(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241015BHJP
【FI】
A63F7/02 308G
(21)【出願番号】P 2020068804
(22)【出願日】2020-04-07
【審査請求日】2023-01-17
【審判番号】
【審判請求日】2024-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 朋也
【合議体】
【審判長】▲吉▼川 康史
【審判官】藤田 年彦
【審判官】太田 恒明
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-184009(JP,A)
【文献】特開2019-162275(JP,A)
【文献】特開2020-28647(JP,A)
【文献】特開平8-299555(JP,A)
【文献】特開2019-180832(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前枠と内枠とを有する本体枠と、前記本体枠を取り付け可能な外枠と、を備えた遊技機であって、
前記本体枠は、回転操作が可能に形成されたハンドルを備え、
前記ハンドルは、基部と、前記基部から外方向に突出するように形成され、指を掛けるための複数の指掛部を備え、
前記ハンドルは、初期位置から最大回転位置まで回転可能であり、
前記複数の指掛部は、前記最大回転位置において前記基部よりも下方に突出する指掛部を含み、
前記複数の指掛部のうち、最も突出量の大きい指掛部を特定指掛部とし、前記ハンドルの回転中心から前記特定指掛部の先端部までの距離を第1距離とし、前記ハンドルの回転中心から前記本体枠の下側の縁までの距離を第2距離とすると、前記第1距離が前記第2距離より大きくなっており、
前記初期位置において、前記複数の指掛部のいずれの指掛部も前記本体枠の下側の縁部よりも下に突出せず、
前記最大回転位置において、前記複数の指掛部のいずれの指掛部も前記本体枠の下側の縁部よりも下に突出
せず、
前記初期位置において、前記複数の指掛部のいずれの指掛部も前記本体枠の右側の縁部よりも右に突出せず、
前記最大回転位置において、前記複数の指掛部のいずれの指掛部も前記本体枠の右側の縁部よりも右に突出しない
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、遊技盤および発射装置等を備えたパチンコ遊技機が知られている。パチンコ遊技機では、遊技媒体(遊技球)が遊技盤の前面に設けられた遊技領域に発射され、遊技球が、遊技領域に設けられている入賞口に進入したことに基づき、遊技者に遊技上の利益が付与される。
【0003】
このような遊技機は、発射装置から発射された遊技球が移動する遊技領域を形成する遊技盤を備えている。遊技領域に導かれた遊技球は、釘や風車に衝突しながら落下するようになっている。また、このような遊技機は、ハンドルを備え、ハンドルの操作に応じた強さで発射装置から遊技球が発射され、遊技領域に導かれるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、遊技機では、部品が故障する可能性を低減することが求められている。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、部品が故障する可能性が低減された遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、
前枠と内枠とを有する本体枠と、前記本体枠を取り付け可能な外枠と、を備えた遊技機であって、
前記本体枠は、回転操作が可能に形成されたハンドルを備え、
前記ハンドルは、径方向外側に向かって突出する指掛部を備え、
前記ハンドルは、初期位置から最大回転位置まで回転可能であり、
前記初期位置において、前記指掛部が前記本体枠の下側の縁よりも下に突出せず、
前記最大回転位置において、前記指掛部が前記本体枠の下側の縁よりも下に突出しない
ことを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、初期位置において、ハンドルの指掛部が、本体枠の下側の縁よりも下方に突出せず、最大回転位置においても、ハンドルの指掛部が、本体枠の下側の縁よりも下方に突出していない。このため、本体枠を床などに置いた場合であっても、指掛部が床などに接触せず、ハンドルが破損することはない。このため、部品が破損するリスクを低減できる。
【0009】
また、本発明の遊技機は、
前枠と内枠とを有する本体枠と、前記本体枠を取り付け可能な外枠と、を備えた遊技機であって、
前記本体枠は、回転操作が可能に形成されたハンドルを備え、
前記ハンドルは、径方向外側に向かって突出する指掛部を備え、
前記ハンドルは、初期位置から最大回転位置まで回転可能であり、
前記初期位置において、前記指掛部が前記本体枠の右側の縁よりも右に突出せず、
前記最大回転位置において、前記指掛部が前記本体枠の右側の縁よりも右に突出しない
ことを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、初期位置において、ハンドルの指掛部が、本体枠の右側の縁よりも右側に突出せず、最大回転位置においても、ハンドルの指掛部が、本体枠の右側の縁よりも右側に突出していない。このため、本体枠を箱などに入れた場合であっても、指掛部が箱などに接触せず、ハンドルが破損することはない。このため、部品が破損するリスクを低減できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の遊技機によれば、部品が故障する可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、扉が開放された状態を示す斜視図である。
【
図5】同、ハンドルを示すものであって、(a)は前方側から見た斜視図であり、(b)は後方側から見た斜視図である。
【
図6】同、ハンドルユニットをハンドルの軸方向前方側から見た図である。
【
図7】同、扉ユニットの一部を正面側から見た図である。
【
図8】同、扉ユニットの一部を正面側から見た図である。
【
図9】同、扉ユニットの一部を示すものであって、ハンドルの軸方向前方側から見た図である。
【
図10】同、ハンドルを前方側から見た斜視図であり、フェイスカバーを取り外した状態である。
【
図11】同、ハンドルの操作トルクおよび操作角度を示す図(その1)である。
【
図12】同、ハンドルの操作トルクを示すグラフ(その1)である。
【
図13】同、ハンドルの操作トルクおよび操作角度を示す図(その2)である。
【
図14】同、ハンドルの操作トルクを示すグラフ(その2)である。
【
図15】同、前枠および内枠を正面側から見た斜視図である。
【
図16】同、前枠および内枠をハンドルの軸方向前方側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態では遊技機の一つであるパチンコ遊技機について説明するが、その他の遊技機であってもよい。以下の説明において、基本的に「前後」とは、パチンコ遊技機の前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、パチンコ遊技機側が「後」を意味し、「上下」とはパチンコ遊技機の上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とは遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
【0014】
図1は、遊技機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。
遊技機100(パチンコ遊技機100)は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けて遊技機100による遊技を行う。なお、遊技機100における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。
【0015】
遊技機100は、略矩形枠状(縦長の矩形枠状)に形成された外枠102と、外枠102にヒンジ機構を介して開閉自在に取り付けられた内枠104(中枠)と、内枠104に、ヒンジ機構を介して開閉自在に取り付けられた前枠300と、を備えている。内枠104は、外枠102と同様に、略矩形枠状に形成されている。内枠104は、遊技盤108(遊技盤ユニット)を保持している。具体的には、遊技盤ユニットは、前枠300を前方へ開放した状態で内枠104(内枠アセンブリ)に対して着脱可能となっている。
【0016】
前枠300には、ガラスユニット110(透過板)が取り付けられている。具体的には、前枠300の中央部には窓が形成されており、その窓にガラスユニット110が取り付けられている。ガラスユニット110は、例えば窓の形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。なお、本実施形態では、ガラスユニット110を用いるものとするが、樹脂製であってもよい。
【0017】
ここで、前枠300と内枠104とを備える構成を「本体枠」とする。本体枠は、外枠102に対して着脱可能(開閉自在)となっている。本体枠を外枠102に対して閉じると、遊技盤108とガラスユニット110とが所定の間隔(隙間)を介して略平行に対面するようになっている。このとき、遊技機100の正面側から、ガラスユニット110を介して遊技盤108が視認可能となる。
【0018】
なお、前枠300という場合、略矩形状を有する枠部材(後述する扉ベース310)のみを指してもよく、当該枠部材と当該枠部材に取り付けられたすべての部材(意匠部材等を含む)とが一体となったユニット全体を指してもよい。
【0019】
また、遊技機100は、遊技の進行中等に演出を行う演出装置を備えている。演出装置としては、液晶表示装置からなる演出表示装置114、可動装置からなる演出役物装置116、スピーカからなる音声出力装置118(
図3参照)、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置120、および、操作を受け付ける演出操作装置208(
図3参照)等がある。演出表示装置114、演出役物装置116、音声出力装置118、演出照明装置120、および演出操作装置122は、内枠104内に設けられた制御基板の制御に基づいて、所定の演出を実行する。
【0020】
遊技盤108には、厚さ方向(遊技機100の前後方向)に貫通する貫通孔108a(
図2参照)が形成されている。遊技盤108の背面には、演出表示装置114が設けられている。演出表示装置114は、画像を表示する画像表示部を備えている。画像表示部は、内枠104内に配置され、貫通孔108aを介して露出しており、正面側から、画像表示部に表示される画像を視認できるようになっている。
【0021】
演出役物装置116は、内枠104内において演出表示装置114よりも前面に配置され、通常、遊技盤108の背面側に退避しているが、遊技の進行中などに、演出表示装置114の前面まで可動して、遊技者に大当たりの期待感を付与する。
【0022】
演出照明装置120は、前枠300に設けられており、例えば、ガラスユニット110を囲むように複数設けられている。演出照明装置120は、LED等を備え、例えば演出表示装置114に表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。
【0023】
図3に示すように、音声出力装置118は、外枠102に設けられている。音声出力装置118は、演出表示装置114に表示される画像等に合わせて、遊技機100の正面側に向けて音、音声、BGM等を出力する。下方に位置する外枠102は所定の幅を有しており、音声出力装置118(スピーカ)は、外枠102の構成部品となっている。
【0024】
図3は、遊技機100を正面側(前方)から見た概略図である。演出操作装置208(演出操作ユニット208)は、演出に関する操作(所定の操作)を受け付け可能に構成された演出操作部を備えている。演出操作部が操作されると、演出内容(演出表示装置の表示)が切り替わったり、所定の演出が発生するようになっている。遊技機100を正面側から見た右側には、鍵部209(シリンダ)が設けられている。所定の鍵を鍵部209に差し込んで反時計回りに回転させる(捻る)と、前枠300を前方側に開放させることができ、時計回りに回転させる(捻る)と、前枠300および内枠104(すなわち本体枠)を前方側に開放させることができる。
【0025】
図2は、遊技盤108を正面側から見た図である。遊技盤(遊技板)108は、例えば透明な合成樹脂(例えばアクリル)で形成されている。遊技盤108には、略円形状の外レール114bと、外レール114bに沿うように円弧状に形成された内レール114aと、が設けられている。発射機構(発射装置)(図示せず)から発射された遊技球は、内レール114aと外レール114bとの間を上昇して、遊技領域116に導かれる。遊技領域116(盤面)は、遊技盤108とガラスユニット110との間に形成される空間であって、遊技球が移動(流下、転動)可能な領域となっている。遊技盤108には、多数の遊技釘や風車が設けられており、遊技領域116に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に移動(流下、転動)するようにしている。
【0026】
外レール114bは、遊技盤108の下方から左上方に向けて時計回り方向に延びているとともに、遊技盤108の鉛直方向(上下方向)の略中央から右上方に向けて時計回り方向に延びている。外レール114bは、遊技盤108における下部から上部に亘って湾曲して延在しており、遊技領域116を囲繞形成している。すなわち、外レール114bに囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域116となっている。また、内レール114aは、遊技盤108における左側であって、遊技領域116における外レール114bよりも内側に設けられている。
【0027】
遊技領域116は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にし、遊技球の打ち分けが可能な第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116bを含む。第1遊技領域116aは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の左側に位置し、第2遊技領域116bは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の右側に位置している。外レール114bおよび内レール114aが、遊技領域116の左側にあることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第1遊技領域116a(左打ち領域)に進入し、発射機構によって所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第2遊技領域116b(右打ち領域)に進入することとなる。操作ハンドル112を操作して遊技球を第1遊技領域116aに打ち込むことを、左打ちを実行するといい、操作ハンドル112を操作して遊技球を第2遊技領域116bに打ち込むことを、右打ちを実行するという。
【0028】
また、遊技領域116には、遊技球が入球可能な一般入賞口118および始動入賞口120(始動口)が設けられている。一般入賞口118および始動入賞口120に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球(入賞により獲得した遊技球)が遊技者に払い出される。なお、賞球数は1個以上であれば何個でもよい。また、一般入賞口118、始動入賞口120のそれぞれで払い出す賞球数を異ならせてもよいし、同じ賞球数に設定してもよい。
【0029】
始動入賞口120は、遊技領域116における下側の中央(左右方向中央)に設けられている。具体的な説明を省略するが、始動入賞口120に遊技球が入球すると、所定の遊技利益を付与するか否かを決定する大役抽選が行われ、大役抽選で大当たりに当選すると大役遊技が実行される。大役遊技は、複数回のラウンド遊技で構成されており、各ラウンド遊技中は、大入賞口が開放される。大入賞口は、第2遊技領域116bに設けられている。各ラウンド遊技は、その開始から所定時間が経過するか、もしくは、予め設定された上限数の遊技球が大入賞口に入球すると終了する。大入賞口に遊技球が入球すると、所定数の賞球が遊技者に払い出されることから、大役遊技の実行により、遊技者は多量の賞球を獲得することができる。
【0030】
遊技領域116の最下部にはアウト口122(排出口)が設けられている。一般入賞口118、始動入賞口120、および大入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球は、アウト口122を介して遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出される。
【0031】
また、遊技領域116には、左打ち領域116aと右打ち領域116bとを繋ぐ上部通路114cが含まれている。この上部通路114cは、貫通孔108aの上方に設けられている。
【0032】
本実施形態に係る遊技機は、メイン基板およびサブ基板を含む制御基板によって制御される。そして、メイン基板やサブ基板等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0033】
メイン基板は、入力手段(各種センサ等)からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、出力手段(払出装置等)の動作制御を行う。
【0034】
サブ基板は、メイン基板から送られてくるコマンドや、後述する演出操作装置208に対する操作を検出する演出操作センサからの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、演出装置の動作制御を行う。
【0035】
次に、扉ユニット300の詳細について説明する。
図4は、扉ユニット300の分解斜視図である。扉ユニット300は、板状の扉ベース310、受皿ユニット320、およびハンドルユニット330等を備えている。なお、扉ベース310の背面側には、ガラスユニット110(
図1参照)を取り付けることが可能となっている。
【0036】
受皿ユニット320は、前方側へ突出した形状を有し、受皿を備えている。受皿は、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留可能に形成されている。受皿ユニット320は、扉ベース310の前面側の下方に取り付けられる(組み付けられる)。受皿ユニット320は、扉ベース310の後方側からのネジ締めにより、扉ベース310に固定される。なお、受皿ユニット320の中央には、凹部が設けられており、この凹部に
図3で示した演出操作ユニット208が取り付けられるようになっている。
【0037】
ハンドルユニット330は、前方側へ突出するように設けられたハンドル340と、ハンドルベース350と、を備えている。ハンドル340は、回転操作可能に形成されている。ハンドル340を回転させ発射操作が行われると、ハンドル340の回転角度(操作角度)(回転量)(回転操作量)に応じた強度(射出力)(勢い)で発射機構(発射装置)から遊技球が発射されるようになっている。ハンドルユニット330は、扉ベース310における右下部(前枠における右下部)(受け皿ユニット320の右下)に取り付けられる(組み付けられる)。ハンドルユニット330は、扉ベース310の後方側からのネジ締めにより、扉ベース310に固定される。
【0038】
図4に示すように、本実施形態では、受皿ユニット320と、ハンドルユニット330とを、個別に(別々に)扉ベース310に固定することができるようになっている。このため、例えば、受皿ユニット320を扉ベース310に固定したまま、ハンドルユニット330を扉ベース310から取り外したり、ハンドルユニット330を扉ベース310に固定したまま、受皿ユニット320を扉ベース310から取り外すことができる。すなわち、受皿ユニット320またはハンドルユニット330のいずれか一方のみを取り外し、点検、交換等の作業を行うことができる。これにより、柔軟に作業を行うことができ、作業の効率を向上させることができる。なお、本実施形態では、受皿ユニット320を扉ベース310から取り外さずに、演出ユニット208だけを着脱することが可能となっている。
【0039】
また、ハンドルユニット330は、ハンドル340と、ハンドルベース350とが、それぞれ別々に扉ベース310にネジ締め固定されている。このため、ハンドルベース350を扉ベース310に固定したまま、ハンドル340だけを扉ベース310から取り外すことができる。ハンドル340は、ハンドルベース350に比べて交換頻度が多い部品である。ハンドル340だけを交換可能とすることで、交換にかかる費用を抑えることができる。なお、ハンドル340の固定に用いるネジと、ハンドルベース350の固定に用いるネジとで、ネジの色を変えてもよい。例えば、ハンドル340の固定に用いるネジを赤色とする。このようにネジの色を変えることで、作業者がどのネジを外せばよいか容易に理解でき、ミスを防ぐとともに作業の効率を向上させることができる。また、ハンドル340用のネジ孔(ネジ穴)の近傍に例えば「H」という識別文字を付してもよい。
【0040】
扉ベース310から部品を取り外すときは、まず、受皿ユニット320を取り外し、次いで、ハンドル340を取り外し、次いで、ハンドルベース350を取り外す。なお、ハンドル340およびハンドルベース350は、同時に取り外すこととしてもよい。
【0041】
(ハンドル340)
図5(a)は、ハンドル340を前方側から見た斜視図であり、
図5(b)は、ハンドル340を後方側から見た斜視図である。ハンドル340は、本体部341、ハンドルリング342(ハンドル)、発射停止ボタン343、およびカバー344等を備えている。本体部341は、取付相手部材としての扉ベース310に固定され、ハンドルリング342を回転可能に支持する。ハンドルリング342は、本体部341の周囲を、初期位置から最大回転位置までの所定の回転量(所定の操作角度)の範囲内で、回転可能となっている。最大回転位置とは、初期位置に対する回転量が最大となる位置である。最大回転位置とは、ハンドルリング342の所定の部位がメカエンド(ストッパー)に当接(接触)した瞬間の位置であって、当接した後にさらに力を加えて、ハンドルリング342の所定の部位をメカエンドに圧接させ、荷重(反力)が急激に増加する位置は含まない。発射停止ボタン343は、押下操作が可能となっており、ハンドルリング342を所定の回転量だけ回転させている状態で、遊技球の発射を停止可能とするために設けられている。また、カバー344(フェイスカバー)は、ハンドルリング342よりも前方側を覆うために設けられている。
【0042】
図6は、ハンドルユニット330を、ハンドル340の軸方向前方側から見た図である。ここで、
図6に示すように、ハンドル340の中心(回転軸)を中心P(回転軸P)とする。
図6は、ハンドルリング342が初期位置にある状態を示している。ハンドルリング342は、正面から見て、中心Pを回転軸として、反時計回り方向に弾性部材(リングバネ、スプリング:図示せず)によって付勢されている。したがって、ハンドルリング342を初期位置から時計回り方向に回転させる際には、弾性部材の付勢力に抗して操作をする(力を加える)必要がある。また、ハンドルリング342を時計回り方向に所定の回転量だけ回転させている状態で操作を解除すると(力を加えるのをやめると)、弾性部材の付勢力によってハンドルリング342が初期位置に復帰(自動復帰)するようになっている。
【0043】
(ハンドルリング342)
ハンドルリング342は、リング部350、第1指掛部351、第2指掛部352、および第3指掛部353を備えている。第1指掛部351~第3指掛部353は、環状のリング部350の外周面に、周方向に沿って、リング部350の外周面から径方向外側に向かって突出するように形成されている。第1指掛部351~第3指掛部353は、正面から見ると、略三角形状(山なり状)となっている。第1指掛部351~第3指掛部353を、それぞれの先端が上側となるようにして見た場合、左側の斜面の方が右側の斜面よりも傾斜の大きい斜面(傾きの急な斜面)となっている。左側の斜面が右側の斜面よりも急な斜面となっているため、指を引っ掛けやすくなっている。
【0044】
仮に第1指掛部351~第3指掛部353が設けられていない場合、リング部350の外周面を握って回転操作をしなければならないこととなるが、第1指掛部351~第3指掛部353が設けられている場合には、指を引っ掛けて回転操作を行うことができる。このため、遊技者は、より容易に回転操作を行うことができる。これにより、遊技者の負担を軽減できる。
【0045】
扉ユニット300は、扉ユニット300単体で扱われることのある構成部品である。すなわち、扉ユニット300だけを着脱(交換)するという作業や、扉ユニット300だけを輸送するという作業が行われる構成部品である。したがって、扉ユニット300だけを床などの面に置くという状況や、扉ユニット300だけを箱等の梱包部材に入れるという状況が発生し得る。
【0046】
図7は、扉ユニット300を正面から見た図である。
図7に示すように、扉ユニット300(前枠300)の下側の縁を下縁S1とする。下縁S1は、前枠300の下側の最外形を構成している。仮に、第1指掛部351~第3指掛部353のすべてまたは一部が下縁S1よりも下(下方)に突出している場合、前枠300を床などに置いた際に床と接触し、ハンドルリング342(ハンドル340)が破損するおそれがある。
【0047】
(初期位置:下方)
図7は、ハンドルリング342が初期位置にある状態を示している。初期位置では、第1指掛部351の先端部が左上側を向いている。第2指掛部352の先端部が上側を向いている。第3指掛部353の先端部が右上側を向いている。本実施形態では、初期位置において、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、前枠300の下縁S1よりも下方に突出していない。このため、前枠300を床などに置いた場合であっても、第1指掛部351~第3指掛部353が床などに接触せず、ハンドルリング342(ハンドル340)が破損することはない。このため、部品が破損するリスクを低減できる。
【0048】
(最大回転位置:下方)
図8は、扉ユニット300を正面から見た図であり、ハンドルリング342が最大回転位置にある状態を示している。最大回転位置とは、ハンドルリング342の初期位置からの回転量(操作量)が最大となる位置である。最大回転位置では、第1指掛部351の先端部が上側を向いている。第2指掛部352の先端部が右側を向いている。第3指掛部353の先端部が下側を向いている。本実施形態では、最大回転位置において、第3指掛部353の先端部が最も下縁S1に接近している。
【0049】
本実施形態では、最大回転位置においても、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、前枠300の下縁S1よりも下方に突出していない。このため、ハンドルリング342が最大回転位置となっている状態で、前枠300を床などに置いた場合であっても、第1指掛部351~第3指掛部353が床などに接触せず、ハンドルリング342(ハンドル340)が破損することはない。このため、部品が破損するリスクを低減できる。
【0050】
本実施形態では、ハンドルリング342がどの回転位置(いかなる回転位置)であっても、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、前枠300の下縁S1よりも下方に突出していない。なお、本実施形態では、最大回転位置において、第3指掛部353の先端部が最も下縁S1に接近しているものとした。ただし、いずれかの指掛部の先端部が最も下縁S1に接近するのは、最大回転位置でなくてもよい。つまり、いずれかの指掛部の先端部が最も下縁S1に接近する位置を所定の回転位置とすると、所定の回転位置において、すべての指掛部が下縁S1よりも下方に突出しないようになっていればよい。
【0051】
図7に戻る。扉ユニット300(前枠300)の右側の縁を右縁T1とする。右縁T1は、前枠300の右側の最外形を構成している。仮に、第1指掛部351~第3指掛部353のすべてまたは一部が右縁T1よりも右側(右方)に突出している場合、前枠300を箱などに入れた際に箱と接触し、ハンドルリング342(ハンドル340)が破損するおそれがある。
【0052】
(初期位置:右側)
本実施形態では、初期位置において、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、前枠300の右縁T1よりも右側(右方)に突出していない。このため、前枠300を箱などに入れた場合であっても、第1指掛部351~第3指掛部353が箱などに接触せず、ハンドルリング342(ハンドル340)が破損することはない。このため、部品が破損するリスクを低減できる。
【0053】
(最大回転位置:右側)
図8に示すように、最大回転位置において、第2指掛部352の先端部が最も右縁T1に接近している。本実施形態では、最大回転位置においても、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、前枠300の右縁T1よりも右側に突出していない。このため、ハンドルリング342が最大回転位置となっている状態で、前枠300を箱などに入れた場合であっても、第1指掛部351~第3指掛部353が箱などに接触せず、ハンドルリング342(ハンドル340)が破損することはない。このため、部品が破損するリスクを低減できる。
【0054】
本実施形態では、ハンドルリング342がどの回転位置(いかなる回転位置)であっても、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353が、前枠300の右縁T1よりも右側に突出していない。なお、本実施形態では、最大回転位置において、第2指掛部352の先端部が最も右縁T1に接近しているものとした。ただし、いずれかの指掛部の先端部が最も右縁T1に接近するのが、最大回転位置でなくてもよい。つまり、いずれかの指掛部の先端部が最も右縁T1に接近する位置を所定の回転位置とすると、所定の回転位置において、すべての指掛部が右縁T1よりも右側に突出しないようになっていればよい。
【0055】
図9は、前枠300の右下部を、ハンドル340の回転軸方向前方側から見た図である。(1)ハンドル340の中心Pから第1指掛部351の先端部までの長さ(距離)(寸法)D1は、53.4mmとなっている。(2)ハンドル340の中心Pから第2指掛部352の先端部までの長さD2は、45.6mmとなっている。(3)ハンドル340の中心Pから第3指掛部353の先端部までの長さD3は、39.3mmとなっている。(4)ハンドル340の中心Pからハンドルリング342の外周面までの長さEは、34.6mmとなっている。すなわち、ハンドルリング342の指掛部が設けられていない箇所の半径Eは、34.6mmとなっている。(5)ハンドル340の中心Pから扉ユニット300の下縁S1までの長さFは、40.0mmとなっている。(6)ハンドル340の中心Pから扉ユニット300の右縁T1のまでの長さGは、49.1mmとなっている。
【0056】
本実施形態では、ハンドルユニット330が、前枠300の右下部に設けられているものを示したが、ハンドルユニット330は、内枠104の右下部に設けられていてもよい。
図15は、ハンドルユニット330が内枠104の右下部に取り付けられた状態を示す右側面図である。また、
図16は、当該状態の右下部を、ハンドル340の回転軸方向前方側から見た図である。
図15および
図16は、前枠300と内枠104とが一体となった状態を示しているともいえる。ここで、前枠300および内枠104(すなわち本体枠)の下側の縁を下縁S2とする。下縁S2は、本体枠の下側の最外形を構成している。また、本対枠の右側の縁を右縁S2とする。右縁S2は、本体枠の右側の最外形を構成している。
【0057】
初期位置において、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、本体枠の下縁S2よりも下方に突出していない。また、最大回転位置において、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、本体枠の下縁S2よりも下方に突出していない。また、ハンドルリング342が、いかなる回転位置であっても、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、本体枠の下縁S2よりも下方に突出していない。
このため、本体枠を床などに置いた場合であっても、指掛部が床などに接触せず、ハンドルが破損することはない。このため、部品が破損するリスクを低減できる。
【0058】
初期位置において、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、本体枠の右縁T2よりも右方に突出していない。また、最大回転位置において、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、本体枠の右縁T2よりも右方に突出していない。また、ハンドルリング342が、いかなる回転位置であっても、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、本体枠の右縁T2よりも右方に突出していない。
このため、本体枠を箱などに入れた場合であっても、指掛部が箱などに接触せず、ハンドルが破損することはない。このため、部品が破損するリスクを低減できる。
【0059】
図16に示すように、D1、D2、D3、およびEは
図9と同一であるが、ハンドル340の中心Pから本体枠の下縁S2までの長さFは、45.0mmとなっている。また、ハンドル340の中心Pから本体枠の右縁T2のまでの長さGは、51.1mmとなっている。
【0060】
上記では、内枠104の下縁の位置が、前枠300の下縁の位置よりも下方に位置する(突出する)ものとしたが、前枠300の下縁の位置と、内枠104の下縁の位置とは、略同一となっていてもよい。また、前枠300の下縁の位置が、内枠104の下縁の位置よりも下方に位置していてもよい。
【0061】
図9に示す状態でも
図16に示す状態でも、長さD3は、長さFよりも小さくなっている。よって、最大回転位置(
図8に示す状態)まで回転させた場合であっても、第3指掛部353が下縁S1,S2よりも下方に突出することはない。
【0062】
長さD2は、長さGよりも小さくなっている。よって、最大回転位置(
図8に示す状態)まで回転させた場合であっても、第2指掛部352が右縁T1,T2よりも右側に突出することはない。
【0063】
一方、長さD1は、長さFよりも大きくなっている。よって、仮にハンドルリング342を、第1指掛部351が下方となる位置(第1指掛部351の先端部が下方を向く位置)まで回転させた場合、第1指掛部351が下縁S1,S2よりも下方に突出することとなる。しかし、本実施形態では、第1指掛部351が下方となる位置までハンドルリング342が回転しないようになっている。よって、第1指掛部351が下縁S1,S2よりも下方に突出することはない。
【0064】
また、長さD1は、長さGよりも大きくなっている。よって、仮にハンドルリング342を、第1指掛部351が右側となる位置(第1指掛部351の先端部が右側を向く位置)まで回転させた場合、第1指掛部351が右縁T1,T2よりも右側に突出することとなる。しかし、本実施形態では、第1指掛部351が右側となる位置までハンドルリング342が回転しないようになっている。よって、第1指掛部351が右縁T1,T2よりも右側に突出することはない。
【0065】
このように第1指掛部351は、その先端部が下方(下側)を向く位置や、その先端部が右側を向く位置まで回転しないようになっている。よって、長さD1を長さD2および長さD3よりも大きくすることができる。長さD1を大きくすることで指をより引っ掛けやすくなるという効果が得られる。なお、本実施形態では、長さD1は長さD2よりも大きく、長さD2は長さD3よりも大きくなっている。
【0066】
なお、本実施形態では、ハンドルリング342に設けられている指掛部の数を3つとしたが、指掛部の数はこれに限られるものではなく、少なくとも1つ以上設けられていればよい。また、最も突出量の大きい指掛部(最大指掛部)は、第1指掛部351に限らず、他の指掛部であってもよい。突出量とは、径方向外側への突出量であり、例えばハンドルリング342における指掛部が設けられていない箇所(リング部350)からの指掛部の突出量である。
【0067】
上記のように、指掛部は、初期位置および最大回転位置において、本体枠の下縁S2よりも下よりも下に突出せず、本体枠の右縁T2よりも右に突出していない。また、初期位置および最大回転位置において、指掛部が、本体枠の下縁S2よりも下に突出しておらず、最大回転位置において、最も突出量の大きい指掛部(最大指掛部)が、先端部が下(真下)を向く位置(先端部が本体枠の下縁S2に最も接近する位置)に存在しないようにしてもよい。その場合、最大指掛部は、本体枠の下縁S2に最も接近する位置まで回転し、さらにその位置を超えて、本体枠の下縁S2から離れた位置まで回転するようにしてもよい。また、初期位置および最大回転位置において、指掛部が、本体枠の右縁T2よりも右に突出しておらず、最大回転位置において、最も突出量の大きい指掛部(最大指掛部)が、先端部が右(真右)を向く位置(先端部が本体枠の右縁T2に最も接近する位置)に存在しないようにしてもよい。その場合、最大指掛部は、本体枠の右縁T2に最も接近する位置まで回転し、さらにその位置を超えて、本体枠の右縁T2から離れた位置まで回転するようにしてもよい。
【0068】
図4で示した受皿ユニット320の底面(下面)およびハンドルユニット330の底面(下面)に、後方側から前方側(手前側)に向かうにつれて上方に緩やかに傾斜するテーパー面(抜き勾配)が設けられている。これを「前枠下部の傾斜面」という。前枠下部の傾斜面が設けられている場合、前枠300を床などの面に置いた際に、前枠下部の傾斜面が床などの面に接触することがある。すなわち、前枠300を例えば床に置いた場合に、前枠下部の傾斜面が床と接触し、前枠300が水平面に垂直な方向に対して、僅かに前方側に傾いた姿勢(前傾姿勢)となることがある。この姿勢では、ハンドルリング342(ハンドル340)がより床と接近する。
【0069】
ハンドルリング342が初期位置にある場合、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、前枠下部の傾斜面よりも下方に突出しないようにしてもよい。この場合、前枠300を床などに置き、仮に前枠下部の傾斜面が床などと接触した場合であっても、第1指掛部351~第3指掛部353が床などに接触せず、ハンドルリング342(ハンドル340)が破損することはない。このため、部品が破損するリスクを低減できる。
【0070】
ハンドルリング342が最大回転位置にある場合、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、前枠下部の傾斜面よりも下方に突出しないようにしてもよい。この場合、ハンドルリング342が最大回転位置となっている状態で、前枠300を床などに置き、仮に前枠下部の傾斜面が床などと接触した場合であっても、第1指掛部351~第3指掛部353が床などに接触せず、ハンドルリング342(ハンドル340)が破損することはない。このため、部品が破損するリスクを低減できる。
【0071】
また、ハンドルリング342がどの回転位置(いかなる回転位置)であっても、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、前枠下部の傾斜面よりも下方に突出しないようにしてもよい。
【0072】
なお、初期位置や最大回転位置を含む所定の回転位置において、第1指掛部351~第3指掛部353の少なくとも一部が、前枠下部の傾斜面よりも下方に突出するようにしてもよい。その場合でも、第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、本体枠の下縁S2よりは下方に突出していないようにする。このように構成することで、部品が破損するリスクを低減できる。
【0073】
次にハンドル340の操作トルクおよび操作角度について説明する。
図10に示すように、ハンドル340の内部には、弾性部材Zとしてのバネ(スプリング)が配置されている。ハンドルリング342は時計回り方向に、バネの付勢力に抗して操作(回転操作)することができるようになっている。また、ハンドルリング342を、所定の量(角度)だけ回転させた状態で操作を解除すると、スプリングの付勢力(反力)によってハンドルリング342が初期位置に自動復帰するようになっている。
【0074】
(初動)
ここで、ハンドルリング342の回転の開始(初動)(始動)(初期位置からの回転)に必要な操作トルクを第1操作トルク(初動トルク)とする。
(左打ち)
左打ち時に、遊技領域116における、発射口117(
図2参照)を通過した遊技球を着弾させる目標位置を左打ちの目標位置(目標領域)とする。なお、左打ちの目標領域(ターゲット領域)は、いわゆるブッコミ(ぶっこみ)と呼ばれる領域である。ターゲット領域は、通常遊技状態の時に、遊技者がその領域を狙って遊技球を打ち込むことが最も各種入賞装置(入賞口)への入球率が高いと言われる理想的な領域である。
また、遊技球を左打ちの目標位置に着弾させることが可能な、ハンドルリング342の位置(回転位置)を、左打ち基準位置とする。また、ハンドルリング342の初期位置から左打ち基準位置までの回転に必要な操作トルクを第2操作トルクとする。また、ハンドルリング342の初期位置から左打ち基準位置までの操作角度(操作角)を第1操作角度とする。
【0075】
(右打ち)
右打ち時におけるハンドルリング342の位置(回転位置)を、右打ち基準位置(最大回転位置)とする。また、ハンドルリング342の初期位置から最大回転位置までの回転に必要な操作トルクを第3操作トルクとする。また、ハンドルリング342の初期位置から最大回転位置までの操作角度(操作角)を第2操作角度とする。第2操作角度は、フルストロークである。
【0076】
(実施例1)
図11に示すように、本実施形態に係る遊技機では、第1操作トルクは6.8[N・mm]となっている。また、第2操作トルクは13.6[N・mm]となっている。また、第3操作トルクは23.8[N・mm]となっている。本実施形態では、第2操作トルクが第1操作トルクよりも大きく、第3操作トルクが第2操作トルクよりも大きくなっている。なお、比較例として示すハンドルでは、第1操作トルクは31[N・mm]、第2操作トルクは69[N・mm]、第3操作トルクは152[N・mm]となっている。
図12は、それらの関係をグラフで示したものである。
【0077】
第1操作トルク、第2操作トルクおよび第3操作トルクがいずれも比較的小さい値となっている。このため、遊技者は、より少ない力でハンドルリング342を回転させることができる。すなわち、遊技者は、ハンドルリング342の操作を軽いと感じることができる。これにより、遊技者が疲れにくくなり、遊技者の負担を軽減することができる。また、ハンドルリング342は自動復帰する際、ストッパー(図示せず)に当接して回転が停止するようになっているが、第1操作トルク~第3操作トルクがいずれも小さい値となっているため、自動復帰した際にストッパーに加わる衝撃が小さくなる。このため、ストッパーの消耗(摩耗)を抑制し、操作頻度の多い部品であるハンドル340の故障リスクを低減できる。すなわち、ハンドル340の耐久性を向上させることができる。
【0078】
また、第1操作トルク~第3操作トルクがいずれも小さい値となっているため、ハンドルリング342と本体部341(
図5参照)との間に作用する摩擦の力を小さくすることができる。このため、当該摩擦の力が大きいことに起因する摩耗を押さえることができ、部品の耐久性を向上させることができる。
【0079】
本実施形態では特に、第1操作トルクが6.8[N・mm]であり、10[N・mm]を下回る値となっている。このように第1操作トルクが小さくなっているため、ハンドルリング342の初動に必要な力が小さく、より少ない力でハンドルリング342の回転を開始させることができる。なお、スプリングの付勢力(反力)をより小さくし、第1操作トルクを6.8[N・mm]未満とすると、ハンドルリング342と本体部341との間などに作用する摩擦の力によって、ハンドルリング342が初期位置まで戻らなくなるおそれがある。そこで、本実施形態では、第1操作トルクを、初期位置に自動復帰することができる最小限のトルクとしている。よって、初動を軽くしつつ自動復帰を可能とするためには、第1操作トルクを6.8[N・m]以上とすることが好ましい。
【0080】
また、本実施形態では、第3操作トルクは第2操作トルクよりも大きくなっているが、第3操作トルクの値(23.8[N・mm])は、第2操作トルクの値を2倍した値(27.2[N・mm])以下となっている。比較例のように第3操作トルクの値(152[N・mm])が、第2操作トルクの値を2倍した値(138[N・mm])よりも大きくなっている場合、左打ち基準位置から最大回転位置(右打ち基準位置)までの間に操作トルクが急激に上昇することとなる。その場合、左打ち基準位置から最大回転位置まで回転させるのにより大きな力を要することとなる。本実施形態では、第3操作トルクの値が、第2操作トルクを2倍した値以下となっており、第2操作トルクと第3操作トルクの差が小さくなっているため、左打ち基準位置から最大回転位置までの間に操作トルクが急激に増大せず、遊技者は第2操作トルクと第3操作トルクとの差が小さいと感じる。このため、遊技者が疲れにくくなり、遊技者の負担を軽減することができる。
【0081】
また、本実施形態では、第2操作トルクは第1操作トルクよりも大きくなっているが、第2操作トルクの値(13.6[N・mm])は、第1操作トルクの値を2倍した値(13.6[N・mm])以下となっている。比較例のように第2操作トルクの値(69[N・mm])が、第1操作トルクを2倍した値(62[N・mm])よりも大きくなっている場合、初期位置から左打ち基準位置までの間に操作トルクが急激に上昇することとなる。その場合、初期位置から左打ち基準位置まで回転させるのにより大きな力を要することとなる。本実施形態では、第2操作トルクの値が、第1操作トルクを2倍した値以下となっており、第1操作トルクと第2操作トルクとの差が小さくなっているため、初期位置から左打ち基準位置までの間に操作トルクが急激に増大せず、遊技者は第1操作トルクと第2操作トルクとの差を小さいと感じる。このため、遊技者が疲れにくく、遊技者の負担を軽減することができる。
【0082】
また、
図11に示すように、第1操作トルクと第2操作トルクとの差(変位量)を増加量Aとする。本実施形態では、増加量Aは、6.8[N・mm]となっている。また、第2操作トルクと第3操作トルクとの差(変位量)を増加量Bとする。本実施形態では、増加量Bは、10.2[N・mm]となっている。本実施形態では、増加量Aを2倍した値(13.6)が増加量B(10.2)よりも大きくなっている(2A>B)。換言すると、増加量Bは増加量Aを2倍した値以下となっている。よって、初期位置から左打ち基準位置までの間の操作トルクの増加量と、左打ち基準位置から最大回転位置までの間の操作トルクの増加量とを比較した場合であっても、後者の増加量が前者の増加量に比べて極端に大きくはなっていない。したがって、増加量Aと増加量Bとの差が小さく、左打ちに比べて右打ちが極端に重いと感じることがないため、遊技者が疲れにくく、遊技者の負担を軽減することができる。また、遊技者が、左打ちと右打ちとの間で、操作トルクが大きく異なることによる違和感を覚えることがない。これにより、遊技者が快適に遊技を行うことができる。
【0083】
一方、比較例では、増加量Aは、38[N・mm]となっており、増加量Bは、83[N・mm]となっている。増加量Bは、増加量Aを2倍した値よりも大きい。よって、初期位置から左打ち基準位置までの間の操作トルクの増加量と、左打ち基準位置から最大回転位置までの間の操作トルクの増加量とを比較した場合、後者の増加量が前者の増加量に比べて極めて大きくなっている。したがって、増加量Aと増加量Bとの差が大きく、左打ちに比べて右打ちが極端に重いと感じる。このため、遊技者が疲れやすく、遊技者の負担が大きい。また、遊技者が、左打ちと右打ちとの間で、操作トルクが大きく異なることによる違和感を覚える場合がある。
【0084】
本実施形態では、
図12に示すように、初動トルクを小さくするとともに、操作トルクのトルクカーブを寝かせたトルクカーブとしている。初動トルクが小さく、かつトルクの変位量(増加量)が小さいため、遊技者が疲れにくいものとなっている。一方で、比較例では、初動トルクが大きくなっており、かつ操作トルクのトルクカーブが二次曲線状となっている。初動トルクが大きい上に、トルクの変位量(増加量)も大きいため、遊技者が疲れやすいものとなっている。
【0085】
図11に戻る。本実施形態では、第1操作角度は49°となっている。また、第2操作角度は100°となっている。フルストローク(第2操作角度)の略半分の操作角度で左打ちと右打ちとが区切られている。このため、遊技者が直感的に、左打ちと右打ちとの境界を認識しやすい。また、第2操作角度が100°となっており、例えば第2操作角度が120°である場合に比べて小さい角度となっている。このため、右打ちをする際に、手を回転させる量をより小さくできる。このため、遊技者が疲れにくく、遊技者の負担を軽減することができる。
【0086】
また、第1操作角度は第2操作角度(フルストローク)の半分以下となっている。このため、フルストロークの半分以下の操作角度で左打ちを行うことができる。また、フルストロークの半分以下の操作角度では、右打ちとならないようになっている。これにより、遊技者が左打ちと右打ちとを明確に区別することができる。
【0087】
(実施例2)
図13に示すように、第1操作トルクは27.2[N・mm]となっている。また、第2操作トルクは54.4[N・mm]となっている。また、第3操作トルクは95.2[N・mm]となっている。2操作トルクが第1操作トルクよりも大きく、第3操作トルクが第2操作トルクよりも大きくなっている。なお、比較例として示すハンドルでは、第1操作トルクは31[N・mm]、第2操作トルクは69[N・mm]、第3操作トルクは152[N・mm]となっている。
図14は、それらの関係をグラフで示したものである。
【0088】
第1操作トルク、第2操作トルクおよび第3操作トルクが比較例よりも小さい値となっている。このため、遊技者は、より少ない力でハンドルリング342を回転させることができる。すなわち、遊技者は、ハンドルリング342の操作を軽いと感じることができる。これにより、遊技者が疲れにくくなり、遊技者の負担を軽減することができる。また、ハンドルリング342は自動復帰する際、ストッパー(図示せず)に当接して回転が停止するようになっているが、第1操作トルク~第3操作トルクがいずれも小さい値となっているため、自動復帰した際にストッパーに加わる衝撃が小さくなる。このため、ストッパーの消耗(摩耗)を抑制し、操作頻度の多い部品であるハンドル340の故障リスクを低減できる。すなわち、ハンドル340の耐久性を向上させることができる。
【0089】
また、第1操作トルク~第3操作トルクが比較例よりも小さい値となっているため、ハンドルリング342と本体部341(
図5参照)との間に作用する摩擦の力を小さくすることができる。このため、当該摩擦の力が大きいことに起因する摩耗を押さえることができ、部品の耐久性を向上させることができる。
【0090】
また、第1操作トルクが27.2[N・mm]であり、6.8[N・mm]以上となっているため、初動を軽くしつつハンドルリング342の自動復帰が可能となっている。
【0091】
また、第3操作トルクは第2操作トルクよりも大きくなっているが、第3操作トルクの値(95.2[N・mm])は、第2操作トルクの値を2倍した値(108.8[N・mm])以下となっている。比較例のように第3操作トルクの値(152[N・mm])が、第2操作トルクの値を2倍した値(138[N・mm])よりも大きくなっている場合、左打ち基準位置から最大回転位置(右打ち基準位置)までの間に操作トルクが急激に上昇することとなる。その場合、左打ち基準位置から最大回転位置まで回転させるのにより大きな力を要することとなる。本例では、第3操作トルクの値が、第2操作トルクを2倍した値以下となっており、第2操作トルクと第3操作トルクの差が小さくなっているため、左打ち基準位置から最大回転位置までの間に操作トルクが急激に増大せず、遊技者は第2操作トルクと第3操作トルクとの差が小さいと感じる。このため、遊技者が疲れにくくなり、遊技者の負担を軽減することができる。
【0092】
また、第2操作トルクは第1操作トルクよりも大きくなっているが、第2操作トルクの値(54.4[N・mm])は、第1操作トルクの値を2倍した値(54.4[N・mm])以下となっている。比較例のように第2操作トルクの値(69[N・mm])が、第1操作トルクを2倍した値(62[N・mm])よりも大きくなっている場合、初期位置から左打ち基準位置までの間に操作トルクが急激に上昇することとなる。その場合、初期位置から左打ち基準位置まで回転させるのにより大きな力を要することとなる。本例では、第2操作トルクの値が、第1操作トルクを2倍した値以下となっており、第1操作トルクと第2操作トルクとの差が小さくなっているため、初期位置から左打ち基準位置までの間に操作トルクが急激に増大せず、遊技者は第1操作トルクと第2操作トルクとの差を小さいと感じる。このため、遊技者が疲れにくく、遊技者の負担を軽減することができる。
【0093】
また、
図13に示すように、第1操作トルクと第2操作トルクとの差(変位量)を増加量Aとする。増加量Aは、27.2[N・mm]となっている。また、第2操作トルクと第3操作トルクとの差(変位量)を増加量Bとする。増加量Bは、40.8[N・mm]となっている。本実施形態では、増加量Aを2倍した値(54.4)が増加量B(40.8)よりも大きくなっている(2A>B)。換言すると、増加量Bは増加量Aを2倍した値以下となっている。よって、初期位置から左打ち基準位置までの間の操作トルクの増加量と、左打ち基準位置から最大回転位置までの間の操作トルクの増加量とを比較した場合であっても、後者の増加量が前者の増加量に比べて極端に大きくはなっていない。したがって、増加量Aと増加量Bとの差が小さく、左打ちに比べて右打ちが極端に重いと感じることがないため、遊技者が疲れにくく、遊技者の負担を軽減することができる。また、遊技者が、左打ちと右打ちとの間で、操作トルクが大きく異なることによる違和感を覚えることがない。これにより、遊技者が快適に遊技を行うことができる。
【0094】
本実施形態では、
図14に示すように、操作トルクのトルクカーブを寝かせたトルクカーブとしている。トルクの変位量(増加量)が小さいため、遊技者が疲れにくいものとなっている。一方で、比較例では、操作トルクのトルクカーブが二次曲線状となっている。トルクの変位量(増加量)も大きいため、遊技者が疲れやすいものとなっている。
【0095】
第1操作トルクは、実施例1で示した6.8[N・mm]~実施例2で示した27.
2[N・mm]の範囲内としてもよい。また、第2操作トルクは、実施例1で示した13.6[N・mm]~実施例2で示した54.4[N・mm]の範囲内としてもよい。また、第3操作トルクは、実施例1で示した23.8[N・mm]~実施例2で示した95.2[N・mm]の範囲内としてもよい。また、第3操作トルク(右打ち基準位置)は、100[N・mm]以下であることが好ましい。
【0096】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、パチンコ遊技機の構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。本発明は発明の範囲内において、任意の構成要素の変形、もしくは任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0097】
100 遊技機
102 外枠
104 内枠
300 前枠
342 ハンドルリング(ハンドル)