(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】見守りシステム、見守り方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20240101AFI20241015BHJP
【FI】
G06Q50/22
(21)【出願番号】P 2024112447
(22)【出願日】2024-07-12
【審査請求日】2024-07-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398022796
【氏名又は名称】株式会社コーユービジネス
(74)【代理人】
【識別番号】100136180
【氏名又は名称】羽立 章二
(72)【発明者】
【氏名】月田 弘道
【審査官】吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-10513(JP,A)
【文献】特開2022-89113(JP,A)
【文献】特開2021-18781(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
見守者に対して見守対象者の状態を伝えるサーバを備える見守りシステムであって、
当該見守りシステムは、見守対象端末と、見守者端末を備え、
前記サーバは、会話処理部と、見守処理部を備え、
前記会話処理部は、前記見守対象端末を通じて前記見守対象者と会話することができ、
前記見守処理部が備える会話分析部は、前記会話処理部が前記見守対象者に発した発話を特定するデータと当該発話に対する前記見守対象者の回答を特定するデータを用いて見守対象者の状態を分析して、前記見守者端末を通じて前記見守者に前記見守対象者の状態の分析結果を説明し、
前記サーバは、さらに、対象在庫処理部と、調達処理部を備え、
前記対象在庫処理部は、前記見守対象者が使用する消耗品の現在量及び補充基準値を管理し、
前記対象在庫処理部が備える対象消費量管理部は、前記消耗品の現在量を計算し、
前記調達処理部は、前記見守対象端末を通じて前記見守対象者と会話することができ、
前記調達処理部は、前記見守者端末を通じて前記見守者と会話することができ、
前記調達処理部が備える商品調達処理部は、前記現在量が前記補充基準値未満であるならば、前記見守対象端末を通じて前記見守対象者と会話することにより、前記見守対象者に対して、当該消耗品を補充するための商品を決めていてその購入を前記見守者に依頼するか、前記見守対象者が選択して購入することの支援を前記見守者に依頼するかを確認し、
前記見守対象者が当該消耗品を補充するための商品を決めていてその購入を前記見守者に依頼するならば、前記商品調達処理部は、前記見守者端末を通じて前記見守者に対して当該商品の補充を依頼し、
前記見守対象者が当該消耗品を補充するための商品を選択して購入することの支援を前記見守者に依頼するならば、前記商品調達処理部は、前記見守者端末を通じて前記見守者に対して当該商品の選択購入の支援を依頼し、
前記商品調達処理部は、依頼に対する前記見守者からの回答を前記見守対象者に説明する、見守りシステム。
【請求項2】
前記調達処理部が備える商品調達処理部は、前記現在量が前記補充基準値未満であるならば、前記見守対象端末を通じて前記見守対象者と会話することにより、前記見守対象者に対して、当該消耗品を補充するための商品を決めていて移動販売車で当該商品を購入するか、移動販売車で前記見守対象者が選択して購入するかを確認し、
前記見守対象者が当該消耗品を補充するための商品を決めていて移動販売車で当該商品を購入するならば、前記移動販売車を巡回させる移動販売業者に対して当該商品の購入希望が存在することを通知し、
前記見守対象者が移動販売車で前記見守対象者が選択して購入するならば、前記商品調達処理部は、前記移動販売車を巡回させる移動販売業者に対して当該商品の選択購入の希望があることを通知する、請求項1記載の見守りシステム。
【請求項3】
前記調達処理部が備える商品調達処理部は、前記現在量が前記補充基準値未満であるならば、前記見守対象端末を通じて前記見守対象者と会話することにより、前記見守対象者に対して、当該消耗品を補充するための商品を決めていて当該商品の配送を依頼するか否かを確認し、前記配送を依頼するならば、配送業者に対して当該商品の配送を依頼する、請求項2記載の見守りシステム。
【請求項4】
見守者に対して見守対象者の状態を伝えるサーバを備える見守りシステムにおける見守り方法であって、
前記見守りシステムは、見守対象端末と、見守者端末を備え、
前記サーバは、会話処理部と、見守処理部を備え、
前記会話処理部は、前記見守対象端末を通じて前記見守対象者と会話することができ、
前記見守処理部が備える会話分析部は、前記会話処理部が前記見守対象者に発した発話を特定するデータと当該発話に対する前記見守対象者の回答を特定するデータを用いて見守対象者の状態を分析して、前記見守者端末を通じて前記見守者に前記見守対象者の状態の分析結果を説明し、
前記サーバは、さらに、対象在庫処理部と、調達処理部を備え、
前記対象在庫処理部は、前記見守対象者が使用する消耗品の現在量及び補充基準値を管理し、
前記対象在庫処理部が備える対象消費量管理部は、前記消耗品の現在量を計算し、
前記調達処理部は、前記見守対象端末を通じて前記見守対象者と会話することができ、
前記調達処理部は、前記見守者端末を通じて前記見守者と会話することができ、
前記調達処理部が備える商品調達処理部が、前記現在量が前記補充基準値未満であるならば、前記見守対象端末を通じて前記見守対象者と会話することにより、前記見守対象者に対して、当該消耗品を補充するための商品を決めていてその購入を前記見守者に依頼するか、前記見守対象者が選択して購入することの支援を前記見守者に依頼するかを確認し、
前記見守対象者が当該消耗品を補充するための商品を決めていてその購入を前記見守者に依頼するならば、前記商品調達処理部は、前記見守者端末を通じて前記見守者に対して当該商品の補充を依頼し、
前記見守対象者が当該消耗品を補充するための商品を選択して購入することの支援を前記見守者に依頼するならば、前記商品調達処理部は、前記見守者端末を通じて前記見守者に対して当該商品の選択購入の支援を依頼し、
前記商品調達処理部は、依頼に対する前記見守者からの回答を前記見守対象者に説明する補充ステップを含む見守り方法。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1記載のサーバとして機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、見守りシステム、見守り方法及びプログラムに関し、特に、見守者に対して見守対象者の状態を伝えるサーバを備える見守りシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、高齢者等に係る見守り端末と当該高齢者等の見守りを希望する親族等に係る親族端末によって、高齢者等の運動や食事などの生活改善及び会話を日常化することに寄与する見守りシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にあるように、見守対象者(高齢者等)を見守るサービスでは、基本的に、見守者(親族等)が見守対象者の状態を把握するという情報の流れが一方向のものである。見守対象者は、いわば監視されているような状態である。見守対象者にとって、使用するメリットを実感することができない。
【0005】
よって、本願発明は、見守対象者の状態を分析するためにサーバと見守対象者の間で会話するときに、見守対象者に対して、その生活に「楽しみ」を提供することに適した見守りシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明の第1の側面は、見守者に対して見守対象者の状態を伝えるサーバを備える見守りシステムであって、当該見守りシステムは、見守対象端末と、見守者端末を備え、前記サーバは、会話処理部と、見守処理部を備え、前記会話処理部は、前記見守対象端末を通じて前記見守対象者と会話することができ、前記見守処理部が備える会話分析部は、前記会話処理部が前記見守対象者に発した発話を特定するデータと当該発話に対する前記見守対象者の回答を特定するデータを用いて見守対象者の状態を分析して、前記見守者端末を通じて前記見守者に前記見守対象者の状態の分析結果を説明し、前記サーバは、さらに、対象在庫処理部と、調達処理部を備え、前記対象在庫処理部は、前記見守対象者が使用する消耗品の現在量及び補充基準値を管理し、前記対象在庫処理部が備える対象消費量管理部は、前記消耗品の現在量を計算し、前記調達処理部は、前記見守対象端末を通じて前記見守対象者と会話することができ、前記調達処理部は、前記見守者端末を通じて前記見守者と会話することができ、前記調達処理部が備える商品調達処理部は、前記現在量が前記補充基準値未満であるならば、前記見守対象端末を通じて前記見守対象者と会話することにより、前記見守対象者に対して、当該消耗品を補充するための商品を決めていてその購入を前記見守者に依頼するか、前記見守対象者が選択して購入することの支援を前記見守者に依頼するかを確認し、前記見守対象者が当該消耗品を補充するための商品を決めていてその購入を前記見守者に依頼するならば、前記商品調達処理部は、前記見守者端末を通じて前記見守者に対して当該商品の補充を依頼し、前記見守対象者が当該消耗品を補充するための商品を選択して購入することの支援を前記見守者に依頼するならば、前記商品調達処理部は、前記見守者端末を通じて前記見守者に対して当該商品の選択購入の支援を依頼し、前記商品調達処理部は、依頼に対する前記見守者からの回答を前記見守対象者に説明する。
【0007】
本願発明の第2の側面は、第1の側面の見守りシステムであって、前記調達処理部が備える商品調達処理部は、前記現在量が前記補充基準値未満であるならば、前記見守対象端末を通じて前記見守対象者と会話することにより、前記見守対象者に対して、当該消耗品を補充するための商品を決めていて移動販売車で当該商品を購入するか、移動販売車で前記見守対象者が選択して購入するかを確認し、前記見守対象者が当該消耗品を補充するための商品を決めていて移動販売車で当該商品を購入するならば、前記移動販売車を巡回させる移動販売業者に対して当該商品の購入希望が存在することを通知し、前記見守対象者が移動販売車で前記見守対象者が選択して購入するならば、前記商品調達処理部は、前記移動販売車を巡回させる移動販売業者に対して当該商品の選択購入の希望があることを通知する。
【0008】
本願発明の第3の側面は、第2の側面の見守りシステムであって、前記調達処理部が備える商品調達処理部は、前記現在量が前記補充基準値未満であるならば、前記見守対象端末を通じて前記見守対象者と会話することにより、前記見守対象者に対して、当該消耗品を補充するための商品を決めていて当該商品の配送を依頼するか否かを確認し、前記配送を依頼するならば、配送業者に対して当該商品の配送を依頼する。
【0009】
本願発明の第4の側面は、見守者に対して見守対象者の状態を伝えるサーバを備える見守りシステムにおける見守り方法であって、前記見守りシステムは、見守対象端末と、見守者端末を備え、前記サーバは、会話処理部と、見守処理部を備え、前記会話処理部は、前記見守対象端末を通じて前記見守対象者と会話することができ、前記見守処理部が備える会話分析部は、前記会話処理部が前記見守対象者に発した発話を特定するデータと当該発話に対する前記見守対象者の回答を特定するデータを用いて見守対象者の状態を分析して、前記見守者端末を通じて前記見守者に前記見守対象者の状態の分析結果を説明し、前記サーバは、さらに、対象在庫処理部と、調達処理部を備え、前記対象在庫処理部は、前記見守対象者が使用する消耗品の現在量及び補充基準値を管理し、前記対象在庫処理部が備える対象消費量管理部は、前記消耗品の現在量を計算し、前記調達処理部は、前記見守対象端末を通じて前記見守対象者と会話することができ、前記調達処理部は、前記見守者端末を通じて前記見守者と会話することができ、前記調達処理部が備える商品調達処理部が、前記現在量が前記補充基準値未満であるならば、前記見守対象端末を通じて前記見守対象者と会話することにより、前記見守対象者に対して、当該消耗品を補充するための商品を決めていてその購入を前記見守者に依頼するか、前記見守対象者が選択して購入することの支援を前記見守者に依頼するかを確認し、前記見守対象者が当該消耗品を補充するための商品を決めていてその購入を前記見守者に依頼するならば、前記商品調達処理部は、前記見守者端末を通じて前記見守者に対して当該商品の補充を依頼し、前記見守対象者が当該消耗品を補充するための商品を選択して購入することの支援を前記見守者に依頼するならば、前記商品調達処理部は、前記見守者端末を通じて前記見守者に対して当該商品の選択購入の支援を依頼し、前記商品調達処理部は、依頼に対する前記見守者からの回答を前記見守対象者に説明する補充ステップを含む。
【0010】
本願発明の第5の側面は、第4の側面の見守り方法であって、前記調達処理部が備える商品調達処理部は、前記現在量が前記補充基準値未満であるならば、前記見守対象端末を通じて前記見守対象者と会話することにより、前記見守対象者に対して、当該消耗品を補充するための商品を決めていて移動販売車で当該商品を購入するか、移動販売車で前記見守対象者が選択して購入するかを確認し、前記見守対象者が当該消耗品を補充するための商品を決めていて移動販売車で当該商品を購入するならば、前記移動販売車を巡回させる移動販売業者に対して当該商品の購入希望が存在することを通知し、前記見守対象者が移動販売車で前記見守対象者が選択して購入するならば、前記商品調達処理部は、前記移動販売車を巡回させる移動販売業者に対して当該商品の選択購入の希望があることを通知する。
【0011】
本願発明の第6の側面は、第5の側面の見守り方法であって、前記調達処理部が備える商品調達処理部は、前記現在量が前記補充基準値未満であるならば、前記見守対象端末を通じて前記見守対象者と会話することにより、前記見守対象者に対して、当該消耗品を補充するための商品を決めていて当該商品の配送を依頼するか否かを確認し、前記配送を依頼するならば、配送業者に対して当該商品の配送を依頼する。
【0012】
本願発明の第7の側面は、コンピュータを、第1から第3のいずれかの側面のサーバとして機能させるためのプログラムである。なお、本願発明を、第7の側面のプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体として捉えてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本願発明の各側面によれば、サーバは、見守対象者が使用している消耗品(シャンプー、リンス、トイレットペーパー、石鹸、洗濯用洗剤など)について、現在量を管理して補充するタイミングであるかを判断する。そして、補充するタイミングでは、補充する商品を、特定のものを購入するか(以前使用したものと同じものとするなど)、新しい商品を選択して購入するか、などを確認する。見守対象者が商品の購入やその支援を見守者に依頼すれば、見守対象者は、見守者と会う機会が得られるなど、新しいコミュニケーションの機会を得ることになる。また、見守者は、見守対象者の依頼に従って特定の商品を購入して補充したり、見守対象者を販売店舗に連れていって専門スタッフのアドバイスの下に新たな商品を選択して購入したりすればよい。見守者は、見守対象者の現状を管理して推察して行動する必要はなく、心理的な負担は大幅に減少する。
【0014】
また、本願発明の第2の側面などにあるように、見守対象者は、移動販売業者に購入の希望が存在することを伝えることができる。見守対象者は、商品購入を希望したからといって、その商品を購入する責任は発生せず、気軽に希望を通知できる。移動販売業者は、移動販売車を巡回させる地域全体において、商品購入の希望を把握することができる。また、移動販売業者は、商品を選択して購入する希望があることを事前に把握できれば、例えば試供品などを準備することができる。ただし、移動販売業者が移動販売車に準備できる商品には制限があり、見守対象者が希望するタイミングで商品を準備できない可能性がある。また、移動販売業者が商品を移動販売車に準備したとしても、その見守対象者が住む地域に巡回するまでに他の顧客に購入されてしまう可能性がある。そのため、見守対象者は、希望した商品を購入できない可能性はある。しかし、その場合でも、見守対象者は、希望を伝えることによって地域に貢献することができるという自己肯定感(自己満足感/優越感)を得ることができる。
【0015】
また、本願発明の第3の側面などにあるように、見守対象者は、すぐに購入する必要があれば、当該商品の配送を依頼することができる。しかし、見守対象者にとって、配送費用に対する心理的・経済的な負担は大きい。そのため、見守対象者は、見守者に依頼したり移動販売業者に希望を伝えたりすることによって入手できるのであれば、これらによる購入を希望することが予想される。
【0016】
このように、本願発明の各側面によれば、見守対象者は人や地域とつながり、さらに、消耗品の購入などにおいて希望するサポートを受けることができ、見守対象者に対して、人や地域との連携を通じてその生活に「楽しみ」を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本願発明の実施の形態に係る見守りシステム1の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】本願発明の実施の形態に係る見守りシステム1の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】見守対象者の消耗品の管理に関する処理の一例を示すフロー図である。
【
図4】
図3のステップSTA7の処理の一例を具体的に説明するためのフロー図である。
【
図5】見守者端末7に関連する処理を説明するためのフロー図である。
【
図6】移動販売端末9に関連する処理を説明するためのフロー図である。
【
図7】配送端末11に関連する処理を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本願発明の実施例について述べる。なお、本願発明の実施の形態は、以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0019】
図1及び
図2は、本願発明の実施の形態に係る見守りシステム1の構成の一例を示すブロック図である。
【0020】
見守りシステム1は、サーバ3と、見守対象端末5と、見守者端末7と、移動販売端末9と、配送端末11を備える。
【0021】
見守りシステム1では、サーバ3は、見守対象者と会話することによって見守対象者の状態を分析して、その分析結果を見守者に説明する。以下では、見守対象者は過疎地域に住む高齢者であり、見守者はその家族であって離れて暮らしている者であるとする。
【0022】
見守対象端末5及び見守者端末7は、例えばスマートフォン、コンピュータ(電子計算機)、AI(人工知能)スピーカーなどであり、それぞれ、見守対象者及び見守者が使用する情報処理端末である。
【0023】
移動販売業者(移動スーパー事業の事業者)は、見守対象者が住む地域に移動販売車を巡回させて、食料品(肉、魚、野菜の生鮮三品等)及び日用品等を販売している。移動販売端末9は、例えばスマートフォン、コンピュータ(電子計算機)などであり、移動販売業者が使用する情報処理端末である。
【0024】
サーバ3は、移動販売端末9を通じて、移動販売業者に対して、移動販売車を巡回させる地域の顧客が商品の購入を希望していることを通知する。商品購入の希望は、特定商品の希望と、商品の選択購入の希望がある。移動販売業者は、希望に応じて、移動販売車に特定商品を準備したり、複数種類の商品を準備したり、試供品を準備したりすることができる。
【0025】
また、サーバ3は、配送端末11を通じて、配送業者に対して、見守対象者からの特定商品の配送を依頼する。配送業者は、依頼に応じて、当該特定商品を見守対象者に配送する。配送端末11は、例えばスマートフォン、コンピュータ(電子計算機)などであり、配送業者が使用する情報処理端末である。
【0026】
サーバ3は、処理装置21と、記憶装置23と、通信装置25を備える。
【0027】
処理装置21は、例えばプロセッサなどの処理装置である。処理装置21は、会話処理部27と、見守処理部29と、対象在庫処理部31と、調達処理部33を備える。各処理部は、例えばプログラムの制御の下で動作するプロセッサなどで実現される。会話処理部27は、発話生成部35と、受話分析部37を備える。見守処理部29は、会話分析部39を備える。対象在庫処理部31は、対象在庫管理部41と、対象消費量管理部43と、対象補充管理部45を備える。調達処理部33は、商品調達処理部47を備える。
【0028】
記憶装置23は、例えばメモリなどの記憶装置である。記憶装置23は、対象在庫記憶部49と、対象消費量記憶部51を備える。
【0029】
見守対象端末5は、処理装置53と、入出力装置55と、通信装置57を備える。
【0030】
処理装置53は、例えばプロセッサなどの処理装置である。処理装置53は、会話処理部59を備える。会話処理部59は、例えばプログラムの制御の下で動作するプロセッサなどで実現される。会話処理部59は、発話処理部61と、受話処理部63を備える。
【0031】
入出力装置55は、見守対象者との間で入力処理及び出力処理を行うものである。入出力装置55は、例えばマイク、キーボード、マウス、カメラなどの入力装置、スピーカー、ディスプレイなどの出力装置、タッチパネルなどの入出力装置によって実現することができる。
【0032】
見守者端末7は、処理装置65と、入出力装置67と、通信装置69を備える。
【0033】
処理装置65は、例えばプロセッサなどの処理装置である。処理装置65は、会話処理部71を備える。会話処理部71は、例えばプログラムの制御の下で動作するプロセッサなどで実現される。会話処理部71は、発話処理部73と、受話処理部75を備える。
【0034】
入出力装置67は、見守者との間で入力処理及び出力処理を行うものである。入出力装置67は、例えばマイク、キーボード、マウス、カメラなどの入力装置、スピーカー、ディスプレイなどの出力装置、タッチパネルなどの入出力装置によって実現することができる。
【0035】
移動販売端末9は、処理装置77と、入出力装置79と、通信装置81を備える。
【0036】
処理装置77は、例えばプロセッサなどの処理装置である。
図2(a)を参照して、処理装置77は、集計処理部89と、表示処理部91と、通知処理部93を備える。各処理部は、例えばプログラムの制御の下で動作するプロセッサなどで実現される。
【0037】
入出力装置79は、移動販売業者との間で入力処理及び出力処理を行うものである。入出力装置79は、例えばマイク、キーボード、マウス、カメラなどの入力装置、スピーカー、ディスプレイなどの出力装置、タッチパネルなどの入出力装置によって実現することができる。
【0038】
配送端末11は、処理装置83と、入出力装置85と、通信装置87を備える。
【0039】
処理装置83は、例えばプロセッサなどの処理装置である。
図2(b)を参照して、処理装置83は、受注処理部95と、配送処理部97を備える。各処理部は、例えばプログラムの制御の下で動作するプロセッサなどで実現される。
【0040】
入出力装置85は、配送業者との間で入力処理及び出力処理を行うものである。入出力装置85は、例えばマイク、キーボード、マウスなどの入力装置、スピーカー、ディスプレイなどの出力装置、タッチパネルなどの入出力装置によって実現することができる。
【0041】
サーバ3の通信装置25は、見守対象端末5の通信装置57、見守者端末7の通信装置69、移動販売端末9の通信装置81、及び、配送端末11の通信装置87との間で、相互に有線及び/又は無線の通信によってデータの送受信を行うことができる。
【0042】
サーバ3において、発話生成部35は、見守対象者への発話を特定する見守対象発話データを生成し、見守対象端末5に送信する。見守対象端末5において、発話処理部61は、受信した見守対象発話データにより特定される発話のコンテンツを、入出力装置55から見守対象者に出力する。出力される発話のコンテンツは、音声でもよく、画像(動画・静止画)でもよく、音声と画像を併せたものでもよい。
【0043】
入出力装置55には、見守対象者が発話のコンテンツに応じて回答したものが入力される。回答は、入出力装置55に、マイクなどにより音声が入力されてもよく、キーボード、マウス、タッチパネルなどを操作して入力されてもよく、カメラなどにより映像が入力されてもよい。受話処理部63は、見守対象者により入力された回答を特定する見守対象受話データを生成し、サーバ3に送信する。受話分析部37は、受信した見守対象受話データにより特定される受話のコンテンツを分析する。受話分析部37は、例えば、見守対象受話データに含まれる音が見守対象者によって発せられたものか否かを分析したり、見守対象受話データに含まれる音を単語・語句・文章などの意味のあるまとまりとして分析したり、その意味のあるまとまりが発せられるまでの時間や、発し終わるまでの時間などを分析したりする。
【0044】
会話分析部39は、見守対象発話データと受話分析部37による分析結果を用いて、見守対象者の状態を分析する。会話分析部39は、例えば、見守対象発話データに含まれる単語と見守対象受話データに含まれる単語を比較して、見守対象受話データに含まれる単語に対応する単語が基準値以上に見守対象発話データに含まれるならば適切な会話ができている可能性が高いと判断し、見守対象受話データに含まれる単語に対応する単語が基準値未満しか見守対象発話データに含まれていないならば適切な会話ができていない可能性があると判断する。また、会話分析部39は、例えば、見守対象受話データにおいて、見守対象発話データによる発話に応じた回答がなされる時間について、以前の応答時間よりも基準値以上に遅くなっているのであれば、理解度などが低下している可能性が高いと判断する。
【0045】
会話分析部39は、見守者端末7を通じて見守者に見守対象者の状態の分析結果を説明する。すなわち、会話分析部39は、分析結果を示す分析結果データを生成する。発話生成部35は、分析結果データを説明するための見守者発話データを生成して、見守者端末7に送信する。見守者端末7において、発話処理部73は、受信した見守者発話データにより特定される発話のコンテンツを、入出力装置67から見守者に出力する。出力される発話のコンテンツは、音声でもよく画像でもよく音声と画像を併せたものでもよい。
【0046】
会話分析部39が見守者に見守対象者の状態の分析結果を説明するタイミングは、例えば、定期的(例えば月に1回など)なものでもよく、見守者が見守者端末7に要求したタイミングでもよく、顕著な変化があったタイミングであってもよい。
【0047】
サーバ3の各処理部は、それぞれ、見守対象端末5及び見守者端末7を通じて見守対象者及び見守者と会話することができる。
【0048】
例えば、サーバ3の各処理部は、発話の内容を特定するデータを生成する。発話生成部35は、当該データを表現するための発話データを生成して見守対象端末5に送信する。見守対象端末5において、発話処理部61は、入出力装置55から見守対象者に対して、発話データにより特定される発話のコンテンツを出力する。受話処理部63は、見守対象者が入力した回答を特定する受話データを生成してサーバ3に送信する。受話分析部37は、受話データを分析する。サーバ3の各処理部は、受話分析部37による分析結果を用いて発話に対する回答を把握して、見守対象者と会話することができる。
【0049】
同様に、サーバ3の各処理部は、発話の内容を特定するデータを生成する。発話生成部35は、当該データを表現するための発話データを生成して見守者端末7に送信する。見守者端末7において、発話処理部73は、入出力装置67から見守者に対して、発話データにより特定される発話のコンテンツを出力する。受話処理部75は、見守者が入力した回答を特定する受話データを生成してサーバ3に送信する。受話分析部37は、受話データを分析する。サーバ3の各処理部は、受話分析部37による分析結果を用いて、発話に対する回答を把握して、見守者と会話することができる。
【0050】
また、サーバ3の各処理部は、それぞれ、見守対象端末5及び見守者端末7を通じて見守対象者及び見守者に説明することができる。
【0051】
例えば、サーバ3の各処理部は、説明の内容を特定するデータを生成する。発話生成部35は、当該データを表現するための発話データを生成して見守対象端末5に送信する。見守対象端末5において、発話処理部61は、入出力装置55から見守対象者に対して、発話データにより特定される発話のコンテンツを出力する。サーバ3の各処理部は、見守対象者に所定の内容を説明することができる。
【0052】
同様に、サーバ3の各処理部は、説明の内容を特定するデータを生成する。発話生成部35は、当該データを表現するための発話データを生成して見守者端末7に送信する。見守者端末7において、発話処理部73は、入出力装置67から見守者に対して、発話データにより特定される発話のコンテンツを出力する。サーバ3の各処理部は、見守者に所定の内容を説明することができる。
【0053】
このように、コンピュータと人との間で会話・説明などをすることは、例えばAI(人工知能)などの技術によって実現することができる。現在では、発話生成部35は、各処理部の指示に従う内容の発話を、聞き手となる自然人にとって違和感のないものとして生成することができる。また、受話分析部37は、自然人がコンピュータの処理に配慮することなく自然に話をしても、その内容を把握することができる。そのため、見守対象者は、サーバ3との間で、サーバ3などにおける情報処理に配慮することなく自らの気持ちに沿って会話をすることができる。なお、本願発明において、サーバ3の各処理部が端末を通じて利用者と会話などをするための情報処理は、サーバ3において実現するものであってもよく、端末において実現するものであってもよく、サーバ3及び端末において実現するものであってもよい。
【0054】
図3及び
図4は、見守対象者の消耗品の管理に関する処理の一例を示すフロー図である。
【0055】
サーバ3は、見守対象端末5を通じた見守対象者との会話によって、見守対象者が使用している消耗品を管理する。消耗品は、見守対象者が日常的に繰り返し使用して消費する物であって、使用することにより量が減少する物である。消耗品は、例えば、シャンプー、リンス、トイレットペーパー、石鹸、洗濯用洗剤などである。消耗品は、見守対象者が使用することにより量が減少するため、新たな商品によって補充する必要がある。消耗品は、見守対象者が決めている特定商品を購入して補充する場合もあれば、見守対象者が複数の商品から選択購入する場合もある。
【0056】
サーバ3は、見守対象者の希望に応じて、見守者に対して、特定商品の購入を依頼したり、商品の選択購入の支援を依頼したりすることができる。見守対象者が見守者に依頼すれば、見守対象者は、見守者と会う機会が得られるなど、新しいコミュニケーションの機会を得ることになる。また、見守者は、見守対象者の依頼に従って特定の商品を購入して補充したり、見守対象者を販売店舗に連れていって専門スタッフのアドバイスの下に新たな商品を選択して購入したりすればよい。見守者は、見守対象者の現状を管理して推察して行動する必要はなく、心理的な負担は大幅に減少する。
【0057】
また、サーバ3は、見守対象者の希望に応じて、配送業者に対して商品の配送を依頼する。これにより、見守対象者は、希望したタイミングで当該商品を手に入れることができる。しかしながら、見守対象者にとって、配送費用に対する心理的・経済的な負担は大きい。また、見守対象者にとって、インターネットで写真などを閲覧して商品を選択購入することは極めて難しい。そのため、見守対象者は、見守者に依頼したり移動販売業者に希望を伝えたりすることによって入手できるのであれば、これらによる購入を希望することが予想される。
【0058】
また、見守対象者が住む地域には、移動販売車が巡回している。見守対象者は、移動販売車で当該商品を購入することにより、その場ですぐに手に入れることはできる。しかしながら、移動販売車に準備できる商品の種類には限界がある。そのため、見守対象者にとって、常に「実際に商品を見ながら選択する楽しみ」を得ることができる状況を整えることは難しい。さらに、専門的なアドバイスによって商品を選択したいときがあっても、移動販売車での購入では専門的なアドバイスを得ることは難しい。
【0059】
そこで、サーバ3は、見守対象者の希望に応じて、移動販売業者に商品の購入の希望が存在することを伝えることができる。商品購入の希望は、特定商品の希望と、商品の選択購入の希望がある。移動販売業者は、希望に応じて、移動販売車に特定商品を準備したり、複数種類の商品を準備したり、試供品を準備したりすることができる。ここで、移動販売業者は、得た情報をビッグデータなどのように取り扱うことができる。移動販売業者が得る情報は、購入を希望する顧客を特定するための情報を含めなくてもよい。
【0060】
ただし、移動販売業者が移動販売車に準備できる商品には制限があり、すべての顧客が希望する商品を準備できない可能性がある。また、ある特定商品の購入を希望した顧客に応じて当該特定商品を準備したとしても、当該顧客が住む地域に巡回するまでに他の顧客が購入する可能性がある。そのため、特定商品の購入を通知した顧客が、当該特定商品を購入できない可能性はある。
【0061】
また、顧客は、移動販売業者に商品購入を希望したからといって、その商品を購入する責任は発生せず、気軽に希望を通知できる。また、特定商品の購入の希望を伝えた顧客が当該特定商品を購入できなくても、顧客は、希望を伝えることによって地域に貢献することができるという自己肯定感(自己満足感/優越感)を得ることができるであろう。
【0062】
サーバ3は、見守対象端末5を通じた見守対象者との会話によって、見守対象者が使用している消耗品を管理し、見守対象者が消耗品を補充することをサポートする。この例では、対象消費量管理部43は、消耗品の現在量について、見守対象者が使用することによって量を減少させて計算する。計算された現在量が補充基準値未満であるならば、商品調達処理部47は見守対象者が消耗品を使用しために当該消耗品を補充する必要があると予想し、見守対象端末5を通じて見守対象者に対して補充に関する質問をするための発話を行う。
【0063】
例えば、見守対象者が既に新たな商品を購入して消耗品を補充しており、新たに補充する必要がないと回答したならば、対象在庫処理部31は、管理する消耗品を更新して、次に補充する必要があると予想されるタイミングまで待つ。
【0064】
この例では、見守対象者は、商品を購入して消耗品を補充することを希望するならば、サーバ3に対して、5つの指示を行うことができる。
【0065】
第1の指示は、特定商品の購入を見守者に依頼することである。商品調達処理部47は、見守者端末7を通じて見守者に対して特定商品を購入して補充することを依頼する。商品調達処理部47は、見守者端末7を通じて依頼に対する見守者の回答を得る。商品調達処理部47は、見守対象端末5を通じて見守対象者に見守者の回答を説明する。
【0066】
第2の指示は、見守対象者が選択購入することの支援を見守者に依頼することである。商品調達処理部47は、見守者端末7を通じて見守者に対して選択購入の支援を依頼する。商品調達処理部47は、見守者端末7を通じて依頼に対する見守者の回答を得る。商品調達処理部47は、見守対象端末5を通じて見守対象者に見守者の回答を説明する。
【0067】
第3の指示は、移動販売業者に対して、移動販売車での特定商品の購入の希望を伝えることである。商品調達処理部47は、移動販売端末9を通じて移動販売業者に対して特定商品の購入希望が存在することを通知する。
【0068】
第4の指示は、移動販売業者に対して、移動販売車での商品の選択購入の希望を伝えることである。商品調達処理部47は、移動販売端末9を通じて移動販売業者に対して商品の選択購入の希望が存在することを通知する。
【0069】
第5の指示は、配送業者に対して、特定商品の配送を依頼することである。商品調達処理部47は、配送端末11を通じて配送業者に対して特定商品の配送を依頼する。
【0070】
図3及び
図4を参照して、見守対象者の消耗品の管理に関する処理の一例を説明する。
【0071】
対象在庫記憶部49は、管理対象の消耗品の複数の品目と、各品目に対応する現在量と、各品目に対応する補充基準値を記憶する。
【0072】
対象消費量記憶部51は、管理対象の消耗品の各品目について、見守対象者が一定期間で消費する量(例えば1日に消費する量)を記憶する。対象消費量管理部43は、見守対象者が一定期間で消費する量について、品目が新たに追加された時点では一般的な消費量を設定する。消耗品は繰り返し補充されることから、補充されるタイミング及び補充される量を参照して消費量を修正することにより、見守対象者が一定期間で消費する量を精度よく管理することができる。
【0073】
移動販売業者は、移動販売端末9に対して、移動販売車が各地域を巡回する予定の時刻と、移動販売車に準備する商品を特定するデータを入力する。移動販売端末9は、サーバ3に対して、入力されたデータを送信する。
【0074】
調達処理部33は、移動販売車に準備する商品を特定するデータを参照して、見守対象者が関心を持つことが予想される商品を特定する。調達処理部33は、例えば、移動販売業者が移動販売車に準備する商品に、消耗品の補充のために見守対象者が移動販売車から購入を希望している特定商品が含まれているか否か、消耗品の補充のために移動販売車で選択購入を希望している商品について複数種類の商品が含まれているか否か、などを特定する。
【0075】
調達処理部33は、サーバ3が見守対象端末5を通じて見守対象者と会話をしているときに、一定期間ごとに(例えば1日に1回など)、見守対象端末5を通じて、見守対象者に対して、移動販売車の巡回が予定されている時間と、見守対象者が関心を持つことが予想される商品を説明する(ステップSTA1)。例えば、移動販売車が巡回する時間と、その時間に巡回する移動販売車に、見守対象者が移動販売車から購入を希望している特定商品が準備されているか否か、消耗品の補充のために移動販売車で選択購入を希望している商品について複数種類の商品が含まれているか、1種類の商品が含まれているか、商品が含まれていないか、などを説明する。また、見守対象者は、食事のレパートリーが少なくなる傾向にある。そのため、調達処理部33は、例えば、食事のレシピを紹介し、移動販売車で購入できる食材を説明してもよい。これにより、移動販売車を通じて、その地域において食事のメニューを共有して、共通の話題を提供するなどの人と地域とのつながりを実現することができる。
【0076】
対象在庫管理部41は、見守対象端末5を通じて、見守対象者に対して、管理対象の消耗品について変更したか否かを確認する(ステップSTA2)。管理対象の消耗品が変更されていないならば、ステップSTA4に進む。管理対象の消耗品が変更されたならば、対象在庫管理部41は、対象消費量記憶部51に記憶されている管理対象の消耗品の品目や現在量を変更して(ステップSTA3)、ステップSTA4に進む。
【0077】
管理対象の消耗品の品目は、例えば、石鹸、シャンプー、リンス、トイレットペーパーなどである。管理対象の消耗品の品目を変更することは、例えば、管理対象となる消耗品の品目が新たに追加されたり、削除されたりすることである。
【0078】
例えば、管理対象の消耗品の品目が追加されたならば、対象在庫管理部41は、該当する品目とその現在量と補充基準値を対象在庫記憶部49に追加する。対象在庫管理部41は、現在量を、例えば見守対象者が入力することによって把握することができる。対象在庫管理部41は、補充基準値を、例えば現在量の一定の割合(例えば20%)として計算することによって把握することができる。また、対象在庫管理部41は、対象消費量記憶部51において該当する品目に対応させて一般的な消費量を追加する。
【0079】
例えば、管理対象の消耗品の一つの品目が削除されたならば、対象在庫管理部41は、該当する品目を対象在庫記憶部49から削除する。
【0080】
管理対象の消耗品の現在量を変更することは、例えば、新たに商品を購入することで増加させたり、見守対象者が取り扱いに失敗して大幅に減少してしまったりすることなどである。
【0081】
例えば、管理対象の消耗品の一つの品目の現在量が増加又は減少したならば、対象在庫管理部41は、対象在庫記憶部49において当該品目の現在量を増加又は減少する。
【0082】
ステップSTA4において、対象消費量管理部43は、対象在庫記憶部49における管理対象の消耗品の各品目の現在量から、対象消費量記憶部51における各品目の一定期間で消費する量を参照して計算される消費量を減少させて、対象在庫記憶部49における管理対象の消耗品の各品目の現在量を更新する。
【0083】
商品調達処理部47は、各品目について現在量が補充基準値よりも少ないか否かを判断する(ステップSTA5)。すべての品目の現在量が補充基準値以上であるならば、ステップSTA1に戻る。少なくとも一つの品目の現在量が補充基準値未満であるならば、当該品目を補充対象品目としてステップSTA6に進む。
【0084】
ステップSTA6において、商品調達処理部47は、見守対象端末5を通じた見守対象者との会話によって、補充対象品目について補充の確認を行う。見守対象者は、サーバ3に対して、第1乃至第5の指示を行うことができる。商品調達処理部47は、ステップSTA6において確認された見守対象者の指示に従って補充するための処理をし(ステップSTA7)、見守対象者に対してその処理の結果を報告する(ステップSTA8)。
【0085】
図4は、
図3のステップSTA7の処理の一例を具体的に説明するためのフロー図である。
【0086】
商品調達処理部47は、見守対象者が補充をする商品を決めているか否かを判断する(ステップSTB1)。見守対象者が特定商品による補充を希望するならば、ステップSTB2に進む。見守対象者が補充する商品を選択購入することを希望するならば、ステップSTB7に進む。
【0087】
ステップSTB2において、商品調達処理部47は、見守対象者が見守者に依頼することを希望しているか否かを判断する。見守対象者が見守者に依頼することを希望しているならば、商品調達処理部47は、見守者端末7を通じて、見守者に対して、特定商品を購入して補充することを依頼する(ステップSTB3)(第1の指示)。見守対象者が見守者に依頼することを希望していないならば、商品調達処理部47は、移動販売車での特定商品の購入を希望しているか否かを判断する(ステップSTB4)。移動販売車での特定商品の購入を希望しているならば、商品調達処理部47は、移動販売端末9を通じて、移動販売業者に対して、特定商品の購入希望者が存在することを通知する(ステップSTB5)(第3の指示)。移動販売車での購入を希望していないならば、商品調達処理部47は、配送端末11を通じて、配送業者に対して、特定商品の配送を依頼する(ステップSTB6)(第5の指示)。
【0088】
ステップSTB7において、商品調達処理部47は、見守対象者が見守者に選択購入の支援を依頼することを希望しているか否かを判断する。見守対象者が見守者に依頼することを希望しているならば、商品調達処理部47は、見守者端末7を通じて、見守者に対して、選択購入の支援を依頼する(ステップSTB8)(第2の指示)。見守者に依頼することを希望していないならば、商品調達処理部47は、移動販売端末9に対して、商品の選択購入の希望があることを通知する(ステップSTB9)(第4の指示)。
【0089】
なお、
図4では、特定商品の購入を希望するか商品の選択購入を希望するかを確認して、その後に見守者に依頼するか移動販売業者に通知するか配送業者に配送を依頼するかを確認している。本願発明はこれに限定されず、例えば、依頼したり通知したりする先を確認した後に、特定商品の購入を希望するか商品の選択購入を希望するかを確認するものであってもよい。例えば、見守者への依頼の希望を確認した後に、特定商品の購入の希望か商品の選択購入の希望かを確認してもよい。移動販売車での購入を希望することを確認した後に、特定商品の購入の希望か商品の選択購入の希望かを確認してもよい。配送を希望することを確認した後に、購入する特定商品を確認してもよい。
【0090】
図5は、見守者端末7に関連する処理を説明するためのフロー図である。
【0091】
会話処理部71は、サーバ3から見守対象者の状態の分析結果の説明をすることの通知を受信するまで待機する(ステップSTC1)。サーバ3からの通知は、例えば、会話処理部71がリクエストをすることに応じてなされるものなどであってもよい。
【0092】
サーバ3の会話分析部39は、見守者端末7を通じて見守者に見守対象者の状態の分析結果を説明する(ステップSTC2)。
【0093】
調達処理部33は、見守対象者が商品の購入について見守者に依頼することを希望しているか否かを判断する(ステップSTC3)。見守対象者が商品の購入について見守者に依頼することを希望していないならば、ステップSTC1に戻る。見守対象者が商品の購入について見守者に依頼することを希望しているならば(
図4のステップSTB3、STB8参照)、商品調達処理部47は、見守者端末7を通じて、見守者に対して、商品購入について見守対象者が依頼していることを説明し(ステップSTC4)、その回答を得る(ステップSTC5)。調達処理部33は、見守対象端末5を通じて、見守対象者に対して、見守者からの回答を説明する(
図3のステップSTA8参照)。
【0094】
なお、見守者がサーバ3に対して見守対象者の消耗品として管理している商品を知らせるように要求したならば、対象在庫処理部31は、この要求に応じて、見守者に対して、見守対象者の消耗品として管理している商品を伝える。例えば見守対象者が入院などをして生活空間が変わったときに、見守者は、新たな生活空間において、見守対象者が日常の生活空間で使用していた商品を準備することができる。
【0095】
図6は、移動販売端末9に関連する処理を説明するためのフロー図である。
【0096】
移動販売端末9は、移動販売業者が準備作業を指示するまで待機する(ステップSTD1)。
【0097】
移動販売業者が準備作業を指示したならば、集計処理部89は、商品の品種を特定して(ステップSTD2)、サーバ3から受信した当該品種に関する各商品の購入希望を集計する(ステップSTD3)(
図4のステップSTB5参照)。集計処理部89は、サーバ3から受信した選択購入の希望を集計する(ステップSTD4)(
図4のステップSTB9参照)。集計処理部89は、購入希望の集計結果を得る(ステップSTD5)。集計処理部89は、準備する商品のすべての品種について集計したか否かを判断する(ステップSTD6)。集計していない品種が存在するのであればステップSTD2~STD5の処理を繰り返す。集計していない品種が存在しないのであれば、ステップSTD7に進む。
【0098】
ステップSTD7において、表示処理部91は入出力装置79において集計結果を表示する。移動販売業者は、集計結果を参照して、入出力装置79に対して、移動販売車に準備する商品を特定するデータを入力する。通知処理部93は、サーバ3に対して、移動販売車に準備する商品を特定するデータを通知する(ステップSTD8)。
【0099】
図7は、配送端末11に関連する処理を説明するためのフロー図である。
【0100】
受注処理部95は、サーバ3から特定商品の配送依頼を受信するまで待機する(ステップSTE1)(
図4のステップSTB6参照)。サーバ3から特定商品の配送依頼を受信したならば、受注処理部95は当該特定商品を確保する(ステップSTE2)。配送処理部97は、確保した特定商品を見守対象者に配送するための処理を行う(ステップSTE3)。ステップSTE1に戻る。
【符号の説明】
【0101】
1 見守りシステム
3 サーバ
5 見守対象端末
7 見守者端末
9 移動販売端末
11 配送端末
21 処理装置
23 記憶装置
25 通信装置
27 会話処理部
29 見守処理部
31 対象在庫処理部
33 調達処理部
35 発話生成部
37 受話分析部
39 会話分析部
41 対象在庫管理部
43 対象消費量管理部
45 対象補充管理部
47 商品調達処理部
49 対象在庫記憶部
51 対象消費量記憶部
53 処理装置
55 入出力装置
57 通信装置
59 会話処理部
61 発話処理部
63 受話処理部
65 処理装置
67 入出力装置
69 通信装置
71 会話処理部
73 発話処理部
75 受話処理部
77 処理装置
79 入出力装置
81 通信装置
83 処理装置
85 入出力装置
87 通信装置
89 集計処理部
91 表示処理部
93 通知処理部
95 受注処理部
97 配送処理部
【要約】
【課題】 見守対象者の状態を分析するためにサーバと見守対象者の間で会話するときに、見守対象者に対して、その生活に「楽しみ」を提供することに適した見守りシステム等を提供する。
【解決手段】 見守りシステム1は、見守者に対して見守対象者の状態を伝えるサーバ3を備える。対象在庫処理部31は、見守対象者が使用する消耗品の現在量及び補充基準値を管理する。対象消費量管理部43は、消耗品の現在量を計算する。商品調達処理部47は、現在量が補充基準値未満であるならば、見守対象端末5を通じて見守対象者と会話することにより、見守対象者に対して、当該消耗品を補充するための商品の購入について、見守者に依頼するか、移動販売業者に通知するか、配送業者に依頼するかの希望を確認する。商品調達処理部47は、見守対象者の希望に従って商品を購入するための処理を行う。
【選択図】
図1