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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】ブリーザ構造
(51)【国際特許分類】
   F16H 57/027 20120101AFI20241015BHJP
【FI】
F16H57/027
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022019209
(22)【出願日】2022-02-10
(65)【公開番号】P2023116865
(43)【公開日】2023-08-23
【審査請求日】2023-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【弁理士】
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】梅木 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】稲田 雅之
【審査官】鷲巣 直哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-214530(JP,A)
【文献】特開2013-083300(JP,A)
【文献】特開2022-011952(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 57/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隔壁により内外が仕切られた隔室の内外の差圧を低減させるためのブリーザ構造であって、
前記隔壁の外側面に形成されたブリーザ室と、
前記ブリーザ室の外側面側における外壁に開孔され、当該ブリーザ室と外部とを連通させるブリーザ孔と、
前記ブリーザ孔に対して一端側において連通すると共に、他端側において外部に連通した開口部を備え、前記ブリーザ孔から前記開口部に向けて一方向に延びる通気路と、を有し、
前記通気路の中途に、前記一端側から前記他端側に向かうに連れて上方側に向けて延びるように形成された立上部が設けられており、
前記開口部が、前記ブリーザ孔よりも下方側に位置するように、前記通気路が、屈曲又は湾曲形成されていること、を特徴とするブリーザ構造。
【請求項2】
隔壁により内外が仕切られた隔室の内外の差圧を低減させるためのブリーザ構造であって、
前記隔壁の外側面に形成されたブリーザ室と、
前記ブリーザ室の外側面側における外壁に開孔され、当該ブリーザ室と外部とを連通させるブリーザ孔と、
前記ブリーザ孔に対して一端側において連通すると共に、他端側において外部に連通した開口部を備えた通気路と、
前記通気路の径方向外側の一部又は全部に亘って連続的あるいは間欠的に形成された空隙部と、を有し、
前記通気路の中途に、前記一端側から前記他端側に向かうに連れて上方側に向けて延びるように形成された立上部が設けられており、
前記開口部が、前記ブリーザ孔よりも下方側に位置するように、前記通気路が、屈曲又は湾曲形成されていること、を特徴とするブリーザ構造。
【請求項3】
前記ブリーザ孔よりも下方側にトルクコンバータが配されており、
前記開口部が、前記トルクコンバータの回転方向と向き合わない方向に開口されていること、を特徴とする請求項1又は2に記載のブリーザ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速機等を収容するケース(隔室)の内外における差圧を調整するブリーザ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、変速機を搭載した車両では、エンジンの動力が変速機に入力され、変速機で変速された動力が、デファレンシャルギヤ(作動装置)などを介して駆動輪に伝達される。これにより、車両が走行するものとされている。前記変速機には、例えば、無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)や有段式の自動変速機(AT:Automatic Transmission)などが広く利用されている。
【0003】
前記変速機は、トランスミッションケース(単にケースとも称する)に収容されており、当該ケース内には、各部の作動や潤滑のためのオイル(フルード)が封入されている。前記オイルは、車両の走行状態によって温度が変化し、前記オイルの温度変化に伴って、ケース内の圧力が変化する。従って、変速機を収容したケース内外の差圧を低減するために、当該ケースにはブリーザが設けられている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-273621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した特許文献1に記載の発明は、ケース(隔室とも称する)の上部にブリーザプラグが設けられており、当該ブリーザプラグによって変速機におけるケース内外の差圧を解消するものとされている。そのため、ブリーザプラグがケース外に突出し、変速機における回転径方向のサイズが大きくなる問題があった。そのため、変速機の車両への配置に制限があった。
【0006】
上記のような問題を解決するため、ブリーザプラグを用いないブリーザ構造が利用されている。前記ブリーザ構造は、ケースの隔壁にケース内外と連通するブリーザ室を設け、当該ブリーザ室を介して、ケース内外の差圧の調整を行うものとされている。前記ブリーザ室は、当該ブリーザ室を取り囲むようにケースに対して内側から外側に向けて突出形成された突出壁を有しており、当該突出壁の突出端が、ワッシャなどの蓋体で閉塞された構造をなしている。また、ブリーザ室は、前記突出壁の一部に外部に通じた開口を有しており、当該開口を通じて、ケース内外の差圧による呼吸を可能なものとしている。
【0007】
しかしながら、上記ブリーザ構造においては、例えば、過剰なオイルミストの噴出があった場合、凝結したオイルが、開口から垂れ、例えば、メンテナンスの際の作業者に視認される恐れがあった。かかる場合は、作業者が、オイル漏れと誤認する懸念があった。
【0008】
そこで、本発明は、ブリーザから出たオイル等の液体が、ブリーザ外部に漏出することを抑制可能なブリーザ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上述した課題を解決すべく提供される本発明のブリーザ構造は、隔壁により内外が仕切られた隔室の内外の差圧を低減させるためのブリーザ構造であって、前記隔壁の外側面に形成されたブリーザ室と、前記ブリーザ室の外側面側における外壁に開孔され、当該ブリーザ室と外部とを連通させるブリーザ孔と、前記ブリーザ孔に対して一端側において連通すると共に、他端側において外部に連通した開口部を備えた通気路と、を有し、前記通気路の中途に、前記一端側から前記他端側に向かうに連れて上方側に向けて延びるように形成された立上部が設けられていること、を特徴とするものである。
【0010】
上述したブリーザ構造は、通気路が、ブリーザ孔に対して一端側において連通すると共に、他端側において外部に連通した開口部を備えるものとされている。そのため、上述したブリーザ構造は、通気路の中途において、ブリーザ孔から排出されたオイル等の液体(単に、オイルとも称し、ミスト状に噴出したものも含む)の少なくとも一部を、通気路を通じて、隔室内に戻すことができる。また、上述したブリーザ構造は、通気路の中途に、一端側(ブリーザ孔側)から他端側に向かうに連れて上方側に向けて延びるように形成された立上部を備えている。そのため、上述したブリーザ構造は、立上部を通過するオイルを、凝結させることができ、凝結したオイルを重力によってブリーザ孔側に戻すことができる。すなわち、上述したブリーザ構造は、オイル及び気体の気液分離を行うことができ、隔室内外の差圧も解消できる。これにより、本発明のブリーザ構造は、ブリーザ外部へのオイルの漏出を抑制できるので、環境負荷を軽減できる。また、上述したブリーザ構造は、オイルを隔室側に戻すことができるので、オイルの減少を抑制できる。また、上述したブリーザ構造は、隔壁の外側面にブリーザ室が形成された構造を有するので、隔室(ケースとも称する)からのブリーザの突出量を大幅に低減できる。そのため、上述したブリーザ構造は、ブリーザを小型化でき、隔室の配置の自由度や汎用性を高めることができる。
【0011】
(2)上述した本発明のブリーザ構造は、前記開口部が、前記ブリーザ孔よりも下方側に位置するように、前記通気路が、屈曲又は湾曲形成されているとよい。
【0012】
上述したブリーザ構造は、通気路における屈曲又は湾曲形成された部分によって、開口部側からコンタミや水分等の異物が侵入することを抑制できる。また、上述したブリーザ構造は、開口部がブリーザ孔よりも下方側に位置するので、開口部からブリーザ孔へ異物が逆流することを抑制できる。
【0013】
(3)上述した本発明のブリーザ構造は、前記開口部が、前記ブリーザ孔よりも下方側に位置するように、前記通気路が、円周方向に湾曲形成されているとよい。また、上述したブリーザ構造は、開口部がブリーザ孔よりも下方側に位置するので、開口部からブリーザ孔へ異物が逆流することを抑制できる。
【0014】
上述したブリーザ構造は、通気路の湾曲部分によって、開口部側からコンタミや水分等の異物が侵入することを抑制できる。また、上述したブリーザ構造は、通気路が円周方向に湾曲形成されているので、例えば、通気路を蓋体で覆う場合に、例えば、蓋体として汎用のワッシャ等を利用できる。
【0015】
(4)上述した本発明のブリーザ構造は、前記立上部が、前記ブリーザ孔よりも上方側まで到達するように形成されていること、を特徴とするとよい。
【0016】
上述したブリーザ構造は、かかる構成とすることにより、オイルが立上部を通過する間(上方側に到達するまでの間)に当該オイルを凝結させることができる。そのため、上述したブリーザ構造は、ブリーザ孔から漏出したオイルを、重力によってブリーザ孔側に戻すことができるので、オイルの外部への漏出を抑制できる。
【0017】
(5)上述した本発明のブリーザ構造は、前記通気路が、前記立上部よりも前記開口部側において、前記一端側から前記他端側に向かうに連れて下方側に向けて延びる立下部を有するとよい。
【0018】
上述したブリーザ構造は、立下部を有するので、開口部側からの異物(コンタミや水分等)の侵入を抑制できる。すなわち、上述したブリーザ構造では、立下部が障壁となって、異物の通気路への逆流が抑制される。
【0019】
(6)上述した本発明のブリーザ構造は、前記通気路が、前記外壁の表面側に溝部として形成されると共に、当該溝部の開放端側が蓋体によって覆われているとよい。
【0020】
上述したブリーザ構造は、かかる構成とすることにより、通気路を容易に形成できる。すなわち、上述したブリーザ構造は、ブリーザ室の外側面側の外壁に、例えば、切削や鋳造により溝部を形成し、当該溝部の開放端側を蓋体で覆うことにより、通気路を形成できる。ここで、蓋体は、通気路の形状や大きさに応じて、各種の形状や大きさのものを利用できる。例えば、通気路が円周方向に湾曲形成されている場合は、汎用のワッシャを蓋体として溝部の開放端側を閉塞することができる。このようにワッシャを蓋体として利用する場合は、蓋体の加工性向上やコスト低減効果が期待できる。
【0021】
(7)上述した本発明のブリーザ構造は、前記溝部及び前記蓋体の境界部において、前記溝部の開放端及び前記蓋体の内側面のいずれか一方又は双方に空隙部が形成されているとよい。
【0022】
上述したブリーザ構造は、かかる構成とすることにより、隔室からオイルが排出された場合であっても、オイルを空隙部に保持することができる。これにより、上述したブリーザ構造は、ブリーザからのオイルの漏出を抑制できる。また、空隙部に保持されたオイルは、ブリーザ室を通じて、再び隔室内に戻される。ここで、空隙部は、例えば、溝部における開放端側の溝壁、あるいは、当該溝壁と向き合う蓋体の内側面に設けるとよい。これにより、溝部の内側(通気路)を通過するオイルの少なくとも一部が、空隙部に保持される。空隙部に保持されたオイルは、熱により乾燥したり、ブリーザ孔側に戻されたりすることにより、外部への漏出が抑制される。また、空隙部は、溝部及び蓋体の境界部に形成されているので、オイル垂れの外部からの視認を抑制できる。これにより、上述したブリーザ構造は、作業者等がオイル漏れと誤認することを抑制できる。ここで、空隙部は、凝結したオイルを許容できる隙間を有する各種の形状の空隙を採用することができる。また、空隙部は、溝部の少なくとも一部に亘って形成されていればよく、溝部及び蓋体の境界部の全域に亘って形成されていてもよい。また、空隙部は、例えば、溝部の開放端側を切削したり、蓋体の内側面を切削したりすることにより、容易に形成できる。
【0023】
(8)上述した本発明のブリーザ構造は、前記空隙部が、毛細管現象を発揮可能な隙間に形成されているとよい。
【0024】
上述したブリーザ構造は、かかる構成とすることにより、空隙部に確実にオイルを引き込むことができる。そのため、上述したブリーザ構造は、開口部からのオイル漏出を、より確実に抑制することができる。
【0025】
ここで、上述したブリーザ構造を搭載する車両は、例えば、ブリーザ孔よりも下方側にトルクコンバータが配されている。そのため、例えば、車両が浸水した場合、トルクコンバータ室が浸水し、トルクコンバータの回転により、水等の異物がかき上げられる懸念がある。かかる場合は、トルクコンバータの回転に伴って、トルクコンバータ室内に侵入した水等がブリーザ方向に跳ね上げられて、ブリーザの内部に侵入する懸念がある。
【0026】
(9)かかる課題を解決すべく、上述した本発明のブリーザ構造は、前記ブリーザ孔よりも下方側にトルクコンバータが配されており、前記開口部が、前記トルクコンバータの回転方向と向き合わない方向に開口されているとよい。
【0027】
上述したブリーザ構造は、かかる構成とすることにより、例えば、車両が浸水し、水等がトルクコンバータ室内に侵入した場合であっても、開口部から水等が侵入することを抑制できる。
【0028】
(10)上述した本発明のブリーザ構造は、前記隔室が、変速機を収容しているとよい。
【0029】
上述したブリーザ構造は、ブリーザプラグを設ける構成に比べて、ブリーザの隔室からの突出量を少なくすることができる。そのため、上述したブリーザ構造は、かかる構成とすることにより、変速機(トルクコンバータを含めてもよい)を小型化できる。また、上述したブリーザ構造は、オイル垂れが抑制されているので、変速機やエンジン等の修理の際に、ブリーザからのオイル垂れが、作業者等によって視認されることを抑制できる。そのため、作業者等が、ブリーザからのオイル垂れを、変速機からのオイル漏れと誤認することを抑制できる。ここで、上述したブリーザ構造に用いられる変速機は、例えば、無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)や有段式の自動変速機(AT:Automatic Transmission)などが例示される。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、ブリーザから出たオイル等の液体が、ブリーザ外部に漏出することを抑制可能なブリーザ構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施形態に係るブリーザ構造が適用された変速機をエンジン側から見た一部切欠き正面図である。
図2図1の要部拡大図である。
図3図1のブリーザ構造の蓋体を取り付けた状態の一部切欠き正面図である。
図4図1を広範囲に亘って見た正面図である。
図5】(a)は、図1のA-A方向断面矢視図であり、(b)は、図3のB-B方向矢視断面図である。
図6】本発明の変形例1に係るブリーザ構造の蓋体を取り外した状態の拡大正面図である。
図7】(a)は、図6のC-C方向矢視断面図であり、(b)は、変形例2に係るブリーザ構造において蓋体を状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態に係るブリーザ構造1(ブリーザ1とも称する)について、図1図5を参照しつつ説明する。本実施形態では、ブリーザ構造1が、車両の変速機2(変速ユニット2)を収容するケース3に配される場合を例として説明する。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態に係るブリーザ構造1が適用された変速機2を前方側(エンジン側)から見た正面図である。なお、エンジンは、図示を省略している。また、図2は、図1の要部拡大正面図であり、図3は、蓋体30を取り付けた状態のブリーザ構造1の正面図である。
【0034】
図1図4に示すように、変速機2は、車両(図示せず)に搭載されており、走行用の駆動源として設けられたエンジンの動力を変速させるためのものである。変速機2は、トルクコンバータ4を備えている。変速機2には、例えば、無段変速機(CVT)や有段式の自動変速機(AT)が用いられる。
【0035】
図5(a)及び図5(b)に示すように、変速機2は、変速機本体を収容する外殻としてのケース3を備えている。ケース3は、隔壁6で内外が仕切られることにより隔室5を形成している。ケース3は、例えばアルミ合金等の金属で形成されており、ダイカスト法等によって鋳造されている。
【0036】
また、ケース3は、隔室5の外部側(エンジン側)に延びるように形成された周壁8を有している。隔壁6の前方側で周壁8に囲まれた空間は、トルコン室7として、トルクコンバータ4(図1参照)を収容している。トルコン室7は、外部と連通しており、トルコン室7の内部は、図示しない適宜の開口により大気開放されている。
【0037】
図1に示すように、トルクコンバータ4は、トルコン室7(図5参照)に収容されており、隔壁6の外側における下方側に配されている。詳細は後述するが、本実施形態では、トルクコンバータ4が、ブリーザ構造1におけるブリーザ孔15の下方側に配されている。なお、本実施形態では、トルクコンバータ4の回転方向が、変速機2の後方側から見て時計回り方向(図1及び図2における時計回り方向)に設定されているものとして説明する。
【0038】
図5(a)及び図5(b)に示すように、隔室5は、変速機2の外周を取り囲むように筒状に形成されており、変速機室5を形成している。隔室5は、内部に変速機ユニット(図示せず)が収容されている。また、隔室5は、内部に変速機ユニットの潤滑油(オイル又はフルードとも称する)が充填されている。隔室5は、後述するブリーザ室10と連通している。隔室5は、隔壁6により外部と隔てられており、ブリーザ室10と連通している部分以外は、密閉されている。
【0039】
以上が、本発明のブリーザ構造1が搭載される変速機2の一実施形態に係る構成であり、次に本発明のブリーザ構造1について、以下に詳説する。
【0040】
図1図5に示すように、ブリーザ構造1は、ケース3における隔壁6に搭載されている。ブリーザ構造1は、隔室5の内外での差圧による呼吸を可能とし、前記差圧の調整を行うものとされている。具体的には、変速機室5の内圧が高まった場合は、変速機室5から外部に圧を逃がすことにより変速機室5の内外での差圧を低減するものとされている。一方、変速機室5の内圧が低下した場合は、変速機室5が吸気することにより、変速機室5の内外での差圧を低減するものとされている。
【0041】
ブリーザ構造1は、ブリーザ室10(図5参照)と、ブリーザ孔15と、ブリーザ孔15と連通する通気路20と、通気路20の一端側に形成された開口部25と、を備えている。また、ブリーザ構造1は、前記の他、蓋体30(図3参照)等を備えている。本実施形態では、ブリーザ構造1が、隔壁6の上端側寄りに配されている。
【0042】
図5(a)及び図5(b)に示すように、ブリーザ室10は、隔壁6の外側面に略円形状に形成されている。ブリーザ室10は、隔壁6の上端側に形成されている。ブリーザ室10は、変速機室5と開口(図示せず)を通じて連通している。また、ブリーザ室10は、外側面側に外壁11を有している。ブリーザ室10は、後述するブリーザ孔15及び開口部25を通じて、外部と連通している。
【0043】
外壁11は、隔壁6の一部をなし、略円形状に肉厚形成されている。外壁11には、ブリーザ孔15が形成されている。
【0044】
ブリーザ孔15は、外壁11を貫通するように、円形状に開口形成されている。ブリーザ孔15は、図1及び図2に示すように、外壁11を正面視した際に、外壁11の中心に対して左斜め下方側に位置するように配されている。また、ブリーザ孔15は、後述する通気路20の下端側に開口し、当該通気路20と連通している。
【0045】
通気路20は、外壁11の外側面を、例えば、溝状に切削することにより形成されており、溝部21を形成している。通気路20は、一端側の底面にブリーザ孔15が開口している。通気路20(溝部21)は、本実施形態では、円周方向に沿って、上方側に向けて湾曲形成されている。具体的には、通気路20は、ブリーザ孔15を起点として、周方向上方側に延びるように形成された立上部22と、周方向下方側に延びる立下部24と、立上部22及び立下部24との間に形成される湾曲部23と、を有している。また、通気路20は、立下部24の下端側に外部と連通する開口部25が形成されている。すなわち、通気路20の一端側は、上述のようにブリーザ孔15と連通しており、他端側は、後述する開口部25を通じて外部と連通している。
【0046】
立上部22は、通気路20の中途において、ブリーザ孔15が形成された一端側から他端側に向かうに連れて上方側に向けて延びるように形成されている。すなわち、立上部22は、ブリーザ孔15よりも上方側まで到達するように形成されている。そのため、立上部22は、オイルを含んだ気体が通過する間(上方側に到達するまでの間)に当該オイルを凝結させることができる。これにより、ブリーザ孔15を通じて排出されたオイルを含む気体(オイルミスト等)からオイルが分離される。分離されたオイルは、立上部22から落下してブリーザ孔15側に戻される。一方、オイルが分離された気体は、立上部22を上昇して、立下部24に導かれる。そのため、立上部22は、ブリーザ孔15から漏出したオイルを、重力によってブリーザ孔15側に戻すことができるので、オイルの外部への漏出を抑制できる。なお、立上部22は、上方側に向けて延びるように形成されていればよく、例えば、直線状のものや屈曲形成されたものなど、各種の形状に形成することが可能である。
【0047】
湾曲部23は、円周方向に沿って円弧状に湾曲形成されている。湾曲部23は、一端側が立上部22の上端側に連なって形成されており、他端側が後述する立下部24の上端側に連なって形成されている。すなわち、湾曲部23は、立上部22と立下部24との間を連絡するものとされている。
【0048】
立下部24は、一端側(上流側)が湾曲部23の下流側と連なって形成されている。立下部24は、他端側(下流側)に開口部25が開口形成されている。立下部24は、上流側から下流側に向かうに連れて下方側に向けて延びるように形成されている。そのため、立下部24は、開口部25側からの異物(コンタミや水分等)の侵入を抑制するものとされている。すなわち、本発明のブリーザ構造1では、立下部24が障壁となって、異物の通気路20への逆流が抑制される。
【0049】
開口部25は、立下部24の下端側に連なるように形成されており、外部(トルコン室7)と連通している。開口部25は、立下部24の下端側において、通気路20の径方向外側(図示右方向)に向けて開口形成されている。
【0050】
ここで、開口部25は、ブリーザ孔15よりも下方側に位置するように配されており、通気路20は、円周方向に沿って湾曲形成されている。そのため、本発明のブリーザ構造1は、開口部25から、コンタミや水分等の異物が侵入した場合であっても、通気路20の湾曲部分によって、異物のブリーザ孔15への侵入を抑制できる。また、本発明のブリーザ構造1は、開口部25がブリーザ孔15よりも下方側に位置するので、開口部25からブリーザ孔15へ異物が逆流することを抑制できる。
【0051】
また、開口部25は、トルクコンバータ4の回転方向(図1及び図2における時計回り方向)と向き合わない方向に開口されている。そのため、上述したブリーザ構造1は、例えば、車両が浸水してトルクコンバータ4内に水等が侵入したような場合であっても、トルクコンバータ4の回転によって跳ね上げられた水等が直接的に開口部25に侵入することを抑制できる。
【0052】
図3及び図5(b)に示すように、蓋体30は、通気路20(溝部21)の開放端側(上方側)を覆う大きさに形成されている。本実施形態では、溝部21が、略円形状に形成されているので、蓋体30もこれに合わせて円形状に形成されている。また、本実施形態では、蓋体30として、ワッシャとボルトとが一体的に形成されたワッシャ付きボルトが使用されている。
【0053】
蓋体30は、ボルトを外壁11の中央(通気路20の径方向内側)に形成されたネジ穴12(図5参照)にねじ込むことにより締結されている。これにより、溝部21は、開放端側が蓋体30により閉塞され、通気路20が形成される。蓋体30は、通気路20を通過するオイルを含んだ気体が、開口部25以外の部分から漏出することを抑制するものとされている。
【0054】
このように、本発明のブリーザ構造1は、溝部21の開放端側を蓋体30により閉塞することにより、通気路20を容易に形成できる。すなわち、通気路20は、ブリーザ室10の外側面側の外壁11に、例えば、切削や鋳造により溝部21を形成すると共に、当該溝部21の開放端側を蓋体30で覆うことにより形成できる。また、本実施形態では、溝部21が円周方向に湾曲形成されているので、蓋体30として、汎用のワッシャやワッシャ付きボルト等の利用が可能である。これにより、蓋体30の加工性向上やコスト低減効果が期待できる。
【0055】
以上が、本発明のブリーザ構造1に係る基本構成であり、次に、本発明のブリーザ構造1の作用効果について、以下に説明する。
【0056】
上述したように、本発明のブリーザ構造1は、通気路20が、ブリーザ孔15に対して一端側において連通すると共に、他端側において外部に連通した開口部25を備えるものとされている。そのため、本発明のブリーザ構造1は、通気路20の中途において、ブリーザ孔15から排出されたオイル等の液体(ミスト状に噴出したものも含む)の少なくとも一部を、通気路20を通じて、隔室5内に戻すことができる。
【0057】
また、本発明のブリーザ構造1は、通気路20の中途に、一端側から他端側に向かうに連れて上方側に向けて延びるように形成された立上部22を備えている。そのため、本発明のブリーザ構造1は、立上部22を通過するオイルを、凝結させることができ、凝結したオイルを重力によってブリーザ孔15側に戻すことができる。すなわち、本発明のブリーザ構造1は、オイル及び気体の気液分離を行うことができ、隔室5内外の差圧も解消できる。これにより、本発明のブリーザ構造1は、ブリーザ外部へのオイルの漏出を抑制できるので、環境負荷を軽減できる。
【0058】
また、本発明のブリーザ構造1は、オイルを隔室5側に戻すことができるので、オイルの減少を抑制できる。また、本発明のブリーザ構造1は、隔壁6の外側面にブリーザ室10が形成された構造を有するので、ブリーザプラグを設ける構成に比べて、隔室5(ケース3)からのブリーザ1の突出量を大幅に低減できる。そのため、本発明のブリーザ構造1は、ブリーザ1を小型化でき、隔室5の配置の自由度や汎用性を高めることができる。また、本発明のブリーザ構造1を、変速機2に適用することにより、変速機2(トルクコンバータ4を含めてもよい)の小型化が可能である。また、本発明のブリーザ構造1は、オイル垂れが抑制されているので、変速機2やエンジン等の修理の際に、ブリーザ1からのオイル垂れが、作業者等によって視認されることを抑制できる。そのため、作業者等が、ブリーザ1からのオイル垂れを、変速機2からのオイル漏れと誤認することを抑制できる。
【0059】
以上が、本発明のブリーザ構造1に係る基本構成であり、次に、蓋体30及び溝部21の境界部において、空隙部40が形成されたブリーザ構造1の変形例1及び変形例2について、図6及び図7を参照しながら以下に詳説する。なお、図6及び図7において、空隙部40は、実際よりも誇張して描いていることに留意されたい。また、以下の説明において、上述した実施形態と同一の部材については、同一の符号を用いていることに留意されたい。
【0060】
≪変形例1≫
図6及び図7(a)に示すように、変形例1に係るブリーザ構造1A(総称してブリーザ構造1とも称する)は、溝部21の径方向外側に位置する溝壁21Aの開放端に空隙部40A(総称して空隙部40とも称する)が形成されている。
【0061】
空隙部40Aは、溝壁21Aの円周方向に沿って、ブリーザ孔15の開口端側から開口部25の近傍に亘って形成されている。空隙部40Aは、例えば、溝壁21Aを切削加工等により掘り下げることにより、段状に形成されている。空隙部40Aは、例えば、毛細管現象(例えば、0.5~3mm、望ましくは1~2mm)を発揮可能な隙間に形成されている。そのため、空隙部40Aは、内部にオイルを引き込むことができる。このように、変形例1に係るブリーザ構造1Aは、空隙部40Aを備えることにより、開口部25からのオイル漏出を、より確実に抑制することができる。
【0062】
上述したように、ブリーザ構造1Aは、空隙部40Aを備えることにより、隔室5からオイルが排出された場合であっても、オイルを空隙部40Aに保持することができる。また、空隙部40Aに保持されたオイルは、熱により乾燥したり、ブリーザ孔15側に戻されたりすることにより、外部への漏出が抑制される。また、空隙部40Aは、溝部21及び蓋体30の境界部に形成されているので、オイル垂れの外部からの視認を抑制できる。これにより、上述したブリーザ構造1Aは、作業者等がオイル漏れと誤認することを抑制できる。
【0063】
以上が、変形例1に係るブリーザ構造1Aの構成であり、次に、空隙部40が蓋体30の内側面に形成された変形例2に係るブリーザ構造1Bについて、以下に詳説する。
【0064】
≪変形例2≫
図7(b)に示すように、変形例2に係るブリーザ構造1B(総称してブリーザ構造1とも称する)は、空隙部40B(総称して空隙部40とも称する)が、蓋体30の内側面に形成されている。
【0065】
空隙部40Bは、溝壁21Aと、蓋体30の内側面との境界部に形成されている。空隙部40Bは、蓋体30の内側面において、変形例1における空隙部40Aと向き合う位置に形成されている。すなわち、空隙部40Bは、溝壁21Aの径方向内側における上端と向き合うように形成されている。空隙部40Bは、変形例1と同様に、例えば、溝壁21Aを切削加工等により掘り下げることにより、段状に形成されている。また、空隙部40Bは、毛細管現象を発揮可能な隙間(例えば、0.5~3mm、望ましくは1~2mm)に形成されている。空隙部40Bにおける作用効果は、変形例1の空隙部40Bと同様であるので、説明を省略する。
【0066】
以上が、変形例2に係るブリーザ構造1Bの構成であるが、空隙部40Bや変形例1に係る空隙部40Aは、各種の変形を行うことができる。
【0067】
変形例1及び変形例2では、空隙部40が、溝部21の周方向略全域に亘って連続的に形成されているが、空隙部40は、溝部21の周方向の一部にのみ形成したり、間欠的に形成したりすることもできる。また、空隙部40が形成される位置や空隙部40の隙間は、オイルの特性等に応じて、適宜、変更することが可能である。また、変形例1における空隙部40Aは、径方向外側の溝壁21A及び径方向内側の溝壁21Bのいずれか一方又は双方に形成することが可能である。また、変形例2における空隙部40Bは、径方向外側の溝壁21A及び径方向内側の溝壁21Bのいずれか一方又は双方と向き合う位置に形成することが可能である。また、空隙部40は、オイルの保持性を高めるために、凹凸等が形成されていてもよい。また、空隙部40は、開口部25を形成する溝壁21Aや溝壁21Bに形成されていてもよい。
【0068】
以上が、本発明に係るブリーザ構造1の実施形態であるが、本発明のブリーザ構造1は、上述した実施形態や変形例に係るものに限定されるものではなく、様々な変形を行うことができる。
【0069】
本実施形態では、ブリーザ構造1が、変速機2に適用される場合について例示したが、これには限定されず、本発明のブリーザ構造1は、内外の差圧調整が必要な各種の装置に利用できる。
【0070】
本実施形態では、ブリーザ室10が円形状に形成されているが、ブリーザ室10は、各種の形状や大きさに形成することができる。例えば、ブリーザ室10が、楕円形状や多角形状に形成されていてもよい。また、ブリーザ室10は、適用する隔室5や隔壁14に応じて、各種の位置に配することができる。例えば、ブリーザ室10が、隔室5における周壁8に設けられていてもよい。また、本実施形態では、ブリーザ室10が単一のものを例示したが、ブリーザ室10が複数に分割形成されていてもよい。また、本実施形態では、隔壁6の外側面にブリーザ室10が形成されているが、使用する目的に応じて、ブリーザ室10を設ける面は、適宜変更することができる。
【0071】
本実施形態では、ブリーザ構造1が、上下方向に形成された隔壁6に形成されているものを例示したが、これには限定されない。例えば、傾斜方向や水平方向に形成された隔壁6に、ブリーザ構造1が配されていてもよい。このように、本発明のブリーザ構造1は、各種の方向に形成することができる。
【0072】
本実施形態では、ブリーザ孔15が、ブリーザ室10の下方側に形成されているが、ブリーザ孔15は、各種の位置に配することができる。かかる場合は、ブリーザ孔15に対して、通気路20を上方側に向けて形成できるようにすることが望ましい。また、ブリーザ孔15の大きさや形状は、ブリーザ孔15から排出されるオイル等の特性やブリーザ構造1が適用される場所等に応じて、適宜、変更できる。例えば、ブリーザ孔15が楕円形状や多角形状に形成されていてもよい。また、ブリーザ孔15は、壁面に対して直線状に形成されているものだけではなく、湾曲や屈曲して形成されていてもよい。
【0073】
本実施形態では、通気路20が、円周方向に沿うように上方に向けて湾曲形成されており、立上部22、湾曲部23、及び立下部24を有する構成を例示したが、これには限定されない。例えば、通気路20が、立上部22のみを有するものとしてもよい。また、通気路20は、円周方向に湾曲形成されているものだけではなく、各種の形状や大きさのものに変更できる。例えば、通気路20が中途で、屈曲形成されていてもよい。また、本実施形態では、通気路20が溝部21として形成され、溝部21が蓋体30によって閉塞される構成としたが、通気路20は、溝部21として形成されているものだけではなく、各種の形態で形成できる。例えば、通気路20が、孔状に形成されていてもよい。かかる場合は、蓋体30を廃すればよい。また、立下部24は、必要に応じて設ければよく、立下部24の形状や大きさも各種の形状のものとすることができる。
【0074】
また、本実施形態では、蓋体30により、溝部21の開放端側を閉塞する構成を例示したが、蓋体30を有しない(溝部21の開放端側が閉塞されていない)構成とすることも可能である。また、蓋体30の形状や大きさは、適宜変更できる。例えば、蓋体30が、楕円形状や多角形状に形成されていてもよく、蓋体30が、溝部21の一部のみを閉塞する構成としてもよい。また、蓋体30は、ワッシャとして形成されているものだけではなく、各種の部材を用いて形成できる。また、蓋体30は、ボルトによって締結させるものだけではなく、ピン等の各種の部材を用いて締結することが可能である。
【0075】
本実施形態では、開口部25が、ブリーザ孔15よりも下方側に位置するように、通気路20を形成しているが、これには限定されない。例えば、開口部25が、ブリーザ孔15の上方側に位置していてもよい。かかる場合は、開口部25に異物が侵入し難くなるような加工を施したり、開口部25の向きを変更したりすればよい。例えば、開口部25が、通気路20に沿う方向ではなく、通気路20と交差する方向に向けて形成されていてもよい。また、本実施形態では、開口部25が、トルクコンバータ4の回転方向と向き合わない方向に開口されているものを例示したが、開口部25の形成方向は、適宜変更できる。また、開口部25の周辺にトルクコンバータ4のような回転体が配され、当該回転体によってオイル等が跳ね上げられる場合は、跳ね上げられたオイル等が、開口部25に侵入し難い方向に向けて開口部25を形成することが望ましい。
【0076】
また、本変形例では、ブリーザ構造1が、溝部21及び蓋体30の境界部において、空隙部40を有するものを例示したが、ブリーザ構造1が空隙部40を有しない構成とすることもできる。空隙部40は、排出されるオイル等の特性やブリーザ構造1の形態に応じて設ければよい。また、空隙部40の形状や大きさは、適宜変更できる。また、空隙部40を設ける位置も適宜変更できる。例えば、空隙部40が、溝壁21Aの一部に設けられたり、溝壁21B側に設けられたりしてもよい。また、空隙部40は、溝壁21A、溝壁21B、及び蓋体30のいずれか1つ又は複数の組み合わせとして設けられていてもよい。また、空隙部40が、開口部25の内側あるいは、外側に形成されていてもよい。また、空隙部40は、毛細管現象を発揮可能な隙間に形成されているものだけではなく、オイル等液体を一定量保持可能なものであれば各種のものを利用できる。
【0077】
また、本実施形態では、変速機2におけるオイルの漏出を抑制する場合について例示したが、本発明のブリーザ構造1は、オイル以外の各種の液体の漏出抑制としても利用が可能である。例えば、隔室5内に侵入した水や異物等の垂れに対しても本発明のブリーザ構造1の適用が可能である。
【0078】
以上が、本発明に係るブリーザ構造の各種の実施形態や変形例であるが、本発明は上述した実施形態や変形例において例示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得ることは当業者に容易に理解できよう。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明のブリーザ構造は、各種のケース(隔室)の内外における差圧の調整に利用することができる。また、本発明のブリーザ構造は、無段変速機(CVT)や有段式の自動変速機(AT)などの各種の変速機を収容するケースに好ましく利用することができる。
【符号の説明】
【0080】
1 :ブリーザ構造(ブリーザ)
1A:ブリーザ構造(ブリーザ)
1B:ブリーザ構造(ブリーザ)
2 :変速機
3 :ケース
4 :トルクコンバータ
5 :隔室(変速機室)
6 :隔壁
10 :ブリーザ室
11 :外壁
15 :ブリーザ孔
20 :通気路
21 :溝部
22 :立上部
24 :立下部
25 :開口部
30 :蓋体(ワッシャ)
40 :空隙部
40A:空隙部
40B:空隙部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7