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特許7570956移動体制御システム、移動体、制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】移動体制御システム、移動体、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20241015BHJP
   G05D 1/43 20240101ALI20241015BHJP
【FI】
G05B23/02 Z
G05D1/43
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021048657
(22)【出願日】2021-03-23
(65)【公開番号】P2022147422
(43)【公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関 孝幸
【審査官】大古 健一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/154861(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0250611(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/00 -23/02
G05D 1/00 - 1/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象物に関する情報に基づき運転支援制御が実行される移動体に搭載される移動体制御システムであって、
少なくとも1以上の第1センサから情報を取得する第1センサ情報取得部と、
前記第1センサ情報取得部が取得した情報から監視対象物に関する情報を算出する第1算出部と、
前記第1算出部の算出結果を、第2制御システムへ送出が可能な第1送出部と
を備える第1制御システム
を備え、
前記第2制御システムは、
前記第1センサとは異なる少なくとも1以上の第2センサから取得した情報を取得する第2センサ情報取得部と、
前記第1送出部より送出された前記第1算出部の算出結果及び前記第2センサ情報取得部が取得した情報に基づき、監視対象物に関する情報を算出する第2算出部と
を備える、
移動体制御システム。
【請求項2】
前記第1制御システムは、更に、
前記第2算出部の算出結果を取得する算出結果取得部と、
前記第1算出部の算出結果又は前記第2算出部の算出結果を用いて、前記移動体の操作量を算出する操作量算出部と
を備える請求項1に記載の移動体制御システム。
【請求項3】
前記第1制御システムが失陥したと判定したとき、前記第2算出部は、前記第2センサ情報取得部が取得した情報にのみ基づき監視対象物に関する算出を行う
請求項1又は2記載の移動体制御システム。
【請求項4】
前記第2制御システムが失陥したと判定したとき、前記第1算出部は、前記第1センサから取得した情報にのみ基づき監視対象物に関する算出を行い、前記第1算出部の算出結果を用いて、前記操作量算出部は操作量を算出する
請求項2に記載の移動体制御システム。
【請求項5】
前記第2制御システムを更に備える
請求項1から4のいずれか一項に記載の移動体制御システム。
【請求項6】
前記第2制御システムに電力を供給する電源は、1つの筐体に搭載される
請求項5に記載の移動体制御システム。
【請求項7】
前記第2センサは、前記筐体に搭載される
請求項6に記載の移動体制御システム。
【請求項8】
前記筐体は、前記移動体の外側に搭載される
請求項6又は7に記載の移動体制御システム。
【請求項9】
前記第1センサ情報取得部及び前記第2センサ情報取得部は、予め定められた周期で供給される共通の同期信号に従って、それぞれ前記第1センサ及び前記第2センサから情報を取得し、
前記第1制御システムが前記同期信号の1周期内で前記第2算出部の算出結果を取得しなかった場合に、前記操作量算出部は、前記第1算出部の算出結果を用いて操作量を決定する
請求項2又は4に記載の移動体制御システム。
【請求項10】
前記第1センサ情報取得部及び前記第2センサ情報取得部は、予め定められた周期で供給される共通の同期信号に従って、それぞれ前記第1センサ及び前記第2センサから情報を取得し、
前記第2制御システムが前記同期信号の1周期内で前記第1算出部の算出結果を取得しなかった場合に、前記第2算出部は前記第2センサから取得した情報にのみ基づき監視対象物に関する算出を行い、前記操作量算出部は、前記第2算出部の算出結果を用いて、操作量を決定する
請求項2、4及び9のいずれか一項に記載の移動体制御システム。
【請求項11】
前記第1センサ情報取得部は、予め定められた周期で供給される同期信号に従って前記第1センサから情報を取得し、
前記第2算出部は、前記第1送出部が前記第1算出部の算出結果を送出する場合に生成されるイベント信号に従って、前記第1送出部より送出された前記第1算出部の算出結果及び前記第2センサ情報取得部が取得した情報に基づき、監視対象物に関する情報を算出し、算出結果を前記第1制御システムへ送出し、
前記第1制御システムが前記同期信号の1周期内で前記第2算出部の算出結果を取得しなかった場合に、前記操作量算出部は、前記第算出部の算出結果を用いて、操作量を決定する
請求項2又は4に記載の移動体制御システム。
【請求項12】
監視対象物に関する情報に基づき運転支援制御が実行される移動体に搭載される移動体制御システムであって、
少なくとも1以上の第1センサから取得した情報から監視対象物に関する第1算出結果を算出する第1制御システムから、前記第1算出結果を取得する第2制御システム
を備え、
前記第2制御システムは、
前記第1センサとは異なる少なくとも1以上の第2センサから取得した情報を取得する第2センサ情報取得部と、
前記第1算出結果及び前記第2センサ情報取得部が取得した情報に基づき、監視対象物に関する情報を算出する第2算出部と、
前記第2算出部の算出結果を、前記第1制御システムへ送出が可能な送出部と
を備える、移動体制御システム。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の移動体制御システムを備える移動体。
【請求項14】
監視対象物に関する情報に基づき運転支援制御が実行される移動体に搭載される移動体制御システムによる制御方法であって、
第1制御システムが、少なくとも1以上の第1センサから情報を取得するセンサ情報取得段階と、
前記第1制御システムが、前記センサ情報取得段階で取得した情報から監視対象物に関する情報を算出する第1算出段階と、
前記第1制御システムが、前記第1算出段階による算出結果を、第2制御システムへ送出する送出段階であって、前記第2制御システムは、前記送出段階により送出された算出結果及び前記第1センサとは異なる少なくとも1以上の第2センサから取得した情報に基づき、監視対象物に関する情報を算出する、送出段階と
を備える制御方法。
【請求項15】
コンピュータを、監視対象物に関する情報に基づき運転支援制御が実行される移動体に搭載される移動体制御システムとして機能させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記コンピュータを、少なくとも1以上の第1センサから取得した情報から監視対象物に関する第1算出結果を算出する第1制御システムから、前記第1算出結果を取得する第2制御システム
として機能させ、
前記プログラムは、前記コンピュータを、
前記第1センサとは異なる少なくとも1以上の第2センサから取得した情報を取得する第2センサ情報取得部、
前記第1算出結果及び前記第2センサ情報取得部が取得した情報に基づき、監視対象物に関する情報を算出する第2算出部、及び
前記第2算出部の算出結果を、前記第1制御システムへ送出する送出部
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体制御システム、移動体、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「自動運転制御における冗長系の設計負荷を軽減しつつ、制御の信頼性を向上させる技術」として「メイン処理部に接続されるメインバスとは別に、サブ処理部に接続されるサブバスが設けられている」構成が記載されている。特許文献2には、ADAS制御ECUと、ADAS制御ECUから送信された制御指示信号を受信し、当該制御指示信号に基づいて車両の駆動に関する制御を行うアクチュエータECUとを備える構成が記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2019-189029号公報
[特許文献2] 特開2020-108132号公報
【発明の概要】
【0003】
第1の態様において、移動体制御システムが提供される。移動体制御システムは、監視対象物に関する情報に基づき運転支援制御が実行される移動体に搭載される。移動体制御システムは、第1制御システムを備える。第1制御システムは、少なくとも1以上の第1センサから情報を取得する第1センサ情報取得部を備える。第1制御システムは、第1センサ情報取得部が取得した情報から監視対象物に関する情報を算出する第1算出部を備える。第1制御システムは、第1算出部の算出結果を、第2制御システムへ送出が可能な第1送出部を備える。第2制御システムは、第1センサとは異なる少なくとも1以上の第2センサから取得した情報を取得する第2センサ情報取得部と、第1送出部より送出された第1算出部の算出結果及び第2センサ情報取得部が取得した情報に基づき、監視対象物に関する情報を算出する第2算出部とを備える。
【0004】
第1制御システムは、第2算出部の算出結果を取得する算出結果取得部を備えてよい。第1制御システムは、第1算出部の算出結果又は第2算出部の算出結果を、移動体の操作量を算出する操作量算出部へ送出する第2送出部を備えてよい。
【0005】
第1制御システムが失陥したと判定したとき、第2算出部は、第2センサ情報取得部が取得した情報にのみ基づき監視対象物に関する算出を行い、移動体の操作量を算出する操作量算出部へ第2算出部の算出結果を送出してよい。
【0006】
第2制御システムが失陥したと判定したとき、第1算出部は、第1センサから取得した情報にのみ基づき監視対象物に関する算出を行い、第1算出部の算出結果を、移動体の操作量を算出する操作量算出部へ送出してよい。
【0007】
移動体制御システムは、第2制御システムを更に備えてよい。
【0008】
第2制御システムに電力を供給する電源は、1つの筐体に搭載されてよい。
【0009】
第2センサは、筐体に搭載されてよい。
【0010】
筐体は、移動体の外側に搭載されてよい。
【0011】
第1センサ情報取得部及び第2センサ情報取得部は、予め定められた周期で供給される共通の同期信号に従って、それぞれ第1センサ及び第2センサから情報を取得してよい。第1制御システムが同期信号の1周期内で第2算出部の算出結果を取得しなかった場合に、第1算出部は、第1算出部の算出結果を、移動体の操作量を算出する操作量算出部へ送出してよい。
【0012】
第1センサ情報取得部及び第2センサ情報取得部は、予め定められた周期で供給される共通の同期信号に従って、それぞれ第1センサ及び第2センサから情報を取得してよい。第2制御システムが同期信号の1周期内で第1算出部の算出結果を取得しなかった場合に、第2算出部は第2センサから取得した情報にのみ基づき監視対象物に関する算出を行い、第2算出部の算出結果を、移動体の操作量を算出する操作量算出部へ送出してよい。
【0013】
第1センサ情報取得部は、予め定められた周期で供給される同期信号に従って第1センサから情報を取得してよい。第2算出部は、第1送出部が第1算出部の算出結果を送出する場合に生成されるイベント信号に従って、第1送出部より送出された第1算出部の算出結果及び第2センサ情報取得部が取得した情報に基づき、監視対象物に関する情報を算出し、算出結果を第1制御システムへ送出してよい。第1制御システムが同期信号の1周期内で第2算出部の算出結果を取得しなかった場合に、第1算出部は、第1算出部の算出結果を、移動体の操作量を算出する操作量算出部へ送出してよい。
【0014】
第2の態様において、監視対象物に関する情報に基づき運転支援制御が実行される移動体に搭載される移動体制御システムが提供される。移動体制御システムは、少なくとも1以上の第1センサから取得した情報から監視対象物に関する第1算出結果を算出する第1制御システムから、第1算出結果を取得する第2制御システムを備える。第2制御システムは、第1センサとは異なる少なくとも1以上の第2センサから取得した情報を取得する第2センサ情報取得部と、第1算出結果及び第2センサ情報取得部が取得した情報に基づき、監視対象物に関する情報を算出する第2算出部と、第2算出部の算出結果を、第1制御システムへ送出が可能な送出部とを備える。
【0015】
第3の態様において、移動体が提供される。移動体は、上記の移動体制御システムを備える。
【0016】
第4の態様において、監視対象物に関する情報に基づき運転支援制御が実行される移動体に搭載される移動体制御システムによる制御方法が提供される。制御方法は、第1制御システムが、少なくとも1以上の第1センサから情報を取得するセンサ情報取得段階を備える。制御方法は、第1制御システムが、センサ情報取得段階で取得した情報から監視対象物に関する情報を算出する第1算出段階を備える。制御方法は、第1算出段階による算出結果を、第2制御システムへ送出する送出段階であって、第2制御システムが、送出段階により送出された算出結果及び第1センサとは異なる少なくとも1以上の第2センサから取得した情報に基づき、監視対象物に関する情報を算出する、送出段階を備える。
【0017】
第5の態様において、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータを、監視対象物に関する情報に基づき運転支援制御が実行される移動体に搭載される移動体制御システムとして機能させる。プログラムは、コンピュータを、少なくとも1以上の第1センサから取得した情報から監視対象物に関する第1算出結果を算出する第1制御システムから、第1算出結果を取得する第2制御システムとして機能させる。プログラムは、コンピュータを、第1センサとは異なる少なくとも1以上の第2センサから取得した情報を取得する第2センサ情報取得部として機能させる。プログラムは、コンピュータを、第1算出結果及び第2センサ情報取得部が取得した情報に基づき、監視対象物に関する情報を算出する第2算出部として機能させる。プログラムは、コンピュータを、第2算出部の算出結果を、第1制御システムへ送出する送出部として機能させる。
【0018】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】一実施形態に係る制御ユニット30が搭載された車両20を模式的に示す。
図2】車両20及び制御ユニット30の機能構成を模式的に示す。
図3】第1制御システム100及び第2制御システム200のシステム構成を、第1センサ101、第2センサ201、被制御機器180及び被制御機器280とともに模式的に示す。
図4】第1ECU110、コアECU120及び第2ECU210の機能構成を模式的に示す。
図5】第1制御システム100及び第2制御システム200において実行される処理のタイムシーケンスを模式的に示す。
図6】第1ECU110及び第2ECU210が実行する処理手順を示すフローチャートである。
図7】第1ECU110及び第2ECU210の機能を通常処理とフェイルセーフ処理とに分けて記載したフロー図である。
図8】第1制御システム100及び第2制御システム200において実行される処理のタイムシーケンスの変形例を模式的に示す。
図9】第1制御システム100及び第2制御システム200において実行される処理のタイムシーケンスの変形例を模式的に示す。
図10】第1制御システムの変形例として、第1ECU110の機能を第1ECU110A及び第1ECU110Bによって実現した第1制御システム1100のシステム構成を示す。
図11】第1制御システム1100及び第2制御システム200において実行される処理のタイムシーケンスを模式的に示す。
図12】本発明の複数の実施形態が全体的又は部分的に具現化され得るコンピュータ2000の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0021】
図1は、一実施形態に係る制御ユニット30が搭載された車両20を模式的に示す。図2は、車両20及び制御ユニット30の機能構成を模式的に示す。制御ユニット30及び第1制御装置21は協働して、監視対象物に関する情報に基づいて車両20の運転支援に関する少なくとも一部の制御を行う。
【0022】
車両20は、第1制御装置21と電源70とを備える。第1制御装置21は、車両20内に設けられる。制御ユニット30は、車両20に搭載可能である。制御ユニット30は、車両20の外側に搭載される。第1制御装置21は、例えば、先進運転システム(ADAS)用の制御情報を生成する機能を持つ。第2制御装置22は、例えば自動運転用の制御情報を生成する機能を持つ。なお、本実施例では、制御ユニット30は、車両20の外側に搭載される実施例を示しているが、車両内側に設けられていてもよい。
【0023】
第1制御装置21は、第1センサ101と、第1制御システム100とを備える。第1センサ101は、例えばカメラ、レーダ及び位置センサ等を含む。第1制御システム100は、第1センサ101が取得した情報に基づいて、監視対象物に関する第1算出結果を生成する。例えば、第1制御システム100は、第1センサ101に含まれる各センサが取得した外部の歩行者や他の車両や障害物等の物体の認識結果や当該認識結果に基づく制御情報を生成して、第1算出結果として生成する。
【0024】
車両20に第2制御装置22が搭載されていない場合、第1制御システム100は、第1算出結果に基づいて車両20の操舵等に関する制御信号を生成するための制御情報を生成する車両20が備える被制御機器180は、制御情報に基づいて制御される。一方、車両20に第2制御装置22が搭載されている場合、第1制御システム100が算出した第1算出結果は、接続ポート26を通じて第2制御装置22に送出される。
【0025】
第2制御装置22は、第2センサ201と、第2制御システム200とを備える。第2制御装置22は、第2制御装置22を車両20の外側に搭載するための接続ポート26を備える。第2制御装置22には、接続ポート26内に設けられる電力配線を通じて電源70から電力が供給される。第2制御システム200は、接続ポート26内に設けられた通信用配線を通じて、第1制御システム100と通信可能である。
【0026】
第2センサ201は、例えばカメラやライダ(Lidar)等を含む。第2制御システム200は、第2センサ201が取得した情報と、第1制御システム100から取得した第1算出結果とに基づいて、監視対象物に関する情報を算出する。例えば、第2制御システム200は、第1算出結果に加えて、第2センサ201が取得した外部の歩行者や他の車両や障害物等の物体の位置等の認識結果を更に考慮して、第2算出結果を生成する。第2制御システム200が算出した第2算出結果は、接続ポート26を通じて第1制御システム100へ送出される。
【0027】
車両20に第2制御装置22が搭載されている場合、第1制御システム100は、少なくとも第2算出結果に基づいて、車両20の操舵等を制御する制御情報を算出する。
【0028】
このように、第2制御システム200は、第1制御システム100が生成した第1算出結果と、第2センサ201が取得した情報とに基づいて第2算出結果を生成する。そのため、例えば第2制御装置22によって提供される自動運転機能を持つ車両を開発する場合に、第1センサ101や第1制御システム100を含む第1制御装置21によって提供されるADAS機能を用いることができるため、車両の制御システムの開発工数を削減することができる。また、第1制御装置21が提供するADAS機能を持つ車両に、第2制御装置22を搭載することで、第2制御装置22が提供する自動運転機能を追加することが可能となり、第1センサ等を用いることで製造コストを削減することができる。
【0029】
なお、本実施形態において、車両20がハイブリッド自動車であるとして説明する。車両20が備える電源70は、高圧バッテリ72と、DC/DCコンバータ74と、低圧バッテリ76とを備える。高圧バッテリ72は、リチウムイオンバッテリ等である。高圧バッテリ72は走行用モータに電力を供給するバッテリである。DC/DCコンバータ74は、高圧バッテリ72の高電圧電力を低電圧の電力に変換する。DC/DCコンバータ74により変換された低電圧電力により低圧バッテリ76が充電され得る。低圧バッテリ76は、例えば12Vの出力電圧を持つバッテリである。低圧バッテリ76は例えば鉛蓄電池である。第1制御装置21は低圧バッテリ76から供給される電力で動作する。
【0030】
DC/DCコンバータ74の出力は、接続ポート26内の電力線を通じて、制御ユニット30内のスイッチ82の一端に接続される。スイッチ82の他端は、DC/DCコンバータ84に接続される。第2制御装置22は、DC/DCコンバータ84によって変換された電力で動作する。DC/DCコンバータ84は、バッテリ86に接続され、バッテリ86に電力を蓄積するとともに、バッテリ86の出力電力を変換して第2制御装置22に供給する。バッテリ86の容量は、第2制御装置22の消費電力に応じて設計されてよい。例えば、第2制御装置22が自動運転に関する制御を担う場合、バッテリ86の容量は、第2制御装置22が提供する自動運転レベルに応じて設計されてよい。
【0031】
図3は、第1制御システム100及び第2制御システム200のシステム構成を、第1センサ101、第2センサ201、被制御機器180及び被制御機器280とともに模式的に示す。なお、図3は車両20が備える一部の構成要素を示し、車両20は図3に示す構成要素以外の構成要素を備えてよい。第1制御システム100及び第2制御システム200は、車両20の制御システムとして機能する。第1制御システム100及び第2制御システム200は、車両20の運転支援に関する少なくとも一部の制御を行う。
【0032】
第1ECU110、コアECU120、ECU130、ECU140、第2ECU210、被制御機器180及び被制御機器280は、通信ネットワークを通じて、直接又は間接的に通信可能に接続される。車内通信回線は、例えばCAN(登録商標)(Controller Area Network)やIEEE802.3シリーズに準拠するネットワーク等を含んで構成されてよい。同様に、第1ECU110は、通信ネットワークを通じて第1センサ101から情報を取得し、第2ECU210は、通信ネットワークを通じて第2センサ201から情報を取得する。
【0033】
第1センサ101は、フロントカメラ102、レーダ104、及び位置センサ106を含む。フロントカメラ102は、主として車両20の前方の領域を撮像して、撮像により得られた画像から、車両20の前方に存在する物体の認識情報を生成する。レーダ104は、車両20の周囲に存在する物体までの距離情報を生成する。位置センサ106は、例えば、GNSS衛星から発信される信号を受信するGNSS受信機等を備え、GNSS衛星から受信した信号に基づいて車両20の位置情報を生成する。
【0034】
第2センサ201は、フロントカメラ202、サラウンドカメラ204、及びライダー206を含む。フロントカメラ202は、主として車両20の前方の領域を撮像して、撮像により得られた画像から、車両20の前方に存在する物体の認識情報を生成する。フロントカメラ202は、フロントカメラ202より高精度の認識情報を生成してよい。フロントカメラ202の撮像レートは、フロントカメラ102の撮像レートより高くてよい。フロントカメラ202の撮像解像度はフロントカメラ102の撮像解像度より高くてよい。フロントカメラ202の輝度分解能はフロントカメラ102の輝度分解能より高くてよい。フロントカメラ202の色分解能はフロントカメラ102の色分解能より高くてよい。サラウンドカメラ204は、車両20の周囲の領域を撮像して、撮像により得られた画像から、車両20の周囲に存在する物体の認識情報を生成する。ライダー206は、レーザライダーや赤外線ライダー等である。ライダー206は、車両20の周囲に存在する物体までの距離情報を生成する。
【0035】
第1制御システム100は、第1ECU110と、コアECU120と、ECU130と、ECU140とを備える。被制御機器180は、主として第1制御システム100による制御対象となる機器である。被制御機器180は、EPS181と、FI・MOT182と、ESB183と、SMART184と、IVI・MID186等を含む。
【0036】
第1ECU110は、例えばADASに関する制御を行う。第1ECU110は、ADASの他、各種のイベントデータを記録、低圧バッテリ76の管理、第1センサ101が生成した情報のやりとりに関する制御を行う。イベントデータの記録機能は、例えば自動運転レベルが切替わり等のイベントが発生した場合に第1センサ101等で取得した情報を記録する機能である。
【0037】
第1ECU110は、第1センサ101から取得した情報に基づいて第1算出結果を生成し、コアECU120に制御情報を出力する。コアECU120は、第1ECU110又は第2ECU210から取得した情報に基づいて、被制御機器180及びIVI・MID186を直接又は関節的に制御する制御情報を生成する。例えば、コアECU120は、IVI・MID186を制御する。ECU130は、コアECU120から受信された制御情報に基づいて、EPS181、FI・MOT182、及びESB183を制御する。ECU140は、コアECU120から供給された制御情報に基づいて、SMART184等を制御する。コアECU120は、例えば、車両20の操舵を制御するための制御情報を生成する。
【0038】
EPS181は、電動パワーステアリング装置である。具体的には、EPS181は、常用系の電動パワーステアリング装置である。FI・MOT182は、燃料噴射装置及び走行用モータの制御装置を含む。なお、車両20が電気自動車である場合は燃料噴射装置を備えなくてよく、車両20が走行用モータを備えない自動車である場合は、走行用モータの制御装置を備えなくてよい。
【0039】
ESB183は、電動サーボブレーキである。SMART184は、スマートエントリー機能を提供する機器である。IVI・MID186は、例えば車内インフォテインメント情報機器(IVI)及びマルチインフォメーションディスプレイ(MID)を含む。IVI・MID186は、車両20の運転者に通知情報を表示する。
【0040】
第2制御システム200は、第2ECU210を備える。第2ECU210は、例えば自動運転に関する制御を行う。また、第2ECU210は、第1ECU110又はコアECU120と通信し、第1制御システム100と協働して被制御機器180を制御する。また、第2ECU210は、被制御機器280を制御する。第2ECU210は、その他、各種のイベントデータの記録、ドライブレコーダ、制御ユニット30が備える電源系の管理等を行う。
【0041】
被制御機器280は、第2制御システム200により直接又は間接的に制御される機器である。被制御機器280は、LVD281と、IND282と、VSA283と、SRS284と、EPS285とを含む。LVD281は、DC/DCコンバータ84を含んで構成される。IND282は、車両20の搭乗者への通知を行う機器である。VSA283は、車両20の横滑り防止機能を提供する機器である。例えば、VSA283は、アンチロックブレーキシステム(ABS)及びトラクションコントロール(TCS)を統合制御する機器である。SRS284は、SRSエアバッグ等の補助拘束装置と、SRSエアバッグの展開を制御するGセンサやヨーレートセンサとを含む。EPS285は、電動パワーステアリング装置である。具体的には、EPS285は、非常用系の電動パワーステアリング装置である。被制御機器280は、非常時における車両20の運動制御及び搭乗者への通知を行うための機器であってよい。
【0042】
図4は、第1ECU110、コアECU120及び第2ECU210の機能構成を模式的に示す。第1制御システム100の機能は第1ECU110により実現され、第2制御システム200の機能は第2ECU210により実現される。第1ECU110は、第1センサ101から取得した情報から監視対象物に関する算出結果を算出し、第2ECU210は、少なくとも第2センサ201から取得した情報から監視対象物に関する算出結果を算出する。第2ECU210は、第1ECU110による算出結果を取得し、第1ECU110による算出結果と、第2センサ201から取得した情報から監視対象物に関する算出結果を算出する。
【0043】
第1ECU110は、第1センサ情報取得部112と、第1算出部114と、算出結果取得部116と、操作量算出部115と、送出部118とを備える。第2ECU210は、第2センサ情報取得部212と、第2算出部214と、操作量算出部218とを備える。操作量算出部115及び操作量算出部218は、車両運動制御(VMC)の少なくとも一部を担う機能ブロックである。
【0044】
第1ECU110が備える操作量算出部115及び第2ECU210が備える操作量算出部218は、例えば車両20の操舵に関する被制御機器を制御するための制御情報を算出する。操作量算出部115及び操作量算出部218は、例えばハンドル、アクセル、ブレーキ、シフト等の操作量を算出する。操作量算出部115が算出する操作量に基づいて制御される被制御機器は、例えば、被制御機器180に含まれるESP181、FI・MOT182、ESB183等である。操作量算出部218が算出する操作量に基づいて制御される被制御機器は、被制御機器280に含まれるVSA283、EPS285等である。
【0045】
第1センサ情報取得部112は、第1センサ101から情報を取得する。第1算出部114は、第1センサ情報取得部112が取得した情報から監視対象物に関する情報を算出する。接続ポート26は、第1算出部114の算出結果を第2制御システム200へ送出する。接続ポート26は、第1算出部114の算出結果を、第2制御システム200へ送出が可能な第1送出部の一例である。第1送出部は、データを送出する機能ブロックとして第1ECU110等に実装されてよい。
【0046】
第2センサ情報取得部212は、第1センサ101とは異なる第2センサ201から取得した情報を取得する。第2算出部214は、接続ポート26より送出された第1算出部114の算出結果及び第2センサ情報取得部212が取得した情報に基づき、監視対象物に関する情報を算出する。
【0047】
このように、第1ECU110及び第2ECU210を備える制御システムは、第1ECU110の監視対象物に関する算出結果を第2ECU210へ送信するための送出部を設け、第2ECU210において、第1ECU110の算出結果を用いた監視対象物情報を算出する。これにより、例えば、ADAS機能のみを持つ車両と、ADAS機能及び自動運転機能を持つ車両の両方に第1ECU110を利用することができる。そのため、量産効果により、ADAS機能を提供するECUの製造コストを削減することができる。また、第2ECU210には主に自動運転制御に関する機能を実装すればよいので、第2ECU210に実装する機能を削減することができる。これにより、自動運転機能を持つ車両の製造コストや設計コストの増加を抑制することができる場合がある。また、開発工数の増加を抑制することができる場合がある。
【0048】
算出結果取得部116は、第2算出部214の算出結果を取得する。例えば、第2算出部214の算出結果は、接続ポート26によって第1ECU110へ送出される。なお、接続ポート26は、第2算出部214の算出結果を、第1制御システム100へ送出が可能な送出部の一例である。当該送出部は、データを送出する機能ブロックとして第2ECU210等に実装されてよい。操作量算出部115は、第1算出部114の算出結果又は算出結果取得部116が取得した第2算出部214の算出結果に基づいて操作量を算出する。送出部118は、操作量算出部115が算出した操作量を、コアECU120に送出するコアECU120は、第1ECU110から取得した操作量に基づいて直接又は間接的に被制御機器180を制御する。このように、第2算出部214の算出結果を第1ECU110に返し、操作量算出部115に対して算出結果取得部116を介して第2算出部214の算出結果を入力する構成を採用することで、車両制御システムの全体の製造コストや開発工数の増加を抑制できる場合がある。
【0049】
第1制御システム100が失陥したと判定したとき、第2算出部214は、第2センサ情報取得部212が取得した情報にのみ基づき監視対象物に関する算出を行い、車両20の操作量を算出する操作量算出部218へ第2算出部214の算出結果を送出する。これにより第1ECU110が失陥した場合でも、操作量算出部218を通じて車両20の退避行動が可能となる。また、専用の冗長系を実装せずに退避行動が可能となる。そのため、車両の製造コストの増加を抑制することができる。なお、第1ECU110に異常が発生した場合に、第1制御システム100が失陥したと判定されてよい。第1制御システム100が失陥したか否かの判定は、第1ECU110の通信状態や車両制御システムにおいて発生したイベント等に基づいて行われてよい。なお、第1制御システム100が失陥したか否かの判定は、第2算出部214が第1算出部114の算出結果を第1ECU110から取得できなかったか否かに基づいて行われてもよい。
【0050】
第2制御システム200が失陥したと判定したとき、第1算出部114は、第1センサ101から取得した情報にのみ基づき監視対象物に関する算出を行い、操作量算出部115が第1算出部114の算出結果に基づいて算出した操作量をコアECU120へ送出する。これにより、第2ECU210が失陥した場合でも、車両20の退避行動が可能となる。なお、第2ECU210に異常が発生した場合に、第2制御システム200が失陥したと判定されてよい。第2制御システム200が失陥したか否かの判定は、第2ECU210の通信状態や車両制御システムにおいて発生したイベント等に基づいて行われてよい。なお、第2制御システム200が失陥したか否かの判定は、第1算出部114が第2算出部214の算出結果を第2ECU210から取得できなかったか否かに基づいて行われてもよい。
【0051】
第2制御システム200に電力を供給する電源は、1つの筐体に搭載されてよい。例えば、図1及び図2等に関連して示したように、バッテリ86は、制御ユニット30の筺体内に搭載されてよい。また、第2センサ201は、制御ユニット30の筺体内に搭載されてよい。これにより、例えば第1制御システム100が提供するADAS機能を有し自動運転機能を有しない車両に、制御ユニット30を搭載することで、第2制御システム200が提供する自動運転機能を追加することが可能になる。なお、制御ユニット30の筐体は、車両の外側に搭載されてよい。例えば、図1等に示したように、制御ユニット30の筺体は、車両20のルーフ上に搭載されてよい。これにより、低コストで第2制御システム200が提供する自動運転機能を追加することが可能になる。
【0052】
第1センサ情報取得部112及び第2センサ情報取得部212は、予め定められた周期で供給される共通の同期信号に従って、それぞれ第1センサ及び第2センサから情報を取得してよい。第1制御システム100が同期信号の1周期内で第2算出部214の算出結果を取得しなかった場合に、第1算出部114は、第1算出部114の算出結果を操作量算出部115へ送出してよい。また、第2制御システム200が同期信号の1周期内で第1算出部114の算出結果を取得しなかった場合に、第2算出部214は第2センサ201から取得した情報にのみ基づき監視対象物に関する算出を行い、第2算出部214の算出結果を、操作量算出部218へ送出してよい。これにより、第2ECU210が第1算出部114の算出結果を取得できなかった場合や、第1ECU110が第2算出部214の算出結果を取得できなかった場合でも、車両20の操舵制御等を行うことが可能になる。
【0053】
なお、第1センサ情報取得部112は、予め定められた周期で供給される同期信号に従って第1センサから情報を取得し、第2算出部214は、第1送出部が第1算出部114の算出結果を送出する場合に生成されるイベント信号に従って、第1送出部より送出された第1算出部114の算出結果及び第2センサ情報取得部212が取得した情報に基づき、監視対象物に関する情報を算出し、算出結果を第1制御システム100へ送出してよい。この場合、第1制御システム100が同期信号の1周期内で第2算出部214の算出結果を取得しなかった場合に、第1算出部114は、第1算出部114の算出結果を操作量算出部115へ送出してよい。これにより、第1ECU110が第2算出部214の算出結果を取得できなかった場合でも、車両20の操舵制御等を行うことが可能になる。
【0054】
図5は、第1制御システム100及び第2制御システム200において実行される処理のタイムシーケンスを模式的に示す。
【0055】
S502において、第1センサ情報取得部112は、第1センサ101が生成した情報を取得する。また、S522において、第2センサ情報取得部212は、第2センサ201が生成した情報を取得する。例えば、第1センサ情報取得部112及び第2センサ情報取得部212には共通の同期信号Sが同一周期かつ同一タイミングで繰り返し供給され、第1センサ情報取得部112及び第2センサ情報取得部212は同じタイミング又は実質的に同じタイミングで、それぞれ第1センサ101が生成した情報及び第2センサ201が生成した情報を取得する。
【0056】
S504において、第1算出部114は、第1センサ情報取得部112が取得した情報に基づいて、第1算出結果を生成する(基本計算)。第1算出部114は、第1センサ情報取得部112が取得した情報を統合して、車両20の制御情報を含む第1算出結果を生成してよい。第1算出部114は、第1センサ情報取得部112が取得した情報を統合することによって、車両20の前方に位置する監視対象物の位置、監視対象物までの距離、及び監視対象物の種類等を示す情報を含む第1算出結果を生成してよい。
【0057】
S506において第1算出部114が算出した第1算出結果は、接続ポート26によって第2算出部214へ送出される。これにより、S522において、第2算出部214は、接続ポート26を通じて第1算出結果を取得する。S524において、第2算出部214は、S512で取得したセンサ情報と第1算出結果とに基づいて、第2算出結果を生成する(拡張計算)。第2算出部214は、S512で取得したセンサ情報と、第1算出結果とを統合して、車両20の制御情報を含む第2算出結果を生成してよい。一例として、第1制御システム100がADASに関する処理を担い、第2制御システム200が自動運転に関する処理を担う場合、第2算出部214は、ADASに関する処理を行わず、S512で取得したセンサ情報と第1算出結果とに基づいて自動運転に関する制御情報を算出する処理を行い、第2算出結果として出力してよい。第2算出結果は、第1算出結果に基づくADASに関する制御情報と、自動運転に関する制御情報とを含んでよい。
【0058】
S528において、第2算出部214は第2算出結果を第1ECU110へ送出する。第1ECU110において、算出結果取得部116が第2算出結果を取得する(S508)と、操作量算出部115は第2算出結果に基づいて操作量を算出し(S510)、算出した操作量を示す制御情報を送出部118がコアECU120へ出力する(S512)。
【0059】
その後、次の同期信号Sが供給されると、S514において第1センサ情報取得部112は第1センサ101が生成した情報を新たに取得し、第2センサ情報取得部212は第2センサ201が生成した情報を新たに取得する。その後、第1ECU110及び第2ECU210は、S502及びS512から始まるシーケンスと同じシーケンスを繰り返す。以上の処理により、第2算出結果に基づく制御情報が周期的にコアECU120に出力される。
【0060】
図6は、第1ECU110及び第2ECU210が実行する処理手順を示すフローチャートである。図6に示す処理は、同期信号の1周期内に実行される処理である。
【0061】
S602において、第1センサ情報取得部112は、第1センサ101が生成した情報を取得する。また、S622において、第2センサ情報取得部212は、第2センサ201が生成した情報を取得する。S602及びS622は、同期信号の受信に応じて実行される。
【0062】
S604において、第1算出部114は、上述した基本計算を行い、第1センサ情報取得部112が取得した情報に基づいて第1算出結果を生成し、接続ポート26を介して第1算出結果を第2ECU210へ送出する。S624において、第2ECU210は、第1計算結果を受信する。
【0063】
S626において、第2算出部214は、受信した第1計算結果をチェックする。例えば、第2算出部214は、直近に同期信号を受信してから予め定められた時間内に第1計算結果を受信し、かつ、受信した第1計算結果が正常なデータである場合に、肯定判定(OK)を行う。一方、第2算出部214は、直近に同期信号を受信してから予め定められた時間内に第1計算結果を受信しなかった場合、又は、受信した第1計算結果が異常なデータである場合に、否定判定(NG)を行う。
【0064】
S626において肯定判定をした場合、第2算出部214は、拡張計算を行う(S630)。具体的には、第2算出部214は、S602で取得したセンサ情報と、S624で受信した第1算出結果とに基づいて、第2算出結果を生成し、第2算出結果を接続ポート26を介して第2ECU210へ送出する。
【0065】
一方、S626において否定判定をした場合、第2算出部214は、フェイルセーフ処理を行う(S628)。例えば、第2算出部214は、S622で第2センサ201から取得した情報のみに基づいて、第2算出結果を生成する。S628において生成した第2算出結果は、S630における拡張計算の結果として、接続ポート26を介して第1ECU110へ送出され得る。
【0066】
S608において、算出結果取得部116が第2算出結果を取得すると、操作量算出部115は、受信した第2計算結果をチェックする。例えば、操作量算出部115は、直近に同期信号を受信してから予め定められた時間内に第2計算結果を受信し、かつ、受信した第2計算結果が正常なデータである場合に、肯定判定(OK)を行う。一方、操作量算出部115は、直近に同期信号を受信してから予め定められた時間内に第2計算結果を受信しなかった場合、又は、受信した第2計算結果が異常なデータである場合に、否定判定(NG)を行う。
【0067】
S610において肯定判定をした場合、操作量算出部115は、第2算出結果に基づいて操作量を算出し、算出した操作量をコアECU120に出力される制御情報として設定する(S614)。一方、S610において否定判定をした場合、フェイルセーフ処理を行う(S612)。例えば、フェイルセーフ処理として、第1算出部114が第1センサ101から取得した情報のみに基づいて生成された第1算出結果に基づいて操作量算出部115が操作量を算出し、S614において、算出した操作量がコアECU120に出力される制御情報としてが設定される。
【0068】
図7は、第1ECU110及び第2ECU210の機能を通常処理とフェイルセーフ処理とに分けて記載したフロー図である。第1ECU110における通常処理710及び第2ECU210における通常処理740は、第1ECU110及び第2ECU210がいずれも失陥していない場合に実行される処理である。通常処理710及び通常処理740は、第1算出部114、第2算出部214及び算出結果取得部116によって実現される処理である。上述したように、通常処理710においては、第1算出部114が算出した第1算出結果が、第2算出部214に送出され、第2算出部214において第2センサ201から取得した情報と第1算出結果とに基づいて第2算出結果を算出し、第2算出結果を算出結果取得部116が取得する処理である。
【0069】
第1ECU110におけるフェイルセーフ処理711は、第1センサ101から取得した情報のみに基づいて、第1算出部114が第1算出結果を算出する処理である。フェイルセーフ処理711は、第2ECU210が失陥している場合に実行され得る。フェイルセーフ処理711は、第2算出部214から第2算出結果を受信できなかった場合に実行され得る。フェイルセーフ処理711は、第2算出部214から受信した第2算出結果が異常であった場合に実行され得る。
【0070】
送出判定処理720は、通常処理710により得られた第2算出結果と、フェイルセーフ処理711により得られた第1算出結果との一方に基づいて算出された操作量をコアECU120へ出力する制御情報として出力する処理である。送出判定処理720により、第2ECU210が失陥している場合等に、フェイルセーフ処理711により得られた第1算出結果に基づく操作量がコアECU120へ送出される。第2ECU210が失陥していない場合に、通常処理710により得られた第2算出結果に基づく操作量がコアECU120へ送出される。車両制御730は、操作量算出部115が算出した操作量に基づいて実行される処理を含み、第1ECU110から取得した情報に基づいて被制御機器180の少なくとも一部を制御する処理である。
【0071】
第2ECU210におけるフェイルセーフ処理741は、第2センサ201から取得した情報のみに基づいて、第2算出部214が第2算出結果を算出する処理である。フェイルセーフ処理741は、第1ECU110が失陥している場合に実行され得る。フェイルセーフ処理741は、第2算出部214が第1算出部114から第1算出結果を受信できなかった場合に実行され得る。フェイルセーフ処理741は、第1算出部114から受信した第1算出結果が異常であった場合に実行され得る。車両制御750は、操作量算出部218により実行される処理を含み、フェイルセーフ処理741によって第2算出結果に基づいて被制御機器280の少なくとも一部を制御する処理である。
【0072】
以上に説明したように、第1制御システム100及び第2制御システム200によれば、第2制御システム200が第1制御システム100が生成したADAS機能に関する第1算出結果を取得して、第1算出結果と第2センサ201から取得した情報とに基づいて、自動運転機能に関する情報を含む第2算出結果を生成して、第1ECU110に送出する。そのため、自動運転機能を持つ車両の設計、開発又は製造コストの増加を抑制することができる。更に、第2制御システム200が搭載された車両20においては、第1制御システム100の失陥時等の非常時においても、第2制御システム200により車両20の運動制御や搭乗者への通知を実現することが可能になる。
【0073】
図8は、第1制御システム100及び第2制御システム200において実行される処理のタイムシーケンスの変形例を模式的に示す。図8に示すタイムシーケンスは、図6に示すタイムシーケンスとは異なり、第1ECU110と第2ECU210とを共通の同期信号で同期的に動作する構成を備えず、第2ECU210は、第1ECU110が第1算出結果を送出した場合に生成されるイベント信号に基づいて拡張計算を行う。
【0074】
S802において、第1センサ情報取得部112は、第1センサ101が生成した情報を取得する。例えば、第1ECU110には同期信号Sが繰り返し供給され、第1センサ情報取得部112は同期信号Sに応じて第1センサ101が生成した情報を取得する。
【0075】
S804において、第1算出部114は、第1センサ情報取得部112が取得した情報に基づいて、第1算出結果を生成する(基本計算)。S806において第1算出部114が算出した第1算出結果は、接続ポート26によって第2算出部214へ送出される。このとき、第2ECU210には、第1算出結果が送信されることを示すイベント信号が供給される。例えば、第1ECU110が、第1算出結果を送出する場合にインベント信号を発生させてよい。
【0076】
S822において、第2算出部214は、接続ポート26を通じて第1算出結果を取得する。S824において、第2算出部214は、第2センサ201から取得したセンサ情報と、第1算出結果とに基づいて、第2算出結果を生成する(拡張計算)。
【0077】
S826において、第2算出部214は、接続ポート26を通じて第2算出結果を第1ECU110へ送出する。第1ECU110において、算出結果取得部116が第2算出結果を取得する(S808)と、操作量算出部115は第2算出結果に基づいて操作量を算出し(S810)、算出した操作量を示す制御情報を送出部118がコアECU120へ出力する(S812)。
【0078】
その後、次の同期信号Sが供給されると、S814において第1センサ情報取得部112は第1センサ101が生成した情報を新たに取得し、第2センサ情報取得部212は第2センサ201が生成した情報を新たに取得する。その後、第1ECU110及び第2ECU210は、S802及びS812から始まるシーケンスと同じシーケンスを繰り返す。これにより、第2算出結果に基づく制御情報が周期的にコアECU120に出力される。
【0079】
なお、S826における第2計算結果は、一定の周期で送信されてよい。例えば、第2ECU210には一定の周期で送信制御用の同期信号が繰り返し供給され、第2算出部214が第2計算結果を算出した後、第2ECU210に最初に送信制御用の同期信号が供給されたときに第2計算結果を送信してよい。
【0080】
なお、図6等に関連して説明したように、S808において第1算出部114は、直近に同期信号Sを受信してから予め定められた時間内に第2算出結果を受信しなかった場合、又は、受信した第2算出結果が異常なデータである場合には、S804で得られた第1算出結果に基づく操作量を、コアECU120に出力する制御情報として設定してよい。
【0081】
図9は、第1制御システム100及び第2制御システム200において実行される処理のタイムシーケンスの変形例を模式的に示す。図9に示すタイムシーケンスは、第2制御システム200が拡張計算だけでなく基本計算も行う場合のタイムシーケンスである。なお、図9のタイムシーケンスは、図5のタイムシーケンスと同様に、第1センサ情報取得部112及び第2センサ情報取得部212には共通の同期信号Sが同一周期かつ同一タイミングで繰り返し供給される場合のタイムシーケンスである。
【0082】
S902において、第1センサ情報取得部112は、第1センサ101が生成した情報を取得する。また、S922において、第2センサ情報取得部212は、第2センサ201が生成した情報を取得する。
【0083】
S903において、S902で第1センサ情報取得部112が取得した情報は、第2制御システム200に送出される。また、S904において、第1算出部114は、第1センサ情報取得部112が取得した情報に基づいて、第1算出結果を生成する(基本計算)。なお、S903及びS904において、第1算出部114は、第1センサ情報取得部112が取得した情報を第1制御システム100に送出するとともに、基本計算を行ってよい。
【0084】
第1センサ情報取得部112が取得した情報は、接続ポート26を通じて第2算出部214へ送出される。S923において、第2算出部214は、接続ポート26を通じて情報を取得すると、接続ポート26を通じて取得した情報に基づいて基本計算を行う(S924)。S924で行う基本計算は、第1算出部114がS904で行う基本計算と同じ計算であってよい。続いて、S926において、S924の基本計算によって得られた第1算出結果と、S922で取得した情報とに基づいて、第2算出結果を生成する(拡張計算)。
【0085】
S928において、第2算出部214は第2算出結果を第1ECU110へ送出する。第1ECU110において、算出結果取得部116が第2算出結果を取得する(S908)と、第2算出結果に基づいて操作量を算出し(S910)、算出した操作量を示す制御情報を送出部118がコアECU120へ出力する(S912)。
【0086】
その後、次の同期信号Sが供給されると、S914において第1センサ情報取得部112は第1センサ101が生成した情報を新たに取得し、第2センサ情報取得部212は第2センサ201が生成した情報を新たに取得する。その後、第1ECU110及び第2ECU210は、S902及びS922から始まるシーケンスと同じシーケンスを繰り返す。以上の処理により、第2算出結果を反映した制御情報が周期的にコアECU120に出力される。
【0087】
なお、図6等に関連して説明したように、S908において第1算出部114は、直近に同期信号Sを受信してから予め定められた時間内に第2算出結果を受信しなかった場合、又は、受信した第2算出結果が異常なデータである場合には、S904で得られた第1算出結果に基づく操作量を、コアECU120に出力する制御情報として設定してよい。また、図8等に関連して説明したように、第1ECU110と第2ECU210とを共通の同期信号で同期的に動作する構成を備えず、第2ECU210は、第1ECU110が第2ECU210に情報を送信した場合に生成されるイベント信号に基づいて拡張計算を行ってよい。
【0088】
図10は、第1制御システムの変形例として、第1ECU110の機能を第1ECU110A及び第1ECU110Bによって実現した第1制御システム1100のシステム構成を示す。第1ECU110Aは、フロントカメラ102から取得した情報に基づいて第1算出結果Aを算出する処理を行う。第1ECU110Bは、レーダ104及び位置センサ106から取得した情報に基づいて第1算出結果Bを算出する処理を行う。第1ECU110Aと第1ECU110Bとは通信ネットワークによって通信可能である。
【0089】
図11は、第1制御システム1100及び第2制御システム200において実行される処理のタイムシーケンスを模式的に示す。
【0090】
S1102において、第1ECU110Aは、フロントカメラ102が生成した情報を取得する。また、S1122において、第1ECU110Bは、レーダ104及び位置センサ106が生成した情報を取得する。また、S1122において、第2ECU210は、第2センサ201が生成した情報を取得する。例えば、第1ECU110A、第1ECU110B及び第2ECU210には共通の同期信号Sが同一周期かつ同一タイミングで繰り返し供給され、第1ECU110A、第1ECU110B及び第2ECU210は同じタイミング又は実質的に同じタイミングで、各センサが生成した情報を取得する。
【0091】
S1104において、第1ECU110Aは、S1102で取得した情報に基づいて、第1算出結果Aを生成する(基本計算A)。
【0092】
S1106において第1ECU110Aが算出した第1算出結果Aは、第1ECU110Bへ送出される。これにより、S1124において、第1ECU110Bは、第1ECU110Aから送出された第1算出結果Aを取得する。S1126において、第1ECU110Bは、S1122で取得した情報と第1算出結果Aとに基づいて、第1算出結果Bを生成する(基本計算B)。第1ECU110Bは、S1122で取得した情報と、第1算出結果Aとを統合して、車両20の制御情報を含む第1算出結果Bを生成してよい。一例として、第1ECU110Aがフロントカメラ102から取得した情報に基づくADASに関する演算を行い、第1ECU110Aが、レーダ104及び位置センサ106から取得した情報を更に考慮して、ADASに関するより詳細な演算を行ってよい。
【0093】
S1128において、第1ECU110Bは第2ECU210へ第1算出結果Bを送出する。S1134において、第2ECU210は、第1算出結果Bを取得する。S1136において、第2ECU210は、S1132で取得した情報と第1算出結果Bとに基づいて、第2算出結果を生成する(拡張計算)。第2ECU210は、S1112で取得した情報と、第1算出結果Bとを統合して、車両20の制御情報を含む第2算出結果を生成してよい。一例として、第1制御システム1100がADASに関する処理を担い、第2制御システム200が自動運転に関する処理を担う場合、第2算出部214は、ADASに関する処理を行わず、S512で取得したセンサ情報と第1算出結果とに基づいて自動運転用の制御情報を算出する処理を行い、第2算出結果として出力してよい。第2算出は、第1算出結果Bに基づくADASに関する情報を含んでよい。
【0094】
S1138において、第2ECU210は第2算出結果を第1ECU110Aへ送出する。第1ECU110Aが第2算出結果を取得する(S1108)と、第1ECU110Aは、第1ECU110AがコアECU120に出力する制御情報として第2算出結果に基づく操作量を設定し(S1110)、第2算出結果をコアECU120へ出力する(S1112)。
【0095】
その後、次の同期信号Sが供給されると、S1114、S1130、及びS1140において、第1ECU110Aはフロントカメラ102が生成した情報を新たに取得し、第1ECU110Bはレーダ104及び位置センサ106が生成した情報を新たに取得し、第2ECU210は第2センサ201が生成した情報を新たに取得する。その後、第1ECU110A、第1ECU110B及び第2ECU210は、S1102、S1112及びS1132から始まるシーケンスと同じシーケンスを繰り返す。以上の処理により、第2算出結果に基づく制御情報が周期的にコアECU120に出力される。
【0096】
図10及び図11に関連して説明したように、3個のECUが下位のECUの算出結果とセンサから取得した情報を用いて車両20の制御に関する情報を算出する形態を採用できる。なお、4個以上のECUによって車両20の制御に関する情報を算出する形態も採用し得る。なお、基本計算及び拡張計算をそれぞれ物理的に別のECUで行う形態に限らず、1個のECU内で基本計算及び拡張計算を分担する形態を採用してもよい。この場合でも、できる。なお、1個のECU内で仮想機械としてECUを動作させる形態を採用してもよい。
【0097】
図4から図11等に関連して説明した形態では、第1ECU110が操作量算出部115を備え、操作量算出部115が第1算出部114による第1算出結果に基づいて算出した操作量又は操作量算出部115が第2算出部214による第2算出結果に基づいて算出した操作量を送出部118がコアECU120に送出する構成を備える。この形態の変形例として、コアECU120が操作量算出部115を備える構成を採用し、送出部118が第1算出部114による第1算出結果又は第2算出部214による第2算出結果の一方をコアECU120が備える操作量算出部115へ送出する構成を採用してよい。
【0098】
なお、以上に説明した車両20において、第2制御装置22を備える制御ユニット30は、車両20の外側に搭載されるとした。しかし、制御ユニット30が車両20内に搭載される形態を採用してもよい。制御ユニット30は車両20内に組み込まれて出荷されてよい。
【0099】
本実施形態で説明した車両20は輸送機器の一例である。輸送機器の一例としての車両は、四輪自動車、二輪自動車、鞍乗型車両等を含む。輸送機器の一例としての車両は、カート、鉄道車両等、任意の種類の車両であってよい。輸送機器は、スノーモービル、農耕機、船舶、無人航空機を含む航空機等の、人及び物品の少なくとも一方を輸送する機器を例示することができる。
【0100】
図12は、本発明の複数の実施形態が全体的又は部分的に具現化され得るコンピュータ2000の例を示す。コンピュータ2000にインストールされたプログラムは、コンピュータ2000を、実施形態に係る第1制御システム及び第2制御システム等の装置又は当該装置の各部として機能させる、当該装置又は当該装置の各部に関連付けられるオペレーションを実行させる、及び/又は、実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2000に、本明細書に記載の処理手順及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU2012によって実行されてよい。
【0101】
本実施形態によるコンピュータ2000は、CPU2012、及びRAM2014を含み、それらはホストコントローラ2010によって相互に接続されている。コンピュータ2000はまた、ROM2026、フラッシュメモリ2024、通信インタフェース2022、及び入力/出力チップ2040を含む。ROM2026、フラッシュメモリ2024、通信インタフェース2022、及び入力/出力チップ2040は、入力/出力コントローラ2020を介してホストコントローラ2010に接続されている。
【0102】
CPU2012は、ROM2026及びRAM2014内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。
【0103】
通信インタフェース2022は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。フラッシュメモリ2024は、コンピュータ2000内のCPU2012によって使用されるプログラム及びデータを格納する。ROM2026は、アクティブ化時にコンピュータ2000によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ2000のハードウエアに依存するプログラムを格納する。入力/出力チップ2040はまた、キーボード、マウス及びモニタ等の様々な入力/出力ユニットをシリアルポート、パラレルポート、キーボードポート、マウスポート、モニタポート、USBポート、HDMI(登録商標)ポート等の入力/出力ポートを介して、入力/出力コントローラ2020に接続してよい。
【0104】
プログラムは、CD-ROM、DVD-ROM、又はメモリカードのようなコンピュータ可読記憶媒体又はネットワークを介して提供される。RAM2014、ROM2026、又はフラッシュメモリ2024は、コンピュータ可読記憶媒体の例である。プログラムは、フラッシュメモリ2024、RAM2014、又はROM2026にインストールされ、CPU2012によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2000に読み取られ、プログラムと上記様々なタイプのハードウエアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ2000の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0105】
例えば、コンピュータ2000及び外部デバイス間で通信が実行される場合、CPU2012は、RAM2014にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2022に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2022は、CPU2012の制御下、RAM2014及びフラッシュメモリ2024のような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取った送信データをネットワークに送信し、ネットワークから受信された受信データを、記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0106】
また、CPU2012は、フラッシュメモリ2024等のような記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM2014に読み取られるようにし、RAM2014上のデータに対し様々な種類の処理を実行してよい。CPU2012は次に、処理されたデータを記録媒体にライトバックする。
【0107】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理にかけられてよい。CPU2012は、RAM2014から読み取られたデータに対し、本明細書に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々な種類のオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々な種類の処理を実行してよく、結果をRAM2014にライトバックする。また、CPU2012は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2012は、第1の属性の属性値が指定されている、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0108】
上で説明したプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ2000上又はコンピュータ2000近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能である。コンピュータ可読記憶媒体に格納されたプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2000に提供してよい。
【0109】
コンピュータ2000にインストールされ、コンピュータ2000を第1制御システム100として機能させるプログラムは、CPU2012等に働きかけて、コンピュータ2000を、第1制御システム100の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ2000に読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段である第1制御システム100の各部として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ2000の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の制御システムが構築される。
【0110】
コンピュータ2000にインストールされ、コンピュータ2000を第2制御システム200として機能させるプログラムは、CPU2012等に働きかけて、コンピュータ2000を、第2制御システム200の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ2000に読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段である第2制御システム200の各部として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ2000の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の制御システムが構築される。
【0111】
様々な実施形態が、ブロック図等を参照して説明された。ブロック図において各ブロックは、(1)オペレーションが実行されるプロセスの段階又は(2)オペレーションを実行する役割を持つ装置の各部を表わしてよい。特定の段階及び各部が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウエア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、及び他の論理オペレーション、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウエア回路を含んでよい。
【0112】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、処理手順又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段をもたらすべく実行され得る命令を含む製品の少なくとも一部を構成する。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0113】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0114】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はプログラマブル回路に対し、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、説明された処理手順又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段をもたらすべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0115】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0116】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0117】
20 車両
18 被制御機器
21 第1制御装置
22 第2制御装置
26 接続ポート
30 制御ユニット
70 電源
72 高圧バッテリ
74 DC/DCコンバータ
76 低圧バッテリ
82 スイッチ
84 DC/DCコンバータ
86 バッテリ
100 第1制御システム
101 第1センサ
102 フロントカメラ
104 レーダ
106 位置センサ
110 第1ECU
112 第1センサ情報取得部
114 第1算出部
116 算出結果取得部
118 送出部
120 コアECU
115 操作量算出部
130 ECU
140 ECU
180 被制御機器
181 EPS
182 FI・MOT
183 ESB
184 SMART
186 IVI・MID
200 第2制御システム
201 第2センサ
202 フロントカメラ
204 サラウンドカメラ
206 ライダー
210 第2ECU
212 第2センサ情報取得部
214 第2算出部
218 操作量算出部
280 被制御機器
281 LVD
282 IND
283 VSA
284 SRS
285 EPS
710 通常処理
711 フェイルセーフ処理
720 送出判定処理
730 車両制御
740 通常処理
741 フェイルセーフ処理
750 車両制御
1100 第1制御システム
2000 コンピュータ
2010 ホストコントローラ
2012 CPU
2014 RAM
2020 入力/出力コントローラ
2022 通信インタフェース
2024 フラッシュメモリ
2026 ROM
2040 入力/出力チップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12