IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アン、ソン スの特許一覧

<>
  • 特許-ローリング低減ボート 図1
  • 特許-ローリング低減ボート 図2
  • 特許-ローリング低減ボート 図3
  • 特許-ローリング低減ボート 図4
  • 特許-ローリング低減ボート 図5
  • 特許-ローリング低減ボート 図6
  • 特許-ローリング低減ボート 図7a
  • 特許-ローリング低減ボート 図7b
  • 特許-ローリング低減ボート 図7c
  • 特許-ローリング低減ボート 図8a
  • 特許-ローリング低減ボート 図8b
  • 特許-ローリング低減ボート 図8c
  • 特許-ローリング低減ボート 図9
  • 特許-ローリング低減ボート 図10
  • 特許-ローリング低減ボート 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】ローリング低減ボート
(51)【国際特許分類】
   B63B 39/03 20060101AFI20241015BHJP
【FI】
B63B39/03 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023555184
(86)(22)【出願日】2022-01-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 KR2022000361
(87)【国際公開番号】W WO2022196911
(87)【国際公開日】2022-09-22
【審査請求日】2023-09-07
(31)【優先権主張番号】10-2021-0033761
(32)【優先日】2021-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523341613
【氏名又は名称】アン、ソン ス
【氏名又は名称原語表記】AN,Seong Su
【住所又は居所原語表記】310-1403,9,Mojeon 1-gil,Jeonggwan-eup Gijang-gun Busan 46008,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】アン、ソン ス
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0305509(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02042426(EP,A1)
【文献】特開昭57-144181(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0017940(KR,A)
【文献】特開2003-285790(JP,A)
【文献】米国特許第04811817(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 39/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボート本体(100);
前記ボート本体(100)の側部を囲んで形成されるローリング低減チューブ(200、200’);
前記ローリング低減チューブ(200、200’)の前端開口部に連通するように結合され、上側には水が注入される水注入孔(310)が貫通形成されたチューブ連結部材(300);
前記ボート本体(100)の前側下部に形成されて水注入孔(310)に水を注入する水注入部材(400);を含む構成において、
前記ボート本体(100)の前側上部に形成されるものの、前方に突出する結合突起(500);をさらに含み、
前記水注入部材(400)は
水注入部材(400)の前端に上下に貫通形成されて、水注入部材(400)を巻き上げる時に結合突起(500)と結合される結合孔(410)を含む
ことを特徴とする、ローリング低減ボート。
【請求項2】
ボート本体(100);
前記ボート本体(100)の側部を囲んで形成されるローリング低減チューブ(200、200’);
前記ローリング低減チューブ(200、200’)の前端開口部に連通するように結合され、上側には水が注入される水注入孔(310)が貫通形成されたチューブ連結部材(300);
前記ボート本体(100)の前側下部に形成されて水注入孔(310)に水を注入するものの、板状を有して前方に延び、曲がる材質を有し、ボート本体(100)が水上に配置された場合に水の中に浸ることになる水注入部材(400);
前記ボート本体(100)の前側上部に形成されるものの、前方に突出する結合突起(500);
前記ボート本体(100)の前側下端から垂直下方に延び、ボート本体(100)が水上に配置された場合に水の中に浸ることになる延長部材(600);
前記延長部材(600)の下端部に形成されるものの、前面と上面が開放された塵取りの形状(dustpan-shaped)で形成されるピッチング防止部材(700);
前記ボート本体(100)の後側に形成される縄梯子(800);を含むものの、前記ローリング低減チューブ(200、200’)は、
ローリング低減チューブ(200、200)の前端開口部を囲んで形成されてローリング低減チューブ(200)の開口された状態を維持させる開口維持部材(210、210)を含み、
前記チューブ連結部材(300)は
チューブ連結部材(300)の内部下側に形成されるものの、上方に膨らんだ曲線形態で形成されて水注入孔(310)を通じてチューブ連結部材(300)の内部に注入された水がローリング低減チューブ(200、200)の内部に流れて行くように誘導する水注入誘導部材(320)を含み、
前記水注入部材(400)は
水注入部材(400)の前端に上下に貫通形成されて、水注入部材(400)を巻き上げる時に結合突起(500)と結合される結合孔(410)を含むことを特徴とする、ローリング低減ボート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はローリングの低減および水の中で非常に容易にボートに搭乗できるローリング低減機能を有しているボートに関し、より詳細には、ボートの運航中にボート本体を囲むローリング低減チューブに水を満たすことができる構造を有するローリング低減ボートに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にヨット、釣りボート、沿岸用漁船などの中小型のボートは、その大きさが小さいので運搬と保管が便利であり、費用が安いなどの長所がある。
【0003】
しかし、水に落ちた状態ではボートに再び搭乗をすることは事実上不可能であり、強風、波および搭乗者の搭乗位置の変更などの外部要因によって、ボートが傾いたりローリング(Rolling)する問題が発生し、酷い場合には転覆の危険性が高い短所があった。
【0004】
このような問題を解決するために船体に浮力を追加する補助装置を付着する技術と方法が開発されてきたが、運航前に陸上で予め組立または設置しなければならず、運航しない時は分解して別途に保管しなければならないなど、組立と分解作業が複雑で、構造的にも満足でないという問題があった。
【0005】
そこで、本出願人はボート搭乗前に水の中、そして搭乗後にもいつでもローリング低減チューブに水を満たすことができるように構成することによって、ボートの傾き、ローリングおよび転覆を防止できるローリング低減ボートを研究・開発することに至ったのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はボートの運航中にボート本体を囲んで形成されるローリング低減チューブに水を満たすことができるように構成することによって、水の中でボートに容易に搭乗できるようにし、ボートの傾き、ローリングおよび転覆を防止できるローリング低減ボートを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記のような目的を達成するために、本発明ではボート本体100;前記ボート本体100の側部を囲んで形成されるローリング低減チューブ200、200’;前記ローリング低減チューブ200、200’の前端開口部に連通するように結合され、上側には水が注入される水注入孔310が貫通形成されたチューブ連結部材300;前記ボート本体100の前側下部に形成されて水注入孔310に水を注入するものの、板状を有して前方に延び、曲がる材質を有し、ボート本体100が水上に配置された場合に水の中に浸ることになる水注入部材400;前記ボート本体100の前側上部に形成されるものの、前方に突出する結合突起500;前記ボート本体100の前側下端から垂直下方に延び、ボート本体100が水上に配置された場合に水の中に浸ることになる延長部材600;前記延長部材600の下端部に形成されるものの、前面と上面が開放された塵取りの形状(dustpan-shaped)で形成されるピッチング防止部材700;前記ボート本体100の後側に形成される縄梯子800;を含むものの、前記ローリング低減チューブ200、200’はローリング低減チューブ200、200の前端開口部を囲んで形成されてローリング低減チューブ200の開口された状態を維持させる開口維持部材210、210を含み、前記チューブ連結部材300はチューブ連結部材300の内部下側に形成されるものの、上方に膨らんだ曲線形態で形成されて水注入孔310を通じてチューブ連結部材300の内部に注入された水がローリング低減チューブ200、200’の内部に流れて行くように誘導する水注入誘導部材320を含み、前記水注入部材400は水注入部材400の前端に上下に貫通形成されて、水注入部材400を巻き上げる時に結合突起500と結合される結合孔410を含むことを特徴とするローリング低減ボートを提示する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、ボートの運航中にボート本体を囲むローリング低減チューブに水を満たすことによって、ボート全体の重さを増加させ重心を下へ移動および分散させて、水に落ちた状態でもボートへの搭乗を容易にすることができ、強風、波および搭乗者の搭乗位置の変更などの外部要因によってボートが傾いたりローリングする程度が減少しボートの復原力が増加して、水に落ちても再び安全に搭乗および運航ができる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係るローリング低減ボートの斜視図である。
図2】本発明に係るローリング低減ボートの斜視図である。
図3】本発明に係るローリング低減ボートの斜視図である。
図4】本発明に係るローリング低減ボートの側面図であって、水注入部材が結合突起に結合される前の姿を示す。
図5】本発明に係るローリング低減ボートの側面図であって、水注入部材が結合突起に結合された後の姿を示す。
図6図1のA-A’部の断面図である。
図7a図1のB-B’部の断面図であって、ローリング低減チューブに水が満たされていない姿を示す。
図7b図1のB-B’部の断面図であって、ローリング低減チューブに水が満たされていない姿を示す。
図7c図1のB-B’部の断面図であって、ローリング低減チューブに水が満たされていない姿を示す。
図8a図1のB-B’部の断面図であって、ローリング低減チューブに水が満たされた姿を示す。
図8b図1のB-B’部の断面図であって、ローリング低減チューブに水が満たされた姿を示す。
図8c図1のB-B’部の断面図であって、ローリング低減チューブに水が満たされた姿を示す。
図9図1のC-C’部の断面図であって、搭乗者が水注入部材を利用して水を汲んで運ぶ前の姿を示す。
図10図1のC-C’部の断面図であって、搭乗者が水注入部材を利用して水を汲んで運ぶ姿を示す。
図11】本発明に係るローリング低減ボートの側面図であって、搭乗者が水梯子を利用してボートに搭乗する姿を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明の実施のための膨張型救命ボートの最善の形態は、ボート本体100;前記ボート本体100の側部を囲んで形成されるローリング低減チューブ200、200’;前記ローリング低減チューブ200、200の前端開口部に連通するように結合され、上側には水が注入される水注入孔310が貫通形成されたチューブ連結部材300;前記ボート本体100の前側下部に形成されて水注入孔310に水を注入するものの、板状を有して前方に延び、曲がる材質を有し、ボート本体100が水上に配置された場合に水の中に浸ることになる水注入部材400;前記ボート本体100の前側上部に形成されるものの、前方に突出する結合突起500;前記ボート本体100の前側下端から垂直下方に延び、ボート本体100が水上に配置された場合に水の中に浸ることになる延長部材600;前記延長部材600の下端部に形成されるものの、前面と上面が開放された塵取りの形状(dustpan-shaped)で形成されるピッチング防止部材700;前記ボート本体100の後側に形成される縄梯子800;を含むものの、前記ローリング低減チューブ200、200’はローリング低減チューブ200、200の前端開口部を囲んで形成されてローリング低減チューブ200の開口された状態を維持させる開口維持部材210、210’を含み、前記チューブ連結部材300はチューブ連結部材300の内部下側に形成されるものの、上方に膨らんだ曲線形態で形成されて水注入孔310を通じてチューブ連結部材300の内部に注入された水がローリング低減チューブ200、200’の内部に流れて行くように誘導する水注入誘導部材320を含み、前記水注入部材400は水注入部材400の前端に上下に貫通形成されて、水注入部材400を巻き上げる時に結合突起500と結合される結合孔410を含む形態で提示される。
【0011】
以下、添付された図面に基づいて本発明の好ましい実施例について説明する。ただし、本発明の権利範囲は特許請求の範囲の記載によって把握されるべきである。また、本発明の要旨を曖昧にさせ得る公知技術の説明は省略する。
【0012】
ただし、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したもので、本発明は必ずしも図面に図示されたものに限定されず、多様な部分および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。
【0013】
本発明の説明中、「前側」および「前方」とは、船体の中心を基準として船首側および船首に向かう方向を意味し、「後側」および「後方」とは、船体の中心を基準として船尾側および船尾に向かう方向を意味する。
【0014】
また、本発明の説明中、「上」、「下」等の方向限定は理解を助けるために図1の形態を基準として指示するものに過ぎず、基準線(または、図面)を異にすれば方向も異に指示されるであろうことを明らかにしておく。
【0015】
本発明はローリング低減ボートに関し、より詳細には、ボートの運航中にボート本体を囲んで形成されるローリング低減チューブに水を満たすことができる構造を有するローリング低減ボートに関する。
【0016】
図1図3は本発明に係るローリング低減ボートの斜視図であり、図4は本発明に係るローリング低減ボートの側面図であって、水注入部材が結合突起に結合される前の姿を示し、図5は本発明に係るローリング低減ボートの側面図であって、水注入部材が結合突起に結合された後の姿を示し、図6図1のA-A’部の断面図であり、図7a~図7cは図1のB-B’部の断面図であって、ローリング低減チューブに水が満たされていない姿を示し、図8a~図8cは図1のB-B’部の断面図であって、ローリング低減チューブに水が満たされた姿を示し、図9図1のC-C’部の断面図であって、搭乗者が水注入部材を利用して水を汲んで運ぶ前の姿を示し、図10図1のC-C’部の断面図であって、搭乗者が水注入部材を利用して水を汲んで運ぶ姿を示し、図11は本発明に係るローリング低減ボートの側面図であって、搭乗者が水梯子を利用してボートに搭乗する姿を示す。
【0017】
本発明に係るローリング低減ボートは図1図3に図示された通り、ボート本体100と、ローリング低減チューブ200、200と、チューブ連結部材300と、水注入部材400と、結合突起500と、延長部材600と、ピッチング防止部材700と、縄梯子800を含んで構成され得る。
【0018】
ローリング低減チューブ200、200について説明する。ローリング低減チューブ200、200’は前記ボート本体100の側部を囲んで形成される部分であって、ボート本体100のローリングを防止するために、その内部に水が満たされる部分である。
【0019】
換言すると、ローリング低減チューブ200、200の内部に水を満たすことによって、ボート本体100が傾いたりローリングする程度が減少しボートの復原力が増加するのである。
【0020】
前記ローリング低減チューブ200、200’はローリング低減チューブ200、200の前端開口部を囲んで形成されてローリング低減チューブ200、200の開口された状態を維持させる開口維持部材210、210’を含んで構成され得る。
【0021】
もし、ローリング低減チューブ200、200がゴム材質で形成された場合には、開口された前端は内側に巻き込まれ得るが、この場合、ローリング低減チューブ200、200の内部に水が注入され難い。したがって、前記開口維持部材210、210によりローリング低減チューブ200、200’が開口された状態を維持するようにするのである。
【0022】
ローリング低減チューブ200、200に水Lが満たされていない姿は図7a~図7cに図示された通りである。すなわち、図7図7cを参照すると、ローリング低減チューブ200、200’に水Lが満たされていない場合にはボート本体100がローリングする程度が大きく、ボート本体100は01、01’だけ傾くことになる。
【0023】
なぜならば、ローリング低減チューブ200、200の内部に水Lが満たされないとボート全体の重さが小さく、ボート本体100のローリング時に水の中に浸った部分の浮力F1、F1が大きくないためボート本体100の復原力が小さいためである。
【0024】
これとは反対に、ローリング低減チューブ200、200に水Lが満たされた姿は図8a~図8cに図示された通りである。すなわち、図8a~図8cを参照すると、ローリング低減チューブ200、200’に水Lが満たされた場合にはボート本体100がローリングする程度が相対的に小さく、ボート本体100は02、02’だけのみ傾くことになる。
【0025】
なぜならば、ローリング低減チューブ200、200の内部に水Lが満たされるとボート全体の重さが相対的に大きく、ボート本体100のローリング時に水の中に浸った部分の浮力F2、F2’が相対的に大きくなるためボート本体100の復原力が増加するためである。
【0026】
これを式で整理すれば下記の通りである。
【0027】
1)F1<F2、2)F1’<F2’、3)01>02、4)01’>02’
チューブ連結部材300について説明する。チューブ連結部材300は前記ローリング低減チューブ200の前端開口部に連動されるように結合された部分であって、上側には水が注入される水注入孔310が貫通形成され得る。
【0028】
前記チューブ連結部材300はチューブ連結部材300の内部下側に形成されるものの、上方に膨らんだ曲線形態で形成されて水注入孔310を通じてチューブ連結部材300の内部に注入された水がローリング低減チューブ200、200の内部に流れて行くように誘導する水注入誘導部材320を含んで構成され得る(図6参照)。
【0029】
前記水注入誘導部材320によりローリング低減チューブ200、200の内部に水の注入が誘導されるだけでなく、ローリング低減チューブ200、200の内部に注入された水が外部に流出することも防止され得る。
【0030】
水注入部材400について説明する。水注入部材400はボート本体100の前側下部に形成されて水注入孔310に水を注入する部分であって、板状を輸して前方に延長され得る。
【0031】
前記水注入部材400はボート本体100が水上に配置された場合に水の中に浸ることになって、ボート本体100に搭乗した搭乗者1が水を汲んでチューブ連結部材300の水注入孔310に注入させるのに利用される(図9、10参照)。
【0032】
図9図1のC-C’部の断面図であって、搭乗者が水注入部材を利用して水を汲んで運ぶ前の姿を示し、図10図1のC-C’部の断面図であって、搭乗者が水注入部材を利用して水を汲んで運ぶ姿を示す。
【0033】
前記水注入部材400は搭乗者1が水を容易に投入できるように、よく曲がる材質を有することが好ましい。
【0034】
前記水注入部材400は水注入部材400の前端に上下に貫通形成されて、水注入部材400を巻き上げる時に後述する結合突起500と結合される結合孔410を含んで構成され得る。
【0035】
結合突起500について説明する。結合突起500は前記ボート本体100の前側上部に形成されるものの、前方に突出する部分であって、前述した結合孔410と結合される部分である(図4、5参照)。
【0036】
図4は本発明に係るローリング低減ボートの側面図であって、水注入部材が結合突起に結合される前の姿を示し、図5は本発明に係るローリング低減ボートの側面図であって、水注入部材が結合突起に結合された後の姿を示す。
【0037】
すなわち、結合突起500と結合される結合孔410に結合して水注入部材400をボート本体100に密着させることによって、ローリング低減チューブ200、200’の内部に注入された水の外部流出を防止するのである。
【0038】
延長部材600について説明する。延長部材600は前記ボート本体100の前側下端から垂直下方に延び、ボート本体100が水上に配置された場合に水の中に浸ることになる部分であって、ボート本体100と後述するピッチング防止部材700を互いに連結する役割をする。
【0039】
縄梯子800について説明する。縄梯子800は前記ボート本体100の後側に形成される部分であって、搭乗者1がボート本体100に搭乗するために踏んで上るのに利用される部分である。
【0040】
ピッチング防止部材700について説明する。ピッチング防止部材700は前記延長部材600の下端部に形成されるものの、前面と上面が開放された塵取りの形状(dustpan-shaped)で形成される部分である。
【0041】
搭乗者1がボート本体100に搭乗するために縄梯子800を踏んで上る場合、搭乗者1の重さによってボート本体100がピッチング(Pitching)することになってボート本体100の船首は上に浮くことになるが、前記ピッチング防止部材700はこのようなピッチング(Pitching)現象を減らすために備えられるものである。
【0042】
これを詳述すると、ボート本体100が水上に配置された場合にピッチング防止部材700は水の中に浸った状態であることになるが、搭乗者1が縄梯子800を踏んで上ることになれば、図11のように搭乗者1の重さでよって船尾に下へ向かう力F3が作用することになり、これに対応して船首に上に向く力F3が作用することになって船首が水面上に浮くことになる。
【0043】
この時、ピッチング防止部材700も上に浮くことになるが、ピッチング防止部材700は塵取りの形状(dustpan-shaped)で形成されているので、ピッチング防止部材700の内部に水が満たされた状態で浮くことになり、前記ピッチング防止部材700の内部に満たされた水の重さによって船首に下へ向かう力F4が作用することになり、これに対応して船尾に上に向く力F4’が作用することになる。
【0044】
すなわち、図11を参照すると、船尾に下へ向かう力F3は反対方向に作用する船尾に上に向く力F4’により正味の力が減ることになってピッチング(Pitching)現象を減らすことができるのである。
【0045】
同様に、船首に下へ向かう力F4は反対方向に作用する船首に上に向く力F3により正味の力が減ることになる。
【0046】
前記ピッチング防止部材700の材質はボート本体100の材質と同じ材質で形成されることが好ましいが、必ずしもこれに拘束されるものではない。
【0047】
以上で説明した本発明は前述した実施例および添付された図面によって限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形および変更が可能であることは、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者にとって明白であろう。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明はローリング低減および水の中で非常に容易にボートに搭乗できるローリング低減機能を有しているボートに関し、ボートの運航中にボート本体を囲むローリング低減チューブに水を満たすことによって、ボート全体の重さを増加させ重心を下へ移動および分散させることができる。
【符号の説明】
【0049】
1 搭乗者
100 ボート本体
200 ローリング低減チューブ
200’ ローリング低減チューブ
210 開口維持部材
300 チューブ連結部材
310 水注入孔
320 水注入誘導部材
400 水注入部材
410 結合孔
500 結合突起
600 延長部材
700 ピッチング防止部材
800 縄梯子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図8a
図8b
図8c
図9
図10
図11