(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-11
(45)【発行日】2024-10-22
(54)【発明の名称】プログラムおよび情報処理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/216 20140101AFI20241015BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20241015BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20241015BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20241015BHJP
A63F 13/65 20140101ALI20241015BHJP
【FI】
A63F13/216
A63F13/79
A63F13/45
A63F13/69
A63F13/65
(21)【出願番号】P 2023194943
(22)【出願日】2023-11-16
【審査請求日】2024-03-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-113353(JP,A)
【文献】特開2016-190000(JP,A)
【文献】特開2020-168235(JP,A)
【文献】特許第7245923(JP,B2)
【文献】特開2021-060682(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0061472(US,A1)
【文献】[ドラクエウォーク]ここがわかると面白い!ドラクエ好きにも散歩好きにもハマる要素満載!新要素を追加されて遊びやすくなった!,予約トップ10 [online],2021年09月16日,<URL:https://yoyaku-top10.jp/pc/blogs/OTk4>,[2024年8月9日検索]
【文献】[ドラクエウォーク]課金の上限額が調整 成人年齢引き下げの影響で,MoguLive [online],2022年03月28日,<URL:https://www.moguravr.com/dragon-quest-walk-506>,[2024年8月9日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98,
9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
現実世界におけるユーザの位置を示す位置情報を用いて進行されるゲームにおいて、現実世界における前記ユーザを取り巻く状況
であって前記位置情報の示す前記ユーザの位置に応じて変化する前記ユーザを取り巻く状況が所定の条件を満たす場合に、前記所定の条件を満たさない場合に比べて、前記ゲームのプレイ環境を前記ユーザにとって不利な環境に制御する制御手段として機能させ、
前記制御手段は、前
記ユーザの年齢に係る属性に応じて、前記所定の条件を変化させる
プログラム。
【請求項2】
コンピュータを、
現実世界におけるユーザの位置を示す位置情報を用いて進行されるゲームにおいて、現実世界における前記ユーザを取り巻く状況が所定の条件を満たす場合に、前記所定の条件を満たさない場合に比べて、前記ゲームのプレイ環境を前記ユーザにとって不利な環境に制御する制御手段として機能させ、
前記制御手段は、前記ユーザが現実世界において位置している場所の地形が前記ユーザの移動に適さないものである場合に、地形が前記ユーザの移動に適したものである場合に比べて、前記ゲームのプレイ環境を前記ユーザにとって不利な環境に制御する
プログラム。
【請求項3】
現実世界におけるユーザの位置を示す位置情報を用いて進行されるゲームにおいて、現実世界における前記ユーザを取り巻く状況
であって前記位置情報の示す前記ユーザの位置に応じて変化する前記ユーザを取り巻く状況が所定の条件を満たす場合に、前記所定の条件を満たさない場合に比べて、前記ゲームのプレイ環境を前記ユーザにとって不利な環境に制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、前
記ユーザの年齢に係る属性に応じて、前記所定の条件を変化させる
情報処理システム。
【請求項4】
現実世界におけるユーザの位置を示す位置情報を用いて進行されるゲームにおいて、現実世界における前記ユーザを取り巻く状況が所定の条件を満たす場合に、前記所定の条件を満たさない場合に比べて、前記ゲームのプレイ環境を前記ユーザにとって不利な環境に制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、前記ユーザが現実世界において位置している場所の地形が前記ユーザの移動に適さないものである場合に、地形が前記ユーザの移動に適したものである場合に比べて、前記ゲームのプレイ環境を前記ユーザにとって不利な環境に制御する
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現実世界におけるユーザの位置を示す位置情報を活用したゲームが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、この種のゲームに限らず、ゲームは現実世界に存在するユーザがプレイするものであるところ、現実世界におけるユーザの置かれる状況としてゲームのプレイに適した状況や適さない状況等が存在し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来は、現実世界におけるユーザを取り巻く状況がゲームのプレイに適さない状況である場合について、システム側の制御により何らかの対策を施すことについては十分な検討がされていなかった。
【0005】
本発明は、ゲームのプレイに適さない状況におけるプレイを抑制可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に示す一実施形態によれば、
コンピュータを、
現実世界におけるユーザを取り巻く状況が所定の条件を満たす場合に、前記所定の条件を満たさない場合に比べて、ゲームのプレイ環境を前記ユーザにとって不利な環境に制御する制御手段として機能させる
プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ゲームのプレイに適さない状況におけるプレイの抑制が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】情報処理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図3】ゲーム画面の一例を示す図であって、プレイ環境の不利な環境への制御について説明するための図である。
【
図7】不利な環境への制御の一例について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0010】
<システムのハードウェア構成>
図1に示すように、本実施形態の情報処理システム1は、複数の端末装置10と、サーバ20とを備えている。
【0011】
端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク2を介して接続される。ネットワーク2は、例えば、インターネット、移動通信システム(例えば、3G、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等)、Wi-Fi(Wireless Fidelity)、ブルートゥース(登録商標)、その他の通信回線、またはこれらの組み合わせ等のいずれによって構成されていてもよい。また、端末装置10とサーバ20との接続は、有線接続であるか無線接続であるかを問わない。
【0012】
サーバ20(換言すると、コンピュータ、情報処理装置)は、例えば、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであってもよい。サーバ20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信IF(インターフェース)24と、入出力IF25と、を備える。サーバ20が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに接続される。
【0013】
プロセッサ21は、サーバ20全体の動作を制御する。プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)およびGPU(Graphics Processing Unit)等を含み得る。プロセッサ21は、ストレージ23からプログラムを読み出し、メモリ22に展開する。プロセッサ21は、展開したプログラムを実行する。
【0014】
メモリ22は、主記憶装置である。メモリ22は、例えば、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の記憶装置により構成される。メモリ22は、プロセッサ21がストレージ23から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ21に作業領域を提供する。メモリ22は、プロセッサ21がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0015】
なお、本実施形態においてプログラムとは、ゲームを端末装置10により実現するプログラムであってもよい。また、当該プログラムは、当該ゲームを端末装置10とサーバ20との協働により実現するプログラムであってもよい。なお、端末装置10とサーバ20との協働により実現されるゲームは、一例として、端末装置10において起動されたブラウザ上で実行されるゲームであってもよい。また、当該プログラムは、当該ゲームを複数の端末装置10の協働により実現するプログラムであってもよい。また、各種データには、例えば、ユーザ情報およびゲーム情報などのゲームに関するデータ、および端末装置10とサーバ20との間で送受信される指示や通知が含まれる。
【0016】
ストレージ23は、補助記憶装置である。ストレージ23は、例えば、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置により構成される。ストレージ23には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0017】
通信IF24は、サーバ20と端末装置10等との間におけるネットワークを介した各種データの送受信を制御する。
【0018】
入出力IF25は、サーバ20がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであるとともに、サーバ20がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF25は、例えば、マウス、キーボード等の情報入力機器である入力部と、画像を表示出力する機器である表示部とを含み得る。
【0019】
端末装置10(換言すると、コンピュータ、情報処理装置)は、例えば、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル端末、またはゲーム装置等であってもよい。端末装置10は、携帯端末であってもよい。端末装置10は、ユーザがゲームを実行する際に可搬型の端末であってもよい。
【0020】
端末装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信IF14と、入出力IF15と、入力部17と、表示部18と、を備える。端末装置10が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに接続される。
【0021】
プロセッサ11は、端末装置10全体の動作を制御する。プロセッサ11は、CPU、MPUおよびGPU等を含み得る。プロセッサ11は、ストレージ13からプログラムを読み出し、メモリ12に展開する。プロセッサ11は、展開したプログラムを実行する。
【0022】
メモリ12は、主記憶装置である。メモリ12は、例えば、ROMおよびRAM等の記憶装置により構成される。メモリ12は、プロセッサ11がストレージ13から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ11に作業領域を提供する。メモリ12は、プロセッサ11がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0023】
ストレージ13は、補助記憶装置である。ストレージ13は、例えば、フラッシュメモリまたはHDD等の記憶装置により構成される。ストレージ13には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0024】
通信IF14は、端末装置10とサーバ20等との間におけるネットワークを介した各種データの送受信を制御する。
【0025】
入出力IF15は、端末装置10がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであるとともに、端末装置10がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF15は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等を介してデータの入出力を行うこととしてもよい。入出力IF15は、入力部17または表示部18等を含み得る。
【0026】
入力部17は、ユーザによる入力を受け付ける。入力部17は、例えば、タッチパッド等のポインティングデバイスであってもよい。表示部18は、画像を表示する。表示部18は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等であってもよい。端末装置10は、例えば、入力部17と表示部18とを組み合わせた電子部品であるタッチスクリーン16を備える。
【0027】
入力部17は、ユーザの操作(例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作、およびフリック操作等)により入力面に対して入力された位置を検知し、検知した位置を示す情報を入力信号として送信する機能を有する。入力部17としてのタッチパネルは、静電容量方式または抵抗膜方式等を採用することができるが、他の方式であってもよい。
【0028】
なお、入力部17は、例えば、キーボード、各種物理ボタン、各種センサ(例えば、加速度センサ、角速度センサ、磁気センサ、GPSセンサ、モーションセンサ、視線センサ、生体電位センサ、指紋センサ、呼気センサ、圧力センサ、またはイメージセンサ等)、操作スティック、カメラ、またはマイク等であってもよい。また、表示部18は、例えば、プロジェクタ等であってもよい。
【0029】
<システムの機能的構成>
図2は、サーバ20および端末装置10の機能的構成を示すブロック図である。本実施形態におけるサーバ20は、例えば、ゲームを実現するために必要な各種データおよびプログラムを各端末装置10に提供する機能、各端末装置10からゲームに関するデータを収集して管理する機能、ならびに複数の端末装置10間の同期処理を行う機能等を有する。
【0030】
なお、本実施形態において、サーバ20は、事前に登録されるユーザのアカウントを用い、各ユーザおよび端末装置10を識別する。アカウントの登録方法は特に限定されない。例えば、端末装置10またはパーソナルコンピュータ等の他の装置が、ユーザの操作に基づいて、ユーザのアカウント登録に必要な情報をサーバ20に送信し、サーバ20が、受信した情報に基づいて各ユーザのアカウントを作成および保存することとしてもよい。
【0031】
図2に示すように、サーバ20は、プロセッサ21、メモリ22、ストレージ23、通信IF24、および入出力IF25等の協働によって、制御部210および記憶部220として機能する。記憶部220は、制御部210が使用する各種データを格納する。各種データとして、例えば、ゲームプログラム、ゲーム情報およびユーザ情報がある。
【0032】
ゲームプログラムは、ゲームを実現するためのプログラムである。ゲーム情報およびユーザ情報は、制御部210がゲームプログラムを実行するときに参照するデータである。
【0033】
なお、本実施形態において、ゲームプログラムとは、サーバ20側で実行するゲームプログラムに加え、端末装置10側で実行するゲームプログラムを含み得る。また、記憶部220が、サーバ20側で実行するゲームプログラムと、端末装置10側で実行するゲームプログラムとを格納してもよい。
【0034】
ゲーム情報は、アカウント間で共通の情報である。ゲーム情報は、例えば、各種仮想空間を規定するための情報を含む。仮想空間とは、例えば、ユーザが使用する(換言すると、ユーザが操作可能な)キャラクタ(以下、「プレイヤキャラクタ」という。)のオブジェクト等の各種オブジェクトが配置される空間である。ゲーム情報は、例えば、仮想空間に配置される建物や木、石等の背景オブジェクトやノンプレイヤキャラクタ(non player character:NPC)のオブジェクトの配置位置や大きさ、色、形状等、アカウント間で共通のオブジェクトに関する各種設定情報を含む。また、ゲーム情報は、例えば、NPCの各種パラメータの設定値等を含む。以下においては、仮想空間に配置されたキャラクタのオブジェクトを指して、単に「キャラクタ」ということもある。
【0035】
ユーザ情報は、ゲームのアカウントごとに管理される情報である。ユーザ情報は、例えば、プレイヤキャラクタに関する情報、保有資産に関する情報、およびゲームの進行度合いを示す情報等を含む。保有資産は、仮想空間内においてユーザが所有する価値といえる。当該価値(換言すると、ゲーム内価値、保有資産)の一例として、電子通貨や、アイテムや、キャラクタが挙げられる。また、電子通貨の一例として、ゲーム内で使用可能なゲーム内通貨や、暗号資産が挙げられる。
【0036】
制御部210は、記憶部220に格納されたゲームプログラムを実行することにより、ゲームに関する各種処理を制御する。制御部210は、例えば、送受信部211、ゲーム制御部212、および現実情報取得部213を有する。
【0037】
送受信部211は、各種データを送信または受信する。送受信部211は、例えば、各種データおよびプログラムの送信要求や、マルチプレイ機能に対応するための同期処理の要求、同期処理の対象となるデータ等を、各端末装置10から受信し、ゲーム制御部212に渡す。また、送受信部211は、ゲーム制御部212による制御に従って、同期を取るための指示等を含む各種データやプログラムを、各端末装置10に送信する。
【0038】
本実施形態において、マルチプレイ機能とは、複数のアカウントによるゲーム処理を同期させた状態で進行させる機能である。情報処理システム1のサーバ20および端末装置10は、情報処理システム1にログインしているアカウントが同じゲームに複数参加する場合に、マルチプレイ機能に対応するための各種処理を実行する。
【0039】
ゲーム制御部212は、端末装置10からの要求等に応じ、ゲームプログラムに記述された演算処理を実行することで、端末装置10にゲームを提供する。
【0040】
ゲーム制御部212は、ゲーム情報に含まれる仮想空間を規定するための情報に基づいて、仮想空間を規定する。ゲーム制御部212は、ゲーム情報に含まれるオブジェクトの設定情報に基づいて、仮想空間にオブジェクトを配置する。また、ゲーム制御部212は、仮想空間のオブジェクトを制御する。具体的には、ゲーム制御部212は、仮想空間内でのオブジェクトの位置、向き、形状、色等を変更したり、オブジェクトに所定の動作を行わせたりする。
【0041】
また、ゲーム制御部212は、端末装置10から送信される情報に基づいて、プレイヤキャラクタを仮想空間に配置する。また、ゲーム制御部212は、端末装置10から送信される情報に基づいて、ゲームの進行に係る各種判定処理を行う。換言すると、ゲーム制御部212は、端末装置10に入力されるユーザからの情報に基づいて、オブジェクトの制御や各種判定処理を行う。
【0042】
また、ゲーム制御部212は、例えば、マルチプレイ機能に対応するための同期処理の要求や同期処理の対象となるデータを、送受信部211を介して端末装置10から受け取ると、マルチプレイ機能に対応するための同期処理を実行する。また、ゲーム制御部212は、ゲーム情報またはユーザ情報の送信指示を送受信部211に指令する。ゲーム制御部212は、例えば、サーバ20が複数の端末装置10に対して情報を送信するときに、各端末装置10に同時に情報を送信することで、各端末装置10間で進行するゲームの同期を取る。同期処理を実行することで、一つの端末装置10で入力された操作に起因するゲーム内の事象を、他の端末装置10に同時に反映させることが可能となる。
【0043】
本実施形態における端末装置10は、例えば、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置としての機能、およびゲームの画像や音声を出力する出力装置としての機能等を有する。
【0044】
端末装置10は、プロセッサ11、メモリ12、ストレージ13、通信IF14、および入出力IF15等の協働によって、制御部110および記憶部120として機能する。記憶部120は、制御部110が使用する各種データを格納する。各種データとして、例えば、ゲームプログラム、ゲーム情報およびユーザ情報がある。ゲームプログラムは、端末装置10側でゲームを実現するためのプログラムである。ゲーム情報およびユーザ情報は、制御部110がゲームプログラムを実行するときに参照するデータである。記憶部120に格納されるゲーム情報およびユーザ情報は、記憶部220に格納されるゲーム情報およびユーザ情報と同様の情報を含み得る。
【0045】
制御部110は、記憶部120に格納されたゲームプログラムを実行することにより、端末装置10において実行されるゲームに関する各種処理を制御する。制御部110は、例えば、操作受付部111、送受信部112、ゲーム制御部113、表示制御部114、および位置情報取得部116を有する。
【0046】
操作受付部111は、入力部17を介してユーザにより入力される操作(以下、「入力操作」ともいう。)を受け付ける。具体的には、操作受付部111は、入力部17に対する入力操作がされた場合に、入力位置の座標および入力操作の種類を検知する。入力操作の種類として、例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作、フリック操作、ピンチイン操作およびピンチアウト操作等の、手指等による各種操作が挙げられる。入力操作は、入力部17(例えば、タッチスクリーン16)に物理的に接触する操作に限らず、非接触による操作も含み得る。なお、タッチスクリーン16への接触を終了するタッチオフ操作等のそれまで行っていた入力操作を終了する操作も、入力操作の一態様ということができる。
【0047】
ここで、操作受付部111は、入出力IF15を介して接続された操作機器を用いてされる入力操作についても、入力部17に対する入力操作と同様に受け付けることができる。
【0048】
なお、本実施形態においては、ユーザが現実世界において移動して後述する位置情報を変化させることも、入力操作の一態様ということができる。
【0049】
送受信部112は、各種データを送信または受信する。送受信部112は、例えば、ゲーム情報またはユーザ情報や、マルチプレイ機能に対応するための同期要求を、サーバ20に送信する。送受信部112は、各種データ、プログラム、およびマルチプレイ機能に対応するための同期のためのデータ等を、サーバ20から受信する。同期のためのデータには、例えば、マルチプレイに参加している各端末装置10間で同期を取るように指示するための同期指示データが含まれる。同期指示データには、例えば、同期対象となるデータおよびそのデータの種類や、同期する時期を特定するためのデータ等が含まれる。
【0050】
また、送受信部112は、操作受付部111により受け付けられた入力操作に関する操作情報や、後述する位置情報等のユーザからの情報をサーバ20に送信する。
【0051】
ゲーム制御部113は、ゲームの進行に関する各種処理を実行する。ゲーム制御部113は、操作受付部111により検知されたユーザの入力操作に基づいて、ユーザの指示内容を特定する。また、ゲーム制御部113は、特定した指示内容等に基づいて、ゲームの進行に関わる各種判定処理を実行する。また、ゲーム制御部113は、判定処理の結果等に基づいて、サーバ20と通信しながらゲームを進行する。
【0052】
ゲーム制御部113は、仮想空間のうちユーザに提示する領域を指定するための仮想カメラを規定する。ゲーム制御部113は、仮想空間内での仮想カメラの位置および向きを規定することにより、仮想空間内に仮想カメラを配置する。ゲーム制御部113は、仮想カメラにより規定される視野領域およびこの視野領域に配置されているオブジェクトを描画した画像を生成するように、表示制御部114に指示する。換言すると、ゲーム制御部113は、ゲームの進行状況に応じた画像を表示部18に表示させるよう表示制御部114に指示する。
【0053】
仮想カメラの位置および向きは、仮想空間ごとに適宜決定することができる。例えば、ゲーム制御部113は、特定のオブジェクトの位置や向きを基準とし、特定のオブジェクトが特定の向きで視野領域の中央に位置するように、仮想カメラを配置する。その際、ゲーム制御部113は、特定のオブジェクトに対する方向、距離および角度を用い、仮想カメラの位置や向きを調整する。特定のオブジェクトは、例えば、動的なオブジェクトであってもよく、建物や木、石等の静的なオブジェクトであってもよい。動的なオブジェクトの一例として、プレイヤキャラクタや、ゲームプログラムに基づいて動作するNPCが挙げられる。NPCは、所謂敵キャラクタ等を含む。
【0054】
表示制御部114は、表示部18にゲームに係る画像を表示させる。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0055】
表示制御部114は、仮想空間のうち、ゲーム制御部113が規定する仮想カメラの視野の領域と、その領域に存在するオブジェクトとを描画した画像を生成し、表示部18に表示させる。表示制御部114は、表示部18に表示させる画像に対し、例えば、アイコン、ボタン、各種パラメータを示すメニュー等、ゲームの種々の操作に必要なUI(User Interface)に関わるオブジェクトを重畳して描画することができる。
【0056】
なお、端末装置10の制御部110は、サーバ20から送られるオブジェクトのデータや、仮想空間上における各種オブジェクトの位置を示す情報等に基づいて、仮想空間にオブジェクトを配置し、仮想空間の所定領域を表示部18に表示させてもよい。また、サーバ20の制御部210が、仮想空間へのオブジェクトの配置や仮想カメラの制御を行い、表示部18に表示させる画像を生成して端末装置10に送信し、端末装置10の制御部110は、当該画像を表示部18に表示させてもよい。すなわち、ユーザからの情報に基づくオブジェクトに関する制御や、仮想カメラの制御や、表示部18に表示させる画像の生成等に係る各種処理は、サーバ20で行われてもよく、端末装置10で行われてもよい。
【0057】
位置情報取得部116は、現実世界におけるユーザの位置を示す位置情報を取得する。位置情報は、アカウント等によって特定されるユーザの現実世界における位置を示すものであればよい。位置情報を取得する方法としては、従来より様々な方法が知られており、公知の方法を用いることができる。例えば、位置情報取得部116は、ユーザがアカウントにログインしている端末装置10の備えるGPSセンサを用いて位置情報を取得してもよい。また、位置情報取得部116は、端末装置10(例えば、スマートフォン)と連携(例えば、ユーザのアカウントを介しての連携、あるいは無線通信による連携等)する各種デバイス(例えば、スマートデバイス)等の、ユーザが使用するデバイスにおいて取得された位置情報を、当該端末装置10からアカウントにログインしているユーザの位置を示す位置情報として取得してもよい。また、位置情報取得部116は、例えば、Wi-Fiやブルートゥース等を利用して(例えば、端末装置10とWi-Fiアクセスポイントとの通信に基づき)位置情報を取得するものであってもよい。また、位置情報取得部116は、例えば、サーバ20の制御部210が備えていてもよい。
【0058】
なお、
図2に示す端末装置10およびサーバ20の機能は一例にすぎない。端末装置10およびサーバ20等の各装置は、他の装置が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。また、端末装置10およびサーバ20等の各装置は、一体の機器により実現されるものでなくてもよく、例えば、ネットワーク等を介して接続される複数の機器によって実現されてもよい。また、情報処理システム1は、例えば、端末装置10またはサーバ20のみによって構成されていてもよい。換言すると、情報処理システム1は、ネットワークを介して接続される複数の機器によって実現されていなくてもよい。
【0059】
なお、
図2に示す端末装置10およびサーバ20の機能は一例にすぎない。端末装置10およびサーバ20等の各装置は、他の装置が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。また、端末装置10およびサーバ20等の各装置は、一体の機器により実現されるものでなくてもよく、例えば、ネットワーク等を介して接続される複数の機器によって実現されてもよい。また、情報処理システム1は、例えば、端末装置10またはサーバ20のみによって構成されていてもよい。換言すると、情報処理システム1は、ネットワークを介して接続される複数の機器によって実現されていなくてもよい。
【0060】
<本実施形態に係る処理>
次に、本実施形態に係る処理について説明する。なお、本実施形態では、端末装置10のプロセッサ11またはサーバ20のプロセッサ21が、情報処理システム1に記憶されているゲームプログラムを実行することによって、本実施形態に係る各処理を行うものとして説明する。ただし、本実施形態に係る各処理であってプロセッサ11が行う処理のうちの少なくとも一部を、プロセッサ11とは別のプロセッサが実行するようにしてもよい。また、本実施形態に係る処理であってプロセッサ21が行う処理のうちの少なくとも一部を、プロセッサ21とは別のプロセッサが実行するようにしてもよい。例えば、ゲーム制御部113とゲーム制御部212とのうちの一方が行う処理の一部または全部を他方が行うこととしてもよい。換言すると、本実施形態においてゲームプログラムを実行するコンピュータは、端末装置10およびサーバ20のいずれであってもよく、また、複数の装置の組み合わせにより実現されてもよい。
【0061】
本実施形態に係る構成は、一例として、ユーザの現実世界における位置と仮想空間上の位置とを連動させる位置情報ゲーム等に適用することができる。以下では、本実施形態に係る構成をこのような位置情報ゲームに適用した場合を例に説明する。
【0062】
ゲーム制御部212は、
図3に示すように、端末装置10を操作するユーザに対応するプレイヤキャラクタ30を、現実世界におけるユーザの位置(換言すると、位置情報の示す位置)に対応する仮想空間上の位置に配置する。そして、ゲーム制御部212は、プレイヤキャラクタ30を現実世界におけるユーザの移動に連動させて、仮想空間上で移動させる。
【0063】
すなわち、本実施形態においては、ゲーム制御部212は、ユーザからの情報としての、ユーザの位置情報に基づいて当該ユーザのプレイヤキャラクタ30を仮想空間上で移動させる。なお、ゲーム制御部212は、ユーザからの情報としての、入力部17に対する入力操作(例えば、タッチスクリーン16に触れたまま指を任意の方向へ移動させる操作(すなわち、ドラッグ操作)等)に関する操作情報に基づいて、当該ユーザのプレイヤキャラクタ30を仮想空間上で移動させてもよい。
【0064】
なお、本実施形態の仮想空間は、現実世界の少なくとも一部が反映された仮想空間となっている。換言すると、本実施形態の仮想空間は、現実空間の地図情報を用いて生成された仮想空間となっている。例えば、本実施形態の仮想空間には、現実空間に実在する道路に対応するオブジェクト(例えば、道路のオブジェクト31)が、現実空間における道路の位置に対応する位置に配置されている。
【0065】
位置情報ゲーム等のゲームにおいては、所定のイベント(換言すると、事象)が対応付けられたオブジェクト(以下、「イベントオブジェクト33」という。)が仮想空間上に複数配置され、特定のイベントオブジェクト33に近づくことで(例えば、近づいた上で表示部18に表示される特定のイベントオブジェクト33に対する操作(例えば、タッチ操作)を行うことで)、当該特定のイベントオブジェクト33に対応するイベントが発生することが知られている。ここで、位置情報ゲームにおいては、仮想空間上に配置された特定のイベントオブジェクト33に近づくことは、仮想空間において当該特定のイベントオブジェクト33に近づくことともいえ、当該特定のイベントオブジェクト33が配置された仮想空間上の位置に対応する位置を現実世界において訪れること(換言すると、現実世界において当該特定のイベントオブジェクト33に近づくこと)ともいえる。特定のイベントが発生するイベントオブジェクト33が仮想空間上に配置されている場合において、ゲーム制御部212は、当該イベントオブジェクト33が配置された仮想空間上の位置に対応する位置を現実世界においてユーザが訪れたことに基づいて、当該イベントオブジェクト33に対応する特定のイベントを発生させる。なお、仮想空間上におけるイベントオブジェクト33が配置された場所は、所定のイベントが設定された場所ともいえる。
【0066】
イベントオブジェクト33には、例えば、アイテムの取得というイベントに対応するアイテムスポットや、ユーザに関連する所定のパラメータ(例えば、ユーザのプレイヤキャラクタの体力)の回復というイベントに対応する回復スポットが含まれる。また、イベントオブジェクト33には、敵キャラクタと戦うイベントに対応する敵キャラクタのオブジェクトや、ゲームのストーリーの一部を構成するイベントに対応するスポット等が含まれる。ゲーム制御部212は、特定のアイテムスポットが配置された仮想空間上の位置に対応する位置をユーザが現実世界において訪れたことに基づいて、当該特定のアイテムスポットに対応するアイテムをユーザに付与する。また、ゲーム制御部212は、特定の回復スポットが設定された仮想空間上の位置に対応する位置をユーザが現実世界において訪れたことに基づいて、ユーザに関連する所定のパラメータを回復させる(換言すると、所定のパラメータを規定の値に近づける)。また、ゲーム制御部212は、特定の敵キャラクタのオブジェクトが配置された仮想空間上の位置に対応する位置をユーザが現実世界において訪れたことに基づいて、当該特定の敵キャラクタとの戦闘を開始させる。なお、イベントオブジェクト33に対応付けられたイベントは、マルチプレイによる進行(換言すると、少なくとも2人以上でのプレイ)が可能なイベントであってもよい。換言すると、マルチプレイによる進行が可能なイベントに対応するイベントオブジェクト33に近づくことで、マルチプレイにより進行されるイベント(例えば、他のユーザと協力して敵キャラクタと戦うイベント(所謂レイドバトル)等)が開始されてもよい。なお、イベントオブジェクト33の見た目は、特に限定されるものではなく、アイテムの形や、建物の形や、キャラクタの形等であってもよく、所定の記号等であってもよい。なお、イベントオブジェクト33に対応付けられたイベントは、ユーザの操作を介さずに自動的に進行され終了するものであってもよく、ユーザの操作を介して進行されるもの(例えば、プレイヤキャラクタ30等を操作して進行させるもの)であってもよい。
【0067】
本実施形態においては、仮想空間においてプレイヤキャラクタ30から所定範囲X内に位置するイベントオブジェクト33に対するユーザの操作(例えば、タッチ操作)が有効となっている。ゲーム制御部212は、イベントを発生させたいイベントオブジェクト33がプレイヤキャラクタ30から所定範囲X内に位置するように、ユーザがプレイヤキャラクタ30を移動させ、当該イベントオブジェクト33に対する操作を行うと、操作がされたイベントオブジェクト33に対応するイベントを発生させる。すなわち、本実施形態においては、仮想空間上における特定のイベントオブジェクト33が配置された位置に対応する現実世界上の位置にユーザが訪れることで(具体的には、訪れ、所定の操作(例えば、当該特定のイベントオブジェクト33に対するタッチ操作)を行うことで)、当該特定のイベントオブジェクト33に対応するイベントが発生可能となっている。なお、表示制御部114は、当該所定範囲Xを示す表示(
図3においては円の表示)を表示部18に表示させ、当該所定範囲Xをユーザに認識可能にする。
【0068】
なお、本実施形態においては、現実世界におけるユーザの位置に対応する仮想空間上の位置にプレイヤキャラクタ30が配置され表示部18に表示されるが、当該仮想空間上の位置にプレイヤキャラクタ30が配置されない構成(換言すると、
図3に例示する画面等においてプレイヤキャラクタ30が表示されない構成)としてもよい。このような構成においても、現実世界におけるユーザの位置に対応する仮想空間上の位置から所定範囲X内に位置するイベントオブジェクト33に対するユーザの操作等に基づきイベントを発生させる構成を取り得る。同様に、プレイヤキャラクタ30を表示する三人称表示から、プレイヤキャラクタ30が殆ど表示されない一人称表示に切り替えられるようなゲーム等の一人称表示で進行可能なゲームにおいても、各人称毎に設定されている操作が可能な所定範囲Xが設定されてよい。
【0069】
なお、ゲーム制御部212は、ゲームの進行に係るモードとして、イベントオブジェクト33に近づき、イベントオブジェクト33に対する操作(例えば、タッチ操作)がされたことに基づいてイベントを発生させる手動モードと、イベントオブジェクト33に近づくことで近づいたイベントオブジェクト33に対応するイベントを自動的に(換言すると、タッチ操作等を要さずに)発生させる自動モードと、をユーザの操作に基づいて切り替え可能であってもよい。すなわち、自動モードにおいては、特定のイベントオブジェクト33がプレイヤキャラクタ30から所定範囲X内に位置する状態になると、当該特定のイベントオブジェクト33に対応するイベントが自動的に発生してもよい。なお、イベントオブジェクト33の中には、手動モードと自動モードとのいずれに設定されているかに関わらず、近づくことでそのイベントオブジェクト33に対応するイベントが自動的に発生するイベントオブジェクト33が存在してもよい。また、自動モードに設定されている場合であっても、イベントオブジェクト33に対する操作(例えば、タッチ操作)に基づいてイベントを発生させることが可能であってもよい。
【0070】
現実情報取得部213は、位置情報取得部116が取得したユーザの位置を示す位置情報に基づいて、当該ユーザに関連する現実世界の情報(以下、「現実情報」という。)を取得する。換言すると、現実情報取得部213は、現実世界におけるユーザを取り巻く状況(換言すると、環境)に関する情報としての現実情報を取得する。
【0071】
現実情報は、例えば、ユーザが位置している場所の気象情報であってもよい。気象情報は、例えば、「晴れ」、「雨」、「曇り」、「雪」といった天気に関する情報であってもよい。具体的には、「強い雨が降る」や「強い雪が降る」といった天気に関する情報であってもよい。また、気象情報は、例えば、「気温が高い(例えば、真夏日)」、「気温が低い(例えば、真冬日)」といった(換言すると、「気温が何度」といった)気温に関する情報であってもよい。また、気象情報は、例えば、「濃霧」等の気象警報・気象注意報に関する情報であってもよい。また、気象情報は、黄砂や光化学スモッグの発生に係る情報等の、大気汚染に関する情報であってもよい。また、気象情報は、洪水、津波、または荒波等の海あるいは河川の状態に関する情報(換言すると、水害に関する情報)であってもよい。
【0072】
また、現実情報は、例えば、ユーザが位置している場所についての地震の予報に係る情報であってもよい。
【0073】
また、現実情報は、例えば、ユーザが位置している場所の地形に関する情報、または地面の状態に関する情報であってもよい。地形に関する情報は、例えば、「崖が近い」、「傾斜の急な斜面」、「山中」、あるいは「舗装されていない道」等であることを示す情報であってもよい。また、地面の状態に関する情報は、例えば、「凍った道」、あるいは「地雷原」等であることを示す情報であってもよい。
【0074】
また、現実情報は、例えば、ユーザが位置している場所における犯罪に関する情報であってもよい。犯罪に関する情報は、例えば、その地域において所定の犯罪が発生していることを示す情報や、不審者が目撃されていることを示す情報(換言すると、犯罪の前兆に関する情報)等であってもよい。
【0075】
また、現実情報は、例えば、ユーザが位置している場所における交通事故の危険に関する情報であってもよい。交通事故の危険に関する情報は、例えば、事故多発地域であることを示す情報や、見通しの悪い道であることを示す情報や、交通量が多くガードレールの無い道であることを示す情報等であってもよい。
【0076】
また、現実情報は、例えば、ユーザが位置している場所における感染症の発生状況に関する情報であってもよい。
【0077】
また、現実情報は、例えば、公共機関が発している外出の規制に関する情報であってもよい。外出の規制に関する情報は、例えば、行政の発する外出禁止令に関する情報等であってもよい。
【0078】
また、現実情報は、現在の時間帯に関する情報であってもよい。換言すると、現実情報は、ユーザがプレイを行おうとしている現在の時間帯が、深夜帯であることを示す情報や、早朝であることを示す情報や、学校にいる時間帯であることを示す情報等であってもよい。換言すると、現在時刻に関する情報が、現実情報として用いられてもよい。
【0079】
現実情報取得部213は、例えば、所望の現実情報を公開しているウェブサイトや現実情報を記憶している所定のサーバ等にアクセスし、位置情報に対応する現実情報を取得してもよい。すなわち例えば、現実情報として気象情報を取得する場合に、現実情報取得部213は、気象情報を公開しているウェブサイトや気象情報を記憶している所定のサーバ等にアクセスし、位置情報に対応する気象情報を取得してもよい。また、位置情報に対応する現実情報、例えば、各地域の地形情報等が、記憶部220に記憶されており、現実情報取得部213は、記憶部220から位置情報に対応する現実情報を取得することとしてもよい。また、現実情報取得部213は、端末装置10等の所定のデバイスに内蔵された各種センサを用いて検出される情報(例えば、温度センサによって検出される気温情報等)を現実情報として取得してもよい。
【0080】
なお、本実施形態においては、現実情報取得部213は、位置情報取得部116が取得する位置情報に基づいて現実情報を取得し得るが、位置情報取得部116が取得する位置情報に基づかずに現実情報を取得してもよい。
【0081】
ゲーム制御部212は、現実世界におけるユーザを取り巻く状況が所定の条件(以下、「不利制御条件」ともいう。)を満たす場合に、当該所定の条件を満たさない場合に比べて、ゲームのプレイ環境をユーザにとって不利な環境に制御する。換言すると、ゲーム制御部212は、現実世界におけるユーザを取り巻く状況が所定の条件を満たす場合に、ユーザにとって不利な効果を発生させる。本実施形態においては、当該所定の条件は、ユーザによるゲームプレイを制限したい状況下において、ユーザのプレイ環境が不利な環境となるように設定される。これにより、所定の条件を満たす状況におけるユーザのゲームプレイを抑制することが可能となる。また、所定の条件を満たさない状況でゲームをプレイするようにユーザを誘導することが可能となる。
【0082】
例えば、ゲーム制御部212は、現実情報の示すユーザを取り巻く状況が、ユーザの移動に適さない条件を満たす場合に、当該条件を満たさない場合に比べて、ゲームのプレイ環境をユーザにとって不利な環境に制御する。ここで、「移動に適さない」とは、例えば、移動に適する場合に比べ移動に係る危険度が高い場合や、何らかの規則によりそのユーザが移動をすべきでない場合等を含む。換言すると、「移動に適さない」とは、ユーザが事故または事件に遭う確率が相対的に高い場合を含む。換言すると、ゲーム制御部212は、現実情報の示すユーザを取り巻く状況が、当該ユーザの移動に係る危険度が第1の状況よりも高い(例えば、事故または事件に遭う確率が第1の状況よりも高い)第2の状況である場合に、第1の状況である場合に比べて、ゲームのプレイ環境をユーザにとって不利な環境に制御し得る。
【0083】
例えば、ゲーム制御部212は、気象条件がユーザの移動に適さないものである場合に、気象条件がユーザの移動に適したものである場合に比べて、ゲームのプレイ環境をユーザにとって不利な環境に制御してもよい。例えば、ゲーム制御部212は、現実情報としての気象情報が、「高温(例えば、真夏日)」、「低温(例えば、真冬日)」、「強い雨や雪」等の、移動に適さない気象となっていること、あるいはこのような気象となる予報が出ていることを示す場合に、気象条件がユーザの移動に適さないとして、ゲームのプレイ環境をユーザにとって不利な環境に制御する。
【0084】
また、例えば、ゲーム制御部212は、ユーザが位置している場所の地形(あるいは地面の状態)がユーザの移動に適さないものである場合に、地形がユーザの移動に適したものである場合に比べて、ゲームのプレイ環境をユーザにとって不利な環境に制御してもよい。例えば、ゲーム制御部212は、現実情報としての地形に関する情報が、ユーザが位置している場所が「崖が近い」、「傾斜の急な斜面」、「山中」、あるいは「舗装されていない道」等の、ユーザの移動に適さない地形であることを示す場合に、ゲームのプレイ環境をユーザにとって不利な環境に制御する。換言すると、ゲーム制御部212は、ユーザが事故に遭う確率が相対的に高い場合に、事故に遭う確率が相対的に低い場合に比べて、ゲームのプレイ環境をユーザにとって不利な環境に制御してもよい。
【0085】
また、例えば、ゲーム制御部212は、ユーザが犯罪に遭う確率が相対的に高い場合に、犯罪に遭う確率が相対的に低い場合に比べて、ゲームのプレイ環境をユーザにとって不利な環境に制御してもよい。例えば、ゲーム制御部113は、現実情報としてのユーザが位置している場所における犯罪に関する情報が、当該場所において所定の犯罪が発生していることを示す場合や、不審者が目撃されていることを示す場合等に、ユーザが犯罪に遭う確率が相対的に高く、ユーザの移動に適さないとして、ゲームのプレイ環境をユーザにとって不利な環境に制御する。
【0086】
また、例えば、ゲーム制御部212は、ユーザが交通事故に遭う確率が相対的に高い場合に、交通事故に遭う確率が相対的に低い場合に比べて、ゲームのプレイ環境をユーザにとって不利な環境に制御してもよい。例えば、ゲーム制御部212は、現実情報としてのユーザが位置している場所における交通事故の危険に関する情報が、当該場所が事故多発地域であることを示す場合や、見通しの悪い道であることを示す場合や、交通量が多くガードレールの無い道であることを示す場合等に、ユーザが交通事故に遭う確率が相対的に高く、ユーザの移動に適さないとして、ゲームのプレイ環境をユーザにとって不利な環境に制御する。
【0087】
また、例えば、ゲーム制御部212は、現在の時間帯が特定の時間帯である場合に、現在の時間帯が特定の時間帯でない場合に比べて、ゲームのプレイ環境をユーザにとって不利な環境に制御してもよい。例えば、ゲーム制御部212は、現実情報としての現在の時間帯に関する情報が、深夜帯であることを示す場合や、当該ユーザが学校にいる時間帯であることを示す場合等に、ゲームのプレイ環境をユーザにとって不利な環境に制御する。
【0088】
その他、ゲーム制御部212は、ユーザが感染症にかかる確率が相対的に高い場合や、行政が外出禁止令を出している場合など、移動に係る危険度が相対的に高い状況(換言すると、危険度が第1の状況よりも高い第2の状況)下において、移動に係る危険度が相対的に低い状況(換言すると、危険度が第2の状況よりも低い第1の状況)下に比べて、ゲームのプレイ環境をユーザにとって不利な環境に制御してもよい。
【0089】
このようにゲーム制御部212は、現実情報に基づきユーザの移動に適さない(例えば、移動に係る危険度が高い)と判定される場合に、ゲームのプレイ環境をユーザにとって不利な環境に制御してもよい。
【0090】
なお、このようにゲーム制御部212は、現実世界におけるユーザを取り巻く状況が所定の条件を満たす場合に、当該所定の条件を満たさない場合に比べて、ゲームのプレイ環境をユーザにとって不利な環境に制御するが、このようなゲーム制御部212による制御は、移動に適さない状況でのゲームプレイを抑制したり、移動に適する状況でのゲームプレイを促したりするものでなくてもよい。例えば、ゲーム制御部212は、現在の時間帯が特定の時間帯である場合に、現在の時間帯が特定の時間帯でない場合に比べて、ゲームのプレイ環境をユーザにとって不利な環境に制御し得るが、このような制御は、移動の有無に関わらず所定の状況でのゲームプレイを抑制するための制御や、適切な状況でのゲームプレイを促す制御として利用することができる。
【0091】
次に、不利な環境への制御について
図3を参照しながら説明する。なお、
図3(a)は、通常時(換言すると、不利な環境への制御がされていない状態)におけるプレイ環境を示すものであり、
図3(b)は、不利な環境に制御されたプレイ環境を示すものである。
【0092】
不利な環境への制御は、所定のイベントオブジェクト33aの数を減少させる制御であってもよい。ゲーム制御部212は、不利な環境への制御として、所定のイベントオブジェクト33aの数を減少させる制御を行い、当該所定のイベントオブジェクト33aに対応するイベント(例えば、ユーザに所定のアイテムが付与されるイベントや、ユーザに関連する所定のパラメータが回復するイベント等)を発生しにくくしてもよい(換言すると、発生確率を低下させてもよい)。換言すると、ゲーム制御部212は、不利な環境への制御として、ユーザにとって有利なイベントが対応付けられた所定のイベントオブジェクト33aの数を減少させる制御を行い、ユーザにとって有利な所定のイベントを発生しにくくしてもよい。換言すると、不利な環境とは、通常時よりも所定のスポットの利用が制限された環境や、特定のイベントが発生しにくい環境であってもよい。なお、本実施形態において、「発生しにくい」とは、発生する確率が0%の場合を含む。また、本実施形態において、「確率を低下」あるいは「確率を上昇」とは、低い方の確率が0%の場合を含む。
【0093】
また、不利な環境への制御は、所定のアイテムの取得確率を低下させる制御であってもよい。ここで、所定のアイテムは、敵キャラクタを倒した際に当該敵キャラクタが落とすアイテムであってもよい。すなわち、不利な環境への制御は、敵キャラクタから取得可能な所定のアイテムの取得確率を低下させる制御であってもよい。また、ゲーム制御部212は、所定のアイテムを取得可能なイベントオブジェクト33の数を減少させることにより、所定のアイテムの取得確率を低下させてもよい。
【0094】
また、不利な環境への制御は、ユーザに不利な所定のイベントの発生の制御であってもよい。例えば、ゲーム制御部212は、ユーザにとって不利な所定のイベントが発生するイベントオブジェクト33(以下、「不利オブジェクト33b」という。)を仮想空間上に配置する制御を行ってもよい。ここで、不利な環境への制御において配置される不利オブジェクト33bは、通常時には配置されない種類のイベントオブジェクト33であってもよく、通常時にも配置される種類のイベントオブジェクト33であって不利な環境への制御により配置される数が増加するイベントオブジェクト33であってもよい。また、不利オブジェクト33bは、近づくことで自動的に(例えば、手動モードに設定されているか自動モードに設定されているかに関わらず自動的に)、ユーザに不利なイベントが発生するものであってもよい。換言すると、ゲーム制御部212は、不利な環境への制御として、ユーザに不利な所定のイベントの発生確率を上昇させてもよい。すなわち、不利な環境とは、通常時よりもユーザに不利な所定のイベントが発生しやすい環境であってもよい。また、ユーザに不利な所定のイベントは、例えば、ユーザのプレイヤキャラクタ30を所定の状態異常に陥らせるイベント(例えば、プレイヤキャラクタ30が毒をくらうなどのイベント)や、ユーザに関連する所定のパラメータを変化(例えば、低下)させるイベント等であってもよい。
【0095】
また、不利な環境への制御は、ユーザに関連する所定のパラメータを変化(例えば、低下)させる制御であってもよい。例えば、ゲーム制御部212は、プレイヤキャラクタ30の攻撃力、防御力、体力(換言すると、ヒットポイント)、速度、敵からの攻撃についての回避率、回復力(例えば敵から受けたダメージの回復に要する時間、換言すると単位時間あたりの回復量)、所定のアクションに係る待機時間(例えば、所定のアクションを実行してから当該所定のアクションが再度実行可能となるまでの待機時間、または所定のアクションを行う前もしくは行った後の硬直時間等)等を変化させてもよい。また、不利な環境への制御は、プレイヤキャラクタ30の使用可能なスキルについて使用を制限する制御(例えば、使用可能なスキルの種類を減少させる制御や、使用可能回数を減少させる制御等)であってもよい。換言すると、不利な環境への制御は、ユーザに関連する所定のオブジェクトの能力を低下させる制御であってもよい。
【0096】
また、不利な環境への制御は、敵キャラクタを強くする制御であってもよい。すなわち、不利な環境とは、通常時に比べて敵キャラクタが強くなっている環境であってもよい。ここで、敵キャラクタを強くする制御は、例えば、敵キャラクタの強さに係るパラメータを変化させる制御であってもよく、イベントオブジェクト33への接近に基づいて発生する敵キャラクタとの戦闘について、出現する敵キャラクタの種類を変化させる制御であってもよい。
【0097】
また、不利な環境への制御は、ゲームの進行により得られる所定の利益を減少させる制御であってもよい。ここで、利益を減少させるとは、利益をゼロにする場合を含む。具体的には、ゲームにおいては、所定契機で(例えば、敵キャラクタを倒したり、イベントをクリアしたりすることにより)、プレイヤキャラクタ30のレベルの上昇等にかかる所定の経験値が付与されたり、ゲーム内通貨や所定のアイテムが付与されたりすることが知られている。ゲーム制御部212は、不利な環境への制御として、所定契機でユーザに付与される所定の利益を減少させる制御を行ってもよい。すなわち、不利な環境とは、通常時よりも所定契機で付与される利益の減少した環境であってもよい。
【0098】
また、不利な環境への制御は、ゲームの操作性を変化させる制御であってもよい。ここで、ゲームの操作性を変化させる制御は、イベントオブジェクト33に対する操作が有効な範囲Xを縮小させる制御であってもよい。前述のように、本実施形態においては、プレイヤキャラクタ30から所定範囲X内に位置するイベントオブジェクト33に対するユーザの操作(例えば、タッチ操作)が有効となっており、所定範囲X外に位置するイベントオブジェクト33に対する操作は無効となっている。不利な環境への制御は、このような操作が有効な範囲Xを縮小させる制御であってもよい。換言すると、不利な環境への制御は、イベントオブジェクト33に対応するイベントを発生させるための、イベントオブジェクト33とプレイヤキャラクタ30(換言すると、ユーザ)との位置関係に関する条件を厳しくする制御であってもよい。また、ゲームの操作性を変化させる制御は、ゲーム内において所定の事象を発生させるのに必要な(例えば、敵キャラクタまたはアイテム等の所定のオブジェクトに対して所定の作用を与えるため(例えば、攻撃を加えたり、取得したりするため)に必要な)ユーザの操作の内容(例えば、操作の種類や操作の数等)を変化させる制御であってもよい。また、ゲームの操作性を変化させる制御は、ゲーム内において所定の事象を発生させるのに必要な特定の操作を無効化する制御であってもよい。また、ゲームの操作性を変化させる制御は、ゲームの操作に関する複数のモード(具体的には、前述の手動モードおよび自動モード等)のうち、一部(例えば、手動モード)の使用を不可能とし、ユーザの使用可能なモードを他の一部のモード(例えば、自動モード)に限定する制御であってもよい。すなわち、不利な環境とは、通常時よりも操作性の悪化した環境であってもよい。
【0099】
また、不利な環境への制御は、ユーザのゲームプレイを支援する機能についてユーザに不利となる所定の変化を与える制御であってもよい。例えば、位置情報ゲーム等のゲームにおいては、前述のようにイベントを発生させたいイベントオブジェクト33がプレイヤキャラクタ30から所定範囲X内に位置するように、プレイヤキャラクタ30を移動させ、当該イベントオブジェクト33に対する操作を行うと、操作がされたイベントオブジェクト33に対応するイベントが発生することが知られている。また、このようなゲームにおいて、所定の条件を満たした場合に、ユーザがプレイヤキャラクタ30を移動させて当該イベントオブジェクト33に対する操作を行うことを要さずに、当該イベントオブジェクト33に対応するイベントを発生させることが知られている。例えば、ゲーム制御部212は、プレイヤキャラクタ30から所定範囲(なお、当該所定範囲は、範囲Xと同一の範囲であってもよく、異なる範囲であってもよい)に所定のイベントオブジェクト33がある場合に、プレイヤキャラクタ30の仲間である所定のキャラクタ35(換言すると、プレイヤキャラクタ30に関連する(例えば、ユーザが所有する)所定のオブジェクト)を当該所定のイベントオブジェクト33に向かわせ(例えば、ユーザの操作を要さずに自動的に、あるいはユーザの操作に基づいて向かわせ)、当該所定のイベントオブジェクト33に対応するイベントを発生させる。具体的には、当該所定のイベントオブジェクト33としてのアイテムスポットに所定のキャラクタ35を向かわせてアイテムを獲得させたり、当該所定のイベントオブジェクト33としての敵キャラクタと戦うイベントに対応するオブジェクトに所定のキャラクタ35を向かわせて当該所定のキャラクタ35と敵キャラクタとを戦わせたりする。不利な環境への制御は、このような所定のキャラクタ35(換言すると、プレイヤキャラクタ30に関連する所定のオブジェクト)の所定のイベントオブジェクト33に対して反応する範囲(例えば、所定のキャラクタ35が所定のイベントオブジェクト33に向かい、イベントを発生させることが可能な範囲)を縮小させる制御であってもよい。また、不利な環境への制御は、このような所定のキャラクタ35を所定のイベントオブジェクト33に対して反応しなくする(例えば、所定のキャラクタ35を所定のイベントオブジェクト33に向かわせることを不可能とする)制御であってもよい。また、不利な環境への制御は、このような所定のキャラクタ35が所定のイベントオブジェクト33に向かい、イベントを完了するまでに要する時間を長くする制御であってもよい。すなわち、不利な環境への制御は、ユーザのゲームプレイを支援する所定のオブジェクト35の機能を低下させる制御であってもよい。
【0100】
また、不利な環境への制御は、ゲームの機能の一部について利用を制限する制御であってもよい。例えば、本実施形態のゲームにおいては、ユーザが現実世界において実際に移動してプレイするパート(換言すると、プレイヤキャラクタ30を仮想空間上で移動させて各種イベントを発生させるパート)と、現実世界における移動を伴わずにプレイ可能なパートとが存在する。現実世界における移動を伴わずにプレイ可能なパートには、例えば、プレイヤキャラクタ30に装備させるアイテム等を選択するパートや、現実世界における移動を伴わずに実行可能なイベント(例えばミニゲーム等、換言するとイベントオブジェクト33に近づくことにより発生するイベントとは異なるイベント)を実行するパート等が含まれる。不利な環境への制御は、このような複数種類のパートのうち、一部のパート、具体的には、ユーザが現実世界において実際に移動してプレイするパートについてのプレイを制限する制御であってもよい。具体的には、ゲーム制御部212は、不利な環境への制御として、ユーザの位置情報に基づくプレイヤキャラクタ30の移動を実行しないように制御したり、仮想空間上にイベントオブジェクト33を出現させないように制御したり、プレイが制限されるパートについてのプレイ開始に係るボタン操作を無効化したりすることにより、ユーザが現実世界において実際に移動してプレイするパートについて、プレイを禁止してもよい。
【0101】
なお、不利な環境への制御として、ここで例示した1の制御が実行されてもよく、複数の制御が実行されてもよい。
【0102】
(不利制御条件の変化)
上述のように、ゲーム制御部212は、現実情報の示すユーザを取り巻く状況が所定の条件(換言すると、不利制御条件)を満たす場合に、当該所定の条件を満たさない場合に比べて、ゲームのプレイ環境をユーザにとって不利な環境に制御するが、当該所定の条件は、可変であってもよい。
【0103】
例えば、ゲーム制御部212は、ユーザの属性に応じて、不利制御条件を変化させてもよい。具体的には、ゲーム制御部212は、ユーザの年齢、性別、職業、体格、居住地、または出身地等に応じて不利制御条件を変化させてもよい。なお、年齢、性別、職業、体格、居住地、または出身地等のユーザの属性は、ユーザが予め登録しておき、ユーザ情報として所定の記憶部に記憶されるようになっていてもよい。すなわち、例えば、現実世界におけるユーザを取り巻く状況が特定の状況である場合について、ユーザの属性によっては危険度がそれほど高くない場合等もあり得る。そこで、ユーザが特定の属性を有する場合には、当該特定の状況において不利な環境への制御を行わない一方、ユーザが当該特定の属性を有しない場合には、当該特定の状況において不利な環境への制御を行うようにするなどしてもよい。具体的には、現実情報が、ユーザを取り巻く状況が「深夜帯」であることを示す場合において、ユーザが未成年である場合にはプレイ環境が不利な環境に制御され、ユーザが成人である場合にはプレイ環境が不利な環境に制御されないように、不利制御条件が変化されてもよい。
【0104】
また、例えば、ゲーム制御部212は、ユーザの行動履歴に応じて、不利制御条件を変化させてもよい。具体的には、まず、ゲーム制御部212は、ユーザの行動履歴としてのユーザが訪れたことのある(換言すると、歩いたことのある)場所を示す情報を、ユーザ情報として所定の記憶部に記憶させてもよい。そして、ゲーム制御部212は、現実世界におけるユーザを取り巻く状況が特定の状況である場合について、ユーザの現在の位置がユーザが訪れたことのある場所(例えば、一度訪れたことのある場所、所定回数訪れたことのある場所、あるいは所定頻度で訪れている場所等)に含まれる場合には、不利な環境への制御を行わない一方、ユーザが訪れたことのある場所に含まれない場合には当該特定の状況において、不利な環境への制御を行うようにするなどしてもよい。あるいは、ゲーム制御部212は、ユーザの行動履歴として、ユーザがゲームをプレイしている時間帯を示す情報を、ユーザ情報として記憶部220に記憶させてもよい。そして、ゲーム制御部212は、ユーザを取り巻く状況が「深夜帯」である場合において、行動履歴の示す、ユーザが深夜帯にゲームをプレイした回数や合計時間等が、所定の閾値を超える場合には、不利な環境への制御を行わない一方、当該所定の閾値を超えない場合には、不利な環境への制御を行うようにするなどしてもよい。
【0105】
また、例えば、ゲーム制御部212は、ユーザと共にプレイをしている他のユーザの属性または人数の少なくともいずれかに応じて、不利制御条件を変化させてもよい。換言すると、ゲーム制御部212は、共にプレイをするユーザの組み合わせに応じて、不利制御条件を変化させてもよい。
【0106】
例えば、ゲーム制御部212は、特定の属性(例えば、成人という属性)を有しない第1ユーザが1人でプレイしている場合(換言すると、マルチプレイをしていない場合)や、特定の属性を有しない他のユーザとマルチプレイをしている場合には、特定の状況において、第1ユーザのプレイ環境を不利な環境へ制御する一方で、特定の属性を有しない第1ユーザが特定の属性を有する第2ユーザとマルチプレイをしている場合には当該特定の状況において、第1ユーザのプレイ環境を不利な環境へ制御しないこととしてもよい。あるいは、ゲーム制御部212は、特定の属性(例えば、成人という属性)を有しない第1ユーザが1人でプレイしている場合や、特殊属性(例えば、第1ユーザの親という属性)を有しない他のユーザとマルチプレイをしている場合には、特定の状況において、第1ユーザのプレイ環境を不利な環境へ制御する一方で、特殊属性を有する第2ユーザとマルチプレイをしている場合には当該特定の状況において、第1ユーザのプレイ環境を不利な環境へ制御しないこととしてもよい。なお、このような特殊属性(例えば、あるユーザがあるユーザの親や子であるなどの情報)についても、ユーザの年齢や性別等と同様に、ユーザが予め登録しておき、ユーザ情報として所定の記憶部に記憶されるようになっていてもよい。
【0107】
また、ゲーム制御部212は、第1ユーザが1人でプレイしている場合や、規定数未満の人数でマルチプレイをしている場合には、特定の状況において、第1ユーザのプレイ環境を不利な環境へ制御する一方で、規定数以上の人数でマルチプレイをしている場合には当該特定の状況において、第1ユーザのプレイ環境を不利な環境へ制御しないこととしてもよい。このような構成においては、各ユーザの属性に関係なく、マルチプレイに参加するユーザの数で不利な環境への制御を実行するか否かが決まってもよく、各ユーザの属性も加味して不利な環境への制御を実行するか否かが決まってもよい。すなわち、例えば、マルチプレイに参加する各ユーザの属性に応じて、規定数が変化するなどしてもよい。
【0108】
なお、このようにユーザと共にプレイをしている他のユーザの属性または人数の少なくともいずれかに応じて、不利制御条件を変化させる場合において、「共にプレイをしている他のユーザ」とは、所定範囲内(換言すると、所定距離内)にいる他のユーザのことであってもよい。すなわち、例えば、第1ユーザが1人でプレイしている場合には、特定の状況において、第1ユーザのプレイ環境を不利な環境へ制御する一方で、第1ユーザが第2ユーザとマルチプレイをしている場合には当該特定の状況において、第1ユーザのプレイ環境を不利な環境へ制御しない構成において、「マルチプレイをしている第1ユーザと第2ユーザ」とは、マルチプレイをしている第1ユーザと第2ユーザであって現実世界において所定範囲内に位置する第1ユーザと第2ユーザのことであってもよい。この場合において、マルチプレイを行うための要件として、第1ユーザと第2ユーザとが所定範囲内に位置していることが求められてもよく、マルチプレイ自体は第1ユーザと第2ユーザとが所定範囲内に位置していなくても可能であるが不利制御条件の変化に係る条件として、第1ユーザと第2ユーザとが所定範囲内に位置していることが求められてもよい。換言すると、ゲーム制御部212は、ユーザの近くにいる他のユーザの属性または人数の少なくともいずれかに応じて、不利制御条件を変化させてもよい。
【0109】
なお、現実世界において所定範囲内に位置しているか否か(換言すると、第1ユーザと第2ユーザとの位置関係)は、例えば、各ユーザの位置情報に基づいて検知されてもよい。例えば、ゲーム制御部212は、第1ユーザの位置情報と第2ユーザの位置情報とに基づいて、第1ユーザと第2ユーザとが所定範囲内に位置しているか否かを検知する。また、現実世界において所定範囲内に位置しているか否か(換言すると、第1ユーザと第2ユーザとの位置関係)は、例えば、各ユーザが持つ端末装置10同士の近距離無線通信に基づいて検知されてもよい。例えば、第1ユーザの端末装置10の制御部110は、赤外線通信やブルートゥース通信によって第2ユーザの端末装置10が近くにいるか否かを判定し、これにより第1ユーザと第2ユーザとが所定範囲内に位置しているか否かを判定してもよい。あるいは、第1ユーザの端末装置10の制御部110は、同一のネットワーク機器に接続されている第2ユーザの端末装置10を検知することにより、第1ユーザと第2ユーザとが所定範囲内に位置しているか否かを判定してもよい。なお、ユーザ間の位置関係を検知する方法としては、従来より様々な方法が知られており、公知の方法を用いることができる。
【0110】
また、例えば、ゲーム制御部212は、不利制御条件を所定のユーザの操作に基づいて決定してもよい。すなわち、例えば、現実世界における第1ユーザを取り巻く状況が不利制御条件を満たす場合に、第1ユーザのゲームのプレイ環境を第1ユーザにとって不利な環境に制御する場合において、ゲーム制御部212は、不利制御条件を第1ユーザ自身または第1ユーザとは異なる第2ユーザの操作に基づいて決定してもよい。換言すると、第1ユーザのアカウントに関する設定を、他のユーザが行うことが可能であってもよい。第2ユーザは、例えば、第1ユーザに関連する所定の属性(例えば、第1ユーザの親という属性)を有するユーザであってもよい。また、第2ユーザが第1ユーザに関する不利制御条件の設定を行う場合に、第2ユーザは、条件の設定に係る操作を第1ユーザの端末装置10において行うようになっていてもよく、第2ユーザの端末装置10において(換言すると、第1ユーザのアカウントと連携した第2ユーザのアカウントを用いて)行うようになっていてもよい。
【0111】
不利制御条件の設定に係る画面としての条件設定画面50の一例を
図4に示す。条件設定画面50は、不利制御条件の設定に係る操作を行う端末装置10(例えば、第1ユーザまたは第2ユーザの端末装置10)に表示される。
【0112】
条件設定画面50においては、複数の候補の中から不利制御条件として設定する条件を選択することで、不利制御条件を設定可能となっていてもよい。例えば、操作受付部111は、条件設定画面50に表示される複数の候補の中から不利制御条件として設定する条件を選択する操作、および条件設定画面50に表示される実行ボタン52に対する操作を、不利制御条件の設定に係る操作として受け付けてもよい。そして、ゲーム制御部212は、不利制御条件の設定に係る操作がされると、選択された条件を不利制御条件として設定してもよい。なお、
図4においては、選択された条件のうちのいずれか1つに該当する場合に不利な環境への制御が実行される場合の画面表示を例示しているが、選択された条件のうちの複数に該当する場合に不利な環境への制御が実行されるように不利制御条件が設定可能であってもよい。
【0113】
また、ゲーム制御部212は、不利制御条件を満たす場合に実行する不利な環境への制御(具体的には制御の内容、換言すると不利制御条件を満たす場合に発生させる不利な効果)を第1ユーザまたは第2ユーザの操作に基づいて決定してもよい。不利な環境への制御の設定に係る画面としての制御内容設定画面55の一例を
図5に示す。制御内容設定画面55は、不利制御条件を満たす場合に実行する制御の設定に係る操作を行う端末装置10(例えば、第1ユーザまたは第2ユーザの端末装置10)に表示される。
【0114】
制御内容設定画面55においては、不利制御条件を満たす場合に実行する制御を複数の候補の中から選択することで、不利制御条件を満たす場合に実行する制御を設定可能となっていてもよい。例えば、操作受付部111は、制御内容設定画面55に表示される複数の候補の中から不利制御条件を満たす場合に実行する制御を選択する操作、および制御内容設定画面55に表示される実行ボタン57に対する操作を、不利制御条件を満たす場合に実行する制御の設定に係る操作として受け付けてもよい。そして、ゲーム制御部212は、当該制御の設定に係る操作がされると、選択された制御を、不利制御条件を満たす場合に実行する制御として設定してもよい。
【0115】
(有利な効果の発生)
また、ゲーム制御部212は、現実世界におけるユーザを取り巻く状況が、不利制御条件を満たす状態から、不利制御条件を満たさない状態に変化したことに基づいて、ユーザにとって有利な効果を発生させてもよい。すなわち、ゲーム制御部212は、現実世界におけるユーザを取り巻く状況が不利制御条件を満たし、ゲームのプレイ環境をユーザにとって不利な環境に制御した後において、現実世界におけるユーザを取り巻く状況が不利制御条件を満たさない状態となると、ゲームのプレイ環境をユーザにとって有利な環境に制御することとしてもよい。なお、ここで有利な環境とは、通常時(換言すると、不利な環境への制御も有利な環境への制御もされていない状態)よりも有利な環境を意味する。なお、ゲーム制御部212は、有利な効果を所定期間発生させ(換言すると、有利な環境を所定期間継続させ)、所定期間が経過すると、通常時の環境に戻すこととしてもよい。また、有利な効果は所定期間継続するタイプの効果でなくてもよい。
【0116】
有利な効果は、所定のイベントオブジェクト33の数を増加させるものであってもよい。ゲーム制御部212は、現実世界におけるユーザを取り巻く状況が、不利制御条件を満たす状態から、不利制御条件を満たさない状態に変化したことに基づいて、所定のイベントオブジェクト33の数を増加させる制御を行い、当該所定のイベントオブジェクト33に対応するイベント(例えば、ユーザに所定のアイテムが付与されるイベントや、ユーザに関連する所定のパラメータが回復するイベント等)を発生しやすくしてもよい(換言すると、発生確率を上昇させてもよい)。すなわち、有利な環境とは、通常時よりも所定のスポットの利用が容易な環境や、特定のイベントが発生しやすい環境であってもよい。
【0117】
また、有利な効果は、所定のアイテムの取得確率を上昇させる制御であってもよい。ここで、所定のアイテムは、敵キャラクタを倒した際に当該敵キャラクタが落とすアイテムであってもよい。すなわち、有利な効果は、敵キャラクタから取得可能な所定のアイテムの取得確率を上昇させる制御であってもよい。また、ゲーム制御部212は、所定のアイテムを取得可能なイベントオブジェクト33の数を増加させることにより、所定のアイテムの取得確率を上昇させてもよい。
【0118】
また、有利な効果は、ユーザに有利な所定のイベントの発生確率を上昇させるものであってもよい。すなわち、有利な環境とは、通常時よりもユーザに有利な所定のイベントの発生確率が上昇した環境であってもよい。
【0119】
また、有利な効果は、ユーザに関連する所定のパラメータを変化(例えば、向上)させるものであってもよい。換言すると、有利な効果は、ユーザに関連する所定のオブジェクトの能力を向上させるものであってもよい。すなわち、有利な環境とは、通常時よりもユーザに関連する所定のオブジェクトの能力が向上した環境であってもよい。
【0120】
また、有利な効果は、敵キャラクタを弱くするものであってもよい。すなわち、有利な環境とは、通常時に比べて敵キャラクタが弱くなっている環境であってもよい。
【0121】
また、有利な効果は、ゲームの進行により得られる所定の利益を増加させる制御であってもよい。ゲーム制御部212は、現実世界におけるユーザを取り巻く状況が、不利制御条件を満たす状態から、不利制御条件を満たさない状態に変化したことに基づいて、所定契機でユーザに付与される所定の利益を増加させる制御を行ってもよい。すなわち、有利な環境とは、通常時よりも所定契機で付与される利益の増加した環境であってもよい。
【0122】
また、有利な効果は、ゲームの操作性を変化させるものであってもよい。例えば、ゲーム制御部212は、現実世界におけるユーザを取り巻く状況が、不利制御条件を満たす状態から、不利制御条件を満たさない状態に変化したことに基づいて、イベントオブジェクト33に対する操作が有効な範囲Xを拡大させる制御を行ってもよい。すなわち、有利な環境とは、通常時よりも操作性の向上した環境であってもよい。
【0123】
また、有利な効果は、ユーザのゲームプレイを支援する機能についてユーザに有利となる所定の変化を与えるものであってもよい。例えば、有利な効果は、ユーザのゲームプレイを支援する所定のオブジェクト35の機能を向上させるものであってもよい。
【0124】
(ユーザへの通知)
不利制御条件が満たされ、不利な環境への制御を行う場合に、ゲーム制御部212は、不利な環境への制御の実行を端末装置10に通知する。そして、端末装置10の表示制御部114は、当該通知に基づき、
図6(a)に示すように、不利な環境への制御の実行をユーザに通知する通知画面60を表示部18に表示させる。
【0125】
また、不利制御条件を満たす状態から、不利制御条件を満たさない状態に変化したことに基づいて不利な環境への制御を終了する場合に、ゲーム制御部212は、不利な環境への制御の終了を端末装置10に通知する。そして、端末装置10の表示制御部114は、当該通知に基づき、
図6(b)に示すように、不利な環境への制御の終了をユーザに通知する通知画面62を表示部18に表示させる。なお、不利制御条件を満たす状態から、不利制御条件を満たさない状態に変化したことに基づいて、ユーザにとって有利な効果が発生する場合には、表示制御部114は、有利な効果の発生をユーザに通知する通知画面(図示せず)を表示部18に表示させてもよい。
【0126】
なお、ユーザに対する各種の通知は、上述のように表示部18における所定の表示により行われてもよく、音や振動、あるいはユーザに対するメールの送信等により行われてもよい。
【0127】
(不利な環境への制御)
次に、不利な環境への制御の一例について、
図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0128】
まず、位置情報取得部116は、ユーザの現実世界における現在位置を示す位置情報を取得する(ステップS101)。
【0129】
次いで、ゲーム制御部212は、取得された位置情報に基づいて、仮想空間にイベントオブジェクト33を配置する(ステップS102)。例えば、ゲーム制御部212は、位置情報に基づいて特定されるプレイヤキャラクタ30の位置の周辺にイベントオブジェクト33を配置する。
【0130】
次いで、端末装置10の制御部110は、ゲーム制御部212が位置情報に基づいてイベントオブジェクト33を配置した仮想空間の画像を表示部18に表示させる(ステップS103)。
【0131】
次いで、端末装置10の制御部110は、表示部18に表示されたイベントオブジェクト33に対する操作を受け付ける(ステップS104)。本実施形態においては、制御部110は、
図3に示すようにプレイヤキャラクタ30から所定範囲X内に位置するイベントオブジェクト33に対する操作(例えば、タッチ操作)を有効な操作として受け付ける。
【0132】
次いで、ゲーム制御部212は、イベントオブジェクト33に対する有効な操作(換言すると、所定範囲X内のイベントオブジェクト33に対する操作)がされると、操作されたイベントオブジェクト33に対応するイベントを発生させる(ステップS105)。
【0133】
不利な環境への制御は、例えば、以下のように実行されてもよい。すなわち、例えば、不利な環境への制御がイベントオブジェクト33の増減に係る制御である場合に、ゲーム制御部212は、ステップS102の処理において、仮想空間に配置するイベントオブジェクト33(例えば、配置するイベントオブジェクト33の種類、位置、数等)を現実情報に基づいて決定し、現実情報の示すユーザを取り巻く状況が不利制御条件を満たす場合に、不利制御条件を満たさない場合に比べて、配置する所定のイベントオブジェクト33(例えば、回復スポット等)の数を減少(あるいは増加)させてもよい。なお、このような、表示部18に表示される仮想空間上の所定のイベントオブジェクト33の数を変化させる制御を、制御部110が実行してもよい。
【0134】
また、例えば、不利な環境への制御が所定のパラメータ(例えば、ユーザに関連する所定のパラメータや、敵キャラクタの所定のパラメータ等)の変化に係る制御である場合に、ゲーム制御部212は、所定のパラメータをユーザにとって不利な方向に変化させるか否かを現実情報に基づいて決定し、現実情報の示すユーザを取り巻く状況が不利制御条件を満たす場合に、不利制御条件を満たさない場合に比べて、所定のパラメータをユーザにとって不利となるように変化させてもよい。具体的には、例えば、キャラクタの強さに係る各種パラメータ(例えば、プレイヤキャラクタ30の強さに係る各種パラメータや、敵キャラクタの強さに係る各種パラメータ)の情報が記憶部220に記憶されており、ゲーム制御部212は、イベントオブジェクトに対するユーザの操作に基づいて敵キャラクタとの戦闘を開始させる場合に、記憶部220に記憶された情報に基づいて戦闘を開始させる。ゲーム制御部212は、戦闘を開始させる際に、キャラクタの強さに係る所定のパラメータをいくつに設定するか(具体的には、記憶部220に記憶されたパラメータのうちのいずれを用いるか、あるいは記憶されたパラメータからどれだけ値を減少させるか等)を現実情報に基づいて決定し、これにより所定のパラメータを現実情報に応じたものに制御してもよい。なお、このような、所定のパラメータを変化させる制御を、制御部110が実行してもよい。
【0135】
また、例えば、不利な環境への制御がゲームの操作性を変化させる制御である場合に、ゲーム制御部212は、イベントオブジェクト33に対する操作が有効な範囲Xの大きさを現実情報に基づいて決定し、現実情報の示すユーザを取り巻く状況が不利制御条件を満たす場合に、不利制御条件を満たさない場合に比べて、範囲Xの大きさがユーザにとって不利となるように変化させてもよい。また、ゲーム制御部212は、所定の事象を発生させるのに必要な(例えば、敵キャラクタまたはアイテム等の所定のオブジェクトに対して所定の作用を与えるために必要な)ユーザの操作の内容(例えば、操作の種類や操作の数等)を現実情報に基づいて決定し、現実情報の示すユーザを取り巻く状況が不利制御条件を満たす場合に、不利制御条件を満たさない場合に比べて、操作性が悪化するように制御してもよい。また、ゲーム制御部212は、操作に関するモードやモードの選択に係る制限を現実情報に基づいて決定し、現実情報の示すユーザを取り巻く状況が不利制御条件を満たす場合に、不利制御条件を満たさない場合に比べて、操作性が悪化するように制御してもよい。さらに、プレイヤキャラクタの表示に係る人称の状態に応じて、不利な制御を変えても良い。すなわち、一例として、操作が有効な範囲Xの大きさの変化の程度が、一人称表示と三人称表示で異なるように制御してもよい。なお、このような、操作性を変化させる制御を、制御部110が実行してもよい。
【0136】
なお、不利な環境への制御についての具体的な処理は、本実施形態において例示したものに限られない。すなわち、仮想空間上に配置するオブジェクト(換言すると、ユーザに提示するオブジェクト)の決定や、所定のパラメータの決定や、ゲームの操作性の変化等を、所定の情報に基づいて行うこと自体は公知の各種手法を用いて実現することができるところ、いずれの手法を用いて実現されてもよい。換言すると、何らかの条件を満たす場合にユーザにとって不利な効果を発生させること自体は、公知のゲームにおいても行われており、不利な環境への制御は、このような不利な効果を発生させる制御と同様の手法により実現することができる。
【0137】
なお、以上のように、本実施形態においては、ゲーム制御部212は、現実世界におけるユーザを取り巻く状況が所定の条件を満たす場合に、ゲームのプレイ環境を変化させるが、このようなプレイ環境の変化は、プレイ環境をユーザにとって不利な環境に制御するものでなくてもよい。換言すると、本実施形態における「不利な環境への制御」とは、「プレイ環境を変化させる制御」と読み替えることができる。例えば、本実施形態においては、所定の条件を満たす場合に、ゲームの操作性を変化させる制御として、ゲームの操作性を悪化させる制御を行い得るが、所定の条件を満たす場合に、ゲームの操作性を向上させる制御等を行うこととしてもよい。すなわち、例えば、現実情報の示すユーザを取り巻く状況が、ユーザの移動に適さない条件を満たす場合に、操作性を悪化させることによりユーザのゲームプレイを抑制するのではなく、移動に適さない状況に適した操作を可能とするように操作性を変化させてもよい。例えば、ユーザの移動に適さない条件を満たす場合に、所定の事象を発生させるのに必要なユーザの操作を、簡易なものに変化させるなどしてもよい。このような構成によっても、現実世界の状況に適したゲームプレイを可能とすることができる。
【0138】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。本実施形態の構成は、仮想空間と現実世界とを連携させるゲーム、例えば、本実施形態において説明した位置情報ゲームや、現実世界を撮影した撮影画像を利用するゲーム等に適用されてもよい。現実世界を撮影した撮影画像を利用するゲームには、例えば、仮想オブジェクト(例えば、プレイヤキャラクタ等の仮想空間のオブジェクト)を現実世界の撮影画像に重畳させた重畳画像が表示可能なゲーム(換言すると、拡張現実を利用するゲーム)や、現実世界の撮影画像が仮想空間に所定の影響をもたらすゲーム(例えば、撮影画像に基づいて仮想空間のオブジェクトのパラメータを変化させたり、仮想空間のオブジェクトの形を変形させたりするゲーム)等に適用されてもよい。換言すると、端末装置10の制御部110は、端末装置10に内蔵されたカメラ等の所定のカメラで撮影される撮影画像を取得したり、当該撮影画像に仮想オブジェクトを重畳させた重畳画像を生成したりすることが可能であってもよい。また、本実施形態の構成は、仮想空間と現実世界とを連携させるゲーム以外のゲームに適用されてもよい。換言すると、本実施形態の構成は、ユーザの現実世界における位置を示す位置情報を利用したゲーム以外のゲームに適用されてもよい。また、本実施形態の構成は、ゲーム以外のサービス(換言すると、アプリケーション)に適用されてもよい。
【0139】
本発明はその発明の範囲内において、各構成要素の自由な組み合わせ、任意の構成要素の変形、任意の構成要素の置換、任意の構成要素の省略、または他の構成要素の追加等が可能である。また、本明細書において説明した処理の流れはあくまで一例であり、各処理の順序や構成は異なるものであってもよい。また、本明細書において説明した処理の中には存在しないものがあってもよい。換言すると、処理の流れや具体的な判定処理等は本明細書に例示したものと異なっていてもよい。
【0140】
<付記>
本実施形態の構成は、例えば、ユーザの置かれた状況に応じたプレイ体験の提供に用いられてもよい。以上の実施形態で説明した事項は、以下の付記のようにも記載され得る。
【0141】
(付記1)
コンピュータを、
現実世界におけるユーザを取り巻く状況が所定の条件を満たす場合に、前記所定の条件を満たさない場合に比べて、ゲームのプレイ環境を前記ユーザにとって不利な環境に制御する制御手段(例えば、ゲーム制御部212)として機能させる
プログラム。
このような構成によれば、現実世界におけるユーザを取り巻く状況が所定の条件を満たす場合に、ゲームのプレイ環境を当該ユーザにとって不利な環境に制御できるので、当該所定の条件を満たす状況におけるゲームプレイを抑制することができる。
【0142】
(付記2)
前記制御手段は、前記ユーザを取り巻く状況が、前記ユーザの移動に適さない条件を満たす場合に、当該条件を満たさない場合に比べて、ゲームのプレイ環境を前記ユーザにとって不利な環境に制御する
付記1に記載のプログラム。
このような構成によれば、現実世界におけるユーザを取り巻く状況が当該ユーザの移動に適さない条件を満たす場合に、ゲームのプレイ環境を当該ユーザにとって不利な環境に制御できるので、移動に適さない状況におけるゲームプレイを抑制することができる。
【0143】
(付記3)
前記制御手段は、気象条件が前記ユーザの移動に適さないものである場合に、気象条件が前記ユーザの移動に適したものである場合に比べて、ゲームのプレイ環境を前記ユーザにとって不利な環境に制御する
付記1に記載のプログラム。
このような構成によれば、気象条件に応じてゲームのプレイ環境を当該ユーザにとって不利な環境に制御できるので、移動に適さない気象状況におけるゲームプレイを抑制することができる。
【0144】
(付記4)
前記制御手段は、前記ユーザが現実世界において位置している場所の地形が前記ユーザの移動に適さないものである場合に、地形が前記ユーザの移動に適したものである場合に比べて、ゲームのプレイ環境を前記ユーザにとって不利な環境に制御する
付記1に記載のプログラム。
このような構成によれば、ユーザが移動に適さない地形環境にいる場合についてゲームのプレイ環境を当該ユーザにとって不利な環境に制御できるので、移動に適さない地形環境におけるゲームプレイを抑制することができる。
【0145】
(付記5)
前記制御手段は、前記ユーザを取り巻く状況としての現在の時間帯が特定の時間帯である場合に、当該特定の時間帯でない場合に比べて、ゲームのプレイ環境を前記ユーザにとって不利な環境に制御する
付記1に記載のプログラム。
このような構成によれば、現在の時間帯が特定の時間帯である場合に、ゲームのプレイ環境をユーザにとって不利な環境に制御できるので、特定の時間帯におけるゲームプレイを抑制することができる。
【0146】
(付記6)
前記制御手段は、前記ユーザを取り巻く状況が、前記ユーザの移動に係る危険度が第1の状況よりも高い第2の状況である場合に、前記第1の状況である場合に比べて、ゲームのプレイ環境を前記ユーザにとって不利な環境に制御する
付記1に記載のプログラム。
このような構成によれば、危険度が高い状況において、ゲームのプレイ環境をユーザにとって不利な環境に制御できるので、危険な状況におけるゲームプレイを抑制することができる。
【0147】
(付記7)
前記制御手段は、前記ユーザの属性に応じて、前記所定の条件を変化させる
付記1に記載のプログラム。
このような構成によれば、プレイ環境を不利な環境に制御する条件をユーザの属性に応じて変化させることができるので、ゲームプレイに不適な状況か否かをユーザの属性に応じて判断し、ゲームプレイに不適な状況におけるゲームプレイを抑制することができる。
【0148】
(付記8)
前記制御手段は、前記ユーザの行動履歴に応じて、前記所定の条件を変化させる
付記1に記載のプログラム。
このような構成によれば、プレイ環境を不利な環境に制御する条件をユーザの行動履歴に応じて変化させることができるので、ゲームプレイに不適な状況か否かをユーザの行動履歴に応じて判断し、ゲームプレイに不適な状況におけるゲームプレイを抑制することができる。
【0149】
(付記9)
前記制御手段は、前記ユーザと共にプレイをしている他のユーザの属性または人数の少なくともいずれかに応じて、前記所定の条件を変化させる
付記1に記載のプログラム。
このような構成によれば、プレイ環境を不利な環境に制御する条件をユーザと共にプレイをしている他のユーザの属性や人数に応じて変化させることができるので、ゲームプレイに不適な状況か否かを共にプレイをしている他のユーザの属性や人数に応じて判断し、ゲームプレイに不適な状況におけるゲームプレイを抑制することができる。
【0150】
(付記10)
コンピュータを、
前記ユーザを取り巻く状況が、前記所定の条件を満たす状態から、前記所定の条件を満たさない状態に変化したことに基づいて、前記ユーザにとって有利な効果を発生させる効果発生手段(例えば、ゲーム制御部212)として機能させる
付記1に記載のプログラム。
このような構成によれば、プレイ環境を不利な環境に制御する条件を満たさない状況になったことに基づいて有利な効果を発生させることができるので、ゲームプレイに適した状況におけるゲームプレイを促すことができる。
【0151】
(付記11)
コンピュータを、
現実世界におけるユーザを取り巻く状況に応じて、ゲームの操作性を変化させる操作性制御手段(例えば、ゲーム制御部212)と、として機能させる
プログラム。
このような構成によれば、現実世界の状況に応じて操作性を変化させ、現実世界の状況に応じたゲームプレイを可能とすることができる。
【0152】
なお、上述のプログラムで構成した課題解決手段は、適宜、装置、システム、方法、媒体等に転用することができる。
【符号の説明】
【0153】
1 情報処理システム、10 端末装置、11 プロセッサ、12 メモリ、13 ストレージ、14 通信IF、15 入出力IF、17 入力部、18 表示部、20 サーバ、21 プロセッサ、22 メモリ、23 ストレージ、24 通信IF、25 入出力IF、110 制御部、111 操作受付部、112 送受信部、113 ゲーム制御部、114 表示制御部、116 位置情報取得部、120 記憶部、210 制御部、211 送受信部、212 ゲーム制御部、213 現実情報取得部、220 記憶部
【要約】
【課題】ゲームのプレイに適さない状況におけるプレイを抑制可能とする。
【解決手段】プログラムは、コンピュータを、現実世界におけるユーザを取り巻く状況が所定の条件を満たす場合に、所定の条件を満たさない場合に比べて、ゲームのプレイ環境をユーザにとって不利な環境に制御する制御手段として機能させる。
【選択図】
図3