(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20241015BHJP
【FI】
A63F5/04 611B
A63F5/04 611A
A63F5/04 699
(21)【出願番号】P 2020137879
(22)【出願日】2020-08-18
【審査請求日】2023-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】390026620
【氏名又は名称】山佐株式会社
(72)【発明者】
【氏名】三好 康一
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 啓司
【審査官】荒井 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-144168(JP,A)
【文献】特開2014-239935(JP,A)
【文献】特開2015-131091(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技結果に応じて遊技用価値が付与される遊技機において、
遊技の進行に関する制御を行う主制御手段と、
外部装置との間で前記遊技用価値の授受を行うとともに、遊技者が遊技に使用可能な前記遊技用価値の量の管理に関する制御を行う遊技用価値量制御手段と、
前記主制御手段に内蔵されている記憶手段の特定領域を初期化し、前記遊技機の有利度を設定する設定変更状態へ制御するために用いられる設定変更スイッチと、
前記設定変更スイッチと異なり、前記遊技用価値量制御手段が記憶している前記遊技用価値の量を初期化するために用いられるメダル数クリアスイッチと、
を備え、
前記メダル数クリアスイッチは前記遊技用価値量制御手段と同基板に設置された状態で基板ケース内に収納され、
前記遊技用価値量制御手段は、前記主制御手段により管理される遊技情報を前記主制御手段から受け取り、前記遊技情報および前記遊技用価値の授受に関する遊技用価値量情報を前記外部装置に周期的に送信し、
前記主制御手段は、遊技の進行に関するエラーが発生した場合は、当該エラーが発生していることを特定可能なエラー情報を前記遊技情報として前記遊技用価値量制御手段に受け渡し、
前記遊技用価値量制御手段は、
前記主制御手段から前記エラー情報を受け取っている場合は当該エラー情報に基づいた外部送信エラー情報を周期的に前記外部装置に送信し、
エラーが解消されて前記エラー情報の受け取りがなくなっても、当該エラー情報の受け取りがなくなってから特定回数の送信を行うまでは前記外部装置へ前記外部送信エラー情報の送信を継続し、
前記特定回数の送信が完了する前に電源断が生じた場合において、当該電源断から電源復帰したときの遊技状態が前記設定変更状態であった場合は、前記設定変更状態にあることを示す情報である設定変更中信号を送信するとともに、前記特定回数の前記外部送信エラー情報の送信を中止するものであり、
前記設定変更中信号と前記外部送信エラー
情報は同種のシリアル信号における別データで前記外部装置へ送信される
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技結果に応じて遊技用価値が付与される遊技機において、
遊技の進行に関する制御を行う主制御手段と、
外部装置との間で前記遊技用価値の授受を行うとともに、遊技者が遊技に使用可能な前記遊技用価値の量の管理に関する制御を行う遊技用価値量制御手段と、
前記主制御手段に内蔵されている記憶手段の特定領域を初期化し、前記遊技機の有利度を設定する設定変更状態へ制御するために用いられる設定変更スイッチと、
前記設定変更スイッチと異なり、前記遊技用価値量制御手段が記憶している前記遊技用価値の量を初期化するために用いられるメダル数クリアスイッチと、
を備え、
前記メダル数クリアスイッチは遊技用価値量制御手段と同基板に設置された状態で基板ケース内に収納され、
前記遊技用価値量制御手段は、前記主制御手段により管理される遊技情報を前記主制御手段から受け取り、前記遊技情報および前記遊技用価値の授受に関する遊技用価値量情報を前記外部装置に周期的に送信し、
前記主制御手段は、遊技の進行に関するエラーが発生した場合は、当該エラーが発生していることを特定可能なエラー情報を前記遊技情報として前記遊技用価値量制御手段に受け渡し、
前記遊技用価値量制御手段は、
前記主制御手段から前記エラー情報を受け取っている場合は当該エラー情報に基づいた外部送信エラー情報を周期的に前記外部装置に送信し、
エラーが解消されて前記エラー情報の受け取りがなくなっても、当該エラー情報の受け取りがなくなってから特定回数の送信を行うまでは前記外部装置への送信を継続し、
前記特定回数の送信が完了する前に電源断が生じた場合において、当該電源断から電源復帰したときの遊技状態が所定状態であった場合は、前記特定回数の送信が完了するまで前記外部装置への前記外部送信エラー情報の送信を継続する
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコホールなどの遊技場に設置され、外部の遊技機対応ユニットとの間で遊技用価値をデータとして交換する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、外部のカードユニットに隣接して設置され、当該カードユニットとの間で遊技用価値をデータとして交換する遊技機がある。
【0003】
このような遊技機において、特許文献1のように、主制御CPUが実装された主制御基板や枠制御CPUが実装された枠制御基板などを備える遊技機がある。この特許文献1に記載されている遊技機では、枠制御CPUで遊技球数を管理記憶し、カードユニットでも遊技球数を管理し、カードユニット、又は、カードユニットに接続されたホールサーバもしくはホール用管理コンピュータが、枠制御CPUで管理記憶している遊技球数とカードユニットで記憶している遊技球数とが整合するか否かの判定を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6538229号公報(例えば、段落0125など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1のようにカードユニットとの間で遊技用価値をデータとして交換する遊技機として、金属等で作られた実在するメダル等を利用せずに(いわゆるメダルレス)、メダル等を電子データのみで取り扱って遊技が行われるスロットマシンがある。このようなスロットマシンでは、遊技の進行に関わる制御を行う主制御CPUが実装された主制御基板や、カードユニットとの間でメダル数の授受を行うなどしてメダル数の管理に関わる制御を行うメダル数制御CPUが実装されたメダル数制御基板などを備えるスロットマシンがある。この場合、メダル数制御CPUとカードユニットとの間のメダル数データの双方通信により、メダル数の授受が行われる。また、主制御CPUとメダル数制御CPUとの間をメダル数(メダル数データ)の移動が行われ、遊技の実行と遊技用価値(メダル)の疑似払出が行われる。
【0006】
また、遊技の進行を制御する主制御CPUでは、遊技の進行に支障があるエラー状態を検知可能であるが、エラー状態では不正行為が発生している可能性がある。そのため、エラー状態となったことをホール側が認識できるようにするために、エラー状態となった場合は、当該エラー状態を特定可能な情報をメダル数制御CPUを介してカードユニットに送信することが考えられる。この場合、エラー情報を主制御CPUからメダル数制御CPUに受け渡したあと、メダル数制御CPUとカードユニットとの双方通信機能を利用してカードユニットに送信する。エラー情報は、不正行為の早期発見に資するものであるため、様々な状況に応じて適切にカードユニット側に送信される必要がある。特に、外部装置にエラー信号を送信するにあたって、外部装置がノイズと勘違いしないようにある程度継続する必要があるが、継続時間が長すぎるとエラーが解消されていても遊技が停止したままになるため、エラー信号の送信の継続時間を適切に設定する必要がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、エラーに関する情報を、外部装置に適切に送信できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明にかかる遊技機は、遊技結果に応じて遊技用価値が付与される遊技機において、遊技の進行に関する制御を行う主制御手段と、外部装置との間で前記遊技用価値の授受を行うとともに、遊技者が遊技に使用可能な前記遊技用価値の量の管理に関する制御を行う遊技用価値量制御手段とを備え、前記遊技用価値量制御手段は、前記主制御手段により管理される遊技情報を前記主制御手段から受け取り、前記遊技情報および前記遊技用価値の授受に関する遊技用価値量情報を前記外部装置に周期的に送信し、前記主制御手段は、遊技の進行に関するエラーが発生した場合は、当該エラーが発生していることを特定可能なエラー情報を前記遊技情報として前記遊技用価値量制御手段に受け渡し、電源断が生じている状態から電源復帰した場合は、前記主制御手段よりも先に前記遊技用価値量制御手段が先に起動するように構成され、前記遊技用価値量制御手段は、前記主制御手段から前記エラー情報を受け取っている場合は当該エラー情報に基づいた外部送信エラー情報を周期的に前記外部装置に送信し、エラーが解消されて前記エラー情報の受け取りがなくなっても、当該エラー情報の受け取りがなくなってから特定回数の送信を行うまでは前記外部装置への送信を継続し、前記特定回数の送信が完了する前に電源断が生じた場合において、当該電源断から電源復帰したときの遊技状態が所定状態であった場合は、前記特定回数の送信が完了するまで前記外部装置への前記外部送信エラー情報の送信を継続するが、当該電源断から電源復帰したときの遊技状態が前記所定状態とは異なる特定状態であった場合は前記特定回数の前記外部送信エラー情報の送信を中止することを特徴としている。
【0009】
この構成によれば、エラーが発生した場合は、エラー状態中だけでなくエラー状態が終了した後の特定回数の送信が完了するまでは外部送信エラー情報が外部装置に送信されるため、エラー状態が短い期間終了した場合であっても、エラーが発生したことを外部装置側で確実に認識でき、不正行為の早期発見が容易になる。また、特定回数の送信が完了するまでの間に電源断が発生した場合、電源復帰後の遊技状態が所定状態であった場合は特定回数の送信を継続するが、電源復帰後の遊技状態が特定状態であった場合は外部送信エラー情報の送信を中止する。例えば、電源復帰後の状態が設定変更可能状態(特定状態)であった場合は、遊技機の払出率が変更される可能性があるため、外部送信エラー情報よりも重要な情報である、設定変更が可能である状態であることを特定可能な情報(設定変更情報)の送信を優先させる。また、設定変更が可能な状態に移行した場合は、主制御手段の記憶内容がクリアされるため、外部送信エラー情報の原因となるエラーのほとんどが解消する。このような場合は、外部送信エラー情報の送信を継続するよりも、設定変更情報の送信を優先させて、外部装置が確実に設定変更情報を受信できるようにするのが好ましい。一方、電源復帰後の状態が遊技可能な通常状態であった場合は、設定変更可能状態に移行した場合のようなエラーが解消する契機が発生してないため、外部送信エラー情報をカードユニット側が確実に受信する必要がある。そこで、電源復帰後の遊技状態が設定変更可能状態(特定状態)であった場合は外部送信エラー情報の送信を中止し、その他の状態(所定状態)であった場合は外部送信エラー情報の送信を継続することで、外部送信エラー情報の外部装置への送信を状況に応じて適切に行うことができる。さらに、電源復帰後に外部送信エラー情報の送信を継続する場合は、主制御手段が起動するまで外部送信エラー情報の送信を待機するため、電源復帰後の遊技状態を反映した適切なエラー情報を外部装置に送信することができる。
【0010】
また、電源断から電源復帰したときにエラーが発生している状態であった場合、前記主制御手段は、前記エラー情報を前記遊技用価値量制御手段に受け渡し、前記遊技用価値量制御手段は、前記特定回数に関するカウント値をリセットするようにしてもよい。
【0011】
この構成によれば、電源復帰後の状態を反映した適切なエラー情報を外部装置に送信することができる。
【0012】
また、前記遊技用価値量制御手段から前記外部装置に送信される情報として、前記外部送信エラー情報を含む第1情報と、前記外部送信エラー情報を含まない第2情報とがあり、前記第1情報と前記第2情報とは、送信周期の長さが異なり、前記遊技用価値量制御手段は、前記第1情報と前記第2情報の送信タイミングが重なった場合は、前記第2情報を優先させて前記外部装置に送信するようにしてもよい。
【0013】
この構成によれば、外部送信エラー情報の送信が特定回数となるまでの時間が長くなるため、外部装置側がより確実に遊技機側のエラー状態を検知することができる。
【0014】
また、前記外部装置と接続されているか否かを検知する検知手段をさらに備え、前記遊技用価値量情報は、前記遊技用価値量制御手段が管理する前記遊技用価値を前記外部装置に移動させるときの当該移動量を特定可能な計数情報を含み、前記計数情報は、前記外部送信エラー情報とは重ならないタイミングで前記外部装置に送信され、前記遊技用価値量制御手段は、前記計数情報については、当該情報の送信タイミングで前記外部装置と接続されていない場合は、前記外部装置への送信を無効化し、前記外部送信エラー情報については、当該情報の送信タイミングにおいて前記外部装置と接続されているか否かに関わらず前記外部装置に送信するようにしてもよい。
【0015】
この構成によれば、遊技用価値量制御手段が移動させたとする遊技用価値の量と、外部装置が受け取ったとする遊技用価値の量との間の齟齬を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施形態にかかる遊技機の一例であるスロットマシンとカードユニットの正面図である。
【
図2】スロットマシンの通信システムを示すブロック図である。
【
図3】カードユニットの装置構成とユニット制御基板の機能を示すブロック図である。
【
図4】スロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
【
図5】
図2の主制御基板、サブ制御基板およびメダル数制御基板の機能を示す機能ブロック図である。
【
図6】スロットマシンとカードユニットとの間を接続するコネクタのピン配列を説明するための図である。
【
図7】(a)は、スロットマシンとカードユニット間の通信に用いられる電文のフォーマットを示す図であり、(b)は電文のフォーマットの各項目を説明するための図である。
【
図8】スロットマシンとカードユニット間の通信に用いられる電文の一覧を示す図である。
【
図9】
図8の電文「遊技機情報通知」の電文フォーマットの詳細を示す図である。
【
図10】
図9の項目「遊技機情報」における項目「遊技機性能情報」を示す図である。
【
図11】
図9の項目「遊技機情報」における項目「遊技機設置情報」を示す図である。
【
図12】
図9の項目「遊技機情報」における項目「ホールコン・不正監視情報」を示す図である。
【
図13】
図12の項目「遊技情報」(項目「遊技情報数」を除く)を示す図である。
【
図14】
図8の電文「計数通知」の電文フォーマットの詳細を示す図である。
【
図15】
図8の電文「貸出通知」の電文フォーマットの詳細を示す図である。
【
図16】
図8の電文「貸出受領結果応答」の電文フォーマットの詳細を示す図である。
【
図17】スロットマシンとカードユニット間の電文「遊技機情報通知」、「計数通知」、「貸出通知」、「貸出受領結果応答」を用いた基本通信シーケンスを示す図である。
【
図18】スロットマシンが先に起動した場合のスロットマシンとカードユニット間の基本通信シーケンスを示す図である。
【
図19】カードユニットが先に起動した場合のスロットマシンとカードユニット間の基本通信シーケンスを示す図である。
【
図20】電文「遊技機情報通知」における「遊技機設置情報」、「遊技機性能情報」、「ホールコン・不正監視情報」の送信条件及び送信の優先順位を示す図である。
【
図21】スロットマシンとカードユニット間の電文「遊技機情報通知」(「遊技機設置情報」、「遊技機性能情報」、「ホールコン・不正監視情報」)の基本通信シーケンスを示す図である。
【
図22】
図17のスロットマシンとカードユニット間の基本通信シーケンスにおける、スロットマシンとカードユニット間での計数の一具体例を示す図である。
【
図23】
図17のスロットマシンとカードユニット間の基本通信シーケンスにおける、スロットマシンとカードユニット間での貸出の一具体例を示す図である。
【
図24】スロットマシンにおける主制御CPUとメダル数制御CPU間のベットスイッチ操作時のメダルの投入に関わるシーケンスを示す図である。
【
図25】スロットマシンにおける主制御CPUとメダル数制御CPU間のメダルの払出時のメダルの払出に関わるシーケンスを示す図である。
【
図26】スロットマシンにおける主制御CPUとメダル数制御CPU間、スロットマシンのメダル数制御CPUとカードユニットのユニットCPU間の通信シーケンスを示す図である。
【
図27】
図26の通信シーケンスの続きの通信シーケンスを示す図である。
【
図28】
図27の通信シーケンスの続きの通信シーケンスを示す図である。
【
図29】
図28の通信シーケンスの続きの通信シーケンスを示す図である。
【
図30】問題が想定される「ホールコン・不正監視情報」の送信タイミングを示す図である。
【
図31】本実施形態における「ホールコン・不正監視情報」の送信タイミングを説明するための図である。
【
図32】払出情報の送信タイミングを説明するための図である。
【
図33】操作手段の回路構成の変形例を示す図である。
【
図34】電源復帰した前後のスロットマシンからカードユニットへの不正信号の送信態様を示す図である。
【
図35】スロットマシンからカードユニットへの不正信号の送信態様の具体例を示す図である。
【
図36】スロットマシンからカードユニットへの不正信号の送信態様の他の具体例を示す図である。
【
図37】基板ケースを示すであり、(a)は蓋部材の正面図、(b)はベース部材の正面図である。
【
図38】主制御基板とメダル数制御基板の実装面を示す図である。
【
図39】蓋部材の部分拡大図であり、(a)は当該部分の正面(前方)側からの斜視図、(b)は当該部分の後面(後方)側からの斜視図である。
【
図40】基板ケースが主制御基板とメダル数制御基板を収納した状態における、
図37(a)のA-A矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態>
本発明の一実施形態について、
図1~
図40を参照して説明する。なお、本件明細書では、記載の容易化のため、遊技メダルの代わりに遊技に用いる遊技用価値に当たるデータを、適宜、「疑似メダル」と記載する。
【0018】
(スロットマシンシステム)
まず、スロットマシンシステムについて
図1および
図2を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかるスロットマシンSMとカードユニットCUの正面図、
図2がスロットマシンシステムを示すブロック図である。
【0019】
図2に示すように、スロットマシンシステムは、遊技用価値を基に遊技を行うスロットマシンSMと、ホールコンピュータと、管理コンピュータと、スロットマシンSMに隣接して設置され、当該スロットマシンSMと接続されて遊技用価値の貸出及び返却をデータ形式で行うとともに、ホールコンピュータおよび管理コンピュータに各種情報を送信可能に構成されたカードユニットCUと、センタとで構成されている。この実施形態では、カードユニットCUからホールコンピュータへはボーナスの入賞回数やボーナス間のゲーム数などを特定可能な情報等が送信される。また、カードユニットCUから管理コンピュータへは、役物比率等スロットマシンSMの性能に関わる情報等が送信される。スロットマシンSMでは、疑似メダルの枚数がカードユニットCUから枚数データの形式でメダル数制御基板300に送られ、メダル数制御基板300による枚数データ管理により、遊技が実行される。
【0020】
また、本実施の形態では、スロットマシンシステムにおいて、遊技者が投入した現金の残高に関する残高データ及びスロットマシンSMに貸出可能な遊技者が所持する疑似メダルの枚数(以下、適宜、「持ちメダル数」と記載する。)を示す枚数データ(以下、適宜、「持ちメダル数データ」と記載する。)がカードユニットCUのユニット制御基板500の記憶手段502a(
図3参照)に記憶される。また、スロットマシンSMでの遊技に使用可能な遊技者が所持する疑似メダルの枚数(以下、適宜、「遊技メダル数」と記載する。)を示す枚数データ(以下、適宜、「遊技メダル数データ」と記載する。)がスロットマシンSMのメダル数制御基板300の記憶手段302a(
図5参照)に記憶される。なお、記憶手段502aはメモリ502のRAM部(揮発性メモリ)に形成され、記憶手段302aはメモリ302のRAM部(揮発性メモリ)に形成されており、記憶手段502aは電源供給が行われている場合にだけ記憶内容を保持することが可能であり、電源供給が行われなくなると記憶内容が消去される。一方、記憶手段302aについては、スロットマシンSMにバックアップ電源が配設されており、電源供給が途絶えても記憶内容を保持することが可能になっている。
【0021】
そして、カードユニットCUの貸出スイッチ503aに対する操作により、カードユニットCUからスロットマシンSMに所定の貸出枚数分の疑似メダルの貸出が行われる。この貸出では、カードユニットCUの記憶手段502aに記憶されている残高データまたは貸出可能枚数データが、所定の貸出枚数に相当する金額分減算された残高データまたは所定の貸出枚数分減算された貸出可能枚数データに書き換えられる。また、スロットマシンSMの記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データが、所定の貸出枚数分増加された遊技メダル数データに書き換えられる。
【0022】
また、カードユニットCUの返却スイッチ503bに対する操作により、記憶手段502aに記憶されている残高データ及び持ちメダル数データが、カード挿入排出装置504に収容されているメダルカードに記憶されてメダルカードがカード挿入排出装置504の挿入/排出口504aから排出される。そして、記憶手段502aに記憶されている残高データ及び持ちメダル数データが、残高「0」を示す残高データ及び枚数「0」を示す貸出可能枚数データに書き換えられる。
【0023】
また、スロットマシンSMのベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8に対する操作により、所定の賭け枚数(投入枚数)分の疑似メダルの賭け(投入)が行われる。この賭けでは、スロットマシンSMの記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データが、所定の賭け枚数分減算された遊技メダル数データに書き換えられる。
【0024】
また、疑似メダルの払出のある役の入賞により、スロットマシンSMから遊技者に対して所定の払出数の疑似メダルの払出が行われる。この払出では、スロットマシンSMの記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データが、所定の払出数分増加された遊技メダル数データに書き換えられる。この実施形態では、主制御CPU101とメダル数制御CPU301との信号のやり取りにより、疑似メダルの投入、疑似メダルの払い出し、遊技メダル数データの書き換えが行われるが詳しくは後述する。
【0025】
また、メダル数制御基板300と、カードユニットCUとは、I/F基板90,550を介して双方向で情報のやり取りが行われる。また、I/F基板90,550を介してカードユニットCUからスロットマシンSMに内部電源(カードユニットCUの内部電源)を基にした電源(電圧)が供給される。
【0026】
以下では、まず、スロットマシンSMとカードユニットCUの機能について詳細に説明した後に、スロットマシンSMとカードユニットCUに関する電源供給とスロットマシンSMとカードユニットCUとの接続関係について詳細に説明する。
【0027】
(カードユニット)
図1や
図3に示すように、カードユニットCU(本発明の「外部装置」に相当)は、ユニット情報表示装置505、現金投入装置506、カード挿入排出装置504、貸出スイッチ503a、返却スイッチ503b、離席スイッチ503c、ユニット制御基板500、I/F基板550を備えている。また、カードユニットCUは、電源基板(図示省略)や補助電源(図示省略)も備えている。
【0028】
ユニット情報表示装置505は、ユニット制御基板500の記憶手段502aに記憶されている残高データや持ちメダル数データに基づく遊技者の現金残高(度数)や遊技者の所持する疑似メダル数などを表示するものである。ユニット情報表示装置505は、例えば、複数の7セグメントLEDにより構成されたり、液晶表示器等により構成されたりする。
【0029】
現金投入装置506は、カードユニットCUから疑似メダルを借り受けるために紙幣等の現金が投入されるものであり、遊技者により投入された現金を検出する。
【0030】
カード挿入排出装置504は、挿入/排出口504aから所定のID情報が書き込まれたメダルカードが挿入された場合は、当該メダルカードを収納するとともに、返却スイッチ503bが操作された場合は、収容しているメダルカードを挿入/排出口504aから排出するものである。また、カード挿入排出装置504は、離席スイッチ503cが操作された場合は、収容しているメダルカードに書き込まれたID情報を記憶手段502aに記憶して、当該メダルカードを挿入/排出口504aから排出するものである。また、カード挿入排出装置504は、離席スイッチ503cの操作によりメダルカードが排出された後に、挿入/排出口504aからメダルカードが挿入された場合は、メダルカードに書き込まれたID情報と記憶手段502aに記憶されているID情報とを照合し、一致する場合には記憶手段502aからそれに記憶されているID情報を消去して、挿入されたメダルカードを受け付けて収容するものである。一致しない場合には挿入されたメダルカードを受け付けずに挿入/排出口504aから排出するものである。また、カード挿入排出装置504は、離席スイッチ503cの操作によりメダルカードが排出された場合であっても、当該メダルカードに疑似メダルの残りがなかった場合(疑似メダルの投入も含む)については、記憶手段502aに記憶されているID情報と異なるID情報を有する新たなメダルカードが挿入されても、当該メダルカードは排出しない。したがって、この場合は新たなメダルカードを用いて遊技の実行を可能とする。
【0031】
ユニット制御基板500には、
図3に示すように、カードユニットCU全体の制御を行うユニットCPU501とメモリ502とが実装されており、ユニットCPU501は、受付処理手段501a、貸出処理手段501b、第2計数処理手段501c、返却処理手段501d、送受信手段501eとして機能する。
【0032】
(1)記憶手段502a
メモリ502は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、各種プログラムなどを記憶するROM部とを備えており、RAM部(揮発性メモリ)に記憶手段502aが形成されている。記憶手段502aは、残高データや持ちメダル数データ、メダル数制御基板300から受け取った記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データ、メダルカードに書き込まれたID情報などを保持するものである。
【0033】
(2)受付処理手段501a
受付処理手段501aは、メダルカードがカード挿入排出装置504の挿入/排出口504aに挿入されると、記憶手段502aに記憶されている残高データ及び持ちメダル数データを、メダルカードに記憶されている金額(金額が「0」の場合もある)分増加した残高データまたは疑似メダルの枚数(枚数が「0」の場合もある)分増加した持ちメダル数データに書き換えて、メダルカードに記憶されている金額または疑似メダルの枚数を「0」にするものである。また、受付処理手段501aは、現金が現金投入装置506に投入されると、記憶手段502aに記憶されている残高データを、投入された金額分増加した残高データに書き換えるものである。
【0034】
(3)貸出処理手段501b
貸出スイッチ503aが操作された場合、スロットマシンSMへ所定の貸出枚数分の枚数データに基づく信号が送受信手段501eによって送信される。貸出処理手段501bは、この信号の送信に基づいて、記憶手段502aに記憶されている残高データまたは持ちメダル数データを、所定の貸出枚数に相当する金額分減算した残高データまたは所定の貸出枚数分減算した持ちメダル数データに書き換えるものである。なお、貸出処理手段501bは、所定の貸出枚数分の枚数データに基づく信号がスロットマシンSMに送信された場合に記憶手段502aの記憶内容を更新する代わりに、例えば、所定の貸出枚数分の枚数データに基づく信号がスロットマシンSMへ送信され、これに対する応答信号がスロットマシンSMから受信された場合に記憶手段502aの記憶内容を更新するようにしてもよい。
【0035】
なお、本実施形態では、記憶手段502aに記憶されている貸出可能枚数データに基づく疑似メダルの貸出では、貸出スイッチ503aの操作ごとに所定の貸出枚数分の疑似メダルを貸し出すようにしているが、例えば、貸出スイッチ503aが操作されると、一度に記憶手段502aに記憶されている疑似メダルの全てを貸し出すようにしてもよい。
【0036】
(4)第2計数処理手段501c
第2計数処理手段501cは、メダル数制御CPU301の第1計数処理手段301b2と協働して、記憶手段302aに記憶されている使用可能枚数データの一部または全部をカードユニットCUの記憶手段502aに移す計数処理を行うものである。
【0037】
具体的には、スロットマシンSMの計数スイッチ31が操作された場合、スロットマシンSMからカードユニットCUに所定の計数分の枚数データに基づく信号がユニット間送受信手段301eを介して送信される。この信号を送受信手段501eが受信した場合、第2計数処理手段501cは、記憶手段502aに記憶されている持ちメダル数データを、所定の計数分加算した持ちメダル数データに書き換える。なお、この実施形態では、計数スイッチ31の押下時間が所定時間に満たない通常押下の場合は疑似メダル1枚の枚数データがカードユニットCU側に送信される。一方、計数スイッチ31の押下時間が所定時間以上の長押しの場合は、疑似メダル50枚の枚数データが所定の間隔(例えば、300ms)でカードユニットCU側に送信される。
【0038】
(5)返却処理手段501d
返却処理手段501dは、返却スイッチ503bが操作された場合に、記憶手段502aに記憶されている残高データ及び持ちメダル数データをカード挿入排出装置504に収容されているメダルカードに記憶させた上で、当該メダルカードを遊技者に返却するものである。
【0039】
具体的には、メダル数制御基板300から送信される遊技メダル数(記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データが示す疑似メダルの枚数)に関する情報、および、主制御基板100とメダル数制御基板300との間で投入処理が行われた疑似メダルの枚数に関する情報が共に「0」を示す状態で返却スイッチ503bが操作された場合、返却処理手段501dは、記憶手段502aに記憶されている残高データ及び持ちメダル数データをカード挿入排出装置504に収容されているメダルカードに記憶して当該メダルカードをカード挿入排出装置504の挿入/排出口504aから排出するとともに、記憶手段502aに記憶されている残高データ及び持ちメダル数データを、残高「0」を示す残高データ及び枚数「0」を示す持ちメダル数データに書き換える。なお、投入処理が行われた疑似メダルの枚数に関する情報、および、メダル数制御基板300から送信される遊技メダル数に関する情報が共に「0」でない場合に返却スイッチ503bが操作された場合は、液晶表示器14やスピーカ15,16などにより、計数(計数スイッチ31)や精算(精算スイッチ33)を促す報知が行われる。
【0040】
なお、送受信手段501eでは、所定周期(例えば300ms)で遊技メダル数(記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データが示す疑似メダルの枚数)に関するデータを受信している。
【0041】
(6)送受信手段501e
送受信手段501eは、メダル数制御基板300からの各種情報に基づく信号を受信するとともに、メダル数制御基板300に各種情報に基づく信号を送信するものである。メダル数制御基板300から受信する情報としては、疑似メダルの返却枚数(計数分の枚数データ)や、使用可能枚数(記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データが示す疑似メダルの枚数)、疑似メダルの総投入枚数、総払出枚数、役物比率等の役比モニタ47に表示される各種比率、エラー関連情報などである。また、メダル数制御基板300に送信する情報としては、疑似メダルの貸出枚数に関する情報などである。なお、送受信手段501eから受け取った遊技メダル数を示す遊技メダル数データ(記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データ)は記憶手段502aに記憶され、これにより、カードユニットCUとメダル数制御基板300の双方で記憶されることになり、両者を利用することにより不正行為に対応することが可能になる。
【0042】
なお、カードユニットCUからホールコンピュータへは、各種遊技情報が送信される。各種遊技情報は、例えば、前面パネル2の開放状態、疑似メダルの投入枚数に関する情報、疑似メダルの払出枚数に関する情報、エラー発生情報、設定変更中である旨の情報、設定確認状態である旨の情報、ボーナス状態中である旨の情報、入賞・再遊技役・ボーナス役に入賞した旨の情報、各回転リール6L,6M,6Rが停止した旨の情報などである。
【0043】
(スロットマシン)
続いて、スロットマシンSMの構成の概略について、
図1、
図4、
図5を参照して説明する。
【0044】
本実施形態におけるスロットマシンSMでは、ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8の操作により、遊技を開始させるための所定条件を成立させるために疑似メダルの投入が行われる。また、疑似メダルの投入により所定枚数分の賭け数が設定されて所定条件が成立したことを条件として、遊技者によりスタートスイッチ9が操作されると、各々複数個の図柄が配列された複数の回転リール6L,6M,6Rが回転を開始する。また、各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作により各回転リール6L,6M,6Rが停止する。このときの停止図柄表示結果が所定の入賞態様であれば、予め定められた所定の払出枚数分の疑似メダルの払出が行われることにより1回の遊技が終了する。ここで、疑似メダルの投入とは、メダル数制御基板300の記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを、当該遊技の賭け数に応じたメダル数が減じられた遊技メダル数データに書き換えることをいう。また、疑似メダルの払出とは、当該遊技で入賞した場合に、メダル数制御基板300の記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを、入賞役に応じて設定されたメダル数が加算された遊技メダル数データに書き換えることをいう。
【0045】
なお、疑似メダルの投入が行われ、遊技メダル数データが減じられた場合であってもスタートスイッチ9の操作が行われるまでは、設定された賭け数を変更することができ、これに応じて賭け数が適宜更新され、スタートスイッチ9を操作すると賭け数として設定された分が遊技に供されることとなる。例えば、規定数として「3」または「1」が設定されている遊技状態において賭け数を設定する場合、最大ベットスイッチ8を操作することで賭け数として「3」が設定されるとともに、遊技メダル数データからは「3」が減じられる。その後、賭け数を「1」に変更する場合、ベットスイッチ7を操作することで賭け数として「1」が設定されるとともに、遊技メダル数データには「2」が戻る(加算される)こととなる。
【0046】
スロットマシンSMは、例えば、
図1に示すように構成されている。すなわち、このスロットマシンSMでは、前面が開放された箱型の筐体KYの前面が前面パネル2により開閉自在に閉塞され、この前面パネル2のほぼ中央高さの位置に操作板3が配設されると共に、この操作板3の上方に正面板4が配設されている。そして、この正面板4には横長矩形の表示窓5が設けられている。また、表示窓5の内側には、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する左・中・右回転リール6L,6M,6Rが配置されている。
【0047】
左・中・右回転リール6L,6M,6Rそれぞれの周面には、所定の個数の図柄が所定の配列で設けられている。また、左・中・右回転リール6L,6M,6Rそれぞれの周面に設けられた複数の図柄には、種類が異なる複数種類の図柄が含まれている。なお、各回転リール6L,6M,6Rは、複数種類の図柄が印刷されたリールテープが回転リールの周面に貼り付けられて形成されている。また、各回転リール6L,6M,6Rが回転すると、各回転リール6L,6M,6Rそれぞれの周面に設けられた複数種類の図柄が所定の順序でそれぞれ表示窓5に変動表示される。また、各回転リール6L,6M,6Rの回転が停止すると、各回転リール6L,6M,6Rのそれぞれについて、表示窓5の上段、中段および下段のそれぞれに1個ずつの合計3個の図柄が表示されるように設定されている。すなわち、全ての回転リール6L,6M,6Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓5に停止表示される。
【0048】
また、各回転リール6L,6M,6Rをそれぞれ独立して回転駆動できるように、各回転リール6L,6M,6Rには、それぞれステッピングモータにより構成される左、中、右リールモータ27L,27M,27R(
図4参照)が連結されている。また、各回転リール6L,6M,6Rを支持する支持枠体が筐体KY内の後壁に固定されて設けられており、各回転リール6L,6M,6Rは支持枠体に支持されて筐体KY内に配設されている。
【0049】
また、操作板3には、ベットスイッチ7、最大ベットスイッチ8、レバー状のスタートスイッチ9、左・中・右ストップスイッチ10L,10M,10R、計数スイッチ31、精算スイッチ33が設けられている。ベットスイッチ7は、遊技者が後述するメダル数制御基板300の記憶手段302aに記憶されている使用可能枚数データから1枚分ずつの疑似メダルの投入を指示する操作を行うためのものである。最大ベットスイッチ8は、遊技者がメダル数制御基板300の記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データから1ゲーム(遊技)あたりの最大投入数(規定数:3枚に設定されている)の疑似メダルの投入を指示する操作を行うためのものである。なお、ベットスイッチ7および最大ベットスイッチ8は、メダル数制御基板300の記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データにより示されるメダル数が1枚以上である場合に有効化されるように設定されている。また、最大ベットスイッチ8が操作されたときに、メダル数制御基板300の記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データが示す遊技メダル数が規定数(例えば3枚)よりも少ない場合には、疑似メダルの貸し出しを遊技者に促す報知を行うようにしてもよいし、規定数(例えば3枚)より少ない所定数で遊技できるようにしてもよい。また、そもそもそのような場合には、最大ベットスイッチ8の操作を受付けないようにしてもよい。
【0050】
計数スイッチ31は、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データをカードユニットCU側に送信する際の指示ボタンとして機能するものである。この実施形態では、通常の押下では1枚分の枚数データの送信の指示となり、長押しでは定期的に50枚分の枚数データの送信の指示となる。長押しの場合は押下されている間、所定時間ごとに50枚分の枚数データがカードユニットCUに送信される。なお、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データが50枚未満となったときに送信の指示(長押しに基づく送信の指示)となった場合は、残りの全ての枚数データがカードユニットCUに送信される。精算スイッチ33は、疑似メダルの賭け数が設定されているときに、その賭け数を0にリセットするためのものである。
【0051】
スタートスイッチ9は、遊技者が各回転リール6L,6M,6Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させる操作を行うためのものである。左・中・右ストップスイッチ10L,10M,10Rは、遊技者が左・中・右回転リール6L,6M,6Rの回転をそれぞれ停止させて各図柄の可変表示を停止させる操作を行うためのものである。なお、スタートスイッチ9は、メダル数制御基板300の記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データから所定数が減算された遊技メダル数データへの書き換え(所定数分の疑似メダルの投入)が行われた後、有効化されるように設定されている。また、左・中・右ストップスイッチ10L,10M,10Rは、スタートスイッチ9の操作により回転開始した各回転リール6L,6M,6Rが所定の加速期間が経過して定速回転するようになった後に有効化されるように設定されている。
【0052】
本実施の形態では、1ゲーム(1回の遊技)に必要な賭け数(所定数)は、1枚、2枚、3枚の3種類が設定されている。また、各回転リール6L,6M,6Rそれぞれにより複数種類の図柄を可変表示する可変表示列が形成されており、各ストップスイッチ10L,10M,10Rは、各回転リール6L,6M,6Rのそれぞれに対応して設けられている。
【0053】
また、正面板4の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知したり、各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作態様を報知する演出を行ったりするための液晶表示器14が設けられている。
【0054】
また、正面板4の上方の左右には、音楽や音声などによる演出を行うための上部スピーカ15が設けられている。また、操作板3の下方には、装飾画などが表示された下部パネル18が設けられ、この下部パネル18の左右には、音楽や音声などによる演出を行うための下部スピーカ16が設けられている。
【0055】
また、前面パネル2の上側の周縁部分に上部ランプ部21が設けられ、前面パネル2の下部パネル18の左右に下部ランプ部22が設けられている。各ランプ部21,22それぞれは、発光ダイオードや有機EL等の発光素子、一般的な電球などの発光手段を備え、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行う。
【0056】
また、表示窓5の右下方には、遊技者が所有する疑似メダルの枚数を表示するための遊技メダル数表示器26が配設されている。この遊技メダル数表示器26は、例えば、5個の7セグメントLEDで構成され、5桁の疑似メダルの所持枚数が表示可能になっている。
【0057】
また、遊技メダル数表示器26の隣には、メダル投入数を示すためのベットランプ部30が配設されており、ベットランプ部30は3つのベットランプから構成されている。
【0058】
また、表示窓5の左下方には、疑似メダルの払出枚数を表示する払出表示器46が配設されている。この払出表示器46は、例えば、2個の7セグメントLEDで構成され、2桁の疑似メダルの払出枚数が表示可能になっている。
【0059】
(スロットマシンの電気的な構成の概略)
スロットマシンSMの電気的な構成の概略について、
図1も参照しつつ
図4を参照して説明する。
図4はスロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
【0060】
左・中・右位置センサ55L,55M,55Rは、左・中・右回転リール6L,6M,6Rの回転位置をそれぞれ検出するためのもので、例えば左・中・右回転リール6L,6M,6Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、左・中・右回転リール6L,6M,6Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号を主制御基板100に出力する。このスロットマシンSMでは、例えば左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが上記突起部を検出したときに、各回転リール6L,6M,6Rそれぞれに設定された0~20番の図柄のコマ番号のうち、それぞれコマ番号20番の図柄が表示窓5の中段に位置するように構成されている。
【0061】
設定キースイッチ56は、主制御基板100に設けられており、設定変更キーを設定変更キーシリンダ収容部に配置されたキーシリンダに挿入して回転することによりON、OFFが切り換えられる。リセットスイッチ52は、操作スイッチ基板600に設けられ、設定変更中は1回押す度に1つ上位の設定値に仮設定される。なお、リセットスイッチ52は、エラーが発生した際のエラーを解除するためのスイッチとしても用いられる。
【0062】
メダル数クリアボタン57は、メダル数制御基板300に設けられており、電源がOFFの状態で押下し、この状態で電源がONされた場合に、メダル数制御CPU301のメモリ302に記憶されているメダル数データが0にクリアされる。
【0063】
また、このスロットマシンSMでは、遊技の進行に関する制御を行う主制御CPU101(本発明の「主制御手段」に相当)が実装された主制御基板100と、主制御基板100から送信された情報に基づき遊技の進行に合わせた演出の制御を行うサブ制御CPU201が実装されたサブ制御基板200と、遊技者が所持する疑似メダルの枚数の管理に関わる制御を行うメダル数制御CPU301(本発明の「遊技用価値量制御手段」に相当)が実装されたメダル数制御基板300と、遊技の進行に必要な操作手段(例えば、スタートスイッチ9)からの信号が入力される操作スイッチ基板600と、払出表示器46および遊技メダル数表示器26が設けられた表示基板700と、
図2に示すように、外部機器と通信を行うためのI/F基板90が別々に設けられている。ここで、主制御基板100からサブ制御基板200に対して各種の遊技情報が一方向で送信される。また、主制御基板100とメダル数制御基板300とは各種の情報が双方向で送信される。また、メダル数制御基板300からサブ制御基板200に対して所定の情報が一方向で送信される。ここでいう所定の情報とは、例えば、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データに関する情報や、計数スイッチ31が押下されたときにその旨を通知する情報などである。したがって、サブ制御基板200では、メダル数制御基板300から直接受信した情報(所定の情報)に基づいて、液晶表示器14で遊技者が所持する疑似メダルの枚数を表示したり、計数スイッチ31が押下されたときにスピーカ15,16から押下通知音を鳴らしたりする制御を行う。
【0064】
また、主制御基板100とメダル数制御基板300とはBtoB(Board tо Board)接続されている。また、表示基板700と操作スイッチ基板600、操作スイッチ基板600とメダル数制御基板300、主制御基板100とサブ制御基板200とは、いずれもハーネスを介して接続されている。
【0065】
遊技の進行に必要な操作手段であるスタートスイッチ9、ベットスイッチ7、最大ベットスイッチ8、ストップスイッチ10L,10M,10Rからの信号ならびに精算スイッチ33、リセットスイッチ52からの信号は、まず操作スイッチ基板600に入力され、ハーネスを介してメダル数制御基板300に入力される。そして、メダル数制御基板300内の配線と、コネクタ接続(BtоB接続)を介して主制御基板100に入力される。計数スイッチ31からの信号は、操作スイッチ基板600に入力され、ハーネスを介してメダル数制御基板300に入力され、さらにメダル数制御CPU301に入力される。
なお、スタートスイッチ9やストップスイッチ10L,10M,10Rからの信号が、メダル数制御基板300を介さずに主制御基板100に直接入力されるようにしてもよい。さらに、操作手段(スタートスイッチ9、ベットスイッチ7、最大ベットスイッチ8、ストップスイッチ10L,10M,10R)、精算スイッチ33、リセットスイッチ52、計数スイッチ31からの信号が、ハーネスを介して主制御基板100に入力され、主制御基板100内の配線と、コネクタ-コネクタ接続(Board to Board接続)を介してメダル数制御基板300に入力されるようにしてもよい。
【0066】
払出表示器46の表示に用いられる制御信号(表示データを含む)は、主制御基板100から送信される。このとき、主制御基板100→メダル数制御基板300→操作スイッチ基板600→表示基板700の伝送経路となる。遊技メダル数表示器26の表示に用いられる制御信号(表示データを含む)は、メダル数制御基板300から送信される。このとき、メダル数制御基板300→操作スイッチ基板600→表示基板700の伝送経路となる。
【0067】
役比モニタ47は、各種比率を表示するものであり主制御基板100に設けられる。この実施形態において役比モニタ47は、4個の7セグメントLEDで構成されている。各種比率としては、役物比率、連続役物比率、有利区間比率などがある。役物比率は、疑似メダルの総払出数に対する役物(例えば、ビッグボーナス(BB)、チャンスボーナス(CB)、シングルボーナス(SB)など)による払出数の総数が占める割合である。連続役物比率は、疑似メダルの総払出数に対する連続役物(例えば、ビッグボーナス(BB)など)による払出数の総数が占める割合である。有利区間比率は、押し順によって疑似メダルの払出数が異なる役(AT役)に当選したときに有利な押し順の報知が許容される有利区間が有る場合に、総遊技数に対する当該有利区間が占める割合である。なお、役比モニタ47は、メダル数制御基板300に設けられていてもよい。また、役比モニタ47を設けずに、各種比率を特定可能な情報をカードユニットCU側に送信するようにしてもよい。
【0068】
設定表示器48は、後述する設定値設定手段101bにより設定される設定値を表示するものであり主制御基板100に設けられる。この実施形態において設定表示器48は、1個の7セグメントLEDで構成されている。
【0069】
主制御基板100のメモリ102は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、遊技の進行に必要なデータやプログラムなどを記憶するROM部とを備えている。主制御基板100のRAM部は例えば各種フラグ、役抽選結果などを記憶する。また、主制御基板100のROM部は予め設定されたデータ(
図5の抽選テーブル102aなど)や遊技機用プログラム(スロットマシンSM用のプログラム)を記憶するものである。
【0070】
また、主制御基板100の主制御CPU101は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM部に記憶された遊技機用プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を行う。また、主制御CPU101は、抽選手段101e(
図5参照)による役抽選結果に関する情報、各ストップスイッチ10L,10M,10R、スタートスイッチ9等の遊技者により操作される操作器具の操作に関する情報などの種々の遊技情報をコマンド形式でサブ制御基板200(サブ制御CPU201)に送信する。
【0071】
また、サブ制御基板200のメモリ202は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、演出用の各種プログラムなどを記憶するROM部とを備えている。また、サブ制御基板200のサブ制御CPU201は、タイマ割込などの割込機能を有し、サブ制御CPU201は、主制御CPU101から送信されるスロットマシンSMに関する各種の遊技情報に基づいてメモリ202に格納されたプログラムを実行することで、遊技者に対する遊技に関連する演出の内容を決定する。また、サブ制御基板200のサブ制御CPU201は、決定された演出の内容に基づいて、サブ制御基板200が有するI/Oポートを介して、液晶表示器14やスピーカ15,16などの演出機器の制御を行う。
【0072】
また、メダル数制御基板300のメモリ302は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、各種プログラムなどを記憶するROM部とを備えている。また、メダル数制御基板300のメダル数制御CPU301は、タイマ割込などの割込機能を有し、遊技者が所持する疑似メダルの枚数を、メモリ302のRAM部(揮発性メモリ)に形成された記憶手段302aに記憶される遊技メダル数データを用いて管理したり、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データに応じた疑似メダルの枚数を遊技メダル数表示器26に表示したりするなどの各種制御を行う。
【0073】
主制御基板100、サブ制御基板200、メダル数制御基板300、I/F基板90は、外部から容易にアクセスできないように、カシメ機構を有する個別の基板ケース内に封印されている。不正行為を防止するための各基板の接続方法としては、それぞれに実装されたコネクタにより、直接基板間接続(BtoB接続)する方法、物理的アクセスの他に、電磁波ノイズの影響を抑えるワイヤカバーで被覆された信号線を用いて接続する方法、信号線を遊技者から視認し難い場所から引き回す方法、基板間の通信信号を暗号化する方法、各基板に設けたID情報を、定期的またはエラー発生時にやり取りする方法などがある。なお、基板それぞれに実装されたコネクタにより両基板を接続する場合は、基板の視認性が低下する積層接続ではなく、横並びに接続し、接続箇所を含めた基板ユニットとしてカバーすることでアクセスを困難にするとよい。なお、この実施形態では、主制御基板100とメダル数制御基板300とは、直接基板間接続(BtoB接続)されており、両基板100,300が一つの基板ケースKKに収納され、封印されている。
【0074】
(主制御基板)
主制御基板100の機能について
図5を参照して説明する。
【0075】
(1)遊技制御手段101a
遊技制御手段101aは、メダルレスのスロットマシンSMにおいて実行される遊技を制御するためのものである。
【0076】
このスロットマシンSMの遊技では、ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8が操作されて疑似メダルの投入の指示があると、その旨を特定可能な情報に基づく信号がメダル管理送受信手段101nによりメダル数制御基板300に送信される。この信号を受信したメダル数制御基板300では、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データが、疑似メダルの投入枚数分減算された遊技メダル数データに書き換えられる。このとき、書き換えたことを特定可能な情報に基づく信号が、メダル数制御基板300から主制御基板100に送信され、この信号がメダル管理送受信手段101nにより受信されることにより賭け数が設定される。また、スタートスイッチ9の操作がされるまでは賭け数の変更が可能であって、これに応じて記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データも更新されることとなる。そして、所定の賭け数が設定された後にスタートスイッチ9が操作されると、まず、当選か否かを決定する抽選手段101eによる乱数抽選が行われ、ほぼ同時に、3個すべての回転リール6L,6M,6Rの回転が開始する。
【0077】
その後に、3個のストップスイッチ10L,10M,10Rのうちの1個が操作されると、左・中・右回転リール6L,6M,6Rのうちの当該操作されたストップスイッチ10L,10M,10Rに対応した回転リールの回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ10L,10M,10Rに対する操作が終了すると、3個すべての回転リール6L,6M,6Rの回転が停止する。このとき、所定の図柄が所定の位置に停止すると入賞になり、所定枚数の疑似メダルの払出、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データの減算を行うことなく次回の遊技を実行可能なリプレイ、などの所定の利益が遊技者に対して付与される。
【0078】
また、遊技制御手段101aは、スロットマシンSMにおいて実行される遊技状態を複数の遊技状態の中から一つの遊技状態に制御するためのものである。
【0079】
この実施形態では、遊技状態として、通常遊技状態、ボーナス内部当選状態、ボーナス遊技状態がある。通常遊技状態は、設定変更時やボーナス遊技状態の終了条件(例えば、ボーナス遊技状態での所定回の遊技や払出のある役の所定回の入賞)の成立により設定される遊技状態である。また、ボーナス内部当選状態は、通常遊技状態や有利遊技状態で、ボーナス役を含む当選役グループに当選したが、当該当選した遊技で当該ボーナス役に入賞しなかった場合に設定される遊技状態である。また、ボーナス遊技状態は、ボーナス役を含む当選役グループに当選して当該当選した遊技で当該ボーナス役に入賞した場合、ボーナス内部当選状態で持ち越しているボーナス役に入賞した場合に設定される遊技状態である。なお、スロットマシンSMに用意された遊技状態は上記のものに限定されない。
【0080】
また、遊技制御手段101aは、スロットマシンSMにおいて実行される遊技区間を複数の遊技区間の中から一つの遊技区間に制御するためのものである。
【0081】
この実施形態では、遊技区間として非有利区間と有利区間とがあり、有利区間には非出玉区間と出玉区間とがある。非有利区間は、疑似メダルの払出メダル数の異なる複数の小役から構成される当選役グループ(以下、「押し順当選役グループ」と記載する。)に当選した場合に最大の疑似メダルの払出メダル数が得られる小役に入賞する左・中・右ストップスイッチ10L,10M、10Rの正解の押し順を報知する報知演出を許容しない遊技区間であり、遊技者にとって不利な遊技区間である。有利区間は、押し順当選役グループに当選した場合に最大の疑似メダルの払出メダル数が得られる小役に入賞する左・中・右ストップスイッチ10L,10M、10Rの正解の押し順を報知する報知演出を許容する遊技区間であり、遊技者にとって有利な遊技区間である(非有利区間よりも遊技者にとって有利な遊技区間である)。有利区間中の非出玉区間は報知演出が許容されているものの実際には報知演出が行われない遊技区間であり(なお、非出玉区間の内容はこれに限定されるものではなく、例えば出玉区間と比べて報知演出が行われる割合が低い区間であってもよい)、有利区間中の出玉区間は報知演出が許容されていて実際に報知演出が行われる遊技区間である。非有利区間は、設定変更時や有利区間の終了条件(例えば、有利区間での所定回の遊技や所定メダル数の疑似メダルの増加、出玉区間での遊技数セットの消化)の成立により設定される。有利区間内の非出玉区間は、非有利区間で予め定められた当選役グループ(以下、「有利区間移行抽選当選役グループ」と記載する。)の当選を契機として行われる非有利区間から有利区間への移行抽選に当選した場合に設定され、非出玉区間では、出玉区間で遊技する権利がある所定の遊技数からなる遊技数セットの付与抽選(以下、「遊技数セット上乗せ抽選」と記載する。)が行われる。有利区間内の出玉区間は、非出玉区間で、出玉区間への移行条件を満たした後に設定され、出玉区間では遊技数セット上乗せ抽選が行われる。有利区間内の非出玉区間や出玉区間での遊技数セット上乗せ抽選は例えば所定の当選役グループ(以下、「上乗せ抽選当選役グループ」と記載する。)に当選した場合に行われ、選択肢として遊技数セット「0」、「1」がある。なお、選択肢は、「0」、「1」、「2」などであってもよい。なお、スロットマシンSMに用意された有利区間内の区間は上記のものに限定されない。なお、ここでは、左・中・右ストップスイッチ10L,10M、10Rに対する操作態様により有利量の異なる役として、疑似メダルの払出メダル数の異なる役を例に挙げているが、操作態様により次遊技からの遊技状態の移行先が異なる役や、有利区間の上乗せ量(例えば、遊技数セットの付与数)が異なる役等も有利量の異なる役として挙げられる。一例として、次遊技からの遊技状態の行き先が異なる複数の再遊技役から構成され、操作態様によらず必ず当該複数の再遊技役のいずれかの図柄組み合わせが揃うが、操作態様によって図柄組み合わせが揃う再遊技役が異なって次遊技からの遊技状態の行き先が異なることになる当選役グループがある。
【0082】
(2)設定値設定手段101b
図5の設定値設定手段101bは、所定の設定変更操作に基づいて、出玉率(総払出枚数÷総メダル投入数×100[%])の調整をするための設定(設定1~設定6)を変更するものである。
【0083】
ここで、設定値を変更するための設定変更操作の一例について説明する。例えば、スロットマシンSMの電源が投入される前に設定キースイッチ56(設定キー)をON状態にし、電源を投入すると、設定変更処理が開始される。このとき、リセットスイッチ52を1回押すと、電源投入前に設定された設定値から1つ上位の設定値に仮設定される(例えば、設定3から設定4に仮設定)。その後は、リセットスイッチ52を押す度に1つ上位の設定値に仮設定される。但し、仮設定値が6の場合にリセットスイッチ52を押すと、設定値が1に戻って仮設定される。そして、最後に、スタートスイッチ9のON操作により設定値が確定し、その時の仮設定値がスロットマシンSMの設定値になる。なお、設定値設定手段101bは、設定変更を行った場合は、設定値記憶領域102cに記憶されている設定値を変更後の設定値に書き換える。
【0084】
(3)テーブル選択手段101c
図5のテーブル選択手段101cは、遊技制御手段101aにより制御される遊技の種類(例えば、一般遊技状態、ボーナス遊技状態)、および、設定値設定手段101bにより設定された設定値(設定1から設定6)に基づき、複数の抽選テーブル102aから1つの抽選テーブルを選択するものである。例えば、一般遊技状態の遊技では、テーブル選択手段101cは、抽選テーブルとして、入賞確率の設定値(設定1~設定6)に応じて抽選テーブル102a(一般遊技用抽選テーブル)を選択する。
【0085】
(4)第1投入処理手段101d
第1投入処理手段101dは、ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8が操作された場合に、後述するメダル数制御CPU301の第2投入処理手段301b3と協働して、疑似メダルの投入を行うことにより賭け数を設定して、遊技を開始するための所定条件を成立させるものである。また、第2投入処理手段301b3は、精算スイッチ33が操作された場合は、メダル数制御CPU301の第2投入処理手段301b3と協働して一度設定した賭け数のキャンセルを行う。
【0086】
ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8が操作された場合に、第1投入処理手段101dは、メモリ102に設けられた暫定投入数の記憶領域の値を+1加算するとともに、投入処理要求信号をメダル管理送受信手段101nによりメダル数制御基板300に送信する。投入処理要求信号を受信したメダル数制御基板300では記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数を-1減算する処理を行った上で、当該処理の完了信号を主制御基板100に送信し、これにより1枚分の投入処理が完了する。最大ベットスイッチ8が操作された場合は、当該処理を3回繰り返す。そして、第1投入処理手段101dは、投入処理の結果、暫定投入数が1回の遊技に必要な値(例えば3枚)になれば、スタートスイッチ9の操作を有効化する。なお、投入処理の詳細については、
図24を参照して後述する。
【0087】
この実施形態では、最大ベットスイッチ8により例えば3枚の疑似メダルの投入が指示された場合であっても、第1投入処理手段101dと第2投入処理手段301b3との間では1枚ずつ投入処理が行われる。なお、第1投入処理手段101dと第2投入処理手段301b3とが協働して行われる疑似メダルの投入処理については後述する。
【0088】
また、精算スイッチ33が操作された場合に、その旨を特定可能な情報に基づく信号がメダル管理送受信手段101nによりメダル数制御基板300に送信される。当該情報に基づく信号を受信したメダル数制御基板300は、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを、ベット数に応じた枚数分加算した遊技メダル数データに書き換え、その旨を特定可能な情報に基づく信号を主制御基板100に送信する。なお、3枚の疑似メダルの投入処理が完了している状態で精算スイッチ33が操作された場合であっても、第1投入処理手段101dと第2投入処理手段301b3との間では1枚ずつ精算処理(返却処理)が行われる。
【0089】
(5)抽選手段101e
抽選手段101eは、本実施の形態では、スタートスイッチ9の操作を契機に、所定の範囲内(本実施の形態では、例えば、10進数で0~65535)で乱数を発生させて抽出し、抽出した乱数と抽選テーブル102aとを基に、小役、再遊技役、ボーナス役を含む複数の役のいずれかに当選かまたはハズレかの抽選を行うためのものである。
【0090】
抽選テーブル102aは、抽選手段101eが発生させる所定の範囲内の各乱数について、予め設定されている抽選結果のいずれかに該当するか否かが予め定められたものである。
【0091】
(6)リール回転制御手段101f
リール回転制御手段101fは、遊技者によるストップスイッチ10L,10M,10Rに対する操作態様と抽選手段101eの抽選結果とに基づき、回転リール6L,6M,6Rの停止制御を行うものである。具体的には、リール回転制御手段101fは、左・中・右ストップスイッチ10L,10M,10Rのそれぞれに対する操作に基づき、停止テーブル102bを用いて左・中・右リール6L,6M,6Rのそれぞれに対する停止制御を行い、左・中・右リール6L,6M,6Rのそれぞれにより可変表示される図柄を抽選手段101eの役抽選結果に対応した表示態様で停止させる。
【0092】
(7)判定手段101g
判定手段101gは、各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作により全ての回転リール6L,6M,6Rが停止したときの停止図柄の表示態様を判定するものである。本実施の形態では、各回転リール6L,6M,6Rが停止したときの図柄の表示結果が所定の入賞態様であるかどうかが判定手段101gにより判定される。なお、入賞と判定される表示態様は、当選役毎に異なる表示態様が予め定められている。
【0093】
(8)第1払出処理手段101h
第1払出処理手段101hは、判定手段101gの判定結果が疑似メダルの払い出しがある役のいずれかの入賞態様であった場合に、後述するメダル数制御CPU301の第2払出処理手段301b4と協働して、当該役に応じた疑似メダルを払い出すことにより、遊技者に利益を付与するものである。判定手段101gの判定結果が疑似メダルの払い出しにかかる表示態様であった場合は、第1払出処理手段101hは、メモリ102に設けられた払出残数の記憶領域に当選役に応じた払出枚数を記憶させた後、当該払出残数の値を-1減算した上で、払出処理要求信号をメダル管理送受信手段101nによりメダル数制御基板300に送信する。払出処理要求信号を受信したメダル数制御基板300では記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数を+1加算する処理を行った上で、当該処理の完了信号を主制御基板100に送信し、これにより1枚分の払出処理が完了する。当該払出処理を払出残数の値が「0」になるまで繰り返し、当該遊技での払出処理が完了する。なお、払出処理の詳細については、
図25を参照して後述する。
【0094】
この実施形態では、入賞した役の疑似メダルの払出数が2枚以上であっても、第1払出処理手段101hと第2払出処理手段301b4との間では1枚ずつ払出処理が行われる。なお、第1払出処理手段101hと第2払出処理手段301b4とが協働して行われる疑似メダルの払出入処理については後述する。
【0095】
(9)エラー検知手段101i
エラー検知手段101iは、通常の状態とは異なる異常な状態が発生している状態、いわゆるエラーが発生したか否かを検知するものである。ただし、この実施形態では、カードユニットCUから電圧VLが供給されていない場合であっても、当該事由のみではエラーとして検知しない。
【0096】
(10)払出表示器制御手段101j
払出表示器制御手段101jは、払出表示器46の表示を制御するものである。具体的には、払出表示器制御手段101jは、当選役に入賞した際、払出表示器46に当該入賞役に設定された疑似メダルの払出数が表示されるように払出表示器46を制御する。また、払出表示器制御手段101jは、エラー検知手段101iによりエラーの発生が検知された場合、払出表示器46に検知したエラーに対して予め定められた識別番号が表示されるように払出表示器46を制御する。
【0097】
(11)コマンド作成手段101k
コマンド作成手段101kは、抽選手段101eの役抽選結果に関する情報、一般遊技状態やボーナス遊技状態などの遊技状態の種類に関する情報、各回転リール6L,6M,6Rの回転・停止状態、第1払出処理手段101hによる疑似メダルの払出状態などの種々の情報をサブ制御基板200(サブ制御CPU201)に送信するためのコマンドを生成するものである。そして、コマンド作成手段101kにより生成されたコマンドは、後述するコマンド送信手段101mによりサブ制御基板200に送信される。サブ制御基板200では、主制御基板100から送られてきたコマンドに基づき、実行する演出を選択する。換言すれば、サブ制御基板200において実行される演出内容を指示するコマンドがコマンド作成手段101kにより作成される。
【0098】
(12)コマンド送信手段101m
コマンド送信手段101mは、主制御基板100からサブ制御基板200へ、コマンド作成手段101kにより作成された種々の情報を含むコマンドを一方通行で送信するものである。
【0099】
(13)メダル管理送受信手段101n
メダル管理送受信手段101nは、メダル数制御基板300に各種情報に基づく信号を送信するとともに、メダル数制御基板300からの各種情報に基づく信号を受信するものである。メダル数制御基板300に送信する情報としては、例えば、入賞役に関する情報やベットスイッチ7、最大ベットスイッチ8の操作に関する情報、疑似メダルの投入に関する情報(投入処理要求信号)、疑似メダルの払い出しに関する情報(払出処理要求信号)、主制御CPU101のID番号、役物比率などの各種比率を含む遊技機情報などである。また、メダル数制御基板300から受信する情報としては、例えば、疑似メダルの投入に関する情報(投入処理応答信号)、疑似メダルの払出に関する情報(払出処理応答信号)などである。なお、この実施形態では、カードユニットCUの貸出スイッチ503a、返却スイッチ503b、離席スイッチ503cの操作に関する情報、メダル数制御基板300のエラーに関する情報については、メダル数制御基板300からサブ制御基板200に直接送信するように構成したが、これらの情報をメダル数制御基板300から主制御基板100にまず送信した後、主制御基板100からサブ制御基板200に送信するようにしてもよい。
【0100】
(14)操作等管理手段101p
操作等管理手段101pは、遊技の進行に関わる操作手段の操作を有効化するか、あるいは非有効化するかを管理するものである。
【0101】
後述するように、この実施形態ではカードユニットCUからスロットマシンSMに電圧(VL)が供給される。カードユニットCUに電源が投入されていない場合は、メダル数制御基板300との間の相互通信が不能な状態となるため、このような場合、操作等管理手段101pは、操作手段の操作を非有効化することにより、以降の遊技を進行できないようにする。
【0102】
具体的には、操作等管理手段101pは、メダル管理送受信手段101nがカードユニットCUから電圧(VL)が供給されていないことを特定可能な情報を受信している状況では、通常、操作手段の操作が許容される状況であっても、当該操作を非有効化する。一方、メダル管理送受信手段101nがカードユニットCUから電圧(VL)が供給されていないことを特定可能な情報を受信していない状況では、操作手段が操作された場合は、当該操作を有効化する。したがって、カードユニットCUから電圧(VL)が供給されない状況が発生したときは、以降の疑似メダルの投入や払出がなくなり、メダル数制御基板300からカードユニットCUに送信される疑似メダルの投入や払出に関する情報と、カードユニットCU側で把握する当該情報との間の齟齬を減らすことができる。
【0103】
この実施形態では、対象の操作手段として、ベットスイッチ7、最大ベットスイッチ8、スタートスイッチ9、各ストップスイッチ10L,10M,10R,計数スイッチ31、精算スイッチ33が設定されている。
【0104】
また、操作等管理手段101pは、メダル管理送受信手段101nがカードユニットCUから電圧(VL)が供給されていないことを特定可能な情報を受信している状況では、遊技メダル数表示器26の各7セグメントの電源を供給しないように制御し、カードユニットCUから電圧(VL)が供給されていない状況で、遊技メダル数が表示されないようにする。なお、カードユニットCUから電圧(VL)が供給されていない状況であっても、払出表示器46、役比モニタ47等の表示は維持される。
【0105】
なお、この実施形態では、メダル管理送受信手段101nがカードユニットCUから電圧(VL)が供給されていないことを特定可能な情報を受信していることに基づいて、操作等管理手段101pが各操作手段の操作を非有効化するようにしたが、操作等管理手段101pが各操作手段の有効/非有効を管理せずとも、カードユニットCUからの電圧VLが供給されていない状況では各操作手段の操作が非有効化される回路を形成してもよい。
【0106】
例えば、
図33に示すように、ベットスイッチ7、最大ベットスイッチ8、計数スイッチ31、スタートスイッチ9、ストップスイッチ10L,10M,10Rそれぞれに対して、スロットマシンSM側の電圧VLと、カードユニットCU側の電圧VLの両方が供給されなければ用いることができない回路(アンド回路)を形成してもよい。また、遊技メダル数表示器26も同様に、スロットマシンSM側の電圧VLと、カードユニットCU側の電圧VLの両方が供給されなければ、各セグメントに電源が供給されない回路(アンド回路)を形成してもよい。
【0107】
なお、この実施形態では、各操作手段(ベットスイッチ7、最大ベットスイッチ8、スタートスイッチ9、各ストップスイッチ10L,10M,10R,計数スイッチ31、精算スイッチ33)の全てについて、カードユニットCUからの電圧(VL)の供給の有無による操作の有効/非有効化の判定を主制御CPU101(操作等管理手段101p)で行っているが、各操作手段の全てについての当該判定をメダル数制御CPU301(VL供給判定手段301f)で行うようにしてもよい。
【0108】
また、例えば、電圧(VL)の供給の有無による計数スイッチ31の操作の有効/非有効化の判定は、メダル数制御CPU301で行い、その他の操作手段の操作の有効/非有効化の判定は主制御CPU101で行うなど、操作手段の種類に応じて当該判定を行う制御CPUが異なるようにしてもよい。この場合、当該操作手段の操作に特に大きく関わる方の制御CPUで、有効/非有効化の判定を行うなど、必要に応じて当該判定を行う制御CPUを変えることができる。
【0109】
さらに、制御CPUのようなソフト的な判定手段と、
図33を参照して説明した回路(アンド回路)のようなハード的な判定手段とを組み合わせてもよい。例えば、計数スイッチ31の操作の有効/非有効化の判定はメダル数制御CPU301で行い、ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作の有効/非有効化の判定は
図33に示した回路で行い、その他の操作手段の操作の有効/非有効化の判定は主制御CPU101で行うなど、操作手段の種類に応じてこれらの判定手段を組み合わせて使用してもよい。
【0110】
(15)遊技履歴情報管理手段101q
図5の遊技履歴情報管理手段101qは、遊技の進行に応じて遊技履歴情報を集計するものである。例えば、遊技履歴情報として、総投入数(電源ONから再遊技を含まずに累積した投入数)、総払出数(電源ONから再遊技を含まずに累積した払出数)、MY(電源ON以降算出される最大MY)、役物払出数(電源ONから累積した役物の作動による払出数)、連続役物払出数(電源ONから累積した第一種特別役物の差動による払出数)、役物比率(役物払出数÷総払出数×100[%])、連続役物比率(連続役物払出数÷総払出数×100[%])、有利区間比率、指示込役物比率、役物等状態比率などがある。
【0111】
(サブ制御基板)
次に、サブ制御基板200の機能について
図5を参照して説明する。
【0112】
(1)コマンド受信手段201a
コマンド受信手段201aは、主制御基板100のコマンド送信手段101mにより送信された種々の情報を含むコマンドを受信するものである。コマンド受信手段201aは、主制御基板100から送信されるコマンドを受信すれば、コマンドの種類に応じてサブ制御基板200が備える各機能に通知を行う。
【0113】
(2)演出内容決定手段201b
演出内容決定手段201bは、コマンド受信手段201aにより受信されたコマンドに応じて、演出の内容を決定するためのものである。具体的には、遊技の進行や、抽選手段101eの役抽選結果などに対応して予め設定された演出パターンから、液晶表示器14に表示される動画を決定したり、スピーカ15,16から流れる音楽や音声を決定したり、上部ランプ部21や下部ランプ部22の光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの演出を決定する。
【0114】
そして、演出内容決定手段201bは、決定した演出内容に関するデータを含む信号を液晶表示制御手段201cおよび音声制御手段201dに送信する。
【0115】
(3)液晶表示制御手段201c
液晶表示制御手段201cは、演出内容決定手段201bから送信された信号に含まれるデータに基づいて、液晶表示器14に動画(画像)を表示したり、上部ランプ部21や下部ランプ部22などの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの制御を行うものである。例えば、液晶表示制御手段201cは演出内容決定手段201bから送信されるデータに基づいて上部ランプ部21や下部ランプ部22などの光源を一斉にあるいは個別にフラッシュさせる。
【0116】
(4)音声制御手段201d
音声制御手段201dは、演出内容決定手段201bから送信された信号に含まれるデータに基づいて、スピーカ15,16から音楽を流したり、音声を出力したりするなど制御を行うものである。例えば、音声制御手段201dは、演出内容決定手段201bから送信されるデータに基づいてスピーカ15から再遊技役の入賞音を鳴らしたり、スピーカ16からメダルの投入音を鳴らしたりする。
【0117】
(メダル数制御基板)
次に、メダル数制御基板300の機能について
図5を参照して説明する。
【0118】
(1)記憶手段302a
記憶手段302aは、メモリ302のRAM部(揮発性メモリ)に形成され、遊技者が所持する疑似メダルの使用可能枚数データを記憶するものである。
【0119】
(2)フラグ格納手段302b
フラグ格納手段302bは、スタートスイッチ9が操作されて遊技が開始した旨を特定可能な情報を主基板間送受信手段301aが受信した場合にオン設定され、スタートスイッチ9が操作された後に当該遊技の投入メダル数を示す情報(「ホールコン・不正監視情報」の「遊技情報」:
図13(b-1)参照)がカードユニットCUに送信されたとき、または送信されたと想定される時間が経過したときにオフに設定される、投入完了フラグを格納するものである。
【0120】
(3)主基板間送受信手段301a
主基板間送受信手段301aは、主制御基板100から送信される、疑似メダルの投入の指示や、入賞役にかかる疑似メダルの払出数に関する情報などの各種情報に基づく信号や、主制御CPU101のID番号、役物比率などの各種比率を含む遊技機情報などを受信するとともに、主制御基板100からの疑似メダルの投入指示や払出枚数に関する情報に対する応答信号を主制御基板100に送信するものである。主基板間送受信手段301aは、主制御基板100から送信される情報に基づく信号や、カードユニットCUから送信される情報に基づく信号を受信すると、情報の種類に応じてメダル数制御基板300が備える各機能に通知を行う。なお、主基板間送受信手段301aについては、主制御基板100からの信号を受信する手段と、カードユニットCUからの信号を受信する受信手段とが別々の手段であってもよい。
【0121】
(4)遊技メダル数管理手段301b
遊技メダル数管理手段301bは、記憶手段302aに記憶されている使用可能枚数データの管理を行うものであり、借受処理手段301b1と、第1計数処理手段301b2と、第2投入処理手段301b3と、第2払出処理手段301b4とを備える。
【0122】
a)借受処理手段301b1
借受処理手段301b1は、カードユニットCUとの間で疑似メダルの借受処理を行うものである。具体的には、カードユニットCUの貸出スイッチ503aが操作された場合、カードユニットCUからスロットマシンSMに所定の貸出枚数分の枚数データに基づく信号が送信され、この信号が後述するユニット間送受信手段301eにより受信される。この信号がユニット間送受信手段301eにより受信された場合、借受処理手段301b1は、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを、所定の貸出枚数分増加した遊技メダル数データに書き換える。また、借受処理手段301b1は、所定の貸出枚数分増加した遊技メダル数データに書き換えたときは、貸出受領結果応答信号をユニット間送受信手段301eを介してカードユニットCUに送信する。
【0123】
b)第1計数処理手段301b2
第1計数処理手段301b2は、カードユニットCUの第2計数処理手段501cと協働して、記憶手段302aに記憶されている使用可能枚数データの一部または全部をカードユニットCU側に移す計数処理を行うものである。具体的には、スロットマシンSMの計数スイッチ31が操作された場合、スロットマシンSMからカードユニットCUに所定の計数分の枚数データに基づく信号がユニット間送受信手段301eを介して送信される。この信号がユニット間送受信手段301eにより送信された場合、第1計数処理手段301b2は、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを、所定の計数分減算した遊技メダル数データに書き換える。
【0124】
この実施形態では、所定の計数分としては、計数スイッチ31の押下時間が所定時間に満たない通常押下の場合は疑似メダル1枚の枚数データ、計数スイッチ31の押下時間が所定時間以上の長押しの場合は疑似メダル50枚の枚数データとなっている。なお、長押しの場合は、計数スイッチ31の押下中、所定の間隔(例えば、300ms)で疑似メダル50枚の枚数データがカードユニットCUに送信される。これに伴い、第1計数処理手段301b2は、所定の間隔(例えば、300ms)のごとに記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを、疑似メダル50枚分を減算した遊技メダル数データに書き換える。
【0125】
なお、遊技メダル数表示器26の枚数表示は、カードユニットCUに送信される遊技メダル数データに基づいて変化する。つまり、計数スイッチ31の押下時間が所定時間に満たない通常押下の場合は、疑似メダル1枚の枚数データがカードユニットCUに送信され、メダル数制御CPU301とユニットCPU501との間の疑似メダルの授受が完了するたびに1枚減算された枚数に変化する。具体的には、計数スイッチ31の押下時間が所定時間に満たない通常押下により、計数通知に格納された疑似メダル1枚の枚数データがカードユニットCUに送信された場合は、次の計数通知(300ms後)がカードユニットCUに送信されるまでの間に遊技メダル数表示器26の枚数表示の変更が行われる。
【0126】
一方、計数スイッチ31の押下時間が所定時間以上の長押しの場合は、疑似メダル50枚の枚数データがカードユニットCUに送信され、メダル数制御CPU301とユニットCPU501との間の疑似メダルの授受が完了したときに、50枚減算された枚数に変化する。具体的には、例えば、計数スイッチ31の押下時間が所定時間以上の長押しとなり、計数通知に格納された疑似メダル50枚の枚数データがカードユニットCUに送信された場合も、1枚の枚数データがカードユニットCUに送信された場合と同様に、次の計数通知(300ms後)がカードユニットCUに送信されるまでの間に遊技メダル数表示器26の枚数表示の変更が行われる。
【0127】
c)第2投入処理手段301b3
第2投入処理手段301b3は、主制御CPU101の第1投入処理手段101dと協働して、疑似メダルの投入を行うことにより賭け数を設定して、遊技を開始するための所定条件を成立させるものである。
【0128】
ベットスイッチ7が操作された場合、その旨を特定可能な情報に基づく信号がメダル管理送受信手段101nによりメダル数制御基板300に送信される。当該情報に基づく信号を主基板間送受信手段301aが受信した場合、第2投入処理手段301b3は、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数を、ベット数に応じた枚数分(1枚)減算した遊技メダル数データに書き換え、その旨を特定可能な情報に基づく信号を主基板間送受信手段301aを介して主制御基板100に送信する。
【0129】
最大ベットスイッチ8が操作された場合、その旨を特定可能な情報に基づく信号がメダル管理送受信手段101nによりメダル数制御基板300に送信される。当該情報に基づく信号を主基板間送受信手段301aが受信した場合、第2投入処理手段301b3は、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを、ベット数に応じた枚数分(3枚)減算した遊技メダル数データに書き換え、その旨を特定可能な情報に基づく信号を主基板間送受信手段301aを介して主制御基板100に送信する。ただし、この実施形態では、疑似メダルを3枚投入する場合であっても、第1投入処理手段101dと第2投入処理手段301b3とのやり取りは1枚ずつ行われる。すなわち、ベットスイッチ7が操作された場合の第1投入処理手段101dと第2投入処理手段301b3とのやり取りを3回繰り返すことにより、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを、ベット数に応じた枚数分(3枚)減算した遊技メダル数データに書き換える。投入処理のフローについては後述する。
【0130】
d)第2払出処理手段301b4
第2払出処理手段301b4は、判定手段101gの判定結果が疑似メダルの払い出しがある役のいずれかの入賞態様であった場合に、主制御CPU101の第1払出処理手段101hと協働して、当該役に応じた疑似メダルを払い出すことにより、遊技者に利益を付与するものである。
【0131】
判定手段101gの判定結果が疑似メダルの払い出しにかかる表示態様(小役等の払い出しがある役の入賞態様)であった場合は、第1払出処理手段101hにより遊技者に払い出しにかかる疑似メダルの払出枚数分の枚数データに基づく信号がメダル管理送受信手段101nによりメダル数制御基板300に送信される。当該情報に基づく信号を主基板間送受信手段301aが受信した場合、第2払出処理手段301b4は、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを、払出枚数分増加した遊技メダル数データに書き換え、その旨を特定可能な情報に基づく信号を主制御基板100に送信する。ただし、この実施形態では、入賞した役の疑似メダルの払出枚数が2枚以上であっても、第1払出処理手段101hと第2払出処理手段301b4との間では1枚ずつ払出処理が行われる。一方、第2払出処理手段301b4は、再遊技役に入賞しても、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データの書き換えを行わない。なお、第1払出処理手段101hと第2払出処理手段301b4とが協働して行われる疑似メダルの払出入処理のフローについては後述する。
【0132】
(5)遊技メダル数表示器制御手段301c
遊技メダル数表示器制御手段301cは、記憶手段302aに記憶されている遊技メダル数データを基に、当該遊技メダル数データが示す疑似メダルの枚数が遊技メダル数表示器26に表示されるように、遊技メダル数表示器26の制御を行うものである。
【0133】
(7)ユニット間送受信手段301e
ユニット間送受信手段301eは、疑似メダルの投入枚数や払出枚数に関する情報、スロットマシンSMで発生しているエラーに関する情報、役比モニタ47の表示される各種比率に関する情報、計数スイッチ31の操作に基づく計数分の枚数データを特定可能な情報、スロットマシンSMの固有の情報などの種々の情報をカードユニットCUに送信するとともに、貸出スイッチ503aの操作に基づいてカードユニットCUから送信される貸出枚数分の枚数データを特定可能な情報を受信するものである。
【0134】
(8)VL供給判定手段301f
スロットマシンSMは、コネクタを介してカードユニットCUから電圧VLが供給されている。カードユニットCUに電源が投入されていない場合や、スロットマシンSMとカードユニットCUとが正常に接続されていない場合はカードユニットCUから供給される電圧VLが途絶えることになる。VL供給判定手段301f(本発明の「検知手段」に相当)は、メダル数制御基板300においてカードユニットCUから電圧VLが供給される配線ラインの電圧を検出することにより、カードユニットCUから電圧VLが供給されているか否か(スロットマシンSMとカードユニットCUとが正常に接続されているか否か)を判定するものである。
【0135】
(9)送信項目制御手段301g
ユニット間送受信手段301eによりカードユニットCUに送信される情報として、遊技機情報、計数情報、貸出受領結果応答に関する情報がある。送信項目制御手段301gは、これらの情報における送信内容または送信項目を制御するものであり、各情報とその送信については後述する。
【0136】
上記したスロットマシンSMのメダル数制御CPU301とカードユニットCUのユニットCPU501間の通信はシリアル通信により実施され、上記したスロットマシンSMの主制御CPU101とスロットマシンSMのメダル数制御CPU301間の通信はパラレル通信により実施される。なお、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301とカードユニットCUのユニットCPU501間の通信はシリアル通信に限定されるものではなく、また、スロットマシンSMの主制御CPU101とスロットマシンSMのメダル数制御CPU301間の通信はパラレル通信に限定されるものではない。
【0137】
以下、スロットマシンSMとカードユニットCU間の通信に用いられる電文について、
図7~
図16を参照して説明する。
【0138】
(電文のフォーマットとその各項目)
まず、スロットマシンSMとカードユニットCU間の通信に用いられる電文のフォーマットと、電文のフォーマットの各項目について
図7(a)、(b)を用いて説明する。
【0139】
スロットマシンSMとカードユニットCU間の通信に用いられる電文は、
図7(a)に示すように、5つの項目「電文長」、「コマンド」、「通番」、「データ部」、「チェックサム」を含み、各項目のデータ形式は、
図7(b)に示すように、HEX(十六進)である。
【0140】
項目「電文長」は、
図7(b)に示すように、項目「電文長」~「チェックサム」までの電文の長さを格納する。
【0141】
項目「コマンド」は、
図7(b)に示すように、当該電文(
図8の電文「遊技機情報通知」、「計数通知」、「貸出通知」、「貸出受領結果応答」)に割り当てられたコマンドコードを格納する。
【0142】
項目「通番」は、
図7(b)に示すように、当該電文(
図8の電文「遊技機情報通知」、「計数通知」、「貸出通知」、「貸出受領結果応答」)に付与されたシーケンス番号を格納し、この実施形態では、「0x00」~「0xFF」(十六進表記:十進表記では「0」~「255」)の値を格納する。
【0143】
項目「データ部」は、
図7(b)に示すように、電文のデータを格納する。
【0144】
項目「チェックサム」は、
図7(b)に示すように、項目「電文長」~「データ部」までのデータを加算し、総計の下位1バイトを格納する。項目「チェックサム」のデータは、電文を受けとった側の機器が通信中のエラー等により電文が壊れていないかを確認するのに用いられる。
【0145】
(電文の種類)
続いて、スロットマシンSMとカードユニットCU間の通信に用いられる電文の種類について
図8を用いて説明する。
【0146】
スロットマシンSMとカードユニットCU間の通信に用いられる電文の種類として、電文「遊技機情報通知」、「計数通知」、「貸出通知」、「貸出受領結果応答」の4種類がある。
【0147】
電文「遊技機情報通知」は、スロットマシンSMからカードユニットCUへの「遊技機情報」の通知に用いられ、項目「コマンド」に格納する専用のコマンドコードが割り当てられている。電文「計数通知」は、スロットマシンSMからカードユニットCUへの「計数情報(計数メダル数)」の通知に用いられ、項目「コマンド」に格納する専用のコマンドコードが割り当てられている。電文「貸出通知」は、カードユニットCUからスロットマシンSMへの「貸出情報(貸出メダル数)」の通知に用いられ、項目「コマンド」に格納する専用のコマンドコードが割り当てられている。電文「貸出受領結果応答」は、電文「貸出通知」に対するスロットマシンSMからカードユニットCUへ応答であり、項目「コマンド」に格納する専用のコマンドコードが割り当てられている。なお、この実施の形態では、カードユニットCUからスロットマシンSMへの送信が許容されている電文は、電文「貸出通知」のみであるとする。
【0148】
以下、各電文「遊技機情報通知」、「計数通知」、「貸出通知」、「貸出受領結果応答」について順に説明する。
【0149】
(電文「遊技機情報通知」)
まず、電文「遊技機情報通知」の詳細について
図9~
図13を用いて説明する。
【0150】
図9に示すように、電文「遊技機情報通知」は、項目「電文長」、「コマンド」、「通番」、「遊技機種類」、「遊技機情報種別」、「遊技機情報」、「チェックサム」を含む。ただし、項目「電文長」は
図7の項目「電文長」に対応し、項目「コマンド」は
図7の項目「コマンド」に対応し、項目「通番」は
図7の項目「通番」に対応し、項目「遊技機種類」、「遊技機情報種別」、「遊技機情報」は
図7の項目「データ部」に対応し、項目「チェックサム」は
図7の項目「チェックサム」に対応する。
【0151】
項目「電文長」は、項目「電文長」~「チェックサム」までの電文の長さを格納する。
【0152】
項目「コマンド」は、電文「遊技機情報通知」の専用のコマンドコードを格納する。
【0153】
項目「通番」は、シーケンス番号を格納し、この実施形態では、「0x00」~「0xFF」(十六進表記:十進表記では「0」~「255」)の値を格納する。詳細には、電源投入時、項目「通番」に「0x00」(十六進表記:十進表記では「0」)を格納した電文「遊技機情報通知」が送信される。その後、電文「遊技機情報通知」の送信毎に、項目「通番」に「+1」(十進表記)した値を格納した電文「遊技機情報通知」が送信される。ただし、項目「通番」には、「0xFF」(十六進表記:十進表記では「255」)の次に「+2」(十進表記)した「0x01」(十六進表記:十進表記では「1」)が格納される。
【0154】
項目「遊技機種類」は、パチンコ遊技機、スロットマシンSMなどの回胴式遊技機、アレンジボール遊技機、じやん球遊技機などにそれぞれ割り当てられている遊技機の種類を示す遊技機種類コードを格納する。
【0155】
項目「遊技機情報種別」は、遊技機情報の種別を示す遊技機情報種別コードを格納する。この実施形態では、「遊技機情報」として、後述する「遊技機性能情報」、「遊技機設置情報」、「ホールコン・不正監視情報」の3種類が用意されており、遊技機情報種別コードとして、「遊技機性能情報」には「0x00」(十六進表記)が割り当てられ、「遊技機設置情報」には「0x01」(十六進表記)が割り当てられ、「ホールコン・不正監視情報」には「0x02」(十六進表記)が割り当てられている。
【0156】
項目「遊技機情報種別」に「0x00」(十六進表記)が格納される場合には、項目「遊技機情報」は、総投入数、総払出数、MY(ある期間(例えば電源ON以降)における最大の疑似メダルの差枚数)などの「遊技機性能情報」を格納する。また、項目「遊技機情報種別」に「0x01」(十六進表記)が格納される場合には、項目「遊技機情報」は、主制御/メダル数制御のメーカコード、製品コード、チップID番号の「遊技機設置情報」を格納する。また、項目「遊技機情報種別」に「0x02」(十六進表記)が格納される場合には、項目「遊技機情報」は、IN、OUT、BB、RB、AT、ドアオープン信号、セキュリティ信号などの「ホールコン・不正監視情報」を格納する。
【0157】
項目「チェックサム」は、項目「電文長」~「遊技機情報」までのデータを加算し、総計の下位1バイトを格納する。項目「チェックサム」のデータは、電文を受けとった側の機器が通信中のエラー等により電文が壊れていないかを確認するのに用いられる。
【0158】
以下、項目「遊技機情報」に格納される「遊技機性能情報」、「遊技機設置情報」、「ホールコン・不正監視情報」について順に説明する。
【0159】
(遊技機性能情報)
まず、「遊技機性能情報」について
図10を参照して説明する。「遊技機性能情報」は、役比モニタ47に表示する情報やそれに関連する情報などを含み、カードユニットCUから管理コンピュータに送信し、管理コンピュータからセンタへ送信する情報である。「遊技機性能情報」は、スロットマシンSMが審査に通る性能以上の性能が出ていないか、遊技者による不正が行われていないかなどの確認に利用される。
【0160】
「遊技機性能情報」は、項目「総投入数」、「総払出数」、「MY」、「役物払出数」、「連続役物払出数」、「役物比率」、「連続役物比率」、「有利区間比率」、「指示込役物比率」、「役物等状態比率」、「遊技回数」、「予備」、「予約1」、「予約2」を含む。
【0161】
項目「総投入数」は、電源ONから再遊技を含まずに累積した投入数を格納する。また、項目「総払出数」は、電源ONから再遊技を含まずに累積した払出数を格納する。また、項目「MY」は、電源ON以降算出される最大MY(最大の疑似メダルの差枚数)を格納する。なお、他の項目については説明を省略する。
【0162】
(遊技機設置情報)
次に、「遊技機設置情報」について
図11を参照して説明する。「遊技機設置情報」は、主制御チップ(主制御CPU101)やメダル数制御チップ(メダル数制御CPU301)に関わる情報を含み、カードユニットCUから管理コンピュータに送信し、管理コンピュータからセンタへ送信する情報である。「遊技機設置情報」は、スロットマシンSMが備える主制御CPU101やメダル数制御CPU301が正規なものであるか否かなどの確認に利用される。
【0163】
「遊技機設置情報」は、項目「主制御チップID番号」、「主制御チップメーカコード」、「主制御チップ製品コード」、「メダル数制御チップID番号」、「メダル数制御チップメーカコード」、「メダル数制御チップ製品コード」を含む。
【0164】
項目「主制御チップID番号」、「主制御チップメーカコード」、「主制御チップ製品コード」は、主制御チップ(主制御CPU101)のID番号、メーカコード、製品コードを格納する。また、項目「メダル数制御チップID番号」、「メダル数制御チップメーカコード」、「メダル数制御チップ製品コード」は、メダル数制御チップ(メダル数制御CPU301)のID番号、メーカコード、製品コードを格納する。ただし、メダル数制御チップ(メダル数制御CPU301)が非搭載の場合には、項目「メダル数制御チップID番号」、「メダル数制御チップメーカコード」、「メダル数制御チップ製品コード」には、「0x00」(十六進表記)が格納される。
【0165】
(ホールコン・不正監視情報)
最後に、「ホールコン・不正監視情報」について
図12を参照して説明する。「ホールコン・不正監視情報」は、「遊技機情報(ホールコン・不正監視情報)」や「遊技情報」を含み、カードユニットCUからホールコンピュータに送信する情報である。
【0166】
「遊技機情報(ホールコン・不正監視情報)」は、項目「遊技メダル数」、「投入メダル数」、「払出メダル数」、「主制御状態1」、・・・、「遊技機エラー状態」、「遊技機不正1(主制御)」、・・・、「遊技機不正2(主制御又はメダル数制御)」、・・・を含む。なお、項目「投入メダル数」、「払出メダル数」のデータは、ホールコンピュータ用の信号として取り扱わず、それ以外の項目のデータは、ホールコンピュータ用の信号として取り扱うとするが、これに限定されるものではない。
【0167】
項目「遊技メダル数」は、遊技メダル数表示器26に表示されている現在の遊技メダル数を格納し、この実施形態では、「0x000000」~「0xFF3F00」(十六進表記:十進表記では「0」~「16383」)の値を格納する。なお、本実施形態では、遊技機は「0x000000」~「0xFF3F00」(十六進表記:十進表記では「0」~「16383」)の範囲で遊技メダル数を管理可能に設計されている。
【0168】
項目「投入メダル数」は、電文「遊技機情報通知」の送信は所定の周期での送信タイミングに行われ、連続する「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」を送信する送信タイミングの間で投入した疑似メダルの数を格納し、この実施形態では、「0xFD」~「0x03」(十六進表記:十進表記では「-3」~「+3」)の値を格納し、8ビットのうちの上位1ビットを符号(+/-)ビットとする。ここでの「投入した疑似メダルの数」は、ベットスイッチ(本実施形態ではベットスイッチ7や最大ベットスイッチ8)の押下操作に基づくメダルの投入がある場合には投入された疑似メダルの数であって加算され、精算スイッチ(本実施形態では精算スイッチ33)の押下操作に基づく疑似メダルの戻りがある場合には戻された疑似メダルの数であって減算されることにより得られる。
【0169】
項目「払出メダル数」は、電文「遊技機情報通知」の送信は所定の周期での送信タイミングに行われ、連続する「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」を送信する送信タイミングの間で払い出された疑似メダルの数を格納し、この実施形態では、「0x00」~「0x15」(十六進表記:十進表記では「0」~「15」)の値を格納する。ここでの「払い出された疑似メダルの数」は、遊技者が疑似メダルを獲得する役に入賞した場合に払い出された疑似メダル数であって加算されることにより得られる。
【0170】
項目「遊技機エラー状態」は、電文「遊技機情報通知」の送信は所定の周期での送信タイミングに行われ、連続する「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」を送信する送信タイミングで検出されているエラー種別に応じて設定されたエラーコードを格納する。この実施形態では、8ビットのうちのBit0~5をエラーコードの種別に割り当て、Bit6を主制御CPU101に関連するエラーコードであるか、メダル数制御CPU301に関連するエラーコードであるかの特定に割り当てている。なお、エラーが未発生の場合は、Bit0~7ビットの全てに0が格納される。なお、主制御CPU101が管理するエラーと、メダル数制御CPU301が管理するエラーとが同時に発生している場合は、例えば、メダル数制御CPU301が管理するエラーを優先させるなど、いずれかを優先させてBit0~7の「0」/「1」が設定される。
【0171】
項目「遊技機不正1」は、電文「遊技機情報通知」の送信は所定の周期での送信タイミングに行われ、連続する「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」を送信する送信タイミングで検出されている特定の遊技機の状態を格納する。この実施形態では、Bit0を設定変更中信号に割り当て、Bit1を設定確認中信号に割り当て、Bit2~4を不正検知信号1~3に割り当て、Bit5をセキュリティ信号に割り当て、Bit6~7が未使用ビットに割り当てている。
【0172】
ここで、設定変更中とは、設定キースイッチ56がONの状態でスロットマシンSMの電源がONに設定された場合に移行する設定変更が可能な状態であり、当該状態の場合に設定変更中信号に割り当てられたビット(Bit0)に「1」が設定され、通常状態の場合は、当該ビット(Bit0)に「0」が設定される。ただし、設定変更中信号は、設定変更可能状態から通常状態(設定変更不可能状態)に移行した場合であっても、直ちに「0」に設定される訳ではなく、設定変更終了後の通常状態で1遊技が終了するまでは「1」の設定が継続する(設定変更後の1遊技終了時まで設定変更中信号の出力が継続する。)
【0173】
また、設定確認中とは、スロットマシンSMの電源がONの状態で設定キースイッチ56がONに設定された場合に移行する設定値の確認が可能な状態(設定確認可能状態)であり、当該状態の場合に設定確認中信号に割り当てられたビット(Bit1)に「1」が設定され、遊技を実行可能な通常状態の場合に当該ビット(Bit1)に「0」が設定される。ただし、この実施形態では、設定確認可能状態が終了しても直ちにBit1が「0」に設定される訳ではなく、設定確認可能状態から通常状態に移行した後に10回(本発明の「特定回数」に相当)の送信が完了するまではBit1の「1」が継続される。なお、
図20に示すように、「遊技機情報通知」の各項目「遊技機設定情報」、「遊技機性能情報」、「ホールコン・不正監視情報」には優先順位が設定されており、送信タイミングが重なると優先順位の高い項目がカードユニットCUに送信され、優先順位の低い項目の送信は次回以降の周期(遊技機情報通知の送信周期)に持ち越される。したがって、設定確認可能状態から通常状態に移行した後、10回の送信が完了するまでに要する時間は最小で3秒(=10回の送信=300ms×10)となり、10回の送信が完了するまでの間に、送信タイミングが優先順位の高い項目と重なった場合は3秒よりも長くなる。
【0174】
不正検知信号1~3は、それぞれスロットマシンSMの種類によって検知する不正の内容が異なり、カードユニットCUへの不正行為のおそれがある特定のエラー状態(不正可能性エラー状態)を検出した場合に、割り当てられたビット(Bit2~4)に「1」が設定され(本発明の「外部送信エラー情報」に相当)、検出しない場合に「0」が設定される。ただし、不正可能性エラー状態から復帰した場合であっても、Bit2~4が直ちに「0」に設定される訳ではなく、復帰してから10回の送信が完了するまではBit2~4の「1」が継続される。なお、
図20に示すように、「遊技機情報通知」の各項目「遊技機設定情報」、「遊技機性能情報」、「ホールコン・不正監視情報」には優先順位が設定されており、送信タイミングが重なると優先順位の高い項目がカードユニットCUに送信され、優先順位の低い項目の送信は次回以降の周期(遊技機情報通知の送信周期)に持ち越される。したがって、不正可能性エラー状態から復帰した後、10回の10回の送信が完了するまでに要する時間は最小で3秒(=10回の送信=300ms×10)となり、10回の送信が完了するまでの間に、送信タイミングが優先順位の高い項目と重なった場合は3秒よりも長くなる。
【0175】
セキュリティ信号に割り当てられたビット(Bit5)は、設定変更中信号、設定確認中信号、不正検知信号1~3のいずれかが出力(当該ビットが「1」に設定されている状態)されている場合に「1」に設定され、その他の場合は「0」に設定される。ただし、設定変更中信号が出力されていたことに基づいて当該ビット(Bit5)が「1」に設定されていた場合は、設定変更可能状態から通常状態(設定変更不可能状態)に移行した場合であっても、直ちに「0」に設定される訳ではなく、設定変更終了後の通常状態で1遊技が終了するまでは「1」の設定が継続する。
【0176】
項目「遊技機不正2」は、電文「遊技機情報通知」の送信は所定の周期での送信タイミングに行われ、連続する「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」を送信する送信タイミングで検出されている特定の遊技機の状態を格納する。この実施形態では、Bit0を設定ドアオープン信号に割り当て、Bit1をドアオープン信号に割り当て、Bit2を未使用ビットとし、Bit3を遊技メダル数クリア検知に割り当て、Bit4~7を未使用ビットとしている。
【0177】
設定キースイッチ56は設定ドアを開いた状態でON/OFFの操作が可能となっており、設定ドアオープン信号は、当該扉の開閉状態を報知する信号となっている。この実施形態では、設定ドアが開いた状態ではBit0に「1」が設定され、閉じた状態では「0」が設定される。ただし、この実施形態では、設定ドアが開いた状態から閉じた状態になっても直ちにBit0が「0」に設定される訳ではなく、閉じた状態に変化した後に10回の送信が完了するまではBit0の「1」が継続される。なお、
図20に示すように、「遊技機情報通知」の各項目「遊技機設定情報」、「遊技機性能情報」、「ホールコン・不正監視情報」には優先順位が設定されており、送信タイミングが重なると優先順位の高い項目がカードユニットCUに送信され、優先順位の低い項目の送信は次回以降の周期(遊技機情報通知の送信周期)に持ち越される。したがって、設定ドアが閉じた状態に変化した後、10回の送信が完了するまでに要する時間は最小で3秒(=10回の送信=300ms×10)となり、10回の送信が完了するまでの間に、送信タイミングが優先順位の高い項目と重なった場合は3秒よりも長くなる。なお、設定ドアは、設定キースイッチ56の鍵穴の前にあるカバーであり、設定ドアを開けた状態でなければ設定キースイッチ56のON/OFFの切り替えができないようになっている。
【0178】
ドアオープン信号は、前面パネル2の開閉状態を報知するものであり、前面パネル2が閉状態の場合はBit1が「0」に設定され、開状態の場合はBitが「1」に設定される。ただし、この実施形態では、前面パネル2が開状態から閉状態になっても直ちにBit1が「0」に設定される訳ではなく、閉状態に変化した後に10回の送信が完了するまではBit1の「1」が継続される。なお、
図20に示すように、「遊技機情報通知」の各項目「遊技機設定情報」、「遊技機性能情報」、「ホールコン・不正監視情報」には優先順位が設定されており、送信タイミングが重なると優先順位の高い項目がカードユニットCUに送信され、優先順位の低い項目の送信は次回以降の周期(遊技機情報通知の送信周期)に持ち越される。したがって、前面パネル2が閉状態に変化した後、10回の送信が完了するまでに要する時間は最小で3秒(=10回の送信=300ms×10)となり、10回の送信が完了するまでの間に、送信タイミングが優先順位の高い項目と重なった場合は3秒よりも長くなる。なお、メダル数制御CPU301やユニットCPU501は、設定変更中信号や設定確認中信号が「1」となったときに設定ドアオープン信号やドアオープン信号が「1」(開状態)となっていない場合は不正が行われていることを検知することができる。
【0179】
遊技メダル数クリア検知信号は、電源がOFFの状態でメダル数クリアボタン57が押下され、この状態で電源がONされたことにより、メダル数制御CPU301のメモリ302に記憶されているメダル数データが0にクリアされたことを報知するものであり、「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の送信タイミング間でメダル数データがクリアされていない場合は、Bit3が「0」に設定され、メダル数データがクリアされた場合は、Bit3が「1」に設定される。ただし、遊技メダル数クリア検知信号は、メダル数データがクリアされた後の1遊技が終了するまでは「1」の設定が継続される(メダル数データがクリアされた後に1遊技が終了するまで遊技メダル数クリア検知信号の出力が継続する。)また、遊技中にメダル数データがクリアされた場合は、当該遊技の次の遊技が終了するまでは「1」の設定が継続される。
【0180】
なお、他の項目については説明を省略する。
【0181】
「遊技情報」は、項目「遊技情報数」、「種別情報1」、「カウント情報1」、「種別情報2」、「カウント情報2」を含む。なお、項目「遊技情報数」、「種別情報1」、「カウント情報1」、「種別情報2」、「カウント情報2」のデータは、ホールコンピュータ用の信号として取り扱う。
【0182】
項目「遊技情報数」は、種別情報とカウント情報のペアの個数(n)を格納し、この実施形態では、n=「0x00」~「0x02」(十六進表記:十進表記では「0」~「2」)の値を格納する。なお、項目「遊技情報数」が「0」の場合には、項目「種別情報1」、「カウント情報1」、「種別情報2」、「カウント情報2」を含まず、「1」の場合には項目「種別情報1」、「カウント情報1」を含み、「2」の場合には項目「種別情報1」、「カウント情報1」、「種別情報2」、「カウント情報2」を含む。
【0183】
項目「種別情報1」は、投入か払出のいずれかを格納する。また、項目「カウント情報1」は、項目「種別情報1」が投入である場合には当該遊技での疑似メダルの投入数、項目「種別情報1」が払出である場合には当該遊技での疑似メダルの払出数を格納する。ここでの「当該遊技での疑似メダルの投入数」は、
図12の「投入メダル数」とは異なり、スタートスイッチ(本実施の形態では、スタートスイッチ9)の操作時の疑似メダルの投入数(1遊技に用いる(消費する)疑似メダルの枚数)であって、スタートスイッチ9の操作後の最初の「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」に設定されて送信される。「当該遊技での疑似メダルの投入数」はこの実施形態では「0x01」~「0x11」(十六進表記:十進表記では「1」~「3」)である。また、ここでの「当該遊技での疑似メダルの払出数」は、
図12の「払出メダル数」とは異なり、遊技者が疑似メダルを獲得する役に入賞した場合の当該役に対して予め定められた疑似メダルの枚数であって、疑似メダルの払出数の確定後の最初の「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」に設定されて送信される。
【0184】
項目「種別情報2」は、投入か払出のいずれかを格納する。また、項目「カウント情報2」は、項目「種別情報2」が投入である場合には当該遊技での疑似メダルの投入数、項目「種別情報2」が払出である場合には当該遊技での疑似メダルの払出数を格納する。ここでの「当該遊技での疑似メダルの投入数」は、
図12の「投入メダル数」とは異なり、スタートスイッチ(本実施の形態では、スタートスイッチ9)の操作時の疑似メダルの投入数(1遊技に用いる(消費する)疑似メダルの枚数)であって、スタートスイッチ9の操作後の最初の「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」に設定されて送信される。「当該遊技での疑似メダルの投入数」はこの実施形態では「0x01」~「0x11」(十六進表記:十進表記では「1」~「3」)である。また、ここでの「当該遊技での疑似メダルの払出数」は、
図12の「払出メダル数」とは異なり、遊技者が疑似メダルを獲得する役に入賞した場合の当該役に対して予め定められた疑似メダルの枚数であって、疑似メダルの払出数の確定後の最初の「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」に設定されて送信される。
【0185】
ここで、
図12の項目「種別情報1」、「カウント情報1」、「種別情報2」、「カウント情報2」について
図13を用いて詳細に説明する。なお、「種別情報1」と「カウント情報1」とのペアと、「種別情報2」と「カウント情報2」とのペアとは同じ内容であることから、「種別情報」と「カウント情報」とのペアとしてまとめて説明することにする。
【0186】
図13(a)に示すように、2バイトの「遊技情報」は、1バイトの「種別情報」と、1バイトの「カウント情報」とを含む。
【0187】
1バイトの「種別情報」は、「遊技情報」が1遊技での投入に関わるものか、1遊技での払出に関わるものかを示す情報であり、
図13(b)に示すように、「データ種別」と「データ番号」とを含み、Bit4~7(上位ビット)を「データ種別」に割り当て、Bit0~3(下位ビット)を「データ番号」に割り当てている。
【0188】
「データ種別」に割り当てたBit4~7には、
図13(b-1)に示すように、当該「遊技情報」が投入に関連する通知(当該遊技の投入数の通知)であることを示す場合には「1(0001)」が設定され(「投入数(IN)」)、当該「遊技情報」が払出に関連する通知(当該遊技の払出数の通知)であることを示す場合には「2(0010)」が設定される(「払出数(OUT)」)。
【0189】
「データ番号」に割り当てたBit0~3には、
図13(b-2)に示すように、「データ種別」に割り当てたBit4~7の値が「1(0001)」(投入数(IN))の場合には、Bit0~3の値は「1(0001)」に固定され、「0(0000)」、「2(0010)」~「15(1111)」は未使用になる。また、「データ種別」に割り当てたBit4~7の値が「2(0010)」(払出数(OUT))の場合には、Bit0~3の値は「1(0001)」に固定され、「0(0000)」、「2(0010)」~「15(1111)」は未使用になる。
【0190】
なお、Bit4~7の値「0(0000)」と、Bit0~3の値「0(0000)」~「15(1111)」との組み合わせ、Bit4~7の値「3(0011)」~「15(1111)」と、Bit0~3の値「0(0000)」~「15(1111)」との組み合わせは未使用になる。
【0191】
1バイトの「カウント情報」は、当該「遊技情報」が1遊技での投入に関わるものである場合には、当該遊技の投入数(スタートスイッチ9の操作時の投入数で、スタートスイッチ9の操作後に通知)を格納し、当該「遊技情報」が1遊技での払出に関わるものである場合には、当該遊技の払出数(疑似メダルの払出数が確定後に通知)を格納する。
【0192】
具体的には、「データ種別」が「1(0001)」(投入数(IN))の場合、
図13(c-1)に示すように、「カウント情報」のBit0~7では、Bit4~7の値は「0(0000)」に固定され(未使用)、Bit0~3の値は当該遊技の投入数(「1(0001)」~「3(0011)」)に設定される(投入数)。ここでの「当該遊技の投入数」は1遊技に用いる(消費する)疑似メダルの枚数である。なお、この実施形態では、スロットマシンSM及び他のスロットマシンにおいて一般的に想定され得る(規則等で定められている)1遊技に用いるメダル数として設定が許容されている設定許容投入数は1~3枚である。
【0193】
また、「データ種別」が「2(0010)」(払出数(OUT))の場合、
図13(c-2)に示すように、「カウント情報」のBit0~7では、Bit4~7の値は「0(0000)」に固定され(未使用)、Bit0~3の値は当該遊技の払出数(「1(0001)」~「15(1111)」)に設定される(払出数)。ここでの「当該遊技の払出数」は、遊技者が疑似メダルを獲得する役に入賞した場合の当該役に対して予め定められた疑似メダルの枚数である。この実施形態では、スロットマシンSM及び他のスロットマシンにおいて一般的に想定され得る(規則等で定められている)1遊技で払い出すメダル数として設定が許容されている設定許容払出数は1~15枚である。
【0194】
図13(a)~(c-2)を用いて説明した[遊技情報]では、当該遊技の投入数が3枚の場合、
図13(d-1)に示すように、「種別情報」の「データ種別」(Bit4~7)の値は当該「遊技情報」が投入に関連する通知(当該遊技の投入数の通知)であることを示す「1(0001)」に設定され、「種別情報」の「データ番号」(Bit0~3)の値は「1(0001)」(固定)に設定され、「カウント情報」の「未使用」(Bit4~7)の値は「0(0000)」(固定)に設定され、「カウント情報」の「投入数」の値は当該遊技の投入数「3(0011)」に設定される。
【0195】
当該遊技の払出数が10枚の場合、
図13(d-2)に示すように、「種別情報」の「データ種別」(Bit4~7)の値は当該「遊技情報」が払出に関連する通知(当該遊技の払出数の通知)であることを示す「2(0010)」に設定され、「種別情報」の「データ番号」(Bit0~3)の値は「1(0001)」(固定)に設定され、「カウント情報」の「未使用」(Bit4~7)の値は「0(0000)」(固定)に設定され、「カウント情報」の「払出数」の値は当該遊技の払出数「10(1010)」に設定される。
【0196】
(電文「計数通知」)
次に、電文「計数通知」の詳細について
図14を用いて説明する。
【0197】
電文「計数通知」(本発明の「遊技用価値量情報」に相当)は、項目「電文長」、「コマンド」、「計数通番」、「計数メダル数」、「計数累積メダル数」、「チェックサム」を含む。ただし、項目「電文長」は
図7の項目「電文長」に対応し、項目「コマンド」は
図7の項目「コマンド」に対応し、項目「計数通番」は
図7の項目「通番」に対応し、項目「計数メダル数」、「計数累積メダル数」は
図7の項目「データ部」に対応し、項目「チェックサム」は
図7の項目「チェックサム」に対応する。
【0198】
項目「電文長」は、項目「電文長」~「チェックサム」までの電文の長さを格納する。
【0199】
項目「コマンド」は、電文「計数通知」の専用のコマンドコードを格納する。
【0200】
項目「計数通番」は、シーケンス番号を格納し、この実施形態では、「0x00」~「0xFF」(十六進表記:十進表記では「0」~「255」)の値を格納する。詳細には、電源投入時、項目「計数通番」に「0x00」(十六進表記:十進表記では「0」)を格納した電文「計数通知」が送信される。その後、電文「計数通知」の送信毎に、項目「計数通番」に「+1」(十進表記)した値を格納した電文「計数通知」が送信される。ただし、項目「計数通番」には、「0xFF」(十六進表記:十進表記では「255」)の次に「+2」(十進表記)した「0x01」(十六進表記:十進表記では「1」)が格納される。
【0201】
項目「計数メダル数(本発明の「計数情報」に相当)」は、計数するメダル数(スロットマシンSMからカードユニットCUに移動するメダル数:「計数メダル数」と記載)を格納する。本実施形態では、計数メダル数として、「0x00」~「0x32」(十六進表記:十進表記では「0」~「50」)の値を格納する。
【0202】
項目「計数累積メダル数」は、今回の電文「計数通知」による計数メダル数を含む、電源投入からこれまでの計数メダル数の累積値(「計数累積メダル数」と記載)を格納し、計数累積メダル数は電源断により「0」にクリアされる。本実施形態では、計数累積メダル数として、「0x0000」~「0xFFFF」(十六進表記:十進表記では「0」~「65535」)の値を格納する。詳細には、電源投入時、項目「計数累積メダル数」には「0x00(十六進表記:十進表記では0)」が格納される。その後、項目「計数累積メダル数」には、電文「計数通知」の送信毎に、当該電文「計数通知」の項目「計数メダル数」の値が加算されたものとなる。ただし、「0xFFFF」(十六進表記:十進表記では「65535」)の次は「0x0000」(十六進表記:十進表記では「0」)となるように加算が行われる。
【0203】
項目「チェックサム」は、項目「電文長」~「計数累積メダル数」までのデータを加算し、総計の下位1バイトを格納する。項目「チェックサム」のデータは、電文を受けとった側の機器が通信中のエラー等により電文が壊れていないかを確認するのに用いられる。
【0204】
(電文「貸出通知」)
次に、電文「貸出通知」の詳細について
図15を用いて説明する。
【0205】
電文「貸出通知」は、項目「電文長」、「コマンド」、「貸出通番」、「貸出メダル数」、「チェックサム」を含む。ただし、項目「電文長」は
図7の項目「電文長」に対応し、項目「コマンド」は
図7の項目「コマンド」に対応し、項目「貸出通番」は
図7の項目「通番」に対応し、項目「貸出メダル数」は
図7の項目「データ部」に対応し、項目「チェックサム」は
図7の項目「チェックサム」に対応する。
【0206】
項目「電文長」は、項目「電文長」~「チェックサム」までの電文の長さを格納する。
【0207】
項目「コマンド」は、電文「貸出通知」の専用のコマンドコードを格納する。
【0208】
項目「貸出通番」は、シーケンス番号を格納し、この実施形態では、「0x00」~「0xFF」(十六進表記:十進表記では「0」~「255」)の値を格納する。詳細には、カードユニットCUはスロットマシンSMとの通信開始時、項目「貸出通番」に「0x00」(十六進表記:十進表記では「0」)を格納した電文「貸出通知」が送信される。その後、項目「貸出通番」に直近に受信した電文「貸出受領結果応答」の項目「貸出通番」の値を「+1」(十進表記)した値を格納した電文「貸出通知」が送信される。ただし、項目「貸出通番」には、「0xFF」(十六進表記:十進表記では「255」)の次に「+2」(十進表記)した「0x01」(十六進表記:十進表記では「1」)が格納される。
【0209】
項目「貸出メダル数」は、貸し出すメダル数(カードユニットCUからスロットマシンSMに移動するメダル数:「貸出メダル数」と記載)を格納する。本実施形態では、貸出メダル数として、「0x00」~「0x32」(十六進表記:十進表記では「0」~「50」)の値を格納する。ただし、貸出を行うのに不適切な状態であったり、貸出より優先して処理すべき状態であったりする場合、例えば、(1)電文「遊技機情報通知」が未受信の場合、(2)電文「遊技機情報通知」で、項目「遊技機情報種別」に遊技機情報種別コード「0x02」(ホールコン・不正監視情報)以外の遊技機情報種別コードが格納されている場合、(3)電文「計数通知」で、項目「計数メダル数」に1(十進表記)以上の値が格納されている場合、のいずれかに該当する場合には、項目「貸出メダル数」に貸出メダル数「0」が設定される。なお、上記の(1)~(3)のいずれにも該当しない場合に、項目「貸出メダル数」に貸出メダル数「1」以上の設定が可能であり、この場合であっても項目「貸出メダル数」に貸出メダル数「0」が設定されることがある。
【0210】
項目「チェックサム」は、項目「電文長」~「貸出メダル数」までのデータを加算し、総計の下位1バイトを格納する。項目「チェックサム」のデータは、電文を受けとった側の機器が通信中のエラー等により電文が壊れていないかを確認するのに用いられる。
【0211】
(電文「貸出受領結果応答」)
最後に、電文「貸出受領結果応答」の詳細について
図16を用いて説明する。
【0212】
電文「貸出受領結果応答」は、項目「電文長」、「コマンド」、「貸出通番」、「貸出メダル数受領結果」、「チェックサム」を含む。ただし、項目「電文長」は
図7の項目「電文長」に対応し、項目「コマンド」は
図7の項目「コマンド」に対応し、項目「貸出通番」は
図7の項目「通番」に対応し、項目「貸出メダル数受領結果」は
図7の項目「データ部」に対応し、項目「チェックサム」は
図7の項目「チェックサム」に対応する。
【0213】
項目「電文長」は、項目「電文長」~「チェックサム」までの電文の長さを格納する。
【0214】
項目「コマンド」は、電文「貸出受領結果応答」の専用のコマンドコードを格納する。
【0215】
項目「貸出通番」は、シーケンス番号を格納し、この実施形態では、「0x00」~「0xFF」(十六進表記:十進表記では「0」~「255」)の値を格納する。詳細には、電源投入時、項目「貸出通番」の値を「0x00」(十六進表記:十進表記では「0」)」にクリアする。電文「貸出受領結果応答」の項目「貸出メダル数受領結果」に「0x00」(十六進表記)(正常)を格納するときは、電文「貸出受領結果応答」は、その項目「貸出通番」の値を直近に受信した電文「貸出通知」の項目「貸出通番」の値にして、送信される。一方、電文「貸出受領結果応答」の項目「貸出メダル数受領結果」に「0x01」(十六進表記)(異常)を格納するときは、電文「貸出受領結果応答」は、その項目「貸出通番」の値を、直近に項目「貸出メダル数受領結果」に「0x00(十六進表記)」(正常)を格納した電文「貸出受領結果応答」に対応する電文「貸出通知」の項目「貸出通番」の値にして、送信される。
【0216】
項目「貸出メダル数受領結果」は、貸出メダル数受領結果を格納する。本実施形態では、項目「貸出メダル数受領結果」は、貸出メダル数受領結果が正常のときには「0x00」(十六進表記)(正常)を格納し、貸出メダル数受領結果が異常のときには「0x01」(十六進表記)(異常)を格納する。項目「貸出メダル数受領結果」に「0x01」(十六進表記)(異常)を格納するのは、(1)電文「貸出通知」の項目「貸出通番」の値が連続していない場合、(2)スロットマシンSMがカードユニットCUから貸出を受けることができない状態、(3)遊技メダル数(スロットマシンSM側で管理している現在の遊技者のメダル数:遊技メダル数表示器26に表示されている現在の遊技メダル数)に電文「貸出通知」の項目「貸出メダル数」に格納されている貸出メダル数を加算した結果が「0xFF3F00」(十六進表記:十進表記では「16383」)を超える場合、のいずれかの場合であり、項目「貸出メダル数受領結果」に「0x00(十六進表記)」(正常)を格納するのは、(1)~(3)のいずれでもない場合である。
【0217】
項目「チェックサム」は、項目「電文長」~「貸出メダル数受領結果」までのデータを加算し、総計の下位1バイトを格納する。項目「チェックサム」のデータは、電文を受けとった側の機器が通信中のエラー等により電文が壊れていないかを確認するのに用いられる。
【0218】
(スロットマシンSMとカードユニットCU間の通信シーケンス)
以下、スロットマシンSMとカードユニットCU間の電文「遊技機情報通知」、「計数通知」、「貸出通知」、「貸出受領結果応答」を用いた通信シーケンスについて説明する。
【0219】
(基本通信シーケンス)
まず、スロットマシンSMとカードユニットCU間の電文「遊技機情報通知」、「計数通知」、「貸出通知」、「貸出受領結果応答」を用いた基本通信シーケンスについて
図17を参照して説明する。なお、
図17では、メダル数制御CPU301とユニットCPU501との間の通信は、メダル数制御CPU301のユニット間送受信手段301eの機能と、ユニットCPU501の送受信手段501eの機能により実現される。
【0220】
スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、カードユニットCUのユニットCPU501に対して、電文「遊技機情報通知」(「通番=n」)を送信し、ユニットCPU501は当該電文「遊技機情報通知」(「通番=n」)を受信する(ステップS101)。メダル数制御CPU301は、電文「遊技機情報通知」(「通番=n」)の送信後、90ms以上100ms以下の範囲でのタイミング(以下、「第2送信タイミング」と記載)に、ユニットCPU501に対して、電文「計数通知」(「計数通番=m」)を送信し、ユニットCPU501は当該電文「計数通知」(「計数通番=m」)を受信する(ステップS102)。ユニットCPU501は、電文「計数通知」(「計数通番=m」)の受信後、170ms以下のタイミング(以下、「第3送信タイミング」と記載)に、メダル数制御CPU301に対して、電文「貸出通知」(「貸出通番=k」)を送信し、メダル数制御CPU301は当該電文「貸出通知」(「貸出通番=k」)を受信する(ステップS103)。メダル数制御CPU301は、電文「貸出通知」(「貸出通番=k」)の受信後、10ms以下のタイミング(以下、「第4送信タイミング」と記載)に、ユニットCPU501に対して、電文「貸出受領結果応答」(「貸出通番=k」)を送信し、ユニットCPU501は当該電文「貸出受領結果応答」(「貸出通番=k」)を受信する(ステップS104)。
【0221】
スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、電文「遊技機情報通知」(「通番=n」)の送信を開始してから、300ms以上310ms以下の範囲でのタイミング(以下、「第1送信タイミング」と記載)に、カードユニットCUのユニットCPU501に対して、電文「遊技機情報通知」(「通番=n+1」)を送信し、ユニットCPU501は当該電文「遊技機情報通知」(「通番=n+1」)を受信する(ステップS105)。なお、電文「貸出受領結果応答」(「貸出通番=n」)の受信から電文「遊技機情報通知」(「通番=n+1」)の送信までは20ms以上である。メダル数制御CPU301は、電文「遊技機情報通知」(「通番=n」)の送信を開始してから、90ms以上100ms以下の範囲でのタイミング(第2送信タイミング)に、ユニットCPU501に対して、電文「計数通知」(「計数通番=m+1」)を送信し、ユニットCPU501は当該電文「計数通知」(「計数通番=m+1」)を受信する(ステップS106)。ユニットCPU501は、電文「計数通知」(「計数通番=m+1」)の受信を開始してから、170ms以下のタイミング(第3送信タイミング)に、メダル数制御CPU301に対して、電文「貸出通知」(「貸出通番=k+1」)を送信し、メダル数制御CPU301は当該電文「貸出通知」(「貸出通番=k+1」)を受信する(ステップS107)。メダル数制御CPU301は、電文「貸出通知」(「貸出通番=k+1」)の受信完了後、10ms以下のタイミング(第4送信タイミング)に、ユニットCPU501に対して、電文「貸出受領結果応答」(「貸出通番=k+1」)を送信し、ユニットCPU501は当該電文「貸出受領結果応答」(「貸出通番=k+1」)を受信する(ステップS108)。ステップS108後も電文「遊技機情報通知」、「計数通知」、「貸出通知」、「貸出受領結果応答」はそれぞれ上記の対応する期間内のタイミングで送信される。
【0222】
なお、本実施形態では、メダル数制御CPU301は、電文「計数通知」の送信開始から規定の範囲内の時間に(電文「貸出受領結果応答」を送信するタイミングが来る前の規定時間(規定の範囲の上限の時間)までに)、電文「貸出通知」をユニットCPU501から受信することが定められている。本実施形態では、規定時間は電文「計数通知」の送信開始からの時間が170msである時間として設定されている。メダル数制御CPU301は、電文「計数通知」の送信開始から規定の範囲内の時間に(電文「貸出受領結果応答」を送信するタイミングが来る前の規定時間までに)、ユニットCPU501から電文「貸出通知」を受信した場合には、当該受信した電文「貸出通知」を破棄せず受け付けて、当該電文「貸出通知」で通知される貸出メダル数を用いたメモリ302に記憶されている遊技メダル数データの更新や、電文「貸出通知」に対する応答として電文「貸出受領結果応答」をカードユニットCUに対して送信する。一方で、メダル数制御CPU301は、電文「計数通知」の送信開始から規定の範囲外の時間に(電文「貸出受領結果応答」を送信するタイミングが来る前の規定時間を超えた時間に)、ユニットCPU501から電文「貸出通知」を受信した場合には、当該受信した電文「貸出通知」を破棄し、当該電文「貸出通知」で通知される貸出メダル数を用いたメモリ302に記憶されている遊技メダル数データの更新を行わず、電文「貸出通知」に対する応答としての電文「貸出受領結果応答」をカードユニットCUに対して送信しない。
【0223】
このように、この実施形態では、1周期分の時間長が300ms以上310ms以下の範囲である周期において、1周期内で電文「遊技機情報通知」、「計数通知」、「貸出通知」、「貸出受領結果応答」が互いに異なるタイミングに送信され、電文「遊技機情報通知」の第1送信タイミングを1周期の開始とし、電文「計数通知」の第2送信タイミングは電文「遊技機情報通知」の送信を開始してから90ms以上100ms以下の範囲であり、電文「貸出通知」の第3送信タイミングは電文「計数通知」の受信を開始してから170ms以下であり、電文「貸出受領結果応答」の第4送信タイミングは電文「貸出通知」の受信完了後10ms以下である。
【0224】
次に、スロットマシンSMが先に起動した場合のスロットマシンSMとカードユニットCU間の電文「遊技機情報通知」、「計数通知」、「貸出通知」、「貸出受領結果応答」を用いた基本通信シーケンスについて
図18を参照して説明する。
【0225】
スロットマシンSMとカードユニットCUの両方が電源OFFの場合、カードユニットCUから供給される電圧VはOFF(0V)である。また、スロットマシンSMから送信される接続確認信号(
図6のピン番号:4)のON/OFFの判定も不能となる(
図18ではPSI=OFFとする)。ここで、スロットマシンSMの電源と、カードユニットCUの電源が例えば同時にONにされた場合、それぞれで起動が開始される。
【0226】
カードユニットCUでは、起動が完了するまでスロットマシンSMに供給する電圧VLをOFF(0V)とするとともに接続確認信号のON/OFF判定を行わない(
図18ではPSI=OFFとする)。スロットマシンSMの起動が先に完了した場合、スロットマシンSMからカードユニットCUに遊技機情報通知が送信される。このときの通番は「0」からスタートする。なお、この実施形態では、主制御CPU101よりもメダル数制御CPU301の方が先に起動するように構成されており、メダル数制御CPU301は、主制御CPU101が起動するまで遊技機情報通知の送信自体は行うものの、遊技機情報通知に格納される各項目については空データが送信される。この場合、例えば、電源がONされてから主制御CPU101が起動するまでに要する時間をソフト的にメダル数制御CPU301よりも遅らせる。または、電源からの配線距離を主制御CPU101よりもメダル数制御CPU301の方を短くするなどして、物理的に主制御CPU101の起動をメダル数制御CPU301よりも遅らせる。続いて、上記した通信タイミング(100ms後)に計数通知が送信される。このとき、通番「0」からスタートする。ただし、カードユニットCU側の起動は完了していないため、これらの通知を受信することはできない。なお、主制御CPU101が起動するまで遊技機情報通知の送信については、遊技機情報通知に格納される全ての項目に対して空データを送信する場合に限らず、例えば、遊技メダル数等のメダル数制御CPU301が管理しているデータや、役物比率等の遊技の進行でほとんど変化しないデータについては、主制御CPU101が起動する前であっても、通常通りのデータが送信されるようにしてもよい。
【0227】
以降、スロットマシンSMからは300msの周期で通番が+1ずつ加算された遊技機情報通知、計数通知の送信が行われる。その後、カードユニットCUの起動が完了すると、電圧VLをON(5V)としてスロットマシンSMへ電圧を供給するとともに、スロットマシンSMとの接続確認信号のON/OFF判定を開始し、スロットマシンSMとカードユニットCUとが接続されていることから当該信号をONと判定する。また、遊技機情報通知、計数通知の受信を開始し、貸出通知、貸出受領結果応答の通信も開始する。このとき、カードユニットCUでは、受信を開始したときの通番から管理する。例えば、起動が完了してから初めて遊技機情報通知が通番nのときは、ここから管理を開始する。
【0228】
なお、メダル数制御CPU301は、「計数通知」をカードユニットCUに送信するのに先立って、カードユニットCUから電圧が供給されているか否か(正常に接続されているか否か)を確認し、電圧が供給されている場合は、計数メダル数のデータに、計数スイッチ31の押下態様に応じた疑似メダル数を格納する。一方、カードユニットCUから電圧が供給されていない場合は、計数スイッチ31の押下態様とは無関係に計数通知の計数メダル数のデータに(0x00)を格納する(本発明の「前記計数情報については、当該情報の送信タイミングで前記外部装置と接続されていない場合は、前記外部装置への送信を無効化し」の「無効化」に相当)。つまり、カードユニットCUが起動していない場合や正常な接続が担保できない場合は、メダル数制御CPU301(第1計数処理手段301b2)と、ユニットCPU501(第2計数処理手段501c)とが協働できないため、カードユニットCUが起動していな場合は、疑似メダルの授受を行わない。
【0229】
これに対して、少なくともスロットマシンSMのエラーに関連する情報(「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の「遊技機エラー状態」、「遊技機不正1」、「遊技機不正2」等)については、カードユニットCUから電圧が供給されているか否かに関わらず、送信タイミングのエラー状態に応じたデータがカードユニットCUに送信される。
【0230】
次に、カードユニットCUが先に起動した場合のスロットマシンSMとカードユニットCU間の電文「遊技機情報通知」、「計数通知」、「貸出通知」、「貸出受領結果応答」を用いた基本通信シーケンスについて
図19を参照して説明する。
【0231】
スロットマシンSMが電源OFFの状態でカードユニットCUが電源ONされ、カードユニットCUが先に起動した場合、起動が完了するまではカードユニットCUから供給される電圧VはOFF(0V)である。また、スロットマシンSMから送信される接続確認信号(
図6のピン番号:4)も判定開始していないのでOFFとなる。カードユニットCUの起動が完了すると、カードユニットCUから供給される電圧VLはON(5V)となる。また、スロットマシンSMは起動していないが、カードユニットCUとスロットマシンSMとの接続が正常の場合は接続確認信号(
図6のピン番号:4)が送信されON判定となる。スロットマシンSMは依然電源OFFの状態のため、「遊技機情報通知」、「計数通知」はいずれも送信されず、スロットマシンSMの通信待機状態となる。次に、スロットマシンSMが電源ONとなって起動が開始しても、起動が完了するまでの間、カードユニットCUでは通信待機状態が維持される。
【0232】
スロットマシンSMの起動が完了した場合、スロットマシンSMからカードユニットCUに遊技機情報通知が送信される。このときの通番は「0」からスタートする。続いて、上記した通信タイミング(100ms後)にスロットマシンSMからカードユニットCUに計数通知が送信される。このとき、通番「0」からスタートする。続いて、カードユニットCUからスロットマシンSMに貸出通知が送信され、その後はスロットマシンSMからカードユニットCUに貸出受領結果応答が行われる。これらの通番も「0」からスタートし、受信側では各情報(「遊技機情報通知」、「計数通知」、「貸出通知」、「貸出受領結果応答」)において通番「0」から管理を開始する。
【0233】
(電文「遊技機情報通知」の基本通信シーケンス)
続いて、電文「遊技機情報通知」の基本通信シーケンスについて説明する。
【0234】
まず、当該電文「遊技機情報通知」における「遊技機設置情報(本発明の「第2情報」に相当)」、「遊技機性能情報(本発明の「第2情報」に相当)」、「ホールコン・不正監視情報(本発明の「第1情報」に相当)」の送信条件及び送信の優先順位について
図20を参照して説明する。なお、「遊技機設置情報」、「遊技機性能情報」、「ホールコン・不正監視情報」は、時間長(300ms以上310ms以下の範囲内)を1周期の時間長とする周期で送信される電文「遊技機情報通知」に、それぞれの送信条件及び送信の優先順位に従って格納されて送信される。
【0235】
「遊技機性能情報」は、遊技機(この実施形態では、スロットマシンSM)の起動の完了からの電文「遊技機情報通知」の200周期分に相当する時間(60s以上62s以下の範囲内)に送信され、その後、電文「遊技機情報通知」の200周期分に相当する時間長(60s以上62s以下の範囲内)を1周期の時間長とする周期で送信される。
【0236】
また、「遊技機設置情報」は、遊技機(この実施形態では、スロットマシンSM)の起動の完了からの電文「遊技機情報通知」の600周期分に相当する時間(180s以上186s以下の範囲内)に送信され、その後、電文「遊技機情報通知」の600周期分に相当する時間長(180s以上186s以下の範囲内)を1周期の時間長とする周期で送信される。
【0237】
また、「ホールコン・不正監視情報」は、遊技機(この実施形態では、スロットマシンSM)の起動の完了直後に送信され、その後、電文「遊技機情報通知」の1周期分に相当する時間長(300ms以上310ms以下の範囲内)を1周期の時間長とする周期で送信される。
【0238】
上記の送信条件にて送信される「遊技機性能情報」、「遊技機設置情報」、「ホールコン・不正監視情報」は、互いに送信タイミングが重なることがあることから、「遊技機性能情報」、「遊技機設置情報」、「ホールコン・不正監視情報」に対して、送信の優先順位が予め定められており、この実施形態では、「遊技機設置情報」、「遊技機性能情報」、「ホールコン・不正監視情報」それぞれに、優先順位「1」(高)、優先順位「2」(中)、優先順位「3」(低)が割り当てられている。
【0239】
電文「遊技機情報通知」を送信する各第1送信タイミングで、「遊技機性能情報」、「遊技機設置情報」、「ホールコン・不正監視情報」のうち送信条件を満たすものを送信候補としてストックしていく。そして、各第1送信タイミングで、送信候補としてこれまでにストックしているもののうち送信の優先順位が最も高いものを電文「遊技機情報通知」に格納して送信する。なお、「ホールコン・不正監視情報」が格納された電文「遊技機情報通知」の第1送信タイミングが、次の「ホールコン・不正監視情報」の送信に関する1周期の開始のタイミングになり、「遊技機性能情報」が格納された電文「遊技機情報通知」の第1送信タイミングが、次の「遊技機性能情報」の送信に関する1周期の開始のタイミングになり、「遊技機設置情報」が格納された電文「遊技機情報通知」の第1送信タイミングが、次の「遊技機設置情報」の送信に関する1周期の開始のタイミングになる。
【0240】
例えば、電文「遊技機情報通知」を送信する第1送信タイミングA11で、「ホールコン・不正監視情報」の送信タイミングと、他の「遊技機情報」(「遊技機性能情報」、「遊技機設置情報」)の送信タイミングとが重なった場合、「ホールコン・不正監視情報」と他の「遊技機情報」とを送信候補としてストックし、第1送信タイミングA11では「ホールコン・不正監視情報」より優先順位が高い他の「遊技機情報」が電文「遊技機情報通知」に格納されて送信され、第1送信タイミングA11が次の他の「遊技機情報」の送信に関する1周期の開始のタイミングになる。電文「遊技機情報通知」を送信する第1送信タイミングA11の次の第1送信タイミングA12では、送信候補として「ホールコン・不正監視情報」がストックされている状態であり、第1送信タイミングA12では、第1送信タイミングA11で優先順位が低いとして送信されなかった「ホールコン・不正監視情報」が電文「遊技機情報通知」に格納されて送信され、第1送信タイミングA12が次の「ホールコン・不正監視情報」の送信に関する1周期の開始のタイミングになる。
【0241】
また、電文「遊技機情報通知」を送信する第1送信タイミングA21で、「ホールコン・不正監視情報」の送信タイミングと、「遊技機性能情報」の送信タイミングと、「遊技機設置情報」の送信タイミングとが重なった場合、「ホールコン・不正監視情報」と「遊技機性能情報」と「遊技機設置情報」とを送信候補としてストックし、第1送信タイミングA21では一番優先順位が高い「遊技機設置情報」が電文「遊技機情報通知」に格納されて送信され、第1送信タイミングA21が次の「遊技機設置情報」の送信に関する1周期の開始のタイミングになる。電文「遊技機情報通知」を送信する第1送信タイミングA21の次の第1送信タイミングA22では、送信候補として、「ホールコン・不正監視情報」と「遊技機性能情報」がストックされている状態であり、第1送信タイミングA22では、第1送信タイミングA21で優先順位が低いとして送信されなかった「ホールコン・不正監視情報」と「遊技機性能情報」のうちの優先順位が高い「遊技機性能情報」が電文「遊技機情報通知」に格納されて送信され、第1送信タイミングA22が次の「遊技機性能情報」の送信に関する1周期の開始のタイミングになる。電文「遊技機情報通知」を送信する第1送信タイミングA22の次の第1送信タイミングA23では、送信候補として「ホールコン・不正監視情報」がストックされている状態であり、第1送信タイミングA23では、第1送信タイミングA21、A22で優先順位が低いとして送信されなかった「ホールコン・不正監視情報」が電文「遊技機情報通知」に格納されて送信され、第1送信タイミングA23が次の「ホールコン・不正監視情報」の送信に関する1周期の開始のタイミングになる。
【0242】
次に、
図20の送信条件及び送信の優先順位の下でのスロットマシンSMとカードユニットCU間の電文「遊技機情報通知」(「遊技機設置情報」、「遊技機性能情報」、「ホールコン・不正監視情報」)の基本通信シーケンスについて
図21を参照して説明する。なお、
図21では、メダル数制御CPU301とユニットCPU501との間の通信は、メダル数制御CPU301のユニット間送受信手段301eの機能と、ユニットCPU501の送受信手段501eの機能により実現される。
【0243】
スロットマシンSMの起動完了時には、「遊技機設置情報」、「遊技機性能情報」、「ホールコン・不正監視情報」のうち、「ホールコン・不正監視情報」のみが送信条件を満たしているため、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、カードユニットCUのユニットCPU501に対して、「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信する(ステップS401)。
【0244】
その後の199回分の電文「遊技機情報通知」のそれぞれの第1送信タイミングは、前回「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信してから電文「遊技機情報通知」の1周期分に相当する時間(300ms以上310ms以下の範囲)であるため、「ホールコン・不正監視情報」の送信条件を満たしているが、スロットマシンSMの起動完了直後であるステップS401で「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信してから電文「遊技機情報通知」の200周期分に相当する時間(60s以上62s以下の範囲)に達していないため、「遊技機設置情報」の送信条件を満たしておらず、スロットマシンSMの起動完了直後であるステップS401で「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信してから電文「遊技機情報通知」の600周期分に相当する時間(180s以上186s以下の範囲)に達していないため、「遊技機性能情報」の送信条件を満たしていない。よって、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、当該第1送信タイミングに、カードユニットCUのユニットCPU501に対して、「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信する(ステップS402,・・・、S403)。
【0245】
次の電文「遊技機情報通知」の第1送信タイミングは、ステップS403で「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信してから電文「遊技機情報通知」の1周期分に相当する時間(300ms以上310ms以下の範囲)であるとともに、スロットマシンSMの起動完了直後であるステップS401で「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信してから電文「遊技機情報通知」の200周期分に相当する時間(60s以上62s以下の範囲)であるため、「ホールコン・不正監視情報」、「遊技機設置情報」の送信条件を満たしているが、スロットマシンSMの起動完了直後であるステップS401で「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信してから電文「遊技機情報通知」の600周期分に相当する時間(180s以上186s以下の範囲)に達していないため、「遊技機性能情報」の送信条件を満たしていない。よって、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、当該第1送信タイミングに、カードユニットCUのユニットCPU501に対して、「ホールコン・不正監視情報」より送信の優先順位が高い「遊技機設置情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信する(ステップS404)。
【0246】
スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、ステップS404での「遊技機設置情報」の送信から電文「遊技機情報通知」の1周期分に相当する時間(300ms以上310ms以下の範囲内)の第1送信タイミングに、カードユニットCUのユニットCPU501に対して、ステップS404で優先順位が低いとして送信されなかった「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信する(ステップS405)。
【0247】
その後の198回分の電文「遊技機情報通知」のそれぞれの第1送信タイミングは、前回「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信してから電文「遊技機情報通知」の1周期分に相当する時間(300ms以上310ms以下の範囲)であるため、「ホールコン・不正監視情報」の送信条件を満たしているが、ステップS404で「遊技機設置情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信してから電文「遊技機情報通知」の200周期分に相当する時間(60s以上62s以下の範囲)に達していないため、「遊技機設置情報」の送信条件を満たしておらず、スロットマシンSMの起動完了直後であるステップS401で「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信してから電文「遊技機情報通知」の600周期分に相当する時間(180s以上186s以下の範囲)に達していないため、「遊技機性能情報」の送信条件を満たしていない。よって、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、当該第1送信タイミングに、カードユニットCUのユニットCPU501に対して、「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信する。
【0248】
ステップS406では、電文「遊技機情報通知」の第1送信タイミングは、前回「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信してから電文「遊技機情報通知」の1周期分に相当する時間(300ms以上310ms以下の範囲)であるとともに、前回「遊技機設置情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信してから電文「遊技機情報通知」の200周期分に相当する時間(60s以上62s以下の範囲)であるため、「ホールコン・不正監視情報」、「遊技機設置情報」の送信条件を満たしているが、スロットマシンSMの起動完了直後であるステップS401で「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信してから電文「遊技機情報通知」の600周期分に相当する時間(180s以上186s以下の範囲)に達していないため、「遊技機性能情報」の送信条件を満たしていない。よって、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、当該第1送信タイミングに、ユニットCPU501に対して、「ホールコン・不正監視情報」より送信の優先順位が高い「遊技機設置情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信する。
【0249】
ステップS407では、電文「遊技機情報通知」の第1送信タイミングは、前回「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信してから電文「遊技機情報通知」の1周期分に相当する時間(300ms以上310ms以下の範囲)であるため、「ホールコン・不正監視情報」の送信条件を満たしているが、ステップS406で「遊技機設置情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信してから電文「遊技機情報通知」の200周期分に相当する時間(60s以上62s以下の範囲)に達していないため、「遊技機設置情報」の送信条件を満たしておらず、スロットマシンSMの起動完了直後であるステップS401で「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信してから電文「遊技機情報通知」の600周期分に相当する時間(180s以上186s以下の範囲)に達していないため、「遊技機性能情報」の送信条件を満たしていない。よって、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、当該第1送信タイミングに、カードユニットCUのユニットCPU501に対して、「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信する。
【0250】
ステップS407で送信された電文「遊技機情報通知」の次の電文「遊技機情報通知」の第1送信タイミングは、ステップS407で「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信してから電文「遊技機情報通知」の1周期分に相当する時間(300ms以上310ms以下の範囲)であるとともに、ステップS406で「遊技機設置情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信してから電文「遊技機情報通知」の200周期分に相当する時間(60s以上62s以下の範囲)であり、スロットマシンSMの起動完了直後であるステップS401で「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信してから電文「遊技機情報通知」の600周期分に相当する時間(180s以上186s以下の範囲)であるため、「遊技機設置情報」、「遊技機性能情報」、「ホールコン・不正監視情報」のうち全ての送信条件を満たす。よって、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、当該第1送信タイミングに、カードユニットCUのユニットCPU501に対して、一番優先順位が高い「遊技機設置情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信する(ステップS408)。
【0251】
スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、ステップS408での「遊技機設置情報」の送信から電文「遊技機情報通知」の1周期分に相当する時間(300ms以上310ms以下の範囲内)の第1送信タイミングに、カードユニットCUのユニットCPU501に対して、ステップS408で送信されなかった「遊技機性能情報」と「ホールコン・不正監視情報」とのうち、送信の優先順位が高い「遊技機性能情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信する(ステップS409)。この後、「遊技機性能情報」は、電文「遊技機情報通知」の600周期分に相当する時間長(180s以上186s以下の範囲内)を1周期の時間長とする周期の開始の基準を、ステップS409に対応する第1送信タイミングに変更して、周期的に送信される。なお、「遊技機性能情報」を送信する周期の開始の基準を変更しなくてもよい。
【0252】
スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、ステップS409での「遊技機性能情報」の送信から電文「遊技機情報通知」の1周期分に相当する時間(300ms以上310ms以下の範囲)の第1送信タイミングに、カードユニットCUのユニットCPU501に対して、ステップS408やステップS409で送信の優先順位が低いとして送信されなかった「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信する(ステップS410)。
【0253】
なお、カードユニットCUは、ホールコン・不正監視情報を格納した電文「遊技機情報通知」、遊技機設置情報を格納した電文「遊技機情報通知」、遊技機性能情報を格納した電文「遊技機情報通知」を受け取った時点で、ホールコン・不正監視情報のうちの所定の情報、遊技機設置情報のうちの所定の情報、遊技機性能情報のうちの所定の情報を混合させて管理コンピュータへ送信するための混合情報を生成するようにしてもよい。また、混合情報の生成は、例えば、遊技機性能情報を格納した電文「遊技機情報通知」を受け取る度に(3分毎に)行ってもよいし、電源投入時の1回のみ行うようにしてもよい。
【0254】
(基本通信シーケンスにおける計数の一具体例)
続いて、
図17のスロットマシンSMとカードユニットCU間の基本通信シーケンスにおける、スロットマシンSMとカードユニットCU間での計数の一具体例について
図22を用いて説明する。ただし、
図22の通信シーケンスでは、計数スイッチ31の押下操作前に、スロットマシンSM側でメダル数制御CPU301によりメモリ302で記憶して管理されている遊技メダル数(メモリ302に記憶されている遊技メダル数データを用いて管理されているスロットマシンSM側で遊技者が所持しているメダル数)は「200」であり、カードユニットCU側でユニットCPU501によりメモリ502で記憶して管理されている持ちメダル数(メモリ502に記憶されている持ちメダル数データを用いて管理されているカードユニットCU側で遊技者が所持しているメダル数)は「20」であるとする。なお、電文「遊技機情報通知」、「計数通知」、「貸出通知」、「貸出受領結果応答」の送信タイミングについて、その詳細は
図17を用いて説明しているので、
図22の説明では省略する。なお、
図22では、メダル数制御CPU301とユニットCPU501との間の通信は、メダル数制御CPU301のユニット間送受信手段301eの機能と、ユニットCPU501の送受信手段501eの機能により実現される。
【0255】
スロットマシンSM側のメダル数制御CPU301により、計数スイッチ31の押下操作が検出される(ステップS501)。この計数スイッチ31の押下操作は所定の時間(例えば、1s)を超える長押し(例えば1sを超える連続した押下)であるとする。
【0256】
この実施形態では、電文「計数通知」で通知される計数メダル数に関して、「50」を上限とする。なお、計数メダル数の上限を「計数メダル上限数」と記載する。長押しの場合には、電文「計数通知」で通知される計数メダル数は、メダル数制御CPU301によりメモリ302で記憶して管理されている遊技メダル数が計数メダル上限数「50」以上であれば遊技メダル数に基づいて「50」に設定され、遊技メダル数が「1」以上で計数メダル上限数「50」未満であれば遊技メダル数に基づいて「メダル数制御CPU301によりメモリ302で記憶して管理されている遊技メダル数」に設定され、遊技メダル数が「0」であれば遊技メダル数に基づいて「0」に設定される。また、所定の時間(例えば1s)を超えない短押し(例えば1s以下の連続した押下)の場合には、電文「計数通知」で通知される計数メダル数は、メダル数制御CPU301によりメモリ302で記憶して管理されている遊技メダル数が「1」以上であれば遊技メダル数に基づいて「1」に設定され、遊技メダル数が「0」であれば遊技メダル数に基づいて「0」に設定される。
【0257】
スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、カードユニットCUのユニットCPU501に対して、電文「遊技機情報通知」(「通番=n」、「遊技メダル数=200」)を送信し、ユニットCPU501は当該電文「遊技機情報通知」(「通番=n」、「遊技メダル数=200」)を受信する(ステップS502)。
【0258】
電文「遊技機情報通知」(「通番=n」、「遊技メダル数=200」)の送信後、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、第1計数処理手段301b2により、メダル数制御CPU301によりメモリ302で記憶して管理している遊技メダル数「200」を基に計数メダル数を計数メダル上限数「50」に決定する。そして、メダル数制御CPU301は、カードユニットCUのユニットCPU501に対して、電文「計数通知」(「計数通番=m」、「計数メダル数=50」、「計数累積メダル数=50」)を送信し、ユニットCPU501は当該電文「計数通知」(「計数通番=m」、「計数メダル数=50」、「計数累積メダル数=50」)を受信する(ステップS503)。メダル数制御CPU301は、第1計数処理手段301b2により、メダル数制御CPU301によりメモリ302で記憶して管理している遊技メダル数を、計数メダル数「50」分減算した「150」に更新する(ステップS504)。また、ユニットCPU501は、第2計数処理手段501cにより、ユニットCPU501によりメモリ502で記憶して管理している持ちメダル数を、計数メダル数「50」分加算した「70」に更新する(ステップS505)。
【0259】
電文「計数通知」(「計数通番=m」、「計数メダル数=50」、「計数累積メダル数=50」)の受信後、カードユニットCUのユニットCPU501は、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301に対して、電文「貸出通知」(「貸出通番=k」、「貸出メダル数=0」)を送信し、メダル数制御CPU301は当該電文「貸出通知」(「貸出通番=k」、「貸出メダル数=0」)を受信する(ステップS506)。電文「貸出通知」(「貸出通番=k」、「貸出メダル数=0」)の受信後、メダル数制御CPU301は、ユニットCPU501に対して、電文「貸出受領結果応答」(「貸出通番=k」、「受領結果=正常」)を送信し、ユニットCPU501は当該電文「貸出受領結果応答」(「貸出通番=k」、「受領結果=正常」)を受信する(ステップS507)。なお、貸出メダル数が「0」であるので、メダル数制御CPU301によりメモリ302で記憶して管理している遊技メダル数は「150」のままであり、ユニットCPU501によりメモリ502で記憶して管理している持ちメダル数は「70」のままである。
【0260】
電文「貸出受領結果応答」(「貸出通番=k」、「受領結果=正常」)の送信後、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、カードユニットCUのユニットCPU501に対して、電文「遊技機情報通知」(「通番=n+1」、「遊技メダル数=150」)を送信し、ユニットCPU501は当該電文「遊技機情報通知」(「通番=n+1」、「遊技メダル数=150」)を受信する(ステップS508)。
【0261】
電文「遊技機情報通知」(「通番=n+1」、「遊技メダル数=150」)の送信後、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、第1計数処理手段301b2により、メダル数制御CPU301によりメモリ302で記憶して管理している遊技メダル数「150」を基に計数メダル数を計数メダル上限数「50」に決定する。そして、メダル数制御CPU301は、カードユニットCUのユニットCPU501に対して、電文「計数通知」(「計数通番=m+1」、「計数メダル数=50」、「計数累積メダル数=100」)を送信し、ユニットCPU501は当該電文「計数通知」(「計数通番=m+1」、「計数メダル数=50」、「計数累積メダル数=100」)を受信する(ステップS509)。メダル数制御CPU301は、第1計数処理手段301b2により、メダル数制御CPU301によりメモリ302で記憶して管理している遊技メダル数を、計数メダル数「50」分減算した「100」に更新する(ステップS510)。また、ユニットCPU501は、第2計数処理手段501cにより、ユニットCPU501によりメモリ502で記憶して管理している持ちメダル数を、計数メダル数「50」分加算した「120」に更新する(ステップS511)。
【0262】
電文「計数通知」(「計数通番=m+1」、「計数メダル数=50」、「計数累積メダル数=100」)の受信後、カードユニットCUのユニットCPU501は、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301に対して、電文「貸出通知」(「貸出通番=k+1」、「貸出メダル数=0」)を送信し、メダル数制御CPU301は当該電文「貸出通知」(「貸出通番=k+1」、「貸出メダル数=0」)を受信する(ステップS512)。電文「貸出通知」(「貸出通番=k+1」、「貸出メダル数=0」)の受信後、メダル数制御CPU301は、ユニットCPU501に対して、電文「貸出受領結果応答」(「貸出通番=k+1」、「受領結果=正常」)を送信し、ユニットCPU501は当該電文「貸出受領結果応答」(「貸出通番=k+1」、「受領結果=正常」)を受信する(ステップS513)。なお、貸出メダル数が「0」であるので、メダル数制御CPU301によりメモリ302で記憶して管理している遊技メダル数は「100」のままであり、ユニットCPU501によりメモリ502で記憶して管理している持ちメダル数は「120」のままである。
【0263】
その後、スロットマシンSM側のメダル数制御CPU301により、計数スイッチ31の押下操作の終了が検出される(ステップS514)。
【0264】
電文「貸出受領結果応答」(「貸出通番=k+1」、「受領結果=正常」)の送信後、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、カードユニットCUのユニットCPU501に対して、電文「遊技機情報通知」(「通番=n+2」、「遊技メダル数=100」)を送信し、ユニットCPU501は当該電文「遊技機情報通知」(「通番=n+2」、「遊技メダル数=100」)を受信する(ステップS515)。
【0265】
電文「遊技機情報通知」(「通番=n+2」、「遊技メダル数=100」)の送信後、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、カードユニットCUのユニットCPU501に対して、電文「計数通知」(「計数通番=m+2」、「計数メダル数=0」、「計数累積メダル数=100」)を送信し、ユニットCPU501は当該電文「計数通知」(「計数通番=m+2」、「計数メダル数=0」、「計数累積メダル数=100」)を受信する(ステップS516)。なお、計数メダル数が「0」であるので、メダル数制御CPU301によりメモリ302で記憶して管理している遊技メダル数は「100」のままであり、ユニットCPU501によりメモリ502で記憶して管理している持ちメダル数は「120」のままである。
【0266】
電文「計数通知」(「計数通番=m+2」、「計数メダル数=0」、「計数累積メダル数=100」)の受信後、カードユニットCUのユニットCPU501は、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301に対して、電文「貸出通知」(「貸出通番=k+2」、「貸出メダル数=0」)を送信し、メダル数制御CPU301は当該電文「貸出通知」(「貸出通番=k+2」、「貸出メダル数=0」)を受信する(ステップS517)。電文「貸出通知」(「貸出通番=k+2」、「貸出メダル数=0」)の受信後、メダル数制御CPU301は、ユニットCPU501に対して、電文「貸出受領結果応答」(「貸出通番=k+2」、「受領結果=正常」)を送信し、ユニットCPU501は当該電文「貸出受領結果応答」(「貸出通番=k+2」、「受領結果=正常」)を受信する(ステップS518)。なお、貸出メダル数が「0」であるので、メダル数制御CPU301によりメモリ302で記憶して管理している遊技メダル数は「100」のままであり、ユニットCPU501によりメモリ502で記憶して管理している持ちメダル数は「120」のままである。
【0267】
なお、
図22の通信シーケンスにおける計数スイッチ31の押下操作前のスロットマシンSM側でメダル数制御CPU301によりメモリ302で記憶して管理されている遊技メダル数が「70」の場合、ステップS503では計数メダル上限数「50」である計数メダル数「50」が電文「計数通知」を用いて通知され、ステップS509では計数メダル上限数「50」未満である計数メダル数「20」が電文「計数通知」を用いて通知される。
【0268】
また、計数スイッチ31が離されるタイミングが
図22の通信シーケンスの場合よりも遅かった場合には、ステップS513の後、ステップS508~ステップS513と同様の処理(例えば電文「計数通知」(「数通番=m+2」、「計数メダル数=50」、計数累積メダル枚数=150」)の送受信や、遊技メダル数を「50」に更新する処理、持ちメダル数を「170」に更新する処理)が実施される。このように、例えば、計数スイッチ31の押下中は、計数メダル上限数を上限とする計数メダル数を通知する電文「計数通知」が1周期の時間長が300ms以上310ms以下の範囲である周期で繰り返し送受信される。
【0269】
また、
図22の通信シーケンスにおけるステップS501での計数スイッチ31の押下操作が短押しの場合には、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301からカードユニットCUのユニットCPU501に、電文「計数通知」を用いて、計数メダル数「1」が通知される。
【0270】
(基本通信シーケンスにおける貸出の一具体例)
続いて、
図17のスロットマシンSMとカードユニットCU間の基本通信シーケンスにおける、スロットマシンSMとカードユニットCU間での貸出の一具体例について
図23を用いて説明する。ただし、
図23の通信シーケンスでは、貸出スイッチ503aの押下操作前に、スロットマシンSM側でメダル数制御CPU301によりメモリ302で記憶して管理されている遊技メダル数(メモリ302に記憶されている遊技メダル数データを用いて管理されているスロットマシンSM側で遊技者が所持しているメダル数)は「10」であり、カードユニットCU側でユニットCPU501によりメモリ502で記憶して管理されている持ちメダル数(メモリ502に記憶されている持ちメダル数データを用いて管理されているカードユニットCU側で遊技者が所持しているメダル数)は「150」であるとする。なお、電文「遊技機情報通知」、「計数通知」、「貸出通知」、「貸出受領結果応答」の送信タイミングについて、その詳細は
図17を用いて説明しているので、
図23の説明では省略する。なお、
図23では、メダル数制御CPU301とユニットCPU501との間の通信は、メダル数制御CPU301のユニット間送受信手段301eの機能と、ユニットCPU501の送受信手段501eの機能により実現される。
【0271】
カードユニットCU側のユニットCPU501により、貸出スイッチ503aの押下操作が検出される(ステップS601)。
【0272】
この実施形態では、電文「貸出通知」で通知される貸出メダル数に関して、「50」を上限とする。なお、貸出メダル数の上限を「貸出メダル上限数」と記載する。電文「貸出通知」で通知される貸出メダル数は、ユニットCPU501によりメモリ502で記憶して管理されている持ちメダル数が貸出メダル上限数「50」以上であれば持ちメダル数に基づいて「50」に設定され、持ちメダル数が「1」以上で貸出メダル上限数「50」未満であれば持ちメダル数に基づいて「ユニットCPU501によりメモリ502で記憶して管理されている持ちメダル数」に設定される。また、持ちメダル数が「0」の場合には、電文「貸出通知」で通知される貸出メダル数は、ユニットCPU501によりメモリ502で記憶して管理されている現金残高(メモリ502に記憶されている残高データを用いて管理されているカードユニットCU側で遊技者が所持している現金残高)に相当するメダル数が貸出メダル上限数「50」以上であれば現金残高に基づいて「50」に設定され、現金残高に相当するメダル数が「1」以上で貸出メダル上限数「50」未満であれば現金残高に基づいて「ユニットCPU501によりメモリ502で記憶して管理されている現金残高に相当するメダル数」に設定され、現金残高に相当するメダル数が「0」であれば現金残高に基づいて「0」に設定される。
【0273】
なお、持ちメダル数に基づく貸出が現金残高に基づく貸出よりも優先して行われるとしているが、これに限定されるものではない。また、例えば、47枚(等価)、200枚(5スロ)、500枚(2スロ)など、レート等によって現金1000円に対応する枚数が異なり、貸出スイッチ503aの1回で1000円分を貸し出したり(例えば、貸出スイッチ503aの1回の操作で47枚(等価)を貸し出したり)、貸出スイッチ503aの1回で500円分を貸し出したり(例えば、貸出スイッチ503aの1回の操作で100枚(5スロ)を50枚単位での2回の処理で貸し出したり)する。
【0274】
スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、カードユニットCUのユニットCPU501に対して、電文「遊技機情報通知」(「通番=n」、「遊技メダル数=10」)を送信し、ユニットCPU501は当該電文「遊技機情報通知」(「通番=n」、「遊技メダル数=10」)を受信する(ステップS602)。
【0275】
電文「遊技機情報通知」(「通番=n」、「遊技メダル数=10」)の送信後、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、カードユニットCUのユニットCPU501に対して、電文「計数通知」(「計数通番=m」、「計数メダル数=0」、「計数累積メダル数=0」)を送信し、ユニットCPU501は当該電文「計数通知」(「計数通番=m」、「計数メダル数=0」、「計数累積メダル数=0」)を受信する(ステップS603)。なお、計数メダル数が「0」であるので、メダル数制御CPU301によりメモリ302で記憶して管理している遊技メダル数は「10」のままであり、ユニットCPU501によりメモリ502で記憶して管理している持ちメダル数は「150」のままである。
【0276】
電文「計数通知」(「計数通番=m」、「計数メダル数=0」、「計数累積メダル数=0」)の受信後、カードユニットCUのユニットCPU501は、貸出処理手段501bにより、ユニットCPU501によりメモリ502で記憶して管理されている持ちメダル数「150」を基に貸出メダル数を貸出メダル上限数「50」に決定する。ユニットCPU501は、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301に対して、電文「貸出通知」(「貸出通番=k」、「貸出メダル数=50」)を送信し、メダル数制御CPU301は当該電文「貸出通知」(「貸出通番=k」、「貸出メダル数=50」)を受信する(ステップS604)。電文「貸出通知」(「貸出通番=k」、「貸出メダル数=50」)の受信後、メダル数制御CPU301は、ユニットCPU501に対して、電文「貸出受領結果応答」(「貸出通番=k」、「受領結果=正常」)を送信し、ユニットCPU501は当該電文「貸出受領結果応答」(「貸出通番=k」、「受領結果=正常」)を受信する(ステップS605)。メダル数制御CPU301は、借受処理手段301b1により、メダル数制御CPU301によりメモリ302で記憶して管理している遊技メダル数を、貸出メダル数「50」分加算した「60」に更新する(ステップS606)。また、ユニットCPU501は、貸出処理手段501bにより、ユニットCPU501によりメモリ502で記憶して管理している持ちメダル数を、貸出メダル数「50」分減算した「100」に更新する(ステップS607)。
【0277】
電文「貸出受領結果応答」(「貸出通番=k」、「受領結果=正常」)の送信後、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、カードユニットCUのユニットCPU501に対して、電文「遊技機情報通知」(「通番=n+1」、「遊技メダル数=60」)を送信し、ユニットCPU501は当該電文「遊技機情報通知」(「通番=n+1」、「遊技メダル数=60」)を受信する(ステップS608)。
【0278】
電文「遊技機情報通知」(「通番=n+1」、「遊技メダル数=60」)の送信後、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、カードユニットCUのユニットCPU501に対して、電文「計数通知」(「計数通番=m+1」、「計数メダル数=0」、「計数累積メダル数=0」)を送信し、ユニットCPU501は当該電文「計数通知」(「計数通番=m+1」、「計数メダル数=0」、「計数累積メダル数=0」)を受信する(ステップS609)。なお、計数メダル数が「0」であるので、メダル数制御CPU301によりメモリ302で記憶して管理している遊技メダル数は「60」のままであり、ユニットCPU501によりメモリ502で記憶して管理している持ちメダル数は「100」のままである。
【0279】
電文「計数通知」(「計数通番=m+1」、「計数メダル数=0」、「計数累積メダル数=0」)の受信後、カードユニットCUのユニットCPU501は、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301に対して、電文「貸出通知」(「貸出通番=k+1」、「貸出メダル数=0」)を送信し、メダル数制御CPU301は当該電文「貸出通知」(「貸出通番=k+1」、「貸出メダル数=0」)を受信する(ステップS610)。電文「貸出通知」(「貸出通番=k+1」、「貸出メダル数=0」)の受信後、メダル数制御CPU301は、ユニットCPU501に対して、電文「貸出受領結果応答」(「貸出通番=k+1」、「受領結果=正常」)を送信し、ユニットCPU501は当該電文「貸出受領結果応答」(「貸出通番=k+1」、「受領結果=正常」)を受信する(ステップS611)。なお、貸出メダル数が「0」であるので、メダル数制御CPU301によりメモリ302で記憶して管理している遊技メダル数は「60」のままであり、ユニットCPU501によりメモリ502で記憶して管理している持ちメダル数は「100」のままである。
【0280】
なお、
図23の通信シーケンスにおける貸出スイッチ503aの押下操作前のユニットCPU501によりメモリ502で記憶して管理されている持ちメダル数が「20」の場合、ステップS604では貸出メダル上限数「50」未満である貸出メダル数「20」が電文「貸出通知」を用いて通知される。
【0281】
なお、計数処理中(計数メダル数が「1」以上である電文「計数通知」の送受信中)は、貸出スイッチ503aを無効として貸出メダル数が「0」である電文「貸出通知」の送受信が行われるようにしてもよい。これに対して、貸出処理中(貸出メダル数が「1」以上である電文「貸出通知」やこれに対する電文「貸出受領結果応答」の送受信中)は、計数スイッチ31を有効とし、貸出処理中に計数スイッチ31が押下された場合には貸出処理から計数処理に切り替わるようにしてもよい。
【0282】
なお、この実施形態では、メダル数制御CPU301がメモリ302に記憶している遊技メダル数データを用いて管理できる最大の遊技メダル数(遊技メダル数表示器26に表示される最大の遊技メダル数)は16383(=214-1)である。
【0283】
この場合において、メダル数制御CPU301が遊技メダル数データを用いて管理している遊技メダル数が0枚~15499枚(一例)である場合、払出を「可」、貸出を「可」とする。
【0284】
また、メダル数制御CPU301が遊技メダル数データを用いて管理している遊技メダル数が15500枚~16383枚である場合、払出を「可」、貸出を「不可」とする。この場合、下記の(1)~(3)の処理が行われる。
(1)遊技者に対して計数スイッチ31の押下操作を促す報知を行う(例えば、メダル数制御CPU301がサブ制御CPU201へ当該報知の要求を行い、サブ制御CPU201は液晶表示器14(
図1参照)に計数スイッチ31の押下操作を促す表示を行ったりするなどの計数スイッチ31の押下操作を促す報知を行う)。但し、計数スイッチ31の押下操作を促す報知のみで、遊技は継続可能な状態である。
(2)カードユニットCUからスロットマシンSMのメダル数制御CPU301への疑似メダルの貸出不可の状態とする。メダル数制御CPU301は、カードユニットCUから受け取った電文「貸出通知」に対する応答として、貸出メダル数受領結果が異常である電文「貸出受領結果応答」をカードユニットCUへ送信し、電文「貸出通知」の貸出メダル数が1以上であっても、メダル数制御CPU301は遊技メダル数データを用いて管理している遊技メダル数を更新せず、カードユニットCUのユニットCPU501はメモリ502に記憶している持ちメダル数データを用いて管理している持ちメダル数を更新しない。
(3)計数スイッチ31の押下操作とは無関係に、例えば、スロットマシンSMにて、又は、試験装置に接続するための試験用インタフェース基板にて、試験用計数信号を所定期間(例えば、疑似メダルの500枚相当の約3500ms)生成して出力する。メダル数制御CPU301は、試験装置に(試験用インタフェース基板を介して)接続されている状態において、試験用計数信号が生成されている所定期間に、計数メダル数が50枚である電文「計数通知」をカードユニットCUに所定回数(例えば、10回)送信し、メダル数制御CPU301は遊技メダル数データを用いて管理している遊技メダル数を更新し、カードユニットCUのユニットCPU501は持ちメダル数データを用いて管理している持ちメダル数を更新する。
【0285】
また、メダル数制御CPU301が遊技メダル数データを用いて管理している遊技メダル数が疑似メダルの払出により16383枚を超える場合、払出を「不可」、貸出を「不可」とする。この場合、スロットマシンSMは払出処理の待機状態となり、計数スイッチ31の押下操作により計数メダル数が50枚である電文「計数通知」をカードユニットCUに送信して払出が「可」になり次第、スロットマシンSMは払出処理に自動復帰する。
【0286】
(スロットマシンにおける主制御CPUとメダル数制御CPU間の疑似メダルの移動)
以下、スロットマシンSMにおける主制御CPU101とメダル数制御CPU301間の疑似メダルの移動に関して、ベットスイッチ7の押下操作に関わるシーケンス(以下、「投入シーケンス」と記載)、疑似メダルの払出(遊技者が疑似メダルを獲得する役に入賞した場合の当該役に対して予め定められた疑似メダルの枚数)の発生に関わるシーケンス(以下、「払出シーケンス」と記載)を
図24、
図25を参照して順に説明する。
【0287】
ただし、主制御CPU101が用いるメモリ102には、
1遊技で用いる(消費する)メダル数を管理するための投入数CT11(
図12の「カウント情報1」、「カウント情報2」の設定に使用)、
1遊技で払い出されるメダル数を管理するための払出数CT12(
図12の「カウント情報1」、「カウント情報2」の設定に使用)、
疑似メダルの投入や精算(投入キャンセル)の過程で投入されているメダル数(投入の場合にはメダル1枚につき「+1」され、精算の場合にはメダル1枚につき「-1」される。:以下、「暫定投入数」と記載)を管理するための暫定投入数CT13、
疑似メダルの払出の過程でまだ払い出されていないメダル数(払い出されるメダル1枚につき「-1」される。:以下、「払出残り数」と記載)を管理するための払出残数CT14、
「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」の第1送信タイミングと次の「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」の第1送信タイミングとの間に、疑似メダルの投入や精算(投入キャンセル)の過程で投入されているメダル数(投入の場合にはメダル1枚につき「+1」され、精算の場合にはメダル1枚につき「-1」される。)を管理するための比較投入メダル数CT15(後述する投入メダル数CT31との比較に使用)、
「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」の第1送信タイミングと次の「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」の第1送信タイミングとの間に、疑似メダルの払出の過程で払い出されているメダル数(払い出されるメダル1枚につき「+1」される。)を管理するための比較払出メダル数CT16(後述する払出メダル数CT32との比較に使用)
などの各カウンタが形成されている。
【0288】
また、メダル数制御CPU301が用いるメモリ302には、
上記した遊技メダル数(スロットマシンSM側で遊技者が所持しているメダル数:投入の場合にはメダル1枚につき「-1」され、精算や払出の場合にはメダル1枚につき「+1」される。)を管理するための遊技メダル数CT30(上記の「遊技メダル数データ」:
図12の「遊技メダル数」の設定に使用)、
「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」の第1送信タイミングと次の「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」の第1送信タイミングとの間に、疑似メダルの投入や精算(投入キャンセル)の過程で投入されているメダル数(投入の場合にはメダル1枚につき「+1」され、精算の場合にはメダル1枚につき「-1」される。)を管理するための投入メダル数CT31(
図12の「投入メダル数」の設定に使用)、
「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」の第1送信タイミングと次の「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」の第1送信タイミングとの間に、主制御CPU101とメダル数制御CPU301との間でのメダルの払出の過程で払い出されているメダル数(払い出されるメダル1枚につき「+1」される。)を管理するための払出メダル数CT32(
図12の「払出メダル数」の設定に使用)
などの各カウンタが形成されている。なお、遊技メダル数CT30の値は、電文「計数通知」に格納された「計数メダル数」分減算されたり、電文「貸出通知」に格納された「貸出メダル数」分加算されたりすることもある。
【0289】
(投入シーケンス)
まず、スロットマシンSMにおける主制御CPU101とメダル数制御CPU301間のベットスイッチ7操作時の疑似メダルの投入に関わるシーケンス(投入シーケンス)について
図24を用いて説明する。なお、
図24では、主制御CPU101とメダル数制御CPU301との間の通信は、主制御CPU101のメダル管理送受信手段101nの機能と、メダル数制御CPU301の主基板間送受信手段301aの機能により実現される。
【0290】
メダル有無信号は、遊技メダル数CT30が1以上であるか否かをメダル数制御CPU301が主制御CPU101に通知するための信号であり、「ON」(1以上)のメダル有無信号がメダル数制御CPU301から主制御CPU101に出力されている(ステップS701)。主制御CPU101は、メダル有無信号が「ON」であることから、遊技メダル数CT30が1以上であることを確認する(ステップS702)。
【0291】
処理可能信号は、メダル数制御CPU301が主制御CPU101とメダル数制御CPU301との間での疑似メダルの移動(以下、「主制御CPU-メダル数制御CPU間メダル移動」と記載)の処理を新たに受け付けて実施可能か否かをメダル数制御CPU301が主制御CPU101に通知するための信号であり、「ON」(実施可)の処理可能信号が、メダル数制御CPU301から主制御CPU101に出力されている(ステップS703)。主制御CPU101は、処理可能信号が「ON」であることから、メダル数制御CPU301が主制御CPU-メダル数制御CPU間メダル移動の処理を新たに受け付けて実施可能であることを確認する(ステップS704)。
【0292】
ベットスイッチ7が押下操作されると(ステップS705)、主制御CPU101の第1投入処理手段101dは、新たな主制御CPU-メダル数制御CPU間メダル移動の処理の開始を要求するための処理開始信号を「OFF」から「ON」(要求)に反転する(ステップS706)。メダル数制御CPU301の第2投入処理手段301b3は、処理開始信号の「OFF」から「ON」への反転を受けることで、新たな主制御CPU-メダル数制御CPU間メダル移動の処理を開始することが確認できたため、処理可能信号を「ON」から「OFF」に反転し、「ON」になった処理開始信号に対する応答として、主制御CPU-メダル数制御CPU間メダル移動の処理を開始したことを通知するための処理中信号を「OFF」から「ON」(開始)に反転する(ステップS707)。
【0293】
主制御CPU101の第1投入処理手段101dは、処理中信号の「OFF」から「ON」への反転を受けることで、メダル数制御CPU301が新たな主制御CPU-メダル数制御CPU間メダル移動の処理中になったことを確認できたため、処理開始信号を「ON」から「OFF」に再反転し、メダル1枚分の投入の処理を要求するための投入処理要求信号を「OFF」から「ON」(要求)に反転する(ステップS708)。メダル数制御CPU301の第2投入処理手段301b3は、投入処理要求信号の「OFF」から「ON」への反転を受けることで、要求処理がメダル1枚分の投入処理であることが確認できたため、処理中信号を「ON」から「OFF」に再反転し、「ON」になった投入処理要求信号に対する応答として、メダル1枚分の投入の処理を開始したことを通知するための投入処理応答信号を「OFF」から「ON」(開始)に反転する(ステップS709)。
【0294】
主制御CPU101の第1投入処理手段101dは、投入処理応答信号の「OFF」から「ON」への反転を受けることで、メダル数制御CPU301がメダル1枚分の投入処理を開始したことを確認できたため、投入処理要求信号を「ON」から「OFF」に再反転し、要求したメダル1枚分の投入の処理に対応する主制御CPU101側での処理の完了に関する通知を行うための第1処理完了信号を「OFF」から「ON」(完了)に反転し、暫定投入数CT13の値を1加算した値にし、比較投入メダル数CT15の値を1加算した値にする(ステップS710)。なお、この実施形態では、第1処理完了信号の「OFF」から「ON」への反転は暫定投入数CT13や比較投入メダル数CT15の更新処理に先立って行われているので、「要求したメダル1枚分の投入の処理に対応する主制御CPU101側での処理の完了に関する通知」は、「当該主制御CPU101側での処理が完了することになることの通知」を指す。なお、比較投入メダル数CT15の値は、第1送信タイミングに応じて「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信すると「0」クリアされるので(
図26~
図29参照)、比較投入メダル数CT15の値は、連続する「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信する第1送信タイミング間の投入メダル数となる。
【0295】
なお、本実施形態では、(1)投入処理要求信号の再反転、(2)第1処理完了信号の反転、(3)暫定投入数CT13の1加算及び比較投入メダル数CT15の1加算の順に実行するとしているが、実施順はこれに限定されるものではない。
【0296】
メダル数制御CPU301の第2投入処理手段301b3は、第1処理完了信号の「OFF」から「ON」への反転を受けることで、主制御CPU101がメダル1枚分の投入処理が完了することが確認できたため、投入処理応答信号を「ON」から「OFF」に再反転し、「ON」になった第1処理完了信号に対する応答として、要求されたメダル1枚分の投入の処理に対応するメダル数制御CPU301側での処理の完了に関する通知を行うための第2処理完了信号を「OFF」から「ON」(完了)に反転し、遊技メダル数CT30の値を1減算した値にし、投入メダル数CT31の値を1加算した値にする(ステップS711)。なお、この実施形態では、第2処理完了信号の「OFF」から「ON」の反転は遊技メダル数CT30や投入メダル数CT31の更新処理に先立って行われているので、「要求されたメダル1枚分の投入の処理に対応するメダル数制御CPU301側での処理の完了に関する通知」は、「当該メダル数制御CPU301側での処理が完了することになることの通知」を指す。なお、投入メダル数CT31の値は、第1送信タイミングに応じて「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信すると「0」クリアされるので(
図26~
図29参照)、投入メダル数CT31の値は、連続する「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信する第1送信タイミング間の投入メダル数となる。
【0297】
なお、本実施形態では、(1)投入処理応答信号の再反転、(2)第2処理完了信号の反転、(3)遊技メダル数CT30の1減算及び投入メダル数CT31の1加算の順に実行するとしているが、実施順はこれに限定されるものではない。
【0298】
主制御CPU101の第1投入処理手段101dは、第2処理完了信号の「OFF」から「ON」への反転を受けることで、メダル数制御CPU301がメダル1枚分の投入処理が完了することが確認できたため、第1処理完了信号を「ON」から「OFF」に再反転する。また、疑似メダルの投入が完了しているので、主制御CPU101の第1投入処理手段101dは、主制御CPU-メダル数制御CPU間メダル移動の処理の終了の指示を通知するための処理終了信号を「OFF」から「ON」(終了)に反転する(ステップS712)。メダル数制御CPU301の第2投入処理手段301b3は、処理終了信号の「OFF」から「ON」への反転を受けることで、主制御CPU101が主制御CPU-メダル数制御CPU間メダル移動の全体の処理が完了したことを確認できたため、第2処理完了信号を「ON」から「OFF」に再反転し、処理可能信号を「OFF」から「ON」に反転する(ステップS713)。
【0299】
主制御CPU101の第1投入処理手段101dは、処理可能信号の「OFF」から「ON」への反転を受けることで、メダル数制御CPU301が主制御CPU-メダル数制御CPU間メダル移動の全体の処理が完了したことを確認できたため、処理終了信号を「ON」から「OFF」に再反転する(ステップS714)。なお、この処理可能信号が「OFF」から「ON」に反転すると、スタートスイッチ9が有効になる。
【0300】
その後、スタートスイッチ9が押下操作されると(ステップS715)、主制御CPU101の第1投入処理手段101dは、投入数CT11の値を暫定投入数CT13の値にし、続いて、暫定投入数CT13の値を「0」にクリアし(ステップS716)、ステップS715でスタートスイッチ9が押下されて遊技が開始されると、スタートスイッチ9が無効になる。なお、投入数CT11の値は、第1送信タイミングに応じて「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信すると「0」クリアされるので(
図26~
図29参照)、暫定投入数CT13の値が設定された投入数CT11の値、つまり、スタートスイッチ9の押下操作で開始される遊技に用いる(消費する)メダル数が、主制御CPU101からメダル数制御CPU301に送信されるのは、スタートスイッチ9が押下操作された後の最初の「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」が送信される第1送信タイミングに対応した1回となる。
【0301】
(払出シーケンス)
次に、スロットマシンSMにおける主制御CPU101とメダル数制御CPU301間の疑似メダルの払出時の疑似メダルの払出に関わるシーケンス(払出シーケンス)について
図25を用いて説明する。なお、
図25では、主制御CPU101とメダル数制御CPU301との間の通信は、主制御CPU101のメダル管理送受信手段101nの機能と、メダル数制御CPU301の主基板間送受信手段301aの機能により実現される。
【0302】
「ON」(実施可)の処理可能信号が、メダル数制御CPU301から主制御CPU101に出力されている(ステップS1101)。主制御CPU101は、処理可能信号が「ON」であることから、メダル数制御CPU301が主制御CPU-メダル数制御CPU間メダル移動の処理を新たに受け付けて実施可能であることを確認する(ステップS1102)。
【0303】
今回の遊技で疑似メダルを獲得する役の入賞による疑似メダルの払出が発生し(ステップS1103)、主制御CPU101の第1払出処理手段101hは払出数CT12の値を「A」にし、払出残数CT14の値を「A」にする(ステップS1104)。なお、払出数CT12の値は、第1送信タイミングに応じて「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信すると「0」クリアされるので(
図26~
図29参照)、1遊技で払い出されるメダル数が、主制御CPU101からメダル数制御CPU301に送信されるのは、払出の発生後の最初の「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」が送信される第1送信タイミングに対応した1回となる。
【0304】
主制御CPU101の第1払出処理手段101hは、主制御CPU-メダル数制御CPU間メダル移動の処理の開始を要求するための処理開始信号を「OFF」から「ON」(要求)に反転する(ステップS1105)。メダル数制御CPU301の第2払出処理手段301b4は、処理開始信号の「OFF」から「ON」への反転を受けることで、新たな主制御CPU-メダル数制御CPU間メダル移動の処理を開始することが確認できたため、処理可能信号を「ON」から「OFF」に反転し、「ON」になった処理開始信号に対する応答として、主制御CPU-メダル数制御CPU間メダル移動の処理を開始したことを通知するための処理中信号を「OFF」から「ON」(開始)に反転する(ステップS1106)。
【0305】
主制御CPU101の第1払出処理手段101hは、処理中信号の「OFF」から「ON」への反転を受けることで、メダル数制御CPU301が新たな主制御CPU-メダル数制御CPU間メダル移動の処理中になったことを確認できたため、処理開始信号を「ON」から「OFF」に再反転し、メダル1枚分の払出の処理を要求するための払出処理要求信号を「OFF」から「ON」(要求)に反転する(ステップS1107)。メダル数制御CPU301の第2払出処理手段301b4は、払出処理要求信号の「OFF」から「ON」への反転を受けることで、要求処理がメダル1枚分の払出処理であることが確認できたため、処理中信号を「ON」から「OFF」に再反転し、「ON」になった払出処理要求信号に対する応答として、メダル1枚分の払出の処理を開始したことを通知するための払出処理応答信号を「OFF」から「ON」(開始)に反転する(ステップS1108)。
【0306】
主制御CPU101の第1払出処理手段101hは、払出処理応答信号の「OFF」から「ON」への反転を受けることで、メダル数制御CPU301がメダル1枚分の払出処理を開始したことを確認できたため、払出処理要求信号を「ON」から「OFF」に再反転し、要求したメダル1枚分の払出の処理に対応する主制御CPU101側での処理の完了に関する通知を行うための第1処理完了信号を「OFF」から「ON」(完了)に反転し、払出残数CT14の値を1減算した値にし、比較払出メダル数CT16の値を1加算した値にする(ステップS1109)。なお、この実施形態では、第1処理完了信号の「OFF」から「ON」の反転は払出残数CT14や比較払出メダル数CT16の更新処理に先立って行われているので、「要求したメダル1枚分の払出の処理に対応する主制御CPU101側での処理の完了に関する通知」は、「当該主制御CPU101側での処理が完了することになることの通知」を指す。なお、比較払出メダル数CT16の値は、第1送信タイミングに応じて「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信すると「0」クリアされるので(
図26~
図29参照)、比較払出メダル数CT16の値は、連続する「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信する第1送信タイミング間の払出メダル数となる。
【0307】
なお、本実施形態では、(1)払出処理要求信号の再反転、(2)第1処理完了信号の反転、(3)払出残数CT14の1減算及び比較払出メダル数CT16の1加算の順に実行するとしているが、実施順はこれに限定されるものではない。
【0308】
メダル数制御CPU301の第2払出処理手段301b4は、第1処理完了信号の「OFF」から「ON」への反転を受けることで、主制御CPU101がメダル1枚分の払出処理が完了することが確認できたため、払出処理応答信号を「ON」から「OFF」に再反転し、「ON」になった第1処理完了信号に対する応答として、要求されたメダル1枚分の払出の処理に対応するメダル数制御CPU301側での処理の完了に関する通知を行うための第2処理完了信号を「OFF」から「ON」(完了)に反転し、遊技メダル数CT30の値を1加算した値にし、払出メダル数CT32の値を1加算した値にする(ステップS1110)。なお、この実施形態では、第2処理完了信号の「OFF」から「ON」の反転は遊技メダル数CT30や投入メダル数CT31の更新処理に先立って行われているので、「要求されたメダル1枚分の払出に対応するメダル数制御CPU301側での処理の完了に関する通知」は、「当該メダル数制御CPU301側での処理が完了することになることの通知」を指す。なお、払出メダル数CT32の値は、第1送信タイミングに応じて「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信すると「0」クリアされるので(
図26~
図29参照)、払出メダル数CT32の値は、連続する「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信する第1送信タイミング間の払出メダル数となる。
【0309】
なお、本実施形態では、(1)払出処理応答信号の再反転、(2)第2処理完了信号の反転、(3)遊技メダル数CT30の1加算及び払出メダル数CT32の1加算の順に実行するとしているが、実施順はこれに限定されるものではない。
【0310】
主制御CPU101の第1払出処理手段101hは、第2処理完了信号の「OFF」から「ON」への反転を受けることで、メダル数制御CPU301がメダル1枚分の精算処理が完了することが確認できたため、第1処理完了信号を「ON」から「OFF」に再反転するが、連続してメダル1枚分の払出処理を行うため、払出処理要求信号を「OFF」から「ON」(要求)の状態に反転する(ステップS1111)。メダル数制御CPU301の第2払出処理手段301b4は、払出処理要求信号の「OFF」から「ON」への反転を受けることで、要求処理がメダル1枚分の払出処理であることが確認できたため、第2処理完了信号を「ON」から「OFF」に再反転し、「ON」になった払出処理要求信号に対する応答として、払出処理応答信号を「OFF」から「ON」(開始)に反転する(ステップS1112)。
【0311】
主制御CPU101の第1払出処理手段101hは、払出処理応答信号の「OFF」から「ON」への反転を受けることで、メダル数制御CPU301がメダル1枚分の払出処理を開始したことを確認できたため、払出処理要求信号を「ON」から「OFF」に再反転し、第1処理完了信号を「OFF」から「ON」(完了)に反転し、払出残数CT14の値を1減算した値にし、比較払出メダル数CT16の値を1加算した値にする(ステップS1113)。なお、比較払出メダル数CT16の値は、第1送信タイミングに応じて「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信すると「0」クリアされるので(
図26~
図29参照)、比較払出メダル数CT16の値は、連続する「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信する第1送信タイミング間の払出メダル数となる。
【0312】
なお、本実施形態では、(1)払出処理要求信号の再反転、(2)第1処理完了信号の反転、(3)払出残数CT14の1減算及び比較払出メダル数CT16の1加算の順に実行するとしているが、実施順はこれに限定されるものではない。
【0313】
メダル数制御CPU301の第2払出処理手段301b4は、第1処理完了信号の「OFF」から「ON」への反転を受けることで、主制御CPU101がメダル1枚分の払出処理が完了することが確認できたため、払出処理応答信号を「ON」から「OFF」に再反転し、「ON」になった第1処理完了信号に対する応答として、第2処理完了信号を「OFF」から「ON」(完了)に反転し、遊技メダル数CT30の値を1加算した値にし、払出メダル数CT32の値を1加算した値にする(ステップS1114)。なお、払出メダル数CT32の値は、第1送信タイミングに応じて「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信すると「0」クリアされるので(
図26~
図29参照)、払出メダル数CT32の値は、連続する「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信する第1送信タイミング間の払出メダル数となる。
【0314】
なお、本実施形態では、(1)払出処理応答信号の再反転、(2)第2処理完了信号の反転、(3)遊技メダル数CT30の1加算及び払出メダル数CT32の1加算の順に実行するとしているが、実施順はこれに限定されるものではない。
【0315】
ステップS1111~S1114の処理は、ステップS1114の終了時点で払出残数CT14の値が「0」になるまで繰り返される。
【0316】
主制御CPU101の第1払出処理手段101hは、第2処理完了信号の「OFF」から「ON」への反転を受けることで、メダル数制御CPU301がメダル1枚分の払出処理が完了することが確認できたため、第1処理完了信号を「ON」から「OFF」に再反転する。また、疑似メダルの払出が完了しているので、主制御CPU-メダル数制御CPU間メダル移動の処理の終了の指示を通知するための処理終了信号を「OFF」から「ON」(終了)に反転する(ステップS1115)。メダル数制御CPU301の第2払出処理手段301b4は、処理終了信号の「OFF」から「ON」への反転を受けることで、主制御CPU101が主制御CPU-メダル数制御CPU間メダル移動の全体の処理が完了したことを確認できたため、第2処理完了信号を「ON」から「OFF」に再反転し、処理可能信号を「OFF」から「ON」に反転する(ステップS1116)。
【0317】
主制御CPU101の第1払出処理手段101hは、処理可能信号の「OFF」から「ON」への反転を受けることで、メダル数制御CPU301が主制御CPU-メダル数制御CPU間メダル移動の全体の処理が完了したことを確認できたため、処理終了信号を「ON」から「OFF」に再反転する(ステップS1117)。
【0318】
なお、スロットマシンSMにおける主制御CPU101とメダル数制御CPU301間の疑似メダルの移動に関して、上記の他に、最大ベットスイッチ8の押下操作に関わるシーケンス(以下、「最大投入シーケンス」と記載)、精算スイッチ33の押下操作に関わるシーケンス(以下、「精算シーケンス」と記載)があり、最大投入シーケンス、精算シーケンスにおいても最大投入数に達するまで、精算が完了するまで、1枚単位で疑似メダルの移動が行われる。最大投入シーケンスにおける疑似メダルの1枚の移動では、主制御CPU101は暫定投入数CT13、比較投入メダル数CT15それぞれの値を1加算した値にし、メダル数制御CPU301は遊技メダル数CT30の値を1減算した値にし、投入メダル数CT31の値を1加算した値にする。また、精算シーケンスにおける疑似メダルの1枚の移動では、主制御CPU101は暫定投入数CT13、比較投入メダル数CT15それぞれの値を1減算した値にし、メダル数制御CPU301は遊技メダル数CT30の値を1加算した値にし、投入メダル数CT31の値を1減算した値にする。この精算シーケンスにおける疑似メダルの1枚の移動では、精算処理要求信号(主制御CPU101がメダル数制御CPU301に対してメダル1枚分の精算の処理を要求する要求信号)、精算処理応答信号(精算処理要求信号に対する応答として、メダル数制御CPU301が主制御CPU101へ送信する応答信号)、第1処理完了信号、第2処理完了信号が用いられる。
【0319】
(主制御CPU101とメダル数制御CPU301間、メダル数制御CPU301とユニットCPU501間の通信)
続いて、スロットマシンSMにおける主制御CPU101とメダル数制御CPU301間の通信と、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301とカードユニットCUのユニットCPU501間の通信の通信シーケンスについて
図26~
図29を用いて説明する。なお、
図26~
図29では、メダル数制御CPU301とユニットCPU501との間の通信は、メダル数制御CPU301のユニット間送受信手段301eの機能と、ユニットCPU501の送受信手段501eの機能により実現され、主制御CPU101とメダル数制御CPU301との間の通信は、主制御CPU101のメダル管理送受信手段101nの機能と、メダル数制御CPU301の主基板間送受信手段301aの機能により実現される。
【0320】
スロットマシンSMのメダル数制御CPU301とカードユニットCUのユニットCPU501との間では、上述したように、電文「遊技機情報通知」は、1周期分の時間長を300ms以上310ms以下の範囲内とする送信周期で、周期的に送信される。
【0321】
スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、周期的にやってくる電文「遊技機情報通知」のカードユニットCUのユニットCPU501への第1送信タイミングに対応し、カードユニットCUのユニットCPU501への電文「遊技機情報通知」の送信に先立つタイミング(以下、「リクエストタイミング」と記載)に、スロットマシンSMの主制御CPU101に対して、情報のリクエストを行う(ステップS1301)。メダル数制御CPU301からリクエストを受けた主制御CPU101は、上述した「ホールコン・不正監視情報」、「遊技機設置情報」、「遊技機性能情報」の各送信周期とこれらの優先順位とを基に、「ホールコン・不正監視情報」に関わるリクエストであると判断し、リクエストタイミングから所定の時間の範囲内のタイミング(ユニットCPU501への電文「遊技機情報通知」の送信に先立つタイミング:以下、「レスポンスタイミング」と記載)に、「ホールコン・不正監視情報」の複数の項目のうち、少なくともメダル数制御CPU301側で管理されていない「カウント情報1」、「カウント情報2」などの項目に関わる情報(投入数CT11、払出数CT12など)、及び、メダル数制御CPU301での不正等の異常の監視に利用する項目の情報(比較投入メダル数CT15、比較払出メダル数CT16、不正検知信号1~3に設定された不正可能性エラー状態の検知の有無、設定変更可能状態の検知の有無、設定確認可能状態の検知の有無、各種エラーの発生の有無、設定ドアの開閉状態、前面パネル2の開閉状態など)を、メダル数制御CPU301に対してレスポンスする(ステップS1302)。
【0322】
ここで、暫定投入数CT13の値が設定された投入数CT11の値(スタートスイッチ9が押下操作で開始される遊技に用いる(消費する)疑似メダル数)が、主制御CPU101からメダル数制御CPU301に送信されるのは、スタートスイッチ9が押下操作された後の最初の「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」が送信される第1送信タイミングに対応した1回となる。なお、それ以外の「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」が送信される第1送信タイミングに対応して、主制御CPU101からメダル数制御CPU301に送信される投入数CT11の値は、「0」である。
【0323】
また、遊技者が疑似メダルを獲得する役の入賞時に払い出される疑似メダルの払出数(遊技者が疑似メダルを獲得する役に入賞した場合の当該役に対して予め定められた疑似メダルの枚数)が設定された払出数CT12の値が、主制御CPU101からメダル数制御CPU301に送信されるのは、払出の発生後の最初の「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」が送信される第1送信タイミングに対応した1回となる。なお、それ以外の「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」が送信される第1送信タイミングに対応して、主制御CPU101からメダル数制御CPU301に送信される払出数CT12の値は、「0」である。
【0324】
また、主制御CPU101からメダル数制御CPU301に送信される比較投入メダル数CT15の値は、主制御CPU101側でカウントした、前回の「ホールコン・不正監視情報」に関わるリクエストから今回の「ホールコン・不正監視情報」に関わるリクエストまでの間に投入又は精算(投入のキャンセル)されたメダル数、つまり、前回の「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信した第1送信タイミングから今回の「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」を送信する第1送信タイミングまでの間に投入又は精算(投入のキャンセル)されたメダル数である。なお、「ホールコン・不正監視情報」に関わるリクエストに応じて比較投入メダル数CT15の値が送信された後、比較投入メダル数CT15の値は「0」にクリアされる。
【0325】
また、主制御CPU101からメダル数制御CPU301に送信される比較払出メダル数CT16の値は、主制御CPU101側でカウントした、前回の「ホールコン・不正監視情報」に関わるリクエストから今回の「ホールコン・不正監視情報」に関わるリクエストまでの間に払い出されたメダル数、つまり、前回の「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信した第1送信タイミングから今回の「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」を送信する第1送信タイミングまでの間に払い出されたメダル数である。なお、「ホールコン・不正監視情報」に関わるリクエストに応じて比較払出メダル数CT16の値が送信された後、比較払出メダル数CT16の値は「0」にクリアされる。
【0326】
なお、ステップS1301で、メダル数制御CPU301が上述した「ホールコン・不正監視情報」、「遊技機設置情報」、「遊技機性能情報」の各送信周期とこれらの優先順位とを基に「ホールコン・不正監視情報」に関わるリクエストを行うと決定して当該リクエストを行い、ステップS1302で、主制御CPU101が「ホールコン・不正監視情報」に関わるリクエストに対するレスポンスを行うようにしてもよい。
【0327】
スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、周期的にやってくる電文「遊技機情報通知」のカードユニットCUのユニットCPU501への第1送信タイミングで、カードユニットCUのユニットCPU501に対して、「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信する(ステップS1303)。続いて、メダル数制御CPU301は、ユニットCPU501に対して、電文「計数通知」を送信する(ステップS1304)。続いて、ユニットCPU501は、メダル数制御CPU301に対して、電文「貸出通知」を送信する(ステップS1305)。続いて、メダル数制御CPU301は、ユニットCPU501に対して、電文「貸出受領結果応答」を送信する(ステップS1306)。
【0328】
メダル数制御CPU301による「ホールコン・不正監視情報」の電文「遊技機情報通知」への格納は、「ホールコン・不正監視情報」の複数の項目のうち、メダル数制御CPU301側で管理している項目については、メダル数制御CPU301側で管理している内容を設定し、主制御CPU101側で管理している項目については、主制御CPU101にリクエストして主制御CPU101からのレスポンスにより取得した主制御CPU101側で管理している内容を設定する。
【0329】
「ホールコン・不正監視情報」の複数の項目のうち、例えば、
図12の項目「遊技メダル数」、「投入メダル数」、「払出メダル数」は、メダル数制御CPU301側で値を管理している項目であり、項目「遊技メダル数」、「投入メダル数」、「払出メダル数」のそれぞれに、遊技メダル数CT30の値、投入メダル数CT31の値、払出メダル数CT32の値を格納する。
【0330】
なお、投入メダル数CT31の値は、メダル数制御CPU301側でカウントした、前回の「ホールコン・不正監視情報」の第1送信タイミングから今回の「ホールコン・不正監視情報」の第1送信タイミングまでの間に投入又は精算(投入のキャンセル)されたメダル数である。なお、「ホールコン・不正監視情報」への格納及び比較投入メダル数CT15との比較の終了後、投入メダル数CT31の値は「0」にクリアされる。
【0331】
また、払出メダル数CT32の値は、メダル数制御CPU301側でカウントした、前回の「ホールコン・不正監視情報」の第1送信タイミングから今回の「ホールコン・不正監視情報」の第1送信タイミングまでの間に払出されたメダル数である。なお、「ホールコン・不正監視情報」への格納及び比較払出メダル数CT16との比較の終了後、払出メダル数CT32の値は「0」にクリアされる。
【0332】
また、「ホールコン・不正監視情報」の複数の項目のうち、例えば、
図12の項目「カウント情報1」、「カウント情報2」は、主制御CPU101側で値を管理している項目であり、次のようにして当該「カウント情報1」、「カウント情報2」を含む「遊技情報」(「遊技情報数」、「種別情報1」、「カウント情報1」、「種別情報2」、「カウント情報2」)に所定の情報を格納する。具体的には、主制御CPU101から送られてきた投入数CT11の値及び払出数CT12の値の双方が「0」の場合、項目「遊技情報数」に「0」が格納される。また、主制御CPU101から送られてきた投入数CT11の値が「0」以外で払出数CT12の値が「0」の場合、項目「遊技情報数」に「1」が格納され、項目「種別情報1」に投入を通知するための値が格納され、項目「カウント情報1」に投入数として投入数CT11の値が格納される。また、主制御CPU101から送られてきた投入数CT11の値が「0」で払出数CT12の値が「0」以外の場合、項目「遊技情報数」に「1」が格納され、項目「種別情報1」に払出を通知するための値が格納され、項目「カウント情報1」に払出数として払出数CT12の値が格納される。また、主制御CPU101から送られてきた投入数CT11の値が「0」以外で払出数CT12の値が「0」以外の場合、項目「遊技情報数」に「2」が格納され、項目「種別情報1」に投入を通知するための値が格納され、項目「カウント情報1」に投入数として投入数CT11の値が格納され、項目「種別情報2」に払出を通知するための値が格納され、項目「カウント情報2」に払出数として払出数CT12の値が格納される。なお、
図12の項目「主制御状態1」、「遊技機不正1」なども主制御CPU101側で値を管理している項目である。
【0333】
メダル数制御CPU301は、ステップS1307において、下記の(処理1)~(処理4)を行う。
【0334】
(処理1)メダル数制御CPU301は、主制御CPU101から受け取った投入数CT11の値が「0」でない場合、投入数CT11の値が、スロットマシンSM及び他のスロットマシンにおいて一般的に想定され得る(規則等で定められている)1遊技で投入するメダル数として設定が許容されている設定許容投入数(この実施形態では、「1」~「3」)であるか否かを確認し、設定許容投入数でなければ所定の報知(例えば、1遊技での投入数の異常の報知)を行う。
【0335】
(処理2)メダル数制御CPU301は、主制御CPU101から受け取った払出数CT12の値が「0」でない場合、払出数CT12の値が、スロットマシンSM及び他のスロットマシンにおいて一般的に想定され得る(規則等で定められている)1遊技で払い出すメダル数として設定が許容されている設定許容払出数(この実施形態では、「1」~「15」)であるか否かを確認し、設定許容払出数でなければ所定の報知(例えば、1遊技での払出数の異常の報知)を行う。
【0336】
(処理3)メダル数制御CPU301は、主制御CPU101から受け取った比較投入メダル数CT15の値と投入メダル数CT31の値とを比較し、比較投入メダル数CT15の値から投入メダル数CT31の値を減算した減算結果が「-1」~「1」の範囲内であるか否かを確認し、範囲内でなければ所定の報知(例えば、前回の「ホールコン・不正監視情報」の送信から今回の「ホールコン・不正監視情報」の送信までの間での投入数の異常の報知)を行う。なお、「-1」~「1」を正常の範囲とするのは、主制御CPU101によるカウント処理とメダル数制御CPU301によるカウント処理との間で「ホールコン・不正監視情報」の第1送信タイミングがあった場合、例えば、投入シーケンスや最大投入シーケンスでは、比較投入メダル数CT15の値が投入メダル数CT31の値より1大きくなり、精算シーケンスでは、比較投入メダル数CT15の値が投入メダル数CT31の値より1小さくなり、次の第1送信タイミングでは投入シーケンスや最大投入シーケンスでは、比較投入メダル数CT15の値が投入メダル数CT31の値より1小さくなり、精算シーケンスでは、比較投入メダル数CT15の値が投入メダル数CT31の値より1大きくなることがあることを踏まえたものである。
【0337】
(処理4)メダル数制御CPU301は、主制御CPU101から受け取った比較払出メダル数CT16の値と払出メダル数CT32の値とを比較し、比較払出メダル数CT16の値から払出メダル数CT32の値を減算した減算結果が「-1」~「1」の範囲内であるか否かを確認し、範囲内でなければ所定の報知(例えば、前回の「ホールコン・不正監視情報」の送信から今回の「ホールコン・不正監視情報」の送信までの間での払出数の異常の報知)を行う。なお、「-1」~「1」を正常の範囲とするのは、主制御CPU101によるカウント処理とメダル数制御CPU301によるカウント処理との間で「ホールコン・不正監視情報」の第1送信タイミングがあった場合、払出シーケンスでは、例えば、比較払出メダル数CT16の値が払出メダル数CT32の値より1大きくなり、次の第1送信タイミングでは比較払出メダル数CT16の値が払出メダル数CT32の値より1小さくなることがあることを踏まえたものである。
【0338】
主制御CPU101は、ステップS1302の処理の後、投入数CT11、払出数CT12、比較投入メダル数CT15、比較払出メダル数CT16の各値を「0」にクリアする(ステップS1308)。また、メダル数制御CPU301は、ステップS1307の処理の後、投入メダル数CT31、払出メダル数CT32の各値を「0」にクリアする(ステップS1309)。
【0339】
次の「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」が送信される第1送信タイミングに対応したリクエストタイミングになるまでに、疑似メダルの投入、疑似メダルの精算(疑似メダルの投入のキャンセル)及び疑似メダルの払出のいずれかに関わる疑似メダルの移動の契機が発生したとき、当該リクエストタイミングになるのを待たずに、疑似メダルの移動シーケンスが行われ、ここでは移動シーケンス全体が行われる(ステップS1310)。
【0340】
ここで、疑似メダルの移動の契機がメダルの投入に関するベットスイッチ7の押下操作の場合、実施される移動シーケンスは
図24の投入シーケンスのステップS706~S716となる。また、疑似メダルの移動の契機が疑似メダルの投入に関する最大ベットスイッチ8の押下操作の場合、実施される移動シーケンスは最大投入シーケンスとなる。また、疑似メダルの移動の契機が疑似メダルの精算(投入のキャンセル)に関する精算スイッチ33の押下操作の場合、実施される移動シーケンスは精算シーケンスとなる。また、疑似メダルの移動の契機が疑似メダルの払出に関するものである場合、実施される移動シーケンスは
図25の払出シーケンスのステップS1104~S1117となる。
【0341】
ステップS1311~ステップS1319では、上記したステップS1301~S1309と同内容が実施される。
【0342】
次の「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」が送信される第1送信タイミングに対応したリクエストタイミングになるまでに、疑似メダルの投入、疑似メダルの精算(疑似メダルの投入のキャンセル)及び疑似メダルの払出のいずれかに関わる疑似メダルの移動の契機が発生したとき、当該リクエストタイミングになるのを待たずに、疑似メダルの移動シーケンスが行われるが、疑似メダルの移動シーケンス中に当該リクエストタイミングがやってくるとステップS1321~1329が優先して行われることとなる。ここでは移動シーケンスの前半のみが行われる(ステップS1320)。
【0343】
ここで、疑似メダルの移動の契機がメダルの投入に関するベットスイッチ7の押下操作の場合、実施される移動シーケンスは
図24の投入シーケンスのステップS706からの連続する一部となる。また、疑似メダルの移動の契機がメダルの投入に関する最大ベットスイッチ8の押下操作の場合、実施される移動シーケンスは最大投入シーケンスの前半の連続する一部となる。また、疑似メダルの移動の契機がメダルの精算(投入のキャンセル)に関する精算スイッチ33の押下操作の場合、実施される移動シーケンスは精算シーケンスの前半の連続する一部となる。また、疑似メダルの移動の契機が疑似メダルの払出に関するものである場合、実施される移動シーケンスは
図25の払出シーケンスのステップS1104からの連続する一部となる。
【0344】
なお、この実施形態では、疑似メダルの移動シーケンス中にリクエストタイミングがやってくると即座に当該疑似メダルの移動シーケンスを中断してステップS1321~1329が優先して行われるようにしているが、これに限定されるものではなく、例えば、
図24のステップS708~S711の途中にリクエストタイミングがやってきた場合にはステップS711の処理が終了してから疑似メダルの移動シーケンスを中断してステップS1321~1329を行うようにするなど、メダル1枚分の移動処理の途中にリクエストタイミングがやってきた場合にはメダル1枚分の移動処理が完了するまでは疑似メダルの移動シーケンスを継続して行い、メダル1枚分の移動処理が完了した後に疑似メダルの移動シーケンスを中断してステップS1321~1329を行うようにしてもよい。この場合、主制御CPU101から受け取った比較投入メダル数CT15の値と投入メダル数CT31の値との比較では、比較投入メダル数CT15の値と投入メダル数CT31の値とが同じでなければ所定の報知(例えば、前回の「ホールコン・不正監視情報」の送信から今回の「ホールコン・不正監視情報」の送信までの間での投入数の異常の報知)を行うようにし、主制御CPU101から受け取った比較払出メダル数CT16の値と払出メダル数CT32の値との比較では、比較払出メダル数CT16の値と払出メダル数CT32の値とが同じでなければ所定の報知(例えば、前回の「ホールコン・不正監視情報」の送信から今回の「ホールコン・不正監視情報」の送信までの間での払出数の異常の報知)を行うようにしてもよい。
【0345】
ステップS1321~ステップS1329では、上記したステップS1301~S1309と同内容が実施される。
【0346】
次の「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」が送信される第1送信タイミングに対応したリクエストタイミングになるまでに、ステップS1320で前半が実施された移動シーケンスの後半が行われる(ステップS1330)。
【0347】
ここで、ステップS1320で投入シーケンスの前半が実施された場合には、
図24の投入シーケンスの続きからステップS716までとなる。また、ステップS1320で最大投入シーケンスの前半が実施された場合には、最大投入シーケンスの続きからの後半となる。また、ステップS1320で精算シーケンスの前半が実施された場合には、精算シーケンスの続きからの後半となる。また、ステップS1320で払出シーケンスの前半が実施された場合には、
図25の払出シーケンスの続きからステップS1117までとなる。
【0348】
ステップS1331~ステップS1339では、上記したステップS1301~S1309と同内容が実施される。
【0349】
なお、移動シーケンスは、前回の電文「遊技機情報通知」と今回の電文「遊技機情報通知」との間で一の移動シーケンスの全部又は一部と他の移動シーケンスの全部又は一部が行われる場合があってもよいし、移動シーケンスが3以上に分かれて実施される場合などがあってもよい。
【0350】
次の「ホールコン・不正監視情報」を格納する電文「遊技機情報通知」が送信される第1送信タイミングに対応したリクエストタイミングになるまでに、疑似メダルの投入、疑似メダルの精算(疑似メダルの投入のキャンセル)及び疑似メダルの払出のいずれに関わる疑似メダルの移動の契機も発生せず、移動シーケンスが行われない。この場合も、ステップS1340~S1348において、ステップS1301~S1309と同内容が実施される。
【0351】
続いて、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、周期的にやってくる電文「遊技機情報通知」のカードユニットCUのユニットCPU501への第1送信タイミングに対応し、カードユニットCUのユニットCPU501への電文「遊技機情報通知」の送信に先立つタイミング(リクエストタイミング)に、スロットマシンSMの主制御CPU101に対して、情報のリクエストを行う(ステップS1349)。メダル数制御CPU301からリクエストを受けた主制御CPU101は、上述した「ホールコン・不正監視情報」、「遊技機設置情報」、「遊技機性能情報」の各送信周期とこれらの優先順位とを基に、「遊技機設置情報」に関わるリクエストであると判断し、リクエストタイミングから所定の時間の範囲内のタイミング(ユニットCPU501への電文「遊技機情報通知」の送信に先立つタイミング:レスポンスタイミング)に、「遊技機設置情報」の複数の項目のうち、少なくともメダル数制御CPU301側で管理されていない項目(この実施形態では
図11の項目「主制御チップID番号」~項目「主制御チップ製品コード」の項目)の情報を、メダル数制御CPU301に対してレスポンスする(ステップS1350)。
【0352】
スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、周期的にやってくる電文「遊技機情報通知」のカードユニットCUのユニットCPU501への第1送信タイミングに、カードユニットCUのユニットCPU501に対して、「遊技機設置情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信する(ステップS1351)。続いて、メダル数制御CPU301は、ユニットCPU501に対して、電文「計数通知」を送信する(ステップS1352)。続いて、ユニットCPU501は、メダル数制御CPU301に対して、電文「貸出通知」を送信する(ステップS1353)。続いて、メダル数制御CPU301は、ユニットCPU501に対して、電文「貸出受領結果応答」を送信する(ステップS1354)。
【0353】
続いて、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、周期的にやってくる電文「遊技機情報通知」のカードユニットCUのユニットCPU501への第1送信タイミングに対応し、カードユニットCUのユニットCPU501への電文「遊技機情報通知」の送信に先立つタイミング(リクエストタイミング)に、スロットマシンSMの主制御CPU101に対して、情報のリクエストを行う(ステップS1355)。メダル数制御CPU301からリクエストを受けた主制御CPU101は、上述した「ホールコン・不正監視情報」、「遊技機設置情報」、「遊技機性能情報」の各送信周期とこれらの優先順位とを基に、「遊技機性能情報」に関わるリクエストであると判断し、リクエストタイミングから所定の時間の範囲内のタイミング(ユニットCPU501への電文「遊技機情報通知」の送信に先立つタイミング:レスポンスタイミング)に、「遊技機性能情報」の複数の項目のうち、少なくともメダル数制御CPU301側で管理されていない項目(この実施形態では
図10の項目「総投入数」~項目「役物等状態比率」)の情報を、メダル数制御CPU301に対してレスポンスする(ステップS1356)。
【0354】
スロットマシンSMのメダル数制御CPU301は、周期的にやってくる電文「遊技機情報通知」のカードユニットCUのユニットCPU501への第1送信タイミングに、カードユニットCUのユニットCPU501に対して、「遊技機性能情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信する(ステップS1357)。続いて、メダル数制御CPU301は、ユニットCPU501に対して、電文「計数通知」を送信する(ステップS1358)。続いて、ユニットCPU501は、メダル数制御CPU301に対して、電文「貸出通知」を送信する(ステップS1359)。続いて、メダル数制御CPU301は、ユニットCPU501に対して、電文「貸出受領結果応答」を送信する(ステップS1360)。
【0355】
なお、「遊技機設置情報」を格納した電文「遊技機情報通知」や「遊技機性能情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信する第1送信タイミングに関しては、
図25のステップS1307~S1309に対応する処理は行われない。
【0356】
なお、「遊技機情報通知」の送信に先立って行われるメダル数制御CPU301のリクエストに対する主制御CPU101のレスポンスに含まれる情報が、本発明の「遊技情報」に相当する。
【0357】
(「遊技機情報」の各項目の送信タイミングが重なった場合)
送信項目制御手段301gは、電文「遊技機情報通知」を300msを一周期として周期的にカードユニットCUに送信する。「遊技機情報通知」のデータ部の一部である「遊技機情報」も300msごとにカードユニットCUに送信される。「遊技機情報」には、「遊技機性能情報」、「遊技機設置情報」、「ホールコン・不正監視情報」の3種類の項目がさらにあり、送信項目制御手段301gは、1回の送信タイミングにおいて「遊技機性能情報」、「遊技機設置情報」、「ホールコン・不正監視情報」のいずれか一つを送信する。
【0358】
送信項目制御手段301gによる「遊技機性能情報」、「遊技機設置情報」、「ホールコン・不正監視情報」の基本的な送信タイミングに関して、
「遊技機設置情報」は、スロットマシンSMの起動が完了してから60s経過後に
電文「遊技機情報通知」の「遊技機情報」としてカードユニットCUに送信し、その後は60s周期で送信する。
「遊技機性能情報」は、スロットマシンSMの起動が完了してから180s経過後に
電文「遊技機情報通知」の「遊技機情報」としてカードユニットCUに送信し、その後は180s周期で送信する。
「ホールコン・不正監視情報」は、スロットマシンSMの起動が完了したときに電文「遊技機情報通知」の「遊技機情報」としてカードユニットCUに送信し、その後は300ms周期で送信する。
【0359】
これらの送信タイミングによると、「遊技機設置情報」と「ホールコン」・不正監視情報」とで送信タイミングが重なる場合と、「遊技機性能情報」、「遊技機設置情報」、「ホールコン・不正監視情報」の全ての送信タイミングが重なる場合がある。この場合、
図20で示す優先順位に基づいて、送信項目制御手段301gは、「遊技機設置情報」、「遊技機性能情報」、「ホールコン・不正監視情報」の順でカードユニットCUに送信する。したがって、送信項目制御手段301gは、「遊技機設置情報」、「遊技機性能情報」、「ホールコン・不正監視情報」の全ての送信タイミングが重なった場合は、最も優先順位が高い「遊技機設置情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信する。
【0360】
このとき、残りの「遊技機設置情報」と「ホールコン・不正監視情報」とは次の周期(300ms後)に送信されることになるが、次の周期では優先順位が高い「遊技機設置情報」を格納した電文「遊技機情報通知」が送信される。そして、さらに次の周期で「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」が送信される。
【0361】
このような送信構成によると、次のような問題が生じ得る。例えば、「ホールコン・不正監視情報」の中には、前回の送信タイミングから当該送信タイミングの間に、主制御CPU101とメダル数制御CPU301との間で処理された疑似メダルの投入数が格納されている(
図12の「遊技機情報」の「投入メダル数」参照)。
図30に示すように、1遊技を行うのに必要な規定疑似メダル数(3枚)のうち、1枚だけが主制御CPU101とメダル数制御CPU301との間で投入処理が完了した状態で「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」が送信されたとする(送信タイミングA1)。この場合、「投入メダル数」として1枚がカードユニットCUに送信される。
【0362】
そして、次の周期である送信タイミングA2となるまでの間に残りの投入処理が完了し、さらにスタートスイッチ9が操作されて遊技が開始し、送信タイミングA2で「遊技機設置情報」、「遊技機性能情報」、「ホールコン・不正監視情報」の全ての送信タイミングが重なったとする。この場合、上記した優先順位によれば、送信タイミングA2では、「遊技機設置情報」を格納した電文「遊技機情報通知」が送信され、残りの項目の送信は保留となる。
【0363】
遊技が開始された情報で訪れる次の周期の送信タイミングA3では、優先順位が高い「遊技機性能情報」を格納した電文「遊技機情報通知」が送信され、「ホールコン・不正監視情報」の送信は保留となる。さらに次の周期の送信タイミングA4となるまでの間にストップスイッチ10L,10M,10Rが操作されて遊技が終了し、次の遊技の投入処理(疑似メダル3枚)が完了していたとする。この場合、送信タイミングA4では、「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」が送信されることになるが、「投入メダル数」は前回遊技の2枚分と当該遊技の3枚分の5枚となり、当該情報がカードユニットCUに送信されることになる。
【0364】
なお、1回の遊技の最大投入枚数は3枚と規定されており、3枚のメダルの投入がキャンセルされた場合を想定して、カードユニットCUが受信する「投入メダル数」の範囲が-3枚~+3枚に設定されている。この範囲を超えた情報を受信した場合、カードユニットCUではエラーとして認識する。したがって、
図30のような優先順位に則って各情報(「遊技機設置情報」、「遊技機性能情報」、「ホールコン・不正監視情報」)を送信する構成では、正常な投入処理が行われているにも関わらずカードユニットCUでエラーとして認定される場合がある。そこで、このようなエラーを防止するために、送信項目制御手段301gは、
図31のように各項目の送信を制御する。
【0365】
例えば、1遊技を行うのに必要な規定疑似メダル数(3枚)のうち、1枚だけが主制御CPU101とメダル数制御CPU301との間で投入処理が完了した状態で「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」が送信されたとする(送信タイミングB1)。この場合、「投入メダル数」として1枚がカードユニットCUに送信される。そして、次の周期である送信タイミングB2となるまでの間に残りの投入処理が完了し、さらにスタートスイッチ9が操作されて遊技が開始したとする。このとき、主制御CPU101から遊技が開始したことを示す投入信号が送信されるようにし、当該信号の受信に基づき、送信項目制御手段301gが投入完了フラグをONに設定する。投入完了フラグは、例えば、フラグ格納手段302bの所定の領域に設定することができる。
【0366】
次の送信タイミングB2で「遊技機設置情報」、「遊技機性能情報」、「ホールコン・不正監視情報」の全ての送信タイミングが重なったとする。このとき、送信項目制御手段301gは、送信タイミングが重なった情報の優先順位を判定するよりも前に投入完了フラグを確認する。確認の結果、当該フラグがONに設定されている場合は、予め定められた優先順位の判定を行うフローに到達するよりも前に「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信する。この場合、「投入メダル数」として残りの2枚がカードユニットCUに送信される(-3枚~+3枚の範囲内)。このとき、「遊技機設置情報」、「遊技機性能情報」は送信保留となる。なお、投入完了フラグは「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信したタイミングでOFFとなるように設定してもよいし、全てのストップスイッチ10L,10M,10Rが操作されて遊技が終了したことを示す信号が主制御CPU101から送信されたタイミングでOFFとなるように設定してもよい。
【0367】
遊技が開始された情報で訪れる次の周期の送信タイミングB3では、投入完了フラグがOFFに設定されていることから、優先順位が高い方の「遊技機設置情報」を格納した電文「遊技機情報通知」が送信され、優先順位が低い方の「遊技機性能情報」は保留となる。さらに次の周期の送信タイミングB4となるまでの間にストップスイッチ10L,10M,10Rが操作されて遊技が終了し、次の遊技の投入処理(疑似メダル3枚)が完了していたとする。送信タイミングB4において、スタートスイッチ9が操作されておらず遊技が開始していない場合は、投入信号が設定されておらず投入完了フラグがOFFに設定された状態となる。この場合、送信項目制御手段301gは、優先順位が高い保留状態の「遊技機性能情報」を格納した電文「遊技機情報通知」を送信し、「ホールコン・不正監視情報」は保留となる。そして、送信タイミングB4の次の周期の送信タイミング(図示省略)において、保留状態の「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」が送信されることになる。このとき、「投入メダル数」として+3枚がカードユニットCUに送信される(-3枚~+3枚の範囲内)。
【0368】
仮に送信タイミングB4までの投入完了フラグがONに設定されていた場合は、「ホールコン・不正監視情報」が優先され、「投入メダル数」として残りの+3枚がカードユニットCUに送信される(-3枚~+3枚の範囲内)。また、「ホールコン・不正監視情報」の中には「払出メダル数」の項目もあり、1回の遊技の払出メダル数の範囲が0~+15枚と規定されており、この範囲を超えた情報を受信した場合、カードユニットCUではエラーとして認識する。したがって、払出メダル数についても、遊技の払出処理の途中で送信タイミングがきた場合は、「投入メダル数」の場合と同様のエラーが発生し得る。
【0369】
例えば、疑似メダル15枚の払い出しが得られる役に入賞した際、3枚の払い出し処理が主制御CPU101とメダル数制御CPU301との間で完了したときに「ホールコン・不正監視情報」が送信され、との次の周期で「遊技機設置情報」、「遊技機性能情報」、「ホールコン・不正監視情報」の全ての送信タイミングが重なった場合、「ホールコン・不正監視情報」の送信が保留されると、次の遊技が終了して疑似メダル15枚の払い出しが得られる役にさらに入賞した場合は、「払出メダル数」として、前の遊技の残りの12枚と当該遊技の15枚を合わせた27枚が送信され得る(0~+15枚の範囲外)。
【0370】
したがって、主制御CPU101は、遊技が終了して払出処理が完了したときにメダル数制御CPU301に払出完了信号を送信し、当該信号を受信した送信項目制御手段301gは、払出完了フラグをONに設定する。そして、当該フラグがONに設定された状態では、他の項目と送信タイミングが重なっていても、「ホールコン・不正監視情報」を格納した電文「遊技機情報通知」が送信するようにする。払出完了フラグは、例えば、フラグ格納手段302bの所定の領域に設定することができる。このようにすれば、払出メダル数に関しても、カードユニットCUがエラーとして認識するのを防止できる。
【0371】
なお、「遊技機設置情報」、「遊技機性能情報」、「ホールコン・不正監視情報」の送信タイミングを管理するためのタイマを設け、送信項目制御手段301gは、投入完了フラグがONに設定した際に、「遊技機設置情報」、「遊技機性能情報」それぞれのタイマを+300ms加算する構成であってもよい。このようにすると、
図31と同じ送信態様となる。
【0372】
なお、上記した実施形態では、優先順位を変更する条件として、「遊技機設置情報」、「遊技機性能情報」、「ホールコン・不正監視情報」の全ての送信タイミングが重なるのを条件とし、投入完了フラグや払出完了フラグを確認し、優先順位の変更を行っていたが、これに限定されるものではなく、「遊技機設置情報」または「遊技機性能情報」と「ホールコン・不正監視情報」の送信タイミングが重なるのを条件としてもよく、送信タイミングが重なるのを条件とせず、投入完了フラグのON/OFFのみで優先順位の変更を行ってもよい。
【0373】
また、優先順位を変更する他の条件として、投入完了フラグのON/OFFだけでなく、遊技機の状態がBB(ビッグボーナス)、RB(レギュラーボーナス)、AT(アシストタイム)に移行した場合、もしくは、「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の主制御状態1においてBB、RB、AT(Bit0~2:
図12)であることを示すデータに「1」が設定された信号が送信される場合に、優先順位の変更(「ホールコン・不正監視情報」の送信を優先させる変更)を行うようにしてもよい。この場合、投入完了フラグのON/OFFを優先順位の変更の条件とする必要はない。
【0374】
(払出情報生成処理)
次に、
図32を参照して、遊技終了時の払出処理について説明する。この実施形態では、リール回転制御手段101fによる各リール6L,6M,6Rの停止制御は、各リール6L,6M,6Rそれぞれにおいて、当該リール6L,6M,6Rに対応するストップスイッチ10L,10M,10Rが操作(押下)されたタイミングで開始する。このとき、リール回転制御手段101fは、役抽選結果とストップスイッチ10L,10M,10Rが操作されたタイミングとに基づいて停止テーブル102bを決定し、当該テーブル102bに基づいてリール6L,6M,6Rの停止制御を行う。つまり、リール回転制御手段101fが停止テーブル102bを決定した時点で停止にかかるリール6L,6M,6Rがどの位置で停止するかは決まっている。また、ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作が有効な状態で押下された場合は、その押下が継続している状態であっても、リール6L,6M,6Rは停止する。
【0375】
いずれの役に入賞したか否かの判定は、第3停止リールにかかるストップスイッチ10L,10M,10Rが操作されてリール回転制御手段101fが停止テーブル102bを選択した時点で判定可能である。したがって、この実施形態において判定手段101gは、(i)第1、第2停止リールの停止態様、すなわち、第1、第2停止リールそれぞれのストップスイッチ10L,10M,10Rの操作タイミングと、(ii)役抽選結果と、(iii)第3停止リールのストップスイッチ10L,10M,10Rの操作タイミング(第3停止にかかるストップスイッチ10L,10M,10Rの操作に基づいて停止テーブル102bを選択したタイミング)とに基づいて決定する。
【0376】
したがって、判定手段101gは、第3停止リールのストップスイッチ10L,10M,10Rの押下が継続しているか否か(その押下を止めるか否か)に関わらず、当該押下が行われたタイミングで判定処理(払出情報生成処理)を実行する。生成された払出情報は、第3停止リールのストップスイッチ10L,10M,10Rの押下が継続しているか否か(その押下を止めるか否か)に関わらず、払出情報生成処理が終了した時点で主制御CPU101(判定手段101g)からメダル数制御CPU301に送信され、さらにメダル数制御CPU301からユニットCPU501に送信される。なお、ここでいう「払出情報」は、「遊技機情報通知」の「遊技情報」(「種別情報2」、「カウント情報2」:
図12、
図13参照)に格納されている。
【0377】
一方、判定手段101gによる判定処理が終了し、入賞役が確定しても、第1払出処理手段101hのよる払出処理は、第3停止リールにかかるストップスイッチ10L,10M,10Rの操作(押下)が終わってから開始される。したがって、第3停止リールにかかるストップスイッチ10L,10M,10Rが押下されてしばらくの間押下を継続していた場合は、押下を継続している間に払出情報はカードユニットCUに送信されるが、払出処理に関する情報は、押下を終了したあとにカードユニットCUに送信されることになる。なお、ここでいう「払出処理に関する情報」は、「遊技機情報通知」の「遊技機情報(ホールコン・不正監視情報)」(「払出メダル数」:
図12参照)に格納されている。
【0378】
なお、実際の遊技では、第3停止リールにかかるストップスイッチ10L,10M,10Rを押下し続けて、ボーナス開始までの余韻を楽しんだり、所望のリーチ目を楽しんだりすることが行われる場合がある。ここで、第3停止リールにかかるストップスイッチ10L,10M,10Rが押下を継続している途中で、カードユニットCUの電源供給が途絶えた場合を例として、「払出情報」、「払出処理に関する情報」の送信等について説明する。
【0379】
上述のように、第3停止リールにかかるストップスイッチ10L,10M,10Rが押下されて当該押下が継続している状態でも、「払出情報」は、カードユニットCUに送信され、カードユニットCUでは当該情報を把握する。そして、押下が継続している状態でカードユニットCUの電源供給が途絶えた場合は、カードユニットCUからスロットマシンSMに電圧(VL)が供給されない状態となることでストップスイッチ10L,10M,10Rの操作が無効化され(操作が行われても有効としない制御が行われ)押下が終了した状態となる。そして、主制御CPU101(第1払出処理手段101h)は、ストップスイッチ10L,10M,10Rの押下を終了した状態となった後に払出処理を行うことにより、スロットマシンSM内では払出処理(遊技用価値更新処理)は終了する。さらに、払出処理が終了した場合は、当該処理を反映した使用可能枚数データの遊技メダル数表示器26による表示や払出表示器46による表示に関する処理(遊技用価値更新処理の結果に基づく処理)が行われる。なお、カードユニットCUからスロットマシンSMに電圧(VL)が供給されない状態となってもストップスイッチ10L,10M,10Rの操作が無効化されない仕様である場合は、実際に押下が終了した後に払出処理が行われることになる。
【0380】
ところで、判定手段101gによる判定処理を、第1払出処理手段101hと同様に第3停止リールにかかるストップスイッチ10L,10M,10Rの押下を止めたときに開始する構成では、第3停止リールにかかるストップスイッチ10L,10M,10Rの押下途中でカードユニットCUの電源供給が途絶えると、「払出情報」の受信ができない状態となる。さらに、カードユニットCUからスロットマシンSMに電圧(VL)が供給されない状態となることでストップスイッチ10L,10M,10Rの操作が無効化された状態(押下が終了した状態)となり、主制御CPU101(第1払出処理手段101h)により払出処理が行われる。この場合、スロットマシンSMで管理する遊技者の所持メダル数(使用可能枚数データ)と、カードユニットCUで管理する使用可能枚数データとに齟齬が生じるとともに、カードユニットCUで「払出情報」も把握できない(
図32の「ユニット側への払出情報の送信」の破線参照)。また、「払出情報」や「投入情報」とともにカードユニットCUやホールコンピュータで(投入枚数)/(払出枚数)計算や、現在のメダル数を表示している場合は、その値と遊技メダル数表示器26に表示される使用可能枚数データとの間に違いが生じるため、遊技者が不信感を持つおそれがある。
【0381】
一方、この実施形態の構成によれば、カードユニットCUの電源供給が途絶える前に「払出情報」を受信可能であるため、第3停止リールにかかるストップスイッチ10L,10M,10Rの押下途中でカードユニットCUの電源供給が途絶えた場合でも、途絶える前に受信した「払出情報」に基づく使用可能枚数データと、途絶えた後にスロットマシンSMにおいて行われる払出処理の結果に基づく使用可能枚数データとの間に齟齬が生じない。また、第3停止リールにかかるストップスイッチ10L,10M,10Rが操作される前(例えば、2つのリールは停止しているが、最後のリールが回転している状態)に、カードユニットCUの電源供給が途絶えた場合は、カードユニットCUから電圧VLが供給されなくなることで、第3停止リールにかかるストップスイッチ10L,10M,10Rの操作が無効となるため、カードユニットCUの電源供給が途絶えた後にスロットマシンSMにおいて払出処理は行われない。そのため、この場合もスロットマシンSMで記憶している使用可能枚数データと、カードユニットCUで記憶している使用可能枚数データとの間に齟齬が生じない。また、判定手段101gによる判定処理を、第3停止リールにかかるストップスイッチ10L,10M,10Rの押下を止めたときに開始する構成の場合は、スロットマシンSMで記憶している使用可能枚数データと、カードユニットCUで記憶している使用可能枚数データとの間に齟齬が生じ得るため、管理者がスロットマシンSMを復帰させる際、スロットマシンSM側と、カードユニットCU側どちらの使用可能枚数データを信じて処理すべきかを判定しづらく、復帰が困難になる。一方、この実施形態では、スロットマシンSMで記憶している使用可能枚数データと、カードユニットCUで記憶している使用可能枚数データとの間に齟齬が生じないため、その後の復帰が容易になる。
【0382】
次に、不正検知信号1~3それぞれに設定された不正行為のおそれがある不正可能性エラー状態が検出されたあとに、電源断が生じた場合の「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の送信態様について、
図34を参照して説明する。
【0383】
主制御CPU101が不正可能性エラー状態を検出している状態において、メダル数制御CPU301からリクエスト(「遊技機情報通知」の送信に先立つリクエスト)があった場合、主制御CPU101は、不正可能性エラー状態であることを示す情報をメダル数制御CPU301に送信する。当該情報を受信したメダル数制御CPU301は、「遊技機情報通知」の送信タイミングで、不正検知信号1~3の対応ビットに「1」を設定した「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」をカードユニットCUに送信する(
図34(a))。
【0384】
主制御CPU101が不正可能性エラー状態を検知している状態で電源断(電源OFF)が発生した場合は、メダル数制御CPU301からカードユニットCUへの「遊技機情報通知」の送信を行うことができない(
図34(b))。
【0385】
上述のように、電源断から電源復帰した場合、主制御CPU101よりも先にメダル数制御CPU301が起動する。したがって、電源復帰しても主制御CPU101が起動するまでは、メダル数制御CPU301では、電源復帰後に主制御CPU101で不正可能性エラー状態を検知しているか否かは分からない。この場合は、メダル数制御CPU301は、不正信号送信回数カウンタのカウントを中止するとともに、「遊技機情報通知」の送信タイミングとなった場合は、各項目に空データを設定してカードユニットCUに送信する(送信の保留)(
図34(c))。
【0386】
電源復帰後に主制御CPU101が起動した場合は、メダル数制御CPU301は「遊技機情報通知」の送信に先立って主制御CPU101にリクエストを行う。
当該リクエストが行われたタイミングで、
(i)主制御CPU101が不正可能性エラー状態を検知していた場合、メダル数制御CPU301は、「遊技機情報通知」の送信タイミングで、不正検知信号1~3の対応ビットに「1」を設定した「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」をカードユニットCUに送信する(
図34(d-1))。
(ii)主制御CPU101が不正可能性エラー状態を検知していなかった場合、不正可能性エラー状態から遊技の実行が可能な通常状態(本発明の「所定状態」に相当)に移行していると考えられる。この場合、メダル数制御CPU301は、その後に「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」をカードユニットCUに10回(300ms×10=3秒(最小出力時間:他の項目の送信タイミングと重ならない場合))送信するまで、不正検知信号1~3の対応ビットに「1」の設定を継続する(
図34(d-2))。
(iii)主制御CPU101が設定変更可能状態(本発明の「特定状態」に相当)を検出していた場合、不正可能性エラー状態から設定変更可能状態に移行している。この場合、メダル数制御CPU301は、(ii)の場合のように不正検知信号1~3の対応ビットに「1」が設定された「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」を10回カードユニットCUに送信することはせず、不正検知信号1~3の対応ビットに「0」を設定し、さらに設定変更中信号の対応ビットに「1」を設定した「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」をカードユニットCUに送信する(不正検知信号の廃棄)。
【0387】
「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の不正検知信号1~3の送信について
図35および
図36を参照して具体的に説明する。
【0388】
(電源断が発生しなかった場合)
図35(a)に示すように、主制御CPU101が不正可能性エラー状態を検知している状態では、「遊技機情報通知」の送信(送信タイミングC1)に先立って行われる主制御CPU101へのリクエストに対するレスポンスにおいて、主制御CPU101からメダル数制御CPU301に不正可能性エラー状態であること示す情報が送信される。当該レスポンスは、不正可能性エラー状態が解消するまで継続する。メダル数制御CPU301は、送信タイミングC1において、不正検知信号1~3の対応ビットに「1」(不正検知信号ON)が設定された「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」をカードユニットCUに送信する。
【0389】
不正可能性エラー状態の解消した後、次の「遊技機情報通知」の送信(送信タイミングC2)に先立って行われる主制御CPU101へのリクエストに対するレスポンスにおいて、主制御CPU101からメダル数制御CPU301に不正可能性エラー状態が解消したこと示す情報が送信される。このとき、メダル数制御CPU301は、フラグ格納手段302bにあるエラー解消フラグをONに設定する。エラー解消フラグは、不正可能性エラー状態が解消したことを示すフラグである。また、次の「遊技機情報通知」の送信(送信タイミングC2)では、不正検知信号1~3の対応ビットに「1」(不正検知信号ON)が設定された「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」をカードユニットCUに送信するとともに、送信が完了すると不正信号送信回数カウンタのカウント値に+1加算する。不正信号送信回数カウンタは、メダル数制御基板300に設けられたメモリ302に設定される。
【0390】
メダル数制御CPU301は、「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の送信の前にエラー解消フラグの状態を確認し、主制御CPU101で不正可能性エラー状態が検知されていない状態でもエラー解消フラグがONに設定されている場合は、「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の送信タイミングにおいて、不正検知信号1~3の対応ビットに「1」が設定された「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」をカードユニットCUに送信するとともに、不正信号送信回数カウンタのカウント値に+1加算する。
【0391】
エラー解消フラグがONに設定されてから、不正検知信号1~3の対応ビットに「1」が設定された「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の送信回数の累計が10回(不正信号送信回数カウンタのカウント値=10)となった場合(送信タイミングC11)、メダル数制御CPU301は、エラー解消フラグをOFFに設定するとともに、不正信号送信回数カウンタのカウント値を0にクリアする。
【0392】
送信タイミングC11の次の「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の送信に先立って行われたリクエストに対する主制御CPU101からのレスポンスで、不正可能性エラー状態が検知されていない状態であることを示す情報を受信した場合、メダル数制御CPU301は、「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の送信の前にエラー解消フラグがOFFであることを確認する。そして、メダル数制御CPU301は、「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の送信タイミングC12において、不正検知信号1~3の対応ビットに「0」(不正検知信号OFF)が設定された「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」をカードユニットCUに送信する。
【0393】
この構成によれば、不正可能性エラー状態が解消された後も、「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の送信が10回完了するまでの間は、カードユニットCU側で、スロットマシンSMで不正可能性エラー状態が発生していたことを把握できる。なお、
図20に示すように、「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の送信タイミングと、他の項目(「遊技機情報通知(遊技機性能情報)」または「遊技機情報通知(遊技機設置情報)」)の送信タイミングとが重なった場合は、他の項目の送信が優先されるため、「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の送信が、次回以降の「遊技機情報通知」の送信タイミングまで保留される。この場合、他の項目が格納された「遊技機情報通知」がカードユニットCUに送信されても、不正信号送信回数カウンタのカウント値は更新されない(+1の加算が行われない)。したがって、不正可能性エラー状態が解消された後も不正検知信号の出力(不正検知信号1~3の対応ビットに「1」が設定)が、3秒以上継続する場合がある。
【0394】
(途中で電源断が発生し、電源復帰後の状態が通常状態の場合)
図35(b)に示すように、主制御CPU101が不正可能性エラー状態を検知している状態では、「遊技機情報通知」の送信(送信タイミングD1)に先立って行われる主制御CPU101へのリクエストに対するレスポンスにおいて、主制御CPU101からメダル数制御CPU301に不正可能性エラー状態であること示す情報が送信される。当該レスポンスは、不正可能性エラー状態が解消するまで継続する。メダル数制御CPU301は、送信タイミングD1において、不正検知信号1~3の対応ビットに「1」(不正検知信号ON)が設定された「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」をカードユニットCUに送信する。
【0395】
不正可能性エラー状態が解消した後、次の「遊技機情報通知」の送信(送信タイミングD2)に先立って行われる主制御CPU101へのリクエストに対するレスポンスにおいて、主制御CPU101からメダル数制御CPU301に不正可能性エラー状態が解消したこと示す情報が送信される。このとき、メダル数制御CPU301は、不正可能性エラー状態が解消したことを示すエラー解消フラグをONに設定する。また、次の「遊技機情報通知」の送信(送信タイミングD2)において、メダル数制御CPU301は、不正検知信号1~3の対応ビットに「1」(不正検知信号ON)が設定された「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」をカードユニットCUに送信するとともに、送信が完了すると不正信号送信回数カウンタのカウント値に+1加算する。
【0396】
次の「遊技機情報通知」の送信タイミングが訪れる前に電源断(電源OFF)が発生しした場合は、その後に電源復帰し、メダル数制御CPU301と主制御CPU101の両方が起動するまでの間、メダル数制御CPU301は、「遊技機情報通知」の送信タイミングが来たときに、不正検知信号1~3を含む各項目のデータに空データを設定した「遊技機情報通知」をカードユニットCUに送信する。また、電源復帰に伴って起動したメダル数制御CPU301は、エラー解消フラグのON設定を維持しつつ、不正信号送信回数カウンタのカウント値を0にリセットする。
【0397】
電源復帰し、メダル数制御CPU301と主制御CPU101の両方が起動した後、送信タイミングE1に先立って行われる主制御CPU101へのリクエストに対するレスポンスにおいて、主制御CPU101からメダル数制御CPU301に、主制御CPU101からメダル数制御CPU301に不正可能性エラー状態が解消していること示す情報が送信される。このとき、メダル数制御CPU301は、エラー解消フラグのONを確認し、不正検知信号1~3の対応ビットに「1」(不正検知信号ON)が設定された「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」をカードユニットCUに送信するとともに、送信が完了すると不正信号送信回数カウンタのカウント値に+1加算する。
【0398】
したがって、電源復帰してから「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の送信が10回完了するまで(送信タイミングE1~E10)、不正検知信号1~3の対応ビットに「1」が設定された「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の送信が継続する。なお、不正検知信号1~3の対応ビットに「1」が設定された「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の送信回数の累計が10回(不正信号送信回数カウンタのカウント値=10)となった場合(送信タイミングE10)、メダル数制御CPU301は、エラー解消フラグをOFFに設定するとともに、不正信号送信回数カウンタのカウント値を0にクリアする。
【0399】
送信タイミングE10の次の「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の送信に先立って行われたリクエストに対する主制御CPU101からのレスポンスで、不正可能性エラー状態が検知されていない状態であることを示す情報を受信した場合、メダル数制御CPU301は、「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の送信の前にエラー解消フラグがOFFであることを確認する。そして、メダル数制御CPU301は、「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の送信タイミングE11において、不正検知信号1~3の対応ビットに「0」(不正検知信号OFF)が設定された「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」をカードユニットCUに送信する。
【0400】
(途中で電源断が発生し、電源復帰後の状態が設定変更可能状態の場合)
図36(a)に示すように、主制御CPU101が不正可能性エラー状態を検知している状態では、「遊技機情報通知」の送信(送信タイミングF1)に先立って行われる主制御CPU101へのリクエストに対するレスポンスにおいて、主制御CPU101からメダル数制御CPU301に不正可能性エラー状態であること示す情報が送信される。当該レスポンスは、不正可能性エラー状態が解消するまで継続する。メダル数制御CPU301は、送信タイミングF1において、不正検知信号1~3の対応ビットに「1」(不正検知信号ON)が設定された「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」をカードユニットCUに送信する。
【0401】
不正可能性エラー状態が解消した後、次の「遊技機情報通知」の送信(送信タイミングF2)に先立って行われる主制御CPU101へのリクエストに対するレスポンスにおいて、主制御CPU101からメダル数制御CPU301に不正可能性エラー状態が解消したこと示す情報が送信される。このとき、メダル数制御CPU301は、不正可能性エラー状態が解消したことを示すエラー解消フラグをONに設定する。また、次の「遊技機情報通知」の送信(送信タイミングF2)において、メダル数制御CPU301は、不正検知信号1~3の対応ビットに「1」が設定された「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」をカードユニットCUに送信するとともに、送信が完了すると不正信号送信回数カウンタのカウント値に+1加算する。
【0402】
次の「遊技機情報通知」の送信タイミングが訪れる前に電源断(電源OFF)が発生しした場合は、その後に電源復帰し、メダル数制御CPU301と主制御CPU101の両方が起動するまでの間、メダル数制御CPU301は、「遊技機情報通知」の送信タイミングが来たときに、不正検知信号1~3を含む各項目のデータに空データを設定した「遊技機情報通知」をカードユニットCUに送信する。また、電源復帰後の遊技状態が設定変更可能状態であった場合、主制御CPU101のメモリ102のRAMが初期化される。
【0403】
メダル数制御CPU301と主制御CPU101の両方が起動した後、「遊技機情報通知」の送信(送信タイミングG1)に先立って行われる主制御CPU101へのリクエストに対するレスポンスにおいて、主制御CPU101からメダル数制御CPU301には、RAMの初期化に伴って不正可能性エラー状態が発生していないこと示す情報が送信されるとともに、設定変更状態中であることを示す情報が送信される。このとき、メダル数制御CPU301は、設定変更中信号ONの送信を優先させるために、エラー解消フラグをOFFに設定するとともに、不正信号送信回数カウンタのカウント値を0にリセットする。
【0404】
その後、メダル数制御CPU301は、「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の送信タイミングG1において、不正検知信号1~3の対応ビットに「0」(不正検知信号OFF)が設定されるとともに、設定変更中信号のデータに「1」が設定された「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」をカードユニットCUに送信する。これにより、カードユニットCU側において、電源復帰後の状態が、スロットマシンSMが設定変更可能状態であることを把握する。
【0405】
上記したように、設定変更中信号(設定変更中信号ON)は、設定変更可能状態から通常状態に移行した後、1遊技が終了するまで出力が継続する。具体的には、設定変更可能状態から通常状態に移行してから、1遊技が終了する前の送信タイミングH1においても、メダル数制御CPU301は、不正検知信号1~3の対応ビットに「0」(不正検知信号OFF)が設定されるとともに、設定変更中信号のデータに「1」が設定された「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」をカードユニットCUに送信する。その後も、設定変更可能状態から通常状態に移行し、1遊技が終了するまでの間は、不正検知信号1~3の対応ビットに「0」(不正検知信号OFF)が設定されるとともに、設定変更中信号のデータに「1」が設定された「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」のカードユニットCUへの送信は継続する。
【0406】
設定変更可能状態から通常状態に移行し、1遊技が終了した後の初めての送信タイミングJ1に先立って行われる主制御CPU101へのリクエストに対するレスポンスにおいて、主制御CPU101からメダル数制御CPU301には、不正可能性エラー状態が発生していないこと示す情報が送信されるとともに、設定変更可能状態から通常状態移行した後の1遊技が終了したことを特定可能な情報が送信される。したがって、メダル数制御CPU301は、設定変更可能状態から通常状態に移行して1遊技が終了した後の初めての送信タイミングJ1において、不正検知信号1~3の対応ビットに「0」(不正検知信号OFF)が設定されるとともに、設定変更中信号のデータに「0」が設定された「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」をカードユニットCUに送信する。これにより、カードユニットCU側は、設定変更可能状態から遊技を実行可能な通常状態に移行したことを把握できる。
【0407】
なお、設定変更中信号のON/OFFの情報については、スロットマシンSMの払出率が変わる重要な情報であるため、不正検知信号のON/OFFの情報よりも優先するのが好ましい。また、設定変更可能状態に移行した場合は、主制御CPU101のメモリ102の記憶内容がクリアされるため、不正検知信号がONに設定される原因となるエラーのほとんどが解消される。また、設定変更中信号のON設定は、設定変更可能状態が終了した後の1遊技が終了するまで継続するが、当該継続時間は各リール13L,13M,13Rが定常回転になるまでの時間や、遊技間隔の最小時間等を考慮すると、一般的に「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の10回の送信期間の3秒よりも長くなる。したがって、設定変更中信号のON設定が終了した後、さらに不正検知信号1~3のON設定が継続するのは、遊技の停止期間が長くなるおそれがあり好ましくない。そこで、この実施形態では、電源復帰したときの遊技状態が設定変更可能状態であった場合は、メモリ102のクリアによりほとんどのエラーが解消している不正検知信号1~3を、設定変更中信号と重複させて、カードユニットCUに送信することをせず、より重要な設定変更中信号ONの送信を優先させてカードユニットCUに送信することで、確実にカードユニットCUが設定変更可能状態に移行したことを把握できるように構成されている。これにより、カードユニットCUは、重要な情報(設定変更中信号ON)をホールコンピュータなどの外部に確実に報知できる。
【0408】
一方、
図35(b)に示したように、電源復帰後の状態が遊技可能な通常状態であった場合は、設定変更可能状態に移行した場合のように、不正検知信号1~3の原因となるエラーが解除される契機が発生しないため、不正検知信号1~3のONをカードユニット側が確実に受信する必要がある。そこで、電源復帰後の遊技状態が通常状態であった場合は不正検知信号1~3のON設定の送信を継続することで、カードユニットCUが確実に不正検知信号のON設定を把握できる。
【0409】
なお、
図35(b)では、電源復帰後の状態が通常状態の場合に、不正信号送信回数カウンタのカウント値が0にリセットされる場合について説明したが、電源復帰前の不正信号送信回数カウンタのカウント値が、電源復帰後に持ち越されるようにしてもよい。この場合、電源断が生じる前の不正信号送信カウンタのカウント値を維持するとよく、例えば、
図35(b)における送信タイミングE1で不正信号送信回数カウンタのカウント値を「1」にせずに、「2」にするとよい。
【0410】
(基板ケース)
次に、主制御基板100とメダル数制御基板300とを収納する基板ケースKKについて、
図37~
図40を参照して説明する。なお、
図37~
図40においては、x方向がスロットマシンSMを正面から見て左右方向に、y方向が前後方向に相当し、z方向が上下方向にそれぞれ相当する。
【0411】
図38に示すように、基板ケースKKが収納する主制御基板100とメダル数制御基板300とは、BtoB(ボード・トゥ・ボード)接続されている。具体的には、矩形状の主制御基板100の左端下部に第1のコネクタ部CN8が設けられるとともに、第1のコネクタ部CN8は、主制御基板100の左辺から一部がはみ出した状態で配設される。また、矩形状のメダル数制御基板300の右端下部に第2のコネクタ部CN7が設けられるとともに、第2のコネクタ部CN7は、メダル数制御基板300の右辺から一部がはみ出した状態で配設される。そして、第1のコネクタ部CN7の主制御基板100の左辺からはみ出した部分と、第2のコネクタ部CN8のメダル数制御基板300の右辺からはみ出した部分同士を嵌め合うことにより、主制御基板100とメダル数制御基板300とがBtoB接続によって電気的に接続される。主制御基板100とメダル数制御基板300とが接続された状態では両基板100,300の境界にはほとんど隙間がない状態となり、この状態で両基板100,300が基板ケースKKに収納される。
【0412】
基板ケースKKは、蓋部材K200とベース部材K300とで構成されており、蓋部材K200とベース部材K300とが嵌め合わされた状態で形成される収納空間に、BtoB接続された主制御基板100とメダル数制御基板300とが収納される。
図30に示すように、BtoB接続された主制御基板100の実装面100Aとメダル数制御基板300の実装面300Aを合成した合成実装面は矩形状に形成されるとともに、四隅それぞれに設けられたねじ挿通孔にねじが後方から挿通されてベース部材K300に主制御基板100およびメダル数制御基板300が固定される。なお、基板ケースKKは、例えば、スロットマシンSMの筐体の背板に固定される。また、蓋部材K200とベース部材K300とは、いずれも透明な熱可塑性樹脂(例えばPC(ポリカーボネート))を用いた射出成形により形成され、主制御基板100とメダル数制御基板300を外部から視認可能になっている。
【0413】
図38に示すように、主制御基板100の実装面100Aの上右部には、主制御CPU101が実装されるとともに、主制御CPU101の左上方に役比モニタ47が実装される。また、主制御CPU101の下方であって、主制御基板100の右端部に第8のコネクタ部CN6が配設される。また、主制御基板100の左端下部に第6のコネクタ部CN4が配設される。
【0414】
メダル数制御基板300の実装面300Aの上左部には、メダル数制御CPU301が実装される。メダル数制御CPU301は、上下方向(Z方向)において、主制御CPU101と略同じ高さに配設されている。また、実装面300AのZ方向の略中央であって、左辺の近傍に第7のコネクタ部CN5が配設される。実装面300Aの中央部において第7のコネクタ部CN5と横並びでメダル数クリアボタン57が配設される。また、メダル数制御基板300の下端部には、実装面300Aの下辺に沿って一列に第3~第5のコネクタ部CN1~CN3が配設されている。
【0415】
図37(b)に示すように、ベース部材K300は、矩形状の平板K301と、その前端側の4つの周囲を囲む側板K302とを有し、前方が開放された箱型形状に形成される。平板K301の四隅それぞれに主制御基板100とメダル数制御基板300を固定するためのねじが挿通するねじ挿通孔K303が形成される。
【0416】
また、上側の側板K302の外側であって、ベース部材K300の左上端部には、後述の蓋部材の封印部K202と共働して主制御基板100とメダル数制御基板300を封印する封印部K304が配設されている。主制御基板100とメダル数制御基板300の封印については、ベース部材K300に蓋部材K200が装着された状態で、両封印部K304,K202にそれぞれに形成された貫通孔(図示省略)にかしめピン(図示省略)が挿通することにより、主制御基板100とメダル数制御基板300を封印するが詳細の説明は省略する。
【0417】
図37(a)に示すように、蓋部材K200は、正面視で矩形状をなす平板K201を有し、平板K201の左上端部にベース部材K300の封印部K304と共働して主制御基板100とメダル数制御基板300とを封印する封印部K202が形成される。
【0418】
また、平板K201の下端部であって、主制御基板100とメダル数制御基板300に実装された第3~第6のコネクタ部CN1~CN4に対応する位置に第1凹部K203が形成される。第1凹部K203の底面板K203aには、第3~第6のコネクタ部CN1~CN4の前端部が挿通可能な開口矩形の4つの挿通孔K203bが形成される。また、平板K201の右端部であって、主制御基板100に実装された第8のコネクタ部CN6に対応する位置に第2凹部K204が形成される。第2凹部K204の底面板K204aには、第8のコネクタ部CN6の前端部が挿通可能な開口矩形の挿通孔K204bが形成される。
【0419】
また、平板K201の左端部であって、メダル数制御基板300に実装された第7のコネクタ部CN5と、該コネクタ部CN5と横並びに配設されたメダル数クリアボタン57に対応する位置に第3凹部K205が形成される。第3凹部K205の底面板K205aには、第7のコネクタ部CN5の前端部が挿通可能な開口略矩形の挿通孔K205bが形成される(
図37(a)、
図39(a)参照)。
【0420】
また、第3凹部K205の底面板K205aにおける、メダル数制御基板300に実装されたメダル数クリアボタン57に対応する位置には、底面板K205aよりもさらにメダル数制御基板300の実装面300A側に窪んだ第4凹部K205cが形成される(
図37(a)、
図39、
図40参照)。第4凹部K205cは、平板状の底面板K205aの一部が、メダル数制御基板300の実装面300A側に向かってすり鉢状に湾曲することにより形成される。
【0421】
メダル数クリアボタン57は押しボタン式であり、接点が形成された本体部57aと、本体部57aの接点のON/OFFの切り替えを行うための接点操作部57bとを有し、接点操作部57bが柱状に形成されている(
図40参照)。すり鉢状の第4凹部K205cは、最もメダル数制御基板300に近い中央部(正面視の中央部)にメダル数クリアボタン57の接点操作部57bが挿通する開口円形の挿通孔K205dが形成されている。
【0422】
また、
図39および
図40に示すように、第4凹部K205cを形成する板の前面K205c1(制御基板100,300の収納空間と反対側の面)と後面K205c2(制御基板100,300の収納空間側の面)のうち、後面K205c2には、メダル数制御基板300の実装面300Aに向けて張り出した仕切板K205eが一体形成される。
【0423】
仕切板K205eは、筒状に形成されており、メダル数クリアボタン57を内包する。具体的には、正面視において、仕切板K205eの内径が、メダル数クリアボタン57の正面視の幅よりも大きく形成されており、正面視において、仕切板K205eの内側領域に、挿通孔K205dとメダル数クリアボタン57とが収まるように仕切板K205eが配置されている。また、
図40に示すように、仕切板K205eの先端部(第4凹部K205cと接合する端部とは反対側の端部)は、メダル数制御基板300の実装面300Aに密着している。したがって、基板ケースKKの収納空間ではメダル数クリアボタン57が、実装面300Aと仕切板K205eとにより閉塞された状態になり、挿通孔K205dから侵入した不正治具等がメダル数クリアボタン57以外の実装部品に容易にアクセスできないようになっている。
【0424】
また、この実施形態では、メダル数クリアボタン57の接点操作部57b先端57b1が、第4凹部K205cの深さD1の範囲内に位置しており、メダル数クリアボタン57の接点操作部57bの先端57b1が、第3凹部K205の底面板K205aよりも前方側に突出しないようになっている(
図40参照)。したがって、メダル数クリアボタン57を押下する際は、指をきっちり第4凹部K205cに押し込む必要があり、第3凹部K205内にアクセスする作業中にうっかり接点操作部57bに触れてしまうなどの意図しないメダル数クリアボタン57の操作を防止できる。また、直接蓋部材K200の平板K201に接点操作部57bを操作するための凹部を形成した場合は、当該凹部が深くなりすぎて接点操作部57bを押下しにくくなるが、この実施形態では、開口幅が広い第3凹部K205内にさらに窪んだ第4凹部K205cを形成することで、接点操作部57bが押下しやすくなる。また、第4凹部K205cが、指先形状に対応したすり鉢状に形成されているため、さらに接点操作部57bを押下しやすくなる。また、操作スイッチ基板600のリセットスイッチ52や主制御基板100に配設されたスイッチ等、他のスイッチとメダル数クリアボタン57とのの違いが基板ケースKKの見た目ですぐ分かる。
【0425】
したがって、この実施形態によれば、不正行為が行われているおそれがあるエラーが発生した場合は、不正検知信号1~3の対応ビットに「1」(不正検知信号ON)が設定された「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」がメダル数制御CPU301からカードユニットCUに送信されるため、カードユニットCUに接続されたホールコンピュータ側で当該エラーの発生を把握できる。
【0426】
また、当該不正可能性エラー状態が解消しても、「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の送信時に直ちに不正検知信号1~3の対応ビットに「0」(不正検知信号OFF)が設定される訳ではなく、当該不正可能性エラー状態が終了した後に、「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の10回(不正信号送信回数カウンタ=10)の送信が完了するまでの間は、不正検知信号1~3の対応ビットの「1」(不正検知信号ON)の設定が継続する。したがって、不正可能性エラー状態が短い期間で解消した場合であっても、当該不正可能性エラー状態であったことをホールコンピュータ側で確実に認識でき、不正行為の早期発見が容易になる。
【0427】
また、10回(不正信号送信回数カウンタ=10)の送信が完了するまでの間に電源断が発生した場合、電源復帰後の状態が遊技を実行可能な通常状態の場合は、不正信号送信回数カウンタのカウント値が0にクリアされた上で改めて10回の送信が完了するまで不正検知信号1~3の対応ビットの「1」(不正検知信号ON)の設定が継続するが、電源復帰後の状態が設定変更可能状態であった場合は、不正検知信号1~3の対応ビットの「1」(不正検知信号ON)の設定が中止され、その後は、不正検知信号1~3の対応ビットに「0」(不正検知信号OFF)が設定された「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」がメダル数制御CPU301からカードユニットCUに送信される。
【0428】
例えば、電源復帰後の状態が設定変更可能状態であった場合、メモリ102の記憶内容は初期化されるため、不正検知信号がON設定される原因となるエラーのほとんどが解消する。また、設定変更可能状態では、スロットマシンSMの払出率の変更が可能となるため、設定変更中信号は、不正検知信号よりも優先して送信する必要がある。また、設定変更中信号は、設定変更可能状態から通常状態に移行しても直ちにOFFに設定される訳ではなく、その後に1遊技が終了するまではON設定が維持されるため、設定変更中信号のON設定は「遊技機情報通知」の10周期分の長さである3秒よりも長く継続する。したがって、ほとんどのエラーが解消しているにも関わらず不正検知信号の送信を継続させるよりは、設定変更中信号のON設定の送信を優先するのが好ましい。一方、電源復帰後の状態が遊技可能な通常状態であった場合は、設定変更可能状態に移行した場合のように、エラーが解消する契機が発生していないため、電源断前に不正可能性エラー状態であったことを示す情報(不正検知信号ON)をカードユニットCU側が確実に受信する必要がある。そこで、電源復帰後の遊技状態が設定変更可能状態であった場合は、不正検知信号1~3の対応ビットの「1」(不正検知信号ON)の設定を中止し、通常状態であった場合は不正検知信号1~3の対応ビットに「1」(不正検知信号ON)が設定された「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の10回の送信を継続することで、不正可能性エラー状態の発生の有無に関する情報のカードユニットCUへの送信を、状況に応じて適切に行うことができる。さらに、電源復帰後に不正検知信号1~3の対応ビットに「1」(不正検知信号ON)が設定された「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の10回の送信を継続する場合は、主制御CPU101が起動するまで「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の送信を待機するため、電源復帰後の遊技状態(主制御CPU101により管理される遊技状態)を反映した適切な不正検知信号1~3をカードユニットCUに送信することができる。
【0429】
また、電源断から電源復帰したときに不正可能性エラー状態であった場合、主制御CPU101は、不正可能性エラー状態であることを示す情報をメダル数制御CPU301に送信し、メダル数制御CPU301は、不正信号送信回数カウンタのカウント値を0にクリアする。この場合、電源復帰後の状態を反映した適切な不正検知信号1~3をカードユニットCUに送信することができる。
【0430】
「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の送信タイミングと、他の項目(「遊技機情報通知(遊技機設置情報)」または「遊技機情報通知(遊技機性能情報)」)の送信タイミングとが重なった場合は、優先順位の低い「遊技機情報通知(ホールコン・不正監視情報)」の送信が次回以降の「遊技機情報通知」の送信タイミングまで後回しにされる。この場合、不正信号送信回数カウンタのカウント値が10になるまでに要する時間が長くなるため、カードユニットCU側がより確実に不正可能性エラー状態が発生していた事実を把握できる。
【0431】
また、メダル数制御CPU301(VL供給判定手段301f)は、カードユニットCUから電圧が供給されていないと判定した場合は、計数スイッチ31が押下されたか否かに関わらず、計数通知の計数メダル数のデータに(0x00)を格納し、メダル数制御CPU301とユニットCPU501との間の疑似メダルの移動を無効化する。つまり、スロットマシンSMとカードユニットCUとが正常に接続されていない場合や、カードユニットCUが起動していない場合は、メダル数制御CPU301(第1計数処理手段301b2)と、ユニットCPU501(第2計数処理手段501c)とが協働できないため、メダル数制御CPU301とカードユニットCUとの間で疑似メダルの授受が行えないようにする。このようにすると、メダル数制御CPU301が移動させたとする疑似メダル数と、カードユニットCUが受け取ったとする疑似メダル数との間の齟齬を確実に防止できる。なお、メダル数制御CPU301は、カードユニットCUから電圧が供給されていないと判定した場合は、計数スイッチ31が押下されたか否かに関わらず、「計数情報通知」をカードユニットCUに送信しないようにしてもよい。
【0432】
また、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301から外部のカードユニットCUに対する「ホールコン・不正監視情報」などを格納した電文「遊技機情報通知」の送信は所定の周期での第1送信タイミングに行われる。また、スロットマシンSMの主制御CPU101とメダル数制御CPU301との間では、電文「遊技機情報通知」に格納する「ホールコン・不正監視情報」等に関わる通信は、所定の周期での第1送信タイミングに対応して当該第1送信タイミングに先立つ通信タイミングで行われる。このため、第1送信タイミングに対応していないタイミングでの不要な通信は行われない。また、店員がエラーや不正の監視などを行うのに利用する「遊技機情報」が周期的にカードユニットCUに送られることにより、店員はエラーや不正に適切かつ早急に対応することが可能になる。また、主制御CPU101とメダル数制御CPU301との間では、疑似メダルの移動の契機が発生したときに契機が発生した後の最初の第1送信タイミングやリクエストタイミングを待たずに、疑似メダルの移動量分の移動を行うための通信が行われる。このため、疑似メダルの移動の契機の発生後に待ち時間が発生することなく、移動量分の疑似メダルを主制御CPU101とメダル数制御CPU301との間で遅滞なく移動させることができ、主制御CPU101とメダル数制御CPU301間の疑似メダルの移動に起因して遊技者に遊技の進行が遅れるというイライラ感を与えることを回避することができる。このように、スロットマシンSMのメダル数制御CPU301と外部のカードユニットCUとの間での「ホールコン・不正監視情報」などを格納した電文「遊技機情報通知」の通信、電文「遊技機情報通知」に格納する「ホールコン・不正監視情報」に関連するメダル数制御CPU301と主制御CPU101との間での通信、疑似メダルの移動に関連するメダル数制御CPU301と主制御CPU101との間での通信を、それぞれの通信で送受信する情報に応じて適切に制御できる。
【0433】
また、電文「遊技機情報通知」に格納する「ホールコン・不正監視情報」を通信するメダル数制御CPU301と主制御CPU101との間での第1通信を、メダル数制御CPU301側からのリクエストで開始するため、第1通信を行うタイミングをカードユニットCUへの第1送信タイミングを基にしたタイミングに調節することが容易になる。また、第1通信が余計な通信を行うことによるメダル数制御CPU301と主制御CPU101との間の処理の占有を回避できるため、主制御装置と遊技用価値量制御装置との間での遊技用価値の移動の契機が発生した後、第2通信を待ち時間が発生することなく早期に開始することができる。
【0434】
また、メダル数制御CPU301は、1遊技で用いる(消費する)メダル数(投入数CT11の値)を主制御CPU101から受け取った際、受け取ったメダル数が設定許容投入数でない場合は不正等の異常が発生した状態であることを検知し、このような場合に所定の報知(例えば、1遊技での投入数の異常の報知)を行うため、この不正等の異常の発生を容易に発見できる。また、メダル数制御CPU301は、1遊技で払い出されるメダル数(払出数CT12の値)を主制御CPU101から受け取った際、受け取ったメダル数が設定許容払出数でない場合は不正等の異常が発生した状態であることを検知し、このような場合に所定の報知(例えば、1遊技での払出数の異常の報知)を行うため、この不正等の異常の発生を容易に発見できる。
【0435】
また、主制御CPU101とメダル数制御CPU301との間で、疑似メダルの1枚分の移動の種類(投入、精算、払出)に関する信号(例えば、投入処理要求信号や投入処理応答信号)の送受信の処理が終了した後に行われる、疑似メダルの1枚分の移動では、疑似メダルの投入や精算(投入のキャンセル)、払出を問わず、主制御CPU101側から処理を開始して第1処理完了信号を「OFF」から「ON」に反転するとともにCT11~CT16のうちの所定のものの更新を行い、メダル数制御CPU301は第1処理完了信号が「OFF」から「ON」になったことを受けることで、第2処理完了信号を「OFF」から「ON」に反転するとともにCT30~CT32のうちの所定のものの更新を行うようになっている。実施形態とは逆に、疑似メダルの1枚分の移動において、疑似メダルの投入や精算(投入のキャンセル)、払出を問わず、メダル数制御CPU301側から処理を開始して第2処理完了信号を「OFF」から「ON」に反転するとともにCT30~CT32のうちの所定のものの更新を行い、主制御CPU101は第2処理完了信号が「OFF」から「ON」になったことを受けることで、第1処理完了信号を「OFF」から「ON」に反転するとともにCT11~CT16のうちの所定のものの更新を行うようにした場合、エラー等の発生タイミングにより、メダル数制御CPU301がメモリ302で記憶して管理している遊技メダル数(遊技者が所持する疑似メダルの枚数)が増減したにもかかわらず疑似メダルの投入や精算、払出のうちの対応するものが確定していない状態が発生することにより、遊技者やホールに遊技以外で損得を与える状況が発生する。一方で、実施形態のようにすると、エラー等の発生タイミングによらず、メダル数制御CPU301がメモリ302で記憶して管理している遊技メダル数(遊技者が所持する疑似メダルの枚数)が増減した場合には疑似メダルの投入や精算、払出のうちの対応するものが確定した状態になり、遊技者やホールに遊技以外で損得を与える状況が発生しない。この点において実施形態の処理の順序は、実施形態とは逆の処理の順序よりも優れている。
【0436】
また、主制御CPU101とメダル数制御CPU301との間での疑似メダルの1枚分の移動の種類(投入、精算、払出)と疑似メダルの1枚分の移動では、主制御CPU101及びメダル数制御CPU301は、それぞれ、相手側が「ON」、「OFF」を制御する2本の信号が「OFF」から「ON」になったことを受けることで、当該信号に対応する処理を開始する。このため、メダル数制御CPU301の処理が進んでいない状態で主制御CPU101だけが処理を進めたり、主制御CPU101の処理が進んでいない状態でメダル数制御CPU301だけが処理を進めたりすることが起こらず、主制御CPU101でのCT11~CT16の更新とメダル数制御CPU301でのCT30~CT32の更新との整合性を図ることができる。
【0437】
また、主制御CPU101は第1処理完了信号を「OFF」から「ON」にした後にCT11~CT16のうちの所定のCTの更新を行い、メダル数制御CPU301は第2処理完了信号を「OFF」から「ON」にした後にCT30~CT32のうちの所定のCTの更新を行う。この場合、CT11~CT16のうちの所定のCTの更新を行った後に第1処理完了信号を「OFF」から「ON」にする場合に比べ、メダル数制御CPU301は、主制御CPU101がCT11~CT16のうちの所定のCTの更新を開始してから早い段階でCT30~CT32のうちの所定のCTの更新処理を開始することができる。このため、例えば、主制御CPU101のCT11~CT16の更新処理とメダル数制御CPU301のCT30~CT32の更新処理との間で整合性を図ることや、投入処理要求信号等の処理要求信号を「ON」から「OFF」に再反転してからCT11~CT16のうちの所定のCTの更新を行った後に第1処理完了信号を「OFF」から「ON」にする場合では主制御CPU101のCT11~CT16の更新処理とメダル数制御CPU301のCT30~CT32の更新処理との間で整合性を図ることができないような早い段階でのエラー等に対しても当該整合性を図ることができる可能性ができ、遊技者やホールへの悪影響を抑えることができる。
【0438】
また、メダル数制御CPU301は、比較投入メダル数CT15の値を主制御CPU101から受け取った際、受け取った比較投入メダル数CT15の値から投入メダル数CT31の値を減算した減算結果が「-1」~「1」の範囲内でない場合は不正等の異常が発生した状態であることを検知し、このような場合に所定の報知(例えば、前回の「ホールコン・不正監視情報」の送信から今回の「ホールコン・不正監視情報」の送信までの間での投入数の異常の報知)を行うため、不正等の異常の発生を容易に発見できる。
【0439】
また、メダル数制御CPU301は、比較払出メダル数CT16の値を主制御CPU101から受け取った際、受け取った比較払出メダル数CT16の値から払出メダル数CT32の値を減算した減算結果が「-1」~「1」の範囲内でない場合は不正等の異常が発生した状態であることを検知し、このような場合に所定の報知(例えば、前回の「ホールコン・不正監視情報」の送信から今回の「ホールコン・不正監視情報」の送信までの間での払出数の異常の報知)を行うため、不正等の異常の発生を容易に発見できる。
【0440】
また、この実施形態では、スロットマシンSMとカードユニットCUとの通信に関して、「遊技機情報通知」、「計数通知」、「貸出通知」、「貸出受領応答」の送受信がシリアル通信で行われ、それぞれ送信タイミングが重ならないように構成されている(
図17参照)。ただし、「遊技機情報通知」については、データ部の「遊技機情報」の項目ではさらに「遊技機性能情報」、「遊技機設置情報」、「ホールコン・不正監視情報」の3種類があり、300ms周期の送信タイミングでいずれか一つがデータ部の「遊技機情報」としてカードユニットCUに送信されるが、「遊技機性能情報」、「遊技機設置情報」、「ホールコン・不正監視情報」の送信タイミングが重なった場合の優先順位を示すテーブルが存在しており、当該優先順位を示すテーブルに従って送信される。送信が保留された項目は次の周期における送信タイミングで送信される。なお、「ホールコン・不正監視情報」は、遊技数やメダルの増減などをホールコンピュータで反映させるデータであるため、リアルタイムに近い短周期で送信する必要があるのに対して、「遊技機性能情報」や「遊技機設置情報」は中長期での遊技機性能を監視したり、主制御CPU101やメダル数制御CPUの部品すり替えチェックをしたりする目的のため、日に一度のチェックがあれば十分なことから、長周期で送信することが許容される。ここで、短周期の情報の優先順位を高く設定すると、長周期の情報が送信されるタイミングで短周期の情報を送信することになり、長周期の情報が送信されなくなる可能性があることから、この実施形態では最も送信周期が短い「ホールコン・不正監視情報」の優先順位を最も低く設定している。このような優先順位にすると、「遊技機性能情報」、「遊技機設置情報」、「ホールコン・不正監視情報」の全ての送信タイミングが重なる場合は、一つ前の送信タイミングから当該送信タイミングまでに900ms経過する場合がある。このような場合、例えば、900msの間にスタートスイッチ9が操作されて各リール6L,6M,6Rが停止し次のゲームのベットスイッチ7(または、最大ベットスイッチ8)が操作される可能性がある。この場合、送信タイミング間の「投入メダル数」として許容される範囲(-3枚~+3枚)を超えるおそれがある(
図30参照)。そこで、この実施形態では、一つ前の送信タイミングから当該送信タイミングの間にスタートスイッチ9が操作された場合(投入完了フラグONの場合)、他の項目(「遊技機性能情報」、「遊技機設置情報」)の送信タイミングと重なっていても「ホールコン・不正監視情報」を送信するように構成されている。この構成によると、「ホールコン・不正監視情報」において一つ前の送信タイミングから当該送信タイミングとの間の疑似メダルの投入が複数の遊技に跨るのを防止できる。したがって、1回の遊技の「投入メダル数」として許容される範囲(―3枚~+3枚)に収まる適切な情報をカードユニットCUに送信することができる。
【0441】
また、「ホールコン・不正監視情報」には「払出メダル数(
図12参照)」を含んでいることから、「投入メダル数」の場合と同様な問題が生じ得るが、一つ前の送信タイミングから当該送信タイミングの間に払出処理が完了した場合(払出完了フラグONの場合)は、他の項目(「遊技機性能情報」、「遊技機設置情報」)の送信タイミングと重なっていても「ホールコン・不正監視情報」を送信するように構成されている。この構成によると、「ホールコン・不正監視情報」において一つ前の送信タイミングから当該送信タイミングとの間の疑似メダルの払出が複数の遊技に跨るのを防止できる。したがって、1回の遊技の「払出メダル数」として許容される範囲(0枚~+15枚)に収まる適切な情報をカードユニットCUに送信することができる。
【0442】
また、
図31では、投入完了フラグ(または払出完了フラグ)がONに設定されている状態で「遊技機設置情報」、「遊技機性能情報」、「ホールコン・不正監視情報」の全ての送信タイミングが重なった場合に「ホールコン・不正監視情報」の送信を優先させた場合について説明したが、この実施形態では、「ホールコン・不正監視情報」の送信タイミングは、「遊技機設置情報」の送信タイミングとは重なるが、「遊技機性能情報」の送信タイミングとは重ならない場合がある。この場合、「遊技機設置情報」を優先的に送信しても、「ホールコン・不正監視情報」の送信間隔は600msとなる。600msでは複数の遊技に跨るおそれは少ないため、このような場合は、投入完了フラグ(または払出完了フラグ)がONに設定されていても「ホールコン・不正監視情報」を優先せずに「遊技機設置情報」を送信してもよい。この場合、1遊技の「投入メダル数(
図12参照)」や「払出メダル数(
図12参照)」として適切な情報をカードユニットCUに送信しつつ、他の項目(「遊技機設置情報」、「遊技機性能情報」)の送信を円滑に行うことができる。
【0443】
また、この実施形態では、第3停止リールにかかるストップスイッチ10L,10M,10Rが押下されている途中でカードユニットCUの電源供給が途絶えた場合(電圧VL=OFF)は、カードユニットCUからスロットマシンSMに電圧(VL)が供給されない状態となることでストップスイッチ10L,10M,10Rの操作が無効化され押下が終了した状態となり、その後に第1払出処理手段101hにより払出処理が行われ、使用可能枚数データ(記憶手段302a)の書き換えが行われる。これに対してカードユニットCU側では電源供給が途絶えると、スロットマシンSMからの情報を受信できない。したがって、払出処理の開始以降に「払出情報」(
図12、
図13参照)を送信する構成では、第3停止リールにかかるストップスイッチ10L,10M,10Rが押下されている途中でカードユニットCUの電源供給が途絶えた場合に、記憶手段302aに記憶されている使用可能枚数データと、カードユニットCU側で記憶している使用可能枚数データ(記憶手段502a)との間で齟齬が生じる。しかしながら、この実施形態では、第3停止リールにかかるストップスイッチ10L,10M,10Rが押下されたときは、判定手段101gによる判定が行われ、判定結果が疑似メダルの払出にかかる役に入賞するものであった場合は、その押下が終了せずとも「払出情報」(
図12、
図13参照)がカードユニットCUに送信される。したがって、第3停止リールにかかるストップスイッチ10L,10M,10Rを長押ししている途中でカードユニットCUの電源供給が途絶えても、すでに「払出情報」がカードユニットCU側に送信されることで記憶手段302aに記憶されている使用可能枚数データと、カードユニットCU側で記憶している使用可能枚数データ(記憶手段502a)との間の齟齬を防止できる(
図32参照)。
【0444】
また、操作等管理手段101pは、スロットマシンSMとカードユニットCUとの間のハーネスが断線していたり、カードユニットCUに電源が投入されていなかったりした場合など、カードユニットCUからの電圧VLが供給されていない場合は、遊技の進行に関わる操作手段(スタートスイッチ9、ストップスイッチ10L,10M,10Rなど)の操作を非有効化する。この場合、スロットマシンSMとカードユニットCUとの間の通信ができない状態で遊技が進行することにより、記憶手段302aに記憶されている使用可能枚数データと、カードユニットCU側で記憶している使用可能枚数データ(記憶手段502a)との間の齟齬が生じる不具合を防止できる。
【0445】
また、
図33に示すように、ベットスイッチ7、最大ベットスイッチ8、計数スイッチ31、スタートスイッチ9、ストップスイッチ10L,10M,10R、精算スイッチ33それぞれに対して、スロットマシンSM側の電圧VLと、カードユニットCU側の電圧VLの両方が供給されなければ用いることができない回路(アンド回路)を形成した場合は、カードユニットCUからの電圧VLが供給されていないときに確実に遊技の進行を停止できるため、記憶手段302aに記憶されている使用可能枚数データと、カードユニットCU側で記憶している使用可能枚数データ(記憶手段502a)との間の齟齬が生じる不具合を防止できる。
【0446】
また、
図33に示すように、遊技メダル数表示器26に対して、スロットマシンSM側の電圧VLと、カードユニットCU側の電圧VLの両方が供給されなければ表示できない手段(例えば、アンド回路)を形成した場合は、カードユニットCUからの電圧VLが供給されていないときに遊技メダル数表示器26に使用可能枚数データが表示されないため、カードユニットCU側で記憶している使用可能枚数データと、遊技メダル数表示器26に表示される使用可能枚数データとが異なっていることにより遊技者が不信感を持つのを防止できる。
【0447】
また、第3停止リールにかかるストップスイッチ10L,10M,10Rが押下されて当該押下が継続している状態でカードユニットCUの電源供給が途絶えた場合であっても、スロットマシンSMでは、カードユニットCUからの電圧VLが供給されなくなったことに基づいてストップスイッチ10L,10M,10Rの操作が無効化され、押下が終了した状態となった後に払出処理が行われ、当該処理が終了すると記憶手段502aに記憶されている使用可能枚数データの書き換えが行われる。したがって、カードユニットCUのみで電源が供給されていないという理由で遊技者が不利益を被るのを防止できる。
【0448】
また、上記した各実施形態では、スロットマシンを対象として説明したが、これに限定されるものではなく、パチンコ機などの他の遊技機にも適用することができる。
【0449】
そして、パチンコホールなどの遊技場に設置される遊技機に本発明を広く適用することができる。
【符号の説明】
【0450】
SM…スロットマシン、CU…カードユニット、101…主制御CPU、301…メダル数制御CPU