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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】訪問予測
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0202 20230101AFI20241015BHJP
   G06N 20/00 20190101ALI20241015BHJP
【FI】
G06Q30/0202
G06N20/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021566038
(86)(22)【出願日】2020-05-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-06
(86)【国際出願番号】 US2020031865
(87)【国際公開番号】W WO2020227525
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2023-04-07
(31)【優先権主張番号】16/405,481
(32)【優先日】2019-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519094167
【氏名又は名称】フォースクエア・ラボズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マックス・スカラー
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・スチュワート
(72)【発明者】
【氏名】ルンシン・リ
(72)【発明者】
【氏名】エイドリアン・バクラ
(72)【発明者】
【氏名】エリー・スピアーズ
【審査官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-531464(JP,A)
【文献】特開2010-020490(JP,A)
【文献】特表2018-500693(JP,A)
【文献】特表2012-503824(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0300263(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0122251(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0260393(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G06N 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のプロセッサと、
前記1つまたは複数のプロセッサのうちの少なくとも1つに結合されたメモリと
を備え、前記メモリが、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、
1人または複数のユーザに関連付けられ、ユーザ識別データを含む訪問情報を受信するステップと、
ユーザ識別データを含む有向情報に関連するインプレッション情報を受信するステップであって、前記インプレッション情報が、前記1人または複数のユーザの少なくとも一部に関連付けられる、ステップと、
マージされたデータを作成するために、前記ユーザ識別データに基づき、前記訪問情報と前記インプレッション情報をマージするステップと、
前記ユーザ識別データを含む所定の特徴に基づき、前記マージされたデータの特徴をグループのセットにグループ化するステップと、
前記グループのセットにおける特徴に対して1つまたは複数の特徴値を割り当てるステップと、
前記グループのセットにおける前記ユーザ識別データで特定されるユーザによる特定日の訪問行動に基づき、または、前記ユーザの前記有向情報に対する露出に基づき、前記グループのセットに1つまたは複数のグループ値を割り当てるステップと、
訪問予測値を出力するように構成される予測モデルを生成するために、前記前記マージされたデータ、前記特徴値、前記グループ値を使用して機械学習モデルをトレーニングするステップと
を備える方法を実行するコンピュータ実行可能命令を備える、システム。
【請求項2】
前記訪問情報が、ユーザの会場訪問に関連するデータをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記インプレッション情報が、有向情報識別データをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記マージされたデータを作成することが、前記訪問情報の一部を前記インプレッション情報の一部にマッチングすることを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ユーザ識別データを含む所定の特徴が、日に関する特徴を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記グループのセットに、前記ユーザまたは前記日の少なくとも1つに応じて名前が割り当てられる、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
1つまたは複数の特徴値を割り当てることが、ユーザの訪問行動に対するインプレッション情報の特徴の因果的影響を表す値を計算することを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記1つまたは複数のグループ値を割り当てることが、前記ユーザが指定された日に場所を訪問したかどうかを示す訪問表示値を決定することを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記1つまたは複数のグループ値を割り当てることが、前記ユーザが前記有向情報に露出されたかどうかを示す露出表示値を決定することを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記機械学習モデルが、前記マージされたデータにおいて識別された前記1人または複数のユーザが指定された日に場所を訪れた確率を決定するために使用されるバイナリロジスティック回帰モデルである、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、PCT国際特許出願として2020年5月7日に出願されており、2019年5月7日に出願された「VISITPREDICTION」と題された米国特許出願第16/405,481号の優先権を主張し、この出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
一般に、マーケティングアトリビューションは、有向情報の有効性に寄与するアクションまたはイベントのセットの識別、および各アクションまたはイベントへの値の割当てを指す。多くの場合、アクションまたはイベントのセットは、有向情報に関連付けられる様々なユーザの驚異的な量の変数(人口統計、場所、日付、露出の長さ、露出媒体など)に基づく。様々な変数がユーザの行動に与えるそれぞれの影響を正確に定量化することは、複雑で、多くの場合、達成不可能な作業である。
【0003】
これらおよび他の一般的な考慮事項に関して、本明細書に開示される態様が作成された。また、比較的特定の問題が議論され得るが、例は、本開示における背景または他の場所において識別された特定の問題を解決することに限定されるべきではないことを理解されたい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の例は、機械学習(ML)アトリビューション技法を使用する訪問予測のためのシステムおよび方法を説明する。一態様では、ユーザとその会場訪問に関連するデータが収集され、様々な有向コンテンツのインプレッションに関連するデータとマージされる。マージされたデータの特徴は、1つまたは複数の時間間隔で識別され、値および/またはラベルが割り当てられる。マージされたデータに表されるユーザごとの訪問確率を提供するようにMLモデルをトレーニングするために、識別された特徴と対応する値/ラベルが使用され得る。MLモデルによって提供される訪問確率に基づいて、有向コンテンツのインプレッションにアトリビュートする会場訪問率における増加率(または「リフト」)を正確に見積もることができる。
【0005】
この要約は、以下の詳細な説明においてさらに説明される簡略化された形式で概念の選択を紹介するために提供される。この要約は、主張された主題の主要な特徴または本質的な特徴を識別することは意図されておらず、主張された主題の範囲を制限するために使用されることも意図されていない。例の追加の態様、特徴、および/または利点は、部分的には以下の説明に記載され、部分的には説明から明らかになるか、または本開示の実施によって学習され得る。
【0006】
以下の図面を参照して、非限定的かつ非網羅的な例を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本明細書に記載されるML技法を使用する訪問予測のための例示的なシステムの概要を示す図である。
図2】本明細書に記載されるML技法を使用する訪問予測のための例示的な入力処理ユニットを示す図である。
図3】本明細書に記載される訪問予測モデルをトレーニングするための例示的な方法を示す図である。
図4】本明細書に記載されるユーザ訪問リフトを決定するための例示的な方法を示す図である。
図5】本実施形態のうちの1つまたは複数が実装され得る適切な動作環境の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の様々な態様は、本明細書の一部を形成し、特定の例示的な態様を示す添付の図面を参照して、以下でより完全に説明される。しかしながら、本開示の異なる態様は、多くの異なる形式で実装され得、本明細書に記載の態様に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの態様は、この開示が十分かつ完全であり、当業者に態様の範囲を完全に伝えるように提供されている。態様は、方法、システム、またはデバイスとして実施され得る。したがって、態様は、ハードウェア実装形態、完全にソフトウェアの実装形態、またはソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実装形態の形式をとり得る。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【0009】
訪問確率(たとえば、人が場所または会場を訪問する、または訪問した確率)は、多くの場合、いくつかの人口統計学的および心理学的要因の影響を受ける。潜在的に重要な要因の1つは、特定の場所または会場に関連する有向情報への人の露出であり得る。そのような有向情報の重要性(または、有効性)は、いくつかの変数に基づく。訪問の決定に対するこれらの変数の個々の因果的影響を正確にアトリビュートすることは、不可能ではないにしても、しばしば困難である。しかしながら、変数の個々の因果的影響をアトリビュートすることは、露出された人の予想訪問率(たとえば、その人が有向情報に露出されていなかったとしたら、露出された人の訪問行動はどうだったか)を決定するために不可欠である。したがって、正確な予想訪問率がなければ、閲覧された有向情報の実際の重要性/有効性は、一般に正確に定量化できない。
【0010】
そのような問題に対処するために、本開示は、機械学習(ML)アトリビューション技法を使用するユーザ訪問リフトを決定するためのシステムおよび方法を説明する。本明細書で使用される訪問リフトは、1つまたは複数のイベントまたはアクションにアトリビュートするロケーション訪問率の増加を指す場合がある。特定の例として、訪問リフトは、有向情報にアトリビュートする会場訪問率における増加率を指す場合がある。有向情報は、コンテンツ(たとえば、テキスト、オーディオ、および/またはビデオコンテンツなど)、メタデータ、アクションを実行するための命令、触覚フィードバック、あるいはデバイスによって送信および/または表示できる任意の他の形式の情報であり得る。一態様では、1つまたは複数の場所のユーザ識別データおよび/またはユーザ訪問データが収集され得る。収集されたデータは、ラベル付けされている場合もあり、および/またはラベル付けされていない場合もある。例において、ユーザ識別データおよび/またはユーザ訪問データは、有向情報に関連し得る。有向情報のインプレッションに関する情報も収集され得る。例において、インプレッション情報は、とりわけ、有向情報識別子、および有向情報(または有向情報を備える媒体)がフェッチおよび/またはロードされた回数の表示を備え得る。識別データおよび/またはユーザ訪問データならびにインプレッション情報は、1つまたは複数のデータセットにマージされ得る。次いで、マージされたデータの制約のない数の特徴が識別され得る。特徴の例は、これらに限定されないが、ユーザの年齢、ユーザの性別、ユーザの言語、世帯収入、ユーザまたはモバイルデバイスの場所、世帯内の子供の数、日付、曜日、前回の訪問の最新性、会場または訪問場所までの距離、訪問データを生成するアプリケーション、訪問データを生成するデバイスの機能、有向情報識別子、有向情報の露出日/時間などを含む。例において、訪問予測分析において制約のない数の特徴が使用されることを可能にすると、追加の特徴が分析に追加されたときに、結果として得られるMLモデル(以下で説明)が簡単かつ動的に修正できるようになる。さらに、制約のない数の特徴が使用されることを可能にすると、より詳細で正確なアトリビューション分析が可能になる場合がある。
【0011】
一態様では、マージされたデータの識別された特徴は、個々のユーザおよび/または個々の日に対応するグループに編成され得る。1つまたは複数の特徴化技法を使用して、特徴値が各グループにおけるそれぞれの特徴に対して計算および/または割り当てられ得る。特徴値は、特徴の数値表現、マージされたデータ内の特徴とペアリングされた値、特徴の1つまたは複数のコンディション状態の表示、特徴が訪問をどの程度予測できるかの表示などであり得る。代替的または追加的に、各グループは、そのグループに対応する各特徴の値を割り当てられ得る。例において、特徴化技法は、ML処理、正規化動作、ビニング動作、および/またはベクトル化動作の使用を含み得る。いくつかの態様では、各グループは、訪問表示値を割り当てられ得る。訪問表示値は、ユーザが場所または会場のどちらを訪問したかを示し得る。訪問表示値はまた、ユーザが有向情報に露出されたかどうか、および/または露出の統計的に関連する時間期間内に訪問が発生したかどうかも示し得る。
【0012】
一態様では、識別された特徴、特徴値、および/または訪問表示値を備えるデータの第1のセットは、特定の日付にユーザが場所/会場を訪問したかどうか、またはその確率を決定するべくモデルをトレーニングするために、モデルに提供され得る。本明細書で使用されるモデルは、1つまたは複数の文字シーケンス、クラス、オブジェクト、結果セット、またはイベントにわたる確率分布を決定するために、および/あるいは1つまたは複数の予測子からの応答値を予測するために使用され得る予測または統計モデルを指し得る。モデルは、1つまたは複数のルールセット、機械学習、ニューラルネットワークなどに基づくか、またはそれらを組み込むことができる。いくつかの例では、モデルは、主に(または、排他的に)露出されていないユーザ(たとえば、有向情報に露出されていないユーザ)のデータを使用してトレーニングされ得る。他の例では、モデルは、主に(または、排他的に)露出されたユーザ(たとえば、有向情報に露出されたユーザ)のデータを使用してトレーニングされ得る。さらに他の例では、モデルは、露出されたユーザと露出されていないユーザの両方のデータを使用してトレーニングされ得る。そのような例では、トレーニングされたモデルは、有向情報に露出されていないユーザの典型的または予想される訪問行動を正確に推定/測定するように構成され得る。
【0013】
一態様では、モデルがトレーニングされた後、上記の有向情報に露出されたユーザが識別される。露出されたユーザのユーザ識別データ、ユーザ訪問データ、およびインプレッション情報が収集される。収集されたデータは上記のようにマージされ、トレーニングされたモデルに提供される。収集されたデータに基づいて、マージされたデータが分析される時間期間が識別され得る。分析時間期間は、マージされたデータにおいて識別されたユーザの適格日に対応し得る。本明細書で使用される適格日とは、有向情報の効果が計算される日を指す場合がある。例において、適格日は、ユーザが有向情報に露出された日付(たとえば、有向情報の露出日)および有向情報の露出日の後の期間を使用して決定され得る。集合的に、適格日はアトリビューションウィンドウを定義し得る。本明細書で使用されるアトリビューションウィンドウは、有向情報の露出日を含む期間、および有向情報の露出日の後の期間を指す場合がある。具体的な例として、5日間のアトリビューションウィンドウは、有向情報の露出日と、有向情報の露出日の直後の4日を含み得る。
【0014】
一態様では、識別された適格日ごとに、モデルは、露出されたユーザごとの訪問決定および/または訪問確率を備える結果セットを計算および/または出力し得る。場所または会場に対するユーザの予想される総訪問率を示す値を計算するために、ユーザの訪問決定/確率が合計され得る。少なくとも1つの例では、予想される総訪問率は、露出されたユーザが有向情報に露出されなかったという仮定に基づく。すなわち、予想される総訪問率は、有向情報への露出がなかった場合に発生したであろう訪問数の最良の推定値を表す。
【0015】
一態様では、適格日に露出したユーザによって発生した実際の訪問の総数(たとえば、実際の総訪問率)が識別され得る。実際の訪問を識別することは、1つまたは複数のローカルおよび/またはリモートのデータソースに照会することを含み得る。特定の例として、訪問検出および/または停止検出システムは、1つまたは複数の日付のユーザまたはユーザのセットに対応する実際の訪問データについて照会され得る。次いで、収集されたデータのセットに関連付けられる有向情報にアトリビュートする訪問率(たとえば、訪問リフト)における増加率を計算するために、実際の総訪問率が予想される総訪問率に対して評価され得る。いくつかの態様では、訪問リフトは、ユーザインターフェース上に提示されるか、1つまたは複数のデバイスに送信されるか、あるいはレポートまたは通知が生成され得る。
【0016】
したがって、本開示は、これらに限定されないが、とりわけ、1つまたは複数のアクションあるいはイベントにアトリビュートする訪問率における総インクリメンタルリフトを定量化することと、訪問および有向情報のインプレッションデータから特徴セットを作成することと、訪問の決定に影響を与える様々な個々の変数の重要性を定量化することと、制約のない数の制御変数を有する訪問予測モデルを生成/トレーニングすることと、予想訪問率を計算するためにML技法を使用することと、他の例の中でも、既存の訪問データと停止検出データを活用することとを含む、複数の技術的利益を提供する。
【0017】
図1は、本明細書に記載されるML技法を使用する訪問予測のための例示的なシステムの概要を示している。提示された例示的なシステム100は、会場検出システムのための統合された全体を形成するために相互作用する、相互依存するコンポーネントの組合せである。システムのコンポーネントは、システムのハードウェアコンポーネント上に実装される、および/またはそれによって遂行されるハードウェアコンポーネントまたはソフトウェアであり得る。例において、システム100は、ハードウェアコンポーネント(たとえば、オペレーティングシステム(OS)を遂行/実行するために使用される)、およびハードウェア上で実行されるソフトウェアコンポーネント(たとえば、アプリケーション、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)、モジュール、仮想マシン、ランタイムライブラリなど)のいずれかを含み得る。一例では、例示的なシステム100は、ソフトウェアコンポーネントが実行される環境を提供することと、動作のために設定された制約に従うことと、システム100のリソースまたは設備を利用することとを行ってよく、コンポーネントは、1つまたは複数の処理デバイス上で実行されるソフトウェア(たとえば、アプリケーション、プログラム、モジュールなど)であり得る。たとえば、ソフトウェア(たとえば、アプリケーション、動作手順、モジュールなど)は、コンピュータ、モバイルデバイス(たとえば、スマートフォン/電話、タブレット、ラップトップ、携帯情報端末(PDA)など)および/または他の任意の電子デバイスなどの処理デバイス上で実行され得る。処理デバイスの動作環境の例として、図5に示される例示的な動作環境を参照されたい。他の例では、本明細書に開示されるシステムのコンポーネントは、複数のデバイスに分散され得る。たとえば、入力はクライアントデバイス上で入力され得、情報は、1つまたは複数のサーバデバイスなどのネットワーク内の他のデバイスから処理またはアクセスされ得る。
【0018】
一例として、システム100は、コンピューティングデバイス102、分散ネットワーク104、訪問予測システム106、およびストレージ108を備える。当業者は、システム100などのシステムの規模が変化し得、図1に記載されたものよりも多数の、または少数のコンポーネントを含み得ることを理解するであろう。いくつかの例では、システム100のコンポーネント間のインターフェースは、たとえば、システム100のコンポーネントが分散ネットワークの1つまたは複数のデバイスに分散され得る場合に、リモートで発生し得る。
【0019】
コンピューティングデバイス102は、1人または複数のユーザから、あるいは1人または複数のユーザに関連する情報を受信する、および/またはそこにアクセスするように構成され得る。情報は、たとえば、ユーザおよび/またはデバイス識別データ(たとえば、ユーザ名/識別子、デバイス名など)、人口統計データ(たとえば、年齢、性別、収入など)、ユーザ訪問データ(たとえば、会場名、地理的位置座標、Wi-Fi情報、停止/訪問の長さ、訪問の日付/時刻など)、有向情報データ(たとえば、有向情報識別子、有向情報のインプレッションの日付、露出の数など)、ユーザーフィードバック信号(たとえば、アクティブ/パッシブ会場チェックインデータ、購入またはショッピングイベントなど)を含み得る。コンピューティングデバイス102の例は、クライアントデバイス(たとえば、ラップトップまたはPC、モバイルデバイス、ウェアラブルデバイスなど)、サーバデバイス、ウェブベースのアプライアンスなどを含み得る。
【0020】
一態様では、データの少なくとも一部は、1つまたは複数の会場または場所の有向情報に関連付けられ得る。特定の例として、コンピューティングデバイス102の1つまたは複数のセンサは、ユーザが以前にその会場の有向情報に露出された会場をユーザが訪問したときに、Wi-Fi情報、加速度計データ、およびチェックインデータを収集するように動作可能であり得る。情報(または、その表現)は、コンピューティングデバイス102にローカルに記憶されてもよく、ストレージ108などのリモートデータストアにリモートに記憶されてもよい。いくつかの態様では、コンピューティングデバイス102は、データの少なくとも一部を、ネットワーク104を介して訪問予測システム106などのシステムに送信し得る。
【0021】
訪問予測システム106は、情報を処理および/または特徴付けるように構成され得る。一態様では、訪問予測システム106は、コンピューティングデバイス102によって受信/アクセスされた情報にアクセスし得る。情報にアクセスすると、訪問予測システム106は、1つまたは複数の特徴を識別するために、情報を処理し(または、情報を処理させ)得る。特徴は、様々なユーザおよび/または様々な日付/期間を表すグループに分割され得る。たとえば、ユーザごとに、情報において識別された日付ごとに特徴のセットが作成され得る。特徴のセットごとに、1つまたは複数の特徴化技法を使用して、対応する特徴値のセットが計算または識別され、特徴のセットに割り当てられ得る。あるいは、各グループは、そのグループの特徴セットにおける特徴ごとの値が割り当てられ得る。訪問予測システム106はさらに、訪問表示値をグループのうちの1つまたは複数に割り当てることができる。訪問表示値は、ユーザが特定の日に場所または会場を訪問したかどうかを示し得る。少なくとも1つの態様では、訪問予測システム106はまた、統計的に関連する時間期間内にユーザが有向情報に露出されたかどうかを示す露出表示値を1つまたは複数のグループに割り当てる(または、他の方法で関連付ける)ことができる。たとえば、露出表示値は、ユーザを、露出されていない、露出されており訪問分析に適格である(たとえば、ユーザが訪問分析の関連時間期間内に露出された)、または露出されており訪問分析に不適格である(たとえば、ユーザは露出されたが、露出は訪問分析の関連時間期間内ではなかった)として分類し得る。
【0022】
訪問予測システム106は、1つまたは複数の予測モデルをトレーニングおよび/または維持するようにさらに構成され得る。一態様では、訪問予測システム106は、1つまたは複数の予測モデル/アルゴリズム、あるいは1つまたは複数の予測モデルを生成するためのモデル生成コンポーネントにアクセスし得る。特定の例として、訪問予測システム106は、1つまたは複数のk最近傍、勾配ブーストツリー、またはロジスティック回帰アルゴリズムを使用するMLモデルを備え得る。関連する予測モデルを識別/生成すると、訪問予測システム106は、ユーザが特定の日に場所/会場を訪れたかどうか、またはその確率を決定するように予測モデルをトレーニングするために、識別された特徴、特徴値、訪問表示値、および/または露出表示値を使用し得る。予測モデルがトレーニングされた後、訪問予測システム106は、1つまたは複数のデータソースからトレーニングされたモデルに追加情報を提供し得る。一例では、データソースは、コンピューティングデバイス102、コンピューティングデバイス102のユーザに関連付けられる他のクライアントデバイス、他のユーザのクライアントデバイス、1つまたは複数のクラウドベースのサービス/アプリケーション、ローカルおよび/またはリモートストレージロケーション(ストレージ108など)などを含み得る。少なくとも1つの態様では、追加情報は、上記の有向情報に露出されたユーザのためのデータを含み得る。予測モデルによって追加情報に対して実行される分析/処理の一部として、追加情報に関連付けられる有向情報の1つまたは複数のアトリビューションウィンドウおよび/または適格日が識別され得る。識別された適格日ごとに、予測モデルは、露出されたユーザごとに訪問決定および/または訪問確率を計算および/または出力し得る。場所または会場に対するユーザの予想される総訪問率を計算するために、ユーザの訪問決定/確率が合計され得る。
【0023】
訪問予測システム106は、有向情報の訪問率リフトを計算するようにさらに構成され得る。一態様では、訪問予測システム106は、予測モデルによって識別された適格日に露出されたユーザによって発生した実際の訪問の総数(たとえば、実際の訪問率)を示すデータにアクセスし得る。訪問予測システム106は、実際の総訪問率データをローカルに記憶し得、実際の総訪問率データにアクセスするために1つまたは複数の外部データソースまたはサービスに照会し得る。実際の総訪問率データにアクセスした後、予測モデルまたは訪問予測システム106の(または、それにアクセス可能な)別のコンポーネントは、以前に計算された予想される総訪問率に対して実際の総訪問率データを評価し得る。評価の結果として、訪問率リフト(たとえば、コンピューティングデバイス102によって収集されたデータに関連付けられる有向情報にアトリビュートする訪問率における増加率)が計算され得る。いくつかの態様では、訪問率リフトが計算された後、訪問予測システム106は、1つまたは複数のアクションを実行させることができる。一例として、訪問予測システム106は、消費者を物理的な場所に誘導する際の有向情報の有効性を測定するレポートを生成し得る。レポートはまた、様々なユーザまたはユーザグループの個々の特徴/要因にアトリビュートする因果的影響に関連するデータを備え得る。
【0024】
図2は、本明細書に記載されるML技法を使用する訪問予測のための例示的な入力処理システム200の概要を示している。入力処理システム200によって実装される訪問予測技術は、図1のシステムに記載された訪問検出技法およびデータを備え得る。いくつかの例では、入力処理システム200の1つまたは複数のコンポーネント(または、その機能)は、複数のデバイスに分散され得る。他の例では、単一のデバイス(少なくともプロセッサおよび/またはメモリを備える)は、入力処理システム200のコンポーネントを備え得る。
【0025】
図2に関して、入力処理システム200は、データ収集エンジン202、処理エンジン204、予測モデル206、およびデータストア208を備え得る。データ収集エンジン202は、有向情報に関連する情報を収集または受信するように構成され得る。一態様では、データ収集エンジン202は、1つまたは複数のデータソース、あるいはコンピューティングデバイス102などのコンピューティングデバイスから訪問情報を収集または受信し得る。訪問情報は、たとえば、ユーザおよび/またはデバイス識別データ、ユーザ人口統計データ、ユーザ訪問および/または停止データ、ユーザ行動データなどを含み得る。データ収集エンジン202は、有向情報に関連するインプレッション情報をさらに収集または受信し得る。インプレッション情報は、たとえば、有向情報識別データ、露出データなどを含み得る。データ収集エンジン202は、収集されたデータを1つまたは複数のストレージ場所に記憶し、および/または収集されたデータを、入力処理システム200にアクセス可能な1つまたは複数のアプリケーション、サービス、あるいはコンポーネントにアクセス可能にし得る。少なくとも1つの例では、収集されたデータは、入力処理システム200によって提供されるか、またはそれにアクセス可能なインターフェース(図示せず)を介してアクセスされ得る。インターフェースは、収集されたデータがユーザによってナビゲートおよび/または操作されることを可能にし得る。たとえば、インターフェースは、収集されたデータにラベルを付け、注釈を付け、および/または分類することを可能にし得る。
【0026】
処理エンジン204は、収集されたデータを処理するように構成され得る。一態様では、処理エンジン204は、データ収集エンジン202によって収集されたデータにアクセスし得る。処理エンジン204は、収集されたデータを処理および/またはフォーマットするために、収集されたデータに対して1つまたは複数の動作を実行し得る。たとえば、収集されたデータを処理することは、マージ動作を含み得る。マージ動作は、ユーザの識別および/または日付に従って、訪問情報およびインプレッション情報をマージし得る。たとえば、ユーザの会場訪問データは、ユーザ識別子と日付の組合せを使用して、ユーザの有向情報の露出とマッチングされ得る。収集されたデータを処理することは、追加的または代替的に、特徴化動作を含み得る。特徴化動作は、収集されたデータの様々な特徴を識別し得る。識別された特徴は、ユーザ識別子および/または日付などの1つまたは複数の基準に従ってグループ化され得る。グループ内の特徴の各々の値は、1つまたは複数のML技法を使用して決定され得る。さらに、訪問表示値をグループのうちの1つまたは複数に割り当てることができる。訪問表示値は、ユーザが特定の日に場所または会場を訪問したかどうかを示し得る。たとえば、ユーザが特定の日にその場所に訪問した場合は「1」、ユーザが特定の日にその場所に訪問しなかった場合は「0」がグループに割り当てられる。少なくとも1つの態様では、特徴化動作は、グループのうちの1つまたは複数に露出表示値を割り当てることをさらに含み得る。露出表示値は、訪問分析の統計的に関連する時間期間内に、ユーザが有向情報に露出されたかどうかを示し得る。たとえば、グループは、ユーザが有向情報に露出されなかったことを示すために「U」に、ユーザが訪問分析の統計的に関連する時間期間内に有向情報露出されたことを示すために「EE」に、またはユーザが訪問分析の統計的に関連する時間期間外に有向情報に露出されたことを示すために「EI」に割り当てられるか、そうでなければ関連付けられる。
【0027】
予測モデル206は、訪問予測値を出力するように構成され得る。一態様では、処理エンジン204は、処理されたデータを予測モデル206に提供し得る。予測モデル206は、k最近傍アルゴリズム、勾配ブーストツリーアルゴリズム、またはロジスティック回帰アルゴリズムなどの1つまたは複数のMLアルゴリズムを実装し得る。処理されたデータは、特定のユーザ(処理されたデータにおいて示される)が特定の日に場所/会場を訪れた確率を決定するために予測モデル206をトレーニングするために使用され得る。たとえば、予測モデル206に提供された処理されたデータに基づいて、予測モデル206は、処理されたデータが分析されるべきアトリビューションウィンドウを決定し得る。そのような例では、処理されたデータは、主に(または、排他的に)上記の有向情報に露出されたユーザのための情報を備え得る。アトリビューションウィンドウは、有向情報の露出の影響が訪問決定に統計的に関連する期間を定義し得る。アトリビューションウィンドウにおいて識別された日ごとに、予測モデル206は、処理されたデータにおいて識別されたユーザがその日にターゲットの会場または場所を訪問した確率を計算し得る。場所または会場に対するユーザの予想される総訪問率を表す値を計算するために、ユーザごと、および日ごとの訪問確率が合計され得る。一態様では、予測モデル206は、アトリビューションウィンドウ中に有向情報に露出されたユーザによって発生した実際の訪問の総数(たとえば、実際の総訪問率)を示す実際の訪問データにアクセスし得る。実際の訪問データは、データストア208などのデータソースにおいてローカルにアクセスされてもよく、1つまたは複数の外部データソースまたはサービスに照会することによってリモートでアクセスされてもよい。実際の総訪問率データにアクセスした後、有向情報の訪問率リフトを計算するために、予測モデル206は、予想される総訪問率に対して実際の総訪問率データを評価し得る。いくつかの態様では、有向情報の訪問率リフトを計算した後、予測モデル206は、1つまたは複数のアクションを実行させることができる。たとえば、予測モデル206は、入力処理システム200の報告コンポーネントに報告生成命令を提供し得る。
【0028】
本明細書に開示される態様によって採用され得る様々なシステムを説明したので、次に本開示は、本開示の様々な態様によって実行され得る1つまたは複数の方法を説明する。一態様では、方法300および400は、図1のシステム100または図2のシステム200などの訪問予測システムによって実行され得る。しかしながら、方法300および400は、そのような例に限定されない。他の態様では、方法300および400は、訪問予測を実行するためのアプリケーションまたはサービスに対して実行され得る。少なくとも1つの態様では、方法300および400は、ウェブサービス/分散ネットワークサービス(たとえば、クラウドサービス)などの分散ネットワークの1つまたは複数のコンポーネントによって実行され得る(たとえば、コンピュータ実装動作)。
【0029】
図3は、本明細書に記載される訪問予測モデルをトレーニングするための例示的な方法300を示している。例示的な方法300は、動作302で開始し、そこで、有向情報に関連する情報が受信される。一態様では、データ収集エンジン202などのデータ収集コンポーネントは、コンピューティングデバイス102などの1つまたは複数のコンピューティングデバイスから訪問情報を受信し得る。訪問情報は、たとえば、ユーザおよび/またはデバイス識別データ、ユーザ人口統計データ、ユーザ訪問および/または停止データ、日付/時刻データ、ユーザ行動データなどを含み得る。例において、訪問情報によって表される時間期間は、有向情報の少なくとも一部に対応し得る。データ収集コンポーネントはまた、1つまたは複数のデータソースから有向情報のインプレッション情報を受信し得る。インプレッション情報は、たとえば、有向情報識別データ、有向情報露出日/時、ユーザおよび/またはデバイス識別データなどを含み得る。
【0030】
動作304において、受信された情報がマージされ得る。一態様では、処理エンジン204などのデータ処理コンポーネントは、訪問情報およびインプレッション情報を単一のデータセットにマージし得る。情報をマージすることは、正規表現、ファジー論理などのような1つまたは複数のパターンマッチング技法を使用して、訪問情報におけるデータをインプレッション情報におけるデータにマッチングすることを含み得る。たとえば、訪問情報データオブジェクトおよびインプレッション情報データオブジェクトは、両方ともユーザ識別子「X」を備え得る。両方のデータオブジェクトにおける共通性(すなわち、ユーザ識別子「X」)を識別するために、通常の表現ユーティリティが使用され得る。識別された共通性に基づいて、2つのデータオブジェクトは、2つのデータオブジェクトの各々からの情報の少なくとも一部を備える新しい第3のデータオブジェクトにマージされ得る。
【0031】
動作306において、マージされた情報の特徴がグループ化され得る。一態様では、処理エンジン204などのデータ処理コンポーネントは、マージされた情報の様々な特徴を識別し得る。識別された特徴は、個々のユーザおよび/または個々の日に対応するグループに編成され得る。たとえば、ユーザ識別子「X」および日「1」に対応するマージされた情報の各特徴は第1のグループに編成され得、ユーザ識別子「X」および日「2」に対応するマージされた情報の各特徴は第2のグループに編成され得る。いくつかの態様では、グループ名がグループに割り当てられ得る。グループ名は、グループを編成するために使用される情報に基づいている場合がある。一例として、ユーザ識別子「X」および日「1」の情報を備えるグループの場合、グループ名「X:1」は、データ処理コンポーネントによって自動的に生成され、割り当てられ得る。あるいは、グループ名はランダムに割り当てられ、グループに備えられる情報をすぐに(または、まったく)示さない場合がある。少なくとも1つの態様では、グループ名は、データ処理コンポーネントにアクセス可能なインターフェースを使用して手動で割り当てられてもよく、および/または修正されてもよい。
【0032】
動作308において、1つまたは複数の特徴の値が割り当てられ得る。一態様では、1つまたは複数の特徴化技法を使用して、特徴値が各グループにおける特徴について計算および/または識別され得る。たとえば、マージされた情報内の特徴と値のペアリング、および情報データオブジェクトが識別され、評価され得る。評価は、1つまたは複数の特徴の値を識別および/または抽出することと、値を正規化することと、正規化された値をそれぞれの特徴に割り当てることとを含み得る。別の例として、ユーザの訪問行動に対するインプレッションの特徴の因果的影響を表す値が計算され得る。たとえば、マージされたデータ(または、その中のグループ)は、性別、年齢、および収入の特徴を備え得る。1つまたは複数のアトリビューションモデル/アルゴリズムに基づいて、性別は訪問行動に70%の影響をアトリビュートし、年齢は訪問行動に25%の影響をアトリビュートし、収入は訪問行動に70%の影響をアトリビュートすると決定され得る。その結果、性別の特徴値が0.70に設定され得、年齢の特徴値を0.25に設定され得、収入の特徴値を0.05に設定され得る。あるいは、それぞれの特徴値は、対応する特徴の影響、あるいは1人または複数のユーザの傾向に従って重み付され得る。たとえば、特徴は、特定の値を有する範囲に分類され得る。特定の例として、年齢範囲18~30は値3を有する第1のバケットとして分類され得、年齢範囲31~45は値2を有する第2のバケットとして分類され得、年齢範囲46~60は値1を有する第3のバケットとして分類され得る。バケット値(たとえば、3、2、1)は、訪問行動に対する各年齢範囲の推定影響を表し得る。特徴の影響値と関連付けられる特徴の範囲との組合せを反映するために、各バケットの値に重みが適用され得る。したがって、年齢が訪問行動に25%の影響をアトリビュートする場合、バケット1、2、および3の年齢バケット値は、それぞれ0.75、0.50、および0.25の合計影響を有するように計算され得る。
【0033】
動作310において、1つまたは複数のグループの値が割り当てられ得る。一態様では、データ処理コンポーネントは、ユーザが特定の日に場所または会場を訪問したかどうかを示す訪問表示値を各グループに割り当てることができる。たとえば、「X:1」(ユーザ識別子「X」および日「1」に対応する)で指定されたグループには、ユーザが特定の日にその場所を訪問した場合は「1」、ユーザが特定の日にその場所を訪問しなかった場合は「0」を割り当てることができる。その結果、グループ指定は、それに応じて、たとえば「X:1:1」または「X:1:0」に修正され得る。いくつかの態様では、データ処理コンポーネントは、訪問予測分析の統計的に関連する時間期間内にユーザが有向情報に露出されたかどうかを示す露出表示値を各グループに割り当てることができる。たとえば、各グループは、ユーザが有向情報に露出されなかったことを示すために「U」に、ユーザが訪問分析の統計的に関連する時間期間内に有向情報露出されたことを示すために「EE」に、またはユーザが訪問分析の統計的に関連する時間期間外に有向情報に露出されたことを示すために「EI」に割り当てられる(または、そうでなければ関連付けられる)。そのような例では、統計的に関連する時間期間は、ユーザが有向情報に露出日から(または、それを含む)の特定の日数としてあらかじめ定義され得る。いくつかの態様では、統計的に関連する時間期間内の日の関連性への影響は、日が露出日から遠くなるにつれてますます減少する。たとえば、有向情報の統計的に関連する時間期間は、4日(たとえば、露出日とその後の3日)として定義され得る。露出された有向情報の関連性は、露出日以降、毎日25%減少したと決定され得る。その結果、露出日に1.0の乗数が適用され得、露出日の1日後に0.75の乗数が適用され得、露出日の2日後に0.50の乗数が適用され得、露出日の3日後に0.25の乗数が適用され得る。少なくとも1つの態様では、関連性乗数は、特徴値および/またはグループ値に適用され得る。
【0034】
動作312において、モデルは、マージされたデータを使用してトレーニングされ得る。一態様では、予測モデル206などの予測モデルが識別または生成され得る。あるいは、複数の予測モデルが識別または生成され得る。たとえば、第1の予測モデルは、露出したユーザの情報を使用して主に(または、排他的に)トレーニングされ得、第2の予測モデルは、露出していないユーザの情報を使用して主に(または、排他的に)トレーニングされ得る。予測モデルは、マージされたデータにおいて識別された1人または複数のユーザが特定の日に場所/会場を訪れたかどうか、またはその確率を決定するために、マージされたデータおよび/またはグループデータ(たとえば、グループ化された特徴と値、グループ値および/または名前など)を使用してトレーニングされたバイナリのバイアス補正ロジスティック回帰モデルであり得る。例では、バイアス補正ロジスティック回帰技法を使用すると、モデルをトレーニングするために使用されるデータにおける不公平なサンプリングバイアスをモデルで説明できるようになる。すなわち、モデルの分析が正および負の訪問結果の実際の基本率に基づいていることを確認しながら、かなりの数のまれな正の結果の例(たとえば、会場/場所の訪問)がトレーニングデータセットに含まれる場合がある。特定の態様では、採用された特定のバイアス補正ロジスティック回帰技法は、負のトレーニングインスタンス(非訪問)に適用されるサンプリングレートを表すための表記s0および正のトレーニングインスタンス(訪問)のサンプリングレートを表すための表記s1を導入することによって説明され得る。そのような態様では、実際の目標は、s0を低く調整しながら(たとえば、0.01未満)、まれな訪問データからの識別情報を保持するために、s1を非常に大きく(多くの場合、正確に1に等しく、ダウンサンプリングがないことを意味する)することである。これにより、コンピュータメモリの制限、処理時間、またはモデルフィッティングに適用される他の動作上の制約に関連するサイズの制約を満たす全体的なトレーニングデータサイズセットが維持するために、負のトレーニングデータのダウンサンプリングが確実に制御され得る。
【0035】
一態様では、予測モデルは、特定の信頼区間の対象となる可能性がある。たとえば、リフト計算では統計的有意性が考慮されない場合があるため、考えられるすべてのリフト値にわたる確率分布が生成され得る。確率分布は、リフト分布の先験的な知識を組み込み得る。いくつかの態様では、確率分布からデータをサンプリングするために、マルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)アルゴリズムなどの統計モデルまたはアルゴリズムが使用され得る。本明細書で使用されるMCMCは、確率分布に依存する方法でデータポイントを移動するランダムウォークベースのアルゴリズムを指す場合がある。サンプリングされたデータを使用して、様々な値(たとえば、平均、中央値、パーセンタイル、標準偏差、分散など)が、リフトの分布順序統計の式として計算され得る。たとえば、確率分布の中央値が識別され得、たとえば、5パーセンタイルおよび95パーセンタイルによって制限される信頼区間が確立され得る。
【0036】
図4は、本明細書に記載されるユーザ訪問リフトを決定するための例示的な方法400を示している。例示的な方法400は、動作402で開始し、そこで、有向情報に露出されるユーザのための情報が識別される。一態様では、データ収集エンジン202などのデータ収集コンポーネントは、有向情報に露出された1人または複数のユーザ(たとえば、露出されたユーザ)の訪問情報を受信し得る。いくつかの態様では、訪問情報は、有向情報に露出されていない1人または複数のユーザ(たとえば、露出されていないユーザ)のための情報をさらに含み得る。訪問情報は、コンピューティングデバイス102などの1つまたは複数のコンピューティングデバイス、あるいはデータストア208などの1つまたは複数のデータソースから受信され得る。少なくとも1つの特定の例では、訪問情報は、会場および場所へのユーザの訪問パターンを記録するコンテキストアウェアネスエンジンから収集され得る。訪問情報は、たとえば、ユーザおよび/またはデバイス識別データ、ユーザ人口統計データ、ユーザ訪問および/または停止データ、日付/時刻データ、ユーザ行動データなどを含み得る。一態様では、データ収集コンポーネントはまた、1つまたは複数のデータソースから、ユーザに関連付けられるインプレッション情報を受信し得る。インプレッション情報は、たとえば、有向情報識別データ、有向情報露出日/時、ユーザおよび/またはデバイス識別データなどを含み得る。
【0037】
いくつかの態様では、受信された訪問情報および/またはインプレッション情報は、特定の特徴または属性を有するユーザのセットに対応し得る。ユーザのセットの特徴は、図3の方法300に記載された予測モデルをトレーニングするために使用されるトレーニングデータのセットの特徴と同じ(または、実質的に類似)であり得る。たとえば、予測モデルは、トレーニングデータのセット内のユーザの5つの特徴(たとえば、年齢、性別、大都市圏、訪問の最新性、および言語)を使用してトレーニングされ得る。その結果、トレーニングデータ内のユーザごとに、トレーニングデータ内のユーザとマッチングする(または、類似する)特徴を有する1人または複数のユーザが識別され、識別されたユーザのセットの訪問情報が受信/収集され得る。少なくとも1つの態様では、受信した訪問情報および/またはインプレッション情報がマージされ得る。情報をマージすることは、情報の様々な特徴を識別し、情報を1つまたは複数のグループにグループ化することを備え得る。図3の方法300に記載されているように、情報をマージすることはまた、特徴および/またはグループの値を生成することを含み得る。
【0038】
動作404において、アトリビューションウィンドウが識別され得る。一態様では、露出されたユーザに露出された有向情報のアトリビューションウィンドウが識別され得る。アトリビューションウィンドウは、有向情報の露出データと、露出日からの日数を備え得る。一例では、アトリビューションウィンドウは、有向情報の管理またはマネージメントに関連付けられるユーザによってあらかじめ選択され得る。他の例では、アトリビューションウィンドウは、データ収集コンポーネントまたは訪問予測システムのコンポーネントによってあらかじめ定義され得る。さらに他の例では、アトリビューションウィンドウは、受信した訪問情報および/またはインプレッション情報に基づいて動的に決定され得る。たとえば、ユーザが有向情報に露出された後、有向情報の影響が統計的に関連し続ける時間期間を定義するために、1つまたは複数のML技法が使用され得る。ML技法は、有向情報の露出日からさらに数日間、有向情報の関連性への影響の減少を表すために、アトリビューションウィンドウの各日に値を割り当てることができる。
【0039】
動作406において、受信した情報は、予測モデルへの入力として提供され得る。一態様では、受信した訪問情報、インプレッション情報、ならびに/または対応する特徴およびグループデータは、予測モデル206などの予測モデルへの入力として提供され得る。予測モデルは、たとえば、受信した情報において識別されたユーザが特定の日に場所/会場を訪れたかどうか、またはその確率を決定するようにトレーニングされたバイナリロジスティック回帰モデルであり得る。たとえば、予測モデルに入力される情報は、ユーザおよび/または日付に対応するグループに編成され得る。各グループの特徴データは、予測モデルに提供され得る。その結果、予測モデルは、特定のユーザが特定の日にターゲットの会場または場所を訪れた確率を出力し得る。一態様では、場所または会場の予想される総訪問率を示す値を計算するために、予測モデルによって出力された確率が合計され得る。予想される総訪問率は、予測モデルに入力された情報において表されたユーザが有向情報に露出されていなかったという仮定に基づき得る。
【0040】
動作408において、場所または会場の実際の訪問率が決定され得る。一態様では、アトリビューションウィンドウ中にユーザによって発生した実際の訪問の総数が識別され得る。一例では、実際の訪問の総数は、有向情報に露出されたユーザの数、有向情報に露出されていないユーザの数、またはそれらの何らかの組合せに対応し得る。実際の訪問の総数を識別することは、1つまたは複数のサービスおよび/またはリモートデータソースに照会することを備え得る。あるいは、実際の訪問の総数を識別することは、インターフェースを使用してユーザによって手動で入力された入力を受信することを備え得る。
【0041】
動作410において、訪問率リフトが計算され得る。一態様では、有向情報の訪問率リフト(たとえば、有向情報にアトリビュートする訪問率における増加率)を計算するために、実際の訪問の総数(たとえば、実際の総訪問率)は、予想される総訪問率に対して評価され得る。1つの特定の例では、訪問率リフトは次の式を使用して計算され得る。
【0042】
【数1】
【0043】
上記の式に関して、dは単一の適格日であり(ユーザと日付の両方を表し、ユーザはその日付より前に有向情報に最近露出された)、Dは分析において適格なすべてのD日のセットであり、visited?(d)はdにおいてエンコードされたユーザがその日にターゲットチェーンに訪問したかどうかであり、probVisited?(d)は露出されていないユーザが日付dに訪問する確率であり、visitsactualは適格日に実際に行われた訪問の総数であり、visitsestimatedは適格日に非公開ユーザによって行われた推定総訪問数である。
【0044】
オプションの動作412において、訪問リフト率の計算に応答して、1つまたは複数のアクションが実行され得る。一態様では、訪問リフト率の計算に応答して、1つまたは複数のアクションまたはイベントが実行され得る。アクション/イベントは、レポートを生成することと、予測モデルに情報を提供することと、2つ以上の予測モデルの結果を比較することと、計算された訪問リフト率の1つまたは複数の信頼区間を計算することと、様々な特徴および/または特徴値の統計的有意性の調整することとを含み得る。1つの特定の例として、有向情報の有効性を測定するレポートが生成され、1人または複数のユーザに表示され得る。レポートは、分析された様々な特徴、訪問行動に対する特徴の推定因果的影響、および/または訪問予測分析が実行されたアトリビューションウィンドウを含み得る。
【0045】
図5は、図1に記載された会場検出システムの例示的な適切な動作環境を示している。その最も基本的な構成において、動作環境500は、通常、少なくとも1つの処理ユニット502およびメモリ504を含む。コンピューティングデバイスの正確な構成およびタイプに応じて、メモリ504(本明細書に開示される訪問予測の実施形態を実行するための命令を記憶する)は、揮発性(RAMなど)、不揮発性(ROM、フラッシュメモリなど)、またはその2つの何らかの組合せであり得る。この最も基本的な構成は、図5に破線506で示されている。さらに、環境500はまた、磁気または光ディスクあるいはテープを含むが、これらに限定されない、ストレージデバイス(リムーバブル508および/または非リムーバブル510)を含み得る。同様に、環境500はまた、キーボード、マウス、ペン、音声入力などのような入力デバイス514、および/またはディスプレイ、スピーカ、プリンタなどのような出力デバイス516を有し得る。さらに環境に含まれるものは、LAN、WAN、ポイントツーポイントなどの1つまたは複数の通信接続512であり得る。実施形態において、接続は、ポイントツーポイント通信、コネクション型通信、コネクションレス型通信などを容易にするように動作可能であり得る。
【0046】
動作環境500は、通常、少なくとも何らかの形式のコンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、処理ユニット502または動作環境を備える他のデバイスによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体は、コンピュータストレージ媒体および通信媒体を備え得る。コンピュータストレージ媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールまたは他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術で実装された揮発性および不揮発性のリムーバブルおよび非リムーバブル媒体を含む。コンピュータストレージ媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光学ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは所望の情報を記憶するために使用できる任意の他の非一時的な媒体を含む。コンピュータストレージ媒体には、通信媒体は含まれない。
【0047】
通信媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータを、搬送波または他の輸送メカニズムなどの変調されたデータ信号に具体化し、任意の情報配信媒体を含む。「変調されたデータ信号」という用語は、信号内の情報をエンコードするような方法で設定または変更されたその特性の1つまたは複数を有する信号を意味する。限定ではなく例として、通信媒体は、ワイヤードネットワークまたは直接のワイヤード接続などのワイヤード媒体、および音響、RF、赤外線、マイクロ波、および他のワイヤレス媒体などのワイヤレス媒体を含む。上記のいずれかの組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲に含める必要がある。
【0048】
動作環境500は、1つまたは複数のリモートコンピュータへの論理接続を使用してネットワーク環境において動作する単一のコンピュータであり得る。リモートコンピュータは、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピアデバイス、または他の一般的なネットワークノードであり得、通常、上記の要素の多くまたはすべて、ならびに特に言及されていない他の要素を含む。論理接続は、利用可能な通信メディアによってサポートされている任意の方法を含み得る。そのようなネットワーク環境は、オフィス、企業全体のコンピュータネットワーク、イントラネット、およびインターネットにおいて一般的である。
【0049】
本明細書に記載の実施形態は、本明細書に開示されるシステムおよび方法を実装および実行するために、ソフトウェア、ハードウェア、またはソフトウェアとハードウェアの組合せを使用して採用され得る。特定のデバイスは、特定の機能を実行するものとして本開示全体を通して引用されてきたが、当業者は、これらのデバイスが例示の目的で提供され、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書に開示される機能を実行するために他のデバイスが採用され得ることを理解するであろう。
【0050】
本開示は、添付の図面を参照して本技術のいくつかの実施形態を説明し、可能な実施形態のうちのいくつかのみが示された。しかしながら、他の態様は、多くの異なる形式で具体化され得、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、この開示が十分かつ完全であり、当業者に可能な実施形態の範囲を完全に伝えるように提供されている。
【0051】
本明細書では特定の実施形態が説明されているが、本技術の範囲はそれらの特定の実施形態に限定されない。当業者は、本技術の範囲および趣旨の範囲内にある他の実施形態または改善を認識するであろう。したがって、特定の構造、行為、または媒体は、例示的な実施形態としてのみ開示されている。本技術の範囲は、以下の特許請求の範囲およびその中の同等物によって定義される。
【符号の説明】
【0052】
100 システム
102 コンピューティングデバイス
104 分散ネットワーク
106 訪問予測システム
108 ストレージ
200 入力処理システム
202 データ収集エンジン
204 処理エンジン
206 予測モデル
208 データストア
300 方法
400 方法
500 動作環境
502 処理ユニット
504 メモリ
506 破線
508 リムーバブルストレージデバイス
510 非リムーバブルストレージデバイス
512 通信接続
514 入力デバイス
516 出力デバイス
図1
図2
図3
図4
図5