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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】紙折り装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 45/22 20060101AFI20241015BHJP
【FI】
B65H45/22
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020072047
(22)【出願日】2020-04-14
(65)【公開番号】P2021169346
(43)【公開日】2021-10-28
【審査請求日】2023-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138014
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 香織
(72)【発明者】
【氏名】宮本 力
(72)【発明者】
【氏名】大橋 政信
【審査官】後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-009947(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2001/0044368(US,A1)
【文献】特開2002-307574(JP,A)
【文献】特開2019-131333(JP,A)
【文献】特開2008-173973(JP,A)
【文献】特開昭58-096538(JP,A)
【文献】特開平05-278727(JP,A)
【文献】特開平07-285733(JP,A)
【文献】特開平09-240628(JP,A)
【文献】特開2019-093583(JP,A)
【文献】特表平07-507242(JP,A)
【文献】実開昭58-021422(JP,U)
【文献】登録実用新案第3032698(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 45/22
B31B 50/26
B31B 70/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面状の用紙を、用紙搬送経路に沿って搬送し、折り曲げ加工する紙折り装置において、前記用紙は、本体部と前記本体部から張り出した折り返し部を有し、
前記用紙搬送経路において前記用紙の折り返し部を折り曲げ加工する折り曲げ加工位置に設けられ、前記用紙搬送経路に略平行な回動軸を中心として、前記用紙の折り返し部が載置される載置位置と、前記用紙の折り返し部を前記本体部に向けて重ね合わせる重ね合わせ位置との間を、往復回動する折り板を有する折り返し手段を備え、
前記折り返し手段は、前記折り曲げ加工位置において、前記用紙搬送経路の一部を構成する上下一対のガイド板を備え、前記折り板は前記載置位置から重ね合わせ位置に回動する際は、前記折り板の下面は、前記上下一対のガイド板のうち、上ガイド板の上面に重ね合わされるように構成され、
前記折り返し手段は、前記用紙搬送経路上の前記折り曲げ加工位置において、前記用紙の本体部が前記上下一対のガイド板の間を通過するように案内するための一対の搬送ローラと前記一対の搬送ローラの駆動を制御する制御手段を備え、
前記折り返し手段が前記用紙の折り返し部を折り曲げ加工する際は、前記制御手段は、前記折り曲げ加工位置において、前記一対の搬送ローラの駆動を停止状態にして、前記用紙の搬送を停止し、前記用紙の本体部を前記一対の搬送ローラの間に保持したまま、前記用紙の折り返し部を折り曲げ加工するように制御する、ことを特徴とする紙折り装置。
【請求項2】
記折り曲げ加工位置の用紙搬送方向上流側に、クリース加工手段を備えており、前記クリース加工手段は、前記用紙の折り返し部を折り曲げ加工する際の折り目に、予め、クリースを形成するように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の紙折り装置。
【請求項3】
前記折り返し手段は、用紙搬送方向と直角方向の幅方向両側に対向して配置された第一の折り装置と第二の折り装置との1対の折り装置から構成され、前記第一の折り装置と前記第二の折り装置は、各々、搬送方向に沿った回転軸の回りを回動する折り板を有している、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の紙折り装置。
【請求項4】
前記第一の折り装置と前記第二の折り装置との間に、さらに、前記搬送経路上の用紙の中央部を保持しながら搬送する搬送手段が配置される、ことを特徴とする請求項3に記載の紙折り装置。
【請求項5】
記搬送手段は、上下一対の搬送ローラで構成され、前記上下一対の搬送ローラのうち、上側の搬送ローラはユニット化され、紙折り装置本体から着脱可能に構成される、ことを特徴とする請求項4に記載の紙折り装置。
【請求項6】
平面状の用紙を、用紙搬送経路に沿って搬送し、折り曲げ加工する紙折り装置において、前記用紙は、本体部と前記本体部から張り出した折り返し部を有し、
前記用紙搬送経路において前記用紙の折り返し部を折り曲げ加工する折り曲げ加工位置に設けられた折り板が、前記用紙搬送経路に略平行な回動軸を中心として、前記用紙の折り返し部が載置される載置位置と、前記用紙の折り返し部を前記本体部に向けて重ね合わせる重ね合わせ位置との間を、往復回動することにより、前記用紙の折り返し部を折り曲げ加工し、前記折り返し手段は、前記折り曲げ加工位置において、前記用紙搬送経路の一部を構成する上下一対のガイド板を備え、前記折り板は前記載置位置から重ね合わせ位置に回動する際は、前記折り板の下面が、前記上下一対のガイド板のうち、上ガイド板の上面に重ね合わされるように回動し、
前記折り返し手段は、前記用紙搬送経路上の前記折り曲げ加工位置において、前記用紙の本体部が前記上下一対のガイド板の間を通過するように案内するための一対の搬送ローラを備え、前記折り返し手段が前記用紙の折り返し部を折り曲げ加工する際は、前記折り曲げ加工位置において、前記一対の搬送ローラの駆動を停止状態にして、前記用紙の搬送を停止し、前記用紙の本体部を前記一対の搬送ローラの間に保持したまま、前記用紙の折り返し部を折り曲げ加工する、ことを特徴とする紙折り方法。
【請求項7】
前記折り返し手段が前記用紙の折り返し部を折り曲げ加工した後、前記折り板が、前記重ね合わせ位置から前記載置位置に向けて所定角度だけ回動し、その後、前記一対の搬送ローラの駆動を駆動状態にして、前記用紙の搬送を開始し、前記折り曲げ加工後の用紙を、前記折り曲げ加工位置の用紙搬送方向下流側に向けて搬送する、ことを特徴とする請求項6に記載の紙折り方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紙折り装置に関する。詳しくは、封筒を製作する製袋機や封緘装置などに好適な紙折り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、封筒を所定の搬送経路に沿って移動させながら、フラップを折り返す紙折り機構を備えた封緘装置(例えば、特許文献1)においては、粘着膜が付着された封筒がフラップ押し付け機構(紙折り機構)まで搬送され、ここで、折り板が回動して、フラップを折り曲げるとともに、フラップを封筒本体に押圧して、これによりフラップが封筒本体に貼着されるように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-240628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような封緘装置の紙折り機構においては、折り曲げ加工する用紙の種類や大きさ等の条件によっては、用紙の搬送状態が安定せずに、用紙の折り目部分に皺ができるなどして、成果物の品質に悪影響を及ぼす可能性がある。又、折り板が回動して、フラップ部を折り曲げる際に、加工部で用紙がずれて折り目位置の精度が出ない等の問題が発生することも考えられる。
【0005】
本発明の目的は、上記従来技術としての封筒のフラップ部を折り返す紙折り機構における問題に鑑み、折り曲げ加工する用紙の種類や大きさ等の条件に拘わらず、用紙の折り目部分に皺が発生することを防ぎ、又封筒の折り返し部(フラップ部など)を折り曲げる際の折り目位置の精度を確保し、加工時に成果物の品質に悪影響を及ぼすことのない紙折り機構(紙折り装置)を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、平面状の用紙を、用紙搬送経路に沿って搬送し、折り曲げ加工する紙折り装置において、前記用紙は、本体部と前記本体部から張り出した折り返し部を有し、前記用紙搬送経路において前記用紙の折り返し部を折り曲げ加工する折り曲げ加工位置に設けられ、前記用紙搬送経路に略平行な回動軸を中心として、前記用紙の折り返し部が載置される載置位置と、前記用紙の折り返し部を前記本体部に向けて重ね合わせる重ね合わせ位置との間を、往復回動する折り板を有する折り返し手段を備え、前記折り返し手段は、前記折り曲げ加工位置において、前記用紙搬送経路の一部を構成する上下一対のガイド板を備え、前記折り板は前記載置位置から重ね合わせ位置に回動する際は、前記折り板の下面は、前記上下一対のガイド板のうち、上ガイド板の上面に重ね合わされるように構成され、前記折り返し手段は、前記用紙搬送経路上の前記折り曲げ加工位置において、前記用紙の本体部が前記上下一対のガイド板の間を通過するように案内するための一対の搬送ローラと前記一対の搬送ローラの駆動を制御する制御手段を備え、前記折り返し手段が前記用紙の折り返し部を折り曲げ加工する際は、前記制御手段は、前記折り曲げ加工位置において、前記一対の搬送ローラの駆動を停止状態にして、前記用紙の搬送を停止し、前記用紙の本体部を前記一対の搬送ローラの間に保持したまま、前記用紙の折り返し部を折り曲げ加工するように制御する、ことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の紙折り装置において、前記折り曲げ加工位置の用紙搬送方向上流側に、クリース加工手段を備えており、前記クリース加工手段は、前記用紙の折り返し部を折り曲げ加工する際の折り目に、予め、クリースを形成するように構成されている、ことを特徴とするものである。
【0009】
請求項載の発明は、請求項1または請求項2に記載の紙折り装置において、前記折り返し手段は、用紙搬送方向と直角方向の幅方向両側に対向して配置された第一の折り装置と第二の折り装置との1対の折り装置から構成され、前記第一の折り装置と前記第二の折り装置は、各々、搬送方向に沿った回転軸の回りを回動する折り板を有している、ことを特徴とするものである。
【0010】
請求項記載の発明は、請求項に記載の紙折り装置において、前記第一の折り装置と前記第二の折り装置との間に、さらに、前記搬送経路上の用紙の中央部を保持しながら搬送する搬送手段が配置される、ことを特徴とするものである。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項4に記載の紙折り装置において、前記搬送手段は、上下一対の搬送ローラで構成され、前記上下一対の搬送ローラのうち、上側の搬送ローラはユニット化され、紙折り装置本体から着脱可能に構成される、ことを特徴とするものである。
【0012】
請求項記載の発明は、平面状の用紙を、用紙搬送経路に沿って搬送し、折り曲げ加工する紙折り装置において、前記用紙は、本体部と前記本体部から張り出した折り返し部を有し、前記用紙搬送経路において前記用紙の折り返し部を折り曲げ加工する折り曲げ加工位置に設けられた折り板が、前記用紙搬送経路に略平行な回動軸を中心として、前記用紙の折り返し部が載置される載置位置と、前記用紙の折り返し部を前記本体部に向けて重ね合わせる重ね合わせ位置との間を、往復回動することにより、前記用紙の折り返し部を折り曲げ加工し、前記折り返し手段は、前記折り曲げ加工位置において、前記用紙搬送経路の一部を構成する上下一対のガイド板を備え、前記折り板は前記載置位置から重ね合わせ位置に回動する際は、前記折り板の下面が、前記上下一対のガイド板のうち、上ガイド板の上面に重ね合わされるように回動し、前記折り返し手段は、前記用紙搬送経路上の前記折り曲げ加工位置において、前記用紙の本体部が前記上下一対のガイド板の間を通過するように案内するための一対の搬送ローラを備え、前記折り返し手段が前記用紙の折り返し部を折り曲げ加工する際は、前記折り曲げ加工位置において、前記一対の搬送ローラの駆動を停止状態にして、前記用紙の搬送を停止し、前記用紙の本体部を前記一対の搬送ローラの間に保持したまま、前記用紙の折り返し部を折り曲げ加工する、ことを特徴とするものである。
【0014】
請求項記載の発明は、請求項に記載の紙折り方法において、前記折り返し手段が前記用紙の折り返し部を折り曲げ加工した後、前記折り板が、前記重ね合わせ位置から前記載置位置に向けて所定角度だけ回動し、その後、前記一対の搬送ローラの駆動を駆動状態にして、前記用紙の搬送を開始し、前記折り曲げ加工後の用紙を、前記折り曲げ加工位置の用紙搬送方向下流側に向けて搬送する、ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項記載の発明によれば、用紙の本体部が上下一対のガイド板の間に保持されたまま、用紙の折り返し部が上ガイド板の上面に折り返されるのと同時に、用紙の本体部を一対の搬送ローラの間に保持したまま、用紙の折り返し部を折り曲げ加工する。したがって、用紙の折り目部分に皺が発生することを防ぎ、さらに、フラップを折り曲げる際の折り目位置の精度を確保することができる。
【0017】
請求項記載の発明によれば、用紙の折り返し部を折り曲げ加工する際の折り目に、予め、クリースを形成することにより、さらに、フラップを折り曲げる際の折り目位置の精度を確保することができる。
【0018】
請求項記載の発明によれば、折り返し手段として、用紙搬送方向と直角方向の幅方向両側に対向して配置された第一の折り装置と第二の折り装置との1対の折り装置から構成され、前記第一の折り装置と前記第二の折り装置は、各々、搬送方向に沿った回転軸の回りを回動する折り板を有している為、用紙搬送方向と直角方向の幅方向両側の二箇所に折り返し部がある用紙の場合は、一回の用紙搬送で二箇所同時に折り返し部の折り返し加工をすることができ、作業性がよい。
【0019】
請求項記載の発明によれば、第一の折り装置と前記第二の折り装置との間に、さらに、前記搬送経路上の用紙の中央部を保持しながら搬送する搬送手段が配置された為、特に、一回の用紙搬送で二箇所同時に折り返し部の折り返し加工をする場合、用紙の搬送が安定し、加工精度が安定する。
【0020】
請求項記載の発明によれば、搬送手段は、上下一対の搬送ローラで構成され、前記上下一対の搬送ローラのうち、上側の搬送ローラはユニット化され、紙折り装置本体から着脱可能に構成される為、用紙のジャム処理やメンテナンス等を容易に行うことができる。
【0022】
請求項記載の発明によれば、用紙の本体部が上下一対のガイド板の間に保持されたまま、用紙の折り返し部が上ガイド板の上面に折り返されるのと同時に、用紙の本体部を一対の搬送ローラの間に保持したまま、用紙の折り返し部を折り曲げ加工する。したがって、用紙の折り目部分に皺が発生することを防ぎ、さらに、フラップを折り曲げる際の折り目位置の精度を確保することができる。
【0023】
請求項記載の発明によれば、用紙の折り返し部を折り曲げ加工した後、折り板が、前記重ね合わせ位置から前記載置位置に向けて所定角度だけ回動する為、折り曲げ加工後の用紙は、折り板や上下一対のガイド板に干渉されることなく、折り曲げ加工位置の用紙搬送方向下流側に向けてスムーズに搬送することができ、用紙搬送方向下流側に設けられたローラ間にて増し折りすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第一実施形態の製袋機の概略全体構成図である。
図2図1の製袋機で加工される用紙の状態を示す平面図である。
図3図2の用紙が折り加工された状態を示す平面図である。
図4】洋式封筒の製作途中の状態を示す斜視図である。
図5】第一折り部における折り板を折り返す前後の状態を示す図である。
図6】第一折り部の全体構成を示す斜視図である。
図7】第一の折り装置の構成を示す斜視図である。
図8】第一の折り装置の折り板の回転機構を示す図である。
図9】第一の折り装置の折り板の回転機構を示す図である。
図10】第2折り部における用紙の加工の様子を示す図である。
図11図10に続く用紙の加工の様子を示す図である。
図12図11に続く用紙の加工の様子を示す図である。
図13図12に続く用紙の加工の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明の紙折り装置(第1折り部3)を採用した一実施形態の製袋機10を示している。図1は、製袋機10の全体構成図である。製袋機10は、搬送方向上流側から順に、給紙部1、第1クリース加工部2、第2クリース加工部4、第1折り部3、糊塗布部5、第2折り部6、及び排紙部7を、装置本体10Aに備えている。
【0026】
一般的形態の「洋式封筒」は、横長の長方形を有しており且つ封じ口が長辺に形成されている。製袋機10にて洋式封筒を製作する際には、例えば、図4に示されるように、用紙100の後方面部102の両側の折り返した片部103に糊を塗布し、前方面部101を折り返して片部103に圧着させている。
【0027】
具体的には、製袋機10は、図2(a)に示されている平面状の用紙100を、F方向に搬送しながら図2(b)及び図2(c)に示されるように加工することによって、洋式封筒90を製作するようになっている。
【0028】
用紙100は、前方面部101と、後方面部102と、後方面部(本体部)102の両側に張り出した糊代用片部(折り返し部)103と、最後方面部104と、からなっている。用紙100は、図2(b)に示されるように、後方面部102と片部103との境界線である第1折り目111で、折り加工され、更に、図2(c)に示されるように、前方面部101と後方面部102との境界線である第2折り目112で、折り加工されるようになっている。第1折り目111で折り返された片部103の表面には、糊が塗布される。そして、第2折り目112で折り返された前方面部101は、その両縁部が片部103に接合される。なお、第1折り目111は、搬送方向に沿っている。第2折り目112は、搬送方向に対して直交した方向(すなわち幅方向)に沿っている。
【0029】
成果物としては、図2(c)の洋式封筒90でもよいが、図2(c)に示される洋式封筒90を、F´方向に搬送しながら図3に示されるように加工することによって、最後方面部104が、後方面部102と最後方面部104との境界線である第3折り目113で、更に折り加工されるように構成してもよい。前記構成によれば、封筒に内容物を挿入した後、テープや糊を用いて封をする際、折り癖がついている為、最後方面部104を折り返した前方面部101にきれいに封緘することができる。
【0030】
[給紙部1]
給紙部1は、エア吸引ベルト式のエア給紙ユニット12と、用紙積載量に応じて上昇、下降するエレベータ式の給紙トレイ11と、エア給紙ユニット12により送り出された用紙をさらに搬送方向下流側に搬送する搬送ローラ81と、を有している。又、前記エア給紙ユニット12には、給紙トレイ11上に積載される用紙の最上面の用紙がエア給紙ユニット12の下面に吸着されたことを検出するセンサ22と、給紙トレイ11上に積載される用紙の最上面の上限位置を検出するセンサ21が配置されている。
【0031】
なお、製袋機10では、搬送ローラ81の他に、5つの搬送ローラ対82、85、86、87、88を備えている。5つの搬送ローラ対は、用紙100が搬送される搬送面200を構成しており、搬送面200は、エア給紙ユニット12から搬送ローラ対88に至るまで、同一平面である。又、前記用紙が搬送される搬送面200上には、各位置における用紙の通過を検出(重送を検出)するセンサ23、センサ24、センサ25、センサ26、センサ27、センサ28が配置されている。各センサは、例えば、光学式の透過センサを用いる。
【0032】
[第1クリース加工部2]
第1クリース加工部2は、図1に示すように、上部が凸状の上型と、下部が凹状の下型で構成され、用紙100の第2折り目112、第3折り目113として、用紙搬送方向と直角方向に横クリースを形成するようになっている。クリース加工部2としては、公知の機構を採用できる。
[第2クリース加工部4]
第2クリース加工部4は、図1に示すように、クリース刃83が丸刃状で外周部に凸部が形成された上刃と、丸刃状で外周部に凹部が形成された下刃で構成され、搬送方向と直角方向の幅方向2箇所に設置され、用紙100の第1折り目111(2箇所)に用紙搬送方向に沿って縦クリースを形成するようになっている。第2クリース加工部4としては、公知の機構を採用できる。尚、クリース刃83が丸刃状で外周部に凹部が形成された上刃と、丸刃状で外周部に凸部が形成された下刃で構成されていてもよい。
【0033】
[第1折り部3]
図6は、第1折り部3の全体構成を示す斜視図である。第1折り部3は、用紙100の左右の折り返し部103の折り返し手段として、図6に示すように、用紙搬送方向と直角方向の幅方向両側に対向して配置された1対の折り装置(第一の折り装置3a、第二の折り装置3b)からなっている。尚、前記一対の折り装置3a、3bは、左右対称の構成を有している。図7は、図6の左側に配置された第一の折り装置3aを示しており、搬送方向に沿った回転軸31の回りを回動する折り板32を有している。又、下ガイド板33上方に所定の隙間をあけて上ガイド板36を備え、下ガイド板33上を搬送される用紙100を下流側に搬送する一対の搬送ローラ対(駆動ローラ38及び従動ローラ35)を備えている。尚、図7において、従動ローラ35の回転軸その他の駆動機構は省略している。
【0034】
折り返し手段として、用紙搬送方向と直角方向の幅方向両側に対向して配置された第一の折り装置3aと第二の折り装置3bとの1対の折り装置を備えた為、用紙搬送方向と直角方向の幅方向両側の二箇所に折り返し部がある用紙の場合は、一回の用紙搬送で二箇所同時に折り返し部103の折り返し加工をすることができ、作業性がよい。
【0035】
図6において、第一の折り装置3aと前記第二の折り装置3bとの間には、さらに、搬送経路上の用紙の中央部を保持しながら搬送する搬送手段15が配置される。搬送手段15は、上下一対の搬送ローラ151、152、153、154、155、156で構成され、上下一対の搬送ローラのうち、上側の搬送ローラ151、153(不図示)、155(不図示)はユニット化され、用紙ジャムやメンテナンス時においては、操作者がユニット15aの取手16を持って、紙折り装置本体10からユニット15aを容易に着脱できるように構成されている。
【0036】
第一の折り装置3aと第二の折り装置3bとの間に、さらに、搬送経路上の用紙の中央部を保持しながら搬送する搬送手段15が配置された為、特に、一回の用紙搬送で二箇所同時に折り返し部の折り返し加工をする場合、用紙の搬送が安定し、加工精度が安定する。
【0037】
図5(a)に示すように、第一の折り装置3aは、各々、搬送方向に沿った回転軸31の回りを回動する折り板32を有しており、さらに、下ガイド板33上方に所定の隙間をあけて上ガイド板36を備え、下ガイド板33上を搬送される用紙100を下流側に搬送する一対の搬送ローラ対(駆動ローラ38及び従動ローラ35)を備えている。尚、下ガイド板33には、ローラ対のニップ部に切欠きが形成されている。
用紙の折り返し部103を折り曲げ加工する折り曲げ加工位置においては、図5(a)のように、幅方向外側に位置している状態の折り板32上に載せられた用紙100の片部103を、図5(b)のように、折り板32をR5方向に回動させることによって、図5(c)のように、後方面部(本体部)102の表面に上ガイド板36を介して重ね合わせるように、内側に折り返すことができる。
【0038】
以上によれば、用紙の本体部が上下一対のガイド板(36、33)の間に保持されたまま、用紙の折り返し部が上ガイド板の上面に折り返される為、加工時において、用紙の折り目部分に皺が発生することを防ぎ、さらに、フラップを折り曲げる際の折り目位置の精度を確保することができる。
【0039】
次に、折り板32の回動機構300について図8図9に基づいて説明する。
【0040】
図8は、折り板32が、用紙の折り返し部103が載置される載置位置に配置される状態を示しており、又、図9は、折り板32が、用紙の折り返し部103を前記本体部に向けて重ね合わせる重ね合わせ位置に至る途上の状態を示している。図8図9は、各々、図7の第一の折り装置3aをA方向から見た正面図である。尚、第二の折り装置3bについても第一の折り装置3aと同様の構成である為、説明を省略する。
【0041】
第一の折り装置3aは、図8に示されるように、搬送方向に沿った軸31の回りを往復回動する折り板32を有する折り返し手段を備えている。折り板32は、水平面上を180度回動するように設けられている。折り板32の回動機構300は、モータ301と、第1プーリー302と、伝達ベルト303と、第2プーリー304と、回転ギヤ305と、揺動ギヤ306とスライド軸307と、スライド受部308とを有している。伝達ベルト303は、第1プーリー302と第2プーリー304とに掛け渡されている。第2プーリー304と回転ギヤ305は、一体的に回転軸311に支持されている。揺動ギヤ306は、回転軸312に支持されている。スライド軸307は、揺動ギヤ306の上端部において突出している。スライド受部308は、折り板32に対して直角方向に一体的に形成される。又、スライド受部308には、スライド軸307を受けるスライド溝3081が形成されている。スライド軸307は、スペーサ309を介して、移動自在にスライド溝3081に係合されている。
【0042】
回動機構300は、次のように作動するようになっている。すなわち、モータ301が作動すると、第1プーリー302、伝達ベルト303、及び第2プーリー304を経て、回転ギヤ305が回転する。回転ギヤ305が回転すると、揺動ギヤ306が揺動し、折り板32が回動する。
【0043】
すなわち、回転ギヤ305がR1方向に回転すると、揺動ギヤ306がR3方向に揺動し、スライド軸307がスライド受部308のスライド溝3081内を移動し、その結果、折り板32がR5方向に回動する。逆に、回転ギヤ305がR2方向に回転すると、揺動ギヤ306がR4方向に揺動し、スライド軸307がスライド受部308内を移動し、その結果、折り板32がR6方向に回動する。したがって、回動機構300によれば、折り板32を、図5(a)~(c)に示されるように、水平面上で180度回動させることができる。これにより、第一の折り装置3aによれば、図5(a)に示されるように、幅方向外側に位置している状態の折り板32上に載せられた用紙100の片部103を、折り板32をR5方向に回動させることによって、上ガイド板36を介して、後方面部102に表面に重ね合わせるように、内側に折り返すことができる。
【0044】
尚、図9における折り板32の位置(傾斜角度)は、図5(a)に示される載置位置から重ね合わせ位置に移動する途上を示す図5(b)に相当する。
【0045】
[糊塗布部5]
糊塗布部5は、幅方向両側に対向して配置された1対の塗布装置5a、5bからなっている。なお、塗布装置5aと塗布装置5bとは、左右対称の構成を有している。
【0046】
塗布装置5a、5bは、ノズル部と、位置設定機構と、上下駆動機構と、を有している(不図示)。ノズル部は、搬送される用紙に所定のタイミングで糊を塗布できるようになっている。
【0047】
[第2折り部6]
第2折り部6は、平面状の用紙100を、搬送面200に沿って搬送しながら折り曲げ加工する紙折り装置であって、用紙搬送方向上流側に配置された第一の搬送ローラ対86と、用紙搬送方向下流側に配置された第二の搬送ローラ対87と、両ローラ対の間に設置された切替ゲート板63と、切替ゲート板63の上方に配置された折曲げ板62と、を備えている。
【0048】
切替ゲート板63は、支持軸631を中心に回動可能であり、搬送される用紙100に干渉して、用紙100の先端部を第二の搬送ローラ対87の上ローラ871の上方表面を通過するように上向きに案内する第一の案内位置と、第二の搬送ローラ対87のニップ部873に向けて略水平方向に案内する第二の案内位置との間で切り替え可能となっており、折曲げ板62は、略水平状態のまま、上下方向に移動可能に構成され、前記第二の案内位置に配置する前記切替ゲート板63に近接する折りたたみ位置と、前記切替ゲート板から所定の間隔を置いて退避する退避位置との間で切り替え可能となっている。
【0049】
[加圧部8]
加圧部8は、上下動可能な上型8aと、不動の下型8bで構成され、第2折り部6にて折り曲げ加工された用紙100の折り部に対して、上型、下型により挟み込むことによって、さらに圧力を加えて、折り部を強固なものとする。
【0050】
[排紙部7]
排紙部7は、搬送ローラ対88と排紙トレイ71とを有している。搬送ローラ対88は、排出ローラとして作動するように設けられている。具体的には、搬送ローラ対88は、図1に示されるように、第2折り部6の第二搬送ローラ対87の近傍且つ搬送方向下流に、配置されている。排紙トレイ71は、搬送面200よりも下方の位置から斜め上方に向けて且つ搬送方向下流に向けて、傾斜している。
【0051】
次に、前記構成の製袋機10の作動について説明する。
【0052】
まず、図2に示されている用紙100を給紙トレイ11上に載置する。このとき、前方面部101は搬送方向下流側に位置している。そして、スイッチ(図示せず)をオンして、作動を開始する。
【0053】
(1)給紙トレイ11上の最上面の用紙100は、エア給紙ユニット12におけるエア吸引ベルトに吸着されながら搬送ローラ対81に向けて送り出され、搬送ローラ対81に用紙100が受け渡された後、搬送ローラ対81により、さらに搬送方向下流側に搬送される。その後、第1クリース加工部2を通過する。その際、第1クリース加工部2が作動して、用紙100の第2折り目112、第3折り目113にクリースが形成される。これにより、前方面部101は、後方面部102側へ折り返しやすくなる。又、最後方面部104は、折り返された前方面部101側へ折り返しやすくなる。
【0054】
(2)第1クリース加工部2より搬送されて来た用紙100は、第2クリース加工部4を通過する。このとき、用紙100の第1折り目111(幅方向左右2箇所)は、搬送方向と直角方向の幅方向2箇所に設置された第2クリース加工部4のクリース刃(丸刃)の直下にそれぞれ位置している。そして、第2クリース加工部4が作動して、第1折り目111にクリースが形成される。これにより、片部103(幅方向左右2箇所)は、内側へ折り返しやすくなる。
【0055】
(3)第2クリース加工部4によりクリースが形成された用紙100は、第1折り部3において停止する。用紙の折り返し部103を折り曲げ加工する際の折り目(111)に、予め、クリースを形成することにより、フラップを折り曲げる際の折り目加工位置の精度を確保することができる。
【0056】
図5に示すように、第1折り部3においては、折り板32による片部103の折り返しの基本構成に加えて、下ガイド板33上方に所定の隙間をあけて設置される上ガイド板36と、下ガイド板33上を搬送する用紙100を、さらに下流側に搬送する搬送ローラ対(駆動ローラ38及び従動ローラ35)を備える。尚、下ガイド板33には、前記搬送ローラ対のニップ部に切欠きが形成されている。
【0057】
図5(a)において、第1折り部3の折り装置3a(3b)の折り板32は、幅方向外側に位置しており、用紙100の両側の片部103は、折り板32上に載っている(載置位置)。
【0058】
次に、図5(b)において、折り板32が内側の下ガイド板33向けてR5方向に回動し、これにより、片部103がクリース加工済の第1折り目111にて内側へ折り返されて、図5(c)に示すように、上ガイド板36を介して後方面部(本体部)102上に重ね合わされる(重ね合わせ位置)。
【0059】
その後、図5(d)において、折り板32は、外側の下ガイド板33から離れる方向R6に回動する。そして、搬送ローラ対(駆動ローラ38及び従動ローラ35)によって、片部103が折り返された用紙100が搬送方向下流へ搬送される。用紙100の搬送を開始する前に、折り板32を少なくとも所定角度だけ下ガイド板33から離れる方向R6に回動させておくことにより、折り曲げ加工後の用紙は、折り板や上下一対のガイド板に干渉されることなく、折り曲げ加工位置の用紙搬送方向下流側に向けてスムーズに搬送することができる。
【0060】
前述の図5(a)から図5(d)において、上ガイド板36及び、上ガイド板36上に用紙100を保持する押さえローラとしての従動ローラ35を備え、折り返し手段が用紙の折り返し部103を折り曲げ加工する際は、制御手段は、折り曲げ加工位置において、前記一対の搬送ローラ(駆動ローラ38及び従動ローラ35)の駆動を停止状態にして、用紙100の搬送を停止し、用紙100の本体部102を前記一対の搬送ローラ38、35の間に保持したまま、用紙100の折り返し部103を折り曲げ加工するように制御する。
【0061】
以上によれば、用紙の本体部102が上下一対のガイド板36、33の間に保持されたまま、用紙の折り返し部103が上ガイド板36の上面に折り返されるのと同時に、用紙の本体部102を一対の搬送ローラの間36、33に保持したまま、用紙の折り返し部103を折り曲げ加工する。したがって、さらに、折り返し部103を折り曲げる際の折り目位置の精度を確保することができる。
【0062】
(4)片部103が折り返された用紙100は、搬送ローラ対85によって搬送方向下流へ搬送され、糊塗布部5を通過する。糊塗布部5においては、用紙100の折り返された両側の片部103の通過が開始する時に、搬送方向と直角方向の幅方向2箇所に設置されたノズル部5a、5bが下方に移動して、片部103の表面に当接し、片部103の通過が終了する時に、ノズル部5a、5bが上方へ移動して、片部103の表面からノズル部5a、5bが離れる。これにより、折り返された片部103の表面に糊が塗布される。なお、折り返された片部103は、ノズル部5a、5bの搬送方向上流に位置している搬送ローラ対85によって、押圧された状態で、又は、押圧された後に、ノズル部5a、5bを通過する。よって、ノズル部5a、5bによる糊塗布作業を、安定して行うことができる。
【0063】
(5)第2折り部6は、平面状の用紙100を、搬送面200に沿って搬送しながら折り曲げ加工する紙折り装置であって、用紙搬送方向上流側に配置された第一の搬送ローラ対86と、用紙搬送方向下流側に配置された第二の搬送ローラ対87と、両ローラ対の間の用紙搬送面200に設置された切替ゲート板63と、切替ゲート板63に対向して配置された折曲げ板62と、装置全体の作動を制御する制御手段(不図示)を備えている。
【0064】
切替ゲート板63は、搬送される用紙100に干渉して、用紙搬送方向を用紙搬送面200から外に曲げ、用紙100の先端部を前記第二の搬送ローラ対87の一方のローラ表面に向けて案内する第一の案内位置と、前記第二の搬送ローラ対87のニップ部873に向けて用紙搬送面200に沿って案内する第二の案内位置との間で切り替え可能となっており、
【0065】
折曲げ板62は、略水平状態のまま、切替ゲート板63に向けて移動可能に構成され、第二の案内位置に配置する前記切替ゲート板63に近接する折りたたみ位置と、切替ゲート板63から所定の間隔を置いて退避する退避位置との間で切り替え可能となっており、
【0066】
前記制御手段は、前記第一の案内位置に配置された前記切替ゲート板63によって、搬送される用紙100の先端部を、前記第二の搬送ローラ対87の一方のローラ表面に向けて所定量だけ通過するように案内した後、切替ゲート板63を前記第二の案内位置に切り替え、その後、切替ゲート板63上の用紙100を挟み込むように、退避位置に配置されている折曲げ板62を略水平状態で折りたたみ位置に下降させることによって、用紙100の先端部を第二の搬送ローラ対87の一方のローラ表面に沿って折り返すように制御するようになっている。
【0067】
具体的には、一実施例として、以下に示すように、順次加工する。
【0068】
片部103に糊が塗布された用紙100は、搬送ローラ対85によって第2折り部6へ(F方向に)搬送される。このとき、切替ゲート板63は、第一の案内位置として第二の搬送ローラ対87に向けて上向きに設定されている。それ故、図10に示すように、用紙100は、切替ゲート板63によって用紙100の先端部を第二の搬送ローラ対87の上ローラ871の上方表面を通過するように上向きに案内され、用紙100の第2折り目112の位置が折り位置(折曲げ板62の端部621の直下の位置)に到達した時に搬送を一旦停止する。尚、この間、折曲げ板62は待避位置を維持する。
【0069】
なお、第一搬送ローラ対86の上ローラ861は、片部103の表面に接触しない幅寸法に設定されているので、前述の糊塗布部5にて、用紙100の片部103に塗布された糊が第一搬送ローラ対86に付着することはない。
【0070】
次に、図11に示すように、折曲げ板62は待避位置を維持したまま、切替ゲート板63を第二の案内位置(略水平位置)に移動する。
【0071】
次に、図12に示すように、切替ゲート板63上の用紙100を挟み込むように、前記退避位置に配置されている折曲げ板62を略水平状態で折りたたみ位置に下降させることによって、用紙100の前方面部101を前記第二の搬送ローラ対87の上側ローラ871表面に沿って第2折り目112から折り返す。この時、切替ゲート板63と下降後の折曲げ板62が近接する距離は、少なくとも、折曲げ板62と前記切替ゲート板63との間を、前記用紙が搬送できるだけの隙間が確保されるように構成する。例えば、約1mmの隙間が確保される。
【0072】
以上によれば、紙折り機構として、用紙挿入空間(分流経路)及び、ストッパを設ける必要がない為、構造の複雑化を招くことなく、簡易で安価に構成できる。又、制御手段により、種々の折り仕様に合わせて折り位置を自動的に調整する為、操作性の良い紙折り装置を提供することができる。さらに、折り返された片部にしわができるのを防止すると共に、折り加工する場合においても、ストッパ等の折り機構内部に糊が付着して成果物の品質に悪影響を及ぼすことがない。
【0073】
次に、図13に示すように、折曲げ板62の下降により前記用紙100の前方面部101を折り返した後、さらに、第一の搬送ローラ対86により、用紙の先端部を折り返した後の用紙先端折り返し部105を、第二の搬送ローラ対87のニップ部873に向けて搬送し、第二の搬送ローラ対87のニップ部873で用紙の先端折り返し部105を挟み込んでF方向に搬送することにより、用紙先端折り返し部105を押圧して折り込む。そして、前方面部101全体が折り返されて後方面部102の表面に合わされていき、その際、前方面部101の両縁部が片部103に接合される。これにより、洋式封筒90が得られる。尚、F方向への搬送は、用紙100の最後方面部104が所定量だけ第一の搬送ローラ対86のニップ部863を抜けるまで搬送する。このとき、用紙100は、折曲げ板62と切替ゲート板63との隙間を通して(両板にガイドされながら)搬送される。これによれば、皺等が発生することなく確実に、次段の第二搬送ローラ対87のニップ部873による押圧加工部に受け渡すことができる。
【0074】
以上によれば、折り板の下降により用紙の先端部を折り返した後、折り返した後の用紙先端折り返し部を、第二の搬送ローラ対87のニップ部873で押圧して折り込むように制御する為、用紙に確実に折り癖を付けることができる。
【0075】
本発明における紙折り装置(第1折り部3)は、一実施形態として、洋封筒を製作する製袋機10に紙折り機構として採用する場合について説明したが、単に用紙を折り畳む紙折り機(紙折り装置)としても実施可能である。なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、種々変更を加えて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0076】
F 搬送方向
F´搬送方向
R 回転方向
3 第1折り部
6 第2折り部
10 製袋機
10A 装置本体
31 回転軸
32 折り板
33 下ガイド板
35 従動ローラ(押さえローラ)
36 上ガイド板
38 駆動ローラ
100 用紙
101 前方面部
102 後方面部
103 糊代用片部
104 最後方面部
105 折り返し部
106 折り返し部
111 第1折り目
112 第2折り目
113 第3折り目
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13