(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】利用者管理システム及びコンテンツ管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20241015BHJP
【FI】
G06Q50/20
(21)【出願番号】P 2021054686
(22)【出願日】2021-03-29
【審査請求日】2024-02-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日 令和2年4月1日 ウェブサイトのアドレス https://loam.international 公開者 株式会社八幡自動車商会
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520429484
【氏名又は名称】株式会社八幡自動車商会
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】池田 等
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-027324(JP,A)
【文献】特開2002-169982(JP,A)
【文献】特開2004-053766(JP,A)
【文献】特開2005-085099(JP,A)
【文献】特開2013-235434(JP,A)
【文献】特開2002-269245(JP,A)
【文献】特開2007-199179(JP,A)
【文献】特開2012-215916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
教育プラットフォームまたは学習サービスの利用者
の情報、及び前記利用者に対して送信するコンテンツを管理する
コンテンツ管理システムであって、
前記教育プラットフォームまたは学習サービスの利用希望者から、当該利用希望者に関する
SNSのアカウントの情報である第1情報と、当該利用希望者の受入企業を識別するための第2情報とを含む利用者登録情報を受け取る利用者登録情報取得手段と、
前記利用者登録情報に含まれる前記第2情報に対応する受入企業の端末である受入企業端末と、
前記第2情報に対応する受入企業が、前記受入企業端末を介して、前記利用者登録情報に含まれる前記第1情報を
確認可能な状態にして利用可能とする第1情報利用可能化手段と、
前記第1情報に基づいて決定された、前記利用希望者の登録可否に関する情報を、前記
受入企業端末から取得する登録可否取得手段と、
前記登録可否に関する情報が、登録可を示すとき、前記利用希望者を前記第2情報と関連付けて登録する登録手段と、
コンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段と、
前記コンテンツの送信を制御する送信制御手段と、を備え、
前記送信制御手段は、前記利用希望者から前記コンテンツの送信の要求を受け取ったとき、前記登録手段に登録された情報及び予め設定された条件に基づいて、前記利用希望者に対して前記コンテンツを送信するか否かを決定する、
コンテンツ管理システム。
【請求項2】
前記利用希望者が前記コンテンツを利用した履歴を記憶する利用履歴記憶手段をさらに備える、
請求項
1に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項3】
前記利用履歴記憶手段に記憶された前記履歴が所定の条件を満たすとき、前記利用希望者が検定試験を受験可能にする受験可能化手段をさらに備える、
請求項
2に記載のコンテンツ管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者管理システム、及びコンテンツ管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンテンツを管理し配信するシステムにおいて、視聴権限を有するユーザに限定して配信を許可してコンテンツを配信するシステムが存在する。このようなシステムでは、視聴権限を有するユーザを管理する場合があるが、視聴者権限を有するユーザは、当該コンテンツを管理する管理者によって管理される。このようなシステムは、例えば特許文献1または2に開示されたようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-163466号公報
【文献】特開平10-269291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以前より、外国人の技能実習生が、日本において企業などと雇用関係を結び、出身国では習得が困難な技能等の習得、習熟、及び熟達を図る外国人技能実習制度がある。このような技能実習制度では、技能実習生は、日本に入国した後、必要な知識等についての講習を受講した後、企業などの下で実践的な技能の習得を図る。このとき、技能実習生はオンラインで必要な知識を習得するための講義のコンテンツを受講することも可能である。
【0005】
ここで、技能実習生を受け入れる方式としては、団体監理型の受け入れが多くなっている。団体監理型の受け入れの場合、監理団体である事業協同組合または商工会などが技能実習生を受け入れ、当該監理団体の傘下の企業等で技能実習を実施する。このような場合、講義のコンテンツを管理するのは監理団体であるが、受講するのは監理団体には直接所属せず、監理団体の傘下の企業等に所属する技能実習生である。なお、講義のコンテンツの管理は、監理団体と提携したコンテンツ管理者となる場合もある。すなわち、コンテンツを管理する者と、コンテンツの受講者を管理する者とが異なるため、コンテンツを受講する技能実習生を適切に管理する方法が求められる。本発明は、例えば、技能実習生を受け入れて技能実習を実施する企業が、当該技能実習生の技能実習を適正に実施することを支援するとともに、当該実習生が効率的に技能実習を受講して技能を習得することを目的として実習生の情報を管理するシステムを提供することを目的のひとつとする。また、技能実習生の技能実習のみならず、類似した環境においてコンテンツを利用するユーザの管理を容易にするシステムとしても利用可能である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る利用者管理システムは、
所定サービスの利用者を管理する利用者管理システムであって、
所定サービスの利用希望者から、当該利用希望者に関する第1情報と、当該利用希望者の受入企業を識別するための第2情報とを含む利用者登録情報を受け取る利用者登録情報取得手段と、
利用者登録情報に含まれる第2情報に対応する受入企業に対して、利用者登録情報に含まれる第1情報を利用可能とする第1情報利用可能化手段と、
第1情報に基づいて決定された、利用希望者の登録可否に関する情報を、第2情報に対応する受入企業から取得する登録可否取得手段と、
登録可否に関する情報が、登録可を示すとき、利用希望者を第2情報と関連付けて登録する登録手段と、を備える。
【0007】
このような利用者管理システムによれば、技能習得のための講義コンテンツの受講などの所定サービスの利用者である技能実習生の管理を、コンテンツの管理者である監理団体等により直接行うことなく、受入企業によって行うことなどが可能となる。また、利用希望者を、受入企業を識別するための第2情報と関連付けて登録するため、管理者が、受入企業と利用希望者との繋がりを管理することなどが可能となる。
【0008】
上記態様の利用者管理システムにおいて、第1情報がSNSのアカウントの情報とすることができる。
【0009】
このような利用者管理システムによれば、利用希望者は自己の情報である第1情報を容易に提供して、利用者としての登録を行うことができる。また、監理団体及び受入企業は、利用希望者の情報を比較的容易に取得することができる。これにより、利用希望者の登録をよりスムーズに行うことができる。
【0010】
上記態様の利用者管理システムは、コンテンツ管理システムとして応用可能である。このようなコンテンツ管理システムは、上記利用者システムと、コンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段と、コンテンツの送信を制御する送信制御手段と、を備え、送信制御手段は、利用希望者からコンテンツの送信の要求を受け取ったとき、登録手段に登録された情報に基づいて、利用希望者に対してコンテンツを送信するか否かを決定する構成とする。
【0011】
このようなコンテンツ管理システムによれば、コンテンツ送信のための利用者の管理を、監理団体ではなく受入企業によって行うことなどが可能となる。
【0012】
上記態様の利用者管理システムにおいて、利用希望者がコンテンツを利用した履歴を記憶する利用履歴記憶手段をさらに備える構成とすることができる。
【0013】
このようなコンテンツ管理システムによれば、利用希望者のコンテンツの利用履歴を、受入企業、及び必要に応じて監理企業が、管理及び確認することが可能となる。これにより、コンテンツの利用履歴に応じたサービスまたはコンテンツを利用希望者に提供することなどが可能となる。
【0014】
上記態様の利用者管理システムにおいて、利用履歴記憶手段に記憶された履歴が所定の条件を満たすとき、利用希望者が検定試験を受験可能にする受験可能化手段をさらに備える構成とすることができる。
【0015】
このようなコンテンツ管理システムによれば、例えば、所定のコンテンツの利用を完了した利用希望者に検定試験を受験させ、一定の知識を習得した者であることを証明するサービスを提供することなどが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、利用者の情報の管理を容易にした利用者管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、コンテンツ管理システムの概略図である。
【
図2】
図2は、コンテンツ管理システムの構成を示す図である。
【
図3】
図3は、コンテンツ管理システムにおける利用者端末での画面表示の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、個人識別情報登録処理を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、コンテンツ送信処理を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、検定試験受験許可処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本実施形態のコンテンツ管理システムは、例えば、システムの利用者である技能実習生に対して教育プラットフォームまたは学習サービスを提供し、サービスの利用履歴等を管理するために用いられるシステムである。具体的には、いずれかの受入企業に所属する利用者が自動車の整備に関する講義などを受講して一定のスキルを身に着け、スキルを証明する検定資格の取得を支援するサービスなどに用いられる。受入企業は、自動車整備のサービスを提供する企業などであって、利用者は当該受入企業が受け入れた技能実習生などである。管理者は、技能実習生を受け入れる監理団体であって、コンテンツ及び検定試験を管理し、サービスに用いられるサーバ等のシステムを提供する。
【0019】
本実施形態のコンテンツ管理システムは、管理者である監理団体と提携した受入企業が、利用者である技能実習生がコンテンツを利用可能にするための登録を行うことで、利用者の管理を行うことができる点を特徴のひとつとする。コンテンツは、監理団体により管理されてもよいし、監理団体により委託されたコンテンツ管理者により管理されてもよい。
【0020】
以下、本発明の一側面に係るコンテンツ管理システムの実施の形態を、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一または同様の構成を有する。
【0021】
図1は、コンテンツ管理システム1の概略を示す図である。コンテンツ管理システム1は、例えば、受入団体15と、受入団体15と提携した複数の受入企業14A及び14Bと、複数の受入企業14A及び14Bのいずれかに属した利用者13A~13Fとによって利用される。受入団体15は、例えば、コンテンツ管理システム1の全体を管理運営する監理団体である。受入企業14A及び14Bは、例えば、受入団体15と業務提携をした企業などの法人または教育機関などである。利用者13A~13Fは、例えば、受入企業14Aまたは14Bが受け入れた技能実習生などである。利用者13A~13Fは、例えば、一定のスキルを身に着けたことを証明する資格試験に合格して資格を取得するため、受入団体15が提供するコンテンツを研修として視聴し、その後に受験可能となる検定試験を受験する。なお、受入企業14A及び14Bを含む受入企業を、受入企業14と総称することがある。同様に、利用者13A~13Fを含む利用者を、利用者13と総称することがある。
【0022】
図2は、コンテンツ管理システム1の具体的な構成を示す図である。図示するように、コンテンツ管理システム1は、サーバ2、利用者端末3、受入企業端末4、受入団体端末5、及びSNSサーバ6の少なくとも一部を含んで構成される。上記のとおり、コンテンツ管理システム1を利用する者には、複数の受入企業14と複数の利用者13とが含まれるため、コンテンツ管理システム1に含まれる受入企業端末4及び利用者端末3はそれぞれ複数となる。
【0023】
利用者端末3は、PC(Personal Computer)、タブレット機器、またはスマートフォンなどの、利用者により使用される情報処理端末である。利用者端末3は、少なくとも入力手段と出力手段とを含む。入力手段は、例えばタッチパネル、キーボードまたはマウスなどであって、利用者13による操作を受け付ける。出力手段は、例えば、所定の画像を表示する表示装置、及び所定の音声を出力する音声出力部を含む。
【0024】
受入企業端末4、及び受入団体端末5は、それぞれPC(Personal Computer)、タブレット機器、またはスマートフォンなどであり、それぞれ、受入企業14の担当者、及び受入団体15により使用される。受入企業端末4及び受入団体端末5は、それぞれ、少なくとも入力手段と出力手段とを含む。入力手段は、例えばタッチパネル、キーボードまたはマウスなどであって、これらの端末を使用する者による操作を受け付ける。出力手段は、例えば、所定の画像を表示する表示装置、及び所定の音声を出力する音声出力部を含む。
【0025】
SNSサーバ6は、SNS(Social Network Service)のサービスを提供するためのサーバであって、SNS利用者の氏名、性別、年齢、学歴、及び職歴などの少なくとも一部の情報を含む個人識別情報を記憶する。SNSサーバ6は、利用者13による許可を取得することで、サーバ2などの他の機器に対して当該利用者13の個人識別情報を送信する。
【0026】
サーバ2は、コンテンツ管理システム1において利用者情報及びコンテンツの管理を行う。サーバ2は、制御部21及び記憶部22を含んで構成される。制御部21は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの情報処理装置であって、利用者端末3、受入企業端末4、受入団体端末5、及びSNSサーバ6との間でデータの送受信を行い、種々の情報を処理する。制御部21は、利用者登録情報取得手段211、個人識別情報利用可能化手段212、登録可否取得手段213、登録手段214、送信制御手段215、受験可能化手段216、及び利用者情報閲覧手段217を含んで構成される。記憶部22は、ハードディスクまたはSSD(Solid State Drive)などの記憶装置である。記憶部22は、サーバ2の外部に設けられてもよい。記憶部22は、利用者情報記憶手段221、コンテンツ記憶手段222、利用履歴記憶手段223、及び検定試験記憶手段224を含んで構成される。
【0027】
利用者登録情報取得手段211は、本件システムの利用を希望する利用者13から、利用者13を識別するための個人識別情報と、利用者13が所属する受入企業14を識別するための企業識別情報とを受け取る。利用者登録情報取得手段211は、個人識別情報及び企業識別情報を含む利用者登録情報を、利用者情報記憶手段221に一時的に記憶させる。企業識別情報は、例えば、受入企業14ごとに予め設定された、企業などの団体を識別する情報である。
【0028】
個人識別情報は、例えば、利用者13が利用するSNSから利用者登録情報取得手段211が取得してもよい。具体的には、利用者登録情報取得手段211は、利用者端末3に、SNS認証情報、及び所属する受入企業14の企業識別情報を入力するための情報を送信する。利用者13は、これに対して、利用者端末3にSNS認証情報及び企業識別情報を入力し、これらの情報を利用者登録情報取得手段211に送信する。これによって利用者13は、SNSサーバ6からサーバ2及び企業識別情報に対応する受入企業14に対して、利用者13の氏名等を含む個人識別情報が送信されることを許可する。利用者登録情報取得手段211は、SNS認証情報に基づき、SNSサーバ6から利用者13の個人識別情報を取得する。
【0029】
なお、上記のようにSNSを介さず、利用者13自身が自己に関する個人識別情報を利用者登録情報取得手段211に送信してもよい。また、SNS以外の、利用者13の個人識別情報を保管及び監理するサービスから、利用者登録情報取得手段211が個人識別情報を取得してもよい。
【0030】
図3は、上記のように利用者13がSNS認証情報及び企業識別情報を送信する際に、利用者端末3の表示部31に表示される画面の例を示す。このときの利用者端末3は、例えばスマートフォンである。表示部31には、氏名入力欄311、SNSアカウント入力欄312、企業コード入力欄313、及び送信ボタン314表示される。利用者13は、氏名入力欄311に氏名を、SNSアカウント入力欄312にSNS認証情報を、企業コード入力欄313に企業識別情報を、それぞれ入力する。そして、利用者13が送信ボタン314を押す操作を行うことで、氏名、SNS認証情報、及び企業識別情報が、サーバ2の利用者登録情報取得手段211に対して送信される。
【0031】
個人識別情報利用可能化手段212は、利用者13が入力した企業識別情報に基づいて、利用者13の個人識別情報を、当該企業識別情報に対応する受入企業14が受入企業端末4を介して利用可能にする。
【0032】
登録可否取得手段213は、受入企業端末4を介して、受入企業14に対して、利用者13を当該受入企業14と関連付けて登録してよいか否かを確認する。受入企業14の担当者は、受入企業端末4を操作して当該利用者13が受入企業14に所属するものであるかを確認し、登録可否を決定してサーバ2に送信する。これにより、登録可否取得手段213は、受入企業端末4から、利用者13の個人識別情報を企業識別情報と関連付けてよいか否かを示す、登録可否情報を取得する。
【0033】
登録手段214は、登録可否取得手段213が、利用者13の個人識別情報を企業識別情報と関連付けて登録可能であることを示す情報を取得したとき、個人識別情報を、企業識別情報と関連付けて利用者情報記憶手段221に登録し、記憶させる。一方、登録可否取得手段213が、利用者13の個人識別情報を企業識別情報と関連付けて登録不可であることを示す情報を取得したときには、利用者情報記憶手段221に一時的に記憶されていた、当該利用者13に関する個人識別情報及び企業識別情報を消去する。
【0034】
送信制御手段215は、記憶部22のコンテンツ記憶手段222に記憶されたコンテンツを利用者13が利用する利用者端末3に送信する制御を行う。送信制御手段215は、利用者端末3からコンテンツの送信を要求する情報を受け取ったとき、登録手段214によって利用者情報記憶手段221に登録された個人識別情報及び企業識別情報を確認する。このとき、利用者13がコンテンツを利用する権限を有していると判断した場合には、送信制御手段215は、コンテンツ記憶手段222に記憶されたコンテンツを利用者端末3に送信する。
【0035】
受験可能化手段216は、利用履歴記憶手段223に記憶された、利用者13が利用したコンテンツの履歴の情報に基づき、当該履歴が所定の条件を満足するときに、利用者13が、検定試験を受験可能にする。例えば、受験可能化手段216は、利用履歴記憶手段223に記憶された、利用者13が閲覧することで学習した自動車整備の動画の閲覧履歴の情報に基づき、利用者13が、検定試験の受験に必要となる動画の閲覧を終えているか、などを確認する。例えば、利用者13が自動車整備の所定の作業の前提となる作業に関する動画の視聴を完了しているか、などである。利用履歴記憶手段223に記憶された履歴が所定の条件を満足している場合には、受験可能化手段216は、利用者13の利用者端末3に対して、検定試験記憶手段224から検定試験に関する情報を送信する。これにより、利用者13は、利用者端末3で検定試験に関する情報を受信して、検定試験の受験が可能になる。例えば、利用者13は、車検における所定の作業に関する一連の動画をすべて閲覧完了している場合に、当該作業についてのスキルを身に着けたことを証明するための検定試験を受験可能となる。
【0036】
利用者情報閲覧手段217は、受入企業端末4を使用する受入企業14が、当該受入企業に所属する利用者13の情報を閲覧可能にする。利用者情報閲覧手段217は、受入企業端末4から所定の利用者13の情報を閲覧する要求を受け取ると、当該利用者13が、情報を閲覧しようとする受入企業14に関連付けられているかを利用者情報記憶手段221に記憶された情報に基づき判断する。当該利用者13と当該受入企業14とが関連付けられている、すなわち当該利用者13が当該受入企業14に所属すると判断された場合には、受入企業14は、受入企業端末4から当該利用者13の情報を閲覧可能となる。これにより、受入企業14は、受入企業端末4から、利用履歴記憶手段223に記憶された、自身に所属する利用者13のコンテンツの利用履歴を確認可能となる。一方、受入企業14は、自身に所属しない利用者13の利用履歴を閲覧することはできない。
【0037】
利用者情報記憶手段221は、個人識別情報及び企業識別情報を含む利用者登録情報を記憶する。利用者情報記憶手段221には、受入企業14による確認が完了していない利用者登録情報と、確認が完了した利用者登録情報とが記憶される。受入企業14により、利用者13を当該受入企業と関連付けて登録してよいことが確認される前には、利用者情報記憶手段221は、利用者登録情報を一時的に記憶している。受入企業14により、利用者13を当該受入企業14と関連付けて登録してよいことが確認されると、利用者情報記憶手段221は、利用者登録情報に含まれる個人識別情報と企業識別情報とを関連付けて記憶する。
【0038】
コンテンツ記憶手段222は、利用者端末3に送信するためのコンテンツを記憶する。コンテンツ記憶手段222に記憶されるコンテンツは、例えば、コンテンツ管理システム1のサービスで提供する、それぞれ複数の動画、音声、及び教育のための資料などである。例えば、コンテンツ記憶手段222には、自動車の整備に関する教育のための動画が複数記憶されている。利用者13は、コンテンツ記憶手段222に記憶されたコンテンツを選択して視聴することなどができる。
【0039】
利用履歴記憶手段223は、利用者13のそれぞれが利用したコンテンツの履歴を記憶する。
【0040】
検定試験記憶手段224は、利用者13により受験可能な検定試験のデータを記憶する。
【0041】
<個人識別情報登録処理>
図4は、利用者13の個人識別情報を登録する利用者識別情報登録処理の流れを示すフローチャートである。当該処理は、利用者13が利用者端末3により、コンテンツを利用するために、コンテンツ利用前に、個人識別情報を登録する際の処理である。
【0042】
まず、利用者13は利用者端末3を利用し、SNS認証情報、及び企業識別情報を入力する。入力された利用者13のSNS認証情報及び企業識別情報は、サーバ2に送信される。サーバ2の利用者登録情報取得手段211は、SNS認証情報に基づいて、利用者13の氏名などを含む個人識別情報をSNSサーバ6から取得する。これにより、利用者登録情報取得手段211は、利用者13の個人識別情報及び企業識別情報を取得する(S110)。利用者登録情報取得手段211は、利用者13の個人識別情報及び企業識別情報を含む利用者登録情報を、利用者情報記憶手段221に一時的に記憶させる。
【0043】
次に、個人識別情報利用可能化手段212は、企業識別情報に対応する受入企業14を特定する(S120)。そして、個人識別情報利用可能化手段212は、受入企業14が受入企業端末4を介して個人識別情報を確認可能な状態にする(S130)。個人識別情報利用可能化手段212はさらに、当該個人識別情報に対応する利用者13が、自身の受入企業14と関連付けて登録されてよいか否かの判断を、受入企業端末4を介して受入企業14に求める。受入企業14は、受入企業端末4を介して、利用者13が自身の受入企業14と関連付けて登録されてよいか否かの判断を行い、その判断に関する情報をサーバ2に送信する。
【0044】
登録可否取得手段213は、受入企業端末4から送信された、利用者13を受入企業14と関連付けて登録してよいか否かを示す登録可否情報を取得する。登録可否情報が登録可能であることを示す情報を登録可否取得手段213が取得した場合には(S140でY)、登録手段214は、利用者13の個人識別情報を、企業識別情報と関連付けて利用者情報記憶手段221に登録して記憶させる(S150)。一方、登録可否情報が登録不可であることを示す情報を登録可否取得手段213が取得した場合には(S140でN)、登録手段214は、利用者13の個人識別情報及び企業識別情報の登録を拒否する情報を利用者端末3に送信する(S160)。さらに、登録手段214は、利用者情報記憶手段221に一時的に記憶されていた利用者13の個人識別情報及び企業識別情報を消去する。
【0045】
なお、上記処理では、受入企業14の担当者が、利用者13の個人識別情報、及び当該利用者13が入力した企業識別情報を参照して登録可否を判断することを想定していたが、登録可否取得手段213は、予め登録された登録可否に関する情報に基づいて自動的に登録可否を判断してもよい。例えば、記憶部22に、受入企業14と当該受入企業14に所属する利用者13の氏名が登録されており、登録可否取得手段213は記憶部22に登録された情報に基づいて登録可否を自動的に判断してもよい。
【0046】
<コンテンツ送信処理>
図5は、利用者13に対してコンテンツを送信するコンテンツ送信処理の流れを示すフローチャートである。当該処理は、利用者13が利用者端末3により、コンテンツを利用する際に、サーバ2にアクセスしてコンテンツの送信を要求したときの処理である。
【0047】
まず、利用者13は、利用者端末3を利用し、SNS認証情報または個人識別情報を入力する。SNS認証情報が入力された場合には、利用者登録情報取得手段211は、SNSサーバ6から個人識別情報を取得する(S210)。
【0048】
次に、利用者13は、利用者端末3を介して、コンテンツ記憶手段222に記憶された複数のコンテンツのうちの所望のコンテンツの送信を要求する情報をサーバ2に送信し、サーバ2は選択されたコンテンツの送信要求を受信する(S220)。選択されたコンテンツの送信要求を受信したサーバ2の送信制御手段215は、登録手段214により利用者情報記憶手段221に登録された情報に基づき、当該利用者13に対して選択されたコンテンツを送信してよいか否かを判断する(S230)。ここで、記憶部22には、例えば、受入企業14または受入団体15が予め設定した、コンテンツの利用条件が記憶されている。この利用条件は、例えば、所定の受入企業14に関連付けられた利用者13であるか否か、または所定のコンテンツを利用した履歴があるか否か、などである。すなわち、特定の受入企業14に所属していないと利用できないコンテンツや、前のコンテンツを利用した後でないと利用できないコンテンツなどがあってよい。コンテンツの送信要求を送信した利用者13が当該コンテンツの利用を許可された利用者であると判断したら、送信制御手段215は、当該利用者13が使用する利用者端末3に対して、コンテンツ記憶手段222に記憶されたコンテンツを送信する(S240)。送信制御手段215は、利用者端末3に対して送信したコンテンツ、及び当該コンテンツが利用者端末3で最後まで再生されたことを示す情報を、利用履歴記憶手段223に記憶させる。なお、コンテンツの利用履歴を利用履歴記憶手段223に記憶させる方法は当該方法に限定されるものではなく、例えば、コンテンツの利用完了を示す情報が利用者端末3からサーバ2に送信され、サーバ2が当該情報を利用履歴記憶手段223に記憶させてもよい。
【0049】
一方、コンテンツの送信要求を送信した利用者13が当該コンテンツの利用を許可された利用者ではないと判断したら、送信制御手段215は、コンテンツを送信することなく、個人識別情報登録処理を開始する(S250)。これにより、利用者13の個人識別情報を企業識別情報に関連付ける処理が開始される。
【0050】
<検定試験受験許可処理>
図6は、利用者13に対して検定試験を受験可能にする検定試験受験許可処理の流れを示すフローチャートである。当該処理は、ある程度のコンテンツを利用した利用者13が、検定試験を受験することを要求したときの処理である。
【0051】
まず、利用者13は、利用者端末3を利用し、SNS認証情報または個人識別情報を入力する。SNS認証情報が入力された場合には、利用者登録情報取得手段211は、SNSサーバ6から個人識別情報を取得する(S310)。
【0052】
次に、利用者13は、利用者端末3を介して、検定試験の受験を要求する情報をサーバ2に送信し、サーバ2は検定試験の受験の要求を受信する(S320)。検定試験の受験の要求を受信したサーバ2の受験可能化手段216は、利用履歴記憶手段223を参照して、当該利用者13のコンテンツの利用履歴を取得する(S330)。利用者13が所定のコンテンツの利用を完了し、所定の条件を満足していたら(S340でY)、受験可能化手段216は、利用者端末3に対して、検定試験記憶手段224に記憶された検定試験の情報を送信することで受験を許可する(S350)。一方、利用者13が所定のコンテンツの利用を完了しておらず、所定の条件を満足していなかったら(S340でN)、受験可能化手段216は、利用者端末3に対して、検定試験の受験を拒否する情報を送信する(S360)。
【0053】
<変形例>
ここで、上記実施形態の変形例について具体的にいくつか説明する。
【0054】
コンテンツ管理システム1では、SNS認証情報に基づいてSNSサーバ6から個人識別情報を取得する例を中心に説明したが、利用者13が自身の情報を入力することによりサーバ2の利用者登録情報取得手段211が個人識別情報を取得してもよい。この場合、利用者13は利用者端末3を介して、氏名、及びメールアドレスなどの情報を個人識別情報としてサーバ2に対して送信する。
【0055】
また、利用者登録情報取得手段211は、SNS以外のインターネット上のサービスから利用者13の個人識別情報を取得してもよい。
【0056】
また、利用履歴記憶手段223に記憶された履歴は、受入企業端末4または受入団体端末5から登録または変更可能にしてもよい。例えば、検定試験の受験資格に実技が含まれるような場合には、主に受入企業14が受入企業端末4から利用履歴記憶手段223の履歴を編集する場合がある。この場合で、検定試験記憶手段224は利用履歴記憶手段223の履歴に基づいて、利用者13の検定試験の受験可否を判断することができる。
【0057】
<補足事項>
本発明のコンテンツ管理システム1、及び同システムに利用される利用者管理システムは、上記実施形態及び変形例に限定されるものではなく、これらの実施形態及び変形例に基づき当業者が考えうる形態を含むものである。
【0058】
<利用者管理システム及びコンテンツ管理システム1の特徴>
上述の実施形態に含まれる、利用者の情報を管理する利用者管理システムは、利用者登録情報取得手段211、個人識別情報利用可能化手段212、登録可否取得手段213、及び登録手段214を含んで構成される。利用者登録情報取得手段211は、サービスの利用を希望する利用者13から、利用者13に関する個人識別情報と、企業識別情報とを含む利用者登録情報を取得する。個人識別情報利用可能化手段212は、受入企業14に対して、個人識別情報を利用可能にする。登録可否取得手段213は、個人識別情報に基づいて受入企業14により決定された、利用者13を当該受入企業14と関連付けてよいか否かを示す登録可否に関する情報を、受入企業端末4から取得する。登録手段214は、取得した登録可否に関する情報が登録可を示すとき、利用者13の個人識別情報を、当該受入企業14の企業識別情報と関連付けて、利用者情報記憶手段221に登録して記憶させる。これにより、所定サービスを利用する利用者13の管理を、受入団体15により直接行うことなく、受入企業14によって行うことなどが可能となる。また、利用者13を、受入企業14を識別する企業識別情報と関連付けて登録するため、受入団体15が、受入企業14と利用者13との繋がりを管理することなどが可能となる。
【0059】
なお、個人識別情報は、SNSのアカウントの情報とすることができる。このような利用者管理システムによれば、利用者13は自己の情報を容易に提供して、利用者13としての登録を行うことができる。また、受入団体15及び受入企業14は、利用者13の情報を比較的容易に取得することができる。これにより、利用者13の登録をよりスムーズに行うことができる。
【0060】
また、実施形態のコンテンツ管理システム1は、上記利用者管理システムの構成に加え、コンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段222と、コンテンツの送信を制御する送信制御手段215と、を備える。送信制御手段215は、利用者13からコンテンツの送信の要求を受け取ったとき、登録手段214に登録された情報に基づいて、利用者13に対してコンテンツを送信するか否かを決定する。このようなコンテンツ管理システム1では、コンテンツ送信のための利用者13の管理を、受入団体15により直接行うことなく、受入企業14によって行うことなどが可能となる。
【0061】
また、実施形態のコンテンツ管理システム1は、利用者13がコンテンツを利用した履歴を記憶する利用履歴記憶手段223をさらに備える構成とすることができる。このようなコンテンツ管理システム1では、利用者13のコンテンツの利用履歴を、受入企業14及び受入団体15が管理及び確認することが可能となる。これにより、コンテンツの利用履歴に応じたサービスまたはコンテンツを利用者13に提供することなどが可能となる。
【0062】
また、実施形態のコンテンツ管理システム1は、利用履歴記憶手段223に記憶された履歴が所定の条件を満たすとき、利用者13が検定試験を受験可能にする受験可能化手段216をさらに備える構成とすることができる。このようなコンテンツ管理システム1では、例えば、所定のコンテンツの利用を完了した利用者13に検定試験を受験させ、一定の知識を習得した者であることを証明するサービスを提供することなどが可能となる。
【符号の説明】
【0063】
1…コンテンツ管理システム
2…サーバ
3…利用者端末
13、13A~13F…利用者
4…受入企業端末
14、14A、14B…受入企業
5…受入団体端末
15…受入団体
6…SNSサーバ
21…制御部
211…利用者登録情報取得手段
212…個人識別情報利用可能化手段
213…登録可否取得手段
214…登録手段
215…送信制御手段
216…受験可能化手段
217…利用者情報閲覧手段
22…記憶部
221…利用者情報記憶手段
222…コンテンツ記憶手段
223…利用履歴記憶手段
224…検定試験記憶手段
31…表示部
311…氏名入力欄
312…SNSアカウント入力欄
313…企業コード入力欄
314…送信ボタン