(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241015BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20241015BHJP
【FI】
H02J7/00 K
H02J7/00 S
H01M10/48 P
(21)【出願番号】P 2022091417
(22)【出願日】2022-06-06
【審査請求日】2023-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】森本 充晃
(72)【発明者】
【氏名】杉村 一男
(72)【発明者】
【氏名】加藤 博照
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 翔也
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-080473(JP,A)
【文献】特開2019-080474(JP,A)
【文献】特表2019-503038(JP,A)
【文献】国際公開第2014/155986(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H01M 10/42 -10/48
H02H 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリを接続するための第1の正極側バッテリ端子および第1の負極側バッテリ端子と、
バッテリを接続するための第2の正極側バッテリ端子および第2の負極側バッテリ端子と、
充電器を接続するための正極側入力端子および負極側入力端子と、
負荷を接続するための正極側出力端子および負極側出力端子と、
第1のスイッチと、
第2のスイッチと、
第3のスイッチと、を有し、
前記正極側入力端子は、前記第1の正極側バッテリ端子に接続され、
前記負極側入力端子は、前記第2の負極側バッテリ端子に接続され、
前記第1のスイッチは、前記第1の負極側バッテリ端子と前記第2の正極側バッテリ端子との間に接続され、
前記第2のスイッチは、前記正極側入力端子と前記第1の正極側バッテリ端子との間の第1の接続点と、前記第2の正極側バッテリ端子と、の間に接続され、
前記第3のスイッチは、前記第1の負極側バッテリ端子と、前記負極側入力端子と前記第2の負極側バッテリ端子との間の第2の接続点と、の間に接続され、
前記第2のスイッチおよび前記第3のスイッチは、直列に接続した2つのスイッチング素子により構成され、
前記正極側出力端子は、前記第2のスイッチを構成する2つのスイッチング素子の間を接続するラインに接続され、
前記負極側出力端子は、前記第3のスイッチを構成する2つのスイッチング素子の間を接続するラインに接続されている、電源装置。
【請求項2】
前記第2のスイッチを構成する2つのスイッチング素子は、ダイオードが並列に接続したスイッチング素子であり、
前記第3のスイッチを構成する2つのスイッチング素子は、ダイオードが並列に接続したスイッチング素子であり、
前記第2のスイッチを構成する2つのスイッチング素子のうちの前記第1の接続点側のスイッチング素子に並列に接続されたダイオードの順方向は、前記第2の正極側バッテリ端子側のスイッチング素子から前記第1の接続点への方向であり、
前記第2のスイッチを構成する2つのスイッチング素子のうちの前記第2の正極側バッテリ端子側のスイッチング素子に並列に接続されたダイオードの順方向は、前記第1の接続点側のスイッチング素子から前記第2の正極側
バッテリ端子への方向であり、
前記第3のスイッチを構成する2つのスイッチング素子のうちの前記第1の負極側バッテリ端子側のスイッチング素子に並列に接続されたダイオードの順方向は、前記第2の接続点側のスイッチング素子から前記第1の負極側バッテリ端子への方向であり、
前記第3のスイッチを構成する2つのスイッチング素子のうちの前記第2の接続点側のスイッチング素子に並列に接続されたダイオードの順方向は、前記第1の負極側バッテリ端子側のスイッチング素子から前記第2の
接続点への方向である、請求項
1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、および前記第3のスイッチを制御する制御部をさらに有し、
前記制御部は、前記第1の正極側バッテリ端子および前記第1の負極側バッテリ端子に、駆動電圧が第1の電圧である第1のバッテリが接続され、前記第2の正極側バッテリ端子および前記第2の負極側バッテリ端子に、駆動電圧が前記第1の電圧である第2のバッテリが接続され、前記正極側入力端子および前記負極側入力端子に、前記第1の電圧の2倍の電圧である第2の電圧の電力を供給する第2の充電器が接続され、前記正極側出力端子および前記負極側出力端子に、駆動電圧が前記第1の電圧である負荷が接続されたならば、前記第1のスイッチが閉じ、前記第2のスイッチを構成する2つのスイッチング素子の一方がオンになり、前記第2のスイッチを構成する2つのスイッチング素子の他方がオフになり、前記第3のスイッチを構成する2つのスイッチング素子の一方がオンになり、前記第3のスイッチを構成する2つのスイッチング素子の他方がオフになるように、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、および前記第3のスイッチを制御する、請求項
2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の正極側バッテリ端子および前記第1の負極側バッテリ端子に、前記第1のバッテリが接続され、前記第2の正極側バッテリ端子および前記第2の負極側バッテリ端子に、前記第2のバッテリが接続され、前記正極側入力端子および前記負極側入力端子に、前記第1の電圧の電力を供給する第1の充電器が接続され、前記正極側出力端子および前記負極側出力端子に、前記負荷が接続されたならば、前記第1のスイッチが開き、前記第2のスイッチおよび前記第3のスイッチが閉じるように、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、および前記第3のスイッチを制御する、請求項
3に記載の電源装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1の正極側バッテリ端子および前記第1の負極側バッテリ端子に、前記第1のバッテリが接続され、前記第2の正極側バッテリ端子および前記第2の負極側バッテリ端子に、前記第2のバッテリが接続され、前記正極側入力端子および前記負極側入力端子に、充電器が接続されておらず、前記正極側出力端子および前記負極側出力端子に、前記負荷が接続されたならば、前記第1のスイッチが開き、前記第2のスイッチおよび前記第3のスイッチが閉じるように、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、および前記第3のスイッチを制御する、請求項
4に記載の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車(EV;Electric Vehicle)やプラグインハイブリッド車(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)が普及し、これらの電動自動車のバッテリに充電を行うことが可能な充電設備も普及してきている。現在設置されている充電設備の規格には様々な種類があり、電動自動車の電源装置は複数の規格の充電装置に対応する必要ある。例えば、特許文献1には、2つのバッテリの接続を並列と直列に切り替えることで、急速充電器と、供給電力の電圧が急速充電器よりも高い超急速充電器、とに対応する電源装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された電源装置では、2つのバッテリの接続が切り替えられたときに、負荷にかかる電圧が大きく変化する。このため、特許文献1に開示された電源装置では、この2つのバッテリの接続の切り替え中は、負荷を動作させることができない。
【0005】
そこで、本発明は、負荷の動作を中断することなく、複数の充電器に対応する電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る一実施形態に係る電源装置は、バッテリを接続するための第1の正極側バッテリ端子および第1の負極側バッテリ端子と、バッテリを接続するための第2の正極側バッテリ端子および第2の負極側バッテリ端子と、充電器を接続するための正極側入力端子および負極側入力端子と、負荷を接続するための正極側出力端子および負極側出力端子と、第1のスイッチと、第2のスイッチと、第3のスイッチと、を有し、前記正極側入力端子は、前記第1の正極側バッテリ端子に接続され、前記負極側入力端子は、前記第2の負極側バッテリ端子に接続され、前記第1のスイッチは、前記第1の負極側バッテリ端子と前記第2の正極側バッテリ端子との間に接続され、前記第2のスイッチは、前記正極側入力端子と前記第1の正極側バッテリ端子との間の第1の接続点と、前記第2の正極側バッテリ端子と、の間に接続され、前記第3のスイッチは、前記第1の負極側バッテリ端子と、前記負極側入力端子と前記第2の負極側バッテリ端子との間の第2の接続点と、の間に接続され、前記正極側出力端子は、前記第2のスイッチと前記第2の正極側バッテリ端子とを接続するラインに接続され、前記負極側出力端子は、前記負極側入力端子と前記第2の負極側バッテリ端子とを接続するラインに接続されている。
【0007】
本発明に係る一実施形態に係る電源装置は、バッテリを接続するための第1の正極側バッテリ端子および第1の負極側バッテリ端子と、バッテリを接続するための第2の正極側バッテリ端子および第2の負極側バッテリ端子と、充電器を接続するための正極側入力端子および負極側入力端子と、負荷を接続するための正極側出力端子および負極側出力端子と、第1のスイッチと、第2のスイッチと、第3のスイッチと、を有し、前記正極側入力端子は、前記第1の正極側バッテリ端子に接続され、前記負極側入力端子は、前記第2の負極側バッテリ端子に接続され、前記第1のスイッチは、前記第1の負極側バッテリ端子と前記第2の正極側バッテリ端子との間に接続され、前記第2のスイッチは、前記正極側入力端子と前記第1の正極側バッテリ端子との間の第1の接続点と、前記第2の正極側バッテリ端子と、の間に接続され、前記第3のスイッチは、前記第1の負極側バッテリ端子と、前記負極側入力端子と前記第2の負極側バッテリ端子との間の第2の接続点と、の間に接続され、前記正極側出力端子は、前記正極側入力端子と前記第1の正極側バッテリ端子とを接続するラインに接続され、前記負極側出力端子は、前記第1の負極側バッテリ端子と前記第3のスイッチとを接続するラインに接続されている。
【0008】
本発明に係る一実施形態に係る電源装置は、バッテリを接続するための第1の正極側バッテリ端子および第1の負極側バッテリ端子と、バッテリを接続するための第2の正極側バッテリ端子および第2の負極側バッテリ端子と、充電器を接続するための正極側入力端子および負極側入力端子と、負荷を接続するための正極側出力端子および負極側出力端子と、第1のスイッチと、第2のスイッチと、第3のスイッチと、を有し、前記正極側入力端子は、前記第1の正極側バッテリ端子に接続され、前記負極側入力端子は、前記第2の負極側バッテリ端子に接続され、前記第1のスイッチは、前記第1の負極側バッテリ端子と前記第2の正極側バッテリ端子との間に接続され、前記第2のスイッチは、前記正極側入力端子と前記第1の正極側バッテリ端子との間の第1の接続点と、前記第2の正極側バッテリ端子と、の間に接続され、前記第3のスイッチは、前記第1の負極側バッテリ端子と、前記負極側入力端子と前記第2の負極側バッテリ端子との間の第2の接続点と、の間に接続され、前記第2のスイッチおよび前記第3のスイッチは、直列に接続した2つのスイッチング素子により構成され、前記正極側出力端子は、前記第2のスイッチを構成する2つのスイッチング素子の間を接続するラインに接続され、前記負極側出力端子は、前記第3のスイッチを構成する2つのスイッチング素子の間を接続するラインに接続されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、負荷の動作を中断することなく、複数の充電器に対応する電源装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電源装置100を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る電源装置100を示す図である。
【
図3】電源装置100における電力の流れを説明する図である。
【
図4】電源装置100における電力の流れを説明する図である。
【
図5】電源装置100における電力の流れを説明する図である。
【
図6】電源装置100における電力の流れを説明する図である。
【
図7】電源装置100における電力の流れを説明する図である。
【
図8】電源装置100における電力の流れを説明する図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る電源装置100を示す図である。
【
図10】電源装置100における電力の流れを説明する図である。
【
図11】電源装置100における電力の流れを説明する図である。
【
図12】電源装置100における電力の流れを説明する図である。
【
図13】電源装置100における電力の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<電源装置100>
図1、2は、本発明の一実施形態に係る電源装置100を示す図である。電源装置100は、第1の正極側バッテリ端子111と、第1の負極側バッテリ端子112と、第2の正極側バッテリ端子121と、第2の負極側バッテリ端子122と、正極側入力端子131と、負極側入力端子132と、第1のスイッチSW1と、第2のスイッチSW2と、第3のスイッチSW3と、正極側出力端子141と、負極側出力端子142と、を有する。
【0012】
第1の正極側バッテリ端子111および第1の負極側バッテリ端子112は、第1のバッテリ210を接続するための端子であり、第1のバッテリ210の正極は、第1の正極側端子111に接続され、第1のバッテリ210の負極は、第1の負極側バッテリ端子112に接続される。第2の正極側バッテリ端子121および第2の負極側バッテリ端子122は、第2のバッテリ220を接続するための端子であり、第2のバッテリ220の正極は、第2の正極側端子121に接続され、第2のバッテリ220の負極は、第2の負極側バッテリ端子122に接続される。第1のバッテリ210および第2のバッテリ220は、電力を充放電可能な蓄電池であり、例えば、リチウムイオン電池である。第1のバッテリおよび第2のバッテリ220の駆動電圧は、同じであり、第1の電圧(例えば、400Vや500V)である。
【0013】
正極側入力端子131および負極側入力端子132は、充電器300を接続するための端子である。第1の電圧の電力を供給する第1の充電器300A(例えば、急速充電器)が正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続されると、正極側入力端子131、負極側入力端子132から第1の電圧の電力が入力される。第1の電圧の2倍の電圧である第2の電圧(例えば、800Vや1000V)の電力を供給する第2の充電器300B(例えば、超急速充電器)が正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続されると、正極側入力端子131、負極側入力端子132から第2の電圧の電力が入力される。
【0014】
本実施形態では、正極側入力端子131は、第1の正極側バッテリ端子111に接続されており、負極側入力端子132は、第2の負極側バッテリ端子122に接続されている。
【0015】
そして、第1のスイッチSW1は、第1の負極側バッテリ端子122と第2の正極側バッテリ端子121との間に接続されている。第2のスイッチSW2は、正極側入力端子131と第1の正極側バッテリ端子111との間の第1の接続点CP1と、第2の正極側バッテリ端子121と、の間に接続されている。第3のスイッチSW3は、第1の負極側バッテリ端子112と、負極側入力端子132と第2の負極側バッテリ端子122との間の第2の接続点CP2と、の間に接続されている。
【0016】
このため、本実施形態では、第1のスイッチSW1が開き、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3が閉じた状態において、
図3、4に示すように、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220は、正極側入力端子131と負極側入力端子132との間で、並列に接続される。よって、
図3、4に示すように、第1のスイッチSW1が開き、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3が閉じた状態で、正極側入力端子131と負極側入力端子132に充電器を接続した場合、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220とが並列の状態で充電することが可能である。
【0017】
そこで、本実施形態では、第1の充電器300A(例えば、急速充電器)が正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続されるときに、第1のスイッチSW1が開き、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3が閉じ、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220を並列の状態で充電する。このようにすることで、本実施形態では、第1のバッテリ210および第2のバッテリ220を、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220の駆動電圧である第1の電圧の電力により充電することが可能になる。
【0018】
また、本実施形態では、第1のスイッチSW1が閉じ、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3が開いた状態において、
図5、6に示すように、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220は、正極側入力端子131と負極側入力端子132との間で、直列に接続される。よって、
図5、6に示すように、第1のスイッチSW1が閉じ、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3が開いた状態で、正極側入力端子131と負極側入力端子132に充電器300を接続した場合、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220を直列の状態で充電することが可能である。
【0019】
そこで、本実施形態では、第2の充電器300B(例えば、超急速充電器)が正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続されるときに、第1のスイッチSW1を閉じ、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3を開き、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220を直列の状態で充電する。このようにすることで、本実施形態では、第1のバッテリ210および第2のバッテリ220を、第2の電圧の半分の電圧である第1の電圧の電力により充電することが、つまり、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220の駆動電圧である第1の電圧の電力により充電することが可能になる。
【0020】
正極側出力端子141および負極側出力端子121は、駆動電圧が第1の電圧である負荷400を接続するための端子である。
【0021】
本実施形態では、正極側出力端子141および負極側出力端子142は、第1~第3のスイッチSW1~SW3の開閉の状態に関係なく、駆動電圧が負荷400と同じである第1のバッテリ210、第2のバッテリ220の電圧が、負荷400にかかるように接続されている。このため、本実施形態では、第1~第3のスイッチSW1~SW3の開閉の状態を切り替わるときにも、負荷400にかかる電圧が大きく変化することがない。よって、本実施形態では、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220との間の接続が切り替わるときにも、負荷400にかかる電圧が大きく変化することがなく、負荷400を動作させることが可能である。本実施形態は、負荷の動作を中断することなく、複数の充電器に対応する電源装置を提供することが可能である。
【0022】
図1に示した例では、正極側出力端子131は、第2のスイッチSW2と第2の正極側バッテリ端子121とを接続するラインに接続されており、負極側出力端子132は、負極側入力端子142と第2の負極側バッテリ端子122とを接続するラインに接続されている。
【0023】
このため、
図1に示した例では、
図3、5、7に示すように、負荷400には、第1~第3のスイッチSW1~SW3の開閉の状態に関係なく、第2のバッテリ220の電圧がかかる。よって、
図1に示した例では、第1~第3のスイッチSW1~SW3の開閉の状態に関係なく、第2のバッテリ220の電圧の電力が負荷400に供給される。
【0024】
図3では、負荷400は、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220と並列に接続されており、負荷400には、第1の充電器300Aから、第2のバッテリ220の電圧の電力が供給される。
図5では、負荷400は、第2のバッテリ220と並列に接続されるため、第1の充電器300Aから、第2のバッテリ220の電圧の電力が供給される。
【0025】
図7は、充電器300が正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続されていないとき(例えば、走行時)の状態の例を示しており、
図7では、第1のスイッチSW1が開き、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3が閉じている。このため、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220が並列に接続されており、負荷400には、第1のバッテリ210、第2のバッテリ220から、第2のバッテリ220の電圧の電力が供給される。
【0026】
一方、
図2に示した例では、正極側出力端子131は、正極側入力端子131と第1の正極側バッテリ端子111とを接続するラインに接続されており、負極側出力端子132は、第1の負極側バッテリ端子112と第3のスイッチSW3とを接続するラインに接続されている。
【0027】
このため、
図2に示した例では、
図4、6、8に示すように、負荷400には、第1~第3のスイッチSW1~SW3の開閉の状態に関係なく、第1のバッテリ210の電圧がかかる。よって、
図2に示した例では、第1~第3のスイッチSW1~SW3の開閉の状態に関係なく、第1のバッテリ210の電圧の電力が負荷400に供給される。
【0028】
図4では、負荷400は、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220が並列に接続されており、負荷400には、第1の充電器300Aから、第1のバッテリ220の電圧の電力が供給される。
図6では、負荷400は、第1のバッテリ210と並列に接続されるため、第1の充電器300Aから、第1のバッテリ220の電圧の電力が供給される。
【0029】
図8は、充電器300が正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続されていないとき(例えば、走行時)の状態の例を示しており、
図8では、第1のスイッチSW1が開き、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3が閉じている。このため、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220が並列に接続されており、負荷400には、第1のバッテリ210、第2のバッテリ220から、第1のバッテリ220の電圧の電力が供給される。
【0030】
<第1~第3のスイッチSW1~SW3の制御>
電源装置100は、第1のスイッチSW1、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3を制御する制御部150をさらに有するようにすると良い。
【0031】
制御部150は、例えば、正極側入力端子131および負極側入力端子132に充電器300が接続されていないときに、
図7、8に示すように、第1のスイッチSW1を開き、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3を閉じるように制御するようにすると良い。このようにすることで、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220を並列に接続することが可能になり、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220の両方から、負荷400に電力を供給することが可能になる。
【0032】
制御部150は、例えば、正極側入力端子131および負極側入力端子132に第1の充電器300Aが接続されたときに、
図3、4に示すように、第1のスイッチSW1が開き、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3が閉じるように制御するようにすると良い。このようにすることで、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220と負荷400とを並列に接続することが可能になり、第1の充電器300Aから、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220と負荷400に、第1の電圧の電力を供給することが可能になる。
【0033】
制御部150は、例えば、正極側入力端子131および負極側入力端子132に第2の充電器300Bが接続されたときに、
図5、6に示すように、第1のスイッチSW1が閉じ、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3が開くように制御するようにすると良い。このようにすることで、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220を直列に接続し、第1のバッテリ210または第2のバッテリ220と負荷を並列に接続することが可能になり、負荷400に、第1のバッテリ210または第2のバッテリ220の電圧の電力を供給することが可能になる。
【0034】
また、制御部150は、例えば、正極側入力端子131および負極側入力端子132に第2の充電器300Bが接続されたときに、
図5、6に示すように、第1のスイッチSW1が閉じ、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3が開くように制御し、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220とを並列に接続した後に、第1のバッテリ210の電圧が第1のバッテリ210の上限電圧値近くの所定の電圧値に達したときに、第1のスイッチSW1、第3のスイッチSW3が開き、第2のスイッチSW2が閉じるように制御するようにすると良い。このようにすることで、第2のバッテリ220のみを充電することが可能になり、第1のバッテリ210の電圧と第2のバッテリ220の電圧との間の不均衡を解消することが可能になる。
【0035】
図1、2に示すように、正極側入力端子131に第4のスイッチSW4を設け、負極側入力端子132に第5のスイッチSW5を設けるようにしても良い。そして、制御部150は、第4のスイッチSW4、第5のスイッチSW5を制御するようにしても良い。
【0036】
このとき、制御部150は、充電器300が正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続されているときは、
図3~6に示すように、第4のスイッチSW4、第5のスイッチSW5を閉じるようにし、充電器300が正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続していないときは、
図7、8に示すように、第4のスイッチSW4、第5のスイッチSW5を開くようにし、第4のスイッチSW4、第5のスイッチSW5を制御するようにしても良い。このようにすることで、充電器300が正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続されていないときに、正極側入力端子131および負極側入力端子132を第1のバッテリ210、第2のバッテリ220から分離することが可能になる。
【0037】
また、
図1、2に示すように、正極側出力端子141に第6のスイッチSW6を設け、負極側出力端子142に第7のスイッチSW7を設けるようにしても良い。そして、制御部150は、第6のスイッチSW6、第7のスイッチSW7を制御するようにしても良い。このようにすることで、負荷400への電力の供給を遮断することが可能になる。
【0038】
また、このとき、制御部150は、負荷400が正極側出力端子141および負極側出力端子142に接続されているときは、
図3~6に示すように、第6のスイッチSW6、第7のスイッチSW7を閉じるようにし、負荷400が正極側出力端子141および負極側出力端子142に接続していないときは、第6のスイッチSW6、第7のスイッチSW7を開くようにし、第6のスイッチSW6、第7のスイッチSW7を制御するようにしても良い。このようにすることで、負荷400が正極側出力端子141および負極側出力端子142に接続されていないときに、正極側出力端子141および負極側出力端子142を第1のバッテリ210、第2のバッテリ220から分離することが可能になる。
【0039】
<第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3>
第2のスイッチSW2および第3のスイッチSW3は、
図9に示すように、ダイオードが並列に接続された2つのスイッチング素子(例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor))を直列に接続することで構成するようにしても良い。このとき、正極側出力端子141は、第2のスイッチSW2を構成する2つのスイッチング素子の間を接続するラインに接続されるようにし、負極側出力端子142は、第3のスイッチSW3を構成する2つのスイッチング素子の間を接続するラインに接続されるようにすると良い。
【0040】
そして、第2のスイッチSW2において、第1の接続点CP1側のスイッチング素子に並列に接続されたダイオードの順方向を、第2の正極側バッテリ端子121側のスイッチング素子から第1の接続点CP1への方向とし、第2の正極側バッテリ端子121側のスイッチング素子に並列に接続されたダイオードの順方向を、第1の接続点CP1側のスイッチング素子から第2の正極側バッテリ121への方向とするようにすると良い。
【0041】
また、第3のスイッチSW3において、第1の負極側バッテリ端子112側のスイッチング素子に並列に接続されたダイオードの順方向を、第2の接続点CP2側のスイッチング素子から第1の負極側バッテリ端子112への方向とし、第2の接続点CP2側のスイッチング素子に並列に接続されたダイオードの順方向を、第1の負極側バッテリ端子112側のスイッチング素子から第2の接続点CP2への方向とするようにすると良い。
【0042】
このようにすることでも、負荷の動作を中断することなく、複数の充電器に対応する電源装置を提供することが可能である。
【0043】
第1の充電器300Aが正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続されているときは、制御部150は、例えば、第1のスイッチSW1を開き、第2のスイッチSW2の2つのスイッチング素子をONにし、第3のスイッチSW3の2つのスイッチング素子をONにするように、第1~第3のスイッチSW1~SW3を制御するようにすると良い。このようにすることで、
図10に示すように、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220を並列に接続することが可能になり、第1の充電器300Aから、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220に、第1の電圧の電力を供給することが可能になる。
【0044】
また、第2の充電器300Bが正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続されているときは、制御部150は、例えば、第1のスイッチSW1を開き、第2のスイッチSW2の2つのスイッチング素子のうちのいずれかをONにし、第3のスイッチSW3の2つのスイッチング素子のうちのいずれかをONにするように、第1~第3のスイッチSW1~SW3を制御するようにすると良い。
【0045】
図11に示す例では、第2のスイッチSW2の2つのスイッチング素子のうちの第2の正極側バッテリ端子121側のスイッチング素子をONにし、第2のスイッチSW2の2つのスイッチング素子のうちの第1の接続点CP1側のスイッチング素子をOFFにし、第3のスイッチSW3の2つのスイッチング素子のうちの第2の接続点CP2側のスイッチング素子をONにし、第2のスイッチSW2の2つのスイッチング素子のうちの第1の負極側バッテリ端子112側のスイッチング素子をOFFにするように制御されている。このため、
図11に示す例では、負荷400に、第2のバッテリ220の電圧がかかることになり、負荷400に、駆動電圧が負荷400と同じである第2のバッテリ200の電圧の電力が供給されることになる。
【0046】
図12に示す例では、第2のスイッチSW2の2つのスイッチング素子のうちの第1の接続点CP1側のスイッチング素子をONにし、第2のスイッチSW2の2つのスイッチング素子のうちの第2の正極側バッテリ端子121側のスイッチング素子をOFFにし、第3のスイッチSW3の2つのスイッチング素子のうちの第1の負極側バッテリ端子112側のスイッチング素子をONにし、第2のスイッチSW2の2つのスイッチング素子のうちの第2の接続点CP2側のスイッチング素子をOFFにするように制御されている。このため、
図12に示す例では、負荷400に、第1のバッテリ210の電圧がかかることになり、負荷400に、駆動電圧が負荷400と同じである第1のバッテリ210の電圧の電力が供給されることになる。
【0047】
また、充電器300が正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続されていないとき(例えば、走行時)は、制御部150は、例えば、第1のスイッチSW1を開き、第2のスイッチSW2の2つのスイッチング素子をONにし、第3のスイッチSW3の2つのスイッチング素子をONにするように、第1~第3のスイッチSW1~SW3を制御するようにすると良い。このようにすることで、
図13に示すように、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220を並列に接続され、駆動電圧が負荷400と同じである第1のバッテリ210と第2のバッテリ220から、電力を供給することが可能になる。
【0048】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に記載した本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更が可能である。
【符号の説明】
【0049】
100 電源装置
111 第1の正極側バッテリ端子
112 第1の負極側バッテリ端子
121 第2の正極側バッテリ端子
122 第2の負極側バッテリ端子
131 正極側入力端子
132 負極側入力端子
141 正極側出力端子
142 負極側出力端子
150 制御部
SW1 第1のスイッチ
SW2 第2のスイッチ
SW3 第3のスイッチ
210 第1のバッテリ
220 第2のバッテリ
300 充電器
300A 第1の充電器
300B 第2の充電器
400 負荷