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特許7571076被試験デバイスを正確に評価するための方法および測定システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】被試験デバイスを正確に評価するための方法および測定システム
(51)【国際特許分類】
   G01R 29/10 20060101AFI20241015BHJP
【FI】
G01R29/10 A
G01R29/10 Z
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022067109
(22)【出願日】2022-04-14
(62)【分割の表示】P 2019569706の分割
【原出願日】2018-06-14
(65)【公開番号】P2022106786
(43)【公開日】2022-07-20
【審査請求日】2022-05-13
(31)【優先権主張番号】17176398.0
(32)【優先日】2017-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591037214
【氏名又は名称】フラウンホッファー-ゲゼルシャフト ツァ フェルダールング デァ アンゲヴァンテン フォアシュンク エー.ファオ
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
(72)【発明者】
【氏名】レザー ポール サイモン ホルト
(72)【発明者】
【氏名】アスカル ラメズ
(72)【発明者】
【氏名】阪口 啓
(72)【発明者】
【氏名】ハウシュタイン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ラッシュコフスキ レシェク
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-201007(JP,A)
【文献】特開2009-251856(JP,A)
【文献】国際公開第2006/103878(WO,A1)
【文献】特開2016-142609(JP,A)
【文献】特開2004-138505(JP,A)
【文献】特表2016-519450(JP,A)
【文献】特開2010-122044(JP,A)
【文献】米国特許第05825331(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験デバイス(DUT)(30;70)の放射中心基準(CORR)(52)を定義するステップ(110)であって、前記CORR(52)は前記DUT(30;70)で形成可能な電磁波パターン(56)の基準原点(54)を示し、且つ前記CORR(52)と前記基準原点(54)との間のオフセットに関する情報を含む、定義するステップと、
前記CORR(52)に対する3次元方位情報を決定するステップ(120)であって、前記3次元方位情報は前記電磁波パターン(56)の方向(58)を示す、決定するステップ(120)と、
前記CORR(52)および前記3次元方位情報を測定システム(80;80´)に提供するステップ(130)と、
を含む方法(100)であって、
前記CORR(52)を定義するステップは、
前記DUT(30;70)において基準マーカー(32)のセットを決定するステップ(210)であって、前記基準マーカー(32)のセットは、前記DUT(30;70)を見たときに視認可能、または前記DUTの外側からアクセス可能である、決定するステップ(210)と、
前記基準マーカー(32)を使用して座標系(36)を定義するステップ(220)と、
前記座標系(36)内で前記CORR(52)を定義するステップ(230)と、
を含み、
前記基準マーカー(32)のセットは、前記DUT(30;70)のディスプレイ、前記DUT(30;70)のレンズ、前記DUT(30; 70)の発光デバイス、電気ポート、電磁または磁気パターン、前記DUTの音響ポート(30;70)、前記DUT(30;70)のハウジングの正面、平面、コーナーおよびエッジ上に表示される光信号パターン(68)のうちの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項2】
前記CORR(52)は、前記基準原点(54)と比べると別の位置に配置されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電磁波パターンは前記被試験デバイスの通信のために形成可能なビームパターンを含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記電磁波パターンは前記DUTのアンテナアレイで形成することができる、請求項1~請求項3のうちの1項に記載の方法。
【請求項5】
前記基準マーカー(32)のセットは、紫外線マーカー、赤外線マーカー、温度の使用、または内蔵された磁気源の使用を含む、請求項1~請求項4のうちの1項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも第1および第2のCORR(52)は、前記DUT(30;70)の内側および/または外側および/または表面の異なる位置で定義され、前記3次元方位情報は少なくとも前記第1および第2のCORRについては単一のビームについて決定される、請求項1~請求項5のうちの1項に記載の方法。
【請求項7】
前記CORRは、前記DUT(30; 70)のマーカー(32)と相関するように定義される、または前記CORRは前記基準原点(54)と相関するように定義される、請求項1~請求項6のうちの1項に記載の方法。
【請求項8】
前記CORRを定義するステップは、
前記DUT(30;70)で形成可能な電磁波パターン(56)のセットを定義するステップ(410)であって、前記電磁波パターンのセットは前記電磁波パターン(56)を含む、定義するステップと、
前記電磁波パターンのセット内の各電磁波パターン(56)について、前記CORR(52)に対する前記電磁波パターン(56)の前記基準原点(54)のオフセットを決定するステップと、
を含む、請求項1~請求項7のうちの1項に記載の方法。
【請求項9】
前記3次元方位情報を決定するステップは、
前記3次元方位情報によって前記基準原点(54)、および前記CORR(52)に対する前記電磁波パターン(56)の方向(58)を示すことが可能になるように、
前記DUT(30;70)で形成可能な電磁波パターン(56)のセットを定義するステップ(410)であって、前記電磁波パターンのセットは前記電磁波パターン(56)を含む、定義するステップと、
基準方向に対する、前記電磁波パターン(56)の方向(58)の方向偏差を決定するステップ(420)と、
を含む、請求項1~請求項8のうちの1項に記載の方法。
【請求項10】
前記電磁波パターン(56)は、前記DUT(30;70)の少なくとも第1および第2のアンテナアレイ(441、442)で形成可能である、請求項1~請求項9のうちの1項に記載の方法。
【請求項11】
第1ビーム(561)は前記第1アンテナアレイ(441)で形成可能であり、第2ビーム(562)は前記第2アンテナアレイ(442)で形成可能であり、前記第1および第2のビームは、時間および周波数空間における共通パターンを少なくとも部分的に含み、ひいては前記第1ビーム(561)の前記基準原点(541)および前記第2ビーム(562)の前記基準原点(542)から離間して配置された基準原点(543)を含む第3ビーム(563)を形成する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
コンピュータ上で実行されると請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の方法を実行する命令を格納するコンピュータ可読媒体を含む、非一時的なコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被試験デバイス(DUT)をどのように評価するかについての情報を提供する方法、かかる情報を使用してDUTを評価する方法、DUTおよび測定システムに関する。本発明はさらに、コンピュータプログラムに関する。特に、本発明は、「放射中心基準CORR」および座標系を定義する方法、ならびに無線放射コンポーネントおよび無線受信コンポーネントならびに3D空間でのその位置決めに関する。CORRPを使用してDUTを正しい場所に配置することに加えて、DUTを適切に位置合わせすることもできる。
【背景技術】
【0002】
アンテナまたは多数のアンテナによって形成されるアンテナアレイの放射中心は、当業者によく知られている用語であり、IEEE Std 145-2013「アンテナの用語の定義に関するIEEE標準規格」[参考文献1]で定義されている。
【0003】
たとえば、ビーム(放射ビームパターン)の特性評価のためのOver-the-Air(OTA)測定では、プローブが被試験デバイス(DUT)の周囲に分布している。放射するDUTおよびその周囲にある測定プローブの位置に関する知識、ならびに両者の間のあらゆる距離に関する知識を使用すれば、放射ビームパターンは、たとえば、DUTの回転と、多くのサンプルポイントを協調的に測定することによって測定することができる。このようなメカニズムは、アンテナ測定、つまり測定されたOTAであるアンテナ放射パターン測定を使用したアンテナパターンの特性評価[参考文献2]で知られている。将来の通信システムでは、既知のアンテナコネクタ(現在の3GPP規格、たとえばリリース8-14では、いわゆる伝導測定がアンテナポート測定用に標準化されている)が過去のものになることが予想される。したがって、無線性能パラメータとアンテナ性能パラメータのOTA測定は未来のものになることが期待されている。将来的には、アンテナポートへのアクセスが不可能になるためあるいはアンテナアレイが共同で機能する多くの個別の要素で構成されることになるため、多くのアンテナ測定はのよう、つまりOTAでしか行えなくなる。さらに、このようなアンテナは、たとえばスマートフォンなどのデバイスのハウジング内に埋め込まれている可能性があるため、アンテナデバイス内にあるのに放射を測定しなければならなくなる。アンテナはデバイスハウジング内に隠されているため、正確な位置は不明である。したがって、測定された放射パターンアンテナの正確な位置と照会できない限り、測定が不正確になる[参考文献3、4、5]。さらに、デバイスハウジングと比較してアンテナサイズが小さいことで、さらに精度が落ちる可能性がある。
【0004】
加えて、無線伝送に使用される搬送周波数は、電波伝搬が、測定に使用されることが多い遠方界であると想定できる場合DUTとプローブとの間の距離を定義する。測定チャンバ/デバイスのサイズを小さくするために、測定はいわゆる近接場で実行することもでき、この場合のサンプルポイントは、遠方場における同等のものに変換する必要がある。そのためには、放射ビームの原点が正確にわかっていることが最大限に重要である。そうでない場合、測定によりビームの不整合が結論付けられ、多くの予防可能なエラーが発生する[参考文献4]。さらに、近接場で測定する場合、近接場から遠方場への変換によって遠方場パターンが導出される。ここにおいても、正確な変換を行うためには、放射源と測定プローブからの正確な距離は不可欠である。
【0005】
これまでのところ、アンテナとアンテナアレイは、測定チャンバーまたはチャンバー内にない測定システムの基準中心点でそれらを移動および/または傾斜および/または回転させることができるポジショナーに個別に配置されている。これには、電波が実際にどこから送信されていのかについての正確な知識が必要である。1つ以上のアンテナ素子ブロードサイドまたはボアサイドを測定するためのDUTの方向付けおよび大まかな位置決めも実行できる。3GPP TS 37.145-2[参考文献6]では、正しいアライメントのためにアクティブアンテナシステム(AAS)をチャンバー内のキャリアに正しく配置するための座標系の原点と関連する座標系を含む製造業者宣言書(MD)が定義されている。複数入力および複数出力(MIMO)デバイスの放射性能測定に対応する3GPP TR 37.976[参考文献7]、およびAASのOTAテストを説明する3GPP TR 37.842[参考文献8]で、OTAテストのさらなる例を示している。
【0006】
したがって、DUTを正確にOTA測定することを可能にする方法、DUT、測定システム、および関連ソフトウェアとしてのコンピュータプログラムを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、DUTを正確に測定することを可能にする方法、DUT、測定システムおよびコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明者らは、被試験デバイスの放射中心基準(ポイント)を定義することにより、および前記基準点に対する位置および指向性情報を決定することにより、ビームの原点(基準点、基準原点、または測定原点)およびビームの方向を示す位置情報を決定することにより、DUTは高い精度で評価することができることを発見した。評価範囲基準点と評価対象のビームに照会することができ、それによって未知のDUT内の1つ以上のアンテナの正確な位置に関する情報を取得し、同時に正確な測定値を取得することができるためである
【0009】
一実施形態によれば、方法は、DUTの放射中心基準点(CORRP)を定義するステップを含む。この方法はさらに、CORRPに対する位置情報を決定するステップをさらに含み、この位置情報は、DUTで形成可能且つビームの方向を示すビームの基準原点を示す。この方法はさらに、CORRPおよび位置情報を測定システムに提供するステップをさらに含む。これにより、特定のビームパターンの作成に関与するアンテナアレイまたはアンテナの組み合わせの位置に関する正確な知識がなくても、DUTによるビーム法を参照することが可能になる
【0010】
一実施形態によれば、CORRPを定義するステップは、DUTにおいて基準マーカーのセットを決定するステップを含み、基準マーカーのセットは、DUTを見た時に可視である。このような可視のマーカーは、DUTの外部からアクセスできる他の適切な物理的特性に置き換えることもできる。さらに、座標系内で定義された基準マーカーとCORRPを使用して座標系が定義される。これにより、DUTを見たときに可視な基準マーカーに対する参照原点とビームの方向を参照できるようになる。ここでは放射中心基準(CORR)が1つだとしているが、たとえば、DUTの内側および/または外側および/または表面の異なる位置、より多くのCORRを定義することもできる。こうして、より実践的な測定を行うことができる。
【0011】
一実施形態によれば、基準マーカーのセットは、DUTのディスプレイ、DUTのレンズ、DUTの発光デバイス、DUTの電気ポートまたは音響ポート上に表示される光信号パターンのうちの少なくとも1つを含む。これにより、装置の試料を変更することなくDUTの既存の物理的特徴を使用することができるようになり、販売される製品に左右されることはなくなる。
【0012】
一実施形態によれば、位置情報を決定するステップは、DUTで形成可能なビームのセットを定義するステップであって、ビームのセットはビームを含む、ステップと、ビームのセット内のビームについて、ビームの基準原点のCORRPに対するオフセット、および基準方向に対するビーム方向からの方向偏差を決定して、位置情報が基準原点とCOPPRに対するビーム方向を示すことができるようにするステップと、を含む。これにより、DUTのCORRPに対するパラメータを示すことができるようになる
【0013】
一実施形態によれば、ビームは、DUTの少なくとも第1および第2のアンテナまたはアンテナアレイで形成可能である。CORRPを参照する位置情報を使用することにより、単一のアンテナアレイ固有の情報と、アンテナアレイに対する単一のビームの測定では、第2のアンテナアレイに関する情報が欠落しているため、不十分な情報しか提供されない場合でも、遠方場ではまとまって単一のビームを形成するが、異なるアンテナアレイで生成されたビームの結合体である複数のビームの特性評価を行うことができる
【0014】
一実施形態によれば、方法は、DUTからの無線周波数ビームを検出するステップ、DUTのCORRPを示す情報を受信するステップ、およびDUTで形成されたビームのCORRPに対する基準原点を示し、且つビームの方向を示す位置情報を受信するステップを含む方法はさらに、検出された無線周波数ビームをCORRPおよび位置情報との一致に関して評価するステップを含む。これにより、CORRPを使用してDUT、ビームをそれぞれ評価できるため、DUTの内部に関する詳細な知識を持っている必要がなくなる
【0015】
一実施形態によれば、この方法はさらに、DUTのマーカーのセットを使用してDUTの位置を決定するステップおよびマーカーのセットによって定義されている3D座標系におけるDUTの位置とビームの方向とを使用して無線周波数ビームの予測位置を決定するステップを含む。これにより、DUTのアライメントに、おそらく固定または標準化されたマーカーを使用することができる。
【0016】
一実施形態によれば、DUTの位置を決定するステップは、測定環境の構造でDUTを保持するステップ、DUTにおけるマーカーセットの位置を検出するステップおよび測定環境内のマーカーセットの位置を使用して測定環境内のDUTの位置を決定するステップを含む。これにより、位置マーカーおよびCORRPを測定環境内の場所/位置にリンクさせることができる。
【0017】
一実施形態によれば、位置情報は、少なくとも1つのビームのメインローブおよび/または少なくとも1つのサイドローブを示す情報を含む。検出された無線周波数ビーム評価するステップ、検出された無線周波数ビームを少なくとも1つのビームのメインローブおよび/または少なくとも1つのビームのサイドローブに対して評価するステップを含む。これにより、ビーム詳細に特徴づけることが可能になる。
【0018】
一実施形態によれば、方法はさらに、ビームの基準原点が測定環境の中心を形成するようにDUTの位置を調整するステップ、または、測定環境の既定の中心とビームの基準原点との間の位置ずれを決定し、決定された位置ずれを使用して、検出された無線周波数ビームの評価の結果を修正するステップを含む。これにより、ビームのDUTに対する実際の位置に基づいて、測定値を調整または測定結果を修正することができる。それにより、DUT内のアンテナアレイの位置および指向性の詳細な知識は不要となり、および/または特定の位置(所望の条件)に対するアンテナアレイの実際の位置の偏差を補償することができるようになる。多くのアプリケーションでは、実際のビームパターンが重要であり、DUT内のアンテナアレイの位置は、重要度が低い、あるいはサプライヤ秘密にしようとしている。本明細書に記載の実施形態を使用すること、アンテナアレイの位置を参照することなく放射されたビームの位置を評価し得る。さらに、DUTが他の事項との相互作用に付されている間、例えば携帯電話を耳の近くに保持している間に、かかる特定の位置を実質的に変化させることができる。明確に指定された条件下で行えば、基準点が偏光された可能性があってもそれに従ってビームパターンを再び測定することができる。
【0019】
一実施形態によれば、DUTからの無線周波数ビームを検出するステップは、DUTによって送信されたビームを検出するステップを含む、またはDUTでビームを検出するステップを含む。このように、送信ビームならびに受信ビームを評価することができる。
【0020】
一実施形態によれば、CORRPは、DUTの容積の外側、DUTの筐体の表面、またはDUTの筐体の内側、例えば車の中に、位置するように決定される。これにより、定義済みの座標系内の任意のポイントを使用できる場合がある。
【0021】
一実施形態によれば、位置情報は、無線周波数ビームに関連付けられた周波数を示す情報を含む。これにより、例えばDUTと測定システムのプローブ間の距離を定義するために実行される測定に周波数範囲を組み込むことができる。
【0022】
一実施形態によれば、CORRPはDUTのアンテナアレイの中心とは異なる。これにより、アンテナアレイの位置を知らなくてもCORRPを使用することができる場合がある。この目的のために、CORRPに関連付けられた位置情報は、例えば搬送周波数および/または予定している放射ビームパターンの種類についての追加情報を含むことある。
【0023】
一実施形態によれば、装置は、ディスプレイと、装置にテストモードの実行を要求する要求を示す信号を受信するように構成されたインターフェースと、を備える。この装置は、信号に応じてテストモードに切り替わり、ディスプレイによって既定の光信号パターンを表示するように構成されている。光信号パターンは、DUTの基準マーカーのセットの少なくとも一部を提供する。これにより、被試験対象のシリーズのどの装置でもDUTとして使用できるようになる可能性があり、さらに、光信号パターン、例えばQRコード(登録商標)を調整することにより、基準マーカーのセットを調整できる場合がある。
【0024】
一実施形態によれば、装置は、光信号パターンの表示の変更を示すユーザー入力とは無関係に光信号パターンを表示するように構成される。これにより、基準マーカーのセットの変更、ひいては決定されたCORRPにおける偏差につながる可能性があるユーザーコマンドとは無関係に、光信号パターンを表示できる場合がある。
【0025】
一実施形態によれば、光信号パターンは、クイックレスポンスコード(QRコード)などのマトリックスバーコードを含む一次元以上のバーコードである。これにより、2次元パターン、したがって、DUTに目を向けるまたは注視するときにモニターしキャプチャすることができる、基準マーカーの2次元セットをDUTの表面上に実装することができる。さらに、既知の次元のマトリックスパターンを使用することにより、画像処理技術を使用して光学読み取り装置に対する位置を決定し、ひいては3次元空間でのDUTの位置決定が可能になる
【0026】
一実施形態によれば、装置は、後に複数のテストモードのうちの1つをスイッチオンし、その後、複数の光信号パターンのうちの1つを表示するように構成される。表示された光信号パターンは現在のモードに関連付けられている。これにより、異なるテストモード、ひいては正確なテスト条件に対して異なるCORRPを使用し得る
【0027】
一実施形態によれば、測定システムは、本明細書に記載の方法を実行するように構成される。
【0028】
一実施形態によれば、測定システム使用る位置情報は、第1のビームの第1の基準原点および第2のビームの第2の基準原点を示す情報と、第1のビームの第1の方向情報および第2のビームの第2の方向情報を示す情報と、を含む。測定システムは、第1のビームおよび第2のビームとの重複の一致に関して、検出された無線周波数ビームを評価するように構成される。これにより、2つ以上のアンテナまたはアンテナアレイの放射または/および受信によって形成されビームを評価することができる。
【0029】
一実施形態によれば、測定システムは、ビームの近接場においてビームを検出し、ビームの遠方界においてビームの特性を外挿するように適合されている。これにより、測定システムの寸法を小さくすることができる。
【0030】
別の実施形態は、コンピュータで実行されると、本明細書に記載される実施形態にかかる方法を実行する命令を記憶するコンピュータ可読媒体を含む非一時的なコンピュータプログラム製品に関連する。
【0031】
別の実施形態は、さらなる従属請求項に記載される
【0032】
ここで、本発明の実施形態を、添付の図面を参照してさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、一実施形態にかかる方法の概略フローチャートである。
図2図2は、放射線中心基準点(CORRP)を定義するために実施され得る実施形態にかかる方法の概略フローチャートである。
図3a図3aは、一実施形態にかかるDUTの概略斜視図である。
図3b図3bは、一実施形態にかかる、DUTを評価するために使用され得る測定環境の一部の概略斜視図である。
図3c図3cは、一実施形態にかかる時間/周波数平面におけるワイヤレス通信ネットワーク内のリソース要素のスケジュールを示す概略図である。
図3d図3dは、図3cのスケジュールおよび実施形態に従って動作するアンテナアレイで形成され得るビームの概略図である。
図3e図3eは、本実施形態にかかるユースケースの概略図である。
図4a図4aは、位置情報を決定するために実施され得る一実施形態にかかる方法の概略フローチャートである。
図4b図4bは、放射中心基準を決定するために実施され得る実施形態にかかる方法の概略フローチャートである。
図5a図5aは、CORRPおよび/または位置情報に関連する情報を活用するために使用され得る、一実施形態にかかる方法の概略フローチャートである。
図5b図5bは、図5にかかる方法のステップの一環として実施され得る一実施形態にかかる方法の概略フローチャートである。
図6図6は、図5の方法と一緒に実行され得る実施形態にかかる方法の概略フローチャートである。
図7図7は、一実施形態にかかる被試験デバイスとして使用することができるデバイス70の概略ブロック図である。
図8a図8aは、実施形態にかかる測定システムの概略ブロック図である。
図8b図8bは、複数のプローブを収容する測定チャンバーを備える、一実施形態にかかる測定システムの概略ブロック図である。
図9a図9aは、一実施形態にかかる放射線中心基準点に関する知識不足の影響を示す概略図である。
図9b図9bは、一実施形態にかかるアンテナアレイの構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下の記載において、同じまたは同等の要素、または機能が同じまたは同等の要素は、異なる図に現れる場合であっても、同または同等の参照番号によって示される。
【0035】
本明細書で説明する実施形態は、特に、ビームフォーミングに関する技術に関連するビームに関する。デバイス、たとえばDUTに関連付けられたビームは、DUTで電磁エネルギーが放出される、または、DUTで電磁エネルギーが受信される1つ以上の優先方向を定義することができる。信号を送信する場合、ビームは1つ以上のメインローブと1つ以上のサイドローブを含むことがあり、ここで、メインローブは所望の放射パターンおよび/またはその方向を指し示す。サイドローブは、放射がそれぞれのパターンで放出される妨害方向およびまたは避けられない方向に関連する場合がある。この説明は、マイクロフォンの指向特性と同様に、電磁エネルギーの受信中に高いゲインを可能にする方向をメインローブで定義できる受信シナリオにも制限なしで関係する。したがって、ビームに言及する場合、送信シナリオおよび/または受信シナリオに関連していると理解されるべきものとする。以下、ビームに言及していても、実施形態は他の形態の電磁波送信または受信パターン、すなわち、無線周波数での電磁パターンに関するものであり、限定されるものではない。そのようなパターンは、線または平面表面に沿って送信および/または受信パターを形成するポイントによって記述されたソースによって参照される。そのような電磁波の送信または受信パターンの例は、漏洩給電線、つまりケーブルに垂直に放射するためのスロットを備えたケーブルによって実装されてもよい。このような漏洩給電線は、トンネル内の列車を接続するために使用することができる。この特定の例では、放射された電磁場の基準は線であり得る。
【0036】
開示された実施形態にかかるDUTは、ワイヤレス通信のために無線周波数で電磁放射を放射および/または受信するように構成された任意のデバイス、例えば、ユーザー機器(UE)、基地局(BS)および/またはアクティブアンテナシステム(AAS)であり得る。
【0037】
本明細書に記載される実施形態は、測定システムで使用され得るプローブに関連し得る。のようなプローブは、例えば測定システム内でビームフォーミングを実行するときに電磁エネルギーを生成および/または送信するように構成されたアンテナ素子および/またはアンテナアレイなどの能動素子を備えていることがあるあるいはまたはさらに、プローブは、例えばDUTで放射される電磁エネルギーを受信するように構成された検知要素、例えばアンテナ(素子)および/またはアンテナアレイを含むことがる。このように、測定システムで検出または判定されるビームを形成するDUTと言った場合には、1つ以上のプローブによる電磁エネルギーの送信、DUTで受信される電磁エネルギーに関連することがあり、ここでDUTは受信の1つ以上の特性を示すフィードバック信号を送信することがる。あるいはまたはさらに、DUTは電磁エネルギーを送信するように適合されることがあり、ここでプローブは前記エネルギーを受信し、受信特性および/または測定システムでかかる特性を決定することを可能にする情報を測定システムにフィードバックすることがる。
【0038】
本明細書に記載される実施形態は、電磁放射を受信および/または送信するために使用されるアンテナアレイに関連する場合がある。アンテナアレイは、1つ以上の数のアンテナ、例えば、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも5つ、少なくとも10個、または50以上などより多くの数のアンテナを含むことができる。このように、アンテナアレイは、複数のアンテナを含む構造に限定されるものではなく、1つのアンテナしか含まないこともある。
【0039】
図1は、一実施形態にかかる方法100の概略フローチャートである。方法100は、被試験デバイスについて放射中心基準(CORR)が定義されるステップ110を含む。CORRは、(CORRP)、(CORRL)、または領域(CORRA)に関連する場合がある。したがって、CORRPのPは、通常のの意味を超えて線や面の意味を持つことある。CORRは、DUTで形成可能な電磁波パターン、たとえばビームまたは異なるパターンの基準原点を示す。CORRは、例えば基準原点と一致することもあり、または少なくとも部分的に基準原点を含むこともある。あるいは、CORRは異なる位置に配置されることがあり、CORRと基準原点との間のオフセットに関する情報を含むことがある。ステップ120において、CORRに対する3次元方位情報が決定され、3次元方位情報は電磁波パターンの方向を示す。3次元方位情報は、位置情報と呼ばれる場合がある。CORRと3次元方位情報の組み合わせにより、空間における電磁波パターンの原点と伝播を特定することができる。ステップ130は、CORRおよび3次元配向情報(位置情報)を測定システムに提供するステップを含む。
【0040】
下、実施形態、放射中心基準点(CORRP)を参照しながら記載する記載の例は、CORR全般および/または具体的な意味でのCORRLおよび/またはCORRAに関連し得るが、これに限定されない。すなわち、CORRPの名前には点があり、したがって空間内の拡がりは最小限だが、そうではなく、CORRPは放射が延びる方向または線に関連する場合がある。例えば、CORRPは放射のメインローブの中心に沿って、またはそれに平行に配置されることがある。言い換えれば、放射の中心は漏洩給電ケーブルのような線でもあり得る。さらに、DUTを調査/測定するときに測定される放射および/または受信アンテナパターンを記述するために、放射中心から始まる、または放射中心で終わる方向実施形態によって説明/定義されることになる。例えば多数のアンテナがいくつかの波長の距離で分布され、その結果生じる遠方界アンテナパターンが個々のアンテナからの放射電磁波の重ね合わせである場合、CORRは点、線、または平面への仮想投影である場合がある。
【0041】
1つのCORR/CORRPではなく、2つまたはそれ以上のCORRが複数定義されることもある。異なるCORRは、たとえば、DUTの内側および/または外側および/または表面の異なる位置に定義され得る。複数のCORRのうちの1つ、いくつか、またはそれぞれに対して単一の電磁波パターン/ビームの位置情報が生成され得る。つまり、DUTで形成された特定の電磁波パターンは、それぞれ特定のCORRに関連する1つ以上の位置情報によって記述することができる。これにより、さらに実践的な測定を行うことができる。例えば、自動車をDUTとして考察した場合、例えば自動車の内側または外側の放射パターンを測定する場合、このようなさまざまなCORRPは実用的な意味において有用な可能性がある
【0042】
図2は、例えば、工程110を実行するときに実施され得る方法200の概略フローチャートである。工程210は、DUTにおいて基準マーカーのセットを決定するステップを含み、基準マーカーのセットはDUTを見ると見ることができる。これには、人間の目を使用した場合の基準マーカーのセットの可視性が含まれるが、これに限定されない。あるいはまたはさらに、DUTを見ときに見える基準マーカーのセットは、人間の目に見えないマーカーを識別する技術的手段の使用を含んでもよい。のようなマーカーの例としては、小さなマーカーまたは、例えば、紫外線マーカーまたは赤外線マーカー等人間の能力を超える物理的特性を使用するマーカー、ならびに温度、内蔵された磁気源等を使用するマーカーの使用などである。このように、マーカーは少なくともアクセス可能であってもよい。工程220は、基準マーカーを使用して座標系を定義するステップを含む。座標系は、3次元空間をナビゲートできるようにする第1座標系またはグローバル座標系と呼ばれることもある。例えば、必ずというわけではないが、定義された座標系は3つの垂直軸を含むことがあり、すなわち、デカルト座標系として形成することができる。あるいはまたはさらに、他の座標系、例えば球座標系または円筒座標系または線形座標系または平面座標系を使用することもできる工程230は、座標系内でCORRPを定義するステップを含む。CORRPは、座標系内の任意の点として選択または定義することができる。例えば、CORRPは、特定のプローブやオブジェクトなど、測定環境内の特定のポイントであることがある。CORRPの座標は、CORRPとDUTの相対位置を示す場合があり、したがって、測定チャンバーなどの測定環境内のDUTの正確な位置決めに関係することがある。あるいは、CORRPは、他の任意のポイント、例えば測定環境内のオブジェクトから切り離されたポイントである場合がある。
【0043】
DUTに接続されている基準マーカーに関連する座標系の定義に基づけば、CORRPも同じくDUTに接続され、おそらく測定環境に接続されている。これにより、DUTの位置を測定環境内の位置にリンクさせることができる。好ましくは、基準マーカーは本試験シナリオでは不動であり、ひいてはCORRPもDUTに対して不動である。例えば、基準マーカーのセットは少なくとも部分的に、例えば、DUTのレンズ、懐中電灯等DUT発光デバイス、DUTの電気ポートおよび/または音響ポート、および/または電磁気または磁気パターン等物理的特性のような、不動のマーカーであり得る。実施形態によれば、基準マーカーのセットは少なくとも部分的に、DUTのディスプレイに表示されることがあり、ひいては光信号パターンと呼ぶこともできる信号パターンによって実装することができる。これにより、リファレンスマーカーのセットに基づいてCORRPを取得、決定、および再現することができる。このことによって、DUTで形成可能なビームを特徴付ける位置情報も基準マーカーのセットを使用して、ひいてはDUTの内部の正確な知識なしで評価することができる
【0044】
図3は、方法100および200を説明するための一実施形態にかかるDUT30の概略斜視図を示す。
【0045】
基準マーカー321、322、および323のセット、DUT30のハウジング34に配置されることがある。基準マーカー321~323のセットは、DUTハウジング34の同じ側に配置されてもよいが、互いに異なる側に配置されていてもよい。3次元座標系36を定義するには3つのマーカー321~323 で十分かもしれないが、より多数の基準マーカーも使用され得る。2つの選択された基準マーカー間の幾何学的関係が既知であり、ひいては既知の幾何学的関係によって欠落している情報提供され得る場合には、2等のより小さい数のマーカーが使用される可能性もある
【0046】
3次元座標系36の原点38は任意の位置を含むことができ、これに限定されるものではないが、322などの基準マーカー321、322、または323のうちの1つの位置に配置することができる。あるいは、3D座標系36内の任意のの位置であっても参照することができるので、基準位置として使用することができる。
【0047】
言い換えれば、A、B、Cでマークされた基準マーカーまたは基準点321~323 はDUT30の外側に配置することができ、座標系36を拡張する、および/または座標系36の原点38を定義することができる
【0048】
3GPPによれば、相対座標系421および422は、DUT30のアンテナアレイ421および422に関連して定義される必要がある。例えば、1、3、4またはそれ以上の異なる数のアンテナアレイ44が存在してもよい。アンテナアレイ441 との関係で相対座標系421 を、そしてアンテナアレイ442 との関係で相対座標系422を定義するために、アンテナアレイ441、442の基準位置481、482をそれぞれ指すために相対ポインター46 1 および46 2 が使用されることがある。このためには、アンテナアレイ441および442の位置に関する精確な知識が必要である。これは、ビームがどのようにして正確に生成されるかを示唆し得るアンテナアレイの正確な位置を開示しないという製造者の関心と矛盾する。
【0049】
本開示によれば、CORRP523次元座標系36の任意の位置に定義されている。それにより、CORRはDUTのマーカー321~323うちの1つ以上、ならびに放射ビームの基準原点に相関するように定義することができる。CORRは、マーカー321~323のうちの少なくとも1つの位置に配置することもできる。この工程では、測定条件または環境に関する知識、つまり、後のテストでDUTがどのように配置されることになるかを使用することができる。つまり、CORRP52は別の場所、例えば、DUT30の容積の外側、すなわちハウジング34の外側に配置されてもよい。あるいは、CORRPは、DUTの筐体の表面またはDUTの筐体の内側、たとえば車の中に定義することができる。CORRP52は、その環境内の特定のに設定されることがあるあるいはまたはさらに、CORRP52は、基準マーカー321、322、または323のセットのうちの1つと一致してもよく、さらには38の原点の中心と一致してもよい。後のテストでDUTの位置がわかれば、これは基準マーカーのセットに当てはまることになる。本実施形態によれば、ビーム561および/または562の基準原点541および/または542は、位置情報の一部として定義されていてもよい。基準原点は、ビームの物理的または理論的な原点として理解され得る。そのような原点は、特に基準位置48がアンテナアレイの中心を示す場合、基準位置48と異なっていてもよい。特定のビーム56を生成するために、アンテナアレイ44のアンテナ素子のサブセットを使用して、ビームがアンテナアレイ上のどこにでも基準原点を有するようにすることができる。特に、異なるビームはアンテナアレイ上の異なる基準原点を含む場合がある。位置情報には、3D空間でのアンテナアレイの表面の位置、放射の方向(ビーム)、および/または放射のベクトルと組み合わせた基準点(基準原点)などの追加情報が含まれる。位置情報はさらに、電磁波パターンを形成するために使用される電力、例えばビームの使用電力および/または電力クラスを示す情報などの情報を含むことがる。例えば、テーパリングによって、および/またはビームが高出力、中出力、または低出力で放射されていれば、アンテナアレイを使用してサイドローブ抑制を実行することができる。あるいはまたはさらに、CORRPに関連付けられた位置情報は、例えば搬送周波数および/または放射されるべきビームパターンの種類、すなわち3Dパターンを示す情報に関する情報を含むことがる。さらに、位置情報は、放射されたビームが1つまたはいくつかの個別のビームによって合成/重畳されているかどうかを示す情報を含んでいることもある。これにより、CORRPを互いに、つまり重畳するコンポーネントについて異なるものにすることができる。いくつかのシナリオ、例えば近接場での測定中では、結合情報は疑わしいおよび/または意味がないことがある、単一のコンポーネントに関する情報の方が有利である場合がある。例えば2つ以上のビームを重ね合わせで共通信号が送信される一方で、情報の他の部分は重畳されていないビーム1つまたはすべてを使用して送信される場合には、これが有意義であることがある。これは制御チャネル情報については関連し得るが、ユーザーデータは個々のビームに多重化される場合がある(時間周波数リソースは、ビームによって提供される空間リソースに異なってマッピングされる場合がある)。
【0050】
ここで、結合ビーム56 3 を生成するために2つ以上のアンテナアレイ、たとえばアンテナアレイ441と442双方を使用することを考えてみると、ビーム563の基準原点543は、アンテナアレイ441および442の一方または方の外側にあることさえあり得る限定されない例では、ビーム561および5622つで一緒にビーム563を形成することもある。ビーム561および562は、近接場では区別可能または識別可能であり得るが、遠方界では共通ビーム563を形成することがある。したがって、遠方界では、ビーム563は、ビーム563に関連付けられた単一の基準原点543を有することがある
【0051】
ここでハウジング34に取り囲まれたDUTとその中のアンテナアレイ441および442位置が未知である場合を考慮すると、アンテナアレイ441および/または442のうちの1つ以上によって生成されたビームを、3GPPに準拠すればアンテナアレイの位置に依存する情報で評価することは困難である3GPPに準拠した情報では、アンテナアレイの位置に依存する。これとは対照的に、基準原点を定義し、ビーム561~563に関連付けられた方向581、582、および/または583をさらに定義すれば、アンテナアレイの放射、すなわちビームは、アンテナ素子の位置に関する知識がなくても測定され得る。いくつかの実施形態、例えばビーム563によれば、アンテナ441および442の位置さえも共通ビーム563を形成するに重要ではないこともある。方向581、582および/または583 は3D座標系36内の方向として定義され、ひいてはマーカー321~323のセットにする方向に関連することがある
【0052】
CORR52は、3D空間における位置であることがある。3次元方位情報は、CORR基準位置または中心として使用され得る同空間内のベクトルである場合がある。したがって、CORRは、アクセス可能なマーカー32にする基準を含むことがあり、あらゆる位置および/または方向、すなわち波形パターンの原点および方向、CORRひいてはマーカーにして記述され得る。
【0053】
図3bは、DUT30を評価するために使用され得る測定環境31の一部の概略斜視図である。例えば、測定環境31は、3次元空間、好ましくは座標系36におけるDUTの位置および/または向き、好ましくは両方を決定することを可能にするマーカー321~323のセットに関する情報を受信または取得することができる。測定環境31は、DUT30で設定されたマーカー321~323の少なくともいくつかを検出するように構成されたデバイス33を備えることがある。デバイス33は、例えばカメラ、スキャナー、リーダーであってもよい。
【0054】
測定環境31は、DUT30の位置を定義および/または適合させるように構成された構造体35を含むことがる。構造35は、その後行われるOTA測定のために図3bに示されていないプローブを使用してDUT30を保持するためキャリア、固定具、ジグ、ホルダー、マウント、容器、ポジショナーである、またはこれらを含み得る。試験中、構造体35は、図示されていないプローブに対してDUT30を移動する、例えばDUT30を回転および/または傾斜および/または並進させるように構成されることがあるあるいはまたはさらに、図示されていないプローブはDUT30に対して移動させることができる。実施形態によれば、DUT30は、手動配置、ロボットまたはマニピュレーター配置、コンベヤーベルト、自動および/または半自動ハンドリングシステムなどによって配置および/または移動することができる。
【0055】
測定環境31、例えばその制御ユニットは、測定環境31内のマーカー321~323のセットの位置に関する情報をCORRP52の位置を示す位置情報とリンクさせることができる。これにより、測定環境31内の位置と座標とのリンクと、マーカー32~323のセットによって定義されている3D座標系が取得され得る。このように、マーカー321 323の既知の位置、すなわち、DUT30の平面および/または先端および/または角および/またはその他の何らかの特性をCORRP52と組み合わせることにより、構造体35内において確実にDUT適切配置することができる。制御ユニットは、環境内における構造体35の位置に関する情報、および測定環境内のマーカー321~323の情報、例えば、構造体35に対して既知の相対位置を有するデバイス33に対するマーカー321~323の情報を使用することができる。制御ユニットはさらにDUTのさらなるパラメータ、例えば、先端、表面または平面のマーカー32 1 ~32 3 に対する位置、ひいてはDUTの形状についての知識を有していることがある
【0056】
実施形態にかかる方法は、DUT30のマーカー321~323のセットを使用してDUT30の位置を決定するステップと、DUT30の位置と、マーカーのセット32 1 ~32 3 によって定義される3D座標系におけるビーム56の方向を使用して、無線周波数ビームの予想位置を決定するステップを含む。この予想位置は、DUT30を評価するために測定データが比較される値または値のセットとして使用することができる。この方法は、DUTの位置を決定するステップが、DUT30を構造35で保持し、DUT30におけるマーカー321~323のセットの位置を検出、測定環境31内のマーカー321~323のセットの位置を使用して測定環境31におけるDUTの位置を決定するステップを含むように、実施し得る
【0057】
実施形態によれば、CORRPの知識は、DUT30の幾何学的特徴、すなわちマーカー321~323の知識と組み合わされる。これら2つの情報の組み合わせを通じて、基準点CORRP52およびビームの基準方向を決定することができる。方向を決定するには、平面および/または先端および/または角および/または固定特性と組み合わせた3つまたは1つの単一のポイントの最小数を使用することができる。このように、DUT30の位置はマーカー321から323のセットを使用して決定することができるDUT30の位置および受信した方向情報を使用して、DUTがビームを形成すると予想される場所の予想位置または公称値を決定することができる。これは、3D座標系36と同一であるか少なくとも3D座標系36から転送可能なマーカー32のセットによって定義される3D座標系を使用して行うことができる。
【0058】
図3cは、時間/周波数平面におけるワイヤレス通信ネットワーク内のリソース要素37のスケジュールを示す概略図である。
【0059】
図3dは、図3cのスケジュールに従って動作するアンテナアレイ441および442で形成され得るビーム561および562の概略図を示す。左上から右下への斜線付きのリソース要素371を使用して、アンテナアレイ441でビーム561を形成することができる。ここで、右上から左下への斜線付きのリソース要素372を使用して、アンテナアレイ442でビーム562を形成することができる。網掛けされている共通のリソース要素373は、例えば共通の制御メッセージを送信するために、アンテナアレイ441および442 の双方によって使用される。リソース要素373に関して、ビーム561および562は、時間/周波数空間において同じパターンを有し得る。例えば、図3dでは、ビーム561と562 の重畳により、共通のリソース563の使用に基づいて共通のビーム563を形成することができる。このビーム563は、CORRにして参照または決定され得る仮想基準原点543を有し得る。仮想基準原点は、例えば、ビーム561および562の(実際の)基準原点541および542の間に配置されてもよい。仮想基準原点543は、ビーム561および562 に対する対称面に配置されてもよい。
【0060】
このように、DUTは複数のビームを形成する場合がある。第1のビーム561は第1のアンテナアレイ441 によって形成可能であり、第2のビーム56 2 は第2のアンテナアレイ442 によって形成可能である。ここで、第1および第2のビームは少なくとも部分的に、時間および周波数空間において共通パターンを含み、ひいては第1のビーム561の基準原点541および第2のビーム562の基準原点54 2 から間隔を空けて配置された基準原点543備える第3のビーム563を形成する。ビーム561および/または562うちの少なくとも1つのパワーの変動、ビーム間のパワー関係の変動に基づいて、ビーム563の向きを変えることができる。
【0061】
実施形態は、1つ以上のアンテナアレイを含み、アンテナアレイの少なくとも1つそれ自体いくつかのサブアレイを含、その数は1より大きい任意の数である、DUTに関連する
【0062】
例えば、アンテナアレイまたはサブアレイはタイル構造に配置されてもよい。そのような構造はアンテナパネルの配列と呼ばれる場合があり、各アンテナパネルは、アンテナアレイまたはサブアレイの機能ユニットである場合がある。これらのパネルのそれぞれは、送受信用の1つ以上のビームを形成するように設計することができる。さらに、単一のパネルおよび/または異なるパネルの少なくとも2つのビームを使用して、結合ビームを形成することができる。
【0063】
これらの実施形態は、パネルおよびサブパネルの任意の配置に適用することができ、その実施は規則的および不規則なタイルスキームの両方を含むことができる。DUTを考慮して、DUTの無線インターフェースは複数のアンテナサブアレイを備えることができ、各サブアレイは、ビームパターン、合成ビームなどの少なくとも一部を形成するように構成される。
【0064】
一実施形態によれば、各サブアレイについてCORRを定義することができる。あるいはまたはさらに、単一のサブアレイまたはサブアレイの組み合わせによって形成される少なくとも1つの結合ビームに対してCORRを定義することができる。単一のサブアレイまたは各サブアレイについてCORRを定義すると、サブアレイで形成されたビームの簡単な評価が可能になる場合があり、少なくとも第1および第2のサブアレイに基づくCORRを定義することにより、DUTの結合ビームの簡単な評価が可能になる。1つの解決策は、限定なく他の解決策と組み合わせることができることに注意されたい。すなわち、CORRは、サブアレイとその組み合わせに対して同時に定義することができる。
【0065】
図3eは、本実施形態にかかるユースケースの概略図である。ビーム56の例示的な断面は、ビーム56の対称性を示す対称点、対称軸または対称面59の周りに配置された異なる適合/測定点571 574を使用して評価することができる。角度φとθは、ビームおよびそれぞれのアンテナアレイにする仰角と方位角を示す。対称点、対称軸、または対称面59は、誤差ベクトルの大きさ(EVM)に関連する測定の中心、すなわちEVM方向範囲の中心を形成することがある。OTA EVM方向範囲、すなわち評なければならない断面の領域に関する宣言に従って平面61が形成され得る。この領域は、原点からの距離に依存し、デフォーカスされたビームでは増大し、合焦されたビームでは減少することがあるこのように、軸、または平面59を知ることで、ポイント57の位置決めとビーム56の評価が可能になる。実施形態によれば、点、軸または平面59はCORRとして定義することができ、点57は測定点として使用することができる
【0066】
図4aは、例えば工程120中に位置情報を決定するために実施され得る方法400の概略フローチャートである。工程410では、DUTで形成可能なビームのセットが定義される。例えば、ビームのセットはビーム561、562および/または563を含み得る
【0067】
工程420は、ビームのセット内の各ビームについて、ビームの基準原点のCORRPに対するオフセット、および基準方向にするビーム方向の方向偏差を決定して、位置情報により基準原点とCORRPに対するビーム方向を示すことができるようにするステップを含む。例えば基準原点541、542および/または543 基準原点のオフセットは、3D座標系36内におけるそれぞれの基準原点の位置であることがある。したがって、オフセットは、原点38に対するそれぞれの基準原点のオフセットおよび/または測定環境内の位置に関連することがある。基準方向の偏差は座標系36内の方向に関係していることがある。基準方向は、例えば軸うちの1つ以上に沿った方向および/または座標系内の方向であってもよい。座標系36内の任意の方向を基準方向として使用して、方向581、582、および583が、3D座標系36内のそれぞれのビーム541、542、および/または543の方向を示すようにすることができる。
【0068】
言い換えれば、CORRPは4つのポイント(3つの基準マーカーと座標系の原点)と、3つの軸によって記述される。この3つの軸は垂直軸であってもよく、少なくとも3D空間にわたる
【0069】
CORRPおよび/または位置情報は、特に、
i)波(ビーム)が放射されるポイントおよび/またはエリア、
ii)分散アンテナが配置されているポイントおよび/またはエリア、
iii)電波を放射する重畳/有効アンテナ/アンテナアレイのポイントおよび/またはエリア、および/または
iv)偏光効果を示す
ポイントおよび/またはエリアの相対方向および軸方向の決定と、空間内への記述を可能にする、3次元空間内の基準点/ベクトルとして提供されることがある。ポイントii)はアンテナの位置を定義することは可能だが、必ずしもそのステップを含むわけではない。メーカーは、デバイス内のアンテナの位置を明らかにするよりも、本願発明基準点CORRPを使用することを好むだろうこのように、アンテナ/アンテナアレイの正確な位置は、CORRPの記述によって明らかにされることはあるがその必要はなく、ビームパターンがどこから発生しているように思われるかについて、より概略的な位置決め可能にる。もちろん、アンテナ位置そのものである場合もある。さらに、デバイスが複数のアンテナまたは複数のアンテナアレイを備えている場合、アンテナまたはアンテナアレイの位置の指定は面倒であり、誤解を招く可能性があり、結果として精度に影響する可能性がある。したがって、各デバイスに対して、含まれるアンテナの数に関係なくCORRPが1つであれば、デバイスの詳細を非公開に保つ、測定の精度を向上させる、および/または測定環境を効果的に定義するという点で利点がある
【0070】
ンテナアレイ、ビームをそれぞれCORRPと関連付けるために、CORRPを指すベクトルが定義されることがある。これには、
a)放射された放射の原点、および/または
b)i)アレイ表面の3D空間の位置、
ii)方向58などの放出方向、および/または
iii)放出のめの基準点およびベクトル、
を記述する相対座標系
が含まれる場合がある。基準点または基準マーカーは、デバイスの外側からアクセス可能である、または特定のマーカーまたは例えば正面、平面、角、エッジデバイス固有のデバイス境界に関係する場合がある。したがって、基準マーカーのセットはDUTハウジングのまたはエッジを含むこともある。
【0071】
図4bに示すように、3次元方位情報を定義するステップと同様に、CORRを定義するステップ、工程410、すなわちDUTで形成可能な電磁波パターンのセットを定義するステップであって、電磁波パターンのセットは電磁波パターンのセットを含む、ステップを含むことがある。さらに、電磁波パターンのセット内の電磁波パターンについて、CORRに対する電磁波パターンの基準原点のオフセットが工程460において決定されることがある。
【0072】
図5aは、CORRPおよび/または位置情報に関連する情報を活用するために使用できる方法500の概略フローチャートである。オプションの工程510は、DUTのマーカーのセット、例えば図3bに関連して記載された、マーカー321~323等を使用してDUTの位置を決定するステップを含む。オプションの工程520は、マーカーのセットによって定義されている3D座標系におけるDUTの位置およびビームの方向を使用して、無線周波数ビームの予想位置を決定するステップを含む。工程530は、DUTからの無線周波数ビームを検出するステップを含む。無線周波数ビームは、例えば受信ビームおよび/または送信ビームであることがある工程540は、DUTの放射中心基準(CORR)を示す情報を受信するステップであって、CORRは、DUTで形成された電磁波パターンの基準原点を示す、ステップを含む工程540は、CORRに関する3次元方位情報を受信するステップであって、3次元方位情報は電磁波パターンの方向を示す、ステップを含む工程550は、検出された無線周波数ビームをCORRPおよび位置情報との一致に関して評価するステップを含む。工程530および540を実行する順序は任意であってもよく、すなわち工程530は工程540の前、後、またはさらには同時に実行されてもよい。工程550は、例えば位置情報によって特徴付けられるビームがDUTから検出された無線周波数ビームと一致する場合、所定の評価工程を含むことがる。かかる一致は基準原点の一致、および/またはメインローブおよび/またはサイドローブの物理的延長の一致を含み得るが、これに限定されない。電磁波パターンは放射の3Dパターンであってもよく、また任意に形成されてもよい。かかる3Dパターンは、例えば、電磁波パターンがビームを含む場合、メインローブおよび/またはサイドローブに関する情報を含み得る。3Dパターンは、例えば仰角および/または方位角方向に大きな開口角がある場合、メインローブまたはサイドローブという言葉では適切に説明できない場合がある。3Dパターンは、所与のCORRPおよび方向に対して相対的に説明できる、形成または整形された放射ビームパターン/フィールドであり得る。
【0073】
位置情報は、ビームの少なくとも1つのメインローブおよび/またはビームの少なくとも1つのサイドローブを示す情報を含んでいることがあるかかる情報は角度構成を含むことがあり、それぞれのメインローブまたはサイドローブビーム内で、CORRPおよびまたは基準原点に対して、および/または角度構成の方向に向けて延びる。例えば工程550を実行するに検出された無線周波数ビームを評価するステップは、ビームの少なくとも1つのメインローブおよび/またはビームの少なくとも1つのサイドローブに関する検出された無線周波数ビームの評価を含み得る。工程510および/または520の順序は、実行されるに、工程530および/または540の実行から独立していてもよい。つまり工程550を実行する前に実行されている限り、工程510、520、530および540を実施するだけで十分であり得る。上述の通り、電磁波パターンはビームに限定されるものではない。たとえば、CORRPと放射ビームパターンの記述のための基準方向が提供されていれば、パターンの正確な形状は任意であり、1つ以上のメインローブまたはサイドローブの定義は必要ではない。3次元の特定の方向に向かうそのような特定の特徴の説明は、いくつかの実施形態では実装され得るが、3D電磁波パターンのより一般的な特徴に関連し得る。
【0074】
図5bは、例えば工程510が実行された場合にそ一環として実施され得る方法560の概略フローチャートを示す。工程570は、測定環境31の構造35などの測定環境の構造でDUTを保持するステップを含む。工程580は、マーカー321~323などのマーカーのセットのDUTにおける位置を検出するステップを含む。工程590は、測定環境内のマーカーのセットの位置を使用して、測定環境内のDUTの位置を決定するステップを含む。
【0075】
図6は、例えば工程550の結果に応じて、方法500と一緒に実行される方法600の概略フローチャートである。工程610において、ビームの基準原点が無線周波数ビームの検出および/または評価に使用される測定環境の中心を形成するように、DUTの位置が調整される。あるいはまたはさらに、測定環境の既定の中心と無線周波数ビームの基準原点との間のずれを決定することができる工程620が実行される決定されたずれを使用して、検出された無線周波数ビームの評価の結果を修正することができる。すなわち、工程550の結果は修正され得る。たとえば、検出された無線周波数ビームの基準原点が位置情報に示されているのとは異なる位置にあること測定によりされた場合、DUTはプローブに対してシフトされる場合がある。すなわち、プローブおよび/またはDUTを動かして、無線周波数ビームの正確な分類可能になるようにすることがあるあるいはまたはさらに、結果において検出されたずれが考慮されることがある。
工程610および620をそれぞれ使用すれば、周波数が同じまたは異なる2つの異なるビームのCORRPがずれていてそれを知っている場合、その結果である偏差を使用してずれを事後補償(610)する、または測定を繰り返す前に反復的に事前補償(620)することができる。
【0076】
上述のように、無線周波数ビームの検出は、DUTを使用して無線周波数ビームを受信するときに、DUTからのビームの検出(受信)および/またはDUTでのビームの検出に関連する場合がある。
【0077】
図7は、一実施形態に係る被試験デバイスとして使用することができるデバイスまたは装置70の概略ブロック図である。装置70は、ディスプレイ62およびインターフェース64を備えることがある。インターフェース64は、装置70にテストモードの実行を要求する要求を示す信号66を受信するように構成されることがある。インターフェース64は、例えば、アンテナまたはアンテナアレイを含むインターフェースなどの無線通信インターフェースであり得る。この場合、信号66は無線信号であってもよい。装置70は、信号66に応答してテストモードに切り替わり、ディスプレイで既定の光信号パターン68を表示するように構成される。光信号パターンは、1つ、2つ、3つまたはそれ以上の基準マーカー321および/または322および/または323 の数として使用できる1つ以上の画像および/または点および/またはドットを含むことがる。すなわち、光信号パターン68は、装置70において基準マーカーのセットの少なくとも一部を提供する。再びDUT30を参照すると、基準マーカー321、322および/または323のうちの少なくとも1つは、光信号パターン68のそれぞれのパートまたは部分によって実装され得ることが理解され得る。装置70は、光信号パターンの表示の変更を示すユーザー入力から独立して光信号パターンを表示するように構成されてもよい。そのようなユーザー入力は、例えば、パターンのサイズ、ディスプレイ62におけるパターンの位置の変更要求、およびまたは異なるパターンを表示する要求であり得る。このように、光信号パターン68は、装置70のハウジングに対して不動であってもよく、ひいては基準マーカーとして機能し得る。例えば、光信号パターンは、例えばクイックレスポンス(QR)コード等のマトリックスバーコードを含む1次元以上のバーコードまたはマトリックスバーコードまたは別の2次元コードであり得る。QRコードは、表示される情報密度提供することができる。これは、特に、テスト中に多数のビームが評価される場合に有利である。特定の光信号パターン68は、それぞれのビームおよび/またはテストモードに関連付けられ得る。それにより、光信号パターンは、装置70が装置で実際に形成されるビームを示すように、それぞれのビームおよび/またはテストモードを示すことができる。装置70は次に、複数のテストモードおよび/またはビームまたはそれらの組み合わせのうちの1つをスイッチオンし作動させ、その後、複数の光学信号パターンのうちの1つを表示するように構成され得る。表示された光信号パターンのそれぞれは、装置70で実行され現在のテストモードに関連付けられていてもよい。
【0078】
図8aは、実施形態にかかる測定システム80の概略ブロック図である。測定システム80は、本明細書に記載される方法の1つ以上を実行するように構成される。例えば、測定システム80は、方法500および/または600を実行するように構成される。任意で、測定システム80は、方法100、200、および/または400のうちの少なくとも1つをさらに実行するように構成されてもよい。測定システム80は、複数のプローブ721~725を備えることがある。1つ以上のプローブ例えばプローブ72 1 、近接場でビーム56を評価するように構成されてもよい。1つ以上のプローブ、例えばプローブ72 2 中距離場でビーム56を評価することができる。1つ以上のプローブ、例えばプローブ723、724および/または725どは、ビーム56の遠方界でビーム56を評価するように構成されることがある
【0079】
測定システム18は、DUT、例えば装置30および/または70などを評価するように構成されることがある。測定システム18で取得および使用される位置情報は、ビーム561の基準原点541を示す情報を含むことがる。位置情報は、ビーム561および562の基準原点541および542を示す情報を含んでいてもよい。位置情報はさらにビームの方向581および582に関する情報を含んでいることがある。測定システムは、検出された無線周波数ビーム561および/または562を、ビーム561 および562との重畳部分の一致に関して評価するように構成されていることもある図3に関連して記載したように、単一ビーム561および562 および/またはさらなるビームの重畳により、要約ビームを取得することができる。測定システム18は、(受信ビームを評価する)DUTおよび/または(ビームを送信する)プローブ721~72 5 よって得られた結果を評価するように構成された制御ユニットおよび/または評価ユニットを備えていることがある
【0080】
ビーム561および/または562 および/またはビームの近接場におけるビームの重畳を検出するとき、測定システム18は、ビームの遠方界におけるビームの特性を外挿することにより構成することもできる。評価されるビームについての正確な情報、すなわち基準原点およびCORRPに対する方向に基づいて、のような外挿高精度で実行することができる
【0081】
図8bは、近接場(NF)、中距離場(MF)および/または遠方界(FF)に配置され得る複数のプローブ721 726を収容する測定チャンバーを備える測定システム80´の概略ブロック図である。1つ以上のプローブ、たとえばプローブ721は、測定チャンバー74内で移動可能であってもよい。あるいはまたはさらに、評価されるDUTのうちの1つ以上、例えばDUT70は測定チャンバー74の中で可動であって、サイドローブ761~764および/またはメインローブ781~783がプローブ721~726に対する位置および/または向きを変えることができるようになっている
【0082】
言い換えれば、例えばビームパターンの特徴づけのためにOTA測定を使用する場合、ビームが発生する正確な基準点(ソース、基準原点)を知ることは非常に重要になり得る。OTA測定が近接場で行われている場合、あるいはDUTの寸法が大きい場合、たとえば自動車の場合、これはさらに重要になってくる可能性がある。さらに、例えば28GHz、39GHz、60GHz以上のミリ波等の高い無線周波数を使用した場合、波非常に短くな、放射ビームの正確なCORRPが不明な場合、近接場での測定が不正確なことにより、計算された変換後の遠方界パターンに関してかなり大きな誤差が生じる可能性がある。別のケースとしては、アンテナの正確な位置が外部から不明である、および/またはデバイスがデバイス全体に分散された複数のアンテナを使用しているスマートフォン、タブレット、ラップトップなどのフォームファクタがコンパクトなデバイスで生じ得る。いずれにせよ、測定されたビームパターンを正確に評価するために、基準点を知ることが極めて重要になる場合がある。本明細書に記載の実施形態は、CORRPを使用してDUT作成たすべてのビームについて基準原点を記述することができる3D参照スキームを紹介している。実施形態は、放射されるすべてのビームの基準点を正しく、特にデバイスの外部から決定するための解決策を提供してい。たとえばDUTの周りの3D放射ビームパターンを決定するための測定手順中に、アンテナおよび/またはアンテナアレイが測定セットアップ/システムに配置された車などの比較的大きな物体に分散されている場合に明らかになり、1つ以上のセンサーに所定の距離(近接場、中距離場、または遠方界)で囲まれたホルダー上の測定システムにDUTを取り付けて、電力、位相、位相安定政党の特定のパラメータを測定することが知られている。放射パターンを3Dでスキャンするには、DUTは回転、シフト、または移動されて、センサーが別の観測角度でDUTを観測するか、またはDUTの周囲のセンサーが特定の距離で配置されるかのいずれかであるあるいは、2つの動きを重ねて3Dフィールドスキャンを実行することもできる。図8bのDUT70について図示されているように、回転子に取り付けてDUTを移動してもよい。理想的なケースであるエミッター等の点の場合、例えば、ワイヤー中心の周りのヘルツ双極子回転としてのワイヤーでは、測定された放射パターンは、極めて対称な円形形状になる可能性がある。回転中心に対するワイヤーの位置が誤っている場合、歪んだ放射パターンが観察されるときがある、CORRPが既知であり、測定中に考慮されていれば簡単に補正することができる。CORRPは回転中心に関する情報を含む場合がある。このような補正手順は測定後に実行することができるが、可能であれば、動きを事前補正して有効な回転軸が既にアンテナの放射中心と一致するようにすることができる。
【0083】
図9aは、例えば放射パターン測定のために、DUTがセンサー環境、すなわち測定システム内に取り付けられているときに放射中心基準点に関する知識がなかった場合の影響を図示する概略図を示している。方向82に沿っDUTシフトすると、メインローブ78および/または放出され他のローブのシフトにつながる可能性がある。プローブ72でビームおよび/またはローブを決定することにより、とりわけアンテナアレイの望ましい位置や実際の位置が不明な場合、これがDUTの誤動作や位置ずれによる影響であるかどうかを判断するのは困難または不可能である。
【0084】
DUTの例は、例えば、アクティブアンテナシステム(AAS)、基地局アンテナ、ハンドセットなどのユーザー機器、ラップトップ、車両、ドローン漏洩給電ケーブルなどの拡張された大型オブジェクトなどがあり得る。
【0085】
図9bは、アンテナアレイ44の構造を示す概略図を示している。アンテナアレイ44は、複数のアンテナ素子841~84Nを備えていることがある。CORRPは、スタンドアロンで使用することも、プローブ、DUT、または別の要素などの特定のコンポーネントをデバイスのエッジに合わせる要求および/またはテストパターンを表示するディスプレイ上基準点を表示するスクリーンまたは表面に垂直センサーを位置合わせする要求等、あらゆる情報/指示と組み合わせて使用することできる。図示されるように、図9aのシフト82と逆であり得るシフト82´´を実装して、DUT、例えばDUT70を1つ以上のプローブ72と位置合わせするようすることもできる。これにより、ビームのサイドローブ76および/またはメインローブ78を正確に決定することができる。例えば、測定システムは、例えばプローブに関連し検索アルゴリズムを使用する場合がある。プローブ72に関してそれぞれのマーカーまたはパターンが観測できた場合、位置合わせが想定され、検出または決定されたビームが所望の条件に一致するかどうかを決定するためにCORRPを使用することができる。これは、DUTを位置合わせするための検索アルゴリズムを使用して実行されることがある
【0086】
本明細書に記載の実施形態はまとめて実行され得るが、分散して実装することも可能であり得る。例えば、デバイスまたはDUTのメーカーは、方法100、200および/または400のうちの1つ以上を実行してもよい。送することでメーカーはデバイスがサポートされる各ビームおよび/またはビームのセットに対して1つの基準点および/または複数の基準点/ベクトルを提供することができる。これには1つ以上のメインローブおよび/または1つ以上のサイドローブに関連する情報が含まれることがあるメーカーはさらに、各ビームの送受信の周波数または周波数範囲に関する情報を提供する場合がある。送信モードの各モードまたはセットは、特定のビームを形成するために使用されるように示される場合がある。特定のモードでは、異なるアンテナ/アンテナ要素がビーム作成に関与する場合がある。それにより、使用されるアンテナまたはアンテナ素子の特定の細目を示すことにより、試験内でさらなる細目を評価することができる。
【0087】
CORRPおよび/または位置情報を使用する測定システム、および/または方法500および600のうちの1つ以上を実装する測定システムは、DUTホルダー(キャリア)を含むことがあり、ベクトルを使用して3D座標において搭載されたDUTをオフセットして、通常の測定手順(工程610)の間基準点が中心にあり、および/またはビームパターン評価(工程620)のための関数/変換の補正に既知のずれが組み込まれるように構成されることがある
【0088】
それぞれの基準点は、デバイス上の物理的なマーカー、またはコーナーストーンおよび/またはエッジに相対的なものであってもよい。これには、平面、角、エッジ、バーコード、例えば(平面で定義され既定サイズ等であり、座標系の基準として使用し得る)QRコード(登録商標)などのマトリックスバーコードなどのバーコードをどのように参照するかについてのあらゆる種類のオプションを含み得る。CORRPの定義またはマーキングは、妥当な物理的制約に縛られる/制限される値に関連する情報などの追加情報を含むQRコード(登録商標)を使用して実行することもできる。QRコード(登録商標)などの1次元または2次元バーコードは、たとえば印刷、エッチング、彫刻、接着ステップなどを使用してコードをDUTのケース、ボディ、ハウジング、カバーカウリング、筐体、および/または無作為に取り付けることで、永続的に実装できる。あるいは、UEが測定目的において利便性の高い特定の動作モードに設定されている場合、のようなコードUEの画面に表示することができる。すべてのインスタンスにおいて、QRコード(登録商標)の位置は固定されていてもよい。QRコード(登録商標)自体は、スキャナーまたはリーダーなどの機械読み取り装置、例えばデバイス33によって読み取られてもよい。のようなデバイスは、QRコード(登録商標)に含まれる情報を読み取ることができ、および/またはDUT上のQRコード(登録商標)の位置を決定するように構成することができるQRコード(登録商標)データに含まれる情報は、この場合、リーダーがCORRPを決定するために使用する情報である。換言すれば、QRコード(登録商標)は、利便性が高く、実用的で、容認可能および/または美的であり、CORRP自体のマーキングを形成しないような場所に配置することができる。さらに、QRコード(登録商標)は、DUTの外側の物理的特性と、例えば演繹的に既知の、または時間とともに更新されるこの情報をデータベースから提供することによって、このマーカーに関連するCORRPをどのように導出するかに関する記述とを定義することができる。このような情報は、たとえば、ウェブサイトまたはその他の参照先が明示的情報ソースにアクセスすることで取得することができる。このようなソースでは、コンテンツは、変更のない形で、または必要に応じて更新できるように変更可能な形でダウンロード/アクセスできるように保持することができる。さらに、このような情報セットには、「DUTでのこのような測定は、測定指示ABCバージョン1.23に従って実行された」という意味において測定を行う場合、参照すべきバージョン番号が含まれる場合がある。
【0089】
あるいはまたはさらに、CORRPは、ノッチ、エッチング、または穴などの機械的マーキングに基づいて定義することができる。あるいはまたはさらに、いわゆるバッジマーキングを実装してスイートスポットを得ることができる。あるいはまたはさらに、QRコード(登録商標)などのマトリックスコードがテストモードで表示され、それにより、光学パターンを備えた専用ピクセル位置を使用するユーザー機器画面(ディスプレイ)を使用してもよい。あるいはまたはさらに、ユーザー機器のランプ/カメラレンズ/マイク、スピーカーなどをCORRPとして使用することもできる。
【0090】
本明細書に記載の実施形態は、波/ビームが元々どこから省略されているかを正確な参照することができるようにしている。実施形態は、メーカーによるデバイス固有の技術的解決策を開示しないままにすることができるようにしている。CORRPおよび位置情報を定義するだけで十分なはずだからである。実施形態は、デバイスから見る/アクセスすることができる外側の基準点に対してデバイスを適正に位置決めすることができる。実施形態は、ずれているアンテナまたは分散アンテナであっても、近接場から遠方界に正しく変換することができる。その挙動を正しく、高精度で評価することができるからである。ビームの基準原点および/またはパターンを正しく決定していることに基づいて、ビームの対称性はより簡単に識別することができる。測定場所または建物、例えば実験室では、DUTを開いたり破壊したりすることなく、CORRPを使用してメーカーとまったく同じ基準原点を使用することができる。本明細書に記載される実施形態により、アンテナ/アレイなどの組み合わせについて異なる基準点を定義/使用すること可能にる。通信システムにおいて、本願で提案する実施形態を再利用して、ビームペアリングのような機能を容易にすることができる。つまり、CORRPは、スタンドアロンおよび/または検索アルゴリズムなどの他の方法と組み合わせて使用され得る。
【0091】
あるいはまたはさらに、例えば任意の方向を指すいくつかのアンテナアレイを使用している際に、ビーム調整が実行されてもよい。実施形態は、他の同等のデバイスまたは製品との標準化された公正な比較(ベンチマーク)を可能にする、DUT放射パターンのOTA測定のための正確な方法を提供している
【0092】
いくつかの態様は装置の文脈で記載されてきたが、これらの態様は、ブロックまたはデバイスが方法工程または方法工程の特徴に相当する、対応する方法の説明も表すことは明らかである。同様に、方法工程の文脈で記載され態様は、対応する装置の対応するブロックまたはアイテムまたは特徴の説明も表す。
【0093】
所定の実装要件によっては、本発明の実施形態はハードウェアまたはソフトウェアで実装することができる。実装は、それぞれの方法が実行されるようにプログラム可能なコンピュータシステムと協働する(または協働することができる)電子的に読み取り可能な制御信号が格納されたデジタル記憶媒体、たとえばフロッピーディスク、DVD、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、またはフラッシュメモリを使用して実行することができる。
【0094】
本発明にかかるいくつかの実施形態は、本明細書に記載の方法の1つが実行されるように、プログラマブルなコンピュータシステムと協働することができる電子可読な制御信号を有するデータキャリアを含む。
【0095】
一般に、本発明の実施形態は、プログラムコードを備えたコンピュータプログラム製品として実装することができ、プログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときに方法の1つを実行するように動作する。プログラムコードは、例えば機械可読なキャリアに記憶されていてもよい。
【0096】
他の実施形態は、機械可読キャリアに記憶された、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを含む。
【0097】
言い換えれば、本発明の方法の実施形態は、したがって、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0098】
したがって、本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するためのコンピュータプログラムが記録されたデータキャリア(またはデジタル記憶媒体、またはコンピュータ可読媒体)である。
【0099】
発明の方法のさらなる実施形態は、したがって、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するためのコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは信号のシーケンスである。データストリームまたは信号のシーケンスは、たとえばインターネットを介して等、データ通信接続を介して転送されるように構成されてもよい。
【0100】
別の実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するように構成または適合された処理手段、例えばコンピュータ、またはプログラマブル論理デバイスが含まれる
【0101】
さらなる実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するためのコンピュータプログラムをインストールしたコンピュータを含む。
【0102】
一部の実施形態では、プログラマブル論理デバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ)を使用して、本明細書に記載の方法の機能の一部またはすべてを実行することができる。一部の実施形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するためにマイクロプロセッサと協働することもある。一般に、方は任意のハードウェア装置によって実行されることが好ましい。
【0103】
上述の実施形態は、本発明の原理の単なる例示である。本明細書に記載の構成および細目の修正および変更は、他の当業者には明らかであると理解される。したがって、本明細書に記載の実施形態の記述および説明によって提示される特定の細目によってではなく、目下の特許請求の範囲によってのみ制限されるものとする
【0104】
参考文献
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[7] 3GPP TR 37.976; V14.0.0.0 (2017-03), "Measurement of radiated performance for Multiple Input Multiple Output (MIMO) and multi-antenna reception for High Speed Packet Access (HSPA) and LTE terminals"
[8] 3GPP TR 37.842; V13.2.0 (2017-03), "Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Universal Terrestrial Radio Access (UTRA; Radio Frequency (RF) requirement background for Active Antenna System (AAS) Base Station (BS)"
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
図7
図8a
図8b
図9a
図9b