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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】ペプチドアミド組成物及びその調製方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/07 20060101AFI20241015BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20241015BHJP
   A61K 9/19 20060101ALI20241015BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20241015BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20241015BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20241015BHJP
   A61P 17/04 20060101ALI20241015BHJP
   A61P 7/10 20060101ALI20241015BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20241015BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20241015BHJP
   A61P 11/14 20060101ALI20241015BHJP
   A61P 27/06 20060101ALI20241015BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241015BHJP
【FI】
A61K38/07
A61K47/12
A61K9/19
A61K9/08
A61P25/04
A61P29/00
A61P17/04
A61P7/10
A61P7/00
A61P1/00
A61P11/14
A61P27/06
A61P43/00 121
A61P43/00 111
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022511294
(86)(22)【出願日】2020-08-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(86)【国際出願番号】 CN2020110760
(87)【国際公開番号】W WO2021036975
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-08-16
(31)【優先権主張番号】201910751700.7
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523483681
【氏名又は名称】シーザン ハイスーク ファーマシューティカル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】モ, イー
(72)【発明者】
【氏名】リー, ホンフー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, リー
(72)【発明者】
【氏名】マー, シャンリン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ, ツァン
【審査官】川合 理恵
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/015644(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(II)
【化1】
の化合物又はその薬学的に許容される塩と、pH調整剤とを含む医薬組成物であって、
前記pH調整剤は酸と塩からなる緩衝溶液であり、3~5.5のpH値を有する医薬組成物。
【請求項2】
前記pH調整剤は、酢酸とその塩、リン酸とその塩、酒石酸とその塩又は、安息香酸とその塩から形成される緩衝溶液から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記pH調整剤は、酢酸-酢酸ナトリウム緩衝系、酒石酸-酒石酸水素ナトリウム緩衝系又は酒石酸-酒石酸水素ナトリウム-酒石酸ナトリウム付随緩衝系から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記pH調整剤は、1mmol/L~500mmol/Lの濃度である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記pH調整剤は、10mmol/L~50mmol/Lの濃度である、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
前記酒石酸は、D-酒石酸、L-酒石酸又はそのラセミ体から選択される、請求項2~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記式(II)の化合物は、重量/体積比(w/v)が0.001%~1%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記式(II)の化合物は、重量/体積比(w/v)が0.002%~0.05%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
注射用滅菌凍結乾燥粉末又は注射用溶液である、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物を調製する方法であって、以下の工程:
(1)活性物質以外の成分を注射用水に溶解させる工程と;
(2)前記活性物質を、工程(1)において得られた溶液に添加する工程であって、前記活性物質は、前記式(II)の化合物又はその薬学的に許容される塩である、工程と;
(3)水を一定容積まで添加し、0.22μmフィルターを通して滅菌ろ過を実施し、充填し、且つ密封する工程と
を含む方法。
【請求項11】
請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物を調製する方法であって、以下の工程:
(1)前記pH調整剤を注射用水に溶解させる工程と;
(2)活性物質を、工程(1)において得られた溶液に添加する工程であって、前記活性物質は、前記式(II)の化合物又はその薬学的に許容される塩である、工程と;
(3)前記pH値を前記pH調整剤で3.0~5.5の範囲に調整する工程と;
(4)水を一定容積まで添加し、0.22μmフィルターを通して滅菌ろ過を実施し、充填し、且つ密封する工程と
を含む方法。
【請求項12】
凍結乾燥工程を更に含む、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
哺乳類におけるカッパオピオイド受容体と関連した疾患又は状態を治療又は予防するための医薬の調製における、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項14】
前記カッパオピオイド受容体と関連した疾患又は状態は、疼痛、炎症、かゆみ、浮腫、低ナトリウム血症、低カリウム血症、腸閉塞症、咳及び緑内障からなる群から選択される、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
前記疼痛は、神経障害性疼痛、体性痛、内臓痛及び皮膚疼痛から選択される、請求項14に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬の分野に属し、且つ鎮痛効果を有するペプチドアミド化合物組成物、その調製方法及びその医学的使用に関する。
【背景技術】
【0002】
オピオイド薬は、数千年にわたり、疼痛を治療するために使用されており、主に3つの公知の古典的オピオイド受容体、すなわちミュー、デルタ及びカッパオピオイド受容体に結合することによって生理学的役割を果たす。これらの3つの受容体は、Gタンパク質共役型受容体群の全メンバーであり、中枢神経系に主として分布しており、多くの末梢組織にも存在する。最も古典的な薬物の1つは、主としてμオピオイド受容体の作用によって鎮痛効果を発揮するモルヒネである。
【0003】
特許文献1は、疼痛、炎症、かゆみ、浮腫、低ナトリウム血症、低カリウム血症、腸閉塞症、咳及び緑内障を治療する効果を有し、且つ以下の構造:
【化1】
及びCR845の開発コードを有する化合物を含む、カッパオピオイド受容体の合成ペプチドアミド配位子のクラスを開示している。
【0004】
特許文献2は、鎮痛効果を有するペプチドアミド化合物のクラス、カッパオピオイド受容体及び化合物IIと呼ばれる、以下の構造:
【化2】
を含む化合物を開示している。
【0005】
この化合物の臨床前研究は、この化合物が、鎮痛及びかゆみ治療への強力且つ長時間作用型の効果を有し、末梢鎮痛及びかゆみ止め効果を発揮しながら、この化合物が、中枢神経系へのオピオイド薬物と関連した副作用を低減できることを示している。
【0006】
現在、カッパオピオイド受容体ペプチドアミド化合物は、市場に出ておらず、その組成物及び関連する製剤の開示はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】中国特許第101627049号明細書
【文献】国際公開第2019015644号(A1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、安定性、高い効能、低い用量、信頼できる安全性、良好なコンプライアンス及び低いコストの医薬組成物を提供することを目的とする。本発明の組成物は、小容積の注射用溶液又は注射用滅菌凍結乾燥粉末であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の組成物は、大規模生産を実現することができ、得られる生成物は、安定であり、且つ安全性において優れており、急性及び慢性の疼痛、掻痒等の治療のための医薬として使用され得る。
【0010】
本発明は、以下の式(I)
【化3】
(式中、
は、
【化4】
から選択され;
及びmは、それぞれ独立して、1、2、3又は4から選択され;
及びmは、それぞれ独立して、0、1、2、3又は4から選択され、但し、m及びmは、両方とも0であることはなく;
及びは、それぞれ独立して、0、1、2、3又は4から選択され;
Zは、CRz1z2又はNRz3から選択され;
z1及びRz2は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、CF、ニトロ、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、-C(=O)-C1~6アルキル、-(CH-C(=O)O-C1~6アルキル、-(CH-NR1e1f、-(CH-COOH、-(CH-CONH、C3~8カルボシクリル又は3員~8員ヘテロシクリルから選択され、ここで、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル又はヘテロシクリルは、F、Cl、Br、I、OH、CF、=O、カルボキシル、ニトロ、シアノ、アミノ、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8カルボシクリル又は3員~8員ヘテロシクリルから選択される0~5個の置換基で任意選択的に更に置換されており、ヘテロシクリルは、N、O又はSから任意選択的に選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、ヘテロ原子がSである場合、ヘテロシクリルは、S、S=O又はS(=O)を任意選択的に含有し得;
1e及びR1fは、それぞれ独立して、H、C1~6アルキル、-C(=O)O-C1~6アルキル、-C(=O)O-(CH-C3~8カルボシクリル又は-C(=O)O-(CH-3員~8員ヘテロシクリルから選択され、ここで、アルキル、カルボシクリル又はヘテロシクリルは、F、Cl、Br、I、OH、CF、シアノ、ニトロ、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8カルボシクリル又は3員~8員ヘテロシクリルから選択される0~5個の置換基で任意選択的に更に置換されており、ヘテロシクリルは、N、O又はSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有するか;又は
z1及びRz2は、それらが結合されている炭素原子と一緒に、3員~10員窒素含有複素環を形成し、ここで、この環は、F、Cl、Br、I、OH、CF、シアノ、ニトロ、=O、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8カルボシクリル又は3員~8員ヘテロシクリルから選択される置換基で任意選択的に更に置換されており;
1a及びR1bは、それぞれ独立して、F、CF、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル又は3員~8員ヘテロシクリルから選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル又はヘテロシクリルは、F、Cl、Br、I、OH、CF、ニトロ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8カルボシクリル又は3員~8員ヘテロシクリルから選択される0~5個の置換基で任意選択的に更に置換されており、ヘテロシクリルは、N、O又はSから任意選択的に選択される1~3個のヘテロ原子を含有し;
z3は、独立して、H、-C(=O)-C1~6アルキル、-C(=O)O-C1~6アルキル、-C(=O)-C3~8カルボシクリル、-C(=O)O-C3~8カルボシクリル、-C(=O)O-(3員~8員ヘテロシクリル)、-S(=O)-C1~6アルキル、-S(=O)-C3~8カルボシクリル、-S(=O)-(3員~8員ヘテロシクリル)、-C(=O)NR1g1h、-S(=O)-NR1i1j又は3員~8員ヘテロシクリルから選択され、ここで、アルキル、カルボシクリル又はヘテロシクリルは、F、Cl、Br、I、OH、CF、ニトロ、シアノ、アミノ、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8カルボシクリル又は3員~8員ヘテロシクリルから選択される0~5個の置換基で任意選択的に更に置換されており、ヘテロシクリルは、N、O又はSから任意選択的に選択される1~3個のヘテロ原子を含有し;
1g、R1h、R1i及びR1jは、それぞれ独立して、H又はC1~6アルキルから選択されるか;又は
1g及びR1hは、それらが結合されている窒素原子と一緒に、3員~10員複素環を形成し、ここで、この環は、F、Cl、Br、I、OH、CF、シアノ、ニトロ、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル又は-S(=O)-C1~6アルキルから選択される置換基で任意選択的に更に置換されており、複素環は、N、O又はSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有し;
qは、0、1、2、3又は4から選択され;
pは、0、1又は2から選択され;
aは、0、1、2又は3から選択され;
は、独立して、H、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル又は-(CH-C3~8カルボシクリルから選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル又はカルボシクリルは、F、Cl、Br、I、OH、CN、CF、NO、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8カルボシクリル又は3員~8員ヘテロシクリルから選択される0~5個の置換基で任意選択的に更に置換されており、ヘテロシクリルは、N、O又はSから選択される1~3個のヘテロ原子を含有し;
、R、R及びRは、それぞれ独立して、H、C1~6アルキル、-C(=O)O-C1~4アルキル、-C(=O)O-(CH-C3~8カルボシクリル、-C(=O)O-(CH-3員~8員ヘテロシクリル、又は
【化5】
から選択され、ここで、アルキル、カルボシクリル又はヘテロシクリルは、F、Cl、Br、I、OH、CF、ニトロ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8カルボシクリル又は3員~8員ヘテロシクリルから選択される0~5個の置換基で任意選択的に更に置換されており、ヘテロシクリルは、N、O又はSから任意選択的に選択される1~3個のヘテロ原子を含有し;
bは、0、1、2、3、4又は5から選択され;
cは、0、1、2、3、4又は5から選択され;
及びRは、それぞれ独立して、F、Cl、Br、I、CF、シアノ、ニトロ、C1~4アルキル、-OR5a、-C(O)OR5b、-SR5c、-S(O)R5d、-S(O)5e又は-NR5f5gから選択され;
5a、R5b、R5c、R5d、R5e、R5f及びR5gは、それぞれ独立して、H又はC1~4アルキルから選択されるか;又は
5f及びR5gは、それらが結合されている窒素原子と一緒に、5員~6員複素環を形成し、ここで、複素環は、N、O又はSから任意選択的に選択される1~3個のヘテロ原子を含有する)
の化合物又はその薬学的に許容される塩と、pH調整剤とを含む医薬組成物であって、3~5.5のpH値を有する医薬組成物に関する。
【0011】
組成物は、3~5.5のpHを有し、また、組成物は、安定である。特定の実施形態では、組成物のpH値は、3~5であり;特定の実施形態では、pH値は、3~4.5であり;特定の実施形態では、pH値は、3.5~4.5であり;特定の実施形態では、pH値は、4~4.5であり、特定の実施形態では、pH値は、3.5~4.3である。
【0012】
本発明の式(I)の化合物は、式(II):
【化6】
の構造を有する。
【0013】
本発明の組成物のpH値は、pH調整剤によって調整され、pH調整剤は、任意の薬学的に許容される無機酸又は有機酸であり得、無機酸には、硫酸、塩酸、リン酸等が含まれ、有機酸には、酢酸、安息香酸、酒石酸、乳酸、メタンスルホン酸、クエン酸、マレイン酸等が含まれる。pH調整剤は、酸及び塩からなり、且つ3~5.5の範囲のpH値を有する緩衝剤でもあり得、緩衝剤は、酢酸-酢酸塩緩衝系、酒石酸-酒石酸塩緩衝系及び安息香酸-安息香酸塩緩衝系など、酸及びその対応する塩からなる緩衝系である。
【0014】
本発明の組成物のpH調整剤は、酢酸-酢酸塩緩衝剤、リン酸-リン酸塩緩衝剤、酒石酸-酒石酸塩緩衝剤又は安息香酸-安息香酸塩緩衝剤から選択される緩衝剤から選択され;特定の実施形態では、緩衝剤は、酢酸-酢酸ナトリウム緩衝剤、リン酸-リン酸塩(ナトリウム塩)緩衝剤及び酒石酸-酒石酸塩(ナトリウム塩)緩衝剤から選択され;特定の実施形態では、緩衝剤は、酢酸-酢酸ナトリウム緩衝剤から選択される。
【0015】
本発明のpH調整剤は、緩衝剤から選択される。緩衝剤の濃度は、1mmol/L~500mmol/Lであり得;特定の実施形態では、濃度は、2mmol/L~100mmol/Lであり;特定の実施形態では、濃度は、2mmol/L~80mmol/Lであり;特定の実施形態では、濃度は、5mmol/L~80mmol/Lであり;特定の実施形態では、濃度は、10mmol/L~50mmol/Lである。
【0016】
pH調整剤の濃度は、弱酸及びその全ての対応する塩の濃度の合計であることが指摘されるべきである。酢酸-酢酸ナトリウム緩衝剤などの弱一酸緩衝系に関して、pH調整剤の濃度は、HAc(酢酸)及びAc(アセテートイオン)の濃度の合計であり;リン酸-リン酸塩緩衝剤などの弱多酸緩衝系に関して、pH調整剤の濃度は、溶液中に存在するHPO、HPO 、HPO 2-及びPO 3-の濃度の合計である。
【0017】
本発明の組成物において、式(I)の化合物の重量/体積比(w/v)は、0.001%~5%であり;特定の実施形態では、w/vは、0.001%~2%であり;特定の実施形態では、w/vは、0.001%~1%であり;特定の実施形態では、w/vは、0.001%~0.5%であり;特定の実施形態では、w/vは、0.002%~0.05%であり;特定の実施形態では、w/vは、0.01%~0.5%であり;特定の実施形態では、w/vは、0.01%~0.05%である。上述の凍結乾燥製剤の濃度は、凍結乾燥機に入れられる前の配合された水溶液中の有効成分の濃度を指す。
【0018】
本発明の組成物は、注射用滅菌凍結乾燥粉末又は注射用溶液である。
【0019】
本発明の組成物が注射用滅菌凍結乾燥粉末である場合、pH値は、凍結乾燥機に入れられる前の配合された水溶液のpH値を指す。
【0020】
本発明の組成物に関して、単回投与活性物質含量は、0.01mg~5mgである。
【0021】
活性物質、すなわち式(I)の化合物及びpH調整剤に加えて、本発明の組成物は、安定剤を更に含有し得る。安定剤は、糖、糖アルコール及びポリオールなどのポリヒドロキシ化合物から選択され得、糖には、グルコース、トレハロース、ラフィノース又はスクロースなどの単糖又は二糖が含まれるが、それらに限定されず;糖アルコールには、マンニトール、ソルビトール又はイノシトールが含まれるが、それらに限定されず;ポリオールには、グリセロール若しくはプロピレングリコール又はそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
【0022】
組成物が注射用滅菌凍結乾燥粉末である場合、その安定剤は、以下のポリマー、例えばHES(イセチオン酸)、PVP(ポリビニルピロリドン)、PEG(ポリエチレングリコール)、グルカン及びアルブミンなどの1つ又は任意の組合せでもあり得;安定剤は、Tween-80及びTween-20などの界面活性剤又はL-セリン、グルタミン酸ナトリウム、アラニン及びグリシンなどのアミノ酸からも選択され得;安定剤は、グリセロール、ジメチルスルホキシド及びtert-ブタノールなどの非水性溶媒から更に選択され得る。
【0023】
特定の実施形態では、ポリヒドロキシ化合物は、マンニトール又はプロピレングリコールから選択される。
【0024】
安定剤の濃度は、全溶液の0%~20%(w/v)の割合を占め;特定の実施形態では、安定剤の濃度は、全溶液の0%~10%(w/v)の割合を占め;特定の実施形態では、安定剤の濃度は、全溶液の0%~5%(w/v)の割合を占め;特定の実施形態では、安定剤の濃度は、全溶液の0%~1%(w/v)の割合を占め;特定の実施形態では、安定剤の濃度は、全溶液の1%~2%(w/v)の割合を占め;特定の実施形態では、安定剤の濃度は、全溶液の2%~5%(w/v)の割合を占め;特定の実施形態では、安定剤の濃度は、全溶液の3%~10%(w/v)の割合を占める。
【0025】
活性物質、すなわち式(I)の化合物及びpH調整剤に加えて、組成物は、等張調節剤を更に含有し得、等張調節剤は、グリセロール、塩化ナトリウム、糖類、糖アルコールから選択され得、糖類は、グルコース、フルクトース、マルトース等から選択されるが、それらに限定されず;糖アルコールは、ソルビトール、キシリトール、マンニトール等から選択されるが、それらに限定されず;特定の実施形態では、等張調節剤は、マンニトール、グルコース、トレハロース又は塩化ナトリウムから選択され;特定の実施形態では、等張調節剤は、マンニトールから選択される。
【0026】
等張調節剤の重量/体積比(w/v)は、0%~10%であり;特定の実施形態では、w/vは、0%~5%であり;特定の実施形態では、w/vは、0%~1%であり;特定の実施形態では、w/vは、1%~2%であり;特定の実施形態では、w/vは、2%~5%である。
【0027】
活性物質、すなわち式(I)の化合物及びpH調整剤に加えて、本発明の組成物は、酸化防止剤を更に含有し得、酸化防止剤は、ピロ亜硫酸ナトリウム(それは、抗菌剤としても使用され得る)、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、チオ硫酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム(それは、抗菌剤としても使用され得る)、エデト酸カルシウムナトリウム(それは、抗菌剤としても使用され得る)等から選択され得る。
【0028】
酸化防止剤の重量/体積比(w/v)は、0~2%であり;特定の実施形態では、酸化防止剤の重量/体積比(w/v)は、0%~1%であり;特定の実施形態では、酸化防止剤の重量/体積比(w/v)は、0%~0.5%であり;特定の実施形態では、酸化防止剤の重量/体積比(w/v)は、0.001%~1%であり;特定の実施形態では、酸化防止剤の重量/体積比(w/v)は、0.001%~0.05%である。
【0029】
活性物質、すなわち式(I)の化合物及びpH調整剤に加えて、本発明の組成物は、抗菌剤を更に含有し得、抗菌剤は、ピロ亜硫酸ナトリウム(それは、酸化防止剤としても使用され得る)、エデト酸二ナトリウム(それは、酸化防止剤としても使用され得る)、エデト酸カルシウムナトリウム(それは、酸化防止剤としても使用され得る)、安息香酸メチル、オクタン酸ナトリウム、クレゾール、ベンジルアルコール、フェノール、安息香酸ナトリウム、フェネチルアルコール、クロロブタノール、フェニルエタノール、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル等から選択され得;特定の実施形態では、抗菌剤は、エデト酸二ナトリウムから選択される。
【0030】
抗菌剤の重量/体積比(w/v)は、0~2%であり;特定の実施形態では、抗菌剤の重量/体積比(w/v)は、0.001%~1%であり;特定の実施形態では、抗菌剤の重量/体積比(w/v)は、0.001%~0.005%であり;特定の実施形態では、抗菌剤の重量/体積比(w/v)は、0%~0.005%である。
【0031】
活性物質、すなわち式(I)の化合物及びpH調整剤に加えて、本発明の組成物は、等張調節剤、酸化防止剤、安定剤及び抗菌剤の全て若しくは1つ以上を含有し得るか、又はそれらのいずれも本発明の組成物中に存在しない。これらに加えて、組成物は、水溶液製剤に好適な他の賦形剤も含有し得る。
【0032】
組成物が注射用滅菌凍結乾燥粉末である場合、活性物質、すなわち式(I)の化合物及びpH調整剤に加えて、本発明の組成物は、充填剤を更に含有し得る。充填剤は、トレハロース、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、グルカン、リン酸二水素ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸一水素二ナトリウム、システイン、グリシン、ソルビトール、ラクトビオン酸カルシウム、デキストラン、ポリビニルピロリドン、シクロデキストリン誘導体(ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンなど)の1つ又は任意の組合せから選択され得る。特定の実施形態では、充填剤は、トレハロース、マンニトール及びグルコースの1つ又は任意の組合せから選択される。特定の実施形態では、充填剤は、トレハロースから選択される。
【0033】
充填剤の重量/体積比(w/v)は、0%~20%であり;特定の実施形態では、充填剤の重量/体積比(w/v)は、0%~10%であり;特定の実施形態では、充填剤の重量/体積比(w/v)は、0%~5%であり;特定の実施形態では、充填剤の重量/体積比(w/v)は、1%~5%である。
【0034】
本発明の組成物は、注射用水溶液製剤又は滅菌凍結乾燥粉末であり、且つ静脈注射又は静脈内注入によって投与される。溶液のpH値は、3~5.5である。組成物は、0.001%w/v~0.5%w/vの活性物質、すなわち式(I)の化合物、適切な量のpH調整剤、0%w/v~20%w/vの安定剤、0%w/v~10%w/vの等張調節剤、0~2%w/vの酸化防止剤、0~2%w/vの抗菌剤及び0%w/v~20%w/vの充填剤を含有する。特定の実施形態では、組成物は、0.01%w/v~0.05%w/vの活性物質、すなわち式(I)の化合物、適切な量のpH調整剤、0%w/v~10%w/vの安定剤、0%w/v~5%w/vの等張調節剤、0.001%w/v~1%w/vの酸化防止剤、0.001%w/v~1%w/vの抗菌剤及び0%w/v~10%w/vの充填剤を含有する。特定の実施形態では、組成物は、0.01%w/v~0.05%w/vの活性物質、すなわち式(I)の化合物、適切な量のpH調整剤、0%w/v~10%w/vの安定剤、0%w/v~5%w/vの等張調節剤、0.001%w/v~1%w/vの酸化防止剤、0~0.005%w/vの抗菌剤及び0%w/v~5%w/vの充填剤を含有する。特定の実施形態では、組成物は、0.001%w/v~0.5%w/vの活性物質、すなわち式(I)の化合物及び適切な量のpH調整剤を含有する。特定の実施形態では、組成物は、0.002%w/v~0.05%w/vの活性物質、すなわち式(I)の化合物及び適切な量のpH調整剤を含有する。
【0035】
本発明における各成分の「w/v」含量は、重量/体積百分率含量、すなわち「各成分の重量(g)/計量分配前の溶液の容積(ml)」を指す。
【0036】
本発明は、組成物を調製する方法であって、以下の工程:
(1)活性物質以外の成分を注射用水に溶解させる工程と;
(2)活性物質を、工程(1)において得られた溶液に添加する工程と;
(3)水を一定容積まで添加し、0.22μmフィルターを通して滅菌ろ過を実施し、充填し、且つ密封する工程と
を含む方法を更に提供する。
【0037】
本発明は、組成物を調製する方法であって、以下の工程:
(1)pH調整剤、等張調節剤、酸化防止剤、安定剤、抗菌剤及び充填剤を注射用水に溶解させる工程と;
(2)活性物質を、工程(1)において得られた溶液に添加する工程と;
(3)水を一定容積まで添加し、0.22μmフィルターを通して滅菌ろ過を実施し、充填し、且つ密封する工程と
を含む方法を更に提供する。
【0038】
本発明は、組成物を調製する方法であって、以下の工程:
(1)pH調整剤、等張調節剤、酸化防止剤、安定剤、抗菌剤及び充填剤(凍結乾燥製剤のために好適な)を注射用水に溶解させ、且つその後、活性物質を添加する工程であって、
pH調整剤は、弱酸及びその対応する塩からなる緩衝溶液であり、pH調整剤の量は、溶液のpH値が3~5.5に達することに基づいて計算され;
組成物は、等張調節剤、酸化防止剤、安定剤、抗菌剤及び充填剤の全て又はそれらの1つ若しくは幾つかを含有し得るか、或いはそれらのいずれも組成物に含有されず;特定の実施形態では、組成物は、酢酸-酢酸ナトリウム緩衝剤などのpH調整剤のみを含有し;特定の実施形態では、組成物は、酢酸-酢酸ナトリウム及びマンニトールなどのpH調整剤及び安定剤を含有し;ここで、組成物は、注射用滅菌凍結乾燥粉末であり、充填剤は、組成物中に存在し得;
注射用水の容積は、一般に、全容積の40%~90%であり、及び最終的に、一定容積は、注射用水を添加することによって達成される、工程と;
(2)水を一定容積まで添加し、0.22μmフィルターを通して滅菌ろ過を実施し、充填し、且つ密封する工程と
を含む方法を更に提供する。
【0039】
溶液製剤が調製され、注射剤は、充填及び密封によって得ることができ;代わりに、溶液製剤は、更に噴霧乾燥させ、且つ注射用滅菌凍結乾燥粉末に調製することもできる。
【0040】
本発明の組成物は、以下の調製方法に従って調製することもでき、その調製方法は、以下の工程:
(1)活性物質以外の成分を注射用水に溶解させる工程と;
(2)活性物質を、工程(1)において得られた溶液に添加する工程と;
(3)pH値をpH調整剤で3.0~5.5の範囲に調整する工程と;
(4)水を一定容積まで添加し、0.22μmフィルターを通して滅菌ろ過を実施し、充填し、且つ密封する工程と
を含む。
【0041】
本発明の組成物は、以下の調製方法に従って調製することもでき、その調製方法は、以下の工程;
(1)pH調整剤、等張調節剤、酸化防止剤、安定剤、抗菌剤及び充填剤を注射用水に溶解させる工程と;
(2)活性物質を、工程(1)において得られた溶液に添加する工程と;
(3)pH値をpH調整剤で3.0~5.5の範囲に調整する工程と;
(4)水を一定容積まで添加し、0.22μmフィルターを通して滅菌ろ過を実施し、充填し、且つ密封する工程と
を含む。
【0042】
本発明の組成物は、以下の調製方法に従って調製することもでき、その調製方法は、以下の工程:
(1)pH調整剤、等張調節剤、酸化防止剤、安定剤、抗菌剤及び充填剤(凍結乾燥製剤に好適な)を注射用水に溶解させる工程と;
(2)活性物質を、工程(1)において得られた溶液に添加する工程と;
(3)工程(2)において得られた溶液のpH値を測定し、且つpH値に基づいて、pH調整剤成分の1つを選択して、溶液のpH値を3~5.5に調整する工程と;
(4)水を一定容積まで添加し、(0.22μmなどの)薄膜フィルターを通して滅菌ろ過を実施し、充填し、且つ密封する工程と
を含む。
【0043】
溶液製剤が調製され、注射剤は、充填及び密封によって得ることができ;代わりに、溶液製剤は、更に噴霧乾燥させ、注射用滅菌凍結乾燥粉末に調製することもできる。
【0044】
溶液製剤は、ピロゲンを含まないバイアル、例えばペニシリンバイアル及びアンプルバイアルに充填及び密封され得る。ピロゲンを含まないバイアルの容積は、1ml、2ml、3ml、5mL、7mL及び10mLなどの1~10mLであり得る。
【0045】
本発明の組成物が、注射用のものであり、且つ溶液製剤に基づく滅菌凍結乾燥粉末である場合、凍結乾燥工程が更に含まれる。
【0046】
特定の実施形態では、乾燥凍結工程は、
(1)予備凍結させる工程と;
(2)仕切り板を-35℃以下に冷却し、且つ1~2時間にわたって維持し;その後、チャンバーを-50℃以下に冷却し、且つ20Pa以下に減圧し;制限リーク弁を開き;3~5時間にわたって温度を-5℃に上げ、且つ更に1~3時間にわたって維持し;2~4時間にわたって温度を10℃に上げ、且つ製剤の温度が0℃以上に達するまで維持し;2~3時間にわたって温度を35℃に上げ、且つ製剤の温度が25℃以上に達するまで維持し;その後、制限リーク弁を閉じ、且つ温度を1~3時間にわたって維持する工程と;
(3)減圧するか又は窒素を装入し、完全に栓をし、その後、チャンバーから取り出し、且つキャップする工程と
を含む。
【0047】
特定の実施形態では、凍結乾燥工程は、
(1)予備凍結させる工程であって、
薄膜フィルター(0.22μmなどの)を通した滅菌ろ過にかけられた溶液は、1mLなどの指定量に従って好適なサイズ(3mLのサイズ指定など)のペニシリンバイアルに計量分配され、バイアルは、部分的に栓をされ、予備凍結のために凍結乾燥機に入れられている、工程と;
(2)凍結乾燥プロセスを実施する工程であって、仕切り板を-35℃以下に冷却し、且つ1~2時間にわたって維持し;その後、チャンバーを-50℃以下に冷却し、且つ20Pa以下に減圧し;制限リーク弁を開き;3~5時間にわたって温度を-5℃に上げ、且つ更に1~3時間にわたって維持し;2~4時間にわたって温度を10℃に上げ、且つ製剤の温度が0℃以上に達するまで維持し;2~3時間にわたって温度を35℃に上げ、且つ製剤の温度が25℃以上に達するまで維持し;その後、制限リーク弁を閉じ、且つ温度を1~3時間にわたって維持する、工程と;
(3)減圧するか又は窒素を装入し、完全に栓をし、その後、チャンバーから取り出し、且つキャップする工程と
を含む。
【0048】
本発明の注射用滅菌凍結乾燥粉末の調製方法は、単純であり、且つ実施することが容易であり、長期間貯蔵及び便利な輸送を容易にし、且つ大規模生産に有益である。
【0049】
本発明は、哺乳類におけるカッパオピオイド受容体と関連した疾患又は状態を治療又は予防する方法であって、本発明の組成物を投与する工程を含む方法にも関する。
【0050】
特定の実施形態では、カッパオピオイド受容体と関連した疾患又は状態は、疼痛、炎症、かゆみ、浮腫、低ナトリウム血症、低カリウム血症、腸閉塞症、咳及び緑内障からなる群から選択される。
【0051】
特定の実施形態では、疼痛は、神経障害性疼痛、体性痛、内臓痛及び皮膚疼痛;特に神経障害性疼痛から選択される。
【0052】
本発明は、カッパオピオイド受容体と関連した疾患又は状態のための医薬の調製における、本発明の組成物の使用にも関する。
【0053】
特定の実施形態では、カッパオピオイド受容体と関連した疾患又は状態は、疼痛、炎症、かゆみ、浮腫、低ナトリウム血症、低カリウム血症、腸閉塞症、咳及び緑内障から選択される。
【0054】
特定の実施形態では、疼痛は、神経障害性疼痛、体性痛、内臓痛及び皮膚疼痛;特に神経障害性疼痛から選択される。
【0055】
本発明の組成物、とりわけ水溶液注射剤及び注射用凍結乾燥粉末の調製方法は、単純であり、且つ賦形剤を全く伴わないか又は少数のタイプ及び少量の賦形剤のみを伴い、コストの削減をもたらし;その貯蔵安定性及び安全性は、薬物に対する国家規格を遵守し、商業的に入手可能な製剤に匹敵し、臨床応用に好適である。
【0056】
特段の記載がない限り、本説明及び特許請求の範囲で用いられる用語は、以下の意味を有する。
【0057】
本発明の基及び化合物に含まれる炭素、水素、酸素、硫黄、窒素又はハロゲンは、全てそれらの同位元素を含み、本発明の基及び化合物に含まれる炭素、水素、酸素、硫黄、窒素又はハロゲンは、それらの対応する同位元素の1つ以上で任意選択的に更に置換されており、炭素の同位元素は、12C、13C及び14Cを含み、水素の同位元素は、プロチウム(H)、ジューテリウム(D、重水素としても知られる)及びトリチウム(T、超重水素としても知られる)を含み、酸素の同位元素は、16O、17O及び18Oを含み、硫黄の同位元素は、32S、33S、34S及び36Sを含み、窒素の同位元素は、14N及び15Nを含み、フッ素の同位元素は、19Fを含み、塩素の同位元素は、35Cl及び37Clを含み、臭素の同位元素は、79Br及び81Brを含む。
【0058】
「アルキル」は、直鎖又は分岐鎖一価飽和炭化水素基を意味し、主鎖は、1~10個の炭素原子、好ましくは1~8個の炭素原子、更に好ましくは1~6個の炭素原子、より好ましくは1~4個の炭素原子、最も好ましくは1~2個の炭素原子を含む。アルキルの例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチル-2-ブチル、3-メチル-2-ブチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル等が挙げられるが、それらに限定されない。アルキルは、F、Cl、Br、I、=O、ヒドロキシル、-SR19、ニトロ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシルアルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8カルボシクリル、3員~8員ヘテロシクリル、-(CH-C(=O)-R19、-(CH-C(=O)-O-R19、-(CH-C(=O)-NR1919a、-(CH-S(=O)-R19、-O-C(=O)-O-R19又は-NR1919aから選択される0、1、2、3、4又は5個の置換基で任意選択的に更に置換され得、ここで、R19及びR19aは、それぞれ独立して、H、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、C1~8アルキル、C1~8アルコキシ、C2~8アルケニル、C2~8アルキニル、3員~10員カルボシクリル、4員~10員ヘテロシクリル、3員~10員カルボシクリルオキシ又は4員~10員ヘテロシクリルオキシから選択され、aは、0、1、2又は3から選択され、kは、0、1、2、3、4又は5から選択され、及びjは、0、1又は2から選択される。「アルキル」、「a」、「k」、「j」、「R19」及び「R19a」は、本明細書では、上で定義されたとおりである。
【0059】
「アルキレン」は、-(CH-(vは、1~10の整数である)を含む直鎖又は分岐鎖二価飽和炭化水素基を意味し、アルキレンの例としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン等が挙げられるが、それらに限定されない。アルキレンは、F、Cl、Br、I、=O、ヒドロキシル、-SR19、ニトロ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシルアルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8カルボシクリル、3員~8員ヘテロシクリル、-(CH-C(=O)-R19、-(CH-C(=O)-O-R19、-(CH-C(=O)-NR1919a、-(CH-S(=O)-R19、-O-C(=O)-O-R19又は-NR1919aから選択される0、1、2、3、4又は5個の置換基で任意選択的に更に置換され得る。アルキレン中の置換基の数が2以上である場合、置換基は、一緒に縮合して環状構造を形成し得る。「アルキレン」は、本明細書では、上で定義されたとおりである。
【0060】
「アルコキシ」は、O-アルキルの一価基を意味し、ここで、アルキルは、本明細書で定義されるとおりであり、アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、1-プロポキシ、2-プロポキシ、1-ブトキシ、2-メチル-1-プロポキシ、2-ブトキシ、2-メチル-2-プロポキシ、1-ペンチルオキシ、2-ペンチルオキシ、3-ペンチルオキシ、2-メチル-2-ブトキシ、3-メチル-2-ブトキシ、3-メチル-1-ブトキシ、2-メチル-1-ブトキシ等が挙げられるが、それらに限定されない。
【0061】
「アルケニル」は、少なくとも1個、通常、1、2又は3個の炭素-炭素二重結合を有する直鎖又は分岐鎖一価不飽和炭化水素基を意味し、主鎖は、2~10個の炭素原子、更に好ましくは2~6個の炭素原子、より好ましくは2~4個の炭素原子を含む。アルケニルの例としては、ビニル、アリル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-メチル-1-ブテニル、2-メチル-1-ブテニル、2-メチル-3-ブテニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1-メチル-1-ペンテニル、2-メチル-1-ペンテニル、1-ヘプテニル、2-ヘプテニル、3-ヘプテニル、4-ヘプテニル、1-オクテニル、3-オクテニル、1-ノネニル、3-ノネニル、1-デセニル、4-デセニル、1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,4-ペンタジエン、1,4-ヘキサジエン等が挙げられるが、それらに限定されない。アルケニルは、F、Cl、Br、I、=O、ヒドロキシル、-SR19、ニトロ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシルアルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8カルボシクリル、3員~8員ヘテロシクリル、-(CH2)a-C(=O)-R19、-(CH2)k-C(=O)-O-R19、-(CH2)k-C(=O)-NR1919a、-(CH2)k-S(=O)j-R19、-O-C(=O)-O-R19又は-NR1919aから選択される0、1、2、3、4又は5個の置換基で任意選択的に更に置換され得る。「アルケニル」は、本明細書では、上で定義されたとおりである。
【0062】
「アルキニル」は、少なくとも1個、通常、1、2又は3個の炭素-炭素三重結合を有する直鎖又は分岐鎖一価不飽和炭化水素基を意味し、主鎖は、2~10個の炭素原子、更に好ましくは2~6個の炭素原子、より好ましくは2~4個の炭素原子を含む。アルキニルの例としては、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-メチル-2-プロピニル、4-ペンチニル、3-ペンチニル、1-メチル-2-ブチニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、2-ヘプチニル、3-ヘプチニル、4-ヘプチニル、3-オクチニル、3-ノニニル、4-デシニル等が挙げられるが、それらに限定されない。アルキニルは、F、Cl、Br、I、=O、ヒドロキシル、-SR19、ニトロ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシルアルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8カルボシクリル、3員~8員ヘテロシクリル、-(CH2)a-C(=O)-R19、-(CH2)k-C(=O)-O-R19、-(CH2)k-C(=O)-NR1919a、-(CH2)k-S(=O)j-R19、-O-C(=O)-O-R19又は-NR1919aから選択される0、1、2、3、4又は5個の置換基で任意選択的に更に置換され得る。「アルキニル」は、本明細書では、上で定義されたとおりである。
【0063】
「シクロアルキル」は、通常、3~10個の炭素原子を有する一価飽和炭素環式炭化水素基を意味し、非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等が挙げられる。シクロアルキルは、F、Cl、Br、I、=O、ヒドロキシル、-SR19、ニトロ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシルアルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8カルボシクリル、3員~8員ヘテロシクリル、-(CH-C(=O)-R19、-(CH-C(=O)-O-R19、-(CH-C(=O)-NR1919a、-(CH-S(=O)-R19、-O-C(=O)-O-R19又は-NR1919aから選択される0、1、2、3、4又は5個の置換基で任意選択的に更に置換され得る。「シクロアルキル」は、本明細書では、上で定義されたとおりである。
【0064】
「炭素環式」又は「カルボシクリル」は、芳香環又は飽和若しくは不飽和非芳香環を意味する。芳香環又は非芳香環は、3員~10員単環式環、4員~12員二環式環又は10員~15員三環式環系であり得るが、それらに限定されない。カルボシクリルは、置換基で置換され得、置換基の任意の2つは、それらが結合されている原子と一緒に、単環式環、縮合環、架橋環又はスピロ環を形成し、置換基は、単環式環、縮合環、架橋環又はスピロ環から選択され得;非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1-シクロペンチル-1-アルケニル、1-シクロペンチル-2-アルケニル、1-シクロペンチル-3-アルケニル、シクロヘキシル、1-シクロヘキシル-2-アルケニル、1-シクロヘキシル-3-アルケニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシル、フェニル又はナフチルが挙げられる。カルボシクリルは、F、Cl、Br、I、=O、ヒドロキシル、-SR19、ニトロ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシルアルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8カルボシクリル、3員~8員ヘテロシクリル、-(CH-C(=O)-R19、-(CH-C(=O)-O-R19、-(CH-C(=O)-NR1919a、-(CH-S(=O)-R19、-O-C(=O)-O-R19又は-NR1919aから選択される0、1、2、3、4又は5個の置換基で任意選択的に更に置換され得る。「炭素環式」又は「カルボシクリル」は、本明細書では、上で定義されたとおりである。
【0065】
「複素環」又は「ヘテロシクリル」は、ヘテロ原子を含有する芳香環又は飽和若しくは不飽和非芳香環を意味し;芳香環又は非芳香環は、3員~10員単環系、4員~12員二環系又は10員~15員三環系であり得、N、O又はSから選択される1~4個のヘテロ原子を含み;好ましくは3員~8員ヘテロシクリルであり得、ここで、ヘテロシクリルの環中の任意選択的に置換されたN及びSは、様々な酸化状態に酸化され得る。ヘテロシクリルは、ヘテロシクリル上のヘテロ原子又は炭素原子を介して他の基(親分子又はヘテロシクリルの置換基上の基など)に結合され得る。ヘテロシクリルは、置換基で置換され得、置換基の任意の2つは、それらが結合されている原子と一緒に、単環式環、縮合環、架橋環又はスピロ環を形成し、置換基は、単環式環、縮合環、架橋環又はスピロ環から選択され得;非限定的な例としては、エポキシエチル、エポキシプロピル、アザシクロプロピル、オキサシクロブチル、アザシクロブチル、チオヘテロブチル、1,3-ジオキソラニル、1,4-ジオキソラニル、1,3-ジオキソヘキシル、アザシクロヘプチル、オキセパニル、チオシクロヘプチル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、ピリジル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、フリル、チエニル、ピラニル、N-アルキルピロリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、イミダゾリル、モルホリニル、チオモルホリニル、オキサチアニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、ジチアペンタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロピロリル、テトラヒドロイミダゾリル、テトラヒドロチアゾリル、テトラヒドロピラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピリジル、ピロロピリジル、ベンゾジヒドロフリル、2-ピロリニル、3-ピロリニル、ジヒドロインドリル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、ジオキサン、1,3-ジオキソリル、ピラゾリニル、ジチアアルキル、ジチアセニル、ジヒドロチエニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキシル、3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプチル、アザビシクロ[2.2.2]ヘキシル、3H-インドリルキナジニル、N-ピリジル尿素、1,1-ジオキソチオモルホリニル、アザビシクロ[3.2.1]オクチル、アザビシクロ[5.2.0]ノナニル、オキサトリシクロ[5.3.1.1]ドデシル、アザアダマンチル及びオキサスピロ[3.3]ヘプチルが挙げられる。ヘテロシクリルは、F、Cl、Br、I、=O、ヒドロキシル、-SR19、ニトロ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシルアルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8カルボシクリル、3員~8員ヘテロシクリル、-(CH-C(=O)-R19、-(CH-C(=O)-O-R19、-(CH-C(=O)-NR1919a、-(CH-S(=O)-R19、-O-C(=O)-O-R19又は-NR1919aから選択される0、1、2、3、4又は5個の置換基で任意選択的に更に置換され得る。「複素環」又は「ヘテロシクリル」は、本明細書では、上で記載されたとおりに定義される。
【0066】
「架橋環」又は「架橋環基」は、直接結合されていない任意の2個の炭素原子を含有する多環式基であって、0個以上の二重結合を含有し得、且つ置換されているか又は非置換であり得る多環式基を意味し;架橋環系中の任意の環は、N、S(=O)又はO(ここで、nは、0、1又は2である)から選択される0~5個のヘテロ原子又は基を含有し得る。環原子は、5~20個の原子、好ましくは5~14個の原子、更に好ましくは5~12個の環原子、更に一層好ましくは5~10個の原子を含有する。非限定的な例としては、
【化7】
及びアダマンタンが挙げられる。架橋環又は架橋環基が置換されている場合、置換基は、F、Cl、Br、I、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、メルカプタン、ヒドロキシル、ニトロ、スルフヒドリル、アミノ、シアノ、イソシアノ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、架橋環基、スピロ環基、縮合環基、ヒドロキシルアルキル、=O、カルボニル、アルデヒド、カルボン酸、カルボン酸エステル、-(CH-C(=O)-R、-O-(CH-C(=O)-R、-(CH-C(=O)-NR、-(CHS(=O)、-(CH-アルケニル-R、OR又は-(CH-アルキニル-R(ここで、m及びnは、0、1又は2である)、アリールチオ、チオカルボニル、シリル又は-NR(ここで、R及びRは、独立して、H、ヒドロキシル、アミノ、カルボニル、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、スルホニル、トリフルオロメチルスルホニルから選択される)から選択される1~5個の基である。代わりに、R及びRは、5員又は6員シクロアルキル又はヘテロシクリルを形成し得る。R及びRは、それぞれ独立して、アリール、ヘテロアリール、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、カルボニル、エステル基、架橋環基、スピロ環基又は縮合環基から選択される。
【0067】
「スピロ環」又は「スピロ環基」は、0~5個の二重結合を含有し得、且つN、O又はS(=O)から選択される0~5個のヘテロ原子を含有し得る、置換又は非置換単環式環間で1個の炭素原子(スピロ原子と呼ばれる)を共有する5員~20員多環式基を意味する。スピロ環又はスピロ環基は、好ましくは、6員~14員、更に好ましくは6員~12員、より好ましくは6員~10員スピロ環又はスピロ環基であり;非限定的な例としては、
【化8】
が挙げられる。スピロ環又はスピロ環基が置換されている場合、置換基は、F、Cl、Br、I、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、メルカプタン、ヒドロキシル、ニトロ、スルフヒドリル、アミノ、シアノ、イソシアノ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、架橋環基、スピロ環基、縮合環基、ヒドロキシルアルキル、=O、カルボニル、アルデヒド、カルボン酸、カルボン酸エステル、-(CH-C(=O)-R、-O-(CH-C(=O)-R、-(CH-C(=O)-NR、-(CHS(=O)、-(CH-アルケニル-R、OR又は-(CH-アルキニル-R(ここで、m及びnは、0、1又は2である)、アリールチオ、チオカルボニル、シリル又は-NR(ここで、R及びRは、独立して、H、ヒドロキシル、アミノ、カルボニル、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、スルホニル、トリフルオロメチルスルホニルから選択される)から選択される1~5個の基である。代わりに、R及びRは、5員又は6員シクロアルキル又はヘテロシクリルを形成し得る。R及びRは、それぞれ独立して、アリール、ヘテロアリール、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、カルボニル、エステル基、架橋環基、スピロ環基又は縮合環基から選択される。
【0068】
「縮合環」又は「縮合環基」は、系中の各環が、系中の他の環と炭素原子の隣接する対を共有している多環式基であって、1つ以上の環は、0個以上の二重結合を含有し得、置換されているか又は非置換であり得、縮合環系中の各環は、N、S(=O)n又はOから選択される0~5個のヘテロ原子又は基を含有し得る、多環式基を指す。縮合環又は縮合環基は、好ましくは、5員~20員、更に好ましくは5員~14員、より好ましくは5員~12員、更に一層好ましくは5員~10員縮合環又は縮合環基であり;非限定的な例としては、
【化9】
が挙げられる。縮合環又は縮合環基が置換されている場合、置換基は、F、Cl、Br、I、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、メルカプタン、ヒドロキシル、ニトロ、スルフヒドリル、アミノ、シアノ、イソシアノ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、架橋環基、スピロ環基、縮合環基、ヒドロキシルアルキル、=O、カルボニル、アルデヒド、カルボン酸、カルボン酸エステル、-(CH-C(=O)-R、-O-(CH-C(=O)-R、-(CH-C(=O)-NR、-(CHS(=O)、-(CH-アルケニル-R、OR又は-(CH-アルキニル-R(ここで、m及びnは、0、1又は2である)、アリールチオ、チオカルボニル、シリル又は-NR(ここで、R及びRは、独立して、H、ヒドロキシル、アミノ、カルボニル、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、スルホニル、トリフルオロメチルスルホニルから選択される)から選択される1~5個の基である。代わりに、R及びRは、5員又は6員シクロアルキル又はヘテロシクリルを形成し得る。R及びRは、それぞれ独立して、アリール、ヘテロアリール、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、カルボニル、エステル基、架橋環基、スピロ環基又は縮合環基から選択される。
【0069】
「任意選択的な」又は「任意選択的に」は、その後に記載される事象又は状況が起こり得るか又は必ずしも起こり得るわけではないことを指し、この記載は、事象又は状況が起こる又は起こらない場合を含む。例えば、「Fで任意選択的に置換されているアルキル」は、アルキル基がFで置換され得るが、Fで必ずしも置換されていなくてもよいことを意味し、この記載は、アルキルがFで置換されている場合及びアルキルがFで置換されていない場合を包含する。
【0070】
矛盾がないことを前提として、上記の実施形態は、任意に互いに組み合わされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0071】
図1】氷酢酸又は酒石酸調整pH対化合物II溶液の総不純物の曲線を示す。
図2】異なるpH対化合物II溶液の総不純物の曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0072】
本発明の技術的解決法は、図面及び実施例と併せて以下に詳細に記載されるが、本発明の保護範囲は、それらを包含するが、それらに限定されない。
【0073】
特に明記しない限り、酒石酸は、Merck,Germany製である。
【実施例
【0074】
実施例1 pH範囲
750mlの注射用水を量り取り;窒素を約20分間液体の表面下に装入し;水温を50℃以下であるように制御した。37.5mgの化合物IIを秤量し、上述の注射用水に添加し、溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。溶液(1)をそれぞれ異なるpH値に氷酢酸(供給業者:Chengdu Kelong Chemical Co.,Ltd.)及び酒石酸で調整し、異なるpH値で化合物IIを含有する水溶液を得た。水溶液を40℃±2℃の条件下に10日間置き、異なるpH値での溶液中の関連物質の性能を調べ(調整されていないpH値での溶液を含めて)、データを表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】
それぞれ表1における化合物II溶液(氷酢酸で調整されたpH値での)及び化合物II溶液(酒石酸で調整されたpH値での)のpH値及び総不純物のデータを用いてプロットされるpH対総不純物の曲線を図1に示す。表1及び図1から、本明細書で調製された化合物II水溶液は、約4のpH値で最良の安定性を有することと;氷酢酸及び酒石酸で調整されたpH値での化合物II溶液中の関連物質は、変化の同じ傾向を実質的に示すこととを理解することができる。
【0077】
工業的生産の操作性を考慮して、本発明者らは、3~5.5のpH範囲での溶液の安定性を調べた。750mlの注射用水を量り取り;窒素を約20分間液体の表面下に装入し;水温を50℃以下であるように制御した。37.5mgの化合物IIを秤量し、上述の注射用水に添加し、溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。溶液(1)を氷酢酸(供給業者:Chengdu Kelong Chemical Co.,Ltd.)で異なるpH値に調整し、異なるpH値で化合物IIを含有する水溶液を得た。水溶液を40℃±2℃の条件下に10日間置き、異なるpH値での溶液中の関連物質の性能を調べ、データを表2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】
表2における化合物II溶液のpH値及び総不純物のデータを用いてプロットされるpH対総不純物の曲線を図2に示す。表2及び図2から、この生成物は、3~5.5のpH範囲で安定であることを理解することができる。
【0080】
実施例2 処方1
配合は、以下のとおりである。
【0081】
【表3】
【0082】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り;窒素を20分間以上液体の表面下に装入し;水温を30℃以下であるように制御した。氷酢酸(供給業者:Chengdu Kelong Chemical Co.,Ltd.)及び酢酸ナトリウム(供給業者:Chengdu Jinshan Chemical Test Co.,Ltd.)を撹拌下において上述の注射用水に添加し、次いで溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。結果として生じた溶液を、0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過にかけ、次いで充填及び密封にかけ、注射用処方1溶液を得た。
【0083】
注射用処方1溶液のサンプルを40℃±2℃の条件下に5日間置き;化合物II原材料(2℃~8℃の冷蔵条件下で貯蔵された)を対照として使用し;サンプル中の関連物質の変化を調べ、データを表3に示す。
【0084】
【表4】
【0085】
実施例2に従って調製されたサンプルを高温加速のための40℃±2℃で5日間置いた後、総不純物レベルは、0日目の原材料のものと有意に異ならず、処方1が良好な安定性を有することを示した。
【0086】
実施例3 処方2
配合は、以下のとおりである。
【0087】
【表5】
【0088】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り;窒素を20分間以上液体の表面下に装入し;水温を30℃以下であるように制御した。氷酢酸(供給業者:Chengdu Kelong Chemical Co.,Ltd.)及び酢酸ナトリウム(供給業者:Chengdu Jinshan Chemical Test Co.,Ltd.)を撹拌下において上述の注射用水に添加し、次いで溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。結果として生じた溶液を、0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過にかけ、次いで充填及び密封にかけ、注射用処方2溶液を得た。
【0089】
注射用処方2溶液を40℃±2℃の条件下に5日間置き;化合物II原材料(2℃~8℃の冷蔵条件下で貯蔵された)を対照として使用し;サンプル中の関連物質の変化を調べ、データを表4に示す。
【0090】
【表6】
【0091】
注射用処方2溶液のサンプルを高温加速のための40℃±2℃で5日間置いた後、総不純物レベルは、0日目の原材料のものと有意に異ならず、注射用処方2溶液が良好な安定性を有することを示した。
【0092】
実施例4 処方3
配合は、以下のとおりである。
【0093】
【表7】
【0094】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り;窒素を20分間以上液体の表面下に装入し;水温を30℃以下であるように制御した。氷酢酸(供給業者:Chengdu Kelong Chemical Co.,Ltd.)及び酢酸ナトリウム(供給業者:Chengdu Jinshan Chemical Test Co.,Ltd.)を撹拌下において上述の注射用水に添加し、次いで溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。結果として生じた溶液を、0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過にかけ、次いで充填及び密封にかけ、注射用処方3溶液を得た。
【0095】
注射用処方3溶液を40℃±2℃の条件下に5日間置き;化合物II原材料(2℃~8℃の冷蔵条件下で貯蔵された)を対照として使用し;サンプル中の関連物質の変化を調べ、データを表5に示す。
【0096】
【表8】
【0097】
注射用処方3溶液を高温加速のための40℃±2℃で5日間置いた後、総不純物レベルは、0日目の原材料のものと有意に異ならず、注射用処方3溶液が良好な安定性を有することを示した。
【0098】
実施例5 処方4
配合は、以下のとおりである。
【0099】
【表9】
【0100】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り;窒素を20分間以上液体の表面下に装入し;水温を30℃以下であるように制御した。氷酢酸(供給業者:Chengdu Kelong Chemical Co.,Ltd.)及び酢酸ナトリウム(供給業者:Chengdu Jinshan Chemical Test Co.,Ltd.)を撹拌下において上述の注射用水に添加し、次いで溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。マンニトール(供給業者:Merck,Germany)を秤量し、溶液(1)に添加し、清澄化まで撹拌して溶液(2)を得た。化合物IIを秤量し、溶液(2)に添加し、清澄化まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。結果として生じた溶液を、0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過にかけ、次いで充填及び密封にかけ、注射用処方4溶液を得た。
【0101】
注射用処方4溶液を40℃±2℃の条件下に9日間置き;化合物II原材料(2℃~8℃の冷蔵条件下で貯蔵された)を対照として使用し;サンプル中の関連物質の変化を調べ、データを表6に示す。
【0102】
【表10】
【0103】
注射用処方4溶液を高温加速のための40℃±2℃で9日間置いた後、総不純物レベルは、0日目の原材料のものと有意に異ならず、注射用処方4溶液が良好な安定性を有することを示した。
【0104】
実施例6 処方5
配合は、以下のとおりであった。
【0105】
【表11】
【0106】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り;窒素を20分間以上液体の表面下に装入し;水温を30℃以下であるように制御した。氷酢酸(供給業者:Chengdu Kelong Chemical Co.,Ltd.)及び酢酸ナトリウム(供給業者:Chengdu Jinshan Chemical Test Co.,Ltd.)を撹拌下において上述の注射用水に添加し、次いで溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。マンニトール(供給業者:Merck,Germany)を秤量し、溶液(1)に添加し、清澄化まで撹拌して溶液(2)を得た。化合物IIを秤量し、溶液(2)に添加し、清澄化まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。結果として生じた溶液を、0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過にかけ、次いで充填及び密封にかけ、注射用処方5溶液を得た。
【0107】
注射用処方5溶液を40℃±2℃の条件下に9日間置き;化合物II原材料(2℃~8℃の冷蔵条件下で貯蔵された)を対照として使用し;サンプル中の関連物質の変化を調べ、データを表7に示す。
【0108】
【表12】
【0109】
注射用処方5溶液を高温加速のための40℃±2℃で9日間置いた後、総不純物レベルは、0日目の原材料のものと有意に異ならず、注射用処方5溶液が良好な安定性を有することを示した。
【0110】
実施例7 処方6
配合は、以下のとおりである。
【0111】
【表13】
【0112】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り;窒素を20分間以上液体の表面下に装入し;水温を30℃以下であるように制御した。氷酢酸(供給業者:Chengdu Kelong Chemical Co.,Ltd.)及び酢酸ナトリウム(供給業者:Chengdu Jinshan Chemical Test Co.,Ltd.)を撹拌下において上述の注射用水に添加し、次いで溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、清澄化まで撹拌して溶液(2)を得た。マンニトール(供給業者:Qingdao Bright Moon Seaweed Group Co.,Ltd.)を秤量し、溶液(2)に添加し、清澄化まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。結果として生じた溶液を、0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過にかけ、次いで充填及び密封にかけ、注射用処方6溶液を得た。
【0113】
注射用処方6溶液をそれぞれ2℃~8℃及び25℃±2℃の条件下に置き;各サンプルのpH値及び関連化合物の変化を調べ、データを表8に示す。
【0114】
【表14】
【0115】
結論:異なる温度の貯蔵条件下において、pH値及び総不純物レベルは、実質的に同じものであり、総不純物の含量は、低く、処方6が良好な安定性を有することを示した。
【0116】
実施例8 処方7
配合は、以下のとおりである。
【0117】
【表15】
【0118】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り;窒素を20分間以上液体の表面下に装入し;水温を30℃以下であるように制御した。氷酢酸(供給業者:Chengdu Kelong Chemical Co.,Ltd.)及び酢酸ナトリウム(供給業者:Chengdu Jinshan Chemical Test Co.,Ltd.)を撹拌下において上述の注射用水に添加し、次いで溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、清澄化まで撹拌して溶液(2)を得た。グルコース(供給業者:Weifang Shengtai Medicine Co.,Ltd.)を秤量し、溶液(2)に添加し、清澄化まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。結果として生じた溶液を、0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過にかけ、次いで充填及び密封にかけ、注射用処方7溶液を得た。
【0119】
実施例9 処方8
配合は、以下のとおりである。
【0120】
【表16】
【0121】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り、水温を30℃以下であるように制御した。氷酢酸(供給業者:韓国のDuksan Pure Chemicals Co.,Ltd.)及び酢酸ナトリウム三水和物(供給業者:韓国のDuksan Pure Chemicals Co.,Ltd.)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し、次いで溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。結果として生じた溶液を、0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過にかけ、次いで充填及び密封にかけ;漏れ検出を実施し;この検出に合格した後、注射用処方8溶液を得た。
【0122】
実施例10 処方9
配合は、以下のとおりである。
【0123】
【表17】
【0124】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り;窒素を20分間以上液体の表面下に装入し;水温を30℃以下であるように制御した。氷酢酸(供給業者:Taishan Xinning Pharmaceutical Co.,Ltd.)及び酢酸ナトリウム(供給業者:Taishan Xinning Pharmaceutical Co.,Ltd.)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し、次いで溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。結果として生じた溶液を、0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過にかけ、次いで充填及び密封にかけ;漏れ検出を実施し;この検出に合格した後、注射用処方9溶液を得た。
【0125】
実施例11 処方10
配合は、以下のとおりである。
【0126】
【表18】
【0127】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り;窒素を20分間以上液体の表面下に装入し;水温を30℃以下であるように制御した。氷酢酸(供給業者:Taishan Xinning Pharmaceutical Co.,Ltd.)及び酢酸ナトリウム(供給業者:Taishan Xinning Pharmaceutical Co.,Ltd.)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し、次いで溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。結果として生じた溶液を、0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過にかけ、次いで充填及び密封にかけ;漏れ検出を実施し;注射用処方10溶液を得た。
【0128】
実施例9において得られた注射用処方8溶液を25℃±2℃及びRH60%±5%並びに2℃~8℃の条件下に置き;製剤の品質指標を3ヶ月後に測定し;結果を表9に示す。
【0129】
【表19】
【0130】
結論:3ヶ月間2℃~8℃の条件下のサンプルと比較して、3ヶ月間25℃の条件下のサンプルは、様々な品質指標において有意な差を示さず、注射用処方8溶液の安定性が3ヶ月以内で良好であることを示した。
【0131】
実施例10において得られた注射用処方9溶液を25℃±2℃及びRH60%±5%の条件下に置き;製剤の品質指標を6ヶ月後に測定し;結果を表10に示す。
【0132】
【表20】
【0133】
結論:0ヶ月目のサンプルと比較して、6ヶ月目のサンプルは、様々な品質指標において有意な変化を示さず、注射用処方9溶液が良好な安定性を有することを示した。
【0134】
実施例11において調製された注射用処方10溶液を25℃±2℃及びRH60%±5%の条件下に置き;製剤の品質指標を6ヶ月後に測定し;結果を表11に示す。
【0135】
【表21】
【0136】
結論:0ヶ月目のサンプルと比較して、6ヶ月目のサンプルは、様々な品質指標において有意な変化を示さず、本発明において得られたサンプルが良好な安定性を有することを示した。
【0137】
実施例12 処方11
配合は、以下のとおりである。
【0138】
【表22】
【0139】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り;窒素を20分間以上液体の表面下に装入し;水温を30℃以下であるように制御した。氷酢酸(供給業者:Taishan Xinning Pharmaceutical Co.,Ltd.)及び酢酸ナトリウム(供給業者:Taishan Xinning Pharmaceutical Co.,Ltd.)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し、次いで溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。結果として生じた溶液を、0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過にかけ、次いで充填及び密封にかけ;漏れ検出を実施し;注射用処方11溶液を得た。
【0140】
実施例13 処方12
配合は、以下のとおりである。
【0141】
【表23】
【0142】
一定容積の90%の容積の注射用水を量り取り;窒素を20分間以上液体の表面下に装入し;水温を30℃以下であるように制御した。氷酢酸(供給業者:Taishan Xinning Pharmaceutical Co.,Ltd.)及び酢酸ナトリウム(供給業者:Taishan Xinning Pharmaceutical Co.,Ltd.)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し、次いで溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。結果として生じた溶液を、0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過にかけ、次いで充填及び密封にかけ;漏れ検出を実施し;注射用処方12溶液を得た。
【0143】
実施例14 処方13
配合は、以下のとおりである。
【0144】
【表24】
【0145】
一定容積の90%の容積の注射用水を量り取り;窒素を20分間以上液体の表面下に装入し;水温を30℃以下であるように制御した。氷酢酸(供給業者:Taishan Xinning Pharmaceutical Co.,Ltd.)及び酢酸ナトリウム(供給業者:Taishan Xinning Pharmaceutical Co.,Ltd.)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し、次いで溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。結果として生じた溶液を、0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過にかけ、次いで充填及び密封にかけ;漏れ検出を実施し;注射用処方13溶液を得た。
【0146】
実施例15 処方14
配合は、以下のとおりである。
【0147】
【表25】
【0148】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り;窒素を20分間以上液体の表面下に装入し;水温を30℃以下であるように制御した。マンニトール(供給業者:Qingdao Bright Moon Seaweed Group Co.,LTD.)、氷酢酸(供給業者:Taishan Xinning Pharmaceutical Co.,Ltd.)、酢酸ナトリウム(供給業者:Taishan Xinning Pharmaceutical Co.,Ltd.)及びエデト酸二ナトリウム(供給業者:Hunan Er-kang Pharmaceutical Co.,Ltd.)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し、次いで溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。結果として生じた溶液を、0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過にかけ、次いで充填及び密封にかけ;漏れ検出を実施し;注射用処方14溶液を得た。
【0149】
実施例16 処方15
配合は、以下のとおりである。
【0150】
【表26】
【0151】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り;窒素を20分間以上液体の表面下に装入し;水温を30℃以下であるように制御した。マンニトール(供給業者:Qingdao Bright Moon Seaweed Group Co.,LTD.)、氷酢酸(供給業者:Taishan Xinning Pharmaceutical Co.,Ltd.)、酢酸ナトリウム(供給業者:Taishan Xinning Pharmaceutical Co.,Ltd.)及びエデト酸二ナトリウム(供給業者:Hunan Er-kang Pharmaceutical Co.,Ltd.)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し、次いで溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。結果として生じた溶液を、0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過にかけ、次いで充填及び密封にかけ;漏れ検出を実施し;注射用処方15溶液を得た。
【0152】
実施例17 処方16
配合は、以下のとおりである。
【0153】
【表27】
【0154】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り;窒素を20分間以上液体の表面下に装入し;水温を30℃以下であるように制御した。マンニトール(供給業者:Qingdao Bright Moon Seaweed Group Co.,LTD.)、氷酢酸(供給業者:Taishan Xinning Pharmaceutical Co.,Ltd.)、酢酸ナトリウム(供給業者:Taishan Xinning Pharmaceutical Co.,Ltd.)及びエデト酸二ナトリウム(供給業者:Hunan Er-kang Pharmaceutical Co.,Ltd.)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し、次いで溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。結果として生じた溶液を、0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過にかけ、次いで充填及び密封にかけ;漏れ検出を実施し;注射用処方16溶液を得た。
【0155】
実施例18 処方17
配合は、以下のとおりである。
【0156】
【表28】
【0157】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り;窒素を20分間以上液体の表面下に装入し;水温を30℃以下であるように制御した。マンニトール(供給業者:Qingdao Bright Moon Seaweed Group Co.,LTD.)、氷酢酸(供給業者:Taishan Xinning Pharmaceutical Co.,Ltd.)、酢酸ナトリウム(供給業者:Taishan Xinning Pharmaceutical Co.,Ltd.)及びエデト酸二ナトリウム(供給業者:Hunan Er-kang Pharmaceutical Co.,Ltd.)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し、次いで溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。結果として生じた溶液を、0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過にかけ、次いで充填及び密封にかけ;漏れ検出を実施し;注射用処方17溶液を得た。
【0158】
実施例19 処方18
配合は、以下のとおりである。
【0159】
【表29】
【0160】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り;窒素を20分間以上液体の表面下に装入し;水温を30℃以下であるように制御した。氷酢酸(供給業者:Taishan Xinning Pharmaceutical Co.,Ltd.)、酢酸ナトリウム(供給業者:Taishan Xinning Pharmaceutical Co.,Ltd.)及びエデト酸二ナトリウム(供給業者:Hunan Er-kang Pharmaceutical Co.,Ltd.)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し、次いで溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。結果として生じた溶液を、0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過にかけ、次いで充填及び密封にかけ;漏れ検出を実施し;注射用処方18溶液を得た。
【0161】
実施例20 処方19
配合は、以下のとおりである。
【0162】
【表30】
【0163】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り、水温を30℃以下であるように制御した。氷酢酸(供給業者:Taishan Xinning Pharmaceutical Co.,Ltd.)、酢酸ナトリウム(供給業者:Taishan Xinning Pharmaceutical Co.,Ltd.)及びエデト酸二ナトリウム(供給業者:Hunan Er-kang Pharmaceutical Co.,Ltd.)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し、次いで溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。結果として生じた溶液を、0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過にかけ、次いで充填及び密封にかけ;漏れ検出を実施し;注射用処方19溶液を得た。
【0164】
実施例21 処方20
配合は、以下のとおりである。
【0165】
【表31】
【0166】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り;窒素を20分間以上液体の表面下に装入し;水温を30℃以下であるように制御した。トレハロース(供給業者:Ron Pharm)、氷酢酸(供給業者:Taishan Xinning Pharmaceutical Co.,Ltd.)、酢酸ナトリウム(供給業者:Taishan Xinning Pharmaceutical Co.,Ltd.)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し、次いで溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。結果として生じた溶液を、0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過にかけ、次いで充填及び密封にかけ;漏れ検出を実施し;注射用処方20溶液を得た。
【0167】
実施例22 処方21
配合は、以下のとおりである。
【0168】
【表32】
【0169】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り;窒素を20分間以上液体の表面下に装入し;水温を30℃以下であるように制御した。塩化ナトリウム(供給業者:Tianjin Haiguang Pharmaceutical Co.,Ltd.)及びリン酸ナトリウム塩(供給業者:Sichuan Xilong Chemical Co,Ltd.)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し、次いで溶解及び清澄化まで撹拌し、リン酸(供給業者:Chengdu Kelong Chemical Co.,Ltd.)で3~5.5のpH値に調整して溶液(1)を得た。化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。結果として生じた溶液を、0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過にかけ、次いで充填及び密封にかけ;漏れ検出を実施し;注射用処方21溶液を得た。
【0170】
実施例23 処方22
配合は、以下のとおりである。
【0171】
【表33】
【0172】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り;窒素を20分間以上液体の表面下に装入し;水温を30℃以下であるように制御した。安息香酸ナトリウム(供給業者:Chengdu Huayi Pharmaceutical Excipient Manufacturing Co.,Ltd.)及び塩化ナトリウム(供給業者:Tianjin Haiguang Pharmaceutical Co.,Ltd.)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し、次いで溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌した。適切な量の酒石酸を添加してpHを3~5.5に調整し、水を添加することによって一定容積を達成した。結果として生じた溶液を、0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過にかけ、次いで充填及び密封にかけ;漏れ検出を実施し;注射用処方22溶液を得た。
【0173】
実施例24 処方23
配合は、以下のとおりである。
【0174】
【表34】
【0175】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り;窒素を20分間以上液体の表面下に装入し;水温を30℃以下であるように制御した。トレハロース(供給業者:Ron Pharm)及び酒石酸(供給業者:Chengdu Kelong Chemical Reagent Factory)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し、次いで溶解及び清澄化まで撹拌し;適切な量の水酸化ナトリウム(Sichuan Xilong Chemical Co.,Ltd.)を添加してpHを3~5.5に調整し;溶液(1)を得た。化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。結果として生じた溶液を、0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過にかけ、次いで充填及び密封にかけ;漏れ検出を実施し;注射用処方23溶液を得た。
【0176】
実施例24において得られた注射用処方23溶液を25℃±2℃及びRH60%±5%の条件下に置き;製剤の品質指標を1ヶ月後に測定し;結果を表12に示す。
【0177】
【表35】
【0178】
結論:0ヶ月目のサンプルと比較して、1ヶ月目のサンプルは、様々な品質指標において有意な変化を示さず、注射用処方23溶液が良好な安定性を有することを示した。
【0179】
実施例25 処方24
配合は、以下のとおりである。
【0180】
【表36】
【0181】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り;窒素を20分間以上液体の表面下に装入し;水温を30℃以下であるように制御した。トレハロース(供給業者:Ron Pharm)及び酒石酸(供給業者:Chengdu Kelong Chemical Reagent Factory)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し、次いで溶解及び清澄化まで撹拌し;適切な量の水酸化ナトリウム(Sichuan Xilong Chemical Co.,Ltd.)を添加してpHを3~5.5に調整し;溶液(1)を得た。化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。結果として生じた溶液を、0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過にかけ、次いで充填及び密封にかけ;漏れ検出を実施し;注射用処方24溶液を得た。
【0182】
実施例25において得られた注射用処方24溶液を40℃±2℃及びRH75%±5%の条件下に置き;製剤の品質指標15日後に測定し;結果を表13に示す。
【0183】
【表37】
【0184】
結論:0ヶ月目のサンプルと比較して、40℃で15日間の条件下のサンプルは、様々な品質指標において有意な変化を示さず、注射用処方24溶液が良好な安定性を有することを示した。
【0185】
実施例26 処方25
【0186】
【表38】
【0187】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り;窒素を20分間以上液体の表面下に装入し;水温を30℃以下であるように制御した。酒石酸(供給業者:Chengdu Kelong Chemical Reagent Factory)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し、次いで溶解及び清澄化まで撹拌し;適切な量の水酸化ナトリウム(供給業者:Chengdu Kelong Chemical Co.,Ltd.)を添加してpHを3~5.5に調整し;溶液(1)を得た。化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。結果として生じた溶液を、0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過にかけ、次いで充填及び密封にかけ;漏れ検出を実施し;注射用処方25溶液を得た。
【0188】
実施例26において得られた注射用処方25溶液を25℃±2℃及びRH60%±5%の条件下に置き;製剤の品質指標を13日後に測定し;結果を表14に示す。
【0189】
【表39】
【0190】
結論:0ヶ月目のサンプルと比較して、25℃で13日間の条件下のサンプルは、様々な品質指標において有意な変化を示さず、注射用処方25溶液が良好な安定性を有することを示した。
【0191】
注射用滅菌凍結乾燥粉末:
実施例27 処方26
【0192】
【表40】
【0193】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り、水温を30℃以下であるように制御した。トレハロース(供給業者:Ron Pharm)及び酒石酸(供給業者:Chengdu Kelong Chemical Reagent Factory)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し;水酸化ナトリウム(供給業者:Chengdu Kelong Chemical Co.,Ltd.)を使用してpH値を3~5.5に調整し;混合物を溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。
【0194】
化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。
【0195】
0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過後、充填及び密封を実施し、結果として生じた溶液を1ml/バイアルのローディング量で3mlペニシリンバイアル中に充填し、バイアルに部分的に栓をし、予備凍結のために凍結乾燥機に入れた。
【0196】
仕切り板を-35℃以下に冷却し、それを1~2時間にわたって維持し;その後、チャンバーを-50℃以下に冷却し、且つ20Pa以下に減圧し;制限リーク弁を開き、且つ5時間にわたって温度を-5℃に上げ、それを更に2時間にわたって維持し;4時間にわたって温度を10℃に上げ、それを製剤の温度が0℃以上に達するまで維持し;3時間にわたって温度を35℃に上げ、それを製剤の温度が25℃以上に達するまで維持し;その後、制限リーク弁を閉じ、且つ温度を2時間にわたって維持した。
【0197】
減圧化又は窒素の装入を行い、及びバイアルに完全に栓をし、チャンバーから取り出し、且つキャップした。
【0198】
実施例27において調製された処方26凍結乾燥サンプルを25℃±2℃及びRH60%±5%の条件下に置き;製剤の品質指標を6ヶ月後に測定し;結果を表15に示す。
【0199】
【表41】
【0200】
結論:0ヶ月目のサンプルと比較して、6ヶ月以内のサンプルは、様々な品質指標において有意な変化を示さず、本発明において得られたサンプルが良好な安定性を有することを示した。
【0201】
実施例28 処方27
【0202】
【表42】
【0203】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り、水温を30℃以下であるように制御した。トレハロース(供給業者:Ron Pharm)及び酒石酸(供給業者:Hunan Er-kang Pharmaceutical Co.,Ltd.)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し;水酸化ナトリウム(供給業者:Hunan Er-kang Pharmaceutical Co.,Ltd.)を使用してpH値を3~5.5に調整し;混合物を溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。
【0204】
化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。
【0205】
0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過後、充填及び密封を実施し、結果として生じた溶液を1ml/バイアルのローディング量で3mlペニシリンバイアル中に充填し、バイアルに部分的に栓をし、予備凍結のために凍結乾燥機に入れた。
【0206】
仕切り板を-35℃以下に冷却し、それを1~2時間にわたって維持し;その後、チャンバーを-50℃以下に冷却し、且つ20Pa以下に減圧し;制限リーク弁を開き、且つ5時間にわたって温度を-5℃に上げ、それを更に2時間にわたって維持し;4時間にわたって温度を10℃に上げ、それを製剤の温度が0℃以上に達するまで維持し;3時間にわたって温度を35℃に上げ、それを製剤の温度が25℃以上に達するまで維持し;その後、制限リーク弁を閉じ、且つ温度を2時間にわたって維持した。
【0207】
減圧化又は窒素の装入を行い、及びバイアルに完全に栓をし、チャンバーから取り出し、且つキャップした。
【0208】
実施例29 処方28
【0209】
【表43】
【0210】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り、水温を30℃以下であるように制御した。トレハロース(供給業者:Ron Pharm)及び酒石酸(供給業者:Hunan Er-kang Pharmaceutical Co.,Ltd.)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し;水酸化ナトリウム(供給業者:Hunan Er-kang Pharmaceutical Co.,Ltd.)を使用してpH値を3~5.5に調整し;混合物を溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。
【0211】
化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。
【0212】
0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過後、充填及び密封を実施し、結果として生じた溶液を1ml/バイアルのローディング量で3mlペニシリンバイアル中に充填し、バイアルに部分的に栓をし、予備凍結のために凍結乾燥機に入れた。
【0213】
仕切り板を-35℃以下に冷却し、それを1~2時間にわたって維持し;その後、チャンバーを-50℃以下に冷却し、且つ20Pa以下に減圧し;制限リーク弁を開き、且つ5時間にわたって温度を-5℃に上げ、それを更に2時間にわたって維持し;4時間にわたって温度を10℃に上げ、それを製剤の温度が0℃以上に達するまで維持し;3時間にわたって温度を35℃に上げ、それを製剤の温度が25℃以上に達するまで維持し;その後、制限リーク弁を閉じ、且つ温度を2時間にわたって維持した。
【0214】
減圧化又は窒素の装入を行い、及びバイアルに完全に栓をし、チャンバーから取り出し、且つキャップした。
【0215】
実施例30 処方29
【0216】
【表44】
【0217】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り、水温を30℃以下であるように制御した。トレハロース(供給業者:Ron Pharm)及び酒石酸(供給業者:Hunan Er-kang Pharmaceutical Co.,Ltd.)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し;水酸化ナトリウム(供給業者:Hunan Er-kang Pharmaceutical Co.,Ltd.)を使用してpH値を3~5.5に調整し;混合物を溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。
【0218】
化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。
【0219】
0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過後、充填及び密封を実施し、結果として生じた溶液を1ml/バイアルのローディング量で3mlペニシリンバイアル中に充填し、バイアルに部分的に栓をし、予備凍結のために凍結乾燥機に入れた。
【0220】
仕切り板を-35℃以下に冷却し、それを1~2時間にわたって維持し;その後、チャンバーを-50℃以下に冷却し、且つ20Pa以下に減圧し;制限リーク弁を開き、且つ5時間にわたって温度を-5℃に上げ、それを更に2時間にわたって維持し;4時間にわたって温度を10℃に上げ、それを製剤の温度が0℃以上に達するまで維持し;3時間にわたって温度を35℃に上げ、それを製剤の温度が25℃以上に達するまで維持し;その後、制限リーク弁を閉じ、且つ温度を2時間にわたって維持した。
【0221】
減圧化又は窒素の装入を行い、及びバイアルに完全に栓をし、チャンバーから取り出し、且つキャップした。
【0222】
実施例31 処方30
【0223】
【表45】
【0224】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り、水温を30℃以下であるように制御した。ラクトース(供給業者:MEGGLE GmbH&Co.KG,Germany)及び酒石酸(供給業者:Hunan Er-kang Pharmaceutical Co.,Ltd.)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し;水酸化ナトリウム(供給業者:Hunan Er-kang Pharmaceutical Co.,Ltd.)を使用してpH値を3~5.5に調整し;混合物を溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。
【0225】
化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。
【0226】
0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過後、充填及び密封を実施し、結果として生じた溶液を1ml/バイアルのローディング量で3mlペニシリンバイアル中に充填し、バイアルに部分的に栓をし、予備凍結のために凍結乾燥機に入れた。
【0227】
仕切り板を-35℃以下に冷却し、それを1~2時間にわたって維持し;その後、チャンバーを-50℃以下に冷却し、且つ20Pa以下に減圧し;制限リーク弁を開き、且つ5時間にわたって温度を-5℃に上げ、それを更に2時間にわたって維持し;4時間にわたって温度を10℃に上げ、それを製剤の温度が0℃以上に達するまで維持し;3時間にわたって温度を35℃に上げ、それを製剤の温度が25℃以上に達するまで維持し;その後、制限リーク弁を閉じ、且つ温度を2時間にわたって維持した。
【0228】
減圧化又は窒素の装入を行い、及びバイアルに完全に栓をし、チャンバーから取り出し、且つキャップした。
【0229】
実施例32 処方31
【0230】
【表46】
【0231】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り、水温を30℃以下であるように制御した。スクロース(供給業者:Merck,Germany)及び酒石酸(供給業者:Hunan Er-kang Pharmaceutical Co.,Ltd.)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し;水酸化ナトリウム(供給業者:Hunan Er-kang Pharmaceutical Co.,Ltd.)を使用してpH値を3~5.5に調整し;混合物を溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。
【0232】
化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。
【0233】
0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過後、充填及び密封を実施し、結果として生じた溶液を1ml/バイアルのローディング量で3mlペニシリンバイアル中に充填し、バイアルに部分的に栓をし、予備凍結のために凍結乾燥機に入れた。
【0234】
仕切り板を-35℃以下に冷却し、それを1~2時間にわたって維持し;その後、チャンバーを-50℃以下に冷却し、且つ20Pa以下に減圧し;制限リーク弁を開き、且つ5時間にわたって温度を-5℃に上げ、それを更に2時間にわたって維持し;4時間にわたって温度を10℃に上げ、それを製剤の温度が0℃以上に達するまで維持し;3時間にわたって温度を35℃に上げ、それを製剤の温度が25℃以上に達するまで維持し;その後、制限リーク弁を閉じ、且つ温度を2時間にわたって維持した。
【0235】
減圧化又は窒素の装入を行い、及びバイアルに完全に栓をし、チャンバーから取り出し、且つキャップした。
【0236】
実施例33 処方32
【0237】
【表47】
【0238】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り、水温を30℃以下であるように制御した。ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(供給業者:Roquette,France)及び酒石酸(供給業者:Hunan Er-kang Pharmaceutical Co.,Ltd.)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し;水酸化ナトリウム(供給業者:Hunan Er-kang Pharmaceutical Co.,Ltd.)を使用してpH値を3~5.5に調整し;混合物を溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。
【0239】
化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。
【0240】
0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過後、充填及び密封を実施し、結果として生じた溶液を1ml/バイアルのローディング量で3mlペニシリンバイアル中に充填し、バイアルに部分的に栓をし、予備凍結のために凍結乾燥機に入れた。
【0241】
仕切り板を-35℃以下に冷却し、それを1~2時間にわたって維持し;その後、チャンバーを-50℃以下に冷却し、且つ20Pa以下に減圧し;制限リーク弁を開き、且つ5時間にわたって温度を-5℃に上げ、それを更に2時間にわたって維持し;4時間にわたって温度を10℃に上げ、それを製剤の温度が0℃以上に達するまで維持し;3時間にわたって温度を35℃に上げ、それを製剤の温度が25℃以上に達するまで維持し;その後、制限リーク弁を閉じ、且つ温度を2時間にわたって維持した。
【0242】
減圧化又は窒素の装入を行い、及びバイアルに完全に栓をし、チャンバーから取り出し、且つキャップした。
【0243】
実施例34 処方33
【0244】
【表48】
【0245】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り、水温を30℃以下であるように制御した。トレハロース(供給業者:Ron Pharm)及び酒石酸(供給業者:Hunan Er-kang Pharmaceutical Co.,Ltd.)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し;水酸化ナトリウム(供給業者:Hunan Er-kang Pharmaceutical Co.,Ltd.)を使用してpH値を3~5.5に調整し;混合物を溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。
【0246】
化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。
【0247】
0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過後、充填及び密封を実施し、結果として生じた溶液を1ml/バイアルのローディング量で3mlペニシリンバイアル中に充填し、バイアルに部分的に栓をし、予備凍結のために凍結乾燥機に入れた。
【0248】
仕切り板を-35℃以下に冷却し、それを1~2時間にわたって維持し;その後、チャンバーを-50℃以下に冷却し、且つ20Pa以下に減圧し;制限リーク弁を開き、且つ5時間にわたって温度を-5℃に上げ、それを更に2時間にわたって維持し;4時間にわたって温度を10℃に上げ、それを製剤の温度が0℃以上に達するまで維持し;3時間にわたって温度を35℃に上げ、それを製剤の温度が25℃以上に達するまで維持し;その後、制限リーク弁を閉じ、且つ温度を2時間にわたって維持した。
【0249】
減圧化又は窒素の装入を行い、及びバイアルに完全に栓をし、チャンバーから取り出し、且つキャップした。
【0250】
実施例35 処方34
【0251】
【表49】
【0252】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り、水温を30℃以下であるように制御した。トレハロース(供給業者:Ron Pharm)及び酒石酸(供給業者:Hunan Er-kang Pharmaceutical Co.,Ltd.)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し;水酸化ナトリウム(供給業者:Hunan Er-kang Pharmaceutical Co.,Ltd.)を使用してpH値を3~5.5に調整し;混合物を溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。
【0253】
化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。
【0254】
0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過後、充填及び密封を実施し、結果として生じた溶液を1ml/バイアルのローディング量で3mlペニシリンバイアル中に充填し、バイアルに部分的に栓をし、予備凍結のために凍結乾燥機に入れた。
【0255】
仕切り板を-35℃以下に冷却し、それを1~2時間にわたって維持し;その後、チャンバーを-50℃以下に冷却し、且つ20Pa以下に減圧し;制限リーク弁を開き、且つ5時間にわたって温度を-5℃に上げ、それを更に2時間にわたって維持し;4時間にわたって温度を10℃に上げ、それを製剤の温度が0℃以上に達するまで維持し;3時間にわたって温度を35℃に上げ、それを製剤の温度が25℃以上に達するまで維持し;その後、制限リーク弁を閉じ、且つ温度を2時間にわたって維持した。
【0256】
減圧化又は窒素の装入を行い、及びバイアルに完全に栓をし、チャンバーから取り出し、且つキャップした。
【0257】
実施例36 処方35
【0258】
【表50】
【0259】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り、水温を30℃以下であるように制御した。トレハロース(供給業者:Ron Pharm)及びリン酸ナトリウム(供給業者:Sichuan Xilong Chemical Co.,Ltd.)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し;リン酸(供給業者:Chengdu Kelong Chemical Co.,Ltd.)を使用してpH値を3~5.5に調整し;混合物を溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。
【0260】
化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。
【0261】
0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過後、充填及び密封を実施し、結果として生じた溶液を1ml/バイアルのローディング量で3mlペニシリンバイアル中に充填し、バイアルに部分的に栓をし、予備凍結のために凍結乾燥機に入れた。
【0262】
仕切り板を-35℃以下に冷却し、それを1~2時間にわたって維持し;その後、チャンバーを-50℃以下に冷却し、且つ20Pa以下に減圧し;制限リーク弁を開き、且つ5時間にわたって温度を-5℃に上げ、それを更に2時間にわたって維持し;4時間にわたって温度を10℃に上げ、それを製剤の温度が0℃以上に達するまで維持し;3時間にわたって温度を35℃に上げ、それを製剤の温度が25℃以上に達するまで維持し;その後、制限リーク弁を閉じ、且つ温度を2時間にわたって維持した。
【0263】
減圧化又は窒素の装入を行い、及びバイアルに完全に栓をし、チャンバーから取り出し、且つキャップした。
【0264】
実施例37 処方36
【0265】
【表51】
【0266】
一定容積の95%の容積の注射用水を量り取り、水温を30℃以下であるように制御した。トレハロース(供給業者:Ron Pharm)及び酒石酸(供給業者:Hunan Er-kang Pharmaceutical Co.,Ltd.)を秤量し、撹拌下において上述の注射用水に添加し;水酸化ナトリウム(供給業者:Hunan Er-kang Pharmaceutical Co.,Ltd.)を使用してpH値を3~5.5に調整し;混合物を溶解及び清澄化まで撹拌して溶液(1)を得た。
【0267】
化合物IIを秤量し、溶液(1)に添加し、完全な溶解まで撹拌し、水を添加することによって一定容積を達成した。
【0268】
0.22μmフィルターを通した滅菌ろ過後、充填及び密封を実施し、結果として生じた溶液を1ml/バイアルのローディング量で3mlペニシリンバイアル中に充填し、バイアルに部分的に栓をし、予備凍結のために凍結乾燥機に入れた。
【0269】
仕切り板を-35℃以下に冷却し、それを1~2時間にわたって維持し;その後、チャンバーを-50℃以下に冷却し、且つ20Pa以下に減圧し;制限リーク弁を開き、且つ5時間にわたって温度を-5℃に上げ、それを更に2時間にわたって維持し;4時間にわたって温度を10℃に上げ、それを製剤の温度が0℃以上に達するまで維持し;3時間にわたって温度を35℃に上げ、それを製剤の温度が25℃以上に達するまで維持し;その後、制限リーク弁を閉じ、且つ温度を2時間にわたって維持した。
【0270】
減圧化又は窒素の装入を行い、及びバイアルに完全に栓をし、チャンバーから取り出し、且つキャップした。
【0271】
上記の実施形態は、本発明の好ましい実施形態であるにすぎず、本発明を限定することを意図するものではない。当業者にとって、幾つかの改良形態、修正形態及び均等な置換形態も本発明の原理から逸脱することなくなされ得、これらの改良形態、修正形態及び均等な置換形態は、本発明の保護の範囲内に含まれるものとする。
図1
図2