(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】吸引管付反応性製品用容器
(51)【国際特許分類】
G01N 1/10 20060101AFI20241015BHJP
G01N 1/00 20060101ALI20241015BHJP
【FI】
G01N1/10 F
G01N1/10 K
G01N1/00 101K
(21)【出願番号】P 2022517715
(86)(22)【出願日】2020-07-08
(86)【国際出願番号】 FR2020051214
(87)【国際公開番号】W WO2021053276
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2023-05-23
(32)【優先日】2019-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】515124543
【氏名又は名称】アルテイオン
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルソー アラン
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0003861(US,A1)
【文献】米国特許第03872730(US,A)
【文献】米国特許第05301560(US,A)
【文献】特開平01-277734(JP,A)
【文献】特開平01-191033(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00 - 1/44
G01N 35/00 - 35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
首開口部(5)を画定する首部(4)を含む容器本体(3)と、
前記首開口部(5)を密封する、穿刺可能な閉鎖膜(7)を含む、閉鎖部材(6)と、
前記容器本体(3)内に配置され、前記閉鎖部材(6)に取り付けられた第1端部(13.1)及び前記容器本体(3)の底部の近くに延在する第2端部(13.2)を備える吸引管(13)と、
前記穿刺可能な閉鎖膜(7)及び前記吸引管(13)の第1端部(13.1)に面して配置された通路開口部(20)を含み、
サンプリング針(28)が前記吸引管(13)に流体接続されるように、前記通路開口部(20)及び前記穿刺可能な閉鎖膜(7)を通って前記サンプリング針(28)の貫通を可能にし、
かつ通気針(29)が前記容器本体(3)の内部空間に流体接続されるように、前記通気針(29)が前記通路開口部(20)及び前記穿刺可能な閉鎖膜(7)を通って貫通することを可能にするように構成されている、前記容器本体(3)の首部(4)に取り付けられたキャップ(15)と、を含み、
前記閉鎖部材(6)が、前記首開口部(5)周辺の、前記首部(4)と嵌合する周辺取付部(8)を含み、
前記キャップ(15)が
前記首開口部(5)との間に前記閉鎖部材(6)を介在した状態で前記首開口部(5)及び前記首部(4)の周囲を覆うように取り付けられた状態で、
前記閉鎖部材(6)の周辺取付部(8)が前記首部(4)に嵌合されることによって、前記首開口部(5)が密封されるように構成されている、
反応性生成物のための容器(2)。
【請求項2】
首開口部(5)を画定する首部(4)を含む容器本体(3)と、
前記首開口部(5)を密封する、穿刺可能な閉鎖膜(7)を含む、閉鎖部材(6)と、
前記容器本体(3)内に配置され、前記閉鎖部材(6)に取り付けられた第1端部(13.1)及び前記容器本体(3)の底部の近くに延在する第2端部(13.2)を備える吸引管(13)と、
前記穿刺可能な閉鎖膜(7)及び前記吸引管(13)の第1端部(13.1)に面して配置された通路開口部(20)を含み、
サンプリング針(28)が前記吸引管(13)に流体接続されるように、前記通路開口部(20)及び前記穿刺可能な閉鎖膜(7)を通って前記サンプリング針(28)の貫通を可能にし、
かつ通気針(29)が前記容器本体(3)の内部空間に流体接続されるように、前記通気針(29)が前記通路開口部(20)及び前記穿刺可能な閉鎖膜(7)を通って貫通することを可能にするように構成されている、
前記容器本体(3)の首部(4)に取り付けられたキャップ(15)と、を含み、
前記キャップ(15)が前記首部(4)に取り付けられた状態で、前記閉鎖部材(6)によって、前記首開口部(5)が密封されるように構成されており、
前記キャップ(15)は、
前記通路開口部(20)が設けられる底壁(16)と、
前記底壁(16)から延在する横方向スカート(17)とを含み、
横方向スカート(17)は、前記容器本体(3)の首部(4)の外面に設けられた環状締結溝のような第2固定要素(19)と係合するように構成された環状締結リブのような第1固定要素(18)とを備え、
前記サンプリング針(28)が前記吸引管(13)の第1端部(13.1)の反対側又は前記第1端部(13.1)内に出現するように、前記サンプリング針(28)が前記通路開口部(20)及び前記穿刺可能な閉鎖膜(7)を貫通することを可能にし、
前記通気針(29)が前記容器本体(3)の内部空間内に出現するように、前記通気針(29)が前記通路開口部(20)及び前記穿刺可能な閉鎖膜(7)を貫通することを可能にするように構成される、
反応性生成物のための容器(2)。
【請求項3】
前記通路開口部(20)が、前記穿刺可能な閉鎖膜(7)の中央部分(11)に面して配置される、
請求項1又は2に記載の容器(2)。
【請求項4】
前記閉鎖部材(6)が、前記容器本体(3)内に配置され、前記穿刺可能な閉鎖膜(7)から延在する管状取付部(10)を備え、
前記吸引管(13)の第1端部(13.1)が、前記管状取付部(10)に取り付けられ、前記管状取付部(10)によって画定される内部流路(12)に流体接続される、
請求項1~3のいずれか1項に記載の容器(2)。
【請求項5】
前記閉鎖部材(6)が、前記容器本体(3)内に配置され、前記穿刺可能な閉鎖膜(7)から延在する管状取付部(10)を備え、
前記吸引管(13)の第1端部(13.1)が、前記管状取付部(10)に取り付けられ、前記管状取付部(10)によって画定される内部流路(12)に流体接続され、
前記管状取付部(10)が、前記穿刺可能な閉鎖膜(7)の前記中央部分(11)から延在する、
請求項3に記載の容器(2)。
【請求項6】
前記管状取付部(10)が、前記容器本体(3)の首部(4)の中心軸に平行な延長軸(A)に沿って延在する、
請求項4又は5に記載の容器(2)。
【請求項7】
前記穿刺可能な閉鎖膜(7)が、前記通路開口部(20)を封止する、
請求項1~6のいずれか1項に記載の容器(2)。
【請求項8】
前記キャップ(15)は、
底壁(16)と、
前記底壁(16)から延在する横方向スカート(17)とを含み、
前記通路開口部(20)は、前記底壁(16)に設けられており、
前記キャップ(15)の前記底壁(16)が前記穿刺可能な閉鎖膜(7)に押し付けられて前記穿刺可能な閉鎖膜(7)に圧力を加えることで、前記穿刺可能な閉鎖膜(7)を前記容器本体(3)の首部(4)に密閉状に取り付けるように構成されている
請求項1~7のいずれか1項に記載の容器(2)。
【請求項9】
フレーム(22)と、
請求項1~8のいずれか1項に記載の容器(2)と、
前記容器(2)を収容するように構成された収容位置(24)を含む収容部(23)と、
前記容器(2)が前記収容位置(24)に収容されたときに前記容器(2)の内容物の少なくとも一部をサンプリングするように構成され、
前記フレーム(22)に対して待機位置とサンプリング位置との間で移動可能に取り付けられ、
前記容器(2)の穿刺可能な閉鎖膜(7)を穿刺し、前記容器(2)が収容位置(24)に収容されたとき、かつ、サンプリングヘッド(27)が、サンプリング位置に移動されるときに、前記容器(2)の吸引管(13)に流体接続されるように構成されたサンプリング針(28)、及び、
前記容器(2)の穿刺可能な閉鎖膜(7)を穿刺し、前記容器(2)が収容位置(24)に収容されたとき、かつ、サンプリングヘッド(27)が、サンプリング位置に移動されるときに、前記容器(2)の内部空間に流体接続されるように構成された通気針(29)を含む、サンプリングヘッド(27)とを有する、
サンプリング装置(21)。
【請求項10】
前記サンプリングヘッド(27)が、揺動軸(B)を中心として前記フレーム(22)に対して揺動可能に取り付けられている、
請求項9に記載のサンプリング装置(21)。
【請求項11】
前記収容部(23)が、
前記収容部(23)の収容位置(24)に容器(2)を挿入することができる第1位置と、
前記サンプリング針(28)及び通気針(29)が前記容器(2)の穿刺可能な閉鎖膜(7)を通って延在することができる第2位置との間で、
前記フレーム(22)に対して移動可能に取り付けられる、
請求項9又は10に記載のサンプリング装置(21)。
【請求項12】
前記サンプリングヘッド(27)が、
前記第1位置から前記第2位置に向かう前記収容部(23)の変位が、前記サンプリングヘッド(27)の待機位置から前記サンプリング位置に向かう変位を自動的に引き起こし、
前記第2位置から前記第1位置に向かう前記収容部(23)の変位が、前記サンプリング位置から前記待機位置に向かう前記サンプリングヘッド(27)の変位を自動的に引き起こすように、
前記収容部(23)に機械的に接続される、
請求項11に記載のサンプリング装置(21)。
【請求項13】
前記収容部(23)が、前記サンプリングヘッド(27)に変位方向(D2)に摺動可能に取り付けられている、
請求項12に記載のサンプリング装置(21)。
【請求項14】
前記サンプリングヘッド(27)が、前記収容位置(24)に収容された容器(2)のキャップ(15)と協働して、前記容器(2)のキャップ(15)を前記サンプリング針(28)に対して所定の位置に位置決めするように構成された位置決め部(31)を含む、
請求項9~13のいずれか1項に記載のサンプリング装置(21)。
【請求項15】
前記位置決め部(31)が、下方に開放され、前記収容位置(24)に収容された前記容器(2)のキャップ(15)を少なくとも部分的に収容するように構成された収容ハウジング(34)を含む、
請求項14に記載のサンプリング装置(21)。
【請求項16】
前記通気針(29)の上流に配置され、前記通気針(29)を通って流れるように意図されたエアを濾過するように構成されたエアフィルタ(41)を含む、
請求項9~15のいずれか1項に記載のサンプリング装置(21)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応性製品のための容器、及びこのような容器を備えることを意図したサンプリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インビトロ分析装置のような分析装置は、公知の方法で、
反応性製品用の複数の容器を貯蔵するように構成され、各容器が、首開口部を画定する首部及び首開口部を密封する穿刺可能な閉鎖膜を備える容器本体を含む、貯蔵装置と、
特に、試薬、例えば分析されるべき生物学的液体サンプルを含む分析キュベットを供給するために、保存装置に収容された容器の穿刺可能な閉鎖膜を穿刺し、この容器の内容物の一部をサンプリングするように構成されたサンプリング針を含むサンプリング装置と、を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特に、反応性生成物のための各容器のこのような構成は、サンプリング装置がこの容器の内容物の全体をサンプリングすることを可能にせず、これは必然的に反応性生成物の損失を誘発し、したがって分析実験室による反応性生成物の著しい消費を誘発する。反応性生成物のこのような消費は、分析実験室によって実施される試験の費用に重大な影響を及ぼす。
【0004】
このような欠点を克服するために、容器の高さに実質的に対応する長さを有するサンプリング針を提供することが考えられる。それにもかかわらず、このようなサンプリング針の構成は、サンプリング装置を複雑にし、分析装置の製造コストを実質的に増加させる。
【0005】
容器の内容物の実質的に全体をサンプリングできるようにするために、容器に装備されたキャップを取り外し、分析装置に容器を装填した後に、容器に挿入されるように意図された可撓性サンプリング管でサンプリング針を置き換えることも知られている。しかし、キャップを保存装置に装填し、容器内にサンプリング管を配置する前に、キャップを容器から最初に取り外すことは、そのような分析装置の使用者が行うべき手動操作を複雑にし、一方、容器内に収容された反応性生成物の汚染の危険性を増大させる。
【0006】
本発明は、これらの欠点の全て又は一部を克服することを目的とする。
【0007】
したがって、本発明の基礎となる技術的課題は、簡単で人間工学的な構造を有する反応性製品のための容器を提供することにあり、また、分析実験室によって実施されるべき試験の費用を大幅に削減し、容器の内容物の汚染の危険性を制限することを可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のために、本発明は、反応性製品のための、特に液体反応性製品のための容器に関し、容器は、
首開口部を画定する首部を含む容器本体と、
首開口部をしっかりと密封する穿刺可能な閉鎖膜を含む閉鎖部材と、
容器本体内に配置され、閉鎖部材に取り付けられた第1端部及び容器本体の底部の近傍に延在する第2端部を備える吸引管と、
容器本体の首部に取り付けられ、穿刺可能な閉鎖膜及び吸引管の第1端部に面して配置された通路開口部を含み、サンプリング針が吸引管に流体接続されるように、通路開口部及び穿刺可能な閉鎖膜を通るサンプリング針の貫通を可能にするように、かつ、通気針が容器本体の内部空間に流体接続されるように、通気針が通路開口部及び穿刺可能な閉鎖膜を通る通気針の貫通を可能にするように構成される、キャップとを含む。
【0009】
容器のこのような構成、特に、吸引管の第2端部が容器本体の底部の近くに位置するという事実は、規則的なサイズのサンプリング針を備えたサンプリング装置を用いて、容器の内容物の全て又は実質的に全てをサンプリングすることを可能にする。これらの構成は、反応性生成物の損失を制限することを可能にし、したがって、分析実験室のための反応性生成物の消費を低減し、それ故に、分析実験室によって実行される試験の費用を低減する。
【0010】
さらに、閉鎖部材の特定の構成、特に吸引管が閉鎖部材に直接取り付けられるという事実は、容器の製造コストを低減することを可能にし、それにより、分析実験室によって実行される試験のコストをさらに低減する。
【0011】
加えて、穿刺可能な閉鎖膜の存在は、容器の最初の使用の前、及び容器の2つの使用の間に、容器に大きな密閉性を付与し、これは、容器の内容物の汚染の危険性を制限する。
【0012】
本発明による容器の特定の構成は、また、キャップの取り外し、又は容器内にサンプリング装置を装備する可撓性サンプリング管の挿入など、使用者による事前の操作なしに分析装置内に容器を装填することを可能にし、これは、この装填を大幅に容易にし、容器の内容物の汚染の危険性をさらに制限する。
【0013】
したがって、本発明による容器は、分析装置内への容器の荷重を単純化し、固定することを可能にする。
【0014】
容器は、単独で又は組み合わせて考慮される、以下の特徴のうちの1つ以上をさらに有してもよい。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、穿刺可能な閉鎖膜は、吸引管の第1端部に面して配置された第1膜部分と、第1膜部分に対して実質的に同一平面上にあり、第1膜部分に対してオフセットされた第2膜部分とを含み、通路開口部は、第1膜部分及び第2膜部分に面して配置され、キャップは、サンプリング針が通路開口部及び第1膜部分を通って貫通することを可能にするように構成され、サンプリング針が吸引管に流体接続され、例えば、吸引管の第1端部の反対側又は中に出現し、通気針が通路開口部及び第2膜部分を通って貫通することを可能にし、通気針が容器本体の内部空間に流体接続され、例えば、容器本体の内部空間内に出現するように構成される。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、第2膜部分は、環状であり、第1膜部分の周りに延在する。第1及び第2膜部分は同心であると有利である。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、キャップは、サンプリング針が吸引管の第1端部の反対側又は中に出現するように、通路開口部及び穿刺可能な閉鎖膜を通るサンプリング針の貫通を可能にするように、また、通気針が容器本体の内部空間内に出現し、例えば、容器本体によって部分的に、好ましくは容器本体の首部によって部分的に画定される環状空間内に出現するように、通気針が通路開口部及び穿刺可能な閉鎖膜を通る通気針の貫通を可能にするように構成される。環状空間は、吸引管と実質的に同軸に延在することができると有利である。環状空間は、例えば、吸引管の第1端部の周りに少なくとも部分的に延在することができる。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、キャップは、サンプリング針が吸引管内に少なくとも部分的に延在するように、通路開口部及び穿刺可能な閉鎖膜を通るサンプリング針の貫通を可能にするように構成される。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、通路開口部は、穿刺可能な閉鎖膜の中央部分に面して配置される。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、閉鎖部材は、容器本体内に配置され、穿刺可能な閉鎖膜から延在する管状取付部を備え、吸引管の第1端部は、管状取付部に取り付けられ、管状取付部によって画定される内部流路に流体接続される。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、キャップは、サンプリング針が、通路開口部及び穿刺可能なサンプリング膜を通って、管状取付部の内部流路内に貫通することを可能にするように、また、通気針が、通路開口部及び穿刺可能なサンプリング膜を通って、例えば、本体容器の首部及び管状取付部によって画定され得る環状空間内に貫通することを可能にするように構成される。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、キャップは、剛性プラスチック材料で作られる。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、穿刺可能な閉鎖膜は、容器本体の内部に向かって配向された第1面と、第1面とは反対側の第2面とを備え、管状取付部は、穿刺可能なサンプリング膜の第1面から延在する。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、管状取付部は、穿刺可能なサンプリング膜の中央部分から延在する。穿刺可能な閉鎖膜の中央部分は、第1膜部分及び第2膜部分を含むと有利である。管状取付部は、例えば、第1膜部分から延在することができる。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、穿刺可能な閉鎖膜の中央部分は、穿刺可能な閉鎖膜に向かって配向された管状取付部の端部を気密封止する。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、吸引管の第1端部は、容器本体の首部の中心軸に実質的に平行に延在する。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、管状取付部は、容器本体の首部の中心軸に実質的に平行であり、例えば穿刺可能な閉鎖膜に実質的に垂直であり得る延長軸に従って延在する。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、管状取付部の延長軸は、首部の中心軸と実質的に一致する。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、穿刺可能な閉鎖膜は、通路開口部を、好ましくはしっかりと密封する。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、穿刺可能な閉鎖膜は、好ましくは流体密封方式で、通路開口部を覆う。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、穿刺可能な閉鎖膜は、円板状の一般的な形状を有する。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、穿刺可能な閉鎖膜は、ほぼ平面である。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、閉鎖部材は、一部品で作製され、すなわち、単一部品で作製される。
【0034】
本発明の一実施形態によれば、閉鎖部材は、エラストマーで作られる。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、キャップは、穿刺可能な閉鎖膜を部分的に覆う。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、閉鎖部材は、穿刺可能な閉鎖膜の第2面上に延在する環状封止リブを含む。このような環状封止リブの存在は、穿刺可能な閉鎖膜とサンプリング針との間の封止が、特に、容器が分析装置から取り出され、次いで分析装置に再装填される前に取り出されているという事実に起因して、不完全である場合であっても、閉鎖部材とサンプリング針との間の最適な封止を確実にすることを可能にする。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、環状封止リブ及び管状装着部は、実質的に同軸に延在する。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、通路開口部及び管状取付部は、実質的に同軸に延在する。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、穿刺可能な閉鎖膜の中央部分は、穿刺可能な閉鎖膜を通るサンプリング針の挿入方向に対して、通路開口部の上流に位置する。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、穿刺可能なサンプリング膜の中央部分は、穿刺可能な閉鎖膜を通るサンプリング針の挿入方向に対して、通路開口部の下流に位置する。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、キャップは、穿刺可能な閉鎖膜に圧力を加えるように、特に、穿刺可能な閉鎖膜を圧縮して、穿刺可能な閉鎖膜を容器本体の首部にしっかりと、好ましくは流体密に取り付けるように構成される。
【0042】
本発明の一実施形態によれば、キャップは、底壁と、該底壁から延在する横方向スカートとを含み、該通路開口部は、該底壁に設けられている。
【0043】
本発明の一実施形態によれば、横方向スカートは、例えば、ねじ留め、締め付け、又はスナップ留めによって、容器本体の首部に設けられた第2締結要素と協働するように構成された第1締結要素を備える。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、第1固定要素は、横方向スカートの内面に設けられた環状の締結リブであり、第2固定要素は、容器本体の首部の外面に設けられ、環状の締結リブとスナップ締結することによって協働するように構成された環状の締結溝である。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、第1固定要素は、横方向スカートの内面に設けられた雌ねじを含み、第2固定要素は、本体容器の首部の外面に設けられ、横方向スカートに設けられた雌ねじと螺合することによって協働するように構成された雄ネジを含む。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、キャップは、容器本体の首部に取り外し可能に取り付けられる。
【0047】
本発明の一実施形態によれば、キャップは閉鎖部材とは別個である。
【0048】
本発明の一実施形態によれば、キャップ及び閉鎖部材は、オーバーモールドによって作製される。それにもかかわらず、キャップ及び閉鎖部材は、バイインジェクション成形することもできる。
【0049】
本発明の一実施形態によれば、穿刺可能な閉鎖膜は、容器本体の首部にしっかりと取り付けられた周辺取付部分を含む。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、吸引管の第1端部は、管状取付部によって画定される内部流路内に取り付けられる。
【0051】
本発明の一実施形態によれば、通路開口部の通路断面は、管状取付部の断面よりも大きい。
【0052】
本発明の一実施形態によれば、管状取付部は、吸引管上にオーバーモールドされる。
【0053】
本発明の一実施形態によれば、吸引管及び閉鎖部材は、一体に形成される。
【0054】
本発明の一実施形態によれば、吸引管の第2端部によって画定される吸引開口部は、互いに対して軸方向にオフセットされた少なくとも1つの第1開口部及び1つの第2開口部を含む。これらの構成は、吸引管の第2端部が容器本体の底部と密接又は略密接に接触することを回避することを可能にし、これは、容器がサンプリング装置に装填されるときに、容器の内容物の吸引を変化させ得る。第2端部の吸引開口部は、例えば、第2端部の長手方向軸に対して傾斜した開口平面内に延在してもよく、又は湾曲した、特に凹状の縁部を有してもよい。
【0055】
本発明は、さらに、
フレームと、
本発明による容器を受け入れるように構成された収容位置を含む収容部と、
容器が収容位置に収容されたときに容器の内容物の少なくとも一部をサンプリングするように構成され、待機位置とサンプリング位置との間でフレームに対して移動可能に取り付けられ、容器の穿刺可能な閉鎖膜を穿刺し、容器が収容位置に収容されたとき、及びサンプリングヘッドがサンプリング位置に移動されたときに容器の吸引管に流体接続されるように構成されたサンプリング針と、容器の穿刺可能な閉鎖膜を穿刺し、容器が収容位置に収容されたとき、及びサンプリングヘッドがサンプリング位置に移動されたときに容器の内部空間に流体接続されるように構成された通気針とを含む、サンプリングヘッドと、を含むサンプリング装置に関する。
【0056】
本発明の一実施形態によれば、サンプリング針は、容器が収容位置に収容されるとき、及びサンプリングヘッドがサンプリング位置に変位するときに、容器の穿刺可能な閉鎖膜を穿刺し、吸引管の第1端部の反対側又は中に出現するように構成され、通気針は、容器が収容位置に受け入れられるとき、及びサンプリングヘッドがサンプリング位置に変位するときに、容器の穿刺可能な閉鎖膜を穿刺し、容器本体の内部空間に、例えば容器本体によって部分的に区切られた環状空間に出現するように構成される。
【0057】
本発明の一実施形態によれば、サンプリング針は、容器の穿刺可能な閉鎖膜を穿刺し、容器が収容位置に収容されたとき、及びサンプリングヘッドがサンプリング位置に変位されたときに、少なくとも部分的に吸引管内に延在するように構成される。
【0058】
本発明の一実施形態によれば、サンプリング針は、容器が収容位置に収容されたとき、及びサンプリングヘッドがサンプリング位置に変位されたときに、容器の穿刺可能な閉鎖膜を穿刺し、容器の管状取付部の内部流路内に延在するように構成され、通気針は、容器が収容位置に収容されたとき、及びサンプリングヘッドがサンプリング位置に変位されたときに、容器の穿刺可能な閉鎖膜を穿刺し、かつ、例えば、容器の管状取付部及び首部によって画定され得る環状空間内に出現するように構成される。
【0059】
本発明の一実施形態によれば、収容位置は上方に開いている。
【0060】
本発明の一実施形態によれば、サンプリング針は、容器が収容位置に収容されたとき、及びサンプリングヘッドがサンプリング位置にあるときに、吸引管の第1端部内に部分的に延在するように構成される。
【0061】
本発明の一実施形態によれば、サンプリングヘッドは、揺動軸を中心としてフレームに対して揺動可能に取り付けられている。
【0062】
本発明の一実施形態によれば、収容部は、容器を前記収容部の収容位置に挿入することができる第1位置と、サンプリング針及び通気針が前記容器の穿刺可能な閉鎖膜を通って延在することができる第2位置との間で、フレームに対して移動可能に取り付けられる。
【0063】
本発明の一実施形態によれば、収容部は、収容部が第1位置にあるときに垂直に対して実質的に傾斜するように構成され、収容部は、収容部が第2位置にあるときに実質的に垂直に延在するように構成される。
【0064】
本発明の一実施形態によれば、収容部は、摺動方向に従ってフレームに対して摺動可能に取り付けられる。摺動方向は実質的に直線であると有利である。本発明の一実施形態によれば、摺動方向は、サンプリングヘッドの揺動軸に対して横方向に、例えば、実質的に垂直に延在する。
【0065】
本発明の一実施形態によれば、収容部は、フレームに設けられたガイドスロット内に摺動可能に取り付けられ、摺動方向に沿って延在する案内要素を含む。
【0066】
本発明の一実施形態によれば、前記サンプリングヘッドは、前記第1位置から前記第2位置に向かう前記収容部の変位が、自動的に、前記待機位置から前記サンプリング位置に向かう前記サンプリングヘッドの変位を生じさせ、かつ、前記第2位置から前記第1位置に向かう前記収容部の変位が、自動的に、前記サンプリング位置から前記待機位置に向かう前記サンプリングヘッドの変位を生じさせるように、前記収容部に機械的に接続される。
【0067】
本発明の一実施形態によれば、収容部は、変位の方向に従って、サンプリングヘッドに摺動可能に取り付けられる。例えば、変位の方向は、サンプリング針の延びる方向に実質的に平行に延びてもよい。
【0068】
本発明の一実施形態によれば、変位の方向は、サンプリングヘッドの揺動軸に対して横方向に、例えば実質的に垂直に延在する。
【0069】
本発明の一実施形態によれば、サンプリングヘッドは、容器のキャップをサンプリング針に対して所定の位置に位置決めするように、収容位置に収容された容器のキャップと協働するように構成された位置決め部を含む。
【0070】
本発明の一実施形態によれば、位置決め部は、収容位置に収容された容器のキャップを覆い、例えばキャップするように構成される。
【0071】
本発明の一実施形態によれば、位置決め部は、サンプリングヘッドがサンプリング位置にあるとき、及び容器が収容位置に受け入れられるときに、サンプリング針を容器の管状装着部分に位置合わせするように構成される。
【0072】
本発明の一実施形態によれば、位置決め部は、位置決めキャップとも呼ばれる位置決めチューリップである。
【0073】
本発明の一実施形態によれば、位置決め部は、下向きに開いており、収容位置に収容された容器のキャップを少なくとも部分的に収容するように構成された収容ハウジングを含む。
【0074】
本発明の一実施形態によれば、位置決め部は、収容ハウジング、サンプリング針及び通気針を区切る底部及び側壁を含み、位置決め部の底部を通って延在し、収容ハウジング内に突出する。
【0075】
本発明の一実施形態によれば、位置決め部の側壁は、キャップ、より具体的にはキャップの横方向スカートと協働するように構成される。
【0076】
位置決め部は、キャップを収容ハウジング内に挿入することができる挿入開口部を含み、挿入開口部は、位置決め部の底部に向かって収束する切頭円錐面によって少なくとも部分的に内部で区切られていると有利である。
【0077】
本発明の一実施形態によれば、サンプリングヘッドは、サンプリングヘッドが待機位置に向かって変位するときに、収容ハウジングの外部で容器のキャップを付勢するように構成された付勢装置を含む。付勢装置は、収容ハウジング内に配置されると有利である。
【0078】
本発明の一実施形態によれば、付勢装置は、容器のキャップに対して支持するように構成され、かつサンプリング針及びベント針が支承部材からセットバックされる保護位置と、サンプリング針及びベント針が支承部材から突出する後退位置、収容ハウジング内に移動可能に装着される支承部材と、支承部材を保護位置に向かって付勢するように構成されたコイルスプリングのような付勢要素とを含む。好ましくは、容器のキャップは、収容部が第1位置から第2位置に向かって変位するときに、支承部分材を保護位置から後退位置に向かって変位させるように構成される。
【0079】
本発明の一実施形態によれば、支承部材は、支承部材が保護位置にあるときに挿入開口部の近傍に位置し、支承部材が格納位置にあるときに挿入開口部から離れた位置に位置する。
【0080】
本発明の一実施形態によれば、前記位置決め部は、前記支承部材が前記保護位置にあるときに前記支承部材が当接する当接面を含む。したがって、突き当て面は、挿入開口部に向かって支承部材の変位移動を制限するように構成される。
【0081】
本発明の一実施形態によれば、サンプリングヘッド、例えば、位置決め部は、サンプリングヘッドがサンプリング位置を占有し、容器が収容位置に受け入れられるときに、閉鎖部材の環状シーリングリブに圧力をかけ、特に環状シーリングリブを圧縮するように構成される。
【0082】
本発明の一実施形態によれば、サンプリング装置は、通気針の上流に配置され、通気針を通って流れるように意図されたエアを濾過するように構成されたエアフィルタを含む。
【0083】
本発明の一実施形態によれば、サンプリングヘッドは、待機位置とサンプリング位置との間のサンプリングヘッドの手動変位を可能にするように、把持ハンドルのような把持部を含む。
【0084】
本発明の一実施形態によれば、サンプリング装置は、サンプリングヘッドを待機位置に向かって付勢するように構成された付勢要素を含む。
【0085】
本発明の一実施形態によれば、サンプリング装置は、本発明による少なくとも1つの容器を含む。
【0086】
本発明の一実施形態によれば、サンプリング装置は、反応性製品のためのそれぞれの容器を受け入れるように構成された収容位置を各々が含む複数の収容部を含む。
【0087】
本発明の一実施形態によれば、サンプリング装置は、複数のサンプリングヘッドを含み、各サンプリングヘッドは、それぞれの収容部の収容位置に収容された容器の内容物の少なくとも一部をサンプリングするように構成される。
【0088】
いずれにしても、本発明は、非限定的な例として、この容器のいくつかの実施形態を表わす添付の概略図を参照して、以下の説明からより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【
図1】本発明の第1実施形態による反応性製品用容器の縦断面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態によるサンプリング装置の斜視図である。
【
図5】待機位置にあるサンプリングヘッドを示す、
図4のサンプリング装置の縦断面図である。
【
図6】中間位置にあるサンプリングヘッドを示す、
図4のサンプリング装置の縦断面図である。
【
図7】サンプリング位置にあるサンプリングヘッドを示す、
図4のサンプリング装置の縦断面図である。
【
図8】サンプリング位置におけるサンプリングヘッドを示す、
図4のサンプリング装置の部分縦断面図である。
【
図9】本発明の第2実施形態による反応性製品用容器の縦断面図である。
【
図12】本発明の第2実施形態によるサンプリング装置の斜視図である。
【
図13】待機位置及びサンプリング位置にそれぞれサンプリングヘッドを示す、
図12のサンプリング装置の部分縦断面図である。
【
図14】サンプリング位置にあるサンプリングヘッドを示す、
図12のサンプリング装置の切り捨て斜視図である。
【
図15】サンプリング位置におけるサンプリングヘッドを示す、
図12のサンプリング装置の拡大スケールでの部分縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0090】
図1~
図3は、本発明の第1実施形態による、反応性生成物のための、特に液体反応性生成物のための容器2を表わす。
図1~
図3に示す容器2は、反応性生成物用のバイアル(ガラス瓶)であり、300ml未満の容量を有し、例えば、50ml又は250mlの容量を有することができる。特に、このような容器2は、試験当たりの必要量が約250μl以下である反応性生成物を収容するために使用することができる。
【0091】
容器2は、首開口部5を画定する首部4を備える容器本体3を備える。例えば、容器本体3は、プラスチック材料で形成されていてもよい。容器2はまた、好ましくは一部品で作られ、例えばエラストマーで作られる閉鎖部材6を含む。
【0092】
閉鎖部材6は、首開口部5をしっかりと密封する穿刺可能な閉鎖膜7を含む。穿刺可能な閉鎖膜7は、円盤状の一般的な形状を有し、一般的に平坦である。穿刺可能な閉鎖膜7は、容器本体3の内側に向けられた第1面7.1と、第1面7.1とは反対側の第2面7.2とを含む。本発明の第1実施形態によれば、穿刺可能な閉鎖膜7は、容器本体3の首部4にしっかりと取り付けられた周辺取付部8を含む。例えば、周辺取付部8は、首部4の瓶首が取り付けられる環状取付溝9を含むことができる。
【0093】
閉鎖部材6は、容器本体3内に配置され、穿刺可能な閉鎖膜7の第1面7.1から延在する管状取付部10をさらに備える。管状取付部10は、より詳細には、穿刺可能な閉鎖膜7の中央部分11から、容器本体3の首部4の中心軸に実質的に平行な延長軸Aに従って延在する。好ましくは、管状取付部10の延長軸Aは、首部4の中心軸と一致する。
【0094】
管状取付部10は、穿刺可能な閉鎖膜7に面する端部が穿刺可能な閉鎖膜7の中央部分11によってしっかりと封止される内部流路12を画定する。
【0095】
容器2はさらに、管状取付部10に取り付けられ、より詳細には管状取付部10によって画定される内部流路12に取り付けられた第1端部13.1と、容器本体3の底部14の近傍に延在する第2端部13.2とを備える吸引管13を含む。これにより、管状取付部10で区切られた内部流路12に吸引管13が流体的に接続される。
【0096】
容器2は、さらに、容器本体3の首部4に取り付けられ、例えば、剛性プラスチック材料で作られるキャップ15を含む。本発明の第1実施形態によれば、キャップ15は、閉鎖部材6とは別個であり、穿刺可能な閉鎖膜7を部分的に覆う。好ましくは、キャップ15は、穿刺可能な閉鎖膜7に圧力を加えるように、特に、穿刺可能な閉鎖膜7を圧縮して、穿刺可能な閉鎖膜7を容器本体3の首部4に流体密に取り付けるように構成される。
【0097】
より詳細に
図2に示すように、キャップ15は、底壁16と、底壁16から延在する横方向スカート17とを有する。横方向スカート17の内面は、容器本体3の首部4の外面に設けられた環状締結溝のような第2固定要素19とスナップ締結することによって構成された環状締結リブのような第1固定要素18を備える。好ましくは、キャップ15の底壁16は、穿刺可能な閉鎖膜7の第2面7.2に当接する。
【0098】
キャップ15は、特に、底壁16に設けられ、穿刺可能な閉鎖膜7の中央部分11に面して配置された通路開口部20を含む。好ましくは、穿刺可能な閉鎖膜7の中央部分11は、そこから管状取付部10が延在する第1膜部分11.1と、第1膜部分11.1の周りに延在する第2膜部分11.2とを含む。第1及び第2膜部分11.1,11.2は、例えば同心であってもよい。
【0099】
より詳細には、通路開口部20は、サンプリング針が第1膜部分11.1を通って管状取付部10の内部流路12内に貫通することを可能にし、かつ通気針が第2膜部分11.2を通って容器本体3の首部4及び管状取付部10によって画定される環状空間内に貫通することを可能にするように構成される。好ましくは、通路開口部20は円形であり、穿刺可能な閉鎖膜7の中央部分11によって、好ましくはしっかりと密封される。
【0100】
本発明の第1実施形態によれば、通路開口部20及び管状取付部10は、同軸に延び、穿刺可能な閉鎖膜7の中央部分11は、穿刺可能な閉鎖膜7を通るサンプリング針の挿入方向に関して、通路開口部20の下流に位置する。
【0101】
図4~
図8は、
図1~
図3に示す実施形態による複数の容器2を受け入れるように構成された、本発明の第1実施形態によるサンプリング装置21を示す。例えば、サンプリング装置21は、インビトロ診断のための分析装置を備えることができる。
【0102】
サンプリング装置21は、フレーム22と、各々がそれぞれの容器2を受け入れるように構成された収容位置24を含む複数の収容部23とを含む。各収容位置24は、好ましくは、上方に開いている。
図4~
図8に示す実施形態によれば、サンプリング装置21は、互いに隣接して配置された、いくつかの、例えば4つの収容部23を含む第1組の収容部と、互いに隣接して配置された、いくつかの、例えば4つの収容部23を含む第2組の収容部とを含む。
【0103】
各収容部23は、摺動方向D1に従ってフレーム22に対して、またローディング/アンローディング位置とも呼ばれる第1位置(
図5参照)間に摺動可能に取り付けられており、収容部23は垂直に対して傾斜しており、それぞれの収容位置24にそれぞれの容器2を挿入することができる。また、収容位置とも呼ばれる第2位置(
図7参照)は、収容部23が垂直に延び、それぞれの容器2を所定の位置に保持する。好ましくは、各収容部23の摺動方向D1は、実質的に直線である。各収容部23は、例えば、ガイドロッドのような案内要素25を含んでいてもよく、ガイドロッドは、フレーム22上に設けられたそれぞれのガイドスロット26内に摺動可能に取り付けられ、摺動方向D1に従って延びている。
【0104】
サンプリング装置21は、さらに、それぞれの収容部23に関連する複数のサンプリングヘッド27を含み、それぞれは、それぞれの収容位置24に収容されたそれぞれの容器2の内容物の少なくとも一部をサンプリングするように構成される。好ましくは、各サンプリングヘッド27は、それぞれの収容部23の上方に配置される。
【0105】
各サンプリングヘッド27は、サンプリング針28と通気針29とを含む。各サンプリングヘッド27は、より詳細には、揺動軸Bを中心とし、各収容部23が第1位置にあり、サンプリングヘッド27がそれぞれの収容位置24に受け入れられた容器2のキャップ15から距離を置いた待機位置(
図5参照)と、各収容部23が第2位置にあり、前記サンプリングヘッド27のサンプリング針28及び通気針29がそれぞれの収容位置24に受け入れられた容器2の穿刺可能な閉鎖膜7を通って延在するように構成されたサンプリング位置(
図7参照)との間で、フレーム22に対して揺動可能に取り付けられている。好ましくは、各収容部23の摺動方向D1は、それぞれのサンプリングヘッド27の揺動軸Bに対して横方向に、例えば略垂直に延在する。
【0106】
各サンプリングヘッド27のサンプリング針28は、より具体的には、それぞれの容器2の穿刺可能な閉鎖膜7を穿刺し、サンプリングヘッド27がサンプリング位置にあるときにそれぞれの容器2の管状取付部10の内部流路12内に延在するように構成され、各サンプリングヘッド27の通気針29は、より具体的には、それぞれの容器2の穿刺可能な閉鎖膜7を穿刺し、サンプリングヘッド27がサンプリング位置にあるときにそれぞれの容器2の容器本体3内に出るように構成される。好ましくは、各サンプリングヘッド27のサンプリング針28はまた、それぞれのサンプリングヘッド27がサンプリング位置にあるときに、それぞれの容器2の吸引管13の第1端部13.1内に部分的に延在するように構成され、各サンプリングヘッド27の通気針29は、それぞれのサンプリングヘッド27がサンプリング位置にあるときに、それぞれの容器2の首部4及び管状取付部10によって画定される環状空間内に部分的に延在するように構成される。
【0107】
図4~
図8に示される実施形態によれば、各サンプリングヘッド27は、第1位置から第2位置に向かうそれぞれの収容部23の変位が自動的にかつ機械的にサンプリングヘッド27の待機位置からサンプリング位置に向かう変位を引き起こし、第2位置から第1位置に向かうそれぞれの収容部23の変位が自動的にかつ機械的にサンプリングヘッド27のサンプリング位置から待機位置に向かう変位を引き起こすように、それぞれの収容部23に機械的に接続される。サンプリング装置21のこのような構成は、サンプリング装置21の操作を簡略化しつつ、サンプリング装置21の使用者が行う手動操作を大幅に簡略化することを可能にする。これらの配置は、使用者のための大きな人間工学及びサンプリング装置21のための大きな信頼性を保証する。
【0108】
好ましくは、各収容部23は、それぞれのサンプリングヘッド27の揺動軸Bに対して横方向に、好ましくは実質的に垂直に延在する変位方向D2に、それぞれのサンプリングヘッド27に摺動可能に取り付けられている。
【0109】
したがって、容器2を収容部23の収容位置24に位置決めした後、使用者による収容部23の第1位置から第2位置に向かう単純な変位は、それぞれのサンプリングヘッド27を待機位置からサンプリング位置に向かって自動的に変位させ、したがって、それぞれのサンプリング針28及び通気針29による容器2の穿刺可能な閉鎖膜7の穿刺を引き起こす。
【0110】
好ましくは、各サンプリングヘッド27は、それぞれの収容位置24に収容された容器2のキャップ15を覆い、より詳細には覆ってキャップ15と協働して、キャップ15をそれぞれのサンプリング針28及びそれぞれの通気針29に対して所定の位置に位置決めするように構成された位置決め部31を含む。各位置決め部31は、より具体的には、それぞれのサンプリングヘッド27がサンプリング位置にあるときに、それぞれのサンプリング針28をそれぞれの収容位置24に受け入れられた容器2の管状取付部10に位置合わせするように構成される。
【0111】
図4~
図8に示す実施形態によれば、各位置決め部31は、底部32と、下向きに開いた収容ハウジング34を画定する側壁33とを含む。各サンプリングヘッド27のサンプリング針28及び通気針29は、それぞれの位置決め部31の底部32を貫通して延在し、それぞれの収容ハウジング34内に突出する。
【0112】
好ましくは、各位置決め部31の側壁33は、それぞれのサンプリングヘッド27がサンプリング位置にあるときに、それぞれの収容部23に受け入れられた容器2のキャップ15の横方向スカート17と協働するように構成され、各収容ハウジング34は、それぞれのサンプリングヘッドがサンプリング位置にあるときに、それぞれの収容部23に受け入れられた容器2のキャップ15を少なくとも部分的に収容するように構成される。
【0113】
より具体的には、各位置決め部31は、それぞれの容器2のキャップ15をそれぞれの収容ハウジング34内に挿入することができる挿入開口部35を含む。好ましくは、各挿入開口部35は、それぞれの位置決め部31の底部32に向かって収束する切頭円錐面によって少なくとも部分的に内部で区切られている。各位置決め部31の、このような構成は、それぞれのサンプリング針28及び通気針29に対するそれぞれの容器2のキャップ15のセンタリングを確実にすることを可能にする。
【0114】
各サンプリングヘッド27は、サンプリングヘッド27が待機位置に向かって変位するときに、それぞれの容器2のキャップ15をそれぞれの収容ハウジング34の外側に付勢するように構成された付勢装置36も含む。好ましくは、各付勢装置36は、各カバー部31の収容ハウジング34内に配置される。
【0115】
図4~
図8に表わされる実施形態によれば、各付勢装置36は、それぞれの収容ハウジング34に、それぞれのサンプリング針28、通気針29が支承部材37からセットバックされる保護位置と、それぞれのサンプリング針28、通気針29が支承部材37から突出する後退位置との間に摺動可能に取り付けられた支承部材37と、支承部材37を保護位置に向かって付勢するように構成されたコイルばねのような付勢要素38とを含む。好ましくは、各支承部材37は、収容部23が第1位置から第2位置に向かって変位されるときに、それぞれの収容部23に収容される容器2のキャップ15に当接するように構成され、各支承部材37は、それぞれの収容部23が第1位置から第2位置に向かって変位されるときに、キャップ15によって保護位置から後退位置に向かって変位されるように構成される。
【0116】
各サンプリングヘッド27がそのような付勢装置36を備えているという事実は、ユーザが別のサンプリングヘッド27のサンプリング針28及び通気針29と接触する危険性、したがってユーザの負傷の危険性を回避することを可能にする。
【0117】
図4~
図8に表わす実施形態によれば、各支承部材37は、支承部材37が保護位置にある場合にはそれぞれの挿入開口部35の近傍に位置し、支承部材37が後退位置にある場合にはそれぞれの挿入開口部35から離れた位置に位置する。好ましくは、各位置決め部31は、前記支承部材37が保護位置にあるときに、それぞれの支承部材37が当接する当接面39を含む。
【0118】
サンプリング装置21は、各のサンプリングヘッド27に各関連した複数のエアフィルタ41をさらに含む。各エアフィルタ41は、それぞれのサンプリングヘッド27の通気針29の上流に配置され、それぞれのサンプリング針28を使用して内容物の一部をサンプリングする間に、それぞれの容器2の内容物の汚染を回避するように、それぞれの通気針29を通って流れるように意図されたエアを濾過するように構成される。好ましくは、各エアフィルタ41は、エア流導管42によってそれぞれの通気針29に流体接続されている。
【0119】
図9~
図11は、本質的に、キャップ15及び閉鎖部材6がオーバーモールドによって作られ、穿刺可能な閉鎖膜7の中央部分が、穿刺可能な閉鎖膜7を通るサンプリング針の挿入方向に関して通路開口部20の上流に位置するという点で、
図1~
図3に示される第1実施形態とは異なる、本発明の第2実施形態による反応性製品のための容器2を示す。
【0120】
さらに、容器2のこの第2実施形態によれば、キャップ15は、容器本体3の首部4に取り外し可能に取り付けられ、第1固定要素18は、横方向スカート17の内面に設けられた雌ねじを含み、第2固定要素19は、容器本体3の首部4の外面に設けられ、横方向スカート17に設けられた雌ねじと螺合することによって協働するように構成された雄ネジを含む。
【0121】
さらに、容器2のこの第2実施形態によれば、穿刺可能な閉鎖膜7は、通路開口部20をしっかりと覆い、閉鎖部材6は、穿刺可能な閉鎖膜7の第2面7.2上に延在する環状封止リブ43を含む。好ましくは、環状封止リブ43及び管状取付部10は、実質的に同軸に延在する。
【0122】
図9~
図11に示される容器2は、反応性生成物のためのキャニスタであり、2Lよりも大きい容量を有し、例えば、約9Lの容量を有してもよい。特に、このような容器2は、1試験当たりの必要量が約20mlである反応性生成物を収容するために使用することができる。例えば、このような容器2は、希釈溶液又は洗浄溶液を含み得る。
【0123】
図12~
図15は、
図9~
図11に示す実施形態による複数の容器2を受け入れるように構成された本発明の第2実施形態によるサンプリング装置21を示しており、
図4~
図8に示すサンプリング装置21とは本質的に異なり、各収容部23がフレーム22に対して固定されており、各サンプリングヘッド27の各位置決め部31は、各サンプリングヘッド27がサンプリング位置にあるときに、それぞれの収容部23に受け入れられた容器2の閉鎖部材の環状封止リブ43に圧力を加えるように構成されている。
【0124】
好ましくは、サンプリング装置21の第2実施形態の各サンプリングヘッド27は、待機位置とサンプリング位置との間のサンプリングヘッド27の手動変位を可能にするように、把持ハンドル44を含み、各エアフィルタ41はそれぞれのサンプリングヘッド27に収容される。
【0125】
本発明の変形例によれば、
図12~
図15に示されたサンプリング装置21に収容された1つ以上の容器2は、使用済みの容器2、すなわち、その内容物が予め空にされており、使用済みの洗浄溶液又は任意の他の液体廃棄物を収容することが意図されている。本発明による各容器上の穿刺可能な閉鎖膜の存在のために、このような容器は、輸送可能な廃棄物容器に安全に変換され得る。実際に、このような容器の穿刺可能な閉鎖膜は、サンプリング針及び通気針によって以前に穿刺されているが、穿刺可能な閉鎖膜の固有の特性は、特に穿刺可能な閉鎖膜がいわゆる自己回復エラストマーで作られている場合に、穿刺可能な閉鎖膜が十分に緊密な方法で「閉鎖」することを可能にする。
図12~
図15に示される実施形態によれば、容器2のうちの2つは試薬を含み、容器2のうちの2つは使用済み容器である。
【0126】
言うまでもなく、本発明は、例として上述したこの容器2及びこのサンプリング装置21の実施形態のみに限定されず、むしろ、本発明は、その全ての変形形態を包含する。