(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】装飾用パネルおよびそのようなパネルを製造する方法
(51)【国際特許分類】
E04F 15/02 20060101AFI20241015BHJP
E04F 15/10 20060101ALI20241015BHJP
E04F 13/08 20060101ALI20241015BHJP
E04F 13/18 20060101ALI20241015BHJP
【FI】
E04F15/02 G
E04F15/10 104F
E04F13/08 M
E04F13/18 D
(21)【出願番号】P 2022506040
(86)(22)【出願日】2020-07-28
(86)【国際出願番号】 EP2020071313
(87)【国際公開番号】W WO2021018918
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2023-07-28
(32)【優先日】2019-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】520250741
【氏名又は名称】アイ4エフ・ライセンシング・エヌヴィ
【氏名又は名称原語表記】I4F LICENSING NV
【住所又は居所原語表記】INDUSTRIEDIJK 19, 2300 TURNHOUT, BELGIUM
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ブーケ,エディ・アルベリック
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-105157(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0193180(US,A1)
【文献】登録実用新案第3166171(JP,U)
【文献】特表2012-513548(JP,A)
【文献】特開2003-019770(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/00-15/22
E04F 13/00-13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装飾用パネルであって、
上側および下側を備えた芯材と、
前記芯材の前記上側に直接的または間接的に取付けられた装飾用上部構造部と、
水平方向および垂直方向の両方向において、隣接するパネルの第一の結合プロファイル
と連結係合するように設計されている、前記第一の結合プロファイルを備える第一のパネ
ル縁部、および第二の結合プロファイルを備える第二のパネル縁部と、
水平方向および垂直方向の両方向において、隣接するパネルの第三の結合プロファイル
と連結係合するように設計されている、前記第三の結合プロファイルを備える第三のパネ
ル縁部、および第四の結合プロファイルを備える第四のパネル縁部と、を備え、
各パネル縁部は、水平面(HP)に垂直な少なくとも一つの垂直面(VP)を画定し、
水平面(HP)は前記芯材に平行であり、
前記芯材には、前記芯材の前記下側および/または前記上側に接続された溝開口を有す
る、少なくとも二つの垂直方向に延在する芯材溝が設けられ、
前記芯材溝の全体部分は、それぞれ、すべてのパネル縁部によって画定された前記垂直
面(VP)の内部に配置され、このような前記芯材溝は、前記第一の結合プロファイル、
前記第二の結合プロファイル、前記第三の結合プロファイルおよび前記第四の結合プロフ
ァイルのうちのどの結合プロファイルとも交差せず、
各芯材溝は、少なくとも一つの溝壁部によって画定され、
少なくとも二つの前記芯材溝は、外側の芯材溝と内側の芯材溝とを備え、前記内側の芯材溝は、前記外側の芯材溝よりもパネル縁部から大きな距離に配設され、前記外側の芯材溝よりも小さな溝深さ(GD)を有する、装飾用パネル。
【請求項2】
前記芯材の前記下側および/または前記上側と、前記芯材溝の前記溝壁部は、実質的に
滑らかな表面構造を有する、請求項1に記載のパネル。
【請求項3】
少なくとも一つの前記芯材溝の芯材溝深さ(GD)は、パネル厚さ(T)の少なくとも
0.3倍である、請求項1または2に記載のパネル。
【請求項4】
少なくとも一つの前記芯材溝の前記溝開口の幅は、前記芯材溝の内側部分の幅よりも大
きい、請求項1~3のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項5】
少なくとも一つの前記芯材溝は不連続な芯材溝である、請求項1~4のいずれか一項に
記載のパネル。
【請求項6】
少なくとも二つの前記芯材溝は、互いに異なる形状を有する、請求項1~5のいずれか
一項に記載のパネル。
【請求項7】
前記パネルは、前記芯材の前記下側に直接または間接的に取付けられた裏打ち層を備え
ている、請求項1~6のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項8】
前記パネルは、前記第一の結合プロファイルおよび前記第二の結合プロファイルのうち
の一方の結合プロファイル内のみに延在し、および前記第三の結合プロファイルおよび第
四の結合プロファイルのうちの一方の結合プロファイル内のみに延在する、少なくとも一
つの補強層を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項9】
前記芯材は、少なくとも一つのポリマーで少なくとも部分的に形成される、請求項1~
8のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項10】
前記芯材の面密度は、9000g/m
2未満である、請求項1~9のいずれか一項に記
載のパネル。
【請求項11】
前記装飾用上部構造部は、少なくとも一つのデジタル印刷された装飾層と、前記装飾層
を被覆する少なくとも一つの透明な摩耗層とを備える、請求項1~10のいずれかの一項
に記載のパネル。
【請求項12】
前記溝開口の総表面積は、前記芯材の前記下側の前記総表面積の少なくとも20%にわ
たっている、請求項1~11のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項13】
それぞれの前記パネル縁部は前記芯材縁部によって形成される、請求項1~12のいず
れか一項に記載のパネル。
【請求項14】
前記芯材は、中心部と、前記中心部を包囲する周辺部とを備え、前記パネル縁部と前記
結合プロファイルは、前記周辺部の部分を形成し、および前記周辺部には芯材溝がない、
請求項1~13のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項15】
少なくとも一つの前記パネル縁部は、複数の前記垂直面(VP)を画定するように構成
され、この場合、一つの垂直面(VP1)は、前記パネル縁部の外側部分と一致し、およ
び少なくとも一つの他の垂直面(VP2)は、前記パネルの前記芯材の中央部の近傍に配
置された、前記縁部の前記結合プロファイルの一部と一致する、請求項1~14のいずれ
か一項に記載のパネル。
【請求項16】
前記芯材溝は、各垂直面のある距離に配置される、請求項1~15のいずれか一項に記
載のパネル。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載の、複数の相互に結合された装飾用パネルを備え
る、装飾用被覆材。
【請求項18】
請求項1~16のいずれか一項に記載のパネルに用いる芯材であって、前記芯材は、
上側および下側と、
第一の結合プロファイルを備える第一の芯材縁部、および水平方向および垂直方向の両
方向において、隣接するパネルの前記第一の結合プロファイルと連結係合するように設計
されている第二の結合プロファイルを備える第二の芯材縁部と、
第三の結合プロファイルを備える第三の芯材縁部、および水平方向および垂直方向の両
方向において、隣接するパネルの前記第三の結合プロファイルと連結係合するように設計
されている第四の結合プロファイルを備える第四の芯材縁部と、を備え、
ぞれぞれの前記芯材縁部は、水平面(HP)に垂直な垂直面(VP)を画定し、前記水
平面(HP)は前記芯材に平行であり、
前記芯材には、前記芯材の前記下側および/または前記上側に接続された溝開口を有す
る、少なくとも二つの垂直方向に延在する芯材溝が設けられ、
前記芯材溝の全体部分は、すべての前記芯材縁部によってそれぞれ画定された前記垂直
面(VP)の内部に配置され、このような前記芯材溝は、前記第一の結合プロファイル、
前記第二の結合プロファイル、前記第三の結合プロファイルおよび前記第四の結合プロフ
ァイルのいずれの前記結合プロファイルとも交差せず、
それぞれの前記芯材溝は、少なくとも一つの溝壁部によって画定され、
前記芯材と前記芯材溝は、該芯材の前記下側および/または前記上側と、前記芯材溝の
前記溝壁部が、実質的に同じ表面構造を有するように、押出成形プロセスによって形成さ
れる、芯材。
【請求項19】
装飾用パネルを製造する方法であって、
A)ポリマーベースの芯材合成物を液化させるステップと、
B)液化した前記ポリマーベースの芯材合成物を押出成形して、前記パネルの液化した芯
材を形成するステップと、
C)芯材溝が、前記芯材のどの縁部にも交差しないように、液化した前記芯材に、前記芯
材の下側および/または上側に接続された溝開口を有する、少なくとも二つの垂直方向に
延在する前記芯材溝を形成するステップと、
D)前記芯材を凝固させるステップと、
E)装飾用パネルまたは装飾用プレートが形成されるように、装飾用上部構造を前記芯材
の前記上側に直接または間接的に施すステップと、
F)第一のパネル縁部に第一の結合プロファイルが設けられ、および第二のパネル縁部に
は、隣接するパネルの前記第一の結合プロファイルに連結係合するように設計されている
第二の結合プロファイルが設けられるように、および第三のパネル縁部に第三の結合プロ
ファイルが設けられ、および第四のパネル縁部が、隣接するパネルの前記第三の結合プロ
ファイルと連結係合するように設計されている第四の結合プロファイルを備えているよう
に前記パネル縁部を機械加工するステップと、を含む方法。
【請求項20】
ステップB)とステップC)は、少なくとも部分的に時間が重なっている、請求項19
に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装飾用パネル、具体的には、床パネル、天井パネルまたは壁パネルに関する。また、本発明は、装飾用被覆材、具体的には、本発明による複数の相互に結合された装飾用パネルを備える装飾用床被覆材、装飾用天井被覆材または装飾用壁被覆材に関する。本発明はさらに、本発明によるパネルに使用される芯材に関する。さらに、本発明は、装飾用パネル、具体的には、本発明による装飾用パネルを製造する方法に関する。また、本発明は、本発明による方法に用いられる押出成形材に関する。
【背景技術】
【0002】
装飾用被覆材、具体的には、床被覆材は、ほとんどの場合、複数の互いに接続されたパネルによって形成されており、この場合、これらの被覆材は、典型的には、比較的良好な防水性を有しているため、各パネルは、熱可塑性ベースの芯材料の押出成形芯材を有している。そのような被覆材の例は、US8,544,232で知られており、合成プラスチック材料から作られた押出成形支持プレートを備えた壁被覆パネルを開示している。特に、材料、重量およびエネルギーを節約するための、ますます厳しくなる生態学的要件またはモチベーションを考慮して、依然として十分な強度および形状の保持力を備え、および隣接するパネルまたはタイルに対する、パネルまたはタイル自体の縁部における十分に強い結合プロファイルおよび接続プロファイルを備えた、より薄いパネルに対する必要性が生じている。様々な用途のための簡単な装置とともに、省エネルギー、装飾および保護の様々な特徴を備えた様々な物品を構築するために使用され得る基板の例は、US2009/0308001に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の第一の目的は、比較的強い結合プロファイルを有する、比較的軽量の装飾用パネルを提供することである。
【0004】
本発明の第二の目的は、比較的強い結合プロファイルを有する、比較的軽量の装飾用防水パネルを提供することである。
【0005】
本発明の第三の目的は、押出成形芯材を有し、および比較的強い結合プロファイルを有する、比較的軽量の装飾用パネルを提供することである。
【0006】
本発明の第三の目的は、比較的効率的な方法で製造することができる、比較的軽量の装飾用パネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的のうちの少なくとも一つは、本発明による装飾用パネル、具体的には、床パネル、天井パネルまたは壁パネルであって、上側および下側を備えた芯材と、前記芯材の前記上側に直接的または間接的に取付けられた任意の装飾用上部構造部と、水平方向および垂直方向の両方向において、隣接するパネルの第一の結合プロファイルと連結係合するように設計されている、前記第一の結合プロファイルを備える第一のパネル縁部、および第二の結合プロファイルを備える第二のパネル縁部と、水平方向および垂直方向の両方向において、隣接するパネルの第三の結合プロファイルと連結係合するように設計されている、前記第三の結合プロファイルを備える第三のパネル縁部、および第四の結合プロファイルを備える第四のパネル縁部とを備え、各パネル縁部が、水平面(HP)に垂直な少なくとも一つの垂直面(VP)を画定し、水平面(HP)は前記芯材に平行であり、前記芯材には、前記芯材の前記下側および/または前記上側に接続された溝開口を有する、少なくとも二つの垂直方向に延在する芯材溝が設けられ、前記芯材溝の全体部分は、それぞれ、すべてのパネル縁部によって画定された前記垂直面(VP)の内部に配置され、このような前記芯材溝は、前記第一の結合プロファイル、前記第二の結合プロファイル、前記第三の結合プロファイルおよび前記第四の結合プロファイルのうちのどの結合プロファイルとも交差せず、各芯材溝は、少なくとも一つの溝壁部によって画定され、好ましくは、前記芯材および前記芯材溝は、押出成形プロセスによって、および/または熱成形によって形成される装飾用パネルによって達成される。好ましくは、前記芯材の前記下側および/または前記上側と、前記芯材溝の前記溝壁部は、実質的に同じ表面構造(surface texture)を有する。
【0008】
本発明による装飾用パネルには、いくつかの利点がある。第一の利点は、上面の前記パネルの平方メートル当たりの重量が比較的小さく、軽量のパネルをもたらし、このことが、経済的、環境的および物流の観点から恩恵を受けるということである。前記パネルの比較的小さい単位面積当たりの重量は、前記芯材の前記上側および/または前記下側に複数の(二つまたはそれ以上の)溝を施すことによって実現され、このことが、前記芯材ひいては前記パネルそれ自体に用いられる材料の量を低減する。本発明による装飾用パネルの重要な追加的利点は、前記溝は、前記芯材の(前記下側および/また前記は上側の)中心部分のみに施され、および前記芯材の(前記下側および/または前記上側の)周辺部分には施されないということである。そのため、前記芯材溝は、少なくとも二つの結合プロファイルから、および好ましくは、少なくとも四つの結合プロファイルから、より好ましくは、すべての結合プロファイルからある距離を置いて配設される。このことは、前記結合プロファイル自体は、前記溝によって弱くなることはないことを意味し、および、前記結合プロファイルを比較的堅牢な(弱められない)方法で形成することができ、このことは、比較的堅固で信頼性の高いおよび/または耐久性のある方法で互いに結合されるように二つ以上のパネルを固定し、および、前記二つ以上のパネルを、そのような方法で互いに結合できるようにすることを意味している。さらなる利点は、前記溝は、押出成形機の、好ましくは、口部ともいわれる、変形可能なおよび/または変位可能な金型を利用して、押出成形プロセス中に形成されるということである。前記溝の形成中、前記芯材は、依然として液化状態であり、このことは、粘性でありまたはペースト状であると理解すべきであり、この場合、前記溝は、(依然として液化状態である)前記芯材の変形によって形成される。上述したように、前記芯材溝の形成は、好ましくは、押出成形機によって実現されるが、前記芯材が依然として十分に液化しており、したがって変形可能である限り、例えば、型打ち等の成形ツールを用いて、前記押出成形機の下流で(直接)実現することもできる。これらの選択肢はいずれも、同じ押出成形プロセスの一部であると考えられる。このことは、一般に、経済的および効率的な理由にとってはあまり好適ではないが、前記芯材の形成(押出成形)後、前記芯材は、例えば、炉を利用して、追加的な加熱工程を受け、この場合、前記芯材は、後に、前記芯材(の前記上側および/または前記下側)の位置を選択的に変形させることによって、前記芯材に前記芯材溝を形成するために、十分に液化されおよび/または液化状態に維持されることも想定される。このプロセスステップは、熱成形とも称されている。前記押出成形プロセスと前記熱成形プロセスの時間的な隔たりは、ゼロである可能性があるが、より大きくてもよいが、具体的には、秒、分、時間、日、週または月単位であってもよい。提出されている特許請求の範囲を含めて、以下の文章においては、好適な押出成形プロセスと、典型的にはあまり好適ではない熱成形プロセスは、まとめて押出成形プロセス(または、より簡潔に「押出成形」)と称することとする。前記芯材および前記芯材溝の形成は、単一のプロセスステップで実現できるため、この製造方法が、比較的(コスト的に)効率が良いことは別として、追加的な利点は、前記溝の形成は、例えば、切削加工や鋸引き加工を用いた機械加工で施されず、そのため、前記溝を施している間、好ましくない塵埃粒子の発生につながらないということである。このような塵埃粒子は、製造環境および前記芯材自体ひいては前記パネル自体を汚染するだけではなく、望ましくない製造従業員の健康のリスクにもつながる。さらに、前記芯材の生成後に前記溝に圧延機を適用するのではなく、前記押出成形プロセスにおける前記溝の形成は、より少ない材料浪費につながり、このことは、経済的および環境的観点から恩恵を受ける。さらに、前記溝は、(液化した(粘性の)状態の)芯材材料を変形させることによって施されるため、一方の側の前記芯材の前記下側および/または前記上側と、他方の側の前記芯材溝の前記溝壁部は、好ましくは、実質的に同じ表面構造を有している。この実質的に同じ表面構造は、好ましくは、比較的滑らかな表面構造であり、より好ましくは、棘部または他の(鋭い)突起部がない。表面仕上げまたは表面トポグラフィーとしても知られている表面構造は、層、表面粗さおよび波状起伏の三つの特性によって典型的に決まる表面の性状である。前記芯材の前記上側および/または前記下側の前記表面構造は、完全に平坦な理想(真の平面)からの小さな局所的なずれ(起伏)を含んでいても含んでいなくてもよいが、平坦な表面であってもよい。同じ起伏または平坦性は、前記芯材溝の前記溝壁部にも当てはまり、このことは、典型的には、前記押出成形プロセスの結果である。好ましくは、前記芯材の前記下側および/または前記上側の前記表面構造は、別の層を、前記芯材に容易かつ永続的に付着できるようになっている。この少なくとも一つの追加的な層の前記芯材への取付は、例えば、接着により、溶接により、印刷により、および/またはコーティングによって実現することができる。前記芯材の前記下側および/または前記上側の両方に芯材溝を設けることができるが、前記芯材の一方の側のみに芯材溝が設けられていること、より好ましくは、前記芯材の前記下側のみに芯材溝が設けられていることも考えられ、および典型的には好ましい。本発明によるパネルは、堅くすることができ、または、柔軟に(弾性的に)またはわずかに柔軟に(半剛性に)してもよい。本発明によるパネルは、被覆材、特に、床被覆材、壁被覆材、天井被覆材または家具被覆材を形成するために、一つ以上の他の(典型的には、同様の)パネルに結合されるように構成される。
【0009】
前記「水平面」(HP)については、前記芯材に平行に延在する、および前記芯材に交差してもよい、(仮想の)平面を意味するものとする。前記「垂直面」(VP)については、パネル縁部における(仮想の)平面を意味するものとし、この場合、前記垂直面は、前記水平面(HP)に垂直である。典型的には、前記垂直面(VP)は、パネル縁部の外側部分と一致し、この外側部分は、前記パネルの結合状態において、隣接するパネルの接合縁部に係合または対向するように構成されているため、接合縁部とも称されている。前記接合縁部は、典型的には、垂直、水平、角度が付いて、丸みが付いて、傾斜して等々であってもよい、一つ以上の接合面を有している。パネル縁部の場合、特に接合縁部は、複数の垂直面(VP)、例えば、前記芯材の前記上側で、または前記上側近傍において接合縁部と一致する一つの垂直面(VP1)と、前記芯材の前記下側で、または前記下側近傍において前記接合縁部と一致する一つの他の垂直面(VP2)を画定するように構成され、前記芯材溝は、少なくとも一つの垂直面(VP1および/またはVP2)、および好ましくは、すべての垂直面(VP1およびVP2)の距離に配設される。しかし、前記芯材溝の外側端部は、パネル縁部の垂直面と一致することが考えられる。前記パネル縁部は、前記パネルの中心部に隣接する(限定された幅を有する)縁部ゾーンとして解釈することもできる。ここでは、少なくとも一つのパネル縁部、好ましくは、各パネル縁部は、複数の垂直面(VP)を画定するように構成され、この場合、一つの垂直面(VP1)は、パネル縁部の前記外側部分と一致し、および少なくとも一つの他の垂直面(VP2)は、前記パネルの前記芯材の中心部の近傍に配置された前記縁部の結合プロファイルの部分に一致することを示すことも想定される。典型的には、前記結合プロファイルは、垂直面(VP1)から垂直面(VP2)まで(これらの垂直面を含んで)延在する。また、少なくとも一つのパネル縁部、好ましくは、各パネル縁部は、複数の垂直面(VP)を画定するように構成され、この場合、一つの垂直面(VP-O)は、前記パネル縁部の上部外側部分と一致し、およびこの場合、少なくとも一つの垂直面(VP-l)は、前記パネル縁部の底部外側部分と一致することも考えられる。ここでは、垂直面VP1およびVP-Oは一致する面であることが想定され、典型的には、このことは事実である。例えば、
図2aと
図3aに示されている、VP2とVP-lとの間の(小さな)距離を適用することができるが、同じことが、垂直面VP2およびVP-lにも当てはまる。前記芯材溝は、上述した垂直面のうちの少なくとも一つからある距離を、および好ましくは、少なくとも垂直面VP-OおよびVP-lからある距離を、およびより好ましくは、前記垂直面VP-O(VP1)、VP-lおよびVP-2の各々からある距離を置いて配置されている。前記芯材溝は、前記芯材中で垂直に延在し、このことは、前記芯材溝が、前記芯材の前記下側および/または上側に接続された前記溝開口から、前記溝壁部の外側端部(最深箇所)に向かって垂直方向に延在していることを意味する。典型的には、各芯材溝は、細長い形状を有し、この場合、各溝は、その長手方向で見て分かるように、前記パネルの前記水平面(HP)と一致するか、または、前記水平面に平行な方向に延在している。
【0010】
本発明によるパネルの前記芯材、およびその中に形成される前記芯材溝は、好ましくは、押出成形によって形成されるため、(当該事例においては)前記芯材が、押出成形可能であり、および/または前記芯材の形成前の当初に押出成形可能であった材料から形成されることが必要である。セラミックおよび金属は押出成形に適しているため、またそのため、本発明によるパネルの芯材を製造するために、最も好適な押出成形可能な芯材材料は、特に熱可塑性または熱硬化性の少なくとも一つポリマーに基づいている。典型的には、前記押出成形プロセスの前に、または前記押出成形プロセス中に、他の成分が、前記少なくとも一つのポリマーと混合される。
【0011】
本発明によるパネルは、屋内(内部)パネルおよび/または屋外(外部)パネルとして使用することができる。
【0012】
前記押出成形プロセス中に適用する場合、前記芯材と、前記装飾用層(の少なくとも一部)等の少なくとも一つの他の層と一緒に同時押出成形することが想定される。前記押出成形プロセス中に、芯材に、異なる構成の少なくとも二つのゾーンが設けられることが想定される。このようなゾーンは、例えば、同時押出成形によって得ることができる。異なるゾーンにおける前記異なる構成は、例えば、弾性、色、接着性、表面の円滑性、加工性等に関して、相互に異なる特徴をもたらす可能性がある。異なるゾーンにおける前記異なる構成は、例えば、高分子材料、具体的には、(PVCおよび/またはPETのような)熱可塑性材料と、非高分子材料、具体的にはフィラー、より具体的には、(チョークのような)無機フィラーとの間の異なる割合に基づいていてもよい。例えば、この目的のために、前記芯材層は、比較的硬くまたは堅固であり、および好ましくは、通常の使用中に前記芯材層の下に配置されるその他の層は、比較的フレキシブルでありまたは柔軟であることが考えられる。
【0013】
好適な実施形態において、少なくとも一つの前記芯材溝の芯材溝深さ(GD)は、パネル厚さ(T)の少なくとも0.3倍であり、より好ましくは、少なくとも一つの前記芯材溝の芯材溝深さ(GD)は、パネル厚さの0.4倍よりも大きく、かつ、パネル厚さの0.7倍よりも小さい。この好適な溝深さは、比較的強いパネルを維持しながら、かなりの材料節約をもたらす。このことは、特に、床パネルは、通常の使用中には、相当の衝撃抵抗を呈することができなければならないため、前記パネルが床パネルとして使用される事例において有利である。パネル厚さの0.7倍、好ましくは、パネル厚さTの少なくとも0.8倍よりも大きい溝深さ(GD)を有する前記芯材溝は、衝撃抵抗に関する要求が床パネルよりもかなり低い壁パネルまたは天井パネルに形成することができる。
【0014】
少なくとも一つの前記芯材溝の芯材溝深さ(GD)は、前記芯材溝の長さに沿って変化することが考えられる。好ましくは、各芯材溝は、中心部を包囲している二つの末端部分(外側端部)によって画定され、およびこの場合、少なくとも一つの前記芯材溝の前記中心部の芯材溝深さ(GD)は、前記芯材溝の長さに沿って変化する。少なくとも一つの前記芯材溝の少なくとも一つの溝壁部は、波状面を有している。前記芯材溝に沿って変化する溝深さ(GD)は、前記パネル自体の音響特性(音減衰特性)をかなり改善することができる。
【0015】
好ましくは、少なくとも一つの前記芯材溝の前記溝開口の幅は、前記芯材溝の内側部分の幅よりも大きい。好ましくは、少なくとも一つの前記芯材溝の少なくとも一部は、不等辺四辺形形状の断面を有し、この場合、前記芯材溝は、前記溝開口から離れて対向する上方向に狭くなっている。前記溝開口に向かう前記芯材溝のこの先細形状は、前記パネル自体の音響特性(音減衰特性)をさらに改善することができるであろう。さらに、この実施形態は、裏打ち層(または、別個の下張り床)に対する前記芯材の前記下側の接触面を比較的大きく保ちながら、かなりの材料節約を実現することを可能にし、このことは、前記パネルの安定性、耐久性および堅牢性にとって好ましい。
【0016】
少なくとも一つの前記芯材溝の前記溝開口の幅は、前記芯材溝の内側部分の幅と実質的に等しいことが考えられる。この溝の形状は、典型的には、前記押出成形プロセス中に実現するのが比較的容易である。この実施形態において、前記芯材溝は、互いに関して平行に方向付けられた少なくとも二つの芯材溝側壁を備えている。
【0017】
少なくとも一つの前記芯材溝は、不連続の芯材溝であってもよい。このことは、前記芯材溝が、典型的には、一列に設置されている複数の離れた芯材溝セグメントで構成されていることを意味する。
【0018】
少なくとも二つの前記芯材溝は、互いに異なる形状および/または寸法を有していてもよいことが考えられる。より具体的には、内側の芯材溝に、外側の芯材溝よりも小さな溝深さ(GD)および/またはより小さな溝幅(GW)が設けられ、この場合、前記内側の溝は、パネル縁部から前記外側の芯材溝よりも大きな距離に配設されていることが好適である可能性がある。
【0019】
典型的には、前記芯材溝は、空気で満たされている。しかし、少なくとも一つの前記芯材溝に、少なくとも一つの固体および/または液体材料が充填されていることも考えられる。好ましくは、この充填材料は、前記芯材に用いられるポリマーおよび/または他の成分(添加物)よりも安価である。安価な充填材料の実例は、無垢材、木材チップ、木粉、木質繊維、麻繊維、およびチョーク(炭酸カルシウム)等の無機フィラーである。少なくとも一つの前記芯材溝を、および好ましくは、すべての前記芯材溝を、少なくとも部分的に充填することにより、前記パネルには、例えば、音の低減の向上等の異なる特性が与えられる。
【0020】
少なくともかなりの数の前記芯材溝、好ましくは、すべての前記芯材溝に、好ましくは、異方性材料から形成された、典型的には、ストリップ形状の弾性材料が充填され、この場合、前記弾性材料は、前記パネルの前記下側を(共同で)画定することも考えられ、さらに、好適でもある。このような材料の適用は、前記パネルと、下にある下張り床との間の摩擦をかなり増加させることができ、そのため、前記下張り床に対する前記パネルの安定性をかなり向上させることができるであろう。好ましくは、前記弾性材料は、前記芯材溝内にのみ存在し、したがって、好ましくは、前記芯材溝間に位置する前記芯材の前記下側の部分を被覆していない。複数の表面吸入孔が、前記弾性材料の少なくとも下方面に形成されており、この場合に、前記表面吸入孔は、前記芯材から離れて対向する方向では開口し、および前記芯材に対向する方向では実質的に閉塞している事例においては、さらに有利である可能性がある。より好ましくは、前記表面吸入孔は、気孔占有面積を一緒に画定し、この場合、前記表面吸入孔間の前記弾性材料の下方面が材料占有面積を画定し、前記気孔占有面積と前記材料占有面積の比は、少なくとも4、好ましくは、少なくとも5、より好ましくは、少なくとも6であり、それにより、(接着剤を用いることなく)前記パネルを迅速に(解放可能に)支持面に取付けられるようにし、および取り外すことができるようになっている。そのため、前記吸入孔が設けられた前記弾性材料は自己接合材料を構成し、このことは、前記パネル自体に自己接合性を与えている。ここでは、前記弾性材料の厚さが、好ましくは、前記芯材溝の深さに実質的に等しいか、または、その深さよりも(わずかに)大きいことが好ましい。前記弾性材料は、典型的には、弾性発泡体である。一つの実施形態において、前記弾性材料は、エチレンと酢酸ビニルの共重合体であるエチレン酢酸ビニル(EVA)、ゴム、ポリウレタン(PU)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、(可塑化した)ポリ塩化ビニル(PVC)またはこれらの混合物で構成された発泡材料から形成される。前記弾性材料は、チョーク、滑石、砂、繊維、木材、鉱物および炭素等のフィラー等のその他の成分、アゾジカルボンアミド等の発泡剤、ジクミルペルオキシド等の架橋剤、酸化亜鉛等の発泡剤、および/または着色剤を必要に応じて含んでもよい。好ましくは、本発明によるパネルの前記弾性材料は、柔軟性およびフレキシビリティに関してゴム発泡状材料を提供する。前記材料は、低温強靭性、応力亀裂抵抗、防水性、気密シーリング特性および圧縮後のフォーム復元性を有する。好適な実施形態において、多数のまたは実質的にすべての吸入孔は、5μmから約1mm、好ましくは、10μmから500μm、より好ましくは、10~300μmの直径を有している。弾性層の密度は、前記弾性層の厚さに沿って変化してもよい。例えば、前記弾性層の密度は、約30kg/m3から約280kg/m3まで変動してもよい。別の好適な実施形態においては、前記吸入孔の直径は、1μmから450μmの間、具体的には、2μmから400μmの間、より具体的には、4μmから350μmの間である。このような分布は、吸入、または、表面下への取付けに対して適切に形成された孔による、タイルの底部面にわたる吸入孔の一様な分布を確実にする。
【0021】
代替的で可能なおよび好適でもある実施形態において、少なくともかなりの数の前記芯材溝、好ましくは、すべての前記芯材溝には、典型的にはストリップ状の吸収性要素が充填され、この吸収性要素は、好ましくは、感圧接着剤、好ましくは、ホットメルト感圧接着剤が少なくとも部分的に含浸されている複数の繊維を含んでいる。典型的には、前記吸収性要素は、アクリル酸系接着剤、PVCペースト樹脂、エポキシ系接着剤、フェノール系接着剤、ビニル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、アミノ樹脂接着剤等の専用の恒久的接着剤を用いて、前記芯材溝の壁部に接着される。前記繊維は、前記恒久的接着剤によって定位置に保持され、および前記恒久的接着剤に埋め込んでもよい。前記繊維は、綿繊維、ガラス繊維、合成繊維、混合繊維等であってもよい。前記合成繊維は、ビスコース繊維、ポリエステル繊維、ナイロン、ポリアクリロニトリル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリビニルアルコール繊維等であってもよい。前記混合繊維は、単一の繊維ストランドまたはヤーンに、少なくとも二つの異なる繊維を含み、および前記混合繊維は、例えば、ポリエステル/綿、ナイロン/ウール、ナイロン/アセテート、ラミー/ポリエステル、ラミー/アクリル系、ウール/綿、リネン/綿、リネン/絹、リネン/レーヨン等の混合物であってもよい。前記吸収性要素は、典型的には、20°から60°の範囲のショア硬さを有する柔らかい(柔軟性のある)物質を含んでいる。前記柔らかい物質は、好ましくは、流体が染み込むことができる細孔隙または微細開口等の複数の微細構造または芯構造を有している。前記柔らかい物質は、繊維またはスポンジであってもよい。前記吸収性要素の厚さは、好ましくは、前記芯材溝の深さと実質的に等しいか、または、その深さよりも(わずかに)大きい。好ましくは、前記吸収性要素は、前記芯材溝の中だけに設けられ、したがって、前記芯材溝間に延在する前記芯材の前記下側の部分には設けられていない。このことは、前記パネルを下にある面に当てたときに、前記パネルと下にある面との間の接合力を実現するために、前記吸収性要素が、下にある面に係合することを可能にする。そのため、この実施形態もまた、別個の接着剤を用いることなく、本発明によるパネルに自己接合性を与える。
【0022】
また、前記芯材の前記下側(後側)も、前記パネル自体の前記下側(後側)を構成することができる。しかし、前記パネルが、前記芯材の前記下側に直接または間接的に取付けられた裏打ち層を備えていることが考えられ、さらに、好適でもある可能性がある。典型的には、前記裏打ち層は、前記パネル自体の形状、具体的には平坦性を安定化するためのバランス層として作用する。さらに、前記裏打ち層は、典型的には、前記パネル自体の音減衰特性に寄与する。前記裏打ち層は、典型的には、閉じた層であるため、前記芯材の前記下側への前記裏打ち層の適用は、前記芯材溝を少なくとも部分的におよび好ましくは全体的に被覆するであろう。ここで、各芯材溝の長さは、好ましくは、前記裏打ち層の長さよりも短い。前記裏打ち層には、切開部を設けてもよく、この場合、前記切開部の少なくとも一部は、少なくとも一つの前記芯材溝に重なっている。少なくとも一つの前記裏打ち層は、好ましくは、可塑性材料、好ましくは、エラストマーで少なくとも部分的に形成される。前記裏打ち層の厚さは、典型的には、約0.1~2.5mmの範囲に及ぶ。前記裏打ち層を少なくとも部分的に構成することができる材料の非限定的な実例は、ポリエチレン、コルク、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルおよびエチレン酢酸ビニルである。必要に応じて、前記裏打ち層は、(チョークのような)フィラー、染料、および/または一つ以上の可塑剤等の一つ以上の添加物を含む。ポリエチレン裏打ち層の厚さは、例えば、典型的には、2mm以下である。前記裏打ち層は、中実であってもよく、または発泡させてもよい。発泡させた裏打ち層は、音減衰特性をさらに向上させることができる。中実な裏打ち層は、前記パネルの所望のバランス効果および安定性を向上させることができる。
【0023】
前記パネルは、好ましくは、前記第一および第二の結合プロファイルの一方の結合プロファイル内のみに延在し(および存在し)、および前記第三および第四の結合プロファイルの一方の結合プロファイル内のみに延在する(および存在する)、少なくとも一つの補強層および/または補強粒子を好ましくは含む。このことは、前記補強層および/または前記補強粒子により、少なくとも二つの結合プロファイルは補強され、および少なくとも二つの他の結合は補強されないことを意味している。前記補強粒子は、前記芯材内に分散された別個の補強粒子であってもよい。前記補強層は、例えば、閉じた層、織物層または不織層によって形成することができる。前記補強層および/または前記補強粒子を実現するための適切な材料は、ガラス、ポリマー、カーボンおよび金属である。
【0024】
好適な実施形態において、前記第一の結合プロファイルおよび/または前記第三の結合プロファイルは、上方舌状部と、前記上方舌状部からある距離にある少なくとも一つの上方フランクと、前記上方舌状部と前記上方フランクとの間に形成された上方溝であって、隣接するパネルの第二の結合プロファイルの下方舌状部の少なくとも一部を受け入れるように適合されている上方溝と、前記上方フランクから離れて対向する前記上方舌状部の遠位側に好ましくは設けられた少なくとも一つの第一の固定要素とを備え、および前記第二の結合プロファイルおよび/または前記第四の結合プロファイルは、第一の下方舌状部と、前記下方舌状部からある距離にある少なくとも一つの第一の下方フランクと、前記下方舌状部と前記下方フランクとの間に形成された第一の下方溝であって、隣接するパネルの第一の結合プロファイルの上方舌状部の少なくとも一部を受け入れるように適合されている第一の下方溝と、隣接するパネルの第一の固定要素との共同動作のために適合された少なくとも一つの第二の固定要素であって、好ましくは前記下方フランクに設けられた、少なくとも一つの第二の固定要素とを備えている。
【0025】
好ましくは、前記第一の固定要素は、突出部および/または凹部を備え、および前記第二の固定要素は、突出部および/または凹部を備えている。前記突出部は、固定結合、好ましくは、垂直方向の固定結合を実現するために、通常、隣接する結合パネルの前記凹部に少なくとも部分的に受け入れられるように適合されている。また、前記第一の固定要素と前記第二の固定要素は、突出部/凹部の組合せによって形成されず、共同動作するプロファイル面および/または高摩擦接触面の別の組合せによって形成されることも想定される。この後者の実施形態においては、前記第一の固定要素および前記第二の固定要素のうちの少なくとも一方の固定要素は、係合(結合)状態の別のパネルの他方の固定要素とともに摩擦を生じるように構成された任意の別個のプラスチック材料で構成された(別様の形状から成る平坦な)接触面によって形成してもよい。摩擦を生じるのに適したプラスチックの実例は以下を含む。
アセタール(POM)、堅固で強固であり、良好な耐クリープ性を有する。低摩擦係数を有し、高温で依然として安定した状態であり、および温水に対して良好な耐性を呈する。
ナイロン(PA)、ほとんどのポリマーよりも多くの湿気を吸収する。ナイロンは湿気を吸収するため、衝撃強度および総合エネルギー吸収品質が実質的に向上する。また、ナイロンは、低摩擦係数、良好な電気的特性および良好な耐薬品性も有している。
ポリフタルアミド(PPA)。この高性能ナイロンは、徹底的に改善された耐熱性と、低い吸湿性を有している。また、それは、良好な耐薬品性も有している。
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、良好な耐薬品性と難燃性を有し、高強度を備えた高温熱可塑性プラスチックである。PEEKは、航空宇宙産業において好まれている。
ポリフェニレンスルファイド(PPS)、耐薬品性および耐熱性、難燃性、流動性、寸法安定性および良好な電気的特性を含む特性のバランスを呈する。
ポリブチレンテレフタレート(PBT)、寸法安定性が有り、および良好な電気的特性とともに高い耐熱性および耐薬品性を有する。
熱可塑性ポリイミド(TPI)、本質的に、良好な物理特性、化学特性および耐摩耗性とともに難燃性である。
ポリカーボネート(PC)、良好な衝撃強度、高い耐熱性および良好な寸法安定性を有する。また、PCは、良好な電気的特性を有し、および水中および無機酸および有機酸中で安定している。
ポリエーテルイミド(PEI)、高温で強度および剛性を維持する。また、それは、良好な長期の耐熱性、寸法安定性、固有の耐熱性および炭化水素、アルコールおよびハロゲン化溶剤に対する耐性も有している。
【0026】
上述した実施形態においては、前記第一の結合プロファイル(および/または前記第三の結合プロファイル)と、前記第二の結合プロファイル(および/または前記第四の結合プロファイル)が、結合状態において、結合したパネルを、それぞれの縁部において互いに向かって押し付けるプレテンションが存在するように構成されることが考えられ、この場合、このことは、好ましくは、前記第一の結合プロファイル(および/または前記第三の結合プロファイル)と、前記第二の結合プロファイル(および/または前記第四の結合プロファイル)の重なり合う輪郭、具体的には、前記下方舌状部と前記上方溝の重なり合う輪郭および/または前記上方舌状部と前記下方溝の重なり合う輪郭を適用することによって実行され、およびこの場合、前記第一の結合プロファイル(および/または前記第三の結合プロファイル)と、前記第二の結合プロファイル(および/または前記第四の結合プロファイル)は、二つのこのようなパネルを、折り畳む動作および/または垂直方向の動作によって互いに結合できるように構成され、その結果、結合状態において、前記第二の結合プロファイル(および/または前記第四の結合プロファイル)の前記下方舌状部の少なくとも一部は、前記第一の結合プロファイル(および/または前記第三の結合プロファイル)の前記上方溝に挿入され、その結果、前記下方舌状部は、前記第一の結合プロファイル(および/または前記第三の結合プロファイル)によって締め付けられ、および/または前記上方舌状部は、前記第二の結合プロファイル(および/または前記第四の結合プロファイル)によって締め付けられる。
【0027】
本発明によるパネルの実施形態において、前記第一の結合プロファイルおよび/または前記第三の結合プロファイルは、前記芯材の前記上側に実質的に平行な方向に延在する側部舌状部と、前記側部舌状部からある距離にある少なくとも一つの第二の下方フランクと、前記側部舌状部と前記第二の下方フランクとの間に形成された第二の下方溝とを備え、および前記第二の結合プロファイルおよび/または前記第四の結合プロファイルは、隣接するパネルの前記第三の結合プロファイルの側部舌状部の少なくとも一部を収容するために構成された第三の溝であって、前記第三の溝が上方唇部および下方唇部によって画定され、前記下方唇部には上方固定要素が設けられている第三の溝を備え、および前記第三の結合プロファイルおよび前記第四の結合プロファイルは、二つのこのようなパネルを回転動によって互いに結合できるように構成され、この場合、結合状態において、第一のパネルの前記側部舌状部の少なくとも一部は、隣接する第二のパネルの前記第三の溝に挿入され、および前記第二のパネルの前記上方固定要素の少なくとも一部は、前記第一のパネルの前記第二の下方溝に挿入される。
【0028】
各第一の結合プロファイルおよび各第三の結合プロファイルには互換性が有り、すなわち、各第二の結合プロファイルおよび各前記第四の結合プロファイルと共同動作および連結することができることが考えられる。このことは、連結結合プロファイルが、完全に相補的な形状を有していない事例にも当てはまる可能性がある。
【0029】
好適な実施形態において、少なくとも結合プロファイル、および好ましくは、すべての結合プロファイルは、前記芯材によって少なくとも部分的に形成されている。
【0030】
上述したように、前記芯材は、好ましくは、少なくとも一つのポリマー、具体的には、熱可塑性材料および/または熱硬化性材料で少なくとも部分的に形成され、この場合、好ましくは、前記芯材は、少なくとも一つのポリマー、具体的には、熱可塑性材料および/または熱硬化性材料と、少なくとも一つの非ポリマー材料とを含む複合材料を含む。前記非ポリマー材料は、好ましくは、鋼、ガラス、ポリプロピレン、木材、アクリル、アルミナ、クラワ(curaua)、カーボン、セルロース、ココナッツ、ケブラー(登録商標)、ナイロン、パーロン(登録商標)、ロックウール、サイザル麻、フィケ、無機フィラー、具体的にはチョークから成る群から選択された少なくとも一つの材料である。このことは、前記パネルの強度および/または前記パネル自体の防水性および/または耐火性をさらに向上させることができ、および/または前記パネル自体の原価を下げることができる。
【0031】
好適な熱可塑性材料は、PVC、PET、PP、PSまたは(熱可塑性)ポリウレタン(PUR)である。PSは、前記パネルの密度をさらに低減するために、発泡スチロール(EPS)の形であってもよく、このことは、コストの節約につながり、および前記パネルの取扱いを容易にする。好ましくは、使用する前記ポリマーの少なくとも一部は、再生PVCまたは再生PUR等の再生熱可塑性材料によって形成してもよい。前記フレキシビリティおよび/または衝撃抵抗を少なくともある程度向上させるために、ゴムおよび/またはエラストマー部材(粒子)が、少なくとも一つの複合層中に分散されていることも考えられる。前記芯材の少なくとも一部を構成するために、未使用および再利用の熱可塑性材料の混合物が用いられることが想定される。好ましくは、この混合においては、前記未使用の熱可塑性材料と、前記再利用の熱可塑性材料は、基本的に同じである。例えば、このような混合物は、全体的にPVCベースまたは全体的にPURベースとすることができる。
【0032】
好ましくは、前記芯材は、熱可塑性材料のその重量の最高でその重量の50%から100%までを含む。前記芯材は、前記パネル自体のフレキシビリティを向上させるために、少なくとも一つの可塑剤を含んでもよい。好適な実施形態において、前記芯材の面密度は、9000g/m2未満、好ましくは、6000g/m2未満である。
【0033】
前記芯材は、酸化マグネシウム(マグネシア)および/または水酸化マグネシウム、具体的には、マグネシアセメントで少なくとも部分的に形成することもできる。このようなマグネシアおよび/または水酸化マグネシウムが、前記芯材の少なくとも一部を構成するのに用いられる事例では、前記芯材が、セルロースベースの粒子等の一つ以上のフィラーを含むことが好適である。これらのセルロースベースの粒子は、好ましくは、前記マグネシアセメント中に分散される。好ましくは、前記芯材は、前記(水酸化)マグネシウムベースの層に埋め込まれた少なくとも一つの補強層を備える。酸化マグネシウムおよび/または水酸化マグネシウムベースの構成物、および具体的には、マグネシアセメントの適用は、前記装飾用パネル自体の可燃性(不燃性)を著しく改善することが見出されている。さらに、比較的耐火性のあるパネルもまた、通常の使用中に温度変動を受けたときの、著しく向上した寸法安定性も有している。マグネシアベースのセメントは、マグネシア(酸化マグネシウム)に基づいているセメントであり、この場合、セメントは、酸化マグネシウムが、反応物のうちの一つとして作用する化学反応の反応生成物である。前記マグネシアセメント中には、マグネシアが依然として存在している可能性が有り、および/または化学反応を受けている可能性が有り、この場合、以下でより詳細に説明するように、別の化学結合が形成される。他のセメント種別とも比較した、マグネシアセメントの追加的な利点を以下に提示する。第一の追加的な利点は、マグネシアセメントは、比較的エネルギー的に効率の良い、すなわち、費用効率の高い方法で製造することができるということである。さらに、マグネシアセメントは、比較的大きな圧縮強度および引張強度を有している。マグネシアセメントの別の利点は、典型的には安価な、植物繊維おがくず(木粉)および/または木材チップ等のセルロース材料に対する本来の親和性を有しているということである。このことは、前記マグネシアセメントの接合を改善するだけではなく、軽量化およびさらなる防音(減衰)にもつながる。セルロースおよび必要に応じて粘土と組合せた場合の酸化マグネシウムは、水蒸気を吸収するマグネシアセメントを形成し、すなわち、このセメントは、湿気を効率的な方法で放出するため、劣化(腐敗)しない。さらに、マグネシアセメントは、比較的良好な断熱材料、絶縁材料であり、このことは、前記パネルを特に、レーダー基地および病院の手術室用のフローリングに適したものにする。マグネシアセメントの追加的な利点は、他のセメント種別と比較して、比較的低いpHを有するということであり、このことはすべて、セメントマトリクス中の分散粒子としてのおよび/または(ガラス繊維としての)補強層としての、ガラス繊維の重要な耐久性を可能にし、さらに、耐久性のある方法で、他の種類の繊維の使用を可能にする。
【0034】
前記装飾用上部構造は、好ましくは、少なくとも一つの装飾層と、前記装飾層を被覆する少なくとも一つの透明な摩耗層とを備えている。前記装飾用上部構造は、前記装飾層と前記芯材との間に位置する少なくとも一つの裏層を追加的に備え、この場合、前記裏層は、好ましくは、ビニル化合物で形成される。ラッカー層または他の保護層を、前記摩耗層の上部に施してもよい。仕上げ層を、前記装飾層と前記摩耗層との間に施してもよい。前記装飾層は可視的になり、および前記パネルに魅力的な外観を与えるのに用いられるであろう。この目的のために、前記装飾層は、例えば、木目調デザイン、大理石、花崗岩または他の任意の天然石粒子に似ている鉱物粒子デザイン、または、可能性のあるいくつかの例を挙げると、カラーパターン、混色または単一色とすることができるデザインパターンを有していてもよい。多くの場合、前記パネルの製造プロセス中のデジタル印刷によって実現されるカスタマイズされた外観も考えられる。また、前記装飾用上部構造は、単一の層によって形成することもできる。代替的な実施形態において、前記装飾用上部構造は省略され、したがって、本発明によるパネルにおいては適用されていない。この後者の実施形態において、前記芯材の前記上側は、前記パネルの上側を構成している。
【0035】
前記装飾層は、印刷した熱可塑性層または印刷した熱可塑性フィルムによって少なくとも部分的に形成してもよい。使用する前記熱可塑性材料は、さまざまな性質から成っている可能性があるが、通常は、PVCまたはPURが材料として好適である。また、前記装飾層は、前記芯材上に直接または間接的に印刷された、好ましくは、デジタル印刷されたインク層によって形成してもよい。前記装飾層は、菜種油またはひまし油等の植物由来の油に基づく、ポリマー、具体的にはPUR等の少なくとも一つの生物由来の材料で少なくとも部分的に形成してもよい。前記装飾は、チョーク等の鉱物成分を追加的に含んでもいてもよい。このことは、音響特性、凹凸耐性等に関して改善されたパネル性能のための、極度に高いレベルの弾性と実質的に結び付く。
【0036】
また、前記装飾用上部構造は、そこから上方に突出しているパイル糸を有するカーペットベースを備えていてもよく、および/または、前記カーペットベースを構成してもよい。前記パイル糸は、多数の天然繊維または合成繊維から形成することができる。多くの種類の糸を異ならせて形成することができるが、典型的には、二種類の主要な糸、すなわち、スパンおよびフィラメントがある。前記糸は、ナイロンで形成することができるが、ポリエステル、ポリプロピレン、アクリルまたはそのブレンド等の他の適当な合繊糸を採用することもできる。カーペットタイルは、堅固またはフレキシブルのいずれかであってもよい。前記ベースには糸または繊維がないことも想定される。前記パイル糸は、ループパイルから成っていてもよい。しかし、前記パイル糸が、カットパイル、ツイストパイル、または、例えば、単層または多層構成の他の何らかの適当なパイル糸から成ることも可能である。前記ループパイルは、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、アクリルまたはそのブレンド等の合繊糸である可能性がある。示されている実施形態において、前記ループパイルは、前記カーペットベースに房状に形成される。また、前記カーペットベースは、好ましくは、例えば、不織布シート、織物シート、不織布ポリエステルシート、ポリプロピレンシート、ガラス繊維スクリムまたはティッシュシート、または、これらの組合せとすることができる裏当てシートも備えている。前記裏当てシートは、典型的には、前記糸を保持するための支持構造(保持構造)として作用する。前記カーペットベース上、および具体的には前記裏当てシート上の定位置に房をより効率的に接合するために、好ましくは、プレコート層が施される。このプレコート層は、例えば、ラテックス層とすることができる。
【0037】
前記パネル厚さは、典型的には、3~10mm、好ましくは、4~8mmである。
【0038】
好ましくは、前記芯材溝は、実質的に平行に延びている。好ましくは、前記溝開口の総表面積は、前記芯材の前記下側の総表面積の少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、より好ましくは、少なくとも40%にわたっている。
【0039】
好ましくは、少なくとも前記パネル縁部は、少なくとも一つの芯材縁部によって少なくとも部分的に形成され、この場合、好ましくは、各パネル縁部は、前記芯材縁部によって少なくとも部分的に形成される。前記装飾構造は、前記パネル縁部の少なくとも一部、または、すべてのパネル縁部も追加的に画定していることが考えられる。
【0040】
前記芯材は、好ましくは、押出成形方向に沿って延在し、この場合、溝は、前記押出成形方向に延在する。したがって、前記芯材溝は、好ましくは、前記押出成形方向に延在する。
【0041】
また、本発明は、本発明による複数の相互に結合された装飾用パネルを備える、装飾用被覆材、特に、装飾用床被覆材、装飾用天井被覆材または装飾用壁被覆材に関する。
【0042】
本発明はさらに、本発明によるパネルに用いる芯材に関し、この場合、前記芯材は、上側および下側と、第一の結合プロファイルを備える第一の芯材縁部、および水平方向および垂直方向の両方向において、隣接するパネルの前記第一の結合プロファイルと連結係合するように設計されている第二の結合プロファイルを備える第二の芯材縁部と、第三の結合プロファイルを備える第三の芯材縁部、および水平方向および垂直方向の両方向において、隣接するパネルの前記第三の結合プロファイルと連結係合するように設計されている第四の結合プロファイルを備える第四の芯材縁部とを備え、この場合、各芯材縁部は、水平面(HP)に垂直な垂直面(VP)を画定し、この水平面(HP)は前記芯材に平行であり、前記芯材には、前記芯材の前記下側および/または上側に接続された溝開口を有する、少なくとも二つの垂直方向に延在する芯材溝が設けられ、前記芯材溝の全体部分は、すべての芯材縁部によってそれぞれ画定された前記垂直面(VP)の内部に配置され、このような前記芯材溝は、前記第一の結合プロファイル、前記第二の結合プロファイル、前記第三の結合プロファイルおよび前記第四の結合プロファイルのいずれの結合プロファイルとも交差せず、各芯材溝は、少なくとも一つの溝壁部によって画定され、前記芯材と前記芯材溝は、前記芯材の前記下側および/または上側と、前記芯材溝の前記溝壁部が、実質的に同じ表面構造を有するように、押出成形プロセスによって形成される。前記芯材の代替的な実施形態においては、前記芯材の上側および/または下側には、押出成形中に芯材溝が設けられ、この場合、前記芯材には、どの結合プロファイルも設けられず、または、どの結合プロファイルもまだ設けられず、あるいは、前記芯材には、対向するパネル縁部に配設された二つの相補的な結合プロファイルだけが設けられる。
【0043】
本発明はさらに、装飾用パネル、具体的には、本発明による装飾用パネルを製造する方法であって、A)ポリマーベースの芯材合成物を液化させるステップと、B)前記液化したポリマーベースの芯材合成物を押出成形して、前記パネルの液化した芯材を形成するステップと、C)前記芯材溝が、前記芯材のどの縁部にも交差しないように、前記液化した芯材に、前記芯材の下側および/または上側に接続された溝開口を有する、少なくとも二つの垂直方向に延在する前記芯材溝を形成するステップと、D)前記芯材を凝固できるようにするステップと、E)装飾用パネルまたは装飾用プレートが形成されるように、装飾用上部構造を前記芯材の前記上側に直接または間接的に施すステップと、F)第一のパネル縁部に第一の結合プロファイルが設けられ、および第二のパネル縁部には、好ましくは、水平方向および垂直方向の両方向において、隣接するパネルの前記第一の結合プロファイルに連結係合するように設計されている第二の結合プロファイルが設けられるように、および第三のパネル縁部に第三の結合プロファイルが設けられ、および第四のパネル縁部が、好ましくは、水平方向および垂直方向の両方向において、隣接するパネルの前記第三の結合プロファイルと連結係合するように設計されている第四の結合プロファイルを備えているように、前記パネル縁部を機械加工するステップとを含む方法に関する。前記ポリマーは、ステップA)の間の前記ポリマーの液化中に、粘性およびペースト状になり、このこともまた、前記ポリマーを容易に変形できるようにする。ステップB)がステップC)の前に実行されることが考えられる。また、ステップB)とステップC)は、少なくとも部分的に時間が重なることも考えられる。
【0044】
ステップB)の間に、前記芯材は、好ましくは、押出成形方向に沿って延在され、およびステップC)の間に、前記溝も前記押出成形方向に延在するように形成される。
【0045】
ステップB)の間は押出成形機が用いられ、この場合、前記押出成形機は金型を備え、前記金型は、押出成形された芯材材料のための出口開口を画定している。前記金型は、前記押出成形機の口部または放出開口とも称される。
【0046】
ステップB)およびステップC)の場合、少なくとも部分的に時間が重なっており、好ましくは、ステップB)の間は押出成形機が用いられ、この場合、前記押出成形機は金型を備え、前記金型は、押出成形された芯材材料のための細長い出口開口を画定し、および前記金型は、前記芯材の前記下側および/または上側に前記芯材溝を形成するために、出口開口の形状を調節するように構成されている。より好ましくは、前記金型は、前記出口開口が、前記出口開口が実質的に矩形形状を有する第一の状態と、前記出口開口の少なくとも一部がプロファイル形状、特に波状および/または鋸歯状の形状を有する第二の状態との間で変形可能なように、この場合、前記芯材溝は、前記出口開口が前記第二の状態で位置しているときに形成されるように、固定金型部と、前記固定金型部と共同動作する可動金型部とを備えている。好ましくは、前記押出成形機は、前記出口開口が、前記第一の状態と前記第二の状態との間で交互に変形されるように、前記固定金型部に対して前記可動金型部を交互に動かすための制御ユニットを備えている。
【0047】
前記押出成形された芯材を、ステップD)の間に、好ましくは、冷却水によって能動的に冷却することが有利である。好ましくは、前記方法は、ステップE)の間に形成された前記装飾用プレートを鋸で切って装飾用パネルにすることを含むステップG)を含み、この場合、ステップG)はステップF)の前に実行される。前記装飾用プレートは、装飾用スラブとも称されている。前記プレートを切断して(鋸で切って)断片にし(ステップG)、その後、それらの断片の輪郭を形成すること(ステップF)が後に続く、装飾用プレートを形成すること(ステップE)は、多くの場合、経済的および効率的観点から非常に有効であり、そのため、実際に非常に好適である。(輪郭の形成中に形成された)前記結合プロファイルと前記芯材溝は、離間されており、または、少なくとも相互に交差しないため、前記スラブと一緒に施された前記芯材溝は、前記芯材溝間に十分なスペースを形成するように、前記スラブを切断して断片にするように、および前記縁部に輪郭を形成するように、不連続な(断続的な)パターンを形成する。前記芯材が押出成形によって形成される場合、このことは、この従来の押出成形技術にあるように、前記芯材溝が、前記金型によって形成すべき前記芯材溝に合う所望の断面を有する押出成形金型を介して、溶解した材料および/または流動可能な材料を押し込むことにより押出成形中に形成される場合、従来の押出成形技術が、前記芯材を実現するのに適していないことを意味する。このことは、前記スラブの全長にわたって延在する連続溝を生じるであろう。前記断片の前記縁部の輪郭を形成して前記パネルを形成することが後に続く、この輪郭を形成したスラブを断片に切断することは、前記パネル全長にわたって延在する前記芯材溝を常に生じさせ、その結果、前記結合プロファイルを弱めることになる。したがって、前記パネルを製造するのに押出成形が用いられる場合、部分的に変更した押出成形プロセスを適用しなければならず、この場合、例えば、芯材溝を前記スラブ内に、位置選択的に形成することができ、および後の切断および輪郭形成のために、(溝のない)スペースを位置選択的に形成することができる、部分的に変更した押出成形機金型を、従来の固定押出成形機金型の代わりに適用すべきである。このことは、例えば、前記スラブの製造中に、前記芯材溝が形成される第一の位置と、前記芯材溝が形成されない第二の位置との間で動かすことのできる、少なくとも一つの可動形状決定コンポーネントを有するダイナミック押出成形機金型を適用することによって実現することができる。
【0048】
また、本発明は、本発明による方法に用いられる押出成形機に関し、この場合、前記押出成形機は金型を備え、前記金型は、押出成形された芯材材料のための細長い出口開口を画定し、および前記金型は、前記芯材の前記下側および/または上側に前記芯材溝を形成するために、前記出口開口の形状を調節するように構成され、および前記金型は、好ましくは、前記出口開口が、前記出口開口が実質的に矩形形状を有する第一の状態と、前記出口開口の少なくとも一部がプロファイル形状、特に波状および/または鋸歯状の形状を有する第二の状態との間で変形可能なように、この場合、前記芯材溝は、前記出口開口が前記第二の状態で位置しているときに形成されるように、固定金型部と、前記固定金型部と共同動作する可動金型部とを備え、この場合、より好ましくは、前記押出成形機は、前記出口開口が、前記第一の状態と前記第二の状態との間で交互に変形されるように、前記固定金型部に対して前記可動金型部を交互に動かすための制御ユニットを備えている。
【0049】
「第一の」、「第二の」および「第三の」のようなこの文書で用いられている序数は、識別目的のために用いられているにすぎない。そのため、「第三の固定要素」および「第二の固定要素」という表現の使用は、「第一の固定要素」の共存を必ずしも必要としない。
【0050】
本発明によるタイルシステムの前記タイルは、パネルと称することもできる。ベース層は、芯材層と称することもできる。前記結合プロファイルは、結合部材または接続プロファイルと称することもできる。「相補的な」結合プロファイルに関しては、これらの結合プロファイルが互いに協働することができることを意味する。しかし、この目的を達成するために、前記相補的な結合プロファイルは、必ずしも相補的な形態を有する必要はない。「垂直方向」に固定するに関しては、前記タイルの平面に垂直な方向に固定することを意味する。「水平方向に」固定するに関しては、二つのタイルのそれぞれの結合された縁部に垂直な、および前記タイルによって画定された平面に平行なまたは収まる方向に固定することを意味する。この文書の事例では、「床タイル」または「床パネル」について言及され、これらの表現は、「タイル」、「壁タイル」、「天井タイル」、「被覆タイル」のような表現と置き換えてもよい。この文書の文脈において、「発泡複合材料」という表現と「発泡可塑性材料」という表現は置換え可能であり、この場合、実際には、前記発泡複合材料は、少なくとも一つの(熱)可塑性材料と、少なくとも一つのフィラー(非ポリマー材料)を備える発泡混合物を含む。
【0051】
本発明は、以下の図面に示す非限定的で例示的な実施形態に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1a】
図1a~
図1eは、本発明による装飾用パネルの可能性のある実施形態の概略図の上面および底面図である。
【
図1b】
図1a~
図1eは、本発明による装飾用パネルの可能性のある実施形態の概略図の上面および底面図である。
【
図1c】
図1a~
図1eは、本発明による装飾用パネルの可能性のある実施形態の概略図の上面および底面図である。
【
図1d】
図1a~
図1eは、本発明による装飾用パネルの可能性のある実施形態の概略図の上面および底面図である。
【
図1e】
図1a~
図1eは、本発明による装飾用パネルの可能性のある実施形態の概略図の上面および底面図である。
【
図2a】
図2a~
図2dは、本発明による装飾用パネルの可能性のある実施形態の断面の側面概略図である。
【
図2b】
図2a~
図2dは、本発明による装飾用パネルの可能性のある実施形態の断面の側面概略図である。
【
図2c】
図2a~
図2dは、本発明による装飾用パネルの可能性のある実施形態の断面の側面概略図である。
【
図2d】
図2a~
図2dは、本発明による装飾用パネルの可能性のある実施形態の断面の側面概略図である。
【
図3a】
図3a~
図3dは、本発明による装飾用パネルの可能性のある実施形態の断面の側面概略図である。
【
図3b】
図3a~
図3dは、本発明による装飾用パネルの可能性のある実施形態の断面の側面概略図である。
【
図3c】
図3a~
図3dは、本発明による装飾用パネルの可能性のある実施形態の断面の側面概略図である。
【
図3d】
図3a~
図3dは、本発明による装飾用パネルの可能性のある実施形態の断面の側面概略図である。
【
図4a】
図4aおよび
図4bは、本発明による装飾用パネルを製造するのに用いることができる押出成形機の概略図である。
【
図4b】
図4aおよび
図4bは、本発明による装飾用パネルを製造するのに用いることができる押出成形機の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
これらの図面において、同様の参照符号は、同様のまたは等しい形状構成または要素を指すものとする。
【0054】
図1a~
図1eは、本発明による装飾用パネル100a~100eの可能性のある実施形態の概略図を示す。図示されているパネル100a~100eは、この実施例においては、矩形状および長方形である。実際には、該パネル100a~100eは、正方形、六角形または八角形等の代替的な形状を有していてもよい。
図1aは、
図1b~
図1eに示す該パネルの実施形態の各々に用いることができる該パネルの平面図を示す。より具体的には、
図1b~
図1eは、異なるパネル100b~100eの底面図を示す。各パネル100a~100eは、第一の結合プロファイル101を備えている第一のパネル縁部と、水平方向および垂直方向の両方向において、隣接するパネルの前記第一の結合プロファイル101と連結係合するように設計されている第二の結合プロファイル102を備えている第二のパネル縁部とを備えている芯材105を備える。結合プロファイル101、102の第一のセットは、該パネル100a~100eの対向する短縁に配置されている。該結合プロファイル101、102は、折り畳み動作および/または垂直方向の動作によって結合されるように構成され、およびこれらの結合プロファイル101、102は、互いに押し込む(および/またはハンマーでたたく)ことができるため、「プッシュロック」結合プロファイルとも称されている。各パネル100a~100eは、第三の結合プロファイル103を備えている第三のパネル縁部と、水平方向および垂直方向の両方向において、隣接するパネルの前記第三の結合プロファイル103と連結係合するように設計されている第四の結合プロファイル104を備えている第四のパネル縁部とをさらに備える。結合プロファイル103、104のこの第二のセットは、該パネル100a~100eの対向する長縁部に配置されている。該結合プロファイル103、104は、アングリングダウン(angling-down)動作および/または回転動作によって結合されるように構成され、およびこれらの結合プロファイル103、104は、「アングリングダウン」結合プロファイルとも称されている。該プッシュロック結合プロファイル101、102と、該アングリングダウン結合プロファイル103、104は、欧州特許第3105392号明細書の
図1~
図3に示すような結合プロファイル5、6、7、8と同一であってもよく、この欧州特許の主題は、参照によってこの文書に組み込まれるものとする。各パネル100a~100eは、該芯材105の該下側に設けられた複数の芯材溝を備えており、この場合、各芯材溝106は、少なくとも一つの溝壁部によって画定されている。該溝壁部は、該芯材105の部分を(一体的に)形成している。該芯材105および該芯材溝106は、押出成形プロセスによって同時におよび/または連続的に形成される。該芯材105と該溝106の両方を押出成形中に形成することにより、該芯材の該下側と、該芯材溝の該溝壁部Wは、典型的には、実質的に同じ表面構造を有する。該芯材の該下側の該表面構造と、該芯材溝の該表面構造は互いに異なっていてもよいが、該芯材の該下側と該芯材溝は、ともに押出成形によって形成されるため、該表面構造は、(該芯材の押出成形プロセスの完了後に該芯材内に切削された)切削した芯材溝の該表面構造と比較して、比較的滑らかになり、および粉塵および(切削)削りくずがない。
図1aは、該パネル100aが、該パネル100aの該芯材の上側に直接または間接的に付着される装飾用上部構造109を備えていることを示す。該装飾用構造109は、図示されている装飾用構造の非限定的な実施例である。典型的には、該結合プロファイル101、102、103、104は、該芯材105と付着された該装飾用構造109の積層アセンブリを切削することによって実現される。
【0055】
図1b~
図1eは、該芯材105の該下側に設けられた異なる芯材溝構造を示す。上述したように、該芯材溝106は、該芯材が依然として液化した(粘性またはペースト状)状態にあるときに該芯材に施される。このことは、該芯材が依然として十分に液体(粘性またはペースト状)であり、および該芯材溝106を形成するように変形可能であるときに、調整可能な金型を有することができる該押出成形装置によって、および/または、該押出成形装置のすぐ下流で実現することができるであろう。
【0056】
図1bは、該芯材105に、該芯材105の該下側に接続された溝開口を有する二つの垂直方向に延在する芯材溝106が設けられていることを示し、この場合、該芯材溝106の全体部分は、それぞれすべてのパネル縁部によって画定された垂直パネルの内部に配置され、その結果、該芯材溝106は、該第一の結合プロファイル101、該第二の結合プロファイル102、該第三の結合プロファイル103および該第四の結合プロファイル104のうちのどの結合プロファイルとも交差しない。該芯材溝106は、参照符号X1、X2によって概略的に示す、すべての結合プロファイル101、102、103、104からある距離を置いて配置されている。このことは、該芯材溝106が、該芯材105の中心部に設けられていること、および該結合プロファイル101、102、103、104が設けられている該芯材106の周辺部(縁部)には、芯材溝106が何もないことを意味している。この芯材溝の方向性の結果は、該芯材105が比較的軽量な芯材であるということであり、この場合、該芯材105は、例えば、2~10mmの限定された厚さを有していてもよく、および該結合プロファイル101、102、103、104は、比較的堅牢な方法で設計され、したがって比較的信頼性が高くかつ耐久性のある方法で作用することができる。
【0057】
図1cは、該パネル100cの該芯材105の可能性のある追加的な構造を示す。該芯材105には、多数の(平行な)芯材溝106が設けられている。すべての芯材溝106は連続的になっている。該芯材溝106の寸法は同一であってもよいが、実際には(意図的に)変えてもよい。
【0058】
図1dは、パネル100dの該芯材105の構造を示し、この場合、該芯材は、多数の不連続な芯材溝106を備えている。
図1eは、パネル100eの該芯材105の構造を示し、この場合、該芯材は、一つの芯材溝106を備えている。該芯材溝106は、図示されている底面図において、該パネル100eの長さにわたってV字形状を有している。この構造は、例えば、
図4aおよび
図4bに示すような押出成形機を利用することによって製造することができ、この場合、該押出成形機は、水平および垂直の両方向に移動可能な少なくとも一つの移動可能な型を備えている。そのため、異なる形状の該芯材溝106を設けることができる。
【0059】
図2a~
図2dは、本発明による装飾用パネル200a~200dの断面の概略図を示す。これらの
図2a~
図2dに示す該断面は、例えば、
図1aに示すような線A-Aによる該パネルの断面とすることができる。したがって、
図2a~
図2dには、該パネルのプッシュロックプロファイルが図示されている。
【0060】
これらの図は、第一の結合プロファイル201を備えている第一のパネル縁部と、隣接するパネルの前記第一の結合プロファイル201と連結係合するように設計されている第二の結合プロファイル202を備えている第二のパネル縁部を示す。図示されている断面は、典型的には、該パネル200a~200dのいわゆる長辺である。各パネル200a~200dは、芯材溝206が設けられている芯材205を備えている。各パネル200a~200dは、
図2aのみに視覚化されている、該パネルの該芯材205に平行な水平面(HP)を画定している。各結合プロファイル201、202は、二つの垂直面(VP)を画定し、より具体的には、該第一の結合プロファイル201は、該第一の結合プロファイル201の上部外側縁部と一致する垂直方向の外側面(VP-O1)を画定し、および該第一の結合プロファイル201の底部外側縁部と一致する垂直方向の内側面(VP-l1)も画定している。該第二の結合プロファイル202は、該第二の結合プロファイル202の底部外側縁部と一致する垂直方向の外側面(VP-O2)を画定し、および該第二の結合プロファイル202の上部外側縁部に一致する垂直方向の内側面(VP-l2)も画定している。二つのパネル200aの結合状態においては、第一のパネルのVP-01は、第二のパネルのVP-l2と一致するであろうし、また、前記第一のパネルのVP-l1は、前記第二のパネルのVP-O2と一致するであろう。上述の説明で述べたように、該パネル200aの該外側縁部(VP-O1、VP-O2)は、多くの場合、垂直面V1とも称されている。該パネル200aの該芯材の中心部近傍に配置された、結合プロファイル201、202の一部と一致する追加的な垂直面(VP2)を識別することができる。図を見て分かるように、該芯材溝206は、上述した垂直面(VP-O1、VP-l1、VP-l2、VP-O2、VP1、VP2)の各々からある距離を置いて配置されている。これらの垂直面は、明確にするために
図2aのみに視覚化されているが、別の
図2b~
図2dにも明らかに存在している。
図2a~
図2cを見て分かるように、該芯材溝206は、好ましくは、上述で画定されているすべての垂直面のある距離に配設されている。しかし、
図2dに示すように、該芯材溝206が、各結合プロファイル201、202の少なくとも一つの垂直面のある距離を置いて配置されることが可能である。
【0061】
図2aに示す該パネル200aは、装飾用上部構造209を備えている。該パネル200aは、該パネル200aのほぼ該全長にわたって延在する、比較的長くかつ深い芯材溝206を示す。しかし、該芯材溝206は、該芯材溝206が、該第一の結合プロファイル101および該第二の結合プロファイル102と交差しないように、該パネル縁部から所定の距離で始まっている。該芯材溝206の芯材溝深さ(GD)は、パネル厚さ(T)の0.3倍以上である。該芯材の該下側および該芯材溝206の該溝壁部は、実質的に滑らかな表面構造を有している。
【0062】
図2bは、断続的で不連続な芯材溝206を備えているパネル200bを示す。このことは、例えば、該パネルに重い負荷が掛かっているときの、該パネル200bの安定性を高めることができる。該芯材溝206には、材料207、具体的には、音減衰材料207が充填されている。該装飾用上部構造(図示せず)は、該パネル200bの該芯材205の上部に直接印刷されている。
【0063】
図2cは、本発明によるパネル200cのさらなる実施形態を示す。該芯材溝206は、該芯材205の該下側に付着されている裏打ち層208によって保護されている。該芯材溝206の長さlgは、前記裏打ち層208の長さlbよりも小さいことが図を見て分かる。そのため、該裏打ち層208は、該芯材溝206を実質的に完全に覆っている。該芯材溝206の該溝開口の幅は、前記芯材溝の内側部分の幅よりも大きいことが図を見て分かる。該芯材溝206には空気が充填されている。しかし、該芯材溝206に任意の適当な充填材料が充填されていることも想定される。該パネル200cは、装飾用上部層209をさらに備えている。
【0064】
図2dは、本発明によるパネル200dの別の可能性のある実施形態を示す。該パネルは、芯材溝206を備え、この場合、芯材溝深さ(GD)は、芯材溝長さlgに沿って変化している。該芯材溝206は、具体的には、中心部を包囲する二つの末端部によって画定されている。該パネル200dは、補強層210および装飾用上部層209をさらに備えている。
【0065】
図3a~
図3dは、本発明による装飾用パネル300a~300dの断面の概略図を示す。これらの
図3a~
図3dに示す断面は、例えば、
図1aに示すような線B-Bによる該パネルの断面とすることができる。したがって、
図3a~
図3dには、該パネルのアングリングダウンプロファイルが図示されている。
【0066】
各パネル300a~300dは、芯材溝306が設けられている芯材305を備えている。各パネル300a~300dは、この場合もやはり、
図2aに示すような同じ水平面(HP)とすることができる、
図3aのみに視覚化されている、該パネルの該芯材205と平行になっている水平面(HP)を画定している。各結合プロファイル301、302は、二つの垂直面(VP)を画定し、より具体的には、該第三の結合プロファイル301は、該第三の結合プロファイル301の上部外側縁部と一致する垂直方向外側面(VP-O3)を画定し、および該第三の結合プロファイル301の底部外側縁部と一致する垂直方向内側面(VP-l3)も画定している。該第四の結合プロファイル302は、該第四の結合プロファイル302の底部外側縁部と一致する垂直方向外側面(VP-O4)を画定し、および該第四の結合プロファイル302の上部外側縁部と一致する垂直方向内側面(VP-l4)も画定している。二つのパネル300aの結合状態においては、第一のパネルのVP-03は、第二のパネルのVP-l4と一致することになり、および前記第一のパネルのVP-l3は、前記第二のパネルのVP-O4と一致することになる。上述の説明で述べたように、該パネル300aの該外側縁部(VP-O3、VP-O4)は、多くの場合、垂直面V1とも称されている。該パネル300aの該芯材の中央部近傍に配置された結合プロファイル303、304の一部と一致する追加的な垂直面(VP2)を識別することができる。図を見て分かるように、該芯材溝306は、上述した垂直面(VP-O3、VP-l3、VP-l4、VP-O4、VP1、VP2)の各々からある距離を置いて配置されている。これらの垂直面は、明確にするために、
図3aのみに視覚化されているが、別の
図3b~
図3dにおいて明らかに画定することができるであろう。
図3a~
図2dを見て分かるように、該芯材溝306は、好ましくは、上述で画定されているすべての垂直面のある距離に配設される。しかし、該芯材溝306が、各結合プロファイル301、302の少なくとも一つの垂直面のある距離に配置されることが可能であり、この代替的な実施形態は、
図3a~
図3dには図示されていない。
【0067】
図3aは、該パネル300aが、実質的に等しい幅を有する多数の芯材溝306を備えていることを示している。該パネル300aは、該芯材溝306が該裏打ち層308によって覆われないように構成されている裏打ち層308を備えている。
【0068】
図3bは、芯材溝306を備えているパネル300bを示し、この場合、外側の芯材溝306は、内側の芯材溝306よりも深い深さを有している。各芯材溝306には、(音および/または衝撃減衰)材料が充填されている。該パネル300bは、装飾用上部層309をさらに備えている。
【0069】
図300cに示す該パネル300cは芯材溝306を備え、この場合、該芯材溝306の開口の幅は、該芯材溝306のさらに内側部の幅よりも小さくなっている。該裏打ち層308は、該芯材溝306を実質的に完全に覆っている。該芯材溝306には空気が充填されている。
【0070】
図3dは、芯材溝306を備えているパネル300dを示し、この場合、該芯材溝306の開口の幅は、前記芯材溝306の内側部の幅よりも大きくなっている。
【0071】
図4aおよび
図4bは、本発明による装飾用パネルを製造するのに用いることができる押出成形機411の概略図を示す。
図4aは正面図を示し、
図4bは側面図を示す。両図面とも断面を示している。該押出成形機411は、第一の型412および第二の型413を備えている。該第二の型413は、該第一の型412に対して移動可能である。矢印は、該第二の型413の移動の方向を示している。該第二の型413は、好適な実施形態において、垂直および水平の両方向に移動することができる。このことは、得ることのできる多種多様の可能な芯材溝パターンを可能にする。参照符号414は、該押出成形中にパネルの形成を実行できる該第一の型412の該開口414を示す。該第一の型412は、パネルおよび/またはプレートのような構造の製造用の押出成形機に用いられているような従来の型とすることができる。本発明による押出成形機411は、少なくとも二つの垂直方向に延在する芯材溝を設けるように構成されている、少なくとも一つの移動可能な第二の型413を備えている。図示されている実施形態において、該第二の型413は、該パネルに、具体的には、該パネルの該芯材の該下側(および/または上側)の溝が形成された面に、構造化されたパターンを設けるように構成されている、多数の凹部Rおよび突出部B(または、歯/膨出部)が設けられた構造を備えている。そのため、該芯材溝は、該芯材の該押出成形中に該パネルに設けられる。該第二の型413は移動可能であるため、各芯材溝の全体部分が、それぞれすべてのパネル縁部によって画定された、該パネルの該垂直面の内部に配置されているパネルを提供することが可能であり、このような該芯材溝は、後に設けられるどの結合プロファイルとも交差しない。押出成形プロセスによって形成される該芯材および該芯材溝のさらなる恩恵は、該芯材の該下側と、該芯材溝の該溝壁部が、実質的に同じ表面構造を有しているということである。また、該パネルに、多数のおよび/または異なる芯材溝を設けるために、該押出成形機411が多数の第二の型を備えることも想定される。
【0072】
したがって、上述した発明の概念が、いくつかの例示的な実施形態によって示されている。個々の発明の概念は、その際に、記載されている実施例の他の詳細を適用することもなく適用できることが想定される。当業者は、特定の用途に行き着くために組合せることのできる多くの発明の概念を理解するであろうことから、上述した発明の概念に関するすべての想定し得る組合せの実施例に関して詳述することは必ずしも必要ではない。例えば、押出成形中に、芯材の上側および/または下側に芯材溝を形成するという本発明は、結合プロファイルが全く設けられていない、または、対向するパネル縁部に配設された二つの相補的な結合プロファイルのみが設けられている、軽量パネル、具体的には床パネルを形成するのにも用いることができることが考えられる。この代替的なパネル構成においては、該装飾用構造は、典型的には、該芯材の上側に直接または間接的に付着されるであろう。この代替的なパネルは、例えば、床パネル、壁パネルおよび/または天井パネルとして用いることができる。上述したようなおよび添付クレームにおける該パネルのさまざまな実施形態は、この代替的なパネル構成と組合せることができる。
【0073】
本発明が、図示されおよび本願明細書に記載されている実用的な実施例に限定されないこと、および当業者には明白であろう、該添付クレームの範囲内で、多数の変形例が可能であることは明らかであろう。
【0074】
この特許明細書内で用いられる「備える(comprise)」という動詞およびその活用形は、「備える」だけを意味するのではなく、「含む(contain)」、「~から実質的に成る」、「~によって形成される」という言い回しおよびこれらの活用形も意味するものと理解されたい。