IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-シート積載装置及び画像形成装置 図1
  • 特許-シート積載装置及び画像形成装置 図2
  • 特許-シート積載装置及び画像形成装置 図3
  • 特許-シート積載装置及び画像形成装置 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】シート積載装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/26 20060101AFI20241015BHJP
【FI】
B65H1/26 312H
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020091344
(22)【出願日】2020-05-26
(65)【公開番号】P2021187572
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神成 勲
(72)【発明者】
【氏名】関口 肇
(72)【発明者】
【氏名】田岡 桂太朗
(72)【発明者】
【氏名】中川 弘之
(72)【発明者】
【氏名】塩沢 未沙樹
(72)【発明者】
【氏名】田村 紅葉
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-107010(JP,A)
【文献】特開2019-059610(JP,A)
【文献】特開平04-323130(JP,A)
【文献】特開2017-193437(JP,A)
【文献】特開2001-301993(JP,A)
【文献】特開2016-030654(JP,A)
【文献】特開平03-067835(JP,A)
【文献】特開2004-256287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00-3/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
前記装置本体に対して引き出し及び装着可能に設けられ、シートを積載するシート積載部と、
前記装置本体に設けられ、前記シート積載部が前記装置本体から引き出される途中で、前記シート積載部に突き当たって前記シート積載部の引き出し方向における移動を規制する規制ユニットと、を備え、
前記規制ユニットは、前記シート積載部が前記引き出し方向に移動する際の移動軌跡にオーバーラップする規制位置と、前記移動軌跡にオーバーラップしない退避位置と、に移動可能な規制部と、前記規制部を前記規制位置に付勢する付勢部と、操作者によって操作される操作部と、を有
前記規制部は、操作者が前記操作部を操作することで前記付勢部の付勢力に抗して前記規制位置から前記退避位置に移動可能である、
ことを特徴とするシート積載装置。
【請求項2】
前記操作部は、前記規制部と一体に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のシート積載装置。
【請求項3】
前記規制部は、回動軸を中心に前記規制位置と前記退避位置との間で回動可能に支持される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシート積載装置。
【請求項4】
前記規制部は、鉛直方向に延びる前記回動軸を中心に前記規制位置と前記退避位置との間で回動可能に支持される、
ことを特徴とする請求項3に記載のシート積載装置。
【請求項5】
前記装置本体は、前記付勢部によって付勢された前記規制部に突き当たることで、前記規制部を前記規制位置に位置決めするストッパを更に備える、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のシート積載装置。
【請求項6】
前記規制部は、前記規制部が前記規制位置に位置する状態で前記引き出し方向に対して傾斜する傾斜面を有し、前記装置本体に向けて装着される前記シート積載部に前記傾斜面が押圧されることで、前記規制位置から前記退避位置に向けて移動する、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のシート積載装置。
【請求項7】
前記装置本体は、前記シート積載部を前記引き出し方向に案内するガイド部を備え、
前記規制ユニットは、前記ガイド部に設けられる、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のシート積載装置。
【請求項8】
前記装置本体は、前記シート積載部を前記引き出し方向に案内するガイドレールを備える、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシート積載装置。
【請求項9】
前記シート積載部に積載されたシートを給送する給送部を更に備え、
前記給送部は、前記シート積載部が前記装置本体から取り外された状態で交換される、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のシート積載装置。
【請求項10】
前記規制部は、前記シート積載部が前記装置本体から引き出される途中で、前記シート積載部の当接部に突き当たって前記シート積載部の前記引き出し方向における移動を規制し、
前記規制部は、前記規制位置において、前記シート積載部の前記当接部が前記引き出し方向に移動する際の移動軌跡にオーバーラップし、
前記操作部は、平面視において、前記移動軌跡に重ならない位置に配置される、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のシート積載装置。
【請求項11】
前記規制ユニットを前記規制位置から前記退避位置に移動させる際に前記操作部が移動する方向は、水平方向である、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシート積載装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載のシート積載装置と、
シートに画像を形成する画像形成部と、を備える、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
画像形成部を含む本体と、
前記本体に対して引き出し及び装着可能に設けられ、前記画像形成部によって画像が形成されるシートを積載するシート積載部と、
前記本体に設けられ、前記シート積載部が前記本体から引き出される途中で、前記シート積載部に突き当たって前記シート積載部の引き出し方向における移動を規制する規制ユニットと、を備え、
前記規制ユニットは、前記シート積載部が前記引き出し方向に移動する際の移動軌跡にオーバーラップする規制位置と、前記移動軌跡にオーバーラップしない退避位置と、に移動可能な規制部と、前記規制部を前記規制位置に付勢する付勢部と、操作者によって操作される操作部と、を有し、
前記規制部は、操作者が前記操作部を操作することで前記付勢部の付勢力に抗して前記規制位置から前記退避位置に移動可能である、
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを積載するシート積載装置及びこれを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給紙トレイが給紙部から外れて落下しないように、引き抜き落下防止手段を備えた複写装置が提案されている(特許文献1参照)。該引き抜き落下防止手段は、スライドレールに形成されたネジ孔に螺合されたネジと、給紙トレイに形成され、ネジに当接可能な突起と、を有する。ネジは、給紙トレイの突起に当接可能な正規位置と、給紙トレイの突起に当接しないように退避した解除位置と、に移動可能である。給紙トレイを取り外す時には、ネジはドライバ等の工具によって解除位置に移動される。
【0003】
また、給紙トレイには、解除位置に位置するネジに当接可能なリブが設けられ、一旦取り外された給紙トレイがセット位置に装着される際に、リブが解除位置に位置するネジに当接することで、ネジを解除位置から正規位置へ戻し忘れることを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平8-157080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のネジは、ユーザによって工具で操作する必要があり、操作性に課題があった。また、給紙トレイを装着する際には、ネジを解除位置から正規位置へわざわざユーザが移動させる必要があり、操作性に課題があった。
【0006】
そこで、本発明は、操作性を向上したシート積載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、シート積載装置において、装置本体と、前記装置本体に対して引き出し及び装着可能に設けられ、シートを積載するシート積載部と、前記装置本体に設けられ、前記シート積載部が前記装置本体から引き出される途中で、前記シート積載部に突き当たって前記シート積載部の引き出し方向における移動を規制する規制ユニットと、を備え、前記規制ユニットは、前記シート積載部が前記引き出し方向に移動する際の移動軌跡にオーバーラップする規制位置と、前記移動軌跡にオーバーラップしない退避位置と、に移動可能な規制部と、前記規制部を前記規制位置に付勢する付勢部と、操作者によって操作される操作部と、を有前記規制部は、操作者が前記操作部を操作することで前記付勢部の付勢力に抗して前記規制位置から前記退避位置に移動可能である、ことを特徴とする。
また、本発明は、画像形成装置において、画像形成部を含む本体と、前記本体に対して引き出し及び装着可能に設けられ、前記画像形成部によって画像が形成されるシートを積載するシート積載部と、前記本体に設けられ、前記シート積載部が前記本体から引き出される途中で、前記シート積載部に突き当たって前記シート積載部の引き出し方向における移動を規制する規制ユニットと、を備え、前記規制ユニットは、前記シート積載部が前記引き出し方向に移動する際の移動軌跡にオーバーラップする規制位置と、前記移動軌跡にオーバーラップしない退避位置と、に移動可能な規制部と、前記規制部を前記規制位置に付勢する付勢部と、操作者によって操作される操作部と、を有し、前記規制部は、操作者が前記操作部を操作することで前記付勢部の付勢力に抗して前記規制位置から前記退避位置に移動可能である、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、操作性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態に係るプリンタを示す全体概略図。
図2】シート給送ユニットを示す斜視図。
図3】可動ストッパユニットを示す斜視図。
図4】(a)は、規制位置に位置する可動ストッパを示す平面図、(b)は退避位置に位置する可動ストッパを示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係る画像読取装置及び画像形成装置について、図面を参照しながら説明する。以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、本技術の適用範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0011】
[プリンタの概略構成]
まず、画像形成装置としてのプリンタ100の概略構成について図1を参照しながら説明する。プリンタ100は、図1に示すように、プリンタ本体10と、画像読取装置200と、を備えている。
【0012】
プリンタ本体10の上方に配置された画像読取装置200は、読取ユニット210及びADF220を備え、これら読取ユニット210及びADF220は、それぞれ第1読取部211及び第2読取部251を有している。第1読取部211は、流し読み又は固定読みの時に原稿Gの第1面の画像を読み取る。第2読取部251は、流し読みの時に原稿Gの第2面の画像を読み取る。なお、本実施の形態におけるシートとは、用紙及び封筒等の紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート(OHP)等のプラスチックフィルム、布などのシートを含み、原稿Gも含む。画像読取装置200によって電気信号に変換された画像情報は、プリンタ本体10に設けられた制御部50へと転送される。
【0013】
プリンタ本体10は、記録媒体であるシートSに画像を形成する画像形成部20と、画像形成部20にシートSを給送するシート給送ユニット30と、定着部25と、を有している。シート積載装置としてのシート給送ユニット30は、互いに異なるサイズのシートを収納可能なシート積載部1,60A,60B,60Cを備えている。各シート積載部に収納されたシートは、給送部としてのピックアップローラ2によって繰り出され、フィードローラ3及びリタードローラ4によって1枚ずつ分離されて、搬送される。
【0014】
そして、シートSは、シート搬送路15に沿って配置された複数の搬送ローラ対に順に受け渡されることで、レジストレーションローラ対11へと搬送される。レジストレーションローラ対11は、シートSの先端を停止させて斜行を補正すると共に、画像形成部20によるトナー像の形成プロセスである作像動作の進行に合わせてシートSの搬送を再開する。
【0015】
シートSに画像を形成する画像形成部20は、感光体である感光ドラム22を備えた電子写真方式の画像形成ユニットである。感光ドラム22は、シートSの搬送方向に沿って回転可能であり、感光ドラム22の周囲には帯電器26、露光装置21、現像器23、転写帯電器24、分離帯電器27、及びクリーナ28が配置されている。帯電器26は感光ドラム22の表面を一様に帯電させ、露光装置21は画像読取装置200等から入力される画像情報に基づいて感光ドラム22を露光し、ドラム上に静電潜像を形成する。
【0016】
現像器23は、トナー及びキャリアを含む二成分現像剤を収容しており、感光ドラム22に帯電したトナーを供給することで静電潜像をトナー像に現像する。感光ドラム22に担持されたトナー像は、転写帯電器24が形成するバイアス電界により、レジストレーションローラ対11から搬送されるシートSに転写される。トナー像を転写されたシートSは、分離帯電器27が形成するバイアス電界によって感光ドラム22から離間し、定着前搬送部29によって定着部25へ向けて搬送される。なお、シートSに転写されずに感光ドラム22に残留した転写残トナー等の付着物はクリーナ28によって除去され、感光ドラム22は次の作像動作に備える。
【0017】
定着部25に搬送されたシートSは、ローラ対に挟持されて加圧されながら加熱され、トナーの溶融・固着により画像を定着させられる。画像出力が完了している場合、定着画像が得られたシートSは、排出ローラ対46を介して、プリンタ本体10の外方に突出した排出トレイ45に排出される。両面印刷においてシートSの裏面に画像を形成する場合、定着部25を通過したシートSは、反転部47によって表面と裏面とを入れ替えられ、両面搬送部48によってレジストレーションローラ対11へと搬送される。そして、画像形成部20によって再び画像を形成されたシートSは、排出トレイ45に排出される。
【0018】
[シート給送ユニット]
次に、シート給送ユニット30について詳述する。なお、以下では、カセットから構成されるシート積載部1及びその周辺構成を例に説明するが、他のシート積載部60A,60B,60Cについてもシート積載部1と同様の構成を有している。
【0019】
シート給送ユニット30は、図2に示すように、装置本体70と、装置本体70に対して引き出し及び装着可能に設けられ、シートSを積載するシート積載部1と、を有している。装置本体70は、筐体フレーム71と、筐体フレーム71に固定されるガイド部としてのガイドレール5L,5Rと、を有し、ガイドレール5L,5Rは、シート積載部1を引き出し方向DDに案内する。
【0020】
ガイドレール5Lには、不図示の固定ストッパが設けられており、ガイドレール5Rには、規制ユニットとしての可動ストッパユニット80が設けられている。シート積載部1が装置本体70から引き出される途中で、これら固定ストッパ及び可動ストッパユニット80にシート積載部1が突き当たることで、シート積載部1の引き出し方向DDにおける移動が規制される。これにより、シート積載部1の落下が防止される。なお、シート積載部1は、固定ストッパ及び可動ストッパユニット80に突き当たったシート補給位置において、シートSの補給が可能である。
【0021】
[可動ストッパユニットの構成]
次に、図3乃至図4(b)を用いて、可動ストッパユニット80の構成について詳述する。可動ストッパユニット80は、図3乃至図4(b)に示すように、回動軸81を中心に回動可能に支持される可動ストッパ6と、付勢部としてのバネ7と、を有している。規制部としての可動ストッパ6は、図4(a)に示す規制位置と、図4(b)に示す退避位置と、の間で移動可能であり、バネ7によって、規制位置に付勢されている。規制位置は、図4(a)に示すように、シート積載部1が引き出し方向DDに移動する際の移動軌跡Tに可動ストッパ6がオーバーラップする位置である。退避位置は、図4(b)に示すように、上記移動軌跡Tに可動ストッパ6がオーバーラップしない位置である。
【0022】
ガイドレール5Rには、第1ストッパ82a及び第2ストッパ82bが設けられており、バネ7によって付勢された可動ストッパ6は、ストッパとしての第1ストッパ82aに突き当たることで、規制位置に位置決めされる。可動ストッパ6は、操作部6aをユーザによって回動操作されることで、バネ7の付勢力に抗して規制位置から退避位置に向けて回動する。可動ストッパ6は、退避位置に位置する時に、第2ストッパ82bに突き当たる。このため、ユーザは、操作部6aを操作する際に、退避位置に可動ストッパ6が到達したことを容易に認識することができ、安定して可動ストッパ6を退避位置に保持することができる。
【0023】
可動ストッパ6には、シート積載部1の当接部1aに突き当て可能な突き当て部6bと、傾斜面6cと、を有している。傾斜面6cは、可動ストッパ6が規制位置に位置する状態で、引き出し方向DDに対して傾斜している。より詳しくは、傾斜面6cは、引き出し方向DDにおける下流に向かうにつれて、引き出し方向DDに直交する幅方向Wにおいてシート給送ユニット30の外側に向けて延びている。
【0024】
[可動ストッパユニットの作用]
次に、図4(a)(b)を用いて、可動ストッパユニット80の作用について説明する。まず、シート積載部1を装置本体70から取り出さず、シート補給位置まで引き出す動作について説明する。本動作においては、ユーザは、可動ストッパ6の操作部6aを操作せずに、シート積載部1を装置本体70から引き出す。
【0025】
可動ストッパ6の操作部6aを操作していないときには、可動ストッパ6は、図4(a)に示すように、バネ7によって規制位置で位置決めされている。この状態でシート積載部1を装置本体70から引き出すと、移動軌跡Tに可動ストッパ6の突き当て部6bがオーバーラップしているため、突き当て部6bがシート積載部1の当接部1aに突き当たる。これにより、シート積載部1はシート補給位置で停止し、装置本体70からの脱落が防止される。
【0026】
続いて、シート積載部1を装置本体70から取り外す動作について説明する。本動作においては、ユーザは、可動ストッパ6の操作部6aを操作しながら、シート積載部1を装置本体70から引き出す。
【0027】
可動ストッパ6の操作部6aをユーザが回動操作すると、可動ストッパ6は、図4(b)に示すように、バネ7の付勢力に抗して退避位置で保持される。この状態でシート積載部1を装置本体70から引き出すと、移動軌跡Tから可動ストッパ6が退避するため、可動ストッパ6がシート積載部1の引き出し方向DDにおける移動を阻害することはない。このため、シート積載部1を装置本体70から容易に取り外すことができる。なお、シート積載部1を、可動ストッパ6を超えて引き出した後に、シート積載部1を装置右方向に移動させることにより、左側のガイドレール5Lに設けられた固定ストッパとシート積載部1との係合を解除することができる。
【0028】
シート積載部1を装置本体70から取り外した後に、ユーザが可動ストッパ6の操作部6aの操作を終了すると、バネ7の付勢力により、可動ストッパ6は再び規制位置に位置決めされる。シート積載部1を装置本体70から取り外した状態では、ピックアップローラ2等の内部部品を交換することができる。
【0029】
最後に、図4(a)(b)を参照して、シート積載部1を装置本体70から取り外した状態から、再び装置本体70へ装着する動作について説明する。本動作においては、ユーザは、まずシート積載部1を、ガイドレール5Lに固定ストッパを乗り越えて装着した後、ガイドレール5Rに装着する。
【0030】
そして、ユーザは、可動ストッパ6の操作部6aを操作せずに、シート積載部1を装置本体70に挿入する。この時、可動ストッパ6は、操作部6aを操作されていないため規制位置に位置している。シート積載部1を装置本体70に挿入していくと、可動ストッパ6の傾斜面6cがシート積載部1に押圧され、可動ストッパ6は、バネ7の付勢力に抗して、回動軸81を中心に規制位置から退避位置へ向けて回動する。
【0031】
そして、可動ストッパ6が退避位置に保持された状態で、シート積載部1は傾斜面6cに摺接しながら装置本体70に挿入されていく。なお、この時、傾斜面6cは、図4(b)に示すように、引き出し方向DDに沿った方向に延びている。すなわち、傾斜面6cは、退避位置において、引き出し方向DDに沿った方向に延びている。これにより、シート積載部1は、可動ストッパ6との引っ掛かりを低減しつつ、滑らかに装置本体70に装着することができる。傾斜面6cがシート積載部1の当接部分を乗り換えると、可動ストッパ6はバネ7の付勢力によって、規制位置へ復帰する。
【0032】
また、本動作は、可動ストッパ6の操作部6aを操作しながら行うこともできる。この場合には、シート積載部1は、ユーザによって可動ストッパ6が退避位置へ回動操作された状態で、装置本体70に挿入される。このため、シート積載部1は、可動ストッパ6に接触することなく、装置本体70に装着される。
【0033】
以上の構成により、可動ストッパ6を規制位置から退避位置に移動させる際に、工具が必要なく、簡単なユーザ操作で可動ストッパ6を移動させることができる。更に、可動ストッパ6を退避位置に移動した場合には、可動ストッパ6の操作を終了するだけで、バネ7の付勢力により可動ストッパ6が退避位置から規制位置に自動的に復帰する。このため、わざわざ可動ストッパ6を退避位置から規制位置に移動操作する必要がない。従って、シート積載部1の挿抜に伴って可動ストッパ6を操作する際の操作性を向上することができる。
【0034】
また、シート積載部1を装置本体70から取り外した後に再び装置本体70に挿入する際には、可動ストッパ6を操作することなく、シート積載部1を単に装置本体70に挿入するだけで、シート積載部1を装着することができる。このため、可動ストッパ6を退避位置から規制位置に戻し忘れるということが無く、かつユーザビリティを向上することができる。
【0035】
<その他の実施形態>
なお、上述の実施の形態では、可動ストッパユニット80を右側のガイドレール5Rに配置し、固定ストッパを左側のガイドレール5Lに配置したが、これに限定されない。例えば、可動ストッパユニット80を左側のガイドレール5Lに配置し、固定ストッパを右側のガイドレール5Rに配置してもよい。また、左右のガイドレール5L,5Rの両方に可動ストッパユニット80を配置してもよい。
【0036】
また、上述の実施の形態では、シート積載部1の引き出しを規制する可動ストッパユニット80を例に説明したが、これに限定されない。例えば、シート積載部60A,60B,60Cの引き出しを規制する可動ストッパユニット80を設けてもよい。また、給送されるシートを収納するカセットのみに限らず、シートを収容する大容量デッキや、排出されたシートが収納される排出シート積載部に本発明を適用してもよい。
【0037】
また、上述の実施の形態では、可動ストッパ6が回動可能に設けられていたが、これに限定されない。例えば、可動ストッパ6は、規制位置と退避位置との間でスライド移動可能に設けられてもよい。また、バネ7は、コイルバネに限らず、板バネや皿バネ等の他のバネを適用してもよい。
【0038】
また、上述の実施の形態では、可動ストッパ6に傾斜面6cを設けたが、これに限定されない。シート積載部1を挿入する際に、シート積載部1に押圧されて可動ストッパ6が退避位置へ移動するのであれば、傾斜面6cを省いてもよい。
【0039】
また、上述の実施の形態では、ユーザが操作する若しくは挿入されるシート積載部1に押圧されることで可動ストッパ6は規制位置から退避位置に移動したが、これに限定されない。例えば、ソレノイド等のアクチュエータによって可動ストッパ6を規制位置から退避位置に移動可能に構成してもよい。
【0040】
また、上述の実施の形態では、電子写真方式のプリンタ100を用いて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ノズルからインク液を吐出させることでシートに画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置にも本発明を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0041】
1:シート積載部/2:給送部(ピックアップローラ)/5L,5R:ガイド部(ガイドレール)/6:規制部(可動ストッパ)/6c:傾斜面/20:画像形成部/30:シート積載装置(シート給送ユニット)/70:装置本体/80:規制ユニット(可動ストッパユニット)/81:回動軸/82a:ストッパ(第1ストッパ)/100:画像形成装置(プリンタ)/DD:引き出し方向/T:移動軌跡
図1
図2
図3
図4