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特許7570806撮像装置、情報処理装置、及びこれらの制御方法並びにプログラム、学習済みモデル選択システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】撮像装置、情報処理装置、及びこれらの制御方法並びにプログラム、学習済みモデル選択システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/60 20230101AFI20241015BHJP
   G06N 20/00 20190101ALI20241015BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20241015BHJP
【FI】
H04N23/60
H04N23/60 300
H04N23/60 500
G06N20/00
G03B15/00 Q
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2019221408
(22)【出願日】2019-12-06
(65)【公開番号】P2021093568
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-11-29
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】田邉 章弘
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-096707(JP,A)
【文献】特開2004-054201(JP,A)
【文献】特開2019-114243(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0197359(US,A1)
【文献】特開2019-106694(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0228692(US,A1)
【文献】特開2010-252374(JP,A)
【文献】国際公開第2020/104521(WO,A2)
【文献】特開2019-118097(JP,A)
【文献】特許第6573297(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222-5/257
H04N 23/00
H04N 23/40-23/76
H04N 23/90-23/959
G03B 15/00
G03B 7/28
G03B 13/36
G06N 3/00-99/00
G06F 18/00-18/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像して撮像画像を生成する撮像手段と、
複数のクラスの夫々に対応する第1の学習済みモデルを保持する情報処理装置と通信する通信手段と、
前記複数のクラスのうちの1つである優先するクラスに対応する前記第1の学習済みモデルを用いて前記撮像画像に関する処理を実行する学習済みモデル実行手段と、
前記撮像画像及びその撮像時の撮像情報の少なくとも1つに基づき履歴データを作成する履歴データ作成手段と、
前記作成された履歴データに基づき、前記通信手段により前記情報処理装置から、前記複数のクラスのうちの他の1つのクラスに対応する前記第1の学習済みモデルの学習済み係数パラメータを取得する取得手段と、
前記取得した学習済み係数パラメータに基づいて、前記学習済みモデル実行手段で用いられる前記第1の学習済みモデルの設定を変更する変更手段とを備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記撮像画像の主被写体及びその撮影シーンの少なくとも1つの情報を、前記複数のクラスの1つに分類する分類処理を実行する分類手段を更に備え、
前記履歴データは、前記分類手段により前記少なくとも1つの情報が前記複数のクラスのいずれに分類されたかを示す情報を含むことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記分類手段は、分類に用いる第2の学習済みモデルを用いて、前記分類処理を実行することを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記履歴データは、前記複数のクラスの夫々に対する撮影頻度の順位の情報を更に保持し、
前記取得手段により取得される学習済み係数パラメータは、前記履歴データにおいて前記撮影頻度の順位が高くなったクラスに対応する前記第1の学習済みモデルの学習済み係数パラメータであることを特徴とする請求項2又は3記載の撮像装置。
【請求項5】
前記履歴データにおいて前記撮影頻度の順位が高くなったクラスがあった場合、当該クラスに前記優先するクラスを更新する更新手段を更に備え、
前記取得手段により取得される学習済み係数パラメータは、前記更新された優先するクラスに対応する前記第1の学習済みモデルの学習済み係数パラメータであることを特徴とする請求項4記載の撮像装置。
【請求項6】
前記履歴データ作成手段により作成された履歴データを、前記通信手段により前記情報処理装置に送信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記履歴データ作成手段は、
前記通信手段により前記撮像画像及びその撮像時の撮像情報を前記情報処理装置に送信し、前記情報処理装置に前記送信された撮像画像及びその撮像時の撮像情報の少なくとも1つに基づき前記履歴データを作成させることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項8】
前記履歴データ作成手段は、前記撮像手段により撮像が行われる度に新たに前記履歴データを作成することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記更新手段による前記優先するクラスの更新を有効とするか否かをユーザ操作に応じて選択する選択手段を更に備えることを特徴とする請求項5記載の撮像装置。
【請求項10】
前記複数のクラスを表示する表示手段を更に備え、
前記表示される複数のクラス毎に、前記更新手段による前記優先するクラスとしての更新を有効とするか否かをユーザ操作に応じて選択する選択手段を更に備えることを特徴とする請求項5記載の撮像装置。
【請求項11】
前記表示手段は、前記複数のクラスを夫々に対する撮影頻度の順位の高い順に並べて表示することを特徴とする請求項10記載の撮像装置。
【請求項12】
前記撮像画像に関する処理は、物体検出、境界分類、画像処理、ノイズ除去の少なくとも1つの処理を含むことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの情報は、前記撮像画像及びその撮像時の撮像情報の少なくとも1つから作成されることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの情報は、GPS情報及び気象情報の少なくとも1つをさらに含むことを特徴とする請求項13項に記載の撮像装置。
【請求項15】
複数のクラスの夫々に対応する第1の学習済みモデルを保持する学習済みモデル保持手段と、
被写体を撮像して撮像画像を生成すると共に、前記複数のクラスのうちの1つである優先するクラスに対応する前記第1の学習済みモデルを用いて前記撮像画像に関する処理を実行する撮像装置と通信する通信手段と、
前記通信手段により前記撮像装置より前記撮像画像及びその撮像時の撮像情報を受信する第1の受信手段と、
前記受信した撮像画像及びその撮像時の撮像情報の少なくとも1つに基づき履歴データを作成する履歴データ作成手段と、
前記履歴データ作成手段により作成された履歴データに基づき、前記複数のクラスのうちの他の1つのクラスに対応する前記第1の学習済みモデルの学習済み係数パラメータを前記通信手段により前記撮像装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項16】
前記受信した撮像画像の主被写体及びその撮影シーンの少なくとも1つの情報を、前記複数のクラスの1つに分類する分類処理を実行する分類手段を更に備え、
前記履歴データは、前記分類手段により前記少なくとも1つの情報が前記複数のクラスのいずれに分類されたかを示す情報を含むことを特徴とする請求項15記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記分類手段は、分類に用いる第2の学習済みモデルを用いて、前記分類処理を実行することを特徴とする請求項16記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記履歴データは、前記複数のクラスの夫々に対する撮影頻度の順位の情報を更に保持し、
前記送信手段により送信される学習済み係数パラメータは、前記履歴データにおいて前記撮影頻度の順位が高くなったクラスに対応する前記第1の学習済みモデルの学習済み係数パラメータであることを特徴とする請求項16又は17記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記通信手段は、前記撮像装置と通信する他の情報処理装置と更に通信を行い、
前記通信手段により、前記他の情報処理装置を介して前記撮像画像及びその撮像時の撮像情報を受信する第2の受信手段と、
前記複数のクラスに対応する学習済みモデルの夫々を構築するための学習処理を行う学習手段とを更に備え、
前記学習手段は、前記第1及び第2の受信手段の少なくとも1つにより受信した前記撮像画像を用いて前記学習処理を行うことを特徴とする請求項15乃至18のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項20】
被写体を撮像して撮像画像を生成する撮像装置と、複数のクラスの夫々に対応する第1の学習済みモデルを保持する情報処理装置とを含む学習済みモデル選択システムであって、
前記撮像装置は、
前記複数のクラスのうちの1つである優先するクラスに対応する前記第1の学習済みモデルを用いて前記撮像画像に関する処理を実行する学習済みモデル実行手段と、
前記撮像画像及びその撮像時の撮像情報を前記情報処理装置に送信する第1の送信手段とを備え、
前記情報処理装置は、
前記撮像装置から送信された前記撮像画像及びその撮像時の撮像情報の少なくとも1つに基づき履歴データを作成する履歴データ作成手段と、
前記作成された履歴データに基づき、前記複数のクラスのうちの他の1つのクラスに対応する前記第1の学習済みモデルの学習済み係数パラメータを、前記撮像装置に送信する第2の送信手段とを備え、
前記撮像装置は、
前記情報処理装置から送信された学習済み係数パラメータに基づいて、前記学習済みモデル実行手段で用いられる前記第1の学習済みモデルの設定を変更する変更手段を更に備えることを特徴とする学習済みモデル選択システム。
【請求項21】
前記情報処理装置は、前記複数のクラスに対応する学習済みモデルの夫々を構築するための学習処理を行う学習手段を更に備え、
前記学習手段は、前記撮像装置と通信する他の情報処理装置から送信された前記撮像画像及び前記撮像装置から送信された前記撮像画像の少なくとも1つを用いて前記学習処理を行うことを特徴とする請求項20記載の学習済みモデル選択システム。
【請求項22】
被写体を撮像して撮像画像を生成する撮像装置と、第1の情報処理装置と、複数のクラスの夫々に対応する第1の学習済みモデルを保持する第2の情報処理装置とを含む学習済みモデル選択システムであって、
前記撮像装置は、
前記複数のクラスのうちの1つである優先するクラスに対応する前記第1の学習済みモデルを用いて前記撮像画像に関する処理を実行する学習済みモデル実行手段と、
前記撮像画像及びその撮像時の撮像情報を前記第1の情報処理装置に送信する第1の送信手段とを備え、
前記第1の情報処理装置は、
前記撮像装置から送信された前記撮像画像及びその撮像時の撮像情報の少なくとも1つに基づき履歴データを作成する履歴データ作成手段と、
前記作成された履歴データに基づき、前記複数のクラスのうちの他の1つのクラスに前記優先するクラスを更新する更新手段と、
前記更新された優先するクラスに対応する前記第1の学習済みモデルの学習済み係数パラメータを前記第2の情報処理装置から取得する取得手段と、
前記取得した学習済み係数パラメータを前記撮像装置に送信する第2の送信手段とを備え、
前記撮像装置は、
前記第1の情報処理装置から送信された学習済み係数パラメータに基づいて、前記学習済みモデル実行手段で用いられる前記第1の学習済みモデルの設定を変更する変更手段を更に備えることを特徴とする学習済みモデル選択システム。
【請求項23】
前記第2の情報処理装置は、前記複数のクラスに対応する学習済みモデルの夫々を構築するための学習処理を行う学習手段を更に備え、
前記学習手段は、前記第1の情報処理装置から受信した前記撮像画像を用いて、前記学習処理を行なうことを特徴とする請求項22記載の学習済みモデル選択システム。
【請求項24】
前記第1の送信手段は、前記撮像装置による撮像で新たに前記撮像画像が生成される毎に当該撮像画像を送信することを特徴とする請求項20乃至23のいずれか1項に記載の学習済みモデル選択システム。
【請求項25】
複数のクラスの夫々に対応する第1の学習済みモデルを保持する情報処理装置と通信する撮像装置の制御方法であって、
被写体を撮像して撮像画像を生成する撮像ステップと、
前記複数のクラスのうちの1つである優先するクラスに対応する前記第1の学習済みモデルを用いて前記撮像画像に関する処理を実行する学習済みモデル実行ステップと、
前記撮像画像及びその撮像時の撮像情報の少なくとも1つに基づき履歴データを作成する履歴データ作成ステップと、
前記作成された履歴データに基づき、前記情報処理装置から、前記複数のクラスのうちの他の1つのクラスに対応する前記第1の学習済みモデルの学習済み係数パラメータを取得する取得ステップと、
前記取得した学習済み係数パラメータに基づいて、前記学習済みモデル実行ステップで用いられる前記第1の学習済みモデルの設定を変更する変更ステップとを有することを特徴とする制御方法。
【請求項26】
被写体を撮像して撮像画像を生成すると共に、複数のクラスのうちの1つである優先するクラスに対応する第1の学習済みモデルを用いて前記撮像画像に関する処理を実行する撮像装置と通信する情報処理装置の制御方法であって、
前記複数のクラスの夫々に対応する前記第1の学習済みモデルを保持する学習済みモデル保持ステップと、
前記撮像装置より前記撮像画像及びその撮像時の撮像情報を受信する受信ステップと、 前記受信した撮像画像及びその撮像時の撮像情報の少なくとも1つに基づき履歴データを作成する履歴データ作成ステップと、
前記履歴データ作成ステップにおいて作成された履歴データに基づき、前記複数のクラスのうちの他の1つのクラスに対応する前記第1の学習済みモデルの学習済み係数パラメータを前記撮像装置に送信する送信ステップとを有することを特徴とする制御方法。
【請求項27】
被写体を撮像して撮像画像を生成する撮像手段と、複数のクラスの夫々に対応する第1の学習済みモデルを保持する情報処理装置と通信する通信手段と、制御手段とを備える撮像装置の、前記制御手段を、
前記複数のクラスのうちの1つである優先するクラスに対応する前記第1の学習済みモデルを用いて前記撮像画像に関する処理を実行する学習済みモデル実行手段と、
前記撮像画像及びその撮像時の撮像情報の少なくとも1つに基づき履歴データを作成する履歴データ作成手段と、
前記作成された履歴データに基づき、前記通信手段により前記情報処理装置から、前記複数のクラスのうちの他の1つのクラスに対応する前記第1の学習済みモデルの学習済み係数パラメータを取得する取得手段と、
前記取得した学習済み係数パラメータに基づいて、前記学習済みモデル実行手段で用いられる前記第1の学習済みモデルの設定を変更する変更手段として機能させるためのプログラム。
【請求項28】
複数のクラスの夫々に対応する第1の学習済みモデルを保持する学習済みモデル保持手段と、被写体を撮像して撮像画像を生成すると共に、前記複数のクラスのうちの1つである優先するクラスに対応する前記第1の学習済みモデルを用いて前記撮像画像に関する処理を実行する撮像装置と通信する通信手段と、制御手段とを備える情報処理装置の、前記制御手段を、
前記通信手段により前記撮像装置より前記撮像画像及びその撮像時の撮像情報を受信する第1の受信手段と、
前記受信した撮像画像及びその撮像時の撮像情報の少なくとも1つに基づき履歴データを作成する履歴データ作成手段と、
前記履歴データ作成手段により作成された履歴データに基づき、前記複数のクラスのうちの他の1つのクラスに対応する前記第1の学習済みモデルの学習済み係数パラメータを前記通信手段により前記撮像装置に送信する送信手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像時において機械学習手法により被写体を識別する撮像装置、情報処理装置、及びこれらの制御方法並びにプログラム、学習済みモデル選択システムに関する。
【背景技術】
【0002】
撮像時において、ニューラルネットワーク等に代表される機械学習手法により被写体を識別する撮像装置が知られている。このような撮像装置は、予めユーザに指定された特定の被写体に対応した学習済みモデルを利用して、撮像画像に関する処理を行う。現在、この特定の被写体としてユーザが指定できる被写体の種類は、人、車、電車などの数種類であるが、今後益々増えていくと予想される。更に、上記学習済みモデルは、従来はAF(オートフォーカス処理)を行う際の物体検出(主被写体の判別)の用途にのみ利用されてきた。しかし、AE(自動露出)、AWB(オートホワイトバランス)、画像処理、ノイズ除去等を行う際の撮像画像に関する処理にも学習済みモデルの利用が広がっていくと考えられる。
【0003】
この場合、被写体の種類毎、撮像画像に関する処理毎に、複数の学習済みモデルが必要となるが、その全ての学習済みモデルを撮像装置に保持することは、記録容量が不足している場合にはできない。このような場合、撮像装置に保持する学習済みモデルを適宜入れ替える必要がある。
【0004】
例えば特許文献1では、クライアント端末からの要求に応じて画質を制御した高解像度画像を生成し、クライアント端末に配信するサーバが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-67316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、サーバとクライアント端末の間での高解像度画像のやりとりは開示されているが、機械学習手法により生成した学習済みモデルの、サーバとクライアント端末の間でのやり取りに関しては開示がない。
【0007】
そこで、本発明は、撮像画像に関する処理を行う学習済みモデルを適宜入れ替えることができる撮像装置、情報処理装置、及びこれらの制御方法並びにプログラム、学習済みモデル選択システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に係る撮像装置は、被写体を撮像して撮像画像を生成する撮像手段と、複数のクラスの夫々に対応する第1の学習済みモデルを保持する情報処理装置と通信する通信手段と、前記複数のクラスのうちの1つである優先するクラスに対応する前記第1の学習済みモデルを用いて前記撮像画像に関する処理を実行する学習済みモデル実行手段と、前記撮像画像及びその撮像時の撮像情報の少なくとも1つに基づき履歴データを作成する履歴データ作成手段と、前記作成された履歴データに基づき、前記通信手段により前記情報処理装置から、前記複数のクラスのうちの他の1つのクラスに対応する前記第1の学習済みモデルの学習済み係数パラメータを取得する取得手段と、前記取得した学習済み係数パラメータに基づいて、前記学習済みモデル実行手段で用いられる前記第1の学習済みモデルの設定を変更する変更手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項15に係る情報処理装置は、複数のクラスの夫々に対応する第1の学習済みモデルを保持する学習済みモデル保持手段と、被写体を撮像して撮像画像を生成すると共に、前記複数のクラスのうちの1つである優先するクラスに対応する前記第1の学習済みモデルを用いて前記撮像画像に関する処理を実行する撮像装置と通信する通信手段と、前記通信手段により前記撮像装置より前記撮像画像及びその撮像時の撮像情報を受信する受信手段と、前記受信した撮像画像及びその撮像時の撮像情報の少なくとも1つに基づき履歴データを作成する履歴データ作成手段と、前記履歴データ作成手段により作成された履歴データに基づき、前記複数のクラスのうちの他の1つのクラスに対応する前記第1の学習済みモデルの学習済み係数パラメータを前記通信手段により前記撮像装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項20に係る学習済みモデル選択システムは、被写体を撮像して撮像画像を生成する撮像装置と、複数のクラスの夫々に対応する第1の学習済みモデルを保持する情報処理装置とを含む学習済みモデル選択システムであって、前記撮像装置は、前記複数のクラスのうちの1つである優先するクラスに対応する前記第1の学習済みモデルを用いて前記撮像画像に関する処理を実行する学習済みモデル実行手段と、前記撮像画像及びその撮像時の撮像情報を前記情報処理装置に送信する第1の送信手段とを備え、前記情報処理装置は、前記撮像装置から送信された前記撮像画像及びその撮像時の撮像情報の少なくとも1つに基づき履歴データを作成する履歴データ作成手段と、前記作成された履歴データに基づき、前記複数のクラスのうちの他の1つのクラスに対応する前記第1の学習済みモデルの学習済み係数パラメータを、前記撮像装置に送信する第2の送信手段とを備え、前記撮像装置は、前記情報処理装置から送信された学習済み係数パラメータに基づいて、前記学習済みモデル実行手段で用いられる前記第1の学習済みモデルの設定を変更する変更手段を更に備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項22に係る学習済みモデル選択システムは、被写体を撮像して撮像画像を生成する撮像装置と、第1の情報処理装置と、複数のクラスの夫々に対応する第1の学習済みモデルを保持する第2の情報処理装置とを含む学習済みモデル選択システムであって、前記撮像装置は、前記複数のクラスのうちの1つである優先するクラスに対応する前記第1の学習済みモデルを用いて前記撮像画像に関する処理を実行する学習済みモデル実行手段と、前記撮像画像及びその撮像時の撮像情報を前記第1の情報処理装置に送信する第1の送信手段とを備え、前記第1の情報処理装置は、前記撮像装置から送信された前記撮像画像及びその撮像時の撮像情報の少なくとも1つに基づき履歴データを作成する履歴データ作成手段と、前記作成された履歴データに基づき、前記複数のクラスのうちの他の1つのクラスに前記優先するクラスを更新する更新手段と、前記更新された優先するクラスに対応する前記第1の学習済みモデルの学習済み係数パラメータを前記第2の情報処理装置から取得する取得手段と、前記取得した学習済み係数パラメータを前記撮像装置に送信する第2の送信手段とを備え、前記撮像装置は、前記第1の情報処理装置から送信された学習済み係数パラメータに基づいて、前記学習済みモデル実行手段で用いられる前記第1の学習済みモデルの設定を変更する変更手段を更に備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、撮像画像に関する処理を行う学習済みモデルを適宜入れ替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1の実施形態に係る学習済みモデル選択システムのシステム構成図である。
図2図1における撮像装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図2におけるニューラルネットワーク処理部の概略構成を示す図である。
図4図1における情報処理装置としてのサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図5図1における情報処理装置としての携帯端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図6】第1の実施形態に係る撮像装置において実行される学習済みモデルの設定変更処理のフローチャートである。
図7図2における表示部において表示されるメニュー画面及び撮影時画面の一例である。
図8】第2の実施形態に係る撮像装置において実行される学習済みモデルの設定変更処理のフローチャートである。
図9】第2の実施形態に係る携帯端末において実行される学習済みモデルの設定変更処理のフローチャートである。
図10】第3の実施形態に係る撮像装置において実行される学習済みモデルの設定変更処理のフローチャートである。
図11】第3の実施形態に係る携帯端末において実行される学習済みモデルの設定変更処理のフローチャートである。
図12】第4の実施形態に係る学習済みモデル選択システムのシステム構成図である。
図13】第4の実施形態に係る携帯端末において実行される学習済みモデルの設定変更処理のフローチャートである。
図14】第4の実施形態に係るサーバにおいて実行される学習済みモデルの設定変更処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0015】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態に係る学習済みモデル選択システムとして、撮像装置C及び情報処理装置としてのサーバSVからなるシステム10aと、撮像装置Cと情報処理装置としての携帯端末SPからなるシステム10bについて、以下に詳細に説明する。但し、本発明の学習済みモデル選択システムは、以下例示するシステム10a,10bに限定されない。
【0016】
図1は、システム10a,10bのシステム構成図である。
【0017】
図1(a)に示すように、システム10aでは、撮像装置CとサーバSVが無線あるいは有線による通信ネットワークにより接続される。
【0018】
また、図1(b)に示すように、システム10bでは、撮像装置Cと携帯端末SPが無線あるいは有線による通信ネットワークにより接続される。
【0019】
<撮像装置Cの構成>
図2は、撮像装置Cのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0020】
図2に示すように、撮像装置Cは、CPU201と、メモリ202と、不揮発性メモリ203と、操作部204と、ニューラルネットワーク処理部205と、撮像部212と、画像処理部213と、符号化処理部214とを有している。更に、撮像装置Cは、表示制御部215と、表示部216と、通信制御部217と、通信部218と、記録媒体制御部219と、内部バス230とを有している。また、撮像装置Cは、撮影レンズ211を用いて被写体の光学像を撮像部212の画素アレイに結像するが、撮影レンズ211は、撮像装置Cのボディ(筐体、本体)から、着脱不能であってもよいし、着脱可能であってもよい。また、撮像装置Cは、記録媒体制御部219を介して画像データの書き込み及び読み出しを記録媒体220に対して行うが、記録媒体220は、撮像装置Cに着脱可能であってもよいし、着脱不能であってもよい。
【0021】
CPU201は、不揮発性メモリ203に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって、内部バス230を介して撮像装置Cの各部(各機能ブロック)の動作を制御する。
【0022】
メモリ202は、書き換え可能な揮発性メモリである。メモリ202は、撮像装置Cの各部の動作を制御するためのコンピュータプログラム、撮像装置Cの各部の動作に関するパラメータ等の情報、通信制御部217によって受信される情報等を一時的に記録する。また、メモリ202は、撮像部212によって取得された画像、画像処理部213、符号化処理部214等によって処理された画像及び情報を一時的に記録する。メモリ202は、これらを一時的に記録するために十分な記憶容量を備えている。また、メモリ202は、撮像した画像及び撮像時に用いたパラメータを元に作成された履歴データを保持する。この履歴データの詳細に関しては後述する。
【0023】
不揮発性メモリ203は、電気的に消去及び記録が可能なメモリであり、例えばEEPROM、ハードディスク等が用いられる。不揮発性メモリ203は、撮像装置Cの各部の動作を制御するコンピュータプログラム及び撮像装置Cの各部の動作に関するパラメータ等の情報を記憶する。かかるコンピュータプログラムにより、撮像装置Cによって行われる各種動作が実現される。更に、不揮発性メモリ203は、ニューラルネットワーク処理部205で使用する、ニューラルネットワークの処理内容を記述したコンピュータプログラムと、重み係数やバイアス値等の学習済み係数パラメータを格納する。なお、重み係数とはニューラルネットワークにおいてノード間の接続の強さを示すための値であり、バイアスは重み係数と入力データの積算値に対してオフセットを与えるための値である。不揮発性メモリ203は、学習済み係数パラメータと、ニューラルネットワークの処理を記述したコンピュータプログラムとを夫々複数保持することが可能である。また、不揮発性メモリ203は、過去の履歴データを保持する。
【0024】
なお、メモリ202ではなく不揮発性メモリ203に、上述したニューラルネットワーク処理部205で使用する、ニューラルネットワークの処理を記述したコンピュータプログラム及び学習済み係数パラメータを、夫々複数格納するようにしてもよい。また、不揮発性メモリ203は、履歴データも格納する。
【0025】
操作部204は、撮像装置Cを操作するためのユーザインタフェースを提供する。操作部204は、電源ボタン、メニューボタン、撮影用のレリーズボタン、動画録画ボタン、キャンセルボタン等の各種ボタンを含んでおり、各種ボタンはスイッチ、タッチパネル等により構成される。CPU201は、操作部204を介して入力されたユーザの指示に従って撮像装置Cを制御する。なお、ここでは、操作部204を介して入力される操作に基づいてCPU201が撮像装置Cを制御する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、不図示のリモートコントローラ、不図示の携帯端末等から通信部218を介して入力される要求に基づいて、CPU201が撮像装置Cを制御してもよい。
【0026】
ニューラルネットワーク処理部205については図3を用いて後述する。
【0027】
撮影レンズ(レンズユニット)211は、ズームレンズ、フォーカスレンズ等を含む不図示のレンズ群、不図示のレンズ制御部、不図示の絞り等によって構成される。撮影レンズ211は、画角を変更するズーム手段として機能し得る。撮影レンズ211のレンズ制御部は、CPU201から送信される制御信号により、焦点の調整及び絞り値(F値)の制御を行う。
【0028】
撮像部212は、動画像を構成する複数の画像を順次取得する取得手段として機能し得る。撮像部212としては、例えば、例えばCCD(電荷結合素子)、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)素子等でのエリアイメージセンサが用いられる。撮像部212は、被写体の光学像を電気信号に変換する不図示の光電変換部が行列状、すなわち、2次元的に配列された不図示の画素アレイを有している。当該画素アレイには、被写体の光学像が撮影レンズ211によって結像される。撮像部212は、撮像した画像を画像処理部213又はメモリ202に出力する。なお、撮像部212は、静止画像を取得することも可能である。
【0029】
画像処理部213は、撮像部212から出力される画像データ、又は、メモリ202から読み出された画像データに対し、所定の画像処理を行う。当該画像処理の例としては、ダイナミックレンジ変換処理、補間処理、縮小処理(リサイズ処理)、色変換処理等が挙げられる。また、画像処理部213は、撮像部212によって取得された画像データを用いて、露光制御、測距制御等のための所定の演算処理を行う。画像処理部213による演算処理によって得られた演算結果に基づいて、露光制御、測距制御等がCPU201によって行われる。具体的には、AE処理、AWB処理、AF処理等がCPU201によって行われる。また、AE処理、AWB処理、AF処理の一部を、ニューラルネットワーク処理部205を用いて行ってもよい。
【0030】
符号化処理部214は、画像データに対してフレーム内予測符号化(画面内予測符号化)、フレーム間予測符号化(画面間予測符号化)等を行うことによって、画像データのサイズを圧縮する。符号化処理部214は、例えば、半導体素子等により構成される。符号化処理部214は、撮像装置Cの外部に設けられてもよい。また、符号化処理部214の処理の一部を、ニューラルネットワーク処理部205を用いて行ってもよい。
【0031】
表示制御部215は、表示部216を制御する。表示部216は、不図示の表示画面を備える。表示制御部215は、表示部216の表示画面に表示可能な画像を生成し、当該画像、すなわち、画像信号を表示部216に出力する。また、表示制御部215は表示部216に画像データを出力するだけでなく、通信制御部217を介して外部機器に画像データを出力することも可能である。表示部216は、表示制御部215から送られてくる画像信号に基づいて、表示画面に画像を表示する。表示部216は、表示画面にメニュー等の設定画面を表示する機能であるOSD(On Screen Display)機能を備えている。表示制御部215は、画像信号にOSD画像を重畳して表示部216に画像信号を出力し得る。表示部216は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等により構成されており、表示制御部215から送られてきた画像信号を表示する。表示部216は、例えばタッチパネルであってもよい。表示部216がタッチパネルである場合、表示部216は、操作部204としても機能し得る。
【0032】
通信制御部217は、CPU201に制御される。通信制御部217は、IEEE802.11等のような無線通信規格に適合する変調信号を生成して、当該変調信号を通信部218に出力し、外部の機器からの変調信号を、通信部218を介して受信する構成である。また、通信制御部217は映像信号の制御信号を送受信することが可能である。例えば、HDMI(High Definition Multimedia Interface)やSDI(Serial Digital Interface)などの通信規格に準拠した映像信号を送るため通信部218を制御してもよい。
【0033】
通信部218は映像信号と制御信号を物理的な電気信号に変換して外部機器と送受信する。なお、ここでは、通信部218によって映像信号と、無線通信が行われる場合を例に説明したが、通信部218によって行われるこれらに限定されるものではない。
【0034】
記録媒体制御部219は、記録媒体220を制御する。記録媒体制御部219は、CPU201からの要求に基づいて、記録媒体220を制御するための制御信号を記録媒体220に出力する。記録媒体220としては、例えば不揮発性メモリや磁気ディスク等が用いられる。記録媒体220は、上述したように、着脱可能であってもよいし、着脱不能であってもよい。記録媒体220は、符号化された画像データ等を記録する。記録媒体220のファイルシステムに適合した形式で画像データ等がファイルとして保存される。
【0035】
各々の機能ブロック201~205、212~215、217、219は、内部バス230を介して互いにアクセス可能となっている。
【0036】
<ニューラルネットワーク処理部205の構成>
図3は、ニューラルネットワーク処理部205の概略構成を示す図である。
【0037】
ニューラルネットワーク処理部205は予め学習済み係数パラメータを用いてニューラルネットワークの処理を実行する。なお、ニューラルネットワークの処理とは、例えばCNN(Convolutional Neural Network)と全結合層で構成されるものなどであるが、これに限定するものではない。また上述の学習済み係数パラメータは、全結合層では各層のノード間を結ぶエッジ毎に持つ重み係数やバイアス値、CNNではカーネルの重み係数やバイアス値に相当する。
【0038】
図3に示すように、ニューラルネットワーク処理部205はニューラルコア340の中に、CPU341、積和演算回路342、DMA343、内部メモリ344が含まれる構成となる。
【0039】
CPU341(学習済みモデル実行手段)は、ニューラルネットワークの処理内容を記述したコンピュータプログラムを、内部バス230を介してメモリ202または不揮発性メモリ203から、あるいは内部メモリ344から取得し、これを実行する。またCPU341は積和演算回路342およびDMA343の制御も行う。
【0040】
積和演算回路342は、ニューラルネットワークにおける積和演算を行う回路である。積和演算回路342は、積和演算部を複数有し、これらは並列に演算の実行をすることが可能である。また、積和演算回路342は、複数の積和演算部により並列に実行される演算の際に算出される中間データをDMA343を介して内部メモリ344に出力する。
【0041】
DMA343は、CPU341を介さずにデータ転送に特化した回路であり、内部バス230を介してメモリ202または不揮発性メモリ203と内部メモリ344との間のデータ転送を行う。また、DMA343は積和演算回路342と内部メモリ344と間のデータ転送も行う。DMA343が転送するデータとしては、ニューラルネットワークの処理内容を記述したコンピュータプログラムや、学習済み係数パラメータ、積和演算回路342で算出した中間データ等である。
【0042】
内部メモリ344は、ニューラルネットワークの処理内容を記述したコンピュータプログラムや、学習済み係数パラメータ、積和演算回路342で算出した中間データ等を格納する。また、内部メモリ344は複数のバンクを有してもよく、動的にバンクを切り替えてもよい。
【0043】
<履歴データ>
ここで、上述した履歴データについて説明する。本実施形態において、履歴データには、撮像装置Cによる撮像画像がどのような撮影シーンであるのか、どのような被写体が撮像画像に含まれるのかの情報が含まれる。ここで、撮影シーンとは、ユーザの指定した撮影モードや露出条件等の撮影パラメータから撮像装置Cが判断した撮影時におけるシーンを意味する。また、履歴データには、GPS情報、気象情報が含まれてもよい。更に、履歴データには、撮像時の設定値である、AF、AE、AWB、ISO感度、シャッター速度、被写界深度等の情報が含まれていてもよい。履歴データは、本実施形態においては撮像装置Cのニューラルネットワーク処理部205(分類手段)が有するニューラルネットワークの一つである、履歴処理ニューラルネットワークによる分類処理の結果として出力される。これにより、被写体が不規則に動く場合(レース、動物)や、撮影シーンが水族館、夜景、花火など、暗部や人工的な光源である場合、上記ニューラルネットワークによる処理結果に応じた最適な撮像時の設定値の調整が撮像装置Cにおいて行うことが可能となる。なお、履歴処理ニューラルネットワークは、撮像画像に含まれる主被写体及びその撮影シーンを夫々複数のクラスの1つに分類するニューラルネットワークである。履歴データにより、ユーザにより撮像された撮像画像における被写体や撮影シーンの頻度を判断することが撮像装置C側にて可能となる。更に、ニューラルネットワーク処理部205では、GPSや気象条件に応じて撮像画像に含まれる主被写体及びその撮影シーンを更に分類しても良い。
【0044】
<サーバSVの構成>
図4は、サーバSVのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0045】
図4に示す様に、サーバSVは、CPU401と、メモリ402と、表示部403と、操作部405と、記録部406と、通信部407と、ニューラルネットワーク処理部408とを有している。
【0046】
CPU401は、記録部406に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって、サーバSVを構成するすべての処理ブロックの制御を行う。
【0047】
メモリ402は、主にCPU401のワークエリアや、データの一時バッファ領域として使用されるメモリである。
【0048】
表示部403は、液晶パネル、または有機ELパネル等で構成され、CPU401の指示に基づいて、操作画面等の表示を行う。
【0049】
内部バス404は、サーバSV内の各処理ブロックを相互に接続するためのバスである。
【0050】
操作部405は、キーボード、マウス、ボタン、タッチパネル、またはリモコン等によって構成され、ユーザの操作指示を受け付ける。操作部405から入力された操作情報は、CPU401に送信され、CPU401は操作情報に基づいて各処理ブロックの制御を実行する。
【0051】
記録部406は記録媒体によって構成され、CPU401の指示に基づいて記録媒体に様々なデータを格納したり読み出したりする処理ブロックである。記録媒体は、例えばEEPROM、内蔵フラッシュメモリ、内蔵ハードディスク、或いは着脱可能なメモリカード等で構成される。記録部406には、ニューラルネットワーク処理部408における学習用データである入力データと教師データを保存しておく。なお、教師データを新規で作成する場合は、処理時間がかかるが高精度に判定できる高性能学習済みモデルを使用した結果を教師データとして生成して記録部406に記録する。
【0052】
通信部407は、無線LAN及び有線LANの通信を行うためのハードウェア等を備えている。無線LANにおいては、例えばIEEE802.11n/a/g/b方式の処理ブロックである。通信部407は、外部のアクセスポイントと無線LANで接続し、アクセスポイント経由で他の無線通信機器と無線LAN通信を行う。また、通信部407は有線LANにおいてEthernetケーブルにより外部ルータ、またはスイッチングハブを介して通信を行う。通信部407は、撮像装置Cを含む、外部の機器と通信を行い、画像や制御データ、学習用データ、学習済みモデル等の情報のやり取りを行う。
【0053】
ニューラルネットワーク処理部408は、記録部406に保存された学習用データと、予め作成されたニューラルネットワークのモデルを用いて、ニューラルネットワークの学習処理を行う。ニューラルネットワーク処理部408は、画像データを入力データとして異なるクラスの被写体の夫々に対応する学習済みモデルを構築するための学習処理を行う。また、この入力データとしての画像データは、操作部405を介したユーザからの指示、または予めプログラムされた通信部407から受信してもよいし、記録部406に記録された画像データを読み込んでもよい。ニューラルネットワーク処理部408はGPU(Graphic Processing Unit)や、DSP(Digital Signal Processor)で構成される。なお、ニューラルネットワークの学習処理は、ニューラルネットワーク処理部408を設けず、CPU401で処理を行ってもよいし、両方で処理を行ってもよい。また、ニューラルネットワーク処理部408により行われた学習処理の結果である、学習済みモデルも記録部406(学習済みモデル保持手段)に保持される。
【0054】
<携帯端末SPのブロック図>
図5は、携帯端末SPのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0055】
図5に示す様に、携帯端末SPは、CPU501と、メモリ502と、撮像部503と、表示部504と、操作部505と、記録部506と、通信部507と、内部バス508と、ニューラルネットワーク処理部509とを有している。
【0056】
CPU501は、記録部506に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって、携帯端末SPを構成するすべての処理ブロックの制御を行う。
【0057】
メモリ502は、主にCPU501のワークエリアや、データの一時バッファ領域として使用されるメモリである。OS(Operation System)やアプリケーション等のプログラムは、メモリ502上に展開され、CPU501により実行される。
【0058】
撮像部503は、光学レンズ、CMOSセンサ、デジタル画像処理部等を備え、光学レンズを介して入力されるアナログ信号をデジタルデータに変換して撮影画像を取得する処理ブロックである。撮像部503によって取得された撮影画像は、メモリ502に一時的に格納され、CPU501の制御に基づいて処理される。例えば、記録部506による記録媒体への記録や、通信部507による外部機器への送信などである。また撮像部503は、レンズ制御部も備えており、CPU501からの指令に基づいて、ズーム、フォーカス、絞り調整等の制御を行う。
【0059】
表示部504は、液晶パネル、または有機ELパネル等で構成され、CPU501の指示に基づいて、操作画面や、撮影画像等の表示を行う。
【0060】
操作部505は、キーボード、マウス、ボタン、十字キー、タッチパネル、またはリモコン等によって構成され、ユーザの操作指示を受け付ける。操作部505から入力された操作情報は、CPU501に送信され、CPU501は操作情報に基づいて各処理ブロックの制御を実行する。
【0061】
記録部506は、大容量の記録媒体によって構成され、CPU501の指示に基づいて記録媒体に様々なデータを格納したり読み出したりする処理ブロックである。記録媒体は、例えば内蔵フラッシュメモリ、内蔵ハードディスク、或いは着脱可能なメモリカード等で構成される。記録部506には、ニューラルネットワーク処理部509における学習用データである入力データと教師データを保存しておく。
【0062】
通信部507は、アンテナ、無線LAN、有線LAN等の通信を行うための処理ハードウェア等を備え、例えばIEEE802.11n/a/g/b方式の無線LAN通信を行う処理ブロックである。通信部507は、外部のアクセスポイントと無線LANで接続し、アクセスポイント経由で他の無線通信機器と無線LAN通信を行う。
【0063】
内部バス508は、携帯端末SP内の各処理ブロックを相互に接続するためのバスである。
【0064】
ニューラルネットワーク処理部509は、記録部506に保存された学習用データと、予め作成されたニューラルネットワークのモデルを用いて、ニューラルネットワークの学習処理を行う。ニューラルネットワーク処理部509は、画像データを入力データとして異なるクラスの被写体の夫々に対応する学習処理を行う。また、この入力データとしての画像データは、操作部505を介したユーザからの指示、または予めプログラムされた通信部507から受信してもよいし、記録部506に記録された画像データを読み込んでもよい。ニューラルネットワーク処理部509はGPU(Graphic Processing Unit)や、DSP(Digital Signal Processor)で構成される。なお、ニューラルネットワークの学習処理は、ニューラルネットワーク処理部509を設けず、CPU501で処理を行ってもよいし、両方で処理を行ってもよい。また、ニューラルネットワーク処理部509により行われた学習処理の結果である、学習済みモデルも記録部506(学習済みモデル保持手段)に保持される。
【0065】
<撮像装置Cの処理フロー>
図6のフローチャートを用いて、第1の実施形態に係る撮像装置Cにおいて実行される学習済みモデルの設定変更処理の流れについて説明する。
【0066】
この動作は、撮像装置Cの電源がオンの状態において、不揮発性メモリ203に格納されているコンピュータプログラムがメモリ202に展開され、CPU201がメモリ202のコンピュータプログラムを読み出して実行することにより実現される。また本処理は、ユーザが、表示部216に表示されるメニュー画面より撮影時の設定を操作部204を介して選択し、その後撮影開始指示を不図示のレリーズボタンの全押しにより行った場合に開始される。なお、本処理は電源オンの状態で撮像モードで撮像部212が動作中は自動的に繰り返し実行されてもよい。あるいは、レリーズボタンの半押しに応じて開始されてもよい。この場合、AFやAEやAWBなどの処理と並行して実行される。
【0067】
また、不揮発性メモリ203には、優先する被写体に対応する複数の学習済みモデル及び履歴処理ニューラルネットワークが予め保持される。なお、優先する被写体に対応する複数の学習済みモデルは夫々、物体検出(主被写体の判別)、境界分類、画像処理、ノイズ除去等の後述するステップS602で得られる撮像画像に関するニューラルネットワーク処理のいずれかを行う。
【0068】
ステップS601において、CPU201は、本処理の開始前にユーザ選択された撮影時の設定に応じて、不揮発性メモリ203にある学習済みモデルの1つを選択する。例えば、本処理の開始前にユーザ選択された撮影時の設定がAFであれば、物体検出(主被写体の判別)を行う学習済みモデルが選択される。CPU201は、撮像部212によって画像データを取得し、これを入力データとしてニューラルネットワーク処理部205で主被写体の判別を行わせる。その後、CPU201は、判別された主被写体に対するAF処理を行なった後、ステップS602に進む。
【0069】
ステップS602において、CPU201は、撮像部212、画像処理部213、符号化処理部214を制御して撮像処理を行い、ステップS603へ進む。また、CPU201は符号化処理部214で符号化する前の撮像画像をメモリ202に保持する。
【0070】
ステップS603において、CPU201(履歴データ作成手段)は、履歴データを作成する。具体的には、CPU201は、ステップS602でメモリ202に保持した符号化する前の撮像画像をニューラルネットワーク処理部205に入力し、履歴処理ニューラルネットワークにより上述した履歴データを出力する。なお、撮像画像以外に、撮影情報もニューラルネットワーク処理部205に入力して、履歴データを出力してもよい。また、本処理において、ニューラルネットワーク処理部205で処理を行うための、ニューラルネットワークの処理内容を記述したコンピュータプログラムや、学習済み係数パラメータはメモリ202あるいは不揮発性メモリ203から順次読み出して処理を行う。なお、履歴処理ニューラルネットワークとは、履歴データを出力するためのニューラルネットワーク処理を指す。例えば、履歴処理ニューラルネットワークは一般的なクラス分類用のニューラルネットワークが適用され、主被写体を人物、動物、物等の複数の被写体のクラスに分類することができる。
【0071】
ステップS604において、CPU201は、不揮発性メモリ203に記録されている古い履歴データを、ステップS603の新しい履歴データに置き換えて更新する。例えば、ステップS603の履歴データにおいて、ステップS602における撮像画像の主被写体が人物のクラスに分類された場合には、履歴データとして人物のクラスの撮影頻度を増やし、ステップS605に進む。なお、CPU201は、古い履歴データをステップS605で用いるため、メモリ202に退避する。尚、古い履歴データが存在しない場合、CPU201は、ステップS603で作成された履歴データを不揮発性メモリ203に記録した後、本処理を終了する。
【0072】
ステップS605において、CPU201は、まず、不揮発性メモリ203に記録した新しい履歴データと、メモリ202に記録されている、古い履歴データを比較する。その後、この比較結果に基づき、履歴データの更新によりユーザにより主被写体として撮影された被写体の優先順位(以下単に被写体の優先順位という)が変更されたか否かを判別する。具体的には、履歴データにおいて各クラスの撮影頻度の順位が変更したとき、CPU201は、被写体の優先順位が変更されたと判別する。CPU201は、被写体の優先順位が変更されたと判断した場合(ステップS605のYES)、ステップS606へ進む。一方、CPU201は、被写体の優先順位が変更されていないと判断した場合(ステップS605のNO)、ステップS608へ進む。
【0073】
ステップS606において、CPU201は、撮影頻度の順位が高くなったクラスの被写体を優先する被写体に変更すると共に、この変更後の優先する被写体に対応した学習済みモデルに変更するか否か(自動更新が有効か無効か)を判断する。ここで本実施形態においては、ユーザは、優先する被写体を自動的に更新させたくない場合は、後述する図7のメニュー画面により予め自動更新を無効とする設定を行い、逆の場合は図7のメニュー画面により予め自動更新を有効とする設定を行う。また、不揮発性メモリ203はこの図7のメニュー画面に対するユーザ設定の状態(以下、メニュー設定状態という)を保持する。よって、CPU201は、不揮発性メモリ203に保持されるメニュー設定状態に基づき、上記自動更新が有効か無効かを判断する。すなわち、CPU201は、メニュー設定状態が自動更新を無効とする設定状態である場合、ステップS606において優先する被写体が変更されても、これに対応した学習済みモデルには変更しない、すなわち自動更新は無効であると判断する。一方、CPU201は、メニュー設定状態が自動更新を有効とする設定状態である場合、ステップS606において優先する被写体が変更されると、これに対応した学習済みモデルに変更する、すなわち自動更新は有効であると判断する。但し、学習済みモデルの変更を行う場合、不揮発性メモリ203の容量は有限であるため、後述するステップS607において不揮発性メモリ203における学習済みモデルの学習済み係数パラメータが入れ替えられる。CPU201は、自動更新が有効である場合(ステップS606のYES)、ステップS607へ進む。CPU201は、自動更新が有効でない場合(ステップS606のNO)、ステップS608へ進む。
【0074】
ステップS607において、CPU201は、まず、通信制御部217を制御し、通信部218を介して変更後の優先する被写体に対応する学習済みモデルの学習済み係数パラメータを、サーバSVあるいは携帯端末SPの何れかより取得する。その後、その取得した学習済み係数パラメータに基づき不揮発性メモリ203における学習済みモデルの設定を変更し、本処理を終了する。具体的には、ステップS607では、CPU201は、不揮発性メモリ203における変更前の優先する被写体に対応する学習済みモデルの学習済み係数パラメータを、取得した学習済み係数パラメータに入れ替える。
【0075】
ステップS608において、CPU201は、通信制御部217を制御し、通信部218を介して現在の優先する被写体に対応する学習済みモデルに更新があったか否かを問い合わせる。CPU201は、まず、問合せの結果更新があった学習済みモデルについて、その学習済み係数パラメータをサーバSVあるいは携帯端末SPの何れかより取得する。その後、その取得した学習済み係数パラメータに基づき不揮発性メモリ203における学習済みモデルの設定を更新し、本処理を終了する。具体的には、ステップS608では、CPU201は、不揮発性メモリ203における現在の優先する被写体に対応する学習済みモデルの学習済み係数パラメータを、取得した学習済み係数パラメータで更新する。
【0076】
<撮像装置Cの画面の一例>
図7を用いて、第1の実施形態に係る撮像装置Cの表示部216において表示されるメニュー画面及び撮影時画面の一例について説明する。
【0077】
図7(a)は、撮像装置Cにおける学習済みモデルの自動更新の設定を行う際に表示されるメニュー画面の一例を示す図である。
【0078】
メニュー画面701は、図7(a)の画面がメニュー設定を行う画面であることを示す表示である。
【0079】
AI_AF被写体自動更新設定702は機械学習を用いたAFの被写体を自動で更新するか否かを設定する画面であることを示す表示である。
【0080】
キャンセルボタン703はメニュー設定の変更を反映させずに終了させるためのボタンである。
【0081】
実行ボタン704はメニュー設定の変更を反映して実行するためのボタンである。
【0082】
チェックボタン705は、チェックがついた状態(ON状態)とチェックが外れた状態(OFF状態)をユーザ操作により切り替えられるボタンである。ON状態では機械学習を用いた被写体に対応した学習済みモデルの自動更新が有効となり、OFF状態ではかかる自動更新が無効となるボタンである。
【0083】
図7(b)は、撮像装置Cにおける被写体毎の学習済みモデルに対する、自動更新の設定を行う際に表示されるメニュー画面の一例を示す図である。尚、図7(a)と同一の構成については同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0084】
AI_AF被写体選択711は、図7(b)の画面が機械学習を用いたAFの対象となる複数の被写体の夫々について自動で更新するか否かを個別に設定する画面であることを示す表示である。なお、図7(b)のメニュー画面には、その上部から複数の被写体の名称が撮影頻度が高い順に並べて表示される。
【0085】
チェックボタン712a~dは、夫々に異なる被写体が紐付けられており、チェックがついた状態(ON状態)とチェックが外れた状態(OFF状態)をユーザ操作により個別n切り替えられるボタンである。例えば、チェックボタン712aは、ON状態ではこのボタンに紐付けられている被写体「人物」に対応した学習済みモデルの自動更新が有効となり、OFF状態ではかかる自動更新が無効となる。
【0086】
枠表示713は、複数の被写体において、どの被写体を選択しているのか示すための表示である。
【0087】
尚、図7(b)のメニュー画面では、被写体のクラス毎にチェックボタン712a~dが設けられていたが、撮影シーンのクラス毎に異なるチェックボタンが設けられるメニュー画面(不図示)もユーザ指示に応じて表示部216に表示される。
【0088】
図7(c)は、撮像装置Cにおいて表示される撮影時画面の一例を示す図である。
【0089】
AF枠721は、被写体のどこにフォーカスが当たっているのかを示す表示である。
【0090】
被写体選択表示722は、図7(b)で選択された、機械学習を用いたAFの対象となる被写体や、不図示のAEの選択メニューで選択された、機械学習を用いたAEの対象となる撮影シーンを表示する。なお、被写体選択表示722において表示される内容は、機械学習を用いた機能(例えばAWB)の対象となる被写体や撮影シーンであればよく、図7(c)に示す例に限定されない。
【0091】
以上、第1の実施形態の処理を行うことにより、撮像装置Cは履歴データに基づいて、学習済みモデルを変更することが可能となる。
【0092】
尚、第1の実施形態においては、優先する被写体を更新する例について詳細に説明したが、優先する撮影シーンを更新する場合についても同様の処理を行なうことが可能である。
【0093】
<第2の実施形態>
本発明に係る第2の実施形態に係る学習済みモデル選択システムとして、撮像装置Cと、情報処理装置としての携帯端末SPとからなるシステム10aを例に添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。但し、本発明は、以下に例示する第2の実施形態に限定されるものではない。また、情報処理装置として、携帯端末SPの代わりに、サーバSVを用いてもよい。
【0094】
第1の実施形態においては、撮像装置Cが、履歴データを作成し、その履歴データに基づき優先する被写体を設定し、その優先する被写体に対応する学習済みモデルを更新すべき学習済みモデルと判断した。一方、第2の実施形態では、撮像装置Cは、履歴データを作成後、携帯端末SPに送信し、携帯端末が、その送信された履歴データに基づき優先する被写体を設定し、その優先する被写体に対応する学習済みモデルを更新が必要な学習済みモデルと判断する。
【0095】
なお、第2の実施形態に係る撮像装置C、携帯端末SP、及びサーバSVのブロック構成は第1の実施形態と同様である。よって、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0096】
図8を用いて、第2の実施形態における撮像装置Cの処理の流れについて説明する。
【0097】
この動作は、撮像装置Cの電源がオンの状態において、不揮発性メモリ203に格納されているコンピュータプログラムがメモリ202に展開され、CPU201がメモリ202のコンピュータプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0098】
ステップS801において、CPU201は、ステップS601と同様の処理を行い、ステップS802に進む。
【0099】
ステップS802において、CPU201は、ステップS602と同様の処理を行い、ステップS803に進む。
【0100】
ステップS803において、CPU201は、ステップS603と同様の処理を行い、ステップS804に進む。
【0101】
ステップS804において、CPU201は、ステップS803で作成された履歴データを、通信制御部217を制御して通信部218から携帯端末SPに対して送信し、ステップS805へ進む。
【0102】
ステップS805において、CPU201は、通信制御部217を制御して通信部218から携帯端末SPから学習済みモデルの学習済み係数パラメータを受信し、本処理を終了する。尚、CPU201は、携帯端末SPから学習済みモデルの学習済み係数パラメータだけでなく、優先する被写体の情報も受信し、ステップS606~S608と同様の処理を行なうようにしてもよい。
【0103】
図9のフローチャートを用いて、第2の実施形態における携帯端末SPにおいて実行される学習済みモデルの設定変更処理の流れについて説明する。
【0104】
この動作は、携帯端末SPの電源がオンの状態において、記録部506に格納されているコンピュータプログラムがメモリ502に展開され、CPU501がメモリ502のコンピュータプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0105】
ステップS901において、CPU501は、通信部507を制御して撮像装置Cからの履歴データを受信する。CPU501は受信した履歴データをメモリ502に保存し、ステップS902に進む。尚、記録部506に更新前の履歴データが存在しない場合、記録部506にメモリ502に保存した履歴データを記録した後、本処理を終了する。
【0106】
ステップS902において、CPU501は、ステップ605と同様の処理を行なう。具体的には、メモリ502に保存された履歴データと、記録部506に記録されている更新前の履歴データを比較し、履歴データの更新により被写体の優先順位が変更されたか否かを判別する。CPU501は、被写体の優先順位が変更されたと判断した場合(ステップS902のYES)、ステップS903へ進む。一方、CPU501は、被写体の優先順位が変更されていない判断した場合(ステップS902のNO)、本処理を終了する。
【0107】
ステップS903において、CPU501は、まず、撮影頻度の順位が高くなったクラスの被写体を優先する被写体に変更する。その後、通信部507を制御し、この変更後の優先する被写体に対応した学習済みモデルの学習済み係数パラメータを、撮像装置Cに送信し、本処理を終了する。
【0108】
以上、第2の実施形態の処理を行うことにより、携帯端末SPは受信した履歴データをもとに、学習済みモデルを変更し、撮像装置Cに更新された学習済みモデルの学習済み係数パラメータを送信することが可能となる。
【0109】
<第3の実施形態>
本発明に係る第3の実施形態に係る学習済みモデル選択システムとして、撮像装置Cと、情報処理装置としての携帯端末SPとからなるシステム10aを例に添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。但し、本発明は、以下に例示する第3の実施形態に限定されるものではない。また、情報処理装置として、携帯端末SPの代わりに、サーバSVを用いてもよい。
【0110】
第1及び第2の実施形態においては、撮像装置Cで履歴データを作成した。一方、第3の実施形態では、撮像装置Cから符号化前の撮像画像を送信し、履歴データを携帯端末SPで作成する。
【0111】
なお、第3の実施形態における撮像装置C、携帯端末SP、及びサーバSVのブロック構成は第1の実施形態と同様である。よって、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、重複した説明は省略する。但し、第3の実施形態では、情報処理装置としての携帯端末SPのニューラルネットワーク処理部509に履歴処理ニューラルネットワークが存在する。
【0112】
第3の実施形態による撮像装置Cの処理を示すフローチャートを図10に示す。
【0113】
この動作は、撮像装置Cの電源がオンの状態において、不揮発性メモリ203に格納されているコンピュータプログラムがメモリ202に展開され、CPU201がメモリ202のコンピュータプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0114】
ステップS1001において、CPU201は、ステップS601と同様の処理を行いステップS1002に進む。
【0115】
ステップS1002において、CPU201は、ステップS602と同様の処理を行いステップS1003に進む。
【0116】
ステップS1003において、CPU201は、ステップS1002でメモリ202に保持された符号化前の撮像画像及び撮像情報を、通信部218を介して携帯端末SPに送信し、ステップS1004に進む。
【0117】
ステップS1004において、CPU201は、学習済みモデルの更新があるか否かを、通信部218を介して、携帯端末SPに対して確認を行う。CPU201は、この確認の結果、学習済みモデルの更新があると判断した場合(ステップS1004のYES)、ステップS1005に進む一方、学習済みモデルの更新がないと判断した場合(ステップS1004のNO)、本処理を終了する。
【0118】
ステップS1005において、CPU201は、通信部218を介して携帯端末SPから、上記更新された学習済みモデルが撮像装置Cにおいて更新可能な学習済みモデルであるのか否かの問い合わせを受信すると、これに対する返信を携帯端末SPに行う。具体的には、まず、CPU201は、不揮発性メモリ203に保持されるメニュー設定状態に基づき携帯端末SPからの問合せに含まれる優先する被写体情報に対応した学習済みモデルが更新可能な学習済みモデルであるか否かを判断する。CPU201は、この判断の結果、更新可能な学習済みモデルであると判断した場合(ステップS1005のYES)、その旨を携帯端末SPに返信し、ステップS1006に進む。一方、CPU201は、更新可能な学習済みモデルでないと判断した場合(ステップS1005のNO)、その旨を携帯端末SPに返信し、本処理を終了する。
【0119】
ステップS1006において、CPU201は、通信部218を介して携帯端末SPから更新された学習済みモデルの学習済み係数パラメータを受信し、本処理を終了する。
【0120】
第3の実施形態に係る携帯端末SPにおいて実行される学習済みモデルの設定変更処理のフローチャートを図11に示す。
【0121】
この動作は、携帯端末SPの電源がオンの状態において、記録部506に格納されているコンピュータプログラムがメモリ502に展開され、CPU501がメモリ502のコンピュータプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0122】
ステップS1101において、CPU501は、通信部507を介して撮像装置Cより符号化する前の撮像画像及び撮像情報を受信し、メモリ502に格納し、ステップS1102に進む。
【0123】
ステップS1102において、CPU501は、ニューラルネットワーク処理部509により追加の教師なし学習を行う。この際、メモリ502に格納した符号化する前の撮像画像を入力データとし、記録部506に記録されている既存の学習済みモデルのうち、入力データに写る被写体に対応する学習済みモデルを用いる。例えば、花火の画像を入力データとして、花火用の学習済みモデルの再学習を行う。
【0124】
なお、追加の教師あり学習を行う場合は、CPU501は、通信部507を介して、サーバSVに対して撮像画像を送信する。CPU501は、通信部507を介して、サーバSVにより高性能学習済みモデルを用いてニューラルネットワーク処理部408で実行した処理結果を教師データとして受信する。その後、この追加学習により新規に作成された学習済みモデルを記録部506に記録する。具体的には、重み係数やバイアス値等の初期値を既存の学習済みモデルの学習済み係数パラメータの値を採用した状態で追加学習を行う。その後、ステップS1103へ進む。
【0125】
ステップS1103において、CPU501は、履歴データを作成する。具体的には、CPU501は、まず、ステップS1101でメモリ502に格納した符号化する前の撮像画像をニューラルネットワーク処理部509に入力する。これにより、履歴処理ニューラルネットワークにより主被写体のクラス分類を履歴データとして出力させ、ステップS1104へ進む。なお、撮像画像以外に、撮影情報もニューラルネットワーク処理部509に入力して、撮影時の撮影シーンのクラス分類も履歴データとして出力してもよい。
【0126】
ステップS1104において、CPU501は、記録部506に記録されている古い履歴データをメモリ502に格納された新しい履歴データに置き換えて更新し、ステップS1105に進む。なお、CPU501は、古い履歴データをステップS1105で用いるため、メモリ502に退避させる。尚、古い履歴データが存在しない場合、CPU501は、ステップS1103で作成された履歴データを記録部506に記録した後、本処理を終了する。
【0127】
ステップS1105において、CPU501は、ステップ605と同様の処理を行なう。具体的には、記録部506に記録した新しい履歴データと、メモリ502に記録されている、更新前の履歴データを比較し、履歴データの更新により撮影頻度の順位が変更されたか否かを判別する。CPU501は、被写体の優先順位が変更されたと判断した場合(ステップS1105のYES)、図10のステップS1004の撮像装置Cからの確認に対して、学習済みモデルが更新された旨を回答し、ステップS1106へ進む。一方、CPU501は、被写体の優先順位が変更されていない判断した場合(ステップS1105のNO)、本処理を終了する。尚、被写体の優先順位が変更されていない場合であってもステップS1102の追加学習で現在の優先する被写体に対応する学習済みモデルの学習済み係数パラメータが更新された場合は、ステップS1106に進むようにしてもよい。また、この場合も、図10のステップS1004の撮像装置Cからの確認に対して、学習済みモデルが更新された旨を回答する。
【0128】
ステップS1106において、CPU501は、優先順位が高くなった被写体を優先する被写体に変更すると共に、この変更後の優先する被写体に対応する学習済みモデルが、撮像装置Cにおいて更新可能な学習済みモデルであるか否かを判断する。具体的にはこの判断は、CPU501が通信部507を介して撮像装置Cに対して更新可能な学習済みモデルであるか否かを問い合わせ、この問合せに対する図10のステップS1005の返信に基づいて行われる。この判断の結果、撮像装置Cにおいて更新可能な学習済みモデルである場合(ステップS1106のYES)、CPU501はステップS1107へ進む。一方、撮像装置Cにおいて更新可能な学習済みモデルでない場合(ステップS1106のNO)、CPU501は本処理を終了する。
【0129】
ステップS1107において、CPU501は、通信部507を介して変更後の優先する被写体に対応する学習済みモデルの学習済み係数パラメータを撮像装置Cに送信し、本処理を終了する。
【0130】
以上、第3の実施形態の処理を行うことにより、携帯端末SPは、受信した符号化前の撮像画像をもとに、既存の学習済みモデルの追加学習を行うことができる。また、携帯端末SPは、履歴データを作成し、その履歴データに基づいて学習済みモデルを変更し、撮像装置Cにその変更された学習済みモデルの学習済み係数パラメータを送信することが可能となる。
【0131】
<第4の実施形態>
本発明に係る第4の実施形態に係る学習済みモデル選択システムとして、撮像装置C、情報処理装置としてのサーバSV及び携帯端末SPからなるシステム120を例に添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。但し、本発明は、以下に例示する第4の実施形態に限定されるものではない。
【0132】
第3の実施形態においては、携帯端末SPで履歴データと学習済みモデルを作成した。一方、第4の実施形態では、サーバSVにより履歴データと学習済みモデルを作成する。
【0133】
なお、第4の実施形態における撮像装置C、サーバSV、及び携帯端末SPのブロック構成は第1の実施形態と同様である。よって、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、重複した説明は省略する。但し、第4の実施形態では、情報処理装置としてのサーバSVのニューラルネットワーク処理部408に履歴処理ニューラルネットワークが存在する。
【0134】
図12は、システム120のシステム構成図である。
【0135】
図12に示すように、撮像装置C、サーバSV、携帯端末SPが無線あるいは有線による通信ネットワークにより互いに接続される。
【0136】
第4の実施形態による撮像装置Cの処理を示すフローチャートは、第3の実施形態において図10に示したものと同様である。
【0137】
第4の実施形態による携帯端末SPにおいて実行される学習済みモデルの設定変更処理を示すフローチャートを図13に示す。
【0138】
この動作は、携帯端末SPの電源がオンの状態において、記録部506に格納されているコンピュータプログラムがメモリ502に展開され、CPU501がメモリ502のコンピュータプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0139】
ステップS1301において、CPU501は、ステップS1101と同様の処理を行いステップS1302に進む。
【0140】
ステップS1302において、CPU501は、通信部507を介して、ステップS1101で受信した符号化前の撮像画像及び撮像情報をサーバSVに送信し、ステップS1303に進む。
【0141】
ステップS1303において、CPU501は、図10のステップS1004の撮像装置Cからの学習済みモデルの更新があるか否かの確認があった場合、通信部507を介してサーバSVに対して学習済みモデルの更新があるか否かを問い合わせる。CPU501は、この問合せの結果、学習済みモデルの更新があると判断した場合(ステップS1303のYES)、ステップS1304に進む一方、学習済みモデルの更新がないと判断した場合(ステップS1303のNO)、本処理を終了する。
【0142】
ステップS1304において、CPU501は、通信部507を介してサーバSVからの、上記更新された学習済みモデルが撮像装置Cにおいて更新可能な学習済みモデルであるか否かの問い合わせを待つ。サーバSVからのかかる問い合わせを受信すると、その受信した問い合わせを、通信部507を介して撮像装置Cに転送する。その後、CPU501は、図10のステップS1005の返信として、通信部507を介して、撮像装置Cより更新可能な学習済みモデルである旨を受信すると、その旨をサーバSVに転送し(ステップS1304のYES)、ステップS1305に進む。一方、CPU501は、図10のステップS1005の返信として、通信部507を介して、撮像装置Cより受信可能な学習済みモデルでない旨を受信すると、その旨をサーバSVに転送し(ステップS1304のNO)、本処理を終了する。
【0143】
ステップS1305において、CPU501は、通信部507を介してサーバSVより、学習済みモデルの学習済み係数パラメータを受信して、メモリ502に格納し、ステップS1306へ進む。
【0144】
ステップS1306において、CPU501は、通信部507を介して撮像装置Cに、メモリ502に格納してある学習済みモデルの学習済み係数パラメータを送信し、本処理を終了する。
【0145】
第4の実施形態によるサーバSVにおいて実行される学習済みモデルの設定変更処理を示すフローチャートを図14に示す。
【0146】
この動作は、サーバSVの電源がオンの状態において、記録部406に格納されているコンピュータプログラムがメモリ402に展開され、CPU401がメモリ402のコンピュータプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0147】
ステップS1401において、CPU401は、通信部407を介して、図13のステップS1302で携帯端末SPより送信された、符号化する前の画像データ及び撮像情報を受信し、メモリ402に格納し、ステップS1402に進む。
【0148】
ステップS1402において、CPU401は、ニューラルネットワーク処理部408により追加学習を行う。この際、メモリ402に格納した符号化する前の撮像画像を入力データとし、記録部406に記録されている既存の、入力データに対応する学習済みモデルを用いる。その後、この追加学習により新規に作成された学習済みモデルを記録部406に記録する。具体的には、重み係数やバイアス値等の初期値に既存の学習済みモデルの学習済み係数パラメータの値を採用した状態で追加学習を行う。この処理は図11のステップS1102の処理と同様である。その後、ステップS1403へ進む。
【0149】
ステップS1403において、CPU401は、履歴データを作成する。具体的には、CPU401は、まず、ステップS1401でメモリ402に格納した符号化する前の撮像画像をニューラルネットワーク処理部408に入力する。その後、履歴処理ニューラルネットワークにより主被写体のクラス分類を履歴データとして出力させ、ステップS1404へ進む。なお、撮像画像以外に、撮影情報もニューラルネットワーク処理部205に入力して、撮影時の撮影シーンのクラス分類も履歴データとして出力してもよい。
【0150】
ステップS1404において、CPU401は、記録部406に記録されている古い履歴データをメモリ402に格納された新しい履歴データに置き換えて更新し、ステップS1405に進む。なお、CPU401は、古い履歴データをステップS1405で用いるため、メモリ402に退避させる。尚、古い履歴データが存在しない場合、CPU401は、ステップS1403で作成された履歴データを記録部406に記録した後、本処理を終了する。
【0151】
ステップS1405において、CPU401は、ステップ605と同様の処理を行なう。具体的には、記録部406に記録した新しい履歴データと、メモリ402に記録されている、更新前の履歴データを比較し、履歴データの更新により撮影頻度の順位が変更されたか否かを判別する。CPU401は、被写体の優先順位が変更されたと判断した場合(ステップS1405のYES)、図13のステップS1303の携帯端末SPからの問合せに対して、学習済みモデルが更新された旨を回答し、ステップS1406へ進む。一方、CPU401は、被写体の優先順位が変更されていない判断した場合(ステップS1405のNO)、本処理を終了する。尚、被写体の優先順位が変更されていない場合であってもステップS1402の追加学習で現在の優先する被写体に対応する学習済みモデルの学習済み係数パラメータが更新された場合は、ステップS1406に進むようにしてもよい。また、この場合も、図13のステップS1303の携帯端末SPからの問合せに対して、学習済みモデルが更新された旨を回答する。
【0152】
ステップS1406において、CPU401は、優先順位が高くなった被写体を優先する被写体に変更すると共に、この変更後の優先する被写体に対応する学習済みモデルが、撮像装置Cにおいて更新可能な学習済みモデルであるか否かを判断する。具体的にはこの判断は以下のように行われる。まず、CPU401が通信部407を介して携帯端末SPに対して撮像装置Cにおいて更新可能な学習済みモデルであるか否かを問い合わせる。その後、この問合せに対して図13のステップS1304において携帯端末SPから撮像装置Cからの返信内容が転送される。撮像装置Cにおいて更新可能な学習済みモデルであるか否かの判断はこの返信内容に基づき行われる。この判断の結果、撮像装置Cにおいて更新可能な学習済みモデルである場合(ステップS1406のYES)、CPU501はステップS1407へ進む。一方、撮像装置Cにおいて更新可能な学習済みモデルでない場合(ステップS1406のNO)、CPU501は本処理を終了する。
【0153】
ステップS1407において、CPU401は、通信部407を介して変更後の優先する被写体に対応する学習済みモデルの学習済み係数パラメータを携帯端末SPに送信し、本処理を終了する。
【0154】
以上、第4の実施形態の処理を行うことにより、サーバSVは、受信した符号化前の撮像画像をもとに、既存の学習済みモデルの追加学習を行うことができる。また、サーバSVは、履歴データを作成し、その履歴データに基づいて学習済みモデルを変更し、撮像装置Cにその変更された学習済みモデルの学習済み係数パラメータを送信することが可能となる。
【0155】
尚、第4の実施形態においては、サーバSVが履歴データの作成も既存の学習済みモデルの追加学習も行ったが、本発明はかかる形態に限定されない。例えば、携帯端末SP及びサーバSVの一方が履歴データの作成し、他方が既存の学習済みモデルの追加学習を行うようにしてもよい。
【0156】
[変形実施形態]
以上、好適な実施形態に基づいて本発明について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲での様々な形態も本発明に含まれる。
【0157】
本発明が適用され得る対象は、上述の実施形態で説明した撮像装置C、サーバSV、携帯端末SP等に限定されるものではない。例えば、撮像装置Cを複数の装置から構成されるシステムとした場合であっても上述の実施形態と同様の機能を実現することが可能である。更に、撮像装置Cの処理の一部をネットワーク上の外部装置により実施して実現することが可能である。
【0158】
また、ニューラルネットワーク処理部205,408,509は、機械学習用のアルゴリズムにより動作する処理部であればよく、アルゴリズムはニューラルネットワークに限定されない。例えば、SVM(サポートベクターマシン)、決定木などのアルゴリズムを用いてもよい。
【0159】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0160】
C 撮像装置
201 CPU
202 メモリ
203 不揮発性メモリ
204 操作部
205 ニューラルネットワーク処理部
SV サーバ
401 CPU
402 メモリ
403 表示部
405 操作部
406 記録部
407 通信部
408 ニューラルネットワーク処理部
SP 携帯端末
501 CPU
502 メモリ
504 表示部
505 操作部
506 記録部
507 通信部
509 ニューラルネットワーク処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14