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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】カード処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 13/103 20060101AFI20241015BHJP
   G06K 13/05 20060101ALI20241015BHJP
   G06K 13/067 20060101ALI20241015BHJP
   B65H 3/44 20060101ALI20241015BHJP
   B65H 1/06 20060101ALI20241015BHJP
   B65H 3/56 20060101ALI20241015BHJP
   B65H 3/06 20060101ALI20241015BHJP
【FI】
G06K13/103 Z
G06K13/05
G06K13/067 B
B65H3/44 344
B65H1/06 C
B65H3/56 330F
B65H3/06 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022004266
(22)【出願日】2022-01-14
(65)【公開番号】P2023103635
(43)【公開日】2023-07-27
【審査請求日】2024-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000116987
【氏名又は名称】旭精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山宮 毅人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 太哉
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0193253(US,A1)
【文献】特開2001-331853(JP,A)
【文献】実開平07-031737(JP,U)
【文献】特許第6287913(JP,B2)
【文献】特開昭62-201744(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 13/103
G06K 13/05
G06K 13/067
B65H 3/44
B65H 1/06
B65H 3/56
B65H 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードを収容するカードカセットと、前記カードカセットに収容されているカードから、最下位置の前記カードを一枚分離して搬送する搬送装置と、を有し、前記カードを一枚ずつ搬送するカード処理装置において、
前記カードカセットは、第1カードカセットと第2カードカセットを有し、前記第1カードカセットは前記第2カードカセットよりも前記カードの搬送方向の下流側に配置され、
前記第1カードカセットは、前記搬送方向の上流側に前記第1カードカセットの内部に前記カードを入れるカード入口と、前記搬送方向の下流側に、前記第1カードカセットの内部から前記カードを出すカード出口と、前記第1カードカセットに収容されている最上位置の前記カードの上に載置する重しと、を有し、
前記第2カードカセットは、前記搬送方向の下流側に、前記第2カードカセットの内部から前記カードを出すカード出口を有し、
前記第1カードカセットのカード出口は、前記カードを1枚だけ通過させることができるように、開口部の高さが前記カードの1枚分の厚み以上であり、2枚分の厚み未満であり、
前記搬送装置は、前記第1カードカセットに収容されている最下位置の前記カードの裏面に接触し、該カードを前記搬送方向に移動させる分離ローラーを有し、
前記分離ローラーの前記カードと接触する周面は、前記カードの搬送面から突出する駆動領域と、突出しない非駆動領域を有し、
前記分離ローラーを回動させることで、前記駆動領域を前記カードに接触させて搬送し、
前記搬送装置の前記搬送面は、前記第1カードカセットのカード入口から前記分離ローラーの間に、前記搬送面から突出する突起を有し、前記カードと前記搬送面との間に隙間を形成し、
前記第1カードカセットに前記カードが収容されている場合には、前記搬送装置は、前記第1カードカセットに収容されている前記カードの中から最下位置の前記カードを一枚分離し、前記第1カードカセットのカード出口から送出し、
前記第1カードカセットに前記カードが収容されていない場合には、
前記搬送装置は、前記第2カードカセットに収容されている前記カードの中から最下位置の前記カードを一枚分離し、該カードを前記第2カードカセットのカード出口から送出すると共に前記第1カードカセットのカード入口から前記第1カードカセットの内部に入れ、前記第1カードカセットの内部の前記搬送面と前記重しの間を通し、前記第1カードカセットのカード出口から送出することを特徴とするカード処理装置。
【請求項2】
カードを収容するカードカセットと、前記カードカセットに収容されているカードから、最下位置の前記カードを一枚分離して搬送する搬送装置と、を有し、前記カードを一枚ずつ搬送するカード処理装置において、
前記カードカセットは、第1カードカセットと第2カードカセットを有し、前記第1カードカセットは前記第2カードカセットよりも前記カードの搬送方向の下流側に配置され、
前記第1カードカセットは、前記搬送方向の上流側に前記第1カードカセットの内部に前記カードを入れるカード入口と、前記搬送方向の下流側に、前記第1カードカセットの内部から前記カードを出すカード出口と、を有し、
前記第2カードカセットは、前記搬送方向の下流側に、前記第2カードカセットの内部から前記カードを出すカード出口を有し、
前記搬送装置は、前記第1カードカセットに前記カードが収容されているか否かを検出するカード検出センサーを有し、
前記カード検出センサーによって前記第1カードカセットに前記カードが収容されていることを検出した場合には、前記搬送装置は、前記第1カードカセットに収容されている前記カードの中から最下位置の前記カードを一枚分離し、前記第1カードカセットのカード出口から送出し、
前記カード検出センサーによって前記第1カードカセットに前記カードが収容されていないことを検出した場合には、
前記搬送装置は、前記第2カードカセットに収容されている前記カードの中から最下位置の前記カードを一枚分離し、該カードを前記第2カードカセットのカード出口から送出すると共に前記第1カードカセットのカード入口から前記第1カードカセットの内部に入れ、前記第1カードカセットに前記カードを1枚収容することを特徴とするカード処理装置。
【請求項3】
前記第1カードカセットに収容されている最上位置の前記カードの上に載置する重しを有し、
前記第2カードカセットから前記第1カードカセットに搬送される前記カードは、前記カードの搬送面と前記重しの間を搬送されることを特徴とする請求項2に記載のカード処理装置。
【請求項4】
前記第1カードカセットのカード出口は、前記カードを1枚だけ通過させることができるように、開口部の高さが前記カードの1枚分の厚み以上であり、2枚分の厚み未満であり、
前記搬送装置は、前記第1カードカセットに収容されている最下位置の前記カードの裏面に接触し、該カードを前記搬送方向に移動させる分離ローラーを有し、
前記分離ローラーの前記カードと接触する周面は、前記搬送面から突出する駆動領域と、突出しない非駆動領域を有し、
前記分離ローラーを回動させることで、前記駆動領域を前記カードに接触させて搬送することを特徴とする請求項に記載のカード処理装置。
【請求項5】
前記搬送装置の前記搬送面は、前記第1カードカセットのカード入口から前記分離ローラーの間に、前記搬送面から突出する突起を有し、前記カードと前記搬送面との間に隙間を形成することを特徴する請求項4に記載のカード処理装置。
【請求項6】
前記第1カードカセットは、
前記第1カードカセットのカード入口を開閉する第1ゲートと、
前記第1カードカセットのカード出口を開閉する第2ゲートと、
前記第1ゲートと前記第2ゲートに接続されたロック機構と、を有し、
前記ロック機構は、
前記第1ゲートが開閉可能な状態であり、前記第2ゲートが開いた状態となる場合と、前記第1ゲートが開閉不可能な状態であり、前記第2ゲートが閉じた状態となる場合の何れかの場合に固定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカード処理装置。
【請求項7】
前記搬送装置は、前記第1カードカセットに前記カードが収容されているか否かを検出するカード検出センサーを有し、
前記カード検出センサーは、前記カードの有無を検出すると共に、前記カードが前記分離ローラーによって移動可能な位置にあるか否かを検出することを特徴とする請求項に記載のカード処理装置。
【請求項8】
前記重しの前記カードに接触する面の前記第1カードカセットのカード入口側の端部は、前記搬送面から少なくとも前記カードの厚み以上離れており、前記第1カードカセットのカード入口から入ってくる前記カードが前記重しの前記カードに接触する面と前記搬送面との間に入るように搬送されることを特徴とする請求項1または請求項3に記載のカード処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードカセットの中からカードを送出するカード処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のカードを内部に積み重ねて収容するカードカセット装置を搭載し、カードカセット装置の内部のカードをカード出口から1枚ずつ送出するカード処理装置が知られている。例えば、カード処理装置は、特許第6287913号に記載のカード払出装置が知られている。
【0003】
このカード払出装置に搭載されるカードカセット装置は、カード払出装置に着脱可能である。カードカセット装置にカードを補充する場合、カードカセット装置は、カード払出装置から外される。カードカセット装置に収容されているカードは、金銭的価値が高い場合がある。そのため、当該作業の際、または、カセット装置の保管の際、または、カセット装置の使用の際などに、カードが盗難にあったり、紛失したりする恐れがある。そこで、カードカセット装置には、カード払出装置に装着した状態と同装置から外された状態の双方で、カード出口を確実に閉鎖し、内部に収容されたカードへの不正なアクセスを防止する機構が備わる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6287913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のカード処理装置に装着されるカードカセット装置は1台である。一方、利用者から、カードの補充頻度を少なくしたいという要望があり、一度になるべく多くのカードが収容できる装置が望まれている。
【0006】
カードの収容数を多くするために、カードカセット装置の収容部の背を高くする構成も考えられるが、カードを多く積載した状態では、最下位置のカードに大きな荷重がかかる。最下位置のカードに大きな荷重がかかる場合、カード処理装置は、最下位置のカードを一枚ずつ分離し、搬送することができない恐れがある。また、カードカセット装置の背が高くなった場合に、カードカセット装置が大型化し、運搬や着脱が不便になってしまう問題もある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のカード処理装置は、カードを収容するカードカセットと、前記カードカセットに収容されているカードから、最下位置の前記カードを一枚分離して搬送する搬送装置と、を有し、前記カードを一枚ずつ搬送するカード処理装置において、前記カードカセットは、第1カードカセットと第2カードカセットを有し、前記第1カードカセットは前記第2カードカセットよりも前記カードの搬送方向の下流側に配置され、前記第1カードカセットは、前記搬送方向の上流側に前記第1カードカセットの内部に前記カードを入れるカード入口と、前記搬送方向の下流側に、前記第1カードカセットの内部から前記カードを出すカード出口と、前記第1カードカセットに収容されている最上位置の前記カードの上に載置する重しと、を有し、前記第2カードカセットは、前記搬送方向の下流側に、前記第2カードカセットの内部から前記カードを出すカード出口を有し、前記第1カードカセットのカード出口は、前記カードを1枚だけ通過させることができるように、開口部の高さが前記カードの1枚分の厚み以上であり、2枚分の厚み未満であり、前記搬送装置は、前記第1カードカセットに収容されている最下位置の前記カードの裏面に接触し、該カードを前記搬送方向に移動させる分離ローラーを有し、前記分離ローラーの前記カードと接触する周面は、前記搬送面から突出する駆動領域と、突出しない非駆動領域を有し、前記分離ローラーを回動させることで、前記駆動領域を前記カードに接触させて搬送し、前記搬送装置の前記カードの搬送面は、前記第1カードカセットのカード入口から前記分離ローラーの間に、前記搬送面から突出する突起を有し、前記カードと前記搬送面との間に隙間を形成し、前記第1カードカセットに前記カードが収容されている場合には、前記搬送装置は、前記第1カードカセットに収容されている前記カードの中から最下位置の前記カードを一枚分離し、前記第1カードカセットのカード出口から送出し、前記第1カードカセットに前記カードが収容されていない場合には、前記搬送装置は、前記第2カードカセットに収容されている前記カードの中から最下位置の前記カードを一枚分離し、該カードを前記第2カードカセットのカード出口から送出すると共に前記第1カードカセットのカード入口から前記第1カードカセットの内部に入れ、前記第1カードカセットの内部の前記搬送面と前記重しの間を通し、前記第1カードカセットのカード出口から送出することを特徴とする。
また、本発明のカード処理装置は、カードを収容するカードカセットと、前記カードカセットに収容されているカードから、最下位置の前記カードを一枚分離して搬送する搬送装置と、を有し、前記カードを一枚ずつ搬送するカード処理装置において、前記カードカセットは、第1カードカセットと第2カードカセットを有し、前記第1カードカセットは前記第2カードカセットよりも前記カードの搬送方向の下流側に配置され、前記第1カードカセットは、前記搬送方向の上流側に前記第1カードカセットの内部に前記カードを入れるカード入口と、前記搬送方向の下流側に、前記第1カードカセットの内部から前記カードを出すカード出口と、を有し、前記第2カードカセットは、前記搬送方向の下流側に、前記第2カードカセットの内部から前記カードを出すカード出口を有し、前記搬送装置は、前記第1カードカセットに前記カードが収容されているか否かを検出するカード検出センサーを有し、前記カード検出センサーによって前記第1カードカセットに前記カードが収容されていることを検出した場合には、前記搬送装置は、前記第1カードカセットに収容されている前記カードの中から最下位置の前記カードを一枚分離し、前記第1カードカセットのカード出口から送出し、前記カード検出センサーによって前記第1カードカセットに前記カードが収容されていないことを検出した場合には、前記搬送装置は、前記第2カードカセットに収容されている前記カードの中から最下位置の前記カードを一枚分離し、該カードを前記第2カードカセットのカード出口から送出すると共に前記第1カードカセットのカード入口から前記第1カードカセットの内部に入れ、前記第1カードカセットに前記カードを1枚収容することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のカード処理装置によれば、多くのカードを収容可能であり、積載されたカードの最下位置のカードを一枚ずつ分離し、搬送することができる。また、本発明のカード処理装置によれば、カードカセットのセキュリティ機能を維持し、カードカセットに収容されているカードの紛失や盗難を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、カード処理装置のカードの搬送を説明する側面図である。
図2図2は、カード処理装置の斜視図である。
図3図3は、カード処理装置の内部の構成を説明するための側面図である。
図4図4は、カードカセットの例を説明する斜視図である。
図5図5は、カードカセットの内部を説明する斜視図である。
図6図6は、カードカセットのロック機構を説明する図である。
図7図7は、カードカセットのゲートが解錠された状態の正面図である。
図8図8は、カードカセットのゲートが施錠された状態の正面図である。
図9図9は、カードカセットのゲートが解錠された状態の背面図である。
図10図10は、カードカセットのゲートが施錠された状態の背面図である。
図11図11は、カードカセットの重しの第1の例を示す斜視図である。
図12図12は、カードカセットの重しの第2の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。図1図12を用いて、カード処理装置について説明する。
【0011】
図1は、カード処理装置のカードの搬送を説明する図である。カード処理装置1は、カードを搬送する搬送装置21を備える。また、カード処理装置1は、カードの搬送路の途中には、カードリードライターユニット11が配置されている。第1カードカセット2と第2カードカセット3には、カード6が収容されている。第1カードカセット2と第2カードカセット3は、搬送装置21に対して着脱が可能である。図1は、カードが収容されていない第1カードカセット2が搬送装置21に装着され、カード6が収容されている第2カードカセット3が搬送装置21に装着されている状態を示している。搬送装置21の端部には、カードの出入り口であるカード入出口10が配置されている。搬送装置21はフレーム25に固定されている。
【0012】
第1カードカセット2は、内部にカードを積み重ねて収容するスペースを備え、更に、積み重ねられた最上位置のカードの上に載せる第1重し4が収容されている。第1カードカセット2の底面には、第1分離ローラー14に対応する部分に開口部が設けられている。カード6の裏面と第1分離ローラー14は、開口部を介して接触が可能となる。また、第1カードカセット2の内部の底面は、カード6を搬送する搬送面22を兼ねている。また、載置されたカードと第1カードカセット2の内部の底面との間に隙間ができるように、第1突起23が第1カードカセット2の内部の底面に配置されている。第1突起23は、カード6が搬送面に貼り付くことを防止するが、必ずしも必要なものではない。搬送装置21は、第1突起23が搬送面に配置されていない状態でも、カード6が搬送できれば良い。第1突起23は、搬送面からの突出量が大きいとカード6の搬送に悪影響を及ぼす可能性があるので、できるだけ低いことが望まれる。例えば、使用するカード6の5枚分以下または5.0mm以下にする。更に好ましくは、例えば1.0mm以下または1枚のカード6よりも低くする。さらに、第1突起23は、カード6が引っ掛からないように、搬送面22からカード6の搬送方向に無段階に段差無く高くすることが好ましい。カード6は反っている場合があるので、第1突起23が低すぎると効果が無い場合がある。第1突起23は、0.1mm以上が好ましい。別の例としては、カード6の表面に微少な凹凸を配置し、カード6同士あるいはカード6と搬送面との接触面積を低減させ、カード6をスムースに搬送することも考えられる。
【0013】
第1カードカセット2のカード6の搬送方向の上流側には、第1カードカセットの入口7が、下流側には第1カードカセットの出口8が備わる。第1カードカセットの入口7は、第1カードカセット2のカード入口であり、第1カードカセットの出口8は第1カードカセット2のカード出口である。また、第1カードカセット2には、第1カードカセットの入口7を開閉する第1ゲート18、第1カードカセットの出口8を開閉する第2ゲート19が備わる。第1ゲート18は上下に移動可能に配置されている。カードを搬送する場合、第1ゲート18と第2ゲート19は開かれる。第1ゲート18の先端部分は、先端に向かい第1カードカセット2の外側から内側に傾斜する傾斜面を備える。カード6を第1カードカセット2の外部から内部に搬送する場合、カード6は、第1ゲート18の先端の傾斜した部分に当接し、第1ゲート18を押し上げ、第1カードカセット2の内部に進む。第1ゲート18が解錠されている場合、第1ゲート18は、カード6に押し上げられ、カード6は、第1カードカセット2の内部に搬送される。第1ゲート18が施錠されている場合は、第1ゲート18は、カード6に押し上げられず、カード6は第1カードカセット2の内部に搬送されることはない。
【0014】
搬送装置21には、第1カードカセット2の内部にカードが収容されているか否かを検出する第1カード検出センサー12が備えられ、第1カードカセット2の底面には、第1カード検出センサー12に対応する部分に開口が備わる。第1カード検出センサー12は、第1カードカセット2の底面の開口を介して、カードの有無を検出する。第1カード検出センサー12は、第1分離ローラー14のカード6の搬送方向の下流側に配置されている。第1カード検出センサー12は、カード6が第1カードカセット2の内部にカード6が収容されているか否かを検出すると共に、カード6が第1分離ローラー14によって搬送可能な位置にあることを検出する。
【0015】
第1分離ローラー14は、回転中心から周面までの距離が長い駆動領域16と、短い非駆動領域17を備える。第1分離ローラー14の駆動領域16は、第1カードカセット2の内部のカードに接触可能であり、第1分離ローラー14の非駆動領域17は、第1カードカセット2の内部のカードに接触できない。第2分離ローラー15も第1分離ローラー14と同様に駆動領域16と非駆動領域17を備える。第1分離ローラー14は、駆動状態または空転状態に選択的に制御される。第1分離ローラー14とその駆動モーターとの間には、不図示のクラッチが備わる。クラッチは、例えばソレノイドなどの駆動装置によって、駆動力の伝達がON/OFFされる。第2分離ローラー15も同様に駆動力の伝達がON/OFFされる。
【0016】
第1分離ローラー14を回動させることで、第1カードカセット2の最下位置のカードは、第1カードカセットの出口8に送られる。第2分離ローラー15を回動させることで、第2カードカセット3の最下位置のカードは、第2カードカセットの出口9に送られる。第1カードカセットの出口8と第2カードカセットの出口9の開口は、カードが1枚通り、2枚重ねて通らない高さに、搬送面からの高さが設定されている。例えば、カードの厚みが1.0mmならば、開口の高さは1.2mm~1.8mmにする。使用するカードの厚みの20~80%の隙間を開口に配置する。最下位置のカードが、第1カードカセット2の外部に搬送されても、下から2枚目のカードは、第1カードカセット2の内部に残る。
【0017】
第1カードカセット2にカードが収容されていない場合、第1分離ローラー14を回動させた状態にしておき、第2カードカセット3からカード6を搬送し、第1カードカセット2の内部にカード6を導き入れる。第1重し4の端部は、カード6との当接面が搬送方向に向かい搬送面に近づくように傾斜しており、カード6は第1重し4の端部の斜面に沿って第1重し4の下側を通るように搬送される。第2カードカセット3から第1カードカセット2の内部に入ったカード6は、第1重し4と搬送面との間を搬送される。第1重し4は、第1カードカセット2の内部で水平方向に自由に移動や回転できないように、上面視でカード6と大凡同じ大きさである。後述する第2重し5も、第2カードカセット3の内部での水平方向の移動を制限できるように、上面視でカード6と大凡同じ大きさである。
【0018】
第2カードカセット3は、内部にカードを積み重ねて収容するスペースを備え、更に、積み重ねられた最上位置のカードの上に載せる第2重し5が収容されている。第2カードカセット3には、複数枚のカード6を積み重ねて収容され、その上に第2重し5が載せられる。第2カードカセット3の内部の底面には、第2分離ローラー15に対応する部分に開口部が設けられている。カード6の裏面と第2分離ローラー15は、開口部を介して接触が可能となる。また、第2カードカセット3の内部の底面は、カード6を搬送する搬送面22を兼ねている。また、載置されたカード6と第2カードカセット3の内部の底面との間に隙間ができるように、第2突起24が第2カードカセット3の内部の底面に配置されている。第2突起24は、先に説明した第1突起23と同様の形状であってもよい。搬送装置21には、第2カードカセット3の内部にカード6が収容されているか否かを検出する第2カード検出センサー13が備わる。第2カードカセット3の底面には、第2カード検出センサー13に対応する部分に開口が備わる。第2カード検出センサー13は、第2カードカセット3の底面の開口を介して、第2カードカセット3の中のカード6の有無を検出する。
【0019】
第2カードカセット3のカード6の搬送方向の上流側は、開口が無く、閉じている。第2カードカセット3のカード6の搬送方向の下流側には、第2カードカセットの出口9が備わる。第2カードカセットの出口9は、第2カードカセット3のカード出口である。また、第2カードカセット3には、第2カードカセットの出口9を開閉する第3ゲート20が備わる。第2カードカセット3はロック機構が備わり、そのロック機構は第3ゲート20を開状態または閉状態に固定することができる。第2カードカセット3のロック機構は、第1カードカセット2の第2ゲート19を操作するロック機構と同様の構成にすることができる。
【0020】
搬送装置21は、第2カードカセット3に収容されているカードから、最下位置の一枚のカードを分離し、搬送する第2分離ローラー15を備える。また搬送装置21は、第2カードカセット3から第1カードカセット2にカード6を搬送する第1搬送ローラー対28が備わる。また搬送装置21は、第1カードカセット2に収容されているカードから最下位置の一枚のカードを分離し、搬送するか、または第2カードカセット3から受け渡されたカードを搬送する第1分離ローラー14を備える。また搬送装置21は、第1カードカセット2から送出されたカード6をカードリードライターユニット11に搬送する第2搬送ローラー対31を備える。また、搬送装置21は、カード入出口10とカードリードライターユニット11の間に第3搬送ローラー対34、第4搬送ローラー対37を備える。これらのローラーによってカードを搬送する。搬送装置21は、カード6の長さよりも短い間隔で配置された複数のローラーによってカード6を搬送する。
【0021】
第1搬送ローラー対28は、第1駆動ローラー26と第1従動ローラー27を備え、第1従動ローラー27は、第1駆動ローラー26の方向に付勢されており、連れ回る。カード6は、第1駆動ローラー26と第1従動ローラー27に挟まれ搬送される。第1駆動ローラー26と、第2分離ローラー15は、第1駆動ベルト38に接続され、連動する。第1駆動ローラー26の搬送面22からの突出量は、第1突起23の搬送面22からの突出量よりも大きいことが好ましい。第1突起23の突出量を大きくすると、搬送されるカードの先端が浮き上がり易くなり第1分離ローラー14とカードとの接触に問題が生じる。
【0022】
第2搬送ローラー対31は、第2駆動ローラー29と第2従動ローラー30を備え、第2従動ローラー30は、第2駆動ローラー29の方向に付勢されており、連れ回る。カード6は、第2駆動ローラー29と第2従動ローラー30に挟まれ搬送される。第3搬送ローラー対34は、第3駆動ローラー32と第3従動ローラー33を備え、第3従動ローラー33は、第3駆動ローラー32の方向に付勢されており、連れ回る。カード6は、第3駆動ローラー32と第3従動ローラー33に挟まれ搬送される。第4搬送ローラー対37は、第4駆動ローラー35と第4従動ローラー36を備え、第4従動ローラー36は、第4駆動ローラー35の方向に付勢されており、連れ回る。カード6は、第4駆動ローラー35と第4従動ローラー36に挟まれ搬送される。第2駆動ローラー29と、第3駆動ローラー32と、第4駆動ローラー35は、第3駆動ベルト40に接続され、連動する。また、第1分離ローラー14は、第2駆動ベルト39に接続され、駆動される。
【0023】
これら搬送ローラーは不図示のモーターによって駆動され、検出センサー、カードリードライターユニットと共に不図示の制御回路によって制御される。
【0024】
次に、カードの搬送について説明する。第1カードカセット2にカードが収容されている場合は、カードは第1カードカセット2から供給され、カード入出口10から送出される。第1カードカセット2にカードが収容されておらず、第2カードカセット3にカードが収容されている場合は、カードは第2カードカセット3から供給される。このとき、第1カードカセット2は、カードの搬送路の一部を構成する。第2カードカセット3から供給されたカードは、第1カードカセット2の内部を通り、カード入出口10から送出される。
【0025】
まず、第1カードカセット2にカードが収容されている場合のカードの搬送について説明する。
【0026】
第1カード検出センサー12によって、第1カードカセット2にカードが収容されているか否かが検出される。カードが収容されていれば、第1カードカセット2からカードを搬送する。そのために、第1分離ローラー14が駆動される。第1カードカセット2の中の最下位置のカードは、第1分離ローラー14の駆動領域と接し、第1カードカセットの出口8の方向に移動する。第1重し4が無く、第1カードカセット2に収容されているカードの枚数が少ない場合、カードと第1分離ローラー14との摩擦力が小さくなるので、カードの搬送不良が生じる。カードの搬送不良を防止するため、第1重し4によって、カードに荷重をかける。カード6を第1分離ローラー14によって搬送する場合、第1重し4は、第1分離ローラー14が空回りしないように、また、カード6の先端が第1カードカセットの出口8の上側の縁よりも高い位置に浮き上がらないように、搬送面の方向にカード6を押しつける。また、第2重し5も同様に、第2分離ローラー15が空回りしないように、また第2カードカセットの出口9の上側の縁よりも高い位置に浮き上がらないように、第2重し5は搬送面の方向にカード6を押しつける。
【0027】
第1分離ローラー14の駆動と共に、第2搬送ローラー対31、第3搬送ローラー対34、第4搬送ローラー対37の駆動が開始される。
【0028】
第1分離ローラー14と第2搬送ローラー対31との距離は、カードの長さよりも短い。第1カードカセットの出口8から送出されたカードは、第2搬送ローラー対31によって挟まれ、搬送される。カードの搬送路には、不図示のセンサーが複数配置されており、搬送されるカードの位置を不図示の制御回路が特定することができる。
【0029】
第2搬送ローラー対31によってカードが搬送され、第1カードカセット2からカードが送出されたと判断された場合、第1分離ローラー14を停止する。例えば、ソレノイドで駆動するクラッチによって駆動力の伝達を切断する。
【0030】
第2搬送ローラー対31と第3搬送ローラー対34との距離は、カードの長さよりも短い。また、第3搬送ローラー対34と第4搬送ローラー対37との距離は、カードの長さよりも短い。カードは、第2搬送ローラー対31から第3搬送ローラー対34に渡され、第3搬送ローラー対34から第4搬送ローラー対37に渡され、カード入出口10から送出される。
【0031】
次に、第1カードカセット2にカードが収容されておらず、第2カードカセット3にカードが収容されている場合のカードの搬送について説明する。
【0032】
第1カード検出センサー12によって、第1カードカセット2にカードが収容されていいないことを検出した場合、第2カード検出センサー13によって、第2カードカセット3にカードが収容されているか否かを検出する。カードが収容されていれば、第2分離ローラー15を駆動する。第2カードカセット3の中の最下位置のカードは、第2分離ローラー15の駆動領域と接し、第2カードカセットの出口9の方向に移動する。第2重し5は、第2カードカセット3に収容されているカードに荷重をかけ、第2分離ローラー15との摩擦力を維持し、カードの搬送不良を防止する。
【0033】
第2分離ローラー15の駆動と共に、第1搬送ローラー対28、第1分離ローラー14、第2搬送ローラー対31、第3搬送ローラー対34、第4搬送ローラー対37の駆動が開始される。
【0034】
第2分離ローラー15と第1搬送ローラー対28との距離は、カードの長さよりも短い。第2カードカセットの出口9から送出されたカードは、第1搬送ローラー対28によって挟まれ、搬送される。
【0035】
第1搬送ローラー対28によってカードが搬送され、第2カードカセット3からカードが送出されたと判断された場合、クラッチによって第2分離ローラー15への駆動力を切断する。
【0036】
第1搬送ローラー対28と第1分離ローラー14との距離は、カードの長さよりも短い。また、第1搬送ローラー対28と第1カード検出センサー12との距離は、カードの長さよりも短い。カードは、搬送面22と第1重し4との間を搬送される。カードが第1カード検出センサー12によって検出された場合、カードが、第1分離ローラー14によって搬送される位置にあることが分かる。その後のカードの搬送は、上述の第1カードカセット2にカードが収容されている場合と同様である。
【0037】
カードリードライターユニット11によってカードに対してデータの読み書きをする場合は、カードリードライターユニット11は、第2搬送ローラー対31と第3搬送ローラー対34によって搬送されている間に、カードに対してデータの読み書きをする。カードが磁気カードならば、一定速度で搬送されるカードに対して、磁気ヘッドによってデータの読み書きを行う。カードが接触式ICカードならば、第2搬送ローラー対31と第3搬送ローラー対34の搬送を一旦停止し、カードの接触端子に接触子を接触させ、カードに対してデータの読み書きを行う。カードが非接触式ICカードならば、第2搬送ローラー対31と第3搬送ローラー対34の搬送を一旦停止し、カードに対して無線によってデータの読み書きを行う。
【0038】
また、第1カードカセット2から当初収容されていたカード6が全て送出された後、第2カードカセット3からカード6を送出する場合、カードは、第1カードカセット2の内部を経由して搬送される。そのため、カード入出口10にカードが到達するまで時間がかかる。そこで、第2カードカセット3からカード6を1枚だけ、第1カードカセット2に搬送し、仮に収容する。カード処理装置1は、カード6を装置外に払い出す場合、第1カードカセット2にカード6が収容されている状態と同様の処理がされる。カード6をカード処理装置1から送出する時間を短縮することができる。カード処理装置1は、第1カードカセット2に収容されている最後のカード6が送出される度に、第2カードカセット3から第1カードカセット2に1枚のカード6を供給し、仮に収容する。カード処理装置1は、第1カードカセット2にあたかもカード6が収容されているかのように動作する。
【0039】
図2は、カード処理装置の斜視図である。図2は、第1カードカセット2と第2カードカセット3を搬送装置21に装着した状態の斜視図である。
【0040】
フレーム25には、搬送装置21が配置されている。搬送装置21には、第1カードカセット2を装着するための第1支持台50と、第2カードカセット3を装着するための第2支持台51が配置されている。第1カードカセット2は第1支持台50に装着され、第2カードカセット3は第2支持台51に装着されている。第1カードカセット2は、第1支持台50から外すことができ、第2カードカセット3は第2支持台51から外すことができる。
【0041】
第1支持台50には、貫通孔である受け座56が備わる。第1カードカセット2には、第1ロック53が備わる。第1ロック53の操作に連動し、デッドボルト55が移動する。第1カードカセット2を第1支持台50に装着し、第1ロック53を利用者の鍵によって回動させると、デッドボルト55が受け座56に挿入される。第1カードカセット2は、第1支持台50に固定される。第2カードカセット3と第2支持台51にも同様の機構が備わる。第2ロック54を操作することで、第2カードカセット3を第2支持台51に固定することができる。
【0042】
第1カードカセット2と第2カードカセット3には、把手52が備わり、容易に持ち運ぶことができる。
【0043】
図3は、カード処理装置の内部の構成を説明するための側面図である。図3は、第1カードカセット2と第2カードカセット3の側壁を外した状態の図であり、内部を見ることができる。また、第1支持台50、第2支持台51等を外した状態を示している。
【0044】
第1カードカセット2と第2カードカセット3には、カードを補充するために、側面の1つの面、例えば背面、が開閉し、収容庫ロック58によって施錠できる。
【0045】
第1重し4と第1カードカセット2は、接続ワイヤー59によって接続されている。第2重し5と第2カードカセット3は、接続ワイヤー59によって接続されている。各接続ワイヤーは、各カードカセット内を上下に移動することができるように接続されている。また、第1カードカセット2に使用する第1重し4と、第2カードカセット3に使用する第2重し5は、形状が異なる。各重しは、各カードカセットに対応付ける必要があるので、接続ワイヤー59によって接続される。しかし、各重しを各カードカセットに対応付けて収容できれば、接続ワイヤー59は必ずしも必要ではない。
【0046】
図4は、カードカセットの例を説明する斜視図である。第1カードカセット2を用いて説明する。
【0047】
第1カードカセット2の正面側の下方には、第1カードカセットの出口8(図1参照)を開閉する第2ゲート19が配置されている。第2ゲート19は、第1ロック53の操作に連動し、開閉する。第1カードカセット2は、内部に収容されているカードにアクセスすることができないように、ケース61に覆われている。第1カードカセット2の背面は、蝶番で接続され開閉可能である。ケース61に軸筒60が配置され、中に軸が通され、背面はケース61に開閉可能に支持される。第1カードカセット2は、背面が開き、カードの補充ができる。
【0048】
図5は、カードカセットの内部を説明する斜視図である。図5は、第1カードカセット2と第2カードカセット3の側壁を外した状態の図であり、内部を見ることができる。
【0049】
第1カードカセット2の背面側には、第1カードカセットの入口7(図1参照)を開閉する第1ゲート18が配置されている。リンク機構63は第1ロック53に接続されている。第1ロック53の操作に連動してリンク機構63が動作し、第1ゲート18の施錠と解錠を行う。リンク機構63の端部は、第1ロック53の操作に応じて位置が変わる。リンク機構63の端部の位置に応じて第1ゲート18の移動が制御される。例えば、第1ロック53を操作してロック位置にした場合、リンク機構63の端部は、第1ゲート18に当接し、第1ゲート18の移動を制限する。第1ロック53を操作して非ロック位置にした場合、リンク機構63の端部が第1ゲート18から離れ、第1ゲート18は上下に移動可能になる。
【0050】
第2カードカセット3の背面側にはゲートは無く、閉じられている。第2カードカセット3には、外部からカードが搬送されることは無い。第2カードカセット3の背面側は軸筒60が備わり、軸62が通されている。第2カードカセット3の背面は、蝶番によって開閉可能に接続されている。第2カードカセット3は、背面が開き、カードの補充ができる。
【0051】
第1カードカセット2の内部の底面は、搬送面22を形成する。図5では、第1突起23は、第1カードカセット2の内部の底面に備わっているが、無くとも良い。図5は、第1重し4を外した状態の図である。第1カードカセット2の内部の底面には、第1分離ローラー14に対応する部分に開口部が備わる。第2カードカセット3も同様に開口が備わるが、図5では、第2重し5によって隠れている。
【0052】
図6は、カードカセットのロック機構を説明する図である。第1カードカセット2の内部のロック機構を示している。
【0053】
第1ロック53の操作に連動し、デッドボルト55が回動する。デッドボルト55を回動させることで、第1ゲートの設けられた貫通孔状の当接部67にデッドボルト55が入り、貫通孔を構成する壁に当接する。当接部67には、第2ゲート19の移動方向に交差する方向に傾斜する傾斜部が設けられており、デッドボルト55の回動に応じてデッドボルト55と傾斜部との当接位置が変わる。当接位置に応じて、第2ゲート19が上下に移動する。
【0054】
第2ゲート19には留め穴66が長手方向に沿って備わり、留め具65が留め穴66に沿って移動可能に係合されている。留め具65には、接続ワイヤー59(図3参照)の一端が接続される。しかし、重しは、第2ゲート19に必ずしも接続する必要は無いので、留め穴66、留め具65は必要に応じて備える。
【0055】
第2ゲート19はリンク機構63に接続されている。第1ロック53の操作に応じて、第2ゲート19が閉じられるとともに第1ゲート18が施錠されるか、または、第2ゲート19が開かれると共に第1ゲート18が解錠される。第1ロック53が施錠位置にされた場合、第2ゲート19が降下した位置で固定される。さらに、リンク機構63の端部であるリンク機構当接部57が降下した位置で固定される。第1ゲート18は、降下した位置で固定されたリンク機構当接部57によって上下の移動が制限される。すなわち、第1ゲート18は、閉じた状態で施錠される。第1ロック53が解錠位置にされた場合、第2ゲート19が上昇した位置で固定される。さらに、リンク機構63の端部であるリンク機構当接部57が上昇した位置で固定される。第1ゲート18は、上昇したリンク機構当接部57の位置まで上下の移動が可能となる。すなわち、第1ゲート18は、開閉可能となる。
【0056】
収容庫蓋64は、第1カードカセット2(図4参照)の背面を構成する。収容庫蓋64は、軸筒60と軸62を含む蝶番によって開閉可能にケース61(図4参照)に接続される。収容庫ロック58は、連動するデッドボルト68をケース61(図4参照)に係合された状態と解除された状態に固定することができる。すなわち、収容庫ロック58は、収容庫蓋64を閉じた状態で施錠することができる。
【0057】
図7から図10は、ゲートが開いている状態または閉じている状態を示している。図7は、カードカセットのゲートが解錠された状態の正面図である。図8は、カードカセットのゲートが施錠された状態の正面図である。図9は、カードカセットのゲートが解錠された状態の背面図である。図10は、カードカセットのゲートが施錠された状態の背面図である。
【0058】
図7は、第1カードカセット2の正面側から見た図である。第1カードカセット2の正面下方の第2ゲート19は、開いた状態であり、第1カードカセットの出口8が開口した状態である。第1カードカセットの出口8からカードを送出できる。図8は、第1カードカセット2の正面側から見た図である。第1カードカセット2の正面下方の第2ゲート19は、閉じた状態であり、第1カードカセットの出口8は閉塞した状態である。
【0059】
図9は、第1カードカセット2の背面側から見た図である。第1カードカセット2の背面下方の第1ゲート18は、解錠された状態である。第1ゲート18が上下に移動可能であり、第1カードカセットの入口7から内部にカードを侵入させることができる。図10は、第1カードカセット2の背面側から見た図である。第1カードカセット2の背面下方の第1ゲート18は、施錠された状態である。第1ゲート18が上下に移動できない状態であり、第1カードカセットの入口7からカードは侵入できない。
【0060】
次に、第1カードカセット2に収容されている第1重し4について説明する。図11は、カードカセットの重しの第1の例を示す斜視図である。
【0061】
第1重し4の長手方向に沿って、カードとの接触部73が配置され、その上に重しケース71が固定されている。錘部72が複数重ねられ、ネジ74によって重しケース71の中に固定されている。第1重し4は、錘部72の枚数によって重さを変えることができる。錘部72の略中央には開口部が備わり、その中に固定ピン70が重しケース71に固定されている。固定ピン70は接続ワイヤー59(図3参照)に接続する為の取り付け部であるが、接続の必要が無ければ、固定ピン70は備えなくても良い。錘部72の長手方向の端部には凹部78が備わる。重しケース71は、凹部78に対応する位置に開口が備わる。カードの有無を検出する検出センサーが第1重し4を誤って検出しないように、第1重し4の検出センサーの検出位置に対応する部分に開口が配置されている。カードとの接触部73も同様に検出センサーに反応しないように、検出センサーの検出位置を避けるように配置されている。
【0062】
第1カードカセット2は、第2カードカセット3から搬送されるカードの搬送路でもある。搬送面22(図1参照)と第1重し4との間を第2カードカセット3から搬送されるカードがスムースに通過できることが望まれる。そこで、接触部73の端部76にカードが当接したときに、カードがスムースに接触面75の方向に移動できるように、端部76には、端部76を湾曲させた曲部77が配置されている。また、曲部77は傾斜面でも良い。曲部77があるため、端部76は搬送面22(図1参照)から離間し、カードが接触部73と搬送面22(図1参照)の間に入りやすい構造となっている。少なくとも、端部76は、搬送面22(図1参照)から1枚のカードの厚さよりも大きく離すことが好ましく、例えば、2mm以上離してカードを接触部73と搬送面22との間に挿入できるようにすることが好ましい。端部76に、曲部77の代わりにカードの搬送方向に回転するローラーを配置しても良い。
【0063】
図12は、カードカセットの重しの第2の例を示す斜視図である。第2カードカセット3(図3参照)に収容する第2重し5の斜視図である。第2カードカセット3に収容する第2重し5には、曲部77は必要がない。そこで、平坦な錘部72を重しとして使用することができる。複数枚の錘部72を重ねて固定することで、第2重し5の重さを調整することができる。第2重し5の一方側の面に固定ピン70が固定されている。固定ピン70は、接続ワイヤー59を接続する取り付け部である。ワイヤー接続部69は、第2カードカセット3(図3参照)に接続される。第2重し5は、第1重し4(図11参照)と同様にしても良い。
【0064】
錘部72の長手方向に沿って凹部78が形成されている。検出センサーがカードの無い場合に誤って反応しないように、凹部78は、検出センサーの検出範囲を避けるように配置されている。
【符号の説明】
【0065】
1 カード処理装置
2 第1カードカセット
3 第2カードカセット
4 第1重し
5 第2重し
6 カード
7 第1カードカセットの入口
8 第1カードカセットの出口
9 第2カードカセットの出口
10 カード入出口
11 カードリードライターユニット
12 第1カード検出センサー
13 第2カード検出センサー
14 第1分離ローラー
15 第2分離ローラー
16 駆動領域
17 非駆動領域
18 第1ゲート
19 第2ゲート
20 第3ゲート
21 搬送装置
22 搬送面
23 第1突起
24 第2突起
25 フレーム
26 第1駆動ローラー
27 第1従動ローラー
28 第1搬送ローラー対
29 第2駆動ローラー
30 第2従動ローラー
31 第2搬送ローラー対
32 第3駆動ローラー
33 第3従動ローラー
34 第3搬送ローラー対
35 第4駆動ローラー
36 第4従動ローラー
37 第4搬送ローラー対
38 第1駆動ベルト
39 第2駆動ベルト
40 第3駆動ベルト
50 第1支持台
51 第2支持台
52 把手
53 第1ロック
54 第2ロック
55 デッドボルト
56 受け座
57 リンク機構当接部
58 収容庫ロック
59 接続ワイヤー
60 軸筒
61 ケース
62 軸
63 リンク機構
64 収容庫蓋
65 留め具
66 留め穴
67 当接部
68 デッドボルト
69 ワイヤー接続部
70 固定ピン
71 重しケース
72 錘部
73 接触部
74 ネジ
75 接触面
76 端部
77 曲部
78 凹部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12