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特許7570608ウェアラブル端末からブロードキャスト通信で送信される生体情報を管理する管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】ウェアラブル端末からブロードキャスト通信で送信される生体情報を管理する管理システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20241015BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20241015BHJP
   G16H 10/00 20180101ALI20241015BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20241015BHJP
【FI】
G08B25/04 K
A61B5/00 102C
G16H10/00
H04M11/00 302
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024036118
(22)【出願日】2024-03-08
【審査請求日】2024-03-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509101088
【氏名又は名称】ボクシーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】鳥居 暁
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2022/264592(WO,A1)
【文献】特開2017-135650(JP,A)
【文献】特開2022-164985(JP,A)
【文献】特開2018-045468(JP,A)
【文献】特表2021-524961(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2023/0380761(US,A1)
【文献】国際公開第2022/157868(WO,A1)
【文献】特開2023-097290(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00
G08B 25/04
G16H 10/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロードキャスト通信で送信される生体情報を管理する管理システムであって、
前記管理システムは、
サーバと、
ウェアラブル端末と、
前記ウェアラブル端末から送信されたデータを前記サーバに転送する中継機器と、を備え、
前記ウェアラブル端末は、
データを周期的に送信する第1近距離無線通信部と、
身に着けている着用ユーザの生体情報を取得する生体情報取得部と、を備え、
前記中継機器は、
前記第1近距離無線通信部の近距離通信エリアで前記ウェアラブル端末と近距離通信する第2近距離無線通信部と、
前記サーバとの通信の行える第2通信部と、を備え、
前記サーバは、
前記中継機器との通信の行える第3通信部と、
前記第1近距離無線通信部から送信された前記データを記憶する第3記憶部と、
前記ウェアラブル端末の前記着用ユーザを識別するユーザ識別情報の登録されたユーザ管理部と、を備え、
前記データは、前記生体情報、及び、前記ユーザ識別情報を含み、
前記第1近距離無線通信部が、前記近距離通信エリア内にある不特定の機器に向けてブロードキャスト通信で前記データを送信し、
前記中継機器は、
前記第1近距離無線通信部から送信された前記データ以外のデータを含むデータを前記第2近距離無線通信部で受信するデータ受信処理と、
前記データ受信処理で受信した前記データを前記第2通信部から前記サーバの前記第3通信部に送信するデータ送信処理と、を行い、
前記サーバは、前記ユーザ識別情報が前記第3通信部の受信した前記第2通信部からの前記データに含まれていると、前記ユーザ識別情報に基づき、前記着用ユーザ別で前記生体情報を前記第3記憶部に記憶し、
前記管理システムは、さらに、特定の前記着用ユーザに関する前記生体情報の取得を許可された受信許可端末を備え、
前記受信許可端末は、前記サーバとの通信の行える第4通信部を備え、
前記サーバは、あらかじめ設定されたタイミング、又は、前記受信許可端末からの要求に従って、前記第3通信部から取得を許可された特定の前記着用ユーザの前記生体情報を前記受信許可端末の前記第4通信部に送信することを特徴とする管理システム。
【請求項2】
ブロードキャスト通信で送信される生体情報を管理する管理システムであって、
前記管理システムは、
サーバと、
ウェアラブル端末と、
前記ウェアラブル端末から送信されたデータを前記サーバに転送する中継機器と、を備え、
前記ウェアラブル端末は、
データを周期的に送信する第1近距離無線通信部と、
身に着けている着用ユーザの生体情報を取得する生体情報取得部と、を備え、
前記中継機器は、
前記第1近距離無線通信部の近距離通信エリアで前記ウェアラブル端末と近距離通信する第2近距離無線通信部と、
前記サーバとの通信の行える第2通信部と、を備え、
前記サーバは、
前記中継機器との通信の行える第3通信部と、
前記第1近距離無線通信部から送信された前記データを記憶する第3記憶部と、
前記ウェアラブル端末の前記着用ユーザを識別するユーザ識別情報の登録されたユーザ管理部と、を備え、
前記データは、前記生体情報、及び、前記ユーザ識別情報を含み、
前記第1近距離無線通信部が、前記近距離通信エリア内にある不特定の機器に向けてブロードキャスト通信で前記データを送信し、
前記中継機器は、
前記第1近距離無線通信部から送信された前記データ以外のデータを含むデータを前記第2近距離無線通信部で受信するデータ受信処理と、
前記データ受信処理で受信した前記データを前記第2通信部から前記サーバの前記第3通信部に送信するデータ送信処理と、を行い、
前記サーバは、前記ユーザ識別情報が前記第3通信部の受信した前記第2通信部からの前記データに含まれていると、前記ユーザ識別情報に基づき、前記着用ユーザ別で前記生体情報を前記第3記憶部に記憶し、
前記ウェアラブル端末は、取得した前記生体情報を記憶する第1記憶部を備え、
前記中継機器が、電球であり、
前記電球は、
あらかじめ設定されたデータ通信の許可条件を満たす場合、前記ウェアラブル端末と自動で通信接続を行う接続処理と、
通信接続状態で前記第1近距離無線通信部から送信される前記第1記憶部に記憶されている前記生体情報、及び、前記ユーザ識別情報を前記第2近距離無線通信部で受信する接続状態受信処理と、
前記接続状態受信処理後に自動で前記通信接続を解除する接続解除処理と、
前記接続状態受信処理で受信した前記生体情報と前記ユーザ識別情報を前記第2通信部から前記サーバの前記第3通信部に送信する接続状態取得データ送信処理と、を行うことを特徴とする管理システム。
【請求項3】
ブロードキャスト通信で送信される生体情報を管理する管理システムであって、
前記管理システムは、
サーバと、
ウェアラブル端末と、
前記ウェアラブル端末から送信されたデータを前記サーバに転送する中継機器と、を備え、
前記ウェアラブル端末は、
データを周期的に送信する第1近距離無線通信部と、
身に着けている着用ユーザの生体情報を取得する生体情報取得部と、を備え、
前記中継機器は、
前記第1近距離無線通信部の近距離通信エリアで前記ウェアラブル端末と近距離通信する第2近距離無線通信部と、
前記サーバとの通信の行える第2通信部と、を備え、
前記サーバは、
前記中継機器との通信の行える第3通信部と、
前記第1近距離無線通信部から送信された前記データを記憶する第3記憶部と、
前記ウェアラブル端末の前記着用ユーザを識別するユーザ識別情報の登録されたユーザ管理部と、を備え、
前記データは、前記生体情報、及び、前記ユーザ識別情報を含み、
前記第1近距離無線通信部が、前記近距離通信エリア内にある不特定の機器に向けてブロードキャスト通信で前記データを送信し、
前記中継機器は、
前記第1近距離無線通信部から送信された前記データ以外のデータを含むデータを前記第2近距離無線通信部で受信するデータ受信処理と、
前記データ受信処理で受信した前記データを前記第2通信部から前記サーバの前記第3通信部に送信するデータ送信処理と、を行い、
前記サーバは、前記ユーザ識別情報が前記第3通信部の受信した前記第2通信部からの前記データに含まれていると、前記ユーザ識別情報に基づき、前記着用ユーザ別で前記生体情報を前記第3記憶部に記憶し、
前記中継機器が、電球であることを特徴とする管理システム。
【請求項4】
前記データは、さらに、受信認識情報を含み、
前記中継機器は、前記受信認識情報に基づいて、前記第1近距離無線通信部から送信された前記データの受信を認識するデータ受信認識部を備え、
前記中継機器は、前記第2近距離無線通信部の受信する前記データのうち、前記データ受信認識部が前記受信認識情報に基づいて、前記第1近距離無線通信部から送信された前記データの受信を認識するデータ受信認識処理を行い、
前記データ送信処理が、前記データ受信認識処理で認識された前記第1近距離無線通信部からの前記データを前記第2通信部から前記サーバの前記第3通信部に送信する処理であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項5】
前記ウェアラブル端末が、身体活動による発電を行う発電部を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項6】
前記中継機器が、携帯端末であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項7】
前記ユーザ識別情報は、前記着用ユーザが前記ウェアラブル端末を利用する前に前記サーバに登録された前記ウェアラブル端末のMACアドレスであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロードキャスト通信でバイタルデータ等の情報を発信するウェアラブル端末、そのウェアラブル端末を用いたブロードキャスト通信による体調管理システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
見守り者には、見守り対象者の現在の状態だけでなく、現在の状態に至るまでにどのような様子で過ごしていたのかも知りたいというニーズがある。
特に見守り対象者が外出していたのか又は帰宅したところである場合には、そのことが分かると見守り対象者をより適切に見守ることができる。
しかし、従来の技術では、見守り対象者が外出していたこと又は帰宅したところであることが一見して分かり難い(特許文献1参照。)。
【0003】
そして、見守り対象者の過去の在不在の状態変化を見守り者が容易に認識できるようにすることを目的として、特許文献1には、管理エリアを利用する見守り対象者を見守る見守りシステムであって、見守り対象者の少なくとも在不在を含む現在の状態を示す第1表示情報を表示する表示手段と、見守り対象者の在不在の変化履歴を記憶する記憶手段と、を備え、表示手段は、変化履歴により過去の所定時間内に見守り対象者の在不在が変化したことが示される場合には、在不在の状態変化があったことを示す第2表示情報を表示することを特徴とする見守りシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2023-151310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1では、見守り対象者がウェアラブル端末を身に着けて、ウェアラブル端末が検知した見守り対象者に関する各種の情報をスマートフォン、携帯電話機、及びタブレット端末といったユーザ端末を介して、サーバ装置に転送される。
【0006】
しかしながら、このような構成の場合、ウェアラブル端末の使用を開始するにあたって、ユーザ端末との間で通信接続の設定を行うが、今後、利用が見込まれる高齢者にとってみれば、煩わしいといった問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ウェアラブル端末の使用を開始するにあたって、通信接続の設定を行うといった煩わしさを軽減した生体情報を送信するウェアラブル端末、その生体情報を管理する管理システム、その生体情報を利用した救助システム、及び、体調管理システムを提供することを1つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために以下の構成によって把握される。
(1)本発明の管理システムは、ブロードキャスト通信で送信される生体情報を管理する管理システムであって、前記管理システムは、サーバと、ウェアラブル端末と、前記ウェアラブル端末から送信されたデータを前記サーバに転送する中継機器と、を備え、前記ウェアラブル端末は、データを周期的に送信する第1近距離無線通信部と、身に着けている着用ユーザの生体情報を取得する生体情報取得部と、を備え、前記中継機器は、前記第1近距離無線通信部の近距離通信エリアで前記ウェアラブル端末と近距離通信する第2近距離無線通信部と、前記サーバとの通信の行える第2通信部と、を備え、前記サーバは、前記中継機器との通信の行える第3通信部と、前記第1近距離無線通信部から送信された前記データを記憶する第3記憶部と、前記ウェアラブル端末の前記着用ユーザを識別するユーザ識別情報の登録されたユーザ管理部と、を備え、前記データは、前記生体情報、及び、前記ユーザ識別情報を含み、前記第1近距離無線通信部が、前記近距離通信エリア内にある不特定の機器に向けてブロードキャスト通信で前記データを送信し、前記中継機器は、前記第1近距離無線通信部から送信された前記データ以外のデータを含むデータを前記第2近距離無線通信部で受信するデータ受信処理と、前記データ受信処理で受信した前記データを前記第2通信部から前記サーバの前記第3通信部に送信するデータ送信処理と、を行い、前記サーバは、前記ユーザ識別情報が前記第3通信部の受信した前記第2通信部からの前記データに含まれていると、前記ユーザ識別情報に基づき、前記着用ユーザ別で前記生体情報を前記第3記憶部に記憶する。
【0009】
(2)上記(1)の構成において、前記管理システムは、さらに、特定の前記着用ユーザに関する前記生体情報の取得を許可された受信許可端末を備え、前記受信許可端末は、前記サーバとの通信の行える第4通信部を備え、前記サーバは、あらかじめ設定されたタイミング、又は、前記受信許可端末からの要求に従って、前記第3通信部から取得を許可された特定の前記着用ユーザの前記生体情報を前記受信許可端末の前記第4通信部に送信する。
【0010】
(3)上記(1)又は(2)の構成において、前記データは、さらに、受信認識情報を含み、前記中継機器は、前記受信認識情報に基づいて、前記第1近距離無線通信部から送信された前記データの受信を認識するデータ受信認識部を備え、前記中継機器は、前記第2近距離無線通信部の受信する前記データのうち、前記データ受信認識部が前記受信認識情報に基づいて、前記第1近距離無線通信部から送信された前記データの受信を認識するデータ受信認識処理を行い、前記データ送信処理が、前記データ受信認識処理で認識された前記第1近距離無線通信部からの前記データを前記第2通信部から前記サーバの前記第3通信部に送信する処理である。
【0011】
(4)上記(1)又は(2)の構成において、前記ウェアラブル端末は、取得した前記生体情報を記憶する第1記憶部を備え、前記中継機器が、電球であり、前記電球は、あらかじめ設定されたデータ通信の許可条件を満たす場合、前記ウェアラブル端末と自動で通信接続を行う接続処理と、通信接続状態で前記第1近距離無線通信部から送信される前記第1記憶部に記憶されている前記生体情報、及び、前記ユーザ識別情報を前記第2近距離無線通信部で受信する接続状態受信処理と、前記接続状態受信処理後に自動で前記通信接続を解除する接続解除処理と、前記接続状態受信処理で受信した前記生体情報と前記ユーザ識別情報を前記第2通信部から前記サーバの前記第3通信部に送信する接続状態取得データ送信処理と、を行う。
【0012】
(5)上記(1)又は(2)の構成において、前記ウェアラブル端末が、身体活動による発電を行う発電部を備える。
【0013】
(6)上記(1)又は(2)の構成において、前記中継機器が、携帯端末である。
【0014】
(7)上記(1)又は(2)の構成において、前記ユーザ識別情報は、前記着用ユーザが前記ウェアラブル端末を利用する前に前記サーバに登録された前記ウェアラブル端末のMACアドレスである。
【0015】
(8)本発明の救助システムは、ブロードキャスト通信で送信される生体情報を利用した救助システムであって、前記救助システムは、ウェアラブル端末と、救助支援端末と、を備え、前記ウェアラブル端末は、データを周期的に送信する第1近距離無線通信部と、身に着けている着用ユーザの生体情報を取得する生体情報取得部と、を備え、前記救助支援端末は、前記第1近距離無線通信部の近距離通信エリアで前記ウェアラブル端末と近距離通信する第2近距離無線通信部と、受信認識情報に基づいて、前記第1近距離無線通信部から送信された前記データの受信を認識するデータ受信認識部と、前記着用ユーザの存在と前記生体情報を通知する通知部と、を備え、前記データは、前記生体情報、及び、前記受信認識情報を含み、前記第1近距離無線通信部が、前記近距離通信エリア内にある不特定の機器に向けてブロードキャスト通信で前記データを送信し、前記救助支援端末は、前記第2近距離無線通信部の受信するデータのうち、前記データ受信認識部が前記受信認識情報に基づいて、前記第1近距離無線通信部から送信された前記データの受信を認識するデータ受信認識処理と、前記通知部を通じて、前記第1近距離無線通信部の前記近距離通信エリア内の前記着用ユーザの存在情報、及び、前記着用ユーザの前記生体情報を通知する救難情報通知処理と、を行う。
【0016】
(9)上記(8)の構成において、前記救助支援端末は、電波強度を検知する電波強度検知部を備え、前記救助支援端末は、さらに、前記電波強度検知部によって、前記データ受信認識部が前記受信認識情報によって前記第1近距離無線通信部からの前記データと認識した前記データの受信時の前記電波強度を検知する電波強度検知処理と、前記通知部を通じて、前記電波強度検知処理で検知した前記電波強度を通知する電波強度通知処理と、を行う。
【0017】
(10)上記(8)又は(9)の構成において、前記ウェアラブル端末が身体活動による発電を行う発電部を備える。
【0018】
(11)本発明の体調管理システムは、ドライバのブロードキャスト通信で送信される生体情報を利用した体調管理システムであって、前記体調管理システムは、ウェアラブル端末と、車両に設置される車載機器と、を備え、前記ウェアラブル端末は、データを周期的に送信する第1近距離無線通信部と、身に着けている着用ユーザの生体情報を取得する生体情報取得部と、を備え、前記車載機器は、前記第1近距離無線通信部の近距離通信エリアで前記ウェアラブル端末と近距離通信する第2近距離無線通信部と、受信認識情報に基づいて、前記第1近距離無線通信部から送信された前記データの受信を認識するデータ受信認識部と、前記生体情報に基づいて前記着用ユーザの体調を判定する体調判定部と、前記着用ユーザの体調を前記着用ユーザに通知する通知部と、を備え、前記データは、前記生体情報、及び、前記受信認識情報を含み、前記第1近距離無線通信部が、前記近距離通信エリア内にある不特定の機器に向けてブロードキャスト通信で前記データを送信し、前記車載機器は、前記第2近距離無線通信部の受信する前記データのうち、前記データ受信認識部が前記受信認識情報に基づいて、前記第1近距離無線通信部から送信された前記データの受信を認識するデータ受信認識処理と、前記データ受信認識処理で認識された前記第1近距離無線通信部からの前記データの前記生体情報に基づいて、体調に問題がないかを前記体調判定部で判定する体調判定処理と、前記通知部を通じて、前記体調判定処理で問題があると判定された場合に、体調に問題があることを前記着用ユーザに通知する体調通知処理と、を行う。
【0019】
(12)本発明のブロードキャスト通信で生体情報を送信するウェアラブル端末は、データを周期的に送信する第1近距離無線通信部と、身に着けている着用ユーザの生体情報を取得する生体情報取得部と、を備え、前記データは、前記生体情報、及び、ユーザ識別情報を含み、前記第1近距離無線通信部が、前記第1近距離無線通信部の近距離通信エリア内にある不特定の機器に向けてブロードキャスト通信で前記データを送信する。
【0020】
(13)上記(12)の構成において、前記ウェアラブル端末が、身体活動による発電を行う発電部を備える。
【0021】
(14)上記(12)又は(13)の構成において、前記ウェアラブル端末は、さらに、長距離通信可能な第1長距離通信部を備える。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ウェアラブル端末の使用を開始するにあたって、通信接続の設定を行うといった煩わしさを軽減した生体情報を送信するウェアラブル端末、その生体情報を管理する管理システム、その生体情報を利用した救助システム、及び、体調管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係る第1実施形態の管理システムを説明するための図である。
図2】本発明に係る第1実施形態のウェアラブル端末の構成を説明するための図である。
図3】本発明に係る第1実施形態の第1近距離無線通信部が送信するデータの形式の一例を示す図である。
図4】本発明に係る第1実施形態の中継機器となる電球の構成を説明するための図である。
図5】本発明に係る第1実施形態のサーバの構成を説明するための図である。
図6】本発明に係る第1実施形態のユーザ管理記憶領域(ユーザ管理部)を説明するための図である。
図7】本発明に係る第1実施形態の出荷検査の内容を説明するための図である。
図8】本発明に係る第1実施形態の生体情報記憶領域(第3記憶部)を説明するための図である。
図9】本発明に係る第2実施形態の管理システムを説明するための図である。
図10】本発明に係る第3実施形態の救助システムを説明するための図である。
図11】本発明に係る第4実施形態の体調管理システムを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称する。)について詳細に説明する。
なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
【0025】
[第1実施形態]
本発明に係る第1実施形態のブロードキャスト通信で送信される生体情報を管理する管理システムA(以下、単に「管理システムA」と記載する場合がある。)について、図1から図8を参照しながら説明する。
【0026】
図1は、本発明に係る第1実施形態の管理システムAを説明するための図である。
図1に示すように、管理システムAは、ウェアラブル端末1と、中継機器となる電球2と、サーバ3と、受信許可端末4と、を備えており、電球2とサーバ3、及び、受信許可端末4とサーバ3は、ネットワークNを介して通信可能になっている。
また、後述のようにウェアラブル端末1と電球2とは近距離通信が可能になっている。
【0027】
(ウェアラブル端末1)
図2は、本発明に係る第1実施形態のウェアラブル端末1の構成を説明するための図である。
ウェアラブル端末1は、管理システムAに登録されたユーザが身に着けて用いる端末であり、図2に示すように、CPU11と、RAM12と、ROM13と、生体情報取得部14と、第1近距離無線通信部15と、発電部16と、を備え、それらがバス17でアクセス可能に接続されている。
なお、ウェアラブル端末1を身に着けて利用するユーザのことを、以降、着用ユーザともいう。
また、CPU11、RAM12、及び、ROM13に代えて集積回路等を用いるようにしてもよい。
【0028】
CPU11は、ROM13に記憶されているプログラムをRAM12に展開し、プログラムに従った各種の制御、演算処理を司る中央処理演算装置である。
例えば、後述の生体情報取得部14が、取得した着用ユーザの生体情報に関する計測データに基づいて、演算によって求める必要がある生体情報の演算等を行う。
【0029】
また、CPU11は、第1近距離無線通信部15を介した通信等のウェアラブル端末1の制御全般を司る。
なお、CPU11による制御は、ウェアラブル端末1自体の動作と同様であるため、主体をウェアラブル端末1として説明する場合がある。
【0030】
RAM12は、本発明の第1記憶部の一例であり、各種のデータやCPU11による演算結果等を一時的に記憶する揮発性メモリである。
例えば、各種データの一例としては、後述の着用ユーザの生体情報等が記憶される。
【0031】
ROM13は、プログラム等(例えば、本実施形態の管理システムAに対応したソフトウェア(アプリケーション)等)が記憶される不揮発性メモリである。
【0032】
生体情報取得部14は、着用ユーザの、いわゆるバイタルデータや動作状況を取得するセンサを備えている。
生体情報取得部14は、例えば、脈拍センサ、温度センサ、脈波センサ、ジャイロセンサ、コンパス、加速度センサ等を備え、それによって、生体情報としての、心拍、血中酸素飽和度、体温、歩数、睡眠(自律神経回復、レム睡眠、ノンレム睡眠)状態、上昇階数、移動距離等の計測を行う。
【0033】
また、生体情報取得部14が備えるセンサの計測結果に基づいて、CPU11が、生体情報としての、呼吸数、筋トレワークアウト、有酸素ワークアウト、無酸素ワークアウト等の各種ワークアウト、インターバルトレーニング、REPカウント、ピッチ、Vo2MAX、トレーニング負荷、ストレスレベル、回復計測、及び、フィットネステスト等を求める。
【0034】
さらに、生体情報取得部14が備えるセンサの計測結果に基づいて、CPU11が、生体情報としての異常状態も求める。
例えば、CPU11は、あらかじめ設定されている閾値等と比較して、異常な低温や脈拍の低下等のバイタルデータの異常、及び、急激な加速度の変化による動作状態の異常(例えば、転倒等)を検出すると、生体情報としての異常状態を生体情報に記録(異常フラグを記録)する。
【0035】
第1近距離無線通信部15は、例えば、一例として、Bluetooth(登録商標)等の近距離通信エリアCA(図1参照)で通信を行う通信インターフェースであり、周期的に第1近距離無線通信部15の近距離通信エリアCA内にある不特定の機器に向けてブロードキャスト通信でデータを送信する。
なお、ブロードキャスト通信とは、説明するまでもないが、不特定の機器が任意に受信可能な通信形態である。
また、データ送信を行う周期に関しては、後述するように可変であってよい。
【0036】
図3は、本発明に係る第1実施形態の第1近距離無線通信部15が送信するデータの形式の一例を示す図である。
図3に示すように、この第1近距離無線通信部15が送信するデータは、例えば、先の生体情報取得部14の取得した着用ユーザの生体情報(それに基づいて、CPU11の演算した生体情報等を含む)と、着用ユーザを識別する後述のユーザ識別情報と、データを受信する管理システムAの中継機器(本実施形態では電球2)が、受信時に、管理システムAのウェアラブル端末1の第1近距離無線通信部15から送信されたデータであることを認識するための後述の受信認識情報と、を含む。
なお、図3に示す取得日時は、生体情報を生体情報取得部14が取得した日時である。
【0037】
ユーザ識別情報は、例えば、一例としては、通信が可能な機器固有に割り当てられるMACアドレスであるが、管理システムAを管理しているシステム運営者がウェアラブル端末1ごとに付与する固有の識別情報であってもよい。
【0038】
また、受信認識情報は、例えば、一例としては、Bluetooth(登録商標)のSIG(Special Interest Group)によってSIGメンバー企業に割り当てられる固有の番号である企業拡張子(Company ID)等であるが、これに限定される必要はなく、管理システムAを管理しているシステム運営者が、管理システムAを利用していることを示すために決めた固有の認識情報であってもよい。
【0039】
発電部16は、例えば、一例として、小型の端末での利用が行われている、熱電素子を利用して熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電発電で発電を行う発電部16であるが、その他に圧電素子等を利用して振動で発電する発電部であってもよく、身体活動(体温による熱エネルギー、動きによる振動)による発電を行う発電部16であるのがよく、これによって充電等の手間を省くことができる。
【0040】
例えば、熱電発電で発電を行う発電部16であれば、約40byte程度のデータ通信であれば、発電能力からして、持続的に、3秒に1回程度の頻度で周囲の不特定の機器に向けてブロードキャスト通信を行える。
【0041】
なお、上述した生体情報の項目をデータ取り扱いするために、項目ごとに1byteを割り当てれば、十分なので、上述した生体情報の全ての項目をデータ化しても、十分に40byte内に収まる。
このため、身体活動による発電を行う発電部16は、発電容量が小さいものの、3秒に1回程度の頻度であれば、持続的な生体情報等のデータ通信を行うことができ、この観点からブロードキャスト通信するデータは、1回あたり、40byte以下にするのが好適である。
【0042】
ただし、データ送信を行う周期を3秒より長い周期とすれば、データ送信の回数が減るため、消費電力を抑えられるので、よりデータ容量の大きいデータを送信することも可能であることから、必ずしも、ブロードキャスト通信するデータのデータ容量は40byte以下に限定されるものではない。
【0043】
また、ウェアラブル端末1は、電力の残量に応じて、データ送信を行う周期を長くしたり、短くしたりするように可変にして電源喪失を回避するようにしてもよい。
【0044】
(電球2)
図4は、本発明に係る第1実施形態の中継機器となる電球2の構成を説明するための図である。
中継機器となる電球2は、例えば、トイレ、キッチン等の着用ユーザが日常的に利用する頻度の高い場所の照明として利用するのが好適であり、CPU21と、RAM22と、ROM23と、第2近距離無線通信部24と、第2通信部25と、人感センサ26と、を備え、それらがバス27でアクセス可能に接続されている。
【0045】
なお、電球2の利用場所は、上記に限定されるものではなく、上記例はあくまでも一例である。
また、電球2の形状は任意であり、白熱球のような形状に限られる必要はなく、蛍光灯のような形状であてもよい。
さらに、CPU21、RAM22、及び、ROM23に代えて集積回路等を用いるようにしてもよい。
【0046】
CPU21は、ROM23に記憶されているプログラムをRAM22に展開し、プログラムに従った各種の制御、演算処理を司る中央処理演算装置である。
例えば、後述の人感センサ26の検出信号に基づく、照明のON、OFF制御、送受信に伴う制御等の電球2の制御全般を司る。
なお、CPU21による制御は、電球2自体の動作と同様であるため、主体を電球2として説明する場合がある。
【0047】
また、CPU21は、第1近距離無線通信部15から送信されたデータの受信を認識するデータ受信認識部として機能する。
つまり、中継機器となる電球2は、CPU21のプログラムに従った機能構成としてのデータ受信認識部を備えている。
【0048】
具体的には、データ受信認識部としてのCPU21は、後述の第2近距離無線通信部24の受信するデータのうち、第1近距離無線通信部15から送信されたデータ(図3参照)に含まれる先に説明した受信認識情報に基づいて、第1近距離無線通信部15から送信されたデータの受信を認識するデータ受信認識処理を行う。
これによって、無関係の機器からのデータか否かの区別が行われる。
【0049】
RAM22は、各種のデータやCPU21による演算結果等を一時的に記憶する揮発性メモリである。
【0050】
ROM23は、プログラム等(例えば、本実施形態の管理システムAに対応したソフトウェア(アプリケーション)等)が記憶される不揮発性メモリであり、出荷時に先に説明した受信認識情報が登録されている。
したがって、先に説明した第1近距離無線通信部15から送信されたデータか否かの照合が可能になっている。
【0051】
第2近距離無線通信部24は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の近距離通信を行う通信インターフェースであり、ウェアラブル端末1の第1近距離無線通信部15からブロードキャスト通信で送信されたデータ等を受信する。
【0052】
また、第2近距離無線通信部24は、CPU21の指示に基づいて、あらかじめ設定されたデータ通信の許可条件を満たす場合、ウェアラブル端末1と自動で通信接続を行う接続処理を行う。
あらかじめ設定されたデータ通信の許可条件は、例えば、1日1回だけのような条件(所定期間内の回数制限)であり、後述のサーバ3によって頻度の管理が行われており、サーバ3が回数制限内である場合に電球2に通信接続の指示を出し、接続処理が行われる。
【0053】
具体的には、先に説明したブロードキャスト通信によるデータがサーバ3に届き、サーバ3がウェアラブル端末1と通信ができることを認識した段階で、本日の通信接続が行われていない場合、サーバ3は、電球2に通信接続を行う指示を送り、それに基づいて、上述の接続処理が行われる。
【0054】
本実施形態では、第1近距離無線通信部15、及び、第2近距離無線通信部24が、Bluetooth(登録商標)の場合を示しているので、上述の接続処理は、いわゆるペアリングである。
【0055】
そして、第2近距離無線通信部24は、CPU21の指示に基づいて、ウェアラブル端末1にRAM12(第1記憶部)に記憶されている生体情報、及び、ユーザ識別情報の送信要求を行い、通信接続状態(本例ではペアリング状態)で第1近距離無線通信部15から送信されるRAM12(第1記憶部)に記憶されている生体情報、及び、ユーザ識別情報を受信する接続状態受信処理を行う。
【0056】
その後、第2近距離無線通信部24は、CPU21の指示に基づいて、接続状態受信処理後に自動で通信接続を解除する接続解除処理(本例ではペアリング解除)を行う。
なお、この通信接続状態では、電球2がウェアラブル端末1を認識した状態での処理になるため、第1近距離無線通信部15の送信するデータへの受信認識情報の付与は不要である。
【0057】
このようにすれば、ブロードキャスト通信で受信できなかった、つまり、着用ユーザが、例えば、外出していた等の理由で、電球2が近距離通信エリアCA外であった間の生体情報等を取得できるようにしつつ、電力消費の大きい通信接続状態を特定の限られた条件の時だけに制限することでウェアラブル端末1の電力切れ等を回避することができる。
【0058】
第2通信部25は、本実施形態では、長距離通信が可能な長距離無線通信部(例えば、LTE(登録商標)、4G、5G等の規格に沿った通信のできる通信インターフェース)であるので、基地局CSを経由してネットワークNに接続されている。
【0059】
ただし、第2通信部25は、サーバ3との通信が可能であればよいため、有線でネット接続が可能な通信インターフェースでもよい。
また、電球2が、Wi-Fi(登録商標)ルータのある環境下で使用されるのであれば、第2通信部25は、Wi-Fi(登録商標)等の規格に従った通信インターフェースでもよい。
【0060】
そして、第2通信部25は、CPU21の指示に基づいて、先に説明したデータ受信認識処理で認識された第1近距離無線通信部15からのデータ(図3参照)を後述するサーバ3の第3通信部34に送信するデータ送信処理を行う。
【0061】
また、第2通信部25は、CPU21の指示に基づいて、接続状態受信処理で受信した生体情報とユーザ識別情報を後述するサーバ3の第3通信部34に送信する接続状態取得データ送信処理を行う。
なお、接続状態受信処理で受信した生体情報とユーザ識別情報のデータは、図3に示すデータが複数あるのと同様であり、情報自体の項目は、図3と同様である。
【0062】
人感センサ26は、例えば、赤外線センサを利用した人の存在を検知するセンサでよく、その検出結果に基づいて、CPU21は、電球2のON、OFFを制御する。
【0063】
このため、本実施形態の電球2は、電源自体は常時ONでよく、先に説明した第2近距離無線通信部24、第2通信部25の通信機能等が常時使用可能な状態に保たれる。
【0064】
ただし、人が活動している部屋では、通常、照明を点灯させている場合が多いため、その点灯時にデータの送受信が行えることから、人感センサ26を備えることが必須というわけではない。
【0065】
[サーバ3]
図5は、本発明に係る第1実施形態のサーバ3の構成を説明するための図である。
サーバ3は、管理システムAの各着用ユーザの生体情報等をユーザ別に管理し、特定の着用ユーザに関する生体情報の取得を許可された受信許可端末4に、あらかじめ設定されたタイミング、又は、受信許可端末4からの要求に従って、取得を許可された特定の着用ユーザの生体情報を受信許可端末4に送信するといったシステム全体の管理を司っている。
【0066】
そして、サーバ3は、データベースDBと、CPU31と、RAM32と、ROM33と、第3通信部34と、を備え、CPU31、RAM32、ROM33、及び、第3通信部34がバス35でアクセス可能に接続されるとともに、第3通信部34はデータベースDBにアクセス可能に接続されている。
なお、CPU31、RAM32、及び、ROM33に代えて集積回路等を用いるようにしてもよい。
【0067】
さらに、サーバ3は、クラウドコンピューティング技術を利用したクラウドサーバであってもよい。
この場合には、ソフトウェアによって物理コンピュータと同様の機能を果たす仮想コンピュータとして実現され、クラウドサービス事業者が提供するデータ保存領域をデータベースDBとして利用することになる。
【0068】
したがって、以下で説明するCPU31、RAM32、ROM33、及び、第3通信部34の行う処理等に関する説明は、クラウドサービス事業者が提供するデータ保存領域を記憶部として動作全体がソフトウェアによる機能構成として実現される場合における処理内容の説明でもある点に留意されたい。
【0069】
データベースDBは、着用ユーザを識別するユーザ識別情報を含むユーザ関連情報を登録したユーザ管理記憶領域(本発明のユーザ管理部の一例)と、着用ユーザのユーザ識別情報と紐づけて、第1近距離無線通信部15から送信されたデータ(つまり、着用ユーザごとの生体情報)を記憶する生体情報記憶領域(本発明の第3記憶部の一例)と、を備えている。
【0070】
図6は、本発明に係る第1実施形態のユーザ管理記憶領域(ユーザ管理部)を説明するための図である。
図6に示すように、ユーザ管理記憶領域(以下、ユーザ管理部とも記載する。)は、着用ユーザのユーザ名、ウェアラブル端末1のシリアルNo、ウェアラブル端末1のMACアドレス、受信許可端末情報等が、着用ユーザごとに登録されている。
【0071】
具体的に、どのように登録されたのかも含め、以下、例を挙げて説明するが、以下の例はあくまでも一例であって、これに限定されるものではないことに留意されたい。
【0072】
ウェアラブル端末1を着用ユーザ宛に発送する際に、出荷検査を実施するが、その際に、ウェアラブル端末1のMACアドレスが取得される。
【0073】
図7は、本発明に係る第1実施形態の出荷検査の内容を説明するための図である。
出荷検査は、図7に示す検査装置MCを用いて行われ、出荷前のウェアラブル端末1を検査装置MCの上に置く。
【0074】
そうすると、検査装置MCは、ウェアラブル端末1からのブロードキャスト通信の電波強度に基づいて、ウェアラブル端末1が検査装置MC上に載置されたことを検出し、ウェアラブル端末1にシリアルNoを付与するとともに、そのブロードキャスト通信のデータに含まれるMACアドレスを取得する。
【0075】
そして、検査装置MCは、図示しない印刷装置から取得したウェアラブル端末1のMACアドレスと初期アクセス用のWebアドレスの情報を含む二次元バーコード、及び、登録用コードを印刷する。
この2次元バーコードがウェアラブル端末1に同梱される。
また、検査装置MCは、付与したシリアルNoと取得したウェアラブル端末1のMACアドレスを図6に示したユーザ管理部に登録する。
【0076】
ウェアラブル端末1を受け取った着用ユーザが、スマートフォン等のリーダ機能で添付されている二次元バーコード、もしくは、登録用コードを読み取ると、ユーザ登録画面に誘導され、ユーザ登録画面の完了ボタンをタップすると登録が完了する。
なお、この入力は、年齢や性別といった内容を加えて入力するように登録画面が構成されていてもよい。
【0077】
この登録の際に、サーバ3は、入力された氏名(年齢、性別が含まれる場合もある)と二次元バーコードに含まれているMACアドレスを受信し、ユーザ管理部の同じMACアドレスのユーザ名のところに入力された氏名(年齢、性別が含まれる場合もある)を登録する。
【0078】
また、上記とは別に、例えば、着用ユーザの親族等が、その着用ユーザの生体情報の閲覧を希望する場合、個人情報であるため、その閲覧に関する手続きを経て、その閲覧に使用する端末(例えば、スマートフォン、タブレット等)を登録することが可能であり、その手続きを行った端末の情報が受信許可端末情報(例えば、ID、パスワード、MACアドレス、メールアドレス等)に登録される。
なお、この受信許可端末情報に登録された端末が、後述する受信許可端末4である。
【0079】
ところで、話が少しそれるが、電球2に関しても、上述したウェアラブル端末1と同様の出荷形態を取っている。
【0080】
つまり、出荷に先立って、シリアルNoの付与やMACアドレスの取得が行われ、データベースDBの電球管理記憶領域(電球管理部ともいう)に登録されている。
なお、電球2は、出荷する前に、第2近距離無線通信部24がブロードキャスト通信のデータを受信する設定にされている。
【0081】
そして、電球2を利用する利用ユーザ(着用ユーザと別のユーザの場合もある。例えば、親族、病院等を含む公共施設の管理者、介護施設の管理者等の場合もある)は、電球2に添付されている二次元バーコードをスマートフォン等のリーダ機能で読み取ると、基本情報登録画面に誘導される。
【0082】
そこで、例えば、氏名、利用場所(キッチン、トイレといった設置場所、及び、住所等)、連絡先(メールアドレス等)等を入力して基本情報登録画面の完了ボタンをタップすると登録が完了し、この登録の際に、サーバ3は、先ほどと同様に、入力された氏名、利用場所、及び、連絡先等と二次元バーコードに含まれている電球2のMACアドレスを受信し、電球管理部の同じMACアドレスのところに入力された氏名、利用場所、及び、連絡先等を登録する。
【0083】
そして、電球2がウェアラブル端末1からのデータをサーバ3に送信する際には、電球2のMACアドレスも付加して送信するため、サーバ3は、電球管理部を参照し、その電球2のMACアドレスと同じMACアドレスのところの利用場所を取得して、後述する着用ユーザごとに管理されている生体情報に生体情報の取得場所を合わせて記録するようにすることも可能である。
【0084】
図8は、本発明に係る第1実施形態の生体情報記憶領域(第3記憶部)を説明するための図である。
図8に示すように、生体情報記憶領域は、例えば、着用ユーザのユーザ名、ユーザ識別情報であるウェアラブル端末1のMACアドレスの登録されたファイルごとに記憶され、そのファイルには、生体情報を取得した取得日時に基づいて時系列で生体情報が収められている。
【0085】
なお、図8では、異常状態が「0」として示されているが、先に説明したように生体情報に異常がある場合「1」とされる。
また、先に説明したように、生体情報が取得された場所に関する項目である取得場所を、さらに、加えるようにしてもよい。
【0086】
CPU31は、ROM33に記憶されているプログラムをRAM32に展開し、プログラムに従った各種の制御、演算処理を司る中央処理演算装置である。
例えば、電球2を経由して受信した第1近距離無線通信部15から送信されたデータ(図3参照)に含まれるユーザ識別情報(ウェアラブル端末1のMACアドレス)に基づいて、その受信したデータをデータベースDBの生体情報記憶領域(本発明の第3記憶部の一例)に保存する。
【0087】
また、その受信したデータの生体情報の異常フラグが着用ユーザの異常(「1」)である場合、データベースDBのユーザ管理部を参照し、ユーザ識別情報(ウェアラブル端末1のMACアドレス)に基づいて、受信許可端末情報の受信許可端末4に異常を知らせるメール等を後述の第3通信部34から送信する。
【0088】
RAM32は、各種のデータやCPU31による演算結果等を一時的に記憶する揮発性メモリである。
【0089】
ROM33は、プログラム等(例えば、本実施形態の管理システムAに対応したソフトウェア(アプリケーション)等)が記憶される不揮発性メモリである。
【0090】
第3通信部34は、ネットワークNを介した電球2、及び、受信許可端末4との通信を行うとともに、データベースDBへのアクセスを行うための通信インターフェースである。
【0091】
[受信許可端末4]
受信許可端末4は、先にも触れたが、サーバ3との通信が行える一般的な通信機能(本発明の第4通信部の一例)を備えた、一般的なスマートフォンやタブレットであればよく、構成についての説明は省略する。
【0092】
そして、この受信許可端末4は、着用ユーザの親族(例えば、着用ユーザの娘や息子等)等であって、着用ユーザの身を案じているものが、着用ユーザの許可を受けたうえで、その着用ユーザに関する生体情報の取得を許可(取得のために登録)された端末である。
【0093】
なお、上記では親族の場合について話をしたが、例えば、介護の関係で第3者の端末が登録されることを妨げるものではない。
また、着用ユーザから生体情報の利用許諾を受けているような場合には、利用が許される法人等に提供される場合もあり、受信許可端末4は、この場合にアクセスが許されている端末であってもよい。
【0094】
次に、管理システムAの全体的な動作について説明する。
既に話したように、ウェアラブル端末1の第1近距離無線通信部15は、第1近距離無線通信部15の近距離通信エリアCA内にある不特定の機器に向けて、生体情報を含むデータを周期的にブロードキャスト通信で送信するので、煩わしい通信接続を行うための設定は不要である。
【0095】
そして、第1近距離無線通信部15から送信されているデータには、受信認識情報が含まれており、近距離通信エリアCA内にある電球2は、第1近距離無線通信部15から送信されたデータ以外のデータ(無関係な機器のデータ)を含むデータを第2近距離無線通信部24で受信するデータ受信処理を行っている。
【0096】
そこで、電球2のデータ受信認識部(CPU21)は、第2近距離無線通信部24の受信するデータのうち、データ受信認識部が受信認識情報に基づいて、第1近距離無線通信部15から送信されたデータの受信を認識するデータ受信認識処理を行う。
【0097】
続いて、電球2は、データ受信処理で受信したデータを第2通信部25からサーバ3の第3通信部34に送信するデータ送信処理を行うが、このデータ送信処理がデータ受信認識処理で認識された第1近距離無線通信部15からのデータを第2通信部25からサーバ3の第3通信部34に送信する処理とされることで、サーバ3は、無関係なデータの受信を行う必要がなく、処理負荷を抑えた管理システムAとすることができる。
【0098】
ただし、サーバ3は、受信したデータに含まれるMACアドレスを参照することで、管理システムAに無関係なデータか否かを判断することが可能である。
【0099】
したがって、これまで説明してきた受信認識情報の内容を省略した管理システムAとして、電球2の第2通信部25が、データ受信処理で受信した、第1近距離無線通信部15から送信されたデータ以外のデータ(無関係な機器のデータ)を含むデータをサーバ3の第3通信部34に送信するデータ送信処理を行い、サーバ3が、第3通信部34の受信した第2通信部25からのデータにユーザ識別情報(ウェアラブル端末1のMACアドレス)が含まれていると、ユーザ識別情報に基づき、着用ユーザ別で生体情報を第3記憶部に記憶するものであってもよい。
【0100】
しかしながら、この場合、サーバ3は、無関係なデータも含め大量のデータを受信することになる。
したがって、個別に受信する段階である電球2のところで判別を行うのがよく、これまで説明してきたように、データは、受信確認情報を含み、中継機器である電球2が、受信確認情報に基づいて、第1近距離無線通信部15から送信されたデータの受信を認識するデータ受信認識部を備えるものとするのがよい。
【0101】
話を元に戻す。
そして、サーバ3は、先に説明したように、着用ユーザごとに生体情報を管理するとともに、あらかじめ設定されたタイミング、又は、受信許可端末4からの要求に従って、取得を許可された特定の着用ユーザの生体情報を受信許可端末4に送信する。
【0102】
したがって、受信許可端末4を所有する所有者は、着用ユーザの健康状態を見ることができ、例えば、着用ユーザの体調が異常とまではいわないもののよくなさそうであれば、病院に連れていくといったことが可能である。
【0103】
また、先に説明した通り、サーバ3は、着用ユーザの生体情報が異常である場合には、その異常を受信許可端末4に向けて通知するので、受信許可端末4の所有者は、救急車等(管理システムAで契約している係員等であってもよい)に連絡したり、自身が駆け付けたりすることも可能である。
【0104】
先に話したように、生体情報記憶領域(第3記憶部)での生体情報の記録に、生体情報が取得された場所に関する項目である取得場所が含まれている場合、より正確に駆け付ける必要がある場所が特定できるので好適である。
【0105】
なお、ウェアラブル端末1に長距離通信が可能な長距離通信部をさらに加え、生体情報が異常である場合に、長距離通信部を起動してサーバ3にデータ送信を行うようにしてもよい。
長距離通信は消費電力が大きいため、上述のように、異常の時だけ起動し、あらかじめ設定された回数(例えば、数回)だけ生体情報(異常フラグ等を含む)の送信を行った後、停止して、ウェアラブル端末1の電源喪失を回避するようにするのが好ましい。
【0106】
[第2実施形態]
次に、図9を参照して、本発明に係る第2実施形態のブロードキャスト通信で送信される生体情報を管理する管理システムAについて説明する。
図9は、本発明に係る第2実施形態の管理システムAを説明するための図である。
第2実施形態も、基本的な構成は、第1実施形態と同様であり、以下では、第1実施形態と主に異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する場合がある。
【0107】
図9に示しように、第2実施形態の管理システムAは、第1近距離無線通信部15から送信されたデータの受信を認識するデータ受信認識部としての機能構成を持たせるために、ソフトウェア(アプリケーション)がインストールされた携帯端末5を備える。
【0108】
携帯端末5は、一般的なスマートフォンやタブレット端末でよく、例えば、先に説明した受信許可端末4に受信認識部としての機能構成を持たせるソフトウェア(アプリケーション)をインストールしたものであってもよい。
【0109】
また、受信認識部としての機能構成を持たせるソフトウェア(アプリケーション)をインストールした、ウェアラブル端末1の別の着用ユーザの所有するスマートフォンやタブレット端末等であってもよい。
【0110】
つまり、携帯端末5は、受信認識部としての機能構成を持たせるソフトウェア(アプリケーション)をインストールした携帯端末であればよく、携帯端末5の所有者は特に限定されない。
【0111】
そして、第1実施形態と同様に、ウェアラブル端末1の近距離通信エリアCA内に携帯端末5が入ると、先に説明した電球2と同様に中継機器としてサーバ3にデータの送信を行う。
つまり、携帯端末5は、本発明の中継機器の一例であり、通信部等の構成は電球2と同様の構成を有する。
ただし、携帯端末5にインストールするソフトウェア(アプリケーション)は、ウェアラブル端末1との通信接続を行う接続処理は、実施しないようにしている。
【0112】
これまでの説明からわかるように、ウェアラブル端末1は、ブロードキャスト通信を行っているので、不特定の機器がデータ受信自体は可能であるものの、着用ユーザを特定するためには、サーバ3の備えるユーザ管理部の情報が必要である。
【0113】
したがって、携帯端末5のような端末に中継機器としての役目を行わせても個人が特定されない管理システムAを構築できる。
しかも、管理システムAに賛同する、このような携帯端末5が増えると、第1近距離無線通信部15から送信されたデータ(生体情報を含むデータ)を中継する中継スポットが増えることになり、例えば、着用ユーザが外出している時であっても、携帯端末5を所有する所有者とすれ違うタイミングで、生体情報をサーバ3に蓄積できるので、より詳細な生体情報の管理が行えるようになる。
【0114】
[第3実施形態]
次に、図10を参照しながら、本発明に係る第3実施形態のブロードキャスト通信で送信される生体情報を利用した救助システムB(以下、救助システムBともいう)について説明する。
図10は、本発明に係る第3実施形態の救助システムBを説明するための図である。
救助システムBも、これまで説明してきた管理システムAと同様の構成を有しており、これまでと同様の構成に関しては、図10において、同じ符号、及び、番号を付与し、説明を省略する場合がある。
【0115】
既に説明してきた通り、ウェアラブル端末1は、不特定の機器に向けてブロードバンド通信を行っている。
したがって、図10に示すように、例えば、がけ崩れ等の災害に巻き込まれたような場合でも、電波を発信し続けている。
しかも、第1近距離無線通信部15の通信可能なエリアは、近距離に限られている。
【0116】
そこで、救助システムBは、第1近距離無線通信部15からのデータ受信が可能な救助支援端末6を備え、例えば、その救助支援端末6をレスキュー隊等が使用すれば、着用ユーザの近くに行くことで、その電波を受信することが可能になる。
逆に言えば、電波が受信できるということは、遭難者が近くにいることになる。
【0117】
ただし、管理システムAの電球2や携帯端末5は、中継機器として機能していただけで、ウェアラブル端末1からのデータを受信しているか否かはサーバ3でしかわからなかった。
【0118】
そこで、救助支援端末6は、電球2や携帯端末5と同様な構成に加え、着用ユーザの存在と生体情報を通知する通知部を備えるものとし、救助支援端末6のデータ受信認識部が、これまでと同様に、第2近距離無線通信部24の受信するデータのうち、データ受信認識部が受信認識情報に基づいて、第1近距離無線通信部15から送信されたデータの受信を認識するデータ受信認識処理を行って、通知部を通じて、救助支援端末6を使用している、例えば、レスキュー隊等に、データ受信認識処理で認識された第1近距離無線通信部15からのデータを通知する。
【0119】
つまり、救助支援端末6は、通知部を通じて、第1近距離無線通信部15の近距離通信エリアCA内の着用ユーザの存在情報、及び、着用ユーザの生体情報を通知する救難情報通知処理を行う。
なお、これまでと同様に、救助支援端末6は、電球2と同様の通信部の構成を有し、データをサーバ3に送信する中継機器としても機能する。
【0120】
さらに、救助支援端末6は、電波強度を検知する電波強度検知部を備え、救助支援端末6は、電波強度検知部によって、データ受信認識部が受信認識情報によって第1近距離無線通信部15からのデータと認識したデータの受信時の電波強度を検知する電波強度検知処理を行う。
【0121】
そして、救助支援端末6は、通知部を通じて、電波強度検知処理で検知した電波強度を通知する電波強度通知処理を行う。
【0122】
これによって、救助支援端末6を使用している、例えば、レスキュー隊等は、通知される電波強度が強くなる方向に向かっていくことで、遭難している着用ユーザを発見しやすくなる。
【0123】
なお、救助活動という観点からすると、サーバ3や受信許可端末4は不要であり、救助システムBは、サーバ3や受信許可端末4を有していなくともよい。
しかしながら、サーバ3があることによって、その救助活動の間の着用ユーザの生体情報の変化のログを残すことができるとともに、受信許可端末4があることによって着用ユーザの身を案じるものが着用ユーザの身体の状況を知ることができるというメリットがあるので、救助システムBは、サーバ3や受信許可端末4を備えている方が好ましい。
【0124】
[第4実施形態]
次に、図11を参照しながら、本発明に係る第3実施形態のドライバのブロードキャスト通信で送信される生体情報を利用した体調管理システムC(以下、体調管理システムCともいう)について説明する。
図11は、本発明に係る第4実施形態の体調管理システムCを説明するための図である。
【0125】
体調管理システムCも、これまで説明してきた管理システムAと同様の構成を有しており、これまでと同様の構成に関しては、図11において、同じ符号、及び、番号を付与し、説明を省略する場合がある。
【0126】
体調管理システムCでは、着用ユーザが車両を運転するドライバであり、電球2に代えて、車両に設置される車載機器7(例えば、カーナビ等)を備える点が異なる。
【0127】
そして、車載機器7は、電球2と同様の構成に加え、生体情報に基づいて着用ユーザの体調を判定する体調判定部と、着用ユーザの体調を着用ユーザに通知する通知部と、を備えている。
【0128】
したがって、体調判定部が、第1近距離無線通信部15からのデータの生体情報に基づいて、体調に問題がないかを判定する体調判定処理を行い、体調判定処理で問題があると判定された場合に、通知部を通じて、体調に問題があることを着用ユーザに通知する体調通知処理を行う。
【0129】
例えば、体調判定部は、あらかじめ設定されている閾値等とバイタルデータ(心拍、体温等)を比較し、バイタルの異常を検出して、通知部を通じて、着用ユーザであるドライバに休息を促すような通知処理を行い、事故等の発生を抑制することができる。
【0130】
なお、運転時の体調管理という観点からすると、サーバ3や受信許可端末4は不要であり、体調管理システムCは、サーバ3や受信許可端末4を有していなくともよい。
しかしながら、サーバ3があることによって、運転時のドライバである着用ユーザの生体情報の変化のログを残すことができる。
また、受信許可端末4があれば、体調管理システムCを利用する運送会社等の管理者が、ドライバの体調を確認できるといったメリットがある。
したがって、体調管理システムCは、サーバ3や受信許可端末4を備えている方が好ましい。
【0131】
以上、具体的な実施形態を基に本発明の説明を行ってきたが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0132】
例えば、ウェアラブル端末1は、発電部16に代えて、1次電池や充電が可能な2次電池を備えていてもよい。
【0133】
また、ウェアラブル端末1は、発電部16に加えて、1次電池や充電が可能な2次電池を備えていてもよい。
【0134】
ただし、ウェアラブル端末1が上述した発電部16を備えることで、電源喪失し難くなるため、ウェアラブル端末1が発電部16を備えることが好適であることに変わりはない。
【0135】
このように、本発明は、実施形態に変更や改良を行ったものも発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0136】
1…ウェアラブル端末、11、21、31…CPU、12、22、32…RAM、13、23、33…ROM、14…生体情報取得部、15…第1近距離無線通信部、16…発電部、17、27、35…バス、2…電球、24…第2近距離無線通信部、25…第2通信部、26…人感センサ、3…サーバ、35…第3通信部、4…受信許可端末、5…携帯端末、6…救助支援端末、7…車載機器、CA…近距離通信エリア、CS…基地局、N…ネットワーク、A…管理システム、B…救助システム、C…体調管理システム
【要約】
【課題】ウェアラブル端末の使用を開始するにあたって、通信接続の設定を行うといった煩わしさを軽減した生体情報を送信するウェアラブル端末を提供する。
【解決手段】本発明のブロードキャスト通信で生体情報を送信するウェアラブル端末1は、データを周期的に送信する第1近距離無線通信部15と、身に着けている着用ユーザの生体情報を取得する生体情報取得部14と、を備え、データは、生体情報、及び、ユーザ識別情報を含み、第1近距離無線通信部15が、第1近距離無線通信部15の近距離通信エリアCA内にある不特定の機器に向けてブロードキャスト通信でデータを送信する。
【選択図】図1
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図11