(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】ハイブリッド自動車の燃料タンクおよびバッテリー充電器にアクセスするためのハッチ用の取り外し可能なカバー
(51)【国際特許分類】
B60K 6/40 20071001AFI20241015BHJP
B60K 1/04 20190101ALI20241015BHJP
B60K 6/22 20071001ALI20241015BHJP
【FI】
B60K6/40
B60K1/04 Z
B60K6/22
(21)【出願番号】P 2022513502
(86)(22)【出願日】2020-09-07
(86)【国際出願番号】 EP2020074943
(87)【国際公開番号】W WO2021058271
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2023-08-08
(32)【優先日】2019-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ファルジャス, ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】ユエ, フィリップ
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-015061(JP,A)
【文献】特表2019-515830(JP,A)
【文献】特開2007-008443(JP,A)
【文献】特開平03-025084(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0223113(US,A1)
【文献】特開2008-006904(JP,A)
【文献】国際公開第2011/145409(WO,A1)
【文献】独国特許出願公開第102015003674(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 6/40
B60K 1/04
B60K 6/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッド自動車の燃料タンク(5)およびバッテリー充電器(4)にアクセスするためのハッチ(6)用の取り外し可能なカバー
(8)であって、
前記燃料タンク(5)と前記バッテリー充電器(4)とに通じる、前記ハイブリッド自動車に設けられた開口部(7)を閉じるための手段(9、10)
と、
前記ハッチ(6)が取り外し可能な前記カバー(8)によって閉じられる位置にあるときに確実にシールするように構成された、前記カバー(8)の周囲(10)に恒久的に取り付けられた主シール手段(11)と、
エンジンによって生成された蒸気を再循環させるためのダクト(13)の通過のための開口部(12)と、
前記エンジンによって生成された蒸気を再循環させるための前記ダクト(13)と前記カバー(8)との間のシールを確実にするように構成された二次シール手段(14)とを備えることを特徴とする、取り外し可能なカバー。
【請求項2】
前記カバー(8)のプロファイルが前記ハイブリッド自動車内の周囲の構成要素の構成に適合するように、前記カバー(8)の表面に少なくとも1つの非平面部分を備えることを特徴とする、請求項
1に記載の取り外し可能なカバー。
【請求項3】
板金によって形成されていることを特徴とする、請求項1
または2に記載の取り外し可能なカバー。
【請求項4】
ハイブリッド自動車の燃料タンク(5)とバッテリー充電器(4)とにアクセスするためのハッチであって、前記燃料タンク(5)と前記バッテリー充電器(4)とに通じる開口部(7)と、前記開口部(7)を閉じるための手段(9、10)を含む請求項1から
3のいずれか一項に記載の取り外し可能なカバー(8)と、を備える、ハッチ。
【請求項5】
前記燃料タンク(5)と前記バッテリー充電器(4)とに通じる前記開口部(7)は、前記ハイブリッド自動車のラゲッジ区画の複数の構造要素(16、17、18、19)によって形成されていることを特徴とする、請求項
4に記載のハッチ。
【請求項6】
前記ハイブリッド自動車の前記ラゲッジ区画の複数の構造要素(16、17、18、19)は、クロスメンバーの閉鎖要素(16)と、2つの横方向床要素(17、18)と、後部スカートの閉鎖要素(19)と、を備えることを特徴とする、請求項
5に記載のハッチ。
【請求項7】
燃料タンク(5)およびバッテリー充電器(4)にアクセスするための請求項
4から
6のいずれか一項に記載のハッチ(6)を備えることを特徴とするハイブリッド自動車。
【請求項8】
前
記ハッチ(6)が、前記ラゲッジ区画の内側からアクセス可能であるように構成されていることを特徴とする、
直接的または間接的に請求項5を引用するときの請求項
7に記載のハイブリッド自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、保守作業のためのハイブリッド自動車の燃料タンクおよびバッテリー充電器へのアクセスに関する。
【0002】
特に、本発明は、ハイブリッド車の燃料タンクおよびバッテリー充電器にアクセスするためのハッチに関する。
【背景技術】
【0003】
ハイブリッド自動車には、主燃焼エンジンと少なくとも1つの二次電気モータの両方が装備されている。
【0004】
車両の保守作業では、燃料タンクおよびバッテリー充電器、ならびにそれらに取り付けられたダクトおよび接続部にそれぞれアクセスする必要なことがある。
【0005】
既存の車両では、これらの作業には排気ラインの取り外しと、燃料タンクとバッテリー充電器とを支持する後車軸システムの完全な取り外しとが必要であり、これらは長くかかり、退屈なものであることがわかっている。
【発明の概要】
【0006】
したがって、本発明の目的は、これらの欠点を改善し、ハイブリッド自動車の燃料タンクおよびバッテリー充電器にアクセスするためのより迅速で単純化された手段を提案することである。
【0007】
したがって、ハイブリッド自動車の燃料タンクおよびバッテリー充電器にアクセスするためのハッチ用の取り外し可能なカバーが提案されている。
【0008】
カバーは、燃料タンクおよびバッテリー充電器に通じる車両に設けられた開口部を閉じるための手段を含む。
【0009】
好ましくは、カバーは、ハッチが取り外し可能なカバーによって閉じられる位置にあるときに確実にシールするように構成された、カバーの周囲に恒久的に取り付けられた主シール手段を含む。
【0010】
有利には、カバーは、エンジンによって生成された蒸気を再循環させるためのダクトの通過のための開口部と、エンジンによって生成された蒸気を再循環させるための前記ダクトとカバーとの間のシールを確実にするように構成された二次シール手段とを含み得る。
【0011】
さらに、カバーは、カバーのプロファイルが自動車内の周囲の構成要素の構成に適合し得るように、その表面に少なくとも1つの非平面部分を含み得る。
【0012】
一実施形態によれば、カバーは板金によって形成される。
【0013】
本発明はまた、燃料タンクおよびバッテリー充電器に通じる開口部と、上記のように開口部を閉じるための手段を含む取り外し可能なカバーとを含む、ハイブリッド自動車の燃料タンクおよびバッテリー充電器にアクセスするためのハッチに関する。
【0014】
一実施形態によれば、燃料タンクおよびバッテリー充電器に通じる開口部は、車両のラゲッジ区画の複数の構造要素によって形成され得る。
【0015】
車両のラゲッジ区画の複数の構造要素は、クロスメンバーの閉鎖要素と、2つの横方向床要素と、後部スカートの閉鎖要素とを含み得る。
【0016】
本発明はまた、上記のように、燃料タンクおよびバッテリー充電器にアクセスするためのハッチを含むハイブリッド自動車に関する。
【0017】
好ましくは、ハッチは、ラゲッジ区画の内側からアクセスできるように構成されている。
【0018】
さらなる目的、利点および特徴は、例示としてのみ与えられ、添付の図面を参照して与えられる以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明による、燃料タンクおよびバッテリー充電器にアクセスするためのハッチを備えるハイブリッド自動車の後部を示す図である。
【
図2】
図1に示されている燃料タンクおよびバッテリー充電器にアクセスするためのハッチのカバーの詳細図である。
【
図3】
図1に示す、燃料タンクおよびバッテリー充電器にアクセスするためのハッチを含む、車両の後部の断面の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1および
図2は、後車軸システム1と排気ライン2とを備えた、ハイブリッド自動車の後部の床をそれぞれ上から見た図と断面図とで示している。
【0021】
図2に見られるように、車両はまた、バッテリー3、バッテリー充電器4、および燃焼機関(図示せず)に燃料を供給するための燃料タンク5も備えている。
【0022】
車両には、燃料タンク5とバッテリー充電器4とにアクセスするためのハッチ6が装備されている。
【0023】
アクセスハッチ6は、燃料タンク5とバッテリー充電器4とに通じる開口部7と、カバー8とを含む。
【0024】
開口部7は、燃料タンク5およびバッテリー充電器4にアクセスすることを可能にするが、好ましくは、それぞれ、燃料タンク5およびバッテリー充電器4に関連する様々なダクトおよびコネクタにもアクセスすることを可能にする。
【0025】
カバー8は、燃料タンク5とバッテリー充電器4とに通じる開口部7を閉じるための手段を備えている。
【0026】
開口部を閉じるための手段は、開口部7を覆い、燃料タンク5とバッテリー充電器4とを含む区画を隔離することができるカバー8の少なくとも一部であると理解される。図示の例では、カバー8は、燃料タンク5とバッテリー充電器4とを含む区画をラゲッジ区画から隔離している。
【0027】
これに関して、カバー8は、中央部分9と、開口部7の周囲と接触させるための周辺部分10とを備え得る。
【0028】
さらに、カバー8は取り外し可能であり、したがって、燃料タンク5およびバッテリー充電器4へのアクセスが迅速かつ容易であるように、アクセスハッチ6から取り外すことができる。
【0029】
図示の例では、カバー8は板金で形成されており、これによりカバーが安価になる。
【0030】
好ましくは、カバー8は、ハッチ6が取り外し可能なカバー8によって閉じられる位置にあるときにシールを確実にするように構成された、主シール手段11、例えば、その周辺部分10に恒久的に取り付けられたシールを備えている。
【0031】
さらに、カバー8は、「ABB」(「アンチブローバック」)ダクトと呼ばれる、燃焼機関によって生成された蒸気を再循環させるためのダクト13の通過のための、
図3に見られる開口部12を含み得る。このダクトは、リザーバの充填中に燃料蒸気を排出するために使用される。
【0032】
有利には、図示のカバー8は、エンジンによって生成された蒸気を再循環させるためのダクト13とカバー8との間のシールを確実にするように構成された、
図1に見られる二次シール手段14、例えばシールを含む。
【0033】
図1および
図3に見られるように、カバー8の表面は本質的に平面ではない。カバー8は、その表面に、カバー8のプロファイルが車両内の周囲の構成要素の構成に適合するように、少なくとも1つの非平面部分を含み得る。
【0034】
例えば、表面は、バッテリー充電器4および燃料タンク5を含む区画に一般に存在する燃料吸入室および/またはキャニスタの輪郭の少なくとも一部に従うように設計され得る。
【0035】
この目的のために、図示されているカバー8は、くぼみ15a、15b、15c、15d、15eおよび15fを含む。
【0036】
さらに、燃料タンク5およびバッテリー充電器4に通じる開口部7は、車両のラゲッジ区画の複数の構造要素によって形成され得る。
【0037】
図示の例では、車両のラゲッジ区画の複数の構造要素は、クロスメンバーの閉鎖要素16と、1つが右17で1つが左18である2つの横方向床要素と、後部スカートの閉鎖要素19とを含む。
【0038】
好ましくは、アクセスハッチ6はまた、カバー8を取り外し可能にする、カバー8をその支持体に固定するための手段を含む。
【0039】
カバー8が複数のドリル穴、例えば、この例では長方形の全体形状を有するカバー8の四隅に設けられた4つのドリル穴を含むように準備することができる。
【0040】
固定手段はまた、特定の工具なしでカバー8を迅速かつ容易に取り外すために、示されていない固定ナットを含み得る。
【0041】
また、アクセスハッチ6は、客室を足回りゾーンから遮音するために、カバー8の表面に付着するように配置された防音手段を備えるように準備することができる。
【0042】
図示の例では、ハッチはラゲッジ区画内からアクセスできるように構成されており、これにより、燃料タンク5およびバッテリー充電器4の保守作業が容易になる。