換回路ユニット1W3とを含んでいる。本実施の形態において、第3相ユニット群1Wは、3並列である。第3相第1電力変換回路ユニット1W1は、第1方向DR1に沿って第2相ユニット群1Vに対して第1相ユニット群1Uとは反対側に配置されている。第3相第2電力変換回路ユニット1W2は、第1方向DR1に沿って第3相第1電力変換回路ユニット1W1に対して第2相ユニット群1Vの反対側に配置されている。第3相第3電力変換回路ユニット1W3は、第1方向DR1に沿って第3相第2電力変換回路ユニット1W2に対して第3相第1電力変換回路ユニット1W1とは反対側に配置されている。
【0026】
第1相第1電力変換回路ユニット1U1、第1相第2電力変換回路ユニット1U2、第1相第3電力変換回路ユニット1U3、第2相第1電力変換回路ユニット1V1、第2相第2電力変換回路ユニット1V2、第2相第3電力変換回路ユニット1V3、第3相第1電力変換回路ユニット1W1、第3相第2電力変換回路ユニット1W2、第3相第3電力変換回路ユニット1W3は、第1方向DR1に沿ってこの順に配置されている。このため、第1相第1電力変換回路ユニット1U1、第1相第2電力変換回路ユニット1U2、第2相第1電力変換回路ユニット1V1および第2相第2電力変換回路ユニット1V2は、第1方向DR1に沿ってこの順に配置されている。
【0027】
望ましくは、第1相第2電力変換回路ユニット1U2、第1相第3電力変換回路ユニット1U3、第2相第1電力変換回路ユニット1V1、第2相第2電力変換回路ユニット1V2、第2相第3電力変換回路ユニット1V3、第3相第1電力変換回路ユニット1W1、第3相第2電力変換回路ユニット1W2および第3相第3電力変換回路ユニット1W3は、第1入力側半導体モジュール1U11と同一の入力側半導体モジュールおよび第1出力側半導体モジュール1U12と同一の出力側半導体モジュールを有している。この場合には、各電力変換回路ユニットの構造が共通にされ得る。よって、各電力変換回路ユニットの製造および組立作業の標準化によって電力変換装置100の製造コストが低減され得る。
【0028】
なお、電力変換装置100が三相電力変換装置であるため、電力変換装置100は少なくとも3つの電力変換回路ユニットを含んでいる。本実施の形態では、電力変換装置100が3相3並列電力変換装置であるため、電力変換装置100は9つの電力変換回路ユニットを含んでいる。電力変換装置100が3相2並列電力変換装置である場合には、電力変換装置100は6つの電力変換回路ユニットを含んでいる。
【0029】
各相のユニット群の各電力変換回路ユニットは、入力側半導体モジュールと、出力側半導体モジュールと、コンデンサとを含んでいる。入力側半導体モジュールおよび出力側半導体モジュールの各々は、それぞれ2つのIGBTモジュールが1つのパッケージに搭載された2in1パッケージとして構成されている。
【0030】
〈第1バスバー2U~第6バスバー3Wの構成〉
第1バスバー2U~第6バスバー3Wは、電流の入出力のためのバスバーである。第1バスバー2U~第3バスバー2Wは、入力側のバスバーである。第4バスバー3U~第6バスバー3Wは、出力側のバスバーである。後述のように電力変換装置100がエレベータ用の制御盤200に適用される場合には、第1バスバー2U~第3バスバー2Wは、主電源側バスバーであり、第4バスバー3U~第6バスバー3Wは、巻上機側バスバーである。本実施の形態において、第1バスバー2U~第6バスバー3Wは、同一平面内に配置されている。
【0031】
本実施の形態において、第1バスバー2Uは、第1相ユニット群1Uに対して第1冷却板4Uとは反対側にのみ配置されている。第1バスバー2Uは、第1相ユニット群1Uに対して第1冷却板4Uとは反対側において同一平面内に配置されている。望ましくは、第1バスバー2Uは、平板として構成されているこの場合には、第1バスバー2Uが立体的に構成されている場合よりも、第1バスバー2Uの実装が容易である。望ましくは、第1バスバー2Uは、第2方向DR2に対して線対称な形状を有している。
【0032】
第1バスバー2Uは、第1相第1電力変換回路ユニット1U1を第1相第2電力変換回路ユニット1U2に電気的に接続している。第1バスバー2Uは、第1相第1電力変換回路ユニット1U1、第1相第2電力変換回路ユニット1U2および第3相ユニット群1Wを互いに電気的に接続している。
【0033】
第1バスバー2Uは、第1相第1接続部2U1と、第1相第2接続部2U2と、第1相第3接続部2U3とを含んでいる。第1相第1接続部2U1は、第1相第1電力変換回路ユニット1U1に電気的に接続されている。第1相第2接続部2U2は、第1相第1接続部2U1に電気的に接続されている。第1相第2接続部2U2は、第1相第2電力変換回路ユニット1U2に電気的に接続されている。第1相第3接続部2U3は、第1相第2接続部2U2に電気的に接続されている。第1相第3接続部2U3は、第1相第3電力変換回路ユニット1U3に電気的に接続されている。
【0034】
第1バスバー2Uの第1相第1接続部2U1および第1相第2接続部2U2は、第1相ユニット群1Uに対して第1冷却板4Uとは反対側において同一平面内に配置されている。上記の平面とは、第1方向DR1および第2方向DR2がなす仮想の平面である。第1相第1接続部2U1、第1相第2接続部2U2および第1相第3接続部2U3は、第1相ユニット群1Uに対して第1冷却板4Uとは反対側において同一平面内に配置されている。第1相第1接続部2U1、第1相第2接続部2U2および第1相第3接続部2U3は、第1冷却板4Uの片側にのみ配置されている。第1相第1接続部2U1、第1相第2接続部2U2および第1相第3接続部2U3は、第1相ユニット群1Uに対して第1冷却板4Uとは反対側にのみ配置されている。
【0035】
第1バスバー2Uには、第1入力側端子2U0が設けられている。第1入力側端子2U0は、入力リアクトル等の部品に繋がる電線またはバスバーが接続される。第1入力側端子2U0から第1相第1接続部2U1を介した第1入力側半導体モジュール1U11までの最短距離および第1入力側端子2U0から第1相第3接続部2U3を介した第1相第3入力側半導体モジュール1U31までの最短距離は、第1入力側端子2U0から第1相第2接続部2U2を介した第1相第2入力側半導体モジュール1U21までの最短距離よりも長い。第1相第1接続部2U1および第1相第3接続部2U3は、第1相第2接続部2U2よりも第1方向DR1において大きい寸法を有している。これにより、第1入力側端子2U0から第1入力側半導体モジュール1U11までの抵抗値、第1入力側端子2U0から第1相第2入力側半導体モジュール1U21までの抵抗値および第1入力側端子2U0から第1相第3入力側半導体モジュール1U31までの抵抗値は、互いに等しくされ得る。
【0036】
第2バスバー2Vは、第2相第1電力変換回路ユニット1V1を第2相第2電力変換回路ユニット1V2に電気的に接続している。第2バスバー2Vは、第2相第1電力変換回路ユニット1V1、第2相第2電力変換回路ユニット1V2および第2相第3電力変換回路ユニット1V3を互いに電気的に接続している。
【0037】
第2バスバー2Vは、第2相第1接続部2V1と、第2相第2接続部2V2と、第2相第3接続部2V3とを含んでいる。第2相第1接続部2V1は、第2相第1電力変換回路ユニット1V1に電気的に接続されている。第2相第2接続部2V2は、第2相第1接続部2V1に電気的に接続されている。第2相第2接続部2V2は、第2相第2電力変換回路ユニット1V2に電気的に接続されている。第2相第3接続部2V3は、第2相第2接続部2V2に電気的に接続されている。第2相第3接続部2V3は、第2相第3電力変換回路ユニット1V3に電気的に接続されている。
【0038】
第2バスバー2Vの第2相第1接続部2V1および第2相第2接続部2V2は、第2相ユニット群1Vに対して第2冷却板4Vとは反対側において同一平面内に配置されている。第2相第1接続部2V1、第2相第2接続部2V2および第2相第3接続部2V3は、第2相ユニット群1Vに対して第2冷却板4Vとは反対側において同一平面内に配置されている。第2相第1接続部2V1、第2相第2接続部2V2および第2相第3接続部2V3は、第2冷却板4Vの片側にのみ配置されている。第2相第1接続部2V1、第2相第2接続部2V2および第2相第3接続部2V3は、第2相ユニット群1Vに対して第2冷却板4Vとは反対側にのみ配置されている。
【0039】
第3バスバー2Wは、第3相第1電力変換回路ユニット1W1を第3相第2電力変換回路ユニット1W2に電気的に接続している。第3バスバー2Wは、第3相第1電力変換回路ユニット1W1、第3相第2電力変換回路ユニット1W2および第3相第3電力変換回路ユニット1W3を互いに電気的に接続している。
【0040】
第3バスバー2Wは、第3相第1接続部2W1と、第3相第2接続部2W2と、第3相第3接続部2W3とを含んでいる。第3相第1接続部2W1は、第3相第1電力変換回路ユニット1W1に電気的に接続されている。第3相第2接続部2W2は、第3相第1接続部2W1に電気的に接続されている。第3相第2接続部2W2は、第3相第2電力変換回路ユニット1W2に電気的に接続されている。第3相第3接続部2W3は、第3相第2接続部2W2に電気的に接続されている。第3相第3接続部2W3は、第3相第3電力変換回路ユニット1W3に電気的に接続されている。
【0041】
第3バスバー2Wの第3相第1接続部2W1および第3相第2接続部2W2は、第3相ユニット群1Wに対して第3冷却板4Wとは反対側において同一平面内に配置されている。第3相第1接続部2W1、第3相第2接続部2W2および第3相第3接続部2W3は、第3相ユニット群1Wに対して第3冷却板4Wとは反対側において同一平面内に配置されている。第3相第1接続部2W1、第3相第2接続部2W2および第3相第3接続部2W3は、第3冷却板4Wの片側にのみ配置されている。第3相第1接続部2W1、第3相第2接続部2W2および第3相第3接続部2W3は、第3相ユニット群1Wに対して第3冷却板4Wとは反対側にのみ配置されている。
【0042】
第1バスバー2Uは、入力側において第1相第1電力変換回路ユニット1U1、第1相第2電力変換回路ユニット1U2および第3相ユニット群1Wを互いに電気的に接続している。第2バスバー2Vは、入力側において第2相第1電力変換回路ユニット1V1、第2相第2電力変換回路ユニット1V2および第2相第3電力変換回路ユニット1V3を互いに電気的に接続している。第3バスバー2Wは、入力側において第3相第1電力変換回路ユニット1W1、第3相第2電力変換回路ユニット1W2および第3相第3電力変換回路ユニット1W3を互いに電気的に接続している。第4バスバー3Uは、出力側において第1相第1電力変換回路ユニット1U1、第1相第2電力変換回路ユニット1U2および第3相ユニット群1Wを互いに電気的に接続している。第5バスバー3Vは、出力側において第2相第1電力変換回路ユニット1V1、第2相第2電力変換回路ユニット1V2および第2相第3電力変換回路ユニット1V3を互いに電気的に接続している。第6バスバー3Wは、出力側において第3相第1電力変換回路ユニット1W1、第3相第2電力変換回路ユニット1W2および第3相第3電力変換回路ユニット1W3を互いに電気的に接続している。
【0043】
〈導体部5の構成〉
導体部5は、相内バスバー51と、相間バスバー52と、第1接続部材53と、第2接続部材54とを含んでいる。相内バスバー51は、第1相第1電力変換回路ユニット1U1を第1相第2電力変換回路ユニット1U2に電気的に接続している。相内バスバー51は、第1相第3電力変換回路ユニット1U3を第1相第2電力変換回路ユニット1U2に電気的に接続している。
【0044】
具体的には、相内バスバー51は、第1入力側相内バスバー511と、第1相第2入力側相内バスバー512と、第1出力側相内バスバー513と、第1相第2出力側相内バスバー514とを含んでいる。第1入力側相内バスバー511は、第1入力側半導体モジュール1U11を第1相第2入力側半導体モジュール1U21に電気的に接続している。第1相第2入力側相内バスバー512は、第1相第3入力側半導体モジュール1U31を第1相第2入力側半導体モジュール1U21に電気的に接続している。第1出力側相内バスバー513は、第1出力側半導体モジュール1U12を第1相第2出力側半導体モジュール1U22に電気的に接続している。第1相第2出力側相内バスバー514は、第1相第3出力側半導体モジュール1U32を第1相第2出力側半導体モジュール1U22に電気的に接続している。望ましくは、第1入力側相内バスバー511は、第1相第2入力側相内バスバー512と同一の形状を有している。望ましくは、第1出力側相内バスバー513は、第1相第2出力側相内バスバー514と同一の形状を有している。望ましくは、第1入力側相内バスバー511、第1相第2入力側相内バスバー512、第1出力側相内バスバー513および第1相第2出力側相内バスバー514は、互いに同一の形状を有している。
【0045】
上記の構成では、半導体モジュール1つあたり1個の端子に対して各相内バスバー51が接続されている。つまり、各相内バスバー51は、各半導体モジュールの一方の端子に接続されている。図10に示されるように、各相内バスバー51は、外側部分を延長することで、各半導体モジュールの他方の端子にも、接続可能な形状であってもよい。例えば、第1入力側半導体モジュール1U11では、第1入力側半導体モジュール1U11は2つの端子を含んでいる。各相内バスバー51は、端子の各々と接続されている。この効果としては、各半導体モジュールから各相間バスバー52への導通抵抗が低減すると共に、各半導体モジュール内で発生する熱の均等化にも繋がる。なお、この形状の場合、すべての相内バスバー51を同一の形状にすることができなくなる。
【0046】
相間バスバー52は、第1相第1電力変換回路ユニット1U1および第1相第2電力変換回路ユニット1U2を第2相ユニット群1Vに電気的に接続している。相間バスバー52は、第1相ユニット群1U、第2相ユニット群1Vおよび第3相ユニット群1Wを互いに電気的に接続している。
【0047】
相間バスバー52は、第1接続点520を含んでいる。第1接続点520は、各コンデンサに電気的に接続されている。第1接続点520には、第1相第1電力変換回路ユニット1U1、第1相第2電力変換回路ユニット1U2および第1相第3電力変換回路ユニット1U3が相内バスバー51および第1接続部材53を介して接続されている。望ましくは、第1相第1電力変換回路ユニット1U1から第1接続点520までの最短距離は、第1相第2電力変換回路ユニット1U2から第1接続点520までの最短距離と等しい。望ましくは、第1相第1電力変換回路ユニット1U1から第1接続点520までの最短距離は、第1相第3電力変換回路ユニット1U3から第1接続点520までの最短距離と等しい。
【0048】
相間バスバー52は、入力側相間バスバー521と、出力側相間バスバー522とを含んでいる。入力側相間バスバー521は、入力側において第1相ユニット群1U、第2相ユニット群1Vおよび第3相ユニット群1Wを互いに電気的に接続している。これにより、入力側において第1相ユニット群1U、第2相ユニット群1Vおよび第3相ユニット群1Wの電位が等しくなる。出力側相間バスバー522は、出力側において第1相ユニット群1U、第2相ユニット群1Vおよび第3相ユニット群1Wを互いに電気的に接続している。これにより、出力側において第1相ユニット群1U、第2相ユニット群1Vおよび第3相ユニット群1Wの電位が等しくなる。望ましくは、入力側相間バスバー521は、出力側相間バスバー522と同一の形状を有している。
【0049】
第1接続部材53は、入力側相間バスバー521に第1入力側相内バスバー511および第1相第2入力側相内バスバー512を接続している。第2接続部材54は、出力側相間バスバー522に第1出力側相内バスバー513および第1相第2出力側相内バスバー514を接続している。第1接続部材53および第2接続部材54は、3つに分岐した形状を有している。第1相第1電力変換回路ユニット1U1から第1接続点520までの第1接続部材53を介した最短距離は、第1相第2電力変換回路ユニット1U2から第1接続点520までの第1接続部材53を介した最短距離と等しい。望ましくは、第1相第1電力変換回路ユニット1U1から第1接続点520までの第1接続部材53を介した最短距離は、第1相第3電力変換回路ユニット1U3から第1接続点520までの第1接続部材53を介した最短距離と等しい。相内バスバー51および相間バスバー52は、第1接続部材53または第2接続部材54の端子部分に例えば共締めによって接続されていてもよい。
【0050】
本実施の形態において、導体部5の材料は、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、真鍮またはこれらの合金等である。導体部5の第1方向DR1の寸法(長さ)は、例えば、100mm以上1000mm以下である。導体部5の第2方向DR2の寸法(幅)は、例えば、10mm以上150mm以下である。導体部5の第3方向DR3の寸法(厚さ)は、例えば、0.5mm以上20mmである。電力変換装置100の並列数が多い場合には、導体部5の寸法はさらに大きくなり得る。相内バスバー51および相間バスバー52の形状は、直線状に限られない。相内バスバー51および相間バスバー52は、制御盤200内における実装しやすさを考慮して、全体的に折り曲げられていてもよいし、部分的に折り曲げられていてもよい。なお、後述のように、導体部5は、プリント基板によって構成されていてもよい。
【0051】
本実施の形態において、電力変換装置100は、複数のボルト6および図示されないナットをさらに含んでいる。複数のボルト6の各々は、導体部5に対して第1冷却板4Uとは反対側に配置されている。複数のナットは、例えば、かしめ加工によって固定されている。かしめ加工によって、組立のしやすさ(組立性)およびメンテナンスのしやすさ(メンテナンス性)が向上する。導体部5は、複数のボルト6および複数のナットによって第1相ユニット群1Uに固定されている。相内バスバー51は、複数のボルト6および複数のナットによって相間バスバー52に接続されている。なお、ボルト6が締結可能な溝がナットの代用として設けられていてもよい。
【0052】
相内バスバー51および相間バスバー52は、第1接続部材53または第2接続部材54と接続部分において接続されている。接続部分に酸化皮膜および汚れが存在する場合または接続部分の平坦度が低い場合には、接続部分の接触抵抗が上昇することにより温度上昇の偏りが生じ得る。このため、望ましくは、導体部5の接続部分にめっきが施される。接続部分にめっきが施されない場合には、金属ブラシ等で接続部分が擦られることで磨かれてから接続されることが望ましい。この場合には、接続部分にコンパウンド等が塗布されることで、信頼性がさらに向上する。
【0053】
複数のボルト6の各々は、第1バスバー2Uに対して第1冷却板4Uとは反対側に配置されている。第1バスバー2Uは、第1バスバー2Uの端部に設けられた穴と第1相ユニット群1Uの端子とが複数のボルト6および複数のナットによって固定されることで、第1相ユニット群1Uに固定されている。
【0054】
〈第1冷却板4U、第2冷却板4Vおよび第3冷却板4Wの構成〉
第1冷却板4U、第2冷却板4Vおよび第3冷却板4Wは、第1方向DR1に沿って並べられている。第1冷却板4U、第2冷却板4Vおよび第3冷却板4Wの材料は、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)または鉄(Fe)等である。
【0055】
第1冷却板4Uは、第1相ユニット群1Uに接続されている。第1冷却板4Uは、第3方向DR3に沿って第1相ユニット群1Uに接続されている。
【0056】
望ましくは、第1冷却板4Uは、ヒートシンクとして構成されている。図2に示されるように、第1冷却板4Uは、ベース部41と、複数のフィン部42とを含んでいる。ベース部41には、第1相ユニット群1Uが接続されている。ベース部41には、第1相ユニット群1Uが例えばねじによって固定されている。ベース部41は、例えば放熱グリスまたは放熱シートを介して第1相ユニット群1Uに接続されている。これにより、第1相ユニット群1Uにおいて生じた熱は、ベース部41を通って拡散される。ベース部41には、図示されないヒートパイプが埋め込まれていてもよい。
【0057】
第1相第1基板1U14は、第1相第1コンデンサ1U13が実装された実装面14aと、実装面14aに対向する対向面14bとを含んでいる。実装面14aは、ベース部41に向かい合っている。望ましくは、対向面14bには、第1相第1コンデンサ1U13等の電子部品が実装されていない。この場合には、対向面14bは、平坦に構成されている。これにより、第1相ユニット群1Uの手前側に電子部品が突出することが抑制され得る。このため、電子部品が実装される実装領域が広がることを抑制され得る。
【0058】
複数のフィン部42は、ベース部41に対して第1相ユニット群1Uとは反対側に向かってベース部41から突出している。ベース部41および複数のフィン部42は、一体成型されていてもよい。複数のフィン部42は、ベース部41にかしめ加工によって接続されていてもよい。複数のフィン部42には、冷却ファン7(図1参照)によって冷却風が送られる。
【0059】
第1冷却板4Uは、第1入力側冷却部4U11と、第1出力側冷却部4U12とを含んでいる。第1入力側冷却部4U11は、第1入力側半導体モジュール1U11に接続されている。第1出力側冷却部4U12は、第1出力側半導体モジュール1U12に接続されている。望ましくは、第1入力側冷却部4U11は、第1出力側冷却部4U12とは別体として構成されている。第1入力側冷却部4U11および第1出力側冷却部4U12は、第2方向DR2に沿って間隔を空けて配置されている。
【0060】
望ましくは、第1入力側冷却部4U11は、第1出力側冷却部4U12とは異なる寸法を有している。第1相第1冷却部の第2方向DR2の寸法は、第1相第2冷却部の寸法とは異なっている。第1相第1冷却部および第1相第2冷却部の寸法は、第1入力側半導体モジュール1U11および第1出力側半導体モジュール1U12で発生する熱に応じて定められる。本実施の形態では、第1入力側半導体モジュール1U11で発生する熱が第1出力側半導体モジュール1U12で発生する熱よりも小さいため、第1相第1冷却部の第2方向DR2の寸法は、第1相第2冷却部の第2方向DR2の寸法よりも小さい。第1相第1冷却部および第1相第2冷却部は、第3方向DR3の寸法において異なっていてもよいし、冷却器の種類において異なっていてもよい。なお、第1入力側半導体モジュール1U11で発生する熱が第1出力側半導体モジュール1U12で発生する熱と同じである場合には、第1入力側冷却部4U11が第1出力側冷却部4U12と同一の寸法を有していることが望ましい。
【0061】
第1入力側半導体モジュール1U11および第1出力側半導体モジュール1U12で発生した熱は、ベース部41および複数のフィン部42を通って拡散される。図1および図2に示されるように、第1冷却板4Uの一方側には、冷却ファン7が配置されている。複数のフィン部42は、冷却ファン7によって冷却される。熱は、冷却ファン7によって第1冷却板4Uの一方側から他方側へ輸送される。冷却ファン7は、第2方向DR2に沿って第1冷却板4Uを冷却するように構成されている。第1冷却板4Uの一方側および他方側の各々には、吸気側風洞81および排気側風洞82がそれぞれ配置されていてもよい。第1ファンによって発生した熱は、吸気側風洞81および排気側風洞82によって複数のフィン部42に集約され得る。図示されないが、冷却ファン7は、第1ファン部と、第2ファン部とを含んでいてもよい。第1ファン部が一方側に配置され、第2ファン部が他方側に配置されていてもよい。
【0062】
図1に示されるように、第2冷却板4Vは、第2相ユニット群1Vに接続されている。第3冷却板4Wは、第3相ユニット群1Wに接続されている。電力変換装置100は、第1の冷却ファン、第2の冷却ファンおよび第3の冷却ファンを含んでいてもよい。この場合には、第1の冷却ファン、第2の冷却ファンおよび第3の冷却ファンは、第1冷却板4U、第2冷却板4Vおよび第3冷却板4Wをそれぞれ冷却するように構成されている。
【0063】
〈変形例の構成〉
図3に示されるように、入力側相間バスバー521および出力側相間バスバー522の各々は、それぞれ第1入力側相内バスバー511および第1出力側相内バスバー513に対して一方側に配置されていてもよい。
【0064】
〈電力変換装置100が適用されたエレベータ用の制御盤200の構成〉
図4および図5に示されるように、本実施の形態の電力変換装置100は、例えば、エレベータ用の制御盤200に適用される。図示されないが、エレベータは、かごと、エレベータ用の制御盤200と、巻上機(モータ)とを含んでいる。エレベータ用の制御盤200は、電力変換装置100と、筐体201と、扉202とを含んでいる。電力変換装置100は、筐体201の内部に収納されている。扉202は、筐体201に対して開閉するように構成されている。かごは、昇降路内を移動するように構成されている。昇降路の上方には、機械室が配置されている。エレベータ用の制御盤200は、昇降路または機械室に配置される。
【0065】
エレベータ用の制御盤200は、エレベータが設置される建物に供給される主電源(商用電源)等から三相交流電力を受電するように構成されている。エレベータ用の制御盤200は、受電した三相交流電力を電力変換装置100によって変換するように構成されている。これにより、エレベータの巻上機(モータ)を駆動するための電力波形が形成される。エレベータ用の制御盤200は、巻上機において発生した回生電力を商用電源に戻すように構成されている。
【0066】
図6は、エレベータ用の制御盤に用いられる電力変換装置100の主回路部分の回路構成を示す回路図である。図6では、第1相第1電力変換回路ユニット1U1の構成要素は、破線によって囲まれている。第1相第2電力変換回路ユニット1U2の構成要素は、一点鎖線によって囲まれている。第1相第3電力変換回路ユニット1U3の構成要素は、二点鎖線によって囲まれている。
【0067】
電力変換装置100の並列数は、電力変換装置100の仕様および負荷に応じて適したものが選択される。図6では、第1相ユニット群1Uは、一対のインバータ回路およびコンバータ回路を有する主回路を含んでいる。
【0068】
主電源PWは、三相交流電力をエレベータ用の制御盤の巻上機Mに供給するように構成されている。三相交流電力は、入力リアクトルR1を介して電力変換装置100に供給される。電力変換装置100は、内部において、第1相ユニット群1U、第2相ユニット群1Vおよび第3相ユニット群1Wによって三相交流電力の波形を変換するように構成されている。
【0069】
主電源PWの三相交流電力によって巻上機Mが動作する場合には、第1相第1電力変換回路ユニット1U1および第1相第2電力変換回路ユニット1U2は、それぞれコンバータ回路およびインバータ回路として機能する。すなわち、主電源PWの三相交流電力によって巻上機Mが動作する場合には、入力側の電力変換回路ユニットおよび出力側の電力変換回路ユニットは、コンバータ回路およびインバータ回路として機能する。電力変換装置100は、各電力変換回路ユニットにおいて変換した三相交流電力を出力リアクトルR2を経由させて巻上機に供給する。
【0070】
巻上機Mから発生する回生電力を主電源PWに戻す場合には、電力変換装置100は、上記とは逆の動作をする。すなわち、巻上機Mから発生する回生電力を主電源PWに戻す場合には、第1相第1電力変換回路ユニット1U1および第1相第2電力変換回路ユニット1U2は、それぞれインバータ回路およびコンバータ回路として機能する。すなわち、巻上機から発生する回生電力を主電源に戻す場合には、入力側の電力変換回路ユニットおよび出力側の電力変換回路ユニットは、インバータ回路およびコンバータ回路として機能する。電力変換装置100は、巻上機Mから発生する回生電力を入力リアクトルR1を経由させて主電源PWに戻す。
【0071】
第1相第1コンデンサ1U13、第1相第2コンデンサ1U23および第1相第3コンデンサ1U33は、平滑コンデンサとして構成されている。すなわち、第1相第1コンデンサ1U13、第1相第2コンデンサ1U23および第1相第3コンデンサ1U33は、コンバータ回路を経由した三相交流電力を平滑するように構成されている。
【0072】
なお、第1相ユニット群1U、第2相ユニット群1Vおよび第3相ユニット群1Wの各々のコンデンサの入力側の電極は、互いに電気的に接続されている。第1相ユニット群1U、第2相ユニット群1Vおよび第3相ユニット群1Wの各々のコンデンサの出力側の電極は、互いに電気的に接続されている。これにより、各コンデンサは、同じ電位に保たれている。
【0073】
本実施の形態において、主に3並列の電力変換装置100が説明されたが、電力変換装置100の並列数は適宜に決められてもよい。ユニット群および導体部5が適宜に組合せられることで2並列または4並列以上の電力変換装置100が実現される。これにより、電力変換装置100の容量が適宜に定められ得る。また、並列数によらず、後述の電流の偏りが発生することが抑制され得る。
【0074】
本実施の形態において、電力変換装置100がエレベータ用の制御盤に適用されたが、電力変換装置100は汎用インバータまたは空気調和機のインバータ等の他の用途にも適用され得る。
【0075】
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
本実施の形態に係る電力変換装置100によれば、図1に示されるように、第1バスバー2Uの第1相第1接続部2U1および第1相第2接続部2U2は、第1相ユニット群1Uに対して第1冷却板4Uとは反対側において同一平面内に配置されている。このため、第1バスバー2Uが第1冷却板4Uを挟み込むように配置されている場合よりも、第1バスバー2Uを短くすることができる。
【0076】
第1バスバー2Uを短くすることができるため、第1相第1電力変換回路ユニット1U1から負荷(巻上機)までの第1バスバー2Uの距離と第1相第2電力変換回路ユニット1U2から負荷までの第1バスバー2Uの距離との差を小さくすることができる。すなわち、第1入力側端子2U0から第1相第1接続部2U1までの距離、第1入力側端子2U0から第1相第2接続部2U2までの距離および第1相第3接続部2U3までの長さの差を小さくすることができる。このため、第1相第1電力変換回路ユニット1U1から負荷までの第1バスバー2Uの抵抗値およびインダクタンス値と第1相第2電力変換回路ユニット1U2から負荷までの第1バスバー2Uの抵抗値およびインダクタンス値との差を小さくすることができる。よって、第1相第1電力変換回路ユニット1U1から負荷までの第1バスバー2Uのインピーダンスと第1相第2電力変換回路ユニット1U2から負荷までの第1バスバー2Uのインピーダンスを小さくすることができる。これにより、電流の偏りが生じることを抑制することができるため、電流の偏りに対する影響を小さくすることができる。なお、本実施の形態の第1バスバー2Uの抵抗値およびインダクタンス値は、第1相ユニット群1Uの構成部品の抵抗値およびインダクタンス値の例えば数分の一の小ささである。よって、第1バスバー2Uの抵抗値およびインダクタンス値が分流の性能に与える影響は小さいため、実使用上、均一な分流の性能が得られる。
【0077】
電流の偏りが生じることを抑制することができるため、電流の偏りによる電力変換装置100の温度上昇を抑制することができる。また、電流の偏りによる電力変換装置100の温度の変動幅を小さくすることができる。これにより、電力変換装置100の製品寿命が電力変換装置100の温度変化によって短くなることを抑制することができる。また、各半導体モジュールの半導体素子の発熱を均一にすることができる。
【0078】
図1に示されるように、第1バスバー2Uの第1相第1接続部2U1および第1相第2接続部2U2は、第1相ユニット群1Uに対して第1冷却板4Uとは反対側において同一平面内に配置されている。このため、第1バスバー2Uが第1冷却板4Uの両側に延在している場合よりも、第1バスバー2Uの形状を単純にすることができ、第1バスバー2Uの寸法および重量を小さくすることができる。これにより、第1バスバー2Uの製造性を向上させることができる。よって、第1バスバー2Uの製造コストを低減させることができる。したがって、電力変換装置100の製造コストを低減することができる。
【0079】
図1に示されるように、第1バスバー2Uの第1相第1接続部2U1および第1相第2接続部2U2は、第1相ユニット群1Uに対して第1冷却板4Uとは反対側において同一平面内に配置されている。このため、第1バスバー2Uが第1冷却板4Uの両側に延在している場合よりも、第1バスバー2Uの奥行き方向(第3方向DR3)の寸法を小さくすることができる。よって、電力変換装置100を容易にエレベータ用の制御盤に適用することができる。
【0080】
図1に示されるように、第1相第1電力変換回路ユニット1U1、第1相第2電力変換回路ユニット1U2、第2相第1電力変換回路ユニット1V1および第2相第2電力変換回路ユニット1V2は、第1方向DR1に沿ってこの順に配置されている。このため、第1バスバー2Uが第2相第1電力変換回路ユニット1V1を跨ぐ必要がない。よって、第1バスバー2Uを短くすることができる。
【0081】
図7を参照して、第1の比較例に係る電力変換装置101は、第4ユニット群1Aと、第5ユニット群1Bと、第6ユニット群1Cとを含んでいる。第1の比較例に係る電力変換装置101では、第4ユニット群1Aの第1相第1電力変換回路ユニットと第1相第2電力変換回路ユニットとの間には、少なくとも第2相第1電力変換回路ユニットが配置されている。これにより、第1の比較例に係る電力変換装置101では、第1バスバーは、第1相第1電力変換回路ユニットと第1相第2電力変換回路ユニットを接続するために第2相第1電力変換回路ユニットを跨ぐ必要がある。よって、第1の比較例に係る電力変換装置101では、第1バスバーは、長い。したがって、第1の比較例に係る電力変換装置101では、第1バスバーのインピーダンスとなる抵抗およびインダクタンス成分が大きい。
【0082】
これに対して、図1に示されるように、本実施の形態に係る電力変換装置100では、第1相第1電力変換回路ユニット1U1、第1相第2電力変換回路ユニット1U2、第2相第1電力変換回路ユニット1V1および第2相第2電力変換回路ユニット1V2は、第1方向DR1に沿ってこの順に配置されているため、第1バスバー2Uが第2相第1電力変換回路ユニット1V1を跨ぐ必要がない。したがって、第1バスバー2Uを短くすることができる。
【0083】
第1バスバー2Uを短くすることができるため、第1入力側端子2U0から第1相第1接続部2U1、第1相第2接続部2U2および第1相第3接続部2U3までのインダクタンス値を小さくすることができる。このため、仮に第1入力側端子2U0から第1相第1接続部2U1、第1相第2接続部2U2および第1相第3接続部2U3までの距離が異なることでインピーダンスが異なる場合でも、インピーダンスの差を相対的に小さくすることができる。これにより、例えば、エレベータ用の制御盤200として用いられる第1相第1電力変換回路ユニット1U1、第1相第2電力変換回路ユニット1U2および第1相第3電力変換回路ユニット1U3の間での電流偏り(電流の差)の基準値が15%と設定された場合に、電流の偏りが基準値を超えることを抑制することができる。例えば、第1バスバー2Uの最も高い抵抗値をその他の部品の抵抗値の10分の1以下に設定し、かつ第1バスバー2Uの最も高いインダクタンス値を他の部品のインダクタンス値の3分の1以下に設定することで、電流の偏りを15%以下に抑えることができる。
【0084】
なお、第1相ユニット群1Uの並列数が偶数(例えば、2)である場合には、第1バスバー2Uを線対称な形状にすることで、容易に第1入力側端子2U0から第1入力側半導体モジュール1U11までの距離と第1入力側端子2U0から第1相第2入力側半導体モジュール1U21までの距離が等しくできる。この場合には、第1入力側端子2U0から第1入力側半導体モジュール1U11までのインピーダンスと第1入力側端子2U0から第1相第2入力側半導体モジュール1U21までのインピーダンスを等しくできる。これにより、電流の偏りが抑制される。
【0085】
なお、第1相ユニット群1Uの並列数が奇数(例えば、3)である場合には、第1バスバー2Uを対称な形状にすることのみでは、第1入力側端子2U0から第1入力側半導体モジュール1U11までの距離、第1入力側端子2U0から第1相第2入力側半導体モジュール1U21までの距離および第1入力側端子2U0から第1相第3入力側半導体モジュール1U31までの距離を互いに等しくすることが困難である。具体的には、第1入力側端子2U0から第1相第2入力側半導体モジュール1U21までの距離は、第1入力側端子2U0から第1入力側半導体モジュール1U11までの距離および第1入力側端子2U0から第1相第3入力側半導体モジュール1U31までの距離よりも長くなる。しかしながら、第1相第2接続部2U2の幅を第1相第1接続部2U1の幅および第1相第2接続部2U2の幅よりも大きくすることで、上記の長さの差を埋め合わせることができ、各抵抗値の差を小さくすることができる。なお、インダクタンス値は、電流が流れる経路長と相関がある。このため、第1相第1接続部2U1および第1相第3接続部2U3のインダクタンス値は第1相第2接続部2U2のインダクタンス値よりも大きいが、上記のように長さの差を埋め合わせることでインダクタンス値の差を相対的に小さくすることができる。
【0086】
第2の比較例に係る電力変換装置では、第1バスバーは、立体的かつ対称な形状を有している。これにより、端子から各半導体モジュールへの第1バスバーの長さの差が小さくされ得る。しかしながら、電力変換装置の並列数が奇数である場合に、第1バスバーの一部の断面積のみが小さくなり得る。例えば、第1バスバーの中央の断面積は、第1バスバーの両端の断面積よりも小さくなり得る。これにより、第1バスバーの温度が不均一に上昇し得る。また、第1バスバーが立体的な形状であることにより、第1バスバーが冷却ファンの風路に突出し得る。これにより、第1バスバーの冷却効率が低下し得る。
【0087】
これに対して、図1に示されるように、本実施の形態に係る電力変換装置100では、第1バスバー2Uの第1相第1接続部2U1および第1相第2接続部2U2は、第1相ユニット群1Uに対して第1冷却板4Uとは反対側において同一平面内に配置されている。このため、第1バスバー2Uの形状を平面的にすることができる。よって、電力変換装置100の並列数が奇数である場合でも第1バスバー2Uの一部の断面積が小さくなることを抑制することができる。また、第1バスバー2Uが冷却ファン7の風路に突出することを抑制することができる。これにより、効率良く第1バスバー2Uを冷却することができる。よって、第1冷却板4Uおよび冷却ファン7を小型化することができる。
【0088】
図1に示されるように、第1入力側半導体モジュール1U11、第1相第1コンデンサ1U13および第1出力側半導体モジュール1U12は、第1冷却板4Uに沿って一直線上に配置されている。このため、第1相第1電力変換回路ユニット1U1の奥行き方向(第1相ユニット群1Uが第1冷却板4Uに接続された第3方向DR3)の寸法を小さくすることができる。
【0089】
図1に示されるように、第1相第1コンデンサ1U13は、基板(第1相第1基板1U14)に実装されている。このため、第1相第1コンデンサ1U13が基板に実装されていない場合よりも、第1相第1電力変換回路ユニット1U1を小型化することができる。
【0090】
図1に示されるように、第1相第1電力変換回路ユニット1U1から第1接続点520までの最短距離は、第1相第2電力変換回路ユニット1U2から第1接続点520までの最短距離と等しい。このため、第1相第1電力変換回路ユニット1U1から第1接続点520までのインダクタンスを第1相第2電力変換回路ユニット1U2から第1接続点520までのインダクタンスと等しくすることができる。また、第1相第1電力変換回路ユニット1U1から第1接続点520までの抵抗値を第1相第2電力変換回路ユニット1U2から第1接続点520までの抵抗値と等しくすることができる。よって、第1相第1電力変換回路ユニット1U1に流れる入出力電流を第1相第2電力変換回路ユニット1U2に流れる電流と等しくすることができる。したがって、入出力電流を均一にすることができる。
【0091】
図1に示されるように、複数のボルト6の各々は、導体部5に対して第1冷却板4Uとは反対側に配置されている。このため、一方向(導体部5に対して第1冷却板4Uとは反対側)から複数のナットの各々にボルト6を締結することができる。よって、第1冷却板4Uの両側から複数のナットの各々にボルト6を締結する場合よりも容易に、ナットにボルト6を締結することができる。また、図5に示されるように、電力変換装置100がエレベータ用の制御盤200に適用された場合には、扉202を開けた正面側からボルト6の締結または取り外しが可能となるため、電力変換装置100の組立作業およびメンテナンス作業を容易に実施することができる。
【0092】
図1に示されるように、第1入力側冷却部4U11は、第1出力側冷却部4U12とは異なる寸法を有している。このため、第1入力側冷却部4U11および第1出力側冷却部4U12のそれぞれの寸法を、第1入力側半導体モジュール1U11および第1相第2接続部2U2のそれぞれの発熱量に適した寸法にすることができる。よって、第1入力側冷却部4U11および第1出力側冷却部が大型化することを抑制できる。これにより、第1入力側冷却部4U11および第1出力側冷却部の製造コストを低減することができる。また、第1入力側冷却部4U11および第1出力側冷却部が大型化することを抑制できるため、第1冷却板4Uの大型化を抑制することができる。したがって、電力変換装置100の大型化を抑制することができる。なお、電力変換装置100が大型化しない場合には、第1冷却板4Uは一体化してもよい。
【0093】
図1に示されるように、冷却ファン7は、第2方向DR2に沿って第1冷却板4Uを冷却するように構成されている。このため、冷却ファン7によって第2方向DR2に沿って風を流すことで、第1冷却板4Uに接続された第1入力側半導体モジュール1U11および第1出力側半導体モジュール1U12を一括して冷却することができる。したがって、電力変換装置100の冷却効率を向上させることができる。
【0094】
図4に示される制御盤200では、下部の開口が吸気口であり、上部の開口が排気口である。図1に示されるように、本実施の形態の電力変換装置100では冷却ファン7によって下方から上方に冷却風が流れる。制御盤200の背面に吸排気口がないことから、制御盤200の背面を壁WAに近付けることが可能になる。その際に、図11に示される一般的な配置のように、制御盤200を床FLに固定するためのアンカーボルトABが制御盤200の底面の四隅に配置されていると、工具を用いるためにアンカーボルトABの周囲に数十cmのスペースTSが必要である。このため、壁WLに制御盤200を近付けることができない。そこで、図12に示されるように、本実施の形態では、壁WA側のアンカーボルトABを制御盤200の前面FSに寄せて配置することで、制御盤200を壁WAに近付けた配置が可能となる。
【0095】
実施の形態2.
次に、図8を用いて、実施の形態2に係る電力変換装置100の構成を説明する。実施の形態2は、特に説明しない限り、上記の実施の形態1と同一の構成および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
【0096】
図8に示されるように、本実施の形態に係る電力変換装置100の第1バスバー2Uは、第1折曲部2U9を含んでいる。第1折曲部2U9は、第1相第1接続部2U1および第1相第2接続部2U2に対して第1冷却板4Uとは反対側に向かって折り曲げられている。第1折曲部2U9は、第1相第1接続部2U1および第1相第2接続部2U2に対して第1冷却部とは反対側に向かって、例えば、直角に折り曲げられている。第1折曲部2U9が折り曲げられる角度は、適宜に決められてもよい。本実施の形態において、第1入力端子は、第1折曲部2U9に設けられている。第1入力端子には、かしめナットが設けられていてもよい。
【0097】
本実施の形態に係る電力変換装置100の第4バスバー3Uは、第4折曲部3U9を含んでいる。第4折曲部3U9は、第1相第1接続部2U1および第1相第2接続部2U2に対して第1冷却板4Uとは反対側に向かって折り曲げられている。第4折曲部3U9は、第1相第1接続部2U1および第1相第2接続部2U2に対して第1冷却部とは反対側に向かって、例えば、直角に折り曲げられている。第4折曲部3U9が折り曲げられる角度は、適宜に決められてもよい。本実施の形態において、出力端子は、第4折曲部3U9に設けられている。
【0098】
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
図8に示されるように、本実施の形態に係る電力変換装置100によれば、第1折曲部2U9は、第1相第1接続部2U1および第1相第2接続部2U2に対して第1冷却板4Uとは反対側に向かって折り曲げられている。このため、第1バスバー2Uが折り曲げられていない場合よりも、第1バスバー2Uの第2方向DR2の寸法を小さくすることができる。よって、電力変換装置100の第2方向DR2の寸法を小さくすることができる。
【0099】
より詳細には、第1バスバー2Uの形状は、第1相ユニット群1Uの並列数によって異なる。仮に、第1バスバー2Uが折り曲げられていない場合には、第1相ユニット群1Uの並列数が増えるほど、第1バスバー2Uの寸法は大きくなる。例えば、3並列の第1相ユニット群1Uに接続された第1バスバー2Uは、第1相第1接続部2U1、第1相第2接続部2U2および第1相第3接続部2U3を含んでいる。また、2並列の第1相ユニット群1Uに接続された第1バスバー2Uは、第1相第3接続部2U3を含んでいない。このため、3並列の第1相ユニット群1Uに接続された第1バスバー2Uは、2並列の第1相ユニット群1Uに接続された第1バスバー2Uよりも複雑な形状を有している。よって、3並列の第1相ユニット群1Uに接続された第1バスバー2Uの第2方向DR2の寸法は、2並列の第1相ユニット群1Uに接続された第1バスバー2Uの第2方向DR2の寸法よりも大きくなることがある。例えば、3並列の第1相ユニット群1Uに接続された第1バスバー2Uの第2方向DR2の寸法は、2並列の第1相ユニット群1Uに接続された第1バスバー2Uの第2方向DR2の寸法の2倍である。また、第1相ユニット群1Uの第2方向DR2の寸法が並列数によって変わる場合には、電力変換装置100が適用されたエレベータ用の制御盤200(図5参照)の筐体201(図5参照)および実装構造等を並列数に応じて個別に設計する必要がある。このため、電力変換装置100の製造コストが増加する。
【0100】
これに対して、図8に示されるように、本実施の形態に係る電力変換装置100によれば、第1折曲部2U9は、第1相第1接続部2U1および第1相第2接続部2U2に対して第1冷却板4Uとは反対側に向かって折り曲げられている。このため、第1相ユニット群1Uが3並列である場合でも、第1バスバー2Uの第2方向DR2の寸法を2並列の第1相ユニット群1Uと同じにすることができる。よって、第1バスバー2Uの第2方向DR2の寸法の増加を抑制することができる。また、第1相ユニット群1Uが3並列である場合でも第1バスバー2Uの第2方向DR2の寸法を2並列の第1相ユニット群1Uの第2方向DR2の寸法と同じにすることができる。したがって、電力変換装置100が適用されたエレベータ用の制御盤200(図5参照)の筐体201(図5参照)および実装構造等を並列数に応じて個別に設計する必要がない。よって、電力変換装置100が適用されたエレベータ用の制御盤200(図5参照)の筐体201(図5参照)および実装構造等を、各並列数において共通にすることができる。これにより、エレベータ用の制御盤200(図5参照)の筐体201(図5参照)および実装構造等を標準化することができる。したがって、エレベータ用の制御盤200(図5参照)の製造コストおよび開発期間を低減することができる。また、エレベータ用の制御案(図5参照)の実装に使用される固定部品を各並列数において共通にすることができる。したがって、固定部品を標準化することができる。
【0101】
図8に示されるように、第1折曲部2U9は、第1相第1接続部2U1および第1相第2接続部2U2に対して第1冷却板4Uとは反対側に向かって折り曲げられている。このため、容易に第1バスバー2Uの位置を作業者の目線の高さと同じにすることができる。よって、電力変換装置100の組立およびメンテナンス時における作業者による作業の効率を向上させることができる。
【0102】
実施の形態3.
次に、図9を用いて、実施の形態3に係る電力変換装置100の構成を説明する。実施の形態3は、特に説明しない限り、上記の実施の形態1と同一の構成および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
【0103】
図9に示されるように、本実施の形態に係る電力変換装置100の導体部5は、プリント基板5Pによって構成されている。プリント基板5Pは、導体パターン58と、絶縁パターン59とを含んでいる。導体パターン58は、例えば、銅箔パターンである。絶縁パターン59は、例えば、ガラス布基材エポキシ樹脂等の絶縁体である。導体パターン58間は、絶縁体によって絶縁されている。導体パターン58間の距離は、使用される回路の使用電圧に応じて設定される。
【0104】
プリント基板5Pには、複数の貫通孔が設けられている。複数の貫通孔は、雌ネジ部と、スルーホールまたはビアホールとを含んでいる。雌ネジ部は、ボルトが締結されるための穴である。スルーホールまたはビアホールは、プリント基板5Pの各層を接続している。
【0105】
図1では、導体部5は、ボルト6およびナットで接続された部分を除いて、互いに接触しないことで導体部5が絶縁されている。これに対して、図9では導体パターン58が絶縁パターン59によって絶縁されることで導体部5が絶縁されている。
【0106】
図9では、プリント基板5Pの表層のみ図示されている。プリント基板5Pは、多層基板であってもよい。この場合には、導体パターン58を増加させることで、通電時のプリント基板5Pの温度上昇を抑制することができる。
【0107】
なお、図9ではプリント基板5Pが1枚の基板によって構成されているが、プリント基板5Pは複数の基板によって構成されていてもよい。例えば、電力変換装置100の第1方向DR1の寸法が大きいことにより1枚の基板のみによってプリント基板5Pを構成することが困難である場合には、プリント基板5Pは複数の基板によって構成され得る。複数の基板は、各相のユニット群に接続される。複数の基板同士は、バスバーによって接続される。また、例えば、2層のプリント基板5Pが2枚使われることで、導体部5が複数のプリント基板5Pによって構成されていてもよい。
【0108】
続いて、本実施の形態の作用効果を説明する。
本実施の形態に係る電力変換装置100によれば、図9に示されるように、導体部5は、プリント基板5Pによって構成されている。仮に図1に示されるように導体部5が複数の部品(例えば、相間バスバー52および相内バスバー51)を含んでいる場合には、各部品を1つずつボルト締結によって各相のユニット群に接続することで電力変換装置100を組み立てる必要がある。これに対して、本実施の形態によれば、プリント基板5Pを各相のユニット群に対して接続することのみで電力変換装置100を組み立てることができる。このため、電力変換装置100の組立時の工数を減らすことができる。
【0109】
図9に示されるように、導体部5は、プリント基板5Pによって構成されている。このため、導体部5の奥行き方向(第3方向DR3)の寸法は、プリント基板5Pの厚みである。このため、図1に示されるように導体部5が複数の部品(例えば、相間バスバー52および相内バスバー51)によって構成されている場合よりも、導体部5の奥行き方向(第3方向DR3)の寸法を小さくすることができる。
【0110】
実施の形態4.
次に、図13を用いて、実施の形態4に係る電力変換装置100の構成を説明する。実施の形態4は、特に説明しない限り、上記の実施の形態1と同一の構成および作用効果を有している。したがって、上記の実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
【0111】
実施の形態1では電力変換回路ユニットごとに1枚ずつ基板が配置されているが、図13に示されるように本実施の形態では、1相につき1枚の基板が配置されている。図1に示される実施の形態1の電力変換装置100は、3相3並列分の電力変換回路ユニットで構成されており、電力変換回路ユニットの数は9つである。図1ではコンデンサが搭載された基板は9枚であるが、本実施の形態では1相ごとに1枚になるため、計3枚の基板が使用される。コンデンサの数に変更はないため、基板のサイズは大きくなる。
【0112】
例えば、第1相ユニット群1Uでは、第1相第1コンデンサ1U13と、第1相第2コンデンサ1U23とは同一の基板に実装されている。
【0113】
コンデンサを搭載した基板を1相ごとに集約することで、基板間を接続していた相内バスバー51の役割を基板内の導体パターンで担うことが可能となり、使用する部品の削減が可能となる。
【0114】
基板内の導体パターンはコンデンサのプラス側電位とマイナス側電位のパターンが対向した状態で配置されている。基板を1相ごとに集約した際には、基板内部のこれらの同電位となるパターンは基板内部で接続される。基板の導体パターンは薄い銅箔により構成されているが、同一相のコンデンサを搭載した基板を1枚にすることで、従来分断されていた基板間の広範囲において導体パターンを接続することが可能となり、銅またはアルミニウムで構成されている相内バスバーと同等の導電性能を確保することができる。また、相内バスバー51が削減できることから、電力変換装置100の軽量化につながる。
【0115】
相間バスバー52と接続するために、実施の形態1から形状を変更した相内バスバー51が使用される。本実施の形態では、相内バスバー51は、入力側相内バスバー51aおよび出力側相内バスバー51bを含んでいる。コンデンサに流れる電流を均一化するために、相内バスバー51は、電力変換回路ユニットの間に設けられた端子と接続することを基本とする。図13に示される3相3並列の電力変換装置100の場合は、基板上に2か所の端子が設けられている。3相2並列の電力変換装置100の場合は、端子は1か所となり、相内バスバー51は不要であり、相間バスバー52に直接接続することができる。
【0116】
この端子は相内バスバー51をボルトで固定できるように、ねじ山が設けられたものであれば作業性が向上するが、他の部品と干渉しなければ、基板に設けた穴を使用してナットなどで締結することも可能である。また、導電性の高い材料を使用したスペーサが基板と相内バスバー51の間に配置されてもよい。端子の素材は導電性の高い銅またはアルミニウムの合金などが使用される。端子を使用する例が記載されているが、基板のパターンに直接接触させて通電させる方法も可能である。
【0117】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0118】
1U 第1相ユニット群、1U1 第1相第1電力変換回路ユニット、1U2 第1相第2電力変換回路ユニット、1U11 第1入力側半導体モジュール、1U12 第1出力側半導体モジュール、1U13 第1相第1コンデンサ、1V 第2相ユニット群、1V1 第2相第1電力変換回路ユニット、1V2 第2相第2電力変換回路ユニット、2U 第1バスバー、2U1 第1相第1接続部、2U2 第1相第2接続部、2U9 第1折曲部、2V 第2バスバー、2V1 第2相第1接続部、2V2 第2相第2接続部、4U 第1冷却板、4U11 第1入力側冷却部、4U12 第1入力側冷却部、5 導体部、5P プリント基板、51 相内バスバー、52 相間バスバー、6 ボルト、7 冷却ファン、100 電力変換装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14