(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1368 20060101AFI20241015BHJP
G02F 1/1334 20060101ALI20241015BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20241015BHJP
【FI】
G02F1/1368
G02F1/1334
G02F1/13357
(21)【出願番号】P 2021072049
(22)【出願日】2021-04-21
【審査請求日】2024-03-05
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】花田 明紘
【審査官】植田 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-134583(JP,A)
【文献】特開2019-101116(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/136-1/1368
G02F 1/1334
G02F 1/13357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1透明基板と、前記第1透明基板の上に配置された走査線と、前記走査線の上に配置された第1無機絶縁膜と、前記第1無機絶縁膜の上に配置され前記走査線と交差する信号線と、前記第1無機絶縁膜の上に配置された酸化物半導体を備え前記走査線及び前記信号線と電気的に接続されたスイッチング素子と、前記スイッチング素子と電気的に接続された画素電極と、第1遮光壁と、
前記第1無機絶縁膜の上に配置された第2無機絶縁膜と、前記第2無機絶縁膜の上に配置された金属層と、上遮光壁と、を備えた第1基板と、
側面を有する第2透明基板と、前記画素電極に対向する共通電極と、を備えた第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、高分子分散型液晶を含む液晶層と、
前記側面に沿って配置された発光モジュールと、を備え、
前記第1無機絶縁膜は、平面視において、前記酸化物半導体と前記発光モジュールとの間に形成された第1溝を有し、
前記第1遮光壁は、前記第1溝に配置され
、
前記第2無機絶縁膜は、前記第1溝に重畳する第1貫通孔を有し、
前記上遮光壁は、前記第1貫通孔に配置され、前記第1遮光壁に重畳し、
前記第1遮光壁は、前記信号線と同一材料によって形成され、
前記上遮光壁は、前記金属層と同一材料によって形成され、
前記金属層は、前記走査線と電気的に接続され、
前記第1遮光壁は、前記信号線と一体的に形成され、
前記上遮光壁は、前記金属層から離間している、表示装置。
【請求項2】
前記スイッチング素子は、第1方向に並んだソース電極及びドレイン電極を備え、
前記酸化物半導体は、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間にチャネルを有し、
前記第1溝は、前記第1方向に延出し、
前記第1溝の前記第1方向に沿った幅は、前記チャネルの前記第1方向に沿った幅より大きい、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1遮光壁は、前記信号線と一体的に形成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1基板は、さらに、第2遮光壁を備え、
前記第1無機絶縁膜は、第2溝を有し、
前記第2遮光壁は、前記第2溝に配置され、
前記酸化物半導体は、
前記第1方向に交差する第2方向において、前記第1遮光壁と前記第2遮光壁との間に位置し、
前記第1遮光壁と前記第2遮光壁との
前記第2方向に沿ったピッチは、
前記第2方向に沿った画素ピッチより小さい、請求項
2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1遮光壁及び前記第2遮光壁は、前記信号線と一体的に形成されている、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1基板は、さらに、下遮光壁と、を備え、
前記下遮光壁は、前記走査線と同一材料によって形成され、前記走査線から離間し、前記第1透明基板と前記第1無機絶縁膜との間に配置され、
前記第1遮光壁は、前記下遮光壁に重畳している、請求項
1に記載の表示装置。
【請求項7】
第1透明基板と、前記第1透明基板の上に配置された走査線と、前記走査線の上に配置された第1無機絶縁膜と、前記第1無機絶縁膜の上に配置され前記走査線と交差する信号線と、前記第1無機絶縁膜の上に配置された酸化物半導体を備え前記走査線及び前記信号線と電気的に接続されたスイッチング素子と、前記スイッチング素子と電気的に接続された画素電極と、第1遮光壁と、前記第1無機絶縁膜の上に配置された第2無機絶縁膜と、前記第2無機絶縁膜の上に配置された金属層と、を備えた第1基板と、
側面を有する第2透明基板と、前記画素電極に対向する共通電極と、を備えた第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、高分子分散型液晶を含む液晶層と、
前記側面に沿って配置された発光モジュールと、を備え、
前記第1無機絶縁膜は、平面視において、前記酸化物半導体と前記発光モジュールとの間に形成された第1溝を有し、
前記第1遮光壁は、前記第1溝に配置され、
前記第2無機絶縁膜は、前記第1溝に重畳する第1貫通孔を有し、
前記第1遮光壁は、前記金属層と同一材料によって形成され、前記第1溝及び前記第1貫通孔に配置され、
前記金属層は、前記走査線と電気的に接続され、
前記第1遮光壁は、前記信号線から離間している
、表示装置。
【請求項8】
第1透明基板と、前記第1透明基板の上に配置された走査線と、前記走査線の上に配置された第1無機絶縁膜と、前記第1無機絶縁膜の上に配置され前記走査線と交差する信号線と、前記第1無機絶縁膜の上に配置された酸化物半導体を備え前記走査線及び前記信号線と電気的に接続されたスイッチング素子と、前記スイッチング素子と電気的に接続された画素電極と、第1遮光壁と、前記第1無機絶縁膜の上に配置された第2無機絶縁膜と、前記第2無機絶縁膜の上に配置された金属層と、第2遮光壁と、を備えた第1基板と、
側面を有する第2透明基板と、前記画素電極に対向する共通電極と、を備えた第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、高分子分散型液晶を含む液晶層と、
前記側面に沿って配置された発光モジュールと、を備え、
前記第1無機絶縁膜は、平面視において、前記酸化物半導体と前記発光モジュールとの間に形成された第1溝を有し、
前記第1遮光壁は、前記第1溝に配置され、
前記第1無機絶縁膜は、第2溝と、第3溝と、を有し、
前記第2無機絶縁膜は、前記第1溝に重畳する第1貫通孔と、前記第2溝に重畳する第2貫通孔と、前記第3溝に重畳する第3貫通孔と、を有し、
前記第1溝及び前記第2溝は、第1方向に延出し、
前記第3溝は、前記第1方向に交差する第2方向に延出し、
前記第1遮光壁及び前記第2遮光壁は、前記金属層と同一材料によって形成され、
前記第1遮光壁は、前記第1溝及び前記第1貫通孔に配置され、
前記第2遮光壁は、前記第2溝及び前記第2貫通孔に配置され、
前記金属層は、前記第3溝及び前記第3貫通孔に配置され、
前記酸化物半導体は、前記第2方向において前記第1溝と前記第2溝との間に位置し、且つ、前記第1方向において前記信号線と前記第3溝との間に位置している
、表示装置。
【請求項9】
前記第2方向において、前記第1溝と前記第2溝とのピッチは、画素ピッチより小さい、請求項
8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1基板は、さらに、前記第2無機絶縁膜の上に配置された補助金属層を備え、
前記第1無機絶縁膜は、第4溝を有し、
前記第2無機絶縁膜は、前記第4溝に重畳する第4貫通孔を有し、
前記第4溝は、前記第2方向に延出し、
前記補助金属層は、前記第4溝及び前記第4貫通孔に配置され、
前記酸化物半導体は、前記第1方向において前記第3溝と前記第4溝との間に位置している、請求項
8に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第2方向において、前記第1溝と前記第2溝とのピッチは、画素ピッチより小さく、
前記第1方向において、前記第3溝と前記第4溝とのピッチは、画素ピッチより小さい、請求項
10に記載の表示装置。
【請求項12】
平面視において、前記信号線は、蛇行し、前記第1遮光壁から離間している、請求項9乃至
11のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記酸化物半導体と前記第1溝との間隔は、1乃至25μmである、請求項1乃至
12のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、入射光を散乱する散乱状態と入射光を透過する透明状態とを切り替え可能な高分子分散型液晶を用いた装置が種々提案されている。一例では、第1透光性基板と、第2透光性基板と、第1透光性基板と第2透光性基板との間に封入される高分子分散型液晶を有する液晶層と、第1透光性基板及び第2透光性基板の少なくとも1つの側面に対向して配置される少なくとも1つの発光部とを備える表示装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-021974号公報
【文献】特開2020-091400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、信頼性の低下を抑制することが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態の表示装置によれば、
第1透明基板と、前記第1透明基板の上に配置された走査線と、前記走査線の上に配置された第1無機絶縁膜と、前記第1無機絶縁膜の上に配置され前記走査線と交差する信号線と、前記第1無機絶縁膜の上に配置された酸化物半導体を備え前記走査線及び前記信号線と電気的に接続されたスイッチング素子と、前記スイッチング素子と電気的に接続された画素電極と、第1遮光壁と、を備えた第1基板と、側面を有する第2透明基板と、前記画素電極に対向する共通電極と、を備えた第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、高分子分散型液晶を含む液晶層と、前記側面に沿って配置された発光モジュールと、を備え、前記第1無機絶縁膜は、平面視において、前記酸化物半導体と前記発光モジュールとの間に形成された第1溝を有し、前記第1遮光壁は、前記第1溝に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本実施形態の表示装置DSPの一例を示す平面図である。
【
図2】
図2は、発光モジュール100の近傍の領域を示す平面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示した表示パネルPNLの一構成例を示す断面図である。
【
図4】
図4は、スイッチング素子SWを含む構成例1を説明するための図である。
【
図5】
図5は、表示領域DAの一例を示す平面図である。
【
図6】
図6は、
図5に示したA-A’線に沿ったスイッチング素子SW及び第1遮光壁51を含む第1基板SUB1の断面図である。
【
図7】
図7は、
図5に示したB-B’線に沿ったスイッチング素子SWを含む第1基板SUB1の断面図である。
【
図8】
図8は、スイッチング素子SWを含む構成例2を説明するための図である。
【
図9】
図9は、表示領域DAの一例を示す平面図である。
【
図10】
図10は、
図9に示したA-A’線に沿ったスイッチング素子SW、第1遮光壁51、及び、第2遮光壁52を含む第1基板SUB1の断面図である。
【
図11】
図11は、スイッチング素子SWを含む構成例3を説明するための図である。
【
図13】
図13は、
図12に示したA-A’線に沿ったスイッチング素子SW、第1遮光壁51、及び、上遮光壁511を含む第1基板SUB1の断面図である。
【
図14】
図14は、
図12に示したB-B’線に沿ったスイッチング素子SWを含む第1基板SUB1の断面図である。
【
図15】
図15は、スイッチング素子SWを含む変形例を説明するための図である。
【
図17】
図17は、
図16に示したA-A’線に沿ったスイッチング素子SW、第1遮光壁51、上遮光壁511、及び、下遮光壁512を含む第1基板SUB1の断面図である。
【
図18】
図18は、スイッチング素子SWを含む構成例4を説明するための図である。
【
図20】
図20は、
図19に示したA-A’線に沿ったスイッチング素子SW及び第1遮光壁51を含む第1基板SUB1の断面図である。
【
図21】
図21は、
図19に示したB-B’線に沿ったスイッチング素子SWを含む第1基板SUB1の断面図である。
【
図23】
図23は、
図22に示したA-A’線に沿ったスイッチング素子SW、第1遮光壁51、及び、第2遮光壁52を含む第1基板SUB1の断面図である。
【
図24】
図24は、
図22に示したB-B’線に沿ったスイッチング素子SWを含む第1基板SUB1の断面図である。
【
図26】
図26は、
図25に示したB-B’線に沿ったスイッチング素子SWを含む第1基板SUB1の断面図である。
【
図27】
図27は、表示装置DSPの断面図である。なお、表示パネルPNLについては、主要部のみを簡略化して図示している。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
図1は、本実施形態の表示装置DSPの一例を示す平面図である。一例では、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第1方向X及び第2方向Yは、表示装置DSPを構成する基板の主面と平行な方向に相当し、第3方向Zは、表示装置DSPの厚さ方向に相当する。本実施形態においては、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面を見ることを平面視という。
【0009】
表示装置DSPは、表示パネルPNLと、配線基板1と、ICチップ2と、発光モジュール100と、を備えている。
【0010】
表示パネルPNLは、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、高分子分散型液晶を含む液晶層LCと、シールSLと、を備えている。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、X-Y平面に沿った平板状に形成されている。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、平面視において重畳している。第1基板SUB1及び第2基板SUB2が重畳する領域は、画像を表示する表示領域DAを含んでいる。
【0011】
第1基板SUB1は第1透明基板10を備え、第2基板SUB2は第2透明基板20を備えている。第1透明基板10は、第1方向Xに沿った側面101及び102と、第2方向Yに沿った側面103及び104と、を有している。第2透明基板20は、第1方向Xに沿った側面201及び202と、第2方向Yに沿った側面203及び204と、を有している。
【0012】
図1に示す例では、平面視において、側面102及び202、側面103及び203、及び、側面104及び204は、それぞれ重畳しているが、必ずしも重畳していなくてもよい。側面201は、側面101に重畳せず、側面101と表示領域DAとの間に位置している。第1基板SUB1は、側面101と側面201との間に延出部Exを有している。つまり、延出部Exは、第1基板SUB1のうち、第2基板SUB2と重畳する部分から第2方向Yに延出した部分に相当し、第2基板SUB2には重畳していない。
【0013】
また、
図1に示す例では、表示パネルPNLは、第1方向Xに延びた長方形状に形成されている。つまり、側面101及び102、及び、側面201及び202は、表示パネルPNLの長辺に沿った側面であり、側面103及び104、及び、側面203及び204は、表示パネルPNLの短辺に沿った側面である。なお、表示パネルPNLは、第2方向Yに延びた長方形状に形成されてもよいし、正方形状に形成されてもよいし、他の多角形状、あるいは、円形状、楕円形状などの他の形状に形成されてもよい。
【0014】
配線基板1及びICチップ2は、延出部Exに実装されている。配線基板1は、例えば折り曲げ可能なフレキシブルプリント回路基板である。ICチップ2は、例えば、画像表示に必要な信号を出力するディスプレイドライバなどを内蔵している。なお、ICチップ2は、配線基板1に実装されてもよい。
図1に示す例では、表示パネルPNLに対して、第1方向Xに並んだ複数の配線基板1が実装されているが、第1方向Xに延びた単一の配線基板1が実装されてもよい。また、表示パネルPNLに対して、第1方向Xに並んだ複数のICチップ2が実装されているが、第1方向Xに延びた単一のICチップ2が実装されてもよい。
【0015】
発光モジュール100の詳細については後述するが、発光モジュール100は、平面視において、延出部Exに重畳し、第2透明基板20の側面201に沿って配置されている。
【0016】
シールSLは、第1基板SUB1及び第2基板SUB2を接着している。また、シールSLは、矩形枠状に形成され、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間において液晶層LCを囲んでいる。
【0017】
液晶層LCは、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に保持されている。このような液晶層LCは、平面視において、シールSLで囲まれた領域(表示領域DAを含む)に亘って配置されている。
【0018】
図1において拡大して模式的に示すように、液晶層LCは、ポリマー31と、液晶分子32と、を含んでいる。一例では、ポリマー31は、液晶性ポリマーである。ポリマー31は、第1方向Xに沿って延出した筋状に形成され、第2方向Yに並んでいる。液晶分子32は、ポリマー31の隙間に分散され、その長軸が第1方向Xに沿うように初期配向している。ポリマー31及び液晶分子32の各々は、光学異方性あるいは屈折率異方性を有している。ポリマー31の電界に対する応答性は、液晶分子32の電界に対する応答性より低い。
【0019】
一例では、ポリマー31の配向方向は、電界の有無にかかわらずほとんど変化しない。一方、液晶分子32の配向方向は、液晶層LCにしきい値以上の高い電圧が印加された状態では、電界に応じて変化する。液晶層LCに電圧が印加されていない状態(初期配向状態)では、ポリマー31及び液晶分子32のそれぞれの光軸は互いにほぼ平行であり、液晶層LCに入射した光は、液晶層LCをほとんど透過する(透明状態)。液晶層LCに電圧が印加された状態では、液晶分子32の配向方向が変化し、ポリマー31及び液晶分子32のそれぞれの光軸は互いに交差する。このため、液晶層LCに入射した光は、液晶層LC内で散乱される(散乱状態)。
【0020】
図2は、発光モジュール100の近傍の領域を示す平面図である。発光モジュール100は、複数の発光素子110と、導光体120と、を備えている。複数の発光素子110は、第1方向Xに沿って並んでいる。導光体120は、第1方向Xの延びた棒状に形成されている。導光体120は、シールSLと発光素子110との間に位置している。
【0021】
表示領域DAは、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配列された複数の画素PXを備えている。これらの画素PXは、図中に点線で示している。また、画素PXの各々は、図中に実線の四角で示す画素電極PEを備えている。
【0022】
図2において拡大して示すように、各画素PXは、スイッチング素子SWを備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線G及び信号線Sと電気的に接続されている。走査線Gは、第1方向Xに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。信号線Sは、第2方向Yに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。
【0023】
共通電極CE及び給電線CLは、表示領域DA及びその周辺領域に亘って配置されている。共通電極CEには、所定の電圧Vcomが印加される。給電線CLには、例えば共通電極CEと同電位の電圧が印加される。
【0024】
画素電極PEの各々は、第3方向Zにおいて共通電極CEと対向している。表示領域DAにおいては、液晶層LC(特に、液晶分子32)は、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって駆動される。容量CSは、例えば、給電線CLと画素電極PEとの間に形成される。
【0025】
図3は、
図1に示した表示パネルPNLの一構成例を示す断面図である。
第1基板SUB1は、第1透明基板10と、絶縁膜11及び12と、容量電極13と、スイッチング素子SWと、画素電極PEと、配向膜AL1と、を備えている。第1透明基板10は、主面(外面)10Aと、主面10Aの反対側の主面(内面)10Bと、を有している。スイッチング素子SWは、第1透明基板10の主面10Bの側に配置されている。絶縁膜11は、第1透明基板10及びスイッチング素子SWの上に配置されている。なお、
図2に示した走査線G及び信号線Sは、第1透明基板10と絶縁膜11との間に配置されているが、ここでは図示を省略している。
【0026】
容量電極13は、
図2に示した給電線CLと電気的に接続され、絶縁膜11及び12の間に配置されている。画素電極PEは、絶縁膜12と配向膜AL1との間において、画素PX毎に配置されている。画素電極PEは、容量電極13の開口部OPを介してスイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEは、絶縁膜12を挟んで、容量電極13と重畳し、画素PXの容量CSを形成している。配向膜AL1は、画素電極PEを覆っている。配向膜AL1は、液晶層LCに接している。
【0027】
第2基板SUB2は、第2透明基板20と、共通電極CEと、配向膜AL2と、を備えている。第2透明基板20は、主面(内面)20Aと、主面20Aの反対側の主面(外面)20Bと、を有している。第2透明基板20の主面20Aは、第1透明基板10の主面10Bと向かい合っている。共通電極CEは、主面20Aに配置されている。配向膜AL2は、共通電極CEを覆っている。配向膜AL2は、液晶層LCに接している。
【0028】
なお、第2基板SUB2において、スイッチング素子SW、走査線G、及び、信号線Sの直上にそれぞれ遮光層が設けられてもよい。また、第2透明基板20と共通電極CEとの間、あるいは、共通電極CEと配向膜AL2との間に、透明な絶縁膜が設けられてもよい。共通電極CEは、複数の画素PXに亘って配置され、第3方向Zにおいて、複数の画素電極PEと対向している。また、共通電極CEは、容量電極13と電気的に接続されており、容量電極13とは同電位である。
液晶層LCは、画素電極PEと共通電極CEとの間に位置している。
【0029】
第1透明基板10及び第2透明基板20は、例えばガラス基板であるが、プラスチック基板などの絶縁基板であってもよい。絶縁膜11は、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの透明な無機絶縁膜、及び、アクリル樹脂などの透明な有機絶縁膜の少なくとも一方である。絶縁膜12は、シリコン窒化物などの透明な無機絶縁膜である。容量電極13、画素電極PE、及び、共通電極CEは、インジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料によって形成された透明電極である。配向膜AL1及びAL2は、X-Y平面に略平行な配向規制力を有する水平配向膜である。一例では、配向膜AL1及びAL2は、第1方向Xに沿って配向処理されている。なお、配向処理とは、ラビング処理であってもよいし、光配向処理であってもよい。
【0030】
《構成例1》
図4は、スイッチング素子SWを含む構成例1を説明するための図である。
【0031】
スイッチング素子SWは、酸化物半導体SCと、ゲート電極GEと、ソース電極SEと、ドレイン電極DEと、を備えている。ゲート電極GEは、走査線Gと電気的に接続されている。酸化物半導体SCは、ゲート電極GEに重畳している。ソース電極SEは、酸化物半導体SCに接し、信号線Sと電気的に接続されている。ドレイン電極DEは、酸化物半導体SCに接し、画素電極PEと電気的に接続されている。
【0032】
ソース電極SE及びドレイン電極DEは、第1方向Xにおいて間隔を置いて並んでいる。酸化物半導体SCのうち、ソース電極SEとドレイン電極DEとの間の領域は、チャネルSCCに相当する。酸化物半導体SCは、第1方向Xにおいて幅W1を有している。また、チャネルSCCは、第1方向Xにおいて幅W11を有している。幅W11は、幅W1より小さい(W11<W1)。
【0033】
第1無機絶縁膜IL1は、ゲート電極GEと酸化物半導体SCとの間に介在している。第1無機絶縁膜IL1は、第1溝GR1を有している。第1溝GR1は、第1方向Xに延出している。第1溝GR1は、第2方向Yにおいて酸化物半導体SCと発光モジュール100(あるいは発光素子110)との間に位置し、酸化物半導体SCに近接している。第1溝GR1は、第1方向Xにおいて幅W12を有している。第1溝GR1の幅W12は、チャネルSCCの幅W11より大きい(W12>W11)。
【0034】
第1遮光壁51は、第1溝GR1の全体に充填されるように配置されている。第1遮光壁51は、第1方向Xに延出している。第1遮光壁51は、第1方向Xにおいて幅W13を有している。第1遮光壁51の幅W13は第1溝GR1の幅W12より大きく(W13>W12)、幅W13は幅W11より大きい(W13>W11)。また、第1遮光壁51の幅W13は、第1溝GR1の幅W12より小さくてもよい(W12>W13)。ただし、第1遮光壁51の幅W13は幅W11より大きい(W13>W11)という関係は変わらない。
【0035】
第1方向Xに延出した第1溝GR1及び第1遮光壁51のそれぞれの一端部は、第2方向Yにおいて、ソース電極SEに対向している。また、第1溝GR1及び第1遮光壁51のそれぞれの他端部は、第2方向Yにおいて、ドレイン電極DEに対向している。図示した例では、第1遮光壁51は、ソース電極SE及びドレイン電極DEの双方から離間している。
【0036】
チャネルSCCは、第2方向Yにおいて、第1溝GR1及び第1遮光壁51に対向している。酸化物半導体SCと第1溝GR1との第2方向Yに沿った間隔D1は、第2方向Yにおける画素ピッチあるいは走査線のピッチより小さく、例えば、1乃至25μmである。
【0037】
次に、実施例1について説明する。
【0038】
図5は、表示領域DAの一例を示す平面図である。ここでは、第1基板SUB1に含まれる主要部のみを図示している。
【0039】
複数の走査線Gは、それぞれ第1方向Xに延出している。複数の信号線Sは、それぞれ第2方向Yに延出し、複数の走査線Gと交差している。本明細書において、画素PXとは、隣接する2本の走査線Gと、隣接する2本の信号線Sとで規定された領域に相当する。スイッチング素子SWは、走査線G及び信号線Sの交差部に配置されている。
【0040】
スイッチング素子SWにおいて、ゲート電極GEは走査線Gと一体的に形成され、ソース電極SEは信号線Sと一体的に形成されている。ドレイン電極DEは、ソース電極SE及び信号線Sと一括して形成される。また、第1遮光壁51は、信号線Sと一体的に形成されている。なお、第1遮光壁51は、信号線Sから離間していてもよい。ドレイン電極DEは、コンタクトホールCHにおいて、画素電極PEと接している。コンタクトホールCHは、
図3に示した開口部OPに重畳しており、絶縁膜11の貫通孔に相当する。
【0041】
各画素PXにおいて、第1遮光壁51あるいは第1溝GR1は、隣接する2本の走査線Gの間に位置している。例えば、図示した2本の走査線Gを走査線GA及びGBとして区別すると、走査線GAは、発光モジュール100に近接する側に位置する走査線であって、走査線GBと発光モジュール100との間に位置している。走査線GAと走査線GBとの間に位置する第1遮光壁51及び第1溝GR1に着目すると、これらの第1遮光壁51及び第1溝GR1は、走査線GB(発光モジュール100から遠い側の走査線)に近接している。つまり、第2方向Yにおいて、第1遮光壁51と走査線GBとの距離は、第1遮光壁51と走査線GAとの距離より小さい。あるいは、第2方向Yにおいて、第1溝GR1と走査線GBとの距離は、第1溝GR1と走査線GAとの距離より小さい。
【0042】
第2方向Yに並んだ第1遮光壁51(あるいは第1溝GR1)のピッチは、第2方向Yに並んだ画素電極PEのピッチ(以下、画素ピッチと称する)と同等であり、また、第2方向Yに並んだ走査線Gのピッチと同等である。酸化物半導体SCと第1遮光壁51(あるいは第1溝GR1)との間隔は、第2方向Yの画素ピッチより小さく、走査線Gのピッチより小さい。
【0043】
このようなレイアウトにおいて、発光モジュール100から出射された照明光は、点線の矢印で示したように、第2方向Yに沿って進行し、スイッチング素子SWの近傍において第1遮光壁51によって遮られる。これにより、スイッチング素子SW、特に酸化物半導体SCへの照明光の到達が抑制される。
【0044】
図6は、
図5に示したA-A’線に沿ったスイッチング素子SW及び第1遮光壁51を含む第1基板SUB1の断面図である。
図7は、
図5に示したB-B’線に沿ったスイッチング素子SWを含む第1基板SUB1の断面図である。
【0045】
走査線G及びゲート電極GEは、第1透明基板10の主面10Bに配置されている。第1無機絶縁膜IL1は、主面10Bに配置され、また、走査線G及びゲート電極GEの上に配置されている。チャネルSCCを含む酸化物半導体SCは、第1無機絶縁膜IL1の上に配置されている。
【0046】
信号線S及びソース電極SEは、第1無機絶縁膜IL1の上に配置され、走査線Gと交差している。ドレイン電極DEは、第1無機絶縁膜IL1の上に配置されている。ソース電極SE及びドレイン電極DEは、それぞれ酸化物半導体SCに接している。ソース電極SE及びドレイン電極DEは、同一材料によって形成されている。酸化物半導体SCにおいて、ソース電極SE及びドレイン電極DEと接する領域は、チャネルSCCよりも低抵抗である。
【0047】
第1無機絶縁膜IL1において、第1溝GR1は、第1透明基板10まで貫通している。第1遮光壁51は、第1溝GR1に配置され、第1透明基板10に接している。第1遮光壁51のうち、第1溝GR1に充填された部分が第1無機絶縁膜IL1を伝播する光を遮る部分に相当する。第1遮光壁51は、ソース電極SE及びドレイン電極DEと同一層に位置しており、ソース電極SE及びドレイン電極DEと同一材料によって形成されている。図示していないが、
図15乃至
図17にて後述するように、走査線Gと一体的に形成された下遮光壁を第1溝GR1の直下に配置してもよい。
【0048】
第2無機絶縁膜IL2は、第1無機絶縁膜IL1の上に配置されている。また、第2無機絶縁膜IL2は、信号線S、ソース電極SE、ドレイン電極DE、酸化物半導体SCのチャネルSCC、及び、第1遮光壁51の上に配置されている。ここでは、第2無機絶縁膜IL2よりも上層の図示を省略するが、例えば、有機絶縁膜が第2無機絶縁膜IL2の上に配置され、これらの有機絶縁膜及び第2無機絶縁膜IL2が
図3に示した絶縁膜11に相当する。
【0049】
走査線G、ゲート電極GE、信号線S、ソース電極SE、及び、ドレイン電極DEは、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銀(Ag)、Cu(銅)、Cr(クロム)などの金属材料や、これらの金属材料を組み合わせた合金などによって形成される。
【0050】
第1遮光壁51は、信号線Sなどと同一材料によって形成されており、例えば、チタン系材料/アルミニウム系材料/チタン系材料積層体によって構成されている。なお、第1遮光壁51を形成する材料としては、上記の例に限らない。反射による迷光を抑制する観点では、第1遮光壁51は、チタン、モリブデン、タングステンなどの低反射率の材料で形成されることが望ましい。
【0051】
第1無機絶縁膜IL1及び第2無機絶縁膜IL2の各々は、単層体であってもよいし積層体であってもよい。但し、第1無機絶縁膜IL1及び第2無機絶縁膜IL2は、酸化物半導体SCに接する酸化物層を含んでいることが望ましい。このような酸化物層は、酸化物半導体SCに対して酸素を供給し、酸化物半導体SCの酸化あるいは高抵抗化を促進する。
【0052】
一例では、第1無機絶縁膜IL1は、下層(走査線Gに接する層)としてのシリコン窒化物層と、上層(酸化物半導体SCに接する層)としてのシリコン酸化物層と、を有している。下層は上層よりも厚く、例えば、下層の厚さは約300nmであり、上層の厚さは約200nmであり、第1無機絶縁膜IL1の総厚は約500nmである。
第2無機絶縁膜IL2は、下層(チャネルSCCに接する層)としてのシリコン酸化物層と、上層としてのシリコン窒化物層、とを有している。下層は上層よりも厚く、例えば、下層の厚さは約300nmであり、上層の厚さは約100nmであり、第1無機絶縁膜IL1の総厚は約400nmである。
【0053】
上述した例によれば、照明光のうち、第1無機絶縁膜IL1を伝播する光が第1遮光壁51によって遮られる。このため、酸化物半導体SCの照明光による劣化が抑制される。このため、スイッチング素子SWにおけるしきい値電圧の不所望なシフトが抑制され、信頼性の低下を抑制することができる。
【0054】
なお、第1無機絶縁膜IL1の第1溝GR1は、表示領域DAの外側で信号線Sと同一層の配線と走査線Gと同一層の配線とを電気的に接続するためのコンタクトホールを形成する際に同時に形成される。また、第1遮光壁51は、信号線Sなどと同一工程で形成される。このため、第1遮光壁51を形成するための別途の工程が不要であり、製造工程数の増加が抑制される。
【0055】
次に、他の構成例について説明する。なお、同一構成については説明を省略する場合がある。
【0056】
《構成例2》
図8は、スイッチング素子SWを含む構成例2を説明するための図である。
構成例2は、構成例1と比較して、さらに、第2遮光壁52が配置された点で相違している。スイッチング素子SWの構成は、
図4を参照して説明した構成例1と同様である。
【0057】
第1無機絶縁膜IL1は、第2溝GR2を有している。第2溝GR2は、第1方向Xに延出し、第1溝GR1とほぼ平行である。酸化物半導体SCは、第2方向Yにおいて、第1溝GR1と第2溝GR2との間に位置している。第2溝GR2は、第1溝GR1と同等の幅を有している。
【0058】
第2遮光壁52は、第2溝GR2の全体に充填されるように配置されている。第2遮光壁52は、第1方向Xに延出し、第1遮光壁51とほぼ平行である。酸化物半導体SCは、第2方向Yにおいて、第1遮光壁51と第2遮光壁52との間に位置している。第2遮光壁52は、第1遮光壁51と同等の幅を有している。
【0059】
第1方向Xに延出した第2溝GR2及び第2遮光壁52のそれぞれの一端部は、第2方向Yにおいて、ソース電極SEに対向している。また、第2溝GR2及び第2遮光壁52のそれぞれの他端部は、第2方向Yにおいて、ドレイン電極DEに対向している。図示した例では、第2遮光壁52は、ソース電極SE及びドレイン電極DEの双方から離間している。
【0060】
チャネルSCCは、第2方向Yにおいて、第2溝GR2及び第2遮光壁52に対向している。酸化物半導体SCと第2溝GR2との第2方向Yに沿った間隔D2は、間隔D1と同等であり、例えば、1乃至25μmである。
また、第1遮光壁51と第2遮光壁52との第2方向Yに沿ったピッチP1は、第2方向Yにおける画素ピッチあるいは走査線のピッチより小さい。
【0061】
次に、実施例2について説明する。
【0062】
図9は、表示領域DAの一例を示す平面図である。ここでは、第1基板SUB1に含まれる主要部のみを図示している。
【0063】
第1遮光壁51及び第2遮光壁52は、信号線Sと一体的に形成されている。なお、第1遮光壁51及び第2遮光壁52は、信号線Sから離間していてもよい。
【0064】
各画素PXにおいて、第1遮光壁51(あるいは第1溝GR1)、及び、第2遮光壁52(あるいは第2溝GR2)は、隣接する2本の走査線Gの間に位置している。例えば、走査線GAと走査線GBとの間に位置する第2遮光壁52及び第2溝GR2に着目すると、これらの第2遮光壁52及び第2溝GR2は、走査線GA(発光モジュール100に近い側の走査線)に近接している。つまり、第2方向Yにおいて、第2遮光壁52と走査線GBとの距離は、第2遮光壁52と走査線GAとの距離より大きい。あるいは、第2方向Yにおいて、第2溝GR2と走査線GBとの距離は、第2溝GR2と走査線GAとの距離より大きい。
また、第1遮光壁51は第2方向Yにおいて第2遮光壁52と走査線GBとの間に位置し、第2遮光壁52は第2方向Yにおいて走査線GAと第1遮光壁51との間に位置している。走査線GAと走査線GBとの間の第1遮光壁51及び第2遮光壁52のピッチは、走査線GAを挟む第1遮光壁51及び第2遮光壁52のピッチより大きい。
【0065】
第2方向Yに並んだ第2遮光壁52(あるいは第2溝GR2)のピッチは、第2方向Yの画素ピッチと同等であり、また、第2方向Yに並んだ走査線Gのピッチと同等である。酸化物半導体SCと第2遮光壁52(あるいは第2溝GR2)との間隔は、第2方向Yの画素ピッチより小さく、走査線Gのピッチより小さい。
【0066】
また、1つの酸化物半導体SCを挟む第1遮光壁51(あるいは第1溝GR1)と第2遮光壁52(あるいは第2溝GR2)とのピッチは、第2方向Yの画素ピッチより小さく、走査線Gのピッチより小さい。
【0067】
このようなレイアウトにおいて、発光モジュール100から出射された照明光は、点線の矢印で示したように、第2方向Yに沿って進行し、スイッチング素子SWの近傍において第1遮光壁51によって遮られる。また、たとえ第1遮光壁51で照明光が反射されたとしても、その反射光は、スイッチング素子SWの近傍において第2遮光壁52によって遮られる。これにより、スイッチング素子SW、特に酸化物半導体SCへの照明光の到達が抑制される。
【0068】
図10は、
図9に示したA-A’線に沿ったスイッチング素子SW、第1遮光壁51、及び、第2遮光壁52を含む第1基板SUB1の断面図である。なお、
図9に示したB-B’線に沿った断面は、
図7に示した通りであり、図示を省略する。
【0069】
第1無機絶縁膜IL1において、第1溝GR1及び第2溝GR2の各々は、第1透明基板10まで貫通している。第2遮光壁52は、第2溝GR2に配置され、第1透明基板10に接している。第2遮光壁52のうち、第2溝GR2に充填された部分が第1無機絶縁膜IL1を伝播する光を遮る部分に相当する。第2遮光壁52は、ソース電極SE及びドレイン電極DEと同一層に位置しており、ソース電極SE及びドレイン電極DEと同一材料によって形成されている。第2無機絶縁膜IL2は、第2遮光壁52の上に配置されている。
【0070】
上述した例によれば、照明光のうち、第1無機絶縁膜IL1を伝播する光が第1遮光壁51によって遮られる。また、隣接する第1遮光壁51で反射された反射光のうち、第1無機絶縁膜IL1を伝播する光が第2遮光壁52によって遮られる。このため、上記したのと同様の効果が得られる。
【0071】
《構成例3》
図11は、スイッチング素子SWを含む構成例3を説明するための図である。
構成例3は、構成例1と比較して、上遮光壁511及び金属層Mが配置された点で相違している。スイッチング素子SWの構成は、
図4を参照して説明した構成例1と同様である。金属層Mは、平面視において、酸化物半導体SCのチャネルSCCに重畳している。また、図示した例では、金属層Mは、ソース電極SEの一部及びドレイン電極DEの一部にそれぞれ重畳している。
【0072】
第2無機絶縁膜IL2は、第1溝GR1に重畳する第1貫通孔TH1を有している。第1貫通孔TH1は、第1方向Xに延出し、第1溝GR1と同等の幅を有している。
上遮光壁511は、第1貫通孔TH1の全体に充填されるように配置され、第1遮光壁51に重畳している。上遮光壁511は、第1方向Xに延出し、第1遮光壁51と同等の幅を有している。
【0073】
第1方向Xに延出した第1遮光壁51及び上遮光壁511のそれぞれの一端部は、第2方向Yにおいて、ソース電極SEに対向している。また、第1遮光壁51及び上遮光壁511のそれぞれの他端部は、第2方向Yにおいて、ドレイン電極DEに対向している。チャネルSCC及び金属層Mは、第2方向Yにおいて、第1遮光壁51及び上遮光壁511に対向している。
【0074】
次に、実施例3について説明する。
【0075】
図12は、表示領域DAの一例を示す平面図である。ここでは、第1基板SUB1に含まれる主要部のみを図示している。
【0076】
接続電極CNは、走査線Gに重畳している。接続電極CN及びドレイン電極DEは、第1方向Xに並んでいる。金属層Mは、走査線Gに重畳し、第1方向Xに延出している。金属層Mは、さらに、信号線Sの一部、酸化物半導体SC、ドレイン電極DEの一部、及び、接続電極CNに重畳している。
【0077】
第1遮光壁51は、信号線Sと一体的に形成されている。上遮光壁511は、第1遮光壁51及び信号線Sに重畳している。上遮光壁511は、金属層Mから離間している。
【0078】
各画素PXにおいて、上遮光壁511(あるいは第1貫通孔TH1)は、構成例1で説明した第1遮光壁51と同様に、隣接する2本の走査線Gの間に位置している。例えば、走査線GAと走査線GBとの間に位置する第1遮光壁51及び第1溝GR1に着目すると、これらの上遮光壁511及び第1貫通孔TH1は、走査線GBに近接している。
第2方向Yに並んだ上遮光壁511(あるいは第1貫通孔TH1)のピッチは、第2方向Yの画素ピッチと同等であり、また、走査線Gのピッチと同等である。
【0079】
このようなレイアウトにおいて、発光モジュール100から出射された照明光は、点線の矢印で示したように、第2方向Yに沿って進行し、スイッチング素子SWの近傍において第1遮光壁51及び上遮光壁511によって遮られる。これにより、スイッチング素子SW、特に酸化物半導体SCへの照明光の到達が抑制される。
【0080】
図13は、
図12に示したA-A’線に沿ったスイッチング素子SW、第1遮光壁51、及び、上遮光壁511を含む第1基板SUB1の断面図である。
図14は、
図12に示したB-B’線に沿ったスイッチング素子SWを含む第1基板SUB1の断面図である。
【0081】
第2無機絶縁膜IL2において、第1貫通孔TH1は、第1溝GR1の直上に形成され、第1遮光壁51まで貫通している。上遮光壁511は、第1貫通孔TH1に配置され、第1遮光壁51に接している。上遮光壁511のうち、第1貫通孔TH1に充填された部分が第2無機絶縁膜IL2を伝播する光を遮る部分に相当する。
【0082】
接続電極CNは、第1無機絶縁膜IL1を貫通するコンタクトホールCH1に配置され、走査線Gに接している。接続電極CNは、ソース電極SE及びドレイン電極DEと同一層に位置しており、ソース電極SE及びドレイン電極DEと同一材料によって形成されている。また、接続電極CNは、第1遮光壁51と同一材料によって形成されている。
【0083】
金属層Mは、第2無機絶縁膜IL2の上に配置され、チャネルSCCの直上に位置している。また、金属層Mは、接続電極CNの直上に延出し、第2無機絶縁膜IL2を貫通するコンタクトホールCH2に配置され、接続電極CNに接している。これにより、金属層Mは、走査線Gと電気的に接続される。金属層Mは、上遮光壁511と同一層に位置しており、上遮光壁511と同一材料によって形成されている。
【0084】
上遮光壁511及び金属層Mは、例えば、モリブデン系材料/アルミニウム系材料/モリブデン系材料積層体によって構成されている。なお、上遮光壁511を形成する材料としては、上記の例に限らない。反射による迷光を抑制する観点では、上遮光壁511は、チタン、モリブデン、タングステンなどの低反射率の材料で形成されることが望ましい。
【0085】
上遮光壁511は、信号線Sと一体の第1遮光壁51に接しており、信号線Sと電気的に接続されている。このため、上遮光壁511は、走査線Gと電気的に接続された金属層Mから離間している。
【0086】
上述した例によれば、照明光のうち、第1無機絶縁膜IL1を伝播する光が第1遮光壁51によって遮られる。また、第2無機絶縁膜IL2を伝播する光が上遮光壁511によって遮られる。このため、上記したのと同様の効果が得られる。
【0087】
ここで説明した構成例3の技術思想は、上記の構成例2に適用することができ、第2遮光壁52に重畳する上遮光壁が追加されてもよい。
【0088】
《構成例3;変形例》
図15は、スイッチング素子SWを含む変形例を説明するための図である。
変形例は、構成例1と比較して、上遮光壁511及び金属層Mの他に、さらに、下遮光壁512が配置された点で相違している。スイッチング素子SWの構成は、
図4を参照して説明した構成例1と同様である。上遮光壁511及び金属層Mについては、上記の構成例3で説明した通りである。
【0089】
下遮光壁512は、第1遮光壁51及び上遮光壁511に重畳している。下遮光壁512は、第1方向Xに延出している。また、下遮光壁512は、ゲート電極GEから離間している。
【0090】
第1方向Xに延出した第1遮光壁51、上遮光壁511、及び、下遮光壁512のそれぞれの一端部は、第2方向Yにおいて、ソース電極SEに対向している。また、第1遮光壁51、上遮光壁511、及び、下遮光壁512のそれぞれの他端部は、第2方向Yにおいて、ドレイン電極DEに対向している。チャネルSCC及び金属層Mは、第2方向Yにおいて、第1遮光壁51、上遮光壁511、及び、下遮光壁512に対向している。
【0091】
次に、変形例について説明する。
【0092】
図16は、表示領域DAの一例を示す平面図である。ここでは、第1基板SUB1に含まれる主要部のみを図示している。
【0093】
第1遮光壁51は、信号線Sと一体的に形成されている。上遮光壁511及び下遮光壁512は、第1遮光壁51及び信号線Sに重畳している。上遮光壁511は金属層Mから離間し、下遮光壁512は走査線Gから離間している。
【0094】
図17は、
図16に示したA-A’線に沿ったスイッチング素子SW、第1遮光壁51、上遮光壁511、及び、下遮光壁512を含む第1基板SUB1の断面図である。なお、
図16に示したB-B’線に沿ったスイッチング素子SWを含む第1基板SUB1の断面は、
図14に示した通りであり、図示を省略する。
【0095】
下遮光壁512は、走査線G及びゲート電極GEから離間し、第1透明基板10と第1無機絶縁膜IL1との間に配置されている。下遮光壁512は、走査線G及びゲート電極GEと同一層に位置しており、走査線G及びゲート電極GEと同一材料によって形成されている。
【0096】
第1無機絶縁膜IL1において、第1溝GR1は、下遮光壁512まで貫通している。第1遮光壁51は、第1溝GR1に配置され、下遮光壁512に接している。
第2無機絶縁膜IL2において、第1貫通孔TH1は、第1溝GR1の直上に形成され、第1遮光壁51まで貫通している。上遮光壁511は、第1貫通孔TH1に配置され、第1遮光壁51に接している。このように、変形例では、下遮光壁512、第1遮光壁51、及び、上遮光壁511の積層体が発光モジュールからの照明光を遮るように構成されている。
【0097】
このような変形例においても、上記したのと同様の効果が得られる。
【0098】
ここで説明した構成例3の変形例の技術思想は、上記の構成例2に適用することができ、第2遮光壁52に重畳する上遮光壁及び下遮光壁が追加されてもよい。
【0099】
《構成例4》
図18は、スイッチング素子SWを含む構成例4を説明するための図である。
構成例3は、構成例1と比較して、金属層Mが配置され、第1遮光壁51が第1溝GR1及び第1貫通孔TH1に配置された点で相違している。スイッチング素子SWの構成は、
図4を参照して説明した構成例1と同様である。金属層Mは、平面視において、酸化物半導体SCのチャネルSCCに重畳している。
【0100】
第2無機絶縁膜IL2は、第1溝GR1に重畳する第1貫通孔TH1を有している。第1貫通孔TH1は、第1方向Xに延出し、第1溝GR1と同等の幅を有している。
第1遮光壁51は、第1溝GR1及び第1貫通孔TH1の全体に充填されるように配置されている。第1遮光壁51は、第1方向Xに延出している。
【0101】
第1方向Xに延出した第1遮光壁51の一端部は、第2方向Yにおいて、ソース電極SEに対向している。また、第1遮光壁51の他端部は、第2方向Yにおいて、ドレイン電極DEに対向している。チャネルSCC及び金属層Mは、第2方向Yにおいて、第1遮光壁51に対向している。
【0102】
次に、実施例4について説明する。
【0103】
図19は、表示領域DAの一例を示す平面図である。ここでは、第1基板SUB1に含まれる主要部のみを図示している。
【0104】
金属層Mは、走査線Gに重畳し、第1方向Xに延出している。金属層Mは、さらに、信号線Sの一部、酸化物半導体SC、及び、ドレイン電極DEの一部に重畳している。
第1遮光壁51は、信号線Sから離間している。信号線Sは、第1遮光壁51を避けるように蛇行している。また、第1遮光壁51は、金属層Mから離間している。
【0105】
各画素PXにおいて、第1遮光壁51は、構成例1で説明した第1遮光壁51と同様に、隣接する2本の走査線Gの間に位置している。
第2方向Yに並んだ第1遮光壁51のピッチは、第2方向Yの画素ピッチと同等であり、また、走査線Gのピッチと同等である。
【0106】
このようなレイアウトにおいて、発光モジュール100から出射された照明光は、点線の矢印で示したように、第2方向Yに沿って進行し、スイッチング素子SWの近傍において第1遮光壁51によって遮られる。これにより、スイッチング素子SW、特に酸化物半導体SCへの照明光の到達が抑制される。
【0107】
図20は、
図19に示したA-A’線に沿ったスイッチング素子SW及び第1遮光壁51を含む第1基板SUB1の断面図である。
図21は、
図19に示したB-B’線に沿ったスイッチング素子SWを含む第1基板SUB1の断面図である。
【0108】
第2無機絶縁膜IL2において、第1貫通孔TH1は、第1溝GR1の直上に形成されている。第1溝GR1及び第1貫通孔TH1は、第1透明基板10まで貫通している。第1遮光壁51は、第1溝GR1及び第1貫通孔TH1に配置され、第1透明基板10に接している。第1遮光壁51のうち、第1溝GR1に充填された部分が第1無機絶縁膜IL1を伝播する光を遮る部分に相当し、第1貫通孔TH1に充填された部分が第2無機絶縁膜IL2を伝播する光を遮る部分に相当する。尚、第1溝GR1を形成せず、第1貫通孔TH1形成時に第2無機絶縁膜IL2だけでなく第1無機絶縁膜IL1も連続的に貫通させ、第2無機絶縁膜IL2及び第1無機絶縁膜IL1を第1貫通孔TH1で一括開孔してもよい。
【0109】
金属層Mは、第2無機絶縁膜IL2の上に配置され、チャネルSCCの直上に位置している。また、金属層Mは、走査線Gの直上に延出し、第1無機絶縁膜IL1を貫通するコンタクトホールCH1及び第2無機絶縁膜IL2を貫通するコンタクトホールCH2に配置され、走査線Gに接している。これにより、金属層Mは、走査線Gと電気的に接続される。金属層Mは、第1遮光壁51と同一層に位置しており、第1遮光壁51と同一材料によって形成されている。尚、コンタクトホールCH1を形成せず、コンタクトホールCH2形成時に第2無機絶縁膜IL2だけでなく第1無機絶縁膜IL1も連続的に貫通させ、第2無機絶縁膜IL2及び第1無機絶縁膜IL1をコンタクトホールCH2で一括開孔してもよい。
【0110】
上記の通り、第1遮光壁51は、信号線Sから離間している。このため、第1遮光壁51は、走査線Gと電気的に接続された金属層Mと繋がっていてもよい。
【0111】
上述した例によれば、照明光のうち、第1無機絶縁膜IL1を伝播する光及び第2無機絶縁膜IL2を伝播する光が第1遮光壁51によって遮られる。このため、上記したのと同様の効果が得られる。
【0112】
次に、実施例5について説明する。
【0113】
図22は、表示領域DAの一例を示す平面図である。ここでは、第1基板SUB1に含まれる主要部のみを図示している。
【0114】
第1基板SUB1は、上記の第1遮光壁51の他に、第2遮光壁52と、金属層Mと、を備えている。
【0115】
平面視において、第1溝GR1及び第1貫通孔TH1は重畳し、第2溝GR2及び第2貫通孔TH2は重畳し、第3溝GR3及び第3貫通孔TH3は重畳している。第1溝GR1、第1貫通孔TH1、第2溝GR2、及び、第2貫通孔TH2は、それぞれ第1方向Xに延出している。第3溝GR3及び第3貫通孔TH3は、第2方向Yに延出している。
【0116】
酸化物半導体SCは、第2方向Yにおいて、第1溝GR1(第1貫通孔TH1)と第2溝GR2(第2貫通孔TH2)との間に位置している。また、酸化物半導体SCは、第1方向Xにおいて、信号線Sと第3溝GR3(第3貫通孔TH3)との間に位置している。
【0117】
第1遮光壁51は第1溝GR1及び第1貫通孔TH1に配置され、第2遮光壁52は第2溝GR2及び第2貫通孔TH2に配置されている。酸化物半導体SCは、第2方向Yにおいて、第1遮光壁51と第2遮光壁52との間に位置している。第1遮光壁51及び第2遮光壁52は、金属層Mから離間している。また、第1遮光壁51及び第2遮光壁52は、信号線Sから離間している。信号線Sは、第1遮光壁51及び第2遮光壁52を避けるように蛇行している。
【0118】
金属層Mは、走査線Gに重畳し、第1方向Xに延出している。金属層Mは、さらに、信号線Sの一部、酸化物半導体SC、及び、ドレイン電極DEの一部に重畳している。金属層Mは、第3溝GR3及び第3貫通孔TH3に配置されている。
【0119】
1つの酸化物半導体SCを挟む第1遮光壁51(あるいは第1溝GR1)と第2遮光壁52(あるいは第2溝GR2)とのピッチは、第2方向Yの画素ピッチより小さく、走査線Gのピッチより小さい。
1つの酸化物半導体SCを挟む信号線Sと第3溝GR3とのピッチは、第1方向Xの画素ピッチより小さく、信号線Sのピッチより小さい。
【0120】
このようなレイアウトにおいて、発光モジュール100から出射された照明光のうち、第2方向Yに沿って進行する光のみならず、散乱や反射によって第1方向Xに沿って進行する光についても、スイッチング素子SWの近傍において遮られる。これにより、スイッチング素子SW、特に酸化物半導体SCへの照明光の到達が抑制される。
【0121】
図23は、
図22に示したA-A’線に沿ったスイッチング素子SW、第1遮光壁51、及び、第2遮光壁52を含む第1基板SUB1の断面図である。
図24は、
図22に示したB-B’線に沿ったスイッチング素子SWを含む第1基板SUB1の断面図である。
【0122】
第1無機絶縁膜IL1において、第1溝GR1、第2溝GR2、及び、第3溝GR3は、第1透明基板10まで貫通している。第2無機絶縁膜IL2において、第1貫通孔TH1は第1溝GR1の直上に形成され、第2貫通孔TH2は第2溝GR2の直上に形成され、第3貫通孔TH3は第3溝GR3の直上に形成されている。尚、第1溝GR1、第2溝GR2、及び、第3溝GR3を形成せず、第1貫通孔TH1、第2貫通孔TH2、及び、第3貫通孔TH3形成時に、第2無機絶縁膜IL2だけでなく第1無機絶縁膜IL1も連続的に貫通させ、第2無機絶縁膜IL2及び第1無機絶縁膜IL1を第1貫通孔TH1、第2貫通孔TH2、及び、第3貫通孔TH3でそれぞれ一括開孔してもよい。
【0123】
第1遮光壁51は、第1溝GR1及び第1貫通孔TH1に配置され、第1透明基板10に接している。第2遮光壁52は、第2溝GR2及び第2貫通孔TH2に配置され、第1透明基板10に接している。第1遮光壁51及び第2遮光壁52は、金属層Mから離間している。
【0124】
金属層Mは、第3溝GR3及び第3貫通孔TH3に配置され、走査線Gに接している。これにより、金属層Mは、走査線Gと電気的に接続される。金属層Mは、第1遮光壁51及び第2遮光壁52と同一層に位置しており、第1遮光壁51及び第2遮光壁52と同一材料によって形成されている。
【0125】
第1遮光壁51のうち、第1溝GR1に充填された部分が第1無機絶縁膜IL1を伝播する光を遮る部分に相当し、第1貫通孔TH1に充填された部分が第2無機絶縁膜IL2を伝播する光を遮る部分に相当する。第2遮光壁52のうち、第2溝GR2に充填された部分が第1無機絶縁膜IL1を伝播する光を遮る部分に相当し、第2貫通孔TH2に充填された部分が第2無機絶縁膜IL2を伝播する光を遮る部分に相当する。金属層Mのうち、第3溝GR3に充填された部分が第1無機絶縁膜IL1を伝播する光を遮る部分に相当し、第3貫通孔TH3に充填された部分が第2無機絶縁膜IL2を伝播する光を遮る部分に相当する。
【0126】
上述した例によれば、照明光のうち、第1無機絶縁膜IL1を伝播する光及び第2無機絶縁膜IL2を伝播する光が第1遮光壁51、第2遮光壁52、及び、金属層Mによって遮られる。このため、上記したのと同様の効果が得られる。
【0127】
次に、実施例6について説明する。
【0128】
図25は、表示領域DAの一例を示す平面図である。ここでは、第1基板SUB1に含まれる主要部のみを図示している。
【0129】
第1基板SUB1は、上記の第1遮光壁51、第2遮光壁52、金属層Mの他に、補助金属層AMを備えている。
【0130】
平面視において、第1溝GR1及び第1貫通孔TH1は重畳し、第2溝GR2及び第2貫通孔TH2は重畳し、第3溝GR3及び第3貫通孔TH3は重畳し、第4溝GR4及び第4貫通孔TH4は重畳している。第1溝GR1、第1貫通孔TH1、第2溝GR2、及び、第2貫通孔TH2は、それぞれ第1方向Xに延出している。第3溝GR3、第3貫通孔TH3、第4溝GR4、及び、第4貫通孔TH4は、第2方向Yに延出している。
【0131】
酸化物半導体SCは、第2方向Yにおいて、第1溝GR1(第1貫通孔TH1)と第2溝GR2(第2貫通孔TH2)との間に位置している。また、酸化物半導体SCは、第1方向Xにおいて、第3溝GR3(第3貫通孔TH3)と第4溝GR4(第4貫通孔TH4)との間に位置している。
【0132】
金属層M及び補助金属層AMは、走査線Gに重畳している。金属層Mは、さらに、信号線Sの一部、酸化物半導体SC、及び、ドレイン電極DEの一部に重畳している。金属層Mは、第3溝GR3及び第3貫通孔TH3に配置されている。補助金属層AMは、金属層Mから離間している。なお、補助金属層AMは、金属層Mに繋がっていてもよい。補助金属層AMは、第4溝GR4及び第4貫通孔TH4に配置されている。
【0133】
1つの酸化物半導体SCを挟む第1遮光壁51(あるいは第1溝GR1)と第2遮光壁52(あるいは第2溝GR2)とのピッチは、第2方向Yの画素ピッチより小さく、走査線Gのピッチより小さい。
1つの酸化物半導体SCを挟む第3溝GR3と第4溝GR4とのピッチは、第1方向Xの画素ピッチより小さく、信号線Sのピッチより小さい。
【0134】
このようなレイアウトにおいて、発光モジュール100から出射された照明光のうち、第2方向Yに沿って進行する光のみならず、散乱や反射によって第1方向Xに沿って進行する光についても、スイッチング素子SWの近傍において遮られる。これにより、スイッチング素子SW、特に酸化物半導体SCへの照明光の到達が抑制される。
【0135】
図26は、
図25に示したB-B’線に沿ったスイッチング素子SWを含む第1基板SUB1の断面図である。なお、
図25に示したA-A’線に沿ったスイッチング素子SW、第1遮光壁51、及び、第2遮光壁52を含む第1基板SUB1の断面は、
図23に示した通りであり、図示を省略する。
【0136】
第1無機絶縁膜IL1において、第3溝GR3及び第4溝GR4は、第1透明基板10まで貫通している。第2無機絶縁膜IL2において、第3貫通孔TH3は第3溝GR3の直上に形成され、第4貫通孔TH4は第4溝GR4の直上に形成されている。尚、第3溝GR3、及び、第4溝GR4を形成せず、第3貫通孔TH3、及び、第4貫通孔TH4形成時に、第2無機絶縁膜IL2だけでなく第1無機絶縁膜IL1も連続的に貫通させ、第2無機絶縁膜IL2及び第1無機絶縁膜IL1を第3貫通孔TH3、及び、第4貫通孔TH4でそれぞれ一括開孔してもよい。
【0137】
金属層Mは、第3溝GR3及び第3貫通孔TH3に配置され、走査線Gに接している。補助金属層AMは、第4溝GR4及び第4貫通孔TH4に配置され、走査線Gに接している。これにより、金属層M及び補助金属層AMは、走査線Gと電気的に接続される。金属層M及び補助金属層AMは、第1遮光壁51及び第2遮光壁52と同一層に位置しており、第1遮光壁51及び第2遮光壁52と同一材料によって形成されている。
【0138】
金属層Mのうち、第3溝GR3に充填された部分が第1無機絶縁膜IL1を伝播する光を遮る部分に相当し、第3貫通孔TH3に充填された部分が第2無機絶縁膜IL2を伝播する光を遮る部分に相当する。補助金属層AMのうち、第4溝GR4に充填された部分が第1無機絶縁膜IL1を伝播する光を遮る部分に相当し、第4貫通孔TH4に充填された部分が第2無機絶縁膜IL2を伝播する光を遮る部分に相当する。
【0139】
上述した例によれば、照明光のうち、第1無機絶縁膜IL1を伝播する光及び第2無機絶縁膜IL2を伝播する光が第1遮光壁51、第2遮光壁52、金属層M、及び、補助金属層AMによって遮られる。このため、上記したのと同様の効果が得られる。
【0140】
《表示装置の実施例》
次に、本実施形態に係る表示装置DSPの一例について説明する。
【0141】
図27は、表示装置DSPの断面図である。なお、表示パネルPNLについては、主要部のみを簡略化して図示している。
【0142】
表示パネルPNLは、第1基板SUB1及び第2基板SUB2の他に、さらに、第3透明基板30を備えている。第3透明基板30の主面(内面)30Aは、第3方向Zにおいて、第2透明基板20の主面20Bと対向している。接着層ADは、第2透明基板20と第3透明基板30とを接着している。第3透明基板30は、例えばガラス基板であるが、プラスチック基板などの絶縁基板であってもよい。第3透明基板30は、第1透明基板10及び第2透明基板20と同等の屈折率を有している。接着層ADは、第2透明基板20及び第3透明基板30の各々と同等の屈折率を有している。
【0143】
第3透明基板30の側面301は、第2透明基板20の側面201の直上に位置している。発光モジュール100の発光素子110は、配線基板Fと電気的に接続され、第3方向Zにおいて、第1基板SUB1と配線基板Fとの間に配置されている。導光体120は、第2方向Yにおいて、発光素子110と側面201との間、及び、発光素子110と側面301との間に配置されている。導光体120は、接着層AD1により配線基板Fに接着されるとともに、接着層AD2により第1基板SUB1に接着されている。
【0144】
次に、
図27を参照しながら、発光素子110から出射された光(上記の照明光)L1について説明する。
発光素子110は、導光体120に向かって光L1を出射する。発光素子110から出射された光L1は、第2方向Yを示す矢印の向きに沿って伝播し、導光体120を透過し、側面201から第2透明基板20に入射するとともに、側面301から第3透明基板30に入射する。第2透明基板20及び第3透明基板30に入射した光L1は、繰り返し反射されながら、表示パネルPNLの内部を伝播する。電圧が印加されていない液晶層LCに入射した光L1は、ほとんど散乱されることなく液晶層LCを透過する。また、電圧が印加された液晶層LCに入射した光L1は、液晶層LCで散乱される。
【0145】
このような表示装置DSPは、第1透明基板10の主面10A側から観察可能であるとともに、第3透明基板30の主面30B側からも観察可能である。また、表示装置DSPが主面10A側から観察された場合であっても、主面30B側から観察された場合であっても、表示装置DSPを介して、表示装置DSPの背景を観察可能である。
【0146】
このような表示装置DSPにおいて、上記の通り、各画素PXのスイッチング素子SWは透明な酸化物半導体SCを備えており、また、酸化物半導体SCに重畳する遮光層を省略することで、透過率を向上することもできる。
【0147】
以上説明したように、本実施形態によれば、信頼性の低下を抑制することが可能な表示装置を提供することができる。
【0148】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0149】
DSP…表示装置 PNL…表示パネル DA…表示領域 PX…画素
SUB1…第1基板 10…第1透明基板 PE…画素電極 SW…スイッチング素子 SC…酸化物半導体 SE…ソース電極 DE…ドレイン電極 GE…ゲート電極 G…走査線 S…信号線 IL1…第1無機絶縁膜 IL2…第2無機絶縁膜
SUB2…第2基板 20…第2透明基板 CE…共通電極
LC…液晶層 30…第3透明基板
100…発光モジュール 110…発光素子
51…第1遮光壁 511…上遮光壁 512…下遮光壁 52…第2遮光壁
M…金属層 AM…補助金属層
GR1…第1溝 GR2…第2溝 GR3…第3溝 GR3…第3溝
TH1…第1貫通孔 TH2…第2貫通孔 TH3…第3貫通孔 TH4…第4貫通孔