(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241015BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 326Z
(21)【出願番号】P 2021171571
(22)【出願日】2021-10-20
【審査請求日】2022-12-12
【審判番号】
【審判請求日】2024-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100126620
【氏名又は名称】石井 豪
(72)【発明者】
【氏名】安田 悠
(72)【発明者】
【氏名】中川 健
(72)【発明者】
【氏名】大島 拓也
(72)【発明者】
【氏名】福原 啓貴
(72)【発明者】
【氏名】久世 昌司
(72)【発明者】
【氏名】根岸 大悟
(72)【発明者】
【氏名】坂田 光司
(72)【発明者】
【氏名】千葉 嵩之
(72)【発明者】
【氏名】今重 智貴
【合議体】
【審判長】▲吉▼川 康史
【審判官】阿部 知
【審判官】三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-49305(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下可能な遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が進入可能な進入領域と、
遊技の進行を制御可能な主制御手段と、
前記主制御手段から送信される所定の情報を記憶可能であるとともに、所定の表示手段における遊技の進行に係る表示を制御可能な副制御手段と、を備え、
前記主制御手段は、
遊技者に有利な特別遊技を実行する旨が対応付けられた特定結果を含む複数の結果のいずれかを決定可能な決定手段と、
前記決定の結果に対応する図柄の変動表示及び停止表示を実行可能な変動表示手段と、を備え、
前記特定結果に対応する図柄の停止表示後に第1の条件
が成立
すると、特定状態と
なるとともに
特別遊技中となり
、
当該特定状態中に遊技球が前記進入領域を通過する
と、特別遊技において複数回実行されるラウンド遊技が開始される遊技機において、
前記特定結果に対応する図柄が停止表示されてから前記第1の条件が成立するまでの間においては、特別遊技中とはなっていないものの、特別遊技の実行を示すオープニング演出が実行され、
前記主制御手段は、前記特定状態中に第2の条件が成立すると、当該特定状態中である旨を示す特定コマンドを前記副制御手段に送信することを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、始動入賞口への遊技球の入球に基づいて大当たりの抽選を行って、大当たりに当選した場合には、遊技者に付与可能な遊技利益として大入賞口を開放する特別遊技を実行するものが知られている。
また、近年では、特別遊技の開始に関して遊技者の興趣を高めるべく、大当たりに当選したのみでは特別遊技が開始されず、大当たりの当選後に設定される特定状態中に所定の進入領域(ゲート)に遊技球を進入させることで特別遊技が開始されるように設定された遊技機も考案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような遊技機は、遊技の進行を制御する主制御手段と、主制御手段から一方的に遊技の進行に関する情報が送信され、かつ遊技の進行に伴う各種表示を制御する副制御手段とを備えているのが一般的である。
ここで、特定状態中においては遊技球を進入領域に進入させないと特別遊技が開始されないことから、遊技者に対して特定状態が設定されている旨を認識させ、遊技球を進入領域へ進入させる遊技操作を行わせることができるような表示を実行するために、副制御手段に対して特定状態が設定されている旨を伝達する必要があった。
【0005】
そこで、本発明は、上述した事情によりなされたものであり、特定状態が設定されている旨を副制御手段に対して伝達することが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明は次のように構成されている。
【0007】
(1)本発明は、遊技球が流下可能な遊技領域と、前記遊技領域に設けられ、遊技球が進入可能な進入領域と、遊技の進行を制御可能な主制御手段と、前記主制御手段から送信される所定の情報を記憶可能であるとともに、所定の表示手段における遊技の進行に係る表示を制御可能な副制御手段と、を備え、前記主制御手段は、遊技者に有利な特別遊技を実行する旨が対応付けられた特定結果を含む複数の結果のいずれかを決定可能な決定手段と、前記決定の結果に対応する図柄の変動表示及び停止表示を実行可能な変動表示手段と、を備え、前記特定結果に対応する図柄の停止表示後に第1の条件が成立すると、特定状態となるとともに特別遊技中となり、当該特定状態中に遊技球が前記進入領域を通過すると、特別遊技において複数回実行されるラウンド遊技が開始される遊技機において、前記特定結果に対応する図柄が停止表示されてから前記第1の条件が成立するまでの間においては、特別遊技中とはなっていないものの、特別遊技の実行を示すオープニング演出が実行され、前記主制御手段は、前記特定状態中に第2の条件が成立すると、当該特定状態中である旨を示す特定コマンドを前記副制御手段に送信することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る遊技機によれば、特定状態中に第2の条件が成立すると、特定状態中である旨を示す特定コマンドが主制御手段から副制御手段に送信されるため、特定状態中の第2の条件の成立に基づき、特定状態が設定されている旨を副制御手段に対して伝達することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、特定状態が設定されている旨を副制御手段に対して伝達することが可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】パチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。
【
図4】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図5】パチンコ機の大当たり乱数判定テーブルの説明図である。
【
図6】パチンコ機の特別図柄乱数判定テーブルの説明図である。
【
図7】パチンコ機のリーチグループ決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図8】パチンコ機のリーチモード決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図9】パチンコ機のリーチモード決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図10】パチンコ機の変動パターン抽選テーブルの説明図である。
【
図11】パチンコ機の変動時間決定テーブルの説明図である。
【
図12】パチンコ機の特図遊技関連時間テーブルの説明図である。
【
図13】パチンコ機の特別電動役物作動テーブルの説明図である。
【
図14】パチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。
【
図15】パチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図16】パチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。
【
図17】パチンコ機の普図停止表示時間決定テーブルの説明図である。
【
図18】パチンコ機の特定第2始動入賞口開放制御テーブルの説明図である。
【
図19】パチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。
【
図20】パチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
【
図21】パチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
【
図22】パチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図23】パチンコ機の主制御基板における普図関連センサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図24】パチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図25】パチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図26】パチンコ機の主制御基板における一般入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図27】パチンコ機の主制御基板における特図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図28】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動処理の概略を示すフローチャートである。
【
図29】パチンコ機の主制御基板における変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図30】パチンコ機の主制御基板における変動演出パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図31】パチンコ機の主制御基板における変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図32】パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図33】パチンコ機の主制御基板におけるゲート検出制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図34】パチンコ機の主制御基板におけるラウンド遊技開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図35】パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図36】パチンコ機の主制御基板における小当たり遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図37】パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。
【
図38】パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図39】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図40】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図41】パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図42】パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図43】パチンコ機の演出の態様の一例を示す図である。
【
図44】パチンコ機の演出の態様の一例を示す図である。
【
図45】パチンコ機の演出の態様の一例を示す図である。
【
図46】パチンコ機の副制御基板におけるリセット発生時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図47】パチンコ機の副制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
【
図48】パチンコ機の副制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
【
図49】パチンコ機の副制御基板における変動用コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図50】パチンコ機の副制御基板における待機状態コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図51】パチンコ機の副制御基板におけるオープニングコマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図52】パチンコ機の副制御基板におけるゲート検出有効期間開始コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図53】パチンコ機の副制御基板におけるゲート通過待ち状態示唆コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図54】パチンコ機の副制御基板におけるゲート通過コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置Rが各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
【0014】
本形態に係るパチンコ機Pは、
図1又は
図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
【0015】
機枠1の左下部には、
図2に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
【0016】
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
【0017】
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(
図1参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
【0018】
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
【0019】
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、
図3に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
【0020】
また、この遊技領域12内には、
図3に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14及び普図始動入賞口22と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動する第1アタッカー装置17及び第2アタッカー装置54と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21と、が設けられている。
また、本形態に係るパチンコ機Pには、第2始動入賞口16として、後述する可動片16dが設けられていない通常第2始動入賞口16a、及び、可動片16dが設けられている特定第2始動入賞口16bの2つが設けられている。
【0021】
一般入賞口14は、
図3に示すように、遊技領域12の左側下部に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では3個)の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
【0022】
第1始動入賞口15は、
図3に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられている。この第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球のみが入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球は入球できないようになっている。
これに対して、
図3に示すように、通常第2始動入賞口16aは、演出表示装置21の右上方(第2遊技領域12bの上部)に設けられ、特定第2始動入賞口16bは、通常第2始動入賞口16aの下方(第2遊技領域12bのほぼ中央)に設けられている。通常第2始動入賞口16a、特定第2始動入賞口16bへは、第2遊技領域12bを流下する遊技球のみが入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。
【0023】
また、特定第2始動入賞口16bには、
図3に示すように、開閉可能な可動片16d(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16dが閉じているときには特定第2始動入賞口16bが閉状態となっており、特定第2始動入賞口16bへの遊技球の入球は不可能である。これに対して、可動片16dが開くと、特定第2始動入賞口16bが開状態となるとともに、この可動片16dが遊技球を特定第2始動入賞口16bへ向けて案内するガイド部材として機能することにより、特定第2始動入賞口16bへの遊技球の入球が容易となる。また、本形態における特定第2始動入賞口16bの横幅は、第2遊技領域12b内における遊技球が流下する流下通路の横幅とほぼ同じ大きさとなっている。そのため、特定第2始動入賞口16bが開状態である場合には、第2遊技領域12bへ進入した遊技球のほぼ全てが特定第2始動入賞口16bへ入球する。
なお、この可動片16dの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して特定第2始動入賞口16bを開閉する一対の羽根部材や、遊技盤11と水平な軸を中心に前後方向に回動して特定第2始動入賞口16bを開閉する蓋部材(
図3参照)により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして特定第2始動入賞口16bを開閉するシャッター部材により構成してもよい。
【0024】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16(通常第2始動入賞口16a、特定第2始動入賞口16b)へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には3個、通常第2始動入賞口16a、特定第2始動入賞口16bへ遊技球が入球した場合には1個)の賞球が払い出されるとともに、大当たりの当選か否かを判定するための大当たりの抽選が行われる。
この大当りの抽選においては、大当たりの当選、小当たりの当選又はハズレのいずれかの抽選結果が導出される。そして、大当たりに当選した場合には、遊技者にとって有利な特別遊技が実行され、小当たりに当選した場合には、特別遊技と異なる遊技であって遊技者にとって有利な小当たり遊技が実行される。
また、大当たりの抽選の結果に基づいて、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄が決定される。各特別図柄には種々の遊技利益が対応付けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、有利度の異なる特別遊技の実行、所定の遊技状態の設定等の遊技利益が付与される。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片16dが設けられている始動入賞口(特定第2始動入賞口16b)と可動片16dが設けられていない始動入賞口(第1始動入賞口15、通常第2始動入賞口16a)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。
【0025】
ゲート20は、
図3に示すように、演出表示装置21の右上方(第2遊技領域12bの上部)であって、通常第2始動入賞口16aの右隣りに併設されている。また、普図始動入賞口22は、第1始動入賞口15の右下方(第2遊技領域12bの下部)に設けられている。ゲート20は、第2遊技領域12bを流下する遊技球のみが通過可能であり、第1遊技領域12aを流下する遊技球は通過できないようになっている。同様に、普図始動入賞口22へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球のみが入球可能であり、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。
後述するゲート検出センサ20aによる遊技球の検出が有効であるときにゲート20を遊技球が通過するか、又は、普図始動入賞口22へ遊技球が入球すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の特定第2始動入賞口16bに設けられた可動片16dが所定時間開かれるようになっている。
【0026】
第1アタッカー装置17は、
図3に示すように、通常第2始動入賞口16a及びゲート20と特定第2始動入賞口16bとの間(通常第2始動入賞口16a及びゲート20の直下)に設けられている。この第1アタッカー装置17は、遊技球が入球可能な第1大入賞口18と、この第1大入賞口18を開閉する第1開閉扉18bと、を備えている。常態においては、第1開閉扉18bが閉じられ第1大入賞口18は閉鎖されているため、当該第1大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技が実行されると、第1開閉扉18bが開き第1大入賞口18が開放されるとともに、第1開閉扉18bが遊技球を第1大入賞口18へ導く受皿部材として機能することにより、第1大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。なお、第1大入賞口18へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球のみが入球可能であり、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。
また、当該第1大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では15個)の賞球が払い出される。
【0027】
第2アタッカー装置54は、
図3に示すように、特定第2始動入賞口16bの下方(第2遊技領域12bの下部)に設けられている。この第2アタッカー装置54は、遊技球が入球可能な第2大入賞口55と、この第2大入賞口55を開閉する第2開閉扉55bと、を備えている。常態においては、第2開閉扉55bが閉じられ第2大入賞口55は閉鎖されているため、当該第2大入賞口55への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の小当たり遊技が実行されると、第2開閉扉55bが開き第2大入賞口55が開放されるとともに、第2開閉扉55bが遊技球を第2大入賞口55へ導く受皿部材として機能することにより、第2大入賞口55への遊技球の入球が可能となる。なお、第2大入賞口55へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球のみが入球可能であり、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。
また、当該第2大入賞口55へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では15個)の賞球が払い出される。
【0028】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの当選に基づいて実行される特別遊技においては、第1アタッカー装置17の第1大入賞口18が開放されるラウンド遊技が複数回実行されるようになっているが、大当たりに当選し大当たり図柄が決定されたのみではラウンド遊技は開始されず、大当たりに当選した後に、後述するゲート検出センサ20aによる遊技球の検出が有効であるときに遊技球がゲート20を通過したことを条件として、ラウンド遊技が開始されるようになっている。
これに対して、小当たりの当選に基づいて実行される小当たり遊技においては、第2アタッカー装置54の第2大入賞口55の開放が実行されるようになっているが、小当たりに当選し小当たり図柄が決定されたのみで、この第2アタッカー装置54の第2大入賞口55の開放が開始される。
【0029】
アウト口19は、
図3に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16(通常第2始動入賞口16a、特定第2始動入賞口16b)、第1大入賞口18、第2大入賞口55及び普図始動入賞口22のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
【0030】
演出表示装置21は、
図3に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられている。この表示部21aにおいては、背景画像の表示が行われるほか、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示され、各演出図柄50の停止表示態様により後述する大当たりの抽選の結果を遊技者に報知する変動演出が行われるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
【0031】
本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21のほか、上述の音声出力装置10としてのスピーカや、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプ(
図2参照)を備えている。
なお、演出装置としては、これらに限定されるものではなく、たとえば、種々のタイミングや態様で可動する演出役物装置等を備えてもよい。
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。本形態における演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。そして、演出表示装置21において所定の演出が実行されているときに、操作ダイヤル9aの回転操作や操作ボタン9bの押下操作を行うと、上述の所定の演出が進行したり、異なる演出に切り替わったりするようになっている。
なお、演出操作装置9としては、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等に限定されるものではなく、上下左右方向の入力が可能な十字キー等を設けてもよい。また、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等の演出操作装置9を設けるとともに、上述の十字キーを別途設けてもよい。
【0032】
また、
図3に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
【0033】
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、
図1に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
【0034】
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、
図4に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、及び、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400を備えている。
【0035】
また、
図4に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
【0036】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されている。この電源基板にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機Pに供給される電源の電圧値が所定値以下になった場合に電断と判断し、主制御基板100に電断信号を出力する。
【0037】
主制御基板100は、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16(通常第2始動入賞口16a、特定第2始動入賞口16b)へ入球することを契機に開始される特図遊技、遊技球がゲート20を通過すること又は普図始動入賞口22へ入球することを契機に開始される普図遊技、遊技者にとって有利な特別遊技や小当たり遊技等を制御する。
この主制御基板100は、
図4に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
【0038】
また、
図4に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、通常第2始動入賞口16aへ遊技球が入球したことを検出する通常第2始動入賞口検出センサ16eと、特定第2始動入賞口16bへ遊技球が入球したことを検出する特定第2始動入賞口検出センサ16fと、第1大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する第1大入賞口検出センサ18aと、第2大入賞口55へ遊技球が入球したことを検出する第2大入賞口検出センサ55aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、普図始動入賞口22へ遊技球が入球したことを検出する普図始動入賞口検出センサ22aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波等を検出する不正検出センサ35と、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
【0039】
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、特定第2始動入賞口16bの可動片16dを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、第1大入賞口18の第1開閉扉18bを開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド18cと、第2大入賞口55の第2開閉扉55bを開閉駆動する第2大入賞口ソレノイド55cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで特定第2始動入賞口16b、第1大入賞口18、第2大入賞口55の開閉制御がなされ、また、各表示装置の表示制御がなされるようになっている。
【0040】
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
【0041】
図4に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
【0042】
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御がなされる。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御がなされる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
【0043】
また、発射払出制御基板200には、
図4に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
【0044】
さらに、発射払出制御基板200には、
図4に示すように、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
【0045】
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、扉閉鎖コマンドを主制御基板100に送信する。
【0046】
受皿満タン検出センサ7aは、受皿7の所定位置に設けられており、受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなり、検出信号が発射払出制御基板200に出力されるようになっている。そして、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間、検出信号が発射払出制御基板200に対して連続的に出力されることとなる。発射払出制御基板200は、検出信号が所定時間連続して入力されることにより、受皿7が満タン状態であると判断して、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、発射払出制御基板200への検出信号の連続的な入力が途絶えると、受皿7の満タン状態が解除されたものと判断し、受皿満タン解除コマンドを主制御基板100に送信する。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、受皿7が満タン状態となることで受皿満タンエラーが発生し、受皿7の満タン状態が解除されることで受皿満タンエラーが解除されるようになっている。
【0047】
また、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。換言すれば、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、発射払出制御基板200が、遊技球貸出制御基板400を介して遊技球貸出装置Rに接続されている。
また、
図4に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
【0048】
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理がなされるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御がなされる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御がなされる。
【0049】
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、
図4に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
そして、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、照明の点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)等に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
【0050】
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。さらに、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、演出照明装置23と、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dと、が接続されている。
【0051】
画像制御基板は、特に図示していないが、CPU、ROM、RAM及びVRAM等を備えている。この画像制御基板のROMには、演出表示装置21に表示される図柄、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、CPUが、ROMから読み出した画像データをVRAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
【0052】
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
【0053】
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、演出照明装置23による照明の点灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
【0054】
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。また、これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、を組み合わせたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、通常遊技状態ともいう)、低確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、低確率時短遊技状態ともいう)、高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確率時短遊技状態ともいう)、又は、高確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確率非時短遊技状態ともいう)のいずれかの遊技状態が設定される。
【0055】
ここで、低確率遊技状態及び高確率遊技状態は、大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率がそれぞれ異なるように設定された遊技状態であり、高確率遊技状態においては、大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定されている。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、大当たりの抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
【0056】
また、非時短遊技状態及び時短遊技状態は、特定第2始動入賞口16bへの遊技球の入球の難易度がそれぞれ異なるように設定された遊技状態であり、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも、可動片16dが開いた状態に維持されやすい(すなわち、特定第2始動入賞口16bが開状態となりやすい)ように設定されている。すなわち、非時短遊技状態中よりも時短遊技状態中のほうが、特定第2始動入賞口16bへ遊技球が入球しやすくなっている。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
【0057】
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16(通常第2始動入賞口16a、特定第2始動入賞口16b)に入球すると、大当たりの抽選が行われる。そして、この大当たりの抽選によって大当たりに当選し、後述するゲート検出センサ20aによる遊技球の検出が有効であるときに遊技球がゲート20を通過すると、特別遊技におけるラウンド遊技が開始され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が、低確率時短遊技状態、高確率時短遊技状態又は高確率非時短遊技状態のいずれかに設定されるようになっている。すなわち、当該特別遊技の終了後は、低確率時短遊技状態、高確率時短遊技状態又は高確率非時短遊技状態のいずれかへ移行するようになっている。
また、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態に設定された場合、100回の大当たりの抽選の結果がすべて大当たり以外となると、時短遊技状態が終了して非時短遊技状態が設定されることにより通常遊技状態へ移行するようになっている。
【0058】
また、上述の大当たりの抽選によって小当たりに当選すると、第2大入賞口55が開放され当該第2大入賞口55へ遊技球を入球可能な小当たり遊技が実行される。そして、この小当たり遊技において、遊技球が第2大入賞口55へ入球すると、上述のように所定個数(15個)の遊技球が払い出される。なお、小当たり遊技の終了後の遊技状態は、当該小当たり遊技の開始前の遊技状態のままである。すなわち、小当たり遊技が実行された場合には、遊技状態は変わることがないようになっている。
【0059】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、主に、第1始動入賞口15への入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、主に、ゲート20の通過、通常第2始動入賞口16aへの入球、特定第2始動入賞口16bへの入球、第1大入賞口18への入球、第2大入賞口55への入球、普図始動入賞口22への入球が可能となっている。
そして、通常遊技状態中は遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中、高確率非時短遊技状態中、特別遊技中及び小当たり遊技中は、遊技球がゲート20を通過し、通常第2始動入賞口16a又は特定第2始動入賞口16bへ入球し、また、遊技球が第1大入賞口18又は第2大入賞口55へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせる。
具体的には、低確率時短遊技中、高確率時短遊技状態中、高確率非時短遊技状態中、特別遊技中及び小当たり遊技中は、演出表示装置21において第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨の表示が行われ、通常遊技状態が設定されると、演出表示装置21において第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨の表示が行われる。
【0060】
大当たりの抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16(通常第2始動入賞口16a、特定第2始動入賞口16b)へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選の結果の判定に用いられる大当たり乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる特別図柄乱数、並びに、上述の変動演出のパターン(以下、変動演出パターンともいう)を決定するための変動モード番号、変動パターン番号の決定に用いられるリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、上述の大当たり乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動演出パターンの決定に用いられる乱数は上述の3種類に限定されるものではなく、たとえば、これらの乱数に加えて他の乱数を用いてもよいし、これらの乱数のうちいずれか1又は複数の乱数を用いてもよい。
【0061】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第1特図乱数ともいう)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第2特図乱数ともいう)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
【0062】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部~第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
【0063】
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が、第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1特図保留数ともいう)は、第1特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2特図保留数ともいう)は、第2特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」という場合があり、また、第1特図保留数や第2特図保留数を単に「保留数」という場合がある。
【0064】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選の結果を判定するための大当たり乱数判定テーブル110、特別図柄の種別を決定するための特別図柄乱数判定テーブル111、並びに、変動モード番号や変動パターン番号を決定するためのリーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113及び変動パターン抽選テーブル114を有している。
なお、大当たりの抽選等に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
【0065】
大当たり乱数判定テーブル110は、大当たりの抽選の結果を判定するためのものであって、
図5(a)~(d)に示すように、低確率遊技状態において第1特図乱数(すなわち、第1始動入賞口15への遊技球の入球を契機に取得された大当たり乱数)に基づいて大当たりの抽選の結果を判定する場合に参照される第1大当たり乱数判定テーブル110aと、高確率遊技状態において第1特図乱数に基づいて大当たりの抽選の結果を判定する場合に参照される第2大当たり乱数判定テーブル110bと、低確率遊技状態において第2特図乱数(すなわち、第2始動入賞口16(通常第2始動入賞口16a、特定第2始動入賞口16b)への遊技球の入球を契機に取得された大当たり乱数)に基づいて大当たりの抽選の結果を判定する場合に参照される第3大当たり乱数判定テーブル110cと、高確率遊技状態において第2特図乱数に基づいて大当たりの抽選の結果を判定する場合に参照される第4大当たり乱数判定テーブル110dと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の大当たり乱数が取得される。そして、遊技球が入球した始動入賞口、及び、大当たりの抽選を開始するとき(すなわち、大当たりの判定を行うとき)の遊技状態に応じた大当たり乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり乱数と選択された大当たり乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選の結果が判定される。
【0066】
図5(a)に示すように、第1大当たり乱数判定テーブル110aによれば、大当たり乱数が1000~1204であった場合に大当たりと判定され、大当たり乱数が1205~5573であった場合に小当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、5574~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第1大当たり乱数判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/319、小当たりの当選確率はおよそ1/15となる。
【0067】
また、
図5(b)に示すように、第2大当たり乱数判定テーブル110bによれば、大当たり乱数が1000~2309であった場合に大当たりと判定され、大当たり乱数が2310~6678であった場合に小当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、6679~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第2大当たり乱数判定テーブル110bにおける大当たりの当選確率はおよそ1/50、小当たりの当選確率はおよそ1/15となる。
【0068】
また、
図5(c)に示すように、第3大当たり乱数判定テーブル110cによれば、大当たり乱数が1000~1204であった場合に大当たりと判定され、大当たり乱数が1205~44894であった場合に小当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、44895~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第3大当たり乱数判定テーブル110cにおける大当たりの当選確率はおよそ1/319、小当たりの当選確率はおよそ1/1.5となる。
【0069】
また、
図5(d)に示すように、第4大当たり乱数判定テーブル110dによれば、大当たり乱数が1000~2309であった場合に大当たりと判定され、大当たり乱数が2310~45999であった場合に小当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、46000~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第4大当たり乱数判定テーブル110dにおける大当たりの当選確率はおよそ1/50、小当たりの当選確率はおよそ1/1.5となる。
このように、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、高確率遊技状態である場合には、低確率遊技状態である場合に比べて、大当たりの当選確率がおよそ6.4倍となるように設定されている。また、第2特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われる場合には、第1特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われる場合に比べて、小当たりの当選確率がおよそ10倍となるように設定されている。
【0070】
特別図柄乱数判定テーブル111は、上述の如く、特別図柄の種別を決定するためのものであって、
図6(a)~(d)に示すように、第1特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第1特別図柄乱数判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第2特別図柄乱数判定テーブル111bと、第1特図乱数によって小当たりに当選した場合に参照される第3特別図柄乱数判定テーブル111cと、第2特図乱数によって小当たりに当選した場合に参照される第4特別図柄乱数判定テーブル111dと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の特別図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たり又は小当たりに当選した場合に、遊技球が入球した始動入賞口、及び、大当たりの抽選の結果に応じた特別図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された特別図柄乱数と選択された特別図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
【0071】
本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選した(すなわち、大当たりとの判定結果が得られた)場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄という)として6種類の図柄(X1、X2、X3、X4、X5、X6)が設けられており、小当たりに当選した(すなわち、小当たりとの判定結果が得られた)場合に決定される特別図柄(以下、小当たり図柄という)として2種類の図柄(Y1、Y2)が設けられており、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄という)として2種類の図柄(Z1、Z2)が設けられている。
【0072】
図6(a)に示すように、第1特別図柄乱数判定テーブル111aによれば、特別図柄乱数が0~69であった場合に大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が70~159であった場合に大当たり図柄X2が決定され、特別図柄乱数が160~199であった場合に大当たり図柄X3が決定される。すなわち、この第1特別図柄乱数判定テーブル111aにおいては、大当たり図柄X1が決定される確率は35%、大当たり図柄X2が決定される確率は45%、大当たり図柄X3が決定される確率は20%となっている。
【0073】
また、
図6(b)に示すように、第2特別図柄乱数判定テーブル111bによれば、特別図柄乱数が0~69であった場合に大当たり図柄X4が決定され、特別図柄乱数が70~159であった場合に大当たり図柄X5が決定され、特別図柄乱数が160~199であった場合に大当たり図柄X6が決定される。すなわち、この第2特別図柄乱数判定テーブル111bにおいては、大当たり図柄X4が決定される確率は35%、大当たり図柄X5が決定される確率は45%、大当たり図柄X6が決定される確率は20%となっている。
【0074】
また、
図6(c)に示すように、第3特別図柄乱数判定テーブル111cによれば、特別図柄乱数が0~199であった場合に小当たり図柄Y1が決定される。すなわち、この第3特別図柄乱数判定テーブル111cにおいては、小当たり図柄Y1が決定される確率は100%となっている。
また、
図6(d)に示すように、第4特別図柄乱数判定テーブル111dによれば、特別図柄乱数が0~199であった場合に小当たり図柄Y2が決定される。すなわち、この第4特別図柄乱数判定テーブル111dにおいては、小当たり図柄Y2が決定される確率は100%となっている。
【0075】
また、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、特別図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Z1が決定される。また、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、特別図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Z2が決定される。
すなわち、特別図柄乱数判定テーブル111は、大当たり又は小当たりに当選した場合にのみ参照され、ハズレの場合には参照されないようになっている。
【0076】
リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113及び変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号の決定に用いられるテーブルである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように大当たりの抽選の結果に基づき特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて変動演出パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号が決定されるとともに、決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが生成される。そして、この決定された変動モード番号及び変動パターン番号に基づいて、後述する特別図柄の変動表示の変動時間(変動演出の変動時間)が決定される。また、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の具体的な態様(たとえば、演出表示装置21の表示部21aに表示する画像等)を決定する。このように、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、変動演出(特別図柄の変動表示)の変動時間及び態様の決定に用いられるコマンドである。
【0077】
そして、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するために用いられるリーチモード決定乱数判定テーブル113が属するグループを決定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するにあたり、その前段階として、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブル112により、グループの種別が決定される。
このリーチグループ決定乱数判定テーブル112は、遊技状態、取得された乱数の種別(第1特図乱数又は第2特図乱数、すなわち、各乱数の取得の契機となった遊技球が入球した始動入賞口の種別)、及び、保留数(第1特図保留数又は第2特図保留数)ごとに複数設けられている(
図7(a)~(e)参照)。
【0078】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~10006の数値範囲内で1個のリーチグループ決定乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によってハズレとなった場合に、当該大当たりの抽選を行った時点の遊技状態、始動入賞口の種別、及び、保留数に応じて、リーチグループ決定乱数判定テーブル112が選択され、取得されたリーチグループ決定乱数と選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別が決定される。
【0079】
具体的には、通常遊技状態中における第1特図乱数(第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得された乱数)に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第1特図保留数が0又は1であった場合には、第1判定テーブル112aが選択され、当該抽選時の第1特図保留数が2以上であった場合には、第2判定テーブル112bが選択される。また、低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中における第1特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第1特図保留数が0以上であった場合には(すなわち、第1特図保留数がいかなる個数であっても)、第3判定テーブル112cが選択される。また、通常遊技状態中における第2特図乱数(第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得された乱数)に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第2特図保留数が0以上であった場合には(すなわち、第2特図保留数がいかなる個数であっても)、第4判定テーブル112dが選択される。また、低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中における第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第2特図保留数が0以上であった場合には、第5判定テーブル112eが選択される。
【0080】
そして、
図7(a)に示すように、第1判定テーブル112aによれば、リーチグループ決定乱数が0~8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~9899であった場合に「第4グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
また、
図7(b)に示すように、第2判定テーブル112bによれば、リーチグループ決定乱数が0~8999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~9899であった場合に「第4グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
また、
図7(c)に示すように、第3判定テーブル112cによれば、リーチグループ決定乱数が0~10006であった場合に(すなわち、リーチグループ決定乱数がいかなる値であっても)「第7グループ」が決定される。
また、
図7(d)に示すように、第4判定テーブル112dによれば、リーチグループ決定乱数が0~10006であった場合に「第6グループ」が決定される。
また、
図7(e)に示すように、第5判定テーブル112eによれば、リーチグループ決定乱数が0~7999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が8000~8999であった場合に「第3グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
【0081】
また、大当たりの抽選の結果が大当たり又は小当たりであった場合には、グループの種別を決定することなく、リーチモード決定乱数判定テーブル113が決定されるようになっている。すなわち、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合にのみ参照され、大当たり又は小当たりであった場合には参照されない。
【0082】
リーチモード決定乱数判定テーブル113は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動モード番号を決定するとともに、後述する変動パターン番号の決定に用いられる変動パターン抽選テーブル114を決定するためのものである。
このリーチモード決定乱数判定テーブル113は、大別して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に参照されるハズレ用判定テーブル(
図8参照)と、大当たりの抽選の結果が大当たり又は小当たりであった場合に参照される当たり用判定テーブル(
図9参照)と、を備えている。
ハズレ用判定テーブルは、上述のように決定されたグループの種別ごとに複数設けられている(
図8(a)~(g)参照)。
【0083】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~2038の数値範囲内で1個のリーチモード決定乱数が取得される。そして、上述したグループの種別の抽選によりグループが決定された場合に、この決定されたグループの種別に対応するハズレ用判定テーブルが選択され、取得されたリーチモード決定乱数と選択されたハズレ用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号、及び、変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0084】
具体的には、たとえば、上述したグループの種別の抽選により「第1グループ」が決定された場合に第1グループ用判定テーブル113aが選択され、「第2グループ」が決定された場合に第2グループ用判定テーブル113bが選択され、「第3グループ」が決定された場合に第3グループ用判定テーブル113cが選択され、「第4グループ」が決定された場合に第4グループ用判定テーブル113dが選択され、「第5グループ」が決定された場合に第5グループ用判定テーブル113eが選択され、「第6グループ」が決定された場合に第6グループ用判定テーブル113fが選択され、「第7グループ」が決定された場合に第7グループ用判定テーブル113gが選択される(
図8(a)~(g)参照)。
【0085】
そして、
図8(a)に示すように、第1グループ用判定テーブル113aによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に(すなわち、リーチモード決定乱数がいかなる値であっても)、「00H」(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様)という変動モード番号が決定されるとともに第1変動テーブル114aが選択される。
また、
図8(b)に示すように、第2グループ用判定テーブル113bによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「00H」の変動モード番号が決定されるとともに第2変動テーブル114bが選択される。
また、
図8(c)に示すように、第3グループ用判定テーブル113cによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「00H」という変動モード番号が決定されるとともに第3変動テーブル114cが選択される。
また、
図8(d)に示すように、第4グループ用判定テーブル113dによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「01H」という変動モード番号が決定されるとともに第4変動テーブル114dが選択される。
また、
図8(e)に示すように、第5グループ用判定テーブル113eによれば、リーチモード決定乱数が0~1799であった場合に、「02H」という変動モード番号が決定されるとともに第5変動テーブル114eが選択される。また、リーチモード決定乱数が1800~2038であった場合に、「03H」という変動モード番号が決定されるとともに第5変動テーブル114eが選択される。
また、
図8(f)に示すように、第6グループ用判定テーブル113fによれば、リーチモード決定乱数が0~1199であった場合に、「05H」という変動モード番号が決定されるとともに第1変動テーブル114aが選択される。また、リーチモード決定乱数が1200~2038であった場合に、「05H」という変動モード番号が決定されるとともに第2変動テーブル114bが選択される。
また、
図8(g)に示すように、第7グループ用判定テーブル113gによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「04H」という変動モード番号が決定されるとともに第6変動テーブル114fが選択される。
【0086】
また、当たり用判定テーブルは、大当たり又は小当たりの当選時(すなわち、大当たり又は小当たりの抽選時)の遊技状態、取得された乱数の種別(第1特図乱数又は第2特図乱数)、及び、大当たり又は小当たりとなった場合に決定された特別図柄の種別(大当たり図柄、小当たり図柄)ごとに複数設けられている(
図9(a)~(h)参照)。
【0087】
そして、大当たり又は小当たりに当選し特別図柄の種別が決定された場合に、決定された特別図柄の種別、取得された乱数の種別、及び、大当たり又は小当たりの当選時の遊技状態に対応する当たり用判定テーブルが選択され、上述したハズレ用判定テーブルに基づく決定と同様に、取得されたリーチモード決定乱数と選択された当たり用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0088】
具体的には、通常遊技状態中に第1特図乱数に基づいて大当たりに当選し大当たり図柄X1、X2又はX3が決定された場合に、第1当たり用判定テーブル113hが選択される。また、低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中に第2特図乱数に基づいて大当たりに当選し大当たり図柄X4、X5又はX6が決定された場合に、第2当たり用判定テーブル113iが選択される。また、通常遊技状態中に第2特図乱数に基づいて大当たりに当選し大当たり図柄X4、X5又はX6が決定された場合に、第3当たり用判定テーブル113jが選択される。また、低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中に第1特図乱数に基づいて大当たりに当選し大当たり図柄X1、X2又はX3が決定された場合に、第4当たり用判定テーブル113kが選択される。また、通常遊技状態中に第1特図乱数に基づいて小当たりに当選し小当たり図柄Y1が決定された場合に、第5当たり用判定テーブル113lが選択される。また、通常遊技状態中に第2特図乱数に基づいて小当たりに当選し小当たり図柄Y2が決定された場合に、第6当たり用判定テーブル113mが選択される。また、低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中に第1特図乱数に基づいて小当たりに当選し小当たり図柄Y1が決定された場合に、第7当たり用判定テーブル113nが選択される。また、低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中に第2特図乱数に基づいて小当たりに当選し小当たり図柄Y2が決定された場合に、第8当たり用判定テーブル113oが選択される。
【0089】
そして、
図9(a)に示すように、第1当たり用判定テーブル113hによれば、リーチモード決定乱数が0~199であった場合に、「11H」の変動モード番号が決定されるとともに第30変動テーブル114gが選択される。また、リーチモード決定乱数が200~1299であった場合に、「12H」の変動モード番号が決定されるとともに第31変動テーブル114hが選択される。また、リーチモード決定乱数が1300~2038であった場合に、「13H」の変動モード番号が決定されるとともに第32変動テーブル114iが選択される。
また、
図9(b)に示すように、第2当たり用判定テーブル113iによれば、リーチモード決定乱数が0~999であった場合に、「12H」の変動モード番号が決定されるとともに第31変動テーブル114hが選択される。また、リーチモード決定乱数が1000~2038であった場合に、「13H」の変動モード番号が決定されるとともに第32変動テーブル114iが選択される。
また、
図9(c)に示すように、第3当たり用判定テーブル113jによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「15H」の変動モード番号が決定されるとともに第31変動テーブル114hが選択される。
また、
図9(d)に示すように、第4当たり用判定テーブル113kによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「14H」の変動モード番号が決定されるとともに第33変動テーブル114jが選択される。
また、
図9(e)に示すように、第5当たり用判定テーブル113lによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「20H」の変動モード番号が決定されるとともに第50変動テーブル114kが選択される。
また、
図9(f)に示すように、第6当たり用判定テーブル113mによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「15H」の変動モード番号が決定されるとともに第50変動テーブル114kが選択される。
また、
図9(g)に示すように、第7当たり用判定テーブル113nによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「21H」の変動モード番号が決定されるとともに第50変動テーブル114kが選択される。
また、
図9(h)に示すように、第8当たり用判定テーブル113oによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「20H」の変動モード番号が決定されるとともに第50変動テーブル114kが選択される。
【0090】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、大当たり又は小当たりの当選時の遊技状態、取得された乱数の種別及び特別図柄の種別ごとに、当たり用判定テーブルが設けられているが、遊技球が入球した始動入賞口の種別を考慮せずに、大当たり又は小当たりの当選時の遊技状態及び特別図柄の種別ごとに、当たり用判定テーブルを設けるようにしてもよい。
【0091】
変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動パターン番号を決定するためのものであり、多数設けられている。
ここでは、
図10(a)~(k)に示すように、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に決定される第1変動テーブル114a、第2変動テーブル114b、第3変動テーブル114c、第4変動テーブル114d、第5変動テーブル114e及び第6変動テーブル114f、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に決定される第30変動テーブル114g、第31変動テーブル114h、第32変動テーブル114i及び第33変動テーブル114j、並びに、大当たりの抽選の結果が小当たりであった場合に決定される第50変動テーブル114kについて説明する。
【0092】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得される。そして、取得された変動パターン乱数と、上述の変動モード番号とともに決定された変動パターン抽選テーブル114とに基づいて、変動パターン番号が決定される。
たとえば、
図10(a)に示すように、第1変動テーブル114aによれば、変動パターン乱数が0~249であった場合に(すなわち、変動パターン乱数がいかなる値であっても)「00H」という変動パターン番号が決定される。また、
図10(d)に示すように、第4変動テーブル114dによれば、変動パターン乱数が0~234であった場合に「05H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が235~249であった場合に「06H」という変動パターン番号が決定される。
【0093】
また、
図10(g)に示すように、第30変動テーブル114gによれば、変動パターン乱数が0~249であった場合に「A6H」という変動パターン番号が決定される。また、
図10(i)に示すように、第32変動テーブル114iによれば、変動パターン乱数が0~89であった場合に「A6H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が90~249であった場合に「A7H」という変動パターン番号が決定される。
また、
図10(k)に示すように、第50変動テーブル114kによれば、変動パターン乱数が0~249であった場合に「B0H」という変動パターン番号が決定される。
なお、同様に、他の変動パターンテーブル114によっても、変動パターン乱数に対応して、所定の変動パターン番号が決定されるようになっている(
図10参照)。
【0094】
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動開始時(すなわち、後述する特別図柄の変動表示の開始時(変動演出の開始時))に、上述のような大当たりの抽選が行われるとともに、大当たりの抽選が行われると、大当たりの抽選の結果、決定された特別図柄の種別、大当たりの抽選時の遊技状態、取得された乱数の種別(第1特図乱数、第2特図乱数)や保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)等に応じて、変動モード番号及び変動パターン番号が決定される。上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号は、変動演出パターンを決定するためのものであり、変動モード番号及び変動パターン番号により、変動演出の態様及び変動時間(特別図柄の変動表示の変動時間)が定められるようになっている。ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられている。そして、変動演出の前半部分の態様及び変動時間は、変動モード番号により決定され、変動演出の後半部分の態様及び変動時間は、変動パターン番号により決定されるようになっている。
【0095】
次に、変動演出の変動時間(特別図柄の変動表示の変動時間)、特図遊技及び特別遊技に関連する各種時間(特別図柄の停止表示時間、ゲート検出無効時間、オープニング時間、エンディング時間)の決定、特別遊技の制御、遊技状態の設定等について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pは、上述の各種処理を行うためのテーブルとして、変動時間決定テーブル115、特図遊技関連時間テーブル116、特別電動役物作動テーブル117、及び、遊技状態設定テーブル118等を備えている。
【0096】
変動時間決定テーブル115は、変動演出の変動時間(すなわち、特別図柄の変動表示の変動時間)を決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pは、この変動時間決定テーブル115として、各変動モード番号に対応する変動演出の前半部分の変動時間(以下、前半変動時間という)が定められた第1変動時間決定テーブル115a、及び、各変動パターン番号に対応する変動演出の後半部分の変動時間(以下、後半変動時間という)が定められた第2変動時間決定テーブル115bを備えている(
図11(a)及び(b)参照)。
【0097】
そして、変動モード番号が決定されると、この決定された変動モード番号及び第1変動時間決定テーブル115aに基づき、対応する前半変動時間が決定される。また、変動パターン番号が決定されると、この決定された変動パターン番号及び第2変動時間決定テーブル115bに基づき、対応する後半変動時間が決定される。そして、このように決定された前半変動時間と後半変動時間の合計値が、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出全体の変動時間(特別図柄の変動表示全体の変動時間)に相当する。
たとえば、決定された変動モード番号が「03H」及び変動パターン番号が「07H」であった場合には、変動モード番号「03H」に対応して「60秒」の前半変動時間が決定され、変動パターン番号「07H」に対応して「60秒」の後半変動時間が決定される。そして、これらの合計値「120秒(=60秒+60秒)」が、変動演出全体(特別図柄の変動表示全体)の変動時間となる。
【0098】
なお、
図11(a)に示すように、「00H」、「04H」、「10H」、「14H」、「20H」及び「21H」の変動モード番号には「0秒」の前半変動時間が定められており、この変動モード番号が決定された場合には、決定された変動パターンに対応する後半変動時間の間、変動演出が実行されるようになっている。
【0099】
また、「05H」、「15H」の変動モード番号には「590秒」の前半変動時間が定められている。この変動モード番号が決定された場合には、他の変動モード番号が決定された場合と比較して長い時間にわたり変動演出(特別図柄の変動表示)が実行されることとなる。「05H」、「15H」の変動モード番号が決定されるのは、通常遊技状態における第2特図乱数に基づく大当たりの抽選により、大当たりの当選、小当たりの当選又はハズレが決定された場合、すなわち、通常遊技状態中に、第2遊技領域12bへの遊技球の打ち出しが行われ第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合である(
図7~
図9参照)。なお、上述のように、これらの遊技状態中は第1遊技領域12aへの遊技球の打ち出しが指示されており、この指示に従って第1遊技領域12aへ遊技球を打ち出していれば第2始動入賞口16へ遊技球は入球しないため、「05H」、「15H」の変動モード番号が決定されることはない。
【0100】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号が決定されると、この決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、この決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが生成され、副制御基板300に送信される。そして、副制御基板300においては、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の態様が決定されるようになっている。具体的には、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様が決定され、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様が決定されるようになっている。
なお、変動演出の態様については、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するのではなく、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動モードコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、変動モードコマンドや変動パターンコマンドに基づいて、それぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出の態様は、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドのみならず、他のコマンドに基づいて決定してもよい。また、変動モードコマンド又は変動パターンコマンドのいずれかのみに基づいて決定してもよい。
【0101】
また、上述のように決定された変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、決定された変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、決定された変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。
【0102】
(同時回し制御の概要)
本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動及び第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動を同時に行う制御、いわゆる同時回し制御が実行されるようになっている。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、特別遊技が実行されておらず、かつ、第1特別図柄表示装置30及び第2特別図柄表示装置31により特別図柄の変動表示が行われていない場合に、第1特図乱数及び第2特図乱数に基づく大当たりの抽選が可能となっている。
また、第1特別図柄表示装置30による特別図柄の変動表示中であって、第2特別図柄表示装置31による特別図柄の変動表示が行われていない場合には、第2特図乱数に基づいて大当たりの抽選が可能であり、第2特別図柄表示装置31による特別図柄の変動表示中であって、第1特別図柄表示装置30による特別図柄の変動表示が行われていない場合には、第1特図乱数に基づいて大当たりの抽選が可能となっている。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1特別図柄表示装置30による特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示装置31による特別図柄の変動表示とが、同時に行われる。そして、第1特別図柄表示装置30による特別図柄の変動表示が終了したときに、第1特図乱数が記憶されていれば、次の特別図柄の変動表示が第1特別図柄表示装置30により開始され、第2特別図柄表示装置31による特別図柄の変動表示が終了したときに、第2特図乱数が記憶されていれば、次の特別図柄の変動表示が第2特別図柄表示装置31により開始される。
【0103】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1特別図柄表示装置30による特別図柄の変動表示中に、新たに第2特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われた場合において、変動表示中の特別図柄が大当たり図柄(X1、X2又はX3)であったとき(すなわち、実行中の変動表示に関し、当該変動表示の契機となる大当たりの抽選で大当たりに当選していたとき)には、新たに行われた大当たりの抽選の結果として大当たりの当選を得ることができず、当該抽選の結果は強制的にハズレとなるように設定されている。すなわち、当該抽選の結果は小当たり又はハズレとなる。
同様に、第2特別図柄表示装置31による特別図柄の変動表示中に、新たに第1特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われた場合において、変動表示中の特別図柄が大当たり図柄(X4、X5又はX6)であったときには、新たに行われた大当たりの抽選の結果として大当たりの当選を得ることができず、当該抽選の結果は強制的にハズレとなるように設定されている。すなわち、当該抽選の結果は小当たりの当選又はハズレとなる。
したがって、たとえば、第2特図乱数に基づいて大当たりに当選し、第2特別図柄表示装置31において当該大当たりの当選に基づく特別図柄(大当たり図柄X4、X5又はX6)の変動表示が行われているときに、新たに第1特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われた場合には、当該抽選の結果は小当たりの当選又はハズレとなる。また、第1特図乱数に基づいて大当たりに当選し、第1特別図柄表示装置30において当該大当たりの当選に基づく特別図柄(大当たり図柄X1、X2又はX3)の変動表示が行われているときに、新たに第2特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われた場合には、当該抽選の結果は小当たりの当選又はハズレとなる。
【0104】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特別図柄表示装置30において大当たり図柄(X1、X2、X3)が停止表示されたときに、第2特別図柄表示装置31において小当たり図柄(Y2)が変動表示中であった場合には、この小当たり図柄は強制的にハズレ図柄(Z2)に変更された(書き換えられた)上で、このハズレ図柄が強制的に停止されるようになっている。
同様に、第2特別図柄表示装置31において大当たり図柄(X4、X5、X6)が停止表示されたときに、第1特別図柄表示装置30において小当たり図柄(Y1)が変動表示中であった場合には、この小当たり図柄は強制的にハズレ図柄(Z1)に変更された(書き換えられた)上で、このハズレ図柄が強制的に停止されるようになっている。
【0105】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特別図柄表示装置30において大当たり図柄(X1、X2、X3)が停止表示されたときに、第2特別図柄表示装置31においてハズレ図柄(Z2)が変動表示中であった場合には、このハズレ図柄が強制的に停止されるようになっている。
同様に、第2特別図柄表示装置31において大当たり図柄(X4、X5、X6)が停止表示されたときに、第1特別図柄表示装置30においてハズレ図柄(Z1)が変動表示中であった場合には、このハズレ図柄が強制的に停止されるようになっている。
【0106】
なお、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31のいずれか一方において大当たり図柄(X1、X2、X3、X4、X5、X6)が停止表示されたときに、いずれか他方においてハズレ図柄(Z1、Z2)の変動表示中であった場合には、この変動表示中であるハズレ図柄(Z1、Z2)の変動時間の計測が停止されるようにしてもよい。すなわち、変動時間の計測を停止するのみであり、ハズレ図柄(Z1、Z2)の変動表示は引き続き行われるようにしてもよい。
具体的には、第2特別図柄表示装置31においてハズレ図柄Z2の変動表示中に、第1特別図柄表示装置30において大当たり図柄X1、X2又はX3が停止表示された場合には、変動表示中のハズレ図柄Z2は停止表示されることはなく、この変動時間の計測を停止することで、この時点における残りの変動時間を維持したまま、ハズレ図柄Z2の変動表示が継続されるようにし、大当たり図柄X1、X2又はX3に基づく特別遊技が終了すると、停止されたハズレ図柄Z2の変動時間の計測が再開されるようにしてもよい。
同様に、第1特別図柄表示装置30においてハズレ図柄Z1の変動表示中に、第2特別図柄表示装置31において大当たり図柄X4、X5又はX6が停止表示された場合には、変動表示中のハズレ図柄Z1は停止表示されることはなく、この変動時間の計測を停止することで、この時点における残りの変動時間を維持したまま、ハズレ図柄Z1の変動表示が継続されるようにし、大当たり図柄X4、X5又はX6に基づく特別遊技が終了すると、停止されたハズレ図柄Z1の変動時間の計測が再開されるようにしてもよい。
【0107】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第2特別図柄表示装置31において小当たり図柄(Y2)が停止表示されたときに、第1特別図柄表示装置30において大当たり図柄(X1、X2、X3)又は小当たり図柄(Y1)が変動表示中であった場合には、この大当たり図柄又は小当たり図柄は強制的にハズレ図柄(Z1)に変更された(書き換えられた)上で、このハズレ図柄が強制的に停止されるようになっている。
同様に、第1特別図柄表示装置30において小当たり図柄(Y1)が停止表示されたときに、第2特別図柄表示装置31において大当たり図柄(X4、X5、X6)又は小当たり図柄(Y2)が変動表示中であった場合には、この大当たり図柄又は小当たり図柄は強制的にハズレ図柄(Z2)に変更された(書き換えられた)上で、このハズレ図柄が強制的に停止されるようになっている。
【0108】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特別図柄表示装置30において小当たり図柄(Y1)が停止表示されたときに、第2特別図柄表示装置31においてハズレ図柄(Z2)が変動表示中であった場合には、このハズレ図柄が強制的に停止されるようになっている。
同様に、第2特別図柄表示装置31において小当たり図柄(Y2)が停止表示されたときに、第1特別図柄表示装置30においてハズレ図柄(Z1)が変動表示中であった場合には、このハズレ図柄が強制的に停止されるようになっている。
【0109】
なお、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31のいずれか一方において小当たり図柄(Y1、Y2)が停止表示されたときに、いずれか他方においてハズレ図柄(Z1、Z2)の変動表示中であった場合には、この変動表示中であるハズレ図柄(Z1、Z2)の変動時間の計測が停止されるようにしてもよい。すなわち、変動時間の計測を停止するのみであり、ハズレ図柄(Z1、Z2)の変動表示は引き続き行われるようにしてもよい。
具体的には、第2特別図柄表示装置31においてハズレ図柄Z2の変動表示中に、第1特別図柄表示装置30において小当たり図柄Y1が停止表示された場合には、変動表示中のハズレ図柄Z2は停止表示されることはなく、この変動時間の計測を停止することで、この時点における残りの変動時間を維持したまま、ハズレ図柄Z2の変動表示が継続されるようにし、小当たり図柄Y1に基づく小当たり遊技が終了すると、停止されたハズレ図柄Z2の変動時間の計測が再開されるようにしてもよい。
同様に、第1特別図柄表示装置30においてハズレ図柄Z1の変動表示中に、第2特別図柄表示装置31において小当たり図柄Y2が停止表示された場合には、変動表示中のハズレ図柄Z1は停止表示されることはなく、この変動時間の計測を停止することで、この時点における残りの変動時間を維持したまま、ハズレ図柄Z1の変動表示が継続されるようにし、小当たり図柄Y2に基づく小当たり遊技が終了すると、停止されたハズレ図柄Z1の変動時間の計測が再開されるようにしてもよい。
【0110】
また、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31のいずれか一方においてハズレ図柄(Z1、Z2)が停止表示されたときに、いずれか他方において大当たり図柄(X1、X2、X3、X4、X5、X6)、小当たり図柄(Y1、Y2)又はハズレ図柄(Z1、Z2)が変動表示中であった場合には、変動時間の計測を停止しない。そして、上述の大当たり図柄、小当たり図柄、ハズレ図柄の変動表示は停止することなく、継続して変動表示が行われるようになっている。
【0111】
特図遊技関連時間テーブル116は、特図遊技及び特別遊技に関連する各種時間を定めたものである。この特図遊技関連時間テーブル116には、
図12に示すように、特図停止表示時間、ゲート検出無効時間、エンディング時間が定められている。
【0112】
特図停止表示時間は、変動時間が経過して特別図柄(大当たり図柄、小当たり図柄、ハズレ図柄)の変動表示が停止した後、当該特別図柄を停止表示する時間(いわゆる図柄確定時間)であり、0.5秒に設定されている。
第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31において、大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄の変動表示が停止すると、特図停止表示時間(0.5秒)が経過するまでこの特別図柄が停止表示される。そして、この特図停止表示時間が経過すると、第1特別図柄表示装置30においてハズレ図柄が停止表示されていた場合には、第1特図乱数に基づく次の大当たりの抽選及び特別図柄の変動表示が可能となり、第2特別図柄表示装置31においてハズレ図柄が停止表示されていた場合には、第2特図乱数に基づく次の大当たりの抽選及び特別図柄の変動表示が可能となる。また、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31において小当たり図柄が停止表示されていた場合には、小当たり遊技が実行される。また、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31において大当たり図柄が停止表示されていた場合には、その後に遊技球がゲート20を通過することを契機として特別遊技におけるラウンド遊技が開始される。
なお、特図停止表示時間は、上記時間に限定されるものではなく、上記時間よりも長い時間としても短い時間としてもよい。また、大当たり図柄が決定された場合、小当たり図柄が決定された場合又はハズレ図柄が決定された場合でそれぞれ異なる特図停止表示時間停止表示時間としてもよい。また、決定された大当たり図柄の種別、小当たり図柄の種別、ハズレ図柄の種別ごとに異なる特図停止表示時間としてもよい。
【0113】
ゲート検出無効時間は、大当たり図柄の変動表示が停止し上述の特図停止表示時間が経過した後に、ゲート検出センサ20a(
図4参照)による遊技球の検出が無効となる時間であり、大当たり図柄X1、X2又はX3が決定された場合(第1特図乱数に基づいて大当たりに当選した場合)には8秒、大当たり図柄X4、X5又はX6が決定された場合(第2特図乱数に基づいて大当たりに当選した場合)には1秒に設定されている。
【0114】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、原則として、常態においてゲート検出センサ20aによる遊技球の検出が有効となっており、遊技球がゲート20を通過すると当該遊技球の通過が検出されるようになっているものの、大当たり図柄の変動表示が停止し上述の特図停止表示時間が経過すると、ゲート検出センサ20aによる遊技球の検出は無効となり、ゲート検出無効時間(1秒又は8秒)が経過するまでの間、遊技球がゲート20を通過しても当該遊技球の通過は検出されないようになっている。これに対して、ゲート検出無効時間が経過すると、ゲート検出センサ20aによる遊技球の検出が有効となり、遊技球のゲート20の通過が検出されるようになっている。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり図柄の変動表示が停止し特図停止表示時間(0.5秒)が経過してから、ゲート検出無効時間(1秒又は8秒)が経過するまでの期間(以下、ゲート検出無効期間ともいう)においては、遊技球がゲート20を通過しても当該遊技球の通過が検出されず、ゲート検出無効期間以外の期間(以下、ゲート検出有効期間ともいう)においては、遊技球がゲート20を通過すると当該遊技球の通過が検出される。
【0115】
したがって、ゲート検出無効期間においては、遊技球がゲート20を通過しても、特別遊技におけるラウンド遊技が開始されることはなく、普図遊技に用いられる普通図柄乱数も取得されない。また、ゲート検出無効期間が経過した後も遊技球がゲート20を通過するまでは、ラウンド遊技が開始されることはない。
そして、ゲート検出無効期間が経過した後に遊技球がゲート20を通過すると、1回目のラウンド遊技が開始されることとなる。また、ゲート検出無効期間以外の期間に遊技球がゲート20を通過すると、後述する普図遊技に用いられる当たり決定乱数の取得が可能となる。
【0116】
なお、ゲート検出無効期間において遊技球がゲート20を通過した場合には、ラウンド遊技が開始されないようにするものの、普図遊技に用いられる当たり決定乱数の取得は実行するようにしてもよい。具体的には、ゲート検出無効期間中においても、遊技球がゲート20を通過した場合には当該遊技球の通過が検出されるように設定し、ゲート検出無効期間中に遊技球がゲート20を通過した旨が検出された場合には、ラウンド遊技は開始しないものの、当たり決定乱数の取得を実行するように設定する。このようにした場合には、遊技球がゲート20を通過したにもかかわらず、当たり決定乱数が取得されず、かつ普図遊技に関する処理(当たり決定乱数の取得に基づく普通図柄の抽選、普通図柄の抽選により当たりとなった場合の可動片16dの開放等)が実行されないことにより、遊技者に不利益と感じさせるような事態を防止することができる。
【0117】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、ゲート検出無効期間が経過すると、遊技状態が通常遊技状態に設定された後に特別遊技中となるように設定されている。しかし、特別遊技中となったものの、上述のように遊技球がゲート20を通過するまでの間は、ラウンド遊技が開始されることはない。
さらに、本形態に係るパチンコ機Pでは、ゲート検出無効期間中においては、特別遊技中とはなっていないものの、当該特別遊技の実行を示唆するオープニング演出が実行されるようになっている。すなわち、本形態におけるゲート検出無効期間は、オープニング演出が実行される期間となる。
このように、ゲート検出無効期間の経過により特別遊技中となるようにしつつも、特別遊技中となる前のゲート検出無効期間中においてオープニング演出を実行するように設定したことにより、遊技球がゲート20を通過したことが検出されないゲート検出無効期間を有効活用できることとなる。
【0118】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図始動入賞口検出センサ22aは、ゲート検出無効期間中であるか否かにかかわらず、常に遊技球の入球を検出できるように設定されている。したがって、ゲート検出無効期間中に遊技球が普図始動入賞口22へ入球した場合には、当たり決定乱数が取得されることとなる。
【0119】
エンディング時間は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であり、本形態では15秒に設定されている。
特別遊技における最終回のラウンド遊技が終了すると、このエンディング時間が経過するまでの間、エンディング処理が実行される。そして、このエンディング時間が経過すると、特別遊技が終了する。
【0120】
特別電動役物作動テーブル117は、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技と、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技とを制御するためのものであり、特別遊技の実行中に第1大入賞口ソレノイド18cを作動させ、小当たり遊技の実行中に第2大入賞口ソレノイド55cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、
図13(a)~(c)に示すように、特別電動役物作動テーブル117として、大当たり図柄X1又はX4が決定された場合に参照される第1作動テーブル117aと、大当たり図柄X2、X3、X5又はX6が決定された場合に参照される第2作動テーブル117bと、小当たり図柄Y1又はY2が決定された場合に参照される第3作動テーブル117cと、が設けられている。
【0121】
具体的には、大当たり図柄X1又はX4が決定されると、
図13(a)に示すように、第1作動テーブル117aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル117aによれば、第1大入賞口18が29.0秒開放するか又は第1大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が4回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、第1大入賞口18は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に第1大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は1.0秒に設定されている。
この特別遊技においては、遊技者は、所定個数の期待値の賞球を獲得可能となる。
【0122】
また、大当たり図柄X2、X3、X5又はX6が決定されると、
図13(b)に示すように、第2作動テーブル117bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル117bによれば、第1作動テーブル117aと同態様のラウンド遊技が10回実行され。また、各ラウンド遊技の実行中における第1大入賞口18の開閉回数及びインターバル時間は第1作動テーブル117aと同様の内容に設定されている。
この特別遊技においては、遊技者は、大当たり図柄X1又はX4が決定された場合の特別遊技よりも多い個数の期待値の賞球を獲得可能となる。
【0123】
また、小当たり図柄Y1又はY2が決定されると、
図13(c)に示すように、第3作動テーブル117cを参照して小当たり遊技が実行される。この第3作動テーブル117cによれば、第2大入賞口55の2.9秒の開放が、0.2秒おきに連続して2回行われる。また、この小当たり遊技中に第2大入賞口55に10個の遊技球が入球すると、当該小当たり遊技は終了となる。
この小当たり遊技においては、遊技者は、大当たり図柄X1又はX4が決定された場合の特別遊技よりも少ない個数の期待値の賞球を獲得可能となる。
【0124】
遊技状態設定テーブル118は、特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技の終了後の遊技状態が、大当たりの抽選によって決定された大当たり図柄の種類により決定されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pには、
図14に示すように、遊技状態設定テーブル118として、大当たり図柄X1又はX4が決定された場合に参照される第1状態設定テーブル118aと、大当たり図柄X2又はX5が決定された場合に参照される第2状態設定テーブル118bと、大当たり図柄X3又はX6が決定された場合に参照される第3状態設定テーブル118cと、が設けられている。
【0125】
図14(a)に示すように、第1状態設定テーブル118aによれば、大当たり図柄X1又はX4が決定されると、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定されるとともに、時短遊技状態に設定される。すなわち、低確率時短遊技状態が設定される。
また、この時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数という)は100回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が100回導出されるまで、低確率時短遊技状態が継続する。そして、この低確率時短遊技状態中に大当たりに当選した場合には、再度、大当たり図柄に応じた遊技状態が設定される。また、この低確率時短遊技状態において100回の抽選の結果がすべて大当たり以外となると、時短遊技状態が非時短遊技状態に変更されることにより、遊技状態が通常遊技状態に変更される。
【0126】
また、
図14(b)に示すように、第2状態設定テーブル118bによれば、大当たり図柄X2又はX5が決定されると、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定されるとともに、時短遊技状態に設定される。すなわち、高確率時短遊技状態が設定される。
また、この高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数という)は10000回に設定されるとともに、時短回数は10000回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が10000回導出されるまで、高確率時短遊技状態が継続する。そして、この高確率時短遊技状態中に大当たりに当選した場合には、再度、大当たり図柄に応じた遊技状態が設定される。
なお、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率遊技状態における大当たりの当選確率がおよそ1/50となっているため、実質的には、大当たりに再度当選するまで、高確率時短遊技状態が継続することとなる。
【0127】
また、
図14(c)に示すように、第3状態設定テーブル118cによれば、大当たり図柄X3又はX6が決定されると、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定されるとともに、非時短遊技状態に設定される。すなわち、高確率時非短遊技状態が設定される。
また、この高確回数は10000回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が10000回導出されるまで、高確率非時短遊技状態が継続する。そして、この高確率非時短遊技状態中に大当たりに当選した場合には、再度、大当たり図柄に応じた遊技状態が設定される。
なお、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率遊技状態における大当たりの当選確率がおよそ1/50となっているため、実質的には、大当たりに再度当選するまで、高確率非時短遊技状態が継続することとなる。
【0128】
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され第2遊技領域12bを流下する遊技球が、ゲート検出有効期間中にゲート20を通過するか又は普図始動入賞口22へ入球すると、特定第2始動入賞口16bの可動片16dを作動させて当該可動片16dを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、所定時間の間、可動片16dが開き、特定第2始動入賞口16bが開状態となるため、特定第2始動入賞口16bへの遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート検出有効期間中にゲート20を通過するか又は普図始動入賞口22へ入球することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル119に基づいて、行われる。
【0129】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の普通図柄の抽選が行われると、普通図柄の変動パターン(普通図柄の変動時間)が決定されるとともに、後述する普通図柄の変動表示が停止した後、上述の普通図柄の抽選により決定される普通図柄(当たり図柄、ハズレ図柄)を停止表示する時間である普図停止表示時間が決定される。
普通図柄の変動パターン及び普図停止表示時間の決定は、メインROM102に格納されている普通図柄変動パターン決定テーブル120、普図停止表示時間決定テーブル121に基づいて行われる。
【0130】
そして、遊技球がゲート検出有効期間中にゲート20を通過するか又は普図始動入賞口22へ入球すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過及び普図始動入賞口22への入球順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過するか又は普図始動入賞口22へ入球しても、この通過又は入球に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の個数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
【0131】
当たり決定乱数判定テーブル119は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、
図15(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態(すなわち、通常遊技状態又は高確率非時短遊技状態)において参照される非時短判定テーブル119aと、時短遊技状態(すなわち、低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態)において参照される時短判定テーブル119bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート検出有効期間中にゲート20を通過するか又は普図始動入賞口22へ入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であれば、非時短判定テーブル119aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された非時短判定テーブル119aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、時短判定テーブル119bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された時短判定テーブル119bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
【0132】
図15(a)に示すように、非時短判定テーブル119aによれば、当たり決定乱数が1~8192であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、8193~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この非時短判定テーブル119aにおいて当たりとなる確率は1/8となる。
図15(b)に示すように、時短判定テーブル119bによれば、当たり決定乱数が1~65000であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65001~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この時短判定テーブル119bにおいて当たりとなる確率は65000/65536、すなわち、およそ99/100となる。
したがって、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、普通図柄の抽選により当たりとなる確率は、非時短遊技状態中よりも時短遊技状態中の方が高くなるように設定されている。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
【0133】
普通図柄変動パターン決定テーブル120は、普通図柄の変動パターン、すなわち、普通図柄の変動時間が対応付けられた普通図柄変動パターン番号を決定するためのものである。上述のように、遊技球がゲート検出有効期間中にゲート20を通過するか又は普図始動入賞口22へ入球することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル120に基づいて、普通図柄変動パターン番号が決定される。
図16に示すように、普通図柄変動パターン決定テーブル120によれば、遊技状態が非時短遊技状態の場合には、変動時間5秒の普通図柄の変動パターンが対応付けられた「C0H」という普通図柄変動パターン番号が決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には、変動時間0.5秒の普通図柄の変動パターンが対応付けられた「C1H」という普通図柄変動パターン番号が決定される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、設定されている遊技状態ごとに常に同一の普通図柄変動パターン番号(普通図柄の変動パターン)が決定されるようになっているが、これに限定されるものではなく、たとえば、普通図柄の抽選の実行時点の普図保留数や、遊技球がゲート20を通過した又は普図始動入賞口22へ入球した際に取得する所定の乱数に基づいて、異なる普通図柄変動パターン番号が決定されるようにしてもよい。
【0134】
普図停止表示時間決定テーブル121は、上述の普図停止表示時間を決定するためのものである。上述のように、遊技球がゲート検出有効期間中にゲート20を通過するか又は普図始動入賞口22へ入球することにより普通図柄の抽選が行われると、この普図停止表示時間決定テーブル121を参照して、決定された普通図柄(当たり図柄、ハズレ図柄)に対応する普図停止表示時間が決定される。
図17に示すように、普図停止表示時間決定テーブル121によれば、決定された普通図柄が当たり図柄であった場合(すなわち、普通図柄の抽選により当たりとなった場合)には0.5秒の普図停止表示時間が決定される。また、決定された普通図柄がハズレ図柄であった場合(すなわち、普通図柄の抽選によりハズレとなった場合)には0.6秒の普図停止表示時間が決定される。
なお、普図停止表示時間は、普通図柄の種類のみならず、決定された普通図柄変動パターン番号ごとに決定されるようにしてもよい。
【0135】
そして、普通図柄変動パターン番号(普通図柄の変動パターン、普通図柄の変動時間)及び普図停止表示時間が決定されると、決定された普通図柄変動パターン番号に対応する変動時間の間、普通図柄表示装置32(
図3参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、決定された普図停止表示時間が経過した後、特定第2始動入賞口16bの可動片16dの開閉制御が行われる。これに対して、普通図柄の抽選によりハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯し、決定された普図停止表示時間が経過した後、次の普通図柄の抽選が可能となる。
なお、本明細書においては、普通図柄表示装置32の点滅表示を「普通図柄の変動」、普通図柄表示装置32の点灯又は消灯を「普通図柄の停止表示」、「普通図柄の変動の停止」、「普通図柄の変動停止」等という場合がある。
【0136】
また、本形態に係るパチンコ機Pには、特定第2始動入賞口16bに設けられた可動片16dの作動を制御するために参照される特定第2始動入賞口開放制御テーブル122を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、普通図柄表示装置32が点灯し決定された普図停止表示時間が経過すると、特定第2始動入賞口開放制御テーブル122に定められた内容に基づいて、特定第2始動入賞口16bの可動片16dの開閉制御が行われるようになっている。
具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合には、
図18に示すように、普図停止表示時間が経過した後に、始動入賞口ソレノイド16cが0.5秒(=0.5秒×1回)通電され、特定第2始動入賞口16bの可動片16dが0.5秒開放される。
また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、普図停止表示時間が経過した後に、始動入賞口ソレノイド16cが5.8秒(=2.9秒×2回)通電され、特定第2始動入賞口16bの可動片16dが5.8秒開放される。なお、1回目の可動片16dの開放が終了してから2回目の可動片16dの開放が開始されるまでに当該可動片16dが閉鎖する時間(インターバル時間)は0.5秒に設定されている。
【0137】
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、特定第2始動入賞口16bを開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、特定第2始動入賞口16bが開状態に維持されやすいため、非時短遊技状態よりも特定第2始動入賞口16bへ遊技球が入球しやすくなっている。
【0138】
(ゲート通過待ち状態示唆コマンドの概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、たとえば、設定中の遊技状態、第1特図乱数や第2特図乱数が記憶された旨、第1特図保留数や第2特図保留数、大当たりの抽選の結果、決定された特別図柄の種類、特別図柄の変動時間、大当たり図柄の変動表示が停止した後にゲート検出センサ20aによる遊技球の検出が無効から有効となった旨(すなわち、ゲート検出無効期間が経過した旨)、特別遊技における実行中のラウンド遊技の回数等の遊技の進行に係る各種データ(以下、遊技進行データともいう)がメインRAM103の記憶領域に記憶され、メインCPU101が、特別図柄の変動表示の開始時点、第1特図乱数や第2特図乱数が取得された時点、特別遊技における各ラウンド遊技の開始時点、特別遊技の終了時点等の種々のタイミングで、対応する遊技進行データを含む各種コマンドを副制御基板300に送信するようになっている。
副制御基板300のサブCPU301は、上述のコマンドを受信すると、当該コマンドに含まれる遊技進行データをサブRAM303の記憶領域に記憶し、また、受信した遊技進行データに基づいて、設定中の遊技状態に応じた背景画像の表示、保留記憶がなされた旨を示す保留画像の表示、変動演出、特別遊技を盛り上げる特別遊技中演出等の種々の演出を実行するようになっている。
【0139】
たとえば、本形態に係るパチンコ機Pでは、メインCPU101は、上述のゲート検出無効期間が経過すると、その旨を示すゲート検出有効期間開始コマンドを副制御基板300に送信する。副制御基板300のサブCPU301は、このゲート検出有効期間開始コマンドの受信に基づき、ゲート検出有効期間である旨を示すデータをサブRAM303の記憶領域に記憶した上で、遊技球がゲート20を通過するように遊技球を打ち出す操作(いわゆる右打ち)を促すゲート通過指示演出(たとえば、「ゲートを通過させろ! 右打ち→→→」という文字画像の表示や、音声出力装置10による「右打ちしてください」という音声の出力等)を実行する。
【0140】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、後述するように、各遊技状態において主に遊技球が入球する始動入賞口(通常遊技状態では第1始動入賞口15、他の遊技状態では第2始動入賞口16)へ遊技球が入球した場合には、当該入球に基づく変動演出が実行され、上述のゲート検出有効期間開始コマンドの受信に基づき上述のゲート通過指示演出が実行されるようになっている。これに対して、異なる始動入賞口(通常遊技状態では第2始動入賞口16、他の遊技状態では第1始動入賞口15)へ遊技球が入球した場合には、当該入球に基づく変動演出は実行されず、表示部21aにおいて待機画像が表示されるようになっており、この場合には、上述のゲート検出有効期間開始コマンドを受信しても、上述のゲート通過指示演出は実行されないようになっている。
【0141】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、ノイズや瞬断等による電断が発生する場合がある。
電断が発生した場合、主制御基板100においては、メインCPU101がメインRAM103へのアクセスを禁止することにより、メインRAM103の記憶領域に記憶されている遊技進行データを保持する処理(すなわち、バックアップ処理)が行われるものの、電断発生時の処理が複雑になるのを防止すべく、副制御基板300においては、電断が発生した場合にも上述のようなバックアップ処理は行われない。そのため、サブRAM303の記憶領域に記憶されている遊技進行データはクリア(リセット)される。
また、副制御基板300において上述のリセットが発生した場合、当該リセットの発生前に行われていた各種演出の実行もリセットされるようになっている。そうすると、上述のようにサブRAM303の記憶領域に記憶されていた遊技進行データはクリアされてしまうことから、当該遊技進行データに基づく演出を実行することができない。したがって、上述のリセットの発生後に、当該リセットの発生前に行われていた各種演出が実行されることはない。そして、電断から復帰すると、演出表示装置21の表示部21aにおいては、その後に特別図柄の変動表示が開始される、第1特図乱数や第2特図乱数が取得される、各ラウンド遊技が開始される等により、遊技進行データを含むコマンドを受信するまでは、画像表示の復帰中である旨を示す表示復帰画像(たとえば、「画面表示復帰中」という文字画像等)が継続して表示される。
【0142】
たとえば、ゲート検出無効期間が経過すると、主制御基板100から受信したゲート検出有効期間開始コマンドに基づき上述のゲート通過指示演出が実行される。しかし、このゲート通過指示演出の実行直前や実行中に、電断等により副制御基板300においてリセットが生じると、当該リセットの発生後にゲート通過指示演出は実行されず、表示部21aに表示復帰画像が表示される。
ここで、ゲート検出無効期間の経過後においては、大当たり図柄の変動表示が停止しており、遊技球がゲート20を通過するまで特別遊技におけるラウンド遊技が開始されないため、遊技球がゲート20を通過しない限り、各ラウンド遊技の開始時点で主制御基板100から送信されるコマンドが副制御基板300に送信されることはない。また、特別遊技が終了しない限り、次の特別図柄の変動表示が開始されないため、特別図柄の変動表示の開始時点で主制御基板100から送信されるコマンドも副制御基板300に送信されることはない。
すなわち、遊技球がゲート20を通過するまでは、各ラウンド遊技の開始時点や特別図柄の変動表示の開始時点で送信されるコマンドが副制御基板300に送信されないため、表示部21aにおいて表示復帰画像が表示されたままとなる。そうすると、ゲート通過指示演出が実行されていれば、遊技者は遊技球をゲート20に通過させるための右打ちを行うことができるものの、表示復帰画像が表示されていると遊技者はどのような打ち出し操作を行えばよいか分からないため、一般的な打ち出し操作となる左打ちが行われてしまい(すなわち、右打ちが行われず)、表示復帰画像が表示されたまま、いつまでも遊技球がゲート20を通過せずラウンド遊技が開始されない(遊技が進行しない)といった事態が生じ得る。
【0143】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、いわゆる同時回し制御が行われるように設定されているが、通常遊技状態では、上述のように左打ちが指示されており、この指示通りに遊技球の打ち出しが行われている限りにおいては主に第1始動入賞口15へ遊技球が入球する。そのため、通常遊技状態では、表示部21aにおいて、主となる第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく変動演出のみが実行され、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したとしても、当該第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく変動演出は実行されないようになっている。
したがって、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示及び変動演出が実行されていないときに、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示が開始されたとしても、表示部21aにおいて、当該第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく変動演出は実行されない。そして、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示が行われることなく所定の待機状態開始時間が経過すると、表示部21aにおいて、所定の待機画像(たとえば、パチンコ機Pの製造メーカーのロゴ画像、遊技者に対してカードを取り忘れないようにさせるためのメッセージ画像(「プリペイドカードの取り忘れにご注意ください」等の文字画像等)、遊技にのめり込み過ぎないように注意を促すためのメッセージ画像(「パチンコは適度に楽しむ遊びです」等の文字画像等)、音量調整や光量調整等を行うための操作の説明画像、待機状態中である旨を示す文字画像、最後に実行された第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく変動演出において停止表示された演出図柄50を継続して表示する画像等)が表示されるようになっている。
【0144】
これに対して、低確率時短遊技状態、高確率時短遊技状態、高確率非時短遊技状態では、上述のように右打ちが指示されており、この指示通りに遊技球の打ち出しが行われている限りにおいては主に第2始動入賞口16へ遊技球が入球する。そのため、低確率時短遊技状態、高確率時短遊技状態、高確率非時短遊技状態では、表示部21aにおいて、主となる第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく変動演出のみが実行され、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したとしても、当該第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく変動演出は実行されないようになっている。
したがって、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示及び変動演出が実行されていないときに、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示が開始されたとしても、表示部21aにおいて、当該第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく変動演出は実行されない。そして、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示が行われることなく上述の待機状態開始時間が経過すると、表示部21aにおいて、上述の待機画像が表示されるようになっている。
【0145】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の待機画像は、当該待機画像が表示される直前の大当たりの抽選の結果がハズレや小当たりであった場合には、次に主となる始動入賞口への遊技球の入球に基づく変動演出が開始されるまで継続して表示され、大当たりであった場合には、ゲート検出無効期間が経過した後に遊技球がゲート20を通過してラウンド遊技が開始されるまで継続して表示されるようになっている。
【0146】
ここで、上述したように、低確率時短遊技状態中は右打ちが指示されており、指示通りに遊技球を打ち出している場合には第2始動入賞口16へ遊技球が入球する可能性がある。
そうすると、たとえば、低確率時短遊技状態の終了間際に第2始動入賞口16へ遊技球が入球し保留記憶されると、低確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定された後に当該保留記憶に基づく大当たりの抽選(すなわち、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選)が行われ、当該抽選の結果が大当たりの当選となり大当たり図柄X4、X5又はX6が決定される場合がある。
この場合、特別図柄の変動時間は極めて長時間(600秒前後)であり、大当たりに当選した旨が示唆されるまでの時間が長い。また、上述したように、通常遊技状態では、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示が実行されたとしても、表示部21aにおいては、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく変動演出が実行されず、上述の待機画像が表示される。
そのため、上述の場合には、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たり図柄の変動表示中に、遊技者が遊技を止めて離席してしまう可能性がある。そして、この場合には、上述したように、大当たり図柄の変動表示が停止してゲート検出無効期間が経過しゲート検出有効期間開始コマンドを受信しても、上述のゲート通過指示演出が実行されないことから、遊技球がゲート20を通過するまでは、表示部21aにおいて上述の待機画像が表示されたままとなる。そして、上述のゲート通過指示演出が実行されていれば、遊技者は遊技球をゲート20に通過させるための右打ちを行うことができるものの、待機画像が表示されていると遊技者はどのような打ち出し操作を行えばよいか分からないため、一般的な打ち出し操作となる左打ちが行われてしまい、待機画像が表示されたまま、いつまでも遊技球がゲート20を通過せずラウンド遊技が開始されない(遊技が進行しない)といった事態が生じ得る。
【0147】
そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のような事態を防止すべく、ゲート検出無効期間の経過後(ゲート検出有効期間の開始後)であって、かつ遊技球がゲート20を通過するまでの間に、第1遊技領域12aに設けられている一般入賞口14や第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合、メインCPU101が、ゲート検出有効期間が開始されたものの遊技球がゲート20を通過してない状態(以下、ゲート通過待ち状態ともいう)である旨を示唆するゲート通過待ち状態示唆コマンドを副制御基板300に送信するようになっている。
これにより、ゲート通過待ち状態示唆コマンドの受信に基づき、サブCPU301は、上述のゲート通過指示演出を実行することができ、遊技者に対して遊技球がゲート20を通過するように右打ちを促すことが可能となるため、表示復帰画像や待機画像が表示されたままラウンド遊技が開始されない(遊技が進行しない)といった事態が生じるのを防止できることとなる。
【0148】
(本形態に係るパチンコ機Pの遊技性)
本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、高確率時短遊技状態(高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、又は、高確率非時短遊技状態(高確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかの遊技状態が設定されて、遊技が進行するようになっている。
【0149】
ここで、遊技者が遊技を開始する時点では、通常遊技状態が設定されていることが多い。この通常遊技状態中は、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第1始動入賞口15へ入球する可能性があり、第2始動入賞口16(通常第2始動入賞口16a、特定第2始動入賞口16b)へ入球することはない。すると、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たりの抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X1、X2又はX3が決定される(
図6(a)参照)。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づいて実行される特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態に設定され、大当たり図柄X2が決定された場合には、当該決定に基づいて実行される特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、大当たり図柄X3が決定された場合には、当該決定に基づいて実行される特別遊技の終了後の遊技状態が高確率非時短遊技状態に設定される(
図14、
図19参照)。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、通常遊技状態中に指示通り左打ちを行っていれば、大当たりに当選することにより、低確率時短遊技状態、高確率時短遊技状態又は高確率非時短遊技状態へ移行することとなる(
図19参照)。
【0150】
低確率時短遊技状態中は、大当たりの当選確率は通常遊技状態中と変わらないものの、通常遊技状態中よりも、特定第2始動入賞口16bが開状態へ極めて維持されやすくなっており、特定第2始動入賞口16bへ遊技球が極めて入球しやすいため、通常遊技状態中よりも遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら、大当たりの抽選の機会を獲得できる。また、高確率時短遊技状態中は、通常遊技状態中よりも、大当たりの当選確率が高く、かつ特定第2始動入賞口16bが開状態へ極めて維持されやすくなっており、通常遊技状態中よりも遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えつつ、容易に大当たりの当選を獲得できる。
【0151】
なお、低確率時短遊技状態中及び高確率時短遊技状態中は、指示通り右打ちを行っていれば第2始動入賞口16(通常第2始動入賞口16a、特定第2始動入賞口16b)へ遊技球が入球する可能性がある。そして、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選では、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選よりも小当たりに当選する確率が極めて高く設定されており(
図5参照)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すればほぼ小当たりに当選し、小当たり遊技が実行される。
ここで、小当たり遊技中は第2大入賞口55が開放されるため、第2大入賞口55へ遊技球が入球可能となる。しかし、低確率時短遊技状態中及び高確率時短遊技状態中においては、第2大入賞口55よりも上方に位置する特定第2始動入賞口16bが開状態へ極めて維持されやすくなっているため、小当たり遊技中も特定第2始動入賞口16bが開状態になっている可能性が高い。すると、低確率時短遊技状態中及び高確率時短遊技状態中においては、小当たり遊技の実行に基づき第2大入賞口55が開放しても、第2遊技領域12bへ打ち出した遊技球はほぼ特定第2始動入賞口16へ入球し、第2大入賞口55へはほぼ入球しない。
【0152】
この低確率時短遊技状態中及び高確率時短遊技状態中は、上述の如く、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが指示されている。そのため、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第2始動入賞口16へ入球する可能性があり、第1始動入賞口15へ入球することはない。すると、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たりの抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X4、X5又はX6が決定される(
図6(b)参照)。そして、大当たり図柄X4が決定された場合には、当該決定に基づいて実行される特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態に設定され、大当たり図柄X5が決定された場合には、当該決定に基づいて実行される特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、大当たり図柄X6が決定された場合には、当該決定に基づいて実行される特別遊技の終了後の遊技状態が高確率非時短遊技状態に設定される(
図14、
図19参照)。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、低確率時短遊技状態中及び高確率時短遊技状態中も指示通り右打ちを行っていれば、大当たりに当選することにより、低確率時短遊技状態、高確率時短遊技状態又は高確率非時短遊技状態へ移行することとなる(
図19参照)。
【0153】
また、高確率非時短遊技状態中は、特定第2始動入賞口16bが開状態へ維持される難易度は通常遊技状態中と変わらないものの、通常遊技状態中よりも、大当たりの当選確率が高くなっている。また、高確率非時短遊技状態中は、上述の如く、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出していると、遊技球は、第2始動入賞口16に入球する可能性がある。上述の如く、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選では、小当たりに当選する確率が極めて高く設定されており(
図5(c)及び(d)参照)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すればほぼ小当たりに当選し、小当たり遊技が実行される。
【0154】
なお、上述の如く、小当たり遊技中は第2大入賞口55が開放されるため、第2大入賞口55へ遊技球が入球可能となる。また、高確率非時短遊技状態中においては、特定第2始動入賞口16bが開状態へ維持されにくくなっているため、小当たり遊技中は特定第2始動入賞口16bが開状態になっている可能性が高い。すると、高確率非時短遊技状態中においては、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出していれば、小当たり遊技の実行に基づいて開放された第2大入賞口55へ遊技球が入球し、当該入球に基づき所定個数の賞球を獲得することができる。
すなわち、高確率非時短遊技状態中は、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出すことにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく小当たりの当選により実行される小当たり遊技で賞球を獲得しながら、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて大当たりの当選を目指すことができるようになっており、高確率非時短遊技状態は、通常遊技状態、低確率時短遊技状態及び高確率時短遊技状態と比べて遊技者にとって有利な遊技状態である。なお、大当たりに当選することなく高確率非時短遊技状態が継続すればする程、小当たり遊技が実行される回数が増えるため、遊技球が徐々に増加するようになっている。
【0155】
また、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たりの抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X4、X5又はX6が決定される(
図6(b)参照)。したがって、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、高確率非時短遊技状態中に指示通り右打ちを行っていれば、大当たりに当選することにより、低確率時短遊技状態、高確率時短遊技状態又は高確率非時短遊技状態へ移行することとなる(
図19参照)。
【0156】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態、低確率時短遊技状態、高確率時短遊技状態及び高確率非時短遊技状態の各遊技状態において、遊技者に対する指示通りに第1遊技領域12a又は第2遊技領域12bのいずれかへ向けて遊技球を打ち出すことで、大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後に、低確率時短遊技状態、高確率時短遊技状態又は高確率非時短遊技状態への移行が可能となっている。そして、運良く、連続して大当たり図柄X6が決定されると、特別遊技中に獲得可能な賞球に加え、高確率非時短遊技状態中の小当たり遊技でも賞球を獲得でき、大当たりの当選確率も高いことから、早いスピードで多くの出玉を得ることができることとなる。
【0157】
ところで、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選では、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選よりも小当たりに当選する確率が極めて高く設定されているため(
図5(c)又は(d)参照)、通常遊技状態中に遊技者に対する左打ちの指示に従わず、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出し第2始動入賞口16へ遊技球を入球させて、小当たりの当選により実行される小当たり遊技で賞球を獲得するという遊技方法により遊技が行われる可能性がある。
しかし、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、通常遊技状態中に第2始動入賞口16へ遊技球を入球させた場合には、大当たりの抽選の結果が大当たりの当選、小当たりの当選及びハズレのいずれであっても、特別図柄の変動時間が約600秒と極めて長い時間に設定されるようになっている。したがって、1時間あたりに約6回程度しか特別図柄が停止表示されず、時間効率の極めて悪い遊技となり、多くの賞球を獲得することは極めて困難となる。これにより、上述のような遊技が行われることを抑止することができる。
【0158】
また、通常遊技状態中に、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し及び第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しを併用し、第1始動入賞口15への遊技球の入球により大当たりの当選を目指しつつ、第2始動入賞口16への遊技球の入球により小当たりの当選を目指すという遊技方法により遊技が行われる可能性もある。
【0159】
ここで、通常遊技状態中に第2始動入賞口16へ遊技球を入球させることにより大当たりに当選してしまった場合、大当たり図柄の変動表示(第2特別図柄表示装置31における変動表示)中も、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選は次々と行われる。しかし、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たりに当選しているため、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果は全てハズレとなる。すると、遊技者は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて大当たりに当選していることを認識できないまま、第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出すものの、上述のように第1始動入賞口15へ遊技球が入球しても大当たりの抽選の結果は全てハズレとなるため、打ち出した遊技球は全て無駄となり、遊技者にとっては極めて不利な状況となる。
【0160】
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中に第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出すメリットが少なく、上述のような遊技方法による遊技が行われるのを抑止できるようになっている。
【0161】
(パチンコ機Pにおける遊技の進行の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技、特別遊技及び小当たり遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、
図20のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
【0162】
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板300に送信する各種のコマンドを、メインRAM103に設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、特別図柄乱数を更新する際に参照される特別図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この特別図柄乱数用初期値更新乱数は、特別図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、特別図柄乱数は、更新を開始する時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、特別図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
【0163】
ステップ102において、メインCPU101は、変動演出パターンを決定するための乱数であるリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
【0164】
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、
図21のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
【0165】
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、特別図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
【0166】
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、普図始動入賞口検出センサ22a、第1始動入賞口検出センサ15a、通常第2始動入賞口検出センサ16e、特定第2始動入賞口検出センサ16f、一般入賞口検出センサ14aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技、特別遊技、小当たり遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
【0167】
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、前扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放指定コマンド、満タン状態指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖指定コマンド、満タン解除指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
【0168】
ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、通常第2始動入賞口検出センサ16e、特定第2始動入賞口検出センサ16f、第1大入賞口検出センサ18a、第2大入賞口検出センサ55a、普図始動入賞口検出センサ22aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、特定第2始動入賞口16bの可動片16dを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、第1大入賞口18又は第2大入賞口55の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
【0169】
ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力処理、及び、演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
【0170】
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、
図22のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したか又は普図始動入賞口22へ入球したことに基づいて、普図関連センサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球したことに基づいて、第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
【0171】
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が通常第2始動入賞口16a又は特定第2始動入賞口16bへ入球したことに基づいて、第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ303に進む。
ステップ303において、メインCPU101は、遊技球が一般入賞口14へ入球したことに基づいて、一般入賞口検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
【0172】
次に、上述したステップ300の普図関連センサ検出時処理について、
図23のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出有効期間中である旨を示すゲート検出有効フラグがオンであるか否かを判定する。そして、ゲート検出有効フラグがオンでない(すなわち、オフである、ゲート検出無効期間中である)と判定した場合、ステップ405に進む。一方、ゲート検出有効フラグがオンであると判定した場合、次のステップ401に進む。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、ゲート検出有効フラグがオンとなることによりゲート検出センサ20aによる遊技球の検出が有効となり、ゲート検出有効フラグがオフとなることによりゲート検出センサ20aによる遊技球の検出が無効となるように設定されている。
ステップ401において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ステップ405に進む。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ402に進む。
【0173】
ステップ402において、メインCPU101は、ゲート通過待ち状態である旨を示すゲート通過待ち状態フラグがオンであるか否かを判定する。そして、ゲート通過待ち状態フラグがオンでない(すなわち、オフである、ゲート通過待ち状態でない)と判定した場合、ステップ406に進む。一方、ゲート通過待ち状態フラグがオンであると判定した場合、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、ゲート通過待ち状態中に遊技球がゲート20を通過した旨を示すゲート通過フラグをオンにする。そして、次のステップ404に進む。
【0174】
ステップ404において、メインCPU101は、ゲート通過待ち状態フラグをオフにする。そして、ステップ406に進む。
また、上述のステップ400でゲート検出有効フラグがオンでないと判定した場合、上述のステップ401でゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合に進むステップ405において、メインCPU101は、普図始動入賞口検出センサ22aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、普図始動入賞口検出センサ22aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、普図関連センサ検出時処理を終了する。一方、普図始動入賞口検出センサ22aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ406に進む。
【0175】
ステップ406において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、普図関連センサ検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ407に進む。
ステップ407において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ408に進む。
【0176】
ステップ408において、メインCPU101は、現時点の当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶する。そして、普図関連センサ検出時処理を終了する。
【0177】
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、
図24のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
【0178】
ステップ502において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、大当たり乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
【0179】
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ506に進む。
【0180】
ステップ506において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり乱数、特別図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ508に進む。
【0181】
ステップ508において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ509に進む。
ステップ509において、メインCPU101は、ゲート通過待ち状態フラグがオンであるか否かを判定する。そして、ゲート通過待ち状態フラグがオンでないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、ゲート通過待ち状態フラグがオンであると判定した場合、次のステップ510に進む。
【0182】
ステップ510において、メインCPU101は、ゲート通過待ち状態示唆コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、ゲート通過待ち状態である旨が副制御基板300に伝達される。本形態に係るパチンコ機Pでは、ゲート通過待ち状態中は、第1始動入賞口15へ遊技球が入球するごとに繰り返しゲート通過待ち状態示唆コマンドが副制御基板300に送信されるようになっている。これにより、たとえば当該コマンドにビット落ち等が生じ、ゲート通過指示演出が実行されなかったような場合にも、ゲート通過指示演出の実行をリトライすることができる。なお、当該コマンドを1回送信した後は、第1始動入賞口15へ遊技球が再度入球しても当該コマンドが送信されないようにしてもよい。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
【0183】
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、
図25のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、通常第2始動入賞口検出センサ16eからの検出信号又は特定第2始動入賞口検出センサ16fからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、通常第2始動入賞口検出センサ16eからの検出信号及び特定第2始動入賞口検出センサ16fからの検出信号のいずれも入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、通常第2始動入賞口検出センサ16eからの検出信号又は特定第2始動入賞口検出センサ16fからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
【0184】
ステップ602において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、大当たり乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
【0185】
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ606に進む。
【0186】
ステップ606において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり乱数、特別図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ608に進む。
【0187】
ステップ608において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
【0188】
次に、上述したステップ303の一般入賞口検出時処理について、
図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップ650において、メインCPU101は、一般入賞口検出センサ14aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、一般入賞口検出センサ14aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、一般入賞口検出時処理を終了する。一方、一般入賞口検出センサ14aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ651に進む。
ステップ651において、ゲート通過待ち状態フラグがオンであるか否かを判定する。そして、ゲート通過待ち状態フラグがオンでないと判定した場合、一般入賞口検出時処理を終了する。一方、ゲート通過待ち状態フラグがオンであると判定した場合、次のステップ652に進む。
【0189】
ステップ652において、メインCPU101は、ゲート通過待ち状態示唆コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、ゲート通過待ち状態である旨が副制御基板300に伝達される。本形態に係るパチンコ機Pでは、ゲート通過待ち状態中は、一般入賞口14へ遊技球が入球するごとに繰り返しゲート通過待ち状態示唆コマンドが副制御基板300に送信されるようになっている。なお、当該コマンドを1回送信した後は、一般始動入賞口14へ遊技球が再度入球しても当該コマンドが送信されないようにしてもよい。そして、一般入賞口検出時処理を終了する。
【0190】
次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、
図27のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動処理の実行を示すデータ「00」と、後述するゲート検出制御処理の実行を示すデータ「01」と、後述するラウンド遊技開始処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する小当たり遊技制御処理の実行を示すデータ「04」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「05」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動処理(ステップ701)、ゲート検出制御処理(ステップ702)、ラウンド遊技開始処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)、小当たり遊技制御処理(ステップ705)又は特別遊技終了処理(ステップ706)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
【0191】
次に、上述したステップ701の特別図柄変動処理について、
図28のフローチャートを参照して説明する。
ステップ750において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ751に進む。
ステップ751において、メインCPU101は、変動開始処理を実行する。そして、次のステップ752に進む。
【0192】
ステップ752において、メインCPU101は、変動停止処理を実行する。そして、次のステップ753に進む。
ステップ753において、メインCPU101は、停止後処理を実行する。そして、特別図柄変動処理を終了する。
【0193】
次に、上述したステップ751の変動開始処理について、
図29のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ813に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ801に進む。
【0194】
ステップ801において、メインCPU101は、第2特図乱数に基づいて決定された特別図柄(以下、第2特図という)の変動表示中であるか否かを判定する。そして、変動表示中であると判定した場合、ステップ813に進む。一方、変動表示中でないと判定した場合、次のステップ802に進む。
ステップ802において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ803に進む。
【0195】
ステップ803において、メインCPU101は、現時点の遊技状態及び第2特図乱数(すなわち、始動入賞口の種別が第2始動入賞口16)に対応する大当たり乱数判定テーブル110を選択し、選択したテーブルと、上述のステップ802で処理領域に記憶された大当たり乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ804に進む。
ステップ804において、メインCPU101は、第2特図の種別を決定する第2特図決定処理を実行する。具体的には、上述のステップ803における抽選の結果が大当たりであった場合には、第2特別図柄乱数判定テーブル111b(
図6(b)参照)を選択し、当該テーブルと、上述のステップ802で処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄(X4、X5、X6)を決定する。また、上述のステップ803における抽選の結果が小当たりであった場合には、第4特別図柄乱数判定テーブル111d(
図6(d)参照)を選択し、当該テーブルと、上述のステップ802で処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、小当たり図柄(Y2)を決定する。また、上述のステップ803における抽選の結果がハズレであった場合には、ハズレ図柄(Z2)を決定する。そして、決定した第2特図に対応するデータを、メインRAM103の第2特図一時記憶領域に記憶する。また、この第2特図決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、第2特図を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ805に進む。
【0196】
ステップ805において、メインCPU101は、上述のステップ804で決定された第2特図の種別が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄でない(すなわち、小当たり図柄又はハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ808に進む。一方、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ806に進む。
ステップ806において、メインCPU101は、後述する第1特図一時記憶領域に記憶されたデータが大当たり図柄に係るものであるか否かを判定する。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、第1特図乱数に基づいて決定された特別図柄(以下、第1特図という)と第2特図とが同時に変動表示可能となっている。そして、上述の如く、第2特図の変動表示の開始時には、決定された第2特図の種別(すなわち、停止表示される第2特図の種別)が第2特図一時記憶領域に記憶される。同様に、第1特図の変動表示の開始時には、決定された第1特図の種別(すなわち、停止表示される第1特図の種別)が第1特図一時記憶領域に記憶される。すなわち、第1特図一時記憶領域には、第1特別図柄表示装置30において変動表示中の第1特図の種別が記憶され、第2特図一時記憶領域には、第2特別図柄表示装置31において変動表示中の第2特図の種別が記憶される。
したがって、このステップ806においては、第2図柄として決定された大当たり図柄の変動表示を開始する際に、第1特別図柄表示装置30において、第1特図として決定された大当たり図柄が変動表示されているか否かを判定することとなる。
そして、上述のデータが大当たり図柄に係るものでない(すなわち、小当たり図柄又はハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ808に進む。一方、上述のデータが大当たり図柄に係るものであると判定した場合、次のステップ807に進む。
【0197】
ステップ807において、メインCPU101は、第2特図一時記憶領域に記憶された大当たり図柄に係るデータを、ハズレ図柄に係るデータに書き換える。すなわち、大当たり図柄が決定された第1特図の変動表示中に、第2特図の変動表示が開始される場合において、この第2特図として大当たり図柄が決定された場合には、この大当たり図柄が強制的にハズレ図柄に書き換えられる。
なお、上述のように、第2特図の種別を決定した後に、決定された大当たり図柄を強制的にハズレ図柄に書き換えるのではなく、第2特図の種別を決定する際に、第1特別図柄表示装置30において、第1特図として決定された大当たり図柄が変動表示されているか否かを判定し、大当たり図柄が変動表示されていると判定した場合には、第2特図の種別として必ずハズレ図柄が決定されるようにしてもよい。
そして、次のステップ808に進む。
ステップ808において、メインCPU101は、第2特図一時記憶領域に記憶されている第2特図の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。具体的には、上述のステップ804で決定された第2特図の種別(大当たり図柄、小当たり図柄、又は、ハズレ図柄)、又は、上述のステップ807で強制的な書き換えが行われた場合にはハズレ図柄が記憶される。これにより、第2特図の種別に係る情報が、変動演出の開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ809に進む。
【0198】
ステップ809において、メインCPU101は、上述のステップ802で処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数に基づいて、変動演出パターンを決定する変動演出パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ810に進む。
ステップ810において、メインCPU101は、第2特別図柄表示装置31で第2特図の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「-」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2特図保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第2特図乱数に基づいて上述の第2特図の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2特図保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ811に進む。
【0199】
ステップ811において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、遊技状態を時短遊技状態に設定するための時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は、何も処理は行わない。そして、次のステップ812に進む。
ステップ812において、メインCPU101は、高確回数更新処理を実行する。ここでは、メインCPU101は、遊技状態が高確率遊技状態に設定するための高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は、何も処理は行わない。そして、次のステップ813に進む。
【0200】
ステップ813において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ826に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ814に進む。
ステップ814において、メインCPU101は、第1特図の変動表示中であるか否かを判定する。そして、変動表示中であると判定した場合、ステップ826に進む。一方、変動表示中でないと判定した場合、次のステップ815に進む。
【0201】
ステップ815において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ816に進む。
ステップ816において、メインCPU101は、現時点の遊技状態及び第1特図乱数(すなわち、始動入賞口の種別が第1始動入賞口15)に対応する大当たり乱数判定テーブル110を選択し、選択したテーブルと、上述のステップ815で処理領域に記憶された大当たり乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ817に進む。
【0202】
ステップ817において、メインCPU101は、第1特図の種別を決定する第1特図決定処理を実行する。具体的には、上述のステップ816における抽選の結果が大当たりであった場合には、第1特別図柄乱数判定テーブル111a(
図6(a)参照)を選択し、当該テーブルと、上述のステップ815で処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄(X1、X2、X3)を決定する。また、上述のステップ816における抽選の結果が小当たりであった場合には、第3特別図柄乱数判定テーブル111c(
図6(c)参照)を選択し、当該テーブルと、上述のステップ815で処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、小当たり図柄(Y1)を決定する。また、上述のステップ815における抽選の結果がハズレであった場合には、ハズレ図柄(Z1)を決定する。そして、決定した第1特図に対応するデータを、メインRAM103の第1特図一時記憶領域に記憶する。また、この第1特図決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、第1特図を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ818に進む。
ステップ818において、メインCPU101は、上述のステップ817で決定された第1特図の種別が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄でない(すなわち、小当たり図柄又はハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ821に進む。一方、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ819に進む。
【0203】
ステップ819において、メインCPU101は、第2特図一時記憶領域に記憶されたデータが大当たり図柄に係るものであるか否かを判定する。すなわち、メインCPU101は、第1図柄として決定された大当たり図柄の変動表示を開始する際に、第2特別図柄表示装置31において、第2特図として決定された大当たり図柄が変動表示されているか否かを判定する。そして、上述のデータが大当たり図柄に係るものでない(すなわち、小当たり図柄又はハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ821に進む。一方、上述のデータが大当たり図柄に係るものであると判定した場合、次のステップ820に進む。
ステップ820において、メインCPU101は、第1特図一時記憶領域に記憶された大当たり図柄に係るデータを、ハズレ図柄に係るデータに書き換える。すなわち、大当たり図柄が決定された第2特図の変動表示中に、第1特図の変動表示が開始される場合において、この第1特図として大当たり図柄が決定された場合には、この大当たり図柄が強制的にハズレ図柄に書き換えられる。
なお、第1特図の種別を決定した後に、決定された大当たり図柄を強制的にハズレ図柄に書き換えるのではなく、第1特図の種別を決定する際に、第2特別図柄表示装置31において、第2特図として決定された大当たり図柄が変動表示されているか否かを判定し、大当たり図柄が変動表示されていると判定した場合には、第1特図の種別として必ずハズレ図柄が決定されるようにしてもよい。
そして、次のステップ821に進む。
【0204】
ステップ821において、メインCPU101は、第1特図一時記憶領域に記憶されている第1特図の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。
具体的には、上述のステップ817で決定された第1特図の種別(大当たり図柄、小当たり図柄、又は、ハズレ図柄)、又は、上述のステップ820で強制的な書き換えが行われた場合にはハズレ図柄が記憶される。これにより、第1特図の種別に係る情報が、変動演出の開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ822に進む。
ステップ822において、メインCPU101は、上述のステップ815で処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数に基づいて、変動演出パターンを決定する変動演出パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ823に進む。
【0205】
ステップ823において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30で第1特図の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1特図保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の第1図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1特図保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御される。
そして、次のステップ824に進む。
【0206】
ステップ824において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。そして、次のステップ825に進む。
ステップ825において、メインCPU101は、高確回数更新処理を実行する。そして、変動開始処理を終了する。
【0207】
また、上述のステップ813で第1特図保留数カウンタが1以上でないと判定した場合、上述のステップ814で第1特図が変動表示中であると判定した場合に進むステップ826において、メインCPU101は、通常遊技状態中に第1特図乱数が記憶されていなかった場合には、第1特図の変動表示が行われていないことに基づき、また、高確率時短遊技状態中、低確率時短遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中に第2特図乱数が記憶されていなかった場合には、第2特図の変動表示が行われてないことに基づき、演出表示装置21において待機状態である旨を示す待機画像の表示を行うための待機状態判定処理を実行する。
具体的には、通常遊技状態においては、メインCPU101は第1特図の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、第1特図の変動表示が行われることなく所定の待機状態開始時間(たとえば、30秒)が経過した場合に、演出表示装置21に上述の待機画像を表示するための待機状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。また、高確率時短遊技状態中、低確率時短遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中においては、メインCPU101は第2特図の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、第2特図の変動表示が行われることなく上述の待機状態開始時間が経過した場合に、演出表示装置21に上述の待機画像を表示するための待機状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。副制御基板300のサブCPU301は、この待機状態コマンドを受信すると、演出表示装置21の表示部21aにおいて待機画像を表示する制御を行う。
そして、変動開始処理を終了する。
【0208】
なお、上述の待機画像は、パチンコ機Pの製造メーカーのロゴ画像、遊技者に対してカードを取り忘れないようにさせるためのメッセージ画像(たとえば、「プリペイドカードの取り忘れにご注意ください」等の文字画像)、遊技にのめり込み過ぎないように注意を促すためのメッセージ画像(たとえば、「パチンコは適度に楽しむ遊びです」等の文字画像)、音量調整や光量調整等を行うための操作の説明画像、待機状態中である旨を示す文字画像等、遊技の進行と関連しない画像等とすることができる。また、待機画像は、これらに限定されるものではなく、他の画像や遊技の進行と関連する画像(たとえば、最後に停止表示された演出図柄50等)等としてもよい。
【0209】
なお、本形態に係るパチンコ機Pの変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数のいずれもが記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではない。たとえば、第2特図乱数に優先して第1特図乱数が処理されるようにしてもよいし、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
【0210】
次に、上述したステップ809及びステップ822の変動演出パターン決定処理について、
図30のフローチャートを参照して説明する。なお、いずれのステップの変動演出パターンも同様の処理となっているため、ここでは、ステップ809の変動演出パターン決定処理を中心に説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、上述のステップ804(ステップ822の変動演出パターン決定処理においては上述のステップ817)で決定された特別図柄が大当たり図柄又は小当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄及び小当たり図柄のいずれでもない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ903に進む。一方、大当たり図柄又は小当たり図柄であると判定した場合、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、上述のステップ804(ステップ822の変動演出パターン決定処理においては上述のステップ817)で決定された大当たり図柄又は小当たり図柄、現時点の遊技状態、及び、当該抽選の判定に係る始動入賞口の種別(すなわち、当該抽選の判定に用いられた大当たり乱数がいずれの始動入賞口への入球により取得されたものであるか)を確認する。そして、次のステップ902に進む。
【0211】
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で確認した大当たり図柄又は小当たり図柄、遊技状態、及び、当該抽選の判定に係る始動入賞口の種別に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル113(当たり用判定テーブル)を選択する。そして、ステップ907に進む。
また、上述のステップ900で大当たり図柄及び小当たり図柄のいずれでもないと判定した場合に進むステップ903において、メインCPU101は、当該抽選の判定に係る始動入賞口の種別を確認するとともに、現時点の遊技状態、及び、現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ904に進む。
【0212】
ステップ904において、メインCPU101は、上述のステップ903で確認した始動入賞口の種別、遊技状態及び保留数に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル112を選択する。そして、次のステップ905に進む。
ステップ905において、メインCPU101は、上述のステップ802(ステップ822の変動演出パターン決定処理においては上述のステップ815)で所定の処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数と上述のステップ904で選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別を決定し、当該グループの種別を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ906に進む。
【0213】
ステップ906において、メインCPU101は、上述のステップ905で決定されたグループの種別に基づいて、リーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)を選択する。そして、次のステップ907に進む。
ステップ907において、メインCPU101は、上述のステップ902で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(当たり用判定テーブル)又は上述のステップ906で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)と、上述のステップ802(ステップ822の変動演出パターン決定処理においては上述のステップ815)で所定の処理領域に記憶されたリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114を決定し、この決定された変動モード番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ908に進む。
【0214】
ステップ908において、メインCPU101は、上述のステップ907で決定された変動パターン抽選テーブル114を選択する。そして、次のステップ909に進む。
ステップ909において、メインCPU101は、上述のステップ908で選択された変動パターン抽選テーブル114と、上述のステップ802(ステップ822の変動演出パターン決定処理においては上述のステップ815)で所定の処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定し、この決定された変動パターン番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ910に進む。
【0215】
ステップ910において、メインCPU101は、変動時間決定テーブル115と、所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号及び変動パターン番号とに基づいて、変動演出の変動時間(特別図柄の変動表示の変動時間)を決定する。すなわち、第2特図に基づいた変動演出パターン決定処理(ステップ809の変動演出パターン決定処理)が行われている場合には、決定された変動時間は第2特図の変動時間となり、第1特図に基づいた変動演出パターン決定処理(ステップ822の変動演出パターン決定処理)が行われている場合には、決定された変動時間は第1特図の変動時間となる。そして、第2特図の変動時間を決定した場合には、この変動時間を第2特図変動時間タイマカウンタにセットし、第1特図の変動時間を決定した場合には、この変動時間を第1特図変動時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ911に進む。
ステップ911において、メインCPU101は、所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号に基づいて変動モードコマンドを生成し、所定の一時記憶領域に記憶された変動パターン番号に基づいて変動パターンコマンドを生成する。さらに、メインCPU101は、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、変動演出パターン決定処理を終了する。
【0216】
次に、上述したステップ752の変動停止処理について、
図31のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30において第1特図が変動表示中であるか否かを判定する。そして、変動表示中でないと判定した場合、ステップ1006に進む。一方、変動表示中であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
ステップ1001において、メインCPU101は、上述のステップ910で第1特図変動時間タイマカウンタにセットされた第1特図の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、経過していないと判定した場合、ステップ1006に進む。一方、経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
【0217】
ステップ1002において、メインCPU101は、第1特図一時記憶領域に記憶された第1特図を、第1特別図柄表示装置30に停止表示するための停止表示データをセットし、第1特図の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
ステップ1003において、メインCPU101は、第1特図が停止表示されたことを示す第1特図停止表示コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
【0218】
ステップ1004において、メインCPU101は、特図遊技関連時間テーブル116を参照して、第1特図を停止表示する特図停止表示時間(以下、第1特図停止表示時間ともいう)を決定する。そして、次のステップ1005に進む。
ステップ1005において、メインCPU101は、上述のステップ1004で決定された第1特図停止表示時間を第1停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1006に進む。
【0219】
ステップ1006において、メインCPU101は、第2特別図柄表示装置31において第2特図が変動表示中であるか否かを判定する。そして、変動表示中でないと判定した場合、変動停止処理を終了する。一方、変動表示中であると判定した場合、次のステップ1007に進む。
ステップ1007において、メインCPU101は、上述のステップ910で第2特図変動時間タイマカウンタにセットされた第2特図の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、経過していないと判定した場合、変動停止処理を終了する。一方、経過したと判定した場合、次のステップ1008に進む。
【0220】
ステップ1008において、メインCPU101は、第2特図一時記憶領域に記憶された第2特図を、第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、第2図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1009に進む。
ステップ1009において、メインCPU101は、第2特図が停止表示されたことを示す第2特図停止表示コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1010に進む。
【0221】
ステップ1010において、メインCPU101は、特図遊技関連時間テーブル116を参照して、上述のステップ804で決定された特別図柄の種類に応じた第2特図を停止表示する特図停止表示時間(以下、第2特図停止表示時間ともいう)を決定する。そして、次のステップ1011に進む。
ステップ1011において、メインCPU101は、上述のステップ1010で決定された第2特図停止表示時間を第2停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、変動停止処理を終了する。
【0222】
次に、上述したステップ753の停止後処理について、
図32のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、上述のステップ1005で第1停止表示時間タイマカウンタにセットされた第1特図停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、第1特図停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。一方、第1特図停止表示時間が経過していないと判定した場合、ステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1011で第2停止表示時間タイマカウンタにセットされた第2特図停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、第2特図停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、第2特図停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
【0223】
ステップ1102において、メインCPU101は、停止表示された特別図柄(第1特図又は第2特図)が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄でない(すなわち、小当たり図柄又はハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1110に進む。一方、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、変動表示中の特別図柄があるか否か、すなわち、停止表示された特別図柄とは異なる、もう一方の特別図柄が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、停止表示された第1特図が大当たり図柄であった場合には、第2特図が変動表示中であるか否かを判定し、停止表示された第2特図が大当たり図柄であった場合には、第1特図が変動表示中であるか否かを判定する。そして、変動表示中の特別図柄がないと判定した場合、ステップ1107に進む。一方、変動表示中の特別図柄があると判定した場合、次のステップ1104に進む。
【0224】
ステップ1104において、メインCPU101は、変動表示中の特別図柄が小当たり図柄であるか否かを判定する。そして、小当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1106に進む。一方、小当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1105に進む。
【0225】
ステップ1105において、メインCPU101は、変動表示中の小当たり図柄に係るデータ(すなわち、第1特図一時記憶領域に記憶された小当たり図柄に係るデータ、又は、第2特図一時記憶領域に記憶された小当たり図柄に係るデータ)をハズレ図柄に係るデータに書き換える。そして、次のステップ1106に進む。
ステップ1106において、メインCPU101は、変動表示中の特別図柄を強制的に停止表示する。具体的には、変動表示中の特別図柄がハズレ図柄であった場合には、第1特図一時記憶領域又は第2特図一時記憶領域に記憶されているハズレ図柄を、また、上述のステップ1105で書き換えが行われた場合には、書き換えられた第1特図一時記憶領域又は第2特図一時記憶領域に記憶されているハズレ図柄を、変動時間が経過していなくても対応する特別図柄表示装置に停止表示させる。すなわち、第1特図が変動表示中であった場合には、この第1特図の変動時間が経過していなくても、第1特別図柄表示装置30においてハズレ図柄が強制的に停止表示する。また、第2特図が変動表示中であった場合には、この第2特図の変動時間が経過していなくても、第2特別図柄表示装置31においてハズレ図柄が強制的に停止表示する。そして、ステップ1107に進む。
【0226】
ステップ1107において、メインCPU101は、特図遊技関連時間テーブル116を参照して、上述のステップ1102で停止表示された大当たり図柄の種別に応じたゲート検出無効時間をゲート検出無効時間タイマカウンタにセットする。具体的には、大当たり図柄X1、X2又はX3が停止表示された場合には8秒、大当たり図柄X4、X5又はX6が停止表示された場合には1秒がセットされる。また、メインCPU101は、ゲート検出有効フラグをオフにする。これにより、ゲート検出センサ20aによる遊技球の検出が無効となり、ゲート検出無効期間が開始されると共に、ゲート検出無効時間の計時が開始される。そして、次のステップ1108に進む。
ステップ1108において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が通常遊技状態であって大当たり図柄X1、X2或いはX3が停止表示された場合、又は、現時点の遊技状態が高確率時短遊技状態、低確率時短遊技状態或いは高確率非時短遊技状態であって大当たり図柄X4、X5或いはX6が停止表示された場合において、ゲート検出無効期間中に特別遊技の実行を示唆するオープニング演出(たとえば、「BONUSゲーム! Congratulation!」という文字画像の表示等)を行うためのオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1109に進む。
【0227】
ステップ1109において、メインCPU101は、特図関連制御処理においてゲート検出制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1102で大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1110において、メインCPU101は、停止表示された特別図柄が小当たり図柄であるか否かを判定する。そして、小当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1117に進む。一方、小当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1111に進む。
【0228】
ステップ1111において、メインCPU101は、変動表示中の特別図柄があるか否か、具体的には、停止表示された第1特図が小当たり図柄であった場合には、第2特図が変動表示中であるか否かを判定し、停止表示された第2特図が小当たり図柄であった場合には、第1特図が変動表示中であるか否かを判定する。そして、変動表示中の特別図柄がないと判定した場合、ステップ1115に進む。一方、変動表示中の特別図柄があると判定した場合、次のステップ1112に進む。
ステップ1112において、メインCPU101は、変動表示中の特別図柄が大当たり図柄又は小当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄及び小当たり図柄のいずれでもない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1114に進む。一方、大当たり図柄又は小当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1113に進む。
【0229】
ステップ1113において、メインCPU101は、変動表示中の大当たり図柄又は小当たり図柄に係るデータ(すなわち、第1特図一時記憶領域に記憶された大当たり図柄あるいは小当たり図柄に係るデータ、又は、第2特図一時記憶領域に記憶された大当たり図柄あるいは小当たり図柄に係るデータ)をハズレ図柄に係るデータに書き換える。そして、次のステップ1114に進む。
【0230】
ステップ1114において、メインCPU101は、変動表示中の特別図柄を強制的に停止表示する。具体的には、変動表示中の特別図柄がハズレ図柄であった場合には、第1特図一時記憶領域又は第2特図一時記憶領域に記憶されているハズレ図柄を、また、上述のステップ1113で書き換えが行われた場合には、書き換えられた第1特図一時記憶領域又は第2特図一時記憶領域に記憶されているハズレ図柄を、変動時間が経過していなくても対応する特別図柄表示装置に停止表示させる。すなわち、第1特図が変動表示中であった場合には、この第1特図の変動時間が経過していなくても、第1特別図柄表示装置30においてハズレ図柄が強制的に停止表示する。また、第2特図が変動表示中であった場合には、この第2特図の変動時間が経過していなくても、第2特別図柄表示装置31においてハズレ図柄が強制的に停止表示する。
また、メインCPU101は、上述のステップ1113で書き換えが行われた場合には、その旨を示す書き換えコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。この書き換えコマンドには、書き換えが行われた特別図柄の種類(大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5、X6、小当たり図柄Y1、Y2)の情報が含まれている。これにより、副制御基板300はいずれの特別図柄がハズレ図柄に書き換えられたのかを把握できるようになっている。
そして、ステップ1115に進む。
【0231】
ステップ1115において、メインCPU101は、小当たり遊技の開始時に設定される小当たりオープニング時間を小当たりオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、小当たり遊技の開始時に実行されるオープニング処理の開始を示す小当たりオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1116に進む。
ステップ1116において、メインCPU101は、特図関連制御処理において小当たり遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
【0232】
また、上述のステップ1110で小当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1117において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認し、遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。この遊技状態コマンドには、高確遊技フラグのオン又はオフの情報、時短遊技フラグのオン又はオフの情報、高確回数の情報、時短回数の情報等が含まれている。そして、停止後処理を終了する。
【0233】
次に、上述したステップ702のゲート検出制御処理について、
図33のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1150において、メインCPU101は、実行フェーズデータがゲート検出制御処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、ゲート検出制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1151に進む。
【0234】
ステップ1151において、メインCPU101は、ステップ1107でゲート検出無効時間タイマカウンタにセットされたゲート検出無効時間が経過したか否かを判定する。そして、当該ゲート検出無効時間が経過していないと判定した場合、ゲート検出制御処理を終了する。一方、当該ゲート検出無効時間が経過したと判定した場合、次のステップ1152に進む。
ステップ1152において、メインCPU101は、ゲート検出有効フラグをオンにする。これにより、ゲート検出センサ20aによる遊技球の検出が有効となり、ゲート検出有効期間が開始される。そして、次のステップ1153に進む。
【0235】
ステップ1153において、メインCPU101は、ゲート通過待ち状態フラグをオンにする。また、メインCPU101は、ゲート通過フラグをオフにする。そして、次のステップ1154に進む。
ステップ1154において、メインCPU101は、ゲート検出無効期間が経過しゲート検出有効期間が開始された旨を示すゲート検出有効期間開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、ゲート検出有効期間が開始された旨が副制御基板300に伝達されることとなる。そして、次のステップ1155に進む。
【0236】
ステップ1155において、メインCPU101は、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをオフにする。なお、高確遊技フラグ、時短遊技フラグがオフであったときには、メインCPU101は何も処理を行わない。また、この高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをオフにする処理はゲート検出制御処理において実行するのではなく、特図停止表示時間が経過した時点で(すなわち、停止後処理において)実行するようにしてもよい。そして、次のステップ1156に進む。
ステップ1156において、メインCPU101は、特図関連制御処理においてラウンド遊技開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、ゲート検出制御処理を終了する。
【0237】
次に、上述したステップ703のラウンド遊技開始処理について、
図34のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1170において、メインCPU101は、実行フェーズデータがラウンド遊技開始処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、ラウンド遊技開始処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1171に進む。
ステップ1171において、メインCPU101は、ゲート通過フラグがオンであるか否かを判定する。そして、ゲート通過フラグがオンでないと判定した場合、ラウンド遊技開始処理を終了する。一方、ゲート通過フラグがオンであると判定した場合、次のステップ1172に進む。
【0238】
ステップ1172において、メインCPU101は、ゲート通過待ち状態フラグをオフにする。また、メインCPU101は、ゲート通過フラグをオフにする。そして、次のステップ1173に進む。
ステップ1173において、メインCPU101は、ゲート通過待ち状態中に遊技球がゲート20を通過した旨を示すゲート通過コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、ゲート通過待ち状態中に遊技球がゲート20を通過した旨が副制御基板300に伝達されることとなる。そして、次のステップ1174に進む。
【0239】
ステップ1174において、メインCPU101は、停止表示された大当たり図柄の種類に対応する特別電動役物作動テーブル117に基づいて、特別遊技中のラウンド数を取得し、メインRAM103に設けられたラウンド数記憶領域にセットする。具体的には、停止表示されている大当たり図柄がX1又はX4であれば、ラウンド数として「4」をセットし、停止表示されている大当たり図柄がX2、X3、X5又はX6であれば、ラウンド数として「10」をセットする。そして、次のステップ1175に進む。
ステップ1175において、メインCPUは、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、ラウンド遊技開始処理を終了する。
【0240】
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、
図35のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1209に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1202に進む。
【0241】
ステップ1202において、メインCPU101は、大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル117に基づいて、第1大入賞口18の開閉を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、上述のステップ1202の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1205に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1204に進む。
【0242】
ステップ1204において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1205に進む。なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
ステップ1205において、メインCPU101は、上述のステップ1202の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1206に進む。
【0243】
ステップ1206において、メインCPU101は、ラウンド遊技の終了を示すラウンド遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶し、ラウンド数記憶領域に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、上述のステップ1206でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1208に進む。
【0244】
ステップ1208において、メインCPU101は、特図遊技関連時間テーブル116を参照して、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
また、上述のステップ1201でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1209において、メインCPU101は、上述のステップ1208でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1210に進む。
【0245】
ステップ1210において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「05」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0246】
次に、上述したステップ705の小当たり遊技制御処理について、
図36のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1250において、メインCPU101は、実行フェーズデータが小当たり遊技制御処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1251に進む。
ステップ1251において、メインCPU101は、上述のステップ1115で小当たりオープニング時間タイマカウンタにセットされた小当たりオープニング時間が経過したか否かを判定する。そして、小当たりオープニング時間が経過していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、小当たりオープニング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1252に進む。
【0247】
ステップ1252において、メインCPU101は、この小当たり遊技制御処理において第2大入賞口55の開閉が終了した後に行われる待機処理である小当たりエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、小当たりエンディング処理中であると判定した場合、ステップ1256に進む。一方、小当たりエンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1253に進む。
ステップ1253において、メインCPU101は、特別電動役物作動テーブル117における第3作動テーブル117cに基づいて、第2大入賞口55の開閉を行う小当たり遊技実行処理を行う。そして、次のステップ1254に進む。
【0248】
ステップ1254において、メインCPU101は、第2大入賞口55の開閉が終了したか否かを判定する。そして、第2大入賞口55の開閉が終了していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、第2大入賞口55の開閉が終了したと判定した場合、次のステップ1255に進む。
ステップ1255において、メインCPU101は、小当たり遊技の終了時に設定される待機時間である小当たりエンディング時間を小当たりエンディング時間タイマカウンタにセットし、小当たりエンディング処理が開始されることを示す小当たりエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、小当たり遊技制御処理を終了する。
【0249】
また、上述のステップ1252で小当たりエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1256において、メインCPU101は、上述のステップ1255で小当たりエンディング時間タイマカウンタにセットした小当たりエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該小当たりエンディング時間が経過していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、当該小当たりエンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1257に進む。
ステップ1257において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、小当たり遊技制御処理を終了する。
【0250】
次に、上述したステップ706の特別遊技終了処理について、
図37のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「05」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「05」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「05」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり図柄(メインRAM103の処理領域に記憶)を確認するとともに、上述の大当たり図柄に応じた遊技状態設定テーブル118に基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する遊技状態設定処理を実行する。
具体的には、メインCPU101は、高確遊技フラグ、時短遊技フラグ、高確回数、時短回数を設定する。本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の大当たり図柄がX1又はX4の場合には、高確遊技フラグをオフにするとともに、時短遊技フラグをオンにし、時短回数に「100」をセットする。また、上述の大当たり図柄がX2又はX5の場合には、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをいずれもオンにするとともに、高確回数及び時短回数に「10000」をセットする。また、上述の大当たり図柄がX3又はX6の場合には、高確遊技フラグをオンにするとともに、時短遊技フラグをオフにし、高確回数に「10000」をセットする。
そして、次のステップ1302に進む。
【0251】
ステップ1302において、メインCPU101は、上述のステップ1301で設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、ステップ1301で設定された高確遊技フラグのオン又はオフの情報、時短遊技フラグのオン又はオフの情報、高確回数の情報、時短回数の情報が含まれている。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、この遊技状態指定コマンドに、特別遊技の実行契機となった大当たり図柄の種類の情報も含まれるようになっている。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
【0252】
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、
図38のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
【0253】
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、
図39のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
【0254】
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ1504に進む。
【0255】
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブル119(非時短判定テーブル119a又は時短判定テーブル119bのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、非時短判定テーブル119aを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。また、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、時短判定テーブル119bを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。一方、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。
【0256】
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでないと判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
【0257】
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれに設定されているかを確認するとともに、普図保留数の値を確認する。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄変動パターン決定テーブル120を参照して、上述のステップ1508で確認した現時点の遊技状態に応じた普通図柄変動パターン番号を決定するとともに、普通図柄の変動時間(変動パターン)を決定し、この決定された普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1510に進む。
【0258】
ステップ1510において、メインCPU101は、普図停止表示時間決定テーブル121を参照して、上述のステップ1505の判定結果に基づく普通図柄の種類(当たり図柄、ハズレ図柄)に応じた普図停止表示時間を決定し、この決定された普図停止表示時間をメインRAM103に設けられた所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1512に進む。
【0259】
ステップ1512において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1513に進む。
ステップ1513において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
【0260】
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、
図40のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、ステップ1509で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
【0261】
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、上述のステップ1510で決定され、一時記憶領域に記憶された普図停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
【0262】
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
【0263】
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、
図41のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた普図停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該普図停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該普図停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
【0264】
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0265】
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0266】
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、
図42のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16dが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16dが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16dが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
【0267】
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、特定第2始動入賞口開放制御テーブル122を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0268】
また、上述のステップ1801で可動片16dが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16dの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
【0269】
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0270】
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
上述の如く、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技及び普図遊技、並びに、特別遊技及び小当たり遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300において、遊技の進行に伴う演出の制御が行われる。
以下では、主に、特別図柄の変動表示中に実行され大当たりの抽選の結果を示唆する変動演出、ゲート検出無効期間の経過後に実行され遊技球がゲート20を通過するように打ち出し操作を促すゲート通過指示演出について説明するとともに、副制御基板300にリセットが発生した後に行われる表示復帰画像の表示について説明する。
【0271】
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、通常遊技状態中は、主となる第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく変動演出(第1特図に対応する変動演出)のみ実行され、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく変動演出は実行されないようになっており、また、高確率時短遊技状態中、低確率時短遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中は、主となる第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく変動演出(第2特図に対応する変動演出)のみ実行され、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく変動演出は実行されないようになっている。
そして、この変動演出では、演出表示装置21の表示部21aに表示される背景画像に重ねて、当該表示部21aの中央において演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、大当たりの抽選の結果が遊技者に示唆されるようになっている。すなわち、この演出図柄50の停止表示態様により、通常遊技状態においては、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果が遊技者に示唆され、高確率時短遊技状態、低確率時短遊技状態又は高確率非時短遊技状態においては、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果が遊技者に示唆されるようになっている。
【0272】
具体的には、変動演出では、特別図柄の変動表示の開始とともに、全ての演出図柄50が停止表示された状態から、全ての演出図柄50の変動表示が開始される(
図43(a)及び(b)参照)。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示がなされていることを示す。
その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄ともいう)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄ともいう)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄ともいう)という順番で停止表示される(
図43(c)~(e)参照)。
【0273】
そして、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、全ての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される(
図43(e)参照)。すなわち、全ての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果が大当たりであることが示唆される。
また、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、特に図示していないが、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果がハズレであることが示唆される。
また、大当たりの抽選の結果が小当たりであった場合には、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合と同様に、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されるようになっている。ただし、小当たりの場合には、特に図示していないが、ハズレの場合には停止表示されることのない特定の演出図柄50の組み合わせ(たとえば、第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄が特定の偶数の図柄となる組み合わせ(「228」、「288」等))が停止表示され、これにより、大当たりの抽選の結果が小当たりであることが示唆される。なお、小当たりであった場合の停止表示の態様は、上述の内容に限定されるものではなく、たとえば、小当たりを示す特定の態様(たとえば、第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄が特殊な図柄(ベル図柄等)で停止する態様)で演出図柄50が停止表示されるようにしてもよい。
【0274】
また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示するのとほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で大当たりの抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
なお、変動演出では、演出図柄50の変動表示に併せて、音声出力装置10(スピーカ)から所定の効果音、音楽、声等を出力してもよいし、演出照明装置23(ランプ)を所定の点灯パターンや色で発光させてもよい。
【0275】
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態において第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選で大当たりとなった場合、又は、高確率時短遊技状態、低確率時短遊技状態或いは高確率非時短遊技状態において第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選で大当たりとなった場合には、上述したように、演出図柄50の変動表示が実行され、全ての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより大当たりの当選が示唆される(
図43(e)参照)。その後、特別図柄の停止表示後、特図停止表示時間が経過した後に開始されるゲート検出無効期間中において、特別遊技の実行を示唆する上述のオープニング演出が実行される(
図43(f)参照)。
さらに、ゲート検出無効期間が経過しゲート検出有効期間が開始されると、上述のゲート通過指示演出が、ゲート20を遊技球が通過するまで継続して実行される(
図43(g)参照)。そして、遊技球がゲート20を通過すると、ラウンド遊技の開始を示唆するラウンド遊技開始示唆演出(たとえば、「通過成功! BONUSスタート!」という文字画像の表示等)が実行された後、1ラウンド目の実行を示唆するラウンド回数示唆演出(たとえば、「ROUND1」という文字画像の表示等)が実行されるようになっている(
図43(i)参照)。
【0276】
これに対して、通常遊技状態において第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選で大当たりとなった場合には、上述したように、当該入球に基づく演出図柄50の変動表示及び大当たりの当選の示唆は実行されず、特図停止表示時間経過後のゲート検出無効期間中にオープニング演出が実行されることもなく、さらには、ゲート検出無効期間が経過しゲート検出有効期間が開始されても、上述のゲート通過指示演出は実行されない。また、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示が行われることなく待機状態開始時間が経過すれば、上述の待機画像が表示される(
図44(a)参照)。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、ゲート検出有効期間が開始された後であって遊技球がゲート20を通過するまでの間に、第1遊技領域12aに設けられている一般入賞口14や第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、上述の待機画像がクリアされ、上述のゲート通過指示演出が実行される(
図44(b)参照)。これにより、遊技者に対して遊技球がゲート20を通過するように右打ちを促すことが可能となり、上述の待機画像が表示されたままラウンド遊技が開始されないといった事態が生じるのを防止することができる。
その後、遊技球がゲート20を通過すると、上述と同様に、ラウンド遊技開始示唆演出及びラウンド回数示唆演出が実行される(
図44(c)~(d)参照)。
【0277】
また、本形態に係る遊技機Pでは、副制御基板300にリセットが生じると、上述したように、表示部21aに上述の表示復帰画像が表示される(
図45(a)参照)。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述と同様に、ゲート検出有効期間が開始された後であって遊技球がゲート20を通過するまでの間に、第1遊技領域12aに設けられている一般入賞口14や第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、上述の表示復帰画像がクリアされ、上述のゲート通過指示演出が実行される(
図45(b)参照)。これにより、遊技者に対して遊技球がゲート20を通過するように右打ちを促すことが可能となり、上述の表示復帰画像が表示されたままラウンド遊技が開始されないといった事態が生じるのを防止することができる。
その後、遊技球がゲート20を通過すると、特に図示していないが、ラウンド遊技開示唆演出及びラウンド回数示唆演出が実行される。
【0278】
次に、上述のような各種処理を実行するための副制御基板300における制御処理について説明する。
まず、副制御基板300に上述のリセットが発生した場合に実行される副制御基板リセット発生時処理について、
図46に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ1900において、サブCPU301は、演出表示装置21の表示部21aにおいて上述の表示復帰画像を表示する制御を実行する。これにより、表示復帰画像が表示されることとなる。なお、上述したように、この表示復帰画像は、主制御基板100から所定のコマンド(種々の時点で送信される遊技進行データを含むコマンド、ゲート通過待ち状態示唆コマンド等)を受信するまで継続して表示される。そして、副制御基板リセット発生時処理を終了する。
【0279】
次に、副制御基板300のメイン処理について、
図47に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ2000において、電源投入に応じて、サブROM302からメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM303に記憶されるフラグなどの初期化、設定処理を実行する。そして、次のステップ2001に進む。
ステップ2001において、サブCPU301は、各演出乱数(変動演出乱数)を更新する処理を行うとともに、以後は、割込処理が行われるまでステップ2001の処理を繰り返し実行する。ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
【0280】
次に、副制御基板300のタイマ割込処理について、
図48に示すフローチャートを参照して説明する。
副制御基板300には、所定の周期(4ミリ秒)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(特に図示しておらず)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU301はタイマ割込処理プログラムを読み込んで、
図48に示すタイマ割込処理を開始する。
【0281】
ステップ2100において、サブCPU301は、副制御基板300で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を実行する。そして、次のステップ2101に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、副制御基板300のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ2101において、サブCPU301は、サブRAM303の受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を実行する。具体的には、副制御基板300においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。そして、サブCPU301は、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析する。そして、次のステップ2102に進む。
【0282】
ステップ2102において、サブCPU301は、実行中の変動演出等の進行状況に応じて、演出操作装置9の操作の受け付け可否を判定するとともに、回転操作検出センサ9c及び押下操作検出センサ9dからの操作信号が入力されたか否かを判定する。そして、回転操作検出センサ9c又は押下操作検出センサ9dから操作信号が入力されたときに、演出操作装置9の操作受け付け中であった場合には、演出操作装装置9が操作されたことを画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)等の各種制御基板に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。そして、次のステップ2103に進む。
ステップ2103において、サブCPU301は、サブRAM303の送信バッファにセットされているコマンドを、画像制御基板、音声制御基板、電飾制御基板等の各種制御基板へ送信する。そして、副制御基板300のタイマ割込処理を終了する。
【0283】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動用コマンド受信処理について、
図49のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、主制御基板100において、変動演出パターン決定処理のステップ911で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2200において、サブCPU301は、設定中の遊技状態における主となる始動入賞口(通常遊技状態では第1始動入賞口15、高確率時短遊技状態、低確率時短遊技状態又は高確率非時短遊技状態では第2始動入賞口16)への遊技球の入球に基づいて決定される所定の変動モードコマンドを受信したか否かを判定する。具体的には、「00H」、「01H」、「02H」、「03H」、「11H」、「12H」、「13H」又は「20H」の変動モード番号に対応する変動モードコマンドを受信したか否かを判定する。そして、所定の変動モードコマンドを受信していないと判定した場合、変動用コマンド受信処理を終了する。一方、所定の変動モードコマンドを受信したと判定した場合、次のステップ2201に進む。
ステップ2201において、サブCPU301は、変動演出の態様を決定する。そして、次のステップ2202に進む。
【0284】
ステップ2202において、サブCPU301は、上述のステップ2201で決定された変動演出の態様に対応する変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた変動演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した変動演出実行コマンドに基づいて変動演出を実行する制御が行われることとなる。そして、変動用コマンド受信処理を終了する。
【0285】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、待機状態コマンドを受信した場合に実行される待機状態コマンド受信処理について、
図50のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、待機状態コマンドは、主制御基板100において、変動開始処理のステップ826で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2300において、サブCPU301は、上述の待機画像を表示するための待機画像表示実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた待機画像表示実行コマンドは、上述のステップ2103において、画像制御基板へ送信されるとともに、この画像制御基板により、受信した待機画像表示実行コマンドに基づいて表示部21aにおいて待機画像を表示する制御が行われることとなる。そして、待機状態コマンド受信処理を終了する。
【0286】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、オープニングコマンドを受信した場合に実行されるオープニングコマンド受信処理について、
図51のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、オープニングコマンドは、主制御基板100において、停止後処理のステップ1108で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2400において、サブCPU301は、オープニング演出を実行するためのオープニング演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされたオープニング演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信したオープニング演出実行コマンドに基づいてオープニング演出を実行する制御が行われることとなる。そして、オープニングコマンド受信処理を終了する。
【0287】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、ゲート検出有効期間開始コマンドを受信した場合に実行されるゲート検出有効期間開始コマンド受信処理について、
図52のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、ゲート検出有効期間開始コマンドは、主制御基板100において、ゲート検出制御処理のステップ1154で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2500において、サブCPU301は、設定中の遊技状態における主となる始動入賞口(通常遊技状態では第1始動入賞口15、高確率時短遊技状態、低確率時短遊技状態又は高確率非時短遊技状態では第2始動入賞口16)への遊技球の入球に基づいて大当たりに当選したか否かを判定する。そして、主となる始動入賞口への遊技球の入球に音づいて大当たりに当選していないと判定された場合、ゲート検出有効期間開始コマンド受信処理を終了する。一方、主となる始動入賞口への遊技球の入球に基づいて大当たりに当選したと判定された場合、次のステップ2501に進む。
ステップ2501において、サブCPU301は、ゲート通過指示演出を実行するためのゲート通過指示演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされたゲート通過指示演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信したゲート通過指示演出実行コマンドに基づいてゲート通過指示演出を実行する制御が行われることとなる。そして、ゲート通過指示演出実行コマンド受信処理を終了する。
【0288】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、ゲート通過待ち状態示唆コマンドを受信した場合に実行されるゲート通過待ち状態示唆コマンド受信処理について、
図53のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、ゲート通過待ち状態示唆コマンドは、主制御基板100において、第1始動入賞口検出時処理のステップ510又は一般入賞口検出時処理のステップ652で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2600において、サブCPU301は、ゲート通過指示演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされたゲート通過指示演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信したゲート通過指示演出実行コマンドに基づいてゲート通過指示演出を実行する制御が行われることとなる。そして、ゲート通過待ち状態示唆コマンド受信処理を終了する。
【0289】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、ゲート通過コマンドを受信した場合に実行されるゲート通過コマンド受信処理について、
図54のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、ゲート通過コマンドは、主制御基板100において、ゲート検出時制御処理のステップ1173で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2700において、サブCPU301は、ラウンド遊技開始示唆演出を実行するためのラウンド遊技開始示唆演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされたラウンド遊技開始示唆演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信したラウンド遊技開始示唆演出実行コマンドに基づいてラウンド遊技開始示唆演出を実行する制御が行われることとなる。そして、次のステップ2701に進む。
ステップ2701において、サブCPU301は、ラウンド回数示唆演出を実行するためのラウンド回数示唆演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされたラウンド回数示唆演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信したラウンド回数示唆演出実行コマンドに基づいてラウンド回数示唆演出を実行する制御が行われることとなる。そして、ゲート通過コマンド受信処理を終了する。
【0290】
次に、上述の実施の形態の変形例について説明する。
上述の実施の形態では、ゲート通過待ち状態中に、第1遊技領域12aに設けられている第1始動入賞口15や一般入賞口14に遊技球が入球した場合に、ゲート通過待ち状態示唆コマンドが副制御基板300に送信されるようになっていたが、ゲート通過待ち状態示唆コマンドが送信される場合はこれに限定されるものではない。
たとえば、ゲート通過待ち状態中に、第2遊技領域12bに設けられている通常第2始動入賞口16aや普図始動入賞口22へ遊技球が入球した場合にも、ゲート通過待ち状態示唆コマンドを副制御基板300に送信するようにしてもよい。また、ゲート通過待ち状態中に、遊技者が操作ハンドル5に接触している旨が検出された場合にも、ゲート通過待ち状態示唆コマンドを副制御基板300に送信するようにしてもよい。また、遊技球がアウト口19へ進入した旨を検出するセンサを設け、ゲート通過待ち状態中に、遊技球がアウト口19に進入した旨が検出された場合にも、ゲート通過待ち状態示唆コマンドを副制御基板300に送信するようにしてもよい。
このようにした場合にも、遊技者に対して右打ちをすべき旨を確実に示唆することができる。
【0291】
上述の実施の形態では、1個のゲート20が設けられており、このゲート20が、普図遊技を実行させるという機能、及び、特別遊技におけるラウンド遊技を開始させるという機能の両方を備えていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、第1ゲート及び第2ゲートを設け、第1ゲートが普図遊技を実行させるという機能を備え、第2ゲートが特別遊技におけるラウンド遊技を開始させる機能を備えるようにしてもよい。具体的には、遊技球が第1ゲートを通過した場合に普図遊技が開始され、大当たりに当選しゲート検出無効時間が経過した後に遊技球が第2ゲートを通過した場合に特別遊技におけるラウンド遊技が開始されるようにしてもよい。
また、遊技球が通過可能なゲートではなく、遊技球が進入可能な入球口を設け、当該入球口に遊技球が進入した場合にラウンド遊技が開始されるようにしてもよい。
また、上述の実施の形態では、特別遊技におけるラウンド遊技を開始させる機能を有するゲート20は、第2遊技領域12bに設けられていたが、第1遊技領域12aに設けてもよい。そして、このようにした場合には、ゲート通過待ち状態中に、第2遊技領域12bに設けられている通常第2始動入賞口16aや普図始動入賞口22へ遊技球が入球したときにゲート通過待ち状態示唆コマンドが副制御基板300に送信されるようにしてもよいし、第1遊技領域12aに設けられている第1始動入賞口15や一般入賞口14に遊技球が入球したときにゲート通過待ち状態示唆コマンドが副制御基板300に送信されるようにしてもよい。
以上のようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
【0292】
上述の実施の形態では、ゲート検出無効期間中は特別遊技中とはなっていないものの、特別遊技の実行を示唆するオープニング演出が実行されるようになっていたが、オープニング演出の実行タイミングはこれに限定されるものではない。たとえば、ゲート検出無効期間が経過し特別遊技中となってから(たとえば、ゲート通過待ち状態中やゲート通過待ち状態の終了後)オープニング演出を実行するようにしてもよい。
また、上述の実施の形態では、ゲート検出無効期間が経過すると特別遊技中となるように設定されていたが、特別遊技中となるタイミングはこれに限定されるものではなく、ゲート通過待ち状態が終了した時点(すなわち、ゲート通過待ち状態中に遊技球がゲート20を通過した時点)で特別遊技中となる(すなわち、特別遊技が開始される)ようにしてもよい。すなわち、遊技球がゲート20を通過したことを条件として特別遊技が開始されるようにしてもよい。そして、このようにした場合には、ゲート通過待ち状態が終了した時点からオープニング演出を実行するためのオープニング時間の計時を行い、オープニング時間が経過した時点からラウンド遊技を開始するようにしてもよい。
以上のようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
【0293】
上述の実施の形態では、設定されている遊技状態において、主となる始動入賞口ではない始動入賞口(通常遊技状態では第2始動入賞口16、高確率時短遊技状態、低確率時短遊技状態又は高確率非時短遊技状態では第1始動入賞口15)へ遊技球が入球した場合には、当該入球に基づく変動演出や大当たりとなったときのオープニング演出が実行されないようになっていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、上述の場合には、待機画像の表示中等であっても、遊技者が極めて視認困難な態様による変動演出(たとえば、表示部21aの隅部で極めて小さい図柄による変動表示を行う等)やオープニング演出(たとえば、極めて小さい「BONUS」という文字表示等)を実行するようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
【0294】
上述の実施の形態では、通常遊技状態中に第2始動入賞口16へ遊技球が入球し、当該入球により取得された第2特図乱数に基づいて大当たりに当選した場合に決定される変動時間は極めて長い時間(約600秒)となっていたが、これに限定されるものではなく、より短い変動時間が決定され得るようにしてもよい。たとえば、通常遊技状態中に第1始動入賞口15へ遊技球が入球し、当該入球により取得された第1特図乱数に基づいて大当たりに当選した場合に決定され得る変動時間を決定し得るようにしてもよい。
そして、このようにした場合であっても、変動演出、ゲート通過待ち状態中の処理等について、上述の実施の形態と同様の制御を適用してもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
【0295】
上述の実施の形態に係るパチンコ機Pは、いわゆる同時回し制御が行われるようになっていたが、これに限定されるものではなく、第1特図及び第2特図のいずれか一方の変動表示中には他方の変動表示は実行されないようにしてもよい。
そして、このようにした場合であっても、ゲート通過待ち状態中の処理等について、上述の実施の形態と同様の制御を適用してもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
なお、上述の変形例は、可能な範囲で互いに組み合わせて構成することもできる。
【0296】
また、上述の実施の形態におけるゲート20は、本発明の進入領域に相当する。また、上述の実施の形態における主制御基板100は、本発明の主制御手段に相当する。また、上述の実施の形態における副制御基板300は、本発明の副制御手段に相当する。また、上述の実施の形態における遊技の進行に関する情報は、本発明の所定の情報に相当する。また、上述の実施の形態における演出表示装置21は、本発明の所定の表示手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるゲート検出無効期間の経過は、本発明の第1の条件の成立に相当する。また、上述の実施の形態におけるゲート通過待ち状態は、本発明の特定状態に相当する。また、上述の実施の形態におけるラウンド遊技の開始は、本発明の所定の遊技利益に相当する。また、上述の実施の形態におけるパチンコ機Pは、本発明の遊技機に相当する。また、上述の実施の形態における第1始動入賞口15への遊技球の入球は、本発明の第2の条件の成立に相当する。また、上述の実施の形態におけるゲート通過待ち状態示唆コマンドは、本発明の特定コマンドに相当する。また、上述の実施の形態におけるゲート通過指示演出の文字画像の表示は、本発明の特定表示に相当する。また、上述の実施の形態における変動開始時に送信される変動モードコマンド等は、本発明の所定コマンドに相当する。
【符号の説明】
【0297】
P パチンコ機
21 演出表示装置
100 主制御基板
101 メインCPU
102 メインROM
103 メインRAM
300 副制御基板
301 サブCPU
302 サブROM
303 サブRAM