(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】檜のサイクルバイオ燃料からの檜精油回収装置
(51)【国際特許分類】
C11B 9/02 20060101AFI20241015BHJP
【FI】
C11B9/02
(21)【出願番号】P 2023178969
(22)【出願日】2023-10-17
【審査請求日】2023-10-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504132962
【氏名又は名称】原田 哲男
(73)【特許権者】
【識別番号】513042469
【氏名又は名称】大分精密工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】521415789
【氏名又は名称】日研輝工株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】523393977
【氏名又は名称】株式会社権藤製材所
(72)【発明者】
【氏名】原田 哲男
(72)【発明者】
【氏名】権藤 敏裕
(72)【発明者】
【氏名】賀来 誠
(72)【発明者】
【氏名】遠入 勝好
【審査官】井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-305249(JP,A)
【文献】特開2003-253269(JP,A)
【文献】特開昭63-135494(JP,A)
【文献】特開2019-031454(JP,A)
【文献】特開2011-101377(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11B 9/02
B09B 1/00- 5/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製材(13)を充填した木材蒸気乾燥釜100からの排蒸気から及び/又は釜の底部溜部からの薄精油から濃厚な精油を回収する精油回収装置であって、
前記精油回収装置は、木材蒸気乾燥釜(100)の下部に設置され蒸気吸引排気管(14)からの排気蒸気から精油を回収する第一精油回収装置(200)と、前記木材蒸気乾燥釜(100)の低部に溜まる薄い精油と木材屑とから精油を回収する第二精油回収装置(300)とからなり、
前記
第一精油回収装置(200)は、前記蒸気吸引排気管(14)に排気フアン(201)を介して精油回収ドラム(204)の入側に連通し、前記精油回収ドラム(204)は内部には管径方向に放射状に且つ管長手方向に配置の保持突起梁(206)に複数のフェラト磁石列(207)をNとS極を交互に配列し、前記保持突起梁(204)間に管径方向に放射状に且つ管長手方向に至るメタリン酸アルミニウムAl(PO
3)
3を溶射又は鍍金した触媒突起梁(208)を配置してなり、
前記第二精油回収装置(300)は、竪型で分割型の回収塔(305)を有し、前記回収塔(305)は、最下段筒(306)と最上段筒(307)とこれら間に分離可能に接続した複数の中間筒(308、309、310)を接続し、前記最下段筒(306)と最上段筒(307)は、内部に電磁波を発生する精油作用の促し用のフェラト磁石(300F)を配列し、
前記回収塔(305)内には、前記各筒内に
前記木材屑を交換可能に充填すると共に、前記木材蒸気乾燥釜(100)の低部に溜まった薄い精油を導入して、濃厚な精油を回収することを特徴とする檜のサイクルバイオ燃料からの檜精油回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥釜からの木材乾燥排気蒸気を余すことなく利用して燃料バイオマス、木削、皮、鋸削等の木材から檜精油を回収し、回収後の木材は乾燥釜への蒸気供給ボイラーへのバイオマス燃料に再利用して「カーボンニュートラル」を有利に実現させる「檜のサイクルバイオ燃料からの檜精油回収装置」に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、大気放散していた木材乾燥排気蒸気を熱源として従来この乾燥釜の蒸気の元と成るバイオマス燃料から檜オイル等の精油を取り出す両方を使うことで50~70年と長期間かかって木材の精油を取り出すというトコトン再利用することで安い精油を供給する。
【0003】
前記排気蒸気中にはタール成分が多いため、従来の精油は主力が葉っぱである。このためタール分は非常に少ないが檜自体は抗菌性を持ち精油(テンペル)の外フェノール類、アルカロイド、脂肪酸を持つことで杉等と比較すると何百年の建築物として使われていた。
【0004】
而して、木材の主成分は、セルロースとリグニンであり、建築材として使うには材木中の水分(150%±10%含有)を自然乾燥でmin15~20%に除去するには1~2年かかるため、強制的に蒸気乾燥(70℃~140℃)して6~10日掛けて水分を除去していた。
セルロースが60~70%でリグニンが40~30%含有する木材の蒸気乾燥は外側から始まるので急激な脱水は材木の背割れに繋がる。このため一般に経験と釜内木材量に応じてコンピュータ運転で過乾燥による割れは少なくなった。しかし材木中のヤニは育った土地環境にも左右される。つまり生木に対する肥料(落ち葉や無機化合物)や日照状態で年輪(成長の差)(含有水分の差)があり製材メーカーの経験が大きく影響する。
【0005】
例えば、特許文献1には「木材乾燥廃液から芯材成分の回収方法」が紹介されている。
この方法において、芯材部のリグニン部に多いヤニや精油は、木材自身が持つ自己防衛物質であるため抗殺作用が強く、特に白蟻防止に適すとある。
油分は回収蒸気を冷却して水分と分離して使うが大部分回収法である。
アンモニア消臭効果、植物成長促進効果、セメント凝結調整効果、生理活性を有する為、芳香剤、アロマセラピー用精油、浴槽剤に等多くの利用用途があるとしている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】木材化学講座4 海青社 化学 城化進・鮫島一彦
【文献】長野県 カラマツ林とヤニ
【文献】宮崎県 2-1-1 スギ成分の化学有効利用に関する研究
【文献】喜多製材 吉野ひのき精油・樹液水
【文献】木材乾燥の特徴を知って最適な乾燥方法を選ぶ
【文献】樹木の顔 日本木材学会抽出成分と木材利用研究会(2002年3月31日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
木材乾燥が一般の乾燥と大きく異なるのは比較的高い温度の水蒸気中で乾燥されることである。水蒸気加熱式乾燥釜よりの排出蒸気もすでに木材中の精油を含んでいる。
このため本発明は、燃料として使うバイオマス燃料中より排気蒸気の精油とバイオマス燃料中の精油の両方を取り、100%無駄をなくし、しかも精油回収後のバイオマス燃料はそのまま」サイド燃料として再利用することを可能にした装置を提供する。
前記燃料として使うバイオマス燃料は主に檜製材鋸削と檜皮と細材、チップ等の木屑である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を満足させる本発明における主な技術構成は、次の(1)の通りである。
(1)、製材(13)を充填した木材蒸気乾燥釜100からの排蒸気から及び/又は釜の底部溜部からの薄精油から濃厚な精油を回収する精油回収装置であって、
前記精油回収装置は、木材蒸気乾燥釜(100)の下部に設置され蒸気吸引排気管(14)からの排気蒸気から精油を回収する第一精油回収装置(200)と、前記木材蒸気乾燥釜(100)の低部に溜まる薄い精油と木材屑とから精油を回収する第二精油回収装置(300)とからなり、
前記第一精油回収装置(200)は、前記蒸気吸引排気管(14)に排気フアン(201)を介して精油回収ドラム(204)の入側に連通し、前記精油回収ドラム(204)は内部には管径方向に放射状に且つ管長手方向に配置の保持突起梁(206)に複数のフェラト磁石列(207)をNとS極を交互に配列し、前記保持突起梁(204)間に管径方向に放射状に且つ管長手方向に至るメタリン酸アルミニウムAl(PO3)3を溶射又は鍍金した触媒突起梁(208)を配置してなり、
前記第二精油回収装置(300)は、竪型で分割型の回収塔(305)を有し、前記回収塔(305)は、最下段筒(306)と最上段筒(307)とこれら間に分離可能に接続した複数の中間筒(308、309、310)を接続し、前記最下段筒(306)と最上段筒(307)は、内部に電磁波を発生する精油作用の促し用のフェラト磁石(300F)を配列し、
前記回収塔(305)内には、前記各筒内に前記木材屑を交換可能に充填すると共に、前記木材蒸気乾燥釜(100)の低部に溜まった薄い精油を導入して、濃厚な精油を回収することを特徴とする檜のサイクルバイオ燃料からの檜精油回収装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、前記第一精油回収装置(200)前記第二精油回収装置(300)により、木材蒸気乾燥釜(100)からの排出蒸気の中の70~140℃の芳香蒸留水中の精油、タール、アルコール類(多糖)等の有効成分液を殆ど全量回収して、精油とアルコール類(多糖)は人間活動場所に供給し、タールは燃料に供給することで50~70年生育した木材を100%活用することを可能にしたのである。
本発明は前記特徴の技術構成により、水蒸気乾燥釜(100)からの排出蒸気を、キューリ点:470℃と高いフェライト磁石の磁励振動力にて気体(水蒸気)を液体にすると共に、該多段圧縮法を組み合すことで濃厚な精油を回収することを可能にした。
即ち、燃料として使うバイオマス燃料中より排気蒸気の精油とバイオマス燃料中の精油の両方を100%無駄なく回収して、しかも精油回収後のバイオマス燃料はそのままボイラー等への燃料として再利用することを可能にしたのである。
【0010】
本発明の作用効果の詳細は次のとおりである。
本発明は、あくまで水蒸気乾燥釜からの底溜水(薄精油に近い)及び排気蒸気の処理であるが、その前段の水蒸気乾燥釜における檜蒸気乾燥手順は、製材メーカーが決めるいろいろな公知方法であり特に限定されない。
本発明が対象とする水蒸気乾燥釜からの排気蒸気は、好ましくは1g:539kcalの熱を保有した蒸気である。排気蒸気の吸気側だけでこの熱量コントロールすればよい。このコントロールは例えば赤外線温度センサーにて70℃から140℃を測定し、この範囲内になるように吸気側排気ファン量をコントロール(回転数変化)すれば自動的に該排気水蒸気温度にすることが出来る。つまり乾燥釜側の温度は降げ過ぎることはできない。
超高温乾燥材釜上部から高温度の蒸気を供給して室内の過熱管(ラジアントチューブ)によりで強制的に循環させる。
このため排気蒸気圧と温度が精油回収を左右するので、蒸気は1gが100℃の水となる539kcalの熱が放出されるが精油外は柱と板材では加熱時間が3日~6日と長期となるため成分も変化する。
【0011】
水蒸気乾燥釜の排気蒸気から及び前記底溜水(薄精油に近い)から回収した檜の濃厚な精油は森林浴をする香である。檜風呂は体全体で味わう成分で、モノペルテン類とセスキペルテン油が程よく混じっているため、リフレッシュ効果とリラックス効果が同時に味わえるので疲労感やストレスを和らげる効果が大きい。又、結構促進作用があるため冷え性のも効果がある。さらに殺菌効果もある為ダニなどの防虫に役立つ。
濃厚な精油での精浴の主成分はカジメ-1.4ジェン:22%、α-ピネン:20%、α-カツノール:残である。
従来は100%現地肥料であった檜の最先端部の葉を回収して作る為。非常に高価となる。アマゾン-10mℓで1980~2200円と非常に高価である。
本発明は、従来、ほとんどを大気放散していた木材蒸気乾燥釜の乾燥排気蒸気から精油を回収する装置である。つまり該乾燥排気蒸気には精油が既に多量に含有している。更にバイオマス燃料である檜皮、檜製材の鋸削、間引き材(径10mm以下)、チップ等にも精油が残留している。
これ等は従来乾燥蒸気の燃料であったが、この燃料中の精油も同時に回収し、回収後のバイオマス燃料はボイラーなどへの再燃料とする。このため量的にも多くの精油が回収することができ、精油回収コストは大幅に低減する。
檜オイルの使用例として、例えば病室中にオゾンと一緒に噴射すれば0.01~0.05mmg/L(O3)+檜オイル:(水1000ccに対して10cc)で病室が森林浴となり、MRA(耐性菌)も殺すと共に入院患者の心を穏やかに元気にするなど安価で鎮静効果+神経強壮効果を生ましめる等々の優れた作用効果を呈する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明装置の実施例装置の概略全体説明図である。
【
図2】
図1の矢視A-Aからの横断面説明図である。
【
図3】
図1に示す第二精油回収装置301の回収塔305の各塔の分離可能部の開閉式目皿部の構造を示す説明図である。
【
図5】檜精油の芳香基本骨格の中で芳香核構造例を示す図
【
図6】C
6-C
3-C
3-C
6の骨格を持つ化合物の構造を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1において、本例装置は、木材を充填した木材蒸気乾燥釜100の下部の蒸気吸引排気管101からの吸気排気蒸気から精油を回収する第一精油回収装置200と、木材屑を充填して該木材屑からと、木材蒸気乾燥釜100のからの底溜り薄い精油を導入して濃い精油を精製する第二精油回収装置300とからなる。
【0014】
木材蒸気乾燥釜100は上部にボイラー10の蒸気供給管11を接続し、蒸気供給管11からの高温度の蒸気を釜内配置のラジアントチューブ12に供給して、釜内に蒸気を吹き出し導入し、釜内部に充填してある前記製木材13をくまなく蒸気乾燥する。釜内木材14を蒸気乾燥した後の蒸気は釜底部の蒸気吸引排気管14から排出される。
このため木材蒸気乾燥釜100の蒸気温度は蒸気供給管11側(140℃)>吸引排気管14側(100℃)となる。
【0015】
第一精油回収装置200は、前記蒸気吸引排気管14に排気フアン201(シロップフアン)を介して精油回収ドラム204の入側のエジェクター202に接続し、精油回収ドラム204内で精油を精製して精油回収ドラム204の下部底部に接続の採取管205から溜り部210に収集する。一方精油回収済みの蒸気はドラム出側の排出管203から大気放出する。
精油回収ドラム204は内部には
図2に示すように管長手方向に放射状に配置の保持突起梁206に多数交互に磁極配列したフェラト磁石207(一個700~800G)列と、前記保持突起梁206間に配置のメタリン酸アルミニウムAl(PO
3)
3の溶射又は鍍金の触媒突起梁208とからなり、蒸気を電磁波中で素早く液化し精油を取り込む。この構成で木材蒸気乾燥釜100の前記前記吸引蒸気排気管14からの精油含有乾燥排気蒸気から濃厚な精油を確実に回収するのである。
第一精油回収装置200は、キューリ点が470℃と高いフェラト磁石207を主力としこの励磁効果と触媒突起梁208のメタリン酸アルミニウムAl(PO
3)
3触媒で回収蒸気を短時間で精油と水の液体にすると同時にタール分の除去を可能にしたのである。
【0016】
前記第二精油回収装置300は、木材蒸気乾燥釜100からの蒸気と底部の主溜り部301の薄精油を配管ダクト302と吸引ポンプ303を介して受給する竪型で5分割型の多段回収塔305を主体とする。
5分割型の回収塔305は、内部で電磁波を発生して精油作用を促すためのフェラト磁石300Fを配列した最下段筒306と最上段筒307と、この最下段筒306と最上段筒307との間にパッキンPKとVバンドクランプCRで分離可能に接続した中間筒308、309、310を接続して構成してある。
前記木材蒸気乾燥釜100の底部の複数各所に溜った薄精油を排管320から受けて貯留した排水枡321からの薄精油は、収集パイプ322からポンプ323により貯留タンク324に一旦貯留される。各中間筒308、309、310各々には、同貯留タンク324から貯留薄精油が分配供給される。
前前記記溜り部210からの濃厚精油も同貯留タンク324に導入してもよい。
5分割型の回収塔305の中間筒308、309、310は、内部に未処理の檜皮、檜製材の鋸削、間引き材などの屑木材330を充填してあり、同屑木材からの抽出精油と、木材蒸気乾燥釜100の301からの薄精油と、貯留タンク324から貯留薄精油と共に濃厚な精油を抽出精製し回収するものである。
前記第二精油回収装置300は、最下段筒306と最上段筒307において配置のフェラト磁石300Fは前例同様に励磁効果とキューリ点が470℃高くしかも一個700~800Gの磁石を300~500個それぞれの筒内に配列して、水蒸気を短時間で精油と水の液体にすると同時にタール分の除去を可能にしてある。回収塔305内の精油は最下段筒306の下部に溜り回収される。
加熱処理で精油が回数された内部の充填木材は、5分割型の回収塔305の中間筒308、309、310をクランプKRを外して分離し、分離した中間筒各々の底部の開閉式目皿部を開いて中の材木を受け容器内に回収して木材蒸気乾燥釜100用の蒸気ボイラ10等に燃料として再利用される。
開閉式目皿部は通気・液孔を有し、
図3に示すように90度の自重式下降の両開き式の扉311と312からなり、この中央部の重なり端部に設けた仕切りのピン313を外すと扉311と312が左右に90度自然開放し内部充填屑木材を排出交換可能にする仕組みである。
最上段筒307を通過した排気蒸気は、レジューサー314から配管ダクト315、又レジューサー316を経て迎流式の水冷式冷却塔317(ファンを有する空冷塔でも良い)に送られて空気と分離され液化される。この液化されたものの中にも精油が残存しており、結果的に略100%の精油が回収することが出来る。
【0017】
前記第二精油回収装置301の好ましい仕様について、最下段筒306と最上段筒307は鉄の上にNi-P(カゼイン)メッキして強磁性体にして内部にフェライト磁石600F(700×500mm)を35個を設けて強地場を形成し、ここでフレミングの法則で電流が生ずる。この電流発生により流れる加熱蒸気中でも触媒があれば精油の回収がより迅速である。触媒としてはメタリン酸アルミニウムAl(PO3)3:分子量263.9の溶射又は鍍金である。母材にはSS400鋼管でカニゼン鍍金(SS+NI-Pメッキ)Alのパンチングを採用しこれの母材に安価なAl(PO3)3粉末を溶射又は鍍金をしたパンチングメタルとして水蒸気中への反応を早くし、充填してあるバイオ燃料木材中の精油を90%以上の回収を可能にしている。これは木材蒸気乾燥釜100からの排気蒸気中の檜オイルと精油の分離が(+)→(-)の電位差により促進されるのである。
因みにAl(PO3)3はAl2O3の原料として使われるためAl2O3セラミックは硬度、耐熱性、耐蝕性、熱伝導性にも優れている。Alパンチングメタル上にH2PO3中でAl(PO3)3を作る所謂アルマイト処理と同じ効果が得られるのと同じである。
【0018】
而して、前記第一精油回収装置200における溶射触媒突起梁208の前記メタリン酸アルミニウムAl(PO3)3は、木材の中心のリグニンから芳香炭素化水素の触媒となることは、粉末溶射又は鍍金して用いることでPt、Rd、Pd、Inなどの白族高価なる触媒は不要であるとの新知見が東大論文で紹介されている
つまりメタリン酸アルミニウムAl(PO3)3は、セルロース(C6H10O5)、リグニン(C5H7O3)、中の水素に反応して炭水化物中のCHOの配列を様々に変化させる働きとして触媒の作用をする、イオン化よりも鉄(95%)+Alパンチグメタルに鍍金又は溶射することで電磁波中ではフェライト磁石の磁励効果で素早く蒸気を液化し精油を回収する。
【0019】
メタリン酸アルミニウムAl(PO
3)
3は、アルマイト処理法でも有効である。前処理として脱脂、(水洗)、中和(水洗)、硫酸又はしゅう酸をつかってAl
2O
3をAlの表面に作るのがアルマイト処理と言うが最後のH
2SO
4をリン酸H3PO3とすることで、
Al+3H
3PO
3→Al(PO
3)+3H
++3e
-
となり簡単に作れる。直接Al(PO
3)
3を粉体溶射又は鍍金する場合は熱が発生するため、歪の発生はパンチグ平板Al板のため曲がりを発生させる。化学鍍金とし硫酸(H
2SO
4)の代わりにリン酸(H
2PO
3)中でメタリン酸アルミニウムとする。
Al(PO
3)パンチグメタル(Al)中を排気蒸気が通過するとリグニンの化学構造(参照
図4)は非常に複雑になり、単一の結合様式は存在しない。種々様々にメタリン酸アルミニウム触媒としての働きが出来やすいリグニンの化学構造物となって生まれ回収される。
【0020】
檜精油の芳香基本骨格の中で芳香核構造をなすものは
図5に示すP-ヒドロキシフェニールとグアイアシルトシリンギルの3種である。
リグニンは炭水化物複合体であるため強地場通過水蒸気が電解蒸気としてバイオマス燃料中の精油を素早く抜き取る、H
2O↑→H
2Oとなって精油がH
2Oの中に溶け込む。この時触媒となるのがAl(PO
3)
3である。
【0021】
乾燥排気蒸気中には木材中の糖質(炭水化物-C11H20O11)を含んでいる。木材の抽出成分としての炭水化物は単糖類、オリゴ糖、及び多糖類である、そのほかに辺材部からD-グルコース、フルクトース、スクローズ、澱粉、α1-4結合の直鎖成分のアミローズ、(20~25%)、α1-6結合で枝分水構造のアミロペクチン、(75~81%)から構成されている水蒸気である。
比重差によって分離した材質の中にはこれら糖分が残っているため木材を培養基質とする「キノコ」栽培に使うと各種キノコの菌系の伸長に影響を与える作用が大きく精油以外の用途も多大である。
【0022】
リグナンはリグニンと混同しやすいがリグニンの構成単位であるフェールプロパン(C
6-C
3)が側鎖のβ位の炭素間で2分子結合したC
6-C
3-C
3-C
6の骨格を持つ一群の化合物で一般に多糖体である。
排気蒸気に溶け込んでいるのは、グアヤレチン酸(C
20H
24O
4)、ヒノキニン(C
20H
18O
6)、ビノレジノール(C
20H
22O
6)のみであり、C,H,Oのバランスにて溶解融点の上下が見られる。フェライト磁石の磁力線の中を水蒸気が通過する際、遊離水素H
+e
-の電位差によりHが多いほど低融点になる。
融点の差は分子量:328~358は(226~250±2)と低くなるが分子量320~360間が理想的である。
参考
図6に示す化合物a,b,c,d,e,fはC
6-C
3-C
3-C
6の骨格を持つ化合物である。リグナンはリグニン構式単位である。
【0023】
リグニンとは植物の細胞壁の構成成分のひとつであり、芳香系モオマーが重合して高分子のフェノール性化合物で「木材」を意味するラテン語である。化学構造はベンゼン環に炭素が3個付いたフェノールプパン型の炭素骨格からなりこれらが多数互いに側鎖と側鎖、ベンゼン環と側鎖の間で結合した樹枝状構造を持ち分子量5%以上の重合体であるため多くの溶媒に不溶である。紙メーカーはそのためパルプに亜硫酸処理してリグニンを可溶化して除去している。排気蒸気を冷却しただけでは単純に精油の回収は困難であるそのため本発明では触媒と磁力を活用している。セルローズ、リグニン中に含まれる精油は加熱蒸気によってのみ抽出されるが、全重量の0.001~0.003%程度の回収率である。1釜40m3
と仮定すると16kg~48kg(水質中2~3% 、320cc~960cc)程度の回収量である。10ml:2000円でのアマゾン販売も高価なのか判明する。いかに安く多量に回収できるかは未経験のため実験改良して決定しなければならない。
【0024】
水、空気と世の中あらゆるものが循環することで成り立っているが、製材後は植樹して次の時代に繋ぐという非常に気の長い資源確保が国土保全機能の役目を成立させている。そのため本発明は蒸気乾燥窯よりの排気蒸気は精油以外にメタンガス(C2H4)のような地球環境の温暖化ガスや多くの糖質も排出するのでこれらを一滴も無駄にすることなく回収して、「カーボンニュートラル」を実現させるのである。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、前述の優れた作用効果を呈するものであり、林産業界、香り産業界等に貢献する事多大なものがある。更にこの業界を通じて世界の「カーボンニュートラル」に貢献すること多大なものがある。
【符号の説明】
【0026】
10:ボイラー
11:蒸気供給管
12:ラジアントチューブ
13:木材
14:蒸気吸引排気管
100:木材蒸気乾燥釜
200:第一精油回収装置
201:吸引排気フアン
204:精油回収ドラム
206:保持突起梁
207:フェラト磁石
208:触媒突起梁
300:第二精油回収装置
301:配管ダクト
302:吸引ポンプ
305:5分割型の回収塔
300F:フェラト磁石
306:最下段筒
307:最上段筒
PK:パッキン
CR:Vバンドクランプ
308、309、310:中間筒
311と312:開閉式目皿部自重式の両開き式の扉
314:レジューサー
315:配管ダクト
316:レジューサー
317:迎流式の水冷式冷却塔
308:木材屑等の木材屑
320:収集配管
321:ポンプ
322:タンク
【要約】 (修正有)
【課題】板製材の蒸気乾燥排気釜から排出される蒸気中の精油と燃焼前のバイオマス燃料中の精油の両方を回収する檜精油回収装置を提供する。
【解決手段】木材13(製材)を充填した木材蒸気乾燥釜100からの排気蒸気と釜底溜り薄精油とから濃い精油を回収する精油回収装置であって、精油回収装置は、木材蒸気乾燥釜100の蒸気吸引排気管14からの排気蒸気から精油を回収する第一精油回収装置200と、前記木材蒸気乾燥釜100の低部に溜まる薄い精油と未処理の檜皮、檜製材の鋸削、間引き材などの木材屑308とから精油を回収する第二精油回収装置とからなり、特定の第一精油回収装置200と、特定の第二精油回収装置とからなる、濃厚な精油を回収することを特徴とする檜のサイクルバイオ燃料からの檜精油回収装置。
【選択図】
図1