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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】歯科治療ユニット用の水分捕捉装置
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/022 20060101AFI20241015BHJP
   A61C 19/00 20060101ALI20241015BHJP
   A61L 9/00 20060101ALI20241015BHJP
   B01D 53/26 20060101ALI20241015BHJP
【FI】
A61C17/022
A61C19/00 C
A61L9/00 Z
B01D53/26 210
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023180044
(22)【出願日】2023-10-19
【審査請求日】2024-02-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012858
【氏名又は名称】パワードライヤー有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080838
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 光康
(74)【代理人】
【識別番号】100194261
【弁理士】
【氏名又は名称】栢原 崇行
(72)【発明者】
【氏名】本橋 孝雄
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-029460(JP,A)
【文献】実開平01-167311(JP,U)
【文献】特開平03-157114(JP,A)
【文献】実開昭56-095327(JP,U)
【文献】特許第5070356(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/26
A61L 9/00
A61C 1/08
A61C 17/02-032
A61C 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気供給源と接続すると共に床下に配設された第1供給配管と治療室に設置された歯科治療ユニットの第2供給配管との間に接続状態に介在し、前記第2供給配管に空気を供給する歯科治療ユニット用の水分捕捉装置であって、前記水分捕捉装置は
吸気口部と気液分離後の空気を排出する排気口部とを有する容器と、
前記吸気口部と前記第1供給配管に接続する一方の接続部材と、
前記第2供給配管と前記排気口部に接続する他方の接続部材と、
前記容器の内部空間に設けられ、空気流通を前記吸気口部側から排気口部側へと許容すると共に、少なくとも前記内部空間に所定間隔を有して配設されかつ空気中の水分を捕捉する複数の仕切板状の水分捕捉部材、又は前記内部空間に固定されかつ複数の仕切り部品の一体的な組み合わせから成る気液分離部材のいずれかを備え、
さらに前記水分捕捉装置は、前記歯科治療ユニットの患者用診療台の根元周辺に配置され、かつ、前記第1供給配管を構成すると共に前記治療室内の床を貫通する突出接続部が前記一方の接続部材に接続する、歯科治療ユニット用の水分捕捉装置。
【請求項2】
請求項1の水分捕捉装置に於いて、前記容器には、前記接続部材が取り外し可能に固定されていることを特徴とする歯科治療ユニット用の水分捕捉装置。
【請求項3】
請求項1の水分捕捉装置に於いて、前記気液分離部材は、さらに空気中に混入した雑菌を捕捉することができることを特徴とする歯科治療ユニット用の水分捕捉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水分捕捉装置に関し、特に、歯科用治療室に設置された歯科治療ユニットの噴射器具に綺麗な乾燥空気を送るために使用される歯科治療ユニット用の水分捕捉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
まず、特許文献1の請求項1には、「省スペースで設置できメンテナンスが容易な歯科医療用エアドライヤを提供すること」を課題とし、この課題を解決するための手段として、「エア入力口と、前記エア入力口から供給されたエアを除湿する除湿部と、前記除湿部で除湿したドライエアを出力するエア出力口と、前記エア入力口、前記除湿部、及び前記エア出力口を覆う筐体とを備え、前記筐体は、一の方向の一方側に配置された第1のカバーと、他方側に配置された着脱可能な第2のカバーとを有し、前記除湿部は、前記第1のカバーで覆われ、前記エア入力口及び前記エア出力口は、前記第2のカバーで覆われることを特徴とする歯科医療用エアドライヤ」が記載されている(例えば請求項1、段落0009、図4等)。
【0003】
そして、図1の図面左側には、建物の機械室R2の床面上に、エアコンプレッサ22a及び前記歯科医療用エアドライヤ51が設置され、前記歯科医療用エアドライヤから供給されるドライエアは、建物の床面下に水平状態に配設されたエア配管23を介して図面右側の歯科治療室R1の歯科治療用ユニット21に直接送られることが示されている(符号は特許文献1のもの)。
【0004】
特許文献1の問題点は、建物の機械室R2に歯科医療用エアドライヤ51を設置しているため、歯科医療用エアドライヤ51と歯科治療室R1の歯科治療用ユニット21とを結ぶエア配管23の距離が長くなればなるほどエア配管23の内壁に水分化現象が発生し易くなり、その結果、エア配管23の中を流れる圧縮空気中に水分や雑菌が混ざる恐れがあると共に、前記水分や雑菌を含む圧縮空気が歯科治療用ユニット21側のタービンモーター、スリーウェイシリンジに送られる。
【0005】
ここで「細菌の好む増殖環境」について述べると、細菌の多くは高温多湿な環境で増殖が活発なることが知られている。例えば細菌の多くは10℃以下では増殖がゆっくりとなり、マイナス15℃以下では増殖が停止することが知見されている。したがって、歯科医療用エアドライヤシステムに於いても、前記エア配管23の中を流れるドライエアが高温になることを極力回避することが望まれる。
【0006】
しかしながら、歯科医療用の圧縮空気供給源は、エアコンプレッサ(圧縮機)と、このエアコンプレッサから送出された圧縮空気(エア)を除湿してドライエアとして送出する熱交換手段としてのエアドライヤ(冷凍乾燥機)とが必要である。前記エアコンプレッサを利用すると、当然のことながら、圧力によって結露温度は上がる。本発明者の知見によると、「大気と圧縮した空気に含まれる水蒸気の結露温度の変化」に関して、例えば35℃の気温かつ湿度60%の時、結露温度は26.1℃、大気圧下(0.1Mpa)、圧力が0.3Mpaに圧縮した時には、結露温度は45.9℃である。また圧力が0.6Mpaに圧縮した時、結露温度は60.1℃である。
【0007】
前記エア配管23は、普通一般に耐腐食性の合成樹脂材で出来ているが、配管はどの様な材質でも外気に触れることから、温度が外気温度に近いものと推測される。前述したように、35℃の外気では、つまり大気圧下では結露する。建物の床下は、気候、地域、場所等によっては外気温度が高くなり、例えば25℃~26.1℃であっても、いわば特別な場所といえる。エアコンプレッサ(圧縮機)から出た高温化した空気に含まれた水蒸気は、普通一般に結露し易くなるものの、前記エア配管23の配管壁で冷やされる水蒸気は、配管壁に接触した時だけなので、残存水蒸気は配管の先へ行くものの、配管壁で冷やされる不明瞭なタイミングで配管距離に比例して水分化が起きることは業界内ではあまり知られていない。
【0008】
本発明者は、長年の研究の結果、エア配管に関しても、「温度を上げない環境」、「水分のない環境」が必要であることに認識しながら、比較的長いエア配管の中を流れるドライエアに雑菌やウイルスが混入する可能性があることを知見した。また歯科医療用ユニットには小型タービン装置が含まれているが、小型タービン装置は虫歯や歯石を除去する回転器具で、圧縮空気を動力とし含まれる水分がタービンモーター内で雑菌が発生する原因ともなり得る。
【0009】
したがって、歯科医療用エアドライヤシステムに於いては、歯冠などをかぶせる時に接着剤の不良を防止するために、水を含まない綺麗な乾燥圧縮空気が必要である。
次に、特許文献2の紫外線照射空気殺菌装置は、出願人が貴庁に提案したもので、発明の課題は、「構造が簡単であるという発明の課題を満足させると同時に、容器に入り込んだ空気を所要時間(例えば好ましくは30秒以上の長い時間)容器の内部に留まるようにすることにより、空気の殺菌を確実に行うことができること」である。
【0010】
上記課題の解決手段は、「ダクトの内部空間に配備され、ダクトの一端開口部から他端開口部へと流れる空気を紫外線照射手段によって殺菌する紫外線照射空気殺菌装置に於いて、ダクトの内部には、該ダクトの内壁面と略直交状態に接続するように、かつ、一端開口部から他端開口部に向かって所要間隔を有して併設されると共に、該ダクトの内部を流れる空気を蛇行状に案内する一群の仕切板と、空気を殺菌することができるように一群の仕切板の間の全部又は一部に配設された多数の紫外線照射手段とが設けること」である。
上記特許文献2は、建物の室内の内部空間に供給する空気に雑菌が含まれないようにする紫外線照射空気殺菌装置であるが、本発明のように、その用途について、歯科医療用エアドライヤシステムに適用することは記載されていない。
【0011】
次に、特許文献3には、「吸気口部と浄化した空気を排出する排気口部とを有する筐体内に内部空間を流通する空気中の雑菌を捕捉する複数の気液分離部材及び前記気液分離部材に向けて紫外線を照射する複数の紫外線照射部材を備える空気浄化装置」が記載されている。しかしながら、この特許文献3も前記特許文献2と同様に、建物の室内の内部空間に供給する空気に雑菌が含まれないようにする空気浄化装置であり、その用途について、歯科医療用エアドライヤシステムに適用することは記載されていない。
【0012】
最後に、特許文献4乃至特許文献7は、発明者が提案した気液分離装置である。これらの気液分離装置は、容器内を通過する空気から水分を分離する気液分離手段を用いてエアスプレーガン、エアモータ等の空気吹き出し手段に乾燥空気を送るものである。なお、特許文献4乃至特許文献7と同一技術分野に属する特許文献として、特許第4789963号公報、特開2001-269524号公報、特開2000-5535号公報が存在する。これらの特許文献から明らかなように、「気液分離装置が、圧縮空気を吸引いる吸引口と気液分離後の気体を排出する排風口を有する筒状の容器と、この容器の内部空間に固定されかつ複数の仕切り部品の一体的な組み合わせから成る気液分離部材を備えること」は公知乃至周知技術である、と言える。
【0013】
しかしながら、特許文献4乃至特許文献7、前記特許第4789963号公報等には、その用途について、歯科医療用エアドライヤシステムに適用することは全く記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】特許第7018189号公報
【文献】特開2022-161071号公報
【文献】特許第7012814号公報
【文献】特許第5070356号公報
【文献】特許第5216148号公報
【文献】特許第5467180号公報
【文献】特許第6718620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は以上のような従来の問題点に鑑み、歯科医療用エアドライヤシステムに於いて、「スリーウェイシリンジ」と称される噴射器具に、少なくとも乾燥空気を送ることである。付言すると、気液分離手段により、空気に含まれている水分を分離して乾燥空気を送ることができれば、雑菌も患者(被治療者)の口に入り込まないことを前提としている。特に、歯科治療ユニットを構成する患者用治療台の根元周辺に「水分捕捉装置」を配置し、治療室のスペース、コンセント等を有効的に活用すると共に、歯科治療用エアの品質の向上化を図ることである。付言すると、可能な限り歯科治療ユニットの付近で気液分離を実現することができると共に、水分捕捉装置の設置が治療者(歯医者さん)の邪魔にならないようにすることである。その他、実施形態によっては、空気中に混入した雑菌を捕捉することができることである。
【0016】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
【0017】
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の歯科治療ユニット用の水分捕捉装置は、圧縮空気供給源と接続すると共に床下に配設された第1供給配管と治療室に設置された歯科治療ユニットの第2供給配管との間に接続状態に介在し、前記第2供給配管に空気を供給する歯科治療ユニット用の水分捕捉装置であって、前記水分捕捉装置は、吸気口部と気液分離後の空気を排出する排気口部とを有する容器と、前記吸気口部と前記第1供給配管に接続する一方の接続部材と、前記第2供給配管と前記排気口部に接続する他方の接続部材と、前記容器の内部空間に設けられ、空気流通を前記吸気口部側から排気口部側へと許容すると共に、少なくとも前記内部空間に所定間隔を有して配設されかつ空気中の水分を捕捉する複数の仕切板状の水分捕捉部材、又は前記内部空間に固定されかつ複数の仕切り部品の一体的な組み合わせから成る気液分離部材のいずれかを備え、さらに前記水分捕捉装置は、前記歯科治療ユニットの患者用診療台の根元周辺に配置され、かつ、前記第1供給配管を構成すると共に前記治療室内の床を貫通する突出接続部が前記一方の接続部材に接続することを特徴とする。
【0019】
上記構成に於いて、前記第1供給配管は、室内外又は室内の床下のいずれかに設置されたエアコンプレッサ及び熱交換手段を含む圧縮空気供給源と接続すると共に、前記室内の床下に配設された水平方向の本管と、この本管から枝分かれした複数本の枝管と、これらの枝管の先端部から上方へと延びると共に、前記治療室内の床を貫通し、かつ、患者用診療台の根元周辺に突出する前記一方の接続部材用の突出接続部とから成ることを特徴とする。ここで「治療台の根元周辺」とは、歯科治療ユニットを構成する治療装置本体の付近、又は患者用診療台の下方空間、或いは又は該患者用診療台の付近のいずれか一方をいう。
【0020】
また、前記容器には、前記接続部材が取り外し可能に固定されていることを特徴とする。さらに、望ましくは、前記気液分離部材は、空気中に混入した雑菌を捕捉することができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1に記載の発明においては、歯科医療用エアドライヤシステムに於いて、「スリーウェイシリンジ」と称される噴射器具に可能な限り、乾燥空気を送ることができる。付言すると、完全な乾燥空気を送ることができることから、患者の口に雑菌が入り込むことを未然に防止することができる。付言すると、水分捕捉装置は、歯科治療ユニットの患者用診療台の根元周辺に配置され、かつ、床下に配設された第1供給配管を構成すると共に、治療室内の床を貫通する突出接続部が水分捕捉装置の一方の接続部材に接続するので、治療室のスペースを有効的に活用すると共に、歯科治療用エアの品質の向上化(第1供給管の内壁で発生した水分や雑菌の除去)を図ることができる。また水分捕捉装置の設置が治療者(歯医者さん)の邪魔にならないようにすることができる。なお、電源コードのプラグを有する実施形態の場合は、歯科治療ユニットの適宜箇所に設けたコンセントに差し込むことができる。
(2)請求項2に記載の発明においては、容器には、接続部材が取り外し可能に固定されているので、メンテナンスができる。
(3)請求項3に記載の発明においては、雑菌も捕捉することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1乃至図8は本発明の第1の実施形態の水分捕捉装置Xを示す各説明図である。図9乃至図12は本発明の第2実施形態の水分捕捉装置X1を示す各説明図である。
図1】本発明の水分捕捉装置XをエアドライヤシステムYの構成の一部に用いた全体模式図。
図2】歯科治療ユニット1を構成する噴射器具1c用の第2供給配管2と圧縮空気供給源10と接続する第1供給配管13との間に介在する水分捕捉装置Xの模式図。
図3】圧縮空気供給源と接続する第1供給配管13の一例を示す説明図。
図4】第1実施形態の水分捕捉装置Xの内部構成を示す説明図。
図5図4における要部の拡大説明図。
図6】複数枚の気液分離部材と複数個の紫外線照射部材の配置態様を示す概略説明図。
図7】容器内の空気の流れを示す説明図(雑菌の捕捉及びウイルスの不活化)。
図8】水分捕捉装置Xの外観構成を示す斜視図。
図9】第2実施形態の水分捕捉装置X1の正面視からの説明図(正面壁部を一部切欠)。
図10図9に示す気液分離装置の一部縦断面図。
図11】要部(気液分離手段、接続部材等)分解説明図。
図12】要部(気液分離盤と筒状支持体を分離)の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照にして本発明を詳細に説明する。図1は本発明の歯科治療用ユニットの水分捕捉装置Xを歯科医療用のエアドライヤシステムYの構成の一部に用いた全体の模式図である。図1ではエアドライヤシステムY型の水分捕捉装置Xを示すが、本発明の特定事項は、前記水分捕捉装置Xである。したがって、エアドライヤシステムYのみならず、水分捕捉装置Xのみを無断実施した場合にも特許権の侵害となり得る。
【0024】
図1乃至図8は、第1実施形態の水分捕捉装置Xを示す。この水分捕捉装置Xは、容器22の内部空間に設けられ、少なくとも空気流通を吸気口部側から排気口部側へと許容すると共に、前記内部空間に所定間隔を有して配設されかつ空気中の水分を捕捉する複数の仕切板状水分捕捉部材25(以下、「水分捕捉部材25」という)を設け、前記水分捕捉部材25を内設した水分捕捉装置Xを歯科治療ユニット1の患者用診療台1bの根元周辺に設置した点に特徴がある。
【0025】
まず、図1に於いて、図面右側のR1は建物の歯科用治療室で、この歯科用治療室R1の床F1の面上には歯科治療ユニット1が設置されている。周知のように、歯科治療ユニット1は、床面上に設置される平板状ベース部を有する箱型支持台1a、この箱型支持台1aの上方に設けられた患者用診療台(被治療者用椅子)1bと、スリーウェイシリンジ1c(図2参照)、エアータービン、フットコントローラー、スピットン(ボウル型の洗口設備)、支柱、可動アーム、可動アームの先端部に設けられた無影灯、トレーテーブル等を備える治療装置本体1dから成る。
【0026】
符号2は、例えば前記治療装置本体1dの筐体又は箱型支持台1aのいずれか一方に配設された第2供給配管(仮想線で示す)2で、この第2供給配管2の下流側接続部2aは、図2で示すように「スリーウェイシリンジ」と称される噴射器具1cに適宜に接続している。なお、特に図示しないが、第2供給配管2は、空気供給用配管、洗浄水供給用配管、バキューム系配管等を有している。
【0027】
図1に戻る。一方、図面左側のR2は機械室で、この機械室R2の床F2の面上には、圧縮空気供給源10としてのエア供給システムを構成する複数の機器が設置されている。この圧縮空気供給源10は、エアコンプレッサ11と、このエアコンプレッサから送出された圧縮空気を除湿してドライエアとして送出する熱交換手段12としてのエアドライヤ(冷凍乾燥機)とを含む。実施形態の圧縮空気供給源10は、例えば機械室R2の床F2の面上に設置されているが、建物の室内外の適宜場所に設置することができる。なお、ここでは治療室R1の床F1及び機械室R2の床F2を含む建物の床を符号の「F」とする。
【0028】
次に、符号13は、圧縮空気供給源側のエアドライヤ(冷凍乾燥機)12と前述した歯科治療ユニット側の第2供給配管2にそれぞれ接続する第1供給配管である。実施形態では、第1供給配管13の上流側の基端部は圧縮空気供給源10の熱交換手段12に接続するが、下流側の突出他端部16は水分捕捉装置Xの一方の接続部材23に接続する。
【0029】
しかして、第1供給配管13は、図3で示すように、少なくとも室内の床下F(機械室R2の床F2及び治療室R1の床F1を含む)に配設された水平方向の長い本管14と、この長い本管から枝分かれした複数本の短い枝管15と、これらの枝管の先端部から上方へと延びると共に、治療室内の床F1を貫通し、かつ、歯科治療ユニット1を構成する治療装置本体1dの付近、又は患者用診療台1bの下方空間、或いは又該患者用診療台1aの付近のいずれか一方に突出する突出接続部16とを有する。さらに、前記第1供給配管13は、好ましくは下流側にドライエアを分離するサイレンサー18側に流すエアリターン配管17を有している。なお、枝管16の数は歯科治療ユニット1のそれに対応している。
次に図2は、歯科治療ユニット1を構成する噴射器具1c用の第2供給配管2と圧縮空気供給源10と接続する第1供給配管13との間に介在する水分捕捉装置Xの模式図である。噴射器具1cとしてのスリーウェイシリンジは、パイプ状の把持部分3a、この把持部分の先端部に設けられたノズル3b、把持部分の先端部側に設けられたレバー3c等を有し、把持部分3aと歯科治療ユニット1側の2供給配管2は可撓性のチューブ4を介して接続している。なお、噴射器具1cの把持部分3a内には、エア回路とウオーター回路が設けられている。
【0030】
ここで噴射器具1cについて簡単に説明する。噴射器具1cは、被治療者の口の中に風や噴霧状の水をかける機能を有する。付言すると、噴射器具1cは、噴霧(スプレー)によって口腔内を洗浄し、或いは口腔内をエアで乾燥することができ、「水だけ」、「空気だけ」及び「空気+水」の3通りの使い方があるので、スリーウェイと称されている。したがって、噴射器具1cに供給する空気は、可能な限り雑菌やウイルスが含んでいないことが要望される。しかして、第2供給配管2の下流側接続部2aは、噴射器具1cの可撓性チューブ4の後端部に接続し、一方、前記第2供給配管2の上流側接続部2bは水分捕捉装置Xの排気口部にホース(管)19を介して他方の接続部材24に接続している。
次に、図4は第1実施形態の水分捕捉装置Xの内部構成を示す説明図である。水分捕捉装置Xは、前述したように、圧縮空気供給源10と接続する第1供給配管13と治療室R1に設置された歯科治療ユニット1の第2供給配管2との間に接続状態に介在し、前記第2供給配管に綺麗な空気を供給する。
【0031】
しかして、水分捕捉装置Xは、吸気口部20と気液分離後の空気を排出する排気口部21とを有する角筒状或いは円筒状の容器22と、前記吸気口部20と前記第1供給配管13に接続する一方の接続部材23と、第2供給配管2と可撓性ホース19を介して前記排気口部21に接続する他方の接続部材24と、前記容器22の内部空間に所定間隔を有して設けられ、少なくとも前記内部空間を流通する空気中の水分を捕捉する複数枚の水分捕捉部材25及び空気中のウイルスの不活化を図るために前記気液分離部材に紫外線を照射する複数個の紫外線照射部材26を備える。
【0032】
なお、第1実施形態の水分捕捉部材25は、(a)内部空間を流通する空気中の水分を捕捉する機能と、(b)内部空間を流通する空気中に混入した雑菌を捕捉する機能の両方を有するが、少なくとも前記(a)の機能を有していれば、前記(b)の効果も期待できることを前提としている。したがって、複数枚の水分捕捉部材25は、少なくとも容器22の内部空間を所定方向に流れる圧縮空気の含まれている水分を除去することができれば良いので、その形状は、例えば波型形状、湾曲形状、複数の気体制御小孔を有する肉厚状の板体等任意の形状に設計変更をすることができる。
【0033】
さて、前記複数枚の水分捕捉部材25は、少なくとも空気の流れる方向に5枚以上所定間隔を有して配設され、筒状の容器を所定方向に流れる空気は、例えば一方の接続部材23から他方の接続部材24まで蛇行状(例えば5曲がり、6曲がり、7曲がり、8曲がり等)に流れる。
【0034】
実施形態では、水分捕捉部材25は、例えば図6で示すように矩形状板であり、好ましくは粒状或いは微粒の酸化チタンを全体的に含んでいる。したがって、水分捕捉部材25は、内部空間を流通する空気中の水分を捕捉する機能のみならず、容器22の内部空間を流れる空気に含まれている雑菌を吸着状態に捕捉する機能も有する。
好ましい実施形態では、筒状の容器22には、光触媒材料からなるウイルス気液分離部材(例えばHEPAフイルター)と、該ウイルス気液分離部材に励起光を照射する励起光照射部材(例えばLED)が内装されている。したがって、空気中のウイルスの不活化を図ることができる。
【0035】
ところで、前記一方の接続部材23(図4では右側)は、例えば角筒状の容器22の吸気口部20を塞ぐように容器22の一端部に外嵌合する一方の蓋体23aと、この蓋体の略中央部に設けられた連結孔に基端部が取り付けられたエルボ型の接続管23bとから構成されている。一方、前記他方の接続部材24(図4では左側)は、前記角筒状の容器22の排気口部21塞ぐように容器22の他端部に外嵌合する他方の蓋体24aと、この蓋体の略中央部に設けられた連結孔に基端部が取り付けられた水平型の接続管24bとから構成されている。そして、実施形態では、容器22の内周面に図示しない導電シートが一体的に設けられ、該導電シートに電源コード27の基端部が接続していると共に、該電源コードの自由端部にはプラグ28が取り付けられている。前記プラグ28は、好ましくは治療装置本体1dに設けられたコンセントに差し込まれる。なお、前記導電シートに代えて複数の紫外線照射部材26用の配線を設けても良い。
【0036】
ここで、前述した複数の水分捕捉部材25及び前記気液分離部材に紫外線を照射する複数の紫外線照射部材26の配設態様について述べる。例えば図4(水排出管、支持台は省略)、図5(水排出管、支持台は図示)、図6(水排出管、支持台は省略)、図7(水排出管、支持台は省略)等で示すように、容器22の内部には、該容器の内壁面と略直交状態に接続するように、かつ、一端開口部から他端開口部に向かって所要間隔を有して併設されると共に、該容器22の内部を流れる空気を蛇行状に案内する一群の仕切り板状の水分捕捉部材25と、前記空気を殺菌することができるように前記一群の切り板状の気液分離部材の間の全部に配設された多数の紫外線照射手段26が設けられている。
【0037】
なお、容器22の底壁部の各水分捕捉部材25の間には、該水分捕捉部材25に捕捉された水を容器22の外部に排出する水排出手段が設けられている。前記水排出手段は、例えば前記水分捕捉部材25の間の底壁部に形成された複数の落下口6と、これらの落下口にそれぞれ差し込まれた複数の排出用枝管7と、これらの排出用枝管7と連結された単数又は複数の排出本管8とから成り、好ましくは前記容器22の底壁部は、前記排出本管8を内装する凹所或いは水平状態の嵌合溝を有する任意形状の支持台9が設けられている。
【0038】
しかして、前記一群の仕切り板状の水分捕捉部材25は、前記容器22の一側壁部の内壁面に一端部が接続されていると共に、他端部が前記容器22の他壁部の全部或いは一部が内壁面から離れることより、前記他端部と前記他壁部の内壁面との間に空気の通り道を形成する。第1群の仕切り板状の気液分離部材25a、25a………と、逆に前記容器22の他壁部の内壁面に前記他端部が接続されていると共に、前記一端部の全部或いは一部が前記容器22の一側壁部の内壁面から離れることより、前記一端部と前記一側壁部の内壁面との間に空気の通り道を形成する第2群の仕切り板状の水分捕捉部材25b、25b………とから成る。
【0039】
〈複数の水分捕捉部材25の変形例〉
複数の水分捕捉部材25の変形例は、出願人が提案した特許文献2に色々と記載されている。念のために記述すると、「一群の仕切り板状の気液分離部材は、容器の内壁面に隙間なく接続すると共に一端部に空気の通り道を形成する第1透孔を有する第1群の仕切り板状の気液分離部材と、同様に前記容器の内壁面に隙間なく接続すると共に、前記一端部とは反対側の他端部に空気の通り道を形成する第2透孔を有する2群の仕切り板状の気液分離部材とから成るもの」であっても良い。
【0040】
また、「第1群の仕切り板状の気液分離部材と第2群の仕切り板状の気液分離部材は、一端開口部から他端開口部に向けて交互に配設され、少なくとも第1群の仕切り板状の気液分離部材と第2群の仕切り板状の気液分離部材の間には、例えば合計4個を含む蛍光灯型の紫外線照射手段(例えば紫外線LED)が配設されてもの」であっても良い。
なお、水分捕捉部材25の形状は、容器の形状に合わせて、例えば矩形状、方形、円形、楕円形、台形、蒲鉾型等、任意に設計変更可能である。また容器は、コンパクトで、構造が簡単なものが望ましい。さらに、容器の左右の両端部を塞ぐ蓋体を有する接続部材23、24は、メンテナンスに配慮し、取り外し可能であることが望ましい。
【0041】
〈本発明の第2実施形態〉
本発明の第2実施形態は、発明者が貴庁に提案した気液分離装置(例えば特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7)の技術的思考を利用するものである。この第2実施形態の水分捕捉装置X1は、「水分捕捉装置X1が、圧縮空気を吸引する吸気口部と気液分離後の気体を排出する排気口部を有する筒状の容器と、この筒状容器の内部空間に固定され、かつ複数の仕切り部品の一体的な組み合わせから成る気液分離部材を備える公知乃至周知技術」を応用したものである。
【0042】
したがって、第2実施形態の水分捕捉装置X1は、「圧縮空気供給源10と接続する第1供給配管13と治療室R1に設置された歯科治療ユニット1の第2供給配管2との間に接続状態に介在し(図1及び図2を援用する)」、例えば後述の図9図10等で示すように、「前記第2供給配管2に空気を供給する歯科治療ユニット1用の水分捕捉装置であって、吸気口部20と気液分離後の空気を排出する排気口部21とを有する容器22Aと、前記吸気口部と前記第1供給配管に接続する一方の接続部材23Aと、前記第2供給配管と前記排気口部に接続する他方の接続部材24Aと、前記容器の内部空間に設けられ、少なくとも前記内部空間を流通する空気中の水分を捕捉する気液分離部材25Aを備え、前記気液分離部材25Aは、複数の部品の一体的な組み合わせから成る」。
【0043】
この第2実施形態の水分捕捉装置X1の気液分離部材25Aも、第1実施形態の水分捕捉部材25と同様に容器22A内を所定方向へと流れる空気中の水分を捕捉するものである。したがって、第2実施形態の気液分離部材25Aは第1実施形態の水分捕捉部材25と同様の水分除去機能を有する。
【0044】
以下、図9乃至図12を参照にして、第2実施形態の水分捕捉装置X1の構成を説明する。なお、第1実施形態と同様な機能を有する各部材には、同一又は同様の符号を付す。また全体のシステムや部材の配設態様は、図1及び図2を援用する。さらに、第2実施形態の要部は、公知乃至周知技術なので、細かな符号は割愛する。
まず、第2実施形態の水分捕捉装置X1が第1実施形態と主に異なる点を列挙する。
【0045】
(A)容器22Aは、縦長の長筒状容器である点である。長筒状容器22Aは、縦方向に長い上端開口の容器本体22aと、この容器本体に一体的に結合する蓋体22bと、この蓋体を前記容器本体に着脱自在に締め付ける環状の締付け子22cとから成る。したがって、この実施形態では、前記蓋体22bの周壁部に形成した吸気口部20に一方の管状接続部材23Aが取り付けられ、一方、前記蓋体22bの周壁部に形成した排気口部21に他方の管状接続部材24Aが取り付けられる。なお、前記吸気口部20は、設計如何によっては容器本体22aの上端部の周壁に形成することもできる。
【0046】
(B)図9で示すように、容器本体22aの底部側の周壁面は断面凹所状の支持台9Aに着脱可能に支持され、前記支持台9A内に仮想線で示す容器型のドレイン8Aが取り出し可能に配置されている。なお、容器本体22a下端部は、すり鉢状に形成された底壁部分となっており、この底壁部分の中央部には、落下口6Aが形成されている。
【0047】
(C)水分捕捉部材25に相当する気液分離部材25Aは、複数個の仕切り部品からなり、これらの仕切り部品は、容器22Aの内部空間に一体的に組み込まれている。ここで、図11及び図12を参照にすると、気液分離部材25Aは、下端開口の壺形状の第1仕切り体25aと、この第1仕切り体25aの上端開口部に螺着する筒状支持体25bの下端開口部に複数の固定具を介して一体的に取り付けられ、かつ、複数の小さい気体流量制御小孔が形成された第2仕切り体としての気液分離盤25cとから成る。
【0048】
上記構成に於いて、気体下流室内に流れ込んだ気体は、壺形状の第1仕切り体25aが存在するので、下端部の略中央部に形成された狭い通気口31を通過して、該気体下流室32内で解放状態となる。そこで、該第1仕切り体25aの内周面に沿って流れる気体は、通気口31の真上を上昇する気体の流れよりも遅くなり、いわば第1仕切り体25aの湾曲面側の気体は渦流的に乱れ、その結果、気液分離の促進化を図ることができる。
【0049】
前記第2仕切り体としての気液分離盤25cは、下面に設けられた複数の気体衝突用突起物を有する。特に図示しないが、気液分離の促進化を図るために前記気体衝突用突起物は、短いピン形状や柱、板形状、ブロック形状、曲面を有する形状、傾斜面を有する形状、波形状や鋸形状、これらに類する形状に形成されている。なお、壺形状の第1仕切り体25aの形態は、傘状、管状等に設計変更をすることができる。この実施形態に於いて、気体の流れは公知乃至周知技術なので、ここでは割愛する。
【0050】
ここで、特許文献4の公知技術を応用した第2実施形態の一例を説明したが、もちろん、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許第4789963号公報、特開2001-269524号公報、特開2000-5535号公報等に記載されている気液分離手段を有する気液分離装置を歯科医療用エアドライヤシステムに適用した場合も、第2実施形態と同じ発明の課題を達成することができる。
【0051】
なお、特許文献5は、特許文献4の長筒状容器及び該長筒状容器の内部空間に固定的に設けられた気液分離手段を備え、前記気液分離手段は、壺状の第1仕切り体及び該第1仕切り体に一体的に設けられた盤状の第2仕切り体を前提とするもので、前記第2仕切り体の下面に気体衝突用突起物を多数形成したものである。
【0052】
また特許文献6も、特許文献4と同様に長筒状容器及び該長筒状容器の内部空間に固定的に設けられた気液分離手段とを備え、前記気液分離手段は、上下方向に長い筒状の第1仕切り体及び該第1仕切り体に一体的に設けられ、かつ、上下方向にそれぞれ離間して併設的に固定された鍔状部分を有する第2の仕切り体とから成るものである。
【0053】
また、特許文献7も特許文献4と同様に長筒状容器及び該長筒状容器の内部空間に固定的に設けられた気液分離手段とを備え、前記気液分離手段は、長筒状仕切板(第1仕切り体)、上の短筒状仕切板(上の第2仕切り体)、下の短筒状仕切板(下の第2仕切り体)、前記上の短筒状仕切板に固定的に支持された短筒状気液分離盤及び前記下の短筒状仕切板に固定的に設けられた有底筒状気液分離盤とからなるものである。
【0054】
さらに、例えば前述した特許第4789963号公報に記載の発明は、特許文献4と同様に長筒状容器及び該長筒状容器の内部空間に固定的に設けられた気液分離手段とを備え、前記気液分離手段は、縦長状仕切板(管状の第1仕切り体)、この縦長状仕切板に筒状のエア案内子を介して一体的に組み込まれた複数の断面山形状の凸気液分離盤とからなるものである。
【0055】
上記のように、筒状又は角筒状の容器の内部空間に固定され、かつ、複数の仕切り部品の一体的な組み合わせから成る気液分離部材を備える歯科治療ユニット用の水分捕捉装置は、全て、歯科医療現場の歯科用治療室R1の床面F1に設置された歯科治療ユニットの付近に設置し、一方の接続部材(23、23A)及び他方の接続部材(24、24A)を介して圧縮空気供給源側(上流側)の第1供給配管13とエアータービンルータ装置側(下流側或いは供給側)の第2供給配管2にそれぞれ接続し、歯科医療用エアドライヤシステムYとして実施をすることができる。
【0056】
〈付記〉容器22、22Aは、角筒状や長筒状の形態を図示したが、これらの形態に限定するものではない。容器22、22Aの形態は、歯科治療ユニットの付近に設置すること考え、例えば弧状の管状型、ドーナツ管型、蒲鉾管型など色々と設計変更をすることができる。また、気液分離部材を水分と雑菌を取り除くことができるフィルタに置換することもできる。さらに、接続部材23、23A、24、24Aの形態も適宜に選択することができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は歯科医療現場、特に歯医者さんの業界で利用される。
【符号の説明】
【0058】
X、X1…水分捕捉装置、
Y…歯科医療用エアドライヤシステム、
R1…歯科用治療室、
R2…機械室、
F…建物の床、
F1…歯科用治療室の床、
F2…機械室の床、
1…歯科治療ユニット、
1a…箱型支持台、
1b…患者用診療台(被治療者用椅子)、
1c…噴射器具(スリーウェイシリンジ)、
1d…治療装置本体、
2…第2供給配管、
3a…把持部分、
3b…ノズル、
4…可撓性チューブ、
6、6A…落下口、
8…排出本管、
8A…容器型のドレイン、
9、9A…支持台、
10…圧縮空気供給源、
11…エアコンプレッサ、
12…熱交換手段(冷凍乾燥機)、
13…第1供給配管、16…突出接続部、
19…ホース、
20…吸気口部、21…排気口部、
22、22A…容器、
22a…容器本体、22b…蓋体、22c…環状の締付け子、
23、23A…一方の接続部材(23a…蓋体と、23b…接続管)、
24、24A…他方の接続部材(24a…蓋体と、24b…接続管)、
25…水分捕捉部材、
25A…気液分離部材、
25a…第1群の仕切り板状の気液分離部材(第2実施形態では、25aは第1仕切り体)、
25b…第2群の仕切り板状の気液分離部材(第2実施形態では、25bは気液分離盤25cを一体的に有する筒状支持体)、
26…紫外線照射部材、
27…電源コード、28…プラグ。
31…狭い通気口。
【要約】
【課題】歯科医療用エアドライヤシステムに於いて、「スリーウェイシリンジ」と称される噴射器具に極力綺麗な乾燥空気を送ること。
【解決手段】歯科治療ユニット用の水分捕捉装置は、圧縮空気供給源と接続する第1供給配管と治療室に設置された歯科治療ユニットの第2供給配管との間に接続状態に介在し、吸気口部と気液分離後の空気を排出する排気口部とを有する容器と、吸気口部と第1供給配管に接続する一方の接続部材と、第2供給配管と排気口部に接続する他方の接続部材と、容器の内部空間に設けられ、空気流通を吸気口部側から排気口部側へと許容すると共に、少なくとも内部空間に所定間隔を有して配設されかつ空気中の水分を捕捉する複数の仕切板状の水分捕捉部材、又は内部空間に固定されかつ複数の仕切り部品の一体的な組み合わせから成る気液分離部材のいずれかを備えること。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12