IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社岡村製作所の特許一覧

<>
  • 特許-什器システム 図1
  • 特許-什器システム 図2
  • 特許-什器システム 図3
  • 特許-什器システム 図4
  • 特許-什器システム 図5
  • 特許-什器システム 図6
  • 特許-什器システム 図7
  • 特許-什器システム 図8
  • 特許-什器システム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】什器システム
(51)【国際特許分類】
   A47B 7/00 20060101AFI20241015BHJP
   A47B 96/18 20060101ALI20241015BHJP
   A47B 13/00 20060101ALI20241015BHJP
   A47B 13/02 20060101ALI20241015BHJP
   A47B 13/06 20060101ALI20241015BHJP
   A47B 17/04 20060101ALI20241015BHJP
【FI】
A47B7/00 A
A47B96/18 C
A47B13/00 Z
A47B13/02
A47B13/06
A47B17/04
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020181227
(22)【出願日】2020-10-29
(65)【公開番号】P2022072033
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】山本 崇之
(72)【発明者】
【氏名】▲崎▼本 隆之
(72)【発明者】
【氏名】上田 洋士
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-206701(JP,A)
【文献】特開2000-333738(JP,A)
【文献】特開2010-035566(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 7/00
A47B 96/18
A47B 13/00
A47B 13/02
A47B 13/06
A47B 17/04
F16B 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一天板及び前記第一天板を支持する第一支持構造体を有する第一什器と、
前記第一天板の左右方向の一方側に配置されて前記第一天板に連結され、前記第一天板の前縁よりも前側に延びる第二天板及び前記第二天板を支持する第二支持構造体を有する第二什器と、を備え、
前記第二什器は、
前記第二天板の下方に配置され、前記左右方向の一方側を閉塞する一の閉塞部材をし、
前記第一什器は、
前記第一天板の下方に配置され、前記左右方向の一方側を閉塞する他の閉塞部材を有し、
前記一の閉塞部材と前記他の閉塞部材とを連結する連結部材を備える什器システム。
【請求項2】
前記第一支持構造体は、床面から立設された支持脚を有し、
前記一の閉塞部材には、前記支持脚の前方に配置される一の固定部が設けられ、
前記他の閉塞部材には、前記支持脚の後方に配置される他の固定部が設けられ、
前記連結部材は、前後方向に並んで配置された前記一の固定部、前記支持脚及び前記他の固定部を前後方向に挟持している請求項に記載の什器システム。
【請求項3】
前記第一支持構造体は、前記一の閉塞部材及び前記他の閉塞部材の少なくともいずれか一方における前記左右方向の他方側を向く面に当接配置されている請求項またはに記載の什器システム。
【請求項4】
前記一の閉塞部材の前記左右方向の一方側を向く面及び前記他の閉塞部材の前記左右方向の一方側を向く面は、前後方向に沿う同一平面上に配置されている請求項からのいずれか一項に記載の什器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、什器システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、オフィスや研究施設、病院、学校などの執務空間には、各種作業等を行うための天板を備えたデスク装置、テーブル装置、カウンター装置等の天板付き什器が設置されている。
【0003】
天板上の作業スペースを確保するために、利用者の前方に設置される什器に加えて、利用者の側方にも天板を備えた他の什器を設置する場合がある(下記の特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4806752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、利用者の側方に設置される什器側から見ると、前方または側方の什器を使用している利用者の下肢が露呈してしまうという問題点がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、利用者の下肢が露呈することを抑制することができる什器システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る什器システムは、第一天板及び前記第一天板を支持する第一支持構造体を有する第一什器と、前記第一天板の左右方向の一方側に配置されて前記第一天板に連結され、前記第一天板の前縁よりも前側に延びる第二天板及び前記第二天板を支持する第二支持構造体を有する第二什器と、を備え、前記第二什器は、前記第二天板の下方に配置され、前記左右方向の一方側を閉塞する一の閉塞部材をし、前記第一什器は、前記第一天板の下方に配置され、前記左右方向の一方側を閉塞する他の閉塞部材を有し、前記一の閉塞部材と前記他の閉塞部材とを連結する連結部材を備える。
【0008】
このように構成された什器システムでは、利用者の左右方向の一方側に配置される第二什器には、第二天板の下方に左右方向の一方側を閉塞する一の閉塞部材が配置されている。よって、第二什器側(左右方向の一方側)から利用者を見ると、一の閉塞部材で利用者の下肢が隠れるため、利用者の下肢が露呈することを抑制することができる。
また、一の閉塞部材は、第一天板の下方に左右方向の一方側を閉塞する他の閉塞部材と、連結部材で連結されている。一の閉塞部材を第一支持構造体に直接螺子固定する場合には、一の閉塞部材を取り外した際に第一支持構造体に螺子孔等が残る。本発明では、上記のように一の閉塞部材を連結部材を介して他の閉塞部材に固定するため、第一支持構造体に螺子孔を設ける必要がなく、一の閉塞部材を取り外して使用する際に外観が良い。
【0011】
また、本発明に係る什器システムでは、前記第一支持構造体は、床面から立設された支持脚を有し、前記一の閉塞部材には、前記支持脚の前方に配置される一の固定部が設けられ、前記他の閉塞部材には、前記支持脚の後方に配置される他の固定部が設けられ、前記連結部材は、前後方向に並んで配置された前記一の固定部、前記支持脚及び前記他の固定部を前後方向に挟持していてもよい。
【0012】
このように構成された什器システムでは、連結部材で、前後方向に並んで配置された一の固定部、支持脚及び他の固定部を前後方向に挟持している。よって、一の閉塞部材及び他の閉塞部材の前後方向の位置ずれが抑制される。
【0013】
また、本発明に係る什器システムでは、前記第一支持構造体は、前記一の閉塞部材及び前記他の閉塞部材の少なくともいずれか一方における前記左右方向の他方側を向く面に当接配置されていてもよい。
【0014】
このように構成された什器システムでは、第一支持構造体は、一の閉塞部材及び他の閉塞部材の少なくともいずれか一方における左右方向の他方側を向く面に当接配置されている。よって、什器システムの第一天板及び第二天板の下方の空間において、左右方向の領域を大きく確保することができる。
【0015】
また、本発明に係る什器システムは、前記一の閉塞部材の前記左右方向の一方側を向く面及び前記他の閉塞部材の前記左右方向の一方側を向く面は、前後方向に沿う同一平面上に配置されていてもよい。
【0016】
このように構成された什器システムでは、一の閉塞部材の左右方向の一方側を向く面及び他の閉塞部材の左右方向の一方側を向く面は、前後方向に沿う同一平面上に配置されている。よって、第二什器側(左右方向の一方側)から利用者を見ると、一の閉塞部材と他の閉塞部材とが一体的に見えて、外観が良い。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る什器システムによれば、利用者の下肢が露呈することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る什器システムの平面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る什器システムを上方から見た斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る什器システムを下方から見た斜視図である。
図4図1のIV部の水平断面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る什器システムの他の閉塞部材の斜視図である。
図6】本発明の一実施形態に係る什器システムの他の閉塞部材と第一支持構造体との連結構成を示す図である。
図7図1のVII部の水平断面図である。
図8図1のVIII部の水平断面図である。
図9】本発明の一実施形態に係る什器システムにおいて一の閉塞部材及び他の閉塞部の固定を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<デスクシステム>
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、什器システムの平面図である。図1に示すように、本実施形態に係る天板付什器の一例であるデスクシステム100は、第一デスク(第一什器)1と第二デスク(第二什器)4とが隣接して設置されている。
【0020】
以下の説明において、デスクシステム100における利用者Pを向く側を「前」と呼び、それと逆側の向きを「後」と呼ぶものとする。また、利用者Pの上方を向く向きを「上」、それと逆側の向きを「下」と呼び、前方に向いて左方を「左」、右方を「右」と呼ぶこととする。各図においては、3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、X軸は、デスクシステム100の左右方向と平行に延び、+X方向が右方である。「Z方向」は、X軸と直交し、デスクシステム100の上下方向と平行に延び、+Z方向が上方である。Y軸は、X軸およびZ軸と直交し、「前後方向」と平行に延び、+Y方向が前方である。左右方向のことを幅方向と称することがある。デスクシステム100の幅方向の中央に向かう方向を幅方向の内側と称し、反対側を幅方向の外側と称することがある。同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略することがある。
【0021】
第一デスク1は、利用者Pの前方に配置されている。第二デスク4は、第一デスク1に向かって着座する利用者Pの左右方向の一方側である右側に配置されている。なお、第二デスク4は、利用者の左側に配置されていてもよい。
【0022】
<第一デスク>
図2は、デスクシステム100を上方から見た斜視図である。図3は、デスクシステム100を下方から見た斜視図である。図2及び図3に示すように、第一デスク1は、第一支持構造体10と、第一天板20と、第一正面幕板26と、第一側面幕板(他の閉塞部材)30と、を有している。
【0023】
第一支持構造体10は、一対の支持脚フレーム11を有している。一対の支持脚フレーム11は、左右方向に離間して配置されている。
【0024】
支持脚フレーム11は、一対の支持脚12と、上部連結材13と、下部連結材14と、を有している。
【0025】
一対の支持脚12は、前後方向に離間して配置されている。支持脚12は、上下方向に延びている。支持脚12の下端部には、アジャスタ12aが設けられている。アジャスタ12aは、床面に当接している。
【0026】
図4は、図1のIV部の水平断面図である。図4に示すように、後側の支持脚12(後側支持脚12Aとする)は、支持脚本体121と、補強材126と、を有している。支持脚本体121は、上下方向に延びる角管状に形成されている。
【0027】
補強材126は、水平断面視でL字状に形成されている。補強材126は、支持脚本体121の内部に配置されている。補強材126の一片127は、支持脚本体121の後側に位置する後面板部122に当接配置されている。補強材126の他片128は、支持脚本体121の左側(デスクシステム100の幅方向の内側)に位置する内面板部123に当接配置されている。
【0028】
図3に示すように、上部連結材13は、一対の支持脚12の上端部どうしを連結している。下部連結材14は、一対の支持脚12の下端部どうしを連結している。上部連結材13及び下部連結材14は、例えば角管状に形成されている。
【0029】
図2に示すように、第一天板20は、略平板状に形成されている。第一天板20の板面は、上下方向を向いている。本実施形態では、第一天板20は左右方向に長い長方形状をしている。第一天板20の上面20uは、利用者Pが作業可能な作業面とされている。
【0030】
第一天板20は、一対の支持脚フレーム11に支持されている。第一天板20の左右方向の端部は、支持脚フレーム11の上部連結材13にビス等により固定されている。
【0031】
第一正面幕板26は、第一天板20の下方に配置されている。第一正面幕板26は、左右方向に離間した支持脚フレーム11の後側支持脚12A間に配置されている。第一正面幕板26は、第一デスク1の後部を閉塞している。
【0032】
第一正面幕板26は、正面幕板本体27を有している。正面幕板本体27は、略平板状に形成されている。正面幕板本体27の板面は、前後方向を向いている、本実施形態では、正面幕板本体27は左右方向に長い長方形状をしている。
【0033】
図4に示すように、正面幕板本体27の左右方向の端部には、前方に向かって折曲された前向き壁部28が設けられている。前向き壁部28の後端部には、左側(デスクシステム100の幅方向の内側)に向かって折曲された内向き壁部29が設けられている。第一正面幕板26と後側支持脚12Aとの連結構造については、後述する。
【0034】
図3に示すように、第一側面幕板30は、第一天板20の下方に配置されている。第一側面幕板30は、右側の支持脚フレーム11の前後の支持脚12間に配置されている。第一側面幕板30は、第一デスク1の右側を閉塞している。
【0035】
図5は、第一側面幕板30の斜視図である。図5に示すように、第一側面幕板30は、第一側面幕板本体31と、第一後部固定部32と、第一前部固定部(他の固定部)33と、下部折曲部34と、を有している。
【0036】
第一側面幕板本体31は、略平板状に形成されている。第一側面幕板本体31の板面は、左右方向を向いている、本実施形態では、第一側面幕板本体31は前後方向に長い長方形状をしている。
【0037】
第一後部固定部32は、第一側面幕板本体31の右側を向く内面(デスクシステム100の幅方向の内側を向く面)31aの後端部に設けられている。第一後部固定部32は、上下方向に延びている。
【0038】
図4に示すように、第一後部固定部32は、固定壁部321と、内向き壁部322と、前向き壁部323と、折返し壁部324と、を有している。固定壁部321は、板状に形成されている。固定壁部321の板面は、左右方向を向いている。固定壁部321は、第一側面幕板本体31の内面31aに固定されている。内向き壁部322は、固定壁部321の後端部からデスクシステム100の幅方向の内側に折曲されている。内向き壁部322は、板状に形成されている。内向き壁部322の板面は、前後方向を向いている。前向き壁部323は、内向き壁部322の端部から前方に折曲されている。前向き壁部323は、板状に形成されている。前向き壁部323の板面は、左右方向を向いている。折返し壁部324は、前向き壁部323の後端部からデスクシステム100の幅方向の外側に折曲されている。折返し壁部324は、板状に形成されている。折返し壁部324の板面は、前後方向を向いている。
【0039】
第一側面幕板30の第一後部固定部32と後側支持脚12Aとは、係止フック36を介して連結されている。図9に示すように、係止フック36は、上下2箇所に設けられている。係止フック36は、クランク形状をしている。図4に示すように、係止フック36は、第一片部361と、第二片部362と、第三片部363と、を有している。第一片部361は、第一正面幕板26の前向き壁部28に当接配置されている。第二片部362は、第一片部361の前端部からデスクシステム100の幅方向の内側に折曲されている。第三片部363は、第二片部362の端部から前方に向かって折曲されている。第三片部363は、第一後部固定部32の前向き壁部323に当接配置されている。
【0040】
図6は、第一側面幕板30と第一支持構造体10との連結構成を示す図である。図6に示すように、螺子38が、係止フック36の第三片部363に形成された取付孔363h(図4参照)に挿通され、第一後部固定部32の前向き壁部323に形成された取付孔323h(図4参照)に螺合されている。このようにして、係止フック36は、第一側面幕板30の第一後部固定部32に固定されている。
【0041】
第一正面幕板26の前向き壁部28にはだるま孔28hが形成されている。だるま孔28hの上部の径は、だるま孔28hの下部の径よりも小さい。係止フック36の第一片部361の下部には、上方に向かって凹む係止孔361hが形成されている。図4に示すように、螺子37aが、係止フック36の係止孔361hに挿通され、第一正面幕板26のだるま孔28hの上部に挿通され、後側支持脚12Aの内面板部123に形成された取付孔123hに挿通され、補強材126の他片128に形成された取付孔128hに螺合されている。このように、第一正面幕板26が後側支持脚12Aに固定されるとともに、第一側面幕板30が後側支持脚12Aに固定されている。
【0042】
第一正面幕板26を後側支持脚12Aに固定する際には、後側支持脚12Aに螺子37aを螺合しておいて、第一正面幕板26のだるま孔28hの下部の径の大きい部分に螺子37aの頭部を挿通させて、第一正面幕板26を下方に移動させる。これによって、第一正面幕板26の位置決めがされる。図9に示すように、第一正面幕板26にだるま孔28hではなく螺子37bに対応した取付孔が形成されている箇所で、螺子37bで第一正面幕板26を後側支持脚12Aに固定する。なお、詳細については後述するが、螺子37aは、第一側面幕板30を固定した後に増し締めされる。
【0043】
図5に示すように、第一前部固定部33は、第一側面幕板本体31の右側を向く内面31aの前端部に設けられている。第一前部固定部33は、上下方向に延びている。
【0044】
第一前部固定部33は、固定壁部331と、後部壁部332と、前部壁部333と、を有している。固定壁部331は、板状に形成されている。固定壁部331の板面は、左右方向を向いている。固定壁部331は、第一側面幕板本体31の内面31aに固定されている。後部壁部332は、固定壁部331の後端部からデスクシステム100の幅方向の内側に折曲されている。後部壁部332は、板状に形成されている。後部壁部332の板面は、前後方向を向いている。後部壁部332には、板厚方向に貫通する取付孔332hが上下2箇所に形成されている。前部壁部333は、固定壁部331の前端部からデスクシステム100の幅方向の内側に折曲されている。前部壁部333は、板状に形成されている。前部壁部333の板面は、前後方向を向いている。
【0045】
図7は、図1のVII部の水平断面図である。図7に示すように、第一前部固定部33は、前側の支持脚12(前側支持脚12Bとする)のわずか後方に配置されている。
【0046】
図5に示すように、下部折曲部34は、第一側面幕板本体31の下端部から折り曲げられて形成されている。下部折曲部34は、第一側面幕板本体31の下端部からデスクシステム100の幅方向の内側に折曲された後、上方に折曲された形状をしている。
【0047】
<第二デスク>
図2に示すように、第二デスク4は、第二支持構造体40と、第二天板50と、第二側面幕板(一の閉塞部材)60と、を有している。
【0048】
第二支持構造体40は、一対の支持脚42と、上部連結材43と、下部連結材44と、を有している。
【0049】
一対の支持脚42は、左右方向に離間して配置されている。支持脚42は、上下方向に延びている。支持脚42の下端部には、アジャスタ42aが設けられている。アジャスタ42aは、床面に当接している。
【0050】
図8は、図1のVIII部の水平断面図である。図8に示すように、右側の支持脚42(右側支持脚42Aとする)は、支持脚本体421と、補強材426と、を有している。支持脚本体421は、上下方向に延びる角管状に形成されている。
【0051】
補強材426は、水平断面視でL字状に形成されている。補強材426は、支持脚本体421の内部に配置されている。補強材426の一片427は、支持脚本体421の右側に位置する右面板部422に当接配置されている。補強材426の他片428は、支持脚本体421の後側に位置する後面板部423に当接配置されている。
【0052】
図2に示すように、上部連結材43は、一対の支持脚42の上端部どうしを連結している。下部連結材44は、一対の支持脚42の下端部どうしを連結している。上部連結材43及び下部連結材44は、例えば角管状に形成されている。
【0053】
第二天板50は、略平板状に形成されている。第二天板50の板面は、上下方向を向いている。本実施形態では、第二天板50は前後方向に長い長方形状をしている。第二天板50の上面50uは、利用者Pが作業可能な作業面とされている。
【0054】
第二天板50は、第一天板20の前端部(前縁)20fよりも前側に延びている。本実施形態では、第二天板50の後端部50bが、第一天板20の前端部20fに当接している。
【0055】
第二天板50は、第二支持構造体40に支持されている。第二天板50の前端部は、第二支持構造体40の上部連結材43にビス等により固定されている。
【0056】
図3に示すように、第一天板20と第二天板50とは、天板連結材56を介して連結されている。天板連結材56は、第一天板20の下面20dと第二天板50の下面50dとにまたがって配置されている。天板連結材56は、板状に形成されている。天板連結材56の板面は、上下方向を向いている。天板連結材56は第一天板20及び第二天板50にビス57で固定されている。
【0057】
第二側面幕板60は、第二天板50の下方に配置されている。第二側面幕板60は、第一デスク1の前側支持脚12Bと第二デスク4の右側支持脚42Aとの間に配置されている。第二側面幕板60は、第二デスク4の右側を閉塞している。
【0058】
第二側面幕板60は、第二側面幕板本体61と、第二後部固定部(一の固定部)62(図9参照)と、下部折曲部64と、上部折曲部65と、を有している。
【0059】
第二側面幕板本体61は、略平板状に形成されている。第二側面幕板本体61の板面は、左右方向を向いている、本実施形態では、第二側面幕板本体61は前後方向に長い長方形状をしている。
【0060】
図7に示すように、第二側面幕板本体61の左側を向く内面(デスクシステム100の幅方向の内側を向く面)61aは、前側支持脚12Bに当接配置されている。第二側面幕板本体61の後端部には、左側(デスクシステム100の幅方向の内側)に向かって折曲された折曲板部611が設けられている。折曲板部611は、第一デスク1の前側支持脚12Bと第一側面幕板30の第一前部固定部33との間に挿入配置されている。
【0061】
図8に示すように、第二側面幕板本体61の前端部には、左側(デスクシステム100の幅方向の内側)に向かって折曲された内向き壁部612が設けられている。内向き壁部612の端部には、後方に向かって折曲された後向き壁部613が設けられている。螺子614が、内向き壁部612に形成された取付孔612hに挿通され、右側支持脚42Aの後面板部423に形成された取付孔423hに挿通され、補強材426の他片428に形成された取付孔428hに螺合されている。これによって、第二側面幕板60は、右側支持脚42Aに固定されている。
【0062】
図7に示すように、第二後部固定部62は、第二側面幕板本体61の内面61aの前部に設けられている。第二後部固定部62は、第一デスク1の第一前部固定部33と同様の構成をしている。第二後部固定部62は、上下方向に延びている。
【0063】
第二後部固定部62は、固定壁部331と、後部壁部332と、前部壁部333と、を有している。前部壁部333には、板厚方向に貫通する取付孔333hが上下2箇所に形成されている。
【0064】
第二後部固定部62は、第一デスク1の前側支持脚12Bの前方に前側支持脚12Bに当接配置されている。
【0065】
図3に示すように、第一デスク1の第一側面幕板30と第二デスク4の第二側面幕板60とは、幕板連結材(連結部材)66を介して連結されている。
【0066】
図7に示すように、幕板連結材66は、連結本体67と、後部固定板部68と、前部固定板部69と、を有している。連結本体67は、第一デスク1の第一前部固定部33、前側支持脚12B及び第二デスク4の第二後部固定部62の左側(デスクシステム100の幅方向の内側)に配置されている。連結本体67は、板状に形成されている。連結本体67の板面は、左右方向を向いている。連結本体67は、第一デスク1の第一前部固定部33から第二デスク4の第二後部固定部62まで覆う長さを有している。後部固定板部68は、連結本体67の後端部から右側に折曲されている。後部固定板部68は、第一前部固定部33の後部壁部332の後部に当接配置されている。前部固定板部69は、連結本体67の前端部から右側に折曲されている。前部固定板部69は、第二後部固定部62の前部壁部333の前部に当接配置されている。
【0067】
幕板連結材66は、前後方向に並んで配置された第一側面幕板30の第一前部固定部33、前側支持脚12B及び第二側面幕板60の第二後部固定部62を前後方向に挟持している。
【0068】
後部固定板部68に形成された取付孔68hに螺子68bが挿通され、第一前部固定部33の取付孔332hに螺合されている。前部固定板部69に形成された取付孔69hに螺子69bが挿通され、第二後部固定部62の取付孔333hに螺合されている。
【0069】
図9に示すように、下部折曲部64は、第二側面幕板本体61の下端部から折り曲げられて形成されている。下部折曲部64は、第二側面幕板本体61の下端部からデスクシステム100の幅方向の内側に折曲された後、上方に折曲された形状をしている。
【0070】
上部折曲部65は、第二側面幕板本体61の上端部から、デスクシステム100の幅方向の内側に折曲されている。上部折曲部65は、螺子65bで第二天板50に固定されている。
【0071】
図2に示すように、第一側面幕板30の第一側面幕板本体31の外面(デスクシステム100の幅方向の外側を向く面)31bと、第二側面幕板60の第二側面幕板本体61の外面(デスクシステム100の幅方向の外側を向く面)61bとは、前後方向及び鉛直方向に沿う同一平面上に(面一に)配置されている。
【0072】
次に、第一側面幕板30及び第二側面幕板60の固定方法について説明する。
図9は、デスクシステム100において第一側面幕板30及び第二側面幕板60の固定を示す図である。図9に示すように、第二デスク4の第二側面幕板60を第二天板50に螺子65bで固定するとともに、螺子614で右側支持脚42Aに固定する。
【0073】
第一デスク1の第一側面幕板30の第一後部固定部32に係止フック36を螺子38で固定する。係止フック36の係止孔361hに螺子37a,37bの頭部と螺子軸との境界部分を挿通させる。その後、螺子37a,37bを増し締めする。
【0074】
第一側面幕板30の第一前部固定部33及び第二側面幕板60の第二後部固定部62をデスクシステム100の幅方向の内側から覆うように、幕板連結材66を配置する。幕板連結材66を螺子68bで第一前部固定部33に固定するとともに、螺子69bで第二後部固定部62に固定する。
【0075】
このように構成されデスクシステム100では、利用者Pの左右方向の一方側に配置される第二デスク4には、第二天板50の下方に左右方向の一方側を閉塞する第二側面幕板60が配置されている。よって、第二デスク4側(左右方向の一方側)から利用者を見ると、第二側面幕板60で利用者Pの下肢が隠れるため、利用者Pの下肢が露呈することを抑制することができる。
【0076】
また、第二側面幕板60は、第一天板20の下方に左右方向の一方側を閉塞する第一側面幕板30と、幕板連結材66で連結されている。第二側面幕板60を第一支持構造体10に直接螺子固定する場合には、第二側面幕板60を取り外した際に第一支持構造体10に螺子孔等が残る。本実施形態では、上記のように第二側面幕板60を幕板連結材66を介して第一側面幕板30に固定するため、第一支持構造体10に螺子孔を設ける必要がなく、第二側面幕板60を取り外して使用する際に外観が良い。
【0077】
また、幕板連結材66で、前後方向に並んで配置された第二側面幕板60の第二後部固定部62、前側支持脚12B及び第一側面幕板30の第一前部固定部33を前後方向に挟持している。よって、第二側面幕板60及び第一側面幕板30の前後方向の位置ずれが抑制される。
【0078】
また、第一支持構造体10の前側支持脚12Bは、第二側面幕板60の第二側面幕板本体61の内面61aに当接配置されている。よって、デスクシステム100の第一天板20及び第二天板50の下方の空間において、左右方向の領域を大きく確保することができる。
【0079】
また、第一側面幕板30の第一側面幕板本体31の外面31bと、第二側面幕板60の第二側面幕板本体61の外面61bとは、前後方向及び鉛直方向に沿う同一平面上に(面一に)配置されている。よって、第二デスク4側(左右方向の一方側)から利用者を見ると、第二側面幕板60と第一側面幕板30とが一体的に見えて、外観が良い。
【0080】
なお、上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0081】
例えば、上記に示す実施形態では、第一デスク1に第一側面幕板30が設けられているが、本発明はこれに限られない。第一側面幕板30は設けられていなくてもよい。
【0082】
また、一の閉塞部材として、略平板状に形成された幕板を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られない。一の閉塞部材は、利用者の左右方向に一方側を上下方向の少なくとも一部閉塞すればよい。一の閉塞部材は、第二什器の前後方向の略全長にわたって設けられる(閉塞する)ことが好ましい。
【0083】
また、一の閉塞部材及び他の閉塞部材は、略平板状に形成された幕板に限られず、横桟等の所定の上下方向の高さのある長尺状の部材が、上下方向に複数配置されて構成されていてもよい。
【0084】
また、第一什器の支持構造体は、一対の支持脚12、上部連結材13及び下部連結材14が四方枠状に組付けられたフレーム脚であるが、これに限られない。第一什器の支持構造体は、板面が上下方向及び前後方向に沿うように配置された平板状のパネル材を有するパネル脚であってもよい。パネル脚は、フレーム脚の内部またはフレーム脚のデスクシステム100の幅方向の外側にパネル材が設けられた構成であってもよい。この場合には、第二什器の一の閉塞部材は、連結材を介してパネル脚に固定されていてもよい。
【0085】
また、第二デスク4の第二側面幕板60は、第二天板50に螺子65bで固定されているが、これに限られない。第二側面幕板60は、第二天板50に固定されていなくてもよい。
【0086】
また、第一側面幕板30は第一天板20の下方に、第一天板20と隙間を有して配置されていてもよい。第二側面幕板60は、第二天板50の下方に、第二天板50と隙間を有して配置されていてもよい。
【0087】
また、第一側面幕板30及び第二側面幕板60は前側支持脚12Bに直接固定されていてもよい。
【0088】
また、上記に示す実施形態では、前側支持脚12Bが第二側面幕板60の第二側面幕板本体61の内面61aに当接配置されているが、これに限られない。前側支持脚12Bは、第一側面幕板30の第一側面幕板本体31が更に前方まで延びて、前側支持脚12Bが第一側面幕板本体31の内面31aに当接配置していてもよい。あるいは、前側支持脚12Bが第二側面幕板本体61及び第一側面幕板本体31よりもデスクシステム100の幅方向の内側に隙間を有して配置されていてもよい。
【0089】
また、第一側面幕板30の第一側面幕板本体31の外面31bと、第二側面幕板60の第二側面幕板本体61の外面61bとは、前後方向及び鉛直方向に沿う同一平面上に(面一に)配置されていなくてもよい。あるいは、第一側面幕板本体31の外面31bと第二側面幕板本体61の外面61bとの間に、前側支持脚12Bが露出するように配置されていてもよい。この場合には、前側支持脚12Bをデスクシステム100の幅方向の外側に配置することができるため、デスクシステム100の第一天板20及び第二天板50の下方の空間において、左右方向の領域をさらに大きく確保することができる。
【0090】
また、上記に示す実施形態では、第二デスク4の第二天板50の後端部50bが、第一デスク1の第一天板20の前端部20fに当接しているが、これに限られない。第二デスク4の第二天板50の後端部50bが、第一デスク1の第一天板20の前端部20fの前方に隙間を有して配置されていてもよい。あるいは、第二天板の左右方向の他方側の端部が第一天板の左右方向に一方側の端部に当接して、第二天板が第一天板の前縁よりも前側に延びるように形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0091】
1 第一デスク(第一什器)、4 第二デスク(第二什器)、10 第一支持構造体、12 支持脚、12B 前側支持脚(支持脚)、20 第一天板、30 第一側面幕板(他の閉塞部材)、33 第一前部固定部(他の固定部)、40 第二支持構造体、42 支持脚、50 第二天板、60 第二側面幕板(一の閉塞部材)、62 第二後部固定部(一の固定部)、66 幕板連結材(連結部材)、100 デスクシステム(什器システム)、P 利用者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9