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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】CNPコンジュゲートの乾燥医薬製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 47/56 20170101AFI20241015BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20241015BHJP
   A61K 38/22 20060101ALI20241015BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20241015BHJP
   A61K 47/16 20060101ALI20241015BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241015BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20241015BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20241015BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20241015BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20241015BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20241015BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241015BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20241015BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20241015BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20241015BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20241015BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20241015BHJP
   A61K 47/58 20170101ALI20241015BHJP
   A61K 47/59 20170101ALI20241015BHJP
   A61K 47/60 20170101ALI20241015BHJP
   A61K 47/64 20170101ALI20241015BHJP
   A61K 47/61 20170101ALI20241015BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20241015BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20241015BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20241015BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20241015BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20241015BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20241015BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20241015BHJP
【FI】
A61K47/56
A61K47/12
A61K38/22 ZNA
A61K47/26
A61K47/16
A61P43/00 111
A61P19/08
A61P25/00
A61P25/28
A61P29/00
A61P31/00
A61P35/00
A61P37/02
A61P43/00 105
A61P11/00
A61P9/00
A61P3/00
A61P27/02
A61K47/58
A61K47/59
A61K47/60
A61K47/64
A61K47/61
A61K47/18
A61K47/04
A61K47/22
A61K47/42
A61K47/02
A61K47/10
A61K9/08
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2021546690
(86)(22)【出願日】2020-02-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-29
(86)【国際出願番号】 EP2020053304
(87)【国際公開番号】W WO2020165081
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】19156488.9
(32)【優先日】2019-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517238514
【氏名又は名称】アセンディス ファーマ グロース ディスオーダーズ エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スカンズ,アニヤ アール.エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ヘルセル,ウルリヒ
(72)【発明者】
【氏名】ピンホルト,シャルロッテ
(72)【発明者】
【氏名】ハイニヒ,シュテファン
【審査官】石井 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-522022(JP,A)
【文献】特表2012-527244(JP,A)
【文献】国際公開第2017/118700(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
A61P 38/00-38/58
A61P 1/00-43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥医薬製剤であって、当該医薬製剤がCNPコンジュゲート、緩衝剤、増量剤、及びpH調整剤を含み、
当該CNPコンジュゲートが、ポリマー部分に可逆的リンカー部分を介して共有結合的及び可逆的に結合したCNP部分を含み、前記可逆的リンカー部分は、酵素不存在下のpH7.4及び37℃の水系緩衝液中、6か月までの半減期で開裂可能であり
前記CNP部分は配列番号96で表されるアミノ酸配列を有する環部分を含み、前記環部分はジスルフィド架橋を形成する2つのシステイン残基の間にあり、
前記増量剤はトレハロース・2水和物であり、
前記緩衝剤はコハク酸であり、
前記pH調整剤はTrisであり、
前記製剤が、前記乾燥医薬製剤の総重量に基づいて、
CNPコンジュゲート:1.3~45.4重量%
コハク酸:0.2~3.2重量%
トレハロース・2水和物:52.6~98.4重量%
Tris:0.1~5.6重量%
を含み、
前記CNPコンジュゲートが下記式(Ia)又は(Ib)のものである、
【化1】
[式中、
-DはCNP部分であり;
-L-は可逆的リンカー部分であり;
-L-は単一化学結合又はスペーサー部分であり;
-Zはポリマー部分であり;
xは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15及び16からなる群から選択される整数であり;
yは1、2、3、4及び5からなる群から選択される整数である]
乾燥医薬製剤。
【請求項2】
前記CNP部分が、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25又は配列番号30の配列を有する、請求項1に記載の乾燥医薬製剤。
【請求項3】
前記CNP部分が、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24又は配列番号25の配列を有する、請求項1又は2に記載の乾燥医薬製剤。
【請求項4】
前記CNP部分が配列番号24の配列を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の乾燥医薬製剤。
【請求項5】
前記ポリマー部分が、ポリ(アクリル酸)類、ポリ(アクリレート)類、ポリ(アクリルアミド)類、ポリ(アルキルオキシ)ポリマー類、ポリ(アミド)類、ポリ(アミドアミン)類、ポリ(アミノ酸)類、ポリ(無水物)、ポリ(アスパルタミド)類、ポリ(酪酸)類、ポリ(グリコール酸)類、ポリブチレンテレフタレート類、ポリ(カプロラクトン)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(シアノアクリレート)類、ポリ(ジメチルアクリルアミド)類、ポリ(エステル)類、ポリ(エチレン)類、ポリ(エチレングリコール)類、ポリ(エチレンオキサイド)類、ポリ(エチルホスフェート)類、ポリ(エチルオキサゾリン)類、ポリ(グリコール酸)類、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート)類、ポリ(ヒドロキシエチル-オキサゾリン)類、ポリ(ヒドロキシメタクリレート)類、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド)類、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリレート)類、ポリ(ヒドロキシプロピルオキサゾリン)類、ポリ(イミノカーボネート)類、ポリ(乳酸)類、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)類、ポリ(メタクリルアミド)類、ポリ(メタクリレート)類、ポリ(メチルオキサゾリン)類、ポリ(有機ホスファゼン)類、ポリ(オルトエステル)類、ポリ(オキサゾリン)類、ポリ(プロピレングリコール)類、ポリ(シロキサン)類、ポリ(ウレタン)類、ポリ(ビニルアルコール)類、ポリ(ビニルアミン)類、ポリ(ビニルメチルエーテル)類、ポリ(ビニルピロリドン)類、シリコーン類、セルロース類、カルボメチルセルロース類、ヒドロキシプロピルメチルセルロース類、キチン類、キトサン類、デキストラン類、デキストリン類、ゼラチン類、ヒアルロン酸類、マンナン類、ペクチン類、ラムノガラクツロナン類、デンプン類、ヒドロキシアルキルデンプン類、ヒドロキシエチルデンプン類及び他の炭化水素系ポリマー類、キシラン類、及びこれらのコポリマー類からなる群から選択されるポリマーを含む、請求項1~のいずれか1項に記載の乾燥医薬製剤。
【請求項6】
前記製剤が、前記乾燥医薬製剤の総重量に基づいて、
CNPコンジュゲート:1.3~38.7重量%
コハク酸:0.2~3.2重量%
トレハロース・2水和物:52.6~98.4重量%
Tris:0.1~5.6重量%
を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の乾燥医薬製剤。
【請求項7】
式(Ia)のxが、1、2、3、4、6及び8からなる群から選択される整数である、請求項1~6のいずれか1項に記載の乾燥医薬製剤。
【請求項8】
式(Ib)のyが2、3、4及び5からなる群から選択される整数である、請求項1~7のいずれか1項に記載の乾燥医薬製剤。
【請求項9】
前記CNPコンジュゲートが式(Ia)のものであり、xが1である、請求項1~8のいずれか1項に記載の乾燥医薬製剤。
【請求項10】
-L-がアミド連結を介して-Dに連結されている、請求項1~9のいずれか1項に記載の乾燥医薬製剤。
【請求項11】
-L-が、下記式(II)のものであ
【化2】
[式中、
破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示し、
-X-は、-C(R4a)-、-N(R)-、-O-、-C(R4a)-C(R5a)-、-C(R5a)-C(R4a)-、-C(R4a)-N(R)-、-N(R)-C(R4a)-、-C(R4a)-O-、-O-C(R4a)-、又は-C(R7a)-であり、
は、C、又はS(O)であり、
-X-は、-C(R8a)-、又は-C(R8a)-C(R9a)-であり、
=Xは、=O、=S、又は=N-CNであり、
-R、-R1a、-R、-R2a、-R、-R4a、-R、-R5a、-R、-R、-R8a、-R、-R9aは、独立して、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され、
-R、-R3aは、独立して、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され、但し、-R、-R3aの一方又は両方が-H以外である場合、それらは、それらが結合しているNに、SP混成炭素原子によって連結され、
-Rは、-N(R1010a)、又は-NR10-(C=O)-R11であり、
-R7a、-R10、-R10a、-R11は、互いに独立して、-H、又はC1-6アルキルであり、
場合により、ペア-R1a/-R4a、-R1a/-R5a、-R1a/-R7a、-R4a/-R5a、-R8a/-R9aのうちの1つ以上は、化学結合を形成し、
場合により、ペア-R/-R1a、-R/-R2a、-R/-R4a、-R/-R5a、-R/-R8a、-R/-R9aのうちの1つ以上は、それらが結合している原子と一緒になって、C3-10シクロアルキル又は3~10員ヘテロシクリルを形成し、
場合により、ペア-R/-R、-R/-R、-R/-R、-R/-R7a、-R/-R、-R/-R、-R/-R、-R/-Rのうちの1つ以上は、それらが結合している原子と一緒になって、環Aを形成し、
場合により、R/R3aは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3~10員複素環を形成し、
Aは、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から選択される]、
-L-は、-L-Zで置換されており、場合により、-L-がさらに置換されており、但し式(II)中のアスタリスクが付いている水素は、-L-Z又は置換基によって置き換えられず、
-L-は、単一の化学結合又はスペーサー部分であり、
-Zは、水溶性ポリマー部分である、
請求項1~10のいずれか1項に記載の乾燥医薬製剤。
【請求項12】
-L-がスペーサー部分である、請求項1~11のいずれか1項に記載の乾燥医薬製剤。
【請求項13】
-L-が14g/mol~750g/molの範囲の分子量を有する、請求項1~12のいずれか1項に記載の乾燥医薬製剤。
【請求項14】
-L-が1~20原子の鎖長を有する、請求項1~13のいずれか1項に記載の乾燥医薬製剤。
【請求項15】
-L-が下記式(i)のものである、請求項1~14のいずれか1項に記載の乾燥医薬製剤。
【化3】
[式中、
星印でマークを付けた点線は-L-への結合を示し;
マークが付けられていない点線は-Zへの結合を示し;
-Rは、-H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル及びC2-6アルキニルからなる群から選択され;
nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17及び18からなる群から選択され;
式(i)の部分はさらに置換されていてもい。]
【請求項16】
式(i)のnが3、4、5、6、7、8及び9からなる群から選択される、請求項15に記載の乾燥医薬製剤。
【請求項17】
-Zが5~200kDaの範囲の分子量を有する、請求項1~16のいずれか1項に記載の乾燥医薬製剤。
【請求項18】
-Zが分岐ポリマーである、請求項1~17のいずれか1項に記載の乾燥医薬製剤。
【請求項19】
-ZがPEG系ポリマーである、請求項1~18のいずれか1項に記載の乾燥医薬製剤。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか1項に記載の乾燥医薬製剤の製造方法であって、
前記方法が、
(i)CNPコンジュゲートを少なくともコハク酸及びトレハロース・2水和物と混合する工程;
(ii)工程(i)の混合物のpHを調節する工程;
(iii)任意に、工程(ii)からの混合物を濾過する工程;
(iv)所望回数の投与量に相当する量の工程(ii)又は(iii)からの混合物を容器に移し入れる工程;
(v)前記混合物を乾燥する工程;
(vi)前記容器を密閉する工程
を含み;
工程(ii)及び(iii)の順序が逆になっていてもい、方法。
【請求項21】
請求項1~19のいずれか1項に記載の乾燥医薬製剤の製造方法であって、
前記方法が、
(i)CNPコンジュゲートを少なくともコハク酸及びトレハロース・2水和物と混合して、
CNPコンジュゲート:0.9~82.1mg/mL
コハク酸:1.357.6mM
トレハロース・2水和物:67~111.6mg/mL
を含む製剤を得る工程;
(ii)工程(i)の混合物のpHを調節して、pH4.0~pH6.0の範囲のpHとする工程;
(iii)任意に、工程(ii)からの混合物を濾過する工程;
(iv)所望回数の投与量に相当する量の工程(ii)又は(iii)からの混合物を容器中に移し入れる工程;
(v)前記混合物を乾燥させる工程;
(vi)前記容器を密閉する工程
を含み;
工程(ii)及び(iii)の順序が逆になっていてもい、方法。
【請求項22】
請求項1~19のいずれか1項に記載の乾燥医薬製剤の再生方法であって、
前記方法が、
(a)請求項1~19のいずれか1項に記載の乾燥医薬製剤を再生溶液と接触させる工程、
を含む、方法。
【請求項23】
前記再生溶液が滅菌液である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
医薬として使用される、請求項1~19のいずれか1項に記載の乾燥医薬製剤。
【請求項25】
骨格形成異常などの骨関連障害;がん;自己免疫疾患;線維症;炎症性疾患;神経変性疾患などの中枢神経系疾患;感染症;肺疾患;心臓及び血管疾患;代謝性疾患;及び眼疾患からなる群から選択される1以上の疾患の治療に使用するための、請求項1~19のいずれか1項に記載の乾燥医薬製剤。
【請求項26】
前記疾患が軟骨形成不全症である、請求項25に記載の乾燥医薬製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CNPコンジュゲート、緩衝剤及び増量剤を含む乾燥医薬製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
軟骨形成不全症(ACH)は、線維芽細胞増殖因子受容体3(FGFR3)遺伝子における常染色体優性突然変異によって起こる遺伝障害であり、軟骨形成の異常を引き起こして、小人症に至らしめるものである。C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)は、ペプチド受容体B(NPR-B)に結合し、それを活性化して、FGFR3下流シグナル伝達の阻害を生じるホルモンである。これが次に、CNPを過剰発現するマウス及びヒトの両方で認められるように、軟骨成長及び骨格過成長を誘発する。軟骨におけるCNPの過剰産生又は静脈(iv)注入によるCNPの連続送達によって、軟骨無形成症マウスの小人症が正常化され、それは、超生理的レベルでのCNPの投与がACH治療の戦略であることを示唆している。
【0003】
126個のアミノ酸を含むヒトプレプロCNPをフューリンによってさらに開裂させて、CNP-53を生じされる。CNP-53は生理活性を有するが、代表的には、未知の機序によって処理されて循環中で生理活性な22アミノ酸型、すなわちCNP-22となる。CNPの生理活性は厳密に調節され、それの血漿からのクリアランスは非常に急速である。従って、CNPの短いイン・ビボ半減期(静脈注射後2分)を考慮すると、治療薬としてのそれの使用は、連続注入を必要とするものと考えられることから、小児科集団では困難なものである。
【0004】
CNPのイン・ビボ半減期を長くするための各種方途が研究された。例えば、Lorgetら(Am. J. Hum. Genet. 91, 1108-1114, 2012)は、ヒトCNPの薬理活性に似る、ヒトCNP-53の37C末端アミノ酸+そのペプチドのN末端に付加したグリシン及びプロリンからなる組換えCNP-39(BMN111とも称される)を開示している。BMN111はNEP開裂に対してより抵抗性が強いが、それはわずか20分の半減期を有することから、1日1回投与される場合、有効薬剤レベルへの曝露が短期間であることと関連している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
可逆性プロドラッグリンカーを介したPEGなどの水溶性キャリア部分への結合に基づくCNPのイン・ビボ半減期延長の範囲の拡大が、WO2016/110577A1、WO2017/118693A1、WO2017/118698A1、WO2017/118700A1、WO2017/118703A1、WO2017/118704A1及びWO2017/118707A1で調べられている。しかしながら、これらの可逆的コンジュゲートの安定な貯蔵を可能とする製剤に関する情報は全く提供されていない。
【0006】
可逆的連結を介してCNPにポリマーが結合している、そのようなCNPコンジュゲートの医薬製剤は、貯蔵時に早期CNP放出を回避するために十分なCNPコンジュゲート安定性を提供しなければならない。ポリマーとCNPの間の可逆的連結が貯蔵中に劣化する場合、その薬効を奏し得る薬剤の濃度が上昇し、それによって、投与時の過量投与のリスクが生じる可能性があり、それによって低血圧に至り得る。
【0007】
さらに貯蔵時に放出される薬剤はいずれも、患者に投与されると急速に腎臓クリアランスを受け、結果的に、長時間作用性組成物が治療上妥当な薬剤量を提供する時間が短くなる。これにより、医療上のニーズが満足されないリスクが生じる。
【0008】
さらに、CNP又はそれのバリアント、コンジュゲート若しくは誘導体が、貯蔵時に分解反応を受けて、それにより、相当する製剤内で下記のような不純物/ペプチド損傷が生じ得ることが知られている。
・メチオニン(Met/M)残基のメチオニンスルホキシド及びメチオニンスルホンへの酸化によって生じる分解生成物;
・例えばコハク酸イミド中間体を介した、アスパラギン酸又はアスパラギン酸塩残基(Asp/D)のイソアスパラギン酸若しくはイソアスパラギン酸塩への異性化から生じる分解生成物;
・例えばコハク酸イミド中間体を介した、アスパラギン残基(Asn/N)のアスパラギン酸若しくはアスパラギン酸塩への、及び/又はイソアスパラギン酸若しくはイソアスパラギン酸塩への脱アミド化から生じる分解生成物;
・例えばグルタルイミド中間体を介した、グルタミン残基(Gln/Q)のグルタミン酸若しくはイソグルタミン酸への脱アミド化から生じる分解生成物;
・グルタルイミド中間体を介した、グルタミン酸若しくはグルタミン酸塩残基(Glu/E)のイソグルタミン酸若しくはイソグルタミン酸塩への異性化から生じる分解生成物;及び
・ペプチドの凝集から生じる凝集体。
【0009】
貯蔵時に生成し得る上記分解生成物若しくはオリゴマーはCNP部分の生理活性を害し得ることから、それらの生成を低下させることが望ましい。さらに、CNP部分とポリマー部分の間の可逆的連結により、CNPコンジュゲートを含む医薬製剤の貯蔵が困難なものとなる。
【0010】
従って、ポリマー部分に可逆的リンカーを介して共有結合的に連結されたCNPを含むCNPコンジュゲートの適切な製剤であって、当該ペプチドが長期保存後であっても、許容される不純物プロファイル及び限られた早期CNP放出を示す製剤を確認することが重要である。
【0011】
従って、本発明の目的は、上記の欠点を少なくとも部分的に克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、乾燥医薬製剤によって達成され、その乾燥医薬製剤はCNPコンジュゲート、緩衝剤、及び増量剤を含み、当該CNPコンジュゲートは、ポリマー部分に共有結合的及び可逆的に結合したCNP部分を含む。
【発明の効果】
【0013】
驚くべきことに、本発明の乾燥医薬製剤は安定な長期貯蔵を可能とすることが認められた。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の意味の範囲内で、用語は下記のように使用される。
【0015】
本明細書において数値と組み合わせて使用される用語「約」は、その数値そのものに加えて、数値プラス/マイナス前記数値の10%以下、特定の実施形態において前記数値の8%以下、特定の実施形態において前記数値の5%以下、特定の実施形態において前記数値の2%以下の範囲を示すために使用される。例えば、「約200」という句は、200+/-10%の範囲を意味し、すなわち、180~220の範囲、特定の実施形態において200+/-8%の範囲、すなわち、184~216の範囲、特定の実施形態において200+/-5%の範囲、すなわち、190~210の範囲、特定の実施形態において200+/-2%の範囲、すなわち、196~204の範囲を意味するために使用される。「約20%」として示される百分率は、「20%+/-10%」、すなわち10~30%の範囲であることを意味せず、「約20%」は、18~22%、すなわち、20である数値のプラス/マイナス10%の範囲であることを意味することが理解される。
【0016】
本明細書で使用される場合、「抗菌剤」という用語は、細菌、真菌、酵母、原生動物、カビなどの微生物を殺す又は増殖を阻害する、及び/又はウィルスを破壊する化学物質などの化学物質を指す。
【0017】
本明細書で使用される場合、「吸着抑制剤」という用語は、主として、製剤の入った容器の内表面をコーティングするか競合的にその表面に吸着するのに使用されるイオン性若しくは非イオン性界面活性剤、タンパク質又は可溶性ポリマーを指す。賦形剤の選択される濃度及び種類は、回避されるべき効果によって決まるが、通常は、界面活性剤の単層が臨界ミセル濃度(CMC)のわずかに上で界面に形成される。
【0018】
本明細書で使用される場合、「増量剤」という用語は、乾燥若しくは凍結乾燥製剤に構造を提供する化合物を指す。増量剤は、乾燥若しくは凍結乾燥製剤の総質量を高めるために製剤に加えられる。薬学的に許容される製剤を提供することに加えて、増量剤は、崩壊温度を変えることで、凍結乾燥プロセス条件を変え、長期貯蔵にわたるペプチド安定性をさらに高めることもできる。従って、増量剤を含む混合物の乾燥時に、増量剤は溶解保護剤として働き得る。乾燥医薬製剤の再生医薬製剤への再生時に、増量剤は、等張性調整剤として働き得る。
【0019】
本明細書で使用される場合、「緩衝液(buffer)」又は「緩衝剤(buffering agent)」という用語は、pHを所望の範囲に維持する化合物を指す。生理的に耐容される緩衝剤は、例えばリン酸ナトリウム、コハク酸塩、ヒスチジン、重炭酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩化物及びピルビン酸塩である。Mg(OH)又はZnCOなどの制酸剤も用いることができる。
【0020】
本明細書において使用される「CNP」という用語は、特定の実施形態においては哺乳類種、例えばヒト及び哺乳類種、特にはヒト及びネズミ科の種に由来するすべてのCNPポリペプチド、並びにそのバリアント、アナログ、オルソログ、ホモログ及び誘導体、並びにそれらの断片を指し、これらは軟骨成長板軟骨細胞の成長、増殖及び分化の制御を特徴とするものである。「CNP」という用語は、全てのCNPバリアント、アナログ、オルソログ、ホモログ、誘導体及びそれらの断片も含む。WO2009/067639A2及びWO2010/135541A2に開示のCNPバリアント、アナログ、オルソログ、ホモログ、誘導体及びそれらの断片は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0021】
本明細書で使用される場合、「CNPポリペプチドバリアント」という用語は、基準のCNPポリペプチドとは異なる、同一種に由来するポリペプチドを指す。概して、差異は限られているので、基準とバリアントのアミノ酸配列は、全体としてきわめて類似しており、多くの領域において同一である。特定の実施形態において、CNPポリペプチドバリアントは、基準のCNPポリペプチドと、少なくとも70%、80%、90%若しくは95%同一である。クエリアミノ酸配列と、たとえば、少なくとも95%「同一な」アミノ酸配列を有するポリペプチドは、その対象ポリペプチドのアミノ酸配列が、クエリアミノ酸配列の100アミノ酸ごとに5以下のアミノ酸変化を含有しうることを除いて、クエリ配列と同一であることを意味する。こうした基準配列の変化は、基準アミノ酸配列のアミノ末端(N末端)若しくはカルボキシ末端(C末端)の位置に生じてもよいが、そうした末端位置の間のどこにでも、基準配列内の残基の間に個別に散在して、あるいは基準配列内に一つ若しくは複数の隣接する基として散在して生じていてもよい。クエリ配列は基準配列の完全なアミノ酸配列であっても、本明細書に記載の指定された任意の断片であってもよい。そのようなCNPポリペプチドバリアントは、天然バリアント、例えば染色体若しくは生物の所定の遺伝子座を占有するCNPのいくつかの代替形態のうちの一つによってコードされる天然対立遺伝子バリアント、又は単一の一次転写産物に由来する天然スプライスバリアントによってコードされるアイソフォームであることができる。あるいは、CNPポリペプチドバリアントは、天然であるとは知られておらず、当業界で公知の突然変異技術によって作ることができるバリアントであってもよい。生理機能をほとんど失うことなく、生理活性ペプチド若しくはタンパク質のN末端若しくはC末端から1以上のアミノ酸が欠失され得ることが当業界では公知である。そのようなN末端及び/又はC末端欠失も、CNPポリペプチドバリアントという用語によって包含されるものである。
【0022】
ペプチドの構造若しくは機能に有意な影響を及ぼすことなく、CNPポリペプチドの一部のアミノ酸配列を変更することができることも、当業者に認められている。このような変異体は、活性にほとんど影響を与えないように、当技術分野で公知の原則にしたがって選択される欠失、挿入、逆位、反復、及び置換を含有する。たとえば、表現型としてサイレントなアミノ酸置換を行う方法に関する指針は、Bowie et al. (1990), Science 247:1306-1310において与えられ、これは参考としてその全体を本明細書に組み入れることとするが、ここでその著者らは、アミノ酸配列が変化する許容度を検討するために二つの主要なアプローチがあることを示している。
【0023】
本明細書で使用される場合、「CNPアナログ」という用語は、それぞれの生物において同じ機能を果たすが、その生物の祖先が共通して有していた先祖の構造を起源としない、別の無関係の生物のCNPを指す。その代わりに、アナログCNPが別々に発生し、その後、同一若しくは同様の機能を果たせるように進化した。言い換えると、アナログCNPポリペプチドとは、同じ生物活性、すなわち、軟骨成長板の軟骨細胞の成長、増殖及び分化の制御を達成する、かなり異なるアミノ酸配列を有するポリペプチドである。
【0024】
本明細書で使用される「CNPオルソログ」という用語は、2つの異なる種に存在するCNPを指し、その配列は、祖先種における共通した相同CNPを通じて、互いに関係があるが、進化して、それぞれ異なるようになったものである。
【0025】
本明細書で使用される「CNPホモログ」という用語は、異なる生物のCNPであって、それがそれぞれの生物において同一の機能を果たし、それらの生物の先祖が共通して有していた祖先構造を起源とする、前記CNPを指す。言い換えると、ホモログCNPポリペプチドは、同じ生物活性、すなわち、軟骨成長板の軟骨細胞の成長、増殖及び分化の制御を達成する、きわめて類似したアミノ酸配列を有するポリペプチドである。特定の実施形態において、CNPポリペプチドホモログは、基準CNPポリペプチドに対して、少なくとも40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%同一性を示すポリペプチドと定義することができる。
【0026】
したがって、CNPポリペプチドは、たとえば、(i)アミノ酸残基のうち少なくとも一つが、保存アミノ酸若しくは非保存アミノ酸残基によって、特定の実施形態において、保存アミノ酸残基によって置換されており、このような置換されたアミノ酸残基が遺伝子コードによってコードされていることも、コードされていないこともある、CNPポリペプチド;及び/又は(ii)アミノ酸残基のうち少なくとも一つが置換基を含んでいるCNPポリペプチド;及び/又は(iii)CNPポリペプチドが別の化合物と融合しており、その化合物がたとえばポリペプチドの半減期を長くする化合物(たとえばポリエチレングリコール)である、CNPポリペプチド;及び/又は(iv)追加のアミノ酸がCNPポリペプチドに融合されており、それがたとえば、IgG Fc融合領域ペプチド、若しくはリーダー配列、若しくは分泌配列、若しくは上記形態のポリペプチドの精製に用いられる配列、若しくはプレタンパク質配列である、CNPポリペプチドとすることができる。
【0027】
本明細書で使用される「CNPポリペプチド断片」という用語は、CNPポリペプチドの、アミノ酸配列の一部の連続範囲を含む、任意のペプチドを指す。
【0028】
より具体的には、CNPポリペプチド断片は、CNPポリペプチドの、少なくとも6個の連続したアミノ酸を含み、例えば、少なくとも8個、少なくとも10個、又は少なくとも17個の連続したアミノ酸を含む。CNPポリペプチド断片はさらに、少なくとも6個のアミノ酸を含有するCNPポリペプチドの亜属と言い表すことができるが、「少なくとも6」とは、6からCNPポリペプチドのC末端アミノ酸を表す整数までの間の任意の整数と定義される。さらに、上記のような少なくとも6アミノ酸長のCNPポリペプチド断片であって、N末端及びC末端位置についてさらに特定された、前記分子種が含まれる。また、「CNPポリペプチド断片」という用語には、個々の分子種として、N末端及びC末端位置によって具体的に特定することができる、上記のような少なくとも6アミノ酸長のすべてのCNPポリペプチド断片が含まれる。すなわち、連続する少なくとも6アミノ酸残基の長さの断片が、CNPポリペプチドの所定の任意のアミノ酸配列上に占めることができるN末端及びC末端位置のあらゆる組み合わせ。
【0029】
CNPという用語は、CNPの上記バリアント、アナログ、オルソログ、ホモログ、誘導体及び断片を含んでいるので、基準配列内の具体的な位置へのあらゆる言及には、たとえ明確に触れられなくても、CNP部分のバリアント、アナログ、オルソログ、ホモログ、誘導体及び断片における同等の位置も含まれる。
【0030】
天然CNP-22(配列番号1)は下記の配列を有する。
GLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC
式中、6位及び22位のシステインは、ジスルフィド架橋を介して連結されている。
【0031】
特定の実施形態において、「CNP」は、下記のペプチド配列を指す:
配列番号2 (CNP-53):
DLRVDTKSRAAWARLLQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号3 (G-CNP-53):
GDLRVDTKSRAAWARLLQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号4 (M-CNP-53):
MDLRVDTKSRAAWARLLQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号5 (P-CNP-53):
PDLRVDTKSRAAWARLLQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号6 (CNP-53 M48N):
DLRVDTKSRAAWARLLQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSNSGLGC;
配列番号7 (CNP-53 Δ15-31):
DLRVDTKSRAAWARGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号8 (CNP-52):
LRVDTKSRAAWARLLQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号9 (CNP-51):
RVDTKSRAAWARLLQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号10 (CNP-50):
VDTKSRAAWARLLQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号11 (CNP-49):
DTKSRAAWARLLQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号12 (CNP-48):
TKSRAAWARLLQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号13 (CNP-47):
KSRAAWARLLQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号14 (CNP-46):
SRAAWARLLQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号15 (CNP-45):
RAAWARLLQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号16 (CNP-44):
AAWARLLQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号17 (CNP-44 Δ14-22):
AAWARLLQEHPNAGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号18 (CNP-44 Δ15-22):
AAWARLLQEHPNARGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号19 (CNP-43):
AWARLLQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号20 (CNP-42):
WARLLQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号21 (CNP-41):
ARLLQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号22 (CNP-40):
RLLQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号23 (CNP-39):
LLQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号24 (CNP-38):
LQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC,
ここで、22位及び38位のシステインがジスルフィド架橋で結合している;
配列番号25 (CNP-37):
QEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号26 (CNP-37 Q1pQ、ここでpQ = ピログルタミン酸):
pQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号27 (G-CNP-37):
GQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号28 (P-CNP-37):
PQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号29 (M-CNP-37):
MQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号30 (PG-CNP-37):
PGQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号31 (MG-CNP-37):
MGQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号32 (CNP-37 M32N):
QEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSNSGLGC;
配列番号33 (G-CNP-37 M32N):
GQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSNSGLGC;
配列番号34 (G-CNP-37 K14Q):
GQEHPNARKYKGANQKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号35 (G-CNP-37 K14P):
GQEHPNARKYKGANPKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号36 (G-CNP-37 K14Q, Δ15):
GQEHPNARKYKGANQGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号37 (G-CNP-37 K14Q, K15Q):
GQEHPNARKYKGANQQGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号38 (CNP-36):
EHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号39 (CNP-35):
HPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号40 (CNP-34):
PNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号41 (CNP-33):
NARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号42 (CNP-32):
ARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号43 (CNP-31):
RKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号44 (CNP-30):
KYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号45 (CNP-29):
YKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号46 (CNP-28):
KGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号47 (GHKSEVAHRF-CNP-28):
GHKSEVAHRFKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号48 (CNP-27):
GANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号49 (CNP-27 K4Q, K5Q):
GANQQGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号50 (CNP-27 K4R, K5R):
GANRRGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号51 (CNP-27 K4P, K5R):
GANPRGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号52 (CNP-27 K4S, K5S):
GANSSGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号53 (CNP-27 K4P, K5R):
GANGANPRGLSRGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号54 (CNP-27 K4R, K5R, K9R):
GANRRGLSRGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号55 (CNP-27 K4R, K5R, K9R, M22N):
GANRRGLSRGCFGLKLDRIGSNSGLGC;
配列番号56 (P-CNP-27 K4R, K5R, K9R):
PGANRRGLSRGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号:57 (M-CNP-27 K4R, K5R, K9R):
MGANRRGLSRGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号58 (HSA断片-CNP-27):
GHKSEVAHRFKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLG;
配列番号59 (HSA断片-CNP-27 M22N):
GHKSEVAHRFKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSNSGLGC;
配列番号60 (M-HSA断片-CNP-27):
MGHKSEVAHRFKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号61 (P-HSA断片-CNP-27):
PGHKSEVAHRFKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号62 (CNP-26):
ANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号63 (CNP-25):
NKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号64 (CNP-24):
KKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号65 (CNP-23):
KGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号66 (R-CNP-22):
RGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号67 (ER-CNP-22):
ERGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号68 (R-CNP-22 K4R):
RGLSRGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号69 (ER-CNP-22 4KR):
ERGLSRGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号70 (RR-CNP-22):
RRGLSRGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号71 (HRGP断片-CNP-22):
GHHSHEQHPHGANQQGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号72 (HRGP断片-CNP-22):
GAHHPHEHDTHGANQQGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号73 (HRGP断片-CNP-22):
GHHSHEQHPHGANPRGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号74 (IgG1(Fc)断片-CNP-22):
GQPREPQVYTLPPSGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号75 (HSA断片-CNP-22):
GQHKDDNPNLPRGANPRGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号76 (HSA断片-CNP-22):
GERAFKAWAVARLSQGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号77 (オステオクリンNPR C阻害断片-CNP22):
FGIPMDRIGRNPRGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号78 (FGF2ヘパリン結合領域断片-CNP22):
GKRTGQYKLGSKTGPGPKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号79 (IgG1(Fc) 断片-CNP-22 K4R):
GQPREPQVYTGANQQGLSRGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号80 (HSA 断片-CNP-22 K4R):
GVPQVSTSTGANQQGLSRGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号81 (フィブロネクチン断片-CNP-22 K4R):
GQPSSSSQSTGANQQGLSRGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号82 (フィブロネクチン断片-CNP-22 K4R):
GQTHSSGTQSGANQQGLSRGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号83 (フィブロネクチン断片-CNP-22 K4R):
GSTGQWHSESGANQQGLSRGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号84 (ジンクフィンガー断片-CNP-22 K4R):
GSSSSSSSSSGANQQGLSRGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号85 (CNP-21):
LSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号86 (CNP-20):
SKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号87 (CNP-19):
KGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号88 (CNP-18):
GCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号89 (CNP-17):
CFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号90 (BNP断片-CNP-17-BNP 断片):
SPKMVQGSGCFGLKLDRIGSMSGLGCKVLRRH;
配列番号91 (CNP-38 L1G):
GQEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号92 (Ac-CNP-37;ここでAc=アセチル):
Ac-QEHPNARKYKGANKKGLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC;
配列番号93:
QEHPNARX1YX2GANX3X4GLSX5GCFGLX6LDRIGSMSGLGC,
ここで、X1、X2、X3、X4、X5及びX6は、X1、X2、X3、X4、X5及びX6のうち少なくとも1つがR、P、S及びQからなる群から選択されることを条件として、互いに独立して、K、R、P、S及びQからなる群より選択され;特定の実施形態において、X1、X2、X3、X4、X5及びX6は、X1、X2、X3、X4、X5及びX6のうち少なくとも1つがRであることを前提として、K及びRからなる群より選択される;
配列番号94:
QEHPNARKYKGANX1X2GLSX3GCFGLX4LDRIGSMSGLGC,
ここで、X1、X2、X3及びX4は、X1、X2、X3及びX4のうち少なくとも1つがR、P、S及びQからなる群から選択されることを条件として、互いに独立して、K、R、P、S及びQからなる群より選択され; 特定の実施形態において、X1、X2、X3及びX4は、X1、X2、X3及びX4のうち少なくとも1つがRであることを前提として、K及びRより選択される;
配列番号95:
QEHPNARKYKGANX1X2GLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC,
ここで、X1X2は、KR、RK、KP、PK、SS、RS、SR、QK、QR、KQ、RQ、RR及びQQからなる群より選択される。
【0032】
配列番号2~95においても、配列番号24の22位及び38位のシステインに相当するものがジスルフィド架橋によって連結されていると理解される。
【0033】
「CNP」という用語はまた、上記の配列を有するが、アミド結合、並びにエステル結合などの非アミド結合の両者を含む骨格を有する、たとえばデプシペプチドのような、ポリ(アミノ酸)コンジュゲートを含む。デプシペプチドは、その骨格がアミド(ペプチド)結合とエステル結合の両者を含有するアミノ酸残基鎖である。したがって、本明細書で使用される「側鎖」という用語は、アミノ酸部分がポリペプチドにおけるようにアミン結合で連結されている場合には、アミノ酸部分のα炭素に結合している部分を指し、又は、たとえばデプシペプチドの場合のように、ポリ(アミノ酸)コンジュゲートの骨格に結合している任意の炭素原子含有部分を指す。特定の実施形態において、「CNP」という用語は、アミド(ペプチド)結合によって形成される骨格を有するポリペプチドを表す。
【0034】
本明細書で使用される「環部分」という用語は、分子内ジスルフィド架橋を形成する2つのシステイン残基の間、又は化学架橋剤を介して連結される相同アミノ酸残基の間に位置する、CNP薬若しくはCNP部分の一続きの連続したアミノ酸残基を指す。好ましくは、環部分は、分子内ジスルフィド架橋を形成する2つのシステイン残基の間にある。この2つのシステインは、CNP-38(配列番号24)の配列では22位及び38位のシステインに相当する。したがって、CNP薬若しくはCNP部分がCNP-38の配列を有する場合、アミノ酸23から37までが、前記の環部分に位置する。
【0035】
CNP部分の長さに関係なく、野生型CNPの環部分の配列はFGLKLDRIGSMSGLG(配列番号96)である。
【0036】
CNPという用語には、上記の、CNPのバリアント、アナログ、オルソログ、ホモログ、誘導体及び断片が含まれるので、「環部分」という用語もまた、対応する、配列番号96の配列のバリアント、アナログ、オルソログ、ホモログ、誘導体及び断片を含んでいる。したがって、基準配列内の具体的な位置に関するあらゆる言及は、たとえ明確に触れられていなくても、やはり、CNP部分のバリアント、アナログ、オルソログ、ホモログ、誘導体及び断片における同等の位置を含む。
【0037】
本明細書で使用される「凍結保護剤(cryoprotectant)」という用語は、凍結工程の間、薬剤又は薬剤コンジュゲートを保護するために、製剤に添加される化合物を指す。
【0038】
単独で又は組合せで本明細書において使用する用語「C1-4アルキル」は、1~4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル部分を意味する。分子の末端に存在する場合、直鎖又は分岐C1-4アルキルの例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル及びtert-ブチルである。分子の2つの部分がC1-4アルキルによって結合されている場合には、そのようなC1-4アルキル基の例は、-CH2-、-CH2-CH2-、-CH(CH3)-、-CH2-CH2-CH2-、-CH(C2H5)-、-C(CH3)2-である。C1-4アルキル炭素の各水素は、上で定義したような置換基によって場合により置き換えられていてもよい。場合により、C1-4アルキルに下で定義するような1つ以上の部分が割り込んでいてもよい。
【0039】
単独で又は組合せで本明細書において使用する用語「C1-6アルキル」は、1~6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル部分を意味する。分子の末端に存在する場合、直鎖及び分岐C1-6アルキル基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル及び3,3-ジメチルプロピルである。分子の2つの部分がC1-6アルキル基によって結合されている場合には、そのようなC1-6アルキル基の例は、-CH2-、-CH2-CH2-、-CH(CH3)-、-CH2-CH2-CH2-、-CH(C2H5)-及び-C(CH3)2-である。C1-6炭素の各水素原子は、上で定義したような置換基によって場合により置き換えられていてもよい。場合により、C1-6アルキルに下で定義するような1つ以上の部分が割り込んでいてもよい。
【0040】
したがって、「C1-10アルキル」、「C1-20アルキル」又は「C1-50アルキル」は、それぞれ、1~10、1~20、又は1~50個の炭素原子を有するアルキル鎖を意味し、C1-10、C1-20又はC1-50炭素の各水素原子は、上で定義したような置換基によって場合により置き換えられていてもよい。場合により、C1-10又はC1-50アルキルに下で定義するような1つ以上の部分が割り込んでいてもよい。
【0041】
単独で又は組合せで本明細書において使用する用語「C2-6アルケニル」は、2~6個の炭素原子を有する、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む、直鎖又は分岐炭化水素部分を意味する。分子の末端に存在する場合、例は、-CH=CH2、-CH=CH-CH3、-CH2-CH=CH2、-CH=CHCH2-CH3及び-CH=CH-CH=CH2である。分子の2つの部分がC2-6アルケニルによって結合されている場合には、そのようなC2-6アルケニルの例は、-CH=CH-である。C2-6アルケニル部分の各水素原子は、上で定義したような置換基によって場合により置き換えられていてもよい。場合により、C2-6アルケニルに下で定義するような1つ以上の部分が割り込んでいてもよい。
【0042】
したがって、単独で又は組合せでの用語「C2-10アルケニル」、「C2-20アルケニル」又は「C2-50アルケニル」は、2~10、2~20、又は2~50個の炭素原子を有する、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む、直鎖又は分岐炭化水素部分を意味する。C2-10アルケニル、C2-20アルケニル又はC2-50アルケニル基の各水素原子は、上で定義したような置換基によって場合により置き換えられていてもよい。場合により、C2-10アルケニル、C2-20アルケニル又はC2-50アルケニルに下で定義するような1つ以上の部分が割り込んでいてもよい。
【0043】
単独で又は組合せで本明細書において使用する用語「C2-6アルキニル」は、2~6個の炭素原子を有する、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む、直鎖又は分岐炭化水素部分を意味する。分子の末端に存在する場合、例は、-C≡CH、-CH2-C≡CH、CH2-CH2-C≡CH及びCH2-C≡C-CH3である。分子の2つの部分がアルキニル基によって結合されている場合には、例は、-C≡C-である。C2-6アルキニル基の各水素原子は、上で定義したような置換基によって場合により置き換えられていてもよい。場合により、1つ以上の二重結合が存在してもよい。場合により、C2-6アルキニルに下で定義するような1つ以上の部分が割り込んでいてもよい。
【0044】
したがって、単独で又は組合せで本明細書において使用する用語「C2-10アルキニル」、「C2-20アルキニル」又は「C2-50アルキニル」はそれぞれ、2~10、2~20、又は2~50個の炭素原子を有する、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む、直鎖又は分岐炭化水素部分を意味する。C2-10アルキニル、C2-20アルキニル又はC2-50アルキニル基の各水素原子は、上で定義したような置換基によって場合により置き換えられていてもよい。場合により、1つ以上の二重結合が存在してもよい。場合により、C2-10アルキニル、C2-20アルキニル又はC2-50アルキニルに下で定義するような1つ以上の部分が割り込んでいてもよい。
【0045】
上で述べたように、C1-4アルキル、C1-6アルキル、C1-10アルキル、C1-20アルキル、C1-50アルキル、C2-6アルケニル、C2-10アルケニル、C2-20アルケニル、C2-50アルケニル、C2-6アルキニル、C2-10アルキニル、C2-20アルケニル又はC2-50アルキニルに、1つ以上の部分が場合により割り込んでいてもよく、前記1つ以上の部分は、特定の実施形態において、
【化1】
(式中、
破線は、前記部分又は試薬の残部への結合を示し、
-R及び-Raは、互いに独立して、-H、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルからなる群から選択される)
からなる群から選択される。
【0046】
本明細書において使用する用語「C3-10シクロアルキル」は、飽和されていてもよく、又は不飽和であってもよい、3~10個の炭素原子を有する環状アルキル鎖、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル又はシクロデシルを意味する。C3-10シクロアルキル炭素の各水素原子は、上で定義したような置換基によって置き換えられていてもよい。用語「C3-10シクロアルキル」は、ノルボルナン又はノルボルネンのような架橋した二環も含む。
【0047】
用語「8~30員カルボポリシクリル」又は「8~30員炭素多環」は、8~30個の環原子を有し、2つの隣接する環が少なくとも1個の環原子を共有している、2環以上の環状部分であって、最大数までの二重結合(完全に飽和されている、部分的に飽和されている、又は不飽和である、芳香族又は非芳香族環)を含有することができる環状部分を意味する。好ましくは、8~30員カルボポリシクリルは、2、3、4又は5環、より好ましくは2、3又は4環の環状部分を意味する。
【0048】
本明細書において使用する用語「3~10員ヘテロシクリル」又は「3~10員複素環」は、3、4、5、6、7、8、9又は10個の環原子を有し、少なくとも1個の環原子、最大で4個までの環原子が、硫黄(-S(O)-、-S(O)2-を含む)、酸素、及び窒素(=N(O)-を含む)からなる群から選択されるヘテロ原子によって置き換えられている環であって、最大数までの二重結合(完全に飽和されている、部分的に飽和されている、又は不飽和である、芳香族又は非芳香族環)を含有することができ、炭素又は窒素原子によって分子の残部に結合している環を意味する。3~10員複素環の例としては、アジリジン、オキシラン、チイラン、アジリン、オキシレン、チイレン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、フラン、チオフェン、ピロール、ピロリン、イミダゾール、イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、オキサゾール、オキサゾリン、イソオキサゾール、イソオキサゾリン、チアゾール、チアゾリン、イソチアゾール、イソチアゾリン、チアジアゾール、チアジアゾリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、チアジアゾリジン、スルホラン、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、イミダゾリジン、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、テトラゾール、トリアゾール、トリアゾリジン、テトラゾリジン、ジアゼパン、アゼピン及びホモピペラジンが挙げられるが、これらに限定されない。3~10員ヘテロシクリル又は3~10員複素環式基の各水素原子は、下で定義するような置換基によって場合により置き換えられていてもよい。
【0049】
本明細書において使用する用語「8~11員ヘテロビシクリル」又は「8~11員複素二環」は、8~11個の環原子を有し、最大数までの二重結合(完全に飽和されている、部分的に飽和されている、又は不飽和である、芳香族又は非芳香族環)を含有することができる、2環の複素環式部分であって、少なくとも1個の環原子が、両方の環によって共有されており、少なくとも1個の環原子、最大で6個までの環原子が、硫黄(-S(O)-、-S(O)2-を含む)、酸素、及び窒素(=N(O)-を含む)からなる群から選択されるヘテロ原子によって置き換えられており、前記環が、炭素又は窒素原子によって分子の残部に結合している、複素環式部分を意味する。8~11員複素二環の例は、インドール、インドリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾリン、キノリン、キナゾリン、ジヒドロキナゾリン、キノリン、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、デカヒドロキノリン、イソキノリン、デカヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、ジヒドロイソキノリン、ベンザゼピン、プリン及びプテリジンである。用語8~11員複素二環は、1,4-ジオキサ-8-アザスピロ[4.5]デカンのような2環のスピロ構造、又は8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタンのような架橋複素環も含む。8~11員ヘテロビシクリル又は8~11員複素二環炭素の各水素原子は、下で定義するような置換基によって場合により置き換えられていてもよい。
【0050】
同様に、「8~30員ヘテロ多環の」又は「8~30員ヘテロ多環」という用語は、8~30個の環原子を有し、最大数までの二重結合(完全に飽和されている、部分的に飽和されている、又は不飽和である、芳香族又は非芳香族環)を含有することができる、二つより多くの環、特定の実施形態においては3、4又は5環の複素環式部分であって、二つの隣接する環が、少なくとも1個の環原子を共有しており、少なくとも1個の環原子、最大で10個までの環原子が、硫黄(-S(O)-、-S(O)-を含む)、酸素、及び窒素(=N(O)-を含む)の群から選択されるヘテロ原子によって置き換えられており、前記環が、炭素又は窒素原子によって分子の残部に結合している、複素環式部分を意味する。
【0051】
下記構造:
【化2】
の部分に関して、「ペアR/Rは、それらが結合している原子と一緒になって、C3-10シクロアルキル又は3~10員ヘテロシクリルを形成する」という句は、R及びRが、下記構造を形成することを意味することが理解される。
【化3】
式中、Rは、C3-10シクロアルキル又は3~10員ヘテロシクリルである。
【0052】
下記構造:
【化4】
の部分に関して、「ペアR/Rは、それらが結合している原子と一緒になって、環Aを形成する」という句は、R及びRが、下記構造を形成することを意味することも理解される。
【化5】
【0053】
本明細書で使用される場合、「乾燥医薬製剤」という用語は、医薬製剤が乾燥形態で提供されることを意味する。適切な乾燥方法は、噴霧乾燥及び凍結乾燥、すなわちフリーズドライである。CNPコンジュゲートを含むそのような乾燥医薬製剤は、カール・フィッシャー法による測定で、最大10%、特定の実施形態では5%未満、特定の実施形態では2%未満の残留水分含有量を有する。特定の実施形態において、本発明の乾燥医薬製剤は、凍結乾燥によって乾燥される。
【0054】
本明細書で使用される場合、「医薬(drug)」という用語は、疾患の治療、治癒、予防若しくは診断で使用される、又は他の形で身体若しくは精神の安寧を促進するのに使用される物質を指す。CNPなどの医薬が別の部分に結合している場合、その医薬に由来した結果的な製造物の部分は「医薬部分(drug moiety)」と称される。
【0055】
本明細書で使用される場合、「賦形剤」という用語は、医薬又は医薬コンジュゲートとともに投与される化合物、例えば緩衝剤、等張性調整剤、保存剤、安定剤、吸着抑制剤、酸化防止剤、又は他の補助剤を指す。しかしながら、場合により、一つの賦形剤が二重又は三重の機能を有し得る。「賦形剤」という用語は、医薬若しくは医薬コンジュゲートを投与するのに一緒に使用される、希釈剤、アジュバント又は担体を指すこともできる。そのような医薬品添加剤は、滅菌液、たとえば水及び油とすることができるが、油には、石油、動物、植物若しくは合成起源のものがあり、それには落花生油、大豆油、鉱油、ゴマ油などがあるが、これらに限定されるものではない。医薬製剤が経口投与される場合には、水が好ましい賦形剤である。医薬製剤が静脈投与又は皮下投与される場合、生理食塩水及びブドウ糖水溶液が好ましい賦形剤である。特定の実施形態において、注射用液用の液体賦形剤としては、生理食塩水及びブドウ糖水溶液及びグリセロール溶液を用いる。適切な医薬賦形剤としては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、マンニトール、トレハロース、ゼラチン、麦芽、コメ、小麦粉、白亜、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどがある。医薬製剤は、少量の湿潤剤若しくは乳化剤、pH緩衝剤、例えば酢酸塩、コハク酸塩、Tris(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、炭酸塩、リン酸塩、HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)、MES(2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸)なども含有することもでき、又は、界面活性剤、例えばTween(登録商標)、ポロキサマー、ポロキサミン、CHAPS、Igepal(登録商標)など、又はアミノ酸、例えばグリシン、リジン若しくはヒスチジンなどを含有することができる。これらの医薬製剤は、液剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、徐放性製剤などの形をとることができる。医薬製剤は、従来の結合剤及び添加剤、例えばトリグリセリドなどを用いて坐剤として製剤することができる。経口製剤は、標準的な賦形剤、例えば医薬用のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどを含有することができる。そのような製剤は、治療上有効な量の医薬若しくは医薬部分を、患者への適正投与のための形態を提供するために適当な量の賦形剤とともに含有することになる。製剤は投与方法にふさわしいものであるべきである。
【0056】
本明細書で使用される場合、「製剤(formulation)」又は「医薬製剤(drug formulation)」という用語は、1以上のCNPコンジュゲート及び1以上の賦形剤を含む製剤、並びに、直接若しくは間接に、組成物の成分のいずれか2以上の組み合わせ、複合体化若しくは凝集によって生じる、又はそれら成分の1以上の解離によって生じる、又はそれら成分の1以上の他の種類の反応若しくは相互作用によって生じる製造物を指す。従って、本発明の医薬製剤は、1以上のCNPコンジュゲート及び薬学的に許容される賦形剤、例えば緩衝剤及び増量剤を混合することで作られる製剤又は組成物を包含する。
【0057】
本明細書で使用される場合、医薬の「遊離型」という用語は、例えばコンジュゲートから放出された後に、未修飾の薬理的に完全に活性な形態での医薬を指す。
【0058】
本明細書で使用される場合、「官能基」という用語は、他の原子団と反応することができる原子団を意味する。官能基には、次の基:カルボン酸(-(C=O)OH)、一級又は二級アミン(-NH、-NH-)、マレイミド、チオール(-SH)、スルホン酸(-(O=S=O)OH)、カーボネート、カルバメート(-O(C=O)N<)、ヒドロキシル(-OH)、アルデヒド(-(C=O)H)、ケトン(-(C=O)-)、ヒドラジン(>N-N<)、イソシアネート、イソチオシアネート、リン酸(-O(P=O)OHOH)、ホスホン酸(-O(P=O)OHH)、ハロアセチル、ハロゲン化アルキル、アクリロイル、フッ化アリール、ヒドロキシルアミン、ジスルフィド、スルホンアミド、スルホン酸、ビニルスルホン、ビニルケトン、ジアゾアルカン、オキシラン及びアジリジンなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0059】
本明細書で使用される場合、「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを意味する。ハロゲンはフルオロ又はクロロであることが一般に好ましい。
【0060】
本明細書で使用される場合、「割り込んでいる(interrupted)」という用語は、ある部分が、2個の炭素原子間に、又は挿入がその部分の末端の一方である場合には、炭素若しくはヘテロ原子と水素原子との間に、特定の実施形態においては炭素と水素原子との間に挿入されていることを意味する。
【0061】
本明細書で使用される場合、「等張性調整剤」という用語は、注射された溶液と血漿との間の浸透圧差による細胞損傷によって生じ得る疼痛、刺激及び組織損傷を低下させる化合物を指す。
【0062】
本明細書で使用される場合、「凍結乾燥製剤」という用語は、CNPコンジュゲートを含む製剤を最初に冷凍し、次に減圧によって水除去を行ったことを意味する。この用語は、製剤を最終容器に充填する前に製造プロセスで行われる追加の乾燥工程を除外するものではない。
【0063】
本明細書で使用される場合、「凍結乾燥」又は「フリーズドライ」という用語は、互換的に使用され、製剤を冷凍し、次に周囲圧を低下させ、そして任意に熱を加えることで製剤中の凍結水を固相から気体に直接昇華させることができることを特徴とする脱水プロセスを指す。通常、置換された水は、昇華によって回収される。
【0064】
本明細書で使用される場合、「リオプロクタント(lyoprotectant)」という用語は、対象の有効成分と組み合わせると、乾燥時全般時、特別には凍結乾燥時及びその後の貯蔵時に有効成分の化学的及び/又は物理的不安定性を大きく防止又は低下させる分子である。例示的なリオプロクタントには、糖類、例えばショ糖又はトレハロース;アミノ酸類、例えばグルタミン酸ナトリウム又はヒスチジン又はアルギニン;メチルアミン類、例えばベタイン;リオトロピック塩,例えば硫酸マグネシウム;多価アルコール類、例えば三価又はそれ以上の糖アルコール類、例えばグリセリン、エリトリトール、グリセロール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール及びマンニトール;エチレングリコール;プロピレングリコール;ポリエチレングリコール;Pluronic類;ヒドロキシアルキルデンプン類、例えばヒドロキシエチルデンプン(HES)、及びこれらの組み合わせなどがある。リオプロクタントは、乾燥医薬製剤中で増量剤として、そして再生医薬製剤中で等張性調整剤としても働き得る。
【0065】
本明細書で使用される場合、「部分」という用語は、相当する薬剤と比較して1以上の原子を欠く、分子の一部を意味する。例えば、式「H-X-H」の試薬が別の試薬と反応し、反応生成物の一部になる場合、その反応生成物の相当する部分は、構造「H-X-」又は「-X-」を有し、ここで各「-」は、別の部分への結合を示す。したがって、CNP部分などの医薬部分が、コンジュゲートからCNPなどの医薬として放出される。
【0066】
原子団が、二つの部分に結合している又は一つの部分に割り込んでいる、原子団の配列又は化学構造が提供されている場合、別段の明確な記述がない限り、前記配列又は化学構造は、いずれの配向で前記二つの部分に結合していてもよいことが理解される。例えば、部分「-C(O)N(R)-」は、「-C(O)N(R)-」として、又は「-N(R)C(O)-」として、二つの部分に結合していることができ、又は一つの部分に割り込んでいることもできる。同様に、部分:
【化6】
は、
【化7】
として、又は
【化8】
として、二つの部分に結合しているか、一つの部分に割り込んでいることができる。
【0067】
CNP部分が1以上の酸性又は塩基性基を含む場合、医薬製剤は、それらの相当する薬学的に又は毒物学的に許容される塩、特にそれらの薬学的に利用可能な塩も含む。したがって、1以上の酸性基を含むCNP部分が存在することができ、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩として使用することができる。そのような塩のより詳細な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、又はアンモニア若しくは有機アミン(例えば、エチルアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミンなど)若しくはアミノ酸との塩、並びに当業者に公知である他の塩若しくはアミンが挙げられる。1以上の塩基性基、すなわちプロトン化され得る基を含むCNP部分が存在することもでき、無機又は有機酸とそれらの付加塩の形態で使用することができる。適切な酸の例には、塩化水素、臭化水素、リン酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、シュウ酸、酢酸、酒石酸、乳酸、サリチル酸、安息香酸、ギ酸、プロピオン酸、ピバル酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、スルファミン酸、フェニルプロピオン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、イソニコチン酸、クエン酸、アジピン酸、及び当業者に公知の他の酸などがある。正電荷アンモニウム基及びその塩の適切な対イオンをもたらすアミン基のアルキル化のような、塩基性基をカチオンに変換するさらなる方法が、当業者には公知である。CNP部分が酸性基と塩基性基を同時に含む場合、本発明による医薬製剤は、言及した塩形態に加えて、分子内塩又はベタイン(両性イオン)も含む。それぞれの塩は、例えば、これらのコンジュゲートを溶媒若しくは分散剤中で有機若しくは無機の酸若しくは塩基と接触させることによる、又は他の塩とのアニオン交換若しくはカチオン交換によるような、当業者に公知である慣用的方法によって得ることができる。本発明による製剤は、生理的適合性が低いため、直接的には医薬品における使用に適さないが、例えば、中間体として化学反応に又は薬学的に許容される塩の調製に使用することができる、CNPコンジュゲートの全ての塩も含む。
【0068】
本明細書で使用される場合、「酸化防止剤」又は「酸化保護剤」という用語は、ペプチドなどの他の化合物の酸化を抑制する化合物を指す。
【0069】
本明細書で使用される場合、「pH調整剤」という用語は、充填及び凍結乾燥の前に配合溶液のpHを調節するのに用いられる化合物を指す。
【0070】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」という用語は、患者に投与されたとき害を及ぼさない物質を意味し、好ましくは、規制当局、例えば、EMA(欧州)及び/又はFDA(米国)及び/又はいずれか他の国の規制当局によって、動物での使用に、好ましくはヒトでの使用に承認されていることを意味する。
【0071】
本明細書で使用される場合、「生理的条件」という用語は、pH7.4及び37℃の水系緩衝条件を指す。
【0072】
本明細書で使用される場合、「ポリペプチド」という用語は、ペプチド(アミド)連結によって連結された2以上50以下のアミノ酸モノマー部分の鎖を指す。CNP医薬及びCNP部分の場合にのみ、50を超えるアミノ酸を有する配列も、簡潔に「ポリペプチド」と称される。
【0073】
本明細書で使用される場合、「保存剤」という用語は、抗菌効果を有し、化学的分解を防止する化学物質を指す。
【0074】
本明細書で使用される場合、「タンパク質」という用語は、ペプチド連結によって連結された50を超えるアミノ酸モノマー部分の鎖を指し、好ましくは12000以下のアミノ酸モノマーがペプチド連結によって連結されており、例えば10000以下のアミノ酸モノマー部分、8000以下のアミノ酸モノマー部分、5000以下のアミノ酸モノマー部分又は2000以下のアミノ酸モノマー部分である。
【0075】
本明細書で使用される場合、「ポリマー」という用語は、化学結合によって直鎖、環状、分岐、架橋若しくはデンドリマー状に又はこれらの組合せで連結されている反復構造単位、すなわちモノマーを含む分子であって、合成起源であっても、生体起源であっても、又は両方の組合せであってもよい分子を意味する。ポリマーは、例えば1以上の官能基などの、1以上の他の化学基及び/又は部分も含み得ることが理解される。特定の実施形態において、可溶性ポリマーは、少なくとも0.5kDaの分子量、例えば、少なくとも1kDaの分子量、少なくとも2kDaの分子量、少なくとも3kDaの分子量、又は少なくとも5kDaの分子量を有する。ポリマーが可溶性である場合、特定の実施形態において、それは最大で1000kDa、例えば最大で750kDa、例えば最大で500kDa、例えば最大で300kDa、例えば最大で200kDa、例えば最大で100kDaの分子量を有する。
【0076】
タンパク質又はポリペプチドは、各アミノ酸の側鎖が異り得るとしても、アミノ酸が反復構造単位であるポリマーでもあることが理解される。
【0077】
本明細書で使用される場合、「ポリマーの」又は「ポリマー部分」という用語は、1以上のポリマー又はポリマー部分を含む試薬又は部分を意味する。ポリマー剤又は部分は、任意に1以上の他の部分も含み得るものであり、それは、特定の実施形態において、以下のものからなる群から選択される。
・C1-50アルキル、C2-50アルケニル、C2-50アルキニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロビシクリル、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル及びテトラリニル、並びに
・以下のものを含む群から選択される連結:
【化9】
式中、
破線は、前記部分又は試薬の残部への結合を示し、
-R及び-Rは、互いに独立に、-H、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルからなる群から選択される。
【0078】
当業者であれば、重合反応から得られる重合生成物が、全て同じ分子量を有するとは限らず、むしろ分子量分布を示すことは理解するものである。結果的に、本明細書において使用する分子量範囲、分子量、ポリマー中のモノマー数範囲、及びポリマー中のモノマー数は、数平均分子量及びモノマー数平均を指すものであり、すなわち、ポリマー又はポリマー部分の分子量の算術平均、及びポリマー又はポリマー部分のモノマー数の算術平均を指す。
【0079】
したがって、「x」個のモノマー単位を含むポリマー部分の場合、「x」に当てはめられるいずれの整数もモノマーの算術平均数に相当する。「x」に当てはめられる整数のいずれの範囲も、モノマーの算術平均数が存する整数範囲を提供する。「約x」として示される「x」の整数は、モノマーの算術平均数が、x+/-10%の整数範囲にあること、特定の実施形態においてはx+/-8%の整数範囲にあること、特定の実施形態においてはx+/-5%の整数範囲にあること、そして特定の実施形態においてはx+/-2%の整数範囲にあることを意味する。
【0080】
本明細書で使用される場合、部分又は試薬に関しての「PEG系(PEGに基づく)」という用語は、前記部分又は試薬がPEGを含むことを意味する。特定の実施形態において、PEG系部分又は試薬は、少なくとも10重量%PEG、例えば少なくとも20重量%PEG、例えば少なくとも30重量%PEG、例えば少なくとも40重量%PEG、例えば少なくとも50重量%、例えば少なくとも60重量PEG、例えば少なくとも70重量%PEG、例えば少なくとも80重量%PEG、例えば少なくとも90重量%、例えば少なくとも95重量%のPEGを含む。前記PEG系部分又は試薬の残りの重量百分率は、以下の部分及び連結から選択される他の部分である。
・C1-50アルキル、C2-50アルケニル、C2-50アルキニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロビシクリル、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル及びテトラリニル、並びに
・以下のものを含む群から選択される連結:
【化10】
式中、
破線は、前記部分又は試薬の残部への結合を示し、
-R及び-Rは、互いに独立に、-H、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルからなる群から選択される。
【0081】
本明細書で使用される場合、部分又は試薬に関しての「少なくともX%PEGを含むPEG系」という用語は、前記部分又は試薬が少なくともX重量%エチレングリコール単位(-CHCHO-)を含むことを意味し、前記エチレングリコール単位は、交互ブロック状に配列されていることができるか、前記部分若しくは試薬内にランダムに分布していることができ、特定の実施形態において、前記部分又は試薬の全てのエチレングリコール単位が一つのブロック内に存在し、そのPEG系部分又は試薬の残りの重量百分率は、特定の実施形態においては下記の部分及び連結から選択される他の部分である。
・C1-50アルキル、C2-50アルケニル、C2-50アルキニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロビシクリル、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル及びテトラリニル、並びに
・以下のものを含む群から選択される連結:
【化11】
式中、
破線は、前記部分又は試薬の残部への結合を示し、
-R及び-Rは、互いに独立に、-H、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルからなる群から選択される。
【0082】
本明細書で使用される場合、「少なくともX%ヒアルロン酸を含むヒアルロン酸系」という用語は適宜に使用される。
【0083】
本発明のコンジュゲートがプロドラッグであることも、当業者に認識される。本明細書で使用される場合、「プロドラッグ」という用語は、可逆的リンカー部分を介して-Zなどのポリマー部分に可逆的かつ共有結合的に結合した医薬部分、例えばCNP部分を指す。プロドラッグは、それの相当する医薬の形態で可逆的かつ共有結合的に結合した医薬部分を放出する。すなわち、プロドラッグは、可逆的リンカー部分を介してポリマー部分に共有結合的及び可逆的に結合している医薬部分、例えばCNP部分を含むコンジュゲートであり、ポリマー部分の可逆的リンカー部分への共有結合的及び可逆的結合が直接であるかスペーサーを介してである。そのようなプロドラッグ又はコンジュゲートは、以前に結合した医薬部分を遊離医薬の形態で放出する。
【0084】
本明細書で使用される場合、「ランダムコイル」という用語は、室温にてpH7.4において水性緩衝液中で行われる円偏光二色性分光法によって特定される、明確な二次及び三次構造を実質的に欠いた立体構造を採る/有する/形成する、特定の実施形態においては有する、ペプチド若しくはタンパク質を指す。特定の実施形態において、室温(周囲温度)は約20℃、すなわち18℃~22℃であり、他方で特定の実施形態において、環境温度は20℃である。
【0085】
本明細書で使用される場合、「可逆的連結」という用語は、生理的条件(pH7.4の水系緩衝液、37℃)下で酵素非存在下に開裂可能な連結であり、半減期は1時間~6か月、例えば1時間~4か月、例えば1時間~3か月、1時間~2か月、又は1時間~1か月の範囲である。
【0086】
本明細書で使用される場合、「薬剤(reagent)」という用語は、別の化合物又は医薬の官能基との反応のための少なくとも一つの官能基を含む化合物を意味する。官能基(例えば、一級若しくは二級アミン又はヒドロキシ官能基)を含む医薬も薬剤であることが理解される。
【0087】
本明細書で使用される場合、「可逆的リンカー部分」という用語は、可逆的連結によって、CNP部分などの医薬部分に共有結合的に結合しており、-Zなどのポリマー部分にも共有結合的に結合している部分であって、前記ポリマー部分への共有結合結合が直接であるか、-L-などのスペーサー部分を介したものである部分である。特定の実施形態において、-Zと-L-との連結は安定な連結である。
【0088】
本明細書で使用される場合、「再生」という用語は、乾燥医薬製剤に液体を添加して、例えば液剤などの製剤の元の形態に戻すことを意味する。
【0089】
本明細書で使用される場合、「再生製剤」という用語は、再生溶液を加えることによる乾燥医薬製剤の再生で得られる製剤を指す。
【0090】
本明細書で使用される場合、「再生溶液」という用語は、必要とする患者への投与前に乾燥医薬製剤を再生するのに使用される液体を指す。
【0091】
本明細書で使用される場合、「スペーサー」又は「スペーサー部分」という用語は、二つの部分をつなぐのに適切な部分を指す。適切なスペーサーは、C1-50アルキル、C2-50アルケニル又はC2-50アルキニルからなる群から選択することができ、C1-50アルキル、C2-50アルケニル又はC2-50アルキニルは、-NH-、-N(C1-4アルキル)-、-O-、-S-、-C(O)-、-C(O)NH-、-C(O)N(C1-4アルキル)-、-O-C(O)-、-S(O)-、-S(O)-、4~7員ヘテロシクリル、フェニル及びナフチルから選択される1以上の基によって割り込まれていても良い。
【0092】
本明細書で使用される場合、「置換されている」という用語は、分子又は部分の1以上の-H原子が「置換基」と称される異なる原子若しくは原子団によって置き換わっていることを意味する。
【0093】
特定の実施形態において、そのような1以上の置換基は、互いに独立に、ハロゲン、-CN、-COORx1、-ORx1、-C(O)Rx1、-C(O)N(Rx1x1a)、-S(O)N(Rx1x1a)、-S(O)N(Rx1x1a)、-S(O)x1、-S(O)Rx1、-N(Rx1)S(O)N(Rx1ax1b)、-SRx1、-N(Rx1x1a)、-NO、-OC(O)Rx1、-N(Rx1)C(O)Rx1a、-N(Rx1)S(O)x1a、-N(Rx1)S(O)Rx1a、-N(Rx1)C(O)ORx1a、-N(Rx1)C(O)N(Rx1ax1b)、-OC(O)N(Rx1x1a)、-T、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルからなる群から選択され;-T、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルは、同一であるか異なっている1以上の-Rx2で置換されていても良く、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Rx3)-、-S(O)N(Rx3)-、-S(O)N(Rx3)-、-S(O)-、-S(O)-、-N(Rx3)S(O)N(Rx3a)-、-S-、-N(Rx3)-、-OC(ORx3)(Rx3a)-、-N(Rx3)C(O)N(Rx3a)-、及び-OC(O)N(Rx3)-からなる群から選択される1以上の基によって割り込まれていても良く;
【0094】
-Rx1、-Rx1a、-Rx1bは、互いに独立に、-H、-T、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルからなる群から選択され;-T、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルは、同一であるか異なっている1以上の-Rx2で置換されていても良く、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Rx3)-、-S(O)N(Rx3)-、-S(O)N(Rx3)-;-S(O)-、-S(O)-、-N(Rx3)S(O)N(Rx3a)-、-S-、-N(Rx3)-、-OC(ORx3)(Rx3a)-、-N(Rx3)C(O)N(Rx3a)-、及び-OC(O)N(Rx3)-からなる群から選択される1以上の基によって割り込まれていても良く;
【0095】
各Tは独立に、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から選択され;各Tは独立に、同一であるか異なっている1以上の-Rx2で置換されていても良く;
【0096】
各-Rx2は独立に、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-COORx4、-ORx4、-C(O)Rx4、-C(O)N(Rx4x4a)、-S(O)N(Rx4x4a)、-S(O)N(Rx4x4a)、-S(O)x4、-S(O)Rx4、-N(Rx4)S(O)N(Rx4ax4b)、-SRx4、-N(Rx4x4a)、-NO、-OC(O)Rx4、-N(Rx4)C(O)Rx4a、-N(Rx4)S(O)x4a、-N(Rx4)S(O)Rx4a、-N(Rx4)C(O)ORx4a、-N(Rx4)C(O)N(Rx4ax4b)、-OC(O)N(Rx4x4a)、及びC1-6アルキルからなる群から選択され;C1-6アルキルは、同一であるか異なっている1以上のハロゲンで置換されていても良く;
【0097】
各-Rx3、-Rx3a、-Rx4、-Rx4a、-Rx4bは独立に、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され;C1-6アルキルは、同一であるか異なっている1以上のハロゲンで置換されていても良い。
【0098】
特定の実施形態において、前記1以上の置換基は、互いに独立に、ハロゲン、-CN、-COORx1、-ORx1、-C(O)Rx1、-C(O)N(Rx1x1a)、-S(O)N(Rx1x1a)、-S(O)N(Rx1x1a)、-S(O)x1、-S(O)Rx1、-N(Rx1)S(O)N(Rx1ax1b)、-SRx1、-N(Rx1x1a)、-NO、-OC(O)Rx1、-N(Rx1)C(O)Rx1a、-N(Rx1)S(O)x1a、-N(Rx1)S(O)Rx1a、-N(Rx1)C(O)ORx1a、-N(Rx1)C(O)N(Rx1ax1b)、-OC(O)N(Rx1x1a)、-T、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、及びC2-10アルキニルからなる群から選択され;-T、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、及びC2-10アルキニルは、同一であるか異なっている1以上の-Rx2で置換されていても良く、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、及びC2-10アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Rx3)-、-S(O)N(Rx3)-、-S(O)N(Rx3)-、-S(O)-、-S(O)-、-N(Rx3)S(O)N(Rx3a)-、-S-、-N(Rx3)-、-OC(ORx3)(Rx3a)-、-N(Rx3)C(O)N(Rx3a)-、及び-OC(O)N(Rx3)-からなる群から選択される1以上の基によって割り込まれていても良く;
【0099】
各-Rx1、-Rx1a、-Rx1b、-Rx3、-Rx3aは独立に、-H、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、及びC2-6アルキニルからなる群から選択され;
【0100】
各Tは独立に、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から選択され;各Tは独立に、同一であるか異なっている1以上の-Rx2で置換されていても良く;
【0101】
各-Rx2は独立に、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-COORx4、-ORx4、-C(O)Rx4、-C(O)N(Rx4x4a)、-S(O)N(Rx4x4a)、-S(O)N(Rx4x4a)、-S(O)x4、-S(O)Rx4、-N(Rx4)S(O)N(Rx4ax4b)、-SRx4、-N(Rx4x4a)、-NO、-OC(O)Rx4、-N(Rx4)C(O)Rx4a、-N(Rx4)S(O)x4a、-N(Rx4)S(O)Rx4a、-N(Rx4)C(O)ORx4a、-N(Rx4)C(O)N(Rx4ax4b)、-OC(O)N(Rx4x4a)、及びC1-6アルキルからなる群から選択され;C1-6アルキルは、同一であるか異なっている1以上のハロゲンで置換されていても良く;
【0102】
各-Rx4、-Rx4a、-Rx4bは独立に、-H、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、及びC2-6アルキニルからなる群から選択される。
【0103】
特定の実施形態において、前記1以上の置換基は、互いに独立に、ハロゲン、-CN、-COORx1、-ORx1、-C(O)Rx1、-C(O)N(Rx1x1a)、-S(O)N(Rx1x1a)、-S(O)N(Rx1x1a)、-S(O)x1、-S(O)Rx1、-N(Rx1)S(O)N(Rx1ax1b)、-SRx1、-N(Rx1x1a)、-NO、-OC(O)Rx1、-N(Rx1)C(O)Rx1a、-N(Rx1)S(O)x1a、-N(Rx1)S(O)Rx1a、-N(Rx1)C(O)ORx1a、-N(Rx1)C(O)N(Rx1ax1b)、-OC(O)N(Rx1x1a)、-T、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、及びC2-6アルキニルからなる群から選択され;-T、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、及びC2-6アルキニルは、同一であるか異なっている1以上の-Rx2で置換されていても良く、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、及びC2-6アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Rx3)-、-S(O)N(Rx3)-、-S(O)N(Rx3)-、-S(O)-、-S(O)-、-N(Rx3)S(O)N(Rx3a)-、-S-、-N(Rx3)-、-OC(ORx3)(Rx3a)-、-N(Rx3)C(O)N(Rx3a)-、及び-OC(O)N(Rx3)-からなる群から選択される1以上の基によって割り込まれていても良く;
【0104】
各-Rx1、-Rx1a、-Rx1b、-Rx2、-Rx3、-Rx3aは独立に、-H、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、及びC2-6アルキニルからなる群から選択され;
【0105】
各Tは独立に、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から選択され;各Tは独立に、同一であるか異なっている1以上の-Rx2で置換されていても良い。
【0106】
特定の実施形態において、置換されていても良い分子の最大6個のH原子が置換基によって独立に置き換わっており、例えば5個のH原子が置換基によって独立に置き換わっており、4個のH原子が置換基によって独立に置き換わっており、3個のH原子が置換基によって独立に置き換わっており、2個のH原子が置換基によって独立に置き換わっており、又は1個のH原子が置換基によって独立に置き換わっている。
【0107】
本明細書で使用される場合、医薬製剤に関しての「安定な」及び「安定性」という用語は、貯蔵時間後、例えば1ヶ月後、2ヶ月後、4ヶ月後、6ヶ月後、8ヶ月後、12ヶ月後、18ヶ月後、24ヶ月後、36ヶ月後、48ヶ月後、60ヶ月後、特には指定の貯蔵期間後に、医薬製剤が、5%未満の遊離形態での医薬及び20%未満、例えば10%未満、又は例えば5%未満の不純物、例えばアスパラギン酸若しくはアスパラギン酸の異性化、メチオニンの酸化及びペプチドの凝集によって生じる不純物を含むことを意味する。不純物は、クロマトグラムにおける全てのCNPコンジュゲート関連ピークの総ピーク面積に対する個々のピーク面積に基づいてRP-HPLC又はSECによって定量することができ、CNPコンジュゲートのCNP部分における不純物は、タンパク質分解消化によって決定することができ、相当する未修飾タンパク質分解ペプチドのピーク面積に対する個々のピーク面積に基づいて定量することができる。
【0108】
本明細書で使用される場合、「安定化剤」という用語は、医薬コンジュゲートを安定化させるのに用いられる化合物を指す。安定化は、ペプチド安定化力の強化によって、又は医薬コンジュゲートへの賦形剤の直接結合によって達成することができる。
【0109】
本明細書で使用される場合、「界面活性剤」という用語は、液体の表面張力を低下させる湿潤剤を指す。
【0110】
本明細書で使用される場合、「容器を密閉する」という用語は、容器が気密となるように密閉して、外部と内部の間のガス交換が全く起こらないようにし、内容物を無菌に維持することを意味する。
【0111】
本明細書で使用される場合、「治療上有効量」という用語は、所定の疾患とその合併症の臨床症状を治癒、軽減又は部分的に阻止するのに十分な量を意味する。それぞれの目的に有効な量は、疾患又は損傷の重度だけでなく、対象者の体重及び全身状態によって決まる。理解されるように、適切な投与量を決定することは、数値の行列を構築し、その行列内の各種ポイントを試験することによって、日常的な実験を用いて行うことができ、これらは全て、熟練した医師の通常の技術の範囲内である。本発明の範囲内で、治療上有効量は、長期間にわたり、少なくとも1日間、例えば2日間、例えば3日間、例えば4日間、例えば5日間、例えば6日間、例えば1週間又は例えば2週間にわたり、治療効果を達成することを目標とする投与量に関するものである。
【0112】
本明細書で使用される場合、「痕跡を残さないリンカー」という用語は、開裂時に薬物をその遊離型として放出する可逆的リンカーを意味する。
【0113】
本明細書で使用される場合、「単位用量」という用語は、単一用量で患者に投与される医薬の量を意味する。
【0114】
本明細書で使用される場合、ポリマー部分に関連して「水溶性」という用語は、そのようなポリマー部分がCNPコンジュゲートの一部である場合に、そのような水溶性ポリマー部分を含むCNPコンジュゲート少なくとも1gを、20℃の水1リットルに溶解させて、均一溶液を形成することができることを意味する。
【0115】
概して、「を含む(comprise)」又は「含む(comprising)」という用語は、「からなる(consist of)」又は「からなっている(consisting of)」も包含する。
【0116】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートのCNP部分は、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25又は配列番号30の配列を有する。特定の実施形態において、そのCNP部分は、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24又は配列番号25の配列を有する。特定の実施形態において、そのCNP部分は、配列番号20の配列を有する。特定の実施形態において、そのCNP部分は、配列番号21の配列を有する。特定の実施形態において、そのCNP部分は、配列番号22の配列を有する。特定の実施形態において、そのCNP部分は、配列番号23の配列を有する。特定の実施形態において、そのCNP部分は、配列番号24の配列を有する。特定の実施形態において、そのCNP部分は、配列番号25の配列を有する。
【0117】
特定の実施形態において、前記ポリマー部分は可変要素-Zと定義され、それについては本明細書における他の箇所でより詳細に説明されている。
【0118】
本発明による乾燥医薬製剤は緩衝剤を含む。緩衝剤の例は、コハク酸、クエン酸、乳酸、酢酸、グルタミン酸、フマル酸、アスパラギン酸、グルタル酸、リン酸、ヒスチジン、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。緩衝剤の相当するコンジュゲート塩基又は塩、例えばそれぞれ、コハク酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酢酸塩、グルタミン酸塩、フマル酸塩、アスパラギン酸塩、グルタル酸塩、リン酸塩、グルコン酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩及びこれらの混合物も含めることが可能であることは、当業者には明らかである。
【0119】
特定の実施形態において、緩衝剤はコハク酸である。特定の実施形態において、緩衝剤はクエン酸である。特定の実施形態において、緩衝剤は乳酸である。特定の実施形態において、緩衝剤は酢酸である。特定の実施形態において、緩衝剤はグルタミン酸である。特定の実施形態において、緩衝剤はフマル酸である。特定の実施形態において、緩衝剤はアスパラギン酸である。特定の実施形態において、緩衝剤はグルタル酸である。特定の実施形態において、緩衝剤はリン酸である。特定の実施形態において、緩衝剤はヒスチジンである。特定の実施形態において、緩衝剤はグルコン酸である。特定の実施形態において、緩衝剤は酒石酸である。特定の実施形態において、緩衝剤はリンゴ酸である。
【0120】
特定の実施形態において、緩衝剤は、約0.2%~約3.2重量%の濃度を有する。特定の実施形態において、緩衝剤は、約0.6重量%~約1.6重量%の濃度を有する。特定の実施形態において、緩衝剤は、約0.9%~約1.0重量%の濃度を有する。特定の実施形態において、緩衝剤は、約1.0重量%の濃度を有する。
【0121】
本発明による乾燥医薬製剤は増量剤を含む。
【0122】
増量剤は、トレハロース、マンニトール、ショ糖、ラフィノース、ゼラチン、乳糖、リン酸水素二カリウム、ソルビトール、キシリトール、グリシン、ヒスチジン、ヒドロキシエチルデンプン、デキストロース、デキストラン、Ficoll(登録商標)、プロピレングリコール及びこれら混合物からなる群から選択することができる。
【0123】
特定の実施形態において、前記増量剤は、トレハロース、マンニトール、ショ糖、ラフィノース、ゼラチン、乳糖、リン酸水素二カリウム、ソルビトール、キシリトール、グリシン、ヒスチジン、ヒドロキシエチルデンプン、デキストロース、デキストラン、プロピレングリコール及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0124】
特定の実施形態において、増量剤は、トレハロース、ショ糖及びグリシンからなる群から選択される。
【0125】
特定の実施形態において、増量剤は、トレハロース又はショ糖などの非還元糖である。
【0126】
特定の実施形態において、前記増量剤は、トレハロースである。特定の実施形態において、前記増量剤は、マンニトールである。特定の実施形態において、前記増量剤は、ショ糖である。特定の実施形態において、前記増量剤は、ラフィノースである。特定の実施形態において、前記増量剤は、ゼラチンである。特定の実施形態において、前記増量剤は、乳糖である。特定の実施形態において、前記増量剤は、リン酸水素二カリウムである。特定の実施形態において、前記増量剤は、ソルビトールである。特定の実施形態において、前記増量剤は、キシリトールである。特定の実施形態において、前記増量剤は、グリシンである。特定の実施形態において、前記増量剤は、ヒスチジンである。特定の実施形態において、前記増量剤は、ヒドロキシエチルデンプンである。特定の実施形態において、前記増量剤は、デキストロースである。特定の実施形態において、前記増量剤は、デキストランである。特定の実施形態において、前記増量剤は、Ficoll(登録商標)である。特定の実施形態において、前記増量剤は、プロピレングリコールである。
【0127】
本明細書で定義される場合、「トレハロース」という用語は、トレハロースの全ての塩及び水和状態、例えばトレハロース無水物又はトレハロース・2水和物を包含することを意図したものである。特定の実施形態において、「トレハロース」という用語はトレハロース無水物を指す。特定の実施形態において、「トレハロース」という用語はトレハロース・2水和物を指す。
【0128】
特定の実施形態において、製剤は、複数の増量剤を含むことができる。
【0129】
特定の実施形態において、還元糖は、CNP部分と反応し得ることから、回避すべきである。従って、特定の実施形態において、医薬製剤は還元糖を含まない。
【0130】
特定の実施形態において、増量剤は、約52.6%~約98.4重量%の範囲の濃度を有する。特定の実施形態において、増量剤は、約62.4%~約70.4重量%の範囲の濃度を有する。特定の実施形態において、増量剤は、約85.7%~約91.6重量%の範囲の濃度を有する。特定の実施形態において、増量剤は、約65.2重量%の範濃度を有する。
【0131】
本発明による乾燥医薬製剤はpH調整剤を含む。特定の実施形態において、pH調整剤は酸又はそれの酸性塩である。その酸は、塩酸、リン酸、炭酸、硝酸及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0132】
特定の実施形態において、pH調整剤は塩酸である。特定の実施形態において、pH調整剤はリン酸である。特定の実施形態において、pH調整剤は炭酸である。特定の実施形態において、pH調整剤は硝酸である。
【0133】
特定の実施形態において、pH調整剤は塩基又はそれの塩基性塩である。その塩基は、Tris(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リジン及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0134】
特定の実施形態において、pH調整剤はTrisである。特定の実施形態において、pH調整剤は水酸化ナトリウムである。特定の実施形態において、pH調整剤は水酸化カリウムである。特定の実施形態において、pH調整剤はリジンである。
【0135】
特定の実施形態において、本発明による乾燥医薬製剤は、1以上の酸及び塩基pH調整剤の混合物を含む。
【0136】
特定の実施形態において、pH調整剤又はpH調整剤の混合物は、約0.1%~約5.6重量%の濃度を有する。特定の実施形態において、pH調整剤又はpH調整剤の混合物は、約0.2重量%~約2.8重量%の濃度を有する。特定の実施形態において、pH調整剤又はpH調整剤の混合物は、約0.5%~約1.4重量%の濃度を有する。特定の実施形態において、pH調整剤又はpH調整剤の混合物は、約1.2重量%の濃度を有する。理解される点として、pH調整剤の混合物の場合、提供される濃度は、全てのpH調整剤の合計濃度を指す。
【0137】
本発明の乾燥医薬製剤は、CNPコンジュゲートを含む。
【0138】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、約23.8%~約38.7重量%の濃度を有する。特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、約5.8重量%~約12.4重量%の濃度を有する。特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、約1.4%~約3.7重量%の濃度を有する。
【0139】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、下記式(Ia)又は(Ib)のものである。
【化12】
式中、
-DはCNP部分であり;
-L-は可逆的リンカー部分であり;
-L-は単一化学結合又はスペーサー部分であり;
-Zはポリマー部分であり;
xは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15及び16からなる群から選択される整数であり;
yは1、2、3、4及び5からなる群から選択される整数である。
【0140】
式(Ia)又は(Ib)の-Dは、-L-に共有結合的及び可逆的に結合している。
【0141】
特定の実施形態において、式(Ia)のxは、1、2、3、4、6及び8からなる群から選択される整数である。特定の実施形態において、式(Ia)のxは、1、2、4及び6からなる群から選択される整数である。特定の実施形態において、式(Ia)のxは、1、4及び6からなる群から選択される整数であり、特定の実施形態において、式(Ia)のxは1である。
【0142】
特定の実施形態において、式(Ib)のyは、2、3、4及び5からなる群から選択される整数である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは、2、3及び4からなる群から選択される整数である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは、2及び3からなる群から選択される整数である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは、1、2及び3からなる群から選択される整数である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは1である。特定の実施形態において、式(Ib)のyは2である。
【0143】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、x=1である式(Ia)のものである。
【0144】
特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Dは、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25又は配列番号30の配列を有する。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Dは、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24又は配列番号25の配列を有する。
【0145】
特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Dは、配列番号20の配列を有する。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Dは、配列番号21の配列を有する。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Dは、配列番号22の配列を有する。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Dは、配列番号23の配列を有する。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Dは、配列番号24の配列を有する。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Dは、配列番号25の配列を有する。
【0146】
式(Ia)又は(Ib)の部分-L-は、-Dのアミノ酸残基の側鎖の官能基に結合しているか、-DのN末端アミン官能基若しくはC末端カルボキシル官能基に結合しているか、-Dの骨格ポリペプチド鎖中の窒素原子に結合している。N末端又はC末端のいずれかへの結合は、それぞれ相当するアミン若しくはカルボキシル官能基を介して直接であることができるか、スペーサー部分が最初に、スペーサー部分-L-が結合しているアミン若しくはカルボキシル官能基に結合して間接であることができる。
【0147】
式(Ia)又は(Ib)の部分-L1-は、医薬、すなわちD-Hがその遊離形態で放出される可逆的プロドラッグリンカーであり、すなわち、-L1-は痕跡を残さないリンカーである。適切な可逆的リンカー、例えば、参照により本明細書に組み込まれるWO 2005/099768 A2、WO 2006/136586 A2、WO 2011/089216 A1及びWO 2013/024053 A1に開示されている可逆的リンカー部分などは、当技術分野において公知である。
【0148】
特定の実施形態において、-L1-は、参照により本明細書に組み込まれるWO 2011/012722 A1、WO 2011/089214 A1、WO 2011/089215 A1、WO 2013/024052 A1及びWO 2013/160340 A1に記載されているような可逆的リンカーである。
【0149】
部分-L1-は、あらゆる種類の連結部を介して-Dに連結されていることができるが、ただし、それは可逆的である。特定の実施形態において、-L1-は、アミド、エステル、カルバメート、アセタール、アミナール、イミン、オキシム、ヒドラゾン、ジスルフィド及びアシルグアニジンからなる群から選択される連結部を介して-Dに連結されている。特定の実施形態において、-L1-は、アミド、エステル、カルバメート及びアシルグアニジンからなる群から選択される連結部を介して-Dに連結されている。これらの連結部は、それ自体が可逆的でなくても良く、-L1-に含まれる隣接基が、連結部を可逆的とするものであっても良いことが理解される。
【0150】
特定の実施形態において、部分-L1-は、アミド連結部を介して-Dに連結されている。
【0151】
部分-L1-は、WO 2009/095479 A2に開示されている。したがって、特定の実施形態において、部分-L1-は、式(II):
【0152】
【化13】
(式中、
破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示し、
-X-は、-C(R4R4a)-、-N(R4)-、-O-、-C(R4R4a)-C(R5R5a)-、-C(R5R5a)-C(R4R4a)-、-C(R4R4a)-N(R6)-、-N(R6)-C(R4R4a)-、-C(R4R4a)-O-、-O-C(R4R4a)-、又は-C(R7R7a)-であり、
X1は、C、又はS(O)であり、
-X2-は、-C(R8R8a)-、又は-C(R8R8a)-C(R9R9a)-であり、
=X3は、=O、=S、又は=N-CNであり、
-R1、-R1a、-R2、-R2a、-R4、-R4a、-R5、-R5a、-R6、-R8、-R8a、-R9、-R9aは、独立して、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され、
-R3、-R3aは、独立して、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され、但し、-R3、-R3aの一方又は両方が-H以外である場合、それらは、それらが結合しているNに、SP3混成炭素原子によって連結され、
-R7は、-N(R10R10a)、又は-NR10-(C=O)-R11であり、
-R7a、-R10、-R10a、-R11は、互いに独立して、-H、又はC1-6アルキルであり、
場合により、ペア-R1a/-R4a、-R1a/-R5a、-R1a/-R7a、-R4a/-R5a、-R8a/-R9aのうちの1つ以上は、化学結合を形成し、
場合により、ペア-R1/-R1a、-R2/-R2a、-R4/-R4a、-R5/-R5a、-R8/-R8a、-R9/-R9aのうちの1つ以上は、それらが結合している原子と一緒になって、C3-10シクロアルキル又は3~10員ヘテロシクリルを形成し、
場合により、ペア-R1/-R4、-R1/-R5、-R1/-R6、-R1/-R7a、-R4/-R5、-R4/-R6、-R8/-R9、-R2/-R3のうちの1つ以上は、それらが結合している原子と一緒になって、環Aを形成し、
場合により、R3/R3aは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3~10員複素環を形成し、
Aは、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から選択される)を有し、
-L1-は、-L2-Zで置換されており、場合により、-L1-がさらに置換されており、但し式(II)中のアスタリスクが付いている水素は、-L2-Z又は置換基によって置き換えられず、
-L2-は、単一の化学結合又はスペーサーであり、
-Zは、水溶性ポリマー部分である。
【0153】
特定の実施形態において、式(II)の-L1-は、1つの部分-L2-Zで置換されている。
【0154】
特定の実施形態において、式(II)の-L1-は、さらに置換されていない。
【0155】
式(II)の-R3/-R3aが、それらが結合している窒素原子と一緒になって3~10員複素環を形成する場合、窒素に直接結合している原子がSP3混成炭素原子である、そのような3~10員複素環のみが形成されうることが理解される。言い換えると、-R3/-R3aとそれらが結合している窒素原子とによって形成されるそのような3~10員複素環は、以下の構造を有する:
【化14】
(式中、
破線は、-L1-の残部への結合を示し、
環は、少なくとも1個の窒素原子を含む、3~10個の原子を含み、並びに
R#及びR##は、sp3混成炭素原子を表す)。
【0156】
3~10員複素環がさらに置換されていてもよいことも理解される。
【0157】
式(II)の-R3/-R3aとそれらが結合している窒素原子とによって形成される適切な3~10員複素環の例示的実施形態は、下記のものである:
【化15】
(式中、
破線は、分子の残部への結合を示し、
-Rは、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択される)。
【0158】
場合により、式(II)の-L1-はさらに置換されていてもよい。一般に、切断の原則に影響を与えない限りいずれの置換基を使用してもよく、すなわち、式(II)中のアスタリスクが付いている水素は置き換えられず、式(II)の部分
【化16】
の窒素は、一級、二級又は三級アミンの一部のままであり、すなわち、-R3及び-R3aは、互いに独立して-Hであるか、又はSP3混成炭素原子によって-N<と連結されている。
【0159】
特定の実施形態において、式(II)の-R1又は-R1aは、-L2-Zで置換されている。特定の実施形態において、式(II)の-R2又は-R2aは、-L2-Zで置換されている。特定の実施形態において、式(II)の-R3又は-R3aは、-L2-Zで置換されている。特定の実施形態において、式(II)の-R4は、-L2-Zで置換されている。特定の実施形態において、式(II)の-R5又は-R5aは、-L2-Zで置換されている。特定の実施形態において、式(II)の-R6は、-L2-Zで置換されている。特定の実施形態において、式(II)の-R7又は-R7aは、-L2-Zで置換されている。特定の実施形態において、式(II)の-R8又は-R8aは、-L2-Zで置換されている。特定の実施形態において、式(II)の-R9又は-R9aは、-L2-Zで置換されている。
【0160】
特定の実施形態において、式(II)の-R4は、-L2-Zで置換されている。
【0161】
特定の実施形態において、式(II)の-X-は、-C(R4R4a)-又は-N(R4)-である。
【0162】
特定の実施形態において、式(II)の-X-は、-C(R4R4a)-である。
【0163】
特定の実施形態において、式(II)のX1は、Cである。
【0164】
特定の実施形態において、式(II)の=X3は、=Oである。
【0165】
特定の実施形態において、式(II)の-X2-は、-C(R8R8a)-である。
【0166】
特定の実施形態において、式(II)の-R8及び-R8aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(II)の-R8及び-R8aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態において、式(II)の-R8と-R8aの両方が-Hである。
【0167】
特定の実施形態において、式(II)の-R1及び-R1aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(II)の-R1及び-R1aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態において、式(II)の-R1と-R1aの両方が-Hである。
【0168】
特定の実施形態において、式(II)の-R2及び-R2aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(II)の-R2及び-R2aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態において、式(II)の-R2と-R2aの両方がHである。
【0169】
特定の実施形態において、式(II)の-R3及び-R3aは、独立して、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(II)の-R3及び-R3aの少なくとも一方は、メチルである。特定の実施形態において、式(II)の-R3及び-R3aは、両方とも-Hである。特定の実施形態において、式(II)の-R3及び-R3aは、両方ともメチルである。特定の実施形態において、式(II)の-R3は-Hであり、式(II)の-R3aはメチルである。
【0170】
特定の実施形態において、式(II)の-R4及び-R4aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(II)の-R4及び-R4aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態において、式(II)の-R4と-R4aの両方が-Hである。
【0171】
特定の実施形態において、部分-L1-は、式(IIa):
【化17】
(式中、
破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示し、
-R1、-R1a、-R2、-R2a、-R3、-R3a、-R4、-R4a及び-X2-は、式(II)に関して定義した通りに使用している)
を有し、
前記-L1-は、-L2-Zで置換されており、場合により、前記-L1-はさらに置換されており、但し式(IIa)中のアスタリスクが付いている水素は、-L2-Z又は置換基によって置き換えられない。
【0172】
特定の実施形態において、式(IIa)の-L1-は、1つの部分-L2-Zで置換されている。
【0173】
特定の実施形態において、式(IIa)の部分-L1-は、さらに置換されていない。
【0174】
特定の実施形態において、式(IIa)の-R1及び-R1aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIa)の-R1及び-R1aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態において、式(IIa)の-R1と-R1aの両方が-Hである。
【0175】
特定の実施形態において、式(IIa)の-R4及び-R4aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIa)の-R4及び-R4aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態において、式(IIa)の-R4と-R4aの両方が-Hである。
【0176】
特定の実施形態において、式(IIa)の-X2-は、-C(R8R8a)-である。
【0177】
特定の実施形態において、式(IIa)の-R8及び-R8aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、、式(IIa)の-R8及び-R8aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態において、式(IIa)の-R8と-R8aの両方が-Hである。
【0178】
特定の実施形態において、式(IIa)の-R2及び-R2aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIa)の-R2及び-R2aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態において、式(IIa)の-R2と-R2aの両方がHである。
【0179】
特定の実施形態において、式(IIa)の-R3及び-R3aは、独立して、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIa)の-R3及び-R3aの少なくとも一方は、メチルである。特定の実施形態において、式(IIa)の-R3及び-R3aは、両方とも-Hである。特定の実施形態において、式(IIa)の-R3及び-R3aは、両方ともメチルである。特定の実施形態において、式(IIa)の-R3は-Hであり、式(IIa)の-R3aはメチルである。
【0180】
特定の実施形態において、部分-L1-は、式(IIb):
【化18】
(式中、
破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示し、
-R2、-R2a、-R3、-R3a及び-X2-は、式(II)に関して定義した通りに使用している)
を有し、
前記-L1-は、-L2-Zで置換されており、場合により、前記-L1-はさらに置換されており、但し式(IIb)中のアスタリスクが付いている水素が-L2-Z又は置換基によって置き換えられない。
【0181】
特定の実施形態において、式(IIb)の-L1-は、1つの部分-L2-Zで置換されている。
【0182】
特定の実施形態において、式(IIb)の部分-L1-は、さらに置換されていない。
【0183】
特定の実施形態において、式(IIb)の-X2-は、-C(R8R8a)-である。
【0184】
特定の実施形態において、式(IIb)の-R8及び-R8aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIb)の-R8及び-R8aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態において、式(IIb)の-R8と-R8aの両方が-Hである。
【0185】
特定の実施形態において、式(IIb)の-R2及び-R2aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIb)の-R2及び-R2aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態において、式(IIb)の-R2と-R2aの両方がHである。
【0186】
特定の実施形態において、式(IIb)の-R3及び-R3aは、独立して、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIb)の-R3及び-R3aの少なくとも一方は、メチルである。特定の実施形態において、式(IIb)の-R3及び-R3aは、両方とも-Hである。特定の実施形態において、式(IIb)の-R3及び-R3aは、両方ともメチルである。特定の実施形態において、式(IIb)の-R3は-Hであり、式(IIb)の-R3aはメチルである。
【0187】
特定の実施形態において、部分-L1-は、式(IIb'):
【化19】
(式中、
破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分であるDの窒素への結合を示し、
アスタリスクが付いている破線は、-L2-への結合を示し、
-R2、-R2a、-R3、-R3a、及び-X2-は、式(II)に関して定義した通りに使用している)
を有し、
場合により、前記-L1-はさらに置換されており、但し式(IIb')中のアスタリスクが付いている水素が置換基によって置き換えられない。
【0188】
特定の実施形態において、式(IIb')の部分-L1-は、さらに置換されていない。
【0189】
特定の実施形態において、式(IIb')の-X2-は、-C(R8R8a)-である。
【0190】
特定の実施形態において、式(IIb')の-R8及び-R8aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIb')の-R8及び-R8aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態において、式(IIb')の-R8と-R8aの両方が-Hである。
【0191】
特定の実施形態において、式(IIb')の-R2及び-R2aは、独立して、-H、メチル及びエチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、、式(IIb')の-R2及び-R2aの少なくとも一方は、-Hである。特定の実施形態において、式(IIb')の-R2と-R2aの両方がHである。
【0192】
特定の実施形態において、式(IIb')の-R3及び-R3aは、独立して、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(IIb')の-R3及び-R3aの少なくとも一方は、メチルである。特定の実施形態において、式(IIb')の-R3及び-R3aは、両方とも-Hである。特定の実施形態において、式(IIb')の-R3及び-R3aは、両方ともメチルである。特定の実施形態において、式(IIb')の-R3は-Hであり、式(IIb')の-R3aはメチルである。
【0193】
特定の実施形態において、部分-L1-は、式(IIc):
【化20】
(式中、破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示す)
を有し、
前記-L1-は、-L2-Zで置換されており、
前記-L1-は、場合によりさらに置換されており、但し式(IIc)中のアスタリスクが付いている水素が-L2-Z又は置換基によって置き換えられない。
【0194】
特定の実施形態において、式(IIc)の-L1-は、1つの部分-L2-Zで置換されている。
【0195】
特定の実施形態において、式(IIc)の部分-L1-は、さらに置換されていない。
【0196】
特定の実施形態において、部分-L1-は、式(IIc-a):
【化21】
(式中、破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示す)
を有し、
前記-L1-は、-L2-Zで置換されており、
前記-L1-は、場合によりさらに置換されており、但し式(IIc-a)中のアスタリスクが付いている水素が-L2-Z又は置換基によって置き換えられない。
【0197】
特定の実施形態において、式(IIc-a)の-L1-は、1つの部分-L2-Zで置換されている。
【0198】
特定の実施形態において、式(IIc-a)の部分-L1-は、さらに置換されていない。
【0199】
特定の実施形態において、部分-L1-は、式(IIc-b):
【化22】
(式中、破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示す)
を有し、
前記-L1-は、-L2-Zで置換されており、
場合により、前記-L1-はさらに置換されており、但し式(IIc-b)中のアスタリスクが付いている水素は、-L2-Z又は置換基によって置き換えられない。
【0200】
特定の実施形態において、式(IIc-b)の-L1-は、1つの部分-L2-Zで置換されている。
【0201】
特定の実施形態において、式(IIc-b)の部分-L1-は、さらに置換されていない。
【0202】
特定の実施形態において、部分-L1-は、式(IIc-i)、(IIc-ii)、(IIc-iii)、(IIc-iv)及び(IIc-v):
【化23】
(式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示し、
アスタリスクが付いている破線は、-L2-Zへの結合を示す)
からなる群から選択され、
前記-L1-は、場合によりさらに置換されており、但し式(IIc-i)、(IIc-ii)、(IIc-iii)、(IIc-iv)及び(IIc-v)中のアスタリスクが付いている水素が置換基によって置き換えられない。
【0203】
特定の実施形態において、式(IIc-i)、(IIc-ii)、(IIc-iii)、(IIc-iv)及び(IIc-v)の部分-L1-は、さらに置換されていない。
【0204】
特定の実施形態において、部分-L1-は、式(IIc-ii):
【化24】
(式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示し、
アスタリスクが付いている破線は、-L2-Zへの結合を示す)
である。
【0205】
特定の実施形態において、式(IIc-ii)の-L1-は、1つの部分-L2-Zで置換されている。
【0206】
特定の実施形態において、部分-L1-は、式(IIc-i')、(IIc-ii')、(IIc-iii')、(IIc-iv')及び(IIc-v'):
【化25】
(式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示し、
アスタリスクが付いている破線は、-L2-Zへの結合を示す)
からなる群から選択され、
場合により、前記-L1-はさらに置換されており、但し式(IIc-i')、(IIc-ii')、(IIc-iii')、(IIc-iv')及び(IIc-v')中のアスタリスクが付いている水素が置換基によって置き換えられない。
【0207】
特定の実施形態において、式(IIc-i')、(IIc-ii')、(IIc-iii')、(IIc-iv')及び(IIc-v')の部分-L1-は、さらに置換されていない。
【0208】
特定の実施形態において、部分-L1-は、式(IIc-ii’):
【化26】
(式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示し、
アスタリスクが付いている破線は、-L2-Zへの結合を示す)
である。
【0209】
特定の実施形態において、式(IIc-ii')の-L1-は、1つの部分-L2-Zで置換されている。
【0210】
特定の実施形態において、部分-L1-は、式(IIc-i'')、(IIc-ii'')、(IIc-iii'')及び(IIc-iv''):
【化27】
(式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示し、
アスタリスクが付いている破線は、-L2-Zへの結合を示す)
からなる群から選択され、
場合により、前記-L1-はさらに置換されており、但し式(IIc-i'')、(IIc-ii'')、(IIc-iii'')及び(IIc-iv'')中のアスタリスクが付いている水素が置換基によって置き換えられない。
【0211】
特定の実施形態において、式(IIc-i'')、(IIc-ii'')、(IIc-iii'')及び(IIc-iv'')の部分-L1-は、さらに置換されていない。
【0212】
特定の実施形態において、部分-L1-は、式(IIc-ii''):
【化28】
(式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示し、
アスタリスクが付いている破線は、-L2-Zへの結合を示す)
である。
【0213】
特定の実施形態において、式(IIc-ii'')の-L1-は、1つの部分-L2-Zで置換されている。
【0214】
式(II)、(IIa)、(IIb)、(IIb')、(IIc)、(IIc-a)、(IIc-b)、(IIc-i)、(IIc-ii)、(IIc-iii)、(IIc-iv)、(IIc-v)、(IIc-i')、(IIc-ii')、(IIc-iii')、(IIc-iv')、(IIc-v')、(IIc-i'')、(IIc-ii'')、(IIc-iii'')及び(IIc-iv'')の-L1-の任意選択のさらなる置換基は、特定の実施形態において、上に記載した通りである。
【0215】
別の部分-L1-は、国際公開第2016/020373号パンフレットA1に開示されている。したがって、特定の実施形態において、部分-L1-は、式(III):
【化29】
(式中、
破線は、それぞれ、CNP部分である-Dの一級若しくは二級アミン又はヒドロキシルへのアミド又はエステル結合を形成することによる結合を示し、
-R1、-R1a、-R2、-R2a、-R3及び-R3aは、互いに独立して、-H、-C(R8R8aR8b)、-C(=O)R8、-C≡N、-C(=NR8)R8a、-CR8(=CR8aR8b)、-C≡CR8及び-Tからなる群から選択され、
-R4、-R5及び-R5aは、互いに独立して、-H、-C(R9R9aR9b)及び-Tからなる群から選択され、
a1及びa2は、互いに独立して、0又は1であり、
各-R6、-R6a、-R7、-R7a、-R8、-R8a、-R8b、-R9、-R9a、-R9bは、互いに独立して、-H、ハロゲン、-CN、-COOR10、-OR10、-C(O)R10、-C(O)N(R10R10a)、-S(O)2N(R10R10a)、-S(O)N(R10R10a)、-S(O)2R10、-S(O)R10、-N(R10)S(O)2N(R10aR10b)、-SR10、-N(R10R10a)、-NO2、-OC(O)R10、-N(R10)C(O)R10a、-N(R10)S(O)2R10a、-N(R10)S(O)R10a、-N(R10)C(O)OR10a、-N(R10)C(O)N(R10aR10b)、-OC(O)N(R10R10a)、-T、C1-20アルキル、C2-20アルケニル、及びC2-20アルキニルからなる群から選択され、ここで、前記-T、C1-20アルキル、C2-20アルケニル及びC2-20アルキニルは、同じ又は異なる1つ以上の-R11で場合により置換されており、C1-20アルキル、C2-20アルケニル及びC2-20アルキニルには、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R12)-、-S(O)2N(R12)-、-S(O)N(R12)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(R12)S(O)2N(R12a)-、-S-、-N(R12)-、-OC(OR12)(R12a)-、-N(R12)C(O)N(R12a)-、及び-OC(O)N(R12)-からなる群から選択される1つ以上の基が場合により割り込んでおり、
各-R10、-R10a、-R10bは、独立して、-H、-T、C1-20アルキル、C2-20アルケニル及びC2-20アルキニルからなる群から選択され、前記-T、C1-20アルキル、C2-20アルケニル及びC2-20アルキニルは、同じ又は異なる1つ以上の-R11で場合により置換されており、前記C1-20アルキル、C2-20アルケニル及びC2-20アルキニルには、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R12)-、-S(O)2N(R12)-、-S(O)N(R12)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(R12)S(O)2N(R12a)-、-S-、-N(R12)-、-OC(OR12)(R12a)-、-N(R12)C(O)N(R12a)-、及び-OC(O)N(R12)-からなる群から選択される1つ以上の基が場合により割り込んでおり、
各Tは、互いに独立して、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から選択され、前記各Tは、独立して、同じ又は異なる1つ以上の-R11で場合により置換されており、
各-R11は、互いに独立して、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-COOR13、-OR13、-C(O)R13、-C(O)N(R13R13a)、-S(O)2N(R13R13a)、-S(O)N(R13R13a)、-S(O)2R13、-S(O)R13、-N(R13)S(O)2N(R13aR13b)、-SR13、-N(R13R13a)、-NO2、-OC(O)R13、-N(R13)C(O)R13a、-N(R13)S(O)2R13a、-N(R13)S(O)R13a、-N(R13)C(O)OR13a、-N(R13)C(O)N(R13aR13b)、-OC(O)N(R13R13a)、及びC1-6アルキルから選択され、前記C1-6アルキルは、同じ又は異なる1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、
各-R12、-R12a、-R13、-R13a、-R13bは、独立して、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され、前記C1-6アルキルは、同じ又は異なる1つ以上のハロゲンで場合により置換されており、
場合により、ペア-R1/-R1a、-R2/-R2a、-R3/-R3a、-R6/-R6a、-R7/-R7aのうちの1つ以上は、それらが結合している原子と一緒になって、C3-10シクロアルキル又は3~10員ヘテロシクリルを形成し、
場合により、ペア-R1/-R2、-R1/-R3、-R1/-R4、-R1/-R5、-R1/-R6、-R1/-R7、-R2/-R3、-R2/-R4、-R2/-R5、-R2/-R6、-R2/-R7、-R3/-R4、-R3/-R5、-R3/-R6、-R3/-R7、-R4/-R5、-R4/-R6、-R4/-R7、-R5/-R6、-R5/-R7、-R6/-R7のうちの1つ以上は、それらが結合している原子と一緒になって、環Aを形成し、
Aは、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、及び8~11員ヘテロビシクリルからなる群から選択される)
を有し、
前記-L1-は、-L2-Zで置換されており、場合により、前記-L1-はさらに置換されており、
-L2-は、単一の化学結合又はスペーサーであり、
-Zは、水溶ポリマー部分である。
【0216】
式(III)の-L1-の任意選択のさらなる置換基は、特定の実施形態において、上に記載した通りである。
【0217】
特定の実施形態において、式(III)の-L1-は、1つの部分-L2-Zで置換されている。
【0218】
特定の実施形態において、式(III)の-L1-は、さらに置換されていない。
【0219】
-L1-についてのさらなる実施形態は、欧州特許第1536334号B1、WO2009/009712A1、WO2008/034122A1、WO2009/143412A2、WO2011/082368A2、及び米国特許第8,618,124号B2に開示されており、前記特許文献は、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
【0220】
-L1-についてのさらなる実施形態は、米国特許第8,946,405号B2及び米国特許第8,754,190号B2に開示されており、前記特許文献は、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。したがって、部分-L1-は、式(IV):
【化30】
(式中、
破線は、CNP部分である-Dへの結合を示し、前記結合は、-OH、-SH及び-NH2からなる群から選択される-Dの官能基によるものであり、
mは、0又は1であり、
-R1及び-R2の少なくとも一方又は両方は、互いに独立して、-CN、-NO2、場合により置換されているアリール、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、-C(O)R3、-S(O)R3、-S(O)2R3、及び-SR4からなる群から選択され、
-R1及び-R2の一方及び一方のみは、-H、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアリールアルキル、及び場合により置換されているヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
-R3は、-H、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアリール、場合により置換されているアリールアルキル、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているヘテロアリールアルキル、-OR9及び-N(R9)2からなる群から選択され、
-R4は、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアリール、場合により置換されているアリールアルキル、場合により置換されているヘテロアリール、及び場合により置換されているヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
各-R5は、独立して、-H、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルケニルアルキル、場合により置換されているアルキニルアルキル、場合により置換されているアリール、場合により置換されているアリールアルキル、場合により置換されているヘテロアリール、及び場合により置換されているヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
-R9は、-H及び場合により置換されているアルキルからなる群から選択され、
-Y-は、存在せず、及び-X-は、-O-若しくは-S-であり、又は
-Y-は、-N(Q)CH2-であり、-X-は、-O-であり、
Qは、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアリール、場合により置換されているアリールアルキル、場合により置換されているヘテロアリール、及び場合により置換されているヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
場合により、-R1と-R2が一緒になって、3~8員環を形成することもあり、並びに
場合により、両方の-R9は、それらが結合している窒素と一緒になって、複素環式環を形成する)
を有し、
前記-L1-は、-L2-Zで置換されており、場合により、前記-L1-はさらに置換されており、
-L2-は、単一の化学結合又はスペーサーであり、
-Zは、水溶性ポリマー部分である。
【0221】
式(IV)の-L1-の任意選択のさらなる置換基は、特定の実施形態において、上に記載した通りである。
【0222】
特定の実施形態において、式(IV)の-L1-は、1つの部分-L2-Zで置換されている。
【0223】
特定の実施形態において、式(IV)の-L1-は、さらに置換されていない。
【0224】
専ら式(IV)との関連で使用する用語は、以下の意味を有する:
【0225】
ここで使用する用語「アルキル」は、炭素1~8個、又は一部の実施形態では炭素原子1~6個又は1~4個の直鎖状、分岐又は環状飽和炭化水素基を含む。
【0226】
用語「アルコキシ」は、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、シクロプロポキシ、シクロブトキシ及びこれらに類するものをはじめとする、酸素に結合しているアルキル基を含む。
【0227】
用語「アルケニル」は、炭素-炭素二重結合を有する非芳香族不飽和炭化水素を含む。
【0228】
用語「アルキニル」は、炭素-炭素三重結合を有する非芳香族不飽和炭化水素を含む。
【0229】
用語「アリール」は、フェニル、ナフチル及びアントラセニルなどの基をはじめとする、炭素6~18個、特定の実施形態において、炭素6~10個の芳香族炭化水素基を含む。用語「ヘテロアリール」は、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、キノリル、インドリル、インデニル及びこれらに類するものなどの基をはじめとする、3~15個の炭素原子を含み、少なくとも1個のN、O又はS原子を含有する、特定の実施形態において、3~7個の炭素原子を含み、少なくとも1個のN、O又はS原子を含有する、芳香族環を含む。
【0230】
特定の実施形態において、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリール部分は、アルキレン結合によって分子の残部にカップリングされていることもある。これらの状況下の置換基をアルケニルアルキル、アルキニルアルキル、アリールアルキル又はヘテロアリールアルキルと呼ぶことになり、これらは、アルキレン部分が、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリール部分と、該アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリールがカップリングされている分子との間にあることを示す。
【0231】
用語「ハロゲン」は、ブロモ、フルオロ、クロロ及びヨードを含む。
【0232】
用語「複素環式環」は、3~7個の炭素原子と少なくとも1個のN、O又はS原子とを含む、4~8員芳香族又は非芳香族環を指す。例は、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジン及びテトラヒドロフラニル、並びに用語「ヘテロアリール」について上で提供した好例の基である。
【0233】
環系が場合により置換されているとき、適切な置換基は、アルキル、アルケニル、アルキニル又はさらなる環からなる群から選択され、これらの各々は、場合によりさらに置換されている。上記のものを含むいずれかの基に対する任意選択の置換基としては、ハロ、ニトロ、シアノ、-OR、-SR、-NR2、-OCOR、-NRCOR、-COOR、-CONR2、-SOR、-SO2R、-SONR2、-SO2NR2が挙げられ、ここで各Rは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール若しくはヘテロアリールであるか、又は2つのR基は、それらが結合している原子と一緒になって環を形成する。
【0234】
-L1-についてのさらなる実施形態は、WO2013/036857A1に開示されており、この特許文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。したがって、特定の実施形態において、部分-L1-は、式(V):
【化31】
(式中、
破線は、CNP部分である-Dへの結合を示し、前記結合は、-Dのアミン官能基によるものであり、
-R1は、場合により置換されているC1-C6直鎖状、分岐又は環状アルキル、場合により置換されているアリール、場合により置換されているヘテロアリール、アルコキシ、及び-NR5 2からなる群から選択され、
-R2は、-H、場合により置換されているC1-C6アルキル、場合により置換されているアリール、及び場合により置換されているヘテロアリールからなる群から選択され、
-R3は、-H、場合により置換されているC1-C6アルキル、場合により置換されているアリール、及び場合により置換されているヘテロアリールからなる群から選択され、
-R4は、-H、場合により置換されているC1-C6アルキル、場合により置換されているアリール、及び場合により置換されているヘテロアリールからなる群から選択され、
各-R5は、互いに独立して、-H、場合により置換されているC1-C6アルキル、場合により置換されているアリール、及び場合により置換されているヘテロアリールからなる群から選択され、又は一緒になる場合、2つの-R5がシクロアルキル若しくはシクロヘテロアルキルになりうる)
を有し、
前記-L1-は、-L2-Zで置換されており、場合により、前記-L1-はさらに置換されており、
-L2-は、単一の化学結合又はスペーサーであり、
-Zは、水溶性ポリマー部分である。
【0235】
式(V)の-L1-の任意選択のさらなる置換基は、特定の実施形態において、上に記載した通りである。
【0236】
特定の実施形態において、式(V)の-L1-は、1つの部分-L2-Zで置換されている。
【0237】
特定の実施形態において、式(V)の-L1-は、さらに置換されていない。
【0238】
専ら式(V)との関連で使用する用語は、以下の意味を有する:
【0239】
「アルキル」、「アルケニル」及び「アルキニル」は、アルキルが飽和炭化水素であり、アルケニルが1つ以上の炭素-炭素二重結合を含み、及びアルキニルが1つ以上の炭素-炭素三重結合を含む、炭素1~8個、又は1~6個、又は1~4個の直鎖状、分岐又は環状炭化水素基を含む。別段の指定がない限り、これらは1~6個のCを含有する。
【0240】
「アリール」は、フェニル、ナフチル及びアントラセンなどの基をはじめとする、炭素6~18個、特定の実施形態において、炭素6~10個の芳香族炭化水素基を含む。「ヘテロアリール」は、ピロリル、ピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、キノリル、インドリル、インデニル及びこれらに類するものなどの基をはじめとする、3~15個の炭素を含み、少なくとも1個のN、O又はS原子を含有する、特定の実施形態において、3~7個の炭素を含み、少なくとも1個のN、O又はS原子を含有する、芳香族環を含む。
【0241】
用語「置換されている」は、1個以上の水素原子の代わりに1つ以上の置換基を含む、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリール基を意味する。置換基は、一般に、ハロゲン(F、Cl、Br及びIを含む)、低級アルキル(直鎖状のもの、分岐したもの及び環状のものを含む)、低級ハロアルキル(フルオロアルキル、クロロアルキル、ブロモアルキル及びヨードアルキルを含む)、OH、低級アルコキシ(直鎖状のもの、分岐したもの及び環状のものを含む)、SH、低級アルキルチオ(直鎖状のもの、分岐したもの及び環状のものを含む)、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シリル(アルキルシリル、アルコキシシリル及びアリールシリルを含む)、ニトロ、シアノ、カルボニル、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、アミノカルボニル、アミノアシル、カルバメート、尿素、チオカルバメート、チオ尿素、ケトン、スルホン、スルホンアミド、アリール(フェニル、ナフチル及びアントラセニルを含む)、ヘテロアリール(ピロール、イミダゾール、フラン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、オキサジアゾール及びテトラゾールをはじめとする5員ヘテロアリール、ピリジン、ピリミジン及びピラジンをはじめとする6員ヘテロアリール、並びにベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、インドール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソオキサゾール及びベンゾイソチアゾールをはじめとする融合ヘテロアリールを含む)から選択され得る。
【0242】
-L1-についてのさらなる実施形態は、米国特許第7,585,837号B2に開示されており、この特許文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。したがって、特定の実施形態において、部分-L1-は、式(VI):
【化32】
(式中、
破線は、CNP部分である-Dへの結合を示し、前記結合は、-Dのアミン官能基によるものであり、
R1及びR2は、独立して、水素、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アリール、アルカリル、アラルキル、ハロゲン、ニトロ、-SO3H、-SO2NHR5、アミノ、アンモニウム、カルボキシル、PO3H2及びOPO3H2からなる群から選択され、
R3、R4及びR5は、独立して、水素、アルキル及びアリールからなる群から選択される)を有し、
前記-L1-は、-L2-Zで置換されており、場合により、前記-L1-はさらに置換されており、
-L2-は、単一の化学結合又はスペーサーであり、
-Zは、水溶性ポリマー部分である。
【0243】
式(VI)の適切な置換基は、アルキル(例えば、C1-6アルキル)、アルケニル(例えば、C2-6アルケニル)、アルキニル(例えば、C2-6アルキニル)、アリール(例えば、フェニル)、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロアリール(例えば、芳香族4~7員複素環)又はハロゲン部分である。
【0244】
特定の実施形態において、式(VI)の-L1-は、1つの部分-L2-Zで置換されている。
【0245】
式(VI)の-L1-の任意選択のさらなる置換基は、特定の実施形態において、上に記載した通りである。
【0246】
特定の実施形態において、式(VI)の-L1-は、さらに置換されていない。
【0247】
専ら式(VI)との関連で使用する用語は、以下の意味を有する:
【0248】
用語「アルキル」、「アルコキシ」、「アルコキシアルキル」、「アリール」、「アルカリル」及び「アラルキル」は、炭素原子1~8個、特定の実施形態において、炭素原子1~4個のアルキルラジカル、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル及びブチル、並びに炭素原子6~10個のアリールラジカル、例えば、フェニル及びナフチルを意味する。用語「ハロゲン」は、ブロモ、フルオロ、クロロ及びヨードを含む。
【0249】
-L1-についてのさらなる実施形態は、WO2002/089789A1に開示されており、この特許文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。したがって、部分-L1-は、式(VII):
【化33】
(式中、
破線は、CNP部分である-Dへの結合を示し、前記結合は、-Dのアミン官能基によるものであり、
L1は、二官能性結合基であり、
Y1及びY2は、独立して、O、S又はNR7であり、
R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、独立して、水素、C1-6アルキル、C3-12分岐アルキル、C3-8シクロアルキル、C1-6置換アルキル、C3-8置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、C1-6ヘテロアルキル、置換C1-6ヘテロアルキル、C1-6アルコキシ、フェノキシ及びC1-6ヘテロアルコキシからなる群から選択され、
Arは、式(VII)に含まれる場合、多置換芳香族炭化水素又は多置換複素環式基を形成する部分であり、
Xは、化学結合、又は標的細胞に能動輸送される部分、疎水性部分、又はこれらの組合せであり、
yは、0又は1である)
を有し、
前記-L1-は、-L2-Zで置換されており、場合により、前記-L1-はさらに置換されており、
-L2-は、単一の化学結合又はスペーサーであり、
-Zは、水溶性ポリマー部分である。
【0250】
特定の実施形態において、式(VII)の-L1-は、1つの部分-L2-Zで置換されている。
【0251】
式(VII)の-L1-の任意選択のさらなる置換基は、特定の実施形態において、上に記載した通りである。
【0252】
特定の実施形態において、式(VII)の-L1-は、さらに置換されていない。
【0253】
専ら式(VII)との関連で使用する用語は、以下の意味を有する:
【0254】
用語「アルキル」は、例えば、アルコキシ、C3-8シクロアルキル又は置換シクロアルキルなどをはじめとする直鎖状、分岐、置換C1-12アルキルを含むと解されるものとする。
【0255】
用語「置換されている」は、官能基又は化合物に含有される1個以上の原子を付加させること及び1個以上の異なる原子で置き換えることを含むと解されるものとする。
【0256】
置換アルキルは、カルボキシアルキル、アミノアルキル、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル及びメルカプトアルキルを含み、置換シクロアルキルは、4-クロロシクロヘキシルなどの部分を含み、アリールは、ナフチルなどの部分を含み、置換アリールは、3-ブロモ-フェニルなどの部分を含み、アラルキルは、トルイルなどの部分を含み、ヘテロアルキルは、エチルチオフェンなどの部分を含み、置換ヘテロアルキルは、3-メトキシチオフェンなどの部分を含み、アルコキシは、メトキシなどの部分を含み、及びフェノキシは、3-ニトロフェノキシなどの部分を含む。ハロ-は、フルオロ、クロロ、ヨード及びブロモを含むと解されるものとする。
【0257】
特定の実施形態において、-L1-は、式(VIII)のサブ構造
【化34】
(式中、
アスタリスクが付いている破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示し、
印の付いていない破線は、-L1-の残部への結合を示す)
を含み、
前記-L1-は、-L2-Zで置換されており、場合により、前記-L1-はさらに置換されており、ここで、
-L2-は、単一の化学結合又はスペーサーであり、
-Zは、水溶性ポリマー部分である。
【0258】
特定の実施形態において、式(VIII)の-L1-は、1つの部分-L2-Zで置換されている。
【0259】
式(VIII)の-L1-の任意選択のさらなる置換基は、上に記載した通りである。
【0260】
特定の実施形態において、式(VIII)の-L1-は、さらに置換されていない。
【0261】
特定の実施形態において、-L1-は、式(IX)のサブ構造
【化35】
(式中、
アスタリスクが付いている破線は、CNP部分である-Dの窒素へのカルバメート結合を形成することによる結合を示し、
印の付いていない破線は、-L1-の残部への結合を示す)
を含み、
前記-L1-は、-L2-Zで置換されており、場合により、前記-L1-はさらに置換されており、
-L2-は、単一の化学結合又はスペーサーであり、
-Zは、水溶性ポリマー部分である。
【0262】
式(IX)の-L1-の任意選択のさらなる置換基は、上に記載した通りである。
【0263】
特定の実施形態において、式(IX)の-L1-は、1つの部分-L2-Zで置換されている。
【0264】
特定の実施形態において、式(IX)の-L1-は、さらに置換されていない。
【0265】
部分-Dは、D-Hの任意の官能基を介して-L1-に連結されてよく、D-Hのアミン官能基を介して-L1-に連結されている。これは、N末端アミン官能基又はリジン側鎖によって、すなわち、CNPが配列番号24の配列を有する場合、9、11、15、16、20及び26位のリジンによって提供されるアミン官能基であってよい。
【0266】
CNP部分の環への-L1-の結合が、CNPのN末端での又は非環部への結合と比較して、CNPコンジュゲートのNPR-Bに対する親和性を顕著に低減させる。このNPR-Bに対する低減された親和性は、次いで、低血圧などの心血管性副作用のリスクを低減させる。
【0267】
したがって、-L1-は、特定の実施形態において、-Dの前記環部分のアミノ酸残基の側鎖又は-Dの前記環部分の骨格に結合している。特定の実施形態において、-L1-は、共有結合的に及び可逆的に-Dの前記環部分のアミノ酸残基の側鎖に結合している。-Dが配列番号24の配列を有するCNP部分である場合、-L1-は、特定の実施形態において、対応する薬物D-Hの26位のリジンによって提供されるアミン官能基に結合している。
【0268】
部分-L2-は化学結合又はスペーサー部分である。
【0269】
特定の実施形態において、-L2-は化学結合である。
【0270】
特定の実施形態において、-L2-はスペーサー部分である。
【0271】
部分-L2-は、明確に除外されていない限り、いずれか存在する-Hを置き換えることで-L1-に結合していることができる。
【0272】
-L2-が単化学結合以外である場合、-L2-は、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry1)-、-S(O)2N(Ry1)-、-S(O)N(Ry1)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Ry1)S(O)2N(Ry1a)-、-S-、-N(Ry1)-、-OC(ORy1)(Ry1a)-、-N(Ry1)C(O)N(Ry1a)-、-OC(O)N(Ry1)-、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルから選択され;-T-、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルは1つ以上の同一であるか異なっている-Ry2で置換されていても良く、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry3)-、-S(O)2N(Ry3)-、-S(O)N(Ry3)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Ry3)S(O)2N(Ry3a)-、-S-、-N(Ry3)-、-OC(ORy3)(Ry3a)-、-N(Ry3)C(O)N(Ry3a)-、及び-OC(O)N(Ry3)-からなる群から選択される1つ以上の基が場合により割り込んでいても良く;
【0273】
-Ry1及び-Ry1aは互いに独立に、-H、-T、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルからなる群から選択され;-T、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルは1つ以上の同一であるか異なっている-Ry2で置換されていても良く、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry4)-、-S(O)2N(Ry4)-、-S(O)N(Ry4)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Ry4)S(O)2N(Ry4a)-、-S-、-N(Ry4)-、-OC(ORy4)(Ry4a)-、-N(Ry4)C(O)N(Ry4a)-、及び-OC(O)N(Ry4)-からなる群から選択される1つ以上の基が場合により割り込んでいても良く;
【0274】
各Tは独立に、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロビシクリル、8~30員炭素多環、及び8~30員ヘテロ多環からなる群から選択され;各Tは独立に、1つ以上の同一であるか異なっている-Ry2で置換されていても良く;
【0275】
各-Ry2は独立に、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-COORy5、-ORy5、-C(O)Ry5、-C(O)N(Ry5Ry5a)、-S(O)2N(Ry5Ry5a)、-S(O)N(Ry5Ry5a)、-S(O)2Ry5、-S(O)Ry5、-N(Ry5)S(O)2N(Ry5aRy5b)、-SRy5、-N(Ry5Ry5a)、-NO2、-OC(O)Ry5、-N(Ry5)C(O)Ry5a、-N(Ry5)S(O)2Ry5a、-N(Ry5)S(O)Ry5a、-N(Ry5)C(O)ORy5a、-N(Ry5)C(O)N(Ry5aRy5b)、-OC(O)N(Ry5Ry5a)、及びC1-6アルキルからなる群から選択され;C1-6アルキルは1つ以上の同一であるか異なっているハロゲンで置換されていても良く;各-Ry3、-Ry3a、-Ry4、-Ry4a、-Ry5、-Ry5a及び-Ry5bは独立に、-H、及びC1-6アルキルからなる群から選択され;C1-6アルキルは1つ以上の同一であるか異なっているハロゲンで置換されていても良い。
【0276】
-L2-が単化学結合以外である場合、-L2-は、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry1)-、-S(O)2N(Ry1)-、-S(O)N(Ry1)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Ry1)S(O)2N(Ry1a)-、-S-、-N(Ry1)-、-OC(ORy1)(Ry1a)-、-N(Ry1)C(O)N(Ry1a)-、-OC(O)N(Ry1)-、C1-20アルキル、C2-20アルケニル、及びC2-20アルキニルからなる群から選択され;-T-、C1-20アルキル、C2-20アルケニル、及びC2-20アルキニルは1つ以上の同一であるか異なっている-Ry2で置換されていても良く、C1-20アルキル、C2-20アルケニル及びC2-20アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry3)-、-S(O)2N(Ry3)-、-S(O)N(Ry3)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Ry3)S(O)2N(Ry3a)-、-S-、-N(Ry3)-、-OC(ORy3)(Ry3a)-、-N(Ry3)C(O)N(Ry3a)-、及び-OC(O)N(Ry3)-からなる群から選択される1つ以上の基が場合により割り込んでいても良く;
【0277】
-Ry1及び-Ry1aは互いに独立に、-H、-T、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、及びC2-10アルキニルからなる群から選択され;-T、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、及びC2-10アルキニルは1つ以上の同一であるか異なっている-Ry2で置換されていても良く、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、及びC2-10アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry4)-、-S(O)2N(Ry4)-、-S(O)N(Ry4)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Ry4)S(O)2N(Ry4a)-、-S-、-N(Ry4)-、-OC(ORy4)(Ry4a)-、-N(Ry4)C(O)N(Ry4a)-、及び-OC(O)N(Ry4)-からなる群から選択される1つ以上の基が場合により割り込んでいても良く;
【0278】
各Tは独立に、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロビシクリル、8~30員炭素多環、及び8~30員ヘテロ多環からなる群から選択され;各Tは独立に、1つ以上の同一であるか異なっている-Ry2で置換されていても良く;
【0279】
-Ry2は、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-COORy5、-ORy5、-C(O)Ry5、-C(O)N(Ry5Ry5a)、-S(O)2N(Ry5Ry5a)、-S(O)N(Ry5Ry5a)、-S(O)2Ry5、-S(O)Ry5、-N(Ry5)S(O)2N(Ry5aRy5b)、-SRy5、-N(Ry5Ry5a)、-NO2、-OC(O)Ry5、-N(Ry5)C(O)Ry5a、-N(Ry5)S(O)2Ry5a、-N(Ry5)S(O)Ry5a、-N(Ry5)C(O)ORy5a、-N(Ry5)C(O)N(Ry5aRy5b)、-OC(O)N(Ry5Ry5a)、及びC1-6アルキルからなる群から選択され;C1-6アルキルは1つ以上の同一であるか異なっているハロゲンで置換されていても良く;
【0280】
各-Ry3、-Ry3a、-Ry4、-Ry4a、-Ry5、-Ry5a及び-Ry5bは互いに独立に、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され;C1-6アルキルは1つ以上の同一であるか異なっているハロゲンで置換されていても良い。
【0281】
-L2-が単化学結合以外である場合、-L2-は、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry1)-、-S(O)2N(Ry1)-、-S(O)N(Ry1)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Ry1)S(O)2N(Ry1a)-、-S-、-N(Ry1)-、-OC(ORy1)(Ry1a)-、-N(Ry1)C(O)N(Ry1a)-、-OC(O)N(Ry1)-、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルからなる群から選択され;-T-、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルは1つ以上の同一であるか異なっている-Ry2で置換されていても良く、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(Ry3)-、-S(O)2N(Ry3)-、-S(O)N(Ry3)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(Ry3)S(O)2N(Ry3a)-、-S-、-N(Ry3)-、-OC(ORy3)(Ry3a)-、-N(Ry3)C(O)N(Ry3a)-、及び-OC(O)N(Ry3)-からなる群から選択される1つ以上の基が場合により割り込んでいても良く;
【0282】
-Ry1及び-Ry1aは独立に、-H、-T、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、及びC2-10アルキニルからなる群から選択され;
【0283】
各Tは独立に、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロビシクリル、8~30員炭素多環、及び8~30員ヘテロ多環からなる群から選択され;
【0284】
各-Ry2は、ハロゲン及びC1-6アルキルからなる群から選択され;
【0285】
各-Ry3、-Ry3a、-Ry4、-Ry4a、-Ry5、-Ry5a及び-Ry5bは互いに独立に、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され;C1-6アルキルは1つ以上の同一であるか異なっているハロゲンで置換されていても良い。
【0286】
特定の実施形態において、-L2-はC1-20アルキル鎖であり、それは独立に-O-、-T-及び-C(O)N(Ry1)-から選択される1つ以上の基が場合により割り込んでいても良く;C1-20アルキル鎖は、独立に-OH、-T及び-C(O)N(Ry6Ry6a)から選択される1つ以上の基で置換されていても良く;-Ry1、-Ry6、-Ry6aは独立に、H及びC1-4アルキルからなる群から選択され、Tはフェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロビシクリル、8~30員炭素多環、及び8~30員ヘテロ多環からなる群から選択される。
【0287】
特定の実施形態において、-L2-は、14g/mol~750g/molの範囲(両端を含む)の分子量を有する。
【0288】
特定の実施形態において、-L2-は1~20原子の鎖長を有する。
【0289】
本明細書で使用される場合、部分-L2-に関しての「鎖長」という用語は、-L1-と-Zの間の最も短い連結に存在する-L2-の原子数を指す。
【0290】
特定の実施形態において、-L2-は、下記式(i)のものである。
【化36】
式中、
アスタリスクで印を付けた破線は、-L1-への結合を指し;
印の付いていない破線は、-Zへの結合を指し;
-R1は、-H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル及びC2-6アルキニルからなる群から選択され;
nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17及び18からなる群から選択され;
式(i)の部分はさらに置換されていても良い。
【0291】
特定の実施形態において、式(i)の-R1は、-H、メチル、エチル、プロピル、及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(i)の-R1は、-H、メチル、エチル及びプロピルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(i)の-R1は、-H及びメチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(i)の-R1はメチルである。
【0292】
特定の実施形態において、式(i)のnは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群から選択される。特定の実施形態において、式(i)のnは、0、1、2、3、4及び5からなる群から選択される。特定の実施形態において、式(i)のnは、0、1、2及び3からなる群から選択される。特定の実施形態において、式(i)のnは、0及び1からなる群から選択される。特定の実施形態において、式(i)のnは0である。
【0293】
特定の実施形態において、-L2-は、
【化37】
からなる群から選択される部分であり;
式中、
アスタリスクで印を付けた破線は、-L1-への結合を示し;
印の付いていない破線は、-Zへの結合を示し;
部分(ii)、(iii)、(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)、(ix)、(x)、(xi)、(xii)、(xiii)、(xiv)、(xv)、(xvi)及び(xvii)はさらに任意で置換されていても良い。
【0294】
特定の実施形態において、-L2-は、
【化38】
からなる群から選択され;
アスタリスクで印を付けた破線は、-L1-への結合を示し;
印の付いていない破線は、-Zへの結合を示す。
【0295】
特定の実施形態において、-L2-は、
【化39】
からなる群から選択され、
アスタリスクで印を付けた破線は、-L1-への結合を示し;
印の付いていない破線は、-Zへの結合を示す。
【0296】
特定の実施形態において、-L2-は、下記式(xvi)のものである。
【化40】
式中、
アスタリスクで印を付けた破線は、-L1-への結合を示し;
印の付いていない破線は、-Zへの結合を示す。
【0297】
特定の実施形態において、部分-L1-L2-は、
【化41】
からなる群から選択され;
式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示し;
アスタリスクで印を付けた破線は、-Zへの結合を示す。
【0298】
特定の実施形態において、部分-L1-L2-は、下記式(IId-ii)のものである。
【化42】
式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示し;
アスタリスクで印を付けた破線は、-Zへの結合を示す。
【0299】
特定の実施形態において、部分-L1-L2-は、下記式(IId-ii′)のものである。
【化43】
式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示し;
アスタリスクで印を付けた破線は、-Zへの結合を示す。
【0300】
特定の実施形態において、部分-L1-L2-は、
【化44】
からなる群から選択され、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示し;
アスタリスクで印を付けた破線は、-Zへの結合を示す。
【0301】
特定の実施形態において、部分-L1-L2-は、下記式(IId-iia)のものである。
【化45】
式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示し;
アスタリスクで印を付けた破線は、-Zへの結合を示す。
【0302】
特定の実施形態において、部分-L1-L2-は、下記式(IId-iia′)のものである。
【化46】
式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示し;
アスタリスクで印を付けた破線は、-Zへの結合を示す。
【0303】
特定の実施形態において、部分-L1-L2-は、
【化47】
からなる群から選択され;
式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示し;
アスタリスクで印を付けた破線は、-Zへの結合を示す。
【0304】
特定の実施形態において、部分-L1-L2-は、下記式(IId-iib)のものである。
【化48】
式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示し;
アスタリスクで印を付けた破線は、-Zへの結合を示す。
【0305】
特定の実施形態において、部分-L1-L2-は、下記式(IId-iib′)のものである。
【化49】
式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示し;
アスタリスクで印を付けた破線は、-Zへの結合を示す。
【0306】
特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、5~200kDaの範囲の分子量を有する。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、8~100kDaの範囲の分子量を有する。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、10~80kDaの範囲の分子量を有する。特定の実施形態において、(Ia)又は(Ib)の-Zは、12~60kDaの範囲の分子量を有する。特定の実施形態において、(Ia)又は(Ib)の-Zは、15~40kDaの範囲の分子量を有する。特定の実施形態において、(Ia)又は(Ib)の-Zは、約20kDaの分子量を有する。特定の実施形態において、(Ia)又は(Ib)の-Zは、約40kDaの分子量を有する。
【0307】
式(Ia)又は(Ib)のポリマー部分-Zは、ポリマーを含む。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、2-メタクリロイル-オキシエチルホスホリルコリン類、ポリ(アクリル酸類)、ポリ(アクリレート類)、ポリ(アクリルアミド類)、ポリ(アルキルオキシ)ポリマー類、ポリ(アミド類)、ポリ(アミドアミン類)、ポリ(アミノ酸類)、ポリ(無水物)、ポリ(アスパルタミド類)、ポリ(酪酸類)、ポリ(グリコール酸類)、ポリブチレンテレフタレート類、ポリ(カプロラクトン類)、ポリ(カーボネート類)、ポリ(シアノアクリレート類)、ポリ(ジメチルアクリルアミド類)、ポリ(エステル類)、ポリ(エチレン類)、ポリ(エチレングリコール類)、ポリ(エチレンオキサイド類)、ポリ(エチルホスフェート類)、ポリ(エチルオキサゾリン類)、ポリ(グリコール酸類)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート類)、ポリ(ヒドロキシエチル-オキサゾリン類)、ポリ(ヒドロキシメタクリレート類)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド類)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリレート類)、ポリ(ヒドロキシプロピルオキサゾリン類)、ポリ(イミノカーボネート類)、ポリ(乳酸類)、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸類)、ポリ(メタクリルアミド類)、ポリ(メタクリレート類)、ポリ(メチルオキサゾリン類)、ポリ(有機ホスファゼン類)、ポリ(オルトエステル類)、ポリ(オキサゾリン類)、ポリ(プロピレングリコール類)、ポリ(シロキサン類)、ポリ(ウレタン類)、ポリ(ビニルアルコール類)、ポリ(ビニルアミン類)、ポリ(ビニルメチルエーテル類)、ポリ(ビニルピロリドン類)、シリコーン類、セルロース類、カルボメチルセルロース類、ヒドロキシプロピルメチルセルロース類、キチン類、キトサン類、デキストラン類、デキストリン類、ゼラチン類、ヒアルロン酸類及び誘導体類、官能化ヒアルロン酸類、マンナン類、ペクチン類、ラムノガラクツロナン類、デンプン類、ヒドロキシアルキルデンプン類、ヒドロキシエチルデンプン類及び他の炭化水素系ポリマー類、キシラン類、及びこれらのコポリマー類からなる群から選択されるポリマーを含む。
【0308】
特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、タンパク質を含む。好ましいタンパク質は、US2012/0035101A1(参照によって本明細書に組み込まれる)に記載の絨毛性ゴナドトロピンのカルボキシル末端ペプチド;アルブミン;WO2011123813A2(参照によって本明細書に組み込まれる)に記載のXTEN配列;WO2011/144756A1(参照によって本明細書に組み込まれる)に記載のプロリン/アラニンランダムコイル配列;WO2008/155134A1及びWO2013/024049A1(参照によって本明細書に組み込まれる)に記載のプロリン/アラニン/セリンランダムコイル配列;及びFc融合タンパク質からなる群から選択される。
【0309】
特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zはポリサルコシンである。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、ポリ(N-メチルグリシン)を含む。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、ランダムコイルタンパク質部分を含む。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、1個のランダムコイルタンパク質部分を含む。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、2個のランダムコイルタンパク質部分を含む。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、3個のランダムコイルタンパク質部分を含む。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、4個のランダムコイルタンパク質部分を含む。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、5個のランダムコイルタンパク質部分を含む。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、6個のランダムコイルタンパク質部分を含む。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、7個のランダムコイルタンパク質部分を含む。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、8個のランダムコイルタンパク質部分を含む。
【0310】
特定の実施形態において、そのようなランダムコイルタンパク質部分は、少なくとも25個のアミノ酸残基及び多くとも2000個のアミノ酸を含む。特定の実施形態において、そのようなランダムコイルタンパク質部分は、少なくとも30個のアミノ酸残基及び多くとも1500個のアミノ酸残基を含む。特定の実施形態において、そのようなランダムコイルタンパク質部分は、少なくとも50個のアミノ酸残基及び多くとも500個のアミノ酸残基を含む。
【0311】
特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、前記ランダムコイルタンパク質部分を形成するアミノ酸の総数の少なくとも80%、特定の実施形態において、少なくとも85%、特定の実施形態において、少なくとも90%、特定の実施形態において、少なくとも95%、特定の実施形態において、少なくとも98%及び特定の実施形態において、少なくとも99%がアラニン及びプロリンから選択されるランダムコイルタンパク質部分を含む。特定の実施形態において、そのようなランダムコイルタンパク質部分のアミノ酸残基の総数の少なくとも10%であるが75%未満、特定の実施形態において、65%未満がプロリン残基である。特定の実施形態において、そのようなランダムコイルタンパク質部分は、WO2011/144756A1(参照によってそれの全内容が本明細書に組み込まれる。)に記載のものである。特定の実施形態において、-Zは、WO2011/144756(参照によって本明細書に組み込まれる)に開示の配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号51及び配列番号61からなる群から選択される少なくとも一つの部分を含む。アラニン及びプロリンを含むそのようなランダムコイルタンパク質を含む部分は、「PA」又は「PA部分」と称される。
【0312】
従って、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、PA部分を含む。
【0313】
特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、前記ランダムコイルタンパク質部分を形成するアミノ酸の総数の少なくとも80%、特定の実施形態において、少なくとも85%、特定の実施形態において、少なくとも90%、特定の実施形態において、少なくとも95%、特定の実施形態において、少なくとも98%及び特定の実施形態において、少なくとも99%がアラニン、セリン及びプロリンから選択されるランダムコイルタンパク質部分を含む。特定の実施形態において、そのようなランダムコイルタンパク質部分のアミノ酸残基の総数の少なくとも4%であるが40%未満がプロリン残基である。特定の実施形態において、そのようなランダムコイルタンパク質部分は、WO2008/155134A1(参照によって全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているものである。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、WO2008/155134A1(参照によって本明細書に組み込まれる)で開示の配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号50、配列番号52、配列番号54及び配列番号56からなる群から選択される少なくとも一つの部分を含む。アラニン、セリン及びプロリンを含むそのようなランダムコイルタンパク質部分を含む部分は、「PAS」又は「PAS部分」と称される。
【0314】
従って、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、PAS部分を含む。
【0315】
特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、前記ランダムコイルタンパク質部分を形成するアミノ酸の総数の少なくとも80%、特定の実施形態において、少なくとも85%、特定の実施形態において、少なくとも90%、特定の実施形態において、少なくとも95%、特定の実施形態において、少なくとも98%及び特定の実施形態において、少なくとも99%がアラニン、グリシン及びプロリンから選択されるランダムコイルタンパク質部分を含む。アラニン、グリシン及びプロリンを含むそのようなランダムコイルタンパク質部分を含む部分は、「PAG」又は「PAG部分」と称される。
【0316】
従って、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、PAG部分を含む。
【0317】
特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、前記ランダムコイルタンパク質部分を形成するアミノ酸の総数の少なくとも80%、特定の実施形態において、少なくとも85%、特定の実施形態において、少なくとも90%、特定の実施形態において、少なくとも95%、特定の実施形態において、少なくとも98%及び特定の実施形態において、少なくとも99%がプロリン及びグリシンから選択されるランダムコイルタンパク質部分を含む。プロリン及びグリシンを含むそのようなランダムコイルタンパク質を含む部分部分は、「PG」又は「PG部分」と称される。
【0318】
特定の実施形態において、そのようなPG部分は、下記式(a-0)の部分を含む。
[(Gly)p-Pro-(Gly)qr(a-0);
式中、
pは、0、1、2、3、4及び5からなる群から選択され;
qは、0、1、2、3、4及び5からなる群から選択され;
rは、10~1000の範囲(両端を含む)の整数であり;
ただし、p及びqのうちの少なくとも一つが少なくとも1である。
【0319】
特定の実施形態において、式(a-0)のpは、1、2及び3からなる群から選択される。
【0320】
特定の実施形態において、式(a-0)のqは、0、1及び2から選択される。
【0321】
特定の実施形態において、PG部分は、配列番号97:GGPGGPGPGGPGGPGPGGPGの配列を含む。
【0322】
特定の実施形態において、PG部分は、下記式(a-0-a)の配列を含む。
(GGPGGPGPGGPGGPGPGGPG)v(a-0-a)
[式中、vは1~50の範囲(両端を含む)の整数である]。
【0323】
式(a-0-a)の配列は、配列番号97の配列のv個の反復を含む、と理解される。
【0324】
従って、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、PG部分を含む。
【0325】
特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、前記ランダムコイルタンパク質部分を形成するアミノ酸の総数の少なくとも80%、特定の実施形態において、少なくとも85%、特定の実施形態において、少なくとも90%、特定の実施形態において、少なくとも95%、特定の実施形態において、少なくとも98%及び特定の実施形態において、少なくとも99%がアラニン、グリシン、セリン、トレオニン、グルタミン酸及びプロリンから選択されるランダムコイルタンパク質部分を含む。特定の実施形態において、そのようなランダムコイルタンパク質部分は、WO2010/091122A1(参照によって本明細書に組み込まれる)に記載のものである。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、WO2010/091122A1(参照によって本明細書に組み込まれる)に開示の配列番号182、配列番号183、配列番号184;配列番号185、配列番号186、配列番号187、配列番号188、配列番号189、配列番号190、配列番号191、配列番号192、配列番号193、配列番号194、配列番号195、配列番号196、配列番号197、配列番号198、配列番号199、配列番号200、配列番号201、配列番号202、配列番号203、配列番号204、配列番号205、配列番号206、配列番号207、配列番号208、配列番号209、配列番号210、配列番号211、配列番号212、配列番号213、配列番号214、配列番号215、配列番号216、配列番号217、配列番号218、配列番号219、配列番号220、配列番号221、配列番号759、配列番号760、配列番号761、配列番号762、配列番号763、配列番号764、配列番号765、配列番号766、配列番号767、配列番号768、配列番号769、配列番号770、配列番号771、配列番号772、配列番号773、配列番号774、配列番号775、配列番号776、配列番号777、配列番号778、配列番号779、配列番号1715、配列番号1716、配列番号1718、配列番号1719、配列番号1720、配列番号1721及び配列番号1722からなる群から選択される少なくとも一つの部分を含む。アラニン、グリシン、セリン、トレオニン、グルタミン酸及びプロリンを含むそのようなランダムコイルタンパク質部分を含む部分は、WO2010/091122A1での呼称と一致して「XTEN」又は「XTEN部分」と称される。
【0326】
従って、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、XTEN部分を含む。
【0327】
特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、ヒアルロン酸系ポリマーである。
【0328】
特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、WO2013/024047A1(参照によって本明細書に組み込まれる)に開示のポリマー部分である。
【0329】
特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、WO2013/024048A1(参照によって本明細書に組み込まれる)に開示のポリマー部分である。
【0330】
特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-ZはPEG系ポリマーである。特定の実施形態において、-Zは、分岐又は多分岐PEG系ポリマーである。
【0331】
特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは分岐ポリマーである。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、1個、2個、3個、4個、5個若しくは6個の分岐点を有する分岐ポリマーである。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、1個、2個若しくは3個の分岐点を有する分岐ポリマーである。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、1個の分岐点を有する分岐ポリマーである。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、2個の分岐点を有する分岐ポリマーである。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、3個の分岐点を有する分岐ポリマーである。
【0332】
特定の実施形態において、分岐点は、-N<、-CH<及び>C<からなる群から選択される。
【0333】
特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)のそのような分岐部分-Zは、PEG系である。
【0334】
特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)のそのような分岐部分-Zは、5kDa~500kDaの範囲(両端を含む)の分子量を有する。特定の実施形態において、特定の実施形態において、10kDa~250kDaの範囲(両端を含む)の分子量を有する。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)のそのような分岐部分-Zは、10kDa~150kDaの範囲(両端を含む)の分子量を有する。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)のそのような分岐部分-Zは、12kDa~100kDaの範囲(両端を含む)の分子量を有する。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)のそのような分岐部分-Zは、15kDa~80kDaの範囲(両端を含む)の分子量を有する。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)のそのような分岐部分-Zは、10kDa~80kDaの範囲(両端を含む)の分子量を有する。特定の実施形態において、分子量は、約10kDaである。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)のそのような分岐部分-Zの分子量は、約20kDaである。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)のそのような分岐部分-Zの分子量は、約30kDaである。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)のそのような分岐部分-Zの分子量は、約40kDaである。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)のそのような分岐部分-Zの分子量は、約50kDaである。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)のそのような分岐部分-Zの分子量は、約60kDaである。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)のそのような分岐部分-Zの分子量は、約70kDaである。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)のそのような分岐部分-Zの分子量は、約80kDaである。特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)のそのような分岐部分-Zは、約40kDaの分子量を有する。
【0335】
特定の実施形態において、-Zは、下記の部分を含む。
【化50】
【0336】
特定の実施形態において、-Zは、アミド結合を含む。
【0337】
特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、下記式(a)の部分を含む。
【化51】
式中、
破線は、-L2-又は-Zの残部(残りの部分)への結合を示し;
BPaは、-N<、-CR<及び>C<からなる群から選択される分岐点であり;
-Rは、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され;
aは、BPaが-N<又は-CR<である場合は0であり、aはBPaが>C<である場合は1であり;
-Sa-、-Sa′-、-Sa″-及び-Sa″′-は互いに独立に、化学結合であるか、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルからなる群から選択され;C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルは、1以上の同一であるか異なっている-R1で置換されていても良く、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R2)-、-S(O)2N(R2)-、-S(O)N(R2)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(R2)S(O)2N(R2a)-、-S-、-N(R2)-、-OC(OR2)(R2a)-、-N(R2)C(O)N(R2a)-、及び-OC(O)N(R2)-からなる群から選択される1以上の基が場合により割り込んでいても良く;
各-T-は独立に、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロビシクリル、8~30員炭素多環、及び8~30員ヘテロ多環からなる群から選択され;各-T-は独立に、1以上の同一であるか異なっている-R1で置換されていても良く;
各-R1は独立に、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-COOR3、-OR3、-C(O)R3、-C(O)N(R3R3a)、-S(O)2N(R3R3a)、-S(O)N(R3R3a)、-S(O)2R3、-S(O)R3、-N(R3)S(O)2N(R3aR3b)、-SR3、-N(R3R3a)、-NO2、-OC(O)R3、-N(R3)C(O)R3a、-N(R3)S(O)2R3a、-N(R3)S(O)R3a、-N(R3)C(O)OR3a、-N(R3)C(O)N(R3aR3b)、-OC(O)N(R3R3a)及びC1-6アルキルからなる群から選択され;C1-6アルキルは、1以上の同一であるか異なっているハロゲンで置換されていても良く;
各-R2、-R2a、-R3、-R3a及び-R3bは独立に、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され、C1-6アルキルは1以上の同一であるか異なっているハロゲンで置換されていても良く;
-Pa′、-Pa″及び-Pa″′は独立にポリマー部分である。
【0338】
場合により、式(a)の部分は1以上の置換基で置換されている。
【0339】
特定の実施形態において、式(a)のBPaは-N<である。
【0340】
特定の実施形態において、式(a)のBPaは-CR<である。特定の実施形態において、-Rは-Hである。
【0341】
従って、特定の実施形態において、式(a)のaは0である。
【0342】
特定の実施形態において、式(a)のBPaは>C<である。
【0343】
特定の実施形態において、式(a)の-Sa-は化学結合である。
【0344】
特定の実施形態において、式(a)の-Sa-は、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルからなる群から選択され、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルは-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R4)-、-S(O)2N(R4)-、-S(O)N(R4)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(R4)S(O)2N(R4a)-、-S-、-N(R4)-、-OC(OR4)(R4a)-、-N(R4)C(O)N(R4a)-、及び-OC(O)N(R4)-からなる群から選択される1以上の化学基が場合により割り込んでいても良く;-R4及び-R4aは独立に、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(a)の-Sa-は、メチル、エチル、プロピル、ブチルからなる群から選択され、それらは-O-、-C(O)-及び-C(O)N(R4)-からなる群から選択される1以上の化学基が場合により割り込んでいても良い。
【0345】
特定の実施形態において、-式(a)の-Sa′は化学結合である。
【0346】
特定の実施形態において、式(a)の-Sa′-は、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルからなる群から選択され、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルは、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R4)-、-S(O)2N(R4)-、-S(O)N(R4)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(R4)S(O)2N(R4a)-、-S-、-N(R4)-、-OC(OR4)(R4a)-、-N(R4)C(O)N(R4a)-、及び-OC(O)N(R4)-からなる群から選択される1以上の化学基が場合により割り込んでいても良く;-R4及び-R4aは独立に、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(a)の-Sa′-は、メチル、エチル、プロピル、ブチルからなる群から選択され、それらは-O-、-C(O)-及び-C(O)N(R4)-からなる群から選択される1以上の化学基が場合により割り込んでいても良い。
【0347】
特定の実施形態において、式(a)の-Sa″-は化学結合である。
【0348】
特定の実施形態において、式(a)の-Sa″-は、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルからなる群から選択され、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルは-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R4)-、-S(O)2N(R4)-、-S(O)N(R4)-,-S(O)2-、-S(O)-、-N(R4)S(O)2N(R4a)-、-S-、-N(R4)-、-OC(OR4)(R4a)-、-N(R4)C(O)N(R4a)-、及び-OC(O)N(R4)-からなる群から選択される1以上の化学基が場合により割り込んでいても良く;-R4及び-R4aは独立に、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(a)の-Sa″-は、メチル、エチル、プロピル、ブチルからなる群から選択され、それらは-O-、-C(O)-及び-C(O)N(R4)-からなる群から選択される1以上の化学基が場合により割り込んでいても良い。
【0349】
特定の実施形態において、式(a)の-Sa″′-は化学結合である。
【0350】
特定の実施形態において、式(a)の-Sa″′-は、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルからなる群から選択され、C1-10アルキル、C2-10アルケニル及びC2-10アルキニルは-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R4)-、-S(O)2N(R4)-、-S(O)N(R4)-,-S(O)2-、-S(O)-、-N(R4)S(O)2N(R4a)-、-S-、-N(R4)-、-OC(OR4)(R4a)-、-N(R4)C(O)N(R4a)-、及び-OC(O)N(R4)-からなる群から選択される1以上の化学基が場合により割り込んでいても良く;-R4及び-R4aは独立に、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される。特定の実施形態において、式(a)の-Sa″′-は、メチル、エチル、プロピル、ブチルからなる群から選択され、それらは-O-、-C(O)-及び-C(O)N(R4)-からなる群から選択される1以上の化学基が場合により割り込んでいても良い。
【0351】
特定の実施形態において、式(a)の-Pa′、-Pa″及び-Pa″′は独立に、2-メタクリロイル-オキシエチルホスホリルコリン類、ポリ(アクリル酸類)、ポリ(アクリレート類)、ポリ(アクリルアミド類)、ポリ(アルキルオキシ)ポリマー類、ポリ(アミド類)、ポリ(アミドアミン類)、ポリ(アミノ酸類)、ポリ(無水物)、ポリ(アスパルタミド類)、ポリ(酪酸類)、ポリ(グリコール酸類)、ポリブチレンテレフタレート類、ポリ(カプロラクトン類)、ポリ(カーボネート類)、ポリ(シアノアクリレート類)、ポリ(ジメチルアクリルアミド類)、ポリ(エステル類)、ポリ(エチレン類)、ポリ(エチレングリコール類)、ポリ(エチレンオキサイド類)、ポリ(エチルホスフェート類)、ポリ(エチルオキサゾリン類)、ポリ(グリコール酸類)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート類)、ポリ(ヒドロキシエチル-オキサゾリン類)、ポリ(ヒドロキシメタクリレート類)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド類)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリレート類)、ポリ(ヒドロキシプロピルオキサゾリン類)、ポリ(イミノカーボネート類)、ポリ(乳酸類)、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸類)、ポリ(メタクリルアミド類)、ポリ(メタクリレート類)、ポリ(メチルオキサゾリン類)、ポリ(有機ホスファゼン類)、ポリ(オルトエステル類)、ポリ(オキサゾリン類)、ポリ(プロピレングリコール類)、ポリ(シロキサン類)、ポリ(ウレタン類)、ポリ(ビニルアルコール類)、ポリ(ビニルアミン類)、ポリ(ビニルメチルエーテル類)、ポリ(ビニルピロリドン類)、シリコーン類、セルロース類、カルボメチルセルロース類、ヒドロキシプロピルメチルセルロース類、キチン類、キトサン類、デキストラン類、デキストリン類、ゼラチン類、ヒアルロン酸類及び誘導体類、官能化ヒアルロン酸類、マンナン類、ペクチン類、ラムノガラクツロナン類、デンプン類、ヒドロキシアルキルデンプン類、ヒドロキシエチルデンプン類及び他の炭化水素系ポリマー類、キシラン類、並びにそれらのコポリマー類からなる群から選択されるポリマーを含む。
【0352】
特定の実施形態において、式(a)の-Pa′、-Pa″及び-Pa″′は独立に、5kDa~50kDaの範囲(両端を含む)の分子量を有し、特定の実施形態において、5kDa~40kDaの範囲(両端を含む)の、特定の実施形態において、7.5kDa~35kDaの範囲(両端を含む)の、特定の実施形態において、7.5~30kDaの範囲(両端を含む)の、特定の実施形態において、10~30kDaの範囲(両端を含む)の分子量を有する。
【0353】
特定の実施形態において、、式(a)の-Pa′、-Pa″及び-Pa″′は、約5kDaの分子量を有する。特定の実施形態において、式(a)の-Pa′、-Pa″及び-Pa″′は、約7.5kDaの分子量を有する。特定の実施形態において、式(a)の-Pa′、-Pa″及び-Pa″′は、約10kDaの分子量を有する。特定の実施形態において、式(a)の-Pa′、-Pa″及び-Pa″′は、約12.5kDaの分子量を有する。特定の実施形態において、式(a)の-Pa′、-Pa″及び-Pa″′は、約15kDaの分子量を有する。特定の実施形態において、式(a)の-Pa′、-Pa″及び-Pa″′は、約20kDaの分子量を有する。
【0354】
特定の実施形態において、式(a)の-Pa′、-Pa″及び-Pa″′は独立に、PEG系部分を含む。特定の実施形態において、式(a)の-Pa′、-Pa″及び-Pa″′は独立に、少なくとも20%のPEG、特定の実施形態において、少なくともの30%、さ特定の実施形態において、少なくとも40%のPEG、特定の実施形態において、少なくとも50%のPEG、特定の実施形態において、少なくとも60%のPEG、特定の実施形態において、少なくとも70%のPEG、特定の実施形態において、少なくとも80%のPEG及び特定の実施形態において、少なくとも90%のPEGを含むPEG系部分を含む。
【0355】
特定の実施形態において、式(a)の-Pa′、-Pa″及び-Pa″′は独立に、タンパク質部分、特定の実施形態において、ランダムコイルタンパク質部分、特定の実施形態において、PA、PAS、PAG、PG及びXTEN部分からなる群から選択されるランダムコイルタンパク質部分を含む。
【0356】
特定の実施形態において、式(a)の-Pa′、-Pa″及び-Pa″′はPA部分である。特定の実施形態において、式(a)の-Pa′、-Pa″及び-Pa″′はPAS部分である。 特定の実施形態において、式(a)の-Pa′、-Pa″及び-Pa″′はPAG部分である。 特定の実施形態において、式(a)の-Pa′、-Pa″及び-Pa″′はPG部分である。特定の実施形態において、式(a)の-Pa′、-Pa″及び-Pa″′はXTEN部分である。
【0357】
特定の実施形態において、-Zは、1個の式(a)の部分を含む。特定の実施形態において、-Zは、2個の式(a)の部分を含む。別の実施形態において、-Zは、3個の式(a)の部分を含む。特定の実施形態において、-Zは、4個の式(a)の部分を含む。特定の実施形態において、-Zは、5個の式(a)の部分を含む。特定の実施形態において、-Zは、6個の式(a)の部分を含む。
【0358】
特定の実施形態において、-Zは、下記式(b)の部分を含む。
【化52】
式中、
破線は、-L2-への又は-Zの残部への結合を示し;
b1は、0、1、2、3、4、5、6、7及び8からなる群から選択され;
b2は、1、2、3、4、5、6、7及び8からなる群から選択され;
b3は、150~1000の範囲(両端を含む)の;特定の実施形態においては150~500の範囲(両端を含む)の;特定の実施形態においては200~460の範囲(両端を含む)の整数であり;
b4は、150~1000の範囲(両端を含む)の;特定の実施形態においては150~500の範囲(両端を含む)の;特定の実施形態においては200~460の範囲(両端を含む)の整数である。
【0359】
場合により、式(b)の部分は、1以上の置換基で置換されている。
【0360】
特定の実施形態において、式(b)のb3及びb4は同じ整数である。
【0361】
特定の実施形態において、式(b)のb3及びb4の両方が200~250の範囲の整数であり、特定の実施形態において、式(b)のb3及びb4は約225である。特定の実施形態において、式(b)のb3及びb4は両方とも400~500の範囲の整数であり、特定の実施形態において、式(b)のb3及びb4は約450である。
【0362】
特定の実施形態において、式(b)のb1は、0、1、2、3及び4からなる群から選択される。特定の実施形態において、、式(b)のb1は、1、2及び3からなる群から選択される。特定の実施形態において、特定の実施形態において、式(b)のb1は2である。
【0363】
特定の実施形態において、式(b)のb2は、1、2、3、4及び5からなる群から選択される。特定の実施形態において、式(b)のb2は、2、3及び4からなる群から選択される。特定の実施形態において、式(b)のb2は3である。
【0364】
特定の実施形態において、式(b)のb1は2であり、式(b)のb2は3であり、b3及びb4は両方とも約450である。特定の実施形態において、特定の実施形態において、式(b)のb1は2であり、式(b)のb2は3であり、b3及びb4は両方とも約225である。
【0365】
特定の実施形態において、-Zは、1個の式(b)の部分を含む。特定の実施形態において、-Zは、2個の式(b)の部分を含む。特定の実施形態において、-Zは、3個の式(b)の部分を含む。特定の実施形態において、-Zは、4個の式(b)の部分を含む。特定の実施形態において、-Zは、5個の式(b)の部分を含む。特定の実施形態において、-Zは、6個の式(b)の部分を含む。
【0366】
特定の実施形態において、-Zは、式(c)の部分を含む。
【化53】
式中、
破線は、-L2-への又は-Zの残部への結合を示し;
c1及びc2は独立に、150~500の範囲(両端を含む)の;特定の実施形態において、200~460の範囲(両端を含む)の整数である。
【0367】
場合により、式(c)の部分は、1以上の置換基で置換されている。
【0368】
特定の実施形態において、式(c)のc1及びc2の両方が同じ整数である。
【0369】
特定の実施形態において、式(c)のc1及びc2は、200~250の範囲(両端を含む)であり、特定の実施形態において、約225である。特定の実施形態において、式(c)のc1及びc2は、400~500の範囲(両端を含む)であり、特定の実施形態において、式(c)のc1及びc2は、約450である。
【0370】
式(c)のc1及びc2は、部分-Zは、少なくとも10%のPEGを含む分岐PEG系ポリマーであり、1個の分岐点及び2本のPEG系ポリマーアームを有し、約40kDaの分子量を有する。従って、前記2本のPEG系ポリマーアームのそれぞれが約20kDaの分子量である。式(c)のc1及びc2は、分岐点は-CH<である。
【0371】
特定の実施形態において、-Zは、1個の式(c)の部分を含む。特定の実施形態において、-Zは、2個の式(c)の部分を含む。特定の実施形態において、-Zは、3個の式(c)の部分を含む。特定の実施形態において、-Zは、4個の式(c)の部分を含む。特定の実施形態において、-Zは、5個の式(c)の部分を含む。特定の実施形態において、-Zは、6個の式(c)の部分を含む。
【0372】
特定の実施形態において、部分-Zは、下記式(d)のものである。
【化54】
式中、
破線は、-L2-への結合を示し;
-Zb-は、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルからなる群から選択され;C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルは、1以上の同一であるか異なっている-R1で置換されていても良く、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R2)-、-S(O)2N(R2)-、-S(O)N(R2)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(R2)S(O)2N(R2a)-、-S-、-N(R2)-、-OC(OR2)(R2a)-、-N(R2)C(O)N(R2a)-、及び-OC(O)N(R2)-からなる群から選択される1以上の基が場合により割り込んでいても良く;
各-T-は独立に、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロビシクリル、8~30員炭素多環、及び8~30員ヘテロ多環からなる群から選択され;各-T-は独立に、1以上の同一であるか異なっている-R1で置換されていても良く;
各-R1は独立に、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-COOR3、-OR3、-C(O)R3、-C(O)N(R3R3a)、-S(O)2N(R3R3a)、-S(O)N(R3R3a)、-S(O)2R3、-S(O)R3、-N(R3)S(O)2N(R3aR3b)、-SR3、-N(R3R3a)、-NO2、-OC(O)R3、-N(R3)C(O)R3a、-N(R3)S(O)2R3a、-N(R3)S(O)R3a、-N(R3)C(O)OR3a、-N(R3)C(O)N(R3aR3b)、-OC(O)N(R3R3a)及びC1-6アルキルからなる群から選択され;C1-6アルキルは1以上の同一であるか異なっているハロゲンで置換されていても良く;
各-R2、-R2a、-R3、-R3a及び-R3bは独立に、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され、C1-6アルキルは1以上の同一であるか異なっているハロゲンで置換されていても良く;
-Zaは下記のもの:
【化55】
であり;
式中、
BPa、-Sa-、-Sa′-、-Sa″-、-Sa″′-、-Pa′、-Pa″、-Pa″′及びaは、式(a)について定義のように使用される。
【0373】
場合により、式(d)の部分は、1以上の置換基で置換されている。
【0374】
特定の実施形態において、式(d)のBPa、-Sa-、-Sa′-、-Sa″-、-Sa″′-、-Pa′、-Pa″、-Pa″′は、式(a)について上記で定義の通りである。
【0375】
特定の実施形態において、式(d)の-Zaは式(b)のものである。特定の実施形態において、b1、b2、b3及びb4は、式(b)について記載の通りである。
【0376】
特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の部分-Zは下記式(e)のものである。
【化56】
式中、
破線は、-L2-への結合を示し;
eは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14及び15からなる群から選択され; -Zaは、下記のもの:
【化57】
であり、
b1、b2、b3及びb4は、式(b)について定義のように使用される。
【0377】
場合により、式(e)の部分は、1以上の置換基で置換されている。
【0378】
特定の実施形態において、式(e)のb1、b2、b3及びb4は、式(b)について上記で定義の通りである。
【0379】
特定の実施形態において、式(e)のeは1である。特定の実施形態において、式(e)のeは2である。特定の実施形態において、式(e)のeは3である。特定の実施形態において、式(e)のeは4である。特定の実施形態において、式(e)のeは5である。特定の実施形態において、式(e)のeは6である。特定の実施形態において、式(e)のeは7である。特定の実施形態において、式(e)のeは8である。特定の実施形態において、式(e)のeは9である。特定の実施形態において、式(e)のeは10である。特定の実施形態において、式(e)のeは11である。特定の実施形態において、式(e)のeは12である。特定の実施形態において、式(e)のeは13である。特定の実施形態において、式(e)のeは14である。特定の実施形態において、式(e)のeは15である。
【0380】
特定の実施形態において、式(e)のeは、2、3、4、5、6、7、8及び9からなる群から選択される。特定の実施形態において、式(e)のeは、3、4、5及び6から選択される。特定の実施形態において、式(e)のeは5である。
【0381】
特定の実施形態において、式(e)のeは5であり、式(e)のb1は2であり、式(e)のb2は3であり、式(e)のb3及びb4は両方とも約450である。
【0382】
特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の部分-Zは、下記式(e-i)又は(e-i′)のものである。
【化58】
式中、
破線は、-L2-への結合を示し、
eは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14及び15からなる群から選択され;
-Zaは、下記のもの:
【化59】
であり、
b1、b2、b3及びb4は、式(b)について定義のように使用される。
【0383】
特定の実施形態において、式(e-i)及び(e-i′)のb1、b2、b3及びb4は、式(b)について上記で定義の通りである。
【0384】
特定の実施形態において、式(e-i)及び(e-i′)のeは、式(e)について記載の通りである。
【0385】
特定の実施形態において、式(e-i)及び(e-i′)のb1は2であり、式(e-i)及び(e-i′)のb2は3であり、式(e-i)及び(e-i′)のb3及びb4はいずれも約450である。
【0386】
特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、式(e-i)のものである。
【0387】
特定の実施形態において、部分-Zは、少なくとも10%PEGを含む分岐PEG系ポリマーであり、3個の分岐点及び4本のPEG系ポリマーアームを有し、約40kDaの分子量を有する。従って、前記4本のPEG系ポリマーアームのそれぞれが約10kDaの分子量を有する。特定の実施形態において、前記3個の分岐点のそれぞれが-CH<である。
【0388】
特定の実施形態において、部分-Zは下記式(f)のものである。
【化60】
式中、
破線は、-L2-への結合を示し;
BPfは、-N<、-CR<及び>C<からなる群から選択される分岐点であり;
-Rは、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され;
fは、BPfが-N<又は-CR<である場合は0であり、fはBPfが>C<である場合は1であり;
-Sf-、-Sf′-、-Sf″-及び-Sf″′-は独立に、化学結合であるか、独立にC1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルからなる群から選択され;C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルは、1以上の同一であるか異なっている-R1で置換されていても良く、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R2)-、-S(O)2N(R2)-、-S(O)N(R2)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(R2)S(O)2N(R2a)-、-S-、-N(R2)-、-OC(OR2)(R2a)-、-N(R2)C(O)N(R2a)-、及び-OC(O)N(R2)-からなる群から選択される1以上の基が場合により割り込んでいても良く;
各-T-は独立に、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロビシクリル、8~30員炭素多環、及び8~30員ヘテロ多環からなる群から選択され;各-T-は独立に、1以上の同一であるか異なっている-R1で置換されていても良く;
各R1は独立に、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-COOR3、-OR3、-C(O)R3、-C(O)N(R3R3a)、-S(O)2N(R3R3a)、-S(O)N(R3R3a)、-S(O)2R3、-S(O)R3、-N(R3)S(O)2N(R3aR3b)、-SR3、-N(R3R3a)、-NO2、-OC(O)R3、-N(R3)C(O)R3a、-N(R3)S(O)2R3a、-N(R3)S(O)R3a、-N(R3)C(O)OR3a、-N(R3)C(O)N(R3aR3b)、-OC(O)N(R3R3a)、及びC1-6アルキルからなる群から選択され;C1-6アルキルは1以上の同一であるか異なっているハロゲンで置換されていても良く;
各-R2、-R2a、-R3、-R3a及び-R3bは独立に、-H、及びC1-6アルキルからなる群から選択され、C1-6アルキルは1以上の同一であるか異なっているハロゲンで置換されていても良く;
-Za′、-Za″及び-Za″′は独立に、
【化61】
であり、
式中、
BPa、-Sa-、-Sa′-、-Sa″-、-Sa″′-、-Pa′、-Pa″、-Pa″′及びaは、式(a)について定義のように使用される。
【0389】
場合により、式(f)の部分は、1以上の置換基で置換されている。
【0390】
特定の実施形態において、式(f)のBPa、-Sa-、-Sa′-、-Sa″-、-Sa″′-、-Pa′、-Pa″及び-Pa″′は、式(a)について上記で定義の通りである。
【0391】
特定の実施形態において、、式(f)のBPfは-CR<であり、rは0である。特定の実施形態において、-Rは-Hである。
【0392】
特定の実施形態において、式(f)の-Sf-は化学結合である。
【0393】
特定の実施形態において、式(f)の-Za′、-Za″及び-Za″′は、同じ構造を有する。特定の実施形態において、式(f)の-Za′、-Za″及び-Za″′は式(b)のものである。
【0394】
特定の実施形態において、b1、b2、b3及びb4は、式(b)について記載の通りである。
【0395】
特定の実施形態において、式(f)の-Sf-は化学結合であり、式(f)のBPaは-CR<であり、-Rは-Hである。特定の実施形態において、式(f)の-Sf-は化学結合であり、式(f)のBPaは-CR<であり、-Rは-Hであり、式(f)の-Za′、-Za″及び-Za″′は式(b)のものである。
【0396】
特定の実施形態において、-Zは下記式(g)のものである。
【化62】
式中、
破線は、-L2-への結合を示し;
-Sg-、-Sg′-及び-Sg″-は独立に、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルからなる群から選択され;C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルは、1以上の同一であるか異なっている-R1で置換されていても良く、C1-50アルキル、C2-50アルケニル及びC2-50アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R2)-、-S(O)2N(R2)-、-S(O)N(R2)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(R2)S(O)2N(R2a)-、-S-、-N(R2)-、-OC(OR2)(R2a)-、-N(R2)C(O)N(R2a)-、及び-OC(O)N(R2)-からなる群から選択される1以上の基が場合により割り込んでいても良く;
各-T-は独立に、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロビシクリル、8~30員炭素多環、及び8~30員ヘテロ多環からなる群から選択され;各-T-は独立に、1以上の同一であるか異なっている-R1で置換されていても良く;
各R1は独立に、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-COOR3、-OR3、-C(O)R3、-C(O)N(R3R3a)、-S(O)2N(R3R3a)、-S(O)N(R3R3a)、-S(O)2R3、-S(O)R3、-N(R3)S(O)2N(R3aR3b)、-SR3、-N(R3R3a)、-NO2、-OC(O)R3、-N(R3)C(O)R3a、-N(R3)S(O)2R3a、-N(R3)S(O)R3a、-N(R3)C(O)OR3a、-N(R3)C(O)N(R3aR3b)、-OC(O)N(R3R3a)及びC1-6アルキルからなる群から選択され;C1-6アルキルは1以上の同一であるか異なっているハロゲンで置換されていても良く;
各-R2、-R2a、-R3、-R3a及び-R3bは独立に-H、及びC1-6アルキルからなる群から選択され、C1-6アルキルは、1以上の同一であるか異なっているハロゲンで置換されていても良く;
-Za及び-Za′は独立に、
【化63】
であり、
式中、
BPa、-Sa-、-Sa′-、-Sa″-、-Sa″′-、-Pa′、-Pa″、-Pa″′及びaは、式(a)について定義のように使用される。
【0397】
場合により、式(g)の部分は、1以上の置換基で置換されている。
【0398】
特定の実施形態において、式(g)のBPa、-Sa-、-Sa′-、-Sa″-、-Sa″′-、-Pa′、-Pa″及び-Pa″′は、式(a)について上記で定義の通りである。
【0399】
特定の実施形態において、式(g)の-Sg-は、C1-6アルキル、C2-6アルケニル及びC2-6アルキニルからなる群から選択され、それらは1以上の同一であるか異なっている-R1で置換されていても良く、
-R1は、ハロゲン、オキソ(=O)、-COOR3、-OR3、-C(O)R3、-C(O)N(R3R3a)、-S(O)2N(R3R3a)、-S(O)N(R3R3a)、-S(O)2R3、-S(O)R3、-N(R3)S(O)2N(R3aR3b)、-SR3、-N(R3R3a)、-NO2、-OC(O)R3、-N(R3)C(O)R3a、-N(R3)S(O)2R3a、-N(R3)S(O)R3a、-N(R3)C(O)OR3a、-N(R3)C(O)N(R3aR3b)、-OC(O)N(R3R3a)、及びC1-6アルキルからなる群から選択され;C1-6アルキルは1以上の同一であるか異なっているハロゲンで置換されていても良く;
-R3、-R3a及び-R3bは独立に、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルから選択される。
【0400】
特定の実施形態において、式(g)の-Sg-は、C1-6アルキルから選択される。
【0401】
特定の実施形態において、式(g)の-Sg′-は、C1-6アルキル、C2-6アルケニル及びC2-6アルキニルからなる群から選択され、それらは、1以上の同一であるか異なっている-R1で置換されていても良く、
-R1は、ハロゲン、オキソ(=O)、-COOR3、-OR3、-C(O)R3、-C(O)N(R3R3a)、-S(O)2N(R3R3a)、-S(O)N(R3R3a)、-S(O)2R3、-S(O)R3、-N(R3)S(O)2N(R3aR3b)、-SR3、-N(R3R3a)、-NO2、-OC(O)R3、-N(R3)C(O)R3a、-N(R3)S(O)2R3a、-N(R3)S(O)R3a、-N(R3)C(O)OR3a、-N(R3)C(O)N(R3aR3b)、-OC(O)N(R3R3a)、及びC1-6アルキルからなる群から選択され;C1-6アルキルは1以上の同一であるか異なっているハロゲンで置換されていても良く;
-R3、-R3a及び-R3bは独立に、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルから選択される。
【0402】
特定の実施形態において、式(g)の-Sg′-は、C1-6アルキルから選択される。
【0403】
特定の実施形態において、式(g)の-Sg″-は、C1-6アルキル、C2-6アルケニル及びC2-6アルキニルからなる群から選択され、それは1以上の同一であるか異なっている-R1で置換されていても良く、
-R1は、ハロゲン、オキソ(=O)、-COOR3、-OR3、-C(O)R3、-C(O)N(R3R3a)、-S(O)2N(R3R3a)、-S(O)N(R3R3a)、-S(O)2R3、-S(O)R3、-N(R3)S(O)2N(R3aR3b)、-SR3、-N(R3R3a)、-NO2、-OC(O)R3、-N(R3)C(O)R3a、-N(R3)S(O)2R3a、-N(R3)S(O)R3a、-N(R3)C(O)OR3a、-N(R3)C(O)N(R3aR3b)、-OC(O)N(R3R3a)、及びC1-6アルキルからなる群から選択され;C1-6アルキルは1以上の同一であるか異なっているハロゲンで置換されていても良く;
-R3、-R3a及び-R3bは独立に、-H、メチル、エチル、プロピル及びブチルから選択される。
【0404】
特定の実施形態において、式(g)の-Sg″-は、C1-6アルキルから選択される。
【0405】
特定の実施形態において、式(g)の-Za及び-Za′は同じ構造を有する。特定の実施形態において、式(g)の-Za及び-Za′は式(b)のものである。
【0406】
特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、下記式(g-i)のものである。
【化64】
式中、
破線は、-L2-への結合を示し;
-Sg-、-Sg′-及び-Sg″-は独立に、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルからなる群から選択され;C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルは、1以上の同一であるか異なっている-R1で置換されていても良く、C1-50アルキル、C2-50アルケニル、及びC2-50アルキニルは、-T-、-C(O)O-、-O-、-C(O)-、-C(O)N(R2)-、-S(O)2N(R2)-、-S(O)N(R2)-、-S(O)2-、-S(O)-、-N(R2)S(O)2N(R2a)-、-S-、-N(R2)-、-OC(OR2)(R2a)-、-N(R2)C(O)N(R2a)-、及び-OC(O)N(R2)-からなる群から選択される1以上の基が場合により割り込んでいても良く;
各-T-は独立に、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、8~11員ヘテロビシクリル、8~30員炭素多環、及び8~30員ヘテロ多環からなる群から選択され;各-T-は独立に、1以上の同一であるか異なっている-R1で置換されていても良く;
各R1は独立に、ハロゲン、-CN、オキソ(=O)、-COOR3、-OR3、-C(O)R3、-C(O)N(R3R3a)、-S(O)2N(R3R3a)、-S(O)N(R3R3a)、-S(O)2R3、-S(O)R3、-N(R3)S(O)2N(R3aR3b)、-SR3、-N(R3R3a)、-NO2、-OC(O)R3、-N(R3)C(O)R3a、-N(R3)S(O)2R3a、-N(R3)S(O)R3a、-N(R3)C(O)OR3a、-N(R3)C(O)N(R3aR3b)、-OC(O)N(R3R3a)、及びC1-6アルキルからなる群から選択され;C1-6アルキルは1以上の同一であるか異なっているハロゲンで置換されていても良く;
各-R2、-R2a、-R3、-R3a及び-R3bは独立に、-H及びC1-6アルキルからなる群から選択され、C1-6アルキルは1以上の同一であるか異なっているハロゲンで置換されていても良く;
-Ya1-及び-Ya1′-は、
【化65】
であり;
-Za及び-Za′は独立に、
【化66】
であり、
式中、
BPa、-Sa-、-Sa′-、-Sa″-、-Sa″′-、-Pa′、-Pa″、-Pa″′及びaは、式(a)について定義のように用いられる。
【0407】
場合により、式(g-i)の部分は、1以上の置換基で置換されている。
【0408】
特定の実施形態において、式(g-i)の-Ya1-及び-Ya1′-は両方とも、
【化67】
であり、
式中、
アスタリスクで印を付けた破線は、それぞれ-Za又は-Za′に結合している。
【0409】
特定の実施形態において、式(g-i)のBPa、-Sa-、-Sa′-、-Sa″-、-Sa″′-、-Pa′、-Pa″及び-Pa″′は、式(a)について上記で定義の通りである。
【0410】
特定の実施形態において、式(g-i)の-Sg-、-Sg′-及び-Sg″-は、式(g)について定義の通りである。特定の実施形態において、式(g-i)の-Za及び-Za′は同じ構造を有する。特定の実施形態において、式(g-i)の-Za及び-Za′は式(b)のものである。特定の実施形態において、b1、b2、b3及びb4は、式(b)について記載の通りである。
【0411】
特定の実施形態において、-Zは下記式(h)のものである。
【化68】
式中、
破線は、-L2-への結合を示し;
各-Zcは下記部分:
【化69】
であり、
式中、
各c1は、独立に200~250の範囲である整数である。
【0412】
場合により、式(h)の部分は、1以上の置換基で置換されている。
【0413】
特定の実施形態において、式(h)の両方のc1は同一である。特定の実施形態において、式(h)の両方のc1は約225である。
【0414】
特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、下記式(h-a):
【化70】
のものであり、
式中、
破線は、-L2-への結合を示し;
各kは互いに独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11及び12からなる群から選択され;
-Ya1-及び-Ya1′-は、
【化71】
であり;
各-Zcは、下記部分:
【化72】
であり、
式中、
各c1は、独立に200~250の範囲である整数である。
【0415】
場合により、式(h-a)の部分は、1以上の置換基で置換されている。
【0416】
特定の実施形態において、式(h-a)の各kは独立に、2、3、4、5、6及び7からなる群から選択される。特定の実施形態において、式(h-a)の両方のkは同一である。
【0417】
特定の実施形態において、式(h-a)の両方のc1は同一である。
【0418】
特定の実施形態において、式(h-a)の両方のc1は約225である。
【0419】
特定の実施形態において、式(h-a)の-Ya1-及び-Ya1′-は両方とも、
【化73】
であり、
式中、
アスタリスクで印を付けた破線は-Zcに結合している。
【0420】
特定の実施形態において、部分-Zは、下記式(h-i)のものである。
【化74】
式中、
破線は、-L2-への結合を示し;
各-Zcは、下記部分:
【化75】
であり、
各c1は、独立に200~250の範囲である整数である。
【0421】
場合により、式(h-i)の部分は、1以上の置換基で置換されている。
【0422】
特定の実施形態において、式(h-i)の両方のc1は同じである。特定の実施形態において、式(h-i)の両方のc1は約225である。
【0423】
特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の部分-Zは、下記式(h-ia)のものである。
【化76】
式中、
破線は、-L2-への結合を示し;
各kは、互いに独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11及び12からなる群から選択され;
-Ya1-及び-Ya1′-は、
【化77】
であり;
各-Zcは、下記部分:
【化78】
であり、
各c1は、独立に200~250の範囲である整数である。
【0424】
特定の実施形態において、式(h-ia)の各kは、独立に2、3、4、5、6及び7からなる群から選択される。特定の実施形態において、式(h-ia)の両方のkは同一である。
【0425】
特定の実施形態において、式(h-ia)の両方のc1は同一である。特定の実施形態において、式(h-ia)の両方のc1は約225である。
【0426】
特定の実施形態において、式(h-ia)の-Ya1-及び-Ya1′-は両方とも、
【化79】
であり、
アスタリスクで印を付けた破線は-Zcに結合している。
【0427】
特定の実施形態において、式(Ia)又は(Ib)の-Zは、下記のものからなる群から選択される部分を含む。
【化80】
式中、
破線は、-L2-への結合を示し;
s1、s2、s3、s4、s5、s6、s7、s8、s9、s10、s11、s12、s13、s14及びs15は互いに独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10から選択され;
-Xd1、-Xd2、-Xd3及び-Xd4は互いに独立に、-OH、-SH及び-NRg1Rg2からなる群から選択され;好ましくは-OHであり;
-Xe1、-Xe2、-Xe3及び-Xe4は互いに独立に、-H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル及びC2-6アルキニルからなる群から選択され;
-Rg1及び-Rg2は互いに独立に、-H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル及びC2-6アルキニルからなる群から選択され;
-Xf1、-Xf2、-Xf3、-Xf4、-Xf5、-Xf6、-Xf7、-Xf8、-Xf9、-Xf10、-Xf11、-Xf12、-Xf13及び-Xf14は互いに独立に、-H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル及びC2-6アルキニルからなる群から選択され;好ましくは-Hであり;
-Yd1-、-Yd2-、-Yd3-及び-Yd4-は互いに独立に、
【化81】
からなる群から選択され;
-Zd1、-Zd2、-Zd3及び-Zd4は互いに独立に、タンパク質、特定の実施形態においてはランダムコイルタンパク質、特定の実施形態においてはPA、PAS、PAG、PG及びXTENからなる群から選択されるランダムコイルタンパク質である。
【0428】
特定の実施形態において、式(j-iv)、(j-v)及び(j-vi)の-Yd1-及び-Yd2-並びに式(j-vii)の-Yd1-、-Yd2-、-Yd3-及び-Yd4-は、
【化82】
である。
【0429】
特定の実施形態において、式(j-iv)、(j-v)及び(j-vi)の-Yd1-及び-Yd2-並びに式(j-vii)の-Yd1-、-Yd2-、-Yd3-及び-Yd4-は、
【化83】
であり;
式中、
アスタリスクで印を付けた破線は、それぞれ-Zd1、-Zd2、-Zd3及び-Zd4の方に向かっており、印が付いていない破線は-L2-の方に向かっている。
【0430】
特定の実施形態において、式(j-i)の-Xf1、-Xf2、-Xf3、-Xf4、-Xf5、-Xf6、-Xf7及び-Xf8は-Hであり;式(j-i)の-Xd1及び-Xd2は-OHであり;式(j-i)の-Xe1及び-Xe2は-H及びメチルからなる群から選択され;式(j-i)のs1、s2、s3及びs4は、2、3、4、5及び6からなる群から選択される。
【0431】
特定の実施形態において、式(j-i)の-Xf1、-Xf2、-Xf3、-Xf4、-Xf5、-Xf6、-Xf7及び-Xf8は-Hであり;式(j-i)の-Xd1及び-Xd2は-OHであり;式(j-i)の-Xe1及び-Xe2は-Hであり;式(j-i)のs1、s2、s3及びs4は4である。
【0432】
特定の実施形態において、式(j-ii)の-Xf1、-Xf2、-Xf3及び-Xf4は-Hであり;式(j-ii)の-Xd1、-Xd2、-Xd3及び-Xd2は-OHであり;式(j-ii)の-Xe1、-Xe2、-Xe3及び-Xe4は-H及びメチルからなる群から選択され;式(j-ii)のs1、s2、s3、s4及びs5は1、2、3、4、5及び6からなる群から選択される。特定の実施形態において、式(j-ii)の-Xf1、-Xf2、-Xf3及び-Xf4は-Hであり;式(j-ii)の-Xd1、-Xd2、-Xd3及び-Xd2は-OHであり;式(j-ii)の-Xe1、-Xe2、-Xe3及び-Xe4は-Hであり;s1は式(j-ii)の4であり、式(j-ii)のs2、s3、s4及びs5は1である。
【0433】
特定の実施形態において、式(j-iii)の-Xf1、-Xf2、-Xf3、-Xf4、-Xf5、-Xf6、-Xf7、-Xf8、-Xf9及び-Xf10は-Hであり;式(j-iii)の-Xd1、-Xd2、-Xd3及び-Xd4は-OHであり;式(j-iii)の-Xe1、-Xe2、-Xe3及び-Xe4は-H及びメチルからなる群から選択され;式(j-iii)のs1、s2及びs3は2、3、4、5及び6からなる群から選択される。特定の実施形態において、式(j-iii)の-Xf1、-Xf2、-Xf3、-Xf4、-Xf5、-Xf6、-Xf7、-Xf8、-Xf9及び-Xf10は-Hであり;式(j-iii)の-Xd1、-Xd2、-Xd3及び-Xd4は-OHであり;式(j-iii)の-Xe1、-Xe2、-Xe3及び-Xe4は-Hであり;式(j-iii)のs1、s2及びs3は4である。
【0434】
特定の実施形態において、式(j-iv)の-Xf1、-Xf2、-Xf3、-Xf4、-Xf5及び-Xf6は-Hであり;式(j-iv)のs1、s2、s3、s4、s5、s6及びs7は1、2、3、4、5、6及び7からなる群から選択され;-Yd1-及び-Yd2-は、
【化84】
からなる群から選択される。
【0435】
特定の実施形態において、式(j-iv)の-Xf1、-Xf2、-Xf3、-Xf4、-Xf5及び-Xf6は-Hであり;式(j-iv)のs1は3であり、式(j-iv)のs2は5であり、式(j-iv)のs3は2であり、式(j-iv)のs4は4であり、式(j-iv)のs5は5であり、式(j-iv)のs6は2であり、式(j-iv)のs7は4であり;式(j-iv)の-Yd1-及び-Yd2-は、
【化85】
である。
【0436】
特定の実施形態において、式(j-iv)の-Xf1、-Xf2、-Xf3、-Xf4、-Xf5及び-Xf6は-Hであり;式(j-iv)のs1は3であり、式(j-iv)のs2は5であり、式(j-iv)のs3は2であり、式(j-iv)のs4は4であり、式(j-iv)のs5は5であり、式(j-iv)のs6は2であり、式(j-iv)のs7は4であり;式(j-iv)の-Yd1-及び-Yd2-は、
【化86】
であり;
式中、アスタリスクで印を付けた破線は、それぞれ-Zd1、-Zd2、-Zd3及び-Zd4の方に向かっており、印の付いていない破線は-L2-の方に向かっている。
【0437】
特定の実施形態において、式(j-v)の-Xf1、-Xf2、-Xf3及び-Xf4は-Hであり;式(j-v)のs1、s2、s3、s4及びs5は、1、2、3、4、5、6及び7からなる群から選択され;式(j-v)の-Yd1-及び-Yd2-は、
【化87】
からなる群から選択される。
【0438】
特定の実施形態において、式(j-v)の-Xf1、-Xf2、-Xf3及び-Xf4は-Hであり;式(j-v)のs1は3であり、式(j-v)のs2は2であり、式(j-v)のs3は1であり、式(j-v)のs4は2であり、式(j-v)のs5は1であり;式(j-v)の-Yd1-及び-Yd2-は、
【化88】
である。
【0439】
特定の実施形態において、式(j-v)の-Xf1、-Xf2、-Xf3及び-Xf4は-Hであり;式(j-v)のs1は3であり、式(j-v)のs2は2であり、式(j-v)のs3は1であり、式(j-v)のs4は2であり、式(j-v)のs5は1であり;式(j-v)の-Yd1-及び-Yd2-は、
【化89】
であり;
式中、アスタリスクで印を付けた破線は、それぞれ-Zd1、-Zd2、-Zd3及び-Zd4の方に向いており、印の付いていない破線は、-L2-の方に向いている。
【0440】
特定の実施形態において、式(j-vi)の-Xf1、-Xf2、-Xf3、-Xf4、-Xf5、-Xf6、-Xf7、-Xf8、-Xf9及び-Xf10は-Hであり;式(j-vi)のs1、s2、s3、s4、s5、s6、s7、s8及びs9は1、2、3、4、5、6及び7からなる群から選択され;式(j-vi)の-Yd1-及び-Yd2-は、
【化90】
からなる群から選択される。
【0441】
特定の実施形態において、式(j-vi)の-Xf1、-Xf2、-Xf3、-Xf4、-Xf5、-Xf6、-Xf7、-Xf8、-Xf9及び-Xf10は-Hであり;式(j-vi)のs1は4であり、式(j-vi)のs2は5であり、式(j-vi)のs3は2であり、式(j-vi)のs4は4であり、式(j-vi)のs5は4であり、式(j-vi)のs6は5であり、式(j-vi)のs7は2であり、式(j-vi)のs8は4であり、式(j-vi)のs9は4であり;式(j-v)の-Yd1-及び-Yd2-は、
【化91】
である。
【0442】
特定の実施形態において、式(j-vi)の-Xf1、-Xf2、-Xf3、-Xf4、-Xf5、-Xf6、-Xf7、-Xf8、-Xf9及び-Xf10は-Hであり;式(j-vi)のs1は4であり、式(j-vi)のs2は5であり、式(j-vi)のs3は2であり、式(j-vi)のs4は4であり、式(j-vi)のs5は4であり、式(j-vi)のs6は5であり、式(j-vi)のs7は2であり、式(j-vi)のs8は4であり、式(j-vi)のs9は4であり;式(j-v)の-Yd1-及び-Yd2-は、
【化92】
であり;
式中、アスタリスクで印を付けた破線は、それぞれ-Zd1、-Zd2、-Zd3及び-Zd4の方に向いており、印の付いていない破線は、-L2-の方に向いている。
【0443】
特定の実施形態において、式(j-vii)の-Xf1、-Xf2、-Xf3、-Xf4、-Xf5、-Xf6、-Xf7、-Xf8、-Xf9、-Xf10、-Xf11、-Xf12、-Xf13及び-Xf14は-Hであり;式(j-vii)のs1、s2、s3、s4、s5、s6、s7、s8、s9、s10、s11、s12、s13、s14及びs15は、1、2、3、4、5、6及び7からなる群から選択され;式(j-vii)の-Yd1-、-Yd2-、-Yd3-及び-Yd4-は、
【化93】
からなる群から選択される。
【0444】
特定の実施形態において、式(j-vii)の-Xf1、-Xf2、-Xf3、-Xf4、-Xf5、-Xf6、-Xf7、-Xf8、-Xf9、-Xf10、-Xf11、-Xf12、-Xf13及び-Xf14は-Hであり;-Hであり;式(j-vii)のs1は4であり、式(j-vii)のs2は4であり、式(j-vii)のs3は5であり、式(j-vii)のs4は2であり、式(j-vii)のs5は4であり、式(j-vii)のs6は5であり、式(j-vii)のs7は2であり、式(j-vii)のs8は4であり、式(j-vii)のs9は4であり、式(j-vii)のs10は5であり、式(j-vii)のs11は2であり、式(j-vii)のs12は4であり、式(j-vii)のs13は5であり、式(j-vii)のs14は2であり、式(j-vii)のs15は4であり;式(j-vii)の-Yd1-、-Yd2-、-Yd3-及び-Yd4-は、
【化94】
である。
【0445】
特定の実施形態において、式(j-vii)の-Xf1、-Xf2、-Xf3、-Xf4、-Xf5、-Xf6、-Xf7、-Xf8、-Xf9、-Xf10、-Xf11、-Xf12、-Xf13及び-Xf14は-Hであり;-Hであり;式(j-vii)のs1は4であり、式(j-vii)のs2は4であり、式(j-vii)のs3は5であり、式(j-vii)のs4は2であり、式(j-vii)のs5は4であり、式(j-vii)のs6は5であり、式(j-vii)のs7は2であり、式(j-vii)のs8は4であり、式(j-vii)のs9は4であり、式(j-vii)のs10は5であり、式(j-vii)のs11は2であり、式(j-vii)のs12は4であり、式(j-vii)のs13は5であり、式(j-vii)のs14は2であり、式(j-vii)のs15は4であり;式(j-vii)の-Yd1-、-Yd2-、-Yd3-及び-Yd4-は、
【化95】
であり;
アスタリスクで印を付けた破線は、それぞれ-Zd1、-Zd2、-Zd3及び-Zd4の方に向いており、印の付いていない破線は、-L2-の方に向いている。
【0446】
特定の実施形態において、式(j-i)、(j-ii)、(j-iii)、(j-iv)、(j-v)、(j-vi)及び(j-vii)の-Zd1、-Zd2、-Zd3及び-Zd4は同じ構造を有する。特定の実施形態において、式(j-i)、(j-ii)、(j-iii)、(j-iv)、(j-v)、(j-vi)及び(j-vii)の-Zd1、-Zd2、-Zd3及び-Zd4はPA部分である。特定の実施形態において、式(j-i)、(j-ii)、(j-iii)、(j-iv)、(j-v)、(j-vi)及び(j-vii)の-Zd1、-Zd2、-Zd3及び-Zd4はPAS部分である。特定の実施形態において、式(j-i)、(j-ii)、(j-iii)、(j-iv)、(j-v)、(j-vi)及び(j-vii)の-Zd1、-Zd2、-Zd3及び-Zd4はPAG部分である。特定の実施形態において、式(j-i)、(j-ii)、(j-iii)、(j-iv)、(j-v)、(j-vi)及び(j-vii)の-Zd1、-Zd2、-Zd3及び-Zd4はPG部分である。特定の実施形態において、式(j-i)、(j-ii)、(j-iii)、(j-iv)、(j-v)、(j-vi)及び(j-vii)の-Zd1、-Zd2、-Zd3及び-Zd4はXTEN部分である。
【0447】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、式(IIf)を有する:
【化96】
(式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示し、
アスタリスクが付いている破線は、構造:
【化97】
を有する-Zへの結合を示し、式中、
各-Zaは、
【化98】
であり、式中各c1は、独立して200~250の範囲の整数である)。
【0448】
特定の実施形態において、式(IIf)の各c1は、約225である。
【0449】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、式(IIf-i)を有する:
【化99】
(式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示し、
アスタリスクが付いている破線は、構造:
【化100】
を有する-Zへの結合を示し、式中、
各-Zaは、
【化101】
であり、この式中の各c1は、独立して200~250の範囲の整数である)。
【0450】
特定の実施形態において、式(IIf-i)の各c1は、約225である。
【0451】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、式(IIf-ii)を有する:
【化102】
(式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示し、
アスタリスクが付いている破線は、構造:
【化103】
を有する-Zへの結合を示し、式中、
各-Zaは、
【化104】
であり、この式中の各c1は、独立して200~250の範囲の整数である)。
【0452】
特定の実施形態において、式(IIf-ii)の各c1は、約225である。
【0453】
特定の実施形態において、式(IIf)、(IIf-i)及び(IIf-ii)の-Dは、CNP部分であり、すなわち、式(IIf)、(IIf-i)及び(IIf-ii)のコンジュゲートは、CNPコンジュゲートである。特定の実施形態において、式(IIf)、(IIf-i)及び(IIf-ii)の-Dは、配列番号24、配列番号25又は配列番号30の配列を有するCNP部分である。特定の実施形態において、式(IIf)、(IIf-i)及び(IIf-ii)の-Dは、配列番号24の配列を有するCNP部分である。特定の実施形態において、式(IIf)、(IIf-i)及び(IIf-ii)の-D部分は配列番号20の配列を有するCNP部分である。特定の実施形態において、式(IIf)、(IIf-i)及び(IIf-ii)の-D部分は配列番号21の配列を有するCNP部分である。特定の実施形態において、式(IIf)、(IIf-i)及び(IIf-ii)の-D部分は配列番号22の配列を有するCNP部分である。特定の実施形態において、式(IIf)、(IIf-i)及び(IIf-ii)の-D部分は配列番号23の配列を有するCNP部分である。特定の実施形態において、式(IIf)、(IIf-i)及び(IIf-ii)の-D部分は配列番号30の配列を有するCNP部分である。
【0454】
特定の実施形態において、式(IIf)、(IIf-i)及び(IIf-ii)の-Dは、CNPのN末端アミン官能基の窒素を介して-L1-に結合しているCNP部分である。
【0455】
特定の実施形態において、式(IIf)、(IIf-i)及び(IIf-ii)の-Dは、CNP部分のリジン側鎖のアミン官能基によって提供される窒素を介して-L1-に結合しているCNP部分である。
【0456】
特定の実施形態において、CNP部分が配列番号24のものである場合、前記リジン側鎖は、22位及び38位のシステイン残基間のジスルフィド架橋によって形成される環の一部ではない。
【0457】
したがって、特定の実施形態において、CNPが配列番号24の配列を有する場合、CNP部分は、9位のリジンの側鎖によって提供されるアミン官能基を介して式(IIf)、(IIf-i)及び(IIf-ii)のCNPコンジュゲート中の-L1-に連結されている。
【0458】
特定の実施形態において、CNPが配列番号24の配列を有する場合、CNP部分は、11位のリジンの側鎖によって提供されるアミン官能基を介して式(IIf)、(IIf-i)及び(IIf-ii)のCNPコンジュゲート中の-L1-に連結されている。
【0459】
特定の実施形態において、CNPが配列番号24の配列を有する場合、CNP部分は、15位のリジンの側鎖によって提供されるアミン官能基を介して式(IIf)、(IIf-i)及び(IIf-ii)のCNPコンジュゲート中の-L1-に連結されている。
【0460】
特定の実施形態において、CNPが配列番号24の配列を有する場合、CNP部分は、16位のリジンの側鎖によって提供されるアミン官能基を介して式(IIf)、(IIf-i)及び(IIf-ii)のCNPコンジュゲート中の-L1-に連結されている。
【0461】
特定の実施形態において、CNPが配列番号24の配列を有する場合、CNP部分は、20位のリジンの側鎖によって提供されるアミン官能基を介して式(IIf)、(IIf-i)及び(IIf-ii)のCNPコンジュゲート中の-L1-に連結されている。
【0462】
特定の実施形態において、CNP部分が配列番号24のものである場合、前記リジン側鎖は、22位及び38位のシステイン残基間のジスルフィド架橋によって形成される環の一部である。
【0463】
したがって、特定の実施形態において、CNPが配列番号24の配列を有する場合、CNP部分は、26位のリジンの側鎖によって提供されるアミン官能基を介して式(IIf)、(IIf-i)及び(IIf-ii)のCNPコンジュゲート中の-L1-に連結されている。
【0464】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、式(IIf-i)を有し、ここでc1は約225であり、CNP部分は配列番号24の配列を有し、26位のリジンの側鎖により提供されるアミン官能基を介して-L1-に結合されている。
【0465】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、式(IIf)を有し、ここでc1は約225であり、-Dは配列番号20の配列を有するCNP部分であり、30位のリジンの側鎖により提供されるアミン官能基を介して-L1-に結合されている。
【0466】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、式(IIf-i)を有し、ここでc1は約225であり、CNP部分は配列番号20の配列を有し、30位のリジンの側鎖により提供されるアミン官能基を介して-L1-に結合されている。
【0467】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、式(IIf-ii)を有し、ここでc1は約225であり、CNP部分は配列番号20の配列を有し、30位のリジンの側鎖により提供されるアミン官能基を介して-L1-に結合されている。
【0468】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、式(IIf)を有し、ここでc1は約225であり、-Dは配列番号21の配列を有するCNP部分であり、29位のリジンの側鎖により提供されるアミン官能基を介して-L1-に結合されている。
【0469】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、式(IIf-i)を有し、ここでc1は約225であり、CNP部分は配列番号21の配列を有し、29位のリジンの側鎖により提供されるアミン官能基を介して-L1-に結合されている。
【0470】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、式(IIf-ii)を有し、ここでc1は約225であり、CNP部分は配列番号21の配列を有し、29位のリジンの側鎖により提供されるアミン官能基を介して-L1-に結合されている。
【0471】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、式(IIf)を有し、ここでc1は約225であり、-Dは配列番号22の配列を有するCNP部分であり、28位のリジンの側鎖により提供されるアミン官能基を介して-L1-に結合されている。
【0472】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、式(IIf-i)を有し、ここでc1は約225であり、CNP部分は配列番号22の配列を有し、28位のリジンの側鎖により提供されるアミン官能基を介して-L1-に結合されている。
【0473】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、式(IIf-ii)を有し、ここでc1は約225であり、CNP部分は配列番号22の配列を有し、28位のリジンの側鎖により提供されるアミン官能基を介して-L1-に結合されている。
【0474】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、式(IIf)を有し、ここでc1は約225であり、-Dは配列番号23の配列を有するCNP部分であり、27位のリジンの側鎖により提供されるアミン官能基を介して-L1-に結合されている。
【0475】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、式(IIf-i)を有し、ここでc1は約225であり、CNP部分は配列番号23の配列を有し、27位のリジンの側鎖により提供されるアミン官能基を介して-L1-に結合されている。
【0476】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、式(IIf-ii)を有し、ここでc1は約225であり、CNP部分は配列番号23の配列を有し、27位のリジンの側鎖により提供されるアミン官能基を介して-L1-に結合されている。
【0477】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、式(IIf)を有し、ここでc1は約225であり、-Dは配列番号30の配列を有するCNP部分であり、27位のリジンの側鎖により提供されるアミン官能基を介して-L1-に結合されている。
【0478】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、式(IIf-i)を有し、ここでc1は約225であり、CNP部分は配列番号30の配列を有し、27位のリジンの側鎖により提供されるアミン官能基を介して-L1-に結合されている。
【0479】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、式(IIf-ii)を有し、ここでc1は約225であり、CNP部分は配列番号30の配列を有し、27位のリジンの側鎖により提供されるアミン官能基を介して-L1-に結合されている。
【0480】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、式(IIf-ii)を有し、ここでc1は約225であり、CNP部分は配列番号24の配列を有し、26位のリジンの側鎖により提供されるアミン官能基を介して-L1-に結合されている。
【0481】
上記のシステイン及びリジンの位置は、CNP部分の長さに応じて変わり、当業者が、CNP部分のより長い又はより短いバージョンにおいて対応するシステイン及びリジンを同定することに困難はなく、例えば、より短いCNP部分にはいくつかのリジンは存在し得ないことも理解することが理解される。例えば部位特異的突然変異誘発の結果として、CNP部分の非環形成部分及び/又は環形成部分により多くのリジン残基が存在し得ることがさらに理解される。
【0482】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、式(IIf)を有し、ここでc1は約225であり、-Dは配列番号24の配列を有するCNP部分であり、26位のリジンの側鎖により提供されるアミン官能基を介して-L1-に結合されている。
【0483】
特定の実施形態において、本発明のCNPコンジュゲートは、式(IIf')を有する:
【化105】
(式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することによる、配列番号24のCNP部分の26位のリジンの側鎖によって提供される窒素への結合を示し、
アスタリスクが付いている破線は、構造:
【化106】
を有する-Zへの結合を示し、式中、
各Zaは、
【化107】
であり、式中各c1は、独立して200~250の範囲の整数である)。
【0484】
特定の実施形態において、式(IIf')の各c1は、約225である。
【0485】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、式(IIf-i')を有する:
【化108】
(式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することによる、配列番号24のCNP部分の26位のリジンの側鎖によって提供される窒素への結合を示し、
アスタリスクが付いている破線は、構造:
【化109】
を有する-Zへの結合を示し、式中、
各Zaは、
【化110】
であり、この式中の各c1は、独立して200~250の範囲の整数である)。
【0486】
特定の実施形態において、式(IIf-i')の各c1は、約225である。
【0487】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、式(IIf-ii')を有する:
【化111】
(式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することによる、配列番号24のCNP部分の26位のリジンの側鎖によって提供される窒素への結合を示し、
アスタリスクが付いている破線は、構造:
【化112】
を有する-Zへの結合を示し、式中、
各Zaは、
【化113】
であり、この式中の各c1は、独立して200~250の範囲の整数である)。
【0488】
特定の実施形態において、式(IIf-ii')の各c1は、約225である。
【0489】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、下記式(IIfa)のものである。
【化114】
式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示し;
アスタリスクで印を付けた破線は、下記構造:
【化115】
を有する-Zへの結合を示し、
kは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11及び12からなる群から選択され;
各-Zaは、
【化116】
であり、
各c1は、独立に200~250の範囲である整数である。
【0490】
特定の実施形態において、式(IIfa)のkは、2、3、4、5、6及び7からなる群から選択される。
【0491】
特定の実施形態において、式(IIfa)の各c1は約225である。
【0492】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、下記式(IIfa-i)のものである。
【化117】
式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示し;
アスタリスクで印を付けた破線は、下記構造:
【化118】
を有する-Zへの結合を示し、
kは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11及び12からなる群から選択され;
各-Zaは、
【化119】
であり、
各c1は、独立に200~250の範囲である整数である。
【0493】
特定の実施形態において、式(IIfa-i)のkは、2、3、4、5、6及び7からなる群から選択される。
【0494】
特定の実施形態において、式(IIfa-i)の各c1は約225である。
【0495】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、下記式(IIfa-ii)のものである。
【化120】
式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することによる、CNP部分である-Dの窒素への結合を示し;
アスタリスクで印を付けた破線は、下記構造:
【化121】
を有する-Zへの結合を示し、
kは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11及び12からなる群から選択され;
各-Zaは、
【化122】
であり、
各c1は、独立に200~250の範囲である整数である。
【0496】
特定の実施形態において、式(IIfa-ii)の各c1は約225である。
【0497】
特定の実施形態において、式(IIfa)、(IIfa-i)及び(IIfa-ii)のCNPコンジュゲートのCNP部分は、配列番号25の配列を有する。
【0498】
特定の実施形態において、式(IIfa)、(IIfa-i)及び(IIfa-ii)のCNPコンジュゲートのCNP部分は、配列番号20の配列を有する。
【0499】
特定の実施形態において、式(IIfa)、(IIfa-i)及び(IIfa-ii)のCNPコンジュゲートのCNP部分は、配列番号21の配列を有する。
【0500】
特定の実施形態において、式(IIfa)、(IIfa-i)及び(IIfa-ii)のCNPコンジュゲートのCNP部分は、配列番号22の配列を有する。
【0501】
特定の実施形態において、式(IIfa)、(IIfa-i)及び(IIfa-ii)のCNPコンジュゲートのCNP部分は、配列番号23の配列を有する。
【0502】
特定の実施形態において、式(IIfa)、(IIfa-i)及び(IIfa-ii)のCNPコンジュゲートのCNP部分は、配列番号30の配列を有する。
【0503】
特定の実施形態において、式(IIfa)、(IIfa-i)及び(IIfa-ii)のCNPコンジュゲートのCNP部分は、配列番号24の配列を有する。
【0504】
1実施形態において、CNP部分は、CNPのN末端アミン官能基の窒素を介して式(IIfa)、(IIfa-i)及び(IIfa-ii)のCNPコンジュゲートにおける-L1-に結合している。
【0505】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、下記式(IIfa′)のものである。
【化123】
式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することで配列番号24のCNP部分の位置26のリジンの側鎖によって提供される窒素への結合を示し;
アスタリスクで印を付けた破線は、下記構造:
【化124】
を有する-Zへの結合を示し、
kは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11及び12からなる群から選択され;
各Zaは、
【化125】
であり、
各c1は、独立に200~250の範囲である整数である。
【0506】
特定の実施形態において、式(IIfa′)のkは、2、3、4、5、6及び7からなる群から選択される。
【0507】
特定の実施形態において、式(IIfa′)の各c1は約225である。
【0508】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、下記式(IIfa-i′)のものである。
【化126】
式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することで配列番号24のCNP部分の位置26のリジンの側鎖によって提供される窒素への結合を示し;
アスタリスクで印を付けた破線は、下記構造:
【化127】
を有する-Zへの結合を示し、
kは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11及び12からなる群から選択され;
各Zaは、
【化128】
であり、
各c1は、独立に200~250の範囲である整数である。
【0509】
特定の実施形態において、式(IIfa-i′)のkは、2、3、4、5、6及び7からなる群から選択される。
【0510】
特定の実施形態において、式(IIfa-i′)の各c1は約225である。
【0511】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、下記式(IIfa-ii′)のものである。
【化129】
式中、
印の付いていない破線は、アミド結合を形成することで配列番号24のCNP部分の位置26のリジンの側鎖によって提供される窒素への結合を示し;
アスタリスクで印を付けた破線は、下記構造:
【化130】
を有する-Zへの結合を示し、
kは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11及び12からなる群から選択され;
各Zaは、
【化131】
であり、
各c1は、独立に200~250の範囲である整数である。
【0512】
特定の実施形態において、式(IIfa-ii′)のkは、2、3、4、5、6及び7からなる群から選択される。
【0513】
特定の実施形態において、式(IIfa-ii′)の各c1は約225である。
【0514】
特定の実施形態において、本発明の乾燥製剤は、例えば、保存剤、安定化剤、吸着抑制剤、凍結保護剤、酸化防止剤及びその他の補助剤等の1以上の賦形剤を含んでいてもよい。1つの賦形剤が、二重、三重等の複数の機能を有し得ることが理解される。
【0515】
特定の実施形態において、本発明の乾燥医薬製剤は、安息香酸、フェノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、ソルビン酸カリウム、クロロブタノール、ベンジルアルコール、硝酸フェニル水銀チメロサール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、クロロクレゾール、塩化ベンザルコニウム、2-エトキシエタノール、クロルヘキシジン、クロロブタノール、フェニルエチルアルコール、酢酸フェニル水銀、m-クレゾール及びこれらの混合物からなる群から選択される保存剤等の保存剤を含んでいてもよい。
【0516】
特定の実施形態において、本発明の乾燥製剤は、アラニン;アルギニン;アスパラギン酸;グリシン;ヒスチジン;リジン;プロリン;ブドウ糖、ショ糖、トレハロース等の糖;グリセロール、マンニトール、ソルビトール等のポリオール;リン酸カリウム、硫酸ナトリウム等の塩;EDTA、ヘキサホスフェート等のキレート剤;二価金属イオン等の配位子;他の塩若しくはフェノール誘導体等の有機分子;シクロデキストリン、デキストラン、デンドリマー、PEG、PVP、プロタミン、HSA等のオリゴマー又はポリマーからなる群から選択される安定剤等の安定剤を含み得る。
【0517】
特定の実施形態において、本発明の乾燥医薬製剤は、ポロキサマー(PluronicF-68)、PEGドデシルエーテル(Brij35)、デキストラン、ポリエチレングリコール、PEG-ポリヒスチジン、BSA、HSA、ゼラチン等の製剤又は製剤の容器の内面に競合的にコーティング又は吸着するために使用される、イオン性若しくは非イオン性界面活性剤又は他のタンパク若しくは可溶性ポリマーからなる群から選択される吸着抑制剤等の吸着抑制剤を含んでいてもよい。賦形剤の種類と濃度は、回避すべき効果に応じて選択されるが、通常、CMCより高い濃度で、界面に界面活性剤の単分子層が形成される。
【0518】
特定の実施形態において、本発明の乾燥医薬製剤は、凍結保護剤、例えば糖類、多価アルコール類、界面活性剤、アミノ酸類、非水系溶媒及びペプチド類からなる群から選択される凍結保護剤を含むことができる。凍結乾燥又は噴霧乾燥時に、凍結保護剤は、水素結合破壊及び水除去によって引き起こされる不安定化効果に対抗することができる。トレハロースは、水分誘発凝集の低減で特に効率的であり、化合物の疎水性基の水への曝露によって引き起こされる可能性がある熱的安定性を改善もする。マンニトール及びショ糖を、単独のリオプロテクタント/凍結保護剤又は互いに組み合わせて使用することも可能であり、その場合、マンニトール:ショ糖の比が高いほど、乾燥医薬製剤中での化合物の物理的安定性が高まることが知られている。マンニトールは、トレハロースとも組み合わせることができる。トレハロースをソルビトールと組み合わせることもできるか、ソルビトールを単独の防止剤として用いることができる。デンプン又はデンプン誘導体も用いることができる。
【0519】
特定の実施形態において、本発明の乾燥医薬製剤は、酸化防止剤、例えばメチオニン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トコフェロール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸、重亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、システイン、グルタチオン、モノチオグリセロール、ポリ(エチレンイミン)、ビタミンE、エクトイン、モリン及びこれらの混合物からなる群から選択される酸化防止剤を含むことができる。特定の実施形態において、本発明の乾燥医薬製剤は、酸化防止剤、例えばメチオニン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トコフェロール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ポリ(エチレンイミン)、ビタミンE、エクトイン、モリン及びこれらの混合物からなる群から選択される酸化防止剤を含むことができる。
【0520】
特定の実施形態において、本発明の乾燥医薬製剤は、湿展剤、粘度調整剤及び抗生物質からなる群から選択されるさらなる賦形剤を含むことができる。
【0521】
特定の実施形態において、本発明の乾燥医薬製剤は、CNPコンジュゲート、コハク酸、トレハロース及びTrisを含む。
【0522】
特定の実施形態において、本発明による乾燥医薬製剤は、乾燥医薬製剤の総重量に基づいて、
CNPコンジュゲート:1.3~45.4重量%
コハク酸:0.2~3.2重量%
トレハロース・2水和物:52.6~98.4重量%
Tris:0.1~5.6重量%
を含む。
【0523】
特定の実施形態において、本発明による乾燥医薬製剤は、乾燥医薬製剤の総重量に基づいて、
CNPコンジュゲート:1.3~38.7重量%
コハク酸:0.2~3.2重量%
トレハロース・2水和物:52.6~98.4重量%
Tris:0.1~5.6重量%
を含む。
【0524】
患者の体重範囲、例えば3~60kgにおける差が大きいため、特定の実施形態において、CNPコンジュゲートの異なる強度、すなわち異なる濃度、例えば高、中及び低強度を有する乾燥医薬製剤を持つことが有利である。従って、1実施形態において、乾燥医薬製剤は、複数濃度で、例えば2の異なる濃度で、例えば3の異なる濃度で、例えば4の異なる濃度で、例えば5の異なる濃度で、例えば6の異なる濃度で、例えば7の異なる濃度で、例えば8の異なる濃度で、例えば9の異なる濃度で、例えば10の異なる濃度で、例えば11の異なる濃度で、例えば12の異なる濃度で提供される。
【0525】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、乾燥医薬製剤の総重量に基づいて、
CNPコンジュゲート:23.8~38.7重量%
コハク酸:0.2~3.1重量%
トレハロース・2水和物:52.6~75.9重量%
Tris:0.1~5.6重量%
を含む。
【0526】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、乾燥医薬製剤の総重量に基づいて、
CNPコンジュゲート:5.8~12.4重量%
コハク酸:0.3~3.2重量%
トレハロース・2水和物:78.8~93.8重量%
Tris:0.1~5.6重量%
を含む。
【0527】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、乾燥医薬製剤の総重量に基づいて、
CNPコンジュゲート:1.4~3.7重量%
コハク酸:0.3~3.2重量%
トレハロース・2水和物:87.5~98.2重量%
Tris:0.1~5.6重量%
を含む。
【0528】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、乾燥医薬製剤の総重量に基づいて、
CNPコンジュゲート:28.8~33.2重量%
コハク酸:0.6~1.6重量%
トレハロース・2水和物:62.4~70.4重量%
Tris:0.2~2.8重量%
を含む。
【0529】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、乾燥医薬製剤の総重量に基づいて、
CNPコンジュゲート:7.4~8.8重量%
コハク酸:0.8~2.0重量%
トレハロース・2水和物:85.7~91.6重量%
Tris:0.2~3.5重量%
を含む。
【0530】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、乾燥医薬製剤の総重量に基づいて、
CNPコンジュゲート:2.0~2.5重量%
コハク酸:0.8~2.1重量%
トレハロース・2水和物:91.7~97.0重量%
Tris:0.2~3.8重量%
を含む。
【0531】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、乾燥医薬製剤の総重量に基づいて、
CNPコンジュゲート:32.2~34.0重量%
コハク酸:0.9~1.0重量%
トレハロース・2水和物:64.5~65.5重量%
Tris:0.5~1.4重量%
を含む。
【0532】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、乾燥医薬製剤の総重量に基づいて、
CNPコンジュゲート:8.3~8.9重量%
コハク酸:1.2~1.3重量%
トレハロース・2水和物:88.6~89.1重量%
Tris:0.7~1.8重量%
を含む。
【0533】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、乾燥医薬製剤の総重量に基づいて、
CNPコンジュゲート:2.3~2.4重量%
コハク酸:1.3~1.4重量%
トレハロース・2水和物:94.4~95.6重量%
Tris:0.7~1.9重量%
を含む。
【0534】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、乾燥医薬製剤の総重量に基づいて、約45.4重量%CNPコンジュゲート、約0.9重量%コハク酸、約52.6重量%トレハロース・2水和物及び約1.1重量%Trisを含む。
【0535】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、乾燥医薬製剤の総重量に基づいて、45.4重量%CNPコンジュゲート、0.9重量%コハク酸、52.6重量%トレハロース・2水和物及び1.1重量%Trisを含む。
【0536】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、乾燥医薬製剤の総重量に基づいて、約32.6重量%CNPコンジュゲート、約1.0重量%コハク酸、約65.2重量%トレハロース・2水和物及び約1.2重量%Trisを含む。
【0537】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、乾燥医薬製剤の総重量に基づいて、33重量%CNPコンジュゲート、1重量%コハク酸、65重量%トレハロース・2水和物及び1重量%Trisを含む。
【0538】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、乾燥医薬製剤の総重量に基づいて、32.6重量%CNPコンジュゲート、1.0重量%コハク酸、65.2重量%トレハロース・2水和物及び1.2重量%Trisを含む。
【0539】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、乾燥医薬製剤の総重量に基づいて、約8.2重量%CNPコンジュゲート、約1.2重量%コハク酸、約89.1重量%トレハロース・2水和物及び約1.5重量%Trisを含む。
【0540】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、乾燥医薬製剤の総重量に基づいて、8重量%CNPコンジュゲート、1重量%コハク酸、89重量%トレハロース・2水和物及び2重量%Trisを含む。
【0541】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、乾燥医薬製剤の総重量に基づいて、8.2重量%CNPコンジュゲート、1.2重量%コハク酸、89.1重量%トレハロース・2水和物及び1.5重量%Trisを含む。
【0542】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、乾燥医薬製剤の総重量に基づいて、約2.3重量%CNPコンジュゲート、約1.3重量%コハク酸、約94.9重量%トレハロース・2水和物及び約1.6重量%Trisを含む。
【0543】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、乾燥医薬製剤の総重量に基づいて、2重量%CNPコンジュゲート、1重量%コハク酸、95重量%トレハロース・2水和物及び2重量%Trisを含む。
【0544】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、乾燥医薬製剤の総重量に基づいて、2.3重量%CNPコンジュゲート、1.3重量%コハク酸、94.9重量%トレハロース・2水和物及び1.6重量%Trisを含む。
【0545】
本発明の乾燥医薬製剤は、少なくとも6ヶ月間、例えば少なくとも7ヶ月間、例えば少なくとも8ヶ月間、例えば少なくとも9ヶ月間、例えば少なくとも10ヶ月間、例えば少なくとも11ヶ月間、例えば少なくとも12ヶ月間安定な乾燥医薬製剤である。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、少なくとも14ヶ月間、例えば少なくとも16ヶ月間、例えば少なくとも18ヶ月間、例えば少なくとも20ヶ月間、例えば少なくとも22ヶ月間、例えば少なくとも24ヶ月間、例えば少なくとも40ヶ月間、例えば少なくとも60ヶ月間安定である。
【0546】
特定の実施形態において、本発明の乾燥医薬製剤は、-80℃~25℃、例えば-20℃~25℃、例えば-15℃~25℃、例えば-10℃~25℃、例えば-5℃~5℃、-5℃~25℃、例えば0℃~5℃、例えば0℃~25℃、例えば2℃~10℃又は例えば4℃~8℃の範囲の温度で保存される。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、2℃で保存される。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、5℃で保存される。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、6℃で保存される。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、8℃で保存される。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、10℃で保存される。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、16℃で保存される。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、20℃で保存される。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、25℃で保存される。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、30℃で保存される。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、40℃で保存される。
【0547】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、0~10℃で保存した場合に少なくとも12ヶ月間安定である。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、2~10℃で保存した場合に少なくとも12ヶ月間安定である。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、4~8℃で保存した場合に少なくとも12ヶ月間安定である。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、5℃で保存した場合に少なくとも12ヶ月間安定である。
【0548】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、5℃で保存した場合に少なくとも24ヶ月間安定である。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、5℃で保存した場合に少なくとも36ヶ月間安定である。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、5℃で保存した場合に少なくとも48ヶ月間安定である。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、5℃で保存した場合に少なくとも60ヶ月間安定である。
【0549】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、25℃で保存した場合に6ヶ月間安定である。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、25℃で保存した場合に少なくとも6ヶ月間安定である。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、25℃で保存した場合に少なくとも12ヶ月間安定である。
【0550】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、30℃で保存した場合に6ヶ月間安定である。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、30℃で保存した場合に少なくとも6ヶ月間安定である。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、30℃で保存した場合に少なくとも12ヶ月間安定である。
【0551】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、40℃で保存した場合に6ヶ月間安定である。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、40℃で保存した場合に少なくとも6ヶ月間安定である。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤は、40℃で保存した場合に少なくとも12ヶ月間安定である。
【0552】
特定の実施形態において、本発明の乾燥医薬製剤は、単一用量として提供される、すなわちCNPコンジュゲートの乾燥医薬製剤を含む溶液は、1治療用量を含む。
【0553】
好ましい乾燥方法は凍結乾燥である、すなわち、医薬製剤は凍結乾燥医薬製剤である。
【0554】
本発明の別の態様は、本発明による乾燥医薬製剤の製造方法であって、
(i)CNPコンジュゲートを少なくとも緩衝剤及び増量剤と混合する工程;
(ii)工程(i)の混合物のpHを調節する工程;
(iii)任意に、工程(ii)からの混合物を濾過する工程;
(iv)所望回数の投与量に相当する量の工程(ii)又は(iii)からの混合物を容器に移し入れる工程;
(v)前記混合物を乾燥する工程;
(vi)前記容器を密閉する工程
を含み;
工程(ii)及び(iii)の順序が逆になっていても良い方法である。
【0555】
理解される点として、前記混合物の乾燥工程(v)時に、増量剤がリオプロクタントとなり得る。
【0556】
特定の実施形態において、工程(ii)及び(iii)は逆にはならない。
【0557】
特定の実施形態において、工程(i)におけるCNPコンジュゲートは、緩衝剤及び増量剤と混合される。
【0558】
工程(iv)で容器中に移し入れられる投与量回数は、少なくとも1、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30であることができるか、30より大きいものであることができる。
【0559】
特定の実施形態において、本発明による乾燥医薬製剤の製造方法は、
(i)CNPコンジュゲートを少なくともコハク酸及びトレハロース・2水和物と混合して、
CNPコンジュゲート:0.9~82.1mg/mL
コハク酸:1.3-57.6mM
トレハロース・2水和物:67~111.6mg/mL
を含む製剤を得る工程;
(ii)工程(i)の混合物のpHを調節して、pH4.0~pH6.0の範囲のpHとする工程;
(iii)任意に、工程(ii)からの混合物を濾過する工程;
(iv)所望回数の投与量に相当する量の工程(ii)又は(iii)からの混合物を容器中に移し入れる工程;
(v)前記混合物を乾燥させる工程;
(vi)前記容器を密閉する工程
を含み;
工程(ii)及び(iii)の順序が逆になっていても良い。
【0560】
特定の実施形態において、工程(ii)及び(iii)は逆にはならない。
【0561】
特定の実施形態において、工程(ii)では、工程(i)の混合物のpHは、Trisによって調節される。
【0562】
特定の実施形態において、工程(i)におけるCNPコンジュゲートをコハク酸及びトレハロース・2水和物と混合して、
CNPコンジュゲート:0.9~82.1mg/mL
コハク酸:1.3~57.6 mM
トレハロース・2水和物:67~111.6mg/mL
を含む製剤を得る。
【0563】
特定の実施形態において、工程(i)における製剤は、
CNPコンジュゲート:19.8~73.6mg/mL
コハク酸:1.7~50mM
トレハロース・2水和物:63~100mg/mL
を含み、
工程(ii)において、pHをpH4.0~pH6.0の範囲のpHに調節する。
【0564】
特定の実施形態において、工程(i)における製剤は、
CNPコンジュゲート:19.8~73.6mg/mL
コハク酸:1.7~50mM
トレハロース・2水和物:56~100mg/mL
を含み、
工程(ii)において、pHをpH4.0~pH6.0の範囲のpHに調節する。
【0565】
特定の実施形態において、工程(i)における製剤は、
CNPコンジュゲート:4.2~16.5mg/mL
コハク酸:1.7~36.4 mM
トレハロース・2水和物:67~105mg/mL
を含み、
工程(ii)において、pHをpH4.0~pH6.0の範囲のpHに調節する。
【0566】
特定の実施形態において、工程(i)における製剤は、
CNPコンジュゲート:1.0~4.4mg/mL
コハク酸:1.7~33 mM
トレハロース・2水和物:67~105mg/mL
を含み、
工程(ii)において、pHをpH4.0~pH6.0の範囲のpHに調節する。
【0567】
特定の実施形態において、工程(i)における製剤は、
CNPコンジュゲート:27.5~50.5mg/mL
コハク酸:5.1~20.3 mM
トレハロース・2水和物:67~95mg/mL
を含み、
工程(ii)において、pHをpH4.0~pH6.0の範囲のpHに調節する。
【0568】
特定の実施形態において、工程(i)における製剤は、
CNPコンジュゲート:5.8~10.8mg/mL
コハク酸:5.1~20.3 mM
トレハロース・2水和物:72~105mg/mL
を含み、
工程(ii)において、pHをpH4.0~pH6.0の範囲のpHに調節する。
【0569】
特定の実施形態において、工程(i)における製剤は、
CNPコンジュゲート:1.5~2.9mg/mL
コハク酸:5.1~20.3mM
トレハロース・2水和物:73~105mg/mL
を含み、
工程(ii)において、pHをpH4.0~pH6.0の範囲のpHに調節する。
【0570】
特定の実施形態において、工程(i)における製剤は、
CNPコンジュゲート:37.4~42.9mg/mL
コハク酸:9.3~10.2mM
トレハロース・2水和物:71~87mg/mL
を含み、
工程(ii)において、pHをpH4.5~pH5.5の範囲のpHに調節する。
【0571】
特定の実施形態において、工程(i)における製剤は、
CNPコンジュゲート:7.5~9.1mg/mL
コハク酸:9.3~11mM
トレハロース・2水和物:75~97mg/mL
を含み、
工程(ii)において、pHをpH4.5~pH5.5の範囲のpHに調節する。
【0572】
特定の実施形態において、工程(i)における製剤は、
CNPコンジュゲート:1.9~2.4mg/mL
コハク酸:9.3~11mM
トレハロース・2水和物:77~97mg/mL
を含み、
工程(ii)において、pHをpH4.5~pH5.5の範囲のpHに調節する。
【0573】
特定の実施形態において、工程(i)における製剤は、約60.4mg/mLCNPコンジュゲート、約10mMコハク酸、約70mg/mLトレハロース・2水和物を含み、工程(ii)において、pHをpH5に調節する。
【0574】
特定の実施形態において、工程(i)における製剤は、60.4mg/mLCNPコンジュゲート、10mMコハク酸、70mg/mLトレハロース・2水和物を含み、工程(ii)において、pHをpH5に調節する。
【0575】
特定の実施形態において、工程(i)における製剤は、約39.6mg/mLCNPコンジュゲート、約10mMコハク酸、約79.0mg/mLトレハロース・2水和物を含み、工程(ii)において、pHをpH5に調節する。
【0576】
特定の実施形態において、工程(i)における製剤は、40mg/mLCNPコンジュゲート、10mMコハク酸、79mg/mLトレハロース・2水和物を含み、工程(ii)において、pHをpH5に調節する。
【0577】
特定の実施形態において、工程(i)における製剤は、39.6mg/mLCNPコンジュゲート、10mMコハク酸、79.0mg/mLトレハロース・2水和物を含み、工程(ii)において、pHをpH5に調節する。
【0578】
特定の実施形態において、工程(i)における製剤は、約8.2mg/mLCNPコンジュゲート、約10mMコハク酸、約89.0mg/mLトレハロース・2水和物を含み、工程(ii)において、pHをpH5に調節する。
【0579】
特定の実施形態において、工程(i)における製剤は、8mg/mLCNPコンジュゲート、10mMコハク酸、89mg/mLトレハロース・2水和物を含み、工程(ii)において、pHをpH5に調節する。
【0580】
特定の実施形態において、工程(i)における製剤は、8.2mg/mLCNPコンジュゲート、10mMコハク酸、89.0mg/mLトレハロース・2水和物を含み、工程(ii)において、pHをpH5に調節する。
【0581】
特定の実施形態において、工程(i)における製剤は、約2.2mg/mLCNPコンジュゲート、約10mMコハク酸、約89.5mg/mLトレハロース・2水和物を含み、、工程(ii)において、pHをpH5に調節する。
【0582】
特定の実施形態において、工程(i)における製剤は、2mg/mLCNPコンジュゲート、10mMコハク酸、90mg/mLトレハロース・2水和物を含み、工程(ii)において、pHをpH5に調節する。
【0583】
特定の実施形態において、工程(i)における製剤は、2.2mg/mLCNPコンジュゲート、10mMコハク酸、89.5mg/mLトレハロース・2水和物を含み、工程(ii)において、pHをpH5に調節する。
【0584】
投与を必要とする患者に対して本発明の乾燥医薬製剤を投与する前に、乾燥医薬製剤を再生(再構成)する。乾燥医薬製剤の再生製剤への再生は、所定量の再生溶液を乾燥医薬製剤に加えることで行う。従って、本発明のさらなる態様は、本発明の乾燥医薬製剤の再生方法であって、
(a)本発明の乾燥医薬製剤を再生溶液と接触させる工程を含む方法である。
【0585】
本発明の別の態様は、本発明の乾燥医薬製剤の再生方法から得ることができる再生医薬製剤である。
【0586】
理解される点として、本発明の乾燥医薬製剤の増量剤は、乾燥医薬製剤でのみ増量機能を果たすものであり、すなわち、再生医薬製剤ではそれを発揮せず、乾燥医薬製剤の再生時には、その増量剤は等張剤の機能を果たす。
【0587】
再生は、CNPコンジュゲートを含む乾燥医薬製剤が提供される容器、例えばバイアル;注射器、例えば二室式注射器;アンプル;カートリッジ、例えば二室式カートリッジで行うことができ;又は乾燥医薬製剤を異なる容器に移すことができ、その後に再生を行う。
【0588】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤の再生を行う容器はバイアルである。
【0589】
特定の実施形態において、乾燥医薬製剤の再生を行う容器は注射器である。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤の再生を行う容器は二室式注射器である。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤の再生を行う容器はカートリッジである。特定の実施形態において、乾燥医薬製剤の再生を行う容器は二室式カートリッジである。
【0590】
特定の実施形態において、本発明による乾燥医薬製剤は二室式注射器の第1のチャンバで提供され、再生溶液は二室式注射器の第2のチャンバで提供される。
【0591】
特定の実施形態において、本発明による乾燥医薬製剤は二室式カートリッジの第1のチャンバで提供され、再生溶液は二室式カートリッジの第2のチャンバで提供される。
【0592】
本発明の別の態様は、本発明の乾燥医薬製剤又は再生製剤を含む容器を指す。
【0593】
乾燥医薬製剤の再生時間は治療設定に適していることが認められた。特定の実施形態において、界面活性剤、例えばポリソルベート20又はポリソルベート80を、CNPコンジュゲートを含む製剤へ添加することで、乾燥医薬製剤の再生時間が長くなる。従って、特定の実施形態において、本発明による乾燥医薬製剤は、界面活性剤、例えばポリソルベート20又はポリソルベート80を含まない。
【0594】
再生溶液は無菌液体、例えば水又は緩衝液であり、それは、さらなる添加剤、例えば保存剤及び/又は抗菌剤を含むことができる。
【0595】
特定の実施形態において、再生溶液は、1以上の保存剤及び/又は抗菌剤及び/又は酸化防止剤を含む。
【0596】
特定の実施形態において、再生溶液は1以上の保存剤を含む。
【0597】
保存剤は、m-クレゾール、安息香酸、フェノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、ソルビン酸カリウム、クロロブタノール、ベンジルアルコール、硝酸フェニル水銀、チメロサール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、クロロクレゾール、塩化ベンザルコニウム、2-エトキシエタノール、クロルヘキシジン、クロロブタノール、フェニルエチルアルコール、酢酸フェニル水銀及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0598】
特定の実施形態において、保存剤はm-クレゾールである。特定の実施形態において、保存剤はベンジルアルコールである。特定の実施形態において、保存剤は安息香酸である。特定の実施形態において、保存剤はフェノールである。特定の実施形態において、保存剤はメチルパラベンである。特定の実施形態において、保存剤はエチルパラベンである。特定の実施形態において、保存剤はプロピルパラベンである。特定の実施形態において、保存剤はブチルパラベンである。特定の実施形態において、保存剤はソルビン酸カリウムである。特定の実施形態において、保存剤はベンジルアルコールである。特定の実施形態において、保存剤は硝酸フェニル水銀である。特定の実施形態において、保存剤はチメロサールである。特定の実施形態において、保存剤はソルビン酸である。特定の実施形態において、保存剤はソルビン酸カリウムである。特定の実施形態において、保存剤はクロロクレゾールである。特定の実施形態において、保存剤は塩化ベンザルコニウムである。特定の実施形態において、保存剤は2-エトキシエタノールである。特定の実施形態において、保存剤はクロルヘキシジンである。特定の実施形態において、保存剤はクロロブタノールである。特定の実施形態において、保存剤はフェニルエチルアルコールである。特定の実施形態において、保存剤は酢酸フェニル水銀である。
【0599】
特定の実施形態において、保存剤は、1~10mg/mLの範囲の濃度を有する。特定の実施形態において、保存剤は、1.5~3.5mg/mLの範囲の濃度を有する。特定の実施形態において、保存剤は、2~3mg/mLの範囲の濃度を有する。
【0600】
酸化防止剤は、メチオニン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トコフェロール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ポリ(エチレンイミン)、ビタミンE及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0601】
特定の実施形態において、保存剤はメチオニンである。特定の実施形態において、保存剤はブチルヒドロキシトルエンである。特定の実施形態において、保存剤はブチルヒドロキシアニソールである。特定の実施形態において、保存剤はトコフェロールである。特定の実施形態において、保存剤は没食子酸プロピルである。特定の実施形態において、保存剤はエチレンジアミン四酢酸である。特定の実施形態において、保存剤はポリ(エチレンイミン)である。特定の実施形態において、保存剤はビタミンEである。
【0602】
本明細書で定義される場合、「メチオニン」という用語は、D-メチオニン及びL-メチオニンの両方、並びにこれらの混合物を包含するものである。特定の実施形態において、「メチオニン」という用語はL-メチオニンを指す。特定の実施形態において、「メチオニン」という用語はD-メチオニンを指す。特定の実施形態において、「メチオニン」という用語はD-メチオニン又はL-メチオニンの混合物を指す。特定の実施形態において、「メチオニン」という用語はL-メチオニン塩酸塩を指す。
【0603】
本明細書で定義される場合、「EDTA」という用語は、当業界で公知である全てのEDTA型、例えばEDTA塩、例えばEDTA金属塩、例えばEDTA・2ナトリウム塩、EDTA・2カリウム塩、EDTAカルシウム塩、EDTA・2マグネシウム塩又はこれらの混合物を包含するものである。特定の実施形態において、EDTAはEDTA・2ナトリウム塩を指す。特定の実施形態において、「EDTA」という用語はEDTA・カルシウム塩を指す。特定の実施形態において、「EDTA」という用語はEDTA無水物を指す。
【0604】
特定の実施形態において、酸化防止剤のCNP部分に対するモル比は、約0.1:1~約100:1である。特定の実施形態において、酸化防止剤のCNP部分に対するモル比は約0.1:1~約70:1である。特定の実施形態において、酸化防止剤のCNP部分に対するモル比は、約0.1:1~約15:1である。特定の実施形態において、酸化防止剤のCNP部分に対するモル比は、約1:1~約10:1である。特定の実施形態において、酸化防止剤のCNP部分に対するモル比は、約3:1~約7:1である。
【0605】
特定の実施形態において、再生溶液は抗菌剤を含まない。
【0606】
特定の実施形態において、再生溶液は抗菌剤を含む。
【0607】
特定の実施形態において、再生溶液は1以上の賦形剤を含む。
【0608】
特定の実施形態において、再生溶液は無菌水である。
【0609】
特定の実施形態において、再生溶液は、0.7~1.1%ベンジルアルコールを含む無菌水である。
【0610】
特定の実施形態において、再生溶液は、0.9%ベンジルアルコールを含む無菌水である。
【0611】
特定の実施形態において、再生溶液はpH調整剤を含む。
【0612】
本明細書で使用される場合、「pH調整剤」という用語は、再生溶液のpHを調整するのに使用される化合物を指す。
【0613】
特定の実施形態において、pH調整剤は、酸又はそれの酸性塩であることができる。その酸は、酢酸、クエン酸、コハク酸、塩酸、リン酸、炭酸、硝酸及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0614】
特定の実施形態において、pH調整剤は塩基又はそれの塩基性塩であることができる。その塩基は、Tris(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リジン及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0615】
再生後、CNPコンジュゲートを含む単一用量製剤は、4mL以下、例えば約0.03~約1.1mLの体積を有する。特定の実施形態において、その体積は約0.03mLである。特定の実施形態において、その体積は約0.05mLである。特定の実施形態において、その体積は約0.1mLである。特定の実施形態において、その体積は約0.3mLである。特定の実施形態において、その体積は約0.8mLである。特定の実施形態において、その体積は約1mLである。特定の実施形態において、その体積は約2mLである。特定の実施形態において、その体積は約3mLである。特定の実施形態において、その体積は約4mLである。
【0616】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、製剤中で、1回の投与に少なくとも3日間、例えば少なくとも4日間、例えば少なくとも5日間、例えば少なくとも6日間にわたり治療上有効量のCNPを提供するのに十分な量で投与される。
【0617】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートは、製剤中で、1週間にわたり治療上有効量のCNPを提供するのに十分な量で投与される。
【0618】
緩衝剤は、再生製剤のpHを所望の範囲内に維持する。特定の実施形態において、塩基性条件下ではCNP-コンジュゲート内の可逆的連結が安定ではない可能性があることから、再生製剤のpHは6以下である。
【0619】
特定の実施形態において、再生製剤のpHは約pH4~約pH6である。特定の実施形態において、再生製剤のpHは約pH4.5~約pH5.5である。特定の実施形態において、再生製剤のpHは約5である。特定の実施形態において、再生製剤のpHは5である。
【0620】
特定の実施形態において、緩衝剤は、再生製剤中で1.3~57.6mMの範囲の濃度を有する。特定の実施形態において、緩衝剤は、再生製剤中で1.7~33mMの範囲の濃度を有する。特定の実施形態において、緩衝剤は、再生製剤中で5.1~20.3mMの範囲の濃度を有する。特定の実施形態において、緩衝剤は、再生製剤中で約10mMの濃度を有する。
【0621】
特定の実施形態において、再生製剤は、
CNPコンジュゲート:0.9-82.1mg/mL
コハク酸:1.3-57.6mM
トレハロース・2水和物:67-111.6mg/mL
を含み、
pH4.0~pH6.0の範囲のpHを有する。
【0622】
再生製剤は、CNPコンジュゲートの異なる強度、すなわち異なる濃度、例えば高、中及び低強度でも入手可能である。従って、本発明の再生製剤が、CNPコンジュゲートの異なる濃度で、例えば2の異なる濃度で、例えば3の異なる濃度で、例えば4の異なる濃度で、例えば5の異なる濃度で、例えば6の異なる濃度で、例えば7の異なる濃度で、例えば8の異なる濃度で、例えば9の異なる濃度で、例えば10の異なる濃度で、例えば11の異なる濃度で、例えば12の異なる濃度で提供されることが、本発明の別の態様である。
【0623】
本発明の再生製剤中に含まれる要素の濃度には丸め誤差があり得る、すなわち特定の乾燥製剤から出発した場合、相当する再生製剤の組成は、必要な丸め込みのために、ある程度変動し得ることは、当業者であれば認識するものである。
【0624】
特定の実施形態において、再生製剤は、
CNPコンジュゲート:19.8~73.6mg/mL
コハク酸:1.7~50mM
トレハロース・2水和物:63~100mg/mL
を含み、pH4.0~pH6.0の範囲のpHを有する。
【0625】
特定の実施形態において、再生製剤は、
CNPコンジュゲート:4.2~16.5mg/mL
コハク酸:1.7~36.4mM
トレハロース・2水和物:67~105mg/mL
を含み、pH4.0~pH6.0の範囲のpHを有する。
【0626】
特定の実施形態において、再生製剤は、
CNPコンジュゲート:1.0~4.4mg/mL
コハク酸:1.7~33mM
トレハロース・2水和物:67~105mg/mL
を含み、pH4.0~pH6.0の範囲のpHを有する。
【0627】
特定の実施形態において、再生製剤は、
CNPコンジュゲート:27.5~50.5mg/mL
コハク酸:5.1~20.3mM
トレハロース・2水和物:67~95mg/mL
を含み、pH4.0~pH6.0の範囲のpHを有する。
【0628】
特定の実施形態において、再生製剤は、
CNPコンジュゲート:5.8~10.8mg/mL
コハク酸:5.1~20.3mM
トレハロース・2水和物:72~105mg/mL
を含み、pH4.0~pH6.0の範囲のpHを有する。
【0629】
特定の実施形態において、再生製剤は、
CNPコンジュゲート:1.5~2.9mg/mL
コハク酸:5.1~20.3mM
トレハロース・2水和物:73~105mg/mL
を含み、pH4.0~pH6.0の範囲のpHを有する。
【0630】
特定の実施形態において、再生製剤は、
CNPコンジュゲート:37.4~42.9mg/mL
コハク酸:9.3~10.2mM
トレハロース・2水和物:71~87mg/mL
を含み、pH4.5~pH5.5の範囲のpHを有する。
【0631】
特定の実施形態において、再生製剤は、
CNPコンジュゲート:7.5~9.1mg/mL
コハク酸:9.3~11mM
トレハロース・2水和物:75~97mg/mL
を含み、pH4.5~pH5.5の範囲のpHを有する。
【0632】
特定の実施形態において、再生製剤は、
CNPコンジュゲート:1.9~2.4mg/mL
コハク酸:9.3~11mM
トレハロース・2水和物:77~97mg/mL
を含み、pH4.5~pH5.5の範囲のpHを有する。
【0633】
特定の実施形態において、再生製剤は、約60.4mg/mLCNPコンジュゲート、約10mMコハク酸、約70mg/mLトレハロース・2水和物を含み、pH5を有する。
【0634】
特定の実施形態において、再生製剤は、60.4mg/mLCNPコンジュゲート、10mMコハク酸、70mg/mLトレハロース・2水和物を含み、pH5を有する。
【0635】
特定の実施形態において、再生製剤は、約60.4mg/mLCNPコンジュゲート、約10mMコハク酸、約56mg/mLトレハロース・2水和物を含み、pH5を有する。
【0636】
特定の実施形態において、再生製剤は、60.4mg/mLCNPコンジュゲート、10mMコハク酸、56mg/mLトレハロース・2水和物を含み、pH5を有する。
【0637】
特定の実施形態において、再生製剤は、約39.6mg/mLCNPコンジュゲート、約10mMコハク酸、約79.0mg/mLトレハロース・2水和物を含み、pH5を有する。
【0638】
特定の実施形態において、再生製剤は、40mg/mLCNPコンジュゲート、10mMコハク酸、79mg/mLトレハロース・2水和物を含み、pH5を有する。
【0639】
特定の実施形態において、再生製剤は、39.6mg/mLCNPコンジュゲート、10mMコハク酸、79.0mg/mLトレハロース・2水和物を含み、pH5を有する。
【0640】
特定の実施形態において、再生製剤は、約8.2mg/mLCNPコンジュゲート、約10mMコハク酸、約89.0mg/mLトレハロース・2水和物を含み、pH5を有する。
【0641】
特定の実施形態において、再生製剤は、8mg/mLCNPコンジュゲート、約10mMコハク酸、89mg/mLトレハロース・2水和物を含み、pH5を有する。
【0642】
特定の実施形態において、再生製剤は、8.2mg/mLCNPコンジュゲート、10mMコハク酸、89.0mg/mLトレハロース・2水和物を含み、pH5を有する。
【0643】
特定の実施形態において、再生製剤は、約2.2mg/mLCNPコンジュゲート、約10mMコハク酸、約89.5mg/mLトレハロース・2水和物を含み、pH5を有する。
【0644】
特定の実施形態において、再生製剤は、2mg/mLCNPコンジュゲート、10mMコハク酸、90mg/mLトレハロース・2水和物を含み、pH5を有する。
【0645】
特定の実施形態において、再生製剤は、2.2mg/mLCNPコンジュゲート、10mMコハク酸、89.5mg/mLトレハロース・2水和物を含み、pH5を有する。
【0646】
再生製剤は、注射、注入、皮内、皮下、筋肉、静注、骨内、及び腹腔内によって投与することができる。
【0647】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートを含む再生製剤は、皮下注射によって投与される。
【0648】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートを含む再生製剤は、注射器、針、ペン注射器又は自動注射器を用いる皮下注射によって投与される。
【0649】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートを含む再生製剤は、注射器を用いる皮下注射によって投与される。
【0650】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートを含む再生製剤は、ペン注射器を用いる皮下注射によって投与される。
【0651】
特定の実施形態において、CNPコンジュゲートを含む再生製剤は、自動注射器を用いる皮下注射によって投与される。
【0652】
本発明の別の態様は、医薬として使用される、本発明の乾燥若しくは再生医薬製剤である。
【0653】
別の態様において、本発明は、CNPによって治療、抑制、遅延又は予防可能な1以上の疾患の治療、抑制、遅延若しくは予防で使用される、本発明の乾燥若しくは再生医薬製剤に関するものである。
【0654】
特定の実施形態において、本発明は、CNPによって治療可能である1以上の疾患の治療で使用される、本発明の乾燥若しくは再生医薬製剤に関するものである。
【0655】
本発明のさらなる態様は、患者において、CNPによって治療可能である1以上の疾患を治療、抑制、遅延若しくは予防する方法であって、当該患者に対して、治療上有効量の本発明の再生医薬製剤を投与することを含む方法である。
【0656】
特定の実施形態において、患者は成人である。特定の実施形態において、患者は小児患者である。
【0657】
特定の実施形態において、CNPによって治療、抑制、遅延若しくは予防することができる前記1以上の疾患は、骨関連障害、例えば骨格形成異常などの骨関連障害;がん;自己免疫疾患;線維症;炎症性疾患;中枢神経系疾患、例えば神経変性疾患;感染症;肺疾患;心臓及び血管疾患;代謝性疾患;及び眼疾患からなる群から選択される。
【0658】
特定の実施形態において、CNPによって治療、抑制、遅延若しくは予防することができる前記1以上の疾患は、軟骨形成不全症、低軟骨形成症、低身長症、小人症、骨軟骨形成異常、致死性骨異形成症、骨形成不全症、軟骨無発生症、点状軟骨異形成症、ホモ接合型軟骨形成不全、屈曲肢異形成症、先天性致死性低ホスファターゼ症、周産期致死型の骨形成不全症、短肋骨多指症候群、肢根型の点状軟骨異形成症、ヤンセン型骨幹端異形成、先天性脊椎・骨端骨異形成症、骨発生不全症、捻曲性骨異形成症、先天性大腿骨短縮症、ランガー型中間肢異形成症、ニーベルゲルト型中間肢異形成症、ロビノウ症候群、ラインハルト症候群、先端骨形成不全症、末梢骨形成不全症、クナイスト骨異形成症、線維性軟骨発生症、ロバーツ症候群、遠位中間肢異形成症、小肢症、モルキオ症候群、クナイスト症候群、変容性骨異形成症、脊椎骨端骨幹端異形成、神経線維腫症、レギウス症候群、レオパード症候群、ヌーナン症候群、遺伝性歯肉線維腫症、神経線維腫症1型、レギウス症候群、心臓・顔・皮膚症候群、コステロ症候群、SHOX欠損症、特発性低身長症、成長ホルモン欠損症、変形性関節症、鎖骨頭蓋骨形成不全症、頭蓋骨癒合症(例えば、ムエンケ症候群、クルーゾン症候群、アペルト症候群、ジャクソン-ワイス症候群、ファイファー症候群、又はクルーゾン皮膚骨格症候群(Crouzonodermoskeletal syndrome))、指症(dactyly)、短指症、屈指症、多指症、合指症、分節異常異形成症、内軟骨腫症、線維性骨異形成、遺伝性多発性外骨症、低リン血症性くる病、ヤッフェ-リヒテンシュタイン症候群、マルファン症候群、マッキューン-オルブライト症候群、大理石骨病、骨斑紋症、出血性ショック、高血圧、再狭窄、動脈硬化症、急性非代償性心不全、鬱血性心不全、心臓性浮腫、腎性浮腫、肝性浮腫、急性腎不全、慢性腎不全、緑内障、高眼圧、多発性骨髄腫、骨髄増殖性症候群、白血病、形質細胞性白血病、リンパ腫、グリア芽腫、前立腺がん、膀胱がん、乳がん、成長遅延、頭蓋変形、歯科矯正的欠陥(orthodontic defects)、頸髄圧迫、脊髄狭窄、水頭症、慢性耳炎による聴覚消失、心血管疾患、神経疾患及び肥満からなる群から選択される。
【0659】
特定の実施形態において、CNPによって治療、抑制、遅延若しくは予防することができる前記1以上の疾患は、軟骨形成不全症、例えばホモ接合型軟骨形成不全、低軟骨形成症、低身長症、小人症、骨軟骨形成異常、致死性骨異形成症、骨形成不全症、軟骨無発生症、点状軟骨異形成症、屈曲肢異形成症、先天性致死性低ホスファターゼ症、周産期致死型の骨形成不全症、短肋骨多指症候群、肢根型の点状軟骨異形成症(近位肢節短縮型の点状軟骨異形成症)、ヤンセン型骨幹端異形成、先天性脊椎・骨端骨異形成症、骨発生不全症、捻曲性骨異形成症、先天性大腿骨短縮症、ランガー型中間肢異形成症、ニーベルゲルト型中間肢異形成症、ロビノウ症候群、ラインハルト症候群、先端骨形成不全症、末梢骨形成不全症、クナイスト骨異形成症、線維性軟骨発生症、ロバーツ症候群、遠位中間肢異形成症、小肢症、モルキオ症候群、クナイスト症候群、変容性骨異形成症、脊椎骨端骨幹端異形成、神経線維腫症、レギウス症候群、レオパード症候群、ヌーナン症候群、遺伝性歯肉線維腫症、神経線維腫症1型、レギウス症候群、心臓・顔・皮膚症候群、コステロ症候群、SHOX欠損症、特発性低身長症、成長ホルモン欠損症、変形性関節症、鎖骨頭蓋骨形成不全症、頭蓋骨癒合症(例えば、ムエンケ症候群、クルーゾン症候群、アペルト症候群、ジャクソン-ワイス症候群、ファイファー症候群、又はクルーゾン皮膚骨格症候群(Crouzonodermoskeletal syndrome))、指症(dactyly)、短指症、屈指症、多指症、合指症、分節異常異形成症、内軟骨腫症、線維性骨異形成、遺伝性多発性外骨症、低リン血症性くる病、ヤッフェ-リヒテンシュタイン症候群、マルファン症候群、マッキューン-オルブライト症候群、大理石骨病、骨斑紋症、出血性ショック、高血圧、再狭窄、動脈硬化症、急性非代償性心不全、鬱血性心不全、心臓性浮腫、腎性浮腫、肝性浮腫、急性腎不全、慢性腎不全、緑内障、高眼圧、多発性骨髄腫、骨髄増殖性症候群、白血病、形質細胞性白血病、リンパ腫、グリア芽腫、前立腺がん、膀胱がん、乳がん、成長遅延、頭蓋変形、歯科矯正的欠陥(orthodontic defects)、頸髄圧迫、脊髄狭窄、水頭症、慢性耳炎による聴覚消失、肥満、異常なRAS-マイトジェン活性化タンパク質キナーゼシグナル伝達が関与する障害、肺高血圧、血管障害、内皮機能不全、肝硬変、肝性腹水、肝線維症、肝腎症候群、喘息、肺線維症、慢性腎疾患、心腎症候群、呼吸困難及びリソソーム蓄積症、例えばムコ多糖症からなる群から選択される。
【0660】
特定の実施形態において、CNPによって治療、抑制、遅延若しくは予防することができる前記1以上の疾患は、不整脈、例えば心不整脈若しくは洞性不整脈;心房細動;心房粗動;徐脈;ブルガダ症候群;期外収縮;心臓振盪;心臓ブロック;QT延長症候群;副収縮;早期興奮症候群;頻脈;心室細動;心室粗動;心刺激伝導障害;低心拍出量;心臓肥大;拡張型心筋症;左心室肥大又は右心室肥大などの肥大;アルコール性、拡張型、肥大型、拘束型、糖尿病性若しくはシャーガス心筋症などの心筋症;不整脈源性右心室異形成;心内膜線維弾性症;心内膜心筋線維症;糖原病IIb型;カーンズ・セイヤー症候群;心筋再灌流障害;心筋炎;サルコグリカン異常症;細菌性若しくは非感染性心内膜炎などの心内膜炎;心停止;突然心臓死;院外心停止;心腎症候群;発作性呼吸困難;心臓性浮腫、拡張期若しくは収縮期心不全などの心不全;心臓弁膜症;大動脈弁閉鎖不全症;大動脈弁狭窄症;心臓弁逸脱;僧帽弁閉鎖不全症;僧帽弁狭窄症;肺動脈閉鎖;肺動脈弁閉鎖不全症;肺動脈弁狭窄症;三尖弁閉鎖症;三尖弁閉鎖不全症;三尖弁狭窄症;心筋虚血;急性冠症候群;狭心症;冠状動脈疾患;コーニス症候群;心筋梗塞;肺性心疾患;左心室若しくは右心室機能不全などの心室機能不全;心室流出路閉塞;大動脈弁狭窄症、肺動脈弁狭窄症;高血圧;アテローム性動脈硬化症;再狭窄;重症下肢虚血;末梢動脈疾患;虚血再灌流傷害若しくは虚血性傷害などの虚血;心臓浮腫及び心筋浮腫での異常体液貯留からなる群から選択される1以上の心臓血管疾患である。
【0661】
特定の実施形態において、CNPによって治療、抑制、遅延若しくは予防することができる前記1以上の疾患は、心筋梗塞などの虚血性心疾患;鬱血性心不全;不整脈及びアテローム性動脈硬化症からなる群から選択される。
【0662】
特定の実施形態において、CNPによって治療、抑制、遅延若しくは予防することができる前記1以上の疾患は、虚血性低酸素症などの脳虚血;脳梗塞;一過性脳虚血発作;椎骨脳底動脈循環不全;脳血管障害;脳卒中;頭蓋内出血;角膜血管新生;角膜移植;移植片対宿主病;移植片拒絶;閉塞隅角、血管新生、開放隅角若しくは低眼圧緑内障などの緑内障;虚血性視神経症;中心性漿液性脈絡網膜症;糖尿病性若しくは高血圧性網膜症などの網膜症;網膜変性;黄斑変性症;地理状萎縮;黄斑浮腫;シュタルガルト病;硝子体黄斑ジストロフィー;滲出型黄斑変性;網膜分離症;網膜剥離;網膜穿孔;網膜出血;網膜血管新生;網膜静脈閉塞;網膜動脈閉塞;未熟児網膜症;及び増殖性硝子体網膜症からなる群から選択される1以上の中枢神経系疾患である。
【0663】
特定の実施形態において、前記1以上の疾患は、低ホスファターゼ血症、軟骨低形成症、ムエンケ症候群、高血圧、骨形成不全症及び軟骨形成不全症からなる群から選択される。
【0664】
特定の実施形態において、CNP発明で治療可能な前記1以上の疾患は、低ホスファターゼ血症である。特定の実施形態において、CNPで治療可能な前記1以上の疾患は、軟骨低形成症である。特定の実施形態において、CNPで治療可能な前記1以上の疾患はムエンケ症候群である。特定の実施形態において、CNPで治療可能な前記1以上の疾患は高血圧である。特定の実施形態において、CNPで治療可能な前記1以上の疾患は骨形成不全症である。特定の実施形態において、CNPで治療可能な前記1以上の疾患は軟骨形成不全症である。
【実施例
【0665】
材料及び方法
別断の断りがある場合を除き、材料はいずれも市販品とした。
【0666】
RP-HPLCを用いて、化合物(1)の含有量及び純度を求め、遊離CNP-38を検出した。移動相Aは0.05%TFA水溶液からなり、移動相Bは0.04%TFA/アセトニトリル溶液からなるものであった。Waters Acquity CSH C18、130Å、1.7μm、2.1×100mmカラムを用いた。流量は0.3mL/分に設定し、検出は波長215nmで行い、カラム動作温度は60℃(±1℃)とした。サンプルは、0.5%Tween(登録商標)-20を含む製剤緩衝液で希釈した。含有量は、基準溶液に対するピーク面積比較によって求めた。
【0667】
SE-HPLCを用いて、化合物(1)の純度を求めた。移動相は、15mMリン酸ナトリウムpH7.40、135mM塩化ナトリウム、0.2%Pluronic F-68からなる水溶液とした。GE Superdex 200 Increase 10/300 GLカラムを用いた。流量は0.75mL/分に設定し、検出は波長215nmで行い、カラム動作温度は室温とした。サンプルは、0.05% Pluronic F-68を含む製剤緩衝液で希釈した。
【0668】
化合物(1)のペプチドマッピングを用いて、アスパラギン酸塩(28)のイソアスパラギン酸塩(28)への変換及びメチオニン(33)のメチオニンオキサイド(33)(Met(O))への酸化を評価した。(1)のサーモリシン消化を、サーモリシン/CNP-38比=1:20(重量基準)で37℃にて7時間にわたり、pH7.5で行った。得られたペプチド混合物を、移動相Aとして0.10体積%TFA水溶液を用い、移動相Bとして0.09%TFA/アセトニトリルを用い、Waters Acquity UPLCHSST3、100Å、1.8μm、2.1×150mmカラムでのRP-HPLCによって分離し、210nmで検出を行った。流量は0.28mL/分に設定し、カラム動作温度は45℃(±1℃)とした。アスパラギン酸塩(28)及びメチオニン(33)を含むサーモリシン断片は、LC-MSを介してその特性を決定した。通常の分析では、断片を、これらの断片ペプチドを含む基準混合物と比較する。断片は、相当する未修飾断片のピーク面積に対するそれらの個々のピーク面積に基づく相対値として定量した。サーモリシン消化及びその後のRP-HPLCの条件下で、アスパラギン酸塩(28)のイソアスパラギン酸塩産物の形成及びメチオニン(33)の酸化を(1)について定量することができた。
【0669】
生物作用能分析を、(1)からのCNP-38のイン・ビトロ放出及びそれに続く細胞アッセイでの放出CNP-38の生物作用能分析によって行った。
【0670】
(1)からのCNP-38のイン・ビトロ放出及びRP-HPLC定量:(1)を、pH10.0及び15℃で24時間インキュベートした。再生製剤の放出緩衝液(0.5Mホウ酸、10mMメチオニン、2.383g/L Pluronic F-68;4M NaOH水溶液を用いてpHを10.0に調節)による1:3.5(体積比)希釈(例えば、(1)の3.6mg CNP-38当量/mL溶液50μLを放出緩衝液175μLで希釈した。)によってpHを調節した。インキュベーション後、5%(体積比)酢酸による1:1(体積比)希釈によって放出を停止した。含有量既知のCNP-38基準溶液に対するピーク面積比較によって、放出CNP-38の量を求めた。
【0671】
HEK293細胞での機能性cGMP刺激による放出CNP-38の生物作用能の測定:NPR-B過剰発現Hek293細胞系を次のように作製した。NPR-B基準配列のコード領域を、構成的受容体発現のために、CMVプロモーター下でレンチウィルスベクターにクローニングした。ピューロマイシン抵抗性のための当該ベクター上に位置するバイシストロニック要素を、真核細胞選択マーカーとして用いた。形質導入後、安定的に増殖する細胞プールについて、親Hek293細胞と比較した受容体mRNAを確認するためにqRT-PCRを行った。NPR-B受容体のCNP-38による刺激によって、二次メッセンジャーcGMPの細胞内産生が生じ、それは市販のcGMPアッセイによって検出される。
【0672】
37℃及び5%COで10%FBS及び1%ピューロマイシン溶液(370μg/mL)を含むDMEM/Glutamax/HEPES培地中で、細胞を常法によって培養した。各アッセイについて、細胞をDMEM+2%BSAに懸濁して、37℃及び5%COで3時間インキュベートした。放出CNP混合物の刺激緩衝液(DMEM+2%BSA+0.1mM IBMX+0.1%Tween(登録商標)-20)段階希釈液を調製し、細胞に加えた(CNP-38段階希釈液で、さらに1:2希釈)。37℃及び5%COで60分間インキュベートした後、細胞を溶解して、市販のcGMPTR-FRETアッセイ(Cisbio、cGMPキット、カタログ番号62GM2PEB)を用いてcGMPレベルを求めた。CNP-38標準曲線と比較して、平行線解析によりバリデーションされたPLAソフトウェアでの4パラメータロジスティック曲線適合を用いて、作用能を求めた。
【0673】
RP-HPLCを用いて、分解されたCNP-38(脱イミド化及びアスパルチミドバリアント)の量を求めた。移動相Aは0.05%TFA水溶液からなり、移動相Bは0.04%TFA/アセトニトリル溶液からなるものであった。Waters Acquity HSS T3 C18、100Å、1.8μm、2.1×100mmカラムを用いた。流量は0.5mL/分に設定し、検出は波長215nmで行い、カラム動作温度は30℃に設定した。脱アミドバリアント及びアスパルチミドバリアントを、未修飾CNP-38のピーク面積に対する相対値として定量した。
【0674】
[実施例1]
化合物(1)の合成
【化132】
化合物(1)を、コンジュゲート11iについてWO2017/118693に記載の方法に従って合成した。
【0675】
[実施例2]
化合物(1)を含有する凍結乾燥製剤の安定性試験
化合物(1)を含有する8種類の異なる製剤(F1~F8)を表1に示すように調製し、各製剤200μLをバイアルに充填し、凍結乾燥した。凍結乾燥物の含水量は、カール・フィッシャー滴定による測定で、全ての製剤で0.4%以下であった。各製剤には、水200μLによる再生後に濃度CNP-38 3.6mg/mLを得るために適切な量の化合物(1)を含有させた。製剤を、25℃又は40℃に維持するよう設定されたインキュベータ中に静置した。3ヶ月後(T3M)、製剤を水で再生し、それを分析した。結果は、マンニトール含有製剤と比較してトレハロース含有製剤において化合物(1)の好ましい純度プロファイルを示している。さらに、メチオニン酸化を防止するのに添加剤は全く必要ないことが認められた。
【0676】
【表1】
【0677】
【表2】
【0678】
[実施例3]
化合物(1)を含有する液体及び凍結乾燥製剤の安定性試験
(1)の製剤(F9)を調製し、製剤200μLをバイアルに充填し、凍結乾燥した。凍結乾燥製剤には、水200μLによる再生後に濃度CNP-38 3.0mg/mLを得るために適切な量を含有させた。凍結乾燥物及びその凍結乾燥物の調製に用いた液体製剤を、40℃を維持するように設定されたインキュベータに静置した。
【0679】
21日後(T21D)、凍結乾燥物を水で再生し、製剤について分析を行った。結果は、凍結乾燥が、メチオニン酸化及びイソアスパラギン酸塩形成のような分解から(1)を保護することを示している。
【0680】
【表3】
【0681】
【表4】
【0682】
[実施例4]
(1)及び界面活性剤を含む製剤の安定性試験
(1)の三つの異なる製剤(F10~F12)を調製し、1080μLをバイアルに充填し、凍結乾燥した。各製剤には、水1000μLによる再生後に濃度CNP-38 3.5mg/mLを得るのに適切な量の(1)を含有させた。一部の製剤には、界面活性剤としてポリソルベート20(PS20)又はポリソルベート80(PS80)を含有させた。凍結乾燥製剤を、40℃/75%RHを維持するよう設定されたインキュベータに静置した。1ヶ月後(T1M)及び3ヶ月(T3M)後に、製剤を水1mLで再生し、分析を行った。
【0683】
界面活性剤を含む製剤F11及びF12は、F10と比較して、ストレス条件での(1)のメチオニン酸化の微量の増加及び水1mL添加後の再生時間(振盪せず)に対する明白な影響を示している。
【0684】
【表5】
【0685】
【表6】
【0686】
[実施例5]
化合物(1)を含む凍結乾燥製剤の長期安定性試験
バイアル中で1080μLを凍結乾燥させることで、化合物(1)の凍結乾燥製剤(F13)を調製した。その製剤は、水1000μLによる再生後に公称濃度CNP-38 3.9mg/バイアル及びCNP-38 3.6mg/mLを得るのに適切な量の(1)を含むものとした。製剤を、それぞれ5℃、25℃/60%RH、30℃/65%RH及び40℃/75%RHを維持するように設定されたインキュベータに静置した。3ヶ月後(T3M)、4ヶ月後(T4M)、6ヶ月後(T6M)、9ヶ月後(T9M)、12ヶ月後(T12M)、18ヶ月後(T18M)及び24ヶ月後(T24M)に、製剤を水1000μLで再生させて分析を行った。
【0687】
結果は、含有量、純度及び生物作用能について本明細書に示されているように、凍結乾燥製剤F13中での化合物(1)の高い安定性を示している。さらに、当該製剤は、関連する製薬学的方法で試験した場合に良好な安定性を示した。凍結乾燥製剤は白色ケーキを特徴とし、貯蔵とは無関係に、ケーキ外観の変化は全く検出されなかった。残留水分含量は、凍結乾燥後は非常に低く(0.03%)、試験期間中にごくわずかに上昇した。貯蔵期間中には、再生時間に有意な変化は全くなかった。肉眼検査で、全サンプルについて試験を通じて、サンプルは肉眼で見える粒子を実質的に含んでおらず、低量の目に見えない粒子、≧25μm及び71≧10μmの粒子が、貯蔵温度及び貯蔵時間とは無関係に観察された(フロースルー顕微鏡検査で測定した)。B9から>B8への色調のわずかな変化が5℃での12ヶ月間貯蔵時に認められたが、25℃及び30℃での6ヶ月間の貯蔵又は40℃での3ヶ月間の貯蔵時に色の増加は全く認められなかった(色はスペクトル比色計を用いて評価し、色調の絶対値の評価は、欧州薬局方、第8版、モノグラフ2.2.2に従って行った。)。2~8℃、25℃/60%相対湿度及び30℃/65%相対湿度で最大12ヶ月間にわたって貯蔵した凍結乾燥サンプルの濁度(濁度計を用いて測定)に変化はなかった。40℃/75%相対湿度で3ヶ月間にわたって貯蔵したサンプルで、ごくわずかな濁度上昇が測定された。5℃で最大12ヶ月間にわたる貯蔵時に外観の変化は全く認められず、1NTU(比濁法濁度単位)未満の値であった。25℃、30℃及び40℃で6ヶ月の間、1NTU未満の値であった。pHは貯蔵によって影響を受けなかった。最後に、T0での浸透圧は生理的範囲内であり、試験時に変化は全く検出されなかった。
【0688】
【表7】
【0689】
【表8】
【0690】
[実施例6]
化合物(1)を含む低用量製剤の安定性試験
バイアル中、1060μLの凍結乾燥によって、(1)の凍結乾燥製剤(F14)を調製した。その製剤は、再生後に公称濃度CNP-38 0.80mg/バイアル及びCNP-38 0.75mg/mLを得るだけの量の(1)を含むものとした。製剤を、5℃、25℃/60%RH、30℃/65%RH及び40℃/75%RHを維持するように設定されたインキュベータに静置した。1ヶ月後(T1M)、3ヶ月後(T3M)、6ヶ月後(T6M)、及び12ヶ月後(T12M)に、製剤を水1.0mLで再生させて分析を行った。
【0691】
結果は、含有量、純度及び生物作用能について本明細書に示されているように、凍結乾燥製剤F14中での化合物(1)の高い安定性を示している。さらに、当該製剤は、関連する製薬学的方法で試験した場合に良好な安定性を示した。凍結乾燥製剤は白色ケーキを特徴とし、貯蔵とは無関係に、ケーキ外観に変化は全く検出されなかった。残留水分含量は、凍結乾燥後は非常に低く(0.31%)、試験期間中にごくわずかに上昇した。貯蔵期間中、再生時間に有意な変化は全くなかった。肉眼観察で、再生溶液が、利用可能な時間点で肉眼で見える粒子を本質的に含んでいない(Ph.Eur.2.9.20及びUSP<790>に準じて評価)ことがわかった。さらに全てのサンプルについて、低量の目に見えない粒子、すなわち0≧25μm及び5≧10μmの粒子が、貯蔵温度及び貯蔵時間とは無関係に観察された(フロースルー顕微鏡検査で測定した)。=WFIから<B9までのわずかな色調の増加が、30℃及び40℃での3ヶ月貯蔵後に観察された(b-スケールを用いるPh.Eur.2.2.2に準拠して求めた)。3ヶ月間の貯蔵期間中、透明度は影響を受けず、再生溶液は=WFIであることが認められた(Ph.Eur.2.2.1に準拠して求めた)。pHは貯蔵によって影響を受けなかった。最後に、T0での浸透圧は生理的範囲内であり、3ヶ月間、変化は全く検出されなかった。
【0692】
【表9】
【0693】
【表10】
【0694】
[実施例7]
異なるpH値でのCNP-38の安定性
異なるpH値でのCNP-38の安定性を評価するため、前製剤試験を行った。CNP-38(WO2017/118693に記載の方法に従って合成)を、37℃でpH4.0、4.5、5.0、5.5及び6.0のコハク酸塩緩衝液中、溶解状態で約1mg/mLにてインキュベートした。分解されたCNP-38の量(CNP-38の脱アミド及びアスパルチミドバリアントの合計)を、7日後にRP-HPLCで評価した。分解されたCNP-38の量は、pH4.0で2.7%、pH4.5で1.6%、pH5.0で1.0%、pH5.5で2.9%及びpH6.0で3.3%であり、CNP-38製剤にはpH5.0が好ましいことが示された。
【0695】
[実施例8]
酸化防止剤及び/又は保存剤を含む水で再生した化合物(1)含有製剤の安定性試験
バイアル中、1080μLを凍結乾燥することで、化合物(1)の凍結乾燥製剤(F13)を調製した。剤は、公称濃度CNP-38 3.9mg/バイアル及びCNP-38 3.6mg/mLを得るのに適した量の(1)を含むものとした。その水は、酸化防止剤及び/又は保存剤を含むものであった(R1~R5、表11)。再生製剤を含むバイアルを、5℃に維持するよう設定されたインキュベータに静置した。4週間後(T4W)、サンプルについて分析を行った。
【0696】
結果は、化合物(1)が、試験条件下での再生後に安定であり、酸化防止剤及び/又は保存剤の存在によって影響されないことを示している(表12)。再生溶液のpHは、再生後に酸化防止剤及び/又は保存剤による影響を受けなかった。
【0697】
【表11】
【0698】
【表12】
【0699】
略称
BSA-ウシ血清アルブミン
cGMP-サイクリックグアノシン一リン酸
CI-信頼区間
DMEM-ダルベッコ改変イーグル培地
FBS-ウシ胎仔血清
HEPES-4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸
IBMX-3-イソブチル-1-メチルキサンチン
Isoasp-イソアスパラギン酸塩
LC-MS-液体クロマトグラフィー結合質量分析
Met(O)-メチオニンスルホキシド
PLA-平行線分析
PS20-ポリソルベート20
PS80-ポリソルベート80
RH-相対湿度
RP-HPLC-逆相高速液体クロマトグラフィー
SE-HPLC-サイズ排除高速液体クロマトグラフィー
TFA-トリフルオロ酢酸
TR-FRET-時間分解蛍光エネルギー移動
UPLC-超高速液体クロマトグラフィー。
実施形態
(1)乾燥医薬製剤であって、当該医薬製剤がCNPコンジュゲート、緩衝剤、及び増量剤を含み、当該CNPコンジュゲートが、ポリマー部分に共有結合的及び可逆的に結合したCNP部分を含む乾燥医薬製剤。
(2)前記緩衝剤がコハク酸、クエン酸、乳酸、酢酸、グルタミン酸、フマル酸、アスパラギン酸、グルタル酸、リン酸、ヒスチジン、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸及びこれらの混合物からなる群から選択される、(1)に記載の乾燥医薬製剤。
(3)前記緩衝剤がコハク酸である、(1)又は(2)に記載の乾燥医薬製剤。
(4)前記増量剤が、トレハロース、マンニトール、ショ糖、ラフィノース、ゼラチン、乳糖、リン酸水素二カリウム、ソルビトール、キシリトール、グリシン、ヒスチジン、ヒドロキシエチルデンプン、デキストロース、デキストラン、プロピレングリコール及びこれらの混合物からなる群から選択される、(1)~(3)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤。
(5)前記増量剤がトレハロース、ショ糖及びグリシンからなる群から選択される、(1)~(4)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤。
(6)前記増量剤がトレハロースである、(1)~(5)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤。
(7)前記本発明の乾燥医薬製剤が1以上のさらなる賦形剤を含む、(1)~(6)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤。
(8)前記1以上のさらなる賦形剤が、保存剤、安定化剤、吸着抑制剤、凍結保護剤、酸化防止剤及び他の補助剤からなる群から選択される、(7)に記載の乾燥医薬製剤。
(9)前記本発明の乾燥医薬製剤が安定化剤を含む、(1)~(8)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤。
(10)前記本発明の乾燥医薬製剤が保存剤を含む、(1)~(9)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤。
(11)前記本発明の乾燥医薬製剤が吸着抑制剤を含む、(1)~(10)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤。
(12)前記本発明の乾燥医薬製剤が凍結保護剤を含む、(1)~(11)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤。
(13)前記本発明の乾燥医薬製剤が酸化防止剤を含む、(1)~(12)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤。
(14)前記本発明の乾燥医薬製剤が湿潤剤、粘度調整剤及び抗生物質からなる群から選択されるさらなる賦形剤を含む、(1)~(13)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤。
(15)前記医薬製剤がpH調整剤を含む、(1)~(14)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤。
(16)前記pH調整剤が、Tris、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リジン及びこれらの混合物からなる群から選択される、(15)に記載の乾燥医薬製剤。
(17)前記pH調整剤がTrisである、(15)又は(16)に記載の乾燥医薬製剤。
(18)前記医薬製剤がCNPコンジュゲート、コハク酸、トレハロース及びTrisを含む、(1)~(17)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤。
(19)前記CNP部分が、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25又は配列番号30の配列を有する、(1)~(18)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤。
(20)前記CNP部分が配列番号24の配列を有する、(1)~(19)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤。
(21)前記ポリマー部分が、2-メタクリロイル-オキシエチルホスホリルコリン類、ポリ(アクリル酸類)、ポリ(アクリレート類)、ポリ(アクリルアミド類)、ポリ(アルキルオキシ)ポリマー類、ポリ(アミド類)、ポリ(アミドアミン類)、ポリ(アミノ酸類)、ポリ(無水物)、ポリ(アスパルタミド類)、ポリ(酪酸類)、ポリ(グリコール酸類)、ポリブチレンテレフタレート類、ポリ(カプロラクトン類)、ポリ(カーボネート類)、ポリ(シアノアクリレート類)、ポリ(ジメチルアクリルアミド類)、ポリ(エステル類)、ポリ(エチレン類)、ポリ(エチレングリコール類)、ポリ(エチレンオキサイド類)、ポリ(エチルホスフェート類)、ポリ(エチルオキサゾリン類)、ポリ(グリコール酸類)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート類)、ポリ(ヒドロキシエチル-オキサゾリン類)、ポリ(ヒドロキシメタクリレート類)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド類)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリレート類)、ポリ(ヒドロキシプロピルオキサゾリン類)、ポリ(イミノカーボネート類)、ポリ(乳酸類)、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸類)、ポリ(メタクリルアミド類)、ポリ(メタクリレート類)、ポリ(メチルオキサゾリン類)、ポリ(有機ホスファゼン類)、ポリ(オルトエステル類)、ポリ(オキサゾリン類)、ポリ(プロピレングリコール類)、ポリ(シロキサン類)、ポリ(ウレタン類)、ポリ(ビニルアルコール類)、ポリ(ビニルアミン類)、ポリ(ビニルメチルエーテル類)、ポリ(ビニルピロリドン類)、シリコーン類、セルロース類、カルボメチルセルロース類、ヒドロキシプロピルメチルセルロース類、キチン類、キトサン類、デキストラン類、デキストリン類、ゼラチン類、ヒアルロン酸類及び誘導体類、官能化ヒアルロン酸類、マンナン類、ペクチン類、ラムノガラクツロナン類、デンプン類、ヒドロキシアルキルデンプン類、ヒドロキシエチルデンプン類及び他の炭化水素系ポリマー類、キシラン類、及びこれらのコポリマー類からなる群から選択されるポリマーを含む、(1)~(20)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤。
(22)前記製剤が、前記乾燥医薬製剤の総重量に基づいて、
CNPコンジュゲート:1.3~45.4重量%
コハク酸:0.2~3.2重量%
トレハロース・2水和物:52.6~98.4重量%
Tris:0.1~5.6重量%
を含む、(1)~(21)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤。
(23)前記製剤が、前記乾燥医薬製剤の総重量に基づいて、
CNPコンジュゲート:1.3~38.7重量%
コハク酸:0.2~3.2重量%
トレハロース・2水和物:52.6~98.4重量%
Tris:0.1~5.6重量%
を含む、(1)~(22)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤。
(24)前記CNPコンジュゲートが下記式(Ia)又は(Ib)のものである、(1)~(23)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤。
【化133】
[式中、
-DはCNP部分であり;
-L -は可逆的リンカー部分であり;
-L -は単一化学結合又はスペーサー部分であり;
-Zはポリマー部分であり;
xは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15及び16からなる群から選択される整数であり;
yは1、2、3、4及び5からなる群から選択される整数である。]
(25)式(Ia)のxが、1、2、3、4、6及び8からなる群から選択される整数である、(24)に記載の乾燥医薬製剤。
(26)式(Ib)のyが2、3、4及び5からなる群から選択される整数である、(24)に記載の乾燥医薬製剤。
(27)前記CNPコンジュゲートが式(Ia)のものであり、xが1である、(24)又は(25)に記載の乾燥医薬製剤。
(28)-L -がアミド連結を介して-Dに連結されている、(24)~(27)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤。
(29)-Zと-L -の間の前記連結が安定な連結である、(24)~(28)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤。
(30)-L -がスペーサー部分である、(24)~(29)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤。
(31)-L -が14g/mol~750g/molの範囲の分子量を有する、(24)~(30)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤。
(32)-L -が1~20原子の鎖長を有する、(24)~(31)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤。
(33)-L -が下記式(i)のものである、(24)~(32)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤。
【化134】
[式中、
星印でマークを付けた点線は-L -への結合を示し;
マークが付けられていない点線は-Zへの結合を示し;
-R は、-H、C 1-6 アルキル、C 2-6 アルケニル及びC 2-6 アルキニルからなる群から選択され;
nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17及び18からなる群から選択され;
式(i)の部分はさらに置換されていても良い。]
(34)式(i)のnが3、4、5、6、7、8及び9からなる群から選択される、(33)に記載の乾燥医薬製剤。
(35)-Zが5~200kDaの範囲の分子量を有する、(24)~(34)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤。
(36)-Zが、2-メタクリロイル-オキシエチルホスホリルコリン類、ポリ(アクリル酸類)、ポリ(アクリレート類)、ポリ(アクリルアミド類)、ポリ(アルキルオキシ)ポリマー類、ポリ(アミド類)、ポリ(アミドアミン類)、ポリ(アミノ酸類)、ポリ(無水物)、ポリ(アスパルタミド類)、ポリ(酪酸類)、ポリ(グリコール酸類)、ポリブチレンテレフタレート類、ポリ(カプロラクトン類)、ポリ(カーボネート類)、ポリ(シアノアクリレート類)、ポリ(ジメチルアクリルアミド類)、ポリ(エステル類)、ポリ(エチレン類)、ポリ(エチレングリコール類)、ポリ(エチレンオキサイド類)、ポリ(エチルホスフェート類)、ポリ(エチルオキサゾリン類)、ポリ(グリコール酸類)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート類)、ポリ(ヒドロキシエチル-オキサゾリン類)、ポリ(ヒドロキシメタクリレート類)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド類)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリレート類)、ポリ(ヒドロキシプロピルオキサゾリン類)、ポリ(イミノカーボネート類)、ポリ(乳酸類)、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸類)、ポリ(メタクリルアミド類)、ポリ(メタクリレート類)、ポリ(メチルオキサゾリン類)、ポリ(有機ホスファゼン類)、ポリ(オルトエステル類)、ポリ(オキサゾリン類)、ポリ(プロピレングリコール類)、ポリ(シロキサン類)、ポリ(ウレタン類)、ポリ(ビニルアルコール類)、ポリ(ビニルアミン類)、ポリ(ビニルメチルエーテル類)、ポリ(ビニルピロリドン類)、シリコーン類、セルロース類、カルボメチルセルロース類、ヒドロキシプロピルメチルセルロース類、キチン類、キトサン類、デキストラン類、デキストリン類、ゼラチン類、ヒアルロン酸類及び誘導体類、官能化ヒアルロン酸類、マンナン類、ペクチン類、ラムノガラクツロナン類、デンプン類、ヒドロキシアルキルデンプン類、ヒドロキシエチルデンプン類及び他の炭化水素系ポリマー類、キシラン類、及びこれらのコポリマー類からなる群から選択されるポリマーを含む、(24)~(35)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤。
(37)(1)~(36)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤の製造方法であって、
前記方法が、
(i)CNPコンジュゲートを少なくとも緩衝剤及び増量剤と混合する工程;
(ii)工程(i)の混合物のpHを調節する工程;
(iii)任意に、工程(ii)からの混合物を濾過する工程;
(iv)所望回数の投与量に相当する量の工程(ii)又は(iii)からの混合物を容器に移し入れる工程;
(v)前記混合物を乾燥する工程;
(vi)前記容器を密閉する工程
を含み;
工程(ii)及び(iii)の順序が逆になっていても良い、方法。
(38)(1)~(36)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤の再生方法であって、
前記方法が、
(a)(1)~(36)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤を再生溶液と接触させる工程、
を含む、方法。
(39)(38の再生方法から得ることができる再生医薬製剤。
(40)医薬として使用される、(1)~(36)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤又は(39)に記載の再生医薬製剤。
(41)CNPによって治療、抑制、遅延又は予防可能である1以上の疾患の治療、抑制、遅延又は予防で使用される、(1)~(36)のいずれかに記載の乾燥医薬製剤又は(39)に記載の再生医薬製剤。
(42)前記疾患が、骨関連障害、例えば骨格形成異常;がん;自己免疫疾患;線維症;炎症性疾患;中枢神経系疾患、例えば神経変性疾患;感染症;肺疾患;心臓及び血管疾患;代謝性疾患;及び眼疾患からなる群から選択される、(41)に記載の使用のための乾燥医薬製剤。
(43)前記疾患が軟骨形成不全症である、(41)又は(42)に記載の使用のための乾燥医薬製剤。
(44)患者におけるCNPによって治療可能な1以上の疾患を治療、抑制、遅延又は予防する方法であって、当該患者に対して、治療上有効量の(39)に記載の再生医薬製剤を投与することを含む方法。
(45)前記疾患が、骨関連障害、例えば骨格形成異常;がん;自己免疫疾患;線維症;炎症性疾患;中枢神経系疾患、例えば神経変性疾患;感染症;肺疾患;心臓及び血管疾患;代謝性疾患及び眼疾患からなる群から選択される、(44)に記載の方法。
(46)前記疾患が軟骨形成不全症である、(44)又は(45)に記載の方法。
【配列表】
0007571035000001.app