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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】給袋装置およびそれを備えた包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/18 20060101AFI20241015BHJP
   B65B 57/02 20060101ALI20241015BHJP
   B65B 57/06 20060101ALI20241015BHJP
   B65H 5/12 20060101ALI20241015BHJP
【FI】
B65B43/18
B65B57/02 C
B65B57/06
B65H5/12 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018142074
(22)【出願日】2018-07-30
(65)【公開番号】P2020019485
(43)【公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-05-19
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000108281
【氏名又は名称】ゼネラルパッカー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090239
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 始
(72)【発明者】
【氏名】野田 春恵
【合議体】
【審判長】岩谷 一臣
【審判官】八木 誠
【審判官】木原 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-18526(JP,A)
【文献】特開2015-182770(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B43/00-43/62
B65B57/00-57/20
B65H 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装袋の両側上部付近をそれぞれ把持する袋把持部を間欠移動させて被包装物の各種包装工程を行う包装機の前記袋把持部に順次包装袋を供給する給袋装置であって、
該給袋装置は、前記包装袋が配置される給袋位置と、該給袋位置に配された前記包装袋を一枚ずつ捕捉して前記袋把持部に供給するための袋供給部とを有し、
該袋供給部は、前記給袋位置に配置された前記包装袋を一枚ずつ捕捉するための第1袋捕捉部と、該第1袋捕捉部により保持された前記包装袋を受け取った後、前記袋把持部へ受け渡すための第2袋捕捉部とを有し、
前記第1袋捕捉部は、前記給袋位置に配された前記包装袋を一枚ずつ捕捉して回動させ垂直姿勢とする回動アームと、該回動アームの基端部側に設けられた回動軸と、該回動軸を正逆回転可能とする回転駆動部と、前記包装袋を保持した前記回動アームの上昇に伴ってパルスを発生させるロータリーエンコーダと、該ロータリーエンコーダが発生するパルスをカウントするパルスカウンタと、前記給袋位置と前記第2袋捕捉部による受取位置間において前記包装袋の上端辺部の通過を検出するセンサと、制御部とを有した高さ補正機構を備え、
該制御部は、前記回動アームが前記給袋位置の所定位置で前記包装袋を捕捉して上昇してから前記センサが前記包装袋の上端辺部の通過を検出する間にカウントされる基準パルス数と、前記回動アームが前記包装袋を捕捉して上昇してから前記センサが前記包装袋の上端辺部の通過を検出する間に実際にカウントされるパルス数とを比較し、前記基準パルスと実際にカウントされるパルス数との差に応じて前記回転駆動部による前記回動アームの回動量を制御するように構成されていることを特徴とする給袋装置。
【請求項2】
前記第2袋捕捉部は、前記第1袋捕捉部の前記回動アームにより垂直姿勢に支持された一枚の包装袋を受け取るための掴み部と、該掴み部を設定された前記包装袋の種類による爪上の高さに合わせて昇降可能とする高さ切り替えモータとを有している請求項1に記載の給袋装置。
【請求項3】
前記回転駆動部はサーボモータにて構成されている請求項1または2に記載の給袋装置。
【請求項4】
前記高さ補正機構は、並設された前記給袋位置に対してそれぞれ設けられ、前記高さ補正機構は、サーボモータで構成された前記回転駆動部をそれぞれ有している請求項1ないし3のいずれかに記載の給袋装置。
【請求項5】
前記請求項1ないし4のいずれかに記載の給袋装置を備えていることを特徴とする包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、垂直姿勢で吊り下げ状に支持された包装袋の高さ補正を自動的に行うことができる給袋装置およびそれを備えた包装機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、包装袋の両側上部付近をそれぞれ把持する袋把持部(グリップ対)を間欠移動させて被包装物の各種包装工程を行う包装機内に順次包装袋を供給する給袋装置が多用されている(例えば特開2016-55904号公報)。
【0003】
このような給袋装置には包装袋の給袋位置が設けられており、給袋位置に配された包装袋は、袋供給部により垂直姿勢で吊り下げ状に支持されて、一枚ずつ袋把持部(グリップ対)に順次供給されるよう構成されている。
【0004】
しかし、包装袋の上端辺部が所定の給袋位置からずれたままで袋供給部に吊り下げ状に支持され袋把持部(グリップ対)に供給されると、シール位置がずれて不良シール袋が発生してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-55904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の課題は、包装袋の上端辺部が所定の給袋位置からずれたままで袋把持部(グリップ対)に包装袋が供給されても、垂直姿勢で吊り下げ状に支持される包装袋の高さが自動的に補正される給袋装置およびそれを備えた包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するものは、包装袋の両側上部付近をそれぞれ把持する袋把持部を間欠移動させて被包装物の各種包装工程を行う包装機の前記袋把持部に順次包装袋を供給する給袋装置であって、該給袋装置は、前記包装袋が配置される給袋位置と、該給袋位置に配された前記包装袋を一枚ずつ捕捉して前記袋把持部に供給するための袋供給部とを有し、該袋供給部は、前記給袋位置に配置された前記包装袋を一枚ずつ捕捉するための第1袋捕捉部と、該第1袋捕捉部により保持された前記包装袋を受け取った後、前記袋把持部へ受け渡すための第2袋捕捉部とを有し、前記第1袋捕捉部は、前記給袋位置に配された前記包装袋を一枚ずつ捕捉して回動させ垂直姿勢とする回動アームと、該回動アームの基端部側に設けられた回動軸と、該回動軸を正逆回転可能とする回転駆動部と、前記包装袋を保持した前記回動アームの上昇に伴ってパルスを発生させるロータリーエンコーダと、該ロータリーエンコーダが発生するパルスをカウントするパルスカウンタと、前記給袋位置と前記第2袋捕捉部による受取位置間において前記包装袋の上端辺部の通過を検出するセンサと、制御部とを有した高さ補正機構を備え、該制御部は、前記回動アームが前記給袋位置の所定位置で前記包装袋を捕捉して上昇してから前記センサが前記包装袋の上端辺部の通過を検出する間にカウントされる基準パルス数と、前記回動アームが前記包装袋を捕捉して上昇してから前記センサが前記包装袋の上端辺部の通過を検出する間に実際にカウントされるパルス数とを比較し、前記基準パルスと実際にカウントされるパルス数との差に応じて前記回転駆動部による前記回動アームの回動量を制御するように構成されていることを特徴とする給袋装置である(請求項1)。
【0008】
前記第2袋捕捉部は、前記第1袋捕捉部の前記回動アームにより垂直姿勢に支持された一枚の包装袋を受け取るための掴み部と、該掴み部を設定された前記包装袋の種類による爪上の高さに合わせて昇降可能とする高さ切り替えモータとを有していることが好ましい(請求項2)。 前記回転駆動部はサーボモータにて構成されていることが好ましい(請求項)。前記高さ補正機構は、並設された前記給袋位置に対してそれぞれ設けられ、前記高さ補正機構は、サーボモータで構成された前記回転駆動部をそれぞれ有していることが好ましい(請求項)。
【0009】
また、上記課題を解決するものは、上記給袋装置を備えていることを特徴とする包装機である(請求項5)。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の給袋装置によれば、包装袋の上端辺部が所定の給袋位置からずれたままで袋把持部(グリップ対)に包装袋が供給されても、垂直姿勢で吊り下げ状に支持される包装袋の高さが自動的に補正される。請求項に記載の給袋装置によれば、平袋、チャック袋等種類またはサイズが異なる様々な包装袋に対して、事前に基本的な高さ設定をすることができる。 請求項に記載の給袋装置によれば、より正確な高さ補正を行うことができる。 請求項に記載の給袋装置によれば、それぞれの給袋位置に配されたそれぞれの包装袋に対して、より正確な高さ補正を行うことができる。 請求項5に記載の包装機によれば、包装袋の上端辺部が所定の給袋位置からずれたままで袋把持部(グリップ対)に包装袋が供給されても、垂直姿勢で吊り下げ状に支持される包装袋の高さが自動的に補正される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の給袋装置を備えた包装機の一実施例の平面概略図である。
図2図1に示した包装機の正面概略図である。
図3図1に示した包装機の包装工程を説明するための説明図である。
図4図1に示した給袋装置の給袋コンベアの平面拡大概略図である。
図5図4に示した給袋装置の給袋コンベアの右側面概略図である。
図6図4のA-A線拡大端面図である。
図7図4のB-B線拡大図である。
図8図4のC-C線拡大断面図である。
図9図4に示した給袋コンベアの作用を説明するための説明図である。
図10】本発明の給袋装置における袋供給部の第1捕捉部の構成を説明するための説明図である。
図11図10に示した給袋装置の袋供給部の全体構成および作用を説明するための左側面概略図である。
図12図11の右側面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明では、包装袋aの両側上部付近をそれぞれ把持する袋把持部gを間欠移動させて被包装物の各種包装工程を行う包装機Pの袋把持部gに順次包装袋aを供給する給袋装置1であって、給袋装置1は、包装袋aが配置される給袋位置19と、給袋位置19に配された包装袋aを一枚ずつ捕捉して袋把持部gに供給するための袋供給部4とを有し、袋供給部4は、給袋位置19に配置された包装袋aを一枚ずつ捕捉するための第1袋捕捉部5と、第1袋捕捉部5により保持された包装袋aを受け取った後、袋把持部gへ受け渡すための第2袋捕捉部6とを有し、第1袋捕捉部5は、給袋位置19に配された包装袋aを一枚ずつ捕捉して回動させ垂直姿勢とする回動アーム17と、回動アーム17の下端部に設けられ包装袋aを上面側から吸着する吸盤18と、回動アーム17の基端部側に設けられた回動軸29と、回動軸29を正逆回転可能とする回転駆動部30と、包装袋aを保持した回動アーム17の上昇に伴ってパルスを発生させるロータリーエンコーダと、ロータリーエンコーダが発生するパルスをカウントするパルスカウンタと、給袋位置19と第2袋捕捉部6による受取位置間において包装袋aの上端辺部の通過を検出するセンサ31と、制御部とを有した高さ補正機構28を備え、制御部は、回動アーム17が給袋位置19の所定位置で包装袋aを捕捉して上昇してからセンサ31が包装袋aの上端辺部の通過を検出する間にカウントされる基準パルス数と、回動アーム17が包装袋aを捕捉して上昇してからセンサ31が包装袋aの上端辺部の通過を検出する間に実際にカウントされるパルス数とを比較し、当該比較差量に応じて回転駆動部30による回動アーム17の回動量を制御するよう構成されていることで、包装袋aの上端辺部が所定の給袋位置19からずれたままで袋把持部(グリップ対)gに包装袋aが供給されても、垂直姿勢で吊り下げ状に支持される包装袋aの高さが自動的に補正される給袋装置1およびそれを備えた包装機Pを実現した。
【実施例1】
【0013】
本発明の給袋装置を備えた包装機を図1ないし図12に示した一実施例を用いて説明する。
【0014】
この実施例の包装機Pは、包装袋aの袋口を開口して被包装物を充填し施封する装置であり、図1または図3に示すように、9つのステーションにおいて、包装袋aを包装機に供給する給袋工程(9工程)、包装袋aの上部に設けられたチャックを開くチャック開口工程(1工程)、賞味期限等を印字する印字工程(2工程)、印字検査を行うと共に包装袋aの袋口を開口する印字検査・袋開き工程(3工程)、被包装物を包装袋a内に充填し、袋底部を開口させると共に、被包装物に振動を与える充填・袋底開口・底振動工程(4工程)、被包装物を包装袋a内に押し込むと共に被包装物に振動を与える押し込み・底振動工程(5工程)、噛み込みを検知すると共に空袋を機外排出する噛み込み検知・空袋排出工程(6工程)、袋口付近を水平方向にトップシールをすると共に包装袋a内のエア抜きを行うトップシール・エアー抜き工程(7工程)、トップシールが冷却(目付け)されると共に被包装物が包装された包装袋aを機外に排出する冷却シール・製品排出工程(8工程)の9工程を繰り返し行い、被包装物を充填した包装袋aを量産する装置である。なお、この実施例はロータリー方式の包装機Pであるが、本発明を公知の直線移動方式の包装機等に適用することも可能である。
【0015】
この包装機Pでは、図1または図2に示すように、垂直方向に延在する間欠回転軸12を回転自由に支持するスタンド11を機台50上に設け、その間欠回転軸12の上部に取り付けられた移動体(円盤状回転体)10には、包装袋aを掴着又は釈放するための18対の袋把持部(グリップ対)gが間欠回転軸12を中心として等角度間隔で放射方向に突出するように設けられている。そして、包装機Pは、給袋工程(9工程)において、給袋装置1によって包装袋aの袋取りが行われ、給袋ステーション(第9ステーション)へ順次間欠移動してくる袋把持部(グリップ対)gに対して、包装袋aが垂直姿勢で吊り下げ状に支持されるよう構成されている。
【0016】
そして、この実施例の包装機Pの給袋装置1は、図1図2または図4に示すように、包装袋aを順次搬送するための給袋コンベア2と、給袋コンベア2の搬送方向に沿って設けられると共に幅方向に離間して設けられた対となる姿勢補正部3a,3bと、給袋コンベア2によって下流側に搬送された包装袋aを一枚ずつ保持して包装機Pの袋把持部(グリップ対)gに供給するための袋供給部4を有し、対となる姿勢補正部3a,3bは、給袋コンベア2による包装袋aの搬送中に幅方向の離間距離を変動させることで包装袋aに当接して包装袋aの姿勢を補正するように構成されている(図9参照)。
【0017】
給袋装置1は、包装機Pにおいて、次位の包装工程(チャック開口工程:1工程))へ包装袋aを供給するために袋把持部(グリップ対)gに、包装袋aを順次供給するためのものであり、(1)給袋コンベア2により包装袋aを順次下流側へ搬送する工程、(2)給袋コンベア2の下流側に搬送された包装袋aを一枚ずつ第1袋捕捉部5により捕捉する工程、(3)第1袋捕捉部5により捕捉された包装袋aを第2袋捕捉部6へ受け渡す工程、(4)第2袋捕捉部6により捕捉された包装袋aを袋把持部(グリップ対)gへ受け渡す工程の4工程からなる給袋工程を行う。以下、給袋装置1の各構成について順次詳述する。
【0018】
給袋コンベア2は、包装袋aを順次搬送するためのものであり、図4に示すように、給袋コンベア2の搬送方向(矢印h)に沿って設けられると共に幅方向に離間して設けられた対となる姿勢補正部3a,3bを有し、対となる姿勢補正部3a,3bが、給袋コンベア2による包装袋aの搬送中に幅方向の離間距離を変動させることで包装袋aに当接して包装袋aの姿勢を補正するように構成されている。これにより、平袋、チャック袋等種類またはサイズが異なる様々な包装袋の給袋に汎用的に使用でき、包装袋の姿勢(傾き)や位置の補正を行うことができるように構成されている。
【0019】
この実施例の給袋コンベア2は、図4に示すように、並設された2機の給袋コンベア2を有し、給袋装置1は、包装袋aを2枚ずつ、次位の包装工程(チャック開口工程:1工程))へ供給できるように構成されている。
【0020】
姿勢補正部3a,3bは、並設された2機の給袋コンベア2に、図9に示すように一対ずつ向き合って配された縦断面L型のストックガイドにて構成されており、給袋コンベア2にて搬送される包装袋aは、姿勢補正部3a,3b(ストックガイド)に幅方向の両側から規制されて上流側(図4または図5中右側)から下流側(図4または図5中左側)に向かって搬送される。
【0021】
姿勢補正部3a,3bは、例えば図9(A)のように、包装袋aが傾いて配置された場合でも、図9(B)のように、設定された包装袋aの幅方向の長さまで姿勢補正部3a,3bが両側から内側に向かって移動することで、図9(C)のように、包装袋aの姿勢(傾き)を補正するように作用する。また、袋幅に応じて姿勢補正部3a,3bの間の離間距離が調整されることにより、様々な寸法の包装袋の給袋が可能になる。
【0022】
なお、この実施例は、対となる姿勢補正部3a,3bの双方が両側から内側に向かって移動して姿勢補正部3a,3bの間の離間距離が変動するものであるが、これに限定されるものではなく、姿勢補正部3a,3bのうち一方が移動可能に設けられて姿勢補正部3a,3bの間の離間距離が変動するように構成されたものも本発明の範疇に包含される。
【0023】
また、この実施例における姿勢補正部3a,3bの間の離間距離を変動させる機構(姿勢補正部の離間距離変更機構)は、上流側端部に設けられた上流側離間距離変更機構9Aと下流側端部に設けられた下流側離間距離変更機構9B,9Cであり、それらはいずれも、給袋コンベア2の幅方向に沿って設けられ回動可能な離間距離調整ネジ7と、離間距離調整ネジ7に取り付けられ離間距離調整ネジ7の回動に伴って幅方向に移動可能なネジ受け部材8と、ネジ受け部材8に取り付けられ、ネジ受け部材8の移動に伴って幅方向に移動可能に構成された姿勢補正部3a,3b(ストックガイド)を有している。
【0024】
具体的には、上流側離間距離変更機構9Aは、図6に示すように、給袋コンベア2の幅方向に沿って設けられ回動可能な第1離間距離調整ネジ7Aと、第1離間距離調整ネジ7Aに取り付けられ第1離間距離調整ネジ7Aの回動に伴って幅方向に移動可能な第1ネジ受け部材8A1,8A2,8A3,8A4と、第1ネジ受け部材8A1,8A2,8A3,8A4にそれぞれ取り付けられ、第1ネジ受け部材8A1,8A2,8A3,8A4の移動に伴って幅方向の内外に移動可能に構成された姿勢補正部3a,3b(ストックガイド)を有している。
【0025】
より具体的には、第1ネジ受け部材8A1,8A3の上部にそれぞれ姿勢補正部3a(ストックガイド)が固定され、第1ネジ受け部材8A2,8A4の上部にそれぞれ姿勢補正部3b(ストックガイド)が固定されている。
【0026】
また、第1ネジ受け部材8A1,8A3と第1離間距離調整ネジ7Aとの螺合関係を正ネジの関係とすると、第1ネジ受け部材8A2,8A4と第1離間距離調整ネジ7Aとの螺合関係は逆ネジの関係となるように構成されている。
【0027】
そして、第1離間距離変更用モータ20を正逆回転させると、第1離間距離変更用モータ20の回転力は、距離変更用駆動プーリ21を介して第1離間距離調整ネジ7Aに伝達されて、第1ネジ受け部材8A1,8A3が幅方向同一方向に移動することで2つの姿勢補正部3a(ストックガイド)も幅方向同一方向に移動し、他方、第1ネジ受け部材8A2,8A4が幅方向逆方向に移動することで2つの姿勢補正部3b(ストックガイド)も幅方向逆方向に移動して、姿勢補正部3a,3b(ストックガイド)が内外に移動するように構成されている。
【0028】
下流側離間距離変更機構9Bは、図7に示すように、給袋コンベア2の幅方向に
沿って設けられ回動可能な第2離間距離調整ネジ(ボールネジ)7Bと、第2離間距離調整ネジ7Bに取り付けられ第2離間距離調整ネジ7Bの回動に伴って幅方向に移動可能な第2ネジ受け部材8B1,8B2と、第2ネジ受け部材8B1,8B2にそれぞれ取り付けられ、第2ネジ受け部材8B1,8B2の移動に伴って幅方向の内外に移動可能に構成された姿勢補正部3b(ストックガイド)を有している。
【0029】
より具体的には、第2ネジ受け部材8B1,8B2の上部にそれぞれ姿勢補正部3b(ストックガイド)が固定されている。
【0030】
そして、第2離間距離変更用モータ22を正逆回転させると、第2離間距離変更用モータ22の回転力は、第2離間距離調整ネジ7Bに伝達されて、第2ネジ受け部材8B1,8B2が幅方向同一方向に移動することで2つの姿勢補正部3b(ストックガイド)も幅方向同一方向に移動し、それぞれ内外に移動できるように構成されている。
【0031】
さらに、下流側離間距離変更機構9Cは、図8に示すように、給袋コンベア2の幅方向に沿って設けられ回動可能な第3離間距離調整ネジ(ボールネジ)7Cと、第3離間距離調整ネジ7Cに取り付けられ第3離間距離調整ネジ7Cの回動に伴って幅方向に移動可能な第3ネジ受け部材8C1,8C2と、第2ネジ受け部材8C1,8C2にそれぞれ取り付けられ、第2ネジ受け部材8C1,8C2の移動に伴って幅方向の内外に移動可能に構成された姿勢補正部3a(ストックガイド)を有している。
【0032】
より具体的には、第3ネジ受け部材8C1,8C2の上部にそれぞれ姿勢補正部3a(ストックガイド)が固定されている。
【0033】
そして、第3離間距離変更用モータ23を正逆回転させると、第3離間距離変更用モータ23の回転力は、第3離間距離調整ネジ7Cに伝達されて、第3ネジ受け部材8C1,8C2が幅方向同一方向に移動することで2つの姿勢補正部3a(ストックガイド)も幅方向同一方向に移動し、それぞれ内外に移動できるように構成されている。
【0034】
上記のように、この実施例の給袋装置1は、上流側端部に設けられた上流側離間距離変更機構9Aと下流側端部に設けられた下流側離間距離変更機構9B,9Cとを有しているため、第1離間距離変更用モータ20、第2離間距離変更用モータ22および第3離間距離変更用モータ23の正逆回転を制御部に同期的に制御させることで、平袋、チャック袋等種類またはサイズが異なる様々な包装袋の幅に対応して、姿勢補正部3a, 3b(ストックガイド)の間の離間距離を速やかに変動させることができるように構成されている。
【0035】
また、この実施例の給袋装置1は、下流側端部に設けられた下流側離間距離変更機構9B,9Cを有しているため、第2離間距離変更用モータ22および第3離間距離変更用モータ23の正逆回転を制御部が同期的に制御することにより、図9に示すように、順次下流側に搬送されてくる搬送中の包装袋aに対して、姿勢補正部3a,3bが複数回、幅方向の離間距離を変動させ、それによって複数回当接して包装袋aの姿勢(傾き)を補正することができるように構成されている。このため、包装袋aを給袋コンベア2上にラフに載置でき、袋供給者の負担を軽減することができる。
【0036】
なお、上記実施例では、給袋コンベア2上に載置された搬送中の包装袋aに対して、給袋コンベア2の幅方向から包装袋aを複数回押圧することにより、包装袋aの姿勢を補正する包装袋aの姿勢補正方法によっているが、本発明の包装袋aの姿勢補正方法は、これに限定されるものではなく、給袋コンベア2上に載置され停止した包装袋aに対して、給袋コンベア2の幅方向から包装袋aを複数回押圧することにより、包装袋aの姿勢を補正する包装袋aの姿勢補正方法や、給袋コンベアによる包装袋の搬送中に単数の押圧を行って包装袋aの姿勢補正を行う方法、すなわち、給袋コンベア2による包装袋aの搬送中に、給袋コンベア2上に載置された包装袋aに対して、給袋コンベア2の幅方向から包装袋aを押圧することにより、包装袋aの姿勢を補正する包装袋の姿勢補正方法も本発明の範疇に包含される。
【0037】
給袋コンベア2は、図4または図5に示すように、上流側端部付近または下流側端部付近にそれぞれ設けられ、コンベアベルト24を掛け渡した上流側プーリ25と下流側プーリ26を有し、下流側下部に袋搬送モータ27を有している。
【0038】
コンベアベルト24は、袋搬送モータ27の駆動により回転し、姿勢補正部3a, 3b(ストックガイド)の平面部上に載置された包装袋aを上流側から下流側(図4中h方向)に向かって順次搬送するように構成されている。
【0039】
さらに、給袋コンベア2は、図5に示すように、下流側に、給袋コンベア増速部13を有しており、この給袋コンベア増速部13により、コンベアベルト24により下流側に搬送される包装袋aを増速させて給袋コンベア2の先端(下流側端部:給袋位置)19まで搬送するように構成されている。
【0040】
具体的には、給袋コンベア増速部13は、増速モータ14と、増速モータ14の駆動により回転する増速ベルト15とを有し、コンベアベルト24により下流側に搬送される包装袋aは、袋搬送モータ27の駆動により回転する定速ベルト16と増速ベルト15との間を通過して、定速ベルト16と増速ベルト15の回転に押し出されて、給袋コンベア2の先端(下流側端部:給袋位置)19まで搬送されるように構成されている。
【0041】
なお、この実施例の給袋装置1は、コンベア方式によるものであり、給袋コンベア2の下流側端部付近に給袋位置19を有するものであるが、本発明の給袋装置はコンベア方式に限定されるものではなく、マガジン式の給袋装置も含むものであり、給袋位置が例えばマガジンの最上部に構成されたものも広く本発明の範疇に包含される。
【0042】
袋供給部4は、給袋コンベア2によって順次下流側端部に搬送される包装袋aを一枚ずつ捕捉して包装機Pの袋把持部(グリップ対)gに順次供給するためのものであり、給袋コンベア2上の一枚の包装袋aを捕捉するための第1袋捕捉部5と、第1袋捕捉部5により保持された包装袋aを受け取った後、袋把持部(グリップ対)gへ受け渡すための第2袋捕捉部6とを有している。
【0043】
第1袋捕捉部5は、図10ないし図12に示すように、給袋コンベア2によって順次下流側端部に搬送される包装袋aを一枚ずつ捕捉して回動させ垂直姿勢とする回動アーム(4本の袋捕捉パイプ)17を有し、回動アーム17は下端部にそれぞれ包装袋aを上面側から吸着する吸盤18を有している。
【0044】
また、第1袋捕捉部5は、回動アーム17は下端部に設けられた吸盤18にて捕捉された包装袋aの高さを補正するための高さ補正機構28を有している。
【0045】
高さ補正機構28は、吸盤18にて捕捉され垂直姿勢で吊り下げ状に支持される包装袋aの中に、袋把持部(グリップ対)gに把持される際の高さが低いものから高いものまで存在することから、袋把持部(グリップ対)gに把持される前に、回動アーム17(袋捕捉パイプ)の下端部に設けられた吸盤18の高さを調整可能として、個々の包装袋aの爪上高さ(グリップ対gより上の部分の長さ:包装袋aの種類による爪上高さも含む。)を調整するためのものである。
【0046】
具体的には、この実施例の高さ補正機構28は、第1袋捕捉部5の回動アーム(袋捕捉パイプ)17と、回動アーム17の基端部(上端部)側に設けられた回動軸29と、回動軸29を正逆回転可能とする回転駆動部(サーボモータ)30と、包装袋aを保持した回動アーム17の上昇に伴ってパルスを発生させるロータリーエンコーダ(図示しない)と、ロータリーエンコーダが発生するパルスをカウントするパルスカウンタ(図示しない)と、回動アーム17による包装袋aの捕捉位置(給袋位置)と第2袋捕捉部6の一対の掴み部32による受取位置間において包装袋aの上端辺部の通過を検出するセンサ31(図11または図12に示すように斜め下方に向かって延在するセンサ取り付け部6に固定されている。)と、それらを制御する制御部(図示しない)を有している。
【0047】
そして、制御部は、第1袋捕捉部5の回動アーム(袋捕捉パイプ)17が前記給袋位置19の所定位置で包装袋aを捕捉して上昇してからセンサ31が包装袋aの上端辺部の通過を検出する間にカウントされる基準パルス数と、回動アーム(袋捕捉パイプ)17を同一速度で回動させて、回動アーム(袋捕捉パイプ)17が包装袋aを捕捉して上昇してからセンサ31が包装袋aの上端辺部の通過を検出する間に実際にカウントされるパルス数とを比較し、その比較差量(基準パルスと実際にカウントされるパルス数との差)に応じて回転駆動部(サーボモータ)30による第1袋捕捉部5の回動アーム17の回動量(回動による回動アーム17の高さ)を制御(高さ補正制御)するよう構成されている。
【0048】
この高さ補正機構28による上記高さ補正制御は、給袋コンベアの給袋位置19に搬送されてくる包装袋a毎に逐次行われる。また、この実施例は給袋位置19が並設されているため、それに対応して高さ補正機構28も2つ並設されている。
【0049】
具体的には、制御部は、センサ31が第1袋捕捉部5の回動アーム(袋捕捉パイプ)17の通過を検出すると、実際にカウントされたパルス数と基準パルス数とを比較して、第2袋捕捉部6の一対の掴み部32による受取位置の高さと同一レベルとするための回動アーム17の補正回動量を計算する。
【0050】
計算した結果、補正回動量がゼロの場合は、回転駆動部(サーボモータ)30による補正回動量もゼロで、回動アーム17の高さ補正はなく、そのままの高さで第2袋捕捉部6の一対の掴み部32へ受け渡される。他方、補正が必要な場合は、その分、回転駆動部(サーボモータ)30による補正回動量が付加されて回動アーム17の高さが補正される。
【0051】
第2袋捕捉部6は、図11に示すように、第1袋捕捉部5の回動アーム(袋捕捉パイプ)17により垂直姿勢に支持された一枚の包装袋aを受け取るために挟持可能に構成された一対の掴み部32と、掴み部32を昇降可能とする高さ切り替えモータ33と、一対の掴み部32を開閉するための袋押えシリンダ34と、一対の掴み部32によって捕捉された包装袋aを袋把持部(グリップ対)gまで移送するための袋移送レバー35(カム駆動により駆動)とを有している。
【0052】
そして、高さ切り替えモータ33は、包装袋aの種類(平袋またはチャック袋)による爪(グリップ対g)上の高さを設定範囲内でパネル入力することにより、昇降部37の下部に取り付けられた掴み部32を昇降させて、包装袋aの爪上高さを設定可能に作用する。
【0053】
このように、この実施例の給袋装置1では、第2袋捕捉部6の高さ切り替えモータ33にて包装袋aに応じた基本的で一律的な高さ設定が行われ、前述した第1袋捕捉部5の高さ補正機構28にて、順次供給される個々の包装袋aに対して個別的な高さ補正がなされるように構成されている。
【符号の説明】
【0054】
P 包装機1 給袋装置a 包装袋g 袋把持部(グリップ対)2 給袋コンベア3a,3b 姿勢補正部(ストックガイド)4 袋供給部5 第1袋捕捉部6 第2袋捕捉部7(7A,7B,7C) 離間距離調整ネジ8(8A1,8A2,8A3,8A4,8B1,8B2,8C1,8C2) ネジ受け部材9A 上流側離間距離変更機構9B,9C 下流側離間距離変更機構10 移動体(円盤状回転体)11 スタンド12 間欠回転軸13 給袋コンベア増速部14 増速モータ15 増速ベルト16 定速ベルト17 回動アーム18 吸盤19 給袋位置20 第1離間距離変更用モータ 21 距離変更用駆動プ
ーリ22 第2離間距離変更用モータ23 第3離間距離変更用モータ24 コンベアベルト25 上流側プーリ26 下流側プーリ27 袋搬送モータ28 高さ補正機構29 回動軸30 回転駆動部(サーボモータ)31 センサ32 掴み部33 高さ切り替えモータ34 袋押えシリンダ35 袋移送レバー36 センサ取付部37 昇降部50 機台
図1
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図12