(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】圧縮ガス用のタンクを備えた道路車両
(51)【国際特許分類】
B60K 25/04 20060101AFI20241015BHJP
B60K 15/03 20060101ALI20241015BHJP
F17C 13/00 20060101ALI20241015BHJP
B60K 3/00 20060101ALN20241015BHJP
【FI】
B60K25/04
B60K15/03 E
F17C13/00 301Z
B60K3/00
(21)【出願番号】P 2021566465
(86)(22)【出願日】2020-12-04
(86)【国際出願番号】 IB2020061511
(87)【国際公開番号】W WO2021111397
(87)【国際公開日】2021-06-10
【審査請求日】2023-10-02
(31)【優先権主張番号】102019000023103
(32)【優先日】2019-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519463178
【氏名又は名称】フェラーリ エッセ.ピー.アー.
【氏名又は名称原語表記】FERRARI S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Emilia Est, 1163, 41100 MODENA, Italy
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファヴァレット ファブリツィオ
【審査官】三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-075578(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101162782(CN,A)
【文献】特開平05-262160(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 25/00 - 25/10
B60K 3/00
B60K 15/03
F17C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム(5)と、
前記フレーム(5)に回転可能な様相で取り付けられた4つのホイール(2、3)と、 前記フレーム(5)を覆うボディ(6)と、
圧縮ガスを生成する圧縮機(12)と、
前記圧縮機(12)によって生成された圧縮ガスを受け取って貯蔵し、壁(10)によって境界付けられた収容室(9)を備えている少なくとも1つのタンク(7)と
を備える道路車両(1)であって、
前記タンク(7)の前記壁(10)は、
前記収容室(9)を直接境界付け、前記圧縮ガスと接触する内側パネル(14)と、
前記内側パネル(14)を完全に取り囲み、前記内側パネル(14)と平行に前記内側パネル(14)から一定の距離(d)に配置された外側パネル(15)と、
四面体の形状を有し、前記内側パネル(14)と前記外側パネル(15)との間に延在し、前記2つのパネル(14、15)の間に定められた前記圧縮ガス収容室(9)から絶縁されたギャップ(16)を完全には満たすことなく、前記2つのパネル(14、15)を互いに物理的に接続する複数の接続要素(17)
とを備え、
前記圧縮機(12)によって圧縮されたガスとは別個かつ前記圧縮機(12)によって圧縮されたガスから独立した冷却流体を前記タンク(7)の前記ギャップ(16)を通って流すように前記タンク(7)に結合した冷却回路(20)が設けられている、ことを特徴とする道路車両(1)。
【請求項2】
前記圧縮機(12)が前記タンク(7)の前記収容室(9)へと前記圧縮ガスを供給するときに前記タンク(7)の前記ギャップ(16)を通って前記冷却流体を流すように前記冷却回路(20)を駆動するように構成された制御ユニット(25)を備える、請求項1に記載の道路車両(1)。
【請求項3】
前記冷却流体は、液体であり、
前記冷却回路(20)は、ラジエータ(23)を備える、
請求項1または2に記載の道路車両(1)。
【請求項4】
前記冷却流体は、外部からもたらされる空気である、請求項1または2に記載の道路車両(1)。
【請求項5】
前記接続要素(17)は、前記ギャップ(16)の総容積の10%~25%を占める、請求項1~
4のいずれか一項に記載の道路車両(1)。
【請求項6】
前記タンク(7)は、
前記収容室(9)を満たし、あるいは前記収容室(9)を空にするために、前記収容室(9)を前記圧縮機(12)に接続する主開口部(11)と、
前記主開口部(11)とは別個かつ前記主開口部(11)から独立しており、前記冷却流体を前記ギャップ(16)へと通すために前記ギャップ(16)を前記冷却回路(20)に接続する補助入口開口部(
18)と
を備える、請求項1~
5のいずれか一項に記載の道路車両(1)。
【請求項7】
前記タンク(7)は、前記主開口部(11)および前記補助入口開口部(18)とは別個かつ前記主開口部(11)および前記補助入口開口部(18)から独立しており、前記冷却流体を前記ギャップ(16)から出すために前記ギャップ(16)を前記冷却回路(20)に接続する補助出口開口部(21)を備える、請求項
6に記載の道路車両(1)。
【請求項8】
前記圧縮機(12)は、供給ダクト(13)を介して前
記タンク(7)の主開口部(11)に恒久的に接続されている、請求項1~
7のいずれか一項に記載の道路車両(1)。
【請求項9】
前記圧縮機(12)は
、前ホイール(2)また
は後ろホイール(3)によって動作するように、前車軸または後車軸から動きを受け取る、請求項1~
8のいずれか一項に記載の道路車両(1)。
【請求項10】
前記圧縮機(12)は、大気からもたらされる空気を
圧縮する、請求項1~9のいずれか一項に記載の道路車両(1)。
【請求項11】
複数のガスプッシャー(8)、すなわち、空気圧プッシャー(8)を備え、各々のガスプッシャー(8)が、前記タンク(7)から前記圧縮ガスを受け取るために前記タンク(7)に接続され、前記フレーム(5)と一体であり、複数のノズルを有しており、前記ノズルは前記ボディ(6)から外方向に向けられ、各々を前記ノズルから流出する空気ジェットを発生させるように作動させることが可能である、請求項1~10のいずれか一項に記載の道路車両(1)。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本特許出願は、2019年12月5日に出願されたイタリア特許出願第102019000023103号からの優先権を主張し、このイタリア特許出願の全開示が、本明細書に援用される。
【技術分野】
【0002】
本発明は、圧縮ガス用のタンクを備えた道路車両に関する。
【背景技術】
【0003】
道路車両において、エネルギーを、タンクの内部に閉じ込められた高圧の圧縮ガスの形態で貯蔵することが可能である。
【0004】
例えば、高圧の圧縮ガスは、電気エネルギーを生成するために燃料電池へと供給される水素であってよい。あるいは、高圧の圧縮ガスは、内燃機関の弁を駆動する空気圧アクチュエータを駆動するために使用され、あるいは車両の動きを変えるように調整された圧縮空気ジェットを生成する空気圧アクチュエータを駆動するために使用される圧縮空気であってよい。
【0005】
一般的に、タンクの重量を減らすために、タンク自体は、炭素繊維または他の複合材料などの軽量な材料で製作される。
【0006】
高圧ガスの圧縮によってガス自体が加熱され、高温に達する可能性があり、そのような高温は、タンクを構成する材料が耐えることができる最高温度さえも超える可能性がある(とくには、タンクが耐熱性の低い複合材料で作られている場合)。タンクの過熱を回避するために、タンクの壁の厚さを増やして耐熱性を高めることが提案され、タンクの上流に配置された熱交換器によって圧縮ガスを前もって冷却することが提案され、さらには、高温の圧縮ガスの流入によって引き起こされるタンクの加熱を減衰させるために、圧縮ガスをきわめて小さい流量で(すなわち、きわめてゆっくりと)タンクに供給することが提案されている。
【0007】
しかしながら、既知の解決策では、タンクの上流に適切な熱交換器を配置する必要があるという理由でも、重量およびサイズが大幅に増加し、圧縮ガスが熱交換器を通って流れる必要があるため、圧縮ガスに負荷損失が発生し、タンクの充てんがきわめて遅くなる。
【0008】
米国特許第6182717号、中国特許出願公開第101162782号、英国特許出願公開第870269号、および米国特許出願公開第2013118152号が、壁によって境界付けられた収容室を有している圧力下の流体のためのタンクを記載しており、壁は、収容室を直接境界付け、流体に接触する内側パネルと、内側パネルを完全に取り囲み、内側パネルと平行に、内側パネルから一定の距離に配置された外側パネルとで構成されている。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、圧縮ガスのためのタンクを備えた道路車両であって、このタンクが、上述の欠点に悩まされることがなく、すなわち、きわめて軽量かつ高い温度を有する圧縮ガスの流入に耐えることができると同時に、簡単かつ経済的に製造することができる道路車両を提供することである。
【0010】
本発明によれば、添付の特許請求の範囲による圧縮ガスのためのタンクを備えた道路車両が提供される。
【0011】
添付の特許請求の範囲は、本発明の好ましい実施形態を説明し、本明細書の一体の一部分を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
次に、本発明を、本発明の実施形態(ただし、これに限られるわけではない)を示している添付の図面を参照して説明する。
【0013】
【
図1】本発明に従って製造されたタンクを備える道路車両、とくには自動車の概略の平面図である。
【
図3】
図1の道路車両の別の実施形態の概略の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1において、番号1が、2つの前ホイール2と、パワートレイン系4からトルクを受け取る2つの後ろ駆動ホイール3とを備えた道路車両(以下では、一般性を失うことなく、自動車とも呼ばれる)を全体として示している。パワートレイン系4は、もっぱら熱に基づくシステム(すなわち、内燃熱エンジンのみを備える)、ハイブリッドシステム(すなわち、内燃熱エンジンと少なくとも1つの電気モータとを備える)、または電気システム(すなわち、1つ以上の電気モータのみを備える)であってよい。
【0015】
自動車1は、とりわけパワートレイン系4ならびにホイール2および3を支持するフレーム5を備え、すなわち、4つのホイール2および3は、対応するサスペンションを介して、回転可能なやり方でフレーム5に取り付けられている。
【0016】
さらに、自動車1は、フレーム5を覆い、フレーム5に取り付けられたボディ6を備える。
【0017】
自動車1は、例えば700~900バールの公称圧力を有することができる圧縮空気などの圧縮ガスのための少なくとも1つのタンク7を備える。
【0018】
図1および
図3の実施形態において、自動車1は、ただ1つの圧縮ガスタンク7を備えるが、本明細書には示されない完全に同等である他の実施形態によれば、(同じ内圧を有するように)互いに気体を通す様相で恒久的に接続されても、あるいは気体の圧力に関して互いに独立であってもよいいくつかの圧縮ガスタンク7が設けられる。
【0019】
図2が、壁10によって境界付けられた収容室9を含む圧縮ガスタンク7の実施形態を示している。収容室9は、収容室9の圧縮ガスを空にし、あるいは収容室9を圧縮ガスで満たすために、収容室9を外部へと接続するように構成された主開口部11を備える。
【0020】
本明細書に示されず、本発明の一部ではない実施形態によれば、圧縮ガスは圧縮空気であり、圧縮機からもたらされ、あるいは圧縮ガスタンク7が充てん作業の際に接続される道路車両1の外部に配置されたさらなるタンクからもたらされる。
【0021】
図1および
図3に示される実施形態によれば、道路車両1は、圧縮ガス供給ダクト13によって圧縮ガスタンク7の主開口部11に恒久的に接続され、圧縮ガスタンク7に圧縮ガスを供給する圧縮機12を収容する。
【0022】
タンク7の壁10は、例えば、円筒形または球形を有する。さらに、タンク7の壁10は、抵抗力が大きく、重量が軽い材料(例えば、チタンTiなど)で作られる。
【0023】
図2によれば、壁10は、収容室9を直接境界付け、圧縮ガスと接触する内側パネル14を備え、さらに、壁10は、内側パネル14を完全に取り囲み、内側パネル14と平行に、内側パネル14から一定の距離dに配置された外側パネル15を備える。結果として、内側パネル14および外側パネル15は、両者の間にギャップ16を定める。
【0024】
さらに、複数の接続要素17(
図2に概略的に示されている)が、ギャップ16内に延在し、内側パネル14および外側パネル15を互いに物理的に接続するように構成される。好ましい実施形態によれば、接続要素17は四面体の形状を有し、本明細書に示されていないさらなる実施形態によれば、接続要素17は、四面体形状とは異なるさらなる幾何学的形状を有することができる。一般に、接続要素17は、高い構造度を有する軽い幾何学的形状を有し、タンク7の壁10が応力(例えば、内側パネル14に作用する収容室9内の圧縮ガスの圧力)を被る場合に、壁10がこの応力に抵抗でき、したがって応力自体によるタンク7の著しい変形または穿孔を回避することができるような接続要素である。
【0025】
さらに、接続要素17は、例えば10%~25%など、ギャップ16の総容積の一部だけを占め、すなわちギャップ16は実質的に空である(すなわち、満杯よりも空に近い)。
【0026】
壁10は、主開口部11とは別個かつ主開口部11から独立した補助入口開口部18をさらに備え、補助入口開口部18は、冷却流体をギャップ16へと通すために、冷却流体を供給ダクト13とは別個の補助入口ダクト19(
図2および
図3に概略的に示されている)を介してギャップ16へと導入できるように構成される。いくつかの実施形態によれば、冷却流体は、外部からもたらされる空気などのガスであり、したがって、補助入口ダクト19は、ボディ6において得られる空気取り入れ口を介して外部へと接続され、外部からギャップ16への空気の流れを可能にするように構成される。あるいは、
図3に概略的に示されているさらなる実施形態によれば、冷却流体は、例えば水などの液体であり、したがって、補助入口ダクト19は、ラジエータ23を備え、冷却流体を含んでおり、冷却流体をギャップ16へと流すことができるように構成された冷却回路20(
図3に概略的に示されている)に接続される。
【0027】
壁10は、収容室9の主開口部11および補助入口開口部18とは別個かつ収容室9の主開口部11および補助入口開口部18から独立した補助出口開口部21をさらに備え、補助出口開口部21は、冷却流体をギャップ16から流出させることができるように、ギャップ16を供給ダクト13および補助入口ダクト19とは別個の補助出口ダクト22に接続するように構成される。冷却流体が外部からもたらされる空気などのガスである実施形態によれば、補助出口ダクト22は外部へと接続され、空気をギャップ16から外部へと流すことができるように構成される。あるいは、冷却流体が液体である本発明のさらなる実施形態によれば、補助出口ダクト22は、冷却回路20(
図3に概略的に示されている)に接続され、冷却流体をギャップ16から冷却回路20へと流すことができるように構成される。
【0028】
上述のタンク7を、例えば3D印刷などの積層造形プロセスなどの既知の製造技術、または溶融プロセスによって製造することができる。
【0029】
さらに、上述のタンク7を、収容室9が高圧、したがって高温の圧縮ガスで満たされているときに、内側パネル14を冷却するために好都合に使用することが可能であり、実際に、この場合に、圧縮ガスに直接接触する内側パネル14は熱くなり、内側パネル14自体の温度上昇が、内側パネル14の機械的特性の著しい変化につながる可能性がある。冷却液がギャップ16内を流れ、すなわち内側パネル14と接触するという事実のおかげで、この冷却流体が、内側パネル14の温度を下げることができ、したがってタンク7により高い圧力および温度の圧縮ガスを収容することができる。
【0030】
図1および
図3によれば、自動車1は複数のガスプッシャー8(すなわち、空気圧プッシャー8)を備え、各々のガスプッシャー8が、圧縮ガスタンク7から圧縮ガスを受け取るために圧縮ガスタンク7に接続され、フレーム5と一体であり(すなわち、空気圧による推力をフレーム5に伝え)、複数のノズル(図示せず)を有しており、ノズルは、(ボディ6、したがって自動車1から)外方向に向けられ、各々をノズルから流出する空気ジェットを発生させるように作動させることが可能である。各々のガスプッシャー8は発生させる空気圧による推力は、ホイール2および3のタイヤを使用せずに、自動車1のフレーム5(すなわち、構造)に直接作用する。基本的に、各々のガスプッシャー8の各々のノズルは、超音速での膨張時に加速された圧縮空気の流れを命令に応じて開閉する弁である。
【0031】
図1および
図3によれば、圧縮ガスタンク7の内部の圧力および/または温度を決定(測定)する圧力および/または温度センサ24が設けられる。さらに、圧力および/または温度センサ24に接続され、圧縮機12が圧縮ガスをタンク7の収容室9へと供給するときに冷却流体をタンク7のギャップ16を通って流すべく冷却回路20を駆動するように構成された制御ユニット25が設けられる。基本的に、制御ユニット25は、例えば、圧力および/または温度センサ24によって検出された圧力および/または温度が所与のしきい値を超えるとき、すなわち圧縮ガスゆえに壁10の内側パネル14が内側パネル14が耐えることができる最高温度に近い温度に達しつつあると判断される場合に、冷却流体を導入するように構成される。
【0032】
図1および
図3によれば、圧縮ガスタンク7に接続された圧縮機12は、前車軸(すなわち、2つの前ホイール2)または後車軸(すなわち、2つの後ろホイール3)から動きを受け取るように設計される。換言すると、圧縮機12のロータを、前ホイール2または後ろホイール3によって動作する(したがって、前ホイール2の運動または後ろホイール3の運動を利用する)ように、前車軸(すなわち、2つの前ホイール2)または後車軸(すなわち、2つの後ろホイール3)に接続することができる。とくには、制御ユニット25は、制動段階において、本来であればブレーキシステムによって熱にて消散させられる自動車1が有する運動エネルギーを使用するために、ホイール2または3から受け取る運動を使用して圧縮機17を動作させる。
【0033】
すでに上述したように、圧縮機12は、大気からもたらされる空気を圧縮し、圧縮機12によって生成されてタンク7に貯蔵された圧縮空気は、その後に、車両に空気圧形式の追加の推力を作用させるように動作するガスプッシャーへの供給のために、参照によって本明細書に取り入れられる欧州特許出願公開第3674152号に記載されているように使用される。
【0034】
本明細書に示されず、本発明の一部ではない別の実施形態によれば、圧縮機12は存在せず、したがって、圧縮ガスタンク7は、道路車両1が駐車しているときにのみ、外部の充てんシステムを介して充てんされる。
【0035】
この理由で、本明細書に記載の実施形態を、本発明の保護の範囲を超えることなく、互いに組み合わせることが可能である。
【0036】
上述の圧縮ガスタンク7は、多数の利点を有する。
【0037】
まず第一に、壁10のこの構造は、構造的な抵抗力が同じままであるならば、圧縮ガスタンク7の総重量を大幅に減らすことを可能にする。
【0038】
さらに、壁10のこの構造は、圧縮ガスと接触するタンク7の部分(すなわち、内側パネル14)を冷却することを可能にし、圧縮ガスを冷却したり、圧縮ガスをタンク7へとゆっくりと導入したりする必要をなくす。換言すれば、冷却流体をギャップ16に流すことにより、圧縮ガスの高温によって引き起こされるタンク7の変形または穿孔を回避することが可能であり、圧縮ガスを前もって冷却する必要がなく、圧縮ガスをきわめて(過度に)ゆっくりと供給する必要もない。
【0039】
最後に、上述のタンク7は、簡単かつ経済的に製造することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 道路車両/自動車
2 前ホイール
3 後ろホイール
4 パワートレイン系
5 フレーム
6 ボディ
7 圧縮空気タンク
8 ガスプッシャー
9 収容室
10 壁
11 主開口部
12 圧縮機
13 供給ダクト
14 内側パネル
15 外側パネル
16 ギャップ
17 複数の接続要素
18 補助入口開口部
19 補助入口ダクト
20 冷却回路
21 補助出口開口部
22 補助出口ダクト
23 ラジエータ
24 圧力および/または温度センサ
25 制御ユニット