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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】光電変換装置及び撮像システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/773 20230101AFI20241015BHJP
   H04N 25/47 20230101ALI20241015BHJP
   H04N 25/707 20230101ALI20241015BHJP
   H04N 25/76 20230101ALI20241015BHJP
【FI】
H04N25/773
H04N25/47
H04N25/707
H04N25/76
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023066205
(22)【出願日】2023-04-14
(62)【分割の表示】P 2021038388の分割
【原出願日】2018-11-21
(65)【公開番号】P2023080296
(43)【公開日】2023-06-08
【審査請求日】2023-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100136799
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 亜希
(72)【発明者】
【氏名】大田 康晴
(72)【発明者】
【氏名】黒田 享裕
【審査官】三沢 岳志
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-182051(JP,A)
【文献】特開2018-157387(JP,A)
【文献】特表2018-506875(JP,A)
【文献】国際公開第2018/181979(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0131143(US,A1)
【文献】特表2009-508102(JP,A)
【文献】特開2012-060012(JP,A)
【文献】特開2018-179974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 25/773
H04N 25/47
H04N 25/707
H04N 25/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アバランシェ増幅型のフォトダイオードと、
前記フォトダイオードのカソード端子及びアノード端子のうちの一方の端子と電源ノードとの間に接続された第1トランジスタを有し、前記フォトダイオードへの光子の入射により生じた出力に基づく光子検出パルスを生成する信号生成部と、
前記信号生成部から出力される前記光子検出パルスをカウントするカウンタと、を有し、
前記カウンタと前記第1トランジスタを制御する制御部とが接続されており、
前記カウンタは、前記光子検出パルスのカウント値が所定の設定値に到達した場合に、設定値検出信号を前記制御部に出力し、
前記制御部は、前記設定値検出信号を受信した場合に、前記第1トランジスタをオフにする
ことを特徴とする光電変換装置。
【請求項2】
アバランシェ増幅型のフォトダイオードと、
前記フォトダイオードのカソード端子と電源ノードとの間に接続された第1トランジスタと、前記電源ノードと前記フォトダイオードとの間に前記第1トランジスタに直列に接続させて設けられた第2トランジスタとを有し、前記フォトダイオードへの光子の入射により生じた出力に基づく光子検出パルスを生成する信号生成部と、
前記信号生成部から出力される前記光子検出パルスをカウントするカウンタと、を有し、
前記第2トランジスタは前記フォトダイオードへの光子の入射による前記カソード端子の電圧の変化に応じて制御され、
前記カウンタと前記第1トランジスタを制御する制御部とが接続されており、
前記カウンタは、前記光子検出パルスのカウント値が所定の設定値に到達した場合に、設定値検出信号を前記制御部に出力する
ことを特徴とする光電変換装置。
【請求項3】
アバランシェ増幅型のフォトダイオードと、
波形成形部と、前記フォトダイオードの複数の端子のうち前記波形成形部に接続された端子と電源ノードとの間に接続された第1トランジスタとを有し、前記フォトダイオードへの光子の入射により生じた出力に基づく光子検出パルスを生成する信号生成部と、
前記信号生成部から出力される前記光子検出パルスをカウントするカウンタと、を有し、
前記カウンタと前記第1トランジスタを制御する制御部とが接続されており、
前記カウンタは、前記光子検出パルスのカウント値が所定の設定値に到達した場合に、設定値検出信号を前記制御部に出力し、
前記制御部は、前記設定値検出信号を受信した場合に、前記第1トランジスタをオフにする
ことを特徴とする光電変換装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記電源ノードと前記波形成形部に接続された前記端子との間に、前記第1トランジスタに直列に接続させて設けられ、前記フォトダイオードへの光子の入射による前記端子の電圧の変化に応じて制御される第2トランジスタを更に有する
ことを特徴とする請求項3記載の光電変換装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記設定値検出信号を受信した場合に、前記フォトダイオードでのアバランシェ電流の発生を停止するように、前記第1トランジスタを用いて前記フォトダイオードに印加する電圧を制御する
ことを特徴とする請求項記載の光電変換装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記設定値検出信号を受信した場合に、前記第1トランジスタをオフにして前記電源ノードから前記フォトダイオードへの電圧の印加を停止する
ことを特徴とする請求項2又は5記載の光電変換装置。
【請求項7】
前記第1トランジスタは、前記設定値検出信号に応じて制御されるMOSトランジスタである
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光電変換装置。
【請求項8】
前記電源ノードから前記フォトダイオードへ印加する電圧は、前記フォトダイオードの前記カソード端子の側に供給される
ことを特徴とする請求項1又は2記載の光電変換装置。
【請求項9】
前記フォトダイオードと、前記信号生成部と、前記カウンタと、を各々が含む複数の画素が複数の行及び複数のに渡って配された画素領域を有する
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光電変換装置。
【請求項10】
前記第1トランジスタは、前記フォトダイオードのクエンチ回路として機能する
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光電変換装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光電変換装置と、
前記光電変換装置から出力される信号を処理する信号処理部と
を有することを特徴とする撮像システム。
【請求項12】
移動体であって、
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光電変換装置と、
前記光電変換装置からの信号に基づいて対象物までの距離情報を取得する距離情報取得手段と、
前記距離情報に基づいて前記移動体を制御する制御手段と
を有することを特徴とする移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換装置及び撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
受光部に入射する光子の数をデジタル的に計数し、その計数値をデジタル信号として画素から出力するフォトンカウント型の光電変換装置が知られている。特許文献1には、フォトンの計数値をデジタル信号として出力する画素を複数配列してなる撮像装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2011/0266420号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フォトンカウント型の光電変換装置においては、受光部に入射する光子の数が多い程、光子を検出するために必要な回路動作の回数は増加する。その一方で、カウントできる光子数は、搭載されるカウンタのカウント上限値に制限される。そのため、所定の露光期間が終了する前にカウント上限値に到達した画素においては、当該露光期間の終了までカウントされることのない光子を検出するための動作が行われることとなり、無駄な電力が消費されてしまう。また、光子検出動作の頻度が増えると、電源配線に流れる電流が増大することで配線抵抗に応じた電源電圧降下が発生し、回路動作が不安定になる虞がある。
【0005】
本発明の目的は、消費電力の低減と回路動作の安定性の向上を実現しうる光電変換装置及び撮像システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一観点によれば、アバランシェ増幅型のフォトダイオードと、前記フォトダイオードのカソード端子及びアノード端子のうちの一方の端子と電源ノードとの間に接続された第1トランジスタを有し、前記フォトダイオードへの光子の入射により生じた出力に基づく光子検出パルスを生成する信号生成部と、前記信号生成部から出力される前記光子検出パルスをカウントするカウンタと、を有し、前記カウンタと前記第1トランジスタを制御する制御部とが接続されており、前記カウンタは、前記光子検出パルスのカウント値が所定の設定値に到達した場合に、設定値検出信号を前記制御部に出力し、前記制御部は、前記設定値検出信号を受信した場合に、前記第1トランジスタをオフにする光電変換装置が提供される。
また、本発明の他の一観点によれば、アバランシェ増幅型のフォトダイオードと、前記フォトダイオードのカソード端子と電源ノードとの間に接続された第1トランジスタと、前記電源ノードと前記フォトダイオードとの間に前記第1トランジスタに直列に接続させて設けられた第2トランジスタとを有し、前記フォトダイオードへの光子の入射により生じた出力に基づく光子検出パルスを生成する信号生成部と、前記信号生成部から出力される前記光子検出パルスをカウントするカウンタと、を有し、前記第2トランジスタは前記フォトダイオードへの光子の入射による前記カソード端子の電圧の変化に応じて制御され、前記カウンタと前記第1トランジスタを制御する制御部とが接続されており、前記カウンタは、前記光子検出パルスのカウント値が所定の設定値に到達した場合に、設定値検出信号を前記制御部に出力する光電変換装置が提供される。
また、本発明の更に他の一観点によれば、 アバランシェ増幅型のフォトダイオードと、波形成形部と、前記フォトダイオードの複数の端子のうち前記波形成形部に接続された端子と電源ノードとの間に接続された第1トランジスタとを有し、前記フォトダイオードへの光子の入射により生じた出力に基づく光子検出パルスを生成する信号生成部と、前記信号生成部から出力される前記光子検出パルスをカウントするカウンタと、を有し、前記カウンタと前記第1トランジスタを制御する制御部とが接続されており、前記カウンタは、前記光子検出パルスのカウント値が所定の設定値に到達した場合に、設定値検出信号を前記制御部に出力し、前記制御部は、前記設定値検出信号を受信した場合に、前記第1トランジスタをオフにする光電変換装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、光電変換装置における消費電力の低減と回路動作の安定性の向上とを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態による光電変換装置の概略構成を示すブロック図である。
図2】本発明の第1実施形態による光電変換装置における画素の概略構成を説明する図である。
図3】本発明の第1実施形態による光電変換装置における画素の構成例を示す回路図である。
図4】本発明の第2実施形態による光電変換装置における画素の構成例を示す回路図である。
図5】本発明の第3実施形態による光電変換装置における画素の構成例を示す回路図である。
図6】本発明の第3実施形態による光電変換装置の動作を示すタイミング図である。
図7】本発明の第3実施形態による光電変換装置の駆動方法を示すフローチャートである。
図8】本発明の第4実施形態による光電変換装置における画素の概略構成を説明する図である。
図9】本発明の第4実施形態による光電変換装置における画素の構成例を示す回路図である。
図10】本発明の第4実施形態による光電変換装置の動作を示すタイミング図である。
図11】本発明の第5実施形態による光電変換装置における画素の概略構成を説明する図である。
図12】本発明の第5実施形態による光電変換装置における画素の構成例を示す回路図である。
図13】本発明の第6実施形態による撮像システムの概略構成を示すブロック図である。
図14】本発明の第7実施形態による撮像システム及び移動体の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による光電変換装置及びその駆動方法について、図1乃至図3を用いて説明する。
【0010】
図1は、本実施形態による光電変換装置の概略構成を示すブロック図である。図2は、本実施形態による光電変換装置の画素の概略構成を示すブロック図である。図3は、本実施形態による光電変換装置における画素の構成例を示す回路図である。
【0011】
本実施形態による光電変換装置100は、図1に示すように、画素領域10と、垂直選択回路30と、信号処理回路40と、水平選択回路50と、出力回路60と、制御回路70と、を含む。
【0012】
画素領域10には、複数行及び列方向に渡ってマトリクス状に配された複数の画素Pが設けられている。図1には、第0行から第5行までの6行と、第0列から第5列までの6列に配された36個の画素Pを、行番号及び列番号を示す符号とともに示している。例えば、第1行、第4列に配された画素Pには、「P14」の符号を付している。
【0013】
なお、画素領域10を構成する画素アレイの行数及び列数は、特に限定されるものではない。また、画素領域10には、必ずしも画素Pが2次元状に配されている必要はない。例えば、画素領域10は1つの画素Pにより構成されていてもよいし、画素領域10に画素Pが行方向又は列方向に1次元状に配されていてもよい。
【0014】
画素領域10の画素アレイの各行には、第1の方向(図1において横方向)に延在して、制御線PVSELが配されている。制御線PVSELは、第1の方向に並ぶ画素Pにそれぞれ接続され、これら画素Pに共通の信号線をなしている。制御線PVSELの延在する第1の方向は、行方向或いは水平方向と表記することがある。なお、図1には、制御線PVSELを、行番号を示す符号とともに表している。例えば、第1行の制御線には、「PVSEL[1]」の符号を付している。
【0015】
各行の制御線PVSELは、垂直選択回路30に接続されている。垂直選択回路30は、画素P内の信号生成回路(図示せず)を駆動するための制御信号を、制御線PVSELを介して画素Pに供給する回路部である。
【0016】
画素領域10の画素アレイの各列には、第1の方向と交差する第2の方向(図1において縦方向)に延在して、出力線POUTが配されている。出力線POUTは、第2の方向に並ぶ画素Pにそれぞれ接続され、これら画素Pに共通の信号線をなしている。出力線POUTの延在する第2の方向は、列方向或いは垂直方向と表記することがある。なお、図1には、出力線POUTを、列番号を示す符号とともに表している。例えば、第4列の出力線には、「POUT4」の符号を付している。出力線POUTの各々は、nビットのデジタル信号を出力するためのn本の信号線を備えている。
【0017】
出力線POUTは、信号処理回路40に接続されている。信号処理回路40は、画素領域10の画素アレイの各列に対応してそれぞれ設けられており、対応する列の出力線POUTに接続されている。信号処理回路40は、対応する列の出力線POUTを介して画素Pから出力される信号を保持する機能を備える。画素Pから出力される信号は、出力線POUTのn本の信号線を介して入力されるnビットの信号であるため、信号処理回路40の各々は各ビットの信号を保持するため少なくともn個の保持部を有する。
【0018】
水平選択回路50は、信号処理回路40から信号を読み出すための制御信号を信号処理回路40に供給する回路部である。水平選択回路50は、各列の信号処理回路40に、制御線PHSELを介して制御信号を供給する。水平選択回路50から制御信号を受信した信号処理回路40は、保持部に保持している信号を、水平出力線HSIGを介して出力回路60へと出力する。なお、図1には、制御線PHSELを、列番号を示す符号とともに表している。例えば、第4列の制御線には、「PHSEL[4]」の符号を付している。水平出力線HSIGは、nビットのデジタル信号を出力するためのn本の信号線を備えている。
【0019】
出力回路60は、水平出力線HSIGを介して供給された信号を、出力信号SOUTとして光電変換装置100の外部へ出力するための回路部である。制御回路70は、垂直選択回路30、信号処理回路40、水平選択回路50、出力回路60の動作やそのタイミングを制御する制御信号を供給するための回路部である。なお、垂直選択回路30、信号処理回路40、水平選択回路50、出力回路60の動作やそのタイミングを制御する制御信号の少なくとも一部は、光電変換装置100の外部から供給してもよい。
【0020】
各々の画素Pは、図2に示すように、アバランシェ増幅型のフォトダイオードPDと、信号生成回路12と、カウンタ28と、を有する。信号生成回路12は、カソード電圧制御回路14と、制御回路16と、を有する。なお、本明細書では、信号生成回路12を信号生成部、カソード電圧制御回路14をカソード電圧制御部と表記することがある。
【0021】
フォトダイオードPDのアノード端子は、電圧Vaの電源ノードに接続されている。電圧Vaは、典型的には負の高電圧である。フォトダイオードPDのカソード端子は、カソード電圧制御回路14に接続されている。カソード電圧制御回路14は、制御回路16に接続されている。制御回路16は、カウンタ28に接続されている。
【0022】
フォトダイオードPDは、アノード端子とカソード端子との間に印加される逆バイアス電圧がブレイクダウン電圧Vbd以上であるとき、光子の入射を受けてアバランシェ電流を発生する。フォトダイオードPDにアバランシェ電流が流れることにより、フォトダイオードPDのカソード端子の電圧が変化する。カソード端子の電圧の変化はカソード電圧制御回路14を介して制御回路16に伝わり、制御回路16からカウンタ28へと光子検出パルスが出力される。信号生成回路12は、フォトダイオードPDへの印加電圧を制御し、フォトダイオードへの光子の入射により生じた出力に基づく光子検出パルスを生成する機能を備える。
【0023】
カウンタ28は、制御回路16から入力される光子検出パルスを計数する。カウンタ28は、光子検出パルスのカウント値が任意の設定値Nに達した場合には、設定値検出信号を制御回路16へと出力する。設定値Nは、特に限定されるものではないが、例えばカウンタ28のカウント上限値に設定することができる。また、カウンタ28は、垂直選択回路30からの制御信号に応じて、保持するカウント値をnビットのデジタル信号として出力線POUTに出力する。
【0024】
制御回路16は、カウンタ28から受信する設定値検出信号に応じてカソード電圧制御回路14を制御する機能を備える。すなわち、制御回路16は、カウンタ28からの設定値検出信号の受信に応じてカソード電圧制御回路14を制御し、フォトダイオードPDのアノード端子とカソード端子との間に印加する逆バイアス電圧をブレイクダウン電圧Vbd未満の電圧に下げる。すなわち、カソード電圧制御回路14は、フォトダイオードPDへの印加電圧、より具体的には、フォトダイオードPDのカソード端子への印加電圧を制御する制御部として機能する。これによりフォトダイオードPDは、光子が入射してもアバランシェ電流が発生しない状態となる。
【0025】
図3に、カソード電圧制御回路14及び制御回路16の具体的な構成例を含む画素Pの概略図を示す。図3に示すように、カソード電圧制御回路14は、P型MOSトランジスタMP1により構成されうる。また、制御回路16は、インバータ回路INVと、バッファ回路18と、により構成されうる。
【0026】
インバータ回路INVの入力端子は、フォトダイオードPDのカソード端子に接続されている。インバータ回路INVの出力端子は、カウンタ28に接続されている。バッファ回路18の入力端子は、カウンタ28に接続されている。バッファ回路18の出力端子は、P型MOSトランジスタMP1のゲート端子に接続されている。P型MOSトランジスタMP1のソース端子は、電圧Vddの電源ノードに接続されている。P型MOSトランジスタMP1のドレイン端子は、フォトダイオードPDのカソード端子とインバータ回路INVの入力端子との接続ノードに接続されている。
【0027】
インバータ回路INVは、フォトダイオードPDのカソード端子の電圧変化をパルス信号に変換し、光子検出パルスPpを出力する波形成形部を構成する。バッファ回路18は、カウンタ28から出力される設定値検出信号PctlがHighレベル(Hレベル)のときに電圧Vddを出力し、設定値検出信号PctlがLowレベル(Lレベル)のときに電圧Vqncを出力する。電圧Vqncは、バッファ回路18にLレベル側の基準電圧として与えられる電圧であり、電圧Vddよりも低い電圧である。電圧Vqncは、P型MOSトランジスタMP1のゲートに与えたときにP型MOSトランジスタMP1が所望のクエンチング抵抗として機能するように適宜設定される。
【0028】
このように、カソード電圧制御回路14は、P型MOSトランジスタMP1のドレイン端子をフォトダイオードPDのカソード端子に接続するように構成されている。P型MOSトランジスタMP1の動作時のゲート電圧は固定電圧であるため、P型MOSトランジスタMP1により構成されるクエンチ回路は受動型(パッシブ型)、すなわちパッシブリチャージ・パッシブクエンチ型である。
【0029】
ここで、リチャージとは、フォトダイオードPDの逆バイアス電圧をブレイクダウン電圧Vbd以上に増大して、アバランシェ増幅を可能にする動作である。また、クエンチとは、フォトダイオードPDの逆バイアス電圧をブレイクダウン電圧Vbd未満に減少して、アバランシェ増幅が発生しないようにする動作である。
【0030】
カウント値が0にリセットされた初期状態において、カウンタ28から出力される設定値検出信号PctlはLレベルである。そのため、カソード電圧制御回路14のP型MOSトランジスタMP1のゲートには電圧Vqncが印加され、P型MOSトランジスタMP1はオン状態になる。
【0031】
これにより、フォトダイオードPDのカソード端子はP型MOSトランジスタMP1を介して電圧Vddまで充電される。このときにフォトダイオードPDの両端子間に加わる逆バイアス電圧の大きさは、以下のように表される。ここで、電圧Vex(エクセスバイアス)は、フォトダイオードPDに印加される逆バイアス電圧値のうち、ブレイクダウン電圧Vbdを超過した分の電圧値を指す。
|Va-Vdd|=Vbd+Vex
【0032】
この状態でフォトダイオードPDに光子が入射すると、フォトダイオードPDにアバランシェ電流が発生し、フォトダイオードPDのカソード端子の電圧が(Vdd-Vex)まで低下する。その後、フォトダイオードPDのカソード端子がP型MOSトランジスタMP1を介して再び電圧Vddまで充電される。このカソード端子の電圧変化を制御回路16のインバータ回路INVで波形整形することにより、光子検出パルスPpが生成される。
【0033】
カウンタ28は、制御回路16から入力される光子検出パルスPpを計数する。すなわち、カウンタ28は、1つの光子検出パルスPpを受信する毎に、カウント値を1ずつ増加する。カウンタ28は、カウント値が任意の設定値Nに到達すると、設定値検出信号PctlをLレベルからHレベルに遷移する。
【0034】
設定値検出信号PctlがHレベルになると、制御回路16のバッファ回路18の出力は電圧Vddとなり、カソード電圧制御回路14のP型MOSトランジスタMP1はオフ状態となる。
【0035】
これにより、カウント値が設定値Nに到達した後は、フォトダイオードPDに光子が入射してアバランシェ電流が流れてもその後にカソード端子は充電されず、フォトダイオードPDの両端子間に加わる電圧はブレイクダウン電圧Vbd未満となる。このとき、P型MOSトランジスタMP1のオフ抵抗は十分に大きく、少なくともカウント値をリセットする動作までの間、フォトダイオードPDの両端子間に加わる電圧をブレイクダウン電圧Vbd未満に保つことができる。
【0036】
フォトダイオードPDの両端子間に加わる電圧がブレイクダウン電圧Vbd未満であれば、フォトダイオードPDに光子が入射してもアバランシェ電流は発生しないため、カソード電圧制御回路14、制御回路16、カウンタ28の回路動作は停止する。したがって、カウント値がリセットされるまでの間、消費電力を削減することができる。また、消費電流を低減することができるため、電圧Vddや電圧Vaを供給する電源配線の配線抵抗による電源電圧降下は小さくなり、回路動作の安定性を向上することができる。
【0037】
このように、本実施形態によれば、光電変換装置における消費電力の低減と回路動作の安定性の向上とを実現することができる。
【0038】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による光電変換装置について、図4を用いて説明する。第1実施形態による光電変換装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図4は、本実施形態による光電変換装置における画素の構成例を示す回路図である。
【0039】
本実施形態による光電変換装置は、制御回路16の構成が異なるほかは、第1実施形態による光電変換装置と同様である。すなわち、本実施形態による光電変換装置の制御回路16は、例えば図4に示すように、インバータ回路INV1,INV2,INV3と、ORゲート回路G1と、により構成されうる。
【0040】
インバータ回路INV1の入力端子は、フォトダイオードPDのカソード端子とP型MOSトランジスタMP1のドレイン端子との接続ノードに接続されている。インバータ回路INV1の出力端子は、インバータ回路INV2の入力端子に接続されている。インバータ回路INV2の出力端子は、インバータ回路INV3の入力端子に接続されている。インバータ回路INV3の出力端子は、カウンタ回路28に接続されている。ORゲート回路G1の2つの入力端子は、インバータ回路INV2とインバータ回路INV3との間の接続ノードと、カウンタ回路28と、に接続されている。ORゲート回路G1の出力端子は、P型MOSトランジスタMP1のゲートに接続されている。
【0041】
インバータ回路INV1,INV2,INV3は、フォトダイオードPDのカソード端子の電圧変化をパルス信号に変換し、光子検出パルスPpを出力する波形成形部を構成する。ORゲート回路G1は、カウンタ28から出力される設定値検出信号Pctl及びインバータ回路INV2の出力信号の双方がLレベルのときに電圧Vqncを出力し、それ以外のときに電圧Vddを出力する。電圧Vqncは、ORゲート回路G1にLレベル側の基準電圧として与えられる電圧であり、電圧Vddよりも低い電圧である。電圧Vqncは、P型MOSトランジスタMP1のゲートに与えたときにP型MOSトランジスタMP1が所望のクエンチング抵抗として機能するように適宜設定される。
【0042】
本実施形態の制御回路16においては、カソード電圧制御回路14のP型MOSトランジスタMP1のゲート電圧を、カソード端子の電圧の変化に応じてアクティブに制御できるように構成している。すなわち、本実施形態の回路は、アクティブリチャージ・パッシブクエンチ型である。本実施形態では、カソード電圧制御回路14のP型MOSトランジスタMP1のオン抵抗を第1実施形態の場合よりも下げることで、リチャージをアクティブに早めることが可能となる。
【0043】
本実施形態においても、カウンタ28のカウント値が任意の設定値Nに到達すると、設定値検出信号PctlがHレベルとなり、フォトダイオードPDのカソード端子を充電しなくなる。これにより、フォトダイオードPDの両端に加わる電圧はブレイクダウン電圧Vbd未満となり、光子が入射しても回路動作を停止したままにすることができる。
【0044】
このように、本実施形態によれば、光電変換装置における消費電力の低減と回路動作の安定性の向上とを実現することができる。
【0045】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による光電変換装置について、図5乃至図7を用いて説明する。第1及び第2実施形態による光電変換装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図5は、本実施形態による光電変換装置における画素の構成例を示す回路図である。図6は、本実施形態による光電変換装置の動作を示すタイミング図である。図7は、本実施形態による光電変換装置の駆動方法を示すフローチャートである。
【0046】
本実施形態による光電変換装置は、カソード電圧制御回路14及び制御回路16の構成が、第1及び第2実施形態による光電変換装置とは異なっている。その他の点については、第1及び第2実施形態による光電変換装置と同様である。
【0047】
すなわち、本実施形態による光電変換装置におけるカソード電圧制御回路14は、例えば図5に示すように、P型MOSトランジスタMP1と、N型MOSトランジスタMN1と、により構成されうる。フォトダイオードPDのカソード端子には、P型MOSトランジスタMP1のドレイン端子と、N型MOSトランジスタMN1のドレイン端子と、が接続されている。P型MOSトランジスタMP1のソース端子は、電圧Vddの電源ノードに接続されている。N型MOSトランジスタMN1のソース端子は、電圧Vssの基準電圧ノードに接続されている。
【0048】
また、本実施形態による光電変換装置における制御回路16は、例えば図5に示すように、タイミング制御回路20,22と、ORゲート回路G1,G3と、ANDゲート回路G2と、により構成されうる。フォトダイオードPDのカソード端子、P型MOSトランジスタMP1のドレイン端子及びN型MOSトランジスタMN1のドレイン端子の接続ノードは、タイミング制御回路20,22を介して、カウンタ28に接続されている。ORゲート回路G1の2つの入力端子は、タイミング制御回路22と、カウンタ28と、に接続されている。ORゲート回路G1の出力端子は、P型MOSトランジスタMP1のゲートに接続されている。ANDゲート回路G2の2つの入力端子は、タイミング制御回路20と、タイミング制御回路22と、に接続されている。ORゲート回路G3の2つの入力端子は、ANDゲート回路G2の出力端子と、カウンタ28と、に接続されている。ORゲート回路G3の出力端子は、N型MOSトランジスタMN1のゲートに接続されている。
【0049】
タイミング制御回路20,22は、フォトダイオードPDのカソード端子の電圧Vcの変化に応じて、カソード電圧制御回路14におけるリチャージ動作やクエンチ動作のタイミングを制御するための回路である。例えば、タイミング制御回路20,22は、インバータ回路を複数段直列に接続してなる遅延回路や、各種デバイスの抵抗値や容量値を利用した遅延回路等により構成することができる。なお、タイミング制御回路20,22は全体として、フォトダイオードPDのカソード端子の電圧Vcの変化をパルス信号に変換し、光子検出パルスPpとして出力する波形成形部としての機能も備える。本明細書では、タイミング制御回路20,22をタイミング制御部と表記することがある。
【0050】
ORゲート回路G1は、タイミング制御回路22の出力である制御信号Pr′と設定値検出信号Pctlとの論理和演算を行い、演算結果であるリチャージ制御信号PrをP型MOSトランジスタMP1のゲート端子に供給する。これにより、P型MOSトランジスタMP1はリチャージ回路を構成する。
【0051】
ANDゲート回路G2は、タイミング制御回路22の出力である制御信号Pq′とタイミング制御回路20の出力である制御信号Pr′との論理積演算を行う。ORゲート回路G3は、設定値検出信号PctlとANDゲート回路G2の出力信号との論理和演算を行い、演算結果であるクエンチ制御信号PqをN型MOSトランジスタMN1のゲート端子に供給する。これにより、N型MOSトランジスタMN1はクエンチ回路を構成する。
【0052】
次に、本実施形態による光電変換装置の動作例について、図6を用いて説明する。図6には、電圧Vc、リチャージ制御信号Pr、クエンチ制御信号Pq、光子検出パルスPp、設定値検出信号Pctlのほか、光子入射タイミング、カウント値、カウント値リセット及びカウント値読み出しのタイミングを示している。光子入射タイミングは、フォトダイオードPDに光子が入射するタイミングを示している。カウント値は、カウンタ28のカウント値を示している。カウント値リセットは、カウンタ28のカウント値をリセットするタイミングを示している。カウント値読み出しは、カウンタ28のカウント値を外部に出力するタイミングを示している。
【0053】
ここでは、タイミング制御回路20は、フォトダイオードPDのカソード端子の電圧Vcの変化をパルス信号に変換した信号を、所定の遅延時間の後に、論理が反転した制御信号Pq′として出力するものとする。また、タイミング制御回路22は、制御信号Pq′を、所定の遅延時間の後に、論理が反転した制御信号Pr′として出力するものとする。
【0054】
まず、時刻t1において、カウント値リセット信号がHレベルとなり、カウンタ28のカウント値が0にリセットされる。
【0055】
フォトダイオードPDに光子が入射すると、フォトダイオードPDでアバランシェ電流が発生し、フォトダイオードPDのカソード端子の電圧Vcが低下する。カソード端子の電圧Vcが下がり始めると、電圧Vcの変化を受けてタイミング制御回路20から出力される制御信号Pq′が所定の遅延時間の後にHレベルとなる。このとき、初期状態においてタイミング制御回路22から出力される制御信号Pr′はHレベルであるため、Hレベルの制御信号Pq′,Pr′を受けてクエンチ制御信号PqもHレベルとなり、N型MOSトランジスタMN1がオンになる。これにより、N型MOSトランジスタMN1を介して電圧Vcの降下は更に進み、フォトダイオードPDの両端子間に加わる逆バイアス電圧はブレイクダウン電圧Vbd未満となり、アバランシェ電流は発生しなくなる(クエンチ動作)。
【0056】
次に、Hレベルの制御信号Pq′を受けて所定の遅延時間の後に制御信号Pr′がLレベルになると、Lレベルの制御信号Pr′を受けてクエンチ制御信号PqがLレベルとなり、N型MOSトランジスタMN1はオフになる。また、Lレベルの制御信号Pr′を受けてリチャージ制御信号PrがLレベルとなり、P型MOSトランジスタMP1がオンになる。これにより、フォトダイオードPDのリチャージが開始され、フォトダイオードPDの両端子間に加わる逆バイアス電圧は、再びブレイクダウン電圧Vbd以上の電圧に戻る(リチャージ動作)。
【0057】
上述したリチャージ動作とクエンチ動作とが光子が入射するたびに繰り返し行われ、繰り返しの数に応じた数の光子検出パルスPpが制御回路16からカウンタ28へと出力される。カウンタ28は、制御回路16から出力される光子検出パルスPpを計数する。この一連の動作は、光子検出パルスPpの計数値が所定の設定値Nに到達する時刻t2まで繰り返される。
【0058】
時刻t2において、カウント値が任意の設定値Nに到達すると、カウンタ28は、設定値検出信号PctlをLレベルからHレベルへと制御する。これにより、リチャージ制御信号Pr及びクエンチ制御信号PqがともにHレベルとなり、P型MOSトランジスタMP1がオフ、N型MOSトランジスタMN1がオンになる。その結果、フォトダイオードPDのカソード端子はN型MOSトランジスタMN1を介して基準電圧ノードに接続され、カソード端子の電圧Vcは電圧Vssまで低下する。このとき、フォトダイオードPDの両端子間に加わる逆バイアス電圧はブレイクダウン電圧Vbd未満となるため、アバランシェ電流は発生しなくなり、カソード電圧はVssで固定される。これにより、カソード電圧制御回路14及び制御回路16の回路動作は停止状態となり、消費電力は最小限に抑えられる。
【0059】
次いで、時刻t3において、カウンタ28が保持するカウント値(設定値N)が、外部回路へと読み出される。
【0060】
次いで、時刻t4において、カウント値リセット信号がHレベルとなり、カウンタ28のカウント値が0にリセットされる。これにより、同様の動作により、入射光子数のカウントが新たに開始される。
【0061】
次いで、時刻t5において、カウンタ28が保持するカウント値(N-4)が、外部回路へと読み出される。
【0062】
次いで、時刻t6において、カウント値リセット信号がHレベルとなり、カウンタ28のカウント値が0にリセットされる。なお、時刻t6の時点までカウント値は設定値Nに達していないため、時刻t4から時刻t6の期間において、設定値検出信号PctlはLレベルのままである。このように、カウント値が任意の設定値Nに到達しない限り、光子検出動作はカウント値がリセットされる直前まで継続される。
【0063】
次に、本実施形態による光電変換装置の駆動方法について、図7を用いて説明する。
まず、カウンタ28のカウント値をリセットする(ステップS101)。
【0064】
次いで、その時点がカウント期間中であるか否かの判定を行う(ステップS102)。ここで、カウント期間とは、カウント値をリセットするタイミングの直後から、カウント値を読み出すタイミングの直前までの期間を指す。判定の結果、カウント期間であると判定された場合(ステップS102の「Yes」)には、ステップS103ヘと移行し、カウント期間ではないと判定された場合(ステップS102の「No」)には、ステップS107ヘと移行する。
【0065】
ステップS102においてカウント期間であると判定された場合には、カウンタ28のカウント値が任意の設定値Nに達しているか否かの判定を行う(ステップS103)。判定の結果、カウント値が任意の設定値Nに達していない場合(ステップS103の「No」)には、光子検出に応じてカウント値を増加し(ステップS104)、ステップS102に戻る。カウント値が任意の設定値Nに達している場合(ステップS103の「Yes」)には、カウンタ28から制御回路16に設定値検出信号Pctlを出力する(ステップS105)。そして、フォトダイオードPDのアバランシェ電流の発生を停止した後(ステップS106)、ステップS102に戻る。
【0066】
ステップS102においてカウント期間ではないと判定された場合には、ステップS107においてカウンタ28からのカウント値の読み出しを行う。その後、ステップS101へ戻り、同様の手順を繰り返し実行する。
【0067】
このように、本実施形態によれば、光電変換装置における消費電力の低減と回路動作の安定性の向上とを実現することができる。
【0068】
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態による光電変換装置について、図8乃至図10を用いて説明する。第1乃至第3実施形態による光電変換装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図8は、本実施形態による光電変換装置における画素の概略構成を説明する図である。図9は、本実施形態による光電変換装置における画素の構成例を示す回路図である。図10は、本実施形態による光電変換装置の動作を示すタイミング図である。
【0069】
本実施形態による光電変換装置における画素Pは、図8に示すように、信号生成回路12が、カソード電圧制御回路14及び制御回路16に加え、電源電圧制御回路24を更に有している。これに伴い、カソード電圧制御回路14及び制御回路16の構成が、第1乃至第3実施形態による光電変換装置とは異なっている。その他の点については、第1乃至第3実施形態による光電変換装置と同様である。なお、本明細書では、電源電圧制御回路24を電源電圧制御部と表記することがある。
【0070】
すなわち、本実施形態による光電変換装置におけるカソード電圧制御回路14は、例えば図9に示すように、P型MOSトランジスタMP1と、N型MOSトランジスタMN1,MN2,MN3と、により構成されうる。フォトダイオードPDのカソード端子には、P型MOSトランジスタMP1のドレイン端子と、N型MOSトランジスタMN1のドレイン端子と、N型MOSトランジスタMN3のドレイン端子と、が接続されている。N型MOSトランジスタMN1のソース端子は、N型MOSトランジスタMN2のドレイン端子に接続されている。N型MOSトランジスタMN2のソース端子及びN型MOSトランジスタMN3のソース端子は、電圧Vssの基準電圧ノードに接続されている。
【0071】
また、本実施形態による光電変換装置における制御回路16は、例えば図9に示すように、タイミング制御回路20,22により構成されうる。フォトダイオードPDのカソード端子、P型MOSトランジスタMP1のドレイン端子及びN型MOSトランジスタMN1,MN3のドレイン端子の接続ノードは、タイミング制御回路20,22を介して、カウンタ28に接続されている。N型MOSトランジスタMN1のゲート端子は、タイミング制御回路20に接続されている。P型MOSトランジスタMP1のゲート端子及びN型MOSトランジスタMN2のゲート端子は、タイミング制御回路22に接続されている。N型MOSトランジスタMN3のゲート端子は、カウンタ28に接続されている。
【0072】
また、電源電圧制御回路24は、P型MOSトランジスタMP2を有する。P型MOSトランジスタMP2のドレイン端子は、P型MOSトランジスタMP1のソース端子に接続されている。P型MOSトランジスタMP2のソース端子は、電圧Vddの電源ノードに接続されている。P型MOSトランジスタMP2のゲート端子は、カウンタ28に接続されている。
【0073】
タイミング制御回路20,22は、第3実施形態と同様、フォトダイオードPDのカソード端子の電圧Vcの変化に応じて、カソード電圧制御回路14におけるリチャージ動作やクエンチ動作のタイミングを制御するための回路である。タイミング制御回路20,22が光子検出パルスPpとして出力する波形成形部としての機能を備えることも同様である。
【0074】
P型MOSトランジスタMP1及びN型MOSトランジスタMN2は、タイミング制御回路22から出力される制御信号Pr′によって制御される。N型MOSトランジスタMN1は、タイミング制御回路20から出力される制御信号Pq′によって制御される。P型MOSトランジスタMP2及びN型MOSトランジスタMN3は、カウンタ28から出力される設定値検出信号Pctlによって制御される。
【0075】
カウンタ28のカウント値が任意の設定値Nに到達すると、設定値検出信号PctlがHレベルとなり、電源電圧制御回路24のP型MOSトランジスタMP2がオフになる。これにより、カソード電圧制御回路14によるP型MOSトランジスタMP1への電源電圧の供給を停止し、フォトダイオードPDのカソード端子のリチャージを停止する。また、設定値検出信号PctlがHレベルになることで、カソード電圧制御回路14のN型MOSトランジスタMN3がオンになり、フォトダイオードPDのカソード端子の電圧Vcは電圧Vssに固定される。この意味で、電源電圧制御回路24は、フォトダイオードPDへの印加電圧、より具体的には、フォトダイオードPDのカソード端子に供給される電源電圧を制御する制御部として機能する。
【0076】
次に、本実施形態による光電変換装置の動作例について、図10を用いて説明する。図10には、電圧Vc、光子検出パルスPp、設定値検出信号Pctlのほか、光子入射タイミング、カウント値、カウント値リセット及びカウント値読み出しのタイミングを示している。
【0077】
ここでは、タイミング制御回路20は、フォトダイオードPDのカソード端子の電圧Vcの変化をパルス信号に変換した信号を、所定の遅延時間の後に、論理が反転した制御信号Pq′として出力するものとする。また、タイミング制御回路22は、制御信号Pq′を、所定の遅延時間の後に、論理が反転した制御信号Pr′として出力するものとする。
【0078】
まず、時刻t1において、カウント値リセット信号がHレベルとなり、カウンタ28のカウント値が0にリセットされる。
【0079】
フォトダイオードPDに光子が入射すると、フォトダイオードPDでアバランシェ電流が発生し、フォトダイオードPDのカソード端子の電圧Vcが低下する。カソード端子の電圧Vcが下がり始めると、電圧Vcの変化を受けてタイミング制御回路20から出力される制御信号Pq′が所定の遅延時間の後にHレベルとなる。このとき、初期状態においてタイミング制御回路22から出力される制御信号Pr′はHレベルであるため、Hレベルの制御信号Pq′,Pr′を受けてN型MOSトランジスタMN1,MN2がオンになる。これにより、N型MOSトランジスタMN1,MN2を介して電圧Vcの降下は更に進み、フォトダイオードPDの両端子間に加わる逆バイアス電圧はブレイクダウン電圧Vbd未満となり、アバランシェ電流は発生しなくなる(クエンチ動作)。
【0080】
次に、Hレベルの制御信号Pq′を受けて所定の遅延時間の後に制御信号Pr′がLレベルになると、P型MOSトランジスタMP1がオンになり、N型MOSトランジスタMN2がオフになる。これにより、フォトダイオードPDのリチャージが開始され、フォトダイオードPDの両端子間に加わる逆バイアス電圧は、再びブレイクダウン電圧Vbd以上の電圧に戻る(リチャージ動作)。
【0081】
上述したリチャージ動作とクエンチ動作とが光子が入射するたびに繰り返し行われ、繰り返しの数に応じた数の光子検出パルスPpが制御回路16からカウンタ28へと出力される。カウンタ28は、制御回路16から出力される光子検出パルスPpを計数する。この一連の動作は、光子検出パルスPpの計数値が所定の設定値Nに到達する時刻t2まで繰り返される。
【0082】
時刻t2において、カウント値が任意の設定値Nに到達すると、カウンタ28は、設定値検出信号PctlをLレベルからHレベルへと制御する。これにより、P型MOSトランジスタMP2がオフ、N型MOSトランジスタMN3がオンになる。その結果、フォトダイオードPDのカソード端子はN型MOSトランジスタMN3を介して基準電圧ノードに接続され、カソード端子の電圧Vcは電圧Vssまで低下する。このとき、フォトダイオードPDの両端子間に加わる逆バイアス電圧はブレイクダウン電圧Vbd未満となるため、アバランシェ電流は発生しなくなり、カソード電圧はVssで固定される。これにより、カソード電圧制御回路14及び制御回路16の回路動作は停止状態となり、消費電力は最小限に抑えられる。
【0083】
次いで、時刻t3において、カウンタ28が保持するカウント値(設定値N)が、外部回路へと読み出される。
【0084】
次いで、時刻t4において、カウント値リセット信号がHレベルとなり、カウンタ28のカウント値が0にリセットされる。これにより、同様の動作により、入射光子数のカウントが新たに開始される。
【0085】
次いで、時刻t5において、カウンタ28が保持するカウント値(N-4)が、外部回路へと読み出される。
【0086】
次いで、時刻t6において、カウント値リセット信号がHレベルとなり、カウンタ28のカウント値が0にリセットされる。なお、時刻t6の時点までカウント値は設定値Nに達していないため、時刻t4から時刻t6の期間において、設定値検出信号PctlはLレベルのままである。このように、カウント値が任意の設定値Nに到達しない限り、光子検出動作はカウント値がリセットされる直前まで継続される。
【0087】
このように、本実施形態によれば、光電変換装置における消費電力の低減と回路動作の安定性の向上とを実現することができる。
【0088】
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態による光電変換装置について、図11及び図12を用いて説明する。第1乃至第4実施形態による光電変換装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。図11は、本実施形態による光電変換装置における画素の概略構成を説明する図である。図12は、本実施形態による光電変換装置における画素の構成例を示す回路図である。
【0089】
本実施形態による光電変換装置における画素Pは、図11に示すように、信号生成回路12が、カソード電圧制御回路14及び制御回路16に加え、アノード電圧制御回路26を更に有している。これに伴い、カソード電圧制御回路14及び制御回路16の構成が、第1乃至第4実施形態による光電変換装置とは異なっている。その他の点については、第1乃至第4実施形態による光電変換装置と同様である。なお、本明細書では、アノード電圧制御回路26をアノード電圧制御部と表記することがある。
【0090】
すなわち、本実施形態による光電変換装置におけるカソード電圧制御回路14は、例えば図12に示すように、P型MOSトランジスタMP1により構成されうる。フォトダイオードPDのカソード端子には、P型MOSトランジスタMP1のドレイン端子が接続されている。P型MOSトランジスタMP1のソース端子は、電圧Vddの電源ノードに接続されている。P型MOSトランジスタMP1のゲート端子には、電圧Vqncが供給される。
【0091】
また、本実施形態による光電変換装置における制御回路16は、例えば図12に示すように、インバータ回路INVにより構成されうる。フォトダイオードPDのカソード端子とP型MOSトランジスタMP1のドレイン端子との接続ノードは、インバータ回路INVの入力端子に接続されている。インバータ回路INVの出力端子は、カウンタ28に接続されている。
【0092】
また、アノード電圧制御回路26は、スイッチSWを有している。スイッチSWは、カウンタ28から供給される設定値検出信号Pctlに応じて、フォトダイオードPDのアノード端子に供給する電圧を電圧Va1及び電圧Va2のうちのいずれかに切り替える機能を備える。例えば、アノード電圧制御回路26は、設定値検出信号PctlがLレベルのときは、フォトダイオードPDのアノード端子に電圧Va1を供給する。一方、設定値検出信号PctlがHレベルのときは、フォトダイオードPDのアノード端子に電圧Va2を供給するように、スイッチSWを切り替える。すなわち、アノード電圧制御回路26は、フォトダイオードPDへの印加電圧、より具体的には、フォトダイオードPDのアノード端子への印加電圧を制御する制御部として機能する。ここで、電圧Va1,Va2は、電圧Vdd及びブレイクダウン電圧Vbdに対して以下の関係を有する。
|Vdd-Va1|>|Vbd|>|Vdd-Va2|
【0093】
カウンタ28は、カウント値が任意の設定値N未満のとき、Lレベルの設定値検出信号Pctlを出力する。アノード電圧制御回路26は、Lレベルの設定値検出信号Pctlを受けて、フォトダイオードPDのアノード端子に電圧Va1を供給するように、スイッチSWを制御する。このとき、フォトダイオードPDの両端子間に加わる電圧(Vdd-Va1)は、フォトダイオードPDのブレイクダウン電圧Vbdよりも大きいため、光子の入射によりアバランシェ増幅が発生する条件となる。
【0094】
カウンタ28は、カウント値が任意の設定値Nに到達したとき、Hレベルの設定値検出信号Pctlを出力する。アノード電圧制御回路26は、Hレベルの設定値検出信号Pctlを受けて、フォトダイオードPDのアノード端子に電圧Va2を供給するように、スイッチSWを制御する。このとき、フォトダイオードPDの両端子間に加わる電圧(Vdd-Va2)は、フォトダイオードPDのブレイクダウン電圧Vbd未満であるため、光子の入射によりアバランシェ増幅は発生しない。
【0095】
したがって、本実施形態による光電変換装置においても、カウント値が任意の設定値Nに到達すると、カウンタ28のカウント値がリセットされるまでの間、信号生成回路12の動作は停止する。
【0096】
このように、本実施形態によれば、光電変換装置における消費電力の低減と回路動作の安定性の向上とを実現することができる。
【0097】
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態による撮像システムについて、図13を用いて説明する。図13は、本実施形態による撮像システムの概略構成を示すブロック図である。
【0098】
上記第1乃至第5実施形態で述べた光電変換装置100は、種々の撮像システムに適用可能である。適用可能な撮像システムの例としては、デジタルスチルカメラ、デジタルカムコーダ、監視カメラ、複写機、ファックス、携帯電話、車載カメラ、観測衛星などが挙げられる。また、レンズなどの光学系と撮像装置とを備えるカメラモジュールも、撮像システムに含まれる。図13には、これらのうちの一例として、デジタルスチルカメラのブロック図を例示している。
【0099】
図13に例示した撮像システム200は、撮像装置201、被写体の光学像を撮像装置201に結像させるレンズ202、レンズ202を通過する光量を可変にするための絞り204、レンズ202の保護のためのバリア206を有する。レンズ202及び絞り204は、撮像装置201に光を集光する光学系である。撮像装置201は、第1乃至第5実施形態のいずれかで説明した光電変換装置100であって、レンズ202により結像された光学像を画像データに変換する。
【0100】
撮像システム200は、また、撮像装置201より出力される出力信号の処理を行う信号処理部208を有する。信号処理部208は、撮像装置201が出力するアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換を行う。また、信号処理部208はその他、必要に応じて各種の補正、圧縮を行って画像データを出力する動作を行う。信号処理部208の一部であるAD変換部は、撮像装置201が設けられた半導体基板に形成されていてもよいし、撮像装置201とは別の半導体基板に形成されていてもよい。また、撮像装置201と信号処理部208とが同一の半導体基板に形成されていてもよい。
【0101】
撮像システム200は、更に、画像データを一時的に記憶するためのメモリ部210、外部コンピュータ等と通信するための外部インターフェース部(外部I/F部)212を有する。更に撮像システム200は、撮像データの記録又は読み出しを行うための半導体メモリ等の記録媒体214、記録媒体214に記録又は読み出しを行うための記録媒体制御インターフェース部(記録媒体制御I/F部)216を有する。なお、記録媒体214は、撮像システム200に内蔵されていてもよく、着脱可能であってもよい。
【0102】
更に撮像システム200は、各種演算とデジタルスチルカメラ全体を制御する全体制御・演算部218、撮像装置201と信号処理部208に各種タイミング信号を出力するタイミング発生部220を有する。ここで、タイミング信号などは外部から入力されてもよく、撮像システム200は少なくとも撮像装置201と、撮像装置201から出力された出力信号を処理する信号処理部208とを有すればよい。
【0103】
撮像装置201は、撮像信号を信号処理部208に出力する。信号処理部208は、撮像装置201から出力される撮像信号に対して所定の信号処理を実施し、画像データを出力する。信号処理部208は、撮像信号を用いて、画像を生成する。
【0104】
このように、本実施形態によれば、第1乃至第5実施形態による光電変換装置100を適用した撮像システムを実現することができる。
【0105】
[第7実施形態]
本発明の第7実施形態による撮像システム及び移動体について、図14を用いて説明する。図14は、本実施形態による撮像システム及び移動体の構成を示す図である。
【0106】
図14(a)は、車載カメラに関する撮像システムの一例を示したものである。撮像システム300は、撮像装置310を有する。撮像装置310は、上記第1乃至第5実施形態のいずれかに記載の光電変換装置100である。撮像システム300は、撮像装置310により取得された複数の画像データに対し、画像処理を行う画像処理部312と、撮像システム300により取得された複数の画像データから視差(視差画像の位相差)の算出を行う視差取得部314を有する。また、撮像システム300は、算出された視差に基づいて対象物までの距離を算出する距離取得部316と、算出された距離に基づいて衝突可能性があるか否かを判定する衝突判定部318と、を有する。ここで、視差取得部314や距離取得部316は、対象物までの距離情報を取得する距離情報取得手段の一例である。すなわち、距離情報とは、視差、デフォーカス量、対象物までの距離等に関する情報である。衝突判定部318はこれらの距離情報のいずれかを用いて、衝突可能性を判定してもよい。距離情報取得手段は、専用に設計されたハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアモジュールによって実現されてもよい。また、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって実現されてもよいし、これらの組合せによって実現されてもよい。
【0107】
撮像システム300は車両情報取得装置320と接続されており、車速、ヨーレート、舵角などの車両情報を取得することができる。また、撮像システム300は、衝突判定部318での判定結果に基づいて、車両に対して制動力を発生させる制御信号を出力する制御装置である制御ECU330が接続されている。また、撮像システム300は、衝突判定部318での判定結果に基づいて、ドライバーへ警報を発する警報装置340とも接続されている。例えば、衝突判定部318の判定結果として衝突可能性が高い場合、制御ECU330はブレーキをかける、アクセルを戻す、エンジン出力を抑制するなどして衝突を回避、被害を軽減する車両制御を行う。警報装置340は音等の警報を鳴らす、カーナビゲーションシステムなどの画面に警報情報を表示する、シートベルトやステアリングに振動を与えるなどしてユーザに警告を行う。
【0108】
本実施形態では、車両の周囲、例えば前方又は後方を撮像システム300で撮像する。図14(b)に、車両前方(撮像範囲350)を撮像する場合の撮像システムを示した。車両情報取得装置320が、撮像システム300ないしは撮像装置310に指示を送る。このような構成により、測距の精度をより向上させることができる。
【0109】
上記では、他の車両と衝突しないように制御する例を説明したが、他の車両に追従して自動運転する制御や、車線からはみ出さないように自動運転する制御などにも適用可能である。更に、撮像システムは、自車両等の車両に限らず、例えば、船舶、航空機あるいは産業用ロボットなどの移動体(移動装置)に適用することができる。加えて、移動体に限らず、高度道路交通システム(ITS)等、広く物体認識を利用する機器に適用することができる。
【0110】
[変形実施形態]
本発明は、上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0111】
例えば、いずれかの実施形態の一部の構成を他の実施形態に追加した例や、他の実施形態の一部の構成と置換した例も、本発明の実施形態である。
【0112】
また、上記第1乃至第5実施形態において示したカソード電圧制御回路14、制御回路16等の回路構成は、一例を示したものであり、同様の動作を実現しうる他の回路によって構成することも可能である。
【0113】
また、上記第6及び第7実施形態に示した撮像システムは、本発明の光電変換装置を適用しうる撮像システム例を示したものであり、本発明の光電変換装置を適用可能な撮像システムは図13及び図14に示した構成に限定されるものではない。
【0114】
なお、上記実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0115】
P…画素
PD…フォトダイオード
12…信号生成回路
14…カソード電圧制御回路
16…制御回路
20,22…タイミング制御回路
24…電源電圧制御回路
26…アノード電圧制御回路
100…光電変換装置
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