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特許7571064モータアセンブリパラメータを更新するためのRFIDタグを有する外科用システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】モータアセンブリパラメータを更新するためのRFIDタグを有する外科用システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/115 20060101AFI20241015BHJP
   A61B 90/98 20160101ALI20241015BHJP
【FI】
A61B17/115
A61B90/98
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2021577515
(86)(22)【出願日】2020-06-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-20
(86)【国際出願番号】 IB2020055722
(87)【国際公開番号】W WO2020261062
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-05-16
(31)【優先権主張番号】62/868,457
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/458,117
(32)【優先日】2019-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】フィービッグ・ケビン・エム
【審査官】滝沢 和雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-524186(JP,A)
【文献】特開2017-113552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/115
A61B 90/98
A61F 2/01
A61N 7/00
A61B 17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術円形ステープラ器具であって、
組織を処置するように動作可能な円形エンドエフェクタと、
前記円形エンドエフェクタから近位方向に延在するシャフトと、
前記シャフトから近位方向に延在するハウジングアセンブリであって、
無線周波数識別(RFID)スキャナと、
モータアセンブリ区画であって、組み立てられた構成で前記モータアセンブリ区画によって互換的に保持されたモータアセンブリを備え、前記モータアセンブリが、前記組み立てられた構成と組み立てられていない構成との間で前記モータアセンブリ区画に対して移動可能であり、前記モータアセンブリが、
前記円形エンドエフェクタを駆動して前記組織を処置するように構成されたモータと、
前記組み立てられた構成で前記RFIDスキャナによって検出可能なRFIDタグであって、モータアセンブリ情報を記憶する、RFIDタグと、を備える、モータアセンブリ区画と、を備える、ハウジングアセンブリと、を備え、
前記モータアセンブリが、前記モータに動作可能に結合されたギアボックスを備え、
前記モータアセンブリ情報が、
ギアボックス情報と、
モータ情報と、を含む、手術円形ステープラ器具。
【請求項2】
前記組み立てられた構成で前記RFIDスキャナからの入力を受信するように構成された制御回路を更に備え、前記入力が、前記モータアセンブリ情報を示す、請求項1に記載の手術円形ステープラ器具。
【請求項3】
前記制御回路が、前記モータアセンブリ情報に基づいて、前記モータの少なくとも1つの動作パラメータを調整するように更に構成されている、請求項2に記載の手術円形ステープラ器具。
【請求項4】
前記制御回路が、前記モータアセンブリ情報に基づいて、前記手術円形ステープラ器具の制御アルゴリズムを選択するように更に構成されている、請求項2に記載の手術円形ステープラ器具。
【請求項5】
前記制御回路が、各々が異なるモータアセンブリ情報に関連付けられた制御アルゴリズムから前記制御アルゴリズムを選択するように更に構成されている、請求項4に記載の手術円形ステープラ器具。
【請求項6】
前記制御回路が、前記モータアセンブリ情報に基づいて、モータ設定を決定するように更に構成されている、請求項2に記載の手術円形ステープラ器具。
【請求項7】
前記円形エンドエフェクタが、円形ステープル留めヘッドアセンブリと、円形アンビルとを備える、請求項1に記載の手術用円形ステープラ器具。
【請求項8】
前記円形ステープル留めヘッドアセンブリが、円形ステープルドライバ部材と円筒状ナイフ部材とを備える、請求項7に記載の手術用円形ステープラ器具。
【請求項9】
前記組み立てられた構成で前記モータアセンブリに結合された電源を更に備える、請求項1に記載の手術円形ステープラ器具。
【請求項10】
前記電源が、前記モータに前記円形エンドエフェクタを駆動させて前記組織を処置させるための電力出力を生成するように構成されている、請求項9に記載の手術円形ステープラ器具。
【請求項11】
前記手術用円形ステープラ器具が、前記組み立てられた構成で前記RFIDスキャナからの入力を受信するように構成された制御回路を更に備え、前記入力が、前記モータアセンブリ情報を示し、
前記制御回路が、前記モータアセンブリ情報に基づいて、前記電力出力の値を決定するように更に構成されている、請求項10に記載の手術円形ステープラ器具。
【請求項12】
手術円形ステープラ器具であって、
組織を処置するように動作可能な円形エンドエフェクタと、
前記円形エンドエフェクタから近位方向に延在するシャフトと、
前記シャフトから近位方向に延在するハウジングアセンブリであって、
無線周波数識別(RFID)スキャナと、
モータアセンブリ区画であって、組み立てられた構成で前記モータアセンブリ区画によって互換的に保持されたモータアセンブリを備え、前記モータアセンブリが、前記組み立てられた構成と組み立てられていない構成との間で前記モータアセンブリ区画に対して移動可能であり、前記モータアセンブリが、
前記円形エンドエフェクタを駆動して前記組織を処置するように構成されたモータと、
前記組み立てられた構成で前記RFIDスキャナの検出範囲内に配置されたRFIDタグであって、モータアセンブリ情報を記憶する、RFIDタグと、を備える、モータアセンブリ区画と、を備える、ハウジングアセンブリと、を備え、
前記モータアセンブリが、前記モータに動作可能に結合されたギアボックスを備え、
前記モータアセンブリ情報が、
ギアボックス情報と、
モータ情報と、を含む、手術円形ステープラ器具。
【請求項13】
前記組み立てられた構成で前記RFIDスキャナからの入力を受信するように構成された制御回路を更に備え、前記入力が、前記モータアセンブリ情報を示す、請求項12に記載の手術円形ステープラ器具。
【請求項14】
前記制御回路が、前記モータアセンブリ情報に基づいて、前記モータの少なくとも1つの動作パラメータを調整するように更に構成されている、請求項13に記載の手術円形ステープラ器具。
【請求項15】
前記制御回路が、前記モータアセンブリ情報に基づいて、前記手術円形ステープラ器具の制御アルゴリズムを選択するように更に構成されている、請求項13に記載の手術円形ステープラ器具。
【請求項16】
前記制御回路が、各々が異なるモータアセンブリ情報に関連付けられた制御アルゴリズムから前記制御アルゴリズムを選択するように更に構成されている、請求項15に記載の手術円形ステープラ器具。
【請求項17】
前記制御回路が、前記モータアセンブリ情報に基づいて、モータ設定を決定するように更に構成されている、請求項13に記載の手術円形ステープラ器具。
【請求項18】
前記円形エンドエフェクタが、円形ステープル留めヘッドアセンブリと、円形アンビルとを備える、請求項12に記載の手術用円形ステープラ器具。
【請求項19】
前記円形ステープル留めヘッドアセンブリが、円形ステープルドライバ部材と円筒状ナイフ部材とを備える、請求項18に記載の手術用円形ステープラ器具。
【請求項20】
前記組み立てられた構成で前記モータアセンブリに動作可能に結合された電源を更に備える、請求項12に記載の手術円形ステープラ器具。
【請求項21】
前記電源が、前記モータに前記円形エンドエフェクタを駆動させて前記組織を処置させるための電力出力を生成するように構成されている、請求項20に記載の手術円形ステープラ器具。
【請求項22】
前記手術用円形ステープラ器具が、前記組み立てられた構成で前記RFIDスキャナからの入力を受信するように構成された制御回路を更に備え、前記入力が、前記モータアセンブリ情報を示し、
前記制御回路が、前記モータアセンブリ情報に基づいて、前記電力出力の値を決定するように更に構成されている、請求項21に記載の手術円形ステープラ器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その全開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2019年6月28日に出願された米国仮特許出願第62/868,457号、発明の名称「SURGICAL SYSTEMS WITH MULTIPLE RFID TAGS」の米国特許法第119条(e)の下での優先権を主張する非暫定出願である。
【背景技術】
【0002】
本発明は、外科用器具に関し、様々な実施形態において、組織の切断及びステープル留めを行うように設計されている外科用切断及びステープル留め器具、並びに外科用切断及びステープル留め器具用のステープルカートリッジに関する。様々な実施形態では、RFID技術を使用して、例えば、ステープルカートリッジなどの、外科用器具の構成要素を識別することができる。RFID技術を使用する外科用システムの例は、2011年6月14日に発行された米国特許第7,959,050号、発明の名称「ELECTRICALLY SELF-POWERED SURGICAL INSTRUMENT WITH MANUAL RELEASE」、及び2015年2月26日に公開された米国特許出願第2015/0053743号、発明の名称「ERROR DETECTION ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENT ASSEMBLIES」に見出すことができ、その両方は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
様々な実施形態では、組織を処置するように動作可能なエンドエフェクタと、エンドエフェクタから近位方向に延在するシャフトと、シャフトから近位方向に延在するハウジングアセンブリと、を含む、外科用器具が開示される。ハウジングアセンブリは、無線周波数識別(radio-frequency identification、RFID)スキャナと、組み立てられた構成でモータアセンブリ区画によって互換的に保持されたモータアセンブリを含むモータアセンブリ区画と、を含む。モータアセンブリは、組み立てられた構成と組み立てられていない構成との間でモータアセンブリ区画に対して移動可能である。モータアセンブリは、エンドエフェクタを駆動して組織を処置するように構成されたモータと、組み立てられた構成でRFIDスキャナによって検出可能なRFIDタグと、を含む。RFIDタグは、モータアセンブリ情報を記憶する。
【0004】
様々な実施形態では、組織を処置するように動作可能なエンドエフェクタと、エンドエフェクタから近位方向に延在するシャフトと、シャフトから近位方向に延在するハウジングアセンブリと、を含む、外科用器具が開示される。ハウジングアセンブリは、無線周波数識別(RFID)スキャナと、組み立てられた構成でモータアセンブリ区画によって互換的に保持されたモータアセンブリを含むモータアセンブリ区画と、を含む。モータアセンブリは、組み立てられた構成と組み立てられていない構成との間でモータアセンブリ区画に対して移動可能である。モータアセンブリは、エンドエフェクタを駆動して組織を処置するように構成されたモータと、組み立てられた構成でRFIDスキャナの検出範囲に又は検出範囲内に配置されたRFIDタグと、を含む。RFIDタグは、モータアセンブリ情報を記憶する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
様々な態様の特徴が、添付された特許請求の範囲で詳細に説明される。ただし、機構と動作の方法の両方についての様々な態様は、それらの更なる目的及び利点とともに、以降の添付図面と併せて、以下の説明を参照することにより最もよく理解することができる。
図1】本開示の少なくとも1つの態様による、例示的な円形ステープラの斜視図を示す。
図2】本開示の少なくとも1つの態様による、電池パックがハウジングアセンブリから取り外され、アンビルがステープル留めヘッドアセンブリから取り外された状態での、図1の円形ステープラの斜視図を示す。
図3】本開示の少なくとも1つの態様による、図1の円形ステープラのステープル留めヘッドアセンブリの斜視図を示す。
図4】本開示の少なくとも1つの態様による、図3のアンビルの別の斜視図を示す。
図5】本開示の少なくとも1つの態様による、図3のステープル留めヘッドアセンブリの分解斜視図を示す。
図6】本開示の少なくとも1つの態様による、シャフトアセンブリの部分が互いに分離して示されている、図1の円形ステープラの分解斜視図を示す。
図7】本開示の少なくとも1つの態様による、図6のハウジングアセンブリのアンビル作動アセンブリの詳細な斜視図を示す。
図8】本開示の少なくとも1つの態様による、アンビルロックアウトアセンブリがロック解除位置にある状態での、図7のアンビル作動アセンブリのアンビルロックアウトアセンブリの詳細な斜視図を示す。
図9】本開示の少なくとも1つの態様による、図8のアンビルロックアウトアセンブリがロック解除位置にある状態での、図7のアンビル作動アセンブリの詳細な側面図を示す。
図10】本開示の少なくとも1つの態様による、図8のアンビルロックアウトアセンブリがロック位置にある状態での、図7のアンビル作動アセンブリの別の詳細な側面図を示す。
図11】本開示の少なくとも1つの態様による、図8のアンビルロックアウトアセンブリの代替構成の詳細な斜視図を示す。
図12】本開示の少なくとも1つの態様による、ステープル留めヘッドアセンブリ、及びステープル留めヘッドアセンブリのトロカールに結合されているアンビルを示す。
図13】本開示の少なくとも1つの態様による、ステープル留めヘッドアセンブリと不適切な着座向きにある、アンビルの部分横断面図を示す。
図14】本開示の少なくとも1つの態様による、ステープル留めヘッドアセンブリと不適切な着座向きにある、アンビルの部分縦断面図を示す。
図15】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ステープル留め器具の制御システムを示す。
図16】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ステープル留め器具を動作させるための制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図を示す。
図17】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ステープル留め器具のステープル留めヘッドアセンブリに対してアンビルを適切に向けるための制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図を示す。
図18】本開示の少なくとも1つの態様による、多数の異なるエンドエフェクタのうちのいずれか1つ、多数の異なるシャフトのうちのいずれか1つ、及びハウジングアセンブリから選択的に組み立てることができる外科用器具を示す。
図19】本開示の少なくとも1つの態様による、組み立てられた外科用器具の概略図を示す。
図20図19の外科用器具のモータの少なくとも1つの動作パラメータを調整するための制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図を示す。
図21】2つの異なる発射アルゴリズムによる、図19の外科用器具の発射負荷を示すグラフを示す。
図22図19の外科用器具の様々な閉鎖及び発射閾値の調整を示すグラフを示す。
図23】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ステープル留め器具を動作させるための制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図を示す。
図24】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具及び外科用器具で使用するための3つのモータアセンブリの部分立面図を示す。
図25】本開示の少なくとも1つの態様による、図24の外科用器具のモータの動作パラメータを調整するための制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図を示す。
図26】本開示の少なくとも1つの態様による、3つの異なるモータについてのY軸上のモータトルクとX軸上のモータ速度との間の関係を示すグラフである。
図27】本開示の少なくとも1つの態様による、図24の外科用器具の制御システムを示す。
図28】本開示の少なくとも1つの態様による、図25の外科用器具の様々な制御アルゴリズムのテーブル又はデータベースを示す。
図29】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具の部分斜視図を示す。
図30】本開示の少なくとも1つの態様による、図29の外科用器具の制御回路を示す。
図31】本開示の少なくとも1つの態様による、図29の外科用器具を動作させるための制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図を示す。
図32】本開示の少なくとも1つの態様による、電池パックの制御回路を示す。
図33】本開示の少なくとも1つの態様による、複数の異なる電池パックとの図29の外科用器具の適合性を示す。
図34】本開示の少なくとも1つの態様による、異なる電池パックによって電力を供給されたときの図29の外科用器具の様々なモータトルク/速度/電流の関係を示すグラフを示す。
図35】本開示の少なくとも1つの態様による、図29の外科用器具で利用することができる異なる電池パックの様々なエネルギー密度を示す棒グラフを示す。
図36】本開示の少なくとも1つの態様による、図29の外科用器具で利用することができる異なる電池パックの実際のエネルギー密度対定格エネルギー密度の比較を示す棒グラフを示す。
図37】本開示の少なくとも1つの態様による、図29の外科用器具で利用することができる異なる電池パックの公称電圧を示す棒グラフを示す。
図38】本開示の少なくとも1つの態様による、図29の外科用器具で利用することができる異なる電池パックの放電曲線を示すグラフを示す。
図39】本開示の少なくとも1つの態様による、図29の外科用器具で利用することができるリチウムイオン電池の放電曲線を示すグラフを示す。
図40】本開示の少なくとも1つの態様による、図29の外科用器具で利用することができるリチウムイオン電池の異なる温度についての異なる放電曲線を示すグラフを示す。
図41】本開示の少なくとも1つの態様による、図29の外科用器具で利用することができるCR123電池の異なる放電率についての異なる放電曲線を示すグラフを示す。
図42】本開示の少なくとも1つの態様による、ダム電池と、インテリジェント電池と、適応外科用器具との間の様々な動作差を示す。
図43】本開示の少なくとも1つの態様による、図42の適応外科用器具で利用されたときの異なる電池パックの出力電流能力を示すグラフを示す。
図44】本開示の少なくとも1つの態様による、図42の適応外科用器具で利用されたときの異なる電池パックの出力電圧能力を示すグラフを示す。
図45】本開示の少なくとも1つの態様による、図42の適応外科用器具で利用されたときの異なる電池パックの出力電圧能力を示すグラフを示す。
図46】本開示の少なくとも態様による、図42の適応外科用器具で使用するための電池を示す。
図47】本開示の少なくとも1つの態様による、図42の適応外科用器具を動作させるための制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図を示す。
図48】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具の外科用器具構成要素の信頼性及び/又は適合性を検証するための制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本願の出願人は、本願と同日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
・代理人整理番号END9145USNP1/190235-1M、発明の名称「METHOD FOR AUTHENTICATING THE COMPATIBILITY OF A STAPLE CARTRIDGE WITH A SURGICAL INSTRUMENT」、
・代理人整理番号END9146USNP1/190236、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEM COMPRISING AN RFID SYSTEM」、
・代理人整理番号END9147USNP1/190237、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN RFID SYSTEM FOR TRACKING A MOVABLE COMPONENT」、
・代理人整理番号END9148USNP1/190238、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ALIGNED RFID SENSOR」、
・代理人整理番号END9123USNP1/190239、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM HAVING AN INFORMATION DECRYPTION PROTOCOL」、
・代理人整理番号END9124USNP/190240、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM HAVING AN INFORMATION ENCRYPTION PROTOCOL」、
・代理人整理番号END9125USNP/190241、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM HAVING A LOCKOUT MECHANISM FOR AN INCOMPATIBLE CARTRIDGE」、
・代理人整理番号END9126USNP/190242、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM HAVING A FRANGIBLE RFID TAG」、及び
・代理人整理番号END9127USNP/190243、発明の名称「PACKAGING FOR A REPLACEABLE COMPONENT OF A SURGICAL STAPLING SYSTEM」。
【0007】
本願の出願人は、本願と同日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
・代理人整理番号END9119USNP1/190245-1M、発明の名称「METHOD OF USING MULTIPLE RFID CHIPS WITH A SURGICAL ASSEMBLY」、
・代理人整理番号END9120USNP1/190246、発明の名称「MECHANISMS FOR PROPER ANVIL ATTACHMENT SURGICAL STAPLING HEAD ASSEMBLY」、
・代理人整理番号END9121USNP1/190247、発明の名称「MECHANISMS FOR MOTOR CONTROL ADJUSTMENTS OF A MOTORIZED SURGICAL INSTRUMENT」、
・代理人整理番号END9122USNP1/190248、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH BATTERY COMPATIBILITY VERIFICATION FUNCTIONALITY」、
・代理人整理番号END9132USNP1/190250、発明の名称「SURGICAL SYSTEMS WITH MULTIPLE RFID TAGS」、
・代理人整理番号END9149USNP1/190251、発明の名称「RFID IDENTIFICATION SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、
・代理人整理番号END9150USNP1/190252、発明の名称「RFID IDENTIFICATION SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、
・代理人整理番号END9151USNP1/190253、発明の名称「SURGICAL RFID ASSEMBLIES FOR DISPLAY AND COMMUNICATION」、
・代理人整理番号END9152USNP1/190254、発明の名称「SURGICAL RFID ASSEMBLIES FOR COMPATIBILITY DETECTION」、及び
・代理人整理番号END9153USNP1/190255、発明の名称「SURGICAL RFID ASSEMBLIES FOR INSTRUMENT OPERATIONAL SETTING CONTROL」。
【0008】
本願の出願人は、2018年5月1日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
・米国仮特許出願第62/665,129号、発明の名称「SURGICAL SUTURING SYSTEMS」、
・米国仮特許出願第62/665,139号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING CONTROL SYSTEMS」、
・米国仮特許出願第62/665,177号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING HANDLE ARRANGEMENTS」、
・米国仮特許出願第62/665,128号、発明の名称「MODULAR SURGICAL INSTRUMENTS」、
・米国仮特許出願第62/665,192号、発明の名称「SURGICAL DISSECTORS」、及び
・米国仮特許出願第62/665,134号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER」。
【0009】
本願の出願人は、2018年8月24日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
・米国特許出願第16/112,129号、発明の名称「SURGICAL SUTURING INSTRUMENT CONFIGURED TO MANIPULATE TISSUE USING MECHANICAL AND ELECTRICAL POWER」、
・米国特許出願第16/112,155号、発明の名称「SURGICAL SUTURING INSTRUMENT COMPRISING A CAPTURE WIDTH WHICH IS LARGER THAN TROCAR DIAMETER」、
・米国特許出願第16/112,168号、発明の名称「SURGICAL SUTURING INSTRUMENT COMPRISING A NON-CIRCULAR NEEDLE」、
・米国特許出願第16/112,180号、発明の名称「ELECTRICAL POWER OUTPUT CONTROL BASED ON MECHANICAL FORCES」、
・米国特許出願第16/112,193号、発明の名称「REACTIVE ALGORITHM FOR SURGICAL SYSTEM」、
・米国特許出願第16/112,099号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ADAPTIVE ELECTRICAL SYSTEM」、
・米国特許出願第16/112,112号、発明の名称「CONTROL SYSTEM ARRANGEMENTS FOR A MODULAR SURGICAL INSTRUMENT」、
・米国特許出願第16/112,119号、発明の名称「ADAPTIVE CONTROL PROGRAMS FOR A SURGICAL SYSTEM COMPRISING MORE THAN ONE TYPE OF CARTRIDGE」、
・米国特許出願第16/112,097号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS COMPRISING BATTERY ARRANGEMENTS」、
・米国特許出願第16/112,109号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS COMPRISING HANDLE ARRANGEMENTS」、
・米国特許出願第16/112,114号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS COMPRISING FEEDBACK MECHANISMS」、
・米国特許出願第16/112,117号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS COMPRISING LOCKOUT MECHANISMS」、
・米国特許出願第16/112,095号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING A LOCKABLE END EFFECTOR SOCKET」、
・米国特許出願第16/112,121号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING A SHIFTING MECHANISM」、
・米国特許出願第16/112,151号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING A SYSTEM FOR ARTICULATION AND ROTATION COMPENSATION」、
・米国特許出願第16/112,154号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING A BIASED SHIFTING MECHANISM」、
・米国特許出願第16/112,226号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING AN ARTICULATION DRIVE THAT PROVIDES FOR HIGH ARTICULATION ANGLES」、
・米国特許出願第16/112,062号、発明の名称「SURGICAL DISSECTORS AND MANUFACTURING TECHNIQUES」、
・米国特許出願第16/112,098号、発明の名称「SURGICAL DISSECTORS CONFIGURED TO APPLY MECHANICAL AND ELECTRICAL ENERGY」、
・米国特許出願第16/112,237号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER CONFIGURED TO STORE CLIPS IN A STORED STATE」、
・米国特許出願第16/112,245号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER COMPRISING AN EMPTY CLIP CARTRIDGE LOCKOUT」、
・米国特許出願第16/112,249号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER COMPRISING AN AUTOMATIC CLIP FEEDING SYSTEM」、
・米国特許出願第16/112,253号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER COMPRISING ADAPTIVE FIRING CONTROL」、及び
・米国特許出願第16/112,257号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER COMPRISING ADAPTIVE CONTROL IN RESPONSE TO A STRAIN GAUGE CIRCUIT」。
【0010】
本願の出願人は、2018年10月26日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
・米国特許出願第16/172,130号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING INTERCHANGEABLE CLIP RELOADS」、
・米国特許出願第16/172,066号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING A MOVABLE CLIP MAGAZINE」、
・米国特許出願第16/172,078号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING A ROTATABLE CLIP MAGAZINE」、
・米国特許出願第16/172,087号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING CLIP ADVANCING SYSTEMS」、
・米国特許出願第16/172,094号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING A CLIP CRIMPING SYSTEM」、
・米国特許出願第16/172,128号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING A RECIPROCATING CLIP ADVANCING MEMBER」、
・米国特許出願第16/172,168号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING A MOTOR CONTROLLER」、
・米国特許出願第16/172,164号、発明の名称「SURGICAL SYSTEM COMPRISING A SURGICAL TOOL AND A SURGICAL HUB」、及び
・米国特許出願第16/172,303号、発明の名称「METHOD FOR OPERATING A POWERED ARTICULATING MULTI-CLIP APPLIER」。
【0011】
本願の出願人は、2018年12月4日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらの各々の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
・米国特許出願第16/209,385号、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」、
・米国特許出願第16/209,395号、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION」、
・米国特許出願第16/209,403号、発明の名称「METHOD OF CLOUD BASED DATA ANALYTICS FOR USE WITH THE HUB」、
・米国特許出願第16/209,407号、発明の名称「METHOD OF ROBOTIC HUB COMMUNICATION,DETECTION,AND CONTROL」、
・米国特許出願第16/209,416号、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,DISPLAY,AND CLOUD ANALYTICS」、
・米国特許出願第16/209,423号、発明の名称「METHOD OF COMPRESSING TISSUE WITHIN A STAPLING DEVICE AND SIMULTANEOUSLY DISPLAYING THE LOCATION OF THE TISSUE WITHIN THE JAWS」、
・米国特許出願第16/209,427号、発明の名称「METHOD OF USING REINFORCED FLEXIBLE CIRCUITS WITH MULTIPLE SENSORS TO OPTIMIZE PERFORMANCE OF RADIO FREQUENCY DEVICES」、
・米国特許出願第16/209,433号、発明の名称「METHOD OF SENSING PARTICULATE FROM SMOKE EVACUATED FROM A PATIENT,ADJUSTING THE PUMP SPEED BASED ON THE SENSED INFORMATION,AND COMMUNICATING THE FUNCTIONAL PARAMETERS OF THE SYSTEM TO THE HUB」、
・米国特許出願第16/209,447号、発明の名称「METHOD FOR SMOKE EVACUATION FOR SURGICAL HUB」、
・米国特許出願第16/209,453号、発明の名称「METHOD FOR CONTROLLING SMART ENERGY DEVICES」、
・米国特許出願第16/209,458号、発明の名称「METHOD FOR SMART ENERGY DEVICE INFRASTRUCTURE」、
・米国特許出願第16/209,465号、発明の名称「METHOD FOR ADAPTIVE CONTROL SCHEMES FOR SURGICAL NETWORK CONTROL AND INTERACTION」、
・米国特許出願第16/209,478号、発明の名称「METHOD FOR SITUATIONAL AWARENESS FOR SURGICAL NETWORK OR SURGICAL NETWORK CONNECTED DEVICE CAPABLE OF ADJUSTING FUNCTION BASED ON A SENSED SITUATION OR USAGE」、
・米国特許出願第16/209,490号、発明の名称「METHOD FOR FACILITY DATA COLLECTION AND INTERPRETATION」、及び
・米国特許出願第16/209,491号、発明の名称「METHOD FOR CIRCULAR STAPLER CONTROL ALGORITHM ADJUSTMENT BASED ON SITUATIONAL AWARENESS」。
【0012】
外科用装置及びシステムの様々な態様を詳細に説明する前に、例示される実施例は、適用又は用途において、添付の図面及び説明で示される部品の構造及び配置の詳細に限定されないことに留意すべきである。例示の実施例は、他の態様、変形形態、及び修正形態で実装されるか、又はそれらに組み込まれてもよく、様々な方法で実施又は実行されてもよい。更に、特に明記しない限り、本明細書で用いられる用語及び表現は、読者の便宜のために例示の実施例を説明する目的で選択されたものであり、それらを限定するためのものではない。また、以下に記述される態様、態様の表現、及び/又は実施例のうち1つ又は2つ以上を、以下に記述される他の態様、態様の表現、及び/又は実施例のうち任意の1つ又は2つ以上と組み合わせることができるものと理解されたい。
【0013】
様々な外科用システム及び器具(例えば、外科用ステープル留め器具、外科用クリップアプライヤ、外科用縫合器具)が、本開示に関連して記載される。外科用システム及び/又は器具は、以下でより詳細に考察するように、1つ又は2つ以上のRFIDスキャナ及び1つ又は2つ以上のRFIDタグを含む無線周波数識別(RFID)システムを備える。RFID技術を使用する外科用システムの例は、米国特許第7,959,050号及び米国特許出願第2015/0053743号に開示されており、それらの両方は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0014】
無線周波数識別(RFID)は、物体を追跡及び識別するために、様々な産業で使用される。RFIDは、無線波に依存して、デジタル記憶情報をRFIDタグから、情報を受信するように構成されたRFIDリーダ又は受信機に転送する。RFID技術は、電子的に記憶された情報を含む、チップと呼ばれることがあるRFIDタグ、及びRFIDタグを識別し、RFIDタグと通信するように機能するRFIDリーダを使用する。2つの異なるタイプのRFIDシステムである、アクティブRFIDシステム及びパッシブRFIDシステムが存在する。アクティブRFIDシステムは、それらの信号をブロードキャストするための内蔵電源を備えるRFIDタグを含む。アクティブRFIDタグは、RFIDタグ内の電池を含むことができ、これにより、アクティブRFIDタグがRFIDリーダから独立して機能することが可能になる。したがって、アクティブRFIDシステムのRFIDタグは、情報を送信する前にRFIDリーダから信号を受信するように待機する必要はない。代わりに、アクティブRFIDタグは、自由に信号又はビーコンを連続的に送信することができる。多くの市販のアクティブRFIDシステムは、多くの場合、2つの主周波数範囲である433MHz及び915MHzのうちの1つで動作するが、任意の好適な周波数範囲を使用することができる。典型的には、RFIDタグは、その対応するRFIDリーダによって識別されるために、特定の距離又は周波数範囲内になければならない。
【0015】
パッシブRFIDシステムは、内蔵電源を備えないが、代わりにRFIDリーダから動作するために必要なエネルギーを受信する、RFIDタグを含む。アクティブRFIDタグとは対照的に、パッシブRFIDシステムのRFIDタグは、プロンプトを受信する前に信号を能動的に送信しない。代わりに、パッシブRFIDタグは、信号を送信する前にRFIDリーダから情報を受信するように待機する。多くの市販のパッシブRFIDシステムは、多くの場合、3つの周波数範囲である低周波数(「Low Frequency、LF」)、高周波数(「High Frequency、HF」)及び近距離無線通信(「Near-Field Communication、NFC」)、並びに超高周波数(「Ultra High Frequency、UHF」)内で動作する。LF帯域幅は、125~134KHzであり、約1~10センチメートルの短い読み取り範囲を有するより長い波長を含む。HF及びNFC帯域幅は、13.56MHzであり、1センチメートル~1メートルの典型的な読み取り範囲を有する中間波長を含む。UHF帯域幅は、865~960MHzであり、長い読み取り範囲に変換する1メートルの短い高エネルギー波長を含む。上述したように、任意の好適な周波数を使用することができる。
【0016】
異なるサイズのRFIDタグを備える様々なRFIDシステムが存在する。しかしながら、いくつかは、非常に小さな物体の追跡を必要とする技術領域での使用により適している。例えば、Hitachi Chemical Co.Ltd.は、RFID技術分野における大手製造業者である。Hitachi Chemical Co.Ltd.によって製造されたUltra Small size UHF RFIDタグは、典型的には、1.0~13mm以下であり、数センチメートル以上の距離でRFIDタグとRFIDリーダとの間の通信を可能にする。そのコンパクトな性質により、Hitachi RFIDタグは、識別する必要がある非常に小さな製品に好適である。各Hitachi RFIDタグは、アンテナと、アンテナに接続されたICチップと、ICチップ及びアンテナを封止する封止材料と、を備える。Hitachi RFIDタグは、単一ユニットにアンテナ及びICチップを組み込んでいるため、Hitachi RFIDタグは、例えば、接着剤又はテープを使用して任意の小さな物体に容易に固定するのに十分に便利である。
【0017】
Hitachi RFIDタグは、正方形のステンレス鋼プレートと、金属アンテナと、を備える。アンテナは、LC共振回路又は任意の他の好適な回路を備え、プレートに電気的に接続されている。プレート及びアンテナが互いに接続された後に、アンテナ及びプレートは、封止材料を用いて単一ユニット内で一緒に封止される。封止材料は、Hitachi RFIDタグの耐熱能力を高めるために、主に、エポキシ、炭素、及びシリカから構成されている。すなわち、RFIDタグの耐熱性は、封止材料の耐熱能力に実質的に依存する。封止材料は、数秒などのより短い期間にわたって最大250~300℃の温度に耐える高い耐熱性を有し、150℃までより長期間にわたって熱に対して耐性がある。したがって、Hitachi RFIDタグは、従来のRFIDタグよりも高い耐熱性を有し、高温でも依然として正常に動作することができる。Hitachi RFIDタグに関する追加情報は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第9,171,244号に見出すことができる。
【0018】
図1図2は、本開示の少なくとも1つの態様による、RFIDシステム及びその制御システムを含むように適合させることができる例示的な外科用円形ステープル留め器具10を示す。ステープル留め器具10は、患者の消化管の一部分などの解剖学的管腔の2つの区間の間で端々吻合を提供するために使用され得る。この実施例の器具10は、ハウジングアセンブリ100と、シャフトアセンブリ200と、ステープル留めヘッドアセンブリ300と、アンビル400と、を備える。ハウジングアセンブリ100は、斜めに向けられたピストルグリップ112を画定する、ケーシング110を備える。ハウジングアセンブリ100はハンドルの形態で示されているが、これは、限定するものではない。様々な例では、ハウジングアセンブリ100は、例えば、ロボットシステムの構成要素であってもよい。
【0019】
ハウジングアセンブリ100は、可動インジケータ針を見ることができるようにする窓114を更に含む。一部の変形形態では、インジケータ針の視覚的コンテキストを提供するために、一連のハッシュマーク、着色領域、及び/又は他の固定インジケータが窓114に隣接して配置されており、それによって、窓114内の針の位置を操作者が評価するのを容易にしている。インジケータ針の移動は、ステープル留めヘッドアセンブリ300に対するアンビル400の閉鎖運動に対応する。ハッシュマーク、着色領域、及び/又は他の固定インジケータは、器具10を発射するための最適なアンビル閉鎖ゾーンを画定することができる。したがって、インジケータ針が最適なアンビル閉鎖ゾーン内にあるとき、ユーザは、器具10を発射することができる。本明細書の教示を考慮することで、当業者には、ハウジングアセンブリ100の様々な好適な代替的な特徴部及び構成が、明らかとなるであろう。
【0020】
本実施例の器具10は、電池パック120の形態であり得る電源を更に含む。電池パック120は、ピストルグリップ112内のモータ160(図15)に電力を供給するように動作可能である。様々な態様では、電池パック120は、ハウジングアセンブリ100から取り外し可能である。具体的には、図1図2に示すように、電池パック120は、ケーシング110によって画定されるソケット116に挿入することができる。電池パック120がソケット116に完全に挿入されると、電池パック120のラッチ122は、弾性的にケーシング110の内側特徴部に係合して、スナップ嵌めを提供することができる。電池パック120を取り外すために、操作者は、ラッチ122を内側に押し込んでラッチ122をケーシング110の内側特徴部から係合解除し、次いで、電池パック120をソケット116から近位に引き抜くことができる。電池パック120及びハウジングアセンブリ100は、相補的な電気接点、ピン及びソケット、並びに/又は、電池パック120がソケット116に挿入されたときに、電池パック120からハウジングアセンブリ100内の電動構成要素への電気的通信用の経路を提供する、他の特徴部を有することができることを理解されたい。また、一部の変形形態では、電池パック120は、電池パック120がハウジングアセンブリ100から取り外し不可能なように、ハウジングアセンブリ100内に一体的に統合されるということも理解されたい。
【0021】
シャフトアセンブリ200は、ハウジングアセンブリ100から遠位に延び、予め成形された屈曲部を含む。いくつかの変形形態では、予め成形された屈曲部は、患者の大腸内にステープル留めヘッドアセンブリ300を配置することを容易にするように構成されている。使用され得る様々な好適な曲がり角度又は曲率半径が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。いくつかの他の変形形態では、シャフトアセンブリ200は、真っ直ぐであり、それにより、シャフトアセンブリ200には、予め成形された屈曲部が存在しない。シャフトアセンブリ200に統合され得る様々な例示的な構成要素については、以下でより詳細に説明する。
【0022】
ステープル留めヘッドアセンブリ300は、シャフトアセンブリ200の遠位端に位置する。図1図2に示すように、アンビル400は、ステープル留めヘッドアセンブリ300に隣接して、シャフトアセンブリ200と取り外し可能に結合するように構成されている。アンビル400及びステープル留めヘッドアセンブリ300は、協働して、組織をクランプすること、組織を切断すること、及び組織をステープル留めすることを含む3つの方法で組織を操作するように構成されている。ハウジングアセンブリ100の近位端にあるノブ130は、アンビル400とステープル留めヘッドアセンブリ300との間に組織を正確にクランプすることができるように、ケーシング110に対して回転可能である。ハウジングアセンブリ100の安全トリガ140が、ハウジングアセンブリ100の発射トリガ150から離れる方向に枢動されると、発射トリガ150を作動させることができ、それによって、組織を切断してステープル留めすることができる。
【0023】
アンビル400についての以下の考察では、「遠位」及び「近位」という用語、並びにそれらの変形は、アンビル400が器具10のシャフトアセンブリ200に結合されたときのアンビル400の向きを基準にして使用される。したがって、アンビル400の近位特徴部は、器具10の操作者のより近くにある一方で、アンビル400の遠位特徴部は、器具10の操作者からより遠くにある。
【0024】
図4を参照すると、本実施例のアンビル400は、ヘッド410と、シャンク420と、を備える。ヘッド410は、複数のステープル成形ポケット414を画定する近位表面412を含む。ステープル成形ポケット414は、2列の同心環状アレイで配置されている。いくつかの他の変形形態では、ステープル成形ポケット414は、3列又は4列以上の同心環状アレイで配置されている。ステープル成形ポケット414は、ステープルがステープル成形ポケット414内に駆動されると、ステープルを変形させるように構成されている。例えば、各ステープル成形ポケット414は、当該技術分野では既知のように、概ねU字形状のステープルを、B字形状に変形することができる。図4に最もよく示されるように、近位表面412は、内縁部416で終焉し、それによってシャンク420を取り囲む環状凹部418の外側の境界線が画定される。
【0025】
シャンク420は、孔422を画定し、孔422内に配置された一対の枢動ラッチ部材430を含む。ラッチ部材430は、それらの遠位端がシャンク420の側壁を貫通して成形された横方向開口部424の近位端に配置されるように、孔422内に配置されている。
【0026】
したがって、横方向開口部424は、ラッチ部材430の遠位端434がシャンク420によって画定される長手方向軸から径方向外側に偏向するクリアランスを提供する。しかしながら、ラッチ部材430は、それらの遠位端を径方向内側に、シャンク420によって画定される長手方向軸に向かって弾性的に付勢するように構成されている。したがって、ラッチ部材430は、保持クリップとして動作する。これにより、アンビル400をステープル留めヘッドアセンブリ300のトロカール330に取り外し可能に固定することが可能になる。しかしながら、ラッチ部材430は、単に任意選択に過ぎないことを理解されたい。アンビル400は、任意の他の好適な構成要素、特徴部、又は技術を使用して、トロカール330に取り外し可能に固定され得る。
【0027】
上記のものに加えて、又はその代わりに、アンビル400は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,205,459号、同第5,271,544号、同第5,275,322号、同第5,285,945号、同第5,292,053号、同第5,333,773号、同第5,350,104号、同第5,533,661号、及び/又は同第8,910,847号の教示のうちの少なくとも一部に従って、更に構築され、かつ動作可能であってもよい。更に他の好適な構成については、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0028】
図3を参照すると、本実施例のステープル留めヘッドアセンブリ300は、シャフトアセンブリ200の遠位端に結合されており、摺動可能なステープルドライバ部材を収容する管状ケーシング310を備える。円筒状内側芯部材312は、管状ケーシング310内を遠位に延びる。管状ケーシング310は、管状ケーシング310がステープル留めヘッドアセンブリ300の機械的土台として機能するように、シャフトアセンブリ200の外部シース210にしっかりと固定されている。
【0029】
トロカール330は、管状ケーシング310の内側芯部材312内に同軸上に配置されている。トロカール330は、ハウジングアセンブリ100のケーシング110に対するノブ130の回転に応じて、管状ケーシング310に対して遠位側及び近位側に並進するように動作可能である。トロカール330は、シャフト332と、ヘッド334と、を備える。ヘッド334は、尖形状の先端部336と、内向きに延びる近位表面338と、を含む。したがって、シャフト332は、ヘッド334のちょうど近位で外径が小さくなっていて、表面338が、シャフト332のその小さくなった外径とヘッド334の外径との間の遷移を提供する。本実施例では、先端部336が尖形状であるが、先端部336は、鋭利ではない。したがって、先端部336は、組織との不注意な接触による組織への外傷を容易には引き起こさない。ヘッド334、及びシャフト332の遠位部分は、アンビル420の孔422に挿入されるように構成されている。したがって、アンビル400は、ラッチ部材430によるスナップ嵌めを介して、トロカール330に固定される。
【0030】
図5に示すように、ステープルドライバ部材350は、モータ160の作動に応じて、管状ケーシング310内で長手方向に作動するように動作可能である。ステープルドライバ部材350は、ステープルドライバ352の遠位に提示された2列の同心環状アレイを含む。ステープルドライバ352は、上述のステープル成形ポケット414の配置に対応するように配置されている。したがって、各ステープルドライバ352は、ステープル留めヘッドアセンブリ300が作動されると、対応するステープルを対応するステープル成形ポケット414の中に駆動するように構成されている。上述のように、ステープルドライバ352の配置は、ステープル成形ポケット414の配置とちょうど同じように修正することができることを理解されたい。ステープルドライバ部材350はまた、管状ケーシング310の芯部材312を同軸上に受け入れるように構成されている孔354を画定する。スタッド356の環状アレイが、孔354を取り囲む遠位に提示された表面から遠位に突出している。
【0031】
円筒状ナイフ部材340は、ステープルドライバ部材350内に、同軸上に配置されている。ナイフ部材340は、遠位に提示された、鋭利な円形の刃先342を含む。ナイフ部材340は、ステープルドライバ352の内側環状アレイにより画定される直径よりも小さい外径を、ナイフ部材340が画定するようにサイズ決めされている。ナイフ部材340はまた、管状ケーシング310の芯部材312を同軸上に受け入れるように構成されている開口部を画定する。ナイフ部材340に形成された開口部346の環状アレイは、ステープルドライバ部材350のスタッド356の環状アレイを補完するように構成され、ナイフ部材340が、スタッド356と開口部346とを介してステープルドライバ部材350にしっかりと固定されるようになっている。ナイフ部材340とステープルドライバ部材350との間の他の好適な構造的関係については、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0032】
デッキ部材320が、管状ケーシング310にしっかりと固定されている。デッキ部材320は、ステープル開口部324の2列の同心環状アレイを画定する、遠位に提示されたデッキ表面322を含む。ステープル開口部324は、上述のステープルドライバ352及びステープル成形ポケット414の配置に対応するように配置されている。したがって、各ステープル開口部324は、ステープル留めヘッドアセンブリ300が作動された場合に、対応するステープルドライバ352が対応するステープルを、デッキ部材320を貫通して、対応するステープル成形ポケット414の中に駆動する経路を提供するように構成されている。上述のように、ステープル開口部322の配置は、ステープル成形ポケット414の配置とちょうど同じように修正することができることを理解されたい。また、ステープル留めヘッドアセンブリ300が作動される前に、ステープルをステープル留めヘッドアセンブリ300内に収容するために、様々な構造及び技術を使用し得ることも理解されたい。ステープルをステープル留めヘッドアセンブリ300内に収容するために使用されるそのような構造及び技術は、ステープル留めヘッドアセンブリ300が作動される前に、ステープルが、ステープル開口部324から誤って脱落するのを防ぎ得る。このような構造及び技術が取り得る様々な好適な形態については、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0033】
図6に最もよく示されるように、デッキ部材320は、ナイフ部材340が画定する外径よりも、ほんのわずかに大きい内径を画定する。したがって、デッキ部材320は、ナイフ部材340が遠位に、刃先342がデッキ表面322の遠位となる点まで並進するのを可能にするように構成されている。
【0034】
上記のものに加えて又はその代わりに、ステープル留めヘッドアセンブリ300は、その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,205,459号、同第5,271,544号、同第5,275,322号、同第5,285,945号、同第5,292,053号、同第5,333,773号、同第5,350,104号、同第5,533,661号、及び/又は同第8,910,847号の教示のうちの少なくとも一部に従って、更に構築され、かつ動作可能であってもよい。更に他の好適な構成については、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0035】
図6は、シャフトアセンブリ200の様々な構成要素を示し、このシャフトアセンブリ200は、ステープル留めヘッドアセンブリ300の構成要素を、ハウジングアセンブリ100の構成要素に結合するものである。具体的には、かつ上述したように、シャフトアセンブリ200は、ハウジングアセンブリ100と管状ケーシング310との間に延びる外部シース210を含む。本実施例では、外部シース210は、剛性であり、かつ上述したように、予め成形された、湾曲区域を含む。
【0036】
シャフトアセンブリ200は、トロカール作動ロッド220とトロカール作動バンドアセンブリ230とを更に含む。トロカール作動バンドアセンブリ230の遠位端は、トロカールシャフト332の近位端にしっかりと固定されている。トロカール作動バンドアセンブリ230の近位端は、トロカール作動ロッド220の遠位端にしっかりと固定されている。したがって、トロカール作動バンドアセンブリ230とトロカール作動ロッド220とが外部シース210に対して並進するのに応じて、トロカール330が長手方向に外部シース210に対して並進することを理解されたい。トロカール作動バンドアセンブリ230は、トロカール作動バンドアセンブリ230が長手方向に外部シース210に対して並進させられるにつれて、トロカール作動バンドアセンブリ230がシャフトアセンブリ200の予め成形された湾曲部に沿って追従することができるように、曲がるように構成されている。しかしながら、トロカール作動バンドアセンブリ230は、遠位方向及び近位方向の力を、トロカール作動ロッド220からトロカールシャフト332に伝えるのに十分な柱強度と引っ張り強さとを有する。トロカール作動ロッド220は、剛性である。クリップ222は、トロカール作動ロッド220にしっかりと固定されており、かつ、依然としてトロカール作動ロッド220がハウジングアセンブリ100内で長手方向に並進するのを可能にしている間に、ハウジングアセンブリ100内の補完的特徴部と協働して、トロカール作動ロッド220がハウジングアセンブリ100内で回転するのを防止するように構成されている。トロカール作動ロッド220は、並目螺旋ねじ切り224と細目螺旋ねじ切り226とを更に含む。
【0037】
シャフトアセンブリ200は、外部シース210内に、摺動可能に受け入れられるステープル留めヘッドアセンブリドライバ240を更に含む。ステープル留めヘッドアセンブリドライバ240の遠位端は、ステープルドライバ部材350の近位端にしっかりと固定されている。ステープル留めヘッドアセンブリドライバ240の近位端は、ピン242を介して駆動ブラケット250に固定されている。したがって、ステープル留めヘッドアセンブリドライバ240と駆動ブラケット250とが外部シース210に対して並進するのに応じて、ステープルドライバ部材350が長手方向に、外部シース210に対して並進することを理解されたい。ステープル留めヘッドアセンブリドライバ240は、ステープル留めヘッドアセンブリドライバ240が長手方向に外部シース210に対して並進するにつれて、ステープル留めヘッドアセンブリドライバ240がシャフトアセンブリ200の予め成形された湾曲部に沿って追従することができるように、曲がるように構成されている。しかしながら、ステープル留めヘッドアセンブリドライバ240は、遠位方向の力を、駆動ブラケット250からステープルドライバ部材350に伝えるのに十分な柱強度を有する。
【0038】
シャフトアセンブリ200は、外部シース210内に1つ又は2つ以上のスペーサ要素を更に含むことができることを理解されたい。そのようなスペーサ要素は、トロカール作動バンドアセンブリ230及び/又はステープル留めヘッドアセンブリドライバ240が外部シース210を通って並進する際に、トロカール作動バンドアセンブリ230及び/又はステープル留めヘッドアセンブリドライバ240を支持するように構成することができる。例えば、そのようなスペーサ要素は、トロカール作動バンドアセンブリ230及び/又はステープル留めヘッドアセンブリドライバ240が外部シース210を通って並進する際に、トロカール作動バンドアセンブリ230及び/又はステープル留めヘッドアセンブリドライバ240が座屈するのを防止することができる。そのようなスペーサ要素が取り得る様々な好適な形態については、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0039】
上記のものに加えて又はその代わりに、シャフトアセンブリ200は、その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,205,459号、同第5,271,544号、同第5,275,322号、同第5,285,945号、同第5,292,053号、同第5,333,773号、同第5,350,104号、同第5,533,661号、及び/又は同第8,910,847号の教示のうちの少なくとも一部に従って、更に構築され、かつ動作可能であってもよい。更に他の好適な構成については、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0040】
外科用器具10の更なる動作詳細、及び本開示での使用に好適な他の器具もまた、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2015年6月26日に出願された米国特許公開第2016/0374665号、発明の名称「SURGICAL STAPLER WITH ELECTROMECHANICAL LOCKOUT」に記載されている。
【0041】
器具1100は、多くの点で器具10と類似している。例えば、器具10のように、器具1100は、組織を把持、ステープル留め、及び/又は切断するように構成された外科用器具である。また、器具10のように、器具1100は、シャフトアセンブリ1206(図12)と、ステープル留めヘッドアセンブリ1300(図12)と、アンビル1200(図12)と、を含む。加えて、器具1100は、例えば、アンビルロックアウトアセンブリ1170などのロックアウトアセンブリを含む。アンビルロックアウトアセンブリ1170は、ひとたび安全トリガ1140が作動されると、アンビルの長手方向位置の更なる調整を防止するように一般に構成されている。好適な間隙距離dに到達すると、アンビルのロックアウトによって、操作者が間隙距離dを不適切に変化させるのを防止することができるため、そのような特徴が望ましい場合がある。アンビルロックアウトアセンブリ1170は、内側ロックアウト部材1172と、外側ロックアウト部材1176と、作動部材1180と、を備える。図8に最もよく示されるように、内側ロックアウト部材1172は、ノブ1130の一部分の一部分の周りに配置され、そこにしっかりと固定されている。本実施例の内側ロックアウト部材1172は、内側ロックアウト部材1172から径方向外向きに延びる複数の三角形の歯1174を含む。歯1174は、外側ロックアウト部材1176の対応する歯1184と係合してノブ1130の回転を防止し、それによってトロカール作動ロッド1122の並進を防止するように構成されている。
【0042】
本開示での使用に好適な様々なロックアウトアセンブリは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第7,143,923号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING A FIRING LOCKOUT FOR AN UNCLOSED ANVIL」(2006年12月5日発行)、米国特許第7,044,352号、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING A SINGLE LOCKOUT MECHANISM FOR PREVENTION OF FIRING」(2006年5月16日発行)、米国特許第7,000,818号、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING SEPARATE DISTINCT CLOSING AND FIRING SYSTEMS」(2006年2月21日発行)、米国特許第6,988,649号、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING A SPENT CARTRIDGE LOCKOUT」(2006年1月24日発行)、及び米国特許第6,978,921号、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT INCORPORATING AN E-BEAM FIRING MECHANISM」(2005年12月27日発行)に記載されている。
【0043】
外側ロックアウト部材1176は、概ね円筒形の形状を有し、内側ロックアウト部材1172を受け入れるようなサイズの開口部1177を画定する。外側ロックアウト部材1176の内径は、複数の歯1178を画定し、歯1178は、内側ロックアウト部材1172の歯1147に対応する。歯1178は、内側ロックアウト部材1172の歯1174に係合して、ノブ1130の更なる回転を防止することによって、アンビル1200の長手方向位置の更なる調整を防止するように構成されている。外側ロックアウト部材1176は、外側ロックアウト部材1176の外径から径方向外側に突出する複数の突出部1179を更に含む。突出部1179は、ケーシング1112内の対応するチャネル1113内に配置され、依然として少なくともいくらかの並進を可能にしながら、外側ロックアウト部材1176を適所に回転的に固定する。
【0044】
本実施例の内側及び外側ロックアウト部材1172、1176は、歯1174、1178を含むものとして図示されているが、他の実施例では、任意の他の好適な表面処理又は幾何形状を使用してもよいことを理解されたい。例えば、一部の実施例では、ロックアウト部材1172、1176は、対応するローレット表面、バンプ、スプライン、隆起部、戻り止め特徴部、又は、対応するように係合してロックアウト部材1172、1176の間での相対的回転移動を防止するように構成され得る任意の他の好適な表面処理若しくは幾何形状を含む。
【0045】
作動部材1180は、外側ロックアウト部材1176から安全トリガ1140まで延びる細長い本体1182を備える。具体的には、本体1182は、安全トリガ1140と結合するように構成されているトリガブラケット1184を含む。トリガブラケット1184は、ブラケット1184が安全トリガ1140に枢動可能に結合されるのを可能にするチャネル1185を含む。同様に、本体1182の近位端は、外側ロックアウト部材1176の少なくとも1つの突出部1179に結合するように構成されている。したがって、安全トリガ1140の移動は、作動部材1180を介して外側ロックアウト部材1176に伝達される。言い換えると、外側ロックアウト部材1176は、安全トリガ1140の枢動に応じて、長手方向に並進する。外側ロックアウト部材1176は、一般に安全トリガ1140に応じて、アンビル1200の作動を選択的にロックする。
【0046】
図9図11は、アンビルロックアウトアセンブリ1170の例示的な動作シーケンスを示す。図9に見ることができるように、アンビルロックアウトアセンブリ1170は、最初にロック解除状態で開始される。そのような状態では、外側ロックアウト部材1176は、内側ロックアウト部材1172から近位側に離間して配置されて、内側ロックアウト部材1172は、外側ロックアウト部材1176に対して自由に回転することが可能になっている。内側ロックアウト部材1172が自由に回転することが可能である場合には、ノブ1130も同様に自由に回転することが可能であり、それにより、アンビルの長手方向位置は、トロカール作動ロッド1122を介して調整することができることを理解されたい。
【0047】
ひとたび操作者がノブ1130を回転させてアンビルの長手方向位置を調整して、適切な間隙距離dを実現させると、アンビルの長手方向位置が更に調整されるのを防止することが望ましい場合がある。図10は、ロック状態にあるアンビルロックアウトアセンブリ1170を示す。アンビルロックアウトアセンブリ1170をロック状態に前進させるために、操作者は、安全トリガ1140を近位側に枢動させることができる。安全トリガ1140の近位側移動により、安全トリガ1140に作動部材1180を遠位方向に駆動させる。
【0048】
作動部材1180の遠位方向移動により、外側ロックアウト部材1176の対応する移動をもたらす。外側ロックアウト部材1176が遠位方向に移動されるにつれて、外側ロックアウト部材1176の歯1178は、内側ロックアウト部材1176の歯1174に係合し始める。ひとたび外側ロックアウト部材1176の歯1178が内側ロックアウト部材1176の歯1174に完全に係合すると、外側ロックアウト部材1176は、突出部1179とケーシング1112とを介して、内側ロックアウト部材1172の相対的回転移動を防止する。内側ロックアウト部材1172がノブ1130にしっかりと固定されているので、ノブ1130の回転移動もまた防止される。ノブ1130が適所にロックされると、アンビルの長手方向位置の更なる調整は、防止される。アンビルの長手方向位置の更なる調整が防止された状態で、次いで、操作者は、発射トリガ1142を作動させて、ステープル留めのシーケンスを開始させることができる。
【0049】
一部の実施例では、ソレノイドなどの作動機構1190を用いて外側ロックアウト部材1176を駆動することが望ましい場合がある。図11に示すように、作動機構1190は、作動部材1180の長手方向軸と整列しており、かつ作動部材1180にしっかりと固定されている。作動機構1190を収容するために、作動部材1180は、作動機構1190と交差するように短縮又は他の方法で修正することができる。作動機構1190は、回路基板、スイッチ、及び/又はセンサに接続することができる、複数のワイヤ1192を含む。様々な実施例では、ワイヤ1192は、制御回路1210(図15)に接続されている。様々な実施例では、作動機構1190は、器具100の安全トリガ1040と同様な構成を用いる安全トリガ1140を用いて作動させることができる。例えば、安全トリガ1140の作動により、作動機構1190を起動させる回路が完成し、それによってロックアウト部材1176をロックアウト部材1172に係合させるように長手方向に駆動することができる。
【0050】
動作中、作動機構1190は、安全トリガ1140と同じ機能を一般に提供するが、例外は、作動機構1190によって、作動部材1180が安全トリガ1140までの全距離に延びる必要性がなくなったことである。作動機構1190は、ソレノイドを備えるものとして本明細書に図示され、説明されているが、本明細書の教示に鑑みれば当業者には明らかであるように、任意の他の好適なアクチュエータを使用してもよいことを理解されたい。
【0051】
主に図12図14を参照すると、円形ステープラでの別個の問題は、それらのアンビルがそれらのステープル留めヘッドアセンブリから取り外し可能であり、異なる様式で、異なるアクセスポイントから手術部位に別々に導入しなければならないことである。したがって、他のステープル留め器具とは異なり、円形ステープラは、アンビル-ステープルヘッドアセンブリの不整合及び/又はアンビル-ステープルカートリッジの不整合のリスクがある。更に、適切に組み立てられる、又は結合されるために、アンビル及びステープル留めヘッドアセンブリは、手術部位で特定の向きに互いに対して適切に向けられなければならない。図13に示すように、アンビル及び対応するステープル留めヘッドアセンブリの不適切な向きは、アンビルのステープル成形ポケット414(図12)とステープルカートリッジ1320のステープル開口部324(図3)との間の位置ずれをもたらすことがあり、これにより、不適切なステープル成形をもたらすことがある。加えて、アンビル及び対応するステープル留めヘッドアセンブリの不適切な向きは、ステープル留めヘッドアセンブリに対するアンビルの不適切な着座をもたらすことがある。不適切に着座した、又は部分的に着座したアンビルは、閉鎖中にアンビルとステープル留めヘッドアセンブリとの間に捕捉された組織からの外部から印加された負荷により、ステープル留めヘッドアセンブリから脱落又は分離することがある。
【0052】
上記の問題に対処するために、外科用器具1100は、外科用器具1100のステープル留めヘッドアセンブリ1300上のRFIDスキャナ1202によって認識可能又は検出可能な無線周波数識別(RFID)タグ1201を備えたアンビル1200を含む。同様に、ステープルカートリッジ1320は、またRFIDスキャナ1202によって認識可能又は検出可能なRFIDタグ1203を含む。RFIDタグ1201は、アンビル1200に関する情報を記憶し、RFIDタグ1203は、ステープルカートリッジ1320に関する情報を記憶する。以下に記載されるように、情報は、認証及び/又は適合性のために確認し、比較することができる。
【0053】
本明細書に記載の識別機構は、アクティブシステム又はパッシブシステムのいずれかであってもよい。様々な実施形態では、アクティブ識別システムとパッシブ識別システムとの組み合わせが使用される。パッシブシステムは、例えば、バーコード、クイックレスポンス(quick response、QR)コード、及び/又は無線周波数識別(RFID)タグを含むことができる。パッシブシステムは、内部電源を備えず、本明細書に記載のパッシブシステムは、例えば、質問信号などの第1の信号を送信するためのリーダ及び/又はスキャナを必要とする。
【0054】
パッシブ無線周波数識別(RFID)システムは、無線周波数を使用することによって情報を通信する。そのようなパッシブRFIDシステムは、RFIDスキャナと、内部電源を有さないRFIDタグと、を備える。RFIDタグは、RFIDスキャナから伝送される電磁エネルギーによって電力を供給される。各RFIDタグは、交換可能な構成要素及び/又は交換可能な構成要素が適合性がある外科用器具に関する情報を記憶する、例えば、マイクロチップなどのチップを備える。チップは、識別番号のみを含むことができるが、様々な例では、チップは、例えば、製造データ、出荷データ、及び/又はメンテナンス履歴などの追加情報を記憶することができる。各RFIDタグは、RFIDタグがRFIDスキャナと通信することを可能にする無線アンテナを備える。無線アンテナは、RFIDタグがRFIDスキャナから信号を受信して応答信号をRFIDスキャナに返送することができる範囲を拡張する。パッシブRFIDシステムでは、RFIDスキャナはまた、それ自体のアンテナを備え、所定の範囲内に配置されたRFIDタグを作動させる無線信号を送信する。RFIDスキャナは、RFIDタグから「戻ってくる」応答信号を受信するように構成されており、RFIDスキャナが交換可能な構成要素を表す識別情報を捕捉することを可能にする。様々な例では、1つ又は2つ以上の応答信号は、質問信号と同じ信号を含む。様々な例では、1つ又は2つ以上の応答信号は、質問信号から修正された信号を含む。様々な例では、RFIDスキャナはまた、RFIDタグに直接情報を書き込む、又は符号化することができる。いずれにせよ、RFIDスキャナは、交換可能な構成要素に関する情報を外科用器具及び/又は遠隔外科用システム若しくはハブの制御システムなどのコントローラに渡すことができる。RFIDタグは無線信号によって作動されるため、RFIDスキャナは、複数のRFIDタグを一度に読み取るように構成されている。加えて、特定の例では、RFIDスキャナは、RFIDスキャナとの信号範囲内のRFIDタグに記憶された情報を更新する又は書き換えることができる。更新は、例えば、外科用ハブ又は任意の好適なサーバからRFIDスキャナに送信することができる。様々な外科用ハブについては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「METHOD OF HUB COMMUNICATION」と題する2018年12月4日出願の米国仮特許出願第16/209,395号に記載されて記載されている。
【0055】
アクティブ無線周波数識別(RFID)システムはまた、RFIDタグ及びRFIDスキャナを備える。しかしながら、アクティブRFIDシステムのRFIDタグは、内部電源を備える。アクティブRFIDシステムは、それら自体の信号を連続的にブロードキャストするように構成された電池駆動式RFIDタグを利用する。1つのタイプのアクティブRFIDタグは、一般に「ビーコン」と呼ばれる。そのようなビーコンRFIDタグは、RFIDスキャナから第1の信号を受信するように待機しない。代わりに、ビーコンRFIDタグは、その記憶された情報を連続的に送信する。例えば、ビーコンは、3~5秒ごとの間隔でその情報を送信することができる。別のタイプのアクティブRFIDタグは、トランスポンダを備える。そのようなシステムでは、RFIDスキャナは、最初に信号を送信する。次いで、RFIDトランスポンダタグは、RFIDスキャナに関連情報とともに信号を返送する。そのようなRFIDトランスポンダタグシステムは、例えば、RFIDタグがRFIDスキャナの範囲外にあるときに、電池寿命を節約するため、効率的である。様々な例では、アクティブRFIDタグは、環境パラメータを追跡するための内蔵センサを備える。例えば、内蔵センサは、関連する可能性のある水分レベル、温度、及び/又は他のデータを追跡することができる。
【0056】
動作中、アンビル1200は、図12に示すように、ステープル留めヘッドアセンブリ1300に結合又は取り付けられている。RFIDタグ1201がRFIDスキャナ1202の周りに延びる周囲の半径(R)によって定義される取り付け閾値距離以下にある場合、RFIDスキャナ1202は、RFIDタグ1201を検出又は認識することができる。取り付け距離は、アンビル1200がステープル留めヘッドアセンブリ1300に結合又は取り付けられている間の、RFIDタグ1201とRFIDスキャナ1203との間の距離である。
【0057】
上記に加えて、RFIDタグ1303は、ステープル留めヘッドアセンブリ1300のデッキ部材320の下に配置され、RFIDスキャナ1202によって同様に検出することができる。以下でより詳細に説明するように、RFIDスキャナ1202とRFIDタグ1201、1203の一方又は両方との間の信号強度を使用して、アンビル1200がステープル留めヘッドアセンブリ1300に対して適切に向けられ、かつ/又は完全に着座しているかどうかを判定することができる。
【0058】
図12を参照すると、アンビル1200は、多くの点でアンビル400と類似している。例えば、アンビル400のように、アンビル1200は、ヘッド410と、ステープル成形ポケット414と、シャンク1420と、を含む。図12の実施例では、RFIDタグ1201は、シャンク1420によって孔422の近くのその外面上に支持されている。少なくとも1つの実施例では、凹部又はポケットが、シャンク1420に画定されており、RFIDタグ1201は、凹部又はポケット内に配置されている。RFIDタグ1201は、例えば、摩擦嵌合又は生体適合性接着剤などの任意の好適な技術を使用して、凹部又はポケット内の適所に保持することができる。
【0059】
より詳細に上述したように、アンビル1200は、図12に示すように、トロカール330が孔422を通って受け入れられるように、アンビル1200をトロカール330に向かって前進させることによって、ステープル留めヘッドアセンブリ1300と結合又は組み立てられる。トロカール330のヘッド334の近位表面338及びシャンク1420のラッチシェルフ436は、図14に示すように、アンビル1200のシャンク1420がステープル留めヘッドアセンブリ1300のトロカール330上に完全に着座したときに、ラッチシェルフ436が近位表面338に係合するように、相補的な位置及び構成を有する。したがって、アンビル1200は、ラッチ部材430によるスナップ嵌めを介して、トロカール330に固定される。図14に示す実施例では、RFIDタグ1201は、トロカール330のヘッド334の尖形状の先端部226の第2の長手方向位置に対して遠位又はわずかに遠位である第1の長手方向位置にある。
【0060】
少なくとも1つの実施例では、RFIDタグ1201は、アンビル1200がステープル留めヘッドアセンブリ1300に対して適切に向けられ、かつ完全に着座しているときに、トロカール330のヘッド334の先端部336の第2の長手方向位置に対応する、又は実質的に対応する第1の長手方向位置でシャンク1420上に配置されている。言い換えれば、トロカール330のヘッド334の先端部336は、その最終着座位置でシャンク1420内に受け入れられると、RFIDタグ1201と横方向に整列、又は少なくとも実質的に整列している。少なくとも1つの実施例では、RFIDタグ1201は、孔422に対して遠位、かつ横方向開口部424に対して近位、かつ/又はラッチ部材430に対して近位の位置で、シャンク1420上に配置されている(図3図4)。
【0061】
図12を参照すると、RFIDスキャナ1202は、ステープル留めヘッドアセンブリ1300の管状ケーシング1310内で遠位に延びる円筒状内側芯部材1312の外面上に位置している。管状ケーシング1310は、管状ケーシング1310がステープル留めヘッドアセンブリ1300の機械的土台として機能するように、シャフトアセンブリ1206の外部シース210にしっかりと固定されている。RFIDスキャナ1202は、内側芯部材1312によってその遠位端の近くのその外面上に支持されている。少なくとも1つの実施例では、凹部又はポケットが、内側芯部材1312に画定されており、RFIDスキャナ1202は、凹部又はポケット内に配置されている。RFIDスキャナ1202は、例えば、摩擦嵌合又は生体適合性接着剤などの任意の好適な技術を使用して、凹部又はポケット内の適所に保持することができる。あるいは、RFIDスキャナ1202は、円筒状内側芯部材1312の内面上に配置することができる。図12の実施例では、RFIDスキャナ1202は、ステープルカートリッジ1320のデッキ部材320の下の内側芯部材1312の遠位部分に位置する。様々な実施例では、RFIDタグ1201及びRFIDタグ1203は、任意の好適な絶縁材料を使用して、シャンク1420及び内側芯部材1312それぞれから絶縁されている。
【0062】
様々な実施例では、RFIDタグ1201及びRFIDタグ1203は、組織がアンビル1200とステープル留めヘッドアセンブリ1300との間に捕捉される器具1100の閉鎖構成で、RFIDスキャナ1202によって認識可能又は検出可能である。
【0063】
図15は、本開示の1つ又は2つ以上の態様による、外科用器具又はツールの制御システム1211の論理図を示す。制御システム1211は、例えば、RFIDスキャナ1202と一体化することができる、又はハウジングアセンブリ100内のRFIDスキャナ1202に結合することができるが、それとは別々に配置することができる、制御回路1210を含む。制御回路1210は、RFIDタグ1203に記憶されたステープルカートリッジ1320に関する情報、及び/又はRFIDタグ1201に記憶されたアンビル1200に関する情報を示す、RFIDスキャナ1202からの入力を受信するように構成することができる。
【0064】
様々な実施例では、RFIDタグ1203は、ステープルカートリッジ1320の識別情報を記憶し、RFIDタグ1201は、アンビル1200の識別情報を記憶する。そのような実施例では、制御回路1210は、ステープルカートリッジ1320の識別情報を示すRFIDスキャナ1202からの入力を受信し、入力に基づいてステープルカートリッジ1320の識別情報を検証する。更に、制御回路1210は、アンビル1200の識別情報を示すRFIDスキャナ1202からの入力を受信し、入力に基づいてアンビル1200の識別情報を検証する。
【0065】
少なくとも1つの実施例では、制御回路1210は、プロセッサ1214と、例えば、メモリ1212などの記憶媒体とを有する、マイクロコントローラ1213を含む。メモリ1212は、例えば、識別情報検証などの、様々なプロセスを実行するプログラム命令を記憶する。プログラム命令は、プロセッサ1214によって実行されると、プロセッサ1214に、例えば、RFIDタグ1201、1203から受信した識別情報を識別情報データベース又はテーブルの形態でメモリ1212に記憶された識別情報と比較することによって、ステープルカートリッジ1320の識別情報及びアンビル1200の識別情報を検証させる。
【0066】
少なくとも1つの実施例では、制御回路1210は、RFIDスキャナ1202からの入力に基づいて、ステープル留めヘッドアセンブリ1300のステープルカートリッジ1320とのアンビル1200の適合性を確認するように構成することができる。プロセッサ1214は、例えば、メモリ1212に記憶された適合性データベース又はテーブルに対してアンビル1200及びステープルカートリッジ1320の識別情報を確認することができる。
【0067】
様々な実施例では、メモリ1212は、器具1100のローカルメモリを含む。他の実施例では、識別情報データベース若しくはテーブル及び/又は適合性データベース若しくはテーブルは、リモートサーバからダウンロードすることができる。様々な態様では、器具1100は、RFIDタグ1201、1203から受信した情報を、識別情報及び/又は適合性の確認を遠隔で実行するためのデータベース又はテーブルを記憶するリモートサーバに送信することができる。
【0068】
図16は、例えば、器具1100などの外科用ステープル留め器具を動作させるための制御プログラム又は論理構成を示すプロセス1220の論理フロー図である。少なくとも1つの実施例では、プロセス1220は、プロセッサ1214と、プロセッサ1214によって実行されると、プロセッサ1214にプロセス1220を実行させる、コンピュータ実行可能命令のセットを記憶するメモリ1212と、を含む、制御回路1210(図15)によって実行される。特定の実施例では、メモリ1212に記憶されたコンピュータ実行可能命令のセットは、プロセッサ1214にプロセス1220の別個の部分を実行させることができる。プロセス1220は、制御回路1210によって実行されるものとして説明されているが、これは、単に簡潔にするためのものであり、本明細書に記載のプロセス1220及び他のプロセス、又はそれらの一部分は、例えば、組み合わせ論理回路又は順次論理回路などの、様々なハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を含むことができ、かつ様々な好適なシステムに配置することができる、又はそれに関連付けることができる回路によって実行することができることを理解されたい。
【0069】
図16に示すように、プロセス1220は、ステープルカートリッジ1320の識別情報を検出すること1231を含む。少なくとも1つの実施例では、制御回路1210は、RFIDタグ1203に記憶されたステープルカートリッジ1320の識別情報を示す、RFIDスキャナ1202からの入力を受信する。ステープルカートリッジIDの認証が成功しない、又はステープルカートリッジIDが検出されない場合、制御回路1210は、インジケータ1209に、ステープルカートリッジ1320が取り付けられていないこと、及び/又はステープルカートリッジの認証が失敗したことを警告させる1241。
【0070】
様々な例では、インジケータ1209は、例えば、ディスプレイスクリーン、バックライト、及び/又はLEDなどの、1つ又は2つ以上の視覚的フィードバックシステムを含むことができる。特定の例では、インジケータ1209は、例えば、スピーカ及び/又はブザーなどの、1つ又は2つ以上のオーディオフィードバックシステムを含んでもよい。特定の例では、インジケータ1209は、例えば、1つ又は2つ以上の触覚フィードバックシステムを含んでもよい。特定の例では、インジケータ1209は、例えば、視覚、オーディオ、及び/又は触覚フィードバックシステムの組み合わせを含んでもよい。
【0071】
プロセス1220は、ステープルカートリッジ1320と器具1100との適合性を検証すること1232を更に含む。少なくとも1つの実施例では、制御回路1210は、例えば、メモリ1212に記憶することができる、ステープルカートリッジ-器具適合性データベース又はテーブルに対してステープルカートリッジ1320の識別情報を確認する。適合性が検証された場合1232、制御回路1210は、インジケータ1209に、ステープルカートリッジ1320が器具1100と適合性があることを警告させる1242。この段階で、制御回路1210はまた、インジケータ1209に、取り付けられたステープルカートリッジ1320の色及び/又はサイズに関してユーザに警告させることができる1246。
【0072】
プロセス1220は、カートリッジ発射状態を検証すること1233を更に含む。ステープルカートリッジは、一般に、ファイリング後に廃棄される。以前に発射されたステープルカートリッジがステープルなしで偶然に再使用されないことを確実にするために、以前に発射されたステープルカートリッジ1320のRFIDタグ1201は、以前に発射された状態を記憶する。少なくとも1つの実施例では、制御回路1210は、RFIDスキャナ1202に、発射シーケンスの完了後に、未発射状態から以前に発射された状態にステープルカートリッジ1320の発射状態を変更させる。更に、取り付けられたステープルカートリッジ1320が以前に発射されたことを示すRFIDスキャナ1202からの入力を制御回路1210が受信した場合、制御回路1210は、インジケータ1209に、同じことをユーザに警告させることができる1243。
【0073】
プロセス1220は、アンビル1200の識別情報を検出すること1234を更に含む。少なくとも1つの実施例では、制御回路1210は、RFIDタグ1201に記憶されたアンビル1200の識別情報を示す、RFIDスキャナ1202からの入力を受信する。アンビルIDの認証が成功しない場合、又はアンビルIDが受信されない場合、制御回路1210は、インジケータ1209に、アンビルが取り付けられていないこと、及び/又はアンビルの認証が失敗したことを警告させることができる1244。
【0074】
更に図16を参照すると、適切なアンビル識別が検出された場合1234、プロセス1220は、アンビル1200とステープルカートリッジ13020との適合性を更に確認する1235。アンビル1200とステープルカートリッジ13020が適合性がない場合、プロセス1220は、不整合に関してユーザに警告する1245。しかしながら、アンビル1200とステープルカートリッジ13020が適合性がある場合、制御回路1210は、閉鎖駆動アセンブリ136(図15)がアンビル閉鎖を進める1237ことを可能にする1236。アンビル閉鎖中、制御回路1210は、アンビル1200が閉鎖プロセス全体を通してステープル留めヘッドアセンブリ1300に取り付け又は結合されたままであることを確実にするために、RFIDスキャナ1202を監視し続ける。閉鎖中に、RFIDスキャナ1202がRFIDタグ1201からの信号を失った場合、制御回路1210は、閉鎖駆動アセンブリ136に閉鎖を一時停止させ、アンビル1200が取り付けられていない、又は少なくとも検出されないことをユーザに警告する1244。そうでなければ、アンビル閉鎖は、所定のゾーン又は閾値に到達すること1238によって、アンビル1200とステープル留めヘッドアセンブリ1300との間の閉鎖構成が達成される1238まで継続する。所定のゾーン若しくは閾値で、又はそれを越えて、制御回路1210は、閉鎖構成でアンビル1200とステープルカートリッジ1320との間に捕捉された組織をステープル留めして切断するために、発射駆動アセンブリ1136が発射シーケンスを開始することを可能にする1239。
【0075】
プロセス1220は、ステープル留めヘッドアセンブリ1300に対するアンビルの向き及び/若しくは着座を評価又は検出すること1247を更に含む。図12に示すように、アンビル1200のシャンク1420は、ラッチシェルフ436が近位表面338に係合すると、ステープル留めヘッドアセンブリ1300のトロカール330上に完全に着座している。この時点で、RFIDタグ1201は、取り付け閾値距離に到達し、又はそれを横切り、したがって、RFIDスキャナ1202によって検出される。RFIDスキャナ1202によるRFIDタグ1201の検出は、ステープル留めヘッドアセンブリ1300に対するアンビル1200の完全な着座を示す。少なくとも1つの実施例では、RFIDタグ1201の検出を示すRFIDスキャナ1202からの入力を受信することにより、制御回路1210に、アンビル1200がステープル留めヘッドアセンブリ1300に対して完全に着座していると判定させる。
【0076】
図12及び図15を参照すると、様々な実施例では、RFIDタグ1201及び/又はRFIDタグ1203を検出するために、RFIDスキャナ1202に加えて、RFIDスキャナ1204が用いられる。RFIDスキャナ1204は、ステープル留めヘッドアセンブリ1300内に配置することができる。図12に示す実施例では、RFIDスキャナ1204は、管状ケーシング1310によって支持されている。制御回路1210は、RFIDスキャナ1202からの入力に加えて、RFIDスキャナ1204からの入力を受信するように構成することができる。少なくとも1つの実施例では、RFIDスキャナ1204は、RFIDタグ1203を検出するように構成されており、RFIDスキャナ1202は、RFIDタグ1201を検出するように構成することができる。
【0077】
アンビルの向きに関して、制御回路1210は、RFIDスキャナ1202及び/又はRFIDスキャナ1204を使用してRFIDタグ1201によって送信された信号の強度を検出及び測定することによって、取り付けられたアンビル1200がステープル留めヘッドアセンブリ1300に対して適切に向けられているかどうかを判定するように構成されている。アンビル1200の適切な向きでは、RFIDスキャナ1202は、RFIDタグ1201からの信号を検出し、RFIDタグ1201とRFIDスキャナ1202との間の距離d1に対応する固有の第1の信号強度を測定する。同様に、RFIDスキャナ1204は、RFIDタグ1201からの信号を検出し、RFIDタグ1201とRFIDスキャナ1204との間の距離d2に対応する固有の第2の信号強度を測定する。制御回路1210は、第1の信号強度及び/又は第2の信号強度に基づいて、アンビル1200の適切な向きを評価するように構成することができる。
【0078】
図13は、アンビル1200の不適切な向きを示し、シャンク1420は、ステープル留めヘッドアセンブリ1300との適切な向きから離れた角度αにある。アンビル1200とステープル留めヘッドアセンブリ1300との間の位置ずれは、距離d1、d2を適切な向きでのそれらの値と異ならせ、これにより、第1の信号強度及び第2の信号強度を適切な向きでのそれらの値と異ならせる。図13の実施例では、アンビル1200とステープル留めヘッドアセンブリ1300との間の位置ずれは、距離d1の値を増加させ、距離d2の値を減少させる。したがって、図13の位置ずれは、適切な向きでのそれらの値から、第1の信号強度を減少させ、第2の信号強度を増加させる。
【0079】
したがって、RFIDタグ1201によって送信された信号の強度を監視することによって、制御回路1210は、アンビル1200が1300に対して適切に向けられているかどうかを評価することができる。様々な例では、メモリ1212は、アンビル1200の適切な向きを表す信号強度値若しくは範囲のデータベース又はテーブルを記憶する。そのような例では、制御回路1210は、データベース若しくはテーブルの値又は範囲に対して、RFIDスキャナ1202及び/又はRFIDスキャナ1204によって収集された信号強度値を確認して、アンビル1200が適切に向けられているかどうかを評価することができる。
【0080】
様々な実施例では、ステープル留めヘッドアセンブリ1300に対するアンビル1200の適切な向きは、上述したように、アンビル1200が完全に着座していると判定した後に、制御回路1210によって検査される。他の実施例では、ステープル留めヘッドアセンブリ1300に対するアンビル1200の適切な向きは、器具1100の閉鎖構成又は少なくとも部分的に閉鎖した構成で制御回路1210によって検査される。特定の実施例では、ステープル留めヘッドアセンブリ1300に対するアンビル1200の適切な向きは、RFIDスキャナ1202及び/又はRFIDスキャナ1204によるRFIDタグ1201の検出後に、制御回路1210によって連続的に検査される。
【0081】
図17は、外科用ステープル留め器具のステープル留めヘッドアセンブリに対してアンビルを適切に向けるための制御プログラム又は論理構成を示すプロセス1250の論理フロー図を示す。少なくとも1つの実施例では、プロセス1250は、プロセッサ1214と、プロセッサ1214によって実行されると、プロセッサ1214にプロセス1250を実行させる、コンピュータ実行可能命令のセットを記憶するメモリ1212と、を含む、制御回路1210(図15)によって実行される。特定の実施例では、メモリ1212に記憶されたコンピュータ実行可能命令のセットは、プロセッサ1214にプロセス1250の別個の部分を実行させることができる。プロセス1250は、制御回路1210によって実行されるものとして説明されているが、これは、単に簡潔にするためのものであり、本明細書に記載のプロセス1250及び他のプロセス、又はそれらの一部分は、例えば、組み合わせ論理回路又は順次論理回路などの、様々なハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を含むことができ、かつ様々な好適なシステムに配置することができる、又はそれに関連付けることができる回路によって実行することができることを理解されたい。
【0082】
図15及び図17を参照すると、制御回路1210は、上述のように、ステープル留めヘッドアセンブリ1300に対するアンビル1200の不適切な向きを検出する1251ように構成されている。更に、制御回路1210は、インジケータ1209を用いて、不適切な向きに関してユーザに警告することができる1252。加えて、制御回路1210は、インジケータ1209を介して、適切な向きを達成するためのアンビル1200の方向及び/又は回転角度を示唆することができる1253。制御回路1210は、RFIDスキャナ1201及び/又はRFIDスキャナ1204からの入力に基づいて、適切な向きが達成されているかどうかを確認し続けることができる1254。制御回路1210によって適切な向きが検出されると、制御回路1210は、更に、インジケータ1209に、アンビル1200がステープル留めヘッドアセンブリ1300と現在適切に位置合わせされていることをユーザに警告させることができる1255。
【0083】
より詳細に上述したように、器具1100は、アンビルロックアウトアセンブリ1170を含む。アンビルロックアウトアセンブリ1170は、ひとたび安全トリガ1140が作動されると、アンビルの長手方向位置の更なる調整を防止するように一般に構成されている。様々な実施例では、アンビルロックアウトアセンブリ1170は、一般に安全トリガ1140に応じて、アンビル1200の作動を選択的にロックする、外側ロックアウト部材1176を含む。他の実施例では、制御回路1210は、ソレノイドなどの作動機構1190を使用して、外側ロックアウト部材1176を駆動するように構成されている。いずれにせよ、アンビルロックアウトアセンブリ1170は、ロック解除状態とロック状態との間で遷移するように構成されており、(i)ロック解除状態では、ロックアウトアセンブリ1170は、アンビル1200の並進を可能にするように構成され、(ii)ロック状態では、ロックアウトアセンブリ1170は、アンビル1200の並進を防止するように構成されている。様々な実施例では、制御回路1210は、インジケータ1209を用いて、RFIDタグ1201の検出を示すRFIDスキャナ1202及び/又はRFIDスキャナ1204からの入力に基づいて、ロックアウトアセンブリ1170をロック解除状態に遷移させるのに安全であることをユーザに警告する。他の実施例では、制御回路1210は、作動機構1190を用いて、RFIDタグ1201の検出を示すRFIDスキャナ1202及び/又はRFIDスキャナ1204からの入力に基づいて、ロックアウトアセンブリ1170をロック解除状態に遷移させる。
【0084】
上記に加えて、特定の実施例では、制御回路1210は、RFIDスキャナ1202及び/若しくはRFIDスキャナ1204からの入力の損失、又はRFIDタグ1201によって送信された信号の損失を示すRFIDスキャナ1202及び/若しくはRFIDスキャナ1204からの入力に基づいて、ステープル留めヘッドアセンブリ1300からのアンビル1200の取り外しを検出する。それに応じて、制御回路1210は、インジケータ1209に、アンビル1200の取り外しをユーザに警告させ、任意選択的に、アンビル1200のステープル留めヘッドアセンブリ1300への再取り付けに関する命令を提供することができる。追加的又は代替的に、制御回路1210は、例えば、RFIDタグ1201からの信号の再検出を示すRFIDスキャナ1202及び/又はRFIDスキャナ1204からの入力に基づいて、アンビル1200の再取り付けが制御回路1210によって検出されるまで、作動機構1190にロックアウトアセンブリ1170をロック状態に遷移させることができる。
【0085】
図15を参照すると、モータ160、1160は、モータドライバ161及び1161それぞれに結合され、モータドライバ161及び1161は、電源(例えば、電池パック120)からモータ160及び1160への電気エネルギーの流れを含む、モータ160及び1160の動作を制御するように構成されている。様々な実施例では、プロセッサ1214は、モータドライバ1160、1161を介してモータ160、1160に結合されている。様々な形態では、モータ160及び/又はモータ1160は、外科用エンドエフェクタによる組織処置をもたらすためのギアボックス及び機械的リンクを備えたブラシ付き直流(direct current、DC)モータであってもよい。一態様では、モータドライバ1160、1161は、Allegro Microsystems,Inc.から入手可能なA3941の形態であってもよい。他のモータドライバを、制御システム11211で使用するために容易に代用することができる。
【0086】
様々な形態では、モータ160、1160は、約25,000RPMの最大回転速度を有するブラシ付きDC駆動モータであってもよい。他の構成では、モータ160、1160としては、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電気モータを挙げることができる。モータドライバ161、1161は、例えば、電界効果トランジスタ(field-effect transistors、FET)を含むHブリッジドライバを備えてもよい。モータ160、1160は、電源によって電力を供給されてもよい。電源は、外科用器具又はツールに電力を供給するための電源として使用することができる、直列に接続された多数の電池セルを含むことができる電池を含むことができる。特定の状況下では、電源の電池セルは、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。少なくとも1つの実施例では、電池セルは、電源に結合可能かつ電源から分離可能であってもよいリチウムイオン電池であってもよい。
【0087】
様々な態様では、本開示によるモータドライバは、ブラシ付きDCモータなどの誘導負荷に合わせて特別に設計された外部のNチャネルパワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(metal-oxide semiconductor field-effect transistors、MOSFET)とともに使用するためのフルブリッジコントローラであってもよい。モータドライバは、固有の電荷ポンプレギュレータを備えることができ、これは、電池電圧の全(>10V)ゲート駆動を7Vまで下げて提供し、A3941が5.5Vまでの低減ゲート駆動で動作することを可能にする。NチャネルMOSFETに必要な上記の電池供給電圧を与えるために、ブートストラップコンデンサが用いられてもよい。ハイサイド駆動用の内部電荷ポンプにより、DC(100%デューティサイクル)動作が可能となる。フルブリッジは、ダイオード又は同期整流を使用して高速又は低速減衰モードで駆動され得る。低速減衰モードでは、電流の再循環は、ハイサイドのFETによっても、ローサイドのFETによっても可能である。電力FETは、抵抗器で調節可能なデッドタイムによって、シュートスルーから保護される。統合診断は、低電圧、温度過昇、及びパワーブリッジの異常を指示するものであり、ほとんどの短絡状態下でパワーMOSFETを保護するように構成され得る。他のモータドライバを、絶対位置付けシステムを備えた追跡システム480で使用するために容易に代用することができる。
【0088】
様々な態様では、本開示のモータのうちの1つ又は2つ以上は、例えば、発射駆動アセンブリ1163又は閉鎖駆動アセンブリ163の変位部材上の駆動歯のセット又はラックと噛合係合して取り付けられたギアアセンブリと動作可能にインターフェース接続する、回転シャフトを含むことができる。センサ素子は、位置センサ素子の1回転が、変位部材の何らかの直線長手方向並進に対応するように、ギアアセンブリに動作可能に結合されてもよい。ギアリング及びセンサの構成は、ラックピニオン構成によって直線アクチュエータに、又はスパーギア若しくは他の接続によって回転アクチュエータに接続することができる。電源は、絶対位置付けシステムに電力を供給し、出力インジケータは、絶対位置付けシステムの出力を表示することができる。変位部材は、ギア減速機組立体の対応する駆動ギアと噛合係合するための、その上に形成された駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表す。変位部材は、長手方向に移動可能な閉鎖部材、発射部材、発射バー、Iビーム、又はこれらの組み合わせを表す。
【0089】
特定の実施例では、図15に示すように、ステープル留めヘッドアセンブリ1300との閉鎖構成へのアンビル1200の遷移は、モータ1160によって駆動される。そのような実施例では、制御回路1210は、上述のように、RFIDスキャナ1202及び/又はRFIDスキャナ1204からの入力に基づいて、アンビル1200の適切な向き、完全な着座、及び/又は適切な識別情報が制御回路1210によって検出された場合、モータ1160がアンビル1200の閉鎖を駆動することを可能にする。したがって、アンビル1200の適切な向き、完全な着座、及び/又は適切な識別情報のうちの1つ又は2つ以上を確立する際の検出された失敗により、制御回路1210に、モータ1160がアンビル1200の閉鎖を開始及び/又は完了するのを防止させる。
【0090】
特定の実施例では、制御回路1210は、RFIDスキャナ1202、1204によって報告されたRFIDタグ1201、1203に記憶された情報に基づいて、ステープルカートリッジ-アンビル適合性が確認された場合、モータ160がステープル発射及び円筒状ナイフ部材340の前進を駆動することを可能にする。逆に、制御回路1210は、RFIDスキャナ1202、1204によって報告されたRFIDタグ1201、1203に記憶された情報に基づいて、ステープルカートリッジ-アンビル適合性を確立することができない場合、モータ160がステープル発射及び円筒状ナイフ部材340の前進を駆動することを防止するように構成されている。
【0091】
様々な実施例では、RFIDタグ1201、1203及びRFIDスキャナ1202、1204のうちの1つ又は2つ以上のアンテナは、接続時に係合されるブースタアンテナで補足することができる。様々な実施例では、例えば、RFIDタグ1201及びRFIDタグ1203などの、外科用器具1100上のアクティブRFIDタグのアンテナは、計画された方法で外科用器具1100の通常動作中に切断することができる。そのようなRFIDタグからの失われた信号は、外科的タスクの完了を示すことができる。
【0092】
様々な態様では、RFIDタグは、円筒状ナイフ部材340の経路に沿って配置することができる。RFIDタグは、例えば、そのアンテナを介してRFIDスキャナ1202に信号を送信することができる。アンテナがナイフ部材340によって切断されると、信号が失われる。信号損失により、ナイフ部材340の前進を確認することができる。
【0093】
一実施例では、RFIDタグは、アンビル1200の破断可能なワッシャ上に配置される。そのような実施例では、破断可能なワッシャは、ナイフ部材340の全遠位可動域の端部に向かうナイフ部材340によって、破壊される。ナイフ部材340は、破断可能なワッシャを破壊すると同時に、RFIDタグのアンテナを切断する。アンテナが切断されると、例えば、RFIDタグからRFIDスキャナ1202に送信される信号が失われる。RFIDスキャナ1202は、制御回路1210に結合することができ、信号損失を制御回路1210に報告することができる。信号損失は、制御回路1210によって解釈されて、外科用器具1100の発射シーケンスの完了を示す。
【0094】
様々な態様では、より詳細に上述したように、例えば、器具1100などの外科用器具は、閉鎖構成でそれらの間に組織を捕捉するためにステープル留めヘッドアセンブリ1300に向かって移動可能なアンビル1200を含む。次いで、組織は、外科用器具1100の発射シーケンスでステープル留め及び切断される。器具1100は、例えば、RFIDタグ1201などのRFIDタグと、例えば、RFIDタグ1201を読み取る、かつ/又はそれに書き込むように構成されたRFIDスキャナ1202などのRFIDスキャナと、を更に含む。RFIDタグ1201及びRFIDスキャナ1202は、制御回路1210によって用いられて、組織からのRF信号後方散乱に基づいて組織の特性を判定することができる、RFIDシステムを定義する。
【0095】
アンビル1200とステープル留めヘッドアセンブリ1300との間に把持された組織に対するRFIDタグ1201及びRFIDスキャナ1202の位置は、RF信号後方散乱の最適な測定のために選択することができる。少なくとも1つの実施例では、RFIDタグ1201及びRFIDスキャナ1202は、組織の両側に配置することができる。
【0096】
後方散乱データからのRF信号を収集し、既知の組織特性と相関させて、組織分析を可能にすることができる。様々な態様では、後方散乱データのスペクトル特性を分析して、組織の様々な特性を判定することができる。少なくとも1つの実施例では、後方散乱データは、組織内の境界特徴部を識別するために用いられる。少なくとも1つの実施例では、後方散乱データを使用して、アンビル1200とステープル留めヘッドアセンブリ1300との間に把持された組織の厚さを評価することができる。
【0097】
図18は、例えば、エンドエフェクタ2210、2210’などの多数の異なるエンドエフェクタのうちのいずれか1つ、例えば、シャフト2230、2230’、2230’’、2230’’’などの多数の異なるシャフトのうちのいずれか1つ、及びハウジングアセンブリ2240から選択的に組み立てることができる外科用器具2200を示す。外科用器具2200の構成要素は、外科的処置タイプ、組織タイプ、及び/又は患者の解剖学的構造を含む様々な要因に基づいて選択される。
【0098】
様々な例では、外科用器具2200のエンドエフェクタは、異なるサイズの円形ステープラエンドエフェクタである。図18の実施例では、25mm及び31mmの円形ステープラエンドエフェクタが示されている。しかしながら、これは、限定するものではなく、他の好適なエンドエフェクタを外科用器具2200で容易に利用することができる。図18に示す実施例では、シャフト2230、2230’、2230’’、2230’’’は、長さ及び/又は曲率が異なるプロファイルを有する。しかしながら、これは、限定するものではなく、他の好適なシャフトプロファイルを有するシャフトを外科用器具2200で容易に使用することができる。
【0099】
上記に加えて、シャフト2230、2230’、2230’’、2230’’’は、以下でより詳細に説明するように、シャフト情報を記憶するRFIDタグ2203、2203’、2203’’、2203’’’それぞれを備える。加えて、エンドエフェクタ2210、2210’は、以下でより詳細に説明するように、エンドエフェクタ情報を記憶するRFIDタグ2201、2201’それぞれを備える。
【0100】
図19は、エンドエフェクタ2210、シャフト2230、及びハウジングアセンブリ2240から組み立てられた例示的な外科用器具2200の概略図を示す。明確にするために、エンドエフェクタ2210、シャフト2230、及びハウジングアセンブリ2240の様々な構成要素及び/又は構成要素間の接続は、除去されている。外科用器具2200は、多くの点で外科用器具100、1100と類似している。例えば、エンドエフェクタ2210は、ステープル留めヘッドアセンブリ300、1300と多くの点で類似しているステープル留めヘッドアセンブリ2300、及びアンビル400、1200と多くの点で類似しているアンビル2400を有する。
【0101】
動作中、外科用器具100、1100に関してより詳細に上述したように、アンビル2400は、ステープル留めヘッドアセンブリ2300に結合されている。次いで、アンビル2400は、ステープル留めヘッドアセンブリ2300を開放構成から閉鎖構成に遷移させるように、開始位置からステープル留めヘッドアセンブリ2300に向かって閉鎖ストローク又は距離「d」後退している。組織は、閉鎖構成でアンビル2400とステープル留めヘッドアセンブリ2300との間に把持される。更に、ステープル留めヘッドアセンブリ2300は、閉鎖構成でステープルカートリッジからアンビル2400に向かって展開されるステープルを収容するステープルカートリッジを含む。ステープルは、把持された組織を通して展開され、アンビル2400のステープル成形ポケット414によって成形される。加えて、ナイフ部材340は、刃先342がステープル留めヘッドアセンブリ2300のデッキ表面322に対して遠位にある点まで遠位に並進されて、組織を切断する。
【0102】
上記のものに加えて又はその代わりに、ステープル留めヘッドアセンブリ2300及びアンビル2400は、その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,205,459号、同第5,271,544号、同第5,275,322号、同第5,285,945号、同第5,292,053号、同第5,333,773号、同第5,350,104号、同第5,533,661号、及び/又は同第8,910,847号の教示のうちの少なくとも一部に従って、更に構築され、かつ動作されてもよい。更に他の好適な構成については、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0103】
更に図19を参照すると、ハウジングアセンブリ2240は、モータ160、1160及びモータドライバ161、1161と多くの点で類似している1つ又は2つ以上のモータ2160及び1つ又は2つ以上のモータドライバ2161を含む。様々な実施例では、制御回路1210は、モータドライバ2161を制御して、モータ2160に、ステープル留めヘッドアセンブリ2300に向かって閉鎖ストローク又は距離「d」アンビル2400を移動させて、エンドエフェクタ2210を開放構成から閉鎖構成に遷移させるように構成されている。制御回路1210は、モータドライバ2161を制御して、モータ2160に、発射運動でエンドエフェクタ2210に負荷を加えさせて、閉鎖構成でエンドエフェクタ1210によって把持された組織にステープルを展開させ、ナイフ部材340を組織を通して遠位に前進させることによって、把持された組織を切断させるように更に構成されている。少なくとも1つの実施例では、ナイフ部材340は、アンビル2400の破断可能なワッシャに向かって前進される。そのような実施例では、破断可能なワッシャは、ナイフ部材340の全遠位可動域の端部に向かうナイフ部材340によって、破壊される。
【0104】
外科用器具2200によって組織を適切にステープル留め及び切断するために、モータ2160の動作パラメータを調整して、外科用器具2200の選択されたエンドエフェクタ2210及び/又はシャフト2230に好適な閉鎖距離及び/又は発射負荷を得る必要がある。例えば、より長い、かつ/又は湾曲したシャフトは、短いものとは異なる閉鎖距離を必要とする。同様に、より大きなステープルカートリッジは、一般に、より小さいものよりも大きな発射負荷を必要とする。この問題に対処するために、外科用器具2200のエンドエフェクタは、エンドエフェクタ情報を記憶し、かつRFIDスキャナ2202によって検出可能である、RFIDタグ2201を備える。加えて、特定の例では、外科用器具2200のシャフトはまた、シャフト情報を記憶し、かつRFIDスキャナ2204によって検出可能である、RFIDタグ2203を備える。図20に示すように、プロセス2250に従って、制御回路1210は、エンドエフェクタ情報を示すRFIDスキャナ2202からの入力を受信し2252、シャフト情報を示すRFIDスキャナ2204からの入力を受信し2254、モータ2160の少なくとも1つの動作パラメータを調整して2256、エンドエフェクタ情報及びシャフト情報に基づく閉鎖距離及び/又は発射負荷を得る、ように構成することができる。
【0105】
少なくとも1つの実施例では、プロセス2250は、プロセッサ1214と、プロセッサ1214によって実行されると、プロセッサ1214にプロセス2250を実行させる、コンピュータ実行可能命令のセットを記憶するメモリ1212と、を含む、制御回路1210(図15)によって実行される。特定の実施例では、メモリ1212に記憶されたコンピュータ実行可能命令のセットは、プロセッサ1214にプロセス2250の別個の部分を実行させることができる。プロセス2250は、制御回路1210によって実行されるものとして説明されているが、これは、単に簡潔にするためのものであり、本明細書に記載のプロセス2250及び他のプロセス、又はそれらの一部分は、例えば、組み合わせ論理回路又は順次論理回路などの、様々なハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を含むことができ、かつ様々な好適なシステムに配置することができる、又はそれに関連付けることができる回路によって実行することができることを理解されたい。
【0106】
図19に示す実施例では、RFIDタグ2201及び対応するRFIDスキャナ2202は、エンドエフェクタ2210がシャフト2230と組み立てられた構成にあるときに、RFIDタグ2201がRFIDスキャナ2202の検出範囲内にあるように配置されている。また、RFIDタグ2203及び対応するRFIDスキャナ2204は、シャフト2230がハウジングアセンブリ2240と組み立てられた構成にあるときに、RFIDタグ2203がRFIDスキャナ2204の検出範囲内にあるように配置されている。したがって、RFIDスキャナ2202は、シャフト2230の遠位部分に配置され、RFIDタグ2203は、シャフト2230の近位部分に配置されている。少なくとも1つの実施例では、RFIDタグ2201及びRFIDスキャナ2202の一方又は両方は、エンドエフェクタ2210とシャフト2230との間のインターフェースに配置されている。追加的又は代替的に、RFIDタグ2203及びRFIDスキャナ2204の一方又は両方は、シャフト2230とハウジングアセンブリ2240との間のインターフェースに配置されている。
【0107】
上記に加えて、RFIDタグ2201に記憶されたエンドエフェクタ情報は、組み立てられた構成でRFIDスキャナ2202によって読み取ることができ、制御回路1210に通信することができる。また、RFIDタグ2203に記憶されたシャフト情報は、RFIDスキャナ2204によって読み取ることができ、制御回路1210に通信することができる。様々な態様では、エンドエフェクタ情報は、識別情報、製造業者情報、ステープルカートリッジのサイズ、タイプ、及び/若しくは色、アンビルのタイプ、並びに/又はデフォルトの閉鎖距離及び/若しくは発射負荷に対するもう1つの好適な調整値を含むことができる。同様に、シャフト情報は、識別情報、製造業者情報、シャフトプロファイル、並びに/又はデフォルトの閉鎖距離及び/若しくは発射負荷に対するもう1つの好適な調整値を含むことができる。
【0108】
図21を参照すると、グラフ2260は、Y軸上の発射負荷(ポンド)とX軸上の発射時間(秒)との間の関係を表す。グラフ21は、デフォルトの、調整されていない発射アルゴリズム2263及び調整された発射アルゴリズム2263を示す。グラフ2260は、外科用器具2200のエンドエフェクタ2210にモータ2160によって加えられた発射負荷のデフォルト最大発射負荷閾値2261(例えば、400ポンド)及び最終最大発射負荷閾値2262(例えば、485ポンド)を更に示す。デフォルト最大発射負荷閾値2261は、RFIDタグ2201に記憶され、かつ外科用器具2200のRFIDスキャナ2202によって読み取られる、エンドエフェクタ2210のエンドエフェクタ情報に基づいて、最終最大発射負荷閾値2262に調整される。図21の実施例では、エンドエフェクタ情報は、デフォルトステープルカートリッジ(例えば、25mm)よりも大きなサイズ(例えば、31mm)を有するステープルカートリッジを表す。デフォルトステープルカートリッジのサイズ(例えば、25mm)は、デフォルト発射アルゴリズム2263及びデフォルト最大発射負荷閾値2261に関連付けられている。一方、より大きいステープルカートリッジのサイズ(例えば、31mm)は、最終発射アルゴリズム2264及び最終最大発射負荷閾値2262に関連付けられている。
【0109】
RFIDタグ2201に記憶されたエンドエフェクタ情報は、ステープルカートリッジサイズ及び/又はカートリッジサイズに基づく発射負荷調整値(例えば、85ポンド)を含むことができる。ステープルカートリッジサイズの場合、制御回路1210は、ステープルカートリッジサイズ及び対応する発射負荷調整値のデータベース又はルックアップテーブルを使用して、好適な発射負荷調整値を探すことができる。
【0110】
更に、エンドエフェクタ情報を示すRFIDスキャナ2201からの入力により、図20に示すように、制御回路1210に、デフォルト最大発射負荷閾値2261(例えば、400)を最終最大発射負荷閾値2262(例えば、485ポンド)に調整させ、最終最大発射負荷閾値2262を下回って発射アルゴリズム2264を維持させる。
【0111】
図21の実施例では、制御回路1210は、モータ2160に発射アルゴリズム2263をエンドエフェクタ2210に適用させる前に、最小待機時間「t」を調整又は導入する。様々な例では、最小待機時間「t」は、組織が閉鎖構成でエンドエフェクタによって把持される、外科用器具2200のエンドエフェクタの閉鎖シーケンスの完了と、把持された組織がステープル留め及び切断される、エンドエフェクタの発射シーケンスの開始との間の期間である。最小待機時間「t」により、把持された組織がより低い平均圧力に調整される組織クリープを可能にし、それによって、エンドエフェクタ2210の発射シーケンスを完了するために必要な最大発射負荷を最終最大発射負荷閾値2262以下の値に低減する。デフォルト発射アルゴリズム2263では、最小待機時間「t」なしに、発射アルゴリズム2263は、発射負荷が最終最大発射負荷閾値2262を上回ることを防止するために、時間t3から時間t4までの期間にわたって中断されなければならない2267。比較すると、図21に示すように、発射アルゴリズム2264は、t3とt4との間の期間を通して継続される。
【0112】
更に図21を参照すると、最小待機時間「t」に影響を及ぼし得る別の要因は、ステープル留めヘッドアセンブリ2300から展開されるステープルのユーザが選択した形態高さである。制御回路1210は、ステープルの所望の形態高さを選択するように、インジケータ1209を介してユーザを促すことができる。少なくとも1つの実施例では、制御回路1210は、ユーザに、それから選択するための多数の形態高さの選択肢を提示することができる。追加的又は代替的に、制御回路1210は、外科用器具2200によって処置されている組織に基づいて、最適な形態高さを推奨することができる。いずれにせよ、ユーザが選択した形態高さにより、制御回路1210に最小待機時間「t」を更に調整させることができる。少なくとも1つの実施例では、メモリ1212は、データベース又はルックアップテーブルに、形態高さ及び対応する待機時間調整を記憶する。制御回路1210は、ユーザが選択した形態高さに関連付けられた待機時間調整を識別し、次いで、識別された待機時間調整に従って最小待機時間「t」を調整することによって、最小待機時間「t」を調整することができる。
【0113】
一般に、より成形されたステープルは、より大きな発射負荷に関連付けられ、より成形されていないステープルよりも大きな最小待機時間「t」を必要とする。図21の実施例では、ユーザが選択した形態高さ2265は、発射負荷「F2」に関連付けられ、最小発射負荷「F1」に関連付けられた最小形態高さ2266よりも大きい。最小発射負荷「F1」及び「F2」は、ステープル脚が座屈し始める発射負荷を表す。したがって、図21の実施例の待機時間「t」は、デフォルト(25mm)よりも大きい(31mm)ステープルカートリッジサイズ、及び選択された形態高さ2265の結果である。
【0114】
図22を参照すると、グラフ2270は、外科用器具2200のデフォルト最大発射負荷閾値2272(例えば、400ポンド)に対して行われる調整を示す。調整は、より詳細に上述したように、RFIDスキャナ2202、2204から制御回路1210によって受信されたエンドエフェクタ情報2271及びシャフト情報2273に基づく。シャフト情報2273は、長い湾曲したシャフト2230を識別し、デフォルト最大発射負荷閾値2272に対する対応する第1の調整値2274(例えば、35ポンド)を提供する。同様に、エンドエフェクタ情報2271は、31mmのサイズを有するステープルカートリッジを備えたエンドエフェクタ2210を識別し、デフォルト最大発射負荷閾値2272に対する対応する第2の調整値2276(例えば、85ポンド)を提供する。調整値2274、2276をデフォルト最大発射負荷閾値2272に加えることにより、最終最大発射負荷閾値2278が得られる。上述のように、調整値2274、2276は、エンドエフェクタ情報2271及びシャフト情報2273それぞれの一部であってもよく、又は、例えば、エンドエフェクタ2210及びシャフト2230の識別情報に基づいて、メモリ1212に記憶されたデータベース又はルックアップテーブルから制御回路1210によって判定されてもよい。
【0115】
少なくとも1つの実施例では、外科用器具2200は、湾曲した長いシャフト2230及びデフォルトステープルカートリッジサイズ(例えば、25mm)を有するエンドエフェクタ2210’から組み立てることができる。そのような実施例では、エンドエフェクタ情報は、ゼロ調整値をもたらし、シャフト情報は、グラフ2270に示すように、デフォルト最大発射負荷閾値2272を最終最大発射負荷閾値2279に修正する第1の調整値2274をもたらす。他の実施例では、外科用器具2200は、デフォルト最大発射負荷閾値2272を修正するための異なる調整値をもたらす、エンドエフェクタとシャフトとの様々な組み合わせから組み立てることができる。
【0116】
図22を参照すると、グラフ2280は、外科用器具2200のデフォルト最小閉鎖ストローク又は距離2282に対して行われる調整を示す。外科用器具2200の最小閉鎖ストローク又は距離は、例えば、エンドエフェクタ2210などの外科用器具2200のエンドエフェクタを、エンドエフェクタのアンビルとステープルカートリッジとの間に把持された組織にステープルを展開するのに好適な閉鎖構成にする、最小許容若しくは推奨閉鎖ストローク又は距離である。デフォルト最小閉鎖ストローク又は距離2282に対する調整は、より詳細に上述したように、RFIDスキャナ2202、2204から制御回路1210によって受信されたエンドエフェクタ情報2271及びシャフト情報2273に基づく。
【0117】
シャフト情報2273は、長い湾曲したシャフト2230を識別し、デフォルト最小閉鎖ストローク又は距離2282に対する対応する第1の調整値2284を提供する。デフォルトのシャフトと比較して、シャフト2230の追加された長さ及び曲率は、デフォルト最小閉鎖ストローク又は距離2282よりも長い最小閉鎖ストローク又は距離2289をもたらす。同様に、エンドエフェクタ情報2271は、31mmのサイズを有するステープルカートリッジを備えたエンドエフェクタ2210を識別し、デフォルト最小閉鎖ストローク又は距離2282に対する対応する第2の調整値2286を提供する。調整値2284、2286をデフォルト最小閉鎖ストローク又は距離2282に加えることにより、最終デフォルト最小閉鎖ストローク又は距離2288が得られる。上述のように、調整値2284、2286は、エンドエフェクタ情報2271及びシャフト情報2273それぞれの一部であってもよく、又は、例えば、エンドエフェクタ2210及びシャフト2230の識別情報に基づいて、メモリ1212に記憶されたデータベース又はルックアップテーブルから制御回路1210によって判定されてもよい。
【0118】
少なくとも1つの実施例では、外科用器具2200は、湾曲した長いシャフト2230及びデフォルトステープルカートリッジサイズ(例えば、25mm)を有するエンドエフェクタ2210’から組み立てることができる。そのような実施例では、エンドエフェクタ情報は、ゼロ調整値をもたらし、シャフト情報は、グラフ2280に示すように、デフォルト最小閉鎖ストローク又は距離2282を最終最小閉鎖ストローク又は距離2289に修正する第1の調整値2284をもたらす。他の実施例では、外科用器具2200は、デフォルト最小閉鎖ストローク又は距離2282を修正するための異なる調整値をもたらす、エンドエフェクタとシャフトとの様々な組み合わせから組み立てることができる。
【0119】
上記に加えて、エンドエフェクタ情報2271及びシャフト情報2273により、制御回路1210に、外科用器具2200のユーザ選択可能な閉鎖ストローク又は距離のデフォルト閉鎖範囲2281を調整させることができる。外科用器具2200の閉鎖範囲は、例えば、エンドエフェクタ2210などの外科用器具2200のエンドエフェクタを、エンドエフェクタのアンビルとステープルカートリッジとの間に把持された組織にステープルを展開するのに好適な閉鎖構成にする、許容若しくは推奨閉鎖ストローク又は距離の範囲である。少なくとも1つの実施例では、外科用器具2200の閉鎖範囲は、インジケータ1209によってユーザに提示される視覚ガイドの形態であってもよい。
【0120】
様々な実施例では、外科用器具2200の閉鎖範囲は、RFIDスキャナ2203、2204から受信されたエンドエフェクタ情報及び/又はシャフト情報に基づいて、制御回路1210によって定義される。グラフ2280は、例えば、デフォルト閉鎖範囲2281、調整された閉鎖範囲2283、及び調整された閉鎖範囲2285を示す。調整された閉鎖範囲2283は、RFIDスキャナ2204から送信されたシャフト情報に応じて、制御回路1210によって定義される。調整された閉鎖範囲2285は、RFIDスキャナ2202から送信されたエンドエフェクタ情報及びRFIDスキャナ2204から送信されたシャフト情報に応じて、制御回路1210によって定義される。言い換えれば、調整された閉鎖範囲2285は、エンドエフェクタ情報及びシャフト情報の累積効果によって定義される。
【0121】
様々な態様では、送信されたシャフト情報は、調整された閉鎖範囲2283を含むことができる。あるいは、送信されたシャフト情報は、デフォルト閉鎖範囲2281の上限及び下限調整値を含むことができる。あるいは、送信されたシャフト情報は、シャフト識別情報を含むことができる。少なくとも1つの実施例では、制御回路1210は、例えば、シャフト識別情報に基づいて、メモリ1212に記憶されたデータベース又はルックアップテーブルから調整された閉鎖範囲2283を判定することができる。
【0122】
様々な態様では、送信されたエンドエフェクタ情報は、調整された閉鎖範囲を含むことができる。あるいは、送信されたエンドエフェクタ情報は、デフォルト閉鎖範囲2281の上限及び下限調整値を含むことができる。あるいは、送信されたエンドエフェクタ情報は、エンドエフェクタ識別情報を含むことができる。少なくとも1つの実施例では、制御回路1210は、例えば、エンドエフェクタ識別情報に基づいて、メモリ1212に記憶されたデータベース又はルックアップテーブルから調整された閉鎖範囲を判定することができる。
【0123】
少なくとも1つの実施例では、制御回路1210は、例えば、シャフト識別情報及びエンドエフェクタ識別情報に基づいて、メモリ1212に記憶されたデータベース又はルックアップテーブルから調整された閉鎖範囲2285を判定することができる。少なくとも1つの実施例では、制御回路1210は、エンドエフェクタ情報及びシャフト情報によって提供されたデフォルト閉鎖範囲2281の上限及び下限調整値の累積効果から調整された閉鎖範囲2285を判定することができる。
【0124】
更に図22を参照すると、グラフ2290は、Y軸上の発射速度(m/s)対X軸上の時間(秒)を示す。グラフ2290の実施例では、発射速度は、より詳細に上述したように、外科用器具2200のモータ2160(図19)に結合され、かつステープル留めヘッドアセンブリ2300からアンビル2400に向かうステープルの展開、及びナイフ部材340の前進をもたらすように構成された、長手方向に移動可能な発射部材の速度を表す。他の実施例では、発射速度は、モータ2160の回転速度であってもよい。
【0125】
グラフ2290は、より詳細に上述したように、RFIDスキャナ2202、2204から制御回路1210によって受信されたエンドエフェクタ情報及びシャフト情報に基づく、外科用器具2200の発射速度のデフォルト最大閾値2292に対して行われる調整を示す。シャフト情報は、長い湾曲したシャフト2230を識別し、デフォルト最大閾値2292に対する対応する第1の調整値2294を提供する。同様に、エンドエフェクタ情報は、31mmのサイズを有するステープルカートリッジを備えたエンドエフェクタ2210を識別し、デフォルト最大閾値2292に対する対応する第2の調整値2296を提供する。
【0126】
グラフ2290の実施例では、調整値2294、2296は、組み合わされて2295、デフォルト最大閾値2292を外科用器具2200の発射速度の最終最大閾値2298まで低減させる。調整値2294、2296は、エンドエフェクタ情報及びシャフト情報それぞれの一部であってもよく、又は、例えば、エンドエフェクタ2210及びシャフト2230の識別情報に基づいて、メモリ1212に記憶されたデータベース又はルックアップテーブルから制御回路1210によって判定されてもよい。
【0127】
少なくとも1つの実施例では、外科用器具2200は、湾曲した長いシャフト2230及びデフォルトステープルカートリッジサイズ(例えば、25mm)を有するエンドエフェクタ2210’から組み立てることができる。そのような実施例では、エンドエフェクタ情報は、ゼロ調整値をもたらし、シャフト情報は、グラフ2290に示すように、デフォルト最大閾値2282を最終最大閾値2297に修正する調整値2294をもたらす。他の実施例では、外科用器具2200は、発射速度のデフォルト最大閾値2292を修正するための異なる調整値をもたらす、エンドエフェクタとシャフトとの様々な組み合わせから組み立てることができる。
【0128】
上記に加えて、グラフ2290は、3つの異なる発射アルゴリズムを表す3つの発射速度曲線2307、2301、2302を示す。発射速度曲線2307は、発射部材の慣性を考慮することの失敗により、発射速度のデフォルト最大閾値2292に適合することができなかった第1の発射アルゴリズムを表す。発射速度曲線2301は、発射部材の慣性を考慮することの失敗により、静的に調整された最大閾値2298に適合することができなかった第2の発射アルゴリズムを表す。発射速度曲線2302は、調整値2304によって静的に調整された最終最大閾値2298を動的に修正して、動的かつ静的に調整された最終最大閾値2299を達成する第3の発射アルゴリズムを表す。調整値2304は、速度曲線2302の傾き2305に基づく。
【0129】
少なくとも1つの実施例では、図23に示すように、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具2200を動作させるための制御プログラム又は論理構成を示すプロセス2310。少なくとも1つの実施例では、プロセス2310は、プロセッサ1214と、プロセッサ1214によって実行されると、プロセッサ1214にプロセス2310を実行させる、コンピュータ実行可能命令のセットを記憶するメモリ1212と、を含む、制御回路1210(図15)によって実行される。特定の実施例では、メモリ1212に記憶されたコンピュータ実行可能命令のセットは、プロセッサ1214にプロセス2310の別個の部分を実行させることができる。プロセス2310は、制御回路1210によって実行されるものとして説明されているが、これは、単に簡潔にするためのものであり、本明細書に記載のプロセス2310及び他のプロセス、又はそれらの一部分は、例えば、組み合わせ論理回路又は順次論理回路などの、様々なハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を含むことができ、かつ様々な好適なシステムに配置することができる、又はそれに関連付けることができる回路によって実行することができることを理解されたい。
【0130】
上記に加えて、プロセス2310は、エンドエフェクタ情報を示すRFIDスキャナ2202からの入力を受信すること2312と、シャフト情報を示すRFIDスキャナ2204からの入力を受信すること2314と、エンドエフェクタ情報及びシャフト情報に基づいて、外科用器具2200の発射速度のデフォルト最大閾値2292を最終最大閾値2298に静的に調整すること2316と、を含む。加えて、特定の例では、プロセス2310は、グラフ2290の実施例に示すように、発射部材の慣性を考慮するために、発射速度曲線2302の傾き2305に基づいて、発射速度の最終最大閾値2298を新しい最終最大閾値2299に動的に調整すること2318を更に含む。
【0131】
主に図24を参照すると、3つのモータアセンブリ5000、5000’、5000’’は、外科用器具5002で互換的に使用可能である。モータアセンブリ5000、5000’、5000’’は、モータ5001、5001’、5001’’、及びギアボックス5003、5003’、5003’’それぞれを含む。モータ5001、5001’、5001’’は、同様の設計パラメータであっても、巻線技術、ワイヤ品質、内部構成要素品質、及び/又は磁気密度に基づいて、異なる出力を有する。更に、モータ5001、5001’、5001’’に関連付けられたギアボックス5003、5003’、5003’’はまた、それらの材料、潤滑、公差積算、及び製造方法に基づいて、可変の損失及び効率を有する。これらの変動の意味は、例えば、モータアセンブリ5000、5000’、5000’’などのモータアセンブリが、単一の供給業者によって生産される場合であっても、同じ印加電圧及び電流に対して劇的に異なる効率及び出力を有する可能性が高いことである。様々な態様では、外科用器具5002は、例えば、モータアセンブリの変動に対処する際に外科用器具5002を支援することができる、モータアセンブリ5000に関連付けられた情報を取得するために、モータアセンブリ5000を検出し、それと通信するように構成された、RFIDシステム5004(図27)を用いることによってこれらの変動に対処する。様々な態様では、例えば、モータアセンブリ5000などのモータアセンブリの検出は、以下でより詳細に説明するように、外科用器具5002がモータアセンブリ5000と組み立てられた構成にあるときにのみ達成される。
【0132】
図26は、モータ5001、5001’、5001’’それぞれについてのY軸上のモータトルク(NM)とX軸上のモータ速度(RPM)との間の関係を表す3つのライン5011、5011’、5011’’を有するグラフ5009である。ライン5011、5011’、5011’’は、互換性のモータ間に存在する変動を示す。ライン5011、5011’、5011’’は、モータストールトルク5015を表す異なる点でY軸と交差し、無負荷速度5017を表す異なる点でX軸と交差する。グラフ5009はまた、最大の好適な電力でのモータ速度も示す。様々な態様では、以下でより詳細に記載されるように、ライン5011、5011’、5011’’によって表される関係から抽出された情報は、制御回路1210によって使用されて、モータの1つ又は2つ以上の動作パラメータを調整し、制御アルゴリズムを選択し、かつ/又はデフォルト制御アルゴリズムを調整して、モータアセンブリ5000、5000’、5000’’からの予測可能な出力の送達を確実にすることができる。
【0133】
更に図24を参照すると、外科用器具5002は、例えば、モータアセンブリ5000、5000’、5000’’などのモータアセンブリを互換的に受け入れ、かつそれと解放可能に結合されるように構成された、モータアセンブリ区画5007を有するハウジングアセンブリ5006を含む。簡潔にするために、外科用器具5002とモータアセンブリとの間の相互作用の以下の説明は、モータアセンブリ5000に焦点を当てている。それにもかかわらず、以下の説明は、例えば、モータアセンブリ5000’などの他の好適なモータアセンブリに等しく適用可能である。ハウジングアセンブリ5006はハンドルの形態で示されているが、これは、限定するものではない。様々な例では、ハウジングアセンブリ100は、例えば、ロボットシステムの構成要素であってもよい。
【0134】
外科用器具5002は、例えば、外科用器具100、1100などの、本明細書の別の箇所に記載される他の外科用器具に多くの点で類似している。例えば、外科用器具5002は、ハウジングアセンブリ5006から遠位に延びるシャフト5008と、シャフト5008から遠位に延びるエンドエフェクタ5019と、を含む。例えば、アンビル400及びステープル留めヘッドアセンブリ300を含む円形ステープラエンドエフェクタなどの、外科用器具5002で使用するのに好適な様々なエンドエフェクタは、本開示及び/又は本開示における参照により組み込まれる他の開示の他の箇所に記載されている。
【0135】
モータアセンブリ5000は、ハウジングアセンブリ500と組み立てられた構成と組み立てられていない構成との間でハウジングアセンブリ5006に対して移動可能である。様々な好適な電気コネクタを用いて、ハウジングアセンブリ5006内の電源5014をモータアセンブリ5000に接続して、組み立てられた構成でモータ5001に電力を供給することができる。また、様々な好適な機械的コネクタを用いて、モータ5001によって生成された動きをギアボックス5003からエンドエフェクタに動作可能に伝達して、エンドエフェクタによって把持された組織を処置することができる。
【0136】
参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「SURGICAL INSTRUMENT WITH MODULAR MOTOR」と題する米国特許第9,504,520号(2016年11月29日発行)は、外科用器具5002及びモータアセンブリ5000での使用に好適ないくつかの機械的及び電気的コネクタを記載している。少なくとも1つの実施例では、モータアセンブリ5000は、本体5010と、ベース5011と、例えば、本体5010内に収容されたモータ5001に電力を送達するように構成された、一対のポゴピンと、を備える。ポゴピンは、電源5014に結合されたハウジングアセンブリ5006内の複数のワイヤに係合することができる。様々な態様では、モータアセンブリ5000は、ラッチ部材、クランプ、クリップ、ねじ留め部材などによってハウジングアセンブリ5006のモータアセンブリ区画5007内に、若しくは少なくとも部分的にその中に固定又は保持される。モータアセンブリ5000がモータアセンブリ区画5007に挿入されると、モータアセンブリ5000の機械的及び電気的コネクタは、電気機械インターフェース5023(図27)を介してハウジングアセンブリ5006内の対応する構造体に結合され、組み立てられた構成を形成する。
【0137】
図27を参照すると、RFIDシステム5004は、RFIDスキャナ5022と、組み立てられた構成でRFIDスキャナによって検出可能なRFIDタグ5021と、を含む。様々な態様では、RFIDスキャナ5022は、組み立てられた構成でRFIDタグ5021を読み取り、かつ/又はそれに書き込むように構成されている。図27に示す実施例では、RFIDスキャナ5022は、距離「d」によって定義される検出範囲を有する。RFIDタグ5021は、モータアセンブリ5000がハウジングアセンブリ5006と組み立てられた構成にあるときに、距離「d」によって定義される検出範囲に又は検出範囲内にある。
【0138】
更に図27を参照すると、RFIDスキャナ5022は、本明細書の他の箇所でより詳細に説明するように、プロセッサ1214と、例えば、メモリ1212などの記憶媒体とを備えるマイクロコントローラを含む制御回路1210に結合されている。RFIDタグ5021は、モータアセンブリ5000が組み立てられた構成でモータアセンブリ区画5007によって保持されている間にRFIDスキャナ5022によって読み取られる、モータアセンブリ5000を示す情報を記憶する。
【0139】
少なくとも1つの実施例では、制御回路1210は、モータアセンブリ情報を示すRFIDスキャナ5022からの入力を受信し、モータアセンブリ情報に基づいてモータ5001の1つ又は2つ以上の動作パラメータを調整する。制御回路1210は、モータドライバ5018を用いて、パラメータ調整を実行することができる。図27に示す実施例では、モータドライバ5018は、ハウジングアセンブリ5006内に配置され、電気機械インターフェース5023を介して組み立てられた構成でモータ5001とインターフェース接続する。他の実施例では、モータドライバ5018は、モータアセンブリ5000の一部であり、電気機械インターフェース5023を介して制御回路1210とインターフェース接続するように構成されている。
【0140】
図28を参照すると、制御回路1210のプロセッサ1214は、RFIDスキャナ5022によってRFIDタグ5021から取得されたモータアセンブリ情報に基づいて、外科用器具5002の制御アルゴリズムを選択するように構成することができる。制御アルゴリズムは、例えば、データベース又はルックアップテーブル5030の形態で、メモリ1214に記憶することができる。代替的に又は追加的に、モータアセンブリのモータアセンブリ情報は、モータアセンブリとともに使用するために推奨される制御アルゴリズムを含むことができる。
【0141】
様々な実施例では、例えば、モータアセンブリ5000のモータアセンブリ情報は、例えば、モータ5001及び/又はギアボックス5003の識別情報、製造業者情報、並びに特定の公差のうちの1つ又は2つ以上を含む。モータアセンブリ情報は、モデル番号、ロット番号、製造日、及び/又は任意の他の関連情報を含むことができる。
【0142】
図28に示す実施例では、各行は、取得されたモータアセンブリ情報に基づいて、プロセッサ1214によって選択することができる、モータアセンブリに関連付けられた制御アルゴリズムを表す。外側左列の値は、モータアセンブリMA~MAのモータアセンブリ情報を示すRFIDスキャナ5022からの入力に基づく。少なくとも1つの実施例では、外側左列の値は、モータアセンブリ識別番号又はモデル番号であってもよい。中間列は、モータアセンブリMA~MAの各々に関連付けられたモータ速度、慣性/動的ブレーキング、ストローク長、電流限界/力限界の値を含む。外側右列の値は、外科用器具5002に結合されたときにモータアセンブリMA~MAに電力を供給するように構成された電源5014の好適な電圧及び放電値を表す。
【0143】
更に図5を参照すると、様々な態様では、制御回路1210は、RFIDシステム5004を用いて、外科用器具5002に結合されたモータアセンブリを識別するモータアセンブリ情報を取得するように構成されている。次いで、制御回路1210は、取得されたモータアセンブリ情報に基づいて、ルックアップテーブル5030から電源5014の好適な電圧及び放電値を判定する。
【0144】
様々な態様では、制御回路1210は、例えば、モータアセンブリ5000の動作パラメータを調整するために、式又は較正係数を用いる。式又は較正係数は、RFIDタグ5021によって記憶され、RFIDスキャナ5022からの入力を介して制御回路1210によって受信されてもよい。あるいは、式又は較正係数は、そのような式又は較正係数に関連付けられたメモリアセンブリの識別情報に基づいて、例えば、メモリ1212などの記憶媒体から取得することができる。
【0145】
図25を参照すると、プロセス5050の論理フロー図は、例えば、外科用器具5002のモータ5001の動作パラメータを調整するための制御プログラム又は論理構成を示す。少なくとも1つの実施例では、プロセス5050は、プロセッサ1214と、プロセッサ1214によって実行されると、プロセッサ1214にプロセス5050を実行させる、コンピュータ実行可能命令のセットを記憶するメモリ1212と、を含む、制御回路1210(図27)によって実行される。特定の実施例では、メモリ1212に記憶されたコンピュータ実行可能命令のセットは、プロセッサ1214にプロセス5050の別個の部分を実行させることができる。プロセス5050は、制御回路1210によって実行されるものとして説明されているが、これは、単に簡潔にするためのものであり、本明細書に記載のプロセス5050及び他のプロセス、又はそれらの一部分は、例えば、組み合わせ論理回路又は順次論理回路などの、様々なハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を含むことができ、かつ様々な好適なシステムに配置することができる、又はそれに関連付けることができる回路によって実行することができることを理解されたい。
【0146】
様々な態様では、プロセス5050は、例えば、RFIDスキャナ5022によってRFIDタグ5021から内部構成要素識別情報を読み取ること5051を含む。少なくとも1つの実施例では、内部構成要素は、モータアセンブリ5000、モータ5001、ギアボックス5003、又は電源5014である。プロセス5050は、アルゴリズム調整パラメータが内部構成要素識別情報に含まれるかどうかを更に判定する5052。そうである場合、プロセス5050は、受信されたアルゴリズム調整パラメータに従って、内部構成要素に関連付けられた制御アルゴリズムを調整する5053。アルゴリズム調整パラメータが含まれる場合、プロセス5050は、内部構成要素識別情報を使用して5054、内部構成要素識別情報及び対応するアルゴリズム調整パラメータ又は制御アルゴリズムのデータベース若しくはルックアップテーブルに基づいて、内部構成要素のアルゴリズム調整パラメータを取得する、又は好適な制御アルゴリズムを選択する。
【0147】
多くの外科用器具は、電池を利用して、外科用器具を動作させるのに必要な電力を提供する。そのような電池は、例えば、アルカリ電池若しくはリチウム電池などの一次セル/非充電式電池、又はニッケル金属水素化物電池若しくはリチウムイオン電池などの二次セル/充電式電池を含むことができる。異なるタイプの電池は、異なる材料、化学的性質、サイズ、電気的特性(例えば、公称電圧、放電率など)、放電効率、及びコストを有することができる。所与の外科用器具で利用される電池のタイプは、典型的には、とりわけ、使い捨て対再充電可能、サイズ、出力特性、及びコストなどの様々な要因に基づいて選択される。
【0148】
電池技術が進歩し続けるにつれて、異なる容量、出力特性などを有する異なる電池化学が進化し続ける。現在、所与の外科用器具の耐用年数全体を通して、異なる能力を有し、かつ異なる製造業者によって作製された異なる電池パックが、所与の外科用器具で異なる時間に利用され得ることが考えられる。そのような場合、外科用器具の性能を最適化するために、所与の外科用器具が異なる電池を区別することができることが望ましい。
【0149】
また、現在、所与の電池の耐用年数全体を通して、所与の電池が異なる時間に異なる外科用器具に電力を供給するために利用され得、異なる外科用器具の電力要件は変化し得ることも考えられる。したがって、所与の外科用器具の電力要件と電池の能力を適合させるために、電池が異なる外科用器具を区別することができ、かつ必要に応じて電池の電気的特性を調整することができることが望ましい。
【0150】
図29は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具3000の部分斜視図を示す。外科用器具3000は、上述した外科用円形ステープル留め器具10と同様であり、ハウジングアセンブリ3002と、シャフトアセンブリ3004と、ステープル留めヘッドアセンブリ(図示せず)と、アンビル(図示せず)と、を含み、ハウジングアセンブリ3002は、ハウジングアセンブリ100と同様又は同一であり、シャフトアセンブリ3004は、シャフトアセンブリ200と同様又は同一であり、ステープル留めヘッドアセンブリ(図示せず)は、ステープル留めヘッドアセンブリ300と同様又は同一であり、アンビル(図示せず)は、アンビル400と同様又は同一である。図29に示すように、外科用器具3000はまた、電池3006を受け入れるように構成されている。いくつかの態様では、外科用器具3000は、電池3006を更に含む。図29には明確にするために示されていないが、外科用器具はまた、モータ160と同様又は同一である電気モータ3008を含む(図30を参照)。電気モータ3008は、電池3006と結合可能であり、アンビルをステープルヘッドアセンブリに向かって移動させて、アンビルとステープルヘッドアセンブリとの間に組織を把持し、ステープル留めヘッドアセンブリのステープルを把持された組織に発射するように構成されている。外科用器具3000は、円形ステープラとして示されているが、他の態様によれば、外科用器具3000は、線形ステープラ又は他の動力付き外科用器具であってもよいことが理解されよう。様々な態様では、適応外科用器具3194は、多くの点で外科用器具2200と類似しており、図18に示す外科用器具2200の互換性の構成要素のうちの1つ又は2つ以上から組み立てることができる。
【0151】
電池3006は、任意の好適なタイプの電池であってもよく、任意の好適な数のセルを含むことができる。例えば、様々な態様によれば、電池3006は、リチウムマンガン酸化物(Li-MnO)又はCR123電池などのリチウム電池、15270電池などのリチウムイオン電池、酸化マンガン(MnO)電池などのアルカリ電池、ニッケル金属水素化物電池などを含むことができる。少なくとも1つの態様では、電池3006は、複数のセルを含む電池パックの形態である。簡潔にするために、電池3006は、以下、電池パック3006と呼ばれる。電池パック3006は、電池パック120と同様であるが、電池パック3006が電池パック3006内に配置された無線周波数識別(RFID)タグ3010を含むという点で異なる。RFIDタグ3010は、電池パック3006に関する情報を記憶し、そのような情報は、例えば、電池識別番号、電池パック3006内の電池の製造業者/ブランド、電池パック3006内の電池の化学的性質/タイプ(リチウム、リチウムイオンなど)、電池パック3006内の電池のタイプが充電可能又は非充電可能であるかどうかにかかわらず、電池パック3006の容量、電池パック3006内の電池の公称電圧、電池パック3006内の電池の電流引き込み特性、電池パック3006の他の出力特性などを含むことができる。RFIDタグ3010は、サイズが非常にコンパク卜であり(例えば、13mm平方以下)、それによって、電池パック3006の全体的なサイズを過度に増加させることなく、RFIDタグ3010を電池パック3006に組み込むことが可能になる。様々な態様によれば、RFIDタグ3010は、米国特許第9.171,244号に記載された小型RFIDタグと同様であってもよい。
【0152】
外科用器具3000は、外科用器具3000がRFIDスキャナ3012を更に含むという点で、外科用円形ステープル留め器具10とは異なる。RFIDスキャナ3012は、ハウジングアセンブリ3002内に配置され、RFIDタグ3010に記憶された情報を読み取るように構成されており、記憶された情報は、電池パック3006に関する。RFIDスキャナ3012はまた、読み取り情報を示すデータを処理のために外科用器具3000の制御回路3014(図30を参照)に通信するように構成されている。RFIDタグ3010及びRFIDスキャナ3012は、協働して、外科用器具3000が電池パック3006を識別して、電池パック3006が外科用器具3000で使用するために好適であるかどうかを判定することができることを集合的に可能にする。
【0153】
図29に示すように、RFIDスキャナ3012は、ハウジングアセンブリ3002の電池インターフェース3013に配置されている。RFIDタグ3010は、ハウジングアセンブリ3002との電池3006の組み立てられた、又は少なくとも部分的に組み立てられた構成で、RFIDスキャナ3012によって検出されるように構成されている。このアプローチにより、電池3006のアセンブリに対するRFIDスキャナ3012によるRFIDタグ3010の検出をハウジングアセンブリ3002にテザリングすることによって、別個のスキャンステップの必要性を排除する。また、検出された電池3006が最終的にハウジングアセンブリ3002と組み立てられたものであることを確実にする。様々な態様では、RFIDスキャナ3012の検出範囲は、ハウジングアセンブリ3002との電池3006の組み立てられた、又は少なくとも部分的に組み立てられた構成で対応するRFIDタグ3010を検出することのみが可能であるように制限される。
【0154】
同様に、RFIDタグ3032は、ハウジングアセンブリ3002の電池インターフェース3013に配置されている。RFIDタグ3032は、ハウジングアセンブリ3002との電池3006の組み立てられた、又は少なくとも部分的に組み立てられた構成で、RFIDスキャナ3034によって検出されるように構成されている。様々な態様では、RFIDスキャナ3034の検出範囲は、ハウジングアセンブリ3002との電池3006の組み立てられた、又は少なくとも部分的に組み立てられた構成で対応するRFIDタグ3032を検出することのみが可能であるように制限される。
【0155】
様々な態様では、図29に示すように、RFIDスキャナ3034及びRFIDタグ3010は、組み立てられた構成で、RFIDタグ3032及びRFIDスキャナ3012それぞれと位置合わせされるように構成されている。位置合わせは、達成されると、RFIDタグ3010をRFIDスキャナ3012の検出範囲内にし、RFIDタグ3032をRFIDスキャナ3034の検出範囲内にする。
【0156】
図30は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具3000の制御回路3014を示す。制御回路3014は、RFIDスキャナ3012に通信可能に接続されており、制御回路3014がプロセッサ3016と、例えば、メモリ3018などの記憶媒体とを含むという点で、制御回路1210と類似している。メモリ3018は、例えば、電池パック3006が外科用器具3000で使用するために適合性があるかどうかを判定すること(例えば、電池適合性検証)など、様々なプロセスを実行するプログラム命令を記憶する。プログラム命令は、プロセッサ3016によって実行されると、プロセッサ3016に、RFIDタグ3010から受信した情報をメモリ3018に記憶された情報と比較することによって、外科用器具3000との電池パック3006の適合性を検証させる。メモリ3018に記憶された情報は、例えば、外科用器具3000で利用することができる電池の識別情報、外科用器具3000で利用することができる電池の出力特性などに関する情報を含む、適合性データベース又はルックアップテーブルの形態であってもよい。様々な態様によれば、制御回路3014は、外科用器具3000及び/又は外科用ハブシステムの他のプロセッサ及び/又はメモリに通信可能に接続され、制御回路3014の記載された機能は、外科用器具3000及び/又は外科用ハブシステムの他のプロセッサ及び/又はメモリで実現することができる。外科用ハブシステムは、米国特許出願第16/209,395号、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION」(2018年12月4日出願)に記載されており、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0157】
図31は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具3000を動作させるための制御プログラム又は論理構成を示すプロセス3020の論理フロー図を示す。少なくとも1つの実施例では、プロセス3020は、制御回路3014によって実行される。特定の実施例では、制御回路3014のメモリ3018に記憶されたコンピュータ実行可能命令のセットは、制御回路3014のプロセッサ3016にプロセス3020の別個の動作を実行させることができる。プロセス3020は、制御回路3014によって実行される文脈で説明されているが、本明細書に記載のプロセス3020及び他のプロセス、又はそれらの一部分は、例えば、組み合わせ論理回路又は順次論理回路などの、様々なハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を含むことができ、かつ様々な好適なシステムに配置することができる、又はそれに関連付けることができる回路によって実行することができることが理解されるであろう。
【0158】
図31に示すように、プロセス3020は、RFIDスキャナ3012を介してRFIDタグ3010の電池情報を検出すること3022を含む。様々な態様では、RFIDスキャナ3012は、電池パック3006が外科用器具3000に近接しているときは常に検出を実行することができる。他の例では、RFIDスキャナ3012は、電池パック3006が外科用器具3000のハウジングアセンブリ3002に挿入された後に検出を実行する。その後、RFIDスキャナ3012は、RFIDタグ3010の検出された電池情報を示すデータを制御回路3014に通信する3024。データの通信は、有線通信又は無線通信によって実現することができる。その後、制御回路3014のプロセッサ3016は、制御回路3014のメモリ3018に記憶することができる電池/外科用器具適合性データベース又はルックアップテーブルに対して通信されたデータを確認/比較する3026。確認/比較3026が適合3029をもたらす場合、プロセッサ3016は、電池パック3006が外科用器具3000での使用に適合性があると判定し3028、外科用器具3000のユーザは、例えば発光ダイオード又はスピーカなどの視覚又は可聴インジケータによって適合性を警告されてもよい。しかしながら、確認/比較3026が適合3029をもたらさない場合、プロセッサ3016は、電池パック3006が外科用器具3000での使用に適合性がないと判定し3030、外科用器具3000のユーザは、例えば発光ダイオード又はスピーカなどの視覚又は可聴インジケータによって不適合性を警告されてもよい。加えて、少なくとも1つの態様では、電池パック3006が外科用器具3000と適合性がないとプロセッサ3016が判定する場合、プロセッサ3016は、(例えば、外科用器具3000の電気モータ3008に電力が印加されることを防止することによって)外科用器具3000の1つ又は2つ以上の機能を電気的にロックアウトさせるように動作する信号又は命令を通信することができる。プロセス3020は、所与の電池パック3006の文脈で説明されたが、上述のプロセス3020は、任意の数の異なる電池パックに対して任意の回数繰り返すことができることが理解されよう。
【0159】
図29に戻ると、少なくとも1つの態様では、外科用器具3000は、ハウジングアセンブリ3002内に配置されたRFIDタグ3032を更に含み、電池パック3006は、電池パック3006内に配置されたRFIDスキャナ3034を更に含む。RFIDタグ3032は、RFIDタグ3010と同様であり、外科用器具3000に関する情報を記憶する。そのような情報は、例えば、外科用器具の識別番号、外科用器具の製造業者/ブランド、外科用器具のタイプ(円形ステープラ、線形ステープラ、把持器など)、外科用装置内のモータのタイプ(ブラシ付き、ブラシレス)、外科用器具の性能能力、外科用器具に存在する制御アルゴリズムなどを含むことができる。RFIDスキャナ3034は、RFIDスキャナ3012と同様であり、記憶された情報が外科用器具3000に関する、RFIDタグ3032に記憶された情報を読み取り、読み取り情報を示すデータを処理のために電池パック3006の制御回路3040(図32を参照)に通信するように構成されている。RFIDタグ3032及びRFIDスキャナ3034は、電池パック3006が外科用器具3000を識別して、外科用器具3000が電池パック3006とともに使用するのに好適であることを検証することができることを集合的に可能にする。
【0160】
図32は、本開示の少なくとも1つの態様による、電池パック3006の制御回路3040を示す。制御回路3040は、RFIDスキャナ3034に通信可能に接続されており、制御回路3040がプロセッサ3042と、例えば、メモリ3044などの記憶媒体とを含むという点で、制御回路3014と類似している。メモリ3044は、例えば、外科用器具3000が電池パック3006とともに使用するために適合性があるかどうかを判定すること(例えば、外科用器具適合性検証)など、様々なプロセスを実行するプログラム命令を記憶する。プログラム命令は、プロセッサ3042によって実行されると、プロセッサ3044に、RFIDタグ3032から受信した情報をメモリ3044に記憶された情報と比較することによって、電池パック3006との外科用器具3000の適合性を検証させる。メモリ3044に記憶された情報は、例えば、様々な外科用器具の識別情報、様々な外科用器具の電力要件、様々な外科用器具の性能パラメータなどに関する情報を含む、適合性データベース又はルックアップテーブルの形態であってもよい。電池パック3006との外科用器具3000の適合性を検証するために制御回路3040によって実行されるプロセスは、外科用器具3000との電池パック3006の適合性を検証するために制御回路3014によって利用されるプロセス3020に類似している。例えば、外科用器具3000が電池パック3006と適合性がないとプロセッサ3042が判定する場合、プロセッサ3042は、電池パック3006を電気的にロックアウトして、電池パック3006が外科用器具3000に電力を供給するのを防止するように動作する、信号又は命令を通信することができる。
【0161】
上述した態様を考慮して、多数の異なる電池が外科用器具3000と適合性があってもよいことが理解されよう。言い換えれば、外科用器具3000は、多数の異なる電池と適合性があってもよい。外科用器具3000がRFIDスキャナ3012及びRFIDタグ3032を含み、かつ様々な電池がRFIDタグ3010及びRFIDスキャナ3034の機能と同様又は同一の機能を有するRFIDタグ及びRFIDスキャナを含む場合、外科用器具3000は、複数の異なる電池を識別して、外科用器具3000とのそれらの電池の各々の適合性を判定することができる。同様に、電池パック3006がRFIDタグ3010及びRFIDスキャナ3034を含み、かつ様々な外科用器具がRFIDタグ3032及びRFIDスキャナ3032の機能と同様又は同一の機能を有するRFIDタグ及びRFIDスキャナを含む場合、電池パック3006は、複数の異なる外科用器具を識別して、電池パック3006とのそれらの外科用器具の各々の適合性を判定することができる。
【0162】
図33は、本開示の少なくとも1つの態様による、複数の異なる電池パック3006a、3006b、3006cとの外科用器具3000の適合性を示す。電池パック3006aは、内部に配置されたRFIDタグ3010a及びRFIDスキャナ3034aを含み、電池パック3006bは、内部に配置されたRFIDタグ3010b及びRFIDスキャナ3034bを含み、電池パック3006cは、内部に配置されたRFIDタグ3010c及びRFIDスキャナ3034cを含む。様々な態様によれば、電池パック3006aは、CR123/リチウム電池を含み、電池パック3006bは、15270/リチウムイオン電池を含み、電池パック3006cは、リチウム電池又はリチウムイオン電池以外の電池を含む。上述のように、電池パック3006a、3006b、3006cのうちのいずれか1つが外科用器具3000に近接している、又は外科用器具3000によって受け入れられると、それぞれのRFIDタグ/RFIDスキャナ対は、(1)外科用器具3000が適用可能な電池パック3006a、3006b、3006cを識別して、適用可能な電池パック3006a、3006b、3006cが外科用器具3000と適合性がある/外科用器具3000で使用するのに好適であるかどうかを判定することができること、及び(2)電池パック3006a、3006b、3006cのいずれかが外科用器具3000を識別して、外科用器具3000が適用可能な電池パック3006a、3006b、3006cと適合性がある/それらとともに使用するのに好適であるかどうかを判定することができること、を可能にする。
【0163】
異なる電池は、異なる化学的性質、異なる容量、異なる出力特性、異なる動作能力などを有することができ、異なる外科用器具は、異なる電力要件を有することができる。図34は、本開示の少なくとも1つの態様による、異なる電池パックによって電力を供給されたときの外科用器具3000の様々なモータトルク/速度/電流の関係を示すグラフ3050を示す。グラフ3050について、速度(又は電流)の単位が垂直軸3052に沿って示され、トルクの単位が水平軸3054に沿って示されている。実線3056は、リチウムイオン/15270電池のトルク-速度関係を表し、実線3056の左端は、無負荷速度を表し、実線3056の右端は、ストールトルクを表す。実線3058は、リチウム/CR-123電池のトルク-速度関係を表し、実線3058の左端は、無負荷速度を表し、実線3058の右端は、ストールトルクを表す。一般に、トルクは、外科用器具3000の電気モータ3008の出力シャフトの速度に反比例する。言い換えれば、速度が大きいほど、トルクが低い(又はトルクが大きいほど、速度が低くなる)。
【0164】
破線3060は、リチウムイオン/15270電池から引き出された電流を表し、破線3060の左端は、無負荷電流を表し、破線3060の右端は、ストール電流を表す。破線3062は、リチウム/CR-123電池から引き出された電流を表し、破線3062の左端は、無負荷電流を表し、破線3062の右端は、ストール電流を表す。両方の電池について、電気モータ3008の内部摩擦を克服するために特定の量の電流を必要とするため、無負荷電流は、ゼロよりも大きい。一般に、外部負荷が印加されると、それぞれの電池から引き出された電流は、増加して、それに適合するのに必要なトルクを生成し(トルクは、印加電流に比例する)、電気モータ3008の速度は、低下する。外部負荷が更に増加すると、電気モータ3008の速度は、更に低下し、最終的にストールに到達する。上記を考慮して、モータトルク/速度/電流の関係は、外科用器具3000に電力を供給するために利用される特定の電池パックに明らかに基づいて変化し得ることが理解されよう。
【0165】
図35は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具3000で利用することができる異なる電池パックの様々なエネルギー密度を示す棒グラフ3070を示す。それぞれのエネルギー密度は、単位質量当たりの異なる電池パックに蓄積されたエネルギーの量を表す。グラフ3070について、質量キログラム当たりのワット時(Wh/Kg)が垂直軸3072に沿って示され、異なる電池パックが水平軸3074に沿って示されている。ニッケル金属水素化物充電式電池のエネルギー密度を表すバー3076は、約80Wh/Kgであると示され、リチウムイオン充電式電池のエネルギー密度を表すバー3078は、約160Wh/Kgであると示され、アルカリ酸化マンガン(MnO)電池のエネルギー密度を表すバー3080は、約205Wh/Kgであると示され、一次/使い捨てリチウム電池のエネルギー密度を表すバー3082は、約400Wh/Kgであると示されている。上記を考慮して、外科用器具3000で利用することができる様々な電池パックのエネルギー密度は、明らかに変化し得ることが理解されよう。
【0166】
図36は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具3000で利用することができる異なる電池パックの実際のエネルギー密度対定格エネルギー密度の比較を示す棒グラフ3090を示す。グラフ3090について、質量キログラム当たりのワット時(Wh/Kg)が垂直軸3092に沿って示され、異なる電池パックが水平軸3094に沿って示されている。各異なるタイプの電池について、実際のエネルギー密度は、定格エネルギー密度未満である。ニッケル金属水素化物充電式電池又はリチウムイオン充電式電池などのいくつかの例では、実際のエネルギー密度は、定格エネルギー密度よりも約15%~20%小さいだけである。一次/使い捨てリチウム電池の場合、実際のエネルギー密度は、定格エネルギー密度よりも約30%小さい。アルカリ酸化マンガン(MnO)電池の場合、実際のエネルギー密度は、定格エネルギー密度よりも約75%小さい。より具体的には、ニッケル金属水素化物充電式電池の場合、定格エネルギー密度を表すバー3096は、約75Wh/Kgであると示され、実際のエネルギー密度を表すバー3098は、約60Wh/Kgであると示されている。一次/使い捨てリチウムイオン電池の場合、定格エネルギー密度を表すバー3100は、約140Wh/Kgであると示され、実際のエネルギー密度を表すバー3102は、約120Wh/Kgであると示されている。アルカリ酸化マンガン(MnO)電池の場合、定格エネルギー密度を表すバー3104は、約210Wh/Kgであると示され、実際のエネルギー密度を表すバー3106は、約50Wh/Kgであると示されている。一次/使い捨てリチウム電池の場合、定格エネルギー密度を表すバー3108は、約250Wh/Kgであると示され、実際のエネルギー密度を表すバー3110は、約170Wh/Kgであると示されている。上記を考慮して、外科用器具3000で利用することができる所与の電池の計算/定格エネルギー密度は、明らかに変化し得ることが理解されよう。
【0167】
図37は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具3000で利用することができる異なる電池パックの公称電圧を示す棒グラフ3111を示す。グラフ3111について、セル電圧の単位(V)が垂直軸3112に沿って示され、異なる電池パックが水平軸3114に沿って示されている。一次/使い捨てリチウム電池の場合、公称セル電圧を表すバー3116は、約3.0ボルトであると示されている。酸化銀電池の場合、公称セル電圧を表すバー3118は、約1.6ボルトであると示されている。アルカリ酸化マンガン(MnO)電池の場合、公称セル電圧を表すバー3120は、約1.5ボルトであると示されている。ニッケル金属水素化物充電式電池の場合、公称セル電圧を表すバー3122は、約1.3ボルトであると示されている。リチウムイオン充電式電池の場合、公称セル電圧を表すバー3124は、約3.8ボルトであると示されている。上記を考慮して、外科用器具3000で利用することができる異なる電池セルの公称電圧は、明らかに変化し得ることが理解されよう。
【0168】
異なる企業によって作製され得る異なるブランドの電池は、所与の放電率(例えば、電流/時間)に対して異なる容量(例えば、アンペア時)を有することができる。例えば、異なるブランドのCR-123A/CR17335電池は、所与の放電率に対して異なる容量を有することができる。異なるブランドのCR-123A/CR17335電池の所与の放電率に対する異なる容量を、以下の表B1に示し、それぞれの放電電流は、それぞれの電池を1時間放電する。
【0169】
【表1】
【0170】
表B1に示すように、電池の容量は、放電電流に基づいて変化し得る。例えば、Autec電池の場合、容量は、100mAの放電電流で0.616アンペア時、700mAの放電電流で0.688アンペア時、1500mAの放電電流で0.439アンペア時、及び2200mAの放電電流で0.625アンペア時であると表B1に示されている。また表B1に示すように、700MAの放電電流では、異なるブランドのCR-123A/CR17335電池の容量は、Autec電池の0.688アンペア時の低さからPanasonic電池の1.260アンペア時の高さまで変化し得る。1500mAの放電電流では、異なるブランドのCR-123A/CR17335電池の容量は、Autecブランドの0.439アンペア時の低さからPowPowerブランドの0.801アンペア時の高さまで変化し得る。2200mAの放電電流では、異なるブランドのCR-123A/CR17335電池の容量は、Maxellブランドの0.543アンペア時の低さからPowPowerブランドの0.817アンペア時の高さまで変化し得る。上記を考慮して、外科用器具3000で利用することができる異なる電池の容量は、電池の製造業者/ブランド及び電池の放電電流の両方に明らかに基づいて変化し得ることが理解されよう。
【0171】
図38は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具3000で利用することができる、異なるCR123A/CR17335電池の放電曲線を示すグラフ3130を示す。グラフ3130について、電圧の単位(ボルト)が垂直軸3132に沿って示され、アンペア時でのエネルギー電荷の単位(アンペア時)が水平軸3134に沿って示され、それぞれの放電曲線は、異なるブランドの電池について表B1に列挙された2文字の符号(例えば、AU、DC、EI、MX、PS、PW、PP、SY、TE)でラベル付けされている。それぞれの放電曲線は、上記の表B1に列挙された異なるブランドのCR-123A/CR17335電池に対応し、1500mAの放電電流に基づく。図38に示すように、各ブランドのCR-123A/CR17335電池は、それ自体の特徴的な公称電圧及びそれ自体の特徴的な放電曲線を有することができる。言い換えれば、各ブランドのCR-123A/CR17335電池は、異なる時間に対して異なる電圧を提供することができる。例えば、Autec電池(Au)は、その電圧が2.0ボルトに低下する前に0.3アンペア時のエネルギー電荷を提供したと示され、PowPower電池(PP)は、その電圧が2.0ボルトに低下する前に約0.8アンペア時のエネルギー電荷を提供したと示されている。上記を考慮して、外科用器具3000で利用することができる異なる電池によって提供されるエネルギー電荷は、明らかに変化し得ることが理解されよう。
【0172】
図39は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具3000で利用することができるリチウムイオン電池の放電曲線3142を示すグラフ3140を示す。グラフ3140について、電圧の単位(ボルト)が垂直軸3144に沿って示され、容量の単位(Ah)が水平軸3146に沿って示されている。図39に示すように、リチウムイオン電池の公称電圧は、約4.3ボルトであり、リチウムイオン電池は、リチウムイオン電池が約5.0Ahの容量を放出するまで、少なくとも約3.75ボルトの電圧を提供し、その後、リチウムイオン電池によって提供される電圧は、リチウムイオン電池がその容量の約5.5Ahを完全に放出するまで、その後著しく低下する。
【0173】
所与の電池の放電率は、温度によって時には劇的に変化し得る。図40は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具3000で利用することができるリチウムイオン電池の異なる温度についての異なる放電曲線を示すグラフ3150を示す。グラフ3150について、電圧の単位(ボルト)が垂直軸3152に沿って示され、容量の単位(Ah)が水平軸3154に沿って示され、放電電流は、リチウムイオン電池のC/5の比率に相当する1100mAである。C率は、電池がその最大容量に対して放電される速度の尺度である。図40に示すように、-40℃でのリチウムイオン電池の放電曲線を表す放電曲線3156の場合、リチウムイオン電池は、リチウムイオン電池が約2.0Ahの容量を放出するまで、少なくとも3.0ボルトの電圧を提供し、その後、リチウムイオン電池が約3.5Ahの容量を放出するまで、3.0ボルトをわずかに下回る電圧を提供し、その後、リチウムイオン電池によって提供される電圧は、その後著しく低下し始める。-30℃でのリチウムイオン電池の放電曲線を表す放電曲線3158の場合、リチウムイオン電池は、リチウムイオン電池が約4.1Ahの容量を放出するまで、少なくとも3.0ボルトの電圧を提供し、その後、リチウムイオン電池によって提供される電圧は、その後著しく低下し始める。20℃でのリチウムイオン電池の放電曲線を表す放電曲線3160の場合、リチウムイオン電池は、リチウムイオン電池が約4.8Ahの容量を放出するまで、少なくとも3.8ボルトの電圧を提供し、その後、リチウムイオン電池によって提供される電圧は、その後著しく低下し始める。60℃でのリチウムイオン電池の放電曲線を表す放電曲線3162の場合、リチウムイオン電池は、リチウムイオン電池が約4.5Ahの容量を放出するまで、少なくとも3.80ボルトの電圧を提供し、その後、リチウムイオン電池によって提供される電圧は、その後著しく低下し始める。上記を考慮して、所与のリチウムイオン電池の放電率は、温度によって直線的に変化しないこと、及び低すぎる温度又は高すぎる温度は、リチウムイオン電池の性能に悪影響を及ぼし得ることが理解されよう。
【0174】
所与の電池のエネルギー容量は、電池が放電される速度に基づいて変化し得る。図41は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具3000で利用することができるCR123電池の異なる放電率についての異なる放電曲線を示すグラフ3170を示す。グラフ3170について、電圧の単位(ボルト)が垂直軸3172に沿って示され、ワット時での電力の単位(Wh)が水平軸3174に沿って示されており、CR123電池は、Panasonic Lithium Power電池である。放電曲線3176によって示されるように、3.0アンペアの放電電流の場合、電池のエネルギー容量は、約1.2Whである。放電曲線3178によって示されるように、2.0アンペアの放電電流の場合、電池のエネルギー容量は、約2.3Whである。放電曲線3180によって示されるように、1.0アンペアの放電電流の場合、電池のエネルギー容量は、約3.2Whである。放電曲線3182によって示されるように、0.5アンペアの放電電流の場合、電池のエネルギー容量は、約3.7Whである。放電曲線3184によって示されるように、0.2アンペアの放電電流の場合、電池のエネルギー容量は、約4.1Whである。放電曲線3186によって示されるように、0.1アンペアの放電電流の場合、電池のエネルギー容量は、約4.25Whである。上記を考慮して、一般に、放電電流が低いほど、CR123電池のエネルギー容量が大きいことが理解されよう。言い換えれば、一般に、放電電流が高いほど、CR123電池のエネルギー容量が低くなる。
【0175】
図42は、本開示の少なくとも1つの態様による、ダム電池3190と、インテリジェント電池3192と、適応外科用器具3194との間の様々な動作差を示す。様々な態様では、電池パック3006は、ダム電池3190として構成することができる。ダム電池3190の場合、ダム電池31900が外科用器具(例えば、外科用器具3000)に近接する、又はそれによって受け入れられると、ダム電池3190のRFIDタグは、通電され3196、ダム電池3190は、次いで、外科用器具のRFIDスキャナに電池識別情報を通信する。次いで、外科用器具は、上述したように電池識別情報を利用して、外科用器具とのダム電池3190の適合性を検証することができる。
【0176】
様々な態様では、電池パック3006は、インテリジェント電池3192として構成することができる。インテリジェント電池3192は、外科用器具の識別情報を読み取り3198、識別された外科用器具がインテリジェント電池3192とともに使用するために適合性があるかどうかを判定/検証し3200、識別された外科用器具の適切な性能のために必要に応じて、インテリジェント電池3192の出力特性を調整し3202、インテリジェント電池3192の出力を通電し3204、その後、識別された外科用器具が既知の適合性電池によって電力を供給されていることを認識するように、識別された外科用器具に期待される電池識別情報を提供する3206、ように構成されている。このようにして、識別された外科用器具の適合性データベース/ルックアップテーブルで必ずしも識別されない、より新しくよりインテリジェントな電池は、それにもかかわらず、識別された外科用器具に電力を供給することを許可することができる。以下でより詳細に説明するように、インテリジェント電池3192は、既知の適合性電池の性能を模倣することができる。
【0177】
様々な態様では、外科用器具3000は、適応外科用器具3194として構成することができる。適応外科用器具3194の場合、適応外科用器具3194は、起動し3208、電池が適応外科用器具3194に近接する、又はそれによって受け入れられると、例えば、インテリジェント電池3192又はダム電池3190などの電池によって提供される電池識別情報を読み取り3210、識別された電池が適応外科用器具3194で使用するために適合性があるかどうかを判定/検証し3212、次いで、受信された電池識別情報に基づいて、適応外科用器具3194の動作(例えば、モータ動作、動作制御パラメータなど)を調整する3214。例えば、様々な態様では、適応外科用器具3194の動作は、識別された電池が充電可能又は非充電可能であるかどうか、識別された電池(例えば、ニッケル金属水素化物、リチウムイオン、アルカリ酸化マンガン、リチウムなど)の化学的性質、及び/又は識別された電池の出力能力に応じて変化し得る。このようにして、適応外科用器具3194は、そうでなければ可能なよりも多種多様な異なる電池を利用することができる。
【0178】
所与の電池パックについて、電池パックの電位と電池パックから引き出された電流との間の関係は、式V=IRによって与えられ、式中、Vは、電池パックの電圧であり、Iは、電池パックから引き出された電流であり、Rは、電池パックに接続された負荷の抵抗である。異なる電池パックは、異なる電位及び異なる内部抵抗を有することができるため、電池パックから引き出される電流は、所与の外科用器具に電力を供給するときに電池パックごとに変化し得る。1つは4つのCR123A電池を含み、1つは4つの15270電池を含む、2つの異なる電池パックの電圧及び電流値を、様々な抵抗について以下の表B2に示す。
【0179】
【表2】
【0180】
図43は、本開示の少なくとも1つの態様による、適応外科用器具3194で利用されたときの異なる電池パックの出力電流能力を示すグラフ3220を示す。グラフ3220について、電流Iの単位(アンペア)が垂直軸3222に沿って示され、時間の単位が水平軸3224に沿って示されている。図43に示すように、標準的なCR-123電池パック(例えば、4つの電池)からの電流出力3226は、時間XとYとの間で平均すると約5.0アンペアとすることができ、標準的な15270電池からの電流出力3228は、時間XとZとの間で平均すると約8.9アンペアとすることができる。上述したRFID能力を利用することによって、適応外科用器具3194は、標準的な15270電池パックから引き出される電流に標準的なCR-123電池パックから引き出される電流を模倣させることができる3230。様々な態様では、適応外科用器具3194は、適応外科用器具3194の速度制御アルゴリズムを適合させて、電気モータ3008の速度を低下させることによって、15270電池パックによって見られる抵抗を増加させることによって、分圧器を使用することによって、など、15270電池パックにその電流出力を調整させて、標準的なCR-123電池パックの電流出力を効果的に模倣させることによって、これを達成することができる。例えば、様々な態様によれば、適応外科用器具3194の制御回路のプロセッサは、例えば、適応外科用器具3194の速度制御アルゴリズムを適合させるように、又は分圧器を使用することによって、動作する命令を通信することができる。外科用器具3000は適応外科用器具3194として構成することができるため、適応外科用器具3194の制御回路は、制御回路1210及び/又は制御回路3014と同様又は同一であってもよい。15270電池パックがインテリジェント電池パック(例えば、インテリジェント電池3192)である場合、適応外科用器具3194は、インテリジェント電池パックに、CR-123電池パックが動作するように動作する命令を通信することができる。
【0181】
図44は、本開示の少なくとも1つの態様による、適応外科用器具3194で利用されたときの異なる電池パックの出力電圧能力を示すグラフ3240を示す。グラフ3240について、電圧の単位(ボルト)が垂直軸3242に沿って示され、アンペア時での容量の単位(アンペア時)が水平軸3244に沿って示されている。図44に示すように、1時間当たり1.25アンペアの速度で放電する標準的なCR-123電池パックからの電圧出力3246は、標準的なCR-123電池パックが約0.05アンペア時から約0.4アンペア時まで放電する時間の間に平均して約7.0ボルトとすることができ、標準的な15270電池パックからの電圧出力3248は、標準的な15270電池パックが約0.08アンペア時から約0.5アンペア時まで放電する時間の間に平均して約14.0ボルトとすることができる。上述のRFID能力を利用することによって、適応外科用器具3194は、標準的な15270電池パックによって提供される電圧に標準的なCR-123電池パックによって提供される電圧を模倣させることができる3250。様々な態様では、適応外科用器具3194は、適応外科用器具3194の速度制御アルゴリズムを適合させて、電気モータ3008の速度を低下させることによって、15270電池パックによって見られる抵抗を増加させることによって、など、15270電池パックにその電圧出力を調整させて、標準的なCR-123電池パックの電圧出力を効果的に模倣させることによって、これを達成することができる。15270電池パックがインテリジェント電池パック(例えば、インテリジェント電池3192)である場合、適応外科用器具3194は、インテリジェント電池パックに、CR-123電池パックが動作するように動作する命令を通信することができる。少なくとも1つの実施例では、分圧器を用いて、電池パックの電圧出力を調整することができる。
【0182】
図45は、本開示の少なくとも1つの態様による、適応外科用器具3194で利用されたときの異なる電池パックの出力電圧能力を示すグラフ3260を示す。グラフ3260について、電圧の単位(ボルト)が垂直軸3262に沿って示され、ワット時での電力の単位(ワット時)が水平軸3264に沿って示されている。グラフ3260は、グラフ3240と同様であるが、電力の単位が水平軸3264に沿って示されている点で異なる。図45に示すように、標準的なCR-123電池パックからの電圧出力3266は、標準的なCR-123電池パックが約0.25ワット時の電力を提供した時間から標準的なCR-123電池パックが約3.2ワット時の電力を提供した時間までの間で平均して約7.15ボルトとすることができる。この期間中、標準的なCR-123電池パックによって提供される電圧は、予測可能かつ安定である。したがって、上述のRFID能力が適応外科用器具3194によって利用されて、標準的な15270電池パックによって提供される電圧3268に、標準的なCR-123電池パックによって提供される電圧3261を模倣させる。これは、標準的なCR-123電池パックによって提供される「調整された」電圧もまた、上述した期間中に予測可能かつ安定であることに従う。
【0183】
多くの外科用器具の寸法サイズは、ますますより小さくなり続けている。サイズが小さくなるにもかかわらず、外科用器具の多くは、負荷の増加、より高い性能要件、及びより高い過大応力条件に対応する必要がある。無線周波数識別タグ及び/又は無線周波数識別スキャナなどの無線周波数識別(RFID)技術を含む外科用器具の場合、小さいサイズ要件を満たすために、RFIDタグ及び/又はRFIDスキャナ並びに関連する電子機器のプロファイルは、継続的により小さくかつより低くなっている。これらのより小さいシステムは、外科用器具の識別システムからユーザが求めるタスクのすべてを達成するために必要なメモリオーバーヘッド、処理電力、又は容量(範囲、電力など)を有しない場合がある。したがって、暗号化のような追加の能力、複数の構成要素の認証、複数の構成要素の適合性検証、追跡の再処理などを提供するために、様々な態様では、これらのより小さいより能力が低いシステムの能力及び容量を拡張するのを助けるために、外科用器具の外部にある暗号化/復号化キー及び印刷又は二次記憶データ位置を利用することが望ましい場合がある。
【0184】
図42に戻ると、適応外科用器具3194の上述の機能は、電池識別情報を適応外科用器具3194に通信することができる電池パック3006のRFIDタグ3010、及び電池パック3006のRFIDタグ3010によって提供される電池識別情報を読み取ることができる適応外科用器具3194のRFIDスキャナ3012に依存することが理解されよう。特定の例では、適応外科用器具3194は、電池パック3006の適合性を判定することができない。例えば、RFIDタグ3010が電池識別情報を通信することができないように、電池パック3006のRFIDタグ3010が故障(例えば、RFIDタグ3010の集積回路チップ内の故障、RFIDタグ3010の集積回路チップとアンテナとの間の電気的接続の故障など)を経験した場合、適応外科用器具3194は、電池パック3006の適合性を判定することができない。同様に、適応外科用器具3194が電池パック3006によって提供される電池識別情報を捕捉、処理、及び/又は通信することができないように、適応外科用器具3194のRFIDスキャナ3012が故障(例えば、RFIDスキャナ3012の回路内のワイヤの故障、RFIDスキャナ3012の通信基板の故障など)を経験した場合、適応外科用器具3194は、電池パック3006の適合性を判定することができない。そのような場合、所与の適応外科用器具との所与の電池パックの適合性を判定する二次/代替的な方法を有することが望ましい。
【0185】
図46は、本開示の少なくとも態様による、図42の適応外科用器具3194で使用するための電池3300を示す。電池3300は、任意の好適なタイプの電池であってもよく、任意の好適な数のセルを含むことができる。簡潔にするために、電池3300は、以下、電池パック3300と呼ばれる。電池パック3300は、電池パック3300が無線周波数識別(RFID)タグ3302を含むという点で電池パック3006と類似しているが、電池パック3300が電池パック3300の外面上に配置されたクイックレスポンス(QR)コード3304及び/又は製品コード3306も含むという点で異なる。RFIDタグ3302は、RFIDタグ3010と同様又は同一であってもよい。
【0186】
QRコード3304は、電池パック3300に関する情報を含む機械可読光学ラベルである。そのような情報は、例えば、電池識別番号、電池パック3300内の電池の製造業者/ブランド、電池パック3300内の電池の化学的性質/タイプ(リチウム、リチウムイオンなど)、電池パック3300内の電池のタイプが充電可能又は非充電可能であるかどうかにかかわらず、電池パック3300の容量、電池パック3300内の電池の公称電圧、電池パック3300内の電池の電流引き込み特性、電池パック3300の他の出力特性などを含むことができる。様々な態様では、カメラ及びQRコードスキャナアプリケーションを備えたスマートフォン、タブレットなどを利用して、電池パック3300からQRコード3304を読み取ることができる。
【0187】
製品コード3306は、電池パック3300を一意に識別する数字、文字、記号などの任意のシーケンスを含むことができる。いくつかの態様では、製品コード3306を利用して、電池パック3300が適応外科用器具3194で使用するために適合性があるかどうかを判定する際に、適応外科用器具3194を支援することができる。
【0188】
図47は、本開示の少なくとも1つの態様による、適応外科用器具3194を動作させるための制御プログラム又は論理構成を示すプロセス3320の論理フロー図を示す。少なくとも1つの実施例では、プロセス3320は、プロセッサ1214と、プロセッサ1214によって実行されると、プロセッサ1214にプロセス3320を実行させる、コンピュータ実行可能命令のセットを記憶するメモリ1212と、を含む、制御回路1210(図15)によって実行される。特定の実施例では、メモリ1212に記憶されたコンピュータ実行可能命令のセットは、プロセッサ1214にプロセス3320の別個の部分を実行させることができる。プロセス3320は、制御回路1210によって実行されるものとして説明されているが、これは、単に簡潔にするためのものであり、本明細書に記載のプロセス3320及び他のプロセス、又はそれらの一部分は、例えば、組み合わせ論理回路又は順次論理回路などの、様々なハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を含むことができ、かつ様々な好適なシステムに配置することができる、又はそれに関連付けることができる回路によって実行することができることを理解されたい。
【0189】
プロセス3320は、例えば、電池パック3300などの所与の電池パックが適応外科用器具3194で使用するために適合性があるかどうかを判定する仕方/方法を含む。簡潔にするために、プロセス3320は、電池パック3300とのその適用性の文脈で説明される。代替的な仕方/方法は、(1)電池パック3300が電池識別情報を適応外科用器具3194に通信することができない、及び/又は適応外科用器具3194のRFIDスキャナ3012が電池パック3300のRFIDタグ3302によって提供される電池識別情報を読み取ることができない、並びに(2)適応外科用器具3194が適応外科用器具3194との電池パック3300の適合性を判定/検証することができない場合に利用することができる。
【0190】
図47に示すように、適応外科用器具3194は、起動し3322、次いで、電池パック3300が適応外科用器具3194に近接する、又はそれによって受け入れられると、電池パック3300によって提供される電池識別情報を読み取ることを試みる3324。適応外科用器具3194が電池識別情報を読み取ることができる3324場合、適応外科用器具3194の制御回路(例えば、制御回路3014及び/又は適応外科用器具3194の別の制御回路)は、本明細書の他の箇所でより詳細に説明するように、識別された電池が適応外科用器具3194で使用するために適合性があるかどうかを判定/検証し3326、次いで、受信された電池識別情報に基づいて、適応外科用器具3194の動作(例えば、モータ動作、動作制御パラメータなど)を調整する3328。例えば、様々な態様では、適応外科用器具3194の動作は、識別された電池が充電可能又は非充電可能であるかどうか、識別された電池(例えば、ニッケル金属水素化物、リチウムイオン、アルカリ酸化マンガン、リチウムなど)の化学的性質、及び/又は識別された電池の出力能力に応じて変化し得る。このようにして、適応外科用器具3194は、そうでなければ可能なよりも多種多様な異なる電池を利用することができる。少なくとも1つの態様では、適合性データベース又はルックアップテーブルの形態で情報を記憶することに加えて、制御回路3014のメモリ3018はまた、認証データベースの形態で情報を記憶することができる。
【0191】
しかしながら、(例えば、電池パック3300のRFIDタグ3302の故障及び/又は適応外科用器具3194のRFIDスキャナ3012の故障のいずれかに起因して)適応外科用器具3194が電池識別情報を読み取る3324ことができない場合、例えば、視覚インジケーション又は可聴インジケーションなどのインジケーションを、電池識別情報を読み取る3324適応外科用器具3194の故障をユーザに通知する、インジケータ1209(図19)を介して提供することができる。次いで、ユーザ又は別の関係者は、電池パック3300のQRコード3304及び/又は製品コード3306をサーバに入力させる3330ことができる。少なくとも1つの態様では、QRコード3304を捕捉するために利用されるスマートフォン、タブレットなどは、有線又は無線接続を介してQRコード3304をサーバに通信することができる。サーバへのQRコード3304の通信は、まさに電池パック3300と適応外科用器具3194との間の通信が暗号化された通信であってもよいように、暗号化された通信であってもよい。サーバは、例えば、外科用ハブシステムのサーバなどの任意の好適なサーバであってもよい。外科用ハブシステムの例は、米国特許出願第16/209,395号、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION」(2018年12月4日出願)に記載されており、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0192】
サーバは、QRコード3304及び/又は製品コード3306によって提供される電池識別情報をデータベース/テーブルと比較して、QRコード3304及び/又は製品コード3306によって識別された電池パック3300の信頼性を判定する3332ように構成されている。QRコード3304及び/又は製品コード3306によって識別された電池パック3300が認証されているとサーバが判定した場合、サーバは、有線又は無線接続を介して適応外科用器具3194に通信される一時的なオーバーライドトークンを生成することができ3334、適応外科用器具3194の制御回路(例えば、制御回路3014及び/又は適応外科用器具3194の別の制御回路)は、読み取られなかった電池識別情報の代替物として一時的なオーバーライドトークンを利用する。一時的なオーバーライドトークンの適応外科用器具3194への通信は、暗号化された通信であってもよい。一時的なオーバーライドトークンは、電池パック3300が適応外科用器具3194によって認証されないときに起こり得る適応外科用器具3194の動作のロックアウトをオーバーライドするように効果的に機能する。少なくとも1つの態様では、ロックアウト動作は、制御回路3014によって開始及び/又は実行される。QRコード3304及び/又は製品コード3306によって識別された電池パック3300が認証されていない場合、例えば、視覚インジケーション又は可聴インジケーションなどのインジケーションを、電池パック3300を認証する故障をユーザに通知するインジケータ1209を介して提供することができる。
【0193】
一時的なオーバーライドトークンが適所にある状態で、次いで、適応外科用器具3194は、上述したように、識別された電池パック3300が適応外科用器具3194で使用するために適合性があるかどうかを判定/検証することができる3326。しかしながら、何らかの理由で、識別された電池パック3300が適応外科用器具3194と適合性があることを適応外科用器具3194が検証することができない場合、適応外科用器具3194との電池パック3300の適合性を検証する適応外科用器具3194の故障をユーザに通知する、例えば、視覚インジケーション又は可聴インジケーションなどのインジケーションを提供することができる。そのような場合、次いで、ユーザ又は別の関係者は、電池パック3300のQRコード3304及び/又は製品コード3306をサーバに入力させる3336ことができる。サーバは、QRコード3304及び/又は製品コード3306によって提供される電池識別情報をデータベース/テーブルと比較して、QRコード3304及び/又は製品コード3306によって識別された電池パック3300が適応外科用器具3194で使用するために適合性があるかどうかを判定する3338ように更に構成されている。QRコード3304及び/又は製品コード3306によって識別された電池パック3300が適応外科用器具3194と適合性があるとサーバが判定した場合、サーバは、適応外科用器具3194に通信される別の一時的なオーバーライドトークンを生成することができ3340、適応外科用器具3194の制御回路(例えば、制御回路3014及び/又は適応外科用器具3194の別の制御回路)は、検証されなかった適合性判定の代替物として一時的なオーバーライドトークンを利用する。別の一時的なオーバーライドトークンの適応外科用器具3194への通信は、暗号化された通信であってもよい。他の一時的なオーバーライドトークンは、電池パック3300の適合性が適応外科用器具3194によって検証されないときに起こり得る適応外科用器具3194の動作のロックアウトをオーバーライドするように効果的に機能する。適応外科用器具3194は、その後、上述のように、適応外科用器具3194の動作(例えば、モータ動作、動作制御パラメータなど)を調整することができる3328。
【0194】
図47のプロセス3320の説明は、(1)電池パック3300の信頼性を判定すること、及び(2)電池パック3300と適応外科用器具3194との適合性を判定/検証することに限定されていたが、プロセス3320の基本論理を利用して、適応外科用器具3194で利用することができる任意の数の構成要素及び/又はサブシステムの適合性を判定することもできる。例えば、上述のRFID能力を有する所与のステープルカートリッジ及び所与のアンビルを提供することによって、適応外科用器具3194は、所与のステープルカートリッジのRFIDタグからステープルカートリッジ識別情報及び所与のアンビルのRFIDタグからアンビル識別情報を受信することができる。少なくとも1つの態様では、適応外科用器具3194のシャフトアセンブリは、アンビルを受け入れるように構成され、適応外科用器具3194は、ステープルカートリッジを受け入れるように構成されている。ステープルカートリッジ識別情報及びアンビル識別情報が暗号化されている場合、適応外科用器具3194の制御回路(例えば、制御回路3014及び/又は適応外科用器具3194の別の制御回路)は、ユニバーサル秘密鍵を利用して、受信されたステープルカートリッジ識別情報及び受信されたアンビル識別情報を復号化し、次いで、所与のアンビルとの所与のステープルカートリッジの適合性、並びに適応外科用器具3194との所与のステープルカートリッジ及び所与のアンビルの適合性を判定/検証することができる。ステープルカートリッジがアンビルと適合性がないと判定された場合、サーバ及び/又は別のシステムは、不適合性問題の発生源のインジケーションを提供し、例えば、インジケータ1209を介して不適合性問題を補正する方法に関する詳細を提供することができる。
【0195】
加えて、上述したようなプロセス3320の基本論理、並びにQRコード、製品コード、及び1つ又は2つ以上のサーバを利用して、適応外科用器具3194が適用可能な識別情報を受信する/読み取ることができないときに、任意の数の構成要素及び/又はサブシステムの信頼性/適合性を判定することができる。例えば、(RFIDタグ及び/又はRFIDスキャナの故障に起因して)適応外科用器具3194が適用可能な識別情報を受信する/読み取ることができないときに、電池パック3300の信頼性及び適応外科用器具3194との電池パック3300の適合性を判定することに加えて、QRコード、製品コード、及び1つ又は2つ以上のサーバを利用する同じ基本的なプロセスを利用して、アンビル及びステープルカートリッジの信頼性、並びに所与のカートリッジとの所与のアンビルの適合性、並びに適応外科用器具3194との所与のアンビル及び所与のカートリッジの適合性を判定することができる。ステープルカートリッジがアンビルと適合性がないとサーバが判定した場合、サーバ及び/又は別のシステムは、不適合性問題の発生源のインジケーションを提供し、不適合性問題を補正する方法に関する詳細を提供することができる。
【0196】
加えて、適応外科用器具3194で利用することができる多くの構成要素及びサブシステムがパッケージングで提供されるときに、適用可能なQRコード及び/又は製品コードがパッケージング上に含まれる場合、上述したようなプロセス3320の基本論理、並びにQRコード、製品コード、及び1つ又は2つ以上のサーバを利用して、パッケージング内にあると推定される任意の数の構成要素及び/又はサブシステムの信頼性/適合性を判定することができる。
【0197】
図48は、例えば、外科用器具2200、3194などの外科用器具の外科用器具構成要素の信頼性及び/又は適合性を検証するための制御プログラム又は論理構成を示すプロセス3400の論理フロー図を示す。少なくとも1つの実施例では、プロセス3400は、プロセッサ1214と、プロセッサ1214によって実行されると、プロセッサ1214にプロセス3400を実行させる、コンピュータ実行可能命令のセットを記憶するメモリ1212と、を含む、制御回路1210(図15)によって実行される。特定の実施例では、メモリ1212に記憶されたコンピュータ実行可能命令のセットは、プロセッサ1214にプロセス3400の別個の部分を実行させることができる。プロセス3320は、制御回路1210によって実行されるものとして説明されているが、これは、単に簡潔にするためのものであり、本明細書に記載のプロセス3400及び他のプロセス、又はそれらの一部分は、例えば、組み合わせ論理回路又は順次論理回路などの、様々なハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を含むことができ、かつ様々な好適なシステムに配置することができる、又はそれに関連付けることができる回路によって実行することができることを理解されたい。
【0198】
様々な実施例では、制御回路1210は、例えば、プロセス3400を用いて、外科用器具、及び組み立てられた構成と組み立てられていない構成との間で外科用器具に解放可能に結合可能な電池パックの信頼性及び/又は適合性を検証することができる。他の実施例では、制御回路1210は、例えば、プロセス3400を用いて、外科用器具のアンビル及びステープルカートリッジの信頼性及び/又は適合性を検証することができる。
【0199】
図48に示すように、プロセス3400は、例えば、外科用器具2200(図19)などの外科用器具の第1の外科用器具構成要素の第1の識別情報を示す第1の入力を受信すること3402を含む。第1の識別情報は、第1の外科用器具構成要素の第1のRFIDタグに記憶することができる。プロセス3400は、外科用器具の第2の外科用器具構成要素の第2の識別情報を示す第2の入力を受信すること3404を含む。第2の識別情報は、第2の外科用器具構成要素の第2のRFIDタグに記憶することができる。図19に示すように、例えば、制御回路1210は、記憶された識別情報を読み取るように構成された1つ又は2つ以上のRFIDスキャナに結合することができる。
【0200】
プロセス3400は、外科用器具の第1の外科用器具構成要素のパッケージングの第3の識別情報を示す第3の入力を受信すること3406を更に含む。第1の実施例では、パッケージングは、第3の識別情報を記憶するRFIDタグを備える。第2の実施例では、パッケージングは、第3の識別情報を含むCRコードを備える。第3の実施例では、パッケージングは、第3の識別情報を含む製品番号を備える。第3の識別情報は、第1の識別情報及び第2の識別情報の暗号化された集塊であり、第1の実施例では、RFIDスキャナを介して制御回路1210によって、又は第2及び第3の実施例では、カメラを備えた任意の好適なスマートフォン、タブレットなどによって取得することができる。
【0201】
様々な例では、プロセス3400は、第3の識別情報の暗号化を復号化すること3408と、第1の識別情報及び第2の識別情報を復号化された第3の識別情報と比較することによって、第1及び第2の外科用器具構成要素の信頼性を判定すること3410と、を更に含む。特定の例では、メモリ1212は、プロセッサ1214によって利用されて、第3の識別情報の暗号化を復号化することができる、復号鍵を記憶することができる。
【0202】
更に、特定の実施例では、プロセス3400は、第1の識別情報及び第2の識別情報に基づいて、第1及び第2の外科用構成要素の適合性を判定すること3412を含むことができる。少なくとも1つの実施例では、メモリ1212は、プロセッサ1214によって利用されて、第1及び第2の外科用器具構成要素の適合性を評価することができる、適合性データベース又はルックアップテーブルを記憶する。特定の実施例では、第1の識別情報は、外科用器具自体を識別し、制御回路1210のメモリ1212に記憶することができ、プロセッサ1214によって取得することができる。特定の実施例では、第2の外科用器具構成要素は、例えば、電池パック120などの電池パックである。少なくとも1つの実施例では、第1の外科用器具構成要素は、例えば、アンビル2400などのアンビルであり、第2の外科用器具構成要素は、例えば、ステープル留めヘッドアセンブリ2300のステープルカートリッジなどのステープルカートリッジである。プロセス3400とともに使用するのに好適な第1及び第2の外科用器具構成要素の他の実施例が本開示によって企図される。
【0203】
本明細書で記載される主題の様々な態様を、以下の実施例において説明する。
【0204】
実施例セット1
・実施例1-ハウジングと、ハウジングから遠位に延びるシャフトアセンブリと、シャフトアセンブリの遠位端に位置するステープル留めヘッドアセンブリと、ステープル留めヘッドアセンブリと結合可能なアンビルと、アンビル調整アセンブリと、を備える、外科用器具。ステープル留めヘッドアセンブリは、遠位表面を備える。ステープル留めヘッドアセンブリは、遠位表面を介してステープルの環状アレイを駆動するように動作可能である。ステープル留めヘッドアセンブリは、無線周波数識別(RFID)スキャナを備える。アンビルは、ステープル留めヘッドアセンブリに対して閉鎖構成に向かって並進可能である。アンビルは、RFIDタグを備える。アンビル調整アセンブリは、並進部材を備える。並進部材は、ハウジングに対して長手方向軸に沿って並進し、それによって、ステープル留めヘッドアセンブリの遠位表面に対するアンビルの長手方向位置を調整するように動作可能である。RFIDタグは、取り付け閾値距離以下でRFIDスキャナによって検出可能である。
・実施例2-RFIDタグが、アンビルに関する情報を記憶するように適合されている、実施例1に記載の外科用器具。
・実施例3-アンビルが、ヘッドと、ヘッドから延びるシャンクと、を備える、実施例1又は2に記載の外科用器具。シャンクは、RFIDタグを支持する。
・実施例4-シャンクが、RFIDタグを受け入れるようにサイズ決めされた凹部を備える、実施例3に記載の外科用器具。
・実施例5-RFIDタグが、シャンクから絶縁されている、実施例3又は4に記載の外科用器具。
・実施例6-RFIDタグが、閉鎖構成でRFIDスキャナによって検出可能である、実施例1~5のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例7-ステープル留めヘッドアセンブリが、内側芯部材を備える、実施例1~6のいずれか1つに記載の外科用器具。内側芯部材は、RFIDスキャナを支持する。
・実施例8-RFIDスキャナからの入力に基づいて、ステープル留めヘッドアセンブリに対するアンビルの適切な着座向きを検出するように構成された制御回路を更に備える、実施例1~7のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例9-アンビルに関する情報を示すRFIDスキャナからの入力に基づいて、ステープル留めヘッドアセンブリのステープルカートリッジとのアンビルの適合性を確認するように構成された制御回路を更に備える、実施例1~8のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例10-RFIDスキャナからの入力に基づいて、閉鎖構成を検出するように構成された制御回路を更に備える、実施例1~9のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例11-制御回路に結合されたインジケータを更に備える、実施例10に記載の外科用器具。制御回路は、インジケータに閉鎖構成を示す警告を発行させるように構成されている。
・実施例12-ロックアウトアセンブリを更に備える、実施例1~11のいずれか1つに記載の外科用器具。ロックアウトアセンブリは、第1の状態と第2の状態との間で遷移するように構成されている。第1の状態では、ロックアウトアセンブリは、並進部材の並進を可能にするように構成されている。第2の状態では、ロックアウトアセンブリは、並進部材の並進を防止するように構成されている。
・実施例13-RFIDスキャナからの入力に基づいて、第1の状態と第2の状態との間で選択するように構成された制御回路を更に備える、実施例12に記載の外科用器具。
・実施例14-RFIDスキャナとRFIDタグとの間の信号の損失に基づいて、ステープル留めヘッドアセンブリからのアンビルの取り外しを検出するように構成された制御回路を更に備える、実施例1~13のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例15-シャフトアセンブリと、シャフトアセンブリの遠位端に位置するステープル留めヘッドアセンブリと、ステープル留めヘッドアセンブリと結合可能なアンビルと、を備える、外科用器具。ステープル留めヘッドアセンブリは、ステープルカートリッジと、RFIDスキャナと、を備える。ステープルカートリッジは、カートリッジデッキを備える。ステープル留めヘッドアセンブリは、ステープルカートリッジからカートリッジデッキを介してステープルを駆動するように動作可能である。ステープルカートリッジは、第1のRFIDタグを備える。第1のRFIDタグは、ステープルカートリッジに関する情報を記憶するように適合されている。RFIDスキャナは、ステープル留めヘッドアセンブリに保持されたステープルカートリッジの第1のRFIDタグを検出するように構成されている。アンビルは、ステープル留めヘッドアセンブリに対して閉鎖構成に向かって並進可能である。アンビルは、第2のRFIDタグを備える。第2のRFIDタグは、アンビルに関する情報を記憶するように適合されている。RFIDスキャナは、閉鎖構成で第2のRFIDタグを検出するように構成されている。
・実施例16-RFIDスキャナに結合された制御回路を更に備える、実施例15に記載の外科用器具。制御回路は、第1のRFIDタグに記憶された情報及び第2のRFIDタグに記憶された情報に基づいて、アンビルとステープルカートリッジとの間の適合性を判定するように構成されている。
・実施例17-RFIDスキャナに結合された制御回路を更に備える、実施例15又は16に記載の外科用器具。制御回路は、第1のRFIDタグに記憶された情報に基づいて、ステープルカートリッジの発射状態を判定するように構成されている。
・実施例18-第1のRFIDタグ及び第2のRFIDタグからRFIDスキャナに送信された信号に基づいて、ステープル留めヘッドアセンブリに対するアンビルの適切な着座向きを検出するように構成された制御回路を更に備える、実施例15~17のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例19-ハウジングと、ハウジングから遠位に延びるシャフトアセンブリと、シャフトアセンブリの遠位端に位置するステープル留めヘッドアセンブリと、ステープル留めヘッドアセンブリと結合可能なアンビルと、RFIDシステムと、を備える、外科用器具。ステープル留めヘッドアセンブリは、遠位表面を備える。ステープル留めヘッドアセンブリは、遠位表面を介してステープルの環状アレイを駆動するように動作可能である。アンビルは、ステープル留めヘッドアセンブリに対して、それらの間に組織を捕捉するように閉鎖構成に向かって並進可能である。RFIDシステムは、RFIDスキャナと、アンビルに関する情報を記憶するように適合されたRFIDタグと、を備える。RFIDタグは、閉鎖構成で、情報を示すRF信号をRFIDスキャナに送信するように構成されている。外科用器具は、RFIDスキャナに結合された制御回路を更に備える。制御回路は、組織からのRF信号後方散乱に基づいて、組織の特性を判定するように構成されている。
・実施例20-特性が、組織厚である、実施例19に記載の外科用器具。
【0205】
実施例セット2
・実施例1-エンドエフェクタと、シャフトと、ハウジングと、を備える、外科用器具。エンドエフェクタは、アンビルと、アンビルに向かって、かつアンビルとステープルカートリッジとの間に把持された組織を通して展開可能なステープルを含むステープルカートリッジと、組織を切断するように構成された切断部材と、エンドエフェクタ情報を記憶するように構成された第1の無線周波数識別(RFID)タグと、を備える。シャフトは、第1の取り付けられた構成と第1の取り外された構成との間でエンドエフェクタとともに選択的に遷移可能な遠位部分と、遠位部分の近くにある第1のRFIDスキャナと、近位部分と、シャフト情報を記憶するように構成された第2のRFIDタグと、を備える。第1のRFIDスキャナは、第1の取り付けられた構成で第1のRFIDタグを検出するように構成されている。ハウジングは、第2の取り付けられた構成と第2の取り外された構成との間でシャフトの近位部分とともに選択的に遷移可能である。ハウジングは、第2の取り付けられた構成で第2のRFIDタグを検出するように構成された第2のRFIDスキャナと、エンドエフェクタに負荷を加えて組織をステープル留め及び切断するように構成されたモータと、制御回路と、を備える。制御回路は、エンドエフェクタ情報を示す第1のRFIDスキャナからの入力を受信し、シャフト情報を示す第2のRFIDスキャナからの入力を受信し、エンドエフェクタ情報及びシャフト情報に基づいて、モータの少なくとも1つの動作パラメータを調整するように構成されている。
・実施例2-エンドエフェクタ情報が、ステープルカートリッジサイズを示す、実施例1に記載の外科用器具。シャフト情報は、シャフトプロファイルを示す。
・実施例3-制御回路が、ステープルカートリッジサイズ及びシャフトプロファイルに基づいて、モータによってエンドエフェクタに加えられた負荷の最終最大負荷閾値を判定するように構成されている、実施例2に記載の外科用器具。
・実施例4-制御回路が、ステープルカートリッジサイズに基づく第1の調整値及びシャフトプロファイルに基づく第2の調整値だけ、デフォルト最大負荷閾値を調整することによって、最終最大負荷閾値を判定するように構成されている、実施例3に記載の外科用器具。
・実施例5-制御回路が、ステープルカートリッジサイズに基づく所定の期間、モータの作動を遅延させるように構成されている、実施例2~4のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例6-制御回路が、ユーザからの入力を受信し、ユーザ入力、エンドエフェクタ情報、及びシャフト情報のうちの少なくとも2つに基づいて、モータの少なくとも1つの動作パラメータを調整するように構成されている、実施例1~5のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例7-ユーザからの入力が、ユーザが選択した形態高さを含む、実施例6に記載の外科用器具。
・実施例8-エンドエフェクタと、ハウジングアセンブリと、を備える、外科用器具。エンドエフェクタは、アンビルと、アンビルに向かって、かつアンビルとステープルカートリッジとの間に把持された組織を通して展開可能なステープルを含むステープルカートリッジと、組織を切断するように構成された切断部材と、エンドエフェクタ情報を記憶するように構成された第1のRFIDタグと、を備える。ハウジングアセンブリは、取り付けられた構成と取り外された構成との間でエンドエフェクタとともに選択的に遷移可能なシャフトと、取り付けられた構成でRFIDタグを検出するように構成されたRFIDスキャナと、エンドエフェクタに負荷を加えて組織をステープル留め及び切断するように構成されたモータと、制御回路と、を備える。制御回路は、エンドエフェクタ情報を示すRFIDスキャナからの入力を受信し、エンドエフェクタ情報に基づいてモータの少なくとも1つの動作パラメータを調整するように構成されている。
・実施例9-エンドエフェクタ情報が、ステープルカートリッジサイズを示す、実施例8に記載の外科用器具。
・実施例10-制御回路が、ステープルカートリッジサイズに基づいて、モータによってエンドエフェクタに加えられた負荷の最終最大負荷閾値を判定するように構成されている、実施例9に記載の外科用器具。
・実施例11-制御回路が、ステープルカートリッジサイズに基づく調整値だけ、デフォルト最大負荷閾値を調整することによって、最終最大負荷閾値を判定するように構成されている、実施例10に記載の外科用器具。
・実施例12-制御回路が、ステープルカートリッジサイズに基づく所定の期間、モータの作動を遅延させるように構成されている、実施例9~11のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例13-制御回路が、ユーザからの入力を受信し、ユーザ入力及びエンドエフェクタ情報に基づいて、モータの少なくとも1つの動作パラメータを調整するように構成されている、実施例8~12のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例14-ユーザからの入力が、ユーザが選択した形態高さを含む、実施例13に記載の外科用器具。
・実施例15-エンドエフェクタと、シャフトと、ハウジングと、を備える、外科用器具。エンドエフェクタは、ステープル留めヘッドアセンブリと、エンドエフェクタを開放構成から閉鎖構成に遷移させるように、ステープル留めヘッドアセンブリに対して閉鎖距離移動可能なアンビルと、エンドエフェクタ情報を記憶するように構成された第1のRFIDタグと、を備える。組織は、閉鎖構成でアンビルとステープル留めヘッドアセンブリとの間に把持される。シャフトは、第1の取り付けられた構成と第1の取り外された構成との間でエンドエフェクタとともに選択的に遷移可能な遠位部分と、遠位部分の近くにある第1のRFIDスキャナと、近位部分と、シャフト情報を記憶するように構成された第2のRFIDタグと、を備える。第1のRFIDスキャナは、第1の取り付けられた構成で第1のRFIDタグを検出するように構成されている。ハウジングは、第2の取り付けられた構成と第2の取り外された構成との間でシャフトの近位部分とともに選択的に遷移可能である。ハウジングは、第2の取り付けられた構成で第2のRFIDタグを検出するように構成された第2のRFIDスキャナと、閉鎖運動を生成して、アンビルを閉鎖距離移動させるように構成されたモータと、制御回路と、を備える。制御回路は、エンドエフェクタ情報を示す第1のRFIDスキャナからの入力を受信し、シャフト情報を示す第2のRFIDスキャナからの入力を受信し、エンドエフェクタ情報及びシャフト情報に基づいて、モータの少なくとも1つの動作パラメータを調整するように構成されている。
・実施例16-エンドエフェクタ情報が、ステープルカートリッジサイズを示す、実施例15に記載の外科用器具。シャフト情報は、シャフトプロファイルを示す。
・実施例17-制御回路が、ステープルカートリッジサイズ及びシャフトプロファイルに基づいて、閉鎖距離の最終最小閾値を判定するように構成されている、実施例16に記載の外科用器具。
・実施例18-制御回路が、ステープルカートリッジサイズに基づく第1の調整値及びシャフトプロファイルに基づく第2の調整値だけ、閉鎖距離のデフォルト最小閾値を調整することによって、閉鎖距離の最終最小閾値を判定するように構成されている、実施例17に記載の外科用器具。
・実施例19-制御回路が、エンドエフェクタ情報及びシャフト情報に基づいて、アンビルのユーザ選択可能な閉鎖距離範囲を調整するように構成されている、実施例15に記載の外科用器具。
【0206】
実施例セット3
・実施例1-電池を解放可能に保持するように構成された電池インターフェースと、電池インターフェースに配置された無線周波数識別スキャナと、制御回路と、を含む、ハウジングアセンブリを備える、外科用器具。無線周波数識別スキャナは、電池から情報を受信するように構成されている。制御回路は、電池から受信した情報に基づいて、外科用器具との電池の適合性を判定するように構成されている。
・実施例2-ハウジングアセンブリが、組み立てられた構成で電池を受け入れるように構成されている、実施例1に記載の外科用器具。
・実施例3-無線周波数識別スキャナが、組み立てられた構成で電池の無線周波数識別タグからの情報を受信するように更に構成されている、実施例2に記載の外科用器具。
・実施例4-電池を更に備える、実施例2に記載の外科用器具。電池は、組み立てられた構成で無線周波数識別スキャナの検出範囲内の無線周波数識別タグを備える。
・実施例5-無線周波数識別タグが、電池識別番号、電池の製造業者、電池の化学的性質、電池が充電可能であるかどうか、電池の容量、電池の公称電圧、電池の電流引き込み特性、及び電池の出力特性のうちの少なくとも1つを記憶する、実施例4に記載の外科用器具。
・実施例6-制御回路が、無線周波数識別スキャナに電気的に接続されたプロセッサと、プロセッサに電気的に接続されたメモリと、を備える、実施例1~5のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例7-メモリが、適合性データベース及びルックアップテーブルのうちの少なくとも1つを記憶する、実施例6に記載の外科用器具。
・実施例8-ハウジングアセンブリ内に配置された電気モータを更に備える、実施例1~7のいずれか1つに記載の外科用器具。制御回路は、電気モータの動作を電子的にロックアウトするように更に構成されている。
・実施例9-電池インターフェースと、電池インターフェースに配置された無線周波数識別タグと、ハウジングアセンブリ内に配置された電気モータと、電気モータに電気的に結合可能な電池と、制御回路と、を含む、ハウジングアセンブリを備える、外科用器具。電池は、無線周波数識別スキャナを備える。無線周波数識別スキャナは、ハウジングアセンブリと組み立てられた構成で、外科用器具の無線周波数識別タグからの情報を受信するように構成されている。制御回路は、無線周波数識別タグから受信した情報に基づいて、電池との外科用器具の適合性を判定するように構成されている。
・実施例10-無線周波数識別タグが、外科用器具識別番号、外科用器具の製造業者、外科用器具のタイプ、電気モータのタイプ、外科用器具の性能能力、及び外科用器具に存在する制御アルゴリズムのうちの少なくとも1つを記憶する、実施例9に記載の外科用器具。
・実施例11-制御回路が、無線周波数識別スキャナに電気的に接続されたプロセッサと、プロセッサに電気的に接続されたメモリと、を備える、実施例9又は10に記載の外科用器具。
・実施例12-メモリが、適合性データベース及びルックアップテーブルのうちの少なくとも1つを記憶する、実施例11に記載の外科用器具。
・実施例13-外科用器具が、電池内に配置された第2の無線周波数識別タグと、電池インターフェースに配置された第2の無線周波数識別スキャナと、第2の制御回路と、を更に備える、実施例9~12のいずれか1つに記載の外科用器具。第2の無線周波数識別スキャナは、組み立てられた構成で第2の無線周波数識別タグからの情報を受信するように構成されている。第2の無線周波数識別タグから受信した情報に基づいて、外科用器具との電池の適合性を判定するように構成された第2の制御回路。
・実施例14-ハウジングアセンブリと、ハウジングアセンブリ内に配置された無線周波数識別スキャナと、制御回路と、を備える、外科用器具。ハウジングアセンブリは、第1の電池がハウジングアセンブリから取り外された後に、第1の電池及び第2の電池を受け入れるように構成されている。第2の電池の出力特性は、第1の電池の出力特性とは異なる。制御回路は、外科用器具の動作を調整して、第2の電池に第1の電池の出力特性を模倣させるように構成されている。
・実施例15-第1の電池の出力特性のうちの少なくとも1つが、第1の電池の電圧を含む、実施例14に記載の外科用器具。
・実施例16-第1の電池の出力特性のうちの少なくとも1つが、第1の電池から引き出される電流を含む、実施例14又は15に記載の外科用器具。
・実施例17-第1の電池の出力特性のうちの少なくとも1つが、第1の電池の出力容量を含む、実施例14~16の少なくとも1つに記載の外科用器具。
・実施例18-第1の電池の出力特性のうちの少なくとも1つが、第1の電池によって提供される電力を含む、実施例14~17の少なくとも1つに記載の外科用器具。
・実施例19-無線周波数識別スキャナが、第1の電池からの第1の情報、及び第2の電池からの第2の情報を受信するように構成されている、実施例14~18の少なくとも1つに記載の外科用器具。
・実施例20-制御回路が、無線周波数識別スキャナに電気的に接続されたプロセッサと、プロセッサに電気的に接続されたメモリと、を備える、実施例14~19の少なくとも1つに記載の外科用器具。
【0207】
実施例セット4
・実施例1-組織を処置するように動作可能なエンドエフェクタと、エンドエフェクタから近位に延びるシャフトと、シャフトから近位に延びるハウジングアセンブリと、を備える、外科用器具。ハウジングアセンブリは、無線周波数識別(RFID)スキャナと、組み立てられた構成でモータアセンブリ区画によって互換的に保持されたモータアセンブリを備えるモータアセンブリ区画と、を備える。モータアセンブリは、組み立てられた構成と組み立てられていない構成との間でモータアセンブリ区画に対して移動可能である。モータアセンブリは、エンドエフェクタを駆動して組織を処置するように構成されたモータと、組み立てられた構成でRFIDスキャナによって検出可能なRFIDタグと、を備える。RFIDタグは、モータアセンブリ情報を記憶する。
・実施例2-組み立てられた構成でRFIDスキャナからの入力を受信するように構成された制御回路を更に備え、入力が、モータアセンブリ情報を示す、実施例1に記載の外科用器具。
・実施例3-制御回路が、モータアセンブリ情報に基づいて、モータの少なくとも1つの動作パラメータを調整するように更に構成されている、実施例2に記載の外科用器具。
・実施例4-制御回路が、モータアセンブリ情報に基づいて、外科用器具の制御アルゴリズムを選択するように更に構成されている、実施例2又は3に記載の外科用器具。
・実施例5-制御回路が、各々が異なるモータアセンブリ情報に関連付けられた制御アルゴリズムから制御アルゴリズムを選択するように更に構成されている、実施例4に記載の外科用器具。
・実施例6-制御回路が、モータアセンブリ情報に基づいて、モータ設定を判定するように更に構成されている、実施例2~5のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例7-モータアセンブリが、モータに動作可能に結合されたギアボックスを備える、実施例1~6のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例8-モータアセンブリ情報が、ギアボックス情報及びモータ情報を含む、実施例7に記載の外科用器具。
・実施例9-組み立てられた構成でモータアセンブリに結合された電源を更に備える、実施例1~8のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例10-電源が、モータにエンドエフェクタを駆動させて組織を処置するための電力出力を生成するように構成されている、実施例9に記載の外科用器具。
・実施例11-制御回路が、モータアセンブリ情報に基づいて、電力出力の値を判定するように更に構成されている、実施例10に記載の外科用器具。
・実施例12-組織を処置するように動作可能なエンドエフェクタと、エンドエフェクタから近位に延びるシャフトと、シャフトから近位に延びるハウジングアセンブリと、を備える、外科用器具。ハウジングアセンブリは、無線周波数識別(RFID)スキャナと、組み立てられた構成でモータアセンブリ区画によって互換的に保持されたモータアセンブリを備えるモータアセンブリ区画と、を備える。モータアセンブリは、組み立てられた構成と組み立てられていない構成との間でモータアセンブリ区画に対して移動可能である。モータアセンブリは、エンドエフェクタを駆動して組織を処置するように構成されたモータと、組み立てられた構成でRFIDスキャナの検出範囲に又は検出範囲内に配置されたRFIDタグと、を備える。RFIDタグは、モータアセンブリ情報を記憶する。
・実施例13-組み立てられた構成でRFIDスキャナからの入力を受信するように構成された制御回路を更に備え、入力が、モータアセンブリ情報を示す、実施例12に記載の外科用器具。
・実施例14-制御回路が、モータアセンブリ情報に基づいて、モータの少なくとも1つの動作パラメータを調整するように更に構成されている、実施例13に記載の外科用器具。
・実施例15-制御回路が、モータアセンブリ情報に基づいて、外科用器具の制御アルゴリズムを選択するように更に構成されている、実施例13又は14に記載の外科用器具。
・実施例16-制御回路が、各々が異なるモータアセンブリ情報に関連付けられた制御アルゴリズムから制御アルゴリズムを選択するように更に構成されている、実施例15に記載の外科用器具。
・実施例17-制御回路が、モータアセンブリ情報に基づいて、モータ設定を判定するように更に構成されている、実施例13~16のいずれか1つに記載の外科用器具。
【0208】
実施例セット5
・実施例1-ハウジングアセンブリと、ハウジングアセンブリに結合されたシャフトアセンブリと、外科用器具に結合可能な構成要素に対応する無線周波数識別タグからの情報を受信するように構成された少なくとも1つの無線周波数識別スキャナと、制御回路と、を備える、外科用器具。制御回路は、各構成要素について、無線周波数識別タグから受信した情報に基づいて、構成要素の信頼性を判定するように構成されている。
・実施例2-情報が、構成要素の第1の構成要素の第1の識別情報及び構成要素の第2の構成要素の第2の識別情報を含む、実施例1に記載の外科用器具。少なくとも1つの無線周波数識別スキャナは、第1の構成要素のパッケージングの無線周波数識別タグからの第3の識別情報を受信するように構成されており、第3の識別情報は、暗号化されている。
・実施例3-制御回路が、第3の識別情報を復号化して、第1の識別情報及び第2の識別情報を復号化された第3の識別情報と比較することによって、第1の構成要素及び第2の構成要素の信頼性を判定するように構成されている、実施例2に記載の外科用器具。
・実施例4-制御回路が、秘密鍵を用いて、第3の識別情報を復号化する、実施例3又は4に記載の外科用器具。
・実施例5-構成要素が、電池、アンビル、及びステープルカートリッジを含む、実施例1~4のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例6-ハウジングアセンブリが、電池を受け入れるように構成されている、実施例5に記載の外科用器具。
・実施例7-外科用器具が、ステープルカートリッジを受け入れるように構成されている、実施例5又は6に記載の外科用器具。
・実施例8-制御回路が、少なくとも1つの無線周波数識別スキャナに電気的に接続されたプロセッサと、プロセッサに電気的に接続されたメモリと、を備える、実施例1~7のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例9-メモリが、認証データベース、適合性データベース、及びルックアップテーブルのうちの少なくとも1つを記憶する、実施例8に記載の外科用器具。
・実施例10-制御回路が、構成要素のうちのいずれか1つに対する信頼性の欠如の判定に基づいて、外科用器具の動作を電子的にロックアウトするように更に構成されている、実施例1~9のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例11-制御回路が、サーバから受信した一時的なオーバーライドトークンに基づいて、外科用器具のロックアウトをオーバーライドするように更に構成されている、実施例10に記載の外科用器具。
・実施例12-一時的なオーバーライドトークンが、構成要素のうちのいずれか1つに関連付けられたクイックレスポンスコード及び構成要素のうちのいずれか1つに関連付けられた製品コードのうちの少なくとも1つに基づく、実施例11に記載の外科用器具。
・実施例13-制御回路が、各構成要素について、無線周波数識別タグから受信した情報に基づいて、構成要素が外科用器具と適合性があるかどうかを判定するように更に構成されている、実施例1~12のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例14-制御回路が、無線周波数識別タグから受信した情報に基づいて、構成要素のうちの1つが構成要素のうちの別の1つと適合性があるかどうかを判定するように更に構成されている、実施例1~13のいずれか1つに記載の外科用器具。
・実施例15-制御回路が、サーバから受信した一時的なオーバーライドトークンに基づいて、外科用器具のロックアウトをオーバーライドするように更に構成されている、実施例1に記載の外科用器具。
・実施例16-第1の識別情報を備える外科用器具と、外科用器具に結合可能な電池パックと、制御回路と、を備える、外科用アセンブリ。電池パックは、外科用器具と組み立てられた構成で外科用器具にエネルギーを伝送するように構成されている。電池パックは、第2の識別情報を記憶する電池RFIDタグを備える。制御回路は、外科用器具のパッケージングのRFIDタグに記憶された暗号化された第3の識別情報を示す入力を受信し、第3の識別情報を復号化し、第1の識別情報及び第2の識別情報を復号化された第3の識別情報と比較することによって、外科用器具及び電池パックの信頼性を判定するように構成されている。
・実施例17-制御回路が、第1の識別情報及び第2の識別情報に基づいて、外科用器具との電池パックの適合性を判定するように更に構成されている、実施例16に記載の外科用アセンブリ。
・実施例18-制御回路が、プロセッサと、プロセッサに電気的に接続されたメモリと、を備える、実施例16又は17に記載の外科用アセンブリ。メモリは、適合性データベース及びルックアップテーブルのうちの少なくとも1つを記憶する。
・実施例19-外科用器具構成要素と、外科用器具と、を備える、外科用アセンブリ。外科用器具構成要素は、外科用器具構成要素の第1の識別情報を記憶するRFIDタグを備える。外科用器具構成要素は、組み立てられた構成と組み立てられていない構成との間で外科用器具に解放可能に結合可能である。外科用器具は、第1の識別情報を読み取るように構成されたRFIDスキャナと、RFIDスキャナに結合された制御回路と、を備える。制御回路は、第1の識別情報に基づいて、外科用器具との外科用器具構成要素の不適合性を検出し、外科用器具構成要素の第2の識別情報を取得し、第2の識別情報に基づいて、一時的なオーバーライドトークンを取得し、一時的なオーバーライドトークンを用いて、不適合性検出をバイパスするように構成されている。
・実施例20-第2の識別情報が、外科用器具構成要素のシリアルナンバーである、実施例19に記載の外科用アセンブリ。
・実施例21-QRコードが、第2の識別情報を含む、実施例19又は20に記載の外科用アセンブリ。
【0209】
いくつかの形態が例示され説明されてきたが、添付の「特許請求の範囲」をそのような詳述に制限又は限定することは、本出願人が意図するところではない。多くの修正、変形、変更、置換、組み合わせ及びこれらの形態の等価物を実装することができ、本開示の範囲から逸脱することなく当業者により想到されるであろう。更に、記述する形態に関連した各要素の構造は、その要素によって実施される機能を提供するための手段として代替的に説明することができる。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。したがって、上記の説明文及び添付の特許請求の範囲は、すべてのそのような修正、組み合わせ、及び変形を、開示される形態の範囲に含まれるものとして網羅することを意図としたものである点を理解されたい。添付の特許請求の範囲は、すべてのそのような修正、変形、変更、置換、修正、及び等価物を網羅することを意図する。
【0210】
上記の詳細な説明は、ブロック図、フロー図及び/又は実施例を用いて、装置及び/又はプロセスの様々な形態について記載してきた。そのようなブロック図、フロー図及び/又は実施例が1つ若しくは2つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、当業者に理解されたいこととして、そのようなブロック図、フロー図及び/又は実施例に含まれる各機能及び/又は動作は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの事実上の任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は集合的に実装することができる。当業者には、本明細書で開示される形態のうちのいくつかの態様の全部又は一部が、1台若しくは2台以上のコンピュータ上で稼働する1つ若しくは2つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1台若しくは2台以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ若しくは2つ以上のプログラムとして)、1つ若しくは2つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ若しくは2つ以上のプログラムとして(例えば、1つ若しくは2つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ若しくは2つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、又はこれらの実質的に任意の組み合わせとして集積回路上で等価に実装することができ、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれることが理解されよう。加えて、当業者には理解されることとして、本明細書に記載した主題の機構は、多様な形態で1つ又は2つ以上のプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載した主題の具体的な形態は、配布を実際に実行するために使用される信号搬送媒体の特定のタイプにかかわらず適用される。
【0211】
様々な開示された態様を実施するように論理をプログラムするために使用される命令は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(dynamic random access memory、DRAM)、キャッシュ、フラッシュメモリ又は他のストレージなどのシステム内メモリに記憶され得る。更に、命令は、ネットワークを介して、又は他のコンピュータ可読媒体によって配布され得る。したがって、機械可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構が挙げられ得るが、フロッピーディスケット、光ディスク、コンパクトディスク、読み出し専用メモリ(compact disc,read-only memory、CD-ROM)、並びに磁気光学ディスク、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(erasable programmable read-only memory、EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)、磁気若しくは光カード、フラッシュメモリ又は、電気的、光学的、音響的、若しくは他の形態の伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)を介してインターネットを介した情報の送信に使用される有形機械可読ストレージに限定されない。したがって、非一時的コンピュータ可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で電子命令又は情報を記憶又は送信するのに好適な任意のタイプの有形機械可読媒体が挙げられる。
【0212】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、用語「制御回路」は、例えば、ハードワイヤード回路、プログラマブル回路(例えば、1つ又は2つ以上の個々の命令処理コアを含むコンピュータプロセッサ、処理ユニット、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコントローラユニット、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、プログラマブル論理装置(programmable logic device、PLD)、プログラマブル論理アレイ(programmable logic array、PLA)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA))、状態機械回路、プログラマブル回路によって実行される命令を記憶するファームウェア、及びこれらの任意の組み合わせを指すことができる。制御回路は、集合的に又は個別に、例えば、集積回路(integrated circuit、IC)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、システムオンチップ(system on-chip、SoC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォンなどの、より大きなシステムの一部を形成する回路として具現化され得る。したがって、本明細書で使用されるとき、「制御回路」は、少なくとも1つの個別の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムによって構成された汎用コンピューティング装置(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成された汎用コンピュータ、又は本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリ装置(例えば、ランダムアクセスメモリの形態)を形成する電気回路及び/又は通信装置(例えばモデム、通信スイッチ、又は光-電気設備)を形成する電気回路を含むが、これらに限定されない。当業者は、本明細書で述べた主題が、アナログ形式若しくはデジタル形式、又はこれらのいくつかの組み合わせで実装されてもよいことを認識するであろう。
【0213】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「論理」という用語は、前述の動作のいずれかを実施するように構成されたアプリケーション、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又は回路を指し得る。ソフトウェアは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に記録されたソフトウェアパッケージ、コード、命令、命令セット、及び/又はデータとして具現化されてもよい。ファームウェアは、メモリ装置内のコード、命令、若しくは命令セット、及び/又はハードコードされた(例えば、不揮発性の)データとして具現化されてもよい。
【0214】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「構成要素」、「システム」、「モジュール」などという用語は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアのいずれかであるコンピュータ関連エンティティを指すことができる。
【0215】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「アルゴリズム」とは、所望の結果につながるステップの自己無撞着シーケンスを指し、「ステップ」とは、必ずしも必要ではないが、記憶、転送、組み合わせ、比較、及び別様に操作されることが可能な電気信号又は磁気信号の形態をとることができる物理量及び/又は論理状態の操作を指す。これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などとして言及することが一般的な扱い方である。これらの及び類似の用語は、適切な物理量と関連付けられてもよく、また単に、これらの量及び/又は状態に適用される便利な標識である。
【0216】
ネットワークとしては、パケット交換ネットワークが挙げられ得る。通信装置は、選択されたパケット交換ネットワーク通信プロトコルを使用して、互いに通信することができる。1つの例示的な通信プロトコルとしては、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)を使用して通信を可能にすることができるイーサネット通信プロトコルを挙げることができる。イーサネットプロトコルは、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)によって発行された2008年12月発行の表題「IEEE802.3 Standard」、及び/又は本規格の後のバージョンのイーサネット規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信装置は、X.25通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。X.25通信プロトコルは、International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector(ITU-T)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信装置は、フレームリレー通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。フレームリレー通信プロトコルは、Consultative Committee for International Telegraph and Telephone(CCITT)及び/又はthe American National Standards Institute(ANSI)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、送受信機は、非同期転送モード(Asynchronous Transfer Mode、ATM)通信プロトコルを使用して互いに通信することが可能であり得る。ATM通信プロトコルは、ATM Forumによって「ATM-MPLS Network Interworking 2.0」という題で2001年8月に公開されたATM規格及び/又は本規格の後のバージョンに準拠するか、又は互換性があり得る。当然のことながら、異なる及び/又は後に開発されたコネクション型ネットワーク通信プロトコルは、本明細書で等しく企図される。
【0217】
様々な態様では、本開示による制御回路のマイクロコントローラは、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、主マイクロコントローラ461は、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ若しくは2つ以上のPWMモジュール、1つ若しくは2つ以上のQEIアナログ、及び/又は12個のアナログ入力チャネルを備える1つ若しくは2つ以上の12ビットADCを含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
【0218】
別段の明確な定めがない限り、前述の開示から明らかなように、前述の開示全体を通じて、「処理すること(processing)」、「計算すること(computing)」、「算出すること(calculating)」、「判定すること(determining)」、「表示すること(displaying)」などの用語を使用する考察は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理(電子的)量として表現されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又は他のそのような情報記憶、伝送、若しくは表示装置内で物理量として同様に表現される他のデータへと操作し変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算装置のアクション及び処理を指していることが理解されよう。
【0219】
1つ又は2つ以上の構成要素が、本明細書中で、「ように構成される(configured to)」、「ように構成可能である(configurable to)」、「動作可能である/ように動作する(operable/operative to)」、「適合される/適合可能である(adapted/adaptable)」、「ことが可能である(able to)」、「準拠可能である/準拠する(conformable/conformed to)」などと言及され得る。当業者は、「ように構成される」は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の構成要素及び/又は非アクティブ状態の構成要素及び/又はスタンバイ状態の構成要素を包含し得ることを理解するであろう。
【0220】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハウジング部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの配向及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0221】
当業者は、一般に、本明細書で使用され、かつ特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して「オープンな」用語として意図されるものである(例えば、「含む(including)」という用語は、「~を含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「~を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「~を含むが、それらに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことを理解するであろう。更に、導入された請求項記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、かかる意図は当該請求項中に明確に記載され、またかかる記載がない場合は、かかる意図は存在しないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ又は2つ以上の(one or more)」という導入句を、請求項記載を導入するために含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞によって請求項記載を導入した場合に、たとえ同一の請求項内に「1つ又は2つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句及び「a」又は「an」という不定冠詞が含まれる場合であっても、かかる導入された請求項記載を含むいかなる特定の請求項も、かかる記載事項を1つのみ含む請求項に限定されると示唆されるものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つの」又は「1つ又は2つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。定冠詞を使用して請求項記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。
【0222】
加えて、導入された請求項記載において特定の数が明示されている場合であっても、かかる記載は、典型的には、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、一般的に、少なくとも2つの記載事項、又は2つ又は3つ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が使用される場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方及び/又はAとBとCのすべてなどを有するシステムを含む)。「A、B又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方及び/又はAとBとCのすべてなどを有するシステムを含む)。更に、典型的には、2つ又は3つ以上の選択的な用語を表すあらゆる選言的な語及び/又は句は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、明細書内であろうと、請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されよう。例えば、「A又はB」という句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されよう。
【0223】
添付の特許請求の範囲に関して、当業者は、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、様々な動作のフロー図がシーケンスで示されているが、様々な動作は、示されたもの以外の順序で実施されてもよく、又は同時に実施されてもよいことが理解されるべきである。かかる代替の順序付けの例は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割り込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆又は他の異なる順序付けを含んでもよい。更に、「~に応答する」、「~に関連する」といった用語、又は他の過去時制の形容詞は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、かかる変化形を除外することが意図されるものではない。
【0224】
「一態様」、「態様」、「例示」、「一例示」などへの任意の参照は、その態様に関連して記載される特定の機構、構造又は特性が少なくとも1つの態様に含まれると意味することは特記に値する。したがって、本明細書の全体を通じて様々な場所に見られる語句「一態様では」、「態様では」、「例示では」及び「一例示では」は、必ずしもすべてが同じ態様を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又は2つ以上の態様において任意の好適な様態で組み合わせることができる。
【0225】
本明細書で参照され、かつ/又は任意の出願データシートに列挙される任意の特許出願、特許、非特許刊行物、又は他の開示資料は、組み込まれる資料が本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0226】
要約すると、本明細書に記載した構想を用いる結果として得られる多くの利益が記載されてきた。1つ又は2つ以上の形態の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ又は2つ以上の形態は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な形態を様々な修正例とともに、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用することを可能にするようにするために、選択及び記載されたものである。本明細書とともに提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
【0227】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
組織を処置するように動作可能なエンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタから近位方向に延在するシャフトと、
前記シャフトから近位方向に延在するハウジングアセンブリであって、
無線周波数識別(RFID)スキャナと、
モータアセンブリ区画であって、組み立てられた構成で前記モータアセンブリ区画によって互換的に保持されたモータアセンブリを備え、前記モータアセンブリが、前記組み立てられた構成と組み立てられていない構成との間で前記モータアセンブリ区画に対して移動可能であり、前記モータアセンブリが、
前記エンドエフェクタを駆動して前記組織を処置するように構成されたモータと、
前記組み立てられた構成で前記RFIDスキャナによって検出可能なRFIDタグであって、モータアセンブリ情報を記憶する、RFIDタグと、を備える、モータアセンブリ区画と、を備える、ハウジングアセンブリと、を備える、外科用器具。
(2) 前記組み立てられた構成で前記RFIDスキャナからの入力を受信するように構成された制御回路を更に備え、前記入力が、前記モータアセンブリ情報を示す、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記制御回路が、前記モータアセンブリ情報に基づいて、前記モータの少なくとも1つの動作パラメータを調整するように更に構成されている、実施態様2に記載の外科用器具。
(4) 前記制御回路が、前記モータアセンブリ情報に基づいて、前記外科用器具の制御アルゴリズムを選択するように更に構成されている、実施態様2に記載の外科用器具。
(5) 前記制御回路が、各々が異なるモータアセンブリ情報に関連付けられた制御アルゴリズムから前記制御アルゴリズムを選択するように更に構成されている、実施態様4に記載の外科用器具。
【0228】
(6) 前記制御回路が、前記モータアセンブリ情報に基づいて、モータ設定を決定するように更に構成されている、実施態様2に記載の外科用器具。
(7) 前記モータアセンブリが、前記モータに動作可能に結合されたギアボックスを備える、実施態様1に記載の外科用器具。
(8) 前記モータアセンブリ情報が、
ギアボックス情報と、
モータ情報と、を含む、実施態様7に記載の外科用器具。
(9) 前記組み立てられた構成で前記モータアセンブリに結合された電源を更に備える、実施態様1に記載の外科用器具。
(10) 前記電源が、前記モータに前記エンドエフェクタを駆動させて前記組織を処置させるための電力出力を生成するように構成されている、実施態様9に記載の外科用器具。
【0229】
(11) 前記制御回路が、前記モータアセンブリ情報に基づいて、前記電力出力の値を決定するように更に構成されている、実施態様10に記載の外科用器具。
(12) 外科用器具であって、
組織を処置するように動作可能なエンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタから近位方向に延在するシャフトと、
前記シャフトから近位方向に延在するハウジングアセンブリであって、
無線周波数識別(RFID)スキャナと、
モータアセンブリ区画であって、組み立てられた構成で前記モータアセンブリ区画によって互換的に保持されたモータアセンブリを備え、前記モータアセンブリが、前記組み立てられた構成と組み立てられていない構成との間で前記モータアセンブリ区画に対して移動可能であり、前記モータアセンブリが、
前記エンドエフェクタを駆動して前記組織を処置するように構成されたモータと、
前記組み立てられた構成で前記RFIDスキャナの検出範囲に又は前記検出範囲内に配置されたRFIDタグであって、モータアセンブリ情報を記憶する、RFIDタグと、を備える、モータアセンブリ区画と、を備える、ハウジングアセンブリと、を備える、外科用器具。
(13) 前記組み立てられた構成で前記RFIDスキャナからの入力を受信するように構成された制御回路を更に備え、前記入力が、前記モータアセンブリ情報を示す、実施態様12に記載の外科用器具。
(14) 前記制御回路が、前記モータアセンブリ情報に基づいて、前記モータの少なくとも1つの動作パラメータを調整するように更に構成されている、実施態様13に記載の外科用器具。
(15) 前記制御回路が、前記モータアセンブリ情報に基づいて、前記外科用器具の制御アルゴリズムを選択するように更に構成されている、実施態様13に記載の外科用器具。
【0230】
(16) 前記制御回路が、各々が異なるモータアセンブリ情報に関連付けられた制御アルゴリズムから前記制御アルゴリズムを選択するように更に構成されている、実施態様15に記載の外科用器具。
(17) 前記制御回路が、前記モータアセンブリ情報に基づいて、モータ設定を決定するように更に構成されている、実施態様13に記載の外科用器具。
(18) 前記モータアセンブリが、前記モータに動作可能に結合されたギアボックスを備える、実施態様12に記載の外科用器具。
(19) 前記モータアセンブリ情報が、
ギアボックス情報と、
モータ情報と、を含む、実施態様18に記載の外科用器具。
(20) 前記組み立てられた構成で前記モータアセンブリに動作可能に結合された電源を更に備える、実施態様12に記載の外科用器具。
【0231】
(21) 前記電源が、前記モータに前記エンドエフェクタを駆動させて前記組織を処置させるための電力出力を生成するように構成されている、実施態様20に記載の外科用器具。
(22) 前記制御回路が、前記モータアセンブリ情報に基づいて、前記電力出力の値を決定するように更に構成されている、実施態様21に記載の外科用器具。
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