(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】心臓グラフィックディスプレイシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/339 20210101AFI20241015BHJP
A61B 5/346 20210101ALI20241015BHJP
【FI】
A61B5/339
A61B5/346
(21)【出願番号】P 2021573753
(86)(22)【出願日】2020-06-09
(86)【国際出願番号】 US2020036754
(87)【国際公開番号】W WO2020251918
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-02-15
【審判番号】
【審判請求日】2024-05-09
(32)【優先日】2019-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520414837
【氏名又は名称】ベクトル メディカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151987
【氏名又は名称】谷口 信行
(72)【発明者】
【氏名】ヴィロンコ クリストファー
【合議体】
【審判長】樋口 宗彦
【審判官】▲高▼見 重雄
【審判官】伊藤 幸仙
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0128758(US,A1)
【文献】特表2008-534165(JP,A)
【文献】特表2007-522536(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0234362(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0270703(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B5/00-5/0538
A61B5/06-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の電磁波(「EM」)源の評価を支援する情報を提示する1又は2以上のコンピュータシステムであって、
コンピュータ実行可能命令を記憶する1又は2以上のコンピュータ可読記憶媒体と、
前記1又は2以上のコンピュータ可読記憶媒体に記憶された前記コンピュータ実行可能命令を実行する1又は2以上のプロセッサと、
を備え、前記コンピュータ実行可能命令は、前記1又は2以上のコンピュータシステムを、
前記患者の前記EM源のEM場のEM測定値内の患者サイクルを示すものにアクセスし、
前記EM源のEM活性化のシミュレーションに基づいて生成された模擬EM測定値内の模擬サイクルを示すものにアクセスし、
各ペアが患者サイクル及び模擬サイクルを含むサイクルペアの前記患者サイクルと前記模擬サイクルとの間の類似性を示す類似性スコアを計算し、
複数のサイクルペアの前記類似性スコアを視覚的に示すものを提供するグラフィックを生成し、
前記グラフィックを出力装置に出力する、
ように制御し、
前記患者サイクルと前記模擬サイクルは時間的な順序を有し、前記グラフィックは、各患者サイクルを時間的な順序通りに表す第1の軸と各模擬サイクルを時間的な順序通りに表す第2の軸とを有するマップを含み、前記マップ上のサイクルペアの交点は、前記サイクルペアの前記類似性スコアを視覚的に示すものを提供する、
ことを特徴とする1又は2以上のコンピュータシステム。
【請求項2】
前記類似性スコアを視覚的に示すものは、グラフィック特性を変化させることに基づく、
請求項
1に記載の1又は2以上のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記グラフィックは、類似性スコアを表す第3の軸をさらに含み、前記サイクルペアの類似性スコアの前記視覚的に示すものは、前記第3の軸に沿った高さに基づく、
請求項
1に記載の1又は2以上のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記
模擬EM測定値は、前記EM源のEM活性化をモデル化する計算モデルに基づいて生成される、
請求項
1に記載の1又は2以上のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記コンピュータ実行可能命令は、前記計算モデルをさらに適用して、前記EM源のEM活性化をモデル化するシミュレーションを実行し、前記モデル化されたEM活性化から前記
模擬EM測定値を導出する、
請求項
4に記載の1又は2以上のコンピュータシステム。
【請求項6】
1又は2以上のコンピュータシステムによって実行される、患者の電磁波(「EM」)源の評価を支援する情報を提示する方法であって、
前記患者の前記EM源のEM場のEM測定値内の患者サイクルを示すものにアクセスすることと、
前記EM源のEM活性化のシミュレーションに基づいて生成された模擬EM測定値内の模擬サイクルを示すものにアクセスすることと、
各ペアが患者サイクル及び模擬サイクルを含むサイクルペアの前記患者サイクルと前記模擬サイクルとの間の類似性を示す類似性スコアを計算することと、
複数のサイクルペアの前記類似性スコアを視覚的に示すものを提供するグラフィックを生成することと、
前記グラフィックを出力装置に出力することと、
を含み、前記患者サイクルと前記模擬サイクルは時間的な順序を有し、前記グラフィックは、各患者サイクルを時間的な順序通りに表す第1の軸と各模擬サイクルを時間的な順序通りに表す第2の軸とを有するマップを含み、前記マップ上のサイクルペアの交点は、前記サイクルペアの前記類似性スコアを視覚的に示すものを提供する、
ことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項
6に記載の方法を1又は2以上のコンピュータシステムに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項8】
請求項
7に記載のコンピュータプログラムを記憶した1又は2以上のコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本国際出願は、2019年12月11日に出願された「心臓グラフィックディスプレイシステム(HEART GRAPHIC DISPLAY SYSTEM)」という名称の米国特許出願第16/710,286号(代理人整理番号129292-8018.US02)の継続出願であり、後者は、2019年6月10に出願された「心臓グラフィックディスプレイシステム(HEART GRAPHIC DISPLAY SYSTEM)」という名称の米国特許出願第16/436,460号(代理人整理番号129292-8018.US00)の一部継続出願であって以下の出願に関連する。2018年4月26日に出願された「模擬心電図を用いた機械学習(MACHINE LEARNING USING SIMULATED CARDIOGRAMS)」という名称の米国仮特許出願第62/663,049号(代理人整理番号129292-8002.US00)、2018年11月13日に出願された「分散型台帳におけるアブレーション手順結果の記録(RECORD ABLATION PROCEDURE RESULTS INA DISTRIBUTED LEDGER)」という名称の米国仮特許出願第62/760,561号(代理人整理番号129292-8014.US00)、2018年7月23日に出願された「電磁波源の模擬生体構造の生成(GENERATING SIMULATED ANATOMIES OF AN ELECTROMAGNETIC SOURCE)」という名称の米国特許出願第16/042,984号(代理人整理番号129292-8003.US00)、2018年7月23日に出願された「電磁波源のモデルのモデルライブラリの生成(GENERATING A MODEL LIBRARY OF MODELS OF AN ELECTROMAGNETIC SOURCE)」という名称の米国特許出願第16/042,953号(代理人整理番号129292-8004.US00)、2018年7月23日に出願された「電磁波源の模擬生体構造を提示するユーザインターフェイス(USER INTERFACE FOR PRESENTING SIMULATED ANATOMIES OF AN ELECTROMAGNETIC SOURCE)」という名称の米国特許出願第16/042,973号(代理人整理番号129292-8005.US00)、2018年7月23日に出願された「電磁波源を表す多面体メッシュの変換(CONVERTING A POLYHEDRAL MESH REPRESENTING AN ELECTROMAGNETIC SOURCE)」という名称の米国特許出願第16/042,993号(代理人整理番号129292-8006.US00)、2018年7月23日に出願された「異なるソース構成からの心電図の近似値の生成(GENERATING APPROXIMATIONS OF CARDIOGRAMS FROM DIFFERENT SOURCE CONFIGURATIONS)」という名称の米国特許出願第16/043,011号(代理人整理番号129292-8007.US00)、2018年7月23日に出願された「異なる生体構造のシミュレーションベースの電磁出力のブートストラップ(BOOTSTRAPPING A SIMULATION-BASED ELECTROMAGNETIC OUTPUT OF A DIFFERENT ANATOMY)」という名称の米国特許出願第16/043,022号(代理人整理番号129292-8008.US00)、2018年7月23日に出願された「模擬データと患者データとの照合による電磁波源構成の属性の識別(IDENTIFYING AN ATTRIBUTE OF AN ELECTROMAGNETIC SOURCE CONFIGURATION BY MATCHING SIMULATED AND PATIENT DATA)」という名称の米国特許出願第16/043,034号(代理人整理番号129292-8009.US00)、2018年7月23日に出願された「臨床データ及び模擬データを用いた機械学習(MACHINE LEARNING USING CLINICAL AND SIMULATED DATA)」という名称の米国特許出願第16/043,041号(代理人整理番号129292-8010.US00)、2018年7月23日に出願された「患者固有モデルに基づく電磁波源の表示(DISPLAY OF AN ELECTROMAGNETIC SOURCE BASED ON A PATIENT-SPECIFIC MODEL)」という名称の米国特許出願第16/043,050号(代理人整理番号129292-8011.US00)、2018年7月23日に出願された「体内電源によって生成された電気力の表示(DISPLAY OF AN ELECTRICAL FORCE GENERATED BY AN ELECTRICAL SOURCE WITHIN A BODY)」という名称の米国特許出願第16/043,054号(代理人整理番号129292-8012.US00)、2018年10月17日に出願された「模擬心電図を用いた機械学習(MACHINE LEARNING USING SIMULATED CARDIOGRAMS)」という名称の米国特許出願第16/162,695号(代理人整理番号129292-8002.US01)、2018年11月30日に出願された「模擬心電図の校正(CALIBRATION OF SIMULATED CARDIOGRAMS)」という名称の米国特許出願第16/206,005号(代理人整理番号129292-8015.US00)、2019年1月14日に出願された「アブレーションにおいて使用されるアブレーションパターンの識別(IDENTIFY ABLATION PATTERN FOR USE IN AN ABLATION)」という名称の米国特許出願第16/247,463号(代理人整理番号129292-8016.US)。これらの各文献はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
多くの心臓疾患は、症状、病的状態(失神又は発作)及び死亡を引き起こす恐れがある。不整脈を原因とする一般的な心臓疾患としては、不適切洞頻脈(「IST」)、異所性心房調律、接合部調律、心室補充調律、心房細動(「AF」)、心室細動(「VF」)、限局性心房頻拍(「限局性AT」)、心房マイクロリエントリー、心室頻拍(「VT」)、心房粗動(「AFL」)、心室期外収縮(「PVC」)、心房期外収縮(「PAC」)、房室結節リエントリー性頻拍(「AVNRT」)、房室リエントリー性頻拍(「AVRT」)、永続性接合部回帰頻拍(PJRT))、及び接合部頻拍(「JT」)が挙げられる。不整脈の発生源としては、電気ロータ(例えば、心室細動)、反復的な電気的局所源(recurring electrical focal sources)(例えば、心房頻拍)、解剖学ベースのリエントリー(例えば、心室頻拍)などを挙げることができる。これらの発生源は、持続的な又は臨床的に有意な病状発現の重要な要因である。不整脈は、心臓疾患の発生源を標的とすることによって、高周波エネルギーアブレーション、冷凍アブレーション、超音波アブレーション、レーザーアブレーション、外部線源及び標的遺伝子治療などを含む異なる技術を使用するアブレーションで治療することができる。心臓疾患の発生源及び発生源の位置は患者毎に異なるので、たとえ一般的な心臓疾患であっても、標的療法では不整脈の発生源を識別する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願第16/206,005号明細書
【文献】米国特許出願第16/247,463号明細書
【非特許文献】
【0004】
【文献】Krummen,D、他著、「ロータ安定性による持続性心室細動と人間の自己終端発現との区別(Rotor Stability Separates Sustained Ventricular Fibrillation From Self-Terminating Episodes in Humans)」、米国心臓疾患学会誌、第63巻、23号、2014年
【文献】Pan,j.、Tompkins,W.J.著、「リアルタイムQRS検出アルゴリズム(A Real-Time QRS Detection Algorithm)」、医用生体工学に関するIEEE報告書(3):230(1985)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、心臓疾患の発生源及び発生源位置を確実に識別する現在の方法は、複雑、煩雑、かつ高価なものとなり得る。例えば、1つの方法は、経脈管的に心臓(例えば、左心室)内に挿入される多電極バスケットカテーテルを有する電気生理学カテーテルを使用して、誘発されたVFの発現中などに心臓の電気的活動の心臓測定値内から収集を行う。次に、この測定値を分析して、考えられる発生源位置を識別するのに役立てることができる。現在のところ、電気生理学カテーテルは高価であり(かつ一般的には1回の使用に限られ)、心穿孔及び心タンポナーデを含む重篤な合併症を招く恐れがある。別の方法は、電極を含む外部体表面ベストを使用して患者の体表面から測定値を収集し、これを分析して不整脈源位置を識別するのに役立てることができる。このような体表面ベストは高価であり、製造が複雑かつ困難であり、VFを誘発して不整脈中に測定値を収集した後に必要となる除細動パッドの配置に干渉する場合がある。また、ベスト解析にはコンピュータ断層撮影(「CT」)スキャンが必要であり、不整脈源の約20%が発生し得る心室中隔及び心房中隔を感知することができない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】いくつかの実施形態におけるICSグラフィックを示す図である。
【
図2】いくつかの実施形態におけるSLグラフィックを示す図である。
【
図3】いくつかの実施形態におけるHTGシステムのコンポーネントを示すブロック図である。
【
図4】いくつかの実施形態におけるICS類似性マップ生成処理を示すフロー図である。
【
図5】いくつかの実施形態におけるHGDシステムの類似性スコア計算コンポーネントの処理を示すフロー図である。
【
図6】いくつかの実施形態におけるHGDシステムのサイクル識別コンポーネントの処理を示すフロー図である。
【
図7】いくつかの実施形態におけるHGDシステムのサイクル正規化コンポーネントの処理を示すブロック図である。
【
図8】いくつかの実施形態におけるHGDシステムのセグメント抽出コンポーネントの処理を示すフロー図である。
【
図9】いくつかの実施形態におけるHGDシステムの発生源位置グラフィック生成処理を示すフロー図である。
【
図10】いくつかの実施形態におけるHGDのライブラリ類似性スコア計算コンポーネントの処理を示すフロー図である。
【
図11】いくつかの実施形態におけるHGDシステムの発生源位置インジケータ生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。
【
図12】いくつかの実施形態におけるHGDシステムの画素色設定コンポーネントの処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
身体内の電磁波(「EM」)源の電気的活動のパターン(異常又は正常)の発生源及び発生源位置に関するEM源グラフィック情報を表示する方法及びシステムを提供する。身体は、例えば人体とすることができ、EM源は、好ましくは体外から測定可能であって、心電図(「ECG」)又はベクトル心電図(「VCG」)によって表される心電図及び脳波図(「EEG」)などのEM測定値によって表すことができる、心臓、脳、肝臓、肺、腎臓、胃、又はEM場を生成する別の身体部分とすることができる。以下では、主にEM源が心臓である文脈におけるEMグラフィックディスプレイシステムについて説明する。以下で心臓について説明するEMグラフィックシステムの方法及びシステムは、身体の他のEM源のグラフィックを提供するために採用して適合させることもできる。例えば、後述する心電図サイクルの識別は、胃のEM場を表すEEGのサイクル又はEM測定値のサイクルを識別するように適合させることもできる。グラフィックは、テキスト又は非テキスト(例えば、図形、アニメーション及びコンピュータ生成レンダリング)とすることができる視覚的に示すものを提供する。
【0008】
いくつかの実施形態では、心臓疾患の評価に役立つように心臓疾患の発生源及び発生源位置に関する心臓グラフィック情報を表示する方法及びシステムを提供する。いくつかの実施形態では、心臓グラフィックディスプレイ(「HGD」)システムが、心電図内類似性(「ICS」)グラフィック及び発生源位置(「SL」)グラフィックを提供する。ICSグラフィックは、(例えば、患者の)心電図のサイクル間の類似性に関する情報を提供する。
図1に、いくつかの実施形態におけるICSグラフィック例を示す。ICSグラフィック100は、患者の患者心電図の患者サイクルペア間の類似性に関する可視情報を提供する類似性マップ110を含む。x軸及びy軸は患者サイクル(例えば、拍動)を表しており、第1の患者サイクルと第2の患者サイクルとの交点は、第1の患者サイクルと第2の患者サイクルとの間の類似性を表す。x軸の患者サイクルとy軸の患者サイクルとの交点における領域の色は、これらの患者サイクル間の類似性を示す(例えば、ピアソンの相関係数又はコサイン類似度に基づく)類似性スコアを表す。類似性スコアは0~1の範囲に及ぶことができ、1は同じ患者サイクルの類似性スコアである。ICSグラフィックの凡例114は、類似性スコアを表す色の範囲を示し、赤色が最も低い類似性スコアを表し、青色が最も高い類似性スコアを表す。(類似性スコアは、グレースケール、及び三角形から円形までの一定範囲の多面体などを使用した色以外のグラフィック特性に基づく類似性インジケータによって表すことができる。)一例として、サイクル35とサイクル22との交点111は、これらの患者サイクル間の比較的高い類似性を示す青色である。サイクル35とサイクル20との交点112は、これらの患者サイクル間の比較的低い類似性を示す赤色である。対角線に沿った交点は、各患者サイクルのそれ自体との類似性を表し、従って類似性スコア1を表す紺色である。類似性マップは、対称行列に対応すると考えることができる。ポップアップ113は、ポインタが交点上を移動した時に、交点のx軸及びy軸のサイクル、並びにこれらのサイクルの類似性スコアをz軸値として識別する。ポインタが拍動のウィンドウ又は範囲を選択すると、ポップアップも、類似性スコア平均及び標準偏差、著しく異なる同様のサイクルグループ数、安定性指数、又は不整脈タイプ分類などの類似性スコアの統計的概要をウィンドウ内に表示することができる。このICSグラフィックは、(後述する)心電図のライブラリのライブラリ心電図のライブラリサイクルに基づいて生成することもできる。
【0009】
発生源の安定性指数(又は安定性特徴)は、心臓内の特定の領域に局所化された支配的な不整脈源のサイクル間一貫性の測度である。安定性指数は、一連の連続サイクルの類似性スコアに基づくことができ、ユーザが定めた時間間隔内におけるICSグラフィックの同一性対角線の上側又は下側の全ての類似性スコアの標準偏差によって表すことができる。高い平均かつ低い標準偏差は安定した不整脈(例えば、限局性頻拍)を示し、低い平均かつ高い標準偏差は不安定な不整脈(例えば、ロータ細動)を示す。この測度は、一意の不整脈活性化パターン、従って発生源の数を推定するための高い類似性を有する非対角クラスタ数のカウントとすることができる。不整脈源の安定性を判定する技術は、Krummen,D、他、「ロータ安定性による持続性心室細動と人間の自己終端発現との区別(Rotor Stability Separates Sustained Ventricular Fibrillation From Self-Terminating Episodes in Humans)」、米国心臓疾患学会誌、第63巻、23号、2014年に記載されており、この文献は引用により本明細書に組み入れられる。
【0010】
ICSグラフィックは、臨床的不整脈の駆動機構を排除するのに役立つ特徴的電気活性化動特性(characteristic electrical activation dynamics)を識別するのに有用である。同様の患者サイクルの持続性によって、効果的な標的発生源安定性指数又は不整脈タイプ分類を示すことができる。このような同様の患者サイクルは、心臓内の一貫した周期的電気活性化動特性を示すことができる。電気活性化動特性(すなわち、活動電位が心臓組織を通じてどのように伝搬するか)は、心臓組織の電気的特性、発生源位置、発生源タイプ(例えば、ロータ又は限局性、細動、頻拍、粗動など)及び疾患性基質(disease substrate)(例えば、瘢痕)を含む多くの要因に影響される。これらの要因を考慮すると、患者サイクル間の類似性は、必ずしもロータベースの不整脈源を示すわけではなく、心電図内のどの電気活性化パターンが多少なりとも支配的又は普及的であるかをより一般的に示すことができる。心電図内で頻繁に見られる支配的な電気活性化動特性は、不整脈の駆動持続機構を示す。
【0011】
ICSグラフィックの分析は、複数の駆動機構を同様の患者サイクルの複数のグループとして示すことができる。複数のグループが時間連続的シーケンスで(類似性マップの同一性の対角線近くに連続する高類似性スコアのグループが)発生する場合、この分析は、1つのグループから次のグループへの電気活性化動特性の遷移を示唆することができる。この遷移は、発生源位置の移動又は1つの不整脈タイプから別の不整脈タイプへの変化に起因することができる(例えば、ロータベースのVFが局所源VTに移行することがある)。例えば、
図1を参照すると、x軸サイクル22~29とy軸サイクル22~29との交点は同様の患者サイクルのグループを表し、x軸サイクル33~40とy軸サイクル33~40との交点は同様のサイクルの別のグループを表す。x軸サイクル22~29とy軸サイクル33~40との交点は、これらのグループの類似性を示し、非対角クラスタとも呼ばれる。心臓内には、単一の駆動機構の移動を表さない複数の離れた不整脈源又は不整脈タイプを有することが可能である。同様の患者サイクルの複数のグループが時間連続的シーケンスで発生しておらず、局所化分析から推定される発生源位置が離れている場合には、複数の駆動機構を示すものが存在することができる。例えば、x軸サイクル22~29及びy軸サイクル22~29によって表されるグループ、並びにx軸サイクル49~56及びy軸サイクル49~56によって表されるグループは、時間連続的シーケンス内に存在しない。他の事例では、時間連続的シーケンス内に存在しないグループが同じ不整脈パターンであると判明し、従って共通の駆動機構を示唆することもある。このような共通の駆動機構は、類似性マップの非対角部分上の高類似性のグループによって示すことができる。例えば、x軸サイクル22~29及びy軸サイクル49~56によって表されるグループは、時間連続的シーケンス内に存在しない、x軸サイクル22~29及びy軸サイクル22~29によって表されるグループと、x軸サイクル49~56及びy軸サイクル49~56によって表されるグループとの類似性を示す。時間連続的シーケンス内に存在しない同様のサイクルのグループ間の類似性が低い場合、分析は複数の独立した駆動機構を示唆することができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、ICSシステムを使用して、異なる心臓又は異なる時点における同じ心臓を表す、心電図から導出されたサイクル間の(心臓内類似性ではなく)心臓間類似性を示す情報を表示することができる。例えば、ICSシステムは、患者サイクル及び模擬サイクルのペアの類似性スコアを生成することができる。模擬サイクルは、心臓の模擬EM活性化について生成される模擬EM測定値から導出された模擬心電図から識別することができる。模擬EM活性化は、心臓の計算モデルを使用して生成することができる。模擬心電図は、心電図のライブラリに記憶することができる。ICSシステムは、このようなサイクルペア間の類似性スコアを示すグラフィックを生成する。このグラフィックは、心臓内類似性について生成されるグラフィックに類似することができる。別の例として、ICSシステムは、異なる模擬心電図及び異なる患者心電図に基づいて、心臓間類似性を示す類似性スコアを生成することができる。異なる患者心電図は、異なる時点に収集された同じ患者の患者心電図、又は異なる患者の患者心電図を含むことができる。ICSシステムは、心臓間の類似性に基づいて心電図ペアの類似性スコアを生成することができる。例えば、患者心電図と模擬心電図との間の類似性スコアを生成すべきである場合、模擬心電図は、患者心臓と模擬心電図の生成において使用された模擬心臓との間の心臓類似性に基づいて選択することができる。心臓類似性は、患者心臓及び模擬心臓の物理的特徴(例えば、向き、サイズ及び形状)及び/又はEM特徴に基づくことができる。また、同様に、異なる患者の患者心電図も、患者心臓と他の患者の患者心臓との間の心臓類似性に基づいて選択することができ、模擬心電図は、2つの模擬心臓間の心臓類似性に基づいて選択することができる。患者心臓と模擬心臓との間の心臓類似性を識別する技術は、2018年11月30日に出願された「模擬心電図の校正(CALIBRATION OF SIMULATED CARDIOGRAMS)という名称の米国出願第16/206,005号に記載されている。
【0013】
SLグラフィックは、患者心電図の患者サイクルを心電図ライブラリのライブラリサイクルと比較することによって識別される発生源位置に関する情報を提供する。各ライブラリサイクルは、発生源位置及び発生源タイプに関連する。
図2に、いくつかの実施形態におけるSLグラフィック例を示す。SLグラフィック200は、心臓(例えば、心室)の表現210と、1又は2以上の患者サイクルから導出された発生源位置インジケータ221~224とを含む。HGDシステムは、SLグラフィックに含めるべき発生源位置又は発生源タイプを識別するために、ライブラリサイクルと患者の患者心電図の患者サイクルとの間の類似性を示す類似性スコアを計算する。次に、HGDシステムは、類似性スコアに基づいて、(標的ライブラリサイクルと呼ばれる)ライブラリサイクルに関連するいくつか(すなわち、1又は2以上)の発生源位置を識別する。例えば、HGDシステムは、各発生源位置に関連するライブラリサイクルの最も高い類似性スコア、及び各発生源位置に関連するライブラリサイクルの最も高い4つの類似性スコアの平均などに基づいて発生源位置を識別することができる。最も高い類似性スコアを有するライブラリサイクルに関連する発生源位置は、心臓疾患の評価を支援する上でより多くの情報をもたらす可能性が高い。次に、HGDシステムは、心臓の一部の表現、並びに標的ライブラリサイクルの各発生源位置及び発生源タイプについての発生源位置インジケータ及び発生源タイプインジケータを含むSLグラフィックを生成する。
【0014】
いくつかの実施形態では、発生源位置インジケータ及び発生源タイプインジケータが、発生源位置インジケータ及び発生源タイプインジケータに関連する類似性スコアに基づいて変化する特性を有することができる。発生源位置インジケータ及び発生源タイプインジケータは、発生源位置に集中することができる。発生源位置インジケータは、円のサイズ及び円の色などの特性を有する円とすることができる。円のサイズは、標的ライブラリサイクルに関連する類似性スコアに基づくことができる。発生源位置を中心とする小さなサイズ(すなわち、半径)の円は、その発生源位置及び発生源タイプに関連する標的ライブラリサイクルが高類似性スコアを有していることを示すことができる。(標的ライブラリサイクルに関連する発生源位置及び発生源タイプは、その標的ライブラリサイクルの類似性スコアに関連するものとみなされる。)小さなサイズは、発生源位置の関連性における信頼度が高いことを示すことができる。HGDシステムは、各発生源位置インジケータ及び発生源タイプインジケータに、発生源位置の類似性スコアの相対的順序を示す色を割り当てることができる。例えば、4つの発生源位置インジケータが表示されると仮定すると、最も高い類似性スコアに関連する発生源位置インジケータには赤色を割り当て、残りの3つの発生源位置インジケータには、関連する類似性スコアの降順で黄色、緑色及び青色を割り当てることができる。HGDシステムは、円の中心を発生源位置インジケータに割り当てられた色に設定し、円の残り部分に割り当てる色を、中心に割り当てられた色から円の円周における最も低い類似性スコアを示す色まで線形的に変化させることができる。例えば、円の着色は、赤色から青色、黄色から青色、緑色から青色、及び青色一色に変化することができる。発生源位置インジケータは円以外の形状とすることもでき、様々な色ではなくグレースケールに基づくこともできる。発生源位置インジケータは、発生源位置インジケータのリスト230から選択することができる。発生源位置インジケータのリスト内の各項目には、サイクル/拍動番号、サイクル開始及び終了時刻、類似性統計、又は発生源タイプの記述をラベル付けすることができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、HGDシステムが、複数の患者サイクルから導出された発生源位置をSLグラフィックに含めることができる。例えば、HDGシステムは、複数の患者サイクルの発生源位置を識別し、複数の患者サイクルの発生源位置インジケータを同時にSLグラフィック上に含めることができる。或いは、HDGシステムは、各患者サイクルの発生源位置インジケータを生成し、これらが患者サイクルを移行するにつれて発生源位置インジケータを順に出力して発生源位置のアニメーションを提示することもできる。SLグラフィックが同時に複数の患者サイクルの発生源位置を含む場合には、発生源位置インジケータの一部が重複することがある。このような場合、HDGシステムは、重複部分の画素を、重複している発生源位置インジケータからのその画素の色の平均に設定することができる。例えば、画素の色が1つの発生源位置インジケータにおいて黄色であり、他の発生源位置インジケータにおいて青色である場合、LSグラフィックの画素の色は緑色とすることができる。
図2のサイクル選択ボックス230は、SLグラフィックの発生源位置を識別するために使用される1又は2以上の患者サイクルをユーザが選択できるようにする。
【0016】
いくつかの実施形態では、HGDシステムが、各患者サイクルに関連する類似性スコアの平均を発生源位置毎に生成することによって、複数の患者サイクルの発生源位置を識別することができる。次に、HGDシステムは、平均類似性スコアに基づいて発生源位置を識別する。発生源位置インジケータに割り当てられる色及びサイズは、発生源位置の平均類似性スコアに基づく。
【0017】
図3は、いくつかの実施形態におけるHGDシステムのコンポーネントを示すブロック図である。HGDシステム300は、ICSグラフィック生成コンポーネント310と、類似性スコア計算コンポーネント311と、サイクル識別コンポーネント312と、サイクル正規化コンポーネント313と、サイクル抽出コンポーネント314とを含む、ICSグラフィックを生成するためのコンポーネントを含む。ICSグラフィック生成コンポーネントは、類似性スコア計算コンポーネントを呼び出して患者心電図の患者サイクルペアの類似性スコアを計算し、類似性スコアに基づいてICSグラフィックを生成し、ICSグラフィックを出力することによって、患者心電図のICSグラフィックを生成する。類似性スコア計算コンポーネントは、患者サイクル識別コンポーネントを呼び出して患者心電図内の患者サイクルを識別し、セグメント抽出コンポーネントを呼び出して患者サイクルから関連するセグメントを抽出して有用でない患者サイクルを破棄し、その後に各患者サイクルペアの類似性スコアを計算する。サイクル識別コンポーネントは、患者サイクルを識別し、サイクル正規化コンポーネントを呼び出して患者サイクルを正規化する。
【0018】
HGDシステムは、SLグラフィック生成コンポーネント320と、ライブラリ類似性スコア計算コンポーネント321と、発生源位置インジケータ生成コンポーネント322と、画素色設定コンポーネント323とを含む、SLグラフィックを生成するためのコンポーネントも含む。SLグラフィック生成コンポーネントは、ライブラリ類似性スコア計算を呼び出して患者サイクル及びライブラリサイクルの各ペアの類似性スコアを計算し、発生源ライブラリインジケータ生成コンポーネントを呼び出して各患者サイクルの発生源ライブラリインジケータを生成し、患者サイクルの選択を受け取り、画素色設定コンポーネントを呼び出して、受け取られた患者サイクルに関連するSLインジケータに基づいてSLグラフィックを埋め、その後にSLグラフィックを出力する。ライブラリ類似性スコア計算コンポーネントは、患者サイクル及びライブラリサイクルの各ペアの類似性スコアを計算し、発生源位置に関連するライブラリサイクルに関連する類似性スコアに基づいて患者サイクル毎に発生源位置をソートする。発生源位置インジケータ生成コンポーネントは、各発生源位置又は発生源位置のサブセットのための、最も高い類似性スコアに関連する発生源位置などの発生源位置インジケータを患者サイクル毎に生成する。画素色設定コンポーネントは、発生源位置インジケータの重複領域の画素値を計算する。
【0019】
患者心電図データストア340は、心電図(「ECG」)又はベクトル心電図(「VCG」)などの患者心電図を含む。心電図ライブラリ350は、ライブラリ心電図のライブラリサイクルを含む。ライブラリ心電図は、心臓の計算モデルに基づいて生成された模擬心電図及び/又は一群の患者心電図とすることができる。ライブラリサイクルは、患者サイクルを識別するのと同様に識別されている。各ライブラリサイクルは、対応する発生源位置又は発生源タイプに関連する。心電図ライブラリは、2018年11月30日に出願された「模擬心電図の校正(Calibration of Simulated Cardiograms)」という名称の米国特許出願第16,206,005号に記載されている技術を使用して生成することができ、この文献は引用により本明細書に組み入れられる。
【0020】
HGDシステム及びその他の説明するシステムを実装できるコンピュータシステム(例えば、ネットワークノード又は一群のネットワークノード)は、中央処理装置、入力装置、出力装置(例えば、ディスプレイ装置及びスピーカ)、記憶装置(例えば、メモリ及びディスクドライブ)、ネットワークインターフェイス、グラフィックプロセッシングユニット、セルラー無線リンクインターフェイス、及び全地球測位システム装置などを含むことができる。入力装置は、キーボード、ポインティングデバイス、タッチ画面、(例えば、エアジェスチャのための)ジェスチャ認識装置、頭部及び視線追跡装置、音声認識のためのマイクなどを含むことができる。コンピュータシステムは、高性能コンピュータシステム、クラウドベースサーバ、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、タブレット、電子リーダ、携帯情報端末、スマートフォン、ゲーム装置及びサーバなどを含むことができる。例えば、シミュレーション及び訓練は高性能コンピュータシステムを使用して実行することができ、分類はタブレットによって実行することができる。コンピュータシステムは、コンピュータ可読記憶媒体及びデータ伝送媒体を含むコンピュータ可読媒体にアクセスすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、一時的伝搬信号を含まない有形の記憶手段である。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、一次メモリ、キャッシュメモリ、二次メモリ(例えば、DVD)及びその他のストレージなどのメモリが挙げられる。コンピュータ可読記憶媒体は、HGDシステム及びその他の説明するシステムを実行するコンピュータ実行可能命令又はロジックを記録しており、或いはこのようなコンピュータ実行可能命令又はロジックで符号化することができる。データ伝送媒体は、有線又は無線接続を通じて一時的伝搬信号又は搬送波(例えば、電磁気力)を介してデータを伝送するために使用される。コンピュータシステムは、鍵を生成して安全に記憶し、これらの鍵を使用してデータを暗号化及び復号する、中央処理装置の一部としてのセキュア暗号プロセッサを含むことができる。
【0021】
HGDシステム及びその他の説明するシステムは、1又は2以上のコンピュータ、プロセッサ又は他の装置によって実行されるプログラムモジュール及びコンポーネントなどのコンピュータ実行可能命令の一般的文脈で説明することができる。一般に、プログラムモジュール又はコンポーネントは、HGDシステム及びその他の説明するシステムのタスクを実行し又はデータ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト及びデータ構造などを含む。通常、プログラムモジュールの機能は、様々な例において望む通りに組み合わせ又は分散させることができる。HGDシステム及びその他の説明するシステムの態様は、例えば特定用途向け集積回路(「ASIC」)又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)を使用してハードウェアで実装することができる。
【0022】
HGDシステムのコンポーネントは、クライアント-サーバモデルを使用して実装することができる。例えば、クライアントシステムは、心臓に関する情報を求める要求をユーザから受け取る支援を行い、サーバに要求を送信し、サーバから類似性スコアを示すものを受け取ることができる。その後、クライアントは、受け取られた類似性スコアを示すものに基づいてユーザが生成できる、又はサーバが生成してサーバから受け取ることができるグラフィックを表示することができる。サーバは、データセンタ(例えば、クラウドベースのデータセンタ)内にホストすることができる。
【0023】
図4は、いくつかの実施形態におけるICS類似性マップ生成処理を示すフロー図である。ICS類似性マップ生成コンポーネントは、患者心電図(「CG」)の患者サイクルの心房セグメント間又は心室セグメント間の類似性に基づいて、ICSグラフィックのための類似性マップを生成する。コンポーネントは、ブロック401において、類似性スコア計算コンポーネントを呼び出して患者サイクル間の類似性スコアを計算する。コンポーネントは、ブロック402において、患者サイクルのラベル又は識別子をx軸及びy軸に追加する。
図1の類似性マップ110では、空間制限に起因して、「拍動1」及び「拍動3」などのラベルが全てのサイクルではなく1つおきの患者サイクルを識別する。コンポーネントは、ブロック403において、次の患者サイクル(「PC」)ペアを選択する。コンポーネントは、判定ブロック404において、全ての患者サイクルが既に選択されていた場合にはブロック407に進み、そうでなければブロック405に進む。コンポーネントは、ブロック405において、患者サイクルペアの類似性スコアに基づいて色を選択する。コンポーネントは、ブロック406において患者サイクルペアの交点を満たす。例えば、患者サイクル22及び患者サイクル35のペアについては、コンポーネントが、(35,22)及び(22,35)の交点を、これらの患者サイクルの比較的高い類似性スコアを示す青色に設定する。その後、コンポーネントは、ブロック403にループして次の患者サイクルペアを選択する。コンポーネントは、ブロック407において、ICSグラフィックに色範囲の凡例を追加した後でICSグラフィックを出力することができる。その後、コンポーネントは終了する。
【0024】
類似性マップは、類似性スコアをz軸に表す3次元グラフとして表示することもできる。このような場合、HGDシステムは、3次元グラフを回転させて、x軸、y軸及びz軸の周囲の異なる角度でグラフを観察できるようにする。
【0025】
図5は、いくつかの実施形態におけるHGDシステムの類似性スコア計算コンポーネントの処理を示すフロー図である。類似性スコア計算コンポーネント500は、患者心電図の患者サイクル間の類似性スコアを計算するために呼び出される。コンポーネントは、ブロック501において、サイクル識別コンポーネントを呼び出して患者心電図内の患者サイクルを識別する。コンポーネントは、ブロック502~506においてループして患者サイクルのセグメントを識別し、有用性基準を満たさない患者サイクルを破棄する。患者サイクルは、短すぎる及び/又は長すぎるなどの様々な基準に基づいて有用でないものとすることができる。例えば、基準は、患者サイクルが500msよりも長く1000msよりも短いこととすることができる。コンポーネントは、ブロック502において次の患者サイクルを選択する。コンポーネントは、判定ブロック503において、全ての患者サイクルが既に選択されていた場合にはブロック507に進み、そうでなければブロック504に進む。コンポーネントは、ブロック504において、セグメント抽出コンポーネントを呼び出して関連する患者サイクルのセグメントを抽出する。コンポーネントは、判定ブロック505において、セグメント抽出コンポーネントによって患者サイクルが有用でないことが示された場合にはブロック506に進み、そうでなければブロック502にループして次の患者サイクルを選択する。コンポーネントは、ブロック506において患者サイクルを破棄し、ブロック502にループして次の患者サイクルを選択する。コンポーネントは、ブロック507~509においてループして患者サイクルペア間の類似性スコアを計算する。コンポーネントは、ブロック507において次の患者サイクルペアを選択する。コンポーネントは、判定ブロック508において、全ての患者サイクルが既に選択されていた場合には終了し、そうでなければブロック509に進む。コンポーネントは、ブロック509において、患者サイクルペアの類似性スコアを計算し、その後にブロック507にループして次の患者サイクルペアを選択する。
【0026】
いくつかの実施形態では、HGDシステムが、ECG又はVCG内のサイクル(不整脈活動の周期的間隔)を識別することができる。サイクルは、基準フレーム又は基準フレームセットを含む空間方向又は方向セットに関して、負電圧から正電圧への連続交差(「正交差」)又は正電圧から負電圧への連続交差(「負交差」)によって区切ることができる。基準フレームは、解剖軸(anatomical axes)(例えば、xでは左から右、yでは上から下、zでは前から後ろ)、撮像軸(例えば、CT、MR、又はx線座標フレーム)、体表面誘導ベクトル(body-surface lead vectors)、測定された又は模擬EM源構成及び出力の主成分分析によって計算された主軸、又はユーザが定めた関心方向に一致することができる。例えば、3秒VCG(three-second VCG)は3つのサイクルを有することができ、各サイクルはx軸に沿った正交差の時点によって区切ることができる。或いは、これらのサイクルは、y軸又はz軸に沿った交差によって区切ることもできる。また、サイクルは、負交差によって定めることができる。サイクルは、Rピークを識別してサイクルの最後をTセグメントの最後の推定値に設定することによる処理によって識別することもできる。
【0027】
図6は、いくつかの実施形態におけるHGDシステムのサイクル識別コンポーネントの処理を示すフロー図である。サイクル識別コンポーネント600は、VCG内のサイクルを識別するために呼び出され、サイクルの正規化VCG(nVCG[])を提供する。
図6のコンポーネントは、x軸の負交差に基づいてサイクルを識別する。コンポーネントは、ブロック601において、VCGを通じたインデックス付けのためにインデックスjを2に初期化し、識別されたサイクルを通じたインデックス付けのためにインデックスkを0に設定する。判定ブロック602においてインデックスjがVCGのサイズよりも大きい場合、コンポーネントは全てのサイクルを識別し終えているため正規化nVCGを提供して終了し、そうでなければブロック603に進む。ブロック603において、VCGのx軸の前の電圧(prior voltage)(VCG.V[j-1].x)がゼロ以上であり、VCGのx軸のインデックス付き電圧(indexed voltage)(VCG.V[j].x)がゼロ未満(すなわち、x軸の負交差)である場合には、考えられるサイクルの開始が識別されており、コンポーネントはブロック604に進んでサイクルを識別し、そうでなければブロック609に進む。コンポーネントは、ブロック604において、インデックス付きサイクルの開始(C[k].start)をインデックスjに等しく設定する。判定ブロック605において、少なくとも1つのサイクルが既に識別されていた場合には前のサイクルの最後が既知であり、コンポーネントはインデックスkを増分してブロック606に進み、そうでなければインデックスkを増分してブロック609に進む。コンポーネントは、ブロック606において、前のサイクルの最後をインデックスj-1に設定する。コンポーネントは、ブロック607において、前のサイクルの開始及び最後によって区切られた前のインデックス付きサイクルのVCG(eVCG)を抽出する。コンポーネントは、ブロック608において、サイクル正規化コンポーネントを呼び出し、抽出されたVCG(eVCG)を示すものを受け渡し、正規化サイクル(nVCG)を受け取る。コンポーネントは、ブロック609において、VCGを通じたインデックス付けのためにインデックスjを増分してブロック602にループする。
【0028】
図7は、いくつかの実施形態におけるHGDシステムのサイクル正規化コンポーネントの処理を示すブロック図である。サイクル正規化コンポーネント700が呼び出され、サイクルのVCGを示すものを受け渡し、サイクルを正規化する。サイクルがECGのものである場合、サイクルの時間及び電圧を0~1の値に正規化することができる。コンポーネントは、ブロック701において、サイクル内のベクトルの最大ベクトル振幅V’を識別する。例えば、ベクトルのベクトル振幅は、ベクトルのx値、y値及びz値の二乗和の平方根を取ることによって計算することができる。コンポーネントは、ブロック702において、VCGの次の軸にインデックス付けするようにインデックスiを設定する。判定ブロック703において全ての軸が既に選択されていた場合、コンポーネントは終了して正規化VCGを提供し、そうでなければブロック704に進む。コンポーネントは、ブロック704において、正規化サイクルのベクトルを通じたインデックス付けのためにインデックスjを1に初期化する。判定ブロック705において、インデックスjが正規化サイクルのベクトル数を上回る場合、コンポーネントはブロック702にループして次の軸を選択し、そうでなければブロック706に進む。コンポーネントは、ブロック706において、インデックス付き軸のインデックス付きベクトルの正規化VCGを、受け渡されたVCG、インデックス付きベクトル、及び最大ベクトル振幅V’の補間に設定する。この補間は、VCGを正規化VCG内のベクトル数に効果的に圧縮又は展開し、ベクトルのx値、y値及びz値を最大ベクトル振幅V’によって除算する。コンポーネントは、ブロック707において、インデックスjを増分してブロック705にループする。
【0029】
図8は、いくつかの実施形態におけるHGDシステムのセグメント抽出コンポーネントの処理を示すフロー図である。セグメント抽出コンポーネント800は、心房分析又は心室分析のどちらが実行されているかに応じてサイクルの関連部分を抽出する。コンポーネントは、ブロック801においてサイクルのRピークを識別する。例えば、コンポーネントは、Pan-Tompkinsタイプアルゴリズムを適用することができる(Pan,j.、Tompkins,W.J.著、「リアルタイムQRS検出アルゴリズム(A Real-Time QRS Detection Algorithm)」、医用生体工学に関するIEEE報告書(3):230(1985)を参照)。コンポーネントは、ブロック802においてQRSTセグメントを識別する。Rピークが識別されると、様々な技術を使用してQRSTセグメント(すなわち、QT間隔)を識別することができる。1つの技術は、Rピークの30ms前及び250ms後などのRピークの一定時間前及びRピークの一定時間後の固定ウィンドウを使用するものである。別の技術は、QRSTセグメントの手動識別に基づくこともでき、この事例ではRピークを別々に識別しなくてもよい。別の技術は、心拍を考慮するQRSTセグメントをアルゴリズム的に識別することができる。別の技術は、電圧変化率を考慮するRオンセット又はTオフセットをアルゴリズム的に識別することができる。判定ブロック803において、心房セグメントを識別すべきである場合、コンポーネントはブロック804に進み、そうでなければブロック806に進む。コンポーネントは、ブロック804においてサイクルからQRSTセグメントを除去し、これによって心房セグメントが残る。判定ブロック805において、心房セグメントが心房の有用な基準を満たす場合、コンポーネントは、QRSTセグメントが除去されたサイクルを示し続け、そうでなければ心房セグメントが有用でないことを示して終了する。心房の有用な基準は、サイクルの心房セグメントが500ms及び1000msなどの最小時間及び最大時間内の長さを有することとすることができる。コンポーネントは、ブロック806においてサイクルから非QRSTセグメントを除去する。判定ブロック807において、QRSTセグメントが心室の有用な基準を満たす場合、コンポーネントは、非QRSTセグメントが除去されたサイクルを示して終了し、そうでなければQRSTセグメントが有用でないことを示して終了する。コンポーネントは、ECGによって表されるサイクルのセグメントに対応する値をゼロに設定することによって、そのセグメントを除去することができる。
【0030】
図9は、いくつかの実施形態におけるHGDシステムの発生源位置グラフィック生成処理を示すフロー図である。SLグラフィック生成コンポーネント900は、患者サイクルを入力し、選択された患者サイクルセットのSLグラフィックを出力する。コンポーネントは、ブロック901において、ライブラリ類似性スコア計算コンポーネントを呼び出して、患者サイクル及びライブラリサイクルのペアの類似性スコアを生成する。コンポーネントは、ブロック902において、発生源位置インジケータ生成を呼び出して、各患者サイクルの発生源位置のインジケータを生成する。コンポーネントは、ブロック903において、1又は2以上の患者サイクルセットの選択を受け取る。この選択は、ユーザがSLグラフィック200のサイクル選択ボックス230を使用して行うことができる。選択は、HGDシステムと連動するソフトウェアシステム及びデータストアなどから受け取ることもできる。コンポーネントは、判定ブロック904において患者サイクルセットをそれ以上選択すべきでない場合には終了し、そうでなければブロック905に進む。コンポーネントは、ブロック905において、画素色設定コンポーネントを呼び出して、選択された患者サイクルのSLグラフィックの各画素の色を設定する。コンポーネントは、ブロック906においてSLグラフィックを出力する。コンポーネントは、ブロック907において、カーソルがSLグラフィック上の異なる位置に移動した際にポップアップを表示する。例えば、発生源位置インジケータ上でカーソルを動かすと、これらのサイクルのうちの最も高い類似性スコアの平均類似性スコアなどの、対応する発生源位置に関連する患者サイクルに関する統計値を含むポップアップを表示することができる。その後、コンポーネントは、ブロック903にループして患者サイクルの選択を受け取る。いくつかの実施形態では、SLグラフィックを3次元とすることができ、HGDシステムが、人が心臓の内部、前部及び後部を見ることができるようにSLグラフィックの3次元回転をサポートすることができる。
【0031】
図10は、いくつかの実施形態におけるHGDシステムのライブラリ類似性スコア計算コンポーネントの処理を示すフロー図である。ライブラリ類似性スコア計算コンポーネント1000は、患者サイクル及びライブラリサイクルのペアの類似性スコアを計算し、各発生源位置に関連する患者サイクルの類似性スコアを各患者サイクルについてソートする。コンポーネントは、ブロック1001において次の患者サイクルを選択する。コンポーネントは、判定ブロック1002において全ての患者サイクルが既に選択されていた場合には終了し、そうでなければブロック1003に進む。コンポーネントは、ブロック1003において次のライブラリサイクル(「LC」)を選択する。判定ブロック1004において、選択された患者サイクルについて全てのライブラリサイクルが既に選択されていた場合、コンポーネントはブロック1006に進み、そうでなければブロック1005に進む。コンポーネントは、ブロック1005において、患者サイクル及びライブラリサイクルの類似性スコアを計算してブロック1003に進む。コンポーネントは、ブロック1006~1008においてループしてライブラリサイクルを各発生源位置についてソートする。コンポーネントは、ブロック1006において次の発生源位置を選択する。判定ブロック1007において、患者サイクルについて全ての発生源位置が既に選択されていた場合、コンポーネントはブロック1001にループして次の患者サイクルを選択し、そうでなければブロック1008に進む。コンポーネントは、ブロック1008において、選択された患者サイクルの選択された発生源位置に関連するライブラリサイクル及び選択された患者サイクルの類似性スコアに基づいてこれらのライブラリサイクルをソートする。その後、コンポーネントは、ブロック1006にループして次の発生源位置を選択する。
【0032】
図11は、いくつかの実施形態におけるHGDシステムの発生源位置インジケータ生成コンポーネントの処理を示すフロー図である。発生源位置インジケータ生成コンポーネントは、各患者サイクルの発生源位置インジケータを生成する。コンポーネントは、ブロック1101において次の患者サイクルを選択する。コンポーネントは、判定ブロック1102において全ての患者サイクルが既に選択されていた場合には終了し、そうでなければブロック1103に進む。コンポーネントは、ブロック1103において次の発生源位置を選択する。コンポーネントは、判定ブロック1104において全ての発生源位置が既に選択されていた場合にはブロック1106に進み、そうでなければブロック1105に進む。コンポーネントは、ブロック1105において、選択された患者サイクルの発生源位置スコアを生成する。例えば、発生源位置スコアは、その発生源位置に関連するライブラリサイクル(及び選択された患者サイクル)の最も高い類似性スコアとすることができる。別の例として、発生源位置スコアは、5つの最も高い類似性スコアの平均とすることもできる。コンポーネントは、ブロック1106において、発生源位置スコア順に次の発生源位置を選択する。判定ブロック1107において、SLグラフィックに含めるべき発生源位置インジケータを有する発生源位置の数が既に選択されていた場合、コンポーネントはブロック1101に進み、そうでなければブロック1108に進む。コンポーネントは、ブロック1108において、発生源位置順に基づいて発生源位置の色を設定する。コンポーネントは、ブロック1109において、発生源位置スコアに基づいて発生源位置の半径を設定する。コンポーネントは、ブロック1110において、色及び半径に基づいて、発生源位置の円を表すデータ構造を満たす。その後、コンポーネントは、ブロック1106にループして次の発生源位置を選択する。
【0033】
図12は、いくつかの実施形態におけるHGDシステムの画素色設定コンポーネントの処理を示すフロー図である。画素色設定コンポーネント1200は、患者サイクルを提供され、患者サイクルの発生源位置インジケータに基づいてSLグラフィックの各画素の色を計算する。コンポーネントは、ブロック1201においてSLグラフィックの次の画素を選択する。コンポーネントは、判定ブロック1202において全ての画素が既に選択されていた場合には終了し、そうでなければブロック1203に進む。コンポーネントは、ブロック1203において、選択された画素を含む患者サイクルの発生源位置インジケータを識別する。コンポーネントは、ブロック1204において、発生源位置の円を表すデータ構造に基づいて、識別された発生源位置インジケータの平均値を計算する。コンポーネントは、ブロック1205において、平均値に基づいて画素の色を設定し、その後にブロック1201にループして次の画素を選択する。
【0034】
以下の段落では、HGDシステムの態様の様々な実施形態について説明する。HGDシステムの実装は、これらの実施形態のいずれかの組み合わせを採用することができる。後述する処理は、HGDシステムを実装するコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されたコンピュータ実行可能命令を実行するプロセッサを含むコンピュータシステムによって実行することができる。
【0035】
心電図内類似性
いくつかの実施形態では、1又は2以上のコンピュータシステムによって実行される、身体の電磁波(「EM」)源の評価を支援する情報を提示する方法を提供する。方法は、EM源のEM場のEM測定値内のサイクルを示すものにアクセスし、各サイクルペアは、ペアのサイクル間の類似性を示す類似性スコアを有する。方法は、各サイクルペアの類似性スコアを示すグラフィックを生成する。方法は、グラフィックを出力装置に出力する。いくつかの実施形態では、サイクルが順序を有し、グラフィックが、各サイクルを順序通りに表す第1の軸と各サイクルを順序通りに表す第2の軸とを有するマップを含み、サイクルペアの交点が、サイクルペアの類似性スコアを示すものを提供する。いくつかの実施形態では、類似性スコアを示すものが、グラフィック特性を変化させることに基づく。いくつかの実施形態では、グラフィック特性が色に基づく。いくつかの実施形態では、グラフィック特性が強度レベルに基づく。いくつかの実施形態では、グラフィックが、類似性スコアを表す第3の軸をさらに含み、サイクルペアの類似性スコアを示すものが、第3の軸に沿った高さに基づく。いくつかの実施形態では、方法がグラフィックを回転させる。いくつかの実施形態では、出力装置がディスプレイ装置であり、方法が、サイクルペアの選択を受け取って、選択されたサイクルペアに関する情報を表示する。いくつかの実施形態では、表示される情報が、選択されたサイクルペアの類似性スコアを含む。いくつかの実施形態では、出力装置がディスプレイ装置であり、複数のサイクルペアの選択を受け取って、選択された複数のサイクルペアに関する情報を表示することをさらに含む。いくつかの実施形態では、表示される情報が、平均類似性スコア、類似性スコアの標準偏差、安定性指数、又は同様のサイクルのペアのグループ数を含む。いくつかの実施形態では、EM源が心臓であり、EM測定値が心電図によって表される。いくつかの実施形態では、類似性スコアを示すものが、グラフィック特性を変化させることに基づく。いくつかの実施形態では、EM源のEM活性化をモデル化する計算モデルに基づいてEM測定値が生成される。
【0036】
いくつかの実施形態では、患者の心臓の評価を支援する情報を提示する1又は2以上のコンピュータシステムを提供する。1又は2以上のコンピュータシステムは、コンピュータ実行可能命令を記憶する1又は2以上のコンピュータ可読記憶媒体と、1又は2以上のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータ実行可能命令を実行する1又は2以上のプロセッサとを含む。命令は、実行されると、患者の心電図内のサイクルを示すものにアクセスする。各サイクルペアは、ペアのサイクル間の類似性を示す類似性スコアを有する。命令は、各サイクルペアの類似性スコアを示すグラフィックを生成する。命令は、ディスプレイ装置を介してグラフィックを表示する。いくつかの実施形態では、サイクルが心電図内の順序を有し、グラフィックが、各サイクルを順序通りに表す第1の軸と各サイクルを順序通りに表す第2の軸とを有するマップを含み、サイクルペアの交点が、サイクルペアの類似性スコアを示すものを提供する。いくつかの実施形態では、類似性スコアを示すものが、グラフィック特性を変化させることに基づく。いくつかの実施形態では、グラフィック特性が色に基づく。いくつかの実施形態では、グラフィック特性が強度レベルに基づく。いくつかの実施形態では、グラフィックが、類似性スコアを表す第3の軸をさらに含み、サイクルペアの類似性スコアを示すものが、第3の軸に沿った高さに基づく。いくつかの実施形態では、命令が、サイクルペアの選択をさらに受け取って、選択されたサイクルペアに関する情報を表示する。いくつかの実施形態では、表示される情報が、選択されたサイクルペアの類似性スコアを含む。いくつかの実施形態では、命令が、複数のサイクルペアの選択をさらに受け取って、選択された複数のサイクルペアに関する情報を表示する。いくつかの実施形態では、表示される情報が、平均類似性スコア、類似性スコアの標準偏差、安定性指数、又は同様のサイクルのペアのグループ数を含む。いくつかの実施形態では、命令が心電図のサイクルをさらに識別する。いくつかの実施形態では、命令が各サイクルペアの類似性スコアをさらに計算する。
【0037】
いくつかの実施形態では、心臓に関する情報を提示する1又は2以上のコンピュータシステムを提供する。1又は2以上のコンピュータシステムは、コンピュータ実行可能命令を記憶する1又は2以上のコンピュータ可読記憶媒体と、1又は2以上のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータ実行可能命令を実行する1又は2以上のプロセッサとを含む。命令は、実行されると、心臓に関する情報を求める要求をユーザから受け取る。命令は、情報を求める要求をサーバに送信する。命令は、心臓の電気的活性化の各サイクルペアの類似性スコアを示す情報をサーバから受け取る。サイクルペアの類似性スコアは、ペアのサイクル間の類似性を示す。命令は、受け取られた情報の類似性スコアを視覚的に示すものをディスプレイ装置上に表示する。いくつかの実施形態では、サイクルが順序を有し、グラフィックが、各サイクルを順序通りに表す第1の軸と各サイクルを順序通りに表す第2の軸とを有するマップを含み、サイクルペアの交点が、サイクルペアの類似性スコアを視覚的に示すものを提供する。いくつかの実施形態では、命令がグラフィックをさらに生成する。いくつかの実施形態では、要求が送信され、サーバから受信情報が受け取られる。いくつかの実施形態では、要求が送信され、クラウドベースシステムから受信情報が受け取られる。いくつかの実施形態では、受け取られた情報がグラフィックを含む。いくつかの実施形態では、視覚的に示すものが非テキストである。
【0038】
発生源位置
いくつかの実施形態では、1又は2以上のコンピュータシステムによって実行される、患者の電磁波(「EM」)源の評価を支援する情報を提示する方法を提供する。方法は、EM源のEM場のライブラリEM測定値のライブラリサイクルを有するライブラリにアクセスする。各ライブラリサイクルは、EM源の発生源位置に関連する。方法は、複数のライブラリサイクルの各々について、ライブラリサイクルと患者の患者EM測定値の患者サイクルとの間の類似性を示すライブラリサイクルの類似性スコアを計算する。方法は、標的ライブラリサイクルの類似性スコアに基づいて標的ライブラリサイクルに関連する発生源位置を識別する。方法は、EM源位置の一部の表現と、識別された発生源位置に基づいて配置される発生源位置インジケータとを含むグラフィックを生成する。発生源位置インジケータは、標的ライブラリサイクルに関連する類似性スコアに基づく特性を有する。方法は、グラフィックを出力装置に出力する。いくつかの実施形態では、特性が、類似性スコアに基づく発生源位置インジケータのサイズである。いくつかの実施形態では、発生源位置インジケータが円であり、サイズが円の半径を示す。いくつかの実施形態では、小さなサイズの方が高い類似性スコアを示す。いくつかの実施形態では、特性が色である。いくつかの実施形態では、発生源位置インジケータが円であり、特性が円のサイズであり、特性が色である。いくつかの実施形態では、色が円の中心から円の周辺部にかけて変化する。いくつかの実施形態では、患者サイクルが複数の患者サイクルのうちの1つであり、各患者サイクルについてグラフィックを生成し、グラフィックを順に出力して発生源位置の位置をアニメ化する。いくつかの実施形態では、標的ライブラリサイクルの類似性スコアに基づいて、標的ライブラリサイクルに関連する複数の発生源位置が識別され、グラフィックが、識別された発生源位置に基づいて配置された発生源位置インジケータを含み、各発生源位置インジケータが、標的ライブラリサイクルに関連する類似性スコアに基づく特性を有する。いくつかの実施形態では、特性が発生源位置インジケータのサイズであり、サイズが、識別されたライブラリサイクルの類似性スコアに基づく。いくつかの実施形態では、小さなサイズの方が高い類似性スコアを示す。いくつかの実施形態では、特性が色であり、各発生源位置インジケータが異なる色を有する。いくつかの実施形態では、グラフィック上で発生源位置インジケータが重複する場合、重複の色が、重複する発生源位置インジケータの色の組み合わせに基づく。いくつかの実施形態では、発生源位置インジケータが円であり、特性が円のサイズであり、特性が、標的ライブラリサイクルの類似性スコアに基づく発生源位置スコアの順序を示す色である。いくつかの実施形態では、円の色が中心に存在し、円の色付けが中心から周辺部にかけて変化する。いくつかの実施形態では、方法が、人によって指定された患者サイクルの選択を受け取る。いくつかの実施形態では、方法が患者サイクルを識別する。いくつかの実施形態では、方法が、識別された標的サイクルに関する統計値を出力する。いくつかの実施形態では、識別が、標的ライブラリサイクルの類似性スコアに基づいて、標的ライブラリサイクルに関連する発生源位置を識別し、グラフィックが、識別された発生源位置の発生源位置インジケータを含む。いくつかの実施形態では、EM源のEM活性化をモデル化する計算モデルに基づいてEM測定値が生成される。いくつかの実施形態では、EM源が心臓であり、EM測定値が心電図によって表される。いくつかの実施形態では、発生源位置が心臓の異常な電気的活性化に関連し、異常な電気的活性化の発生源タイプを示す発生源タイプインジケータを表示することをさらに含む。いくつかの実施形態では、発生源タイプが、ロータ、限局性、細動、頻拍及び粗動から成る群から選択される。
【0039】
いくつかの実施形態では、患者の心臓の評価を支援する情報を提示する1又は2以上のコンピュータシステムを提供する。1又は2以上のコンピュータシステムは、コンピュータ実行可能命令を記憶する1又は2以上のコンピュータ可読記憶媒体と、1又は2以上のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータ実行可能命令を実行する1又は2以上のプロセッサとを含む。命令は、実行されると、ライブラリの複数のライブラリサイクルの各々について、ライブラリサイクルと患者の患者心電図の患者サイクルとの間の類似性を示すライブラリサイクルの類似性スコアを計算する。各ライブラリサイクルは、心臓の発生源位置に関連する。命令は、標的ライブラリサイクルの類似性スコアに基づいて、標的ライブラリサイクルに関連する発生源位置を識別する。命令は、心臓の一部の表現と、識別された発生源位置に基づいて心臓上に配置される発生源位置インジケータとを含むグラフィックを生成する。発生源位置インジケータは、標的ライブラリサイクルに関連する類似性スコアに基づく特性を有する。命令は、ディスプレイ装置を介してグラフィックを表示する。いくつかの実施形態では、特性が、類似性スコアに基づく発生源位置インジケータのサイズである。いくつかの実施形態では、発生源位置インジケータが円であり、サイズが円の半径を示す。いくつかの実施形態では、小さなサイズの方が高い類似性スコアを示す。いくつかの実施形態では、特性が色である。いくつかの実施形態では、発生源位置インジケータが円であり、特性が円のサイズであり、特性が色である。いくつかの実施形態では、色が円の中心から円の周辺部にかけて変化する。いくつかの実施形態では、患者サイクルが複数の患者サイクルのうちの1つであり、命令が、各患者サイクルのグラフィックを生成し、グラフィックを順に表示して患者サイクルの発生源位置の変化をアニメ化する。いくつかの実施形態では、命令が、標的ライブラリサイクルの類似性スコアに基づいて、標的ライブラリサイクルに関連する発生源位置を識別し、識別された発生源位置に基づいて配置された、各発生源位置インジケータが標的ライブラリサイクルに関連する類似性スコアに基づく特性を有する発生源位置インジケータを含むグラフィックを生成する。いくつかの実施形態では、特性が発生源位置インジケータのサイズであり、サイズが、識別されたライブラリサイクルの類似性スコアに基づく。いくつかの実施形態では、小さなサイズの方が高い類似性スコアを示す。いくつかの実施形態では、特性が色であり、各発生源位置インジケータが異なる色を有する。いくつかの実施形態では、グラフィック上で発生源位置インジケータが重複する場合、重複の色が、重複する発生源位置インジケータの色の組み合わせに基づく。いくつかの実施形態では、発生源位置インジケータが円であり、特性が円のサイズであり、特性が、標的ライブラリサイクルの類似性スコアに基づく発生源位置スコアの順序を示す色である。いくつかの実施形態では、円の色が中心に存在し、円の色付けが中心から周辺部にかけて変化する。いくつかの実施形態では、命令が、識別された標的サイクルに関する統計値を表示する。いくつかの実施形態では、識別が、標的ライブラリサイクルの類似性スコアに基づいて、標的ライブラリサイクルに関連する発生源位置を識別し、グラフィックが、識別された発生源位置の発生源位置インジケータを含む。いくつかの実施形態では、ライブラリサイクルの少なくとも一部が、心臓の電気的活性化をモデル化する計算モデルに基づいて生成される。いくつかの実施形態では、心電図のライブラリサイクルの少なくとも一部が人々から収集される。いくつかの実施形態では、発生源位置が心臓の異常な電気的活性化に関連し、命令が、異常な電気的活性化の発生源タイプを示す発生源タイプインジケータを表示する。いくつかの実施形態では、発生源タイプが、ロータ、限局性、細動、頻拍及び粗動から成る群から選択される。
【0040】
いくつかの実施形態では、患者の電磁波(「EM」)源の評価を支援する情報を提示する1又は2以上のコンピュータシステムを提供する。1又は2以上のコンピュータシステムは、コンピュータ実行可能命令を記憶する1又は2以上のコンピュータ可読記憶媒体と、1又は2以上のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータ実行可能命令を実行する1又は2以上のプロセッサとを含む。命令は、1又は2以上のコンピュータシステムを、患者のEM源のEM場のEM測定値内の患者サイクルを示すものにアクセスし、EM源のEM活性化のシミュレーションに基づいて生成された模擬EM測定値内の模擬サイクルを示すものにアクセスするように制御する。命令は、1又は2以上のコンピュータシステムを、サイクルペアの類似性スコアを計算するように制御する。各ペアは、患者サイクル及び模擬サイクルを含む。類似性スコアは、ペアの患者サイクルと模擬サイクルとの間の類似性を示す。命令は、1又は2以上のコンピュータシステムを、複数のサイクルペアの類似性スコアを視覚的に示すものを提供するグラフィックを生成してグラフィックを出力装置に出力するように制御する。いくつかの実施形態では、グラフィックが、患者サイクルを表す第1の軸と模擬サイクルを表す第2の軸とを有するマップを含み、マップ上のサイクルペアの交点が、サイクルペアの類似性スコアを視覚的に示すものを提供する。いくつかの実施形態では、類似性スコアを視覚的に示すものが、グラフィック特性を変化させることに基づく。いくつかの実施形態では、グラフィックが、類似性スコアを表す第3の軸をさらに含み、サイクルペアの類似性スコアを視覚的に示すものが、第3の軸に沿った高さに基づく。いくつかの実施形態では、EM測定値が、EM源のEM活性化をモデル化する計算モデルに基づいて生成される。いくつかの実施形態では、命令が、1又は2以上のコンピュータシステムを、計算モデルを適用して、EM源のEM活性化をモデル化するシミュレーションを実行し、モデル化されたEM活性化からEM測定値を導出するように制御する。
【0041】
いくつかの実施形態では、1又は2以上のコンピュータシステムによって実行される、電磁波(「EM」)源の評価を支援する情報のための方法を提供する。方法は、第1のEM場の第1のEM測定値内の第1のサイクルを示すもの、及び第2のEM場の第2のEM測定値内の第2のサイクルを示すものにアクセスする。方法は、サイクルペアの類似性スコアを計算する。各ペアは、第1のサイクル及び第2のサイクルを含む。類似性スコアは、ペアの第1のサイクルと第2のサイクルとの間の類似性を示す。方法は、複数のサイクルペアの類似性スコアを視覚的に示すものを提供するグラフィックを生成する。いくつかの実施形態では、グラフィックが、第1のサイクルを表す第1の軸と第2のサイクルを表す第2の軸とを有するマップを含み、マップ上のサイクルペアの交点が、サイクルペアの類似性スコアを視覚的に示すものを提供する。いくつかの実施形態では、第1のEM測定値及び第2のEM測定値が、同じ患者から異なる時点で収集されたものである。いくつかの実施形態では、第1のEM測定値が第1の患者から収集されたものであり、第2のEM測定値が第2の患者から収集されたものである。いくつかの実施形態では、第1のEM測定値が患者から収集されたものであり、第2のEM測定値が模擬EM測定値である。いくつかの実施形態では、第1のEM測定値及び第2のEM測定値が同じ模擬EM測定値である。いくつかの実施形態では、第1のEM測定値及び第2のEM測定値が異なるシミュレーションから導出される。
【0042】
いくつかの実施形態では、1又は2以上のコンピュータシステムによって実行される、身体のEM源の評価を支援する情報を提示する方法を提供する。方法は、EM源のEM場のEM測定値内のサイクルを示すものにアクセスする。方法は、サイクルの複数の第1のサイクルの各々及びサイクルの複数の第2のサイクルの各々について、この第1のサイクル及びこの第2のサイクルを含むサイクルペアの類似性スコアを計算する。類似性スコアは、この第1のサイクルとこの第2のサイクルとの間の類似性を示す。方法は、サイクルペアの類似性スコアを非テキストで示すものを提供するグラフィックを生成する。方法は、グラフィックを出力装置に出力する。いくつかの実施形態では、EM測定値が人から収集される。いくつかの実施形態では、EM測定値が、EM源のEM活性化をモデル化する計算モデルに基づいて生成される。いくつかの実施形態では、方法が計算モデルをさらに適用して、EM源のEM活性化をモデル化するシミュレーションを実行し、モデル化されたEM活性化からEM測定値を導出する。いくつかの実施形態では、類似性スコアを非テキストで示すものが、グラフィック特性を変化させることに基づく。いくつかの実施形態では、グラフィック特性が色に基づく。いくつかの実施形態では、グラフィック特性が強度レベルに基づく。いくつかの実施形態では、グラフィックが、各サイクルを表す第1の軸と各サイクルを表す第2の軸とを有するマップを含み、マップ上のサイクルペアの交点が、サイクルペアの類似性スコアを非テキストで示すものを提供する。いくつかの実施形態では、グラフィックが、類似性スコアを表す第3の軸をさらに含み、サイクルペアの類似性スコアを非テキストで示すものが、第3の軸に沿った高さに基づく。いくつかの実施形態では、出力装置がディスプレイ装置であり、サイクルペアの選択を受け取って、選択されたサイクルペアに関する情報を表示することをさらに含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、患者のEM源の評価を支援する情報を提示する1又は2以上のコンピュータシステムを提供する。1又は2以上のコンピュータシステムは、コンピュータ実行可能命令を記憶する1又は2以上のコンピュータ可読記憶媒体と、1又は2以上のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータ実行可能命令を実行する1又は2以上のプロセッサとを含む。命令は、患者のEM源のEM場のEM測定値内の患者サイクルを示すものにアクセスする。命令は、EM源のEM活性化のシミュレーションに基づいて生成された模擬EM測定値内の模擬サイクルを示すものにアクセスする。命令は、サイクルペアの類似性スコアを計算する。各ペアは、患者サイクル及び模擬サイクルを含む。類似性スコアは、ペアの患者サイクルと模擬サイクルとの間の類似性を示す。命令は、複数のサイクルペアの類似性スコアを視覚的に示すものを提供するグラフィックを生成する。命令は、グラフィックを出力装置に出力する。いくつかの実施形態では、グラフィックが、患者サイクルを表す第1の軸と模擬サイクルを表す第2の軸とを有するマップを含み、マップ上のサイクルペアの交点が、サイクルペアの類似性スコアを視覚的に示すものを提供する。いくつかの実施形態では、類似性スコアを視覚的に示すものが、グラフィック特性を変化させることに基づく。いくつかの実施形態では、グラフィックが、類似性スコアを表す第3の軸をさらに含み、サイクルペアの類似性スコアを視覚的に示すものが、第3の軸に沿った高さに基づく。いくつかの実施形態では、EM測定値が、EM源のEM活性化をモデル化する計算モデルに基づいて生成される。いくつかの実施形態では、命令が計算モデルをさらに適用して、EM源のEM活性化をモデル化するシミュレーションを実行し、モデル化されたEM活性化からEM測定値を導出する。
【0044】
いくつかの実施形態では、患者の心臓に関する情報を提示する1又は2以上のコンピュータシステムを提供する。1又は2以上のコンピュータシステムは、コンピュータ実行可能命令を記憶する1又は2以上のコンピュータ可読記憶媒体と、1又は2以上のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータ実行可能命令を実行する1又は2以上のプロセッサとを含む。命令は、患者の心電図内のサイクルを示すものにアクセスし、各サイクルペアは、ペアのサイクル間の類似性を示す類似性スコアを有する。命令は、各サイクルペアの類似性スコアを示す図形表現を生成する。いくつかの実施形態では、図形表現が、各サイクルを表す第1の軸と各サイクルを表す第2の軸とを有するマップを含み、マップ上のサイクルペアの交点が、サイクルペアの類似性スコアを視覚的に示すものを提供する。いくつかの実施形態では、類似性スコアを視覚的に示すものが、グラフィック特性を変化させることに基づく。いくつかの実施形態では、図形表現が、類似性スコアを表す第3の軸をさらに含み、サイクルペアの類似性スコアを視覚的に示すものが、第3の軸に沿った高さに基づく。いくつかの実施形態では、命令が、サイクルペアの選択をさらに受け取り、選択されたサイクルペアに関する情報を表示する。
【0045】
いくつかの実施形態では、1又は2以上のコンピュータシステムによって実行される、EM源の評価を支援する情報を提供する方法を提供する。方法は、第1のEM場の第1のEM測定値内の第1のサイクルを示すもの、及び第2のEM場の第2のEM測定値内の第2のサイクルを示すものにアクセスする。方法は、サイクルペアの類似性スコアを計算する。各ペアは、第1のサイクル及び第2のサイクルを含み、類似性スコアは、ペアの第1のサイクルと第2のサイクルとの間の類似性を示す。方法は、複数のサイクルペアの類似性スコアを視覚的に示すものを提供するグラフィックを生成する。いくつかの実施形態では、グラフィックが、第1のサイクルを表す第1の軸と第2のサイクルを表す第2の軸とを有するマップを含み、マップ上のサイクルペアの交点が、サイクルペアの類似性スコアを視覚的に示すものを提供する。いくつかの実施形態では、第1のEM測定値及び第2のEM測定値が、同じ患者から異なる時点で収集されたものである。いくつかの実施形態では、第1のEM測定値が第1の患者から収集されたものであり、第2のEM測定値が第2の患者から収集されたものである。いくつかの実施形態では、第1のEM測定値が患者から収集されたものであり、第2のEM測定値が模擬EM測定値である。いくつかの実施形態では、第1のEM測定値及び第2のEM測定値が同じ模擬EM測定値である。いくつかの実施形態では、第1のEM測定値及び第2のEM測定値が異なるシミュレーションから導出される。
【0046】
構造的特徴及び/又は行為に特有の言語で主題を説明したが、添付の特許請求の範囲に定める主題は、必ずしも上述した特定の特徴又は行為に限定されるものではないと理解されたい。むしろ、上述した特定の特徴及び行為は、請求項を実施する形態例として開示したものである。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲以外によって限定されるものではない。