(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】癌の処置又は予防において使用する為のキノリン誘導体
(51)【国際特許分類】
A61K 31/47 20060101AFI20241015BHJP
A61K 41/00 20200101ALI20241015BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20241015BHJP
A61K 39/00 20060101ALI20241015BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20241015BHJP
A61P 1/18 20060101ALI20241015BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20241015BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20241015BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20241015BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241015BHJP
A61K 31/4709 20060101ALI20241015BHJP
C07D 215/38 20060101ALI20241015BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20241015BHJP
A61K 31/661 20060101ALI20241015BHJP
A61K 31/706 20060101ALI20241015BHJP
【FI】
A61K31/47
A61K41/00
A61K39/395 T
A61K39/00 Z
A61P1/00
A61P1/18
A61P1/16
A61P11/00
A61P35/00
A61P43/00 121
A61K31/4709
C07D215/38
A61K31/5377
A61K31/661
A61K31/706
(21)【出願番号】P 2021535249
(86)(22)【出願日】2019-12-19
(86)【国際出願番号】 EP2019086470
(87)【国際公開番号】W WO2020127839
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-12-01
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515048803
【氏名又は名称】アビバックス
(73)【特許権者】
【識別番号】506413937
【氏名又は名称】アンスティテュート キュリー
(73)【特許権者】
【識別番号】515085211
【氏名又は名称】ユニヴェルシテ ド モンペリエ
(73)【特許権者】
【識別番号】500531141
【氏名又は名称】セントレ・ナショナル・デ・ラ・レシェルシェ・サイエンティフィーク
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【氏名又は名称】村上 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【氏名又は名称】松井 光夫
(72)【発明者】
【氏名】ポレッティ,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】エールリッヒ,ハルトムート
(72)【発明者】
【氏名】シェラー,ディディエ
(72)【発明者】
【氏名】タツィ,ジャマル
【審査官】関 景輔
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/143168(WO,A1)
【文献】特表2016-505268(JP,A)
【文献】特表2018-507215(JP,A)
【文献】特開2017-032361(JP,A)
【文献】国際公開第2017/158201(WO,A1)
【文献】特表2013-545798(JP,A)
【文献】Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2016年,26(14),pp.3307-3312
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 215/38
A61K 41/00
A61K 39/395
A61K 39/00
A61P 1/00
A61P 1/18
A61P 1/16
A61P 11/00
A61P 35/00
A61P 43/00
A61K 31/4709
A61K 31/47
A61K 31/5377
A61K 31/661
A61K 31/706
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者における癌を処置する為に使用される剤であって、前記剤は、下記の式(Ib’)の化合物、又はその医薬的に許容される塩を含み、
ここで、前記癌が、胃癌(stomach cancer)、胃癌(gastric cancer)、消化器癌、結腸直腸癌、膵臓癌、肺癌及び肝臓癌から選択され、
【化1】
ここで、
Rは、 (C
1~C
3)フルオロアルコキシであり、
nは、1であり、
R’は、水素原子であり、及び
R”は、水素原子であり、
ここで、前記患者は、臨床的に検出可能な転移を示さない、又は、前記患者は、前癌状態、初期段階の癌、若しくは非転移性の癌を有
する、
前記剤。
【請求項2】
前記式(Ib’)の化合物が、下記式の8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミンである、請求項1に記載の剤。
【化2】
【請求項3】
請求項1又は2に記載の剤であって、
ここで、前記患者の血液及び/又は組織のサンプル中のmiR-124の存在及び/又は発現レベルが、前記使用の前及び/又は間に測定される、前記剤。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の剤であって、
ここで、血液及び/又は組織のサンプル中のmiR-124の存在及び/又は発現レベルが測定されて、投与量をガイドする又は処置に対する応答を監視する、前記剤。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の剤であって、
ここで、miR-124レベルと、サイトカイン若しくは他のバイオマーカーのレベル或いは請求項1又は2に定義された式(Ib’)の化合物又はその医薬的に許容される塩のレベルとを結び付けるアルゴリズムが使用されて、癌の重症度を監視する及び/又は処置の有効性を監視する、前記剤。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の剤であって、
ここで、請求項1又は2に記載の式(Ib’)の化合物又はその医薬的に許容される塩の、患者の血液、血漿、組織、唾液及び/又は血清のサンプル中のレベルが前記使用の間に測定される、前記剤。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の剤であって、
別の抗腫瘍剤と組み合わせて使用される、前記剤。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の剤であって、
化学療法、免疫療法、放射線療法、手術、超音波、モノクローナル抗体及び癌ワクチンから選択される他の療法と組み合わせて使用される、前記剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、癌の処置において使用する為のキノリン誘導体を提供することの目的を有する。
【0002】
病気の重症度の故に、癌を予防及び/又は処置する為の及び/又は既存の抗癌剤の有効性を高める為の新規な薬物を見つける為の永続的な必要性がある。
【0003】
副作用の無い又は副作用が限られた化合物の必要性がまだ残っている。
【背景技術】
【0004】
AIDS又は幾つかの炎症疾病の処置に有用である幾つかのキノリン誘導体が、下記の特許出願、すなわち国際公開第2010/143169号パンフレット、国際公開第2012/080953号パンフレット、国際公開第2016/009065号パンフレット及び国際公開第2016/009066号パンフレットに記載されている。
【0005】
さらに、幾つかの癌の処置に有用である、より特には転移性湿潤に対して有用である、幾つかのキノリン誘導体が、国際公開第2010/143168号パンフレットに記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の枠組みにおいて、下記の定義が与えられうる:
有効量:処置される癌に対して効果をもたらす医薬化合物の量、及び/又は本明細書に記載された疾病及び状態、すなわち癌及び/又は異形成、より特には、前癌状態、初期段階の癌又は非転移性癌、の症状を予防する、軽減する、除去する、処置する又は制御することにおいて有効である本発明の化合物の量。語「有効量」は、「予防有効量」並びに「処置有効量」を包含する。語「予防有効量」は、癌及び/又は異形成、より特には前癌状態、初期段階の癌又は非転移性癌、の可能性を抑制する、予防する、減少させること、又は癌及び/又は異形成、より特には前癌状態、初期段階の癌又は非転移性癌、の遅発性発病を予防することにおいて有効である本発明の化合物の濃度を云う。同様に、語「処置有効量」は、癌及び/又は異形成、より特には前癌状態、初期段階の癌又は非転移性癌を処置する際に有効である化合物の濃度、例えば癌及び/又は異形成が発生した後に投与された場合の検査後に、腫瘍サイズにおける減少、腫瘍負荷(tumor burden)における減少、及び/又は前癌腫瘍、初期腫瘍若しくは非転移性腫瘍の腫瘍数における減少をもたらす化合物の濃度、を云う。
別々の投与、同時投与、又は薬の組み合わせの時間の経過とともに広がる投与は、組み合わせの基本的な構成要素が同時に、それぞれが別個の瞬間に、又は繰り返し若しくは異なる瞬間に、特にサイクル中、投与されることができることを意味する。該基本的な成分は、これを行う為に、それらが同時に投与される場合にのみ混合物として製剤化されることができ、そうでなければ他の投与スキームの為に別々に製剤化されることができる。
【0007】
本明細書において使用される場合に、語「医薬的に許容される」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等無しにヒト及び動物の組織と接触する為に適しており且つ合理的な利益/リスク比に見合った化合物、材料、賦形剤、担体、助剤、ビヒクル、組成物又は投与形態を云う。
【0008】
本明細書において使用される場合に、語「患者」は、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒト、を意味する。
【0009】
「組み合わせ」は、本明細書の以下で定義されている化合物、その代謝物又はその医薬的に許容される塩のいずれか1つ、特に、任意の形態にある8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミンと、少なくとも追加の抗癌剤又は抗腫瘍活性剤とを含む医薬組成物又はキットを意味する。
【0010】
本発明の文脈において、語「処置する」又は「処置」は、本明細書において使用される場合に、癌及び/又は異形成、より特には前癌状態、初期段階の癌又は非転移性癌、の進行を逆転する、緩和する、阻止することを意味する。
【0011】
語「制御する」は、本明細書に記載された疾病及び状態の進行を遅らせうる、中断しうる、阻止しうる、又は停止しうる全てのプロセスを云うことが意図されているが、必ずしも全ての疾病及び状態の症状が完全になくなることを示すわけではなく、予防的処置を包含することが意図されている。
【0012】
語「予防する」は、本明細書において使用される場合に、所与の現象、すなわち本発明における所与の現象、である癌及び/又は異形成、より特には前癌状態、初期段階の癌又は非転移性癌、の発症のリスクを軽減すること又はその発生を遅らせることを意味する。本明細書において使用される場合に、「予防する」はまた、「発生の可能性を減らす」又は「再発の可能性を減らす」ことを包含する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
それ故に、本発明は、癌又は異形成を処置及び/又は予防する使用の為の、本明細書の以下に記載された、式(I)、式(I’)、式(I’’)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ib’)、式(Ic)、式(Id)、式(IV)、式(IVa)、式(IVb)、式(IVb’)、式(IVc)若しくは式(IVd)のキノリン誘導体、又はそれらの医薬的に許容される塩に関する。
【0014】
IC50の計算を通じての実験部分において示されている通り、本発明に従う化合物、より特には式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つは、癌、より特には結腸直腸癌、胃癌(stomach cancer)、肝臓癌、肺癌及び/又は膵臓癌、特には前癌状態、初期段階の癌、又は非転移性癌を有する患者における癌、を処置及び/又は予防する為に有用である。1つの実施態様に従うと、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つは、転移の侵入を直接的に標的としない。
【0015】
さらに、本発明は、癌又は異形成、又は癌転移、又は腫瘍前病変を予防及び/又は阻止及び/又は処置する使用の為の、以下に定義された、式(I)、式(I’)、式(I’’)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ib’)、式(Ic)、式(Id)、式(IV)、式(IVa)、式(IVb)、式(IVb’)、式(IVc)若しくは式(IVd)の化合物、又はその医薬的に許容される塩に関する。
【0016】
その上、本発明は、癌又は異形成を予防、阻止又は処置する方法であって、それらを患う患者に、下記の式(I)、式(I’)、式(I’’)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ib’)、式(Ic)、式(Id)、式(IV)、式(IVa)、式(IVb)、式(IVb’)、式(IVc)若しくは式(IVd)において定義された化合物又はその医薬的に許容される塩の有効量を投与することからなる少なくとも1つの工程を含む上記方法に関する。
【0017】
幾つかの実施態様において、本発明の方法又は使用方法はさらに、患者における、本明細書中の式(I)、式(I’)、式(I’’)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)、式(Id)若しくは式(Ib’)において定義された化合物又はその代謝物のレベルを測定することを含む。幾つかの実施態様において、式(I)、式(I’)、式(I’’)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)、式(Id)若しくは式(Ib’)において定義された化合物又はその代謝物のレベルが、患者の生物学的サンプルにおいて測定される。幾つかの実施態様において、患者の生物学的サンプルは、血液、血漿、組織、唾液及び/又は血清のサンプルである。幾つかの実施態様において、本発明の方法はさらに、患者における、式(IV)、式(IVa)、式(IVb)、式(IVb’)、式(IVc)若しくは式(IVd)の化合物又はその医薬的に許容される塩のレベルを測定することを含む。幾つかの実施態様において、本発明の方法又は使用方法はさらに、患者における、式(I)、式(I’)若しくは式(I’’)及び式(IV)の化合物又は医薬的に許容される塩の総レベルを測定することを含む。幾つかの実施態様において、本発明の方法又は使用方法はさらに、患者における、式(Ia)及び式(IVa)の化合物又はその医薬的に許容される塩の総レベルを測定することを含む。幾つかの実施態様において、本発明の方法又は使用方法はさらに、患者における、式(Ib)及び式(IVb)の化合物又は医薬的に許容される塩の総レベルを測定することを含む。幾つかの実施態様において、本発明の方法又は使用方法はさらに、患者における、式(Ib’)及び式(IVb’)の化合物又は医薬的に許容される塩の総レベルを測定することを含む。幾つかの実施態様において、本発明の方法又は使用方法はさらに、患者における、式(Ic)及び式(IVc)の化合物又は医薬的に許容される塩の総レベルを測定することを含む。幾つかの実施態様において、本発明の方法又は使用方法はさらに、患者における、式(Id)及び式(IVd)の化合物又は医薬的に許容される塩の総レベルを測定することを含む。
【0018】
幾つかの実施態様において、本発明の方法又は使用方法はさらに、患者における、バイオマーカーの存在及び/又はレベルを測定すること及び/又は監視することを含む。幾つかの実施態様において、バイオマーカーの存在及び/又はレベルが、患者の生物学的サンプルにおいて測定される。幾つかの実施態様において、患者の生物学的サンプルが血液サンプルである。幾つかの実施態様において、患者の生物学的サンプルが組織サンプルである。幾つかの実施態様において、本発明の方法において測定された及び/又は監視されたバイオマーカーが、国際公開第2014/111892号パンフレットに記載されたmiR-124であり、該パンフレットの全内容が参照により本明細書内に取り込まれる。幾つかの実施態様において、本発明の方法又は使用方法はさらに、本明細書に記載された、化合物又は医薬的に許容される塩又はそれらの組成物を投与する前に、患者における、miR-124の存在及び/又は発現レベルを測定すること及び/又は監視することを含む。幾つかの実施態様において、本発明の方法又は使用方法はさらに、本明細書に記載された、化合物又は医薬的に許容される塩又はそれらの組成物での処置の過程の間に、患者におけるmiR-124の存在及び/又は発現レベルを測定すること及び/又は監視することを含む。幾つかの実施態様において、本発明の方法又は使用方法はさらに、患者におけるmiR-124の存在及び/又は発現レベルを測定すること及び/又は監視することによって、本明細書に記載された、化合物又は医薬的に許容される塩又はそれらの組成物での処置の為の患者を選択することを含む。幾つかの実施態様において、本発明の方法又は使用方法はさらに、患者におけるmiR-124の存在及び/又は発現レベルを測定すること及び/又は監視することによって、本明細書に記載された、化合物又は医薬的に許容される塩又はそれらの組成物での処置から患者を除くことを含む。幾つかの実施態様において、本発明の方法又は使用方法はさらに、患者におけるmiR-124の存在及び/又は発現レベルを測定すること及び/又は監視することによって、患者に投与されるべき、本明細書に記載された、化合物又は医薬的に許容される塩又はそれらの組成物の投与レジメン(例えば、投与量及び/又は投与スケジュール)を調整すること(例えば、増量すること又は減量すること)を含む。
【0019】
幾つかの実施態様において、本発明の方法又は使用方法は、患者におけるmiR-124の測定された発現レベルを対照参照値と比較することを含む。患者におけるmiR-124の測定された発現レベルを比較する為に使用されるべき対照参照値は、対照サンプルから得られる。対照サンプルは、様々な起源から取得されることができる。幾つかの実施態様において、対照サンプルは、処置の前に又は疾病の存在の前に、患者から採取される(例えば、保存血液サンプル又は組織サンプル)。幾つかの実施態様において、対照サンプルは、集団の正常な、非疾病のメンバーの組から採取される。幾つかの実施態様において、対照サンプルは、本明細書に記載された、化合物又は医薬的に許容される塩又はそれらの組成物での処置前に、患者から採取される。幾つかの実施態様において細胞アッセイが、生物学的サンプルにおいて実行されることができる。
【0020】
幾つかの実施態様において、対照参照値と比較して患者におけるmiR-124の調節された存在及び/又は発現レベルは、癌を示す。幾つかの実施態様において、対照参照値と比較して患者におけるmiR-124の調節された存在及び/又は発現レベルは、患者に投与される本明細書に記載された、化合物又は医薬的に許容される塩又はそれらの組成物での処置の有効性を示す。語「調節」又は「調節された存在及び/又は発現レベル」は、バイオマーカーの存在又は発現レベルが誘発されるか若しくは増加されるか、又は、代替的に、抑制されるか若しくは減少されるかのいずれかであることを意味する。
【0021】
幾つかの実施態様において、対照参照値に相対的なmiR-124の、測定された、減少された若しくは抑制された存在又は減少された発現レベルは、癌を示す。幾つかの実施態様において、対照参照値に相対的なmiR-124の、測定された、誘発された又は増加された存在又は増加された発現レベルは、本明細書に記載された、化合物又は医薬的に許容される塩又はそれらの組成物の有効性を示す。幾つかの実施態様において、本明細書に記載された、化合物又は医薬的に許容される塩又はそれらの組成物で処置された患者におけるmiR-124の測定された発現レベルは、対照参照値に相対的に、2倍、4倍、6倍、8倍、又は10倍の増加である。
【0022】
式(I)、式(I’)若しくは式(I’’)のキノリン誘導体、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つの、癌に対する活性のバイオマーカーとしてのmiR-124のイン・ビトロ(in vitro)又はエクス・ビボ(ex vivo)使用方法がまた本明細書において提供される。
【0023】
1つの実施態様に従うと、本発明に従う方法又は使用方法は、特に、患者における癌の決定を可能にし得、特にそのような癌のフォローアップを可能にしうる。
【0024】
本発明に従う使用方法は、本発明に従うキノリン誘導体での癌の処置に対する患者の応答性を評価することを目的としうる。本発明に従う使用方法はさらに、上記キノリン誘導体での癌の処置の有効性を評価すること、又は癌を予防及び/又は処置する為の治療剤としての上記キノリン誘導体の治療的有効性を評価することを目的としうる。
【0025】
その上、本発明は、上記のキノリン誘導体での抗腫瘍処置を用いて患者コンプライアンスを評価することを目的としうる。
【0026】
幾つかの実施態様において、本発明は、式(I)、式(I’)、式(I’’)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ib’)、式(Ic)、式(Id)、式(IV)、式(IVa)、式(IVb)、式(IVb’)、式(IVc)若しくは式(IVd)の化合物、又はその医薬的に許容される塩の使用方法であって、ここで、血液及び/又は組織のサンプル中のmiR-124の存在及び/又は発現レベルが、投与量をガイドする為に又は処置に対する応答を監視する為に測定される上記使用方法に関する。
【0027】
幾つかの実施態様において、本発明は、式(I)、式(I’)、式(I’’)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ib’)、式(Ic)、式(Id)、式(IV)、式(IVa)、式(IVb)、式(IVb’)、式(IVc)若しくは式(IVd)の化合物、又はその医薬的に許容される塩の使用方法であって、ここで、miR-124メチル化が治療をガイドする為に測定される上記使用方法に関する。
【0028】
幾つかの実施態様において、本発明は、癌の重症度を監視する為に及び/又は処置、例えば本明細書に記載された処置であるがこれらに限定されないを包含する処置、の有効性を監視する為に、miR-124レベルと、サイトカイン若しくは他のバイオマーカーのレベル或いは式(I)及び/又は式(IV)の化合物若しくはその医薬的に許容される塩のレベルとを結び付けるアルゴリズムを提供する。幾つかの実施態様において、本明細書に記載された処置方法は、miR-124レベルと、サイトカイン若しくは他のバイオマーカーのレベル或いは式(I)及び/又は式(IV)の化合物若しくはその医薬的に許容される塩のレベルとを結び付けるアルゴリズムを使用して、癌の重症度を監視すること及び/又は処置の有効性を監視することを含む。
【0029】
本発明に従う使用の為の、式(I’)のキノリン誘導体、又はその代謝物若しくは医薬的に許容される塩のいずれか1つ、又はそれらのエナンチオマー若しくはジアステレオマーのいずれか1つが本明細書においてさらに提供され、ここで、miR-124レベルと、サイトカイン若しくは他のバイオマーカーのレベル或いは本明細書の下記で定義された式(I’)の化合物又はその代謝物若しくは医薬的に許容される塩のいずれか1つ、又はそれらのエナンチオマー若しくはジアステレオマーのいずれか1つのレベルとを結び付けるアルゴリズムが、癌の重症度を監視する為に及び/又は処置の有効性を監視する為に使用される。
【0030】
処置の有効性を監視する為に、miR-124レベルと、サイトカイン若しくは他のバイオマーカーのレベル或いは本明細書において定義された式(I’)の化合物、又はその代謝物若しくは医薬的に許容される塩のいずれか1つ、又はそれらのエナンチオマー若しくはジアステレオマーのいずれか1つとを結び付けるアルゴリズムが本明細書においてさらに提供される。
【0031】
miR-124の存在及び/又は発現レベルが抗腫瘍剤の使用の前及び/又は該使用の過程の間に、患者の血液及び/又は組織のサンプルにおいて監視されるところの該患者の為に意図された抗腫瘍剤としての使用の為の、式(I)、式(I’)若しくは式(I’’)のキノリン誘導体、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つがまた本明細書において提供される。
【0032】
miR-124の存在及び/又は発現レベルが、投与の前、その間及び/又はその後に、患者の血液及び/又は組織のサンプルにおいて測定されているところの該患者の為の抗腫瘍剤としての使用の為の、式(I)、式(I’)若しくは式(I’’)のキノリン誘導体、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つがまた本明細書において提供される。
【0033】
それ故に、上記キノリン誘導体で処置された患者における癌を予防及び/又は処置する為の、式(I)、式(I’)又は式(I’’)のキノリン誘導体の活性を評価する方法であって、
a.少なくとも1つのmiRNAの存在又は発現レベルを測定すること、ここで、該少なくとも1つのmiRNAが、上記キノリン誘導体を投与する前に該患者から予め得られた第1の生物学的サンプル中のmiRNA、及び上記キノリン誘導体を投与した後に該患者から予め得られた第2の生物学的サンプル中のmiRNAである、及び
b.上記存在又は発現レベルが、上記処置の前に得られた上記第1の生物学的サンプルと比較して、上記処置の後に得られた上記第2の生物学的サンプルにおいて調節されるかを決定すること
の工程を少なくとも含み、
ここで、上記miRNAの発現の調節された存在又はレベルが、上記キノリン誘導体の抗癌作用を示す、上記方法が本明細書において提供される。
【0034】
幾つかの実施態様において、本発明の方法又は使用方法は、他の活性成分、特に本明細書に記載された別の抗腫瘍剤、と組み合わされて使用される。
【0035】
幾つかの実施態様において、本発明の方法又は使用方法は、本明細書に記載された他の療法と組み合わされて使用される。幾つかの実施態様において、他の療法は、化学療法、免疫療法、放射線療法、手術、超音波、モノクローナル抗体及び癌ワクチンから選択される。
【発明を実施するための形態】
【0036】
化合物
【0037】
本明細書に記載された化合物は、国際公開第2010/143169号パンフレット、国際公開第2012/080953号パンフレット、国際公開第2016/009065号パンフレット及び国際公開第2016/009066号パンフレットにおいて記載された合計経路に従って調製され、それらパンフレットの内容は、それらの全体が参照により本明細書内に取り込まれる。
【0038】
1つの観点において、本発明の化合物は、下記の式(I)の化合物である。
【化1】
ここで、
ZはC又はNであり、
VはC又はNであり、
【化2】
は芳香環を意味し、ここで、VはC又はNであり、且つVがNである場合、Vは、Zに対してオルト、メタ又はパラ位にあり、
各Rは独立して、水素原子、ハロゲン原子、-CN、ヒドロキシル、(C
1~C
3)フルオロアルキル、(C
1~C
3)フルオロアルコキシ、(C
3~C
6)シクロアルキル、-NO
2、-NR
1R
2、(C
1~C
4)アルコキシ、フェノキシ、-NR
1-SO
2-NR
1R
2、-NR
1-SO
2-R
1、-NR
1-C(=O)-R
1、-NR
1-C(=O)-NR
1R
2、-SO
2-NR
1R
2、-SO
3H、-O-SO
2-OR
3、-O-P(=O)-(OR
3)(OR
4)、-O-CH
2-COOR
3、(C
1~C
3)アルキルであり、ここで、該アルキルは任意的に、ヒドロキシル基、下記の式(IIa)の基
【化3】
又は、下記の式(IIIa)の基
【化4】
によって、一又は二置換されていてもよい、
QはN又はOであり、但し、QがOである場合に、R”は存在しない、
R
1及びR
2の各々は独立して、水素原子又は(C
1~C
3)アルキルであり、
R
3及びR
4の各々は独立して、水素原子、Li+、Na+、K+、N+(Ra)
4又はベンジルであり、
nは、1、2又は3であり、
n’は、1、2又は3であり、
各R’は独立して、水素原子、(C
1~C
3)アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン原子、-NO
2、-NR
1R
2、モルホリニル、モルホリノ、N-メチルピペラジニル、(C
1~C
3)フルオロアルキル、(C
1~C
4)アルコキシ、-O-P(=O)-(OR
3)(OR
4)、-CN、下記の式(IIa)の基
【化5】
又は、下記の式(IIIa)の基
【化6】
であり、
Aは、共有結合、酸素原子又はNHであり、
Bは、共有結合又はNHであり、
mは、1、2、3、4又は5であり、
pは、1、2又は3であり、
Ra及びRbの各々は独立して、水素原子、(C
1~C
5)アルキル若しくは(C
3~C
6)シクロアルキルであり、又は、
Ra及びRbは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した5員又は6員の複素環を形成していてもよく、該複素環は任意的に、1以上のRaによって置換されていてもよく、但し、R’が(IIa)基又は(IIIa)基である場合、他のR’基が前記(IIa)基又は(IIIa)基と異なる場合にのみ、n’は2又は3でありうる、並びに、
R”は、水素原子、(C
1~C
4)アルキル、上記で定義された式(IIa)の基である。
【0039】
上部で一般的に定義されている通り、ZはC又はNである。
【0040】
幾つかの実施態様において、ZはCである。幾つかの実施態様において、ZはNである。
【0041】
幾つかの実施態様において、Zは、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0042】
上部で一般的に定義されている通り、VはC又はNである。
【0043】
幾つかの実施態様において、VはCである。幾つかの実施態様において、VはNである。
【0044】
幾つかの実施態様において、Vは、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0045】
上部で一般的に定義されている通り、
【化7】
は芳香環を意味し、ここで、VはC又はNであり、且つVがNである場合、Vは、Zに対してオルト、メタ又はパラ位にある。
【0046】
幾つかの実施態様において、
【化8】
は芳香環を意味し、ここで、VはCである。
【0047】
幾つかの実施態様において、
【化9】
は芳香環を意味し、ここで、VはNであり、及びVは、Zに対してオルト、メタ又はパラ位にある。
【0048】
幾つかの実施態様において、VはNであり、及びVはZに対してオルト位にある。幾つかの実施態様において、VはNであり、及びVはZに対してメタ位にある。幾つかの実施態様において、VはNであり、及びVはZに対してパラ位にある。
【0049】
幾つかの実施態様において、
【化10】
はフェニルである。
【0050】
幾つかの実施態様において、
【化11】
は、ピリジンである。
【0051】
幾つかの実施態様において、
【化12】
は、ピリダジンである。
【0052】
幾つかの実施態様において、
【化13】
は、ピリミジンである。
【0053】
幾つかの実施態様において、
【化14】
は、ピラジンである。
【0054】
幾つかの実施態様において、
【化15】
は、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0055】
上記で一般的に説明されている通り、各Rは独立して、水素原子、ハロゲン原子、-CN、ヒドロキシル、(C1~C3)フルオロアルキル、(C1~C3)フルオロアルコキシ、(C3~C6)シクロアルキル、-NO2、-NR1R2、(C1~C4)アルコキシ、フェノキシ、-NR1-SO2-NR1R2、-NR1-SO2-R1、-NR1-C(=O)-R1、-NR1-C(=O)-NR1R2、-SO2-NR1R2、-SO3H、-O-SO2-OR3、-O-P(=O)-(OR3)(OR4)、-O-CH2-COOR3、又は(C1~C3)アルキルであり、ここで、該アルキルは任意的に、ヒドロキシル基によって、一又は二置換されていてもよい。
【0056】
幾つかの実施態様において、Rは水素原子である。幾つかの実施態様において、Rはハロゲン原子である。幾つかの実施態様において、Rは-CNである。幾つかの実施態様において、Rはヒドロキシルである。幾つかの実施態様において、Rは(C1~C3)フルオロアルキルであり、ここで、該アルキルは任意的に、ヒドロキシルによって、一又は二置換されていてもよい。幾つかの実施態様において、Rは(C1~C3)フルオロアルコキシである。幾つかの実施態様において、Rは(C3~C6)シクロアルキルである。幾つかの実施態様において、Rは-NO2である。幾つかの実施態様において、Rは-NR1R2である。幾つかの実施態様において、Rは(C1~C4)アルコキシである。幾つかの実施態様において、Rはフェノキシである。幾つかの実施態様において、Rは-NR1-SO2-NR1R2である。幾つかの実施態様において、Rは-NR1-SO2-R1である。幾つかの実施態様において、Rは-NR1-C(=O)-R1である。幾つかの実施態様において、Rは-NR1-C(=O)-NR1R2である。幾つかの実施態様において、Rは-SO2-NR1R2である。幾つかの実施態様において、Rは-SO3Hである。幾つかの実施態様において、Rは-O-SO2-OR3である。幾つかの実施態様において、Rは-O-P(=O)-(OR3)(OR4)である。幾つかの実施態様において、Rは-O-CH2-COOR3である。幾つかの実施態様において、Rは(C1~C3)アルキルであり、ここで、該アルキルは任意的に、ヒドロキシルによって、一又は二置換されていてもよい。
【0057】
幾つかの実施態様において、各Rは独立して、ハロゲン原子、(C1~C3)フルオロアルキル、(C1~C3)フルオロアルコキシ、-NR1R2、(C1~C4)アルコキシ、又は(C1~C3)アルキルである。
【0058】
幾つかの実施態様において、各Rは独立して、水素原子、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アミノ、ハロゲン原子又は-O-P(=O)-(OR3)(OR4)である。幾つかの実施態様において、Rはメチルである。幾つかの実施態様において、Rはメトキシである。幾つかの実施態様において、Rはトリフルオロメチルである。幾つかの実施態様において、Rはトリフルオロメトキシである。幾つかの実施態様において、Rはアミノである。幾つかの実施態様において、Rは-O-P(=O)-(OR3)(OR4)である。
【0059】
幾つかの実施態様において、各Rは独立して、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、ハロゲン原子、トリフルオロメトキシ、又はアミノである。
【0060】
幾つかの実施態様において、Rは、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0061】
上記で一般的に説明されている通り、QはN又はOであり、但し、QがOである場合に、R″は存在しない。
【0062】
幾つかの実施態様において、QはNである。幾つかの実施態様において、QがOであり、且つR″が存在しない。
【0063】
幾つかの実施態様において、Qは、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0064】
上記で一般的に説明されている通り、R1及びR2の各々は独立して、水素原子又は(C1~C3)アルキルである。
【0065】
幾つかの実施態様において、R1は水素原子である。幾つかの実施態様において、R1は(C1~C3)アルキルである。幾つかの実施態様において、R2は水素原子である。幾つかの実施態様において、R2は(C1~C3)アルキルである。
【0066】
幾つかの実施態様において、R1及びR2の各々は独立して、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0067】
上記で一般的に説明されている通り、R3及びR4の各々は独立して、水素原子、Li+、Na+、K+、N+(Ra)4又はベンジルである。
【0068】
幾つかの実施態様において、R3は水素原子である。幾つかの実施態様において、R3はLi+である。幾つかの実施態様において、R3はNa+である。幾つかの実施態様において、R3はK+である。幾つかの実施態様において、R3はN+(Ra)4である。幾つかの実施態様において、R3はベンジルである。
【0069】
幾つかの実施態様において、R4は水素原子である。幾つかの実施態様において、R4はLi+である。幾つかの実施態様において、R4はNa+である。幾つかの実施態様において、R4はK+である。幾つかの実施態様において、R4はN+(Ra)4である。幾つかの実施態様において、R4はベンジルである。
【0070】
幾つかの実施態様において、R3及びR4の各々は独立して、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0071】
上記で一般的に説明されている通り、nは、1、2又は3である。
【0072】
幾つかの実施態様において、nは、1又は2である。幾つかの実施態様において、nは1である。幾つかの実施態様において、nは2である。幾つかの実施態様において、nは3である。
【0073】
幾つかの実施態様において、nは、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0074】
上記で一般的に説明されている通り、n’は、1、2又は3である。
【0075】
幾つかの実施態様において、n’は1又は2である。幾つかの実施態様において、n’は1である。幾つかの実施態様において、n’は2である。幾つかの実施態様において、n’は3である。
【0076】
幾つかの実施態様において、n’は、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0077】
上記で一般的に説明されている通り、各R’は独立して、水素原子、(C
1~C
3)アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン原子、-NO
2、-NR
1R
2、モルホリニル、モルホリノ、N-メチルピペラジニル、(C
1~C
3)フルオロアルキル、(C
1~C
4)アルコキシ、-O-P(=O)-(OR
3)(OR
4)、-CN、下記の式(IIa)の基
【化16】
又は、下記の式(IIIa)の基
【化17】
である。
【0078】
幾つかの実施態様において、R’は水素原子である。幾つかの実施態様において、R’は(C
1~C
3)アルキルである。幾つかの実施態様において、R’はヒドロキシルである。幾つかの実施態様において、R’はハロゲン原子である。幾つかの実施態様において、R’は-NO
2である。幾つかの実施態様において、R’は-NR
1R
2である。幾つかの実施態様において、R’はモルホリニルである。幾つかの実施態様において、R’はモルホリノである。幾つかの実施態様において、R’はN-メチルピペラジニルである。幾つかの実施態様において、R’は(C
1~C
3)フルオロアルキルである。幾つかの実施態様において、R’は(C
1~C
4)アルコキシである。幾つかの実施態様において、R’は-O-P(=O)-(OR
3)(OR
4)である。幾つかの実施態様において、R’は-CNである。幾つかの実施態様において、R’は下記の式(IIa)の基
【化18】
である。
【0079】
幾つかの実施態様において、R’は下記の式(IIIa)の基である。
【化19】
である。
【0080】
幾つかの実施態様において、R’はアミノである。幾つかの実施態様において、R’はメチルである。幾つかの実施態様において、R’は下記の式の基である。
【化20】
ここで、Aは、O又はNHであり、mは2又は3であり、及びX
1は、O、CH
2又はN-CH
3であり、但し、R’がそのような基である場合、n’は1又は2であり、及びn’が2である場合、他のR’基は、上記の基と異なる。
【0081】
幾つかの実施態様において、R’は下記の式の基である。
【化21】
ここで、Aは、O又はNHであり、mは2であり、及びX
1は、O、CH
2又はN-CH
3であり、但し、R’がそのような基である場合、n’は1又は2であり、及びn’が2である場合、他のR’基は、上記の基と異なる。
【0082】
幾つかの実施態様において、R’は下記の式の基である。
【化22】
ここで、Aは、O又はNHであり、mは3であり、及びX
1は、O、CH
2又はN-CH
3であり、但し、R’がそのような基である場合、n’は1又は2であり、及びn’が2である場合、他のR’基は、上記の基と異なる。
【0083】
幾つかの実施態様において、各R’は独立して、水素原子、ハロゲン原子、アミノ、メチル、-O-P(=O)-(OR
3)(OR
4)、又は下記の式の基である。
【化23】
ここで、Aは、O又はNHであり、mは2又は3であり、及びX
1は、O、CH
2又はN-CH
3であり、但し、R’がそのような基である場合、n’は1又は2であり、及びn’が2である場合、他のR’基は、上記の基と異なる。
【0084】
幾つかの実施態様において、各R’は独立して、水素原子、ハロゲン原子、メチル、又は下記の式の基である。
【化24】
ここで、Aは、O又はNHであり、mは2であり、及びX
1は、O、CH
2又はN-CH
3であり、但し、R’がそのような基である場合、n’は1又は2であり、及びn’が2である場合、他のR’基は、上記の基と異なる。
【0085】
幾つかの実施態様において、各R’は独立して、ハロゲン原子、(C1~C3)アルキル、ヒドロキシル、-NR1R2、モルホリニル、モルホリノ、N-メチルピペラジニル、(C1~C3)フルオロアルキル、(C1~C4)アルコキシ、又は本明細書に記載された式(IIa)若しくは式(IIIa)の基である。
【0086】
幾つかの実施態様において、R’は、ハロゲン原子又はメチルである。
【0087】
幾つかの実施態様において、各R’は独立して、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0088】
上記で一般的に説明されている通り、Aは、共有結合、酸素原子又はNHである。
【0089】
幾つかの実施態様において、Aは共有結合である。幾つかの実施態様において、Aは酸素原子である。幾つかの実施態様において、AはNHである。
【0090】
幾つかの実施態様において、Aは下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0091】
上記で一般的に説明されている通り、Bは、共有結合又はNHである。
【0092】
幾つかの実施態様において、Bは共有結合である。幾つかの実施態様において、BはNHである。
【0093】
幾つかの実施態様において、Bは、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0094】
上記で一般的に説明されている通り、mは、1、2、3、4又は5である。
【0095】
幾つかの実施態様において、mは1である。幾つかの実施態様において、mは2である。幾つかの実施態様において、mは3である。幾つかの実施態様において、mは4である。幾つかの実施態様において、mは5である。
【0096】
幾つかの実施態様において、mは、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0097】
上記で一般的に説明されている通り、pは、1、2又は3である。
【0098】
幾つかの実施態様において、pは1である。幾つかの実施態様において、pは2である。幾つかの実施態様において、pは3である。幾つかの実施態様において、pは4である。幾つかの実施態様において、pは5である。
【0099】
幾つかの実施態様において、pは、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0100】
上記で一般的に説明されている通り、Ra及びRbの各々は独立して、水素原子、(C1~C5)アルキル若しくは(C3~C6)シクロアルキルであり、又は、Ra及びRbは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した5員又は6員の複素環を形成していてもよく、ここで、該複素環は任意的に、1以上のRaによって置換されていてもよく、但し、R’が(IIa)基又は(IIIa)基である場合、他のR’基が該(IIa)基又は(IIIa)基と異なる場合にのみ、n’は2又は3でありうる。
【0101】
幾つかの実施態様において、Raは水素原子である。幾つかの実施態様において、Raは(C1~C5)アルキルである。幾つかの実施態様において、Raは(C3~C6)シクロアルキルである。幾つかの実施態様において、Rbは水素原子である。幾つかの実施態様において、Rbは(C1~C5)アルキルである。幾つかの実施態様において、Rbは(C3~C6)シクロアルキルである。
【0102】
幾つかの実施態様において、Ra及びRbは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した5員又は6員の複素環を形成し、ここで、該複素環は任意的に、1以上のRaによって置換されていてもよく、但し、R’が式(IIa)又は式(IIIa)の基である場合、他のR’基が式(IIa)又は式(IIIa)の基と異なる場合にのみ、n’は2又は3でありうる。幾つかの実施態様において、上記された通り、Ra及びRbが結合されている窒素原子と一緒になってRa及びRbによって形成された飽和した5員又は6員の複素環は任意的に、N、O及びSから選択される追加のヘテロ原子を有していてもよい。
【0103】
幾つかの実施態様において、Ra及びRbは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した、N、O及びSから選択される追加のヘテロ原子を有する5員又は6員の複素環を形成し、該複素環は、1以上のRaによって置換されていてもよく、但し、R’が式(IIa)又は式(IIIa)の基である場合、他のR’基が該式(IIa)又は式(IIIa)の基と異なる場合にのみ、n’は2又は3でありうる。
【0104】
幾つかの実施態様において、Ra及びRbは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した5員又は6員の複素環を形成し、但し、R’が式(IIa)又は式(IIIa)の基である場合、他のR’基が該式(IIa)又は式(IIIa)の基と異なる場合にのみ、n’は2又は3でありうる。
【0105】
幾つかの実施態様において、Ra及びRbは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した6員の複素環を形成し、但し、R’が式(IIa)又は式(IIIa)の基である場合、他のR’基が該式(IIa)又は式(IIIa)の基と異なる場合にのみ、n’は2又は3でありうる。
【0106】
幾つかの実施態様において、Ra及びRbは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した、N、O及びSから選択される追加のヘテロ原子を有する5員又は6員の複素環を形成し、該複素環は任意的に、1以上のRaによって置換されていてもよく、但し、R’が(IIa)基又は(IIIa)基である場合、他のR’基が該(IIa)基又は式(IIIa)基と異なる場合にのみ、n’は2でありうる。
【0107】
幾つかの実施態様において、Ra及びRbの各々が独立して、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0108】
上記で一般的に説明されている通り、R”は、水素原子、(C1~C4)アルキル、又は上記で定義された式(IIa)の基である。
【0109】
幾つかの実施態様において、R”は、水素原子又は(C1~C4)アルキルである。幾つかの実施態様において、R”は水素原子である。幾つかの実施態様において、R”は(C1~C4)アルキルである。幾つかの実施態様において、R”は、上記で定義された式(IIa)の基である。
【0110】
幾つかの実施態様において、R”は、下記の式の基である。
【化25】
ここで、mは2又は3であり、及びX
1は、O、CH
2又はN-CH
3である。
【0111】
幾つかの実施態様において、R”は、下記の表1~3に記載されたそれらから選択される。
【0112】
幾つかの実施態様において、nは1であり、n’は1又は2であり、R”はHであり、Rは、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、ハロゲン原子、トリフルオロメトキシ、及びアミノから選択され、並びに、各R’は独立して、ハロゲン原子、メチル、又は下記の基である。
【化26】
ここで、Aは、O又はNHであり、mは2又は3であり、及びX
1は、O、CH
2又はN-CH
3であり、但し、n’が2である場合に、他のR’基は、上記基と異なる。
【0113】
幾つかの実施態様において、nは1であり、n’は1であり、R”はHであり、Rは、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、ハロゲン原子、及びトリフルオロメトキシから選択され、並びに、R’は、ハロゲン原子又はメチルである。
【0114】
幾つかの実施態様において、本発明の化合物は、式(Ia)の化合物又はその医薬的に許容される塩である。
【化27】
ここで、変数R、R’、R”、n及びn’は独立して、上記で定義された通りであり且つ本明細書の実施態様において、単独及び組み合わせの両方で記載されている通りである。
【0115】
幾つかの実施態様において、本発明の化合物は、式(Ib)の化合物又はその医薬的に許容される塩である。
【化28】
ここで、変数R、R’、R”、n及びn’は独立して、上記で定義された通りであり且つ本明細書の実施態様において、単独及び組み合わせの両方で記載されている通りである。
【0116】
幾つかの実施態様において、本発明の化合物は、式(Ic)の化合物又はその医薬的に許容される塩である。
【化29】
ここで、変数R、R’、R”、n及びn’のそれぞれは独立して、上記で定義された通りであり且つ本明細書の実施態様において、単独及び組み合わせの両方で記載されている通りである。
【0117】
幾つかの実施態様において、本発明の化合物は、式(Ib’)の化合物又はその医薬的に許容される塩である。
【化30】
ここで、変数R、R’、R”、n及びn’のそれぞれは独立して、上記で定義された通りであり且つ本明細書の実施態様において、単独及び組み合わせの両方で記載されている通りである。
【0118】
幾つかの実施態様において、本発明の化合物は、式(Ib)の化合物又はその医薬的に許容される塩であり、
ここで、
各Rは独立して、ハロゲン原子、(C1~C3)フルオロアルキル、(C1~C3)フルオロアルコキシ、-NR1R2、(C1~C4)アルコキシ、又は(C1~C3)アルキルであり、ここで、該アルキルは任意的に、ヒドロキシル基によって一又は二置換されていてもよい、
nは、1又は2であり、
n’は、1又は2であり、
R1及びR2の各々は独立して、水素原子又は(C1~C3)アルキルであり、
R’の各々は独立して、ハロゲン原子、(C1~C3)アルキル、ヒドロキシル、-NR1R2、モルホリニル、モルホリノ、N-メチルピペラジニル、(C1~C3)フルオロアルキル、(C1~C4)アルコキシ、又は本明細書において記載された式(IIa)若しくは式(IIIa)であり、
Aは、共有結合、酸素原子又はNHであり、
Bは、共有結合又はNHであり、
mは、1、2、3、4又は5であり、
pは、1、2又は3であり、
Ra及びRbの各々は独立して、水素原子、(C1~C5)アルキル若しくは(C3~C6)シクロアルキルであり、又は
Ra及びRbは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した5員又は6員の複素環を形成していてもよく、ここで、該複素環は任意的に、N、O及びSから選択される追加のヘテロ原子を有していてもよく、該複素環は任意的に、1以上のRaによって置換されていてもよく、但し、R’が(IIa)基又は(IIIa)基である場合、他のR’基が該(IIa)基又は(IIIa)基と異なる場合にのみ、n’は2でありうる、及び
R”は、水素原子又は(C1~C4)アルキルである。
【0119】
幾つかの実施態様において、本発明の化合物は、式(Ib)の化合物又はその医薬的に許容される塩であり、ここで、各R’は独立して、水素原子、ハロゲン原子、(C1~C3)アルキル又は(C1~C4)アルコキシ基であり、ここで、該アルキルは任意的に、ヒドロキシル基によって、一又は二置換されていてもよい、R”は、水素原子又は(C1~C4)アルキルであり、nは、1又は2であり、n’は1又は2であり、nが1である場合、Rは(C1~C3)フルオロアルコキシ、NR1R2、又はフェノキシであり、ここで、R1及びR2の各々は独立して、(C1~C3)アルキルであり、並びに、nが2である場合、2つのR基のうちの1つは(C1~C3)フルオロアルコキシであり、及び他のR基は(C1~C3)アルキルである。
【0120】
幾つかの実施態様において、本発明の化合物は、式(Ib)の化合物又はその医薬的に許容される塩であり、ここで、各Rは独立して、(C1~C3)フルオロアルコキシであり、各R’は独立して、水素原子、ハロゲン原子、(C1~C3)アルキル又は(C1~C4)アルコキシであり、R”は水素原子又は(C1~C4)アルキルであり、nは1であり、及び、n’は1又は2である。
【0121】
幾つかの実施態様において、本発明の化合物は、式(Ib’)の化合物又はその医薬的に許容される塩であり、ここで、各Rは独立して、水素原子、ハロゲン原子、(C1~C3)アルキル、-NR1R2、(C1~C3)フルオロアルコキシ、-NO2、フェノキシ、又は(C1~C4)アルコキシであり、ここで、該アルキルは任意的に、ヒドロキシル基によって一又は二置換されていてもよい、R1及びR2の各々は独立して、水素原子又は(C1~C3)アルキルであり、R’は、水素原子、ハロゲン原子、(C1~C3)アルキル又は(C1~C4)アルコキシであり、但し、R’は、キノリン基の4位でメチル基と異なり、R”は、水素原子又は(C1~C4)アルキルであり、nは1、2又は3であり、並びに、n’は1又は2である。
【0122】
幾つかの実施態様において、本発明の化合物は、式(Id)の化合物又はその医薬的に許容される塩である。
【化31】
ここで、R及びR’のそれぞれは独立して、上記で定義された通りであり且つ本明細書の実施態様において、単独及び組み合わせの両方で記載されている通りであり、及びR’’’は、水素原子又は下記の基である。
【化32】
ここで、AはO又はNHであり、mは2又は3であり、及びX
1は、O、CH
2又はN-CH
3である。
【0123】
幾つかの実施態様において、本発明の化合物は、式(Id)の化合物又はその医薬的に許容される塩であり、ここで、Rは、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、ハロゲン原子、トリフルオロメトキシ、又はアミノであり、R’は、ハロゲン原子又はメチルであり、及びR’’’は、水素原子又は下記の基である。
【化33】
ここで、Aは、O又はNHであり、mは2又は3であり、及び、X
1は、O、CH
2又はN-CH
3である。
【0124】
幾つかの実施態様において、R’’’は水素原子である。
【0125】
幾つかの実施態様において、R’’’は、下記の基である。
【化34】
ここで、Aは、O又はNHであり、mは2又は3であり、及び、X
1は、O、CH
2又はN-CH
3である。
【0126】
幾つかの実施態様において、R’’’は、下記の基である。
【化35】
ここで、AはOであり、mは2又は3であり、及び、X
1は、O、CH
2又はN-CH
3である。
【0127】
幾つかの実施態様において、R’’’は、下記の基である。
【化36】
ここで、AはNHであり、mは2又は3であり、及び、X
1は、O、CH
2又はN-CH
3である。
【0128】
その上、本発明は、癌又は異形成を処置し又は予防する使用の為の、下記の式(I’)のキノリン誘導体、又はその代謝物若しくは医薬的に許容される塩のいずれか1つ、又はそれらのエナンチオマー若しくはジアステレオマーのいずれか1つを提供する。
【化37】
ここで、
Rは独立して、ハロゲン原子又は、(C
1~C
3)フルオロアルキル基、(C
1~C
3)フルオロアルコキシ基、-NR
1R
2基、(C
1~C
4)アルコキシ基及び(C
1~C
3)アルキル基から選択される基を表し、ここで、該アルキルは任意的に、ヒドロキシル基によって、一又は二置換されていてもよい、
nは、1又は2であり、
n’は、1又は2であり、
R
1及びR
2は独立して、水素原子又は(C
1~C
3)アルキル基であり、
R’は独立して、ハロゲン原子又は、(C
1~C
3)アルキル基、ヒドロキシル基、-NR
1R
2基、モルホリニル基若しくはモルホリノ基、N-メチルピペラジニ基、(C
1~C
3)フルオロアルキル基及び(C
1~C
4)アルコキシ基から選択される基を表し、且つさらに、下記から選択されるであってもよく
【化38】
Aは、共有結合、酸素原子又はNHであり、
Bは、共有結合又はNHであり、
mは、2、3又は4であり、
pは、1、2又は3であり、
Ra及びRbは独立して、水素原子、(C
1~C
5)アルキル基又は(C
3~C
6)シクロアルキル基を表し、又は
Ra及びRbはさらに、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した5員又は6員の複素環を形成していてもよく、ここで、該複素環は任意的に、N、O及びSから選択される追加のヘテロ原子を有していてもよく、該複素環は任意的に、1以上のRaによって置換されていてもよく、但し、R’が(IIa)基又は(IIIa)基である場合、他のR’基が該(IIa)基又は(IIIa)基と異なる場合にのみ、n’は2でありうる、
R’’は、水素原子又は(C
1~C
4)アルキル基である。
【0129】
1つの観点に従うと、本発明は、本発明の使用の為の、式(I’)のキノリン誘導体、又はその代謝物若しくは医薬的に許容される塩のいずれか1つ、又はそれらのエナンチオマー若しくはジアステレオマーのいずれか1つを提供し、ここで、Rは独立して、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、より特には、フッ素原子若しくは塩素原子、トリフルオロメトキシ基及びアミノ基、を表す。
【0130】
更なる観点に従うと、本発明に従う使用の為の、式(I’)のキノリン誘導体、又はその代謝物若しくは医薬的に許容される塩のいずれか1つ、又はそれらのエナンチオマー若しくはジアステレオマーのいずれか1つが本明細書において提供され、ここで、R’は独立して、ハロゲン原子、より特にはフッ素原子若しくは塩素原子、-NR
1R
2基、好ましくはアミノ基、ヒドロキシル基、(C
1~C
3)アルキル基、好ましくはメチル基又は下記の基、を表す。
【化39】
ここで、Aは、O又はNHであり、mは2又は3であり、及び、X
1は、O、CH
2又はN-CH
3であり、但し、R’がそのような基である場合、n’は1又は2であり、及びn’が2である場合、他のR’基は、上記の基と異なる。
【0131】
更なる観点に従うと、本発明に従う使用の為の、式(I’)のキノリン誘導体、又はその代謝物若しくは医薬的に許容される塩のいずれか1つ、又はそれらのエナンチオマー若しくはジアステレオマーのいずれか1つが本明細書において提供され、ここで、R’は独立して、ハロゲン原子、より特にはフッ素原子若しくは塩素原子、メチル基又は下記の基を表す。
【化40】
ここで、Aは、O又はNHであり、mは2又は3であり、及び、X
1は、O、CH
2又はN-CH
3であり、但し、R’がそのような基である場合、n’は1又は2であり、及びn’が2である場合、他のR’基は、上記の基と異なる。
【0132】
更なる観点に従うと、本発明に従う使用の為の、式(I’)のキノリン誘導体、又はその代謝物若しくは医薬的に許容される塩のいずれか1つ、又はそれらのエナンチオマー若しくはジアステレオマーのいずれか1つが本明細書において提供され、ここで、nは1であり、n’は1又は2であり、R”はHであり、Rは、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、より特にはフッ素原子若しくは塩素原子、トリフルオロメトキシ基及びアミノ基、から選択され、及びR’は、ハロゲン原子、より特にはフッ素原子若しくは塩素原子、メチル基又は下記の基を表す。
【化41】
ここで、Aは、O又はNHであり、mは2又は3であり、及び、X
1は、O、CH
2又はN-CH
3であり、但し、n’が2である場合、他のR’基は、上記の基と異なる。
【0133】
更なる観点に従うと、本発明に従う使用の為の、式(I’)のキノリン誘導体、又はその代謝物若しくは医薬的に許容される塩のいずれか1つ、又はそれらのエナンチオマー若しくはジアステレオマーのいずれか1つが本明細書において提供され、ここで、nは1であり、n’は1であり、R”はHであり、Rは、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、より特にはフッ素原子若しくは塩素原子及びトリフルオロメトキシ基、から選択され、及びR’は、ハロゲン原子、より特にはフッ素原子若しくは塩素原子、又はメチル基を表す。
【0134】
更なる観点に従うと、本発明に従う使用の為の、式(I’)のキノリン誘導体、又はその代謝物若しくは医薬的に許容される塩のいずれか1つ、又はそれらのエナンチオマー若しくはジアステレオマーのいずれか1つが本明細書において提供され、ここで、それは下記の式(I’’)によって定義される。
【化42】
ここで、
Rは、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、より特にはフッ素原子若しくは塩素原子、トリフルオロメトキシ基及びアミノ基から選択され、並びに
R’は、ハロゲン原子、より特にはフッ素原子若しくは塩素原子、又はメチル基を表し、並びに、
R’’’は、水素原子又は下記の基を表す。
【化43】
ここで、Aは、O又はNHであり、mは2又は3であり、及び、X
1は、O、CH
2又はN-CH
3であり、特に水素原子を表す。
【0135】
幾つかの実施態様において、本発明の化合物は、下記の式の化合物(ABX464)又はその医薬的に許容される塩である。
【化44】
【0136】
幾つかの実施態様において、該化合物ABX464又はその医薬的に許容される塩は非晶質形態である。幾つかの実施態様において、該化合物ABX464又はその医薬的に許容される塩は、結晶化形態である。幾つかの実施態様において、該化合物ABX464又はその医薬的に許容される塩の結晶化形態は、120.5℃(±2℃)で融点を有する。
【0137】
幾つかの実施態様において、該化合物ABX464又はその医薬的に許容される塩の結晶化形態は、x線粉末回折図(XRPD:x-ray powder diffractogram)において、角度7.3、14.6、18.4及び24.9でピークを示す。幾つかの実施態様において、該化合物ABX464又はその医薬的に許容される塩の結晶化形態は、1以上のXRDピークを、18.0、24.2、28.3及び29.5から選択される角度で示す。幾つかの実施態様において、該化合物ABX464又はその医薬的に許容される塩の結晶化形態は、1以上のXRDピークを、18.6、22.3、23.0及び23.5から選択される角度で示す。
【0138】
更なる観点に従うと、本明細書において定義された使用の為の、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つが本明細書において提供され、ここで、上記化合物は8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミンであり、且つXRPDによって次数2-XRPD分析によるシータ角度として表される下記のメインピークによって特徴付けられる結晶多形であり:7.3、14.6、23.5及び28.4(各時間±0.2)、且つさらに、次数2-シータ角度として表される下記の追加のピークを示し得:12.1、17.3、18.4、23.0;24.2、24.9、27.4及び29.1(各時間±0.2)、さらに任意的に、次数2-シータ角度として表される下記の追加のピークを示しうる:13.7、16.3、16.9、18.1、22.4及び29.6(各時間±0.2)。
【0139】
幾つかの実施態様において、本発明の化合物は、下記の表1から選択される化合物又はその医薬的に許容される塩である。
【0140】
【0141】
幾つかの実施態様において、本発明の化合物は、下記の表2から選択される化合物又はその医薬的に許容される塩である。
【0142】
【0143】
幾つかの実施態様において、本発明の化合物は、下記の表3から選択される化合物又はその医薬的に許容される塩である。
【0144】
【0145】
その上、本発明は、癌及び/又は異形成を処置及び/又は予防する為の、下記の式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つを提供する。
【化45】
ここで、
各Rは独立して、水素原子、ハロゲン原子、-CN、ヒドロキシル、(C
1~C
3)フルオロアルキル、(C
1~C
3)フルオロアルコキシ、(C
3~C
6)シクロアルキル、-NO
2、-NR
1R
2、(C
1~C
4)アルコキシ、フェノキシ、-NR
1-SO
2-NR
1R
2、-NR
1-SO
2-R
1、-NR
1-C(=O)-R
1、-NR
1-C(=O)-NR
1R
2、-SO
2-NR
1R
2、-SO
3H、-O-SO
2-OR
3、-O-P(=O)-(OR
3)(OR
4)、-O-CH
2-COOR
3、(C
1~C
3)アルキルであり、ここで、該アルキルは任意的に、ヒドロキシル基、-A-(CH
2)
m-B-NRaRb基(式IIa)又は-(O-CH
2-CH
2)
p-O-Ra基(式IIIa)によって、一又は二置換されていてもよい、
R
1及びR
2の各々は独立して、水素原子又は(C
1~C
3)アルキルであり、
R
3及びR
4の各々は独立して、水素原子、Li+、Na+、K+、N+(Ra)
4又はベンジルであり、
nは、1、2又は3であり、
各R’は独立して、水素原子、(C
1~C
3)アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン原子、-NO
2、-NR
1R
2、モルホリニル、モルホリノ、N-メチルピペラジニル、(C
1~C
3)フルオロアルキル、(C
1~C
4)アルコキシ、-O-P(=O)(OR
3)(OR
4)、-CN、-NH-SO
2-N(CH
3)
2基、-A-(CH
2)
m-B-NRaRb基(式IIa)、又は-(O-CH
2-CH
2)
p-O-Ra基(式IIIa)であり、
Aは、共有結合、酸素原子又はNHであり、
Bは、共有結合又はNHであり、
mは、1、2、3、4又は5であり、
pは、1、2又は3であり、
Ra及びRbの各々は独立して、水素原子、(C
1~C
5)アルキル若しくは(C
3~C
6)シクロアルキルであり、又は
Ra及びRbは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した5員又は6員の複素環を形成していてもよく、ここで、該複素環は任意的に、N、O及びSから選択される追加のヘテロ原子を有していてもよく、該複素環は任意的に、1以上のRaによって置換されていてもよい、並びに、
R”は、水素原子、(C
1~C
4)アルキル、又は-A-(CH
2)
m-B-NRaRb基(式IIa)である。
【0146】
1つの観点に従うと、本明細書において定義された使用の為の、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つが本明細書において提供され、
ここで、
Rは独立して、ハロゲン原子又は、(C1~C3)フルオロアルコキシ基、-NR1R2基、(C1~C4)アルコキシ基、-O-P(=O)(OR3)(OR4)基、(C1~C3)アルキル基、NO2基、-A-(CH2)m-B-NRaRb基(式IIa)、及び-(O-CH2-CH2)p-O-Ra基(式IIIa)から選択される基を表し、
nは、1又は2であり、
R’は、水素原子、ハロゲン原子又は、-NR1R2基、-O-P(=O)(OR3)(OR4)基、-NH-SO2-N(CH3)2基、及び-A-(CH2)m-B-NRaRb基(IIa)から選択される基を表し、
R’’は、水素原子、(C1~C4)アルキル基、又は-A-(CH2)m-B-NRaRb基(式IIa)であり、
R1及びR2は独立して、水素原子又は(C1~C3)アルキル基であり、
R3及びR4は独立して、水素原子、Li+、Na+、K+、N+(Ra)4又はベンジルであり、
Aは、共有結合、酸素原子又はNHであり、
Bは共有結合であり、
mは、2、3又は4であり、
pは、1、2又は3であり、
Ra及びRb独立して、水素原子又は(C1~C5)アルキル基を表し、又は、
Ra及びRbはさらに、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した5員又は6員の複素環を形成していてもよく、ここで、該複素環は任意的に、N、O及びSから選択される追加のヘテロ原子を有していてもよく、該複素環は任意的に、1以上のRaによって置換されていてもよい。
【0147】
更なる観点に従うと、本明細書において定義された使用の為の、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つが本明細書において提供され、
ここで、
Rは独立して、F、Cl、-NH2、-N(CH3)2、-OCH3、-O-(CH2)3-CH3、-OCF3、-CH3、-O-(CH2)2-OH、-O-(CH2)2-O-(CH2)2-OCH3、-NO2基、-O-P(=O)(OH)(OH)基、-O-(CH2)2-モルホリノ基、又は-O-(CH2)2-ピペリジノ基を表し、
nは、1又は2であり、
R’は、水素原子、Cl、-CH2-CH2-CH3、-O-(CH2)2-モルホリノ基、-O-(CH2)2-ピペリジノ基、-O-(CH2)3-ピペリジノ基、-N-CH2)3-モルホリノ基、-NH-SO2-N(CH3)2基、NH2、又は-O-P(=O)(OH)(OH)基を表し、
R’’は、水素原子、-CH3、-(CH2)3-ピペリジノ基、-(CH2)2-モルホリノ基、-(CH2)4-モルホリノ基、又は-(CH2)2-ピロリジノ基である。
【0148】
更なる観点に従うと、本明細書において定義された使用の為の、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つが本明細書において提供され、
ここで、
Rは(C1~C3)フルオロアルコキシ基であり、
nは1であり、並びに
R’及びR’’は、本明細書において定義された通りである。
【0149】
更なる観点に従うと、本明細書において定義された使用の為の、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つが本明細書において提供され、
ここで、
Rは(C1~C3)フルオロアルコキシ基であり、
nは1であり、
R’は水素原子を表し、並びに
R’’は水素原子である。
【0150】
更なる観点に従うと、本明細書において定義された使用の為の、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つか1つが本明細書において提供され、
ここで、
R’はを表し、並びに
R、n及びR’’は、本明細書において定義された通りである。
【0151】
更なる観点に従うと、本明細書において定義された使用の為の、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つが本明細書において提供され、
ここで、上記化合物が、化合物96、98、108、109、111、115、122、125、128、129、130、132、133、135、138~141、143、及び145~164のうちから選択される。
【0152】
更なる観点に従うと、本明細書において定義された使用の為の、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つが本明細書において提供され、
ここで、上記化合物が、8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミン(化合物111)である。
【0153】
下記の実施例の部分で示されている通り、本発明において定義された式(Ib’)の化合物、特に化合物ABX464、又はその代謝産物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つは、癌、より特には結腸直腸癌、胃癌(stomach cancer)、肝臓癌、肺癌及び/又は膵臓癌(IC50値を参照)、特に前癌状態、初期段階の癌、又は非転移性癌を有する患者における癌、を処置及び/又は予防する為に有用である。1つの実施態様に従うと、本発明の為に好適である、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つは、転移の侵入を直接的に標的としない。
【0154】
加えて、下記の実施例において説明されている結果から、意外なことに、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つが、本明細書において且つ国際公開第2010/143168号パンフレットにおいて定義された式(Ia)に属する比較例の化合物26よりも、癌、特に前癌状態、初期段階の癌、又は非転移性癌を有する患者における癌、を処置及び/又は予防する為により効率的であることが判明した。
【0155】
事実、国際公開第2010/143168号パンフレットにおいて、化合物26は、化合物37に対応する。そして、国際公開第2010/143168号パンフレットにおいて、この化合物が、癌に対してその活性を予測するの為の抗侵潤効果を有することが実証されている。その結果、本明細書において定義されている化合物26が式(Ib’)の化合物よりも効率が悪いことは予想外であった。これらの結果はまた、抗侵潤特性を有する化合物が、前癌状態、初期段階の癌、又は非転移性癌に対して義務的に効率的な活性を有しないことを示す。
【0156】
幾つかの実施態様において、本明細書に記載されている化合物は、硫酸塩、臭化水素酸塩、クエン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アスコルビン酸塩、塩酸塩、酒石酸塩、トリフラート、マレイン酸塩、メシル酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、及びスルホン酸塩から選択される塩の形態である。幾つかの実施態様において、本明細書に記載されている化合物は、アルキルスルホン酸塩又はアリールスルホン酸塩としての塩の形態である。幾つかの実施態様において、本明細書に記載されている化合物は、メシレート、トリフラート、エジシレート、ベシレート及びトシレートとしての塩の形態である。
【0157】
1つの観点において、本発明は、本明細書において定義された化合物の代謝物を提供する。
【0158】
幾つかの実施態様において、本発明は、本明細書において定義された化合物のN-グルクロニド代謝物を提供する。
【0159】
幾つかの実施態様において、本発明の化合物は、下記の式(IV)の化合物又はその医薬的に許容される塩である。
【化46】
ここで、変数V、Z、R、R’、n及びn’のそれぞれは独立して、上記で定義された通りであり且つ本明細書の実施態様において、単独及び組み合わせの両方で記載されている通りである。
【0160】
幾つかの実施態様において、本発明の化合物は、下記の式(IVa)の化合物又はその医薬的に許容される塩である。
【化47】
ここで、変数R、R’、n及びn’のそれぞれは独立して、上記で定義された通りであり且つ本明細書の実施態様において、単独及び組み合わせの両方で記載されている通りである。
【0161】
幾つかの実施態様において、本発明の化合物は、下記の式(IVb)の化合物又はその医薬的に許容される塩である。
【化48】
ここで、変数R、R’、n及びn’のそれぞれは独立して、上記で定義された通りであり且つ本明細書の実施態様において、単独及び組み合わせの両方で記載されている通りである。
【0162】
幾つかの実施態様において、本発明の化合物は、下記の式(IVc)の化合物又はその医薬的に許容される塩である。
【化49】
ここで、変数R、R’、n及びn’のそれぞれは独立して、上記で定義された通りであり且つ本明細書の実施態様において、単独及び組み合わせの両方で記載されている通りである。
【0163】
幾つかの実施態様において、本発明の化合物は、下記の式(IVb’)の化合物又はその医薬的に許容される塩である。
【化50】
ここで、変数R、R’、n及びn’のそれぞれは独立して、上記で定義された通りであり且つ本明細書の実施態様において、単独及び組み合わせの両方で記載されている通りである。
【0164】
従って、本発明はその上、癌及び/又は異形成を処置及び/又は予防する使用の為の、式(IVb’)の化合物又はその医薬的に許容される塩を提供する。1つの実施態様に従うと、上記式(IVb’)の化合物又はその医薬的に許容される塩は、転移の侵入を直接的に標的としない。
【0165】
幾つかの実施態様において、本発明の化合物は、下記の式(IVd)の化合物又はその医薬的に許容される塩である。
【化51】
ここで、変数R、R’、及びR’’’のそれぞれは独立して、上記で定義された通りであり且つ本明細書の実施態様において、単独及び組み合わせの両方で記載されている通りである。
【0166】
幾つかの実施態様において、本発明は、炎症性の疾病、障害又は状態を処置する為の方法であって、それを必要とする患者に、(IV)、(IVa)、(IVb)、(IVc)、(IVb’)及び(IVd)のいずれか1つの化合物又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む上記方法を提供する。
【0167】
幾つかの実施態様において、本発明の化合物は、下記の式の化合物又はその医薬的に許容される塩である。
【化52】
【0168】
従って、更なる観点に従うと、本明細書において定義された使用の為の、式(IVb’)の化合物又はその医薬的に許容される塩が本明細書において提供され、ここで、上記化合物が下記の式を有する。
【化53】
【0169】
本発明の化合物は、遊離塩基の形態で又は、医薬的に許容される酸との付加塩の形態で存在しうる。本発明の化合物の好適な生理学的に許容される酸付加塩は、硫酸塩、臭化水素酸塩、クエン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アスコルビン酸塩、塩酸塩、トリフラート、酒石酸塩、マレイン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、フマル酸塩及びスルホン酸塩、特にアルキルスルホン酸塩又はアリールスルホン酸塩、より特には、メシレート、トリフラート、エジシレート、ベシレート及びトシレートを包含する。
【0170】
本発明の化合物及び/又はその塩は、溶媒和物又は水和物を形成し得、且つ本発明は、そのような全ての溶媒和物及び水和物を包含する。語「水和物」及び「溶媒和物」は、本発明に従う化合物が、水和物又は溶媒和物の形態、すなわち1以上の水又は溶媒分子と一緒にされた又は会合された水和物又は溶媒和物の形態であることができることを単に意味する。これは、そのような化合物の化学的特性に過ぎず、それはこのタイプの全ての有機化合物に適用されることができる。
【0171】
本発明の化合物は、1以上の不斉炭素原子を含むことができる。従って、それらはエナンチオマーの形態又はジアステレオ異性体の形態で存在することができる。これらのエナンチオマー、ジアステレオ異性体、及び、それらの混合物、例えばラセミ混合物を含むそれらの混合物、は、本発明の範囲内に包含される。
【0172】
本発明の文脈において、以下の語は下記の通りである:
- 「ハロゲン原子」は、塩素原子、フッ素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味し、特に塩素原子、フッ素原子又は臭素原子、を示すと理解される、
- 「(C1~C5)アルキル」はそれぞれ、本明細書において使用される場合に、C1~C5の直鎖、第2級又は第3級の飽和炭化水素を云う。例が、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、ブチル、ペンチルであるがこれらに限定されるものでない、
- 「(C3~C6)シクロアルキル」はそれぞれ、本明細書において使用される場合に、環状飽和炭化水素を云う。例が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルであるがこれらに限定されるものでない、
- 「(C1~C4)アルコキシ」はそれぞれ、本明細書において使用される場合に、O-(C1~C4)アルキル残基を云い、ここで、アルキルは上記に定義された通りである。例が、メトキシ、エトキシ、1-プロポキシ、2-プロポキシ、ブトキシであるがこれらに限定されるものでない、
- 「フルオロアルキル基」及び「フルオロアルコキシ基」はそれぞれ、上記に定義された通りのアルキル基及びアルコキシ基を云い、ここで、該基は少なくとも1つのフッ素原子によって置換されている。例が、ペルフルオロアルキル基、例えばトリフルオロメチル又はペルフルオロプロピル、である、
- 「飽和5員又は6員の複素環」はそれぞれ、本明細書において使用される場合に、少なくとも1つのヘテロ原子を含む飽和環を云う。例が、モルホリン、ピペラジン、チオモルホリン、ピペリジン、及びピロリジンであるがこれらに限定されるものでない。
【0173】
本明細書において使用される場合に、語「医薬的に許容される塩」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等なしにヒト及び下等動物の組織と接触して使用する為に適しており且つ合理的な利益/リスク比に見合った塩を云う。医薬的に許容される塩は当技術分野において周知である。例えば、S.M.Berge等は、参照により本明細書に取り込まれるJ.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1-19において詳述されている医薬的に許容される塩を記載する。本発明の化合物の医薬的に許容される塩は、好適な無機及び有機の酸及び塩基に由来するそれらを包含する。
【0174】
本発明の化合物の医薬的に許容される塩は、好適な無機及び有機の酸及び塩基に由来するそれらを包含する。医薬的に許容される、非毒性の酸付加塩の例は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸及び過塩素酸で形成されたアミノ基の塩、又は有機酸、例えば酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸若しくはマロン酸で形成されるアミノ基の塩、或いは当技術分野で使用される他の方法、例えばイオン交換、を使用することによって形成されるアミノ基の塩である。他の医薬的に許容される塩は、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等を包含する。
【0175】
適切な塩基に由来する塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、及びN+(C1~4アルキル)4塩を包含する。代表的なアルカリ又はアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等を包含する。さらに、医薬的に許容される塩は、好適な場合には、無毒のアンモニウム、第四級アンモニウム、並びに、対イオン、例えばハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩及びアリールスルホン酸塩、を使用して形成されるアミンカチオンを包含する。
【0176】
特に言及されない限り、本明細書に示されている構造はまた、外構造の全ての異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び幾何学的(又は立体配座))の形態、例えば、各不斉中心のR及びS配置、Z及びE二重結合異性体、並びに、Z及びE配座異性体、を包含することを意味する。それ故に、単一の立体化学異性体、並びに本発明の化合物のエナンチオマー、ジアステレオマー及び幾何学的(又は立体配座的)混合物は、本発明の範囲内にある。特に言及されない限り、本発明の化合物の全ての互変異性形態は、本発明の範囲内にある。追加的に、特に言及されない限り、本明細書に示されている構造はまた、1以上の同位体に富む原子の存在下でのみ異なる化合物を含むことを意味する。例えば、重水素若しくはトリチウムによる水素原子の置換、又は13C-又は14C-に富む炭素による炭素の置換を包含する本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内にある。そのような化合物は例えば、分析ツールとして、生物学的アッセイにおけるプローブとして、又は本発明に従う治療剤として有用である。
【0177】
癌
【0178】
化合物、又はその代謝物若しくは上記で定義されたその医薬的に許容される塩のいずれか1つは、様々な癌の処置又は予防において有用でありうる。
【0179】
本明細書において使用される明記、語「癌」は、特に言及されない限り、異常な細胞増殖に関連付けられた何らかの障害に関連し得、従って、それは、悪性腫瘍及び良性腫瘍、転移性腫瘍並びに非転移性腫瘍、固形腫瘍及び非固形腫瘍、例えば、例えば血液に関連する癌、従って該癌は白血病、リンパ腫及び骨髄腫を包含する;語「癌」はまた、中枢神経系(CNS:Central Nervous System)癌及び非CNS癌に関しうる。特に言及されない限り、語「癌」はまた、若年性癌及び非若年性癌、再発癌及び非再発癌、並びに癌の再発を包含する。
【0180】
考慮される癌が血液に関連する癌である場合、それは下記から選択されうる:
小リンパ球性リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、無痛性非ホジキンリンパ腫(iNHL:indolent non-Hodgkin's lymphoma)、難治性iNHL、外套細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、免疫芽球性大細胞リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、脾臓辺縁帯B細胞リンパ腫(+/-絨毛リンパ球)、リンパ節辺縁帯リンパ腫(+/-単球様B細胞)、粘膜に関連付けられたリンパ組織型の節外辺縁帯B細胞リンパ腫、皮膚T-細胞リンパ腫、結節外T細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、菌状息肉症、B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、小非切断細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、急性リンパ性白血病、T細胞急性リンパ性白血病、B細胞急性リンパ性白血病、B細胞前リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、若年性骨髄単球性白血病、微小残存病変、ヘアリーセル白血病、原発性骨髄線維症、続発性骨髄線維症、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患、又はワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症。
【0181】
他の変形例において、該癌は、膵臓癌、泌尿器癌、膀胱癌、結腸直腸癌、結腸癌、乳癌、前立腺癌、腎臓癌(renal cancer)、肝細胞癌、甲状腺癌、胆嚢癌、肺癌(例えば、非小細胞肺癌、小細胞肺癌)、卵巣癌(ovarian cancer)、子宮頸癌、胃癌(gastric cancer)、子宮内膜癌、食道癌(oesophageal cancer)、頭頸部癌、黒色腫、神経内分泌癌、CNS癌、脳腫瘍(例えば、神経膠腫、退形成乏突起膠腫、成人多形神経膠芽腫、及び成人悪性星状細胞腫)、骨癌、軟部肉腫、網膜芽細胞腫、神経芽細胞腫、腹膜滲出液、癌性胸水、中皮腫、ウィルムス腫瘍、絨毛性腫瘍、血管外皮腫、カポジ肉腫、粘液様嚢胞、円形細胞癌、扁平上皮癌、食道扁平上皮癌、口腔癌、副腎皮質の癌、又はACTH産生腫瘍である。
【0182】
1つの実施態様に従うと、該癌は、頭頸部癌、頭頸部扁平上皮癌、頚部扁平上皮癌、大人又は子供における急性リンパ性白血病(ALL:Acute Lymphocytic Leukemia)、大人又は子供における急性骨髄性白血病(AML:Acute Myeloid Leukemia)、急性リンパ性白血病、副腎癌、肛門癌、星細胞腫、星状細胞腫(悪性度I、I、III又はIV)、B-又はNK/T-細胞リンパ腫、基底細胞及び扁平上皮癌、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳癌、大人における脳及び脊髄腫瘍、子供における脳及び脊髄腫瘍、未分化星状細胞腫、乳癌、消化器癌、女性における乳癌、若い女性における乳癌、男性における乳癌、再発乳癌、遺伝性乳癌、HER2陽性の乳癌、リンパ節転移に関連付けられた乳癌、ER-アルファー陽性の乳癌、思春期における癌、子供における癌、若年成人における癌、原発不明の癌、キャッスルマン病、子宮頸癌、子宮頸部上皮内腫瘍、胆管細胞癌、慢性リンパ性白血病(CLL:Chronic Lymphocytic Leukemia)、慢性骨髄性白血病(CML:Chronic Myeloid Leukemia)、慢性骨髄単球性白血病(CMML:Chronic Myelomonocytic Leukemia)、結腸直腸癌、結腸直腸腺腫、有棘細胞癌、子宮内膜癌、卵巣上皮癌、転移に関連付けられた卵巣上皮癌、食道癌(oesophageal cancer)、食道の扁平上皮癌(Oesophagus Squamous cell)、ユーイング肉腫、ユーイング腫瘍、リンパ性白血病(ALL:Lymphoblastic leukaemia)、眼癌、例えば眼内黒色腫及びリンパ腫、胆嚢癌、胃癌(gastric cancer)、消化器癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST:Gastrointestinal Stromal Tumor)、妊娠性絨毛性疾病、神経膠芽腫、多形神経膠芽腫(GBM:Glioblastoma multiforme)、ヘアリーセル白血病、神経膠腫、高悪性度神経膠腫、肝細胞癌、肝内胆管癌、浸潤性乳腺管癌、ホジキンリンパ腫、カポジ肉腫、腎臓癌(kidney cancer)、喉頭部及び下咽頭の癌、平滑筋肉腫、白血病、子供における白血病、肝臓癌、肺癌、カルチノイド腫瘍、リンパ腫、皮膚のリンパ腫、悪性中皮腫、外套細胞リンパ腫、髄芽腫、黒色腫皮膚癌、悪性黒色腫、髄膜腫、メルケル細胞皮膚癌、多発性骨髄腫、顎骨壊死を伴う多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、鼻腔及び副鼻腔の癌、上咽頭癌、再発性又は転移性上咽頭癌、神経芽細胞腫、神経膠腫、非ホジキンリンパ腫、子供における非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、ゲフィチニブ抵抗性非小細胞肺癌、口腔癌、口腔及び中咽頭の癌、骨肉腫、肺転移骨肉腫、卵巣癌(ovarian cancer)、膵臓癌、甲状腺癌、甲状腺乳頭癌、小児脊髄上衣腫、陰茎癌、下垂体腫瘍、下垂体腺腫、前神経腫瘍、前立腺癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌(Salivary Gland Cancer)、皮膚癌(Skin Cancer)、小細胞肺癌、小腸癌、軟部肉腫、舌の扁平上皮癌、胃癌(stomach cancer)、精巣癌、胸腺癌、甲状腺癌、子宮肉腫、腟癌、外陰癌、腎臓癌(Renal cancer)、網膜芽細胞腫、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症、及びウィルムス腫瘍から選択される。
【0183】
1つの特定の実施態様に従うと、頭頸部扁平上皮癌、頚部扁平上皮癌、大人又は子供における急性リンパ性白血病(ALL)、大人又は子供における急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病、副腎癌、肛門癌、星細胞腫、星状細胞腫(悪性度I、I、III又はIV)、B-又はNK/T-細胞リンパ腫、基底細胞及び扁平上皮癌、胆管癌、骨癌、脳癌、大人における脳及び脊髄腫瘍、子供における脳及び脊髄腫瘍、未分化星状細胞腫、消化器癌、女性における乳癌、若い女性における乳癌、男性における乳癌、再発乳癌、遺伝性乳癌、HER2陽性の乳癌、リンパ節転移に関連付けられた乳癌、ER-アルファー陽性の乳癌、思春期における癌、子供における癌、若年成人における癌、原発不明の癌、キャッスルマン病、子宮頸部上皮内腫瘍、胆管細胞癌、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、結腸直腸腺腫、有棘細胞癌、子宮内膜癌、卵巣上皮癌、転移に関連付けられた卵巣上皮癌、食道の扁平上皮癌(Oesophagus Squamous cell)、ユーイング肉腫、ユーイング腫瘍、リンパ性白血病(ALL)、眼癌、例えば眼内黒色腫及びリンパ腫、胃癌(gastric cancer)、消化器癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、妊娠性絨毛性疾病、神経膠芽腫、多形神経膠芽腫(GBM)、ヘアリーセル白血病、神経膠腫、高悪性度神経膠腫、肝細胞癌、肝内胆管癌、浸潤性乳腺管癌、ホジキンリンパ腫、カポジ肉腫、喉頭部及び下咽頭の癌、平滑筋肉腫、白血病、子供における白血病、カルチノイド腫瘍、リンパ腫、皮膚のリンパ腫、悪性中皮腫、外套細胞リンパ腫、髄芽腫、悪性黒色腫、髄膜腫、メルケル細胞皮膚癌、多発性骨髄腫、顎骨壊死を伴う多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、鼻腔及び副鼻腔の癌、上咽頭癌、再発性又は転移性上咽頭癌、神経芽細胞腫、神経膠腫、非ホジキンリンパ腫、子供における非ホジキンリンパ腫、ゲフィチニブ抵抗性非小細胞肺癌、口腔癌、口腔及び中咽頭の癌、骨肉腫、肺転移骨肉腫、甲状腺癌、甲状腺乳頭癌、小児脊髄上衣腫、陰茎癌、下垂体腫瘍、下垂体腺腫、前神経腫瘍、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、皮膚癌、小細胞肺癌、小腸癌、軟部肉腫、舌の扁平上皮癌、精巣癌、胸腺癌、子宮肉腫、腟癌、外陰癌、腎臓癌(Renal cancer)、網膜芽細胞腫、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症、及びウィルムス腫瘍から選択される癌の予防又は処置における使用の為の、本明細書に記載された、化合物、特に8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミン、又はその代謝物若しくは医薬的に許容される塩のうちのいずれか1つが本明細書においてさらに提供される。
【0184】
他の実施態様に従うと、転移は、脳、頭若しくは首、肺、気管、胃、小腸、結腸、肝臓、骨、腹膜、卵巣、腎臓、膀胱、リンパ節、筋肉、又は皮膚にある。
【0185】
1つの実施態様に従うと、本明細書に定義されている化合物、又はその代謝物若しくは医薬的に許容される塩のいずれか1つ、特に8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミン、また(8-クロロ-キノリン-2-イル)-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-アミンとも呼ばれている、は、脳、骨、肝臓、肺、腎臓、筋肉、腹部、又は他の組織における上記の癌の任意の転移を処置又は予防することに専念されている。
【0186】
1つの実施態様に従うと、本明細書に定義されている、化合物、又はその代謝物若しくは医薬的に許容される塩のいずれか1つ、特に8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミン、また(8-クロロ-キノリン-2-イル)-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-アミンとも呼ばれている、は、下記の癌を処置又は予防することに専念されている:頭頸部癌、胃癌(stomach cance)、乳癌、基底細胞及び扁平上皮癌、肝臓癌、脳癌、肺癌、膵臓癌、眼癌、消化器癌、結腸直腸癌、膀胱癌、骨癌、及び腎臓癌(renal cancer)。
【0187】
1つの特定の実施態様に従うと、本明細書に記載されている、化合物、又はその代謝物若しくは医薬的に許容される塩のいずれか1つ特に8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミン、また(8-クロロ-キノリン-2-イル)-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-アミンとも呼ばれている、は、より特には下記の癌を処置又は予防することに専念されている:上咽頭癌(再発性又は転移性)、星細胞腫、癌、前立腺癌、非小細胞肺癌(NSCLC:Non-small Cell Lung Cancer)、胆管細胞癌(リンパ節関与(lymph node involvement)及び遠隔転移)、膀胱癌、頚部扁平上皮癌(HNSCC:Neck squamous cell carcinoma)、口腔癌、ユーイング肉腫、転移性ユーイング肉腫、ゲフィチニブ抵抗性非小細胞肺癌、有棘細胞癌、骨肉腫、悪性黒色腫、肺転移に関連付けられた骨肉腫、結腸直腸癌(Colorectal carcinoma)、乳癌、大腸腫瘍(CRC:Colorectal Cancer)、胃癌(GC:Gastric cancer)、多形神経膠芽腫、神経膠腫、神経膠芽腫、網膜芽細胞腫、上咽頭癌(NPC:Nasopharyngeal carcinoma)、結腸直腸癌、膀胱癌、急性骨髄性白血病、星状細胞腫(悪性度I-II-III-IV)、B-又はNK/T-細胞リンパ腫、膀胱癌(進行悪性腫瘍)、胃異形成(Gastric dysplasia)、リンパ節転移に関連付けられた胃癌(gastric cancer)、神経膠腫、骨髄異形成症候群、膵管腺癌(リンパ節及び/又は腫瘍節転移に関連付けられた)、HER2陽性の乳癌、肺腺癌、髄芽腫、非小細胞肺癌(リンパ節転移及び/又は腫瘍リンパ節転移に関連付けられた)、乳癌(腫瘍リンパ節転移及びリンパ節転移に関連付けられた)、子宮内膜癌、髄芽腫、有棘細胞癌、肝内胆管癌(ICC:Intrahepatic cholangiocarcinoma)、胆嚢癌、結腸直腸腺腫(CRA:Colorectal adenoma)、急性リンパ性白血病(ALL:Acute lymphoblastic leukemia)、多形神経膠芽腫(GBM:Glioblastoma multiforme)、膵管腺癌(PDAC:Pancreatic ductal 腺癌)、膀胱癌(BC:Bladder cancer)、卵巣癌(OC:Ovarian cancer)、白血病、骨髄異形成症候群(MDS:Myelodysplastic syndrome)、前神経腫瘍、HNSCC(頭頸部扁平上皮癌、原発腫瘍、腎細胞癌(RCC:Renal cell carcinoma)、ブドウ膜黒色腫、悪性前立腺癌、口腔扁平上皮癌(OSCC:Oral squamous cell carcinomas)、未分化星状細胞腫、食道癌(oesophageal cancer)、星状細胞腫、胆管細胞癌、乳癌(リンパ節転移に関連付けられた)、小児脊髄上衣腫、膵臓癌、卵巣上皮癌、乳癌(骨転移に関連付けられた)、肝細胞癌、骨髄異形成症候群、悪性黒色腫(節転移)、小腸の神経内分泌腫瘍(SI-NENs:Neuroendocrine neoplasms of the small intestine)、卵巣上皮癌(リンパ節、腹膜及び遠隔臓器への転移に関連付けられた)、骨髄異形成症候群、小児上衣腫、胃癌(Gastric carcinoma)、乳癌(ER-アルファー陽性)、肝細胞癌(HCC:Hepatocellular carcinoma)、卵巣癌(ovarian cancer)、食道扁平上皮癌(ESCC:Oesophageal squamous cell carcinoma)、浸潤性乳腺管癌(リンパ節転移に関連付けられた)、リンパ腫、骨髄腫(MM:Myeloma)、リンパ性白血病(ALL:Lymphoblastic leukaemia)、慢性リンパ性白血病(CLL:Chronic lymphocytic leukaemia)、急性骨髄性白血病(AML:Acute myeloid leukaemia)、非ホジキンリンパ腫(NHL:Non-Hodgkin's lymphoma)、B-又はNK/T-細胞リンパ腫、子宮頸癌、癌肉腫、子宮頸癌、子宮頸部上皮内腫瘍(CIN2及びCIN3悪性度)、異時性の胃癌(gastric cancer)、腎明細胞癌(Clear cell renal cell carcinoma)、骨髄異形成症候群(MDS:Myelodysplastic syndrome)、膀胱癌(bca)、膵臓癌、Ccrccs(腎明細胞癌:clear cell renal cell carcinomas)、潰瘍性大腸炎(UC:Ulcerative colitis)-腫瘍性組織(大腸炎に関連付けられた癌(CAC:Colitis-associated cancer)、異形成及び散発性結腸直腸癌(S-CRC:sporadic colorectal cancer))、子宮頸部上皮内腫瘍、頭頸部癌。
【0188】
1つの更なる実施態様に従うと、該癌は、頭頸部癌、頭頸部扁平上皮癌、頚部扁平上皮癌、悪性黒色腫、胃癌(stomach cancer)、乳癌、女性における乳癌、若い女性における乳癌、基底細胞及び扁平上皮癌、肝臓癌、脳癌、未分化星状細胞腫、肺癌、非小細胞肺癌、ゲフィチニブ抵抗性非小細胞肺癌、口腔癌、眼癌、胃癌(gastric cancer)、消化器癌、星細胞腫、星状細胞腫(悪性度I、I、III又はIV)、結腸直腸癌、結腸直腸腺腫、有棘細胞癌、膀胱癌、骨癌、再発乳癌、遺伝性乳癌、HER2陽性の乳癌、リンパ節転移に関連付けられた乳癌、ER-アルファー陽性の乳癌、腎臓癌(renal cancer)、子宮頸部上皮内腫瘍、胆管細胞癌、平滑筋肉腫、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、大人又は子供における急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病、B-又はNK/T-細胞リンパ腫、子宮頸癌、神経膠芽腫、多形神経膠芽腫(GBM)、ヘアリーセル白血病、神経膠腫、高悪性度神経膠腫、肝細胞癌、肝内胆管癌、浸潤性乳腺管癌、腎臓癌(kidney cancer)、子宮内膜癌、卵巣癌(ovarian cancer)、卵巣上皮癌、転移に関連付けられた卵巣上皮癌、食道癌(oesophageal cancer)、食道の扁平上皮癌、ユーイング肉腫、リンパ性白血病(ALL)、外套細胞リンパ腫、髄芽腫、リンパ腫、骨髄異形成症候群、髄膜腫、多発性骨髄腫(MM)、顎骨壊死を伴う多発性骨髄腫、上咽頭癌、再発性又は転移性上咽頭癌、神経芽細胞腫、神経膠腫、甲状腺乳頭癌、小児脊髄上衣腫、骨肉腫、肺転移骨肉腫、膵臓癌、甲状腺癌、肉腫、下垂体腫瘍、下垂体腺腫、前神経腫瘍、舌の扁平上皮癌、網膜芽細胞腫、及び前立腺癌から選択される。
【0189】
本発明の更なる態様に従うと、該癌は、頭頸部癌、頭頸部扁平上皮癌、頚部扁平上皮癌、悪性黒色腫、星細胞腫、神経膠腫、胃癌(stomach cancer)、乳癌、胆管細胞癌、再発性又は転移性上咽頭癌、基底細胞及び扁平上皮癌、肝臓癌、脳癌、未分化星状細胞腫、肺癌、非小細胞肺癌、ゲフィチニブ抵抗性非小細胞肺癌、口腔癌、神経膠芽腫、骨肉腫、肺転移骨肉腫、膵臓癌、眼癌、消化器癌、結腸直腸癌、結腸直腸腺腫、有棘細胞癌、子宮内膜癌、卵巣上皮癌、食道癌(oesophageal cancer)、ユーイング肉腫、胃癌(gastric cancer)、肝細胞癌、HER2陽性の乳癌、膀胱癌、骨癌、前立腺癌、網膜芽細胞腫、及び腎臓癌(renal cancer)から選択される。
【0190】
特定の実施態様において、特に考慮される癌は下記から選択される:未分化星状細胞腫、星細胞腫、膀胱癌、乳癌、胆管細胞癌、結腸直腸癌、結腸直腸腺腫、有棘細胞癌、子宮内膜癌、卵巣上皮癌、食道癌(esophageal cancer)、ユーイング肉腫、胃癌(gastric cancer)、ゲフィチニブ抵抗性非小細胞肺癌、神経膠芽腫、神経膠腫、肝細胞癌、HER2陽性の乳癌、頭頸部扁平上皮癌、悪性黒色腫、上咽頭癌(再発性又は転移性)、頚部扁平上皮癌、非小細胞肺癌、口腔癌、骨肉腫、肺転移に関連付けられた骨肉腫、前立腺癌、及び網膜芽細胞腫。
【0191】
1つの観点に従うと、本発明は、癌、特に頭頸部癌、胃癌(stomach cancer)、乳癌、基底細胞及び扁平上皮癌、肝臓癌、脳癌、肺癌、眼癌、消化器癌、結腸直腸癌、膀胱癌、骨癌、腎臓癌(renal cancer)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、急性骨髄性白血病(AML)、B-又はNK/T-細胞リンパ腫、子宮頸癌、腎臓癌(kidney cancer)、子宮内膜癌、卵巣癌(ovarian cancer)、食道癌(oesophageal cancer)、リンパ性白血病(ALL)、リンパ腫、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫(MM)、上咽頭癌、神経芽細胞腫、骨肉腫、肺転移骨肉腫、膵臓癌、甲状腺癌、肉腫、下垂体腫瘍、及び前立腺癌、から選択される癌、の予防及び/又は処置において使用する為の、8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミンに関する。
【0192】
特定の実施態様において、8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミンは、頭頸部癌、胃癌(stomach cancer)、乳癌、基底細胞及び扁平上皮癌、肝臓癌、脳癌、肺癌、眼癌、消化器癌、結腸直腸癌、膀胱癌、骨癌、又は腎臓癌(renal cancer)の処置又は予防において有用でありうる。
【0193】
該癌は、1つの実施態様において、白血病(例えば、急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性骨髄単球性白血病、急性単球性白血病、急性赤白血病、慢性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病)、真性多血症、リンパ腫(例えば、ホジキン病又は非ホジキン病)、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症、多発性骨髄腫、重鎖病、並びに固形腫瘍、例えば肉腫及び癌腫(例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌(ovarian cancer)、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性肺癌、腎細胞癌、肝細胞腫、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胚性癌腫、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、子宮癌、精巣癌、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、多形神経膠芽腫(GBM(glioblastoma multiforme),神経膠芽腫としてまた知られている)、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫瘍、乏突起神経膠腫、シュワン腫、神経芽細胞腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、及び網膜芽細胞腫)を包含するが、これらに限定されない。
【0194】
幾つかの実施態様において、該癌は、神経膠腫、星状細胞腫、多形神経膠芽腫(GBM、神経膠芽腫としてまた知られている)、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫瘍、乏突起神経膠腫、シュワン腫、神経芽細胞腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、又は網膜芽細胞腫である。
【0195】
幾つかの実施態様において、該癌は、聴神経腫瘍、星状細胞腫(例えば、悪性度I-毛様細胞性星状細胞腫、悪性度II-低悪性度の星状細胞腫、悪性度III-悪性星状細胞腫、又は悪性度IV-神経膠芽腫(GBM))、脊索腫、CNSリンパ腫、頭蓋咽頭腫、脳幹神経膠腫、上衣腫、混合膠腫、視神経膠腫、上衣下腫、髄芽腫、髄膜腫、転移性脳腫瘍、乏突起神経膠腫、下垂体腫瘍、原始神経外胚葉性腫瘍(PNET:primitive neuroectodermal)腫瘍、又はシュワン腫である。幾つかの実施態様において、該癌は、成人よりも子供に多く見られるタイプ、例えば脳幹神経膠腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、若年性毛様細胞性星状細胞腫(JPA:juvenile pilocytic astrocytoma)、髄芽腫、視神経膠腫、松果体腫瘍、原始神経外胚葉性腫瘍(PNET:primitive neuroectodermal tumors)、又はラブドイド腫瘍、である。幾つかの実施態様において、該患者は、成人のヒトである。幾つかの実施態様において、該患者は、子供又は小児の患者である。
【0196】
該癌は、他の実施態様において、中皮腫、肝胆道(肝管及び胆管)、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭又は首の癌、皮膚黒色腫若しくは眼内黒色腫、卵巣癌(ovarian cancer)、結腸癌、直腸癌、肛門領域の癌、胃癌(stomach cancer)、胃腸(胃、結腸直腸、及び十二指腸)、子宮癌、ファロピウス管の癌、子宮内膜の癌、頸部の癌、膣の癌、外陰部の癌、ホジキン病、食道の癌、小腸の癌、内分泌系の癌、甲状腺の癌、副甲状腺の癌、副腎の癌、軟組織の肉腫、尿道の癌、陰茎の癌、前立腺癌、精巣癌、慢性又は急性の白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱の癌、腎臓若しくは尿管の癌、腎細胞癌、腎盂の癌、非ホジキンリンパ腫、脊椎軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、副腎皮質癌、胆嚢癌、多発性骨髄腫、胆管細胞癌、線維肉腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、又は上述の癌の1以上の組み合わせを包含するが、これらに限定されない。
【0197】
幾つかの実施態様において、該癌は、肝細胞癌、卵巣癌(ovarian cancer)、卵巣上皮癌、若しくは卵管癌;頭状漿液嚢胞腺癌若しくは子宮漿液性乳頭状癌(UPSC:uterine papillary serous carcinoma);前立腺癌;精巣癌;胆嚢癌;肝臓胆管癌;軟部肉腫及び骨肉腫;横紋筋肉腫;骨肉腫;軟骨肉腫;ユーイング肉腫;組織非形成性甲状腺癌;副腎皮質腺腫;膵臓癌;膵管癌若しくは膵臓腺癌;胃腸/胃(GIST:gastrointestinal/stomach)癌;リンパ腫;頭頸部扁平上皮癌(SCCHN:squamous cell carcinoma of the head and neck);唾液腺癌;神経膠腫、又は脳癌;神経線維腫症-1に関連付けられた悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST:malignant peripheral nerve sheath tumors);ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症;又は、髄芽腫から選択される。
【0198】
幾つかの実施態様において、該癌は、肝細胞癌(HCC:hepatocellular carcinoma)、肝芽腫、結腸癌、直腸癌、卵巣癌(ovarian cancer)、卵巣上皮癌、卵管癌、頭状漿液嚢胞腺癌、子宮漿液性乳頭状癌(UPSC)、肝臓胆管癌、軟部肉腫及び骨肉腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、組織非形成性甲状腺癌、副腎皮質腺腫、膵臓癌、膵管癌、膵臓腺癌、神経膠腫、神経線維腫症-1に関連付けられた悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症、又は髄芽腫から選択される。
【0199】
他の実施態様に従うと、該癌は、肛門癌、胆管癌、消化器癌、胆管細胞癌、結腸直腸癌、結腸直腸腺腫、食道癌(esophageal cancer)、食道の扁平上皮癌(Esophagus Squamous cell)、胃癌(gastric cancer)、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、肝細胞癌、肝内胆管癌、肝臓癌、肺癌、カルチノイド腫瘍、非小細胞肺癌、ゲフィチニブ抵抗性非小細胞肺癌、肺転移骨肉腫、胃癌(stomach cancer)、膵臓癌、小細胞肺癌、及び小腸癌から選択される。
【0200】
他の実施態様に従うと、該癌は、胃癌(stomach cancer)、胃癌(gastric cancer)、消化器癌、結腸直腸癌、膵臓癌、肺癌及び肝臓癌から選択される。
【0201】
1つの特定の実施態様に従うと、肛門癌、胆管癌、消化器癌、胆管細胞癌、結腸直腸癌、結腸直腸腺腫、食道癌(esophageal cancer)、食道の扁平上皮癌(Esophagus Squamous cell)、胃癌(gastric cancer)、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、肝細胞癌、肝内胆管癌、肝臓癌、肺癌、カルチノイド腫瘍、非小細胞肺癌、ゲフィチニブ抵抗性非小細胞肺癌、肺転移骨肉腫、胃癌(stomach cancer)、膵臓癌、小細胞肺癌、及び小腸癌から選択される癌の予防及び/又は処置の為の、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つ、特に8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミン、が本明細書においてさらに提供される。
【0202】
他の特定の実施態様に従うと、胃癌(stomach cancer)、胃癌(gastric cancer)、消化器癌、結腸直腸癌、膵臓癌、肺癌及び肝臓癌から選択される癌の予防及び/又は処置の為の、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つ、特に8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミン、が本明細書においてさらに提供される。
【0203】
幾つかの実施態様において、本発明は、固形腫瘍、例えば肉腫、癌腫又はリンパ腫として現れる癌を処置する為の方法であって、それを必要とする患者に、開示された化合物又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む上記方法を提供する。固形腫瘍は一般に、嚢腫又は液体領域を典型的に含まない異常な組織の塊を含む。幾つかの実施態様において、該癌は、腎細胞癌、又は腎臓癌(kidney cancer);肝細胞癌(HCC)、又は肝芽腫、又は肝臓癌;黒色腫;乳癌;結腸直腸癌、又は結腸直腸癌;結腸癌;直腸癌;肛門癌;肺癌、例えば非小細胞肺癌(NSCLC)、又は小細胞肺癌(SCLC);卵巣癌(ovarian cancer)、卵巣上皮癌、卵巣癌腫(ovarian carcinoma)、又は卵管癌;頭状漿液嚢胞腺癌、又は子宮漿液性乳頭状癌(UPSC:uterine papillary serous carcinoma);前立腺癌;精巣癌;胆嚢癌;肝臓胆管癌;軟部肉腫及び骨肉腫;横紋筋肉腫;骨肉腫;軟骨肉腫;ユーイング肉腫;組織非形成性甲状腺癌;副腎皮質癌;膵臓癌;膵管癌若しくは膵臓腺癌;胃腸/胃(GIST)癌;リンパ腫;頭頸部扁平上皮癌(SCCHN:squamous cell carcinoma of the head and neck);唾液腺癌;神経膠腫、又は脳癌;神経線維腫症-1に関連付けられた悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST);ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症;又は髄芽腫から選択される。
【0204】
幾つかの実施態様において、該癌は、腎細胞癌、肝細胞癌(HCC)、肝芽腫、結腸直腸癌、結腸直腸癌、結腸癌、直腸癌、肛門癌、卵巣癌(ovarian cancer)、卵巣上皮癌、卵巣癌腫(ovarian carcinoma)、卵管癌、頭状漿液嚢胞腺癌、子宮漿液性乳頭状癌(UPSC)、肝臓胆管癌、軟部肉腫及び骨肉腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、組織非形成性甲状腺癌、副腎皮質癌、膵臓癌、膵管癌、膵臓腺癌、神経膠腫、脳癌、神経線維腫症-1に関連付けられた悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症、又は髄芽腫から選択される。
【0205】
幾つかの実施態様において、該癌は、肝細胞癌(HCC)、肝芽腫、結腸癌、直腸癌、卵巣癌(ovarian cancer)、卵巣上皮癌、卵巣癌腫(ovarian carcinoma)、卵管癌、頭状漿液嚢胞腺癌、子宮漿液性乳頭状癌(UPSC)、肝臓胆管癌、軟部肉腫及び骨肉腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、組織非形成性甲状腺癌、副腎皮質癌、膵臓癌、膵管癌、膵臓腺癌、神経膠腫、神経線維腫症-1に関連付けられた悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症、又は髄芽腫から選択される。
【0206】
幾つかの実施態様において、該癌は肝細胞癌(HCC)である。幾つかの実施態様において、該癌は肝芽腫である。幾つかの実施態様において、該癌は結腸癌である。幾つかの実施態様において、該癌は直腸癌である。幾つかの実施態様において、該癌は、卵巣癌(ovarian cancer)又は卵巣癌腫(ovarian carcinoma)である。幾つかの実施態様において、該癌は卵巣上皮癌である。幾つかの実施態様において、該癌は卵管癌である。幾つかの実施態様において、該癌は頭状漿液嚢胞腺癌である。幾つかの実施態様において、該癌は子宮漿液性乳頭状癌(UPSC)である。幾つかの実施態様において、該癌は肝臓胆管癌である。幾つかの実施態様において、該癌は軟部肉腫及び骨肉腫である。幾つかの実施態様において、該癌は横紋筋肉腫である。幾つかの実施態様において、該癌は骨肉腫である。幾つかの実施態様において、該癌は組織非形成性甲状腺癌である。幾つかの実施態様において、該癌は副腎皮質癌である。幾つかの実施態様において、該癌は、膵臓癌又は膵管癌である。幾つかの実施態様において、該癌は膵臓腺癌である。幾つかの実施態様において、該癌は神経膠腫である。幾つかの実施態様において、該癌は悪性末梢神経鞘腫(MPNST:malignant peripheral nerve sheath tumors)である。幾つかの実施態様において、該癌は、MPNSTに関連付けられた神経線維腫症-1である。幾つかの実施態様において、該癌はワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症である。幾つかの実施態様において、該癌は髄芽腫である。
【0207】
本発明はさらに、ウイルスに関連付けられた癌、例えばヒト免疫不全ウイルス(HIV)に関連付けられた固形腫瘍、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)-16陽性の不治の固形腫瘍、及び成人T細胞白血病(ここで、該成人T細胞白血病は、ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-I)によって引き起こされ且つ白血病細胞へのHTLV-Iのクローン統合によって特徴付けられるCD4+T細胞白血病の非常に攻撃的な形態である(https://clinicaltrials.gov/ct2/show/study/NCT02631746を参照))を包含する該ウイルスに関連付けられた癌、並びに胃癌(gastric cancer)、上咽頭癌、子宮頸癌、腟癌、外陰癌、頭頸部の扁平上皮癌及びメルケル細胞癌におけるウイルスに関連付けられた腫瘍の診断、予後及び処置の為の方法及び組成物をさらに特徴とする(https://clinicaltrials.gov/ct2/show/study/NCT02488759を参照;https://clinicaltrials.gov/ct2/show/study/NCT0240886をまた参照;https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02426892)。
【0208】
幾つかの実施態様において、本発明は、腫瘍の処置を必要とする患者において癌の処置をする為の方法であって、該患者に、本明細書において記載された化合物、塩又は医薬組成物のいずれかを該患者に投与することを含む上記方法を提供する。幾つかの実施態様において、該腫瘍は、本明細書に記載された癌のいずれかを含む。幾つかの実施態様において、該腫瘍は黒色腫癌を含む。幾つかの実施態様において、該腫瘍は乳癌を含む。幾つかの実施態様において、該腫瘍は肺癌を含む。幾つかの実施態様において、該腫瘍は小細胞肺癌(SCLC)を含む。幾つかの実施態様において、該腫瘍は非小細胞肺癌(NSCLC)を含む。
【0209】
幾つかの実施態様において、該腫瘍は、腫瘍の更なる成長を阻止することによって処置される。幾つかの実施態様において、該腫瘍は、腫瘍のサイズ(例えば、体積又は質量)を、処置前の腫瘍のサイズと比較して、少なくとも5%、10%、25%、50%、75%、90%又は99%縮小することによって処置される。幾つかの実施態様において、腫瘍は、患者における腫瘍の量を、処置前の腫瘍の量に対して少なくとも5%、10%、25%、50%、75%、90%又は99%減らすことによって処置される。
【0210】
本明細書はまた、本明細書において定義された使用の為の、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つの、或いは本明細書において定義された使用の為の、式(IVb’)の化合物又はその医薬的に許容される塩を記載し、ここで、該癌は、前癌状態、初期段階の癌、又は非転移性癌である。
【0211】
1つの実施態様に従うと、本明細書において定義された使用の為の、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つの、或いは本明細書において定義された使用の為の、式(IVb’)の化合物又はその医薬的に許容される塩は、転移の侵入を直接的に標的としない。
【0212】
本明細書はまた、本明細書において定義された使用の為の、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つの、或いは本明細書において定義された使用の為の、式(IVb’)の化合物又はその医薬的に許容される塩を記載し、ここで、該使用は、癌の家族歴を有する対象における、前癌状態、初期段階の癌、又は非転移性癌の発生、或いは遺伝性癌症候群を低減若しくは予防することであり、ここで、該対象は、臨床的に検出可能な癌を一度も経験したことがない。
【0213】
本明細書はまた、本明細書において定義された使用の為の、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つの、或いは本明細書において定義された使用の為の、式(IVb’)の化合物又はその医薬的に許容される塩を記載し、ここで、血液及び/又は組織のサンプルにおけるmiR-124の存在及び/又は発現レベルが、患者を選択する為に測定される。
【0214】
他の実施態様に従うと、患者における、本明細書において定義された使用の為の、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つの、或いは患者における、本明細書において定義された使用の為の、式(IVb’)の化合物又はその医薬的に許容される塩を記載し、
ここで、該患者は臨床的に検出可能な転移を示さず、特に該患者は前癌状態、初期段階の癌、又は非転移性癌を有し、又は
ここで、該患者は臨床的に検出可能な転移を示し、及び式(Ib’)又は式(IVb’)の上記化合物は転移の侵入を直接的に標的としない。
【0215】
特定の実施態様において、本明細書において定義された使用の為の、ABX464、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つの、或いは患者における本明細書において定義された使用の為の、下記の式の化合物又はその医薬的に許容される塩が本明細書において提供される。
【化54】
ここで、該患者は、臨床的に検出可能な転移を示さず、特に特に該患者は、前癌状態、初期段階の癌、又は非転移性癌を有し、又は
ここで、該患者は臨床的に検出可能な転移を示し、及びABX464、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つの、或いは下記式の上記化合物は転移の侵入を直接的に標的としない。
【化55】
【0216】
上記で述べられている通り、式(Ib’)及び式(IVb’)の上記化合物は、前癌状態、初期段階の癌、又は非転移性癌を予防及び/又は処置する為に使用されることができ、ここで、該化合物はまた、癌再発の可能性を予防及び/又は低減する為に有用であることができる。
【0217】
或る実施態様において、上記化合物の投与は、前癌状態、初期段階の癌、又は非転移性癌が浸潤性又は転移性の癌になることを防ぐ。例えば、上記前癌状態、上記初期段階の癌、又は上記非転移性癌がステージ0、ステージI又はステージIIの癌であることができ、及び或る実施態様において、上記化合物の投与は、上記前癌状態、上記初期段階の癌、又は上記非転移性癌が次の1以上のステージ、例えばステージI、ステージII、ステージIII又はステージIVの癌、に進行することを防ぐ。或る実施態様において、上記化合物は、対象における、上記前癌状態、上記初期段階の癌、又は上記非転移性癌を処置する為に、又は上記前癌状態、上記初期段階の癌、又は上記非転移性癌が浸潤性又は転移性の癌になることを予防する為に、十分な時間及び量で投与される。或る実施態様において、上記化合物を投与することは、上記前癌状態、上記初期段階の癌、又は上記非転移性癌の腫瘍サイズ、腫瘍負荷(tumor burden)、又は腫瘍数を減少させる。上記化合物はまた、上記前癌状態、上記初期段階の癌、又は上記非転移性癌における血管密度を減少させる量及び時間で投与されることができる。
【0218】
「初期段階の癌」又は「初期段階の腫瘍」によって、浸潤性でない若しくは転移性でない、又はステージ0、I若しくはIIとして分類される癌が意味される。
【0219】
語「前癌」は、典型的に癌に先行する又は癌に展開する状態又は成長を云う。「前癌」増殖は、異常な細胞周期調節、増殖又は分化によって特徴付けられる細胞を有し、それは、細胞周期調節、細胞増殖又は分化のマーカーによって決定されることができる。
【0220】
「異形成」によって、組織、臓器又は細胞の異常な成長又は発達が意味される。好ましくは、該異形成は、高悪性度又は前癌性(precancerous)である。
【0221】
「腫瘍負荷」(tumor burden)によって、癌細胞の数、腫瘍の大きさ、又は体内における癌の量が意味される。腫瘍負荷は、腫瘍量(tumor load)とも呼ばれる。
【0222】
「腫瘍数」によって、腫瘍の数が意味される。
【0223】
「転移」によって、その原発部位から体内における他の場所への癌の広がりが意味される。癌細胞は、原発腫瘍から離れ、リンパ管及び血管内に浸透し、血流を循環し、そして体内の他の場所における正常組織において離れた病巣(distant focus)において成長(転移)することができる。転移は局所的又は遠隔的であることができる。転移は、腫瘍細胞が原発腫瘍から分裂し、血流を通じて移動し、そして離れた部位で停止することを条件とする一連のプロセスである。新しい部位では、細胞が血液供給を確立し、且つ成長して生命を脅かす塊を形成することができる。腫瘍細胞内の刺激的且つ阻害的分子経路の両方がこの挙動を調節し、及び、腫瘍細胞と遠隔部位における宿主細胞との間の相互作用がまた重要である。
【0224】
「非転移性」によって、良性である又は原発部位に留まり、且つリンパ系若しくは血管系内に、又は原発部位以外の組織に浸透していない癌が意味される。一般的に、非転移性癌は、ステージ0、I又はIIの癌である任意の癌である。「ステージ0」、「ステージI」、「ステージII」、「ステージIII」又は「ステージIV」としての腫瘍又は癌への言及は、全体的なステージグループ化又は当技術分野において知られているローマ数字のステージング方法を使用した腫瘍又は癌の分類をす。癌の実際のステージは癌の種類に依存するけれども、一般的に、ステージ0の癌はイン・シチュー(in situ)病変、ステージIの癌は小さな局所化された腫瘍、ステージIIは局所進行された腫瘍、ステージIIIの癌はリンパ節又は周囲組織の浸潤、及びステージIVの癌は転移性の癌を表す。各タイプの腫瘍の特定のステージは、熟練した臨床医に知られている。
【0225】
典型的に、腫瘍腫瘍のTNM分類(TNM,2017年第8版を参照)は、癌の広がりの範囲を分類する為の世界的に認められた標準である。事実、TNMは、英数字コードを使用して、固形腫瘍に由来する癌のステージを記述する表記システムである:
Tは、元の(原発性)腫瘍のサイズと、それが近くの組織に浸潤しているかどうかを示し、
Nは、関与している近くの(局所的な)リンパ節を表し、
Mは、遠隔転移(体のある部分から別の部分への癌の広がり)を表す。
【0226】
「腫瘍」は、本明細書において使用される場合に、悪性又は良性にかかわらず、全ての腫瘍性細胞の成長及び増殖、並びに全ての前癌及び癌の細胞及び組織を云う。
【0227】
「原発腫瘍」又は「原発癌」によって、元の腫瘍が意味され、対象の身体における別の組織、臓器又は場所に位置する転移性病変でない。
【0228】
「癌再発」は本明細書において、処置後の癌の再発を云い、且つ原発器官における癌の再発並びに遠隔再発を包含し、ここで、癌は、原発器官の外に戻る。
【0229】
本発明の方法に従う化合物及び組成物は、癌の重症度、自己免疫障害、一次免疫不全、増殖性障害、炎症性障害、神経変性若しくは神経障害、統合失調症、骨関連障害、肝臓障害又は心臓障害を処置又は軽減する為に有効な任意の量及び任意の投与の経路を使用して投与されうる。必要とされる正確な量は、対象の種、年齢及び一般的な状態、疾病若しくは状態の重症度、特定の剤、その投与様式等に依存して、対象ごとに異なるであろう。本発明の化合物は好ましくは、投与の容易さ及び投与量の均一性の為に投薬単位形態で製剤化される。表現「投薬単位形態」は、本明細書において使用される場合に、処置されるべき患者の為に適切な剤の物理的に別個の単位を云う。しかしながら、本発明の化合物及び組成物の毎日の総使用量は、健全な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されるであろうことが理解されるであろう。任意の特定の患者又は生物の為の特定の有効用量レベルは、様々な要因、例えば処置されるべき障害、及び障害の重症度;使用されるべき特定の化合物の活性;使用された特定の組成物;患者の年齢、体重、一般的な健康状態、性別及び食事;投与時間、投与の経路、及び使用される特定の化合物の排泄率;処置の期間;使用される特定の化合物との組み合わせて使用される薬物若しくは同時に使用される薬物;並びに、医学技術において周知の同様の要因を包含する様々な要因、に依存するだろう。
【0230】
本発明の医薬的に許容される組成物は、処置される疾病又は疾患の重症度に依存して、経口的に、直腸的に、非経口的に、大槽内的に、膣内的に、腹腔内的に、局所的に(粉末、軟膏又は滴等)、頬側的に、経口若しくは経鼻のスプレー等として、ヒト及び他の動物に投与されることができる。
【0231】
経口投与用の液体剤形は、医薬的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁物、シロップ及びエリキシルを包含するが、これらに限定されない。活性化合物に加えて、液体投与形態は、当技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤、例えば、水又は他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に綿実、落花生、トウモロコシ、胚芽、オリーブ、ヒマシ油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、ソルビタンの脂肪酸エステル等、並びにそれらの混合物を包含しうる。不活性希釈剤に加えて、該経口組成物はまた、助剤、例えば湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、甘味料、香味料及び芳香剤を包含することができる。
【0232】
注射可能な調製物、例えば無菌の注射可能な水性又は油性懸濁物は、好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を使用して、既知の技術に従って製剤化されうる。無菌の、注射可能な調製物はまた、例えば1,3-ブタンジオールの溶液として、非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の無菌の、注射可能な溶液、懸濁物又は乳濁液でありうる。使用されうる許容可能なビヒクル及び溶媒のうち、水、リンゲル液,米国薬局方(U.S.P.)及び等張塩化ナトリウム溶液がある。加えて、無菌の不揮発性油は、慣用的に、溶媒又は懸濁媒体として使用される。この目的の為に、合成モノグリセリド又はジグリセリドを包含するあらゆる刺激のない不揮発性油が使用されることができる。加えて、脂肪酸、例えばオレイン酸、が、注射剤の調製において使用される。
【0233】
注射可能な製剤は、例えば細菌保持フィルターを通じて濾過することによって又は、使用前に滅菌水若しくは他の滅菌注射可能媒体に溶解若しくは分散されることができる滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を取り込むことによって、滅菌されることができる。
【0234】
本発明の化合物の効果を長くするために、皮下又は筋肉内の注射からの化合物の吸収を遅らせることがしばしば望ましい。これは、低い水溶性を有する結晶性又はアモルファス性の物質の液体懸濁物の使用によって達成されうる。その上、化合物の吸収速度はその溶解速度に依存し、同様に、該溶解速度は結晶サイズ及び結晶形に依存しうる。代替的には、非経口的に投与される化合物形態の遅延された吸収は、該化合物を油ビヒクル中に溶解又は懸濁することによって達成される。注射可能なデポーフォーム(depot forms)は、生分解性ポリマー、例えばポリラクチド-ポリグリコリド、において該化合物のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって作られる。ポリマーに対する化合物の比及び使用される特定のポリマーの性質に依存して、化合物放出の速度が制御されることができる。他の生分解性ポリマーの例は、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)を包含する。デポ注射可能な製剤(depot injectable formulations)はまた、体組織と適合性のあるリポソーム又はマイクロエマルジョン中に該化合物を封入することによって調製される。
【0235】
直腸又は膣投与の為の組成物は好ましくは、本明細書に記載された化合物を、周囲温度では固体であるが体温では液体であり、それ故に直腸又は膣腔において溶けて活性物質を放出する適切な非刺激性賦形剤又は担体、例えばココアバター、ポリエチレングリコール又は坐剤ワックス、と混合することによって調製されることができる坐剤である。
【0236】
経口投与の為の固形剤形は、カプセル、錠剤、ピル、粉末及び顆粒を包含する。そのような固体投与形態において、活性化合物は、少なくとも1つの不活性な、医薬的に許容される賦形剤又は担体、例えばクエン酸ナトリウム若しくはリン酸二カルシウム及び/又はa)充填剤若しくは増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及びケイ酸、b)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、及びアカシア等、c)吸湿剤、例えばグリセロール、d)崩壊剤、例えば寒天-寒天(agar--agar)、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプン若しくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム、e)溶液緩染剤(solution retarding agents)、例えばパラフィン、f)吸収促進剤、例えば第4級アンモニウム化合物、g)湿潤剤、例えばセチルアルコール及びグリセロールモノステアレート、h)吸収剤、例えばカオリン及びベントナイト粘土、並びにi)潤滑剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、並びにそれらの混合物と混合される。カプセル、錠剤及びピルの場合、該剤形はまた、緩衝剤を含みうる。
【0237】
同様のタイプの固体組成物はまた、賦形剤、例えばラクトースすなわち乳糖、並びに高分子量ポリエチレングリコール等、を使用して、軟質及び硬質の充填ゼラチンカプセルにおける充填剤として使用されうる。錠剤、糖衣錠、カプセル、ピル及び顆粒の固形剤形は、コーティング、並びにシェル、例えば腸溶性コーティング、及び医薬製剤分野において周知の他のコーティングを用いて調製されることができる。それらは、任意的に、乳白剤を含み得、及び、それらが、好ましくは腸管の特定の部分において、任意的に遅延する様式において、1以上の有効成分のみをそれらが放出する組成物でありうる。使用されることができる包埋組成物の例は、高分子物質及びワックスを包含する。同様のタイプの固体組成物がまた、賦形剤、例えばラクトースすなわち乳糖、並びに高分子量ポリエチレングリコール等を使用して、軟質及び硬質の充填ゼラチンカプセルの充填剤として使用されうる。
【0238】
該活性化合物はまた、上記された通り、1以上の賦形剤を有するマイクロカプセル化された形態にありうる。錠剤、糖衣錠、カプセル、ピル及び顆粒の固形剤形は、コーティング、並びにシェル、例えば腸溶性コーティング、放出制御コーティング及び医薬製剤分野において周知の他のコーティングを用いて調製されることができる。そのような固体剤形において、該活性化合物は、少なくとも1つの不活性希釈剤、スクロース、ラクトース又はデンプンと混合されうる。
【0239】
そのような剤形はまた、通常の慣行として、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、錠剤化潤滑剤及び、他の錠剤化助剤、例えばステアリン酸マグネシウム及び微結晶性セルロース、を含みうる。カプセル、錠剤及びピルの場合、該剤形はまた、緩衝剤を含みうる。それらは、任意的に、乳白剤を含み得、及び、それらが、好ましくは腸管の特定の部分において、任意的に遅延する様式において、1以上の有効成分のみをそれらが放出する組成物でありうる。。使用されることができる包埋組成物の例は、高分子物質及びワックスを包含する。
【0240】
本発明の化合物の局所又は経皮投与の為の剤形は、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤又はパッチを包含する。
【0241】
活性成分は、滅菌条件下で、医薬的に許容される担体及び必要に応じて必要な防腐剤又は緩衝剤と混合される。眼科用製剤、点耳薬及び点眼薬がまた、本発明の範囲内であると考えられる。加えて、本発明は、身体への化合物の制御された送達を提供するという追加された利点を有する経皮パッチの使用を企図している。そのような剤形は、該化合物を適切な媒体中に溶解又は分配することによって作られることができる。吸収促進剤がまた使用されて、皮膚を横切る化合物の流れを増加させることができる。速度は、速度制御膜を提供することによって、又は該化合物をポリマーマトリックス若しくはゲルに分散させることによってのいずれかで制御されることができる。
【0242】
癌又は異形成の処置
【0243】
本発明の意味において、使用方法及び方法の両方が考慮される。
【0244】
本発明はさらに、癌又は異形成を処置又は予防する為の方法であって、それを必要とする患者に、上記で定義された化合物、又はその代謝物若しくは医薬的に許容される塩のいずれか1つ、又はそれらのエナンチオマー若しくはジアステレオマーのいずれか1つ、特に8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミン、の有効量で投与することの工程を少なくとも含む上記方法に関する。
【0245】
本発明はまた、癌又は異形成の処置を意図された医薬組成物の製造の為の、本発明に従う、少なくとも上記で定義された化合物、又はその代謝物若しくは医薬的に許容される塩のいずれか1つ、又はそれらのエナンチオマー若しくはジアステレオマーのいずれか1つ、特に非晶質形態又は結晶形態下での8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミン又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩、特に上記に定義されたN-グルクロニド代謝物、の使用方法に関する。
【0246】
本発明はさらに、癌又は異形成を患う患者の処置の方法であって、それらを患っている患者に、少なくとも上記で定義された化合物、又はその代謝物若しくは医薬的に許容される塩のいずれか1つ、又はそれらのエナンチオマー若しくはジアステレオマーのいずれか1つ、特に非晶質形態又は結晶形態下での8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミン又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩、特に上記に定義されたN-グルクロニド代謝物、の有効量を投与する工程を少なくとも含む上記方法に関する。
【0247】
種々の癌発生源からのヒト癌細胞が使用されて、任意の形態下にある又はそのうちの1つの形態にある8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミン又はその医薬的に許容される塩の、例えば細胞増殖、生存率及び浸潤性の効力としての抗腫瘍活性を評価する。細胞は、任意の形態にある又はそのうちの1つの形態にある8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミンの存在下又は非存在下で、各癌細胞の特定の培地中で、様々な期間中、例えば48時間及び72時間、培養される。培養の最後に、細胞の細胞毒性、増殖及び生存率が、例えばたとえばCellTiter-Glo又はMTT等の発光又は比色試験で評価されることができる。癌細胞の浸潤能力は、トランスウェルマイグレーションアッセイ(transwell migration assay)又は創傷治癒試験(wound healing test)で研究されることができる。
【0248】
用量及びレジメン
本発明はさらに、癌又は異形成を予防及び/又は処置する為の方法であって、宿主に、上記で定義された化合物又はその医薬的に許容される塩の有効量を、10~1000mg、特に25~800mg、又はより特には30~600mg、例えば30~200mg、の投与量で、投与することの工程を含む上記方法に関する。
【0249】
1つの実施態様に従うと、該処置は、1日1回若しくは2回、3日に1回、週に1回、2週間に1回、又は毎月に1回である。
【0250】
特定の実施態様において、該処置は、連続的又は非連続的である。
【0251】
「連続的な処置」は、様々な投与頻度で実施されることができる長期処置を意味し、例えば3日に1回、又は1週間に1回、又は2週間に1回、又は毎月に1回である。
【0252】
処置期間、すなわち処置が非連続的である場合、1週間から3年の間で変化し得、それは、2週間~6週間、3ヶ月、6ヶ月、1年及び3年を包含する。
【0253】
1つの実施態様に従うと、本明細書に記載された、化合物又はその医薬的に許容される塩は、25~300mgで変わる量、特に25~200mgで変わる量、例えば25~150mgで変わる量、特に25~100mgで変わる量、の投与量で投与される。25~300mgの範囲の投与量は、約25、約50、約75、約100、約150、約200、約250、及び約300mgでの投与量を包含する。
【0254】
上記投与量は、処置が連続的であるか又は非連続的であるかに依存して適合させうる。任意の特定の患者についての特定の投与量及び処置計画は、様々な要因、例えば使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康、性別、食事、投与の時間、排泄率、薬物の組み合わせ、及び処置を行う医師の判断、並びに処置される特定の疾患の重症度を包含する様々な要因、に依存するであろうことがまた理解されるべきである。該組成物中の本発明のキノリン化合物の量はまた、該組成物中の特定の化合物に依存するだろう。
【0255】
用量、頻度、及び処置期間の全ての組み合わせは、本発明の範囲内に含まれる。
【0256】
特定の実施態様において、本発明に従う化合物、より特には8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミン、又はそれらの医薬的に許容される塩は、様々な投与量及びレジメンで、特に1日1回、10~1000mgの範囲の用量、特に25~800mg、より特には25~400mg、の用量、で連続処置として又は処置期間中に投与されうる。
【0257】
処置期間は1週間から3年の間で変化し得、それは、2週間~6週間、3ヶ月、6ヶ月、1年及び3年を包含する。
【0258】
該キノリン誘導体は、毎日、3日に1回、1週間に1回、2週間に1回、又は毎月1回投与されうる。
【0259】
用量及びレジメンの幾つかの例が、本明細書の下記において与えられている。
【0260】
より特には、本発明は、用量及びレジメンであって、ここで、本発明に従う化合物、又はその医薬的に許容される塩、より特には8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミン又はその医薬的に許容される塩、が、処置期間中又は継続的処置として1日1回25mgで投与される、上記用量及びレジメンに関する。
【0261】
より特には、本発明は、用量及びレジメンであって、ここで、本発明に従う化合物、又はその医薬的に許容される塩、より特には8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミン又はその医薬的に許容される塩、が、処置期間中又は継続的処置として1日1回50mgで投与される、上記用量及びレジメンに関する。
【0262】
より特には、本発明は、用量及びレジメンであって、ここで、本発明に従う化合物、又はその医薬的に許容される塩、より特には8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミン又はその医薬的に許容される塩、が、処置期間中又は継続的処置として1日1回75mgで投与される、上記用量及びレジメンに関する。
【0263】
より特には、本発明は、用量及びレジメンであって、ここで、本発明に従う化合物、又はその医薬的に許容される塩、より特には8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミン又はその医薬的に許容される塩、が、処置期間中又は継続的処置として1日1回100mgで投与される、上記用量及びレジメンに関する。
【0264】
より特には、本発明は、用量及びレジメンであって、ここで、本発明に従う化合物、又はその医薬的に許容される塩、より特には8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミン又はその医薬的に許容される塩、が、処置期間中又は継続的処置として1日1回150mgで投与される、上記用量及びレジメンに関する。
【0265】
より特には、本発明は、用量及びレジメンであって、ここで、本発明に従う化合物、又はその医薬的に許容される塩、より特には8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミン又はその医薬的に許容される塩、が、処置期間中又は継続的処置として1日1回300mgで投与される、上記用量及びレジメンに関する。
【0266】
より特には、本発明は、用量及びレジメンであって、ここで、本発明に従う化合物、又はその医薬的に許容される塩、より特には8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミン又はその医薬的に許容される塩、が、処置期間中又は継続的処置として1日1回400mgで投与される、上記用量及びレジメンに関する。
【0267】
より特には、本発明は、用量及びレジメンであって、ここで、本発明に従う化合物、又はその医薬的に許容される塩、より特には8-クロロ-N-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン-2-アミン又はその医薬的に許容される塩、が、処置期間中又は継続的処置として1日1回600mgで投与される、上記用量及びレジメンに関する。
【0268】
より特には、本発明は、用量及びレジメンであって、ここで、上記で定義された式(1)のN-グルクロニド代謝物が、処置期間中又は継続的処置として1日1回50mgで投与される、上記用量及びレジメンに関する。
【0269】
より特には、本発明は、用量及びレジメンであって、ここで、上記で定義された式(1)のN-グルクロニド代謝物が、処置期間中又は継続的処置として1日1回150mgで投与される、上記用量及びレジメンに関する。
【0270】
より特には、本発明は、用量及びレジメンであって、ここで、上記で定義された式(1)のN-グルクロニド代謝物が、処置期間中又は継続的処置として1日1回300mgで投与される、上記用量及びレジメンに関する。
【0271】
より特には、本発明は、用量及びレジメンであって、ここで、上記で定義された式(1)のN-グルクロニド代謝物が、処置期間中又は継続的処置として1日1回500mgで投与される、上記用量及びレジメンに関する。
【0272】
より特には、本発明は、用量及びレジメンであって、ここで、上記で定義された式(1)のN-グルクロニド代謝物が、処置期間中又は継続的処置として1日1回700mgで投与される、上記用量及びレジメンに関する。
【0273】
より特には、本発明は、用量及びレジメンであって、ここで、上記で定義された式(1)のN-グルクロニド代謝物が、処置期間中又は継続的処置として1日1回1000mgで投与される、上記用量及びレジメンに関する。
【0274】
従って、本発明に従う化合物は、上記で定義された化合物又は上記されたその代謝物の有効量と、1以上の医薬的に許容される賦形剤とを含みうる医薬組成物内で実施されることができる。
【0275】
該組成物は、本発明の化合物、又はその医薬的に許容される塩、及び医薬的に許容される賦形剤、担体、助剤又はビヒクルを含みうる。或る実施態様において、本発明の組成物は、そのような組成物を必要とする患者に投与する為に製剤化される。
【0276】
上記された賦形剤、担体、助剤又はビヒクルは、剤形及び所望の投与様式に従って選択される。
【0277】
本発明の組成物において使用されうる、医薬的に許容される担体、助剤又はビヒクルは、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩又は電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルローナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコール、及び羊毛脂を包含するが、これらに限定されない。
【0278】
上記医薬剤形は、経口的に、非経口的に、吸入スプレーによって、局所的に、直腸的に、鼻腔的に、頬側に、膣内に、又は移植されたリザーバーを介して投与されうる。語「非経口」は、本明細書において使用される場合に、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、髄腔内、肝内、病巣内及び頭蓋内の注射又は注入技術を包含する。好ましくは、該組成物は、経口的に、腹腔内に又は静脈内に投与される。本発明の組成物の無菌注射形態は、水性又は油性の懸濁物でありうる。これらの懸濁物は、好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を使用して、当技術分野において知られている技術に従って製剤化されることができる。無菌の注射可能な調製物はまた、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液として、非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の無菌の注射可能な溶液又は懸濁物でありうる。使用されうる許容可能なビヒクル及び溶媒のうち、水、リンゲル液、及び等張塩化ナトリウム溶液がある。加えて、無菌の不揮発性油は慣用的に、溶媒又は懸濁媒体として使用される。
【0279】
この目的の為に、合成のモノグリセリド又はジグリセリドを包含する任意の刺激の少ない不揮発性油が使用されうる。脂肪酸、例えばオレイン酸、及びそのグリセリド誘導体は、特にポリオキシエチル化されたバージョンにおいて、天然の医薬的に許容される油、例えばオリーブ油又はヒマシ油、として、注射剤の調製において有用である。これらの油性溶液又は懸濁物はまた、乳濁液及び懸濁物を含む医薬的に許容される投与形態の製剤で一般的に使用される、長鎖アルコール希釈剤又は分散剤、例えばカルボキシメチルセルロース又は同様の分散剤、を含みうる。一般的に使用される界面活性剤、例えばツイン(Tweens)、スパン(Spans)、及び他の乳化剤又は、医薬的に許容される固形、液体若しくは他の投与形態の製造においても一般的に使用されるバイオアベイラビリティエンハンサー、がまた、製剤化の目的の為に使用されうる。医薬剤形は、好適な賦形剤と関連して、例えば、プレーン又はコーティングされた錠剤、ハードゼラチン、ソフトシェルカプセル及び他のカプセル、坐剤、又は飲用、例えば懸濁物、シロップ又は注射可能な溶液若しくは懸濁物、の形態で、経腸又は非経口の投与の為に特に適しうる。
【0280】
より特には、該投与の経路は、経口若しくは非経口(IM、SC、IV)投与で有り得、又はイン・シチュー(in-situ)投与でありうる。
【0281】
徐放性医薬組成物が使用されうる。
【0282】
例えば、本明細書に記載されている、化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つは、経口、非経口、静脈内、経皮、筋肉内、直腸、舌下、粘膜、鼻、又は他の手段によって投与されることができる。加えて、本明細書に記載されている、化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つは、医薬組成物の形態及び/又は単位剤形で投与されることができる。
【0283】
特に、本発明の医薬組成物は、経口的に及び/又は非経口的に投与されうる。
【0284】
1つの例示的な実施形態に従うと、本発明の医薬組成物は、経口的に投与されうる。本発明の医薬的に許容される組成物は、経口的に許容される任意の剤形、例えばカプセル、錠剤、水性懸濁物又は溶液を包含するが、これらに限定されない経口的に許容される任意の剤形、で経口投与されうる。経口使用の為の錠剤の場合、一般的に使用される担体は、ラクトース及びコーンスターチを包含する。滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、がまた、典型的に添加される。カプセル形態における経口投与の場合、有用な希釈剤は、ラクトース及び乾燥されたコーンスターチを包含する。水性懸濁物が経口使用の為に必要である場合、活性成分は乳化剤及び懸濁剤と組み合わされる。必要に応じて、或る甘味料、香料又は着色剤がまた、添加されうる。
【0285】
代替的には、本発明の医薬的に許容される組成物は、直腸投与の為の坐剤の形態において投与されうる。これらは、室温では固体であるが直腸温度では液体であり、それ故に直腸において溶融して薬物を放出する好適な非刺激性賦形剤と薬剤とを混合することによって調製されることができる。そのような材料は、カカオバター、蜜蝋、及びポリエチレングリコールを包含する。
【0286】
本発明の医薬的に許容される組成物はまた、特に、処置の対象が、局所適用、例えば眼、皮膚又は下部腸管の疾患を包含する局所適用、によって容易にアクセス可能な領域又は器官を包含する場合、局所的に投与されうる。好適な局所製剤が、これらの領域又は器官のそれぞれの為に容易に調製される。
【0287】
下部腸管の為の局所施与は、直腸坐剤製剤(上記を参照)において又は好適な浣腸製剤において行われることができる。局所的に経皮パッチがまた使用されうる。
【0288】
局所施与の為に、用意された医薬的に許容される組成物は、1以上の担体中に懸濁された又は溶解された有効成分を含む好適な軟膏において製剤化されうる。本発明の化合物の局所施与の為の担体は、鉱油、液体ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックス及び水を包含するが、これらに限定されない。代替的には、用意された医薬的に許容される組成物は、1以上の医薬的に許容される担体中に懸濁された又は溶解された活性成分を含む好適なローション又はクリームにおいて製剤化されることができる。
【0289】
好適な担体は、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコール及び水を包含するが、これらに限定されない。
【0290】
眼科での使用の為に、用意された医薬的に許容される組成物は、等張のpH調整された滅菌生理食塩水中の微粉化懸濁物として、又は好ましくは等張のpH調整された滅菌生理食塩水中の溶液として、防腐剤、例えばベンジルアルコニウムクロリド、の有り又は無しのいずれかで製剤化されうる。代替的には、眼科での使用の為に、該医薬的に許容される組成物は、軟膏、例えばワセリン、において製剤化されうる。
【0291】
本発明の医薬的に許容される組成物はまた、鼻エアロゾル又は吸入によって投与されうる。そのような組成物は、医薬製剤の分野で周知の技術に従って調製され、且つベンジルアルコール又は他の好適な防腐剤、バイオアベイラビリティを高める吸収促進剤、フルオロカーボン及び/又は他の慣用的な可溶化剤若しくは分散剤を使用して、生理食塩水中の溶液として調製されうる。
【0292】
最も好ましくは、本発明の医薬的に許容される組成物は、経口投与の為に製剤化される。そのような製剤は、食物と共に又は食物無しで投与されうる。幾つかの実施態様において、本発明の医薬的に許容される組成物は、食物無しで投与される。他の実施態様において、本発明の医薬的に許容される組成物は、食物と共に投与される。
【0293】
適切な剤形は、カプセル、錠剤(速溶性及び遅延放出の錠剤を包含する)、粉末、シロップ、経口懸濁物及び非経口投与の為の溶液を包含するが、これらに限定されず、より特にはカプセルである。
【0294】
医薬組成物はまた、本発明に従う化合物と組み合わされて、当業者に周知で或る、癌の処置の為の別の薬物を含みうる。
【0295】
有利には、本明細書に記載されている、化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つは、1以上の他の抗癌薬と及び/又は放射線療法と組み合わされて投与されうる。
【0296】
従って、本発明はさらに、上記で定義された、式(I)の化合物、又はその代謝物若しくは医薬的に許容される塩のいずれか1つ、又はそれらのエナンチオマー若しくはジアステレオマーのいずれか1つと、他の抗癌薬との医薬品組み合わせに関する。
【0297】
本明細書に記載されている、化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つが他の活性成分、例えば他の抗癌薬、と組み合わされて投与される場合、それは、独自の剤形で投与されうる。
【0298】
代替的に、そのような組み合わせは、別々に又は同時に、例えばボーラス(bolus)で投与されうる。上記特定の実施形態に従うと、上記組み合わせは、少なくとも2つの医薬調製物の形態を有することができる。言い換えれば、該組み合わせは、組み合わせキット又は製品の形態であることができる。そのような組み合わせの形態は、各化合物の投与様式に依存するであろう。
【0299】
そのような実施形態において、2つの医薬調製物は、逐次に(異なる時間で)又は同時に(同じ時間で)投与されうる。
【0300】
言い換えれば、式(I)若しくは式(I’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つと上記追加の抗腫瘍剤治療の投与は、同時に、別々に、又は時間の経過とともに行われる。
【0301】
例えば、幾つかの実施形態に従うと、該組み合わせの各化合物又はその組成物は、同じ投与様式(すなわち、厳密には経口)によって投与される。他の実施形態に従うと、幾つかの化合物は、異なる投与様式(すなわち、経口及び非経口)によって投与される。
【0302】
該組み合わせは、処置されるべき前立腺癌の性質及びまたステージ処置されるべき患者(年齢、体重、以前の1以上の処置等)に依存するプロトコルに従って、数サイクルの過程に渡って繰り返し投与されることが出来る。該プロトコルは、腫瘍学を専門とする任意の医者によって決定されることができる。
【0303】
本発明の特定の実施態様において、放射線療法処置がまた、同時に又は逐次に投与されうる。
【0304】
他の抗癌薬のうち、下記のものが引用されうる:
-アンドロゲン受容体阻害剤、例えばエンザルタミド(Xtandi(商標),Astellas/Medivation)、アビラテロン(Zytiga(商標),Centocor/Ortho)、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)受容体のアンタゴニスト、例えばデガレリクス(degaralix)(Firmagon(商標),Ferring Pharmaceuticals);
-抗アポトーシス薬、例えばベネトクラクス(Venclexta(商標),AbbVie/Genentech)、ブリナツモマブ(Blincyto(商標),Amgen)、ナビトクラックス(ABT-263,Abbott);
-抗増殖剤及び有糸分裂阻害剤、例えばビンカアルカロイド(それは、ビンブラスチン、ビンクリスチンを包含する);
-抗生物質、例えばダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシン、アントラサイクリン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)、及びマイトマイシン;
-L-アスパラギナーゼ;
-抗血小板薬;
-抗増殖剤/有糸分裂阻害アルキル化剤、例えばナイトロジェンマスタード、シクロホスファミド及びその類似体(それは、メルファラン、クロラムブシル、ヘキサメチルメラミン、及びチオテパを包含する)、アルキルニトロソ尿素(それは、カルムスチンを包含する)及びその類似体、ストレプトゾシン、及びトリアゼン(それは、ダカルバジンを包含する);
-抗増殖剤/抗有糸分裂代謝拮抗剤、例えば葉酸類似体(それは、メトトレキサートを包含する)、アロマターゼ阻害剤;抗エストロゲン;トポイソメラーゼI阻害剤;トポイソメラーゼII阻害剤;微小管活性化合物;アルキル化剤化合物;ヒストンデアセチラーゼ阻害剤;細胞分化プロセスを誘発する化合物;シクロオキシゲナーゼ阻害剤;MMP阻害剤;mTOR阻害剤;抗悪性腫瘍性代謝拮抗剤;プラチナ化合物;タンパク質又は脂質キナーゼ活性を標的とする/減少させる化合物並びにさらに抗血管新生化合物;タンパク質又は脂質ホスファターゼの活性を標的とする、減少させる又は阻害する化合物;ゴナドレリンアゴニスト;抗アンドロゲン薬;メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤;マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤;ビスホスホネート;生体応答修飾物質;抗増殖抗体;ヘパラナーゼ阻害剤;Ras発癌性アイソフォームの阻害剤;テロメラーゼ阻害剤;プロテアソーム阻害剤;血液系腫瘍の処置に使用される化合物;Flt-3の活性を標的とする、減少させる又は阻害する化合物;Hsp90阻害剤、例えば17-AAG(17-アリルアミノゲルダナマイシン、NSC330507)、17-DMAG(17-ジメチルアミノエチルアミノ17-デメトキシゲルダナマイシン、NSC707545)、IPI-504、CNF1010、CNF2024、CNF1010(Conforma Therapeuticsから);テモゾロミド(Temodal(商標));キネシン紡錘体タンパク質阻害剤、例えばGlaxoSmithKlineからのSB715992若しくはSB743921、又は、CombinatoRxからのペンタミジン/クロールプロマジン;MEK阻害剤、例えばArray BioPharmaからのARRY142886、AstraZenecaからのAZd6244、PfizerからのPD181461,及びロイコボリン;
-抗遊走剤;
-血管新生阻害剤、例えばTNP-470;
-アロマターゼ阻害剤、例えばレトロゾール及びアナストロゾール(anastrozole)、エキセメスタン;
-アンジオテンシン;
-アンチセンスオリゴヌクレオチド、例えばmiR-124に向けられたアンチセンス核酸;
-抗凝血剤、例えばヘパリン、合成ヘパリン塩、及びトロンビンの他の阻害剤;
-アルギニン阻害剤、例えばAEB1102(ペグ化された組換えアルギナーゼ,Aeglea Biotherapeutics)及びCB-1158(Calithera Biosciences);
-骨吸収阻害剤、例えばデノスマブ(Xgeva(商標),Amgen)、ビスホスホネート、例えばゾレドロン酸(Zometa(商標),Novartis);
-CCケモカイン受容体4(CCR4:CC chemokine receptor 4)阻害剤、例えばモガムリズマブ(Poteligeo(商標),Kyowa Hakko Kirin,日本);
-CDK阻害剤、例えばCDK4/CDK6阻害剤、例えばパルボシクリブ(Ibrance(商標),Pfizer);リボシクリブ(Kisqali(商標),Novartis);アベマシクリブ(Ly2835219,Eli Lilly);及び、トリラシクリブ(trilaciclib)(G1T28,G1 Therapeutics);
-細胞周期阻害剤及び分化誘導剤、例えばトレチノイン;
-コルチコステロイド、例えばコルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、及びプレドニゾロン;
-DNA損傷剤、例えばアクチノマイシン、アムサクリン、ブスルファン、カルボプラチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド(CYTOXAN(商標))、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イホスファミド、メルファラン、メクロレタミン、マイトマイシン、ミトキサントロン、ニトロソウレア、プロカルバジン、タキソール、タキソテール、テニポシド、エトポシド、及びトリエチレンチオホスホルアミド;
-血栓溶解剤、例えば組織プラスミノーゲンアクチベーター、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、アスピリン、ジピリダモール、チクロピジン、及びクロピドグレル;
-葉酸アンタゴニスト;
-FLT3受容体阻害剤、例えばエンザルタミド、アビラテロン、アパルタミド、エルロチニブ、クリゾチニブ、ニラパリブ、オラパリブ、オシメルチニブ、レゴラフェニブ、スニチニブ、レスタウルチニブ、ミドスタウリン、ギルテリチニブ、セマキシニブ、リニファニブ、ホスタマチニブ、ペキシダルチニブ、ソラフェニブ、カボザンチニブ、ポナチニブ、イロラセルチブ、パクリチニブ(pacritinib)、ファミチニブ、ペキシダルチニブ、キザルチニブ;
-グルタミナーゼ阻害剤、例えばCD-839(Calithera Biosciences);
-成長因子シグナル伝達キナーゼ阻害剤;
-成長因子阻害剤、例えば血管内皮成長因子阻害剤及び線維芽細胞成長因子阻害剤、例えばオララタマブ(Lartruvo(商標),Eli Lilly)、セツキシマブ(Erbitux(商標),Eli Lilly);ネシツムマブ(Portrazza(商標),Eli Lilly)、パニツムマブ(Vectibix(商標),Amgen);及びオシメルチニブ(活性化されたEGFRを標的とする,Tagrisso(商標),AstraZeneca);
-ヘッジホッグ経路阻害剤、例えばソニデギブ(Odomzo商標),Sun Pharmaceuticals);及びビスモデギブ(Erivedge(商標),Genentech);
-ヒストンデアセチラーゼ(HDAC:Histone deacetylase)阻害剤、例えばボリノスタット(Zolinza(商標),Merck);ロミデプシン(Istodax(商標),Celgene);パノビノスタット(Farydak(商標),Novartis);ベリノスタット(Beleodaq(商標),Spectrum Pharmaceuticals);エンチノスタット(SNDX-275、Syndax Pharmaceuticals)(NCT00866333);及びチダミド(Epidaza(商標),HBI-8000、Chipscreen Biosciences,中国);
-ホルモン及びその類似体、例えばエストロゲン、タモキシフェン、ゴセレリン、ビカルタミド、及びニルタミド);
-イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(IDH:Isocitrate dehydrogenase)阻害剤、例えばAG120(Celgene;NCT02677922);AG221(Celgene,CT02677922;NCT02577406);BAY1436032(Bayer,NCT02746081);IDH305(Novartis,NCT02987010)
-イソフラボン、例えばゲニステイン;
-免疫抑制剤、例えばタクロリムス、シロリムス、アザチオプリン、及びミコフェノレート;
-p53サプレッサータンパク質の阻害剤、例えばALRN-6924(Aileron);
-成長因子ベータを変換する阻害剤(TGF-ベータ又はTGFβ)、例えばNIS793(Novartis)、フレソリムマブ(GC1008;Sanofi-Genzyme)、M7824(Merck KgaA-以前は、MSB0011459X);
-iNKT細胞アゴニスト、例えばABX196 5 Abivax)
-mTOR阻害剤、例えばエベロリムス(Afinitor(商標),Novartis);テムシロリムス(Torisel(商標),Pfizer);及びシロリムス(Rapamune(商標),Pfizer);
-微小管阻害薬、例えばタキサン類(それは、パクリタキセル、ドセタキセルを包含する)、ビンブラスチン、ノコダゾール、エポチロン、ビノレルビン)(NAVELBINE(商標))、及びエピポドフィロトキシン類(エトポシド、テニポシド);
-一酸化窒素ドナー;
-ヌクレオシド阻害剤、例えばトラベクテジン(グアニジンアルキル化剤,Yondelis(商標),Janssen Oncology)、メクロレタミン(アルキル化剤,Valchlor(商標),Aktelion Pharmaceuticals);ビンクリスチン(Oncovin(商標),Eli Lilly;Vincasar(商標),Teva Pharmaceuticals;Marqibo(商標),Talon Therapeutics);テモゾロミド(アルキル化剤5-(3-メチルトリアゼン-1-イル)-イミダゾール-4-カルボキサミド(MTIC)に対するプロドラッグ,Temodar(商標),Merck);シタラビン注射剤(ara-C,代謝拮抗性シチジン類似体,Pfizer);ロムスチン(アルキル化剤,CeeNU(商標),Bristol-Myers Squibb;Gleostine(商標),NextSource Biotechnology);アザシチジン(ピリミジンヌクレオシドシチジンの類似体,Vidaza(商標),Celgene);オマセタキシン・メペサクシネート(セファロタキシンエステル)(タンパク質合成阻害剤,Synribo(商標);Teva Pharmaceuticals);アスパラギナーゼErwinia chrysanthemi(アスパラギンの枯渇の為の酵素,Elspar(商標),Lundbeck;Erwinaze(商標),EUSA Pharma);エリブリンメシル酸塩(微小管阻害剤,チューブリンベースの有糸分裂阻害剤,Halaven(商標),Eisai);カバジタキセル(微小管阻害剤,チューブリンベースの有糸分裂阻害剤,Jevtana(商標),Sanofi-Aventis);カパセトリン(チミジル酸シンターゼ阻害剤,Xeloda(商標),Genentech);ベンダムスチン(二官能性メクロレタミン誘導体、鎖間DNA架橋結合を形成すると考えられている,Treanda(商標),Cephalon/Teva);イクサベピロン(エポチロンBの半合成類似体,微小管阻害剤,チューブリンベースの有糸分裂阻害剤,Ixempra(商標),Bristol-Myers Squibb);ネララビン(デオキシグアノシン類似体のプロドラッグ,ヌクレオシド代謝阻害剤,Arranon(商標),Novartis);クロラファビン(リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤のプロドラッグ、デオキシシチジンの競合的阻害剤,Clolar(商標),Sanofi-Aventis);及びトリフルリジン及びチピラシル(チミジンベースのヌクレオシド類似体及びチミジンホスホリラーゼ阻害剤,Lonsurf(商標),Taiho Oncology);
-PI3K阻害剤、例えばイデラリシブ(Zydelig(商標),Gilead)、アルペリシブ(BYL719,Novartis)、タセリシブ(GDC-0032,Genentech/Roche);ピクチリシブ(GDC-0941,Genentech/Roche);コパンリシブ(BAY806946,Bayer);ヅヴェリシブ(以前は、IPI-145,Infinity Pharmaceuticals);PQR309(Piqur Therapeutics,スイス);及びTGR1202(以前は、RP5230,TG Therapeutics);
-プラチナ配位錯体(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン(oxiloplatin)、カルボプラチン、ネダプラチン、ピコプラチン、プロカルバジン、ミトタン、サトラプラチン、及びアミノグルテチミド;
-ポリADBリボースポリメラーゼ(PARP:Poly ADB ribose polymerase)阻害剤、例えば下記から選択されるもの:オラパリブ(Lynparza(商標),AstraZeneca);ルカパリブ(Rubraca(商標),Clovis Oncology);ニラパリブ(Zejula(商標),Tesaro);タラゾパリブ(MDV3800/BMN 673/LT00673,Medivation/Pfizer/Biomarin);ベリパリブ(ABT-888,AbbVie);及びBGB-290(BeiGene Inc.);
-プロテアソーム阻害剤、例えばエベロリムス(Afinitor(商標),Novartis);テムシロリムス(Torisel(商標),Pfizer);及びシロリムス(Rapamune(商標),Pfizer)、ボルテゾミブ(Bortezomib) (Velcade(商標),Takeda);カーフィルゾミブ(carfilzomib)(Kyprolis(商標),Amgen);及びイキサゾミブ(ixazomib)(Ninlaro(商標),Takeda);
-ピリミジン類似体及びプリン類似体、例えばフロクスウリジン、カペシタビン、及びシタラビン;
-受容体遮断剤、抗分泌剤、例えばブレフェルジン(breveldin);
-選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM:Selective estrogen receptor modulator)、例えばラロキシフェン(Evista(商標),Eli Lilly);
-治療用抗体、例えば、下記から選択されるもの:抗TNF抗体、抗VEGF抗体、抗EGFR抗体、抗PD-1抗体、抗HER2抗体、抗CD20抗体、抗IL17抗体、and抗CTLA4抗体、抗PDL1、抗CD25、抗α4インテグリン、抗IL6R、抗C5、抗IL1、抗TPO、抗IL12/23、抗EPCAM/CD3、抗CD30、抗CD80/86、抗anthrax、抗CCR4、抗CD6、抗CD19、抗α4β7、抗IL6、抗VEGFR-2、抗SLAMF7、抗GD2、抗IL17A、抗PCSK9、抗IL5、抗CD22、抗IL4、抗PDGFRα、抗IL17RA、及び抗TcdB、並びに、例えば、下記から選択されるもの:アバゴヴォマブ(Abagovomab)、アバタセプト(Abatacept)、アブシキシマブ(Abciximab)、アビツズマブ(Abituzumab)、アブリルマブ(Abrilumab)、アクトクスマブ(Actoxumab)、アダリムマブ(Adalimumab)、アデカツマブ(Adecatumab)、アデュカヌマブ(Aducanumab)、アフリベルセプト(Aflibercept)、アフツジマブ(Afutuzymab)、アラシズマブ(Alacizumab)、アレファセプト(Alefacept)、アレムツズマブ(Alemtuzumab)、アリロクマブ(Alirocumab)、アルツモマブ(Altumomab)、アマチクスマブ(Amatixumab)、アナツモマブ(Anatumomab)、アネツマブ(Anetumab)、アニフロムマブ(Anifromumab)、アンルキンズマブ(Anrukinzumab)、アポリズマブ(Apolizumab)、アルシツモマブ(Arcitumomab)、アスクリンヴァクマブ(Ascrinvacumab)、アセリズマブ(Aselizumab)、アテゾリズマブ(Atezolizumab)、アチヌマブ(Atinumab)、アルチズマブ(Altizumab)、アトロリムマブ(Atorolimumab)、バピネウズマブ(Bapineuzumab)、バシリキシマブ(Basiliximab)、バヴィツキシマブ(Bavituximab)、ベクツモマブ(Bectumomab)、ベゲロマブ(Begelomab)、ベラタセプト(Belatacept)、ベリムマブ(Belimumab)、ベンラリズマブ(Benralizumab)、ベルチリムマブ(Bertilimumab)、ベシレソマブ(Besilesomab)、ベバシズマブ(Bevacizumab)、ベズロトクスマブ(Bezlotoxumab)、ビシロマブ(Biciromab)、ビマグルマブ(Bimagrumab)、ビメキズマブ(Bimekizumab)、ビヴァツズマブ(Bivatuzumab)、ブリナツモマブ(Blinatumomab)、ブロソズマブ(Blosozumab)、ボコシズマブ(Bococizumab)、ブレンツキシマブ(Brentuximab)、ブリアキヌマブ(Briakimumab)、ブロダルマブ(Brodalumab)、ブロルシズマブ(Brolucizumab)、ブロンチシズマブ(Bronticizumab)、カナキヌマブ(Canakinumab)、カンツズマブ(Cantuzumab)、カプラシズマブ(Caplacizumab)、カプロマブ(Capromab)、カルルマブ(Carlumab)、カツマキソマブ(Catumaxomab)、セデリズマブ(Cedelizumab)、セルトリズマブ(Certolizumab)、セツキシマブ(Cetixumab)、シタツズマブ(Citatuzumab)、シクスツムマブ(Cixutumumab)、クラザキズマブ(Clazakizumab)、クレノリキシマブ(Clenoliximab)、クリヴァツズマブ(Clivatuzumab)、コドリツズマブ(Codrituzumab)、コルツキシマブ(Coltuximab)、コナツムマブ(Conatumumab)、コンシズマブ(Concizumab)、クレネズマブ(Crenezumab)、ダセツズマブ(Dacetuzumab)、ダクリズマブ(Daclizumab)、ダロツズマブ(Dalotuzumab)、ダピロリズマブ(Dapirolizumab)、ダラツムマブ(Daratumumab)、デクトレクマブ(Dectrekumab)、デムシズマブ(Demcizumab)、デニンツズマブ(Denintuzumab)、デノスマブ(Denosumab)、デルロチクスマブ(Derlotixumab)、デツモマブ(Detumomab)、ジヌツキシマブ(Dinutuximab)、ディリダヴマブ(Diridavumab)、ドリノマブ(Dorlinomab)、ドロジツマブ(Drozitumab)、デュピルマブ(Dupilumab)、デュルヴァルマブ(Durvalumab)、デュシギツマブ(Dusigitumab)、エクロメキシマブ(Ecromeximab)、エクリズマブ(Eculizumab)、エドバコマブ(Edobacomab)、エドレコロマブ(Edrecolomab)、エファリズマブ(Efalizumab)、エフングマブ(Efungumab)、エルデルマブ(Eldelumab)、エルゲムツマブ(Elgemtumab)、エロツズマブ(Elotuzumab)、エルシリモバブ(Elsilimomab)、エマクツズマブ(Emactuzumab)、エミベツズマブ(Emibetuzumab)、エナヴァバツズマブ(Enavatuzumab)、エンフォルツマブ(Enfortumab)、エンリモマブ(Enlimomab)、エノブリツズマブ(Enoblituzumab)、エノキズマブ(Enokizumab)、エノチクマブ(Enoticumab)、エンシツキシマブ(Ensituximab)、エピツモマブ(Epitumomab)、エプラツズマブ(Epratuzomab)、エルリズマブ(Erlizumab)、エルツマキソマブ(Ertumaxomab)、エタネルセプト(Etanercept)、エタラシズマブ(Etaracizumab)、エトロリズマブ(Etrolizumab)、エヴィナクマブ(Evinacumab)、エヴォロクマブ(Evolocumab)、エキスビヴィルマブ(Exbivirumab)、ファノレソマブ(Fanolesomab)、ファラリモマブ(Faralimomab)、ファ-レツズマブ(Farletuzomab)、ファシヌマブ(Fasimumab)、フェルヴィズマブ(Felvizumab)、フェズキムマブ(Fezkimumab)、フィクラツズマブ(Ficlatuzumab)、フィギツムマブ(Figitumumab)、フィリヴマブ(Firivumab)、フランヴォツマブ(Flanvotumab)、フレチクマブ(Fletikumab)、フォントリズマブ(Fontolizumab)、フォラルマブ(Foralumab)、フォラヴィルマブ(Foravirumab)、フレソリムマブ(Fresolimumab)、フルラヌマブ(Fulramumab)、フツキシマブ(Futuximab)、ガリキシマブ(Galiximab)、ガニツマブ(Ganitumab)、ガンテネルマブ(Gantenerumab)、ガヴィリモマブ(Gavilimomab)、ゲムツズマブ(Gemtuzumab)、ゲヴォキズマブ(Gevokizumab)、ギレンツキシマブ(Girentuximab)、グレンバツムマブ(Glembatumumab)、ゴリムマブ(Golimumab)、ゴミリキシマブ(Gomiliximab)、グセルクマブ(Guselkumab)、イバリズマブ(Ibalizumab)、イブリツモマブ(Ibritumomab)、イクルクマブ(Icrucumab)、イダルシズマブ(Idarucizumab)、イゴヴォマブ(Igovomab)、イマルマブ(Imalumab)、イミシロマブ(Imciromab)、イムガツズマブ(Imgatuzumab)、インクラクマブ(Inclacumab)、インダツキシマブ(Indatuximab)、インデュサツマブ(Indusatumab)、インフリキシマブ(Infliximab)、インテツムマブ(Intetumumab)、イノリモマブ(Inolimomab)、イノツズマブ(Inotuzumab)、イピリムマブ(Ipilimumab)、イラツムマブ(Iratumumab)、イサツキシマブ(Isatuximab)、イトリズマブ(Itolizumab)、イキセキズマブ(Ixekizumab)、ケリキシマブ(Keliximab)、ラベツズマブ(Labetuzumab)、ランブロリズマブ(Lambrolizumab)、ランパリズマブ(Lampalizumab)、レブリキズマブ(Lebrikizumab)、レマレソマブ(Lemalesomab)、レンジルマブ(Lenzilumab)、レルデリムマブ(Lerdelimumab)、レクサツムマブ(Lexatumumab)、リビヴィルマブ(Libivirumab)、リファスツズマブ(Lifastuzumab)、リゲリズマブ(Ligelizumab)、リロトマブ(Lilotomab)、リンツズマブ(Lintuzumab)、リリルマブ(Lirilumab)、ロデルシズマブ(Lodelcizumab)、ロキヴェトマブ(Lokivetmab)、ロルヴォツズマブ(Lorvotuzumab)、ルカツムマブ(Lucatumumab)、ルリズマブ(Lulizumab)、ルミリキシマブ(Lumiliximab)、ルムレツズマブ(Lumretuzumab)、マパツムマブ(Mapatumumab)、マルジェツキシマブ(Margetuximab)、マスリモマブ(Maslimomab)、マヴリリムマブ(Mavrilimumab)、マツズマブ(Matuzumab)、メポリズマブ(Mepolizumab)、メテリムマブ(Metelimumab)、ミラツズマブ(Milatuzumab)、ミンレツモマブ(Minetumomab)、ミルヴェツキシマブ(Mirvetuximab)、ミツモマブ(Mitumomab)、モガムリズマブ(Mogamulizumab)、モロリムマブ(Morolimumab)、モタヴィズマブ(Motavizumab)、モキセツモマブ(Moxetumomab)、ムロモナブ-CD3(Muromonab-CD3)、ナコロマブ(Nacolomab)、ナミルマブ(Namilumab)、ナプツモマブ(Naptumomab)、ナルナツマブ(Narnatumab)、ナタリズマブ(Natalizumab)、ネバクマブ(Nebacumab)、ネシツムマブ(Necitumumab)、ネモリズマブ(Nemolizumab)、ネレリモマブ(Nerelimomab)、ネスヴァクマブ(Nesvacumab)、ニモツズマブ(Nimotuzumab)、ニヴォルマブ(Nivolumab)、ノフェツモマブ(Nofetumomab)、オビルトキサキシマブ(Obiltoxaximab)、オビヌツズマブ(Obinutuzumab)、オカラツズマブ(Ocaratuzumab)、オクレリズマブ(Ocrelizumab)、オデュリモマブ(Odulimomab)、オファツムマブ(Ofatumumab)、オララタマブ(Olaratumab)、オロキズマブ(Olokizumab)、オマリズマブ(Omalizumab)、オナルツズマブ(Onartuzumab)、オンツキシズマブ(Ontuxizumab)、オピシヌマブ(Opicinumab)、オポルツズマブ(Oportuzumab)、オレゴヴォマブ(Oregovomab)、オルチクマブ(Orticumab)、オテリキシズマブ(Otelixizumab)、オルテルツズマブ(Oltertuzumab)、オキセルマブ(Oxelumab)、オザネズマブ(Ozanezumab)、オゾラリズマブ(Ozoralizumab)、パジバキシマブ(Pagibaximab)、パリヴィズマブ(Palivizumab)、パニツムマブ(Panitumumab)、パンコマブ(Pankomab)、パノバクマブ(Panobacumab)、パルサツズマブ(Parsatuzumab)、パスコリズマブ(Pascolizumab)、パソツキシズマブ(Pasotuxizumab)、パテクリズマブ(Pateclizumab)、パトリツマブ(Patritumab)、ペムブロリズマブ(Pembrolizumab)、ペムツモマブ(Pemtumomab)、ペラキズマブ(Perakizumab)、ペルツズマブ(Pertuzumab)、ペキセリズマブ(Pexelizumab)、ピディリズマブ(Pidilizumab)、ピナツズマブ(Pinatuzumab)、ピンツモマブ(Pintumomab)、ポラツズマブ(Polatuzumab)、ポネズマブ(Ponezumab)、プリリキシマブ(Priliximab)、プリツムマブ(Pritumumab)、キリズマブ(Quilizumab)、ラコツモマブ(Racotumomab)、ラドレツマブ(Radretumab)、ラフィヴィルマブ(Rafivirumab)、ラルパンシズマブ(Ralpancizumab)、ラムシルマブ(Ramucirumab)、ラニビズマブ(Ranibizumab)、ラキシバクマブ(Raxibacumab)、レファネズマブ(Refanezumab)、レガヴィルマブ(Regavirumab)、レスリズマブ(Reslizumab)、リロナセプト(Rilonacept)、リロツムマブ(Rilotumumab)、リヌクマブ(Rinucumab)、リツキシマブ(Rituximab)、ロバツムマブ(Robatumumab)、ロレデュマブ(Roledumab)、ロモソズマブ(Romosozumab)、ロンタリズマブ(Rontalizumab)、ロヴェリズマブ(Rovelizumab)、ルプリズマブ(Ruplizumab)、サシツズマブ(Sacituzumab)、サマリズマブ(Samalizumab)、サリルマブ(Sarilumab)、サツモマブ(Satumomab)、セクキムマブ(Secukimumab)、セリバンツマブ(Seribantumab)、セトキサキシマブ(Setoxaximab)、セヴィルマブ(Sevirumab)、シブロツズマブ(Sibrotuzumab)、シファリムマブ(Sifalimumab)、シルツキシマブ(Siltuximab)、シプリズマブ(Siplizumab)、シルクマブ(Sirukumab)、ソフィツズマブ(Sofituzumab)、ソラネズマブ(Solanezumab)、ソリトマブ(Solitomab)、ソネプシズマブ(Sonepcizumab)、ソンツズマブ(Sontuzumab)、スタムルマブ(Stamulumab)、スレソマブ(Sulesomab)、スビヴィズマブ(Suvizumab)、タバルマブ(Tabalumab)、タカツズマブ(Tacatuzumab)、タドシズマブ(Tadocizumab)、タリズマブ(Talizumab)、タネズマブ(Tanezumab)、タプリツモマブ(Taplitumomab)、タレクスツマブ(Tarextumab)、テフィバズマブ(Tefibazumab)、テリモマブ・アリトクス(Telimomab aritox)、テナツモマブ(Tenatumomab)、テネリキシマブ(Teneliximab)、テプリズマブ(Teplizumab)、テシドルマブ(Tesidolumab)、TGN 1412、ティクリムマブ(Ticlimumab)、ティルドラキズマブ(Tildrakizumab)、ティガツズマブ(Tigatuzumab)、TNX-650、トシリズマブ(Tocilizumab)、トラリズマブ(Toralizumab)、トサトクスマブ(Tosatoxumab)、トシツモマブ(Tositumomab)、トヴェツマブ(Tovetumab)、トラロキヌマブ(Tralokimumab)、トラスツズマブ(Trastuzumab)、TRBS07、トレガリズマブ(Tregalizumab)、トレメリムマブ(Tremelimumab)、トレヴォグルマブ(Trevogrumab)、ツコツズマブ(Tucotuzumab)、ツヴィルマブ(Tuvirumab)、ウブリツキシマブ(Ublituximab)、ウロクプルマブ(Ulocuplumab)、ウレルマブ(Urelumab)、ウルトキサズマブ(Urtoxazumab)、ウステキヌマブ(Ustekimumab)、ヴァンドルツズマブ(Vandortuzumab)、ヴァンチクツマブ(Vantictumab)、ヴァヌシズマブ(Vanucizumab)、ヴァパリキシマブ(Vapaliximab)、ヴァルリルマブ(Varlimumab)、ヴァテリズマブ(Vatelizumab)、ヴェドリズマブ(Vedolizumab)、ヴェルツズマブ(Veltuzumab)、ヴェパリモマブ(Vepalimomab)、ヴェセンクマブ(Vesencumab)、ヴィシリズマブ(Visilizumab)、ヴォロシキシマブ(Volocixumab)、ヴォルセツズマブ(Vorsetuzumab)、ヴォツムマブ(Votumumab)、ザルツムマブ(Zalutumimab)、ザノリムマブ(Zanolimumab)、ザ
ツキシマブ(Zatuximab)、ジラリムマブ(Ziralimumab)、Ziv-アフリベルセプト(Ziv-Aflibercept)、及びゾリモマブ(Zolimomab);
-トポイソメラーゼ阻害剤、例えばドキソルビシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、エニポシド、エピルビシン、エトポシド、イダルビシン、イリノテカン、ミトキサントロン、トポテカン、及びイリノテカン;
-毒素類、例えばコレラ毒素、リシン(ricin)、シュードモナス(Pseudomonas)外毒素、百日咳菌(Bordetella pertussis)アデニル酸シクラーゼ毒素、ジフテリア毒素、及びカスパーゼ活性化因子;
-キナーゼ又はVEGF阻害剤、例えばレゴラフェニブ(Stivarga(商標),Bayer);バンデタニブ(Caprelsa(商標),AstraZeneca);アキシチニブ(Inlyta(商標),Pfizer);及びレンバチニブ(Lenvima(商標),Eisai);Raf阻害剤、例えばソラフェニブ(Nexavar(商標),Bayer AG and Onyx);ダブラフェニブ(Tafinlar(商標),Novartis);及びベムラフェニブ(Zelboraf(商標),Genentech/Roche);MEK阻害剤、例えばコビメタニブ(Cotellic(商標),Exelexis/Genentech/Roche);トラメチニブ(Mekinist(商標),Novartis);Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害剤、例えばイマチニブ(Gleevec(商標),Novartis);ニロチニブ(Tasigna(商標),Novartis);ダサチニブ(Sprycel(商標)Bristol-Myers Squibb);ボスチニブ(Bosulif(商標),Pfizer);及びポナチニブ(Inclusig(商標),Ariad Pharmaceuticals);Her2及びEGFR阻害剤、例えばゲフィチニブ(Iressa(商標),AstraZeneca);エルロチニブ(Tarceeva(商標),Genentech/Roche/Astellas);ラパチニブ(Tykerb(商標),Novartis);アファチニブ(Gilotrif(商標),Boehringer Ingelheim);オシメルチニブ(活性化されたEGFRを標的とする、Tagrisso(商標),AstraZeneca);及びブリグチニブ(Alunbrig(商標),Ariad Pharmaceuticals);c-Met及びVEGFR2阻害剤、例えばカボザニチニブ(Cometriq(商標),Exelexis);及び多種キナーゼ阻害剤、例えばスニチニブ(Sutent(商標),Pfizer);パゾパニブ(Votrient(商標),Novartis);ALK阻害剤、例えばクリゾチニブ(Xalkori(商標),Pfizer);セリチニブ(Zykadia(商標),Novartis);及びアレクチニブ(Alecenza(商標),Genentech/Roche);ブルトンの(Bruton’s)チロシンキナーゼ阻害剤、例えばイブルチニブ(Imbruvica(商標),Pharmacyclics/Janssen);及びFlt3受容体阻害剤、例えばミドスタウリン(Rydapt(商標),Novartis)、チボザニブ(Aveo Pharmaecuticals);バタラニブ(Bayer/Novartis);ルシタニブ(Clovis Oncology);dovitinib(TKI258、Novartis);チアウアニブ(Chiauanib)(Chipscreen Biosciences);CEP-11981(Cephalon);リニファニブ(Abbott Laboratories);ネラチニブ(HKI-272,Puma Biotechnology);ラドチニブ(Supect(商標),IY5511,Il-Yang Pharmaceuticals,大韓民国);ルキソリチニブ(Jakafi(商標),Incyte Corporation);PTC299(PTC Therapeutics);CP-547,632(Pfizer);フォレチニブ(Exelexis,GlaxoSmithKline);キザルチニブ(Daiichi Sankyo)及びモテサニブ(Amgen/Takeda);
【0305】
非限定的な様式において、本発明の化合物は、単独で、又は部品キットの形態で、下記の抗癌薬又は化合物の1以上と組み合わせられうる:ABVD、AC、ACE、アビラテロン(Zytiga(商標))、アブラキサン、アブストラル、アクチノマイシンD、Actiq、アドリアマイシン、アファチニブ(Giotrif(商標))、アフィニトール、アフリベルセプト(Zaltrap(商標))、アルダラ、アルデスロイキン(IL-2、プロロイキン又はインターロイキン2)、アレムツズマブ(MabCampath)、アルケラン、アムサクリン(アムシジン、m-AMSA)、アムシジン、アナストロゾール(Arimidex(商標))、Ara C、アレディア、アリミデックス、アロマシン、三酸化ヒ素(Trisenox(商標)、ATO)、アスパラギナーゼ(Crisantaspase(商標)、Erwinase(商標))、アキシチニブ(Inlyta(商標))、アザシチジン(Vidaza(商標))、BEACOPP、BEAM、ベンダムスチン(Levact(商標))、ベバシズマブ(Avastin)、ベキサロテン(Targretin(商標))、ビカルタミド(Casodex(商標))、ブレオマイシン、ブレオマイシン、エトポシド及び白金(BEP)、ボルテゾミブ(Velcade(商標))、ボシュリフ、ボスチニブ(ボシュリフ)、ブレンツキシマブ(Adcetris(商標))、ブルフェン、ブセレリン(Suprefact(商標))、ブスルフェクス(Busilvex)、ブスルファン(ミレラン、ブスルフェクス(Busilvex))、CAPE-OX、CAPOX、CAV、CAVE、CCNU、CHOP、CMF、CMV、CVP、カバジタキセル(Jevtana(商標))、カボザンチニブ(Cometriq(商標))、Caelyx、Calpol、Campto、カペシタビン(Xeloda(商標))、カプレルサ、Carbo MV、Carboタキソール、カルボプラチン、カルボプラチン及びエトポシド、カルボプラチン及びパクリタキセル、カルムスチン(BCNU、Gliadel(商標))、カソデックス、セリチニブ(Zykadia(商標))、セルビジン(Cerubidin)、セツキシマブ(Erbitux(商標))、ChlVPP、クロラムブシル(Leukeran(商標))、シスプラチン、シスプラチン及びTeysuno、シスプラチン及びカペシタビン(CX)、シスプラチン、エトポシド及びイホスファミド(PEI)、シスプラチン、フルオロウラシル(5-FU)及びトラスツズマブ、クラドリビン(Leustat(商標)、LITAK)、クラステオン(Clasteon)、クロファラビン(Evoltra(商標))、ココダモール(Kapake(商標)、Solpadol(商標)、Tylex(商標))、コメトリック(Cometriq)、コスメゲン、クリスタンスパセ(Crisantaspase)、クリゾチニブ(Xalkori(商標))、シクロホスファミド、シクロホスファミド、サリドマイド及びデキサメタゾン(CTD)、サイプロスタット(Cyprostat)、酢酸シプロテロン(Cyprostat(商標))、シタラビン(Ara C、シトシンアラビノシド)、髄液中へのシタラビン、シトシンアラビノシド、DHAP、DTIC、ダブラフェニブ(Tafinlar(商標)),ダカルバジン(DTIC)、ダコゲン(Dacogen)、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD、Cosmegen(商標))、ダサチニブ(Sprycel)、ダウノルビシン、デ グラモント(De Gramont)、デカペプチルSR(Decapeptyl SR)、デシタビン(Dacogen(商標))、デガレリクス(Firmagon(商標))、デノスマブ(Prolia(商標)、Xgeva(商標))、デポサイト(Depocyte)、デキサメタゾン、ジアモルヒネ、パミドロン酸二ナトリウム(Disodium pamidronate)、ディスプロル(Disprol)、ドセタキセル(Taxotere(商標))、ドセタキセル、シスプラチン及びフルオロウラシル(TPF)、ドキシフォス(Doxifos)、ドキシル、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ドキソルビシン及びイホスファミド(Doxifos:Doxorubicin and ifosfamide)、ドロゲニル(Drogenil)、デュロゲシック(Durogesic)、EC、ECF、EOF、EOX、EP、ESHAP、エフェントラ(Effentora)、エフュディクス(Efudix)、エルジシン(Eldisine)、エロキサチン(Eloxatin)、エンザルタミド、エピルビシン(Pharmorubicin(商標))、エピルビシン、シスプラチン、及びカペシタビン(capecitabine)(ECX)、エピルビシン、カルボプラチン、及びカペシタビン(ECarboX)、エポシン(Eposin)、アービタックス(Erbitux)、エリブリン(Halaven(商標))、エルロチニブ(Tarceva(商標))、エルウィナーゼ(Erwinase)、エストラサイト、エトポフォス(Etopophos)、エトポシド(Eposin(商標)、Etopophos(商標)、Vepesid(商標))、エベロリムス(Afinitor(商標))、エボルトラ(Evoltra)、エキセメスタン(Aromasin(商標))、FAD、FEC、FEC-T化学療法、FMD、フォルフィリノックス(FOLFIRINOX)、フォルフォックス(FOLFOX)、フェソロデックス、フェマーラ、フェンタニル、ファーマゴン、フルダラ(Fludara)、フルダラビン(Fludara(商標))、フルダラビン、シクロホスファミド、及びリツキシマブ(rituximab)(FCR)、フルオロウラシル(Fluorouracil)(5FU)、フルタミド、フォリン酸、フルオロウラシル及びイリノテカン(fluorouracil and irinotecan)(FOLFIRI)、フルベストラント(faslodex(商標))、G-CSF、ゲフィチニブ(Gefitinib)(Iressa)、GemCarbo(ゲムシタビン及びカルボプラチン)、ゲムタキソール(GemTaxol)、ゲムシタビン(ジェムザール)、ゲムシタビン及びカペシタビン(GemCap)、ゲムシタビン、及びシスプラチン(GC)、ゲムシタビン及びパクリタキセル(GemTaxol(商標))、ジェムザール、ジオトリフ、ギリアデル、グリベック、ゴナペプチル(Gonapeptyl)、デポット(Depot)、ゴセレリン(Zoladex(商標))、ゴセレリン(Zoladex(商標),Novgos(商標))、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF:Granulocyte colony stimulating factor)、ハラヴェン、ハーセプチン、ハイカムチン、ハイドレア、ヒドロキシカルバミド(Hydrea(商標))、ヒドロキシウレア、I-DEX、ICE、IL-2、IPE、イバンドロン酸、イブリツモマブ(Zevalin(商標))、イブルチニブ(Imbruvica(商標))、イブプロフェン(Brufen(商標)、Nurofen(商標))、イクルシグ(Iclusig)、イダルビシン(Zavedos(商標))、イダルビシン及びデキサメタゾン、イデラリシブ(Zydelig(商標))、イホスファミド(Mitoxana(商標))、イマチニブ(Glivec(商標))、イミキモド・クリーム(Imiquimod cream)(Aldara(商標))、イムノヴィド(Imnovid)、インスタニル(Instanyl)、インターフェロン(イントロンA)、インターロイキン、イントロンA、イピリムマブ(Yervoy(商標))、Iressa、イリノテカン(Campto(商標))、イリノテカン及びカペシタビン(Xeliri(商標))、Irinotecan de Gramont、Irinotecan modified de Gramont、ジャブオール(Javlor)、ジェブタナ、カドサイラ、カパケ(Kapake)、キトルーダ(Keytruda)、ランレオチド(Somatuline(商標))、ランビス(Lanvis)、ラパチニブ(Tyverb(商標))、レナリドミド(Revlimid(商標))、レトロゾール(フェマーラ(商標))、ロイケラン、リュープロレリン(Prostap(商標)、Lutrate(商標))、ロイスタット(Leustat)、レバクト(Levact)、リポソームのドキソルビシン、リタック(Litak)、ロムスチン(CCNU)、リンパルザ(Lynparza)、リソドレン(Lysodren)、MIC、MMM、MPT、MST Continus、MVAC、MVP、MabCampath、マブセラ、マックストレック(Maxtrex)、酢酸メドロキシプロゲステロン(プロベラ)、メゲス(Megace)、酢酸メゲストロール(Megace(商標))、メルファラン(Alkeran(商標))、メカプト(Mepact)、メルカプトプリン(Xaluprine(商標))、メトトレキサート(Maxtrex)、メチルプレドニゾロン、ミファムルチド(Mepact(商標))、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサナ(Mitoxana)、ミトキサントロン(Mitozantrone(商標))、Morphgesic SR、モルヒネ、ミレラン、ミオセト(Myocet)、Nab-パクリタキセル、Nab-パクリタキセル(Abraxane(商標))、ナベルビン、ネララビン(Atriance(商標))、ネクサバール、ニロチニブ(Tasigna(商標))、ニンテダニブ(Vargatef(商標))、ニペント(Nipent)、ニボルマブ(Opdivo(商標))、ノブゴス(Novgos)、ニューロフェン(Nurofen)、オビヌツズマブ(Gazyvaro(商標))、オクトレオチド、オファツムマブ(Arzerra(商標))、オラパリブ(Lynparza(商標))、オンコビン、オンコトロン(Onkotrone)、オプジーボ、オラモルフ(Oramorph)、オキサリプラチン(Eloxatin)、オキサリプラチン及びカペシタビン(Xelox(商標))、PAD、PC(パクリタキセル及びカルボプラチン、カルボタキソール)、PCV、PE、PMitCEBO、POMB/ACE、パクリタキセル(Taxol(商標))、パクリタキセル及びカルボプラチン、パミドロネート、パナドール(Panadol)、パニツムマブ(Vectibix(商標))、パラセタモール、パゾパニブ(Votrient(商標))、ペンブロリズマブ(Keytruda)、ペメトレキセド(Alimta(商標))、ペメトレキセド及びカルボプラチン、ペメトレキセド及びシスプラチン、ペントスタチン(Nipent(商標))、パージェタ、ペルツズマブ(Perjeta(商標))、ピクサントロン(Pixuvri(商標))、ピクスヴリ(Pixuvri)、ポマリドミド(Imnovid(商標))、ポナチニブ、ポタクタソル(Potactasol)、プレドニゾロン、プロカルバジン、プロリュウキン(Proleukin)、プロリア、プロスタップ(Prostap)、プロベラ、ピュリネソール(Purinethol)、R-CHOP、R-CVP、R-DHAP、R-ESHAP、R-GCVP、RICE、ラロキシフェン、ラルチトレキセド(Tomudex(商標))、レゴラフェニブ(Stivarga(商標))、レブラミド、リツキシマブ、(Mabthera(商標))、セブレドール(Sevredol)、クロドロン酸ナトリウム(Bonefos(商標)、Clasteon(商標)、Loron(商標))、ソルパドール(Solpadol)、ソラフェニブ(Nexavar(商標))、ステロイド(デキサメタゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン)、ストレプトゾシン(Zanosar(商標))、スニチニブ(Sutent(商標))、スーテント、TAC、TIP、タフィンラー(Tafinlar)、タモキシフェン、タルセバ、タルグレチン(Targretin)、タシグナ、タキソール、タキソテール、タキソテール及びシクロホスファミド(TC)、テモダール、テモゾロミド、(Temodal(商標))、テムシロリムス(Torisel(商標))、テパディナ(Tepadina)、ティーエスワン(Teysuno)、サリドマイド、チオテパ(Tepadina(商標))、チオグアニン(チオグアニン(商標)、6-TG、6-チオグアニン)、トムデックス(Tomudex)、トポテカン(ハイカムチン、ポタクタソル(Potactasol))、トーリセル、トラベクテジン(ヨンデリス)、トラスツズマブ(Herceptin(商標))、トラスツズマブ エマタンシン(Trastuzumab emtansine)(Kadcyla(商標))、トレオスルファン、トレチノイン(Vesanoid(商標)、ATRA)、トリプトレリン(Decapeptyl SR(商標)、Gonapeptyl Depot(商標))、トリセノックス、Tylex、Tyverb、VIDE、バンデタニブ(Caprelsa(商標))、ヴァルガテフ(Vargatef)、VeIP、ベクティビックス、Velbe、ベルケイド、ベムラフェニブ(Zelboraf(商標))、ベプシド、ベサノイド、ビダーザ、ビンブラスチン(Velbe(商標))、ビンクリスチン、ビンクリスチン、アクチノマイシンD(dactinomycin(商標))及びシクロホスファミド(VAC)、ビンクリスチン、アクチノマイシン及びイホスファミド(VAI)、ビンクリスチン、ドキソルビシン及びデキサメタゾン(VAD)、ビンデシン(Eldisine(商標))、ビンフルニン(Javlor(商標))、ビノレルビン(Navelbine(商標))、ビスモデギブ(Erivedge(商標))、ヴォトリエント、ゼロックス(XELOX)、ザーコリ、ゼローダ、Xgeva、イクスタンジ、ヤーボイ、ヨンデリス、Z-DEX、ザルトラップ(Zaltrap)、ザノサー、ザベドス(Zavedos)、ゼルボラフ、ゼヴァリン、ゾラデックス(乳癌)、ゾラデックス(前立腺癌)、ゾレドロン酸(Zometa(商標))、ゾメタ、ゾモルフ(Zomorph)、ザイデリグ(Zydelig)、ザイティガ(Zytiga)。
【0306】
特定の実施態様において、本明細書に記載されている、化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つは、様々な化学療法、免疫療法(例えば、チェックポイント阻害剤、モノクローナル抗体)、抗腫瘍ワクチン、RNAワクチン、磁性粒子、血管内マイクロロボット、放射線療法、手術、超音波又は他の抗腫瘍療法と組み合わせられることができる。
【0307】
それ故に、本発明はさらに、免疫療法、抗腫瘍ワクチン、RNAワクチン、放射線療法、手術、超音波、又は他の抗腫瘍療法のいずれか1つでまた処置される患者の為に意図された抗腫瘍剤としての使用の為の、式(I)若しくは式(I’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つを提供する。
【0308】
本発明は、予防及び/又は処置方法が提供される場合、本発明はまた、癌又は異形成を予防及び/又は処置する為の対応する使用を提供する。同様に、癌又は異形成を予防及び/又は処置する為の方法が提供される場合、本発明はまた、対応する予防及び/又は処置方法を提供する。幾つかの実施態様において、本発明は、本明細書に記載された、癌又は異形成を予防及び/又は処置する為の方法であって、本明細書に記載された、化合物、又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む上記方法を提供する。幾つかの実施態様において、本発明は、本明細書に記載された、癌又は異形成を予防及び/又は処置する為の方法であって、本明細書に記載されたmiR-124の存在及び/又は発現レベルを測定することを含む上記方法を提供する。
【0309】
本発明に従う使用の為の、式(I’)のキノリン誘導体、又はその代謝物若しくは医薬的に許容される塩のいずれか1つ、又はそれらのエナンチオマー若しくはジアステレオマーのいずれか1つが本明細書においてさらに提供され、ここで、該使用が、患者の血液、血漿、組織、唾液及び/又は血清のサンプル中の、式(I’)の化合物、又はその医薬的に許容される塩のレベルが該使用の間に測定される該患者の為に意図されている。
【0310】
本発明に従う使用の為の、式(I’)のキノリン誘導体、又はその代謝物若しくは医薬的に許容される塩のいずれか1つ、又はそれらのエナンチオマー若しくはジアステレオマーのいずれか1つが本明細書においてさらに提供され、ここで、該使用が、患者の血液、血漿、組織、唾液及び/又は血清のサンプル中の、式(IVa)の化合物、又はその医薬的に許容される塩のレベルが該使用の間に測定される該患者の為に意図されている。
【0311】
本発明に従う使用の為の、式(I’)のキノリン誘導体、又はその代謝物若しくは医薬的に許容される塩のいずれか1つ、又はそれらのエナンチオマー若しくはジアステレオマーのいずれか1つが本明細書においてさらに提供され、ここで、該使用が、患者の血液、血漿、組織、唾液及び/又は血清のサンプル中の、式(I’)及び式(IVa)の化合物、又はそれらの医薬的に許容される塩のレベルが該使用の間に測定される該患者の為に意図されている。
【0312】
更なる例示的な実施形態:
【0313】
1.癌又は異形成を処置又は予防する使用の為の、下記の式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩
【化56】
ここで、
ZはC又はNであり;
VはC又はNであり;
【化57】
は芳香環を意味し、ここで、VはC又はNであり、且つVがNである場合、Vは、Zに対してオルト、メタ又はパラ位にあり、
各Rは独立して、水素原子、ハロゲン原子、-CN、ヒドロキシル、(C
1~C
3)フルオロアルキル、(C
1~C
3)フルオロアルコキシ、(C
3~C
6)シクロアルキル、-NO
2、-NR
1R
2、(C
1~C
4)アルコキシ、フェノキシ、-NR
1-SO
2-NR
1R
2、-NR
1-SO
2-R
1、-NR
1-C(=O)-R
1、-NR
1-C(=O)-NR
1R
2、-SO
2-NR
1R
2、-SO
3H、-O-SO
2-OR
3、-O-P(=O)-(OR
3)(OR
4)、-O-CH
2-COOR
3、(C
1~C
3)アルキルであり、ここで、該アルキルは任意的に、ヒドロキシル基、下記の式(IIa)の基
【化58】
又は、下記の式(IIIa)の基
【化59】
によって、一又は二置換されていてもよい、
QはN又はOであり、但し、QがOである場合に、R”は存在しない、
R
1及びR
2の各々は独立して、水素原子又は(C
1~C
3)アルキルであり、
R
3及びR
4の各々は独立して、水素原子、Li+、Na+、K+、N+(Ra)
4又はベンジルであり、
nは、1、2又は3であり、
n’は、1、2又は3であり、
各R’は独立して、水素原子、(C
1~C
3)アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン原子、-NO
2、-NR
1R
2、モルホリニル、モルホリノ、N-メチルピペラジニル、(C
1~C
3)フルオロアルキル、(C
1~C
4)アルコキシ、-O-P(=O)-(OR
3)(OR
4)、-CN、下記の式(IIa)の基
【化60】
又は、下記の式(IIIa)の基
【化61】
であり、
Aは、共有結合、酸素原子又はNHであり、
Bは、共有結合又はNHであり、
mは、1、2、3、4又は5であり、
pは、1、2又は3であり、
Ra及びRbの各々は独立して、水素原子、(C
1~C
5)アルキル若しくは(C
3~C
6)シクロアルキルであり、又は
Ra及びRbは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した5員又は6員の複素環を形成していてもよく、ここで、該複素環は任意的に、1以上のRaによって置換されていてもよく、但し、R’が(IIa)基又は(IIIa)基である場合、他のR’基が該(IIa)基又は(IIIa)基と異なる場合にのみ、n’は2又は3でありうる、並びに、
R”は、水素原子、(C
1~C
4)アルキル又は、上記で定義された式(IIa)の基である。
【0314】
2.上記化合物が、下記の式(Ia)の化合物又はその医薬的に許容される塩である実施態様1に記載の化合物。
【化62】
【0315】
3.上記化合物が、下記の(Ib)の化合物又はその医薬的に許容される塩である実施態様1に記載の化合物。
【化63】
【0316】
4.上記化合物が、下記の式(Ic)の化合物又はその医薬的に許容される塩である実施態様1に記載の化合物。
【化64】
【0317】
5.上記化合物が、下記の下記の式(Ib’)の化合物又はその医薬的に許容される塩である実施態様1に記載の化合物。
【化65】
【0318】
6.上記化合物が、下記の式(Id)の化合物又はその医薬的に許容される塩である実施態様1に記載の化合物。
【化66】
【0319】
7.下記の式(IV)の化合物又はその医薬的に許容される塩
【化67】
ここで、変数V、Z、R、R’、n及びn’のそれぞれは、癌又は異形成を処置又は予防する使用の為の、実施態様1で記載された通りである。
【0320】
8.上記化合物が、下記の式(IVa)の化合物又はその医薬的に許容される塩である、実施態様7に記載の化合物。
【化68】
【0321】
9.上記化合物が、下記の式(IVb)の化合物又はその医薬的に許容される塩である、実施態様7に記載の化合物。
【化69】
【0322】
10.上記化合物が、下記の式(IVc)の化合物又はその医薬的に許容される塩である、実施態様7に記載の化合物。
【化70】
【0323】
11.上記化合物が、下記の式(IVb’)の化合物又はその医薬的に許容される塩である、実施態様7に記載の化合物。
【化71】
【0324】
12.上記化合物が、下記の式(IVd)の化合物又はその医薬的に許容される塩である、実施態様7に記載の化合物。
【化72】
【0325】
13.上記使用は、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の、患者の血液、血漿、組織、唾液及び/又は血清のサンプル中のレベルが該使用の間に測定される患者の為に意図されている、実施態様1~12のいずれか1つに記載の使用の為の化合物。
【0326】
14.上記使用は、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の、患者の血液、血漿、組織、唾液及び/又は血清のサンプル中のレベルが該使用の間に測定される該患者の為に意図されている、実施態様1~13のいずれか1つに記載の使用の為の化合物。
【0327】
15.上記使用は、該使用の間に、式(I)及び式(IV)の化合物又はそれらの医薬的に許容される塩の、患者の血液、血漿、組織、唾液及び/又は血清のサンプル中のレベルが測定される該患者の為に意図されている、実施態様1~14のいずれか1つに記載の使用の為の化合物。
【0328】
16.上記使用は、該使用の前及び/又は間に、上記患者の血液及び/又は組織のサンプルにおけるmiR-124の存在及び/又は発現レベルが測定される該患者の為に意図されている、実施態様1~15のいずれか1つに記載の使用の為の化合物。
【0329】
17.上記使用は、上記患者の血液及び/又は組織のサンプルにおけるmiR-124の存在及び/又は発現レベルを測定することによって選択される該患者の為に意図されている、実施態様1~16のいずれか1つに記載の使用の為の化合物。
【0330】
18.miR-124レベルと、サイトカイン若しくは他のバイオマーカーのレベルとを結び付けるアルゴリズムが、疾病、障害又は状態の重症度を監視する為に及び/又は上記使用の有効性を監視する為に使用される、実施態様1~17のいずれか1つに記載の使用の為の化合物。
【0331】
19.miR-124レベルと、サイトカイン若しくは他のバイオマーカーのレベルとを結び付けるアルゴリズムが、上記使用の為の患者を選択する為に使用される、実施態様1~18のいずれか1つに記載の使用の為の化合物。
【0332】
20.癌又は異形成の重症度を監視する為に及び/又は処置の有効性を監視する為に、miR-124レベルと、サイトカイン若しくは他のバイオマーカーのレベルとを結び付けるアルゴリズム。
【0333】
21.癌又は異形成の処置を必要とする患者において癌又は異形成を処置する為の方法であって、該患者に、下記の式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む上記方法。
【化73】
ここで、
ZはC又はNであり、
VはC又はNであり、
【化74】
は芳香環を意味し、ここで、VはC又はNであり、且つVがNである場合、Vは、Zに対してオルト、メタ又はパラ位にあり、
各Rは独立して、水素原子、ハロゲン原子、-CN、ヒドロキシル、(C
1~C
3)フルオロアルキル、(C
1~C
3)フルオロアルコキシ、(C
3~C
6)シクロアルキル、-NO
2、-NR
1R
2、(C
1~C
4)アルコキシ、フェノキシ、-NR
1-SO
2-NR
1R
2、-NR
1-SO
2-R
1、-NR
1-C(=O)-R
1、-NR
1-C(=O)-NR
1R
2、-SO
2-NR
1R
2、-SO
3H、-O-SO
2-OR
3、-O-P(=O)-(OR
3)(OR
4)、-O-CH
2-COOR
3、(C
1~C
3)アルキルであり、ここで、該アルキルは任意的に、ヒドロキシル基、又は下記の式(IIa)の基
【化75】
又は、下記の式(IIIa)の基
【化76】
によって、一又は二置換されていてもよい、
QはN又はOであり、但し、QがOである場合に、R”は存在しない、
R
1及びR
2の各々は独立して、水素原子又は(C
1~C
3)アルキルであり、
R
3及びR
4の各々は独立して、水素原子、Li+、Na+、K+、N+(Ra)
4又はベンジルであり、
nは、1、2又は3であり、
n’は、1、2又は3であり、
各R’は独立して、水素原子、(C
1~C
3)アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン原子、-NO
2、-NR
1R
2、モルホリニル、モルホリノ、N-メチルピペラジニル、(C
1~C
3)フルオロアルキル、(C
1~C
4)アルコキシ、-O-P(=O)-(OR
3)(OR
4)、-CN、下記の式(IIa)の基
【化77】
又は、下記の式(IIIa)の基
【化78】
であり、
Aは、共有結合、酸素原子又はNHであり、
Bは、共有結合又はNHであり、
mは、1、2、3、4又は5であり、
pは、1、2又は3であり、
Ra及びRbの各々は独立して、水素原子、(C
1~C
5)アルキル若しくは(C
3~C
6)シクロアルキルであり、又は
Ra及びRbは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって飽和した5員又は6員の複素環を形成していてもよく、ここで、該複素環は任意的に、1以上のRaによって置換されていてもよく、但し、R’が(IIa)基又は(IIIa)基である場合、他のR’基が前記(IIa)基又は(IIIa)基と異なる場合にのみ、n’は2又は3でありうる、並びに、
R”は、水素原子、(C
1~C
4)アルキル又は、上記で定義された式(IIa)の基である。
【0334】
22.上記化合物が、下記の式(Ia)の化合物又はその医薬的に許容される塩である、実施態様21に記載の化合物。
【化79】
【0335】
23.上記化合物が、下記の式(Ib)の化合物又はその医薬的に許容される塩である、実施態様21に記載の化合物。
【化80】
【0336】
24.上記化合物が、下記の式(Ic)の化合物又はその医薬的に許容される塩である、実施態様21に記載の化合物。
【化81】
【0337】
25.上記化合物が、下記の式(Ib’)の化合物又はその医薬的に許容される塩である、実施態様21に記載の化合物。
【化82】
【0338】
26.上記化合物が、下記の式(Id)の化合物又はその医薬的に許容される塩である、実施態様21に記載の化合物。
【化83】
【0339】
27.癌又は異形成の処置を必要とする患者において癌又は異形成を処置する為の方法であって、該患者に、下記の式(IV)の化合物又はその医薬的に許容される塩を投与することを含む上記方法。
【化84】
ここで、変数V、Z、R、R’、n及びn’のそれぞれは、実施態様21で記載された通りである。
【0340】
28.上記化合物が、下記の式(IVa)の化合物又はその医薬的に許容される塩である、実施態様27に記載の化合物。
【化85】
【0341】
29.上記化合物が、下記の式(IVb)の化合物又はその医薬的に許容される塩である、実施態様27に記載の化合物。
【化86】
【0342】
30.上記化合物が、下記の式(IVc)の化合物又はその医薬的に許容される塩である、実施態様27に記載の化合物。
【化87】
【0343】
31.上記化合物が、下記の式(IVb’)の化合物又はその医薬的に許容される塩である、実施態様27に記載の化合物。
【化88】
【0344】
32.上記化合物が、下記の式(IVd)の化合物又はその医薬的に許容される塩である、実施態様27に記載の化合物。
【化89】
【0345】
33.式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の、患者の血液、血漿、組織、唾液及び/又は血清のサンプル中のレベルを測定することをさらに含む、実施態様21~32のいずれか1つに記載の方法。
【0346】
34.式(IV)の化合物又はその医薬的に許容される塩の、患者の血液、血漿、組織、唾液及び/又は血清のサンプル中のレベルを測定することをさらに含む、実施態様21~33のいずれか1つに記載の方法。
【0347】
35.式(I)及び式(IV)の化合物又はその医薬的に許容される塩の、患者の血液、血漿、組織、唾液及び/又は血清のサンプル中のレベルを測定することをさらに含む、実施態様21~34のいずれか1つに記載の方法。
【0348】
36.上記処置の前及びその間に、上記患者の血液及び/又は組織のサンプルにおけるmiR-124の存在及び/又は発現レベルを測定することをさらに含む、実施態様21~35のいずれか1つに記載の方法。
【0349】
37.上記患者の血液及び/又は組織のサンプルにおけるmiR-124の存在及び/又は発現レベルを測定することによって、患者を選択することをさらに含む、実施態様21~36のいずれか1つに記載の方法。
【0350】
38.癌又は異形成の重症度を監視する為に及び/又は処置の有効性を監視する為に、miR-124レベルと、サイトカイン若しくは他のバイオマーカーのレベルとを結び付けるアルゴリズムを使用することをさらに含む、実施態様21~37のいずれか1つに記載の方法。
【0351】
39.miR-124レベルと、サイトカイン若しくは他のバイオマーカーのレベルとを結び付けるアルゴリズムを使用して、処置の為の患者を選択することをさらに含む、実施態様21~38のいずれか1つに記載の方法。
【0352】
40.癌又は異形成の重症度を監視する為に及び/又は処置の有効性を監視する為に、miR-124レベルと、サイトカイン若しくは他のバイオマーカーのレベルとを結び付けるアルゴリズム。
【0353】
41.式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩の、患者の血液、血漿、組織、唾液及び/又は血清のサンプル中のレベルを測定することをさらに含む、実施態様21~40のいずれか1つに記載の方法。
【0354】
42.式(IV)の化合物又はその医薬的に許容される塩の、患者の血液、血漿、組織、唾液及び/又は血清のサンプル中のレベルを測定することをさらに含む、実施態様21~40のいずれか1つに記載の方法。
【0355】
43.式(I)及び式(IV)の化合物又はその医薬的に許容される塩の、患者の血液、血漿、組織、唾液及び/又は血清のサンプル中のレベルを測定することをさらに含む、実施態様21~40のいずれか1つに記載の方法。
【0356】
実施例
【0357】
材料及び方法
【0358】
材料及び試薬
【0359】
全ての細胞株は、下記で説明されている通り、37℃で5% CO2で、DMEM/F12+10% FBS+補充成長因子中で培養されたヒト初代(hyman primary)培養株である。該細胞株は、大腸/結腸直腸、胃、肝臓、肺又は膵臓由来である(下記の表を参照)。
・DMEM/F12 (高グルコース)(Gibco,Cat# 11320033)
・FBS (Cat# FND500,ExCell Bio)
・CellTiter-Glo(商標) 発光細胞生存率アッセイ(Luminescent Cell Viability Assay) (Cat# G7571,Promega,-20℃で保存)。
・96ウェルプレート(Cat#3610,Corning)
・DMEM/F12培地 (低グルコース): DMEM(低グルコース)(Gibco,Cat# 11885076)とF-12K(Gibco,Cat# 21127022)との1:1混合物
【0360】
試験された化合物
【0361】
1.本発明に従う化合物111:
20mgの化合物111(ABX464とも名付けられている)が使用された(MW=338.7g/モル,純度=100%)。この化合物は室温(18~25℃)で保存され、及び溶媒はDMSOであった。
【0362】
【0363】
2.比較例の化合物26:8-クロロ-N-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)キノリン-2-アミン
化合物26は、本発明において定義されている式(Ia)に属する化合物であり、国際公開第2010/143168号パンフレット(化合物37と名付けられている)に記載されている。
20mgの化合物26が使用された(MW=323.71g/モル,純度=100%)。この化合物は室温(18~25℃)で保存され、及び溶媒はDMSOであった。
【0364】
【0365】
2種類の細胞株が、下記に示されている通り、化合物26の為に試験されている:すなわち、CR3085(大腸/結腸直腸)及びGA0060(胃)。
【0366】
装置
BMRP004;CO2インキュベーター,SANYO Electric Co.,Ltd(02100400059)。
逆顕微鏡,Chongguang XDS-1B,Chongqing Guangdian Corp.(TAMIC0200)
Envision multilabel machine (TAREA0011)。
Vi-Cell XR,Beckman Coulter (TACEL0030)。
【0367】
方法
【0368】
1日目:細胞播種
1.96ウェルプレートの各ウェルは、細胞を有する90μLの細胞懸濁物を含む。播種されるべき細胞の数は、細胞密度最適化アッセイ(Cell Density Optimization Assay)に基づいて決定される。
2.細胞を有する全ての96ウェルプレートが、5% CO2を含む37℃で一晩、インキュベーター内に置かれた。
【0369】
2日目:化合物処理
3.ABX464を希釈し、そして10μL/ウェルのABX464を下記に示された濃度で添加する(下記のプレートマップを参照)。最終用量は、100μL/ウェルである。
【0370】
【表4】
Em:PBSを含む空のウェル
M:培地対照(ブランク対照)
【0371】
【表5】
Em:PBSを含む空のウェル
M:培地対照(ブランク対照)
【0372】
5日目:薬物/培地の補充
4.古い培地を、示された同じ濃度でABX464を有する予め調製された新鮮な培地によって交換する。最終濃度は、100μL/ウェルである。
【0373】
9日目:プレート読み取り(7日間の薬物処理)
5.細胞が顕微鏡下で観察され、ビヒクル対照で処理した細胞が良好な状態であることを確認する。
6.50μLのCellTiter-Glo(商標)試薬を各ウェルに加える。
7.細胞溶解を促進する為に、オービタルシェーカーで2分間内容物を混合する。
8.発光シグナルを安定化させる為に、プレートを室温で10分間インキュベートする。
9.EnVisionマルチラベルリーダーマルチラベルリーダーを使用して発光を記録する。
【0374】
データ解析
データ分析が、GraphPad Prism 7.0を使用して行われる。
IC50を計算する為に、用量反応曲線が、シグモイド用量応答を伴う非線形回帰モデルを使用して生成される。生存率(surviving rate)の式が下記に示され、及びIC50はGraphPad Prism 7.0によって自動的に生成されるだろう。
【0375】
【数1】
LumNone処置された(treated)-LumMedium対照(control)が100%に設定された。
【0376】
結果
【0377】
【0378】
従って、本発明に従う化合物、より特には式(Ib’)の化合物、又はその代謝産物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つ、は、癌、より特には結腸直腸癌、胃癌(stomach cancer)、肝臓癌、肺癌及び/又は膵臓癌、特に前癌状態、初期段階の癌、又は非転移性癌を有する患者における癌、を処置及び/又は予防する為により有用である。より特には、式(Ib’)の化合物、又はその代謝物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つは、転移の侵入を直接的に標的としない。
【0379】
加えて、これらの結果から、意外なことに、本発明に従う化合物、より特には、式(Ib’)の化合物、又はその代謝産物若しくはその医薬的に許容される塩のいずれか1つは、式(Ia)に属する比較例の化合物26よりも、癌、特に前癌状態、初期段階の癌、又は非転移性癌を有する患者における癌、を処置及び/又は予防する為により効率的であることが判明した(大腸/結腸直腸CR3085の細胞株について:IC50=0.08対0.17;及び、胃GA0060の細胞株について:IC50=0.6対10超)。