(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】ロボット外科用ツール洗浄システム用アダプタ
(51)【国際特許分類】
A61B 90/70 20160101AFI20241015BHJP
A61B 34/30 20160101ALI20241015BHJP
【FI】
A61B90/70
A61B34/30
(21)【出願番号】P 2022500939
(86)(22)【出願日】2020-07-07
(86)【国際出願番号】 IB2020056376
(87)【国際公開番号】W WO2021005506
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2023-05-26
(32)【優先日】2019-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ラーダーマッハー・ライン・デリック
(72)【発明者】
【氏名】クロッペンボルグ・ニコラス・マーティン
(72)【発明者】
【氏名】バーチナル・マーク・ロニンゲン
(72)【発明者】
【氏名】サボ・ブラッドリー・ジェイコブ
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/013314(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/148266(WO,A1)
【文献】特開2007-229493(JP,A)
【文献】特表2002-508219(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 90/70
A61B 34/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット外科用ツール、及び、アダプタを備えたロボット外科用ツール自動洗浄機システムであって、
前記ロボット外科用ツールは、前記ロボット外科用ツールにおける機構を駆動させるための内部構成要素を内部に含んだ駆動ハウジング
を備え、
前記アダプタは、
前記駆動ハウジングと嵌合可能なフレームと、
前記フレーム
の上
面に画定され、かつ前記フレーム
の前記上面に画定された凹部と少なくとも部分的に外接する肩部と、
前記フレームを通って
前記上面から底面まで延在
し、前記フレームを上下方向に貫通する1つ又は2つ以上の流体開口部と、
前記フレームから
上方に突出し、かつ前記駆動ハウジングの底部に画定された対応する1つ又は2つ以上の開口部と位置合わせし、前記対応する1つ又は2つ以上の開口部内に延在するように配置された1つ又は2つ以上の位置合わせ機構と
、
を備え、
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ機構のうちの少なくとも1つが、前記対応する1つ又は2つ以上の開口部のうちの関連する開口部に部分的にのみ栓を
し、
前記駆動ハウジングの前記底部が、前記フレームの前記上面上にあり、
前記対応する1つ又は2つ以上の開口部は、前記駆動ハウジングの前記底部を貫通しており、前記ロボット外科用ツール自動洗浄機システムの洗浄液供給部から送り出された洗浄液が、前記1つ又は2つ以上の流体開口部を通って下から上に流れ、前記凹部内に搬送され、前記凹部内における前記洗浄液が、前記対応する1つ又は2つ以上の開口部のうちの前記関連する開口部における前記栓がされていない部分を通って、前記駆動ハウジングの前記内部に搬送されるようになっている、ロボット外科用ツール自動洗浄機システム。
【請求項2】
前記肩部が、前記フレームの
前記上面から外向きに突出する連続リブ又は非連続リブを備える、請求項1に記載の
ロボット外科用ツール自動洗浄機システム。
【請求項3】
前記駆動ハウジングが前記アダプタに適切に取り付けられるとき、前記駆動ハウジングの前記底部が、前記肩部上に載置される、請求項1に記載の
ロボット外科用ツール自動洗浄機システム。
【請求項4】
使用済み洗浄液が、前記1つ又は2つ以上の流体開口部を介して前記凹部から排出される、請求項1に記載の
ロボット外科用ツール自動洗浄機システム。
【請求項5】
前記洗浄液が、前記1つ又は2つ以上の流体開口部を介して前記凹部内に搬送される、請求項4に記載の
ロボット外科用ツール自動洗浄機システム。
【請求項6】
ガスが、前記1つ又は2つ以上の流体開口部を介して前記駆動ハウジングの前記内部に導入され、前記駆動ハウジングの
前記内部構成要素を乾燥させる、請求項1に記載の
ロボット外科用ツール自動洗浄機システム。
【請求項7】
前記凹部の底部が、前記凹部の中心線に向かって
低くなるように傾斜しており、前記1つ又は2つ以上の流体開口部が、前記中心線に配置されている、請求項1に記載の
ロボット外科用ツール自動洗浄機システム。
【請求項8】
前記凹部を横切る1つ又は2つ以上の流体ダムを更に備える、請求項1に記載の
ロボット外科用ツール自動洗浄機システム。
【請求項9】
ロボット外科用ツール、及び、アダプタを備えたロボット外科用ツール自動洗浄機システムであって、
前記ロボット外科用ツールは、前記ロボット外科用ツールにおける機構を駆動させるための内部構成要素を内部に含んだ駆動ハウジング
を備え、
前記アダプタは、
前記駆動ハウジングと嵌合可能なフレームと、
前記フレーム
の上
面に画定され、かつ前記フレーム
の前記上面に画定された凹部と少なくとも部分的に外接する肩部と、
前記フレームを通って
前記上面から底面まで延在
し、前記フレームを上下方向に貫通する1つ又は2つ以上の流体開口部と、
前記フレームから
上方に突出し、かつ前記駆動ハウジングの底部に画定された対応する1つ又は2つ以上の開口部と位置合わせし、前記対応する1つ又は2つ以上の開口部内に延在するように配置された1つ又は2つ以上の位置合わせ機構と
、
前記フレーム内に画定された1つ又は2つ以上の内部導管と、
前記フレームに接続され、かつ前記1つ又は2つ以上の内部導管と流体連通する継手と、
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ機構のうちの少なくとも1つに画定され、かつ前記1つ又は2つ以上の内部導管と流体連通する流体出口と
、
を備え、
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ機構のうちの少なくとも1つが、前記対応する1つ又は2つ以上の開口部のうちの関連する開口部に部分的にのみ栓をし、
洗浄液が、
前記継手、前記1つ又は2つ以上の内部導管、及び、前記流体出口を介して前記駆動ハウジングの
前記内部に導入され
、
前記駆動ハウジングの前記内部に導入された前記洗浄液が、前記対応する1つ又は2つ以上の開口部のうちの前記関連する開口部における前記栓がされていない部分を通って、前記凹部内に搬送され、前記凹部内に搬送された前記洗浄液が、前記1つ又は2つ以上の流体開口部を通って上から下に流れて、前記フレームの外に出ることで、前記駆動ハウジング及び前記アダプタから前記洗浄液を排出することが行われるようになっている、ロボット外科用ツール自動洗浄機システム。
【請求項10】
ガスが、前記流体出口を介して前記駆動ハウジングの前記内部に導入され、前記駆動ハウジングの
前記内部構成要素を乾燥させる、請求項9に記載の
ロボット外科用ツール自動洗浄機システム。
【請求項11】
前記肩部に連結され、かつ前記凹部内に延在して前記駆動ハウジングの外面に係合して封止するガスケットを更に備える、請求項1に記載の
ロボット外科用ツール自動洗浄機システム。
【請求項12】
前記ガスケットが、前記凹部の上面の上に位置付けられ、前記凹部の全周の周りに延在する、請求項11に記載の
ロボット外科用ツール自動洗浄機システム。
【請求項13】
前記肩部が、下部から分離可能な上部を備え、前記ガスケットが、前記上部と前記下部との間で前記フレームに固定されている、請求項11に記載の
ロボット外科用ツール自動洗浄機システム。
【請求項14】
ロボット外科用ツールを洗浄する方法であって、
前記ロボット外科用ツールを駆動させるための内部構成要素を内部に含んだ前記ロボット外科用ツールの駆動ハウジングと自動洗浄機システムのアダプタのフレームとを嵌合することであって、前記フレームが、
前記フレーム
の上
面に画定され、かつ前記フレーム
の前記上面に画定された凹部と少なくとも部分的に外接する、肩部と、
前記フレームを通って
前記上面から底面まで延在
し、前記フレームを上下方向に貫通する1つ又は2つ以上の流体開口部と
を備える、嵌合することと、
前記フレームから突出する1つ又は2つ以上の位置合わせ機構を、前記駆動ハウジングの底部に画定された対応する1つ又は2つ以上の開口部内まで延在させ、それによって前記駆動ハウジングと前記フレームとを位置合わせすることと、
前記アダプタを使用して、前記駆動ハウジングの
前記内部に洗浄液を導入することと、
前記1つ又は2つ以上の流体開口部を介して前記駆動ハウジング及び前記アダプタから前記洗浄液を排出することと
を含
み、
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ機構のうちの少なくとも1つが、前記対応する1つ又は2つ以上の開口部のうちの関連する開口部に部分的にのみ栓をし、
前記駆動ハウジングの前記底部が、前記フレームの前記上面上にあり、
前記対応する1つ又は2つ以上の開口部は、前記駆動ハウジングの前記底部を貫通しており、前記自動洗浄機システムの洗浄液供給部から送り出された前記洗浄液が、前記1つ又は2つ以上の流体開口部を通って下から上に流れ、前記凹部内に搬送され、前記凹部内における前記洗浄液が、前記対応する1つ又は2つ以上の開口部のうちの前記関連する開口部における前記栓がされていない部分を通ることで、前記駆動ハウジングの前記内部に前記洗浄液を導入することが行われ、
前記駆動ハウジングの前記内部に導入された前記洗浄液が、前記対応する1つ又は2つ以上の開口部のうちの前記関連する開口部における前記栓がされていない前記部分を通って、前記凹部内に搬送され、前記凹部内に搬送された前記洗浄液が、前記1つ又は2つ以上の流体開口部を通って上から下に流れて、前記フレームの外に出ることで、前記駆動ハウジング及び前記アダプタから前記洗浄液を排出することが行われるようになっている、方法。
【請求項15】
前記1つ又は2つ以上の流体開口部、及び前記駆動ハウジングの前記底部に画定された前記1つ又は2つ以上の開口部を介して、前記駆動ハウジングの
前記内部にガスを導入することと、
前記駆動ハウジングの
前記内部構成要素を前記ガスを用いて乾燥させることと
を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ロボット外科用ツールを洗浄する方法であって、
前記ロボット外科用ツールを駆動させるための内部構成要素を内部に含んだ前記ロボット外科用ツールの駆動ハウジングと自動洗浄機システムのアダプタのフレームとを嵌合することであって、前記フレームが、前記フレームの上面に画定され、かつ前記フレームの前記上面に画定された凹部と少なくとも部分的に外接する、肩部を備える、嵌合することと、
前記フレームから突出する1つ又は2つ以上の位置合わせ機構を、前記駆動ハウジングの底部に画定された対応する1つ又は2つ以上の開口部内まで延在させ、それによって前記駆動ハウジングと前記フレームとを位置合わせすることと、
前記アダプタを使用して、前記駆動ハウジングの前記内部に洗浄液を導入することと、
前記1つ又は2つ以上の流体開口部を介して前記駆動ハウジング及び前記アダプタから前記洗浄液を排出することと
を含み、
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ機構のうちの少なくとも1つが、前記対応する1つ又は2つ以上の開口部のうちの関連する開口部に部分的にのみ栓をしており、
前記洗浄液を前記駆動ハウジングの前記内部に導入することが、
前記フレームに接続され、かつ前記フレーム内に画定された1つ又は2つ以上の内部導管と流体連通する継手を介して、前記1つ又は2つ以上の内部導管に前記洗浄液を搬送することと、
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ機構のうちの少なくとも1つに画定され、かつ前記1つ又は2つ以上の内部導管と流体連通する流体出口を介して、前記1つ又は2つ以上の内部導管から前記駆動ハウジングの前記内部に前記洗浄液を排出することと
を含
み、
前記駆動ハウジング及び前記アダプタから前記洗浄液を排出することが、
前記駆動ハウジングの前記内部における前記洗浄液を、前記対応する1つ又は2つ以上の開口部のうちの前記関連する開口部における前記栓がされていない部分を通して、前記凹部内に搬送し、前記凹部内に搬送された前記洗浄液を、前記1つ又は2つ以上の流体開口部を通して上から下に流して、前記フレームの外に出すことを含む、方法。
【請求項17】
前記流体出口を介して前記駆動ハウジングの
前記内部にガスを導入することと、
前記駆動ハウジングの
前記内部構成要素を前記ガスを用いて乾燥させることと
を更に含む、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
前記フレームが、前記肩部に連結され、かつ前記凹部内に延在するガスケットを更に含み、前記駆動ハウジングと前記フレームとを嵌合させることが、前記ガスケットと前記駆動ハウジングの外面とを封止係合することを含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
低侵襲手術(minimally invasive surgical、MIS)器具は、術後回復時間が短縮され、かつ瘢痕が最小限であるため、多くの場合、従来の開腹手術デバイスよりも好ましい。腹腔鏡手術は、1つ又は2つ以上の小切開が患者の腹部に形成され、トロカールが切開を通して挿入されて、腹腔へのアクセスを提供する経路を形成する、MIS手技の一種である。トロカールを通して、種々の器具及び外科用ツールを腹腔内に導入することができる。トロカールを介して腹腔内に導入されるこれらの器具及びツールを使用し、多くの方法で組織と係合し及び/又は組織を処置して、診断又は治療効果を得ることができる。
【0002】
MIS手技を支援するために、種々のロボットシステムが近年開発されてきた。ロボットシステムは、自然な目と手の軸を維持することにより、直感的な手の運動を可能にすることができる。ロボットシステムはまた、自然な手のような関節を形成する関節運動可能な「手首部」関節を含むことによって、多自由度での運動を可能にすることができる。このようなシステムでは、器具の遠位端部に位置付けられたエンドエフェクタは、手首部関節を通って延在する1つ又は2つ以上の駆動ケーブル(又は他の細長い部材)を有するケーブル駆動運動システムを使用して関節運動(移動)することができる。ユーザ(例えば、外科医)は、手術器具に連結されたツール駆動部と連通する1つ又は2つ以上のコントローラを空間内で把持及び操作することにより、器具のエンドエフェクタを遠隔操作することが可能である。ユーザ入力は、ロボット外科用システム内に組み込まれたコンピュータシステムにより処理され、ツール駆動部は、ケーブル駆動型運動システムを作動させることにより応答し、それにより、駆動ケーブル内の張力バランスを能動的に制御する。駆動ケーブルを移動させることにより、エンドエフェクタを所望の角度位置及び構成に関節運動させる。
【0003】
ロボット外科用ツールは、通常、駆動ハウジングと、駆動ハウジングから延在するシャフトと、を含む。エンドエフェクタは、シャフトの端部に位置付けられ、手首部は、エンドエフェクタの関節運動を容易にするために、エンドエフェクタとシャフトの端部との間にある。駆動ハウジングは、外科用ツールとロボット外科用システムとを解放可能に連結する連結機構を含み、エンドエフェクタと関連付けられた種々の機構の動作を制御するように設計された種々の駆動入力及びメカニズム(例えば、歯車、アクチュエータなど)を収容する。
【0004】
使用後、外科用ツールの駆動ハウジング及び他の構成部品は、完全に洗浄及び消毒される必要がある。患者の健康のために適切で効果的な洗浄が重要であるため、ロボット外科用ツールの洗浄プロセスに対する改善が継続的に必要である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
以下の図は、本開示の特定の態様を例解するために含まれるが、排他的な実施形態として見られるべきではない。開示される主題は、本開示の範囲から逸脱することなく、形態及び機能における考慮すべき修正、変更、組合せ、及び等価物が可能である。
【
図1】本開示の原理のいくつか又は全てを組み込むことができる例示的なロボット外科用システムのブロック図である。
【
図2】本開示の原理のいくつか又は全てを組み込むことができる例示的な外科用ツールの等角側面図である。
【
図3】
図2の外科用ツールの手首部が関節運動(枢動)又は並進し得る、潜在的自由度を示す図である。
【
図4】1つ又は2つ以上の実施形態による、ロボット外科用ツール自動洗浄機システムの例示的なアダプタの等角上面図である。
【
図5】1つ又は2つ以上の追加の実施形態による、ロボット外科用ツール自動洗浄機システムの別の例示的なアダプタの等角図である。
【
図6A】1つ又は2つ以上の追加の実施形態による、ロボット外科用ツール自動洗浄機システムの別の例示的なアダプタの等角図である。
【
図6B】1つ又は2つ以上の追加の実施形態による、
図6Aのアダプタに取り付けられた駆動ハウジングの一部分を示す図である。
【
図6C】1つ又は2つ以上の実施形態による、駆動ハウジングが取り付けられた
図6A~
図6Cのアダプタの断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示は、ロボット外科用システムに関し、より具体的には、ロボット外科用ツールの駆動ハウジングが洗浄及び消毒のために取り付けられ得るアダプタに関する。
【0007】
本明細書に開示した実施形態は、ロボット外科用ツール自動洗浄機システムの例示的なアダプタを説明する。アダプタは、ロボット外科用ツールの駆動ハウジングと嵌合可能なフレームと、フレーム上に画定され、かつフレーム内に画定された凹部と少なくとも部分的に外接する肩部と、凹部内に画定され、かつフレームを通って上面から底面まで延在する1つ又は2つ以上の流体開口部と、を含むことができる。1つ又は2つ以上の位置合わせ機構は、フレームから突出してもよく、駆動ハウジングの底部に画定された対応する1つ又は2つ以上の開口部と位置合わせし、対応する1つ又は2つ以上の開口部内に延在するように配置される。1つ又は2つ以上の位置合わせ機構のうちの少なくとも1つは、対応する1つ又は2つ以上の開口部のうちの関連する開口部に、部分的にのみ栓をする。
【0008】
図1は、本開示の原理のいくつか又は全てを組み込むことができる例示的なロボット外科用システム100のブロック図である。図示のように、システム100は、ユーザ入力制御器102aの少なくとも1つのセットと、少なくとも1つの制御コンピュータ104と、を含むことができる。制御コンピュータ104は、ロボットマニピュレータ、より具体的には、(代替的に「ツール駆動部」と呼ぶ)1つ又は2つ以上のロボットアーム106に、機械的及び/又は電気的に連結されてもよい。いくつかの実施形態では、ロボットマニピュレータは、ロボット外科用システム100を携帯可能にし得るアームカートに含まれるか、そうでなければ取り付けられてもよい。各ロボットアーム106は、患者110に対して種々の外科的作業を実施するための1つ又は2つ以上の外科用器具又はツール108を取り付ける場所を含む、そうでなければ場所を提供してもよい。ロボットアーム106及び関連ツール108の動作は、ユーザ入力制御器102aから、臨床医112a(例えば、外科医)が指示してもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、ユーザ入力制御器102bの第2のセット(破線で示す)は、第1の臨床医112aと連携して、ロボットアーム106及びツール108の動作を指示するために、第2の臨床医112bが操作してもよい。そのような実施形態では、例えば、各臨床医112a、bは、異なるロボットアーム106を制御してもよく、又は場合により、ロボットアーム106の完全な制御を、臨床医112a、bの間で交代してもよい。いくつかの実施形態では、患者110の手術中に、追加のロボットアーム(図示せず)を有する追加のロボットマニピュレータ(図示せず)を利用してもよく、追加のロボットアームを、ユーザ入力制御器102a、bのうちの1つ又は2つ以上が制御してもよい。
【0010】
制御コンピュータ104及びユーザ入力制御器102a、bは、種々の通信信号(例えば、電気、光学、赤外線など)を搬送するように構成された任意の種類の有線又は無線電気通信手段であり得る通信リンク114を介して、任意の通信プロトコルに従って、互いに通信してもよい。
【0011】
ユーザ入力制御器102a、bは、一般に、臨床医112a、bによって把持又は操作され、かつステレオディスプレイを介して手技を見ながら空間内で操作され得る1つ又は2つ以上の物理制御器を備える。物理制御器は、複数の自由度で動作可能な手動入力デバイスを備えることができ、外科用ツール(複数可)108を作動させる作動可能なハンドル又はペダルを含むことが多い。外科用器具に加えられている力の量(即ち、切断器具又は動的クランプ部材)など、種々の外科用器具メトリックの視覚的表示を提供するために、制御コンピュータ104はまた、ディスプレイを介して臨床医112a、bが見ることができる任意選択のフィードバックメータを含むことができる。
【0012】
図2は、本開示の原理のいくつか又は全てを組み込むことができる例示的な外科用ツール200の等角側面図である。外科用ツール200は、
図1の外科用ツール(複数可)108と同一又は同様であってよく、したがって、
図1のロボット外科用システム100などのロボット外科用システムと併せて使用され得る。しかしながら、他の実施形態では、外科用ツール200の態様は、本開示の範囲から逸脱することなく、手動又は手で操作される方法で使用するように適合されてもよい。
【0013】
図示のように、外科用ツール200は、細長いシャフト202と、エンドエフェクタ204と、エンドエフェクタ204をシャフト202の遠位端部に連結する手首部206(代替的に「手首部関節」又は「関節運動可能手首部関節」と呼ぶ)と、シャフト202の近位端部に連結された駆動ハウジング208と、を含む。ロボット外科用システムでは、駆動ハウジング208は、外科用ツール200をロボット外科システム(例えば、
図1のロボットアーム106)に解放可能に連結する連結機構を含むことができる。
【0014】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用ツール200(例えば、駆動ハウジング208)をロボットマニピュレータに機械的及び電気的に連結するように構成されたインタフェースを有するロボット外科用システムに対して定義される。「近位」という用語は、ロボットマニピュレータにより近い要素の位置を指し、「遠位」という用語は、エンドエフェクタ204により近く、したがってロボットマニピュレータからより離れた要素の位置を指す。代替的に、手動又は手で操作される用途では、「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科医又は臨床医などのユーザに対して定義される。「近位」という用語は、ユーザにより近い要素の位置を指し、「遠位」という用語は、エンドエフェクタ204により近く、したがって、ユーザからより離れた要素の位置を指す。更に、上、下、上方、下方、上向き、下向き、左、右等などの方向用語の使用は、それらが図に示されるように例解的な実施形態に関連して使用され、上向き又は上方方向は、対応する図の頂部に向かっており、下向き又は下方方向は、対応する図の底部に向かっている。
【0015】
外科用ツール200の使用中、エンドエフェクタ204は、手術部位に対して所望の方向及び場所に、エンドエフェクタ204を位置付けるために、手首部206においてシャフト202に対して移動(枢動)するように構成される。これを達成するために、駆動ハウジング208は、エンドエフェクタ204に関連付けられた種々の機構の動作(例えば、クランプ、発射、回転、関節運動、切断など)を制御するように設計された種々の駆動入力及びメカニズム(例えば、歯車、アクチュエータ、駆動部材など)を含む(収容する)。少なくともいくつかの用途では、シャフト202、及びシャフト202に連結されたエンドエフェクタ204は、シャフト202の長手方向軸A1周りに回転するように構成される。このような実施形態では、駆動入力の少なくとも1つは、長手方向軸A1周りのシャフト202の回転運動を制御する。
【0016】
エンドエフェクタ204は、限定しないが、鉗子、把持器、ニードルドライバ、鋏、電気焼灼器ツール、ベッセルシーラ、ステープラ、クリップアプライヤ、フック、スパチュラ、吸引ツール、灌注ツール、撮像デバイス(例えば、内視鏡又は超音波プローブ)、又はこれらの任意の組合せを備え得る。図示の実施形態では、エンドエフェクタ204は、開放位置と閉鎖位置との間で移動(関節運動)するように構成される対向するジョー210、212を含む、組織把持器及びベッセルシーラを備える。しかしながら、理解されるように、対向するジョー210、212は、限定しないが、外科用鋏、クリップアプライヤ、ニードルドライバ、一対の対向する把持ジョーを含むバブコック、双極ジョー(例えば、双極メリーランド型把持器、鉗子、有窓把持器等)など、他の種類のエンドエフェクタの一部を代替的に形成し得る。ジョー210、212の一方又は両方は、ジョー210、212を開放及び閉鎖するために、他方に対して枢動するように構成され得る。しかしながら、本開示の原理は、対向するジョーを有しないエンドエフェクタに等しく適用可能である。いくつかの実施形態では、外科用ツール200は、高周波(RF)エネルギーなどのエネルギーを組織に加えるように更に構成されてもよい。
【0017】
図3は、手首部206が関節運動(枢動)し得る潜在的自由度を示している。手首部206は、シャフト202に対するエンドエフェクタ204の枢動運動を可能にするように構成されている関節を備える。手首部206の自由度は、3つの並進変数(即ち、サージ、ヒーブ、及びスウェイ)により、及び3つの回転変数(即ち、オイラー角又はロール、ピッチ、及びヨー)により表される。並進変数及び回転変数は、所与の基準デカルトフレームに対するエンドエフェクタ204の位置及び方向を説明する。「サージ」は、前後の並進運動を指し、「ヒーブ」は、上下の並進運動を指し、「スウェイ」は、左右の並進運動を指す。「ロール」は、左右に傾斜することを指し、「ピッチ」は、前後に傾斜することを指し、「ヨー」は、左右に回転することを指す。
【0018】
枢動運動は、手首部206の第1の軸(例えば、X軸)周りのピッチ運動、手首部206の第2の軸(例えば、Y軸)周りのヨー運動、及びこれらの組合せを含むことができ、手首部206周りに、エンドエフェクタ204の360°回転運動を可能にする。他の用途では、枢動運動を、単一平面内での運動、例えば、手首部206の第1の軸周りのピッチ運動のみ、又は手首部206の第2の軸周りのヨー運動のみに、限定することができ、その結果、エンドエフェクタ204は単一平面内でのみ運動する。
【0019】
再び
図2を参照すると、外科用ツール200はまた、シャフト202に対するエンドエフェクタ204の移動及び関節運動を容易にするケーブル駆動運動システムの一部を形成する複数の駆動ケーブル(
図2では隠れている)を含み得る。駆動ケーブルを移動させる(作動させる)ことにより、エンドエフェクタ204は、非関節運動位置と関節運動位置との間で移動する。
図2において、エンドエフェクタ204の長手方向軸A
2が、シャフト202の長手方向軸A
1と実質的に位置合わせされ、それにより、シャフト202に対するエンドエフェクタ204の角度が実質的にゼロになるような非関節運動位置に、エンドエフェクタ204を図示している。関節運動位置では、長手方向軸A
1、A
2は、シャフト202に対するエンドエフェクタ204の角度がゼロ以外にあるように、互いから角度的にオフセットされることになる。
【0020】
いくつかの実施形態では、外科用ツール200には、駆動ハウジング208に連結された電力ケーブル214を介して電力(電流)が供給されてもよい。他の実施形態では、電力ケーブル214は、省略されてもよく、また電力は、1つ又は2つ以上の電池又は燃料電池などの内部電源を介して外科用ツール200に供給されてもよい。このような実施形態では、外科用ツール200は、代替的に、エンドエフェクタ204に電気エネルギーを供給することが可能な「電気外科用器具」として特徴付けられ得、別様にそのように称され得る。電力ケーブル214は、外科用ツール200を発生器216と連通させることができ、発生器216は、電気エネルギー(例えば、高周波エネルギー)、超音波エネルギー、マイクロ波エネルギー、熱エネルギー、又はこれらの任意の組合せなどのエネルギーを、外科用ツール200、より具体的にはエンドエフェクタ204に供給する。
【0021】
外科用ツール200を、整備する場所に配置した後、将来の使用の準備のために適切に洗浄する必要がある。駆動ハウジング208内に収容された、いくつかの可動構成要素部品のために、駆動ハウジング208の内部構成要素を適切に洗浄することは、複雑で時間がかかるプロセスとなり得る。本開示によれば、駆動ハウジング208を洗浄液及び消毒液で充填し、同時に排水及び乾燥能力を維持するように設計された自動洗浄機システムに、駆動ハウジング208を連結するために、外科用ツール200と機械的に接続するアダプタの種々の実施形態を開示している。
【0022】
図4は、1つ又は2つ以上の実施形態による、ロボット外科用ツール自動洗浄機システムのための例示的なアダプタ400の等角上面図である。自動洗浄機システムを使用して駆動ハウジング208の内部構成要素部品の洗浄及び消毒を容易にするために、アダプタ400は、駆動ハウジング208を受容し、かつそれと嵌合するように、サイズ設定され得る、そうでなければ構成され得る。具体的には、アダプタ400は、駆動ハウジング208の底部と係合可能、そうでなければ嵌合可能であり得る。駆動ハウジング208がアダプタ400に適切に嵌合されると、自動洗浄機システムは、洗浄液及び消毒液(以下、「洗浄液」)を、アダプタ400を介して駆動ハウジング208の内部に注入することによって動作を開始し得る。洗浄液は、駆動ハウジング208の内部構成要素を浸漬し得、そうでなければコーティングし得、それによって、そのような内部部品の洗浄及び消毒を助ける。洗浄液は、駆動ハウジング208を通って流され、その後、アダプタ400を介して駆動ハウジング208から排出され得る。
【0023】
自動洗浄機システムによって使用される洗浄液は、駆動ハウジングの内部構成要素部品を洗浄及び消毒するように構成された任意の水性流体を含み得る。洗浄液の例としては、限定しないが、Prolystica(登録商標)2X酵素洗剤及びNeodisher Mediclean Forteなどの洗剤が挙げられる。
【0024】
図示のように、アダプタ400は、駆動ハウジング208の底部のサイズ及び形状に概ね一致するように設計された、概して長方形のフレーム402を含むことができる。しかしながら、他の実施形態では、フレーム402のサイズ及び形状は、本開示の範囲から逸脱することなく、駆動ハウジング208の形状と一致する必要はない。フレーム402は、限定しないが、金属、プラスチック、ゴム、複合材料、又はそれらの任意の組合せを含む種々の剛性又は半剛性材料で作製されてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、図示のように、フレーム402は、フレーム402の外周の一部又は全部にわたって連続的又は非連続的に延在する肩部404を提供しても、そうでなければ画定してもよい。図示の実施形態では、肩部404は、フレーム402の少なくとも3つの側面の部分を囲む連続リブ機構を提供する。肩部404は、代替的に、フレーム402の全周の周りに延在し得、そうでなければ、本開示の範囲から逸脱することなく、フレーム402の周囲の一部又は全部にわたって非連続的であり得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、駆動ハウジング208がアダプタ400に適切に取り付けられたとき、駆動ハウジング208の底部は、肩部404に係合するか、又は肩部404の上に載置されるように構成されてもよい。他の実施形態では、又はそれに加えて、締り嵌め又はスナップフィット係合などを介した、駆動ハウジング208をアダプタ400に固定する係合において、駆動ハウジング208の底部は、肩部404と嵌合するように構成されてもよい。肩部404はまた、駆動ハウジング208とアダプタ400との適切な位置合わせを助け、それによって2つの構造間の容易な嵌合係合を助けるように設計され得る。このような実施形態では、対応する溝又はチャネル(図示せず)は、駆動ハウジング208の底部に画定され得、肩部404は、駆動ハウジング208とアダプタ400との位置合わせを助けるように、溝に位置合わせされ、溝内に受容され得る。
【0027】
図示のように、肩部404は、アダプタ400の上面から短い距離だけ外向きに突出し、それによって、フレーム402の上面での凹部406の画定を助ける。1つ又は2つ以上の流体開口部408は、凹部406内に画定され、フレーム402を通って上面から底面まで延在する。6つの流体開口部408を
図4に示しているが、本開示の範囲から逸脱することなく、6つ以上、又は6つ未満を、フレーム402に提供してもよい。
【0028】
流体開口部408は、洗浄動作中に、洗浄液をアダプタ400から搬送し、かつ洗浄液をアダプタ400に搬送する導管を提供する。具体的には、洗浄液は、流体開口部408を介して凹部406に導入され得、次いで、アダプタ400は、洗浄液を、アダプタ400に取り付けられた駆動ハウジング208に搬送することができる。流体開口部408はまた、洗浄及び消毒後にアダプタ400及び駆動ハウジング208から、使用済み洗浄液の排出を助ける排水導管を提供する。いくつかの実施形態では、流体開口部408は、駆動ハウジング208の内部構成要素の乾燥を助けるように更に使用されてもよい。そのような実施形態では、ガス(例えば、空気又は別の乾燥ガス)は、流体開口部408を介して駆動ハウジング208の内部に注入されてもよい。ガスの継続的な注入は、駆動ハウジング208の内部構成要素を乾燥し、内部に残る可能性がある洗浄液を更に流すことを助けることになる。
【0029】
いくつかの実施形態では、図示のように、凹部406の底部は、凹部406の中心線410に向かって、尻すぼみになっても、又は傾斜してもよく、流体開口部408は、中心線410に位置しても、又は中心線410の近くに位置してもよい。その結果、凹部406は、使用済み洗浄液を排出するために、中心線410及び流体開口部408に向かう流体の流れを促進し得る。しかしながら、他の実施形態では、本開示の範囲から逸脱することなく、凹部406の底部は平坦であってもよい。
【0030】
少なくとも1つの実施形態では、フレーム402は、凹部406を横断する、又は少なくとも部分的に横切って延在する1つ又は2つ以上の流体ダム412(1つを図示)を更に提供又は画定してもよい。流体ダム(複数可)412は、洗浄動作中に凹部406内での洗浄液の保持を助けるが、駆動ハウジング208の底部の対応する機構と嵌合するようにも構成され得、それによって駆動ハウジング208とアダプタ400とを適切に位置合わせすることを助け得る。
【0031】
1つ又は2つ以上の実施形態では、フレーム402は、チャネル414を更に提供又は画定してもよく、それは、流体開口部と共に容易な追加の排水を助け得る。少なくとも1つの実施形態では、図示のように、チャネル414は、中心線410に沿って凹部406から延在し得るが、代替的に任意の他の場所に配置され得る。
【0032】
アダプタ400は、フレーム402の上面から突出する1つ又は2つ以上の位置合わせ機構416を更に提供又は画定してもよい。いくつかの実施形態では、図示のように、位置合わせ機構416のうちの1つ又は2つ以上は、肩部404の高さを超えて延在してもよい。位置合わせ機構416は、駆動ハウジング208の底部に画定された対応する開口部(オリフィス)と位置合わせし、対応する開口部内に延在するように、フレーム402上に配置されてもよい。肩部404(及び流体ダム412)と併せて、位置合わせ機構416の設計及び配置は、洗浄動作のために、駆動ハウジング208(
図2)のフレーム402上への適切な位置合わせを助け得る。
【0033】
駆動ハウジング208の底部に画定された開口部(オリフィス)はまた、駆動ハウジング208の内部への流体連通を容易にし得る。その結果、洗浄液がアダプタ400に導入されると、洗浄液もまた、そのような開口部(オリフィス)を介して駆動ハウジング208の内部に移動し、駆動ハウジング208の内部を充填することになる。しかしながら、いくつかの実施形態では、位置合わせ機構416のうちの1つ又は2つ以上は、駆動ハウジング208の対応する開口部(オリフィス)に栓をしても、封止してもよく、これにより、アダプタ400は、流れ領域を駆動ハウジング208内に選択的に制限するので、駆動ハウジング208を、洗浄動作中に洗浄液で適切に充填することができる。しかしながら、1つ又は2つ以上の他の位置合わせ機構416は、駆動ハウジング208の対応する開口部に、部分的にのみ栓をしてもよく(例えば、緩く閉塞する)、それによって、洗浄液が駆動ハウジング208から入り、内部構成要素部品が適切に消毒されると、洗浄液を排出することがきる。理解されるように、独立型ツールと比較して、これにより、自動洗浄機での改善した洗浄性、すすぎ、及び流れをもたらし得る。
【0034】
アダプタ400は、駆動ハウジング208を自動洗浄機システムに接続する。動作中、駆動ハウジング208は、自動洗浄機内に配置する前にアダプタ400に取り付けられるか、そうでなければアダプタ400は、自動洗浄機と一体であり得、駆動ハウジング208は、自動洗浄機内に配置されたときに取り付けられる。アダプタ400は、洗浄及び消毒サイクルを通して取り付けられたままである。いくつかの実施形態では、アダプタ400は、自動洗浄機流供給ラインに接続されてもよい。アダプタ400が自動洗浄機と一体である場合、これらの接続は永久的又は半永久的であり得る。アダプタ400が別個の構成要素であるとき、自動洗浄機流供給ラインは取り外し可能である。
【0035】
図5は、1つ又は2つ以上の追加の実施形態による、ロボット外科用ツール自動洗浄機システムのための別の例示的なアダプタ500の等角図である。アダプタ500は、いくつかの点で
図4のアダプタ400と同様であってもよく、したがって、それを参照すれば最もよく理解することができ、同様の符号は、再度詳細に説明しない同様の構成要素を表す。アダプタ400と同様に、例えば、アダプタ500は、駆動ハウジング208(
図4)と嵌合可能なフレーム402を含み、自動洗浄機システムを使用して、駆動ハウジング208の内部構成要素部品の洗浄及び消毒を容易にする。アダプタ500はまた、凹部406の画定を助ける肩部404を含み、適切な嵌合係合のために、駆動ハウジング208とアダプタ500との位置合わせを更に助け得る。流体開口部408は、凹部406内に画定され、フレーム402通って上面から底面まで延在し、洗浄動作中に洗浄液をアダプタ500から排出する導管を提供するために、中心線410と概ね位置合わせされ得る。フレーム402の上面から突出し、かつ駆動ハウジング208の底部に画定された対応する開口部(オリフィス)と位置合わせし、対応する開口部内に少なくとも部分的に延在するように、フレーム402上に配置された位置合わせ機構416を、アダプタ500は更に提供する。
【0036】
しかしながら、
図4のアダプタ400とは異なり、アダプタ500は、フレーム402内に画定された1つ又は2つ以上の内部導管502(破線で示される)と、フレーム402に接続され、かつ内部導管(複数可)502を自動洗浄機システムに流体接続するように構成された継手504と、を含んでもよい。更に、位置合わせ機構416の対応する1つ又は2つ以上に画定されるか、そうでなければそれに提供される1つ又は2つ以上の流体ノズル又は出口506と、内部導管(複数可)502は流体連通してもよい。図示の実施形態では、内部導管502は、継手504から延在し、各流体出口506との流体連通を容易にする2つの平行なチャネルに分割される。流体出口506は、洗浄液が駆動ハウジング208の内部に入るための排出場所を提供する(
図4)。更に、位置合わせ機構416のうちの1つ又は2つ以上は、駆動ハウジング208の対応する開口部(オリフィス)に栓をし得る、又はそれを封止し得る一方で、他の位置合わせ機構416は、駆動ハウジング208の対応する開口部に、部分的にのみ栓をし(例えば、緩く閉塞する)、したがって、洗浄液を駆動ハウジング208から排出することがきる。
【0037】
1つの例示的な洗浄動作では、駆動ハウジング208(
図4)を、概して上述のように、フレーム402に取り付けてもよい。次いで、アダプタ500は、自動洗浄機システムから継手504まで延在するホース又は他の流体導管を連結することによって、自動洗浄機システム(図示せず)と流体連通して配置されてもよい。次いで、洗浄液を、継手504において、自動洗浄機システムから内部導管(複数可)502に導入し、内部導管(複数可)502は、洗浄液を各出口506に搬送し得る。次いで、洗浄液は、出口506を介して駆動ハウジング208の内部に排出され、駆動ハウジング208の内部構成要素を洗浄液を用いてコーティング又は浸漬し、それによってそれら部品を洗浄及び消毒する。処理中及び処理後、使用済み洗浄液は、駆動ハウジング208の対応する開口部に、部分的にのみ栓をする位置合わせ機構416を介して、駆動ハウジング208の内部から排出され得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、凹部406は、2つ以上の流体区画に分割されてもよい。具体的には、フレーム402は、凹部406を横断する、又は少なくとも部分的に横切って延在する1つ又は2つ以上の流体ダム412(3つを図示)を提供又は画定してもよい。図示の実施形態では、流体ダム412は、第1の流体区画508a、第2の流体区画508b、及び第3の流体区画508cの形成を助ける。使用済み洗浄液を排出するため、駆動ハウジング208の内部から排出された後で、少なくとも1つの流体開口部408が、各流体区画508a~cに提供される(
図4)。
【0039】
いくつかの実施形態では、流体導管(複数可)502は、駆動ハウジング208の内部構成要素の乾燥を助けるために更に使用されてもよい(
図4)。そのような実施形態では、ガス(例えば、空気又は別の乾燥ガス)は、継手504を介してアダプタ500に注入され、駆動ハウジング208の内部に排出されるために、流体導管(複数可)502及び出口506を通って循環し得る。ガスの継続的な注入は、駆動ハウジング208の内部構成要素を乾燥し、内部に残る可能性がある洗浄液を更に流すことを助けることになる。
【0040】
図6Aは、ロボット外科用ツール自動洗浄機システムの別の例示的なアダプタ600の等角図であり、
図6Bは、1つ又は2つ以上の追加の実施形態による、アダプタ600に取り付けられた駆動ハウジング208の一部分を示している。駆動ハウジング208の上部分及び駆動ハウジング208の内部部品は、簡略化のために
図6Bで取り外される。
図4及び
図5のそれぞれアダプタ400及び500と同様に、アダプタ600は、自動洗浄機システムを使用して駆動ハウジング208の内部構成要素部品の洗浄及び消毒を容易にするために、駆動ハウジング208と嵌合可能であってもよい。図示のように、アダプタ600は、概して長方形又は錠剤形状のフレーム602を含む。いくつかの実施形態では、フレーム602のサイズ及び形状は、駆動ハウジング208の底部のサイズ及び形状と概して一致してもよい。しかしながら、他の実施形態では、フレーム602のサイズ及び形状は、本開示の範囲から逸脱することなく、駆動ハウジング208の形状と一致する必要はない。フレーム602は、
図4のフレーム402について上述した材料のうちのいずれかで作製され得る。
【0041】
フレーム602は、フレーム602の外周の全部又は一部にわたって連続的又は非連続的に延在する肩部604を提供する。図示の実施形態では、肩部604は、フレーム602全体を囲む連続リブを提供する。肩部604の形状は、概して、駆動ハウジング208の外周の形状と一致し得、駆動ハウジング208をアダプタ600に取り付けることは、肩部604で駆動ハウジング208の底部を受容することを伴い得る。1つ又は2つ以上の実施形態では、チャネル又は溝606は、駆動ハウジング208の1つ又は2つ以上の構造的機構を収容するために、フレーム602内に、具体的には、肩部604内に画定され得る。図示の実施形態では、溝606は、肩部604内に画定され、駆動ハウジング208の一部を形成する連結機構608(
図6B)を収容するように構成される。
【0042】
図6Aが最もよくわかるが、肩部604は、フレーム602の上面に凹部610を画定することを助け、1つ又は2つ以上の流体開口部612は、凹部610内に画定される。4つの流体開口部612を
図6Aに示しているが、本開示の範囲から逸脱することなく、4つ以上、又は4つ未満がフレーム602に提供されてもよい。流体開口部612は、フレーム602を通って上面から底面まで延在し、洗浄動作中に、洗浄液をアダプタ600に搬送し、かつ洗浄液をアダプタ600から搬送する導管を提供する。具体的には、洗浄液は、流体開口部612を介して凹部610に導入され得、その後、流体開口部612は、駆動ハウジング208の洗浄及び消毒後、凹部610から使用済み洗浄液を排出するために使用され得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、駆動ハウジング208がフレーム602に取り付けられるとき、アダプタ600は、駆動ハウジング208の外面と係合して、封止するように位置付けられたガスケット614を更に含んでもよい。駆動ハウジング208が凹部610内に受容され、それによって凹部610が駆動ハウジング208より下の封止された領域に変わるときに、ガスケット614は、駆動ハウジング208の外面に対して封止されたインタフェースを提供してもよい。図示の実施形態では、ガスケット614は、肩部604から凹部610内に、短い距離だけ内側に延在する。いくつかの実施形態では、ガスケット614は、肩部604の一体的な延長部に連結されても、又はそれを形成してもよい。他の実施形態では、肩部604は、下部616b(
図6A)と嵌合可能な上部616a(
図6A)を備えてもよく、ガスケット614は、上部616aと下部616bとの間でフレーム602に固定されてもよい。少なくとも1つの実施形態では、上部616a及び下部616bは、1つ又は2つ以上の機械的締結具618を使用して共に固定されてもよいが、代替的に、限定しないが、接着剤、締り嵌め、スナップフィット係合、又はそれらの任意の組合せを含む他の手段によって共に固定されてもよい。
【0044】
図6Aが最もよくわかるが、アダプタ600は、フレーム602の上面から突出する1つ又は2つ以上の位置合わせ機構620(図示された1つ)を更に提供又は画定することができる。位置合わせ機構620は、いくつかの点で
図4の位置合わせ機構416と同様であってもよい。
図4の位置合わせ機構416と同様に、例えば、位置合わせ機構620は、駆動ハウジング208の底部に画定された対応する開口部(オリフィス)と位置合わせし、対応する開口部内に少なくとも部分的に延在するように、フレーム602上に配置され得る。肩部604と併せて、位置合わせ機構620の設計及び配置は、洗浄動作のために駆動ハウジング208(
図6B)をフレーム602上に適切に位置合わせすることを助け得る。いくつかの実施形態では、位置合わせ機構620のうちの1つ又は2つ以上は、駆動ハウジング208の対応する開口部(オリフィス)に栓をしても、封止してもよく、これにより、アダプタ600は、流れ領域を駆動ハウジング208内に選択的に制限できるので、駆動ハウジング208を、洗浄動作中に洗浄液で適切に充填することがきる。しかしながら、1つ又は2つ以上の他の位置合わせ機構620は、駆動ハウジング208の対応する開口部に、部分的にのみ栓をし(例えば、緩く閉塞する)、それによって、洗浄液が駆動ハウジング208から入り、内部構成要素部品が適切に消毒されると、洗浄液を排出することがきる。
【0045】
図6Cは、1つ又は2つ以上の実施形態による、駆動ハウジング208がそれに取り付けられた状態のアダプタ600の断面側面図である。図示のように、駆動ハウジング208がフレーム602に取り付けられ、凹部610内に受容されたときに、ガスケット614は、駆動ハウジング208の外面と係合して、封止するように位置付けられる。洗浄液が流体開口部612を介して凹部610に導入されると、洗浄液を駆動ハウジング208の底部に画定された開口部(オリフィス)を介して駆動ハウジング208に強制的に入れるための封止されたインタフェースを、ガスケット614は形成する。したがって、ガスケット614は、駆動ハウジング208の外周の周りに単一の封止を形成し、その結果、アダプタ600の底部からの排水を最小限にし、駆動ハウジング208の内部が洗浄液で充填されることを可能にする。
【0046】
いくつかの実施形態では、図示のように、凹部610の底部は、凹部610の中心線622に向かって、尻すぼみになっても、又は傾斜してもよく、流体開口部612は、中心線622に位置しても、又は中心線622の近くに位置してもよい。その結果、凹部406は、使用済み洗浄液を排出するために、流体の流れを流体開口部612に向かって促進することができる。しかしながら、他の実施形態では、本開示の範囲から逸脱することなく、凹部610の底部は平坦であってもよい。
【0047】
ここで
図6A~6Cを参照すると、例示的な洗浄動作において、駆動ハウジング208(
図6B)は、フレーム602に取り付けられ得、ガスケット614は、概して上述のように、駆動ハウジング208の外周の周りに封止を形成し得る。次いで、アダプタ600は、自動洗浄機システムから流体開口部612まで延在するホース又は他の導管を連結することによって、自動洗浄機システム(図示せず)と流体連通して配置され得る。次いで、洗浄液は、流体開口部612を介して凹部610内に導入され得る。駆動ハウジング208とアダプタ600との間のガスケット614によって促進される封止された係合のために、洗浄液は、封止された領域を充填し、次いで駆動ハウジング208の底部に画定された1つ又は2つ以上の開口部(オリフィス)を介して駆動ハウジング208に進入するように進み得る。洗浄液は、駆動ハウジング208を充填し、それによって、駆動ハウジング208の全ての内面及び部分を洗浄液で覆い得る。次いで、使用済み洗浄液は、流体開口部612を通して駆動ハウジング208及びアダプタ600から排出され得る。いくつかの実施形態では、流体開口部612のサイズにより、使用済み洗浄液は、計量された流量でアダプタ600から排出され得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、流体開口部612は、駆動ハウジング208の内部構成要素の乾燥を助けるために更に使用されてもよい。そのような実施形態では、ガス(例えば、空気又は別の乾燥ガス)は、流体開口部612を介して駆動ハウジング208の内部に注入されてもよい。ガスの継続的な注入は、駆動ハウジング208の内部構成要素を乾燥し、内部に残る可能性がある洗浄液を更に流すことを助けることになる。
【0049】
本明細書に開示される実施形態は、以下を包含する。
A.ロボット外科用ツール自動洗浄機システムのアダプタであって、ロボット外科用ツールの駆動ハウジングと嵌合可能なフレームと、フレーム上に画定され、かつフレーム内に画定された凹部と少なくとも部分的に外接する肩部と、凹部内に画定され、かつフレームを通って上面から底面まで延在する1つ又は2つ以上の流体開口部と、フレームから突出し、かつ駆動ハウジングの底部に画定された対応する1つ又は2つ以上の開口部と位置合わせし、対応する1つ又は2つ以上の開口部内に延在するように配置された1つ又は2つ以上の位置合わせ機構と、を備え、1つ又は2つ以上の位置合わせ機構のうちの少なくとも1つが、対応する1つ又は2つ以上の開口部のうちの関連する開口部に部分的にのみ栓をする、アダプタ。
B.ロボット外科用ツールを洗浄する方法は、ロボット外科用ツールの駆動ハウジングと自動洗浄機システムのアダプタのフレームとを嵌合することであって、フレームが、フレーム上に画定され、かつフレーム内に画定された凹部と少なくとも部分的に外接する肩部と、凹部内に画定され、かつフレームを通って上面から底面まで延在する1つ又は2つ以上の流体開口部と、を備える、嵌合することを含む。本方法は、フレームから突出する1つ又は2つ以上の位置合わせ機構を、駆動ハウジングの底部に画定された対応する1つ又は2つ以上の開口部内まで延在させ、それによって駆動ハウジングとフレームとを位置合わせすることと、アダプタを使用して、駆動ハウジングの内部に洗浄液を導入することと、1つ又は2つ以上の流体開口部を介して駆動ハウジング及びアダプタから洗浄液を排出することと、を更に含む。
【0050】
実施形態A及びBの各々は、以下の追加の要素のうちの1つ又は2つ以上を任意の組合せで有してもよく、要素1:肩部が、フレームの上面から外向きに突出する連続リブ又は非連続リブを備える。要素2:駆動ハウジングがアダプタに適切に取り付けられているとき、駆動ハウジングの底部が、肩部上に載置される。要素3:使用済み洗浄液が、1つ又は2つ以上の流体開口部を介して凹部から排出される。要素4:洗浄液が、1つ又は2つ以上の流体開口部を介して凹部内に搬送される。要素5:ガスが、1つ又は2つ以上の流体開口部を介して駆動ハウジングの内部に導入され、駆動ハウジングの内部構成要素を乾燥させる。要素6:凹部の底部が、凹部の中心線に向かって傾斜しており、1つ又は2つ以上の流体開口部が、中心線に配置されている。要素7:凹部を横切る1つ又は2つ以上の流体ダムを更に備える。要素8:フレーム内に画定された1つ又は2つ以上の内部導管と、フレームに接続され、かつ1つ又は2つ以上の内部導管と流体連通する継手と、1つ又は2つ以上の位置合わせ機構のうちの少なくとも1つに画定され、かつ1つ又は2つ以上の内部導管と流体連通する流体出口と、を更に備え、洗浄液が、流体出口を介して駆動ハウジングの内部に導入される。要素9:ガスが、流体出口を介して駆動ハウジングの内部に導入され、駆動ハウジングの内部構成要素を乾燥させる。要素10:肩部に連結され、かつ凹部内に延在して駆動ハウジングの外面に係合して封止するガスケットを更に備える。要素11:ガスケットが、凹部の上面の上に位置付けられ、凹部の全周の周りに延在する。要素12:肩部が、下部から分離可能な上部を備え、ガスケットが、上部と下部との間でフレームに固定されている。
【0051】
要素13:駆動ハウジングから洗浄液を排出することが、対応する1つ又は2つ以上の開口部のうちの関連する開口部に部分的にのみ栓をする1つ又は2つ以上の位置合わせ機構のうちの少なくとも1つを通って洗浄液を排出することを含む。要素14:駆動ハウジングの内部に洗浄液を導入することが、洗浄液を1つ又は2つ以上の流体開口部を介して凹部に搬送することと、洗浄液を、凹部から、駆動ハウジングの底部に画定された1つ又は2つ以上の開口部を介して、駆動ハウジングの内部に流すことと、を含む。要素15:1つ又は2つ以上の流体開口部、及び駆動ハウジングの底部に画定された1つ又は2つ以上の開口部を介して、駆動ハウジングの内部にガスを導入することと、駆動ハウジングの内部構成要素をガスを用いて乾燥させることと、を更に含む。要素16:洗浄液を駆動ハウジングの内部に導入することが、フレームに接続され、かつフレーム内に画定された1つ又は2つ以上の内部導管と流体連通する継手を介して、1つ又は2つ以上の内部導管に洗浄液を搬送することと、1つ又は2つ以上の位置合わせ機構のうちの少なくとも1つに画定され、かつ1つ又は2つ以上の内部導管と流体連通する流体出口を介して、1つ又は2つ以上の内部導管から駆動ハウジングの内部に洗浄液を排出することと、を含む。要素17:流体出口を介して駆動ハウジングの内部にガスを導入することと、駆動ハウジングの内部構成要素をガスを用いて乾燥させることと、を更に含む。要素18:フレームが、肩部に連結され、かつ凹部内に延在するガスケットを更に含み、駆動ハウジングとフレームとを嵌合させることが、ガスケットと駆動ハウジングの外面とを封止係合することを含む。
【0052】
非限定的な例として、A、B、及びCに適用可能な例示的な組合せとしては、要素4を伴う要素3、要素9を伴う要素8、要素11を伴う要素10、要素12を伴う要素10、及び要素16を伴う要素16が挙げられる。
【0053】
したがって、開示されるシステム及び方法は、言及された結果及び利点、並びにその中で固有の結果及び利点を達成するように、十分に適合されている。本開示の教示は、異なってはいるが本明細書の教示の利益を有する当業者には明らかな同等の方法で修正及び実施され得るため、上記に開示された特定の実施形態は例解的であるに過ぎない。更に、以下の特許請求の範囲に記載されるもの以外の、本明細書に示される構造又は設計の詳細を、限定することを意図するものではない。したがって、上で開示された特定の例解的実施形態は、変更、組合せ、又は修正され得、またそのような全ての変形形態は、本開示の範囲内であると考えられる。本明細書に例解的に開示されたシステム及び方法は、本明細書に具体的に開示されていないいかなる要素、及び/又は本明細書に開示されたいかなる任意選択的な要素の不在下においても好適に実施され得る。組成物及び方法は、種々の構成要素及び工程を「含む(comprising)」、「含有する(containing)」、又は「含む(including)」という用語で記載されているが、組成物及び方法はまた、種々の構成要素及び工程「から本質的になる(consist essentially of)」又は「からなる(consist of)」こともできる。上で開示された全ての数及び範囲は、ある程度異なり得る。下限及び上限を伴う数値範囲が開示される場合はいつでも、その範囲内に収まる任意の数及び任意の含まれる範囲が具体的に開示される。特に、本明細書に開示される(形態の)値の全ての範囲(「約a~約b」、又は同等に「およそa~b(from approximately a to b)」、又は同等に「およそa~b(from approximately a-b)」)は、広範な値の範囲内に包含される全ての数及び範囲を述べる、と理解されるべきである。また、特許請求の範囲における用語は、特許権者によりそれでないことが明示的かつ明確に定義されない限り、平易かつ通常の意味を有する。更に、請求項で使用する際に、不定冠詞「a」又は「an」は、本明細書では、それが導入する要素のうちの1つ又は2つ以上を意味するように定義される。本明細書及び参照により本明細書に組み込まれ得る1つ又は2つ以上の特許又は他の文書において単語又は用語の使用に矛盾がある場合、本明細書と一致する定義を採用すべきである。
【0054】
本明細書で使用する場合、一連の項目に先行する「のうちの少なくとも1つ」という句は、項目のうちのいずれかを分離するための「及び(and)」又は「又は(or)」という用語を伴うものであるが、一覧の各構成要素(即ち、各項目)ではなく、一覧を全体として修飾する。「のうちの少なくとも1つ」という句は、項目のうちのいずれかのうちの少なくとも1つ、及び/又は項目の任意の組合せのうちの少なくとも1つ、及び/又は項目のそれぞれのうちの少なくとも1つを含む意味を可能にする。例として、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」又は「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」という句はそれぞれ、Aのみ、Bのみ、若しくはCのみ、A、B、及びCの任意の組合せ、並びに/又はA、B、及びCのそれぞれのうちの少なくとも1つを意味する。
【0055】
〔実施の態様〕
(1) ロボット外科用ツール自動洗浄機システムのアダプタであって、
前記ロボット外科用ツールの駆動ハウジングと嵌合可能なフレームと、
前記フレーム上に画定され、かつ前記フレーム内に画定された凹部と少なくとも部分的に外接する肩部と、
前記凹部内に画定され、かつ前記フレームを通って上面から底面まで延在する1つ又は2つ以上の流体開口部と、
前記フレームから突出し、かつ前記駆動ハウジングの底部に画定された対応する1つ又は2つ以上の開口部と位置合わせし、前記対応する1つ又は2つ以上の開口部内に延在するように配置された1つ又は2つ以上の位置合わせ機構と
を備え、
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ機構のうちの少なくとも1つが、前記対応する1つ又は2つ以上の開口部のうちの関連する開口部に部分的にのみ栓をする、アダプタ。
(2) 前記肩部が、前記フレームの上面から外向きに突出する連続リブ又は非連続リブを備える、実施態様1に記載のアダプタ。
(3) 前記駆動ハウジングが前記アダプタに適切に取り付けられるとき、前記駆動ハウジングの前記底部が、前記肩部上に載置される、実施態様1に記載のアダプタ。
(4) 使用済み洗浄液が、前記1つ又は2つ以上の流体開口部を介して前記凹部から排出される、実施態様1に記載のアダプタ。
(5) 洗浄液が、前記1つ又は2つ以上の流体開口部を介して前記凹部内に搬送される、実施態様4に記載のアダプタ。
【0056】
(6) ガスが、前記1つ又は2つ以上の流体開口部を介して前記駆動ハウジングの前記内部に導入され、前記駆動ハウジングの内部構成要素を乾燥させる、実施態様1に記載のアダプタ。
(7) 前記凹部の底部が、前記凹部の中心線に向かって傾斜しており、前記1つ又は2つ以上の流体開口部が、前記中心線に配置されている、実施態様1に記載のアダプタ。
(8) 前記凹部を横切る1つ又は2つ以上の流体ダムを更に備える、実施態様1に記載のアダプタ。
(9) 前記フレーム内に画定された1つ又は2つ以上の内部導管と、
前記フレームに接続され、かつ前記1つ又は2つ以上の内部導管と流体連通する継手と、
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ機構のうちの少なくとも1つに画定され、かつ前記1つ又は2つ以上の内部導管と流体連通する流体出口と
を更に備え、
洗浄液が、前記流体出口を介して前記駆動ハウジングの内部に導入される、実施態様1に記載のアダプタ。
(10) ガスが、前記流体出口を介して前記駆動ハウジングの前記内部に導入され、前記駆動ハウジングの内部構成要素を乾燥させる、実施態様9に記載のアダプタ。
【0057】
(11) 前記肩部に連結され、かつ前記凹部内に延在して前記駆動ハウジングの外面に係合して封止するガスケットを更に備える、実施態様1に記載のアダプタ。
(12) 前記ガスケットが、前記凹部の上面の上に位置付けられ、前記凹部の全周の周りに延在する、実施態様11に記載のアダプタ。
(13) 前記肩部が、下部から分離可能な上部を備え、前記ガスケットが、前記上部と前記下部との間で前記フレームに固定されている、実施態様11に記載のアダプタ。
(14) ロボット外科用ツールを洗浄する方法であって、
前記ロボット外科用ツールの駆動ハウジングと自動洗浄機システムのアダプタのフレームとを嵌合することであって、前記フレームが、
前記フレーム上に画定され、かつ前記フレーム内に画定された凹部と少なくとも部分的に外接する、肩部と、
前記凹部内に画定され、かつ前記フレームを通って上面から底面まで延在する1つ又は2つ以上の流体開口部と
を備える、嵌合することと、
前記フレームから突出する1つ又は2つ以上の位置合わせ機構を、前記駆動ハウジングの底部に画定された対応する1つ又は2つ以上の開口部内まで延在させ、それによって前記駆動ハウジングと前記フレームとを位置合わせすることと、
前記アダプタを使用して、前記駆動ハウジングの内部に洗浄液を導入することと、
前記1つ又は2つ以上の流体開口部を介して前記駆動ハウジング及び前記アダプタから前記洗浄液を排出することと
を含む、方法。
(15) 前記駆動ハウジングから前記洗浄液を排出することが、前記対応する1つ又は2つ以上の開口部のうちの関連する開口部に部分的にのみ栓をする前記1つ又は2つ以上の位置合わせ機構のうちの少なくとも1つを通って前記洗浄液を排出することを含む、実施態様14に記載の方法。
【0058】
(16) 前記駆動ハウジングの内部に前記洗浄液を導入することが、
前記洗浄液を前記1つ又は2つ以上の流体開口部を介して前記凹部に搬送することと、
前記洗浄液を、前記凹部から、前記駆動ハウジングの前記底部に画定された前記1つ又は2つ以上の開口部を介して、前記駆動ハウジングの前記内部に流すことと
を含む、実施態様14に記載の方法。
(17) 前記1つ又は2つ以上の流体開口部、及び前記駆動ハウジングの前記底部に画定された前記1つ又は2つ以上の開口部を介して、前記駆動ハウジングの内部にガスを導入することと、
前記駆動ハウジングの内部構成要素を前記ガスを用いて乾燥させることと
を更に含む、実施態様14に記載の方法。
(18) 前記洗浄液を前記駆動ハウジングの前記内部に導入することが、
前記フレームに接続され、かつ前記フレーム内に画定された1つ又は2つ以上の内部導管と流体連通する継手を介して、前記1つ又は2つ以上の内部導管に前記洗浄液を搬送することと、
前記1つ又は2つ以上の位置合わせ機構のうちの少なくとも1つに画定され、かつ前記1つ又は2つ以上の内部導管と流体連通する流体出口を介して、前記1つ又は2つ以上の内部導管から前記駆動ハウジングの前記内部に前記洗浄液を排出することと
を含む、実施態様14に記載の方法。
(19) 前記流体出口を介して前記駆動ハウジングの内部にガスを導入することと、
前記駆動ハウジングの内部構成要素を前記ガスを用いて乾燥させることと
を更に含む、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記フレームが、前記肩部に連結され、かつ前記凹部内に延在するガスケットを更に含み、前記駆動ハウジングと前記フレームとを嵌合させることが、前記ガスケットと前記駆動ハウジングの外面とを封止係合することを含む、実施態様14に記載の方法。