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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】組成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/105 20160101AFI20241015BHJP
   A23L 2/52 20060101ALI20241015BHJP
   A23L 2/39 20060101ALI20241015BHJP
   A23L 7/10 20160101ALI20241015BHJP
   A23L 33/22 20160101ALI20241015BHJP
【FI】
A23L33/105
A23L2/00 F
A23L2/00 Q
A23L2/52
A23L7/10 H
A23L33/22
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2023023060
(22)【出願日】2023-02-17
(62)【分割の表示】P 2021167780の分割
【原出願日】2017-07-21
(65)【公開番号】P2023056027
(43)【公開日】2023-04-18
【審査請求日】2023-03-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398028503
【氏名又は名称】株式会社東洋新薬
(72)【発明者】
【氏名】中島 千絵
(72)【発明者】
【氏名】上野 栞
(72)【発明者】
【氏名】北村 整一
(72)【発明者】
【氏名】高垣 欣也
【審査官】村松 宏紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-226074(JP,A)
【文献】HMB フルーツ青汁粒 ナチュラルレインボー, Amazon[online], 2017年5月7日(2024年1月29日検索),https://amzn.asia/d/alB74uf
【文献】イソマルトオリゴ糖,食品と容器,2011年,vol.52,pp.76-82
【文献】スリムベジスムージー, ダイエット専門店ビュービーカフェ[online],2013年9月23日(2024年1月29日検索),https://web.archive.org/web/20130923121439/http://www.b-labo.ne.jp:80/smoothie_cp/sp/
【文献】日本食品標準成分表2015年,2016年,追補2016年炭水化物成分表
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物加工物及び糖アルコールから選ばれる2種以上の成分と、マルトトリオースとを含有する青汁組成物であって、
植物加工物を含有し、
植物加工物が、大麦、ケール、長命草、クマザサ、茶、アシタバ、クワ、甘藷及びよもぎから選ばれる少なくとも1種の緑葉の粉砕末又は抽出物であり、
糖アルコールを含有しない場合、大麦の緑葉の粉砕末又は抽出物と、ケール、長命草、クマザサ、茶、アシタバ、クワ、甘藷及びよもぎから選ばれる少なくとも1種の緑葉の粉砕末又は抽出物とを含有し、
固形分中、
マルトトリオースの含有量が乾燥質量で0.01~30質量%であり、
前記植物加工物及び前記糖アルコールの合計含有量が乾燥質量で10質量%以上である、青汁組成物(ただし、次の(1)及び(2)を除く
(1)HMB、大麦若葉、明日葉、フルーツ果汁、植物発酵物及び乳酸菌を含有する錠剤
(2)長命草及びサイリウムを含有するリンゴ風味のグリーンスムージー)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物加工物及び糖アルコールから選ばれる2種以上の成分と、消化性オリゴ糖とを含有する組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、植物加工物を含む組成物は、健康食品等として知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-267880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
健康食品等に用いる組成物については、需要者のニーズは近年多様化しており、更なる効果の向上を求める要求、特に健康や美容の観点における更なる効果の向上を求める要求がますます強くなっている。
しかしながら、従来の組成物は、この要求に十分にこたえるものではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明者は、植物加工物及び糖アルコールから選ばれる少なくとも一種を含む組成物について、健康や美容の観点から更なる作用強化が得られる構成について鋭意検討した。その結果、驚くべきことに、消化性オリゴ糖と、植物加工物及び糖アルコールから選ばれる2種以上とを組み合わせることで優れた脂肪細胞における脂肪蓄積抑制効果や筋芽細胞賦活効果を奏し、ダイエットやロコモ症候群の予防や低減において有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明は上記の知見に基づくものであり、植物加工物及び糖アルコールから選ばれる2種以上と、消化性オリゴ糖とを含有する組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、脂肪細胞における脂肪蓄積抑制効果及び筋芽細胞賦活効果に優れた組成物が提供される。また本発明によれば、脂肪細胞における脂肪蓄積抑制や筋芽細胞賦活による、皮下脂肪等の体脂肪の蓄積抑制作用、脂質の分解燃焼等のエネルギー代謝活性の維持又は改善作用、体重低減や上昇抑制作用、容姿のスリム化作用、リバウンドの抑制作用、筋肉増強又は筋肉低減防止作用や筋肉損傷の回復効率の向上作用等が得られるダイエット用組成物及び/又はロコモ症候群の予防用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の組成物について、その好ましい実施形態に基づいて説明する。以下、本発明の組成物という場合、「経口用組成物」、「経口剤」、「飲食用組成物」、「飲食用剤」、「飲食品」のいずれにも当てはまり、安全に本発明の効果を得ることができる「ダイエット用組成物」、「筋肉増強用組成物」、「筋肉低減防止用組成物」、「ロコモ症候群の予防及び/又は改善用組成物」、「筋肉増強剤」、「筋肉低減防止剤」、「ロコモ症候群の予防及び/又は改善剤」、「ダイエット用食品」、「筋肉増強用食品」、「筋肉低減防止用食品」、「ロコモ症候群の予防及び/又は改善用食品」のいずれにも当てはまる。
【0009】
・消化性オリゴ糖
本発明における消化性オリゴ糖とは、ヒトの消化酵素で分解され、胃や小腸で吸収されてエネルギーになる三糖以上のオリゴ糖である。本発明で使用できる消化性オリゴ糖の構成糖数は三糖以上十糖以下であることが好ましく、三糖以上八糖以下であることがより好ましく、三糖以上六糖以下であることがさらに好ましく、三糖以上四糖以下であることが効果の点から特に好ましい。消化性オリゴ糖としては、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、大豆オリゴ糖等が挙げられ、特に、入手容易性や脂肪細胞における脂肪蓄積抑制や筋芽細胞賦活の効果を高める観点及び製造時のハンドリング性の良さの点から、マルトオリゴ糖が好ましい。マルトオリゴ糖としては、具体的には、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース等が挙げられ、特に、マルトトリオースが効果を高める観点から好ましい。
【0010】
本発明の組成物の固形分中、消化性オリゴ糖の含有量は、上記の脂肪細胞における脂肪蓄積抑制効果や筋芽細胞賦活を一層高める点から、乾燥質量で、0.0001質量%以上が好ましく、0.001質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましく、0.05質量%以上が効果の点から特に好ましい。また本発明の組成物は消化性オリゴ糖、植物加工物及び糖アルコールのみからなるものであってもよいが、他成分との組み合わせで高機能化及び多機能化を図ることを可能する観点から、組成物中の消化性オリゴ糖の含有量の上限としては、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
【0011】
・植物加工物又は糖アルコール
本発明の組成物は、植物加工物及び糖アルコールから選ばれる2種以上の組み合わせを含有するものである。植物加工物及び糖アルコールから選ばれる2種以上の組み合わせとは、2種以上の植物加工物の組み合わせか、或いは、1種以上の植物加工物と1種以上の糖アルコールとの組み合わせであることが好ましい。2種以上の植物加工物の組み合わせとは、互いに種の異なる2種以上の植物それぞれの加工物の組み合わせであることが好ましい。
【0012】
本発明における植物加工物とは、植物を、乾燥、粉砕、抽出、ろ過、搾汁、スラリー化、発酵、加熱等の何れかの1以上の処理をすることにより得られたものである。植物体の部位としては、葉、根、根茎、花、茎、種子等各部位が挙げられる。葉は茎を含んでいてもよい。
【0013】
植物加工物としては、具体的には、植物体を乾燥処理及び粉砕処理して得られる乾燥粉末(以下、「乾燥粉砕末」ともいう)、植物体の細片化物及びその乾燥物、植物体の搾汁及びその乾燥粉末、植物体の抽出物及びその乾燥粉末等が挙げられるが、これらに限定されない。本発明においては、加工、貯蔵、運搬等の容易性や使用形態の汎用性といった観点から、最終的に粉末の形態をしていることが好ましい。本明細書で単に粉末という場合、通常、乾燥粉砕末、細片化物の乾燥粉末、搾汁の乾燥粉末、抽出物の乾燥粉末及び発酵物の乾燥粉末のいずれをも含む。粉末は、粒状、顆粒状等を当然に含むものである。
【0014】
植物体を乾燥粉砕末化するには従来公知の方法を用いることができる。そのような方法としては、植物体に対して、乾燥処理及び粉砕処理を組み合わせた方法を用いることができる。乾燥処理及び粉砕処理はいずれを先に行ってもよいが、乾燥処理を先に行うことが好ましい。乾燥粉砕末化は、この方法に、さらに必要に応じてブランチング処理、冷却処理、殺菌処理等の処理から選ばれる1種又は2種以上の処理を行ってもよい。また、粉砕処理を行う回数は2回以上であってもよく、粗粉砕処理を行った後に、より細かく粉砕する微粉砕処理を行うことが好ましい。
【0015】
乾燥処理としては、特に限定されないが、例えば、大麦の茎葉の水分含量が10質量%以下、特に5質量%以下となるように乾燥する処理であることが好ましい。この乾燥処理は、例えば、熱風乾燥、高圧蒸気乾燥、電磁波乾燥、凍結乾燥等の当業者に公知の任意の方法により行われ得る。
【0016】
粉砕処理は特に限定されないが、例えば、クラッシャー、ミル、ブレンダー、石臼等の粉砕用の機器や器具等を用いて、当業者が通常使用する任意の方法により植物体を粉砕する処理が挙げられる。粉砕された植物体は、必要に応じて篩にかけられ、例えば、30~250メッシュを通過するものを植物体の粉末として用いることが好ましい。粒径が250メッシュ通過のもの以下とすることで、さらなる加工時に植物体の粉末が取り扱いやすくなり、粒径が30メッシュ通過以上のものとすることで、植物体の粉末と他の素材との均一な混合が容易になる。
【0017】
具体的な乾燥粉砕末化の方法としては、例えば、植物体を切断した後、水分含量が10質量%以下となるように乾燥し、その後粉砕する方法が挙げられる。この他にも、例えば、植物体を切断した後、揉捻し、その後、乾燥し、粉砕する方法;植物体を乾燥し、粗粉砕した後、110℃以上で加熱し、さらに微粉砕する方法等が挙げられる。
【0018】
また、植物体を細片化する方法は特に限定されないが、例えば、スライス、破砕、細断等の当業者が植物体を細片化する際に通常使用する方法を用いることができる。細片化の一例として、スラリー化してもよい。スラリー化は、植物体をミキサー、ジューサー、ブレンダー、マスコロイダー等にかけ、どろどろした粥状(液体と固体との懸濁液)にすることにより行う。種子の細片化物を加熱する場合は、この液に水を入れて煮詰めた後、篩別、濾過等の手段によって粗固形分を除去して液分を用いてもよい。
【0019】
植物体を搾汁する方法は特に限定されないが、例えば、植物体又はその細片化物を圧搾する方法、植物体の細片化物を遠心やろ過する方法等を挙げることができる。具体的な搾汁方法の例としては、ミキサー、ジューサー等の機械的破砕手段によって搾汁し、必要に応じて、篩別、濾過等の手段によって粗固形分を除去することにより搾汁液を得る方法が挙げられる。
【0020】
植物体の抽出物を得る方法は特に限定されないが、例えば、植物体又はその細片化物或いは乾燥物等に、エタノール、水、含水エタノール、メタノール、酢酸エチル等の当業者が通常用いる抽出溶媒を加え、必要に応じて攪拌及び/又は加温して抽出する方法等を挙げることができる。抽出溶媒は必要に応じて1種又は2種以上を適宜選択し、使用することができる。加温する場合、その温度は室温~溶媒の沸点以下であれば特に限定されない。抽出物は、その後の篩別、濾過等の手段によって粗固形分を除去した抽出物を使用することが好ましい。例えば、大豆の細片化物(磨砕物)に水を加えて煮詰めた後、ろ過して得られるろ液(抽出物)は、豆乳として知られている。抽出物は、必要に応じて濃縮してもよく、乾燥して粉末化してもよい。粉末化する際は、必要に応じて賦形剤を使用できる。
【0021】
植物加工物が粉末である場合、水分量を20質量%以下、特に10質量%以下とすることが、安定性や品質劣化の防止等の観点から好ましい。水分量は例えば、1質量%以上であることが、粉末である植物加工物の製造容易性の点から好ましい。
【0022】
植物加工物が粉末である場合、30~250メッシュの何れかのふるいを通過する粉末であることが、他の成分との混合のしやすさや経口しやすさ等の点で好ましい。同様の観点から、粉末である植物加工物は90質量%以上が200メッシュを通過することがより好ましい。
【0023】
また植物体は発酵物であってもよく、例えば植物体又はその粉砕物、搾汁、抽出物若しくは細片化物に対して、乳酸菌、酵母、麹菌、納豆菌、酢酸菌等を添加して発酵して得られたものであってもよい。
【0024】
上記の細片化処理で得られた搾汁や抽出処理で得られた液状抽出物、発酵後の液状物やスラリー等はいずれも熱風乾燥、高圧蒸気乾燥、電磁波乾燥、凍結乾燥等の当業者に公知の任意の方法により乾燥粉末化されうる。この際にデキストリン等の賦形剤を添加してもよい。
【0025】
本発明における植物加工物及び糖アルコールから選ばれる2種以上の含有量は特に限定されないが、脂肪細胞における脂肪蓄積抑制効果及び筋芽細胞賦活効果を一層高める点から、本発明の組成物の固形分中、植物加工物及び糖アルコールから選ばれる2種以上の含有量は、その総量が乾燥質量で、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上が更に好ましく、40質量%以上が効果の点から特に好ましい。また本発明の組成物は消化性オリゴ糖と植物加工物及び糖アルコールから選ばれる2種以上のみからなるものであってもよいが、他成分との組み合わせで高機能化及び多機能化を図ることを可能する観点から、組成物中の植物加工物及び糖アルコールから選ばれる2種以上の含有量の上限としては、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下が更に好ましい。ここで言う組成物中の植物加工物及び糖アルコールから選ばれる2種以上の総量は、植物加工物及び糖アルコールから選ばれる2種以上を2種のみ含有する場合はその合計の量であり、これらを3種以上含有する場合には、その合計の量である。
【0026】
本発明の組成物が植物加工物を含有する場合、上記の脂肪細胞における脂肪蓄積抑制及び筋芽細胞賦活の効果を一層高める点から、本発明の組成物の固形分中、植物加工物の含有量は、消化性オリゴ糖1質量部に対し、乾燥質量で、0.01質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、1質量部以上が更に好ましく、10質量部以上がより一層好ましく、50質量部以上が更に一層好ましく、100質量部以上が特に好ましく、200質量部以上がとりわけ好ましい。また他成分との組み合わせで高機能化及び多機能化を図ることを可能する観点から、組成物中の植物加工物の含有量の上限としては、消化性オリゴ糖1質量部に対し、10000質量部以下が好ましく、1000質量部以下がより好ましく、500質量部以下が更に好ましい。組成物中の植物加工物の量は、植物加工物を1種のみ含有する場合はその単独の量であり、これらを2種以上含有する場合には、その合計量である。
【0027】
本発明における植物加工物は市販されているものを用いてもよい。市販品としては、例えば、後述する実施例に記載されているものが挙げられる。
【0028】
植物加工物における植物体としては、緑葉の加工物であることが好ましい。本発明において緑葉は、経口摂取可能な緑色植物の葉であり、クロロフィルを有するものである。本発明において使用できる緑葉としては、例えば、イネ科植物、キク科植物、セリ科植物、クワ科植物、ドクダミ科植物、シソ科植物、ユリ科植物、シナノキ科植物、ヒルガオ科植物、ツバキ科植物等の緑葉が脂肪細胞における脂肪蓄積抑制活性や筋芽細胞賦活活性が高い点や植物由来の栄養成分を摂取できる点から好ましい。イネ科植物としては、例えば、小麦、デュラム小麦、ライ麦、ライ小麦、大麦、オーツ麦、はと麦、トウモロコシ、イネ、ヒエ、アワ、キビ、クマザサ等が挙げられる。キク科植物としては、例えば、よもぎ等が挙げられる。セリ科植物としては、例えば、アシタバ、パセリ、セロリ、長命草(ボタンボウフウともいう)等が挙げられる。クワ科植物としては、例えば、クワ等が挙げられる。ドクダミ科植物としては、例えば、ドクダミ等が挙げられる。シソ科植物としては、例えば、シソ等が挙げられる。アブラナ科植物としては、例えば、小松菜、ケール、キャベツ、ブロッコリー等が挙げられる。ユリ科植物としては、例えば、アスパラガス等が挙げられる。シナノキ科植物としては、例えば、モロヘイヤ等が挙げられる。ヒルガオ科植物としては、例えば、甘藷等が挙げられる。ツバキ科植物としては、例えば、茶が挙げられる。これらの中でも、大麦、ケール、長命草、クマザサ、茶、アシタバ、クワ、甘藷、よもぎ、キャベツが効果の点から特に好ましい。
【0029】
本発明の組成物が、互いに種の異なる2種以上の植物それぞれの加工物の組み合わせを含有する場合、脂肪細胞における脂肪蓄積抑制活性や筋芽細胞賦活活性を高めるために、緑葉加工物同士の組み合わせであることが好ましい。また2種以上の植物加工物の組み合わせとしては、特に麦類の加工物と、麦類以外の植物の加工物との組み合わせであることが効果の点から好ましい。これらの点から2種以上の植物加工物の組み合わせは、麦類の緑葉の加工物と、麦類以外の植物の緑葉の加工物との組み合わせが好ましい。麦類以外の植物としては、イネ科植物(但し麦類を除く)、キク科植物、セリ科植物、クワ科植物、ドクダミ科植物、シソ科植物、ユリ科植物、シナノキ科植物、ヒルガオ科植物、ツバキ科植物が挙げられる。
【0030】
植物として大麦を用いる場合、大麦の若葉を用いることが好ましい。大麦若葉は、成熟期前、すなわち分けつ開始期から出穂開始前期に収穫される葉及び/又は茎である。また、甘藷である場合、甘藷の栽培時に、地面から外に出ている葉又は茎を含む葉を用いることが好ましく、甘藷若葉が好ましい。
【0031】
植物体が緑葉である場合、緑葉は乾燥粉砕末であることが好ましい。上記の記載が示すように、乾燥粉砕末とは、搾汁及び抽出処理をしていない植物体に対し、乾燥処理及び粉砕処理をして得られる乾燥粉末である。
【0032】
特に本発明の組成物が麦類の加工物を含有する場合、脂肪細胞における脂肪蓄積抑制及び筋芽細胞賦活の効果を一層高める点から、その含有量は、消化性オリゴ糖1質量部に対し、乾燥質量で、1質量部以上5000質量部以下が好ましく、100質量部以上2500質量部以下がより好ましく、1000質量部以上1250質量部以下が更に好ましい。
【0033】
更に、本発明の組成物が麦類の加工物と、麦類以外の植物の加工物とを併用する場合、筋芽細胞賦活活性や脂肪細胞における脂肪蓄積抑制活性の点、特に脂肪蓄積抑制活性の点から、麦類以外の植物の加工物の含有量は、麦類の加工物1質量部に対し、乾燥質量で、0.01質量部以上1000質量部以下が好ましく、0.1質量部以上100質量部以下がより好ましく、1質量部以上10質量部以下が更に好ましく、5質量部以上8質量部以下が効果の点から特に好ましい。
【0034】
特に、脂肪蓄積防止効果及び筋芽細胞賦活活性をより高める点から、消化性オリゴ糖と、大麦若葉・ケール・長命草・クマザサ・茶・アシタバ・クワ葉・甘藷若葉及びよもぎ葉の加工物との質量比は、消化性オリゴ糖1質量部に対して各加工物が乾燥質量で0.01質量部以上が好ましく、0.1質量部以上10000質量部以下であることがより好ましく、1質量部以上1000質量部以下であることが更に好ましく、10質量部以上100質量部以下であることが効果の点から特に好ましい。
【0035】
本発明で使用できる糖アルコールとしては、単糖のアルコール、二糖のアルコール、三糖以上のアルコールが挙げられる。単糖のアルコールとしては、例えばエリスリトール、キシリトール等のペンチトール、D-グルシトール(ソルビトール)等のヘキシトール等が挙げられる。また、二糖のアルコールとしては、例えば、還元麦芽糖(マルチトール)、ラクチトール、還元パラチノース(イソマルト)等が挙げられる。また三糖以上のアルコールとしては、マルトトリイトール、イソマルトトリイトール、パニトール等が挙げられる。糖アルコールとしては、消化性オリゴ糖との組み合わせにより、筋芽細胞の賦活活性及び脂肪蓄積抑制の効果を得やすい観点から、四糖以下のアルコールから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、三糖以下のアルコールから選ばれる少なくとも1種であることがさらに好ましく、特に、二糖以下のアルコールから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、二糖以下のアルコールとしては還元麦芽糖であることが効果の点から好ましい。
【0036】
本発明の組成物が糖アルコールを含有する場合、上記の筋芽細胞賦活効果及び脂肪細胞における脂肪蓄積抑制効果を一層高める点から、本発明の組成物の固形分中、糖アルコールの含有量は、消化性オリゴ糖1質量部に対し、乾燥質量で、1質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、100質量部以上が更に好ましく、1000質量部以上が更に一層好ましく、10000質量部以上が効果の点から特に好ましい。また他成分との組み合わせで高機能化及び多機能化を図ることを可能する観点から、組成物中の糖アルコールの含有量の上限としては、消化性オリゴ糖100質量部に対し、10000000質量部以下が好ましく、1000000質量部以下がより好ましく、100000質量部以下が更に好ましく、10000質量部以下が効果の点から特に好ましい。組成物中の糖アルコールの量は、糖アルコールを1種のみ含有する場合はその単独の量であり、これらを2種以上含有する場合には、その合計量である。
【0037】
本発明の組成物は、消化性オリゴ糖、植物加工物及び糖アルコール以外に、その他の成分を含んでいてもよい。前記のその他の成分としては、例えば、ビタミン類、タンパク質、ミネラル類、乳製品、乳酸菌等の微生物、クエン酸、酸味料、着色料、光沢剤のほか、タルク、セルロース、ステアリン酸カルシウム等の製造用剤等を配合することできる。その他の成分としては、これら以外にも、種々の賦形剤、結合剤、滑沢剤、安定剤、希釈剤、増量剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調味料等を挙げることができる。その他の成分の含有量は、組成物の形態等に応じて適宜選択することができる。本発明において、組成物に含まれる消化性オリゴ糖、植物加工物及び糖アルコール以外の成分は、固形分中、90質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましく、30質量%以下であることが効果の点から特に好ましい。
【0038】
本発明の組成物は、固体状、半固体状、流動体状等のいずれの形態であってもよい。例えば固体状としては、錠状、カプセル状、棒状、板状、ブロック状、固形状、丸状、飴状、タブレット状、グミ状、ウエハース状、ビスケット状、クッキー状、ケーキ状、チュアブル状、スティック状等が挙げられる。半固体状としては、ペースト状、ゼリー状等が挙げられる。流動体状としては、シロップ状、液状、ゼリー状等が挙げられる。
【0039】
また本発明の組成物は、粉末状又は顆粒状であって、水と混合した混合物を経口摂取する形態であると、腐敗を防ぎ長期保存に適することから好ましい。また本発明の組成物はこれが固体状の形態である場合、上述したように、これを水と混合した液状体となし、該液状体を飲用する等経口摂取することができるが、摂取する者の好み等に応じて、固体のまま経口摂取してもよい。また水だけでなく、牛乳、豆乳、果汁飲料、乳清飲料、清涼飲料、ヨーグルト、ホットケーキミックス等に添加して使用してもよい。また、サプリメント、健康食品、栄養機能食品、機能性表示食品、特定保健用食品、及び医薬品として用いても良い。
【0040】
本発明の組成物は経口用組成物であるところ、該組成物が植物加工物として緑葉の加工物を含有する場合、本発明の組成物を、青汁用の飲食用組成物として用いることが好ましい。青汁用の飲食用組成物とは、緑葉の加工物を含む飲料である。青汁用の飲食用組成物としては、この飲料、及びこの飲料を得るために液体に分散又は溶解させる固体が挙げられる。青汁用の飲食用組成物には、一般的に知られる青汁製品以外にスムージーやゼリー等が含まれる。
【0041】
本発明の組成物の形態は青汁用の飲食用組成物の例として挙げた飲料及びこの飲料を得るために液体に分散又は溶解させる固体の形態に限らず、任意の形態を採用できる。
【0042】
本発明の緑葉粉末は後述する実施例に記載の通り、植物加工物及び糖アルコールから選ばれる2種以上と、消化性オリゴ糖とを含有することにより、優れた脂肪細胞における脂肪の蓄積抑制効果及び筋芽細胞賦活効果を奏する。具体的には、植物加工物及び糖アルコールから選ばれる2種以上と、消化性オリゴ糖とを含有する組成物を摂取することで、脂肪細胞における脂質の蓄積を防止することができるほか、骨格筋等における筋芽細胞を活性化させることができる。従って、本発明の組成物は、これを摂取することで体脂肪蓄積防止、体脂肪低減、筋肉におけるエネルギー代謝の維持や促進、筋肉増強促進、筋肉減衰や低減の防止、及びロコモ症候群の予防や改善等を図ることができる。
従って、本発明の組成物は、体脂肪蓄積防止用途、体脂肪低減用途、筋芽細胞賦活用途、筋肉細胞増殖促進用途、筋肉増強用途、筋肉低減防止用途、筋肉減衰防止用途、代謝維持及び/又は促進用途、肥満の予防用途、肥満の解消用途、体重低減や上昇抑制用途、容姿のスリム化用途、リバウンドの防止用途、ダイエット用途、ロコモ症候群の予防及び/又は改善用途等において、優れたものとなりうる。ここでいう筋肉増強とは筋肉量の増加を意味し、筋肉低減防止とは筋肉量低減防止を意味する。
【実施例
【0043】
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0044】
〔実施例1~19、比較例1~12〕
被験試料として以下のものを用いた。
・マルトトリオース:粉末状の市販品を用いた。
・大麦若葉:東洋新薬社製の大麦若葉の乾燥粉砕末を用いた。乾燥粉砕末は、200メッシュを通過するものが90質量%以上であり、水分量が1質量%以上7質量%以下であった。
・ケール:東洋新薬社製のケールの葉の乾燥粉砕末を用いた。乾燥粉砕末は、200メッシュを通過するものが90質量%以上であり、水分量が1質量%以上7質量%以下であった。
・長命草:東洋新薬社製の長命草の葉の乾燥粉砕末を用いた。乾燥粉砕末は、200メッシュを通過するものが90質量%以上であり、水分量が1質量%以上7質量%以下であった。
・クマザサ:東洋新薬社製のクマザサの葉の乾燥粉砕末を用いた。乾燥粉砕末は、200メッシュを通過するものが90質量%以上であり、水分量が1質量%以上7質量%以下であった。
・抹茶:東洋新薬社製の碾茶の乾燥粉砕末を用いた。乾燥粉砕末は、200メッシュを通過するものが90質量%以上であり、水分量が1質量%以上7質量%以下であった。
・アシタバ:東洋新薬社製のアシタバの葉の乾燥粉砕末を用いた。乾燥粉砕末は、200メッシュを通過するものが90質量%以上であり、水分量が1質量%以上7質量%以下であった。
・クワ:東洋新薬社製のクワの葉の乾燥粉砕末を用いた。乾燥粉砕末は、200メッシュを通過するものが90質量%以上であり、水分量が1質量%以上7質量%以下であった。
・甘藷若葉:東洋新薬社製の甘藷の葉の乾燥粉砕末を用いた。乾燥粉砕末は、200メッシュを通過するものが90質量%以上であり、水分量が1質量%以上7質量%以下であった。
・よもぎ:東洋新薬社製のよもぎの葉の乾燥粉砕末を用いた。乾燥粉砕末は、200メッシュを通過するものが90質量%以上であり、水分量が1質量%以上7質量%以下であった。
・還元麦芽糖:粉末状の市販品を用いた。
・トレハロース:粉末状の市販品を用いた。
上記被験試料を下記(a)~(L)の手順の脂肪蓄積試験に供した。
[脂肪蓄積試験]
(a)37℃、5容量%CO2インキュベーター内で、75cm2フラスコを用いて、マウス線維芽細胞3T3-L1を10%(v/v)FBS含有DMEM培地で培養した。
(b)線維芽細胞3TL-L1をトリプシン処理により浮遊させ、75cm2フラスコから96well plateの各wellに2x104cells/wellの細胞密度で播種し、37℃、5容量%CO2インキュベーター内で、10%(v/v)FBS含有DMEM培地で2日間前培養した。次いで、培地を、試験試料を含有した分化誘導培地(controlは分化誘導培地のみ)に置換し、3日間培養し分化誘導を行った。
分化誘導培地としては、0.5mMイソブチルメチルキサンチン、0.5μMデキサメタゾン及び10μg/mLインスリンを含む10%(v/v)FBS含有DMEM培地を用いた。被験試料はその合計量が所定濃度(300μg/ml濃度)となるように分化誘導培地にて調製した。表1及び表2には、各被験試料の被験試料合計量中の質量割合を示す。
(c)培地を分化誘導培地から試験試料を含有した分化維持培地(controlは分化維持培地のみ)に置換し、4日間培養した。分化維持培地としては、10μg/mLインスリンを含む10%(v/v)FBS含有DMEM培地を用いた。被験試料はその合計量が所定濃度(300μg/ml濃度)となるように分化維持培地にて調製した。表1及び表2には、各被験試料の被験試料合計量中の質量割合を示す。
(d)(c)にて培養後、脂肪細胞から培地上清を除去した。次いで、当該細胞に、10%(v/v)ホルマリン含有PBSを培地と等量で添加し、遮光して10分間室温で静置した。次いで細胞からホルマリン溶液を除去し、PBSにて1回洗浄した。
(e)10%(v/v)ホルマリン含有PBSを100μL/wellで、細胞に添加し、遮光して10分間室温で静置し、細胞を固定した。
(f)ホルマリン溶液を除去し、 PBSで2回洗浄した。
(g)オイルレッドを3mg/mLに溶解した60容量%イソプロパノール(染色液)溶液を50μL/wellの量にて、脂肪細胞とblank wellに添加し、遮光して30分間室温で静置して脂質(脂肪滴)を染色した。次いで染色液を除去し、 60容量%イソプロパノール水溶液を150μL/well添加し、細胞を2回洗浄した。
(h)100容量%イソプロパノールを細胞とblank wellに100μL/well添加し、10分間ほど振とうして染色液を抽出した。染色液が抽出されたイソプロパノール液の520 nm及び650nmにおける吸光度を測定した。
(k)イソプロパノール液を風乾にて完全に除去した後、PierceTM BCA Protein Assay kit(Thermo Fisher Scientific社)を用いて各細胞のタンパク量を算出した。
(L)下記式より、タンパクあたりの脂肪蓄積量を算出し、controlに対する相対値を算出した結果を表1及び表2に示す。相対値が小さいほど、脂肪細胞において脂肪の蓄積が抑制されていることを示す。相対値の結果を下記表1及び表2に示す。

脂肪蓄積量の相対値(%)=[[(Abs520 sample - Abs520 blank) - (Abs650 sample - Abs650 blank) ]/(Protein sample)] / [(Abs520 control - Abs520 blank) - (Abs650 control - Abs650 blank) ]/(Protein control)]]×100(%)

Abs520 sample、Abs650 sample : 520nm、650nmにおける各実施例又は比較例の吸光度
Abs520 control、Abs650 control : 520nm、650nmにおけるcontrolの吸光度
Abs520 blank、Abs650 blank : 520nm、650nmにおけるblankの吸光度
Protein sample: 各実施例又は比較例における細胞中のタンパク量
Protein control: controlにおける細胞中のタンパク量
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
表1は、植物加工物と糖アルコールと消化性オリゴ糖との3成分を含有する実施例の組成及び評価結果を記載し、表2には消化性オリゴ糖と、2種以上の植物加工物とを含有する実施例の組成及び評価結果を記載している。表3は、消化性オリゴ糖、植物加工物単独又は、トレハロースと1種の植物加工物とを含有する比較例の組成及び評価結果を記載している。
一般に、繊維芽細胞は分化誘導によってPPARγ が発現して脂肪合成が盛んになり、細胞内への脂肪を蓄積させて丸く大きな脂肪細胞になることが知られている。
表1及び表2に記載の各実施例は、表3に示す各比較例に対し、培地中の被験試料濃度が低いにもかかわらず、吸光度の相対値(濁度)が低い。このことから、表1及び表2に記載の各実施例の組成物は、表3に示す各成分を単独で含有する比較例1~11の組成物に比べて脂肪細胞において脂肪の蓄積が効果的に抑制され、体脂肪の蓄積を抑制でき、また体脂肪を低減できることが判る。一方で、二糖であるトレハロースと植物加工物1種のみを含有する場合(比較例12)は、脂肪細胞中の脂肪の蓄積が効果的に抑制されないことから、三糖以上の消化性オリゴ糖と特定の2種以上の成分との組み合わせにおいて優れた効果が得られることが示された。
【0049】
〔実施例20~32、比較例13~22〕
上記の各被験試料粉末を、下記(1)~(7)の手順の筋芽細胞賦活試験に供した。
[筋芽細胞賦活試験]
(1)マウス骨格筋由来筋芽細胞(品名C2C12、理化学研究所バイオリソースセンター製)を37℃、5容量%CO2インキュベーター内で、10 vol%FBS含有DMEM培地を入れた75cm2フラスコを用いて、培養した。
(2)(1)の培養後、トリプシン処理により浮遊させた細胞を75cm2フラスコから回収し、細胞数を計測した。その後、コラーゲンコートした96 well plateにおける各wellに、2000/wellの細胞密度にて培地ごと播種した後、37℃、5容量%CO2インキュベーター内で24時間前培養した。
(3)(1)及び(2)とは別に、表4~表6に記載の粉末をそれぞれ、10vol%FBS含有DMEM培地に表4~表6に記載の濃度となるように分散又は溶解させた液を調製し、これを0.2μmフィルター(アドバンテック製)を用いてフィルター滅菌したものを該当する実施例又は比較例のサンプル液とした。なお、表4~表6の「●」は、実施例又は比較例のサンプル液が、左欄の被験試料を左欄に記載の濃度で含有していたことを示す。コントロールとしては、10 vol%FBS含有DMEM培地そのものをサンプル液として用いた。
(4)各wellより培地を除去後、(3)で調製したサンプル液を各wellにそれぞれ200μLずつ添加し、37℃、5容量%CO2インキュベーター内で24時間培養した。
(5)(4)の培養後、培地を除去した後、各wellをPBS 200μL/wellで1回洗浄した。次いで、無血清DMEMで30倍に希釈したCell Counting Kit-8溶液(同仁化学社) 150μL/wellを添加した。
(6)(5)の溶液添加後のplateを37℃、5容量%CO2インキュベーター内に静置して適度に発色させた後、各wellの450nmにおける吸光度を測定した。得られたデータを元に、コントロールに対する細胞数の割合(% of control)を下記式に基づいて算出した。
% of control=(Data sample - Data blank)/(Data control - Data blank)×100
Data sample:各実施例又は比較例の吸光度
Data control:controlの吸光度
Data blank:細胞がないときの吸光度
【0050】
(7)評価
【0051】
消化性オリゴ糖と、植物加工物と、糖アルコールとを組み合わせた実施例20~24の細胞数の割合(% of control)について、当該実施例における植物加工物及び糖アルコールのいずれかを非含有である対応比較例(下記表6参照)の細胞数の割合を100%として算出した値を表4に示す。
【0052】
【表4】
【0053】
また、消化性オリゴ糖と2種の植物加工物とを組み合わせた実施例25~32の細胞数の割合(% of control)について、当該実施例における2種の植物加工物のいずれかを非含有である対応比較例(下記表6参照)の細胞数の割合を100%として算出した値を表5に示す。
【表5】
【0054】
【表6】
【0055】
表4に示すように、植物加工物と糖アルコールと消化性オリゴ糖との3成分を含有する各実施例では、消化性オリゴ糖と、植物加工物又は糖アルコールとの2成分を含有する対応比較例に対して、大幅に筋芽細胞の賦活活性が大幅に高くなることが判る。
また表5に示すように、消化性オリゴ糖と2種の植物加工物との3成分を含有する各実施例では、消化性オリゴ糖と、1種の植物加工物との2成分を含有する対応比較例に対して、大幅に筋芽細胞の賦活活性が大幅に高くなることが判る。なお比較例17については検出限界以下のため評価できなかった。
以上により、消化性オリゴ糖と植物加工物及び糖アルコールから選ばれる2種以上の成分とを組み合わせることにより、筋芽細胞が効果的に賦活され、筋組織におけるエネルギー代謝を高めることが示された。
【0056】
実施例33(青汁用組成物の製造)
下記処方例に記載の配合比に従って原料を調製し、本発明の効果を奏する青汁用組成物を製造した。
【0057】
【表7】
【0058】
実施例34(青汁用組成物の製造)
下記処方例に記載の配合比に従って原料を調製し、本発明の効果を奏する青汁用組成物を製造した。
【0059】
【表8】
【0060】
実施例35(青汁用組成物の製造)
下記処方例に記載の配合比に従って原料を調製し、本発明の効果を奏する青汁用組成物を製造した。
【0061】
【表9】
【0062】
実施例36(青汁用組成物の製造)
下記処方例に記載の配合比に従って原料を調製し、本発明の効果を奏する青汁用組成物を製造した。
【0063】
【表10】
【0064】
実施例37(錠剤の製造)
下記処方例に記載の配合比に従って原料を調製したのち、打錠機を用いて本発明の効果を奏する錠剤を製造した。
【0065】
【表11】
【0066】
実施例38(錠剤の製造)
下記処方例に記載の配合比に従って原料を調製したのち、打錠機を用いて本発明の効果を奏する錠剤を製造した。
【0067】
【表12】