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特許7571047電動医療用吸引ポンプ及びそのような吸引ポンプを電源へ接続する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】電動医療用吸引ポンプ及びそのような吸引ポンプを電源へ接続する方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/06 20060101AFI20241015BHJP
   A61M 1/00 20060101ALI20241015BHJP
【FI】
A61M1/06
A61M1/00 150
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021562952
(86)(22)【出願日】2020-03-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-23
(86)【国際出願番号】 EP2020056704
(87)【国際公開番号】W WO2020216525
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-12-17
(31)【優先権主張番号】19171192.8
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503465052
【氏名又は名称】メデラ ホールディング アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】オネゲル、 エイドリアン
(72)【発明者】
【氏名】ギッツェンダンナー、 チャールズ
【審査官】胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/069095(WO,A1)
【文献】特開2019-017163(JP,A)
【文献】実開平05-031150(JP,U)
【文献】特開2005-256421(JP,A)
【文献】特表2018-521477(JP,A)
【文献】特表2009-510674(JP,A)
【文献】国際公開第2018/126314(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0261065(US,A1)
【文献】国際公開第2014/021847(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/00-1/38
A61M 60/00-60/90
H01R 13/56-13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプユニット及び端子ボックス(10)を備える電動医療用吸引ポンプであって、
前記ポンプユニットは、ハウジング(2)内に収容され、かつ負圧を発生させるものであり、前記端子ボックス(10)は、前記ハウジングに機械的に結合可能であり、接続ケーブル(30)を介して電源に接続可能であり、前記ポンプユニットに電源電流を供給するために前記端子ボックス(10)の接触面(20)の上方に突出する接触素子(16;18)を有しており、前記端子ボックスが前記ハウジングに結合されたときに、前記接触素子は、前記ハウジング側に設けられかつ前記ポンプユニットに繋がっている接触対向素子(46;48)に導電的に接続され、
前記端子ボックス(10)の前記接触面(20)の上方に突出するセンサ素子(22)、評価ユニット(32)、及びスイッチ(34)が設けられており、
前記センサ素子(22)は、前記端子ボックス(10)の結合を検査するように構成され、前記スイッチ(34)は、前記接触素子(16;18)の少なくとも1つに電源電流を供給し、前記評価ユニット(32)は、前記センサ素子(22)及び前記スイッチ(34)にデータ通信可能に接続されており、前記スイッチは、前記結合を確認する前記センサ素子(22)の信号が存在する場合には、前記接触素子(16;18)を電源電流供給に接続し、かつ前記結合を確認する前記センサ素子(22)の信号が存在しない場合には、前記電源電流供給を切断し、前記接触素子(16;18)は、前記センサ素子(22)よりも前記接触面(20)から遠くに突出しており、前記センサ素子(22)は、2つの接触素子(16;18)の間に配置されることを特徴とする、電動医療用吸引ポンプ。
【請求項2】
前記センサ素子(22)に対してセンサ対向素子(50)が前記ハウジング側に割り当てられており、前記センサ素子(22)は、前記センサ対向素子(50)に対する相対位置に応じて前記結合を確認する信号を発信し、前記接触素子(16;18)及び前記センサ素子(22)の少なくとも1つは、前記端子ボックス(10)に配置され、前記端子ボックス(10)が前記ハウジング(2)に機械的に結合されたときに、最初に前記接触素子(16)が、関連する前記接触対向素子(46)に電気的に接続され、その後でのみ前記センサ素子(22)が、前記センサ対向素子(50)に対して位置決めされ、それによって前記結合を確認する信号が発信されることを特徴とする、請求項1に記載の電動医療用吸引ポンプ。
【請求項3】
前記端子ボックス(10)は、前記ハウジング(2)に対して磁力によって保持され、前記端子ボックス(10)は、好ましくは、少なくとも2つの磁気素子(12、14)を有しており、前記少なくとも2つの磁気素子(12、14)は、前記ハウジング(2)に対して前記端子ボックス(10)が一義的に位置決めされるように、前記結合の状態において前記ハウジング(2)に対向する前記端子ボックス(10)の接触面(20)において有効な異なる極性を備えていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電動医療用吸引ポンプ。
【請求項4】
前記端子ボックス(10)及び/又は前記ハウジング(2)は、オフセットのない接触面(20;44)を有し、前記端子ボックス(10)及び前記ハウジング(2)の前記接触面は結合状態で互いに接触していることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の電動医療用吸引ポンプ。
【請求項5】
対向ハウジング(40)が、前記ハウジング(2)に接続され、かつ前記結合の状態で前記端子ボックス(10)に接触する接触面(44)を有し、かつ前記ハウジング(2)の外面(42)と少なくとも実質的に面一に設けられることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の電動医療用吸引ポンプ。
【請求項6】
前記ハウジング側の接触面は、前記接触対向素子(46;48)の接触対向面(56)と少なくとも実質的に面一に外側に設けられる非導電性のコーティングにより形成されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の電動医療用吸引ポンプ。
【請求項7】
前記接触素子(16;18)によって形成される接触面(23)の面積が、前記接触素子と接触するために設けられる前記接触対向素子(46;48)の接触対向面(56)の面積よりも小さいことを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の電動医療用吸引ポンプ。
【請求項8】
光学インジケータ(24)が電源電流供給の状態を示すことを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の電動医療用吸引ポンプ。
【請求項9】
前記接触素子(16;18)又は接触対向素子(46;48)は、異なる極性を有するように配置され、前記磁気素子(12、14;52、54)は、前記端子ボックス(10)又は対向ハウジング(40)の中心縦軸(L)に対してオフセットして配置されることを特徴とする、請求項3に記載の電動医療用吸引ポンプ。
【請求項10】
前記接触素子(16;18)は、前記端子ボックス(10)に弾力的に支持されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の電動医療用吸引ポンプ。
【請求項11】
少なくとも2つの接触素子(16;18)又は接触対向素子(46;48)が、極性ごとに設けられ、かつ、接触面の上面から見て、基部面(R)の角点を画定し、前記センサ素子(22)又はセンサ対向素子(50)は、前記基部面(R)内に、好ましくは、前記基部面(R)に対して非対称に、特に好ましくは、前記基部面(R)のエッジに配置されることを特徴とする、請求項2又は請求項2に従属する場合の請求項3~10のいずれか1項に記載の電動医療用吸引ポンプ。
【請求項12】
前記磁気素子(12、14;52、54)の間に、全ての接触素子(16;18)又は接触対向素子(46;48)が設けられることを特徴とする、請求項3又は9に記載の電動医療用吸引ポンプ。
【請求項13】
前記接触素子(16;18)又は接触対向素子(46;48)の一部は線上に配置されていないことを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載の電動医療用吸引ポンプ。
【請求項14】
非結合の状態の前記接触素子(16;18)又は接触対向素子(46;48)は、それらに割り当てられた接触面(20;44)から突出していることを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項に記載の電動医療用吸引ポンプ。
【請求項15】
少なくとも1つの接触素子(16;18)又は接触対向素子(46;48)が前記磁気素子に一体化されることを特徴とする、請求項3又は9又は12に記載の電動医療用吸引ポンプ。
【請求項16】
ハウジング(2)内に収容されかつ負圧を発生させるポンプユニットを備える電動医療用吸引ポンプを、電源電流のために電源に接続するための方法であって、
端子ボックス(10)内に保持されかつ前記端子ボックス(10)の接触面(20)の上方に突出しかつ電流源に通じる接触素子(16;18)が、前記ポンプユニットに電流を供給するために、少なくとも1つの接触素子(16;18)が非通電の場合に、前記ハウジング側の接触対向素子(46;48)に電気的に接続され、その後で、前記電源電流は、前記端子ボックス(10)の接触面(20)の上方に突出しかつ対応する接触を確認するセンサ(22)によって発信された信号に基づいて、前記接触素子(16;18)に流され、
前記少なくとも1つの接触素子(16;18)が通電の場合に、前記対応する接触を確認するセンサ(22)によって発信された信号の不存在を確認した後であって、前記接触素子(16;18)と前記接触対向素子(46;48)とが電気的に不接続となる前に、前記電源電流をオフにし、前記センサ(22)は2つの接触素子(16;18)の間に配置される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジング内に収容されかつ負圧を発生するポンプユニットと、前記ハウジングに機械的に結合可能であり、かつ接続ケーブルを介して電源に接続可能な端子ボックスとを備えた電動医療用吸引ポンプに関する。この端子ボックスは、ポンプユニットに電源電流を供給するための接触素子を有する。端子ボックスがハウジングに結合されると、これらの接触素子は、ポンプユニットに通じるハウジング側に設けられた接触対向素子に導電的に接続される。
【背景技術】
【0002】
このような電動ポンプは、例えば、滲出液ポンプとして知られている。対応する吸引ポンプの別の構成は、女性の乳房からヒトの母乳を吸引するための搾乳器である。電源への電気的接続は、端子ボックスを有するプラグ接触ケーブルを介して行われる。この端子ボックス内の接触素子は、通常、外部に露出しないように取り付けられる。接触素子は、通常、雌型プラグ接触素子として設けられ、それによって、ハウジングは、それらに割り当てられた雄型プラグ接触対向素子を有し、接触素子と接触対向素子との間に電気的接触が確立されるまで、まず、プラグ接触のために端子ボックス内のキャビティ内にある程度挿入されなければならない。
【0003】
端子ボックス内の接触素子の上述の一般的に知られた配置は、電気的安全のために特に有用である。これにより、端子ボックスの通常の取り扱いにおいて、端子ボックスに印加された電圧が意図せずに伝達されることを防止する。しかしながら、本発明では、この点において電気的安全性を向上させることの必要性を考慮している。
【発明の概要】
【0004】
したがって、本発明は、請求項1に記載の特徴を有する電動医療用吸引ポンプを提案する。
【0005】
電動医療用吸引ポンプの発明には、センサ、評価ユニット及びスイッチが設けられる。センサは、端子ボックスの結合を検査するように構成される。センサは、非接触又は接触センサであってもよい。センサは、結合、すなわち、端子ボックスのハウジングへの正しい結合を検出するように構成される。正しい結合は、端子ボックスのハウジングへの結合として定義され、ここで、接触素子は関連する接触対向素子に電気的に接続される。したがって、正しい結合を検出するためには、端子ボックスをハウジングに接続するだけでは不十分である。その代わりに、端子ボックスとハウジングとの間の電気的接触が実現されるように、端子ボックスをハウジングの真向かいに配置しなければならない。評価ユニットは、データに関してセンサ及びスイッチに接続される。スイッチは電源電流を制御する。この目的のために、スイッチは、通常、プラグイン接触用の接続ケーブルの反対側の供給電流に接続された端子ボックス又はコネクタプラグ内に配置される。評価ユニットとセンサ及びスイッチとのデータ関連接続により、センサによって発信されるセンサ信号を分析し、スイッチを介して端子ボックスに取り付けられた1つ以上の接触素子に電源電流を接続することが可能になる。
【0006】
本発明では、端子ボックスとハウジングとの間の機械的結合が検出されるまで、端子ボックスの通電された接触素子を電源電流から分離する解決策が提案される。これにより、供給電圧に常時接続可能な端子ボックスへの接続プラグ又は接続ケーブルに通電しても、接触素子が設けられた端子ボックスを感電の危険なく取り扱うことができる。
【0007】
本発明は、良好な電気的安全性が重要であるか、又は要素、先端又は媒体が接触素子と接触することを排除できない多くの分野で使用することができる。したがって、本発明は、湿気の多い部屋、又は蒸気若しくはガス、特に導電性ガス若しくは爆発性ガスが存在する領域に電気消費体を接続するのに特に適している。本発明による解決策は、基本的に、ハウジング内に設けられた電気消費体へのあらゆる電気接点に適している。端子ボックスは、ハウジングに取り付けられたときに、ハウジング側に設けられかつ消費体に通じる接触素子に導電的に接続されるために、前記ハウジングに結合され、消費体に電流を流す接触素子を示し得る。電気接点は、上述したように、センサ、評価ユニット、及びスイッチを有する。本発明の説明が、ハウジング内のポンプユニットに電源電流が供給されることに言及している限り、これは、ハウジング内の他の部品にも電源電流が供給されないことを意味するものではない。むしろ、本発明による吸引ポンプのハウジングは、通常、ハウジング内に導入された電気エネルギーを蓄積することができるアキュムレータと同様に、電源電流を制御又はスイッチングする電子制御装置も収容する。
【0008】
上述のように、センサは、機械的結合、特に端子ボックスのハウジングへの正確な機械的結合を検出する任意のセンサであり得る。センサは、磁気スイッチ、近接センサ、又は光学センサであり得る。センサは、少なくとも端子ボックスに設けられ、端子ボックスのハウジングへの接近及び機械的結合を検出して、接続側に設けられた評価ユニットと直接通信する。
【0009】
本発明の好ましいさらなる発展によれば、ロバストで信頼性のある解決策が提案され、それによれば、センサはセンサ素子を有し、それに対してセンサ対向素子がハウジング側に割り当てられ、センサ素子は、センサ対向素子に対する相対位置に応じて、結合を確認する信号を発信する。接触素子及びセンサ素子のうちの少なくとも1つは、端子ボックスがハウジングに機械的に結合されたときに、最初に接触素子が関連する接触対向素子に電気的に接続され、その後にのみ、センサ素子がセンサ対向素子に対して位置決めされ、それによって結合を確認する信号が発信されて電源電流が流れるように、端子ボックス内に配置される。この好ましいさらなる発展において、センサ素子及びセンサ対向素子は、その後で、それらの電気的接触が好ましくはセンサ信号を送信するように、互いに割り当てられる。最も単純な形態では、センサ素子は、センサ対向素子によって形成された接触面と相互作用する電気ピンである。簡単な構成では、センサ素子及び/又はセンサ対向素子は、端子ボックスから又はハウジング側からハウジングに機械的に結合されたときに、端子ボックスの結合方向に突出する下流素子として設計され、接触素子又は接触対向素子の後方に同じ結合方向に配置される。接触素子及び/又は接触対向素子は、それらが接触した後で、端子ボックスがハウジングに機械的に結合され及び/又はセンサ素子及びセンサ対向素子が互いに電気的に接続されるまで、ボックスの方向にあるようにカバーされなければならない端子ボックスの経路を許容するために、結合方向にバネによってプレテンションをかけられ、かつ移動可能に保持される。センサ素子及びセンサ対向素子は、端子ボックス及びハウジングの機械的結合における所与の公差及び不正確さにもかかわらず、確実な接触を可能にするために、適切なやり方でバネによってプレテンションをかけられ、かつ移動可能であり得る。
【0010】
変形により復元力を吸収して蓄えることが可能な弾性体は、上記の意味でバネとみなすことができる。接触素子及び/又は接触対向素子又はセンサ素子及びセンサ対向素子が結合状態で互いに係合し、及び/又は互いに一定のプレテンションで互いに対して位置することのみが重要である。
【0011】
接触対向素子は、好ましくは、ハウジング内において又はハウジングに対して固定された不動の位置にある。補償動作は、好ましくは、端子ボックスの側の接触素子を移動させることによってのみ行われる。
【0012】
本発明は、特に、端子ボックスがハウジング上に位置決めされた後にのみ電源電流をオンにする可能性を有することにより、新たな接触の可能性が与えられることに基づいている。本発明による解決策では、通常、通電される接触素子を接触から機械的に保護する必要がないからである。例えば、本発明によれば、端子ボックス及び/又はハウジングの少なくとも接触領域において、端子ボックス及びハウジングの他方が結合された状態で適用される、オフセットのない接触面を有するように構成することができる。これによれば、接触面は、端子ボックスとハウジングとが結合状態で接触する面である。接触素子は、通常、この接触面内に位置決めされる。いずれの場合も、さらなる発展により、汚染が付着する可能性のある、ハウジング内への電源電流の伝送領域においてフラッシュ又は他のエッジ又はアンダーカットが生じないように、端子ボックス及び/又はハウジングを構成することが可能になる。このように、さらなる発展により、洗浄及び/又は消毒が容易になるようにハウジング又は端子ボックスを構成することが可能になる。この発展は、特に、医療分野におけるハウジングへの電源電流の伝送に適している。
【0013】
また、上述のさらなる発展は、端子ボックスとハウジングとが機械的に接続及び結合される機械的形状適合要素を必要としない。これを補償するために、本発明では、ハウジングに結合した状態で端子ボックスを保持する非接触保持手段を提案する。好ましくは、端子ボックスは、磁力によってハウジングに保持される。永久磁石、磁化可能な材料及び/又は電磁石をこの目的のために使用することができる。例えば、従来技術であるEP2287972B1、CN207853072U又はCN202050089Uから、電源電流の伝送のための端子ボックスとハウジングとの機械的結合のために知られている全ての解決策が適切である。
【0014】
本発明による解決策は、電源電流の所定の電圧に限定されない。しかしながら、病院、老人ホーム、又は住宅等の建物内の通常の電源に消費体を接続する構成については特に考慮される。本発明の電気接点は、通常、230ボルト以下の電圧で伝送される。接触素子と接触対向素子との間で伝送される電力電圧は、低電圧に変換することもできる。特に、医療用吸引ポンプは、通常、12ボルトの電力ユニットを備えており、吸引ポンプが、通常、ハウジング内に組み込まれた自律的なエネルギー源、バッテリ、又は再充電可能なアキュムレータによって電力供給されることを可能にする。このような低電圧解決策においても、特に医療分野では、患者又は幼児へのわずかな電流インパルスでさえも回避することができるので、本発明による電気接点の構成は有利であることが分かる。したがって、本発明による電気接点は、電気的に操作される医療装置内の消費体から接続ケーブルを介して供給される外部電源電流への任意の接続に特に適している。
【0015】
ここで説明する磁気力による機械的結合のさらなる発展において、結合された端子ボックスの正確な位置決めは、ハウジング側の単一の磁気対向素子と共に、端子ボックスをハウジング上で所定の向きに保持する単一の磁気素子によって達成することができる。この目的のために、磁気素子又は磁気対向素子は、端子ボックスを収容し、適当な場合には、多少の遊びで端子ボックスの端部を囲むトラフの対称軸に対して非対称な形状及び/又は非対称な配置を有するべきであり、ここで、端子ボックスの基部領域及びトラフの基部領域は、少なくとも互いに略対応するべきである。トラフ及び/又は端子ボックス自体は、トラフ内の端子ボックスの既定の向きを特定する特定の輪郭を有することもできる。
【0016】
好ましくは、端子ボックス上に少なくとも2つの磁気素子が設けられ、これらは異なる極性を備えており、結合状態においてハウジングに対して端子ボックスを明確に位置決めするために有効である。続いて、少なくとも2つの磁気素子は、機械的に結合された状態の端子ボックスが、ハウジング側の接触面に対して、少なくとも2つの磁気素子によって一義的に定義された正しいやり方で位置することを確実にする。通常、トラフ内のハウジング側に設けられている接触面に、極性の異なる磁気素子が誤った向きで適用されると、ハウジング側の磁石により反発磁力が生じるため、機械的な結合ができなくなる。その後で、異なる極性の少なくとも2つの磁気素子は、結合状態においてハウジング上の端子ボックスの位置の一義的な割り当てを可能にし、その結果、接触素子は、正しい位置合わせ及び配置で接触対向素子に電気的に接続される。
【0017】
本発明の好ましいさらなる発展によれば、ハウジングに接続され、ハウジングの外面と少なくとも略面一に設けられた接触面を有する対向ハウジングが提案される。対向ハウジングは、通常、接触対向素子を収容し、ハウジング内の少なくとも1つの消費体に電流を伝送するために、ハウジング側の接触対向素子に設けられた接続ケーブル又は他の導電体を保持する。対向ハウジングの主な機能は、通常、接触対向素子を不動に保持し、それらの接触面を外部で利用可能にすると共に、実際のハウジングに接続することである。したがって、端子ボックスは、一方の端子ボックスと他方の対向ハウジングとからなる接点ペアの構成要素である。端子ボックスは、通常、接続ケーブルに接続されているが、消費体、特にポンプユニットへのハウジング内のケーブル配線は、対向ボックスから出ている。当然ながら、これらの導電体は、必ずしもポンプユニットに直接電気的に接続されている必要はない。多くの場合、接触は、通常、制御コマンドを受信し、種々の影響する変数に応じて消費体へ電源電流を伝送させることができるコントローラの介在によって行われる。
【0018】
ハウジングは、通常、対向ハウジングが挿入される開口部を有する。特に医療用途では、対向ハウジングは、例えばハウジングによって形成されたトラフ内で、ハウジングの外面と面一又は略面一である。また、ハウジング側の電気接点の構成要素のこの構成は、洗浄又は滅菌が容易な構成を作成することを可能にする。
【0019】
端子ハウジング及び/又は対向ハウジングは、通常、セラミック又はプラスチックのような電気絶縁材料で作られる。接触素子又は接触対向素子は、対応するハウジングに容易に取り付け及び保持され得る。しかしながら、特に、磁力による機械的結合の場合には、接触対向素子の接触面と少なくとも略面一又は面一に外側に設けられた非導電性のコーティングにより、ハウジング側に接触面を形成することが好ましい。このコーティングは、通常、制振プラスチック、好ましくは、シリコン又はTPEからなるコーティングである。コーティングは、例えば、接着又は射出成形された対向ハウジングに適用することができる。コーティングの外面と、接触素子と電気的に接触する接触対向素子の接触面とは、近似され、好ましくは、完全に面一にされ、その結果、ハウジング側で平坦で滑らかな表面が得られ、これは、部分的にコーティングによって、及び部分的に接触面によって形成され、かつ洗浄が容易である。当然ながら、接触対向素子は、通常、シールされ、コーティングを通される。この接続は複合射出成形によってもたらされてもよく、ここで、オーバーモールディングによってそこに埋め込まれた接触対向素子と共に硬質プラスチック製の端子ボックスがコーティングを形成するプラスチックでオーバーモールディングされており、これらは端子ボックスの表面上に最初に突出する。また、コーティングは、その後で適用されてもよく、ここで、接触素子の自由端部を受容するための凹部は、接触素子よりも小さい寸法を有してもよく、それによって、これらがコーティング内に押し込まれることで、所望のシールが得られる。また、コーティングは、接触対向素子に接合することもできる。
【0020】
公差補償に関して、本発明によれば、接触素子と接触することが意図される接触素子の接触対向面よりも面積が小さい接触素子によって形成される接触面を提供することが提案される。接触素子は、通常、ピンとして意図されているが、接触対向面は接触ピンの端面よりも何倍も大きいので、ハウジングに対する端子ボックスの正しい配置内の所定の公差は、電源電流の所望の伝送に影響を与えることなく可能である。特に、この解決策は、既定のやり方で端子ボックスをハウジングと整列させる形状適合要素の欠如を補償するものであり、これらは接触領域の所望の滑らかな表面に関しては回避されるべきである。当然ながら、端子ボックスとハウジングとが機械的に結合されたときに、想定される公差によって、各接触対向面に割り当てられた接触素子が対応する接触対向面と常に導電的に接触するように、接触対向面のサイズを選択しなければならない。公差及び遊びは、接触面と接触対向面との間の移動を可能にし、これは電気接触を生じさせる表面の自己洗浄を促進する。この相対移動により、表面の汚れや金属酸化物が擦り取られ、良好な電気的接触が恒久的に保証される。
【0021】
本発明の解決手段は、電源電流の伝送のための正しい接触を検査するために、好ましくは、電流供給の状態を示す光学的インジケータを有する。この光学インジケータは、通常、ハウジング及び/又は端子ボックスに設けられ得る制御ランプである。最も簡単な例では、光学インジケータは、端子ボックス上にLEDとして提供され、電源電流を伝送するためにスイッチが開放されると同時にLEDがオンになるように、評価ユニットにデータ通信可能に接続される。
【0022】
本発明の好ましいさらなる発展によれば、接触素子又は接触対向素子は、異なる極性で配置され、磁気素子は、通常、端子ボックスによって形成され、必要に応じて、対向ハウジングによっても予め決定される中心縦軸に対してオフセットされる。このような非対称設計は、磁石のために、ハウジング上の端子ボックスの明確な位置決めが予め決定され、接触素子又は接触対向素子が中心縦軸上に位置しないので、機械的結合の間、接触素子もまた必然的に正しい接触対向素子と接触するので、電気的安全性を高める。
【0023】
対応する考察に基づいて、本発明の好ましいさらなる発展によれば、各極性に対して、接触面の上面から見て基部面の角点を画定する少なくとも2つの接触素子又は接触対向素子が提供され、この基部面内のセンサ素子又はセンサ対向素子は、好ましくは、この基部面に対して非対称に、特に好ましくは、基部面のエッジに配置されることが提案される。また、この構成は、接触素子と接触対向素子との誤接続を防止する。さらに、極性毎に設けられた接触素子又は接触対向素子の数は、電源電流を伝送する際の安全性を高める。基部面は、好ましくは、長方形面であり、同極性の接触素子又は接触対向素子は、通常、長方形の側面を形成する直線上にある。他方の極性の接触素子又は接触対向素子は、その反対側にあり、接触素子の平行な列は、通常、長方形の長い側面によって互いに分離される。このような構成では、全ての接触素子又は接触対向素子が同一線上にあるわけではない。むしろ、上述したように、接触素子又は接触対向素子は、互いに対向して同一線上に配置されている。センサ素子又はセンサ対向素子は、通常、これらのエッジの1つに位置する。全ての接触素子は、好ましくは、複数の磁気素子の間に配置され、これにより、誤った電気接触の危険がさらに低減される。また、この構成は、外部の磁気プラグ又は他の充電プラグが装置に接続されることを防止する。このようにして、結果として生じる損傷を伴う過電圧を防止することができる。
【0024】
本発明の好ましいさらなる発展によれば、接触素子又は接触対向素子を磁気素子に一体化することができる。これにより、接触素子は、リング状の磁気素子で囲まれていてもよく、磁石自体の金属面で形成されていてもよい。この構成は、端子ボックス及び/又はハウジング側で実現することができる。また、磁気素子は、特に、通電により磁気を帯びる電磁素子である場合、接触素子自体で形成することもできる。
【0025】
類似の態様によれば、本発明は、消費体、例えば、負圧を発生するポンプユニットを備えた電動医療用吸引ポンプを、電流のために電源に接続する方法を提案する。本発明による方法では、最初に、消費体に通電するための接触素子の少なくとも1つがハウジング側の接触対向素子に電気的に接続される。ハウジング側は、消費体、特に電動吸引ポンプに割り当てられる接点の側である。接続は、接触素子が非通電のときに発生する。接触を確認するセンサに基づいて信号が発信された後で、本発明による方法では、電源電流が接触素子に流れる。この方法は、好ましくは、電源電流が全ての通電された接触素子に同時に流れるように、消費体と端子ボックスとの間の接触の全ての接触素子に対して同時に実行される。接触を確認するセンサは、接触素子と接触対向素子との間の電気的接触を直接検出するセンサとすることができる。換言すれば、センサは、接触素子と接触対向素子との電気的接触を検出する。あるいは、消費体のハウジングに対する端子ボックスの正しい位置を検出することによって、センサを接点に間接的に接続することもできる。
【0026】
本発明のさらなる詳細及び利点は、図面に関連する実施形態の以下の説明からもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】電気的接触の前に滲出液を吸引するための医療用吸引ポンプの斜視側面図を示す。
図2】接触後にヒトの母乳を吸引するための搾乳器を備えた医療用吸引ポンプの斜視側面図を示す。
図3】端子ボックスの一実施形態の接触面の上面図を示す。
図4図3による端子ボックスの側面図を示す。
図5図3及び4による端子ボックスの背面上面図を示す。
図6】吸引ポンプハウジングに接続されている場合の図3-5による端子ボックスの部分的な斜視断面側面図を示す。
図7図6による拡大詳細VIIを示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1及び2は、浸出液ポンプ(図1)又は女性の乳房からヒトの母乳を吸い出すための吸引ポンプ(図2)に基づく医療用吸引ポンプの例を示している。両側の例は、ハウジング2内において、この図には示されないそれぞれのポンプユニットを示しており、それによって、例えば、負圧ホースを接続可能なインターフェース4に存在する負圧が生成される。このインターフェース4を図2に示す。図1に示す実行例の実施形態では、インターフェース4は、その詳細が見えない裏側に位置している。インターフェース4は、ここでは、浸出液容器と連通しており、これはハウジング2に機械的に結合されてもよく、かつ浸出液を収集するために適合された使い捨て部品として構成される。背面側は、参照符号6で示される前面側と平行に反対側に設けられ、前面側は、電源電流に接触するように構成され、電源スイッチ8を備えている。
【0029】
電源電流との接触は、両実施形態において、2つの磁気素子12,14を備える端子ボックス10を介して行われ、それぞれは、異なる極性S,Nに割り当てられ、いくつかの接触素子16,18を収容し、これらは、それらの間において、接触面20の上方に突出している。接触素子16は、電源電流の一方の極性に割り当てられ、接触素子18は、他方の極性に割り当てられる。図3に示すように、接触素子16、18は、長方形の表面Rにテンションを加える。この長方形の図3の右端には、ここではセンサピンとして構成されているセンサ素子22がある。このように、接触面22において接触素子16,18及びセンサピン22が露出している。実際、接触素子16、18及びセンサピン22は、接触面20を越えて突出している。図4に示すように、自由接触面23を有する接触素子16、18は、センサピン22よりも接触面20から遠くに突出している。
【0030】
端子ボックス10の背面を図5に示す。ここでは、光学的インジケータとしてLED24が露出している。端子ボックス10は、2部品で構成されており、下部26と上部28との間で接続ケーブル30が端子ボックス10内に導入される。接続ケーブル30の他端では、230/110V接続用の従来のソケットにプラグ接点用のプラグを有しており、電圧を12Vに変換し、この電圧で端子ボックス10に電源電流を供給する電気安定器を設けることができる。
【0031】
特に図3及び4の概要に示されるように、端子ボックス10の接触面20は完全に平坦である。磁気素子12,14は、接触面20にオフセットなく埋め込まれている。その他の点でも、端子ボックス10は、アンダーカットがなく滑らかに構成される。それは、角が丸くなった長方形の基部を有している。端子ボックス10の構成は、汚れ及び細菌が付着する可能性のあるエッジ又はアンダーカットを回避する。接続ケーブル30を導き、端子ボックス10の一部として意図された接続部品は、可能な限り上記の要件を満たすために、円錐形又は放射状に実際の端子ボックス10内を通ることもできる。
【0032】
図6による端子ボックス10の部分的な断面図は、端子ボックス10に設けられた構成要素の一部を概略的に示している。回路基板32は、接触素子16,18及びセンサピン22に導電接続されている。回路基板32にはスイッチ34が保持されており、これは、搭載された回路基板32自体によって形成される評価ユニットにデータ通信可能に接続されている。
【0033】
図6は、接触の枠組みにおいて端子ボックス10のボックス2への接近を示す。ハウジング2は、挿入されたエラストマーシール38によって対向ハウジング40が挿入される凹部36を有する。シール38の表面及び対向ハウジング40の表面は、わずかにハウジングの外面42の内側に位置し、ハウジング側の参照符号44によって識別される接触面を、3mm未満内側にオフセットしたトラフ43内に形成し、その寸法及び形状は、端子ボックス10の接触面20の寸法及び形状に略対応する。当然ながら、トラフ43は、接触面20よりも若干大きい。
【0034】
接触面44では、接触素子16,20と接触するために設けられた接触対向素子46,48が露出している。参照符号50で識別されるセンサ対向ピンが、センサ対向素子として設けられる。磁気素子12,14に対応して、磁気対向素子12,14をそれぞれ吸着する磁気素子52,54が対向ハウジング40内に収容されてそこに保持されている。
【0035】
端子ボックス10は、両側の磁石12,52又は14,54の力により、ハウジング2に近づくと、対向ハウジング40の方向に引っ張られる。この磁力により、端子ボックス10はハウジング2に対して正確に位置決めされ、それによって接触素子46,48及びセンサピン50によってそれぞれ接触面44内に形成された接触素子16、18及びセンサピン20は、接触対向面56と面一になる。
【0036】
接触対向面56の一例を図7に示す。接触素子を形成する接触ピン18は、その自由端で先細りしており、接触ピン18の断面と比較して小さくなっているが、基本的には円形である。接触対向素子48によって形成される接触対向面56は相当に大きいので、理想位置に対する端子ボックス10の相対的なオフセットがあったとしても、接触素子16、18と関連する接触対向素子46、48との間の確実な電気的接触が確保される。
【0037】
図4及び6に示すように、センサピン22の自由端は、接触素子16、18の割り当てられた接触面23よりも接触面20に近い位置にある。これらの接触面は、接触面20の平面に平行な平面にある。センサピン22の自由端は、前記平面と接触面20との間にある。すなわち、端子ボックス10がハウジング2に接近するとき、センサピン22は、接触素子16,18よりも接触面20から結合方向に遠くに突出していない。したがって、センサピン22は、通常、全ての接触素子16,18が予め関連する接触対向素子46,48と接触した後になって、初めて関連するセンサ対向ピン50の接触対向面に接触する下流側接触ピンである。接触対向素子48は、例えば、センサ対向素子50とハウジング側で短絡することができる。例えば、接触素子18から接触対向素子48へ、そしてそこからセンサ対向素子50を通ってセンサ素子22への電気抵抗を測定することによって、端子ボックス10のハウジング2への結合を検出することができる。そして、回路基板32に設けられた回路は、スイッチ34に信号を送信し、これは、接触素子16,18を介してハウジング2に電源電流を供給するために、電源電流を開放する。同時にLED24がオンになる。
【0038】
図6による断面図は、ハウジング側の本質的にオフセットのない構成も示している。ハウジング2は、シール38によって形成されたシールリップを介して対向ハウジング40の表面に略均一にかつオフセットすることなく併合される。また、この点においても、電気接点のこの箇所に細菌又は汚れが付着することが防止される。さらに、端子ボックス10に面する対向ハウジングの外面は、可撓性のコーティングでコーティングされてもよく、それによって磁力により吸引された端子ボックス10が制振することなくハウジング2にぶつからないようにすることができる。
【0039】
この文脈において、図7は、電気的に非導電性のコーティング57を示しており、これは対向ハウジング40にしっかりと適用され、その表面が接触対向表面56と同じ高さで面一である。このコーティング57は、シール38と一体に構成することができる。コーティング57は、好ましくは、接触面40を取り囲む外面42と少なくとも略同じ高さである。
【0040】
本発明の解決手段は、スイッチを備えており、これは、接触素子への通電を、これらが接触対向素子に通電されて接触した場合にのみスイッチングされ、それに応じて接触対向素子から接触素子が分離される前に通電をオフにするものであり、特に接触素子の接触が分離された場合にスパークの発生又は電気アークの発生を防止し、それによって電気接点の寿命を向上させることができる。未だ接触していない接触素子間の電気アークにより、接触面が焼損することはない。また、接触素子16、18によって形成された電気接点は、接触素子16、18に印加される電圧による健康への障害及び/又は危険がないように、無電圧のままである。電圧は、接触素子16、18が割り当てられた対向素子46、48と接触したときにのみオンにされる。これらは、ハウジング2の表面に平坦に配置されるか、又は若干窪んで配置される。しかしながら、いずれの場合も、図示された実施形態では、端子ボックス10は、接触素子16、18を越えて大きく突出しているため、端子ボックス10をハウジング2に機械的に結合した後で、接触素子16、18は、ユーザによって接触され、及び/又は液体若しくは気体等の導電性媒体と接触することはない。この点において、対向ハウジング40の外面上の可撓性コーティングは、付加的なシールを提供することができ、したがって電気的安全性を向上させることができる。
【0041】
結合が完了すると、通常、電源電流を開放した後で、LED24もスイッチオンされることで、ユーザに接触が通知される。
【0042】
磁気素子12、14及び関連する磁気対向素子52、54は、明確な位置決めを提供する。さらに、接触素子16、18は、図3の参照符号Rによって識別される長方形にテンションをかける。長方形Rの長辺上では、一方の極性の接触素子16は、他方の極性の接触素子18から相対的に離れている。その間に、センサ素子22が配置される。長方形Rは、磁気素子12,14の間に位置する。長方形Rの中心縦軸は、端子ボックス10の中心縦軸Lに対して偏心している。端子ボックス10と接触面44とはハウジング側に収容するために後方に若干オフセットされた細長い構成であるため、磁気素子12、14の磁力は、異なる極性の磁力のために入れ替えられない明確な位置決めをもたらす。
【0043】
接触対向面56が接触素子16,18及びセンサピン22によって形成される接触面23よりも大きいことは、確実な接触を促進する。一方の極性の接触素子16と他方の極性の接触素子18は、長方形Rの幅の狭い反対側の側面によって形成された線上に明らかに位置している。したがって、異なる極性の接触素子は同じ線上には存在しない。接触面20に付与された一方の極性の接触素子16から他方の極性の接触素子18までの沿面距離が大きくなる。この間の空間は、センサ素子22の配置のために使用され、これは、長方形Rのエッジ上に配置され、したがって、この場合、接触素子16の一方と接触素子18の他方との間の接続線上に正確に配置される。
【0044】
図2に示される電動吸引ポンプの実施形態は、端子ボックス10の結合のための前述の接続可能性を形成するハウジング2を備え、ディスプレイ58及び動作パラメータの入力のための制御要素60をさらに備える。それぞれ1つのボトル66に対して1つの胸部キャップ64を有する2つの結合部62が、インターフェース4を介して電動医療用吸引ポンプの吸引側に結合される。
【符号の説明】
【0045】
2 ハウジング
4 インターフェース
6 前面
8 電源スイッチ
10 端子ボックス
12 磁気素子、S極
14 磁気素子、N極
16 接触素子
18 接触素子
20 接触面
22 センサ素子/センサピン
24 LED
26 下部
28 上部
30 接続ケーブル
32 回路基板
34 スイッチ
36 凹部
38 シール
40 対向ハウジング
42 外面
43 トラフ
44 接触面
46 接触対向素子
48 接触対向素子
50 センサ対向ピン
52 磁気対向素子
54 磁気対向素子
56 接触対向面
57 コーティング
58 ディスプレイ
60 制御要素
62 接続部
64 胸部キャップ
66 ボトル
R 長方形
L 端子ボックス10の中心縦軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7