(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】外科用ステープラと共に使用するためのエンドエフェクタ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20241015BHJP
【FI】
A61B17/072
(21)【出願番号】P 2022129579
(22)【出願日】2022-08-16
(62)【分割の表示】P 2019533445の分割
【原出願日】2017-11-06
【審査請求日】2022-08-16
(32)【優先日】2016-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジェイソン・エル
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・フレデリック・イー・ザ・フォース
(72)【発明者】
【氏名】バコス・グレゴリー・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】フォルツ・ジャンナ・ビー
(72)【発明者】
【氏名】ゼイナー・マーク・エス
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0089146(US,A1)
【文献】特表2016-508420(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0090765(US,A1)
【文献】特表2014-518675(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/068 - 17/072
17/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ステープラと共に使用するためのエンドエフェクタであって、
複数のステープルを備えるステープルカートリッジであって、前記複数のステープルが第1のステープルと第2のステープルとを含み、前記第2のステープルが、前記第1のステープルに対して角度を付けて配向されている、ステープルカートリッジと、
ステープル形成面を含み、長手方向軸に沿って延在するアンビルであって、複数のポケットが前記ステープル形成面内に画定されており、前記複数のポケットが、
前記第1のステープルと整列し、第1の近位カップと、第1の遠位カップと、前記第1の近位カップと前記第1の遠位カップとの間に延在し、第1のポケット軸に沿って延在する長さ部分を有する第1のネック部とを含む、第1のポケットと、
前記第2のステープルと整列し、第2の近位カップと、第2の遠位カップと、を含む、第2のポケットとを含み、
前記第2のポケットが、第2のポケット軸
を含み、
前記第2の近位カップが、前記第1のポケットの前記第1のネック部に向かって延在する近位延在着面ゾーンを含み、
前記第2のポケット軸は、前記第2の
近位カップの近位端と
前記第2の遠位カップの遠位端との間に
、前記第2の近位カップと前記第2の遠位カップとを接続する第2のネック部を通って延在する、個々の前記第2のポケット内の中心軸であり、
前記近位延在着面ゾーンは
、2辺を画定し、前記2辺は90°の角部を画定し、前記角部は丸みを帯びており、
前記2辺のうちの第1の1辺は
、前記第2のポケット軸上から出発して、前記第2のポケット軸に垂直な前記第2のポケット軸を離れる方向に、前記角部まで延在し、
前記2辺のうちの他の第2の1辺は、前記角部から前記第2のポケット軸に平行に、遠位方向に延在し、
前記第2のポケットが前記第2のポケット軸に対して非対称となるように、前記第2のポケットは、前記第1の1辺の、前記第2のポケット軸上における端部から、前記第2のポケット軸に対して前記第1の1辺の反対側において、遠位側に傾斜して延びる1辺を有し、
前記アンビル内において、前記角部は、前記長手方向軸に沿った方向に張り出しており、
前記第1のポケットの両端と前記第1のネック部とにより受け入れ半島部が形成されており、
前記第2のポケットの前記近位延在着面ゾーンにより画定される前記第1の1辺が、前記第1のネック部の前記長さ部分に隣接して平行に配置され、前記第1のポケットの前記受け入れ半島部に入り込むようになっている、アンビルと、を備える、エンドエフェクタ。
【請求項2】
前記ステープル形成面が、前記ポケットの周囲に延在する非形成部分を含み、前記非形成部分が、前記ステープル形成面の50%未満を覆っている、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項3】
前記第1のネック部が、前記第1の近位カップ及び前記第1の遠位カップより狭く、前記第2のネック部が、前記第2の近位カップ及び前記第2の遠位カップより狭い、請求項
1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項4】
前記複数のポケットが、第3のステープルと整列した第3のポケットを更に含み、前記第3のポケットが、第3の近位カップと第3の遠位カップとを含み、前記第2の近位カップが、前記第3の近位カップの一部と前記第3の遠位カップの一部との間の第2の受け入れ半島部内へと延在する、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項5】
前記ポケットが複数の列に配置されており、前記複数の列が、
前記第1のポケットを含む内側列と、
前記第2のポケットを含み、前記第2のポケットが、前記第1のポケットからずれている、中間列と、
前記第3のポケットを含み、前記第3のポケットが、前記第1のポケットと整列している、外側列とを含む、請求項
4に記載のエンドエフェクタ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、外科用器具に関し、また様々な状況において、組織をステープル留め及び切断するために設計された、外科用ステープル留め及び切断器具並びにそれらと共に使用するためのステープルカートリッジ、ならびにエンドエフェクタに関する。
【図面の簡単な説明】
【0002】
本明細書に記載する実施形態の様々な特徴は、それらの利点と共に、以下の添付図面と併せて以下の説明によって理解することができる。
【
図1】ハンドルアセンブリの実施形態に操作可能に連結された交換式外科用ツールアセンブリの実施形態の斜視図である。
【
図2】
図1のハンドルアセンブリの一部及び交換式外科用ツールアセンブリの一部の分解組立図である。
【
図3】明確にするために一部を省略した、
図1及び
図2に示す交換式外科用ツールアセンブリの実施形態の遠位部分の斜視図である。
【
図4】
図1の交換式外科用ツールアセンブリの遠位部分の分解組立図である。
【
図5】内部に複数のステープルキャビティが画定されたステープルカートリッジ本体の斜視図である。
【
図6】
図5のステープルカートリッジ本体の部分底面斜視図である。
【
図7】
図5のステープルカートリッジ本体の頂面図であり、カートリッジ本体の長手方向スロットに配置された切断要素を示している。
【
図8】
図5のステープルカートリッジ本体の底面図であり、ステープルキャビティに配置されたドライバを示している。
【
図9】ステープル留めされた組織に埋め込まれ、
図5のステープルカートリッジ本体によって形成されるステープルラインであり、そのステープルラインから欠けていると思われる特定のステープルを点線で示している。
【
図10】
図9のステープルライン内のステープルの側面立面図である。
【
図12】内部に複数のステープルキャビティが画定されたステープルカートリッジ本体の底面図であり、ステープルキャビティに配置されるドライバを示している。
【
図13】
図8の近位のステープルキャビティ内のドライバの斜視図である。
【
図14】
図13のドライバの側面立面図であり、ずらされた傾斜面が点線で示されている。
【
図17】
図12のステープルカートリッジ本体の近位のステープルキャビティ内のドライバの平面図である。
【
図19】内部に複数のステープルキャビティが画定されたステープルカートリッジ本体の頂面図である。
【
図20】
図19のステープルカートリッジ本体の底面図であり、ステープルキャビティに配置されたドライバを示している。
【
図21】
図20の近位のステープルキャビティ内のドライバの斜視図である。
【
図24】
図21のドライバの側面立面図であり、ずらされた傾斜面が点線で示されている。
【
図25】内部に複数のステープルキャビティが画定されたステープルカートリッジ本体の頂面図である。
【
図26】
図25のステープルカートリッジ本体の底面図であり、ステープルキャビティに配置されたドライバを示している。
【
図27】内部に複数の角度を付けて配向されたステープルキャビティが画定されたステープルカートリッジ本体の一部の平面図であり、ステープルキャビティ内のステープルを示している。
【
図28】内部に複数の角度を付けて配向されたステープルキャビティが画定されたステープルカートリッジ本体の一部の平面図であり、ステープルキャビティ内のステープルを示している。
【
図29】内部に複数の角度を付けて配向されたステープルキャビティが画定されたステープルカートリッジ本体の一部の平面図であり、ステープルキャビティ内のステープルを示している。
【
図30】内部に複数の角度を付けて配向されたステープルキャビティが画定されたステープルカートリッジ本体の一部の平面図であり、ステープルキャビティ内のステープルを示している。
【
図31】内部に複数の角度を付けら配向されたステープルキャビティが画定されたステープルカートリッジ本体の一部の平面図であり、ステープルキャビティ内のステープルを示している。
【
図32】内部に複数のステープル形成ポケットが画定されたアンビルの一部の平面図である。
【
図36】内部に複数のステープル形成ポケットが画定されたアンビルの一部の平面図である。
【
図40】内部に複数のステープル形成ポケットが画定されたアンビルの一部の平面図である。
【
図44】内部に複数のステープル形成ポケットが画定されたアンビルの一部の平面図である。
【
図48】内部に複数のステープル形成ポケットが画定されたアンビルの一部の平面図である。
【
図52】内部に複数のステープル形成ポケットが画定されたアンビルの一部の平面図である。
【
図56】内部に複数のステープル形成ポケットが画定されたアンビルの一部の平面図である。
【
図60】内部に複数のステープル形成ポケットが画定されたアンビルの一部の平面図である。
【
図64】内部に複数のステープル形成ポケットが画定されたアンビルの一部の平面図である。
【
図68】内部に複数のステープル形成ポケットが画定されたアンビルの一部の平面図である。
【
図72】内部に複数のステープル形成ポケットが画定されたアンビルの一部の平面図である。
【
図77】エンドエフェクタ及びアダプタアセンブリの分解斜視図である。
【
図78】
図77のエンドエフェクタ及びアダプタアセンブリの一部の断面斜視図である。
【
図79】
図77のエンドエフェクタ及びアダプタアセンブリの一部の断面斜視図である。
【
図80】内部に複数のステープル形成ポケットが画定されたアンビルの一部の平面図である。
【
図81】ステープルドライバの実施形態の上面図である。
【
図82】
図81のステープルドライバの実施形態の上部斜視図である。
【0003】
複数の図面を通して、対応する参照符号は対応する部分を示す。本明細書に記載される例示は、本発明の様々な実施形態を1つの形態で例示するものであり、かかる例示は、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本願の出願人は、本願と同日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS AND REPLACEABLE TOOL ASSEMBLIES THEREOF」代理人整理番号第END7980USNP/160155号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」代理人整理番号第END7981USNP/160156号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR SURGICAL END EFFECTORS」代理人整理番号第END7982USNP/160157号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS AND FIRING MEMBERS THEREOF」代理人整理番号第END7983USNP/160158号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR SURGICAL END EFFECTORS AND REPLACEABLE TOOL ASSEMBLIES」代理人整理番号第END7984USNP/160159号、及び
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS AND ADAPTABLE FIRING MEMBERS THEREFOR」代理人整理番号第END7985USNP/160160号。
【0005】
本願の出願人は、本願と同日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第_____号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGES AND ARRANGEMENTS OF STAPLES AND STAPLE CAVITIES THEREIN」代理人整理番号第END7986USNP/160161号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL TOOL ASSEMBLIES WITH CLUTCHING ARRANGEMENTS FOR SHIFTING BETWEEN CLOSURE SYSTEMS WITH CLOSURE STROKE REDUCTION FEATURES AND ARTICULATION AND FIRING SYSTEMS」代理人整理番号第END7987USNP/160162号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS AND STAPLE-FORMING ANVILS」代理人整理番号第END7988USNP/160163号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL TOOL ASSEMBLIES WITH CLOSURE STROKE REDUCTION FEATURES」代理人整理番号第END7989USNP/160164号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGES AND ARRANGEMENTS OF STAPLES AND STAPLE CAVITIES THEREIN」代理人整理番号第END7990USNP/160165号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS AND STAPLE-FORMING ANVILS」代理人整理番号第END7991USNP/160166号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH JAW OPENING FEATURES FOR INCREASING A JAW OPENING DISTANCE」代理人整理番号第END7992USNP/160167号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「METHODS OF STAPLING TISSUE」代理人整理番号第END7993USNP/160168号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「FIRING MEMBERS WITH NON-PARALLEL JAW ENGAGEMENT FEATURES FOR SURGICAL END EFFECTORS」代理人整理番号第END7994USNP/160169号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS WITH EXPANDABLE TISSUE STOP ARRANGEMENTS」代理人整理番号第END7995USNP/160170号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH POSITIVE JAW OPENING FEATURES」代理人整理番号第END7997USNP/160172号、
-米国特許出願第______号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR PREVENTING FIRING SYSTEM ACTUATION UNLESS AN UNSPENT STAPLE CARTRIDGE IS PRESENT」、代理人整理番号第END7998USNP/160173号、及び
-米国特許出願第_____号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGES AND ARRANGEMENTS OF STAPLES AND STAPLE CAVITIES THEREIN」代理人整理番号第END7999USNP/160174号。
【0006】
本願の出願人は、本願と同日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第_____号、発明の名称「METHOD FOR RESETTING A FUSE OF A SURGICAL INSTRUMENT SHAFT」代理人整理番号第END8013USNP/160175号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「STAPLE FORMING POCKET ARRANGEMENT TO ACCOMMODATE DIFFERENT TYPES OF STAPLES」代理人整理番号第END8014USNP/160176号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING IMPROVED JAW CONTROL」代理人整理番号第END8016USNP/160178号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE AND STAPLE CARTRIDGE CHANNEL COMPRISING WINDOWS DEFINED THEREIN」代理人整理番号第END8017USNP/160179号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A CUTTING MEMBER」代理人整理番号第END8018USNP/160180号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「STAPLE FIRING MEMBER COMPRISING A MISSING CARTRIDGE AND/OR SPENT CARTRIDGE LOCKOUT」代理人整理番号第END8019USNP/160181号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「FIRING ASSEMBLY COMPRISING A LOCKOUT」代理人整理番号第END8020USNP/160182号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEM COMPRISING AN END EFFECTOR LOCKOUT AND A FIRING ASSEMBLY LOCKOUT」代理人整理番号第END8021USNP/160183号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「FIRING ASSEMBLY COMPRISING A FUSE」代理人整理番号第END8022USNP/160184号、及び
-米国特許出願第_____号、発明の名称「FIRING ASSEMBLY COMPRISING A MULTIPLE FAILED-STATE FUSE」代理人整理番号第END8023USNP/160185号。
【0007】
本願の出願人は、本願と同日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第_____号、発明の名称「STAPLE FORMING POCKET ARRANGEMENTS」代理人整理番号第END8038USNP/160186号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「ANVIL ARRANGEMENTS FOR SURGICAL STAPLERS」代理人整理番号第END8039USNP/160187号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「METHOD OF DEFORMING STAPLES FROM TWO DIFFERENT TYPES OF STAPLE CARTRIDGES WITH THE SAME SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」代理人整理番号第END8041USNP/160189号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「BILATERALLY ASYMMETRIC STAPLE FORMING POCKET PAIRS」代理人整理番号第END8042USNP/160190号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「CLOSURE MEMBERS WITH CAM SURFACE ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS WITH SEPARATE AND DISTINCT CLOSURE AND FIRING SYSTEMS」代理人整理番号第END8043USNP/160191号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL STAPLERS WITH INDEPENDENTLY ACTUATABLE CLOSING AND FIRING SYSTEMS」代理人整理番号第END8044USNP/160192号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH SMART STAPLE CARTRIDGES」代理人整理番号第END8045USNP/160193号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING STAPLES WITH DIFFERENT CLAMPING BREADTHS」代理人整理番号第END8047USNP/160195号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「STAPLE FORMING POCKET ARRANGEMENTS COMPRISING PRIMARY SIDEWALLS AND POCKET SIDEWALLS」代理人整理番号第END8048USNP/160196号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「NO-CARTRIDGE AND SPENT CARTRIDGE LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR SURGICAL STAPLERS」代理人整理番号第END8050USNP/160198号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「FIRING MEMBER PIN ANGLE」代理人整理番号第END8051USNP/160199号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「STAPLE FORMING POCKET ARRANGEMENTS COMPRISING ZONED FORMING SURFACE GROOVES」代理人整理番号第END8052USNP/160200号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH MULTIPLE FAILURE RESPONSE MODES」代理人整理番号第 END8053USNP/160201号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH PRIMARY AND SAFETY PROCESSORS」代理人整理番号第END8054USNP/160202号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH JAWS THAT ARE PIVOTABLE ABOUT A FIXED AXIS AND INCLUDE SEPARATE AND DISTINCT CLOSURE AND FIRING SYSTEMS」代理人整理番号第END8056USNP/160204号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「ANVIL HAVING A KNIFE SLOT WIDTH」代理人整理番号第END8057USNP/160205号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「CLOSURE MEMBER ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」代理人整理番号第END8058USNP/160206号、及び
-米国特許出願第_____号、発明の名称「FIRING MEMBER PIN CONFIGURATIONS」代理人整理番号第END8059USNP/160207号。
【0008】
本願の出願人は、本願と同日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第_____号、発明の名称「STEPPED STAPLE CARTRIDGE WITH ASYMMETRICAL STAPLES」代理人整理番号第END8000USNP/160208号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「STEPPED STAPLE CARTRIDGE WITH TISSUE RETENTION AND GAP SETTING FEATURES」代理人整理番号第END8001USNP/160209号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE WITH DEFORMABLE DRIVER RETENTION FEATURES」代理人整理番号第END8002USNP/160210号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「DURABILITY FEATURES FOR END EFFECTORS AND FIRING ASSEMBLIES OF SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」代理人整理番号第END8003USNP/160211号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS HAVING END EFFECTORS WITH POSITIVE OPENING FEATURES」代理人整理番号第END8004USNP/160212号、及び
-米国特許出願第_____号、発明の名称「CONNECTION PORTIONS FOR DEPOSABLE LOADING UNITS FOR SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」代理人整理番号第END8005USNP/160213号。
【0009】
本願の出願人は、本願と同日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第_____号、発明の名称「METHOD FOR ATTACHING A SHAFT ASSEMBLY TO A SURGICAL INSTRUMENT AND,ALTERNATIVELY,TO A SURGICAL ROBOT」代理人整理番号第END8006USNP/160214号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SHAFT ASSEMBLY COMPRISING A MANUALLY-OPERABLE RETRACTION SYSTEM FOR USE WITH A MOTORIZED SURGICAL INSTRUMENT SYSTEM」代理人整理番号第END8007USNP/160215号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SHAFT ASSEMBLY COMPRISING SEPARATELY ACTUATABLE AND RETRACTABLE SYSTEMS」代理人整理番号第END8008USNP/160216号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SHAFT ASSEMBLY COMPRISING A CLUTCH CONFIGURED TO ADAPT THE OUTPUT OF A ROTARY FIRING MEMBER TO TWO DIFFERENT SYSTEMS」代理人整理番号第END8009USNP/160217号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL SYSTEM COMPRISING A FIRING MEMBER ROTATABLE INTO AN ARTICULATION STATE TO ARTICULATE AN END EFFECTOR OF THE SURGICAL SYSTEM」代理人整理番号第END8010USNP/160218号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SHAFT ASSEMBLY COMPRISING A LOCKOUT」代理人整理番号第END8011USNP/160219号、及び
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SHAFT ASSEMBLY COMPRISING FIRST AND SECOND ARTICULATION LOCKOUTS」代理人整理番号第END8012USNP/160220号。
【0010】
本願の出願人は、本願と同日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEMS」代理人整理番号第END8024USNP/160221号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEMS」代理人整理番号第END8025USNP/160222号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEMS」代理人整理番号第END8026USNP/160223号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL STAPLE CARTRIDGE WITH MOVABLE CAMMING MEMBER CONFIGURED TO DISENGAGE FIRING MEMBER LOCKOUT FEATURES」代理人整理番号第END8027USNP/160224号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEMS」代理人整理番号第END8028USNP/160225号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「JAW ACTUATED LOCK ARRANGEMENTS FOR PREVENTING ADVANCEMENT OF A FIRING MEMBER IN A SURGICAL END EFFECTOR UNLESS AN UNFIRED CARTRIDGE IS INSTALLED IN THE END EFFECTOR」代理人整理番号第END8029USNP/160226号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「AXIALLY MOVABLE CLOSURE SYSTEM ARRANGEMENTS FOR APPLYING CLOSURE MOTIONS TO JAWS OF SURGICAL INSTRUMENTS」代理人整理番号第END8030USNP/160227号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「PROTECTIVE COVER ARRANGEMENTS FOR A JOINT INTERFACE BETWEEN A MOVABLE JAW AND ACTUATOR SHAFT OF A SURGICAL INSTRUMENT」代理人整理番号第END8031USNP/160228号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTOR WITH TWO SEPARATE COOPERATING OPENING FEATURES FOR OPENING AND CLOSING END EFFECTOR JAWS」代理人整理番号第END8032USNP/160229号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL END EFFECTOR WITH ASYMMETRIC SHAFT ARRANGEMENT」代理人整理番号第END8033USNP/160230号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT WITH INDEPENDENT PIVOTABLE LINKAGE DISTAL OF AN ARTICULATION LOCK」代理人整理番号第END8034USNP/160231号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「ARTICULATION LOCK ARRANGEMENTS FOR LOCKING AN END EFFECTOR IN AN ARTICULATED POSITION IN RESPONSE TO ACTUATION OF A JAW CLOSURE SYSTEM」代理人整理番号第END8035USNP/160232号、
-米国特許出願第_____号、発明の名称「LATERALLY ACTUATABLE ARTICULATION LOCK ARRANGEMENTS FOR LOCKING AN END EFFECTOR OF A SURGICAL INSTRUMENT IN AN ARTICULATED CONFIGURATION」代理人整理番号第END8036USNP/160233号、及び
-米国特許出願第_____号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH ARTICULATION STROKE AMPLIFICATION FEATURES」代理人整理番号第END8037USNP/160234号。
【0011】
本願の出願人は、2016年6月24日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/191,775号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING WIRE STAPLES AND STAMPED STAPLES」、
-米国特許出願第15/191,807号、発明の名称「STAPLING SYSTEM FOR USE WITH WIRE STAPLES AND STAMPED STAPLES」、
-米国特許出願第15/191,834号、発明の名称「STAMPED STAPLES AND STAPLE CARTRIDGES USING THE SAME」、
-米国特許出願第15/191,788号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING OVERDRIVEN STAPLES」、及び
-米国特許出願第15/191,818号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING OFFSET LONGITUDINAL STAPLE ROWS」。
【0012】
本願の出願人は、2016年6月24日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国デザイン特許出願第29/569,218号、発明の名称「SURGICAL FASTENER」、
-米国デザイン特許出願第29/569,227号、発明の名称「SURGICAL FASTENER」、
-米国デザイン特許出願第29/569,259号、発明の名称「SURGICAL FASTENER CARTRIDGE」、及び
-米国デザイン特許出願第29/569,264号、発明の名称「SURGICAL FASTENER CARTRIDGE」。
【0013】
本願の出願人は、2016年4月1日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/089,325号、発明の名称「METHOD FOR OPERATING A SURGICAL STAPLING SYSTEM」、
-米国特許出願第15/089,321号、発明の名称「MODULAR SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A DISPLAY」、
-米国特許出願第15/089,326号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A DISPLAY INCLUDING A RE-ORIENTABLE DISPLAY FIELD」、
-米国特許出願第15/089,263号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HANDLE ASSEMBLY WITH RECONFIGURABLE GRIP PORTION」、
-米国特許出願第15/089,262号、発明の名称「ROTARY POWERED SURGICAL INSTRUMENT WITH MANUALLY ACTUATABLE BAILOUT SYSTEM」、
-米国特許出願第15/089,277号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND STAPLING END EFFECTOR WITH ANVIL CONCENTRIC DRIVE MEMBER」、
-米国特許出願第15/089,296号、発明の名称「INTERCHANGEABLE SURGICAL TOOL ASSEMBLY WITH A SURGICAL END EFFECTOR THAT IS SELECTIVELY ROTATABLE ABOUT A SHAFT AXIS」、
-米国特許出願第15/089,258号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A SHIFTABLE TRANSMISSION」、
-米国特許出願第15/089,278号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM CONFIGURED TO PROVIDE SELECTIVE CUTTING OF TISSUE」、
-米国特許出願第15/089,284号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A CONTOURABLE SHAFT」、
-米国特許出願第15/089,295号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A TISSUE COMPRESSION LOCKOUT」、
-米国特許出願第15/089,300号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING AN UNCLAMPING LOCKOUT」、
-米国特許出願第15/089,196号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A JAW CLOSURE LOCKOUT」、
-米国特許出願第15/089,203号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A JAW ATTACHMENT LOCKOUT」、
-米国特許出願第15/089,210号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A SPENT CARTRIDGE LOCKOUT」、
-米国特許出願第15/089,324号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A SHIFTING MECHANISM」、
-米国特許出願第15/089,335号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT COMPRISING MULTIPLE LOCKOUTS」、
-米国特許出願第15/089,339号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」、
-米国特許出願第15/089,253号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM CONFIGURED TO APPLY ANNULAR ROWS OF STAPLES HAVING DIFFERENT HEIGHTS」、
-米国特許出願第15/089,304号、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM COMPRISING A GROOVED FORMING POCKET」、
-米国特許出願第15/089,331号、発明の名称「ANVIL MODIFICATION MEMBERS FOR SURGICAL STAPLERS」、
-米国特許出願第15/089,336号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGES WITH ATRAUMATIC FEATURES」、
-米国特許出願第15/089,312号、発明の名称「CIRCULAR STAPLING SYSTEM COMPRISING AN INCISABLE TISSUE SUPPORT」、
-米国特許出願第15/089,309号、発明の名称「CIRCULAR STAPLING SYSTEM COMPRISING ROTARY FIRING SYSTEM」、及び
-米国特許出願第15/089,349号、発明の名称「CIRCULAR STAPLING SYSTEM COMPRISING LOAD CONTROL」。
【0014】
本願の出願人はまた、2015年12月31日に出願された以下に特定する米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/984,488号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR BATTERY PACK FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、
-米国特許出願第14/984,525号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR DRIVETRAIN FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、及び
-米国特許出願第14/984,552号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH SEPARABLE MOTORS AND MOTOR CONTROL CIRCUITS」。
【0015】
本願の出願人はまた、2016年2月9日に出願された以下に特定する米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/019,220号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH ARTICULATING AND AXIALLY TRANSLATABLE END EFFECTOR」、
-米国特許出願第15/019,228号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH MULTIPLE LINK ARTICULATION ARRANGEMENTS」、
-米国特許出願第15/019,196号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT ARTICULATION MECHANISM WITH SLOTTED SECONDARY CONSTRAINT」、
-米国特許出願第15/019,206号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH AN END EFFECTOR THAT IS HIGHLY ARTICULATABLE RELATIVE TO AN ELONGATE SHAFT ASSEMBLY」、
-米国特許出願第15/019,215号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH NON-SYMMETRICAL ARTICULATION ARRANGEMENTS」、
-米国特許出願第15/019,227号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH SINGLE ARTICULATION LINK ARRANGEMENTS」、
-米国特許出願第15/019,235号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH TENSIONING ARRANGEMENTS FOR CABLE DRIVEN ARTICULATION SYSTEMS」、
-米国特許出願第15/019,230号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH OFF-AXIS FIRING BEAM ARRANGEMENTS」、及び
-米国特許出願第15/019,245号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH CLOSURE STROKE REDUCTION ARRANGEMENTS」。
【0016】
本願の出願人はまた、2016年2月12日に出願された以下に特定する特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/043,254号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR DRIVETRAIN FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、
-米国特許出願第15/043,259号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR DRIVETRAIN FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、
-米国特許出願第15/043,275号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR DRIVETRAIN FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、及び
-米国特許出願第15/043,289号、発明の名称「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR DRIVETRAIN FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」。
【0017】
本願の出願人は、2015年6月18日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/742,925号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS WITH POSITIVE JAW OPENING ARRANGEMENTS」、
-米国特許出願第14/742,941号、発明の名称「SURGICAL END EFFECTORS WITH DUAL CAM ACTUATED JAW CLOSING FEATURES」、
-米国特許出願第14/742,914号、発明の名称「MOVABLE FIRING BEAM SUPPORT ARRANGEMENTS FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」、
-米国特許出願第14/742,900号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH COMPOSITE FIRING BEAM STRUCTURES WITH CENTER FIRING SUPPORT MEMBER FOR ARTICULATION SUPPORT」、
-米国特許出願第14/742,885号、発明の名称「DUAL ARTICULATION DRIVE SYSTEM ARRANGEMENTS FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」、及び
-米国特許出願第14/742,876号、発明の名称「PUSH/PULL ARTICULATION DRIVE SYSTEMS FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」。
【0018】
本願の出願人は、2015年3月6日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/640,746号、発明の名称「POWERED SURGICAL INSTRUMENT」、現在は米国特許出願公開第2016/0256184号、
-米国特許出願第14/640,795号、発明の名称「MULTIPLE LEVEL THRESHOLDS TO MODIFY OPERATION OF POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許出願公開第2016/02561185号、
-米国特許出願第14/640,832号、発明の名称「ADAPTIVE TISSUE COMPRESSION TECHNIQUES TO ADJUST CLOSURE RATES FOR MULTIPLE TISSUE TYPES」、現在は米国特許出願公開第2016/0256154号、
-米国特許出願第14/640,935号、発明の名称「OVERLAID MULTI SENSOR RADIO FREQUENCY(RF)ELECTRODE SYSTEM TO MEASURE TISSUE COMPRESSION」、現在は米国特許出願公開第2016/0256071号、
-米国特許出願第14/640,831号、発明の名称「MONITORING SPEED CONTROL AND PRECISION INCREMENTING OF MOTOR FOR POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許出願公開第2016/0256153号、
-米国特許出願第14/640,859号、発明の名称「TIME DEPENDENT EVALUATION OF SENSOR DATA TO DETERMINE STABILITY,CREEP,AND VISCOELASTIC ELEMENTS OF MEASURES」、現在は米国特許出願公開第2016/0256187号、
-米国特許出願第14/640,817号、発明の名称「INTERACTIVE FEEDBACK SYSTEM FOR POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許出願公開第2016/0256186号、
-米国特許出願第14/640,844号、発明の名称「CONTROL TECHNIQUES AND SUB-PROCESSOR CONTAINED WITHIN MODULAR SHAFT WITH SELECT CONTROL PROCESSING FROM HANDLE」、現在は米国特許出願公開第2016/0256155号、
-米国特許出願第14/640,837号、発明の名称「SMART SENSORS WITH LOCAL SIGNAL PROCESSING」、現在は米国特許出願公開第2016/0256163号、
-米国特許出願第14/640,765号、発明の名称「SYSTEM FOR DETECTING THE MIS-INSERTION OF A STAPLE CARTRIDGE INTO A SURGICAL STAPLER」、現在は米国特許出願公開第2016/0256160号、
-米国特許出願第14/640,799号、発明の名称「SIGNAL AND POWER COMMUNICATION SYSTEM POSITIONED ON A ROTATABLE SHAFT」、現在は米国特許出願公開第2016/0256162号、及び
-米国特許出願第14/640,780号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A LOCKABLE BATTERY HOUSING」、現在は米国特許出願公開第2016/0256161号。
【0019】
本願の出願人は、2015年2月27日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/633,576号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEM COMPRISING AN INSPECTION STATION」、現在は米国特許出願公開第2016/0249919号、
-米国特許出願第14/633,546号、発明の名称「SURGICAL APPARATUS CONFIGURED TO ASSESS WHETHER A PERFORMANCE PARAMETER OF THE SURGICAL APPARATUS IS WITHIN AN ACCEPTABLE PERFORMANCE BAND」、現在は米国特許出願公開第2016/0249915号、
-米国特許出願第14/633,560号、発明の名称「SURGICAL CHARGING SYSTEM THAT CHARGES AND/OR CONDITIONS ONE OR MORE BATTERIES」、現在は米国特許出願公開第2016/0249910号、
-米国特許出願第14/633,566号、発明の名称「CHARGING SYSTEM THAT ENABLES EMERGENCY RESOLUTIONS FOR CHARGING A BATTERY」、現在は米国特許出願公開第2016/0249918号、
-米国特許出願第14/633,555号、発明の名称「SYSTEM FOR MONITORING WHETHER A SURGICAL INSTRUMENT NEEDS TO BE SERVICED」、現在は米国特許出願公開第2016/0249916号、
-米国特許出願第14/633,542号、発明の名称「REINFORCED BATTERY FOR A SURGICAL INSTRUMENT」、現在は米国特許出願公開第2016/0249908号、
-米国特許出願第14/633,548号、発明の名称「POWER ADAPTER FOR A SURGICAL INSTRUMENT」、現在は米国特許出願公開第2016/0249909号、
-米国特許出願第14/633,526号、発明の名称「ADAPTABLE SURGICAL INSTRUMENT HANDLE」、現在は米国特許出願公開第2016/0249945号、
-米国特許出願第14/633,541号、発明の名称「MODULAR STAPLING ASSEMBLY」、現在は米国特許出願公開第2016/0249927号、及び
-米国特許出願第14/633,562号、発明の名称「SURGICAL APPARATUS CONFIGURED TO TRACK AN END-OF-LIFE PARAMETER」、現在は米国特許出願公開第2016/0249917号。
【0020】
本願の出願人は、2014年12月18日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/574,478号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS COMPRISING AN ARTICULATABLE END EFFECTOR AND MEANS FOR ADJUSTING THE FIRING STROKE OF A FIRING MEMBER」、現在は米国特許出願公開第2016/0174977号、
-米国特許出願第14/574,483号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT ASSEMBLY COMPRISING LOCKABLE SYSTEMS」、現在は米国特許出願公開第2016/0174969号、
-米国特許出願第14/575,139号、発明の名称「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許出願公開第2016/0174978号、
-米国特許出願第14/575,148号、発明の名称「LOCKING ARRANGEMENTS FOR DETACHABLE SHAFT ASSEMBLIES WITH ARTICULATABLE SURGICAL END EFFECTORS」、現在は米国特許出願公開第2016/0174976号、
-米国特許出願第14/575,130号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH AN ANVIL THAT IS SELECTIVELY MOVABLE ABOUT A DISCRETE NON-MOVABLE AXIS RELATIVE TO A STAPLE CARTRIDGE」、現在は米国特許出願公開第2016/0174972号、
-米国特許出願第14/575,143号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH IMPROVED CLOSURE ARRANGEMENTS」、現在は米国特許出願公開第2016/0174983号、
-米国特許出願第14/575,117号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH ARTICULATABLE END EFFECTORS AND MOVABLE FIRING BEAM SUPPORT ARRANGEMENTS」、現在は米国特許出願公開第2016/0174975号、
-米国特許出願第14/575,154号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH ARTICULATABLE END EFFECTORS AND IMPROVED FIRING BEAM SUPPORT ARRANGEMENTS」、現在は米国特許出願公開第2016/0174973号、
-米国特許出願第14/574,493号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT ASSEMBLY COMPRISING A FLEXIBLE ARTICULATION SYSTEM」、現在は米国特許出願公開第2016/0174970号、及び
-米国特許出願第14/574,500号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT ASSEMBLY COMPRISING A LOCKABLE ARTICULATION SYSTEM」、現在は米国特許出願公開第2016/0174971号。
【0021】
本願の出願人は、2013年3月1日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第13/782,295号、発明の名称「Articulatable Surgical Instruments With Conductive Pathways For Signal Communication」、現在は米国特許出願公開第2014/0246471号、
-米国特許出願第13/782,323号、発明の名称「Rotary Powered Articulation Joints For Surgical Instruments」、現在は米国特許出願公開第2014/0246472号、
-米国特許出願第13/782,338号、発明の名称「Thumbwheel Switch Arrangements For Surgical Instruments」、現在は米国特許出願公開第2014/0249557号、
-米国特許出願第13/782,499号、発明の名称「Electromechanical Surgical Device with Signal Relay Arrangement」、現在は米国特許第9,358,003号、
-米国特許出願第13/782,460号、発明の名称「Multiple Processor Motor Control For Modular Surgical Instruments」、現在は米国特許出願公開第2014/0246478号、
-米国特許出願第13/782,358号、発明の名称「Joystick Switch Assemblies For Surgical Instruments」、現在は米国特許第9,326,767号、
-米国特許出願第13/782,481号、発明の名称「Sensor Straightened End Effector During Removal Through Trocar」、現在は米国特許第9,468,438号、
-米国特許出願第13/782,518号、発明の名称「Control Methods For Surgical Instruments With Removable Implement Portions」、現在は米国特許出願公開第2014/0246475号、
-米国特許出願第13/782,375号、発明の名称「Rotary Powered Surgical Instruments With Multiple Degrees of Freedom」、現在は米国特許第9,398,911号、及び
-米国特許出願第13/782,536号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SOFT STOP」、現在は米国特許第9,307,986号。
【0022】
本願の出願人はまた、2013年3月14日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第13/803,097号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A FIRING DRIVE」、現在は米国特許出願公開第2014/0263542号、
-米国特許出願第13/803,193号、発明の名称「CONTROL ARRANGEMENTS FOR A DRIVE MEMBER OF A SURGICAL INSTRUMENT」、現在は米国特許第9,332,987号、
-米国特許出願第13/803,053号、発明の名称「INTERCHANGEABLE SHAFT ASSEMBLIES FOR USE WITH A SURGICAL INSTRUMENT」、現在は米国特許出願公開第2014/0263564号、
-米国特許出願第13/803,086号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」、現在は米国特許出願公開第2014/0263541号、
-米国特許出願第13/803,210号、発明の名称「SENSOR ARRANGEMENTS FOR ABSOLUTE POSITIONING SYSTEM FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許出願公開第2014/0263538号、
-米国特許出願第13/803,148号、発明の名称「MULTI-FUNCTION MOTOR FOR A SURGICAL INSTRUMENT」、現在は米国特許出願公開第2014/0263554号、
-米国特許出願第13/803,066号、発明の名称「DRIVE SYSTEM LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR MODULAR SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許出願公開第2014/0263565号、
-米国特許出願第13/803,117号、発明の名称「ARTICULATION CONTROL SYSTEM FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許第9,351,726号、
-米国特許出願第13/803,130号、発明の名称「DRIVE TRAIN CONTROL ARRANGEMENTS FOR MODULAR SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許第9,351,727号、及び
-米国特許出願第13/803,159号、発明の名称「METHOD AND SYSTEM FOR OPERATING A SURGICAL INSTRUMENT」、現在は米国特許出願公開第2014/0277017号。
【0023】
本願の出願人はまた、2014年3月7日に出願された以下の特許出願を所有しており、その全体内容が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/200,111号、発明の名称「CONTROL SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許出願公開第2014/0263539号。
【0024】
本願の出願人はまた、2014年3月26日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/226,106号、発明の名称「POWER MANAGEMENT CONTROL SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許出願公開第2015/0272582号、
-米国特許出願第14/226,099号、発明の名称「STERILIZATION VERIFICATION CIRCUIT」、現在は米国特許出願公開第2015/0272581号、
-米国特許出願第14/226,094号、発明の名称「VERIFICATION OF NUMBER OF BATTERY EXCHANGES/PROCEDURE COUNT」、現在は米国特許出願公開第2015/0272580号、
-米国特許出願第14/226,117号、発明の名称「POWER MANAGEMENT THROUGH SLEEP OPTIONS OF SEGMENTED CIRCUIT AND WAKE UP CONTROL」、現在は米国特許出願公開第2015/0272574号、
-米国特許出願第14/226,075号、発明の名称「MODULAR POWERED SURGICAL INSTRUMENT WITH DETACHABLE SHAFT ASSEMBLIES」、現在は米国特許出願公開第2015/0272579号、
-米国特許出願第14/226,093号、発明の名称「FEEDBACK ALGORITHMS FOR MANUAL BAILOUT SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許出願公開第2015/0272569号、
-米国特許出願第14/226,116号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT UTILIZING SENSOR ADAPTATION」、現在は米国特許出願公開第2015/0272571号、
-米国特許出願第14/226,071号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT CONTROL CIRCUIT HAVING A SAFETY PROCESSOR」、現在は米国特許出願公開第2015/0272578号、
-米国特許出願第14/226,097号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING INTERACTIVE SYSTEMS」、現在は米国特許出願公開第2015/0272570号、
-米国特許出願第14/226,126号、発明の名称「INTERFACE SYSTEMS FOR USE WITH SURGICAL INSTRUMENTS」、現在は米国特許出願公開第2015/0272572号、
-米国特許出願第14/226,133号、発明の名称「MODULAR SURGICAL INSTRUMENT SYSTEM」、現在は米国特許出願公開第2015/0272557号、
-米国特許出願第14/226,081号、発明の名称「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING A SEGMENTED CIRCUIT」、現在は米国特許出願公開第2015/0277471号、
-米国特許出願第14/226,076号、発明の名称「POWER MANAGEMENT THROUGH SEGMENTED CIRCUIT AND VARIABLE VOLTAGE PROTECTION」、現在は米国特許出願公開第2015/0280424号、
-米国特許出願第14/226,111号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT SYSTEM」、現在は米国特許出願公開第2015/0272583号、及び
-米国特許出願第14/226,125号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A ROTATABLE SHAFT」、現在は米国特許出願公開第2015/0280384号。
【0025】
本願の出願人はまた、2014年9月5日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/479,103号、発明の名称「CIRCUITRY AND SENSORS FOR POWERED MEDICAL DEVICE」、現在は米国特許出願公開第2016/0066912号、
-米国特許出願第14/479,119号、発明の名称「ADJUNCT WITH INTEGRATED SENSORS TO QUANTIFY TISSUE COMPRESSION」、現在は米国特許出願公開第2016/0066914号、
-米国特許出願第14/478,908号、発明の名称「MONITORING DEVICE DEGRADATION BASED ON COMPONENT EVALUATION」、現在は米国特許出願公開第2016/0066910号、
-米国特許出願第14/478,895号、発明の名称「MULTIPLE SENSORS WITH ONE SENSOR AFFECTING A SECOND SENSOR’S OUTPUT OR INTERPRETATION」、現在は米国特許出願公開第2016/0066909号、
-米国特許出願第14/479,110号、発明の名称「POLARITY OF HALL MAGNET TO DETECT MISLOADED CARTRIDGE」、現在は米国特許出願公開第2016/0066915号、
-米国特許出願第14/479,098号、発明の名称「SMART CARTRIDGE WAKE UP OPERATION AND DATA RETENTION」、現在は米国特許出願公開第2016/0066911号、
-米国特許出願第14/479,115号、発明の名称「MULTIPLE MOTOR CONTROL FOR POWERED MEDICAL DEVICE」、現在は米国特許出願公開第2016/0066916号、及び
-米国特許出願第14/479,108号、発明の名称「LOCAL DISPLAY OF TISSUE PARAMETER STABILIZATION」、現在は米国特許出願公開第2016/0066913号。
【0026】
本願の出願人はまた、2014年4月9日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/248,590号、発明の名称「MOTOR DRIVEN SURGICAL INSTRUMENTS WITH LOCKABLE DUAL DRIVE SHAFTS」、現在は米国特許出願公開第2014/0305987号、
-米国特許出願第14/248,581号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A CLOSING DRIVE AND A FIRING DRIVE OPERATED FROM THE SAME ROTATABLE OUTPUT」、現在は米国特許出願公開第2014/0305989号、
-米国特許出願第14/248,595号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SHAFT INCLUDING SWITCHES FOR CONTROLLING THE OPERATION OF THE SURGICAL INSTRUMENT」、現在は米国特許出願公開第2014/0305988号、
-米国特許出願第14/248,588号、発明の名称「POWERED LINEAR SURGICAL STAPLER」、現在は米国特許出願公開第2014/0309666号、
-米国特許出願第14/248,591号、発明の名称「TRANSMISSION ARRANGEMENT FOR A SURGICAL INSTRUMENT」、現在は米国特許出願公開第2014/0305991号、
-米国特許出願第14/248,584号、発明の名称「MODULAR MOTOR DRIVEN SURGICAL INSTRUMENTS WITH ALIGNMENT FEATURES FOR ALIGNING ROTARY DRIVE SHAFTS WITH SURGICAL END EFFECTOR SHAFTS」、現在は米国特許出願公開第2014/0305994号、
-米国特許出願第14/248,587号、発明の名称「POWERED SURGICAL STAPLER」、現在は米国特許出願公開第2014/0309665号、
-米国特許出願第14/248,586号、発明の名称「DRIVE SYSTEM DECOUPLING ARRANGEMENT FOR A SURGICAL INSTRUMENT」、現在は米国特許出願公開第2014/0305990号、及び
-米国特許出願第14/248,607号、発明の名称「MODULAR MOTOR DRIVEN SURGICAL INSTRUMENTS WITH STATUS INDICATION ARRANGEMENTS」、現在は米国特許出願公開第2014/0305992号。
【0027】
本願の出願人はまた、2013年4月16日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国仮特許出願第61/812,365号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH MULTIPLE FUNCTIONS PERFORMED BY A SINGLE MOTOR」、
-米国仮特許出願第61/812,376号、発明の名称「LINEAR CUTTER WITH POWER」、
-米国仮特許出願第61/812,382号、発明の名称「LINEAR CUTTER WITH MOTOR AND PISTOL GRIP」、
-米国仮特許出願第61/812,385号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HANDLE WITH MULTIPLE ACTUATION MOTORS AND MOTOR CONTROL」、及び
-米国仮特許出願第61/812,372号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH MULTIPLE FUNCTIONS PERFORMED BY A SINGLE MOTOR」。
【0028】
本願の出願人はまた、2015年9月2日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/843,168号、発明の名称「SURGICAL STAPLE CARTRIDGE WITH IMPROVED STAPLE DRIVER CONFIGURATIONS」、
-米国特許出願第14/843,196号、発明の名称「SURGICAL STAPLE DRIVER ARRAYS」、
-米国特許出願第14/843,216号、発明の名称「SURGICAL STAPLE CARTRIDGE STAPLE DRIVERS WITH CENTRAL SUPPORT FEATURES」、
-米国特許出願第14/843,243号、発明の名称「SURGICAL STAPLE CONFIGURATIONS WITH CAMMING SURFACES LOCATED BETWEEN PORTIONS SUPPORTING SURGICAL STAPLES」、及び
-米国特許出願第14/843,267号、発明の名称「SURGICAL STAPLE CARTRIDGES WITH DRIVER ARRANGEMENTS FOR ESTABLISHING HERRINGBONE STAPLE PATTERNS」。
【0029】
本願の出願人はまた、2014年9月26日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第14/498,070号、発明の名称「CIRCULAR FASTENER CARTRIDGES FOR APPLYING RADIALLY EXPANDABLE FASTENER LINES」、現在は米国特許出願公開第2016/0089146号、
-米国特許出願第14/498,087号、発明の名称「SURGICAL STAPLE AND DRIVER ARRANGEMENTS FOR STAPLE CARTRIDGES」、現在は米国特許出願公開第2016/0089147号、
-米国特許出願第14/498,105号、発明の名称「SURGICAL STAPLE AND DRIVER ARRANGEMENTS FOR STAPLE CARTRIDGES」、現在は米国特許出願公開第2016/0089148号、
-米国特許出願第14/498,121号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE FOR CREATING A FLEXIBLE STAPLE LINE」、現在は米国特許出願公開第2016/0089141号、
-米国特許出願第14/498,145号、発明の名称「METHOD FOR CREATING A FLEXIBLE STAPLE LINE」、現在は米国特許出願公開第2016/0089142号、及び
-米国特許出願第14/498,107号、発明の名称「SURGICAL STAPLING BUTTRESSES AND ADJUNCT MATERIALS」、現在は米国特許出願公開第2016/0089143号。
【0030】
本出願の出願人はまた、参照によりそのそれぞれの全体が本明細書に組み込まれる、2013年11月26日に発行された米国特許第8,590,762号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE CAVITY CONFIGURATIONS」も所有している。
【0031】
本出願の出願人はまた、参照によりそのそれぞれの全体が本明細書に組み込まれる、2014年5月20日に発行された米国特許第8,727,197号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE CAVITY CONFIGURATION WITH COOPERATIVE SURGICAL STAPLE」も所有している。
【0032】
明細書に記載され、添付の図面に示されるように、実施形態の全体的な構造、機能、製造、及び使用の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が説明される。周知の動作、構成要素、及び素子は、本明細書に記載される実施形態を不明瞭にしないようにするため詳細に記載されていない。読者は、本明細書に記載され図示された実施形態は非限定的な例であり、そのため本明細書に開示された特定の構造的及び機能的詳細は代表的及び例示的であり得ることを、理解するであろう。特許請求の範囲から逸脱することなく、それに対する変形及び変更を行うことができる。
【0033】
用語「備える(comprise)」(「comprises」及び「comprising」など、compriseの任意の語形)、「有する(have)」(「has」及び「having」など、haveの任意の語形)、「含む(include)」(「includes」及び「including」など、includeの任意の語形)、及び「含有する(contain)」(「contains」及び「containing」など、containの任意の語形)は、オープンエンドの連結動詞である。結果として、1つ若しくは2つ以上の素子を「備える」、「有する」、「含む」、若しくは「含有する」外科用システム、デバイス、又は装置は、それらの1つ又は2つ以上の素子を有するが、それらの1つ又は2つ以上のみを有することに限定されない。同様に、1つ若しくは2つ以上の特徴を「備える」、「有する」、「含む」、若しくは「含有する」、システム、デバイス、又は装置の素子は、それら1つ又は2つ以上の特徴を有するが、それら1つ又は2つ以上の特徴のみを有することに限定されない。
【0034】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0035】
腹腔鏡下及び低侵襲性の外科手術を行うための、様々な例示的なデバイス及び方法が提供される。しかしながら、本明細書に開示される様々な方法及びデバイスが、例えば開腹外科手術と関連するものを含む、多くの外科手術及び用途で使用され得ることが、読者には容易に理解されよう。本明細書の「発明を実施するための形態」を読み進めることで、読者は、本明細書に開示される様々な器具が、例えば、天然の開口部を通じて、組織に形成された切開又は穿刺穴を通じてなど、任意の方法で体内に挿入され得ることを更に理解するであろう。これらの器具の作用部分即ちエンドエフェクタ部分は、患者の体内に直接に挿入することもでき、又は、外科用器具のエンドエフェクタ及び細長シャフトを進めることが可能な作用通路を有するアクセス装置を通じて挿入することもできる。
【0036】
外科用ステープル留めシステムは、シャフトと、シャフトから延在するエンドエフェクタとを備えることができる。エンドエフェクタは、第1の顎部と第2の顎部とを備える。第1の顎部は、ステープルカートリッジを備える。ステープルカートリッジは、第1の顎部に挿入可能であり、かつ第1の顎部から着脱可能であるが、ステープルカートリッジが第1の顎部から着脱可能でないか、又は少なくとも容易に交換可能でない、他の実施形態も想到される。第2の顎部は、ステープルカートリッジから排出されたステープルを変形させるように構成されたアンビルを備える。第2の顎部は、閉鎖軸を中心にして第1の顎部に対して枢動可能であるが、第1の顎部が第2の顎部に対して枢動可能である、他の実施形態も想定される。外科用ステープル留めシステムは、エンドエフェクタをシャフトに対して回転させる、即ち関節運動させることができるように構成された関節継手を更に備える。エンドエフェクタは、関節継手を通って延在する関節運動軸を中心にして回転可能である。関節継手を含まない他の実施形態も想到される。
【0037】
ステープルカートリッジは、カートリッジ本体を備える。カートリッジ本体は、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延在するデッキ部とを含む。使用中、ステープルカートリッジは、ステープル留めされる組織の第1の側に位置付けられ、アンビルは、組織の第2の側に位置付けられる。アンビルは、ステープルカートリッジに向かって移動させられて、デッキ部に対して組織を圧縮及びクランプする。続いて、カートリッジ本体内に着脱可能に格納されたステープルを、組織内に配備することができる。カートリッジ本体は、その内部に画定されたステープルキャビティを含み、ステープルは、ステープルキャビティ内に着脱可能に格納される。ステープルキャビティは、6つの長手方向列に配置される。3つの列のステープルキャビティは、長手方向スロットの第1の側に位置付けられ、3つの列のステープルキャビティは、長手方向スロットの第2の側に位置付けられる。ステープルキャビティ及びステープルの他の配置も可能であり得る。
【0038】
ステープルは、カートリッジ本体内のステープルドライバによって支持される。ドライバは、第1の、即ち未発射位置と、ステープルキャビティからステープルを排出する、第2の、即ち発射位置との間で移動可能である。ドライバは、カートリッジ本体の底部周辺に延在する保持具によってカートリッジ本体内に保持され、また、カートリッジ本体を把持し、保持具をカートリッジ本体に対して保持するように構成された、弾性部材を含む。ドライバは、スレッドによってそれらの未発射位置とそれらの発射位置との間で移動可能である。スレッドは、近位端に隣接した近位位置と、遠位端に隣接した遠位側位置との間で移動可能である。スレッドは、ドライバの下を摺動し、ドライバを持ち上げるように構成された複数の傾斜面を備え、ステープルがその上に支持され、アンビルに向かう。
【0039】
上記に加えて、スレッドは発射部材によって遠位側に移動される。発射部材は、スレッドに接触し、スレッドを遠位端に向かって押し出すように構成されている。カートリッジ本体内に画定された長手方向スロットは、発射部材を受容するように構成されている。アンビルはまた、発射部材を受容するように構成されたスロットも含む。発射部材は、第1の顎部に係合する第1のカムと、第2の顎部に係合する第2のカムとを更に備える。発射部材を遠位側に前進させる際、第1のカム及び第2のカムは、ステープルカートリッジのデッキ部とアンビルとの間の距離、即ち組織ギャップを制御することができる。発射部材はまた、ステープルカートリッジとアンビルとの中間に捕捉された組織を切開するように構成されたナイフも備える。ステープルがナイフよりも前方に排出されるように、ナイフが傾斜面に対して少なくとも部分的に近位側に位置付けられることが望ましい。
【0040】
図1は、モータ駆動ハンドルアセンブリ500に動作可能に連結された交換式外科用ツールアセンブリ1000の一形態を示す。ツールアセンブリ1000はまた、ロボット制御又は自動外科用システムのツール駆動アセンブリと共に効果的に使用されてもよい。例えば、本明細書で開示する外科用ツールアセンブリは、種々のロボットシステム、器具、構成要素及び方法、例えば、限定されないが、参照によって全体内容が本明細書に組み込まれる米国特許第9,072,535号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」に開示されるものと共に使用されてもよい。ハンドルアセンブリ500及びロボットシステムのツール駆動アセンブリは、本明細書では「制御システム」又は「制御ユニット」と呼ばれることもある。
【0041】
図1及び
図2は、ハンドルアセンブリ500への交換式外科用ツールアセンブリ1000の取り付けを示す。ハンドルアセンブリ500は、臨床医が把持し、操作することが可能なピストルグリップ部分504を含むハンドル筐体502を備えていてもよい。ハンドルアセンブリ500は、複数の駆動システムを動作可能に支持するフレーム506を更に備えていてもよい。例えば、フレーム506は、「第1の」又は閉操作駆動システム(一般的には510で示される)を動作可能に支持することができ、これは、ハンドルアセンブリ500に動作可能に取り付けられているか、又は連結している交換式外科用ツールアセンブリ1000に開閉運動を適用するために使用されてもよい。少なくとも1つの形態では、フレーム506によって枢動可能に支えられる閉操作駆動システム510は、閉操作トリガ512の形態でアクチュエータを備えていてもよい。かかる配置により、臨床医がハンドル操作500のピストルグリップ部分504を把持するときに、閉操作トリガ512が開始位置又は「非作動」位置から「作動」位置へと、より特定的には、完全に圧縮された位置又は完全に作動した位置へと容易に枢動し得るように、閉操作トリガ512を臨床医が操作することが可能になる。様々な形態では、閉操作駆動システム510は、閉操作トリガ512に枢動可能に連結するか、これらと動作可能に他の方法でインターフェースする閉操作連結アセンブリ514を更に備えている。参照によって全体内容が本明細書に組み込まれる、同時に出願された米国特許出願第_____号、代理人整理番号第END7987USNP/160162号、発明の名称「SURGICAL TOOL ASSEMBLIES WITH CLUTCHING ARRANGEMENTS FOR SHIFTING BETWEEN CLOSURE SYSTEMS WITH CLOSURE STROKE REDUCTION FEATURES AND ARTICULATION AND FIRING SYSTEMS」に更に記載されるように、閉操作連結アセンブリ514は、外科用ツールアセンブリ上の対応する駆動システムに対する取り付けを容易にする横方向取り付けピン516を備えている。使用中、閉操作駆動システム510を作動させるために、臨床医は、閉操作トリガ512を、ピストルグリップ部分504に向かって押し付ける。参照によって全体内容が本明細書に組み込まれる、米国特許出願第14/226,142号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A SENSOR SYSTEM」、現在は米国特許出願公開第2015/0272575号に更に詳細に記載されるように、臨床医が閉操作トリガ512を完全に押圧し、「完全に」閉じたストロークを達成するとき、閉操作駆動システム510は、閉操作トリガ512を、完全に押圧された位置又は完全に作動した位置にロックするように構成されている。臨床医が閉操作トリガ512をアンロックし、非作動位置に付勢されるようにしたいと望むとき、臨床医は、単純に、閉操作トリガ512を非作動位置に戻すことが可能な閉操作解放ボタンアセンブリ518を作動させる。閉操作解放ボタンアセンブリ518はまた、閉操作トリガ512の位置を追跡するために、ハンドルアセンブリ500内のマイクロコントローラ520と連通する種々のセンサと相互作用するように構成されてもよい。閉操作解放ボタンアセンブリ518の構成及び操作に関する更なる詳細は、米国特許出願公開第2015/0272575号に見出すことができる。
【0042】
少なくとも1つの形態では、ハンドルアセンブリ500及びフレーム506は、取り付けられている交換式外科用ツールアセンブリの対応する部分に発射運動を適用するように構成されている、本明細書で発射駆動システム530と呼ばれる別の駆動システムを動作可能に支えていてもよい。米国特許出願公開第2015/0272575号に詳細に記載されるように、発射駆動システム530は、ハンドルアセンブリ500のピストルグリップ部分504内に配置される電動モータ505(
図1)を使用してもよい。様々な形態では、モータ505は、最大回転数が例えば約25,000RPMのブラシ付きDC駆動モータであってもよい。別の配置では、モータ505としては、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電動モータが挙げられ得る。モータ505は、電源522によって給電されてもよく、電源522は、一形態では、着脱可能なパワーパックを備えていてもよい。パワーパックは、その中にある複数のリチウムイオン(「LI」)又は他の好適な電池を支えてもよい。多数の電池が、直列で接続されていてもよく、これらをハンドルアセンブリ500の電源522として使用してもよい。加えて、電源522は、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。
【0043】
電動モータ505は、長手方向に移動可能な駆動部材540を、モータの極性に応じて、遠位方向及び近位方向で軸方向に駆動させるように構成されている。例えば、電動モータ505が、ある回転方向に駆動されると、長手方向に移動可能な駆動部材540は、遠位方向「DD」に軸方向に駆動され得る。モータ505が、反対の回転方向に駆動されると、長手方向に移動可能な駆動部材540は、近位方向「PD」に軸方向に駆動され得る。ハンドルアセンブリ500は、スイッチ513を備えていてもよく、スイッチ513は、電源522によって電動モータ505に適用される極性を逆転させるか、又は他の様式でモータ505を制御するように構成され得る。ハンドルアセンブリ500はまた、駆動部材540の位置及び/又は駆動部材540が移動する方向を検出するように構成されている1つ以上のセンサ(図示せず)を備えていてもよい。モータ505の作動は、ハンドルアセンブリ500に枢動可能に支持される発射トリガ532によって制御可能である。発射トリガ532は、非作動位置と作動位置との間を枢動してもよい。発射トリガ532は、臨床医が発射トリガ532を離すと、バネ(図示せず)又は他の付勢機構によって、非作動位置に付勢されてもよく、バネ又は付勢機構によって、非作動位置に枢動してもよく、又は他の様式で戻ってもよい。少なくとも1つの形態では、発射トリガ532は、上に記載したとおり、閉操作トリガ512の「外側に」配置されていてもよい。米国特許出願公開第2015/0272575号に記載されるように、ハンドルアセンブリ500には、発射トリガ532の不注意による作動を防ぐために、発射トリガセイフティボタン(図示せず)が設けられていてもよい。閉操作トリガ512が非作動位置にある場合、セイフティボタンは、ハンドルアセンブリ500の中に入っており、臨床医は、これに容易アクセスできず、発射トリガ532の作動を防ぐセイフティ位置と、発射トリガ532が発射し得る発射位置との間を移動させることはできない。臨床医が閉操作トリガ512を押圧すると、セイフティボタンと発射トリガ532が下に枢動してもよく、次いで、これらを臨床医が操作することができる。
【0044】
少なくとも1つの形態では、長手方向に移動可能な駆動部材540は、モータ505とインターフェースする対応するドライブギア配置(図示せず)と噛み合うように、部材の上に作られた歯状部(図示せず)を有していてもよい。これらの特徴に関する更なる詳細は、米国特許出願公開第2015/0272575号に見出されるだろう。少なくとも1つの形態はまた、臨床医が長手方向に移動可能な駆動部材540を手動で引っ込め、モータ505を使用できないようにすることが可能なように構成された、手動で作動可能な「緊急」アセンブリを備える。緊急アセンブリは、着脱可能なドア部550の下のハンドルアセンブリ500内に格納されたレバー又は緊急ハンドルアセンブリを備えていてもよい。レバーは、手動で枢動されて、駆動部材540の歯状部とラチェット係合するように構成されている。従って、臨床医は、緊急ハンドルアセンブリを用いることによって、駆動部材540を手動で引っ込め、近位方向「PD」で駆動部材540を歯止めで動かすことができる。参照によって全体内容が本明細書に組み込まれる、米国特許出願第12/249,117号、発明の名称「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」、現在は米国特許出願公開第2010/0089970号は、緊急配置、及びツールアセンブリ1000と共に使用可能な他の構成要素、配置及びシステムを開示する。
【0045】
交換式外科用ツールアセンブリ1000は、細長シャフトアセンブリ1400に動作可能に取り付けられるシャフト取り付け部分1300を備えている。ステープルカートリッジ1110を内部で動作可能に支持するように構成されている細長チャンネル1102を備える外科用エンドエフェクタ1100は、細長シャフトアセンブリ1400に動作可能に接続する。
図3及び
図4を参照されたい。エンドエフェクタ1100は、細長チャンネル1102に対して枢動可能に支持されるアンビル1130を更に備えていてもよい。細長チャンネル1102/ステープルカートリッジアセンブリ1110及びアンビル1130は、「顎」と呼ばれることもある。交換式外科用ツールアセンブリ1000は、シャフト軸SAに対して横方向の関節運動軸B-Bを中心に所望の関節運動位置にエンドエフェクタ1100を着脱可能に保持するように構成され得る、関節継手1200と関節ロック1210とを更に備えていてもよい(
図3及び
図4)。関節ロック1210の構造及び動作に関する詳細は、参照によって全体内容が本明細書に組み込まれる、米国特許出願第13/803,086号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」、現在は米国特許出願公開第2014/0263541号に見出されるだろう。関節ロック1210に関する更なる詳細は、参照によって全体内容が本明細書に組み込まれる、米国特許出願第15/019,196号、2016年2月9日に出願、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT ARTICULATION MECHANISM WITH SLOTTED SECONDARY CONSTRAINT」にも見出されるだろう。
【0046】
発射部材1760は、外科用ステープルカートリッジ1110の本体1111内に動作可能に支持されるスレッドアセンブリ1120と動作可能にインターフェースするように構成されている。スレッドアセンブリ1120は、カートリッジ本体1111の近位端1112に隣接する近位開始位置から、カートリッジ本体1111の遠位端1113に隣接する終了位置まで、外科用ステープルカートリッジ本体1111内で摺動可能である。
図4を参照されたい。カートリッジ本体1111は、その中に、中央に配置されたスロット1114のそれぞれの側の列に整列されている複数のステープルドライバ1170(
図81~
図83)を動作可能に支持する。中央に配置されたスロット1114によって、発射部材1760がこのスロットを通過して、アンビル1130とステープルカートリッジ1110との間にクランプ留めされた組織を切断することができる。ドライバは、カートリッジ本体1111の上側デッキ部表面1115を貫通して開いている対応するポケット又はキャビティ1116に関連付けられている。ステープルドライバの各々は、その上に1つ又は2つ以上の外科用ステープル又はその固定具を支持する。スレッドアセンブリ1120は、複数の傾斜しているか、又はくさび形のカム1122を備えており、各カム1122は、スロット1114の片側に配置される特定のラインの固定具又はドライバに対応する。発射部材1760が遠位に発射されるか、又は駆動される場合、発射部材1760は、同様にスレッドアセンブリ1120を遠位に駆動する。発射部材1760が、カートリッジ1110を通って遠位に移動するにつれて、組織切断特徴部1766が、アンビルアセンブリ1130とカートリッジ1110との間にクランプ留めされた組織を切断し、スレッドアセンブリ1120が、カートリッジ内でドライバを上向きに駆動し、対応するステープル又は固定具を、アンビルアセンブリ1130との接点を形成させるように駆動する。
【0047】
示した例では、カートリッジ本体1111は、その中に、中央に配置されたスロット1114のそれぞれの側の列に整列されている複数のステープルドライバを動作可能に支持する。
図81~
図83は、外科用ステープルカートリッジの片側でステープルを支持するために使用可能なステープルドライバ1170の一例を示す。中央に配置されたスロット1114の反対側に配置されたドライバは、ドライバ1170の鏡像をなしてもよい。他のステープルドライバ構成も、同様に効果的に使用される場合がある。
図81~
図83からわかるように、ステープルドライバ1700の一形態は、ステープルドライバ本体1172を備えている。ドライバ本体1172は、上にステープル(図示せず)を支持するように構成された第1の又は最内側のステープル支持部分1174を含んでいる。第2の又は中央のステープル支持部分1176は、その上に別のステープル(図示せず)を支持するように構成されており、第3の支持部分1870は、その上に第3のステープル(図示せず)を支持するように構成されている。第1のステープル支持部分1174、第2のステープル支持部分1176及び第3のステープル支持部分1178は、全て一緒にコネクタ部分1180によって接続される。少なくとも1つの配置では、コネクタ部分1180は、カートリッジ本体内に形成される対応する第1のドライバガイド(図示せず)を摺動可能に受け入れるように構成された、中央に配置された開口部(opening or aperture)1182と共に形成される。コネクタ部分1180は、第1のカム受け面又は傾斜1186が上に形成された第1のカム部分1184を含んでいる。コネクタ部分1180はまた、第2のカム受け面1190が上に形成された第2の第2のカム部分1188を含んでいる。カム受け面1186、1190は、同じ傾斜若しくは角度を有しており、又はこれらは異なる傾斜/角度を有していてもよい。少なくとも1つの実施形態では、各ステープルドライバ1170は、例えば、Ultem(登録商標)から一体的に作られるか、又は成型され、充填物は使用されない。しかしながら、例えば、ガラス若しくは鉱物の充填物を含むUltem(登録商標)、又はナイロン、若しくはガラスファイルを含むナイロンなど、他の材料を使用することができる。他の構成では、ステープルドライバ1170の種々の部分が、他の材料から別個に作られ、接着剤、半田付けなどによって一緒に接続されていてもよい。ステープルドライバ1170に関する更なる詳細及び本明細書に開示する種々の実施形態と共に効果的に使用可能な他のドライバ実施形態は、参照によって全体内容が本明細書に組み込まれる米国特許出願第14/843,243号、2015年9月2日出願、発明の名称「SURGICAL STAPLE CONFIGURATIONS WITH CAMMING SURFACES LOCATED BETWEEN PORTIONS SUPPORTING SURGICAL STAPLES」に見出されるだろう。
【0048】
ステープルキャビティ1116は、シャフト軸SAに対して角度を付けて配向されている。より具体的には、ステープルキャビティ1116は、シャフト軸SAに対して斜めの角度で配向され、デッキ部表面1115にヘリンボーンパターンを形成する。ステープルカートリッジ本体内のステープルキャビティの種々の別のパターンを本明細書に記載する。
【0049】
ステープルライン内のステープルの配置及び/又は幾何形状の変形形態は、ステープルラインの可撓性及び密封特性に影響を与えることがある。例えば、線形ステープルで構成されるステープルラインは、ステープルラインが線形ステープル間で曲がったり伸びたりすることができるため、限定的な量の可撓性又は伸張性をもたらすことができる。その結果、ステープルラインのうち限定された部分(例えば、ステープル間の部分)が可撓性である。角度を付けて配向されたステープルで構成されるステープルラインも、ステープル間で曲がったり伸びたりすることができる。しかし、角度を付けて配向されたステープルは、回転することもでき、ステープルライン内で更なる伸長度をもたらす。角度を付けて配向されたステープルで構成されるステープルラインは、例えば、60%を超えて伸長することができる。特定の場合には、角度を付けて配向されたステープルで構成されるステープルラインは、例えば、少なくとも25%又は少なくとも50%伸長することができる。ステープルの配置は、例えば、ステープルの相対的な配向と、ステープルの間隔を含む。ステープルの幾何形状は、例えば、ステープルの大きさ及び形状を含む。ステープルラインの可撓性及び密封特性は、ステープルの配置及び/又は幾何形状に基づき、長手方向及び/又は横方向の位置で変わり得る。特定の場合には、ステープルラインに沿った1つ又は2つ以上の位置で、ステープルラインの可撓性及び/又は密封特性を変えることが望ましい。例えば、ステープルライン又はその一部の可撓性を最大化することが望ましい場合がある。それに加えて、又はそれに代えて、ステープルライン又はその一部の可撓性を最小化することが望ましい場合がある。また、ステープルライン又はその一部の密封特性を最大化することが望ましい場合もある。それに加えて、又はそれに代えて、ステープルライン又はその一部の密封特性を最小化することが望ましい場合がある。
【0050】
ステープルカートリッジ内のステープルキャビティの配置は、ステープルカートリッジによって作られるステープルライン内のステープルの配置に対応する。例えば、ステープルカートリッジ内のステープルキャビティの間隔及び相対的な向きは、ステープルカートリッジによって作られるステープルライン内のステープルの間隔及び相対的な向きに対応する。種々の場合に、ステープルカートリッジは、得られるステープルラインの可撓性及び/又は密封特性を最適化するように選択され、かつ/又は設計されたステープルキャビティの配置を含んでいてもよい。外科医は、例えば、行われる外科手技及び/又はその手技中に治療される組織の特性に基づき、特定の配置のステープルキャビティを有するステープルカートリッジを選択してもよい。
【0051】
特定の場合には、異なるステープルパターンを有するステープルラインを作成することが望ましい場合がある。ステープルラインは、その第1の部分のためのステープルの第1のパターンと、その第2の部分のためのステープルの第2のパターンとを含み得る。第1のパターンと第2のパターンは、長手方向にずれていてもよい。例えば、第1のパターンは、ステープルラインの近位端又は遠位端に配置されていてもよい。他の場合には、第1のパターンと第2のパターンは、横方向にずれていてもよく、更に他の場合には、第1のパターンと第2のパターンは、横方向にずれており、かつ、長手方向にずれていてもよい。ステープルラインは、少なくとも2つの異なるステープルパターンを含み得る。
【0052】
特定の場合には、ステープルライン内の大部分のステープルが主パターンを形成してもよく、ステープルライン内の他のステープルが1つ又は2つ以上の副パターンを形成してもよい。主パターンは、ステープルラインのかなりの部分に広がっていてもよく、長手方向に繰り返すサブパターンを含んでいてもよい。特定の場合には、副パターン(又は不規則性)は、主パターンから逸脱していてもよい。副パターンは、例えば、ステープルラインの長さに沿った1つ又は2つ以上の位置で変則的であってもよい。ステープルライン内の異なるパターンは、あらかじめ定められた位置で異なる特性を生じるように構成され得る。例えば、主パターンは、可撓性又は弾性の高いパターンであってもよく、ステープル留めされた組織の伸長による伸びを可能にし、副パターンは、それよりも可撓性が低くてもよく、又は弾性が低くてもよい。例えば、ステープルラインの大部分は可撓性が高く、1つ又は2つ以上の限定された部分は可撓性が低いことが望ましい場合がある。他の場合には、副パターンは、主パターンよりも可撓性が高くてもよい。特定の場合には、副パターンが、ステープルラインの短い部分に沿って延在しているため、副パターンの可撓性が、ステープルライン全体の可撓性には影響を与えない場合があり、又は顕著に影響を与えない場合がある。
【0053】
ここで
図5~
図8を参照すると、外科用エンドエフェクタと共に使用するためのステープルカートリッジ本体3000が示される。ステープルカートリッジ本体3000は、デッキ部3002と、スロット3004とを備えており、スロット3004は、デッキ部3002を通り、カートリッジ本体3000の近位端3006から遠位端3008に向かって延在している。スロット3004は、カートリッジ本体3000の長手方向軸LA(
図7)に沿って延在している。ステープルキャビティ3010は、カートリッジ本体3000内に画定されており、各ステープルキャビティ3010は、デッキ部3002内の開口部3012を画定している。
【0054】
ステープルキャビティ3010の大部分が、第1のパターン(即ち、主パターン)3020で配置されている。第1のパターン3020は、角度を付けて配向されたステープルキャビティ3010の長手方向の繰り返しパターンである。長手方向の繰り返しパターンは、サブパターン又は配置が長手方向に繰り返されるパターンである。例えば、スロット3004のそれぞれの側にある3個のステープルキャビティの配置(内側ステープルキャビティ、中間ステープルキャビティ及び外側ステープルキャビティ)は、ステープルカートリッジ本体3000の長さの少なくとも一部に沿って繰り返されていてもよい。参照によって全体内容が本明細書に組み込まれる、角度を付けて配向されたステープルキャビティの種々の長手方向の繰り返しパターンは、米国特許出願第14/498,145号、2014年9月26日出願、現在は米国特許出願公開第2016/0089142号、発明の名称「METHOD FOR CREATING A FLEXIBLE STAPLE LINE」に記載される。第1のパターン3020内のステープルキャビティ3010の開口部3012は、カートリッジデッキ部3002内に角度を付けて配向されたステープルキャビティ開口部3012の6つの列を有するヘリンボーンパターンを形成する。ステープルキャビティ3010の内側列3014a、中間列3014b及び外側列3014cは、スロット3004のそれぞれの側に配置される。
【0055】
各ステープルキャビティ開口部3012は、近位端3016と、遠位端3018とを有する。第1のパターン3020内のステープルキャビティ3010の近位端3016と遠位端3018は、長手方向にずれている。違う言い方をすると、第1のパターン3020内の各ステープルキャビティ3010は、長手方向軸LAに対して角度を付けて配向されている(
図7)。キャビティ軸CA(
図7)は、各開口部3012の近位端3016と遠位端3018との間に延在する。キャビティ軸CAは、スロット3004に対して斜めに配向されている。より具体的には、ステープルキャビティ3010の内側列3014a内及びステープルキャビティ3010の外側列3014c内の開口部3012は、長手方向軸LAに対して45度、又は約45度で配置されており、ステープルキャビティ3010の中間列3014b内の開口部3012は、内側列3014a及び外側列3014aの開口部3012に対して90度、又は約90度で配置されている。
【0056】
カートリッジ本体3000内の特定のステープルキャビティ3010は、第1のパターン3020内のステープルキャビティ3010に対して変則的な角度又は不規則な角度で配向される。より具体的には、近位ステープルキャビティ3010a、3010b、3010c及び3010d及び遠位ステープルキャビティ3010e、3010f、3010g及び3010hの角度の向きは、第1のパターン3020内のステープルキャビティ3010のヘリンボーン配置に適合しない。むしろ、近位ステープルキャビティ3010a~3010d及び遠位ステープルキャビティ3010e~3010hは、第1のパターン3020内のステープルキャビティ3010から角度的にずれている。近位ステープルキャビティ3010a、3010b、3010c及び3010dは、第1のパターン3020内のステープルキャビティ3010に対して斜めに配向されており、遠位ステープルキャビティ3010e、3010f、3010g及び3010hも、第1のパターン3020内のステープルキャビティ3010に対して斜めに配向されている。近位及び遠位のステープルキャビティ3010a~3010hは、スロット3004及び長手方向軸LAに対して平行に配向される。
【0057】
近位ステープルキャビティ3010a~3010dは、第1のパターン3020とは別個の近位パターン3022を形成し、遠位ステープルキャビティ3010e~3010hは、これも第1のパターン3020とは別個の遠位パターン3024を形成する。示した配置では、近位パターン3022は、スロット3004の第1の側に、平行な長手方向に整列したステープルキャビティ3010a、3010bの第1の対、長手方向スロット3004の第2の側に、平行な長手方向に整列したステープルキャビティ3010c、3010dの第2の対を含む。遠位パターン3024もまた、長手方向スロット3004の第1の側に、平行な長手方向に整列したステープルキャビティ3010e、3010fの第1の対、長手方向スロット3004の第2の側に、平行な長手方向に整列したステープルキャビティ3010g、3010hの第2の対を含む。他の場合には、遠位パターン3024は、近位パターン3022とは異なっていてもよい。
【0058】
近位パターン3022と遠位パターン3024は、長手方向軸LAに対して対称である。他の場合には、近位パターン3022及び/又は遠位パターン3024は、長手方向軸LAに対して非対称であってもよい。例えば、ステープルキャビティ3010e及び3010fは、ステープルキャビティ3010g及び3010hから長手方向にずれていてもよく、及び/又はステープルキャビティ3010a及び3010bは、ステープルキャビティ3010c及び3010dから長手方向にずれていてもよい。それに加えて、又はそれに代えて、特定の場合には、ステープルカートリッジ本体3000は、近位パターン3022又は遠位パターン3024のいずれかを含んでいてもよい。他の場合には、ステープルカートリッジ本体3000内に画定されるステープルキャビティ3010は、ステープルキャビティ3010の更なる及び/又は異なるパターンを含んでいてもよい。
【0059】
主に
図5を参照すると、非侵襲エクステンダ3030は、第1のパターン3020内のステープルキャビティ3010の一部の周りにあるデッキ部3002から延在しているか、又は突出している。非侵襲エクステンダ3030は、第1のパターン3020内のステープルキャビティ3010の開口部3012の近位端3016及び遠位端3018をそれぞれ囲む。非侵襲エクステンダ3030は、エンドエフェクタによってクランプ留めされる組織を把持するように構成されてもよい。それに加えて、又はそれに代えて、特定の場合には、ステープル脚部の先端は、カートリッジ本体3000から突出していてもよい。このような場合に、非侵襲エクステンダ3030は、その先端が時期尚早に組織を貫通するのを防ぐために、ステープル脚部の先端と同じ場所まで、及び/又はそれを超えて延びるように構成されてもよい。その結果、より大きなステープル、例えば、より長い脚部を有するステープルは、周りに配置された侵襲エクステンダ3030を有するステープルキャビティ3010内に配置されてもよい。例えば、再び
図5を参照すると、近位パターン3022及び遠位パターン3024のステープルキャビティ内のステープルよりも大きなステープルが、このより長いステープル脚部によって組織を時期尚早に穿孔してしまう危険性なく、第1のパターン3020内のステープルキャビティ3010内に配置されていてもよい。特定の場合には、非侵襲エクステンダ3030は、近位パターン3022及び/又は遠位パターン3024内のステープルキャビティ3010の周りに配置されてもよく、より大きなステープルは、同様に、これらのステープルキャビティ3010a~3010hの1つ以上に配置されてもよい。
【0060】
ステープルカートリッジ本体3000は、その長さに沿って異なる特性を有するステープルラインを作成するように構成され得る。ステープルカートリッジ本体3000によって作られ、組織Tに埋め込まれるステープルライン3040を
図9に示す。ステープルライン3040は、ステープル3042で構成され、本明細書に記載する種々のステープルカートリッジと共に使用するための例示的なステープル3042を
図10に示す。ステープル3042は、例えば、湾曲したワイヤで構成されていてもよい。ワイヤは、直径が0.0079インチ、又は約0.0079インチであってもよい。他の場合には、ワイヤは、直径が0.0089インチ、又は約0.0089インチであってもよい。更に他の場合には、ワイヤは、直径が0.0094、又は約0.0094インチであってもよい。特定の場合には、ワイヤは、直径が0.0079インチ未満、又は0.0094インチより大きくてもよい。読者は、ワイヤの直径が、ステープルの直径を示していてもよいことを理解するだろう。ステープル3042は、ベース部3050と、ベース部3050の第1端から延在する第1の脚部3052と、ベース部3050の第2端から延在する第2の脚部3054とを有する、実質的にU字形のステープルである。第1の脚部3052は、第2の脚部3054と実質的に平行であり、ベース部3050に対して実質的に垂直である。組織Tに埋め込まれると、ベース部3050の角度の向きは、ステープル3042が発射されるステープルキャビティ開口部3012の角度の向きに対応する。
【0061】
本明細書に記載される種々のステープルカートリッジと共に使用するための別の例示的なステープル3142を
図11に示す。ステープル3142は、ベース部3150と、ベース部3050の第1端から延在する第1の脚部3152と、ベース部3150の第2端から延在する第2の脚部3154とを有する、実質的にV字形のステープルである。第1の脚部3152は、第2の脚部3154及びベース部3150に対して斜めに配向されている。組織Tに埋め込まれると、ベース部3150の向きは、ステープル3142が発射されるステープルキャビティ開口部3012の向きに対応する。読者は、異なる幾何形状を有するステープルが本明細書に記載のステープルカートリッジから発射されてもよいことを理解するだろう。
【0062】
図9を再び参照すると、ステープルライン3040は、第1の部分3044と、近位部分3046と、遠位部分3048とを含む。第1の部分3044は、第1のパターン(即ち、主パターン)3020から作られ、ステープルライン3040のかなりの部分に沿って延在している。第1の部分3044内のステープル3042の角度の向きに起因して、第1の部分3044は、実質的に可撓性であるか、又は柔らかい。例えば、角度を付けて配向されたステープル3042は、組織Tに対する外傷を最小限にしつつ、ステープル留めされた組織T内で回転することができるため、第1の部分3044は、ステープル留めされた組織構造として長手方向及び/若しくは横方向に伸長するか、又は延在するように構成されている。
【0063】
近位部分3046は、近位パターン3022から作られ、ステープルライン3040の近位端を形成する。遠位部分3048は、遠位パターン3024から作られ、ステープル3040の遠位端を形成する。ステープルライン3040の近位部分3046及び遠位部分3048内のステープル3042の平行な配置に起因して、ステープルライン3040の近位部分3046及び遠位部分3046は、第1の部分3044よりも可撓性が低くなり得る。しかし、近位部分3046及び遠位部分3048の可撓性の低下は、ステープルライン3040の全体的な可撓性に影響を与えないか、又は実質的に影響を与えないだろう。更に、本明細書に記載されるとおり、近位部分3046及び遠位部分3048は、切断線に隣接して延在していなくてもよく、特定の場合には、近位部分3046は、存在していなくてもよく、ステープルライン3040から欠けていてもよい。
【0064】
発射要素、例えば、発射部材1760(
図4)は、ステープルキャビティ3010からステープル3042を発射させるために、スロット3004の少なくとも一部に沿って移動するように構成されている。発射要素は、1つ以上のくさび形スレッド及び/又はカム受け面、例えば、くさび形のカム1122を有するスレッドアセンブリ1120(
図4)を含んでいてもよく、及び/又はこれに係合してもよい。スレッドのカムは、ステープル形成面に向かって上向きに、例えば、アンビル1130内の形成ポケットへとステープルを打ち込むように構成されている(
図1、
図3及び
図4)。
図6を参照すると、ステープルカートリッジ本体3000は、底面3034に沿って複数のチャンネル3036を含み、これを通り、くさび形カムが発射ストローク中に移動することができる。
【0065】
使用中、標的組織は、ステープルカートリッジ本体3000とアンビル(例えばアンビル1130)との間にクランプ留めされる(
図1、
図3及び
図4)。ステープルキャビティ3010と重なり合う組織は、ステープル留めされる。組織が特定のステープルキャビティ3010の上に位置していない場合、これらのステープルキャビティ3010から発射されたステープルは、組織と係合しないだろう。アンビルは、典型的には、一般的に「組織停止部」と呼ばれる下向きに延びる側壁を有する。組織停止部は、標的組織がアンビルとカートリッジの間で近位に行き過ぎるのを防ぐように構成されている。例えば、
図4のエンドエフェクタ1100を参照すると、アンビル1130は、組織停止部1131を備えており、組織停止部1131は、ステープルカートリッジ1110に向かって延在している。アンビル1130が、カートリッジ1110の方へ閉じられると、アンビル1130のいずれかの側の組織停止部1131が、カートリッジデッキ部表面1115を過ぎて下向きに延び、壁又は障壁を形成し、これが、組織がアンビル1130とカートリッジ1110の間で近位に行き過ぎるのを防ぐ。組織停止部1131の遠位端は、切断線の近位開始点を画定する。組織停止部1131の遠位端に対応する近位軸PAを
図7に示す。標的組織が、近位軸PAに対して近位に配置されないため、近位軸PAに対して近位に配置されるステープルキャビティ(即ち、近位ステープルキャビティ3010a~3010d)から発射されるステープルは、標的組織に発射されない。このような場合に、近位パターン3022から発射されたステープルは、ステープルラインの一部を形成しない。
【0066】
切断要素3028(
図7)はまた、長手方向スロット3004に沿って移動するように構成されている。種々の場合に、切断要素3028は、発射要素の一体化した部品(例えば、発射部材1760の上の組織切断特徴部1766(
図4))であってもよい。切断要素3028は、エンドエフェクタによってクランプ留めされ、ステープル3042によってステープル留めされる組織を切開するように構成された遠位刃先3029である。主に
図7を参照すると、切断要素3028の刃先3029は、カートリッジ本体3000の近位端部分3006付近の近位位置と、カートリッジ本体3000の遠位端部分3008付近の遠位位置との間を移動するように構成されている。刃先3029の最遠位位置は、切断線の遠位終端点によって画定される。刃先3029の遠位終端点に対応する遠位軸DAを
図7に示す。遠位軸DAに対して遠位に位置する組織は、発射ストローク中、切断要素3028によって切開されない。
【0067】
ステープルキャビティ3010の第1のパターン3020は、近位軸PAと遠位軸DAとの間に延在している。更に、第1のパターン3020内の少なくとも1つのステープルキャビティ3010は、近位軸PA及び遠位軸DAと重なり合っている。他の場合には、ステープルキャビティ3010の1つより多い長手方向の繰り返しパターンが、近位軸PAと遠位軸DAとの間に配置されてもよい。近位パターン3022は、近位軸PAに対して近位に配置されており、遠位パターン3024は、遠位軸DAに対して遠位に配置されている。このような場合に、遠位ステープルキャビティ3010e~3010hから発射されたステープルは、切開した組織をステープル留めするような構成とはならない。更に、近位ステープルキャビティ3010a~3010dから発射されたステープルは、標的組織をステープル留めするような構成とはならない。従って、このようなステープルは、得られたステープルラインの可撓性及び/又は密封品質に影響を与えないだろう。
【0068】
特定の場合には、切断線に隣接して第1の可撓性を有し、切断線の近位及び/又は遠位に異なる可撓性を有するステープルラインを作成することが望ましい場合がある。例えば、切断線のそれぞれの側に少なくとも2個の平行なステープルを含み、切断線の遠位端に対して遠位に配置されるステープルラインは、特定の利点をもたらすことがある。特定の場合には、低い可撓性をもたらすステープル配置は、切断線の伝播及び/又は組織の裂けを防ぐか、及び/又は制限するだろう。更に、未切断部分に隣接する組織は、切断線に隣接する組織よりも小さい応力及び/又は歪みを経験し、そのため、組織の外傷を防ぐ、及び/又は制限するために低い可撓性が必要となる場合がある。より具体的には、切断線に隣接する組織は、切断ストローク中に大きな力を経験し、そのため、可撓性を高くすることによって、組織への外傷を防いでもよい。更に、切断線に隣接する組織は、治癒するにつれて伸長する場合があり、そのため、可撓性が大きいと、治癒プロセスが容易になる場合がある。小さな力を受ける組織(例えば、切断線に対して遠位の組織)の場合、例えば、可撓性が低減されると、ステープルラインが強化され、又は丈夫になり、切断線の遠位への伝播を防ぎ得る。
【0069】
示した配置では、近位パターン3022は、第1のパターン3020の近位端に隣接するナイフスロット3004のそれぞれの側に2個の不規則なステープルキャビティを含み、遠位パターン3024は、第1のパターン3020の遠位端に隣接するナイフスロット3004のそれぞれの側に2個の不規則なステープルキャビティを含む。他の場合には、近位パターン3022及び/又は遠位パターン3024は、ナイフスロット3004の片側又は両側にある1個の不規則なステープルキャビティからなっていてもよい。更に他の場合には、近位パターン3022及び/又は遠位パターン3024は、ナイフスロット3004の片側又は両側にある3個以上の不規則なステープルキャビティを含み得る。近位パターン3022及び/又は遠位パターン3024は、長手方向に繰り返すサブパターンを含んでいてもよい。例えば、近位パターン3022及び/又は遠位パターン3024は、平行なステープルキャビティ開口部3012の複数の縦列を含んでいてもよい。特定の場合には、ステープルカートリッジ本体3000は、1つの不規則なパターンを有していてもよく、第1のパターン3020の近位端又は遠位端のいずれかに配置されていてもよい。
【0070】
特定の場合には、近位パターン3022及び/又は遠位パターン3024内の1つ又は2つ以上のステープルキャビティは、ナイフスロット3004に対して非平行であり得る。例えば、このようなステープルキャビティは、ナイフスロット3004に対して垂直に、又はナイフスロット3004に対して斜めの角度で配向されてもよい。それに加えて、又はそれに代えて、近位パターン3022及び/又は遠位パターン3024内の特定のステープルキャビティは、互いに非平行であり得る。
【0071】
図8を主に参照すると、ステープルドライバ3060は、カートリッジ本体3000のステープルキャビティ3010内に配置される。ステープルドライバ3060は、ステープル3042(
図9及び
図10)をその中で支持し、発射ストローク中にステープルキャビティ3010からステープル3042を押し出すように配置される。カートリッジ本体3000内のステープルキャビティ3010の異なるパターン(例えば、パターン3020、3022及び3024)に起因して、ステープルドライバ3060は、異なる幾何形状及び/又は向きを有していてもよい。例えば、第1のパターン3020のステープルキャビティ3010内に配置されるステープルドライバ3060は、参照によって全体内容が本明細書に組み込まれる米国特許出願第14/498,145号、2014年9月26日に出願、現在は米国特許出願公開第2016/0089142号、発明の名称「METHOD FOR CREATING A FLEXIBLE STAPLE LINE」に記載される、接続されたドライバを含んでいてもよい。各接続されたドライバは、内側列3014aのステープルキャビティ3010内に配置された内側ドライバと、中間列3014bのステープルキャビティ3010内に配置された中間ドライバと、外側列3014cのステープルキャビティ3010内に配置された外側ドライバとを含んでいてもよい。接続フランジは、中間ドライバを、少なくとも1つの内側ドライバ及び少なくとも1つの外側ドライバに接続することができる。他の場合には、第1のパターン3020内のステープルキャビティに配置されるステープルドライバは、個々のドライバを含んでいてもよく、各ドライバは、1個のステープルを駆動する。更に他の場合には、それぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第14/138,475号、2013年12月23日出願、現在は米国特許出願公開第2015/0173749号、発明の名称「SURGICAL STAPLES AND STAPLE CARTRIDGES」及び米国特許出願第14/498,145号に記載されるように、ステープルは、くさび形スレッド及び/又はカム受け面との直接接触によって打ち込まれることができる、直接打ち込み型のステープルであってもよい。
【0072】
ステープルキャビティ3010内に配置されるドライバ3060は、スレッド及びそのカム受け面によって駆動係合するような寸法であり、そのように配置されている。例えば、ドライバ3060は、第1のパターン3020のステープルキャビティ3010内に配置される。近位ドライバ3060a、3060b、3060c及び3060dは、それぞれ、近位パターン3022のステープルキャビティ3010a、3010b、3010c及び3010dに配置され、遠位ドライバ3060e、3060f、3060g及び3060hは、それぞれ、遠位パターン3024のステープルキャビティ3010e、3010f、3010g及び3010hに配置される。再び
図4を参照すると、スレッドアセンブリ1120及びそのくさび形のカム1122は、ステープルキャビティ3010内でドライバ3060を持ち上げるように構成され得る。このような場合に、カム1122は、カートリッジ本体3000の長さに沿ってドライバ3060に駆動係合するように構成されている。より具体的には、カム1122は、最初に、近位ドライバ3060a、3060b、3060c及び3060dと係合し、駆動させ、近位パターン3022内のステープルを発射し、次いで、ドライバ3060と係合し、駆動させ、第1のパターン3022内のステープルを発射し、最後に、遠位ドライバ3060e、3060f、3060g及び3060hと係合し、駆動させ、遠位パターン3024内のステープルを発射する。近位ドライバ3060a、3060b、3060c及び3060d及び/又は遠位ドライバ3060e、3060f、3060g及び3060hが、ステープルキャビティ3010の第1のパターン3020内のドライバ3060とは異なる幾何形状を有するが、スレッド及びそのカム受け面は、カートリッジ本体3000内の異なるドライバと適合する。
【0073】
再び
図4を参照すると、スレッドアセンブリ1120は、4つのカム受け面1122を有する。カム受け面1122の第1の対は、長手方向軸LAの第1の側にあるステープルドライバと駆動係合するように配置され、カム受け面1122の第2の対は、長手方向軸LAの第2の側にあるステープルドライバと駆動係合するように配置される。それぞれの対のカム受け面1122は、長手方向にずれている。他の場合には、カム受け面1122は、長手方向に整列していてもよい。カム受け面1122のそれぞれの対は、三重ドライバ、即ち、ステープルキャビティ3010の内側列3014a内のステープル、ステープルキャビティ3010の中間列3014b内のステープル、ステープルキャビティ3010の外側列3014c内のステープルを支持する接続されたドライバを持ち上げるように構成されている(例えば、
図81~
図83のドライバ1170を参照)。カム受け面1122はまた、近位ドライバ3060a、3060b、3060c及び3060dと、遠位ドライバ3060e、3060f、3060g及び3060hとを持ち上げるように構成されている。他の場合には、スレッドアセンブリ1120は、4つより多い、又は4つより少ないカム受け面を含んでいてもよい。
【0074】
近位ドライバ3060a~3060dと遠位ドライバ3060e~3060hは、接続されたドライバ3058である。例示的な接続されたドライバ3058を
図13~
図16に示す。接続されたドライバ3058は、第1のドライバ3060aと、第2のドライバ3060bとを含む。接続フランジ3068は、2つのドライバ3060aと3060bとの間に延在している。第1ドライバ3060aと第2ドライバ3060bが接続されているため、第1ドライバ3060aと第2ドライバ3060bによって支持されているステープルは、スレッドアセンブリによって同時に発射される。それぞれのドライバ3060a及び3060bはまた、ステープルのベース部を支持するためのクレードル3070を備えている。ガイド3062a及び3062bは、各ドライバ3060a及び3060bからそれぞれ横方向に延在している。第1のガイド3062aは、第1の方向に延在し、接続されたドライバ3058の外側部分を形成し、第2のガイド3062bは、第2の反対の方向に延在し、接続されたドライバ3058の内側部分を形成する。ガイド3062a及び3062b上の傾斜面3064a及び3064bは、それぞれ、スレッドアセンブリのカム受け面と駆動接触するように配置される。ガイド3062a及び3062bは、スレッドアセンブリによって発射位置に移動されるとき、カートリッジ本体3000のチャンネル3036(
図6)において上向きに駆動される。チャンネル3036は、垂直な支持構造を形成し、これによって、ガイド3062a、3062bが、カム受け面によって駆動する。本明細書に記載されるとおり、カム受け面は、長手方向にずれていてもよい。このような場合に、傾斜面3064a、3064bは、
図14及び
図16に示すように、対応してずれている。他の場合には、傾斜面3064aと3064bは、整列していてもよい。
【0075】
他の場合には、ステープルカートリッジ内の近位ドライバ及び/又は遠位ドライバは、接続されていなくてもよい。例えば、
図12を参照すると、ステープルカートリッジ4800が示される。ステープルカートリッジ本体4800は、多くの態様で、ステープルカートリッジ本体3000と同様である。例えば、ステープルカートリッジ本体4800は、角度を付けて配向されたステープルキャビティの第1のパターン4820を有し、これらは、ヘリンボーンパターンで配置されている。スロット4804は、カートリッジ本体4800の長手方向軸LAに沿って延在している。ステープルカートリッジ本体4800はまた、近位パターン4822で配置された近位ステープルキャビティと、遠位パターン4824で配置された遠位ステープルキャビティとを備えている。近位パターン4822は、スロット4804の第1の側に、平行な長手方向に整列したステープルキャビティの第1の対と、長手方向スロット4804の第2の側に、平行な長手方向に整列したステープルキャビティの第2の対とを含む。遠位パターン4824もまた、スロット4804の第1の側に、平行な長手方向に整列したステープルキャビティの第1の対と、長手方向スロット4804の第2の側に、平行な長手方向に整列したステープルキャビティの第2の対とを含む。近位パターン4822と遠位パターン4824は、長手方向軸LAに対して対称である。他の場合には、近位パターン4822及び/又は遠位パターン4824は、長手方向軸LAに対して非対称であってもよい。
【0076】
ドライバ4860は、第1のパターン4820のステープルキャビティ4810内に配置される。第1のパターン4820のステープルキャビティ4810内のドライバ4860は、本明細書に記載するとおり、三重ドライバである。近位ドライバ4860a、4860b、4860c及び4860dは、近位パターン4822のステープルキャビティに配置され、遠位ドライバ4860e、4860f、4860g及び4860hは、それぞれ、遠位パターン4824のステープルキャビティに配置される。近位ドライバ4860a~4860dと遠位ドライバ4860e~4860hは、シングルドライバである。例示的なシングルドライバ4860a及び4860bを
図17及び
図18に示す。
【0077】
各ドライバ4860a及び4860bは、ステープルのベース部を支持するためのクレードル4870を備えている。ガイド4862a及び4862bは、各ドライバ4860a及び4860bからそれぞれ横方向に延在している。第1のガイド4862aは、第1の方向に延在し、第1のドライバ4860aの外側部分を形成し、第2のガイド4862bは、第2の反対の方向に延在し、第2のドライバ4860bの外側部分を形成する。ガイド4862a及び4862b上の傾斜面4864a及び4864bは、それぞれ、スレッドアセンブリのカム受け面と駆動接触するように配置される。ガイド4862a及び4862bは、ドライバ4860a及び4860bが、スレッドアセンブリによって発射位置まで移動するとき、カートリッジ本体4800のチャンネル(例えば、カートリッジ3000内のチャンネル3036(
図6))において上向きに駆動される。チャンネルは、垂直な支持構造を形成し、これによって、ガイド4862a及び4862bが、カム受け面によって駆動する。このようなチャンネルは、ガイド4862a及び4862bを安定させ、そのため、進行中に個々のドライバ4860a及び4860bをそれぞれ安定することができる。本明細書に記載されるとおり、カム受け面は、長手方向にずれていてもよい。このような場合に、傾斜面4864a、4864bは、
図18に示すように、対応してずれている。他の場合には、傾斜面4864aと4864bは、整列していてもよい。
【0078】
第1ドライバ4860aと第2ドライバ4860bが離れているため、第1ドライバ4860aと第2ドライバ4860bによって支持されているステープルは、独立して発射させることができる。特定の場合には、第1のドライバ4860aと第2のドライバ4860bは、連続して発射してもよい。外側ステープルの前に内側ステープルを発射させることが有利な場合があり、例えば、これは、別個のドライバ4860a及び4860bを用いて達成することができる。他の場合には、別個のドライバ4860a及び4860bを用い、内側ステープルの前に、外側ステープルが発射されてもよい。発射順序は、例えば、カム受け面と傾斜面3864a及び4864bとの間の関係を調節することによって変えることができる。
【0079】
種々の場合に、遠位パターン及び/又は近位パターン内のステープルキャビティは、長手方向に整列しなくてもよく、及び/又は平行ではなくてもよい。例えば、
図19及び
図20を参照すると、ステープルカートリッジ本体4600が示される。ステープルカートリッジ本体4600は、多くの態様で、ステープルカートリッジ本体3000と同様である。例えば、ステープルカートリッジ本体4600は、角度を付けて配向されたステープルキャビティ4610の第1のパターン4620を有し、これらは、ヘリンボーンパターンで配置されている。スロット4604は、カートリッジ本体4600の長手方向軸LAに沿って、ステープルカートリッジ本体4600のデッキ部4602を通って延在する。ステープルカートリッジ本体4600はまた、近位パターン4622で配置された近位ステープルキャビティ4610a~4610dと、遠位パターン4624で配置された遠位ステープルキャビティ4610e~4610hとを含んでいる。近位パターン4622は、スロット4604の第1の側に、平行な長手方向にずれたステープルキャビティ4610a、4610bの第1の対と、長手方向スロット4604の第2の側に、平行な長手方向にずれたステープルキャビティ4610c、4610dの第2の対とを含む。遠位パターン4624もまた、スロット4604の第1の側に、平行な長手方向にずれたステープルキャビティ4610e、4610fの第1の対と、長手方向スロット4604の第2の側に、平行な長手方向にずれたステープルキャビティ4610g、4610hの第2の対とを含む。近位パターン4622と遠位パターン4624は、長手方向軸LAに対して対称である。他の場合には、近位パターン4622及び遠位パターン4624は、長手方向軸LAに対して非対称であってもよい。
【0080】
接続されたドライバ4658は、近位及び遠位のステープルキャビティ4610a~4610h内に配置される。例示的な接続されたドライバ4658を
図21~
図24に示す。接続されたドライバ4658は、第1のドライバ4660aと、第2のドライバ4660bとを含む。接続フランジ4668は、2つのずれたドライバ4660aと4660bとの間の延在している。ドライバ4660aと4660bが接続されているため、ドライバ4660a、4660bによって支持されているステープルは、スレッドアセンブリによって同時に発射される。それぞれのドライバ4660a及び4660bはまた、ステープルのベース部を支持するためのクレードル4670を含んでいる。ガイド4662a及び4662bは、各ドライバ4660a及び4660bからそれぞれ横方向に延在している。第1のガイド4662aは、第1の方向に延在し、接続されたドライバ4658の外側部分を形成し、第2のガイド4662bは、第2の反対の方向に延在し、接続されたドライバ4658の内側部分を形成する。ガイド4662a及び4662b上の傾斜面4664a及び4664bは、それぞれ、スレッドアセンブリのカム受け面と駆動接触するように配置される。ガイド4662a及び4662bは、ドライバ4660a及び4660bが、スレッドアセンブリによって発射位置まで移動するとき、カートリッジ本体4800のチャンネル(例えば、ステープルカートリッジ3000内のチャンネル3036(
図6))において上向きに駆動される。チャンネルは、垂直な支持構造を形成し、これによって、ガイド4662a及び4662bが、カム受け面によって駆動されときに支持される。本明細書に記載されるとおり、カム受け面は、長手方向にずれていてもよい。このような場合に、傾斜面4664a、4664bは、
図22及び
図24に示すように、対応してずれている。他の場合には、傾斜面4664aと4664bは、整列していてもよい。
【0081】
ここで
図25及び
図26を参照すると、ステープルカートリッジ本体4700が示される。ステープルカートリッジ本体4700は、多くの態様で、ステープルカートリッジ本体3000と同様である。例えば、ステープルカートリッジ本体4700は、角度を付けて配向されたステープルキャビティ4710の第1のパターン4720を含み、これらは、ヘリンボーンパターンで配置されている。スロット4704は、カートリッジ本体4700の長手方向軸LAに沿って、ステープルカートリッジ本体4700のデッキ部4702を通って延在する。ステープルカートリッジ本体4700はまた、近位パターン4722で配置されている近位ステープルキャビティ4710a~4710fを含んでいる。近位パターン4722は、内側ステープルキャビティ4710c及び4710dを含んでおり、これらは、長手方向軸LAに対して平行に配向されている。近位パターン4722はまた、角度を付けて配向された外側ステープルキャビティ4710a及び4710fと、角度を付けて配向された中間キャビティ4710b及び4710eとを含む。外側ステープルキャビティ4710a及び4710fと、中間ステープルキャビティ4710b及び4710eは、長手方向軸LAに対して斜めの角度で配向される。角度を付けて配向された外側ステープルキャビティ4710a及び4710fはまた、第1のパターン4720内のステープルキャビティ4710のキャビティ軸に対して斜めの角度で配向される。外側ステープルキャビティ4710a及び4710fは、第1のパターン4720内のステープルキャビティ4710よりも角度が小さい。言い換えると、外側ステープルキャビティ4710a及び4710fは、第1のパターン4720内のステープルキャビティ4710よりも、長手方向軸LAと平行に近い角度で配向される。このような場合に、近位パターン4722は、第1のパターン4720よりも可撓性が低くてもよい。
【0082】
中間ステープルキャビティ4710b及び4710eは、第1のパターン4020内の特定のステープルキャビティ4710に対して平行に配向される。例えば、中間ステープルキャビティ4710b及び4710eは、第1のパターン4720内の内側の列のステープルキャビティ4710に対して平行に配向される。近位パターン4722内の特定のステープルキャビティは、第1のパターン4020内のステープルキャビティと角度的にずれていないが、近位パターン4722は、全体として考えると、第1のパターン4020とは異なっており、第1のパターン4020内の長手方向に繰り返すサブパターンとは異なっている。
【0083】
近位パターン4722は、スロット4704のそれぞれの側に配置される3個のステープルキャビティを有する。他の場合には、3個より少ないステープルキャビティ、又は3個より多いステープルキャビティが、スロット4704の片側又は両側に近位パターン4722で配置されていてもよい。近位パターン4722は、長手方向に繰り返すサブパターンを含んでいない。他の場合には、近位パターン4722は、長手方向の繰り返しであってもよい。更に、近位パターン4722は、長手方向軸LAに対して対称である。他の場合には、近位パターン4722は、長手方向軸LAに対して非対称であってもよい。
【0084】
ドライバ4760は、カートリッジ本体4700のステープルキャビティ4710内に配置される。第1のパターン4720のステープルキャビティ4710内のドライバ4760は、本明細書に記載するとおり、三重ドライバである。近位ドライバ4760a、4760b、4760c、4760d、4710e及び4710fは、それぞれ、近位パターン4722の近位ステープルキャビティ4710a、4710b、4710c、4710d、4710e及び4710f内に配置される。近位ドライバ4760a~4760fは、シングルドライバである。特定の場合には、内側キャビティ4710c及び4710d内の近位ドライバ4760c及び4760dは、それぞれ、シングルドライバであってもよく、近位ドライバ4760a及び4760bは、接続されたドライバであってもよく、近位ドライバ4760e及び4760fは、接続されたドライバであってもよい。更に他の場合には、近位ドライバ4760a、4760b及び4760cは、第1の接続されたドライバを含んでいてもよく、遠位ドライバ4760d、4760e及び4760fは、第2の接続されたドライバを含んでいてもよい。
【0085】
読者は、本明細書に記載するステープルキャビティの種々のパターンを組み合わせてもよく、及び/又は置き換えてもよいことを理解するだろう。特定の場合には、ステープルキャビティの1つ又は2つ以上の不規則なパターンが、ステープルカートリッジ本体の近位端及び/又は遠位端に画定されてもよい。それに加えて、又はそれに代えて、1つ又は2つ以上の不規則なパターン(即ち、副パターン)が、主パターンに挟まれていてもよく、又は挿入されていてもよい。
【0086】
ステープルライン内のステープルの角度の向きは、ステープルラインに沿ってステープル留めされた組織の可撓性又は弾性に影響を与える場合がある。例えば、ステープルが、長手方向軸及び/又は切断線に対して斜めの角度で配向される場合、ステープルラインの可撓性を高めることができる。このような角度の向きによって、張力及び/又はねじれなどの力に応答して、切断線に沿って、及び/又は切断線に隣接して、特定の制限内で可撓性又は伸展性をもたらすことができる。より具体的には、ステープルラインの可撓性は、ステープル留めされた組織の伸長、座屈、折れ曲がり及び/又はねじれを可能にする。一般的に、ステープルの角度の向きが、ステープルラインの長手方向軸及び/又は切断線に対して45度又は135度に近づくにつれて、ステープル留めされた組織の可撓性は高まる。角度を付けて配向されたステープルで構成されるステープルラインは、例えば、柔らかいか、又は弾性のあるステープルラインと考えることができる。
【0087】
特定の場合には、ステープルラインの可撓性は、切断線に対して横方向に変動してもよい。例えば、ステープルラインの第1の部分内の1つ又は2つ以上のステープルは、切断線に対して第1の角度で配向されてもよく、ステープルラインの第2の部分内の1つ又は2つ以上のステープルは、切断線に対して異なる角度で配向されていてもよい。ステープルラインの第1の部分は、第1の可撓性を有していてもよく、ステープルラインの第2の部分は、異なる可撓性を有していてもよい。特定の場合には、第1の部分は、第2の部分から横方向にずれていてもよい。例えば、ステープルラインの第1の部分は、ステープルの第1の列又は第1の列の一部を含んでいてもよく、ステープルラインの第2の部分は、ステープルの第2の列又は第2の列の一部を含んでいてもよい。このような場合に、ステープルの第1の列に沿ったステープルラインの可撓性は、ステープルの第2の列に沿ったステープルラインの可撓性とは異なっていてもよい。
【0088】
ここで
図27を参照すると、ステープルカートリッジ本体3200の一部が示されている。ステープルカートリッジ本体3200は、デッキ部3202と、長手方向スロット3204とを含んでいる。長手方向スロット3204は、長手方向軸LAに沿って延在している。ステープルキャビティ3210は、ステープルカートリッジ本体3200内に画定されており、各ステープルキャビティ3210は、デッキ部3202内の開口部3212を画定している。ステープル3242は、各ステープルキャビティ3210内に配置されている。ステープル3242は、多くの態様で、ステープル3042(
図10)又はステープル3142(
図11)と同様であってもよい。特定の場合には、各ステープル3242の脚部は、ステープルキャビティ3210の内壁に対して付勢されていてもよい。読者は、ステープル3242が、ステープルカートリッジ本体3200から組織へと発射される場合、ステープルキャビティ3210内のステープル3242の配置が、ステープルライン内のステープル3242の配置に対応することを理解するだろう。より具体的には、得られたステープルライン内の各ステープル3242のベース部が、キャビティ軸CAと同一線上にあるか、又は実質的に同一線上にある。
【0089】
ステープルキャビティ開口部3212は、長手方向スロット3204の第1の側の3つの列3214a、3214b、及び3214cに配置されている。内側開口部3212aは、内側列3214aにおいて、内側キャビティ3210aの周囲を画定し、中間開口部3212bは、中間列3214bにおいて、中間キャビティ3210bの周囲を画定し、外側開口部3212cは、外側列3214cにおいて、外側キャビティ3210cの周囲を画定する。内側ステープル3242aは、内側キャビティ3210a内に配置されており、中間ステープル3242bは、中間キャビティ3210b内に配置されており、外側ステープル3242cは、外側キャビティ3210c内に配置されている。
図27には示されていないが、少なくとも1つの場合には、スロット3204の反対側にあるステープルキャビティ3210は、長手方向スロット3204の第1の側面にあるステープルキャビティ3210の鏡像反射を形成する。その結果、得られたステープルライン内のステープル3242の配置は、切断線に対して対称である。他の場合には、ステープルラインは、切断線に対して非対称であってもよい。
【0090】
各ステープルキャビティ開口部3212は、第1端(即ち近位端)3216と、第2端(即ち遠位端)3218とを有する。キャビティ軸CAは、各開口部3212の近位端3216と遠位端3218との間に延在する。それぞれの列のステープルキャビティ開口部3212は、平行である。例えば、内側キャビティ3210aは、長手方向軸LAに対して角度Aで配向されている。違う言い方をすると、内側開口部3212aのキャビティ軸(例えば、CAA1及びCAA2)は、長手方向軸LAに対して角度Aで配向されている。中間キャビティ3210bは、長手方向軸LAに対して角度Bで配向されている。違う言い方をすると、中間開口部3212bのキャビティ軸(例えば、CAB1及びCAB2)は、長手方向軸LAに対して角度Bで配向されている。外側キャビティ3210cは、長手方向軸LAに対して角度Cで配向されている。違う言い方をすると、外側開口部3212によって画定されたキャビティ軸(例えば、CAC1及びCAC2)は、長手方向軸LAに対して角度Cで配向されている。
【0091】
角度A、B及びCは、異なっている。その結果、内側開口部3212aは、外側開口部3212cに対して斜めに配向されている。外側開口部3212cのキャビティ軸CA(例えば、軸CAC1及びCAC2)は、内側開口部3212aのキャビティ軸(例えば、軸CAA1及びCAA2)とは平行ではないため、ステープルカートリッジ本体3200内の開口部3212は、改変されているか、又は歪んだヘリンボーンパターンを形成する。中間開口部3212bのキャビティ軸CAB1及びCAB2は、内側開口部3212a又は外側開口部3212cのいずれかに対して垂直に、又は実質的に垂直に配向されていてもよい。例えば、角度Bは、角度A又はCのいずれかに対する補角であってもよい。他の場合には、角度Bは、角度A又はCのいずれかに対する補角ではなくてもよい。
【0092】
異なる角度A、B及びCに起因して、ステープルライン内のステープル列の幅WA、WB、WCは、異なっていてもよい。例えば、内側ステープル3242aは、幅WAを有するステープルの列を形成し、中間ステープル3242bは、幅WBを有するステープルの列を形成し、外側ステープル3242cは、幅WCを有するステープルの列を形成する。角度Aは、角度Cとは異なっているため、幅WAとWCは異なっている。特定の場合には、幅WBは、幅WA及びWCとは異なっている。他の場合には、幅WBは、幅WA及びWCのうち1つと一致していてもよい。例えば、角度Bが角度Aに対する補角である場合、幅WBは、幅WAと一致する。同様に、角度Bが角度Cに対する補角である場合、幅WBは、幅WCと一致する。
【0093】
更に、異なる角度A、B及びCに起因して、ステープル3242a、3242b及び3242cの長手方向長さLA、LB及びLCはそれぞれ異なっている。例えば、内側ステープル3242aは、長手方向長さLAを有し、中間ステープル3242bは、長手方向長さLBを有し、外側ステープル3242cは、長手方向長さLCを有する。角度Aは、角度Cとは異なっているため、長手方向長さLAとLCは異なっている。長手方向長さLAとLCが異なっているため、内側ステープル3242aは、外側ステープル3242cに対して少なくとも部分的に長手方向に互い違いになっているか、又はずれている。違う言い方をすると、各内側ステープル3242aの少なくとも1つの末端は、外側ステープル3242bの対応する末端と整列していない。末端が整列していないため、中間ステープル3242bに関する長手方向の重なり合い及び/又はギャップは、内側ステープル3242aと外側ステープル3242cとの間で異なっている。特定の場合には、長手方向長さLBは、長さLA及びLCとは異なっている。他の場合には、長手方向長さLBは、長手方向長さLA及びLCのうち1つと一致していてもよい。例えば、角度Bが角度Aに対する補角である場合、長手方向長さLBは、長手方向長さLAと一致する。同様に、角度Bが角度Cに対する補角である場合、長手方向長さLBは、長手方向長さLCと一致する。
【0094】
ステープルベース部の長さは、幅WA、WB、WC及び長手方向の長さLA、LB、LCにも影響を与えることがある。ステープルカートリッジ本体3200では、内側ステープル3242a、中間ステープル3242b及び外側ステープル3242cは、同じ長さのベース部を有していてもよい。例えば、同一のステープルが、各ステープルキャビティ3210内に配置されていてもよい。他の場合には、本明細書で更に記載されるように、異なる幾何形状及び/又は大きさを有するステープル、例えば、異なる長さのベース部が、例えば、カートリッジ本体内の特定のステープルキャビティ内に配置されてもよい。
【0095】
ここでも
図27を参照すると、ステープルキャビティ3210a、3210b及び3210cの角度の向き、対応する幅W
A、W
B、W
C及び長手方向の長さL
A、L
B、L
Cは、それぞれ、ステープルライン内の横方向及び長手方向の重なり合いの量に影響を与えることがある。ステープル3242間の長手方向及び横方向の重なり合いは、ステープルキャビティ3210の間隔にも依存する。一般的に、隣接するステープル間の重なり合いが大きいことは、直接的な流体経路が少ないことに対応し、これは、組織の密封特性が大きいことにも対応し得る。組織が、重なり合った領域内により多く拘束されるため、重なり合いが大きいと、ステープルラインの可撓性も低減され得る。更に、重なり合いが大きいことは、ステープルの間隔が小さいことに対応するだろう。特定の場合には、ステープルラインの横方向及び/又は長手方向の重なり合いの程度を変えることが望ましい場合がある。重なり合いが変わると、ステープルラインの可撓性及び密封特性も変わるだろう。
【0096】
本明細書に記載される重なり合い又は重なり合いの程度は、例えば、正の重なり合い又は負の重なり合いと呼ばれることがある。ステープル及び/又はステープルの列が、負の重なり合いを画定する場合、ステープル及び/又はステープルの列は、それらが重なり合わず、その間にギャップが画定されるように離れていてもよい。更に他の場合には、ステープル及び/又はステープルの列は、その重なり合いがステープルの直径に等しいように整列していてもよい。
【0097】
読者は、ステープルカートリッジ内のステープル又はステープルの列に関する重なり合いの程度が、ステープルカートリッジ内のステープルキャビティ又はステープルキャビティの列に関する重なり合いの程度に対応することを更に理解するだろう。例えば、ステープル又はステープルの列の間の横方向及び/又は長手方向重なり合いにおける相対的な差は、ステープルカートリッジ内のステープルキャビティ又はステープルキャビティの列における横方向及び/又は長手方向重なり合いにおける相対的な差に対応する。特定の場合には、ステープル脚部の少なくとも一部は、ステープルキャビティの近位端及び遠位端で、ステープルキャビティの内壁に対して配置されていてもよく、及び/又はこの内壁に対して付勢されていてもよい。このような場合に、ステープルの外側縁部に関して測定される距離は、対応するステープルキャビティの内側縁部に関して測定される距離と等しい。他の場合には、このような距離の差は、最小化されてもよく、又は微々たるものにされてもよい。
【0098】
特定の場合には、例えば、ステープルの末端が整列している場合、重なり合いの程度を最小化することができる。ステープルの末端が整列している場合、重なり合いは、ステープルの直径と等しいか、又は実質的に等しい。例えば、ステープルが、直径が約0.0079インチのワイヤで構成される場合、重なり合いは、約0.0079インチであってもよい。他の場合には、重なり合いは、ステープルの直径より小さくてもよい。例えば、重なり合いは、約0.0079インチ未満であってもよい。更に他の場合には、重なり合いの程度は、重なっていなくてもよく、又は負の重なり合い(即ち、ステープルの末端間の間隔又はギャップ)であってもよい。更に他の場合には、最小化された重なり合いは、ステープルの長さの3分の1以下であってもよい。例えば、重なり合いは、ステープル長さの33%未満であってもよい。他の場合には、重なり合いは、ステープル長さの25%未満、又は10%未満であってもよい。更に他の場合には、重なり合いは、例えば、ステープル長さの33%より大きくてもよい。
【0099】
特定の場合には、ステープルラインは、ステープルの内側列と中間列との間に第1の重なり合いの程度を含み、ステープルの中間列と外側列との間に第2の重なり合いの程度を含んでいてもよい。第2の重なり合いの程度は、横方向及び/又は長手方向において、第1の重なり合いの程度とは異なっていてもよい。その結果、ステープルラインの内側部分は、ステープルラインの外側部分とは異なる可撓性を有していてもよい。更に、内側部分の組織密封特性は、外側部分の組織密封特性とは異なっていてもよい。
【0100】
図27を再び参照すると、角度Aは、角度Cよりも小さい。その結果、幅W
Aは、幅W
Cより小さく、長さL
Aは、長さL
Cより大きい。例えば、角度Aは、35度~40度であってもよく、例えば、角度Cは、43度~47度であってもよい。他の場合には、角度Aは、35度未満、若しくは40度より大きくてもよく、及び/又は角度Cは、43度未満、若しくは47度より大きくてもよい。角度Aと角度Cの差は、3度~12度であってもよい。例えば、この差は、約8度であってもよい。更に他の場合には、角度Aと角度Cの差は、3度未満、又は12度より大きくてもよい。
【0101】
ここでも
図27を参照すると、ステープル3242は、それぞれの列において、整列している。より具体的には、内側ステープル3242aの近位端は、長手方向に整列しており、内側ステープル3242aの遠位端は、長手方向に整列しており、中間ステープル3242bの近位端は、長手方向に整列しており、中間ステープル3242bの遠位端は、長手方向に整列しており、外側ステープル3242cの近位端は、長手方向に整列しており、外側ステープル3242cの遠位端は、長手方向に整列している。ステープルキャビティ3310の各列3214a、3214b及び3214cにおいて整列したステープル3242は、ステープルライン内の整列したステープル3242の列を形成するように構成されている。ステープル3242の角度の向きと、その間の間隔に起因して、ステープル3242の列は、横方向に重なりあっている。内側ステープル3242aは、横方向の重なり合いY
A/Bだけ、中間ステープル3242bと横方向に重なり合い、外側ステープル3242cは、横方向の重なり合いY
B/Cだけ、中間ステープル3242bと横方向に重なり合う。内側ステープル3242aと中間ステープル3242bとの間の横方向の重なり合いY
A/Bは、外側ステープル3242cと中間ステープル3242bとの間の横方向の重なり合いY
B/Cより大きい。このような場合に、外側ステープルは、内側ステープルが中間ステープルに対して配置されるよりも中間ステープルに近い位置に配置される。他の場合には、横方向の重なり合いY
A/Bは、横方向の重なり合いY
B/Cよりも小さいか、又は横方向の重なり合いY
B/Cと等しくてもよい。
【0102】
中間ステープル3242bは、内側ステープル3242a及び外側ステープル3242cに対して長手方向に互い違いになっている。特に、各中間ステープル3242bは、隣接する内側ステープル3242aの間に長手方向に等距離に配置され、隣接する外側ステープル3242cの間に長手方向に等距離に配置される。ステープル3242の角度の向きと、その間の間隔に起因して、ステープル3242は、長手方向に重なり合わない。内側ステープル3242aは、長手方向ギャップXA/Bだけ中間ステープル3242bから離れており、外側ステープル3242cは、長手方向ギャップXB/Cだけ中間ステープル3242bから離れている。内側ステープル3242aと中間ステープル3242bとの間の長手方向ギャップXA/Bは、外側ステープル3242cと中間ステープル3242bとの間の長手方向ギャップXB/Cよりも小さい。他の場合には、長手方向ギャップXA/Bは、長手方向ギャップXB/Cよりも大きいか、又は長手方向ギャップXB/Cと等しくてもよい。特定の場合には、中間ステープル3242bは、内側ステープル3242a及び/又は外側ステープル3242cと長手方向に重なり合っていてもよい。
【0103】
図27のステープルキャビティの配置によって作られる横方向の重なり合い及び長手方向ギャップは、組織を密封するためにステープルラインを横切る流体の経路を十分に閉塞させるのに十分なものであろう。種々の場合に、横方向及び/又は長手方向の重なり合い及び/又はギャップは、ステープルラインの密封特性を選択的に最適化するように構成され得る。それに加えて、又はそれに代えて、横方向及び/又は長手方向の重なり合い及び/又はギャップは、ステープルラインの可撓性を選択的に最適化するように構成され得る。更に、重なり合いを最小化することができる。特定の場合には、横方向の重なり合いは、ステープルの長さの3分の1より小さくてもよく、少なくとも1つの場合に、ステープルの直径とほぼ等しくてもよい。
【0104】
ここで
図28を参照すると、ステープルカートリッジ本体3300の一部が示されている。ステープルカートリッジ本体3300は、デッキ部3302と、長手方向スロット3304とを含んでいる。長手方向スロット3304は、長手方向軸LAに沿って延在している。ステープルキャビティ3310は、ステープルカートリッジ本体3300内に画定されており、各ステープルキャビティ3310は、デッキ部3302内の開口部3312を有する。ステープル3342は、各ステープルキャビティ3310内に配置されている。ステープル3342は、多くの態様で、ステープル3042(
図10)又はステープル3142(
図11)と同様であってもよい。特定の場合には、各ステープル3342の脚部は、ステープルキャビティ3310の内壁に対して付勢されていてもよい。読者は、ステープル3342が、ステープルカートリッジ本体3300から組織へと発射される場合、ステープルキャビティ3310内のステープル3342の配置が、ステープルライン内のステープル3342の配置に対応することを理解するだろう。より具体的には、得られたステープルライン内の各ステープル3342のベース部が、キャビティ軸CAと同一線上にあるか、又は実質的に同一線上にある。
【0105】
ステープルキャビティ開口部3312は、長手方向スロット3304の第1の側の3つの列3314a、3314b、及び3314cに配置されている。内側開口部3312aは、内側列3314aにおいて、内側キャビティ3310aの周囲を画定し、中間開口部3312bは、中間列3314bにおいて、中間キャビティ3310bの周囲を画定し、外側開口部3312cは、外側列3314cにおいて、外側キャビティ3310cの周囲を画定する。内側ステープル3342aは、内側キャビティ3310a内に配置されており、中間ステープル3342bは、中間キャビティ3310b内に配置されており、外側ステープル3342cは、外側キャビティ3310c内に配置されている。
図28には示されていないが、少なくとも1つの場合には、スロット3304の反対側にあるステープルキャビティ3310は、長手方向スロット3304の第1の側面にあるステープルキャビティ3310の鏡像反射を形成する。その結果、得られたステープルライン内のステープル3342の配置は、切断線に対して対称である。他の場合には、ステープルラインは、切断線に対して非対称であってもよい。
【0106】
各ステープルキャビティ開口部3312は、第1端(即ち近位端)3316と、第2端(即ち遠位端)3318とを有する。キャビティ軸CAは、各開口部3312の近位端3316と遠位端3318との間に延在する。それぞれの列のステープルキャビティ開口部3312は、平行である。例えば、内側キャビティ3310aは、長手方向軸LAに対して角度Aで配向されている。違う言い方をすると、内側開口部3312aのキャビティ軸(例えば、CAA)は、長手方向軸LAに対して角度Aで配向されている。中間キャビティ3310bは、長手方向軸LAに対して角度Bで配向されている。違う言い方をすると、中間開口部3312bのキャビティ軸(例えば、CAB)は、長手方向軸LAに対して角度Bで配向されている。外側キャビティ3310cは、長手方向軸LAに対して角度Cで配向されている。違う言い方をすると、外側開口部3312cによって画定されたキャビティ軸(例えば、CAC)は、長手方向軸LAに対して角度Cで配向されている。
【0107】
ステープルカートリッジ本体3300において、角度Aは、角度Cに等しく、角度Bは、角度A及びCに対する補角である。その結果、内側開口部3312aは、外側開口部3312cに対して平行であり、中間開口部3312bは、内側開口部3312a及び外側開口部3312cに対してそれぞれ垂直である。ステープルカートリッジ本体3300内のステープルキャビティ開口部3312は、ヘリンボーンパターンを形成する。更に、ここでも
図28を参照すると、各列3314a、3314b、3314c内のステープル3342は、同じ長さのベース部BLを有する。ステープル列の幅は等しく、ステープル3342の長手方向長さも等しい。
【0108】
ここでも
図28を参照すると、内側ステープル3342aと中間ステープル3342bとの間の長手方向の重なり合いX
A/Bは、外側ステープル3342cと中間ステープル3342bとの間の長手方向の重なり合いX
B/Cに等しい。更に、内側ステープル3342aと中間ステープル3342bとの間の横方向の重なり合いY
A/Bは、外側ステープル3342cと中間ステープル3342bとの間の横方向の重なり合いY
B/Cに等しい。このような場合に、中間ステープル3342bは、内側ステープル3342a及び外側ステープル3342cに対して等間隔に近い位置に配置される。
【0109】
ここでも
図28を参照すると、カートリッジ本体3300内のステープルキャビティ3310の間隔は、最小化される。例えば、ステープルキャビティ開口部3312の近位端3316及び遠位端3318は、他のステープルキャビティ3312に隣接して配置される。特定の場合には、隣接するステープルキャビティは、当接接触していてもよい。ステープルキャビティ3310の間隔を最小化することによって、
図28の配置におけるステープルキャビティ3310の密度と、ステープルキャビティ3310間の重なり合いの程度は、最大化される。重なり合いの程度は最大化されるが、ステープルキャビティが密接に近接しているため、横方向の重なり合いは、依然としてステープル長さの3分の1より小さい。
【0110】
他の場合には、ステープルキャビティの少なくとも1つの列内のステープルキャビティの角度の向きは、他の列内のステープルキャビティの角度の向きとは異なっていてもよい。それに加えて、又はそれに代えて、ステープルキャビティの少なくとも1つの列内のステープルベース部の長さは、少なくとも1つの他の列内のステープルベース部の長さとは異なっていてもよい。それに加えて、又はそれに代えて、ステープルキャビティは、各隣接する列内の隣接するステープルキャビティとは等間隔で互い違いになっていなくてもよく、又はずれていなくてもよい。ステープルカートリッジ及び内部のステープルに対するこのような変動により、切断線に対して横方向に様々な特性を有するステープルラインを作成することができる。
【0111】
特定の場合には、ステープルラインの内側部分内のステープル、例えば、ステープルキャビティの内側列から発射されるステープルは、例えば、ステープルラインの外側部分内のステープルとは異なるベース部長さを有していてもよい。例えば、ナイフスロットのそれぞれの側にあるステープルキャビティの内側列内のステープルは、ステープルキャビティの他の列内のステープルよりも長いベース部を有していてもよい。ベース部が長いと、例えば、ステープルによって、より大きな組織を捕捉することができるため、大きな密封能力をもたらすことができる。それに加えて、又はそれに代えて、ベース部を長くすると、ステープルラインが強化され、その可撓性が低減され得る。
【0112】
ここで
図29を参照すると、ステープルカートリッジ本体3400の一部が示されている。ステープルカートリッジ本体3400は、デッキ部3402と、長手方向スロット3404とを含んでいる。長手方向スロット3404は、長手方向軸LAに沿って延在している。ステープルキャビティ3410は、ステープルカートリッジ本体3400内に画定されており、各ステープルキャビティ3410は、デッキ部3402内の開口部3412を画定している。ステープル3442は、各ステープルキャビティ3410内に配置されている。ステープル3442は、多くの態様で、ステープル3042(
図10)又はステープル3142(
図11)と同様であってもよい。特定の場合には、各ステープル3442の脚部は、ステープルキャビティ3410の内壁に対して付勢されていてもよい。読者は、ステープル3442が、カートリッジ本体3400から組織へと発射される場合、ステープルキャビティ3410内のステープル3442の配置が、ステープルライン内のステープル3442の配置に対応することを理解するだろう。より具体的には、得られたステープルライン内の各ステープル3442のベース部が、キャビティ軸CAと同一線上にあるか、又は実質的に同一線上にある。
【0113】
ステープルキャビティ開口部3412は、長手方向スロット3404の第1の側の3つの列3414a、3414b、及び3414cに配置されている。内側開口部3412aは、内側列3414aにおいて、内側キャビティ3410aの周囲を画定し、中間開口部3412bは、中間列3414bにおいて、中間キャビティ3410bの周囲を画定し、外側開口部3412cは、外側列3414cにおいて、外側キャビティ3410cの周囲を画定する。内側ステープル3442aは、内側キャビティ3410a内に配置されており、中間ステープル3442bは、中間キャビティ3410b内に配置されており、外側ステープル3442cは、外側キャビティ3410c内に配置されている。
図29には示されていないが、少なくとも1つの場合には、スロット3404の反対側にあるステープルキャビティ3410は、長手方向スロット3404の第1の側面にあるステープルキャビティ3410の鏡像反射を形成する。その結果、得られたステープルライン内のステープル3442の配置は、切断線に対して対称である。他の場合には、ステープルラインは、切断線に対して非対称であってもよい。
【0114】
各ステープルキャビティ開口部3412は、第1端(即ち近位端)3416と、第2端(即ち遠位端)3418とを有する。キャビティ軸CAは、各開口部3412の近位端3416と遠位端3418との間に延在する。各列のステープルキャビティ開口部3412は、平行である。例えば、内側キャビティ3410aは、長手方向軸LAに対して角度Aで配向されている。違う言い方をすると、内側開口部3412aのキャビティ軸(例えば、CAA)は、長手方向軸LAに対して角度Aで配向されている。中間キャビティ3410bは、長手方向軸LAに対して角度Bで配向されている。違う言い方をすると、中間開口部3412bのキャビティ軸(例えば、CAB)は、長手方向軸LAに対して角度Bで配向されている。外側キャビティ3410cは、長手方向軸LAに対して角度Cで配向されている。違う言い方をすると、外側開口部3412cによって画定されたキャビティ軸(例えば、CAC)は、長手方向軸LAに対して角度Cで配向されている。
【0115】
角度A、B及びCは、異なっている。内側開口部3412aは、外側開口部3412cに対して斜めに配向されている。角度Aは、角度Cよりも小さい。外側開口部3412c(例えば、軸CAC)の軸が、内側開口部3412aの軸(例えば、軸CAA)とは平行ではないため、ステープルカートリッジ本体3400内のステープルキャビティ開口部3412は、改変されているか、又は歪んだヘリンボーンパターンを形成する。中間開口部3412bのキャビティ軸CABは、内側開口部3412a又は外側開口部3412cのいずれかに対して垂直に、又は実質的に垂直に配向されていてもよい。例えば、角度Bは、角度A又はCのいずれかに対する補角であってもよい。他の場合には、角度Bは、角度A又はCのいずれかに対する補角ではなくてもよい。
【0116】
ここでも
図29を参照すると、内側ステープル3442aは、ベース部長さBL
Aを有し、中間ステープル3442bは、ベース部長さBL
Bを有し、外側ステープル3442cは、ベース部長さBL
Cを有する。ベース部長さBL
Aは、ベース部長さBL
B及びベース部長さBL
Cよりも長い。言い換えると、内側ステープル3442aは、中間ステープル3442b及び外側ステープル3442cよりも長い。更に、内側ステープル3442aを収容するステープルキャビティ3410は、より長いベース部BL
Aを収容するために、これに対応して長くなる。
【0117】
カートリッジ本体3400内のステープルキャビティ3410の配置は、中間ステープル3442bの近位端及び遠位端の両方で、内側ステープル3442aと中間ステープル3442bとの間に長手方向の重なり合いXA/Bをもたらす。中間ステープル3442bは、2つの隣接する内側ステープル3442aの間で等間隔離れ、長手方向に互い違いになっている。中間ステープル3442bはまた、2つの隣接する外側ステープル3442cの間で等間隔離れ、長手方向に互い違いになっている。各外側ステープル3442cの近位端は、中間ステープル3442bの遠位端と長手方向に整列しており、各外側ステープル3442cの遠位端は、別の中間ステープル3442bの近位端と長手方向に整列している。言い換えると、このようなステープルは、長手方向に整列しており、長手方向重なり合いは、ステープル3442の直径に等しい。カートリッジ本体3400内のステープルキャビティ3410の配置はまた、内側列3414aと中間列3414bとの間に横方向のギャップYA/Bと、外側列3414cと中間列3414bとの間に横方向の重なり合いYB/Cとをもたらす。このような場合に、中間ステープル3442bは、内側ステープル3442aに対してよりも、外側ステープル3442cに対して近くに配置されている。
【0118】
ここでも
図29を参照すると、ステープルカートリッジ本体3400によって作られるステープルラインは、切断線に関して横方向に異なる特性を有していてもよい。特に、ステープルラインは、切断線から横方向に外側よりも、切断線に沿って大きな密封有効性を有していてもよい。更に、ステープルラインは、切断線に向かって内側よりも、切断線から横方向に離れると可撓性が大きくなっていてもよい。例えば、内側ステープル3442aのベース部BL
Aは、それぞれ中間ステープル3442bのベース部BL
B及び外側ステープル3442cのベース部BL
Cよりも長いため、ステープルラインの内側部分は、ステープルラインの外側よりも密封有効性が大きく、及び/又は可撓性が小さくてもよい。それに加えて、又はそれに代えて、内側ステープル3442aは、外側ステープル3442cより小さな角度で配向され、外側ステープル3442cよりも平行な向きに近いため、ステープルラインの内側部分は、ステープルラインの外側部分よりも密封有効性が大きく、及び/又は可撓性が小さくてもよい。それに加えて、又はそれに代えて、中間ステープル3442bは、内側ステープル3442aと長手方向に重なり合うが、外側ステープル3442cと長手方向に重なり合わないため、ステープルラインの内側部分は、ステープルラインの外側部分よりも密封有効性が大きく、及び/又は可撓性が小さくてもよい。重なり合いの量を最小化することができる。例えば、重なり合いは、ステープルの長さの3分の1より小さくてもよく、少なくとも1つの場合に、ステープルの直径とほぼ等しくてもよい。
【0119】
特定の場合には、ステープルラインの外側部分内のステープル、例えば、ステープルキャビティの外側列から発射されるステープルは、例えば、ステープルラインの内側部分内のステープルとは異なるベース部長さを有していてもよい。例えば、ナイフスロットのそれぞれの側にあるステープルキャビティの外側列内のステープルは、ステープルキャビティの他の列内のステープルよりも短いベース部を有していてもよい。ベース部が短いと、例えば、ステープルラインの可撓性を上げることができる。
【0120】
ここで
図30を参照すると、ステープルカートリッジ本体3500の一部が示されている。ステープルカートリッジ本体3500は、デッキ部3502と、長手方向スロット3504とを含んでいる。長手方向スロット3504は、長手方向軸LAに沿って延在している。ステープルキャビティ3510は、ステープルカートリッジ本体3500内に画定されており、各ステープルキャビティ3510は、デッキ部3502内の開口部3512を画定している。ステープル3542は、各ステープルキャビティ3510内に配置されている。ステープル3542は、多くの態様で、ステープル3042(
図10)又はステープル3142(
図11)と同様であってもよい。特定の場合には、各ステープル3542の脚部は、ステープルキャビティ3510の内壁に対して付勢されていてもよい。読者は、ステープル3542が、カートリッジ本体3500から組織へと発射される場合、ステープルキャビティ3510内のステープル3542の配置が、ステープルライン内のステープル3542の配置に対応することを理解するだろう。より具体的には、得られたステープルライン内の各ステープル3542のベース部が、キャビティ軸CAと同一線上にあるか、又は実質的に同一線上にある。
【0121】
ステープルキャビティ開口部3512は、長手方向スロット3504の第1の側の3つの列3514a、3514b、及び3514cに配置されている。内側開口部3512aは、内側列3514aにおいて、内側キャビティ3510aの周囲を画定し、中間開口部3512bは、中間列3514bにおいて、中間キャビティ3510bの周囲を画定し、外側開口部3512cは、外側列3514cにおいて、外側キャビティ3510cの周囲を画定する。内側ステープル3542aは、内側キャビティ3510a内に配置されており、中間ステープル3542bは、中間キャビティ3510b内に配置されており、外側ステープル3542cは、外側キャビティ3510c内に配置されている。
図30には示されていないが、少なくとも1つの場合には、スロット3504の反対側にあるステープルキャビティ3510は、長手方向スロット3504の第1の側面にあるステープルキャビティ3510の鏡像反射を形成する。その結果、得られたステープルライン内のステープル3542の配置は、切断線に対して対称である。他の場合には、ステープルラインは、切断線に対して非対称であってもよい。
【0122】
各ステープルキャビティ開口部3512は、第1端(即ち近位端)3516と、第2端(即ち遠位端)3518とを有する。キャビティ軸CAは、各開口部3512の近位端3516と遠位端3518との間に延在する。各列のステープルキャビティ開口部3512は、平行である。例えば、内側キャビティ3510aは、長手方向軸LAに対して角度Aで配置されている。違う言い方をすると、内側開口部3512aのキャビティ軸(例えば、CAA)は、長手方向軸LAに対して角度Aで配向されている。中間キャビティ3510bは、長手方向軸LAに対して角度Bで配向されている。違う言い方をすると、中間開口部3512bのキャビティ軸(例えば、CAB)は、長手方向軸LAに対して角度Bで配向されている。外側キャビティ3510cは、長手方向軸LAに対して角度Cで配向されている。違う言い方をすると、外側開口部3512cによって画定されたキャビティ軸(例えば、CAC)は、長手方向軸LAに対して角度Cで配置されている。
【0123】
角度A、B及びCは、異なっていてもよい。内側開口部3512aは、外側開口部3512cに対して斜めに配向されている。角度Aは、角度Cよりも小さい。外側開口部3512c(例えば、軸CAC)の軸が、内側開口部3512aの軸(例えば、軸CAA)とは平行ではないため、ステープルカートリッジ本体3500内のステープルキャビティ開口部3512は、改変されているか、又は歪んだヘリンボーンパターンを形成する。中間開口部3512bのキャビティ軸CABは、内側開口部3512a又は外側開口部3512cのいずれかに対して垂直に、又は実質的に垂直に配向されていてもよい。例えば、角度Bは、角度A又はCのいずれかに対する補角であってもよい。他の場合には、角度Bは、角度A又はCのいずれかに対する補角ではなくてもよい。
【0124】
内側ステープル3542aは、ベース部長さBLAを有し、中間ステープル3542bは、ベース部長さBLBを有し、外側ステープル3542cは、ベース部長さBLCを有する。ベース部長さBLCは、ベース部長さBLB及びベース部長さBLAより短い。言い換えると、外側ステープル3542cは、中間ステープル3542b及び内側ステープル3542aより短い。更に、外側ステープル3542cを収容するステープルキャビティ3510は、より短いベース部BLCを収容するために、これに対応して短くなる。
【0125】
カートリッジ本体3500内のステープルキャビティ3510の配置は、中間ステープル3542bの近位端及び遠位端の両方で、内側ステープル3542aと中間ステープル3542bとの間に長手方向の重なり合いXA/Bをもたらす。中間ステープル3542bは、2つの隣接する内側ステープル3542aの間で等間隔離れ、長手方向に互い違いになっている。カートリッジ本体3500内のステープルキャビティ3510の配置はまた、中間ステープル3542bの近位端及び遠位端の両方で、中間ステープル3542bと外側ステープル3542cの間に長手方向の重なり合いXB/Cをもたらす。中間ステープル3542bはまた、2つの隣接する外側ステープル3542cの間で等間隔離れ、長手方向に互い違いになっている。ステープル3542の角度の向き及び間隔に起因して、長手方向重なり合いXA/Bは、長手方向重なり合いXB/Cよりも大きい。カートリッジ本体3500内のステープルキャビティ3510の配置はまた、内側ステープル3542aと中間ステープル3542bとの間に横方向のギャップYA/Bと、外側ステープル3542cと中間ステープル3542bとの間に横方向の重なり合いYB/Cとをもたらす。このような場合に、中間ステープル3542bは、内側ステープル3542aに対してよりも、外側ステープル3542cに対して近くに配置されている。
【0126】
ここでも
図30を参照すると、ステープルカートリッジ本体3500によって作られるステープルラインは、切断線に関して横方向に異なる特性を有していてもよい。特に、ステープルラインは、切断線から横方向に外側よりも、切断線に沿って大きな密封有効性を有していてもよい。更に、ステープルラインは、切断線に向かって内側よりも、切断線から横方向に離れると可撓性が大きくなっていてもよい。例えば、外側ステープル3542cのベース部BL
Aは、それぞれ中間ステープル3542nのベース部BL
B及び外側ステープル3542cのベース部BL
Cよりも短いため、ステープルラインの内側部分は、ステープルラインの外側よりも密封有効性が大きく、及び/又は可撓性が小さくてもよい。それに加えて、又はそれに代えて、内側ステープル3542aは、外側ステープル3542cより小さな角度で配向され、外側ステープル3542cよりも平行な向きに近いため、ステープルラインの内側部分は、ステープルラインの外側部分よりも密封有効性が大きく、及び/又は可撓性が小さくてもよい。それに加えて、又はそれに代えて、中間ステープル3542bは、中間ステープル3542bが外側ステープル3542cと長手方向に重なるよりも多く、内側ステープル3542aと長手方向に重なり合うため、ステープルラインの内側部分は、ステープルラインの外側部分よりも密封有効性が大きく、及び/又は可撓性が小さくてもよい。
【0127】
種々の場合に、ステープルラインの特性は、ステープルの各列においてカスタマイズすることができる。ナイフスロットの片側にあるステープルキャビティの各列内のステープルは、異なるベース部長さを有していてもよい。更に、ナイフスロットの片側にあるステープルキャビティの各列内のステープルは、ナイフスロットに対して異なる角度で配向されていてもよい。更に、キャビティの間隔は、列ごとに異なっていてもよい。例えば、各列内のステープルの大きさ及び向きは、ステープルラインの外側境界に向かって切断線から横方向での列の位置に基づき、ステープルラインの可撓性及び各列内の密封特性を最適化するように選択することができる。特定の場合には、密封有効性は、切断線に沿って最大化するか、又は強調することができ、例えば、ステープルラインの可撓性は、例えば、ステープルラインの外側境界に沿って、最大化するか、又は強調することができる。又は、特定の場合には、密封有効性は、ステープルラインの外側境界に沿って、最大化するか、又は強調することができ、及び/又はステープルラインの可撓性は、切断線に沿って、最大化するか、又は強調することができる。
【0128】
ここで
図31を参照すると、ステープルカートリッジ本体3600の一部が示されている。ステープルカートリッジ本体3600は、デッキ部3602と、長手方向スロット3604とを含んでいる。長手方向スロット3604は、長手方向軸LAに沿って延在している。ステープルキャビティ3610は、ステープルカートリッジ本体3600内に画定されており、各ステープルキャビティ3610は、デッキ部3602内の開口部3612を画定している。ステープル3642は、各ステープルキャビティ3610内に配置されている。ステープル3642は、多くの態様で、ステープル3042(
図10)又はステープル3142(
図11)と同様であってもよい。特定の場合には、各ステープル3642の脚部は、ステープルキャビティ3610の内壁に対して付勢されていてもよい。読者は、ステープル3642が、カートリッジ本体3600から組織へと発射される場合、ステープルキャビティ3610内のステープル3642の配置が、ステープルライン内のステープル3642の配置に対応することを理解するだろう。より具体的には、得られたステープルライン内の各ステープル3642の基部が、キャビティ軸CAと同一線上にあるか、又は実質的に同一線上にある。
【0129】
ステープルキャビティ開口部3612は、長手方向スロット3604の第1の側の3つの列3614a、3614b、3614cに配置されている。内側開口部3612aは、内側列3614aにおいて、内側キャビティ3610aの周囲を画定し、中間開口部3612bは、中間列3614bにおいて、中間キャビティ3610bの周囲を画定し、外側開口部3612cは、外側列3614cにおいて、外側キャビティ3610cの周囲を画定する。内側ステープル3642aは、内側キャビティ3610a内に配置されており、中間ステープル3642bは、中間キャビティ3610b内に配置されており、外側ステープル3642cは、外側キャビティ3610c内に配置されている。
図31には示されていないが、少なくとも1つの場合には、スロット3604の反対側にあるステープルキャビティ3610は、長手方向スロット3604の第1の側面にあるステープルキャビティ3610の鏡像反射を形成する。その結果、得られたステープルライン内のステープル3642の配置は、切断線に対して対称である。他の場合には、ステープルラインは、切断線に対して非対称であってもよい。
【0130】
各ステープルキャビティ開口部3612は、第1端(即ち近位端)3616と、第2端(即ち遠位端)3618とを有する。キャビティ軸CAは、各開口部3612の近位端3616と遠位端3618との間に延在する。各列のステープルキャビティ開口部3612は、平行である。例えば、内側キャビティ3610aは、長手方向軸LAに対して角度Aで配置されている。違う言い方をすると、内側開口部3612aのキャビティ軸(例えば、CAA)は、長手方向軸LAに対して角度Aで配向されている。中間キャビティ3610bは、長手方向軸LAに対して角度Bで配向されている。違う言い方をすると、中間開口部3612bのキャビティ軸(例えば、CAB)は、長手方向軸LAに対して角度Bで配向されている。外側キャビティ3610cは、長手方向軸LAに対して角度Cで配向されている。違う言い方をすると、外側開口部3612cによって画定されたキャビティ軸(例えば、CAC)は、長手方向軸LAに対して角度Cで配向されている。
【0131】
角度A、B及びCは、異なっていてもよい。内側開口部3612aは、外側開口部3612cに対して斜めに配向されている。角度Aは、角度Cよりも小さい。外側開口部3612c(例えば、軸CAC)の軸が、内側開口部3612aの軸(例えば、軸CAA)とは平行ではないため、ステープルカートリッジ本体3600内のステープルキャビティ開口部3612は、改変されているか、又は歪んだヘリンボーンパターンを形成する。中間開口部3612bのキャビティ軸CABは、内側開口部3612a又は外側開口部3612cのいずれかに対して垂直に、又は実質的に垂直に配向されていてもよい。例えば、角度Bは、角度A又はCのいずれかに対する補角であってもよい。他の場合には、角度Bは、角度A又はCのいずれかに対する補角ではなくてもよい。
【0132】
内側ステープル3642aは、ベース部長さBLAを有し、中間ステープル3642bは、ベース部長さBLBを有し、外側ステープル3642cは、ベース部長さBLCを有する。ベース部長さBLCは、ベース部長さBLBより短く、ベース部長さBLBは、ベース部長さBLAより短い。言い換えると、ステープル3642の長さは、長手方向スロット3604に向かって横方向に大きくなる。更に、ステープルキャビティ3610は、より大きなステープルを収容するために、これに対応して、長手方向スロット3604に向かって横方向に長さが大きくなっている。
【0133】
カートリッジ本体3600内のステープルキャビティ3610の配置は、中間ステープル3642bの近位端及び遠位端の両方で、内側ステープル3642aと中間ステープル3642bとの間に長手方向の重なり合いXA/Bをもたらす。中間ステープル3642bは、2つの隣接する内側ステープル3642aの間で等間隔離れ、長手方向に互い違いになっている。カートリッジ本体3600内のステープルキャビティ3610の配置はまた、中間ステープル3642bの近位端及び遠位端の両方で、中間ステープル3642bと外側ステープル3642cの間に長手方向ギャップXB/Cをもたらす。中間ステープル3642bはまた、2つの隣接する外側ステープル3642cの間で等間隔離れ、長手方向に互い違いになっている。ステープルの角度の向き、ステープルの間隔、及びステープルの長さの変化に起因して、長手方向重なり合いXA/Bは、長手方向ギャップXB/Cよりも大きい。他の場合には、長手方向重なり合いXA/Bは、長手方向重なり合いXB/Cと等しいか、又は小さくてもよい。カートリッジ本体3600内のステープルキャビティ3610の配置は、内側列3614aと中間列3614bとの間に横方向のギャップYA/Bと、外側列3614cと中間列3614bとの間に横方向の重なり合いYB/Cとをもたらす。
【0134】
ここでも
図31を参照すると、ステープルカートリッジ本体3600によって作られるステープルラインは、切断線に関して横方向に異なる特性を有していてもよい。特に、ステープルラインは、切断線から横方向に外側よりも、切断線に隣接して大きな密封有効性を有していてもよい。更に、ステープルラインは、切断線に向かって内側よりも、切断線から横方向に離れると可撓性が大きくなっていてもよい。例えば、ステープル3642a、3642b及び3642cのベース部BL
A、BL
B及びBL
Cの長さが、それぞれ、切断線に向かって横方向内側に長くなっているため、ステープルラインの内側部分は、ステープルラインの外側部分よりも大きな密封有効性を有していてもよい。それに加えて、又はそれに代えて、ステープル3642a、3642b及び3642cの角度の向きは、切断線から離れて横方向外側に大きくなるため、ステープルラインの外側部分は、ステープルラインの内側部分よりも可撓性が大きくてもよい。
【0135】
本明細書に記載されるとおり、ステープルは、ステープルカートリッジ内に着脱可能に配置され、使用中にステープルカートリッジから発射される。種々の場合に、ステープルは、ステープルカートリッジ内のステープルキャビティから外に押し出され、アンビルとの接点を形成してもよい。例えば、発射要素は、発射ストローク中にステープルカートリッジを通って並進し、ステープルカートリッジからアンビルに向かってステープルを押し出してもよい。特定の場合には、ステープルは、ステープルドライバによって支持されてもよく、発射要素は、ステープルドライバを持ち上げ、ステープルカートリッジからステープルを排出するか、又は除去してもよい。
【0136】
アンビルは、内部に画定されたステープル形成ポケットを有するステープル形成面を含んでもよい。特定の場合には、ステープル形成ポケットは、アンビル内に型打ちされていてもよい。例えば、ステープル形成ポケットは、アンビルの平らな表面に鋳造されてもよい。読者は、ステープル形成ポケットの特定の特徴が、鋳造プロセスの計画された結果であってもよいことを理解するだろう。例えば、ステープルを形成する製造の角及び/又は縁部の特定の丸め度は、鋳造プロセスの意図した結果であってもよい。このような特徴はまた、歪んでいるか、及び/又はさもなければ進行中に整列が乱れたステープルを含め、ステープルをこれらの形成済み構成により良く形成するように設計されていてもよい。
【0137】
ステープルカートリッジ中の各ステープルは、アンビルのステープル形成ポケットと整列していてもよい。言い換えると、エンドエフェクタのためのステープルカートリッジ内のステープルキャビティ及びステープルの配置は、エンドエフェクタのアンビル内のステープル形成ポケットの配置に対応していてもよく、又はこれと一致していてもよい。より具体的には、各ステープルキャビティの角度の向きは、それぞれのステープル形成ポケットの角度の向きと一致していてもよい。例えば、ステープルキャビティがヘリンボーンパターンで配置されている場合、ステープル形成ポケットもヘリンボーンパターンで配置されていてもよい。
【0138】
ステープルが、ステープルカートリッジから押し出され、アンビルとの接点を形成する際、ステープルは発射済構成に形成され得る。種々の場合に、発射済構成はB字形の構成であってもよく、ここで、ステープル脚部の先端は、ステープルベース部又はクラウン部に向かって曲げられ、対称な上側ループと下側ループを有する大文字のBを形成する。他の場合には、発射済構成は、改変されたB字形、例えば、ステープル脚部の少なくとも一部が、ステープルベース部の面からねじられている、歪んだB字形の構成、又は大文字Bの上側ループと下側ループが非対称である、非対称なB字形の構成であってもよい。組織は、形成されたステープル内に捕捉、又はクランプ留めされ得る。
【0139】
ステープルカートリッジ内のステープル及び/又はステープルキャビティの配置は、相補形のアンビルの形成面内のステープル形成ポケットの対応する配置を最適化するように構成され得る。例えば、ステープルカートリッジ内のステープルの角度の向き及び間隔は、アンビルの形成面を最適化するために設計されてもよい。特定の場合には、アンビル内のステープル形成ポケットのフットプリントは、アンビルの幾何形状によって制限されてもよい。ステープル形成ポケットが、長手方向軸に対して斜めに配向されている場合には、アンビルの幅は、斜めに配向されたステープル形成ポケットの大きさ及び間隔を制限するだろう。例えば、ステープル形成ポケットの中間列の幅は、中間列の片側の第1の列(例えば、外側列)と、中間列の他の側の第2の列(例えば、内側列)との間の最小距離を画定してもよい。更に、ステープル形成ポケットの列は、アンビルの内側縁部(例えばナイフスロット)とアンビルの外側縁部との間に制限される。
【0140】
種々の場合に、ポケットは、アンビルのステープル形成面に沿って、隣接して入れ子になっていてもよい。例えば、中間ポケットは、内側ポケットと外側ポケットとの間に入れ子になっていてもよい。ポケットの角度の向きは、入れ子を容易にするために、列ごとに様々であってもよい。例えば、内側列内のステープル形成ポケットは、第1の角度で配向されていてもよく、中間列のステープル形成ポケットは、第2の角度で配向されていてもよく、外側列のステープル形成ポケットは、第3の角度で配向されていてもよい。第1の角度、第2の角度及び第3の角度が異なっていてもよく、これにより、ステープル形成ポケットの密な配置が容易になるだろう。
【0141】
図27~
図31に示されるステープルカートリッジを再び参照すると、相補形のアンビル内のステープル形成ポケットの入れ子を最適化するために、各列内のステープル及びステープルキャビティを様々な角度に選択することができる。
図27~
図31に示される各ステープルカートリッジについて、相補形のアンビルは、ステープル形成ポケットの対応する配置を有するように構成され得る。更に、相補形のアンビル内のステープル形成ポケットは、ステープル脚部をステープル形成ポケット内に着面させるか、又は落下させることを確実にするために、
図27~
図31に示されるステープルキャビティより大きくてもよい。例えば、ステープル脚部は、外側に付勢されてもよく、例えば、V字形のステープル(
図11を参照)の場合には、ステープル形成ポケットのより大きな取り付け面積が、発射中に外側に付勢されたステープル脚部を捕捉することができる。種々の場合に、ステープル形成ポケットは、対応するステープルキャビティ及び/又はステープルより0.005インチ~0.015インチ長くてもよい。それに加えて、又はそれに代えて、各ステープル形成ポケットのステープルを受け入れるカップは、対応するステープルキャビティよりも0.005インチ~0.015インチ幅広くてもよい。他の場合には、長さ及び/又は幅の差は、0.005インチ未満、又は0.015インチより大きくてもよい。
【0142】
ステープルの大きさが、ステープルカートリッジ内で変わる場合(例えば、
図29~
図31を参照)、ステープル形成ポケットの大きさは、相補形のアンビル内でこれに対応して変わってもよい。ステープル形成ポケットの大きさを変えると、その入れ子が更に容易になる場合がある。例えば、中間列内のステープル形成ポケットが、内側列又は外側列内のステープル形成ポケットより短い場合、中間列のステープル形成ポケットの幅を小さくすることができ、内側列と外側列との間の必要な間隔を最小化することができる。
【0143】
ステープル形成ポケットの間隔も、その入れ子を最適化するように構成されていてもよい。例えば、内側列に配置されるポケットは、外側列に配置されるポケットに対して、長手方向に互い違いになっていてもよい。更に、内側列内のポケットは、外側列内のポケットと、長手方向に部分的に重なり合っていてもよい。中間列内のポケットは、内側列内のポケット及び外側列内のポケットに対して、長手方向に互い違いになっていてもよい。例えば、中間列内のポケットは、外側列内のポケット及び内側列内のポケットに対して、長手方向に等間隔にずれていてもよい。
【0144】
ここで
図80を参照すると、アンビル3700が示される。アンビル3700は、ステープルカートリッジ3500(
図30)に対して相補形であってもよい。例えば、アンビル3700内のステープル形成ポケット3706の配置は、ステープルカートリッジ3500内のステープル3542及びステープルキャビティ3510(
図30)の配置に対応していてもよい。アンビル3700は、ステープル形成面3702と、長手方向スロット3704とを含む。長手方向スロット3704は、アンビル3700の長手方向軸LAに沿って延在している。特定の場合には、発射要素及び/又は切断要素は、発射ストロークの少なくとも一部の間、長手方向スロット3704を通って並進することができる。ステープル形成ポケット3706は、ステープル形成面3702内に画定される。ステープル形成面3702はまた、ポケット3706の周りに延在する非形成部分3708を含む。非形成部分3708は、
図80において、各ポケット3706の周りに全体的に延びている。言い換えると、非形成部分3708は、ステープル形成ポケット3706を囲んでいる。他の場合には、2つ以上の隣接するポケット3706の少なくとも一部が、非形成部分3708がその間に配置されないように、当接接触していてもよい。
【0145】
ステープル形成面3702の形成比率を最適化することができる。形成比率を最適化することによって、より多くのステープルを形成することができ、及び/又は所望の構成になるように形成することができる。特定の場合には、アンビル3700の非形成部分3708の表面積を、ステープル形成ポケット3706に対して最小化してもよい。それに加えて、又はそれに代えて、ステープル形成ポケット3706の取り付け面積は、ステープルを捕捉し、形成するように設計されたステープル形成面3702の一部を最大化するために、伸長又は拡張されてもよい。
【0146】
図80に示されるポケット3706は、長手方向スロット3704の第1の側の3つの列3714a、3714b、3714cに配置されている。第1の列3714aは、内側列であり、第2の列3714bは、中間列であり、第3の列3714cは、外側列である。内側ポケット3706aは、内側列3714a内に配置されており、中間ポケット3706bは、中間列3714b内に配置されており、外側ポケット3706cは、外側列3714c内に配置されている。ポケット3706は、アンビル3700のステープル形成面3702に沿ってヘリンボーン配置で配置されている。
図80には示されていないが、少なくとも1つの場合には、スロット3704の反対側にあるポケット3706は、長手方向スロット3704の第1の側面にあるポケット3706鏡像反射を形成し得る。他の場合には、ステープル形成面3702内のポケット3706の配置は、スロット3704に対して非対称であってもよく、特定の場合には、アンビル3700は、長手方向スロット3704を備えていなくてもよい。種々の場合に、ポケット3706は、スロット3704のそれぞれの側にある3つより少ない列、又は3つより多い列に配置されていてもよい。
【0147】
各ポケット3706は、周囲3716を有し、周囲3716は、ポケット3706bの境界を画定する。各ポケット3706はまた、近位カップ3720と、遠位カップ3722と、近位カップ3720と遠位カップ3722の間に延在するネック部分3724とを含む。ステープルが打ち込まれてステープル形成面3702との接点を形成する場合、近位カップ3720は、近位ステープル脚部と整列し、遠位カップ3722は、遠位ステープル脚部と整列する。ステープル脚部の先端は、それぞれのカップ3720、3722内に着面するよう配置され、構成されている。違う言い方をすると、近位カップ3720は、近位ステープル脚部を受け入れるように構成されており、遠位カップ3722は、遠位ステープル脚部を受け入れるように構成されている。カップ3720及び3722はまた、ステープル脚部をポケット軸PA及びポケット3806の中央部分(例えば、ネック部分3724)に向かわせるか、又は送り込み、ステープル脚部を変形させ、形成済み構成にするように構成されている。
【0148】
ポケット3706の幾何形状、間隔及び/又は向きは、列ごとに異なっていてもよい。ポケット軸PAは、各ポケット3706の近位カップ3720から、ネック部分3724を通り、遠位カップ3722まで延在している。各列のポケット3706は、平行である。例えば、内側ポケット3706aは、長手方向軸LAに対して角度Aで配置されている。違う言い方をすると、内側ポケット3706aのポケット軸(例えば、PAA)は、長手方向軸LAに対して角度Aで配向されている。中間ポケット3706bは、長手方向軸LAに対して角度Bで配向されている。違う言い方をすると、中間ポケット3706bのポケット軸(例えば、PAB)は、長手方向軸LAに対して角度Bで配向されている。外側ポケット3706cは、長手方向軸LAに対して角度Cで配向されている。違う言い方をすると、内側ポケット3706aのポケット軸(例えば、PAC)は、長手方向軸LAに対して角度Cで配向されている。
【0149】
角度A、B及びCは、異なっていてもよい。内側ポケット3706aは、外側ポケット3706cに対して斜めに配向されている。角度Aは、角度Cよりも小さい。外側ポケット3706cの軸(例えば、軸PAC)が、内側ポケット3706aの軸(例えば、軸PAA)とは平行ではないため、アンビル3700内のステープル形成ポケット3706は、改変されているか、又は歪んだヘリンボーンパターンを形成する。中間ポケット3706bのポケット軸PABは、内側ポケット3706a及び外側ポケット3706cに対して斜めに配向されている。他の場合には、中間ポケット3706bのポケット軸PABは、内側ポケット3706a又は外側ポケット3706cのいずれかに対して垂直に、又は実質的に垂直に配向されていてもよい。例えば、角度Bは、角度A又はCのいずれかに対する補角であってもよい。
【0150】
内側ポケット3706aは、長さLAを有し、中間ポケット3706bは、長さLBを有し、外側ポケット3706cは、長さLCを有する。長さLCは、長さLB及び長さLAより短い。言い換えると、外側ポケット3706cは、中間ポケット3706b及び内側ポケット3706aより短い。特定の場合には、長さLA、LB及びLCは、異なっていてもよい。他の場合には、長さLA、LB及びLCは、同じであってもよい。更に他の場合には、長さLBは、長さLA及び/若しくはLBより小さくてもよく、かつ/又は長さLAは、長さLA及び/若しくはLCより小さくてもよい。長さLA、LB及びLCは、ポケット3706の入れ子を最適化するように選択することができる。
【0151】
ステープル形成ポケット3706の間隔も、その入れ子を最適化するように構成されていてもよい。例えば、内側ポケット3706aは、外側ポケット3706cに対して長手方向に互い違いであってもよい。更に、内側ポケット3706aは、外側ポケット3706cと長手方向に部分的に重なり合っていてもよい。
図80を参照すると、内側ポケット3706aの第1端は、外側ポケット3706cの対応する末端から距離X1
A/Cだけ長手方向にずれている。内側ポケット3706aの第2端は、外側ポケット3706cの対応する末端から距離X2
A/Cだけ長手方向にずれている。距離X2
A/Cは、距離X1
A/Cよりも短い。他の場合には、距離X2
A/Cは、距離X1
A/Cと等しいか、又は距離X1
A/Cよりも大きくてもよい。中間ポケット3706bは、内側ポケット3706a及び外側ポケット3706cに対して長手方向に互い違いになっている。より具体的には、中間ポケット3706bは、隣接する内側ポケット3706aと隣接する外側ポケット3706cとの間で、長手方向に等間隔にずれている。他の場合には、中間ポケット3706bは、隣接する内側ポケット3706aと隣接する外側ポケット3706cとの間で、等間隔にずれていなくてもよい。
【0152】
ポケット3706の配置は、ポケット3706が、あらかじめ定められた空間内に適合するように、ポケット3706を入れ子にするように構成されている。例えば、特定の場合には、アンビルの幅を、最小化するか、又は外科用トロカール内及び/又は狭い術野内に適合するように他の様式で制限することができ、ステープル形成ポケット3706の配置(及びステープル及び/又はステープルキャビティの対応する配置)は、狭いアンビル内に適合することができる。
【0153】
ここで
図32~
図35Cを参照すると、アンビル3800の一部のステープル形成ポケット3806が示される。アンビル3800は、ステープル形成面3802と、長手方向スロット3804とを含む。長手方向スロット3804は、アンビル3800の長手方向軸LAに沿って延在している。特定の場合には、発射要素及び/又は切断要素は、発射ストロークの少なくとも一部の間、長手方向スロット3804を通って並進することができる。ステープル形成ポケット3806は、ステープル形成面3802に画定され、形成面はまた、ポケット3806の周りに延在する非形成部分3808を含む。非形成部分3808は、各ポケット3806の周りに全体的に延びている。言い換えると、非形成部分3808は、ステープル形成ポケット3806を囲んでいる。他の場合には、2つ以上の隣接するポケットの少なくとも一部が、非形成部分がその間に配置されないように、当接接触していてもよい。特定の場合には、非形成部分3808は、ポケット3806の1つ又は2つ以上を横切って延在していてもよい。
【0154】
ステープル形成面3802の「形成比率」(形成部分、即ち、ポケット3806に対する非形成部分3808の比率)を最適化することができる。形成比率を最適化することによって、より多くのステープルを形成することができ、及び/又は所望の構成になるように形成することができる。特定の場合には、アンビル3800の非形成部分3808の表面積を、ステープル形成ポケット3806に対して最小化してもよい。それに加えて、又はそれに代えて、ステープル形成ポケット3806の取り付け面積は、ステープルを捕捉し、形成するように設計されたステープル形成面3802の一部を最大化するために、伸長又は拡張されてもよい。例えば、このような配置は、なんらかの理由で、発射プロセス中に対応するポケットに入り損ねたり範囲に入らなかったりした、不注意で正しく形成されないステープルを防ぐことが可能である。
【0155】
図32に示されるポケット3806は、長手方向スロット3804の第1の側の3つの列3814a、3814b、及び3814cに配置されている。第1の列3814aは、内側列であり、第2の列3814bは、中間列であり、第3の列3814cは、外側列である。内側ポケット3806aは、内側列3814a内に配置されており、中間ポケット3806bは、中間列3814b内に配置されており、外側ポケット3806cは、外側列3814c内に配置されている。
図32には示されていないが、少なくとも1つの場合には、スロット3804の反対側にあるポケット3806は、長手方向スロット3804の第1の側面にあるポケット3806の鏡像反射を形成し得る。他の場合には、ステープル形成面3802内のポケット3806の配置は、スロット3804に対して非対称であってもよく、特定の場合には、アンビル3800は、長手方向スロット3804を備えていなくてもよい。種々の場合に、ポケット3806は、スロット3804のそれぞれの側にある3つより少ない列、又は3つより多い列に配置されていてもよい。
【0156】
図32に示されるポケット3806は、同一である。ステープル形成面3802に画定される各ポケット3806は、同じ幾何形状を有する。他の場合には、ポケット3806の幾何形状は、列ごとに異なっていてもよく、及び/又はアンビル3800の長さに沿って長手方向に異なっていてもよい。例えば、特定の場合には、本明細書に記載されるように、エンドエフェクタの長さに沿ったアンビルとステープルカートリッジとの間のギャップ距離及び/又は組織の流れの変動を調整するために、ポケット3806又はその一部の深さは、アンビル3800の長さに沿って変動してもよい。
【0157】
例示的なポケット3806bを
図33~
図35Cに示す。ポケット3806bは、第1端(即ち近位端)3810と、第2端(即ち遠位端)3812とを有する。ポケット軸PAは、ポケット3806bの近位端3810と遠位端3814との間に延在する。ここでも
図32を参照すると、ポケット3806は、それぞれの列において、平行である。例えば、内側ポケット3806aのポケット軸(例えば、PA
A)は、互いに平行であり、中間ポケット3806bのポケット軸(例えば、PA
B)は、互いに平行であり、外側ポケット3806cのポケット軸(例えば、PA
C)は、互いに平行である。ポケット軸PAは、スロット3804に対して斜めに配向されている。更に、中間ポケット3806bの軸PA
Bは、内側ポケット3806a及び外側ポケット3806cの軸PA
A及びPA
Cに対してそれぞれ垂直に配向されている。このように、ポケット3806は、ステープル形成面3802に沿ってヘリンボーン配置で配置されている。
【0158】
ポケット3806bは、周囲3816を有し、周囲3816は、ポケット3806bの境界を画定する。ポケット3806bはまた、近位カップ3820と、遠位カップ3822と、近位カップ3820と遠位カップ3822の間に延在するネック部分3824とを含む。ステープルが打ち込まれてステープル形成面3802との接点を形成する場合、近位カップ3820は、近位ステープル脚部と整列し、遠位カップ3822は、遠位ステープル脚部と整列する。ステープル脚部の先端は、それぞれのカップ3820、3822内に着面するよう配置され、構成されている。違う言い方をすると、近位カップ3820は、近位ステープル脚部を受け入れるように構成されており、遠位カップ3822は、遠位ステープル脚部を受け入れるように構成されている。カップ3820及び3822はまた、ステープル脚部をポケット軸PA及びポケット3806の中央部分(例えば、ネック部分3824)に向かわせるか、又は送り込み、ステープル脚部を変形させ、形成済み構成にするように構成されている。
【0159】
ポケット3806は、ステープル脚部のための延在着面ゾーンを含む。
図33に示されるポケット3806bを参照すると、ポケット3806bは、近位延在着面ゾーン3830と、遠位延在着面ゾーン3832とを含む。近位延在着面ゾーン3830は、近位カップ3820の近位部分に配置され、遠位延在着面ゾーン3832は、遠位カップ3822の遠位部分に配置される。延在着面ゾーン3830及び3832は、実質的に三角形の周囲を画定する。更に、延在着面ゾーン3830及び3832は、ある点でポケット軸PAに沿って終了しており、ポケット3806bの角を形成する。
【0160】
他の場合には、延在着面ゾーン3830及び3832は、直線及び/又は起伏のある周囲を画定してもよく、例えば、ポケット軸PAに対して横方向及び/長手方向に延在していてもよい。ステープル又はその一部が、発射中に歪む場合、延在着面ゾーン3830、3832は、歪んだステープルの形成を救済するか、又は少なくとも救済しようと試みてもよい。
【0161】
主に
図34を参照すると、ポケット3806bの各カップ3820、3822は、入口の傾斜3840と出口の傾斜3842とを画定する。出口の傾斜3842は、入口の傾斜3840より急である。ステープルを形成するとき、ステープル脚部の先端は、入口の傾斜3840に沿って、それぞれのカップ3820、3822に入り、出口の傾斜3842に沿って、それぞれのカップ3820、3822を出てもよい。入口の傾斜3840と出口の傾斜3842との間の頂点3846で、ステープル脚部の先端は、形成済み構成(例えば、B字形又は改変されたB字形)をとるように、ステープルベース部に向かって変形する。近位カップ3820は、その頂点3846で、ステープル形成面3802の非形成部分3808に対して測定した近位の深さD
1を画定し、遠位カップ3822は、その頂点3846で、ステープル形成面3802の非形成部分3808に対して測定した遠位の深さD
2を画定する。ポケット3806bでは、近位の深さD
1と遠位の深さD
2は、等しい。他の場合には、近位の深さD
1と遠位の深さD
2は、異なっていてもよい。
【0162】
ポケット3806bはまた、近位カップ3820と遠位カップ3822との間のネック部分3824内にブリッジ部3844を画定する。ブリッジ部3844は、ステープル形成面3802の非形成部分3808からずれている。より具体的には、ブリッジ部3844は、非形成部分3808に対して下、又は凹んだ位置に配置されている。他の場合には、ブリッジ部3844は、非形成部分3808と整列していてもよく、及び/又はエンドエフェクタの対向する顎に向かって、非形成部分3808から離れて突出していてもよい。
【0163】
主に
図35A~
図35Cを参照すると、ポケット3806bは、側壁3850を含んでいる。側壁3850は、ステープル形成面3802の非形成部分3808に対して垂直に配向される。側壁3850は、各カップ3820、3822の中央領域3821に向かって広くなっており、各カップ3820、3822の中央領域3821からネック部分3824に向かって狭くなっている。広くなった中央領域3821は、ステープル脚部の先端を受け入れるための、拡張された取り付け面積をもたらす。延在着面ゾーン3830、3832はまた、ステープル先端を受け入れるためのそれぞれのカップ3820、3822の取り付け面積を拡大する。カップ3820、3822は、ネック部分3824に向かって狭くなっているため、カップ3820、3822は、ポケット軸PAに向かって、及び/又はポケット軸PAに沿って、形成済み構成へとステープル脚部の先端を送り込み、及び/又は誘導するように構成されている。カップ3820及び3822が広がり、その後、ネック部分3824に向かって狭くなっているため、ポケット3806bの周囲3816は、起伏のあるプロファイル又は弓状のプロファイルを画定する。他の場合には、ポケット3806bの周囲3816は、例えば、丸まっていない角を有する、線形の起伏のないプロファイルに沿って延在していてもよい。
【0164】
ポケット3806bは、側壁3850とポケット3806bの底面との間にフィレット3852(
図35A~
図35C)を画定する。フィレット3852は、ポケット3806bの所望の経路に沿って、ステープル脚部を誘導するように構成されている。例えば、ステープル脚部が、フィレット3852に沿って着面するか、又はフィレット3852に向けて方向転換される場合、フィレット3852は、ステープル脚部をポケット軸PAに向かって滑らかに誘導することができる。
【0165】
図33を再び参照すると、ポケット3806bは、ポケット軸PAを中心に対称である。例えば、ポケット3806bの周囲3816は、ポケット軸PAを中心に対称である。更に、ポケット3806bは、ネック部分3824を通って中心軸CAを中心に対称であり、ポケット軸PAに垂直である。例えば、各ポケット3806の周囲3816は、中心軸CAを中心に対称であり、近位カップ3820は、遠位カップ3822と同じ幾何形状を有する。
【0166】
他の場合には、近位カップ3820は、遠位カップ3822と異なっていてもよい。例えば、再び
図34を参照すると、遠位の深さD
2は、近位の深さD
1より小さくてもよい。種々の場合に、ステープル形成ポケットの深さの変動によって、組織がクランプ留めされる場合に、エンドエフェクタの長さに沿ったアンビルとステープルカートリッジの間のギャップ距離の変動に合わせることができる。例えば、アンビルがエンドエフェクタの遠位端に近づくにつれて、アンビルは、ステープルカートリッジから屈曲してもよく、又は曲がってもよい。ステープル形成ポケット3806の深さの変動は、アンビル3800の想定又は予想される屈曲又は曲げという観点で、適切な形成高さが維持されることを確実にするように構成され得る。
【0167】
それに加えて、又はそれに代えて、ステープル形成ポケットの深さの変動は、エンドエフェクタに対する組織の移動又は流れに合わせることができる。より具体的には、組織がエンドエフェクタの顎の間にクランプ留めされる場合、クランプ留めされた組織内の流体は、隣接するクランプ留めされていない組織に向かって流れてもよく、又は移動してもよい。組織は、アンビル3800の長手方向側に向かって横方向に、アンビル3800の遠位端に向かって遠位に、及び/又はアンビル3800の近位端に向かって近位に流れることができる。特定の場合には、刃先が組織を通って遠位に進む場合、組織は、アンビル3800に対して流れることができる。このような実例において、組織は、横方向に、遠位に、及び/又は近位に流動し得るが、主に、刃先の遠位方向の移動に起因して遠位に流動する。刃先が、組織を切開するために近位に移動する場合、組織の移動又は流れは、切断ストローク中に、一般的に近位方向であろう。ポケット3806の異なる深さD1及びD1によって、組織の遠位の流れに合わせることができ、これにより、遠位に埋め込まれたステープル脚部を移動させるか、又は歪めることができる。
【0168】
種々の場合に、エンドエフェクタの遠位端での組織の移動又は流れは、エンドエフェクタの近位端での組織の移動又は流れよりも大きくてもよい。このような状況は、エンドエフェクタ内の発射部材の遠位の移動の結果生じるだろう。発射部材は、遠位に移動するにつれて、組織を漸進的にステープル留めし、切開するように構成されているが、発射部材はまた、組織を遠位に進めるか、又は押し出すこともできる。この押出効果又は進める効果は、エンドエフェクタの近位端で開始してもよく、発射部材が遠位に移動するときに、エンドエフェクタの遠位端で最大の押出効果又は進める効果が実現するように組み合わせられてもよい。その結果、組織の流れを、エンドエフェクタの遠位端に向かって大きくすることができる。このような組織の流れの増加に合わせるために、ステープルポケットの幾何形状は、列の長さに沿って長手方向に変動してもよい。ステープルポケットの近位カップ及び遠位カップが、組織の流れに合わせるために異なる場合、ポケットの非対称性の勾配をポケットの列内で利用し、組織の移動及びステープルのシフトにおける勾配を補ってもよい。
【0169】
特定の場合には、異なるステープル幾何形状を、異なるポケット幾何形状と共に利用してもよい。エンドエフェクタの長さに沿って組織の流れに合わせるための異なるステープルの使用は、参照によって全体内容が本明細書に組み込まれる米国特許出願第14/318,996号、2014年6月30日出願、発明の名称「FASTENER CARTRIDGES INCLUDING EXTENSIONS HAVING DIFFERENT CONFIGURATIONS」に記載される。他の場合には、同一のステープルを、アンビルの長さに沿って、異なるポケットの幾何形状と共に利用してもよい。
【0170】
再び
図33を参照すると、ネック部分3824は、幅W
Nを画定し、近位カップ3820及び遠位カップ3822は、幅W
Cを画定する。幅W
Nは、幅W
Cよりも小さい。その結果、ポケット3806bの中央部分は、近位カップ3820及び遠位カップ3822より狭い。ポケット3806bのネック部分3824で狭くなった周囲3816は、近位カップ3820の一部と遠位カップ3822の一部との間に受け入れ半島部3826を画定する。ポケット3806bの対称性に起因して、対称な受け入れ半島部3826が、ポケット3806bのそれぞれの側に配置される。受け入れ半島部3826は、ポケット3806bの周囲3816と、ポケット3806の片側にある近位カップ3820及び遠位カップ3822の最も広い部分に対する接線である接線軸(例えば、T
A、T
B1、T
B2及びT
C)によって境界が区切られる。第1の接線軸T
B1は、ポケット3806bの第1の側に配置されており、第2の接線軸T
B2は、ポケット3806bの反対側に配置されている。
図33に示される第1の接線軸T
B1及び第2の接線軸T
B2は、ポケット軸PA
Bに対して平行である。
【0171】
再び
図32を参照すると、ポケット3806の周囲3816が、ステープル形成面3802に沿って、入れ子になっているか、又は相互に絡み合っている。特に、各ポケット3806は、隣接するポケット3806の受け入れ半島部3826内へと延在している。例えば、中間ポケット3806bは、内側ポケット3806aと外側ポケット3806cとの間に入れ子になっている。違う言い方をすると、中間ポケット3806bは、隣接する内側ポケット3806aの受け入れ半島部3826内へと延在し、隣接する外側ポケット3806cの受け入れ半島部3826内へと延在する。更に、内側ポケット3806a及び外側ポケット3806bは、中間ポケット3806bと共に入れ子になっている。より具体的には、内側ポケット3806aは、隣接する中間ポケット3806bの受け入れ半島部3826内へと延在し、外側ポケット3806cは、隣接する中間ポケット3806bの受け入れ半島部3826内へと延在する。
【0172】
中間ポケット3806bの遠位カップ3822は、接線軸TAを横切り、隣接する内側ポケット3806aの受け入れ半島部3826内へと延在する。更に、中間ポケット3806bの近位カップ3820は、接線軸TCを横切り、隣接する外側ポケット3806cの受け入れ半島部3826内へと延在する。更に、内側ポケット3806aの遠位カップ3822は、接線軸TB1を横切り、隣接する中間ポケット3806bの受け入れ半島部3826内へと延在する。更に、外側ポケット3806cの近位カップ3820は、接線軸TB2を横切り、隣接する中間ポケット3806bの受け入れ半島部3826内へと延在する。種々の場合に、中間ポケット3806bの遠位延在着面ゾーン3832は、内側ポケット3806aの受け入れ半島部3826内に配置され、中間ポケット3806bの近位延在着面ゾーン3830は、外側ポケット3806cの受け入れ半島部3826内に配置され、内側ポケット3806aの遠位延在着面ゾーン3832は、中間ポケット3806bの受け入れ半島部3826内に配置され、外側ポケット3806cの近位延在着面ゾーン3830は、中間ポケット3806bの受け入れ半島部3826内に配置される。
【0173】
ポケット3806の幾何形状により、ポケット3806がステープル形成面3802内で入れ子になりやすくなる。例えば、ポケット3806は、2つの拡大されたカップ3820と3822との間に狭くなったネック部分3824を有するため、別のポケット3806の拡大されたカップ3820、3822のうち1つは、その狭くなったネック部分3824に隣接して配置され得る。例えば、拡大されたカップ3820、3822のうち1つは、隣接するポケット3806の一部と整列していてもよく、及び/又はこれに受け入れられてもよい。このような場合に、ポケット3806によって覆われるステープル形成面3802の表面積は、最適化することができる。例えば、ポケット3806によって覆われるステープル形成面3802の表面積は、最大化される。ステープル形成面3802の「形成比率」は、形成部分(即ち、ポケット3806)に対する非形成部分3808の比率である。形成比率は、約1.7:1である。他の場合には、形成比率は、1.7:1より小さくてもよく、又は1.7:1より大きくてもよい。例えば、少なくとも1つの場合に、ステープル形成面3802の50%より多くが、ステープル形成ポケット3806で覆われていてもよい。
【0174】
本明細書で記載されるステープル形成ポケットの入れ子は、隣接するポケット周囲の入れ子と呼ばれてもよい。例えば、第1のポケットが、内側の輪郭(即ち、ポケット軸に向かって内側に延びる輪郭)を画定する場合、隣接する第2のポケットは、その内側の輪郭に隣接する領域に向かって、及び/又はその中に突出していてもよい。それに加えて、又はそれに代えて、第2のポケットの一部、例えば、第2のポケットの末端は、第1のポケットの狭くなった領域と整列していてもよい。その結果、第2のポケットの末端が、第1のポケットのより広い領域と整列された場合、第2のポケットは、第1のポケットのポケット軸により近い方に配置されてもよい。
【0175】
ここで
図36~
図39Cを参照すると、アンビル3900の一部のステープル形成ポケット3906が示される。アンビル3900は、ステープル形成面3902と、長手方向スロット3904とを含む。長手方向スロット3904は、アンビル3900の長手方向軸LAに沿って延在している。特定の場合には、発射要素及び/又は切断要素は、発射ストロークの少なくとも一部の間、長手方向スロット3904を通って並進することができる。ステープル形成ポケット3906は、ステープル形成面3902内に画定される。ステープル形成面3902はまた、ポケット3906の周りに延在する非形成部分3908を含む。非形成部分3908は、
図36において、各ポケット3906の周りに全体的に延びている。言い換えると、非形成部分3908は、ステープル形成ポケット3906を囲んでいる。他の場合には、2つ以上の隣接するポケット3906の少なくとも一部が、非形成部分3908がその間に配置されないように、当接接触していてもよい。
【0176】
ステープル形成面3902の形成比率を最適化することができる。形成比率を最適化することによって、より多くのステープルを形成することができ、及び/又は所望の構成になるように形成することができる。特定の場合には、アンビル3900の非形成部分3908の表面積を、ステープル形成ポケット3906に対して最小化してもよい。それに加えて、又はそれに代えて、ステープル形成ポケット3906の取り付け面積は、ステープルを捕捉し、形成するように設計されたステープル形成面3902の一部を最大化するために、伸長又は拡張されてもよい。
【0177】
図36に示されるポケット3906は、長手方向スロット3904の第1の側の3つの列3914a、3914b、3914cに配置されている。第1の列3914aは、内側列であり、第2の列3914bは、中間列であり、第3の列3914cは、外側列である。内側ポケット3906aは、内側列3914a内に配置されており、中間ポケット3906bは、中間列3914b内に配置されており、外側ポケット3906cは、外側列3914c内に配置されている。アンビル3800と同様に、ポケット3906は、アンビル3900のステープル形成面3902に沿ってヘリンボーン配置で配置されている。
図36には示されていないが、少なくとも1つの場合には、スロット3904の反対側にあるポケット3906は、長手方向スロット3904の第1の側面にあるポケット3906の鏡像反射を形成し得る。他の場合には、ステープル形成面3902内のポケット3906の配置は、スロット3904に対して非対称であってもよく、特定の場合には、アンビル3900は、長手方向スロット3904を備えていなくてもよい。種々の場合に、ポケット3906は、スロット3904のそれぞれの側にある3つより少ない列、又は3つより多い列に配置されていてもよい。
【0178】
図36に示されるポケット3906は、同一である。ステープル形成面3802に画定される各ポケット3906は、同じ幾何形状を有する。他の場合には、ポケット3906の幾何形状は、列ごとに異なっていてもよく、及び/又はアンビル3900の長さに沿って長手方向に異なっていてもよい。例えば、特定の場合には、本明細書に記載されるように、エンドエフェクタの長さに沿ったアンビルとステープルカートリッジとの間のギャップ距離及び/又は組織の流れの変動を調整するために、ポケット3906又はその一部の深さは、アンビル3900の長さに沿って変動してもよい。
【0179】
例示的なポケット3906bを
図37~
図39Cに示す。ポケット3906bは、第1端(即ち近位端)3910と、第2端(即ち遠位端)3912とを有する。ポケット軸PA(
図37)は、ポケット3906bの近位端3910と遠位端3912との間に延在する。ポケット3906bは、周囲3916を有し、周囲3916は、ポケット3906の境界を画定する。ポケット3906bはまた、近位カップ3920と、遠位カップ3922と、近位カップ3920と遠位カップ3922の間に延在するネック部分3924とを含む。ステープルが打ち込まれてステープル形成面3902との接点を形成する場合、近位カップ3920は、近位ステープル脚部と整列し、遠位カップ3922は、遠位ステープル脚部と整列する。カップ3920及び3922は、ステープル脚部をポケット軸PA及びポケット3906の中央部分(例えば、ネック部分3924)に向かわせるか、又は送り込み、ステープル脚部を変形させ、形成済み構成にするように構成されている。
【0180】
主に
図38を参照すると、ポケット3906bの各カップ3920、3922は、入口の傾斜3940と出口の傾斜3942とを画定する。出口の傾斜3942は、入口の傾斜3940より急である。ステープルを形成するとき、ステープル脚部の先端は、入口の傾斜3940に沿って、それぞれのカップ3920、3922に入り、出口の傾斜3942に沿って、それぞれのカップ3920、3922を出てもよい。入口の傾斜3940と出口の傾斜3942との間の頂点3946で、ステープル脚部の先端は、形成済み構成(例えば、B字形又は改変されたB字形)をとるように、ステープルベース部に向かって変形する。近位カップ3920は、その頂点3946で、ステープル形成面3902の非形成部分3908に対して測定した近位の深さD
1を画定し、遠位カップ3922は、その頂点3946で、ステープル形成面3902の非形成部分3908に対して測定した遠位の深さD
2を画定する。ポケット3906では、近位の深さD
1と遠位の深さD
2は、等しい。他の場合には、近位の深さD
1と遠位の深さD
2は、異なっていてもよい。ポケット3906bはまた、近位カップ3920と遠位カップ3922との間のネック部分3924内にブリッジ部3944を画定する。ブリッジ部3944は、ステープル形成面3902の非形成部分3908からずれている。より具体的には、ブリッジ部3944は、非形成部分3908に対して下、又は凹んだ位置に配置されている。
【0181】
主に
図39A~
図39Cを参照すると、ポケット3906bは、側壁3950を含んでいる。側壁3950は、ステープル形成面3902の非形成部分3908に対して垂直に配向される。側壁3950は、各カップ3920、3922の外側端からネック部分3924に向かって線形に狭くなる。その結果、カップ3920、3922の最も広い部分は、それぞれポケット3906bの近位端3910及び遠位端3912にある。ポケット3906bのプロファイル3916は、蝶ネクタイ型の周囲を画定する。近位端3910及び遠位端3912で広くなった領域は、ステープル脚部の先端を受け入れるための、拡張された取り付け面積をもたらす。種々の場合に、カップ3920及び3922の広くなった部分は、ステープル先端を受け入れるための延在着面ゾーンを画定する。カップ3920、3922は、ネック部分3924に向かって狭くなっているため、カップ3920、3922は、ポケット軸PAに向かって、及び/又はポケット軸PAに沿って、形成済み構成へとステープル脚部の先端を送り込み、及び/又は誘導するように構成されている。ポケット3906bは、ポケット3906bの側面に沿った面取りされた縁部3954を画定する。面取りされた縁部3954は、ポケット3906bの取り付け面積を拡大し、ステープル脚部の先端をポケット軸PAに向かって誘導するのに役立つ。
【0182】
図37を再び参照すると、ポケット3906bは、ポケット軸PAを中心に対称である。例えば、ポケット3906bの周囲3916は、ポケット軸PAを中心に対称である。更に、ポケット3906bは、ネック部分3924を通って中心軸CAを中心に対称であり、ポケット軸PAに垂直である。例えば、ポケット3906bの周囲3916は、中心軸CAを中心に対称であり、近位カップ3920は、遠位カップ3922と同じ幾何形状を有する。他の場合には、近位カップ3920は、遠位カップ3922と異なっていてもよい。例えば、再び
図38を参照すると、本明細書に記載されるように、アンビルとステープルカートリッジとの間のギャップ距離及び/又は組織の流れの変動を調整するために、遠位の深さD
2は、近位の深さD
1より小さくてもよい。
【0183】
再び
図37を参照すると、ネック部分3924の幅は、カップ3920及び3922の幅よりも小さい。その結果、ポケット3906bの中央部分は、近位カップ3920及び遠位カップ3922より狭い。ポケット3906bのネック部分3924で狭くなった周囲3916は、近位カップ3920の一部と遠位カップ3922の一部との間に受け入れ半島部3926を画定する。ポケット3906bの対称性に起因して、対称な受け入れ半島部3926が、ポケット3906bのそれぞれの側に配置される。受け入れ半島部3926は、ポケット3906bの周囲3916と、ポケット3906bの片側にある近位カップ3920及び遠位カップ3922の最も広い部分に対する接線である接線軸(例えば、T
B1及びT
B2)によって境界が区切られる。第1の接線軸T
B1は、ポケット3906bの第1の側に配置されており、第2の接線軸T
B2は、ポケット3906bの反対側に配置されている。第1の接線軸T
B1及び第2の接線軸T
B2は、ポケット軸PAに対して平行である。
【0184】
再び
図36を参照すると、各ポケット3906は、隣接するポケット3906の受け入れ半島部3926に向かって延在している。例えば、中間ポケット3906bは、内側ポケット3906a及び外側ポケット3906cのネック部分3924と整列している。更に、内側ポケット3906a及び外側ポケット3906bは、中間ポケット3906bのうちの1つの受け入れ半島部3926に向かって延在している。より具体的には、中間ポケット3906bのポケット軸PAは、隣接する内側ポケット3906a及び外側ポケット3906cのネック部分3924にそれぞれ整列し、内側ポケット3906aのポケット軸PAは、隣接する中間ポケット3906bのネック部分3924と整列し、外側ポケット3906cのポケット軸PAは、隣接する中間ポケット3906bのネック部分3924と整列する。特定の場合には、1つ又は2つ以上のポケット3906の一部は、隣接するポケット3906の受け入れ半島部内へと延在し得る。
【0185】
ポケット3906の幾何形状により、ポケット3906がステープル形成面3902内に密に配置されやすくなる。例えば、ポケット3906は、2つの拡大されたカップ3920と3922との間に狭くなったネック部分3924を有するため、別のポケット3906の拡大されたカップ3920、3922は、その狭くなったネック部分3924に隣接して配置され得る。例えば、拡大されたカップ3920、3922は、隣接するポケット3906の一部と整列していてもよく、及び/又はこれに受け入れられてもよい。その結果、ポケット3906によって覆われるステープル形成面3902の表面積は、最適化することができる。例えば、ポケット3906によって覆われるステープル形成面3902の表面積は、最大化される。「形成比率」は、形成部分(即ち、ポケット3906)に対する非形成部分3908の比率である。種々の場合に、形成比率は、例えば、少なくとも1:1であってもよい。
【0186】
特定の場合には、ポケット3906は、互いに非常に近接して配置されるが、ネック部分3924が狭いため、隣接するポケット3906間の非形成部分3908のための空間が存在する。例えば、非形成部分3908は、内側ポケット3906aのネック部分3924と、隣接する中間ポケット3906bの遠位カップ3922との間に延在していてもよい。隣接するポケット3906の間の非形成部分3908は、アンビル3900を強くし、及び/又は強化するために、ポケット3906間に十分な間隔をもたらすことができる。
【0187】
ここで
図40~
図43Cを参照すると、アンビル4000の一部のステープル形成ポケット4006が示される。アンビル4000内のポケット4006及びその配置は、多くの態様で、アンビル3900内のポケット3906及びその配置と同様である。例えば、アンビル4000は、ステープル形成面4002と、長手方向スロット4004とを含む。長手方向スロット4004は、アンビル4000の長手方向軸LAに沿って延在している。特定の場合には、発射要素及び/又は切断要素は、発射ストロークの少なくとも一部の間、長手方向スロット4004を通って並進することができる。ステープル形成ポケット4006は、ステープル形成面4002内に画定される。ステープル形成面4002はまた、ポケット4006の周りに延在する非形成部分4008を含む。非形成部分4008は、
図40において、各ポケット4006の周りに全体的に延びている。言い換えると、非形成部分4008は、ステープル形成ポケット4006を囲んでいる。他の場合には、2つ以上の隣接するポケット4006の少なくとも一部が、非形成部分4008がその間に配置されないように、当接接触していてもよい。
【0188】
ステープル形成面4002の形成比率を最適化することができる。形成比率を最適化することによって、より多くのステープルを形成することができ、及び/又は所望の構成になるように形成することができる。特定の場合には、アンビル4000の非形成部分4008の表面積を、ステープル形成ポケット4006に対して最小化してもよい。それに加えて、又はそれに代えて、ステープル形成ポケット4006の取り付け面積は、ステープルを捕捉し、形成するように設計されたステープル形成面4002の一部を最大化するために、伸長又は拡張されてもよい。
【0189】
ポケット4006は、長手方向スロット4004の第1の側の内側列4014a、中間列4014b及び外側列4014cに配置されている。内側ポケット4006aは、内側列4014a内に配置されており、中間ポケット4006bは、中間列4014b内に配置されており、外側ポケット4006cは、外側列4014c内に配置されている。アンビル3800と同様に、ポケット4006は、アンビル4000のステープル形成面4002に沿ってヘリンボーン配置で配置されている。
図40には示されていないが、少なくとも1つの場合には、スロット4004の反対側にあるポケット4006は、長手方向スロット4004の第1の側面にあるポケット4006の鏡像反射を形成し得る。他の場合には、ステープル形成面4002内のポケット4006の配置は、スロット4004に対して非対称であってもよく、特定の場合には、アンビル4000は、長手方向スロット4004を備えていなくてもよい。種々の場合に、ポケット4006は、スロット4004のそれぞれの側にある3つより少ない列、又は3つより多い列に配置されていてもよい。
【0190】
図40に示されるポケット4006は、同一である。ステープル形成面4002に画定される各ポケット4006は、同じ幾何形状を有する。他の場合には、ポケット4006の幾何形状は、列ごとに異なっていてもよく、及び/又はアンビル4000の長さに沿って長手方向に異なっていてもよい。例えば、特定の場合には、本明細書に記載されるように、エンドエフェクタの長さに沿ったアンビルとステープルカートリッジとの間のギャップ距離及び/又は組織の流れの変動を調整するために、ポケット4006又はその一部の深さは、アンビル4000の長さに沿って変動してもよい。
【0191】
例示的なポケット4006bを
図41~
図43Cに示す。ポケット4006bは、第1端(即ち近位端)4010と、第2端(即ち遠位端)4012とを有する。ポケット軸PA(
図41)は、ポケット4006bの近位端4010と遠位端4012との間に延在する。ポケット4006bは、周囲4016を有し、周囲4016は、ポケット4006bの境界を画定する。ポケット4006bはまた、近位カップ4020と、遠位カップ4022と、近位カップ4020と遠位カップ4022の間に延在するネック部分4024とを含む。ステープルが打ち込まれてステープル形成面4002との接点を形成する場合、近位カップ4020は、近位ステープル脚部と整列し、遠位カップ4022は、遠位ステープル脚部と整列する。カップ4020及び4022は、ステープル脚部をポケット軸PA及びポケット4006の中央部分(例えば、ネック部分4024)に向かわせるか、又は送り込み、ステープル脚部を変形させ、形成済み構成にするように構成されている。
【0192】
主に
図42を参照すると、ポケット4006bの各カップ4020、4022は、入口の傾斜4040と出口の傾斜4042とを画定する。ステープルを形成するとき、ステープル脚部の先端は、入口の傾斜4040に沿って、それぞれのカップ4020、4022に入り、出口の傾斜4042に沿って、それぞれのカップ4020、4022を出てもよい。入口の傾斜4040と出口の傾斜4042との間の頂点4046で、ステープル脚部の先端は、形成済み構成(例えば、B字形又は改変されたB字形)をとるように、ステープルベース部に向かって変形する。ポケット4006bはまた、近位カップ4020と遠位カップ4022との間にブリッジ部4044を画定する。ブリッジ部4044は、非形成部分4008からずれている。より具体的には、ブリッジ部4044は、非形成部分4008に対して下、又は凹んだ位置に配置されている。
【0193】
主に
図43A~
図43Cを参照すると、ポケット4006bは、側壁4050を含み、側壁4050は、ステープル形成面4002の非形成部分4008に対して垂直に配向される。側壁4050は、各カップ4020、4022の外側端からネック部分4024に向かって狭くなる。その結果、カップ4020、4022の最も広い部分は、それぞれポケット4006bの近位端4010及び遠位端4012にある。ポケット4006bのプロファイル4016は、蝶ネクタイ型の周囲を画定する。遠位端4010、4012で広くなった領域は、ステープル脚部の先端を受け入れるための、拡張された取り付け面積をもたらす。種々の場合に、カップ4020、4022の広くなった部分は、ステープル先端を受け入れるための延在着面ゾーンを画定する。カップ4020、4022は、ネック部分4024に向かって狭くなっているため、カップ4020、4022は、ポケット軸PAに向かって、及び/又はポケット軸PAに沿って、形成済み構成へとステープル脚部の先端を送り込み、及び/又は誘導するように構成されている。
【0194】
ポケット4006bは、ポケット4006bの側面に沿って、面取りされた縁部4054を画定する。更に、ポケット4006bは、その底面4058に溝4056を含む。溝4056は、近位カップ4020からブリッジ部4024の上を通り、遠位カップ4022内へと延在する。溝4056は、ステープル脚部が変形構成へと移動するときに、ステープル脚部を拘束し、誘導するように構成されている。
【0195】
種々の場合に、溝4056の直径は、溝4056と係合するステープルの直径より小さくてもよい。例えば、ステープルは、直径が少なくとも0.0079インチであってもよく、溝4056の直径は、0.0079インチ未満であってもよい。溝4056の直径は、約0.007インチ、約0.005インチであってもよく、又は0.005インチ未満であってもよい。特定の場合には、ステープルは、直径が0.0079インチより大きく、例えば、0.0089インチ又は約0.0094インチであってもよい。種々の場合に、ステープルの直径は、0.0079インチ未満、又は0.0094インチを超えていてもよい。異なるステープルの幾何形状が、同じステープル形成ポケットの幾何形状と共に利用されるエンドエフェクタでは、ポケット内の溝の幅は、最も小さなステープル直径より小さくてもよい。更に他の場合には、溝4056の幅は、列内のステープルごと、及び/又は列ごとに異なっていてもよい。
【0196】
図41を再び参照すると、ポケット4006bは、ポケット軸PAを中心に対称である。例えば、ポケット4006bの周囲4016は、ポケット軸PAを中心に対称である。更に、ポケット4006bは、ネック部分4024を通って中心軸CAを中心に対称であり、ポケット軸PAに垂直である。例えば、ポケット4006bの周囲4016は、中心軸CAを中心に対称であり、近位カップ4020は、遠位カップ4022と同じ幾何形状を有する。他の場合には、近位カップ4020は、遠位カップ4022と異なっていてもよい。例えば、再び
図42を参照すると、本明細書に記載されるように、アンビルとステープルカートリッジとの間のギャップ距離及び/又は組織の流れの変動を調整するために、遠位の深さD
2は、近位の深さD
1より小さくてもよい。
【0197】
再び
図41を参照すると、ポケット4006bのネック部分4024は、近位カップ4020及び遠位カップ4022より狭い。ポケット4006bの狭くなった周囲4016は、近位カップ4020の一部と遠位カップ4022の一部との間に受け入れ半島部4026を画定する。ポケット4006bの対称性に起因して、対称な受け入れ半島部4026が、ポケット4006bのそれぞれの側に配置される。受け入れ半島部4026は、ポケット4006bの周囲4016と、ポケット4006bの片側にある近位カップ4020及び遠位カップ4022の最も広い部分に対する接線である接線軸(例えば、T
B1及びT
B2)によって境界が区切られる。第1の接線軸T
B1は、ポケット4006bの第1の側に配置されており、第2の接線軸T
B2は、ポケット4006bの反対側に配置されている。
図41に示される第1の接線軸T
B1及び第2の接線軸T
B2は、ポケット軸PAに対して平行である。
【0198】
再び
図40を参照すると、各ポケット4006は、隣接するポケット4006の受け入れ半島部4026に向かって延在している。例えば、中間ポケット4006bは、内側ポケット4006a及び外側ポケット4006cのネック部分4024と整列している。更に、内側ポケット4006a及び外側ポケット4006bは、中間ポケット4006bのうちの1つの受け入れ半島部4026に向かって延在している。より具体的には、内側ポケット4006aは、隣接する中間ポケット4006bのネック部分4024と整列し、外側ポケット4006cは、隣接する中間ポケット4006bのネック部分4024と整列する。特定の場合には、ポケット4006の一部は、隣接するポケット4006の受け入れ半島部4026内へと延在し得る。アンビル3900内のポケット3906と同様に、ポケット4006の幾何形状により、ポケット4006がステープル形成面4002内に密に配置されやすくなる。「形成比率」は、形成部分(即ち、ポケット4006)に対する非形成部分4008の比率である。種々の場合に、形成比率は、例えば、少なくとも1:1であってもよい。
【0199】
ここで
図44~
図47Cを参照すると、アンビル4100の一部のステープル形成ポケット4106が示される。アンビル4100内のポケット4106及びその配置は、多くの態様で、アンビル4000内のポケット4006及びその配置と同様である。例えば、アンビル4100は、ステープル形成面4102と、長手方向スロット4104とを含む。長手方向スロット4104は、アンビル4100の長手方向軸LAに沿って延在している。特定の場合には、発射要素及び/又は切断要素は、発射ストロークの少なくとも一部の間、長手方向スロット4104を通って並進することができる。ステープル形成ポケット4106は、ステープル形成面4102内に画定される。ステープル形成面4102はまた、ポケット4106の周りに延在する非形成部分4108を含む。非形成部分4108は、
図41において、各ポケット4106の周りに全体的に延びている。言い換えると、非形成部分4108は、ステープル形成ポケット4106を囲んでいる。他の場合には、2つ以上の隣接するポケット4106の少なくとも一部が、非形成部分4108がその間に配置されないように、当接接触していてもよい。
【0200】
ステープル形成面4102の形成比率を最適化することができる。形成比率を最適化することによって、より多くのステープルを形成することができ、及び/又は所望の構成になるように形成することができる。特定の場合には、アンビル4100の非形成部分4108の表面積を、ステープル形成ポケット4106に対して最小化してもよい。それに加えて、又はそれに代えて、ステープル形成ポケット4106の取り付け面積は、ステープルを捕捉し、形成するように設計されたステープル形成面4102の一部を最大化するために、伸長又は拡張されてもよい。
【0201】
図44に示されるポケット4106は、長手方向スロット4104の第1の側の内側列4114a、中間列4114b及び外側列4114cに配置されている。内側ポケット4106aは、内側列4114a内に配置されており、中間ポケット4106bは、中間列4114b内に配置されており、外側ポケット4106cは、外側列4114c内に配置されている。アンビル3800と同様に、ポケット4106は、アンビル4100のステープル形成面4102に沿ってヘリンボーン配置で配置されている。
図44には示されていないが、少なくとも1つの場合には、スロット4104の反対側にあるポケット4106は、長手方向スロット4104の第1の側面にあるポケット4106の鏡像反射を形成し得る。他の場合には、ステープル形成面4102内のポケット4106の配置は、スロット4104に対して非対称であってもよく、特定の場合には、アンビル4100は、長手方向スロット4104を備えていなくてもよい。種々の場合に、ポケット4106は、スロット4104のそれぞれの側にある3つより少ない列、又は3つより多い列に配置されていてもよい。
【0202】
図44に示されるポケット4106は、同一である。ステープル形成面4102に画定される各ポケット4106は、同じ幾何形状を有する。他の場合には、ポケット4106の幾何形状は、列ごとに異なっていてもよく、及び/又はアンビル4100の長さに沿って長手方向に異なっていてもよい。例えば、特定の場合には、本明細書に記載されるように、エンドエフェクタの長さに沿ったアンビルとステープルカートリッジとの間のギャップ距離及び/又は組織の流れの変動を調整するために、ポケット4106又はその一部の深さは、アンビル4100の長さに沿って変動してもよい。
【0203】
例示的なポケット4106bを
図45~
図47Cに示す。ポケット4106bは、第1端(即ち近位端)4110と、第2端(即ち遠位端)4112とを有する。ポケット軸PA(
図45)は、ポケット4106bの近位端4110と遠位端4112との間に延在する。ポケット4106bは、周囲4116を有し、周囲4116は、ポケット4106bの境界を画定する。ポケット4106はまた、近位カップ4120と、遠位カップ4122と、近位カップ4120と遠位カップ4122の間に延在するネック部分4124とを含む。ステープルが打ち込まれてステープル形成面4102との接点を形成する場合、近位カップ4120は、近位ステープル脚部と整列し、遠位カップ4122は、遠位ステープル脚部と整列する。カップ4120、4122は、ステープル脚部をポケット軸PA及びポケット4106の中央部分(例えば、ネック部分4124)に向かわせるか、又は送り込み、ステープル脚部を変形させ、形成済み構成にするように構成されている。
【0204】
主に
図46を参照すると、ポケット4106bの各カップ4120、4122は、入口の傾斜4140と出口の傾斜4142とを画定する。出口の傾斜4142は、入口の傾斜4140より急である。ステープルを形成するとき、ステープル脚部の先端は、入口の傾斜4140に沿って、それぞれのカップ4120、4122に入り、出口の傾斜4142に沿って、それぞれのカップ4120、4122を出てもよい。入口の傾斜4140と出口の傾斜4142との間の頂点4146で、ステープル脚部の先端は、形成済み構成(例えば、B字形又は改変されたB字形)をとるように、ステープルベース部に向かって変形する。ポケット4106bはまた、近位カップ4120と遠位カップ4122との間のネック部分4124内にブリッジ部4144を画定する。ブリッジ部4144は、非形成部分4108からずれている。より具体的には、ブリッジ部4144は、非形成部分4108に対して下、又は凹んだ位置に配置されている。
【0205】
主に
図47A~
図47Cを参照すると、ポケット4106bは、側壁4150を含み、側壁4150は、ステープル形成面4102の非形成部分4108に対して垂直に配向される。側壁4150は、各カップ4120、4122の外側端からネック部分4124に向かって狭くなる。その結果、カップ4120及び4122の最も広い部分は、それぞれポケット4106bの近位端4110及び遠位端4112にある。ポケット4106bのプロファイル4116は、蝶ネクタイ型の周囲を画定する。遠位端4110、4112で広くなった領域は、ステープル脚部の先端を受け入れるための、拡張された取り付け面積をもたらす。種々の場合に、カップ4120、4122の広くなった部分は、ステープル先端を受け入れるための延在着面ゾーンを画定する。カップ4120、4122は、ネック部分4124に向かって狭くなっているため、カップ4120、4122は、ポケット軸PAに向かって、及び/又はポケット軸PAに沿って、形成済み構成へとステープル脚部の先端を送り込み、及び/又は誘導するように構成されている。
【0206】
図47A~
図47Cを再び参照すると、ポケット4106bは、ポケット4106bの側面に沿って、面取りされた縁部4154を画定する。更に、ポケット4106bは、その底面4158に溝4156を含む。溝4156は、近位カップ4120及び遠位カップ4122の中に画定される。示した実施形態では、溝4156は、ポケット4106bのブリッジ部4144を横切って延在していない。溝4156は、ステープル脚部が変形構成へと移動するときに、ステープル脚部を拘束し、誘導するように構成されている。例えば、ステープルが、入口の傾斜4140及び出口の傾斜4142の少なくとも一部に沿って移動するとき、ステープル脚部は、溝4156を通って摺動してもよい。種々の場合に、溝4156の直径は、溝4156と係合するステープルの直径より小さくてもよい。異なるステープルの幾何形状が、同じステープル形成ポケットの幾何形状と共に利用されるエンドエフェクタでは、ポケット内の溝の幅は、最も小さなステープル直径より小さくてもよい。種々の場合に、ステープル脚部は、ブリッジ部4144が到達する前に、ステープルベース部に向かって変形し、そのため、ポケット4106bのブリッジ部4144に係合しない。
【0207】
図45を再び参照すると、ポケット4106bは、ポケット軸PAを中心に対称である。例えば、ポケット4106bの周囲4116は、ポケット軸PAを中心に対称である。更に、ポケット4106bは、ネック部分4124を通って中心軸CAを中心に対称であり、ポケット軸PAに垂直である。例えば、ポケット4106bの周囲4116は、中心軸CAを中心に対称であり、近位カップ4120は、遠位カップ4122と同じ幾何形状を有する。他の場合には、近位カップ4120は、遠位カップ4122と異なっていてもよい。例えば、再び
図42を参照すると、本明細書に記載されるように、アンビルとステープルカートリッジとの間のギャップ距離及び/又は組織の流れの変動を調整するために、遠位の深さD
2は、近位の深さD
1より小さくてもよい。
【0208】
再び
図45を参照すると、ポケット4106bのネック部分4124は、近位カップ4120及び遠位カップ4122より狭い。ポケット4106bの狭くなった周囲4116は、近位カップ4120の一部と遠位カップ4122の一部との間に受け入れ半島部4126を画定する。ポケット4106bの対称性に起因して、対称な受け入れ半島部4126が、ポケット4106bのそれぞれの側に配置される。受け入れ半島部4126は、ポケット4106bの周囲4116と、ポケット4106bの片側にある近位カップ4120及び遠位カップ4122の最も広い部分に対する接線である接線軸(例えば、T
B1及びT
B2)によって境界が区切られる。第1の接線軸T
B1は、ポケット4106bの第1の側に配置されており、第2の接線軸T
B2は、ポケット4106bの反対側に配置されている。
図45に示される第1の接線軸T
B1及び第2の接線軸T
B2は、ポケット軸PAに対して平行である。
【0209】
再び
図44を参照すると、各ポケット4106は、隣接するポケット4106の受け入れ半島部4126に向かって延在している。例えば、中間ポケット4106bは、内側ポケット4106a及び外側ポケット4106cのネック部分4124と整列している。更に、内側ポケット4106a及び外側ポケット4106bは、中間ポケット4106bのうちの1つの受け入れ半島部4126に向かって延在している。より具体的には、内側ポケット4106aは、隣接する中間ポケット4106bのネック部分4124と整列し、外側ポケット4106cは、隣接する中間ポケット4106bのネック部分4124と整列する。特定の場合には、ポケット4106の一部は、隣接するポケット4106の受け入れ半島部4126内へと延在し得る。アンビル3900内のポケット3906と同様に、ポケット4106の幾何形状により、ポケット4106がステープル形成面4102内に密に配置されやすくなる。「形成比率」は、形成部分(即ち、ポケット4106)に対する非形成部分4108の比率である。種々の場合に、形成比率は、例えば、少なくとも1:1であってもよい。
【0210】
ここで
図48~
図51Cを参照すると、アンビル4200の一部のステープル形成ポケット4206が示される。アンビル4200内のポケット4206及びその配置は、多くの態様で、アンビル4100内のポケット4106及びその配置と同様である。例えば、アンビル4200は、ステープル形成面4202と、長手方向スロット4204とを含む。長手方向スロット4204は、アンビル4200の長手方向軸LAに沿って延在している。特定の場合には、発射要素及び/又は切断要素は、発射ストロークの少なくとも一部の間、長手方向スロット4204を通って並進することができる。ステープル形成ポケット4206は、ステープル形成面4202内に画定される。ステープル形成面4202はまた、ポケット4206の周りに延在する非形成部分4208を含む。非形成部分4208は、
図48において、各ポケット4206の周りに全体的に延びている。言い換えると、非形成部分4208は、ステープル形成ポケット4206を囲んでいる。他の場合には、2つ以上の隣接するポケット4206の少なくとも一部が、非形成部分4208がその間に配置されないように、当接接触していてもよい。
【0211】
ステープル形成面4202の形成比率を最適化することができる。形成比率を最適化することによって、より多くのステープルを形成することができ、及び/又は所望の構成になるように形成することができる。特定の場合には、アンビル4200の非形成部分4208の表面積を、ステープル形成ポケット4206に対して最小化してもよい。それに加えて、又はそれに代えて、ステープル形成ポケット4206の取り付け面積は、ステープルを捕捉し、形成するように設計されたステープル形成面4202の一部を最大化するために、伸長又は拡張されてもよい。
【0212】
図48に示されるポケット4206は、長手方向スロット4204の第1の側の内側列4214a、中間列4214b及び外側列4214cに配置されている。内側ポケット4206aは、内側列4214a内に配置されており、中間ポケット4206bは、中間列4214b内に配置されており、外側ポケット4206cは、外側列4214c内に配置されている。アンビル3800と同様に、ポケット4206は、アンビル4200のステープル形成面4202に沿ってヘリンボーン配置で配置されている。
図48には示されていないが、少なくとも1つの場合には、スロット4204の反対側にあるポケット4206は、長手方向スロット4204の第1の側面にあるポケット4206の鏡像反射を形成し得る。他の場合には、ステープル形成面4202内のポケット4206の配置は、スロット4204に対して非対称であってもよく、特定の場合には、アンビル4200は、長手方向スロット4204を備えていなくてもよい。種々の場合に、ポケット4206は、スロット4204のそれぞれの側にある3つより少ない列、又は3つより多い列に配置されていてもよい。
【0213】
図48に示されるポケット4206は、同一である。ステープル形成面4202に画定される各ポケット4206は、同じ幾何形状を有する。他の場合には、ポケット4206の幾何形状は、列ごとに異なっていてもよく、及び/又はアンビル4200の長さに沿って長手方向に異なっていてもよい。例えば、特定の場合には、本明細書に記載されるように、エンドエフェクタの長さに沿ったアンビルとステープルカートリッジとの間のギャップ距離及び/又は組織の流れの変動を調整するために、ポケット4206又はその一部の深さは、アンビル4200の長さに沿って変動してもよい。
【0214】
例示的なポケット4206bを
図49~
図51Cに示す。ポケット4206bは、第1端(即ち近位端)4210と、第2端(即ち遠位端)4212とを有する。ポケット軸PA(
図49)は、各ポケット4206の近位端4210と遠位端4212との間に延在する。ポケット4206bは、周囲4216を有し、周囲4216は、ポケット4206bの境界を画定する。ポケット4206bはまた、近位カップ4220と、遠位カップ4222と、近位カップ4220と遠位カップ4222の間に延在するネック部分4224とを含む。ステープルが打ち込まれてステープル形成面4202との接点を形成する場合、近位カップ4220は、近位ステープル脚部と整列し、遠位カップ4222は、遠位ステープル脚部と整列する。カップ4220、4222は、ステープル脚部をポケット軸PA及びポケット4206の中央部分(例えば、ネック部分4224)に向かわせるか、又は送り込み、ステープル脚部を変形させ、形成済み構成にするように構成されている。
【0215】
主に
図50を参照すると、ポケット4206bの各カップ4220、4222は、入口の傾斜4240と出口の傾斜4242とを画定する。出口の傾斜4242は、入口の傾斜4240より急である。ステープルを形成するとき、ステープル脚部の先端は、入口の傾斜4240に沿って、それぞれのカップ4220、4222に入り、出口の傾斜4242に沿って、それぞれのカップ4220、4222を出てもよい。入口の傾斜4240と出口の傾斜4242との間の頂点4246で、ステープル脚部の先端は、形成済み構成(例えば、B字形又は改変されたB字形)をとるように、ステープルベース部に向かって変形する。ポケット4206bはまた、近位カップ4220と遠位カップ4222との間にブリッジ部4244を画定する。ブリッジ部4244は、非形成部分4208からずれている。より具体的には、ブリッジ部4244は、非形成部分4208に対して下、又は凹んだ位置に配置されている。
【0216】
主に
図51A~
図51Cを参照すると、ポケット4206bは、側壁4250を含み、側壁4250は、ステープル形成面4202の非形成部分4208に対して垂直に配向される。側壁4250は、ネック部分4224に向かって狭くなる。その結果、カップ4220、4222の最も広い部分は、側壁4250の近位端及び遠位端にある。広くなった領域は、ステープル脚部の先端を受け入れるための、拡張された取り付け面積をもたらす。カップ4220、4222は、ネック部分4224に向かって狭くなっているため、カップ4220、4222は、ポケット軸PAに向かって、及び/又はポケット軸PAに沿って、形成済み構成へとステープル脚部の先端を送り込み、及び/又は誘導するように構成されている。
【0217】
カップ4220、4222はまた、延在着面ゾーン4230、4232をそれぞれ有し、これらが、カップ4220、4222の取り付け面積を更に拡大する。近位延在着面ゾーン4230は、ポケット軸PAに沿って近位に延在し、遠位延在着面ゾーン4232は、ポケット軸PAに沿って遠位に延在する。ポケット4206bでは、延在着面ゾーン4230及び4232は、実質的に三角形の周囲を画定する。更に、延在着面ゾーン4230及び4232は、それぞれのポケット軸PAに沿って角で終了する。他の場合には、延在着面ゾーン4230及び4232は、例えば、直線又は起伏のある周囲を画定してもよく、例えば、カップ4220及び4222から横方向及び/又は長手方向に延在してもよい。
【0218】
更に、ポケット4206bは、その底面に谷部分4256を有する。谷部分4256は、ステープル脚部が変形構成へと移動するときに、ステープル脚部を拘束し、誘導するように構成されている。示した実施形態では、谷部分4256は、側壁4250の間に広がり、ポケット4206bの底面全体を画定する。谷部分4256は、近位カップ4220からブリッジ部4224の上を通り、遠位カップ4222内へと延在する。他の場合には、谷部分4256は、ポケット4206bのブリッジ部4244を横切って延在していなくてもよい。谷部分4256は、非形成部分4208から離れて下向きに延在し、ポケット軸PAに沿って出会う2つの傾斜面4256a及び4256bを含む(
図49)。
図51A~
図51Cに示すように、谷部分4256は、カップ4220、4222内よりも、ブリッジ部4244に沿って急な勾配を画定する。他の場合には、勾配は、例えば、谷部分4256の長さに沿って均一であってもよく、及び/又はブリッジ部4244に沿ってよりも、カップ4220、4222において急であってもよい。
【0219】
ここでも
図51A~
図51Cを参照すると、ポケット4206bはまた、ポケット4206bの側面に沿って、面取りされた縁部4254を画定する。ポケット4206bでは、面取りされた縁部4254は、ポケット4206bの幅全体を画定する。ポケット4206bの幅全体は、均一である。例えば、幅W
A(
図51A)は、幅W
B(
図51B)及び幅W
C(
図51C)と等しい。他の場合には、幅W
A、W
B及び/又はW
Cは、等しくなくてもよい。側壁4250が、ネック部分4224に向かって狭くなっているため、面取りされた縁部4254の幅は、これに対応して、全体的に同じポケット幅を維持するために、ネック部分4224に向かって拡張される。ポケット4206bはまた、ポケット4206bのネック部分4224でポケット軸PAに向かって延在する突出部又はノブ4258を含む。ノブ4258は、ネック部分4224が幅W
Nまで更に狭い。谷部分4256は、幅W
Nにわたって、ネック部分4224の底面に広がっている。
【0220】
図49を再び参照すると、ポケット4206bは、ポケット軸PAを中心に対称である。例えば、ポケット4206bの周囲4216は、ポケット軸PAを中心に対称である。更に、ポケット4206bは、ネック部分4224を通って中心軸CAを中心に対称であり、ポケット軸PAに垂直である。例えば、ポケット4206bの周囲4216は、中心軸CAを中心に対称であり、近位カップ4220は、遠位カップ4222と同じ幾何形状を有する。他の場合には、近位カップ4220は、遠位カップ4222と異なっていてもよい。例えば、再び
図50を参照すると、本明細書に記載されるように、アンビルとステープルカートリッジとの間のギャップ距離及び/又は組織の流れの変動を調整するために、遠位の深さD
2は、近位の深さD
1より小さくてもよい。
【0221】
再び
図48を参照すると、各ポケット4206は、隣接するポケット4206のネック部分4224に向かって延在している。例えば、中間ポケット4206bは、内側ポケット4206a及び外側ポケット4206cのネック部分4224と整列している。より具体的には、中間ポケット4206bの近位の着面ゾーン4230は、隣接する外側ステープル4206cのネック部分4224と整列しており、中間ポケット4206bの遠位の着面ゾーン4232は、隣接する内側ステープル4206aのネック部分4224と整列している。更に、内側ポケット4206a及び外側ポケット4206bは、中間ポケット4206bのうちの1つのネック部分4224に向かって延在している。より具体的には、内側ポケット4206aの遠位の着面ゾーン4232は、隣接する中間ポケット4206bのネック部分4224と整列しており、外側ポケット4206cの近位の着面ゾーン4230は、隣接する中間ポケット4206bのネック部分4224と整列している。
【0222】
ここで
図52~
図55Cを参照すると、アンビル4300の一部のステープル形成ポケット4306が示される。アンビル4300内のポケット4306及びその配置は、多くの態様で、アンビル3900内のポケット3906及びその配置と同様である。例えば、アンビル4300は、ステープル形成面4302と、長手方向スロット4304とを含む。長手方向スロット4304は、アンビル4300の長手方向軸LAに沿って延在している。特定の場合には、発射要素及び/又は切断要素は、発射ストロークの少なくとも一部の間、長手方向スロット4304を通って並進することができる。ステープル形成ポケット4306は、ステープル形成面4302内に画定される。ステープル形成面4302はまた、ポケット4306の周りに延在する非形成部分4308を含む。非形成部分4308は、
図52において、各ポケット4306の周りに全体的に延びている。言い換えると、非形成部分4308は、ステープル形成ポケット4306を囲んでいる。他の場合には、2つ以上の隣接するポケット4306の少なくとも一部が、非形成部分4308がその間に配置されないように、当接接触していてもよい。
【0223】
ステープル形成面4302の形成比率を最適化することができる。形成比率を最適化することによって、より多くのステープルを形成することができ、及び/又は所望の構成になるように形成することができる。特定の場合には、アンビル4300の非形成部分4308の表面積を、ステープル形成ポケット4306に対して最小化してもよい。それに加えて、又はそれに代えて、ステープル形成ポケット4306の取り付け面積は、ステープルを捕捉し、形成するように設計されたステープル形成面4302の一部を最大化するために、伸長又は拡張されてもよい。
【0224】
図52に示されるポケット4306は、長手方向スロット4304の第1の側の内側列4314a、中間列4314b及び外側列4314cに配置されている。内側ポケット4306aは、内側列4314a内に配置されており、中間ポケット4306bは、中間列4314b内に配置されており、外側ポケット4306cは、外側列4314c内に配置されている。アンビル3800と同様に、ポケット4306は、アンビル4300のステープル形成面4302に沿ってヘリンボーン配置で配置されている。
図52には示されていないが、少なくとも1つの場合には、スロット4304の反対側にあるポケット4306は、長手方向スロット4304の第1の側面にあるポケット4306の鏡像反射を形成し得る。他の場合には、ステープル形成面4302内のポケット4306の配置は、スロット4304に対して非対称であってもよく、特定の場合には、アンビル4300は、長手方向スロット4304を備えていなくてもよい。種々の場合に、ポケット4306は、スロット4304のそれぞれの側にある3つより少ない列、又は3つより多い列に配置されていてもよい。
【0225】
図52に示されるポケット4306は、同一である。ステープル形成面4302に画定される各ポケット4306は、同じ幾何形状を有する。他の場合には、ポケット4306の幾何形状は、列ごとに異なっていてもよく、及び/又はアンビル4300の長さに沿って長手方向に異なっていてもよい。例えば、特定の場合には、本明細書に記載されるように、エンドエフェクタの長さに沿ったアンビルとステープルカートリッジとの間のギャップ距離及び/又は組織の流れの変動を調整するために、ポケット4306又はその一部の深さは、アンビル4300の長さに沿って変動してもよい。
【0226】
例示的なポケット4306bを
図53~
図55Cに示す。ポケット4306bは、第1端(即ち近位端)4310と、第2端(即ち遠位端)4312とを有する。ポケット軸PA(
図53)は、ポケット4306bの近位端4310と遠位端4312との間に延在する。ポケット4306bは、周囲4316を有し、周囲4316は、ポケット4306bの境界を画定する。周囲4316は、ポケット4306の近位端及び遠位端に、丸みをおびた角を有する。ポケット4306bはまた、近位カップ4320と、遠位カップ4322と、近位カップ4320と遠位カップ4322の間に延在するネック部分4324とを含む。ステープルが打ち込まれてステープル形成面4302との接点を形成する場合、近位カップ4320は、近位ステープル脚部と整列し、遠位カップ4322は、遠位ステープル脚部と整列する。カップ4320、4322は、ステープル脚部をポケット軸PA及びポケット4306の中央部分(例えば、ネック部分4324)に向かわせるか、又は送り込み、ステープル脚部を変形させ、形成済み構成にするように構成されている。
【0227】
主に
図54を参照すると、ポケット4306bの各カップ4320、4322は、入口の傾斜4340と出口の傾斜4342とを画定する。出口の傾斜4342は、入口の傾斜4340より急である。ステープルを形成するとき、ステープル脚部の先端は、入口の傾斜4340に沿って、それぞれのカップ4320、4322に入り、出口の傾斜4342に沿って、それぞれのカップ4320、4322を出てもよい。入口の傾斜4340と出口の傾斜4342との間の頂点4346で、ステープル脚部の先端は、形成済み構成(例えば、B字形又は改変されたB字形)をとるように、ステープルベース部に向かって変形する。ポケット4306bはまた、近位カップ4320と遠位カップ4322との間にブリッジ部4344を画定する。ブリッジ部4344は、非形成部分4308からずれている。より具体的には、ブリッジ部4344は、非形成部分4308に対して下、又は凹んだ位置に配置されている。
【0228】
主に
図55A~
図55Cを参照すると、ポケット4306bは、側壁4350を含み、側壁4350は、ステープル形成面4302の非形成部分4308に対して垂直に配向される。側壁4350は、各カップ4320、4322の外側端とネック部分4324との間で狭くなる。より具体的には、側壁4350は、ポケット4306bの周囲4316内の輪郭を画定するように内側輪郭に沿って延在している。カップ4320、4322の最も広い部分は、側壁4350の近位端及び遠位端にある。広くなった領域は、ステープル脚部の先端を受け入れるための、拡張された取り付け面積をもたらす。カップ4320、4322は、ネック部分4324に向かって狭くなっているため、カップ4320、4322は、ポケット軸PAに向かって、及び/又はポケット軸PAに沿って、形成済み構成へとステープル脚部の先端を送り込み、及び/又は誘導するように構成されている。
【0229】
ポケット4306bは、ポケット4306bの側面に沿って、面取りされた縁部4354を画定する。ポケット4306bでは、面取りされた縁部4354は、ネック部分4324に向かって狭くなっている、ポケット4306bの幅全体を画定する。ポケット4306bはまた、側壁4350とポケット4306bの底面4358との間にフィレット4352(
図55A~
図55C)を画定する。フィレット4352は、ポケット4306bの所望の経路に沿って、ステープル脚部を誘導するように構成されている。例えば、ステープル脚部が、面取り部分4352に沿って着面する場合、フィレットの角4352は、ステープル脚部をポケット軸PAに向かって滑らかに誘導することができる。
【0230】
図53を再び参照すると、ポケット4306bは、ポケット軸PAを中心に対称である。例えば、ポケット4306bの周囲4316は、ポケット軸PAを中心に対称である。更に、ポケット4306bは、ネック部分4324を通って中心軸CAを中心に対称であり、ポケット軸PAに垂直である。例えば、ポケット4306bの周囲4316は、中心軸CAを中心に対称であり、近位カップ4320は、遠位カップ4322と同じ幾何形状を有する。他の場合には、近位カップ4320は、遠位カップ4322と異なっていてもよい。例えば、再び
図54を参照すると、本明細書に記載されるように、アンビルとステープルカートリッジとの間のギャップ距離及び/又は組織の流れの変動を調整するために、遠位の深さD
2は、近位の深さD
1より小さくてもよい。
【0231】
再び
図53を参照すると、ポケット4306bのネック部分4324は、近位カップ4320及び遠位カップ4322より狭い。ポケット4306bの狭くなった周囲4316は、近位カップ4320の一部と遠位カップ4322の一部との間に受け入れ半島部4326を画定する。ポケット4306bの対称性に起因して、対称な受け入れ半島部4326が、ポケット4306bのそれぞれの側に配置される。受け入れ半島部4326は、ポケット4306bの周囲4316と、ポケット4306bの片側にある近位カップ4320及び遠位カップ4322の最も広い部分に対する接線である接線軸(例えば、T
B1及びT
B2)によって境界が区切られる。第1の接線軸T
B1は、ポケット4306bの第1の側に配置されており、第2の接線軸T
B2は、ポケット4306bの反対側に配置されている。
図53に示される第1の接線軸T
B1及び第2の接線軸T
B2は、ポケット軸PAに対して平行である。
【0232】
再び
図52を参照すると、各ポケット4306は、隣接するポケット4306の受け入れ半島部4326に向かって延在している。例えば、中間ポケット4306bは、内側ポケット4306a及び外側ポケット4306cのネック部分4324と整列している。更に、内側ポケット4306a及び外側ポケット4306bは、中間ポケット4306bのうちの1つの受け入れ半島部4326に向かって延在している。より具体的には、内側ポケット4306aは、隣接する中間ポケット4306bのネック部分4324と整列しており、外側ポケット4306cは、隣接する中間ポケット4306bのネック部分4324と整列している。特定の場合には、ポケット4306の一部は、隣接するポケット4306の受け入れ半島部4326内へと延在し得る。アンビル3900内のポケット3906と同様に、ポケット4306の幾何形状により、ポケット4306がステープル形成面4302内に密に配置されやすくなる。「形成比率」は、形成部分(即ち、ポケット4306)に対する非形成部分4308の比率である。少なくとも1つの場合に、形成比率は、例えば、少なくとも1:1であってもよい。
【0233】
ここで
図56~
図59Cを参照すると、アンビル4400の一部のステープル形成ポケット4406が示される。アンビル4400内のポケット4406及びその配置は、多くの態様で、アンビル4300内のポケット4306及びその配置と同様である。例えば、アンビル4400は、ステープル形成面4402と、長手方向スロット4404とを含む。長手方向スロット4404は、アンビル4400の長手方向軸LAに沿って延在している。特定の場合には、発射要素及び/又は切断要素は、発射ストロークの少なくとも一部の間、長手方向スロット4404を通って並進することができる。ステープル形成ポケット4406は、ステープル形成面4402内に画定される。ステープル形成面4402はまた、ポケット4406の周りに延在する非形成部分4408を含む。非形成部分4408は、
図56において、各ポケット4406の周りに全体的に延びている。言い換えると、非形成部分4408は、ステープル形成ポケット4406を囲んでいる。他の場合には、2つ以上の隣接するポケット4406の少なくとも一部が、非形成部分4408がその間に配置されないように、当接接触していてもよい。更に、非形成部分4406は、本明細書に記載するように、各ポケット4406を通って延在している。
【0234】
ステープル形成面4402の形成比率を最適化することができる。形成比率を最適化することによって、より多くのステープルを形成することができ、及び/又は所望の構成になるように形成することができる。特定の場合には、アンビル4400の非形成部分4408の表面積を、ステープル形成ポケット4406に対して最小化してもよい。それに加えて、又はそれに代えて、ステープル形成ポケット4406の取り付け面積は、ステープルを捕捉し、形成するように設計されたステープル形成面4402の一部を最大化するために、伸長又は拡張されてもよい。
【0235】
図56に示されるポケット4406は、長手方向スロット4404の第1の側の内側列4414a、中間列4414b及び外側列4414cに配置されている。内側ポケット4406aは、内側列4414a内に配置されており、中間ポケット4406bは、中間列4414b内に配置されており、外側ポケット4406cは、外側列4414c内に配置されている。アンビル3800と同様に、ポケット4406は、アンビル4400のステープル形成面4402に沿ってヘリンボーン配置で配置されている。
図56には示されていないが、少なくとも1つの場合には、スロット4404の反対側にあるポケット4406は、長手方向スロット4404の第1の側面にあるポケット4406の鏡像反射を形成し得る。他の場合には、ステープル形成面4402内のポケット4406の配置は、スロット4404に対して非対称であってもよく、特定の場合には、アンビル4400は、長手方向スロット4404を備えていなくてもよい。種々の場合に、ポケット4406は、スロット4404のそれぞれの側にある3つより少ない列、又は3つより多い列に配置されていてもよい。
【0236】
図56に示されるポケット4406は、同一である。ステープル形成面4402に画定される各ポケット4406は、同じ幾何形状を有する。他の場合には、ポケット4406の幾何形状は、列ごとに異なっていてもよく、及び/又はアンビル4400の長さに沿って長手方向に異なっていてもよい。例えば、特定の場合には、本明細書に記載されるように、エンドエフェクタの長さに沿ったアンビルとステープルカートリッジとの間のギャップ距離及び/又は組織の流れの変動を調整するために、ポケット4406又はその一部の深さは、アンビル4400の長さに沿って変動してもよい。
【0237】
例示的なポケット4406bを
図57~
図59Cに示す。ポケット4406bは、第1端(即ち近位端)4410と、第2端(即ち遠位端)4412とを有する。ポケット軸PA(
図57)は、ポケット4406bの近位端4410と遠位端4412との間に延在する。ポケット4406bは、周囲4416を有し、周囲4416は、ポケット4406bの境界を画定する。周囲4416は、ポケット4406bの近位端4410及び遠位端4412に、丸みをおびた角を有する。ポケット4406bはまた、近位カップ4420と遠位カップ4422とを含む。非形成部分4408の一部は、近位カップ4420と遠位カップ4422との間に延在している。言い換えると、ポケット4406bは、2つの分離した別個のカップ4420及び4422をステープル形成面4402に含んでいる。ステープルが打ち込まれてステープル形成面4402との接点を形成する場合、近位カップ4420は、近位ステープル脚部と整列し、遠位カップ4422は、遠位ステープル脚部と整列する。カップ4420、4422は、ステープル脚部をポケット軸PA及びポケット4406の中央部分に向かわせるか、又は送り込み、ステープル脚部を変形させ、形成済み構成にするように構成されている。
【0238】
主に
図58を参照すると、ポケット4406bの各カップ4420、4422は、入口の傾斜4440と出口の傾斜4442とを画定する。出口の傾斜4442は、入口の傾斜4440より急である。ステープルを形成するとき、ステープル脚部の先端は、入口の傾斜4440に沿って、それぞれのカップ4420、4422に入り、出口の傾斜4442に沿って、それぞれのカップ4420、4422を出てもよい。入口の傾斜4440と出口の傾斜4442との間の頂点4446で、ステープル脚部の先端は、形成済み構成(例えば、B字形又は改変されたB字形)をとるように、ステープルベース部に向かって変形する。ポケット4406bはまた、近位カップ4420と遠位カップ4422との間にブリッジ部4444を画定する。ブリッジ部4444は、非形成部分4408と整列している。より具体的には、ブリッジ部4444は、非形成部分4408の平らな伸長部であり、近位カップ4420と遠位カップ4422との間に延在している。
【0239】
主に
図59A~
図59Cを参照すると、ポケット4406bは、側壁4450を含み、側壁4450は、ステープル形成面4402の非形成部分4408に対して、ある角度で配向される。より具体的には、側壁4450は、非形成部分4408に対して斜めに配向されている。更に、側壁4450の角度の向きは、カップの長さに沿って一定である。例えば、
図59A、
図59B及び
図59Cに示す角度A、B及びCは、それぞれ等しい。他の場合には、角度A、B及びCのうち1つ以上が異なっていてもよい。側壁4450は、各カップ4420、4422の外側端とカップ4420、4422の内側端との間で狭くなる。より具体的には、側壁4450は、ポケット4406bの周囲4416内の輪郭を画定するように内側輪郭に沿って延在している。カップ4420、4422の最も広い部分は、ポケット4406bの近位端及び遠位端にある。広くなった領域は、ステープル脚部の先端を受け入れるための、拡張された取り付け面積をもたらす。カップ4420、4422は、ブリッジ部4444に向かって狭くなっているため、カップ4420、4422は、ポケット軸PAに向かって、及び/又はポケット軸PAに沿って、形成済み構成へとステープル脚部の先端を送り込み、及び/又は誘導するように構成されている。
【0240】
ポケット4406bは、側壁4450とポケット4406bの底面4458との間にフィレット4452(
図59A~
図59C)を画定する。フィレット4452は、ポケット4406bの所望の経路に沿って、ステープル脚部を誘導するように構成されている。例えば、ステープル脚部が、フィレット4452に沿って着面する場合、フィレット4452は、ステープル脚部をポケット軸PAに向かって滑らかに誘導することができる。
【0241】
図57を再び参照すると、ポケット4406bは、ポケット軸PAを中心に対称である。例えば、ポケット4406bの周囲4416は、ポケット軸PAを中心に対称である。更に、ポケット4406bは、近位カップ4420と遠位カップ4422との間の中心軸CAを中心に対称であり、ポケット軸PAに垂直である。例えば、ポケット4406bの周囲4416は、中心軸CAを中心に対称であり、近位カップ4420は、遠位カップ4422と同じ幾何形状を有する。他の場合には、近位カップ4420は、遠位カップ4422と異なっていてもよい。例えば、再び
図58を参照すると、本明細書に記載されるように、アンビルとステープルカートリッジとの間のギャップ距離及び/又は組織の流れの変動を調整するために、遠位の深さD
2は、近位の深さD
1より小さくてもよい。
【0242】
再び
図57を参照すると、ポケット4406bの中央部分は、カップ4420及び4422の近位端4410及び遠位端4412より狭い。ポケット4406bの狭くなった周囲4416は、近位カップ4420の一部と遠位カップ4422の一部との間に受け入れ半島部4426を画定する。ポケット4406bの対称性に起因して、対称な受け入れ半島部4426が、ポケット4406bのそれぞれの側に配置される。受け入れ半島部4426は、ポケット4406bの周囲4416と、ポケット4406bの片側にある近位カップ4420及び遠位カップ4422の最も広い部分に対する接線である接線軸(例えば、T
B1及びT
B2)によって境界が区切られる。第1の接線軸T
B1は、ポケット4406bの第1の側に配置されており、第2の接線軸T
B2は、ポケット4406bの反対側に配置されている。
図57に示される第1の接線軸T
B1及び第2の接線軸T
B2は、ポケット軸PAに対して平行である。
【0243】
再び
図56を参照すると、各ポケット4406は、隣接するポケット4406の受け入れ半島部4426に向かって延在している。例えば、中間ポケット4406bは、内側ポケット4406a及び外側ポケット4406cの中央部分と整列している。更に、内側ポケット4406a及び外側ポケット4406bは、中間ポケット4406bのうちの1つの受け入れ半島部4426に向かって延在している。より具体的には、内側ポケット4406aは、隣接する中間ポケット4406bの中央部分と整列しており、外側ポケット4406cは、隣接する中間ポケット4406bの中央部分と整列している。特定の場合には、ポケット4406の一部は、隣接するポケット4406の受け入れ半島部4426内へと延在し得る。アンビル3900内のポケット3906と同様に、ポケット4406の幾何形状により、ポケット4406がステープル形成面4402内に密に配置されやすくなる。ステープル形成面4402の「形成比率」は、形成部分(即ち、ポケット4406)に対する非形成部分4408の比率である。ステープル形成面4402の形成比率は、約2.56:1である。他の場合には、形成比率は、2.56:1未満、又は2.56:1超であってもよい。例えば、少なくとも1つの場合に、ステープル形成面4402の50%より多くが、ステープル形成ポケット4406で覆われていてもよい。
【0244】
ここで
図60~
図63Cを参照すると、アンビル4500の一部のステープル形成ポケット4506が示される。アンビル4500内のポケット4506及びその配置は、多くの態様で、アンビル3900内のポケット3906及びその配置と同様である。例えば、アンビル4500は、ステープル形成面4502と、長手方向スロット4504とを含む。長手方向スロット4504は、アンビル4500の長手方向軸LAに沿って延在している。特定の場合には、発射要素及び/又は切断要素は、発射ストロークの少なくとも一部の間、長手方向スロット4504を通って並進することができる。ステープル形成ポケット4506は、ステープル形成面4502内に画定される。ステープル形成面4502はまた、ポケット4506の周りに延在する非形成部分4508を含む。非形成部分4508は、
図60において、各ポケット4506の周りに全体的に延びている。言い換えると、非形成部分4508は、ステープル形成ポケット4506を囲んでいる。他の場合には、2つ以上の隣接するポケット4506の少なくとも一部が、非形成部分4508がその間に配置されないように、当接接触していてもよい。
【0245】
ステープル形成面4502の形成比率を最適化することができる。形成比率を最適化することによって、より多くのステープルを形成することができ、及び/又は所望の構成になるように形成することができる。特定の場合には、アンビル4500の非形成部分4508の表面積を、ステープル形成ポケット4506に対して最小化してもよい。それに加えて、又はそれに代えて、ステープル形成ポケット4506の取り付け面積は、ステープルを捕捉し、形成するように設計されたステープル形成面4502の一部を最大化するために、伸長又は拡張されてもよい。
【0246】
図60に示されるポケット4506は、長手方向スロット4504の第1の側の内側列4514a、中間列4514b及び外側列4514cに配置されている。内側ポケット4506aは、内側列4514a内に配置されており、中間ポケット4506bは、中間列4514b内に配置されており、外側ポケット4506cは、外側列4514c内に配置されている。アンビル3800と同様に、ポケット4506は、アンビル4500のステープル形成面4502に沿ってヘリンボーン配置で配置されている。
図60には示されていないが、少なくとも1つの場合には、スロット4504の反対側にあるポケット4506は、長手方向スロット4504の第1の側面にあるポケット4506の鏡像反射を形成し得る。他の場合には、ステープル形成面4502内のポケット4506の配置は、スロット4504に対して非対称であってもよく、特定の場合には、アンビル4500は、長手方向スロット4504を備えていなくてもよい。種々の場合に、ポケット4506は、スロット4504のそれぞれの側にある3つより少ない列、又は3つより多い列に配置されていてもよい。
【0247】
図60に示されるポケット4506は、同一である。ステープル形成面4502に画定される各ポケット4506は、同じ幾何形状を有する。他の場合には、ポケット4506の幾何形状は、列ごとに異なっていてもよく、及び/又はアンビル4500の長さに沿って長手方向に異なっていてもよい。例えば、特定の場合には、本明細書に記載されるように、エンドエフェクタの長さに沿ったアンビルとステープルカートリッジとの間のギャップ距離及び/又は組織の流れの変動を調整するために、ポケット4506又はその一部の深さは、アンビル4500の長さに沿って変動してもよい。
【0248】
例示的なポケット4506bを
図61~
図63Cに示す。ポケット4506bは、第1端(即ち近位端)4510と、第2端(即ち遠位端)4512とを含む。ポケット軸PA(
図61)は、ポケット4506bの近位端4510と遠位端4512との間に延在する。ポケット4506bは、周囲4516を有し、周囲4516は、ポケット4506bの境界を画定する。ポケット4306と同様に、周囲4516は、ポケット4506bの近位端4510及び遠位端4512に、丸みをおびた角を有する。ポケット4506bはまた、近位カップ4520と、遠位カップ4522と、近位カップ4520と遠位カップ4522の間に延在するネック部4524とを含む。ステープルが打ち込まれてステープル形成面4502との接点を形成する場合、近位カップ4520は、近位ステープル脚部と整列し、遠位カップ4522は、遠位ステープル脚部と整列する。カップ4520、4522は、ステープル脚部をポケット軸PA及びポケット4506の中央部分(例えば、ネック部4524)に向かわせるか、又は送り込み、ステープル脚部を変形させ、形成済み構成にするように構成されている。
【0249】
主に
図62を参照すると、ポケット4506bの各カップ4520、4522は、入口の傾斜4540と出口の傾斜4542とを画定する。入口の傾斜4540は、出口の傾斜4542より急である。ステープルを形成するとき、ステープル脚部の先端は、入口の傾斜4540に沿って、それぞれのカップ4520、4522に入り、出口の傾斜4542に沿って、それぞれのカップ4520、4522を出てもよい。入口の傾斜4540と出口の傾斜4542との間の頂点4546で、ステープル脚部の先端は、形成済み構成(例えば、B字形又は改変されたB字形)をとるように、ステープルベース部に向かって変形する。ポケット4506bはまた、近位カップ4520と遠位カップ4522との間にブリッジ部4544を画定する。ブリッジ部4544は、非形成部分4508からずれている。より具体的には、ブリッジ部4544は、非形成部分4508に対して下、又は凹んだ位置に配置されている。
【0250】
主に
図63A~
図63Cを参照すると、ポケット4506bは、起伏のある壁面又は弓状の壁面4550を含んでいる。壁面4550は、各カップ4520、5422を、ステープル脚部を受け入れ、形成するための広く丸い入れ物に形成する。更に、ポケット4506bは、その底面に沿って溝4556を含む。壁面4550は、非形成表面4508と溝4556との間のアンビル4500内へと下向きに湾曲している。例えば、側壁4550は、ポケット4506bの底面までつなぎ目なく遷移している。溝4556は、近位カップ4520から底面に沿って、ブリッジ部4524の上を通り、遠位カップ4522内へと延在する。溝4556は、ステープル脚部が変形構成へと移動するときに、ステープル脚部を拘束し、誘導するように構成されている。種々の場合に、溝4556の直径は、溝4556と係合するステープルの直径より小さくてもよい。異なるステープルの幾何形状が、同じステープル形成ポケットの幾何形状と共に利用されるエンドエフェクタでは、ポケット内の溝の幅は、最も小さなステープル直径より小さくてもよい。
【0251】
起伏のある壁面4550は、各カップ4520、4522の外側端とネック部4524との間で狭くなる。より具体的には、壁面4550は、ポケット4506bの周囲4516内の輪郭を画定するように内側輪郭に沿って延在している。広くなった領域は、ステープル脚部の先端を受け入れるための、拡張された取り付け面積をもたらす。カップ4520、4522は、ブリッジ部4544に向かって狭くなっているため、カップ4520、4522は、ポケット軸PAに向かって、及び/又はポケット軸PAに沿って、形成済み構成へとステープル脚部の先端を送り込み、及び/又は誘導するように構成されている。
【0252】
ポケット4506bはまた、ポケット4506bの側面の一部に沿った面取りされた縁部4554を画定する。側壁4550が、ネック部分4524に向かって狭くなるにつれて、面取りされた縁部4554の幅は、これに対応して、全体的なポケット幅を維持するために、ネック部分4224に向かって拡張される。
【0253】
図61を再び参照すると、ポケット4506bは、ポケット軸PAを中心に対称である。例えば、ポケット4406bの周囲4516は、ポケット軸PAを中心に対称である。更に、ポケット4506bは、ネック部分4524を通って中心軸CAを中心に対称であり、ポケット軸PAに垂直である。例えば、ポケット4506bの周囲4516は、中心軸CAを中心に対称であり、近位カップ4520は、遠位カップ4522と同じ幾何形状を有する。他の場合には、近位カップ4520は、遠位カップ4522と異なっていてもよい。例えば、再び
図62を参照すると、本明細書に記載されるように、アンビルとステープルカートリッジとの間のギャップ距離及び/又は組織の流れの変動を調整するために、遠位の深さD
2は、近位の深さD
1より小さくてもよい。
【0254】
再び
図60を参照すると、各ポケット4506は、隣接するポケット4506のネック部分4524に向かって延在している。例えば、中間ポケット4506bは、内側ポケット4506a及び外側ポケット4506cのネック部分4524と整列している。更に、内側ポケット4506a及び外側ポケット4506bは、中間ポケット4506bのうちの1つのネック部分4524に向かって延在している。
【0255】
ステープル形成ポケットは、ステープルが発射されアンビルとの接点を形成するとき、ステープル脚部の先端を受け入れるための延在着面ゾーンを含んでいてもよい。特定の場合には、延在着面ゾーンは、本明細書に記載するように、ステープル形成ポケットのカップから横方向及び/又は長手方向に延在していてもよい。ステープル形成ポケットのプロファイル(即ち、周囲)は、1つ又は2つ以上の隣接するステープル形成ポケットのプロファイル(即ち、周囲)と入れ子になっていてもよい。例えば、ステープル形成ポケットの周囲の少なくとも一部は、1つ又は2つ以上の隣接するステープル形成ポケットの周囲の一部に適合し、追随し、従い、及び/又は平行な輪郭又は経路に沿って延在していてもよい。このような追随する部分又は隣接する周囲は、同心プロファイルを画定してもよい。
【0256】
種々の場合に、1つ又は2つ以上の延在着面ゾーンを有するステープル形成ポケットの表面積は、1つ又は2つ以上の延在着面ゾーンを有さないステープル形成ポケットの表面積よりも大きいだろう。例えば、延在着面ゾーンは、ステープル形成ポケットの表面積を少なくとも10%増やすことができる。延在着面ゾーンは、ステープル形成ポケットの表面積を15%又は25%増やすことができる。他の場合には、延在着面ゾーンは、ステープル形成ポケットの表面積を10%未満、例えば、5%、増やすことができる。本明細書に記載する特定のステープル形成ポケットは、平行なステープル形成ポケットの6つの列を有するが、それ以外は、角度を付けて配向されたステープル形成ポケットの6つの列を有する本明細書に記載する特定のアンビルと同一のアンビル内のステープル形成ポケットよりも、大きな表面積を有していてもよい。更に他の場合には、延在着面ゾーンを有するステープル形成ポケットはまた、延在着面ゾーンの表面積以上の表面積を有する狭くなった部分及び/又はその他の様式で減少した部分も有していてもよい。
【0257】
特定の場合には、ステープル形成ポケットは、非対称であってもよい。例えば、ステープル形成ポケットは、ポケットの近位端と遠位端との間に延在するポケット軸に対して非対称であってもよく、及び/又はポケット軸に対して垂直に延在し、ポケットの中央部分を横切る中心軸に対して非対称であってもよい。ステープル形成ポケットの非対称性によって、例えば、ポケットの入れ子を容易にすることができ、及び/又はステープル形成面内のポケットの表面積を最大化することができる。
【0258】
ここで
図64~
図67Cを参照すると、アンビル5000の一部のステープル形成ポケット5006が示される。アンビル3800と同様に、ポケット5006は、アンビル5000のステープル形成面5002に沿ってヘリンボーン配置で配置されている。アンビル5000は、ステープル形成面5002と、長手方向スロット5004とを含む。長手方向スロット5004は、アンビル5000の長手方向軸LAに沿って延在している。特定の場合には、発射要素及び/又は切断要素は、発射ストロークの少なくとも一部の間、長手方向スロット5004を通って並進することができる。ステープル形成ポケット5006は、ステープル形成面5002内に画定される。ステープル形成面5002はまた、ポケット5006の周りに延在する非形成部分5008を含む。非形成部分5008は、各ポケット5006の周りに全体的に延びている。言い換えると、非形成部分5008は、ステープル形成ポケット5006を囲んでいる。他の場合には、2つ以上の隣接するポケット5006の少なくとも一部が、非形成部分5008がその間に配置されないように、当接接触していてもよい。
【0259】
ステープル形成面5002の形成比率を最適化することができる。形成比率を最適化することによって、より多くのステープルを形成することができ、及び/又は所望の構成になるように形成することができる。特定の場合には、アンビル5000の非形成部分5008の表面積を、ステープル形成ポケット5006に対して最小化してもよい。それに加えて、又はそれに代えて、ステープル形成ポケット5006の取り付け面積は、ステープルを捕捉し、形成するように設計されたステープル形成面5002の一部を最大化するために、伸長又は拡張されてもよい。
【0260】
図64に示されるポケット5006は、長手方向スロット5004の第1の側の内側列5014a、中間列5014b及び外側列5014cに配置されている。内側ポケット5006aは、内側列5014a内に配置されており、中間ポケット5006bは、中間列5014b内に配置されており、外側ポケット5006cは、外側列5014c内に配置されている。
図64には示されていないが、少なくとも1つの場合には、スロット5004の反対側にあるポケット5006は、長手方向スロット5004の第1の側面にあるポケット5006の鏡像反射を形成し得る。他の場合には、ステープル形成面5002内のポケット5006の配置は、スロット5004に対して非対称であってもよく、特定の場合には、アンビル5000は、長手方向スロット5004を備えていなくてもよい。種々の場合に、ポケット5006は、スロット5004のそれぞれの側にある3つより少ない列、又は3つより多い列に配置されていてもよい。
【0261】
内側ポケット5006aは、同一であり、中間ポケット5006bは、同一であり、外側ポケット5006cは、同一である。しかし、内側ポケット5006aは、中間ポケット5006b及び外側ポケット5006cとは異なっており、中間ポケット5006bは、外側ポケット5006cとは異なっている。言い換えると、各列5014a、5014b及び5014cのポケット5006は、異なっている。ポケット5006a、5006b及び5006cの延在着面ゾーン5030及び5032は、本明細書に記載されており、その異なる幾何形状に寄与する。延在着面ゾーン5030及び5032の形状及び大きさは、隣接する入れ子になったポケット5006の周囲5016によって制限される。
【0262】
各列5014a、5014b及び5014c内のポケット5006は異なっているが、ポケット5006は、ステープルを、同じ、又は実質的に同じ形成済み形状に形成するように構成され得る。他の場合には、ポケット5006は、ステープルを、異なる形成済み形状、例えば、異なる高さ及び/又は構成に形成するように構成され得る。特定の場合には、ポケット5006は、各列5014a、5014b及び5014c内で長手方向に変動してもよい。例えば、特定の場合には、本明細書に記載されるように、エンドエフェクタの長さに沿ったアンビルとステープルカートリッジとの間のギャップ距離及び/又は組織の流れの変動を調整するために、ポケット5006又はその一部の深さは、アンビル5000の長さに沿って変動してもよい。
【0263】
特定の場合には、ポケット5006は、異なる幾何形状のステープルと係合するように構成され得る。例えば、異なる未形成高さ及び/又は異なる直径を有するステープルは、アンビル5000内のポケット5006によって形成され得る。特定の場合には、ステープルの幾何形状は、長手方向に変動してもよく、ポケット5006は、異なる幾何形状のステープルを形成するように構成され得る。例えば、ステープルの未形成高さ及び/又はワイヤ直径は、アンビル5000の長さに沿って変動してもよい。
【0264】
例示的な中間ポケット5006bを
図64~
図67Cに示す。ポケット5006bは、第1端(即ち近位端)5010と、第2端(即ち遠位端)5012とを有する。ポケット軸PA(
図65)は、ポケット5006bの近位端5010と遠位端5012との間に延在する。ポケット5006bは、周囲5016を有し、周囲5016は、ポケット5006bの境界を画定する。周囲5016は、線形部分と、起伏のある部分とを含む。より具体的には、周囲5016は、線形部分と、起伏のある角とを含み、その間で線形部分が方向を変える。再び
図64を参照すると、各ポケット5006の周囲5016の少なくとも一部は、1つ又は2つ以上の隣接するポケット5006の周囲の少なくとも一部に密に追随するか、又は平行である。
【0265】
ポケット5006bは、近位カップ5020と、遠位カップ5022と、近位カップ5020と遠位カップ5022の間に延在するネック部5024とを含む。ステープルが打ち込まれてステープル形成面5002との接点を形成する場合、近位カップ5020は、近位ステープル脚部と整列し、遠位カップ5022は、遠位ステープル脚部と整列する。カップ5020及び5022は、ステープル脚部をポケット軸PA及びポケット5006の中央部分(例えば、ネック部分5024)に向かわせるか、又は送り込み、ステープル脚部を変形させ、形成済み構成にするように構成されている。
【0266】
主に
図66を参照すると、ポケット5006bの各カップ5020、5022は、入口の傾斜5040と出口の傾斜5042とを画定する。ステープルを形成するとき、ステープル脚部の先端は、入口の傾斜5040に沿って、それぞれのポケット5020、5022に入り、出口の傾斜5042に沿って、それぞれのポケット5020、5022を出てもよい。入口の傾斜5040と出口の傾斜5042との間の頂点5046で、ステープル脚部の先端は、形成済み構成(例えば、B字形又は改変されたB字形)をとるように、ステープルベース部に向かって変形する。ポケット5006bはまた、近位カップ5020と遠位カップ5022との間のネック部分5024内にブリッジ部5044を画定する。ブリッジ部5044は、非形成部分5008からずれている。より具体的には、ブリッジ部5044は、非形成部分5008に対して下、又は凹んだ位置に配置されている。
【0267】
主に
図67A~
図67Cを参照すると、ポケット5006bは、側壁5050を含み、側壁5050は、非形成部分5008から底面5058まで延在している。側壁5050は、線形部分と、起伏のある部分とを含む。側壁5050は、各カップ5020、5022の中央領域5021(
図65)に向かって広くなっており、各カップ5020、5022の中央領域5021からネック部分5024に向かって狭くなっている。広くなった中央領域5021は、ステープル脚部の先端を受け入れるための、拡張された取り付け面積をもたらす。カップ5020、5022は、ネック部5024に向かって狭くなっているため、カップ5020、5022は、ポケット軸PAに向かって、及び/又はポケット軸PAに沿って、形成済み構成へとステープル脚部及びその先端を送り込み、及び/又は誘導するように構成されている。
【0268】
図67Aは、
図65のALL面に沿って取られており、これはステープル脚部の予想される着面位置(ALL)に対応する。例えば、ステープル脚部の先端は、近位カップ5020内で、ALL面とポケット軸PAの交差する点で、及び/又はその付近で着面すると予想することができる。ALL面で、ポケット5006bは、幅W
Aと深さD
Aを画定する。
図67Bの断面は、近位カップ5020とネック5024との間の遷移部分を横切って取られている。
図67Bは、幅W
Bと深さD
Bを画定するポケット5006bを示す。幅W
Bは、幅W
Aよりも小さく、深さD
Bは、深さD
Aよりも大きい。言い換えると、ポケット5006bは、近位カップ5020内のALL面からネック部5024に向かって狭くなり、かつ深くなっている。ALL面での比較的大きな幅W
Aは、ステープル脚部を受け入れるための幅広の容器又は入れ物をもたらすように構成されている。
図67Cの断面は、ネック部分5024を横切って取られている。
図67Cは、幅W
Cと深さD
Cを画定するポケット5006bを示す。幅W
Cは、幅W
Bよりも小さく、深さD
Cは、深さD
Bよりも小さい。言い換えると、ポケット5006bは、狭くなり続け、ブリッジ部5044を横切るネック5024内で、より浅くなる。
【0269】
ポケット5006bの底面5058は、平らな面であり、その周りの弓状のフィレット5059によって境界が区切られる。特定の場合には、底面5058は、その少なくとも一部に沿って画定される溝を有していてもよい。他の場合には、底面5058は、谷部分を形成してもよい。更に他の場合には、底面は、例えば、少なくとも一部(例えば、ブリッジ部5044を横切って)に沿って、ヘンプ部又は隆起部を含んでいてもよい。
【0270】
ここで、
図65を主に参照すると、ポケット5006bは、近位延在着面ゾーン5030と、遠位延在着面ゾーン5032とを含む。近位延在着面ゾーン5030は、近位カップ5020の近位部分に配置され、遠位延在着面ゾーン5032は、遠位カップ5022の遠位部分に配置される。より具体的には、延在着面ゾーン5030及び5032は、ステープルの予想される着面位置を超えて配置される。例えば、近位延在着面ゾーン5030は、ALL面に対して近位に配置され、ステープル脚部の先端が、ALL面を超えて着面する場合には、近位延在着面ゾーン5030は、ステープル脚部を捕捉し、これをポケット軸PAに向ける、及び/又はネック部分5024に向けることができる。着面ゾーン5030及び5032は、ほぼ多角形の形状を画定し、より具体的には、角が丸みをおびた四辺形を画定する。他の場合には、着面ゾーン5030及び5032は、三角形又は実質的に三角形であってもよく、更に他の場合には、例えば、弓状又は球根状のプロファイルを画定してもよい。
【0271】
延在着面ゾーン5030及び5032の幾何形状は、隣接するステープル形成ポケット5006の周囲5016によって制約される。例えば、延在着面ゾーン5030及び5032は、1つ又は2つ以上の隣接するステープル形成ポケットに向かって、及び/又はこれとほぼ当接接触するように延在していてもよい。延在着面ゾーン5030及び5032及び/又はポケット5006bの他の部分は、隣接するステープル形成ポケット5006に追随し、及び/又はこれに対して平行に延在していてもよい。他の場合には、延在着面ゾーン5030及び5032は、1つ又は2つ以上の隣接するステープル形成ポケット5006に当接していてもよい。
【0272】
図65を再び参照すると、ポケット5006bは、ポケット軸PAを中心に非対称である。例えば、ポケット5006bの周囲5016は、ポケット軸PAを中心に非対称である。更に、ポケット5006bは、ネック部分5024を通って中心軸CAを中心に非対称であり、ポケット軸PAに垂直である。例えば、ポケット5006bの周囲5016は、中心軸CAを中心に非対称であり、近位カップ5020は、遠位カップ5022と異なる幾何形状を有する。近位カップ5020と遠位カップ5022は異なっているが、ポケット5006bは、対称なステープルを形成するように構成され得る。例えば、再び
図66を参照すると、本明細書に記載されるように、アンビルとステープルカートリッジとの間のギャップ距離及び/又は組織の流れの変動を調整するために、遠位の深さD
2は、近位の深さD
1より小さくてもよい。ステープルの近位脚部及び遠位脚部の形成高さは、同じであってもよい。他の場合には、ポケット5006は、非対称ステープルを形成するように構成され得る。
【0273】
再び
図65を参照すると、ネック部分5024は、近位カップ5020及び遠位カップ5022より狭い。ポケット5006bのネック部分5024で狭くなった周囲5016は、近位カップ5020の一部と遠位カップ5022の一部との間に受け入れ半島部5026を画定する。受け入れ半島部5026は、ポケット5006bのそれぞれの側に配置されている。受け入れ半島部5026は、ポケット5006bの周囲5016と、ポケット5006のそれぞれの側にある近位カップ5020及び遠位カップ5022の最も広い部分に対する接線である接線軸(例えば、T
B1及びT
B2)によって境界が区切られる。第1の接線軸T
B1は、ポケット5006bの第1の側に配置されており、第2の接線軸T
B2は、ポケット5006bの反対側に配置されている。
図67に示される第1の接線軸T
B1及び第2の接線軸T
B2は、ポケット軸PAに対して平行である。他の場合には、接線軸T
B1及びT
B2の一方又は両方が、ポケット軸PAに平行でなくてもよい。
【0274】
再び
図64を参照すると、ポケット5006の周囲5016が、ステープル形成面5002に沿って、入れ子になっているか、又は相互に絡み合っている。特に、各ポケット5006は、隣接するポケット5006の受け入れ半島部5026内へと延在している。例えば、中間ポケット5006bは、内側ポケット5006aと外側ポケット5006cとの間に入れ子になっている。違う言い方をすると、中間ポケット5006bは、隣接する内側ポケット5006aの受け入れ半島部5026内へと延在し、隣接する外側ポケット5006cの受け入れ半島部5026内へと延在する。更に、内側ポケット5006a及び外側ポケット5006bは、中間ポケット5006bと共に入れ子になっている。より具体的には、内側ポケット5006aは、隣接する中間ポケット5006bの受け入れ半島部5026内へと延在し、外側ポケット5006cは、隣接する中間ポケット5006bの受け入れ半島部5026内へと延在する。種々の場合に、中間ポケット5006bの遠位延在着面ゾーン5032は、内側ポケット5006aの受け入れ半島部5026内に配置され、中間ポケット5006bの近位延在着面ゾーン5030は、外側ポケット5006cの受け入れ半島部5026内に配置され、内側ポケット5006aの遠位延在着面ゾーン5032は、中間ポケット5006bの受け入れ半島部5026内に配置され、外側ポケット5006cの近位延在着面ゾーン5030は、中間ポケット5006bの受け入れ半島部5026内に配置される。
【0275】
ポケット5006の幾何形状により、ポケット5006がステープル形成面5002内で入れ子になりやすくなる。例えば、ポケット5006は、2つの拡大されたカップ5020と5022との間に狭くなったネック部分5024を有するため、別のポケット5006の拡大されたカップ5020、5022のうち1つは、その狭くなったネック部分5024に隣接して配置され得る。例えば、拡大されたカップ5020、5022のうち1つは、隣接するポケット5006の一部と整列していてもよく、及び/又はこれに受け入れられてもよい。このような場合に、ポケット5006によって覆われるステープル形成面5002の表面積は、最適化することができる。ステープル形成面5002の「形成比率」は、形成部分(即ち、ポケット5006)に対する非形成部分5008の比率である。ステープル形成面5002の形成比率は、約1:1である。他の場合には、形成比率は、1:1未満、又は1:1超であってもよい。例えば、少なくとも1つの場合に、ステープル形成面5002の50%より多くが、ステープル形成ポケット5006で覆われていてもよい。別の場合には、ステープル形成面5002の60%より多く、又は75%より多くが、ステープル形成ポケット5006で覆われていてもよい。
【0276】
ここで
図68~
図71Cを参照すると、アンビル5100の一部のステープル形成ポケット5106が示される。アンビル3800と同様に、ポケット5106は、アンビル5100のステープル形成面5102に沿ってヘリンボーン配置で配置されている。アンビル5100は、ステープル形成面5102と、長手方向スロット5104とを含む。長手方向スロット5104は、アンビル5100の長手方向軸LAに沿って延在している。特定の場合には、発射要素及び/又は切断要素は、発射ストロークの少なくとも一部の間、長手方向スロット5104を通って並進することができる。ステープル形成ポケット5106は、ステープル形成面5102内に画定される。ステープル形成面5102はまた、ポケット5106の周りに延在する非形成部分5108を含む。非形成部分5108は、各ポケット5106の周りに全体的に延びている。言い換えると、非形成部分5108は、ステープル形成ポケット5106を囲んでいる。他の場合には、2つ以上の隣接するポケット5106の少なくとも一部が、非形成部分5108がその間に配置されないように、当接接触していてもよい。
【0277】
ステープル形成面5102の形成比率を最適化することができる。形成比率を最適化することによって、より多くのステープルを形成することができ、及び/又は所望の構成になるように形成することができる。特定の場合には、アンビル5100の非形成部分5108の表面積を、ステープル形成ポケット5106に対して最小化してもよい。それに加えて、又はそれに代えて、ステープル形成ポケット5106の取り付け面積は、ステープルを捕捉し、形成するように設計されたステープル形成面5102の一部を最大化するために、伸長又は拡張されてもよい。
【0278】
図68に示されるポケット5106は、長手方向スロット5104の第1の側の内側列5114a、中間列5114b及び外側列5114cに配置されている。内側ポケット5106aは、内側列5114a内に配置されており、中間ポケット5106bは、中間列5114b内に配置されており、外側ポケット5106cは、外側列5114c内に配置されている。
図68には示されていないが、少なくとも1つの場合には、スロット5104の反対側にあるポケット5106は、長手方向スロット5104の第1の側面にあるポケット5106の鏡像反射を形成し得る。他の場合には、ステープル形成面5102内のポケット5106の配置は、スロット5104に対して非対称であってもよく、特定の場合には、アンビル5100は、長手方向スロット5104を備えていなくてもよい。種々の場合に、ポケット5106は、スロット5104のそれぞれの側にある3つより少ない列、又は3つより多い列に配置されていてもよい。
【0279】
内側ポケット5106aは、同一であり、中間ポケット5106bは、同一であり、外側ポケット5106cは、同一である。しかし、内側ポケット5106aは、中間ポケット5106b及び外側ポケット5106cとは異なっており、中間ポケット5106bは、外側ポケット5106cとは異なっている。言い換えると、各列5114a、5114b及び5114cのポケット5106は、異なっている。他の場合には、2つ以上の列のポケット5106が、同じであってもよい。例えば、内側ポケット5106aは、外側ポケット5106cと同じであってもよい。ポケット5106a、5106b及び5106cの延在着面ゾーン5130及び5132は、本明細書に記載されており、その異なる幾何形状に寄与し得る。更に、延在着面ゾーン5130及び5132の形状及び大きさは、隣接する入れ子になったポケット5106の周囲5116によって制限される。着面ゾーン5130及び5132は、弓状のプロファイルを画定する。他の場合には、着面ゾーン5030及び5032は、多角形であってもよく、及び/又は1つ若しくは2つ以上の線形及び/又は起伏のある部分を含んでいてもよい。
【0280】
各列5114a、5114b及び5114c内のポケットは異なっているが、ポケット5106は、ステープルを同じ、又は実質的に同じ形成済み形状に形成するように構成され得る。他の場合には、ポケット5106は、ステープルを異なる形成済み形状、例えば、異なる高さ及び/又は構成に形成するように構成され得る。特定の場合には、ポケット5106は、各列5114a、5114b及び5114c内で長手方向に変動してもよい。例えば、特定の場合には、本明細書に記載されるように、エンドエフェクタの長さに沿ったアンビルとステープルカートリッジとの間のギャップ距離及び/又は組織の流れの変動を調整するために、ポケット5106又はその一部の深さは、アンビル5100の長さに沿って変動してもよい。
【0281】
例示的な中間ポケット5106bを
図68~
図71Cに示す。ポケット5106bは、第1端(即ち近位端)5110と、第2端(即ち遠位端)5112とを有する。ポケット軸PA(
図69)は、ポケット5106bの近位端5110と遠位端5112との間に延在する。ポケット5106bは、周囲5116を有し、周囲5116は、ポケット5106bの境界を画定する。周囲5116は、線形部分と、起伏のある部分とを含む。より具体的には、周囲5116は、線形部分と、起伏のある角とを含み、その間で線形部分が方向を変える。再び
図68を参照すると、各ポケット5106の周囲5116の少なくとも一部は、1つ又は2つ以上の隣接するポケット5106の周囲の少なくとも一部に密に追随するか、又は平行である。ポケット5106bの丸みをおびた周囲5116は、滑らかなプロファイルをもたらすことができ、例えば、鋭い角を有するポケットよりも、ステープル形成面5102内で鋳造及び/又は型打ちを容易にすることができる。
【0282】
ポケット5106bは、近位カップ5120と、遠位カップ5122と、近位カップ5120と遠位カップ5122の間に延在するネック部分5124とを含む。ステープルが打ち込まれてステープル形成面5102との接点を形成する場合、近位カップ5120は、近位ステープル脚部と整列し、遠位カップ5122は、遠位ステープル脚部と整列する。カップ5120及び5122は、ステープル脚部をポケット軸PA及びポケット5106の中央部分(例えば、ネック部分5124)に向かわせるか、又は送り込み、ステープル脚部を変形させ、形成済み構成にするように構成されている。
【0283】
主に
図70を参照すると、ポケット5106bの各カップ5120、5122は、入口の傾斜5140と出口の傾斜5142とを画定する。ステープルを形成するとき、ステープル脚部の先端は、入口の傾斜5140に沿って、それぞれのポケット5120、5122に入り、出口の傾斜5142に沿って、それぞれのポケット5120、5122を出てもよい。入口の傾斜5140と出口の傾斜5142との間の頂点5146で、ステープル脚部の先端は、形成済み構成(例えば、B字形又は改変されたB字形)をとるように、ステープルベース部に向かって変形する。ポケット5106bはまた、近位カップ5120と遠位カップ5122との間のネック部分5124内にブリッジ部5144を画定する。ブリッジ部5144は、非形成部分5108からずれている。より具体的には、ブリッジ部5144は、非形成部分5108に対して下、又は凹んだ位置に配置されている。
【0284】
主に
図71A~
図71Cを参照すると、ポケット5106bは、側壁5150を含み、側壁5150は、非形成部分5108から延在している。側壁5150は、線形部分と、起伏のある部分とを含む。側壁5150は、各カップ5120、5122の中央領域5121(
図69)に向かって広くなっており、各カップ5120、5122の中央領域5121からネック部分5124に向かって狭くなっている。広くなった中央領域5121は、ステープル脚部の先端を受け入れるための、拡張された取り付け面積をもたらす。カップ5120、5122は、ネック部5124に向かって狭くなっているため、カップ5120、5122は、ポケット軸PAに向かって、及び/又はポケット軸PAに沿って、形成済み構成へとステープル脚部及びその先端を送り込み、及び/又は誘導するように構成されている。
【0285】
図71Aは、
図69のALL面に沿って取られており、これはステープル脚部の予想される着面位置に対応する。例えば、ステープル脚部の先端は、近位カップ5120内で、ALL面とポケット軸PAの交差する点で、及び/又はその付近で着面すると予想することができる。ALL面で、ポケット5106bは、幅W
Aと深さD
Aを画定する。
図71Bの断面は、近位カップ5120とネック5124との間の遷移部分を横切って取られている。
図71Bは、幅W
Bと深さD
Bを画定するポケット5106bを示す。幅W
Bは、幅W
Aよりも小さく、深さD
Bは、深さD
Aよりも大きい。言い換えると、ポケット5106bは、遠位カップ5120内のALL面からネック部5124に向かって狭くなり、かつ深くなっている。ALL面での比較的大きな幅W
Aは、ステープル脚部を受け入れるための幅広の入れ物又は容器をもたらすように構成されている。
図71Cの断面は、ネック部分5124を横切って取られている。
図71Cは、幅W
Cと深さD
Cを画定するポケット5106bを示す。幅W
Cは、幅W
Bよりも小さく、深さD
Cは、深さD
Bよりも小さい。言い換えると、ポケット5106bは、狭くなり続け、ブリッジ部5144を横切るネック5124内で、より浅くなる。
【0286】
ポケット5106bの底面5158は、平らな面である。他の場合には、底面5158は、その少なくとも一部に沿って画定される溝を有していてもよい。更なる場合には、底面5158は、例えば、谷部分を形成してもよく、及び/又はその少なくとも一部に沿って(例えば、ブリッジ部5144を横切って)ヘンプ部又は隆起部を含んでいてもよい。
【0287】
ここで、
図69を主に参照すると、ポケット5106bは、近位延在着面ゾーン5130と、遠位延在着面ゾーン5132とを含む。近位延在着面ゾーン5130は、近位カップ5120の近位部分に配置され、遠位延在着面ゾーン5132は、遠位カップ5122の遠位部分に配置される。より具体的には、延在着面ゾーン5130及び5132は、ステープルの予想される着面位置を超えて配置される。例えば、近位延在着面ゾーン5130は、ALL面に対して近位に配置され、ステープル脚部の先端が、ALL面を超えて着面する場合には、近位延在着面ゾーン5130は、ステープル脚部を捕捉し、これをポケット軸PAに向ける、及び/又はネック部分5124に向けることができる。
【0288】
延在着面ゾーン5130及び5132の幾何形状は、隣接するステープル形成ポケット5106の周囲5016によって制約される。例えば、延在着面ゾーン5130及び5132は、1つ以上の隣接するステープル形成ポケットに向かって、及び/又はこれとほぼ当接接触するように延在していてもよい。延在着面ゾーン5130及び5132及び/又はポケット5106bの他の部分は、隣接するステープル形成ポケット5106に対して平行に延在していてもよい。他の場合には、延在着面ゾーン5130及び5132は、1つ又は2つ以上の隣接するステープル形成ポケット5106に当接していてもよい。
【0289】
図69を再び参照すると、ポケット5106bは、ポケット軸PAを中心に非対称である。例えば、ポケット5106bの周囲5116は、ポケット軸PAを中心に非対称である。更に、ポケット5106bは、ネック部分5124を通って中心軸CAを中心に非対称であり、ポケット軸PAに垂直である。例えば、ポケット5106bの周囲5116は、中心軸CAを中心に非対称であり、近位カップ5120は、遠位カップ5122と異なる幾何形状を有する。近位カップ5120と遠位カップ5122は異なっているが、ポケット5106bは、対称なステープルを形成するように構成され得る。例えば、再び
図70を参照すると、本明細書に記載されるように、アンビルとステープルカートリッジとの間のギャップ距離及び/又は組織の流れの変動を調整するために、遠位の深さD
2は、近位の深さD
1より小さくてもよい。従って、ステープルの近位脚部及び遠位脚部の形成高さは、同じであってもよい。他の場合には、ポケット5106は、非対称ステープルを形成するように構成され得る。
【0290】
再び
図69を参照すると、ネック部分5124は、近位カップ5120及び遠位カップ5122より狭い。ポケット5106bのネック部分5124で狭くなった周囲5116は、近位カップ5120の一部と遠位カップ5122の一部との間に受け入れ半島部5126を画定する。受け入れ半島部5126は、ポケット5106bのそれぞれの側に配置されている。受け入れ半島部5126は、ポケット5106bの周囲5116と、ポケット5106のそれぞれの側にある近位カップ5120及び遠位カップ5122の最も広い部分に対する接線である接線軸(例えば、T
B1又はT
B2)によって境界が区切られる。第1の接線軸T
B1は、ポケット5106bの第1の側に配置されており、第2の接線軸T
B2は、ポケット5106bの反対側に配置されている。
図69に示される第1の接線軸T
B1及び第2の接線軸T
B2は、ポケット軸PAに対して歪んでいる。他の場合には、接線軸T
B1及びT
B2の一方又は両方が、ポケット軸PAに平行であってもよい。
【0291】
再び
図68を参照すると、ポケット5106の周囲5116が、ステープル形成面5102に沿って、入れ子になっているか、又は相互に絡み合っている。特に、各ポケット5106は、隣接するポケット5106の受け入れ半島部5126内へと延在している。例えば、中間ポケット5106bは、内側ポケット5106aと外側ポケット5106cとの間に入れ子になっている。違う言い方をすると、中間ポケット5106bは、隣接する内側ポケット5106aの受け入れ半島部5126内へと延在し、隣接する外側ポケット5106cの受け入れ半島部5126内へと延在する。更に、内側ポケット5106a及び外側ポケット5106bは、中間ポケット5106bと共に入れ子になっている。より具体的には、内側ポケット5106aは、隣接する中間ポケット5106bの受け入れ半島部5126内へと延在し、外側ポケット5106cは、隣接する中間ポケット5106bの受け入れ半島部5126内へと延在する。種々の場合に、中間ポケット5106bの遠位延在着面ゾーン5132は、内側ポケット5106aの受け入れ半島部5126内に配置され、中間ポケット5106bの近位延在着面ゾーン5130は、外側ポケット5106cの受け入れ半島部5126内に配置され、内側ポケット5106aの遠位延在着面ゾーン5132は、中間ポケット5106bの受け入れ半島部5126内に配置され、外側ポケット5106cの近位延在着面ゾーン5130は、中間ポケット5106bの受け入れ半島部5126内に配置される。
【0292】
ポケット5106の幾何形状により、ポケット5106がステープル形成面5102内で入れ子になりやすくなる。例えば、ポケット5106は、2つの拡大されたカップ5120と5122との間に狭くなったネック部分5124を有するため、別のポケット5106の拡大されたカップ5120、5122のうち1つは、その狭くなったネック部分5124に隣接して配置され得る。例えば、拡大されたカップ5120、5122のうち1つは、隣接するポケット5106の一部と整列していてもよく、及び/又はこれに受け入れられてもよい。このような場合に、ポケット5106によって覆われるステープル形成面5102の表面積は、最適化することができる。例えば、ポケット5106によって覆われるステープル形成面5102の表面積は、最大化される。ステープル形成面5102の「形成比率」は、形成部分(即ち、ポケット5106)に対する非形成部分5108の比率である。少なくとも1つの場合に、形成比率は、例えば、少なくとも1:1であってもよい。特定の場合には、ステープル形成面5102の60%より多く、又は75%より多くが、ステープル形成ポケット5106によって覆われていてもよい。
【0293】
ここで
図72~
図76Cを参照すると、アンビル5200の一部のステープル形成ポケット5206が示される。アンビル3800と同様に、ポケット5206は、アンビル5200のステープル形成面5202に沿ってヘリンボーン配置で配置されている。アンビル5200は、ステープル形成面5202と、長手方向スロット5204とを含む。長手方向スロット5204は、アンビル5200の長手方向軸LAに沿って延在している。特定の場合には、発射要素及び/又は切断要素は、発射ストロークの少なくとも一部の間、長手方向スロット5204を通って並進することができる。ステープル形成ポケット5206は、ステープル形成面5202内に画定される。ステープル形成面5202はまた、ポケット5206の周りに延在する非形成部分5208を含む。非形成部分5208は、各ポケット5206の周りに全体的に延びている。言い換えると、非形成部分5208は、ステープル形成ポケット5206を囲んでいる。他の場合には、2つ以上の隣接するポケット5206の少なくとも一部が、非形成部分5208がその間に配置されないように、当接接触していてもよい。
【0294】
ステープル形成面5202の形成比率を最適化することができる。形成比率を最適化することによって、より多くのステープルを形成することができ、及び/又は所望の構成になるように形成することができる。特定の場合には、アンビル5200の非形成部分5208の表面積を、ステープル形成ポケット5206に対して最小化してもよい。それに加えて、又はそれに代えて、ステープル形成ポケット5206の取り付け面積は、ステープルを捕捉し、形成するように設計されたステープル形成面5202の一部を最大化するために、伸長又は拡張されてもよい。
【0295】
図72に示されるポケット5206は、長手方向スロット5204の第1の側の内側列5214a、中間列5214b及び外側列5214cに配置されている。内側ポケット5206aは、内側列5214a内に配置されており、中間ポケット5206bは、中間列5214b内に配置されており、外側ポケット5206cは、外側列5214c内に配置されている。
図72には示されていないが、少なくとも1つの場合には、スロット5204の反対側にあるポケット5206は、長手方向スロット5204の第1の側面にあるポケット5206の鏡像反射を形成し得る。他の場合には、ステープル形成面5202内のポケット5206の配置は、スロット5204に対して非対称であってもよく、特定の場合には、アンビル5200は、長手方向スロット5204を備えていなくてもよい。種々の場合に、ポケット5206は、スロット5204のそれぞれの側にある3つより少ない列、又は3つより多い列に配置されていてもよい。
【0296】
図72に示されるポケット5206は、同一である。ステープル形成面5202に画定される各ポケット5206は、同じ幾何形状を有する。他の場合には、ポケット5206の幾何形状は、列ごとに異なっていてもよく、及び/又はアンビル5200の長さに沿って長手方向に異なっていてもよい。例えば、特定の場合には、本明細書に記載されるように、エンドエフェクタの長さに沿ったアンビルとステープルカートリッジとの間のギャップ距離及び/又は組織の流れの変動を調整するために、ポケット5206の深さは、アンビル5200の長さに沿って変動してもよい。
【0297】
ポケット5206は、ステープルを、同じ、又は実質的に同じ形成済み形状に形成するように構成され得る。本明細書に記載されるとおり、ポケット5206は、各ステープルを同じ非対称形状に形成するように構成され得る。他の場合には、ポケット5206は、ステープルを異なる形成済み形状、例えば、異なる高さ及び/又は構成に形成するように構成され得る。
【0298】
例示的な中間ポケット5206bを
図73~
図76Cに示す。ポケット5206bは、第1端(即ち近位端)5210と、第2端(即ち遠位端)5212とを含む。ポケット軸PA(
図72)は、ポケット5206bの近位端5210と遠位端5212との間に延在する。ポケット5206bは、周囲5216を有し、周囲5216は、ポケット5206bの境界を画定する。周囲5216は、線形部分と、起伏のある部分とを含む。
【0299】
ポケット5206bは、近位カップ5220と、遠位カップ5222と、近位カップ5220と遠位カップ5222の間に延在するネック部5224とを含む。ステープルが打ち込まれてステープル形成面5202との接点を形成する場合、近位カップ5220は、近位ステープル脚部と整列し、遠位カップ5222は、遠位ステープル脚部と整列する。カップ5220及び5222は、ステープル脚部をポケット軸PA及びポケット5206の中央部分(例えば、ネック部分5224)に向かわせるか、又は送り込み、ステープル脚部を変形させ、形成済み構成にするように構成されている。他の場合には、カップ5222は、カップ5220に対して近位であってもよい。
【0300】
主に
図70を参照すると、ポケット5206bの各カップ5220、5222は、それぞれ入口の傾斜5240a及び5240bと、それぞれ出口の傾斜5242a及び5242bとを画定する。ステープルを形成するとき、ステープル脚部の先端は、入口の傾斜5240a及び5240bに沿って、それぞれのポケット5220、5222に入り、出口の傾斜5242a及び5242bに沿って、それぞれのポケット5220、5222を出てもよい。入口の傾斜5240a、5240bと出口の傾斜5242a、5242bとの間の頂点5246a、5246bそれぞれで、ステープル脚部の先端は、形成済み構成(例えば、B字形又は改変されたB字形)をとるように、ステープルベース部に向かって変形する。ポケット5206bはまた、近位カップ5220と遠位カップ5222との間にブリッジ部5244を画定する。ブリッジ部5244は、非形成部分5208からずれている。より具体的には、ブリッジ部5244は、非形成部分5208に対して下、又は凹んだ位置に配置されている。
【0301】
図73を再び参照すると、ポケット5206bは、ポケット軸PAを中心に対称である。例えば、ポケット5206bの周囲5216は、ポケット軸PAを中心に対称である。更に、ポケット5206bは、ネック部分5224を通って中心軸CAを中心に非対称であり、ポケット軸PAに垂直である。例えば、ポケット5206bの周囲5216は、中心軸CAを中心に非対称であり、近位カップ5220は、遠位カップ5222と異なる幾何形状を有する。カップ5220と5222の非対称性は、非対称なステープルを形成するように構成されている。例えば、再び
図74を参照すると、遠位の深さD
2は、近位の深さD
1よりも小さく、遠位脚部よりも近位脚部での形成高さが大きいステープルを形成するように構成されている。遠位の深さD
2は、近位の深さD
1より約0.002インチ小さくてもよい。他の場合には、遠位の深さD
2と近位の深さD
1との差は、0.002インチより大きくてもよく、及び/又は小さくてもよい。特定の場合には、この差は、ステープル直径の1%~10%であってもよい。例えば、この差は、ステープル直径の約2%であってもよい。他の場合には、ステープルの形成高さは、近位脚部よりも遠位脚部で大きくてもよい。各カップ5220、5222の長さも異なっている。例えば、遠位長さD
2は、
図74において、近位長さD
1よりも長い。更に、ポケット5206b内の入口の傾斜5240a及び5240bの傾きは、異なっており、ポケット5206b内の出口の傾斜5242a及び5242bの傾きも、異なっている。
【0302】
種々の場合に、ポケット5206bの一部において深さが小さくなると、アンビルの剛性が向上し得る。例えば、遠位の深さD2が、近位の深さD1よりも小さいため、アンビル5200は、その剛性を高めることができる更なる材料で構成される。更に、増えた材料は、アンビル5200の遠位部分にあるため、このような部分は、剛性が高まっていてもよく、遠位端に向かってアンビルの屈曲又は変形を制限することができる。
【0303】
近位カップ5220及び遠位カップ5222の幾何形状の差によって、それぞれ、組織の移動又は流れに合わせることができる。より具体的には、組織がアンビル5200に対してクランプ留めされる場合、クランプ留めされた組織内の流体は、隣接するクランプ留めされていない組織に向かって流れてもよく、又は移動してもよい。組織は、アンビル5200の長手方向側に向かって横方向に、アンビル5200の遠位端に向かって遠位に、及び/又はアンビル5200の近位端に向かって近位に流れることができる。特定の場合には、刃先が組織を通って遠位に進む場合、組織は、アンビル5200に対して流れることができる。このような実例において、組織は、横方向に、遠位に、及び/又は近位に流動し得るが、主に、刃先の遠位方向の移動に起因して遠位に流動する。刃先が、組織を切開するために近位に移動する場合、組織の移動又は流れは、切断ストローク中に、一般的に近位方向であろう。近位カップ5220及び遠位カップ5222の異なる幾何形状によって、それぞれ、組織の移動又は流れに合わせることができ、これにより、埋め込まれたステープル脚部を移動させるか、又は歪めることができる。
【0304】
主に
図75A~
図76Cを参照すると、ポケット5206bは、側壁5250を含み、側壁5250は、非形成部分5208から延在している。カップ5220、5222は、ポケット軸PAに向かって、及び/又はポケット軸PAに沿って、形成済み構成へとステープル脚部及びその先端を送り込み、及び/又は誘導するように構成されている。近位カップ5220及び遠位カップ5222の異なる幾何形状に起因して、打ち込まれてポケット5206bとの接点を形成するとき、近位ステープル脚部の経路は、遠位ステープル脚部の経路とは異なっていてもよい。特定の場合には、非対称なステープルポケット5206bは、対称な未形成ステープルから非対称ステープルを形成してもよい。それに加えて、又はそれに代えて、非対称な未形成ステープルから、ステープルポケット5206bによって、非対称な形成済みステープルが形成され得る。
【0305】
図75Aは、
図73のALL
1面に沿って取られており、これは近位ステープル脚部の予想される着面位置に対応する。例えば、近位ステープル脚部の先端は、近位カップ5220内で、ALL
1面とポケット軸PAの交差する点で、及び/又はその付近で着面すると予想することができる。ALL
1面で、近位カップ5220は、幅W1
Aと深さD1
Aを画定する。
図75Bの断面は、近位カップ5220とネック5224との間の遷移部分を横切って取られている。
図75Bは、幅W1
Bと深さD1
Bを画定する近位カップ5220を示す。幅W1
Bは、幅W1
Aよりも大きく、深さD1
Bは、深さD1
Aよりも大きい。言い換えると、近位カップ5220は、近位カップ5220のALL
1面からネック5224に向かって広くなり、かつ深くなっている。
図75Cの断面は、ネック部分5224の近位端を横切って取られている。
図75Cは、幅W1
Cと深さD1
Cを画定するポケット5206bを示す。幅W
1Cは、幅W1
Bよりも小さく、深さD1
Cは、深さD1
Bよりも小さい。言い換えると、ポケット5206bは、狭くなり続け、ブリッジ部5244を横切るネック5224内で、より浅くなる。
【0306】
図76Aは、
図73のALL
2面に沿って取られており、これは遠位ステープル脚部の予想される着面位置に対応する。例えば、遠位ステープル脚部の先端は、遠位カップ5222内で、ALL
2面とポケット軸PAの交差する点で、及び/又はその付近で着面すると予想することができる。ALL
2面で、遠位カップ5222は、幅W2
Aと深さD2
Aを画定する。幅W2
Aは、幅W1
Aとは異なっており、深さD2
Aは、深さD1
Aとは異なっている。
図76Bの断面は、遠位カップ5222とネック5224との間の遷移部分を横切って取られている。
図76Bは、幅W2
Bと深さD2
Bを画定する遠位カップ5222を示す。幅W2
Bは、幅W1
Bとは異なっており、深さD2
Bは、深さD1
Bとは異なっている。幅W2
Bは、幅W2
Aよりも小さく、深さD2
Bは、深さD2
Aよりも大きい。言い換えると、遠位カップ5222は、遠位カップ5222内のALL
2面からネック5224に向かって狭くなり、かつ深くなっている。
図76Cの断面は、ネック部分5224の遠位端を横切って取られている。
図76Cは、幅W2
Cと深さD2
Cを画定するポケット5206bを示す。幅W2
Cは、幅W1
Cとは異なっており、深さD2
Cは、深さD1
Cとは異なっている。幅W2
Cは、幅W2
Bよりも小さく、深さD2
Cは、深さD2
Bよりも小さい。言い換えると、ポケット5206bは、狭くなり続け、ブリッジ部5244を横切るネック5224内で、より浅くなる。
【0307】
ポケット5206bの底面5258は、平らな面である。他の場合には、底面5258は、その少なくとも一部に沿って画定される溝を有していてもよい。更に他の場合には、底面5258は、例えば、谷部分を形成してもよく、及び/又はその少なくとも一部に沿って(例えば、ブリッジ部5244を横切って)ヘンプ部又は隆起部を含んでいてもよい。
【0308】
ここで、
図73を主に参照すると、ポケット5206bは、近位延在着面ゾーン5230と、遠位延在着面ゾーン5232とを含む。近位延在着面ゾーン5230は、近位カップ5220の近位部分に配置され、遠位延在着面ゾーン5232は、遠位カップ5222の遠位部分に配置される。より具体的には、延在着面ゾーン5230及び5232は、ステープルの予想される着面位置を超えて配置される。例えば、近位延在着面ゾーン5230は、ALL
1面に対して近位に配置され、ステープル脚部の先端が、ALL
1面を超えて着面する場合には、近位延在着面ゾーン5230は、ステープル脚部を捕捉し、これをポケット軸PAに向ける、及び/又はネック部分5224に向けることができる。遠位延在着面ゾーン5232は、ALL
2面に対して遠位に配置され、ステープル脚部の先端が、ALL
2面を超えて着面する場合には、遠位延在着面ゾーン5232は、ステープル脚部を捕捉し、これをポケット軸PAに向ける、及び/又はネック部分5224に向けることができる。特定の場合には、延在着面ゾーン5230、5232の幾何形状は、隣接する入れ子になったステープル形成ポケット5206の幾何形状によって制約されるか、又は制限されてもよい。
【0309】
再び
図73を参照すると、ネック部分5224は、近位カップ5220及び遠位カップ5222より狭い。ポケット5206bのネック部分5224で狭くなった周囲5216は、近位カップ5220の一部と遠位カップ5222の一部との間に受け入れ半島部5226を画定する。受け入れ半島部5226は、ポケット5206bのそれぞれの側に配置されている。受け入れ半島部5226は、ポケット5206bの周囲5216と、ポケット5206のそれぞれの側にある近位カップ5220及び遠位カップ5222の最も広い部分に対する接線である接線軸(例えば、T
B1及びT
B2)によって境界が区切られる。第1の接線軸T
B1は、ポケット5206bの第1の側に配置されており、第2の接線軸T
B2は、ポケット5206bの反対側に配置されている。
図73に示される第1の接線軸T
B1及び第2の接線軸T
B2は、ポケット軸PAに対して歪んでいる。他の場合には、接線軸T
B1及びT
B2の一方又は両方が、ポケット軸PAに平行であってもよい。
【0310】
種々の場合に、ポケット5206の幾何形状により、ポケット5206がステープル形成面5202内で入れ子になり、及び/又は密に配置されやすくすることができる。例えば、ポケット5206によって覆われるステープル形成面5202の表面積は、最適化することができる。ステープル形成面5202の「形成比率」は、形成部分(即ち、ポケット5206)に対する非形成部分5208の比率である。少なくとも1つの場合に、形成比率は、例えば、少なくとも1:1であってもよい。
【0311】
本明細書で記載されるように、エンドエフェクタのためのステープルカートリッジ内のステープルキャビティ及びステープルの配置は、エンドエフェクタのアンビル内のステープル形成ポケットの配置に対応していてもよく、又はこれと一致していてもよい。より具体的には、各ステープルキャビティの角度の向きと間隔は、それぞれのステープル形成ポケットの角度の向きと間隔と一致していてもよい。例えば、ステープルキャビティがヘリンボーンパターンで配置されている場合、ステープル形成ポケットは、対応するヘリンボーンパターンで配置されていてもよい。
【0312】
特定の場合には、エンドエフェクタは、ステープルキャビティの配置を有するステープルカートリッジと、ステープル形成ポケットの対応しない配置を有するアンビルとを備えていてもよい。例えば、ステープルキャビティは、長手方向軸に対して斜めに配向されていてもよく、ステープル形成ポケットは、長手方向軸に対して平行に配向されていてもよい。特定の場合には、エンドエフェクタは、ステープルキャビティの異なる配置を有する異なるステープルカートリッジを受け入れるように構成されることができ、例えば、エンドエフェクタのアンビルは、異なるステープルカートリッジ及び内部のステープルキャビティの変形の全てと適合していなくてもよい。このような場合に、アンビルは、ステープル形成ポケットの適切な配置を有する付属品(例えばアンビルプレート)を用いて改良されるか、又は適応されてもよい。
【0313】
外科用エンドエフェクタ5500を
図77~
図79に示す。エンドエフェクタ1100(
図1~
図4)と同様に、エンドエフェクタ5500は、細長チャンネル1102を備えており、チャンネルは、内部のステープルカートリッジ5510を動作可能に支持するように構成されている。ステープルカートリッジ5510は、多くの態様で、ステープルカートリッジ1110と同様である。例えば、ステープルカートリッジは、デッキ部5515を有するステープルカートリッジ本体5511を備えている。長手方向スロット5514は、デッキ部5515を通り、本体5511の近位端部分5512から、本体5511の遠位端部分5513に向けて延在する。角度を付けて配向されたステープルキャビティ5516は、カートリッジ本体5511内に画定されており、各ステープルキャビティ5516は、デッキ部5515内の開口部を画定している。各ステープルキャビティ5516の開口部は、長手方向スロット5514に対して斜めの角度で配向される。ステープルキャビティ5516は、ヘリンボーンパターンで配置されている。ステープルは、ステープルキャビティ内に着脱可能に配置される。
【0314】
エンドエフェクタ5500はまた、細長チャンネル1102に対して枢動可能に支持されるアンビル5530も備えている。アンビル5530は、多くの態様で、アンビル1130と同様である。例えば、アンビル5530は、ステープル形成面5502と、長手方向スロット5504とを含む。特定の場合には、発射要素及び/又は切断要素、例えば、スレッドアセンブリ1120及び/又は発射部材1760(
図4)は、例えば、発射ストロークの少なくとも一部の間、長手方向スロット5504を通って並進することができる。組織停止部5531は、カートリッジ本体5511の近位端部分5512とアンビル5530との間の組織の位置決めを制御するために、ステープルカートリッジ5510に向かって下向きに延在する。ステープル形成ポケット5506は、ステープル形成面5502に画定され、形成面はまた、ポケット5506の周りに延在する非形成部分5508を含む。ステープル形成ポケット5506は、長手方向スロット5504に対して平行に配向される。言い換えると、ステープル形成ポケット5506の配置は、ステープルキャビティ5516の配置に適合しないか、又は対応しない。ステープルが、ステープルカートリッジ5510から発射され、アンビル5530との接点を形成するのであれば、このようなステープルの大部分は、未形成であるか、及び/又は正しく形成されていないと思われる。
【0315】
エンドエフェクタ5500はアダプタアセンブリ5540を備え、アセンブリは、アンビル5530をステープル形成ポケットに適した配置に適応させるように構成されている。ステープルカートリッジ5510は、アダプタアセンブリ5540の一部である。アダプタアセンブリ5540はまた、アンビルプレート5550と、接続材料5570とを備えている。アンビルプレート5550の近位部分は、バネ5551を形成し、バネ5551においてアンビルプレート5550がステープルカートリッジ5510に取り付けられている。このように、例えばアンビル5530によって、閉じる運動がアンビルプレート5550に加えられると、アンビルプレート5550は、近位バネ5551でステープルカートリッジ5510に向かって下向きに枢動するように構成されている。バネ5551は、アンビルプレート5550を、
図77に示す構成に向かって付勢することができ、これによりアダプタアセンブリ5540をアンビル5530に着脱可能に取り付けるのが容易になるだろう。
【0316】
アンビルプレート5550内のステープル形成ポケットの配置は、ステープルカートリッジ内のステープルキャビティ5516の配置に対応する。アンビルプレート5550は、ステープル形成面5502と、長手方向スロット5554とを含んでおり、長手方向スロット5554は、アダプタアセンブリ5540がエンドエフェクタ5500内に設置されるとき、アンビル5530内の長手方向スロット5504及びステープルカートリッジ5510内の長手方向スロット5514と整列する。ステープル形成ポケット5556は、ステープル形成面5502に画定され、非形成部分5558(
図77)は、ステープル形成ポケット5556の周りに延在する。示した実施形態では、ステープル形成ポケット5556は、長手方向スロット5554に対して斜めの角度で配向される。より具体的には、ステープル形成ポケット5556は、ヘリンボーンパターンで配置されており、これは、ステープルキャビティ5516のヘリンボーンパターンに対応する。アンビルプレート5550は、ステープル形成ポケットが型打ちされた材料シートであってもよい。
【0317】
アンビルプレート5550内のステープル形成ポケット5556の配置は、ステープルカートリッジ内のステープルキャビティ5516の配置に対応する。言い換えると、アンビルプレート5550内の各ステープル形成ポケット5556は、ステープルキャビティ5516の角度及び位置に対応する。読者は、ステープルカートリッジが、種々の異なる配置のステープルキャビティを含んでいてもよく、種々の例示的な配置のステープルキャビティが本明細書に記載されることを理解するだろう。例えば、ステープルカートリッジは、斜めに配向されたステープルキャビティ及び/又は1つ若しくは2つ以上の平行な、及び/又は角度的にずれたステープルキャビティの長手方向の繰り返しパターンを含んでいてもよい。それに加えて、又はそれに代えて、ステープルカートリッジは、ステープルキャビティの複数の別個のパターンを含んでいてもよい。更に他の場合には、ステープルキャビティの配置は、カートリッジ本体に沿って横方向及び/又は長手方向に様々であってもよい。ステープルカートリッジ内のステープルキャビティの配置がどうであれ、ステープル形成ポケットの対応する配置は、アダプタアセンブリ5540の相補形のアンビルプレート5550によってもたらすことができる。
【0318】
アンビルプレート5500は、ステープルカートリッジ5510に接続可能であり、接続材料5570は、アンビルプレート5500に取り付けられる。使用中に、ステープルカートリッジ5510が、細長チャンネル1102に挿入されると、アダプタアセンブリ5540のアンビルプレート5500及び接続材料5570も、細長チャンネル1102とアンビル5530との間に配置される。特定の場合には、接続材料5570を用いて、アンビルプレート5550をアンビル5530のステープル形成面5502に固定するか、又は他の様式で取り付けるために、アンビル5530が、細長チャンネル1102に向かって下向きに枢動してもよい。それに加えて、又はそれに代えて、バネ部材5551は、アンビルプレート5550及びその上にある接続材料5570を、アンビル5530との接続へと、及び/又はそれに向かって付勢してもよい。アダプタアセンブリ5540が、エンドエフェクタ5500内に設置される場合、アンビル5530は、ステープルカートリッジ5510と共に使用するために効果的に改良されるか、又は適応される。
【0319】
ステープルカートリッジ5510及びアンビルプレート5550は、ステープルカートリッジ5510内のステープルキャビティ5516を、アンビルプレート5500内の対応するステープル形成ポケット5556と整列させるための整列特徴部を含んでもよい。例えば、ステープルカートリッジ5510は、整列開口部5520を含み(
図77)、アンビルプレート5550は、整列ポスト又はピン5562を含んでいる。整列ピン5562は、整列開口部5520に受け入れられ、アンビルプレート5550をステープルカートリッジ5510に対して位置決めする。例えば、整列ピン5562は、整列開口部5520に押しはめされてもよい。整列開口部5520と整列ピン5562の間の接続は、例えば、ステープルカートリッジ5510及びアンビルプレート5550を長手方向に整列させるように構成されている。
【0320】
特定の場合には、製造業者及び/又は販売業者は、アセンブリ5540をあらかじめ組み立てた状態で提供してもよい。例えば、外科医又はそのアシスタントが、外科手技のためにアセンブリ5540を得る前に、アンビルプレート5550は、ステープルカートリッジ5510と押しはめされて係合することができる。他の場合には、外科医及び/又はそのアシスタントは、アセンブリ5540を組み立てることができる。
【0321】
アンビルプレート5550はまた、アンビルプレート5550をアンビル5530と整列させるための整列特徴部を含む。例えば、アンビルプレート5550は、遠位整列フランジ5564を備えている。遠位整列フランジ5564は、アンビル5530内の長手方向スロット5504に受け入れられ、アンビルプレート5550をアンビル5530に対して位置決めする。例えば、遠位整列フランジ5564は、長手方向スロット5504に押しはめされてもよい。整列フランジ5564と長手方向スロット5504の間の接続は、例えば、アンビルプレート5550及びアンビル5530を横方向に整列させるように構成されている。
【0322】
接続材料5570は、可撓性材料である。例えば、接続材料5570は、エラストマー及び/又は低密度ポリエチレンを含んでいてもよい。種々の場合に、接続材料5570は、アンビルプレート5550上にオーバーモールドされてもよい。アンビル5530に接着するか、又は他の様式で固定される場合、接続材料5570は、ステープル形成面5502のプロファイルに適合する変形構成をとるように構成されている。例えば、未形成構成の接続材料5570を
図77に示し、形成済み構成の接続材料5570を
図78に示す。主に
図78を参照すると、接続材料5570は、ステープル形成ポケット5506に流れ、これを充填する。言い換えると、ステープル形成ポケット5506は、接続材料5570内に入れ込まれる。このような場合に、接続材料5570は、形成プロセス中にアンビルプレート5550を補強することができる。例えば、アンビルプレート5550が、使用中に衝撃を受けたり他の力を受けたりする場合、アンビルプレート5550とアンビル5530の間の接続材料5570は、アンビルプレート5550のための裏打ちを与え、アンビル5530に対するアンビルプレート5550の変形を防ぐ、及び/又は制限することができる。
【0323】
接続材料5570は、チャンネル5572を備えている。チャンネル5572は、その長さの一部に沿って延在している。
図77には示されていないが、同様のチャンネル5572が、アダプタアセンブリ5540の反対側に沿った接続材料5570内に画定されてもよい。アンビルプレート5550のリップ部5566は、チャンネル5572内に配置されている。リップ部5566は、実質的にU字形である。他の場合には、リップ部5566は、L字形、直線、及び/又は起伏のある形状であってもよい。アンビルプレート5500はまた、接続材料5570内の長手方向スロット5574(
図77)及びアンビル5530内の長手方向スロット5504と整列した内側隆起部5568を有する。隆起部5568は、エンドエフェクタ5500の長さに沿ってアダプタアセンブリ5540の整列を容易にするように構成されている。種々の場合に、接続材料5570は、アンビルプレート5550上にモールド成型されてもよい。例えば、接続材料5570は、リップ部5566及び/又は隆起部5568の周りにモールド成型されてもよい。
【0324】
エンドエフェクタ5500の一部を
図79にも示す。アダプタアセンブリ5640は、
図79で、エンドエフェクタ5500内に設置される。アダプタアセンブリ5640は、多くの態様で、アダプタアセンブリ5540と同様である。例えば、アダプタアセンブリ5640は、ステープル形成面5652と長手方向スロット5654とを有するアンビルプレート5650を備えており、アンビル5530内の長手方向スロット5504と整列している。ステープル形成ポケット5656は、ステープル形成面5652に画定され、非形成部分5658は、ステープル形成ポケット5656の周りに延在する。ステープル形成ポケット5656は、長手方向スロット5654に対して斜めの角度で配向される。より具体的には、ステープル形成ポケット5656は、ヘリンボーンパターンで配置されており、これは、ステープルキャビティ5516のヘリンボーンパターンに対応する(
図77)。アンビルプレート5650は、ステープル形成ポケットが型打ちされた材料シートであってもよい。
【0325】
アダプタアセンブリ5640は、変形可能な材料(例えば、変形可のウン材料5570)を含まない。むしろ、アンビルプレート5650は、アンビル5530に直接的に係合するように構成されている。アンビルプレート5650は、リップ部5666を備えており、リップ部5666は、ステープル形成面5502に対して配置されている。リップ部5666は、実質的にU字形である。他の場合には、リップ部5666は、L字形、直線、及び/又は起伏のある形状であってもよい。アンビルプレート5600はまた、アンビル5530内の長手方向スロット5504と整列した内側隆起部5668を有する。隆起部5668は、エンドエフェクタ5600の長さに沿ってアダプタアセンブリ5640の整列を容易にするように構成されている。
【0326】
他の場合には、アンビルプレート5650は、アンビル5530のステープル形成面5502に埋め込まれていてもよい。例えば、アンビルプレート5650のステープル形成ポケット5656は、アンビル5530内のステープル形成ポケット5506の内で少なくとも部分的に入れ子になっていてもよい。ステープル形成ポケット5656の配置、量及び/又は幾何形状は、ステープル形成ポケット5506の配置、量及び/又は幾何形状とは異なるが、ステープル形成ポケット5656の一部は、ステープル形成ポケット5506の一部内に配置されてもよい。
【0327】
本明細書で説明した外科用器具システムの多くは、電動モータにより動作するが、本明細書で説明した外科用器具システムは、任意の好適な方式で動作することができる。様々な事例において、本明細書で説明した外科用器具システムは、例えば、手動操作トリガにより動作することができる。ある特定の例において、本明細書に開示されるモータは、ロボット制御システムの部分を備えてもよい。更に、本明細書に開示されるエンドエフェクタ及び/又は工具アセンブリのいずれもロボット手術器具システムと共に利用することができる。米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」、現在の米国特許出願公開第2012/0298719号は、例えば、ロボット外科用器具システムのいくつかの例を更に詳細に開示している。
【実施例】
【0328】
実施例1-ステープルカートリッジであって、長手方向軸と、カートリッジ本体であって、複数のステープルキャビティが、カートリッジ本体内に画定されており、複数のステープルキャビティの大部分が、長手方向の繰り返しパターンで配置されており、複数のステープルキャビティが、不規則なステープルキャビティを更に含み、不規則なステープルキャビティが、長手方向の繰り返しパターン中のステープルキャビティから角度的にずれている、カートリッジ本体と、ステープルキャビティ内に配置される複数のステープルと、を備える、ステープルカートリッジ。
【0329】
実施例2-カートリッジ本体内の近位位置と遠位位置との間で並進するように構成された発射要素を更に備えており、長手方向の繰り返しパターンが、発射要素の遠位位置を超えて遠位に延在する、実施例1に記載のステープルカートリッジ。
【0330】
実施例3-長手方向の繰り返しパターンが、長手方向軸に対して斜めに配向されるステープルキャビティのパターンからなる、実施例1又は2に記載のステープルカートリッジ。
【0331】
実施例4-カートリッジ本体が、デッキ部を備え、ステープルキャビティはそれぞれ、デッキ部内に開口部を画定し、パターン中のステープルキャビティの開口部がヘリンボーンパターンを形成する、実施例1、2又は3に記載のステープルカートリッジ。
【0332】
実施例5-不規則なステープルキャビティの開口部が、近位端及び遠位端を有しており、ステープルキャビティ軸が近位端と遠位端との間に延在しており、ステープルキャビティ軸が、長手方向軸と平行である、実施例1、2、3又は4に記載のステープルカートリッジ。
【0333】
実施例6-ステープルカートリッジであって、長手方向軸と、カートリッジ本体であって、複数のステープルキャビティが、カートリッジ本体内に画定されており、複数のステープルキャビティが、複数のパターンで配置されており、複数のパターンが、長手方向軸に対して角度を付けて配向されたステープルキャビティの長手方向の繰り返しパターンを含む第1のパターン、及び第1のパターンと横方向に整列し、第1のパターンから長手方向にずれており、第1のパターンとは異なる、第2のパターンを含む、カートリッジ本体とを備える、ステープルカートリッジ。ステープルカートリッジは、ステープルキャビティ内に配置される複数のステープルを更に備えている。
【0334】
実施例7-カートリッジ本体がデッキ部を含み、長手方向の繰り返しパターンが、デッキ部内の第1の開口部を画定する第1のステープルキャビティと、デッキ部内の第2の開口部を画定する第2のステープルキャビティであって、第2の開口部が、第1の開口部に対して斜めに配向されている、第2のステープルキャビティと、を含む、実施例6に記載のステープルカートリッジ。
【0335】
実施例8-長手方向の繰り返しパターンが、ヘリンボーンパターンを含む、実施例6又は7に記載のステープルカートリッジ。
【0336】
実施例9-第2のパターンが、デッキ部内の第3の開口部を画定する第3のステープルキャビティを含み、第3の開口部が、第1の開口部及び第2の開口部に対して斜めに配向されている、実施例6、7又は8に記載のステープルカートリッジ。
【0337】
実施例10-第2のパターンが、デッキ部内の第4の開口部を画定する第4のステープルキャビティを更に含み、第4の開口部が、第3の開口部と平行である、実施例6、7、8又は9に記載のステープルカートリッジ。
【0338】
実施例11-複数のステープルドライバを更に備え、複数のステープルドライバが、第3のステープルキャビティ内に配置され、第1の傾斜プロファイルを含む、第1のドライバと、第4のステープルキャビティ内に配置され、第2の傾斜プロファイルを含む、第2のドライバと、を含み、第1のドライバが、第2のドライバに接続しており、第1の傾斜プロファイルが、第2の傾斜プロファイルとは異なる、実施例10に記載のステープルカートリッジ。
【0339】
実施例12-第4の開口部が、第3の開口部に対して長手方向に互い違いに配置されている、実施例10又は11に記載のステープルカートリッジ。
【0340】
実施例13-第2のパターンが、近位パターンを含む、実施例6、7、8、9、10、11又は12に記載のステープルカートリッジ。
【0341】
実施例14-複数のパターンが、第1のパターンと横方向に整列し、第1のパターンから長手方向にずれている第3のパターンを更に含み、第3のパターンが、第1のパターンとは異なる、実施例6、7、8、9、10、11、12又は13に記載のステープルカートリッジ。
【0342】
実施例15-第1のパターンが、第2のパターンと第3のパターンの中間に配置されている、実施例14に記載のステープルカートリッジ。
【0343】
実施例16-発射ストローク中にカートリッジ本体に対して移動するように構成された刃先を更に備えており、刃先が、近位位置と遠位位置との間を移動するように構成されており、第3のパターンが、刃先の遠位位置に対して遠位に配置されている、実施例14又は15に記載のステープルカートリッジ。
【0344】
実施例17-組織をステープル留めするためのエンドエフェクタであって、ステープルカートリッジであって、カートリッジ本体を備え、複数のステープルキャビティが、カートリッジ本体内に画定されており、複数のステープルキャビティが、複数のパターンで配置されている、ステープルカートリッジを備える、エンドエフェクタ。複数のパターンは、長手方向軸に対して角度を付けて配向されたステープルキャビティの長手方向の繰り返しパターンを含む第1のパターン、及び第1のパターンから長手方向にずれており、第1のパターンとは異なる、第2のパターンとを含む。エンドエフェクタは、近位位置と遠位位置との間を移動するように構成された刃先と、組織停止部であって、第1のパターンが、組織停止部と刃先の遠位位置との間に延在している、組織停止部とを更に備える。
【0345】
実施例18-第2のパターンが、複数の平行なステープルキャビティを含む、実施例17に記載のエンドエフェクタ。
【0346】
実施例19-平行なステープルキャビティが、第1のパターン内のステープルキャビティに対して斜めに配向されている、実施例17又は18に記載のエンドエフェクタ。
【0347】
実施例20-アンビルを更に備えており、組織停止部が、アンビルからステープルカートリッジに向かって延在する一対の側壁を備えている、実施例17、18又は19に記載のエンドエフェクタ。
【0348】
実施例21-外科用ステープラと共に使用するためのエンドエフェクタであって、複数のステープルを含むステープルカートリッジであって、複数のステープルが第1のステープルを含み、第1のステープルが、近位脚部と遠位脚部とを有する、ステープルカートリッジと、ステープル形成面を含むアンビルであって、複数のポケットがステープル形成面内に画定されており、複数のポケットが第1のポケットを含む、アンビルと、を備えるエンドエフェクタ。第1のポケットは、近位脚部と整列した近位カップと、遠位脚部と整列した遠位カップとを含み、第1のポケットは、近位カップと遠位カップとの間に等間隔にある第1のポケットを横切る中心軸に対して非対称である。
【0349】
実施例22-第1のポケットが、エンドエフェクタによって画定される長手方向軸に対して斜めに配向されている、実施例21に記載のエンドエフェクタ。
【0350】
実施例23-各ポケットがそれぞれ周囲を有し、複数のポケットが、第2のポケットを含み、第1のポケットの周囲の一部が、第2のポケットの周囲の一部に隣接して入れ子になっている、実施例21又は22に記載のエンドエフェクタ。
【0351】
実施例24-第1のポケットが、非対称な構成になるようにステープルを形成するよう構成されている、実施例21、22又は23に記載のエンドエフェクタ。
【0352】
実施例25-第1のポケットが、中心軸に対して垂直に近位カップと遠位カップとの間に延在する第1のポケット軸に対して非対称である、実施例21、22、23又は24に記載のエンドエフェクタ。
【0353】
実施例26-外科用ステープラと共に使用するためのエンドエフェクタであって、複数のステープルを備えるステープルカートリッジであって、複数のステープルが第1のステープルを含み、第1のステープルが、第1の近位脚部と第1の遠位脚部と有する、ステープルカートリッジと、ステープル形成面を含むアンビルであって、複数のポケットがステープル形成面内に画定されており、複数のポケットが第1のポケットを含む、アンビルと、を備えるエンドエフェクタ。第1のポケットは、第1の近位脚部と整列した第1の近位カップと、第1の遠位脚部と整列した第1の遠位カップとを備え、第1の遠位カップは、第1の近位カップから横方向にずれており、第1のポケットは、第1の近位カップと第1の遠位カップとの間に延在する第1のポケット軸に対して非対称である。
【0354】
実施例27-複数のポケットが第2のポケットを含み、第2のポケットが、第2の近位カップと、第2の遠位カップとを含み、第2の遠位カップが、第2の近位カップから横方向にずれており、第2のポケットが、第2の近位カップと第2の遠位カップとの間に延在する第2のポケット軸に対して非対称である、実施例26に記載のエンドエフェクタ。
【0355】
実施例28-第2のポケット軸が、第1のポケット軸に対して角度を付けて配向されている、実施例27に記載のエンドエフェクタ。
【0356】
実施例29-第1のポケット軸及び第2のポケット軸が、エンドエフェクタによって画定される長手方向軸に対して斜めに配向されている、実施例27又は28に記載のエンドエフェクタ。
【0357】
実施例30-複数のステープルが、第2のステープルを更に含み、第2のステープルが、第2の近位脚部と第2の遠位脚部とを有し、第2の近位脚部が第2の近位カップと整列しており、第2の遠位脚部が第2の遠位カップと整列している、実施例27、28又は29に記載のエンドエフェクタ。
【0358】
実施例31-第2の遠位カップが、第1の近位カップと第1の遠位カップとの間の第1のポケットに隣接して入れ子になっている、実施例27、28、29又は30に記載のエンドエフェクタ。
【0359】
実施例32-複数のポケットが、複数の入れ子になったポケットを含む、実施例26、27、28、29、30又は31に記載のエンドエフェクタ。
【0360】
実施例33-第1の近位カップが第1の幾何形状を有し、第1の遠位カップが第2の幾何形状を有し、第2の幾何形状が第1の幾何形状とは異なる、実施例26、27、28、29、30、31又は32に記載のエンドエフェクタ。
【0361】
実施例34-ステープル形成面が、ポケットの少なくとも一部を取り囲む非形成平面を含み、第1の近位カップが、非形成平面に対して近位の深さを有し、第1の遠位カップが、非形成平面に対して遠位の深さを有し、遠位の深さが近位の深さとは異なる、実施例26、27、28、29、30、31又は32に記載のエンドエフェクタ。
【0362】
実施例35-近位の深さが遠位の深さよりも大きい、実施例34に記載のエンドエフェクタ。
【0363】
実施例36-外科用ステープラと共に使用するためのエンドエフェクタであって、複数のステープルを備えるステープルカートリッジであって、複数のステープルが第1のステープルを含み、第1のステープルが、第1の近位脚部と第1の遠位脚部とを有し、第1の遠位脚部が、第1の近位脚部から横方向にずれている、ステープルカートリッジと、ステープル形成面を含むアンビルであって、複数のポケットがステープル形成面内に画定されており、複数のポケットが、第1のポケットを含む、アンビルと、を備えるエンドエフェクタ。第1のポケットは、近位の幾何形状を有し、第1の近位脚部と整列した第1の近位カップと、遠位の幾何形状を有し、第1の遠位脚部と整列した第1の遠位カップとを備え、遠位の幾何形状は近位の幾何形状とは異なっている。
【0364】
実施例37-第1の近位カップが、第1の高さまで第1の近位脚部を形成するように構成され、第1の遠位カップが、第2の高さまで第1の遠位脚部を形成するように構成され、第2の高さが第1の高さとは異なる、実施例36に記載のエンドエフェクタ。
【0365】
実施例38-第1の近位カップが第1の深さを有し、第2の遠位カップが第2の深さを有し、第1の深さが第2の深さとは異なる、実施例36又は37に記載のエンドエフェクタ。
【0366】
実施例39-第1の近位カップが、第1の入口角度と第1の出口角度とを有し、第1の遠位カップが、第2の入口角度と第2の出口角度とを有し、第1の入口角度が第2の入口角度とは異なり、第1の出口角度が第2の出口角度とは異なる、実施例36、37又は38に記載のエンドエフェクタ。
【0367】
実施例40-第1の近位カップが第1の幅を有し、第2の遠位カップが第2の幅を有し、第1の幅が第2の幅とは異なる、実施例36、37、38又は39に記載のエンドエフェクタ。
【0368】
実施例41-複数のポケットが第2のポケットを含み、第2のポケットが、第1のポケットとは異なる、実施例36、37、38、39又は40に記載のエンドエフェクタ。
【0369】
実施例42-複数のポケットが、第1のポケットを含む第1の列と、第2のポケットを含む第2の列とを含む複数の列に配置されており、第2のポケットが、第1のポケットとは平行ではない、実施例41に記載のエンドエフェクタ。
【0370】
実施例43-エンドエフェクタであって、ステープルカートリッジと、長手方向軸及びステープル形成面を含むアンビルであって、複数のステープル形成ポケットがステープル形成面内に画定されているアンビルと、を備える、エンドエフェクタ。複数のステープル形成ポケットは、長手方向軸に対して斜めに配向された第1のポケットと、長手方向軸及び第1のポケットに対して斜めに配向された第2のポケットと、長手方向軸、第1のポケット及び第2のポケットに対して斜めに配向された第3のポケットとを含む。
【0371】
実施例44-スロットが、長手方向軸に沿ってアンビルを少なくとも部分的に通って画定されており、第1のポケットが、スロットから第1の距離だけ離れており、第2のポケットが、スロットから第2の距離だけ離れており、第3のポケットが、スロットから第3の距離だけ離れており、第1の距離、第2の距離、第3の距離が異なる、実施例43に記載のエンドエフェクタ。
【0372】
実施例45-第1のポケットが内側列に配置され、第2のポケットが中間列に配置され、第3のポケットが外側列に配置され、第1のポケットが第3のポケットから長手方向に互い違いになっており、第3のポケットと長手方向に重なり合う、実施例43又は44に記載のエンドエフェクタ。
【0373】
実施例46-第2のポケットが、第1のポケットから第1の横方向距離だけ横方向に離れており、第2のポケットが、第3のポケットから第2の横方向距離だけ横方向に離れており、第2の横方向距離が、第1の横方向距離とは異なる、実施例43、44又は45に記載のエンドエフェクタ。
【0374】
実施例47-ステープルカートリッジが、複数のステープルを含み、複数のステープルが、第1のポケットとの接点を形成するように配置された第1のステープルと、第2のポケットとの接点を形成するように配置され、第1のステープルが、第1のステープルと第1の距離だけ横方向に重なり合う、第2のステープルと、第3のポケットとの接点を形成するように配置され、第2のステープルと第2の距離だけ横方向に重なり合い、第2の距離が第1の距離とは異なる、第3のステープルとを含む、実施例43、44、45又は46に記載のエンドエフェクタ。
【0375】
実施例48-ステープルカートリッジであって、長手方向スロットを備えるカートリッジ本体であって、複数のステープルキャビティがカートリッジ本体内に画定されており、ステープルキャビティが、長手方向スロットに対して斜めに配向されており、ステープルキャビティが、長手方向スロットの第1の側に配置された第1の列と、長手方向スロットの第1の側に配置された第2の列であって、第1の列内のステープルキャビティが、第2の列内のステープルキャビティと第1の距離だけ横方向に重なり合う、第2の列と、長手方向スロットの第1の側に配置された第3の列であって、第2の列内のステープルキャビティが、第3の列内のステープルキャビティと第2の距離だけ横方向に重なり合い、第2の距離が第1の距離とは異なる、第3の列と、を含む複数の列に配置されている、カートリッジ本体を備える、ステープルカートリッジ。
【0376】
実施例49-第1の列内のステープルキャビティが、長手方向スロットに対して第1の角度で配向されており、第2の列内のステープルキャビティが、長手方向スロットに対して第2の角度で配向されており、第3の列内のステープルキャビティが、長手方向スロットに対して第3の角度で配向されており、第1の角度、第2の角度、第3の角度が異なる、実施例48に記載のステープルカートリッジ。
【0377】
実施例50-第2の角度が、第1の角度に対して補角である、実施例49に記載のステープルカートリッジ。
【0378】
実施例51-第3の角度が第1の角度よりも大きい、実施例49又は50に記載のステープルカートリッジ。
【0379】
実施例52-第2の距離が第1の距離よりも大きい、実施例48、49又は50に記載のステープルカートリッジ。
【0380】
実施例53-複数のステープルキャビティ内に配置された複数のステープルを更に備える、実施例48、49、50、51又は52に記載のステープルカートリッジ。
【0381】
実施例54-ステープルが、ステープル長さを有し、第1の距離と第2の距離が、ステープル長さの3分の1より短い、実施例53に記載のステープルカートリッジ。
【0382】
実施例55-ステープルが、直径を有し、第1の距離と第2の距離が、この直径より大きい、実施例53又は54に記載のステープルカートリッジ。
【0383】
実施例56-第1の列が内側列を含み、第2の列が中間列を含み、第3の列が外側列を含む、実施例48、49、50、51、52、53、54又は55に記載のステープルカートリッジ。
【0384】
実施例57-内側列内のステープルキャビティが、外側列内のステープルキャビティに対して少なくとも部分的に長手方向に互い違いになっている、実施例56に記載のステープルカートリッジ。
【0385】
実施例58-ステープルカートリッジであって、長手方向スロットを備えるカートリッジ本体であって、複数のステープルキャビティがカートリッジ本体内に画定されている、カートリッジ本体と、複数のステープルキャビティ内に配置された複数のステープルであって、ステープルが、長手方向スロットに対して斜めに配向されており、第1の列に配置された第1のステープル群と、第2の列に配置された第2のステープル群であって、第1の列内の第1のステープル群が、第2の列内の第2のステープル群と第1の距離だけ横方向に重なり合う、第2のステープル群と、第3の列に配置された第3のステープル群であって、第2の列内の第2のステープル群が、第3の列内の第3のステープル群と第2の距離だけ横方向に重なり合う、第3のステープル群とを含み、第2の距離が第1の距離とは異なる、複数のステープルと、を備える、ステープルカートリッジ。
【0386】
実施例59-第1の列内のステープルが、長手方向スロットに対して第1の角度で配向されており、第2の列内のステープルが、長手方向スロットに対して第2の角度で配向されており、第3の列内のステープルが、長手方向スロットに対して第3の角度で配向されており、第1の角度、第2の角度、第3の角度が異なる、実施例58に記載のステープルカートリッジ。
【0387】
実施例60-第2の距離が第1の距離よりも大きい、実施例58又は59に記載のステープルカートリッジ。
【0388】
実施例61-ステープルが、ステープル長さを有し、第1の距離と第2の距離が、ステープル長さの3分の1より短い、実施例58、59又は60に記載のステープルカートリッジ。
【0389】
実施例62-ステープルが、直径を有し、第1の距離と第2の距離が、この直径より大きい、実施例58、59、60又は61に記載のステープルカートリッジ。
【0390】
実施例63-第1の列が内側列を含み、第2の列が中間列を含み、第3の列が外側列を含む、実施例58、59、60、61又は62に記載のステープルカートリッジ。
【0391】
実施例64-内側列内のステープルキャビティが、外側列内のステープルキャビティに対して少なくとも部分的に長手方向に互い違いになっている、実施例63に記載のステープルカートリッジ。
【0392】
実施例65-ステープルカートリッジであって、長手方向スロットを備えるカートリッジ本体であって、複数のステープルキャビティがカートリッジ本体内に画定されている、カートリッジ本体と、複数のステープルキャビティ内に配置された複数のステープルであって、ステープルが、長手方向スロットに対して斜めに配向されており、内側列に配置された第1のステープル群と、中間列に配置され、内側列が、中間列から第1の距離だけ横方向にずれている、第2のステープル群と、外側列に配置され、外側列が、中間列から第2の距離だけ横方向にずれている、第3のステープル群とを含み、第2の距離が第1の距離とは異なる、複数のステープルとを、備える、ステープルカートリッジ。
【0393】
実施例66-内側列内のステープルが、長手方向スロットに対して第1の角度で配向されており、中間列内のステープルが、長手方向スロットに対して第2の角度で配向されており、外側列内のステープルが、長手方向スロットに対して第3の角度で配向されており、第1の角度、第2の角度、第3の角度が異なる、実施例65に記載のステープルカートリッジ。
【0394】
実施例67-第1の群内の各ステープルが、第2の群内の隣接するステープルから第1の長手方向距離だけ長手方向にずれており、第3の群内の各ステープルが、第3の群内の隣接するステープルから第2の長手方向距離だけ長手方向にずれており、第2の長手方向距離が、第1の長手方向距離とは異なる、実施例65又は66に記載のステープルカートリッジ。
【0395】
実施例68-ステープル形成ポケットの第1の配置を含むアンビルを備えるエンドエフェクタと共に使用するためのアダプタであって、複数のステープルを含むステープルカートリッジと、ステープル形成ポケットの第2の配置を含むアンビルプレートと、を備え、ステープル形成ポケットの第2の配置は、ステープル形成ポケットの第1の配置とは異なる、アダプタ。
【0396】
実施例69-アンビルプレートが、アンビルと係合するように構成された整列特徴部を更に含む、実施例68に記載のアダプタ。
【0397】
実施例70-アンビルプレートが、ステープルカートリッジ内の整列開口部に配置された整列ポストを更に含む、実施例68又は69に記載のアダプタ。
【0398】
実施例71-アンビルプレートが、アンビル内で長手方向スロットと整列する整列隆起部を更に含む、実施例68、69又は70に記載のアダプタ。
【0399】
実施例72-ステープルカートリッジとアンビルプレートとの間にバネ接続部を更に備える、実施例68、69、70又は71に記載のアダプタ。
【0400】
実施例73-変形可能な材料を更に含む、実施例68、69、70、71又は72に記載のアダプタ。
【0401】
実施例74-変形可能な材料が、アンビルプレート上にオーバーモールド部を含む、実施例73に記載のアダプタ。
【0402】
実施例75-アンビルプレートが、型打ちされた金属シートを含む、実施例68、69、70、71、72、73又は74に記載のアダプタ。
【0403】
実施例76-ステープル形成ポケットの第2の配置が、ステープル形成ポケットの第1の配置内で部分的に入れ子になっている、実施例68、69、70、71、72、73、74又は75に記載のアダプタ。
【0404】
実施例77-ステープル形成ポケットの第1の配置が、平行なステープル形成ポケットの複数の列を含み、ステープル形成ポケットの第2の配置が、角度を付けられたステープル形成ポケットの複数の列を含む、実施例68、69、70、71、72、73、74、75又は76に記載のアダプタ。
【0405】
実施例78-ステープルカートリッジが、カートリッジ本体を備え、複数のステープルキャビティがカートリッジ本体内に画定されており、ステープルキャビティが、角度を付けられたステープル形成ポケットの複数の列に対応する角度を付けられた複数の列に配置されている、実施例77に記載のアダプタ。
【0406】
実施例79-ステープル形成アンビルを有するエンドエフェクタと共に使用するためのアダプタであって、ステープルカートリッジであって、複数のステープルキャビティと、ステープルキャビティ内に配置される複数のステープルと、を備えるステープルカートリッジを備える、アダプタ。アダプタは、アンビルプレートを更に備え、アンビルプレートは、ステープルカートリッジに対して開位置と閉位置の間で移動可能である。アンビルプレートは、複数のステープル形成ポケットであって、アンビルプレートが閉位置にあるとき、各ステープルが対応するステープル形成ポケットと整列する、複数のステープル形成ポケットと、ステープル形成アンビルに係合するように構成された整列特徴部とを含む。
【0407】
実施例80-アンビルプレート上に変形可能なオーバーモールド部を更に備える、実施例79に記載のアダプタ。
【0408】
実施例81-アンビルプレートが、型打ちされた金属シートを含む、実施例79又は80に記載のアダプタ。
【0409】
実施例82-ステープルキャビティがヘリンボーンパターンで配置されており、ステープル形成ポケットが、対応するヘリンボーンパターンで配置されている、実施例79、80又は81に記載のアダプタ。
【0410】
実施例83-複数の第1のステープル形成ポケットを含むアンビルを有するエンドエフェクタと共に使用するためのアダプタであって、ステープルカートリッジであって、複数のステープルキャビティと、ステープルキャビティ内に配置される複数のステープルとを備え、複数のステープルは第1のステープル形成ポケットとは整列していない、ステープルカートリッジを備える、アダプタ。アダプタは、複数の第2のステープル形成ポケットを含むアンビルプレートであって、ステープルが、第2のステープル形成ポケットと整列している、アンビルプレートを更に備える。
【0411】
実施例84-アンビルプレート上に変形可能なオーバーモールド部を更に備える、実施例83に記載のアダプタ。
【0412】
実施例85-アンビルプレートが、型打ちされた金属シートを含む、実施例83又は84に記載のアダプタ。
【0413】
実施例86-第2のステープル形成ポケットが、第1のステープル形成ポケット内で部分的に入れ子になっている、実施例83、84又は85に記載のアダプタ。
【0414】
実施例87-第1のステープル形成ポケットが、平行なステープル形成ポケットの複数の列に配置されており、第2のステープル形成ポケットが、角度を付けられたステープル形成ポケットの複数の列に配置されている、実施例83、84、85又は86に記載のアダプタ。
【0415】
実施例88-複数のステープルを含むステープルカートリッジを得ることであって、各ステープルが、ベース部と、ベース部から延在する脚部とを有している、ことと、ステープルカートリッジからステープルを発射することであって、ステープルが、ステープルライン内の組織へと発射される、ことと、を含む、方法。ステープルラインは、第1の可撓性を有する第1の部分と、第1の部分から長手方向にずれた第2の部分とを含み、第2の部分は、第2の可撓性を有し、第2の可撓性は、第1の可撓性とは異なる。
【0416】
実施例89-少なくとも2つの異なるステープルカートリッジからステープルカートリッジを選択することを更に含む、実施例88に記載の方法。
【0417】
実施例90-少なくとも2つの異なるステープルカートリッジが、ステープルキャビティの異なる配置を含む、実施例89に記載の方法。
【0418】
実施例91-第1の部分が、遠位部分を含む、実施例88、89又は90に記載の方法。
【0419】
実施例92-第1の部分が、第2の部分から横方向にずれている、実施例88、89、90又は91に記載の方法。
【0420】
実施例93-第1の部分が、ステープルの第1の列を含み、第2の部分が、ステープルの第2の列を含む、実施例88、89、90、91又は92に記載の方法。
【0421】
実施例94-複数のステープルを含むステープルカートリッジを得ることであって、各ステープルが、ベース部と、ベース部から延在する脚部とを有している、ことと、ステープルカートリッジからステープルを発射することであって、ステープルが、ステープルライン内の組織へと発射される、ことと、を含む、方法。ステープルラインは、第1のステープル群を含む第1の長さであって、第1の群内のステープルのベース部がヘリンボーンパターンで配置されている、第1の長さと、第2のステープル群を含む第2の長さであって第1の長さから長手方向にずれている、第2の長さとを含み、第1の群内のステープルのベース部は平行に配置されている。
【0422】
実施例95-第1の長さが第1の可撓性を有し、第2の長さが第2の可撓性を有し、第2の可撓性が第1の可撓性とは異なる、実施例94に記載の方法。
【0423】
実施例96-第1の長さは、第2の長さより可撓性が高い、実施例94又は95に記載の方法。
【0424】
実施例97-少なくとも2つの異なるステープルカートリッジからステープルカートリッジを選択することを更に含む、実施例94、95又は96に記載の方法。
【0425】
実施例98-少なくとも2つの異なるステープルカートリッジが、ステープルキャビティの異なる配置を含む、実施例97に記載の方法。
【0426】
実施例99-ステープルカートリッジとアンビルプレートとを備えるアダプタアセンブリを得ることであって、アンビルプレートが、複数の第1のステープル形成ポケットを含み、複数の第1のステープル形成ポケットが第1の配置で配置されている、ことと、アダプタアセンブリをエンドエフェクタ内に設置することであって、エンドエフェクタが、複数の第2のステープル形成ポケットを含むアンビルを備え、第2のステープル形成ポケットが第2の配置で配置されており、第2の配置が第1の配置とは異なる、ことと、を含む、方法。
【0427】
実施例100-第1の配置が、ポケットのヘリンボーンパターンを含む、実施例99に記載の方法。
【0428】
実施例101-第2の配置が、ポケットの平行パターンを含む、実施例99又は100に記載の方法。
【0429】
実施例102-ステープルカートリッジが、対応するヘリンボーンパターンで配置されている複数のステープルキャビティを含む、実施例99、100又は101に記載の方法。
【0430】
実施例103-ステープルカートリッジが、対応するヘリンボーンパターンで配置されている複数のステープルを含む、実施例99、100、101又は102に記載の方法。
【0431】
実施例104-ステープルを打ち込み、アダプタアセンブリ内の第2のステープル形成ポケットとの接点を形成することを更に含む、実施例103に記載の方法。
【0432】
実施例105-アダプタアセンブリが変形可能な材料を含み、設置する工程は、変形可能な材料を、アンビルのプロファイルに対応する変形構成に形成することを更に含む、実施例99、100、101、102、103又は104に記載の方法。
【0433】
実施例106-設置する工程は、アンビルプレート上の特徴とアンビル上の特徴とを整列させることを更に含む、実施例99、100、101、102、103、104又は105に記載の方法。
【0434】
実施例107-ステープルカートリッジとアンビルプレートとの間に組織をクランプ留めすることを更に含む、実施例99、100、101、102、103、104、105又は106に記載の方法。
【0435】
実施例108-外科用ステープラと共に使用するためのエンドエフェクタであって、複数のステープルを備えるステープルカートリッジであって、複数のステープルが第1のステープルと第2のステープルとを含み、第2のステープルが、第1のステープルに対して斜めに配向されている、ステープルカートリッジと、ステープル形成面を含むアンビルであって、複数のポケットがステープル形成面内に画定されており、ポケットが、ステープル形成面の50%より多くを覆っている、アンビルと、を備える、エンドエフェクタ。
【0436】
実施例109-各ポケットが周囲を有し、周囲が、ステープル形成面に沿って隣接して入れ子になっている、実施例108に記載のエンドエフェクタ。
【0437】
実施例110-各ポケットが、近位カップと、遠位カップと、近位カップと遠位カップとの間に延在するネック部とを含む、実施例108又は109に記載のエンドエフェクタ。
【0438】
実施例111-複数のポケットが、第1の列内の第1のポケットと、第2の列内の第2のポケットと、第3の列内の第3のポケットとを含み、第2のポケットが、第1のポケットのネック部に向かって延在する近位延在着面ゾーンを含む、実施例110に記載のエンドエフェクタ。
【0439】
実施例112-第2のポケットが、第3のポケットのネック部に向かって延在する遠位延在着面ゾーンを更に含む、実施例110又は111に記載のエンドエフェクタ。
【0440】
実施例113-外科用ステープラと共に使用するためのエンドエフェクタであって、複数のステープルを備えるステープルカートリッジであって、複数のステープルが第1のステープルと第2のステープルとを含み、第2のステープルが、第1のステープルに対して角度を付けて配向されている、ステープルカートリッジと、ステープル形成面を含むアンビルであって、複数のポケットがステープル形成面内に画定されており、複数のポケットが、第1のステープルと整列し、第1の近位カップと第1の遠位カップとを含む、第1のポケットと、第2のステープルと整列し、第2の近位カップと第2の遠位カップとを含む、第2のポケットとを含み、第1の遠位カップが、第2の近位カップの一部と第2の遠位カップの一部との間に画定される受け入れ半島部内へと延在する、アンビルと、を備える、エンドエフェクタ。
【0441】
実施例114-ステープル形成面が、ポケットの周りに延在する非形成部分を含み、非形成部分が、ステープル形成面の50%未満を覆っている、実施例113に記載のエンドエフェクタ。
【0442】
実施例115-第1のポケットが、第1の近位カップと第1の遠位カップとの間に延在する第1のネック部を更に有し、第2のポケットが、第2の近位カップと第2の遠位カップとの間に延在する第2のネック部を更に含む、実施例113又は114に記載のエンドエフェクタ。
【0443】
実施例116-第1のネック部が、第1の近位カップ及び第1の遠位カップより狭く、第2のネック部が、第2の近位カップ及び第2の遠位カップより狭い、実施例115に記載のエンドエフェクタ。
【0444】
実施例117-第1の遠位カップが、第2のポケットに向かって横方向に延在する、実施例113、114、115又は116に記載のエンドエフェクタ。
【0445】
実施例118-第1の遠位カップが、第2のポケットに向かって長手方向に延在する、実施例113、114、115、116又は117に記載のエンドエフェクタ。
【0446】
実施例119-第1の遠位カップが、受け入れ半島部内に配置された延在着面ゾーンを含む、実施例113、114、115、116、117又は118に記載のエンドエフェクタ。
【0447】
実施例120-複数のポケットが、第3のステープルと整列した第3のポケットを更に含み、第3のポケットが、第3の近位カップと第3の遠位カップとを含み、第2の近位カップが、第3の近位カップの一部と第3の遠位カップの一部との間の第2の受け入れ半島部内へと延在する、実施例113、114、115、116、117、118又は119に記載のエンドエフェクタ。
【0448】
実施例121-ポケットが複数の列に配置されており、複数の列が、第1のポケットを含む内側列と、第2のポケットを含み、第2のポケットが、第1のポケットからずれている、中間列と、第3のポケットを含み、第3のポケットが、第1のポケットと整列している、外側列とを含む、実施例120に記載のエンドエフェクタ。
【0449】
実施例122-外科用ステープラと共に使用するためのエンドエフェクタであって、複数のステープルを備えるステープルカートリッジであって、複数のステープルが第1のステープルと第2のステープルとを含み、第2のステープルが、第1のステープルに対して角度を付けて配向されている、ステープルカートリッジと、ステープル形成面を含むアンビルであって、複数のポケットがステープル形成面内に画定されており、複数のポケットが複数の列に配置されており、複数の列が、第1のステープルと整列した第1のポケットを含み、第1のポケットが、最も狭い領域を含む、第1の列と、第2のステープルと整列した第2のポケットを含み、第2のポケットが、近位端と遠位端とを有し、近位端と遠位端との間に延在するポケット軸が、第1のポケットの最も狭い領域を横切る、第2の列とを含む、アンビルと、を備える、エンドエフェクタ。
【0450】
実施例123-第1のポケットが周囲を有し、第2のポケットが、第1のポケットの周囲で入れ子になっている、実施例122に記載のエンドエフェクタ。
【0451】
実施例124-ステープル形成面が、ポケットの周りに延在する非形成部分を含み、非形成部分が、ステープル形成面の50%未満を含む、実施例122又は123に記載のエンドエフェクタ。
【0452】
実施例125-第2のポケットが、ポケット軸に沿って延在する溝を含む、実施例122、123又は124に記載のエンドエフェクタ。
【0453】
実施例126-ステープル形成部分が、ポケットの周りに延在する非形成部分を含み、第2のポケットが、近位端と遠位端との間に延在する側壁を含み、側壁が、近位端から遠位端まで非形成部分に対して一定の角度で配向されている、実施例122、123、124又は125に記載のエンドエフェクタ。
【0454】
実施例127-第2のポケットが、面取りされた周囲を有する、実施例122、123、124、125又は126に記載のエンドエフェクタ。
【0455】
実施例128-ステープルカートリッジであって、長手方向スロットを備えるカートリッジ本体であって、複数のステープルキャビティがカートリッジ本体内に画定されており、ステープルキャビティが、長手方向スロットに対して斜めに配向されているカートリッジ本体と、ステープルキャビティ内に配置される複数のステープルと、を備え、カートリッジ本体内のステープルキャビティが、複数の列に配置されている、ステープルカートリッジ。複数の列は、長手方向スロットの第1の側に配置された第1の列と、長手方向スロットの第1の側に配置された第2の列であって、第1の列内のステープルキャビティ内に配置されたステープルが、第2の列内のステープルキャビティ内に配置されたステープルから第1の距離だけ長手方向に離れている、第2の列と、長手方向スロットの第1の側に配置された第3の列であって、第3の列内のステープルキャビティ内に配置されたステープルが、第2の列内のステープルキャビティ内に配置されたステープルから、第2の距離だけ長手方向に離れており、第2の距離が第1の距離とは異なる、第3の列とを含む。
【0456】
実施例129-第2の列が、第1の列と第3の列との中間に配置されている、実施例128に記載のステープルカートリッジ。
【0457】
実施例130-第1の列内のステープルキャビティ内のステープルが、第2の列内のステープルキャビティ内のステープルと第1の距離だけ長手方向に重なり合っており、第3の列内のステープルキャビティ内のステープルが、第2の列内のステープルキャビティ内のステープルと第2の距離だけ長手方向に重なり合っている、実施例128又は129に記載のステープルカートリッジ。
【0458】
実施例131-第2の距離がゼロである、実施例128、129又は130に記載のステープルカートリッジ。
【0459】
実施例132-複数のステープルが、第1の列内のステープルキャビティの1つの中に配置され、第1の長さを有する第1のベース部を含む、第1のステープルと、第3の列内のステープルキャビティの1つの中に配置され、第3の長さを有する第3のベース部を含み、第3の長さが第1の長さとは異なる、第3のステープルと、を含む、実施例128、129、130又は131に記載のステープルカートリッジ。
【0460】
実施例133-複数のステープルが、第2の列内のステープルキャビティの1つの中に配置される第2のステープルを更に含み、第2のステープルが、第2の長さを有する第2のベース部を含み、第2の長さが、第1の長さ及び第3の長さとは異なる、実施例132に記載のステープルカートリッジ。
【0461】
実施例134-第1の列内のステープルキャビティが、長手方向スロットに対して第1の角度で配向されており、第2の列内のステープルキャビティが、長手方向スロットに対して第2の角度で配向されており、第3の列内のステープルキャビティが、長手方向スロットに対して第3の角度で配向されている、実施例128、129、130、131、132又は133に記載のステープルカートリッジ。
【0462】
実施例135-第2の角度が、第1の角度及び第3の角度とは異なる、実施例134に記載のステープルカートリッジ。
【0463】
実施例136-第2の角度が、第1の角度から180度ずれている、実施例134又は135に記載のステープルカートリッジ。
【0464】
実施例137-第3の角度が第1の角度とは異なる、実施例134、135又は136に記載のステープルカートリッジ。
【0465】
実施例138-ステープルカートリッジであって、長手方向スロットを備えるカートリッジ本体であって、複数のステープルキャビティがカートリッジ本体内に画定されており、ステープルキャビティが、長手方向スロットに対して斜めに配向されており、各ステープルキャビティは近位端と遠位端とを有し、複数のステープルキャビティは、複数の列に配置されている、カートリッジ本体を備える、ステープルカートリッジ。複数の列は、長手方向スロットの第1の側に配置された第1の列と、長手方向スロットの第1の側に配置された第2の列であって、第2の列内のステープルキャビティの近位端と遠位端が、第1の列内のステープルキャビティの近位端と遠位端に対して長手方向にずれている、第2の列と、長手方向スロットの第1の側に配置された第3の列であって、第3の列内のステープルキャビティの近位端と遠位端が、第1の列内及び第2の列内のステープルキャビティの近位端と遠位端に対して長手方向にずれている、第3の列とを含む。
【0466】
実施例139-第3の列内のステープルキャビティが、第1の列内のステープルキャビティに少なくとも部分的に長手方向に重なり合っている、実施例138に記載のステープルカートリッジ。
【0467】
実施例140-第2の列内のステープルキャビティが、第3の列内のステープルキャビティに少なくとも部分的に長手方向に重なり合っている、実施例138又は139に記載のステープルカートリッジ。
【0468】
実施例141-第2の列内のステープルキャビティが、第1の列内のステープルキャビティと少なくとも部分的に長手方向に重なり合っている、実施例138、139又は140に記載のステープルカートリッジ。
【0469】
実施例142-ステープルキャビティ内に配置された複数のステープルを更に備え、複数のステープルが、第1の列内のステープルキャビティの1つの中に配置され、第1の長さを有する第1のベース部を含む、第1のステープルと、第3の列内のステープルキャビティの1つの中に配置され、第3の長さを有する第3のベース部を含み、第3の長さが第1の長さより大きい、第3のステープルと、を含む、実施例138、139、140又は141に記載のステープルカートリッジ。
【0470】
実施例143-複数のステープルが、第2の列内のステープルキャビティの1つの中に配置される第2のステープルを更に含み、第2のステープルが、第2の長さを有する第2のベース部を含み、第2の長さが、第1の長さ及び第3の長さとは異なる、実施例142に記載のステープルキャビティ。
【0471】
実施例144-第1の列内のステープルキャビティが、長手方向スロットに対して第1の角度で配向されており、第2の列内のステープルキャビティが、長手方向スロットに対して第2の角度で配向されており、第3の列内のステープルキャビティが、長手方向スロットに対して第3の角度で配向されている、実施例138、139、140、141、142又は143に記載のステープルカートリッジ。
【0472】
実施例145-第2の角度が、第1の角度及び第3の角度とは異なる、実施例144に記載のステープルカートリッジ。
【0473】
実施例146-第3の角度が第1の角度とは異なる、実施例144又は145に記載のステープルカートリッジ。
【0474】
実施例147-ステープルカートリッジであって、長手方向スロットを備えるカートリッジ本体であって、複数のステープルキャビティがカートリッジ本体内に画定されており、ステープルキャビティが、長手方向スロットに対して角度を付けて配向されており、ステープルキャビティが、複数の列に配置されている、カートリッジ本体を備える、ステープルカートリッジ。複数の列は、長手方向スロットの第1の側に配置された第1の列と、長手方向スロットの第1の側に配置された第2の列であって、第1の列内のステープルが、第2の列内のステープルと第1の距離だけ長手方向に重なり合う、第2の列と、長手方向スロットの第1の側に配置された第3の列であって、第3の列内のステープルが、第2の列内のステープルと第2の距離だけ長手方向に重なり合い、第2の距離が第1の距離とは異なる、第3の列とを含む。ステープルカートリッジは、ステープルキャビティ内に配置される複数のステープルを更に備えている。
【0475】
本明細書で説明した外科用器具システムの多くは、電動モータにより動作するが、本明細書で説明した外科用器具システムは、任意の好適な方式で動作することができる。様々な事例において、本明細書で説明した外科用器具システムは、例えば、手動操作トリガにより動作することができる。ある特定の例において、本明細書に開示されるモータは、ロボット制御システムの部分を備えてもよい。更に、本明細書に開示されるエンドエフェクタ及び/又は工具アセンブリのいずれもロボット手術器具システムと共に利用することができる。例えば、米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」(現在は米国特許第9,072,535号)は、ロボット外科用器具システムのいくつかの例をより詳細に開示している。
【0476】
本明細書で説明した外科用器具システムは、ステープルの配備及び変形と関連させて説明されているが、本明細書で説明した実施形態は、これに限定されない。ステープル以外の締結具、例えばクランプ又はタックなどを配備する、様々な実施形態も想到される。更に、組織を封止するための任意の好適な手段を利用する、様々な実施形態も想到される。例えば、様々な実施形態によるエンドエフェクタは、組織を加熱して封止するように構成された電極を備え得る。また例えば、特定の実施形態によるエンドエフェクタは、組織を封止するために振動エネルギーを加えることができる。
【0477】
以下の開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許第5,403,312号、発明の名称「ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE」、1995年4月4日に発行、
-米国特許第7,000,818号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING SEPARATE DISTINCT CLOSING AND FIRING SYSTEMS」、2006年2月21日に発行、
-米国特許第7,422,139号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH TACTILE POSITION FEEDBACK」、2008年9月9日に発行、
-米国特許第7,464,849号、発明の名称「ELECTRO-MECHANICAL SURGICAL INSTRUMENT WITH CLOSURE SYSTEM AND ANVIL ALIGNMENT COMPONENTS」、2008年12月16日に発行、
-米国特許第7,670,334号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING AN ARTICULATING END EFFECTOR」、2010年3月2日に発行、
-米国特許第7,753,245号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」、2010年7月13日に発行、
-米国特許第8,393,514号、発明の名称「SELECTIVELY ORIENTABLE IMPLANTABLE FASTENER CARTRIDGE」、2013年3月12日に発行、
-米国特許出願第11/343,803号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING RECORDING CAPABILITIES」、現在は米国特許第7,845,537号、
-米国特許出願第12/031,573号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT HAVING RF ELECTRODES」、2008年2月14日に出願、
-米国特許出願第12/031,873号、発明の名称「END EFFECTORS FOR A SURGICAL CUTTING AND STAPLING INSTRUMENT」、2008年2月15日に出願、現在は米国特許第7,980,443号、
-米国特許出願第12/235,782号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT」、現在は米国特許第8,210,411号、
-米国特許出願第12/249,117号、発明の名称「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」、現在は米国特許第8,608,045号、
-米国特許出願第12/647,100号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT WITH ELECTRIC ACTUATOR DIRECTIONAL CONTROL ASSEMBLY」、2009年12月24日に出願、現在は米国特許第8,220,688号、
-米国特許出願第12/893,461号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE」、2012年9月29日に出願、現在は米国特許第8,733,613号、
-米国特許出願第13/036,647号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」、2011年2月28日に出願、現在は米国特許第8,561,870号、
-米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」、現在は米国特許第9,072,535号、
-米国特許出願第13/524,049号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A FIRING DRIVE」、2012年6月15日に出願、現在は米国特許第9,101,358号、
-米国特許出願第13/800,025号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」、2013年3月13日に出願、現在は米国特許第9,345,481号、
-米国特許出願第13/800,067号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」、2013年3月13日に出願、現在は米国特許出願公開第2014/0263552号、
-米国特許出願公開第2007/0175955号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH CLOSURE TRIGGER LOCKING MECHANISM」、2006年1月31日に出願、及び、
-米国特許出願公開第2010/0264194号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT WITH AN ARTICULATABLE END EFFECTOR」、2010年4月22日に出願、現在は米国特許第8,308,040号。
【0478】
特定の実施形態と共に本明細書で様々な器具について説明したが、それらの実施形態に対して修正及び変更が実施されてもよい。特定の特徴、構造又は特性を、1つ又は2つ以上の実施形態で、任意の適切な様式で組み合わせてもよい。従って、ある実施形態と関連して示され、又は記載される特定の特徴、構造又は特性を、制限することなく、1つ又は2つ以上の他の実施形態の特徴、構造又は特性と全体的に、又は部分的に組み合わせてもよい。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。更に、様々な実施形態に従って、所与の機能(複数可)を実行するために、単一の構成要素を複数の構成要素に置き換えてもよく、また複数の構成要素を単一の構成要素に置き換えてもよい。以上の説明及び以下の特許請求の範囲は、そのような修正及び変形形態を全て包含することが意図される。
【0479】
本明細書に開示されるデバイスは、1回の使用後に廃棄されるように設計することができ、又は複数回使用されるように設計することができる。しかしながら、いずれの場合も、デバイスは少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整には、デバイスの分解工程、それに続くデバイスの特定の部品の洗浄工程又は交換工程、及びその後のデバイスの再組立工程の任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。具体的には、再調整の施設及び/又は外科チームは、デバイスを分解することができ、デバイスの特定の部品を洗浄及び/又は交換した後、デバイスをその後の使用のために再組立することができる。当業者であれば、デバイスの再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用できることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本発明の範囲内にある。
【0480】
本明細書に開示のデバイスは、手術前に処理され得る。最初に、新品又は使用済みの器具が入手され、必要に応じて洗浄されてもよい。次いで、器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され密封された容器に入れられる。次いで、容器及び器具を、γ線、X線、及び/又は高エネルギー電子などの、容器を透過し得る放射線野に置くことができる。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。次いで、滅菌済みの器具を滅菌容器内で保管することができる。密封容器は、医療施設で開けられるまで、器具を滅菌状態に保つことができる。デバイスはまた、β線、γ線、エチレンオキシド、過酸化水素プラズマ、及び/又は水蒸気が挙げられるが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の他の技術を用いて滅菌され得る。
【0481】
代表的な設計を有するものとして本発明について記載してきたが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に修正されてもよい。従って、本出願は、その一般的原理を使用する本発明のあらゆる変形、使用、又は適合を包含するものとする。
【0482】
その全体又は部分において本明細書に援用されたものとする全ての特許、刊行物、又はその他の開示物は、援用される資料が本開示に記載される既存の定義、記述、又はその他の開示内容と矛盾しない範囲においてのみ本明細書に援用されるものとする。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれるものとするが、既存の定義、記述、又は本明細書に記載される他の開示文献と矛盾する任意の文献、又はそれらの部分は、組み込まれる文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲でのみ組み込まれるものとする。
【0483】
〔実施の態様〕
(1) 外科用ステープラと共に使用するためのエンドエフェクタであって、
複数のステープルを備えるステープルカートリッジであって、前記複数のステープルが第1のステープルと第2のステープルとを含み、前記第2のステープルが、前記第1のステープルに対して斜めに配向されている、ステープルカートリッジと、
ステープル形成面を含むアンビルであって、複数のポケットが前記ステープル形成面内に画定されており、前記ポケットが、前記ステープル形成面の50%より多くを覆っている、アンビルと、を備える、エンドエフェクタ。
(2) 各前記ポケットが周囲を有し、前記周囲が、前記ステープル形成面に沿って隣接して入れ子になっている、実施態様1に記載のエンドエフェクタ。
(3) 各前記ポケットが、
近位カップと、
遠位カップと、
前記近位カップと前記遠位カップとの間に延在するネック部とを含む、実施態様2に記載のエンドエフェクタ。
(4) 前記複数のポケットが、第1の列内の第1のポケットと、第2の列の第2のポケットと、第3の列の第3のポケットとを含み、前記第2のポケットが、前記第1のポケットの前記ネック部に向かって延在する近位延在着面ゾーンを含む、実施態様3に記載のエンドエフェクタ。
(5) 前記第2のポケットが、前記第3のポケットの前記ネック部に向かって延在する遠位延在着面ゾーンを更に含む、実施態様4に記載のエンドエフェクタ。
【0484】
(6) 外科用ステープラと共に使用するためのエンドエフェクタであって、
複数のステープルを備えるステープルカートリッジであって、前記複数のステープルが第1のステープルと第2のステープルとを含み、前記第2のステープルが、前記第1のステープルに対して角度を付けて配向されている、ステープルカートリッジと、
ステープル形成面を含むアンビルであって、複数のポケットが前記ステープル形成面内に画定されており、前記複数のポケットが、
前記第1のステープルと整列し、第1の近位カップと第1の遠位カップとを含む、第1のポケットと、
前記第2のステープルと整列し、第2の近位カップと第2の遠位カップとを含む、第2のポケットとを含み、前記第1の遠位カップが、前記第2の近位カップの一部と前記第2の遠位カップの一部との間に画定された受け入れ半島部内へと延在する、アンビルと、を備える、エンドエフェクタ。
(7) 前記ステープル形成面が、前記ポケットの周囲に延在する非形成部分を含み、前記非形成部分が、前記ステープル形成面の50%未満を覆っている、実施態様6に記載のエンドエフェクタ。
(8) 前記第1のポケットが、前記第1の近位カップと前記第1の遠位カップとの間に延在する第1のネック部を更に含み、前記第2のポケットが、前記第2の近位カップと前記第2の遠位カップとの間に延在する第2のネック部を更に含む、実施態様6に記載のエンドエフェクタ。
(9) 前記第1のネック部が、前記第1の近位カップ及び前記第1の遠位カップより狭く、前記第2のネック部が、前記第2の近位カップ及び前記第2の遠位カップより狭い、実施態様8に記載のエンドエフェクタ。
(10) 前記第1の遠位カップが、前記第2のポケットに向かって横方向に延在する、実施態様6に記載のエンドエフェクタ。
【0485】
(11) 前記第1の遠位カップが、前記第2のポケットに向かって長手方向に延在する、実施態様10に記載のエンドエフェクタ。
(12) 前記第1の遠位カップが、前記受け入れ半島部内に配置された延在着面ゾーンを含む、実施態様6に記載のエンドエフェクタ。
(13) 前記複数のポケットが、第3のステープルと整列した第3のポケットを更に含み、前記第3のポケットが、第3の近位カップと第3の遠位カップとを含み、前記第2の近位カップが、前記第3の近位カップの一部と前記第3の遠位カップの一部との間の第2の受け入れ半島部内へと延在する、実施態様6に記載のエンドエフェクタ。
(14) 前記ポケットが複数の列に配置されており、前記複数の列が、
前記第1のポケットを含む内側列と、
前記第2のポケットを含み、前記第2のポケットが、前記第1のポケットからずれている、中間列と、
前記第3のポケットを含み、前記第3のポケットが、前記第1のポケットと整列している、外側列とを含む、実施態様13に記載のエンドエフェクタ。
(15) 外科用ステープラと共に使用するためのエンドエフェクタであって、
複数のステープルを備えるステープルカートリッジであって、前記複数のステープルが第1のステープルと第2のステープルとを含み、前記第2のステープルが、前記第1のステープルに対して角度を付けて配向されている、ステープルカートリッジと、
ステープル形成面を含むアンビルであって、複数のポケットが前記ステープル形成面内に画定されており、前記複数のポケットが複数の列に配置されており、前記複数の列が、
前記第1のステープルと整列した第1のポケットを含み、前記第1のポケットが、最も狭い領域を含む、第1の列と、
前記第2のステープルと整列した第2のポケットを含み、前記第2のポケットが、近位端と遠位端とを有し、前記近位端と前記遠位端との間に延在するポケット軸が、前記第1のポケットの前記最も狭い領域を横切る、第2の列とを含む、アンビルと、を備える、エンドエフェクタ。
【0486】
(16) 前記第1のポケットが周囲を有し、前記第2のポケットが、前記第1のポケットの前記周囲で入れ子になっている、実施態様15に記載のエンドエフェクタ。
(17) 前記ステープル形成面が、前記ポケットの周りに延在する非形成部分を含み、前記非形成部分が、前記ステープル形成面の50%未満を含む、実施態様15に記載のエンドエフェクタ。
(18) 前記第2のポケットが、前記ポケット軸に沿って延在する溝を含む、実施態様15に記載のエンドエフェクタ。
(19) 前記ステープル形成部分が、前記ポケットの周りに延在する非形成部分を含み、前記第2ポケットが、前記近位端と前記遠位端との間に延在する側壁を含み、前記側壁が、前記近位端から前記遠位端まで前記非形成部分に対して一定の角度で配向されている、実施態様15に記載のエンドエフェクタ。
(20) 前記第2のポケットが、面取りされた周囲を有する、実施態様15に記載のエンドエフェクタ。