IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社堀内製作所の特許一覧

<>
  • 特許-刃物、道具 図1
  • 特許-刃物、道具 図2
  • 特許-刃物、道具 図3
  • 特許-刃物、道具 図4
  • 特許-刃物、道具 図5
  • 特許-刃物、道具 図6
  • 特許-刃物、道具 図7
  • 特許-刃物、道具 図8
  • 特許-刃物、道具 図9
  • 特許-刃物、道具 図10
  • 特許-刃物、道具 図11
  • 特許-刃物、道具 図12
  • 特許-刃物、道具 図13
  • 特許-刃物、道具 図14
  • 特許-刃物、道具 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】刃物、道具
(51)【国際特許分類】
   B26B 3/00 20060101AFI20241015BHJP
   B26B 1/02 20060101ALI20241015BHJP
【FI】
B26B3/00 Z
B26B1/02 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021570059
(86)(22)【出願日】2021-01-05
(86)【国際出願番号】 JP2021000136
(87)【国際公開番号】W WO2021141031
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2023-12-27
(31)【優先権主張番号】P 2020003289
(32)【優先日】2020-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501346940
【氏名又は名称】株式会社GLOBE
(74)【代理人】
【識別番号】100154195
【弁理士】
【氏名又は名称】丸林 敬子
(74)【代理人】
【識別番号】110002826
【氏名又は名称】弁理士法人雄渾
(72)【発明者】
【氏名】堀内 健吾
(72)【発明者】
【氏名】堀内 幸之助
(72)【発明者】
【氏名】和野 遼平
【審査官】山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-19159(JP,U)
【文献】特開昭52-97858(JP,A)
【文献】実開昭56-15677(JP,U)
【文献】特開昭62-236687(JP,A)
【文献】実開昭56-17058(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 1/00 - 11/00
B25G 1/00 - 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部材と取付本体部とが一体の板状になった道具又は先端部材と取付本体部とが折り畳み可能に連結された道具であって、前記取付本体部の前側には柄に食い込み可能な突起部が前記取付本体部から離れかつ前記取付本体部の後側に突出するように設けられ、前記取付本体部の後側には前記突起部に食い込んだ柄を受ける第1受容部が設けられ
前記第1受容部は、前記取付本体部から左右両側に突出した第1右側受容部及び第1左側受容部を備えたことを特徴とする道具。
【請求項2】
前記突起部が突出する側に向けて先細りになったことを特徴とする請求項1記載の道具。
【請求項3】
前記突起部の外面には歯部が設けられたことを特徴とする請求項1記載の道具。
【請求項4】
前記取付本体部の前記突起部と対向する側には前記突起部との共同で柄を受ける第2受容部が設けられたことを特徴とする請求項3記載の道具。
【請求項5】
記第1右側受容部には第1右突起部が設けられかつ前記第1左側受容部には第1左突起部が設けられたことを特徴とする請求項1記載の道具。
【請求項6】
記第1右側受容部の柄に接する側の面は平面でありかつ前記第1左側受容部の柄に接する側の面は平面であることを特徴とする請求項1記載の道具。
【請求項7】
前記取付本体部には前記柄を前記取付本体部に縛り部材用の滑り止部が凸状又は凹状に設けられたことを特徴とする請求項1記載の道具。
【請求項8】
先端部材と取付本体部とが鞘部に前後に分かれて折り畳み可能に連結された道具であって、前記鞘部には柄に食い込み可能な突起部が前記先端部材と同軸に折り畳み可能に連結され、前記取付本体部が前記突起部に食い込んだ柄を受けるように前記鞘部から展開されることを特徴とする道具。
【請求項9】
前記突起部が突出する側に向けて先細りになったことを特徴とする請求項8記載の道具。
【請求項10】
前記突起部の外面には雄ねじが設けられたことを特徴とする請求項9記載の道具。
【請求項11】
前記鞘部から展開された前記取付本体部には前記柄を前記取付本体部に縛り部材用の滑り止部が凸状又は凹状に設けられたことを特徴とする請求項8記載の道具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に屋外で使用する刃物であって、刃物のタングに柄を付ける部分の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1で開示された刃物は、グリップと表現された柄に差し込まれた刃物の中子と表現されたタングが柄に設けられたねじ孔に螺合された止めネジで固定されようになっているので、タングと柄との双方に連結させるための構造が必要となり、刃物を使用する人が好みや使用目的に適した柄を付け替えやすくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-134988
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、柄にタングを連結するための構造が不要で、刃物を使用する人が好みや使用目的に適した柄を付け替えやすい、刃物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、刀身(先端部材)とタング(取付本体部)とが一体の板状になった刃物(道具)又は刀身(先端部材)とタング(取付本体部)とが折り畳み可能に連結された刃物(道具)において、前記タング(取付本体部)の前側には柄に食い込み可能な突起部が前記タング(取付本体部)から離れかつ前記タング(取付本体部)の後側に突出するように設けられ、前記タング(取付本体部)の後側には前記突起部に食い込んだ柄を受ける受容部が設けられたことを特徴とするか、又は、刀身(先端部材)とタング(取付本体部)とが鞘部に前後に分かれて折り畳み可能に連結された刃物(道具)において、前記鞘部には柄に食い込み可能な突起部が前記刀身(先端部材)と同軸に折り畳み可能に連結され、前記タング(取付本体部)が前記突起部に食い込んだ柄を受けるように前記鞘部から展開されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、刀身とタングとが一体の板状になった刃物又は刀身とタングとが折り畳み可能に連結された刃物において、前記タングの前側には柄に食い込み可能な突起部が前記タングから離れかつ前記タングの後側に突出するように設けられ、前記タングの後側には前記突起部に食い込んだ柄を受ける受容部が設けられたことにより、柄にタングを連結するための構造が不要で、刃物を使用する人が好みや使用目的に適した柄を付け替えやすい効果を奏する。
また、本発明は、刀身とタングとが鞘部に前後に分かれて折り畳み可能に連結された刃物において、前記鞘部には柄に食い込み可能な突起部が前記刀身と同軸に折り畳み可能に連結され、前記タングが前記突起部に食い込んだ柄を受けるように前記鞘部から展開されることにより、柄にタングを連結するための構造が不要で、刃物を使用する人が好みや使用目的に適した柄を付け替えやすい効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】発明を実施するための形態1に係る刃物を示した側面図。
図2】発明を実施するための形態1に係る刃物を図1の矢印A方向より見た底面図。
図3】発明を実施するための形態1に係る刃物を図1の矢印B方向より見た背面図。
図4】発明を実施するための形態2に係る刃物を示す側面図。
図5】発明を実施するための形態2に係る刃物を図4の矢印A方向より見た底面図。
図6図4のC-C線断面図。
図7】発明を実施するための形態3に係る刃物を示した側面図。
図8】発明を実施するための形態4に係る刃物の展開状態を示した側面図。
図9】発明を実施するための形態4に係る刃物の折り畳み状態を示した側面図。
図10】発明を実施するための形態4に係る刃物を図8の矢印A方向より見た底面図。
図11】発明を実施するための形態5に係る刃物を示す側面図。
図12】発明を実施するための形態5に係る刃物を図11の矢印A方向より見た底面図。
図13】発明を実施するための形態6に係る刃物を示した側面図。
図14】発明を実施するための形態1に係る刃物を示し、着脱可能な突起部の構造を示した側面図。
図15】発明を実施するための形態1に係る刃物を示し、着脱可能な突起部の構造を示した側面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示した発明を実施するための形態1に係る刃物1は、柄50を付けて槍のように使用する槍ナイフを例示し、刀身2とタング3とが一体の板状になっている。刀身2は、一端部から他端部の方向に延びる板状であって、刀身2の長手方向Xに交差する方向の上下部に両刃の刃としてのブレード4及び5を備え、上下部の両刃のブレード4及び5が互いに交わった部分に切っ先としてのポイント6を備える。タング3は、刀身2の一端部から刀身2の長手方向Xとしての前後方向に延びる板状になっている。尚、ブレード5が設けられなくても良い。又、図2に示すように、ブレード4と突起部7は中心線103上に設けられている。ブレード4と突起部7が一直線上に配置されていることで、刃物1に突き刺す方向の力が加わった場合であっても、左右方向に力がずれることなく、突起部7を経由して柄50に伝えることができる。
【0009】
タング3の前後方向に延びる前側には、木の枝等のような木の棒等からなる柄50に食い込み可能な突起部7がタング3から離れかつタング3の後側に突出するように設けられる。タング3の後側には、突起部7に食い込んだ柄50を受ける第1受容部8が設けられる。
【0010】
第1受容部8は、第1右側受容部81と第1左側受容部82を備え、第1右側受容部81には第1右突起部83が設けられ、第1左側受容部82には第1左突起部84が設けられる。第1受容部8は、第1右側受容部81と第1左側受容部82とが2つで一組となっている。第1右突起部83は、ブレード4及び突起部7よりも右の位置に設けられる。又、第1左突起部84は、ブレード4及び突起部7よりも左の位置に設けられる。第1右突起部83と第1左突起部84とは中心線103を中心として左右対称に設けられる。
【0011】
図3に示したように、タング3の左右両側に突出した第1受容部8が下方に開放されかつタング3の側から突出する側へ行くにしたがって下向きの凹部11を形成し、凹部11が柄50を左右にふらつかないように支持する。
【0012】
図1に戻り、刃物1に柄50が取り付けられる場合について説明すると、柄50の一端部の端面が突起部7の突端の側からタング3の前側の方に押し込まれるに伴って食い込まれ、突起部7に食い込んだ柄50のタング3の後側に延びた他端部の側が第1受容部8に受けられることにより、柄50が刃物1に取り付けられるので、柄50にタングを連結するための構造が不要で、刃物1を使用する人が好みや使用目的に適した柄50を付け替えやすい。又、柄50が長い棒状であれば槍として使用でき、柄50が長さの短い木片等であれば、人がタング3と柄50を握ってナイフのように使用することも可能である。木の枝のような周面が滑らかでない棒を柄50に使用でき、柄50の太さについても、精密な寸法の太さが要求されることなく、刃物1に取り付ける木の枝の太さに自由度ができる。
【0013】
図2に示すように、突起部7と第1右突起部83とを結ぶ仮想線104と、突起部7と第1左突起部84とを結ぶ仮想線105と、第1右突起部83と第1左突起部84とを結ぶ仮想線106とで描かれる底面視の三角形151が形成される。突起部7と第1右突起部83と第1左突起部84との3か所で固定されて三角形151が形成されることにより、刃物1と柄50とが安定して固定される。尚、三角形151は仮想線104と仮想線105とが同じ長さの二等辺三角形であることが好ましく、刃物1と柄50とが左右方向に均等に固定されることで安定した連結となる。
【0014】
さらに図3に示すように、刃物1を図1に示す矢印Bの方向である背面から見た場合、突起部7と第1右突起部83とを結ぶ仮想線104と、突起部7と第1左突起部84とを結ぶ仮想線105と、第1右突起部83と第1左突起部84とを結ぶ仮想線106とで描かれる背面視の三角形152が形成されれば、突起部7と第1右突起部83と第1左突起部84との3か所で固定されて三角形152が形成されることにより、柄50と刃物1とがさらに安定した連結となり好ましい。突起部7と第1右突起部83と第1左突起部84とが左右方向に一直線上に並ぶように配置されている場合よりも安定する。背面視の三角形152は二等辺三角形であることが好ましい。尚、図3では、突起部7が第1右突起部83及び第1左突起部84よりも上側に設けられた場合を例示したが、突起部7が第1右突起部83及び第1左突起部84よりも下側に設けられた場合であっても背面視の三角形152が形成されれば、安定した連結が可能である。
【0015】
図1に戻り、刃物1に柄50を取り付けて、矢印Cの方向に突き刺すように使用した場合、物体にポイント6が当たると突起部7の突端は、矢印Dの方向に力が加わるため、柄50の一端部の端面がタング3の前側の方に押し込まれる。又、刃物1に柄50を取り付けて、矢印Eの方向に振り下ろすにように使用した場合、物体にブレード4が当たると突起部7が支点となり、矢印Fの方向に力が加わることになり、柄50のタング3の後側に延びた他端部の側が第1受容部8に受け止められる。底面視の三角形151が形成されれば、刃物1と柄50とが安定して固定できるが、底面視の三角形151と背面視の三角形152とが共に形成されれば、刃物1と柄50とがより安定した固定状態となる。
【0016】
本発明を実施するための形態では、図2に示すように、第1受容部8の第1右側受容部81及び第1左側受容部82は、タング3から左右両側に突出しており、中心線103を中心にして左右対称となっている。さらに、中心線103を中心にして左右対称の位置に第1右突起部83及び第1左突起部84が設けられた場合を例示した。尚、第1受容部8の左右両側は、タング3における刀身2の長手方向Xとしての前後方向に交差する横方向Yである。
【0017】
しかしながら、第1右側受容部81と第1左側受容部82とが長手方向Xの前後にずれた位置から突出してもよい。かかる場合であっても、中心線103を中心にして左右対称の位置に第1右突起部83と第1左突起部84とが設けられれば、仮想線104と仮想線105と仮想線106とで描かれる底面視の三角形151が二等辺三角形となり、より好ましい。第1右突起部83及び第1左突起部84を設けることで、柄50の周面と刃物1との接触する部分を特定でき、屋外に落ちている木の枝のような周面が滑らかでない棒を柄50に用いた場合であっても、底面視の三角形151の頂点の部分及び背面視の三角形152の頂点の部分を決定できる。
【0018】
又、第1右突起部83及び第1左突起部84を設けることなく、図3に示す、第1右側受容部81の柄50に接する側の面91と第1左側受容部82の柄50に接する側の面92とを平面にしてもよい。第1右側受容部81の柄50に接する側の平面と柄50の周面とが接触し、かつ第1左側受容部82の柄50に接する側の平面と柄50の周面とが接触する構造とし、第1受容部8が柄50を左右で平均に受けることができるようにしてもよい。言い換えると、第1受容部8は、Vブロック又はヤゲン台と呼ばれる丸棒のような円柱体の保持具と同じ構造が用いられても良い。かかる場合であっても、柄50と第1右側受容部81の柄50に接する側の面91との接触部分がブレード4及び突起部7よりも右側となりかつ柄50と第1左側受容部82の柄50に接する側の面92との接触部分がブレード4及び突起部7よりも左側となれば、これらの2つの接触部分と突起部7との三か所で底面視の三角形151及び/又は背面視の三角形152が形成され、刃物1と柄50とを連結でき、安定した連結が可能である。
【0019】
図1では、突起部7が突出する側に向けて先細りになっているので、突起部7に柄50の一端部の端面が食い込みやすい。又、図1では先細りになった突起部7の外面には雄ねじ9が設けられたので、柄50の一端部を突起部7に食い込ませる場合に、刃物1及び柄50の一方又は両方を回転させることにより、雄ねじ9が木ねじやタッピングスクリューなどのように柄50の一端部の突端から内部に螺合して食い込むので、柄50が突起部7から外れ難くなる。
【0020】
上記のように柄50が突起部7と第1受容部8とで支持されてタング3に取り付けられた状態において、紐やロープ等のような縛り部材51でタング3と柄50との双方を外側から縛り付ければ、柄50の周面に第1右突起部83及び第1左突起部84が食い込んだ状態で固定でき、柄50のタング3への取り付けが安定する。このように縛り部材51で柄50とタング3との双方を縛り付ける場合、柄50の一端部が突起部7に食い込んで仮止め状態になっているため、柄50とタング3との双方を縛り部材51で縛り付けやすい。
【0021】
又、タング3の後方部分に図2に示す矢印Yの左右方向に貫通する貫通孔52が設けられれば、縛り部材51の一端側を貫通孔52に通すことにより、柄50とタング3とが縛り部材51で縛りつけやすくなる。尚、貫通孔52は2つ、3つ又は4つ以上の複数個であってもよい。
【0022】
縛り部材51でタング3と柄50との双方を外側から縛り付ける場合において、タング3の背部10には図示のされていない縛り部材51用の図示のされていない滑り止部が凸状又は凹状に設けられれば、縛り部材51がタング3から外れることなくタング3と柄50とを適切に縛り付けることができる。
【0023】
本発明を実施するための形態では、タング3に第1受容部8を1つ設けた場合を例示したが、第1受容部8をタング3の前後に離れて個別に複数設けてもよい。
【0024】
又、突起部7は、タング3の前方部分から着脱可能に設けられてもよい。突起部7の鋭さが失われた場合に交換が可能になり、好適である。図14に示すように、突起部7の前方に突出する雄ねじを設けた連結部36とタング3の前方部分から前方に窪む孔に雌ねじを設けた被連結部37とを設けた構造を適用できる。尚、図15に示すように、タング3の前方から後方に突出する板状部38を設ける。板状部38とタング3とは一体の板状に設けられる。板状部38に左右方向に雌ねじを設けた被連結部37を設けた後、被連結部37よりも刀身2の側の板状部38を90度捩じった捩じり部39を設けかつ捩じり部39と被連結部37の間にZ(上下)方向に折り曲げた屈曲部40を作成し、被連結部37と連結部36とが長手方向Xの前後の方向に着脱可能に設けられた構造としてもよい。
【0025】
図4に示した発明を実施するための形態2に係る刃物1は、柄50を付けて槍のように使用する槍ナイフを例示し、刀身2とタング3とが一体の板状になっている。発明を実施するための形態2において、突起部7及びタング3に第2受容部13が設けられている点が発明を実施するための形態1と異なり、その他の部分は同じである。又、図5に示すように、ブレード4と突起部7は中心線103上に設けられている。ブレード4と突起部7が一直線上に配置されていることで、刃物1に突き刺す方向の力が加わった場合であっても、左右方向に力がずれることなく、突起部7を経由して柄50に伝えることができる。
【0026】
タング3の突起部7と上方で対向する側には突起部7との共同で柄50を受ける第2受容部13が設けられる。タング3の後側には、突起部7に食い込んだ柄50を受ける第1受容部8が設けられる。第2受容部13は、第2右側受容部85と第2左側受容部86を備える。第2右側受容部85には第2右突起部87が設けられ、第2左側受容部86には第2左突起部88が設けられる。第2受容部13は、第2右側受容部85と第2左側受容部86とが2つで一組となっている。第2右突起部87は、ブレード4及び突起部7よりも右の位置に設けられる。又、第2左突起部88は、ブレード4及び突起部7よりも左の位置に設けられる。第2右突起部87と第2左突起部88とは中心線103を中心として左右対称に設けられる。
【0027】
図6に示したように、タング3の左右両側に突出した第2受容部13が下方に開放されかつタング3の側から突出する側へ行くにしたがって下向きの凹部14を形成し、凹部14が柄50を左右にふらつかないように支持できる。
【0028】
図4に戻り、刃物1に柄50が取り付けられる場合について説明すると、よって、柄50の一端部が突起部7と第2受容部13との間の空間に下から斜めに挿入された部分を支点とし、柄50の他端部の側がタング3の側(矢印Gの方向)に押し動かされる。つまり、柄50が仮想線で示した態様から点線で示した態様になることで、柄50の一端部が突起部7と第2受容部13とで上下方向から挟まれるに伴って突起部7に食い込まれ、突起部7に食い込んだ柄50の他端部の側が第1受容部8に受けられることにより、柄50の周面に第2右突起部87と第2左突起部88と第1右突起部83と第1左突起部84とが食い込んだ状態となる。かかる状態で、柄50がタング3に取り付けられるので、柄50にタング3や突起部7を連結するための構造が不要で、刃物1を使用する人が好みや使用目的に適した柄50を付け替えやすい。木の枝のような周面が滑らかでない棒を柄50に使用でき、柄50の太さについても、精密な寸法の太さが要求されることなく、刃物1に取り付ける木の枝の太さに自由度ができる。
【0029】
又、図5に示すように、突起部7と第2右突起部87とを結ぶ仮想線124と、突起部7と第2左突起部88とを結ぶ仮想線125と、第2右突起部87と第2左突起部88とを結ぶ仮想線126とで描かれる底面視の三角形161が形成される。突起部7と第2右突起部87と第2左突起部88との3か所で固定されて三角形161が形成されることにより、刃物1と柄50とが安定して固定される。尚、三角形161は、仮想線124と仮想線125とが同じ長さの二等辺三角形であることが好ましい。刃物1と柄50とが左右方向に均等に固定されることで安定した連結となる。
【0030】
さらに図6に示すように、刃物1を図4に示す矢印Bの方向である背面から見た場合、突起部7と第2右突起部87とを結ぶ仮想線124と、突起部7と第2左突起部88とを結ぶ仮想線125と、第2右突起部87と第2左突起部88とを結ぶ仮想線126とで描かれる背面視の三角形162が形成されれば、突起部7と第2右突起部87と第2左突起部88との3か所で固定されて三角形162が形成されることにより、柄50と刃物1とがさらに安定した連結となり好ましい。突起部7と第2右突起部87と第2左突起部88とが左右方向に一直線上に並ぶように配置されている場合よりも安定する。背面視の三角形162は二等辺三角形であることが好ましい。
【0031】
又、突起部7と第1受容部8においては、発明を実施するための形態1の段落0013乃至段落0019の記載と同じく、底面視の三角形151及び/又は背面視の三角形152が形成される。
【0032】
図5に示すように、第2受容部13の第2右側受容部85及び第2左側受容部86は、タング3から左右両側に突出しており、中心線123を中心にして左右対称となっている。さらに、中心線123を中心にして左右対称の位置に第2右突起部87及び第2左突起部88が設けられた場合を例示した。
【0033】
しかしながら、第2右側受容部85と第2左側受容部86とが長手方向Xの前後にずれた位置から突出してもよい。かかる場合であっても、中心線103を中心にして左右対称の位置に第2右突起部87と第2左突起部88とが設けられれば、仮想線124と仮想線125と仮想線126とで描かれる底面視の三角形161が二等辺三角形となり、より好ましい。第2右突起部87及び第2左突起部88を設けることで、柄50の周面と刃物1との接触する部分を特定でき、屋外に落ちている木の枝のような周面が滑らかでない棒を柄50に用いた場合であっても、底面視の三角形161の頂点の部分及び背面視の三角形162の頂点の部分を決定できる。
【0034】
又、第2右突起部87及び第2左突起部88を設けることなく、図6に示す、第2右側受容部85の柄50に接する側の面93と第2左側受容部86の柄50に接する側の面94とを平面にしてもよい。第2右側受容部85の柄50に接する側の平面と柄50の周面とが接触し、かつ第2左側受容部86の柄50に接する側の平面と柄50の周面とが接触する構造とし、第2受容部13が柄50を左右で平均に受けることができるようにしてもよい。言い換えると、第2受容部13は、Vブロック又はヤゲン台と呼ばれる丸棒のような円柱体の保持具と同じ構造が用いられても良い。かかる場合であっても、柄50と第2右側受容部85の柄50に接する側の面93との接触部分がブレード4及び突起部7よりも右側となりかつ柄50と第2左側受容部86の柄50に接する側の面94との接触部分がブレード4及び突起部7よりも左側となれば、これらの2つの接触部分と突起部7との三か所で底面視の三角形161及び背面視の三角形162が形成され、刃物1と柄50を連結でき、安定した連結が可能である。
【0035】
柄50となる木の棒の先端の端面に突起部7が食い込めばよく、柄50に刃物1を取りつけるための特別な加工や構造が設けられている必要がない。尚、第2受容部13の第2右側受容部85と第2左側受容部86とが長手方向Xの前後にずれた位置から突出した場合であっても適用可能である。
【0036】
図4では、突起部7の外面に歯部12が第2受容部13と対向するように設けられたので、柄50の一端部が突起部7と第2受容部13との間の空間に下から斜めに挿入された部分を支点とし、柄50の他端部の側がタング3の側(矢印Gの方向)に押し動かされる場合に、歯部12が柄50の一端部の外面に食い込み滑り止になるので、柄50が突起部7から外れ難くなり、柄50の他端部の側のタング3の側への押し動かしが良好になる。
【0037】
上記のように柄50が突起部7と第1受容部8と第2受容部13とで支持されてタング3に取り付けられた状態において、紐やロープ等のような縛り部材51でタング3と柄50との双方を外側から一まとまりとなるように縛り付ければ、第2右突起部87と第2左突起部88と第1右突起部83と第1左突起部84とが食い込んだ状態で固定でき、柄50のタング3への取り付けが安定する。このように縛り部材51で柄50とタング3との双方を縛り付ける場合、柄50の一端部が突起部7と第2受容部13とで支持された仮止め状態になっているため、柄50とタング3との双方を縛り部材51で縛り付けやすい。
【0038】
図7に示した発明を実施するための形態3に係る刃物1は、横振りして水性生物や陸上生物である獲物を捕獲する狩猟具を例示し、刀身2と、刀身2の一端部から刀身2の長手方向Xに延びるタング3と、刀身2の一側部から横方向に突出する複数の銛先15とが一体の板状になっている。発明を実施するための形態3においては、発明を実施するための形態1のタング3の構造と同じであり、突起部7と第1受容部8の構造により、刃物1が柄50に固定される。
【0039】
銛先15の本数は6本に限定されるものではないが6本を例示し、間隔部分として第1間隔部分16と第2間隔部分17とを例示し、第1間隔部分16と第2間隔部分17とが刀身2の長手方向Xに交互に隣接した態様を例示した。
【0040】
第1間隔部分16には、返し18が設けられていない形状であってもよい。この場合であっても、刃物1を振り下ろす際の遠心力を利用して獲物に複数の銛先15を突き刺すことが可能である。又、返し18が第1間隔部分16における銛先15のうちの少なくとも1つから第1間隔部分16の側に突出した形状に設けられてもよいが、返し18が第1間隔部分16における一対の銛先15から第1間隔部分16の側に突出した形状に設けられた態様を例示したので、返し18が第1間隔部分16における銛先15のうちの少なくとも1つに設けられるより、返し18が第1間隔部分16における一対の銛先15に設けられた方が、獲物が逃げ難くなり、獲物を捕獲しやすい。第2間隔部分17には、返しが設けられていない。
【0041】
又、タング3の前後方向に延びる前側には、木の枝等のような木の棒等からなる柄50に食い込み可能な突起部7がタング3から離れかつタング3の後側に突出するように設けられる。図示はしないが、図7の矢印Aから見た場合、突起部7と複数の銛先15とは、中心線上に設けられている。複数の銛先15と突起部7が一直線上に配置されていることで、刃物1に力が加わった場合であっても、左右方向に力がずれることがない。
【0042】
発明を実施するための形態3において、発明を実施するための形態2のタング3の構造を適用が可能である。すなわち、タング3の前方に設けられた突起部7の外面に歯部12が設けられ、歯部12と対向するように第2受容部13が設けられた構造であってもよい。
【0043】
図8に示した発明を実施するための形態4に係る刃物1は、柄50を付けて槍のように使用する槍ナイフを例示し、刀身2とタング3とが互いに折り畳み可能に連結されている。刀身2は、一端部から他端部の方向に延びる板状であって、刀身2の長手方向Xに交差する方向の下部に刃としてのブレード4を備え、刀身2の長手方向Xの一端部に切っ先としてのポイント6を備える。
【0044】
タング3の前後方向に延びる前側には、木の枝等のような木の棒等からなる柄50に食い込み可能な突起部7がタング3から離れかつタング3の後側に突出するように設けられる。タング3の後側には、突起部7に食い込んだ柄50を受ける第1受容部8が設けられる。よって、柄50の一端部の端面が突起部7の突端の側からタング3の前側の方に押し込まれるに伴って食い込まれ、突起部7に食い込んだ柄50の他端部の側が第1受容部8に受けられることにより、柄50が刃物1に取り付けられるので、柄50にタング3や突起部7を連結するための構造が不要で、刃物1を使用する人が好みや使用目的に適した柄50を付け替えやすい。
【0045】
又、刀身2の他端部とタング3の前側の一端部とが軸21で連結され、軸21を回転中心とし、刀身2のブレード4がタング3から前側に直線的に突出した図8に示した展開状態と、刀身2のブレード4がタング3の突起部7を経由してタング3の側に重ねられた図9に示した折り畳み状態とに、刀身2とタング3とが軸21を回転中心とし互いに折り畳み可能になっている。
【0046】
図8に示した展開状態においては、柄50の一端部の端面が突起部7の突端の側からタング3の前側の方に押し込まれるに伴って食い込まれ、突起部7に食い込んだ柄50のタング3の他端部の側が第1受容部8に受けられることにより、柄50が刃物1に取り付けられるので、柄50にタング3や突起部7を連結するための構造が不要で、刃物1を使用する人が好みや使用目的に適した柄50を付け替えやすい。
【0047】
又、図8に示した展開状態において、柄50がタング3から外された状態から、刀身2のブレード4がタング3の突起部7を経由してタング3の側に重ねられ図9に示した折り畳み状態となることより、図8に示した発明を実施するための形態4に係る刃物1の長手方向Xとしての前後方向の長さを短くできるようになっている。
【0048】
図10に示したように、突起部7が矢印Yの左右方向の隙間をもって対峙した一対になっており、対峙した一対の突起部7の隙間を刀身2が通過する。図10に示す突起部7は、一つの先細りした雄ねじ9の中央部分が除去され、その除去された部分を刀身2が通過し、ブレード4がタング3と対向するようになっている。つまり、左右方向に対峙した一対の突起部7が一組で一つの先細りした雄ねじ9の役割を果たす。ブレード4と突起部7は中心線133上に一直線上に設けられていることから、刃物1に突き刺す方向の力が加わった場合であっても、左右方向に力がずれることなく、対峙した一対の突起部7を経由して柄50に力を伝えることができる。尚、対峙した一対の突起の左右のどちらか一方に突起部7を設け、その設けられた一方の突起部7に雄ねじ9を設けて、柄50が一方の突起部7の雄ねじ9に螺合するようにしてもよい。
【0049】
図8に示した発明を実施するための形態4に係る刃物1においても、図2に示したように、発明を実施するための形態1に係るタング3の第1受容部8を設けてもよい。すなわち、段落0013乃至段落0018に記載した第1受容部8と同じ構造が適用可能である。
【0050】
尚、図8に示した発明を実施するための形態4に係る刃物1において、発明を実施するための形態2のタング3の構造を適用してもよい。すなわち、段落0049の雄ねじ9を歯部12に読み代えて適用し、図4に示したように、発明を実施するための形態2に係るタング3の第2受容部13を設けてもよい。すなわち、図4及び図5に示したように、第2受容部13がタング3の左右両側に突出され、第2受容部13が柄50を左右で平均に受けることができるようにしてもよく、又、図6に示したように、タング3の左右両側に突出した第2受容部13が下方に開放されかつタング3の側から突出する側へ行くにしたがって下向きの凹部14を形成し、凹部14が柄50を左右にふらつかないように支持できるようにしてもよい。
【0051】
図11に示した発明を実施するための形態5に係る刃物1は、十徳ナイフを例示し、刀身2とタング3と突起部7とが互いに別体になっており、鞘部30に前後に分かれて折り畳み可能に連結されている。刀身2は、一端部から他端部の方向に延びる1枚の板状であって、刀身2の長手方向Xに交差する方向の下部に刃としてのブレード4を備え、刀身2の長手方向Xの一端部に切っ先としてのポイント6を備える。タング3は、一端部から他端部の方向に延びる1枚の板状になっている。突起部7は1つの直線が一箇所で屈曲したように曲がった1枚の板状になっている。
【0052】
刀身2の他端部と突起部7の他端部とが鞘部30の一端部に軸31で同軸に連結されている。そして、軸31を回転中心とし、刀身2のブレード4が鞘部30から前側に直線的に突出した図11に示した展開状態と、展開状態の刀身2のブレード4が矢印Hで示す方向に回転し鞘部30の前側から下方を経由して鞘部30の内部に収容された折り畳み状態とに、なるようになっている。展開状態の刀身2は、鞘部30より前側に直線的に突出した位置から、矢印Hで示す方向とは逆向きの方向に回転しないように、刀身2と鞘部30との間に設けられた図示のされていないストッパーで停止するように保持されるようになっている。
【0053】
突起部7の一端部が鞘部30から下方に鞘部30の一端部から他端部の側に曲がって突出した図11に示した展開状態と、展開状態の突起部7の一端部が矢印Iで示す方向に回転し鞘部30の下方から鞘部30の内部に収容された折り畳み状態とに、なるようになっている。展開状態の突起部7は、鞘部30より下方に曲がって突出した位置から矢印Iで示す方向とは逆向きの方向に回転しないように又は回転してもよいようになっている。
【0054】
タング3の一端部が鞘部30の他端部に軸32で連結され、軸32を回転中心とし、タング3の他端部が鞘部30から後側に直線的に突出した図11に示した展開状態と、展開状態のタング3の他端部が矢印Jで示す方向に回転し鞘部30の後側から下方を経由して鞘部30の内部に収容された折り畳み状態とに、なるようになっている。展開状態のタング3は、鞘部30より後側に直線的に突出した位置から矢印Jで示す方向とは逆向きの方向に回転しないように又は回転してもよいようになっている。
【0055】
図11に示した展開状態においては、柄50の一端部の端面が突起部7の突端の側から刀身2の側に押し込まれるに伴って食い込まれ、突起部7に食い込んだ柄50の他端部の側がタング3に受けられることにより、柄50が刃物1に取り付けられるので、柄50にタング3や突起部7を連結するための構造が不要で、刃物1を使用する人が好みや使用目的に適した柄50を付け替えやすい。
【0056】
又、図11では突起部7の一端部が突出する側に向けて先細りになっているので、突起部7に柄50の一端部の端面が食い込みやすい。又、図11では先細りになった突起部7の外面には雄ねじ9が設けられたので、柄50の一端部を突起部7に食い込ませる場合に、刃物1及び柄50の一方又は両方を回転させることにより、雄ねじ9が木ねじやタッピングスクリューなどのように柄50の一端部の突端から内部に螺合して食い込むので、柄50が突起部7から外れ難くなる。
【0057】
又、上記のように柄50が展開状態の突起部7と展開状態のタング3とで支持されて刃物1に取り付けられた状態において、紐やロープ等のような縛り部材51でタング3と柄50との双方を外側から縛り付けない場合は、展開状態の突起部7が鞘部30より下方に曲がって突出した位置から矢印Iで示す方向とは逆向きの方向に回転しないように、突起部7と鞘部30との間に設けられた図示のされていないストッパーで停止するようになっていると共に、展開状態のタング3が鞘部30より後側に直線的に突出した位置から矢印Jで示す方向とは逆向きの方向に回転しないように、タング3と鞘部30との間に設けられた図示のされていないストッパーで停止するようになっている方が柄50の刃物1への取り付けが安定する。
【0058】
図11ではタング3に図1に示した左右方向の横方向に突出した第1受容部8が設けられていないので、タング3が鞘部30の内部に収容されるようになっている。尚、刃物1に柄50を取り付けた際に、柄50の周面とタング3との接触する部分が第1受容部8となる。又、発明を実施の形態1のタング3の構造を適用し、図1に示した左右の横方向に突出した第1受容部8をタング3に設けてもよく、その場合、タング3が鞘部30の内部に収容された際に第1受容部8の一部が鞘部30より外側にはみ出るようにしてもよい。第1受容部8を設ける場合、段落0013乃至段落0018に記載の事項が適用可能である。
【0059】
尚、2枚の板状の鞘部30の横方向Yの隙間に図示しない一方のタング41と図示しない他方のタング42とを配置して一つのタング3とし、一方のタング41と他方のタング42との間に突起部7を配置してもよい。かかる場合、刃物1に柄50を取り付けた場合、突起部7と柄50とが接触する部分と、一対のタング41と柄50とが接触する部分と、他方のタング42と柄50とが接触する部分の3つの接触する部分で底面視の三角形151及び背面視の三角形152が形成されるため安定した結合が可能となる。一方のタング41と他方のタング42は、板状に設けられており、鞘部30の内部に収容可能である。
【0060】
図12に示したように、2枚の板状の鞘部30が横方向Yの隙間をもって対峙した一対になっている。2枚の板状の鞘部30の横方向Yの隙間には、鞘部30の一端部の側において刀身2と突起部7と第1スペーサ34とが横方向Yに互いに隣り合って配置されて軸31で2枚の板状の鞘部30に折り畳み可能に連結されている。第1スペーサ34は、刀身2と刀身2に近い側の1枚の鞘部30との間にタング3の収容空間を確保する部材である。
【0061】
又、2枚の板状の鞘部30の横方向Yの隙間には、鞘部30の他端部の側においてタング3と第2スペーサ35とが横方向Yに互いに隣り合って配置されて軸32で2枚の板状の鞘部30に折り畳み可能に連結されている。第2スペーサ35は、タング3と突起部7に近い側の1枚の鞘部30との間に刀身2と突起部7との収容空間を確保する部材である。
【0062】
尚、刀身2と突起部7と第1スペーサ34との横方向Yへの並び方、タング3と第2スペーサ35との横方向Yへの並び方は、図12に示した態様に限定されるものではない。
【0063】
突起部7は、図4に示した歯部12を適用してもよい。尚、歯部12を適用した場合、歯部12と対向するように第2受容部13を鞘部30に設けてもよい。かかる場合、段落0032乃至段落0037のタング3を鞘部30に読み替えて適用可能である。
【0064】
又、図12では、突起部7は1つの直線が一箇所で屈曲したように曲がった1枚の板状になったものを一枚用いた場合を例示したが、1つの直線が一箇所で屈曲したように曲がった1枚の板状になった突起部7を二枚用いて、ブレード4とタング3とを挟み込んだ配置としてもよい。突起部7が横方向Yの隙間をもって対峙した一対になった状態となり、前記突起部7の前記隙間をブレード4とタング3とが通過する。又、図14に示すように、1つの直線が一箇所で屈曲したように曲がった1枚の板状になった突起部7を二枚用いて、発明を実施するための形態4に示した横方向Yに対峙した一対の突起部7と同様の構造としてもよい。
【0065】
図13に示した発明を実施するための形態6に係る刃物1は、十徳マチェットを例示し、発明を実施するための形態6に係る刀身2は、発明を実施するための形態3で示す刀身2の構造と同じ構造である。図13に示した発明を実施するための形態6に係る刃物1においては、刀身2とタング3と突起部7とが互いに別体になっている点、刀身2の他端部と突起部7の他端部とが鞘部30の一端部に軸31で同軸に連結され、軸31を回転中心とし、刀身2の銛先15が鞘部30から前側で横方向Yの方向に直線的に突出した図13に示した展開状態と、展開状態の刀身2の銛先15が矢印Hで示す方向に回転し鞘部30の前側から下方を経由して鞘部30の内部に収容された折り畳み状態とに、なるようになっている点、突起部7の一端部が鞘部30から下方に鞘部30の一端部から他端部の側に曲がって突出した図13に示した展開状態と、展開状態の突起部7の一端部が矢印Iで示す方向に回転し鞘部30の下方から鞘部30の内部に収容された折り畳み状態とに、なるようになっている点、タング3の一端部が鞘部30の他端部に軸32で連結され、軸32を回転中心とし、タング3の他端部が鞘部30から後側に直線的に突出した図13に示した展開状態と、展開状態のタング3の他端部が矢印Jで示す方向に回転し鞘部30の後側から下方を経由して鞘部30の内部に収容された折り畳み状態とに、なるようになっている点は、発明を実施するための形態5と同じである。
【0066】
発明を実施するための形態2乃至6において、突起部7を着脱可能にしてもよく、段落0024の記載を適用できる。
【0067】
又、発明を実施するための形態1乃至6において、第1右突起部83、第1左突起部84、第2右突起部87及び第2左突起部88は、突出する側に向けて先細りにしてもよい。
【0068】
本発明では、発明を実施するための形態1乃至6において、刀身2とタング3に柄の取り付けられる刃物1の場合を例示したが、刃物1に限定されない。例えば、フォークやスプーン等の食器類、釣りに使用される網や銛等の漁具、スコップや鎌のような農具類等のように、柄が取り付けられる様々な道具に適用可能である。すなわち、本発明は、柄の取付構造である。
【0069】
発明を実施するための形態1乃至6において、刀身2は先端部材に該当し、タング3が取付本体部に該当し、刃物1が道具に該当する。
本発明では、フォークやスプーン等の食器類の先端部材に取付本体部が設けられることにより、道具となる。また、釣りに使用される網や銛等の漁具の先端部材に取付本体部が設けられることにより、道具となる。さらに、スコップや鎌等の農具の先端部材に取付本体部が設けられることにより、道具となる。
【符号の説明】
【0070】
1…刃物、2…刀身、3…タング、4…ブレード、5…ブレード、6…ポイント、7…突起部、8…第1受容部、9…突起部7の雄ねじ、10…タング3の背部、11…第1受容部8の凹部、12…突起部7の歯部、13…第2受容部、14…第2受容部13の凹部、15…銛先、16…第1間隔部分、17…第2間隔部分、18…返し、21…軸、30…鞘部、31…軸、32…軸、33…滑り止部、34…第1スペーサ、35…第2スペーサ、36…連結部、37…被連結部、38…板状部、39…捩じり部、40…屈曲部、50…柄、51…縛り部材、X…タング3及び刀身2の長手である前後方向、Y…長手方向に交差する左右方向、Z…長手方向に交差する上下方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15