(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】自動拡散サービスシステム、自動拡散サービス方法および自動拡散サービスプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241015BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2024086448
(22)【出願日】2024-05-28
【審査請求日】2024-05-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】302045602
【氏名又は名称】株式会社レーベン
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高部 篤
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0156373(US,A1)
【文献】特開2024-043574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが実行する自動拡散サービスシステムであって、
前記コンピュータは、
販売対象とその販売計画に関する情報を受け付けるステップと、
受け付けた前記販売対象とその販売計画に関する情報をもとに、生成AIに販売対象をインターネット上で広く知らしめるための拡散活動に関するイベント計画を生成させるステップと、
前記イベント計画を遂行するステップと、を実行する
ことを特徴とする自動拡散サービスシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の自動拡散サービスシステムであって、
前記コンピュータは、
生成AIにイベント候補案を生成させるステップを、さらに実行し、
前記イベント計画は、前記イベント候補案の中から選択される
ことを特徴とする自動拡散サービスシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の自動拡散サービスシステムであって、
前記イベント計画を遂行するステップは、イベントに関する配信記事を、配信媒体に送信する処理を含む
ことを特徴とする自動拡散サービスシステム。
【請求項4】
請求項3に記載の自動拡散サービスシステムであって、
前記イベント計画を遂行するステップは、イベントに関するオンラインセミナーを依頼する処理を含む
ことを特徴とする自動拡散サービスシステム。
【請求項5】
請求項4に記載の自動拡散サービスシステムであって、
前記オンラインセミナーは、前記配信媒体上において実行される
ことを特徴とする自動拡散サービスシステム。
【請求項6】
請求項3に記載の自動拡散サービスシステムであって、
前記イベントに関する配信記事は、イベントの結果に関する記事である
ことを特徴とする自動拡散サービスシステム。
【請求項7】
請求項1または2に記載の自動拡散サービスシステムであって、
前記イベント計画を遂行するステップは、イベントに関する投稿記事を、情報発信媒体に投稿する処理を含む
ことを特徴とする自動拡散サービスシステム。
【請求項8】
請求項1または2に記載の自動拡散サービスシステムであって、
前記イベント計画に利用するための運用データを、前記生成AIに生成させる
ことを特徴とする自動拡散サービスシステム。
【請求項9】
請求項1または2に記載の自動拡散サービスシステムであって、
前記イベント計画を遂行するステップは、生成AIにイベントの参加者の審査を行わせる処理を含む
ことを特徴とする自動拡散サービス
システム。
【請求項10】
請求項1または2に記載の自動拡散サービスシステムであって、
前記イベント計画を遂行するステップは、生成AIにイベントの評価を行わせる処理を含む
ことを特徴とする自動拡散サービス
システム。
【請求項11】
請求項1または2に記載の自動拡散サービスシステムであって、
前記イベント計画を遂行するステップは、生成AIに不適切な投稿や不正の有無を判断させる処理と、前記投稿に対する措置を実行する処理と、を含む
ことを特徴とする自動拡散サービス
システム。
【請求項12】
請求項1または2に記載の自動拡散サービスシステムであって、
前記イベントへの参加者を選別するステップを、さらに実行する
ことを特徴とする自動拡散サービス
システム。
【請求項13】
コンピュータが実行する自動拡散サービスシステムであって、
前記コンピュータは、
販売対象とその販売計画に関する情報を受け付けるステップと、
受け付けた前記販売対象とその販売計画に関する情報をもとに、生成AIにイベント候補案を生成させるステップと、
前記イベント候補案の中から選択された前記イベント候補案から、前記生成AIにイベント計画を生成させるステップと、
前記イベント計画を遂行するステップと、を実行し、
前記イベント計画を遂行するステップは、
イベントに関する配信記事を配信媒体に送信する処理と、
イベントに関する投稿記事を情報発信媒体に投稿する処理と、
前記イベント計画に利用するための運用データを、前記生成AIに生成させる処理と、
生成AIにイベントの参加者の審査を行わせる処理と、
生成AIにイベントの評価を行わせる処理と、を含む
ことを特徴とする自動拡散サービスシステム。
【請求項14】
サーバーを含むコンピュータシステムにより実行される自動拡散サービス方法であって、
販売対象とその販売計画に関する情報を受け付ける受付手順と、
受け付けた前記販売対象とその販売計画に関する情報をもとに、生成AIにイベント候補案を生成させる候補案生成手順と、
前記イベント候補案の中から選択された前記イベント候補案から、前記生成AIにイベント計画を生成させるイベント計画生成手順と、
前記イベント計画を遂行する遂行手順と、を実行し、
前記遂行手順は、
イベントに関する配信記事を配信媒体に送信する手順と、
イベントに関する投稿記事を情報発信媒体に投稿する手順と、
前記イベント計画に利用するための運用データを、前記生成AIに生成させる処理と、
生成AIにイベントの参加者の審査を行わせる手順と、
生成AIにイベントの評価を行わせ手順と、を含む
ことを特徴とする自動拡散サービス方法。
【請求項15】
サーバーを含むコンピュータシステムにより実行される自動拡散サービスプログラムであって、
前記サーバーに、
販売対象とその販売計画に関する情報を受け付ける受付手順と、
受け付けた前記販売対象とその販売計画に関する情報をもとに、生成AIにイベント候補案を生成させる候補案生成手順と、
前記イベント候補案の中から選択された前記イベント候補案から、前記生成AIにイベント計画を生成させるイベント計画生成手順と、
前記イベント計画を遂行する遂行手順と、を実行させ、
前記遂行手順は、
イベントに関する配信記事を配信媒体に送信する手順と、
イベントに関する投稿記事を情報発信媒体に投稿する手順と、
前記イベント計画に利用するための運用データを、前記生成AIに生成させる処理と、
生成AIにイベントの参加者の審査を行わせる手順と、
生成AIにイベントの評価を行わせ手順と、を含む
ことを特徴とする自動拡散サービスプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動拡散サービスシステム、自動拡散サービス方法および自動拡散サービスプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、多種多様な商品が生まれるに従って広告の量も膨大化し、高効率な情報拡散を行うためにスピード感や経費の削減が求められている。近年ではSNS等で簡単に投稿を行うことが可能になってはいるが、イベントを立ち上げて運営するためには、相応のコストや負担がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1には、デバイスから受信されたセッション要求に応じて、仮想イベントセッションをセットアップする方法が記載されている。しかしながらこのような技術は、仮想環境上に会議等のセッションイベントにルールを適用するものであって、新たにイベントを生成するものではなかった。
【0005】
本発明の目的は、高い拡散効果のあるイベントを、自動で生成管理する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。本発明の一態様に係る自動拡散サービスシステムは、販売対象とその販売計画に関する情報を受け付けるステップと、受け付けた前記販売対象とその販売計画に関する情報をもとに、生成AIに販売対象をインターネット上で広く知らしめるための拡散活動に関するイベント計画を生成させるステップと、前記イベント計画を遂行するステップと、を実行することを特徴とする。
【0007】
また、上記の自動拡散サービスシステムは、生成AIにイベント候補案を生成させるステップを、さらに実行し、前記イベント計画は、前記イベント候補案の中から選択されてもよい。
【0008】
さらに、上記の自動拡散サービスシステムにおいて、前記イベント計画を遂行するステップは、イベントに関する配信記事を、配信媒体に送信する処理を含んでいてもよい。
【0009】
また、上記の自動拡散サービスシステムにおいて、前記イベント計画を遂行するステップは、イベントに関するオンラインセミナーを依頼する処理を含んでいてもよい。
【0010】
さらに、上記の自動拡散サービスシステムにおいて、前記オンラインセミナーは、前記配信媒体上において実行されてもよい。
【0011】
また、前記イベントに関する配信記事は、イベントの結果に関する記事であってもよい。
【0012】
また、上記の自動拡散サービスシステムは、前記イベント計画に利用するための運用データを、前記生成AIに生成させてもよい。
【0013】
さらに、上記の自動拡散サービスシステムにおいて、前記イベント計画を遂行するステップは、生成AIにイベントの参加者の審査を行わせる処理を含んでいてもよい。
【0014】
また、上記の自動拡散サービスシステムは、前記イベント計画を遂行するステップは、生成AIにイベントの評価を行わせる処理を含んでいてもよい。
【0015】
さらに、前記イベント計画を遂行するステップは、生成AIに不適切な投稿や不正の有無を判断させる処理と、前記投稿に対する措置を実行する処理と、を含んでいてもよい。
【0016】
また、前記イベントへの参加者を選別するステップを、さらに実行してもよい。
【0017】
さらに、本発明の一態様に係る自動拡散サービスシステムは、販売対象とその販売計画に関する情報を受け付けるステップと、受け付けた前記販売対象とその販売計画に関する情報をもとに、生成AIにイベント候補案を生成させるステップと、前記イベント候補案の中から選択された前記イベント候補案から、前記生成AIにイベント計画を生成させるステップと、前記イベント計画を遂行するステップと、を実行し、前記イベント計画を遂行するステップは、イベントに関する配信記事を配信媒体に送信する処理と、イベントに関する投稿記事を情報発信媒体に投稿する処理と、前記イベント計画に利用するための運用データを、前記生成AIに生成させる処理と、生成AIにイベントの参加者の審査を行わせる処理と、生成AIにイベントの評価を行わせる処理と、を含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の一態様に係る自動拡散サービス方法は、サーバーを含むコンピュータシステムにより実行される自動拡散サービス方法であって、販売対象とその販売計画に関する情報を受け付けるステップと、受け付けた前記販売対象とその販売計画に関する情報をもとに、生成AIにイベント候補案を生成させるステップと、前記イベント候補案の中から選択された前記イベント候補案から、前記生成AIにイベント計画を生成させるステップと、前記イベント計画を遂行するステップと、を実行し、前記イベント計画を遂行するステップは、イベントに関する配信記事を配信媒体に送信する処理と、イベントに関する投稿記事を情報発信媒体に投稿する処理と、前記イベント計画に利用するための運用データを、前記生成AIに生成させる処理と、生成AIにイベントの参加者の審査を行わせる処理と、生成AIにイベントの評価を行わせる処理と、を含むことを特徴とする。
【0019】
本発明の一態様に係る自動拡散サービスプログラムは、サーバーを含むコンピュータシステムにより実行される自動拡散サービスプログラムであって、前記サーバーに、販売対象とその販売計画に関する情報を受け付ける受付手順と、受け付けた前記販売対象とその販売計画に関する情報をもとに、生成AIにイベント候補案を生成させる候補案生成手順と、前記イベント候補案の中から選択された前記イベント候補案から、前記生成AIにイベント計画を生成させるイベント計画生成手順と、前記イベント計画を遂行する遂行手順と、を実行させ、前記遂行手順は、イベントに関する配信記事を配信媒体に送信する手順と、イベントに関する投稿記事を情報発信媒体に投稿する手順と、前記イベント計画に利用するための運用データを、前記生成AIに生成させる処理と、生成AIにイベントの参加者の審査を行わせる手順と、生成AIにイベントの評価を行わせ手順と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、高い拡散効果のあるイベントを、自動で生成管理する技術を提供することができる。
【0021】
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施形態1に係る自動拡散サービスシステムの構成図である。
【
図2】自動拡散サービスサーバー100の構成例を示す図である。
【
図3】商品情報121と、イベント情報122の構造例を示す図である。
【
図4】タスク情報123および販売者情報124の構造例を示す図である。
【
図5】自動拡散サービスサーバーのハードウェア構成例を示す図である。
【
図6】イベント候補案生成処理のフローの例を示す図である。
【
図7】イベント候補案要求画面600の一例を示す図である。
【
図8】候補案提示画面700の一例を示す図である。
【
図9】イベント計画生成処理のフローの例を示す図である。
【
図11】イベント計画画面900の一例を示図である。
【
図12】イベント計画画面900の一例を示図である。
【
図14】イベント遂行処理のフローの例を示す図である。
【
図16】実施形態2に係る自動拡散サービスシステムの構成図である。
【
図17】記事編集処理のフローの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明の一態様に係る実施形態を適用した自動拡散サービスシステム1について、図面を参照して説明する。以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0024】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0025】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0026】
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0027】
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0028】
<第一の実施形態>
図1は、本実施形態に係る自動拡散サービスシステム1の構成図である。自動拡散サービスシステム1は、自動拡散サービスサーバー100と、販売者端末200と、生成AI300と、配信サービスサーバー401と、情報発信サービスサーバー402と、ユーザ端末500と、を含む。販売対象(商品)の提供者(製造・販売業者等)は販売者端末200を用い、一般の消費者は自身のスマートフォン等のユーザ端末500を使用する。
【0029】
販売者端末200およびユーザ端末500は、スマートフォンやパーソナルコンピュータ、タブレット装置等の情報処理装置であるが、その他、スマートウォッチやヘッドセット、グローブ、チョーカー等のウェアラブル端末であってもよい。
【0030】
販売者端末200およびユーザ端末500は、キャリアネットワークやインターネット等のデータ通信網を用いて、各種サーバーとの間で所定のデータ伝送用プロトコル(Http(Hyper Text Transfer Protocol)、Https(Http(Hyper Text Transfer Protocol Secure)等)を用いて通信を行う。そして、URL(Uniform Resource Locator)を用いたWebコンテンツの送受信、いわゆるWebブラウジングを行う。
【0031】
自動拡散サービスサーバー100は、販売者端末200からのデータ伝送用プロトコルによる各種要求に応答する。また、自動拡散サービスサーバー100は、販売者端末200からの要求に応じて、指示(プロンプト)を作成して生成AI300に入力する。また、自動拡散サービスサーバー100は、生成AI300を用いてイベントに利用するための運用データを作成する。
【0032】
生成AI300は、通信網に接続され、機械学習や自然言語処理を活用して、指示(プロンプト)に応じて様々な文書、画像、動画、音声、プログラムコード等を生成して出力するシステムである。なお、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース(Application Programming Interface))が提供されている場合には、自動拡散サービスサーバー100は、API機能にアクセスして指示の入力を行うこともできる。なお、生成AI300はローカルに構築され、自動拡散サービスサーバー100がLAN(Local Area Network)を介してアクセスするものであってもよい。生成AI300には、例えば、OpenAIのCHAT-GPT、googleのGeminiなどを利用することができる。
【0033】
配信サービスサーバー401は、報道媒体等がニュース等の情報配信を行う情報配信プラットフォームの運営サーバーである。本例においては、配信サービスサーバー401は、Webページを介して、或いはメール等の手段により、ニュース記事やプレスリリース等の情報提供を受け付ける。
【0034】
情報発信サービスサーバー402は、動画・画像・テキスト等の共有プラットフォームやソーシャルネットワーキングサービス等の、ユーザによる投稿を受け付けてその情報が閲覧可能としている情報発信媒体の運営サーバーである。このようなサービスには例えば、YouTube(登録商標)、Facebook(登録商標)、Instagram(登録商標)、X(登録商標)、Tiktok(登録商標)、Snapchat(登録商標)等が挙げられるが、これに限らずユーザによる投稿と閲覧が可能なサービスであれば、どのようなものを用いてもよい。
【0035】
図2は、自動拡散サービスサーバー100の構成例を示す図である。自動拡散サービスサーバー100は、処理部110と、記憶部120と、通信部150と、を備える。記憶部120には、商品情報121と、イベント情報122と、タスク情報123と、販売者情報124と、が含まれる。処理部110には、情報受付部111と、AI入出力部112と、情報提示部113と、イベント遂行部114と、が含まれる。
【0036】
図3は、商品情報121と、イベント情報122の構造例を示す図である。商品情報121には、商品IDと、商品詳細と、を含む。商品IDは、商品を特定するための識別子である。商品詳細には、商品名、商品のWebサイトのアドレス、商品の画像や動画(またはそこにアクセス可能なWebサイトアドレスやディレクトリ)、概要、JANコード(事業者コード、商品アイテムコード等を含む)等の、商品の詳細な情報が含まれる。なお、概要には例えば、メーカー名、リリース日、開発背景や趣旨、主な用途や機能、基本的な使用法、使用上の注意点、特徴と利点、競合他社との比較、新技術、特許等の有無、環境への配慮、デザインの特徴、アフターサービスや保証期間、将来のアップデート計画、ユーザの評価、過去に行ったまたは予定されているイベントやキャンペーン、Q&A、開発ストーリー、SEO対策等、の情報を、自由に含むことができる。
【0037】
イベント情報122には、イベントIDと、商品IDと、販売者IDと、販売計画情報と、詳細設定情報と、履歴情報と、が含まれる。イベントIDは、イベントを特定するための識別子である。商品IDは、そのイベントにおいて拡散対象となる商品のIDである。なお、複数の商品や複数のシリーズ、バリエーション等を拡散する目的のイベントである場合には、複数の商品IDが含まれていてもよい。販売者IDは、販売者(すなわち、イベントの主催者)を特定するための識別子である。
【0038】
販売計画情報は、商品販売の計画に関する情報であり、例えば、ターゲットとなる顧客の属性であるターゲット属性(年代、性別、職業等)、販売価格帯、商品の販売目標(所定の期間における数量、売上等)、販売地域、販売形態(販売店、オンラインストア、予約購入の可否、返品や交換ポリシー、購入時の特典や割引等)、拡散のために実行するイベントの種類であるイベント種(具体的には、セミナー(オンライン、オフライン)、コンテスト、展示販売会、ユーザ交流会等)、イベント予算、イベント目標、等を含む。
【0039】
詳細設定情報は、販売計画情報に格納されるイベント種に応じた詳細設定一式であり、例えば、イベント種がコンテストの場合には、実施媒体(応募媒体)、応募方法、開催期間、結果発表日、プレスリリース、配信サービス、審査基準(評価項目)、各賞の名称、人数、景品、その他の事項等を含む。なお、イベント種が異なれば、そのイベントに応じた詳細設定一式が選択される。よって、記憶部120は別途、イベント種毎に定められた詳細設定一式に関する情報を記憶しているものとする。
【0040】
履歴情報は、イベントの履歴であり、後述のイベント計画を時系列順に蓄積されている。
【0041】
図4は、タスク情報123および販売者情報124の構造例を示す図である。タスク情報123は、イベントのスケジュールに沿って、自動拡散サービスサーバー100が実行するべきタスクの処理フローを格納したものである。具体的に、タスク情報123は、イベントID、実行日時、処理内容、運用データ、確認要否を示す情報、等を含む。処理内容には、イベント遂行時に行われるタスク(例えば、配信サービスや情報発信サービスへの情報提供や記事投稿、生成AIを用いた調査等)に必要な処理フローが格納されている。
【0042】
販売者情報124は、販売者端末200のユーザ(すなわち、イベントの主催者)、またはその組織に関する情報である。販売者情報124は、例えば、販売者IDと、販売者情報と、を含み、販売者情報は、会社名、担当者名、メールアドレス、各種配信サービスのアカウント情報、各種情報発信サービスのアカウント情報、オンライン決済に関する情報等、を含む。
【0043】
情報受付部111は、販売者端末200からの情報の入力を受け付けて、記憶部120の各情報に登録する。AI入出力部112は、生成AIの入力に適したプロンプトを作成して生成AI300へ入力する。また、AI入出力部112は、生成AI300から応答の出力を受け付ける。情報提示部113は、生成AI300からの出力に基づいて各種画面等を作成して販売者端末200へと送信する。イベント遂行部114は、イベント遂行に際して実行すべきタスク処理を実行する。
【0044】
通信部150は、データ通信網およびその他インターネット等を介して各端末間で通信を行う。
【0045】
図5は、自動拡散サービスサーバーのハードウェア構成例を示す図である。自動拡散サービスサーバー100は、いわゆるサーバー装置、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、スマートフォンあるいはタブレット端末の筐体により実現されるハードウェア構成を備える。自動拡散サービスサーバー100は、プロセッサ101と、メモリ102と、記憶装置103と、通信装置104と、各装置をつなぐバスと、を備える。
【0046】
プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算装置である。
【0047】
メモリ102は、例えばRAM(Random Access Memory)などのメモリ装置である。
【0048】
記憶装置103は、デジタル情報を記憶可能な、いわゆるハードディスク(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)あるいはフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置である。
【0049】
通信装置104は、データ通信網50を介して他の装置と通信するネットワークインターフェースカード(NIC)等である。
【0050】
上記した自動拡散サービスサーバー100の情報受付部111と、AI入出力部112と、情報提示部113と、イベント遂行部114とは、プロセッサ101に処理を行わせるプログラムによって実現される。このプログラムは、メモリ102、記憶装置103または図示しないROM装置内に記憶され、実行にあたってメモリ102上にロードされ、プロセッサ101により実行される。
【0051】
また、自動拡散サービスサーバー100の記憶部120は、メモリ102及び記憶装置103により実現される。また、通信部150は、通信装置104により実現される。以上が、自動拡散サービスサーバー100のハードウェア構成例である。
【0052】
自動拡散サービスサーバー100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0053】
また、各処理部(情報受付部111、AI入出力部112,情報提示部113、イベント遂行部114)は、それぞれの機能を実現する専用のハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各処理部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。なお、販売者端末200およびユーザ端末500についても、自動拡散サービスサーバー100と基本的に同様のハードウェア構成である。
【0054】
次に、本実施形態における自動拡散サービスシステム1の動作を説明する。
【0055】
図6は、イベント候補案生成処理のフローの例を示す図である。イベント候補案生成処理は、自動拡散サービスサーバー100が稼働すると、待機状態となり、販売者端末200からログイン要求があると開始される。
【0056】
まず、販売者端末200は、自動拡散サービスサーバー100へログインする(ステップS001)。ログイン処理に関しては、一般的な認証(パスワード認証や、生体情報認証、パスコード認証、画像認証等)を経るものであればよい。ログイン後、販売者端末200からイベント候補案の生成要求が行われると、情報受付部111は、所定のイベント候補案要求画面600を、販売者端末200へと送信する(ステップS002)。
【0057】
図7に、イベント候補案要求画面600の一例を示す。イベント候補案要求画面600は、商品情報121の商品詳細と、イベント情報122の販売計画情報と、に格納される各項目について、それぞれ入力可能なよう構成されている。なお、販売者に全ての項目の入力も求めても良いが、必須の項目以外は空欄でも構わないものとしても良い。空欄部分については、生成AI300に最適な内容を補完させることができる。
【0058】
販売者はイベント候補案要求画面600の各項目に入力し、イベント候補案要求ボタン601を動作させ内容を自動拡散サービスサーバー100へと送信する(ステップS003)。情報受付部111は、受け付けた各項目の内容を、商品情報121の商品詳細と、イベント情報122の販売計画情報と、にそれぞれ登録する(ステップS004)。
【0059】
次に、AI入出力部112は、商品情報121の商品詳細と、イベント情報122の販売計画情報と、に基づいて、商品拡散のためのイベント候補案の生成を生成AI300に要求するための指示(プロンプト)を作成し、生成AI300へと出力する(ステップS005)。なお、指示(プロンプト)の作成はどのように行っても良いが、例えばプロンプトのテンプレートを予め記憶させておき、そこに上記ステップS004で得られた各項目の内容を当てはめて作成することができる。なお、記載がない項目については生成AI300に補完を指示してもよい。
【0060】
生成AI300は、指示(プロンプト)に従って、イベント候補案を生成し、自動拡散サービスサーバー100へと送信する(ステップS006)。
【0061】
次に、情報提示部113は、イベント候補案に基づいて候補案提示画面700を生成し、販売者端末200へと送信する(ステップS007)。販売者端末200は、これを表示する(ステップS008。)
【0062】
図8に、候補案提示画面700の一例を示す。候補案提示画面700は、販売者の条件に応じたイベント候補案が、1つ以上掲載されている。
【0063】
次に、このような候補案提示画面700を利用したイベント計画生成処理について説明する。
図9は、イベント計画生成処理のフローの例を示す図である。イベント計画生成処理は、候補案要求処理に引き続き実行される。
【0064】
販売者は、候補案の中から生成を希望するイベントを選択する(ステップS011)。具体的に、販売者は例えば、候補案提示画面700に提示されたイベント候補案を見て、生成を希望する候補案に対応した選択ボタン701を動作させ選択肢を自動拡散サービスサーバー100へと送信する。
【0065】
ここで、気に入った候補がない場合は、販売者は、イベント候補案要求画面に戻って内容を修正したり、新たな候補案を追加させたりしてもよい。また、更なる要望、例えば、「楽しそうな」、「革新的な」、「近未来的な」などの表現を追加することで、より希望に近い候補案を要求することもできる。以下、AIへの要求における各処理において、販売者は、内容の修正や更なる要望が可能である。販売者は、必要に応じて生成AI300に多様な基準を示すことができ、生成AI300はその趣旨に沿って処理を実行するものとする。
【0066】
情報受付部111は、選択されたイベントについて、詳細な設定を行うための詳細設定画面800を作成して、販売者端末200に送信する(ステップS012)。
図10に、詳細設定画面800の一例を示す。詳細設定画面800は、販売者が選択したイベント候補案について、イベント情報122の詳細設定情報に記憶させる内容の登録を行うことが可能な画面である。なお、これについても、販売者に全ての項目の入力も求めても良いが、必須の項目以外は空欄でも構わない。空欄部分については、生成AI300に最適な内容を補完させることができる。
【0067】
販売者はイベント候補案要求画面600の各項目に入力し、イベント計画生成要求ボタン801を動作させ内容を自動拡散サービスサーバー100へと送信する(ステップS013)。情報受付部111は、受け付けた各項目の内容を、イベント情報122の詳細設定情報にそれぞれ登録する(ステップS014)。
【0068】
次に、AI入出力部112は、商品情報121の商品詳細と、イベント情報122の販売計画情報および詳細設定情報と、に基づいて、商品拡散のためのイベント計画の生成を生成AI300に要求するための指示(プロンプト)を作成し、生成AI300へと出力する(ステップS015)。ここでも指示(プロンプト)の作成はどのように行っても良く、例えば所定のテンプレートに各項目の内容を当てはめて作成することができる。なお、記載がない項目については生成AI300に補完を指示してもよい。
【0069】
生成AI300は、指示(プロンプト)に従って、イベント計画を生成し、自動拡散サービスサーバー100へと送信する(ステップS016)。
【0070】
次に、情報提示部113は、得られたイベント計画から、タスク情報123を作成する(ステップS017)。具体的に、情報提示部113は、まず、生成AI300の生成したイベント計画から、イベント遂行時に実行すべきタスクの内容、すなわち、実行日時、処理内容、運用データ等の情報を抽出して、タスク情報123に格納する。
【0071】
そして情報提示部113は、得られたイベント計画からイベント計画画面900を生成して販売者端末200に送信し(ステップS018)、販売者端末200は、これを表示する(ステップS019)。
【0072】
図11および
図12にイベント計画画面900の一例を、
図13に運用データの一例を示す。運用データとは、生成AI300により作成された、配信記事や投稿記事、メール本文等のような画像や文書等のデータである。イベント計画画面900はどのようなものであっても良いが、例えば、タスクが時系列準に記載されたイベントスケジュールや、イベントの概要等、を含む。従って、生成AI300から出力されるイベント計画の形式は、イベント計画画面900と同様か、互換性を有していることが望ましい。また、タスク情報123の処理内容にタスク遂行時の処理フローが登録できるように、イベント計画には各タスクの詳細な処理フローについても記載されていることが望ましい。
【0073】
さらに、本例のイベント計画画面900には、内容確認ボタン901と、確認要/不要選択ボタン902と、が含まれる。内容確認ボタン901は、現段階でタスクに応じた運用データが生成されている場合、その内容を確認することができるボタンである。例えば、販売者は、「コンテスト開始告知」のタスクに応じた
図13のような投稿記事を呼び出し、その内容を確認できる。確認要/不要選択ボタン902は、例えば、タスク遂行における所定の処理の実行前に、確認を行うか否かを選択可能なボタンである。確認はどのタイミングで行っても良いが、例えば、外部への発信を伴う処理(他者へのメールやメッセージ送信、配信記事の送信、投稿記事の投稿等)の前に行うと効率的である。
【0074】
具体的に、最初の時点で運用データが生成できていないタスク(例えば、中間レポート、中間発表、結果発表、最終レポート等に使用する運用データ)については、「未定」の表示がされており、外部へ発信する内容を確認することができない。その後、タスクが進行して運用データが生成・格納されると、当運用データを呼び出せる内容確認ボタン901が表示される。よって、運用データの生成後、発信が実行される前に販売者が運用データの最終確認を行うことで、望まない情報の流出を避けることができる。なお、確認を行わない場合には、自動拡散サービスサーバー100が自動でタスクを遂行し、外部への発信を行う。また、販売者端末200に送信される各種のレポート等、特に確認を要さないタスクについては、自動で確認不要と判断されてもよい。
【0075】
なお、タスクは
図11に示した例だけでなく、例えば、リポスト(他人または自分の投稿を引用して再投稿を行うもの)や、イベント参加を呼びかける投稿、締め切りまでのカウントダウン等を所定の頻度で行う等、どのようなものであってもよい。
【0076】
販売者がイベント計画に納得した場合には、イベントスタートボタン903を動作させてイベント計画の内容を自動拡散サービスサーバー100へと送信する(ステップS020)。なお、内容の修正を行いたい場合には、当画面において修正を受け付けても良いし、処理を遡って各画面の入力項目等を修正し、再度同様の処理を行うことで生成AI300に新たなイベント計画を生成させることもできる。
【0077】
情報受付部111は、受信したイベント計画から、タスク毎の確認要/不要の選択をタスク情報123の確認要否に格納する。その際、確認要のタスクについては、販売者の確認時間を確保するため、実行日時を所定の時間早めても良い。
【0078】
そして、イベント遂行部114は、現時点のイベント計画をイベント情報122の履歴情報に格納し、イベント遂行処理を開始する(ステップS021)。
【0079】
次に、イベント遂行処理について説明する。
図14は、イベント遂行処理のフローの例を示す図である。イベント遂行部114は、現在の時刻がタスク情報123に記憶している実行日時に到達すると、当該タスクの処理を開始する。
【0080】
イベント遂行部114は、まずタスク情報123の処理内容から、タスクの処理フローを読み出してその処理を開始する(ステップS031)。処理フローは、タスクの種類により異なるが、具体的には次のような例が挙げられる。
【0081】
1.運用データが既に生成されているタスク
図11における「拡散依頼」「広告配信登録」「プレスリリース」「コンテスト開始告知」「コンテスト終了告知」等のタスクは、予め運用データ(依頼書面や広告記事、配信記事、投稿記事等)が生成可能であるため、その処理フローは、所定の宛先に該当の運用データを発信するのみである。例えば、タスクが「広告配信登録」であれば、所定の情報発信サービスに対して、広告配信内容として運用データを登録する。「プレスリリース」であれば、設定されている配信媒体(○○ニュース)の所定の宛先へ、該当する運用データ(イベントの開催や結果を発表するための配信記事)を送信する。タスクが「コンテスト開始告知」や「コンテスト終了告知」であれば、設定されている情報発信サービスの所定のアカウントから、該当する運用データ(例えば、
図13に示すようなコンテストの開始を告知する投稿記事)を投稿する。
【0082】
なお、「拡散依頼」は、例えば、所定の人物等にコンテストの参加や、商品に関するセミナー等を依頼するものである。所定の人物等とは例えば、一定の拡散能力を有するインフルエンサーや、名の知られた人物、配信サービスの出演者等から選択されるのが望ましい。セミナーはオンラインセミナー・ウェビナー等と称されるオンライン上のものであれば、より手軽に開催することができる。このようなオンラインセミナーはライブ配信でもオンデマンド配信でもよく、また一方向性のものでも、双方向性のものであってもよい。また、セミナーの実施は配信サービスサーバー401の運営プラットフォーム上で会員を対象に行ってもよく、当プラットフォーム上において広告や配信等でコンテスト参加者を募ってもよい。もちろん、セミナー内でコンテスト参加者を募ることもできる。
【0083】
2.運用データが作成されていないタスク
図11における「中間レポート」「中間発表」「結果発表」「最終レポート」等のタスクは、予め運用データが生成されていない。よって、まず、運用データの生成を行うための指示(プロンプト)を作成し、生成AI300に運用データを生成させてから、その投稿や提示を行う。以下、これらのタスクについて詳細に説明する。
【0084】
「中間レポート」は、販売者にその時点におけるイベントの評価を知らせる目的で生成されるものである。AI入出力部112は、現時点におけるイベントの評価をまとめた中間レポートを生成させるための指示(プロンプト)を作成して、生成AI300に入力する。なお、中間レポート生成用の指示(プロンプト)はどのようなものであっても良いが、例えば、その時点におけるイベントの参加者数、イベントや商品に関する投稿数、投稿に対する閲覧数、フォロワー数、保存率、プロフィールへのアクセス率、フォロワー転換率、Good数、コメント数、コメントの質等による拡散効果の評価や、不適切な投稿や不正の有無等による進行評価、検索エンジンによるヒット件数等による一般認知度の変化の評価、改善点の提示等、内容を指示してもよい。なお、販売者からの情報提供(フィードバック)が必要な場合には、別途登録画面を販売者端末200に送信し、登録を促してもよい。提供を求める情報としては、例えば、売り上げ数や問い合わせ数の変化等、商品の拡散による認知に比例して変化するものが望ましい。また、イベントの改善点等についてのアドバイスや、イベント計画を再度生成して更新するように指示してもよい。
【0085】
また、生成AI300が不適切な投稿(イベント主催者の意図に沿わない投稿や、社会的・倫理的に評価されない投稿等)や不正(例えば、他者から発表されている内容の引用等)が発生していることを発見し、それが自動拡散サービスサーバー100へと送信されると、自動拡散サービスサーバー100は、不適切または不正な投稿やコメントの削除、発信者に対しメールやダイレクトメールによる警告、媒体の運営への通報、販売者へのアラート発信、後述の「中間発表」や通常の投稿による注意喚起や投稿が無効となる旨のお知らせ等の通知、等を実行してもよい。なお、このような評価は中間レポートの作成時に限らず、普段から常に監視、対処可能としてもよい。
【0086】
「最終レポート」は、イベント終了後にイベントの評価を販売者に知らせる目的で生成されるものである。AI入出力部112は、イベント終了後におけるイベントの評価をまとめた最終レポートを生成させるための指示(プロンプト)を作成して、生成AI300に入力する。なお、最終レポート生成用の指示(プロンプト)は中間レポートと同様に、どのようなものであってもよいが、今回のイベントの反省点や今後に向けた改善点を示すよう要求してもよい。また、販売者からの情報提供(フィードバック)を行えば、今後よりイベントの制度が高まる。
【0087】
「中間発表」は、情報発信サービスのユーザにその時点における進捗状況を知らせる中間発表用の投稿記事である。よって、イベントを盛り上げ、さらなる拡散を促進する運用データを生成させるための指示(プロンプト)を作成することが望ましい。なお、イベントの参加者数やあと○日等の締め切り日までの日数、その時点で人気のある投稿の紹介や中間ランキング等、作成する投稿の概要を指示してもよい。
【0088】
「結果発表」は、情報発信サービスのユーザにイベントの結果(本例ではコンテストの受賞者等)を知らせるための結果発表用の投稿記事である。
図15に、結果発表に用いる運用データの一例を示す。AI入出力部112は、詳細設定情報に基づいて審査を行い、結果を発表するための運用データを生成させるための指示(プロンプト)を作成して、生成AI300に入力する。審査については、例えば、
図10に記載されたような内容を元に行うことができる。具体的に、生成AI300は、媒体からイベント関連の投稿を抽出し(ここでは所定のハッシュタグによる)、その中から、審査基準に記載の評価項目を元に審査を行う。例えば、ユーザ(投稿者)のアカウントの投稿数、閲覧数、保存率、フォロワー数、Good数、コメント数等については、取得可能であれば媒体の運営サイトまたは媒体の運営サーバーから取得する。コメントの質、創造性、オリジナリティー等については、生成AI300のデータ分析とその結果の学習から得られた判断手法によって行わせることができる。
【0089】
なお、審査基準の中でも所定の優先順位や、重みづけ表を提供することでさらなる詳細な審査方法を生成AI300に指定することもできる。もちろん、評価項目の選択や、その重みづけ自体を生成AI300に判断させてもよい。なお、複数の媒体に亘ってイベントを実行している場合には、同一の発信者をアカウント名やリンク等の公開情報から特定させ、同一の発信者が複数の賞を受賞しないように配慮させることもできる。
【0090】
なお、受賞者に対する受賞のお知らせについてもイベント遂行部114が実行するような構成としてもよい。内容については、販売者に予め設定させても良いし、生成AI300に生成させても良い。連絡手段はダイレクトメールや、SNSであればダイレクトメッセージ等が使用できる。また、投稿者や受賞者の情報等を蓄積しておき、次回のイベント時に使用する事で、より効率的な運用を推進することも可能である。
【0091】
なお、結果発表時のプレスリリースは、各時点での状況を段階的にリリースしてもよい。また、結果に沿った適切なメディアをその都度選択し、リリースを行っても良い。
【0092】
なお、以上の各処理が予定通りに進まない場合の予備策を生成AI300に予め計画させてもよい。例えば、「プレスリリース」等で掲載数等が予定に達しない場合に、新たなリリースや、広告配信の追加等を行うような計画である。これは販売者に予め提示して確認させてもよいし、その都度新たな計画を策定して、販売者に承認を求めても良い。
【0093】
さらに、「拡散依頼」の様に相手とのやり取りが発生したり、承認を自動的に確認できなかったりするようなタスクの場合、販売者がタスクに介入するように求めてもよい。例えば、相手からのメールの返信内容をフィードバックさせたり、諸条件への承認を求めたり等の処理を行い、タスクを進行させるようなスケジュールを組むことができる。なお、フィードバックや承認が行われない場合の代替計画を策定させてもよい。
【0094】
イベント遂行処理に戻って、処理フローを開始すると、イベント遂行部114は、次の処理ステップが、運用データの外部(販売者端末200以外)への発信を伴う処理であるか否かを判断する(ステップS032)。運用データの外部への発信を伴う処理である場合には(ステップS032でY)、イベント遂行部114は、外部への発信前に販売者の確認を要するか否かを判断する(ステップS033)。
【0095】
具体的に、イベント遂行部114は、タスク情報123の確認要否に格納されている内容を読み出し、確認を要することを示す内容が格納されている場合には、(ステップS033でY)、運用データの内容を確認するための確認画面を作成して販売者端末200に送信する(ステップS034)。なお、確認画面は、新しく作成しても良いし、
図11のようなイベント計画画面900を更新して利用することもできる。
【0096】
販売者端末200は、運用データを確認して処理の遂行を許可する場合には、その旨を自動拡散サービスサーバー100に送信する(ステップS035)。なお、納得しない場合には、再度運用データの作成を要求してもよいし、手動で運用データを修正してアップロードしてもよい。また、そこで処理フローを終了するよう要求し、手動で残りの処理(外部への発信作業)を行ってもよい。
【0097】
外部への発信を伴わない処理であった場合(ステップS032でN)、確認が不要であった場合(ステップS033でN)、ステップS035で遂行許可が送信された場合には、イベント遂行部114は、処理フローを遂行して完了させて(ステップS036)、販売者端末200にタスクの完了を報告し(ステップS037)、処理を終了する。
【0098】
以上が、第一の実施形態である。上記のようなシステムによれば、販売者は、情報の拡散に適したイベントを開催し、盛り上げ、商品について広く知らしめることができる。
【0099】
<第二の実施形態>
上記の実施形態では、ユーザ(投稿者)は各自で、または、情報発信サービスの機能内で投稿記事を作成して自由に投稿するものであったが、以下、システムやデバイス、Webブラウザ上等で動作するアプリケーションプログラム(以下、単にアプリケーションと称する)を提供し、これらを介してユーザが投稿記事を編集、投稿する例について説明する。なお、第二の実施形態は、基本的に第一の実施形態と同様であるため、差異のある点を中心に説明する。
【0100】
図16は、自動拡散サービスサーバー200の構成例を示す図である。自動拡散サービスサーバー200は、処理部210に、APP制御部215をさらに備えている。APP制御部215は、ユーザによる投稿記事の編集作成を補助し、情報発信サービスサーバー402への投稿を行う。具体的に、APP制御部215は、ユーザによる動画・画像・テキスト等の編集を受け付け、実行する。当該編集時には、APP制御部215は、例えば、対象商品毎に使用を推奨する画像、動画、音源、宣伝文句、キャッチコピー、商品説明、イラスト、フォントスタイル、画像フィルター等のテンプレートと、編集用のインターフェースを提供し、ユーザからインターフェース上で指示を受け付けて編集作業を補助する。
【0101】
具体的に、APP制御部215は例えば、ユーザから、掲載を希望するデータ(例えばユーザが所有する画像やテキスト等)と、使用を希望するテンプレートと、を特定する情報を受け付けて、画像処理を行いテンプレートに沿った記事を作成する。なおその際、自動拡散サービスサーバー200は、生成AI300に記事の作成を実行させてもよい。なお、テンプレートは各情報発信サービスの投稿規定や形式に適合するものがそれぞれ用意されていることが望ましく、投稿を希望するサービス種によって自動的に適合するテンプレートが選択される。
【0102】
さらに、APP制御部215は、作成された投稿記事に対し、校閲を行ってその内容をチェックする。例えば、APP制御部215は、投稿記事に不適切な内容が含まれていないかをチェックし、含まれている場合には、ユーザに警告して削除や修正を促す。不適切な内容とは、例えば、競合他社に関する情報やその商品に関する情報、社会的な倫理観に則っていない内容や、品位を欠く内容等のNG事項である。
【0103】
自動拡散サービスサーバー200は、記憶部220に、APP関連情報225を含む。APP関連情報225は、アプリケーションプログラム本体や、アプリケーションに必要な関連情報を含む。アプリケーションに必要な関連情報とは、例えば、ユーザの当サービスへログインするためのアカウント情報や、ユーザの各種情報発信サービスへログインするためのアカウント情報、編集時に使用する上記テンプレート、校閲時に使用する上記NG事項の一覧等を含む。
【0104】
次に、APP制御部215の実行する記事編集処理について説明する。
図17は、APP制御部215の実行する記事編集処理のフローの例を示す図である。
【0105】
前提として、ユーザはまず、アプリケーションをダウンロードして自らのユーザ端末500にインストールしアプリケーションを開始させるか、または、アプリケーションプログラムが動作するURLへアクセスする。
【0106】
自動拡散サービスサーバー200のAPP制御部215は、ユーザ端末500からのアクセスを受け付けると、当システムへのログインを要求する(ステップS041)。ユーザは、ログイン要求を受け付けると、当システムへのログインを行う(ステップS042)。なお、当システムに対するクッキー情報が残っていれば、生体認証等で簡易的に、または自動でログインを行うことができる。もし残っていなければ、ユーザはアカウント情報を入力する等してログインを行う。
【0107】
ログインを受け付けると、APP制御部215は、テンプレートを使用可能な編集画面を生成して、ユーザ端末500に送信する(ステップS043)。ユーザ端末500は、ユーザから投稿記事の編集作業を受け付け(ステップS044)、自動拡散サービスサーバー200へと送信する。APP制御部215は、ユーザ端末500からの指示を受け付けると、その都度編集処理を実行し、結果をユーザ端末500へと送信する(ステップS045)。
【0108】
次に、ユーザ端末500は、ユーザから投稿の要求を受け付け(ステップS046)、自動拡散サービスサーバー200へと送信する。APP制御部215は、ユーザ端末500からの指示を受け付けると、上記NG事項等と照らし合わせて投稿記事の内容について校閲を行い、修正が必要か否かを判断する(ステップS047)。修正が必要な場合には、APP制御部215は、ユーザ端末500に対して修正要求を送信する(ステップS048でY)。ユーザ端末500は、修正要求を受け付けると、画面に修正内容を表示させ(ステップS049)、ステップS044に戻ってユーザに修正を促す。
【0109】
なお、ステップS047で修正が必要でないと判断した場合には、APP制御部215は、投稿を希望する情報発信サービスサーバー402にユーザのアカウント情報を用いてログインし、投稿処理を行う(ステップS048でN)。情報発信サービスサーバー402は、投稿を受け付けると(ステップS049)、投稿内容をアップロードし情報発信サービス上に反映する。
【0110】
以上が、APP制御部215の実行する処理である。上記のようなシステムによれば、ユーザが編集を行う段階で、自然と販売者の意図に沿った内容の投稿記事が作成され、完成時点で規定を満たすものが出来上がる。また、ユーザは所有する画像や動画、テンプレート等を選択するだけで、簡便に宣伝効果の高い投稿記事を作成できる。
【0111】
なお、ユーザが別途作成した記事をアプリケーションにアップロードし、APP制御部215に校閲のみを行わせてもよい。
【0112】
また例えば、アプリケーションにユーザのより多くの個人情報(記事の作成の意図、アカウント、URL等)を登録させ、ユーザのイベントへの適合性を判定してもよい。適合性の判断は、例えば、過去の投稿内容等を解析して、上記NG内容が一定以上含まれているか否かについてや、印象が投稿先のイベントと合致しているか等について判断することで可能である。なお、これらの判断を生成AI300に行わせても良い。これにより、必要に応じて、よりイベントや企業、商品等に共感性が高く、有益なユーザをのみを選別して投稿を許可したり、募集をかけたり、受賞対象としたりすることができる。
【0113】
また、各情報発信サービスにおけるアカウント情報をまとめて収集することで、1のユーザが複数の情報発信サービスに投稿した場合、ユーザ毎に審査を行い、同一のユーザを総合的に判断して評価することが可能となる。加えて、1のユーザが複数の賞を独占するのを避けることもできる。
【0114】
このように、ユーザにアプリケーション等を介した投稿を行わせることで、審査時の負担を軽減し、より趣旨に沿った投稿を行わせるとともに、リスクを回避することができる。なお、これらのアプリケーションや、テンプレート、NG事項等の全てまたはその一部を生成AI300に作成させてもよい。
【0115】
なお、販売対象は商品に限らずサービスを対象としても良い。例えば、宅配サービス、お掃除サービス、家事代行サービス等、様々な販売対象に本システムを利用することができる。
【0116】
さらに、自動拡散サービスサーバー100と生成AI300とが行う処理は、必ずしも上記で記載された装置側で行われなくともよい。自動拡散サービスサーバー100で行われる処理が生成AI300で行われてもよく、逆もまた可能である。なお、セミナー主催者に拡散結果を競わせるコンテストを行ってもよい。
【0117】
また、生成AIの代わりに、入力された情報に応じて、予め定めた情報を出力するサーバーを用いても良い。かかるサーバーは、例えば、入力された情報に応じて読みだすべきテンプレートを予め格納している。そして、要求元から入力された情報に応じて、対応するテンプレートを読み出して、予め定められた規則に従って必要な情報を追加して、要求元に出力する。
【0118】
なお、自動拡散サービスサーバーの機能は、1つ又は複数のコンピュータで構成されるシステムによって実現してもよい。
【0119】
また、上記した実施形態の技術的要素は、単独で適用されてもよいし、プログラム部品とハードウェア部品のような複数の部分に分けられて適用されるようにしてもよい。
【0120】
以上、本明について、実施形態を中心に説明した。
【符号の説明】
【0121】
1…自動拡散サービスシステム、100…自動拡散サービスサーバー、110…処理部、
111…情報受付部、112…AI入出力部、113…情報提示部、114…イベント遂行部、120…記憶部、121…商品情報、122…イベント情報、123…タスク情報、124…販売者情報、150…通信部、200…販売者端末、215…APP制御部、225…APP関連情報、300…生成AI。
【要約】
【課題】高い拡散効果のあるイベントを、自動で生成管理する技術を提供できる。
【解決手段】
自動拡散サービスシステムは、販売対象とその販売計画に関する情報を受け付けるステップと、受け付けた前記販売対象とその販売計画に関する情報をもとに、生成AIに販売対象をインターネット上で広く知らしめるための拡散活動に関するイベント計画を生成させるステップと、前記イベント計画を遂行するステップと、を実行する。自動拡散サービスシステムは、生成AIにイベント候補案を生成させるステップを、さらに実行し、イベント計画は、イベント候補案の中から選択されてもよい。
【選択図】
図1