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特許7570939プログラム、情報処理方法、情報処理装置、及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法、情報処理装置、及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/34 20120101AFI20241015BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20241015BHJP
【FI】
G06Q50/34
G06T19/00 600
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021019665
(22)【出願日】2021-02-10
(65)【公開番号】P2022122436
(43)【公開日】2022-08-23
【審査請求日】2023-01-25
【審判番号】
【審判請求日】2024-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬場 功淳
(72)【発明者】
【氏名】松山 聡志
【合議体】
【審判長】松田 直也
【審判官】佐藤 智康
【審判官】伏本 正典
(56)【参考文献】
【文献】特許第6761530(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06T 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
現実世界における所定の地点に関連する第1情報を受信する受信手段と、
前記第1情報に基づいて、前記所定の地点に対応する仮想オブジェクトを生成する生成手段と、
前記コンピュータの位置に関わらず、前記コンピュータにより撮像された前記コンピュータの周囲の現実画像に、前記仮想オブジェクトを重畳させて表示し、前記所定の地点に対応する仮想コンテンツを提供する提供手段と、
前記コンピュータの位置情報を取得する取得手段と、
前記位置情報が示す位置が前記所定の地点である場合に、前記コンピュータのユーザに特典を付与する付与手段と、として機能させる、
プログラム。
【請求項2】
前記付与手段は、前記所定の地点における前記ユーザの前記コンピュータを介した行動に応じて特典を付与する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記特典は、前記仮想コンテンツに関連する限定コンテンツであって、前記位置情報が示す位置が前記所定の地点にある場合にのみ利用可能な限定コンテンツを、前記ユーザに利用可能にすることを含む、
請求項1又は請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記特典は、現実世界における所定のサービスであって、前記所定の地点において前記ユーザに提供されるサービスを、前記ユーザに提供可能にすることを含む、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記所定の地点が、所定のレースを実施するレース場であり、
前記仮想オブジェクトが、前記レース場を表すレース場オブジェクトと、前記所定のレースの出場者または移動体を表す移動オブジェクトと、を含み、
前記仮想コンテンツが、前記所定のレースに対応する仮想レースであり、
前記仮想レースは、前記第1情報に基づいて、前記レース場オブジェクト上において前記移動オブジェクトを移動させるものである、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記プログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記ユーザの操作入力に基づいて、前記出場者又は前記移動体についての投票券の購入を受け付ける受付手段として機能させ、
前記付与手段は、前記位置情報が示す位置が前記レース場である場合に購入された前記投票券の購入額に応じて特典を付与する、
請求項に記載のプログラム。
【請求項7】
第1コンピュータと、前記第1コンピュータと通信接続可能な第2コンピュータと、において実現されるシステムであって、
前記第2コンピュータは、
現実世界における所定の地点に関連する第1情報を取得し、
前記第1情報を第1コンピュータへ送信し、
前記第1コンピュータは、
前記第1情報を前記第2コンピュータから受信し、
前記第1情報に基づいて、前記所定の地点に対応する仮想オブジェクトを生成し、
前記第1コンピュータの位置に関わらず、前記第1コンピュータにより撮像された前記第1コンピュータの周囲の現実画像に、前記仮想オブジェクトを重畳させて表示し、前記所定の地点に対応する仮想コンテンツを提供し、
前記第1コンピュータの位置情報を取得し、
前記位置情報が示す位置が前記所定の地点である場合に、前記第1コンピュータのユーザに特典を付与する、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理方法、情報処理装置、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1及び2には、現実世界の特定の位置に対応づけて、AR(Augmented Reality)コンテンツを保持しておく技術が開示されている。具体的には、ARマーカーにGPS(Global Positioning System)機能を連携させることで、現実世界において指定した位置でしかARコンテンツが閲覧できないように閲覧制限することが開示されている。
【0003】
非特許文献3には、ユーザの現実世界における位置と目的地に応じて、ARコンテンツとして表示される矢印の向きを変えながら、ナビゲーションを行うことが開示されている。非特許文献3に開示されている技術を広く解釈すると、ユーザの現実世界における位置に応じてARコンテンツの表示内容を変えるものと捉えることもできる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】“AR制作ソフト「COCOAR」、GPS機能を追加 エリア限定のコンテンツでO2O施策が有効に”,[online],[令和3年1月21日検索],インターネット<https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000016877.html>
【文献】“COCOAR Proが機能拡大”,[online],[令和3年1月21日検索],インターネット<https://www.coco-ar.jp/service/cocoarpro/custom>
【文献】“2018年ARニュースまとめ”,[online],[令和3年1月21日検索],インターネット<https://www.startialab.co.jp/marketing/column/2018_summary1.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、現実世界においてはボートレース場でのボートレースや競馬場での競馬など、場所に応じた様々なイベントが実施されている。AR技術を用いてこれらのイベントをどこでも観戦できるようにした場合、ユーザの利便性が向上する一方で、イベントが実施されている場所へと向かうモチベーションを低下させる恐れがある。イベントを盛り上げるためには、イベントが実施されている場所へと向かうモチベーションを向上させることも重要である。このように、現実世界における所定の場所に対応するコンテンツを、ユーザが該所定の場所にいなくてもユーザに提供できるようにしつつも、該所定の場所へと実際に行くモチベーションを高めることが求められている。
【0006】
しかし、非特許文献1及び2に開示された技術は、実際にその場所へ行かなくてはARコンテンツの提供自体を受けられないものであり、上記の要求を満たすものではなかった。また、非特許文献3に開示された技術は、単に現在値から目的地までの道案内をするものであり、当然に上記の要求を満たすものではない。
【0007】
本開示の一態様は、現実世界における所定の地点に対応するコンテンツを、ユーザが該所定の地点にいなくてもユーザに提供できるようにしつつも、該所定の地点へと実際に行くモチベーションを高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に示す一実施形態によれば、
プロセッサ及び撮像部を備えた第1コンピュータにおいて実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
現実世界における所定の地点に関連する第1情報を第2コンピュータから受信するステップと、
前記第1情報に基づいて、前記所定の地点に対応する仮想オブジェクトを生成するステップと、
前記撮像部により撮像された前記第1コンピュータの周囲の現実画像に、前記仮想オブジェクトを重畳させて表示し、前記所定の地点に対応する仮想コンテンツを提供するステップと、
前記第1コンピュータの位置情報を取得するステップと、
前記位置情報が示す位置が前記所定の地点である場合に、前記第1コンピュータのユーザに特典を付与するステップと、を実行させる、
プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本開示に示す一実施形態によれば、現実世界における所定の地点に対応するコンテンツを、ユーザが該所定の地点にいなくてもユーザに提供できるようにしつつも、該所定の地点へと実際に行くモチベーションを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ある実施の形態に従うシステムの構成例を示す図である。
図2】ある実施の形態に従うユーザ端末の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図3】ある実施の形態に従うサーバの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図4】ある実施の形態に従う動作処理の一例を示すフローチャートである。
図5】ある実施の形態に従う現実世界のレース場の一例を示す模式図である。
図6】ある実施の形態に従うユーザ端末に表示される仮想オブジェクトの一例を示す模式図である。
図7】ある実施の形態に従う仮想コンテンツ提供処理の一例を示すフローチャートである。
図8】ある実施の形態に従う撮像部により撮像された現実画像の一例を示す模式図である。
図9】ある実施の形態に従う現実画像に仮想オブジェクトを重畳させて表示した画面の一例を示す模式図である。
図10】ある実施の形態に従う現実画像に仮想オブジェクトを重畳させて表示した画面の一例を示す模式図である。
図11】ある実施の形態に従う特典付与の概要を示す模式図である。
図12】ある実施の形態に従う特典付与処理の一例を示すフローチャートである。
図13】ある実施の形態に従う表示画面の一例を示す模式図である。
図14】ある実施の形態に従う表示画面の一例を示す模式図である。
図15】ある実施の形態に従うポイントを使用しうる処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この技術的思想の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明では、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。本開示において示される1以上の実施形態において、各実施形態が含む要素を互いに組み合わせることができ、かつ、当該組み合わせられた結果物も本開示が示す実施形態の一部をなすものとする。
【0012】
(システムの構成)
図1は、本実施の形態に従うシステム1の構成を示す図である。システム1は、例えば、現実世界で実施される所定のレースを、ユーザが使用する情報処理装置上において仮想オブジェクトを用いた仮想レースとして表示することが可能なものである。本明細書において、「所定のレース」とは、現実世界で実施されるレースであれば特に制限はされず、例えば、ボートレース(本番のレースや、展示レース)、競馬、競輪、オートレース、F1等のカーレース、ドローンレース、ドッグレース、マラソン、駅伝などが挙げられる。
【0013】
なお、以下では、システム1が提供する仮想コンテンツが上記の仮想レースである場合を主に説明するが、仮想コンテンツの種類は仮想レースに限定されない。仮想コンテンツは、現実世界における所定の地点に対応するものであれば特に制限はなく、例えば、所定の地点に存在するものを模した仮想オブジェクト(例:地点「東京(又は東京都港区芝公園4丁目2‐8)」に対応する「東京タワーオブジェクト」)を含む仮想コンテンツ、所定の地点において実施されているイベントに関連する仮想オブジェクト(例:地点「映画館」で上映されている映画の登場人物に関連する「キャラクタオブジェクト」)を含む仮想コンテンツ、その地名や場所等から想起されうるものを模した仮想オブジェクト(例:地点「高尾山」から想起される「天狗オブジェクト」)を含むもの等が挙げられる。
【0014】
図1に示すように、システム1は、各ユーザが使用する情報処理装置(第1コンピュータ)であるユーザ端末10A、ユーザ端末10B及びユーザ端末10C(以下、ユーザ端末10A、10B、10Cなどのユーザ端末を総称して「ユーザ端末10」とも称する)など複数のユーザ端末10と、第1サーバ装置(第2コンピュータ)20と、第2サーバ装置40と、ネットワーク30と、を含む。
【0015】
ユーザ端末10Aとユーザ端末10Bとは、無線基地局31と通信することにより、ネットワーク30と接続する。ユーザ端末10Cは、家屋などの施設に設置される無線ルータ32と通信することにより、ネットワーク30と接続する。ユーザ端末10は、例えば、タッチスクリーンを備える携帯型端末であり、スマートフォン、ファブレット、タブレットなどでありうる。
【0016】
ユーザ端末10は、例えば、アプリ等を配信するプラットフォームを介してインストールされたプログラム、又は、予めプリインストールされているウェブサイト閲覧用ソフトウエアなどを含むプログラムを実行する。ユーザ端末10は、上記プログラムの実行により、第1サーバ装置20と通信し、所定のレースに関連するデータやユーザに関連するデータ等を第1サーバ装置20との間で送受信することにより、ユーザ端末10上で仮想レースを表示することを可能とする。
【0017】
第1サーバ装置20は、所定のレースに関連するデータを、第2サーバ装置40から受信する。第1サーバ装置20は、所定のレースに関連するデータを、適宜、ユーザ端末10へ送信する。第1サーバ装置20は、所定のレースに関連するデータや、各ユーザに関連するデータを記憶して管理する。
【0018】
第1サーバ装置20は、ハードウェア構成として、通信IF(Interface)22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ(第2プロセッサ)29と、を備え、これらが通信バスを介して互いに接続されている。
【0019】
通信IF22は、例えばLAN(Local Area Network)規格など各種の通信規格に対応しており、ユーザ端末10や第2サーバ装置40などとの間でデータを送受信するためのインタフェースとして機能する。
【0020】
入出力IF23は、第1サーバ装置20への情報の入力を受け付けるとともに、第1サーバ装置20の外部へ情報を出力するためのインタフェースとして機能する。入出力IF23は、マウス、キーボード等の情報入力機器の接続を受け付ける入力受付部と、画像等を表示するためのディスプレイ等の情報出力機器の接続を受け付ける出力部とを含みうる。
【0021】
メモリ25は、処理に使用されるデータ等を記憶するための記憶装置である。メモリ25は、例えば、プロセッサ29が処理を行う際に一時的に使用するための作業領域をプロセッサ29に提供する。メモリ25は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶装置を含んで構成されている。
【0022】
ストレージ26は、プロセッサ29が読み込んで実行するための各種プログラム及びデータを記憶するための記憶装置である。ストレージ26が記憶する情報には、所定のレースに関連するデータや、各ユーザに関連するデータ等が含まれる。ストレージ26は、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等の記憶装置を含んで構成されうる。なお、ストレージは、サーバ装置に含まれる形態に限られず、クラウドサービスを利用することもできる 。
【0023】
プロセッサ29は、ストレージ26に記憶されるプログラム等を読み込んで実行することにより、第1サーバ装置20の動作を制御する。プロセッサ29は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等を含んで構成されうる。
【0024】
第2サーバ装置40は、所定のレースに関連するデータを記憶して管理している。第2サーバ装置40は、例えば、所定のレースの開催者が管理するサーバ装置や、所定のレースに関する情報を外部へ発信する団体(レース専門誌の発行者など)が管理するサーバ装置である。第2サーバ装置40は、所定のレースに関連するデータを、適宜、第1サーバ装置20へ送信する。ある局面においては、第2サーバ装置40は、所定のレースに関連するデータをユーザ端末10へ送信してもよい。第2サーバ装置40のハードウェア構成は、矛盾の生じない範囲で、第1サーバ装置20と同様であってもよい。
【0025】
(ユーザ端末)
図2は、ユーザ端末10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、ユーザ端末10は、アンテナ110と、無線通信IF120と、タッチスクリーン130と、入出力IF140と、記憶部150と、音声処理部160と、マイク161と、スピーカ162と、撮像部170と、センサ部180と、制御部(第1プロセッサ)190と、を含む。
【0026】
アンテナ110は、ユーザ端末10が発する信号を電波として空間へ放射する。また、アンテナ110は、空間から電波を受信して受信信号を無線通信IF120へ与える。
【0027】
無線通信IF120は、ユーザ端末10が他の通信機器と通信するため、アンテナ110等を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。無線通信IF120は、チューナー、高周波回路などを含む無線通信用の通信モジュールであり、ユーザ端末10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部190へ与える。
【0028】
タッチスクリーン130は、ユーザからの入力を受け付けて、ユーザに対し情報をディスプレイ132に出力する。タッチスクリーン130は、ユーザの操作入力を受け付けるためのタッチパネル131と、ディスプレイ132と、を含む。タッチパネル131は、例えば、静電容量方式のものを用いることによって、ユーザの指などが接近したことを検出する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(electroluminescence)その他の表示装置によって実現される。
【0029】
入出力IF140は、ユーザ端末10への情報の入力を受け付けるとともに、ユーザ端末10の外部へ情報を出力するためのインタフェースとして機能する。
【0030】
記憶部150は、フラッシュメモリ、HDD等により構成され、ユーザ端末10が使用するプログラム、及び、ユーザ端末10が第1サーバ装置20等から受信する各種データ等を記憶する。
【0031】
音声処理部160は、音声信号の変復調を行う。音声処理部160は、マイク161から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部190へ与える。また、音声処理部160は、音声信号をスピーカ162へ与える。音声処理部160は、例えば、音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク161は、音声信号の入力を受け付けて制御部190へ出力するための音声入力部として機能する。スピーカ162は、音声信号を、ユーザ端末10の外部へ出力するための音声出力部として機能する。
【0032】
撮像部170は、ユーザ端末10の周囲の現実画像を撮像するカメラである。撮像部170によって撮像された画像は、制御部190によって画像処理がなされ、ディスプレイ132へ出力される。
【0033】
センサ部180は、GPSセンサを備える。センサ部180は、センサ部180は、加速度センサやジャイロセンサ等のその他のセンサを備えていてもよい。
【0034】
制御部190は、記憶部150に記憶されるプログラムを読み込んで実行することにより、ユーザ端末10の動作を制御する。制御部190は、例えば、アプリケーションプロセッサによって実現される。
【0035】
制御部190がアプリケーションプログラム151を実行する処理について、より詳細に説明する。記憶部150は、アプリケーションプログラム151と、アプリケーション情報152と、ユーザ情報153と、を記憶する。
【0036】
ユーザ端末10は、例えば、第1サーバ装置20からアプリケーションプログラム151をダウンロードして記憶部150に記憶させる。また、ユーザ端末10は、第1サーバ装置20と通信することで、アプリケーション情報152及びユーザ情報153等の各種のデータを第1サーバ装置20と送受信する。
【0037】
アプリケーションプログラム151は、ユーザ端末10において仮想レースを表示するためのプログラムである。アプリケーション情報152は、アプリケーションプログラム151が参照する各種のデータを含む。アプリケーション情報152は、第1情報152Aを含む。
【0038】
第1情報152Aは、現実世界における所定の地点に関連する情報である。第1情報152Aには、所定の地点に対応する仮想オブジェクトを生成するための情報が含まれる。ある局面において、第1情報152Aは、第1サーバ装置20や第2サーバ装置40から送信された所定のレースに関する情報である。第1情報152Aとしては、例えば、所定のレースの出場者または移動体(以下、「出場者等」とも称する)のレースタイムを示すレースタイム情報、所定のレースの実施中における出場者等の位置情報、当該位置情報に対応する時間情報と、が含まれる。
【0039】
本明細書において、「出場者」とは、人間だけでなく、馬や犬などの動物も含む概念である。また、「移動体」とは、所定のレースにおいて移動の主体となるものであり、出場者が乗る動物や機体、出場者が遠隔操縦する機体などである。マラソンやドッグレース等では、「出場者」と「移動体」は同一となる。
【0040】
第1情報152Aとしては、上記の他にも、例えば、所定のレースの名称、開催日時、レース場データ、出場者データ、移動体データ、オッズ情報、レース予想、レース出走表、レース直前情報、ピットレポート、レース結果、レース動画、レース静止画、過去のレース情報、その他の所定のレースに関する情報誌や情報サイトに掲載されうるような情報などを含んでもよい。
【0041】
ユーザ情報153は、ユーザ端末10のユーザについての情報を含む。ユーザ情報153は、例えば、ユーザを識別する情報、ユーザ端末10の位置情報(以下、「端末位置情報」とも称する)、ユーザの購入履歴や的中率(例えば、ボートレースであれば購入した舟券の買い目と購入金額等の履歴や、購入した舟券の的中率)などを含んでもよい。
【0042】
制御部190は、アプリケーションプログラム151を読み込んで実行することにより、操作入力受付部191と、送受信部192と、オブジェクト生成部193と、表示制御部194と、検出部195と、位置取得部196と、購入受付部197と、特典付与部198と、の各機能を発揮する。
【0043】
操作入力受付部191は、タッチスクリーン130の出力に基づいて、ユーザの操作入力を受け付ける。具体的には、操作入力受付部191は、ユーザの指などがタッチパネル131に接触または接近したことを、タッチスクリーン130を構成する面の横軸及び縦軸からなる座標系の座標として検出する。
【0044】
操作入力受付部191は、タッチスクリーン130に対するユーザの操作を判別する。操作入力受付部191は、例えば、「接近操作」、「リリース操作」、「タップ操作」、「ダブルタップ操作」、「長押し操作(ロングタッチ操作)」、「ドラッグ操作(スワイプ操作)」、「ムーブ操作」、「フリック操作」、「ピンチイン操作」、「ピンチアウト操作」などのユーザの操作を判別する。
【0045】
操作入力受付部191は、ユーザ端末10に搭載された加速度センサ等によって検出されるユーザ端末10の動きを、操作入力として受け付けてもよい。
【0046】
送受信部192は、無線通信IF120及びネットワーク30を介して、第1サーバ装置20や第2サーバ装置40などの外部の通信機器と各種情報の送信および受信を行う。送受信部192は、例えば、第1サーバ装置20または第2サーバ装置40から第1情報152Aを受信する。また、送受信部192は、例えば、操作入力受付部191が受け付けた操作入力に応じた情報や、ユーザ情報153に記憶された情報等を第1サーバ装置20または第2サーバ装置40へと送信する。
【0047】
オブジェクト生成部193は、第1情報152Aに基づいて、所定の地点に対応する仮想オブジェクトを生成する。ある局面において、オブジェクト生成部193は、仮想オブジェクトとして、レース場を表すレース場オブジェクトと、出場者等を表す移動オブジェクトと、を生成する。オブジェクト生成部193は、上記の各オブジェクトの他にも、各種情報を画像表示するための仮想スクリーン、各種の建物オブジェクト、木などの景観を構成する景観オブジェクト、ユーザのアバターとなるオブジェクト等を生成してもよい。
【0048】
表示制御部194は、撮像部70により撮像されたユーザ端末10の周囲の現実画像に、オブジェクト生成部193により生成された仮想オブジェクトを重畳させた画像(以下、「重畳画像」とも称する)を、ディスプレイ132上に表示し、所定の地点に対応する仮想コンテンツを提供する。表示制御部194は、例えば、第1情報152Aに含まれるレースタイム情報に基づいて、レース場オブジェクト上において移動オブジェクトを移動させ、所定のレースを仮想的に再現した仮想レースをディスプレイ132上に表示させる。表示制御部194は、レースタイム情報に加えて、第1情報152Aに含まれる出場者等の位置情報、及び当該位置情報に対応する時間情報に基づいて、仮想レースを再現するものであることが好ましい。
【0049】
表示制御部194は、操作入力受付部191が受け付けた操作入力に応じて、重畳画像における視点を変更可能であることが好ましい。表示制御部194は、操作入力受付部191が受け付けた操作入力に応じて、ディスプレイ132に各種のメニュー画面やGUI(Graphical User Interface)を表示させたり、ディスプレイ132の表示内容を変更したりする。また、表示制御部194は、特典付与部198によってユーザに付与される特典をユーザに提示するための表示を行う。
【0050】
検出部195は、撮像部170により撮像された現実画像内における平坦面を検出する。平坦面の検出は、従来公知の画像認識技術によって実現される。例えば、検出部195が検出した平坦面を選択する操作をユーザが行った場合、当該平坦面にレース場オブジェクトが配置された重畳画像がディスプレイ132に表示される。
【0051】
平坦面は、水平面であることが好ましい。また、平坦面とレース場オブジェクトを構成する底面とのなす角度は0度であってもよいが、鋭角であることが好ましく、例えば、15度~45度の範囲にすることができる。上記角度は、ユーザの操作を受け付けて調節する態様とすることもできる。また、現実世界の平坦面の一部に凸部がある場合や、当該平坦面に載置物がある場合であっても、当該凸部や当該載置物がレース場オブジェクトによって隠れる程度のサイズならば、レース場オブジェクトを配置可能は平坦面として検出してもよい。なお、仮想オブジェクトが配置される場所は、平坦面に限定されず、仮想オブジェクトの種類等に応じて適宜決定できる。
【0052】
位置取得部196は、ユーザ端末10の位置を示す端末位置情報を取得する。端末位置情報の取得には、例えば、センサ部180が備えるGPSセンサを用いてもよいし、ユーザ端末10のモバイルネットワーク等を用いてよいし、これらを併用してもよい。なお、「ユーザ端末10の位置」とは、緯度及び経度で示されるような平面的な位置であってもよいし、さらに高さを含めた空間的な位置であってもよい。
【0053】
購入受付部197は、所定のレースに関する投票券の購入を受け付ける。具体的には、購入受付部197は、例えば、ボートレースにおける舟券の購入や、競馬における馬券の購入など、レースに関する各種投票券に関するユーザの購入指示を受け付ける。購入指示には、例えば、投票券の種別(例えば、複勝式、連勝単式、又は連勝複式等)、投票する出場者等(いわゆる買い目)、使用金額等に関する情報が含まれる。購入指示に関する情報は、送受信部192を介して、第1サーバ装置20に送信される。
【0054】
特典付与部198は、ユーザ端末10の位置が第1情報152Aに関連付けられた所定の地点である場合に、ユーザ端末10のユーザに特典を付与する。特典付与部198は、後述の特典付与部295による処理の結果として、ユーザに特典を付与する。なお、本明細書における「所定の地点」(又は「目的地」)とは、ある程度の領域を含む概念である。例えば、所定の地点がレース場である場合、「所定の地点」には、レース場の敷地内の領域が含まれうる。
【0055】
特典付与部198によって付与される特典の種類は、特に制限されず、例えば、通貨の代わりとして使用可能なポイントの付与や、限定コンテンツの開放、現実世界における所定のサービスの提供等が挙げられる。
【0056】
ここで、「限定コンテンツ」とは、ユーザ端末10が示す位置が上記所定の地点にある場合にのみ利用可能となるコンテンツである。限定コンテンツとしては、特に制限はされないが、例えば、ユーザ間の交流を可能にするチャットやメッセージの掲示板、予想屋によるレース予想情報の閲覧等が挙げられる。
【0057】
「所定のサービス」とは、現実世界においてユーザに提供されるサービスである。「所定のサービス」としては、特に制限はされないが、例えば、レース場等の入場券や座席の購入、食事の提供等が挙げられる。特典付与部198が所定のサービスをユーザに提供可能にする場合、ユーザは、例えば、レース場等への入場、レース場等での有料座席の使用、又は食事の提供等の現実世界でのサービスを享受できる。
【0058】
特典付与部198は、例えば、ユーザ端末10の位置が第1情報152Aに関連付けられた所定の地点であることに応じて第1特典を付与する。また、特典付与部198は、例えば、ユーザ端末10の位置が該所定の地点である場合におけるユーザ端末10を介したユーザの行動(以下、「ユーザ行動」とも称する)に応じて、第2特典を付与する。言い換えると、特典付与部198は、例えば、ユーザ行動が第2特典の付与条件を満たしたことに応じて、第2特典を付与する。
【0059】
特典付与部198は、特典として、第1特典及び第2特典のうちの少なくとも一方を付与するものであり、両方を付与するものであることが好ましい。第1特典及び第2特典は、上述した特典の種類のうちの1以上でありうる。第1特典及び第2特典は、同種の特典であってもよいし、異種の特典であってもよい。
【0060】
第2特典の付与条件としては、特に制限はされないが、例えば、チャット若しくはメッセージの掲示板の利用又は予想屋によるレース予想情報の閲覧等の限定コンテンツの利用や、食事の提供等の所定のサービスの利用、投票券の購入等が挙げられる。特典付与部198は、例えば、限定コンテンツの利用頻度や利用回数に応じて、特典の種類や量を異ならせてもよい。また、特典付与部198は、例えば、投票券の購入額や購入回数、投票券を購入したレース数に応じて、特典の種類や量を異ならせてもよい。
【0061】
(第1サーバ装置)
図3は、第1サーバ装置20の機能的な構成を示すブロック図である。図3を参照して、第1サーバ装置20の詳細な構成を説明する。第1サーバ装置20は、プログラムに従って動作することにより、通信部220と、記憶部250と、制御部290としての機能を発揮する。
【0062】
通信部220は、第1サーバ装置20がユーザ端末10や第2サーバ装置40などの外部の通信機器とネットワーク30を介して通信するためのインタフェースとして機能する。
【0063】
記憶部250は、システム1を実現するための各種プログラム及びデータを記憶する。ある局面において、記憶部250は、プログラム251と、地点情報252と、ユーザ情報253とを記憶する。
【0064】
プログラム251は、第1サーバ装置20がユーザ端末10や第2サーバ装置40と通信して、システム1を実現するためのプログラムである。プログラム251は、制御部290に実行されることにより、ユーザ端末10や第2サーバ装置40とデータを送受信する処理、ユーザ端末10のユーザが行った操作内容に応じた処理、地点情報252やユーザ情報253を更新する処理などを第1サーバ装置20に行わせる。
【0065】
地点情報252は、1以上の所定の地点に関連する各種のデータを含む。地点情報252は、例えば、各地のレース場で実施される所定のレースに関連する各種のデータを含む。地点情報252は、例えば、第1情報252Aを含む。第1情報252Aは、第1情報152Aの元となる情報であり、第1情報152Aは、第1情報252Aの一部でありうる。第1情報252Aは、例えば、第2サーバ装置40から取得された情報である。なお、ある局面において、第1情報252Aは、第2サーバ装置40から取得されるのではなく、第1サーバ装置20に直接入力されるように構成してもよい。このように構成する場合、システム1は、第2サーバ装置40を備えていなくてもよい。
【0066】
ユーザ情報253は、ユーザ端末10のユーザについての情報である。ユーザ情報253は、ユーザ管理テーブル253Aを含む。ユーザ管理テーブル253Aは、例えば、ユーザを識別する情報、ユーザ端末10の端末位置情報、ユーザのレースの購入履歴や的中率などをユーザ毎に記憶している。
【0067】
制御部290は、プロセッサ29によって実現され、プログラム251を実行することにより、送受信部291、第1情報取得部292、位置取得部293、購入処理部294、特典付与部295、データ管理部296、計時部297としての各機能を発揮する。
【0068】
送受信部291は、通信部220及びネットワーク30を介して、ユーザ端末10や第2サーバ装置40などの外部の通信機器と各種情報の送信および受信を行う。送受信部291は、例えば、第1情報252Aの少なくとも一部をユーザ端末10へ送信する。また、送受信部291は、例えば、第1情報252Aを第2サーバ装置40から受信する。
【0069】
第1情報取得部292は、送受信部291を介して、第1情報252Aを第2サーバ装置40から取得する。
【0070】
位置取得部293は、送受信部291を介して、ユーザ端末10の端末位置情報をユーザ端末10から取得する。
【0071】
購入処理部294は、ユーザ端末10から送信された購入指示に関する情報に基づいて、投票券の購入処理を実行する。購入処理部294が購入処理を完了したことに応じて、ユーザ管理テーブル253Aに含まれるレースの購入履歴が更新されうる。なお、購入処理部294を、送受信部291を介して購入指示に関する情報を第2サーバ装置40に送信するものとし、投票券の購入処理は、第2サーバ装置40において実行してもよい。この場合、ユーザ管理テーブル253Aに含まれる購入履歴は、第2サーバ装置40から送信される情報に基づいて更新されうる。
【0072】
特典付与部295は、ユーザ端末10の位置が第1情報152Aに関連付けられた所定の地点である場合に、ユーザ端末10のユーザに特典を付与する。特典付与部295は、ユーザに特典を付与する場合における第1サーバ装置20側の処理を行う。
【0073】
データ管理部296は、第1情報取得部292、購入処理部294及び特典付与部295等における処理結果に従って、記憶部250に記憶される各種データを更新する処理を行う。計時部297は、時間を計測する処理を行う。計時部297によって計測される時間に基づいて、ユーザ端末10に表示される各種時間(例えば、レース開始までの時間など)が制御されうる。
【0074】
(動作例:概要)
次に、図4から図15を参照して、システム1における動作例について説明する。以下では、主に、所定のレースがボートレースである場合を例示して説明をするが、以下の説明は、所定のレースが他のレースであっても適用可能である。また、以下では、ユーザ端末10と第1サーバ装置20の間、及び第1サーバ装置20と第2サーバ装置40の間でデータの送受信を行うものとして説明をするが、ある局面においては、ユーザ端末10と第2サーバ装置40とで直接的にデータの送受信をするように構成してもよい。
【0075】
図4は、動作処理の一例を示すフローチャートである。なお、本明細書において説明する各フローチャートを構成する各処理の順序は、処理内容に矛盾や不整合が生じない範囲で順不同であり、並列的に実行されてもよい。また、各フローチャートに示される処理は、制御部190がアプリケーションプログラム151を、制御部290がプログラム251をそれぞれ実行することにより実現されうるが、各装置が実行する処理は、矛盾の生じない範囲で、他の装置によって実行されてもよい。
【0076】
図4に示すように、本実施形態においては、仮想コンテンツ提供処理(ステップS410)と、特典付与処理(ステップS420)と、が実行される。
【0077】
仮想コンテンツ提供処理によって、撮像部170により撮像されたユーザ端末10の周囲の現実画像に、所定の地点(レース場)に対応する仮想オブジェクト(レース場オブジェクト等)が重畳されて表示され、該所定の地点に対応する仮想コンテンツ(仮想レース)がユーザに提供される。仮想コンテンツ提供処理は、ユーザ端末10の位置に関わらず実行されうる。すなわち、仮想コンテンツ提供処理は、ユーザ端末10の位置が所定の地点にある場合であっても、所定の地点にない場合であっても、実行されうる。
【0078】
また、特典付与処理によって、ユーザ端末10の位置が上記所定の地点である場合に、ユーザ端末10のユーザに特典が付与される。特典付与処理は、ユーザ端末10の位置が所定の地点にある場合に実行される。以下、仮想コンテンツ提供処理と特典付与処理について詳述する。
【0079】
(動作例:仮想コンテンツ提供処理)
図5は、現実世界のボートレース場の一例を示す模式図である。ボートレース場501には、2つのターンマーク503が設置されており、各ボートレーサーが乗るボート502a~502fによるレースが実施されている。レースが終了した場合、ボート502a~502fそれぞれのレースタイムを示すレースタイム情報が、第2サーバ装置40から第1サーバ装置20へと送信され、第1サーバ装置20からユーザ端末10へと送信される。
【0080】
ボートレース場501には、撮像装置(カメラ)504a~504bが設けられている。撮像装置504aは、ボートレース場501の上方からボート502a~502fを視界に収める。撮像装置504bは、ボートレース場501の側方からボート502a~502fを視界に収める。撮像装置504a~504bによって撮像されたボート502a~502fの画像は、第2サーバ装置40へ送信される。第2サーバ装置40では、例えば、各画像の画像解析を行い、各画像の撮影時間におけるボート502a~502fそれぞれの位置を示す位置情報を算出する。算出された位置情報と、当該位置情報に対応する撮影時間に関する時間情報は、第1サーバ装置20へと送信され、第1サーバ装置20からユーザ端末10へと送信される。なお、位置情報の算出は、第1サーバ装置20において実施してもよい。
【0081】
また、撮像装置504a~504bに代えて、又は加えて、ボート502a~502fに、GPSセンサ等の位置センサを設置してもよい。位置センサによって取得されたボート502a~502fの位置情報と、当該位置情報が取得された時間を示す時間情報とは、最終的にユーザ端末10へと送信される。
【0082】
図6は、ユーザ端末10に表示される仮想オブジェクトの一例を示す模式図である。図6の例では、仮想オブジェクトとして、レース場オブジェクト601と、移動オブジェクト602a~602f(以下、まとめて「移動オブジェクト602」とも称する)と、2つのターンマークオブジェクト603と、仮想表示板605と、が示されている。
【0083】
レース場オブジェクト601は、ボートレース場501を仮想的に表示したオブジェクトである。レース場オブジェクト601やターンマークオブジェクト603は、例えば、ボートレース場501のコース情報等のレース場データに基づいて作製されることが好ましく、ボートレース場501と対応する形状であることが好ましい。
【0084】
移動オブジェクト602a~602fは、ボート502a~502fをそれぞれ仮想的に表示したオブジェクトであり、ボートを模した形状である。移動オブジェクト602a~602fは、レースタイム情報や、ボート502a~502fの位置情報および当該位置情報に対応する時間情報に基づいて、レース場オブジェクト601を移動する。すなわち、レース場オブジェクト601及び移動オブジェクト602a~602fによって、現実世界のレースが仮想的なレースとしてユーザ端末10上で表示される。
【0085】
なお、ボート502a~502fの位置情報および時間情報がなくとも、レースタイム情報のみによって仮想レースを表示することも可能である。ただ、この場合、最終的な着順は現実世界のレースと同じものになるが、レース中の順位などのレース経過を再現することが困難である。
【0086】
仮想表示板605は、テキスト情報を表示するオブジェクトである。仮想表示板605は、例えば、ボートレース場501において対応する存在のないオブジェクトである。仮想表示板605に表示するテキスト情報は、特に制限はされず、例えば、順位情報やオッズ情報等であってもよい。また、仮想表示板605に表示するテキスト情報は、ユーザの操作入力に基づいて変更可能であってもよい。
【0087】
図7は、仮想コンテンツ提供処理の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS710において、制御部190は、カメラである撮像部170を起動する。撮像部170によって、ユーザ端末10の周囲の現実画像が撮像される。
【0088】
ステップS720において、制御部190は、撮像部170によって撮像された画像内における平坦面を検出する。ステップS730において、制御部190は、検出した平坦面に仮想オブジェクトを配置する。
【0089】
ここで、図8から図10を用いて、ステップS710、S720、及びS730の処理について具体的に説明する。図8は、撮像部170により撮像された現実画像の一例を示す模式図である。図8の例では、平坦なデスク801上に、キーボード802と、モニタ装置803と、が置かれている。
【0090】
ステップS710において撮像部170が起動されると、ディスプレイ132上に、撮像部170によって撮像されている現実画像が表示される。次に、ステップS720において、制御部190は、撮像部170によって撮像された画像内、すなわちディスプレイ132に表示された画像内における平坦面を検出する。
【0091】
図8では、領域804が平坦面として検出されている。領域804内にはキーボード802があるが、キーボード802はレース場オブジェクト601によって隠れる程度のサイズなので、制御部190は、領域804を平坦面として検出する。
【0092】
図8に示す状態で、撮像部170によって撮像される位置を変更すれば、領域804の位置も変更されうる。領域804は、ディスプレイ132上において、例えば、所定の色を付加されて、他の部分とは区別可能に表示される。ユーザが領域804に対してタップ操作等を実行した場合、ステップS730において、制御部190は、領域804上にレース場オブジェクト601等の仮想オブジェクトを配置する。
【0093】
図9は、現実画像に仮想オブジェクトを重畳させて表示した画面の一例を示す模式図である。図9において、モニタ装置803を含むドットパターンを付した領域が現実画像であり、その他の領域は仮想オブジェクトが表示されている領域である。仮想オブジェクトが表示されていない領域には、例えば、広告画像を表示してもよい。
【0094】
図9では、仮想オブジェクトとして、レース場オブジェクト601と、複数の移動オブジェクト602と、2つのターンマークオブジェクト603と、大型モニタオブジェクト906と、建物オブジェクト907a~907bと、その他の符号を付していない多数のオブジェクト(木オブジェクト、時計オブジェクト等)と、が表示されている。これらのオブジェクトは、例えば、第1サーバ装置20から受信した第1情報152Aに基づいて作製される。
【0095】
図9は、領域804に含まれる平坦面と、レース場オブジェクト601を構成する底面とのなす角度が0度になるようにして、領域804上にレース場オブジェクト601を配置している。この場合、例えば、領域X1のような奥行方向にある領域や、移動オブジェクト602同士が重複して見づらくなることがある。また、大型モニタオブジェクト606の奥行方向側の領域などには、移動オブジェクト602が見えなくなる死角が生じうる。
【0096】
しかし、図9に示す状態において、ユーザは、ディスプレイ132に表示される重畳画像の視点を変更可能である。例えば、ユーザがピンチイン操作やピンチアウト操作等の操作入力をした場合、撮像部170の視点位置がレース場オブジェクト601へ近づいたり遠ざかったりしうる。また、ユーザがユーザ端末10を持ったままディスプレイ132の奥行方向へ移動した場合や、手前方向に移動した場合も、撮像部170の視点位置がレース場オブジェクト601へ近づいたり遠ざかったりしうる。また、ユーザがディスプレイ132上の所定の位置を指定するような操作をした場合、視点位置が指定された位置へと移動しうる。このような視点変更によって、上述の視認性の問題は解消しうる。
【0097】
また、平坦面とレース場オブジェクト601を構成する底面とのなす角度θが鋭角になるようにレース場オブジェクト601を配置することによっても、視認性に関する上述の問題を軽減しうる。
【0098】
図10は、現実画像に仮想オブジェクトを重畳させて表示した画面の一例を示す模式図であり、図9に示すレース場オブジェクト601の別態様を示したものである。具体的には、図10は、所定のレースが競馬の場合の例である。
【0099】
図10においても、モニタ装置803を含むドットパターンを付した領域が現実画像であり、その他の領域は仮想オブジェクトが表示されている領域である。図10では、仮想オブジェクトとして、レース場オブジェクト1011と、複数の移動オブジェクト1012と、大型モニタオブジェクト1013と、池オブジェクト1014と、複数の木オブジェクト1015と、がディスプレイ132に表示されている。これらのオブジェクトも、例えば、第1サーバ装置20から受信した第1情報152Aに基づいて作製される。
【0100】
レース場オブジェクト1011、大型モニタオブジェクト1013、池オブジェクト1014、及び複数の木オブジェクト1015は、例えば、現実世界における所定の競馬場のコース情報等のレース場データに基づいて作製されることが好ましい。複数の移動オブジェクト1012は、例えば、競馬に出走する馬および騎手をそれぞれ仮想的に表示したオブジェクトである。
【0101】
図7のフローチャートの説明に戻る。ステップS740において、制御部190は、現実世界のボートレース場501におけるボート502a~502fの位置情報を取得する。すなわち、現実世界においてボート502a~502fによるレースが開始された場合、制御部190は、第1サーバ装置20から、ボート502a~502fの位置情報および時間情報を取得する。位置情報および時間情報の取得方法は、図5を用いて説明したとおりである。
【0102】
ステップS750において、制御部190は、ステップS740において取得した位置情報と移動オブジェクトとが連動するよう制御する。具体的には、時間情報と位置情報とを用いて、レース場オブジェクト601上における移動オブジェクト602a~602fそれぞれの動きが、ボートレース場501上におけるボート502a~502fと同様になるように制御する。
【0103】
ステップS740及びS750の各処理は、少なくとも現実世界におけるレースの開始時点から終了時点まで繰り返されるが、現実世界におけるレースの開始前および終了後においても繰り返されてもよい。
【0104】
なお、仮想レースとして表示するレースが過去のレースである場合、仮想レースの開始前に、レースの開始から終了までのボート502a~502fの位置情報等をまとめて取得してもよい。また、位置情報等は取得せずに、レースタイム情報のみを取得して、仮想レースを表示してもよい。仮想レースとして表示するレースは、展示レースであってもよい。
【0105】
(動作処理:特典付与処理)
図11は、特典付与の概要を示す模式図である。図11に示すように、まずステップS1110において、ユーザに目的地が提示される。ステップS1110では、目的地で付与されうる特典(後述の第1特典1101及び第2特典1102)の内容や付与条件も提示することが好ましい。図11の例では、所定の目的地においてアプリケーション上でログインすることが、いわゆるミッションという形式でユーザに提示されている。具体的には、ディスプレイ132上に、目的地Aでログインするミッション及び目的地Bでログインするミッションが提示されており、それらのミッションを達成すればそれぞれ100pt(ポイント)の特典が付与されることが示されている。
【0106】
ステップS1120において、ユーザは、目的地へと移動する。移動手段は、特に制限されず、徒歩、自動車、又は電車等のいずれであってもよい。移動の間は、アプリケーションプログラム151は停止していてもよい。
【0107】
ステップS1130において、ユーザは、いずれかの目的地へと到着する。ユーザ端末10の位置が目的地として設定された領域内にある状態で、アプリケーションプログラム151を起動させてログイン等をすると、第1特典1101がユーザに付与される。第1特典1101として付与される特典は、例えば、ポイントの付与、限定コンテンツの開放、現実世界における所定のサービスの提供(目的地へ入場するための仮想チケットの発行、目的地での有料座席の使用、又は食事の提供等)などである。
【0108】
また、ステップS1140において、目的地として設定された領域内でユーザがユーザ行動(例えば、投票券を購入する等)をしたことに応じて、第2特典1102がユーザに付与される。第2特典1102として付与される特典は、第1特典1101と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0109】
以下、特典付与処理について更に詳細に説明する。図12は、特典付与処理の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS1210において、制御部190は、ユーザ端末10の端末位置情報を取得し、第1サーバ装置20に送信する。第1サーバ装置20は、ユーザ端末10から送信された端末位置情報を受信し、取得する。
【0110】
ステップS1210において、制御部190がユーザ端末10の端末位置情報を取得し第1サーバ装置20に送信するタイミングは、特に制限はされず、例えば、アプリケーションプログラム151が起動したタイミング、又は、ユーザが端末位置情報を取得するための操作をしたタイミング等であってよい。また、制御部190は、アプリケーションプログラム151の起動後、所定の間隔で継続的に、端末位置情報を取得し第1サーバ装置20に送信してもよい。
【0111】
第1サーバ装置20が取得した端末位置情報の示す位置が目的地の範囲内ではない場合(ステップS1220においてNo)、第1特典1101の付与はなされず、特典付与処理を終了する。
【0112】
一方で、第1サーバ装置20が取得した端末位置情報の示す位置が目的地の範囲内にある場合(ステップS1220においてYes)、ステップS1230において、制御部290及び制御部190は、ユーザに第1特典1101を付与する。ステップS1230では、例えば、ユーザが第1特典1101の付与を受けられるように、制御部290がユーザ管理テーブル253Aの情報を更新する。また、ステップS1230において、制御部190は、例えば、制御部290によって上記更新がなされたことに応じて、ユーザが第1特典1101を使用可能な状態にする。
【0113】
第1特典1101がポイントである場合、制御部290は、例えば、ユーザ管理テーブル253Aに含まれるユーザの所持ポイント数に、第1特典1101として付与されるポイント数を加算し、ユーザの所持ポイント数を増加させる。その後、ユーザは、ユーザ端末10を介して、増加後の所持ポイント数を上限として、ポイントを使用可能になる。
【0114】
また、第1特典1101が限定コンテンツの開放である場合、制御部290は、例えば、ユーザ管理テーブル253Aに含まれるユーザの情報に、限定コンテンツを利用するための権限を含ませる。その後、ユーザは、ユーザ端末10を介して、限定コンテンツを使用可能になる。
【0115】
また、第1特典1101が現実世界における所定のサービスの提供である場合、制御部290は、例えば、ユーザ管理テーブル253Aに含まれるユーザの情報に、所定のサービスの提供に係る機能を使用するための権限を含ませる。その後、ユーザは、ユーザ端末10を用いて上記機能を使用することで、現実世界において所定のサービスの提供を受けることが可能になる。
【0116】
ここで、図13を用いて、第1特典1101が限定コンテンツの開放及び所定のサービスの提供である場合について説明する。図12は、表示画面の一例を示す模式図である。図13の例において、ディスプレイ132には、レース場オブジェクト601等の各種の仮想オブジェクトに加えて、特典表示欄1301が表示されている。
【0117】
特典表示欄1301には、ステップS1230の処理の結果、ユーザに使用可能になった特典が表示されている。ユーザが「食事予約ボタン」をタップ操作等によって選択すると、例えば、ボートレース場501内にある食事処での食事予約が可能になる。「食事予約ボタン」がタップ操作されると、例えば、食事処を利用する時間帯や人数、注文したいメニュー等を選択するためのUI(User Interface)がディスプレイ132上に表示され、該UIを操作することで、現実世界において食事の提供というサービスを受けることが可能になる。
【0118】
また、ユーザが「予想屋情報ボタン」をタップ操作等によって選択すると、例えば、限定コンテンツである予想屋のレース情報が閲覧可能になる。
【0119】
また、ユーザが「ユーザ間交流ボタン」をタップ操作等によって選択すると、例えば、限定コンテンツであるチャットやメッセージの掲示板が利用可能になる。「ユーザ間交流ボタン」がタップ操作されると、例えば、チャットやメッセージの掲示板を利用するためのUIが、ディスプレイ132上に表示されるようになる。限定コンテンツとして利用されるチャットやメッセージの投稿及び閲覧は、目的地の範囲内に存在する各ユーザ間で交流を図るものである。
【0120】
「予想屋情報ボタン」や「ユーザ間交流ボタン」等の限定コンテンツにアクセスするための仮想ボタン等の画像は、ユーザが目的地に到達するまでは表示されなかったり、グレーアウトして表示されていたりしてもよい。そして、ユーザが目的地へ到達した場合に、上記仮想ボタン等の画像の表示を開始したり、該目的地へ到達する前と比べて該画像の表示態様を変化させたりしてもよい。
【0121】
また、グレードアウトされた仮想ボタン等の画像をユーザが選択した場合、限定コンテンツにアクセスするためにはどこに行くべきか、そこへ行くとどのような限定コンテンツが利用可能になるかといった情報、すなわち、目的地の情報や、該目的地で利用可能になる限定コンテンツの情報を表示させてもよい。このように構成することで、ユーザは、提示された目的地へと行く前に限定コンテンツの存在を知ることができ、結果として、実際に該目的地へと行くモチベーションを更に高めることができる。なお、「食事予約ボタン」等の所定のサービスの提供を受けるための仮想ボタン等の画像についても、限定コンテンツにアクセスするための仮想ボタン等の画像について上述した内容を適用してもよい。
【0122】
図12のフローチャートの説明に戻る。目的地におけるユーザ行動が第2特典1102を付与するための条件を満たさない場合(ステップS1240においてNo)、第2特典1102の付与はなされず、特典付与処理を終了する。
【0123】
一方で、目的地におけるユーザ行動が第2特典1102を付与するための付与条件を満たした場合(ステップS1240においてYes)、ステップS1250において、制御部290及び制御部190は、ユーザに第2特典1102を付与する。第2特典1102は、例えば、第1特典1101として挙げた特典のうちの1以上でありうる。ステップS1250の処理に関しては、矛盾の生じない範囲で、ステップS1230について述べた内容を援用することができる。
【0124】
第2特典1102は、満たされた付与条件に応じて異ならせることが好ましい。例えば、限定コンテンツを利用すること、及び投票券を購入することのそれぞれが第2特典1102の付与条件である場合、限定コンテンツを利用したことに応じて更なる限定コンテンツを開放し、投票券を購入したことに応じてポイントを付与してもよい。
【0125】
ここで、図14を用いて、投票券の購入に応じてポイント(第2特典1102)を付与する場合について説明する。図14は、表示画面の一例を示す模式図である。図14の例において、ディスプレイ132の上部には、ユーザが購入した投票券の情報(レース場名、レース名、投票券の種類、買い目、各買い目の購入額、合計購入額)が示されている。
【0126】
ディスプレイ132の下部には、投票券の購入によってポイントが付与された旨が示されている。図14の例では、投票券の合計購入額である5000円にA%を乗じた値がポイントして付与されている。すなわち、合計購入額が多いほど、多くのポイントが付与されることになる。
【0127】
数値Aの値は、特に制限はされず、ポイントの価値等に応じて適宜設定することができる。また、数値Aの値は、1回の合計購入額に応じて変動させてもよく、例えば、合計購入額が所定の閾値を超える毎に増加させてもよい。具体的には、合計購入額が1~5000円の場合は「A=1」、合計購入額が5001~15000円の場合は「A=1.5」、合計購入額が15001~30000円の場合は「A=3」としてもよい。
【0128】
また、数値Aの値は、所定の期間(例えば、1日間、1週間、1か月間など)における投票券の合計購入額や購入回数、投票券を購入したレース数等に応じて、変動させてもよい。この場合、合計購入額や購入回数、投票券を購入したレース数等が多いほど、数値Aの値を大きくすることが好ましい。
【0129】
付与するポイントは、合計購入額にA%を乗じた値ではなく、一定の値としてもよい。例えば、所定の期間(例えば、1日間、1週間、1か月間など)における投票券の合計購入額や購入回数、投票券を購入したレース数等が所定の閾値に到達する毎に、その閾値に応じた一定の値をポイントとして付与してもよい。
【0130】
なお、図14は投票券の購入に応じてポイントを付与する場合の例であるが、投票券の購入に応じて、限定コンテンツの開放や所定のサービスの提供を可能にしてもよい。例えば、所定の期間における投票券の合計購入額や購入回数、投票券を購入したレース数等が所定の閾値に到達する毎に、その閾値に応じた限定コンテンツや所定のサービスを利用可能にしてもよい。
【0131】
図14において、ディスプレイ132の下部には、投票券の購入によってポイントを付与された後の所持ポイント数が10000ポイントである旨が示されている。ポイントは、アプリケーションプログラム151を介して使用できる。ポイントは、例えば、現金と同様の使い方ができる。ユーザは、例えば、投票券を購入するための対価や、食事処で食事の提供を受けることの対価を、ポイントで支払うことができる。また、ユーザは、ボートレース場501への入場の対価や、ボートレース場501で有料座席を使用する対価を、ポイントで支払うことができる。
【0132】
図15は、ポイントを使用しうる処理の一例を示すフローチャートである。図15は、具体的には、ポイントを使用してボートレース場501へ入場する場合の処理の一例を示すフローチャートである。なお、ユーザにとって、アプリケーションプログラム151を介したボートレース場501への入場は、現実世界でのサービスの享受であり、例えば、第1特典1101のうちの1つである。
【0133】
まず、ステップS1510において、制御部190は、ユーザの操作入力に基づいて、ボートレース場501への入場チケットの購入要求を受け付ける。入場チケットの購入に対してポイントの使用要求がある場合(ステップS1520においてYes)、制御部190は、入場チケットの購入要求とポイントの使用要求を第1サーバ装置20へと送信する。
【0134】
次に、ステップS1530において、制御部290は、ユーザ管理テーブル253Aに記憶されているユーザの所持ポイント数から、入場チケットの購入に要するポイント数を減算し、ユーザの所持ポイント数を更新する。
【0135】
次に、ステップS1550において、制御部290は、ユーザ端末10上において電子的な仮想チケットを生成するためのチケット情報をユーザ端末10へ送信する。制御部190は、チケット情報を受信し、該チケット情報に基づいて、電子的な仮想チケットを生成する。仮想チケットは、ボートレース場501の入場ゲートに応じた形式で生成され、具体的には、QRコード(登録商標)、バーコード、Webチケット、ID情報等の形式で生成される。
【0136】
次に、ステップS1560において、ボートレース場501の入場ゲートの読み取り機等に、ユーザ端末10上に表示される仮想チケットを読み込ませることで、入場処理がなされ、終了する。
【0137】
入場チケットの購入に対してポイントの使用要求がない場合(ステップS1520においてNo)、制御部190は、入場チケットの購入要求を第1サーバ装置20へと送信する。次に、ステップS1540において、制御部290は、ユーザ管理テーブル253Aに記憶されているユーザの支払い情報に登録されている銀行口座やクレジットカード情報等を用いて、入場チケットの購入代金を決済する処理をする。その後は、上述のステップS1550の処理に進む。
【0138】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【0139】
[付記事項]
本開示の内容を列記すると以下の通りである。
【0140】
(項目1)
プロセッサ及び撮像部を備えた第1コンピュータにおいて実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
現実世界における所定の地点に関連する第1情報を第2コンピュータから受信するステップと、
前記第1情報に基づいて、前記所定の地点に対応する仮想オブジェクトを生成するステップと、
前記撮像部により撮像された前記第1コンピュータの周囲の現実画像に、前記仮想オブジェクトを重畳させて表示し、前記所定の地点に対応する仮想コンテンツを提供するステップと、
前記第1コンピュータの位置情報を取得するステップと、
前記位置情報が示す位置が前記所定の地点である場合に、前記第1コンピュータのユーザに特典を付与するステップと、を実行させる、
プログラム。
これにより、現実世界における所定の地点に対応するコンテンツを、ユーザが該所定の地点にいなくてもユーザに提供できるようにしつつも、該所定の地点へと実際に行くモチベーションを高めることができる。
【0141】
(項目2)
前記付与するステップは、前記所定の地点における前記ユーザの前記第1コンピュータを介した行動に応じて特典を付与することを含む、
項目1に記載のプログラム。
これにより、例えば、所定の地点において開催されているイベントの主催者や、サーバを運営している運営者にとって望ましい行動を、所定の地点にてユーザに実行させる動機づけを与えることができる。結果として、ユーザの満足度を高めつつ、イベント等を盛り上げ易くなる。
【0142】
(項目3)
前記特典は、前記仮想コンテンツに関連する限定コンテンツであって、前記位置情報が示す位置が前記所定の地点にある場合にのみ利用可能な限定コンテンツを、前記ユーザに利用可能にすることを含む、
項目1または項目2に記載のプログラム。
これにより、所定の地点へと実際に行くモチベーションをさらに高めることができるとともに、実際に所定の地点へと訪れたユーザの満足度をさらに向上できる。
【0143】
(項目4)
前記限定コンテンツが、メッセージの送信及び前記所定の地点に存在する他のユーザが送信したメッセージの閲覧が可能なものである、
項目3に記載のプログラム。
これにより、所定の地点へと実際に行くモチベーションをさらに高めることができるとともに、実際に所定の地点へと訪れたユーザの満足度をさらに向上できる。また、実際に所定の地点へと訪れたユーザ間で気持ちの共有がし易くなり、イベント等の参加者の一体感を向上させることができる。
【0144】
(項目5)
前記特典は、現実世界における所定のサービスであって、前記所定の地点において前記ユーザに提供されるサービスを、前記ユーザに提供可能にすることを含む、
項目1から項目4のいずれか一項に記載のプログラム。
これにより、ユーザの利便性を高め、ユーザの満足度を向上させることができる。
【0145】
(項目6)
前記所定の地点が、所定のレースを実施するレース場であり、
前記仮想オブジェクトが、前記レース場を表すレース場オブジェクトと、前記所定のレースの出場者または移動体を表す移動オブジェクトと、を含み、
前記仮想コンテンツが、前記所定のレースに対応する仮想レースであり、
前記仮想レースは、前記第1情報に基づいて、前記レース場オブジェクト上において前記移動オブジェクトを移動させるものである、
項目1から項目5のいずれか一項に記載のプログラム。
これにより、現実世界のレース場で実施されるレースを、レース場へ行かなくても仮想レースとしてユーザに提供できるようにしつつも、レース場へと実際に行くモチベーションを高めることができる。
【0146】
(項目7)
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
前記ユーザの操作入力に基づいて、前記出場者又は前記移動体についての投票券の購入を受け付けるステップを実行させ、
前記付与するステップは、前記位置情報が示す位置が前記レース場である場合に購入された前記投票券の購入額に応じて特典を付与することを含む、
項目6に記載のプログラム。
これにより、ユーザに投票券を購入する動機づけを与えることができるとともに、ユーザの満足度を向上させることができる。
【0147】
(項目8)
プロセッサ及び撮像部を備えた第1コンピュータにおいて実行される情報処理方法であって、
前記情報処理方法は、前記プロセッサに、
現実世界における所定の地点に関連する第1情報を第2コンピュータから受信するステップと、
前記第1情報に基づいて、前記所定の地点に対応する仮想オブジェクトを生成するステップと、
前記撮像部により撮像された前記第1コンピュータの周囲の現実画像に、前記仮想オブジェクトを重畳させて表示し、前記所定の地点に対応する仮想コンテンツを提供するステップと、
前記第1コンピュータの位置情報を取得するステップと、
前記位置情報が示す位置が前記所定の地点である場合に、前記第1コンピュータのユーザに特典を付与するステップと、を実行させることを含む、
情報処理方法。
これにより、現実世界における所定の地点に対応するコンテンツを、ユーザが該所定の地点にいなくてもユーザに提供できるようにしつつも、該所定の地点へと実際に行くモチベーションを高めることができる。
【0148】
(項目9)
プロセッサ及び撮像部を備えた情報処理装置であって、
前記プロセッサは、
現実世界における所定の地点に関連する第1情報を第2コンピュータから受信し、
前記第1情報に基づいて、前記所定の地点に対応する仮想オブジェクトを生成し、
前記撮像部により撮像された前記情報処理装置の周囲の現実画像に、前記仮想オブジェクトを重畳させて表示し、前記所定の地点に対応する仮想コンテンツを提供し、
前記情報処理装置の位置情報を取得し、
前記位置情報が示す位置が前記所定の地点である場合に、前記情報処理装置のユーザに特典を付与する、
情報処理装置。
これにより、現実世界における所定の地点に対応するコンテンツを、ユーザが該所定の地点にいなくてもユーザに提供できるようにしつつも、該所定の地点へと実際に行くモチベーションを高めることができる。
【0149】
(項目10)
第1プロセッサ及び撮像装置を備える第1コンピュータと、第2プロセッサを備え、前記第1コンピュータと通信接続可能な第2コンピュータと、において実現されるシステムであって、
前記第2プロセッサは、
現実世界における所定の地点に関連する第1情報を取得し、
前記第1情報を第1コンピュータへ送信し、
前記第1プロセッサは、
前記第1情報を前記第2コンピュータから受信し、
前記第1情報に基づいて、前記所定の地点に対応する仮想オブジェクトを生成し、
前記撮像部により撮像された前記第1コンピュータの周囲の現実画像に、前記仮想オブジェクトを重畳させて表示し、前記所定の地点に対応する仮想コンテンツを提供し、
前記第1コンピュータの位置情報を取得し、
前記位置情報が示す位置が前記所定の地点である場合に、前記第1コンピュータのユーザに特典を付与する、
システム。
これにより、現実世界における所定の地点に対応するコンテンツを、ユーザが該所定の地点にいなくてもユーザに提供できるようにしつつも、該所定の地点へと実際に行くモチベーションを高めることができる。
【符号の説明】
【0150】
1:システム、10:ユーザ端末、20:第1サーバ装置、30:ネットワーク、40:第2サーバ装置、130:タッチスクリーン、150:(ユーザ端末の)記憶部、190:(ユーザ端末の)制御部、250:(第1サーバ装置の)記憶部、290:(第1サーバ装置の)制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15